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( ^ω^)2013年 突発ゴールデンウィーク企画のようです

1名も無きAAのようです:2013/04/16(火) 21:07:17 ID:jMrmCD3gO
俺たちのGWははじまったばかりだ!!



ゴールデンウィークだし、何か企画をやろうぜという主旨のスレです。

672名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:07:33 ID:9otWU4bo0
宇宙人の両親は気が早いな、乙

次行く

673名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:08:25 ID:9otWU4bo0
(;^ω^)(=゚ω゚;)ノ(*‘ω‘*;)







ωがかゆい!!

金ω玉がかゆいようです

674名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:09:11 ID:9otWU4bo0

(*‘ω‘*;)「どうするっぽ!!血が出るまで掻きむしってもまだかゆいっぽ!」

(=゚ω゚;)ノ「ぼ、僕もだょぅ!」

(;^ω^)「落ち着くお!!こういう時はセルロイドが効くって兄者が言ってたお!」

(*‘ω‘*;)「わかったっぽ!」

675名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:10:10 ID:9otWU4bo0
(=゚ω゚;)ノ「えっと!90度で軟化するってょぅ!」

(;^ω^)「ぃょぅ!思いっきり僕のωに塗ってくれお!」

(*‘ω‘*;)「き、90度っぽよ?!」

(;^ω^)「このまま下手に掻きむしって種無しになるよりは医者の言うこと聞く方がマシだお!!早く塗るお!」

(=゚ω゚;)ノ「わ、わかったょぅ!」

676名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:10:54 ID:9otWU4bo0

(  ω )




(*‘ω‘*;)「ブーンのωを掻く手が止まったっぽ!!」

(=゚ω゚*)ノ「効果絶大だょぅ!」

( ´_ゝ`)「なにやってんだお前ら」

(´<_`;)「ブーン?!しっかりしろ!医者が来たぞ!」

(*‘ω‘*)「あ!SBことセルロイドブラザーズっぽ!」

( ´_ゝ`)「SBは流石ブラザーズだよ、ちんぽ」

677名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:11:42 ID:9otWU4bo0

( ´_ゝ`)「バカだなぁステロイドとセルロイド聞き違えるって」

(*-ω-*)「ステロイド…最高っぽ」

(=゚ω゚*)ノ「かゆさが引いたょぅ!」

(´<_`;)「はやく!ブーンを治療しろよ!」

( ´_ゝ`)「そうだな、ラノベの主役だお!とか言って難聴治さなかったブーンに優秀な耳鼻科医を紹介しよう」

(´<_`;)「そっち?!」


(  ω )


( ω )

金ω玉がかゆいようです

おわり

678名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:13:17 ID:G6QGPTqQ0
わろたwww

679名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:13:47 ID:9otWU4bo0
【タイトル】金ω玉がかゆいようです>>673-677

【お題】
痒み、セルロイド

【縛り】
・ 登場AAが5人以上
・ 100レス以内に収める
・ 30レス以内

680名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 20:35:59 ID:3nD40kZ.0
恋愛のあとのこれはわろたwwwww

681名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 21:24:42 ID:4oXaTMOE0
なんか書いてたら2つのタイトルが合体しそうになったからやめた

682名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 21:27:47 ID:pHiZw.Ss0
タイトルお題出してくれた人に「出してよかった」と思ってもらえるような作品を書きたいもんだがなかなか上手くいかないな
精進せねばな

683名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 22:54:08 ID:hNvVpCFU0
クッ、次の投下はまだか!
息子が萎えちまうぜ

684名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:05:48 ID:sqHqtFbA0
>>683
いろんな意味で小さい男だ
もっと気長に待とうぜ

685名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:06:02 ID:bUHlIcZ60
ある日、俺は夢を見た
それは妙な現実感を伴う夢で、もしかしたら夢ではなかったのかもしれないが、まあどうでもいい
どちらにせよ、今となってはもう知る由もないことだ

(  ゚¥゚) ようこそ基準世界へ。私は基準人間

目の前の男はそう名乗り、頭を下げる
男の肌は鮮やかな紫色で、真っ白な髪の毛は焦茶色の太陽光を反射し七色に輝いていた
基準世界の色彩は、俺の住んでいる世界のそれとは全くの別物だった

(  ゚¥゚) しかし、これが基準なのですよ?

男は困ったようにそう言って、緑色の息を吐き出した
俺は全身に痒みを感じて掌を擦り合わせる
擦り合わせた掌に緑色の息を吹きかけてやると、一瞬痒みが和らいだような気がした

(  ゚¥゚) おやおや、寒そうですね。立ち話もなんですし私の家に来ませんか?

寒そう? 何を言っているんだこいつは?
まあ、所詮は夢の世界。俺はそう考えて、男の家に行くことにした

686 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:06:56 ID:jEiVc0Z.0



真夜中の散歩のようです。


.

687名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:08:37 ID:bUHlIcZ60
(  ゚¥゚) ここが私の家です。靴は脱がなくて結構ですよ

男の家に入ると、全ての家具が黄緑色で統一されていた
「私は青が好きなのです」という意味の分からない言葉を聞き流し、居間に進む
全身の痒みはいつの間にか治まっていた

(  ゚¥゚) いま温かい物出しますから、掛けててください

言われるままに椅子に掛けて待っていると、色取り取りの食器を載せたトレイを持って男は戻ってきた
緑色の湯気が立ち上る食器をテーブルに並べながら男は言う

(  ゚¥゚) 食欲の沸かない彩りかも知れませんが、基準ですので

赤黒い人参、ピンクのしいたけ、藍色の米
正しく食欲の沸かない彩りの料理から、甘ったるい香りが鼻に届く
一口食べる。苦い。辛い。しかしなぜか俺はそれを美味いと感じた

(  ゚¥゚) お気に召していただけましたか。それは良かった

(  ゚¥゚) ……では、いい加減この世界のことを説明しましょうか

男は小豆色の葉巻を咥え、灰色の炎で火をつけて、真っ青な煙を吐き出した
紫色の唇から語られたその話は、なんとも奇妙で、しかし不思議な説得力を持っていた

688名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:09:32 ID:bUHlIcZ60
(  ゚¥゚) 哲学の世界では議論しつくされた、言わば手垢の付いた命題なのですがね

(  ゚¥゚) 私と貴方が同じ「赤」という色を見た場合、二人の目には全く同じ赤色が映っているのか

(  ゚¥゚) 私と貴方が熱湯に手を突っ込んだ場合、二人が感じる「熱い」という感覚は同質の物であるのか

(  ゚¥゚) ……貴方はそんな疑問を持ったこと、ありませんか?

男の質問に、俺は黙って頷く
その疑問はきっと多くの人間が一度は通る道で、俺だって例外ではない

(  ゚¥゚) 結論を言ってしまうと、物の見え方、熱の感じ方は「人によって違う」のです

(  ゚¥゚) ただみんな、植物の葉の色を緑色と呼び、光量の多い状態の視界を明るいと言う

(  ゚¥゚) そして高温のものに触れた時の感覚を熱いと、そう呼んでいるだけなのです

(  ゚¥゚) この基準世界では全ての人間が、基準人間である私と同じように世界を感じることが出来る

(  ゚¥゚) 例えば私の皮膚の色。貴方には何色に見えますか?

そう言って男は腕を突き出し、掌をこちらに向けた
鮮やかな紫色の皮膚に、黄色い血管が浮かんでいる

(  ゚¥゚) この皮膚の色は私にとっては肌色で、うっすらと浮かんでいる血管は青白い色をしている

(  ゚¥゚) この世界で貴方は、自身の感覚が基準からどの程度「ずれているのか」を知ることができるでしょう

689名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:10:33 ID:bUHlIcZ60
ふざけるな、と俺はテーブルを叩いた
どしんと鈍い音がして、浮き上がった食器がかちゃかちゃと高い音を立てた

(  ゚¥゚) ふむ、聴覚に関しては貴方は基準的な人間なようですね

男の冷静な口ぶりは、さらに俺を怒らせた
何が基準人間だ。何が基準世界だ。馬鹿馬鹿しい。他人のことを「ずれている」だなんて失礼にも程がある
じゃあその基準とやらは誰が、いつ、どうやって決めたんだ
俺は言ってやったよ。そうしたら男はまたもや冷静な口調でこう言ったんだ

(  ゚¥゚) さあ、私は知りませんね

(  ゚¥゚) まあ少なくともそれを決めた者が、基準である私よりも「上」の存在であることは間違いないかと

(  ゚¥゚) こうやって他人を基準世界に引き込む力も、その「上」の存在から貰った物です

とうとう俺は怒鳴った
適当なことを言うな。こんなもん夢か何かに決まってる。ってな

(  ゚¥゚) 夢ですか。そう思うならそれでもいいでしょう。似たようなものですし

(  ゚¥゚) でも、それなら怒る必要もないでしょう? 所詮夢、「そういうこともあるんだなあ」くらいに思えば

690名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:11:18 ID:bUHlIcZ60
それから俺は三日ほど男の家に泊まった
三日といっても太陽が三回昇って下りてを繰り返したというだけで、体感ではもっと短い時間だったような気がする
おおよそ一日半、長くとも丸二日といったところだ
基準人間の体感時間は俺のそれよりも随分と短いものであるらしい

(  ゚¥゚) 体感時間が長いということは、貴方は基準よりも長く人生を楽しむことができるということです

(  ゚¥゚) 基準的な一日が半日程度に感じたのであれば、本来の貴方の体感時間は基準のニ倍

(  ゚¥゚) 八十年生きるとしたら貴方は百六十年分の時間を体感することになる

二日目の朝、基準的な朝食――臙脂色のトースト二枚と橙の牛乳一杯――を摂りながら、男はそう言っていた
正直な話、何を言っているのかよくわからなかった

(  ゚¥゚) 基準的な説明力ではこの程度の説明しか出来ません

(  ゚¥゚) 詳しく知りたければ帰った後、基準より上の説明力をもつ人に聞いてみてください

(  ゚¥゚) まあ、貴方の理解力が基準程度あったらそんなことをする必要はなかったのですがね

だとさ
お前らは男が言っていた話の意味、わかるかい?

691名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:12:00 ID:bUHlIcZ60
さて、男の家で三日間も何をしていたかというと、ただぼうっと生活をしていただけだ
朝、眠気でネバネバする目を擦りながら朝食を摂り、落とした食器が足にあたって凍りつくほどの冷たさで目が覚める
マンガやテレビを見ながら酸っぱいクッキーを食べ、辛いコーヒーを飲んで、それに飽きたら散歩
水色の道路、レモン色の木々や真っ黒い家々を眺めながら当てもなく歩き回り、疲労で足がシパシパしてきた頃に家に戻る

そうするとキッチンの方から石油の匂いが漂ってきて、昼飯時だ
昼飯の後は音楽でも聞きながら昼寝。幸運なことに聴覚は元々「基準的」らしいからな、数少ない違和感なく過ごせる時間だったよ
そんで起きたらまたテレビなりマンガなり、散歩したりゲーセン行ったりで夕飯まで時間を潰す
深緑色の湯船に浸かって貸し与えられた部屋でオナニーして寝る。これで一日終わり

ああ、オナニーな、紫色の男女が絡み合ってるAVは中々刺激的だったし出た精子は血みたいな赤色してたし大変だったぞ
ティッシュ捨てたゴミ箱からは醤油を焦がしたような匂い。やばいね、二度と焼き飯食えねえよ
ちなみに基準的な性的嗜好は「出会って五秒で即合体」らしい

(  ゚¥゚) 私にだって基準的な性欲はあるのです

基準世界は――基準的な感覚になってしまうことを除けば――俺の元いた世界と何ら変わりのない世界だった

692名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:12:41 ID:bUHlIcZ60
三日目の夕食、基準世界での生活にようやく慣れ始めた頃、俺は男に尋ねた
そもそもどうして俺はこの世界に連れて来られたのか、とな
当然の質問。むしろ聞くのが遅すぎたくらいだが、きっと異常なことばかりでそれどころではなかったのだろう

(  ゚¥゚) さあ、なんででしょうかね? 私は「上」からもらった力をなんとなく使っているだけですので

(  ゚¥゚) 力を与えるということは、それを使えということなのだろうと、そういうふうに考えました

男の回答に俺はずっこけた
なんとなくで他人をこんなとんでもない世界に引きずり込みやがったのか、とな
そしたら男は少し間をおいて、こんなことを言ったんだ

(  ゚¥゚) まあ、正しいという保証はありませんが私なりの考えはあります

(  ゚¥゚) それでよければ、お話ししましょうか?

俺は青灰色の赤ワインを飲み干して、おう話せ話せと煽り立てた
基準世界のワインは蜜のように甘く、ミルクのような柔らかい香りがした

693名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:13:23 ID:bUHlIcZ60
(  ゚¥゚) まず確認です。私が基準人間であることに、最早疑いはありませんね?

まあな、と相槌を打つ。今更それを疑ったってしょうがないことだ
男はよろしいと頷いて言葉を続ける

(  ゚¥゚) ではどうして基準人間というものが存在するのでしょうか?

(  ゚¥゚) 「上」の存在は何のために私を基準人間に選んだのでしょうか?

(  ゚¥゚) ……きっと、比べるためでしょう

はあ、と間の抜けた声を上げてやると、男は「基準よりも丁寧に説明してあげましょう」と笑った
ぶん殴ってやろうかとも思ったが、話の続きが気になるのでやめた

(  ゚¥゚) 基準とはそもそも異なる複数の物を比較するための指標

(  ゚¥゚) 私を基準に選んだということは、私と、私以外の誰かを比べるつもりなのでしょう

(  ゚¥゚) そして与えられた「他者を基準世界に引き込む力」

(  ゚¥゚) 私はひとつの推測に辿り着きました

(  ゚¥゚) 「上」は、私達人間の個体差を「観測」している

(  ゚¥゚) 私という基準を元に、人間の感覚にはどの程度のずれがあるのかを調べているのです

694名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:14:08 ID:bUHlIcZ60
男はワインを一口飲んで、「ここまで理解していただけましたか?」と尋ねてきた
俺が黙って頷くと、男は満足気に微笑んでもう一度ワインを口に運んだ
さっきとは違う、嫌味のない笑顔だった

(  ゚¥゚) どうです、面白い考えだと思いませんか?

(  ゚¥゚) 私としてはそれなりに正解に近い考えではないかと思っています

(  ゚¥゚) ……まあ、確証なんてどこにもありませんがね

その後のことはあまり良く覚えていない
いつになく饒舌になった基準人間と夜遅くまで酒盛りをして、ぐるんぐるん周る頭を抱えて床に就いたと思う
そうそう、酔った時の感覚も元々「基準的」だったようで、楽しく飲むことができたよ

(  ゚¥゚) 明日は貴方を元の世界へ返しましょう

男は確か、そんなことを言っていた気がする

695名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:14:59 ID:bUHlIcZ60

翌朝、いや、昼と言っても過言ではない時間帯に起床
軽い食事を摂ったあと、男に連れられて家を出た

(  ゚¥゚) 車で二時間ほどですかね。運転は私がしましょう

男に促され助手席に座ると、車が発進した
紫色の歩行者を横目に男はどんどん速度を上げていく
少なく見積もっても時速八十キロ、こんな市街地で出して良い速度ではない

(  ゚¥゚) 法定速度は守っていますよ。速度計見てください、五十キロって書いてあるでしょ?

(  ゚¥゚) これが基準的な時速五十キロの体感速度です

(  ゚¥゚) 普段より速く見えるということは、本来貴方は基準以上の動体視力を持っているということです

なるほど、と納得し外の景色に目を向ける
相変わらず奇妙な色彩の街並みで、群青と白の牛丼屋の看板が赤黒く輝いていた
この世界の牛丼は、一体どんな色をしているのだろうか

(  ゚¥゚) そりゃあ茶色ですよ。私にとっての、ですがね

(  ゚¥゚) 椎茸のかさのような色です。椎茸は食べましたよね?

椎茸のかさ、ね
この世界にきて最初に出された料理に入っていたが、確かあれは鮮やかなピンクだった
生煮えじゃねぇかとひとりごちて、それから暫く会話は無かった

696名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:16:00 ID:bUHlIcZ60
「それ」に気付いたのは出発してから体感で一時間、基準世界的には一時間半ほど経った頃だ
水色の道路、紫色の歩行者、真っ黒い家々。違和感だらけのこの街並みを、俺は「知っている」のだ
そこの角を曲がった先には古い喫茶店があって、店先には小さなショーケースが置かれている
次の交差点を右に曲がると公園があって、その道をさらに真っすぐ進んだら……

(  ゚¥゚) 私が思うに社会というものは、多くの世界が重なり合った存在なのです

俺の動揺を察知してか男は語り出した
子供を宥め諭すような、柔らかい声だった

(  ゚¥゚) この世界に来て分かったと思いますが、感覚というものは人によって全く異なるのです

(  ゚¥゚) 同じ物を見ていても、それぞれの瞳に映る景色は同一ではない

(  ゚¥゚) 匂いも、音も、時間感覚や痛みだって例外ではありません

(  ゚¥゚) それは言うなれば、同じ空間に存在しながら異なる世界を生きているようなものなのです

(  ゚¥゚) それぞれの人間がそれぞれの世界を生きている。百人居れば百の世界が存在する

(  ゚¥゚) 千人居れば千の、一万人居れば一万の世界

(  ゚¥゚) その世界が奇跡的な確率で、奇跡的なバランスで、かろうじて体裁を保ちながら共存しているのが、社会

(  ゚¥゚) 我々の生きる社会なのです

697名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:16:46 ID:bUHlIcZ60
車は徐々に速度を落とし、公園の前を通り過ぎた
俺の考えが正しければ、この道の先にある物は……

(  ゚¥゚) 今回貴方は社会の本質を知り、他者の世界を体感することが出来た

(  ゚¥゚) 元の世界へ戻っても、どうか覚えていて欲しい

(  ゚¥゚) その理解と経験は、必ずや貴方にとって掛け替えの無い宝となることでしょう

(  ゚¥゚) ……さて、着きましたよ。ここがどこだか分かりますね?

シートベルトを解除して車から降りる

道の先にあったのは、俺の家だった

(  ゚¥゚) さあ、扉を開けなさい。そうすれば貴方は帰ることができる

(  ゚¥゚) 基準からほんの少しずれた、貴方の元居た世界へ

俺はドアノブに手をかけて、ゆっくりと扉を開いた
蛍光灯の白い光が、扉の隙間から漏れ出した





J( 'ー`)し おかえりなさい。今ご飯用意するからね

扉の向こうでは、肌色の母が俺を出迎えた

698名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:17:50 ID:bUHlIcZ60
気が付くと、俺は自室のベッドで横になっていた
ふかふかの毛布。芳香剤の甘い香り。窓の外では白い太陽が煌々と燃えている
そう、俺は元の世界に帰ってきたのだ

J( 'ー`)し おはよう。今ご飯用意するからね

台所に隠れた母を尻目に、携帯電話のカレンダーで日付を確認する
基準世界で過ごした時間はまるで無かったかのように、液晶は地続きな時間を映し出した

色取り取りの食器を載せたトレイを持って、母は戻ってきた
真っ白な湯気が立ち上る食器をテーブルに並べながら母は笑う

J( 'ー`)し 今日は早起きね。感心感心

オレンジの人参、茶色いしいたけ、真っ白な米
焼いた塩鮭の芳ばしい香りを思いきり吸い込んで、俺は朝食をかき込んだ





さて、俺の見た夢の話はこれで終わりだ
ところであんたの世界では、俺は何色をしてるんだろうね?

699名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:19:30 ID:bUHlIcZ60
なにかがズレた世界のようです('A`)

レス番
>>685-698

お題 ピンクのしいたけの夢

縛り AAの名前を使用しない

700名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:21:45 ID:3nD40kZ.0
おつ
すげぇおもしろい

701 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:24:58 ID:BY4V92dU0
先ほどは横入り失礼しました。

改めて投下させていただきます。

702 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:25:44 ID:BY4V92dU0
真夜中の散歩のようです。


.

703 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:26:32 ID:BY4V92dU0

この街に、本当の闇など存在しない。

人の住む家から漏れる明かり。
道を照らす街灯。
どんな時間でも開いている店。

安全で便利なことはありがたいことだけど、人工的な光は私の心の肌を荒れさせてしまっている。

安らげない。
とでも言うのだろうか。

それでも私の日課となっている真夜中の散歩で歩くこの場所は、闇ではないけれど、どこか安らぎを覚えた。

大陸を分かつ大河。
それに沿って続く道。
国境を兼ねる河に沿うこの道には信号もないし、街灯もほとんどない。
『向こう側』を警戒する無粋な建物とライトは一定間隔で存在するけれど、深く広いこの河はそれすらも吸い込んで、水面のきらめきに変えてくれている。

いや、変えてくれて『いた』。

向こう側に出来た河沿いに広がる工場が、昼夜を問わずし光りを漏らしてから、冷たい光りが水面を反射していた。

漏らしているのは光だけじゃない。

煙、音、廃液。

不愉快なものが垂れ流しになり、そして空を、土を、水を汚していた。

それは勿論不愉快で悲しいことだけど、心の安らぎとなっていた場所を汚されたことに、一番怒りを覚える。

.

704名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:27:19 ID:G6QGPTqQ0
え、あ、さっきのが真夜中だと思って読んでたわ
支援

705 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:27:28 ID:BY4V92dU0

「おや姉ちゃん、こんな時間にお散歩かい」

この街に来てから毎日のようにこの道を歩いたが、こんな輩が出始めたのは工場が出来てからのような気がする。

少なくとも、私は遭遇したことがなかった。

「なんだよ無視かよ〜。こんな所に女一人じゃ危ないよ。おいちゃんの部屋で、朝まで飲もうよ〜。おいちゃんのテクニックで寝かさないよ!」

アルコールの混じった臭い息を吐きながら、男が私に近付く。

「お?ねえちゃん珍しい髪の色をしてるねぇ。もしかして『向こう側』の出身かい?おいちゃん『向こう側』の女を抱くのは初めてだよ。うれしいねぇ。こっちの女とは締まり具合も違うのかな」

工場の明かりに照らされている脂ぎった顔。
薄い髪の下の頭皮が脂で照っていて、見ても聞いても嫌悪感しか生まれない。

「なんだい、なんだい、嬉しくて言葉が出ないのかい?今日は何回いかせてあげれるか…」

私に触れようとした瞬間に、最後まで喋ることも出来ず、地に倒れる下品な男。

「……殺したの?」

「いえ、気を失っているだけです」

「そう」

.

706 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:28:39 ID:BY4V92dU0

襲ったのは、闇。
人のはずなのに、いつしか彼は闇になっていた。

小さかった頃、幼馴染として遊んだときには青空がよく似合う男の子だったのに。
空を飛びたいって言って両手を広げて走ったり、そのまま崖からジャンプして大怪我をしたりするような、男の子だったのに。
どんな時にも笑顔で、変な喋り方をして私を笑わせてくれて、癖になって普段でもそんな喋り方になってしまって二人で笑いあったりしたのに。
いつしか昼間でも彼の周りには太陽の光りが届かなくなっていた。

「姫」

幼馴染の男の子が、私を守るために育てられていたと知ったのは、いつだっただろう。

「お怪我はございませんか」

幼馴染の男の子が、私に敬語を使うようになったのは、いつからだろう。

「姫?」

幼馴染の男の子が、私の横に立ってくれなくなったのは、いつからだっただろう。

「大丈夫よ」

幼馴染の男の子が、私の目を見て会話をしてくれなくなったのは、いつからだろう。

「安心いたしました」

幼馴染の男の子が、半そで半ズボンを着なくなって、黒いスーツばかり着るようになったのはいつからだろう。

「ありがとう」

「いえ。それが私の使命ですので」

きっと、私が自分のことを『国を継ぐべき姫』なんだと知ったとき。

あの時から、きっと。

.

707 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:29:29 ID:BY4V92dU0

「姫、準備が整いました。」

「そう。ご苦労様」

河向こうの工場を見る。

今から私が行うことが後世にどう伝わるのかわからない。

卑怯な手段で国を追われた姫が自分の国を取り戻したと賞賛されるか、暴虐の限りを尽くして追放された王女が最後の足掻きをしたが返り討ちにあったと嘲笑されるか。

でも、歴史を作るのが勝者だというのなら、私は勝者になってみせる。

父を殺して首を晒し、、母を犯し殺したあの男を許すことなんて出来ない。

絶対にあの男を殺し、国を取り戻して見せる。

たとえ、私自身が血に染まろうとも。

「姫」

「ええ」

急かすのではなく、無機質に私に声をかけるかつての幼馴染。

でも知っている。
この人は、いつまでもどんなときでも私のそばにいる。
私の影の中に居て、いざという時は外に出て私を守ってくれる。
私を覆って、安らぎを与えてくれる人。

わたしが合図をすれば、全てが始まる。
始まりへの始まりか。
終わりへの始まりか。

震える肩。
怯える心。

決めたことなのに、絶対にやらなきゃいけないことなのに。

「……ねぇ」

「なんでしょう。姫」

「ねえ、ブーン。これが終わったら、また二人で青空の下を歩けるよね」

.

708 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:30:12 ID:BY4V92dU0






( ^ω^)「…あるけるお、ツン。二人で歩いて、走って、空を飛ぼうお」

ξ゚⊿゚)ξ「…うん、二人で飛ぼう。崖から落ちないように気をつけなきゃだね」





.

709 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:30:56 ID:BY4V92dU0

一瞬だけど、彼の目を見れた。
私を見つめる、にこやかな優しい目を。
ここが闇に包まれていないことを、初めて感謝した。

大好きな闇じゃないけど、大好きな青空に会うために、命をかけよう。

「……はじめなさい!!」

周囲の闇に紛れる仲間たちに聞こえるように大きな声で号令し、そして大きく上げた右手をまっすぐに下して河向こうの工場を指差すと、爆発が起きた。

爆発は連鎖して工場を炎で包む。

反撃の狼煙にしては大きすぎるし派手だけど、許してもらおう。

闇を取り戻して、青空を手にするためだから。



.

710 ◆dKWWLKB7io:2013/05/03(金) 23:33:52 ID:BY4V92dU0
真夜中の散歩のようです。

レス番
>>702-709

お題 青空

縛り 爆破落ち


以上、横入失礼しました。

711名も無きAAのようです:2013/05/03(金) 23:47:28 ID:epRMKUi.0
投下する。全裸で。ギャグものを。

712( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:48:50 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「お前ら!! ツンにおっぱいジェットスクリームアタックを仕掛けるぞ!!」

( ^ω^)('A`)「「応ッ!」」

ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

(,,゚Д゚)「なにぃい!! おっぱいジェットスクリームアタックだとおぉぉお!!!!???」

( ・∀・)「知っているのか!? ギコ!!!」

(,,゚Д゚)「いや、知らね」

( ・∀・)「……」


  _
( ゚∀゚)「────説明しよう!!」


( ^ω^)「おっぱいジェットストリームとは!!」


('A`)「ジョルジュ、ブーン、ドクオの三人による三位一体の(おっぱい)攻撃フォーメーションである!!」


ξ゚⊿゚)ξ「アホか」

713( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:50:25 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「ええぃ!! 五月蝿い行くぞ!!!!!」

( ^ω^)「うぉおぉおおおおお!!!!!」

('A`)「うぉぉおおお!!!!!!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁああああああああ!!!!!」



(,,゚Д゚)「三人が縦一列に並んでツンに突進していく!!!!!
     あれじゃあ真正面から見たら一人が突進しているようにしか見えない!!!!」

( ・∀・)「元ネタ完全にパクリじゃねぇか」

  _
( ゚∀゚)「うぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁああああああああ!!!!!」

( ^ω^)「うぉおぉおおおおお!!!!!」

('A`)「うぉぉおおお!!!!!!!!」

714( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:53:09 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「───あ」


   ヽ(゚∀゚)/  ズコー
  \(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
 ̄´´

(,,゚Д゚)「ジョルジュが転んだぁあああ!!!!!!」

( ・∀・)「何故後ろ向きに転ぶ」

  _
( ゚∀゚)「……いつつ」

(,,゚Д゚)「ジョルジュ選手、痛そうですね。何とか立ち上がったようですがダメージが残っているようです。
     何とか回復しておっぱいジェットスクリームアタックを再度放って欲しいものですが、難しいか?
     どう思われますか、解説のモララーさん」

( ・∀・)「誰が解説だ」

(:^ω^)「うぉぉ……おぉぅ」

(;'A`)「おぉぉぉお……」

(,,゚Д゚)「おっと! ブーン選手とドクオ選手、何故か動けなぁああああいいいい!!!!!
     言い出しっぺのジョルジュ選手が派手に転んでしまってどうしたらいいのかわからないのか!?
     気まずい感じでその場をウロチョロウロチョロしている!!!!!!!!!!!!!!!」

( ・∀・)「(声でけえよコイツ)」

715( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:54:32 ID:epRMKUi.0
  _
( ゚∀゚)「もう一発だ二人共!! 本家の某アニメの某黒い三連星さんもおっぱいジェットスクリームアタックは二度放っている!!」

( ^ω^)('A`)「……」

  _
( ゚∀゚)「どうしたんだ二人共!! もう一回ツンにおっぱいジェットスクリームアタックを仕掛けるんだよ!
     ブーンお前は右乳! ドクオは左乳だ!! 柔らかい絹な真白の乳房をその両手に掴むんだよ!!
     揉むたびにイヤらしく歪つに形を変えるおっぱいを見たいとは思わないのか!?
     確かにお前らはそれとは無縁の存在だったかもしれない! 遠い星のような存在だったのかもしれない!! 
     だけど、今!! 指を曲げれば直ぐに触れてしまえるような距離におっぱいがあるんだよ! 乳房があるんだよ!!!
     昨日でもない明日でもない! 過去でも未来でもない! 揉めるのは現在! 今!!





──────なら、いつ揉むか?」





(,,゚Д゚)「今でしょ!!!!!」
  _
( ゚∀゚)「YAHHHHHHHHHH!!!!」

(,,゚Д゚)「WOOOOOOOOOWWWOOOOOO!!!! AHAHAHA!」



( ・∀・)「コイツら頭おかしい」

716( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:55:18 ID:epRMKUi.0

( ^ω^)('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「え? 何だって?」

( ^ω^)('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「後ろを見てみろって?」

( ^ω^)('A`)「……」
  _
( ゚∀゚)「ハッハッハッ! 何を言ってるんだ二人共!
     俺を驚かそうだってそうはいかいないさ!
     俺の後ろにはハニーがおっぱいをさらけ出して俺に揉まれるのを待ち焦がれている筈だよ!

     …………なぁ、そうだろハニー?」

ξ゚⊿゚)ξ「殺す」
  _
( ゚∀゚)「そんな野蛮な事言わn ξ゚⊿゚)ξ「殺す」 」
  _
( ゚∀゚)「ごめんなさ ξ゚⊿゚)ξ「殺す」 」
  _
( ゚∀゚)「ξ゚⊿゚)ξ「殺す」」


  _
( ゚∀゚)

717( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:57:09 ID:epRMKUi.0

 その事件の目撃者の一人のギコ氏は後に語る。

(,,゚Д゚)「鬼が……いたんですよね」

(,,゚Д゚)「いやいや(笑) 比喩じゃなくて(笑)」

(,,゚Д゚)「動けないでいるジョルジュの頭を掴んで、グイーと上に引き上げると……ジョルジュの身体が持ち上がったんですよ
     アイアンクローって言うんでしだっけ? プロレスの技? だっけ? 彼の頭蓋骨にヒビが入る嫌〜な音がしましたよ」

(,,゚Д゚)「うん? はい、はい、そうですね(笑)」

(,,゚Д゚)「仮にも女性の細腕で男を持ち上げるだなんて、予想だにしないでしょう? 僕は目を疑いましたよ」

(,,゚Д゚)「そのあとは、普通にぶん殴ってました(笑) 数十mは飛んでたかなぁ……驚きました(笑)」

(,,゚Д゚)「え? そのあとはどうしたって?」

(,,゚Д゚)「ん〜……はぁ、そっか」

(,,゚Д゚)「……貴方はわかってない。ツンという女性を」

(,,゚Д゚)「それから僕の記憶はありません」

(,,゚Д゚)「恐らく記憶をなくすまで殴られたんでしょうなぁ(笑)」

(,,゚Д゚)「生きていれただけで幸せと思うべき……ですかな」

718( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:58:42 ID:epRMKUi.0

 彼女の周りには五つの身体が転がっていた。返り血だろか、彼女の身体は紅く染まっている。
 噎せ返るような血の臭い。だが、それに眉をひそめる存在などこの場に居るはずもない。
 彼女によって沈められ五人の男、その誰もが意識を手放している。
 もしや命も手放している男もいるかもしれないが、彼女の知った事ではなかった。

ξ ⊿ )ξ「……」

 鮮血の濁流の中で、彼女は静かに佇んでいた。
 一説には蒼い炎は紅い炎より熱く物を燃やすというが、彼女は正にそれだった。
 静かに燃え盛り、全てを燃やし尽くす蒼い炎。

 彼女の怒りに火を点けた張本人、ジョルジュは一層惨たらしく痛めつけられていた。
 一体どうすれば、人の手で人間というものをここまで破壊出来るのだろうか。
 骨は突き出し、肉は裂けている。動くことなど出来るはずもない。

ξ ⊿ )ξ「……!」

だというのに────



  _
(  ∀ )「よぉ……待てよハニー」

           ────彼は立った。

719( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/03(金) 23:59:39 ID:epRMKUi.0
ξ ⊿ )ξ「(馬鹿な……立てるはずが……一体……一体何が)」


 何が彼を支えているのか?

 欲? 意地? 
  _
(  ∀ )「(違う)」

 友情? 性癖?
  _
(  ∀ )「(違う!!)」

 快楽? 愛?
  _
( ゚∀゚)「 い い や 違 う ね ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」

  _
( ゚∀゚)「俺を支えるものは気持ち!! おっぱいを揉みたいという気持ち一点のみ!!! そこに邪念は存在しねぇ!!!」


 彼の『支え』が力を漲らせる。
 血流が心の蔵を巡り、脳を巡り、拳に到達する。
 神経が指先に信号を伝達する。唯一無二の命令を。

 そして、叫ぶ。開闢の咆哮を。

720( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/04(土) 00:00:20 ID:bCJYwFiA0
  _
( ゚∀゚)「ブっゥウゥゥゥウウウウウンンンン!!!」

( ^ω^)「応ッ!!!!」
  _
( ゚∀゚)「ドクォォォオオオオ!!!!」

('A`)「応ッ!!!!」

  _
(#゚∀゚)「行くぜぇえええええええぇえええええええお前らァァあア亜ああ嗚呼あア!!!!!ッ!! 
      ツンにおっぱいジェットスクリームアタックを仕掛けるぞ!!!!!!!!!!!!」

(#^ω^)(#'A`)「「応ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

  _
(#゚∀゚)(#^ω^)(#'A`)「「「うぉぉぉおぉおおぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」


「いい加減にしろ」


ヽξ゚⊿゚)ξノ┌┛)゚∀);∴


「俺を踏み台にしたぁ!?」

( ・∀・)「何だよこのオチ……」

終わり

721( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです:2013/05/04(土) 00:01:38 ID:bCJYwFiA0
【タイトル】( ゚∀゚)おっぱいジェットスクリームアタックのようです

>>712-720

【お題】
なし

【縛り】
・ ギャグ

722名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:03:06 ID:NGk.nvjY0
おつ
シリアスのあとにこれは卑怯だと思うのwwww

723名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:40:26 ID:H6pVuv5I0
怒涛のおっぱいギャグの後でこれは非常に投下しにくいッ!!!


だが投下する

【残虐表現注意】

724名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:42:05 ID:H6pVuv5I0
玄関のドアを開けてすぐ
遠くから なにかが壊れる音がした。

重く、鈍い、打撃音。鋭く響く、硝子の砕ける音。




それから――――


         ――――――聞き慣れた 子供の泣き声と、それに重なる男の罵声。




「………」


動きを止め、じっと息を潜めて
いつものようにただ、それ が終わるのを待った。

725名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:42:56 ID:H6pVuv5I0


なにかが壊れる音がした、ようです

.

726名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:44:02 ID:H6pVuv5I0
割れた酒瓶から漂う、咽るようなアルコールの匂い。

ゴミや食器が床のあちらこちらに投げ出され、雑然とした部屋の、その隅に。

身を守るようにしてぎゅっと頭を抱え、小さくうずくまる兄の姿。

おもむろにその腕を掴み、ぐいと立ち上がらせた。
気の毒だとは思うが、ぐずぐずしていると増々厄介な事になる。

風呂は使えないし、とにかく部屋へと連れていって
赤く腫れた頬に濡らしたタオルをあて、傷口から滴る血をぬぐってやった。
部屋も綺麗にしとかないと、”あいつ”に見つかったらまた殴られるだろう。 兄者が。

727名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:44:59 ID:H6pVuv5I0
――――何故、あのロクデナシの父親が
酒に酔ったり、虫の居所が悪いとなるとすぐ
決まって兄ばかりを殴り、日々暴力をふるうのか。

俺には分からない。


それはただ単純に、この、双子の片割れが
ほんの少し、同年代の他の子供達よりも知恵が遅れているせいなのかもしれないし
もしくは何かしら他に、虐げる対象として執着する理由でも、有るのかもしれないが。


――――知れたこと。理由なんて、有ろうが無かろうが考えるだけ無意味なだけだ。


.

728名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:46:03 ID:H6pVuv5I0
あいつの気に障らないように、気づかれないように。
静かに、手早く、散らかった物を片づけて
再び、自分達にあてがわれた小部屋へと戻った。


そうして、寝具の上で膝を抱え、未だ泣き止まない兄の手に
学校帰りに駄菓子屋でくすねた、キャラメルの包みを一粒、そっと手渡してやる。

すると、涙でぐじゃぐじゃの瞳が、ほんの少しだけ輝いて。
手にしたそれを大事そうに口へと運び、甘いその塊を含んで、ふわりと顔を綻ばせた。

赤黒く腫れた痣の目立つ顔に、いつもの、馬鹿みたいな笑顔を浮かべて。

そうしてやっと涙を止めて、嬉しそうに俺の名を呼ぶのだ。



「おとじゃ」


.

729名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:46:58 ID:H6pVuv5I0
( ´_ゝ`)「弟者?」


(´<_` )


( ´_ゝ`)「どした?ぼーっとしてさ」


(´<_` )「別に。なんでも無い」


( ´_ゝ`)「変なの」


素気無くそれだけ言って、全身 生臭い赤に塗れた兄は、再び前へと向き直り
得物を持った左手をゆっくりと振り上げて、先程まで続けていた”作業”を再開し始めた。

730名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:47:34 ID:/zs4EWj6O
>>628 
俺のやつが使われてて嬉しかった、さらにランダムじゃなくて嬉しさ倍増だ

731名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:47:58 ID:H6pVuv5I0


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ


追想の中で泣きじゃくっていた、傷ついた非力な子供とは違い
大人の姿になった、目の前の兄は


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ 


ただひたすら規則的なリズムで
何度も、何度も、何度も、何度も、左手を上げて下ろしてを繰り返し
何度も、何度も、何度も、何度も、錆だらけの、大きな鋏を突き立てていく。
既に人とは呼べなくなった、その ぐちゃぐちゃの肉の塊に。

732名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:48:46 ID:H6pVuv5I0
閉めきった小さな部屋の中、吐き気を催すような強烈な異臭が辺り一面に立ち込めて
粗末な虫食いの床板には、飛び散る赤と肉片の他、何かの欠片であろう細かな白い塊や
原型を留めぬ程バラバラに破壊された木椅子の残骸が散らかっていて、見るも無残な有様だ。

フと視線を下げれば、現在よりほんの数十分前
そのグロテスクな血肉の塊が、まだ人の躰を成していた頃、麻縄で椅子に縛り上げられて
耳障りなダミ声で泣き喚き、惨めに許しを請うていた、年老いたその男の眼孔に
嬉々としてフォークを突き立てた兄が、ぐちゃりと抉り出した眼球がコロリ
半分潰れた状態で、俺の足元に汚らしく転がっていた。


最早疾うに有るべき機能を失って、乾いたレンズには何も映されることの無い
ドロリと濁ったその瞳の、青味がかった虹彩の色は、嗚呼。

決して認めたくは無いが、生まれもって与えられた
俺と兄とに共通の、瞳の色に至極よく似ているのだった。



(    )「なー、弟者」


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ


こちらに背を向けたまま。
そして、その手を休めぬまま。

733名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:50:26 ID:H6pVuv5I0
(    )「手伝ってくれてありがとうな。
       住所調べるのとか。俺、そういうの苦手だから」


淡々と紡がれる、温度を持たない言葉の一つ一つ。

それはまるで、命を持たないセルロイドの人形が
独りでに囁き語りかけているかのような、虚妄の響きに聞こえた。


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ 


(    )「やっぱり弟者は頼りになるなぁ。
       小さい時からいつも、俺のこと助けてくれるんだ」


嘘だ。

俺はいつも いつもただ傍観していただけだった。

734名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:52:48 ID:H6pVuv5I0
(    )「へへ、そうだ。
       小さい頃、よく近所の店からお菓子くすねてきて、俺に分けてくれたっけ」


(    )「知ってたよ俺。あれ、弟者盗んできたんだって」


ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ


(    )「でもうれしかったなぁ」


(´<_` )「………」


盗んだ菓子も、この行為も。

ただひたすらに、臆病で卑怯者の自分自身を追い詰める
醜くドス黒い 罪の意識に押し潰されないが為。

何に対しての”償い”なのかも分からない、反吐が出そうな、罪滅ぼしという名の戯言で

せめてこの、双子の片割れに。

見て見ぬふりをして、犠牲にした己の半身に。

数十分前の、縛り上げられ裁きを待つあの男と同じ、
ただ ただ惨めに 跪いて許しを請うているだけ。

それだけなんだ。

735名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:53:50 ID:H6pVuv5I0
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ   「うれしかったなぁ……」  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ

736名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:54:34 ID:H6pVuv5I0
(´<_` )「……何も心配しなくていい。後片付けは任せてくれよ、兄さん」


血濡れで笑う兄の背に、独り言のように そっと語りかける。


ガキの頃からずっと。
誰かに気づかれないように、静かに、手早く、片づけるのは得意だ。

737名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:55:32 ID:H6pVuv5I0


閉ざされたドアの向こう


なにかが壊れる音がした。


ぎゅっと耳を塞ぎ


必死で聞こえないフリをしていた


それは


.

738名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:57:04 ID:H6pVuv5I0



                             ザクッ    ザクッ ザクッ
ザクッ  ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
      ザクッザクッ  ザクッ 彼の  ザクッ ザクッ   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
ザクッ ザクッ ザクッザクッ ザクッ   世界が ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
 ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  ザクッ ザクッ  壊れる    ザクッ ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ 音   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ          で ザクッ ザクッ ザクッザクッ ザクッ
           ザクッ   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ  し  ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ
     ザクッ ザクッザクッ ザクッ ザクッ   ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ      た    
               ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ ザクッ      ザクッ             。

  ザクッ 






<了>

739名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:58:43 ID:ah6OXB6EO
おおお乙
俺は好きだよこういうの

740名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 00:59:49 ID:H6pVuv5I0
終わりです

【タイトル】
なにかが壊れる音がした、ようです

【レス番】
>>724->>738

【お題】

フォークで目潰し
セルロイド

【縛り】
無し

741名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:02:33 ID:NGk.nvjY0
おつ
俺も好きだこういうの

742名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:11:48 ID:Wmhrhr0A0

こういうのは俺大大大好きだ
壊れた感じがでてる

743名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:45:37 ID:iDp5GQ4s0


ブンツンドーさん…もうまとめやがって…くそ…嬉しいぜ…
しかも>>628の作品のツンの口まで治ってるって…

744名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 01:58:03 ID:NGk.nvjY0
ブンツンドーさん仕事はえぇwww
自分の作品まとめられると嬉しいのう

745名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:42:32 ID:AtYt0uBI0

投下報告失礼します

作品URL:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1367600029/l30

作品名:彼こそがあの究極のアロンアルファのようです
お題:なし
縛り:徹夜

746名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:46:46 ID:NGk.nvjY0
投下しまーす

747名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:47:26 ID:NGk.nvjY0

言葉には味がある。
苦かったりしょっぱかったり、なんともいえない味がしたり様々だ。
そのなかで、とても甘美な味がする言葉がある。

从'ー'从「…あなたのこと、嫌いになったの。
     別れて、ください」

( ・∀・)「……うん、わかった。さよなら」

あぁ、美味しい。美味しい。

从'ー'从「ッ……モララーくんにとって、私ってその程度だったんだね。
     さよなら」

彼女…いや、今は元カノになった女が去っていく。
ちらりと目が潤んでるのを見た。まったく、女性はわからない。


( ・∀・)(まぁ、美味しかったから、いっか)


( ・∀・)嘘は美味いようです

748名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:48:08 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「…それで、別れちゃったモナ?」

( ・∀・)「うん。嫌いって言われちゃったし。別にいいかなぁって」

( ´∀`)「モナモナ。モラは彼女と長続きしないモナね。
      今年に入って何人目モナ?」

( ・∀・)「うーん…五人目だったかな」

( ´∀`)「モナ…モラはなんですぐふられちゃうモナ?
       彼女が絶えなくてもそれじゃつまらんモナ」

( ・∀・)「なんでかなぁ。告白も向こうからしてくるのに」

( ´∀`)「今ちょっとイラッときた。
       …あーぁ顔がいいやつは得モナうらやましいモナ」

そう言ってモナーは足元に転がっていた小石を蹴る。
蹴られた小石は何度か弾んで側溝の隙間に落ちていった。
それを横目で見ながら僕らは歩く。空は薄い紫色だ。もうすぐ、夜が来る。

749名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:48:49 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「今度は告白断ってみたらどうモナ?
       好きでもないのに付き合うからふられるんだモナ」

( ・∀・)「えぇ…それはちょっと悪い気がするんだよね。
      目の前で泣かれるの嫌だし」

( ´∀`)「その優しさが仇になってるんだモナ。
       時には鬼になることも必要モナ」

( ・∀・)「うーん…そうなのかなぁ」

( ´∀`)「そうモナ…バイバイモナ。
       また明日の朝、頼むモナー」

( ・∀・)「たまには自分で起きる努力したらどうだい。
      また明日ね、バイバイ」

軽く手を振って僕は家の鍵を開ける。
ただいまモナー、と気の抜けた声が後ろから聞こえる。彼はお向かいさんだ。

( ・∀・)「ただいま」

750名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:49:29 ID:NGk.nvjY0

一応声に出すが返事はない。いつものことだ。最近は、特に。
ダイニングに置かれた書置きを見る。今日も母さんはパート、らしい。
パートという名の浮気であることは知っている。以前聞いたとき、溶けるように甘い味がしたから。

冷蔵庫で冷えた炒飯を取り出してレンジに入れる。
あたためスタートという万能ボタンを押せば後はほっとくだけだ。人間の文明はすばらしい。
食器の用意をしていると電話が鳴る。これも最近よくあることだ。相手も決まっている。

( ・∀・)「もしもし」

『もしもし、モララーか?母さんは?』

( ・∀・)「パートだってさ。父さんは今日も遅くなるの?」

『あぁ、仕事が立て込んでてな。今日はもしかしたら帰れないかもしれない』

美味しい。仕事、というのは嘘だ。帰れないのは本当。渋い味がした。

( ・∀・)「そう、わかった。がんばってね」

『あぁ、じゃあな』

プツ、電話が切れた。レンジが僕を呼んでいる。
きっと父さんも浮気しているのだろう。両親を見ていると結婚とはなんなのか疑問に思う。
温めた炒飯を食べる。美味しい。腹を満たすには十分だ。
今日は宿題もないし風呂に入って早く寝てしまおう。
家庭の意味なんて、考えなくていい。

751名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:50:13 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「おはよう、モナー」

( ´∀`)「…おはようモナ。帰りたいモナ」

( ・∀・)「自分の家の前で何言ってるんだい。
      君が遅刻しないように迎えに来てあげているのに」

( ´∀`)「モナ…それとこれとは別モナ。帰りたいもんは帰りたいモナ」

( ・∀・)「馬鹿なこと言ってないで行くよ」

( ´∀`)「モナ……」

モナーは昔から朝に弱い。気づけば小学校から今までずっと迎えに来ている。
こいつは人を目覚ましかなんかだと思っているのだろうか。

( ・∀・)「一人で学校行けばいいのに」

( ´∀`)「お向かいさんなんだから固いこと言うなモナ。
       ついでモナついで」

( ・∀・)「…まぁ、いいか」

モナーの言葉は落ち着く。緑茶のようなほっとする味だ。
もし彼の言葉が不味かったら疎遠にしていただろう。僕は味で友人を選んでいる。

752名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:50:55 ID:NGk.nvjY0
学校は家からそう遠くない。歩いて十分ほどだ。
下駄箱から内靴を取り出す、と手が何かに触れた。

( ・∀・)「…ん、手紙だ」

( ´∀`)「うわ彼女いなくなった次の日にラブレターとか腹立つ」

( ・∀・)「まだ読んでもいないのに」

( ´∀`)「下駄箱に入ってる可愛らしい封筒なんてラブレター以外何があるんだモナ。
       呼び出しモナ?誰から?」

( ・∀・)「うん、放課後に教室で。差出人は書いてないなぁ」

( ´∀`)「モナ…誰からかわからないとちょっと不気味モナね」

( ・∀・)「まぁ、待ってみるよ。
      せっかくのお手紙だし」

手紙を肩にかけていたカバンにしまう。
予鈴が響いた。教室は二階だ。

( ´∀`)「朝から階段はどうかと思う」

( ・∀・)「四階とかよりはマシさ。
     急がないとビコーズ先生から鉄槌がくだるよ」

( ´∀`)「あれは人を殺せるレベル」

( ・∀・)「力加減してくれるだけありがたいと思いなよ」

ぐだぐだと言いながらも階段を上る。今日も一日が始まる。

753名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:52:02 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「じゃ、お先に帰るモナ。
      告白されたら教えてモナバイバイ」

( ・∀・)「誰が教えるかバイバイ」

つつがなく授業が終わり気づけば放課後だ。
ケチ、捨て台詞を吐いて去っていくモナーに手を振って僕は椅子に座る。
少しずつ人が減っていく教室を見るのは結構好きだ。
ただ眺めているだけでも楽しい。自分が取り残される感覚が気持ちいいのかもしれない。

川 ゚ -゚)「……」

( ・∀・)(おや)

とうとう教室にいるのは彼女と僕だけになった。
素直クール。学年一の美少女として名高く、成績も上位をキープ。
無表情なところが逆にイイ!とファンクラブまであるらしい。
その彼女がくるりとこちらを見る。手紙の相手は彼女なのだろうか。

川 ゚ -゚)「手紙、読んでくれたか」

( ・∀・)「あぁ、素直さんだったんだ。用事はなに?」

754名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:52:45 ID:NGk.nvjY0

彼女が立っているので、僕も立ち上がる。
座ったまま話を聞くのは失礼だろう。

彼女の言葉はさわやかなミントに似ている。
相手の雰囲気と味は似る、というのはかなり前に気付いたことだ。

川 ゚ -゚)「単刀直入に言おう。
     私は君が好きだ。付き合ってほしい」

( ・∀・)(……美味しい)

上質な、嘘だ。隠したければ隠したいほど、嘘は美味しくなる。
流石に今まで告白された言葉が嘘だったことはない。
さらに、僕は自分に好意をもってない相手と付き合う趣味もない。

( ・∀・)「…嘘は、よくないんじゃないかな」

川 ゚ -゚)「ッ……君は、私の言葉を嘘だというのか」

( ・∀・)「勘だけどね。嘘だと認めるなら話を聞いても構わないよ」


彼女が俯く。逡巡しているのだろう。
勘は嘘だけど、彼女の嘘は事実だからまぁ見逃してほしい。
言葉に味があるなんて、普通信じられない。
決意したのか彼女が顔を上げる。

755名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:53:28 ID:NGk.nvjY0

川 ゚ -゚)「……誰にも、話さないと約束してくれるか」

( ・∀・)「人の相談を話すほど趣味悪くないつもりだけど?」

川 ゚ -゚)「…信じるぞ、その言葉」

そう言って彼女は近くの机に腰掛ける。行儀が悪いが、僕も自分の机に腰掛けた。
彼女はまっすぐに僕を見て話す。少し目の周りが腫れている、気がする。

川 ゚ -゚)「確かに君が好きだというのは嘘だ。すまなかった」

( ・∀・)「まぁ、いいよ。理由があるんだろう?」

川 ゚ -゚)「あぁ。……私のファンクラブがあることは知っているか」

( ・∀・)「あぁ…あるね。ずいぶん人気だもの素直さん」

川 ゚ -゚)「こっちとしてはいい迷惑なんだ。
     確かにしつこい男や言い寄ってくる奴らを撃退してくれるのはありがたいが、
     おかげで私は恋愛ひとつできやしない」

( ・∀・)「なかなか辛辣だね…で、それが告白とどうつながるわけ?」

川 ゚ -゚)「そう。もしかしたら私に彼氏ができれば沈静化するのでないかと思ってな」

( ・∀・)(あ、美味しい)

理由としては妥当なんだろうけど、僕に嘘は通じない。
彼女は告白する相手を間違えたようだ。

756名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:54:12 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「……また嘘?」

川;゚ -゚)「な、なななな断じて嘘ではないぞ!」

( ・∀・)「そんなに動揺しておいて嘘じゃないは無理があるよね。
     僕に嘘は通用しないよ」

川 ゚ -゚)「……………絶対に、誰にも、言わないでくれ」

きつく念を押す彼女に強くうなずく。
ここまで彼女が隠す秘密に興味が出てきていた。心拍数があがる。

川 ゚ -゚)「…私には、彼氏がいた」

( ・∀・)「……へ?」

間抜けな声がでる。正直拍子抜けだ。
彼氏がいるならまだしも、過去形ならどう関係するというのだ。

川 ゚ -゚)「それも昨日までだ。私はドクオと付き合っていた」

( ・∀・)「へー……」

ドクオ、ねぇ。
幸薄そうな顔が思い浮かぶ。クラスの中でも背が低く、目つきも悪く、体力がない。
成績は悪くないがあまり印象に残りやすい男ではないと思う。
それが素直クールと。美少女クールと付き合っていたというのか。

757名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:54:54 ID:NGk.nvjY0
( ・∀・)「一応聞きたいんだけどさ、告白はどっちから?」

川 ゚ -゚)「私だ。今でも好きだ」

( ・∀・)「それはまた、意外というかなんというか。
     …今でも、ってことはまさか、ふられたの?」

川 ゚ -゚)
  _,
川 ゚ -゚)

川 ; -;)ブワッ

(;・∀・)そ

川 ; -;)「ぅぅううううそ、そうだわわ、わたしは、ふふふふふふううふら、ふられ、」

(;・∀・)「無理してしゃべらなくていいから!
     ひとまず落ち着いて!」

ぼろぼろと泣きじゃくる彼女にハンカチを差し出す。
ハンカチを受け取って涙をぬぐうも収まらないようだ。
ここまで泣くということは彼女はドクオによほど惚れていたのだろう。

758名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:55:37 ID:NGk.nvjY0

川 ; -;)ヒックヒックグスッ

( ・∀・)「……落ち着いた?」

川 ぅ-;)「……あぁ、取り乱してすまなかった」

まだ涙が流れているがとりあえず話せる状況になった、というところか。
彼女に気付かれないよう溜息を吐く。どうやら僕は面倒事に巻き込まれたらしい。

( ・∀・)「で、別れたのと僕への告白がどう結び付くのさ」

川 ゚ -゚)「……ドクオが言ったんだ、俺じゃ釣り合わない、
     モララーとかといるほうが幸せだって」

川 - )「私はドクオといたいって言ったら、私が嫌いになったんだって。
     私が好きだって言ったから惰性で付き合ってただけだって」

川 ; -;)「確かに考えたらドクオに好きって言われたこと、なかった
     本当に私だけが好きだったんだって、思ったら、ひくしか、ないじゃないか、」

( ・∀・)(また泣き出しちゃったよ)

素直さんをなだめながら考える。
それでドクオの言葉通り僕に告白したのだろう。ばか正直な人だ。
ドクオの言葉が真実だとは思えない。確証はないけど。
でもここまでの美人を泣かせるなんて男ではない。
すこし、お仕置きが必要だな。

759名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:56:18 ID:NGk.nvjY0

川 ぅ-;)「まきこんでしまって、すまない。
     忘れてくれ」

( ・∀・)「うーん、事情知ってはいさよならってのは良心が痛むよねぇ。
     まぁ、ちょちょっとなんかするからさ。
     そんな気に病まない方がいいよ」

川 ゚ -゚)「そう……そう、だな。ありがとう。
     茂羅はいいやつだな」

( ・∀・)「惚れないでね」

川 ゚ -゚)「それはない」

( ・∀・)「ばっさり切り捨てられるとそれはそれで傷つくんだけどな」

川 ゚ -゚)「私の心はドクオのものだからあきらめてくれ」

ふられたのに、と言おうと思ったがやめた。また泣き出すのは目に見えている。
気づけば外は暗くなっている。思ったより長く話していたらしい。
遅くなってしまったな、まぁ父さんも母さんもまだだろうからいいだろう。
ぼんやり外を見ていると彼女も気づいたらしい。
遅くなってしまった、と謝る彼女に気にしないで、と返す。
成り行きで下駄箱まで共に歩く。
校舎を出る。彼女の家は僕と反対方向のようだ。

( ・∀・)「じゃあね、素直さん」

川 ゚ -゚)「あぁ…今日はありがとう。さよなら」

軽く手を振って別れる。あぁ、一日が終わる。

760名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:57:12 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「おはよう、モナー」

( ´∀`)「………おはようモナ。布団が恋しいモナ」

( ・∀・)「僕だってそうさ」

( ´∀`)「目パッチリ開けてるやつが何を言う」

( ・∀・)「もともとこういう顔なの。
     ねぇ、ドクオ、知ってる?」

( ´∀`)「モナ?あぁ、ドクオモナ?ブーンを通じてだけど話したことあるモナ」

( ・∀・)「うん。彼クラスどこだっけ?」

( ´∀`)「モナ……ぽっぽ先生のとこモナ。
      なんか用モナ?」

( ・∀・)「ちょっと話したいことがあって」

( ´∀`)「あらやだこわい」

( ・∀・)「別に殴ったりするわけじゃないんだけど」

( ´∀`)「男からの呼び出しってのはロクなもんじゃないモナ」

( ・∀・)「確かにロクな事じゃないけどね。
     放課後に…体育館裏かなぁ。待ってるって伝えといてくれる?
     僕が行ったらおびえちゃうかもしれないから」

( ´∀`)「体育館裏とか確実にリンチ」

(;・∀・)「だから違うって。いいから伝えといてよね」

了解したモナー、と間延びした声が欠伸混じりに耳に届く。
モナーの言葉に嘘があることは少ない。また、嘘をついてもだいぶ薄い嘘だ。
だからなんだかんだ言っても傍にいるのかもしれない。

予鈴が響く。今日も一日が始まる。

761名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:57:55 ID:NGk.nvjY0

( ´∀`)「伝えといたモナ。あとでアイスおごれ」

( ・∀・)「君はこの春先にアイスを食べるのかいありがとう」

( ´∀`)「コンビニで今苺ソフトやってるモナ食べたいモナ。モナーたーべーたーいー」

( ・∀・)「おごるから黙ってくれる?」

( ´∀`)「イェイ。そういやなんで呼び出したんだモナ?
      僕が行ってもおびえてたモナ」

( ・∀・)「守秘義務が発生するので言えません」

( ´∀`)「ケチ。昨日の呼び出しに関係してるモナ?」

( ・∀・)「秘密」

( ´∀`)「アイスにポテトも追加する」

( ・∀・)「やめて。許可もらったら話してあげよう」

( ´∀`)「約束モナ。んじゃ、バイバイモナ」

うん、バイバイ。軽く手を振ってモナーを見送る。
今伝えたってちょっと遅いんじゃないかなぁ。なんて文句はのみこんでおいた。
伝えてくれただけでも感謝だ。

( ・∀・)(じゃあ、行こうかな)

素直さんに声はかけてある。彼女も準備は済んでいるだろう。
脳内で作戦を繰り返す。たぶん、大丈夫だ。

762名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:58:38 ID:NGk.nvjY0


('A`)

( ・∀・)「おや、早いね」

体育館裏に行くとドクオはすでに来ていた。
こちらを睨みつけているように見えるのは気のせいではないだろう。
僕は軽く笑って彼の前に立つ。

('A`)「……ナンノヨウデスカ」

( ・∀・)「なんで敬語で片言なの?」

('A`)「…クセナンデスキニシナイデクダサイ」

( ・∀・)「あぁ、そう。まぁいいや。
     聞きたいのは素直さんのことなんだけど」

('A`)「!!」

ビクッと反応する。心当たりがあるのだから当然か。

( ・∀・)「僕、昨日告白されたんだよね素直さんに」

('A`)「…………」

愕然とした表情。本当にするとは思わなかった、とでも言いたいのだろうか。

( ・∀・)「まぁ、嘘だったらしいんだけど。
     事情聞いたら前の彼氏にそそのかされたって言うからさ。
     事実確認しとこうと思って」

('A`)「……で、俺を呼び出したってわけか」

763名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 02:59:25 ID:NGk.nvjY0

ドクオが普通の話し方になる。緊張が解けたのだろうか。
彼の言葉は苦い。ブラックコーヒーの苦味に似ている。
僕は笑顔を意識する。できる限り彼をぐらつかせるのが大事だ。

( ・∀・)「うん、そう。
     で、本当なの?素直さんを嫌いになったっていうのは」

('A`)「……あぁ、本当さ。俺はクールが嫌いになったんだ」

美味しい。ものすごく、美味しい。
思わず笑みが深くなる。ドクオが訝しげに眉をしかめる。

('A`)「……話はそれだけか?」

( ・∀・)「そんなわけないだろう?
     あと、言っておくけど僕に嘘は通用しないからね」

('A`)「…俺の言葉が嘘だとでも?根拠は?」

( ・∀・)「勘、と言っておくよ」

('A`)「…馬鹿馬鹿しい」

帰ろうとするドクオの前に回り込む。
ますます濃くなった眉間のしわを見つつ、笑顔。

( ・∀・)「帰ってもらっちゃ困るよ、僕の話は終わっていない」

764名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:00:05 ID:NGk.nvjY0

('A`)「…………チッ」

軽く舌打ちが聞こえたがまぁ聞いてくれる気になったようだからいいだろう。
笑みを深くして、少し大袈裟な手振りを加えて話す。

( ・∀・)「とりあえず昨日の話をしようか。
     素直さんは僕に嘘の告白をした理由はファンクラブにあると言った。
     これも嘘だったけれどね」

( ・∀・)「ならなんだ、と聞いたら彼氏にふられたと言うじゃないか。
     その元彼氏が言ったんだそうだよ、モララーのほうが釣り合ってると」

( ・∀・)「彼女がそれでもあきらめないと嫌いになったと言ったそうだ。
     ひどい男だろう?彼女が泣きながら語ってくれたんだけど」

ドクオは俯いていてたぶん僕の顔は見えていないだろう。
それでも笑う。さも嬉しそうに。

765名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:00:48 ID:NGk.nvjY0

( ・∀・)「僕は自分を好きじゃない子と付き合う趣味はないけど。
     あれほどの美人を泣かせる男に興味がわいてね。
     会ってみたんだけど……期待外れ、だなぁ」

( A )「…………、」

( ・∀・)「本当の理由も言えないでただ逃げてる男だなんて。
     なんで素直さんは君なんかを好きでいるんだろうね?
     こんな男なら確かに僕といたほういいかもしれないなぁ」

( A )「だまれ……」

( ・∀・)「聞こえないよ、言いたいことがあるなら大きく言ってくれる?
     あぁ、君の言葉なんて聞く価値ないか。
     だって嘘ばかりだもんね。本音も言えないんじゃあ」

(#'A`)「黙れっつってんだよ!!」

ドクオが僕に掴みかかる。
かかった、と思った。

766名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:01:41 ID:NGk.nvjY0

(#'A`)「俺が、俺がどんな思いで言ったかも知らないくせに!」

( ・∀・)「知るはずないだろう?
     君の心の奥の思いなんてわかるわけないさ。
     言いもしないでわかってもらおうなんて傲慢だね」

(#'A`)「俺は、俺はクールが好きだよ!誰にも渡したくない!だけど、だけど…」

首元の手を振り払うとあっさり外れた。そのままドクオは俯く。
好き、という言葉に嘘はない。

( ・∀・)「だけど、なんだい?」

( A )「……俺と、クーじゃ釣り合わないんだよ。
   見た目も、なにもかも…」

( ・∀・)「……ふぅ、ん」

違和感。言葉そのものは嘘ではないけれど、まだだ。
まだ彼はなにか隠している。

767名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:02:25 ID:NGk.nvjY0

('A`)「…もう、いいだろ。俺は話したぞ」

( ・∀・)「うーん…まだだね。
     まだなにか君は隠している」

(;'A`)「か、隠してることなんてねぇよ!
    俺じゃクーと釣り合わない!だからそばにいれないんだ!」

苦味まじりの美味しさ。やっぱり、嘘だ。

( ・∀・)「僕に嘘は通用しないって言ったよね?
     話してくれるまで帰せないなぁ」

('A`)「…………くそ。
    ………クーには、絶対に言うなよ」

( ・∀・)「約束しよう」

観念したのかドクオの体から力が抜けた。
僕は笑顔をやめて真顔に戻る。

768名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:03:11 ID:NGk.nvjY0

('A`)「…ファンクラブ、あるだろ。クーの」

( ・∀・)「あぁ、あるね。
     結構熱狂的なやつもいるとかなんとか」

('A`)「俺達、隠れて付き合ってたんだ。
   だけどファンクラブの奴らにばれちまって」

( A )「俺が呼び出されて。殴られたりはしなかったんだけど。
   …………脅されたんだ。別れなければクーの無事は約束できないって」

( A )「クーのこと好きな奴らなのに矛盾してるよなぁ。
   いや、そう言えば俺が引くってわかってたんだろうよ。
   クーが怪我をして、それが俺のせいだなんて俺は俺を許せない」

('A`)「……これが、別れた理由だよ。
   納得したか?」

( ・∀・)「…うん、納得した。だけど満足はしてないかな」

('A`)「? どういう意味だ」

( ・∀・)「こういう意味さ。
     素直さん、でてきていいよ」

769名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:04:10 ID:NGk.nvjY0

倉庫の陰から彼女とファンクラブの人達が出てくる。
ドクオは茫然として彼女を見つめている。

(゚A゚)

( ・∀・)「ずっと待っててもらっちゃって悪かったね」

川 ゚ -゚)「いや、かまわん。…ドクオの本音もわかったことだしな」

(゚A゚)「…まさか、ずっと」

( ・∀・)「当たり前じゃないか」

川*゚ -゚)「ドクオが私のこと好きでいるとわかってよかった」

(゚A゚)「……はめやがったな、モララー…」

( ・∀・)「HAHAHAHAHA!!」

死にそうな顔のドクオをほっておいて素直さんはファンクラブの面々に向かい合う。
どうやら僕はお邪魔のようだから一歩ひいて見物しよう。

770名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:05:02 ID:NGk.nvjY0

川 ゚ -゚)「みんな、聞いた通りだ。
     私はドクオが好きでドクオも私を好きだと言ってくれている。
     これを邪魔立てする権利は貴様等にない!」

(;^Д^)「し、しかしクー様!」

(;^ν^)「その男がクー様にふさわしいとは…」

川 ゚ -゚)「黙れ、異議は認めん。
     私の恋人を馬鹿にするな。ふさわしいかどうかは私が決める」

(;^Д^)「そ、そんなぁ…」

川 ゚ -゚)「それと、今日でファンクラブは解散しろ。
     迷惑だ。私はドクオを脅したことを許さない」

(;^ν^)「あ、あれは…」

川 ゚ -゚)「言い訳は聞かない。それでも認めないと言うのなら」

彼女がドクオの顎を持ち上げる。
まさか、と思った時には時すでに遅し。
ファンクラブから泣き叫ぶ声が聞こえてくる。僕もすこし泣きたい。
なんで間近で人様のキスシーンを見なければならないんだ。

771名も無きAAのようです:2013/05/04(土) 03:06:18 ID:NGk.nvjY0

川*゚ -゚)「……してしまったな」

(*'A`)「…バーカ、初キスは俺からしたかったのに」

川*゚ -゚)「む…すまなかった」

当事者は二人の世界に入り込むし。ハートが舞っているのが見えるようだ。
ファンクラブの人達は泣きながら帰っていく。
そんな人だと思わなかった、なんて声もするからファンクラブは解散するだろう。


( ・∀・)「お二人さんお二人さん僕帰ってもいい?」

川 ゚ -゚)「む、あぁいたのか」

( ・∀・)「それひどくない?仲直りに一役買ってあげたのにさ」

川 ゚ -゚)「すまない、ドクオしか見えてなくてな」

('A`)「……ありがとうな、モララー」

( ・∀・)「はいはいどーも。お幸せにね」

二人から離れて僕は深いため息を吐いた。
空はもう真っ暗だ。月が僕を笑っている。
長い一日が終わった。




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