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( ^ω^)2013年 突発ゴールデンウィーク企画のようです

1名も無きAAのようです:2013/04/16(火) 21:07:17 ID:jMrmCD3gO
俺たちのGWははじまったばかりだ!!



ゴールデンウィークだし、何か企画をやろうぜという主旨のスレです。

773名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:08:58 ID:Bpy5LZJg0

こういう系統の作品見てていつも思う
モナー的な男になってみたいと

774名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:09:11 ID:NGk.nvjY0
【タイトル】
( ・∀・)嘘は美味いようです

【レス番】
>>747->>772

【お題】
なし

【縛り】
執筆中トイレに行かない

ちょっとトイレいってくる

775名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:09:27 ID:T0qFB1SE0
乙!
すらすら読めたよ
面白かった!

776名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:12:38 ID:mQ9YvN0UO
いい語り口だ
ビコーズ先生とかモナーが気になるな

777名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:13:52 ID:AtYt0uBI0
クーかわええ…。
こういう話大好きだ、乙!

778名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:13:57 ID:DBPTgIJw0
おつおつ
( ´∀`)いいキャラしてるな


ちなみに間違ってる人多いけど安価の範囲指定は>>xxx-xxx

779名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:21:42 ID:NGk.nvjY0
ついでにモナーの嘘についてとか何も考えないで書いたから
読み飛ばしてくれ。突っ込まんでくれ

安価指定ミスってたん…すまんかった…

780名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 09:32:15 ID:X7XOWJCQO
連載してほしい…続きヨミタイデス…

781名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 09:50:11 ID:ah6OXB6EO
みんなテンプレ通りにやってるからな
俺も続きホスィ

782名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 10:55:01 ID:EJQ11U4g0
しかし被らんモンだな

783名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:13:45 ID:XrU9c3EA0
今からプロット考え始めて被らないかガクガクだぜヒャッホウ!

784名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:21:56 ID:XrU9c3EA0
ヤバイ
間に合う気がしない
祭りの後に投下するのもアリだよな…?

785名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:24:18 ID:Bpy5LZJg0
     *      *
  *     +  アリです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

786名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:43:37 ID:NGk.nvjY0
投下します

787名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:44:18 ID:NGk.nvjY0

最近、寝ると妙なやつがでてくる。


( ^ω^)「どーもですお!
     あなたの夢の案内人、ブーンですお!」

いや、誰だよ。


( ^ω^)夢の案内人のようです

788名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:45:07 ID:NGk.nvjY0

( ^ω^)「おっおっもう三日目になるのに冷たいですおー
     泣いちゃいますおブーン泣いちゃいますお」

うるさいな。なんで俺の夢にでてくるんだよ。

( ^ω^)「それは僕が夢の案内人だからですお!
     みたい夢はなんですかお?ブーンが叶えてあげますお!」

やけにハイテンションな男は胸をどん、と叩く。
俺はそれを横目で見つつ溜息を吐いた。

こいつが出てくるようになって三日目になる。
最初は面白いとも思っていたが今となってはうっとおしいだけだ。
寝た気がしないし、起きても記憶に残っていて非常に迷惑だ。

見たい夢なんてない。俺の夢から出てってくれ。
お前なんて見てる場合じゃないんだ。

( ^ω^)「おーん…あなたに夢を見せないと僕は帰れないんですお。
     なんでもいいからないんですお?例でもみせましょうかお?」

いらないよ、そんなの。

( ^ω^)「おぉん…これはブーンのお仕事なんですお?
     もうなんでもいいですから言ってくださいお−」

うるさい。
お前に僕の夢なんか叶えられるはずがない。

( ^ω^)「お約束しますお!
     僕に叶えられない夢なんてないんですお!」

…………

789名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:45:54 ID:NGk.nvjY0

信じてみようか?
馬鹿馬鹿しいこの男を。どうせ叶いもしない夢なら言ってしまおうか。
諦めていなくなってくれれば万々歳だ。元々諦めていたのだから。

俺は。
俺はもう一度、光がみたい。色を見たい。
ドナーが見つからないんだ。真っ暗なこの世界なんて嫌なんだ。
朝に起きたいし夜に眠りたい。趣味の小説すら読めやしない。
親が泣いているのが聞こえるんだ。無駄によくなった耳でさ。
耐えられないのに死ぬこともできやしない。
目が見えるようになりたいんだ。

( ^ω^)「…あなたの夢はもう一度、目が見えるようになることですかお?」

……そうだよ。できやしないだろう?
夢では色も光もあったのにお前が出てきてから景色が消えちまったんだよ。
だから、はやくでてってくれ。

( ^ω^)「おっおっその夢、確かに聞き届けましたお!」

は?

( ^ω^)「おまかせくださいお!では、おはようだお!」

790名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:46:43 ID:NGk.nvjY0

ぱち、と目を開ける。これは感覚として開けただけであって、やはり光もなにも見えない。
嘘じゃないか、と一人ごちて思ったより期待していたとわかる。
母さんが俺を呼ぶ声が聞こえる。何やら焦っているようだ。

ドナーが見つかったのよ!あなた、目が見えるようになるわ!

よかったわね、よかったわね。繰り返し母さんは言う。泣いているようだ。
信じられなかった。本当に、叶えたのか。彼は本当に…

( ^ω^)

どこかで彼が笑った気がした。

おしまい

791名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:49:06 ID:NGk.nvjY0
【タイトル】
( ^ω^)夢の案内人のようです

【レス番】
>>787-790

【お題】
なし

【縛り】
起承転結で4レス短編

なんか起承転結ではない気がするお( ^ω^)

792名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 12:02:04 ID:NGk.nvjY0
ああああああああああああああああ
タイトルミスってる!本当に申し訳ない…
夢の世界の案内人のようですだ…
本当に考えた人に申し訳ないことをしてしまった…すまん

793名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 12:11:42 ID:xtmKlrfs0
( ^ω^)乙ですお

794名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 12:11:59 ID:EJQ11U4g0
まさかメリーバッドエンドじゃないよな?とかいらん想像しました


795名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:03:18 ID:.spOSp4w0
投下数多いなぁ
祭りが盛り上がって何よりだ

796名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:14:24 ID:iDp5GQ4s0
( ´_ゝ`)「あ、弟者、いらっしゃい」

(´<_` )「はいはい」

( ´_ゝ`)「今日外では何が起きた?」

(´<_` )「それがさ、月のうさぎが空から降ってきたんだよ」

( *´_ゝ`)「まじで?!」

ヘッドホンで俺からのヘッドラインを聞いている兄者はいつもワクワクしている。

( ´_ゝ`)ヘッドフォン、ヘッドラインのようです(´<_` )

797名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:15:07 ID:iDp5GQ4s0
(´<_` )「月に帰してくださいって泣いてたからNAASAAがディスカバリー号に乗せて帰してやるってさ」

( ´_ゝ`)「よかったね」

兄者はベットでヘッドホンを手で抑えながら言う。

(´<_` )「あと、IPS細胞がついに実用化されたってさ」

俺はマイクのスイッチを押しながら言う。

マイクはヘッドホンに繋がっている。

( ´_ゝ`)「そっか!これでいろんな人が助かるんだっけ?移植できない人とか」

(´<_` )「そうそう、よかったな」

( ´_ゝ`)「でもさ、そんなに世界は明るいニュースで溢れてるのにさ、なんで俺は外に出ちゃいけないのさ」

798名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:15:48 ID:iDp5GQ4s0
(´<_` )

(´<_` )「姉者が泣いちゃうだろ。そんなこと言うなよ」

( ´_ゝ`)「俺だって外に出たい」

兄者は俺を、俺と兄者の間にあるプラスチックの窓を見て言う。


(´<_` )「出ない方がいい。外には呪ウイルスとかいう呪われたウイルスがいるんだ。やめるべきだ」

( ´_ゝ`)「そっか、じゃあやめる」

799名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:16:29 ID:iDp5GQ4s0
ーーー

( ´_ゝ`)「いらっしゃい、弟者」

(´<_` )「おお」

( ´_ゝ`)「今日は何があったの?」

(´<_` )「食べても食べても食べ物が無くならない方法が発見されたぞ」

( ´_ゝ`)「そっか、俺、もんじゃ食べたいな」

(´<_` )「今度持ってきてやるからな」

( ´_ゝ`)「楽しみだなぁ」

(´<_` )「あと、俺が拾った卵から怪獣が生まれてしまって大変だった」

( ´_ゝ`)「どんなの?」

(´<_` )「火吹く奴。自衛隊が助けてくれたよ」

( ´_ゝ`)「へぇ…俺も会いたかったな」

(´<_` )「今度卵拾ったら持ってきてやるから」

( ´_ゝ`)「わかった」

(´<_` )「あとな、ついにあのネコ型が発明されたぞ」

( ´_ゝ`)「そっかぁ…俺も欲しいな、欲しいひみつ道具があるんだよ」

(´<_` )「どれだ?」


( ´_ゝ`)「どこでもドア」


( ´_ゝ`)「だって、弟者がこの部屋の扉を開けさせてくれないんだもん」

800名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:17:11 ID:iDp5GQ4s0
プラスチックの窓の横の扉は俺が堅く閉ざしてしまった。

(´<_` )「そこから出るなんて考えないでくれ」

( ´_ゝ`)「外に出たい」

(´<_` )「前も言ったろ?姉者が悲しむからやめろって」

( ´_ゝ`)「外に出たい」

(´<_` )「外にはいい物ばかりがあるんじゃない。復元された絶滅動物が暴れている地区さえあるんだぞ」

( ´_ゝ`)「外に出て、確かめたい」


( ´_ゝ`)「何が本当で何が弟者の嘘?」

「ねぇ、いつも言ってる『今度』っていつなの?」

801名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:17:53 ID:iDp5GQ4s0
ーーー
ーー


(う<_- )「…ねむい」

眠りから覚め、ヘッドホンを外す。

いつからだろう。
音楽を聞きながらじゃないと寝れなくなったのは。

802名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:18:38 ID:iDp5GQ4s0
ーーー

∬´_ゝ`)「おはよう、弟者」

(´<_` )「おはよう」

∬´_ゝ`)「朝はトーストでいい?」

(´<_` )「ん」

パンにマヨネーズ、とろけるチーズがのっただけのシンプルなトースト。

∬´_ゝ`)「夜はなんにしようかな…」

(´<_` )「ああ、兄者が…」

もんじゃ、食べたいってさ。


言いかけて口を抑える。

でも遅かった。

803名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:19:20 ID:iDp5GQ4s0
ぱりん、と姉者が皿を落とす音がする。

∬ _ゝ )「あに…じゃ…?」

(´<_`;)「ち、違う!!もんじゃ!もんじゃ!」

姉者は泣きながら床に座り込む。

∬ _ゝ )「ごめんね、ごめんね、謝るからもう嘘はやめて…」

(´<_`;)「姉者は悪くないって!!」

∬ _ゝ )「私が…親のいない幼いあんたを一人で育てる自信がなくて…慌てて結婚した相手が…あんたにまで暴力振るうなんて思ってなかったの…ごめんね、ごめんね」

(´<_`;)「昔のことはいいって!」

嘘、本当は今でも忘れられない。

∬ _ゝ )「あの時のあんた、兄者とかなんか言ったり、お話みたいな嘘ばっかり嬉しそうに話したり…おかしかったのに…どうして…すぐに気がつかなかったのか…」

(´<_`;)「俺、もう嘘なんてついてないし!兄者なんかもういないよ!」

嘘、今だって楽しい嘘ついてなきゃやってられない。

この世界で生きるのに一人きりじゃやってられない。

804名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:20:26 ID:iDp5GQ4s0
∬う_ゝ`)「…そう」

∬´_ゝ`)「ごめんね、取り乱しちゃって」

(´<_` )「いや、気にしてないって」

∬*´_ゝ`)「じゃ、今日は美味しいもんじゃ作ったげる!」

(´<_` )「ああ」

姉者の笑った顔は兄者に似ている。

むしろ姉者の笑った顔が見たくて兄者が生まれたのか。

(´<_` )「大丈夫だよ、姉者。俺はずっと姉者のそばにいるから」

∬´_ゝ`)「…ありがとう」

これは本当。



頭の中で誰かがあのプラスチックの窓を壊すまでは。

あーあ、やっぱり俺は大嘘吐き者だ。

( ´_ゝ`)ヘッドフォン、ヘッドラインのようです(´<_` )

http://i.imgur.com/cYJU0qs.jpg

おわり

805名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:22:30 ID:iDp5GQ4s0
【スレタイ】( ´_ゝ`)ヘッドフォン、ヘッドラインのようです(´<_` )
>>796-804

【お題】大嘘

【縛り】
・ 100レス以内に収める
・ 30レス以内
・ 登場人物全員に兄弟(姉妹)あり、もちろん兄弟(姉妹)のAAも出す
・ 自作の作品イラストを描く

806名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 14:41:10 ID:AtYt0uBI0
夢の中の世界観好きだわ


807名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:11:46 ID:Wmhrhr0A0

「おーい。戻ってこいよう」

声が、聞こえる

「おーい」

無視無視

「聞こえてるだろー?」

ああ。聞こえてる。
でも、すまんな

( ´_ゝ`)「俺は、戻るわけには行かないんだ」

償わなければならない。

「もう、償えているよう。彼女は、お前がそこで朽ち果てることは望んでいない」

( ´_ゝ`)「朽ち果てないさ。星だから」

星は、朽ち果てない。
彼女のために、永遠に償い続けることができる

( ´_ゝ`)「素晴らしいことだと思わないか?」



彼は自ら月になることを望んだようです

808名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:12:29 ID:Wmhrhr0A0

「おーい」

( ´_ゝ`)「戻らないぞ」

と、そのとき、体に何かが乗ったような感覚。
見てみると、体に宇宙服を着たあいつがいた

(´<_` )「きちゃった☆」

さあ、無視を始めようか。

(´<_` )「おいおい、無視しないでよう。何してるんだって正気に戻ったらどうしてくれる」

( ´_ゝ`)「戻れよ。ほれ、ほれ」

(´<_` )「おお。喋ってくれた」

( ´_ゝ`)「帰れ」

(´<_` )「えー? やだよう」

( ´_ゝ`)「帰れ」

(´<_` )「……はーいはい」

そう、それでいい。
孤独こそが、俺への罰なんだ。

809名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:13:27 ID:Wmhrhr0A0

( ´_ゝ`)「……だれだ」

ζ(゚―゚*ζ「宇宙人です」

( ´_ゝ`)「俺には人間に見えるがな」

出て行ってほしいと思った。
でも、知らない宇宙人にそんなことは言えない。

ζ(゚―゚*ζ「ねえねえ」

( ´_ゝ`)「なんだ」

ζ(゚―゚*ζ「私ね、行きたい星があるの」

( ´_ゝ`)「それは、どこだ?」

話に付き合ってやる。
だからさっさとでていってくれと思った。

ζ(^―^*ζ「好きな人のところ」

ζ(^―^*ζ「ずっと、ずうっとまってるのに、目覚めてくれないの」

ζ(^―^*ζ「早く目覚めてほしいなあ。星なんかにならずに」

ああ、お前だったのか。
朝が来る、目覚めなきゃ

810名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:15:42 ID:Wmhrhr0A0

( ´_ゝ`)「あ……れ?」

(´<_` )「! 兄者! みんな、兄者が目覚めたああああああああああああああああああああ」

世界は、明るくなっていた。
とりえずベッドから床へと降り立つ。
久しぶりの重力に、足がよろめく。
俺は、星なんかではなかった。
俺は、月なんかではなかった。
俺は、現実では、飛び降り自殺に失敗して植物状態となったただの人だった。
俺は、目覚めてはならなかった。

ζ(゚―゚*ζ「兄者!」

彼女がやってきた。

( ´_ゝ`)「……ごめん」

飛び降りた理由は、浮気。

( ´_ゝ`)「もういちど、飛んでくるよ」

こんどこそ、うまくいくはず。
お前が喜ぶよう、もういちど、月に。

811名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:16:26 ID:Wmhrhr0A0

彼は、月になりました。
私は、とめることができませんでした。

ζ(;―;*ζ「……馬鹿」

怒ってなんて、いなかったのに。

ζ(;―;*ζ「いくら、私が皮膚が弱いから、太陽が見れないからって、一緒に見ていた、月に、なるなんて、」

ζ(;―;*ζ

ζ(;―;*ζ「きれいだなあ」

もうしばらくだけ彼を見てから、私も彼を追おうと思いました。



おわり

812名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:17:28 ID:Wmhrhr0A0
【タイトル】
彼は自ら月になることを望んだようです
>>807‐811

【お題】
現実

【縛り】
執筆中トイレ使用禁止
執筆中のおやつはうまい棒のみ
執筆中窓を開けない
執筆している間途中保存しない(作品完成まで保存不可)
宇宙人を登場させる

813名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:32:15 ID:NGk.nvjY0
おつ
今回流石兄弟いいのが多くてうれしいです

814名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 16:01:46 ID:6sXiMwC.O


質問なんだが、スレ立てして投下したあと、そのスレに違う話を投下するのってあり?
なんか一人で数十レスのスレをいくつも立てるのは気が引ける

815名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 16:13:12 ID:1cduW/uw0
いいんじゃないか?
ラノベの時もそういうのあったような

816名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 16:28:01 ID:EJQ11U4g0
個人的にはドシドシスレ立てしてくれた方が分かりやすくて良いんだが
まあ好きにすればええよ

817名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:02:28 ID:X7XOWJCQO
推奨BGM
http://www.youtube.com/watch?v=3439BgooWmQ&amp;sns=em

818名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:03:54 ID:X7XOWJCQO


(´・_ゝ・`) 僕はねぇ、月の裏側から来たんだ

そう言って彼はまた、宙に指を踊らす。
幾つかの音の粒が、弾けて其処等を転がった。

.

819名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:04:24 ID:X7XOWJCQO



博士と異星人ピアニストのようです


.

820名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:06:30 ID:X7XOWJCQO

川 ゚ -゚) はぁ、月の裏、ですか

月は常にほぼ決まった面を地球に向けて回っているため、その裏側を地上から観測することは難しい。
しかしそこに、人間に類する生物など存在し得ないことくらいは、今時小学生でも知っている。

(´・_ゝ・`) そう、僕はそこで、ピアニストをやっていたんだ

彼は何も無い空間を弾き、音色を奏でる。

どういう理屈かは知らない。
ただ、彼が月から来たというのは、あながち嘘でもないのかもしれない。

.

821名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:07:12 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


始まりは、約一週間程前に遡る。
人の捌けた講義室で、唐突に背後から声を投げ掛けられた。

(´・_ゝ・`) 今夜は、よく星が降るね

中肉中背、年齢不詳。人畜無害。
第一印象は、そんなところである。

生徒だろうか、それとも来賓の教授か誰かだろうか。
少なくとも、この大学で教鞭を取るようになってからの私の記憶の中に、その顔は無い。

川 ゚ -゚) 今日は晴天ですからね、確かに夜になれば星もよく見えそうです

天候の話というのは、初対面の人間との会話に於いて、至って無難な話題である。

.

822名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:10:03 ID:X7XOWJCQO

(´・_ゝ・`) 美味しい金平糖が沢山とれるかもしれないよ

その次に相手が、同じく天候のことについて相槌を打ってくれるのなら、であるが。

川 ゚ -゚) こんぺい、とう……?

(´・_ゝ・`) そう、金平糖。 とげとげの砂糖菓子さ、知らないのかい?

何のことは無い、駄菓子屋だのに置いてある、色とりどりの星形の結晶である。
何故あの形になるのかは未だ解明されていない、とのこと。

しかし、彼によるところでは、流星が月面に落ちた時に弾けた欠片が、あの金平糖であるらしい。
流星は、宇宙空間に漂う塵が大気圏内に突入する際、光って見えるだけだ。
本当に星が降っているわけではない。

.

823名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:11:29 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


それから彼は、講義終わりに私一人を残して部屋が無人になると、決まって姿を現すようになった。
毎度同じように、会話に成らない会話を、私と幾言か交わして去っていくことを、度々繰り返していたのであった。

(´・_ゝ・`) あすこにUFOが見えるだろう? 僕はあれに乗ってやってきたんだ

そう言って彼が指差す先には、我等が研究室の誇る高精度大口径天体望遠鏡を収める、そのドームがあるだけである。

(´・_ゝ・`) エンジンが故障してしまってね、ふらふらしながらようやっとあの山頂に不時着したのさ

あの望遠鏡が設置されたのは、今から十年以上も前のことであり。
無論、あれがUFOなんかである筈が無いのは、至極明白な、事実。

824名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:12:46 ID:X7XOWJCQO

川 ゚ -゚) はぁ

彼の吐き出す言葉は、何から何まで頓狂に現実に反していて。
この時間を重ねる程に、正に彼は、我々が生きるのとは別の世界から来たのではないかとすら思えてくるのであった。

この一科学者としての私の、必死の抵抗も空しく、彼は私の心の狭間に、虚で塗り固められた言葉の数々を、ひっそりと挿し入れてくるのであった。

.

825名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:14:21 ID:X7XOWJCQO

室内に、ピアノの音色が零れる。

(´ー_ゝー`)

彼は両の瞼を下ろして、目前の空気に指先を滑らす。

緩やかに情緒的な音の連なりが、彼の白く細長い指から、生み落とされ一つの曲を形成する。

川 ゚ -゚)

私は黙って、其れに耳を傾ける。
飽くまで、地球産の曲である。ジムノペディ第1番。1888年、エリック=サティ作曲。

不可思議な長調の旋律が、私と彼との間を擦り抜け溶けて、宙に消えていく。

.

826名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:15:15 ID:X7XOWJCQO

(´・_ゝ・`) この曲はね、僕のレパートリーの中で一番の人気曲だったんだ

演奏を終えて彼は、両手を自分の顎の下に組む。

(´・_ゝ・`) 沢山の月の貴族達が、僕のリサイタルを聴きに集まってきたんだよ

その視線は、私を通り越してまた別な世界を見詰めている。

(´・_ゝ・`) 墜ちたばかりの新鮮な星屑からできた金平糖を、報酬代わりに持ち込む人もいた

川 ゚ -゚) 何故、私にそれを?

(´・_ゝ・`) 君からは、どうにも宇宙の叡智の匂いがするんだ

私が天文学者であることを差しているのであろうか。
実際のところ、叡智という言葉が適切かどうか怪しい程に、私は端くれ者なのであるが。

(´・_ゝ・`) それに、僕は、そろそろ帰らなければいけない

.

827名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:16:25 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


(´・_ゝ・`) 次の満月に、此処に月の裏側へのゲートが開かれる

我々二人は、暫しの間、夜行列車に揺られ、鏡のような黒色を湛えた、湖に降り立った。

(´・_ゝ・`) これから、新月に向かうだろう。 その間に、月はエネルギーを蓄えるんだ

並び立ち、水面に揺蕩う、細い月影を眺めていた。

(´・_ゝ・`) そうすれば、これが人一人通れるくらいの大きさになるから、僕はそこを滑り降りていくんだ

彼は両の掌を椀のかたちにし、湖の月を掬い取ってみせるのであった。
その中にも、小さく月が揺れた。

.

828名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:16:54 ID:X7XOWJCQO

戯れに、その月を人差し指でつついてみる。
冷たい液体の感触が、指先に纏わり付いた。

川 ゚ -゚) あなたは、これに入るのですか

(´・_ゝ・`) あぁ、帰らなければ、ならないからね

彼は、手中の月を湖に戻し、それから、頭上の月を見上げたのであった。

.

829名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:18:56 ID:X7XOWJCQO


それを最後に、彼は私の前に現れなかった。
消息を調べようにも、私は彼の名も知らず、またそれを人に尋ねようにも、私は彼の特徴らしい特徴も知らなかった。

ただ一つ、彼が異星のピアニストであったことを除いては。

.

830名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:20:10 ID:X7XOWJCQO

* * * * *


あれから二度目の満月の晩、私はあの湖畔にいた。
成る程、水面に映る円い月影は、大人が上に立てるくらいに、その直径を広げていたのであった。

彼は、本当に月に帰ったのかもしれない。

私は揺れる満月のもとに、小舟で漕ぎ着け冷水に素足を浸ける。
私の足首から発せられる波紋が、青白い光の環を歪めた。
あぁ、これでは、私は月へ辿り着くことが出来ないではないか。

冷たく暗い無重力の中、沈む私の爪先は、下れども下れども月面に降り立つことはなく。
口から吐き出した彼の虚言が、頭上に波打つ光に向かって、揺らめき昇っていくのをただ、私はじっと眺めていた。

.

831名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:24:22 ID:X7XOWJCQO
タイトル
博士と異星人ピアニストのようです

レス番
>>817-830

お題
UFO、大嘘、月の裏側、小舟、夜行列車、無重力、現実

縛り
・ 読む時の推奨BGMを決める
・ ジャンルはSF
・ 30レス以内
・ 地の文は主人公以外の一人称
・ AAの名前を出さない
・ 投下前に身内の誰かに公開、投下時にその評価を書く
→感想(友人より):
ロマンチックなSFみたいな。設定からはなんとなく海野十三を思い出した。作風は違うけれど。
雰囲気作りが非常に上手い。情景を想像するのが容易。
どうでもいいけれど作者は元中二病疾患だとみた。

832名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:25:59 ID:iDp5GQ4s0

言いたいことは全て友達が言ってくれたようだ
いい友達だな、大事にしろよ

833名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:26:09 ID:NGk.nvjY0
おつ
綺麗な感じがよかった
友人に見せるとかすごいな…

834名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:31:49 ID:AtYt0uBI0
綺麗な話だな…
おつおつ

835名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:50:39 ID:NGk.nvjY0
投下します

836名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:51:19 ID:NGk.nvjY0

从リ ゚д゚ノリ

リハ´∀`ノゝ

(*゚ー゚)( ・−・*)キャッキャッ

リハ´∀`ノゝ(僕なにやってるんだろう)

リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

837名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:52:03 ID:NGk.nvjY0

どうも、モナーです。僕の名誉にかけて言わせてもらいますが、僕に女装癖はありません。本当です。
なぜ僕が女装して友人の彼女を尾行しているのかというと深い理由があるのです。
あれは、一昨日のことです。学校で僕が友人と談笑している時でした。

( ´∀`)『モララーまたふられたモナ?
      そろそろ諦めた方いいモナ』

( ・∀・)『向こうから告白してくるんだよ?
     それを愛されてる気がしないってふられるのは僕が悪いの?』

( ´∀`)『今腹の底から湧きあがる怒りを抑えるのに必死だから黙ってくれる』

(,,゚Д゚)『なぁ、二人とも』

( ´∀`)『なんだリア充代表お前の顔を心底殴りたい』

( ・∀・)『ものすごく理不尽な怒りを人に向けないの。
     なあにギコ』

(,,゚Д゚)『…ちょっとした相談、なんだが。
     日曜日お前ら暇か?』

( ´∀`)『モナ?僕は暇モナ』

( ・∀・)『僕も特に用事はないよ。
     どこか遊びにでも行くの?』

(,,゚Д゚)『いや、遊びに行くと言えばそうなんだが…』

( ・∀・)『…ずいぶん歯切れが悪いね。
     言いにくい用事?』

(,,゚Д゚)『…誰にも言わないでくれよ』

( ´∀`)『僕は口が堅いモナー』

(,,;゚Д゚)『お前が心配なんだよ』

( ´∀`)『モナ……』

撃沈した僕に見向きもせず二人は話を進めていきました。
改めて考えたら僕の扱いがひどいと思います。

838名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:52:43 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『相談事を人に話す趣味はないんでね。
     で、用事はなんなの?』

(,,゚Д゚)『…しぃのことだ』

( ・∀・)『あぁはいのろけ?』

(,,゚Д゚)『ちげぇよ…しぃが浮気してるみたいなんだ』

( ・∀・)『……それは、まぁ。
     重たい話だね。根拠は?』

(,,゚Д゚)『毎週必ずデートしてたのに、一か月前からちょくちょく断られるようになって…
     月曜日にジョルジュからしぃが知らない男と一緒にいるって見たって聞いた』

( ・∀・)『…うーん、まだちょっと根拠として弱いなぁ』

( ´∀`)『破局の危機モナ?』

( ・∀・)『おだまりなさい。
     じゃあ日曜日の用事は?』

(,,゚Д゚)『…本当に浮気なのかどうか、確かめようと思って。
     俺一人だと冷静でいられないかもしれないから』

( ・∀・)『うんうん、いい判断だ。
     日曜日にしぃちゃんがそいつといる可能性は?』

(,,゚Д゚)『確定だ。俺とのデートを断ってる日はそいつといる』

( ・∀・)『ふぅん……で、どうするの?』

839名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:53:25 ID:NGk.nvjY0

(,,゚Д゚)『尾行しようと思う』

( ´∀`)『ストーカー……』

( ・∀・)『しっ言っちゃダメ。
     ……でもそのまま尾行する気?確実にばれると思うけど』

(,,゚Д゚)『むぅ……しかし他に方法がな…』

モララーが少し考え込んでにやりと笑いました。
僕は知っています。彼がこういう顔をするときは大体ロクなことないのです。

( ・∀・)『…僕にいい案があるよ。
     日曜日、そうだな八時くらいに僕の家に来て』

(,,゚Д゚)『本当か?頼んだぞモララー』

( ・∀・)『モナーもだからね』

(;´∀`)ビクゥッ

( ・∀・)『 モ ナ ー も だ か ら ね 』

(;´∀`)『も、モナ…了解したモナ…』

本当になぜ僕は了解してしまったのでしょう。
モララーの目が怖かったからとしか考えられません。あれは脅しを含んでいる目でした。

840名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:54:05 ID:NGk.nvjY0

そして、今日。モララーの家に行って出されたのはこれでした。

( ´∀`)『………』

(,,゚Д゚)『………』

( ・∀・)『さ、着て』

( ´∀`)『異議あり!これは明らかに女性用の服であります!』

(,,゚Д゚)『モナーに同意だ。いくらスカートじゃないにしろどう見ても女性用だ』

( ・∀・)『サイズはあってるから問題ないよ』

( ´∀`)『心情的に問題ありまくりだよバカ』

( ・∀・)『変装ったって適当なものじゃばれちゃうでしょ?
     あ、ウィッグもあるよ』

(,,;゚Д゚)『なんでモララーこんなの持ってるんだよ…』

( ・∀・)『おばさんの趣味でね。部屋もあいてるし置いてたんだ。
     まさか役にたつときが来るとは思わなかったけど。
     これでも結構ボーイッシュなのを選んだつもりだよ?
     ふわふわしたのがいいなら変えようか』

(,,゚Д゚)『これでいいです』

( ´∀`)『……僕も着るモナ?』

(,,゚Д゚)『…すまん』

( ´∀`)『終わったらいちごタルトな。期間限定のあれ』

(,,゚Д゚)『あれ高ごめんごめん怖い怖いおごるから』

841名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:54:47 ID:NGk.nvjY0


十分後

リハ´∀`ノゝ

从リ ゚д゚ノリ

( ・∀・)『ぶふwwwwwwwwwwひぃwwwwwww』

リハ´∀`ノゝ『笑ってんじゃねぇよ』

( ・∀・)『ちょwwwwwwしゃべんないでwwwwwwww』

从リ ゚д゚ノリ『ものすごくしにたい』

( ・∀・)『wwwwwww声やばいwwwwwwwwww』

ひとしきり笑ってすこし涙目になったモララー。
僕はこの時ほど彼の首を絞めたくなった時はありません。

842名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:55:35 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『あーおもしろ。せっかくだから写真とろ写真』

リハ´∀`ノゝ『やめて』

( ・∀・)□『もうとっちゃいましたー』パシャ

从リ ゚д゚ノリ『なんでお前に頼ったんだろうな俺…』

( ・∀・)『本当にwwwモナーはまだいいけどwwww
     ギコの声やばいwwwwしぬwww』

リハ´∀`ノゝ『いっそしんでくれ』

从リ ゚д゚ノリ『そもそもなんでモララーは着ねぇんだよ…』

( ・∀・)『wwwあぁwww説明wwするよwww』

リハ´∀`ノゝ『笑いおさめて』

またモララーの笑いがおさまるまでかなりかかりました。
余談ですが僕の身長は170あります。太っても痩せてもいません。
ギコに至っては175で、剣道部で鍛えています。
もうどう考えても似合ってるとは言えません。ギコよりマシだとは思いますが。

843名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:56:17 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『ふぅ……とりあえず君達しゃべらないでくれる?面白いから』

リハ´∀`ノゝ(理不尽)

( ・∀・)『まず、君達がしぃちゃんを尾行する。
     そして男と合流したらしばらくおよがせる』

( ・∀・)『それで、やけに仲いいなって思ったら僕が声かけに行くから。
     それでギコのことをだして様子を見る。
     君たちは陰に隠れて聞いといて』

( ・∀・)『あ、そういや聞いてなかったけど。
     ギコ、本当に浮気だったらどうするの?
     しゃべらないでね』

リハ´∀`ノゝ(ひどい)

しゃべるなと言われたギコは携帯で文を打ってモララーに見せました。
しゃべったらモララーがまた笑ってしまうでしょうから、それを懸念したのでしょう。
僕から文面は見えませんでしたが、モララーが満足そうにうなずいたので彼の同意は得られたのだと思います。

844名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:57:01 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)『じゃあ、行こうか。
     二人とも顔隠しとけばそれなりにみえるから』

リハ´∀`ノゝ(それなりて)

( ・∀・)『あ、それとも化粧もする?
     一通りできるけど』

リハ´∀`ノゝ『だが断る』

( ・∀・)『…なんかモナーには慣れてきたよ。
     案外似合うんじゃない?』

从リ ゚д゚ノリ『俺は』

( ・∀・)『wwwwwwwwwwwwwww』

リハ´∀`ノゝ『泣いてもいいモナ』

从リ ゚д゚ノリ(覚えてろよモララー)

そして、冒頭に戻るのです。

845名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:57:44 ID:NGk.nvjY0

リハ´∀`ノゝ

从リ ゚д゚ノリ


(*゚ー゚)( ・−・*)アーソレイーンジャナイ? ソーカナー?

リハ´∀`ノゝ「…仲良さげモナね」

从リ ゚д゚ノリ「ちくしょう…しぃの隣は俺の場所なのに…」

陰に隠れて僕らは小声で会話しています。もし周囲にばれたら生きていけません。
しぃさんと男はかなり仲がよいように見えます。正直コワモテのギコよりお似合いです。
デパートの雑貨屋で二人は何かを選んでいるようです。
しぃさんが選んで、男が意見を言うという感じでしょうか。

从リ ゚д゚ノリ「くそ、モララーはまだか…」

リハ´∀`ノゝ「あんまり前にでちゃダメモナ。
       ばれたら一瞬でバイバイモナ」

从リ ゚д゚ノリ「わかっているが…」

ギコは今にも飛び出しそうです。
ギコが出たら僕も連鎖的にばれてしまうでしょうから僕も必死です。
もしばれて母親の耳に入ったらと思うと恐ろしいのです。
息子が特殊な性癖をもっていると誤解されたくありません。

846名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:58:24 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)( ・−・*)ウーンアンマリダナー ベツノトコイコッカ?

どうやら二人が出てくるようです。
ばれないように二人の死角に回って、後をつけます。
ストーカーは物凄く根気がいるのだと学びました。

リハ´∀`ノゝ(バナナチョコタルトも追加しよう)

从リ;゚д゚ノリ「お、おい、あれ」

焦ったギコの声に意識を戻すと、二人がアクセサリー店に入っていくところでした。
指輪のもとに近寄っていく二人をギコは茫然と見送ります。

从リ д ノリ「ゆびわ……おれもかってやったことないのに……」

リハ´∀`ノゝ(こりゃおわったかな)

847名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 17:59:10 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)( ・−・*)サスガニキガハヤイカナー? ヤッパソウイウノハサー

二人は指輪をチラッと見ただけで今度はブレスレットの方に近寄っていきます。
指輪じゃなかったと安堵するギコですが、あそこは男物の場所です。
しぃさんが男へ何かを買うのは確定的でした。

(*゚ー゚)( ・−・*)ア!コレイイ! オオーイージャン

しかも買う物は決まったようです。しぃさんはご機嫌です。
きれいにラッピングしてもらって、しぃさんは慎重に手に持っていたカバンに入れました。
よほど大事な人への贈り物なのでしょう。それはもう。もう僕にはオチが見えます。

( ・∀・)「やぁ、偶然だね」

(*゚ー゚)「あら、モララー君」

( ・−・ ) 「? 友達?」

ここでモララーがしぃさんに声をかけました。
もう彼にもオチが見えているのでしょう。いつもよりにこやかです。
いや、彼は最初からわかっていたのかもしれません。

848名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:00:00 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)「同じ学校の人」

( ・−・ )「そう。はじめまして、しぃの従兄の椎名シーンです」

从リ ゚д゚ノリ「……へ」

( ・∀・)「はじめまして、茂羅モララーです。
      今なんか買ってたみたいだけど、誰かへのプレゼント?」

(*゚ー゚)「もう、わかってるくせに!ギコ君の誕生日プレゼントよ」

从リ ゚д゚ノリ

( ・−・ )「しぃってば全然決まらないんだもん。
       俺の休日をどれだけつぶすつもりなのかと」

(*゚ー゚)「でも今日ちゃんと決まってよかったわ。
    もう来週はギコ君誕生日だから。今週はケーキの練習しないと」

( ・−・ )「それも俺が食べるんだろ?
       まったく…」

(*゚ー゚)「だってギコ君においしいの食べてほしいじゃない!」

( ・∀・)「相変わらずお熱いようでなによりだよ」

849名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:00:58 ID:NGk.nvjY0

从リ ゚д゚ノリ

リハ´∀`ノゝ「…だそうだモナ。浮気じゃなくてよかったモナね」

从リ ゚д゚ノリ「俺の…勘違いだったのか」

リハ´∀`ノゝ「そうなるモナ」

从リ ゚д゚ノリ「そうか…よかった」

本当にほっとしたのだろう。ギコの目には軽く涙が浮かんでいる。
モララー達はまだ談笑している。なにやら携帯について話して、ておいまて貴様

( ・∀・)つ□

(*゚ー゚)□( ・−・ )

( ・∀・)σ

(*゚ー゚)( ・−・ )クルッ

リハ´∀`ノゝ「げ」

从リ ゚д゚ノリ「あ」

(*゚ー゚)「ぎ、ギコ、君?なんでそんな格好」

( ・−・ )「え、ギコってどっち?しぃの彼氏女装癖でもあるの?」

从リ ゚д゚ノリ「いや、これには深い理由がありまして」

リハ´∀`ノゝ(すごく逃げたい)

( ・∀・)「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

リハ´∀`ノゝ(モラ許さん)

850名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:01:44 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「本当にひどい目にあったモナ」

( ・∀・)「僕としてはとてもおもしろかったよ」

(,,゚Д゚)「あのあと誤解解くのどれだけ大変だったと思ってんだ貴様」

(*゚ー゚)「そうよ、本当にギコ君にそういう趣味があるのかと思っちゃったわ」

そして僕達は近所で評判のタルト専門店にきています。
僕としぃさんはいちごタルト、ギコとモララーは飲み物だけです。
チョコバナナタルトとチェリータルトは持ち帰りです。モララーとギコが折半で払ってくれました。

(*゚ー゚)「それに浮気だなんて…私はギコ君一筋なのに」

(,,゚Д゚)「ごめんって。許してくれよ」

(*゚ー゚)「いーえ許しません!私もチェリータルト持ち帰りしようかしら」

(,,;゚Д゚)「真剣に俺の財布の中身がなくなるから勘弁してくれ」

(*゚ー゚)「…もう疑ったりしない?」

(,,゚Д゚)「うん、しないよ。俺もしぃが好きだから」

(*゚ー゚)「…ふふ、許す。タルト分けてあげるね」

目の前でラブラブ全開されると腹が立ちます。いちごタルトの美味しさが唯一の救いです。
しっとりめのタルト生地にたっぷりカスタード、大粒の苺にかかった甘いシロップ。
苺のさわやかな酸味をシロップで閉じ込めてあって最高です。

851名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:02:28 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「相変わらず幸せそうに食べるね君は」

( ´∀`)「美味しいんだから幸せなんだモナ。
      ……今考えたんだけど、あの作戦で僕が女装する意味あったモナ?」

( ・∀・)「え? 今気づいたの?」

( ´∀`)「え?」

( ・∀・)「面白いかなって思っただけだったんだけど」

( ´∀`)「え?」

( ・∀・)「まぁぶっちゃけ意味はなかったっていうか。
     いいじゃんそれなりに似合ってたよ」

( ´∀`)「褒めてないよねそれ。
      ……すいませーん季節のフルーツタルト追加お願いします、はい、持ち帰りで」

(;・∀・)「おいやめろ、僕の財布が限界突破する」

( ´∀`)「モラは反省したほういいモナー。
      あ、このキウイタルト美味しそう」

(;・∀・)「やめて!」

冗談モナ、と言うと安心したように彼はコーヒーを飲みました。
ギコとしぃさんは女装の話で盛り上がり始めました。僕は御免です。

852名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:03:16 ID:NGk.nvjY0

(*゚ー゚)「思ったより似合ってたわよ?化粧すればもっといい線いったと思うわ」

( ´∀`)「女装の道極めたくないモナ」

(,,゚Д゚)「なぁ俺は?俺は?」

(*゚ー゚)「ギコ君は体格からちょっと…」

(,,゚Д゚)ガーン

( ・∀・)「また女装してみる?服いっぱいあるよ」

( ´∀`)「お断りです」

( ・∀・)「僕の笑いのネタを増やそうという気はないの?」

( ´∀`)「ないよバカ。自分で女装してろ」

(*゚ー゚)「あら、モララー君も似合うと思うわよ。
    二人でやってみたら?」

( ・∀・)「じゃあ二人でやろ。写真撮るだけだから外でないから」

( ´∀`)「お前プライドないのか…」

( ・∀・)「面白いほうが大事さ。ね、やるよね?」

僕はモララーの目に見つめられると断れないのです。
もう、裏に何か見えるのです。断ったらわかるよね的ななにかが。
だから僕はこう答えるしかないのです。

( ´∀`)「……たまにならいいモナ」

あぁ、悲しいことに僕の女装ライフが始まってしまうようです。
よし、とガッツポーズするモララーを横目に僕はいちごタルトを頬張るのでした。


リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

おしまい

853名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:04:20 ID:NGk.nvjY0
タイトル
リハ´∀`ノゝ 女装っ子行進曲、のようです リ゚д゚ ノリl从

レス番
>>836-852  

お題
いちごタルト
「だが断る」

縛り
マイナーキャラに愛の手を( ・−・ )


俺は女装っ子なるものをなにか勘違いしている気がする

854名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:19:33 ID:EJQ11U4g0
乙乙乙

855名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:36:58 ID:4/TZg7kY0

これさ、 >>747-772と話繋がってる?

856名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:42:56 ID:NGk.nvjY0
>>855
一応ちょっと意識して書いた

857名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 18:45:04 ID:AtYt0uBI0
ギコwww
おもしろかった、おつ

858名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 19:55:15 ID:t08Ggv8U0
うっひょおおおおう
つ、次のはまだか!(ジャンキー)

859名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:31:16 ID:RVETB6Gw0
おう!も少し待ってろ!

(あぁまた期間終了後に投下するパターンのやつだ…)

860名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:44:13 ID:ELABVNKI0
投下します

861名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:45:16 ID:b69Yf9KI0
うっひょぉぉぉぉぉぉ!
知らない間に自分が出したタイトル使われてた!これは嬉しい!!

862名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:45:40 ID:ELABVNKI0



彼女の美しい瞳の中、美しい水晶体を思い出して、
よつ目だった僕は、泣きたくなりました。




( "ゞ)瞳の中の水晶体のようです



.

863名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:47:03 ID:ELABVNKI0

よつ目の僕は、そのうちの二つの目でふたつ目の彼女の姿を見ていました。
彼女は、黄色のチューリップをくわえて空飛ぶクジラを、
指さして綺麗ねと笑いました。

彼女の右手は僕の左手に繋がっています。
そうすることで、僕は美しい世界が分かるのでした。

o川*゚ー゚)o「あおぞら色の、わたしの、水晶体、綺麗でしょう。
       ないしょだけど、これがあれば世界が綺麗になるのよ」

彼女の二つの水晶体は綺麗で、映すものもすべて綺麗で、
僕は、彼女の水晶体を分けてもらった気持ちでいました。
綺麗だよ、と答えると、彼女の貌が綻びました。

o川*^ー^)o「たいえい的なきみに、わたしが要らなくなったら、これをあげる。
        はは、喜んでくれる?」

僕は、もちろんと笑いましたが、
そんな日が一生来ないことを願いました。

864名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:48:20 ID:ELABVNKI0

彼女の素敵なところは、いつもころころと笑っているところでしたが、
彼女の疲れは僕にもすぐに分かりました。
ピンク色のため息をついては、彼女は僕に見ないよう言いつけました。

o川*゚ー゚)o「ちょっと、きみにわたしの不幸が感染っちゃうよ」

僕が、彼女は不幸だったのかと驚くと、彼女は目を瞠りました。
大きな瞳から鱗が転げ落ちます。

o川*゚ー゚)o「やだ、知らなかったの?」

彼女の水晶体は綺麗なものしか映さないのに、彼女は不幸なのでした。
僕は、そんなこと思いもしなかったので、
どうしてなのか訊ねました。

o川*゚ー゚)o「んー……わたしね、ずっとあなたと一緒にいたいの。
       とっても。でも……」

そこまで言って、彼女は考え込むようなふりをして、僕の目を見ました。
彼女はふふっと笑って、

o川*゚ー゚)σ「1、2、3……4。
        かがやく瞳が番号よっつ。
        らいぎょの雷いろ」

と言いました。
彼女がそうやって、不思議なことを言うときは、いつだってうやむやにしてしまいたい時でした。
僕は彼女の右手をぎゅっと握りましたが、彼女は笑うだけでした。

865名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:50:01 ID:ELABVNKI0

嫌われ者の月曜日みたいな日でも、彼女は土曜日が来たみたいな笑顔を浮かべていました。
彼女とのなんでもない対話は、それでも僕の楽しみでした。

o川*゚ー゚)o「うんとね。
       まだ、いろはは言えないの。
       れいく、……だっけ?だからね、わたしにはまだ早いや」

きっと、麗句のことでしょう。
彼女が唱えればなんでも麗句になるのだからと僕なんかは思うのですが、
彼女はオリーブオイルみたいに瞳を輝かせて笑いました。

o川*^ー^)o「てんで無理よ」

それから、しかし少しだけ悲しい声音で、

o川゚ー゚)o「きみは……言えるようになるわ、きっと。
      てから溢れるくらい」

と、言いました。
そして握った僕の手をひっぱって、やっぱり笑いました。

866名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:51:05 ID:ELABVNKI0

夜行列車が夜の闇へ沈んでゆくのを、彼女と一緒に眺めました。
オルゴールの音だけを残して消えたのを見て、彼女は首を捻りました。

o川*゚ー゚)o「あれ、どこ行くと思う?」

下に行くね、と僕が言うと、彼女も頷きました。

o川*゚ー゚)o「ねえ、」

o川*^ー^)o「とび込んでみよっか」

今度は僕が首を捻りました。

o川*゚ー゚)o「したがどうなってるのか、気になるよ。
       てを広げて、さあ」

彼女が言うので、僕はその通りにしました。

o川*^ー^)o「あはは、大丈夫。
        なんとかなるよ。
        たぶん、ね。さあ」

彼女は小舟で漕ぎ出すように、なめらかに静かに、僕と一緒に飛び込みました。
手を離してしまわないように、僕は力を込めました。

867名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:52:22 ID:ELABVNKI0






とぷん。





.

868名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:53:23 ID:ELABVNKI0



大樹のリンゴをスプレーで吹き付けて、眼鏡で歪めたみたいな色が、広がった世界でした。
風の音もありません。
全身にクスリを垂らしたみたいな痒みが広がります。

o川;゚ー゚)o「ををを……」

彼女は変な声で呻きました。
しかし、すぐに慣れ、セルロイドのクラゲみたいにたゆたう僕たちは、
童謡を歌うみたいにしました。

o川*゚ー゚)o「しってる?
       あめって、舐めると溶けるのよ。
       わたし、びっくりしちゃった。
       せいいっぱい頑張っても、溶けちゃうの。
       においは残るのにね」

そうやって話をしていると、ファニーボーンをぶつけたときみたいな、
じんとした痺れを感じました。

o川*゚ー゚)o「しかく的には、いちごタルトみたいよね、ここ。
       たっぷりの、いちごの。でも、
       いい匂いかと思ったけど、そんなことないね」

僕も馬鹿みたいに鼻を動かしましたが、匂いはよく分かりません。

o川*^ー^)o「のばらの色にも似てるね」

彼女は笑って、それから、爬虫類みたいに目を細めました。

o川*゚ー゚)o『そろそろ時間だわ』

869名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:54:16 ID:ELABVNKI0

ざわ、
と、身体の中を、風が吹いたような気がしました。

o川*゚ー゚)o『あなたはもう行かなくちゃいけない』

どうして、と僕は言いました。

o川*゚ー゚)o『わたしの望みだから』

僕は意味が解らなくて、彼女の左手を握りしめました。

o川*゚ー゚)o『わたしは行けないの』

どうして、と僕はもう一度言いました。
悲しくて、少し声が震えました。
彼女はそれには答えませんでした。

o川*゚ー゚)o『ねえ。
       あなたの、眼球、ふたつでいいからわたしにちょうだい。
       そしたら、わたしの水晶体をあげる』

僕はとうとう分からなくなって、目の前に彼岸花みたいな赤がちかちかしました。
春雪みたいな白がもやもやと思考を覆います。

運命のときが、来たと思いました。



870名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:55:09 ID:ELABVNKI0

o川*゚ー゚)o『ね、いいでしょ。
       それとも、不満?
       じゃあ、希望もあげる。ね』

希望、
がなになのか、分からなくて、僕は彼女の瞳を見つめていました。

o川*^ー^)o『ね?』

彼女の瞳に僕が映っていました。
よつ目の僕が。

o川*゚ー゚)o『お願いよ。ちょうだい』

彼女の貌は笑顔でも、声が真剣だったから、僕は頷きました。

o川*゚ー゚)o『よかった。
       ……ありがとう』

彼女がなにをしたのか、僕には分かりませんでしたが、一瞬眩暈がして、
くらくなって、
気づいたら、彼女が見えていました。

o川*"ー")o

彼女はよつ目でした。
彼女は僕の左手を離しましたが、僕には前が見えていました。
彼女は僕が見えていないようでした。

871名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:56:00 ID:ELABVNKI0

o川*"ー")o『これでわたしは行けなくなった』

僕はもうどうしてとは言いませんでした。
いえ、言えませんでした。
僕のせいだと分かっていたからです。
彼女は手探りで僕の頭を探して、抱き寄せました。

o川*"ー")o『泣かないで。
        わたしはしあわせだよ。
        あなたを守れたから』

そして彼女は僕からついと離れました。

o川*"ー")o『ねえ、3回は言わないよ。
        しあわせになって』

彼女は弱々しく笑いました。

o川*"ー")o『ね』

僕は彼女のよっつの目を見て頷きました。
彼女は今度は満面に笑いました。

o川*^^ー^^)o『あいしてる。
        ごめんね。
        さようなら』

872名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 20:57:07 ID:ELABVNKI0

僕は眠くなって、目を閉じました。

真っ暗になったけど、怖くはありませんでした。
彼女の水晶体が僕の中にあるから、











せまいせまい、くらいトンネルを、僕は抜けていきました。





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