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( ゚∀゚)ジョルジュはスタンド使いのようです。

1 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:26:09 ID:lYpVEdIM0
(  ω )「ねえ、ジョジョ」

  _
(  ∀ )「そのあだ名やめろっての。なんだ?」


(  ω )「どうしてキミは、そんなに『人助け』が好きなんだお?」

  _
(  ∀ )「どうしてって言われてもなぁ……お前、肉は好きか?」


(  ω )「肉? もちろん好きだお!」

  _
(  ∀ )「それはなんでだ?」


(; ω )「なんでって……そんなの、好きだから好きなんだお」

  _
(  ∀ )「だろ? 一緒なんだよ。
     オレはオレがそうしたいから、お節介でも大きなお世話でも」

  _
(  ∀ )「オレの中にある、揺るぎない『心の正義』を全うして生きていたいんだ」

2 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:27:23 ID:lYpVEdIM0
(  ω )「……キミは本当に、優しい人間なんだおね」

  _
(  ∀ )「よせよ、恥ずかしい」


(  ω )「……ジョルジュ」

  _
(  ∀ )「ん?」


(  ω )「キミは真っ直ぐな人間だお。
       だから、もしいつか、どこかで僕が道を違えた時は」


(  ω )「どうかその時は、僕を止めてほしい」

  _
(  ∀ )「ははっ。お前みたいなピザ野郎、簡単に止めてやるよ」


(; ω )「ひ、酷いお!」

  _
(  ∀ )「わりぃわりぃ。でも、安心しろ
     その時は、オレは『力』を使ってでも止める。絶対な」

(  ω )「うん。約束だお」

  _
(  ∀ )「ああ、約束だ」

3 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:28:35 ID:lYpVEdIM0



  _
( ゚∀゚)ジョルジュはスタンド使いのようです。

4 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:29:58 ID:lYpVEdIM0
某県N市VIP町

隣のニュー速市のベッドタウンとして、工場やマンションが栄えている田舎町
栄えもせず、廃れもしない。ただ、人口が増えていくばかりのどこか懐かしい街並み

そこに住まう、どこにでもいる普通の一介の高校生が、この物語の主人公である。





第一話「長岡ジョルジュ」

5 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:31:49 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚)「はよーっす」

(*゚∀゚)「おいっす、ジョジョ!」
  _
( ゚∀゚)「おっす、つー。それと、その呼び名やめろ」

(*゚∀゚)「えー? いや、だって長岡(じょうおか)ジョルジュ。略してジョジョで良いだろ?」
  _
( ゚∀゚)「ぜってー変だって。まあいいや、それよりお前、あの後ちゃんと帰れたか?」

(*゚∀゚)「おぅ、おかげさんでな。しっかし、お前もタイミング良い奴だよな。
      駅で肩ぶつかっただけのヤンキーに絡まれてるおれを見つけるなんてよー」
  _
( -∀-)「たまたまだよ。居合わせたから、助けただけだ」

(*゚∀゚)「そこよそこ。『居合わせたから』っつーけどよぉー。
      普通ならあんなおっかねー兄ちゃんがキレてたら、逃げるだろ?
      なんでおめーは、わざわざ割って入ってきたんだ?」

6 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:34:43 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚)「なんで、って言われてもなー……。つー、お前チョコは好きか?」

(*゚∀゚)「チョコ? まあ、好きな方だな。甘いし、おいしいし」
  _
( ゚∀゚)「そうか。でも、それがなんでか、なんてわかんねーだろ?
      一緒なんだよ。オレもなんでかわかんねーけど、『悪いこと』してる奴を見ると
      身体が勝手に動いちまうんだ。本能、っつーの?」

(*゚∀゚)「はー。スゲーなお前。おれにはマネできねーよ。そんなお節介」
  _
( ゚∀゚)「まー、それはそれとして。今日の宿題のことだけど」

(*゚∀゚)「おお、昨日の礼だ。いくらでも写させてやるぜ」
  _
(*゚∀゚)「ひゅー、助かるゥ! 持つべきものは友達だな、やっぱ!」

(*゚∀゚)「はっはっはっ。人助けが趣味のお前が、人に助けられてどーすんだよ」
  _
( ゚∀゚)「それとこれとは別なんだよ、サンキュー!」

7名も無きAAのようです:2013/04/30(火) 16:38:52 ID:SeArh1GIO
良さげ 支援

8 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:39:13 ID:lYpVEdIM0
第二チャンネル高等学校。
彼らの通う、どこにでもある普通の高校。
男子は学ラン、女子はブレザーの変哲もないものが制服。


朝の登校時に交わされる、友達同士の平凡な会話。

けれど、しかし。

この町には、非凡で異常な世界が潜んでいるのも事実であった。



(*゚∀゚)「……なんか、昨日も暴行事件あったみてーだな」
  _
( ゚∀゚)「そうか」

昼休み、二人の生徒は机を挟んで食事をとりつつ、携帯電話をいじっていた。
つーの画面には、ニュースサイトが開かれている。

そこにある文面は

『夜闇に潜む悪魔!?』
『怪異、雪女の仕業か!?』

などという、普通ではない見出しが書かれている。

9 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:42:59 ID:lYpVEdIM0
(*゚∀゚)「ここ数年、こういう事件多いよなぁ。
     おれが絡まれたチンピラのあんちゃんすら、よっぽどマシに見えるぜ」
  _
( ゚∀゚)「確かになぁ。噂じゃ、えーと……なんだっけ。げ……げ……」

(*゚∀゚)「『呟影団』か?」
  _
( ゚∀゚)「そうそう、それそれ。げんえいだん、だ」

(*゚∀゚)「おかしな集団だよなー。
      名前だけはやたら有名なくせに、全然アシがつかねえ犯罪者集団だろ?」
  _
( ゚∀゚)「窃盗、暴行、ゆすりたかり。話では殺人した奴もいるらしいぜ」

(*゚∀゚)「でも、証拠は残らない……。完全犯罪しまくる団体とか、とんでもねー恐怖だよ」
  _
( ゚∀゚)「そうだな……」
  _
(  ∀ )(証拠が残らないことに、心当たりはある。でも……手がかりがなさすぎるよな)

10 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:46:01 ID:lYpVEdIM0
(*゚∀゚)「どした、難しい顔して?」
  _
( ゚∀゚)「え? ああ、なんでもねーよ」

(*゚∀゚)「まさかお前、この『呟影団』潰そうとか考えてねーだろうな?
      いくらお人よしのヒーロー気取りだからって、犯罪者相手はマズイぞ?」
  _
( ゚∀゚)「わかってるよ」

(*゚∀゚)「ほんとか? お前なら、考えなしに関わっちまいそうだけどよー」
  _
( ゚∀゚)「まあ、そん時はそん時だよ。なんとかするさ」

(*゚∀゚)「ったく。注意しろよ」
  _
( ゚∀゚)「わかってるてばよぉ。それよか、購買にお茶買いにいかねー?」

(*゚∀゚)「おう、いいぜ。おれもパン買おうかと思ってたんだ」
  _
( ゚∀゚)「よっしゃ。じゃあ先に着いた方がおごりな! スタート!」

(;*゚∀゚)「ちょっ、おい! ずるいだろソレはー!」

11 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:48:47 ID:lYpVEdIM0
 ――――。


喧嘩の仲裁、部活の助っ人。
腕っぷしの強いジョルジュは、そうやって力で場をなだめる能力に秀でていた。

その日も、友人に頼まれて野球部の練習相手として付き合うため
部活に所属していないジョルジュが、放課後に借り出されていた。

(=゚ω゚)「いくよぅ!」
  _
( ゚∀゚)「ばっちこい!」

(=゚ω゚)ノシ「とりゃ!」
  _
( ゚∀゚)「見えた!」

カキーン!

野球部のエースが投げた、変化幅の大きなウイニングショットをジョルジュは難なく打ち返した。
外野でボール拾いをしていた下級生が空を見上げてしまうほど、白球は伸びていく。
真芯でとらえた証拠だ。

12 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:51:02 ID:lYpVEdIM0
(;=゚ω゚)「そんな……部の誰も打てない僕の魔球が……」
  _
( ゚∀゚)「リリースする時、他の変化球と比べて微妙に肘の角度が浅いんだよ。
      後は、その正確無比なコントロールを信じて目測すりゃあ、打てるぜ」

(=゚ω゚)「肘かよぅ……わかった。協力どうもだよぅ!」
  _
( ゚∀゚)「なーに、気にするな。頑張って、うちの高校を甲子園に導いてくれや!
      ……えっと、次は図書委員の手伝いだっけな。そろそろ行くわ」

(=゚ω゚)「頼んだ僕が言うのもなんだけど、相変わらず忙しい奴だよぅ」
  _
( ゚∀゚)「趣味みたいなもんだからな」

(=゚ω゚)「そうかよう。いつか、おかしなことに巻き込まれないよう注意すると良いよぅ」
  _
( ゚∀゚)「ははっ。そりゃオレだって思ってるよ。んじゃな!」

(=゚ω゚)ノシ「バイバイだよぅ」

13 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:53:19 ID:lYpVEdIM0
 ――――。
  _
( ゚∀゚)「こんちわっす」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、ジョルジュくん。やっと来た」
  _
( ゚∀゚)「わりーな、ツン。遅れちまってよ。ほんで、何すりゃいいんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「貸し借り表の整理よ。こんだけあるからお願いね」
  _
( ゚∀゚)「オーケーオーケー。良い感じの量だな、悪くねぇ」

ξ゚⊿゚)ξ「……」
  _
( ゚∀゚)「ん? どした?」

ξ゚⊿゚)ξ「ううん、普通は面倒がって誰もやらないんだけど……
       ジョルジュくんは、二つ返事するもんだから」
  _
( ゚∀゚)「いや、だってお前が困ってるなら、やってあげねーといけないだろ」

ξ-⊿-)ξ「そうね。
        まあ、こうやって美少女と一緒に放課後の、活字離れが激しい閑散とした図書室で
        共におんなじ空気を吸えることに感謝なさい」

14 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:55:23 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚)「おーおー。ありがてーよ。サンキュー、キレーな女神様」

ξ*゚⊿゚)ξ「ばっ……! あ、あんたもう少し返し方ってもんがあるでしょ!?」
  _
( ゚∀゚)「はっはっはっ。別に良いだろ、どーでも。事実を言っただけなんだからよー」

ξ//⊿//)ξ「……」
  _
( ゚∀゚)「さぁて、さっさと終わらせて、お家に帰りますかねぇ」




――――。

日が暮れかけた、夕闇に染まる学校を二人は後にする。
部活帰りの連中に手を振りあい、ジョルジュとツンは帰路へとついた。

15 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:57:29 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚)「はー。中々骨が折れたわー」

ξ゚⊿゚)ξ「一月分溜まってたからね」
  _
( ゚∀゚)「もっとこまめにやらねーと後で苦労するぞ?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね。そうするわ。あ、私こっちだから」
  _
( ゚∀゚)「おう。気をつけろよ、最近物騒らしいからな」

ξ゚⊿゚)ξ「それはどーも。あんたこそ、気をつけなさいよ?
       すぐ、何か厄介ごとに首をつっこむ性格なんだから」
  _
( ゚∀゚)「おう。心配してくれてドーモな」

ξ*゚⊿゚)ξ「べ、別に心配じゃないわよ!
       うちの学校の生徒として、自覚もって行動しなさいよって意味なんだから!」
  _
( ゚∀゚)「へいへい。そんじゃ、またなー」


  _
( ゚∀゚)ノシ

ξ゚⊿゚)ξノシ

16 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 16:59:31 ID:lYpVEdIM0
  _
( ゚∀゚)=3「……ふー」

一息ついて、ジョルジュは満足げな顔をして歩き続けた。
舗装された道の傍には森が生い茂っており、少し後方には田んぼが土地を占拠している。
所々に立ち並ぶ、風景とミスマッチな新しいマンション群だけれど、それも自分の好きな町だとジョルジュは思っている。

世に出るような名産品もないし、これからもきっと出てこないだろう。
けれど、こののどかな世界が彼の心を癒している。

だからこそ、許せないのだ。

平穏を乱す、『悪』という存在が。



  _
( ゚∀゚)「ん?」

すっかり太陽が隠れてしまった時刻。
家路の途中にある歩道の傍。
まだまだ遠い目的地の、中間地点ともいえる公園を通りがかった時だった。

17 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:03:46 ID:lYpVEdIM0
何か、重たい音が響いている。
鍛える為に、素振りをしている青年を見かけることはある。
人見知りの犬が安心できるから、散歩に連れているのを見かけることもある。
塾帰りの小中学生が、家に帰るのが惜しくて駄弁っているのを見かけたことだってある。


けれど、それらでは絶対にない。

彼の耳に届き、目に映る明らかな『異常』


遊具と砂のグラウンドのある、小さな公園。




        三   そ ゴスッ
<::::::∀::>::::ハ::) 三 Σ (:::::::::)
        三   て
              ドカッ



滑り台の陰に隠れて、誰かが誰かを一方的に攻撃しているのだ。

響く鈍い音は、殴打によるものだろう。

一人が傍に立ち、もう一人が一方的にパンチや、蹴りを繰り出し
地面の近くでうずくまって、声にならない声をあげる『影』に害を与えていた。

18 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:06:10 ID:lYpVEdIM0

  _
(;゚∀゚)「な、何やってんだお前!!」


ジョルジュは考える間もなく飛び出していた。駆けつけていた。

助ける理由なんかないし、割って入る権利もないけれど。

彼は、振るわれる暴力と一方的な攻撃行為が『悪』と判断したから、動いていた。それだけ。

タイミングよく公園の照明にスイッチが入り、少しだけ周囲の明度が確保される。


<ヽ`∀´>「ん?」

映し出される顔は、ジョルジュより少し年上に見える青年男性だった。
吊り上った目と、蓄えた髭。
見た目だけで判断するならば、『怖い人』に区分される容姿である。

地面の影は、既に気を失っている男性だった。
顔が腫れているので、年齢の確認はできないが
纏っている制服は、自分とは異なるが近所の高校のものである。

19 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:08:39 ID:lYpVEdIM0
  _
(;゚∀゚)「あんたが、この人を殴ったのかよ!?」

<ヽ`∀´>「……知らないニダ」
  _
(;゚∀゚)「嘘をつけ! だってこんなにいっぱい血が……」

<ヽ`∀´>「ウリは何もやってないニダ」
  _
(;゚∀゚)「何を言っ……」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

<ヽ`∀´>「もしウリが『殴った』なら、返り血ぐらい付いているはずニダ?」



そう、その通り。
青年の衣服は、まったくもって乱れてもいない。
簡素な服装だけれど、それでも彼の姿は何も変化はない。

そのままコンビニに入っても違和感などない、いたって普通な恰好。

20 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:11:49 ID:lYpVEdIM0
  _
(;゚∀゚)(でも……おかしいだろ)

地面に、横たわる男性の血が飛沫している。
点々と描いた赤黒い液体は、間違いなく強面の男性に向かって伸びているはずなのだ。

けれど、それが途中で途切れている。


何より、そもそも。


  _
(;゚∀゚)(影は『二つ』あった。こいつじゃないなら、そっちが犯人のはず)

  _
(;゚∀゚)(オレが駆けつけるまでに逃げる時間はなかった。
      大体、それなら後姿ぐらい見えるだろう)

  _
(;゚∀゚)(でもオレは『何も確認してない』……!)

21 ◆N91v81g8eE:2013/04/30(火) 17:15:41 ID:lYpVEdIM0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

  _
(;゚∀゚)「お前……まさか……」



┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


<ヽ`∀´>「……ふん」


<ヽ`∀´>「よくわからんけど、見られたからにはタダじゃおかないニダ。
      下手に言いふらされても困るニダ……」


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