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( ^ω^)2013年 突発ゴールデンウィーク企画のようです

1名も無きAAのようです:2013/04/16(火) 21:07:17 ID:jMrmCD3gO
俺たちのGWははじまったばかりだ!!



ゴールデンウィークだし、何か企画をやろうぜという主旨のスレです。

843名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:56:17 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『ふぅ……とりあえず君達しゃべらないでくれる?面白いから』

リハ´∀`ノゝ(理不尽)

( ・∀・)『まず、君達がしぃちゃんを尾行する。
     そして男と合流したらしばらくおよがせる』

( ・∀・)『それで、やけに仲いいなって思ったら僕が声かけに行くから。
     それでギコのことをだして様子を見る。
     君たちは陰に隠れて聞いといて』

( ・∀・)『あ、そういや聞いてなかったけど。
     ギコ、本当に浮気だったらどうするの?
     しゃべらないでね』

リハ´∀`ノゝ(ひどい)

しゃべるなと言われたギコは携帯で文を打ってモララーに見せました。
しゃべったらモララーがまた笑ってしまうでしょうから、それを懸念したのでしょう。
僕から文面は見えませんでしたが、モララーが満足そうにうなずいたので彼の同意は得られたのだと思います。

844名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:57:01 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『じゃあ、行こうか。
     二人とも顔隠しとけばそれなりにみえるから』

リハ´∀`ノゝ(それなりて)

( ・∀・)『あ、それとも化粧もする?
     一通りできるけど』

リハ´∀`ノゝ『だが断る』

( ・∀・)『…なんかモナーには慣れてきたよ。
     案外似合うんじゃない?』

从リ ゚д゚ノリ『俺は』

( ・∀・)『wwwwwwwwwwwwwww』

リハ´∀`ノゝ『泣いてもいいモナ』

从リ ゚д゚ノリ(覚えてろよモララー)

そして、冒頭に戻るのです。

845名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:57:44 ID:NGk.nvjY0

リハ´∀`ノゝ

从リ ゚д゚ノリ


(*゚ー゚)( ・−・*)アーソレイーンジャナイ? ソーカナー?

リハ´∀`ノゝ「…仲良さげモナね」

从リ ゚д゚ノリ「ちくしょう…しぃの隣は俺の場所なのに…」

陰に隠れて僕らは小声で会話しています。もし周囲にばれたら生きていけません。
しぃさんと男はかなり仲がよいように見えます。正直コワモテのギコよりお似合いです。
デパートの雑貨屋で二人は何かを選んでいるようです。
しぃさんが選んで、男が意見を言うという感じでしょうか。

从リ ゚д゚ノリ「くそ、モララーはまだか…」

リハ´∀`ノゝ「あんまり前にでちゃダメモナ。
       ばれたら一瞬でバイバイモナ」

从リ ゚д゚ノリ「わかっているが…」

ギコは今にも飛び出しそうです。
ギコが出たら僕も連鎖的にばれてしまうでしょうから僕も必死です。
もしばれて母親の耳に入ったらと思うと恐ろしいのです。
息子が特殊な性癖をもっていると誤解されたくありません。

846名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:58:24 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)( ・−・*)ウーンアンマリダナー ベツノトコイコッカ?

どうやら二人が出てくるようです。
ばれないように二人の死角に回って、後をつけます。
ストーカーは物凄く根気がいるのだと学びました。

リハ´∀`ノゝ(バナナチョコタルトも追加しよう)

从リ;゚д゚ノリ「お、おい、あれ」

焦ったギコの声に意識を戻すと、二人がアクセサリー店に入っていくところでした。
指輪のもとに近寄っていく二人をギコは茫然と見送ります。

从リ д ノリ「ゆびわ……おれもかってやったことないのに……」

リハ´∀`ノゝ(こりゃおわったかな)

847名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:59:10 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)( ・−・*)サスガニキガハヤイカナー? ヤッパソウイウノハサー

二人は指輪をチラッと見ただけで今度はブレスレットの方に近寄っていきます。
指輪じゃなかったと安堵するギコですが、あそこは男物の場所です。
しぃさんが男へ何かを買うのは確定的でした。

(*゚ー゚)( ・−・*)ア!コレイイ! オオーイージャン

しかも買う物は決まったようです。しぃさんはご機嫌です。
きれいにラッピングしてもらって、しぃさんは慎重に手に持っていたカバンに入れました。
よほど大事な人への贈り物なのでしょう。それはもう。もう僕にはオチが見えます。

( ・∀・)「やぁ、偶然だね」

(*゚ー゚)「あら、モララー君」

( ・−・ ) 「? 友達?」

ここでモララーがしぃさんに声をかけました。
もう彼にもオチが見えているのでしょう。いつもよりにこやかです。
いや、彼は最初からわかっていたのかもしれません。

848名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:00:00 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)「同じ学校の人」

( ・−・ )「そう。はじめまして、しぃの従兄の椎名シーンです」

从リ ゚д゚ノリ「……へ」

( ・∀・)「はじめまして、茂羅モララーです。
      今なんか買ってたみたいだけど、誰かへのプレゼント?」

(*゚ー゚)「もう、わかってるくせに!ギコ君の誕生日プレゼントよ」

从リ ゚д゚ノリ

( ・−・ )「しぃってば全然決まらないんだもん。
       俺の休日をどれだけつぶすつもりなのかと」

(*゚ー゚)「でも今日ちゃんと決まってよかったわ。
    もう来週はギコ君誕生日だから。今週はケーキの練習しないと」

( ・−・ )「それも俺が食べるんだろ?
       まったく…」

(*゚ー゚)「だってギコ君においしいの食べてほしいじゃない!」

( ・∀・)「相変わらずお熱いようでなによりだよ」

849名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:00:58 ID:NGk.nvjY0

从リ ゚д゚ノリ

リハ´∀`ノゝ「…だそうだモナ。浮気じゃなくてよかったモナね」

从リ ゚д゚ノリ「俺の…勘違いだったのか」

リハ´∀`ノゝ「そうなるモナ」

从リ ゚д゚ノリ「そうか…よかった」

本当にほっとしたのだろう。ギコの目には軽く涙が浮かんでいる。
モララー達はまだ談笑している。なにやら携帯について話して、ておいまて貴様

( ・∀・)つ□

(*゚ー゚)□( ・−・ )

( ・∀・)σ

(*゚ー゚)( ・−・ )クルッ

リハ´∀`ノゝ「げ」

从リ ゚д゚ノリ「あ」

(*゚ー゚)「ぎ、ギコ、君?なんでそんな格好」

( ・−・ )「え、ギコってどっち?しぃの彼氏女装癖でもあるの?」

从リ ゚д゚ノリ「いや、これには深い理由がありまして」

リハ´∀`ノゝ(すごく逃げたい)

( ・∀・)「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

リハ´∀`ノゝ(モラ許さん)

850名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:01:44 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「本当にひどい目にあったモナ」

( ・∀・)「僕としてはとてもおもしろかったよ」

(,,゚Д゚)「あのあと誤解解くのどれだけ大変だったと思ってんだ貴様」

(*゚ー゚)「そうよ、本当にギコ君にそういう趣味があるのかと思っちゃったわ」

そして僕達は近所で評判のタルト専門店にきています。
僕としぃさんはいちごタルト、ギコとモララーは飲み物だけです。
チョコバナナタルトとチェリータルトは持ち帰りです。モララーとギコが折半で払ってくれました。

(*゚ー゚)「それに浮気だなんて…私はギコ君一筋なのに」

(,,゚Д゚)「ごめんって。許してくれよ」

(*゚ー゚)「いーえ許しません!私もチェリータルト持ち帰りしようかしら」

(,,;゚Д゚)「真剣に俺の財布の中身がなくなるから勘弁してくれ」

(*゚ー゚)「…もう疑ったりしない?」

(,,゚Д゚)「うん、しないよ。俺もしぃが好きだから」

(*゚ー゚)「…ふふ、許す。タルト分けてあげるね」

目の前でラブラブ全開されると腹が立ちます。いちごタルトの美味しさが唯一の救いです。
しっとりめのタルト生地にたっぷりカスタード、大粒の苺にかかった甘いシロップ。
苺のさわやかな酸味をシロップで閉じ込めてあって最高です。

851名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:02:28 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「相変わらず幸せそうに食べるね君は」

( ´∀`)「美味しいんだから幸せなんだモナ。
      ……今考えたんだけど、あの作戦で僕が女装する意味あったモナ?」

( ・∀・)「え? 今気づいたの?」

( ´∀`)「え?」

( ・∀・)「面白いかなって思っただけだったんだけど」

( ´∀`)「え?」

( ・∀・)「まぁぶっちゃけ意味はなかったっていうか。
     いいじゃんそれなりに似合ってたよ」

( ´∀`)「褒めてないよねそれ。
      ……すいませーん季節のフルーツタルト追加お願いします、はい、持ち帰りで」

(;・∀・)「おいやめろ、僕の財布が限界突破する」

( ´∀`)「モラは反省したほういいモナー。
      あ、このキウイタルト美味しそう」

(;・∀・)「やめて!」

冗談モナ、と言うと安心したように彼はコーヒーを飲みました。
ギコとしぃさんは女装の話で盛り上がり始めました。僕は御免です。

852名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:03:16 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)「思ったより似合ってたわよ?化粧すればもっといい線いったと思うわ」

( ´∀`)「女装の道極めたくないモナ」

(,,゚Д゚)「なぁ俺は?俺は?」

(*゚ー゚)「ギコ君は体格からちょっと…」

(,,゚Д゚)ガーン

( ・∀・)「また女装してみる?服いっぱいあるよ」

( ´∀`)「お断りです」

( ・∀・)「僕の笑いのネタを増やそうという気はないの?」

( ´∀`)「ないよバカ。自分で女装してろ」

(*゚ー゚)「あら、モララー君も似合うと思うわよ。
    二人でやってみたら?」

( ・∀・)「じゃあ二人でやろ。写真撮るだけだから外でないから」

( ´∀`)「お前プライドないのか…」

( ・∀・)「面白いほうが大事さ。ね、やるよね?」

僕はモララーの目に見つめられると断れないのです。
もう、裏に何か見えるのです。断ったらわかるよね的ななにかが。
だから僕はこう答えるしかないのです。

( ´∀`)「……たまにならいいモナ」

あぁ、悲しいことに僕の女装ライフが始まってしまうようです。
よし、とガッツポーズするモララーを横目に僕はいちごタルトを頬張るのでした。


リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

おしまい

853名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:04:20 ID:NGk.nvjY0
タイトル
リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

レス番
>>836-852  

お題
いちごタルト
「だが断る」

縛り
マイナーキャラに愛の手を( ・−・ )


俺は女装っ子なるものをなにか勘違いしている気がする

854名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:19:33 ID:EJQ11U4g0
乙乙乙

855名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:36:58 ID:4/TZg7kY0

これさ、 >>747-772と話繋がってる?

856名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:42:56 ID:NGk.nvjY0
>>855
一応ちょっと意識して書いた

857名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:45:04 ID:AtYt0uBI0
ギコwww
おもしろかった、おつ

858名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 19:55:15 ID:t08Ggv8U0
うっひょおおおおう
つ、次のはまだか!(ジャンキー)

859名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:31:16 ID:RVETB6Gw0
おう!も少し待ってろ!

(あぁまた期間終了後に投下するパターンのやつだ…)

860名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:44:13 ID:ELABVNKI0
投下します

861名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:45:16 ID:b69Yf9KI0
うっひょぉぉぉぉぉぉ!
知らない間に自分が出したタイトル使われてた!これは嬉しい!!

862名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:45:40 ID:ELABVNKI0



彼女の美しい瞳の中、美しい水晶体を思い出して、
よつ目だった僕は、泣きたくなりました。




( "ゞ)瞳の中の水晶体のようです



.

863名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:47:03 ID:ELABVNKI0

よつ目の僕は、そのうちの二つの目でふたつ目の彼女の姿を見ていました。
彼女は、黄色のチューリップをくわえて空飛ぶクジラを、
指さして綺麗ねと笑いました。

彼女の右手は僕の左手に繋がっています。
そうすることで、僕は美しい世界が分かるのでした。

o川*゚ー゚)o「あおぞら色の、わたしの、水晶体、綺麗でしょう。
       ないしょだけど、これがあれば世界が綺麗になるのよ」

彼女の二つの水晶体は綺麗で、映すものもすべて綺麗で、
僕は、彼女の水晶体を分けてもらった気持ちでいました。
綺麗だよ、と答えると、彼女の貌が綻びました。

o川*^ー^)o「たいえい的なきみに、わたしが要らなくなったら、これをあげる。
        はは、喜んでくれる?」

僕は、もちろんと笑いましたが、
そんな日が一生来ないことを願いました。

864名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:48:20 ID:ELABVNKI0

彼女の素敵なところは、いつもころころと笑っているところでしたが、
彼女の疲れは僕にもすぐに分かりました。
ピンク色のため息をついては、彼女は僕に見ないよう言いつけました。

o川*゚ー゚)o「ちょっと、きみにわたしの不幸が感染っちゃうよ」

僕が、彼女は不幸だったのかと驚くと、彼女は目を瞠りました。
大きな瞳から鱗が転げ落ちます。

o川*゚ー゚)o「やだ、知らなかったの?」

彼女の水晶体は綺麗なものしか映さないのに、彼女は不幸なのでした。
僕は、そんなこと思いもしなかったので、
どうしてなのか訊ねました。

o川*゚ー゚)o「んー……わたしね、ずっとあなたと一緒にいたいの。
       とっても。でも……」

そこまで言って、彼女は考え込むようなふりをして、僕の目を見ました。
彼女はふふっと笑って、

o川*゚ー゚)σ「1、2、3……4。
        かがやく瞳が番号よっつ。
        らいぎょの雷いろ」

と言いました。
彼女がそうやって、不思議なことを言うときは、いつだってうやむやにしてしまいたい時でした。
僕は彼女の右手をぎゅっと握りましたが、彼女は笑うだけでした。

865名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:50:01 ID:ELABVNKI0

嫌われ者の月曜日みたいな日でも、彼女は土曜日が来たみたいな笑顔を浮かべていました。
彼女とのなんでもない対話は、それでも僕の楽しみでした。

o川*゚ー゚)o「うんとね。
       まだ、いろはは言えないの。
       れいく、……だっけ?だからね、わたしにはまだ早いや」

きっと、麗句のことでしょう。
彼女が唱えればなんでも麗句になるのだからと僕なんかは思うのですが、
彼女はオリーブオイルみたいに瞳を輝かせて笑いました。

o川*^ー^)o「てんで無理よ」

それから、しかし少しだけ悲しい声音で、

o川゚ー゚)o「きみは……言えるようになるわ、きっと。
      てから溢れるくらい」

と、言いました。
そして握った僕の手をひっぱって、やっぱり笑いました。

866名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:51:05 ID:ELABVNKI0

夜行列車が夜の闇へ沈んでゆくのを、彼女と一緒に眺めました。
オルゴールの音だけを残して消えたのを見て、彼女は首を捻りました。

o川*゚ー゚)o「あれ、どこ行くと思う?」

下に行くね、と僕が言うと、彼女も頷きました。

o川*゚ー゚)o「ねえ、」

o川*^ー^)o「とび込んでみよっか」

今度は僕が首を捻りました。

o川*゚ー゚)o「したがどうなってるのか、気になるよ。
       てを広げて、さあ」

彼女が言うので、僕はその通りにしました。

o川*^ー^)o「あはは、大丈夫。
        なんとかなるよ。
        たぶん、ね。さあ」

彼女は小舟で漕ぎ出すように、なめらかに静かに、僕と一緒に飛び込みました。
手を離してしまわないように、僕は力を込めました。

867名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:52:22 ID:ELABVNKI0






とぷん。





.

868名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:53:23 ID:ELABVNKI0



大樹のリンゴをスプレーで吹き付けて、眼鏡で歪めたみたいな色が、広がった世界でした。
風の音もありません。
全身にクスリを垂らしたみたいな痒みが広がります。

o川;゚ー゚)o「ををを……」

彼女は変な声で呻きました。
しかし、すぐに慣れ、セルロイドのクラゲみたいにたゆたう僕たちは、
童謡を歌うみたいにしました。

o川*゚ー゚)o「しってる?
       あめって、舐めると溶けるのよ。
       わたし、びっくりしちゃった。
       せいいっぱい頑張っても、溶けちゃうの。
       においは残るのにね」

そうやって話をしていると、ファニーボーンをぶつけたときみたいな、
じんとした痺れを感じました。

o川*゚ー゚)o「しかく的には、いちごタルトみたいよね、ここ。
       たっぷりの、いちごの。でも、
       いい匂いかと思ったけど、そんなことないね」

僕も馬鹿みたいに鼻を動かしましたが、匂いはよく分かりません。

o川*^ー^)o「のばらの色にも似てるね」

彼女は笑って、それから、爬虫類みたいに目を細めました。

o川*゚ー゚)o『そろそろ時間だわ』

869名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:54:16 ID:ELABVNKI0

ざわ、
と、身体の中を、風が吹いたような気がしました。

o川*゚ー゚)o『あなたはもう行かなくちゃいけない』

どうして、と僕は言いました。

o川*゚ー゚)o『わたしの望みだから』

僕は意味が解らなくて、彼女の左手を握りしめました。

o川*゚ー゚)o『わたしは行けないの』

どうして、と僕はもう一度言いました。
悲しくて、少し声が震えました。
彼女はそれには答えませんでした。

o川*゚ー゚)o『ねえ。
       あなたの、眼球、ふたつでいいからわたしにちょうだい。
       そしたら、わたしの水晶体をあげる』

僕はとうとう分からなくなって、目の前に彼岸花みたいな赤がちかちかしました。
春雪みたいな白がもやもやと思考を覆います。

運命のときが、来たと思いました。



870名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:55:09 ID:ELABVNKI0

o川*゚ー゚)o『ね、いいでしょ。
       それとも、不満?
       じゃあ、希望もあげる。ね』

希望、
がなになのか、分からなくて、僕は彼女の瞳を見つめていました。

o川*^ー^)o『ね?』

彼女の瞳に僕が映っていました。
よつ目の僕が。

o川*゚ー゚)o『お願いよ。ちょうだい』

彼女の貌は笑顔でも、声が真剣だったから、僕は頷きました。

o川*゚ー゚)o『よかった。
       ……ありがとう』

彼女がなにをしたのか、僕には分かりませんでしたが、一瞬眩暈がして、
くらくなって、
気づいたら、彼女が見えていました。

o川*"ー")o

彼女はよつ目でした。
彼女は僕の左手を離しましたが、僕には前が見えていました。
彼女は僕が見えていないようでした。

871名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:56:00 ID:ELABVNKI0

o川*"ー")o『これでわたしは行けなくなった』

僕はもうどうしてとは言いませんでした。
いえ、言えませんでした。
僕のせいだと分かっていたからです。
彼女は手探りで僕の頭を探して、抱き寄せました。

o川*"ー")o『泣かないで。
        わたしはしあわせだよ。
        あなたを守れたから』

そして彼女は僕からついと離れました。

o川*"ー")o『ねえ、3回は言わないよ。
        しあわせになって』

彼女は弱々しく笑いました。

o川*"ー")o『ね』

僕は彼女のよっつの目を見て頷きました。
彼女は今度は満面に笑いました。

o川*^^ー^^)o『あいしてる。
        ごめんね。
        さようなら』

872名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:57:07 ID:ELABVNKI0

僕は眠くなって、目を閉じました。

真っ暗になったけど、怖くはありませんでした。
彼女の水晶体が僕の中にあるから、











せまいせまい、くらいトンネルを、僕は抜けていきました。





.

873名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:58:02 ID:ELABVNKI0


「おい風のかがやきが、
 ぎんの息吹が見える。
 やっとここに来れた。
 ああ、世界は美しい。

 おおきな誰かの影が、
 ぎゃくから覗いてる。
 やっとここを見れた。
 ああ、世界は美しい」






「こんにちは、はじめまして!」

.

874名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:59:22 ID:DBPTgIJw0
なるほど

875名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:59:59 ID:ELABVNKI0

おわりです

【タイトル】
( "ゞ)瞳の中の水晶体のようです

>>862-873

【お題】
・月曜日  ・希望  ・番号  ・眼球
・クスリ  ・クラゲ  ・オリーブオイル  ・風の音
・小舟  ・スプレー  ・青空  ・飴
・眼鏡  ・大樹のリンゴ  ・空飛ぶクジラ  ・春雪
・彼岸花  ・夜行列車  ・ファニーボーン  ・爬虫類
・トンネル  ・オルゴール  ・嫌われ者  ・セルロイド
・3  ・土曜日  ・童謡  ・馬鹿
・いちごタルト  ・黄色のチューリップ  ・痒み  ・いろは
・1、2、3

【縛り】
・投下前に身内の誰かに公開、投下時にその評価を書く
・AAの名前を出さない


「たくさんのお題を使わせてもらいました
 てんかいが微妙かもしれませんが頑張りました
 よいんが残る話になってたらいいなと思います
 みうちからのコメントは以下です」

『意味が解らないけどこういうのはぼんやり意味を持てればいいと思う』

ちょっとした仕掛けもあるのでよかったら
ありがとうございました

876名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:05:21 ID:vHmVON9Y0
乙おつ!力作ですな!
ギミック含めて楽しく読ませてもらいました

ところでデルタってキャラよく知らないんだけど、この子四つ目設定なの?

877名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:08:43 ID:NGk.nvjY0
おつ 
お題がぽんぽんでてきて楽しかった
仕掛けどこぞ…

878名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:26:13 ID:PdgtBiV20
切ない、乙…キュート…

879名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:34:51 ID:BANirG.UO
乙!発想も話の作りも上手だなぁ

よし、私も投下させて頂こう

880名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:36:43 ID:BANirG.UO
スコープの中に映る世界、それが私の全てだった。

何時から、どうして、そのように生きるようになったのかは忘れてしまった。
物心がついた頃には既にライフルの分解と組み立てができるようになっていた気がする。

組織への帰属意識なんてものはなかったが、任務は淡々とこなした。
狙撃の瞬間に映る景色、それだけが私を現世に留まらせていた。

川 ゚ -゚)「相変わらず変わり者だな。まあ、私も人のことを言えた義理ではないが」

いや、もう一つ私を繋ぎ止めるものがあった。
年の頃が近いということもあったのか知らないが、昔から彼女だけは私に懇切と話し掛けてきた。

(゚、゚トソン「…………」

川 ゚ -゚)「無視か、もう少し愛想よくはできないのか」

(゚、゚トソン「……次の任務が終わったら、引退するそうですね」

川 ゚ -゚)「ん、ああ、金も十分貯まったしな。気楽に余生を楽しむとするよ」

(゚、゚トソン「…………」

川 ゚ -゚)「お前も一緒に引退するか? お前一人分ぐらいなら私が養ってやってもよいが」

(゚、゚トソン「いえ、私の居場所はこれの中だけです」

組み立て直したライフルを掲げたあの日、そこが私と彼女の分水嶺だったのだろう。

881名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:38:28 ID:BANirG.UO
それから数日後、宣言通りに彼女はいなくなった。
引退したら旅をしたいなどと、以前口にしていたことを思い出す。

彼女曰く、何でもこの世界には美しい風景とやらがあるらしい。
彼女曰く、何でもこの世界には美味しい食べ物とやらがあるらしい。

しかし、私の世界にそんなものは存在しない。
ショット、クリア、ショット、クリア、ショット、クリア、悪人も、善人も、女も、子供も、ショット、クリア。
機械のようにただただそれを繰り返す。

(゚、゚トソン「……ショット」

今日もM24のスコープは私に人が倒れる姿を映し出す。

(゚、゚トソン「……クリア」

だがいつしかそれが、無味乾燥したものに変化したよう感じるのはなぜだろう。

彼女がお疲れと声を掛けてくれた頃はそんなことなかったのに。

882名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:40:32 ID:BANirG.UO
彼女がいなくなって一年が経過するだろうかという時期に、私は新たな任務を授かった。

標的は日本に住む女子高校生。
私とさして歳は変わらないようだが、そんなことに何の感慨もなかった。
これまでも女、子供は幾人かクリアしている。

日本へ渡り下見を済ませてから数日が経つと、決行日当日がやってきた。
対象が通過するであろう道の、800m離れたマンションの屋上を私は狙撃ポイントとして選択した。

気温13、湿度57、風速2、北東の風。
風速や風向きの変化などに合わせてその都度レティクルを調整する。

チャンスは一度きりの高難度ミッションだが緊張はない。
結局これも私の世界では、日常のワンシーンにしか過ぎないのだから。

そんな私の思いとは裏腹に、想定外の事態が起きた。

川 ゚ -゚) ζ(^ー^*ζ

標的と談笑していると思われる彼女の姿、一年ぶりに目にする彼女の姿。

手に汗が滲む。
どういうことだ、まさか偶然ということはあり得ないだろう。
引退したのではなかったのか。

(゚、゚トソン「そうか、これが彼女の最終任務……」

私は保険というわけだ。
彼女がしくじった時の保険、別に悪い気はしない。
世話になったこともある、花道に彩りを添える程度の礼はしてもバチは当たらないだろう。

その反面保険など無意味だとも感じた。
それ程までに彼女の殺しは正確で、失敗などしようはずもない。

(゚、゚トソン「……?」

しかし、ここでもう一つ想定外に遭遇する。

883名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:43:01 ID:BANirG.UO
彼女の位置取り、あれはまるで近隣の狙撃ポイントとなり得る場所全域から標的を庇っているように見える。
このままでは私といえども標的のみをクリアするのは難しい。

(゚、゚トソン「……なぜ?」

動悸が加速すると同時に、刻限が迫って来る。
だがそれでも彼女から殺意が見えない。

なぜ、どうして、時間がない、いけるか、しかし撃てば彼女が、しかし撃たなければ私の世界が壊れてしまう。
もう猶予はない、確実ではないが標的をクリアできる可能性はある、このトリガーを引けば私は――

(゚、゚;トソン「うああああああぁぁぁっ……!!」

スコープの中に映る世界は、今日も人が倒れる光景を私に見せた。

彼女が血を流して倒れている、庇われた標的が懸命に声を掛けているがあれではもう助からないだろう。

(゚、゚トソン「保険の保険か、やってくれる……」

結局、私は自分の世界を裏切った。
これではもう二度とスコープを覗くことなどできない。

任務を放棄した私を組織は処断するだろう。
だがわざわざ捕まってやる必要もない。

(゚、゚トソン「いつか彼女が夢見たように……旅にでも、出てみるか」

彼女曰く、何でもこの世界には美しい風景とやらがあるらしい。
彼女曰く、何でもこの世界には美味しい食べ物とやらがあるらしい。


彼女曰く、何でもこの現実という世界は私の世界と比べてどうしようもなく広いらしい。


fin

884名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:46:49 ID:BANirG.UO
タイトル
(゚、゚トソンどうしようもなく広いこの世界、のようです

レス番
>>880-883

お題
現実

縛り
起承転結で4レス短編
AAの名前を出さない

ご愛読くださりありがとうございました
>>539も合わせて読んで頂けると更に幸いです

時間がなくて4レス短編しか書けない悔しみ!
男の娘ものの連載を持ったことがあるのに男の娘ものが書けなかった悔しみ!
(゚、゚トソンがだんだんスライムつむりに見えてくる悔しみ!

885名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:16:32 ID:iDp5GQ4s0

男の娘もの…ちょっと気になる

投下する

886名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:16:34 ID:NGk.nvjY0
おつー!
>>534-538
の続きかな?おもしろかった

887名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:17:30 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)】

あなたの電話番号

090-XXX-556

会いたいな、なんて。

888名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:18:14 ID:iDp5GQ4s0

|゚ノ ^∀^) (・∀ ・;)

コールして3分
目に見える鬱憤

でも会いたいし
テレビには皇太子

889名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:18:57 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)つ ● (・∀ ・;)

あなたの為に
頑張ったのmany

気がつけば深夜
新屋で遅い夕食

890名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:19:42 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(・へ ・;)

「美味しい?」
「苦々しい」

891名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:20:24 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(メ∀ ・)

フォークを目に刺す
フォームはlaughness

だって、ココロ込めて作ったご飯

ずっと、煮込んでいた米とパン

きっと、悲しんでるとご判断

誤判断?
ーーー

892名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:21:15 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(メ∀ ・)

その目に刺さったフォークのアンテナで

私のココロの不安定な部分

受信してよ

眼科に受診しようか

893名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:21:55 ID:iDp5GQ4s0
(メ∀ ・;)

「ごめん、大丈夫」

なんてフォークを取る。

(・∀ ・;)

「ごめん、頑張ったのにね」

なんて機嫌を取る。

894名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:22:38 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^#)

もっと怒りなさいよ
私の方がごめんなさいよ
私って本当めんどくさいよ

なんでコールしただけで来ちゃうのかな
なんでフォーク刺しても許しちゃうかな
なんでゴールデンウイークかまってくれないかな
なんでゴールインしてくれないかな

895名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:23:18 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(・∀ ・;)

|゚ノ ^∀^)(-∀ -)=3

|゚ノ ^∀^)(・∀ ・)つ。

「はい、どうぞ」って

渡される指輪
私、綻びるわ

896名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:24:06 ID:iDp5GQ4s0
結婚してください
シチュエーションダサい

なんて素直じゃないの?
なんで捨ててくれないの?

897名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:24:50 ID:iDp5GQ4s0
(・∀ ・)

目に刺さったフォーク

(メ∀ ・)

また刺してリピート

「結婚してください」

898名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:25:33 ID:iDp5GQ4s0
あなたに刺したココロアンテナ
私の不安定な
ココロを受信
消える不信

これからもずっと受け取ってね
フォークを取っても、ずっと、ずっと

おわり

899名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:26:50 ID:iDp5GQ4s0
【スレタイ】 |゚ノ ^∀^) ココロアンテナのようです (・ ∀・)
>>887-898

【お題】
・ 番号
・ ゴールデンウィーク
・ フォークで目潰し

【縛り】
・ 耳ありAAのみ使用
・ 100レス以内に収める
・ 恋愛
・ 台詞の前にAAを付けない
・ 投下しながら1レス1レス心を込めて朗読
・ 30レス以内
・ スレタイのキャラどちらかを主人公にし、作中のラストでカップルにさせること
・ AAの名前を出さない

900名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:34:41 ID:AtYt0uBI0
乙!
なんかリズミカルで読んでて面白かった

投下します

901名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:35:25 ID:AtYt0uBI0

○月×日

今日も母さんは騙されていた。

エリート眼鏡にはつくづく弱いのが母さんの悪いところである。

私の意見なんて全く聞いてくれやしない。

あぁ、神様。

どうか私をあの眼鏡をかけた怪物から救ってください。

902名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:36:05 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚トソン「よし、書けたっと…」

コンコン

(゚、゚;トソン「わっ」サッ

(-@∀@)「失礼します。おや、何かあったんですか?」

(゚、゚トソン「別になんでもないです、アサピー先生」

(-@∀@)「そうですか、ところでトソンさん」

(゚、゚トソン「なんですか?」

(-@∀@)「お母さんから聞きましたよ?担当医を代えて欲しいと頼んだとか…」

(゚、゚;トソン「あのババアぺらぺらと…」

(-@∀@)「酷いじゃないですか。僕の何処が嫌なんですか?」

(゚、゚トソン「そうやって母さんたちの前ではネコかぶってるとことか。いい加減気持ち悪いんで止めてくれませんか?」



(-@∀@)「…可愛くない子供だなぁ、本当に」


誰のせいだと思ってるんだ、この変態怪物野郎が

903名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:36:45 ID:AtYt0uBI0




少女Aの怪物日記のようです




.

904名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:37:57 ID:AtYt0uBI0

(-@∀@)「にしても相変わらずチョロいな、君のお母さんは」ギシッ

(゚、゚トソン「そりゃ長い間娘の担当医してる先生なんだから信用してるに決まってるでしょ。というかベッドに座らないでください、加齢臭がつく」

(-@∀@)「じゃあ座らないでこうすればいいのかな?」ボスン

(゚、゚;トソン「ちょ、寝転がらないでくださいよ!あーあ、シーツ変えてもらわなきゃ…」

(-@∀@)「本当に失礼なガキだな。ほら、子供なんだからさっさと寝なよ」グイッ

(゚、゚;トソン「わっ!」

(-@∀@)「そうそう、そうやって僕の腕枕で寝なさい」

905名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:38:39 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚;トソン「早く寝たいんで、さっさと出ていただけませんかね…」

(-@∀@)「出てくとでも?」ギュッ

(゚、゚トソン「離してください。このロリコン」

(-@∀@)「君はもう高校生だからロリコンでは無いだろ」

(゚、゚トソン「私が小さい頃から目をつけてたくせに…」

(-@∀@)「昔の方が可愛かったなぁ」

(゚、゚トソン「ナースコール押しますよ」

(-@∀@)「分かった分かった、じゃあおやすみ。僕の愛しいトソンちゃん」

(゚、゚トソン「死ね」

906名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:39:20 ID:AtYt0uBI0

○月△日

怪物が夜這いにきた。

汚い白衣姿のままベッドに寝転
がるなんて最悪だ。

お願いだから誰か気づいて。

そいつは一見優男だけど中身はとんでもない怪物なんだよ。

どうして誰もわかってくれないの?

907名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:40:01 ID:AtYt0uBI0


(゚、゚トソン「はぁ…」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、また日記かいてるの?」

(゚、゚トソン「私の唯一のストレス発散方法なんで」

ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そう。あ、脈計るわね」

(゚、゚トソン「…ツンさん、お願いします。担当医を代えて欲しいんです」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、またその話?先生はいい先生よ?」

(゚、゚;トソン「ツンさんは騙されてるんですよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。…脈は正常ね、じゃあ先生呼んでくるわね」

(゚、゚;トソン「本当なのに…」

908名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:41:40 ID:AtYt0uBI0

(-@∀@)「トソンちゃん、ツンさんから聞いたよ?何回言っても担当医は代わらないよ?」

(゚、゚トソン「言っても無駄だと分かってても、担当医を代えて欲しいんです」

(-@∀@)「どうしてよー。君のために一番良い個室にしてあげたのに」

(゚、゚トソン「先生に都合がいいからでしょう?私は大部屋の方が良かったです」

(-@∀@)「ベッドだって大きくて寝やすいのにしてあげたじゃない」

(゚、゚トソン「あんたが寝るためにでしょうが」

(-@∀@)「酷いなぁ、人の好意はもっと素直に受け止めるべきだよ?」

(゚、゚トソン「素直に受け止めてるからこうなってるんですよ」

(-@∀@)「全く、素直じゃないんだから」

ξ゚⊿゚)ξ「先生、急患です!」

(-@∀@)「おっと、じゃあまた後でね」

(゚、゚トソン「二度と来なくて結構です」

909名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:42:24 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚トソン「暇だなぁ…」

(゚、゚トソン「…急患か、時間かかるよね、きっと」

(゚、゚トソン「逃げちゃおうかな…」ボソッ

もう誰も信じてくれないこんな最悪な世界だったら逃げ出してしまおうか。

腕についてる点滴を抜いて病院から抜け出したらきっと私は死んでしまうだろう。

でも、いつ怪物に食われてしまうか分からないのなら、せめて病院を抜け出してから死んでやる。

910名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:43:07 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚;トソン「そうと決まればさっさと針抜いて…」グッ

('A`)「失礼します」ガラッ

(゚、゚;トソン「あ」

(;'A`)「…な、何やってんの?」

なんてこった、失敗してしまった…。

(゚、゚;トソン「いや、なんか針刺さってるとこが痒くて…あはは」

(;'A`)「あ、あぁ、なるほどね」

なかなかキツい言い訳だったかもしれない…。

というかこの人誰だ。

(゚、゚;トソン「あの、どちら様でしょうか」

('A`)「俺?昨日から研修生として来た鬱田ドクオ。とりあえず患者さんのこと知るために色んな病室見て回ってるんだよ」

(゚、゚トソン「へぇ~…」ジロジロ

(;'A`)「な、何?ジロジロ見て…」

911名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:44:43 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚トソン「アサピー先生以外の男の先生、初めて見たんで」

(;'A`)「え?初めてって…沢山いるじゃない、男の先生」

(゚、゚トソン「アサピー先生が会わせないようにしてるんでしょうね」

(;'A`)「どういうこと?」

(゚、゚トソン「私、怪物に食べられる予定なんです」

('A`)「はい?」

(゚、゚トソン「はぁ、あなたのせいでチャンス逃しちゃったし、もう諦めるしかないですね」

(;'A`)「はぁ…」

きっと精神病の患者だとでも思ってるんでしょう。

まぁ、そんなことはどうだっていいのです。

(゚、゚トソン「あの、お願いがあるんですが聞いてもらえないでしょうか」

('A`)「何かな?俺が出来ることならするけど…」

(゚、゚トソン「この病院を今日付けでやめてください」

(;'A`)「うえっ!?いや、そんなことできないよ!」

(゚、゚トソン「どうなっても知りませんよ」

(;'A`)「なにが?」

(゚、゚トソン「信じてもらえないと思いますが、きっとあなたは…」

912名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:45:54 ID:AtYt0uBI0




(-@∀@)「おや、鬱田君。どうしてこの部屋に?」


(゚、゚;トソン「!」

('A`)「アサピー先生!いや、患者さんたちに挨拶しておこうと思って…」

(-@∀@)「なるほど、いやぁ、僕には真似できないなぁ」

(*'A`)「そんな…」

(-@∀@)「いやいやぁ、そんな理由で死ぬハメになるなんて、僕には真似できないよ」

(;'A`)「…へ?」

(-@∀@)「いいクスリが入ったばっかなんだ、ちょうど良かった」




「な、止めてくれ…!う、うわあああああ!!」

913名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:46:51 ID:AtYt0uBI0

(-@∀@)「いやぁ、やっぱり防音の個室はいいね!」

(゚、゚トソン「臭いはきつかったですが」

(-@∀@)「確かに。防音防臭の部屋にしなきゃだね」

(゚、゚トソン「そうですね」カキカキ

(-@∀@)「ん?あれ、その日記は…」

(゚、゚トソン「貰ったんですよ、昔」

(-@∀@)「ふぅん、なんか見たことあるような、無いような…まぁ、いいか。それより…」ギシッ

(゚、゚トソン「…」

(-@∀@)「ねぇ、今日一緒に寝ていいよね?ね?僕以外の男なと喋ったんだからさ、それぐらいのサービスはあるよね?」

(ー、ートソン「…拒否権なんかないんでしょ?」

(-@∀@)「うふふ、良い子だね、じゃあ…」

914名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:47:31 ID:AtYt0uBI0






「いただきます」







.

915名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:48:27 ID:AtYt0uBI0



○月■日

別に私はこの世で一番不幸な少女なんかだとは思っていない。

あの怪物は、今まで何人も食ってきたのだから。

大部屋にいた女の子達は一人ずつ個室に移されて、そして食べられていった。

きっと私もそうなるのだろう。

この日記は、私の前に食べられた彼女が死ぬ前に私にくれた物だ。

…さて、彼女の名前は一体なんだっただろうか。

916名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:51:01 ID:AtYt0uBI0
タイトル 少女Aの怪物日記のようです(任意AA)

レス番 >>901-915

お題 眼鏡、クスリ

縛り 100レス以内に収める
30レス以内
作中で1人は必ず理不尽な死に方をする

917名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:54:55 ID:XrU9c3EA0
ほぼ全員狂ってるようにも思えてしまう

んじゃちょちょいと投下する

918名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:55:46 ID:XrU9c3EA0

 それはとある昼下がりの出来事だった。

('A`)「クッソまだ出ねーのか、ココナッツミルクで煮込んだ味噌ラーメンが伸びちまうぜ」

( ^ω^)『おいすーブーンだお、急にどうしたお?』

('A`)「今晩飲み会しようぜ!」

( ^ω^)『今北九州で黒塗りの車から逃げ惑ってるところだお』

( ^ω^)『それに明日はカムチャッカ半島へスーツケースを売りに行かないといけないんだお……
      ごめんお』

('A`)「問題ねーよ、穴埋めとして俺の会社で作ってるハニワ送っとくからさ」

( ^ω^)『ドクオ……恩に着るお!』

('A`)「じゃあ夜に稚内でよろしくな!」

( ^ω^)『了解したお! 行けたら行くお!』

919名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:56:35 ID:XrU9c3EA0

('A`)「あとはアイツかズルズル」ポチポチポチポチ

('A`)「美味だな、彩りに漂白剤使った甲斐があったぜ」プルルルル……

o川*ゝー゚)o『はーいルナルナ製薬のキュートでぇーす☆ 何か用ですか?』

('A`)「おっキュートか? 今日飲み会しようと思ってんけど」

『柔らかいナリ! 柔らかいナリ! パンパン』

('A`)「何この慟哭?」

o川*゚ー゚)o『取引相手の男調教してるだけ☆ はーいケツ穴にスピリタス投入しまーす!』

『んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』

('A`)「獣のニオイが染み込んだ断末魔は後で聴くからさ。予定どう?」

o川*゚ー゚)o『社長のポルシェ廃車にしちゃったけど大丈夫☆ 私コンバインの方が好きだし!』

920名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:57:30 ID:XrU9c3EA0

('A`)「社長にはサンバーでも紹介してやれ。んじゃ稚内でよろしく」

o川*ゝー゚)o『はーい☆ キューちゃん脱穀しちゃうぞ!』

『ヒギイイイイイイイイイイイイイモゲルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ』
『モーゲロヨモゲローヨー ハイッハズミヲツケテヤワラカク!』

('A`)(今日もいい按配だ。平和の象徴は鳩じゃなくて雀だと思うんだよね)



【オープニングBGM:http://www.youtube.com/watch?v=kPocaDP_yKY


 ゴールデンウィークの真っ只中。
 竹馬の友である三人は、久々に帰郷して盛大な飲み会を開くことにした。

 これが地獄絵のような惨劇の引き金になってしまうとも知らずに……。



――――
――


921名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:58:30 ID:XrU9c3EA0

   こ   .鳥   効   こ.   食    鳥   鳥        ___   i
   の   類   率    の   べ   類   類      | ___ / | ヽ す
   砂   は   よ   器.   た   に   の.       ノ.| ! ┘/
   肝   砂.   く   官    エ   は   胃     ´ |__! _/  な
   に   や   す   で    サ    歯    に
   た   小   り.   す    .は   が   あ      ┌┐‐┬‐ ぎ
    め   石   つ   り         無   る.        ├┤__.|__
   て   を.   ぶ    つ        .い   器       ├┤ .!   も
   お  .食    .す   ぶ        の   官       ' .┘ .!
   く    べ   た.    さ          で
        て    め   れ
 み             る        ー。<
 つ                      ,'´ ,,.ヽ
 を            〜 肴は炙ったミセ*゚ー゚)リでいいようです 〜
                    ! 、ー‐-    !
                    ゙、ヽ     ノ
                     ゛'' 'ェ-ェ"´

922名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:59:31 ID:XrU9c3EA0


――
――――


〜その日の夜・居酒屋「流石」〜

('A`)「おうよく来たな!」

( ^ω^)「ベーリング海に自家用ジェット機墜落したけど無事だったお!」

o川*゚ー゚)o「指名手配されたけどジンベエザメにくっついて事なきを得たよ!」

('A`)「ブーン! お前の貸してくれた『呪いのビデオ』存分に堪能させてもらった!」

( ^ω^)「貞子たんと乳繰り合えたかお!?」

('A`)「テレビにケツくっつけてたけど何も起きなかったぜ!
   月の裏側の人間もどきで抜いてた方がまだマシなレベルだったぜ!」

923名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:00:31 ID:XrU9c3EA0

('A`)「キュート! お前つき合ってるんだってな!
    結婚したら綺麗なスノードロップ贈ってやるよ!」

o川*゚ー゚)o「ありがとう!! 結婚したとしても私たちズッ友だよ……!!!!!」

('A`)「うるせェ! 飲もう!」

ドン!

(゚、゚トソン「はいお客様。注文はお決まりになられましたか?」

o川*゚ー゚)o「ミセリ1つ!」

('A`)「カクテル『時の抜け殻〜銀河系のサハラ砂漠〜』を2つ」

( ^ω^)「生中で」

(゚、゚トソン「かしこまりました」

924名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:01:33 ID:XrU9c3EA0

〜数分後〜

(゚、゚トソン「生中、『時の抜け殻〜銀河系のサハラ砂漠〜』、『ミセリ』になります。
     そちらの網で御自由に炙り召し上がってください。では失礼します」

                   ー。<
                  ,'´ ,,.ヽ
              ....,,,,_ミセ*゚ー゚)リ
              ! 、ー‐-    !
              ゙、ヽ     ノ
               ゛'' 'ェ-ェ"´


('A`)「火の用意はいいな?」

( ^ω^)「バッチリだお! め組の大吾も真っ青だお!」

('A`)「着火!」

925名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:02:30 ID:XrU9c3EA0

                   ー。<
                  ,'´ ,,.ヽ
              ....,,,,_ミセ*゚ー゚)リ <?
              ! 、ー‐-    !
              ゙、ヽ     ノ
               ゛'' 'ェ-ェ"´ ボォォォ……
        ─────────────
        从从从从从从从从从 ゚∀从从从


o川*゚ー゚)o「燃〜えろよ燃えろ〜よ〜♪ 炎よ燃〜え〜ろ〜♪ ファイガ!」

                   从
             ボォォ   ー。< パキパキ……
                 从´ ,,.ヽ
              ...从_ミセ*゚ー゚)リ <!
              ! 、ー‐-从.  !
              ゙、从ヽ    ノ从
              从゛'' 'ェ-ェ"´从 ゴォォォ
        ─────────────
        从从从从从从从从从*゚∀从从从

('A`)「おい火が強すぎだ! このままじゃ備長炭になっちまうぞ!」

926名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:03:38 ID:XrU9c3EA0

ミセ;゚д゚)リ「ピギャア! ピギィィィィィィィイッィイイイイイイアッアッアッ」

( ^ω^)「そんなこと言っても砂肝のヒヒイロカネはアツアツだぜ?」

ミセ;゚д゚)リ「ギエェェェェェェェェェェェ!! ェ…………………………」

ミ#; д )リ「……………………」

カ#メдメ)ス シュウウウウウ……

('A`)「し、死んだ……」

カ#メдメ)ス

o川;゚Д゚)o「殺した……私たちが……殺し……」

('A`)「声を潜めろ! まだ俺たちが殺したと決まった訳じゃない!」

(;^ω^)「そうだお、見つかってしまう前に二次会のカラオケで頭を冷やすお!」

927名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:04:14 ID:UzvBwvDw0
イカれとる

928名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:04:30 ID:XrU9c3EA0

('A`)「外にプーチンの郵政カブ110がある、とっととずらかるぞ!」

ガラッ

(゚、゚トソン「きゃあああああああああああ食い逃げよおおおおおおおおおおお(棒)」

 @@@
@#_、_@  
 (  ノ`)「…………」
"""""""

 @@@
"""""""" ズッ……ズッ……

929名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:06:00 ID:XrU9c3EA0

〜稚内市内〜

ブォォォォォォォン

o川;゚Д゚)o「急ぎなさいよ! 見つかるかもしれないのよ!?」

('A`)「男は黙ってオナニーだ!」

( ^ω^)「ドクオ前! ぶつかっ」

 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ぐわあああああああああああああああ」
( ´_ゝ`)「ぐわあああああああああああああああ」
(´<_` )「ぐわあああああああああああああああ」
∬´_ゝ`)「ぐわあああああああああああああああ」
l从・∀・ノ!リ人「ぐわあああああああああああああああ」

('A`)「問題なかった」


〜数十分後・カラオケ「タイプ:M」〜

(゚、゚トソン「オールナイト3名ですね。463972016ジンバブエドルになります」

('A`)つ■■■■「テトリスの長いヤツ(声優:大塚明夫)あるんで入れといてください」

(゚、゚トソン「かしこまりました。店長に突っ込んでおきますのでご自由にどうぞ」

930名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:06:43 ID:XrU9c3EA0

〜数分後〜

('A`)「泥を〜塗りたくった〜〜Oh〜Oh〜君のおっぱいはせかいいち〜♪」

ガチャ

ミ,,゚Д゚彡「警察だ!」

(;^ω^)「何だお!? カブのコンテナにリトルゴジラを入れたのがバレたのかお!?」

ミ,,゚Д゚彡「このビラにそっくりな奴がいるって通報があってよお……」

          ┌──―──────┐
          │  W A N T E D ! |
          │┌──―――──┐ |
          ||  (゚ー゚*川    ││
          ||   // )     ││
          ||/ ̄ ̄《 ̄ ̄\ .││
          ||| ・ U      |.││
          ||| |ι        |.││
          ||U||  ̄ ̄||||
          |└―――――――┘|
          | 象に乗った原住民  |
          |             |
          └―――――――――┘

931名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:07:30 ID:XrU9c3EA0

ミ,,゚Д゚彡「量産型トソンの情報網舐めんなよ? 悪運尽きたなペロペロ」

('A`)「殺人犯の前でガリガリ君コーンポタージュ味を舐めるとは……なんて器だ」

(;^ω^)「僕らは……僕らはここで捕まる訳にはいかないんだお!
      幼稚園の頃、能登半島沖に沈めたタイムカプセルをサルベージするまでは!」

ミ,,゚Д゚彡「そいつはもう引き上げちまったよ……
      中に入ってたカジキマグロの同人誌には世話んなったぜ」

ミ,,゚Д゚彡「あくまで逆らうってんならコイツが『相手』をする」

( ゚∋゚)「……」

o川*゚ー゚)o「ちんこしまえよてめえ」

<ドゴオオオオン! ガラガラガラ……

(;゚∋゚)「!!」

ミ,,゚Д゚彡(バカな! 全国壁殴り選手権第12位のクックルが冷汗を……!?)

( ^ω^)σ「あ……あ……」

《覚悟はできてるんだろうねぇ?》

932名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:08:30 ID:XrU9c3EA0
                          -----‐=========´,.  , ==
                 (⌒)(⌒)(⌒)                    ,./  !|l´. : 
                  (  ノ     #`)                   ,.r'.::1   i l|
               (  丿#_ヽ _ i )             ,.r'´:::::::;!  i |l
               ( @     l ` l)丿          .,r.'´:::::::::::::i   l' l|
                    ( ヽ    ´   ,i          ,...-'´:::::::::::::::;r'゙  ,' |l
                __ソ   ^ ,r'          ,.r'´:::::::::::::::::::::::i   /  ll
              /´`i,:i    /         ,.-'´:::::::::::::::::::::::;:- '゙   /   .ll
             /   .l:ヽ    \     ,.-'´::::::::::::::::::::::::::::/     /   l!
             ./     /  ー一` ヽ, ,.-'´::::::::::::::::::::::::::::;:- '   , '    l
            /     ./       ,:-'´::::::::::::::::::::::::::::::::;f´    , '       !
            /    /'     ;-'´::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;ノ    ,:'
          /    ,i゙    .;:-'´::::::::::::::::::::::::::::::::::;f´       /
         /     !   ;-'´:::::::::::::::::::::::::::::::::;:- '゙       /
         /    ./. ;:-'´:::::::::::::::::::::::::::::::::;;;ノ      ,. '´
        ,/     ./-'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ´      , '´
        ,ノ    ,r:'´:::::::::::::::::::::::::::::::;ノ ̄     , -'´
     ,/    ,r'´|:::::::::::::::::::::::::r'⌒´     ,. ‐;´l
     /  、   !  |:::::::::::;rー- '´       , -'´  i !
   ,/ 、  i,  ヽ__|rー- '      ,. -'´ ` ー:、.! .l
   入 、 ヽ l、   ,|        ,. - '´       .l l
 r'´ ヽヽ ヽ 'ーy-.' |   ,. - '´           l l  ↑
 l  , -ヽゝ-`i'´   '‐ '´              l , l |7m
 `'''´      l                    K,ノ ↓

('A`)(普通に考えれば簡単に分かる……こんなでけぇヤツには勝てねぇってことぐらい……)

933名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:09:33 ID:XrU9c3EA0

('A`)σ「あっ! そろそろ刑事貴族の再放送が始まるぞ!」

《何だって!?》

( ^ω^)「今だお、妹者その他を身代わりにして逃げるお!」

('A`)「喋る前に考えるクセつけな!」

o川*゚ー゚)o「早くあそこへ!」


┌────────────────────────────┐
│                          __              │
│                        /                  │
│                       /                   │
│                     /                     │
│                  (^o^)                      │
│                /   \                     │
│               __/       \                    │
│                        \                  │
│                     __|     非  常  口     .|
│                     |   \                │
│                     |     \              │
│                     |      \             │
│                     |        \           │
└────────────────────────────┘

934名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:10:32 ID:XrU9c3EA0

〜同時刻・居酒屋「流石」〜

( ><)「あっ主犯は避妊薬で世界トップシェアを誇る「ルナルナ製薬」の社長、
      素直キュートと思われるんです!」

(*><)「あっそこら辺の雀の情報によるとキュートは、他の製薬会社社長を調教し、
      それをネタに買収するというあくどい手段でのし上がってきた、
      あっ奇跡のスーパールーキーみたいなんです! ハァハァ」


( ><)「あっ素直キュート宅をテキトーに捜索したところ、
      ステラーカイギュウ3頭がポストに詰め込まれていました!
      あっこれが犯行の動機かと!」

( ФωФ)「ふむ……犯行グループの捜索は?」

( ><)「あっフサギコ刑事とクックルさんが向かわれてます!
      あっ捕まるのも時間の問題かと!
      あっ無線なんです! ……あっはい…………あっはい……」

( ><)「あっロマネスク警部!
      あっフサギコ刑事から、あっ至急パンパースをあっ持って来てあっ欲しいとのことあっ!」

( ФωФ)「何ぃ! ワシのは渡さんぞ!」

935名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:11:30 ID:XrU9c3EA0

〜数分後・カラオケ「タイプ:M」から100m北〜

('A`)「あの2人は!?」

( ^ω^)「立ったまま脱糞してたお! 今の内に伊勢神宮へ逃げるお!」

ブォォォォォォォン……


 @@@
@#_、_@  
 (  ノ`)「…………」

 @@@
@#_、_@  
 (  ノ`)「フン……一時的とはいえ、私の注意を逸らすなんて大した度胸じゃないかい……
      刑事貴族に免じて、今回だけは見逃してあげるよ……」

 @@@
@#_、_@  
 (  ノ`)
""""""" ズッ……ズッ……

 @@@
"""""""" ズッ……ズッ……

936名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:11:56 ID:aLVVC3N.0
何このカオスw

937名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:12:36 ID:XrU9c3EA0


――
――――

 午前零時、海沿いの国道を三台の原付が駆けていた。
 運転手は三人とも長袖ではあるが軽装で、
 内一人は常に肩をこわばらせ走っている。

 それもその筈、現在は五月の初旬。
 初夏の足音も聞こえてくる時期とはいえ、肌を切り裂く冷気は容赦することを知らない。


 原付たちは数百メートル走った頃、道路脇の駐車スペースに停車した。
 一本の外灯がおぼろげに照らす、小さな空間。
 嬉しいことに先客は一人もいなかった。


('A`)

 痩せた男がサイドスタンドを立て、ヘルメットをフロントバスケットに放る。
 それからグローブをポケットにねじ込み、白い息と共に「さみーな」とこぼした。

938名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:12:52 ID:Bpy5LZJg0
このお題を出して良かった
心からそう思うよ…

939名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:13:30 ID:XrU9c3EA0

( ^ω^)

o川*゚ー゚)o

 続けて二人も降車する。
 一人は遠目でも分かるほどずんぐりとした体型の男、
 もう一人は白いシャツを着た女。

 女はグローブが無かった為に手が悴み、ヘルメットを外すのに苦労しているようだった。
 バンドから手を離してヘルメットごと持ち上げ始めるが、抜ける筈もない。

 見かねた痩身の男が女の指を持ち、バックルを外す。

o川*゚ー゚)o「……ありがと」

 女は照れたように顔を俯かせ、小さく呟いた。

"く('A`)「……」

 男は困った様子で頭を掻き、「どーも」と返して視線を遠くへ移す。

940名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:14:30 ID:XrU9c3EA0

 遥か上空には濃紺の夜を彩る星々。

 遠方の海上には集魚灯が煌々と灯り、ゆらめきながら光の線を伸ばしている。

 静寂。
 その一言だけで足りる、夜の情景。
 耳をすり抜けるさざ波の音さえも、静けさを構成する要素だと思えてしまう。


('A`)「おいブーン、これからどうするよ」

 痩せ形の男が、太った男に問いかける。

( ^ω^)「どうするか、かお……ドクオはどうするかお?」
      とりあえずどさくさにまぎれて、カブのカゴに凄い高級感溢れる鯉を入れてきたけど」

('A`)「キュートは何か獲ってきたの?」

o川*゚ー゚)o「違和感だらけの日常だからちょっといやらしいなまこなんだ☆」

 キュートと呼ばれた女はそう言って、原付のコンテナから掌大のナマコを取り出した。
 艶がある体の先には、樹根のような触手がうねうねと蠢いている。
 ドクオはそれを見るなりナマコを鷲掴みにし、母なる海へと放り投げた。

941名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:15:30 ID:XrU9c3EA0

('A`)「ロックだぜ」

( ´ω`)「ヒューマニズムって何なんだお?」

o川*゚ー゚)o「電線を辿って行ったら、逢いたい人に逢えるのかなあ……」

 彼らは思いの丈を、ぼんやりとした下弦の月へ放った。
 しかし、答えは返ってこない。当然だ。

 もしも月に誰かがいるのなら、彼らの発した言葉を拾ってくれるのだろうか。
 暗闇に押し潰されそうな彼らの光に、目を向けてくれるのだろうか。


('A`)「よし。室谷岬に行こう」

( ^ω^)「宗谷岬……」

 宗谷岬。北海道の最北端。民間人が到達できる、日本国土の最北端でもある。


('A`)「宗谷岬に行こう。そして、日の出を見よう。
   ここで歩みを止めてしまったら、腐っていく一方だ」

('A`)「俺たちは、生きてるんだから」

942名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 23:16:46 ID:XrU9c3EA0

 自分たちは生きている。
 誇れるものなど持たない彼らにとっては、その言葉が何よりも大切だった。

 この世界に存在している。この大地を踏みしめている。
 風を感じる。匂いも感じる。

 誰かが拒もうと、誰かに蹴落とされようと、その事実だけは揺るがない。
 存在を認めてくれる者がいる限り、暗闇に飲まれそうになったとしても、
 己の光は決して火種を失わない。


('A`)「行こう。北の果てで世界を見つけよう」

( ^ω^)

v川*゚ー゚)v

 彼らは頷き、目に光を漲らせた。
 ドクオはグローブをキュートへ差し出し、自らは素手で原付を発進させる。

 キュートは彼の手を気に掛けながらも顔を綻ばせてグローブを装着し、
 背中を追って走り出した。
 ブーンは鯉を捨てた。




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