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暴れん坊小娘侍及び割と普通の同心のようです
1
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:41:27 ID:z.roAXZA0
2012ラノベ祭
2
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:42:50 ID:tJw/hTGc0
あの絵かwwwwwwwww
3
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:42:55 ID:z.roAXZA0
( ФωФ)「秀流よ。刀とは何の為にあると思う?」
lw´‐ _‐ノv「分かんねでござる」
( ФωФ)「即答て。何でもいいから答えてみよ、ホント何でもいいから」
lw´‐ _‐ノv「そういう面倒くさいのはちょっと……じゃー、えーと」
lw´‐ _‐ノv「侍の腰飾り?」
(;ФωФ)「け、結構皮肉路線できたな……そう間違ってはいないが」
( ФωФ)「戦の無き世となってから随分と経つ。この平穏をいつまで続けられるかは分からんが、確かに今は無用の長物だ。
あるいは、刀の持ち主そのものも」
lw´‐ _‐ノv「政やってる侍の大将がそのようなこと申しちゃってよろしいのでござるか?」
4
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:44:04 ID:z.roAXZA0
( ФωФ)「はっはっは、今の俺は只の素浪人よ。それにこんな話、城の中では口が裂けてもせん」
lw´‐ _‐ノv「父上さあ、いい加減城から抜けだして愚痴りにくるの止めた方がいいよ。
何、何なの? また目安のアレで叩かれたの?」
( Фω;)「ははは……いや、お忍びで城下とか見まわってるのがチクられちゃって」
lw´‐ _‐ノv「だから懲りろってそういうの、いい年なんだから」
( ФωФ)「ふははは、俺から一本も取れぬ小娘風情が小賢しいことを言いよるわ。ふははは」
lw´‐ _‐ノv「何この人年端もいかぬオナゴ相手に得意げになってんの……怖いわー侍怖いわー」
lw´‐ _‐ノv「で、さっきの答えは結局なんですか?」
( ФωФ)「んん? そんなもの、己で見つけねば意味が無いであろう。
俺の答えを聞いたところで、お前の答えになるまいよ……何より、俺も模索の最中。
腰飾りに化けぬよう、ゆめゆめ自問を忘れぬことだ。お前もいずれ刀を持つというのなら、な」
lw´‐ _‐ノv「つまりよく分かんねってこと?」
( ФωФ)「まあそんなとこ」
5
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:45:31 ID:z.roAXZA0
暴れん坊小娘侍
及び
割と普通の同心のようです
6
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:47:39 ID:z.roAXZA0
残暑の名残も薄れてきた秋の昼下がり。
穏やかな陽の光はほのかな眠気を呼び起こしてくる。行き交う町人の足取りも普段より緩やかに思えた。
奴がどこに居るのか見当はついていた。もとより居場所はそう多くはない。
街道から少し外れた小さな茶屋、その軒先に立つ。
『甘味処 ほらいぞん』と書かれた暖簾がのんきになびいていた。
ζ(゚ー゚*ζ「いらっしゃいませー…あ、和仮名様!」
( ><)「おう、おでれ。元気そうだな」
ζ(゚ー゚*ζ「おかげ様で。何か食べます?」
( ><)「じゃあ、わらび餅」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい。わらび餅一つー」
店の奥に引っ込んでいく娘から目を離す。目的は彼女ではない。
自分の目の前、長椅子で一心不乱に握り飯をむさぼっている娘へと目を向ける。
こういう時のこいつは、何を言おうが返事はないだろう。しばらく待つことにした。
lw´‐ _‐ノv「もぐもぐもぐもぐもぐもぐぐもぐぐぐももも」
7
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:48:57 ID:z.roAXZA0
ttp://boonrest.web.fc2.com/maturi/2012_ranobe/e/3.jpg
娘を眺める。何の変哲もない……とは、お世辞にも言いがたい女だ。
伸ばしたままの髪に、桃色の派手な着物を纏い、しかも足を腿まで晒した奇怪ないでたち。腰には刀も提げている。
見てくれは悪くはないのだろうが、やや粗雑な所作が印象を損ねていた。
ついでに、何故か今日は素足だった。
( ><)「何で裸足?」
lw´‐ _‐ノv「体に良いらしい」
(;><)「……そうか」
娘は指についた米粒を舐めとると、こちらを見上げて小さくつぶやく。本人がそう言うのなら、まあそうなのだろう。
続けて、いやに機敏に手を上げてみせた。
lw´‐ _‐ノvゞ「あいーす、広宇人の旦那。どったの」
( ><)「某がお前に会う理由など、限られているだろうよ」
lw´‐ _‐ノv「そだね。また岡っ引の真似事かしら」
( ><)「そうだと言ったら?」
lw´‐ _‐ノv「慎んでお断りさせて頂きたく存じます」
( ><)(どうせ暇なくせに)
8
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:50:08 ID:z.roAXZA0
( ><)「……握り飯」
lw´‐ _‐ノv「え」
( ><)「普段より少なかったな、握り飯。しかも小さかった」
lw´‐ _‐ノv「ふふ、よく見てるの。好いた者のことがそんなに気になるか」
( ><)「どうせ蓄えが尽き始めているのだろ? それなりに報酬は出す。悪い話ではないぞ」
lw´‐ _‐ノv「ごく自然に無視された」
旦~ζ(゚ー゚*ζ「は〜い、おまちどっ」
( ><)旦~「おう」
ゆっくりと長椅子に腰を下ろす。具合よく、おでれがわらび餅を運んできた。
盆に備えられた茶をすすり、餅をかじる。餡とわらびの品の良い甘味が鼻口を抜けていく。
通行人を眺めながら、世間話のように話を切り出した。
( ><)「――妖怪二口女の噂、聞いたことはないか」
9
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:52:03 ID:z.roAXZA0
lw´‐ _‐ノv「えっ旦那妖怪とか信じてんの、その年で」
( ><)「……」
ζ(゚ー゚*ζ「あーわたし知ってます! ごしっぷ瓦版に載ってました!」
ζ(゚ー゚*ζ「女の格好をしてて、頭の後ろに口があるんですよね! あと髪が蛇みたいにうねうねしてるって!」
lw´‐ _‐ノv「何で?」
ζ(゚ー゚*ζ「え」
lw´‐ _‐ノv「蛇はまあ良いとして、何で後ろにも口あんの。前にあるのに意味なくね?」
( ><)(蛇は良いんだ)
ζ(゚ー゚;ζ「そ、そんなこと言われてもウチ妖怪じゃないし…ぽんでらいおんやし…」
10
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:53:18 ID:z.roAXZA0
( ><)「ゴホン、続けても?」
lw´‐ _‐ノv「あ、デレっち追加。米団子とりあえず十本、旦那持ちで」
ζ(゚ー゚*ζ「あいあいさ〜」
( ><)「……このところ、立て続けに殺しが起きてな」
lw´‐ _‐ノv「あら」
( ><)「既に三人やられた。身元を割り出すのに手間取ったが、先日ようやく手がかりを得られた」
lw´‐ _‐ノv「手間取ったって、顔見て分からなかったの?」
( ><)「ああ、どいつもどこが顔だかよく分からんようなザマだったのでな。
しかし三人目が米切手を握りこんでいて、その筋でおおよその目星はついた」
米切手とは、蔵屋敷から発行されている米の手形だ。
商人や侍の間ではこれ自体を取引に用いることも少なくない。
11
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:55:12 ID:z.roAXZA0
( ><)「米問屋の富木屋、怪しいのはここだな。仏は皆、ここに奉公に出た経験があるようだ」
lw´‐ _‐ノv「あ、何か聞いたことある」
ζ(゚ー゚;ζ「富木屋って知らない方がおかしいと思うんですけど……はい、米団子です」
lw´‐ _‐ノv「ありあり。んで……、それと、妖怪に……んぐ、何の関わりが?」
( ><)「食ってから話せ。簡単な話だ、富木屋の屋敷にその『妖怪』がいると踏んでいる」
lw´‐ _‐ノv「妖怪をお縄にするのか」
( ><)「ああ。手伝ってくれ」
lw´‐ _‐ノv「いやそんな無茶な」
( ><)「お前も妖怪とそう変わらんぞ、某からしてみれば」
lw´‐ _‐ノv「ええー……」
12
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:56:56 ID:z.roAXZA0
lw´‐ _‐ノv「まあいいや、手は貸すよ。じゃ、本音もよろしく」
( ><)「……」
一度、周囲を見回す。
背後で働いているおでれにも聞こえぬ声音で、小さく囁いた。
(;><)「富木屋はこの辺でも最有力の商人です……世話になってる旗本やらも多いし。
乗り込んで取り調べたら間違いでした、じゃマズいんです。
しかも殺しの実行犯は妖怪でなくとも、相当な気狂いだし」
lw´‐ _‐ノv「ああ、やる気ないのね皆」
(;><)「他の同心や岡っ引きとかはぶっちゃけ分からずじまいだったで放置したい感満載なんですよ」
lw´‐ _‐ノv「でも君はやるんだね」
( ><)「全く手がかりが無いんなら某だって見過ごしたいんですけど。
でも美光殿から怪しい情報が入ったってんで、渋澤奉行がやる気になって……」
lw´‐ _‐ノv「ははあ」
(;><)「そうなりゃやるしかないでしょう? うっかり引き受けちゃったし、ここまで調べるの大変だったし。
仏さん見てからしばらく何も食えなくなった恨みもあるし」
lwつ‐ _‐ノvつ「いいよね、君のそういうところ。じゃあ行こうか」
( ><)「それは良いがその手は何だ」
lwつ‐ _‐ノvつ「おんぶして。今私裸足だから」
( ><)「お前の懐で膨らんでるそれは小判か何かか?」
lw´‐ _‐ノv「バレてた。本当ちゃんと見てるのね、助平さん」
草鞋を取り出す小娘を脇目に、ゆっくりと席を立つ。
勘定はまとめて盆の上に置いておいた。
13
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:58:26 ID:z.roAXZA0
( ><)「邪魔したな」
ζ(゚ー゚*ζ「お待ちください、和仮名様。父から……、ほんの少しですが」
( ><)「ああ。毎度のことながら、かたじけない」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、お身体に気をつけてくださいね」
小さな包みを受け取る。
額面通りとは言えない重みが伝わってきたが、素直に受け取っておく。
( ><)(金を払いながら金を貰うってのも、間抜けな話なんです)
付届け。身も蓋もないことを言ってしまえば袖の下だ。
昔は抵抗もあったが、受け取るのも礼儀だと同僚に説教されてからは断らないようにしている。
向こうとしても懇意にしている同心がいれば有事に安心出来るのだろうし、こちらも純粋に有り難い。
捕物には何かと金がかかるのだ。
lw´‐ 3‐ノv「ブーブー! 旦那ばっかりずーるーいー」
ζ(゚ー゚*ζ「素直様はお手当を頂くのでしょう。しっかり働いて下さいまし」
( ><)「はは……」
14
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 00:59:22 ID:z.roAXZA0
◆ ◆ ◆ ◆
( ^Д^)「そうですか……彼らがそのようなことになっていたとは。残念でなりません」
数刻後には、素直と連れ立って富木屋の屋敷に上がり込んでいた。
抵抗されるかと思ったが、案外すんなりと通してくれた。
しかし、さすがに有力者だけあって立派な屋敷だ。自分の屋敷よりも広い。下手をすると与力の屋敷よりも。
( ><)「いずれもこの屋敷で働いていた者。彼らに何か共通点はありませぬか」
富木屋は少し考え込む素振りを見せ、庭の方に視線を向ける。
( ^Д^)「はて。どうでしょう、特に思い当たる節は無いですな。うちに奉公に来ていたのは昔の話ですので」
( ><)「こちらの調べでは、三人とも今は主に大阪で働いていたとあります」
( ^Д^)「ああ……向こうは本場ですから。
成り上がろうと目論んで、何か恨みを買ってしまったのでしょうか」
lw´‐ _‐ノv「成り上がろうとしてたっていうか成り上がってたんじゃないんかい実際」
( ^Д^)「……」
15
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 01:00:56 ID:z.roAXZA0
( ><)「彼らと貴公が接触しているのは分かっている。
何があったにせよ、この屋敷は調べさせてもらうが、よろしいか?」
( ^Д^)「これは困りましたな……後ろ暗いところの無い商人など、そうそう居るものではありませんよ」
富木屋の目つきが変わった。
気を払っていても見落とすような些細な差異だ。
だが、だからこそ分かりやすい。
こいつは黒だ。
lw´‐ _‐ノv「いや何人ゴロツキ雇ってんのよ。
こそこそしてるけど、相当いるよねこの屋敷。やだ、アナタの後ろ暗すぎ……?」
( ><)(そうやって急に頭数を揃えようとするから、隠密が紛れ込むんです。
しかし美光殿は鼻が良いよなー、いつか某もそうなれるのかな)
( ^Д^)「……ふむ」
( ><)「先に言っておきますが、既に奉行所に話はついている。
いくら積まれても懐柔は出来ませぬ故」
( ^Д^)「そうですか。それは残念だ」
16
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 01:02:20 ID:z.roAXZA0
いよいよ雲行きが怪しくなってきた。
立ち上がろうと腰を浮かしかけた瞬間、
lw´‐ _‐ノv「――避けろ!」
(;><)「あいだっ!?」
いきなり横合いから蹴り飛ばされた。
畳の上を転がり受け身を取る。顔を上げると、背後の襖(ふすま)から刀が突き出ているのが見えた。
一瞬前に自分が居た場所だ。
lw#´‐ _‐ノv「オラァ!」
素直が襖を回し蹴りで勢い良く吹っ飛ばす。
襖は刀を持っていた男を巻き込み、隣部屋の向こうまで転がっていった。
隣部屋には武器を持った男達。実に分かりやすい。
('A`)('A`)('A`)('A`)('A(#)「「「「「ヘッヘッヘッヘ」」」」」
17
:
名も無きAAのようです
:2012/11/25(日) 01:03:52 ID:z.roAXZA0
lw´‐ _‐ノv「何か酷いな、色んな意味で」
( ><)(五人か……庭の方からも来ている。素直は問題無いんでしょうけど)
( ><)「某らを始末する気か? 殺せたところで、最早誤魔化しはきかんぞ」
( ^Д^)「さて、それはどうでしょうな。サンピンが思う程には、自分の立場は高くない」
( ><)(んなこた分かってます)
十手でこの人数は捌けない。ゆっくりと刃挽刀――捕物に用いる刃の無い刀を抜く。
おそらく、この中にはまだ『妖怪』はいないのだろう。
想像以上に大捕物になりそうだ。
警戒させない為にほとんど武装してこなかったが、失敗だったかもしれない。
( ><)「素直。いつもの様に頼むぞ」
lw´‐ _‐ノv「あいよ」
素直は手ぶらのまま、ゆらりと男達の居る部屋に踏み込んでいく。
好機と見て男二人が跳びかかるが……
('∀`)('∀`)「馬鹿め! 死n」
.;
('A(#)
「「げふぁあああ!!??」」
(##)A`);:.,
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