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( ^ω^)Never Ending Storyのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 14:54:39 ID:OZLKZkg20
とりあえず前半戦が終わったので、モチベーションがあるうちに投稿。
ξ゚⊿゚)ξ「私、走るのやめるわ」
中学から高校にあがろうという春休みの中、彼女が唐突に言った。
僕は額から流れる汗を彼女に渡されたタオルで拭う。汗でぬれた体に、春の風は少し冷たい。
2
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 14:59:19 ID:OZLKZkg20
(;^ω^)「おっ?なんか嫌なことでもあったかお?」
彼女がやめる道理が僕にはわからなかった。中学で3年間100mの全国大会に出場し、3,2,2位と良好な結果を残していた。
高校に入ってからも続けるのには十分な理由があった。
ξ゚⊿゚)ξ「自分の限界はよくわかるの。私は多分これ以上の成長は望めないわ。
このまま走れば壁にぶつかるっていうのに、そのまま走り続ける人はいないでしょ?」
僕は何も言い返すことができなかった。彼女は続ける。
3
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:00:25 ID:OZLKZkg20
ξ゚⊿゚)ξ「それより、あなたがどこへ行けるか見てるほうが面白いわ。
あなたには羽がある。どんな壁も越えて、やっていけると思う。私は一番近い位置であなたの成長をずっとみていたい。だめ?」
少し上目遣いで僕の顔をじっと見つめてくる。大きな瞳は、いつも以上にどこか力強かった。
( ^ω^)「うん。じゃあ僕もツンをがっかりさせないように、ずっと、ずっと走り続けるお!」
ずっと。彼女に話したのか、自分に言い聞かせたのかはわからない。脳内で残響する。ずっと、ずっと。
ξ゚ー゚)ξ「ずっと、ね」
彼女は子供っぽく笑う。どれくらいだっただろうが。二人は引き合う磁石のようにずっと向き合っていた。
桜の花びらが風にさらわれ、二人の間をすっと抜ける。風は暖かかった。
4
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:03:31 ID:OZLKZkg20
太陽は、この季節になると、少し残虐性を見せる。滝のように流れる汗。体が水分を欲す。
ノートに日誌を書いている彼女が、近づく僕の姿に気がつくと、タオルとドリンクを手渡してくれた。
感謝の意を伝えると、口元をほころばせて彼女は言う。
ξ゚⊿゚)ξ「少し休んで。それと、夏は早めに切り上げましょう。下手に体調を崩すと、大会にも響くしね。先輩にも話しておくわ」
何か強がりの一つでも言おうかと思ったが、体は正直だった。
彼女の言葉を聞くと、安堵したのか足の力が抜け、力なく彼女の隣に腰掛ける。
5
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:04:49 ID:OZLKZkg20
( ^ω^)「そうさせてもらうお」
ドリンクを喉に流し込む。体を包む清涼感。たまらなく気持ちがいい。
右に目をやる。彼女は熱心に何かを書いていた。
6
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:05:44 ID:OZLKZkg20
( ^ω^)「何を書いているんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「全員の足の動きに関してちょっとね。あなたの今後の走りに関して参考にできればって思ってね」
(;^ω^)「そんなことまでしてるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「自分にあった走り方がやっぱりいいんだろうけど、ブーンのはちょっと足に負担が多いと思うわ。
4kmを過ぎたあたりで、ちょっと足の回転数が落ちるのもこのせいじゃないかしら」
彼女の言うことは的確だった。4kmを過ぎた後の失速は自分でもにわかに感じている。
7
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:06:39 ID:OZLKZkg20
(;^ω^)「気づいてたのかお」
ξ゚⊿゚)ξ「何年あなたの走りを見てきたのと思うのよ」
どれだけ見てくれていたのだろう。気がついたら彼女が隣にいた。思いもしなかった。
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先輩の走りとか、結構安定感あるわよ」
名前のあがったショボンというのは、自分の2つ上。全国でも屈指の優秀な選手であった。終始安定した走りに定評がある。
8
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:07:35 ID:OZLKZkg20
(´・ω・`)「ツンちゃんの目にとまるなんて光栄だね。安定してるなんて言われると、力を抜いてるんじゃないかって思われるけど、
僕はこれでもいっぱいいっぱいだ。それでも内藤には一歩も二歩も及ばない」
練習を終えて柔軟をしていたショボンが、汗を拭いながら自嘲的な笑みを浮かべる。タイムは2歳年下の僕のほうが3-4秒早い。
僕は何も言わなかった。
9
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:09:42 ID:OZLKZkg20
ξ゚⊿゚)ξ「お疲れ様です。夏の練習は普段より切り上げませんか?体調を崩すこともありますし」
(´・ω・`)「君がいうんだから間違えないだろう。みんなには僕から話しておこう。君たちももう解散していいよ」
「「はい。お疲れ様です」」
10
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:10:41 ID:OZLKZkg20
季節は二周した。
競技場は緑地公園に隣接していて、いつも練習帰りは二人で遊歩道を歩きながら帰っていた。
心地よい風が火照った体を包む。風に乗って、緑の匂いがする。夏の香りだ。
大きな桜の木の下のベンチに腰掛ける。会話はなかった。
葉が一枚はらりと落ちる。顔にかかったその葉を掃うと同時に、彼女が尋ねてきた。
11
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 15:13:48 ID:OZLKZkg20
>>10
の前に本来入るはずだった部分を書き溜めてたメモが見つからないんで、思い出しながらちょっと書き直してきます。
12
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 16:32:42 ID:qQpFT5w20
ブーンこっちみんな
13
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 16:50:50 ID:IAnbtZz20
なかなか面白そうだな。期待
14
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 17:40:19 ID:JXFRzcRQO
ドラゴンとかはでないのか
15
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 21:10:52 ID:OZLKZkg20
探す過程で全部書き溜めなくしました
モチベーションなくなったからまた半年後ぐらいに戻ってきます
さよなら
16
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 21:36:24 ID:Zmx9s3CcO
乙 データ管理はしっかりな・・・
17
:
名も無きAAのようです
:2013/03/09(土) 23:57:00 ID:wfUErzuQO
一体どういう過程を踏んだのか
18
:
名も無きAAのようです
:2013/03/10(日) 00:53:36 ID:TWRFbMJE0
笑った
19
:
名も無きAAのようです
:2013/03/10(日) 23:07:37 ID:0f3IXeWc0
サルベージとか出来ないのか
20
:
名も無きAAのようです
:2013/03/11(月) 01:35:48 ID:/8vxi02Y0
図らずもNeverEndingになってしまったというオチか・・・
21
:
名も無きAAのようです
:2013/03/25(月) 13:15:06 ID:LeF5U5ZY0
>>20
クソワロえない
乙……気長に待ってる
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