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( ゚∀゚)ジョルジュはスタンド使いのようです。
1
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:26:09 ID:lYpVEdIM0
( ω )「ねえ、ジョジョ」
_
( ∀ )「そのあだ名やめろっての。なんだ?」
( ω )「どうしてキミは、そんなに『人助け』が好きなんだお?」
_
( ∀ )「どうしてって言われてもなぁ……お前、肉は好きか?」
( ω )「肉? もちろん好きだお!」
_
( ∀ )「それはなんでだ?」
(; ω )「なんでって……そんなの、好きだから好きなんだお」
_
( ∀ )「だろ? 一緒なんだよ。
オレはオレがそうしたいから、お節介でも大きなお世話でも」
_
( ∀ )「オレの中にある、揺るぎない『心の正義』を全うして生きていたいんだ」
2
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:27:23 ID:lYpVEdIM0
( ω )「……キミは本当に、優しい人間なんだおね」
_
( ∀ )「よせよ、恥ずかしい」
( ω )「……ジョルジュ」
_
( ∀ )「ん?」
( ω )「キミは真っ直ぐな人間だお。
だから、もしいつか、どこかで僕が道を違えた時は」
( ω )「どうかその時は、僕を止めてほしい」
_
( ∀ )「ははっ。お前みたいなピザ野郎、簡単に止めてやるよ」
(; ω )「ひ、酷いお!」
_
( ∀ )「わりぃわりぃ。でも、安心しろ
その時は、オレは『力』を使ってでも止める。絶対な」
( ω )「うん。約束だお」
_
( ∀ )「ああ、約束だ」
3
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:28:35 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚)ジョルジュはスタンド使いのようです。
4
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:29:58 ID:lYpVEdIM0
某県N市VIP町
隣のニュー速市のベッドタウンとして、工場やマンションが栄えている田舎町
栄えもせず、廃れもしない。ただ、人口が増えていくばかりのどこか懐かしい街並み
そこに住まう、どこにでもいる普通の一介の高校生が、この物語の主人公である。
第一話「長岡ジョルジュ」
5
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:31:49 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚)「はよーっす」
(*゚∀゚)「おいっす、ジョジョ!」
_
( ゚∀゚)「おっす、つー。それと、その呼び名やめろ」
(*゚∀゚)「えー? いや、だって長岡(じょうおか)ジョルジュ。略してジョジョで良いだろ?」
_
( ゚∀゚)「ぜってー変だって。まあいいや、それよりお前、あの後ちゃんと帰れたか?」
(*゚∀゚)「おぅ、おかげさんでな。しっかし、お前もタイミング良い奴だよな。
駅で肩ぶつかっただけのヤンキーに絡まれてるおれを見つけるなんてよー」
_
( -∀-)「たまたまだよ。居合わせたから、助けただけだ」
(*゚∀゚)「そこよそこ。『居合わせたから』っつーけどよぉー。
普通ならあんなおっかねー兄ちゃんがキレてたら、逃げるだろ?
なんでおめーは、わざわざ割って入ってきたんだ?」
6
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:34:43 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚)「なんで、って言われてもなー……。つー、お前チョコは好きか?」
(*゚∀゚)「チョコ? まあ、好きな方だな。甘いし、おいしいし」
_
( ゚∀゚)「そうか。でも、それがなんでか、なんてわかんねーだろ?
一緒なんだよ。オレもなんでかわかんねーけど、『悪いこと』してる奴を見ると
身体が勝手に動いちまうんだ。本能、っつーの?」
(*゚∀゚)「はー。スゲーなお前。おれにはマネできねーよ。そんなお節介」
_
( ゚∀゚)「まー、それはそれとして。今日の宿題のことだけど」
(*゚∀゚)「おお、昨日の礼だ。いくらでも写させてやるぜ」
_
(*゚∀゚)「ひゅー、助かるゥ! 持つべきものは友達だな、やっぱ!」
(*゚∀゚)「はっはっはっ。人助けが趣味のお前が、人に助けられてどーすんだよ」
_
( ゚∀゚)「それとこれとは別なんだよ、サンキュー!」
7
:
名も無きAAのようです
:2013/04/30(火) 16:38:52 ID:SeArh1GIO
良さげ 支援
8
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:39:13 ID:lYpVEdIM0
第二チャンネル高等学校。
彼らの通う、どこにでもある普通の高校。
男子は学ラン、女子はブレザーの変哲もないものが制服。
朝の登校時に交わされる、友達同士の平凡な会話。
けれど、しかし。
この町には、非凡で異常な世界が潜んでいるのも事実であった。
(*゚∀゚)「……なんか、昨日も暴行事件あったみてーだな」
_
( ゚∀゚)「そうか」
昼休み、二人の生徒は机を挟んで食事をとりつつ、携帯電話をいじっていた。
つーの画面には、ニュースサイトが開かれている。
そこにある文面は
『夜闇に潜む悪魔!?』
『怪異、雪女の仕業か!?』
などという、普通ではない見出しが書かれている。
9
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:42:59 ID:lYpVEdIM0
(*゚∀゚)「ここ数年、こういう事件多いよなぁ。
おれが絡まれたチンピラのあんちゃんすら、よっぽどマシに見えるぜ」
_
( ゚∀゚)「確かになぁ。噂じゃ、えーと……なんだっけ。げ……げ……」
(*゚∀゚)「『呟影団』か?」
_
( ゚∀゚)「そうそう、それそれ。げんえいだん、だ」
(*゚∀゚)「おかしな集団だよなー。
名前だけはやたら有名なくせに、全然アシがつかねえ犯罪者集団だろ?」
_
( ゚∀゚)「窃盗、暴行、ゆすりたかり。話では殺人した奴もいるらしいぜ」
(*゚∀゚)「でも、証拠は残らない……。完全犯罪しまくる団体とか、とんでもねー恐怖だよ」
_
( ゚∀゚)「そうだな……」
_
( ∀ )(証拠が残らないことに、心当たりはある。でも……手がかりがなさすぎるよな)
10
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:46:01 ID:lYpVEdIM0
(*゚∀゚)「どした、難しい顔して?」
_
( ゚∀゚)「え? ああ、なんでもねーよ」
(*゚∀゚)「まさかお前、この『呟影団』潰そうとか考えてねーだろうな?
いくらお人よしのヒーロー気取りだからって、犯罪者相手はマズイぞ?」
_
( ゚∀゚)「わかってるよ」
(*゚∀゚)「ほんとか? お前なら、考えなしに関わっちまいそうだけどよー」
_
( ゚∀゚)「まあ、そん時はそん時だよ。なんとかするさ」
(*゚∀゚)「ったく。注意しろよ」
_
( ゚∀゚)「わかってるてばよぉ。それよか、購買にお茶買いにいかねー?」
(*゚∀゚)「おう、いいぜ。おれもパン買おうかと思ってたんだ」
_
( ゚∀゚)「よっしゃ。じゃあ先に着いた方がおごりな! スタート!」
(;*゚∀゚)「ちょっ、おい! ずるいだろソレはー!」
11
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:48:47 ID:lYpVEdIM0
――――。
喧嘩の仲裁、部活の助っ人。
腕っぷしの強いジョルジュは、そうやって力で場をなだめる能力に秀でていた。
その日も、友人に頼まれて野球部の練習相手として付き合うため
部活に所属していないジョルジュが、放課後に借り出されていた。
(=゚ω゚)「いくよぅ!」
_
( ゚∀゚)「ばっちこい!」
(=゚ω゚)ノシ「とりゃ!」
_
( ゚∀゚)「見えた!」
カキーン!
野球部のエースが投げた、変化幅の大きなウイニングショットをジョルジュは難なく打ち返した。
外野でボール拾いをしていた下級生が空を見上げてしまうほど、白球は伸びていく。
真芯でとらえた証拠だ。
12
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:51:02 ID:lYpVEdIM0
(;=゚ω゚)「そんな……部の誰も打てない僕の魔球が……」
_
( ゚∀゚)「リリースする時、他の変化球と比べて微妙に肘の角度が浅いんだよ。
後は、その正確無比なコントロールを信じて目測すりゃあ、打てるぜ」
(=゚ω゚)「肘かよぅ……わかった。協力どうもだよぅ!」
_
( ゚∀゚)「なーに、気にするな。頑張って、うちの高校を甲子園に導いてくれや!
……えっと、次は図書委員の手伝いだっけな。そろそろ行くわ」
(=゚ω゚)「頼んだ僕が言うのもなんだけど、相変わらず忙しい奴だよぅ」
_
( ゚∀゚)「趣味みたいなもんだからな」
(=゚ω゚)「そうかよう。いつか、おかしなことに巻き込まれないよう注意すると良いよぅ」
_
( ゚∀゚)「ははっ。そりゃオレだって思ってるよ。んじゃな!」
(=゚ω゚)ノシ「バイバイだよぅ」
13
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:53:19 ID:lYpVEdIM0
――――。
_
( ゚∀゚)「こんちわっす」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、ジョルジュくん。やっと来た」
_
( ゚∀゚)「わりーな、ツン。遅れちまってよ。ほんで、何すりゃいいんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「貸し借り表の整理よ。こんだけあるからお願いね」
_
( ゚∀゚)「オーケーオーケー。良い感じの量だな、悪くねぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
_
( ゚∀゚)「ん? どした?」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん、普通は面倒がって誰もやらないんだけど……
ジョルジュくんは、二つ返事するもんだから」
_
( ゚∀゚)「いや、だってお前が困ってるなら、やってあげねーといけないだろ」
ξ-⊿-)ξ「そうね。
まあ、こうやって美少女と一緒に放課後の、活字離れが激しい閑散とした図書室で
共におんなじ空気を吸えることに感謝なさい」
14
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:55:23 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚)「おーおー。ありがてーよ。サンキュー、キレーな女神様」
ξ*゚⊿゚)ξ「ばっ……! あ、あんたもう少し返し方ってもんがあるでしょ!?」
_
( ゚∀゚)「はっはっはっ。別に良いだろ、どーでも。事実を言っただけなんだからよー」
ξ//⊿//)ξ「……」
_
( ゚∀゚)「さぁて、さっさと終わらせて、お家に帰りますかねぇ」
――――。
日が暮れかけた、夕闇に染まる学校を二人は後にする。
部活帰りの連中に手を振りあい、ジョルジュとツンは帰路へとついた。
15
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:57:29 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚)「はー。中々骨が折れたわー」
ξ゚⊿゚)ξ「一月分溜まってたからね」
_
( ゚∀゚)「もっとこまめにやらねーと後で苦労するぞ?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。そうするわ。あ、私こっちだから」
_
( ゚∀゚)「おう。気をつけろよ、最近物騒らしいからな」
ξ゚⊿゚)ξ「それはどーも。あんたこそ、気をつけなさいよ?
すぐ、何か厄介ごとに首をつっこむ性格なんだから」
_
( ゚∀゚)「おう。心配してくれてドーモな」
ξ*゚⊿゚)ξ「べ、別に心配じゃないわよ!
うちの学校の生徒として、自覚もって行動しなさいよって意味なんだから!」
_
( ゚∀゚)「へいへい。そんじゃ、またなー」
_
( ゚∀゚)ノシ
ξ゚⊿゚)ξノシ
16
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 16:59:31 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚)=3「……ふー」
一息ついて、ジョルジュは満足げな顔をして歩き続けた。
舗装された道の傍には森が生い茂っており、少し後方には田んぼが土地を占拠している。
所々に立ち並ぶ、風景とミスマッチな新しいマンション群だけれど、それも自分の好きな町だとジョルジュは思っている。
世に出るような名産品もないし、これからもきっと出てこないだろう。
けれど、こののどかな世界が彼の心を癒している。
だからこそ、許せないのだ。
平穏を乱す、『悪』という存在が。
_
( ゚∀゚)「ん?」
すっかり太陽が隠れてしまった時刻。
家路の途中にある歩道の傍。
まだまだ遠い目的地の、中間地点ともいえる公園を通りがかった時だった。
17
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:03:46 ID:lYpVEdIM0
何か、重たい音が響いている。
鍛える為に、素振りをしている青年を見かけることはある。
人見知りの犬が安心できるから、散歩に連れているのを見かけることもある。
塾帰りの小中学生が、家に帰るのが惜しくて駄弁っているのを見かけたことだってある。
けれど、それらでは絶対にない。
彼の耳に届き、目に映る明らかな『異常』
遊具と砂のグラウンドのある、小さな公園。
三 そ ゴスッ
<::::::∀::>::::ハ::) 三 Σ (:::::::::)
三 て
ドカッ
滑り台の陰に隠れて、誰かが誰かを一方的に攻撃しているのだ。
響く鈍い音は、殴打によるものだろう。
一人が傍に立ち、もう一人が一方的にパンチや、蹴りを繰り出し
地面の近くでうずくまって、声にならない声をあげる『影』に害を与えていた。
18
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:06:10 ID:lYpVEdIM0
_
(;゚∀゚)「な、何やってんだお前!!」
ジョルジュは考える間もなく飛び出していた。駆けつけていた。
助ける理由なんかないし、割って入る権利もないけれど。
彼は、振るわれる暴力と一方的な攻撃行為が『悪』と判断したから、動いていた。それだけ。
タイミングよく公園の照明にスイッチが入り、少しだけ周囲の明度が確保される。
<ヽ`∀´>「ん?」
映し出される顔は、ジョルジュより少し年上に見える青年男性だった。
吊り上った目と、蓄えた髭。
見た目だけで判断するならば、『怖い人』に区分される容姿である。
地面の影は、既に気を失っている男性だった。
顔が腫れているので、年齢の確認はできないが
纏っている制服は、自分とは異なるが近所の高校のものである。
19
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:08:39 ID:lYpVEdIM0
_
(;゚∀゚)「あんたが、この人を殴ったのかよ!?」
<ヽ`∀´>「……知らないニダ」
_
(;゚∀゚)「嘘をつけ! だってこんなにいっぱい血が……」
<ヽ`∀´>「ウリは何もやってないニダ」
_
(;゚∀゚)「何を言っ……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
<ヽ`∀´>「もしウリが『殴った』なら、返り血ぐらい付いているはずニダ?」
そう、その通り。
青年の衣服は、まったくもって乱れてもいない。
簡素な服装だけれど、それでも彼の姿は何も変化はない。
そのままコンビニに入っても違和感などない、いたって普通な恰好。
20
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:11:49 ID:lYpVEdIM0
_
(;゚∀゚)(でも……おかしいだろ)
地面に、横たわる男性の血が飛沫している。
点々と描いた赤黒い液体は、間違いなく強面の男性に向かって伸びているはずなのだ。
けれど、それが途中で途切れている。
何より、そもそも。
_
(;゚∀゚)(影は『二つ』あった。こいつじゃないなら、そっちが犯人のはず)
_
(;゚∀゚)(オレが駆けつけるまでに逃げる時間はなかった。
大体、それなら後姿ぐらい見えるだろう)
_
(;゚∀゚)(でもオレは『何も確認してない』……!)
21
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:15:41 ID:lYpVEdIM0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
_
(;゚∀゚)「お前……まさか……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
<ヽ`∀´>「……ふん」
<ヽ`∀´>「よくわからんけど、見られたからにはタダじゃおかないニダ。
下手に言いふらされても困るニダ……」
22
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:20:21 ID:lYpVEdIM0
ゴゴゴゴゴゴゴ
<ヽ`∀´>
<ヽ`∀´>) ズ……
<ヽ`∀´>´) ズズ……
<ヽ`∀´>ハ´) ズズズ……!
<ヽ`∀´> `ハ´) バァーーーz
ーーーン!
_
(;゚∀゚)「!?」
23
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:23:08 ID:lYpVEdIM0
<ヽ`∀´> `ハ´)「いくニダ、『チープ』!!」
突如、青年の身体から別の青年……いや、『人間に似た何か』が現れた。
腕があり、足があり、身体があり、頭もある。
けれど、肌の色が灰色で目もどこか虚ろ。
着ている服も、青年とは全く異なる民族衣装だった。
その『何か』は青年が叫ぶと同時に動き出す。
拳をふりあげて、ジョルジュに向かって鋭いパンチを繰り出したのだ。
_
(;゚∀゚)「うおっ!?」
それを間一髪でジョルジュはかわす。
まるでボクサーのような速度の一撃だったけれど、それを上回るスピードで彼は回避したのだ。
<ヽ`∀´> `ハ´)「あん?」
24
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:26:04 ID:lYpVEdIM0
_
(;゚∀゚)「あっぶねー」
<ヽ`∀´> `ハ´)「……お前……今、『避けた』ニダ?」
_
( ゚∀゚)「……」
<ヽ`∀´> `ハ´)「おかしいニダ。普通の人間なら、そもそも『見ること』さえ出来ないニダ」
<ヽ`∀´> `ハ´)「つまり……お前……お前も……」
<ヽ`∀´> `ハ´)「『スタンド使い』ニダ!?」
_
( ∀ ) ゴゴゴゴゴゴ
<ヽ`∀´> `ハ´)「……答える気はなくても、これならどうニダ!?」
そういうと青年はジョルジュに接近した。
先ほどの威嚇の攻撃とは違う、傷害を目的した圧倒的な拳のラッシュ!
常人程度の見た目の彼とは思えないほど、正確で高速のパンチがジョルジュを襲う!!
25
:
名も無きAAのようです
:2013/04/30(火) 17:28:19 ID:5PrCVssY0
支援だあああ!!
26
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:29:01 ID:lYpVEdIM0
バババババババ!!!!
三つ _
三<ヽ`∀´> `ハ´)三つ( ∀ ゚ )::)
三つ
! ?
_
<;`∀´> `ハ´)川 ( ∀ ) パッ!
⊂彡
ブンッ!
27
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:32:21 ID:lYpVEdIM0
驚愕する。
今まで目の前にいたジョルジュが、突如として距離をおいたから。
跳躍のため屈伸するような動きも、指先一つすら駆使しているようにはまったく見えなかった。
青年も、だからこそ攻撃がヒットすると思っていた。
逃げる動作もなく、単に怖気づいて直立してしまったのだと。そう確信していた。
けれど、違う。違うのだ。
ジョルジュは、それを『動いてまで避ける必要はない』と判断したから、何もしなかっただけ。
<;`∀´> `ハ´)「お……お前……!」
_
( ゚∀゚)「どした? かかってこいよ」
<;`∀´> `ハ´)「お前の……」
<;`Д´> `ハ´)「お前の『スタンド』を見せるニダァアアア!!!」
28
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:35:38 ID:lYpVEdIM0
_
( ∀ )「しゃーねーなぁ」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
_
( ゚∀゚)
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
_
( ゚∀゚)三・∀・) ドキューン!
_
( ゚∀゚) ・∀・) バァーーーーz
ーーーン !!
29
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:37:37 ID:lYpVEdIM0
<ヽ`∀´> `ハ´)「そいつがお前の『スタンド』……」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「ああ。これがオレの『スタンド』……『キャッチ・ザ・ハンド』だ」
ジョルジュと同じような体型だが、非常に筋肉質。
それでいて、やはり不思議な鎧のような衣服をまとった『影』がジョルジュにも現れた。
<ヽ`∀´> `ハ´)「……ふん、ウリの『チープ』と比べれば、てんで弱そうニダ」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「そうか。まあ、どう思おうと勝手だけどよ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
_
( ∀ ) ・∀・)「その前に、一つ聞きたいことがある」
<ヽ`∀´> `ハ´)「なにニダ?」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「お前はどうして、そこの人を殴っていた?
しかも、この『スタンド』を使ってまでして!」
<ヽ`∀´> `ハ´)「ウェーハッハ! そんなの当然ニダ」
<ヽ`∀´> `ハ´)「こいつが、『ウリの肩にぶつかったから』ニダ!」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「……は?」
30
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:40:21 ID:lYpVEdIM0
<ヽ`∀´> `ハ´)「別に、それは『どうでもいい』ニダ。
けど、その後に謝罪と賠償を請求したニダ」
<ヽ`∀´> `ハ´)「そしたらコイツ、謝りこそすれど、金を出さなかったニダ」
<ヽ`∀´> `ハ´)「ウリが、『呟影団』の一員、『ニダー』様であると言ってもニダ!」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「!」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「お前……呟影団なのか!」
<ヽ`∀´> `ハ´)「ホルホルwwwどうだ、ビビったニダ!?」
_
( ∀ ) ・∀・)「そうか……お前そのものだって、やっぱり『悪』なんだな」
<ヽ`∀´> `ハ´)「あ?」
31
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:43:33 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚) ・∀・)「オレよ、昔からヒーローに憧れててさ。人助けが趣味みたいなもんなんだ」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「それに理由はないし、そうしたいから、そうしているだけ」
_
( ∀ ) ・∀・)「だからよ、やっぱ思っちまうんだよなー」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「オレと対極の存在である『呟影団』の人間は、許しがたい『悪』だってな!」
<ヽ`∀´> `ハ´)「…………お前も、呟影団に恐怖は感じないニダ?」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「恐怖はするさ。おっかねー集団だってな」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「けど! それを覆す『正義』がオレにはある!
だから、倒させてもらうぜ! お前の『スタンド』!!」
<#`Д´> `ハ´)「アイゴー!! どいつもこいつも生意気ニダ!! 許さんニダ!!!」
ニダーはそう叫びながら、ジョルジュとの距離を再び詰める!
32
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:46:46 ID:lYpVEdIM0
_
( ゚∀゚) ・∀・)「お前のスタンド……『近距離型』みてーだな」
<#`Д´> `ハ´)「だから何ニダ!!」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「まあ別に何でもないんだけどよ。
どーやら、純粋な殴打しか攻撃の術がないようだが?」
<#`Д´> `ハ´)「大きなお世話ニダ! くらえ!」
ニダーは『チープ』のラッシュを再び放つ。
ジョルジュに指摘された通り、彼は特別な能力を持たない。
正しくは、それを開花させる練度を持っていない。
図星を指され、感情のままにニダーは飛びかかる。
スタンドの、人を超える脚力を利用してのジャンプだ。
速さも高さも、常人以上!
落下速度を利用しての、彼にとって必殺の攻撃をジョルジュは
_
( ゚∀゚) ・∀・)「へっ」
鼻で笑って見上げていた。
33
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:49:47 ID:lYpVEdIM0
背後に浮かぶスタンド、『キャッチ・ザ・ハンド』がゆらりと前に出る。
そして左手を開いた。
無機質な手のひらには何もない。
けれど、スタンドは大きな力に負けないように、しっかりと右手で押さえている。
まるで、暴れ馬をしつけるように!
_
( ゚∀゚) ・∀・)つ ググッ
<;`Д´> `ハ´)「!?」
途端にニダーの動きが加速した。
しかし、彼の意図するものではない。
跳躍後の落下スピードを上げることなんて、スタンド使いとはいえど無能な彼には出来ない。
だのに、落ちる。落ちていく。引っ張られるように、ぐんぐん地面が迫る!
重心が崩れ、頭部が下に向く。もはや攻撃どころではない。着地できるかどうかが問題なほど。
<;`∀´> `ハ´)(あれ……『引っ張られるように』……!?)
34
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:52:53 ID:lYpVEdIM0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
_
( ゚∀゚) ・∀・)つ「気づいたかよ。『キャッチ・ザ・ハンド』の『能力』に!」
<;`∀´> `ハ´)「ま、まさかそれは……」
_
( ゚∀゚) ・∀・)つ「そう! オレのスタンドは『左手』に対象を『吸い寄せる能力』!
んでもって! おめーみたいに油断して、バランスを崩した奴をこうやって寄せてよぉ!
オレの、オレだけの最善の距離を保ち! ボッコボコにすんのが、得意なのさぁ!!」
<;`Д´> `ハ´)「や、やめるニダ! 痛いのは……」
<ヽ;Д;> `ハ´)「痛いのは嫌ニダァアアアア!!!」
_
( -∀゚) ・∀・)つ「やーだね!」
_
( ゚∀゚) 三( ・∀・) ズァッ!
35
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:56:11 ID:lYpVEdIM0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ;:)ハ´).,,';
(# ・∀・) =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ;:)Д´>.,,';
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ アイゴー!
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
『モラモラモラモラモラモモラモララモラモラァアッッ!!!!!』
36
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 17:59:05 ID:lYpVEdIM0
ニダーのスタンド『チープ』が自動車ほどのスピードを出すとするならば!
ジョルジュのスタンド『キャッチ・ザ・ハンド』のスピードは、音速戦闘機!
目にも留まらぬ超速の、拳による強烈なラッシュがニダーを、『チープ』を、もろともブチ飛ばす!
<::;:)Д(:;>「お……お前……は……やってること……ウリと……同じ……」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「……まー、そうかもしれねえよ。
でも、スタンドは証拠も残らないし、犯人像だって見えてこねえ。
だからこうやって、『見えて、知っている』オレが『悪』を裁くのは
なぁんにもおかしいことじゃあねえだろ?
『悪いこと』をする奴は『悪いこと』をされる覚悟があるもんだろーが」
<::;:)Д(:;>「うぅ……むちゃくちゃニダ……
こ、こうなったら、モ……モナーさんに……言いつけてやる……ニダ……」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「ほー。よくわからんが、それがお前の先輩かい」
<::;:)Д(:;>「そう……ニダ……呟影団……幹部である『七天柱(しちてんちゅう)』の一人……モナーさんニダ」
_
( ゚∀゚) ・∀・)「そーかい。名前から察するに、七人も幹部ってのがいるんだな?」
<::;:)Д(:;>「お……お前……まさか……」
37
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 18:01:06 ID:lYpVEdIM0
_
( -∀-) ・∀・)「いつかは、絶対どっかでしっぽを掴んでやろうとは思ってたのよ。
オレの大好きなこの町で、オレの大嫌いな悪が蔓延っている。
どーしても、許せねえ。許しちゃならねえ。だからよぉー」
バ
ァ
_ \
( ゚∀゚) ・∀・)「いくらでも、売り買いしてやるぜ!!
\『呟影団』さんとの『喧嘩』をよォッッ!!」
\
ン
!
<::;:)Д(:;>(ゲェー!
こいつ大馬鹿ニダ……呟影団がどんな集団かもロクに知らねーみたいニダ……。
まあどうせ痛い目見るのはコイツだから、適当にあしらうニダ)
/└────────┬┐
. < To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
38
:
◆N91v81g8eE
:2013/04/30(火) 18:02:50 ID:lYpVEdIM0
色々ずれているのは、脳内で保管してくださるとありがたいです。
今更ですが、諸注意です。
・ジョジョのスタンドは出てきません
・ジョジョのストーリーは関係ありません
・スタンドの設定は原作を踏襲してます
以上です。
ゆっくりになるかもですが、じっくりやっていこうと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。
39
:
名も無きAAのようです
:2013/04/30(火) 18:09:48 ID:9VuEabdk0
乙
40
:
名も無きAAのようです
:2013/04/30(火) 18:53:04 ID:XG2Cvxto0
面白そう
乙
41
:
名も無きAAのようです
:2013/04/30(火) 19:47:21 ID:eTHaPZrg0
乙
42
:
名も無きAAのようです
:2013/05/01(水) 11:45:06 ID:yLYVahpk0
乙期待
43
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:16:57 ID:WRtY/ewc0
第二話「ハイウェイ・ピストルズ ①」
44
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:17:55 ID:WRtY/ewc0
_
( ゚∀゚)「おーっす、つー」
(;*゚∀゚)「!!」
次の日の朝だった。
いつものように登校し、目の前に友達の姿を見かけたのでジョルジュは声をかける。
だが、その友人は酷く怯えたような顔をして、教室の方へ走り去ってしまった。
_
( ゚∀゚)「……? どうしたんだ、あいつ?」
いつもではありえない、いつもらしくない態度。
その謎は、校舎に入り昇降口で靴を履きかえる、という段階に入るまでに解けた。
「あいつが、呟影団にケンカ売った奴か?」
「うわー、命知らずだねー」
「どうなっても知らねーぞ」
「関わるのはよしておこうぜ。こっちが目をつけられちまう」
「ああ、そうしよう」
45
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:19:32 ID:WRtY/ewc0
口々に聞こえてくる、ひそひそとした会話。
それだけで、決して頭の悪くないジョルジュは理解する。
昨日の夜、尋問した呟影団の一員、ニダーが漏らしたのだろう。
次の日の朝には、もう自分の顔が割れていて、更に危険人物として知れ渡っているとは。
_
( ゚∀゚)(呟影団の情報力、あんまり甘く見ないほうが良さそうだな)
とはいえ、彼は気落ちすることはなかった。
喧嘩を売った以上は、いずれこうなることはわかっていたから。
予想を大きく超える早さなのには驚いたが、覚悟は既にできている。
いつか呟影団を叩き潰した後に、笑顔が戻ればそれでいいのだ。
孤独なヒーローだって、悪いことではない。
逆に言えば、無用な危険を一般人にさらすことを意図せずに避けられるのだ。
46
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:22:16 ID:WRtY/ewc0
_
( ゚∀゚)(恐ろしいことに、呟影団の人員は全員が全員『スタンド使い』って言ってたしな。
普通の人が、巻き込まれたら流石にマズイからちょうどいいさ)
一人さびしくジョルジュは教室に入り
まるでいじめられているかのように、わざと前後左右の間隔があけられた机に鞄を置いた。
――――。
昼休み。
_
( -∀-)「さーて」 ガタッ!
(*゚∀゚)「!」
(;* ∀ ) サッ
ジョルジュが席を立つと、つーはどこかへ逃げるように去っていった。
47
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:24:29 ID:WRtY/ewc0
_
( ゚∀゚)(……ま、辛いのはわかってたことだしな)
ため息をついて、少し寂しげな背中でジョルジュは教室を出ていく。
手に持った、今朝コンビニで買ったおにぎりやパンの袋を携えて。
_
( ゚∀゚)(迷惑にならねー場所にしておくか)
第二チャンネル高校には、サッカーや野球、陸上競技などが出来るメイングラウンドが広がっている。
そこの脇にある坂を下った場所には、テニス部やハンドボール部が使う小さなサブグラウンドが設置されていた。
休みの日などは別だが、平日の休み時間だと、そこは校舎からは陰にもなって人目がつかない。
もちろん、人気もない。一人になるには、絶好の場所だ。
メイングラウンドで、昼食後に練習に励んでいる陸上部を横目にジョルジュは歩く。
斜面を下り、適当な木陰を探してジョルジュは座った。
季節はまだ蝉も鳴かない春の候。
やきそばパンを咀嚼し、ペットボトルのお茶で流し込む。
心地よい風にまぎれ、たんぽぽの胞子が舞っていた。
ようやく寒さから解放された虫たちも、元気に空を散歩している。
のどか。
その一言で完結できる、ゆったりとした時間。
48
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:27:28 ID:WRtY/ewc0
_
( ゚∀゚)(これで、一人じゃなけりゃ良いんだけどな。ま、贅沢か)
おにぎりの袋を開けて、口に入れる。
ゆっくりと噛んで、喉に通す。
これで食事はおしまいだ。もともと、あまり食べる方でもないのでこれで十分。
最後にお茶をまた嚥下し、満足げにジョルジュは息を吐いた。
遠くの高所にある、校舎時計を確認する。
昼休みはまだまだ長い。
_
( ゚∀゚)(することねーし、ちょっと昼寝でもすっかなー)
大きく伸びをした。
それから、目の前に飛んできた虫とおぼしきものを確認する。
遅くはないが、かなりのスピードだった。
蜂ではなさそうなので、手持ちのペットボトルで叩き落とそう。
そう思って、ペチンと空ボトルを振り下ろした。
49
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:29:52 ID:WRtY/ewc0
_
( ゚∀゚)「……?」
感覚はあった。
確かに当たった。
でも、それは叩き落とした感触ではなかった。
違和感を覚え、手のペットボトルを見る。
底に残っていたお茶が漏れていた。
もちろんだが、蓋は閉めてある。
先ほどまで、不自由なくお茶を貯めていたのだ。不良品だったわけでもない。
なのに、お茶が流れ出ている。量は少ないけれど、それは明らかなる『異常』!
50
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:32:36 ID:WRtY/ewc0
_
(;゚∀゚)「なっ!?」
気づいた時には遅かった。
綺麗な円を描いて、『穴』が空いたボトル。
それを確認する前に動くべきだった。
飛んできた虫のような何かが、ジョルジュの右太ももにめり込む。
_
(;゚∀゚)「ぐああ!?」
皮膚を破り、固い筋肉で留まると、冷たい異物はまるで霧のように雲散する。
_
(;-∀゚)「な……んだ!?」
流血した腿を押さえて、ジョルジュは声をあげる。
しかり周りの風景に変化はない。
人の気配だってしない。
51
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:35:19 ID:WRtY/ewc0
けれど、わかる。
彼は、生まれながらの『スタンド使い』
稀な存在ではあるけれど、他の使用者と、出会ったことがないわけじゃない。
生きていくうえで、何度か経験したことのあるこの感覚。
_
(;゚∀゚)(スタンド攻撃を受けている……!!)
力が入りにくい足庇いながら、周囲をしっかりと見渡す。
風のざわめきを、木の影を、何かが居ないか探し続ける。
_
(;゚∀゚)(……どうせ、面は割れているんだろうし。隠す必要もないよな)
52
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:37:33 ID:WRtY/ewc0
_
( ゚∀゚)三・∀・) ドキューーン!
ジョルジュはスタンド『キャッチ・ザ・ハンド』を呼び出す。
意識の共有が出来るスタンドだから、周りを見るならこちらの方が有利。
元々高い動体視力などが強化されるから。
また2程度ならば自分から離れられる。もちろん、上空にだって。
つ ⊂
キョロ (・∀・ 三 ・∀・) キョロ
_
(;゚∀゚) (そもそも打ち込まれたアレはなんだったんだ……?
やけに光を反射していたから、虫かと思ったんだが……
でも、このペットボトルを見るに、虫じゃあない。
こんな組織も破壊せず、綺麗に円形に抉るなんて、出来るはずもない)
手元に残った証拠と、足を貫いた跡を見る。
制服のズボンは、同様な形で穴が開き、そこからは血が流れている。
大事な血管の多い太ももだ。出血量を見るに、もしかしたら傷がついている可能性もある。
その前に、なんとかしなくては……。
53
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:39:29 ID:WRtY/ewc0
⊂
( ・∀・) !
_
(;゚∀゚)「ん?」 ⊂三)
⊂
( ・∀・)
_
(;゚∀゚) ⊂三)
つ
(・∀・ )
_
(;゚∀゚) て ⊂三)
「これだキャッチ・ザ・ハンド! 『吸い寄せろ』!!」
(・∀・⊂)
_
(;゚∀゚) ⊂三)
54
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:41:26 ID:WRtY/ewc0
左手をキャッチ・ザ・ハンドが開く。
そこへ吸い寄せられるように、見えた『弾丸』が飛んで行った。
_
(;゚∀゚)「そのまま、ぶち壊すぜ!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
(# ・∀・) =つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
=つ≡つ =つ≡つ =つ≡つ
『モラモラモラモラモラモラァッ!!!』
55
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:43:41 ID:WRtY/ewc0
渾身のラッシュだった。
キャッチ・ザ・ハンドは、スピードこそ凄まじいものがあるが
破壊力に関しては、先日戦ったニダーの『チープ』ほどもない。
故に、速さを活かした手数で攻める戦法を取る。
しかし、それでも。
_
(;゚∀゚)「!?」
( ・∀・) ⊂三) 〜
ユラァ
_
(;゚∀゚)「なっ……オレのラッシュを躱したのか!?」
そして確認し、確信した。
一度は、キャッチ・ザ・ハンドに引き寄せられた弾丸は、再び軌道を変えてジョルジュへと迫っている!
_
(;゚∀゚)「自動追尾型か!」
56
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:46:23 ID:WRtY/ewc0
スタンドには、様々なタイプが存在する。
ニダーやジョルジュのような、接近戦を主に得意とする近距離パワー型
遠方でも力が衰えにくい、遠距離操作型。
自身に装着できるものや、実態を持たない形も存在する。
今回の、『銃弾が常にジョルジュを付け狙う』のは自動追尾型だ。
基本的に何か条件があるが
それさえ達成すればよっぽどのこと――上回るパワーで破壊されるか、使用者が行動不能になる――がない限り
絶対に、遂行するまで追い続ける。
_
(;゚∀゚)(理由はわからんが、既に『条件』は達成されているみたいだ
つーことは、とにかくスタンド使いの『本体』を探さないと
どっちみち、二撃目をくらっちまう!)
ジョルジュは駆けだす。
血の出る足をかばいながらも、懸命に!
_
Σ= (三⊃ (;゚∀゚) ・∀・)
ズギュー!
当然のように、軌道を変えて銃弾は迫ってくる。
57
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:49:01 ID:WRtY/ewc0
銃弾にしては非常にすっとろい速度ではあるが、追いかけるには十二分のステータス。
特に足を負傷したジョルジュ程度では、切り返しで引き離した距離なんて、大した意味をなさない。
_
(;゚∀゚) ・∀・)つ 『キャッチ・ザ・ハンド!』
スタンドの左手を開いた。
ジョルジュの視界に映る物を、強制的に吸い寄せる特殊能力。
幼い頃から、常に共にある能力だからこそ、彼は応用法も心得ている。
『吸い寄せる』以外にも、これは『吸い付く』ことだって可能なのだ。
_
(三⊃ (;゚∀゚) ・∀・)つ三=─
ズォア!
_
(三⊃ ─==三三三(;゚∀゚) ・∀・)つ ギュン!
58
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:52:34 ID:WRtY/ewc0
これを繰り返し、普段の移動速度の倍以上で距離を稼ぐ。
直線軌道しか描けないこと、吸い付きの後に何か異物を入れられると回避が困難なこと
それらを除けば、彼にとってかなり優位な移動法である。
_
(;゚∀゚) ・∀・)つ(距離が離せている……これなら、なんとかなるな)
ズォア!
移動しながら、ジョルジュは考える。
何故、急に攻撃を受けたのか。
どういう『条件』によるものか。
『本体』はどこなのか。
_ ズォア!
(;-∀゚) ・∀・)つ(ごちゃごちゃ考えるとかえって混乱する。
まずは一個一個『納得』の上で、推理していこう)
まず、どうして攻撃を受けたのか。
十中八九、ニダーのせいだ。
いわゆる報復行動だろう。
59
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:55:27 ID:WRtY/ewc0
昨日、呟影団の実態を話してもらえるだけ話させた。
拷問というほどでもなく、単に聞き出せることを尋ねただけ。
曰く、呟影団はスタンド使いのみの集団なこと。
七人の幹部、『七天柱』がいること。
その上に立つ、誰よりも強い『ボス』がいること。
連絡後、七天柱の一人『モナー』が動くはずであろう、ということ。
それだけだ。
_ ズォア!
(;゚∀゚) ・∀・)つ(……ということは、これはきっと……『モナー』による攻撃!)
どんな奴かはしらないが、考えられる結論はそれだけ。
では次、どういう『条件』でスタンド攻撃が行われたか。
既にジョルジュは、校舎まで戻ってきていた。
しかし、後ろを見ると遠くにまだ銃弾は存在している。
居場所は関係ない、やはり『自分』を狙って飛んできているのだ。
60
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 18:58:05 ID:WRtY/ewc0
距離も稼いでいるし、ここでキャッチ・ザ・ハンドの移動法を使うと流石に不振がられる。
スタンドは出しっぱなしだが、ジョルジュは自分の足を使って校舎内を走る。
途中、学ランの内側に入れておいたハンカチで止血だけはしておいた。
血が滴ることもないから、怪しくないはず。
_
(;゚∀゚) ・∀・)(オレを狙うののは、そういうものだとまずは『納得』だ。
問題は『どうして、今起こったのか』だろうな)
昼休みに入るまで、攻撃はなかった。
周りの目は、別の意味で気になったけれど……特に、怪しい感じはしてない。
ということは、攻撃の発生……いや、『条件の達成』自体は、この休み時間で行われたもの。
つまり、『実際の接触』による条件ではない。
遠隔からでも、確実に達成可能な条件。
_
(;゚∀゚) ・∀・)(……弾丸、ってことは多分『銃』のスタンドだ。
つーことは、多分……狙撃したんだろう)
狙撃からの自動追尾。
そう仮定するなら、一体どこからどうやって?
61
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 19:00:37 ID:WRtY/ewc0
_
(;-∀-)・∀・ )(弾丸のスピードを考慮するなら、昼休み開始時に撃たれたわけがない。
オレが飯を食い終わった前後のはず。
けど、周りの気配は特になかった。近くじゃない)
少しずつ少しずつ
散らばったパズルを、頭の中で当てはめていく。
頭の回転の良さは、彼の強力な武器の一つだ。
キャッチ・ザ・ハンドの、攻撃力の低さを補うのも彼の作戦力。
_
(;゚∀゚) ・∀・)(オレが見える箇所……といえば)
こちらから見えないけれど、相手からは確認できる位置。
_
(;゚∀゚) ・∀・)(高いところ……)
そう、その場所はこの第二チャンネル高校には一つしかない。
62
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 19:02:33 ID:WRtY/ewc0
_
(;゚∀゚) ・∀・)「屋上か!!」
一般的に、高校の屋上というのは危険性が高いので閉鎖されている。
第二チャンネル高校も、当然その例に当てはまる。
しかし、全くいけないわけではない。
扉自体は存在しているし、『スタンド使い』ならそれぐらい容易だ。
誰も寄りつかないから、狙撃を仕掛けるには、絶好の場所。
それしかない。
階段を駆け上がり、ひたすら真っ直ぐ目的地を目指す。
4階建ての校舎
その4階についた、唯一の昇り階段。屋上への道。
そこを進んだ先には、鎖で施錠された扉がある。
63
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 19:04:19 ID:WRtY/ewc0
いや、あるはずだった。
硬度以上の強さで破壊された南京錠とチェーンは、無残にも床に落ちている。
_
(;゚∀゚) ・∀・)「ビンゴだな!」
警戒しながら、ジョルジュは扉を開ける。
( ´∀`)
そこには、来るのがわかっていたといわんばかりに
燦然とした立ち姿の、一人の男子生徒が居た。
/└────────┬┐
. < To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
64
:
おまけ
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 19:05:52 ID:WRtY/ewc0
『スタンド(幽波紋)能力とは』
・生まれつき備わっている、または物事を極めた者に発現する
近しい人間の影響により発現する例も稀に存在する
・スタンド像は人それぞれ。
・スタンドは一人一体のみ
・スタンドはスタンド使いにしか見えない
・スタンドはスタンドでしか触れない
・スタンドのダメージは使用者に直接伝わる
・人知では再現できない特殊な能力を持っている
・扱える距離に限界がある
・スタンドは成長する
――――以上
65
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 19:06:38 ID:WRtY/ewc0
二話おしまい
不定期になるのは確定的に明らかですが、頑張ります。
66
:
名も無きAAのようです
:2013/05/01(水) 19:24:07 ID:Me01xFmE0
乙
67
:
名も無きAAのようです
:2013/05/01(水) 19:46:04 ID:TL.T4gi.0
乙
68
:
◆N91v81g8eE
:2013/05/01(水) 19:47:19 ID:WRtY/ewc0
全く関係ない私事ですが、私のIDがWRYっぽいと感じました。惜しい。
69
:
名も無きAAのようです
:2013/05/01(水) 19:49:51 ID:TL.T4gi.0
ウリティって何だよ…
70
:
名も無きAAのようです
:2013/05/01(水) 20:47:21 ID:j6t288EQ0
キャッチ・ザ・ハンドがザ・ハンド、チープがチープ・トリック、ハイウェイ・ピストルズがセックス・ピストルズを踏襲してるんかね
追尾って意味ではハイウェイ・ピストルズはハイウェイ・スター的な要素もありそうだな
71
:
名も無きAAのようです
:2013/05/18(土) 00:04:34 ID:WC0.Ys8k0
>>70
キャッチザハンドはハンドとキャッチザレインボウ
じゃねーの?
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