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( ^ω^)2013年 突発ゴールデンウィーク企画のようです

1名も無きAAのようです:2013/04/16(火) 21:07:17 ID:jMrmCD3gO
俺たちのGWははじまったばかりだ!!



ゴールデンウィークだし、何か企画をやろうぜという主旨のスレです。

810名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:15:42 ID:Wmhrhr0A0

( ´_ゝ`)「あ……れ?」

(´<_` )「! 兄者! みんな、兄者が目覚めたああああああああああああああああああああ」

世界は、明るくなっていた。
とりえずベッドから床へと降り立つ。
久しぶりの重力に、足がよろめく。
俺は、星なんかではなかった。
俺は、月なんかではなかった。
俺は、現実では、飛び降り自殺に失敗して植物状態となったただの人だった。
俺は、目覚めてはならなかった。

ζ(゚―゚*ζ「兄者!」

彼女がやってきた。

( ´_ゝ`)「……ごめん」

飛び降りた理由は、浮気。

( ´_ゝ`)「もういちど、飛んでくるよ」

こんどこそ、うまくいくはず。
お前が喜ぶよう、もういちど、月に。

811名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:16:26 ID:Wmhrhr0A0

彼は、月になりました。
私は、とめることができませんでした。

ζ(;―;*ζ「……馬鹿」

怒ってなんて、いなかったのに。

ζ(;―;*ζ「いくら、私が皮膚が弱いから、太陽が見れないからって、一緒に見ていた、月に、なるなんて、」

ζ(;―;*ζ

ζ(;―;*ζ「きれいだなあ」

もうしばらくだけ彼を見てから、私も彼を追おうと思いました。



おわり

812名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:17:28 ID:Wmhrhr0A0
【タイトル】
彼は自ら月になることを望んだようです
>>807‐811

【お題】
現実

【縛り】
執筆中トイレ使用禁止
執筆中のおやつはうまい棒のみ
執筆中窓を開けない
執筆している間途中保存しない(作品完成まで保存不可)
宇宙人を登場させる

813名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:32:15 ID:NGk.nvjY0
おつ
今回流石兄弟いいのが多くてうれしいです

814名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 16:01:46 ID:6sXiMwC.O


質問なんだが、スレ立てして投下したあと、そのスレに違う話を投下するのってあり?
なんか一人で数十レスのスレをいくつも立てるのは気が引ける

815名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 16:13:12 ID:1cduW/uw0
いいんじゃないか?
ラノベの時もそういうのあったような

816名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 16:28:01 ID:EJQ11U4g0
個人的にはドシドシスレ立てしてくれた方が分かりやすくて良いんだが
まあ好きにすればええよ

817名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:02:28 ID:X7XOWJCQO
推奨BGM
http://www.youtube.com/watch?v=3439BgooWmQ&amp;sns=em

818名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:03:54 ID:X7XOWJCQO


(´・_ゝ・`) 僕はねぇ、月の裏側から来たんだ

そう言って彼はまた、宙に指を踊らす。
幾つかの音の粒が、弾けて其処等を転がった。

.

819名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:04:24 ID:X7XOWJCQO



博士と異星人ピアニストのようです


.

820名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:06:30 ID:X7XOWJCQO

川 ゚ -゚) はぁ、月の裏、ですか

月は常にほぼ決まった面を地球に向けて回っているため、その裏側を地上から観測することは難しい。
しかしそこに、人間に類する生物など存在し得ないことくらいは、今時小学生でも知っている。

(´・_ゝ・`) そう、僕はそこで、ピアニストをやっていたんだ

彼は何も無い空間を弾き、音色を奏でる。

どういう理屈かは知らない。
ただ、彼が月から来たというのは、あながち嘘でもないのかもしれない。

.

821名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:07:12 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


始まりは、約一週間程前に遡る。
人の捌けた講義室で、唐突に背後から声を投げ掛けられた。

(´・_ゝ・`) 今夜は、よく星が降るね

中肉中背、年齢不詳。人畜無害。
第一印象は、そんなところである。

生徒だろうか、それとも来賓の教授か誰かだろうか。
少なくとも、この大学で教鞭を取るようになってからの私の記憶の中に、その顔は無い。

川 ゚ -゚) 今日は晴天ですからね、確かに夜になれば星もよく見えそうです

天候の話というのは、初対面の人間との会話に於いて、至って無難な話題である。

.

822名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:10:03 ID:X7XOWJCQO

(´・_ゝ・`) 美味しい金平糖が沢山とれるかもしれないよ

その次に相手が、同じく天候のことについて相槌を打ってくれるのなら、であるが。

川 ゚ -゚) こんぺい、とう……?

(´・_ゝ・`) そう、金平糖。 とげとげの砂糖菓子さ、知らないのかい?

何のことは無い、駄菓子屋だのに置いてある、色とりどりの星形の結晶である。
何故あの形になるのかは未だ解明されていない、とのこと。

しかし、彼によるところでは、流星が月面に落ちた時に弾けた欠片が、あの金平糖であるらしい。
流星は、宇宙空間に漂う塵が大気圏内に突入する際、光って見えるだけだ。
本当に星が降っているわけではない。

.

823名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:11:29 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


それから彼は、講義終わりに私一人を残して部屋が無人になると、決まって姿を現すようになった。
毎度同じように、会話に成らない会話を、私と幾言か交わして去っていくことを、度々繰り返していたのであった。

(´・_ゝ・`) あすこにUFOが見えるだろう? 僕はあれに乗ってやってきたんだ

そう言って彼が指差す先には、我等が研究室の誇る高精度大口径天体望遠鏡を収める、そのドームがあるだけである。

(´・_ゝ・`) エンジンが故障してしまってね、ふらふらしながらようやっとあの山頂に不時着したのさ

あの望遠鏡が設置されたのは、今から十年以上も前のことであり。
無論、あれがUFOなんかである筈が無いのは、至極明白な、事実。

824名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:12:46 ID:X7XOWJCQO

川 ゚ -゚) はぁ

彼の吐き出す言葉は、何から何まで頓狂に現実に反していて。
この時間を重ねる程に、正に彼は、我々が生きるのとは別の世界から来たのではないかとすら思えてくるのであった。

この一科学者としての私の、必死の抵抗も空しく、彼は私の心の狭間に、虚で塗り固められた言葉の数々を、ひっそりと挿し入れてくるのであった。

.

825名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:14:21 ID:X7XOWJCQO

室内に、ピアノの音色が零れる。

(´ー_ゝー`)

彼は両の瞼を下ろして、目前の空気に指先を滑らす。

緩やかに情緒的な音の連なりが、彼の白く細長い指から、生み落とされ一つの曲を形成する。

川 ゚ -゚)

私は黙って、其れに耳を傾ける。
飽くまで、地球産の曲である。ジムノペディ第1番。1888年、エリック=サティ作曲。

不可思議な長調の旋律が、私と彼との間を擦り抜け溶けて、宙に消えていく。

.

826名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:15:15 ID:X7XOWJCQO

(´・_ゝ・`) この曲はね、僕のレパートリーの中で一番の人気曲だったんだ

演奏を終えて彼は、両手を自分の顎の下に組む。

(´・_ゝ・`) 沢山の月の貴族達が、僕のリサイタルを聴きに集まってきたんだよ

その視線は、私を通り越してまた別な世界を見詰めている。

(´・_ゝ・`) 墜ちたばかりの新鮮な星屑からできた金平糖を、報酬代わりに持ち込む人もいた

川 ゚ -゚) 何故、私にそれを?

(´・_ゝ・`) 君からは、どうにも宇宙の叡智の匂いがするんだ

私が天文学者であることを差しているのであろうか。
実際のところ、叡智という言葉が適切かどうか怪しい程に、私は端くれ者なのであるが。

(´・_ゝ・`) それに、僕は、そろそろ帰らなければいけない

.

827名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:16:25 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


(´・_ゝ・`) 次の満月に、此処に月の裏側へのゲートが開かれる

我々二人は、暫しの間、夜行列車に揺られ、鏡のような黒色を湛えた、湖に降り立った。

(´・_ゝ・`) これから、新月に向かうだろう。 その間に、月はエネルギーを蓄えるんだ

並び立ち、水面に揺蕩う、細い月影を眺めていた。

(´・_ゝ・`) そうすれば、これが人一人通れるくらいの大きさになるから、僕はそこを滑り降りていくんだ

彼は両の掌を椀のかたちにし、湖の月を掬い取ってみせるのであった。
その中にも、小さく月が揺れた。

.

828名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:16:54 ID:X7XOWJCQO

戯れに、その月を人差し指でつついてみる。
冷たい液体の感触が、指先に纏わり付いた。

川 ゚ -゚) あなたは、これに入るのですか

(´・_ゝ・`) あぁ、帰らなければ、ならないからね

彼は、手中の月を湖に戻し、それから、頭上の月を見上げたのであった。

.

829名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:18:56 ID:X7XOWJCQO


それを最後に、彼は私の前に現れなかった。
消息を調べようにも、私は彼の名も知らず、またそれを人に尋ねようにも、私は彼の特徴らしい特徴も知らなかった。

ただ一つ、彼が異星のピアニストであったことを除いては。

.

830名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:20:10 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


あれから二度目の満月の晩、私はあの湖畔にいた。
成る程、水面に映る円い月影は、大人が上に立てるくらいに、その直径を広げていたのであった。

彼は、本当に月に帰ったのかもしれない。

私は揺れる満月のもとに、小舟で漕ぎ着け冷水に素足を浸ける。
私の足首から発せられる波紋が、青白い光の環を歪めた。
あぁ、これでは、私は月へ辿り着くことが出来ないではないか。

冷たく暗い無重力の中、沈む私の爪先は、下れども下れども月面に降り立つことはなく。
口から吐き出した彼の虚言が、頭上に波打つ光に向かって、揺らめき昇っていくのをただ、私はじっと眺めていた。

.

831名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:24:22 ID:X7XOWJCQO
タイトル
博士と異星人ピアニストのようです

レス番
>>817-830

お題
UFO、大嘘、月の裏側、小舟、夜行列車、無重力、現実

縛り
・ 読む時の推奨BGMを決める
・ ジャンルはSF
・ 30レス以内
・ 地の文は主人公以外の一人称
・ AAの名前を出さない
・ 投下前に身内の誰かに公開、投下時にその評価を書く
→感想(友人より):
ロマンチックなSFみたいな。設定からはなんとなく海野十三を思い出した。作風は違うけれど。
雰囲気作りが非常に上手い。情景を想像するのが容易。
どうでもいいけれど作者は元中二病疾患だとみた。

832名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:25:59 ID:iDp5GQ4s0

言いたいことは全て友達が言ってくれたようだ
いい友達だな、大事にしろよ

833名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:26:09 ID:NGk.nvjY0
おつ
綺麗な感じがよかった
友人に見せるとかすごいな…

834名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:31:49 ID:AtYt0uBI0
綺麗な話だな…
おつおつ

835名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:50:39 ID:NGk.nvjY0
投下します

836名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:51:19 ID:NGk.nvjY0

从リ ゚д゚ノリ

リハ´∀`ノゝ

(*゚ー゚)( ・−・*)キャッキャッ

リハ´∀`ノゝ(僕なにやってるんだろう)

リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

837名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:52:03 ID:NGk.nvjY0

どうも、モナーです。僕の名誉にかけて言わせてもらいますが、僕に女装癖はありません。本当です。
なぜ僕が女装して友人の彼女を尾行しているのかというと深い理由があるのです。
あれは、一昨日のことです。学校で僕が友人と談笑している時でした。

( ´∀`)『モララーまたふられたモナ?
      そろそろ諦めた方いいモナ』

( ・∀・)『向こうから告白してくるんだよ?
     それを愛されてる気がしないってふられるのは僕が悪いの?』

( ´∀`)『今腹の底から湧きあがる怒りを抑えるのに必死だから黙ってくれる』

(,,゚Д゚)『なぁ、二人とも』

( ´∀`)『なんだリア充代表お前の顔を心底殴りたい』

( ・∀・)『ものすごく理不尽な怒りを人に向けないの。
     なあにギコ』

(,,゚Д゚)『…ちょっとした相談、なんだが。
     日曜日お前ら暇か?』

( ´∀`)『モナ?僕は暇モナ』

( ・∀・)『僕も特に用事はないよ。
     どこか遊びにでも行くの?』

(,,゚Д゚)『いや、遊びに行くと言えばそうなんだが…』

( ・∀・)『…ずいぶん歯切れが悪いね。
     言いにくい用事?』

(,,゚Д゚)『…誰にも言わないでくれよ』

( ´∀`)『僕は口が堅いモナー』

(,,;゚Д゚)『お前が心配なんだよ』

( ´∀`)『モナ……』

撃沈した僕に見向きもせず二人は話を進めていきました。
改めて考えたら僕の扱いがひどいと思います。

838名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:52:43 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『相談事を人に話す趣味はないんでね。
     で、用事はなんなの?』

(,,゚Д゚)『…しぃのことだ』

( ・∀・)『あぁはいのろけ?』

(,,゚Д゚)『ちげぇよ…しぃが浮気してるみたいなんだ』

( ・∀・)『……それは、まぁ。
     重たい話だね。根拠は?』

(,,゚Д゚)『毎週必ずデートしてたのに、一か月前からちょくちょく断られるようになって…
     月曜日にジョルジュからしぃが知らない男と一緒にいるって見たって聞いた』

( ・∀・)『…うーん、まだちょっと根拠として弱いなぁ』

( ´∀`)『破局の危機モナ?』

( ・∀・)『おだまりなさい。
     じゃあ日曜日の用事は?』

(,,゚Д゚)『…本当に浮気なのかどうか、確かめようと思って。
     俺一人だと冷静でいられないかもしれないから』

( ・∀・)『うんうん、いい判断だ。
     日曜日にしぃちゃんがそいつといる可能性は?』

(,,゚Д゚)『確定だ。俺とのデートを断ってる日はそいつといる』

( ・∀・)『ふぅん……で、どうするの?』

839名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:53:25 ID:NGk.nvjY0

(,,゚Д゚)『尾行しようと思う』

( ´∀`)『ストーカー……』

( ・∀・)『しっ言っちゃダメ。
     ……でもそのまま尾行する気?確実にばれると思うけど』

(,,゚Д゚)『むぅ……しかし他に方法がな…』

モララーが少し考え込んでにやりと笑いました。
僕は知っています。彼がこういう顔をするときは大体ロクなことないのです。

( ・∀・)『…僕にいい案があるよ。
     日曜日、そうだな八時くらいに僕の家に来て』

(,,゚Д゚)『本当か?頼んだぞモララー』

( ・∀・)『モナーもだからね』

(;´∀`)ビクゥッ

( ・∀・)『 モ ナ ー も だ か ら ね 』

(;´∀`)『も、モナ…了解したモナ…』

本当になぜ僕は了解してしまったのでしょう。
モララーの目が怖かったからとしか考えられません。あれは脅しを含んでいる目でした。

840名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:54:05 ID:NGk.nvjY0

そして、今日。モララーの家に行って出されたのはこれでした。

( ´∀`)『………』

(,,゚Д゚)『………』

( ・∀・)『さ、着て』

( ´∀`)『異議あり!これは明らかに女性用の服であります!』

(,,゚Д゚)『モナーに同意だ。いくらスカートじゃないにしろどう見ても女性用だ』

( ・∀・)『サイズはあってるから問題ないよ』

( ´∀`)『心情的に問題ありまくりだよバカ』

( ・∀・)『変装ったって適当なものじゃばれちゃうでしょ?
     あ、ウィッグもあるよ』

(,,;゚Д゚)『なんでモララーこんなの持ってるんだよ…』

( ・∀・)『おばさんの趣味でね。部屋もあいてるし置いてたんだ。
     まさか役にたつときが来るとは思わなかったけど。
     これでも結構ボーイッシュなのを選んだつもりだよ?
     ふわふわしたのがいいなら変えようか』

(,,゚Д゚)『これでいいです』

( ´∀`)『……僕も着るモナ?』

(,,゚Д゚)『…すまん』

( ´∀`)『終わったらいちごタルトな。期間限定のあれ』

(,,゚Д゚)『あれ高ごめんごめん怖い怖いおごるから』

841名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:54:47 ID:NGk.nvjY0


十分後

リハ´∀`ノゝ

从リ ゚д゚ノリ

( ・∀・)『ぶふwwwwwwwwwwひぃwwwwwww』

リハ´∀`ノゝ『笑ってんじゃねぇよ』

( ・∀・)『ちょwwwwwwしゃべんないでwwwwwwww』

从リ ゚д゚ノリ『ものすごくしにたい』

( ・∀・)『wwwwwww声やばいwwwwwwwwww』

ひとしきり笑ってすこし涙目になったモララー。
僕はこの時ほど彼の首を絞めたくなった時はありません。

842名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:55:35 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『あーおもしろ。せっかくだから写真とろ写真』

リハ´∀`ノゝ『やめて』

( ・∀・)□『もうとっちゃいましたー』パシャ

从リ ゚д゚ノリ『なんでお前に頼ったんだろうな俺…』

( ・∀・)『本当にwwwモナーはまだいいけどwwww
     ギコの声やばいwwwwしぬwww』

リハ´∀`ノゝ『いっそしんでくれ』

从リ ゚д゚ノリ『そもそもなんでモララーは着ねぇんだよ…』

( ・∀・)『wwwあぁwww説明wwするよwww』

リハ´∀`ノゝ『笑いおさめて』

またモララーの笑いがおさまるまでかなりかかりました。
余談ですが僕の身長は170あります。太っても痩せてもいません。
ギコに至っては175で、剣道部で鍛えています。
もうどう考えても似合ってるとは言えません。ギコよりマシだとは思いますが。

843名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:56:17 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『ふぅ……とりあえず君達しゃべらないでくれる?面白いから』

リハ´∀`ノゝ(理不尽)

( ・∀・)『まず、君達がしぃちゃんを尾行する。
     そして男と合流したらしばらくおよがせる』

( ・∀・)『それで、やけに仲いいなって思ったら僕が声かけに行くから。
     それでギコのことをだして様子を見る。
     君たちは陰に隠れて聞いといて』

( ・∀・)『あ、そういや聞いてなかったけど。
     ギコ、本当に浮気だったらどうするの?
     しゃべらないでね』

リハ´∀`ノゝ(ひどい)

しゃべるなと言われたギコは携帯で文を打ってモララーに見せました。
しゃべったらモララーがまた笑ってしまうでしょうから、それを懸念したのでしょう。
僕から文面は見えませんでしたが、モララーが満足そうにうなずいたので彼の同意は得られたのだと思います。

844名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:57:01 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『じゃあ、行こうか。
     二人とも顔隠しとけばそれなりにみえるから』

リハ´∀`ノゝ(それなりて)

( ・∀・)『あ、それとも化粧もする?
     一通りできるけど』

リハ´∀`ノゝ『だが断る』

( ・∀・)『…なんかモナーには慣れてきたよ。
     案外似合うんじゃない?』

从リ ゚д゚ノリ『俺は』

( ・∀・)『wwwwwwwwwwwwwww』

リハ´∀`ノゝ『泣いてもいいモナ』

从リ ゚д゚ノリ(覚えてろよモララー)

そして、冒頭に戻るのです。

845名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:57:44 ID:NGk.nvjY0

リハ´∀`ノゝ

从リ ゚д゚ノリ


(*゚ー゚)( ・−・*)アーソレイーンジャナイ? ソーカナー?

リハ´∀`ノゝ「…仲良さげモナね」

从リ ゚д゚ノリ「ちくしょう…しぃの隣は俺の場所なのに…」

陰に隠れて僕らは小声で会話しています。もし周囲にばれたら生きていけません。
しぃさんと男はかなり仲がよいように見えます。正直コワモテのギコよりお似合いです。
デパートの雑貨屋で二人は何かを選んでいるようです。
しぃさんが選んで、男が意見を言うという感じでしょうか。

从リ ゚д゚ノリ「くそ、モララーはまだか…」

リハ´∀`ノゝ「あんまり前にでちゃダメモナ。
       ばれたら一瞬でバイバイモナ」

从リ ゚д゚ノリ「わかっているが…」

ギコは今にも飛び出しそうです。
ギコが出たら僕も連鎖的にばれてしまうでしょうから僕も必死です。
もしばれて母親の耳に入ったらと思うと恐ろしいのです。
息子が特殊な性癖をもっていると誤解されたくありません。

846名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:58:24 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)( ・−・*)ウーンアンマリダナー ベツノトコイコッカ?

どうやら二人が出てくるようです。
ばれないように二人の死角に回って、後をつけます。
ストーカーは物凄く根気がいるのだと学びました。

リハ´∀`ノゝ(バナナチョコタルトも追加しよう)

从リ;゚д゚ノリ「お、おい、あれ」

焦ったギコの声に意識を戻すと、二人がアクセサリー店に入っていくところでした。
指輪のもとに近寄っていく二人をギコは茫然と見送ります。

从リ д ノリ「ゆびわ……おれもかってやったことないのに……」

リハ´∀`ノゝ(こりゃおわったかな)

847名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:59:10 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)( ・−・*)サスガニキガハヤイカナー? ヤッパソウイウノハサー

二人は指輪をチラッと見ただけで今度はブレスレットの方に近寄っていきます。
指輪じゃなかったと安堵するギコですが、あそこは男物の場所です。
しぃさんが男へ何かを買うのは確定的でした。

(*゚ー゚)( ・−・*)ア!コレイイ! オオーイージャン

しかも買う物は決まったようです。しぃさんはご機嫌です。
きれいにラッピングしてもらって、しぃさんは慎重に手に持っていたカバンに入れました。
よほど大事な人への贈り物なのでしょう。それはもう。もう僕にはオチが見えます。

( ・∀・)「やぁ、偶然だね」

(*゚ー゚)「あら、モララー君」

( ・−・ ) 「? 友達?」

ここでモララーがしぃさんに声をかけました。
もう彼にもオチが見えているのでしょう。いつもよりにこやかです。
いや、彼は最初からわかっていたのかもしれません。

848名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:00:00 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)「同じ学校の人」

( ・−・ )「そう。はじめまして、しぃの従兄の椎名シーンです」

从リ ゚д゚ノリ「……へ」

( ・∀・)「はじめまして、茂羅モララーです。
      今なんか買ってたみたいだけど、誰かへのプレゼント?」

(*゚ー゚)「もう、わかってるくせに!ギコ君の誕生日プレゼントよ」

从リ ゚д゚ノリ

( ・−・ )「しぃってば全然決まらないんだもん。
       俺の休日をどれだけつぶすつもりなのかと」

(*゚ー゚)「でも今日ちゃんと決まってよかったわ。
    もう来週はギコ君誕生日だから。今週はケーキの練習しないと」

( ・−・ )「それも俺が食べるんだろ?
       まったく…」

(*゚ー゚)「だってギコ君においしいの食べてほしいじゃない!」

( ・∀・)「相変わらずお熱いようでなによりだよ」

849名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:00:58 ID:NGk.nvjY0

从リ ゚д゚ノリ

リハ´∀`ノゝ「…だそうだモナ。浮気じゃなくてよかったモナね」

从リ ゚д゚ノリ「俺の…勘違いだったのか」

リハ´∀`ノゝ「そうなるモナ」

从リ ゚д゚ノリ「そうか…よかった」

本当にほっとしたのだろう。ギコの目には軽く涙が浮かんでいる。
モララー達はまだ談笑している。なにやら携帯について話して、ておいまて貴様

( ・∀・)つ□

(*゚ー゚)□( ・−・ )

( ・∀・)σ

(*゚ー゚)( ・−・ )クルッ

リハ´∀`ノゝ「げ」

从リ ゚д゚ノリ「あ」

(*゚ー゚)「ぎ、ギコ、君?なんでそんな格好」

( ・−・ )「え、ギコってどっち?しぃの彼氏女装癖でもあるの?」

从リ ゚д゚ノリ「いや、これには深い理由がありまして」

リハ´∀`ノゝ(すごく逃げたい)

( ・∀・)「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

リハ´∀`ノゝ(モラ許さん)

850名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:01:44 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「本当にひどい目にあったモナ」

( ・∀・)「僕としてはとてもおもしろかったよ」

(,,゚Д゚)「あのあと誤解解くのどれだけ大変だったと思ってんだ貴様」

(*゚ー゚)「そうよ、本当にギコ君にそういう趣味があるのかと思っちゃったわ」

そして僕達は近所で評判のタルト専門店にきています。
僕としぃさんはいちごタルト、ギコとモララーは飲み物だけです。
チョコバナナタルトとチェリータルトは持ち帰りです。モララーとギコが折半で払ってくれました。

(*゚ー゚)「それに浮気だなんて…私はギコ君一筋なのに」

(,,゚Д゚)「ごめんって。許してくれよ」

(*゚ー゚)「いーえ許しません!私もチェリータルト持ち帰りしようかしら」

(,,;゚Д゚)「真剣に俺の財布の中身がなくなるから勘弁してくれ」

(*゚ー゚)「…もう疑ったりしない?」

(,,゚Д゚)「うん、しないよ。俺もしぃが好きだから」

(*゚ー゚)「…ふふ、許す。タルト分けてあげるね」

目の前でラブラブ全開されると腹が立ちます。いちごタルトの美味しさが唯一の救いです。
しっとりめのタルト生地にたっぷりカスタード、大粒の苺にかかった甘いシロップ。
苺のさわやかな酸味をシロップで閉じ込めてあって最高です。

851名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:02:28 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「相変わらず幸せそうに食べるね君は」

( ´∀`)「美味しいんだから幸せなんだモナ。
      ……今考えたんだけど、あの作戦で僕が女装する意味あったモナ?」

( ・∀・)「え? 今気づいたの?」

( ´∀`)「え?」

( ・∀・)「面白いかなって思っただけだったんだけど」

( ´∀`)「え?」

( ・∀・)「まぁぶっちゃけ意味はなかったっていうか。
     いいじゃんそれなりに似合ってたよ」

( ´∀`)「褒めてないよねそれ。
      ……すいませーん季節のフルーツタルト追加お願いします、はい、持ち帰りで」

(;・∀・)「おいやめろ、僕の財布が限界突破する」

( ´∀`)「モラは反省したほういいモナー。
      あ、このキウイタルト美味しそう」

(;・∀・)「やめて!」

冗談モナ、と言うと安心したように彼はコーヒーを飲みました。
ギコとしぃさんは女装の話で盛り上がり始めました。僕は御免です。

852名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:03:16 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)「思ったより似合ってたわよ?化粧すればもっといい線いったと思うわ」

( ´∀`)「女装の道極めたくないモナ」

(,,゚Д゚)「なぁ俺は?俺は?」

(*゚ー゚)「ギコ君は体格からちょっと…」

(,,゚Д゚)ガーン

( ・∀・)「また女装してみる?服いっぱいあるよ」

( ´∀`)「お断りです」

( ・∀・)「僕の笑いのネタを増やそうという気はないの?」

( ´∀`)「ないよバカ。自分で女装してろ」

(*゚ー゚)「あら、モララー君も似合うと思うわよ。
    二人でやってみたら?」

( ・∀・)「じゃあ二人でやろ。写真撮るだけだから外でないから」

( ´∀`)「お前プライドないのか…」

( ・∀・)「面白いほうが大事さ。ね、やるよね?」

僕はモララーの目に見つめられると断れないのです。
もう、裏に何か見えるのです。断ったらわかるよね的ななにかが。
だから僕はこう答えるしかないのです。

( ´∀`)「……たまにならいいモナ」

あぁ、悲しいことに僕の女装ライフが始まってしまうようです。
よし、とガッツポーズするモララーを横目に僕はいちごタルトを頬張るのでした。


リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

おしまい

853名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:04:20 ID:NGk.nvjY0
タイトル
リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

レス番
>>836-852  

お題
いちごタルト
「だが断る」

縛り
マイナーキャラに愛の手を( ・−・ )


俺は女装っ子なるものをなにか勘違いしている気がする

854名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:19:33 ID:EJQ11U4g0
乙乙乙

855名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:36:58 ID:4/TZg7kY0

これさ、 >>747-772と話繋がってる?

856名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:42:56 ID:NGk.nvjY0
>>855
一応ちょっと意識して書いた

857名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:45:04 ID:AtYt0uBI0
ギコwww
おもしろかった、おつ

858名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 19:55:15 ID:t08Ggv8U0
うっひょおおおおう
つ、次のはまだか!(ジャンキー)

859名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:31:16 ID:RVETB6Gw0
おう!も少し待ってろ!

(あぁまた期間終了後に投下するパターンのやつだ…)

860名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:44:13 ID:ELABVNKI0
投下します

861名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:45:16 ID:b69Yf9KI0
うっひょぉぉぉぉぉぉ!
知らない間に自分が出したタイトル使われてた!これは嬉しい!!

862名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:45:40 ID:ELABVNKI0



彼女の美しい瞳の中、美しい水晶体を思い出して、
よつ目だった僕は、泣きたくなりました。




( "ゞ)瞳の中の水晶体のようです



.

863名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:47:03 ID:ELABVNKI0

よつ目の僕は、そのうちの二つの目でふたつ目の彼女の姿を見ていました。
彼女は、黄色のチューリップをくわえて空飛ぶクジラを、
指さして綺麗ねと笑いました。

彼女の右手は僕の左手に繋がっています。
そうすることで、僕は美しい世界が分かるのでした。

o川*゚ー゚)o「あおぞら色の、わたしの、水晶体、綺麗でしょう。
       ないしょだけど、これがあれば世界が綺麗になるのよ」

彼女の二つの水晶体は綺麗で、映すものもすべて綺麗で、
僕は、彼女の水晶体を分けてもらった気持ちでいました。
綺麗だよ、と答えると、彼女の貌が綻びました。

o川*^ー^)o「たいえい的なきみに、わたしが要らなくなったら、これをあげる。
        はは、喜んでくれる?」

僕は、もちろんと笑いましたが、
そんな日が一生来ないことを願いました。

864名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:48:20 ID:ELABVNKI0

彼女の素敵なところは、いつもころころと笑っているところでしたが、
彼女の疲れは僕にもすぐに分かりました。
ピンク色のため息をついては、彼女は僕に見ないよう言いつけました。

o川*゚ー゚)o「ちょっと、きみにわたしの不幸が感染っちゃうよ」

僕が、彼女は不幸だったのかと驚くと、彼女は目を瞠りました。
大きな瞳から鱗が転げ落ちます。

o川*゚ー゚)o「やだ、知らなかったの?」

彼女の水晶体は綺麗なものしか映さないのに、彼女は不幸なのでした。
僕は、そんなこと思いもしなかったので、
どうしてなのか訊ねました。

o川*゚ー゚)o「んー……わたしね、ずっとあなたと一緒にいたいの。
       とっても。でも……」

そこまで言って、彼女は考え込むようなふりをして、僕の目を見ました。
彼女はふふっと笑って、

o川*゚ー゚)σ「1、2、3……4。
        かがやく瞳が番号よっつ。
        らいぎょの雷いろ」

と言いました。
彼女がそうやって、不思議なことを言うときは、いつだってうやむやにしてしまいたい時でした。
僕は彼女の右手をぎゅっと握りましたが、彼女は笑うだけでした。

865名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:50:01 ID:ELABVNKI0

嫌われ者の月曜日みたいな日でも、彼女は土曜日が来たみたいな笑顔を浮かべていました。
彼女とのなんでもない対話は、それでも僕の楽しみでした。

o川*゚ー゚)o「うんとね。
       まだ、いろはは言えないの。
       れいく、……だっけ?だからね、わたしにはまだ早いや」

きっと、麗句のことでしょう。
彼女が唱えればなんでも麗句になるのだからと僕なんかは思うのですが、
彼女はオリーブオイルみたいに瞳を輝かせて笑いました。

o川*^ー^)o「てんで無理よ」

それから、しかし少しだけ悲しい声音で、

o川゚ー゚)o「きみは……言えるようになるわ、きっと。
      てから溢れるくらい」

と、言いました。
そして握った僕の手をひっぱって、やっぱり笑いました。

866名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:51:05 ID:ELABVNKI0

夜行列車が夜の闇へ沈んでゆくのを、彼女と一緒に眺めました。
オルゴールの音だけを残して消えたのを見て、彼女は首を捻りました。

o川*゚ー゚)o「あれ、どこ行くと思う?」

下に行くね、と僕が言うと、彼女も頷きました。

o川*゚ー゚)o「ねえ、」

o川*^ー^)o「とび込んでみよっか」

今度は僕が首を捻りました。

o川*゚ー゚)o「したがどうなってるのか、気になるよ。
       てを広げて、さあ」

彼女が言うので、僕はその通りにしました。

o川*^ー^)o「あはは、大丈夫。
        なんとかなるよ。
        たぶん、ね。さあ」

彼女は小舟で漕ぎ出すように、なめらかに静かに、僕と一緒に飛び込みました。
手を離してしまわないように、僕は力を込めました。

867名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:52:22 ID:ELABVNKI0






とぷん。





.

868名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:53:23 ID:ELABVNKI0



大樹のリンゴをスプレーで吹き付けて、眼鏡で歪めたみたいな色が、広がった世界でした。
風の音もありません。
全身にクスリを垂らしたみたいな痒みが広がります。

o川;゚ー゚)o「ををを……」

彼女は変な声で呻きました。
しかし、すぐに慣れ、セルロイドのクラゲみたいにたゆたう僕たちは、
童謡を歌うみたいにしました。

o川*゚ー゚)o「しってる?
       あめって、舐めると溶けるのよ。
       わたし、びっくりしちゃった。
       せいいっぱい頑張っても、溶けちゃうの。
       においは残るのにね」

そうやって話をしていると、ファニーボーンをぶつけたときみたいな、
じんとした痺れを感じました。

o川*゚ー゚)o「しかく的には、いちごタルトみたいよね、ここ。
       たっぷりの、いちごの。でも、
       いい匂いかと思ったけど、そんなことないね」

僕も馬鹿みたいに鼻を動かしましたが、匂いはよく分かりません。

o川*^ー^)o「のばらの色にも似てるね」

彼女は笑って、それから、爬虫類みたいに目を細めました。

o川*゚ー゚)o『そろそろ時間だわ』

869名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:54:16 ID:ELABVNKI0

ざわ、
と、身体の中を、風が吹いたような気がしました。

o川*゚ー゚)o『あなたはもう行かなくちゃいけない』

どうして、と僕は言いました。

o川*゚ー゚)o『わたしの望みだから』

僕は意味が解らなくて、彼女の左手を握りしめました。

o川*゚ー゚)o『わたしは行けないの』

どうして、と僕はもう一度言いました。
悲しくて、少し声が震えました。
彼女はそれには答えませんでした。

o川*゚ー゚)o『ねえ。
       あなたの、眼球、ふたつでいいからわたしにちょうだい。
       そしたら、わたしの水晶体をあげる』

僕はとうとう分からなくなって、目の前に彼岸花みたいな赤がちかちかしました。
春雪みたいな白がもやもやと思考を覆います。

運命のときが、来たと思いました。



870名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:55:09 ID:ELABVNKI0

o川*゚ー゚)o『ね、いいでしょ。
       それとも、不満?
       じゃあ、希望もあげる。ね』

希望、
がなになのか、分からなくて、僕は彼女の瞳を見つめていました。

o川*^ー^)o『ね?』

彼女の瞳に僕が映っていました。
よつ目の僕が。

o川*゚ー゚)o『お願いよ。ちょうだい』

彼女の貌は笑顔でも、声が真剣だったから、僕は頷きました。

o川*゚ー゚)o『よかった。
       ……ありがとう』

彼女がなにをしたのか、僕には分かりませんでしたが、一瞬眩暈がして、
くらくなって、
気づいたら、彼女が見えていました。

o川*"ー")o

彼女はよつ目でした。
彼女は僕の左手を離しましたが、僕には前が見えていました。
彼女は僕が見えていないようでした。

871名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:56:00 ID:ELABVNKI0

o川*"ー")o『これでわたしは行けなくなった』

僕はもうどうしてとは言いませんでした。
いえ、言えませんでした。
僕のせいだと分かっていたからです。
彼女は手探りで僕の頭を探して、抱き寄せました。

o川*"ー")o『泣かないで。
        わたしはしあわせだよ。
        あなたを守れたから』

そして彼女は僕からついと離れました。

o川*"ー")o『ねえ、3回は言わないよ。
        しあわせになって』

彼女は弱々しく笑いました。

o川*"ー")o『ね』

僕は彼女のよっつの目を見て頷きました。
彼女は今度は満面に笑いました。

o川*^^ー^^)o『あいしてる。
        ごめんね。
        さようなら』

872名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:57:07 ID:ELABVNKI0

僕は眠くなって、目を閉じました。

真っ暗になったけど、怖くはありませんでした。
彼女の水晶体が僕の中にあるから、











せまいせまい、くらいトンネルを、僕は抜けていきました。





.

873名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:58:02 ID:ELABVNKI0


「おい風のかがやきが、
 ぎんの息吹が見える。
 やっとここに来れた。
 ああ、世界は美しい。

 おおきな誰かの影が、
 ぎゃくから覗いてる。
 やっとここを見れた。
 ああ、世界は美しい」






「こんにちは、はじめまして!」

.

874名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:59:22 ID:DBPTgIJw0
なるほど

875名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:59:59 ID:ELABVNKI0

おわりです

【タイトル】
( "ゞ)瞳の中の水晶体のようです

>>862-873

【お題】
・月曜日  ・希望  ・番号  ・眼球
・クスリ  ・クラゲ  ・オリーブオイル  ・風の音
・小舟  ・スプレー  ・青空  ・飴
・眼鏡  ・大樹のリンゴ  ・空飛ぶクジラ  ・春雪
・彼岸花  ・夜行列車  ・ファニーボーン  ・爬虫類
・トンネル  ・オルゴール  ・嫌われ者  ・セルロイド
・3  ・土曜日  ・童謡  ・馬鹿
・いちごタルト  ・黄色のチューリップ  ・痒み  ・いろは
・1、2、3

【縛り】
・投下前に身内の誰かに公開、投下時にその評価を書く
・AAの名前を出さない


「たくさんのお題を使わせてもらいました
 てんかいが微妙かもしれませんが頑張りました
 よいんが残る話になってたらいいなと思います
 みうちからのコメントは以下です」

『意味が解らないけどこういうのはぼんやり意味を持てればいいと思う』

ちょっとした仕掛けもあるのでよかったら
ありがとうございました

876名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:05:21 ID:vHmVON9Y0
乙おつ!力作ですな!
ギミック含めて楽しく読ませてもらいました

ところでデルタってキャラよく知らないんだけど、この子四つ目設定なの?

877名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:08:43 ID:NGk.nvjY0
おつ 
お題がぽんぽんでてきて楽しかった
仕掛けどこぞ…

878名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:26:13 ID:PdgtBiV20
切ない、乙…キュート…

879名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:34:51 ID:BANirG.UO
乙!発想も話の作りも上手だなぁ

よし、私も投下させて頂こう

880名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:36:43 ID:BANirG.UO
スコープの中に映る世界、それが私の全てだった。

何時から、どうして、そのように生きるようになったのかは忘れてしまった。
物心がついた頃には既にライフルの分解と組み立てができるようになっていた気がする。

組織への帰属意識なんてものはなかったが、任務は淡々とこなした。
狙撃の瞬間に映る景色、それだけが私を現世に留まらせていた。

川 ゚ -゚)「相変わらず変わり者だな。まあ、私も人のことを言えた義理ではないが」

いや、もう一つ私を繋ぎ止めるものがあった。
年の頃が近いということもあったのか知らないが、昔から彼女だけは私に懇切と話し掛けてきた。

(゚、゚トソン「…………」

川 ゚ -゚)「無視か、もう少し愛想よくはできないのか」

(゚、゚トソン「……次の任務が終わったら、引退するそうですね」

川 ゚ -゚)「ん、ああ、金も十分貯まったしな。気楽に余生を楽しむとするよ」

(゚、゚トソン「…………」

川 ゚ -゚)「お前も一緒に引退するか? お前一人分ぐらいなら私が養ってやってもよいが」

(゚、゚トソン「いえ、私の居場所はこれの中だけです」

組み立て直したライフルを掲げたあの日、そこが私と彼女の分水嶺だったのだろう。

881名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:38:28 ID:BANirG.UO
それから数日後、宣言通りに彼女はいなくなった。
引退したら旅をしたいなどと、以前口にしていたことを思い出す。

彼女曰く、何でもこの世界には美しい風景とやらがあるらしい。
彼女曰く、何でもこの世界には美味しい食べ物とやらがあるらしい。

しかし、私の世界にそんなものは存在しない。
ショット、クリア、ショット、クリア、ショット、クリア、悪人も、善人も、女も、子供も、ショット、クリア。
機械のようにただただそれを繰り返す。

(゚、゚トソン「……ショット」

今日もM24のスコープは私に人が倒れる姿を映し出す。

(゚、゚トソン「……クリア」

だがいつしかそれが、無味乾燥したものに変化したよう感じるのはなぜだろう。

彼女がお疲れと声を掛けてくれた頃はそんなことなかったのに。

882名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:40:32 ID:BANirG.UO
彼女がいなくなって一年が経過するだろうかという時期に、私は新たな任務を授かった。

標的は日本に住む女子高校生。
私とさして歳は変わらないようだが、そんなことに何の感慨もなかった。
これまでも女、子供は幾人かクリアしている。

日本へ渡り下見を済ませてから数日が経つと、決行日当日がやってきた。
対象が通過するであろう道の、800m離れたマンションの屋上を私は狙撃ポイントとして選択した。

気温13、湿度57、風速2、北東の風。
風速や風向きの変化などに合わせてその都度レティクルを調整する。

チャンスは一度きりの高難度ミッションだが緊張はない。
結局これも私の世界では、日常のワンシーンにしか過ぎないのだから。

そんな私の思いとは裏腹に、想定外の事態が起きた。

川 ゚ -゚) ζ(^ー^*ζ

標的と談笑していると思われる彼女の姿、一年ぶりに目にする彼女の姿。

手に汗が滲む。
どういうことだ、まさか偶然ということはあり得ないだろう。
引退したのではなかったのか。

(゚、゚トソン「そうか、これが彼女の最終任務……」

私は保険というわけだ。
彼女がしくじった時の保険、別に悪い気はしない。
世話になったこともある、花道に彩りを添える程度の礼はしてもバチは当たらないだろう。

その反面保険など無意味だとも感じた。
それ程までに彼女の殺しは正確で、失敗などしようはずもない。

(゚、゚トソン「……?」

しかし、ここでもう一つ想定外に遭遇する。

883名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:43:01 ID:BANirG.UO
彼女の位置取り、あれはまるで近隣の狙撃ポイントとなり得る場所全域から標的を庇っているように見える。
このままでは私といえども標的のみをクリアするのは難しい。

(゚、゚トソン「……なぜ?」

動悸が加速すると同時に、刻限が迫って来る。
だがそれでも彼女から殺意が見えない。

なぜ、どうして、時間がない、いけるか、しかし撃てば彼女が、しかし撃たなければ私の世界が壊れてしまう。
もう猶予はない、確実ではないが標的をクリアできる可能性はある、このトリガーを引けば私は――

(゚、゚;トソン「うああああああぁぁぁっ……!!」

スコープの中に映る世界は、今日も人が倒れる光景を私に見せた。

彼女が血を流して倒れている、庇われた標的が懸命に声を掛けているがあれではもう助からないだろう。

(゚、゚トソン「保険の保険か、やってくれる……」

結局、私は自分の世界を裏切った。
これではもう二度とスコープを覗くことなどできない。

任務を放棄した私を組織は処断するだろう。
だがわざわざ捕まってやる必要もない。

(゚、゚トソン「いつか彼女が夢見たように……旅にでも、出てみるか」

彼女曰く、何でもこの世界には美しい風景とやらがあるらしい。
彼女曰く、何でもこの世界には美味しい食べ物とやらがあるらしい。


彼女曰く、何でもこの現実という世界は私の世界と比べてどうしようもなく広いらしい。


fin

884名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 21:46:49 ID:BANirG.UO
タイトル
(゚、゚トソンどうしようもなく広いこの世界、のようです

レス番
>>880-883

お題
現実

縛り
起承転結で4レス短編
AAの名前を出さない

ご愛読くださりありがとうございました
>>539も合わせて読んで頂けると更に幸いです

時間がなくて4レス短編しか書けない悔しみ!
男の娘ものの連載を持ったことがあるのに男の娘ものが書けなかった悔しみ!
(゚、゚トソンがだんだんスライムつむりに見えてくる悔しみ!

885名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:16:32 ID:iDp5GQ4s0

男の娘もの…ちょっと気になる

投下する

886名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:16:34 ID:NGk.nvjY0
おつー!
>>534-538
の続きかな?おもしろかった

887名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:17:30 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)】

あなたの電話番号

090-XXX-556

会いたいな、なんて。

888名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:18:14 ID:iDp5GQ4s0

|゚ノ ^∀^) (・∀ ・;)

コールして3分
目に見える鬱憤

でも会いたいし
テレビには皇太子

889名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:18:57 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)つ ● (・∀ ・;)

あなたの為に
頑張ったのmany

気がつけば深夜
新屋で遅い夕食

890名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:19:42 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(・へ ・;)

「美味しい?」
「苦々しい」

891名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:20:24 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(メ∀ ・)

フォークを目に刺す
フォームはlaughness

だって、ココロ込めて作ったご飯

ずっと、煮込んでいた米とパン

きっと、悲しんでるとご判断

誤判断?
ーーー

892名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:21:15 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(メ∀ ・)

その目に刺さったフォークのアンテナで

私のココロの不安定な部分

受信してよ

眼科に受診しようか

893名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:21:55 ID:iDp5GQ4s0
(メ∀ ・;)

「ごめん、大丈夫」

なんてフォークを取る。

(・∀ ・;)

「ごめん、頑張ったのにね」

なんて機嫌を取る。

894名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:22:38 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^#)

もっと怒りなさいよ
私の方がごめんなさいよ
私って本当めんどくさいよ

なんでコールしただけで来ちゃうのかな
なんでフォーク刺しても許しちゃうかな
なんでゴールデンウイークかまってくれないかな
なんでゴールインしてくれないかな

895名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:23:18 ID:iDp5GQ4s0
|゚ノ ^∀^)(・∀ ・;)

|゚ノ ^∀^)(-∀ -)=3

|゚ノ ^∀^)(・∀ ・)つ。

「はい、どうぞ」って

渡される指輪
私、綻びるわ

896名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:24:06 ID:iDp5GQ4s0
結婚してください
シチュエーションダサい

なんて素直じゃないの?
なんで捨ててくれないの?

897名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:24:50 ID:iDp5GQ4s0
(・∀ ・)

目に刺さったフォーク

(メ∀ ・)

また刺してリピート

「結婚してください」

898名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:25:33 ID:iDp5GQ4s0
あなたに刺したココロアンテナ
私の不安定な
ココロを受信
消える不信

これからもずっと受け取ってね
フォークを取っても、ずっと、ずっと

おわり

899名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:26:50 ID:iDp5GQ4s0
【スレタイ】 |゚ノ ^∀^) ココロアンテナのようです (・ ∀・)
>>887-898

【お題】
・ 番号
・ ゴールデンウィーク
・ フォークで目潰し

【縛り】
・ 耳ありAAのみ使用
・ 100レス以内に収める
・ 恋愛
・ 台詞の前にAAを付けない
・ 投下しながら1レス1レス心を込めて朗読
・ 30レス以内
・ スレタイのキャラどちらかを主人公にし、作中のラストでカップルにさせること
・ AAの名前を出さない

900名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:34:41 ID:AtYt0uBI0
乙!
なんかリズミカルで読んでて面白かった

投下します

901名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:35:25 ID:AtYt0uBI0

○月×日

今日も母さんは騙されていた。

エリート眼鏡にはつくづく弱いのが母さんの悪いところである。

私の意見なんて全く聞いてくれやしない。

あぁ、神様。

どうか私をあの眼鏡をかけた怪物から救ってください。

902名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:36:05 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚トソン「よし、書けたっと…」

コンコン

(゚、゚;トソン「わっ」サッ

(-@∀@)「失礼します。おや、何かあったんですか?」

(゚、゚トソン「別になんでもないです、アサピー先生」

(-@∀@)「そうですか、ところでトソンさん」

(゚、゚トソン「なんですか?」

(-@∀@)「お母さんから聞きましたよ?担当医を代えて欲しいと頼んだとか…」

(゚、゚;トソン「あのババアぺらぺらと…」

(-@∀@)「酷いじゃないですか。僕の何処が嫌なんですか?」

(゚、゚トソン「そうやって母さんたちの前ではネコかぶってるとことか。いい加減気持ち悪いんで止めてくれませんか?」



(-@∀@)「…可愛くない子供だなぁ、本当に」


誰のせいだと思ってるんだ、この変態怪物野郎が

903名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:36:45 ID:AtYt0uBI0




少女Aの怪物日記のようです




.

904名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:37:57 ID:AtYt0uBI0

(-@∀@)「にしても相変わらずチョロいな、君のお母さんは」ギシッ

(゚、゚トソン「そりゃ長い間娘の担当医してる先生なんだから信用してるに決まってるでしょ。というかベッドに座らないでください、加齢臭がつく」

(-@∀@)「じゃあ座らないでこうすればいいのかな?」ボスン

(゚、゚;トソン「ちょ、寝転がらないでくださいよ!あーあ、シーツ変えてもらわなきゃ…」

(-@∀@)「本当に失礼なガキだな。ほら、子供なんだからさっさと寝なよ」グイッ

(゚、゚;トソン「わっ!」

(-@∀@)「そうそう、そうやって僕の腕枕で寝なさい」

905名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:38:39 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚;トソン「早く寝たいんで、さっさと出ていただけませんかね…」

(-@∀@)「出てくとでも?」ギュッ

(゚、゚トソン「離してください。このロリコン」

(-@∀@)「君はもう高校生だからロリコンでは無いだろ」

(゚、゚トソン「私が小さい頃から目をつけてたくせに…」

(-@∀@)「昔の方が可愛かったなぁ」

(゚、゚トソン「ナースコール押しますよ」

(-@∀@)「分かった分かった、じゃあおやすみ。僕の愛しいトソンちゃん」

(゚、゚トソン「死ね」

906名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:39:20 ID:AtYt0uBI0

○月△日

怪物が夜這いにきた。

汚い白衣姿のままベッドに寝転
がるなんて最悪だ。

お願いだから誰か気づいて。

そいつは一見優男だけど中身はとんでもない怪物なんだよ。

どうして誰もわかってくれないの?

907名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:40:01 ID:AtYt0uBI0


(゚、゚トソン「はぁ…」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、また日記かいてるの?」

(゚、゚トソン「私の唯一のストレス発散方法なんで」

ξ;゚⊿゚)ξ「そ、そう。あ、脈計るわね」

(゚、゚トソン「…ツンさん、お願いします。担当医を代えて欲しいんです」

ξ゚⊿゚)ξ「あら、またその話?先生はいい先生よ?」

(゚、゚;トソン「ツンさんは騙されてるんですよ!」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。…脈は正常ね、じゃあ先生呼んでくるわね」

(゚、゚;トソン「本当なのに…」

908名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:41:40 ID:AtYt0uBI0

(-@∀@)「トソンちゃん、ツンさんから聞いたよ?何回言っても担当医は代わらないよ?」

(゚、゚トソン「言っても無駄だと分かってても、担当医を代えて欲しいんです」

(-@∀@)「どうしてよー。君のために一番良い個室にしてあげたのに」

(゚、゚トソン「先生に都合がいいからでしょう?私は大部屋の方が良かったです」

(-@∀@)「ベッドだって大きくて寝やすいのにしてあげたじゃない」

(゚、゚トソン「あんたが寝るためにでしょうが」

(-@∀@)「酷いなぁ、人の好意はもっと素直に受け止めるべきだよ?」

(゚、゚トソン「素直に受け止めてるからこうなってるんですよ」

(-@∀@)「全く、素直じゃないんだから」

ξ゚⊿゚)ξ「先生、急患です!」

(-@∀@)「おっと、じゃあまた後でね」

(゚、゚トソン「二度と来なくて結構です」

909名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 22:42:24 ID:AtYt0uBI0

(゚、゚トソン「暇だなぁ…」

(゚、゚トソン「…急患か、時間かかるよね、きっと」

(゚、゚トソン「逃げちゃおうかな…」ボソッ

もう誰も信じてくれないこんな最悪な世界だったら逃げ出してしまおうか。

腕についてる点滴を抜いて病院から抜け出したらきっと私は死んでしまうだろう。

でも、いつ怪物に食われてしまうか分からないのなら、せめて病院を抜け出してから死んでやる。




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