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( ゚∀゚)ジョルジュはスタンド使いのようです。

19 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:08:39 ID:lYpVEdIM0
  _
(;゚∀゚)「あんたが、この人を殴ったのかよ!?」

<ヽ`∀´>「……知らないニダ」
  _
(;゚∀゚)「嘘をつけ! だってこんなにいっぱい血が……」

<ヽ`∀´>「ウリは何もやってないニダ」
  _
(;゚∀゚)「何を言っ……」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

<ヽ`∀´>「もしウリが『殴った』なら、返り血ぐらい付いているはずニダ?」



そう、その通り。
青年の衣服は、まったくもって乱れてもいない。
簡素な服装だけれど、それでも彼の姿は何も変化はない。

そのままコンビニに入っても違和感などない、いたって普通な恰好。

20 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:11:49 ID:lYpVEdIM0
  _
(;゚∀゚)(でも……おかしいだろ)

地面に、横たわる男性の血が飛沫している。
点々と描いた赤黒い液体は、間違いなく強面の男性に向かって伸びているはずなのだ。

けれど、それが途中で途切れている。


何より、そもそも。


  _
(;゚∀゚)(影は『二つ』あった。こいつじゃないなら、そっちが犯人のはず)

  _
(;゚∀゚)(オレが駆けつけるまでに逃げる時間はなかった。
      大体、それなら後姿ぐらい見えるだろう)

  _
(;゚∀゚)(でもオレは『何も確認してない』……!)

21 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:15:41 ID:lYpVEdIM0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

  _
(;゚∀゚)「お前……まさか……」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


<ヽ`∀´>「……ふん」


<ヽ`∀´>「よくわからんけど、見られたからにはタダじゃおかないニダ。
      下手に言いふらされても困るニダ……」

22 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:20:21 ID:lYpVEdIM0
ゴゴゴゴゴゴゴ


<ヽ`∀´>

<ヽ`∀´>) ズ……

<ヽ`∀´>´) ズズ……

<ヽ`∀´>ハ´) ズズズ……!


<ヽ`∀´> `ハ´) バァーーーz
                   ーーーン!

  _
(;゚∀゚)「!?」

23 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:23:08 ID:lYpVEdIM0
<ヽ`∀´> `ハ´)「いくニダ、『チープ』!!」


突如、青年の身体から別の青年……いや、『人間に似た何か』が現れた。

腕があり、足があり、身体があり、頭もある。
けれど、肌の色が灰色で目もどこか虚ろ。
着ている服も、青年とは全く異なる民族衣装だった。

その『何か』は青年が叫ぶと同時に動き出す。
拳をふりあげて、ジョルジュに向かって鋭いパンチを繰り出したのだ。

  _
(;゚∀゚)「うおっ!?」

それを間一髪でジョルジュはかわす。
まるでボクサーのような速度の一撃だったけれど、それを上回るスピードで彼は回避したのだ。

<ヽ`∀´> `ハ´)「あん?」

24 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:26:04 ID:lYpVEdIM0
  _
(;゚∀゚)「あっぶねー」

<ヽ`∀´> `ハ´)「……お前……今、『避けた』ニダ?」
  _
( ゚∀゚)「……」

<ヽ`∀´> `ハ´)「おかしいニダ。普通の人間なら、そもそも『見ること』さえ出来ないニダ」


<ヽ`∀´> `ハ´)「つまり……お前……お前も……」


<ヽ`∀´> `ハ´)「『スタンド使い』ニダ!?」

  _
(  ∀ ) ゴゴゴゴゴゴ


<ヽ`∀´> `ハ´)「……答える気はなくても、これならどうニダ!?」


そういうと青年はジョルジュに接近した。

先ほどの威嚇の攻撃とは違う、傷害を目的した圧倒的な拳のラッシュ!
常人程度の見た目の彼とは思えないほど、正確で高速のパンチがジョルジュを襲う!!

25名も無きAAのようです:2013/04/30(火) 17:28:19 ID:5PrCVssY0
支援だあああ!!

26 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:29:01 ID:lYpVEdIM0



       バババババババ!!!!

         三つ     _
三<ヽ`∀´> `ハ´)三つ( ∀ ゚ )::)
         三つ
         



  ! ?              
                    _
<;`∀´> `ハ´)川       ( ∀  )  パッ!
       ⊂彡
        ブンッ!

27 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:32:21 ID:lYpVEdIM0
驚愕する。
今まで目の前にいたジョルジュが、突如として距離をおいたから。

跳躍のため屈伸するような動きも、指先一つすら駆使しているようにはまったく見えなかった。

青年も、だからこそ攻撃がヒットすると思っていた。
逃げる動作もなく、単に怖気づいて直立してしまったのだと。そう確信していた。

けれど、違う。違うのだ。

ジョルジュは、それを『動いてまで避ける必要はない』と判断したから、何もしなかっただけ。




<;`∀´> `ハ´)「お……お前……!」

  _
( ゚∀゚)「どした? かかってこいよ」



<;`∀´> `ハ´)「お前の……」


<;`Д´> `ハ´)「お前の『スタンド』を見せるニダァアアア!!!」

28 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:35:38 ID:lYpVEdIM0
  _
(  ∀ )「しゃーねーなぁ」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

  _
( ゚∀゚)


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

  _
( ゚∀゚)三・∀・)  ドキューン!

  
  _
( ゚∀゚) ・∀・)  バァーーーーz
                   ーーーン !!

29 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:37:37 ID:lYpVEdIM0
<ヽ`∀´> `ハ´)「そいつがお前の『スタンド』……」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「ああ。これがオレの『スタンド』……『キャッチ・ザ・ハンド』だ」

ジョルジュと同じような体型だが、非常に筋肉質。
それでいて、やはり不思議な鎧のような衣服をまとった『影』がジョルジュにも現れた。

<ヽ`∀´> `ハ´)「……ふん、ウリの『チープ』と比べれば、てんで弱そうニダ」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「そうか。まあ、どう思おうと勝手だけどよ」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ
  _
(  ∀ ) ・∀・)「その前に、一つ聞きたいことがある」

<ヽ`∀´> `ハ´)「なにニダ?」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「お前はどうして、そこの人を殴っていた?
          しかも、この『スタンド』を使ってまでして!」

<ヽ`∀´> `ハ´)「ウェーハッハ! そんなの当然ニダ」

<ヽ`∀´> `ハ´)「こいつが、『ウリの肩にぶつかったから』ニダ!」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「……は?」

30 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:40:21 ID:lYpVEdIM0
<ヽ`∀´> `ハ´)「別に、それは『どうでもいい』ニダ。
          けど、その後に謝罪と賠償を請求したニダ」

<ヽ`∀´> `ハ´)「そしたらコイツ、謝りこそすれど、金を出さなかったニダ」


<ヽ`∀´> `ハ´)「ウリが、『呟影団』の一員、『ニダー』様であると言ってもニダ!」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「!」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「お前……呟影団なのか!」

<ヽ`∀´> `ハ´)「ホルホルwwwどうだ、ビビったニダ!?」

  _
(  ∀ ) ・∀・)「そうか……お前そのものだって、やっぱり『悪』なんだな」

<ヽ`∀´> `ハ´)「あ?」

31 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:43:33 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「オレよ、昔からヒーローに憧れててさ。人助けが趣味みたいなもんなんだ」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「それに理由はないし、そうしたいから、そうしているだけ」

  _
(  ∀ ) ・∀・)「だからよ、やっぱ思っちまうんだよなー」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「オレと対極の存在である『呟影団』の人間は、許しがたい『悪』だってな!」


<ヽ`∀´> `ハ´)「…………お前も、呟影団に恐怖は感じないニダ?」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「恐怖はするさ。おっかねー集団だってな」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「けど! それを覆す『正義』がオレにはある!
          だから、倒させてもらうぜ! お前の『スタンド』!!」

<#`Д´> `ハ´)「アイゴー!! どいつもこいつも生意気ニダ!! 許さんニダ!!!」

ニダーはそう叫びながら、ジョルジュとの距離を再び詰める!

32 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:46:46 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「お前のスタンド……『近距離型』みてーだな」

<#`Д´> `ハ´)「だから何ニダ!!」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「まあ別に何でもないんだけどよ。
          どーやら、純粋な殴打しか攻撃の術がないようだが?」

<#`Д´> `ハ´)「大きなお世話ニダ! くらえ!」


ニダーは『チープ』のラッシュを再び放つ。
ジョルジュに指摘された通り、彼は特別な能力を持たない。

正しくは、それを開花させる練度を持っていない。

図星を指され、感情のままにニダーは飛びかかる。
スタンドの、人を超える脚力を利用してのジャンプだ。

速さも高さも、常人以上!
落下速度を利用しての、彼にとって必殺の攻撃をジョルジュは

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「へっ」


鼻で笑って見上げていた。

33 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:49:47 ID:lYpVEdIM0
背後に浮かぶスタンド、『キャッチ・ザ・ハンド』がゆらりと前に出る。

そして左手を開いた。
無機質な手のひらには何もない。
けれど、スタンドは大きな力に負けないように、しっかりと右手で押さえている。
まるで、暴れ馬をしつけるように!
  _
( ゚∀゚) ・∀・)つ ググッ

<;`Д´> `ハ´)「!?」

途端にニダーの動きが加速した。
しかし、彼の意図するものではない。
跳躍後の落下スピードを上げることなんて、スタンド使いとはいえど無能な彼には出来ない。

だのに、落ちる。落ちていく。引っ張られるように、ぐんぐん地面が迫る!
重心が崩れ、頭部が下に向く。もはや攻撃どころではない。着地できるかどうかが問題なほど。


<;`∀´> `ハ´)(あれ……『引っ張られるように』……!?)

34 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:52:53 ID:lYpVEdIM0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

  _
( ゚∀゚) ・∀・)つ「気づいたかよ。『キャッチ・ザ・ハンド』の『能力』に!」


<;`∀´> `ハ´)「ま、まさかそれは……」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)つ「そう! オレのスタンドは『左手』に対象を『吸い寄せる能力』!
            んでもって! おめーみたいに油断して、バランスを崩した奴をこうやって寄せてよぉ!
            オレの、オレだけの最善の距離を保ち! ボッコボコにすんのが、得意なのさぁ!!」

<;`Д´> `ハ´)「や、やめるニダ! 痛いのは……」


<ヽ;Д;> `ハ´)「痛いのは嫌ニダァアアアア!!!」

  _
( -∀゚) ・∀・)つ「やーだね!」


 _
( ゚∀゚) 三( ・∀・) ズァッ!

35 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:56:11 ID:lYpVEdIM0


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

    
   =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
    =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ;:)ハ´).,,';
(# ・∀・)  =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ;:)Д´>.,,';
    =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ アイゴー!
   =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

『モラモラモラモラモラモモラモララモラモラァアッッ!!!!!』

36 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:59:05 ID:lYpVEdIM0
ニダーのスタンド『チープ』が自動車ほどのスピードを出すとするならば!
ジョルジュのスタンド『キャッチ・ザ・ハンド』のスピードは、音速戦闘機!
目にも留まらぬ超速の、拳による強烈なラッシュがニダーを、『チープ』を、もろともブチ飛ばす!

<::;:)Д(:;>「お……お前……は……やってること……ウリと……同じ……」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「……まー、そうかもしれねえよ。
          でも、スタンドは証拠も残らないし、犯人像だって見えてこねえ。
          だからこうやって、『見えて、知っている』オレが『悪』を裁くのは
          なぁんにもおかしいことじゃあねえだろ?
         『悪いこと』をする奴は『悪いこと』をされる覚悟があるもんだろーが」


<::;:)Д(:;>「うぅ……むちゃくちゃニダ……
       こ、こうなったら、モ……モナーさんに……言いつけてやる……ニダ……」

  _
( ゚∀゚) ・∀・)「ほー。よくわからんが、それがお前の先輩かい」

<::;:)Д(:;>「そう……ニダ……呟影団……幹部である『七天柱(しちてんちゅう)』の一人……モナーさんニダ」
  _
( ゚∀゚) ・∀・)「そーかい。名前から察するに、七人も幹部ってのがいるんだな?」

<::;:)Д(:;>「お……お前……まさか……」

37 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 18:01:06 ID:lYpVEdIM0
  _
( -∀-) ・∀・)「いつかは、絶対どっかでしっぽを掴んでやろうとは思ってたのよ。
           オレの大好きなこの町で、オレの大嫌いな悪が蔓延っている。
           どーしても、許せねえ。許しちゃならねえ。だからよぉー」




  バ 
   ァ 
  _  \
( ゚∀゚) ・∀・)「いくらでも、売り買いしてやるぜ!!
       \『呟影団』さんとの『喧嘩』をよォッッ!!」
      \
          ン
            !
             


<::;:)Д(:;>(ゲェー!
      こいつ大馬鹿ニダ……呟影団がどんな集団かもロクに知らねーみたいニダ……。
      まあどうせ痛い目見るのはコイツだから、適当にあしらうニダ)



  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

38 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 18:02:50 ID:lYpVEdIM0
色々ずれているのは、脳内で保管してくださるとありがたいです。

今更ですが、諸注意です。

・ジョジョのスタンドは出てきません
・ジョジョのストーリーは関係ありません
・スタンドの設定は原作を踏襲してます


以上です。
ゆっくりになるかもですが、じっくりやっていこうと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

39名も無きAAのようです:2013/04/30(火) 18:09:48 ID:9VuEabdk0


40名も無きAAのようです:2013/04/30(火) 18:53:04 ID:XG2Cvxto0
面白そう


41名も無きAAのようです:2013/04/30(火) 19:47:21 ID:eTHaPZrg0


42名も無きAAのようです:2013/05/01(水) 11:45:06 ID:yLYVahpk0
乙期待

43 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:16:57 ID:WRtY/ewc0



     第二話「ハイウェイ・ピストルズ ①」

44 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:17:55 ID:WRtY/ewc0
  _
( ゚∀゚)「おーっす、つー」

(;*゚∀゚)「!!」

次の日の朝だった。
いつものように登校し、目の前に友達の姿を見かけたのでジョルジュは声をかける。
だが、その友人は酷く怯えたような顔をして、教室の方へ走り去ってしまった。
  _
( ゚∀゚)「……? どうしたんだ、あいつ?」

いつもではありえない、いつもらしくない態度。
その謎は、校舎に入り昇降口で靴を履きかえる、という段階に入るまでに解けた。


「あいつが、呟影団にケンカ売った奴か?」

「うわー、命知らずだねー」

「どうなっても知らねーぞ」

「関わるのはよしておこうぜ。こっちが目をつけられちまう」

「ああ、そうしよう」

45 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:19:32 ID:WRtY/ewc0
口々に聞こえてくる、ひそひそとした会話。
それだけで、決して頭の悪くないジョルジュは理解する。


昨日の夜、尋問した呟影団の一員、ニダーが漏らしたのだろう。

次の日の朝には、もう自分の顔が割れていて、更に危険人物として知れ渡っているとは。

  _
( ゚∀゚)(呟影団の情報力、あんまり甘く見ないほうが良さそうだな)


とはいえ、彼は気落ちすることはなかった。
喧嘩を売った以上は、いずれこうなることはわかっていたから。

予想を大きく超える早さなのには驚いたが、覚悟は既にできている。


いつか呟影団を叩き潰した後に、笑顔が戻ればそれでいいのだ。
孤独なヒーローだって、悪いことではない。


逆に言えば、無用な危険を一般人にさらすことを意図せずに避けられるのだ。

46 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:22:16 ID:WRtY/ewc0
  _
( ゚∀゚)(恐ろしいことに、呟影団の人員は全員が全員『スタンド使い』って言ってたしな。
     普通の人が、巻き込まれたら流石にマズイからちょうどいいさ)

一人さびしくジョルジュは教室に入り

まるでいじめられているかのように、わざと前後左右の間隔があけられた机に鞄を置いた。





――――。


昼休み。

  _
( -∀-)「さーて」 ガタッ!

(*゚∀゚)「!」

(;* ∀ ) サッ


ジョルジュが席を立つと、つーはどこかへ逃げるように去っていった。

47 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:24:29 ID:WRtY/ewc0
  _
( ゚∀゚)(……ま、辛いのはわかってたことだしな)

ため息をついて、少し寂しげな背中でジョルジュは教室を出ていく。
手に持った、今朝コンビニで買ったおにぎりやパンの袋を携えて。

  _
( ゚∀゚)(迷惑にならねー場所にしておくか)


第二チャンネル高校には、サッカーや野球、陸上競技などが出来るメイングラウンドが広がっている。
そこの脇にある坂を下った場所には、テニス部やハンドボール部が使う小さなサブグラウンドが設置されていた。

休みの日などは別だが、平日の休み時間だと、そこは校舎からは陰にもなって人目がつかない。
もちろん、人気もない。一人になるには、絶好の場所だ。

メイングラウンドで、昼食後に練習に励んでいる陸上部を横目にジョルジュは歩く。
斜面を下り、適当な木陰を探してジョルジュは座った。

季節はまだ蝉も鳴かない春の候。
やきそばパンを咀嚼し、ペットボトルのお茶で流し込む。

心地よい風にまぎれ、たんぽぽの胞子が舞っていた。
ようやく寒さから解放された虫たちも、元気に空を散歩している。

のどか。

その一言で完結できる、ゆったりとした時間。

48 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:27:28 ID:WRtY/ewc0
  _
( ゚∀゚)(これで、一人じゃなけりゃ良いんだけどな。ま、贅沢か)

おにぎりの袋を開けて、口に入れる。

ゆっくりと噛んで、喉に通す。
これで食事はおしまいだ。もともと、あまり食べる方でもないのでこれで十分。

最後にお茶をまた嚥下し、満足げにジョルジュは息を吐いた。

遠くの高所にある、校舎時計を確認する。
昼休みはまだまだ長い。

  _
( ゚∀゚)(することねーし、ちょっと昼寝でもすっかなー)

大きく伸びをした。
それから、目の前に飛んできた虫とおぼしきものを確認する。

遅くはないが、かなりのスピードだった。
蜂ではなさそうなので、手持ちのペットボトルで叩き落とそう。

そう思って、ペチンと空ボトルを振り下ろした。

49 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:29:52 ID:WRtY/ewc0
  _
( ゚∀゚)「……?」


感覚はあった。
確かに当たった。

でも、それは叩き落とした感触ではなかった。

違和感を覚え、手のペットボトルを見る。

底に残っていたお茶が漏れていた。
もちろんだが、蓋は閉めてある。
先ほどまで、不自由なくお茶を貯めていたのだ。不良品だったわけでもない。

なのに、お茶が流れ出ている。量は少ないけれど、それは明らかなる『異常』!

50 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:32:36 ID:WRtY/ewc0
 _
(;゚∀゚)「なっ!?」

気づいた時には遅かった。

綺麗な円を描いて、『穴』が空いたボトル。
それを確認する前に動くべきだった。

飛んできた虫のような何かが、ジョルジュの右太ももにめり込む。
 _
(;゚∀゚)「ぐああ!?」

皮膚を破り、固い筋肉で留まると、冷たい異物はまるで霧のように雲散する。

  _
(;-∀゚)「な……んだ!?」

流血した腿を押さえて、ジョルジュは声をあげる。
しかり周りの風景に変化はない。
人の気配だってしない。

51 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:35:19 ID:WRtY/ewc0
けれど、わかる。
彼は、生まれながらの『スタンド使い』

稀な存在ではあるけれど、他の使用者と、出会ったことがないわけじゃない。

生きていくうえで、何度か経験したことのあるこの感覚。


 _
(;゚∀゚)(スタンド攻撃を受けている……!!)



力が入りにくい足庇いながら、周囲をしっかりと見渡す。
風のざわめきを、木の影を、何かが居ないか探し続ける。
 _
(;゚∀゚)(……どうせ、面は割れているんだろうし。隠す必要もないよな)

52 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:37:33 ID:WRtY/ewc0
  _
( ゚∀゚)三・∀・) ドキューーン!

ジョルジュはスタンド『キャッチ・ザ・ハンド』を呼び出す。
意識の共有が出来るスタンドだから、周りを見るならこちらの方が有利。

元々高い動体視力などが強化されるから。
また2程度ならば自分から離れられる。もちろん、上空にだって。

      つ     ⊂
   キョロ (・∀・ 三 ・∀・) キョロ
 _
(;゚∀゚) (そもそも打ち込まれたアレはなんだったんだ……?
      やけに光を反射していたから、虫かと思ったんだが……
      でも、このペットボトルを見るに、虫じゃあない。
      こんな組織も破壊せず、綺麗に円形に抉るなんて、出来るはずもない)

手元に残った証拠と、足を貫いた跡を見る。
制服のズボンは、同様な形で穴が開き、そこからは血が流れている。
大事な血管の多い太ももだ。出血量を見るに、もしかしたら傷がついている可能性もある。

その前に、なんとかしなくては……。

53 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:39:29 ID:WRtY/ewc0

           ⊂
        ( ・∀・) ! 
 _
(;゚∀゚)「ん?」          ⊂三)


          ⊂     
       ( ・∀・)
 _
(;゚∀゚)       ⊂三)


       つ
       (・∀・ )
 _
(;゚∀゚) て ⊂三)



「これだキャッチ・ザ・ハンド! 『吸い寄せろ』!!」

       (・∀・⊂)
 _
(;゚∀゚) ⊂三)

54 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:41:26 ID:WRtY/ewc0
左手をキャッチ・ザ・ハンドが開く。
そこへ吸い寄せられるように、見えた『弾丸』が飛んで行った。
  _
(;゚∀゚)「そのまま、ぶち壊すぜ!」





┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
    
   =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
    =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
(# ・∀・) =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
    =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
   =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ

『モラモラモラモラモラモラァッ!!!』

55 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:43:41 ID:WRtY/ewc0
渾身のラッシュだった。
キャッチ・ザ・ハンドは、スピードこそ凄まじいものがあるが
破壊力に関しては、先日戦ったニダーの『チープ』ほどもない。
故に、速さを活かした手数で攻める戦法を取る。


しかし、それでも。

 _
(;゚∀゚)「!?」


( ・∀・)   ⊂三) 〜
         ユラァ
 _
(;゚∀゚)「なっ……オレのラッシュを躱したのか!?」

そして確認し、確信した。
一度は、キャッチ・ザ・ハンドに引き寄せられた弾丸は、再び軌道を変えてジョルジュへと迫っている!
 _
(;゚∀゚)「自動追尾型か!」

56 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:46:23 ID:WRtY/ewc0
スタンドには、様々なタイプが存在する。

ニダーやジョルジュのような、接近戦を主に得意とする近距離パワー型
遠方でも力が衰えにくい、遠距離操作型。
自身に装着できるものや、実態を持たない形も存在する。

今回の、『銃弾が常にジョルジュを付け狙う』のは自動追尾型だ。
基本的に何か条件があるが
それさえ達成すればよっぽどのこと――上回るパワーで破壊されるか、使用者が行動不能になる――がない限り
絶対に、遂行するまで追い続ける。

 _
(;゚∀゚)(理由はわからんが、既に『条件』は達成されているみたいだ
     つーことは、とにかくスタンド使いの『本体』を探さないと
     どっちみち、二撃目をくらっちまう!)

ジョルジュは駆けだす。
血の出る足をかばいながらも、懸命に!

                 _
  Σ= (三⊃       (;゚∀゚) ・∀・)
   ズギュー!

当然のように、軌道を変えて銃弾は迫ってくる。

57 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:49:01 ID:WRtY/ewc0
銃弾にしては非常にすっとろい速度ではあるが、追いかけるには十二分のステータス。
特に足を負傷したジョルジュ程度では、切り返しで引き離した距離なんて、大した意味をなさない。
 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ 『キャッチ・ザ・ハンド!』

スタンドの左手を開いた。
ジョルジュの視界に映る物を、強制的に吸い寄せる特殊能力。

幼い頃から、常に共にある能力だからこそ、彼は応用法も心得ている。

『吸い寄せる』以外にも、これは『吸い付く』ことだって可能なのだ。

      _
(三⊃ (;゚∀゚) ・∀・)つ三=─
          ズォア!


                        _
 (三⊃          ─==三三三(;゚∀゚) ・∀・)つ ギュン!

58 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:52:34 ID:WRtY/ewc0
これを繰り返し、普段の移動速度の倍以上で距離を稼ぐ。
直線軌道しか描けないこと、吸い付きの後に何か異物を入れられると回避が困難なこと
それらを除けば、彼にとってかなり優位な移動法である。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(距離が離せている……これなら、なんとかなるな)
        ズォア!

移動しながら、ジョルジュは考える。


何故、急に攻撃を受けたのか。
どういう『条件』によるものか。
『本体』はどこなのか。

  _     ズォア!
(;-∀゚) ・∀・)つ(ごちゃごちゃ考えるとかえって混乱する。
            まずは一個一個『納得』の上で、推理していこう)


まず、どうして攻撃を受けたのか。

十中八九、ニダーのせいだ。
いわゆる報復行動だろう。

59 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:55:27 ID:WRtY/ewc0
昨日、呟影団の実態を話してもらえるだけ話させた。
拷問というほどでもなく、単に聞き出せることを尋ねただけ。

曰く、呟影団はスタンド使いのみの集団なこと。
七人の幹部、『七天柱』がいること。
その上に立つ、誰よりも強い『ボス』がいること。

連絡後、七天柱の一人『モナー』が動くはずであろう、ということ。

それだけだ。

 _     ズォア!
(;゚∀゚) ・∀・)つ(……ということは、これはきっと……『モナー』による攻撃!)


どんな奴かはしらないが、考えられる結論はそれだけ。

では次、どういう『条件』でスタンド攻撃が行われたか。

既にジョルジュは、校舎まで戻ってきていた。
しかし、後ろを見ると遠くにまだ銃弾は存在している。
居場所は関係ない、やはり『自分』を狙って飛んできているのだ。

60 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 18:58:05 ID:WRtY/ewc0
距離も稼いでいるし、ここでキャッチ・ザ・ハンドの移動法を使うと流石に不振がられる。
スタンドは出しっぱなしだが、ジョルジュは自分の足を使って校舎内を走る。

途中、学ランの内側に入れておいたハンカチで止血だけはしておいた。
血が滴ることもないから、怪しくないはず。
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(オレを狙うののは、そういうものだとまずは『納得』だ。
         問題は『どうして、今起こったのか』だろうな)

昼休みに入るまで、攻撃はなかった。
周りの目は、別の意味で気になったけれど……特に、怪しい感じはしてない。

ということは、攻撃の発生……いや、『条件の達成』自体は、この休み時間で行われたもの。

つまり、『実際の接触』による条件ではない。
遠隔からでも、確実に達成可能な条件。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……弾丸、ってことは多分『銃』のスタンドだ。
          つーことは、多分……狙撃したんだろう)

狙撃からの自動追尾。
そう仮定するなら、一体どこからどうやって?

61 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 19:00:37 ID:WRtY/ewc0
  _
(;-∀-)・∀・ )(弾丸のスピードを考慮するなら、昼休み開始時に撃たれたわけがない。
        オレが飯を食い終わった前後のはず。
        けど、周りの気配は特になかった。近くじゃない)

少しずつ少しずつ

散らばったパズルを、頭の中で当てはめていく。
頭の回転の良さは、彼の強力な武器の一つだ。
キャッチ・ザ・ハンドの、攻撃力の低さを補うのも彼の作戦力。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(オレが見える箇所……といえば)

こちらから見えないけれど、相手からは確認できる位置。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(高いところ……)



そう、その場所はこの第二チャンネル高校には一つしかない。

62 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 19:02:33 ID:WRtY/ewc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「屋上か!!」



一般的に、高校の屋上というのは危険性が高いので閉鎖されている。
第二チャンネル高校も、当然その例に当てはまる。

しかし、全くいけないわけではない。
扉自体は存在しているし、『スタンド使い』ならそれぐらい容易だ。

誰も寄りつかないから、狙撃を仕掛けるには、絶好の場所。
それしかない。

階段を駆け上がり、ひたすら真っ直ぐ目的地を目指す。

4階建ての校舎
その4階についた、唯一の昇り階段。屋上への道。

そこを進んだ先には、鎖で施錠された扉がある。

63 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 19:04:19 ID:WRtY/ewc0
いや、あるはずだった。


硬度以上の強さで破壊された南京錠とチェーンは、無残にも床に落ちている。

  _
(;゚∀゚) ・∀・)「ビンゴだな!」

警戒しながら、ジョルジュは扉を開ける。



( ´∀`)


そこには、来るのがわかっていたといわんばかりに
燦然とした立ち姿の、一人の男子生徒が居た。




  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

64おまけ ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 19:05:52 ID:WRtY/ewc0
『スタンド(幽波紋)能力とは』

・生まれつき備わっている、または物事を極めた者に発現する
 近しい人間の影響により発現する例も稀に存在する

・スタンド像は人それぞれ。

・スタンドは一人一体のみ

・スタンドはスタンド使いにしか見えない

・スタンドはスタンドでしか触れない

・スタンドのダメージは使用者に直接伝わる

・人知では再現できない特殊な能力を持っている

・扱える距離に限界がある

・スタンドは成長する

                       ――――以上

65 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 19:06:38 ID:WRtY/ewc0
二話おしまい
不定期になるのは確定的に明らかですが、頑張ります。

66名も無きAAのようです:2013/05/01(水) 19:24:07 ID:Me01xFmE0


67名も無きAAのようです:2013/05/01(水) 19:46:04 ID:TL.T4gi.0


68 ◆N91v81g8eE:2013/05/01(水) 19:47:19 ID:WRtY/ewc0
全く関係ない私事ですが、私のIDがWRYっぽいと感じました。惜しい。

69名も無きAAのようです:2013/05/01(水) 19:49:51 ID:TL.T4gi.0
ウリティって何だよ…

70名も無きAAのようです:2013/05/01(水) 20:47:21 ID:j6t288EQ0
キャッチ・ザ・ハンドがザ・ハンド、チープがチープ・トリック、ハイウェイ・ピストルズがセックス・ピストルズを踏襲してるんかね
追尾って意味ではハイウェイ・ピストルズはハイウェイ・スター的な要素もありそうだな

71名も無きAAのようです:2013/05/18(土) 00:04:34 ID:WC0.Ys8k0
>>70
キャッチザハンドはハンドとキャッチザレインボウ
じゃねーの?

72 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:34:43 ID:7DloOKRc0
第三話「ハイウェイ・ピストルズ ②」









( ´∀`):::「ふん、思っているよりは頭のまわる奴みたいモナ」

前に立つ男子生徒の制服は、第二チャンネル高校のものではなかった。
少し離れた郊外にある進学校のものである。
相当に勉強して、授業態度もよくないと入学できない有名な高校だ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「そんな人が……『呟影団』の幹部!?」

ジョルジュはつい立ち止まってしまったことに気付く。

( ´∀`)「推測とはいえ、モナが幹部であることを見抜くとは流石モナね。
      ……ま、ともかく居場所がバレたなら一旦こちらも」

73 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:36:28 ID:7DloOKRc0
後ろに迫っていた弾丸が消えた。
寸での所で、触れそうになったのを解除した理由はわからないが
ジョルジュは一息ついて、けれど身体とスタンドの力を緩めずに前を見る。

身長はそこまで高くない。筋肉隆々というわけでもなさそうだ。
ただ、細身の割にブレザーが着ぶくれしているように見えるのが、不思議さを覚える。


( ´∀`)「改めて。モナは呟影団、七天柱のモナーだモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……俺は」

( ´∀`)「あー。言わなくて良いモナ。
      第二チャンネル高等学校二年の長岡ジョルジュ、だモナ?」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(なんで知っている? まさか、あのニダーってヤツが調べたのか?)

( ´∀`)「ああそれと一応、ボスには殺すなって言われてるモナ。
      さっきの攻撃でお前を殺すことはできたけど、まあそうすると問題だからモナね」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「なに……?」

平然と、殺すという単語が出てきたことにも驚きだが
何よりも、こちらは何も知らない呟影団のボス、とやらが自分を知っている風なのが気にかかった。

74 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:38:54 ID:7DloOKRc0
( ´∀`)「……しかし、見るからに普通の『スタンド』モナね。ボスのと比べれば、てんで弱そうモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「んだと?」

( ´∀`)「先に言っておくモナ。
      今からちょいと身の上を話すけど、これからお前を『倒す』ことには変わらないモナ」

( ´∀`)「呟影団は、いわゆる悪の限りを尽くす集団モナ。
      スタンド、という通常の人には見えない、証拠も残らない特殊能力
      それを、まー悪用して好き勝手する集まりモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(虫唾が走るぜ)

( ´∀`)「とはいえ、無秩序な集団ではないモナ。
      チームだってあるし、ルールもあるモナ」

( ´∀`)「例えば、『スタンドバトルに負けた団員は、除名処分』とかモナね」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「え?」

( ´∀`)「スタンドに相性はあっても、強い弱いという概念はあまりないと思うモナ。
      けど、それでも。『負ける人』は団員としては、存在価値がないモナ。
      いざという時に、負ける奴に大任は負わせられないからモナね」

75 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:43:03 ID:7DloOKRc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「じゃ、じゃあ……もしかして」

( ´∀`)「そうモナ。お前が昨日、ボッコボコにしたニダーは既に除名してあるモナ。
      あいつはバカだから忘れてたみたいだけど、それは誰もが肝に銘じている絶対のルールモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」

( ´∀`)「ちなみに、除名されたところで報復はないモナ。
      まー、悪い事が今後一切できなくなるだけモナね。
      一応縄張りはあるから、手を出したら流石に容赦はしないモナ。
      秘密はあるにはあるけど、知っている奴が少ないから特に心配もなしモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……なんで、そんなことをわざわざオレに話す?
         ニダーから聞いた、ってんなら……
         お前たちにケンカ売ってることも知っているはずだよな?」

( ´∀`)=3「んなこと知らないモナ。モナは、ボスから『そう伝えておけ』って命令されただけモナ」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「その、ボスってのは誰なんだ!?」

( ´∀`)「それは話せないモナ。伝える内容に入ってないから」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「くっ……」

( ´∀`)「さ、こんなとこモナね。
      一応、だけど。やる気はあんまり起きないけど。
      なんのかんの言って、モナの部下がやられたわけモナ」

( ´∀`)「『やられたら、やり返す。』
      それも呟影団の立派な指針だからモナね」

76 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:46:19 ID:7DloOKRc0



( ´∀`)┏━「報復活動を再開するモナ!」
     ズァッ!


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ッ!!」

突如、モナーは『銃』を構えた。
指を引っかけるような手の形で突き出してきたかと思うと、そこには既に『リボルバー』がある!
黒い銃身、薄く長いバレル、全長30cmほどもありそうなソレを懐にしまうには大きすぎる。
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(あれが、あいつのスタンドか!)

人間型ではない、道具型のスタンド。
それが、呟影団幹部、『七天柱』の一人、モナーの操る……!


( ´∀`)┏━『ハイウェイ・ピストルズ!』

77 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:48:34 ID:7DloOKRc0
火薬の爆発する音が聞こえた。
同時に、ジョルジュのスタンドに映る視界が弾丸を捉える。

飛んできたのは、先ほどのような円錐状の弾丸が三発。
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「うおっ!?」

想像を絶した。
飛んできた銃弾のスピードは、目に移ったと同時に既に懐まで来ていたから。

今までとは違う。とてつもないスピードの攻撃を、キャッチ・ザ・ハンドはハッキリ見据える。

  _
(#゚∀゚) ・∀・)「なめんな!」

比較的硬い部位の、手の甲を使って弾丸を滑らせるようにいなす!
推進力と相まって飛んで行った三発は、空中で雲散した。

( ´∀`)┏━「ほう。中々素早いスピードを持つスタンドモナね」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」

( ´∀`)┏━「けど、モナのハイウェイ・ピストルズは銃そのものモナ。
          どこまでついてこられるモナ?」

78 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:51:34 ID:7DloOKRc0

再び銃声。
スタンドから生み出される音なので、ヴィジョンが見ることの出来ない人間には、聞こえすらしない。
だからこそ、彼は臆さず制さず、遺憾なく銃を撃ちまくる!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ちぃっ!」

今度は五発。冷静に、時間差で飛んでくるものを捉えて防いでいく。

1、2、3、4……5!

全てを弾き飛ばし、次の攻撃に備える。
隙を見極めて、反撃のチャンスをうかがうために!

( ´∀`)┏━「……」

その姿を見て、モナーはニヤリと笑う。
どういう意味だ、思う前にジョルジュは理解した。
  _
(;-∀゚) ・∀・)「うあっ!?」

怪我をしていない、健全だった左足の膝に弾痕が刻まれる。

油断していた。おろそかにしていた。

弾いた弾が、返ってきたのだ!
先ほどまでと違い空中で分解せずに、追尾するかのよう、ブーメランが如く帰還した
その銃弾は、足にめり込んで血肉を破ると流血を引き起こす。

79 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:53:20 ID:7DloOKRc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(弾いたところで追尾弾がくるのかよ……厄介だな)

しかし、入ったのは1発のみ。
残りの4発は間違いなく回避できていた。

追尾する場合と、直線的に飛んでくる二種類のがあるらしい。
現時点で見分けはつかないが、それがわかっただけでもとりあえずは十分。

とにかく今は!
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ちいっ!」

移動を考えねばならない。
この痛んだ足を使うのは危険だ。流血が酷くなる可能性もある。

方法は一つ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(吸い付いて、移動を繰り返すしかねえ!)

吸引の力を使って、距離を取る。
出来るだけモナーを視界に収めつつ斜め後ろに下がった。

80 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:55:49 ID:7DloOKRc0
( ´∀`)┏━「……」
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……ん?)

しかし、モナーは微動だにしていなかった。
その場で、照準を合わせるのみで動こうとしない。

いくら銃とはいえどスタンドはスタンド。
距離の制限があるはず。ならば、先ほど連射した距離は相手にとってベストな位置のはず。
そうでなくても、離れるならば照準を定める為に少しは近づいたっておかしくはない。

なのに……。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(ごちゃごちゃ考えても仕方ねえ! 動かねえなら、動かしてやりゃあいんだ!)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「キャッチ・ザ・ハンド! 『吸い寄せ』ろ!!」


((( ´∀`)))┏━))「ったく、面倒な能力モナ……」

81 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 19:57:42 ID:7DloOKRc0
動揺しないところを見ると、既にこの吸引の能力は知っているようだ。
サイトが揺れるので、それを面倒、という評価しているらしい。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(いや、ちょっと待てよ……!? なんだそりゃ!?)

吸い寄せる能力は、ジョルジュの視界に映るものみ。
有機物と無機物を同時に寄せることは不可能だが、任意で片方を選ぶことが出来る。

今、ジョルジュは間違いなく有機物を吸い寄せる力を使っていた。
地面だって、さび付いた鉄柵だって微動だにしない。

けれど、それ以上に動かないのはモナー自身だった。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(近い方がそりゃあ俺も有利だが……
          それでも、俺の吸い寄せが……効かないだと!? どういうことだ!?)

考えられる理由は一つ。
吸い寄せる力よりも、強い力で反発すること。

測ったことはないが、重量で言えば100kg程度なら吸い寄せられるほどのパワー
それを抗うには……強烈な脚力か、とてつもない体重か。

82 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:00:34 ID:7DloOKRc0
しかし、モナーは中肉中背の体格。
身体のラインが見えにくい制服だからといって、それほどまでの力を秘めているだろうか。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(つーより……踏ん張ってるようには見えねえぞ?)

武道の構えであったり、スポーツの理論であったり
とにかく、耐えるのならば何かしら姿勢を取るのが普通だろう。

モナーは直立不動のまま。
吸い寄せによって銃が揺れ動くのを気にして、撃って来ないだけ。

ならば……結論は一つ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(あの着ぶくれはそういうことかよ)


何かしらの重りなどを仕込んでいるに違いない。
体重を増量して、吸い寄せを出来ないようにしているんだ。
能力がわかっているから、対策してきたのか……それとも、常日頃から?

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「どっちにしろッ!!」


( ´∀`)┏━「!」

83 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:04:11 ID:7DloOKRc0
戦法を変えるべく、吸い寄せの力を切り替えた。
引っ張るのではなく、吸い付く方へ!

跳躍と同時に、吸い付く力が相まって急加速する!

( ´∀`)┏━「それも知ってるモナ!」

安定したのか、一瞬の油断はあれどモナーはピストルを構えた。
そして発砲する。
撃鉄はない特殊構造のスタンド銃は、思うだけで弾丸が飛んでいく。
リロードももちろん、彼の精神力が続く限りは無限だ。

だからこそ、6発一気に撃ったのだ。
どんな手練れであろうと不可能な、音速の速射を!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「見える!!」


固い拳に、弾がはじける音が響いていく。
パワーは低くとも、それを補うスピードがキャッチ・ザ・ハンドの取り柄なのだ。

84 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:06:16 ID:7DloOKRc0
今度はどうやら追尾弾はないらしい。

いける!!

超重量ならば、移動も難しいはず!
この距離なら……!!

( ´∀`)┏━「……」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」


跳躍を終えたジョルジュは、唖然とした。
銃を構えたままの体勢で、モナーは立っている。


ジョルジュの前方、数メートルのところで!

85 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:08:30 ID:7DloOKRc0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(待て、待て待て。落ち着け、オレ)

出来るだけ悟られないよう、隙を作らないようにジョルジュは考える。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(体重はあるはずだ。だから、吸い寄せられない。
          それは能力を知っている俺が間違いなくわかっている事実だ)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(じゃあ、なんで……あいつは、あの一瞬で距離を置けた?
         弾丸の威力自体は高いものではない、押し戻された感触だってなかった)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(つまり……あいつが移動したということ)


どうして!?


( ´∀`)┏━「なんか色々と考えているみたいモナね」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「ったりめーだろ……」

86 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:10:20 ID:7DloOKRc0
( ´∀`)┏━「まあ、優位でモナが勝ちそうだからといって
         モナはバカじゃないから、ここでペラペラと能力の解説なんて親切にはしてあげないモナ」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」チッ


( ´∀`)┏━「お前が知るのは、七天柱モナーのスタンド、ハイウェイ・ピストルズに敗れる」


( ´∀`)┏━「それだけでいいモナ!!」


銃声

スタンドの音なので、スタンド使い以外には聞こえないという利便性。

扱い易さ、威力を考えるとかなり強いスタンドだ。

だからこそ、彼は呟影団というスタンド使いのグループでも幹部という役職にありつけたのだろう。

攻撃に関して言えば、自分のキャッチ・ザ・ハンドなんて目じゃない。
便利で強いスタンドだ。

 _
(; ∀ ) ・∀・)(なるほどな。こりゃ危ねえ。
          とんでもねー化け物みてーなスタンド使いが、あと6人もいるのかよ)

87 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:12:30 ID:7DloOKRc0
銃弾が迫ってくる
実弾より遅いけれど、それでも十二分の速度。
瞬きを一度するかしないかのうちに、ジョルジュに到達するだろう。

 _
(; ∀ ) ・∀・)(しかも、こいつらよりもっと強いボスがいるんだろ?
         へへっ。そりゃあ、誰も手出しはできねーわな)


……けど


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「だからこそ!!」


( ´∀`)┏━「!」


弾丸がはじけていった。
ジョルジュを起点に四方八方に飛散していく。

超スピードのラッシュによる彼の防御行動だった!

88 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:14:13 ID:7DloOKRc0

そう、彼は諦めてなどいない。

これほどまでに厄介で、強烈で凶悪なのだったら


なればこそ、心を燃やして立ち向かう!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「俺は正義のヒーローになるんだからな!!」


噴き出る出血を押さえてジョルジュは、立ち構える。
目の前にいる、悪に対して燦然と!
闘志の秘めた、力強い拳と瞳で!


( ´∀`)┏━「フッ、言ってろモナ。
          モナのハイウェイ・ピストルズの能力がわからないうちは、どうせお前は勝てないモナ」






  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

89 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:16:11 ID:7DloOKRc0
最低でも一か月に一話は更新できるよう頑張ります。

スタンド名についてですが、原作を模倣verと、名前の意味からverなど色々あります。
この能力パターンだとこうか、など想像して楽しんでいただけたら幸いです。

90名も無きAAのようです:2013/06/02(日) 20:17:55 ID:BC6UUkxU0
乙乙

91名も無きAAのようです:2013/06/02(日) 20:18:15 ID:swjnbIa.0
乙!

92スタンドパラメータ① ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:18:35 ID:7DloOKRc0
スタンド名 キャッチ・ザ・ハンド
        _
使用者  ( ゚∀゚) 長岡(じょうおか)・ジョルジュ

スタンド像  ( ・∀・)


破壊力 C スピード A 射程距離 C〜B 持続力 C 精密機動性 A 成長性 A

左の手のひらを開くと、視界に映る(スタンドの視界ではなくジョルジュ本体の視界)対象物を吸い込む。吸い付くこともできる
無機物有機物の切り替えは可能だが、能力発動時にはどちから片方のみ。

引き寄せる力は強いが、本体のスタンドのパワーは高くない。
高速のパンチ連打でダメージを与える「モラモララッシュ」が必殺技。

93スタンドパラメータ② ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:21:30 ID:7DloOKRc0
スタンド名 チープ

使用者 <ヽ`∀´> ニダー

スタンド像 ( `ハ´)

破壊力 B スピード B 射程距離 C 持続力 D 精密機動性 B 成長性 D

単純な近距離パワー型スタンド。
そこそこ素早い攻撃、そこそこ強いパンチを得意とする。
特殊能力は、まだ覚醒していない。

94 ◆N91v81g8eE:2013/06/02(日) 20:23:24 ID:7DloOKRc0
ハイウェイ・ピストルズのパラメータは決着後になります。

95名も無きAAのようです:2013/06/03(月) 00:06:58 ID:wGefi1fk0
おつ!

96名も無きAAのようです:2013/08/24(土) 16:31:45 ID:lF9ZGNSA0
結果が気になるぜ

97 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:09:24 ID:ud4XbDsQ0
お待たせしました

98 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:11:17 ID:ud4XbDsQ0
第四話「ハイウェイ・ピストルズ ③」



( ´∀`)┏━「……」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……」



睨み合っていた。
敵の、手の内が見えない限りは無暗に突っ込めない。

更に、今のジョルジュは両足にダメージを負っている。
まともな移動方法は、キャッチ・ザ・ハンドの吸引によるもののみ。

直線移動しか出来ない以上は、出方を待つより他はない。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(見たことはねえけど……銃弾のスピードは実際の銃よりは遅いはず。
         詳しくはないが……速度は200m/毎秒程度だっけか?
         この距離なら、0,1秒レベルで着弾すんだろ。
          いくらなんでも、そこまで速いよーには思えねえ)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(俺が今抱えている問題は『二つ』だ。
         一つは『通常弾に混じって追尾弾があること』
          二つ目は『重たい身体のくせに、素早い移動が出来ること』)

99 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:14:36 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(前者は、もうとにかく看破するしかねえな。
         ひっかかるのは後者だ。あのスタンド銃が、高速移動を生み出す能力なのか?
         違うはずだ。それじゃ能力と性能がかみ合わな過ぎだろ)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(ってことは、絶対何か『理由』があるはずなんだ。それを見つけ出したいんだが……)



( ´∀`)┏━「……どうしたモナ。血を流しすぎて、気でも失いかけているモナ?」


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(全然、攻撃をしてこねえ!
         俺のスタンドスピードで十分攻撃を弾けることがわかってるからか!?)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「!」



 _
(;゚∀゚) ・∀・)(いや、待て。逆に考えるんだ!
         『弾かれるとわかったから、攻撃してこない』んじゃ……!?
         不用意に連発すれば、その特性がバレる。だからこそ、仕掛けてこないのか!?)

100名も無きAAのようです:2013/09/09(月) 21:18:48 ID:0lwLk7Ls0
おー来てる!

101 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:19:34 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……だとすりゃあ、することは一つ!)




 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ『キャッチ・ザ・ハンド!!』



( ´∀`)┏━「!」

ジョルジュは左手を付きだし、そして『引きつく能力』を発動した。

小さくその行動を繰り返し、直線的ではなく直角的な動きで確実に接近する。

当然、モナーは近づかれる以上スタンドで攻撃せざるを得ない。

彼の拳の速度、反射神経を考慮するなら接近は危険だと考えているから。


( ´∀`)┏━「面白いモナッ!」


モナーは銃に付属しているサイトを覗きこみ、しっかりとジョルジュを捉える。

スタンド自身がもたらす身体能力への影響はないが、幼い頃よりスタンドと共にある彼の動体視力は優れていた。
ジョルジュのスピードに決して負けず、全体を見るように、けれど一点に集中した動作で引き金を引く。

102 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:24:17 ID:ud4XbDsQ0

常人の耳には届かない発砲音が3発鳴り響いた。
亜音速の弾丸は、ジョルジュの額、腕、腹へ直線を描いて飛んでいく。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「くらうかよ!!」


左手は移動に使っているので、若干だが反応が遅れる。

しかし、それでも間に合う反射速度を持っているのがキャッチ・ザ・ハンドだ。

スタンドの目を使い、狙いを定められた位置を見る。

そして、手の甲で滑らせるようにしての防御行動!
ジョルジュの前に立つスタンドを中心に、弾が逸れていく!!

 _
(; ∀ ) ・∀・)「……」


着地する。
だが、彼の考えていたヴィジョンと再び異なった結果となってしまった。

拳の届かない場所。

またも、ジョルジュの射程距離外にモナーは立っていた。

依然、変わりなく! 銃を構えた状態で!!

103 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:28:12 ID:ud4XbDsQ0
( ´∀`)┏━「……」


無表情でありながらも、モナーは少し焦燥した。

彼の持つスタンドは、遠距離攻撃が可能。
屋上からグラウンドの端に居る対象にだって、しっかり着弾し仕留める威力もある。
更に、正確無比な上にモナーの正確な射撃技術で、短期決戦で終わることが多かった。

なので、ここまで食いついてくる人間には遭遇したことが、多くなかったのだ。

故に、彼の戦績は長期の場合著しく良くないのだ。

出会い、対峙し、敗北し、勧誘され手厚い待遇を受けることになった『ボス』。

完全に負けたと理解した、『その人』の時も、長期戦の末に結果が出たのだ。


だから、モナーは長丁場の戦いを恐れた。

同じような末路を辿りそうな気がして……!


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「……はー。マジかよ」



膝を折った形で着地していたジョルジュは、両足の苦痛に顔を歪めながらも立ち上がった。
そして、玉のような汗を流しながら、ニヤリと笑う。

104 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:31:28 ID:ud4XbDsQ0

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「そんな、単純というか……よく考えたというか」


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「わっかりやすい手だとは思わねーだろうよぉ、ったく!」 


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「てめーの重たい装備で、どーして銃のスタンドで!
         攻撃をしながら、移動できるんだよ、って思ってたんだが……」


 _
(;-∀゚) ・∀・)「関係ねェ。『ソレ』も装備かよ……」


指をさした先は、モナーの足元。
正しくは、ブレザーの長ズボン……の更に下。




靴。


それだった。

105 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:34:09 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「一瞬だけ見えた、半円形のモノ……ちょっぴりだけ聞こえた、スキール音……」



 _
(;゚∀゚) ・∀・)「お前……靴の裏に『車輪を仕込んでいる』な?」


( ´∀`)┏━「答える必要はないモナ」


看破されたと同時に、更にモナーは発砲した。
それは、攻撃という名の『肯定』。

見破れたからこそ、作戦を考えて、そしてスタンドの『特性』を理解される前に勝負をつけたかったのだ。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「くらわねえっつーの!!」


発砲の音は4回。
ハイウェイ・ピストルズの弾倉を全て打ち放っての射撃。

またも同様に、防がれる。当然だ、もう何回も見えている軌道なのだから。

106 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:36:35 ID:ud4XbDsQ0
 _
(;゚∀゚) ・∀・)「なッ!?」


忘れていたわけではなかったが、それでも驚く。

はじいた弾が、それぞれの方向に飛んで行ったのは間違いない。
しかし、物理学を無視した不穏な動きを、すぐさま見せたのだ。

追尾弾だった。
軌道をグルリと変えて、再度ジョルジュを付け狙う。

それも、4発全て!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「くっ!」


ジョルジュは引き寄せる力を発動する。
向かうは一直線に、モナーの元へ!

この足ではもともと、回避は無理だ。
ならばいっそ、この弾いた瞬間、生まれた隙を狙い、距離をつめる!

( ´∀`)┏━「良い判断モナ。しかしッ!」

ガァンという音が連発で聞こえた。

螺旋を描く銃口から飛び出たのは銃弾。

回転をしながら、高速で間違いなくジョルジュの脳天に向けて飛んできていた。

107 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:39:00 ID:ud4XbDsQ0
しかし、それすらも彼はしっかり、スタンドの目で捉える。
発射角度を見極め、そして右手の甲を使って弾いた。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)「おらぁ!」


次に左手で、弾丸を弾いた。
真っ直ぐに進む力を計算すれば、その軌道は間違いなく左肩を貫いていたから。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「キャッチ・ザ・ハンド!」


そしてすぐさま、能力を使って移動をする。
防御行動に使うため、一瞬だけ推進力が弱まったから。

( ´∀`)┏━「なるほど……モナ」

モナーは冷静だった。

とにかく、彼は動じない。


ガンマン足るもの、常に冷静であれ。
心の動きが指先を鈍らせ、照準を乱す。


高揚こそすれど、動揺はしない。

それが、彼の七天柱たる強さの理由だった。

108 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:40:40 ID:ud4XbDsQ0
トリガーから一瞬、手を離す。

連動して、グルリと弾倉部分が一回転した。

再びトリガーを持ち、そして握った。


 _
(;゚∀゚) ・∀・)「うぉっ!?」

頬を、腕を弾丸がすり抜けていく。
命中するはずの弾道を、スピード重視型スタンドのキャッチ・ザ・ハンドがいなしていった。

吐き出された弾は、二発。既に追尾弾として活動している四発を除いた数を、瞬時にリロードしたのだ。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(弾丸だってスタンドなんだ。そりゃあ、リロードだって楽ちんだろうよ)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(けどなぁ、今ので『確信』したぜ! オレぁよお!!)

痛む足を、極度の集中で疲れた脳を奮い立たせてジョルジュは進む。

( ´∀`)┏━「しぶとい野郎モナ!」

発射と同時に後退していたモナーは再び弾倉に命を吹き込んだ。

今の攻撃を回避し、なおも闘志を燃やすジョルジュに対して再度発砲する。

109 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:43:22 ID:ud4XbDsQ0
 _        ・ ・ ・ ・ ・ ・   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(;゚∀゚) ・∀・)「見えてんだよ! その軌道はよぉーーーー!!」


モナーの狙いはあからさまで単純であった。

簡単な話だが、脳や心臓を狙えば再起不能にはなるだろう。
スタンドとはいえ、強度は実銃にほぼ近い。当たれば致命傷は逃れられない。

だが、それでもモナーは『確実性』を選んで攻撃を繰り返している。


ジョルジュは足を怪我し、まともな移動は出来ない。
スタンドの距離も、自分から離れることはない。近距離型だから。

移動手段はたった一つ、左手の能力を使った吸引。

・ ・ ・ ・ ・
だからこそ、彼は『そこ』に狙いを絞っていた。

左腕が当たる部位、左手で防がなければならない角度。
それらを計算し、反復して攻撃する。



だが。




( ´∀`)┏━(……)

110 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:46:13 ID:ud4XbDsQ0
・ ・ ・ ・ ・ ・
わかっていた。


彼のリロードのスピード、弾丸の速度。

どれもキャッチ・ザ・ハンドに敵わない。


焦らない表情で、震えない指先で、フル回転している頭を使って理解した事実。



しかし、だからといって、彼は恐れない。



たった2発分の推進力だが、残り4発の追尾弾を解除する時間はない。



故に、間に合わないのだ。


だのに、恐れはしない!

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「うぉおおおおおお!!!」


吸引能力による突進力、弾をはじき飛ばす速さ。

111 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:48:16 ID:ud4XbDsQ0
敵わない。


感覚としては、数歩。
実際に歩みを進めているわけじゃあないが、それでも彼の身長を考えるとその程度の前進。


けれど、確実なる『攻め』の行動。


少しずつ少しずつ。


狭い屋上で、キャッチ・ザ・ハンドの射程距離内へ詰めていく!



(( ´∀`))┏━「!」

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「!」



好機が見えた。


じりじりと近づく、疲労のかかる行動の終着点。

長いマラソンの先、突然見えた下り坂のように。

それは、起こった。

112 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:50:11 ID:ud4XbDsQ0
逸らした弾が抉った地面。
運よく……モナーにとっては運悪く、それは地面に転がっていた。


コンクリートの大きな破片。
彼の自重で、すぐ砕け散る程度の脆さであったが

それでも、彼のバランスを崩すには十分であった。
ローラー移動が仇となったのだ。


ガクン、と一瞬だけ身体が傾く。

銃口がズレ、照準がブレる。


その瞬間的な、刹那の間!


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……!)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ「いまだッ!!」


精一杯の引き付き。
温存していたわけではなく、計画的に使う予定だった精神力。


今、ここであると。

勝負を決める場所であると判断した、絞りカスを振り絞っての直進行動!

113 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:52:10 ID:ud4XbDsQ0
( ´∀`)┏━「ッ!」

同じように、似たような直線が描かれた。


それは、今までとは違って軌道が変わらなかった。



最小限、最低限。

今度は『当たっても良いから』という動きでジョルジュは突貫する。

頬が傷つき、耳が少し削れる。

前腕から肘に向かって、真っ直ぐな赤い線が引かれる。


前進は止めない。

これで決めるから。



 _
(;゚∀゚) ・∀・)「もらった!」

114 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:54:12 ID:ud4XbDsQ0





( ´∀`)┏━「と、お前は言うモナ」




 _
(;゚∀゚) ・∀・)「!?」

115 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 21:56:30 ID:ud4XbDsQ0
追い詰めたはずだった。

決着がつくはずだった。


絶好の距離まで、あと数ミリ。

もう一歩、いや半歩も必要ないほど満たせば……ラッシュが決まる最高の間合い。



そこに届く前に、モナーは不敵に笑う。



( ´∀`)┏━「『距離が近ければ勝てる』『その程度の威力ならば耐えれば良い』」


( ´∀`)┏━「きっとそう考えていたモナ。浅はかモナ。
         モナが震えも恐れも焦りもしない理由が、単にガンマンだから、とでも思ったモナ?」


( ´∀`)┏━「残念ながら、全くの見当違いモナ。
         逆に……そう、あえて言うなら。これこそが『最初から狙いだった』モナ」


モナーはハイウェイ・ピストルズの銃口をジョルジュの身体へ向けた。
正中線上へ。頭部や腕ではなく、心臓部に対して!

116 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 22:00:01 ID:ud4XbDsQ0
( ´∀`)┏━「これで終わりモナッ!!」


引き金を、彼は引いた。



そこから吐き出されたのは、超々高速で、不可視であるけれど……



固くて、強い、激しいほどに質量をもった




高密度の……『空気弾』!



 _
(;゚∀゚) ・∀・)「なッ!!」


咄嗟に姿勢を逸らす。


だが、持っている反射神経を、キャッチ・ザ・ハンドの持つ動体視力、反応速度をもってしても


距離の近い、この場所での音速弾に対応はしきれなかった。

117 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 22:03:33 ID:ud4XbDsQ0
内臓にダメージを与えること必至な空弾を、クロスした腕で必死に防ぐ。


元々あった推進力なぞ、瞬時にかき消されるほどの豪快すぎる衝撃。

 _
(;゚∀゚) ・∀・)(……っそだろ……ッ!!)


思った矢先、次に脳みそに届いたのは凶悪な衝突だった。


弾かれる弾丸のように、水平軌道で飛んだジョルジュは屋上の鉄柵へ身体ごとめり込んでしまったのだ。


響き渡る、金属の軋む音。

そんな激音は、間違いなく学校にいる生徒や先生に聞こえてしまったことだろう。

昼休みなのだから、特に問題は大きい。

 _
(; ∀ ) ・∀・)(あー……マズイなぁ……こりゃあ……)


歪んだ鉄柵に体を預けて、頭を思い切り後ろへ振ったまんまの状態でジョルジュは考える。
反転した視線に映るのは、驚いたような仕草をしている、グランドに散らばる運動部の連中だ。

騒ぎは確定だろう。奥から響くように全身へ蠢く痛みを感じながら、彼は思う。

118 ◆N91v81g8eE:2013/09/09(月) 22:07:09 ID:ud4XbDsQ0
 _
(; ∀ ) ・∀・)(うわー、絶対バレたわ……こっちみてるしアイツら……。
         そりゃー、襲われた原因を持ってたオレも悪いけどよぉ……
         また問題か、って怒られるのは間違いなくオレでもあるんだよなぁー……めんどくせぇ……)



痺れる腕と、ガンガンと実際に聞こえてしまうほどに痛む頭。
吸引の力で、若干だけれど軽減をしたので屋上からブッ飛ばされずに済んだ。
そのことに感謝しよう。

考えながら、ジョルジュは割れそうな頭と奮い立たせて情報を整理する。



 _
(;-∀-) ・∀・)(『タネ』はわかったんだ……それ以上、きっと今以上の力はあいつにはねぇ……)

 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(だったらすることは一つだ……少しだけ……ほんのちょっぴりだけ残ったオレの『根性』で)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)つ(あいつの隙を作り、狙い、そんでもって……)


 _
(;゚∀゚) ・∀・)(ぶっ倒す!!)


( ´∀`)┏━「……」


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