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( ^ω^)2013年 突発ゴールデンウィーク企画のようです

1名も無きAAのようです:2013/04/16(火) 21:07:17 ID:jMrmCD3gO
俺たちのGWははじまったばかりだ!!



ゴールデンウィークだし、何か企画をやろうぜという主旨のスレです。

709 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:30:56 ID:BY4V92dU0

一瞬だけど、彼の目を見れた。
私を見つめる、にこやかな優しい目を。
ここが闇に包まれていないことを、初めて感謝した。

大好きな闇じゃないけど、大好きな青空に会うために、命をかけよう。

「……はじめなさい!!」

周囲の闇に紛れる仲間たちに聞こえるように大きな声で号令し、そして大きく上げた右手をまっすぐに下して河向こうの工場を指差すと、爆発が起きた。

爆発は連鎖して工場を炎で包む。

反撃の狼煙にしては大きすぎるし派手だけど、許してもらおう。

闇を取り戻して、青空を手にするためだから。



.

710 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:33:52 ID:BY4V92dU0
真夜中の散歩のようです。

レス番
>>702-709

お題 青空

縛り 爆破落ち


以上、横入失礼しました。

711名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:47:28 ID:epRMKUi.0
投下する。全裸で。ギャグものを。

712( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:48:50 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「お前ら!! ツンにおっぱいジェットスクリームアタックを仕掛けるぞ!!」

( ^ω^)('A`)「「応ッ!」」

ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

(,,゚Д゚)「なにぃい!! おっぱいジェットスクリームアタックだとおぉぉお!!!!???」

( ・∀・)「知っているのか!? ギコ!!!」

(,,゚Д゚)「いや、知らね」

( ・∀・)「……」


  _
( ゚∀゚)「────説明しよう!!」


( ^ω^)「おっぱいジェットストリームとは!!」


('A`)「ジョルジュ、ブーン、ドクオの三人による三位一体の(おっぱい)攻撃フォーメーションである!!」


ξ゚⊿゚)ξ「アホか」

713( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:50:25 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「ええぃ!! 五月蝿い行くぞ!!!!!」

( ^ω^)「うぉおぉおおおおお!!!!!」

('A`)「うぉぉおおお!!!!!!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁああああああああ!!!!!」



(,,゚Д゚)「三人が縦一列に並んでツンに突進していく!!!!!
     あれじゃあ真正面から見たら一人が突進しているようにしか見えない!!!!」

( ・∀・)「元ネタ完全にパクリじゃねぇか」

  _
( ゚∀゚)「うぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁああああああああ!!!!!」

( ^ω^)「うぉおぉおおおおお!!!!!」

('A`)「うぉぉおおお!!!!!!!!」

714( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:53:09 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「───あ」


   ヽ(゚∀゚)/  ズコー
  \(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
 ̄´´

(,,゚Д゚)「ジョルジュが転んだぁあああ!!!!!!」

( ・∀・)「何故後ろ向きに転ぶ」

  _
( ゚∀゚)「……いつつ」

(,,゚Д゚)「ジョルジュ選手、痛そうですね。何とか立ち上がったようですがダメージが残っているようです。
     何とか回復しておっぱいジェットスクリームアタックを再度放って欲しいものですが、難しいか?
     どう思われますか、解説のモララーさん」

( ・∀・)「誰が解説だ」

(:^ω^)「うぉぉ……おぉぅ」

(;'A`)「おぉぉぉお……」

(,,゚Д゚)「おっと! ブーン選手とドクオ選手、何故か動けなぁああああいいいい!!!!!
     言い出しっぺのジョルジュ選手が派手に転んでしまってどうしたらいいのかわからないのか!?
     気まずい感じでその場をウロチョロウロチョロしている!!!!!!!!!!!!!!!」

( ・∀・)「(声でけえよコイツ)」

715( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:54:32 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「もう一発だ二人共!! 本家の某アニメの某黒い三連星さんもおっぱいジェットスクリームアタックは二度放っている!!」

( ^ω^)('A`)「……」

  _
( ゚∀゚)「どうしたんだ二人共!! もう一回ツンにおっぱいジェットスクリームアタックを仕掛けるんだよ!
     ブーンお前は右乳! ドクオは左乳だ!! 柔らかい絹な真白の乳房をその両手に掴むんだよ!!
     揉むたびにイヤらしく歪つに形を変えるおっぱいを見たいとは思わないのか!?
     確かにお前らはそれとは無縁の存在だったかもしれない! 遠い星のような存在だったのかもしれない!! 
     だけど、今!! 指を曲げれば直ぐに触れてしまえるような距離におっぱいがあるんだよ! 乳房があるんだよ!!!
     昨日でもない明日でもない! 過去でも未来でもない! 揉めるのは現在! 今!!





──────なら、いつ揉むか?」





(,,゚Д゚)「今でしょ!!!!!」
  _
( ゚∀゚)「YAHHHHHHHHHH!!!!」

(,,゚Д゚)「WOOOOOOOOOWWWOOOOOO!!!! AHAHAHA!」



( ・∀・)「コイツら頭おかしい」

716( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:55:18 ID:epRMKUi.0

( ^ω^)('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「え? 何だって?」

( ^ω^)('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「後ろを見てみろって?」

( ^ω^)('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「ハッハッハッ! 何を言ってるんだ二人共!
     俺を驚かそうだってそうはいかいないさ!
     俺の後ろにはハニーがおっぱいをさらけ出して俺に揉まれるのを待ち焦がれている筈だよ!

     …………なぁ、そうだろハニー?」

ξ゚⊿゚)ξ「殺す」
  _
( ゚∀゚)「そんな野蛮な事言わn ξ゚⊿゚)ξ「殺す」 」
  _
( ゚∀゚)「ごめんなさ ξ゚⊿゚)ξ「殺す」 」
  _
( ゚∀゚)「ξ゚⊿゚)ξ「殺す」」


  _
( ゚∀゚)

717( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:57:09 ID:epRMKUi.0

 その事件の目撃者の一人のギコ氏は後に語る。

(,,゚Д゚)「鬼が……いたんですよね」

(,,゚Д゚)「いやいや(笑) 比喩じゃなくて(笑)」

(,,゚Д゚)「動けないでいるジョルジュの頭を掴んで、グイーと上に引き上げると……ジョルジュの身体が持ち上がったんですよ
     アイアンクローって言うんでしだっけ? プロレスの技? だっけ? 彼の頭蓋骨にヒビが入る嫌〜な音がしましたよ」

(,,゚Д゚)「うん? はい、はい、そうですね(笑)」

(,,゚Д゚)「仮にも女性の細腕で男を持ち上げるだなんて、予想だにしないでしょう? 僕は目を疑いましたよ」

(,,゚Д゚)「そのあとは、普通にぶん殴ってました(笑) 数十mは飛んでたかなぁ……驚きました(笑)」

(,,゚Д゚)「え? そのあとはどうしたって?」

(,,゚Д゚)「ん〜……はぁ、そっか」

(,,゚Д゚)「……貴方はわかってない。ツンという女性を」

(,,゚Д゚)「それから僕の記憶はありません」

(,,゚Д゚)「恐らく記憶をなくすまで殴られたんでしょうなぁ(笑)」

(,,゚Д゚)「生きていれただけで幸せと思うべき……ですかな」

718( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:58:42 ID:epRMKUi.0

 彼女の周りには五つの身体が転がっていた。返り血だろか、彼女の身体は紅く染まっている。
 噎せ返るような血の臭い。だが、それに眉をひそめる存在などこの場に居るはずもない。
 彼女によって沈められ五人の男、その誰もが意識を手放している。
 もしや命も手放している男もいるかもしれないが、彼女の知った事ではなかった。

ξ ⊿ )ξ「……」

 鮮血の濁流の中で、彼女は静かに佇んでいた。
 一説には蒼い炎は紅い炎より熱く物を燃やすというが、彼女は正にそれだった。
 静かに燃え盛り、全てを燃やし尽くす蒼い炎。

 彼女の怒りに火を点けた張本人、ジョルジュは一層惨たらしく痛めつけられていた。
 一体どうすれば、人の手で人間というものをここまで破壊出来るのだろうか。
 骨は突き出し、肉は裂けている。動くことなど出来るはずもない。

ξ ⊿ )ξ「……!」

だというのに────



  _
(  ∀ )「よぉ……待てよハニー」

           ────彼は立った。

719( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:59:39 ID:epRMKUi.0
ξ ⊿ )ξ「(馬鹿な……立てるはずが……一体……一体何が)」


 何が彼を支えているのか?

 欲? 意地? 
  _
(  ∀ )「(違う)」

 友情? 性癖?
  _
(  ∀ )「(違う!!)」

 快楽? 愛?
  _
( ゚∀゚)「 い い や 違 う ね ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」

  _
( ゚∀゚)「俺を支えるものは気持ち!! おっぱいを揉みたいという気持ち一点のみ!!! そこに邪念は存在しねぇ!!!」


 彼の『支え』が力を漲らせる。
 血流が心の蔵を巡り、脳を巡り、拳に到達する。
 神経が指先に信号を伝達する。唯一無二の命令を。

 そして、叫ぶ。開闢の咆哮を。

720( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/04(土) 00:00:20 ID:bCJYwFiA0
  _
( ゚∀゚)「ブっゥウゥゥゥウウウウウンンンン!!!」

( ^ω^)「応ッ!!!!」
  _
( ゚∀゚)「ドクォォォオオオオ!!!!」

('A`)「応ッ!!!!」

  _
(#゚∀゚)「行くぜぇえええええええぇえええええええお前らァァあア亜ああ嗚呼あア!!!!!ッ!! 
      ツンにおっぱいジェットスクリームアタックを仕掛けるぞ!!!!!!!!!!!!」

(#^ω^)(#'A`)「「応ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

  _
(#゚∀゚)(#^ω^)(#'A`)「「「うぉぉぉおぉおおぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」


「いい加減にしろ」


ヽξ゚⊿゚)ξノ┌┛)゚∀);∴


「俺を踏み台にしたぁ!?」

( ・∀・)「何だよこのオチ……」

終わり

721( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/04(土) 00:01:38 ID:bCJYwFiA0
【タイトル】( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです

>>712-720

【お題】
なし

【縛り】
・ ギャグ

722名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:03:06 ID:NGk.nvjY0
おつ
シリアスのあとにこれは卑怯だと思うのwwww

723名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:40:26 ID:H6pVuv5I0
怒涛のおっぱいギャグの後でこれは非常に投下しにくいッ!!!


だが投下する

【残虐表現注意】

724名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:42:05 ID:H6pVuv5I0
玄関のドアを開けてすぐ
遠くから なにかが壊れる音がした。

重く、鈍い、打撃音。鋭く響く、硝子の砕ける音。




それから――――


         ――――――聞き慣れた 子供の泣き声と、それに重なる男の罵声。




「………」


動きを止め、じっと息を潜めて
いつものようにただ、それ が終わるのを待った。

725名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:42:56 ID:H6pVuv5I0


なにかが壊れる音がした、ようです

.

726名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:44:02 ID:H6pVuv5I0
割れた酒瓶から漂う、咽るようなアルコールの匂い。

ゴミや食器が床のあちらこちらに投げ出され、雑然とした部屋の、その隅に。

身を守るようにしてぎゅっと頭を抱え、小さくうずくまる兄の姿。

おもむろにその腕を掴み、ぐいと立ち上がらせた。
気の毒だとは思うが、ぐずぐずしていると増々厄介な事になる。

風呂は使えないし、とにかく部屋へと連れていって
赤く腫れた頬に濡らしたタオルをあて、傷口から滴る血をぬぐってやった。
部屋も綺麗にしとかないと、”あいつ”に見つかったらまた殴られるだろう。 兄者が。

727名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:44:59 ID:H6pVuv5I0
――――何故、あのロクデナシの父親が
酒に酔ったり、虫の居所が悪いとなるとすぐ
決まって兄ばかりを殴り、日々暴力をふるうのか。

俺には分からない。


それはただ単純に、この、双子の片割れが
ほんの少し、同年代の他の子供達よりも知恵が遅れているせいなのかもしれないし
もしくは何かしら他に、虐げる対象として執着する理由でも、有るのかもしれないが。


――――知れたこと。理由なんて、有ろうが無かろうが考えるだけ無意味なだけだ。


.

728名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:46:03 ID:H6pVuv5I0
あいつの気に障らないように、気づかれないように。
静かに、手早く、散らかった物を片づけて
再び、自分達にあてがわれた小部屋へと戻った。


そうして、寝具の上で膝を抱え、未だ泣き止まない兄の手に
学校帰りに駄菓子屋でくすねた、キャラメルの包みを一粒、そっと手渡してやる。

すると、涙でぐじゃぐじゃの瞳が、ほんの少しだけ輝いて。
手にしたそれを大事そうに口へと運び、甘いその塊を含んで、ふわりと顔を綻ばせた。

赤黒く腫れた痣の目立つ顔に、いつもの、馬鹿みたいな笑顔を浮かべて。

そうしてやっと涙を止めて、嬉しそうに俺の名を呼ぶのだ。



「おとじゃ」


.

729名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:46:58 ID:H6pVuv5I0
( ´_ゝ`)「弟者?」


(´<_` )


( ´_ゝ`)「どした?ぼーっとしてさ」


(´<_` )「別に。なんでも無い」


( ´_ゝ`)「変なの」


素気無くそれだけ言って、全身 生臭い赤に塗れた兄は、再び前へと向き直り
得物を持った左手をゆっくりと振り上げて、先程まで続けていた”作業”を再開し始めた。

730名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:47:34 ID:/zs4EWj6O
>>628 
俺のやつが使われてて嬉しかった、さらにランダムじゃなくて嬉しさ倍増だ

731名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:47:58 ID:H6pVuv5I0


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ


追想の中で泣きじゃくっていた、傷ついた非力な子供とは違い
大人の姿になった、目の前の兄は


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ 


ただひたすら規則的なリズムで
何度も、何度も、何度も、何度も、左手を上げて下ろしてを繰り返し
何度も、何度も、何度も、何度も、錆だらけの、大きな鋏を突き立てていく。
既に人とは呼べなくなった、その ぐちゃぐちゃの肉の塊に。

732名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:48:46 ID:H6pVuv5I0
閉めきった小さな部屋の中、吐き気を催すような強烈な異臭が辺り一面に立ち込めて
粗末な虫食いの床板には、飛び散る赤と肉片の他、何かの欠片であろう細かな白い塊や
原型を留めぬ程バラバラに破壊された木椅子の残骸が散らかっていて、見るも無残な有様だ。

フと視線を下げれば、現在よりほんの数十分前
そのグロテスクな血肉の塊が、まだ人の躰を成していた頃、麻縄で椅子に縛り上げられて
耳障りなダミ声で泣き喚き、惨めに許しを請うていた、年老いたその男の眼孔に
嬉々としてフォークを突き立てた兄が、ぐちゃりと抉り出した眼球がコロリ
半分潰れた状態で、俺の足元に汚らしく転がっていた。


最早疾うに有るべき機能を失って、乾いたレンズには何も映されることの無い
ドロリと濁ったその瞳の、青味がかった虹彩の色は、嗚呼。

決して認めたくは無いが、生まれもって与えられた
俺と兄とに共通の、瞳の色に至極よく似ているのだった。



(    )「なー、弟者」


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ


こちらに背を向けたまま。
そして、その手を休めぬまま。

733名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:50:26 ID:H6pVuv5I0
(    )「手伝ってくれてありがとうな。
       住所調べるのとか。俺、そういうの苦手だから」


淡々と紡がれる、温度を持たない言葉の一つ一つ。

それはまるで、命を持たないセルロイドの人形が
独りでに囁き語りかけているかのような、虚妄の響きに聞こえた。


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ 


(    )「やっぱり弟者は頼りになるなぁ。
       小さい時からいつも、俺のこと助けてくれるんだ」


嘘だ。

俺はいつも いつもただ傍観していただけだった。

734名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:52:48 ID:H6pVuv5I0
(    )「へへ、そうだ。
       小さい頃、よく近所の店からお菓子くすねてきて、俺に分けてくれたっけ」


(    )「知ってたよ俺。あれ、弟者盗んできたんだって」


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ


(    )「でもうれしかったなぁ」


(´<_` )「………」


盗んだ菓子も、この行為も。

ただひたすらに、臆病で卑怯者の自分自身を追い詰める
醜くドス黒い 罪の意識に押し潰されないが為。

何に対しての”償い”なのかも分からない、反吐が出そうな、罪滅ぼしという名の戯言で

せめてこの、双子の片割れに。

見て見ぬふりをして、犠牲にした己の半身に。

数十分前の、縛り上げられ裁きを待つあの男と同じ、
ただ ただ惨めに 跪いて許しを請うているだけ。

それだけなんだ。

735名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:53:50 ID:H6pVuv5I0
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ   「うれしかったなぁ……」  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ

736名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:54:34 ID:H6pVuv5I0
(´<_` )「……何も心配しなくていい。後片付けは任せてくれよ、兄さん」


血濡れで笑う兄の背に、独り言のように そっと語りかける。


ガキの頃からずっと。
誰かに気づかれないように、静かに、手早く、片づけるのは得意だ。

737名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:55:32 ID:H6pVuv5I0


閉ざされたドアの向こう


なにかが壊れる音がした。


ぎゅっと耳を塞ぎ


必死で聞こえないフリをしていた


それは


.

738名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:57:04 ID:H6pVuv5I0



                             ザクッ    ザクッ ザクッ
ザクッ  ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
      ザクッザクッ  ザクッ 彼の  ザクッ ザクッ   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッザクッ ザクッ   世界が ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
 ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ  壊れる    ザクッ ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ 音   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ          で ザクッ ザクッ ザクッザクッ ザクッ
           ザクッ   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  し  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
     ザクッ ザクッザクッ ザクッ ザクッ   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ      た    
               ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ      ザクッ             。

  ザクッ 






<了>

739名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:58:43 ID:ah6OXB6EO
おおお乙
俺は好きだよこういうの

740名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:59:49 ID:H6pVuv5I0
終わりです

【タイトル】
なにかが壊れる音がした、ようです

【レス番】
>>724->>738

【お題】

フォークで目潰し
セルロイド

【縛り】
無し

741名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:02:33 ID:NGk.nvjY0
おつ
俺も好きだこういうの

742名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:11:48 ID:Wmhrhr0A0

こういうのは俺大大大好きだ
壊れた感じがでてる

743名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:45:37 ID:iDp5GQ4s0


ブンツンドーさん…もうまとめやがって…くそ…嬉しいぜ…
しかも>>628の作品のツンの口まで治ってるって…

744名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:58:03 ID:NGk.nvjY0
ブンツンドーさん仕事はえぇwww
自分の作品まとめられると嬉しいのう

745名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:42:32 ID:AtYt0uBI0

投下報告失礼します

作品URL:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1367600029/l30

作品名:彼こそがあの究極のアロンアルファのようです
お題:なし
縛り:徹夜

746名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:46:46 ID:NGk.nvjY0
投下しまーす

747名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:47:26 ID:NGk.nvjY0

言葉には味がある。
苦かったりしょっぱかったり、なんともいえない味がしたり様々だ。
そのなかで、とても甘美な味がする言葉がある。

从'ー'从「…あなたのこと、嫌いになったの。
     別れて、ください」

( ・∀・)「……うん、わかった。さよなら」

あぁ、美味しい。美味しい。

从'ー'从「ッ……モララーくんにとって、私ってその程度だったんだね。
     さよなら」

彼女…いや、今は元カノになった女が去っていく。
ちらりと目が潤んでるのを見た。まったく、女性はわからない。


( ・∀・)(まぁ、美味しかったから、いっか)


( ・∀・)嘘は美味いようです

748名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:48:08 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「…それで、別れちゃったモナ?」

( ・∀・)「うん。嫌いって言われちゃったし。別にいいかなぁって」

( ´∀`)「モナモナ。モラは彼女と長続きしないモナね。
      今年に入って何人目モナ?」

( ・∀・)「うーん…五人目だったかな」

( ´∀`)「モナ…モラはなんですぐふられちゃうモナ?
       彼女が絶えなくてもそれじゃつまらんモナ」

( ・∀・)「なんでかなぁ。告白も向こうからしてくるのに」

( ´∀`)「今ちょっとイラッときた。
       …あーぁ顔がいいやつは得モナうらやましいモナ」

そう言ってモナーは足元に転がっていた小石を蹴る。
蹴られた小石は何度か弾んで側溝の隙間に落ちていった。
それを横目で見ながら僕らは歩く。空は薄い紫色だ。もうすぐ、夜が来る。

749名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:48:49 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「今度は告白断ってみたらどうモナ?
       好きでもないのに付き合うからふられるんだモナ」

( ・∀・)「えぇ…それはちょっと悪い気がするんだよね。
      目の前で泣かれるの嫌だし」

( ´∀`)「その優しさが仇になってるんだモナ。
       時には鬼になることも必要モナ」

( ・∀・)「うーん…そうなのかなぁ」

( ´∀`)「そうモナ…バイバイモナ。
       また明日の朝、頼むモナー」

( ・∀・)「たまには自分で起きる努力したらどうだい。
      また明日ね、バイバイ」

軽く手を振って僕は家の鍵を開ける。
ただいまモナー、と気の抜けた声が後ろから聞こえる。彼はお向かいさんだ。

( ・∀・)「ただいま」

750名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:49:29 ID:NGk.nvjY0

一応声に出すが返事はない。いつものことだ。最近は、特に。
ダイニングに置かれた書置きを見る。今日も母さんはパート、らしい。
パートという名の浮気であることは知っている。以前聞いたとき、溶けるように甘い味がしたから。

冷蔵庫で冷えた炒飯を取り出してレンジに入れる。
あたためスタートという万能ボタンを押せば後はほっとくだけだ。人間の文明はすばらしい。
食器の用意をしていると電話が鳴る。これも最近よくあることだ。相手も決まっている。

( ・∀・)「もしもし」

『もしもし、モララーか?母さんは?』

( ・∀・)「パートだってさ。父さんは今日も遅くなるの?」

『あぁ、仕事が立て込んでてな。今日はもしかしたら帰れないかもしれない』

美味しい。仕事、というのは嘘だ。帰れないのは本当。渋い味がした。

( ・∀・)「そう、わかった。がんばってね」

『あぁ、じゃあな』

プツ、電話が切れた。レンジが僕を呼んでいる。
きっと父さんも浮気しているのだろう。両親を見ていると結婚とはなんなのか疑問に思う。
温めた炒飯を食べる。美味しい。腹を満たすには十分だ。
今日は宿題もないし風呂に入って早く寝てしまおう。
家庭の意味なんて、考えなくていい。

751名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:50:13 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「おはよう、モナー」

( ´∀`)「…おはようモナ。帰りたいモナ」

( ・∀・)「自分の家の前で何言ってるんだい。
      君が遅刻しないように迎えに来てあげているのに」

( ´∀`)「モナ…それとこれとは別モナ。帰りたいもんは帰りたいモナ」

( ・∀・)「馬鹿なこと言ってないで行くよ」

( ´∀`)「モナ……」

モナーは昔から朝に弱い。気づけば小学校から今までずっと迎えに来ている。
こいつは人を目覚ましかなんかだと思っているのだろうか。

( ・∀・)「一人で学校行けばいいのに」

( ´∀`)「お向かいさんなんだから固いこと言うなモナ。
       ついでモナついで」

( ・∀・)「…まぁ、いいか」

モナーの言葉は落ち着く。緑茶のようなほっとする味だ。
もし彼の言葉が不味かったら疎遠にしていただろう。僕は味で友人を選んでいる。

752名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:50:55 ID:NGk.nvjY0
学校は家からそう遠くない。歩いて十分ほどだ。
下駄箱から内靴を取り出す、と手が何かに触れた。

( ・∀・)「…ん、手紙だ」

( ´∀`)「うわ彼女いなくなった次の日にラブレターとか腹立つ」

( ・∀・)「まだ読んでもいないのに」

( ´∀`)「下駄箱に入ってる可愛らしい封筒なんてラブレター以外何があるんだモナ。
       呼び出しモナ?誰から?」

( ・∀・)「うん、放課後に教室で。差出人は書いてないなぁ」

( ´∀`)「モナ…誰からかわからないとちょっと不気味モナね」

( ・∀・)「まぁ、待ってみるよ。
      せっかくのお手紙だし」

手紙を肩にかけていたカバンにしまう。
予鈴が響いた。教室は二階だ。

( ´∀`)「朝から階段はどうかと思う」

( ・∀・)「四階とかよりはマシさ。
     急がないとビコーズ先生から鉄槌がくだるよ」

( ´∀`)「あれは人を殺せるレベル」

( ・∀・)「力加減してくれるだけありがたいと思いなよ」

ぐだぐだと言いながらも階段を上る。今日も一日が始まる。

753名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:52:02 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「じゃ、お先に帰るモナ。
      告白されたら教えてモナバイバイ」

( ・∀・)「誰が教えるかバイバイ」

つつがなく授業が終わり気づけば放課後だ。
ケチ、捨て台詞を吐いて去っていくモナーに手を振って僕は椅子に座る。
少しずつ人が減っていく教室を見るのは結構好きだ。
ただ眺めているだけでも楽しい。自分が取り残される感覚が気持ちいいのかもしれない。

川 ゚ -゚)「……」

( ・∀・)(おや)

とうとう教室にいるのは彼女と僕だけになった。
素直クール。学年一の美少女として名高く、成績も上位をキープ。
無表情なところが逆にイイ!とファンクラブまであるらしい。
その彼女がくるりとこちらを見る。手紙の相手は彼女なのだろうか。

川 ゚ -゚)「手紙、読んでくれたか」

( ・∀・)「あぁ、素直さんだったんだ。用事はなに?」

754名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:52:45 ID:NGk.nvjY0

彼女が立っているので、僕も立ち上がる。
座ったまま話を聞くのは失礼だろう。

彼女の言葉はさわやかなミントに似ている。
相手の雰囲気と味は似る、というのはかなり前に気付いたことだ。

川 ゚ -゚)「単刀直入に言おう。
     私は君が好きだ。付き合ってほしい」

( ・∀・)(……美味しい)

上質な、嘘だ。隠したければ隠したいほど、嘘は美味しくなる。
流石に今まで告白された言葉が嘘だったことはない。
さらに、僕は自分に好意をもってない相手と付き合う趣味もない。

( ・∀・)「…嘘は、よくないんじゃないかな」

川 ゚ -゚)「ッ……君は、私の言葉を嘘だというのか」

( ・∀・)「勘だけどね。嘘だと認めるなら話を聞いても構わないよ」


彼女が俯く。逡巡しているのだろう。
勘は嘘だけど、彼女の嘘は事実だからまぁ見逃してほしい。
言葉に味があるなんて、普通信じられない。
決意したのか彼女が顔を上げる。

755名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:53:28 ID:NGk.nvjY0

川 ゚ -゚)「……誰にも、話さないと約束してくれるか」

( ・∀・)「人の相談を話すほど趣味悪くないつもりだけど?」

川 ゚ -゚)「…信じるぞ、その言葉」

そう言って彼女は近くの机に腰掛ける。行儀が悪いが、僕も自分の机に腰掛けた。
彼女はまっすぐに僕を見て話す。少し目の周りが腫れている、気がする。

川 ゚ -゚)「確かに君が好きだというのは嘘だ。すまなかった」

( ・∀・)「まぁ、いいよ。理由があるんだろう?」

川 ゚ -゚)「あぁ。……私のファンクラブがあることは知っているか」

( ・∀・)「あぁ…あるね。ずいぶん人気だもの素直さん」

川 ゚ -゚)「こっちとしてはいい迷惑なんだ。
     確かにしつこい男や言い寄ってくる奴らを撃退してくれるのはありがたいが、
     おかげで私は恋愛ひとつできやしない」

( ・∀・)「なかなか辛辣だね…で、それが告白とどうつながるわけ?」

川 ゚ -゚)「そう。もしかしたら私に彼氏ができれば沈静化するのでないかと思ってな」

( ・∀・)(あ、美味しい)

理由としては妥当なんだろうけど、僕に嘘は通じない。
彼女は告白する相手を間違えたようだ。

756名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:54:12 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「……また嘘?」

川;゚ -゚)「な、なななな断じて嘘ではないぞ!」

( ・∀・)「そんなに動揺しておいて嘘じゃないは無理があるよね。
     僕に嘘は通用しないよ」

川 ゚ -゚)「……………絶対に、誰にも、言わないでくれ」

きつく念を押す彼女に強くうなずく。
ここまで彼女が隠す秘密に興味が出てきていた。心拍数があがる。

川 ゚ -゚)「…私には、彼氏がいた」

( ・∀・)「……へ?」

間抜けな声がでる。正直拍子抜けだ。
彼氏がいるならまだしも、過去形ならどう関係するというのだ。

川 ゚ -゚)「それも昨日までだ。私はドクオと付き合っていた」

( ・∀・)「へー……」

ドクオ、ねぇ。
幸薄そうな顔が思い浮かぶ。クラスの中でも背が低く、目つきも悪く、体力がない。
成績は悪くないがあまり印象に残りやすい男ではないと思う。
それが素直クールと。美少女クールと付き合っていたというのか。

757名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:54:54 ID:NGk.nvjY0
( ・∀・)「一応聞きたいんだけどさ、告白はどっちから?」

川 ゚ -゚)「私だ。今でも好きだ」

( ・∀・)「それはまた、意外というかなんというか。
     …今でも、ってことはまさか、ふられたの?」

川 ゚ -゚)
  _,
川 ゚ -゚)

川 ; -;)ブワッ

(;・∀・)そ

川 ; -;)「ぅぅううううそ、そうだわわ、わたしは、ふふふふふふううふら、ふられ、」

(;・∀・)「無理してしゃべらなくていいから!
     ひとまず落ち着いて!」

ぼろぼろと泣きじゃくる彼女にハンカチを差し出す。
ハンカチを受け取って涙をぬぐうも収まらないようだ。
ここまで泣くということは彼女はドクオによほど惚れていたのだろう。

758名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:55:37 ID:NGk.nvjY0

川 ; -;)ヒックヒックグスッ

( ・∀・)「……落ち着いた?」

川 ぅ-;)「……あぁ、取り乱してすまなかった」

まだ涙が流れているがとりあえず話せる状況になった、というところか。
彼女に気付かれないよう溜息を吐く。どうやら僕は面倒事に巻き込まれたらしい。

( ・∀・)「で、別れたのと僕への告白がどう結び付くのさ」

川 ゚ -゚)「……ドクオが言ったんだ、俺じゃ釣り合わない、
     モララーとかといるほうが幸せだって」

川 - )「私はドクオといたいって言ったら、私が嫌いになったんだって。
     私が好きだって言ったから惰性で付き合ってただけだって」

川 ; -;)「確かに考えたらドクオに好きって言われたこと、なかった
     本当に私だけが好きだったんだって、思ったら、ひくしか、ないじゃないか、」

( ・∀・)(また泣き出しちゃったよ)

素直さんをなだめながら考える。
それでドクオの言葉通り僕に告白したのだろう。ばか正直な人だ。
ドクオの言葉が真実だとは思えない。確証はないけど。
でもここまでの美人を泣かせるなんて男ではない。
すこし、お仕置きが必要だな。

759名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:56:18 ID:NGk.nvjY0

川 ぅ-;)「まきこんでしまって、すまない。
     忘れてくれ」

( ・∀・)「うーん、事情知ってはいさよならってのは良心が痛むよねぇ。
     まぁ、ちょちょっとなんかするからさ。
     そんな気に病まない方がいいよ」

川 ゚ -゚)「そう……そう、だな。ありがとう。
     茂羅はいいやつだな」

( ・∀・)「惚れないでね」

川 ゚ -゚)「それはない」

( ・∀・)「ばっさり切り捨てられるとそれはそれで傷つくんだけどな」

川 ゚ -゚)「私の心はドクオのものだからあきらめてくれ」

ふられたのに、と言おうと思ったがやめた。また泣き出すのは目に見えている。
気づけば外は暗くなっている。思ったより長く話していたらしい。
遅くなってしまったな、まぁ父さんも母さんもまだだろうからいいだろう。
ぼんやり外を見ていると彼女も気づいたらしい。
遅くなってしまった、と謝る彼女に気にしないで、と返す。
成り行きで下駄箱まで共に歩く。
校舎を出る。彼女の家は僕と反対方向のようだ。

( ・∀・)「じゃあね、素直さん」

川 ゚ -゚)「あぁ…今日はありがとう。さよなら」

軽く手を振って別れる。あぁ、一日が終わる。

760名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:57:12 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「おはよう、モナー」

( ´∀`)「………おはようモナ。布団が恋しいモナ」

( ・∀・)「僕だってそうさ」

( ´∀`)「目パッチリ開けてるやつが何を言う」

( ・∀・)「もともとこういう顔なの。
     ねぇ、ドクオ、知ってる?」

( ´∀`)「モナ?あぁ、ドクオモナ?ブーンを通じてだけど話したことあるモナ」

( ・∀・)「うん。彼クラスどこだっけ?」

( ´∀`)「モナ……ぽっぽ先生のとこモナ。
      なんか用モナ?」

( ・∀・)「ちょっと話したいことがあって」

( ´∀`)「あらやだこわい」

( ・∀・)「別に殴ったりするわけじゃないんだけど」

( ´∀`)「男からの呼び出しってのはロクなもんじゃないモナ」

( ・∀・)「確かにロクな事じゃないけどね。
     放課後に…体育館裏かなぁ。待ってるって伝えといてくれる?
     僕が行ったらおびえちゃうかもしれないから」

( ´∀`)「体育館裏とか確実にリンチ」

(;・∀・)「だから違うって。いいから伝えといてよね」

了解したモナー、と間延びした声が欠伸混じりに耳に届く。
モナーの言葉に嘘があることは少ない。また、嘘をついてもだいぶ薄い嘘だ。
だからなんだかんだ言っても傍にいるのかもしれない。

予鈴が響く。今日も一日が始まる。

761名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:57:55 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「伝えといたモナ。あとでアイスおごれ」

( ・∀・)「君はこの春先にアイスを食べるのかいありがとう」

( ´∀`)「コンビニで今苺ソフトやってるモナ食べたいモナ。モナーたーべーたーいー」

( ・∀・)「おごるから黙ってくれる?」

( ´∀`)「イェイ。そういやなんで呼び出したんだモナ?
      僕が行ってもおびえてたモナ」

( ・∀・)「守秘義務が発生するので言えません」

( ´∀`)「ケチ。昨日の呼び出しに関係してるモナ?」

( ・∀・)「秘密」

( ´∀`)「アイスにポテトも追加する」

( ・∀・)「やめて。許可もらったら話してあげよう」

( ´∀`)「約束モナ。んじゃ、バイバイモナ」

うん、バイバイ。軽く手を振ってモナーを見送る。
今伝えたってちょっと遅いんじゃないかなぁ。なんて文句はのみこんでおいた。
伝えてくれただけでも感謝だ。

( ・∀・)(じゃあ、行こうかな)

素直さんに声はかけてある。彼女も準備は済んでいるだろう。
脳内で作戦を繰り返す。たぶん、大丈夫だ。

762名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:58:38 ID:NGk.nvjY0


('A`)

( ・∀・)「おや、早いね」

体育館裏に行くとドクオはすでに来ていた。
こちらを睨みつけているように見えるのは気のせいではないだろう。
僕は軽く笑って彼の前に立つ。

('A`)「……ナンノヨウデスカ」

( ・∀・)「なんで敬語で片言なの?」

('A`)「…クセナンデスキニシナイデクダサイ」

( ・∀・)「あぁ、そう。まぁいいや。
     聞きたいのは素直さんのことなんだけど」

('A`)「!!」

ビクッと反応する。心当たりがあるのだから当然か。

( ・∀・)「僕、昨日告白されたんだよね素直さんに」

('A`)「…………」

愕然とした表情。本当にするとは思わなかった、とでも言いたいのだろうか。

( ・∀・)「まぁ、嘘だったらしいんだけど。
     事情聞いたら前の彼氏にそそのかされたって言うからさ。
     事実確認しとこうと思って」

('A`)「……で、俺を呼び出したってわけか」

763名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:59:25 ID:NGk.nvjY0

ドクオが普通の話し方になる。緊張が解けたのだろうか。
彼の言葉は苦い。ブラックコーヒーの苦味に似ている。
僕は笑顔を意識する。できる限り彼をぐらつかせるのが大事だ。

( ・∀・)「うん、そう。
     で、本当なの?素直さんを嫌いになったっていうのは」

('A`)「……あぁ、本当さ。俺はクールが嫌いになったんだ」

美味しい。ものすごく、美味しい。
思わず笑みが深くなる。ドクオが訝しげに眉をしかめる。

('A`)「……話はそれだけか?」

( ・∀・)「そんなわけないだろう?
     あと、言っておくけど僕に嘘は通用しないからね」

('A`)「…俺の言葉が嘘だとでも?根拠は?」

( ・∀・)「勘、と言っておくよ」

('A`)「…馬鹿馬鹿しい」

帰ろうとするドクオの前に回り込む。
ますます濃くなった眉間のしわを見つつ、笑顔。

( ・∀・)「帰ってもらっちゃ困るよ、僕の話は終わっていない」

764名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:00:05 ID:NGk.nvjY0

('A`)「…………チッ」

軽く舌打ちが聞こえたがまぁ聞いてくれる気になったようだからいいだろう。
笑みを深くして、少し大袈裟な手振りを加えて話す。

( ・∀・)「とりあえず昨日の話をしようか。
     素直さんは僕に嘘の告白をした理由はファンクラブにあると言った。
     これも嘘だったけれどね」

( ・∀・)「ならなんだ、と聞いたら彼氏にふられたと言うじゃないか。
     その元彼氏が言ったんだそうだよ、モララーのほうが釣り合ってると」

( ・∀・)「彼女がそれでもあきらめないと嫌いになったと言ったそうだ。
     ひどい男だろう?彼女が泣きながら語ってくれたんだけど」

ドクオは俯いていてたぶん僕の顔は見えていないだろう。
それでも笑う。さも嬉しそうに。

765名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:00:48 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「僕は自分を好きじゃない子と付き合う趣味はないけど。
     あれほどの美人を泣かせる男に興味がわいてね。
     会ってみたんだけど……期待外れ、だなぁ」

( A )「…………、」

( ・∀・)「本当の理由も言えないでただ逃げてる男だなんて。
     なんで素直さんは君なんかを好きでいるんだろうね?
     こんな男なら確かに僕といたほういいかもしれないなぁ」

( A )「だまれ……」

( ・∀・)「聞こえないよ、言いたいことがあるなら大きく言ってくれる?
     あぁ、君の言葉なんて聞く価値ないか。
     だって嘘ばかりだもんね。本音も言えないんじゃあ」

(#'A`)「黙れっつってんだよ!!」

ドクオが僕に掴みかかる。
かかった、と思った。

766名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:01:41 ID:NGk.nvjY0

(#'A`)「俺が、俺がどんな思いで言ったかも知らないくせに!」

( ・∀・)「知るはずないだろう?
     君の心の奥の思いなんてわかるわけないさ。
     言いもしないでわかってもらおうなんて傲慢だね」

(#'A`)「俺は、俺はクールが好きだよ!誰にも渡したくない!だけど、だけど…」

首元の手を振り払うとあっさり外れた。そのままドクオは俯く。
好き、という言葉に嘘はない。

( ・∀・)「だけど、なんだい?」

( A )「……俺と、クーじゃ釣り合わないんだよ。
   見た目も、なにもかも…」

( ・∀・)「……ふぅ、ん」

違和感。言葉そのものは嘘ではないけれど、まだだ。
まだ彼はなにか隠している。

767名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:02:25 ID:NGk.nvjY0

('A`)「…もう、いいだろ。俺は話したぞ」

( ・∀・)「うーん…まだだね。
     まだなにか君は隠している」

(;'A`)「か、隠してることなんてねぇよ!
    俺じゃクーと釣り合わない!だからそばにいれないんだ!」

苦味まじりの美味しさ。やっぱり、嘘だ。

( ・∀・)「僕に嘘は通用しないって言ったよね?
     話してくれるまで帰せないなぁ」

('A`)「…………くそ。
    ………クーには、絶対に言うなよ」

( ・∀・)「約束しよう」

観念したのかドクオの体から力が抜けた。
僕は笑顔をやめて真顔に戻る。

768名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:03:11 ID:NGk.nvjY0

('A`)「…ファンクラブ、あるだろ。クーの」

( ・∀・)「あぁ、あるね。
     結構熱狂的なやつもいるとかなんとか」

('A`)「俺達、隠れて付き合ってたんだ。
   だけどファンクラブの奴らにばれちまって」

( A )「俺が呼び出されて。殴られたりはしなかったんだけど。
   …………脅されたんだ。別れなければクーの無事は約束できないって」

( A )「クーのこと好きな奴らなのに矛盾してるよなぁ。
   いや、そう言えば俺が引くってわかってたんだろうよ。
   クーが怪我をして、それが俺のせいだなんて俺は俺を許せない」

('A`)「……これが、別れた理由だよ。
   納得したか?」

( ・∀・)「…うん、納得した。だけど満足はしてないかな」

('A`)「? どういう意味だ」

( ・∀・)「こういう意味さ。
     素直さん、でてきていいよ」

769名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:04:10 ID:NGk.nvjY0

倉庫の陰から彼女とファンクラブの人達が出てくる。
ドクオは茫然として彼女を見つめている。

(゚A゚)

( ・∀・)「ずっと待っててもらっちゃって悪かったね」

川 ゚ -゚)「いや、かまわん。…ドクオの本音もわかったことだしな」

(゚A゚)「…まさか、ずっと」

( ・∀・)「当たり前じゃないか」

川*゚ -゚)「ドクオが私のこと好きでいるとわかってよかった」

(゚A゚)「……はめやがったな、モララー…」

( ・∀・)「HAHAHAHAHA!!」

死にそうな顔のドクオをほっておいて素直さんはファンクラブの面々に向かい合う。
どうやら僕はお邪魔のようだから一歩ひいて見物しよう。

770名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:05:02 ID:NGk.nvjY0

川 ゚ -゚)「みんな、聞いた通りだ。
     私はドクオが好きでドクオも私を好きだと言ってくれている。
     これを邪魔立てする権利は貴様等にない!」

(;^Д^)「し、しかしクー様!」

(;^ν^)「その男がクー様にふさわしいとは…」

川 ゚ -゚)「黙れ、異議は認めん。
     私の恋人を馬鹿にするな。ふさわしいかどうかは私が決める」

(;^Д^)「そ、そんなぁ…」

川 ゚ -゚)「それと、今日でファンクラブは解散しろ。
     迷惑だ。私はドクオを脅したことを許さない」

(;^ν^)「あ、あれは…」

川 ゚ -゚)「言い訳は聞かない。それでも認めないと言うのなら」

彼女がドクオの顎を持ち上げる。
まさか、と思った時には時すでに遅し。
ファンクラブから泣き叫ぶ声が聞こえてくる。僕もすこし泣きたい。
なんで間近で人様のキスシーンを見なければならないんだ。

771名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:06:18 ID:NGk.nvjY0

川*゚ -゚)「……してしまったな」

(*'A`)「…バーカ、初キスは俺からしたかったのに」

川*゚ -゚)「む…すまなかった」

当事者は二人の世界に入り込むし。ハートが舞っているのが見えるようだ。
ファンクラブの人達は泣きながら帰っていく。
そんな人だと思わなかった、なんて声もするからファンクラブは解散するだろう。


( ・∀・)「お二人さんお二人さん僕帰ってもいい?」

川 ゚ -゚)「む、あぁいたのか」

( ・∀・)「それひどくない?仲直りに一役買ってあげたのにさ」

川 ゚ -゚)「すまない、ドクオしか見えてなくてな」

('A`)「……ありがとうな、モララー」

( ・∀・)「はいはいどーも。お幸せにね」

二人から離れて僕は深いため息を吐いた。
空はもう真っ暗だ。月が僕を笑っている。
長い一日が終わった。

772名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:07:11 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「……てのが事の顛末さ」

約束通りおごったソフトクリーム片手に僕らは歩いている。
本当にポテトまで頼んだので軽く蹴っておいた。

( ´∀`)「あぁ…道理で。あの二人、やけにイチャイチャしてると思ったんだモナ」

( ・∀・)「巻き込まれて散々だったよ」

( ´∀`)「モナモナ。お疲れ様モナー」

ポテトにアイスをつけて食べているモナーを横目にポテトをつまむ。
あまじょっぱいのが美味しいらしい。僕にはよくわからない。

( ・∀・)「そういや、モナーから恋の話とか聞いたことないな」

( ´∀`)「…そうだったモナ?」

( ・∀・)「そうだよ。好きな子とかいないの?」

( ´∀`)「いないモナ」

( ・∀・)「…ふぅん」

嘘だ。今までにないくらい、上質の嘘。
モナーを盗み見る。いつもと同じように笑い顔で幸せそうにアイスをなめている。

( ・∀・)(まぁ、聞かれたくないこともあるか)

突き詰めなくていいこともある。
一口なめると苺ソフトのさわやかな甘さが口に広がる。
たまにはこういうのも悪くない。夕暮れに染まる町を見ながらそう思った。

( ・∀・)嘘は美味いようです

おしまい

773名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:08:58 ID:Bpy5LZJg0

こういう系統の作品見てていつも思う
モナー的な男になってみたいと

774名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:09:11 ID:NGk.nvjY0
【タイトル】
( ・∀・)嘘は美味いようです

【レス番】
>>747->>772

【お題】
なし

【縛り】
執筆中トイレに行かない

ちょっとトイレいってくる

775名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:09:27 ID:T0qFB1SE0
乙!
すらすら読めたよ
面白かった!

776名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:12:38 ID:mQ9YvN0UO
いい語り口だ
ビコーズ先生とかモナーが気になるな

777名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:13:52 ID:AtYt0uBI0
クーかわええ…。
こういう話大好きだ、乙!

778名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:13:57 ID:DBPTgIJw0
おつおつ
( ´∀`)いいキャラしてるな


ちなみに間違ってる人多いけど安価の範囲指定は>>xxx-xxx

779名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:21:42 ID:NGk.nvjY0
ついでにモナーの嘘についてとか何も考えないで書いたから
読み飛ばしてくれ。突っ込まんでくれ

安価指定ミスってたん…すまんかった…

780名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 09:32:15 ID:X7XOWJCQO
連載してほしい…続きヨミタイデス…

781名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 09:50:11 ID:ah6OXB6EO
みんなテンプレ通りにやってるからな
俺も続きホスィ

782名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 10:55:01 ID:EJQ11U4g0
しかし被らんモンだな

783名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:13:45 ID:XrU9c3EA0
今からプロット考え始めて被らないかガクガクだぜヒャッホウ!

784名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:21:56 ID:XrU9c3EA0
ヤバイ
間に合う気がしない
祭りの後に投下するのもアリだよな…?

785名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:24:18 ID:Bpy5LZJg0
     *      *
  *     +  アリです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

786名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:43:37 ID:NGk.nvjY0
投下します

787名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:44:18 ID:NGk.nvjY0

最近、寝ると妙なやつがでてくる。


( ^ω^)「どーもですお!
     あなたの夢の案内人、ブーンですお!」

いや、誰だよ。


( ^ω^)夢の案内人のようです

788名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:45:07 ID:NGk.nvjY0

( ^ω^)「おっおっもう三日目になるのに冷たいですおー
     泣いちゃいますおブーン泣いちゃいますお」

うるさいな。なんで俺の夢にでてくるんだよ。

( ^ω^)「それは僕が夢の案内人だからですお!
     みたい夢はなんですかお?ブーンが叶えてあげますお!」

やけにハイテンションな男は胸をどん、と叩く。
俺はそれを横目で見つつ溜息を吐いた。

こいつが出てくるようになって三日目になる。
最初は面白いとも思っていたが今となってはうっとおしいだけだ。
寝た気がしないし、起きても記憶に残っていて非常に迷惑だ。

見たい夢なんてない。俺の夢から出てってくれ。
お前なんて見てる場合じゃないんだ。

( ^ω^)「おーん…あなたに夢を見せないと僕は帰れないんですお。
     なんでもいいからないんですお?例でもみせましょうかお?」

いらないよ、そんなの。

( ^ω^)「おぉん…これはブーンのお仕事なんですお?
     もうなんでもいいですから言ってくださいお−」

うるさい。
お前に僕の夢なんか叶えられるはずがない。

( ^ω^)「お約束しますお!
     僕に叶えられない夢なんてないんですお!」

…………

789名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:45:54 ID:NGk.nvjY0

信じてみようか?
馬鹿馬鹿しいこの男を。どうせ叶いもしない夢なら言ってしまおうか。
諦めていなくなってくれれば万々歳だ。元々諦めていたのだから。

俺は。
俺はもう一度、光がみたい。色を見たい。
ドナーが見つからないんだ。真っ暗なこの世界なんて嫌なんだ。
朝に起きたいし夜に眠りたい。趣味の小説すら読めやしない。
親が泣いているのが聞こえるんだ。無駄によくなった耳でさ。
耐えられないのに死ぬこともできやしない。
目が見えるようになりたいんだ。

( ^ω^)「…あなたの夢はもう一度、目が見えるようになることですかお?」

……そうだよ。できやしないだろう?
夢では色も光もあったのにお前が出てきてから景色が消えちまったんだよ。
だから、はやくでてってくれ。

( ^ω^)「おっおっその夢、確かに聞き届けましたお!」

は?

( ^ω^)「おまかせくださいお!では、おはようだお!」

790名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:46:43 ID:NGk.nvjY0

ぱち、と目を開ける。これは感覚として開けただけであって、やはり光もなにも見えない。
嘘じゃないか、と一人ごちて思ったより期待していたとわかる。
母さんが俺を呼ぶ声が聞こえる。何やら焦っているようだ。

ドナーが見つかったのよ!あなた、目が見えるようになるわ!

よかったわね、よかったわね。繰り返し母さんは言う。泣いているようだ。
信じられなかった。本当に、叶えたのか。彼は本当に…

( ^ω^)

どこかで彼が笑った気がした。

おしまい

791名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 11:49:06 ID:NGk.nvjY0
【タイトル】
( ^ω^)夢の案内人のようです

【レス番】
>>787-790

【お題】
なし

【縛り】
起承転結で4レス短編

なんか起承転結ではない気がするお( ^ω^)

792名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 12:02:04 ID:NGk.nvjY0
ああああああああああああああああ
タイトルミスってる!本当に申し訳ない…
夢の世界の案内人のようですだ…
本当に考えた人に申し訳ないことをしてしまった…すまん

793名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 12:11:42 ID:xtmKlrfs0
( ^ω^)乙ですお

794名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 12:11:59 ID:EJQ11U4g0
まさかメリーバッドエンドじゃないよな?とかいらん想像しました


795名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:03:18 ID:.spOSp4w0
投下数多いなぁ
祭りが盛り上がって何よりだ

796名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:14:24 ID:iDp5GQ4s0
( ´_ゝ`)「あ、弟者、いらっしゃい」

(´<_` )「はいはい」

( ´_ゝ`)「今日外では何が起きた?」

(´<_` )「それがさ、月のうさぎが空から降ってきたんだよ」

( *´_ゝ`)「まじで?!」

ヘッドホンで俺からのヘッドラインを聞いている兄者はいつもワクワクしている。

( ´_ゝ`)ヘッドフォン、ヘッドラインのようです(´<_` )

797名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:15:07 ID:iDp5GQ4s0
(´<_` )「月に帰してくださいって泣いてたからNAASAAがディスカバリー号に乗せて帰してやるってさ」

( ´_ゝ`)「よかったね」

兄者はベットでヘッドホンを手で抑えながら言う。

(´<_` )「あと、IPS細胞がついに実用化されたってさ」

俺はマイクのスイッチを押しながら言う。

マイクはヘッドホンに繋がっている。

( ´_ゝ`)「そっか!これでいろんな人が助かるんだっけ?移植できない人とか」

(´<_` )「そうそう、よかったな」

( ´_ゝ`)「でもさ、そんなに世界は明るいニュースで溢れてるのにさ、なんで俺は外に出ちゃいけないのさ」

798名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:15:48 ID:iDp5GQ4s0
(´<_` )

(´<_` )「姉者が泣いちゃうだろ。そんなこと言うなよ」

( ´_ゝ`)「俺だって外に出たい」

兄者は俺を、俺と兄者の間にあるプラスチックの窓を見て言う。


(´<_` )「出ない方がいい。外には呪ウイルスとかいう呪われたウイルスがいるんだ。やめるべきだ」

( ´_ゝ`)「そっか、じゃあやめる」

799名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:16:29 ID:iDp5GQ4s0
ーーー

( ´_ゝ`)「いらっしゃい、弟者」

(´<_` )「おお」

( ´_ゝ`)「今日は何があったの?」

(´<_` )「食べても食べても食べ物が無くならない方法が発見されたぞ」

( ´_ゝ`)「そっか、俺、もんじゃ食べたいな」

(´<_` )「今度持ってきてやるからな」

( ´_ゝ`)「楽しみだなぁ」

(´<_` )「あと、俺が拾った卵から怪獣が生まれてしまって大変だった」

( ´_ゝ`)「どんなの?」

(´<_` )「火吹く奴。自衛隊が助けてくれたよ」

( ´_ゝ`)「へぇ…俺も会いたかったな」

(´<_` )「今度卵拾ったら持ってきてやるから」

( ´_ゝ`)「わかった」

(´<_` )「あとな、ついにあのネコ型が発明されたぞ」

( ´_ゝ`)「そっかぁ…俺も欲しいな、欲しいひみつ道具があるんだよ」

(´<_` )「どれだ?」


( ´_ゝ`)「どこでもドア」


( ´_ゝ`)「だって、弟者がこの部屋の扉を開けさせてくれないんだもん」

800名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:17:11 ID:iDp5GQ4s0
プラスチックの窓の横の扉は俺が堅く閉ざしてしまった。

(´<_` )「そこから出るなんて考えないでくれ」

( ´_ゝ`)「外に出たい」

(´<_` )「前も言ったろ?姉者が悲しむからやめろって」

( ´_ゝ`)「外に出たい」

(´<_` )「外にはいい物ばかりがあるんじゃない。復元された絶滅動物が暴れている地区さえあるんだぞ」

( ´_ゝ`)「外に出て、確かめたい」


( ´_ゝ`)「何が本当で何が弟者の嘘?」

「ねぇ、いつも言ってる『今度』っていつなの?」

801名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:17:53 ID:iDp5GQ4s0
ーーー
ーー


(う<_- )「…ねむい」

眠りから覚め、ヘッドホンを外す。

いつからだろう。
音楽を聞きながらじゃないと寝れなくなったのは。

802名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:18:38 ID:iDp5GQ4s0
ーーー

∬´_ゝ`)「おはよう、弟者」

(´<_` )「おはよう」

∬´_ゝ`)「朝はトーストでいい?」

(´<_` )「ん」

パンにマヨネーズ、とろけるチーズがのっただけのシンプルなトースト。

∬´_ゝ`)「夜はなんにしようかな…」

(´<_` )「ああ、兄者が…」

もんじゃ、食べたいってさ。


言いかけて口を抑える。

でも遅かった。

803名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:19:20 ID:iDp5GQ4s0
ぱりん、と姉者が皿を落とす音がする。

∬ _ゝ )「あに…じゃ…?」

(´<_`;)「ち、違う!!もんじゃ!もんじゃ!」

姉者は泣きながら床に座り込む。

∬ _ゝ )「ごめんね、ごめんね、謝るからもう嘘はやめて…」

(´<_`;)「姉者は悪くないって!!」

∬ _ゝ )「私が…親のいない幼いあんたを一人で育てる自信がなくて…慌てて結婚した相手が…あんたにまで暴力振るうなんて思ってなかったの…ごめんね、ごめんね」

(´<_`;)「昔のことはいいって!」

嘘、本当は今でも忘れられない。

∬ _ゝ )「あの時のあんた、兄者とかなんか言ったり、お話みたいな嘘ばっかり嬉しそうに話したり…おかしかったのに…どうして…すぐに気がつかなかったのか…」

(´<_`;)「俺、もう嘘なんてついてないし!兄者なんかもういないよ!」

嘘、今だって楽しい嘘ついてなきゃやってられない。

この世界で生きるのに一人きりじゃやってられない。

804名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:20:26 ID:iDp5GQ4s0
∬う_ゝ`)「…そう」

∬´_ゝ`)「ごめんね、取り乱しちゃって」

(´<_` )「いや、気にしてないって」

∬*´_ゝ`)「じゃ、今日は美味しいもんじゃ作ったげる!」

(´<_` )「ああ」

姉者の笑った顔は兄者に似ている。

むしろ姉者の笑った顔が見たくて兄者が生まれたのか。

(´<_` )「大丈夫だよ、姉者。俺はずっと姉者のそばにいるから」

∬´_ゝ`)「…ありがとう」

これは本当。



頭の中で誰かがあのプラスチックの窓を壊すまでは。

あーあ、やっぱり俺は大嘘吐き者だ。

( ´_ゝ`)ヘッドフォン、ヘッドラインのようです(´<_` )

http://i.imgur.com/cYJU0qs.jpg

おわり

805名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 13:22:30 ID:iDp5GQ4s0
【スレタイ】( ´_ゝ`)ヘッドフォン、ヘッドラインのようです(´<_` )
>>796-804

【お題】大嘘

【縛り】
・ 100レス以内に収める
・ 30レス以内
・ 登場人物全員に兄弟(姉妹)あり、もちろん兄弟(姉妹)のAAも出す
・ 自作の作品イラストを描く

806名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 14:41:10 ID:AtYt0uBI0
夢の中の世界観好きだわ


807名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:11:46 ID:Wmhrhr0A0

「おーい。戻ってこいよう」

声が、聞こえる

「おーい」

無視無視

「聞こえてるだろー?」

ああ。聞こえてる。
でも、すまんな

( ´_ゝ`)「俺は、戻るわけには行かないんだ」

償わなければならない。

「もう、償えているよう。彼女は、お前がそこで朽ち果てることは望んでいない」

( ´_ゝ`)「朽ち果てないさ。星だから」

星は、朽ち果てない。
彼女のために、永遠に償い続けることができる

( ´_ゝ`)「素晴らしいことだと思わないか?」



彼は自ら月になることを望んだようです

808名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 15:12:29 ID:Wmhrhr0A0

「おーい」

( ´_ゝ`)「戻らないぞ」

と、そのとき、体に何かが乗ったような感覚。
見てみると、体に宇宙服を着たあいつがいた

(´<_` )「きちゃった☆」

さあ、無視を始めようか。

(´<_` )「おいおい、無視しないでよう。何してるんだって正気に戻ったらどうしてくれる」

( ´_ゝ`)「戻れよ。ほれ、ほれ」

(´<_` )「おお。喋ってくれた」

( ´_ゝ`)「帰れ」

(´<_` )「えー? やだよう」

( ´_ゝ`)「帰れ」

(´<_` )「……はーいはい」

そう、それでいい。
孤独こそが、俺への罰なんだ。




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