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从 ゚∀从は鋼鉄の処女のようです Яeboot

110 ◆fkFC0hkKyQ:2012/07/27(金) 22:56:19 ID:GXwXwpuY0
軽口の応酬をそこで切り上げると、ハインリッヒを促して俺は施術所を後にする。
貸しビルと貸しビルの間、猫の通り道めいた細い路地に出た所で、肌にまとわりつくじめりとした湿気を感じ、俺は思わず頭上を仰いだ。

('A`)「こりゃ、一雨くるか?」

ツタめいてビルの壁を這うパイプや、エアコンの室外機の間から見える空は、相変わらず黒灰の分厚い雲に覆われているが、今は何時にも増してそれが低く垂れこめている。
そろそろ梅雨入りが近いのだと、今朝のニュースホロが言っていたのを思い出した。

('A`)「嫌な季節が近づいてきたな」

从 ゚∀从「メンテナンスの頻度も増えるな」

前にも似た様なやり取りをしたな、なんて事を考えながら首を戻すと、この狭苦しい路地に入ってくる人影が目に入った。

「あの野郎…俺がヘマしたからって、報酬をケチりやがって…ふざけやがって…畜生め……」

ぶつぶつと呟きながら、ふらふらとした足取りで歩いてくるその男のシルエットは、些か不格好だった。
具体的には、右の腕が左よりも随分と太く、長く、角ばっていた。

「反応速度か…?もう少し処理の速いチップに変えるか?…いや、増設パックで火薬の量を増やすべきか……」

くたびれた鼠色のトレンチコートの袖越しにでもわかる、その節くれだった右腕は間違いなくサイバネ義手だろう。
人体のバランスを欠きかけたその大きさから見ても、格納兵装が内臓されているのは明らかだ。
恐らくは、杭打ち機構か、ハンドキャノンだろうか。片腕で扱える範疇のギリギリといったところだ。


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