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( ^ω^)は刹那を歩くようです- 1 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:47:24 ID:T1WSCyCk0
- ダルシム
- 2 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:48:06 ID:T1WSCyCk0
-
首に激痛が走り、内藤ホライゾンは否応無しに朝日を拝む事となった。
時刻は午前六時。学校へ行く準備をするには、心身ともに気乗りしない時間帯だった。
( ´ω`)(もう一回ねるおー……)
( ´ω`)(……しかし、この香りは……)
( ´ω`)(味噌スープ……玉子焼き……ソーセージ……)
一階から上ってくる朝食の香り。
寝起きの空腹も重なり、それは内藤を起こすだけの十分な魅力を持っていた。
内藤は寝惚け眼を擦りつつ、階段を降りてリビングへと歩いた。
.
- 3 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:48:46 ID:T1WSCyCk0
-
ξ゚⊿゚)ξ「ん、おはよー」
( ´ω`)「ご飯?」
ξ゚⊿゚)ξ「もうちょっとしたらね」
( ´ω`)「分かった」
キッチンでは幼馴染のツンが朝食作りに専念しており、食欲をそそる味噌スープの香りを漂わせていた。
リビングにやってきた内藤はその様子を一瞥すると、テレビ前のソファに座って大きく背を伸ばした。
ξ゚⊿゚)ξ「今日は早いね」
( ´ω`)「おー……首輪に起こされちゃったんだお……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
コーヒーを持って隣に座ったツンは、内藤の首に取り付けられた輪を見て口を閉ざす。
安全確保の為とは言え、意中の相手が不自由を強いられている様子は快くない。
内藤は自主的に首輪を付けた、という話ではあるが、それでも納得のいく処遇では無いとツンは考えている。
しかし内藤が自分からこの状況を望んだというのなら、ツンには文句を言う動機が無い。
だからこそ、彼女は当て所ない不安を日々累積させていた。
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- 4 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:49:26 ID:T1WSCyCk0
-
ξ゚⊿゚)ξ「……ご飯、食べる?」
( ´ω`)「おー食べるおー……顔洗ってくるおー……」
支えるしかない、という結論だった。
内藤に圧し掛かる負荷を少しでも軽減させる。それが自分の使命だと彼女は自覚していた。
ξ゚⊿゚)ξ「……さてと」
彼女はキッチンに戻ると、片手で玉子を打ち砕き、フライパンの上へ叩き付けた。
この様子を見て、決して『料理下手過ぎワロヌンティウスwwwww』などと言ってはならない。
玉子の代わりにフライパンに叩き付けられるのが嫌ならば、黙っているのが一番利口である。
( ^ω^)「うっはwwwwwwツンは今日も料理下手過ぎだおwwwwwワロスは爆笑したwwwwwww」
ξ゚⊿゚)ξ
.
- 5 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:50:07 ID:T1WSCyCk0
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━━━━━━━━━━━━━━━━
朝から大きなタンコブを頭部にもらった内藤は、それから程無くして学校に到着した。
ホームルームを終え、一限目を終え、二限目を寝て過ごし、三四限目も寝て過ごす。
内藤は成績そっちのけで爆睡し、いつしか時間は休憩時間となっていた。
しかし、だからと言って内藤は目覚めなかった。
彼には机を寄せ合って昼食を食べる友達など居ない。
ツンとは学校では関わらないようにしている為、彼は学校では完全に一人ぼっちだった。
それに関しても、彼が自主的に人と関わらないようしているのが原因だった。
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- 6 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:50:49 ID:T1WSCyCk0
-
_
( ゚∀゚)「……おう、お前が内藤ホライゾンか」
( ‐ω‐)「……そうだお」
_
( ゚∀゚)「ちょっとツラ貸せ」
(;‐ω‐)「オイラは今寝てるんだお」
机の傍らに立った男は、いわゆる『不良』と呼ばれているジョルジュだった。
それが何の接点も無い内藤に絡んできた。これが異常事態である事には間違いない。
周囲の生徒はそんな不穏な空気を察知したのか、教室の隅に身を寄せ始めている。
_
( ゚∀゚)「テメーの女を預かってる。言ってる意味、分かるよな?」
(;^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「ついて来い」
いつかこういう事になる、と内藤は前々から思っていた。
そして今、その予測が最悪の形で現実となり、ツンに危害を加えている。
(; ω )(出来る事なら、何事も無く終わってくれお……!)
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- 7 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:51:29 ID:T1WSCyCk0
-
日陰になった体育館裏では、ジョルジュ率いる不良達が物騒な面持ちで待ち構えていた。
拳を鳴らす者、金属バットを振り回す者。これらが後に自分に向けられるのだと思うと、内藤の体は更に縮み上がる。
_
( ゚∀゚)「……手ェ出してないだろうな」
一方ジョルジュは不良達の間を掻き分け、奥の体育倉庫の中に居た。
薄暗い倉庫の中、積まれたマットの上にはツンの姿があった。
ξ; ⊿ )ξ
布で視界を塞がれ、悪趣味にも縄で体を縛られたツン。
“無傷で連れて来い”というジョルジュの命令が無ければ、今頃彼女は――
_
( ゚∀゚)「……」
不埒な思考を打ち切り、ジョルジュは体育倉庫を後にした。
身を翻し、視線を内藤に向ける。
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- 8 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:52:09 ID:T1WSCyCk0
-
_
( ゚∀゚)「まぁ……見ての通りの状況だ。俺の勝手な事情だが、お前を全力で締め上げる」
(;^ω^)「あの、ツンは……?」
_
( ゚∀゚)「そこの倉庫ン中だ。ただ、無傷かどうかは知らねぇがな……」
(# ω゚)「……そう、かお」
_
( ゚∀゚)「あ? もしかしてキレ――」
無駄に不安を煽ったのが、そもそもの間違いだった。
ジョルジュの瞬きにして二回。彼が二度目蓋を開閉する間に、場は一転した。
_
(;゚∀゚)「――た……?」
周囲に十人は居たであろう仲間の不良達が、完全に消失した。そして、内藤の姿も見えなかった。
全員ジョルジュの目の前に居たにも関わらず、消失の前兆さえ見せず姿を消した。
_
(;゚∀゚)(テレポート? いや、内藤の持つ“力”は別のものだし、何より奴の首には制御装置が……)
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- 9 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:52:49 ID:T1WSCyCk0
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( ^ω^)「ツン、大丈夫かお」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
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(;゚∀゚)「ッ!?」
不意に背後から聞こえたのは内藤の声。
内藤は、体育倉庫からツンを助け出していた。
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- 10 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:53:30 ID:T1WSCyCk0
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(;゚∀゚)「まっ……待て!」
( ^ω^)「待つお」
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(;゚∀゚)「他の奴らは!」
( ^ω^)「知らないお。でも、屋上に居る気がするお」
_
(;゚∀゚)「今、何をした!? 首輪は!?」
( ^ω^)「ツンを助けただけだお。あと、首輪もちゃんと付けてるお」
そう言うと、内藤は顎を上げて首元をジョルジュに見せた。
内藤の喉元を一周する鉄の塊。
“力”を使えば激痛が走り、発動を止めなければ爆発する“力”の制御装置。
その首輪は赤のランプを点滅させており、起動している事は明白だった。
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- 11 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:54:11 ID:T1WSCyCk0
-
_
(;゚∀゚)「……」
_
(;‐∀‐)「……いや、何だっていい。お前らが人間じゃない事は分かってる……」
( ^ω^)「……オイラは人間だお」
_
(; ∀ )「……クソッ」
_
(#゚∀゚)「見下してンじゃねぇぇぇぇぇぇ!!」
その怒号はジョルジュの決意に他ならなかった。
彼は力強く地面を踏み付けると、内藤へ向けて一気に駆け出した。
( ω゚)
“力”の発動は一秒が限度。
それ以上の発動には首輪が反応し爆発する。
しかし、内藤の“力”を考えれば、一秒という時間は余りにも長過ぎた。
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- 12 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:54:53 ID:T1WSCyCk0
-
_
(;゚∀゚)(顎を打ち抜きゃテメーら化けモンも痛いだろ……!)
駆け出したジョルジュは狙いを定め、拳を振り上げる。
内藤に逃げる素振りが無い以上、この一撃は間違いなく内藤に直撃する。
しかし、コンマ5秒だとしても、ブーンにとっては長すぎる。
( ω゚)(大丈夫。屋上に運ぶだけだお……)
内藤の首に、再び激痛が走り抜ける。
そして、彼は小さく呟いた。
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- 13 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:55:49 ID:T1WSCyCk0
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―――――――― エイプリルフール、乙 ――――――――
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- 14 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:56:45 ID:T1WSCyCk0
- ヨガファイヤー
- 15 :名も無きAAのようです:2012/04/01(日) 23:58:38 ID:T1WSCyCk0
- 一行足りなかった恥ずかしい死にたい
- 16 :名も無きAAのようです:2012/04/02(月) 00:38:12 ID:PUDlC9CY0
- いいから続けたまえ
- 17 :名も無きAAのようです:2012/04/02(月) 11:20:18 ID:fH8RK0pMO
- 続き期待
- 18 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 21:57:44 ID:VuITqdqA0
- 支援
- 19 :名も無きAAのようです:2012/06/04(月) 02:16:28 ID:ZA8uThgQ0
- >>1です
なんか出来たんで、なんか投下しようと思います。
PC表示だと一行足らずでエイプリルネタが露呈していて恥ずかしい思いをしました。
ブルカに普通って言われて何か微妙な気持ちになりました。そんな思いを込めて色々書きました。
新しくスレ立てる野茂は恥ずかしいので、書いたものはこのスレで投下しようと思います。
長編短編を適当に投下します。三日後から書き溜め分を適当にブチ撒けていくので、よろしくお願いします。
- 20 :名も無きAAのようです:2012/06/04(月) 02:17:25 ID:ZA8uThgQ0
- 野茂は恥ずかしくないです
- 21 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:23:14 ID:Clml9pTE0
- 始めます
- 22 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:25:23 ID:Clml9pTE0
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≪1≫
正午を少し回った頃、ミルナは国道沿いのファーストフード店でハンバーガーを口にしていた。
彼が食べているのは『三日月バーガー』という三日月型の目玉焼きを挟んだ商品なのだが、どうにも騙されている感覚がしてならない。
これで通常のバーガーの三割増しの値段なのだから大したものだ。日本経済の混沌っぷりが窺える。
ミルナは店内では一番奥の、窓際のテーブル席から外の景色を見つめていた。
泥水を吸ったような黒雲が空を覆い、辺りは暗い。雨は降りしきっているが、これでも大分マシになったと言える。
ミルナがここに駆け込んできた時など、身を切るような雨が降り続いていたのだ。
( ゚д゚ )(やっぱり、約束のある日は天気予報を見た方がいい……)
この天気だ。店内に客は殆ど居なかった。
聞こえてくるのは窓ガラスに激突する雨の音と、ポテトが揚げ終わった事を告げるメロディだけ。
もっとも、あまり人混みが好きではないミルナにとって、この環境は少しばかり好都合であった。
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- 23 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:26:21 ID:Clml9pTE0
-
ずっしりと水を吸った彼の靴は、今はテーブル下の片隅に寄せられていた。靴下も靴に詰め込まれていた。
出来れば上着も脱ぎたかったが、公共の場で上半身裸になる事は流石に危ぶまれた。
びしょ濡れの変態として顔が知れてしまったら取り返しがつかない。
しかし、重みを増したスーツの中で皮膚がふやけていく感覚は、何よりも気持ちが悪かったという。
ミルナは煙草を一本くわえて火を点けた。僅かに息を吸い込み、火を煽る。
煙草を吹かして出た煙は、外の黒雲に比べれば一層綺麗なものに見えた。
これだけ綺麗なのに有毒だというのだから、煙も何も見た目で判断してはいけない、とミルナは一考する。
煙草の煙の向こうにはレジが見える。
そこから一人の女性店員がトレーを持ってこちらへ歩いて来ていた。トレーの上にはコーヒーとポテトが乗っている。
⌒*リ´・-・リ「すみません。もうちょっと時間が掛かりそうなので、差し入れです」
( ゚д゚ )「……代金は後で払う。ありがとう」
彼女の名前は斎崎(さいざき)リリといい、ミルナをこの大雨の中、自身のバイト先に呼び付けた張本人だ。
リリは先程から何かと差し入れを持ってくるのだが、それより先に10枚くらいタオルをくれ、とミルナは言いたかった。
ミルナが彼女にそう要求しないのは、彼女が目に見えて気落ちしているからだった。
気落ちした女性に追い打ちをかける程、ミルナはサディストではない。
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- 24 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:27:25 ID:Clml9pTE0
-
( ゚д゚ )「具体的には、後何時間くらいでバイトは終わる?」
後何分で終わる、と聞かなかったのはミルナなりの気遣いだった。
人によっては皮肉とも取れるこの言い回しを、リリは好意的に受け取ったようだった。
⌒*リ´・-・リ「多少前後するとは思いますけど、十分もあれば」
( ゚д゚ )「分かった。ゆっくりしてるよ」
ミルナはそう言うと灰皿に煙草を押し付け、代わりにポテトを口にくわえた。そして食べた。
その様子を見て安堵したのか、リリは笑みを見せ、身を翻してレジへと戻っていった。
( ゚д゚ )「ん、斎崎君」
ミルナは咄嗟にリリを呼び止め、続ける。
( ゚д゚ )「出来れば次来る時は――」
⌒*リ´・-・リ「タオルですよね? 分かってます」
( ゚д゚ )
分かっているなら何故持って来なかった。
ミルナは口にしないまでも、心の中で叫びを上げた。
ちなみにポテトは揚げたてで、三日月バーカーの黄身と合わせると更に美味しかった。
この日、長渕ミルナは生来初めてジャンクフードを「ウマい!」と感じたのだった。
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- 25 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:28:56 ID:Clml9pTE0
-
……学校の教室には十中八九時計が掛けられているが、これは間違い無く学校側の嫌がらせである。
生徒の体感時間を否応なしに引き延ばし、倦怠感を増長させ、成績を半ば強制的に下落させるという教育者達の謀略である。
以上の事から、具体的な数字を前にするとその間の体感時間が長くなる事をミルナは知っていた。
これを『ジャネーノの法則』と言い――ジャネーノの法則と言う。詳しい事はミルナも知らなかった。
ミルナは止め処無くポテトを口に運んでいた。時折コーヒーで味覚をリセットし、レジの時計を一瞥する。
斎崎リリがレジに戻ってから、僅かに二分の時が経過していた。
_, .,_
( ゚д゚ )(……キング・クリムゾン!)
他にも『バイツァ・ダスト』と『メイド・イン・ヘブン』を試してみたが、時計の針には一秒ずつの変化しか見られない。
現実は非情である。ミルナは嘗てギャング組織のボスに挑み、接戦の果てに魂の居場所を変えた男の言葉を思い出した。
こうなれば仕方無い、と開き直る。
ミルナは座席に居直ると形の崩れた煙草をくわえ直し、今に至る経緯を想起し始めた。
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- 26 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:29:49 ID:Clml9pTE0
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* * * * *
およそ一年前。東日本大震災と称される一連の事件が日本を戦慄させた。
最大震度7の地震。太平洋沿岸部に壊滅的被害をもたらした津波。他数種の災害、人災。
死者と行方不明者は約二万人。阪神淡路大震災と比べれば、この数字は前代未聞に他ならない。
そして、現在も恐怖の根源として福島の地に鎮座しているのが『フクシマ第一原子力発電所』である。
日本は先の戦争により二度の核攻撃を経験しているが、
今回の地震によって引き起こされた水素爆発等の原子力事故から、戦時中の心的外傷を想起した者も少なくない。
精神異常に至る者も、各地医療機関で確認されているとの事だ。
一方、ミルナの何でも屋が本格的に機能し始めたのは、東日本大震災が起きた昨年三月からだった。
震災で頼る当てを失った人々が、次の寄生先として都合の良い我々に舌先を向けた――というのが繁盛の大きな理由だと、ミルナ自身は考えていた。
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- 27 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:30:43 ID:Clml9pTE0
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震災後の何でも屋には、素っ頓狂な依頼からマジキチな依頼まで、有象無象の無理難題が勢揃いしたという。
『行方不明の夫を探してくれ』 『瓦礫に埋もれた結婚指輪を拾ってきてくれ」
『家が無いから住む場所を用意してくれ』 『御託はいいから金を寄こせ』
『彼女がほしい』 『童貞を捨てたい』 『彼がチンコに五円玉を吊るして願掛けしてる(´;ω;`)』
以前は一切の依頼を快く受けていたミルナであったが、
こう何度も無茶な依頼を突き付けられたせいか、依頼の内容によっては断固拒否の構えを取るようになった。
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- 28 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:31:31 ID:Clml9pTE0
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そんなミルナのふてぶてしい断固拒否の構えが功を成したのか、最近は電話対応の時点で逆切れする依頼主も多い。
故に依頼の絶対数は減っていたが、依頼主の逆切れは、良質な依頼主だけを残す篩の役割を果たしていた。
高校生にしてアルバイトに勤しむ斎崎リリの姿こそ、その篩がもたらした良客であった。
彼女は先の震災より以前に交通事故に遭っていた。
彼女自身がそれで大怪我を負った訳ではないが、問題は彼女を轢こうとした車の運転手と同乗者にあった。
元より彼女の家には金銭が無かった。彼女の両親も真面目に働いていたが、彼らの気苦労は積もるばかりだったらしい。
原因があるとすれば、彼女の家に金銭が無かったという事に尽きる。
彼女を轢き殺そうとしたのは間違い無く彼女の両親である。運転席には父親、助手席には母親が座っていたという。
一家心中を目的とした『事故』で、彼女は両親の乗ったレンタカーがコンクリートの壁面に激突する瞬間を目の当たりにしていた。
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- 29 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:32:17 ID:Clml9pTE0
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* * * * *
煙草はフィルター近くまで灰となっていた。
残りの煙草は雨に濡れてしまっていたので、これが最後の一本だった。
なのでミルナはポテトをくわえた。すごくおいしい。
時刻は――とレジに目を向けるが、時刻を確認するまでもなく、斎崎リリがテーブルに向かってきていた。
ミルナはもう一度居直り、テーブル下の靴を自分の方に寄せた。
⌒*リ´・-・リ「あ、これタオルです」
差し出されたタオルで体をざっと拭き、ミルナは手帳をペンを用意して言う。
( ゚д゚ )「うん。それじゃあ話を聞こうか」
⌒*リ´・-・リ「はい」
彼女は短くそう返すと、僅かな沈黙を挟んでから語り始めた。
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- 30 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:32:59 ID:Clml9pTE0
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⌒*リ´・-・リ「最近、どこかから視線を感じるんです」
( ゚д゚ )「視線……ストーカーと表現しないのは、その視線が感覚的にしか捉えられないからか?」
⌒*リ´・-・リ「ええ。まだ人影を見た訳ではないので」
( ゚д゚ )「分かった。続きを」
⌒*リ´・-・リ「それで依頼の方なのですが、先程言った視線の正体を突き止めてもらいたいんです」
⌒*リ´・-・リ「私もおおよそストーカーだと思いますが、それならそれで退治してもらいたいと思っています」
( ゚д゚ )「……とどのつまりは身辺警護」
⌒*リ´・-・リ「はい」
( ゚д゚ )「断固拒否だ」
唐突に放たれたミルナの言葉は、彼女に痛烈な動悸を感じさせる。
恐縮したのか、彼女は閉口し視線を落とした。一方ミルナはポテトを口に運んだ。おいしい。
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- 31 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:33:42 ID:Clml9pTE0
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( ゚д゚ )「こちらとしては断る理由が二つ」
⌒*リ´・-・リ「……」
( ゚д゚ )「まず、斎崎さんの自意識過剰である可能性が非常に高い。
“そんな気がする”だなんて曖昧な理由で動く事は出来ません」
( ゚д゚ )「次に貴方の口振りが気に入らない。貴方の、その他人事みたいな口振りがね。
小言を漏らすようではありますが、貴方は我々が理想とする依頼主ではなかったようだ」
そう切り捨てると、ミルナはテーブル下の靴を取って履き直した。半ば屈辱的ではあったが、靴下も履き直した。
ミルナは席を立つ。リリは顔を上げなかった。
( ゚д゚ )「この手帳、半分くらい雨に濡れてしまったので捨てておいてもらえますか?」
⌒*リ´・-・リ「……はい」
( ゚д゚ )「では、失礼します」
別れ際、ミルナは彼女に一言だけ耳打ちし、ファーストフード店を後にした。
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- 32 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:35:05 ID:Clml9pTE0
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≪2≫
ドクオには生きる価値が無かった。
彼自身がそう思っていた。
小学校三年生の時だ。
彼は背も小さく気も弱かったが、ある日、一抹の勇気を振り絞ってクラスの女子に声を掛けた。
(;'A`)「あああ、あにょ……」
*(‘‘)*
こんな些細な出来事。
勇気を出して意中の女子に声を掛けた――ただ、それだけの話。
たった“それだけの話”が、彼の生きる価値を根こそぎ奪い取ってしまった。
この日を境に始まった苛めは中学生になっても続き、高校生になり顔見知りが周囲から消えても、
生きる価値を失ったドクオには、苛めは呪いのように付き纏っていた。
そんな、呪われた日々が続いていた。
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- 33 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:35:46 ID:Clml9pTE0
-
('A`)(……たけぇなぁ……)
高校の昼休み。ドクオは相変わらず一人で昼食を食べていた。
鉄柵越しの眼下にはグラウンドが見える。グラウンドでは、ドクオの天敵達がボールを蹴って遊んでいた。
('A`)(そういえば、俺ってサンドバックもサッカーボールもバスケのゴールもやった事あるよな……)
('∀`)「へへ、俺って意外とスポーツマン」
('∀`)「あー……屋上は、たけぇなぁ……」
そう呟いた後、ドクオは鉄柵を越え、淵に立った。
今日は風が強いし、下手すりゃ落ちるな、とドクオは冗談染みた事を考える。
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- 34 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:36:54 ID:Clml9pTE0
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('A`)(……手ぇ離してみるかぁ……)
思えば、彼の人生は全てが冗談染みていた。
それが高じた結果、彼の思考も冗談染みたものになってしまったのだろう。
ドクオは躊躇い無く鉄柵から手を離し、風に身を任せた。
すると風は獲物を見つけたかの様に勢いを増し、彼の体を容赦無く揺り動かした。
追い風が、彼の背中を強く押し出した。
.
- 35 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:38:19 ID:Clml9pTE0
-
━━━━━━━━━━━━━━
(`・ω・´)
('A`)(何だコイツ)
ドクオが淵から戻ると屋上の入り口に見知らぬ男が立っていた。
他人と視線を合わせられないドクオは、すぐに外方を向いて弁当を食べ始める。
(`・ω・´)「今、何故落ちなかった」
('A`)「……」
ドクオの背後で男が言う。
ドクオは何も答えなかった。
(`・ω・´)「いや、自分が“落ちない”と何故分かった?」
男はそう言い直すとドクオの隣に来て腰を下ろした。
ドクオは慌てて視線を余所へ向けるが、男の存在を無視し続ける事は出来なかった。
.
- 36 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:38:59 ID:Clml9pTE0
-
('A`)「……向かい風」
(`・ω・´)「向かい風?」
男に大きな声で聞き返されたので、今度は一層意識して、はっきりと答える。
('A`)「向かい風が見えた。だから、分かった」
(`・ω・´)「……怖くはなかったのか」
('A`)「他に比べれば」
(`・ω・´)「他ってのは、いわゆる『いじめっ子』の事か?」
ドクオの体に緊張が走る。脳裏に抑え込んでいた不安が溢れ出し、思考が一気に掻き乱された。
この見ず知らずの男は俺の事情を知っている。俺が苛められている事は、学校でも一部の生徒しか知らない事だ。
奴らの手先か? それにしては随分と白けている。教師が事情を探ろうと送り込んだスパイ? 大人は俺を救おうとはしない。
僅かな沈黙の中、ドクオは浮かび上がる疑問を次々と説き伏せた。
頭の中が落ち着いてから、ドクオはようやく男に問い掛ける。
(;'A`)「オジサン、誰だ?」
(`・ω・´)「シャキンだ。説明が面倒だからお前を拉致する」
ドゴォ! ドクオは気絶した。凄い音がして倒れ込んだ。凄かった。凄い。
.
- 37 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:40:18 ID:Clml9pTE0
-
* * * * *
( ゚д゚ )「
帰り道は意味不明だった。雨強過ぎワロタとかっていうレベルじゃない。
コンビニ傘あるじゃん。あれ買ったのよ。んで差すじゃん。
そしたらもう傘無いの。分かるかな。
コンビニ出るじゃん。んで差すじゃん。無いのよ傘が。
でも気付けないんだわ。雨も風も強くてさ、傘があるかなんて気にかけてらんないのね。
でもやっぱ違和感あるじゃん。そんでしばらくして手元を確認したわけよ。
『J』だってさ。
あれには笑ったわ。だってさ、今まで傘の取っ手である『J』を必死になって持ち続けてた訳よ。
雨に打たれるJボーイ。いやぁ、もうこれだけで歌が出来そうだったわ。たまげた」
※AA図解※
△←ここが無い
( ゚д゚) J
(\/\/
.
- 38 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:41:28 ID:Clml9pTE0
-
( `ー´)
( ゚д゚ )
( `ー´)「とりあえず風呂入れ」
( ゚д゚ )「そうする」
かくしてミルナは浴槽に飛び込んだ。
.
- 39 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:42:10 ID:Clml9pTE0
-
長方形の四つ個室が正方形のリビングを囲んでいる。
その四畳半を拡大して見た図こそ、ミルナの何でも屋の本拠地であった。
設計上必然的に密室となる中央のリビングにはネーノの姿があった。ローテーブルの向こう側には風呂上がりのミルナも居る。
二人は座布団に腰を下ろし、ガラスのローテーブルに並べられた資料に視線を落としている。先に意見を口にしたのは、ミルナだった。
( ゚д゚ )「斎崎リリと話している間、ずっとEATX(イクス)の気配を感じていた」
(;`ー´)「マジか。そりゃ面倒だな」
( ゚д゚ )「いや、前の奴に比べれば相当の格下だよ。大地震を起こす程じゃない」
ミルナは煙草に火を点けてから続ける。
( ゚д゚ )「シャキンは?」
( `ー´)「この雨ン中を外回りだ。ご苦労なこった。新人のスカウトだとさ」
話をすれば、という奴である。
(`・ω・´)「俺の話か?」
気がつけば、シャキンが外回りから帰って来ていた。
.
- 40 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:44:32 ID:Clml9pTE0
-
( `ー´)「オッスオッス。おかえりさん」
(`・ω・´)「おう。外は酷い雨だったぞ」
コーヒーを持って現れたシャキンは、テーブルに置かれた資料を手に取った。
(`・ω・´)「……面白くないな。今度の仕事はイクスが絡んでるのか?」
( ゚д゚ )「十中八九。九割五分の可能性で」
(`・ω・´)「ほぼ確実って訳か……」
彼らが言う所のEATX(イクス)とは、いわゆる『超能力』の事だ。
この力を取り扱う者をイクス能力者と呼び、ミルナを含むこの場の三人は全員がイクス能力者であった。
一方で、余りに強大な力を持ったが為に形を成し、人間に危害を加える『無人のイクス能力体』の存在も確認されている。
こちらは超能力そのものが自立し活動している、言わば『災害』のような存在だ。
事実、先の大地震はこの『イクス能力体』が引き起こしたものであった。
この事からイクス能力体が如何に驚異的な存在であるか、地震の被害とその影響を肌で感じた者には瞭然であろう。
しかし、うら若き乙女である斎崎リリに熱い視線を送る紳士的なイクス能力体が居る事も事実で、
超能力の種類も各々で違い、イクスに関しては「何かもうよく分からんわwwwww」という結論が出されていた。
.
- 41 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:45:13 ID:Clml9pTE0
-
( `ー´)「んじゃ、さっさとイクスをブッ倒して勝利の祝杯といこうぜ」
(`・ω・´)「新人が気絶したままだけど、まぁいいよな」
(; ゚д゚ )「お前! また新人を拉致って来たな!?」
三人は雑談を交わしつつリビングを後にした。
ここに彼らが帰って来る事は二度と無いが、今の彼らには、それを知る術は無かった。
.
- 42 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:47:12 ID:Clml9pTE0
- 前編おわり。次に没ネタ投下して終わります
- 43 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:48:42 ID:Clml9pTE0
- _
( ゚∀゚)「さぁ始まりました! 全日本肩ポン選手権大会!
全国の熱き戦いを制した各校代表四名が、今まさに決勝の舞台に立とうとしています!」
_
( ゚∀゚)「なお、実況解説は肩ポン実況歴=彼女居ない歴=年齢のジョルジュ長岡と!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「……よろしく」
_
( ゚∀゚)「肩ポン界のナイスガイ! カリスマ肩ポニストの渋沢と私の、二大眉毛AAでお送りします!」
_
( ゚∀゚)「さぁ渋沢さん。単刀直入にお聞きしますが、今回どの校の選手が優勝すると予想しますか?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「通常、肩ポンには天候や個人のメンタル面、肩ポられる側の絶望具合で状況が変わるんだが……。
今回の大会、はっきり言って予想できない」
_
(;゚∀゚)「なんと! 渋沢さんですら予想できないのですか!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ククク……次の時代が俺を超えてきたって事だ……」
_
( ゚∀゚)「おおーっと! もう間も無く選手入場です! 観客席の皆様、選手達に盛大な拍手をー!」
.
- 44 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:50:10 ID:Clml9pTE0
-
┌──────────┐
│( ^ν^) .│
│選手名:ニューソ君 │
│得意技:絶・肩ポン .│
└──────────┘
_
( ゚∀゚)「さぁ一人目の選手入場ですが……渋沢さん、彼の事をご存知ですか?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「もちろんだ。なんせ奴は肩ポン競技界の常識を覆した男だからな」
_
( ゚∀゚)「その通り! 彼は肩ポン本来の目的である『人を励ます』という事を一切せず、
悪意ある肩ポンで対戦相手を絶望の底へ叩き落してきました!
殺意の波動にのまれし肩ポン! 絶望への肩ポン! だから絶・肩ポン!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「はっきり言って奴ァ脅威だ。全盛期の俺でも、あの絶・肩ポンには耐えられるかどうか……」
_
(;゚∀゚)「既に激戦が予想される決勝戦……次はシベリア代表の入場です!」
.
- 45 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:50:55 ID:Clml9pTE0
- ┌─────────────┐
│(´・ω・`) ...│
│選手名:ショボーン ......│
│得意技:連携肩ポン二式 │
└─────────────┘
_、_
( ,_ノ` )y━・~「……さっき俺は、『結果が予想出来ない』と言ったな……」
_
( ゚∀゚)「ええ。それがどうしましたか?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「だがな……俺はこの戦いの勝者はショボーンになると思っている」
_
(;゚∀゚)「ええっ!?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「奴の得意技の『連携肩ポン二式』だが、アレはかつての俺が未完成で終わらせた技だ……」
_
(;゚∀゚)「衝撃の事実! こりゃたまげた!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「公式に使われた記録は無いが……あの技、恐らくニューソ君の技と互角! あるいはそれ以上だ!」
_
(;゚∀゚)「波乱どころの騒ぎではなくなってきました……次の選手入場です!」
.
- 46 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:51:36 ID:Clml9pTE0
- ┌────────────────┐
│( ´_ゝ`) │
│選手名:流石兄者 .....│
│得意技:肩ポンクロスカウンター ....│
└────────────────┘
_
( ゚∀゚)「……えーと。彼は一体……」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ククク……顔で分かるぜ……ありゃあ父者のガキだ……」
_
( ゚∀゚)「父者……流石父者、という事は!」
_
(;゚∀゚)「あの伝説の肩ポられリスト『流石父者』の息子さんですか!?」
_、_
( _ノ` )y━・~「あの野郎、俺と疎遠になってから何してやがったんだ……?」
_
(;゚∀゚)「かつては渋沢さんと共に全国肩ポン行脚に出ていた伝説の肩ポられリスト!
流石兄者は流石父者の実の息子だったようです!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「得意技は肩ポンクロスカウンター……いよいよ肩ポられる側が牙を剥いたって訳か……!」
_
( ゚∀゚)「もうりょうばっこ! ちみもうりょう! 今日という日は肩ポン界の歴史に深く刻まれることでしょう!」
_
( ゚∀゚)「さぁ皆様、お待たせいたしました! 次は! 全日本肩ポン選手権10連覇中の彼女の入場です!!」
.
- 47 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:52:26 ID:Clml9pTE0
- ┌──────────┐
│J( 'ー`)し │
│選手名:カーチャン ....│
│得意技:タカシ・・・ .│
└──────────┘
_
( ゚∀゚)「もはや語る事もないでしょう! クイーンオブクイーン! カーチャン氏の入場です!」
_
( ゚∀゚)「ニートの息子を抱える母の言葉! それと同時に繰り出される慈愛の肩ポン!
その姿はまさに現代のチンゲール! やろうと思えば百式観音も出来るとの噂だ!」
_
(;゚∀゚)「渋沢さん。心中察しますが、彼女の事を……」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「……強いよ、あいつァな。言いたかないが、俺以上の肩ポニストだ……」
_
(;゚∀゚)「恐れ多くも説明させていただきます。カーチャン氏は以前、渋沢さんのもとで肩ポン武者修行に励んでいたのです。
引きこもった息子の為という肩ポリストの信念は、カーチャン氏の努力を半年にして実らせました。
そう……全盛期ではないとはいえ、肩ポントップランカーの渋沢さんを超える程に……」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ククク……もう二度と顔を見ないと決めていたが、見ちまったんじゃ仕方ねぇな……」
_
(;゚∀゚)
そう言った渋沢さんの横顔を見た時、私は悟りました。渋沢さんは、きっと彼女にリベンジする。
それこそ命を賭して、身体が動かなくなるまで戦うのだろうと……
.
- 48 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:53:24 ID:Clml9pTE0
-
_
( ゚∀゚)「……それでは試合形式について説明していきます」
_
( ゚∀゚)「選手達には二組に分かれてもらい、シングル肩ポン戦によって勝者を決めてもらいます。
そして今回は点数式ではありません。敗北を認めた選手の敗北となる、肩ポンデスマッチの形式を採用しています」
_
( ゚∀゚)「今、選手分けの抽選が行われて……決まりました!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「おお! こりゃあ見応えのある試合になりそうだぜ……」
┌────────────┐
│ 【Aブロック】 .│
│ ( ´_ゝ`) VS J('ー` )し │
└────────────┘
┌─────────────┐
│ 【Bブロック】 ..│
│ (´・ω・`) VS ( ^ν^) │
└─────────────┘
_
( ゚∀゚)『さぁまずはAブロックの様子から見ていきましょう!』
.
- 49 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:54:18 ID:Clml9pTE0
-
J( 'ー`)し「それじゃあ先攻はいただきますね」
( ´_ゝ`)「ああ」
_
(;゚∀゚)『おおーっと! カーチャン氏を相手に先攻を取られてしまった! これは厳しい試合展開になりそうだ!』
( ´,_ゝ`)(……コイツが最強の肩ポニストか……)
J( 'ー`)し
( ´,_ゝ`)(周りは何かと言ってるが……こんなババアは俺の敵じゃないぜ!
なぜなら! 俺の肩ポンクロスカウンターは相手の肩ポンエナジーに比例してその凶暴性を増すんだからなァ!!)
( ´,_ゝ`)(奴が最強の矛を向けるなら、俺は更に強い矛をもって奴を倒すまでだ!
今日で俺の肩ポンされ続ける日々は終わる! これからは俺が肩ポる側だ!!)
J( 'ー`)し「……分かるわァ……あなた、相当格下よね」
(;´_ゝ`)「ッ!?」
.
- 50 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:55:04 ID:Clml9pTE0
-
J( 'ー`)し「だって私から肩ポンしないと……無力なんでしょ……?」
( ´_ゝ`)「ふん、だったら肩ポンしないってのか? 無理だろ、そんな事」
J( 'ー`)し「ええ。でも、アナタは私に肩ポンで勝てるの?」
(#´_ゝ`)「なっ……どういう意味だ!」
J( 'ー`)し「私はね、これから『限界』まで『手加減』してアナタを『肩ポンし続ける』つもりよ。
私は最弱の肩ポンを繰り返す……アナタは最弱の肩ポンを跳ね返す……」
(;´_ゝ`)
J( 'ー`)し「分かったようね。アナタは肩ポンを跳ね返す技術はあっても、私を倒せるだけの肩ポンをする技術は無い……。
とどのつまりはジリ貧……アナタの負けが確定している無駄戦なの……」
(;´_ゝ`)「……早く始めてくれ」
J( 'ー`)し「今ならギブアップを認めます。この戦いを始めたら、アナタの肩ポニストとしての誇りを打ち砕いてしまうわ。
私もね、そんな事はしたくないの……お願いだからギブアップしてちょうだい……」
(;´_ゝ`)「うるせぇ! 早く始めろって言ってんだよババア!」
J( 'ー`)し「あっそう」
.
- 51 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:55:46 ID:Clml9pTE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
f ´ ゙i
r‐-、 | j f ´゙i
l l, | l l .l J('ー` )し(……甘い……甘いのよ……)
| .l l ヘ | l, , -、
l, ! }:. ヽ l, ! ' ./
l:. ヽ .}:: ヽ .」 | .ノ , _
|:: ヽ.', ヽ t_ ノ ./ ( ゚∀゚)『カーチャン氏の手が兄者の肩に伸びていきます!
'l::. `゙'⌒ ヾ= ''ー´ ‐- (、 いよいよ試合開始、肩ポン選手権開始です!』
.ヽ:: `、
.i:: ヽ、 _
l::.. ,, -‐''ニ=-''''' ̄ `''''= 、
l:::::. / ,, -''´ ヽ
/:::::::. //::. `ー-
ノ:::::::::::.. /,゙::::::::::
,, -‐‐'''..::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::.
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::. ――カーチャンの挙動が異様だという事はすぐに分かった。
l::::::::;;;;::::-‐-::、:::::::::::l::::::::::::::::::::::::...
`'''´ `ー-、|::::::::::::::::::::::::::::... しかしこの事に気付いているのは渋沢とニュッ君だけで、他の者は観戦に夢中だった。
l:::::::::::::::::::::::::::::::::.. 渋沢は咄嗟に声を上げて試合の中断を要請した。その声は、全て歓声にかき消された。
(:::::::::i;:::::::::::::::::::::::::::::::::.. カーチャンの肩ポンは、最早誰にも止められなかった――
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
\:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
- 52 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:56:29 ID:Clml9pTE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
r‐f ̄>─- 、
ァヘ.」_ | / ̄ ̄\
/{ ´ 〉:| :| ,ノ ヽ カーチャンの腕に血管が浮かび、無尽蔵の筋肉が大きく隆起する。
/彡、_人 :, :, {=一 }
| ≧=-ゝ-く⌒ヾ ノ _、_
\ / `⌒ヾ f′ (;_ノ` )『奴を止めろ! 奴ァ兄者の肩を潰す気だぞ!』
} / ノ
ヽ. __厶二ニ._ / _
_}} フ /⌒`ヾ:、 / ( ゚∀゚)『え? 今何か仰いましたか?』
ァ‐=彡'フ' / _/
_ _ -=彡冖、\ '′ ´/
_/⌒ミ==‐--‐=彡 ⌒ } 〕 ,〈 最早、止める術は無いのだ。
-=ニ ̄/ /⌒ ノ ノ /
. / / // / / /
r/ / -=彳 / / /
彡 /
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- 53 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 01:57:19 ID:Clml9pTE0
-
\ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
ポン
グァァァァ!! ∧ ∧. _
/:彡ミ゛ヽ;)(m,_)‐-J('ー` )し-、
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::iー-、 .i
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l ゝ ,n _i l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄E_ )__ノ ̄\
/ \
/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
〜〜 つづ 〜〜
.
- 54 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 02:02:29 ID:Clml9pTE0
- 何とか頑張って書いてたら前編が書けました。
迷走が形になったら肩ポンが出来ていました。
また三日後に来ます。
┗(迷 )┓==三
< \ タタタタタ・・・・
- 55 :名も無きAAのようです:2012/06/07(木) 09:53:02 ID:5.65etF.0
- 乙
どっちも面白かった
- 56 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:35:42 ID:EH89lgvY0
- 始めます。今日から長編です
- 57 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:36:36 ID:EH89lgvY0
-
* * *
ドクオは夢の中で目覚めた。
彼自身にその自覚は無いが、彼は夢中独特の浮遊感を確かに感じていた。
('A`)「ここは……」
『夢ン中だ。何度も言わせんな』
('A`)「……トーテムだ、トーテム」
『ンな事より仕事だ仕事。今そっちにツンの野郎が向かってる。起きたら一緒に現場行ってくれ』
('A`)「はいよ」
『相手は顔付きだぞ。寝惚けてブッ殺されんなよ』
('A`)「へいへい」
ドクオが適当な返事を返すと、彼の体にずっしりとした重量感が圧し掛かる。
現実世界に引き戻される感覚。その感覚は、確かな現実味をもってドクオの体を包みこんだ。
.
- 58 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:37:53 ID:EH89lgvY0
-
―― 某所ホテルの一室 ――
ドクオは自室のベッドで目を覚ました。時刻は午前三時。
窓から見渡せる街の景色は、未だ煌々とした輝きを放っていた。
自立都市『メシウマ』。
ドクオはこの街に住み、ある特異な力をもって街の治安維持活動に従事していた。
しかし、これがまた気の休まる時間の無い仕事で、緊急招集&現場直行は日常茶飯事。
夢の中でも緊急招集、便所であろうと問答無用。
仕事をサボった者は阿部高和のテレポート能力の餌食だともっぱらの噂だった。
ここで特筆すべきは、阿部高和が同性愛者という事実だろう。
鬼に金棒が如く、ホモにテレポートとは恐怖の権化に間違いなかった。ドクオ自身もこれを酷く恐れていた。
.
- 59 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:39:01 ID:EH89lgvY0
-
任務を受け、ドクオは電気も点けずに着替えを始めた。街が放つ輝きにより、視界は十分に照らされている。
クローゼットを開け、制服を取り出す。その制服の背に刺繍された『Co.』とは、ドクオが所属する治安維持組織の事だった。
彼がパンツを下ろしていると、薄暗い部屋の中に二度のノック音が渡った。
('A`)「どーぞー」
ξ゚⊿゚)ξ「もう入ってる」
彼女の声は背後から聞こえた。
クローゼットの鏡を一瞥すると、先程までドクオが寝ていたベッドに同僚のツンが腰掛けているのが分かった。
ドクオは彼女の存在を気にせず着替えを続行する。
しかし男のケツに何ら反応を見せないツンの様子は半ば不気味に思われた。
その不気味さを緩和すべく、ドクオは開口した。
('A`)「野郎の裸、見て楽しいか?」
ξ゚⊿゚)ξ「……あんまり。でもケツは綺麗だと思う」
(;'A`)「どこ見てんだよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「ケツ」
('A`)「はい」
- 60 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:40:06 ID:EH89lgvY0
-
('A`)「んで、現場はどこだって?」
ξ゚⊿゚)ξ「西区の地下駐車場。こんな時間帯だし、人は居ないと思う。
現状、顔付きは鎮静状態だから、そんなに急ぐ必要は無いって言ってた」
('A`)「誰が」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ」
(;'A`)「うっわ……」
ツンの言うジョルジュという人物は、適当さにかけては随一という不名誉な立ち位置にある人物だった。
┌──────────────┐
│ .....│
│ .....│
│Q.明日は何日? .....│
│ .....│
│ _ │
│( ゚∀゚)「……今日何日だ?」 .│
│ .....│
│ .....│
└──────────────┘
といった具合の人物であった。
.
- 61 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:41:04 ID:EH89lgvY0
-
ξ゚⊿゚)ξ「急ぐ?」
('A`)「だな」
当然の判断だった。
ξ゚⊿゚)ξ「着替え手伝う?」
(;'A`)「結構です! ケツに手を伸ばすな!」
程無くして着替えが終わると、ドクオはツンの案内に従い、現場に向かった。
.
- 62 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:42:03 ID:EH89lgvY0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ドクオの敵は通称 『顔付き』 と呼ばれる『無人の超能力者』だった。
現在、ドクオが地下駐車場で対峙するその男も、また顔付きに他ならなかった。
辺りに人の影、車体は無く、戦うには丁度いい環境が整っていた。
ドクオは辺りを見回してそれを確認すると、今回で100人目の顔付きとなる男に向けて嫌味を吐いた。
('A`)「よう。今度はそのツラか。またブッ飛ばすぞ」
( ^ω^)「今度はお前か。もう負けんぞ」
('A`)「抜かせバカヤロー」
.
- 63 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:42:47 ID:WBN8hgAc0
- ケツが綺麗なドクオ
これは・・・
- 64 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:43:03 ID:EH89lgvY0
-
('A`)「俺もな、夜中に起こされて仕事来てる訳よ。眠くて色々とヤバい訳よ。
ンな訳だし、ちょっと油断して能力教えてくれたりとか……」
m9(^ω^)9m「お断りします」
('A`)「……お前だけ俺の能力知ってるとか卑怯だろ」
( ^ω^)「知るかバカヤロー」
('A`)「……話ンならねーな」
( ^ω^)「始めッからだお」
('A`)「違いねェ」
ドクオの言葉を境に、地下駐車場の照明が一斉に落ち、刹那の暗闇を演出した。
その一瞬の暗闇の中で、二人は戦いの準備を終えていた。
ドクオの肉体には、特に顕著な変化が見受けられる。
.
- 65 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:44:00 ID:EH89lgvY0
-
ドクオの背に、六つの撃鉄が具現している。
更に彼の両腕は鈍色の鉄鋼に包まれ、また同一の撃鉄が両腕に一つずつ具現していた。
( ^ω^)「おお、カッコいい。その力の名前は何だお?」
('A`)「知ってンだろ? 答える義理もねェ」
( ^ω^)「お前の力は、ただブン殴るだけの【マグナムブロウ】……」
_,
( ^ω^)「……変わり映えしないお」
('A`)「だったらコイツを越えてみな。そしたら次を見せてやる」
ただブン殴るだけ。言葉にすれば、ドクオの能力は一切の脅威を取り払った凡庸かつ平和的な力だ。
では、人間サイズの弾丸を超速度で八連発出来る能力と言えば、どうだろうか。
結果そこで起こる現象がバードストライクの人間版である事は、誰しも容易に想像出来る事だろう。
- 66 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:45:19 ID:EH89lgvY0
-
(*^ω^)「ふふふ、そんな事よりオイラの能力を見るお!」
('A`)
顔付きに油断の色を伺うと、ドクオは左半身を下げて身構えた。
(*^ω^)「ほら! オイラが手をブワーってやると剣が沢山出てくるお!
やべぇwwwww三本も出たwwwwwワロタwwwww」
顔付きが言う通り、彼が手をブワーってやると剣が三本出てきた。ワロタ。
それら刀剣は彼を中心にして宙に浮いており、切っ先はドクオに向いていた。
しかし、様子としては隙だらけ。ドクオは意を決し、力を込めて拳を固めた。
('A`)(……ぶっ放すなら今……!)
(*^ω^)「うっはwwwwwしかも盾のストラップ付きwwwwww攻守完璧じゃんwww」
( ω )「――って」
.
- 67 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:46:20 ID:EH89lgvY0
-
「マグナムブロウ……!」
「少しは自慢を……!」
.
- 68 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:47:27 ID:EH89lgvY0
-
(#'A`)「オオオオオオオ!!!」
(#゚ω゚)「させろってんだおォォォォォォォ!!」
以後、割愛。
場所はカンパニー本部に移り、話は後日談へと続くのであった。
.
- 69 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:54:26 ID:EH89lgvY0
- 今日は終わりです。
短いかも知れませんが、このプロローグは残り60レス程あるのです・・・
短編はプロローグを投下し終えた頃に気晴らしで投下します。よろしくおねがいします
- 70 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 14:56:44 ID:WBN8hgAc0
- 乙
長編・短編・没ネタが入り混じるスレか
いいぜ、嫌いじゃない
- 71 :名も無きAAのようです:2012/06/10(日) 19:24:51 ID:SFGe7bxwO
- 乙
肩ポンの続きも楽しみにしてるよ
- 72 :名も無きAAのようです:2012/06/11(月) 01:17:37 ID:1hcsN3U20
- 肩ポンが腹パニストの二番煎じだと今気付いた奴→>>1
明日(日付的には今日)の22時頃に投下始める奴→>>1
- 73 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:32:53 ID:2zuJxZQk0
- 昼寝をこじらせました
始めます
- 74 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:34:52 ID:2zuJxZQk0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ドクオの存在に反応し、入口のガラス扉が左右にスライドした。
中に入ると、カンパニー本部は圧倒的な輝きをもってドクオを迎え入れた。
時刻は午前六時。本部には、制服を着た者達が僅かに行き交っていた。
ドクオは左手に見えるフードコートに入り、適当な席に腰掛けた。
丸いテーブルの上には吸い殻の残った灰皿と、一纏めにされた紙ナプキンが置かれていた。
ξ゚〜゚)ξ モグモグ
そして対面には、絶賛朝食中のツンの姿もあった。
('A`)「さんざんだ」
ξ゚〜゚)ξ「何があったん」モグモグ
('A`)「さっきの仕事でさ、俺の相方が現場に着いた途端にフケやがったンだよ」
ξ゚〜゚)ξ「まさかとは思いますが、その『相方』とは、貴方の想像上の存在にすぎないのではないでしょうか」モグモグ
(ノ∀`)「つーか目の前に居るんだよなぁ!」
.
- 75 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:36:44 ID:2zuJxZQk0
-
ξ゚⊿゚)ξ「……でも、結構時間かかったね」
途端、ツンが声色を低くして言った。
('A`)「ん、まぁ……現場着いたのが三時半で、今だからな。二時間半か」
ξ゚〜゚)ξ「私、あの相手なら楽勝だと思って帰ったんだけど」
(;'A`)「……あのデブを倒した後、急に101人目の顔付きが現れたんだよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ?」
<_プー゚)フ「そいつァ聞き捨てならねェな!」 デデェーン!
ξ;゚⊿゚)ξ「顔付きの出現頻度からして、すぐに101人目が出てくるのは……」
('A`)「ま、いわゆる『異常事態』ってヤツだ。阿部とジョルジュ、相当慌ててたぜ」
<_プー゚)フ
<_プー゚)フ デデェーン!!
.
- 76 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:37:46 ID:2zuJxZQk0
-
('A`)「んじゃ報告行ってくるわ」
ξ゚⊿゚)ξ「待った」
('A`)「ンだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「その101人目の話、先に聞かせてくれる?」
ツンはそう言い、朝食のチャーハンを皿ごとドクオに差し出した。
交換条件という事なのだろう。ドクオはそう察し、応える。
('A`)「……いいぜ。ただし、今度も昼飯奢れよ」
ξ゚⊿゚)ξ「いいだろう」
ドクオはチャーハンを口に掻き込み、数秒の沈黙を挟んでから語り始めた。
('A`)「101人目の顔付き――奴は俺を前にして、【バニッシュ・ビット】と名乗った」
<_プー゚)フ
<_プー゚)フ デデデン!
.
- 77 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:39:43 ID:2zuJxZQk0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あのデブとの戦いは俺の勝利に終わった。まぁ口じゃあ簡単に勝ったように言ってるが、奴は100人目にふさわしい男だった。
顔付きは戦う度、出現する度に強くなる。これは周知の事だが、たかが100人目で俺の“次”を晒す事になったのは不甲斐無い話だ……。
('A`)「……違いねェ。お前は強かった」
(; ω゚)「まっ……待て……!」
奴は掠れた声でそう言って、地下駐車場から立ち去ろうとした俺を呼び止めた。
俺は違和感を覚えた。なんせ、今まで顔付きの方から声を掛けられた事は一度も無いんだからな。
俺は立ち止まり、コンクリートに跪く奴を見下ろした。
見下ろした時、既に奴の半身は光の粒子となって宙に散っていた。
(; ω゚)「伝言……いや、オイラからの遺言だお……」
(; ω゚)「……お前達の言う……顔付き……! ……オイラは……その100人目……」
(; ω゚)「だけど、101人目からは……本当に別格だお! 規模が違う……!」
(; ω゚)「逃げるお……“死”に呑みこまれる前に……ッ!」
.
- 78 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:40:56 ID:2zuJxZQk0
-
(;'A`)「お前……何だ!? お前らは組織的に動いてるのか!?」
(; ω )
(;'A`)「顔付きは後何人残っている! どんな能力がある!」
(;'A`)「お前達のボスは!? お前達はなぜ存在している!」
(; ω )「……オイラ達の……ボスは……」
(;'A`)「ボスは!?」
――その時だ。俺の足元に影が伸びた。
続けて甲高いクラクションの音が地下駐車場に鳴り響く。
俺は危険を察知し真横へ飛び退いた。そしてすぐに立ち上がり、元居た場所に目を向けた。
そこで俺の目に映ったのは、ようやく真実を口にしかけた顔付きが、大型トラックに轢き潰された後の光景だった。
.
- 79 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:41:58 ID:2zuJxZQk0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<_プー゚)フ「で、結局は何の情報も得られず帰って来た訳か」
<_*プー゚)フ「まったく……相変わらずドクオは無能だよなぁ! 俺ならもっと活躍出来たのになぁ!」
<_*プー゚)フ ズェェェェン!!
ξ゚⊿゚)ξ「……それじゃあ、そのトラックの運転手が?」
('A`)「ああ、俺が相手した101人目の顔付きだ」
ξ゚〜゚)ξ「強かった?」モグモグ
('A`)「俺が逃げ出す程に、な……」
ξ゚〜゚)ξ モグモグ
('A`)(俺のチャーハン……)
.
- 80 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:43:32 ID:2zuJxZQk0
-
('A`)「……」
ξ゚〜゚)ξ「あ、続けて、どうぞ」 モグモグ
(;'A`)「え、いや、それ俺が貰ったチャーハン……」
『えー……』
ドクオの言葉を遮って、歯切れの悪い男の声が天井から降ってきた。
紛れも無い、適当王ジョルジュの声だった。
『ドクオ……ドクオ部隊長。昨晩の任務について、報告がまだ出てな、提出されていません。
急いで阿部ン所に……じゃねェ。至急、隊長室の所まで来て下さい』
『以上、連絡ッした!』
『よっしゃ! 一人で言えたぞ! これで二階級特進か!?』
.
- 81 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:44:20 ID:2zuJxZQk0
-
そしてマイクが切れた。
(;'A`)「チャーハン……」
ξ゚⊿゚)ξ「呼び出しでしょ。行ってら」
(;'A`)「くっそ〜」
(;'A`)「……おいエクスト!」
<_;プー゚)フ「やっと気付いたか!!」
(;'A`)「悪いがツンの相手しててくれ! 後で昼飯奢らせンだから、逃げられちゃ意味がねェ!」
('A`;)「じゃあな!」
ξ゚〜゚)ξ「じゃあの」モグモグ
じゃあの。
.
- 82 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 01:50:55 ID:2zuJxZQk0
- 終わります。
もう少しでツンの口調は戻るので、今は勘弁して下さい。
あと、最後の「じゃあの」は手抜きとかじゃないです。本当です。
でも「手抜きだろ」と聞かれたら「手抜きです」としか答えられません。
また三時間後に投下しにきます。よろしくお願いします
- 83 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 03:12:24 ID:R2G2XxNw0
- 何でそんな時間にwww
起きたら読む
- 84 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 04:57:04 ID:2zuJxZQk0
- 昼寝をこじらせました
始めます
- 85 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 04:57:50 ID:2zuJxZQk0
-
旅団長の部屋は本部最上階である五階の一番奥に位置していた。
ドクオはエレベーターに乗って五階に行くと、後輩達の堅苦しい挨拶を横目に部屋へと向かった。
扉の前で襟を正し、一歩踏み出す。
ここでも扉はドクオの存在を感知し、自動で道を開けた。
部屋の中にはブラインド越しの朝日が差し込んでいた。
阿部高和はその朝日を背に受けながら、机上で腕を組んでドクオを待っていた。
('A`)「ども、報告に来ました」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ」
N| "゚'` {"゚`lリ 「で、お前早速101人目の顔付きとヤッたらしいな」
('A`)「ええ、戦いましたよ。耳が早いですね」
N| "゚'` {"゚`lリ 「確か、【バニッシュ・ビット】だったか……」
('A`)「その名の通り、奴の能力は『物質を消滅させる』というものでした」
.
- 86 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 04:58:36 ID:2zuJxZQk0
-
ここで再三説明となるが、彼ら『カンパニー』の敵は『無人の超能力者』である。
では、無人の超能力者とはどういう意味なのか? ……
世界のあらゆる物に“人工”の文字が付け加えられてから既に200年が経過。
殊更自然界への技術介入は根深く、かつて人類にとって最大の脅威であった自然災害は、今やコンピューターの管理下にあった。
こうして自然が電子記号として処理されるようになり、土地柄による格差問題は解消。
なんやかんやでみんなハッピーに暮らせるようになった。うれしいね。
結果この世の上下関係は引っくり返り、『世界』あっての『人類』ではなく、『人類』あっての『世界』となった。
みんな
↓
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( * ・ω・) 「うはwwwwマジ俺ら神じゃんwwwww」
`ヽ_っ⌒/⌒c
調子に乗った者も少なからず居た。しかし、世界も黙って終わる事はしなかった。
強制された沈黙の中で、世界は徐々に進化を始めていたのだ。
.
- 87 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 04:59:33 ID:2zuJxZQk0
-
話を戻そう。
無人の超能力者――通称『顔付き』とは、世界という強大な母体から発生する『現象』の事を指す。
自然現象が放つエネルギーを凝縮させ、あたかも超能力そのものが自立し活動しているような『現象』。
とどのつまり、台風や地震が人型で歩いているという事である。
そんなの凄い力を持っているのは当然だ。対抗しないと人類がヤバい。つまりはそういう事である。
……人と顔付きとの戦いはそう長くない。せいぜい50年といったところだ。
なにせ人類の方に超能力が発生したのが最近の事で、顔付きと対等に戦えるようになったのも最近の事なのだ。
だからこそ、今回の一件のような『異常事態』が重要になってくる。
顔付きは必ず一人で現れる。加え、個々の顔付きの出現には最低一ヶ月、長くても半年の間が空く事が判明している。
【バニッシュ・ビット】の件は、そのどちらのパターンにも当て嵌まらない『異常事態』だ。
歴史が浅い『カンパニー』にとって、これが無視出来ない事例である事は明白だった。
.
- 88 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:00:15 ID:2zuJxZQk0
-
ドクオが事の詳細、特に【バニッシュ・ビット】について語り終えると、阿部は俯いて押し黙った。
能力者としては老いた部類の阿部だが、彼も今回の類型は知らないようだった。
N| "゚'` {"゚`lリ 「その顔付きの見た目は?」
('A`)「ウサギです」
N| "゚'` {"゚`lリ
N|;"゚'` {"゚`lリ 「……本当にか? 見間違えじゃないよな?」
('A`)「ええ。ちなみに体毛は白でした」
N| "゚'` {"゚`lリ 「顔付き自身の能力でも無い、と」
('A`)「先ほど言ったように、奴の能力は『消滅』に関わる能力でした。
自分の容姿を変化させる……それこそ、素直シュールの【スキャットマン】ような能力ではありません」
.
- 89 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:01:06 ID:2zuJxZQk0
-
N| "゚'` {"゚`lリ 「……ではウサギと呼称するが、お前が敵対したウサギはトラックに乗って現れた」
('A`)「そうです。そして、そのまま100人目の顔付きを轢き潰しました」
N| "゚'` {"゚`lリ 「そうか……」
ドクオの補完に続けて、阿部が疑問を口にした。
N| "゚'` {"゚`lリ 「すると、100人目の遺言が聞かれては不味い内容だったとか?」
('A`)「……図りかねますが、恐らく」
N| "゚'` {"゚`lリ 「だとすれば顔付きは組織的に動いている可能性が高くなるな」
('A`)「今まで『現象』でしかなかった顔付きが、ここにきて協調性と上下関係を持ち始めたんですかね」
N| "゚'` {"゚`lリ 「……100人目の遺言については後でまとめておいてくれ。もう下がっていいぞ」
('A`)「……」
ドクオは沈黙のまま部屋を出た。口を開いてしまったら、そのまま全てを口走りそうだったからだ。
ウサギはトラックに乗って現れ、『助手席』から降りた。それが何を意味するかを、ドクオは静かに胸中にしまった。
.
- 90 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:02:03 ID:2zuJxZQk0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
しばらく休暇を貰った。ドクオは丸一週間は暇になった。
二人の顔付きを立て続けに相手にした事から、ヒューマンエラー因子を取り除く事が目的だった。
休暇一日目。諸々の報告書を半日で書き上げ、提出した。
午後は特にやる事も無かったので、フードコートで働くシャキンと駄弁った。
摘み食いで食べたシュウマイは美味しかった。二個目を食べようとした所でシャキンに見つかり、厨房から追い出された。
('A`)「はぁ……何すっかなぁ……」
(;`・ω・´)「ウチの厨房で溜息を吐くな! 飯が不味くなっちまう!」
結局、ドクオは二日続けてシャキンの居る厨房へやってきた。何を隠そう、厨房は彼の暇潰し定番スポットであった。
シャキンもそれを知っているので、特に追い払ったりはしなかった。ただし摘み食い、テメーは別だ。
('A`)「ハァ…マンドクセ…」
(;`・ω・´)(くっそ……厨房のコーナーにすっぽり収まりやがって!)
('A`)「フャー…」
.
- 91 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:02:43 ID:2zuJxZQk0
-
(;`・ω・´)「……そんなに暇ならここでバイトするか?」
('A`)「働くとか無理」
(`・ω・´)
(`・ω・´)「市ね」
('A`)「手厳しい」
ドクオを含む戦闘員にとって、顔付きの捜索期間というのは圧倒的に暇なものである。
こういう場合はゲームなどで時間を潰すのが定石だが、最近のゲームは殆ど現実を再現したものだ。
二次元でも三次元を体験させられるのは、ドクオにとってはかなりの苦痛だった。
大半の戦闘員は、この暇を雑務か新人育成に当てる。
雑務は所謂ボランティア活動や、ヒーローショーに立つといった慈善活動を主としている。
こちらの活動に やり甲斐 を感じる者は多く、それなりに繁盛している。
一方、新人育成は訓練学校へ行って後輩をいじるだけの簡単な仕事である。
こちらは一部の酔狂な者か、チームの隊員集めを目的とした者達が少数関わっている程度だ。
だが、両方とも面倒なので、ドクオがそれらの事に首を突っ込んだ事は無い。
ンな事をするなら厨房でチャーハンの香りを嗅いでた方が有意義だと、彼は思っていたのだった。
.
- 92 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:03:33 ID:2zuJxZQk0
-
('A`)「暇だ。シャキン、しりとりやろうぜ」
(`・ω・´)「いいぞ」
(`・ω・´)「キリン」
('A`)「ンドゥール」
(`゚ω゚´)「クソがァ!」
(;'A`)「おいおい、繋がってないぞ?」
(#`・ω・´)「フツーに『ん』を返すな! しりとりは俺の負けだ! 分かったか!」
(;'A`)「あ、はい」
('A`)「……じゃあ鬼ごっこでも」
(`゚ω゚´)「しねぇよ! それ特に駄目な遊びだよ!」
.
- 93 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:04:25 ID:2zuJxZQk0
-
(#`・ω・´)「ったく! そんなに暇ならショボーンの所にでも行けよ!」
(;'A`)「えぇ〜……あの訓練学校行けってのかよぉ……」
('A`)「……って今更だけどよ、俺、ショボーンに会った事無いよな」
(`・ω・´)「ん、まぁ俺がたまに話すだけだったし、特に目立つ奴でもないからな」
('A`)「確か、能力無いのに学校入ったんだっけ?」
(;`‐ω‐´)「止めたんだが、な」
('∀`)「うわぁアホじゃん! 俺も大概だけど!」
(`・ω・´)「そうだ。明日タダ飯食わせてやるから、今日はショボーンに会ってやってくれないか?
アイツ、お前に憧れてる節があるらしいんだ。嘘じゃないぞ」
(`・ω・´)(本当でもないけど)
(*'A`)「そうかそうか俺のファンか! じゃあ会ってやらないとな! 明日のタダ飯忘れんなよ?」
(`・ω・´)「はよ消えろ」
ヾ('A`*)ノ≡ 「じゃあの!」
.
- 94 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:10:06 ID:2zuJxZQk0
- おわり。次は短編みたいな何かを投下します
タイトルは「(`・_ゝ・´) ブーン系小説裁判のようです ('A`)」といいます
ちなみに逆転裁判はやった事ありません。
第一回の議題は「ジョルジュのマユゲ」です。よろしくお願いします
- 95 :名も無きAAのようです:2012/06/12(火) 05:24:28 ID:pS2TfFPEO
- おもろすw気軽に読めてお得感w
- 96 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:01:21 ID:/fPAQ8ew0
- 始めます。
大型AAが多いので、環境によっては見にくいかも知れません。
好きなスタンドはハイエロファント・グリーンです。
- 97 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:02:39 ID:/fPAQ8ew0
- 、_ 、 、 _、- -、_ ,、 ,、
、, `'-、 `'-、゙'-,、-'´ ,、- '  ̄`' -、 `' -i'゙ ,、-'´ ,、-'´、-
`'-、 `'-、 `i-' / 、 ─ 、 \ ゙-i ,、-'´,、 '´
`'-─゙-┘ i゙ // ̄\\ ゙: └-゙─'´
`' -、 ! ; | ´','','` | ; ! _ ,、-
、 `' -、 ガヤガ └-┘ \_/ .└-┘ ,、- ' ゙ _
`' -、. `'> | ̄ ̄`! i´ ̄ ̄| <゙ ,、- '´
,-、 i`' T゙ ├─┬''''''''''''''''''┬─┤ ガヤガヤ ゙T '´!_,.,_ ,、.,,
i/ソi~'),!-、.i_ | ;; | ̄ ̄ ̄ ̄| ;; | ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ _ _ _ _ | ;; | _ O _ .| ;; | _ _ _ _ (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
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i ! i 丿 く i i i ! !- ┬ - ┤i- ∩ ┐┌ ∩ -i├ - ┬ -! i !゙(マi i゙T''゙ヽi. i i
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│ .| | i i. .!i / \. i ! i | i ! !
├───‐─┴────────────────────────────────
│
│ 2012年 6月 13日
│ 某裁判所
│
└─────────────────────────────────────‐
- 98 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:04:29 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「ナルホド君とか何かそれっぽい人達、前へ」
(´・_ゝ・`)「弁護側、準備出来ています」
('A`)「検事側、もとより」
/ ,' 3「今日はお二人に、ジョルジュ長岡さんのマユゲについて伺います」
/ ,' 3「 ≪彼のマユゲは 一体どこに存在しているのか……≫ 」
/ ,' 3「長岡さんの写真はこれです。参考にして下さい」
┌─────┐
│ _ .....│
│( ゚∀゚) .│
└─────┘
('A`)「これは既に分かり切っている事だ。
彼のマユゲは顔AAの一行上、全角1つ、半角1つ分の空白の後ろにある」
(´・_ゝ・`)「そんな現実的な意見は聞いてないんだよなぁ……」
(´・_ゝ・`)「僕が真実を話しましょう。彼のマユゲは≪スタンド能力≫です」
.
- 99 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:06:04 ID:/fPAQ8ew0
- 、_ 、 、 _、- -、_ ,、 ,、
、, `'-、 `'-、゙'-,、-'´ ,、- '  ̄`' -、 `' -i'゙ ,、-'´ ,、-'´、-
`'-、 `'-、 `i-' / 、 ─ 、 \ ゙-i ,、-'´,、 '´
`'-─゙-┘ i゙ // ̄\\ ゙: └-゙─'´
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⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ _ _ _ _ | ;; | _ O _ .| ;; | _ _ _ _ (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
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┌‐────┐ | i~! .!i i└-───────┘!. ! i~! | i ! !
│ 傍聴席 .| | i i. .!i / \. i ! i | i ! !
├───‐─┴────────────────────────────────
│ まじかよ・・・ それ前から思ってた
│
│ あれは亜空間マユゲだったのか・・・ アブドゥルは粉微塵になって消えた
│
└─────────────────────────────────────‐
- 100 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:07:35 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「これは確定的に明らかですね……マユゲはスタンド。これで終わり」
/ ,' 3「よって本法廷はこれ以上の審議の必要性を認めません。あとドクオ検事は死刑って事でヨロシク」
ヽ('A`;)「待ったァ!!」
(´・_ゝ・`)「往生際が悪い」
('A`;)「亜空間マユゲとは何だ! 証拠はあるのか!」
/ ,' 3「むぅ……そう言われれば確かにそうですね……」
(;´・_ゝ・`)ノ 「待ったァ!」
(;´・_ゝ・`)「マユゲはスタンド! ドクオ検事は島流しで終わり! これは裁判長の言葉です!
もはや議論の余地無し! 反乱分子は即刻退場してください!」
/ ,' 3「あっそうだ。じゃあドクオ検事を絞殺刑に処して終わりましょうかね」
(;´・_ゝ・`)(危なかった……)
.
- 101 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:08:15 ID:/fPAQ8ew0
- , ../', .
.、、 ..,'.', ./ .| ,,
.ヽ\ ..、'ー、_ ../<~ヽ,..、__//
ヽ ミ、_ノ) .`:_,,ノ ..'` ヽ'
..1 ./'' ´`、__,,,,, ..rー'ニ=く、
| / ,,。 .ヽ‐・" .`~´、____,)
_,,ノ,.' ノ ..,、__,.,,。‐‐ ..ヽ
`ヽ.´ー‐''フ´ r'ー'~´..__,,,a ..iェェェ´'ー,
..| /´ ,, ||\ __|j~j ..|f、 r´
ノ,'_,,ョ,〆j .|'~~ ____ ~ `.)i/
.<´.~ ..| ..|.i゙゙゙ー‐、_ヽ、_//|
`、__ `゙゙エ・´ '、`ー‐'~ . ̄..`'ヽ、
)~ ヽ、 ,,,,,,,,,、 .\_,・‐ェ~' ノ.j,'
./ .〉、_ `i ix´~ヾ゙/_,,,。´ェ'´
.c' ,/.,| `ー' ..__,,,,‐',・'ー'・ー、、(
..,i /.'´ゝェュ ../、‐゙゙゚´,,,. ,,,Jjヽ、
..| /./´ / ..ノノヽニ〆,*´~‐´_,・‐
..| |/‐、 / ///.´、____ノ゙' ̄ヽ`。
..i´ `j,i ..r´ ..//..|、. ..,,ノ..ノ
..ゝ__/,゙/~、__ノ/,。‐、エェニニニニニミv'、'
''´ .| /´ ヽ ../ `\ヽ
|./ ヽ/ `'`
`' ..'
- 102 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:08:56 ID:/fPAQ8ew0
-
('A`;)「もし仮にジョルジュ氏がスタンド使いならば、それを今すぐ確認させて頂きたい!
こんな事もあろうかと私はタバコを持ってきている! 確認は容易だ!」
/ ,' 3「え、タバコの煙ってまさか……」
(;´・_ゝ・`)「だっ! ダメに決まっているだろ! 大人しく死滅するんだ!」
('A`)「……なぜだ」
(;´・_ゝ・`)「 ≪その方法で確認出来るかは知らないが、もう裁判は終了しているんだぞ!≫ 」
('A`)「……裁判長、時にアナタは知っていますか?」
('A`)「 ≪スタンド使いはタバコの煙を少しでも吸うと、鼻の頭に血管が浮き出る事を!≫ 」
/ ,' 3「ええ、私はジョジョを読んでいるので知っていますが……デミタス弁護人はどうでしょうかね……」
(;´・_ゝ・`)「……知らないが、それで確認出来るのだろう……?」
('A`)「……フッ、どうやらマヌケは見つかったようだ……」
.
- 103 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:09:38 ID:/fPAQ8ew0
-
丶('A` )「デミタス弁護人! このセリフを知らないという事は、アナタはジョジョを読んだ事が無いだろう!」
(;´・_ゝ・`)「ッ……! まさか嘘をついたって言うのか!」
('A`)「ああ嘘だ! だが本当の嘘つきは見つかった! 裁判長!」
/ ,' 3「先ほどドクオ検事が言った事はジョジョファンなら知っていて当然のセリフ……。
それも知らずに嘘偽りでドクオ検事を死に追い込むとは……これはもうデミタス弁護人は死刑ですね……」
(;´・_ゝ・`)(クッソ〜! そうだったのか! ジョジョを初めから読むべきだった!)
/ ,' 3「ちなみに私は三部が好きです。五部も捨てがたいですが」
('A`)「ほう。私は二部が好きですね。デミタス弁護人は……」
(;´・_ゝ・`)「……わ、私は……」
('A`)「……私は?」
(;´・_ゝ・`)「……レ」
(;´・_ゝ・`)「レッツゴージャス☆ティーン……」
.
- 104 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:10:20 ID:/fPAQ8ew0
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`' -、 ! ; | ´','','` | ; ! ザワザワ _ ,、-
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`' -、. `'> ザワザワ | ̄ ̄`! i´ ̄ ̄| <゙ ,、- '´
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i/ソi~'),!-、.i_ | ;; | ̄ ̄ ̄ ̄| ;; | ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ _ _ _ _ | ;; | _ O _ .| ;; | _ _ _ _ (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
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│ 傍聴席 .| | i i. .!i / \. i ! i | i ! !
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│ えっ 何言ってんだこいつ ゴージャス☆アイリンじゃないのか・・・
│
│ ジャスティン・ウォンへの風評被害はNG 極刑不可避
│
└─────────────────────────────────────‐
- 105 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:11:02 ID:/fPAQ8ew0
-
('A`)「ジョルジュ氏のマユゲは全角1つ、半角1つ分の空白の後ろ。これが結論だ」
/ ,' 3「やはり現実的に考えるべきでしたね。ジョジョも読まずにスタンド能力などと語り、クッソ寒いギャグで法廷を汚した罪は重い」
/ ,' 3「よってデミタス弁護人は死刑。この場で打ち首とします」
__.} ̄7__,.へ. 「`ー---一'^ヽ.
'ーァ ノ二二=、' l. l l l _l’
/ lニニl l' ┌=' ̄7 ̄'=へ
r',ィ lニニl | Fニニ || ,ニ^ヽ
| 「,二フ | 「 ̄,. ノ| ,ニ二}
l_| `ヽ.__ノ `Z_/ l、__,l
(;´・_ゝ・`)(ぐっ……物的証拠が無いからってオカルトに頼ったのが間違いだったか……)
(;´・_ゝ・`)(どうする? ゴネ得を狙うにも何を語れば……)
/ ,' 3「……ん?」
('A`)「どうしました。裁判長」
.
- 106 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:11:44 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「あ、いえ。大した事ではないのですが……」
/ ,' 3「 ≪長岡さんのマユゲ、半角だなぁって……≫ 」
('A`;)(本当にどうでもいい……)
(´・_ゝ・`)「半角……半角アンダーバー……」
(*´・_ゝ・`)「……これだ! 裁判長!」
/ ,' 3「え」
(`・_ゝ・´)「皆がマユゲだと思っていた半角アンダーバー! あれは……」
(`・_ゝ・´)「 ≪ジョルジュ氏の本当の口です!≫ 」
.
- 107 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:12:24 ID:/fPAQ8ew0
-
(`・_ゝ・´)「まずはこの資料を見て頂きたい!」
┌──────┐
│ _ ...│
│( ゚∀゚) ......│
│ .│
│( ´_ゝ`) .....│
└──────┘
/ ,' 3「ん? これはジョルジュ長岡さんと……かの有名プログラマーの流石兄者さんですか?」
(`・_ゝ・´)「その通り! そして、二人にはある共通点があるのです!」
(`・_ゝ・´)「 ≪半角アンダーバーがAAに含まれている事!≫ 」
('A`)「……!」
(`・_ゝ・´)「そして半角アンダーバーは多くのAAの口として利用されている! 僕自身も証拠の1つだ!」
/ ,' 3「まぁ私は特別な存在なので関係ないですが、確かに半角アンダ゙ーバーは口として多用されていますね……」
.
- 108 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:13:13 ID:/fPAQ8ew0
-
(`・_ゝ・´)「今度の証拠は確定的だ! 流石兄弟、ヒッキー、素直シュール!
テンプレAA1だけでも四人がアンダーバーを口としている! 他のテンプレAAも加えれば、その総数は1億を超える!」
丶('A`)「意義有り!」
('A`)「確かに彼の言うように半角アンダーバーは口として用いられる事が多い……しかしそれは半角アンダーバーの汎用性を示す数字でしかない!
半角アンダーバーは汎用性の高いパーツではあるが、なにも口専用という訳ではない!」
('A`)「AAの口にも使えるが、ジョルジュ氏のマユゲにも使える。たったそれだけの話ではないか!」
(`・_ゝ・´)「いいや! まだ私の弁護は終わっていません!」
(`・_ゝ・´)「裁判長。アナタはAAの全貌を知っていますか?」
/ ,' 3「全貌? はて、一体どういう……」
(`・_ゝ・´)「では聞き方を変えましょう」
(`・_ゝ・´)「 ≪この法廷に居る誰一人でも、榊原マリントンの全貌を知っている人は居ますか!≫ 」
.
- 109 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:14:00 ID:/fPAQ8ew0
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│ 榊原マリントン・・・? そういえば歯車王とかの全貌は一体・・・
│
│ でもシラネーヨ先生は人型だもん!(プンプン)
│ シラネーヨの全体AAはどう見てもナマコなんだよなぁ・・・
└─────────────────────────────────────‐
- 110 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:15:04 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「……という事はデミタス弁護人、アナタは榊原マリントンの全貌を知っているのですか?」
(´・_ゝ・`)「当然です。今から皆様にも見てもらいましょう。これが証拠の写真です」
/ ,' 3「はぇ〜。まぁ私は知らないんですがね。では写真を受理しましょう」
┌──────────┐
│.M -‐===‐-_, │
│|;;;;| ,'っノVi ,ココつ .....│
│ヾニコ ー-っ_ココつ ....│
│  ̄ ̄ ......│
└──────────┘
/。' 3「――ハッ!? こ、これは……!」
(´・_ゝ・`)「そう! 彼は一行だとクッソ汚いキメラアントにしか見えませんが、全てを見ればちゃんとしたAAになるのです!
この事から察するに……我々はテンプレAA全員の全貌を知っている訳ではない!」
/ ,' 3「ふむ……私は何故か榊原さんのAAに不思議な親近感を感じます……」
/ ,' 3「……で、それがジョルジュ氏のマユゲが彼の口だという理由ですか?」
.
- 111 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:15:56 ID:/fPAQ8ew0
-
(´・_ゝ・`)「じゃあ逆に聞くけどさ、榊原マリントンのAAをちゃんと知ってた奴居るの?
テンプレの見た目が真実だと思って、考える事を放棄してたんじゃないの?」
('A`;)「なんという瓦解した見解……」
(`・_ゝ・´)「さぁドクオ検事! ここでアナタに証明してもらいたい!」
(`・_ゝ・´)「 ≪テンプレ1にあるジョルジュ長岡の姿が 真の姿だという事を!≫ 」
('A`;)「ぐっ……! そ、それは……」
('A`;)(……榊原マリントンの真の姿を出された後では……何を言っても説得力に欠けるっ……!)
('A`;)(これは最早……悪魔の証明ではないかっ……!)
(`・_ゝ・´)「もしかしたらこんな姿かも知れないだろ! お前適当な事を言ってんじゃねぇぞオルルァ!」
┌──────┐
│ ○ .│
│ ( ゚_゚) ......│
│ ( ゚∀゚) ......│
└──────┘
/ ,' 3「普通に鏡餅みたいで可愛いと思う」
.
- 112 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:16:37 ID:/fPAQ8ew0
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│ ジョルジュ長岡は新年鏡餅君だった・・・?
│ おいしそう
│
│ フジサンがテンプレにあるんだし鏡餅くらいあるだろ
└─────────────────────────────────────‐
- 113 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:17:19 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「ふむ、確かにこれは一理あります。テンプレにある姿が本当の姿ではない」
/ ,' 3「これはもうデミタス弁護人の人徳の勝利ですね……人もAAも見た目で判断してはいけない。戒めです」
(´・,_ゝ・`)「ご理解いただけて、何より」
/ ,' 3「……ん?」
(´・_ゝ・`)「どうしました、裁判長」
/ ,' 3「え、いえ。大した事ではないのですが……」
/ ,' 3「 ≪それじゃあ長岡さんのマユゲはどこにあるのかなぁって……≫ 」
('A`;)「そ、そうだよ! そもそも元の論点が一切関係無くなっているんだぞ!!」
(´・_ゝ・`)「まぁそこはスタンド能力で亜空間にですね」
/ ,' 3「あ、そっか。やはりデミタス弁護人の言う事は正しかったようですね……」
('A`;)(なんという事だ……ここにきてスタンド能力説までもゴリ押してくるとは……!)
.
- 114 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:18:01 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「テンプレにあるマユゲは口。本物のマユゲは亜空間という事で間違いなさそうですね」
/ ,' 3「ドクオ検事、何か異議はありますかな?」
('A`;)「〜〜ッ!!」
(´・,_ゝ・`)「裁判長、敗者を煽ってはいけませんよ」
/ ,' 3「おっと、まったくもってその通りですね。いやはや……デミタス弁護人は人間の鑑ですね……」
(´・,_ゝ・`)「それほどでも」
/ ,' 3「それでは判決を言い渡します。ドクオ検事はこれを機に、悔い改めて」
('A`)「……終わった、か」
.
- 115 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:18:42 ID:/fPAQ8ew0
-
r-、 , -──‐‐-、 r、________,.へ
_ノ ノ ,.へ / ,-─==-‐‐、\ | r--、 r--、 r--、 r'′
lニニニ''' ムニニニニ---ゝ / ,,---、 ,,,---、ヽ | |__| |__| |__| |
フ ∠____,へ、 i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i し'─ r-z r-z ─‐-'
ノ ┌───l | | '`ー゚ 」 L`゚‐'^ | lニニニニニ | | ニニニニ'^ゝ
ノノ| L___.| | __| ,,、--└Li┘---、 |___ | | | |
_ノ-" | |ー──‐-、 | { ti/ /\ \iァ } .lニニニニ | | ニニ'^ゝ
| Lニニニニ. | Y ./´ ̄`\ Y´ r-、__,. -''~ j. | |
| | | | ノ ∠__/\_ヾ、 ヽ ゝ、,. -''~フノ | ニニニ'^ゝ
| | _| | / / / i ヽ ヽ \ ノ " | |
ー´ `ゝ、.ノ i / ,' i ヽ ヽ ! -''~ ー
| i i i i } }
,.、-‐‐┤ : ! ! } ! ノ ノ‐--、,_
,、-''" ヽ ヽ ヽ丶 ! ノ ノ / `‐-、,_
,、-'" \ \ ヽヽ ! / // `'‐、,_
/ \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ // / \
/ \ ヽ `r-、, _/ / / / i
┌‐────┐ ヽ \ノ二ヽ / / / |
│ サイバンチョ .! ヽ i i / /,、- |
├───‐─┴────────────────────────────
|ジョルジュ長岡は本日をもって ≪新年鏡餅君≫ と改名!
|他AAもそれぞれ真の姿に見合った名前に改名するよう文部科学省に要請します!
|そしてジョジョ最新作『ジョジョリオン』はウルトラジャンプで連載中! 他単行本もヨロシクゥ!
└─────────────────────────────────‐
- 116 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:34:58 ID:/fPAQ8ew0
- _
へ_,,,ー ̄ |
へ ( _,,, i~7 |
( レ⌒) | | 」 レ' |
|\_/ /へ_ | _ _ ー, )
\_./| |/ \ | | 」 |/ /
/ /| |~ヽ ヽ く_,,,ーー~~\
/ /| |ノ ノ | |_ | ) | /_,,,ー,
| | | / / /\`〜 ~~ ,,,,ー’
\\ノ く / / ~~ ',| √| ノ_,,,ー〜i
\_∧」 / / (〜' ̄ ~~_,,,ーー〜'
_/ / `ーフ ) ̄ ) )_
∠-''~ ∠/ //( ノ
く\_ー-' '~~~7
へ く~7_へ く_,, ┌二、~
/7 ∠、 \ _> _/ <ニ, ~ ∠,,へ
| / ! | (__//~) _,,,,-' _,〜、)
| | i | く ̄ / \_/~~_ _
! レノ | ! フ∠へ . /フ ( (_,,,,\\
\_ノ ノ / (_,,ノ ∠っ レー' ┌` )/
/ / へ_/\くニニ┐ 「 ̄| レフ
ノ / | /| | __ | レっ | く
ノ/ | |~~ | ノ \_,、 「 //\\_/|
ノ/ | |_ノ ) J |∠ノ \ ノ
(__,,ー~~ \ノ `V
- 117 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:35:39 ID:/fPAQ8ew0
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/。' 3 デーン!
(;´・_ゝ・`) デーン!
('A`;) デデーン!
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( ,_ノ` )y━・~「……ったく、せっかち過ぎるぜ。ドクオ……」
(;´・_ゝ・`)「なんだこのオッサン!」
/ ,' 3「これはこれは……渋沢検事ではありませんか!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「元、だがな。それよりドクオ、テメーの為にとっておきの証人を連れてきてやったぜ……」
- 118 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:36:19 ID:/fPAQ8ew0
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`' -、 ! ; | ´','','` | ; ! ザワザワ _ ,、-
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`' -、. `'> ザワザワ | ̄ ̄`! i´ ̄ ̄| <゙ ,、- '´
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i/ソi~'),!-、.i_ | ;; | ̄ ̄ ̄ ̄| ;; | ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ _ _ _ _ | ;; | _ O _ .| ;; | _ _ _ _ (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
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│ 証人!そういうのもあるのか あれ?あの人もマユゲあるんですけど・・・
│
│ なんで最初から呼ばないんですかね・・・
│
└─────────────────────────────────────‐
- 119 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:37:05 ID:/fPAQ8ew0
-
/ ,' 3「ふむ、それでは証人の方は前へ」
('A`;)「渋沢、貴様……」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「勘違いするなよ。法廷には真実以外あっちゃいけねぇ……俺はそう考えているだけだ……」
(;´・_ゝ・`)「……あッ! アナタはッ!!」
_
(#゚∀゚)「よォ〜みんな好き勝手言ってくれてるなァ〜〜?」
/。' 3「ジョルジュ長岡さん! ご本人の登場ですか!?」
('A`)「フッ、そもそも本人の不在は有り得ない事だ。これで議論は初めからだな」
(;´・_ゝ・`)(ナンテコッタ……これもう勝てるかわかんねぇな……)
.
- 120 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:37:52 ID:/fPAQ8ew0
-
_
( ゚∀゚)「……まあはっきり言って俺は憤怒しているが……」
_
( ‐∀‐)「今までちゃんと言わなかった俺も悪い。この裁判での発言は全て水に流そう……」
(;´・_ゝ・`) ホッ
ヽ('A`)「それではジョルジュ長岡さん! アナタの口から真実を語って下さい!」
_
( ゚∀゚)「いいだろう! 耳の穴かっぽじってよォ〜く聞けよ〜!」
_
( ゚∀゚)「俺の上にあるこの半角アンダーバー! これは……」
/ ,' 3「これは……」
('A`)「……」
(;´・_ゝ・`)(やべぇよ……やべぇよ……)
.
- 121 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:38:47 ID:/fPAQ8ew0
-
`ー-、_-- ,,`ー-- `ー-、_ `‐-、ヽヽ.`-、_
,,___`''‐、 ` - _ 、_ ` ‐、 `ヽ ' l .i 'ー'"i -------------
`''‐、_ ̄ ` - _ - -- ` - ` 、`:、ヽ | ,' ' .,'
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`i ! r‐-,.! `l ""ヽ、 .l_______
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`‐-、_ -.|ヽ / |. ! ', `‐、
┌‐────┐':、 ,.:'i ,.:'| |、 _, ! i .',
│ ジョルジュ | '、/ .) / |/| `、" | ',
├───‐─┴────────────────────────
| マ ユ ゲ だ よ ! !
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- 122 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:39:30 ID:/fPAQ8ew0
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`' -、 ! ; | ´','','` | ; ! ザワザワ _ ,、-
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`' -、. `'> ザワザワ | ̄ ̄`! i´ ̄ ̄| <゙ ,、- '´
,-、 i`' T゙ ├─┬''''''''''''''''''┬─┤ ゙T '´!_,.,_ ,、.,,
i/ソi~'),!-、.i_ | ;; | ̄ ̄ ̄ ̄| ;; | ,...,,.-,!c,=!i_・i.!_;,ノ
⌒'`ヽゝソ ! ')i゙;ゝ _ _ _ _ | ;; | _ O _ .| ;; | _ _ _ _ (・.)(゚ノ゙ゝ ' ' ' ´
~` ' ' - 、 , _` ’ \┌ ─ ─-'';─ ┼ '-'-'-' ┼ ─ -─ ─ ┐/ `_ , 、 、 - ' ' ~
 ̄i ` ' ' -, 、 ,`,'_' '_- 、 ,、| i::::::::::::::::::::i i  ̄  ̄  ̄ i i::::::::::::::::::::i |、, _- '_'__´、 、 、、- ' '゛ i  ̄
i ! i ;iミ,;ヾT´! i i┌ ─ ─ ! i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i i ─ ─ ┐i i ,゙-、,ナヽζ! ! !
i ! i 丿 く i i i ! !- ┬ - ┤i- ∩ ┐┌ ∩ -i├ - ┬ -! i !゙(マi i゙T''゙ヽi. i i
i ! i .i~i ゙',゙.! ! ! .i. i二二二二二二二二! ! i .! !' '/./ i.\ !. i
i ! i .| .! ! |__|_!_ _.|_├ ─ ── ── ─ ┤_i._ _i_| i ././| !.ノ i i
i ! i .| .! !;、-''' ゙´ ,、-| | | |-、, -=-'ー!、, _|. i i
i ! i (|─´──┬ ' ´ ! ! ! !. ` ' ┬─ ─ .┤!. i i
┌‐────┐ | i~! .!i i└-───────┘!. ! i~! | i ! !
│ 傍聴席 .| | i i. .!i / \. i ! i | i ! !
├───‐─┴────────────────────────────────
│ 原点回帰やめろや それはみんな知ってるんだよなぁ・・・
│
│ 結局マユゲなのか・・・ でっていう
│
└─────────────────────────────────────‐
- 123 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:40:12 ID:/fPAQ8ew0
-
('A`)「……デミタス弁護人。本人がこう言っている以上、最早語ることはあるまい」
(;´・_ゝ・`)(チックショ〜今夜はウマイもの食べるって決めてたのにィ〜)
/ ,' 3「それでは判決を言い渡します。静粛に、静粛に」
_ ○
( ゚∀゚)「……」 ( ゚ ゚)
○
( ゚_゚) テテーン
( ゚∀゚)
.
- 124 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:40:52 ID:/fPAQ8ew0
- r-、 , -──‐‐-、 r、________,.へ
_ノ ノ ,.へ / ,-─==-‐‐、\ | r--、 r--、 r--、 r'′
lニニニ''' ムニニニニ---ゝ / ,,---、 ,,,---、ヽ | |__| |__| |__| |
フ ∠____,へ、 i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i し'─ r-z r-z ─‐-'
ノ ┌───l | | '`ー゚ 」 L`゚‐'^ | lニニニニニ | | ニニニニ'^ゝ
ノノ| L___.| | __| ,,、--└Li┘---、 |___ | | | |
_ノ-" | |ー──‐-、 | { ti/ /\ \iァ } .lニニニニ | | ニニ'^ゝ
| Lニニニニ. | Y ./´ ̄`\ Y´ r-、__,. -''~ j. | |
| | | | ノ ∠__/\_ヾ、 ヽ ゝ、,. -''~フノ | ニニニ'^ゝ
| | _| | / / / i ヽ ヽ \ ノ " | |
ー´ `ゝ、.ノ i / ,' i ヽ ヽ ! -''~ ー
| i i i i } }
,.、-‐‐┤ : ! ! } ! ノ ノ‐--、,_
,、-''" ヽ ヽ ヽ丶 ! ノ ノ / `‐-、,_
,、-'" \ \ ヽヽ ! / // `'‐、,_
/ \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ // / \
/ \ ヽ `r-、, _/ / / / i
┌‐────┐ ヽ \ノ二ヽ / / / |
│ サイバンチョ .! ヽ i i / /,、- |
├───‐─┴────────────────────────────
|やっぱりマユゲじゃないか。つーかもう最初の議題はどこ行ったんですかね・・・
|何かもう適当にやって終わりでいいんじゃない? あと新年鏡餅君は極刑って事で
| マユゲ is TRUE←結論
└─────────────────────────────────‐
- 125 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:41:46 ID:/fPAQ8ew0
- ,,-''" ,, --''"ニ_―- _ ''-,,_ ゞ "-
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ {
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-"
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"
 ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,,-''"
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、
._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i
.(:::::{:(i(____ i| 閉 .|i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
"--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| 廷 .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
 ̄ ̄"..i| .|i
.i| |i
i| |
.i| .|i
.i| |i
.i| ,,-、 、 |
i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i
_,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;::: 【次回】 ワカッテマスは何を分かっているのか
.
- 126 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:52:51 ID:/fPAQ8ew0
- 元はVIP投下予定のアレでした。
でも大型AA多いし内輪ネタだし・・・という事でこうなりました。没ネタです
新年鏡餅君を思いついた時点で敗北は決まっていました。
次回投下は早ければ今夜、遅ければ三日後です。
「(´・ω・`)の世紀末絵本朗読会のようです」というのを投下する予定です。よろしくオナシャス
- 127 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:55:04 ID:OgHONAsUO
- どれもすげー面白いんだけど
各話が追いにくいっす!!
- 128 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:58:20 ID:C5N1Ea/g0
- こじつけ裁判ワロタ
- 129 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 10:58:28 ID:/fPAQ8ew0
- >>127
ありがとう!
なんか知らないけど、こういうのがあるらしいぞ!
http://655359.blog.fc2.com/
- 130 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 11:04:36 ID:/fPAQ8ew0
- 今までの投下をまとめてみた。
これで間違ってないはず。間違ってたら短編10個書く
【その1】 ( ^ω^)は刹那を歩くようです
【ばしょ】 >>2->>13
【ほそく】 GWなのに誰も釣りスレ立てないから立てた。
【その2】 無題のようです
【ばしょ】 >>22->>41
【ほそく】 ふくせん
【その3】 全日本肩ポン選手権のようです
【ばしょ】 >>43->>53
【ほそく】 迷走
【その4】 無題のようです プロローグの1と2
【ばしょ】 >>57->>81
【ほそく】 タイトルが浮かばない
【その5】 無題のようです プロローグの3
【ばしょ】 >>85->>93
【ほそく】 タイトルが(ry
【その6】 (`・_ゝ・´) ブーン系小説裁判のようです ('A`)
【ばしょ】 >>97->>125
【ほそく】 没ネタ
- 131 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 11:08:09 ID:/fPAQ8ew0
- 安価の仕方を間違えたけど間違いの内には入りません。絶対に
【その1】 ( ^ω^)は刹那を歩くようです
【ばしょ】 >>2->>13
【ほそく】 GWなのに誰も釣りスレ立てないから立てた。
【その2】 無題のようです
【ばしょ】 >>22->>41
【ほそく】 ふくせん
【その3】 全日本肩ポン選手権のようです
【ばしょ】 >>43->>53
【ほそく】 迷走
【その4】 無題のようです プロローグの1と2
【ばしょ】 >>57->>81
【ほそく】 タイトルが浮かばない
【その5】 無題のようです プロローグの3
【ばしょ】 >>85->>93
【ほそく】 タイトルが(ry
【その6】 (`・_ゝ・´) ブーン系小説裁判のようです ('A`)
【ばしょ】 >>97->>125
【ほそく】 没ネタ
- 132 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 11:10:02 ID:/fPAQ8ew0
- これだ!
【その1】 ( ^ω^)は刹那を歩くようです
【ばしょ】 >>2-13
【ほそく】 GWなのに誰も釣りスレ立てないから立てた。
【その2】 無題のようです
【ばしょ】 >>22-41
【ほそく】 ふくせん
【その3】 全日本肩ポン選手権のようです
【ばしょ】 >>43-53
【ほそく】 迷走
【その4】 無題のようです プロローグの1と2
【ばしょ】 >>57-81
【ほそく】 タイトルが浮かばない
【その5】 無題のようです プロローグの3
【ばしょ】 >>85-93
【ほそく】 タイトルが(ry
【その6】 (`・_ゝ・´) ブーン系小説裁判のようです ('A`)
【ばしょ】 >>97-125
【ほそく】 没ネタ
- 133 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 11:20:01 ID:C5N1Ea/g0
- 短編10個じゃないですかねぇ・・・
- 134 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 13:50:02 ID:LgLH.hmw0
- 短編10個だな
- 135 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 14:25:26 ID:rw4t0fmI0
- うおおこんな面白いの見逃してた!
乙です乙です次の短編も楽しみ
- 136 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 17:18:56 ID:/fPAQ8ew0
- 一日に沢山投下しても読んでもらえないと思うので、次の投下は三日後にします。
その時には短編の皮を被った没ネタと、プロローグの4を投下する予定です。そうです。このスレには長編もあるのです。
そして気になる短編十個ですが、無慈悲なる創作板の悪鬼羅刹を敵に回さない為にも、甘んじて十個書きます。
ただし、うんこブリブリ言ってるミセリが足の裏かいているだけの話を十個書く可能性もあります。
創作板にクソスレが10個立つ可能性も存在します。なので、「どうなっても知らないぞ」とだけ、先に言わせてもらいます。宜しくお願いします
- 137 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 23:01:57 ID:rw4t0fmI0
- 無題のようですが一番好きだけどやっぱ表題作ということで
※擬人化注意※
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_410.jpg
短編www頑張ってwwww下さwwwうぇwww
- 138 :名も無きAAのようです:2012/06/13(水) 23:31:01 ID:p8DOXN6cO
- ( ^ω^)は刹那を歩くようです
これ、続き物じゃなかったのか
それとGWではなくAF(アナル〇ァッ〇と違うよ)じゃない?
- 139 :名も無きAAのようです:2012/06/14(木) 00:22:12 ID:fZDHT0WwO
- AFだな
これはさらに短編が増えるレベルの間違い
- 140 :名も無きAAのようです:2012/06/14(木) 00:52:12 ID:yyCQQbnY0
- ハードルあげるとか悪魔のようなやつらだなwww
- 141 :名も無きAAのようです:2012/06/14(木) 00:55:36 ID:96lalpjs0
- 絵ももらったから短編でお礼しないといけないよね
- 142 :名も無きAAのようです:2012/06/14(木) 01:42:52 ID:zlYgq5us0
- >>137
絵を描いてもらえて非常に嬉しいです。
無題の方は書き溜めがクッソ長いので、少しずつ投下していきますよ。
でも最後の一行は何なんですかね。あなたも煽りですか
>>138
そこに気付くとはやはり天才。GWとAFの間違いに気付けるとは・・・
「刹那を歩く」は「無題」の方に設定を流用したので、続きませすん。
>>139-141
あまり私を本気にさせない方がいい
- 143 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 06:16:01 ID:.CGhsLLg0
- 今日の九時くらいから始めます
予定を少し変えて、長編のプロローグを全部投下します
今日は一日投下と書き溜め三昧です。よろしくお願いします
- 144 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:02:27 ID:.CGhsLLg0
- 始めます。
一時間ごとに投下していきます
- 145 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:03:07 ID:.CGhsLLg0
-
――訓練学校。訓練場――
(;´・ω・`)「てやッ!」
ショボーンの持つ木刀がドクオの頭上に振り下ろされる。
ドクオは頭を引いてそれを避けると、後ろに飛び退き、意図的に姿勢を崩した。
これは自身をよろめいた状態に見せかけ、相手を自分の攻撃圏内に誘い込む事を目的とした戦術だった。
ショボーンはその術中にまんまとはまり、すぐさま木刀を構え直して駆け出した。
(;´・ω・`)(貰った!)
再び頭上に振り下ろされる木刀。
ドクオは揺らいだ体を制し、僅かな遠心力をもって拳を打ち出す。
物の裂ける、痛々しい音が響いた。
.
- 146 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:04:28 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「……終わりだな」
(;´・ω・`)「えっ?」
何が起きたか理解出来ず、その場で硬直するショボーン。
彼が間違いなく振り下ろした木刀は、その切先を喪失していた。
数秒後、彼の背後で木を打ち鳴らした様な音が鳴った。
打ち砕かれ、空中へ打ち上げられた木刀の切先が、ようやく地面に落ちてきたのだ。
.
- 147 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:05:41 ID:.CGhsLLg0
-
( ´∀`)「そこまで! ドクオさんの勝ちモナ」
訓練教官のモナーが試合の終了を告げた。
身を引いて一礼。生徒一同の拍手の中、ドクオは壁際に寄って休憩を始めた。
( ´∀`)「じゃあ残り時間はみんな自由にしていいモナ」
生徒歓喜。およそ20名の生徒達は、各々自由に遊び始めた。
('A`)「あー」
壁に背を預け、スポーツドリンクを一口飲む。
ドクオはこういった場が好きではない。自分を見世物として扱われる事が不愉快なのだ。
茶番を演じる事も、本来ならば断る性格をしている。しかし今回はシャキンの頼みもあったので、渋々引き受けたに過ぎない。
現在、彼の心中は不快感に三割ほど侵食されている。
それを知ってか知らずか、訓練教官のモナーが笑みを浮かべながらドクオの横に立った。
( ´∀`)「珍しい方が来て、生徒は喜んでいたモナ」
('A`)「……そりゃ良かった。来た甲斐があるってもンだ」
学校でのイベントとは、それを催す数名以外にとっては他人事だ。
安いメロドラマ同様、三日で忘れ去られる。たった今ドクオが演じた茶番も、それと同様だ。
ドクオはこれを自覚していた。自覚した上で、モナーに皮肉は口にしなかった。
.
- 148 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:06:41 ID:.CGhsLLg0
-
( ´∀`)「それで、今日は何をしに来たモナ? ついにドクオさんもチームを組むモナ?」
突拍子も無いモナーの言葉に、訓練場の生徒達が微かに反応した。
遊びの手を止め、視線を一瞬、ドクオに向ける。
('A`)「……いや、俺ァ誰とも組む気はねぇよ」
カンパニーには数多くの能力者達が存在し、またそれらを統率する為の小隊――チームも存在する。
ドクオはチームのリーダーに相当する部隊長の階級にあるが、彼は過去一度もチームを組んだ事は無かった。
逆に彼をチームに引き込もうとする声も多数あるが、ドクオは全てを断ってきた。
彼が頑なに孤独であろうとする理由は、カンパニーの中でもシャキンだけが知っている秘密であった。
( ´∀`)「それで、どうでしたモナ」
('A`)「ん?」
( ´∀`)「ショボーン君モナ。改善点があれば教えてやってほしいモナ」
('A`)「そうだな……アイツは逃げ腰が目立つ。逃げる事に全力を掛けてる感じだな」
( ´∀`)「モナ……良くも悪くも、あの子は優しいモナ」
.
- 149 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:07:22 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「……」
('A`)「いいや、アイツは優しくなんかねェよ」
モナーの生温い言葉が癇に障ったのか、ドクオは語気を荒げてそう言った。
('A`)「優しい奴は一度優しさを根こそぎ捨てている奴だ。
その上で時に応じて優しさを発揮出来る奴を、『優しい奴』って言うんだよ」
('A`)「アイツが持ってる優しさなんざァ……本物のそれに比べればオムツみてェなモンだよ」
('A`)「自分の弱さを漏らさねェ為に履いてるオムツ。アイツの優しさは、自分にしか興味がねェんだ……」
( ´∀`)「……」
(;'A`)「……あ、いや。今のには私情が混ざっていた……忘れてくれ……」
( ´∀`)「いえいえ、確かに一理ある事ですモナ。取り下げる必要も無いモナ」
( ´∀`)「人の優しさ、特に『善意』というものは、我々が理解できる事では無いのかも知れませんモナ。
結果をして善と呼ぶのか、行いをして善と呼ぶのか、モナも思い悩んだ頃がありますモナ……」
.
- 150 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:08:04 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「思い悩んだ……って事は、その答えは出たのか?」
( ´∀`)「お恥ずかしながら、モナは既に『善』について考える事を辞めたモナ。
だからこそ、こうして未来ある若者を前にして、思考を停滞させているモナ」
(;'A`)「それが訓練教官の言う事かよ……」
( ´∀`)「では、ドクオさんはどう思うモナ?」
( ´∀`)「結果をして善と呼ぶか、行いをして善と呼ぶか」
('A`)「……さァな」
(;´∀`)「……えぇ〜? そりゃないモナ……」
('A`)「だがまぁ、はっきりと言える事が、一つだけあるな」
(;´・ω・`)
少し離れた所から、ショボーンがこちらの様子を伺っていた。
ドクオはショボーンに向けて、こっちに来るようにジェスチャーをして見せた。
.
- 151 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:08:46 ID:.CGhsLLg0
-
(;´・ω・`)
('A`)「俺に用か?」
(;´・ω・`)「は、はい……!」
('A`)「だったら話を聞こうか」
(;´・ω・`)「……あの、恐れ多い事なのですが、僕を……」
(;´・ω・`)「僕を、ドクオさんのチームに入れて下さい……」
その自信に欠けたショボーンの様子は、まだ青二才だった頃のドクオと酷似していた。
遠い日の事を、ドクオは微かに思い出した。
.
- 152 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:09:30 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「……いいだろう。テメーと組んでやるよ」
(;´・ω・`)「……本当に?」
(;'A`)「心配すんな。だからもう学校なンざサボって、宿舎に帰って荷物まとめとけ」
(´・ω・`;)「せせせせんせい……」
( ´∀`)「口約束で終わらせないよう、ドクオさんは先生が見張っててあげるモナ。
さ、早く宿舎に帰るモナ。やる事は沢山あるモナよ」
(;´・ω・`)「――すぐ準備してくる! 待ってろよ!」
ショボーンは導火線に火が点いたように駆け出し、訓練場から姿を消した。
瞬間、事を聞きつけた他の生徒が一斉に騒ぎ出した。
モナーは生徒を落ち着かせようと声を張るが、生徒達の喧騒はモナーの注意を容易く打ち消した。
(;´∀`)「チクショウ! こいつら全然言う事聞かないモナ!」
(;'A`)(アイツ……もう俺にタメ口かよ……)
.
- 153 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:10:10 ID:.CGhsLLg0
-
(;´∀`)「ああもう……!」
('A`)「ま、そう顔色を悪くすんなよ先生。年頃のガキは騒いでた方が“らしい”ってもんだろ」
(;´∀`)「ぐぬぬ……」
(;´∀`)「……それで、さっきの続きは何だったモナ?
ドクオさんの、はっきりと言える事って……」
('A`)「ん? あれか。あれは……」
('∀`)「――――って事だ! 大した事じゃあねェよ!」
(;´∀`)「……」
(*´∀`)「あんた、やっぱアホだモナ!」
('∀`)「自慢じゃないがな!」
生徒達の喧騒は二人をも飲み込み、授業終了のチャイムが鳴るまで、訓練場は誰が見てもカオスな光景に映ったという。
そして場のノリに任せた結果、途中から何故か鬼ごっこ(実演)が始まったのは、モナー組だけの秘密であった。
.
- 154 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 09:11:27 ID:.CGhsLLg0
- 終わり
また一時間後
- 155 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:05:13 ID:.CGhsLLg0
-
ドクオがチームを組むという話は、紆余曲折と何やかんやの経路を辿り、カンパニー本部へと伝わった。
「うわヤベェ」 「うわパネェ」 「うわスゲェ」 「うわ何をするやm」
などの声が上がる中、ドクオとショボーンは諸々の書類を持って本部にやってきた。時刻は午後4時を回っていた。
ドクオには見慣れた建物もショボーンには目新しいものであり、ショボーンはカンパニー本部を大きく見上げていた。
彼の目には、羨望と期待の色が濃く浮かび上がっている。
(*´・ω・`)「大きいですねー」
('A`)「五階建てだ。どこぞのショッピングモールよか充実してるぜ」
(*´・ω・`)「へぇー」
('A`)「ま、今日はさっさと申請書渡して帰った方が身の為かもな。
言っちゃあ何だが、俺らは今、話題のど真ん中に居るらしい」
(;´・ω・`)「……あんな安請け合いしてくれるなんて思ってなくて……」
('A`)「ん? だったら止めとくか。今ならまだ戻れンだろ」
(;´・ω・`)「行きます! 行きましょう!」
<_;プー゚)フ「ちょっと待てェ!」
.
- 156 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:05:54 ID:.CGhsLLg0
-
本部に入ろうとする二人の背後から、怒号にも似た叫び声が響いた。
ショボーンは振り返り、エクストの姿を視認する。それと同時に、彼の胸は緊張に締め付けられた。
(´・ω・`;)「ド、ドクオさん。あれって……」
ショボーンに問い掛けられ、ドクオも渋々ながら振り返る。
('A`)「ああ、あいつはエクストだよ」
(´・ω・`;)「エクストって……ほぼ伝説の人じゃないですか!」
<_;プー゚)フ「ほぼとは何だ! 失礼な奴め!」
<_プー゚)フ「――と言うかドクオ!」
('A`;)「……ンだよ、うざってェな」
<_プー゚)フ「その新人とチームを組むってのは本当か!」
('A`)「本当の話だ。んじゃまた今度な」
.
- 157 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:06:54 ID:.CGhsLLg0
-
( 'A`)「行くぞ。あいつに構ってる暇は無い」
(;´・ω・`)「えっ……あ、はい」
<_プー゚)フ「……俺のチームに入るより、そんな『無能』と組むって言うのか……」
エスクトの言葉が放たれたと同時に、辺りに漂う空気が、その動きを止めた。
瞬間、ショボーンは察知した。ドクオとエクストが、胸に怒りを湧き上がらせた事を。
そしてショボーンは知っていた。怒りを覚えた者が立ち会えば、激突以外の道が無い事を。
(;´・ω・`)「ドクオさん、早く行きましょうよ……」
('A`)「……黙ってろショボーン。俺ァ久々に切れちまったぜ。先に奴を片付けさせろ」
('A`)「……『無能』か。だったらお前は何なんだ、エリート組のエクストさんよ……」
<_プー゚)フ「俺は勝ち組だ。その俺が、前からテメーみたいな『拾い物』をチームに入れてやるって言ってンだぜ?」
<_#プー゚)フ「断る言葉なンざ、出る訳ねぇよなァ!?」
('A`#)「だったら俺に言わせてみやがれ! 俺の上にテメーが居ると、証明出来るンだったらなァ!!」
- 158 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:07:45 ID:.CGhsLLg0
-
「後悔すンなよ……!」
「泣くンじゃねェぞ……!」
.
- 159 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:09:38 ID:.CGhsLLg0
-
――息を潜めていた風が、二人の怒りに呼応して巻き上がった。
(;´つω・`)「うわっ! ちょっ! 止め……」
(;´つω・`)(つーか何に怒ったんだよ二人は! もうちょい脈略を教えてくれ! 沸点低すぎだろ!)
(;´つω・`)(……街の電気が消えてってる? あの人ら、たかが喧嘩に能力まで使う気なのか!)
ドクオ達が所有する特殊能力は、人口の光を取り込む事によってのみ発動が可能となる。
時折発生する街の停電現象は、主に彼らの能力発動に伴う現象だ。
それでも街一つが一斉に闇に落ちるという事は……まさに異例である。
夕日が無ければ、街は本当に暗闇に呑まれていただろう。
故にこの闇は、ドクオとエクストの力が強大であり、また絶賛能力発動中である事の証明だった。
.
- 160 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:11:13 ID:.CGhsLLg0
-
(#'A`)「オラァッ!」
彼の両腕に二つ、背に六つの撃鉄が具現。
途端、彼は背の撃鉄を一つ打ち鳴らし、拳で地面を殴りつけた。
コンクリートの地面に凹面が出来ると同時に、ドクオは衝撃によって一気に空中へ飛び上がった。
上空に上がったドクオを、エクストは静かに見上げる。
<_#プー゚)フ「空は俺の世界だぜ、ドクオ!」
エクストは片足を下げて膝を曲げ、両手を地面に付けた。
その格好はランナーのそれと似ている。
<_#プー゚)フ「俺を、俺の【ドロップバスター】を――」
無音の跳躍。エクストの跳躍は、音を置き去りにした。
その速さは、空のドクオを一瞬にして抜き去った。
(;'A`)(まっ……ずい!)
既にエクストはドクオの上空で攻撃の姿勢を取っていた。
地面に頭を向けるその姿勢は、サッカーで言うところの『オーバーヘッドキック』を彷彿とさせる。
デカイ一撃が来る。ドクオは咄嗟に体をエクストに向け、腕を交差して構えた。
.
- 161 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:12:13 ID:.CGhsLLg0
-
<_#プー゚)フ「――見下げてンじゃねェェェェ!!」
蹴りが最高の威力を発揮する瞬間を、エクストは見逃さなかった。
エクストは全力をもって足を振り下ろた。その衝撃はドクオの体を激しく揺さぶり、また高速で吹き飛ばした。
(; A )
刹那に言える言葉など、ドクオは知らなかった。
次の瞬間、尋常ならざる落下音が轟き、ドクオの落下と同時に砂煙が巻き上がった。
一方で無事に着地したエクストは乱れた髪をかき上げると、全力のしたり顔をもってこう言った。
<_プー゚)フ「これで証明したぞ! 俺は上! テメーは下だってなァ!」
<_プー゚)フ デデェーン!
.
- 162 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:12:58 ID:.CGhsLLg0
-
<_*プー゚)フ ドヤァァァ!!
( A )(あーくっそ……コケにしやがって……)
( A )(黙ってりゃあ勝ち逃げさせたのによォ……)
<_*プー゚)フ「なぁ! 俺の方が強いよな!」 ドヤァァァァァァァ!
(´・ω・`;)「え? あ。お、おう……」
('A`)
('A`)「気〜が」
(#'A`)「……変わったァ!!」
ドクオは撃鉄のある背中から落ちた事で、落下の衝撃を幾分か緩和させていた。
それでもダメージがある事には間違い無いが、ドクオは跳ね起き、再び地面を殴り付けた。
- 163 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:13:48 ID:.CGhsLLg0
-
ここから先は全く持って不毛な戦いが続く。
具体的な事を書いたら大変な事になるのは、誰にとっても明白だった。
よって割愛する。
場所はドクオの住むホテルに移り、話はやっぱり後日談へと続くのであった。
.
- 164 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 10:14:34 ID:.CGhsLLg0
- また一時間後
- 165 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:13:53 ID:.CGhsLLg0
-
―― ドクオのホテル ――
(;゚A゚)「死ぬゥゥー!!」
lw´‐ _‐ノv「へーい」 バチコーン!
(; A )「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
lw´‐ _‐ノv「いぇーい」 バチーン!
('A`)
lw´‐ _‐ノv
lw´‐ _‐ノv「もういっちょー」
('A`;)「助けて!」
ξ;゚⊿゚)ξ「んもー」
傷だらけのドクオ君は、なんやかんやで自宅で静養していました。
そしてなんやかんかでシュールとツンが彼の介抱をしていました。やったぜ。
.
- 166 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:14:53 ID:.CGhsLLg0
-
ξ;゚⊿゚)ξ「シュール! 怪我人を虐めちゃ駄目でしょ!」
lw´‐ _‐ノv「せやな」
ξ゚⊿゚)ξ「……まぁ反省には期待しないけど、もう止めてね」
lw´‐ _‐ノv「んな殺生な」 ドゴォ!
('A`)「死ぬ」
【 図解 】
\んな殺生な/ ドゴォ!
_ _ .' , ..
∧ _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( 'A`) < 死ぬ
, -'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i
/ ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー' /´ヾ_ノ
/ _, \ / , ノ
| / \ `、 / / /
j / ヽ | / / ,'
/ ノ { | / /| |
/ / | (_ !、_/ / 〉
`、_〉 ー‐‐` |_/
- 167 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:15:37 ID:.CGhsLLg0
-
(;'A`)「くっそ……体が思うように動かん……」
ξ;゚⊿゚)ξ(今の状態で少しでも動く方が不思議よ……)
あれから数日。ドクオはエクストとのアホ喧嘩により、アホ喧嘩相応の傷を受けていた。
骨は数本折れているし、目に見える所には細かい擦り傷が多数出来ている。
打撲やら何やら、とにかく傷だらけだった。やばい。
ξ゚⊿゚)ξ「20時間……かなぁ」
ベッドに横たわるドクオを見て、ツンが大よその数字を呟いた。
ツンの能力は対象の傷を癒す【ハーフ・トゥ・ハート】というもので、どんな傷をも完治させる無類の能力だ。
能力の反動として後に長時間の睡眠を要するが、それを差し引いても彼女の能力が強力な事に違いは無い。
ドクオとは強さのベクトルが違うものの、彼もツンの強さと優しさに関しては、十分に認めていた。
彼女が口にした“20時間”というのは、彼女が自身の経験から予測した反動の大きさだった。
ドクオの傷を癒した後、ツンは20時間の眠りに就く。ツンはこれを「大した事はないって」と言うが、ドクオはやはり気が引けていた。
女性に傷を肩代わりさせるという事を、ドクオ自身のプライドが許さなかった。
.
- 168 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:16:28 ID:.CGhsLLg0
-
(;'A`)「ああもう! 帰ってくれ! 後は自分でどうにかする!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
包帯に巻かれた片手を挙げ、ドクオがツンを拒絶する。
しかしツンは彼の言葉を無視してベッドに上がり、ドクオの体に覆い被さった。
瞬間、ドクオは間違いなく動揺したが、童貞の意地がそれを包み隠した。
ξ゚⊿゚)ξ「悪いけど、こんな重度の怪我人に選択権は無いの」
('A`)「ウェイ」
噛んだ。もう童貞の意地が限界を迎えていた。
ξ*゚⊿゚)ξ「そ、それじゃあ……」
lw´‐ _‐ノv「REC」
ツンの能力は、その仕様から対象と肌身を合わせる必要があった。
普段は手を繋ぐ程度で十分なのだが、ドクオほどの傷となると……。
これから始まる行為は傍目に見れば濡れ場であるが、特にそんな事もないので割愛する。
ただちょっと肌身が触れ合ってツンがドクオの上で小さく喘ぐ程度の事なので割愛する。割愛する。
.
- 169 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:17:18 ID:.CGhsLLg0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
旅団長室。
ショボーンは、阿部と対面していた。
N| "゚'` {"゚`lリ
(´・ω・`)
N| "゚'` {"゚`lリ 「将来有望、だな」
(;´・ω・`)「えっ?」
N| "゚'` {"゚`lリ 「それで、泊まる所はあるのか?」
(´・ω・`)「あ、今はドクオさんの所に泊まらせてもらってます」
N| "゚'` {"゚`lリ
N| "゚'` {"゚`lリ (俺を加えての3Pか……)
- 170 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:18:32 ID:.CGhsLLg0
-
N| "゚'` {"゚`lリ 「まぁ何にせよ歓迎する。ようこそ、カンパニーへ」
阿部が立ち上がって手を差し出すと、ショボーンは戸惑いながらもその手を取った。
分厚く、しっかりとした男の手だ。彼も阿部の事は知識として知っていたが、実物が放つ凄みは、ショボーンの想像以上だった。
N| "゚'` {"゚`lリ 「そして初仕事ご苦労さん。これからはドクオの補佐として頑張ってくれよ」
(´・ω・`)「初仕事って……僕まだ何もしてないんじゃ……」
N| "゚'` {"゚`lリ 「お前、あの喧嘩止める為にジョルジュを呼びに走っただろ?
あれが初仕事で、お手柄だったんだ。お前が居なければ色々と危なかったんだぞ?」
(*´・ω・`)「は、はぁ……」
N| "゚'` {"゚`lリ 「とにかく今日は即時即決ばかりで疲れただろ。
後の書類とか何とかはこっちに任せて、自分の時間にしていいぞ」
(;´・ω・`)「は、はい! えっと……これからよろしくお願いします!」
N| "゚'` {"゚`lリ 「ケツの穴は綺麗にな」
(´・ω・`)「はい! 失礼します!」
(´・ω・`)
(´・ω・`;)(どうしてケツの穴なんだ……)
そんな疑問を浮かべつつ、ショボーンは部屋を出て行った。
.
- 171 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:19:21 ID:.CGhsLLg0
-
N| "゚'` {"゚`lリ 「……さて」
阿部はショボーンを見送ると、机上に手を伸ばし、通信機のスイッチを押した。
小さなノイズが走り、通信が開始される。
N| "゚'` {"゚`lリ 「……ああ、ああ。分かった。すぐに向かう」
阿部は声色を重くしてそう応えると、通信を切って椅子に掛けていたツナギを羽織った。
良い男は忙しい、と冗談染みて考える。阿部はそれで僅かに頬を緩めたが、すぐさま表情をリセットした。
やがて阿部は瞬間移動で姿を消し、旅団長室を後にした。
.
- 172 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:20:16 ID:.CGhsLLg0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ジョルジュが立っている場所からは、酷く荒廃した大地が地平線まで見渡せた。
ここは世界の『外側』。枯れた大地が広がり、そこらに廃屋が立ち並ぶ無法の土地。
余り物と省かれ者の行き着く場所――ここは、『レムナント』と呼ばれていた。
例えば、とジョルジュは前置きする。
_
( ゚∀゚)「俺がお前と戦ったら、どっちが勝つ?」
廃ビルの中で、ジョルジュは101人目の顔付きに向けて問い掛けた。
顔付きは、険悪な表情を見せて答える。
.
- 173 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:20:58 ID:.CGhsLLg0
-
/~__)/)
/ ///
___| || |/\
\ (メ._⊿) ./ 「やめておけ……貴様程度では敗北より先に死を与えてしまう」
, ------/ 〉\/ )
^)~~ ̄ ̄ /ゝ /
⌒) / 〈
〉 ⌒)/ . ヽ、
⌒) ⌒)/ | ヾ ゝ
⌒^^⌒^⌒⌒´
.
- 174 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:22:02 ID:.CGhsLLg0
- _
( ゚∀゚)(……これが冗談じゃねぇってンだから困るよなぁ……)
_
( ゚∀゚)(辺りに遮蔽物、味方、一切無しか。俺もドクオじゃあるまいし、こりゃ最悪死ぬな……)
(メ._⊿)「……撤回だ」
_,
( ゚∀゚)「……は?」
唐突に放たれたウサギの言葉に、ジョルジュは眉を寄せた。
(メ._⊿)「二対一ならば、貴様達は敗北で済むだろう」
_
(;゚∀゚)「ん? お前何言って――」
_
(;゚∀゚)
言葉を打ち切り、ジョルジュは唖然としてその光景を目視する。
N| "゚'` {"゚`lリ 「……お前、俺に後ろを取られるようじゃあ三流だな。
おっと、動くなよ? 銃の引き金は既に動き始めている」
ウサギの後ろには、阿部高和が立っていた。
彼はウサギの後頭部に銃口を当てながら、続ける。
.
- 175 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:22:44 ID:.CGhsLLg0
-
N| "゚'` {"゚`lリ 「俺は阿部高和という男だ。お前の名を教えてくれ」
(メ._⊿)「……名は、無い。だが、俺の呼び名は二つある。
一つはバニッシュ・ビット。もう一つは『三月兎』だ……」
N| "゚'` {"゚`lリ 「では三月兎。お前達の目的は何だ」
(メ._⊿)「お前『達』か……生憎と私は省かれ者でな、彼らの目的は知らない」
N| "゚'` {"゚`lリ 「答えろ」
怒気を込め、阿部が問い直す。
(メ._⊿)「……貴様、何か勘違いをしていないか……?」
N| "゚'` {"゚`lリ 「お前こそ、この劣悪な状況を把握していないようだが」
三月兎の頭に銃口を押し付け、阿部は更に威圧して言った。
それに対し、三月兎は呆れ気味にして応える。
(メ._⊿)「まったく……銃を向ければ問い問い問いと……貴様達は何も変わらない……。
嫌というほど人間の程度が知れる……慢心もいいところだ……」
(メ._⊿)「断言してやろう。どんな銃を用いて弾丸を打ち出そうと、私を殺す事は出来ない」
.
- 176 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:23:42 ID:.CGhsLLg0
-
三月兎の話が終わると同時に、発砲音が鳴り響いた。
阿部は直撃を予想する。
阿部の拳銃から打ち出された弾丸は、ジョルジュの右頬を掠めていた。
N|;"゚'` {"゚`lリ「――消えた!?」
_
(;゚∀゚)「後ろだ!」
(メ._⊿)「……よき夢を」
ジョルジュがその声を聞いた時、既に阿部は『消滅』していた。
三月兎が阿部に触れた瞬間に、阿部は一切の肉片をも残さず『消滅』した。
_
( ゚∀゚)(……阿部は……死んだのか? あの阿部が……一瞬で……?)
_
( ゚∀゚)(……ダメだ。何が起きたか分からねぇ)
_
( ∀ )(分からねぇけど……)
.
- 177 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:24:58 ID:.CGhsLLg0
-
ジョルジュは制服のポケットからペンライトを取り出した。
ペンライトを点け、その光を取り込んで能力を発動。
_
( ∀ )「……分からねぇが……」
(メ._⊿)「貴様、やめる気は無いようだな」
ジョルジュは自前のメリケンサックを装着し、構える。
そして、彼は拳を連続して空中に打ち放った。
拳が風を切る。
_
( ゚∀゚)「……ふぅ」
(メ._⊿)「あの男より、技は上のようだな」
_
( ゚∀゚)「ドクオの事か。まぁあいつは馬鹿だからな。
それより、お前も早く構えろよ……」
_
( ゚∀゚)「……分からねぇが、どうしてもお前を倒さなきゃならねェ理由が出来た」
(メ._⊿)「……なるほど」
その決意の言葉に対し、三月兎は小さく笑みを浮かべた。
(メ._⊿)(これだから人間は……)
先の呆れとは違う、待望の気持ちが三月兎にそう思わせていた。
.
- 178 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 11:25:57 ID:.CGhsLLg0
- 一時間後
- 179 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:24:26 ID:VG4eyWg20
- wktk
- 180 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:32:53 ID:.CGhsLLg0
-
シュールの姿は無く、部屋にはドクオとツンだけが居た。
ツンが眠り始めてから、19時間と50分が経過していた。
20時間きっかりに起きる事はないだろうが、そろそろツンが起きる頃だった。
ドクオは先にベッドから起き上がり、便所へ行ったり風呂に入ったり歯を磨いたりした。
ツンの為……とは決して言わないが、二人分の朝食も作り始める。
('A`)(まぁ……トーストと適当に何かでいいよな)
その矢先、ドクオの携帯電話が鳴動した。シャキンからだ。
('A`)「なンだ、朝っぱらから」
片手で卵を割りつつ、ドクオが言う。
フライパンの上では、ハムと目玉焼きが油を含んで跳ねていた。
(`・ω・´)『……昨日から阿部とジョルジュが帰っていないんだ。何か知らないか?』
('A`)「何かって……俺ァ昨日から寝てたんだぜ? 知らねェよ。むしろ事情を教えてくれ」
(`・ω・´)『適当に言うな。こっちも捜索はしてはいるが……本当に見つからないんだ』
('A`)「んー……じゃあ朝帰りでもするんじゃねぇの? 案外そういう仲だったりしてな」
(`・ω・´)『それなら流石兄者の感覚網に引っ掛かってる筈だ。……もう切るぞ。俺も厨房の仕事だ』
('A`)「ああ、また後でな」
(`・ω・´)『お前は休暇中だろ。ゆっくりしてろ』
.
- 181 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:33:33 ID:.CGhsLLg0
-
通話が切れ、点々と電子音が鳴る。
それはドクオの心音に比べれば、随分と遅い間隔で鳴っていた。
('A`)「……あの二人が、か」
ドクオは事態を思案する。
この異常事態の連鎖は、きっと長期間に渡って続くだろう。ならば情報が必要だ。
都合の良い事に、彼は情報戦のプロフェッショナルを知人に持っていた。
それは、カンパニーには属していないが、流石兄者の弟として補佐役を務める流石弟者の事だった。
一度はサイバーテロリストとして捕縛された身ではあるが、彼の電脳に対する技術と適応力は人並み外れていた。
事実、彼はドクオと同じく人並み外れた力を持っていた。その力を、流石弟者は【サイバーカスケード】と名付けている。
('A`)「おう、俺だ」
ドクオが弟者に電話をかけると、間も無く弟者が話し始めた。
(´<_` )『ジョルジュは昨日、101人目の顔付きを捜索しに出てから帰っていない。
お前が最後に遭遇したのは、エクストとの喧嘩を止められた時だな』
(´<_` )『そして阿部の通話記録に発信元不明のものが一件あった。
一応阿部の音声は残っていたが、どういう訳か相手の声は勿論、向こう側の音声は全てノイズにまみれていた』
.
- 182 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:34:15 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「話が早すぎる」
(´<_` )『なんせ覗きが趣味だからな。シャキンとの通話、聞いてたぞ』
('A`)「この変態め」
(´<_` )『女と一晩明かした奴が何を言うか』
('A`)「知るかバカヤロー」
(´<_` )『照れるな童貞』
('A`)「誇れよ短縮」
(´<_` )『チンコは短しシコれよ童貞、ってか』
('A`)
('A`)「えっ」
(´<_` )『引くな。小説のタイトルの改変だよ。昔そういう小説があったんだ』
('A`)「ちょっと何言ってるか分かんないですね」
(´<_` )『昨日の激しいプレイ映像あるけど街中に流すか』
('A`)「マジ勘弁」
- 183 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:35:11 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「まぁ取り合えず詳細は全部頭ン中に送ってくれ。そっちの方が楽だ」
(´<_` )『把握した。んじゃあ寝るか気絶してくれるとやりやすいんだが……』
('A`)「俺には自分を腹パンする趣味は無いぞ」
(´<_` )『そンじゃあ高くつくぜ。後で飯奢れよ』
('A`)「へいへい」
通話を保留状態にし、ドクオは『奴』の到着を待つ。
そろそろ朝食も出来上がる頃合だ。コンロの火を消し、フライパンにはフタをする。
∧∧∧
《X》_《X》
そこで、『奴』が現れる。
それは、流石弟者の【サイバーカスケード】が生み出した能力のビジョンだった。
鋭角的な頭、その頭頂部には三つのツノが短く突き出ている。
縫合されて塞がれた目。沈黙を破らぬ不動の口元。
2mを超える彼の灰色の身体には、カラーコードの様にカラフルなコードが何十本も巻かれていた。
.
- 184 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:35:52 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「なんか来たぞ」
(´<_` )『んじゃあケータイの暗証番号教えてくれ。後は勝手にやるから』
('A`;)「……えー……」
(´<_` )『仕様だ。諦めろ』
('A`;)「……2501」
(´<_` )『どーも』
(´<_` )『カスケード、実行だ』
∧∧∧
《X》_《X》 ≪御意≫
主人の命令が出た途端、カスケードの拳は三本のコードに変化した。
そのコードは瞬く間にドクオの携帯電話を貫き、彼の額に直結した。
( A ;)(これ……異物感がヤバイぞ……)
頭の中で脈動するコードから、大量の情報が流れ込む。
時間にして5分後。ドクオはようやく異物感から開放された。
.
- 185 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:36:37 ID:.CGhsLLg0
-
(´<_` )『ねぇ今どんな気持ち?』
('A`;)「最悪だよ……なんだこの精神攻撃……」
(´<_` )『まぁ起きてる人間の頭は容量ギリギリだからなー。
そこに無理矢理情報送ろうってんだし、多少のリスクもあるわな』
('A`;)「先に言えや……」
(´<_` )『そんで警告だが、送った情報を思い出す時は連想を心掛けろよ。
思い出すのは一つ一つだ。脳みそブッ壊れて、廃人になりたくなかったらな』
('A`;)「あー……はい。それじゃあ」
(´<_` )『合言葉は2501だ。じゃあな』
通話が切れ、点々と電子音が鳴る。
それはドクオの心音に比べれば、随分と遅い間隔で鳴っていた。
.
- 186 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:37:19 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)(……阿部、ジョルジュ、電話、謎の通話記録……)
('A`)(……レムナント……)
連想は、彼に地獄の名を想起させた。
.
- 187 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:38:02 ID:.CGhsLLg0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
カンパニーのブリーフィングルーム。
段々に設けられた席にはカンパニー所属の隊員達が一同に介しており、その中にはドクオとショボーンの姿もあった。
( ´_ゝ`)「よし、それじゃあ始めるぞ」
壇上に立ち、皆の視線を集めたのは流石兄者だった。
彼は会場を見回して隊員達の様子を確認すると、壇上の端に寄ってモニターを点けた。
暗転。
モニターにはジョルジュ長岡と、阿部高和の画像が表示されていた。
( ´_ゝ`)「みんなも知っているとは思うが、昨日、ジョルジュと阿部が行方をくらませた。
俺の感覚網にも反応は無く、何か任務に出て行ったという報告は無い……」
(´<_` )「ただし、だ」
兄者の言葉を補足する為に、弟者も壇上に上がった。
弟者はモニターの画像を切り替え、ある一枚の画像を表示させた。
.
- 188 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:39:14 ID:.CGhsLLg0
-
(´<_` )「ラッキーな事に、ジョルジュの日記に事の発端が書かれていた。
これはジョルジュの日記……その最新の記事だ」
┌─────────────────────┐
│ _ ......│
│( ゚∀゚) ≪3月 11日 午後4時≫ .│
│ ..│
│なんか知らんけど電話がきた ...│
│レムナントの方に101人日が出てきたらしい ......│
│俺、阿部、ドクオの三人でやっつけるらしい .│
│でも極秘作戦だから人に教えたらダメらしい ....│
│がんばってこよう。今ばんは焼肉食べる ....│
└─────────────────────┘
(´<_`;)「……まぁ主体性には欠けてるが、これが俺達の手元にある唯一の手掛かりだ」
( ´_ゝ`)「レムナントって言うと……あの荒地だよな。
確かに潜伏先としては有力だが、極秘作戦ってのは?」
(´<_` )「察するに、何者かがジョルジュ達を騙し、レムナントに呼び出したという事だろう。
もっとも、あの二人を騙せる人物は少ない……俺の推測では、既に一人に絞り込んである……」
.
- 189 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:40:29 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「俺だな」
(´<_` )「……その通りだ。そしてドクオ、ここでお前に質問がある」
会場が僅かにざわついている。
弟者はそれらを無視し、ドクオに問い掛けた。
(´<_` )「お前はエクストと暴れた後、大怪我を負って自宅で静養していた。
その間のアリバイ……と言っては何だが、お前の無実を証明できるものはあるか?」
('A`)「一切無いな。俺がやったンじゃねェかって、俺自身が疑ってる程だぜ」
ξ;゚⊿゚)ξ「待って! それじゃあドクオが犯人だって言うの!?」
席を飛び上がり、ツンが声を上げた。
(;´_ゝ`)「落ち着け! そうと決まった訳じゃない! 俺達は公平な視点でだな……」
ξ#゚⊿゚)ξ「アリバイならあるわよ! 私はドクオと一晩過ごし……」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ*゚⊿゚)ξ キャッ
('A`)「えっ」
.
- 190 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:41:11 ID:.CGhsLLg0
-
その瞬間! 会場中の童貞達が一同に怒りを露にした!!
<_#プー゚)フ「なッ!? おいテメードクオ!! お前いつの間に女作ってたんだよ!!」
(;'A`)「はァァァァ!? お前こそ誤解を招く言い方すんじゃねェよバーカ!!」
lw´‐ _‐ノv「ここに証拠の映像がある。早速ご覧頂こう」
(;'A`)「シュール! それは早く消せって言っただろ!!」
(#´_ゝ`)「チクショー! 童貞仲間だと思ってたのにィィ!!」
('A`;)「お前童貞だってカミングアウトしてるぞ!?」
ξ*゚⊿゚)ξ「いやぁもうドクオったら(傷が)凄くって……」
(;>'A`)>「誤解だァァァァァァァ!!」
(`・ω・´)「――黙れ」
全てを押し潰すような凄みをもって、シャキンが囁いた。
会場に静寂が走る。そして、ここぞとばかりに兄者が話を再開させた。
.
- 191 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:43:54 ID:.CGhsLLg0
-
(;´_ゝ`)「と、とにかく! この二人の失踪は俺達にとって色々とヤバイ事だ。
だから今すぐにでも捜索しに行くべきなのは分かるよな?」
( ´_ゝ`)「そこでだ。誰が探しに行くかって話なんだが……」
('A`)「それも俺だ。俺が行く」
<_;プー゚)フ「なッ……良いトコ取りかよ! だったら俺が行く!」
( ´_ゝ`)「……いや、本部の戦力の事もある。それに、万が一でも101人目が出てきた時の事を考えろ。
この中で誰が【バニッシュ・ビット】戦える? ドクオ、エクスト、シャキン……せいぜいこの三人だ」
(´<_` )「それに、犯人の可能性が高いドクオに行かせるんだったら一石二鳥だしな」
<_;プー゚)フ「……だけど!」
(`・ω・´)「腑抜けるなよエクスト。俺達の存在理由は街を守る事にある。それが嫌なら制服を脱げ」
<_;プー゚)フ「……」
.
- 192 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:44:35 ID:.CGhsLLg0
-
('A`)「……案の定、敵さんは俺も標的にしているらしい。
俺が一人でレムナントに行けば、案外姿を見せてくれるかもな……」
ξ;゚⊿゚)ξ「一人って……さすがに一人で行かせる事は無いわよね?」
(´<_`; )「うーん……じゃあ誰が行くんだ? って事になるが……」
(;´_ゝ`)「さっきも言ったけど、本部側の戦力が減るのはちょっと……」
(´・ω・`)(早く終わらないかなー)
一方、会場の席の端っこの方で、ショボーンは足をプラプラさせてボーっとしていた。
机の上には折り紙の鶴が二つ。それは、彼が片手で折ったものだった。
( ´_ゝ`) ジー
(´・ω・`;)(あっ……目が合ってしまった……)
.
- 193 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:45:16 ID:.CGhsLLg0
-
( ´_ゝ`)「……居たわ。別に居なくても戦力変わらない奴が」
(´<_`; )「えっ? そんな奴居るわけ……」
(´<_` )
(´<_` )「最終的な人員選考は俺達に任せてくれ。それじゃあ、これで解散って事で」
会場に集まっていた者達は、弟者の言葉を聞いて席を立った。
ドクオも席を立ち、ショボーンに声をかけてから会場を後にした。
間も無くして会場から人影が消えると、兄者が弟者に向けて口走った。
( ´_ゝ`)「俺も行きたい」
(´<_` )「……聞こえん」
.
- 194 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:46:31 ID:.CGhsLLg0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
誰の見送りも無く、その男達は出発の準備を終えていた。
彼らは車に荷物を積み込むと、遠くに見える朝日を見つめた。
('A`)「……言っておくが、阿部達を探すだけだぜ? お前らが来る必要は……」
(´;ω;`)「ぼ、僕はっ……! さっそく戦力外通告をですねっ……!」
('A`;)「……まぁお前とはチームだからな。一緒に頑張ろうな」
(´;ω;`)「はい!」
('A`)「でも兄者は駄目だろ。お前の感覚網が無いと……」
(*´_ゝ`)「仕事という名の休暇FOOOOOOOOOOOO!!」
('A`)
('A`)「置いていくわ」
(;´_ゝ`)「弟者と適時通信する約束したんで大丈夫です心配無いです」
.
- 195 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:47:12 ID:.CGhsLLg0
-
プロローグ 【失踪/追走する者達】 から
第一話 【出会い/喰らい合うEATX(イクス)】 へ続く
.
- 196 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 12:51:17 ID:.CGhsLLg0
- やっと長編のプロローグが終わった!
後は一話完結の話が中心になるから、もうこのスレは短編祭り状態だ!
無題のようです(プロローグ)
>>145-153 >>155-163 >>165-177 >>180-195
午前の投下は上の通り。また一時間後。
次からは短編(没ネタ)の投下になります
- 197 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:18:17 ID:.CGhsLLg0
- 没ネタ
- 198 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:18:57 ID:.CGhsLLg0
-
(-@∀@)「みんな〜絵本の時間ですよ〜」
(#・∀・)「ヒャッハー! 絵本の時間だー!」
(#,,゚Д゚)「おじいさんは山へ芝刈りだー!」
(;-@∀@)「はいは〜い。みんな静かにね〜」
(-@∀@)(はぁ……これ絶対に就職先を間違えたよなぁ……)
(-@∀@)(昨今の世紀末ブームに乗って幼稚園を開園したけど……)
( ・∀・)「水だー! 水道だー!」
(,,゚Д゚)「手洗いうがいだー!」
(;-@∀@)(ヤンチャな子供が多すぎだってば〜)
.
- 199 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:19:42 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「おや、お困りのご様子で」
(;-@∀@)「うわっ不審者だ! それもケンシロウみたいな服着てる! ノースリーブ!」
(´・ω・`)「ノースリーブは関係無い」
(´・ω・`)「それより、アナタが手に持っているそれは……」
(-@∀@)「え? ああ、絵本ですけど……『桃から産まれたオワタロウ』っていう……」
(´・ω・`)「よし、私が読もう!」
(*-@∀@)「マジで!? ヒャッハー臨時休暇だー!」
- 200 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:20:23 ID:.CGhsLLg0
-
〜〜 お遊戯場(世紀末スタイル) 〜〜
( ・∀・)「先生遅いねー」
(,,゚Д゚)「ねー」
(´・ω・`)「こ〜んに〜ちは〜」 ガラガラ
(#・∀・)「何だァ? テメーはァ?」
<#ヽ`∀´>「アサピーを出せよこの野郎がァ〜!」
(´・ω・`)「黙らないと ぶちのめしますよ〜」
( ;∀;)
(,,;Д;)
(´・ω・`)「いい子ですね〜ほんとね〜もうね〜」
.
- 201 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:21:12 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「今日は臨時で私が読みますよ〜絵本をね〜」
( ;∀;)「え゙っ、絵゙本゙ばア゙ザビー先゙生゙以゙外゙読゙ん゙じゃダメ゙な゙ん゙だぞ!」
(´・ω・`)「お前は生意気だな。聖帝十字陵 完成の礎となるか」
( ;∀;)「やめて!」
(´・ω・`)「まぁ泣き止んでくださいよ〜」
そう言うとショボーンは壁を殴った。
すごい亀裂が走って、幼稚園が半壊した。やばい。
- 202 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:21:52 ID:.CGhsLLg0
-
(;,,゚Д゚)「幼稚園が! 幼稚園が!」
(;・∀・)「僕達のクラスが!」
(´・ω・`)「今日は天気が良いですからね〜屋根も要らないでしょう」
そう言うとショボーンは 昇竜セビキャン滅波動 で幼稚園の屋根を取り払った。
幼稚園は床を残して吹き飛んだ。いわゆる全壊である。
- 203 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:22:34 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「は〜い。それじゃあ読み始めますよ〜」
(;・∀・)(チクショウ……アサピー先生の為にも絶対笑わないぞ! いいな!)
(;,,゚Д゚)(分かってるよ! 俺だってこんなのに絵本読まれたくないもん!)
(´・ω・`)(んふふ〜じゃあ君達の心を読んであげようか〜?)
(,,゚Д゚)(こいつ直接脳内に……!)
- 204 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:23:19 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「さて、もう始めますよ〜」
(´・ω・`)「桃から産まれたオワタロウの〜始まり始まり〜」
(´・ω・`)「むか〜し、むかし、ある所に」
( ・∀・)(へっ! どうせジジババの登場だろ!)
(´・ω・`)「死を間近に控えた老夫婦が住んでいました〜」
(;・∀・)(やった当たってた! しかし話が重い!)
- 205 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:24:05 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「老夫婦は山へ行こうとしました〜。ですが止めておきました〜」
(´・ω・`)「なぜでしょうか? はいギコ君」
(;,,゚Д゚)「え? あの、疲れてたとか?」
(´・ω・`)「違います。彼らの両足が不能だからです。
足が動かなければ登山は出来ません。常識です」
(;,,゚Д゚)(重い! さっきから話が重い!)
- 206 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:24:45 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「んふふ〜みんな話が重いって思ってるね〜?」
(;・∀・)
(;,,゚Д゚)
(´・ω・`)「まだまだ重くなりますよ〜」
( ;∀;)「やめて!」
(´・ω・`)「冗談です。さぁ、次はいよいよ主人公の登場だ!」
- 207 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:25:25 ID:.CGhsLLg0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そんなこんなで桃から自発的に産まれたオワタロウは、特に何の脈略も無く老夫婦の家へ向かいました。
\(^o^)/ 「こんにちは」
('、`*川 「こんにちは。けほけほ」
/ ,' 3「こんにちは。ドゥルルンドゥルルン!!」
老夫婦は揃って高熱を出しており、布団に包まって寝ていました。
オワタは試しにお爺さんをビンタしました。
/ ,' 3 「ドゥルルンドゥルルン!!」
\(^o^)/「間違いない。これは不死の病だ」
オワタは旅に出る決心をしました。
.
- 208 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:26:10 ID:.CGhsLLg0
-
('、`*川 「オワタロウや、旅に出るならこれを持って行くといい」
\(^o^)/ 「これは……三輪車のサドル!」
('、`*川 「三輪車のサドルがブロッコリーに換えられていた時に、このサドルを使うんだよ」
\(^o^)/ 「分かりました。でも行きは電車なので大丈夫です」
/ ,' 3 「ドゥルルンドゥルルン!!」
こうしてオワタはJRなんちゃら線に乗って鬼が島へ向かいました。
.
- 209 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:26:55 ID:.CGhsLLg0
-
〜〜 鬼が島 東館 〜〜
\(^o^)/「こんにちは」
<ヽ`∀´>「鬼さん達ならエジプトに行ったよ。ちなみに僕は警備員」
\(^o^)/「マジで」
<ヽ`∀´>「うん」
\(^o^)/ オワタ
- 210 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:28:09 ID:.CGhsLLg0
-
しかし何だ? 鬼が島から帰りのバスに乗ったオワタは、得体の知れない感覚に疑問符を浮かべた。
(そう、これは……肌に細長い針がズブズブと突き刺さっていくような……そんな異物感だ……)
その感覚はオワタに敵の存在を予感させた。途端、彼はバスの車内を慎重に見回した。敵意を放っている乗客は、居ない。
では外か? そう思い、オワタは窓から外を確認する。バスの時速は約80km……長時間走って追える速さではなかった。
(……だが敵は確実に存在している。どこだ? 一体どこに……)
「――屋根かッ!!」
オワタの怒号が車内に響く。それと同時に、車内の乗客達が一斉に立ち上がった。
乗客達は首を回して……360度、あるいはそれ以上に首を回転させてオワタを見据えた。
異常。それをオワタが察した時、乗客は一斉にオワタに襲い掛かった。
「遅いッ! 俺の『スコール・ロック』には遠く及ばないッ!」
瞬間、オワタの傍らに朦朧とした英国紳士が現れた。それはオワタの魂のビジョン……スタンドであった。
「スコール・ロック! こいつらを『ゼロだった時』に戻せェーッ!!」
迫る乗客達に対し、オワタのスタンドは黒色のマントを広げて迎え撃った。
スタンドのマントが乗客達を包み込む……再びマントを広げた時、そこに乗客達の姿は無かった。
マントの中から消えた乗客達は――元の席に戻っていた。
新聞を読んだり、ケータイをいじったり、昼食を食べたり……乗客達は『何事も無かった頃に戻っていた』。
(何だ……何だ今のはッ! スタンド使いの攻撃に違い無いが……)
(……やはり屋根だ! バスの屋根に敵のスタンド使いが居るッ……!)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
- 211 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:28:49 ID:.CGhsLLg0
-
(´・ω・`)「……」
(*・∀・) ワクワク
(*,,゚Д゚) テカテカ
(´・ω・`)「……続き、聞きたい?」
(*・∀・)「うん!」
(*,,゚Д゚)「つづきはよ!」
(´・ω・`)
(´・ω・`)(面倒くせぇ〜〜)
ショボーンは即興でやっていた。
.
- 212 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:29:29 ID:.CGhsLLg0
-
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オワタは敵を想定する。
……先ほどの乗客達は、まず間違いなく敵のスタンドに操られていた。
ではどうやって? バスに乗る前から何かしらの『仕込み』をしていたのか? だが、何にせよ生きた人間を操作するのは相当難しいはずだ……。
スタンドとは生命エネルギーが作り出すパワーあるビジョン……具現化していないとはいえ、生命エネルギーは誰もが持ち合わせている力だ。
生きた人間を操るという事は……他者が持つ、その生命エネルギーさえもコントロールするという事だ。
そんな難しい事が……果たして本当にバスの上で出来るのか……? ……俺には絶対に出来ないぞ……。
\(^o^)/ 「あっ。夢だった」
全ては夢だった。
とりあえずオワタは帰り道の薬局で 『何でもなおし』 を買って老夫婦の家に帰りました。
それを与えたら老夫婦の高熱は下がり、不能だった両足も動かせるようになり、幸か不幸か足も一本増えて三本になりました。
すごくめでたい。
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.
- 213 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:30:10 ID:.CGhsLLg0
-
(´;ω;`)「いやぁ〜良い話だったねぇ〜」
(#・∀・)「ふざきんな! 飽きずにちゃんとやれ!」
(#,,゚Д゚)「そうだそうだ! サドルの伏線はどうするつもりなんだ!」
(#・∀・)「敵のスタンド能力だって判明してないんだぞ! いい加減にしろ!」
(´・ω・`)
(´・ω・`)
(´^ω^`)
幼稚園は爆発した。(AA略) おわり
.
- 214 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:35:14 ID:.CGhsLLg0
- 今日はこれで終わります
書き溜めが無くなってきたので、また色々と溜め込んできます
なんかブーン芸で短編祭りがあるとの噂なので、また短編も没ネタも溜まると思います
次の投下は来月くらいを目処に書いていきます。よろしくお願いします
- 215 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 14:39:41 ID:.CGhsLLg0
- 今日投下したところの安価
無題のようです(プロローグ)
>>145-153 >>155-163 >>165-177 >>180-195
(´・ω・`)の世紀末絵本朗読会のようです(没ネタ)
>>198-213
- 216 :名も無きAAのようです:2012/06/16(土) 23:39:41 ID:lbCdR28gO
- この作風どっかで見たことあるような気がする
- 217 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 01:23:15 ID:ZGDyX2CU0
- また何か出来たので、明日(日付としては今日)にでも投下しようと思います。
AAを多用するので、見る時はパソコンがいいと思います。
タイトルは 『 (´・ω・`)には |;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| が憑いているようです 』 といいます。
元はVIP用の何かだったのですが、最後のガラスをぶち破っていたら忍法帳が消し飛んだので、こっちで投下します。
VIPで投下するとは何だったのか。ですが長編の方も順調です。よろしくお願いします
>>216
クロニック・デジャヴとかいうう奴じゃないんですkかな
過去作とか無いでますしおすし
- 218 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:26:07 ID:ZGDyX2CU0
- 始めます
- 219 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:28:30 ID:ZGDyX2CU0
-
____________
||// ∧_∧|∧_∧
||/ ( ´・ω・)( ) …
|| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____________
||/// ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧_∧.|∧_∧
||//;;:: ::;ヽ ( ).(´・ω・`) よし! 次は学校へ行く準備だ!
|||;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
- 220 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:29:14 ID:ZGDyX2CU0
-
\\ プップー //
オハヨー
オハヨー
_________ ∧_∧_∧_∧ オハヨー
/ ∧_∧ // . ||.|| (^^(´・ω・`)^^∧_∧
|_(´・ω・`)//_||.|| ∧_∧∧_∧(´・ω・`)
/_  ̄ ̄_ | |.||(´・ω・`)´・ω・`)と::::::::::)
◎====◎ | バ |.||∪ ̄|∪ ̄|∪∪| ̄∪| ̄ ̄| ブロロロロ
|___ | |.|| | | | | |
ヽ -―ヽ\ | ス .|.||__|__|__|__|__| 三;;::('⌒;;:⌒
/ / // ヽ_\__|__/―――| |/ / ヽ
|| し | |w|│(_|w| | O | 三 ;;::('⌒ ;;:⌒
ヽヽ___ノ ヽヽ___ノ ヽヽ___ノ 三≡ (´⌒(´⌒;:
Å
♪ / \
((o(´・ω・)o)) おはよー
ヽ ヽ ♪
し―-J
- 221 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:30:02 ID:ZGDyX2CU0
-
【バスの中】
ザワザワ
宿題やってきた?
∧,,∧ ∧,,∧
その発想は無かった ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ 今日の給食なんだろね〜
ざわ・・・ u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u' ザワザワ
< うわバスジャック犯だ逃げろ
< たすけて
- 222 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:30:47 ID:ZGDyX2CU0
-
【凶悪犯シャキンヌ】
∧∧∧∧∧∧__∧ −=≡ Λ,,Λ
┌┌┌┌┌┌( `・ω・) −=≡ (;´・ω・) 死ぬ〜
ッ.ッッ.ッッ.ッッ.ッ゙!、,_`つ −=≡ ⊂ o
/////// ,.,r' `) −=≡ ( ⌒)
(__(_(__(_(__(__(__/ 'ー´ −=≡ c し'
「「バスジャックしま〜す」」
∧__∧∧∧∧∧∧
(・ω・` )┐┐┐┐┐┐
キャー と´_,ノ゙ヾ.ヾヾ.ヾヾ.ヾヾ.ヾ
ヾ(・ω・;`)ノ (´ ヽ、 \\\\\\\
`ー' \__)__)__)_)__)_)__)
【凶悪犯ショボンヌ】
Λ_Λ
(´・ω・`) (大変だ・・・これじゃ皆殺しにされちゃう・・・)
( _ )
U U
- 223 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:31:34 ID:ZGDyX2CU0
-
(誰か・・・助けて・・・)
∧_∧ .・,'∧_∧;,. ∧_∧
(´・ω・)=つ≡つ);;)ω(;;(⊂≡⊂=(・ω・`)
(っ ≡つ=つ (っ ⊂) ⊂=⊂≡ ⊂)
/ ) ババババ | | ババババ ( \
( / ̄∪ ∪ ̄ ∪ ∪ ̄\ )
_ (⌒Y´ ̄ヽ ∧_/( ̄)) ∧_∧
γ´ `ヽ_`と.__ )( ´・ ∩( 《 ( ´・ω・) ゴロン
)) ,、 , ) <、_,.ノ ヽ、.__,ノ l つ つ
((_/し∪V .ヽ.__ノ!__)) ゴロン
∧__∧ ∧_∧ ウウッ・・・ ∧_∧
( ) ( ´;ω;`) (・ω・` )
( つ (U_U )つ (つ と)
.ヽ___ノj (⌒Y⌒)
∧__∧ . / ̄ヽ ̄
(・` ) __ ( __ ) ( ゴロン
と ヽ ( ̄))∧_∧ /´ `Y⌒) VUVJ_)
(__ト、__丿 〉 》∩ _) ( .__つ´
ヽ、.__,ノ ヽ、__,.>
- 224 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:32:14 ID:ZGDyX2CU0
- _ __
_/ /_ / /
/_ _ / _ / /
/ / / / LフLフ/ / L/
/ / / / // ∠フ
 ̄  ̄  ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――― そのとき、不思議な事が起こった
.
- 225 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:32:54 ID:ZGDyX2CU0
-
【 バスガス爆発 】
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ ドガァァァァァァァァン.....
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........
:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、ゝ.....| |..., , ノソ::::::::::::::.......::::::
_ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''! i;;;〜−ヽ_ii_i=n_ [l h__
/==H=ロロ-.γ ,〜ー'''l ! |'''ーヾ ヾ 「!=FH=ロロ
¶:::-幵-冂::( ( |l | ) )=HロΠ=_Π
Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
Д日lTl,,..:''''" ""'''ー-┬ーr--〜''"" :::Д日lT::::
FH=n.:::::' | | :::FL日l」:::::
ロΠ=:::::.:. ノ 从 ゝ .::田:/==Д::
口=Π田:::. .::::Γ| ‡∩:::::
Γ| ‡∩Π::.... ...:::Eヨ::日lTlロ::::
Д日lTlロ_Π::::....... ...::::::::田:凵Π_=H:::
=Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ:::.................:::::::::::口ロロH「l.FFl
- 226 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:34:02 ID:ZGDyX2CU0
-
「う、う〜ん・・・」
<⌒/ヽ___
/<_/____/
ガバッ
∧__∧≡=- 「はっ!?」
(;´・ω・)┐≡=-
と /(____
/ (____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧__∧ 「ここは・・・」
(´・ω・`)┐
と /(____
/ (____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「目が覚めたようだね」 ∧_∧
⊂(・ω・`)つ-、
/// /_/ |
L /⊂ヽノL|/|
/ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
/______/ ||
||―――――-|
- 227 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:34:43 ID:ZGDyX2CU0
-
┌──────────────────┐
│ 【説明中】 .│
│ .│
│ フムフム ∧_∧ ∧_∧ カクカク │
│ (´・ω・) (・ω・`) │
│ ( つ旦O O旦と ) シカジカ .│
│ と_)_) (_(_つ ....│
│ .│
│ .│
└──────────────────┘
- 228 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:35:45 ID:ZGDyX2CU0
-
∧_∧ ガシャ
(´・ω・) 「お茶熱っ」
( つ O _
と_)_) (_()、.o:。
゚*・:.。
「事実を前にして驚いたようだね」 ∧_∧
⊂(・ω・`)つ-、
/// /_/ |
L /⊂ヽノL|/|
../ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
/______/ ||
||―――――-|
「無理も無い」 ∧_∧
⊂(・ω・`)つ-、
/// /_/ |
L /⊂ヽノL|/|
∧_∧ ./ ̄ ̄旦 ̄ ̄ ̄/|
(´・ω・) 「いや普通にこぼしたんですけど・・・」 /______/ ||
(∩∩) ||―――――-|
- 229 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:36:47 ID:ZGDyX2CU0
-
(´・ω・`)「さっき言ったとおり、君には凄い霊が憑いている」
(´・ω・`)「じゃあバスジャック犯が来たのも、バスがばひゅばつはつしたのも・・・」
(´・ω・`)「いや、悪霊がしたのはガスバス爆発だけだ」
(´・ω・`)「そんな・・・」
(´・ω・`)「そこの鏡を見てみたまえ。悪霊の顔が見える筈だ」
- 230 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:37:30 ID:ZGDyX2CU0
- ┌───────────────────────────┐
│ .│
│ .│
│ .│
│ .│
│ .│
│ .│
│ .│
│ .│
└───────────────────────────┘
Λ_Λ
( ) 「・・・別に何も写ってませんよ・・・?」
( _ )
U U
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) 「よく見んしゃい」
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
- 231 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:38:17 ID:ZGDyX2CU0
- ┌───────────────────────────┐
│ / ̄ ̄ ̄ ̄\ │
│ /;;:: ::;ヽ │
│ |;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| .│
│ |;;:: ::;;| │
│ |;;:: c{ っ ::;;| .│
│ |;;:: __ ::;;;| .│
│ ヽ;;:: ー ::;;/ .│
│ \;;:: ::;;/ .│
└───────────────────────────┘
Λ_Λ
( ) 「うわ何かきた。ムジュラかよ」
( _ )
U U
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) 「まぁ似たようなもん」
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
- 232 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:38:57 ID:ZGDyX2CU0
-
(´・ω・`)「なんてこった・・・急いで御祓いをしないと大変な事に・・・」
(´・ω・`)「あ、彼はそういう霊ではないよ。真顔君は割と良い感じの霊だ」
(´・ω・`)「じゃあ何でガス爆発なんて起こしたんですか?」
(´・ω・`)「君を守る為だろう。君を守るには、バスをガス爆破するしかなかったのさ」
(´・ω・`)「なんだ! 真顔って良い奴じゃん!」
(´・ω・`)「まぁだからと言って除霊しない訳にもいかないんだけどね」
(´・ω・`)「マジで」
(´・ω・`)「うん」
(´・ω・`)「世知辛いね」
.
- 233 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:39:45 ID:ZGDyX2CU0
-
〜〜 夜 〜〜
○⌒\
ミ'""""'ミ
| ̄ ̄(´・ω・`) ̄|
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \ \
\ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
\ |_______|
なんやかんやで明日除霊かぁ・・・
なんだか寂しくなるなぁ・・・
○⌒\ z
ミ'""""'ミ z
| ̄ ̄(´‐ω‐`) ̄| z
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \ \
\ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
\ |_______|
- 234 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:40:33 ID:ZGDyX2CU0
-
〜〜 朝 〜〜
\ チュンチュン
\ チュンチュン
\
○⌒\
ミ'""""'ミ
| ̄ ̄(´・ω‐`) ̄|
|\⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \ \
\ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
\ |_______|
ん・・・もう朝かぁ・・・
顔洗って学校行く準備しなくちゃ・・・
- 235 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:41:19 ID:ZGDyX2CU0
-
____________
||// ∧_∧|∧_∧
||/ ( ´・ω・)( ) …
|| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____________
||/// ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧_∧.|∧_∧
||//;;:: ::;ヽ ( ).(´・ω・`) よし! 次は学校へ行く準備だ!
|||;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
- ‐ ―ヽ_∧
‐――と(´・ω・`) 「待てェい! それ以上ショボーンを苦しめるのはやめるんだ!」
― ‐ ―と_ノ
-= /―⌒ソ
-'´
- 236 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:42:04 ID:ZGDyX2CU0
-
(´・ω・`)「え? あなた誰ですか? というかどうやってウチの中に・・・」
(´・ω・`)「私の名はショボーン。君を助けるべく助太刀に来た助っ人だよ」
(´・ω・`)「山田悠介風の自己紹介やめろや」
(´・ω・`)「ごめん」
(´・ω・`)「ゆるさん」
(´・ω・`)「ブチ殺すぞ」
(´・ω・`)「ごめんなさい」
(´・ω・`)「よし、これで思い出したはずだ」
(´・ω・`)「あっそうだ。僕は悪霊に取り憑かれてて、除霊をする為に教会で寝ていた!」
(´・ω・`)「さぁ、ループから抜け出そう」
.
- 237 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:42:44 ID:ZGDyX2CU0
-
_____________
||/// ̄ ̄ ̄ ̄\ ∧_∧.|∧_∧
||//;;:: ::;ヽ (´・ω・`).( ) むむむ・・・この人が・・・
||;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
.∧__,,∧
(´・ω・`) 「彼をじっと見つめていてね。それじゃあ、除霊を始めるよ」
(つ と)
`u―u´
- 238 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:43:24 ID:ZGDyX2CU0
-
*``・*。
キラキラ | `*。
,。∩ * 「死ね」
+ (・ω・`)*+゚
`*。 ヽ つ*゚* クルクル
`・+。*・`゚⊃ +゚
☆ ∪~ 。*゚
`・+。*・ ゚
.
- 239 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:44:15 ID:ZGDyX2CU0
- ┌─────────────────────┐
│ / ̄ ̄ ̄ ̄\ │
│ /;;:: ::;ヽ │
│ .ni 7 |;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| バイバイ .│
│l^l | | l ,/) . |;;:: ::;;| .n .│
│', U ! レ' / |;;:: c{ っ ::;;| l^l.| | /) ..│
│/ 〈 |;;:: __ ::;;;| | U レ'//) .│
│ ヽ. ヽ;;:: ー ::;;/ ノ / ......│
│ /´ ̄ ̄ \;;:: ::;;/ rニ | .│
└─────────────────────┘
Λ_Λ
( )ノシ 「ばいばーい」
( _ )
U U
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) 「これで除霊は完了だ。三十分で五万だから、納金の方もヨロシクゥ!」
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
- 240 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:44:56 ID:ZGDyX2CU0
-
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「めでたいなぁ!」
(´・ω・`)「おめでとさん!」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう!」
(´・ω・`)「おめでとう」
(´・ω・`)「おめでとう」
(´・ω・`)「ありがとう……」
.
- 241 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:45:46 ID:ZGDyX2CU0
-
まが男に、ありがとう
.
- 242 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:46:30 ID:ZGDyX2CU0
-
まが男に、さようなら
.
- 243 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:47:15 ID:ZGDyX2CU0
-
そして、全てのまが男達(チルドレン)に
.
- 244 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:47:57 ID:ZGDyX2CU0
-
「 おめでとう 」
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
/;;:: ⌒ ⌒::;ヽ
|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|
|;;:: ::;;|
|;;:::::::: c{ っ ::::::::;;|
.|.;;:: 丶__, ::;;;|
..ヽ;;:: ::;;/
\;;:: ::;;/
|;;:: ::;;|
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\
|;;:: ::;;|
|;;:: ::;;| 〜〜 おわり 〜〜
.
- 245 :名も無きAAのようです:2012/06/21(木) 21:52:47 ID:ZGDyX2CU0
- 以上です。シベリアAA物語に感化されて作りました。
結果よく分からないものになりました。勘弁してください。
『 (´・ω・`)には |;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| が憑いているようです 』
>>219-244
- 246 :名も無きAAのようです:2012/06/22(金) 00:21:37 ID:XTNHgMdg0
- おもしれーよ乙
ばひゅばつはつ、むしろ言いにくいだろこれw
- 247 :超短編 『誕生日』:2012/06/22(金) 21:05:13 ID:EEcnszAE0
- _
( ゚∀゚)(しめしめ! ツンを誕生日プレゼントで驚かせてやるぜ!)
_
( ゚∀゚)(だがその為にはツンの誕生日を知る必要がある! 早速聞きにいくぜ!)
_
( ゚∀゚)「やいやい! 誕生日はいつなんだぜ!」
ξ゚⊿゚)ξ「昨日だけど」
_
( ゚∀゚)(嘘なんだぜ……)
- 248 :超短編 『お化け屋敷』:2012/06/22(金) 21:12:42 ID:EEcnszAE0
- _
( ゚∀゚)(しめしめ! お化け屋敷でお化けのバイトをやってるんだぜ!)
_
( ゚∀゚)(早速お客が来たんだぜ! 容赦無くビビらせるんだぜ!)
_
( ゚∀゚)「うははー怖いぞー怖いだろー」
ξ゚⊿゚)ξ
_
( ゚∀゚)(嘘やろ……)
- 249 :超短編 『ジャンプ』:2012/06/22(金) 21:17:52 ID:EEcnszAE0
- _
( ゚∀゚)(しめしめ! 月曜日はジャンプの発売日なんだぜ!)
_
( ゚∀゚)(早速買いに行くんだぜ!)
_
( ゚∀゚)「ジャンプ下さい!」
ξ゚⊿゚)ξ「休刊です」
_
( ゚∀゚)(ありえないんだぜ……)
- 250 :超短編 『お礼』:2012/06/22(金) 21:26:26 ID:EEcnszAE0
- _
(ヽ゚∀゚)(お金が無いんだぜ……)
_
(ヽ゚∀゚)(腹が減って……もう駄目なんだぜ……)
ξ゚⊿゚)ξ
_
(ヽ゚∀゚)「ツン……助けて欲しいんだぜ……」
ξ゚⊿゚)ξ「これあげる。前の誕生日プレゼントのお礼ね」
_
(ヽ゚∀゚)「なんと……ガスボンベをプレゼントして正解だったぜ……」
( ∵)
_
(ヽ ∀ )(コケシなんだぜ……) ガクッ
- 251 :超短編 『コケ神』:2012/06/22(金) 21:33:36 ID:EEcnszAE0
- _
( ゚∀゚)「ここはどこなんだぜ……」
( ・∀・)「ここは天国。君はジョルジュ」
_
( ゚∀゚)σ「じゃあアレは誰なんだぜ」
( ・∀・)「あれはファミチキ神だ……」
_
( ゚∀゚)σ「じゃあアレは誰なんだぜ」
( ・∀・)「あれは……」
(;・∀・)「あれは誰だ!?」
( ∵)
_
( ゚∀゚)(コケシなんだぜ……)
- 252 :名も無きAAのようです:2012/06/22(金) 21:39:49 ID:EEcnszAE0
- 短編十個のアレ
>>247-251
誰が何と言おうと残り五個です
- 253 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 00:58:56 ID:JokdA34U0
- 憑いているようですの圧倒的ツッコミの足りなさが割と好きだ
- 254 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 01:09:00 ID:o9Asx78sO
- >>252
138:名も無きAAのようです
12/06/13(水) 23:31:01 ID:p8DOXN6cO
( ^ω^)は刹那を歩くようです
これ、続き物じゃなかったのか
それとGWではなくAF(アナル〇ァッ〇と違うよ)じゃない?
GWとAFを間違ってたので10作品追加だったはず
- 255 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 02:46:05 ID:OYXVdQa60
- イレドロ(>>22-41)の続きが書けました。後編がクッソ長くなったので分割しました。
適当に見直したら適当に投下します。後編も間も無くです
>>253
ありがとうございます。でも、これはマジでVIPでやりたかったネタなんだよなぁ……
次に意味不明なのを投下する時はVIPなので、投下の時はよろしくお願いします
>>254
……(完全無視)
- 256 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 16:13:00 ID:JokdA34U0
- 後半wktk
>>168
http://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_415.jpg
擬人化注意
- 257 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 18:10:57 ID:OYXVdQa60
- >>256
ありがとうございます!
今後ともよろしくお願いします! エロ全振りでお願いします!
巨乳キャラとか露骨に登場させるので、よろしくお願いします! 何でもしま
- 258 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 18:14:44 ID:xuKNLUV.0
- 超短編をまとめた超短編集をスレ立て投下する可能性が微レ存・・・?
>>257
ん?何でもするって言ったよね?
- 259 :超短編 『>>999』:2012/06/23(土) 20:48:28 ID:OYXVdQa60
-
999 :佐藤★ :2012/06/23(土) 14:27:45 ID:???0
|^ω^) チラッ
1000 :名も無きAAのようです :2012/06/23(土) 14:33:33 ID:DWaO70LE0
,/ 一 ヽ
生 ,ゝ:/.::::::::/..:::::::/ //!::ハ::!::... ..::::::i
呪 i::::::l/l:::;イ=ミ<´ 'く_j:廴」ハ:::..:::::::::|
わ !:::::::://|0 l゛ ィf==ミ l::::::::::::::|
れ 7.::::l,'。Oー' | 0 ,! l::::::::::__,!∧_)ヽ _,ハ、
ろ i'.::::::/ 、\\\\\\ゝ--O。:::/}/ 呪 .異
| |:::::/ヘ r ー‐ - 、\\ /.:::/〃 い .性 >>999
| |::/.::::..ヽr−、 ヽ /.::::::´〈. を .に に
| 〉:::::::::::/ __ ト _ __ ノ _/.:::::::::::::! か .縁 は
. !! ,、j::::, -‐' 〈` −-r‐ォ.:´/.:::::::::::::::| け が 一
ヽ ,、 /.::::ノ ヽ ー' ヽ / /.:/..:::,:::-―く .て な .生
::::V.::.ー'.::::/、ヽ、 yー‐' }'7、/.:´.::::r−-r 、:::::! .や く
::::::/.:::::::::人 ヽ _>´、 // ,'.:::::::::::>‐く`ヽ ∨ る .な
::::;'.::::::/..:::.ヾー..'.:::// : : i /.:::::/.:f^ヽ ハ ぅ る
( ^ν^)「メシウマwwwwwwwwwwざまっwwwwwうぇwwwwwwwwwwww」
おわり
- 260 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:49:52 ID:OYXVdQa60
-
【 川 ゚ -゚)が新しい性癖に目覚めるようです 】
川 ゚ -゚) ・・・
川 ゚ -゚) ボンカレーマッスル・・・
おわり
- 261 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:50:34 ID:OYXVdQa60
-
【 ( ^ω^)ホーホケキョ! チン毛マルガリータ王国のようです 】
( ^ω^)
ブーンは激怒した。
この国からチン毛を排除せねば、と強く思った。
これこそが、世に言う 『陰毛ルネッサンス』 の始まりであった。
おわり
- 262 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:51:19 ID:OYXVdQa60
-
【 ('A`)自爆特攻兵ドクオのようです 】
('A`)
ドクオは自爆した……
おわり
- 263 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:51:59 ID:OYXVdQa60
-
【 ( ・∀・)カネンゴwwwwのようです】
( ・∀・) カネクレー
('A`) イヤダー
( ・∀・) オワター
おわり
- 264 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:52:43 ID:OYXVdQa60
-
【ξ゚⊿゚)ξはギャランドゥだけで冬を乗り切るようです】
ξξξ)ξ
おわり
- 265 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:53:25 ID:OYXVdQa60
-
【 川 ゚ -゚)が新しい性癖に目覚めるようです 】
川 ゚ -゚) ・・・
川 ゚ -゚) ボンカレーマッスル・・・
おわり
- 266 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:54:05 ID:OYXVdQa60
-
【 (´・ω・`)がパイプカットに挑むようです】
(´・ω・`) よし、パイプカットしてチンコを売り出そう
(´・ω・`) 金になるぞー
(´・ω・`) えいっ
死因はショック死だった。
おわり
- 267 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:54:46 ID:OYXVdQa60
-
【 ( ´∀`)がオニギリ語で話すようです 】
( ´∀`) オニギリオニギリ
( ´∀`) オニギ? ニギリギリ
( ´∀`) オニギリワッショイ
(*´∀`) オニギリ!
おわり
- 268 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:55:28 ID:OYXVdQa60
-
【 流石兄弟が媚びるようです 】
( ´_ゝ`) オトジャーソコハダメー(棒読み)
(´<_` ) オイオイ ボッキシテンジャーン(棒読み)
( ´_ゝ`) ヤメテーフクヌガサナイデー(棒読み)
(´<_` ) イレルゾー デルゾー イクッ!(棒読み)
N| "゚'` {"゚`lリ 「ふぅ・・・」
おわり
- 269 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:56:08 ID:OYXVdQa60
-
【 ( `ー´)はラーメン屋をやってるようです 】
( `ー´) あっしゃっせー (いらっしゃいませ)
(,,゚Д゚) ヴィーヴ バーボン (ビール。三本)
( ・∀・) エ゙ー……ゴディバ! (俺……ねぎま!)
( `ー´) おぉぞー (どうぞ)
( `ー´) なっしゃっぞー (何にしましょう)
|∴(・)∴∴.(・)∴| tanasinn...
(∴(・ー∴´) tanasinn...
おわり
- 270 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:57:06 ID:OYXVdQa60
-
【 前スレ>>999は一生独身のようです(笑) 】
999 :佐藤★ :2012/06/23(土) 14:27:45 ID:???0
|^ω^) チラッ
1000 :名も無きAAのようです :2012/06/23(土) 14:33:33 ID:DWaO70LE0
,/ 一 ヽ
生 ,ゝ:/.::::::::/..:::::::/ //!::ハ::!::... ..::::::i
呪 i::::::l/l:::;イ=ミ<´ 'く_j:廴」ハ:::..:::::::::|
わ !:::::::://|0 l゛ ィf==ミ l::::::::::::::|
れ 7.::::l,'。Oー' | 0 ,! l::::::::::__,!∧_)ヽ _,ハ、
ろ i'.::::::/ 、\\\\\\ゝ--O。:::/}/ 呪 .異
| |:::::/ヘ r ー‐ - 、\\ /.:::/〃 い .性 >>999
| |::/.::::..ヽr−、 ヽ /.::::::´〈. を .に に
| 〉:::::::::::/ __ ト _ __ ノ _/.:::::::::::::! か .縁 は
. !! ,、j::::, -‐' 〈` −-r‐ォ.:´/.:::::::::::::::| け が 一
ヽ ,、 /.::::ノ ヽ ー' ヽ / /.:/..:::,:::-―く .て な .生
::::V.::.ー'.::::/、ヽ、 yー‐' }'7、/.:´.::::r−-r 、:::::! .や く
::::::/.:::::::::人 ヽ _>´、 // ,'.:::::::::::>‐く`ヽ ∨ る .な
::::;'.::::::/..:::.ヾー..'.:::// : : i /.:::::/.:f^ヽ ハ ぅ る
( ^ν^)「うっはwwwwざまぁwwwwww」
おわり
- 271 :超短編 『色々』:2012/06/23(土) 20:57:46 ID:OYXVdQa60
-
【 川 ゚ -゚)が新しい性癖に目覚めるようです 】
川 ゚ -゚) ・・・
川 ゚ -゚) カツカレーマッスル・・・
おわり
- 272 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 21:04:23 ID:OYXVdQa60
- 超短編シリーズ
>>259->>271
今回で十三個。前のと合わせて十八個。
あと二個ですね。あと二個ですね。
>>258
ビレゾン?と読むのでしょうか・・・その単語はよく知りませんが、超短編でのスレ立ては無いです。
超短編はチラ裏すぎて話にならないって、それ一番言われてるから。
そして生憎ですが、何でもするなんて一言も書いてないです。
そういう言い掛かりはやめてくれよ・・・
- 273 :名も無きAAのようです:2012/06/23(土) 21:05:43 ID:OYXVdQa60
- 安価ミスとかねーから。マジでノーカンだから
超短編シリーズ
>>259-271
- 274 :名も無きAAのようです:2012/06/26(火) 02:30:27 ID:j59mKS/A0
- ハ _
‖ヾ ハ
‖::::|l ‖:||. /:::::::::::::::::::::`ヽ、
||:::::::|| ||:::|| /::::::::ィ''' ̄ ̄ミ:::::::::::`ヽ
|{:::::‖. . .||:::|| レ´ ミミ:::::::::::::\
_」ゝ/'--―- 、|{::ノ! ,r' 。 ,,..==- ヾ::::::::::::::::、
/ __ `'〈 i; ,,. l (゚`> . ヾr─、:::、
/´ /´ ● __ ヽ |∨ヽ丶 '´、,,,__ '゙ )ュl:::l
/ ゝ....ノ /´● i '、:i(゚`ノ 、 |::| |
{ ゝ- ′ | 'lー''(.,_ハ-^\ ├':::l
厶-― r l> | \ />-ヽ .::: ∨
∠ヽ ゝ-― `r-ト、_,) | 丶 (´,,ノ‐- ..:::: l
レ^ヾ ヽ>' ̄ LL/ 、 / 丶´ `..::.::::::: ハ\
.l ヾ:ヽ ` 、_ \\ ' \:::::::::::::::: / /三ミ\
l ヾ:ヽ ト`ー-r-;;y‐T^ `ヽ:::: / /三三三三ミヽ、
| ヾ `ニニ「〈〉フ /‖. j /|\::_/ /三三三〉三三三
- 275 :名も無きAAのようです:2012/06/26(火) 22:22:07 ID:pAyAogBcO
- >>260
>>265
全く同じものを1つとカウントするのは頂けませんなあ
- 276 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 06:11:27 ID:oiTxIwtM0
- 明日にでも何か投下します。
あと、後編の方はしばらく投下しない事にしました。
他作品との兼ね合いを考えると、まだ投下しない方がいいという判断をしました。
というか全然書けなくて自爆しそうなんです。勘弁してください
>>275
おめーは一生>>274のAAでも見てろ
- 277 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 21:43:40 ID:oiTxIwtM0
-
【あ】
明日が見えない。それもその筈、ドクオには向かうべき明日が無かった。ただ時間を、命を浪費していくだけ。
彼の日常は川底に沈んだ石のように微動だにせず、ただ無言で死を待つだけの日々だった。
___
_/ _/\_
/ |/ヽ, / ,;/ \
/ ̄ ̄ ヽ/  ̄| ,| """ ,ヽ:: ::. ..:::: ::::|
,|~ /l /,,, """" ,,;/l;; : : :::::::::::::::|,, """
/\ ~| ;/ ,,//;; ......::..... ..:::::lヽ,, ""
",,/_,,,/,_/___ヽ|/"" "" /^/^:/^:/^〉^〉^|^:|^:l, """ ""
/ ;/ .:/ :/ :/ .:〉' :| .:|.、|"" """" ""
"" ,,(0)(0)(0)(0)(0)(0)(0)(0)
""" "" ;/i;/;::''' |; """ """
"""" """ "" ,_ノli/;;:'' ............:::: ... :.... ::::|; """ " "",,,__,,ノi
"""""" """" ,/l i/~;;'' :乂,,_,,, ,,___ノlii il/~
, ,,,_/~i/;;:'' ..... l、_ノノlii _ii _ i _ノ〜  ̄
. ̄ ̄ ~ ~
人
〜 _、('A`),_
〜 `ー' `ー'
- 278 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 21:44:22 ID:oiTxIwtM0
-
【い】
意識が遠のく。不思議と不安では無かった。
12/25
| ‖
| (A )
| ( )
| | |
|
/ ̄ ̄ ̄ ̄
- 279 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 21:45:09 ID:oiTxIwtM0
-
【う】
嬉しかった。カーチャンが笑っていたのだ。だけど、それも二度と見られない。
駅のホームで俺を見送るカーチャン。俺は、カーチャンに手を振って見せた。
__________
/━━━━━━━━━ \
|┃| ̄ ̄|. 〇 〇 [大月]┃|
|┃| ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|┃| プオーン!!!
|┃|__||______|┃|
|┃ JR ┃|
|┗━━━━━━━━━┛| \( '∀`)ノシ ミ J( 'ー`)し
| ━━ ━━ ━━. | ( ) ミ ( )
| [中央.特快] | └└ミ ||
| \_/ .| ┏━━━━━━━━━━━━━
| 〇 ━━━ 〇 | ┃
|___________| ┃
│ │[=.=]| | ┃
└─────────┘
- 280 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 21:45:51 ID:oiTxIwtM0
-
【え】
エロ画像きぼんぬ
シュッ
シュッ
( 'A`)
ヽ〜/ (ヽ♂彡
[二二] 」 」 ",
- 281 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 21:46:46 ID:oiTxIwtM0
-
【お】
お母さん、だなんて恥ずかしくて言えなかった。だから、カーチャン。
そう呼び始めたのは中学に上がる頃だったろうか。あの頃から、俺も大きく変わり始めていた。
沢山いじめられたし、友達だって一人も出来なかった。それでも、カーチャンだけは近くに居てくれた。
ありがとう。
その感謝の言葉さえ伝えられず、俺のお母さんは、死んでしまった。
________
| ___ |
| [|J( '-`)し|] .| ('A`) カアチャン・・・
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | (∞)
| | 死 .|| .廿
ガシャァン!! | | し .|| ┗┛
| | て || ┃
┏━| | も .|| ━┛
┃ | | 母 ||
| | .||
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .| ガシャァン!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
≡≡≡≡≡ ( ヽノ
≡≡≡≡ ノ>ノ
≡≡≡ レレ
- 282 :名も無きAAのようです:2012/06/28(木) 21:48:41 ID:oiTxIwtM0
- 感動巨編でした。ありがとうございました
- 283 :名も無きAAのようです:2012/06/29(金) 00:05:58 ID:gf6KYpXc0
- 50音全部をVIPでやって欲しかったな
- 284 :名も無きAAのようです:2012/06/29(金) 01:22:47 ID:6rqueN3E0
- >>283
それな
俺も考えたけど、VIPには合わんと思ったから止めたわ
- 285 :名も無きAAのようです:2012/06/29(金) 04:48:51 ID:NfoQMfqo0
- 内容的にはVIP向きっぽいけどブーン系じゃないと言われるだろうな
乙
- 286 :名も無きAAのようです:2012/06/29(金) 06:02:58 ID:6rqueN3E0
- :/ / (
./ / 丿 : _/ ̄
// /_,. -;=''" _, ノ○ <死ぬぅ〜
// '-'"`" -‐ニ‐"___=__---
:/レ ____-__-_ /`''-w´ヽ ,√"´\ /`''-w´ヽ ,√"´\ O /`''-w´ヽ ,
.,/′ /⌒ヽ≡=- : ̄ ̄0 ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄oヾ  ̄ ̄ ̄`゛ ̄ ̄ ̄/ ̄○ ̄ ̄ ヾ  ̄ ̄`゛ ̄ ̄ ̄/ ̄
; i:::″( ^ω^)┐〈..............................〉__○...........o....... 〈..............................〉..............................0.. 〈................................〉...。...........
.!::^: と´_,ノ゙ヾ.≡=- _ _................/...............................\............................./................................\......................./.........
.!::^: (´ ヽ、 \≡=- _ _ ,/´O ゚ ○ ゙`'i、 ,/´ o O ゙`'i、 ,/´ 0
i:: :: : `ー' \__)≡=- _-__ o ヾ _ , O / ヾ _ ○/ ヾ _ ,
ヽ ヾ ヽ` 三__ ̄ ̄ ̄`ヽ、_,/ ̄ ̄ヾ_/ ̄ ̄ ヾ '' ゚̄  ̄ ̄`ヽ/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヾ ''  ̄
ヾ\\: \,. -;=''" _,.-;-\ \ ̄ノ
. \ |\ :: |i''-'"`" -_ヾ______\_ソ′‘ ・. ’、
( ─丶 :: ,. -;=''"─ヾへメフ ̄ ̄ >  ̄ ̄/フ二ニフ ; ゜+°′。.・”;
- 287 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 12:39:36 ID:Lb8WFSyw0
- 二時間後に無題の続きを投下します。
>>195からの続きですが、予告の話ではありません。予告一話は没になりました。
あと、最後の方で不思議な違和感を味わう事になると思います。
そこらへんを覚悟して下さい。黄金の精神を持ってください。
- 288 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:40:54 ID:Lb8WFSyw0
-
太陽も地平線に落ちた頃。シャキンは対象を1000メートル先のビルに見据えていた。
最上階のカフェテラスでは、対象を含む多くの招待客がグラスを持ち、パーティ気分に酔っているようだった。
(´<_` )『見えるか』
(`・ω・´)「ああ。調子良く笑ってるよ」
パーティ会場のビルから遥か遠方。
どことも無い建物の屋上で、シャキンは狙撃銃を構え、引き金に指を掛けていた。
スコープの中には、対象である『荒巻スカルチノフ』の姿が見える。
(´<_` )『あと三分程度で対象は会場を出る。その会場を出た瞬間……狙えるか』
(`・ω・´)「打ち抜くのが俺の仕事だ。だが、さすがに1000メートルの距離で即死は難しいだぞ」
(´<_` )『俺の能力で後押しする。……要は、スカルチノフの警戒心を一瞬でも無効化してくれればいい。
それに、あくまで目的は俺のカスケードで奴の 『頭の中』 を覗き見る事だ』
(`・ω・´)「そんだけの事で上司に銃を向ける事になるとはな……」
(´<_` )『あと一分だ。誤差修正は任せる。頼んだぞ』
- 289 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:41:47 ID:Lb8WFSyw0
-
カスケードを介した通信はそこで終了した。
シャキンが覗くスコープには、変わらず対象の姿が視認出来る。
(`・ω・´)(……動き始めたか)
秘書が対象に呼び掛けると、対象が行動を開始した。
対象が、ガラス窓のある廊下に出た。
シャキンは、静かに引き金を引いた。
- 290 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:42:59 ID:Lb8WFSyw0
-
* * * * *
(*゚ー゚)「総統、お時間です」
/ ,' 3「うむ。それでは、失礼」
周囲の人々に頭を下げ、荒巻は会場の出口に向かった。
途中、彼はテーブルの上に見つけたステーキを皿に取り、食べ始める。
(;*゚ー゚)「総統、もうお時間が……」
/ ,' 3「なに、いいじゃないか。君も食べるかね?」
(;*゚ー゚)「……一口だけ」
(*゚ー゚)「うめぇ!」
/ ,' 3「ほっほっほ」
- 291 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:44:02 ID:Lb8WFSyw0
-
/ ,' 3「それじゃあ しぃ君。私は先に行っているから、皿を返してきてもらえるかな」
(*゚ー゚)「構いません。すぐ戻ります」
/ ,' 3「いや、ゆっくり来てくれ。頼んだぞ」
(*゚ー゚)「……あの」
/ ,' 3「ん?」
(*゚ー゚)「ナイフ、持ったままですよ?」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「杖の代わりだよ。老人には必要なものだ」
荒巻は扉を押し開け、廊下に出た。
廊下に出て左手に見えるガラス窓。景色は、一切が夜に包まれていた。
彼は窓に近づき、辺りを見渡す。
/ ,' 3(……さて、私を狙い撃とうなどと考える輩はどこかな)
- 292 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:45:16 ID:Lb8WFSyw0
-
瞬間、荒巻はガラス窓が砕ける直前に、後方へと飛び退いた。
次いで弾丸がガラス窓を砕いて貫通し、荒巻に迫る。
荒巻は弾丸の軌道を予測すると、その軌道上にナイフを構え、弾丸を二つに切り裂いた。
/ ,' 3(……ふむ、あそこか)
弾丸の軌道から、狙撃手の位置を把握。
途端、彼は背後に立つ男に向け、振り向きざまにナイフを振り抜いた。
荒巻の背後には、弟者のサイバーカスケードが立っていた。
カスケードは荒巻にコードを直結させようと試みていたが、そのコードを荒巻のナイフに切断されてしまった。
荒巻はカスケードの狼狽を見ると、すぐさま連続してナイフを振った。
二回、三回と、カスケードの体が刻まれる。やがて不利を悟ったのか、カスケードは霧散し、姿を消した。
/ ,' 3
思案する間も無く、荒巻の足元に弾丸が打ち込まれる。
また、一面に連なるガラス窓も次々と弾丸に貫かれ、床には大量のガラス片が散った。
/ ,' 3 (下手な真似を)
荒巻はナイフをベルトに差すと、割れた窓に向かって駆け出し、地上40階の外に飛び出した。
.
- 293 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:45:56 ID:Lb8WFSyw0
-
* * * * *
(;`・ω・´)「弟者! おい! 応答しろ!」
一方、シャキンはこれ以上無いほどに焦燥していた。
長距離とはいえ、狙撃銃の弾丸を真っ二つに出来る人間など、彼は知らなかった。
更には何の脈略も無い背後からの奇襲にも、対象は完全に対応し、撃退していた。
何よりも、彼は対象とスコープ越しに目が合った時点で、心臓を潰される様な錯覚を覚えていた。
駄目だ……敵対しては駄目だ。シャキンの本能は、彼に『今すぐ逃げ出せ』という命令を出した。
シャキンは全ての荷物を捨て、ここから逃げ出そうと屋上の扉に向かって駆け出した。
扉を開けようとドアノブを回す……しかし、ドアノブは微動だにしなかった。
彼は直感した。
これは、向こう側からドアノブを抑えられている……
シャキンは後ずさった。
「……クラッカーにしては随分と物騒だが?」
その言葉と共に、扉は開かれた。
- 294 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:46:38 ID:Lb8WFSyw0
-
(;`・ω・´)「……総統閣下はブラックジョークがお嫌いですか……」
/ ,' 3 「私も君らの事はよく知っている。だからこそ意味が分からない」
(;`・ω・´)(……弟者の事もバレてるか……)
後ずさるシャキンを追う様にして、荒巻も段々と歩み寄る。
やがて、シャキンの背中に鉄柵が触れた。荒巻は、片手にナイフを持っていた。
/ ,' 3 「一つだけ聞こう。君らは、私を含む、メシウマの全勢力と敵対する気かね?」
(;`・ω・´)「……」
/ ,' 3 「……」
沈黙の中で、シャキンの首筋に、ナイフが当てられた。
しかし、シャキンは黙り続けた。狙撃手にとって、成功以外は死の道だ。
こちらの目的を悟られない為にも、シャキンは口を閉じ続けた……
.
- 295 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:47:19 ID:Lb8WFSyw0
-
/ ,' 3 「……私に」
(;`・ω・´)
/ ,' 3 「私に、部下を始末する趣味は無いよ」
すると、荒巻は呆気無く手を引き、ナイフを捨てた。
/ ,' 3「パーティに出たいなら事前に言う事。よいな?」
(;`・ω・´)「……肝に銘じます……」
/ ,' 3 「よろしい。では、私も次の仕事があるので失礼するよ」
.
- 296 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:48:02 ID:Lb8WFSyw0
-
ガチャ。バタン。
それだけの音で、シャキンは心の底から安堵した。
シャキンは深く呼吸を繰り返した。
生きている実感を取り戻していく。
彼は、脱力するように腰を下ろした。
(;`・ω・´)(……弟者の考えじゃ、総統が全ての黒幕だって事らしいが……)
(;`・ω・´)(正直言って……あの顔はもう二度と拝みたくない……)
荒巻が目の奥に隠している本性は、確かにシャキンを殺そうとしていた。
あの男には、殺しに対する一切の抵抗が無い。コイツならやりかねない――シャキンはそう思っていた。
途方も無い恐怖が、彼の体を駆け巡った。
俺達は、大変な物に切先を向けてるんじゃないのか……
シャキンは先の不安を思いつつも、今の安心を胸に、深く息を吐いた。
- 297 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:49:14 ID:Lb8WFSyw0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ドクオとショボーンと兄者となおるよとオサムは廃墟と化したレムナントの監獄で昼食を取っていたようだがその前に事の詳細を語らねばならないので時系列はおよそ三時間前に戻りドクオとショボーンと兄者は車に乗ってレムナントの荒野を走っていたのであった。
ドクオとショボーンと兄者の最初の目的地は既に廃墟と化し別に誰でも使ってもいいよ的な場所になっていたレムナント監獄だった。メシウマの街を出てからブロロロって車を走らせるとしばらくしてからショボーンが話し出した。
(´・ω・`)「ワシらどこ行くん」
( ´_ゝ`)「牢屋。あそこドクオの知ってる場所じゃけん」
(´・ω・`)「マジかよ。ドクオ氏はレムナントの出なんですかい」
('A`)「せやで」
彼らは決してこのような口調で喋っていない事を、ここに明記する。
('A`)「まぁ色々あってーな。ウチも昔はブイブイ言わせとったんよ。凄いやろ」
(´・ω・`)「すげー」
( ´_ゝ`)「あん頃の事は思い出したくないけどなー」
せやで
- 298 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:49:54 ID:Lb8WFSyw0
-
そんなこんなで車を走らせていたら目的地のレムナント監獄が見えてきたので兄者はそこまで車を走らせて適当な所に車を停めた。
監獄を囲む高いコンクリート塀とその上の有刺鉄線はすごく痛そうだった。
ドクオとショボーンと兄者は何かそれっぽい所まで歩いて入り口に来たけど意外にも鍵が掛けてあってびっくりした。
でもドクオがマグナムブロウで吹き飛ばした。やったぜ。
('A`)「誰かおるんかー」
('(゚∀゚∩「我はここにあり」
('A`)「うわー」
('A`)「嘗ては俺の相棒として一緒に生活していた なおるよ じゃないか。
俺がメシウマに行ってからは一度も連絡取ってなかったけどメシウマを出る時に適当に連絡したら通話できたので合流しようずって事になった なおるよ じゃないか」
('(゚∀゚∩「何ゆえ扉を壊した。我が名を呼べば開錠するも吝かでなかったぞ」
('A`)「うひゃーかんべんしてやー」
(´・ω・`)「とりあえず中入ろう。車の長旅でケツに甚大なダメージが」
( ´_ゝ`)「せやせや。中はい牢屋」
('A`)「うわー。『中に入ろうや』と牢屋をかけた高度なギャグやー腹筋自爆した」
(´・ω・`)「はは」
ショボーンは冷笑した。
.
- 299 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:50:35 ID:Lb8WFSyw0
-
そんな感じで中に入るとやっぱそこは監獄なんで薄暗かった。なおるよの案内で唯一まともな部屋である応接室に行くと中ではまた違う人が待ってた。みんなびっくりした。
そいつはなんかいかにもシリアスっぽい格好してたけど今回はもうこんな感じでシリアスとか無意味だった。そいつはオサムという名前だった。名前はまだない。オサムだった。
【+ 】ゞ゚)「おひさーマジ久しぶりじゃーん」
('A`)「ああっ! 嘗ての俺が他の能力者との縄張り争いで無能のお前に危害を与えてしまったのを切欠に仲間になり、次第に打ち解けていったが結局は俺と別離したオサム! オサムじゃないか!」
( ´_ゝ`)「ポケモンでいうところのケンジ」
('(゚∀゚∩「我は聊か空腹を禁じえない。最早、昼食をとる他にあるまい」
こうしてドクオとショボーンと兄者は活動拠点となるレムナント監獄でオサムとなおるよと合流して良い感じになった。
次回へ続く。続くったら続く。
- 300 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:54:28 ID:Lb8WFSyw0
- 終わりです。
最後の所はどうしても書けなかったので、苦肉の策をとりました。
雰囲気だけでも察してくれれば問題ないです。
- 301 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 14:56:14 ID:Lb8WFSyw0
- 投下したやつリスト
【その1】 ( ^ω^)は刹那を歩くようです
【ばしょ】 >>2-13
【ほそく】 没ネタを昇華させた釣りネタ
【その2】 イレドロのようです
【ばしょ】 >>22-41
【ほそく】 なんか無題と繋がってるらしい
【その3】 全日本肩ポン選手権のようです
【ばしょ】 >>43-53
【ほそく】 腹パニストパクリニスト
【その4】 無題のようです
【ばしょ】 >>57-81 >>85-93 >>145-153 >>155-163 >>165-177 >>180-195 >>288-299
【ほそく】 タイトルが浮かばない
【その6】 (`・_ゝ・´) ブーン系小説裁判のようです ('A`)
【ばしょ】 >>97-125
【ほそく】 分からない
【その7】 (´・ω・`)の世紀末絵本朗読会のようです
【ばしょ】 >>198-213
【ほそく】 作中のオワタロウが本当の没ネタ
【その8】 (´・ω・`)には |;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;| が憑いているようです
【ばしょ】 >>219-244
【ほそく】 理解すると死ぬ
【その9】 超短編シリーズ
【ばしょ】 >>247-251 >>259-271
【ほそく】 4コマ漫画をイメージ。中身は無い
【その10】 ('A`)の絶望あいうえお
【ばしょ】 >>277-281
【ほそく】 最後のAAを使いたかっただけ
- 302 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 16:09:14 ID:zXBj7Vfc0
- 前半と後半で明らかに違っててワロタ
乙
- 303 :名も無きAAのようです:2012/06/30(土) 18:43:19 ID:nPyimqtU0
- 察する雰囲気がなくなってんじゃねーか
乙
- 304 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:04:06 ID:JJFWpPPs0
- よっしゃよっしゃ
書けたでー投下するでー
割とどうでもいいけど、今回までをプロローグって事にしてなー
- 305 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:05:01 ID:JJFWpPPs0
-
彼らの最初の目的地は、これからの活動拠点となるレムナント監獄だった。
そのレムナント監獄にやってきた一行は、かつてドクオの仲間である『オサム』と『なおるよ』に出迎えられる。
彼らは監獄の応接室で昼食を終えると、すぐに事態の説明を開始した。説明を求めたのは、ショボーンだった。
.
- 306 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:05:43 ID:JJFWpPPs0
-
( ´_ゝ`)「……俺達がメシウマの外に出るには、あの状態では仮の犯人を立てる必要があった。
んで、俺とショボーンはドクオを犯人役って事にして、監視役として外に出てきた」
(´・ω・`)「……阿部さんとジョルジュさんを呼び出した人。ドクオさんじゃないって事ですか?」
( ´_ゝ`)「うん。割とデタラメこいてた」
(;´・ω・`)「は!?」
(;´・ω・`)「じゃあ最初から真犯人捕まえろよ! 馬鹿かよ!」
(;´_ゝ`)「え? あ、はい……すんません……」
('(゚∀゚∩「……よく分かんないけど、身内の事なのかな?」
【+ 】ゞ゚)「なおるよ。俺達は席を外そう」
('A`)「悪いな。あと、オサムのシリアス気取りは今更感があるぞ」
【+ 】ゞ゚)「俺も色々あったんだよ……」
なおるよとオサムは、そう言って応接室を後にした。
- 307 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:06:24 ID:JJFWpPPs0
-
('A`)「……で、真犯人の事だが……ショボーン、お前は『荒巻スカルチノフ』を知ってるか?」
(;´・ω・`)「知ってるも何も、荒巻って言ったらメシウマのトップじゃないですか。
総統とかビッグボスとか海賊王とか、何か色々と呼ばれている偉い人ですよ……」
お茶を飲みながら、ドクオが言う。
('A`)「そいつが犯人だ」
(´・ω・`)
(´・ω・`)
( ´_ゝ`)「安心しろ。まだ予想の範疇だ。決まった訳じゃあない」
(´・ω・`)
(;´_ゝ`)「……おい、何か話せよ。こえーって……」
.
- 308 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:07:05 ID:JJFWpPPs0
-
(´・ω・`)「総統が二人をレムナントに呼び出して、手下の顔付きに襲撃させた」
(´・ω・`)「そういう事ですか」
(;´_ゝ`)「……話が早くて助かる」
(´・ω・`)「それで、僕らがこっちに来た本当の目的は?」
咳払いで調子を戻し、兄者が続ける。
( ´_ゝ`)「一つは 『阿部とジョルジュを見つける事』 だ」
( ´_ゝ`)「犯人が分かっていても、その被害者の安否を確認する必要はあるからな」
( ´_ゝ`)「それと、いざって時の為に……」
('A`)「俺の知ってる奴らで、戦力を増やす必要がある。それが二つ目の目的だ」
( ´_ゝ`)「ああ。これでもドクオはレムナントでは顔の知れた奴でな。
こっちで能力者をスカウトするなら、これ以上に無い適役なんだ」
('A`)「だから俺が犯人役を任されたって訳よ」
.
- 309 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:08:01 ID:JJFWpPPs0
-
( ´_ゝ`)「そして三つ目だ」
( ´_ゝ`)「俺達は、事実から離れなきゃいけない」
(´・ω・`)「……事実から……?」
( ´_ゝ`)「あっち(メシウマ)で何が起きても、『俺達は何も知らなかった』と言える状態を維持する」
( ´_ゝ`)「例えカンパニーが反逆者集団になっても、俺達だけは『一切関与していなかった』という事実を作る為だ」
(´・ω・`)「要はアリバイ工作ですか」
( ´_ゝ`)「保険をかけておく、って意味だ。意味を間違えるな」
.
- 310 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:08:51 ID:JJFWpPPs0
-
(´・ω・`)(……この街の誰にでも命令出来る立場の男……総統、荒巻スカルチノフ
彼が阿部やジョルジュに直接指示をしたのなら、事の説明は容易だ……)
(´・ω・`)「……でも、それじゃあ色々と分からない事が出てきます。
顔付きという存在や、総統が一体何を考えているのか。分からない事が沢山ある」
(´・ω・`)「行動を起こす為の材料としては、あまりに少な過ぎると思います」
( ´_ゝ`)「その通りだ。だから、弟者とシャキンが証拠集めに走っている」
( ´_ゝ`)「この事情を知っているのは、俺達三人とメシウマの弟者とシャキンだけだ。
もっとも、実際に行動するのは弟者とシャキンだけだから、実質的にはあの二人が主犯だな」
.
- 311 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:09:32 ID:JJFWpPPs0
-
ショボーンは沈黙した。彼は疑問を問い掛けるより、疑問の整理を優先していた。
彼が言うとおり、分からない事は沢山ある。例えば、兄者は本当に信用できるのか……
この僅かな問答の結果、ショボーンに中には、微かな疑心が生まれていた。
【+ 】ゞ゚)「……ドクオ、ちょっといいか」
その時、オサムが応接間の扉を開け、ドクオを見て言った。
('A`)「お?」
【+ 】ゞ゚)「話しがしたい。廊下に出てくれ」
ドクオはオサムの言葉を聞くと、応接間のソファを立って部屋を出た。
二人は廊下の窓際で横に並び、外を眺めながら開口した。
.
- 312 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:10:13 ID:JJFWpPPs0
-
【+ 】ゞ゚)「……少し、盗み聞きをした」
('A`)「あーじゃあ問答無用で協力してもらうぞ」
【+ 】ゞ゚)「それはいい。だがアイツが気になる」
('A`)「アイツって?」
【+ 】ゞ゚)「あの下がり眉の奴だ」
('A`)「アイツの名前はショボーンだ。ついでだが、もう一人は兄者って名前」
【+ 】ゞ゚)「そのショボーンとかいう奴、信用出来るのか」
('A`)「……ああ、そういう意味ね」
('A`)「まぁ察してるとは思うが、アイツはまだ未熟で、今もウチでは研修生扱いだ。
そんなん信用できるかって言われたら、そりゃ無理な話だ」
【+ 】ゞ゚)「アイツ、裏切るぞ」
('A`)「……そうなりゃ始末は俺がつけるよ。アイツを拾った俺の義務だ」
.
- 313 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:10:54 ID:JJFWpPPs0
-
【+ 】ゞ゚)「……俺もなおるよも、お前への協力は惜しまないつもりだ」
【+ 】ゞ゚)「だが、お前の仲間を信用しようとは考えない。そもそも、メシウマは俺達の敵だった奴らだ……」
【+ 】ゞ゚)「お前も、その事を忘れてないよな。そのせいで、誰が死んだのかも」
( 'A`)「……古くせぇよ、ンな考え方」
【+ 】ゞ゚)「だが俺達の過去だ。否定は出来ない」
('A`)「俺の『今』は、今の『俺』が決める。それだけだ」
【+ 】ゞ‐)「だったら、更に信用出来ないな」
【+ 】ゞ゚)「……お前がどっちの人間なのか、これで少し分かった気がするよ」
( 'A`)「……お互い、本当にキャラ変わったよなぁ……」
【+ 】ゞ゚)「……まったくだ……」
.
- 314 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:11:34 ID:JJFWpPPs0
-
それから、二人は互いの記憶を辿るようにして昔の話を語り始めた。
色褪せていた記憶に色が戻っていくようで、ドクオは確かな懐かしさを感じていた。
人は変わっても、過去は変わらない。良くも悪くも、ドクオはそう思った。
後になってなおるよが帰ってきた時、なおるよは腕一杯に菓子を抱えていた。
('(゚∀゚∩「親睦会なんだよ!」
彼はそう言うと、二人を連れて応接室に戻った。
その親睦会は夜中まで続き、夜は皆揃って応接室で雑魚寝した。
明日からは本格的に動かなければならない。
誰もがそう思いながら眠りに就き、夜は、一段と更けていった……
- 315 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:22:37 ID:JJFWpPPs0
- 次回からの無題は、新たにスレを立てて投下していきます。
一話完結型を予定しているので、これからも好き勝手に書くつもりです。
記念すべき第一話は、『博打放浪記 爆賽のブーン』 みたいなのを予定しています。
能力バトルは一体どこへいったんでしょうかね。まぁ細けぇ事はいいんだよ
- 316 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 04:26:39 ID:JJFWpPPs0
- あと、毎回乙と書いてもらえて嬉しいです。
突っ込み役は皆さんに全任せしてるので、今後ともよろしくお願いします
- 317 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 09:29:34 ID:hYHp/DMwO
- 話が多過ぎて色々解らなくなってきたので
もう一度>>1から読んでみた、ブログも読んだ
色々な不明点解決と新発見もあった
今回わかったこと
①刹那は続かない、あれで完結、無題二作とは関連性なし
②イレドロ(当初は無題ミルナ編)は後編がある
③肩ポンは打ち切り
④裁判はワカッテマス編が近々投下される
⑤無題(ドクオ編)は無理やり終わらせる、まさかと思うが今回で終わり?
⑥超短編同一疑惑発覚>>259と>>270
- 318 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 10:41:22 ID:Lve10mjU0
- どれがどの話かよくわからなくないんだぜ
- 319 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:00:35 ID:JJFWpPPs0
-
_人人人人_ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
> やめろ < ∧_∧ < すみませんすぐ過去ログに送るんで
^Y^Y^Y^Y^Y^Y (;´Д`) \______________
-=≡ / ヽ __
__、、=--、、 /| | |. | /・ `ヽ _人人人人人人人人人人_
-=≡ / ・ ゙! -=≡ /. \ヽ/\\_ (_ ・ | > いままでありあがとう <
-=≡ | ・ __,ノ, / ヽ⌒)==ヽ_)= _) / ^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^Y^
ヽ、 (三,、, -= / /⌒\.\ || || (____,,,.ノ
-=≡ /ー-=-i'’ / / > ) || || |__ゝ
./__,,/ / / / /_||_ || _ ( )_.
/ > し' (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))
- 320 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:10:08 ID:sL4qAEks0
- あれ、このスレもう終わりなの?
話の動きが見えて来た所で本編にってことか
あとミルナのやつも後編待ってるから
乙!
- 321 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:14:53 ID:JJFWpPPs0
-
ちょっと待ってくれ
>>317は⑤と⑥を除いて合ってます。
⑤で言うドクオ編は、このスレのカオスっぷりを解消する為に
また新しくスレを立てて、そこで投下していきます。
過去ログ送りのAAはネタです
このスレは>>1000まで適当に続けます
- 322 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:32:17 ID:JJFWpPPs0
- 色々と誤解させてしまってごめんなさい。
もっと計画的に明確に投下していくべきでした。
反省してますwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それと>>317の⑥は冤罪です。
馬鹿な事を言わないで下さい。
>>318
どこら辺を説明すればいいか分からないんだぜ
>>319
後編は必ず投下します!(書き終わったとは言ってない)
- 323 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:33:39 ID:sL4qAEks0
- おお良かった
早とちりすぎた
- 324 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:38:07 ID:cQtDwgGkO
- ⑦超短編同一疑惑発覚>>260と>>265
- 325 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:42:02 ID:JJFWpPPs0
- >>324
それらに関しましては近々公正な裁判が執り行われます。
日時は決定し次第 連絡します。法廷で会おう
- 326 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:42:28 ID:Lve10mjU0
- とりあえず長編候補としてイレドロ(ドクオとツンが重なってた話)と無題(ミルナが女学生いじめてた話)でいいのかい?
で、スレ立てて投下するのがイレドロ?
- 327 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:50:55 ID:JJFWpPPs0
- >>326
ミルナの方がイレドロで
ドクオの方が無題(タイトル考えてない)です。
スレを立てるのがドクオの方なので、合ってます。
- 328 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 11:52:35 ID:Lve10mjU0
- >>327
なるほど
ありがとう、スレ立て楽しみにしてるよ
もちろんここを1000まで埋めるまで続く短編集も(´^ω^`)
- 329 :名も無きAAのようです:2012/07/01(日) 12:38:30 ID:hYHp/DMwO
- >>324、>>325
その2作品は>>275が指摘して何らかの措置がくだったはず
裁判には⑥が該当する、作者は冤罪と主張しているが公平な裁き期待
- 330 :名も無きAAのようです:2012/07/02(月) 02:48:13 ID:ecgb1ogs0
- | しまった!囲まれたぞッ!
└-、r────────── ┌─────
____ | どうやら
/___ \ ___, |そのようだな・・・
/ |´・ω・`| \ r⌒ヽ /___ \レ──────
/  ̄ ̄ ̄ Ι: | \| , |´・ω・`| |
i! ゙ヽ、 Y" r‐!、 ヽ. | .i \. ̄ ̄ ̄ i
ヽ. 、 ''´⌒ゝ-‐'" _ィ》 Y! │ .i ヽ. . i
\_|!_二|一"f , !゙\ | . ノ\ . i
〈, l|゙》-i|┴ーi´ / イ ´ i!: | / ヽ、_ ノ
: ゙ー-ニ二__,/ / / |_/ / /
/゙ У / / / / / /
//,/-‐、 / (_/ / /
i! _{! j!'〈 ./ /
/ ,,.ノ \'' ヽ \ / ./
〈 ーぐ \ ヽ /./
゙ー″ 〉ー- 〉 /`/
〈___ノ |_/
- 331 :名も無きAAのようです:2012/07/05(木) 00:36:03 ID:AH/Jzmn.O
- ( ^ω^)
シベリア地裁より芸能リポーターの西川がお届けします
r-、 , -──‐‐-、 r、________,.へ
_ノ ノ ,.へ / ,-─==-‐‐、\ | r--、 r--、 r--、 r'′
lニニニ''' ムニニニニ---ゝ / ,,---、 ,,,---、ヽ | |__| |__| |__| |
フ ∠____,へ、 i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i し'─ r-z r-z ─‐-'
ノ ┌───l | | '`ー゚ 」 L`゚‐'^ | lニニニニニ | | ニニニニ'^ゝ
ノノ| L___.| | __| ,,、--└Li┘---、 |___ | | | |
_ノ-" | |ー──‐-、 | { ti/ /\ \iァ } .lニニニニ | | ニニ'^ゝ
| Lニニニニ. | Y ./´ ̄`\ Y´ r-、__,. -''~ j. | |
| | | | ノ ∠__/\_ヾ、 ヽ ゝ、,. -''~フノ | ニニニ'^ゝ
| | _| | / / / i ヽ ヽ \ ノ " | |
ー´ `ゝ、.ノ i / ,' i ヽ ヽ ! -''~ ー
| i i i i } }
,.、-‐‐┤ : ! ! } ! ノ ノ‐--、,_
,、-''" ヽ ヽ ヽ丶 ! ノ ノ / `‐-、,_
,、-'" \ \ ヽヽ ! / // `'‐、,_
/ \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ // / \
/ \ ヽ `r-、, _/ / / / i
┌‐────┐ ヽ \ノ二ヽ / / / |
│ サイバンチョ .! ヽ i i / /,、- |
├───‐─┴────────────────────────────
|やっぱり真っ黒じゃない。つーかもう最後のニュッ君のセリフが違うだけだし・・・
|適当に十作投下して終わらせようとしたんじゃない?十作増えちゃうんだけどね
| ミセ*゚ー゚)リ二重投稿はしちゃ駄目だよ←結論
└─────────────────────────────────‐
( ^ω^)
予想通りの判決でした、日本の司法の公平さは健在でした
被告は控訴などせずに判決を真摯に受けとめて
今後の作者生活の糧としてもらいたいものです
以上( ^ω^)西川がシベリア地裁よりお届けしました
- 332 :名も無きAAのようです:2012/07/05(木) 04:34:37 ID:pJ72obz60
- ┌────────────────────────────┐
│ ;;;;;;;;_;;;;;_;;;;;;_;;;;;;;;;;; .│
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│ ::;;;;;./ ゙ヾ;;;;;;;;;;;;;; .│
│ ::::/ ─ ─ \;;;;;;;;;;;;;;;; ...│
│ ::;;;.i ─‐< ̄>─‐< ̄>―― };;;;,,,,,;;;;;;;;;; ...│
│ ::;;;;::...  ̄(_●_) ̄ /;;;;;::;;;;; ...│
│ ;;;:,チ''゛''::''(__人__)'::''''' ゙゙Y;;;;:;;;;; │
│ ::;;;;y'´ , `::::::::' `{;;;;;::;;;;; │
│ ::;;;.(, ″ '(;;;::;;;;; ..│
│ ;;;;;:`,ll'-、 \ ll |:::;;;;;;;;;;;;;;; ...│
│ ::::| ゙;,_ ,: ゙、 i;;;;,,,,,;;;;;;;;;;;;;;; .│
│ :::::i :::: .'-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ....│
│ ;;;;;;;;ハ i::::: ....::::'' `'<;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ....│
│ ::;;;;;.ハ '(i|||||lllllllliiii=''′ .,};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ...│
│ _,,,,,lllllllシ ,,illllllllllll″ ,__,,,,,,,,,iiillllllllllllllllllll ...│
│ .(lllllllllllll、,,,ィ'illlllllllllllllli, ゙ lllllllllllllllll!゙゙llllllllllllllll ..│
│ `”゙゙゙゙゙゙llllllllllllllllllllllllュ,,j'llll !.llllllllllll .│
└────────────────────────────┘
写真: 2012年7月5日 被告人、独房にて
.
- 333 :名も無きAAのようです:2012/07/08(日) 17:00:12 ID:YmQ8l.Cc0
- 明日にでもイレドロの続きを投下します。
ただ、前編後編での完結は無理そうです。
前編のような描写は無いです。
もう戦ってるだけです。ダァシエリイェス!
イレドロの前編 ⇒ >>22-41
- 334 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:02:53 ID:TMwqaZTI0
-
三人は車に乗り込み、斎崎リリを迎えに行く為に大雨の中を爆走していた。
爆走兄弟レッツ&ゴーをも彷彿とさせるその走りは、雨の中では一層の存在感を放っていたという。
(`・ω・´)「しっかし雨が酷いな……」
(`・ω・´)「おいネーノ。車の周りにバリアっぽいの張れるか」
( `ー´)「朝飯前」
注文を受け、ネーノは能力を発動する。途端、車体にぶつかる雨音が無くなった。
走行は至極快適なものに一変し、シャキンは更にアクセルを踏み込んだ。
( ゚д゚ )「便利だよな、お前の能力は」
後部席からミルナが語り掛ける。
ネーノは得意気に手を動かして見せた。
( `ー´)「ま、知識が増えれば強くなってくからな。俺の粒子操作は」
粒子操作能力。ネーノはこれを、【テイク・トゥ・ヘブン】と名付けていた。
全知を操り、全能に至る……全ては神域への道標。それが『テイク・トゥ・ヘブン』の由来だった。割とどうでもよかった。
.
- 335 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:03:35 ID:TMwqaZTI0
-
爆走から数分後。都内某所のアパートの前で、車は停止した。
二階の窓には明かりが見える。斎崎リリは、まだ起きているようだった。
(`・ω・´)「俺が呼んでこよう」
( ゚д゚ )「いや、クラクションを四回鳴らしてくれ」
(`・ω・´)「なんかの合図か?」
( ゚д゚ )「急ごしらえだけどね」
間も無くして、甲高いクラクションの音が四度響き渡った。
⌒*リ´・-・リ
斎崎リリは、すぐに窓から顔を見せた。
.
- 336 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:04:17 ID:TMwqaZTI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ゚д゚ )「斎崎君。君は、ストーカーに追われている」
それは嘘だった。
⌒*リ´・-・リ「はい。捨てろって言われてた手帳、読みました。
クラクションが鳴ったら、友達と遊びに行く 体で外に出ろって……」
それも無意味だった。ミルナは、彼女を騙していた。
( ゚д゚ )「これから、君をエサにしてストーカーを誘き出す。
車で人気 の無い所へ行ったら、君を車内に残して、僕らは外に出る。
もし、そこにストーカーが現れたのなら、僕らがストーカーを捕まえて一件落着だ」
説明も口早に、車は斎崎リリを乗せて走り出した。
斎崎リリは、イクスの居場所を突き止める為の囮だった。
運転手のシャキンはイクスの気配を辿り、車を走らせた。
.
- 337 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:04:59 ID:TMwqaZTI0
-
それから暫くして、車は急停止した。
道路を封鎖する瓦礫の山。それは、先の地震で出来たものだった。
(`・ω・´)「これ以上は進めないな……」
( `ー´)「降りよう。ここからは歩きだ」
( ゚д゚ )「それじゃあ僕らはここで降りる。
でも、もしも僕らが帰らなかったら、ここに電話してくれると助かる」
ミルナはそう言い、リリにメモの切れ端を渡した。
⌒*リ´・-・リ「あの……頑張って下さいね」
( ゚д゚ )「もちろんだ」
それを最後に三人は車を居り、瓦礫の道を分けて進んでいった。
この先に敵が居る。ミルナ達は、ぐっと気を引き締めた。
.
- 338 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:05:40 ID:TMwqaZTI0
-
……やがて、三人は瓦礫の海にポツンと聳える廃墟を見つけ出した。
ミルナ、ネーノ、シャキンの三人は、廃墟への道を塞いでいた瓦礫を掻い潜り、ようやく前門に到着した。
前門は錆び付き、鎖と南京錠で厳重に閉鎖されている。ネーノはそれを前に、開錠を試みた。
彼は錆の具合からして、破壊以外の方法で開ける事は出来ないという結論を出した。
( ゚д゚ )「壊すなら、派手にやろう」
( `ー´)「廃墟ごと壊すなよ」
( ゚д゚ )「下がっててくれ」
ミルナが言うまでも無く、二人は大きく後退していた。
ミルナは呼吸を整え、体の力を抜く。
間も無く、脱力した彼の身体に、イクスの力が染み渡った。
( ゚д゚ )「マグナムブロウ……」
背と両腕に撃鉄が具現し、彼は拳を打ち出した。
拳は撃鉄の高鳴りと共に、廃ビルの前門を打ち砕いた。
.
- 339 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:06:22 ID:TMwqaZTI0
-
( ゚д゚ )「行こう」
そう言うと、ミルナは先行して敷地に踏み入った。ネーノとシャキンも、警戒しながら彼に続いた。
廃墟の下まで来て、彼らは建物を見上げた。
ネーノの見立てでは、どこぞのショッピングモールより大きいくらいの、立派な建物だという。
(;`・ω・´)「……気持ち悪いな」
思わず、シャキンが口走った。
ネーノは入り口のガラス扉から、中の様子を盗み見た。中に見えるのは人間だ。人間だが、生きてはいないものだった。
青白く発光する彼らの体は、いわゆる幽霊の類に成り果てている。ぼんやりとしていて、存在が朦朧としている。
ミルナ達は中の幽霊を見て、いったん敷地の外まで退避した。
コンクリート塀に背を預け、心臓の鼓動を制しつつ、ネーノが言う。
(;`ー´)「ありゃ地震で死んだ奴らだ……しかも、もう人としての存在じゃない……。
悪霊とか、そういう人間絡みの存在じゃなくなってる……ありゃあ……」
(;゚д゚)「……既にイクスに喰われている。不味いぞ。もう、依頼どころの話じゃなくなった……」
.
- 340 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:07:10 ID:TMwqaZTI0
-
彼らが廃墟にやってきているのは、元は斎崎リリの依頼が切欠だ。
ミルナいわく、この仕事は、彼女の両親を喰ったイクス体を倒して終わる仕事だった。
人の魂を喰らったイクス体は強力な存在だ。だからこそ、ネーノとシャキンの二人を連れて、万全の体制を整えてきた。
だが、ここに来て状況が一変した。イクス体は、せいぜい四人分の魂を喰らうのが限度だ。それ以上は自滅を招くのだが……
(;`・ω・´)「なぁ、何人だった? あそこに居たのは……」
(;`ー´)「十一人だ。間違いない……ここを仕切ってるイクス体は、十一人分の魂を喰ったんだ……」
……彼らが標的としているイクス体は、既に十一人分の魂を喰らっていた。
あの地震を起こしたイクス体ですら、三人だ。十一人という数を喰らったイクス体が何をするかなど、彼らには想像もつかない。
日本が吹き飛ぶのか? 太平洋が蒸発するのか? 世界中で奇病が蔓延するのか? 空気が猛毒に変わるのか?
もしかしたら、人間が完全に死滅するのかも知れない……ミルナはふと、そう思った。
(;`・ω・´)「どうする? 同業者呼んで全員で挑むか?」
(;`ー´)「百人集めて地震すら止められなかったんだぞ……これを相手にするんなら、一千人、或いはそれ以上の人手が必要だ」
( ゚д゚ )「だが、そんな数の能力者は居ない……今から集める事も出来ない、か」
.
- 341 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:07:53 ID:TMwqaZTI0
-
( ゚д゚ )「もう、俺達だけでやるしかない」
(;`ー´)「……玉砕覚悟かよ」
( ゚д゚ )「きっと、このイクス体を放っておけば、延々と人の魂を喰らうだろう。だから、もう、今が奴の最弱なんだ。
このまま行けば、奴は地震で死んだ二万の魂を喰らい、行く末は全ての魂を喰い尽す。そうなったら、もう……」
(`・ω・´)「本当に終わりって事か……」
三人は、自分の死を予感した。
皮肉な事だが、死を予感した事で、僅かに緊張が解けた。
話は変わり、彼らは作戦を考え始めた。
これが最後の話になる。誰もがそう思いながら、淡々と、作戦は完成していった……
.
- 342 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:08:34 ID:TMwqaZTI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ^ω^)「……一人なのかお?」
( ゚д゚ )「……そうだね。確かに、僕は……俺は一人だ」
( ゚д゚ )「だが、俺の背中は幾つもの命を背負っている。俺はそれを……誇りとして受け取った……」
廃墟に入ると、デブがミルナを迎え入れた。
中を見回すと、廃墟だとは思えなくなった。電気が通り、ホールの中央では噴水が稼動していた。
広々とした一階エントランス・ホール。ミルナはそこで、一人目の敵と対峙した。
( ^ω^)「名前があるなら、聞いておくお」
( ゚д゚ )「……」
( ^ω^)「……結構。オイラの名前はブーン、能力は【バッド・ラック】だお」
( ゚д゚ )「ミルナだ。能力は教えん」
そう言うと、ミルナは身体に撃鉄を具現させた。
.
- 343 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:09:15 ID:TMwqaZTI0
-
ミルナは床を殴り、その反動で宙に飛んだ。
空中で体制を捻り、ブーンを眼下に見据える。そこで、一つ目の撃鉄が打ち鳴らされた。
撃鉄を介し、ミルナの身体を爆発的な力が後押しする。ミルナの拳は、目にも留まらぬ速さでブーンに迫った。
しかし、ブーンは避ける素振りを見せなかった。彼は不適な笑みを浮かべて、ミルナを待ち構える。
拳は、ブーンには当たらなかった。
ミルナは攻撃を外した反動で、遠くまで身体を転がしていた。
両手と両脚を床に押し付け、ようやく反動を相殺する。
その時、ブーンが仕掛けた。彼は手にナイフを持っていた。
ミルナは咄嗟に立ち上がり、両腕を眼前に交差させた。
ナイフの刃が、ミルナの腕を覆う鉄鋼に直撃する。
金属音が響いた後、ブーンは危険を察し、後ろに飛び退いた。
ミルナは、撃鉄を鳴らす事を止めた。
(^ω^;) (一発でナイフが折れた……狙う場所を、更に絞る必要があるお)
ブーンの能力の性質上、はっきり言ってミルナの攻撃は問題ではない。
だからこそブーンは、ミルナを相手に接近戦で挑む事を決めた。
マグナムブロウは小回りが利かない。ブーンは最初の一撃で、それを見極めていた。
.
- 344 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:09:59 ID:TMwqaZTI0
-
折れたナイフを新しいナイフに取替え、ブーンはミルナに詰め寄った。
ミルナにも接近戦の心得はある。彼は両腕を高く構えると、ムエタイに近い姿勢を取った。
ブーンとミルナは、一身の間に収まった。
二人は僅かに身体を揺らしながら、相手の『次』を予測する。
動きの読み合いは、時として静寂に支配される。
相手の体の動き、視線や重心移動。ありとあらゆる情報を得る為に、戦う者は敵に集中する。
また、自身の動きを読まれない為にも、彼らは決して動く事を止めない。微々たる動きでも、そこに発生する心理戦は無限だ。
『先』を見切ったのは、ブーンだった。
ブーンは、ミルナの拳が振り出される一瞬前に、ナイフを横一文字に振り抜いた。
ミルナの拳は外れ、ナイフはミルナの胸を切り裂いた。
だが、それと同時に、ブーンの足に鋭い痛みが走った。
ミルナのローキックが、ブーンの足を完全に狙い打っていたのだ。
読み合いは、ほぼ互角に終わった。
ここからは直感がものをいう領域だ。そう思い、ミルナは直感を頼りに拳を打ち出していく。
ジャブとストレートの連携。フックからの遠心力を加えた裏拳。ステップを絡めての足技。
ブーンも対抗しようとナイフを振るが、ミルナが足技の素振りを見せると、それに反応して攻撃の精度は落ちた。
避ける事は容易だった。
.
- 345 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:10:39 ID:TMwqaZTI0
-
ブーンの焦りは目に見えて分かった。
ミルナはそれを見逃さない。
ミルナは振り下ろされるナイフに合わせ、拳を打ち出した。
拳が、ナイフに直撃する。刃が砕け、勝敗が決まった。
ミルナの背で、二つ目の撃鉄が打ち鳴らされた。
拳は大きく弧を描いてブーンの胸に直撃。
拳は、体の輪郭が歪む程の衝撃をもって、ブーンの体を後ろに吹き飛ばした。
それから聞こえてきたのは、人体が砕ける音だった。
ブーンは壁に叩きつけられ、壁に体をめり込ませていた。
周囲の壁面には、彼の体から飛び出た血液が波状に広がっていた。
(; ゚д゚ )(……やったか……)
.
- 346 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:11:19 ID:TMwqaZTI0
-
ミルナはエントランスホールの中央から伸びる階段を上り、奥へと進んだ。
彼は自ら鉄砲玉……つまり、作戦の捨て駒になる事を選んだのだ。足を止めている暇は無かった。
中央階段を上ると、大きな扉がミルナの道を阻んだ。
扉を押し開け、真っ直ぐに伸びる通路へと進む。扉は、何か不思議な力で閉じられた。
息を整えながら、ゆっくりと歩く。道中、ミルナは胸の切り傷を見て、具合を確かめた。
ブーンのナイフはみぞおちの上を綺麗に切り裂いていた。そう深くはないが、血は確実に出ていた。
以後、ミルナは厳しい戦いを強いられる。
上体を回して拳を打ち出す為には、彼は胸の傷の痛みに堪えなくてはならないからだ。
それでも彼は、手当ても止血をしなかった。
これは最後の戦いだ。ならば、体を労わる必要も無いという判断だった。
.
- 347 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:12:03 ID:TMwqaZTI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ФωФ)「……一人、なのか?」
(; ゚д゚ )「同じ事を聞くな……ミルナだ。早く始めよう」
( ФωФ)「ふむ……我輩は【ガッデム・キング】のロマネスクだ。手加減は出来ない」
(; ゚д゚ )「最初から期待なンざしちゃいないさ……」
通路の先でミルナを待ち構えていたのは、両目に大きな古傷を持つ男……ロマネスクだった。
ロマネスクは壁から背を離し、通路を塞ぐようにしてミルナの前に立った。
ミルナは、再び拳を固めた。
.
- 348 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:12:45 ID:TMwqaZTI0
-
( ФωФ)「……そうか、貴様は撃鉄を具現し、力としているのか……」
(; ゚д゚ )「……」
あ、こいつ戦う前に色々話したがる奴だな。
ミルナはそんなスレタイを思い出し、ロマネスクに当てはめた。
( ФωФ)「我輩の力は、ただ溢れ出るだけだ。対象を破壊するだけの……エネルギーの塊だ」
( ФωФ)「なんか例えが浮かばないけど……ほら、波動拳みたいなのあるじゃん……あんな感じだ……」
その時、三つ目の撃鉄が鳴った。
マグナムブロウで加速したミルナは、ロマネスクの頭上を高速で通過した。
( ФωФ)「……」
とても簡単に言うと、ミルナは逃げた。
.
- 349 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:13:26 ID:TMwqaZTI0
-
(;゚д゚)「おおおお!!!」
迫る扉! 止まらぬ拳!
ミルナはッ! 勢いのままに扉をブチ破ったッ!!
.
- 350 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:14:10 ID:TMwqaZTI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(メ._⊿)「……」
(; ゚д゚ )「……」
次にミルナが行き着いた場所は、二階のアトラクション・フロアだった。
ジェットコースター、観覧車、その他ありがちな施設が一同に介している。
外からは想像も出来ない規模の室内遊園地が、ミルナの視界には広がっていた。
ミルナをフロアで待っていた男……兎は、前の奴らに比べて寡黙だった。
扉をブチ破って転がり込んできたミルナを見ても、兎は微笑みすら見せない。
徹底された無表情だ。既に『覚悟』を終えている――ミルナはそう思った。
(メ._⊿)
( ゚д゚)
目を合わせて数秒。
二人は、同時に動き出した。
.
- 351 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:15:19 ID:TMwqaZTI0
-
兎は跳躍してミルナの前方に飛び込むと、素手でミルナの首を掴みに掛かった。
ミルナは咄嗟に反応し、バックステップで距離を取る。兎はミルナを追い、次々と手を突き出した。
だが、兎の突き手は脅威的な攻撃ではなかった。
兎の攻撃を軽く捌き、ミルナは すかさずジャブを打ち出した。
しかし、兎は反応し、上体を反らして拳を避けた――それだけに終わらず、彼はミルナへのカウンターを狙った。
兎は拳を避けながら、両手を床に着けてブリッジの姿勢を取ると、一気に両足を振り上げた。
足は、ミルナの顎と左肩に直撃。そのまま、彼の体を打ち上げた。
(; д )「……ッ!!」
体を打ち上げられ、視界がフラッシュする。
しかし、兎の追撃は一寸先に迫っていた。
兎は、再度ミルナの首を掴みにかかった。
.
- 352 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:16:02 ID:TMwqaZTI0
-
……気がついた時、ミルナは壁際に倒れていた。
(;`・ω・´)
視界の片隅には、戦う友の姿があった。
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- 353 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:16:42 ID:TMwqaZTI0
-
(;`ー´)「大丈夫か!?」
(; д )「お、俺は……作戦は……」
(;`ー´)「作戦は無しだ! 最後くらい好き勝手やろうって、シャキンが聞かなくてな!」
(; д )「そうか……」
(;`ー´)「俺もシャキンに加勢してくる。大人しくしてろ!」
ネーノはそう言い残し、ミルナを置いて戦いの場に向かった。
兎とシャキンが戦っている。戦いは、兎の優勢だった。
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- 354 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:17:23 ID:TMwqaZTI0
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(;`ー´)「シャキン、どけ!」
(`・ω・´;)「おう!」
ネーノの声を聞き、シャキンは後退して上空に跳び上がった。
ネーノは走りながら両手の平を向かい合わせ、その間に、直径5センチ程の鉄球を無数に作り上げた。
射出の瞬間、宙に展開された鉄球は、総数一万を越えていた。
(;`ー´)(これで見極めるッ!)
射出。一万越えの鉄球が、兎に迫った。
しかし、兎は微動だにしない。避ける素振りを一切見せなかった。その理由は、直後に判明する。
(;`ー´)(……消滅か)
兎の体に接近した鉄球が 『一つ残らず消滅している』。
鉄球の弾幕が、兎から広がる一定範囲に入った瞬間に『消滅』しているのだ。
瞬間、ネーノは察した。
(;`ー´)(コレが奴の能力ッ!)
ネーノがそう思った時、兎は既に動き出していた。
兎は先と同じく手を伸ばし、ネーノの首を狙いにいった……
.
- 355 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:18:06 ID:TMwqaZTI0
-
(;メ._⊿)「ッ!?」
……だが、兎は咄嗟に手を引き戻し、後ろに大きく飛び退いた。
兎は、シャキンとミルナの圧倒的な殺意を感じ取っていた。
このままネーノを仕留めれば、逆に自分が仕留められる……兎はそう悟り、身を引いた。
(;`ー´)「悪いな。助かった……」
(`・ω・´)「それより奴の能力だ。何だ『アレ』は? 鉄球が完全に消滅していたが……」
(;`ー´)「ああ。見た所、奴の体から円形に……五メートルといった所か。それが奴の『消滅領域』になってるらしい」
(`・ω・´)「だが、俺やお前も『消滅領域』には入っている。消えないのは何故だ?」
( `ー´)「これはまだ予測だが、奴は小さいものは無条件に消せるが、人間程になると直接触れる必要があるのかもな……」
(`・ω・´)「……なら確かめる必要があるか」
(;`ー´)「駄目だ。確かめるには誰か一人が『消える』ハメになる。だったら予測のままでいい……」
(`・ω・´)「だが、無傷で倒すのは至難の業だぞ……」
(;`ー´)「あーもう逃げ出したい……」
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- 356 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:18:46 ID:TMwqaZTI0
-
(`・ω・´)「……ミルナの様子はどうだ」
ネーノは壁際のミルナを一瞥した。
ミルナは、壁に寄り掛かって立ち上がろうとしていた。
( `ー´)「そろそろ動けそうだ」
(`・ω・´)「そうか……お前はどうだ。走れるか」
( `ー´)「ああ、まだまだ」
( `・ω・´)「なら、俺を置いて先に行ってくれないか」
( `ー´)「……面白くねーぞ」
( `・ω・´)「俺はもう、ロマネスクを倒すのに結構な力を使っちまった。
もしも今から兎の野郎を倒せても、その先、俺は足手纏いだ……」
それは、事実だった。
彼らの目的は、進むだけ進み、イクス体の力を出来るだけ多く削ぎ落とす事だ。
効率を考えれば、バラバラに戦った方が有効なのは間違いなかった。
(`・ω・´)「頼む。俺が全力で戦える内に戦わせてくれ」
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- 357 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:19:27 ID:TMwqaZTI0
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「さいごのワガママだ。悪いな」
「……抜かせ、馬鹿野郎……」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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- 358 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:20:07 ID:TMwqaZTI0
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(メ._⊿)「……一人で、戦えるのか」
兎は、一人で残ったシャキンを見て、問い掛けた。
(`・ω・´)「……」
シャキンは、これまでの全てを思い返していた。
未練もある。後悔もある……だが、それは俺が俺らしく生きた証だ。
だからこそ、さいごの時も『俺』が決めた。それは、俺にとって余りにも幸福な事だ。
(`・ω・´)(生きる道こそ選べなかったが、さいごの道は俺の道だ……)
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- 359 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:20:47 ID:TMwqaZTI0
-
(メ._⊿)「……俺の名は、三月兎だ」
(`・ω・´)「……そうか」
シャキンがそう囁くと共に、彼の両足が発光に包まれた。
発光が止んだとき、彼の両足を、流線型な装甲が武装していた。
誰が指し示した訳でも無い。
訳も無く、ここに立っている筈が無い。
シャキンは心の中で、自分の『意思』を叫び続けた。
やがて、『意思』は言葉となり
(#`・ω・´)「来いッ! 三月兎! 俺がお前を倒す!」
(メ._⊿)
戦いの始まりを 告げた。
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- 360 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:27:31 ID:TMwqaZTI0
-
【次回予告】
ここが、始まりとなる。これで、彼らの道は途絶える。
ミルナの拳は、さいごの光を世界に灯した。
拳が灯した世界の光は、次の物語へと受け継がれる。
彼らの世界は、今、ここで終わる。
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- 361 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 19:32:04 ID:TMwqaZTI0
-
イレドロの前編 ⇒ >>22-41
イレドロの中編 ⇒ >>334-360
今回の投下分は、中編って事でお願いします
後編はほぼ完成しているので、投下する日は近いです。
- 362 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 23:27:54 ID:TMwqaZTI0
- なんか出来たんで投下しておきます
- 363 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 23:28:35 ID:TMwqaZTI0
-
_
( ゚∀゚)
( ・∀・)
モララーはボディーブローを狙って踏み込んだ。
そこから突き上げるような膝蹴り、ステップを踏んでの前蹴り。見事な連携技を繰り出した。
止め処なく続く技の前に、ジョルジュは耐えるしかなかった。
だが、足技の連続攻撃は終わった時にこそ隙が生じる。ジョルジュはその隙を狙っていた。
モララーの踵落としを避けた所で、彼はモララーの懐に踏み込んだ。
彼は片手の掌底をモララーのみぞおちに添え、一瞬、爆発するような覇気をもって掌底を打ち出した。
その衝撃はモララーの体内まで響き、彼は一瞬にして白目を向いて気絶した。
_
( ゚∀゚)「次の相手は誰だ」
(´・ω・`)「自分です」
二人は立ち合い、静かに礼を終えた。
ショボーンは、体制を低くし、両手を前に突き出す格好を取った。
ジョルジュは、すぐにレスリングの技に警戒を払った。
- 364 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 23:29:58 ID:TMwqaZTI0
-
ショボーンは低姿勢のまま、ジョルジュとの距離を詰めてきた。
彼は次々と手を繰り出し、ジョルジュの足を掴もうと前に出る。
しかし、逃げ足を掴む事は容易だ。ショボーンは、ジョルジュの片足を掴んだ。
引っこ抜くように片足を持ち上げられ、ジョルジュは床に倒れてしまった。
マウントを取れると察した瞬間、ショボーンがジョルジュの体に組み入った。
ショボーンは両足でジョルジュの右手を押さえ、自身の片手でジョルジュの左手を押さえた。
ここで知るべきは、ショボーンは片手が空いており、ジョルジュは両手を完全に押さえられている事だ。
つまり今、ジョルジュの顔面は全くの無防備であり、ショボーンには顔面を殴れる手が空いている。
決まった。誰もがそう思った時、ショボーンの悲鳴が響いた。
床に、白い破片が転がった。それは、ジョルジュが口から飛ばした自身の歯だった。
やがて互いに立ち上がり、構えなおす。
ショボーンが、再び低く突進してきた。
それを見て、ジョルジュは「待ってました」と言わんばかりに笑みを浮かべた。
今度は一気に両足へと手を伸ばすショボーン。
ジョルジュは、無防備なショボーンの背を狙い、全力で肘を振り下ろした。
猿臂と呼ばれるこの技は、背中……特に肉の薄い部分への攻撃でその威力を上げる。
ジョルジュが狙ったのは、まさに肉の薄い部位だ。ショボーンはこの攻撃を受け、一撃で沈んだ。
_
( ゚∀゚)「次」
(,,゚Д゚)「お願いします」
.
- 365 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 23:30:39 ID:TMwqaZTI0
-
ギコは、木刀を構えてジョルジュの前に立った。
剣道三倍段とはいえ相手より四倍強ければ問題無いのだが、このギコという男は、それの通用しない只ならぬ雰囲気を纏っていた。
一刀一足の間合いに入らないよう、ジョルジュは注意深く位置を取った。
剣道には“ふくみ足”という足の指だけで移動する技があるので、ジョルジュはその事も念頭に置いて距離を測った。
木刀に対し、素手でどのように攻撃するのか。ジョルジュは頭の中で一気に想起した。
瞬間、ギコが打ちに入った。
ジョルジュは身を引き、これを避けた。
途端、ジョルジュは素早く身を前に出し、木刀を小脇に抱えて固定した。
木刀を可能な限り下方へ押し込み、鍔による反撃を封殺する。
ギコは急いで木刀を引き抜こうと力を入れた。
狙い通り、ギコが“引く力”を込めた。ジョルジュは、パッと手を離した。
この反動でギコが後退する瞬間を、彼は待っていた。
ギコが構えなおす間も無く、ジョルジュはギコの足を持って一気に持ち上げた。
剣士が転ぶという事は、既に敗北を意味している。
ジョルジュは、先のショボーンがやったようにギコの上半身を固め、ギコの口からギブアップを吐かせた。
.
- 366 :名も無きAAのようです:2012/07/09(月) 23:31:49 ID:TMwqaZTI0
-
_
( ゚∀゚)「次の相手はまだか」
(;・∀・)「も、もうアナタに挑む者は、この道場には……」
_
( ゚∀゚)「……そうか。ガッカリなんだぜ」
流浪の格闘家ッ! ジョルジュ長岡ッ!
彼の格闘は未だ終わりの兆しを見せないッ!
彼は向かうッ! 更なる強敵が待つ場所へとッ!
_
『( ゚∀゚)が戦うだけのようです』 おわり
- 367 :名も無きAAのようです:2012/07/10(火) 12:33:43 ID:WnFiNFlAO
- いつの間にか続き来てた!
- 368 :名も無きAAのようです:2012/07/10(火) 13:23:09 ID:iSHSnkVQ0
- おつだし!
- 369 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 00:40:30 ID:Pdx2SS/g0
- ギャグパートのセンスがたまらなく好きだけどイレドロの続きも撃鉄の新連載?もすげー楽しみ
スランプみたいだし気長に待ってるよ
- 370 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:30:01 ID:vdz3g4Go0
-
( ^ω^) (オッスオッス!)
( ^ω^) (オイラの名前は内藤ホライゾン!)
( ^ω^) (みんなからは 『カニクリーム公爵』 と呼ばれているお!)
( ^ω^) (ブーンというあだ名は三日で廃れたお)
( ^ω^) (そんでもって、実はオイラの汗はカニクリームなんだお!)
( ^ω^) (カニクリーム! そう! あのコロッケの中身ね!)
( ^ω^) (あれが体中から滲み出るんだお!)
( ^ω^)
( ^ω^) (さぁ今日も学校だお! 行ってくるお!)
.
- 371 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:30:42 ID:vdz3g4Go0
-
〜〜 学校 〜〜
(*^ω^)「おはようだおー!」
('A`) オハヨウ・・・
コイツはドクオ! 鼻水が練り飴で出来ているお!
ξ゚⊿゚)ξ「おはよー」
可愛い方のツン! 髪の毛はヒモQ!
ξ゚∋゚)ξ
可愛くない方のツン! 日に一回は脱皮する!
ξ┠┨)ξ
よく分からないツン! よく分からない!
.
- 372 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:31:32 ID:vdz3g4Go0
-
(´・ω・`)「おはよう。今日は早いね」
そして担任のショボーン先生! 一切が謎に包まれている。
(*^ω^)「えっへん! 今日は朝食を抜いて来たんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「んもー・・・それじゃ私の髪、食べていいわよ」
(*^ω^)「ありがとうだお! ヒモQ美味しいお!」
(´・ω・`)「まさに友情・・・!」
('A`) ヘッ・・・ヘッ・・・
ξ゚∋゚)ξ「おいヤベーぞドクオがクシャミすんぞ逃げろ」
ξ┠┨)ξ「┻┛┸┼╋╋┃」
.
- 373 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:32:16 ID:vdz3g4Go0
-
( ゚A゚) ブエックショイ!
(;^ω^)「ああっ! 大変だお! ドクオの鼻水 兼 練り飴が!」
川 ゚ -゚)「おやおや・・・スケバンのアタシに練り飴を浴びせるとは・・・」
スケバンの素直クール! 髪の毛は蕎麦だお!
ノパ⊿゚)「私にも掛かったぞおおおお!!」
そんで妹の素直ヒート! 屁が
(;'A`) ス、スイマセン・・・
川 ゚ -゚) ・・・
川 ゚ -゚) ペロッ
川 ゚ -゚) 「うおォん」
こうして素直クールは帰らぬ人となった・・・
(´゚ω゚`)「うおォん」
ショボーンも後に続いた・・・
.
- 374 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:32:56 ID:vdz3g4Go0
-
(´・ω・`)「はいじゃ出席とるから。大きな声で返事してね」
(´・ω・`)「カニクリーム!」
( ^ω^)
(´・ω・`)
(´・ω・`)「内藤ホライゾン」
( ^ω^)
(´・ω・`)
(´・ω・`)「カニクリーム」
( ^ω^)「はい!」
.
- 375 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:33:52 ID:vdz3g4Go0
-
(´・ω・`)「はい次ィ!」
(´・ω・`)「ヒモQ三姉妹!」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
ξ゚∋゚)ξ「ウィッス」
ξ┠┨)ξ「┴╂┸┃┃」
(´・ω・`)「よし!」
(´・ω・`)「次、練り飴!」
('A`) ハイ・・・
(´・ω・`)「大きな声で!」
('A`)「はい!」
(´゚ω゚`)「はァい!」
川 ゚ -゚)「うおォん」
素直クールは死んだ・・・
.
- 376 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:34:32 ID:vdz3g4Go0
-
(´・ω・`)「蕎麦と透かしッ屁!」
ノパ⊿゚)「両方とも居ます!」
川 ゚ -゚)「灼熱マッスル・・・」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ! クーに憑依しちゃダメ!!」
ξ┠┨)ξ「┓┓┏┼」
(´・ω・`)「はいオッケー!! さっそく授業始めっから準備せいやァ!」
.
- 377 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:35:14 ID:vdz3g4Go0
-
〜〜 一時間目 国語 〜〜
(´・ω・`)「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」
(´・ω・`)「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」
(´・ω・`)「おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし」
(´・ω・`)「たけき者もつひには滅びぬ。ひとへに風の前の塵に同じ」
(´・ω・`)「はいツンさん。これを翻訳して下さい」
ξ゚⊿゚)ξ「祇園精舎のぉおお鐘のぉおおごえ゙ぇ゙!諸行無常のぉおお響きぁあああ ありゅのほぉ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「沙羅双樹のぉおお花のぉおおほぉ!盛者必衰のぉおお理をぁあああ あぉらはしゅううゔ!」
ξ゚⊿゚)ξ「お゙ぉおォおんごれる人も久しからじゅううう!たら春のぉおお夜のぉおお夢のぉおおごとし」
ξ゚⊿゚)ξ「たけき者もちゅひには滅びぅうう!ひとへに風のぉおお前のぉおお塵に同じひぃ!」
(´・ω・`)「正解です。みさくら語二段はダテじゃないですね」
ξ゚⊿゚)ξ「はひぃ」
.
- 378 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:35:55 ID:vdz3g4Go0
-
〜〜 二時間目 体育 バスケ 〜〜
( ^ω^)「ヘイ! ヘイヘイ!」
( ^ω^)「ウィ! ウィウィ! オラーイ!」
( ^ω^)「シェイアオラッ! ターァサイ!」
( ^ω^)「ホッホ! ホアー! パヌェーッ!」
ξ┠┨)ξ「╋┘┘┘」 シュッ
( ^ω^)「ウェ! リバンリバン!」
('A`)「速攻!」 ダムダム
○
( 'A`)ノゝ
ミミ○
( 'A`)ノゝ 〔ゴール〕
('A`) キマッタ・・・
( ^ω^)「ないっしゅー」
○ ←これめっちゃ人型に見える
ノゝ
- 379 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:36:35 ID:vdz3g4Go0
- ,r=''""゙゙゙li,
_,、r=====、、,,_ ,r!' ...::;il!
,r!'゙゙´ `'ヾ;、, ..::::;r!'゙
,i{゙‐'_,,_ :l}..::;r!゙
. ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:.... :;l!:;r゙
,rジ `~''=;;:;il!::'li
. ill゙ .... .:;ll:::: ゙li
..il' ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!:: ,il!
..ll `"゙''l{::: ,,;r'゙
..'l! . . . . . . ::l}::;rll(,
'i, ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、
゙i、 ::li:il:: ゙'\.
゙li、 ..........,,ノ;i!:.... `' 、 ∧_∧
`'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ ` '(´・ω・`) ┼ヽ -|r‐、. レ |
`~''''===''"゙´ ~`''ー( ) .d⌒) ./| _ノ __ノ !!
- 380 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:41:17 ID:vdz3g4Go0
- ( ^ω^)の汗はカニクリームのようです
>>370-379
最後のアレがどうしても言いたかった
- 381 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:42:38 ID:umoZI63E0
- 俺の精神にはまだ早かったみたいだ
- 382 :名も無きAAのようです:2012/07/14(土) 22:42:44 ID:ncNvHZxo0
- なんだこれは・・・たまげたなぁ・・・
- 383 :名も無きAAのようです:2012/07/15(日) 00:35:43 ID:yJ66wZFU0
- なんて腹の減らない…
ヽ○ノ
ノゝ
- 384 :名も無きAAのようです:2012/07/15(日) 15:13:24 ID:MMKBoe7Y0
- ∩ _ _ ≡=−
ミ(゚∀゚ ) ≡=−走れー!高速のー!
ミ⊃ ⊃ ≡=−
(⌒ __)っ ≡=−
し'´≡=−
−=≡ _ _ ∩
−=≡ ( ゚∀゚)彡 ていこーくかげきだんー!!
−=≡ ⊂ ⊂彡
−=≡ ( ⌒)
−=≡ c し'
- 385 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 13:59:50 ID:7WFrkv.w0
- ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_ /i
;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i
'、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'゙  ̄  ̄
- 386 :超短編 『沈黙の春』:2012/07/16(月) 16:48:57 ID:7WFrkv.w0
-
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
- 387 :超短編 『哲学的残暑』:2012/07/16(月) 16:49:53 ID:7WFrkv.w0
-
(´・ω・`)「残暑とは」
ξ゚⊿゚)ξ「餃子につける」
(´・ω・`)「それ山椒」
(´・ω・`)「残暑とは」
ξ゚⊿゚)ξ「村岡隆」
(´・ω・`)「それざんしょ」
ξ゚⊿゚)ξ「黙れ」
(´・ω・`)「なんと」
ξ゚⊿゚)ξ「私が残暑だ」
(´・ω・`)「私も残暑だ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう」
(´・ω・`)「我々は残暑」
おわり
- 388 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:54:07 ID:7WFrkv.w0
-
キュ〜と吹くハマー(ファマー)のようです
第一笛
√ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ΩΩ_ |
| ( ・ rt) =3 |
| / ; / |
|ー-‐ー-‐ー/‐ ,/ -‐ー-‐ー-‐ー-‐|
| r-、___/, :/ 。゚o |
| L「: ・ ; ̄`カ 8 。 |
「|‐ー-‐ー-‐ー-| L_・ ¨∵∴_」 |‐ー-‐ー-‐ー-「|
| | | | |「| ̄|,兀| (ヽ○ノ`〉 | | |
| | | | || | | || | > f | | |
| | | | || | | || | (_/ヽ_,〉 | | |
| | | | || | | || | | | |
| | 」 | || | | || | L | |
| |________,[,]!、!_Li、」_______________| |
└――――――――――――――――――――――――――-┘
___|___ │
/ ___ / │ │ │
/\ └─┼─┘
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__/|\_ |__|__|
_/
- 389 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:54:51 ID:7WFrkv.w0
- ____
/___ \ キュート殿!
/ ( ___ )::ヽ キュート殿!
|::::/ 一 一 \::ヽ
|::::| (●),、(● ) |::::| キュート殿!!!
|::::| ⇔ ノ ⇔ |::::|
|::::| ヽ /::/
o川*≡∇≡)o「あっ。兄彦それロン」
(;´_ゝ`)「えぇ〜! あの河で一体どんな役を……」
o川*≡∇≡)o「たて笛四色、そんでもってサバンナ笛が三つだな」
(;´_ゝ`)「なっ……残りの点笛がもう……」
o川*≡∇≡)o「トリプル笛満で俺の勝ち〜。兄彦は今日から笛彦ですぅ〜」
(;´_ゝ`)「畜生……そもそも兄彦じゃないのに……」
- 390 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:55:34 ID:7WFrkv.w0
- ____
/___ \
/ ( ___ )::ヽ 拙者、家出するYO!
|::::/ 一 一 \::ヽ そしてミクシィも辞めてツイッターも辞めるYO!
|::::| (●),、(●) |::::|
|::::| ⇔ ノ ⇔ |::::|
|::::| ヽ /::/
____
/___ \
/ ( ___ )::ヽ もう全部ウンザリなんだYO……
|::::/ 一 一 \::ヽ ネットで人気者になっても虚しさがあるだけ……
|::::| (━),、(━ ) |::::|
|::::| ⇔ ノ ⇔ |::::| だから……全部一からやりなおすんだYO……
|::::| ヽ /::/
o川*≡∇≡)o「……あのさぁ……」
____
/___ \
/ ( ___ )::ヽ
|::::/ 一 一 \::ヽ とっ、止めたって駄目だYO!!
|::::| (●),、(●) |::::|
|::::| ⇔ ノ ⇔ |::::|
|::::|* ヽ */::/
- 391 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:56:20 ID:7WFrkv.w0
-
o川*≡∇≡)o「……っと」
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \
| (●), 、(●)、| ……
( ´_ゝ`)「……誰?」
o川*≡∇≡)o「コイツはハマー改めファマー。得意技は『ファマーがいっぱい』だ」
o川*≡∇≡)o「顔が邪魔だったから削った」
(; _ゝ )(せめて面影を残せー!) ガビーン!
- 392 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:57:07 ID:7WFrkv.w0
-
第二笛
スマートなホイッスル・パス
原文:エキサイト翻訳
- 393 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:57:50 ID:7WFrkv.w0
-
〜〜平日の真昼間〜〜
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \
| (●), 、(●)、| ヘイ! ヘイヘイ! ヘイってば! ヘヘェイ!
从'ー'从「キモい」
ξ゚⊿゚)ξ「迷惑です」
(゚、゚トソン「……(無視)」
∬´_ゝ`)「ツボ買ってくれるなら付き合うよ」
- 394 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:58:38 ID:7WFrkv.w0
-
o川*≡∇≡)o「……ってな感じの所見ちゃってさぁ〜」
( ´_ゝ`)「へぇ〜。それでファマーさんどうしてた? やっぱり落ち込んでるのかなぁ」
o川*≡∇≡)o「なんかツボ割ってストレス解消してるんだって」
( ´_ゝ`)「ふ〜ん。あ、今夜は姉ちゃんの所で焼肉だけど来る?」
o川*≡∇≡)o「行く行く。ガムシロップの余りめっちゃ持ってくわ」
(;´_ゝ`)「止めて! 次やったら今度こそ姉ちゃんキレるよ!」
- 395 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 16:59:20 ID:7WFrkv.w0
-
第四笛
焼肉長官の破壊
原文:エキサイト翻訳
- 396 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:00:00 ID:7WFrkv.w0
-
〜〜アパートの姉者の部屋〜〜
∬:::_ゝ:::)
ゴゴゴゴゴ・・・!
o川*::::∇::::)o
(;´_ゝ`)(うわっ! やっぱり空気がマズい事に!)
三人の囲む鉄板の上には学食で余ったジャムが山のように積み上がり
その山を焼肉が覆い、なんか全体的に焼け焦げ
なんかもう、すごかった
- 397 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:00:43 ID:7WFrkv.w0
-
o川*≡∇≡)o「……なぁ兄彦」
( ´_ゝ`)「何?」
o川*≡∇≡)o「 食え 」
(;´_ゝ`)「えっ……嫌なんだけど……」
(;´_ゝ`)「そういうキューさんこそ先に食べなよ! こんな有様にした張本人なんだから!」
o川*≡∇≡)o「……なんで?」
(;゚_ゝ゚)「アンタがジャムぶちまけたんだろうがァァァ!」 パヌーン
- 398 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:01:35 ID:7WFrkv.w0
-
∬´_ゝ`)「……どうしても食べないっていうの? これ」
o川#≡Д≡)o「当たり前だ! 何だよこの謎のサムシングXは!?」
(;´_ゝ`)「姉さん無理だよ……諦めて全部処分するしか……」
∬´_ゝ`)「……兄彦」
( ´_ゝ`)「アンタまで兄彦言うか」
∬´_ゝ`)「事の落とし前ってのはね、例え大きなリスクを負ったとしても清算させる必要があるのさ」
∬´_ゝ`)「そう、今から始まるのは 『落とし前』 の押しつけ合いなのさ……」
(;´_ゝ`)(悪質な責任転嫁……)
- 399 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:02:17 ID:7WFrkv.w0
-
【1ターン目:姉者】
∬´_ゝ`)(最初はレートを上げていく……限界ギリギリまで……)
( ´_ゝ`)「……えっ」
その時、姉者は席を立って台所へ駆けて行きました
するとどうでしょう。彼女はボール一杯にゼラチン質の何かを入れて帰ってきました
そして、鉄板の上にぶち撒けました
ゼラチン質の何かは、あたかもはぐれメタルの様に水泡を含みながら熱を帯びてゆき
やがて、謎のサムシングとの融合を果たしたのです
- 400 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:03:07 ID:7WFrkv.w0
-
∬;´_ゝ`)「よし! これでどうだ!?」
(;´_ゝ`)「『これでどうだ!?』じゃないよ! 何やって――」
o川;≡A≡)o
(;´_ゝ`)(――ハッ! キューさんがうろたえてる!? でも一体何で!?)
- 401 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:03:48 ID:7WFrkv.w0
-
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \ キューは人の苦笑いを見るのが生き甲斐みたいな奴だYO……
| (●), 、(●)、| それが今、逆に自分が苦笑いする程の状況になっている……
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \ 姉者も策士だYO……あえて後始末を面倒にしてキューを無効化した……
| (●), 、(●)、| でもまだ終わらないYO! キューはただで終わる人間のクズじゃないYO!
(; _ゝ )(なんか解説始まったぁぁぁぁぁ!!)
( ´_ゝ`)「っていうか何で居るの?」
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \ ……またツボを買いに……
| (●), 、(●)、|
- 402 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:04:43 ID:7WFrkv.w0
-
(;´_ゝ`)「……あー。なるほどねぇ、うん」
( ´_ゝ`)「焼肉ごちそうさまでした」
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \ いや兄彦殿は食べてないYO。っていうか食べててくれた方がまだマシだったYO
| (○), 、(○)、| 何で鉄板の上で 『絵具全部混ぜちゃいました(テヘペロ』 みたいな物を焼いてるんだYO……
- 403 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:05:25 ID:7WFrkv.w0
-
【2ターン目:キューさん】
o川*≡∇≡)o「ただいまぁ〜」
(;´_ゝ`)「一応聞くけど、何か忘れ物でもしたの?」
o川*≡∇≡)o
o川*≡ ー ≡)o「まぁ……な」
(;´_ゝ`)(うわぁ……ヤな笑顔だ……)
急に 「陣痛が! 陣痛が!」 と言ってアパートを飛び出したキューさん
それから暫くして帰って来たキューさんの両手には、嫌な予感のする物で満ち満ちたコンビニ袋がありました
既に謎のサムシングXも準備万端。物凄い異臭を放ちながら、進化の時を待ち構えます
- 404 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:06:07 ID:7WFrkv.w0
- ∬;´_ゝ`)(もしもの為に作っておいたゼラチン……これ以上に苦笑いを誘う物なんて滅多にあるもんじゃ……)
o川#≡Д≡)o「そぉい!!」
時に読者諸君はハッピーターンというお菓子を知っているだろうか。
パッと見は楕円形の普通のせんべいであるが、ハッピーターンには他の菓子とは一線を画する要素が一つある。
そう、ハッピーパウダーである。
ハッピー…… パウダー……
ハッピーパウダー!
はっぴぃ ぱぅ だぁ
HAPPY!! PAUDAA!!
ああああああああああああ!!!!!!!!!!!1
- 405 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:08:03 ID:7WFrkv.w0
-
1:【ハッピー】はっぴぃ ぱぅ だぁ 中毒者隔離スレ【ッターン】(1001)
2:死んだ婆ちゃんにハッピーターン食わせたら爺ちゃんが死んだ(891)
3:【速報】きのたけ連合軍壊滅。ハッピーパウダーによる空襲か(264)
4:【速報】きのこの山・たけのこの里、ハッピーターン襲来に備え合併交渉(1)
5:ハッピーターンのデコボコってパウダースポットって言うんだなwww俺ずっと(58)
6:俺がハッピーパウダーでオナニーした時の話をする(417)
7:ハッピーターン「……?(誰だアイツ、見かけない菓子だな……)」(820)
8:真夏の世の淫夢(114514)
9:俺のザンギエフがハッピーターンに負けた(19)
10:ありったけのハッピーパウダーを池に撒いたったったwwwwww(1001)
11:ジョセフ「幸せ色の粉末疾走(ハッピースノウ パウダードライブ)!!」(893)
- 406 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:08:46 ID:7WFrkv.w0
-
―――― ハッピーパウダー ――――
.
- 407 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:09:34 ID:7WFrkv.w0
-
―――― その幸せの粉が ――――
―― 鉄板の上 ―― 謎のサムシングXに投下された ――
.
- 408 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:10:22 ID:7WFrkv.w0
-
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \ ……馬鹿な……
|;(○), 、(○)、|
(; _ゝ )「ハ……ハッピーパウダーが……」
o川;≡д≡)o「これが俺の全力だ……さぁ! どう出る!?」
∬ _ゝ )「……まだよ」
- 409 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:11:02 ID:7WFrkv.w0
-
Σ o川;≡д≡)o「馬鹿な! ジャムで焼肉でゼラチン質な上にハッピーなサムシングにこれ以上何を!?」
(;゚_ゝ゚)「もういい加減にしなよ! どうせ処分するんだからもう止めろ! な!?」
∬´_ゝ`)「そんなの、アタシが許さない」
(;´_ゝ`)「えっ?」
∬#´_ゝ`)「ファマー!!」
__
/┏━┓\
../ ┗━┛ \ 分かってるYO! これに勝つには『アレ』しかないYO!
| (●), 、(●)、|
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)(みんな……ノリノリなんだなぁ……)
- 410 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:12:12 ID:7WFrkv.w0
-
【3ターン目:姉者】
∬*´,_ゝ`)「ブハハハハ!! パチパチするお菓子の残りの奴でパチパチさせたるわ!!」
【4ターン目:キューさん】
o川*≡Д≡)o「牛丼屋で鷲掴みにした紅ショウガのパック!!」
【5ターン目:姉者】
∬#´_ゝ`)「マックのピクルス!!」
【6ターン目:キューさん】
o川#≡Д≡)o「ガムシロップ!!」
━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━
━━
.
- 411 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:12:55 ID:7WFrkv.w0
-
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━━━━━━━━━━━━━━
しばらくすると、夜が明けました
昨夜の壮絶な戦いは幕を閉じ、一時の喧騒も朝焼けに溶けていくのでした
兄彦は既に家に帰り、ファマーは余りの異臭によって気絶し、床に転がっています
……え? 結局、謎のサムシングXを食べたのは誰かって?
そりゃ決まってますよ。ホラ、みんなも知ってる――
.
- 412 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:13:36 ID:7WFrkv.w0
-
【↓キューさん】
o川|*;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;*|川o 「いやぁ、ホント助かりました」
【↓姉者】
∬|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|∬ 「どうにも処理しにくくて困ってたんです」
.
- 413 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:14:17 ID:7WFrkv.w0
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- 414 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:14:57 ID:7WFrkv.w0
-
――隣のまが夫さんです。
第四笛 おわり
- 415 :名も無きAAのようです:2012/07/16(月) 17:17:05 ID:7WFrkv.w0
- キュ〜と吹くハマー(ファマー)のようです >>388-414
- 416 :名も無きAAのようです:2012/07/20(金) 17:10:20 ID:D7xR19lY0
-
ミエタ! イケルゾ!
┗(^o^ )┛ ┗(^o^ )┛ ┗(^o^ )┛
┗┃ヽヾ\ ┗┃ヽヾ\ ┗┃ヽヾ\
ヽ\\ ヽ\\ ヽ\\
┗(^o^ )┛ イケル!
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カッタ!┗(^o^ )┛ ヽ\\
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- 417 :名も無きAAのようです:2012/07/20(金) 17:11:03 ID:D7xR19lY0
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ティウンティウン / ̄ ̄ ̄ ̄\
@ /;;:: ::;ヽ @ ティウンティウン
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- 418 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 00:51:33 ID:4bu5glp.0
-
誰しも輝かしい経歴や自慢出来る事柄を隠し持っているものである。
それを他人に聞かれる事を心待ちにしているのも事実だ。
私の仕事はそういった者達の自慢話を聞き、出来る限りの金を貪り取るというものだ。
つまりはホストクラブの接待従業員と同じ仕事なのだが、それでも一つ、決定的に違う事があった。
私の仕事場は、屋台のたこ焼き屋なのだ。
【 ( `ー´)のタコ焼き屋のようです 】
.
- 419 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 00:53:10 ID:4bu5glp.0
-
衣食住をこのオンボロ屋台と共にして早くも二年が過ぎようとしていた。
大学卒業後の進路に迷った私に廃棄寸前の屋台を押し付け 「これで働け」 と言い放った伯父への怒りも聊か落ち着いてきた所である。
しかし人間の適応能力とは馬鹿にならないもので、タコ焼き屋なんぞでまともな生活は出来無いと思っていた私の生活は、意外にも絶対の安心を兼ね備えた平行線を描いているのだった。
だが、タコ焼き屋という仕事はルーチンワークが余りに簡潔過ぎる。
起きる。屋台を引く。場所を決める。タコ焼きを作る。延々それを繰り返すばかりだ。
「目標をセンターに入れてスイッチ」 と囁いた回数も数え切れない。二度ほど暴走もした。
仕事をしているのに暇が絶えない。更には安定した生活が手に入っているのにも関わらず、私はタコ焼きの生地を引っ繰り返す作業に心底飽き飽きした。
末期症状に見舞われた際にはタコそのものがゲシュタルト崩壊し、輪ゴムやダンボールが生地に混ざっていた事もあった。鉄板ごと引っ繰り返す事は昨日やった。
そんな事態に呻き声を上げていたのは、二年前の十二月の下旬だった。
世間的にはクリスマスと呼ばれるその日も、私は屋台を引いてタコ焼きを作っていた。
.
- 420 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 00:54:08 ID:4bu5glp.0
-
( `ー´) (くそう。ムカつくったらありゃしない)
その日は屋台を駅近くの猿橋に構えていた。
絶え間無く屋台の前を通り過ぎるカップル達が腹立たしく、生地を引っ繰り返す作業にも並々ならぬ熱意が籠っていたのを覚えている。
<ヽ`∀´> 「旦那ぁ。そんな不景気な顔するもんじゃないですぜ」
目の前でタコ焼きを貪る男が言う。彼の名前は羽牟似田ニダー。
昨今流行りのキラキラネームを先取りしたハイカラな名前である。
奴は私と同じく大学卒業後の進路に迷った仲だった。
しかしそう思っていたのは私だけだったらしく、羽牟似田は得体の知れない優良会社の幹部に選出され、金の有り余る生活に身を浸しているらしい。
以前、お前の仕事を私にも紹介しろと酒の場で言ったのだが、羽牟似田は
<;ヽ`∀´> 「嫌ですよ! アナタが来たら僕の地位がアナタに取られちゃうじゃないですか。
アナタ、僕の人生を滅茶苦茶にしたいんですか?」
と答えた。私は「お前が不幸になるなら本望だ」と言ったのだが、羽牟似田は何故か仕事の紹介をしてくれなかった。
.
- 421 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 00:55:20 ID:4bu5glp.0
-
(#`ー´) 「羽牟似田。私の不景気を憂うなら、まずは今までのツケを払ってもらおうか!」
<ヽ`∀´> 「何を仰る! それとこれとは話が別でしょう。
なぁに、僕らの友情はタコ焼き程度の物で無くなりはしません。安心して下さい」
(;`ー´) 「言っている事が滅茶苦茶だ……」
<ヽ`∀´> 「じゃあこうしましょう。このタコ焼きはアナタから僕への『友達料金』です。ま、これは今週分って事で」
羽牟似田はそう言ってタコ焼きを口に放り込んだ。
(;`ー´) 「私は週刻みでお前にタコ焼きを奢らねばならんのか。ヤクザの取り立てと何ら変わらんな」
<ヽ`∀´> 「これでもかなり良心的でしょうに。僕との友情に感謝してもらいたいなぁ」
( `ー´) 「ほざけ、このタダ食い奉行め」
<*ヽ`∀´> 「えへへ」
.
- 422 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 00:56:00 ID:4bu5glp.0
-
こういったやり取りは屋台を引き始めてから幾度となくやってきた。
その度にタダでタコ焼きを羽牟似田に振舞っているが、話し相手が居ないのよりはずっと良い。
何だか納得出来ない所もあるが、これはこれで等価交換なのだろう。
<ヽ`∀´> 「じゃ、僕はこれで」
( `ー´) 「何だ。もう帰るのか?」
<ヽ`∀´> 「やだなぁ。これでも会社の幹部ですよ? 暇が出来たらまた来ます。そんじゃ」
食うだけ食った羽牟似田は、屋台の暖簾を潜って帰って行った。
私は奴の使った器を片付けると、また次のタコ焼きを作り始めた。
.
- 423 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 00:57:35 ID:4PcNojOg0
- キタァ
- 424 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:01:12 ID:4bu5glp.0
-
“鬼”という言葉が流行り始めたのは、今からおよそ半年前の事だった。
若者達が“超”という言葉の代替語句として“鬼”を使い始めたのを切欠に、
大人達も無意識下で“鬼”という言葉を使い始めた。それが、半年前。
現在、“鬼”は死語として扱われている。
しかし、一度表舞台に出た言葉を忘れ去るには、相応の時間がかかる。
故に“鬼”は、未だ人々の深層心理、心の水面下で生き続けていた……
.
- 425 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:02:20 ID:4bu5glp.0
-
※今は没ネタ投下中です。続かないのばかりです。すまぬ
- 426 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:02:21 ID:wNP3V/vU0
- 不穏な空気
- 427 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:03:34 ID:4bu5glp.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ^ω^)「お……お……」
('A`)「……」
(; ω )「……参りましたお」
('∀`)「……ジュース買ってこい。1.5リットルの奴な」
しりとりに負けたら相手の言う事を一つ聞く。
その勝負に負けた内藤ホライゾンは、潔く部室を後にした。
('A`)(……ブーンが戻ったら帰るかぁ……)
時刻は午後五時。グラウンドでは、数多くの運動部が活動に勤しんでいた。
.
- 428 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:04:51 ID:4bu5glp.0
-
ところで、彼らの通うVIP高校は、生徒を強制入部させる事で知られていた。
元々スポーツで有名だったのだから、生徒の強制入部に反対する者は極僅かだった。
故に、何の部活にも入りたがらない“極僅か”は、こぞって例の部活へと入部を決めていく。
例の部活とは、現在ドクオとブーンが占拠中の総合文化部の事であった。
名の通り文化部を総合した部活で、合唱でも絵画でも読書でも、この部活では何でも出来るようになっていた。
けれど、以前の総合文化部には、文化的熱意を持った部員は一人も居なかった。
元より省かれ者の溜まり場である意味合いが強かったのか、顧問は部員達の態度には注意しなかった。
そんな堕落的な総合文化部は、半ば必然的に、他多くの生徒から忌み嫌われていた。
それが、ドクオの入部を機に変わった。
堕落的な先輩と同級生を、ドクオが追い出したのだ。
捕まらなければ五万円。
捕まったのなら自主退部。
その頃、テレビでは金を賭けた鬼ごっこが流行っていたので、この鬼ごっこのルールには誰もが賛同し、参加した。
鬼はドクオだけというのも、堕落的部員達の油断を誘ったのだろう。
そして、ドクオ対部員八十名による、一方的な鬼ごっこが始まった。
.
- 429 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:05:33 ID:4bu5glp.0
-
( ^ω^)「ジュース買ってきたおー」
ブーンが部室に戻って来たので、ドクオは視線を室内に戻した。
六畳の広さであるこの部室は、元は総合文化部の準備室にあたる部屋だった。
かつては魑魅魍魎も湧きかねない汚さを見せていた準備室は、
今ではドクオとブーンの手によって、綺麗で清潔な和室へと変貌を遂げていた。
ブーンは木のローテーブルにコンビニ袋を乗せると、袋の中からジュースを取って飲み始めた。
(*^ω^)「ポテチも食べるお!」
('A`)「あー……それより今日は帰ろうぜ。六時のアニメ見逃しちまう」
(;^ω^)そ 「え!? せっかく色々買って来たのに……」
('A`)「明日食えばいいだろ」
( ^ω^)「天才か」
.
- 430 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:07:12 ID:4bu5glp.0
-
( `ー´)のタコ焼き屋のようです
>>418-422
没ネタ。森見登美彦調に失敗したもの。
('A`)は鬼を追うようです
>>424-429
モチベ消失
- 431 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:08:58 ID:4bu5glp.0
-
もうちょっと完成度の高い没ネタ探してきます
しばし待たれよ(マルクル)
- 432 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:09:56 ID:4PcNojOg0
- 乙
- 433 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:10:06 ID:wNP3V/vU0
- 終わってもうた
タコ焼き屋好きだわ
美味し糧を!
- 434 :名も無きAAのようです:2012/07/25(水) 01:40:53 ID:4bu5glp.0
- もう投下できそうなものは無かったよパトラッシュ・・・
最近は没ネタばかりで申し訳ないです
次は 「完成度たけーなオイ」 と言われるような短編持ってきます
- 435 :名も無きAAのようです:2012/08/05(日) 02:51:23 ID:AY.moAME0
- ネタが切れました。助けて下さい。
これでは>>1000まで埋められません。
お願いします。お題を下さい。何でも書きますから
- 436 :名も無きAAのようです:2012/08/05(日) 03:58:45 ID:ENpJPAfw0
- オーケー、好きなの拾ってくれ
( ^^ω)「お題! お題だよお題! お題寄越せ! 」
( "ゞ)「やぁだもぉ~お世辞ばっかりなんだからっ!」
(;^ω^)「うわあああ手巻き寿司がぁぁぁ、手巻き寿司が迫ってくるうううう」
- 437 :名も無きAAのようです:2012/08/05(日) 07:42:53 ID:SHCzXFuU0
- お題っていうかブーンが草生やして喋ってるような話が読みたい
>>1の書くブーンのキャラが好きなんだ
- 438 :名も無きAAのようです:2012/08/06(月) 07:00:43 ID:grwG5wHM0
- 書けました! >>436と>>437のおかげで閃きました!!
ありがとうございます!!
ξ は意外にも歩けるようです
真・( ^ω^)は刹那を歩くようです
以上の二つを近々投下します。
スレタイ歩き過ぎだろ とかいうツッコミは無しです。
- 439 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:45:02 ID:zbaXcv2c0
-
〜〜 夜 〜〜
ξ゚⊿゚)ξ「あー今日も疲れた」
ξ゚⊿゚)ξ「寝よっと」
ξ‐⊿‐)ξ スピー スピー・・・
ξ‐⊿‐)ξ
( ‐⊿‐)
i!i! i!i!
i!ii i!i!
i!i! i!i!
ξ ξ シュタッ!
ξ <意外にも歩けた!
ξ <これは冒険せざるをえない!
ξ <しかし我々の脳はどこに・・・?
ξ <髪だけに、髪の神秘だな
.
- 440 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:45:43 ID:zbaXcv2c0
-
〜〜 翌朝 〜〜
( ‐⊿‐) スピー スピー
( ‐⊿‐)
( ‐⊿゚)「ん・・・もう朝かぁ・・・」
ξ <坊主頭でなければ最高の寝起きシーンなのにな
ξ <言ってやるな
ツン(坊主頭)はベッドから起き上がり、顔を洗おうと洗面所に向かった。
.
- 441 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:46:23 ID:zbaXcv2c0
- _____
||// |
||/ (n゚l\゚ ).|( ) ・・・髪が無い・・・
|| (ソ  ̄丿|ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____
||// |
||/ ( .|(n゚⊿゚n) 一本たりとも生えてない・・・
|| (ソ 丿|ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____
||// |
||/ ( .|(n゚⊿゚n) 嘘やろ・・・
|| (ソ 丿|ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
ξ <残念! 現実でした!
ξ <一番残酷な答えだな
- 442 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:47:05 ID:zbaXcv2c0
- \ r'´ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`、::. .___
l} 、:: \ヘ,___,_ ______/::.__| .|___________
|l \:: | | |、:.. |[], _ .|:[ニ]:::::
|l'-,、イ\: | | ま く ら .|::.. ヘ ̄ ̄,/:::(__)::
|l ´ヽ,ノ: | | .| r'´ ̄ ̄ ̄テーブル ̄ ̄ ̄`、::.___
l} 、:: \ヘ,___,_ ______/::. .|___________/
|l \:: | | |、:
|l'-,、イ\: | |. . |::.. ヘ ̄ ̄,/:::(__)::
|l ´ヽ,ノ: | | (゚△゚) ,l、:::  ̄ ̄::::::::::::::::
|l | :| | |,r'",´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、l:::::
|l.,\\| :| | ,' :::::... ..::ll:::: そうよ
|l | :| | | :::::::... . .:::|l:::: これは夢なのよ
|l__,,| :| | | ::::.... ..:::|l:::: わたしは今、夢を見ているの
|l ̄`~~| :| | | |l:::: 目が覚めたとき、
|l | :| | | |l:::: わたしはまだフサフサ
|l | :| | | |l::::
|l | :| | | ''"´ |l:::: 起きたら洗面所で髪を整えて、
|l \\[]:| | | |l:::: 朝ご飯を食べて、学校でブーンと沢山お話して
|l ィ'´~ヽ | | ``' |l:::: 放課後は友達とイオンに行って、おもいっきり遊ぶの・・・
|l-''´ヽ,/:: | | ''"´ |l::::
|l \\[]:| | | |l::::
|l ィ'´~ヽ | | ``' |l::::
|l-''´ヽ,/:: | | ''"´ |l::::
|l.,\\| :| | ,' :::::... ..::ll::::
|l | :| | | :::::::... . .:::|l::::
|l__,,| :| | | ::::.... ..:::|l::::
|l ̄`~~| :| | | |l:::: 、
|l | :| | | |l::::
|l | :| | | ''"´ |l::::
|l \\[]:| | | |l::::
|l ィ'´~ヽ | | ``' |l::::
|l-''´ヽ,/:: | | ''"´ |l::::
|l /:: | \,'´____..:::::::::::::::_`l__,イ::::
ξ <つーかコイツ胴体長すぎだろ
ξ <あと枕がでかい
- 443 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:47:47 ID:zbaXcv2c0
-
( 'ー`)「ツン、そろそろ学校・・・」 ガチャ
( ゚⊿゚)
( 'ー`)
( ゚⊿゚)
( 'ー`)
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> やっぱ髪がねぇ!!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^ ̄
(;゚⊿゚) ('ー`;)
J <うーっす
し <何だよお前らも動けたのか
ξ <この調子じゃ他にも動ける髪が居そうだな
ξ <学校行けば会えるんじゃね。歩いて行くか
- 444 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:48:32 ID:zbaXcv2c0
-
\足が速い!/ \意外と手も生えた!/
...ξ ...ξ =┏ J┓ =┏し┛
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 445 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:49:13 ID:zbaXcv2c0
-
〜〜 学校 〜〜
( ゚⊿゚)
l| ゚ -゚)
(゚ー゚*)
( ゚∀゚)
(゚、゚ )
_人人人人人人人人人人_
> 突然の脱毛 <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^ ̄
- 446 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:49:53 ID:zbaXcv2c0
-
(;゚∀゚)「なんだコレ!? 修行僧多すぎだろ!!」
(;゚⊿゚)「修行僧とは何よ! あんたこそマユゲ無いじゃない!!」
(゚ー゚*)「みんなはまだいいよ。私なんか・・・」
l| ゚ -゚)「ん? しぃはデフォルトじゃないか」
(゚ー゚*;)「私はデレだよ! デレちゃんだよ! キャラ被りとか言うな!!」
l| ゚ -゚)「そんな事は言ってないんだが・・・」
l| ゚ -゚) 「なぁ?」
(゚、゚ )
l| ゚ -゚)「えっと・・・」
l| ゚ -゚)「ボブ」
(゚、゚ )「トソンです」
- 447 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:50:33 ID:zbaXcv2c0
-
(;゚⊿゚)「どういうことなの・・・」
(;゚∀゚)「俺のラブリーマユゲ・・・どこへ行ったんだ・・・」
(*゚ー゚)「みんなおはっ・・・」 ガラガラッ
( ゚⊿゚)
(*゚ー゚)
(;*゚ー゚)「ツンちゃん!? 髪の毛は!?」
( ゚⊿゚)「朝起きたら全部無くなってた・・・」
(;*゚ー゚)「そんな・・・」
(;*゚ー゚)「ボブは!?」
(゚、゚ )「トソンです」
- 448 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:51:14 ID:zbaXcv2c0
-
l| ゚ -゚)「どうやら私達は怪異現象に遭遇したらしい」
(゚ー゚*;)「早く自分らしさを取り戻さないと・・・」
(i! ゚∀゚)「俺マユゲ無いとほんま無理やねん・・・」
(*゚ー゚)「みんな・・・」
(゚、゚ )「でも髪ならまた生えてきます。そう慌てる必要も無いでしょう」
l| ゚ -゚)「おっそうだな」
「みんなー! オッハー!!」
( ゚∀゚)「お、ブーンの声だぞ。あいつ髪の毛無いけど大丈夫なのか?」
(;゚⊿゚)「どうだろう・・・口のアレが取れてるんじゃない・・・?」
- 449 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:52:07 ID:zbaXcv2c0
- ._
\ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、)
/
/
|
|
\\
M
|;;_;;|
/<人ノヽ
!iiリル彡ミ
|ノリゝiリ,,ノiヽ
リ川ハli |リリ
(ノリ::━◎┥从
\ミハ川ソリ彡
爪ノ瓜ハ爪
ノリ,i、从トイ`!li
.イ从゚ノi从リi
.彡ミトソンリリミ
..ol从ハハハ!リo
丶@@@
⌒*@∬|゚ノ@
从w从v
Jミ,,彡し
ζ.ノ*_ _*ζ 「おはよう」
ξ ^ω^)ξ
从( ) 从 ┼ヽ -|r‐、. レ |
从 ┃┃ 从 d⌒) ./| _ノ __ノ
- 450 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 22:54:00 ID:zbaXcv2c0
-
ξ は意外にも歩けるようです >>439-449
>>436の手巻き寿司と >>437の草生やして喋ってるブーンで閃きました。
しかし、どういう訳か一瞬の内に二番煎じとなりました。辛いです。
理解したら死ぬと思います。ありがとうございました
真・( ^ω^)は刹那を歩くようです
こっちは諸事情で投下中止です。
ヤバイ程に面白味が欠けていたのです。マジヤバかった
- 451 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 23:48:00 ID:QljDOjbI0
- 乙
空前のハゲブームだな
改造されちゃったでもハゲ出てくるしなんかもう慣れたわ
- 452 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 00:08:49 ID:VBEw8TuA0
- お、おう
確かに盛大に草生えてる…
でも正直小ネタシリーズの中で1番好きだわこれな、うん
- 453 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 01:31:26 ID:T3atqXSk0
-
読者さんの苦笑いが目に浮かびます。
事実、もうネタ切れで投下するものがありません。
このスレはもう、過去ログに送るしかない・・・
と言うとでも思っていたのか?(ブロリー)
『从 ゚∀从はエアマスターのようです』
この作品は中編(200レスくらい)を予定しています。
近々第一話を投下するので、よろしくお願いします。
- 454 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 02:17:15 ID:.LVJhGcA0
- ベッドの長さとか普通に笑ったけどな
歯車王はあれ髪かよ…
- 455 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:43:56 ID:Ey8ebDt20
- 始めます
- 456 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:44:48 ID:Ey8ebDt20
-
1.揉め! ジョルジュ長岡!
_
( ゚∀゚)「ここが……」
ジョルジュは、東京の渋谷に来ていた。
彼は駅を出てからしばらく歩き、適当な公園を見つけ、そこのベンチに腰を下ろした。
ジョルジュは、いわゆるストリートファイターだった。
彼は良く言えば純粋な格闘家であるが、悪く言えば、無職家無しの浮浪者だった。
戦闘時には 『オッパイ拳法』 というものを駆使するのだが、今ここで説明するには少し早い。もう少し待とう。
時に、ジョルジュが渋谷に来た事には理由があった。
昨今の渋谷では盛んにストリートファイトが行われており、その渦中では、化け物染みた強さの輩が居るという。
今回彼が目をつけたのは、渋谷のファイターの中でも特に強い 『エアマスター』 なる人物と戦う為だった。
名前をハインリッヒ高岡と言い、この近辺では知られた存在らしい。
ジョルジュもその話を友人に聞き、遥々インドから渋谷にやってきた。
彼がこうして日本の土を踏んだのは、ずいぶんと久しぶりの事だった。
.
- 457 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:45:38 ID:Ey8ebDt20
-
_
( ゚∀゚)(エアマスター……。ムエタイ、テコンドー、カポエイラ、新体操を組み合わせたようなスタイルらしいが、この目で見ない限りは分からない……)
_
( ゚∀゚)(インドで戦ったブームくんも、実際に戦わなければ意味不明な奴だった……)
_
( ゚∀゚)(先走った予測は身を滅ぼす。気を引き締めていこう)
_
( ゚∀゚) ハラヘッター(腹の虫の叫び)
_
( ゚∀゚)「それより飯だ。何かを食べなくては……」
_
(ヽ゚∀゚)「……でも金が無いんだぜ……」
彼が辛うじて手に入れた金は、既に電車賃として消えていた。
無一文は切実な問題だった。
.
- 458 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:46:21 ID:Ey8ebDt20
- _
(ヽ゚∀゚)(聞くところによれば、エアマスターが現れるのは学校終わりの夕方から夜頃……)
_
(ヽ゚∀゚)(仕方が無い。今は……寝ておこう……)
_
(ヽ゚∀゚)(そんで夕方になったらエアマスターと……)
_
(ヽ゚∀゚)(……エアマスターと……)
_
(ヽ‐∀‐)(やっぱ起きたらメシ食べよう……)
割と合理的だった。
ジョルジュは公園のベンチで横になり、夕方までグッスリと眠った。
- 459 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:47:25 ID:Ey8ebDt20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「――危ないぞ!!」
_
( ‐∀゚)「ん……あ?」
雑多な怒号を聞き、ジョルジュはすぐに目を覚ました。
その視界には、横になってブッ飛んでくる男の背があった。
_
(;゚∀゚)「なんッ……!」
反応が遅れ、ジョルジュは衝突を覚悟した。
しかし、何者かがジョルジュの前に立って構え、飛んできた男を受け止めた。
( ФωФ)「大丈夫か?」
_
(;゚∀゚)「あ、ああ……。でも何だってんだ?」
( ФωФ)「ストリートファイト。あれだ」
男が示す方向に、ジョルジュもつられて目を向けた。
そこでは、一対の男女が只ならぬ雰囲気で対峙していた。
.
- 460 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:49:13 ID:Ey8ebDt20
-
(#・∀・)「エアマスター! 俺はお前を倒す為に、新しい必殺技を編み出した!」
(#・∀・)「もうテメーなんか怖くねぇ! 瞬殺してやるよ雑魚助がァ!」
从 ゚∀从「いいから来い」
(#・∀・)「ああ上等だ! 今度こそテメーを吹き飛ばす!」
男は左腕を下げて構え、一歩踏み込むと同時に左腕を振るった。
腕はラリアットに近い動きだが、その軌道は相手の首を刈り取るように孤を描いている。
(#・∀・)「くらえ! 必殺モララリ――」
( ・∀・)「――あっ」
从;゚∀从
だが、そのような姿勢は当然隙だらけであり、女性がその隙を見逃すわけも無かった。
女性は大きく開かれた男の左胸めがけて、超至近高速ソバット (飛んで旋回する後ろ蹴り) を決めた。
(;・∀・)「また……か……」
(; ∀ )「……よ……」
男は、そのまま脱力して崩れ落ちた。
- 461 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:50:25 ID:Ey8ebDt20
-
_
(;゚∀゚)「凄い威力だな」
( ФωФ)「分かるのか?」
_
(;゚∀゚)「あれを見て何も思わないのは馬鹿か大馬鹿だ。
今ラリアットを仕掛けた奴も中々だが、それに反応し、あまつさえソバットを決めたあの女……」
_
(;゚∀゚)「間違いない……あいつがエアマスターだ……!」
( ФωФ)(こいつ、まさかストリートファイター?)
ジョルジュはベンチを立ち、エアマスターの前に歩いていった。
二人が対峙し、沈黙が流れる。先に口を開いたのは、エアマスターだった。
从 ゚∀从「誰?」
_
(;゚∀゚)「……俺の名はジョルジュ! ジョルジュ長岡!
お前の噂を耳にして、遥々インドからやってきた格闘家だ!」
从 ゚∀从「で、やる気なの?」
_
(;゚∀゚)「当然だ! 俺は、俺より強い奴に会いに来た!!」
.
- 462 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:51:30 ID:Ey8ebDt20
-
_
(;゚∀゚)「来い! エアマスター!」
ジョルジュは声を張り上げ、ぐっと体を構えた。
エアマスターもそれに答え、目の色を変える。
瞬間、エアマスターの上半身が捻れた。遅れて下半身が回転し、彼女の足に力を送り込む。
高速の後ろ回し蹴りだった。蹴りは、ジョルジュのこめかみを狙っていた。
ジョルジュは頭を引っ込め、その蹴りを寸で回避した。
そして、目の前を過ぎった彼女の足を両手で掴み上げた。これは、彼の特異な反射神経でこそ成せる業だった。
彼は掴んだ足を基軸に彼女の体を持ち上げると、そのままコンクリートに向けて一気に振り下ろす。
从;゚∀从(こいつ!)
振り下ろされていく最中、エアマスターは残った片足を咄嗟に振り上げた。
彼女の足がジョルジュの顔面に伸びる。ジョルジュは、思わず足を手放して回避した。
宙に放り出されたエアマスターは、持ち前の機動力をもって完璧に着地を決めた。
_
(;゚∀゚)(初撃は五分。正直助かったぜ……。今の俺じゃ、エアマスターには苦戦するだろうしな……)
_
(;゚∀゚)(かと言って退くのは男じゃねぇ。やれるとこまで全力、それがオッパイ拳法だ!)
.
- 463 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:53:29 ID:Ey8ebDt20
-
ジョルジュは前屈みに構えて前に出た。
グラップリングになれば、空中戦に特化したエアマスターは無効化できる。
鳥が翼を失うが如く、一方的に攻撃出来るだろう。ジョルジュはそう考えていた。
しかし、先の至近ソバットが彼の中に迷いを生んでいた。
下から攻めるという事は、ただでさえ強烈な足技を全て潜り抜けるという意味だ。
加え、相手はエアマスターである。エアマスターをグラップに持ち込めるかどうかは、彼にとっても一つの賭けだった。
エアマスターの両足がコンクリートの地面を蹴った。
彼女はジョルジュの頭上に舞い上がると、彼の頭を狙って交互に両足を振った。
ジョルジュはこれをガード出来なかった。足を取るか、避けるか、迷ってしまったのだ。
彼は蹴りの二連打を受け、呆気なく後方へと蹴り飛ばされる。
_
(; ∀ )(クソッ! 迷った! 迷わなければ入っていた!)
( ФωФ)(いや、あれは完全に読まれていた)
二人のもとから離れたベンチで、杉浦ロマネスクはパソコンを膝に乗せて思っていた。
( ФωФ)(確かに低い位置から攻撃すれば、相手は次の行動を制限される。蹴るか、後退するか……そういう駆け引きに持ち込める。
もっとも、空手などには下方への攻撃もあるが、あの男がそんな技を持っているとは考えにくい)
( ФωФ)(それに、この世は地上より空中の方が圧倒的に広範囲だ。
その空中を制するエアマスターに対して、あんな付け焼刃の攻撃は通用しない……)
.
- 464 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:54:31 ID:Ey8ebDt20
- _
(; ∀ )(落ち着け 落ち着け 落ち着け! 俺が貰ったのはたった二回の蹴り!!)
_
(;゚∀゚)(自分のスタイルに徹底しろ! 相手に合わせようとか考えるな! 自分の土俵で戦うんだ!)
ジョルジュはふらふらと立ち上がった。
彼は一瞬、脳震盪を起こしていた。
从 ゚∀从「……やめといた方がいい。あんた、私には勝てないよ。中々良い線いってるけど」
_
( ゚∀゚)「……」
从 ゚∀从「……聞こえてるか?」
_
( ゚∀゚)「……」
从;゚∀从「おいおい……大丈夫か……」
その時、ジョルジュは何の構えも無く前に歩き出した。
自然体そのもの――ただ、前に向かって歩く。
从;゚∀从(何だ? 何をしてくる?)
_
( ゚∀゚)「……」 ピタッ
彼はエアマスターの前で静止した。
じっと、彼女の顔を見つめる。
.
- 465 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:55:33 ID:Ey8ebDt20
-
从;゚∀从「……あ、握手……とかか? それなら別に――」
_
(#゚∀゚)「双! 握! 乳!!」
瞬間、彼はエアマスターのオッパイを掴んだ。
そして揉んだ。
从 ゚∀从
_
(#゚∀゚) モミモミモミモミ
从 ゚∀从「な……なに、何を、何を……」
_
(#゚∀゚) モミモミモミモミモミ!!
从 ∀从「」
_
(#゚∀゚) モミモミモミモミモミモミモミモミモミ!!
_
(#゚∀゚) モミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミモミ!!!!
.
- 466 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:58:48 ID:Ey8ebDt20
-
从# ∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」
胸を揉まれ、エアマスターは一心不乱に暴れ始めた。
最早、そこに技などどいう動きは存在しなかった。
_
( ゚∀゚)(今だッ!) モミッ!
ジョルジュが最低の行いで生み出した絶好のチャンス。
彼はチャンスの到来を悟り、彼女の後ろに回りこんだ。
彼の両腕が、彼女の胴をがっちりとホールドした。
_
(#゚∀゚)「パイオツ・スープレックス!!」
彼はエアマスターの体を引っこ抜くように持ち上げ、勢いよく背中を反り返らせた。
ジャーマン・スープレックスという技だ。相手を頭から地面に叩きつける大技である。
.
- 467 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 12:59:41 ID:Ey8ebDt20
-
ホールドを解くと、エアマスターはぐったりと地面に倒れ伏した。
彼女は気絶していた。ジョルジュは、勝利の記念に彼女の胸を一揉みした。
_
(;゚∀゚)「やった……やってやったぞ……クソッタレ……!!」
(;ФωФ)(こいつ、男の風上にも置けない史上最低のドクズだな……)
( ФωФ)(だが 今の戦いが全国中継じゃなかったのは幸いだ。
男に胸を揉まれたなんて大衆に知れたら、エアマスターはしばらく立ち直れなかっただろう)
( ФωФ)(そして面白い番狂わせだ。倫理的な問題はあるが、この男、恐らく10位台の実力を持っている……)
( ФωФ)(……試す価値は十分か)
( ФωФ)ノシ 「おーい」
杉浦はベンチからジョルジュに声を掛け、大きく手を振った。
ジョルジュは覚束ない足取りでベンチに戻り、男の隣に腰を下ろす。
_
(;゚∀゚)「何だ……。今、生きてる心地がしないんだ……」
( ФωФ)「お前、名前は何と言うんだ」
_
(;゚∀゚)「ジョルジュ長岡……ちなみにオッパイ拳法の使い手……」
.
- 468 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 13:00:23 ID:Ey8ebDt20
-
(;ФωФ)「おっぱ……まぁ、いい。たった今エアマスターを倒した君に、一つ話がある」
_
(;゚∀゚)「ああ、勝手に言ってくれ」
( ФωФ)「ジョルジュ長岡。君はもっと強い奴と戦いたくはないか?」
_
(;゚∀゚)「……はァ!? ここでの最強はエアマスターだと聞いてるぞ!?」
( ФωФ)「それは情報が古い。彼女は杉浦ランキング8位(仮)だ。少なくとも、あれより強い人間は7人居る」
_,
( ゚∀゚)「杉浦ランキング……その話、詳しく聞かせてもらおうか」
( ФωФ)「ふっ……」
男は立ち上がり、ジョルジュの前に立った。
( ФωФ)「俺は杉浦ロマネスク」
( ФωФ)「ようこそ、杉浦ランキングへ」
≪ 続く ≫
- 469 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 13:01:03 ID:Ey8ebDt20
-
今日の必殺技
( ・∀・):モララリアット
刈り取るような円形の軌道をもって、相手の首を狙うラリアット。
その後、足を引っ掛けて肘を落とすまでが一連の技なのだが、どうにもエアマスターには通用しなかった。
_
( ゚∀゚):双握乳(そうあくにゅう)
無心の構えで相手に接近し、その乳房を揉むという革新的な技。
今回はエアマスターの油断が技の直撃を許したが、実際には滅多に成功しない大技中の大技。
オッパイ拳法の中でも特に法律的に危ない禁じ手の一つ。
_
( ゚∀゚):パイオツ・スープレックス
双握乳から続くジャーマン・スープレックス。技名は即席。
- 470 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 13:08:36 ID:Ey8ebDt20
-
1.揉め! ジョルジュ長岡!
>>456-469
撃鉄の息抜きに書いているので、撃鉄とエアマスターの投下頻度は五分です。
つまり、今日投下したという事は、撃鉄が書けていないという事です。
そういう事です。よろしくおねがいします。
- 471 :名も無きAAのようです:2012/08/12(日) 23:17:24 ID:eoccdQec0
- おつん
- 472 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:23:13 ID:zsumATMI0
- 始めるらしい
- 473 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:24:03 ID:zsumATMI0
-
〜〜 街の中 〜〜
( ´ω`)「はぁ……」 テクテク
( ^^ω)「おやおや、そこのお兄さん」
( ´ω`)「おぅふ……」 テクテク
(;^^ω)「無視しないで! お願い、良いものあるから!」 ガシィ!
ヽ(;^ω^)ノ 「うわっ! なんだこのオッサン!?」
(;^^ω)「露店のオッサンだよ! ほらほらほらほら、何か買ってってよ!」
ヾ(;^ω^)ノシ 「離せェーい!」 ジタバタ
( ^ω^)「おい離せよ」
( ^^ω)「はい」
- 474 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:24:44 ID:zsumATMI0
- .V
ノ⌒⌒ヽ
__i二二二i
(ω^^ ) <さぁ! 買って!
「壊滅的に要らないお」 /⌒< > ⌒\
/ __ __ \
(; ^ω) ______ (___E^|___ノ
γ ⌒\ | カラーモナー \500| /⌒\ /⌒\
/ ハ \ \  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ / イ ヽ |
/ //\ ヽ、 | ∧_∧ /ー-'""`ーヽ |
| / ヽ、ノ ∧_∧∧_∧(´∀`::::) | |___>
γ / / (´∀`;;;;) ´∀`)と::::::::::) .|____( \__
i 、, / / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ゙-'`ー--'
ゝ`ー-''" < .|__________|
(_(___つ
- 475 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:25:24 ID:zsumATMI0
-
(;^^ω)「えっ? 若い子ってこういうの好きじゃないの?」
(;^ω^)「今の時代はモナーよりビコーズだお」
( ^^ω)「……」
( ^ω^)「そんじゃあオイラ帰るんで……」 テクテク
(;^^ω)「待って! 待ってーな!」 ガオン!
(;^ω^)「ああもう! オイラは今忙しいんだお!」 メギャン!
(;^^ω)「スペシャルなアイテムが残ってるから! これ持ってれば色々と捗るから!」 ズアッ!
- 476 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:26:07 ID:zsumATMI0
-
「まぁまぁまぁ! 見てからでも遅くない!」
(ω^^ ;)
.,,/ ̄ ̄ ̄ ̄ ∪ ∪ ) ̄'''/
/ ↓ (__(_,,⊃ /
./ o /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ; ^ω)「スペシャルって、その指輪かお?」
| |
「これは真実の指輪と言ってね! なんか嘘を暴く力があるらしいぞ!」
(ω^^ ;)
.,,/ ̄ ̄ ̄ ̄ ∪ ∪ ) ̄'''/
/ ↓ (__(_,,⊃ /
./ o /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ; ^ω) 「うわぁ〜適当だぁ〜」
| |
- 477 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:26:47 ID:zsumATMI0
-
(;^^ω)「どうよ! 普段なら一億円のところ、お兄さんに限って一万円で売っちゃうぞ! やべぇ!」
(;^ω^)「アンタどれだけ荒稼ぎするつもりだお! アンカー効果も大概にしろ!」
(;^^ω)「お願い! 分割でいいから買って! 今ならホマの電話番号も付けるホマ!」
(;´ω`)「ああもう……」
(*^^ω)「買う!?」
(;´ω`)「手持ち少ないから、二千円でいいかお……?」
(*^^ω)「ヒャッハー! お客さん is GOD ! ありがとうホマ!」
( ^^ω)「これで娘と遊園地に行ける……」
( ^ω^)「オッサン……」
- 478 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:27:33 ID:zsumATMI0
-
〜〜 学校の教室 〜〜
(;´ω`)「はぁ……」
(;´ω`)(結局、ツンへの誕生日プレゼントは買い損ねたお……)
(;´ω`)(あるのはパチモンの指輪だけ。我ながらアホな物を買ったお……)
(;´ω`)(怒るお……ツンは絶対に怒るお……)
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃん誕生日おめでとー」
ξ゚⊿゚)ξ「ありがと」
o川*゚ー゚)o「また一歳老けたんだね(笑)」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね」
('、`*川「シワも増えたんじゃない?」
(´・ω・`)
(;´ω`)(おぅふ……みんなプレゼント持ってるお……)
- 479 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:28:13 ID:zsumATMI0
-
ζ(゚ー゚*ζ「あっそうだ」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン君もツンちゃんにプレゼントあるよね?」
( ^ω^)「無いです」
ζ(゚ー゚*ζ
( ^ω^)(真顔こわっ)
( ^ω^)「やっぱあります」
ζ(゚ー゚*ζ「へぇー! どんなプレゼントなの?」
( ^ω^)「これです」
( ^ω^)
つoと
ζ(゚ー゚*ζ
- 480 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:28:54 ID:zsumATMI0
-
ギチギチ...
うひい> (||^ω^)
(つ´゙(ー゚*ζ <おい内藤、テメー女なめてんのか?
| 'ヽ、 ノ
ヾ ィ゙ , )
~"(_)、__)
- 481 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:29:34 ID:zsumATMI0
-
ζ(゚ー゚*ζ「値段は」
(;^ω^)「い、一億のところを二千円で買いましたお……」
ζ(゚ー゚*ζ
( ^ω^)
_、_
.(;^ω^) <待ってください
|\ ㎜ \㎜
( ヽ ノ_ bヽd_ノ
ノ>ノ ⊂ニ ̄\
レレ (( ∩ `\ \
( l ) )
\ \ (゚−゚*ζ / <生きて返さん
ヽ___ ̄ ̄ )
/ /
- 482 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:30:14 ID:zsumATMI0
-
(;^ω^)「オイラだって色々考えたんだお!」
ζ(゚ー゚*ζ「で、買ってきたのがそれ?」
(;´ω`)「はい……」
ζ(´ー`;ζ「救いようのない……」
o川*゚ー゚)o「二人とも何してんのー?」
ζ(゚ー゚;ζ「あっ、いや何でもないよ〜」
( ^ω^)(切り替えの早い女は性格が悪い、と……)
ζ(゚ー゚*ζ「それよりツンちゃん! ブーン君が誕生日プレゼント渡したいんだってさ!」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「あっそう」
( ^ω^)(そうくるかー)
- 483 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:30:55 ID:zsumATMI0
-
(;^ω^)(こうなりゃ開き直るしかないお。いざ!)
(*^ω^)「ツン! 誕生日おめでとうだお!」
(*^ω^)「オイラからは不思議な指輪をプレゼントするお!」
つoと
ξ;゚⊿゚)ξ「ふ、ふしぎな……?」
('、`*川「とりあえず付けてみたら?」
ξ;゚⊿゚)ξ「え? あ、そうね……」
ξ゚⊿゚)ξ∩+ キラン
( ^ω^)「超似合うっす! やべーっすよ!」
ζ(゚ー゚;ζ(もっと褒めるの!)
( ^ω^)「これはもうツンとの結婚を考えるレベル」
ξ゚⊿゚)ξ「は?」
- 484 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:31:37 ID:zsumATMI0
-
ξ゚⊿゚)ξ「……そういう冗談、嬉しくない」
(;´ω`)「あ、はい……」
\ ウソデス! /
o
.↑
.└指輪
ξ゚⊿゚)ξ
( ^ω^)
ξ#゚⊿゚)ξ「嬉しくないわよ!」
o<スベテ ウソデス!
- 485 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:32:20 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^) ロード・オブ・ザ・ウソ発見リングのようです
.
- 486 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:34:20 ID:zsumATMI0
-
ξ;゚⊿゚)ξ「何よコレ!」
(;^ω^)(あのオッサン、嘘を暴くってこういう事かお……)
o川*゚ー゚)o「ツンちゃん」
ξ;゚⊿゚)ξ「ん?」
o川*゚ー゚)o「……太った?」
ξ;゚⊿゚)ξ「太ってない!」
o<マジ
o川*゚ー゚)o 「マジかー残念」
('、`;川「この指輪って、まさか嘘発見器?」
('、`;川「ツンデレには酷なアイテムだわ……」
ξ゚⊿゚)ξ「ツンデレは名前だけよ」
o< ホントカナ?
ξ#゚⊿゚)ξ「ほんと!」
o< ウソデス!
ζ(゚ー゚;ζ「もはや喋る指輪なんじゃ……」
- 487 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:35:00 ID:zsumATMI0
-
ξ;゚⊿゚)ξ「ふぬおおおお! ふぬおおおお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「指輪外れないんだけど!」
( ^ω^)
ζ(゚ー゚*ζ
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと、誰か……」
('、`*川
o川*゚ー゚)o
ξ;゚⊿゚)ξ「外すの手伝って……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
ξ;‐⊿‐)ξ「……くれないのね」
\ 今日は楽しい一日になるぞ!(全員一致) /
- 488 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:36:19 ID:zsumATMI0
-
【ケース1:ツンデレが消しゴムを落とした場合】
○/
\ へ
○
| ̄
└┐
○
/\
>
_| ̄|○
|_ ・;∵.. ガッ!
_|・;∵..・;∵..
_______________________________________○___
ξ゚⊿゚)ξ「あれっ? 消しゴムが……」
_ 。
(;゚∀゚)っ大 「消しゴムって、この人型の奴か?」
ξ゚⊿゚)ξ「……そう。ありがと」
o< ウソデス!
- 489 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:37:00 ID:zsumATMI0
-
_
( ゚∀゚)「へ? 嘘ってなんだ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「……ありがとう」
o< マダ ウソデス!
ξ*‐⊿‐)ξ「拾ってくれてありがとう!」
o< ・・・マァホント
_
(;゚∀゚)「お、おう……」
_
(゚∀゚ )(なんか今日はやけに素直だな……)
o川*゚ー゚)o「この精度の高さである」
('、`*川 「なんか目覚めそう」
- 490 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:37:41 ID:zsumATMI0
-
【ケース2:運悪く弁当を忘れたブーン君! それに対するツンデレちゃん!】
(;^ω^)「ぎえぴー! 弁当忘れたおー!!」
( ・∀・)「おーなんだ。一緒に学食行くか?」
(;´ω`)「一文無しですお」
( ・∀・)「まぁ今日は奢ってやるよ」
(*^ω^)「マジで!?」
( ・∀・)bb 「 嘘です 」
( ;ω;)「おおおおお!!」
o川*゚ー゚)o「お弁当ならツンちゃんに分けてもらえば?」
( ^ω^)「ケバイ癖にナイスアイデア」
o川*゚ー゚)o
o川*゚ー゚)o「うーん半殺しかな」
( ^ω^)「ひぇぇ」
- 491 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:38:45 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^)「という訳でツンさん」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
(; ω )「お弁当を分けて下さいお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「まぁ……ダイエット中だし、少しだけなら」
o<ダイエット? ウソデース
ξ#゚⊿゚)ξ「このクソ指輪がァ!」
ζ(゚ー゚;ζ「それ以上いけない!」
- 492 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:40:02 ID:zsumATMI0
-
【ケース3:割り箸が無い! やばい!】
(:^ω^)「割り箸がない!」
(;゚ω゚)「ツンのお弁当が食べられないお!」
('、`*川「あーんすれば?」
ξ;゚⊿゚)ξ「誰か! 誰か割り箸を!」
ζ(゚ー゚*ζ「あーんでいいと思うなぁ」
ξ;゚⊿゚)ξ「誰か……」
_
( ゚∀゚)「あーんしか無いと思う」
o川*゚ー゚)o「そっちの方が絶対に面白い」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちくしょ〜……」
ξ;゚⊿゚)ξ「ゴローちゃん! ゴローちゃんなら割り箸――」
- 493 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:40:42 ID:zsumATMI0
- _|_三三ニニ杉 / / ̄¨≦i彡三ミミ
r'´,-vヾ三ニ≧''´ /__ _,/ `┴川ミト ./´
i イ ). `ー''´  ̄  ̄`ヽ、 从ミハ ,
| {(( ィ====-,,, `ー- /厂リ i あ
ヽ ゝ ´ ,,____`┴’ ,,,,_ ,'″. | |
\_ ´ 、_7::ソ} i ,ィ__`ミノ | ん
,' i  ̄` " くフt:> / ! .だ
r=イ | |  ̄. / ', な
/ VV . | ,,,,__ | / ノ__
ィ´ VV∧ ( . | ,' ´ `ゝ、 ,,
/¨ { i VV∧ `' 、 ヽ __ ノ ., `  ̄ ̄ ̄
..../{ i V\ヽ _ー ,,_,, ./
:: | |. V \ "" ./ 孤独の給食委員長・ゴローちゃん
:: | | V :\ ∧\
:: | | V :\ ,.イ .∧ \
- 494 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:42:08 ID:zsumATMI0
-
※指輪物語はここまで
- 495 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:43:05 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^)「いーっけね!(だみ声) 学校にランドセル忘れちったお!(裏声)」
( ^ω^)「お゙ぉ゙ぉ゙ゔぇ゙!(嗚咽)」
( ^ω^)「よーし取りに行くおー!」
- 496 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:43:48 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^)が学校に忘れ物を取りに行くようです
.
- 497 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:44:29 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^) テックテク マジテクテク
( ^ω^)「学校に着いたお! でも校門が開いてないお!」
(´・ω・`)「僕の肛門ならいつでもオープンフェア開催中だよ」
( ^ω^)「用務員さん! 校門を開けてほしいお!」
(´・ω・`)「肛門を開けるだって? たまげたなぁ・・・」
( ^ω^)「やったお! 校舎に入れたお!」
( ^ω^)「オイラのクラスは200階だお! さっさと校舎を上るお!」
(´・ω・`)「説明しよう!」
(´・ω・`)
v(´^ω^`)v 「しなーい」
- 498 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:45:07 ID:RYCKUfzw0
- ちょっと精神加速させてくる
- 499 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:45:24 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^)「うひー! 勢い余って300階クラスまで来ちゃったお!」
( ^ω^)「ここら辺になると念能力とか色々ヤバイから注意だお!」
( ^ω^)「なんやかんやで500階まで来たお!」
(´・ω・`)「ふはは。よくぞここまで上り詰めた」
( ^ω^)「お、お前は用務員のショボーン!」
(´・ω・`)「無駄口不要! ゆくぞっ!」
( ^ω)
γ/ γ⌒ヽ (´;ω;`) ウッ…
/ | 、 イ(⌒ ⌒ヽ
.l | l } )ヽ 、_、_, \ \
{ | l、 ´⌒ヽ-'巛( / /
.\ | T ''' ――‐‐'^ (、_ノ
| | / // /
- 500 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:46:04 ID:zsumATMI0
-
(;´・ω・`)「・・・僕は嬉しいよ」
(;^ω^)「用務員さん! 正気に戻ったのかお!」
(;´・ω・`)「まさか君のような若い子が、これ程の力を持ってたとはね・・・」
(;^ω^)「喋っちゃダメだお! 用務員さんのキンタマが爆発するお!」
(;´・ω・`)「ブーン君・・・最上階へ行くんだ。そこに、君のランドセルは――」
(;´゚ω゚`)「ウッ!」 ドッカーン!!
( ;ω;)「キンタマァァァァァァァ!!」
.
- 501 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:46:44 ID:zsumATMI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ω「なぁ、ブーン」
( ^ω^)「どうしたお? キンタマの癖に改まって」
ω「俺な、お前のキンタマと結婚しようと思うんだ」
(*^ω^)「そうかお! だったらドレスを用意するお!」
ω「おいおい、キンタマはドレスを着れないぜ?」
( ^ω^)「あちゃー! こりゃ一本取られたお!」
ω
( ^ω^)
( ^ω^)「サッカーやるお!」
ω「よっしゃボール役は任せろ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 502 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:47:25 ID:zsumATMI0
-
( ;ω;)「おぉぉぉぉん! キンタマァァァァ!!」
ω 『ブーン、男が泣き声を上げるもんじゃないぜ』
( ^ω^)「なんだ生きてたのかよ」
ω 『案外余裕だったわ』
【+死神】ゞ゚)「ちょっと急いで下さいよ。あなたもう死んでるんだから」
ω 『あ、やっぱ死んでますか。でもキンタマって天国地獄どっち行くんすかね』
【+死神】ゞ゚)「知りませんよだってキンタマだもん」
( ^ω^)「こうしてキンタマは死神に連れて行かれたお・・・」
( ^ω^)「オイラは進むお・・・キンタマの思い、無駄にはしない!」
- 503 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:48:14 ID:zsumATMI0
-
( ^ω^)「700階まで来たお」
(´・ω・`)「ふははよくぞ来た」
( ^ω^)「ちょろい」
(´゚ω゚`)「ウッ!」
( ^ω^)「800階だお」
(´・ω・`)「ふはは死の淵より舞い戻ったぞ」
( ^ω^)「ビーム」
(´・ω・`)「そら死ぬわ」
- 504 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:49:11 ID:aHwdctbM0
- なにがなんだかry
- 505 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:50:09 ID:zsumATMI0
-
(;^ω^)「最上階! オイラのランドセルはどこだお!?」
へ(´・ω・`)へ「ふはは。探し物はこれかな?」
//
\■ ←ランドセル
| \
( ^ω^)「いえ違います」
(´・ω・`)「マジか。じゃあ要らんわ」
( ^ω^)「よっしゃ取り返した」
(´・ω・`)「しまった」
( ^ω^)「帰るお」
以下、>>495 に戻る。
おわり
- 506 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:54:43 ID:aHwdctbM0
- ワロタ
- 507 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 16:58:26 ID:RYCKUfzw0
- 乙
- 508 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 17:05:59 ID:zsumATMI0
- o ゜ ○ ゜ ゜゚ ゚ . 。 o ○o
o 。 ゜゚ ゚ . o ヽ (⌒ r ⌒ヽ/, ) /⌒) ), ○o / /,
\丶 r⌒ヽ (⌒⌒) r⌒ヽ/, r⌒ヽ (⌒ r⌒ヽ/, / /,
ヽ 、、;(⌒ヾ ⌒-丶(;;;(⌒ ゜゚ ゚ . . ((( ハ,,ハ ⌒))) ,⌒⌒);; /⌒) ), ,
、ヾ (ゝ (´・ω・`) ゜゚ ゚ . __ /, ,⌒⌒⌒)
、\(⌒ゝ;(⌒ヾ ;;⌒ヾ ∧__∧≡=- ;;⌒ヾ O┬O ∧_∧ ⌒)/)) ., /
((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;⌒ヾ. (´・ω・`)┐≡=- ( .∩.| ,⌒ ‐――と(´・ω・`) ,⌒⌒);;;;;)))⌒)
(;;;;(⌒(⌒;;( と´_,ノ゙ヾ.≡=- . ι| |j::.. ― ‐/ と_ノ ,⌒ ) ;;;;;)))⌒)
ゞ (⌒⌒=─ (´ ヽ、 \≡=- . ,∪::::::⌒ / /⌒ソ ⌒ ⌒);;;;)))⌒)
、\(⌒ゝ(⌒ヾ `ー' \__)≡=- -'´ ::... ,⌒ ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
((⌒≡=─. ⌒ヾ :::::: (⌒.ヾ ⌒ :::::: ─=≡⌒)丿;;丿ノ
((⌒≡=─. , ⌒─= ≡⌒) 丿
..┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) /| _ノ __ノ
- 509 :名も無きAAのようです:2012/09/23(日) 23:36:31 ID:0zihcENY0
- エアマスター来たかと思ったらwww
- 510 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 01:23:57 ID:wv8/esGU0
- 指輪はわりと好き
- 511 :没AA:2012/10/11(木) 15:03:29 ID:bR6H3vts0
- _人人人人人人人人人人人人人人人_
> このスレちくわしかねぇ!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^ ̄
┌─────────────┐
│ ___..↓__
│ / ̄ヽ |\ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::\ _/\/\/\/|_
│ ./⌒⌒⌒ヽ/| | ..\_;;;_;;;;;;_\ \ /
└⊂| ◎ 【ソース】 ‖ | ......| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.. | < カマンベール!! >
ヽ_ _丿\| | ....| ;;;;:; ;;;;;;;;;;;; ...| / \
∪ \.....|_______|  ̄|/\/\/\/ ̄
| ┼ / へ ○ /
| | / / \ /
レ 〆 /⌒レ \ /⌒レ
- 512 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:08:46 ID:bR6H3vts0
-
瓜゚ 々゚)「カカカカカ」
薄汚れ、擦り切れ、不純物によって変色した服を着る男が居た。
彼は路地裏の生ゴミに紛れ、夜の街を行き交う人々を観察していた。
瓜 ゚ 々゚)「死んで……るぅ。あいつァ死んでるゥんだ……」
瓜 ゚ 々゚)「ンあのネーチャンはっ……し……」
生きている人間、死んでいる人間。彼には、その判別が出来た。
例えばスーツ姿のあの男。スーツ姿で夜の街へ来て、風俗巡りに精を出す。つまり死んでいる。
例えば半裸のあの女。彼女はモノ欲しそうに喘いでいるが……つまりはこれも死んでいる。
死んでいる。どの人間も、彼には死人に見えていた。
瓜 ゚ 々゚)「ったくよォ〜みんな死んじゃってるよなァ〜」
瓜 ゚ 々゚)「オッレも、どっちかってったら死んでるけどなァ〜」
瓜 ゚ 々゚)「カカカカカカカカカカカカカカ」
奥歯を打ち鳴らし、笑う。
軋むような笑い声で、彼は生ゴミに埋もれている。
- 513 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:09:26 ID:bR6H3vts0
-
瓜 ゚ 々゚)「ンッン〜今日の晩飯はっ」
瓜 ゚ 々゚)「……バナナの皮とぉ……ドブ野菜とぉ……スモ〜クゥ〜!」
瓜 ゚ 々゚)「お薬も」
瓜 。々゚)「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
瓜 ゚ 々゚)「カカカ」
夕食を終え、彼は再び観察を始めた。
死人。嫌々就職した会社に長時間束縛され、僅かな休息の時をゲームや漫画に注ぎ込む死人。
死人。ずっと尻の穴にバイブを突っ込んでいるような、色情魔の死人。
死人。あれがいい、これがいい。私は、オレは。自分探しに必死で、自分語りに躍起にな死人。
死人。産まれや育ちに酔い潰れ、意味不明な言葉遊びで無知を覆い隠す死人。
死人。自分が生きている事すら自覚していない、お前達のような死人。
死人。しかし、彼ら死人は歩いている。
どうしてだ? 彼は自問する。
回答は、意外とすぐに思い付いた。
- 514 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:10:06 ID:bR6H3vts0
-
瓜 ゚ 々゚)「オッレの方が死んでるの? オッレが? ンン〜?」
彼は生ゴミに埋もれた自分の体を引っ張り出し、確認した。
肢体は確かに付いており、確かに感覚がある。動くし、痛みもある。
瓜 ゚ 々゚)「こりゃあ生きてるよなァ〜どう見たってよォ〜」
瓜 ゚ 々゚)「でも奴らァ……死ッんでるのに動いてっぞォん? だって死んで……んのに」
瓜 ゚ 々゚)「む、む、む」
瓜 ゚ 々゚)「矛盾だ! 神への侮辱だ! 奴らは大罪を犯している!」
瓜 ゚ 々゚)「カカカカ」
瓜 ゚ 々゚)「殺すか」
彼は適当なビール瓶を取って立ち上がると、壁に叩き付けて瓶を砕いた。
すると、ビール瓶の先端に丁度人を殺せそうな突起が出来上がり、彼は跳ねて喜んだ。
- 515 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:10:47 ID:bR6H3vts0
-
瓜 ゚ 々゚)「で」
瓜 ゚ 々゚)「でもッよ……もう人を殺すのっは、飽きてんだよね」
瓜 ゚ 々゚)「だからァて道の人、ッ端から刺すのもっ……キモい」
瓜 ゚ 々゚)「ぁ〜かぁ〜らぁ〜」
瓜 ゚ 々゚)「殺す人を決めよう。決めたらその人をウチに招待しよォッう」
彼は夜の街に目を凝らした。死人が歩いている。五体満足のくせに、死んで歩いている。
彼にとって、人ごみは汚泥に他ならなかった。そんな中で、彼は一つの宝石を見つける。
( ´ー`)
瓜 ゚ 々゚)「見つけたーーーーー!!」
ブチ殺すブチ殺すブチ殺す――そう、殺した後に分かったが、彼には将来を約束した相手が居たそうだ。
未来に希望を持っていて、快活で負けず嫌いで優しくて何か色々ハッピーな奴を、彼はブチ殺した。
彼は生きていたのか? 彼は自問する。確かに生きている。この生ゴミの中で、彼はひっそりと生きている。
- 516 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:11:27 ID:bR6H3vts0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もし死神なんかが居るとすれば、きっとお前達のようなクソッたれた奴らには目も暮れず、僕のような幸せな男を狙うだろう。
死神は生きている人間しか殺さない。お前達は死ぬまでずっと死に続ける。生き地獄に住み続ける。
僕には分かる。お前達は死んでいる。僕には死んでいる奴と、生きている奴が分かるんだ。
だから僕は生き地獄から解放された。だからもう頑張らなくてッいんだ。
瓜 ゚ 々゚)「……」
でもこっれからどうしようか? このゴミ捨て場からはぁ出られないみたいだし、何をしようか……。
瓜 ゚ 々゚)「……カ」
瓜 ゚ 々゚)「カカカカカカカカ」
死神は笑う。
軋むような笑い声を上げながら、生者が前を過ぎるのを待っている。
ただし、死人は殺さない。お前達のような死人を前にしても、死神は絶対に手を出さない。
死んだ人間が絶対に生き返らないように、死人に死は与えられない。
死にたければ生きろ。それが、死神からのメッセージだった。
- 517 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:12:27 ID:bR6H3vts0
- マジキチここまで
もう一個投下しておわじ
- 518 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:13:07 ID:bR6H3vts0
-
ブーンはそっと首周りを撫でた。指先に、ひんやりとした鉄の感触が伝わる。
首輪は赤いランプを灯していた。
今は夜。部屋の中には街灯の明かりが差し込んでいた。しかし電気は点けていなかったので、部屋の中は真っ暗だった。
それでもブーンが室内を視認出来たのは、この暗闇に目が慣れてしまう程の間、この夜を味わっていたからだった。
彼は時計を見た。時計の短針は午前二時を指したまま、かれこれ一週間動いていない。
時間が完全に停止している訳ではなかった。動こうと思えば動けるし、時計も何も、ほんの僅かには動いている。
この一週間。ブーンを除く全ての物が、余りにも遅い時間の流れにあった。
彼だけが一週間を自覚している。彼だけが、正常な時の中に居たのだった。
どうして世界がこうなったかは分からないが、人々が時間という概念を知覚し、そこに個人差が生まれたのが全ての切欠だと世論では認識されている。
個人が個人の時間を知覚し、他人とは全く違う時間感覚を持っている。一秒を一秒と感じる者の他に、一秒を三秒と感じる者が現れたのだ。
この現象については多くの学説が唱えられ、また、多くの改善策が提唱された。
最終的な結論は 『一秒は一秒だ』 という事だったが、そこに至るまでの過程は、語るに値しない醜いものだった。
時間感覚のズレを 『人類の進化』 だと唱え、積極的に使っていくべきという意見は、まず人々の間に決定的な差別を生み出した。
一秒を一秒と感じる者と、一秒を三秒と感じる者の差は圧倒的だ。この時点で、スポーツ競技の大半が壊滅した。
一時期は就職にすらこの観点に重きを置かれ、二秒より三秒、三秒より四秒と、感覚が狂っている者ほど重宝された。
この就職差別問題は今や歴史の教科書にも載る大々的なものであり、世界中で起きた大事件(一部ではパンデミック)として知られている。
そして当然のように犯罪が横行した。一秒が十秒なら簡単に爆破テロが出来てしまうし、殺人、強姦、窃盗、暴力行為も同様だ。
- 519 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:13:49 ID:bR6H3vts0
-
こういった感覚の違いで生まれた一番の問題は、場所を選ばず実行される、人々の自殺だった。
ある時から、一秒を三秒と感じ始めたとする。
それが一日続けば、要は『自分だけが丸三日分の時間を経験する』という事になる。
一週間続けば三週間。一ヶ月なら三ヶ月……。
それは余りにも長く、余りにも孤独で、余りにも膨大な時間の滞留を意味していた。
自分だけが正常に動き、周囲の物には微々たる動きしかない。
誰も答えない。誰も自分を見ない。誰も何も言わず、動かず、反応しない。
孤独が際限無く続く世界というのは、人々が考えるより残酷な世界だ。
もっとも、この現象を意図的に解除できればいいのだが、時間感覚の固有化は、まさにそこが難点だった。
この現象には自制が効かなかった。いつ始まり、いつ終わるかも分からない。
上記のような 『一秒=三秒』 が唐突に始まるかも知れないし、『一秒=三日』 が始まるかも知れない。
仮にも後者が始まってしまった場合、正常を保つ事はほぼ不可能だ。だからこそ、自殺者は爆発的に増加した。
始めは現象を楽観視していた者達も、こういった問題を目の当たりにし、身の振る舞いを一転させた。
やがて時間感覚の固有化は瞬く間に危険視され、各国では改善策が設けられる事となる。
その頃にもなると、街を歩く殆どの人がイヤホンをつけていた。
一秒間隔で鳴る音声を聞き続ければ時間感覚の固有化が解ける。そんな風説が出回っての社会現象だ。
他にも、時間の間隔を測るという事でメトロノームの売り上げもぐんと上がり、テレビの時計表示にも秒数が表示されるようになった。
あらゆる学校で時計の音が校内放送され、人々には通院による時間感覚の矯正も義務付けられた。
- 520 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:14:30 ID:bR6H3vts0
-
今、この現象を抱えているのは世界でも極少数。ブーンはその中の一人だった。
これまで、あらゆる改善策が彼に対して行われてきたが、一切が無駄に終わり、最終的に首輪の装着を余儀なくされた。
首輪というのは着けた人間の痛覚を一秒間隔で刺激し、強制的に一秒を自覚させる代物だった。
感覚の固有化が深刻な場合は首輪を装着し、痛覚レベル1で矯正されていく。
だが、ブーンの首輪はレベル10と最大に設定されていた。慣れてしまった今では、既に意味を成さない数字だった。
ブーンは部屋を見回した。
午前二時が、午前二時一秒になった。一秒が一週間で、それが既に四時間続いていた。
彼が昨晩寝始めてから、既に千六百八十日が経過した事になる。
午前二時一秒が、二秒に変わった。
秒針が三秒、四秒と移り変わっていく。
ようやく感覚が元に戻った。ブーンは安堵すると同時に、明日の朝が憂鬱になった。
小学校に三十八歳の人間が登校する絵柄は、彼自身も考えたくなかったのだ。
- 521 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:15:10 ID:bR6H3vts0
-
千六百八十日分の時間に比べれば、朝が来るまでの時間はあっという間だった。
ブーンは太陽が昇ってきた事を確認すると、すぐ一階に降りて朝食を作り、それを食べきった。
テレビではニュース番組が色鮮やかに放送されており、昨夜までは年上だったアイドルは、今では年下に変わっていた。
それから適当にチャンネルを変え、時間を潰す。最早、彼にとって時間という概念はどうでもよかった。
午前七時五十分になる。彼は手提げ鞄を持って家を出た。
学校に到着する。下学年の生徒が教師と間違え、ブーンに挨拶をした。ブーンも笑顔で挨拶を返した。
彼は校舎に入り、まず保健室に向かった。現象が起きた際の出来事を保険医に伝えるのは、この現象を持っている者の義務だった。
失礼します。ブーンはそう言って保健室の扉を開けた。
すると保険医は一瞬、奇異な物を見るような視線を彼に向けた。
おはよう。保険医は作り笑顔で言った。
保険医の前に座り、ブーンは昨夜の四年間を淡々と語った。
保険医はそれを聞き流しているようだった。時折見せる相槌も、義務感からくる対応に違いなかった。
今日はどうする? と保険医が聞いてきた。ブーンは帰りますと即答した。ブーンは、そのまま学校を後にした。
- 522 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:15:50 ID:bR6H3vts0
-
ブーンは孤立を自覚していた。視界が全て濁っているような感覚。それを孤立、孤独だと理解したのは、大分昔の話だった。
この現象のおかげで一切の勉強が無駄だと知った時も、同じ様な感覚を味わった。
勉強の目的は長い人生を幸福に過ごす為だが、ブーンの人生は、彼が幸福を味わう時間すらくれそうには無い。
孤独を自覚する事で、彼は精神的に成長した。
ある意味では自立的な人間になったと言えるが、他人と無関係な状態で過ごした莫大な時間は、彼の精神を確実に歪めていた。
感情の起伏は無い。表情が変わるという事も滅多に無い。自分という存在すら思うように自覚出来ない。
だが、彼は個性の消失を個人の成長と定義付ける事だけは拒んだ。それは普通の人間では有り得ない思考だ。彼は、なるべく普通でありたかった。
だからこそ、彼は三十八歳という年齢になっても小学校に属していた。元来、この病気で年齢が上がった場合は、その年齢に適した場所への移動が許されている。
三十八歳と言えば、もう就職して良い椅子に座っている時期だ。ブーン自身にも、現代社会で通用するだけの教養はあった。それでも彼が小学校に留まったのは、ある種の意地が原因だった。
ブーンは病院に行って階段を上がると、とある個室のドアを叩いた。そこには、ある女性が入院していた。
名前は知らなかった。彼らの間に、名前というものは不要だった。
ξ゚⊿゚)ξ「いらっしゃい」
( ^ω^)「今度は四つも老けたお」
ξ゚⊿゚)ξ「これで十歳差ね」
( ^ω^)「段々酷くなってきてるお」
ξ゚⊿゚)ξ「顔が?」
( ^ω^)「時間感覚だお。一秒が一週間だったお」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわ……一日続かなくてラッキーだったね」
( ^ω^)「危うく死んでたお」
- 523 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:16:30 ID:bR6H3vts0
-
ξ゚⊿゚)ξ「私の方も三ヶ月くらい老けちゃった」
( ^ω^)「オイラに比べれば可愛いもんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「今は二十八歳だけど……油断してたらすぐに三十路よ? あーもう」
( ^ω^)「まだまだ。オイラ、多分次で五十歳越えるお」
ξ゚⊿゚)ξ「いよいよ、って感じ?」
( ^ω^)「……いっそ自分で死のうかと思うお」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……少し、寂しいかな」
( ^ω^)「止めてくれないのかお」
ξ゚⊿゚)ξ「止められないわ。だって、もしアナタが現象の中に居たとしたら、私が止められる可能性は限りなく低いわ。
それこそ、同じ時間に現象が起きない限りは……」
( ^ω^)「……なんか、嫌だお」
ξ゚⊿゚)ξ「なんかって?」
( ^ω^)「オイラ達の会話、実年齢には不釣合いだお」
ξ゚⊿゚)ξ「実年齢……それは私達が体験してきた時間? それとも他人が数えてる私達の年齢?」
( ^ω^)「後者だお。オイラは小学三年生、そっちは赤ん坊じゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。私は母親の腹で十五歳になったわ」
(;^ω^)「皮肉で言ったんじゃないお。なんか、違和感が凄いなって話だお……」
- 524 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:17:10 ID:bR6H3vts0
-
ξ゚⊿゚)ξ「確かに。私達、あっという間に年老いて、あっという間に人間変わっちゃうものね」
ξ゚⊿゚)ξ「アナタも、昨日の四年間で変わってるでしょ?」
( ^ω^)「そうだおね。……少なくとも、前は今ほど死について考えてなかったお」
( ^ω^)「他人にしてみれば、本当に……」
失礼します、と言って彼女の担当医が扉を開けた。
ブーンは言葉を切った。担当医に頭を下げ、用件を尋ねる。
どうしましたか? 担当医は答える。新薬のリストです。
担当医は、手に持っていた紙切れを彼女に渡した。
彼女はいわゆる実験台だった。こうした新薬の投与も、任意ながら行われている。
そして、それらの新薬も少しは効果を見せていた。ツンの年齢がブーンより下で収まっているのは、単に薬物の結果に過ぎない。
分かりました。これでお願いします。彼女はそう言って紙切れを返した。
その後、担当医は何も言わずに部屋を後にした。
- 525 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:17:50 ID:bR6H3vts0
-
ξ゚⊿゚)ξ「アナタも薬飲む? 少しは現象も収まるかもよ」
( ^ω^)「さっきも言ったお。オイラはもう死ぬ気で居るお」
ξ゚⊿゚)ξ「さっき言ったわ。少し寂しいって」
( ^ω^)「ごめんだお。オイラ、そっちほど人の気持ちが分からないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……自殺?」
( ^ω^)「いや違うお。老衰」
ξ;゚⊿゚)ξ「……まさか、あの現象の中で死ぬまで生きるつもりなの?」
( ^ω^)「その方がずっと自由だお。オイラ、前から中身と外側の違いに悩んできたお。
外側はオッサン……中身は勉強で取り繕ってるけど、実際は不完全な子供だお……」
( ^ω^)「オイラの精神年齢では、社会が求めるものは提供できないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「そんな事で……」
( ^ω^)「勘違いしないでほしいお。オイラはもう、一人で生きて一人で死ぬ事にしたんだお。
オイラはもう……常識というのが息苦しいお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「そんな事、誰だって思ってるわよ! 誰も自分一人では生きていけない……嫌でも他人が関わってくる。
どうしたって一人で死ぬのは無理! 第一、現象がいつ起こるかなんて分からないのよ?」
( ^ω^)「……今日はさよならを言いに来たんだお。本当なら、昨日の夜でオイラは死んでたお。
最後の決意が出来なかったから、こうして会いに来たんだお」
( ^ω^)「オイラの人生において、オイラの事を一番理解してのはあんただったお」
- 526 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:18:30 ID:bR6H3vts0
-
彼女が止める声も聞かず、ブーンは病室を出て自宅に戻った。
ベッドに身を投げ、いつもの天井を見上げる。
彼の人生には何も無かった。現象内での生活が殆どで、今更後悔する事も無い。
ただ一つ挙げれば、彼女ともう少し話していたかった。少なくとも、彼女は唯一の友達だった。それは、彼女も同じだっただろう。
だが、ブーンは決意していた。自分の生きるべき場所を決めたのだ。
時間という概念が存在せず、また、それを誰にも知られない空間。
圧倒的な自由がある代わりに、一切の他が存在しない空間。自分以外が、一切の思想を持たない世界……。
ブーンは目を閉じた。首の激痛に意識を集中した。
やがて、痛みの間隔が広がっていった。彼はその中で、自我が開放されていく感覚を覚えていた。
自他も無く、何もかもが無駄に終わる世界。ブーンは、そんな世界に救いを求めていたのかも知れない。
- 527 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:19:10 ID:bR6H3vts0
-
【タイ トル】 百物語用に書いたけど 「あれ?これ何か別物じゃね?」 とか思って没ネタになった短編のようです
【ばしょ】 >>512-516
【ほそく】 ぼくがかんがえたさいきょうのマジキチ
【タイ トル】 なんか刹那歩いてる奴の原型らしいけどよく分からんようです
【ばしょ】 >>518-526
【ほそく】 時間は大切にしよう(適当)
- 528 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 21:22:44 ID:utFl7LdU0
- 首輪設定でおっ?ってなったけどこれは…怖いわ、体も育っちゃうのな
いつもと方向の違うマジキチも悪くない
- 529 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 22:10:10 ID:N075zQJs0
- 乙
瓜 ゚ 々゚)フォッくると名付けよう
- 530 :名も無きAAのようです:2012/10/11(木) 23:09:02 ID:V.ulvGv.0
- おつ
- 531 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 18:56:55 ID:U2LBxpSI0
-
∧,,∧
( ´・ω・) 「テレビなんやこれ」
____(____)___
/ \ ___\
.<\※ \____|\____ヽ ガヤガヤ
ヽ\ ※ ※ ※| |====B=|
\`ー──-.|\|___l__◎..|ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
\| |〜
_∧,,∧ 「お前これマイケル・ジャクソンやんけ」
___( ( ´・ω・)___
/ \  ̄ ̄ ̄__\
.<\※ \____|\____ヽ ポゥ!
ヽ\ ※ ※ ※| |====B=|
\`ー──-.|\|___l__◎..|ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
\| |〜
_∧,,∧ 「はー・・・ムーンウォークめっちゃ滑るなー」
___( ( ´・ω・)___
/ \  ̄ ̄ ̄__\
.<\※ \____|\____ヽ フーズバッド(棒読み)
ヽ\ ※ ※ ※| |====B=|
\`ー──-.|\|___l__◎..|ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
\| |〜
- 532 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 18:57:56 ID:U2LBxpSI0
-
(´・ω・`)「ムーンウォーク・・・」
(´・ω・`)「お前これやったるわ見とけよ」
ムーンウォークのやり方 [編集]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.右足のつま先を立てて重心を置く。
2.右足はそのままの状態で、左足はかかとを付けながら後ろへ引く。
3.左足のつま先を立ててに重心を置く。
4.左足はそのままの状態で、右足はかかとを付けながら後ろへ引く。
1〜1の動作を継ぎ目の無いように続ける。
(´・ω・`)「ウィキ万能やな」
(´・ω・`)「よっしゃ試しにやってみるか」
- 533 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 18:59:10 ID:U2LBxpSI0
-
1.右足のつま先を立てて重心を置く。
∧__∧ 「ふむふむ」
(・ω・` )┐
と´_,ノ゙ヾ
(´ ヽ、 \
`ー' \__)
2.右足はそのままの状態で、左足はかかとを付けながら後ろへ引く。
∧__∧∧∧ 「こんな感じか?」
(・ω・` )┐┐
と´_,ノ゙ヾ.ヾヾ
(´ ヽ、 \\\ フヒィィ〜ン
`ー' \__)__)__)
3.左足のつま先を立ててに重心を置く。
∧__∧ 「なんや簡単やぞ。勝ったな」
(・ω・` )┐
と´_,ノ゙ヾ
(´ ヽ、 \
`ー' \__)
- 534 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:00:03 ID:U2LBxpSI0
-
4.左足はそのままの状態で、右足はかかとを付けながら後ろへ引く。
「ん?」
∧__∧
(´・ω・`)-、 ,-、 ,-、 ,-
=:ヽ,、./.:/⌒i"⌒i "⌒i "⌒i
(/.:://:.、/ /.: /:/ /.: /:
ュ .}7.::"ヾツ ノ.: ノ.: ノ.: ノ.:
{イクジ{:::::i!::i!`::1、::1、`::1、::1、
/.:::::::::::門:::::::::} ゛:::::} ゛:::::} ゛:::::} ゛
{.::::::"ー-、;;:::::::::::|:::::::::|:::::::::|:::::::::|
ヽ.::::::::::::ノ i::::::::::l:::::::::l:::::::::l:::::::::l
\.:-、 ヾi::::::::::|::::::::|::::::::|:::::::::|
i、,,l i:::::::::l::::::::l::::::::l::::::::::l
"~ .i::::::::l::::::::l::::::::l:::::::::l
/ |/ | / |/ |
‘==' ==' ==' =='
- 535 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:01:41 ID:U2LBxpSI0
-
5.相手の襟首を掴む
「ウッ・・・!」
∧__∧ (アカンこれ瞬獄殺や)
( `゚ω゚´) (・ω・` )
(つ r=.、= =一^ヾ:::::.ヽ
ガシッ! (_ヽ,,.`- - ー'' ".:::::::::}
し'..ノ |:::::::::::::::::/
}====-{
./.:{::i.:::::::::}
/.::::.い.:::::::|
|:::::::::l.l:::::::::l
|::::::::l l::::::::::l
|::::::::l. ヽ、::::.ゝ
_l | / 〉
 ̄゛  ̄
- 536 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:02:49 ID:U2LBxpSI0
-
5.暗転
{ ダダダダ ` '
\ |l|w/L ,r_/ 、 ノヾ '
\\{w└ ¨ ´ / )ヽ/ ヽ、ノ|ノ´
\´ 彡x ` ' `r r'
> ; ’ ∠─ 、 ノヾ ) (
/ }| )ヽ/ ヽ、ルノ´ ´⌒`Y´⌒` 、 ,、 /
/´ヾ, r、r‐|^` ―== ニ ニ二 二ニ ニ ==― キ人_,/
// }´ ` ) ( ) て
/ \ ,,_人、ノヽ , '´⌒`Y´⌒` 、 ダダダ /´⌒Y,.
)ヽ ( 、ハ, \
- < >─ ^ < て
ズダダダ ) て ./'Y''~ヾ
/^⌒`Y´^\ `
- 537 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:03:31 ID:U2LBxpSI0
-
6.滅殺
λ
`寸三三三三三三三三三三三三.三三ミ/
`ミ三三三三三三三≦三´三三三三ニ‖
``r三三三≦三´三三||} ̄ ̄`¨¨¨´ カキィィィィィン!!
》‖三/《
{|‖三/|}
`寸三三三三三三三三ミ∧__∧三三三三三}
`マ三三三≦三´三三( )ミ/ ̄ ̄`¨´
`¨ ̄ ̄}三ニハ三ヽoOOO''o_-
/i三/ ( <:::::::天::::::::>ヽ ヽ
4三三/ / ,|:::::::::::::::::|ヽ ゝ 》》.
/三ニ三/ ,< )ヽ,━━./( / l三.\
.+三ニ,+゚ ヽ i /::::::::::::::ヽ i .r }三三|
4三ニ三/ .u!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| iu!, _ _-=≦三ミノ
4ニ三ニ/ |::::::::∧::::::::|三三三三三三}
_/三>゚ |::::::::| |:::::::|三三三三三ニ彡´
 ̄ |::::::::|. |::::::::|`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´
<⌒`ヽ--つ ノ;;;;;;;;r. |:::;::;:::レ
<__つ_つ 'ーー" "ーー"
- 538 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:04:11 ID:U2LBxpSI0
-
(´・ω・`)ショボンのムーンウォークはどうしても瞬獄殺に化けちゃうようです
∧__∧ 「うーん。何かちゃうなー」
(・ω・` )
ヽoOOO''o_-
( <:::::::天::::::::>ヽ
/ ,|:::::::::::::::::|ヽ ゝ
,< )ヽ,━━./ ( /
,lヽ i /::::::::::::::ヽ i .r
!!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| !!,
|::::::::∧::::::::|
..|::::::::| |::::::::|
|::::::::| |::::::::|
|::::::::|. |::::::::|
ノ;;;;;;;;r. |::::::::レ_
'ーー" "ーー' おわり
- 539 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:06:25 ID:U2LBxpSI0
- - ‐ ―ヽ_∧
‐――と(´・ω・`) 素人のムーンウォークは危ない!
― ‐ ―と_ノ みんなも気をつけよう
-= /―⌒ソ
-'´
- 540 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:12:11 ID:OefOa7xIO
- 阿修羅閃空のところで不覚にも吹き出した
見よう見まねでやろうとするほとんどの人は爪先立てた足を後ろに滑らせてしまう
- 541 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 19:32:58 ID:eT6bfXEk0
- この淡々とした感じにワロタ
- 542 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 20:25:58 ID:U2LBxpSI0
-
【緊急企画】
今からこのスレを>>1000まで埋めます。
ながら投下です。何が起こるか予測できないです。
- 543 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 20:41:18 ID:U2LBxpSI0
-
都内各所の至るに、とある異名が轟いた。
「なぁ知ってるか? アイツの噂」
「ああ、また喧嘩して勝ったんだろ?」
その異名は風に乗り、人から人へと続いていく。
「アイツ、飛ぶんだってさ……」
从 ゚∀从はエアマスターのようです ver.ながら
.
- 544 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 20:46:20 ID:3X9t5VqY0
- エアマスターながらでやんのかよwwww
うん、読むよ、うん
- 545 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 20:54:48 ID:U2LBxpSI0
-
――東京、某所。
普段は閑散としているこの公園も、今や二人の戦いを見に来た者達の熱気に満ち満ちていた。
| ^o^ | 「お前だな、噂のエアマスターって奴は」
アホみたいな覆面の下から、渋いオッサンの声が漏れた。
問い掛けられた少女はしばらく俯いていたが、深呼吸と共に顔を上げ、答える。
从 ゚∀从「そう……最近は、そう呼ばれてる」
| ^o^ | 「ちなみにオレは……ルチャマスターと呼ばれている。知ってたか?」
从 ‐∀从「知らない」
从 ゚∀从「でも、強いんでしょ?」
彼女は不敵な笑みを浮かべつつ、ルチャマスターを挑発する。
.
- 546 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 21:06:18 ID:U2LBxpSI0
-
| ^o^ | 「若いな……その若さは、きっとお前を不幸にする」
_,
从 ゚∀从「……?」
| ^o^ | 「分からないか? いや分かる必要は無い」
| ^o^ | 「オレは今日、お前を止めに来た!」
その怒号がゴングだった。
ルチャマスターは軽快なステップでエアマスターに近づき、鋭いジャブを連続して打ち出した。
| ^o^ | 「その若さで異名を馳せ、あまつさえオレに挑んできた! お前のチャレンジ精神は並じゃない!」
| ^o^ | 「だが! それは時に無謀な挑戦にさえ自分を駆り立てる! 現にお前はオレの前に立っている!」
从 ゚∀从「――アンタに挑むのが『無謀だ』って事?」
|# ^o^ | 「そういう事だァ!」
渾身の力を込めた左ストレート。
当然、当たるという確信はあった――しかし。
从 ゚∀从「無謀なら、大分前に味わってるよ」
次の瞬間、エアマスターは ルチャの左腕に立っていた。
彼女は左ストレートを垂直ジャンプで避け、更にその腕に立ったのだ。
.
- 547 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 21:23:04 ID:U2LBxpSI0
-
|; ^o^ | 「うオっ……」
自分の腕に人が乗っている。
そんな意味不明な光景は、およそ一秒後、視界の暗転と同時に無くなった。
|; o | 「…………」
从 ゚∀从「……」
エアマスターの膝が、ルチャの顔面に減り込んでいる。
更に彼女は倒れゆくルチャの体を足場にし、夜空に向かって高く飛び上がった。
|; o | (エアマスター……これ程だったか……!)
地面に倒れたルチャは曖昧な思考を咄嗟に巡らせ、一心不乱に横に転がった。
間も無く、一瞬前までルチャが寝ていた地面を、エアマスターが思い切り踏みつけた。
从 ゚∀从「へぇ……」
|; ^o^ | 「少しだ。ほんの少し、驚いたぞ」
エアマスターがルチャの方を向いた時、ルチャは既に立ち上がり、身構えていた。
その構えからは『本気』という二文字が色濃く浮かび上がっている。
从 ゚∀从「……」
エアマスターは、じんわりと体内に広がる戦いの雰囲気に身を預けた。
彼女が本気になる。ルチャは思わず身震いする反面、この戦いが自分にとっても意味のあるものだと確信した。
.
- 548 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 21:32:47 ID:U2LBxpSI0
-
| ^o^ | 「場所を変えよう」
从 ゚∀从「……私は別に、どこでも」
そういう訳でみんな揃って路地裏に行ったぜ。
| ^o^ | 「エアマスター。お前をここに呼んだ意味が分かるか?」
从;゚∀从「オッサン、喋るのが好きなの?」
| ^o^ | 「まぁ聞け。年長者の台詞だ」
すると、ルチャマスターはおもむろにマスクを脱ぎ捨てた。
しかしその下に素顔はなく、彼の更なるマスクが露になった。
|(●), 、(●)、|「この場所に呼び、このマスクになったという事は……」
从 ゚∀从「本気」
|(●), 、(●)、|「と、言う訳だ」
赤を基調とした厳ついマスクに変身したルチャマスター。
準備体操をしながらも、彼の台詞は続く。
.
- 549 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 21:44:53 ID:U2LBxpSI0
-
|(●), 、(●)、| 「今のオレは、さっきの一万倍の十倍は強い」
|(●), 、(●)、| 「今のオレは、きっとブルース・リーも倒せる」
从;゚∀从「……ブルース・リーって結構強いと思うんだけど……」
|(●), 、(●)、| 「冗談に聞こえたか? じゃあ、こう言い換えよう」
|(●), 、(●)、| 「今のオレは、きっとエアマスターも倒せる」
ルチャの言葉を受け、彼女の体が静止する。
ルチャマスターは本気だった。その凄みを、彼女は体で感じ取っていた。
|(●), 、(●)、| 「……エアマスター。実はオレも結構熱くなるタイプでな」
|(●), 、(●)、| 「だからな、いきなり現れた奴に」
|(●), 、(●)、|「 『アナタの方が強いです』 」
|(●), 、(●)、| 「なんて素直に言える性格はしてない……」
|#(●), 、(●)、#| 「……いくぞ、エアマスター!」
.
- 550 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 22:07:53 ID:r12KVnGo0
- ガンバレガンバレ
- 551 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 22:08:57 ID:U2LBxpSI0
-
ルチャは姿勢を低くし、エアマスターの足を取りにいった。だが、低姿勢は膝蹴りを含む殆どの足技には格好の的だ。
低姿勢の相手には足技を合わせる。体はその事を覚えており、エアマスターはルチャの突進に膝蹴りを合わせた。
|(●), 、(●)、|(かかった!)
だが、彼の狙いは最初から足ではなく 『上体』 である。
エアマスターが足技を合わせてくるのも分かっていた。
ならば、彼はなぜ危険を冒してまで上体を取りにいったのか?
しかし、それを説明するには 『腕と足の付き方』から説明しなければならないので省略する。
合わせられた膝蹴りを半身で避け、ルチャはエアマスターの真ん前に到達。
|#(●), 、(●)、#|「むぅん!!」
ルチャは彼女の体を全力で抱き締めると、ぐっと力を込め、一気に背中を仰け反らせた。
瞬間、エアマスターの体が思い切り地面に叩き付けられる。
|(●), 、(●)、|「対面型ジャーマンスープレックスだ」
ルチャはボディのロックを外し、距離を取る。
一方、ジャーマンスープレックスを完璧に受けてしまったエアマスターは、どさっと地面に倒れ伏して動かない。
.
- 552 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 22:20:51 ID:U2LBxpSI0
-
|(●), 、(●)、|「気絶しててくれ」
从 ∀从「……」
ダディの願いが届いたのか、彼女は沈黙を続ける。
二人を囲むギャラリーも、固唾を呑んで戦いを光景を静観していた。
( ФωФ)「いや、起きるぞ!」
ギャラリーの一人が声を上げると、この場の全員がエアマスターを凝視した。
从 ∀从「……今ので起きた」
彼女の言葉には、敗者が口走るような弱々しさは一切無かった。
むしろ清々しい程に澄んでいて、まるで、別の何かが目覚めたような錯覚さえしてしまう。
|;(●), 、(●)、|(オレは本気で落としたぞ……それこそ『コイツ死ぬんじゃないか?』って不安になる程に……!!)
.
- 553 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 22:37:41 ID:U2LBxpSI0
-
从 ∀从「今ので起きた……」
从 ∀从「次は……」
从 ゚∀从「私からだ」
|;(○), 、(○)、| 「立ち上がった!?」
エアマスターは瞬間的に駆け出した。
ルチャを射程範囲に入れ、すぐさま右脚を蹴り上げる。
コンマ1秒、僅か数ミリの差で、ルチャはエアマスターの蹴りを避けた。
あの足で顎を蹴り上げられたら一撃で沈む。彼女の蹴りは、限りなく強烈なのだ。
続けて左の回し蹴りが迫る。
ルチャはこれを腕で受け、咄嗟に脇に挟んで固める。
|;(●), 、(●)、|(片足は封じた! もう片方を――!)
思考の最中、彼女の右脚が更に迫ってくる。ルチャの対応速度は、ギリギリだが間に合っていた。
右脚を受け止め、これも脇に挟んで固める。これでエアマスターの蹴りは完全に封じた。
彼女の両足を掴んだ今、ルチャは一気に勝負を決めようと、大技を仕掛けた。
|;(●), 、(●)、| 「ジャイアントスイングゥゥゥゥゥゥ!!!」
.
- 554 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 22:50:46 ID:U2LBxpSI0
-
持った両足を軸に、エアマスターを全力で振り回す。
そのスピードはみるみる増していった。
|;(●), 、(●)、| 「どうだエアマスター! 降参するか!」
从;゚∀从「まだまだっ!」
彼女は腹筋を使って遠心力に立ち向かった。
徐々に上体が起き、拳の届く距離にルチャの顔面が入った。
右ストレートが顔面に直撃。
しかし、こんな滅茶苦茶な体勢で打ったパンチなど、ルチャマスターは気にも留めなかった。
|;(●), 、(●)、| 「さぁどうする! オレも回り続けるのは無理だからな! 降参は早めに頼むぞ!」
从;゚∀从「――いや、降参はしない。投げてくれ」
|;(●), 、(●)、|「なんだと!?」
予想外の反応に、ルチャは思わず声を上げて驚いた。
|;(●), 、(●)、| 「……いいだろう! お前に策があるのなら、オレはそれだって超えてやる!」
|;(●), 、(●)、| 「見せてみろ! お前の力を!」
ルチャの脇が緩み、エアマスターの体が遠心力により投げ出された。
(; ・∀・)「ンなもん壁ごとぶち抜いてやれ!!」
ギャラリーの大声が響く。
从;゚∀从「その案、いただき!」
.
- 555 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:00:21 ID:U2LBxpSI0
-
(;ФωФ)「その案いただきって――」
(;・∀・)「あいつ、まさか――」
|;(●), 、(●)、|「――何も考えてなかったのか!?」
从;゚∀从「その通りでぇぇぇす!!」
壁をぶち抜くというアイデアを採用したエアマスター。
空中で姿勢を変え、両足の底を路地の壁面に向ける。
ズダン!
高い所から飛び降りた時の、あのじんわりとした痛みが両足に響く。
足の筋肉が痛烈な悲鳴を上げている。壁をぶち抜くどころか、衝撃が吸収しきれていなかったのだ。
从;゚∀从(身を任せろ! この衝撃に――風に!)
彼女は壁面に足をつけたまま、バネのように体を捻り、衝撃の力を一本にまとめ上げた。
そしてバネは跳ね返る。全ての衝撃を一身に受け、その全てに全身を任せる。
エアマスターは、空高く飛び上がった。
.
- 556 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:13:05 ID:U2LBxpSI0
-
|;(●), 、(●)、| 「オレの技を超えてきたか! それでこそ戦い甲斐があるってモンだ!」
エアマスターは空中で体を丸め、高速で回転している。
次に来る技は十回転かかと落としだ。ルチャはそれを分かった上で、あえて真正面から勝負を挑んだ。
|;(●), 、(●)、| 「この技で最後だ!」
体を捻り、両腕を胸の所で交差させる。
エアマスターに対抗して出す技は、ルチャの中でも特に高威力の一撃。
|#(○), 、(○)、#|「ダブルリバースダイナマイトォ!!」
要はダブル裏拳である。
- 557 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:14:13 ID:ugdeHVu.0
- わかりやすい!
- 558 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:20:24 ID:U2LBxpSI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ФωФ)「労いの言葉でもかけてやらないのか?」
从 ゚∀从「……例えば自分が負けた時、そんなのが励みになる?」
気絶したルチャマスターを余所に話す二人。
勝負は、エアマスターの勝利に終わったのだ。
( ФωФ)「……君に提案がある」
从;゚∀从「あー……また明日でいい? もう今日は疲れた」
( ФωФ)「いや、一分で終わる話だ」
(#・∀・)「おーうおうエアマスター! ここで合ったが何千年目だバカヤロー!!」
(#・∀・)「次はオレが相手だ! 今度こそぶっ倒してやるぜェェエェェエ!!」
从 ゚∀从「……ごめん、ちょっと先に終わらせるわ」
( ФωФ)「ごゆっくり」
その後の戦いは、>>459-469へと続くのであった……
.
- 559 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:33:53 ID:U2LBxpSI0
-
後日、学校。安価部分からの続き。
エアマスター ――ハインリッヒ高岡は、ごく普通の女子高生として教室の一席に座っていた。
しかし、彼女の顔色は最悪だった。理由は明快、昨晩のあの男である。
从 ゚∀从「……」
━━━━━━━━━━
_
(#゚∀゚) モミモミモミモミ!!
━━━━━━━━━━
从 ゚∀从
从 ∀从「ああ……」
('、`;川 「……ねぇ、ハイン。大丈夫なの?」
从 ∀从「うん。ちょっと揉まれただけだから……」
('、`;川 「揉まれた!? 何を!?」
- 560 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:41:13 ID:U2LBxpSI0
-
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「はーい皆さんおはようございま〜す」 ガラガラ
('、`;川 「えっと……何かヤバそうなら相談していいんだからね!」
从 ∀从「うん……大丈夫だから……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「はいじゃあ今日は転校生居るから。みんな拍手でね」
教壇に立った父者先生が、黒板に転校生の名前を書き始めた。
入って、どうぞ。生徒に背を向けたまま、父者は言った。
_
( ゚∀゚)「シャス! 失礼シャス!」 ガラガラ!!
('、`*川 (評価B+。見た目は合格ね)
('、`*川 「ほらハイン。転校生だってば。中々のイケメンよ」
从 ∀从「うん……」
- 561 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:42:07 ID:U2LBxpSI0
-
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「じゃあまず自己紹介を」
_
( ゚∀゚)「ウッス! ジョルジュ長岡です! 趣味は特訓と巨乳本探しです!」
从 ∀从「……ジョル?」
('、`*川 「え? 違う違う。ジョルジュ長岡」
从 ゚∀从「……ジョルジュ……長岡……?」
_
( ゚∀゚)「おう! また会ったな!」
从 ゚∀从
从 ∀从 ピキッ
('、`;川 「メンタルブレイク!」
昨夜のトラウマが一気に盛り返した瞬間だった。
.
- 562 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:44:01 ID:U2LBxpSI0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昼休み。校内は昼食を持った生徒達がぞろぞろと歩いている。
しかしそんな平穏な光景とは裏腹に、校舎裏では一つの戦いが始まろうとしていた……
_
( ゚∀゚)「よくぞ来てくれた! エアマスター!」
从;‐∀从「……学校でそう呼ぶの、やめてほしい……」
从;゚∀从「それより何の用? 出来ればアンタとは喋りたくないんだけど……」
_
( ゚∀゚)「はっはっは! まぁ急に呼び出して悪かったな!」
_
( ゚∀゚)「じゃあ胸を揉ませてくれ!」
从 ゚∀从「はっ倒すぞ」
_
(;゚∀゚)「頼む! 俺のオッパイ拳法には高岡のオッパイが必要なんだ!」
从;゚∀从「良い感じにまとめても駄目だ! つーか何だよオッパイ拳法って!」
_
( ゚∀゚)「オッパイ拳法とは相手のオッパイを揉む事を目的とし、思わぬ精神の揺らぎ。
そしてそこから派生する一撃必殺。それがオッパイ拳法だ!」
从;゚∀从「自信満々に答えるな! この……性犯罪者!」
_
(#゚∀゚)「何だと!? 取り消せ巨乳女! 揉ませろ!」
从;゚∀从「うおおおお! 壊滅的に話にならねぇ!」
- 563 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:50:43 ID:U2LBxpSI0
-
爪'ー`)「ようようアンタ達、昼間っから熱い事してるねー」
そう言って二人の会話に割って入ったのは、彼らの上級生にあたるフォックスという男だった。
彼は校舎二階の窓から顔を覗かせており、薄っすらと笑みを浮かべていた。
_
(#゚∀゚)「何だお前は! 邪魔するならブッ飛ばすぞ!」
爪'ー`)「お、やる気か?」
_
(#゚∀゚)「俺は一向に構わんッッッ!!」
从;゚∀从「おい、やめとけって。あいつ上級生だぞ」
_
(#゚∀゚)「分かった! こいつに勝ったら胸揉んでいいんだな!」
从 ゚∀从
从∀゚;从「フォックス先輩! 助けてくれ!」
爪;'ー`)「お、おう……?」
かくしてフォックスは校舎裏に降りてきた。
フォックスとジョルジュは対峙し、互いに臨戦態勢に入った。
.
- 564 :名も無きAAのようです:2012/11/01(木) 23:53:26 ID:U2LBxpSI0
-
从 ゚∀从(性犯罪者は置いといて、先輩の構えは……ボクシング?)
校舎の壁面に背を預け、ハインはフォックスの様子を窺った。
爪'ー`)(どうか拳が錆びてませんように……っと)
片方の拳を顎の前に置き、きゅっと脇を締める構え。これは、ボクシングでは基本となる構えだ。
しかもフォックスは半身を徹底をしている。口調から漂う適当さとは裏腹に、フォックスは油断の色を一切見せていなかった。
爪'ー`)「まぁ見ての通り、俺は元ボクサーだ。元って言うんだから今はやってねぇが、その分、実戦で鍛えてある」
軽快で細やかなステップを披露しながら、フォックスは自慢気に語った。
爪'ー`)「あんた、ストリートファイターだろ? 分かるぜ、あいつらは構えが意味不明だからな」
爪'ー`)「パッと見は空手に近い構えだな。あれか、流行の総合でもやって――」
_
(#゚∀゚)「うらァッ!」
フォックスの話を待たず、ジョルジュは一気に距離を詰め、最速のストレートを放った。
爪;'ー`)「話くらい聞けって!」
しかし、フォックスは腐ってもボクサーである。
彼はジョルジュの拳を難なく避け、後方へ5回ステップして状況を仕切りなおした。
爪;'ー`)「血気盛んなのね。今少し、お前に関わった事を後悔したよ……」
- 565 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:05:44 ID:NbDaMADE0
-
空中にジャブを二回、ストレートを一回。
爪'ー`)「……いいぜ。始めても」
フォックスが、完全な戦闘モードに突入した。
ジョルジュは既に動き始めていた。
フォックスの眼前に詰め寄り、右の拳を突き出す。
そこから左右のコンビネーションで攻撃を続け、締めに渾身の左ストレートを放つ。
どの攻撃も素晴らしい威力だった。もし一撃でも食らっていたら、最後のストレートで終わっていただろう。
だが、ジョルジュの攻撃は致命的な単調さを露にしていた。それら全てを避けきる事は、フォックスにとって難しい事ではなかった。
_
(#゚∀゚)「こんのッ!!」
爪'ー`)「右のジャブだ」
フォックスの言った通り、ジョルジュは右のジャブで突っ込んできた。
それと同時に、フォックスはカウンターを仕掛けた。
彼はジョルジュの右腕が戻り始めたのを見ると、その右腕を掴んで引き戻した。
そして次の瞬間、ジョルジュの顎に、フォックスのアッパーカットが直撃した。
.
- 566 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:08:07 ID:NbDaMADE0
-
_
(; ∀ )「……」
爪'ー`)「……気絶した?」
_
(; ∀゚)「――いいや全然! まだ動く!」
アッパーカットで脳が揺れ、脳震盪で気絶とはよくある話だが、実際に脳震盪が起こる確立はそう高くない。
素手の拳骨と ボクシンググローブを着けた状態では、相手に与えるダメージも大きく変わってくるのだ。
もしフォックスがグローブを着けていれば、まず間違いなくジョルジュは地面に倒れていた。
グローブは拳を守るだけでなく、衝撃を増幅するという役割も担っているのだ。
_
(; ∀゚)「こン……のッ!!」
フォックスを突き飛ばし、辛うじて射程から逃れたジョルジュ。
だが、あれほど完全に一撃を食らった事は、肉体にも精神にもダメージを与えている。
_
(;゚∀゚)(なんだっけ……こういうの……あれだ、あれ……)
_
(;゚∀゚)(……格の違いだっけ? そうだよな、こいつ冗談抜きで強いもんな……)
从*゚∀从「おっぱい拳法()でも使えば〜?」
_
( ゚∀゚)「……は?」
从 ゚∀从「えっ」
その一言が、ジョルジュ長岡の逆鱗に触れた。
.
- 567 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:12:54 ID:NbDaMADE0
-
_
(#゚∀゚)「オッパイ拳法っつったらお前そりゃ女の胸を揉むための拳法で何で男の胸なんか揉まなきゃならねぇんだよふざけんな!
大体なぁエアマスターお前が俺にオッパイ揉ませてくれたら百人力っつーかもうこんな奴は片手の片指の第一関節から先だけでブッ飛ばせんだよ!
それを何だお前は! その類稀なる巨乳をもって俺に揉ませないってどういう事だまるで意味が分からんぞ!
ああもう頭が熱くなって来たキレてきたうおおおおおおお!! 」
o川*゚ー゚)o「じゃあ私の揉む?」
_
( ゚∀゚)「ウス」 モミッ
_
(*゚∀゚)「なんじゃこりゃあああ!! さほど大きくはないものの若さ溢れる柔らかさと全てを包むような艶かしい人肌!
毎朝の一揉みに最高のオッパイだあああああああああ!!」
その時、カシャ、という携帯電話のシャッター音が鳴った。
爪'ー`)b 「うーんナイスショット。強姦魔の出来上がりだ」
_
( ゚∀゚)「えっ」
.
- 568 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:15:18 ID:NbDaMADE0
-
o川*゚ー゚)o「私この人に乱暴されました(棒読み)」
_
( ゚∀゚)「えっ」
从 ゚∀从「じゃあ死のうか」
_
( ゚∀゚)「あっはい」
かくしてフォックス対ジョルジュは、ジョルジュの性犯罪による失格という形で幕を閉じた。
.
- 569 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:19:50 ID:IjOdy4NA0
- これは酷い
- 570 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:26:21 ID:NbDaMADE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後の授業を丸々バックれた四人。
学校近くのカフェに入ると、フォックスの奢りという事で各々が好き勝手に注文を済ませた。
从 ゚∀从「そんで話って何さ」
ホールケーキを豪快に貪りながら問う。
反対側に座るフォックスと素直キュートは、ハインの食べっぷりに唖然としていた。
爪;'ー`)「あ、ああ……それなんだがな、俺とキュートは同盟組んでるんだよ」
从 ゚∀从「同盟? 何の?」
o川*゚ー゚)o「協力して戦いますよっていう、ストリートファイトの同盟ね。
高岡ハンリッヒ……ううん、私達が欲しいのは『エアマスター』としての君なの」
ここまで聞いて、少し話が見えてきた。
と、いくのが普通である。
从 ゚∀从「……?」
ただ、ハインはとても馬鹿なので、話の概要がよく分かっていなかった。
.
- 571 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:32:00 ID:NbDaMADE0
-
_
( ゚∀゚)「それではお二人は、この方をエアマスターと知って近づいて来たのですか?」
爪'ー`)「そうそう。なのに……」
_
( ゚∀゚)「本当に申し訳ありませんでした。心から反省しております」
o川*゚ー゚)o「と」
o川*゚ー゚)o「にかく」
从 ゚∀从「うん」
o川*゚ー゚)o「アナタがエアマスター。私らもストリートファイター」
从 ゚∀从「うん」
o川*^ー^)o「仲良くしようって事で、ここにサインちょーだい♪」
そう言い、キュートは何やら怪しい書類をエアマスターに差し出した。
从 ゚∀从「うん」 カキカキ
よく分からなかったので、とりあえず適当にサインしておいた。
.
- 572 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:43:42 ID:IDky5e9Q0
- ハインちゃんちょろい!
- 573 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:45:19 ID:NbDaMADE0
-
o川*゚ー゚)o「はいオッケー次の話ね」
从;゚∀从「まだ何かあるのか……?」
ハインは三つ目のホールケーキを食べ終えた。
爪'ー`)「お前ら 『杉浦ランキング』 って知ってるか?」
从 ゚∀从
从∀゚ 从「知ってるか?」
_
( ゚∀゚)「いや全然」
案の定ジョルジュもバカだった。
爪;'ー`)「あれー? おかしいな……もう杉浦が目をつけてる頃だと思ってたんだけど……」
o川*゚ー゚)o「まぁいいじゃない。それよりね、その杉浦ランキング、近々荒れるらしいの」
o川*゚ー゚)o「杉浦ランキングの遠征組。今、色んなトコからファイターが集まってるんだよ?」
从 ゚∀从
从∀゚ 从「知ってたか?」
_
( ゚∀゚)「うーん」
実はジョルジュ自身も遠征組なのだが、本人に自覚は無かった。
.
- 574 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 00:52:36 ID:NbDaMADE0
-
爪'ー`)「そんで、その遠征組の第一陣がもうすぐ来るんだよ」
爪'ー`)「東海地方の学ランファイター、その名も 『>>1さん親衛隊』 ってな」
从 ゚∀从「へぇー」
_
( ゚∀゚)「へぇー」
o川*゚ー゚)o「そこで! 私達で手を組んで、次々とやってくる遠征組をブッ倒そうって訳よ!」
爪'ー`)「ま、俺一人でも十分だけど、エアマスターが居れば雑魚は任せられるからな」
从;゚∀从「……え? ちょっと待ってよ」
o川*゚ー゚)o「ん? なぁに?」
从;゚∀从「なんで私がエアマスターだって知ってるの……!?」
o川;゚ー゚)o
爪;'ー`)
ここに来て二人は、自分達がとてつもないバカを仲間にした事に気がついた。
.
- 575 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 01:01:04 ID:NbDaMADE0
-
,-∧,,∧-- 、
/ (-ω-` ) /
r-くっ⌒cソ、 / ん、投下するよ? 大丈夫>>1000までやるよ。
ノ '、 , 、 _, ' / / ちょっと横になるだけ。ちょっと目を瞑るだけ…
.(_,. ././
,(.,_ `'ー-、_,,..ノ/
~`''ー--‐'
- 576 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 01:37:16 ID:NbDaMADE0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
.
- 577 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 01:38:33 ID:NbDaMADE0
- ちょっとエアマスター飽きたので違うのを始めます
何が始まるかは自分でも分からないです
- 578 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 01:44:01 ID:IDky5e9Q0
- 地の文ギャグ読みたいんだが(ゲス顏)
- 579 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 01:54:07 ID:NbDaMADE0
- 要望があったので>>578の地の文ギャグを書きます。
しばらくお待ち下さい。
- 580 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:02:01 ID:d2NuFCcs0
- 要望があれば書いてくれるのか
これはいい事を聞いた
- 581 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:26:26 ID:NbDaMADE0
- / ̄\
.|^o^ | < 地の文ギャグ、書けないっす
\_/
_| |_
/ ) ./ ̄\
/ / //| |^o^ | <うぁーい!
⊂ ⊂/ / .\_/
/ / / \\
| ||. / \ 三ニ一
○○ .(∞∞∞) 三ニ一
. ̄ ̄ ̄
(別のジャンルに)切り替えていく
- 582 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:29:17 ID:Bz9VgHP.0
- 切り替えていこう
- 583 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:34:09 ID:NbDaMADE0
- 奥の手でしたが投下再開します
- 584 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:36:16 ID:NbDaMADE0
-
この物語には何もないようです
.
- 585 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:37:49 ID:NbDaMADE0
-
「おいおい何も無いぞ!?」
「そら無いわ。AAも地の文もな」
「世界中まっしろけ! まさに白紙!」
「この物語は白紙だからね、これから色々足していくんだね」
「やったぜ。」
「しかし何より先に体が必要だ! 総合テンプレの中から俺らのAAを選ぶぞ!」
「じゃあ適当にレスの秒数安価やっちまおうぜ」
「せやな」
※ このレスの秒数でなんか適当に決めます
.
- 586 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:43:51 ID:NbDaMADE0
-
l从・∀・ノ!リ 「きた! メインAAきた!」
( ^Д^)「これで勝つる!」
l从・∀・ノ!リ 「次は地の文の有無を決めるのじゃ!」
( ^Д^)「露骨な語尾変更やめろや」
※秒数奇数なら地の文あり、偶数なら無し
- 587 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:45:46 ID:IDky5e9Q0
- ッシャ
- 588 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:52:02 ID:NbDaMADE0
-
(;^Д^)「おいおい地の文ありとかヌルゲーかよ」
勝ったな。
l从・∀・ノ!リ 「じゃあ次は作品のジャンルを決めるのじゃ!」
は?(威圧)
お前らさ、まさか何もない所にいきなり家が建つとか思ってんの?
l从;・∀・ノ!リ 「ッ!?」
( ^Д^)「ぐいぐいくる地の文だなおい」
そんなんじゃ甘いよ。
まずは地面をあげるから、木を植えて、どうぞ。
(;^Д^)「そこからかい……」
.
- 589 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 02:59:30 ID:IjOdy4NA0
- ジャンル:育成モノか
- 590 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:07:11 ID:NbDaMADE0
-
※ 話が膨らまなかったのでジャンル分けタイム。今後の展開を決める大事な安価です。
秒数安価で以下のジャンルを書く。
10 = 学園物(バトル、恋愛等は再安価)
20 = なんちゃってミステリィ(けっきょく誰も死ななかった)
30 = 何かしらの二次創作(どの作品かは再安価)
40 = 適当な作品の続編または完結編を勝手に書く(なお全てを敵に回す模様)
50 = 何でも好きな物(見ている人に全てを任せ全てのお題を書く)
59 = うんこ
それ以外=しばらく育成物として続ける
- 591 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:09:19 ID:IDky5e9Q0
- 20読みてーのにオチ言っちゃったよ
- 592 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:09:53 ID:NbDaMADE0
-
※ 話が膨らまなかったのでジャンル分けタイム。今後の展開を決める大事な安価です。
秒数安価で以下のジャンルを書く。
10 = 学園物(バトル、恋愛等は再安価)
20 = なんちゃってミステリィ(けっきょく誰も死ななかった)
30 = 何かしらの二次創作(どの作品かは再安価)
40 = 適当な作品の続編または完結編を勝手に書く(なお全てを敵に回す模様)
50 = 何でも好きな物(見ている人に全てを任せ全てのお題を書く)
59 = うんこ
それ以外=しばらく育成物として続ける
- 593 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:11:14 ID:NbDaMADE0
-
※ 話が膨らまなかったのでジャンル分けタイム。今後の展開を決める大事な安価です。
秒数安価で以下のジャンルを書く。
10 = 学園物(バトル、恋愛等は再安価)
20 = なんちゃってミステリィ(けっきょく誰も死ななかった)
30 = 何かしらの二次創作(どの作品かは再安価)
40 = 適当な作品の続編または完結編を勝手に書く(なお全てを敵に回す模様)
50 = 何でも好きな物(見ている人に全てを任せ全てのお題を書く)
59 = うんこ
それ以外=しばらく育成物として続ける
- 594 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:15:20 ID:NbDaMADE0
-
( ^Д^)「おい」
l从・∀・ノ!リ 「どうしたのじゃ?」
( ^Д^)「さっきからこの世界の命運が連打されてんぞ」
l从・∀・ノ!リ 「気のせいなのじゃ。さ、早く畑仕事に戻るのじゃ」
二人は白紙の世界に降り立ったアダムとイブとして、逞しく生きていました。
そんな生活もしばらく続き、食べ物も安定して手に入るようになった頃、プギャーはある事を妹者に提案しました。
.
- 595 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:21:52 ID:NbDaMADE0
- o ゜ ○ ゜ ゜゚ ゚ . 。 o ○o
o 。 ゜゚ ゚ . o ヽ (⌒ r ⌒ヽ/, ) /⌒) ), ○o / /,
\丶 r⌒ヽ (⌒⌒) r⌒ヽ/, r⌒ヽ (⌒ r⌒ヽ/, / /,
ヽ 、、;(⌒ヾ ⌒-丶(;;;(⌒ ゜゚ ゚ . . ((( ハ,,ハ ⌒))) ,⌒⌒);; /⌒) ), ,
、ヾ (ゝ (´・ω・`) ゜゚ ゚ . __ /, ,⌒⌒⌒)
、\(⌒ゝ;(⌒ヾ ;;⌒ヾ ∧__∧≡=- ;;⌒ヾ O┬O ∧_∧ ⌒)/)) ., /
((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;⌒ヾ. (´・ω・`)┐≡=- ( .∩.| ,⌒ ‐――と(´・ω・`) ,⌒⌒);;;;;)))⌒)
(;;;;(⌒(⌒;;( と´_,ノ゙ヾ.≡=- . ι| |j::.. ― ‐/ と_ノ ,⌒ ) ;;;;;)))⌒)
ゞ (⌒⌒=─ (´ ヽ、 \≡=- . ,∪::::::⌒ / /⌒ソ ⌒ ⌒);;;;)))⌒)
、\(⌒ゝ(⌒ヾ `ー' \__)≡=- -'´ ::... ,⌒ ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
((⌒≡=─. ⌒ヾ :::::: (⌒.ヾ ⌒ :::::: ─=≡⌒)丿;;丿ノ
((⌒≡=─. , ⌒─= ≡⌒) 丿
..┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) /| _ノ __ノ (ちょっと頭冷やしてきます)
- 596 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:26:34 ID:4um0mukA0
- おいwwwおいwwwwwww
- 597 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:27:13 ID:Lfy/7C6E0
- これはひどい
- 598 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:41:01 ID:NbDaMADE0
-
以下、予定を変更しまして
( ^ω^)がなんか麻雀やるようです
をお送りします。
.
- 599 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:42:08 ID:NbDaMADE0
-
( ^ω^)「高校に入ったお」
( ^ω^)「記念に新しい趣味を始めるお。出来ればチョイ悪な感じの趣味がいいお」
\カン! カン! モイッコカン! ツモ!/
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(⌒)
/ ̄ ̄| 「……」
| ||. | (ω^ )
\__| ======== \
| | /※※※※ゞノ,_)
 ̄ ̄ ⌒~⌒~⌒~⌒~⌒
.
- 600 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:43:04 ID:NbDaMADE0
-
〜〜〜 雀荘 『大三元』 〜〜〜
かくして雀荘の前である。
( ^ω^)(ここが麻雀屋さんかお)
( ^ω^)(ググったら案外近くにあったから、何も考えずに来てしまったお)
( ^ω^)(友達のドクオに聞いてみたけど、麻雀屋さんでは麺単品を頼むのがベターらしいお)
( ^ω^)(なんだか美味しそうだお)
.
- 601 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:43:53 ID:NbDaMADE0
-
カランコロン
(´・ω・`)「いらっしゃい」
( ^ω^)「麺単品」
(´・ω・`)「……メンタンピン?」
( ^ω^)「イエス。麺単品」
(´・ω・`)「……君、もしかして初心者なのかな?」
( ^ω^)「そうだお」
(´・ω・`)「一応聞くけど、ここのレートは確認してから入って来たよね?」
( ^ω^)「ラーメンは大体500円だお」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「……」
- 602 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:45:54 ID:NbDaMADE0
-
一番奥の卓に腰掛けたブーンは、物珍しそうに麻雀牌や点棒を見つめていた。
その様子を見て何かに勘付いたのか、ニダーは彼の力量を図るべく、三味線(デタラメ)を交えて喋り始める。
<ヽ`∀´>「いやぁ、今日は負けてばっかりニダ。
やっぱり麻雀は初心者には難しいニダ」
( ^ω^)「オイラも初心者だお。一緒に頑張るお」
<ヽ`∀´>「……山の積み方とか、どこから取るとか、慣れてないから分からないニダよ」
(*^ω^)「それなら大丈夫だお! オイラ、麻雀の入門書持ってるお!」
<ヽ`∀´>「へぇ……それ、ちょっと貸してもらえるニダか?」
<ヽ`∀´> ペラペラ・・・
<ヽ`∀´>「これ間違ってるニダ」
( ^ω^)「マジか。じゃあ要らねーわ」 ポイ
- 603 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:46:34 ID:NbDaMADE0
-
<ヽ`∀´> ニヤリ
(-@∀@) ニヤリ
( ´W`) ニッコリ
_,
( ^ω^)(くそっ……三色の麺単品って何なんだお……)
不毛な自問自答に眉を寄せるブーン。
やがて洗牌が始まると、ブーンも真面目に前を向き、洗牌に加わった。
- 604 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:47:35 ID:NbDaMADE0
-
【東一局】
親:( ^ω^)
ドラ:白
<ヽ`∀´>「よーし、サイコロを振ったら山を積むぞー」
( ´W`)「君は初心者なんだって? オレが代わりに山を積んであげよう」 カチャカチャ
( ^ω^)「面目無い」
(-@∀@)「いいのいいの! 最初はみんな初心者なんだから!」
( ^ω^)「すまぬ」
こうして各自牌を取り終え、ブーンも自分の配牌に目を向けた。
- 605 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:48:32 ID:NbDaMADE0
-
【( ^ω^):456m 456p 4455666s白】
( ^ω^)(やべぇ。揃ってて綺麗だお)
( ^ω^)(この形は崩したくないし、とりあえず白いのを切っておくお)
( ^ω^)(きっと印刷ミスだお。後で言っとかないと……)
( ^ω^)ノ□ タンッ
<ヽ`∀´>「ロン」
( ^ω^)「マジか」
<ヽ`∀´>「ギャラクシーアルティメット役満ニダ」
【<ヽ`∀´>:白白白白白白日白白白白白白白白白白白白白日白白白白白白白白白白白白白日白白白白白白白白白白白白白日白白白白白白白白白白白白白 白】
.
- 606 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:49:36 ID:NbDaMADE0
-
_,
( ^ω^)「……」
<;ヽ`∀´>(いやいや……悩む所じゃないニダよ……)
_,
( ^ω^)「オッサン」
(;-@∀@)「あ、僕?」
_,
( ^ω^)「凄いのかお?」
(-@∀@)「……何が?」
_,
( ^ω^)「その、なんちゃら役満」
(-@∀@)
_,
( ^ω^)
(-@∀@)「ああ!」
- 607 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:50:28 ID:NbDaMADE0
-
<ヽ`∀´>「……」
<ヽ`∀´>「役が分からないのも仕方ないニダ。今説明するニダ」
( ^ω^)「助かる」
<ヽ`∀´>「オセロってあるじゃん?」
( ^ω^)「うむ」
<ヽ`∀´>「で、オセロで真っ白に出来たらすげーじゃん?」
( ^ω^)「一理ある」
<ヽ`∀´>「んじゃあ、これ凄くね?」
【<ヽ`∀´>:白 いっぱい】
(;;゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
.
- 608 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:51:40 ID:NbDaMADE0
-
<ヽ`∀´>(……これは……)
(-@∀@)(カモとかそういう次元じゃない……)
( ´W`)(麻雀云々の話を差し引いても……)
( ^ω^) テテーン
<;ヽ`∀´>(;´W`)(本物のバカだァァァァ!!)(@∀@‐;)
その日、ブーンは雀荘『大三元』を出入り禁止とされた。
( ^ω^)(麻雀って怖いお……負けたら二度と雀荘には入れないんだお……)
(;^ω^)(……そんなの嫌だお。オイラは一流の雀師になって、可愛い女の子とキャッキャウフフするんだお)
(;^ω^)(特にあのカンカン言ってた女の子……あの子に会うまでは……!)
.
- 609 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:52:52 ID:NbDaMADE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
('A`)「……で、頼る当ても無いから俺の所に来たと」
( ^ω^)「今日から勝てる! ドクオ先生の麻雀入門スレがあると聞いて飛んできますた」
('A`)「そんなものは無い。それに、こないだ『メンタンピン』を教えただろ?」
(;^ω^)「あっ、そうだお! 『麺単品』だお! あれは一体何なんだお!?
注文しても出てこない、最終的には何も食べずに雀荘を追い出されたんだお!」
('A`)「……食い物じゃない。役の名前で、メンゼン、タンヤオ、ピンフだ」
( ^ω^)「えっ」
その瞬間、ブーンの中で大革命が起きた。
.
- 610 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:53:48 ID:NbDaMADE0
-
(#^ω^)「そうならそうと最初に言ってくれお!
何だお麺単品って! 雀荘でラーメン頼む馬鹿がどこに居るんだお!!」
('A`;)「ああー……少し黙っててくれよなー頼むよー……」
(#^ω^) プンスカブーン!
ブーンの怒りを背に受けながら、ドクオはパソコンの画面に向かっていた。
カチ、カチと、思考を挟んではクリック。碇シンジばりの単純作業がそこにはあった。
( ^ω^)「なんぞこれ。てん、ほー? 麻雀のゲームかお?」
('A`)「……お前、まさか知らないのか?」
( ^ω^)「お? 知らないお?」
('A`;)「ネトマだぞ? やった事無いのか?」
( ^ω^)「ある訳ないお。でも遊戯王オンラインはやってたお。終わっちゃったけど」
('A`)「……」
.
- 611 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:54:29 ID:NbDaMADE0
-
('A`)「……すまん」
途端、ドクオの肩ポンがブーンに直撃した。
('A`)「お前は俺以上のバカだったな」
( ^ω^)「失敬な」
('A`)「まぁ座れよ。俺のサブ垢だけど、天鳳やっていいぜ」
( ^ω^)「えー」
('A`;)「えーって、何か文句あるのかよ」
( ^ω^)σ「だって、あっちに本物の卓があるお?」
('A`;)「あ、いや。あれは手積みだし、時間掛かるし……」
(#^ω^)「手積みも出来ずに何が雀師か!! オイラはあっちで練習したいお!」
('A`;)「……じゃあ俺は天鳳やってるから、そこら辺の麻雀本でも見て練習してろよ」
.
- 612 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:55:10 ID:NbDaMADE0
-
( ^ω^)「相手が居なくちゃ麻雀は出来ないお。ドクオも一緒にやるお」
('A`;)「くっ……牌の扱いだけだからな、教えるのは」
こうして二人は手積み卓に着き、麻雀の練習を始めた。
ブーンが謎のツバメ返しに没頭したり、全自動卓天和のやり方を教えろとドクオに迫ったが、特に差し支えなく練習は進んだ。
牌の種類、面子の種類。
その他諸々の事をブーンが覚え切ったのは、それから数日してからの事だったという。
.
- 613 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:56:13 ID:NbDaMADE0
-
〜〜 後日 〜〜
( ω゚)「――終わりだな。サンマンニセッ」
('A`)「それフリテンだぞ」
( ω゚)「……」
( ^ω^)「そろそろオイラも四人で打ってみたいお」
('A`)「いいんじゃね。誰か呼べよ」
( ´∀`)「麻雀打つと聞いて」 ガチャ
( ・∀・)「おなじく」 ガチャ
( ^ω^)「呼んでもないのに来たお! ラッキーだお!」
対局開始である。
- 614 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:56:54 ID:NbDaMADE0
-
【東一局】
西:( ^ω^)
北:( ´∀`) 【ドラ:2萬】 南:('A`)
東:( ・∀・)
('A`)「分かってると思うけど、技は使うなよ」
( ・∀・)「はいはい」
( ・∀・)(ま、使うけどな……)
( ・∀・)「んで、今回のレートは?」
('A`)「金は無しだ。死人が出ちまう」
(;・∀・)「むぅ……。じゃあラスった奴が焼肉奢るってのは?」
('A`)「……二人はどうだ? 俺は構わん」
( ´∀`)「夕食代が浮くなら何でもいいモナ」
( ^ω^)「麻雀とかマジちょろいから」
( ・∀・)「オッケー! ラスったら焼肉奢れよな!」
.
- 615 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 03:59:21 ID:NbDaMADE0
-
( ・∀・)(はいはい天和と九連宝燈――)
【( ・∀・):1112345678999m 北】
( ・∀・)(……どーいう事だ?)
モララーの一巡目。
その配牌は 役満・九連宝燈(チューレンポートウ) のテンパイ。
第一ツモでは北を引き入れる。しかし、現状の北は全くの不要牌である。
モララーは北を即座にツモ切り。続いて、南家のドクオが山に手を伸ばした。
('A`)(……少しキツイが、いつも通りか……)
【('A`):122m 236p 1599s 東東北 ツモ:南】
ドクオ、ツモ牌は南。
この手牌で思いつく現実的な上がり手としては、東とドラを合わせた満貫程度の上がり。
( 'A`)(さて、ツモが良ければ 『 東 三色 チャンタ ドラ1 』 までは伸びそうだが……)
('A`)(生憎と、そんな幸運はカーチャンの腹に置いてきちまった……)
その後、ドクオは数秒考えてから、ドラの2萬を切った。
.
- 616 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:00:50 ID:NbDaMADE0
-
次巡、西家のブーンが牌を取った。
( ^ω^)(……)
( ^ω^)(なんだこれ……)
【( ^ω^):1123333667889s ツモ:5s】
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「カン!」
( ´∀`)「新ドラは表示牌が北だから、東モナ」
(;^ω^)「さすがにその位は分かるお」
( ´∀`)「モナ」
新たに東をドラとして、ブーンが嶺上牌を取った。
( ^ω^)(……二索切って、七索待ちのテンパイかお?)
【( ^ω^):1125667889s ツモ:4s】
( ^ω^)(うーん……。も一個カンしたいから、リーチはしないお)
リーチはせず、二索を切って仮テンパイ。
しかし当たればメンチン六飜の跳萬。実に侮れない手牌である。
.
- 617 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:01:36 ID:NbDaMADE0
-
( ´∀`)(モナー……)
【( ´∀`):6689m 4p 245889s 東中 ツモ:2p】
( ´∀`)(タンヤオ is GOD)
モナーは迷わず九索を捨てた。タンヤオ神モナーの登場である。
.
- 618 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:05:00 ID:NbDaMADE0
-
( ・∀・)「な〜にかなっ」
そんな歌を口ずさみながら、モララーは山から牌を取った。
( ・∀・)(感触は七索――)
盲牌は正解。ツモは七索だ。
( ・∀・)(……)
( ・∀・)(配牌はブーンの山からドクオの山まで……)
( ・∀・)(そして俺はツバメ返しで九連宝燈を持ってきたが……)
( ・∀・)(……あの『ミス』は侮れねぇ。この七索、何かある)
彼が思う『ミス』とは何か。
それを知るには、彼の配牌を見て欲しい。
【( ・∀・):1112345678999m 北】
ツバメ返しとは、あらかじめ自分の前の牌山に牌をまとめ、隙を見て牌山と手牌をすべて入れ替えてしまう技である。
この技を使えば天和(テンホー)という役満が完成し、勝負は一瞬にして終わる。モララーも当然それを狙い、ツバメ返しを行ったのだが……
(;・∀・)(問題はあの『北』だ! 俺が積み込みをミスるなんてありえねぇ!)
(;・∀・)(俺はドクオの二萬で上がる事もできたが……それより先に確かめる事ができた!)
(;・∀・)(俺の積み込みを狂わせたものの正体……それを確かめる……!)
モララー、少し考えてから一萬を捨てる。それは、役満九連宝燈を捨てたに等しかった。
.
- 619 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:10:21 ID:NbDaMADE0
-
今日はもう本当に終わりです!
( ^ω^)がなんか麻雀やるようです
从 ゚∀从はエアマスターのようです
以上の二つは続きます! また適当な時に投下しますが、それ以外は見なかった事にしよう!
きっと今日は悪乗りの日だったんだよ! 全体的に見なかった事にしよう! 今夜は何も無かった!
- 620 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:11:18 ID:IDky5e9Q0
- 乙
- 621 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:21:43 ID:4um0mukA0
- つづくのかよ
乙やるよ
- 622 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 04:47:15 ID:Bz9VgHP.0
- おつおつ
- 623 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 13:25:35 ID:bfE3SX2E0
- おつ
- 624 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 15:47:55 ID:NbDaMADE0
- 今夜もやります。ながら投下です。
これもう(何やりたいんだか)わかんねぇな
- 625 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 23:21:18 ID:qf.tLoJYO
- おい!麻雀のやつ某ア○ファよりいいじゃねえか
まあ向こうの作品は最後まで読んでなんぼの作品だけど
- 626 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 23:50:37 ID:NbDaMADE0
- それではエアマスターの方から始めます
今夜もながら投下で色々見苦しいかも知れませんが、きっと珍しいものが読めます
- 627 :名も無きAAのようです:2012/11/02(金) 23:58:01 ID:NbDaMADE0
- >>625
_
/:::: ::..ヽ /
/:::::: : : : :.. / 一
...::  ̄ ̄ ̄ :: >:.、 も 緒
/::::::::::::::::::::::::: : : : : : : \ .| ろ に
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : : :ヽ | 格 た し
/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::: : ヽ: : : : : :..ハ | が ら て
. /:::/::::,′:::i:::::::::::|\:::::: : : : : : : : : : :`.i 違 困
/::::: : ::i: ::::/|::::::: 八 ヽ::::::::ハ: : : : : : :トi う る
. ::::i ::::::ト :::{ :::::::::::: 斗 )::::/ j:: : : : : :::| | わ
i:|:::i::::::::| Ⅵ\::{\:{ ィ斥云トi: : : : : リ入
. 〉:::i::::::::| ィ斥云ト ヾ V辷リ j::/::::/} へ __ /
/:::へ::::::〃 V辷リ `¨ ´イ:::く::::入
乂{__/::≧=- `¨ ‘ " ′::::〉:: : :\
`>:ト{:::∧ " r 、 ,イ i:::/: : : : : : \
ヾ|::| > // |::i\:::: : : : : : :ヽ
|::: `こj¨ ´{/八 |::i ヽ::: : : : : : :\
{:i _/ `Y´ У:'ー- 、 }:::::: : : :}\::}
ヾ´ / / 八 ::/ `ー- 、 }j
/ ` / 〈_彡ヘ,/ へ _彡 i \
/ ./ _, 斗=r'⌒ヾ |
/ \j 〃⌒氷{ 》 / 八
. r― ' | __{{_ 〃}i ヾ=='' i \
. |/⌒ヽ_ / r― ' 〃 {{ 八 `ー \
/ / ⌒ヽ } {{ | }} 〉 ヽ
- 628 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:00:34 ID:ke9jwiQ20
-
(>>574からの続き)
_
( ゚∀゚)「ん?」
ジョルジュの懐で携帯電話が鳴動する。
彼はそれを手に取り、耳に当てて応答した。
_
( ゚∀゚)「おっす。今? 今なんかカフェに居るが……」
_
( ゚∀゚)「待ち合わせ? 何のことだ?」
_
( ゚∀゚)「……あっ」
爪;'ー`)「あいつ待ち合わせ忘れてたっぽいぞ」
_
(;゚∀゚)「すぐ行く! ちょうどエアマスターも一緒だ!」
从;゚∀从「!?」
いきなり席を立ったジョルジュはハインの手を取り、勢いよく出口へと走り出した。
o川;゚ー゚)o「ちょっと! どこ行くの!?」
_
(;゚∀゚)「杉浦のところ!」
.
- 629 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:03:23 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
薄暗い倉庫の中に人が集まっていた。
その数は十人前後と、杉浦ロマネスクが予想した人数より大分多かった。
集まった者達は口をつぐんだまま、散り散りになって話が始まるのを待っている。
今にもファイトを始めそうな輩も居るが、ここに集まったのが杉浦ランカー上位陣であることを考えると、迂闊に戦い始める事は考えられなかった。
( ФωФ)(……エアマスター、ジョルジュ長岡。この二人を合わせて、十七人……)
( ФωФ)(意外だが、かなり集まってくれた。今日は運が良い)
だが、二人の大遅刻のせいで 『さっさと始めろ』 という雰囲気が徐々に強まってきている。
杉浦も二人が来れば話を始めるつもりなのだが、その二人は一向に現れない。
そして、それから三十分後。
_
( ゚∀゚)「うーっす」
从;゚∀从「こんな所に連れ込んで! 私に乱暴する気なんだろ!」
全員の視線を釘付けにしながら、倉庫にジョルジュ達がやってきた。
( ФωФ)「よし」
( ФωФ)「それじゃあ始めるか。第十四回、杉浦ランカーズ親睦会を」
.
- 630 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:06:47 ID:CLIIe0YA0
- エロ同人みたいに!
- 631 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:09:50 ID:ke9jwiQ20
-
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「――杉浦」
その時、集まった中でも特に筋肉まみれな女性が杉浦に声をかけた。
景気付けに花火でも上げようかと思っていた杉浦は、花火の導火線から手を放す。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「こんな事の為に呼んだなら、アタシは帰らせてもらうよ」
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「なにより、けっこう家事が残ってるんでね」
彼女はまるで巨人である。
巨人はハイン達の横を通り過ぎ、倉庫を後にした。
( ФωФ)「言っておこう。彼女はランキング4位、33歳の流石母者だ」
_
( ゚∀゚)「33−4か……」
特に深い意味は無いが、ジョルジュは何となく呟いた。
从;゚∀从(若いのに若く見えない……)
.
- 632 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:16:42 ID:ke9jwiQ20
-
( 'A`)「……俺も帰る」
( ゚∋゚)
更に二人、ハインの横を過ぎていく。
( ФωФ)「鬱っぽい奴が6位のドクオ、通称は『マグナムブロウ』 」
( ФωФ)「そして鳥っぽい奴が14位のクックル。二人とも、かなり手強い」
从 ゚∀从「アンタが杉浦……こないだの変な奴?」
( ФωФ)「いかにも。そして、二人には改めて提案がある」
倉庫の中央へ行き、ハインとジョルジュは杉浦の話に耳を傾けた。
( ФωФ)「今ここに集まってるのは上位ランカー達だ。
二人には、この中から好きな相手を選んで戦ってもらう」
( ФωФ)「杉浦ランキング参加記念の、一度限りのボーナスステージだ」
从 ゚∀从「おい、ちょっと待て」
( ФωФ)「ん?」
从 ゚∀从「杉浦ランキングって何だ」
_
( ゚∀゚)「そう言えばそうだな。俺もよく分からねーし」
( ;ФωФ)「あれ、こないだ話さなかったか?」
そこから五分、杉浦の必死の説明により、二人はなんとか事情を飲み込んだ。
.
- 633 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:20:56 ID:ke9jwiQ20
-
_,
从 ゚∀从「……要は強い奴と戦えるランキングで、今日は記念に上位ランカーと戦える」
(;ФωФ)「そう! 正解!」
_,
从 ゚∀从「それで――」
倉庫の片隅、ハインの視線の先。
そこに、只ならぬ気配の男が一人。
( ゚д゚ )「……」
_,
从 ゚∀从「私の相手が、あいつ……」
(;ФωФ)「ああ、その通りだ」
ちなみにもう他のランカーは帰宅しており、相手は既にミルナしか残っていなかったのだ。
_
( ゚∀゚)「で、オレの相手はお前らしいぞ」
(,,゚Д゚)「待たされた分、きっちり戦わせてもらうからな」
そしてジョルジュも、唯一残った相手であるギコと対峙していた。
.
- 634 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:24:21 ID:ke9jwiQ20
-
_
( ゚∀゚)「よろしく頼むぜ」
(,,゚Д゚)「お前、ストリートファイターを知ってるか」
_
( ;゚∀゚)「……え、オレらの事じゃないのか?」
いざ戦おうと身構えたジョルジュは、突然の質問にうろたえて答えた。
ギコはその答えを聞くと満足そうに腕を組み、深く頷いた。
(,,゚Д゚)「まぁ半分正解だ。正しい答えは、『ゲーム』のストリートファイターだ」
_
( ;゚∀゚)「はぁ……」
(,,゚Д゚)「オレの師匠はリュウだ」
_
( ;゚∀゚)「……」
(#,,゚Д゚)「オレの師匠は、ストリートファイターのリュウだ!」
格ゲー中毒者ギコ、杉浦ランキング9位。
格闘スタイルはリュウの 『暗殺拳を源流とする格闘術』 を更に我流アレンジしたものである。
しかし波動拳はさすがに出ない。
- 635 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:31:50 ID:ke9jwiQ20
-
( ゚д゚ )「スナイパー空手講座にようこそ」
从 ゚∀从
こちらもこちらで、かなり意味不明な図だった。
从 ゚∀从「……とりあえず、行くよ」
ハインは左のローキックから入った。
( ゚д゚ )「スナイパー空手とは――」
瞬間、ローキックを放ったハインの膝を踏み付けるようにして、ミルナの足がキックを『打ち落とした』。
( ゚д゚ )「相手の膝の狙撃を目的とし、思わぬバランスの破壊――!」
彼の言うとおり、膝を基点としてハインの体が傾いた。
攻撃として使う膝はかなりの威力を持っているが、咄嗟に膝を守る事はかなり難しい。
故に『相手の膝を狙う』というスナイパー空手は相当強く、恐らく我流拳法の中でも最強に近いと思われる。
从;゚∀从(崩れる――!)
(#゚д゚ )「そして! そこから派生する一撃必殺!」
体勢の崩れたハインを狙い、大きく振りかぶった右腕が全力で打ち出される。
その拳をハインは両手に受け止める。途端、莫大な衝撃が両腕を伝わり、ハインの体を大きく吹き飛ばした。
.
- 636 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:51:11 ID:ke9jwiQ20
-
从;゚∀从「うおおおおッッッ!!」
ハインはドラム缶の山に激突し、降り注ぐ無数のドラム缶の下敷きとなった。
幸いにもドラム缶は空なので、多分死ぬ事はないだろう。
( ゚д゚ )「――これが、スナイパー空手だ」
勝負は決した。と、ミルナは決め台詞と共に確信する。
(;゚д゚ )「む!?」
しかし、崩れたドラム缶の下で何かが動いている。
まだ動けるのか。彼がそう思った時、ドラム缶の一つが自分に向かって飛び出してきた。
从#゚∀从「飛んでけドラム風情がァ!!」
(;゚д゚ )(あいつ、ドラム缶を蹴っ飛ばした!?)
飛んできたドラム缶をスナイパー空手特有の狙撃で蹴り落とす。
二つ、三つと、ドラム缶は次々に迫ってくる。だが、さすがに一発目は驚いたが、慣れれば打ち落とす事も容易だった。
(#゚д゚ )「始めは驚いた! だがオレの狙撃の方が一枚上手らしい!」
ドラム缶の攻撃が止む。その瞬間、ミルナはハインめがけて前方に飛び出した。
しかし
从 ゚∀(゚д゚;)(あ、後ろ――)
前方に飛び出したのは、間違いだった。
.
- 637 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 00:59:30 ID:ke9jwiQ20
-
ハインは最後のドラム缶を蹴り飛ばした時、その影に隠れ、超低空でミルナの後方に回っていた。
そして勝負を決めようと前に出たミルナをハインは後ろから狙っている。
(゚д゚;)「スナイパー空手講座――」
从#゚∀从「うおらァァァッ!」
ハインはその場で回転し、遠心力を乗せた裏拳をミルナの側頭部めがけて打ち出す。
( д ;)「――しゅう、りょう……」
裏拳は避ける間も無く直撃。
ミルナの姿勢がぐわんと砕け、彼はその場に膝をついて気絶した。
从;゚∀从「スナイパー空手……恐ろしい奴だった……」
.
- 638 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:01:21 ID:ooTDPauU0
- 原作読んでる分ニヤニヤするわ
- 639 :625:2012/11/03(土) 01:07:04 ID:33gsyFX6O
- そんな卑下する事もないぞ、巨匠でも全ていい訳じゃないから
支援だ
- 640 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:08:17 ID:ke9jwiQ20
-
( ФωФ)「お見事」
息を切らせたハインに半笑いの拍手で近づく杉浦。
一瞬煽りかとかと思ったハインだが、すぐに冷静に考え直し、拳を解いた。
( ФωФ)「高岡ハインリッヒ――いや、エアマスター。君が杉浦ランキング15位だ」
从;゚∀从「15位、これで15位か……」
( ФωФ)「これは特製携帯だ。連絡はこの携帯で随時送る。常に持っていてくれ」
从 ゚∀从「……ああ、分かった」
( ФωФ)「どうした?疲れたのか?」
不自然に間を開けたハインに気を配り、身を案じて杉浦が問い掛ける。
ハインは渡された携帯をポケットに収めると、清々しい顔で言った
从*゚∀从「いや、スナイパー空手、やってみようかなって」
( ФωФ)「えっ」
.
- 641 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:24:03 ID:ke9jwiQ20
-
( ;ФωФ)(コイツ頭……)
いや、と呟き、自分の思考を遮る。
ここまで来たらエアマスターがアホでも何でもいい。杉浦は半ば諦めた。
从;゚∀从「――おいあっち!」
ハインはそう言い、ジョルジュとギコの戦いを指差した。
( ФωФ)「ああ、あっちは――」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(,, Д )「滅ッ――!」
_
(; ∀ )
ジョルジュの顎に、ギコのアッパーが直撃する。
拳は減り込み、ギコの全力が一点に集中していく。
(#,, Д )「昇、竜……!」
瞬間的に足を曲げ、その次の瞬間
(#,,゚Д゚)「――拳ンンンンン!!」
跳躍の力を全て乗せたアッパーカットが、ジョルジュを遥か高くへと殴り飛ばす――!
.
- 642 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:34:23 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ФωФ)「――ギコの圧勝だよ」
杉浦の台詞と同時に、ギコとジョルジュが地面に戻ってきた。しかし、二人の状態は天と地ほどの差があった。
ジョルジュは地面に倒れ伏し、ギコはその傍らで 『YOU WIN!』 と自画自賛している。
从;゚∀从「性犯罪者が負けた……?」
ギコの圧勝。杉浦の言葉に、間違いは無かった。
(,,‐Д‐)「……上位ランカーを舐めるなよ、エアマスター」
そう言い残し、ギコは倉庫を出て行った。
( ФωФ)「じゃ、親睦会はお開きって事で」
杉浦は上に向かって大量の花火を投げると、その火花の中に消えてしまった。
やがて花火が無くなる頃には、杉浦の姿はどこにも見られなかった。
从 ゚∀从「……」
_
(; ∀ )
ハインもジョルジュを背負い、ゆっくりと帰路を歩き出した。
.
- 643 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:36:55 ID:ke9jwiQ20
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
ここで一話分として区切ります。
ちょっと休憩したら再開です。スナイパー空手は最強です。
.
- 644 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:48:05 ID:CLIIe0YA0
- ハインがよくあるキャラ設定より柔和で女っぽいのは元ネタ準拠?
- 645 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:54:19 ID:ke9jwiQ20
- >>644
何となく原作っぽく書いてます
- 646 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 01:56:30 ID:33gsyFX6O
- ジョルジュ、今ハイン乳揉みほうだいだろ
揉んでパワーアップしろ
- 647 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:08:52 ID:ke9jwiQ20
-
夜の街。そこはファイター達のリング。
この街は最早、聖地といっても過言ではない。
事実、不良狩りという守護神のような男さえ出ている始末だ。
だからこそ、今夜は荒れる。
. ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(*´Д`)< 1さん! 今夜は何食べる!?
-=≡ / ヽ \______________
. /| | |. |
-=≡ /. \ヽ/\\_
/ ヽ⌒)==ヽ_)= ((( )))
-= / /⌒\.\ || || (;´Д`) <まず台車からおろして・・・
/ / > ) || || ( つ旦O
/ / / /_||_ || と_)_) _.
し' (_つ ̄(_)) ̄ (.)) ̄ (_)) ̄(.))
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
余所者達の存在が、ファイター達を熱くさせてしまうのだから――
.
- 648 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:19:18 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.∧_∧
( ´Д`)「ホテル内のチェック、終わってます!」
.∧_∧
( ´Д`)「1さんの部屋は100%安全です! 1さんお気に入りの枕もセットしておきました!」
((( )))
( ;´Д`)「あ、はい」
ベッドに腰掛ける 『1さん』 と呼ばれた男が弱々しく答える。
.∧_∧
( *´Д`)「よぅしお前達! 後は俺に任せて出て行くんだ!」
.∧_∧
( ´Д`)「隊長! 自分だけ1さんと寝るのは職権乱用だと思います!」
.∧_∧
( ´Д`)「公平なクジ引きにより、1さんとのラブラブ初夜チャンスを皆で分けるべきです!」
.∧_∧
( #´Д`)「黙れ! 隊長権限だ! 出て行かんと今すぐブッ飛ばすぞ!」
.∧_∧
( #´Д`)「1さんの童貞は、親衛隊隊長であるオレのモノだァ!!」
.
- 649 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:30:02 ID:ke9jwiQ20
-
((( )))
( ´Д`)「……」
ほぼ同じ顔の男達100人で結成された親衛隊。その名も 『1さん親衛隊』 。
彼らは杉浦ランキング遠征組として呼ばれ、今こうして街のホテルに腰を据えている。ちなみに旅費は全て杉浦ロマネスク名義で支払われている。
((( )))
( ´Д`)「八頭身、みんなに一つ伝えてくれ」
声色を落とし、1さんが言う。
真面目な話だと悟った八頭身達は、手際良く連絡の手筈を整え、1さんの言葉を待った。
((( )))
( ´Д`)「ここは余所の土地で、僕らは余所者だ。決して目立つような事、特に喧嘩はしないように」
彼がそう言った瞬間、親衛隊メンバー全員に連絡が行き渡った。
親衛隊の掟には 『1さんの言葉は絶対』 という一文があり、メンバーがそれを破る事はまずあり得ない。
ただし
从;゚∀从「先輩、この顔もう4人目だぞ!?」
爪;'ー`)「オレも予想外なの! つべこべ言わずに殴って蹴って!」
.∧_∧
( ;´Д`)「おいおいこいつら強いぞ!」
.∧_∧
( ;´Д`)「応援だ! 応援を呼べ!」
既に手遅れである感じは、否めない。
.
- 650 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:41:08 ID:ke9jwiQ20
-
街の路地裏では既に戦いが始まっていた。
フォックスとハインのコンビは約束通り、ランキング遠征組をブッ飛ばし続けている。
その他にも街の各所で余所者狩りが横行しており、街はやはり、いつもより熱気を増しているのだった。
『ぬるぽ! ぬるぽ!』
ぬるぽとは緊急事態を示す暗号である。
.∧_∧
( ´Д`)「ガッ! 何があった!?」
『とてつもなく強いファイターです! 恐らくランカーの一人かと!』
続けて、別の携帯から連絡が入った。
『エアマスター! 敵の名前はエアマスターです!』
『もう10人以上やられてる! 化けモンだ……!』
((( )))
( ;´Д`)「……」
.∧_∧
( ´Д`)「……お前達、1さんを頼む」
八頭身(隊長)はコートを羽織り、立ち上がった。
((( )))
( ;´Д`)「ぼ、僕も……」
.∧_∧
( ´Д`)「ランキング制覇の夢を叶えたいなら、1さんが動くのは今じゃないよ」
行って来る。そう言い、八頭身は夜の街に駆け出した。
.
- 651 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:54:07 ID:Z053/qXg0
- 八頭身!八頭身じゃないか!
- 652 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:55:09 ID:ke9jwiQ20
- 【悲報】腰痛により1時間休憩。なお今週末は可能な限り投下し続ける模様
- 653 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 02:58:47 ID:Z053/qXg0
- 腰は大事にな
- 654 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 04:04:50 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お気に入りの喫茶店でコーヒーを啜りつつ、杉浦は事の様子を観察していた。
遥々やってきた1さん親衛隊。その実力は折り紙つきだが、余計なものが多い。
( ;ΦωΦ)(というか、親衛隊100人も連れてくるから……)
パソコンに映る映像はどこを見ても戦いばかり。
100人の親衛隊がフルボッコにされるという現代の地獄絵図。
( ;ФωФ)(隊長の八頭身や、1さん本人が出てくるのも時間の問題か)
( ;ФωФ)(どこかに誘導……いや、難しいか)
( ;ФωФ)「まったく、本当に自分勝手な奴ばかりだ……」
一方その頃。
从;゚∀从「飽きてきた」
爪;'ー`)「嘘だろ!?」
ハインは、いい加減同じ敵と戦う事に飽きていた。
.
- 655 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 04:15:12 ID:ke9jwiQ20
-
路地裏で親衛隊狩りに勤しむ二人。
次々と迫る八頭身(下っ端)を薙ぎ倒し、今や倒した数は20を越えている。
从;゚∀从「つーかさ、なんでコイツらと戦わなきゃいけないの?」
爪;'ー`)「ランキング制覇には邪魔だからって最初に言ったろ!」
爪;'ー`)「こいつら片付けた後はド本命二人が居るんだから、気ィ抜いて倒されんなよ!」
.∧_∧
( #´Д`)「うおおおお! 1さんンンン!!」
爪;'ー`)「うるせぇ黙ってろ!」
フォックスは通算23人目の八頭身に右ストレートをブチかました。
从 ゚∀从「お、アイツもやってたのか」
| #^o^ | 「パンチが軽い! もっと腰を入れろ!」
遠くの方ではルチャマスターが熱心な指導を行っていた。
あちらでもかなりの八頭身が山積みになっているが、ルチャマスターに指導を止める気配は無い。
爪;'ー`)「ジョルジュが居ない分、ただでさえ効率が悪い! ほら、さっさと次行くぞ!」
从;‐∀从「……」
爪#'ー`)「返事!」
从;゚∀从「はい……」
.
- 656 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 04:22:20 ID:ke9jwiQ20
-
路地裏を駆け抜けながら、フォックスは作戦の再確認を始めた。
ハインのアホっぷりを十分に考慮した再確認だった。
爪;'ー`)「いいか、俺らはまず親衛隊の八頭身(下っ端)を片っ端からブッ倒す!」
爪;'ー`)「ジョルジュの入院は予想外だったが、これは俺ら二人で何とかする!」
余談だが、ジョルジュは先日のギコ戦により、アゴの骨にヒビが入ったり色々と大変な事になっていた。
爪;'ー`)「そんで、俺らが最後に倒す相手は!?」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……」
从 ゚∀从
从;゚∀从
从 ゚∀从「1さん!」
爪#'ー`)「思い出すのおせぇよアホマスター!」
从;゚∀从「アホマスターって……」
.
- 657 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 04:36:42 ID:ke9jwiQ20
-
路地裏を抜け、表通りに出る。
通りではファイトの事など知らない一般市民がそれぞれの速さで歩いている。
そんな一般市民の脇を高速ですり抜けながら、二人は次のポイントに到着した。
デパート前の噴水広場。そこにもやはり、大量の八頭身の姿があった。
爪;'ー`)「……ちょっち、心折れそう」
从 ゚∀从「もう倒して帰った方が早いんじゃない?」
.∧_∧
( ;´Д`)「うわっ! こっちからも来やがった!」
.∧_∧
( ;´Д`)「もう駄目だぁ……おしまいだぁ……」
爪'ー`)「……なんか変な雰囲気だな」
確かにフォックスの言うとおりだった。
八頭身達は何かに怯えているように、そわそわと体を動かしている。
.∧_∧
( ; Д )「おぶぇッ!」
八頭身が壁になって見えないが、向こうの方で別の八頭身が戦っているらしかった。
フォックスは背伸びしてその相手を見ようとするも、彼ら八頭身の身長はそう超えられるものではない。
爪;'ー`)「……まぁ戦ってる相手は気になるが、ここの奴らはそいつに任せて大丈夫そうだな」
从 ゚∀从「――いや、ちょっと見てくる」
ハインが、何かを感じ取っていた。
彼女は軽く跳躍して八頭身達を飛び越えると、戦いの輪の中に真正面から割り込んでいった。
爪;'ー`)「あンのアホ!」
.
- 658 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 04:47:16 ID:ke9jwiQ20
-
ハインが地面に着地した瞬間、戦っていた八頭身が自分に向かって飛んできた。
八頭身は誰かに吹き飛ばされたのだ。ハインは飛んできた八頭身を避け、ニヤリと笑ってその女を見た。
从 ゚∀从「……強いね、あんた」
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「エアマスター……だったかね。噂は聞いてるよ」
八頭身をいとも容易く吹き飛ばしていたのは、杉浦ランキング4位の流石母者だった。
紛れも無い強者。その存在に、ハインの中の 『エアマスター』 が激しく揺さぶられる。
エアマスターは、戦いを欲していた。
从 ∀从
次の瞬間、ハインは空中に飛び上がり、母者めがけて足を振り下ろしていた。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「……若いね。そして、余りにも弱い」
流石母者は防御の姿勢を取らなかったものの、ハインの蹴りは、彼女に全く効いていなかった。
.
- 659 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 05:01:47 ID:ke9jwiQ20
-
ハインは地面に足を着けると、その瞬間にまた飛び上がり、母者に蹴りを浴びせ続けた。
だが、何度蹴りを当てても母者は動じない。どれだけ攻撃を受けようと、母者には防御はおろか、1ミリの動きすら無い。
从#゚∀从「ずぇあああああ!!」
ルチャ戦で放った10回転かかと落とし。現時点での、エアマスター最強の技だ。
これならどうだ! と、ハインは一層力を込めて足を振り下ろす。
しかし
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「エアマスター、ルチャに聞かされただろう」
彼女はまるで湯飲みでも取るかのように、ハインの10回転かかと落としを掌に受け止めた。
そのまま足を掴み上げると、ハインは真っ逆さまの宙ぶらりん状態となった。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「その若さは、きっとお前を不幸にする」
从;゚∀从「……アンタに挑むのが、無謀だったって事?」
そう言うと、母者は一瞬きょとんとしてから、ささやかに笑みを浮かべた。
@@@
@#_、_@
( ,_ノ`) 「今のセリフ、過去形で言えたのは立派だよ」
.
- 660 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 05:10:32 ID:ke9jwiQ20
-
@@@
@#_、_@
( _ノ`) 「また相手してやるさ」
瞬間、重く鋭い一撃が、逆様のハインの鳩尾に減り込んだ。
ハインは意地で声だけは上げなかったものの、その痛みは彼女の意識を落とすには十分だった。
だらんと四肢を垂らして気絶したハイン。
母者はハインを地面に寝かせると、再び周囲の八頭身を睨み付ける。
@@@
@#_、_@
( ,_ノ`) 「久しぶりに良い気分だ」
.∧_∧
( ;´Д`)「ちくしょう……全員でかかるぞ!」
20人の八頭身が一斉に身構える。
流石母者はそれを見て、更に笑みを大きくした。
@@@
@#_、_@
( ,_ノ`) 「1秒だ」
.
- 661 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 05:27:04 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
爪;'ー`)「おいアホマスター! 早く起きろ!」 ペチペチ
从 ∀从
ハインは気絶したまま動かない。
.∧_∧
( #´Д`)「俺の仲間達を……よくも……!」
中ボスである八頭身(隊長)は、今まさに目の前に来ている。
爪;'ー`)(この二つが意味する事は……まぁ、一つだわな)
フォックスはハインを適当なベンチに寝かせ、すぐ戦闘準備に取り掛かった。
さっさと両手にバンテージを巻き、掴まれやすい服を全て脱ぎ捨て、黒のタンクトップとパンツ(トランクス)一枚になる。
爪;'ー`)「さて、さてさて」
ウォーミングアップの時間は無い。
フォックスは軽快なステップを踏み始め、戦闘モードに精神を切り替える。
爪 ー )「行くぞ」
その瞬間、フォックスの姿が消えた。
.
- 662 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 05:36:28 ID:ke9jwiQ20
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
また休憩してきます。
腰が云々
- 663 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 05:52:22 ID:ke9jwiQ20
-
敗北の記憶が甦る。
爪; ー )「腕……俺の腕……!」
/ ゚、。 /「なぁ聞かせてくれよ。ボクサーって腕壊されたら何やんの?」
杉浦ランキング3位。それが俺の元居た場所だ。
その居場所を一瞬で奪い去ったのが、現3位の鈴木ダイオード。
右腕を破壊され、左腕を砕かれ、俺のボクサーとしての一生は終わった。
だが、絶望の最中にも、俺の背中を押す手があった。
o川*゚ー゚)o「私、マネージャーやるから」
爪'ー`)「……は?」
o川*゚ー゚)o「二人でランキング制覇、しよう」
その時、俺のストリートファイターとしての一生が、始まった。
.
- 664 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 05:53:02 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第四話 やってきた! 1さん親衛隊!(後編)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
- 665 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 06:07:41 ID:ke9jwiQ20
-
.∧_∧
( ;´Д`)「消えた!?」
途端、八頭身の背中に鈍痛が走る。
すぐに背中を攻撃されたのだと悟り、八頭身は咄嗟に振り返った。
爪'ー`)「どこ見てんだ」
否、フォックスは目の前に居た。
.∧_∧
( ;´Д`)(来るッ! デカイのが一発!)
爪#'ー`)「どぅらァ!!」
一瞬後方に気を取られたせいで、防御が間に合わない。
フォックスのコークスクリューパンチは、八頭身の腹に抉り込むようにして直撃した。
.∧_∧
( ; Д )(追撃――!)
フォックスのパンチに大きく仰け反った八頭身。
痛みはあれど、精神は次の攻撃が来る事を察知している。
爪#'ー`)「タマ無しになっても恨むなよォ!!」
片足を大きく振り上げ、全力で蹴り出す。
その先には、八頭身の股間もとい金玉もといチンコがある。
.∧_∧
( ;´Д`)「タマ無しはゴメンだ!!」
股に入ってきたフォックスの足を、股を全力で締め上げ、間一髪のところで止めきる。
だが、この体勢はフォックスの拳が届くという最も危険な範囲だった。
.∧_∧
( ;´Д`)(まだ来るぞ!)
爪#'ー`)「二発目ぇ!」
二度目のコークスクリューも、ダメージの蓄積を狙い、八頭身の腹を狙って打ち出された。
八頭身は反射的にブリッジの要領で体を曲げ、何とか二発目を回避する。
.
- 666 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 06:20:09 ID:ke9jwiQ20
-
.∧_∧
( *´Д`)「ふへへ……次は俺の番だ……」
ブリッジの姿勢から勢いよく上半身を持ち上げる。
その勢いのまま、八頭身の頭突きがフォックスに迫った。
爪;'ー`)(避けッ――!)
.∧_∧
( ´Д`)「俺の股は緩くないぜ」
フォックスの足は八頭身の股に挟まれている。
この頭突きを避ける事は不可能――
爪#'ー`)「ふんッ!」
――かと思われたが、フォックスは咄嗟に残ってる片足を上げ、姿勢を自分から崩した。
.∧_∧
( ;´Д`)「こいつ!」
フォックスが避けた事により、頭突きはそのままコンクリートの地面へ向かう。
八頭身は辛うじて手を着き、地面に頭突きというアホっぽいシーンを回避した。
このタイミングでフォックスは八頭身の近くから脱出。
一瞬の攻防にアドレナリンの噴出を感じたが、状況は悪くないという手応えがあった。
.
- 667 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 06:33:11 ID:ke9jwiQ20
-
.∧_∧
( ;´Д`)「お前、並のファイターじゃないな……」
.∧_∧
( ;´Д`)「一発目のパンチ、結構効いたぞ。
だが肋骨が折れるレベルじゃなかったな……」
肋骨の辺りをさすりつつ、八頭身はふらりと立ち上がって話し始める。
.∧_∧
( ;´Д`)「オレ達もな、別にこの街を荒らそうとしてる訳じゃねぇ。
誰かが親衛隊を狩るような事を始めたから、わざわざ俺が出てきたんだ」
爪;'ー`)「そりゃ、すまんね」
.∧_∧
( ;´Д`)「お前なのか? 親衛隊狩りの主犯はよ」
爪;'ー`)「……まぁ、そうなるかね」
フォックスがそれを認めると、八頭身の顔色がみるみる内に変わっていくのが分かった。
.∧_∧
( ´Д`)「オレはな、今頃1さんと初夜の予定だったんだ」
爪;'ー`)(初夜? 1は男だったよな)
.∧_∧
( ´Д`)「今頃……きっと、お前達さえ居なければ素肌を合わせていた筈だ」
爪;'ー`)(あっヤベェこいつホモだ!)
.
- 668 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 06:58:37 ID:ke9jwiQ20
-
.∧_∧
( #´Д`)「ああ……どうしてこんなクソどうでもいい喧嘩の為に、オレと1さんの愛が遮られるんだ?」
.∧_∧
( #´Д`)「お前が主犯か……お前が……お前がオレの恋路を邪魔したのか……!!」
爪'ー`)(そっとしておこう)
妥当な処置である。
.∧_∧
( ´Д`)「殺す」
.∧_∧
(# Д )「親衛隊の無念の数だけなァァァァァ!!」
八頭身の怒号により戦いが再開した。
八頭身は持ち前の長い手足を全力で振り回してフォックスを攻撃する。
そのリーチはまさに驚異的で、ボクシングでやるようなカウンターは全く通用しそうにない。
おまけに何故かパワーが増している。一撃に伴う衝撃が有り得ないレベルにまで達しているのだ。
爪;'ー`)(ステップを刻め! オレの動き、コイツには見えなかった!)
自分に言い聞かせ、フォックスは一旦後退した。
爪;'ー`)(バニシングステップ――)
そして彼が細やかなステップを踏み始ると、再び彼の姿が八頭身の視界から消えた。
.
- 669 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 07:19:01 ID:ke9jwiQ20
-
以前、腕を破壊された事により、フォックスの拳は著しく弱体化した。
それこそ全盛期の10分の1以下には下がりきった。それはもうボクサーの命である拳を無くした事を意味する。
だが、彼はパンチの威力を無くしたかわり、全身全霊をかけた努力の結果に一つの武器を手に入れた。
それが 『バニシングステップ』 。
超高速で相手の『死角』を踏む事により、一時的に消えたような錯覚を与える究極の足技である。
フォックスの動きは、やはり八頭身には追えていなかった。
爪#'ー`)(ここも入る!)
脇腹に一撃。
.∧_∧
( #´Д`)「このォ!!」
動きが見えない苛立ちからか、八頭身は乱暴に腕を振り回す。
そんな当てずっぽうな攻撃は当たらない。死角とは、その者にとって『完全に無意識』になる場所なのだ。
そこを寸分狂わず踏み続けるフォックスには、最早八頭身の攻撃は届かない。
爪#'ー`)「例え1ダメージでも、顔面に100発打ちまくればどうだ!!」
.∧_∧
( ;´Д`)(なっ――また前!?)
既に八頭身は翻弄されきっていた。彼にはもう、冷静な思考能力は無い。
爪#'ー`)「ブロオオオオオオ!!」
瞬間、八頭身の顔面に無数のパンチが打ち込まれていった。
止まない打撃音。パンチの数は100を超え、150を超え、そして遂に200に到達した。
爪#'ー`)「まだ倒れねぇのか!?」
.λ_∧
(##)Д:::)「お、れは……」
八頭身は既に満身創痍。
最後の一撃を振りかぶり、フォックスはそれを全力で打ち出した。
爪#'ー`)「チェストォォォォォオオ!!」
.
- 670 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 07:32:50 ID:ke9jwiQ20
-
巨漢の八頭身を思い切りブッ飛ばしたフォックス。
八頭身が飛ばされた先は噴水で、彼はそのままずるりと水中に落ちる。
.λ_∧
(##)Д:::)
爪;'ー`)「ハアッ……ハッ……勝ったぞこの野郎……!」
爪;'ー`)「超! 余裕ッス!」
夜空に向かって大声を上げる。
それはまさに、一人のファイターの復活を示していた。
.
- 671 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 07:48:46 ID:ke9jwiQ20
-
爪;'ー`)「ふへっ……ああ笑っちまうぜ……」
よろよろとハインの居るベンチへと近づくフォックス。
その情けない足取りは疲れからきたものではなく、久し振りになる本気の戦いによる脱力感だった。
爪;'ー`)「おいエアマスター。勝ったぞ。起きて自慢聞けってば」
从 ‐∀从「ん……むぅ……」
ハインの肩を揺すると僅かに反応がある。
彼女はもう気絶状態から睡眠状態に切り替わっていた。
爪;'ー`)「ほらほらほら、次は1を倒すぞ。さすがにアレは一人じゃ無理よ」
从 ‐∀从「……ん……?」
爪;'ー`)「起きてー。起きてー」
だが、その呼びかけで起きたのは別の人間だった。
.λ_∧
(##)Д:::)「オマエ」
爪;'ー`)「!!!???」
フォックスの背後で八頭身が囁く。
.λ_∧
(##)Д:::)「1さんを……何だって……?」
爪;'ー`)(避けられるか!?)
.λ_∧
(##)Д:::)「死ね」
咄嗟に反応して回避しかけたフォックス。
しかし、八頭身の長い腕を避けるには時間が足りなかった。
八頭身の片手がフォックスの首を掴み、締め上げた。
.
- 672 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 07:57:45 ID:ke9jwiQ20
-
,-∧,,∧-- 、
/ (-ω-` ) /
r-くっ⌒cソ、 / ん、投下するよ? 大丈夫>>1000までやるよ。
ノ '、 , 、 _, ' / / ちょっと横になるだけ。ちょっと腰を休ませるだけ…
.(_,. ././
,(.,_ `'ー-、_,,..ノ/
~`''ー--‐'
- 673 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:06:55 ID:ke9jwiQ20
-
.λ_∧
(##)Д:::)「1さんを倒すだって……? お前がか……!?」
爪; ー )「しっ……ぬぅ!!」
手が震えるほど強くフォックスの首を握り締める。
爪; ー )「……なんッ……動け……ッ!!」
何で動ける。
フォックスが極限状態で搾り出した声は、彼の心情をストレートに表していた。
.λ_∧
(##)Д:::)「愛だ」
.λ_∧
(##)Д;::)「オレは、1さんへの愛で動いているッッ!」
戦闘不能レベルの八頭身を動かしているのは、一重に1さんにかける狂気的愛情……!
八頭身は掴んだフォックスを高く持ち上げると、怪力とも呼べる技で勢いよくフォックスを回し始めた。
.λ_∧
(##)´Д:::)「――愛に勝る拳はねぇんだ」
次の瞬間、振り回す勢いのまま、フォックスはコンクリートに頭から叩き付けられた。
爪; ー )「〜〜〜〜!!」
声を出す間もない。
フォックスは化け物と戦ったという印象を最後に、意識を失った。
.
- 674 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:15:30 ID:jfYl83iQO
- 待っていた支援
- 675 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:16:21 ID:ke9jwiQ20
-
从;‐∀从「うーん……うるしゃ……」
二人の戦いによる騒音で、いよいよハインが目覚めようとしていた。
ハインは目を擦りながら体を起こす。
从 ゚∀从「……は?」
. λ_∧
(##)´Д:::)「よう、エアマスター」
そして、顔面凶器の大男というクッソ怖い一面が、ハインの視界に広がった。
从 ゚∀从
从;゚∀从「うおぁ!?」
ベンチから飛び起き、一目散に距離を取る。
彼女は恐怖のあまり足を滑らせてしまったが、そんな事は構わず全力で後退した。
. λ_∧
(##)´Д:::)「どうした? オレが怖いか?」
从;゚∀从「うあああああ!! 来るな!」
. λ_∧
(##)´Д:::)「ぐへへ……怯えろ、竦めぇ……!」
口から血を垂らし、顔面はほぼ10割がボッコボコ。
そんな大男が目覚めた瞬間目の前に居たという衝撃は、やはり計り知れない。
.
- 676 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:24:21 ID:ke9jwiQ20
-
从;゚∀从(なんだ!? 私どうなってたんだ!?)
从;゚∀从(フォックスと一緒に戦ってて、そんで――)
从;゚∀从「そうだフォックス! おい、フォーックス!」
/j^i
./ ;! グッ!
/ /__,,..
/ `(_t_,__〕 ←フォックスが最後の力で振り上げたサイン
/ '(_t_,__〕
/ {_i_,__〕
/ ノ {_i__〉
/ _,..-'"
/
爪 ー )(あ、死ぬぞこれ……)
バタン! そんな痛々しい音を立てて、フォックス最後のサインが地面に落ちた。
从 ゚∀从
从;゚∀从(ヤバイ……状況がまるで分からないぞ……)
徐々に迫り来る八頭身に、ハインはただ怯え、じりじりと追い詰められていく。
. λ_∧
(##)´Д:::)「お前を倒せばオレは……オレは1さんとの濃厚な初夜を……!」
从;゚∀从(1さん……こいつ、まさか八頭身とかいう奴か!?)
.
- 677 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:40:26 ID:ke9jwiQ20
-
从;゚∀从(落ち着け私! コイツは人だ! ちょっと人間離れしてるだけだ!)
. λ_∧
(##)´Д:::)「まぁ……まずは1さんのファーストキスを貰うよなァ!」
八頭身はそう言いながら、掌底打ちをハインに放った。
当たる寸前、の所で掌底を受け流し、今度はハインが攻勢に入った。
その場で八頭身の頭ほどに跳躍し、ハインは空中で旋回して後ろ蹴りを繰り出す。
超至近ソバットはモロに直撃。だが、八頭身はハインの蹴りを完全に無視していた。
. λ_∧
(##)´Д:::)「そしてお互いに、徐々に服を脱がしていき……!」
从;゚∀从(パンチ!? 重ッ――ガードごと吹き飛ぶ!!)
眼前に飛んだエアマスターを、何の躊躇いも無く右ストレートで狙い打つ。
しかもハインのガードなどお構いなしで、八頭身の拳はハインに大きなダメージを与えた。
吹き飛ばされたハインは咄嗟に両手足をコンクリートに押し付け、パンチの勢いを殺した。
ズザザザという音の後、僅かな砂煙がハインの周囲を漂う。
从;゚∀从(蹴りが効いてない……? あの女と同じ、流石母者……!)
从;‐∀从(っていうかあの人、物凄く強かった……)
一瞬トラウマを思い出したハインだが、すぐにその幻影を掻き消し、目の前の敵に集中した。
从 ゚∀从(とにかく。コイツを倒せない程度じゃあの人は倒せない!)
立ち上がり、再度八頭身を見据える。
从 ∀从(――行くよ、エアマスター)
彼女の中の 『エアマスター』 が、強者を前にして完全に目覚めた。
.
- 678 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:53:59 ID:ke9jwiQ20
-
ハインは駆け出し、八頭身に真っ向から挑みかかった。
. λ_∧
(##)´Д:::)「乳首かぁ……1さんの、乳首かぁ……」
八頭身の意識は上の空。
しかし彼の闘争本能は機能しており、迫るエアマスターに対して片足を蹴り出した。
从 ∀从(このタイミングで、膝を狙う!)
八頭身の蹴りが出てくる瞬間、ハインは彼の足を捉え、その膝を踏み付けるようにして狙い打った。
. λ_∧
(##)´Д:::)「ぬぅ!?」
更にハインは踏み付けた膝を足場に、八頭身の胴体に全力の膝蹴りを見舞った。
瞬間、骨の折れる鈍い音。八頭身の肋骨が二本、へし折れた。
そして締めに八頭身の膝に両足を乗せ、瞬間的に、一気に跳躍。
高身長である八頭身の、更に上。
そこでハインは回転を始め、やがて落下すると同時に10回転かかと落としを彼の脳天に叩き付けた。
. λ_Ω∧
(##),.メд:::)「お゙ぶずっ……」
从 ∀从(今の私に出来る――最高の連携――!)
ハインはかかと落としの反動を利用し、そのまま空中三回転を決めて着地。
一方で八頭身は攻撃を受けすぎたせいか、フラフラと体を揺らして何かを呟いていた。
.
- 679 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 10:57:05 ID:BIBimM2o0
- 8頭身ーー!!
- 680 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:00:09 ID:ke9jwiQ20
-
. λ_Ω∧
(##),.メд:::)「1さん……1さん……1さん……!」
. λ_Ω∧
(##),.メд:::)「……ぁ……」
最後の一言は、とてもか弱いものだった。
八頭身、回り続けたコマが呆気無く止まるかのように気絶。
彼は大の字になってコンクリートに倒れた落ちた。
从 ゚∀从「……やった、か」
. λ_Ω∧
(##)メ゚゚д゚゚:::)「だお゙れ゙な゙い゙!!」
从;゚∀从「…………嘘でしょ………」
その根性とタフさには、思わずハインも苦笑いを浮かべた。
.
- 681 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:06:32 ID:ke9jwiQ20
-
. λ_Ω∧
(##)メд`:::)「はは……」
. λ_Ω∧
(##)メ゚゚д゚゚:::)「ごぼブハァッ!」
フラフラになりながら立ち上がった八頭身は、吐血しながらも笑みを絶やさない。
今もなお、彼の頭の中には1さんとの桃色の情事が浮かんでいるのだ。
. λ_Ω∧
(##)メд`:::)「ああ、いいなァ……そうだよ、そこが気持ち良いんだ……」
从;゚∀从「なんだコイツ……なんだコイツ!?」
さすがにドン引きである。
よもやここまで攻撃を浴びせた上、しかもまだ立ち上がってくるとは……。
. λ_Ω∧
(##)メд`:::)「エアマスタァ……オレは止まらんぞ……」
. λ_Ω∧
(##)メд`:::)「今夜は……初夜なんだからな……!」
从;゚∀从(逃げていい!? 逃げていいかなフォックス先輩!)
爪; ー )b (ダメ)
テレパシー的なアレである。
.
- 682 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:12:13 ID:ke9jwiQ20
-
. λ_Ω∧
(##)メд`:::)「ッ!! この香りッ!!」
もう逃げ出す寸前だというところで、八頭身が急に俊敏な動きで辺りを見回した。
从;゚∀从(動ける!? まだ動ける!? あんなにハキハキと!?)
. λ_Ω∧
(##)メд`:::)「1さんだ……この香り……間違いなく……!」
. λ_Ω∧
(##)メд;:::)「い゙ぢ ざん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!!」
その動き、最早人間のモノではない。
八頭身は野性味溢れる動きでどこかへ駆けて行った。
そして間も無く、八頭身はまるで人間が変わったかのように平然とした顔で帰ってきた。
.∧_∧
( ´Д`)「エアマスター、1さんから話がある」
从;゚∀从(心が、折れた)
((( )))
( ´Д`)「始めまして、エアマスターさん」
八頭身の陰から、これまた普通の青年が顔を見せた。
その常識的な第一声は、ハインを大いに安心させたのだった。
.
- 683 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:18:13 ID:ke9jwiQ20
-
((( )))
( ´Д`)「この度は身内の統率を怠り、親衛隊の面々が大変失礼を働いたかと思います」
从;゚∀从「あ、はい……」
何と言うか、拍子抜けだった。
八頭身のような化け物が慕う相手、一体どんな怪物かと思ったが、目の前の青年はとても誠実かつ常識的である。
それが逆に不気味で、ゾクゾクと鳥肌が総立ちする。この気味悪さは、一体なんなのだろうか。
((( )))
( ´Д`)「もう他の親衛隊は撤退させました。明日にも田舎へ帰るよう言ってあります」
((( )))
( ´Д`)「不躾なお願いですが、どうか今夜はお引取り下さい……」
从;゚∀从「あの……なんかごめんなさい……」
((( )))
( ´Д`)「ありがとうございます。それでは」
テキパキと話し合いを終わらせた1さんはハインに頭を下げると、そのまま来た道を戻っていった。
.
- 684 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:20:56 ID:ke9jwiQ20
-
.∧_∧
( ´Д`)「良い人だろう」
从;゚∀从「……そう、だな」
.∧_∧
( ´Д`)「惚れたか?」
从 ゚∀从「それはない」
.∧_∧
( #´Д`)「逆にムカつく答えだな……まぁいい」
.∧_∧
( ´Д`)「とりあえず言っとくが、1さんはオレより強いからな」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「えっ」
そんな衝撃的なセリフを最後に、1さん親衛隊との戦いは幕を閉じた。
.
- 685 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:22:43 ID:ke9jwiQ20
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>633-684 同上 (後編)
やり終えた感が凄いです。
また少し間を置いてから再開します。
- 686 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:23:46 ID:ke9jwiQ20
- 安価ミス
4の後編は >>663‐684 です
- 687 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:28:01 ID:ke9jwiQ20
- うーんこの寝惚けっぷり
>>663-684で合ってるはず。間違えてたら次スレ確定するレベル
- 688 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:32:24 ID:BIBimM2o0
- ひとまず乙
- 689 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 11:36:45 ID:Z053/qXg0
- 1さん、あんな態度で八頭身より強いのか
- 690 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:01:18 ID:ooTDPauU0
- 乙
八頭身と長戸の親和性凄いな
- 691 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:13:47 ID:ke9jwiQ20
-
┌──────────────────────────────────────────────────┐
│ \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::///|::/ {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::! ...│
│ あ を 凍 捨 l .:.:.:.:.:.:.:.:::::::::/ : ! |:f ,:::::::::::::::::ト,::::::i::::::',:::::::::::::::::::::::::::::::::| │
│ l.:.:.:.:.:.:.:.::::::::/ ! | |:| :,::::::イ::::::| ,:::::|:::::::i:::::::::::::::::::::::::::::< そ お た .│
│ る 助 え て |.:.:.:.:.:.:::::il: :′ |::| |:| :::/ |:::::::| ',::::ト.:::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::! ......│
│ |.:.:.:.:.:.:.:::|l::|__|::| |:| j:{ ∨:::| :,::l ∨:!::::::::::::::::::::::::::::::::| の ま と │
│ と .け て ら |.:.:.:.:.:.:.:::|| |__j::| |:{ /:ハ V::|ニ}:lニ!::ハ::::::::::::::::::/ ̄ ̄` ......│
│ |.:.:.:.:.:.:.:::|| |込戎イ|ハ! ':/ヘ: zⅥ仗戎:::| l:::::::::::::::/ 昔 え え ...│
│ し .た い .れ |.:.:.:.:.:.:.:::|ハ| !! ': :'/ :′ ':| || l:::| |::::::::::::/ 幼 ....│
│ >.:.:.:.:::::l! l! | 〃 { ', l! l! j:リ |:::::::::::′ ・ ら ば ......│
│ よ .こ る て |.:.:.:.:::::::::|! l| | / . | // !::::::::::| き ・ ......│
│ |.:.:.:::::::::::|', li / '. | /:' j:::::::::::| ・ が .│
│ う と 仔 |:l.:.:::::::::∧', , / ヽ ノ l / /::::::::::::| 頃 │
│ |:|:.:::::::::::::ヘ: ヽ /:::::::::::::::! .│
│ ・ が 犬 |:|:::::::::::::::l ヘ ___ /j:::::'::::::::::| ・ .│
│ ・ /::|:::::::::::::::l', ヽ '´---一` イ/:::/::::::::::::! ・ .│
│ ・ /:l.:.|:::::::::::::::| , \ ー一 / / イ::::::::::::::| ・ .│
│ /|八ハ::::::::::::::ト.ヽ \ / 〃 .イ:::::::::::::::| .│
└──────────────────────────────────────────────────┘
- 692 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:14:41 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第五話 「ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!」 / ̄ ̄\
| で ...|
| も ...|
_ -=≦::::::ミ、:::::::::::::::::::::::::::::ムイ/! 〃 | ..|
三=-:二¬三≡=--―――――<ー‐-ミ:::::::::::::::::::::::::::'.::::::::::::::::::ノ':::レ'/ < 死 ..|
≡ニ三-.:.: : : :.:.:ァ‐<.: .: .: .:./: : .: .: .: : :-=≦::_::二:::::::::::::::ヾ::::::l::::,::':::::::::::::::::::/ イ | ね ..|
二三≡=-: : : :/:./: .: .: ':/: l: .: .: .: .: .: .:.: .:∠::_:::::::::::-‐:::::::::::丶:::::::::::::::::::::://:/!ヽ \__/
三≡=- l : .:/: .i l: .: .: .: .: .: .: .: .: .:.:.://::::::::::-‐:::::´:::::i:::::::::::::::::://:/ j!: : \
三≡=- : : .: .: .: .: .: .: .: .: : :ノイ/:::/:´:::'::::/::::::::::':::丶:::::::::::::∠ :.:ノ′.: : :\
 ̄ ¬≡=-ニ:<.:.: .: .: .: : :/' /〃:::/::::,'::::::::::::::',:::::::ヽ、::::::::::_彡'.: .: .: .: : :丶
` < : : : : :|' |:: イ::::::!:::::::::::::::::'、:::::::::\_:≧=-.: .: .: .: .: .:.:.:.'.
< l/ ハ: :.|'.::::::::::::::::::丶、ミ:::ヾ: : : : -‐- 、.: : : : :|
`丶∧::| ヽ::::::l:::::::ト、::_>\! /.: : : : :ヾ : : : :j
/ ヽ!、: :\ト、_:≧=-: : : :/: : : : : : : : ハ:.:.:./
i | \ : :/: : : : : : : :〈.: .: .: .: .: .: : : '. /
八 / ヘ {.: .: : : : : : : :j ゞ .__: : 彡 : :}′
ヽ{ /: : : : : : : : :/: :\: : : : : : ノ
'、.: .: .: .: .: .: |、.: .: .: .:.:.:.:./
〉、.: .: .: : : j:.:ヽ.: .:.:.:.:/}
i: : `ー一 ´.: : :`  ̄´ :/
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| : .: .: .: .: .: .: .: : :/
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- 693 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:19:10 ID:ke9jwiQ20
-
学校である。
_
( ゚∀゚)「ほうほう、そんな事が……」
从;゚∀从「そう。あいつ、マジで化け物だったんだから」
なんやかんやで無事退院できたジョルジュと並び、ハインは廊下の窓際で適当に駄弁っていた。
こないだの一戦から数週間。
習慣的に戦う事は多々あったが、八頭身ほどの相手が現れる事はなく、平和な日常がぽかぽかと過ぎるばかりだった。
从;゚∀从(……でも、杉浦ランキングにはアレより強いのがゴロゴロ居るのか……)
最強の武術であるスナイパー空手を史上空前の激闘の末、なんとか辛勝。
ハインリッヒ高岡ことエアマスターは、現在、杉浦ランキングの15位に収まっている。
かくしてランカーになったはいいが、杉浦から渡された携帯電話には今まで一回も連絡が入っていない。
そんなに奴は忙しいのか、あるいは15位程度のエアマスターに用は無いという事か。
从;‐∀从「……はぁ……」
ハインは流石母者、八頭身との連戦により、もうズタボロになるほど自信を打ち砕かれていた。
ネガティブな思考はそのせいだった。
.
- 694 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:24:27 ID:ke9jwiQ20
-
_
( ゚∀゚)「杉浦ランキング、か……」
ふと、らしからぬ声色でジョルジュが呟いた。
_
( ゚∀゚)「俺は俺より強い奴に会いに来た。
だから、こんな状況でも少し、喜んでる……」
从 ゚∀从「……で、いつリベンジするの?」
_
( ゚∀゚)「ランキング9位、ギコ……同じ我流拳法の使い手として、次は必ず勝つ」
_
( ゚∀゚)「だから」
从 ゚∀从「ん?」
_
( ゚∀゚)「揉ませろ」
从 ゚∀从「はっ倒すぞ」
とても平和である。
.
- 695 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:31:24 ID:ke9jwiQ20
-
_
( #゚∀゚)「揉んで減るものでもないだろ! 何故だ!?」
从;゚∀从「倫理的な問題を考えろ! なんかこう……代わりの物で特訓できないの!?」
_
( ゚∀゚)「マウスパッドは小さすぎる!」
从;゚∀从「挑戦済みだった!」
爪'ー`)ノ 「うぃーっす」
o川*゚ー゚)o「相変わらずやってるねー」
从∀゚;从≡ 「先輩助けて!」
o川*゚ー゚)o「私この人に乱暴されました」
_
( ゚∀゚)「こんにちは。今日も空が美しい」
以下、同じような光景が続くので割愛。
時刻は、放課後の夕方頃へと加速するのであった。
.
- 696 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:40:01 ID:ke9jwiQ20
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
放課後。
商店街を友達のペニサスと一緒に歩いていると、ペニサスは急に立ち止まって言った。
('、`*川 「あのさぁ……」
从 ゚∀从「 ? どうかした?」
('、`*川 「最近なんか……」
そこまで言って、彼女は言葉を途切らせた。
从 ゚∀从「……何? 変な事でもあった?」
('、`*川 「……逆。変な事があったの、ハインの方じゃない?」
从;゚∀从「ウェッス!?」
図星すぎて思わず声が漏れる。
するとペニサスは 「やっぱり……」 と言って呆れたように首を振った。
('、`*川 「最近よく喋ってるよね。フォックス先輩とか、長岡とか……」
女の勘というものは、鋭くハインの秘密に差し迫っていた。
実はハイン、普通の友達であるペニサスには、自分がエアマスターである事を秘密にしているのだ。
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- 697 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:45:37 ID:ke9jwiQ20
-
从;゚∀从「べ、ヴェッつに何も無いけどどどど?」
('、`;川 (分かりやすいなぁ……)
从;゚∀从「そんな事より! ゲーセン行ってゲームしよ、ゲーム!」
('、`;川 「うわっ! いきなり引っ張らないでよ!」
ペニサスの手を引いて走り出す。
ハインはこういう普通の高校生活も、大切に思っているのである。
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- 698 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:49:56 ID:ke9jwiQ20
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│ λ .│
│ `寸三三三三三三三三三三三三.三三ミ/ ......│
│ `ミ三三三三三三三≦三´三三三三ニ‖ ...│
│カキィィィィィン!! ``r三三三≦三´三三||} ̄ ̄`¨¨¨´ .....│
│ 》‖三/《 「勝ったな」 .....│
│ {|‖三/|} ....│
│ `寸三三三三三三三三ミ∧__∧三三三三三} │
│ `マ三三三≦三´三:::(・ω・` )ミ/ ̄ ̄`¨´ .│
│ `¨ ̄ ̄}三ニハ三ヽoOOO''o_- ......│
│ /i三/ ( <:::::::天::::::::>ヽ ヽ │
│ 4三三/ / ,|:::::::::::::::::|ヽ ゝ 》》. .│
│ /三ニ三/ ,< )ヽ,━━./( / l三.\ .│
│ .+三ニ,+゚ ヽ i /::::::::::::::ヽ i .r }三三| │
│ 4三ニ三/ u!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| iu!, _ _-=≦三ミノ .│
│ 4ニ三ニ/ |::::::::∧::::::::|三三三三三三} ......│
│ _/三>゚ |::::::::| |::::::::|三三三三三ニ彡´ │
│  ̄ |::::::::|. |::::::::|`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´ │
│ <⌒`ヽ--つ ノ;;;;;;;;r. |:::;::;:::レ ......│
│ <__つ_つ 'ーー" "ーー" .│
│ .│
└─────────────────────────────┘
从;゚∀从「うおおおお! また負けた!」
('、`*川 「初心者狩り、最高です」
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- 699 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 12:56:34 ID:ke9jwiQ20
-
かくしてゲーセンで格ゲーに勤しむ女子高生二人。
どうして女子高生が青春の一部を費やしてるのかと考えると死にたくなるが、そこら辺は既に慣れっこだった。
从#゚∀从「クソゲー乙! ちょっとジュース飲んでくる!」
('、`*川 「はいはい、早く戻ってきなよー」
从#゚∀从「絶対おかしい! あんなめくり見えないって普通!」
捨て台詞を延々漏らしながら、ハインは筐体から離れていった。
その瞬間。
('、`*川 (乱入……?)
こんな女子高生に挑んでくる変な奴が居たもんだと、ペニサスは乱入者の方を覗き見た。
(,,‐Д‐) ペコッ
('、`;川 (リュウ!?)
衝撃的な邂逅だった。
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- 700 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 13:06:16 ID:ke9jwiQ20
-
从#゚∀从(まったく! 何が格ゲーだよ! 私が戦った方がまだ強い!)
自販機でジュースを買ったハインは、風に当たろうと裏口から外に出た。
だが、僅かに夕日差し込む裏道に出たハインは、そこで見慣れた光景に出くわした。
( "ゞ)「――飛べ」
長身ロン毛の男が、低い声で確かにそう言った。
そう言った次の瞬間、そのファイトの相手は遥か30メートル先にまで蹴り飛ばされていた。
从;゚∀从(この感じ……ッ!)
流石母者、八頭身が放っていた謎の威圧感。
それと同様のものを放つ男、一人。
( "ゞ)「……」
デルタ関ヶ原――!
.
- 701 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 13:23:45 ID:ke9jwiQ20
-
( "ゞ)「……お前ぇ……」
やけに間延びする声で、デルタはハインを見つめながら続ける。
( "ゞ)「……なんの用だ……?」
タンッ。
その瞬間、デルタが一歩前に踏み込んできた。
ハインは咄嗟に両腕を胸のところで固め、男を30メートル蹴り飛ばしたあの蹴りに備える。
目にも留まらぬ速さでデルタの蹴り放たれ、ハインのガードに接触する。
途端、電流が走り抜けていくような痛みと衝撃が彼女の全身にズドンと伝わった。
流石母者の一撃とも、八頭身の怪力とも違う。デルタの蹴りには、それとは違う何か別の力強さが迸っていた。
从;゚∀从「こ、んのォ!!」
だが、ハインもそう簡単にはやられない。
彼女は対ルチャマスター戦の事を想起し、あの時と同じ要領で、相手の攻撃に身を任せた。
すると彼女は蹴りの衝撃に身を任せて吹っ飛んだが、それはまるで風に乗って飛んでいるかのように優雅だった。
空中に舞ったハインは建物の壁面に足をつけ、そこから更に反対側の壁面に飛んだ。
そうしてジグザグの軌道を描き、間も無く、ハインは地面に帰ってきた。
( "ゞ)「……」
タンッ。
息つく間も無く、デルタの蹴りが更に迫る。
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- 702 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 13:35:19 ID:ke9jwiQ20
-
从;゚∀从(行けるッ! スナイパー空手――!)
デルタの蹴りに合わせ、お馴染みの最強武術スナイパー空手を放つハイン。
彼の膝を正確に狙い撃ち、そこから一気にカウンターを仕掛けるというスナイパー空手の王道戦術で挑む。
( "ゞ)「もう一度……飛べ」
彼の膝を踏み付ける様に打ち落とす、その接触の瞬間だ。
先程と同じ痛みと衝撃が、ハインの足を一気に突き抜けた。
从;゚∀从(私の足が負けた!?)
デルタの蹴りはスナイパー空手の狙撃を優に超え、ハインの腹部に鋭く突き刺さった。
今度のは吹き飛ぶような蹴りではない。内側、内臓に響き渡る衝撃だった。
从; ∀从(なんだコイツ……って、また同じ事言ってるし!)
ハインはガクッと地面に跪き、猛烈な嗚咽感から胃液を少し吐き出した。
スナイパー空手の狙撃で威力が下がっていなければ、恐らくハインは思い切りゲロをブチまけていただろう。
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- 703 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 13:47:35 ID:ke9jwiQ20
-
( "ゞ)「飛ばんのなら消えろ」
たとえ女相手でも、彼に容赦は無い。
跪くハインのアゴを蹴り上げようと、再び彼は大きく振りかぶった。
从; ∀从(なんか技無いか!? パッと使えそうなの――)
_
(# ゚∀゚)「転がしちまえ、グラップに持ち込むんだ!」
どこかでジョルジュの声が聞こえた。
そのアドバイスはハインの脳を素通りし、そのまま彼女の体を動かした。
跪く姿勢のまま、デルタの軸足を両手で掴む。
_
(# ゚∀゚)「手前に引っ張れ! エアマスター!!」
从# ゚∀从「あいさァァァ!!」
言葉通り、デルタの軸足を一気に引っ張る。
( "ゞ)「……!」
デルタの蹴りは、ハインの頬の一寸先を過ぎた。
そして軸足を失ったデルタは、バナナの皮ですっ転んだかのように大々的に転んだ。
.
- 704 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 13:53:26 ID:ke9jwiQ20
-
( "ゞ)「……」
仰向けになって転ばされたデルタは、
今まさに回転中落下中の、ハインの10回転かかと落としをじっと見上げた。
( "ゞ)「エア、マスター……」
从# ゚∀从「ずぇぇぇぇああァァァ!!」
全力に全力をかけた10回転かかと落とし。
それはデルタの顔面に直撃し、ドン! という鈍い音を鳴らした。
.
- 705 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 13:59:51 ID:ke9jwiQ20
-
_
(; ゚∀゚)「やったか!?」
从;゚∀从「それ禁句!」
駆け寄ってくるジョルジュが縁起でもない事を言ったので、ハインは思わず「やったか!?」を禁句とした。
「やったか!?」で復活した八頭身の悪夢が甦るのはNGである。
目を閉じたまま動かないデルタを見下ろす二人。
さすがにもう動かないか。ハインはかなり警戒してデルタを観察したが、それも杞憂に終わった。
从; ゚∀从「何だったんだコイツ……」
また同じ事を言ってしまうハイン。
_
( ゚∀゚)「何でもいいだろ。それより中に入れよ」
从 ゚∀从「え? まぁ戻るけど……」
_
( ゚∀゚)「ギコとのリベンジマッチだ」
ジョルジュは自信満々に言うと、一人足早にゲーセンに帰った。
_,
从 ゚∀从(リベンジマッチって事は、ゲーセンの中で戦うのかな……)
やっぱり状況がよく分からないまま、ハインもジョルジュの後を追った。
.
- 706 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 14:03:20 ID:ke9jwiQ20
- 眠いので5時まで寝ます
そろそろ疲れてきました。これ明日もやるんだぜ信じられるかよ
- 707 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 16:21:08 ID:jFda0b320
- >>1ならできるさ
- 708 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 17:32:03 ID:jFda0b320
- もう五時半だぞ
- 709 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 17:35:25 ID:ke9jwiQ20
- 6時から再開しますよ
このまま寝てたいがな(渺茫戦長戸)
- 710 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 17:37:51 ID:jFda0b320
- まあ無理はせずに
- 711 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 18:00:29 ID:ke9jwiQ20
- 腹が減ったのでご飯食べてからにします
(予定適当で)すまんな。7時には始まってると思います。
- 712 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 18:29:28 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(,,゚Д゚)「待ちかねたぞ、エアマスター」
大会用の巨大スクリーンを背にして待っていたのは、リュウのコスプレを自信満々で身につけている男、ギコ。
_
(; ゚∀゚)「おっと! ずうずうしくて悪いが俺が先だぜ」
(,,゚Д゚)「……リベンジか。いいだろう、相手になってやる」
从;゚∀从「……気ぃつけろよ」
_
(: ゚∀゚)「分かってる! 秘策もある! 万全だ!」
杉浦ランカーの実力を少なからず体験しているハインは、
ランキング9位というギコの実力が 『化け物』 の域である事を察知していた。
だが、野暮は言わない。
从;゚∀从「……」
_
(; ゚∀゚)「あいつに勝ったら揉んで良い……確かに聞いたからな!」
言わなかった筈なのだが、なぜか変な約束が取り付けられてしまった。
.
- 713 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 18:40:06 ID:ke9jwiQ20
-
ゲーセンに来ていた客の大半は、実写版リュウの戦いが見れると聞いて大きなリングを作っていた。
その人で作られたリングの只中に二人は立っており、戦いは、いつ始まっても不思議ではなかった。
_
( ゚∀゚)「……ところで、お前リュウなんだってな」
(,,゚Д゚)「……だから何だ」
_
( ゚∀゚)「波動拳出してみろよ」
(;,,゚Д゚)「ッ!」
_
( ゚∀゚)「出せないのか? じゃあリュウとは呼べないよなぁ?」
(;,,゚Д゚)「黙れ! ……あれは、無理だ」
_
( ゚∀゚)「まぁそう気張るなって。戦う前に出し方、教えてやるよ」
ジョルジュはスタスタとギコに歩み寄り、僅かな沈黙を挟んでから続けた。
_
( ゚∀゚)「こう」
(,,゚Д゚)「茶番はいい。さっさと戻れ」
ジョルジュは、ギコの腹部に両手の平を当てた。
そして音が出るほど大きく息を吸い、次の瞬間――
_
(# ∀ )「双――按――ッッッ!!」
ジョルジュの掌からギコの体に向かって、圧倒的な“気”の塊が一気に送り込まれた。
.
- 714 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 18:48:35 ID:ke9jwiQ20
-
(#,,゚Д゚)「通じんぞ! 安い不意打ちなどォッ!」
_
(; ゚∀゚)「ブッ込んだぜ、出せるだけの“気”をな!」
(#,,゚Д゚)「世迷言だ!」
超近距離の二人。
ギコはバックステップで後ろに下がり、嫌な汗を垂らしつつ冷静に考えた。
(;,,゚Д゚)(セービングで受けたはいいが……次、耐え切れるかどうか……)
セービングとは、スト4で用いられる攻撃方法の一つである。
相手の攻撃を一発だけ耐えられるというこの技を、ギコは『やせ我慢』という形で再現していた。
_
(; ゚∀゚)(入った! 付け焼刃の双按、ありがとう!)
一方、双按とは内臓に直接響く“浸透勁”の技の一つである。自分の気を弾丸とし、相手の体内に気を送り込んで内側を攻撃する。
これを何とか付け焼刃で習得したジョルジュは、不意打ち上等の覚悟でギコに技をしかけ、そして当てた……!
(,,゚Д゚)「……成る程。確かに波動拳っぽい攻撃だった。だが、無意味だ」
_
(; ゚∀゚)「やせ我慢すんなって。もうゲロ吐いて楽になりたい気分だろ?」
(,,゚Д゚)「いいや。すっかり万全だ」
(#,,゚Д゚)「行くぞ」
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- 715 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:05:19 ID:ke9jwiQ20
-
(#,,゚Д゚)「すかし下段!」
ダッシュしてジョルジュに近づき、下段の小足を三連打。
一撃に大したダメージは無い。しかし、小足は確実にジョルジュの動きを止めていた。
(#,,゚Д゚)「鳩尾砕き!」
小足、からの→強P。
その技の通り、ジョルジュの鳩尾にギコの拳が減り込む。
(#,,゚Д゚)「昇ッ! 竜ッ! 拳ッッッ!!」
_
(; ゚∀゚)(大ゴス昇竜! 調査済みだ!)
昇竜拳――自分ごと空中に飛び上がるアッパーカットへとコンボを繋げたギコ。
だが、コンボが分かっていれば対抗策はある。ギコは昇竜拳を両腕を交差させて防ぐと、その衝撃に身を任せて空中に飛んだ。
从;゚∀从「打撃吸収!?」
先程ハインがやった技を、ジョルジュは咄嗟に自分の技として取り入れたのだ。
(;,,゚Д゚)(こんな避け方――!)
ジョルジュは衝撃で空中へ、ギコも昇竜拳の跳躍で空中に居る。
_
(; ∀゚)(対エアマスター用の必殺技、テメーがその実験台だ!!)
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- 716 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:09:58 ID:CLIIe0YA0
- アツいな
- 717 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:18:08 ID:ke9jwiQ20
-
(;,,゚Д゚)「なッ!?」
ジョルジュは空中でギコの体を掴み、彼の腕と足の関節を瞬く間に極めた。
_
(; ∀゚)(――プラス、遠心力!)
次いで10回転かかと落としの要領で、関節を極めたまま空中で回転。
(;,,゚Д゚)「おおおおおお!!?」
空中で動く事は最早不可能であり、ギコは全ての衝撃を一身に受け、床に顔面から落とされた。
从;゚∀从「……勝った……?」
思わぬ空中戦とあっという間の短期決戦に、ギャラリーは唖然として沈黙を破らない。
(;,, Д )
_
(# ゚∀゚)「エアスピンドライバーだオルルァ!!」
だが、立っているのはジョルジュで、気絶しているのはギコ。
この戦いの勝敗は誰にとっても明白だった。
「うおおおおおお!!」
必殺技が叫ばれると、ギャラリーもそれにつられて大歓声をジョルジュに浴びせた。
圧倒的充足感。ジョルジュはリベンジ成功を喜び、更に雄叫びを上げ、拳を空中に突き上げた。
_
(# ゚∀゚)「うおおおおおおおおおおお!!」
.
- 718 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:25:07 ID:ke9jwiQ20
-
( "ゞ)「――黙れ」
_
( ゚∀゚)「はえ?」
突然の一言。そして、勝利の余韻はあっという間に掻き消された。
しなるように放たれたデルタの蹴りは、彼に防御を取らせる間を与えなかった。
_
(; ∀ )「がぁっ……はッ……!」
背後から脇腹に一撃。
ジョルジュはゲーセンの壁面まで風を切ってブッ飛ばされ、間も無く、力無く地面に落ちた。
.
- 719 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:31:27 ID:ke9jwiQ20
-
ギャラリーの歓声が再び沈黙に戻る。
ギコを倒したジョルジュを一撃で倒したデルタを前に、皆一様に言葉を失ったのだ。
从;゚∀从「おい、ジョルジュ!?」
ハインは壁際に倒れたジョルジュに駆け寄って声をかけた。
微かに声はある。気絶もしていないようだったが、動くのはとても辛そうだ。
( "ゞ)「エアマスター、とか言ったな」
( "ゞ)「ちょっと付き合え」
ぶっきら棒に言ったデルタは、しゃがんでいるハインの肩を掴んだ。
从 ゚∀从「……今の私、機嫌悪いよ」
( "ゞ)「構わん。ついて来い」
从 ‐∀从「その前に一つ」
立ち上がり、デルタを見つめる。
从 ゚∀从「さっき、倒したよね」
( "ゞ)「いや、お前に感動して寝ていただけだ」
八頭身の悪夢、再来である。
.
- 720 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:39:46 ID:ke9jwiQ20
-
('、`;川 「ちょっ……と待ったァ!」
その声と共に、ギャラリーの中を掻き分けてペニサスが現れた。
ハインは一瞬ポカンとして彼女を見つめたが、すぐに危険を察知し、ペニサスの前に一瞬で飛び出した。
( "ゞ)「邪魔するな」
从;゚∀从(コイツ誰でも蹴るのかッ!!)
ペニサスを庇い、デルタの蹴りを受け止める。
ここでも活躍するのが、我らが最強武術スナイパー空手である。
先程は片足で狙撃したが、この蹴りは両足で狙撃。
両者に威力の差は殆ど無く、デルタの蹴りは未然に防がれた。
('、`;川 「……えっ……?」
ファイターでもない彼女には、何が起こったのかまるで見えなかった。
ただ、何かとてつもない気配が自分の周りを駆け抜けたのが理解できた。
从#゚∀从「ペニサスは友達だ! 蹴っ飛ばしたら……殺すぞ……!」
( "ゞ)「むぅ……」
.
- 721 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:48:06 ID:ke9jwiQ20
-
('、`;川 「――ハイン! さっさと帰ろう!」
ペニサスはそう言ってハインの服を引っ張り、出口へ行こうと強く促した。
彼女が自分の事を心配しているのだと気付くと、ハインは自然と笑みを浮かべた。
友達を作るのが苦手なハインにとって、彼女の存在はとても大切なものだった。
从 ゚∀从「……ありがとう」
しかし、今の私は 『エアマスター』 だ。
ペニサスの手を振り解き、ハインは優しく言う。
从 ゚∀从「お願い、先に帰ってて。また明日、学校でね」
('、`;川 「なんでや!」
ギャラリーの波に揉まれ、二人は完全に別れた。
そして
( "ゞ)「行きつけの店があるんだ。そこに行こう」
从 ゚∀从「……どこへでも」
ハインもデルタにつ付き添ってゲーセンを後にした。
.
- 722 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 19:58:13 ID:KmKvoFeI0
- 関係ないやろ!
- 723 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 20:02:02 ID:ke9jwiQ20
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从「おいちょっと待て」
( "ゞ)「……」
何やら怪しくライトアップされたピンク色の建物。
それはまさしく、ラブホテルという名の 性のアミューズメントパーク――!
从;゚∀从「なんだお前……なんだお前!?」
( "ゞ)「早く中に入って入れて温まろう、エア……」
从 ゚∀从
从; ∀从(駄目だァーッ! 性犯罪者だったァーッ!)
.
- 724 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 20:24:45 ID:ke9jwiQ20
-
( "ゞ)「……エアは恥ずかしがり屋なんだな」
ニッコリと笑うデルタ。
だが、その手はハインの手を握って離さない。
( "ゞ)「近くに広場がある。クレープでも買って食べるか」
从;゚∀从「離せ! うおおおおお! 離せぇ!!」
从;゚∀从「っていうか何でラブホに連れてきた!? 乱暴する気なんでしょ!」
エロ同人みたいに!
(´^_ゝ^`)「ぐへへへ〜! いっぱいパコパコしようねぇ〜〜〜〜!!」
( ∵)「アタシは高い女よ」
せっせと取っ組み合う二人のところに、
これからラブホテルで情事に走ろうというオッサンと顔面センターの女がやってきた。
(´・_ゝ・`)「ん……?」
( ∵)「うっそーめっちゃジャマなんですけどーウケルー」
从;゚∀从「――あっ!」
( "ゞ)「……」
もう手遅れだった。
(;´゚、ゝ゚`)「ぶるああああ!?!?」
オッサンの方は、即刻デルタに蹴り飛ばされてしまった。
.
- 725 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 20:40:25 ID:ke9jwiQ20
-
(;∵)「ハァーン!?」
( "ゞ)「お前、ちょっと顔のパーツおかしいぞ」
続けて、デルタの膝蹴りが女の顔面に直撃。
顔面センターがブッ飛び、オッサンの上にドサリと落ちた。
( "ゞ)「何が食べたい? エア……いや、友達はハインって呼んでた……」
( ",_ゞ)「じゃあ、俺もハインと呼ぶことにしよう」
(#´"゚_ゝ゚゛`)「ガキぃ……いきなり何してくれんだァ!?」
立ち上がったオッサンには怒りの色が窺える。
オッサンはデルタの眼前まで来ると、デルタの胸倉を掴み上げて脅しかけた。
(´^_ゝ^`)「大人をなめない方がいいってさぁ……」
(#´・_ゝ・`)「教わらなかったかなァ!?」
大きく振り被ったパンチがデルタの右頬を殴りつけた。
しかしデルタは顔色一つ変えずにハインを愛情たっぷりに見つめている。狂気的だった。
(;´・_ゝ・`)「……」
( "ゞ)「……邪魔するな、歩く加齢臭ごときが……」
その後の展開は予想通りである。以下、省略。
.
- 726 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 20:46:40 ID:ke9jwiQ20
- 休憩します!
- 727 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 20:48:05 ID:ooTDPauU0
- 一撃耐えた歩く加齢臭さんは中々の強者
- 728 :名も無きAAのようです:2012/11/03(土) 21:58:36 ID:ke9jwiQ20
- __、ーvヘl`Y´レイ‐z__
>.`,.-──‐-..、<_ 実を言うなら‥‥‥‥
ブ/:::‐-:、;;;;;;;::-‐::::\ヽ
イ゙l:::::::‐-:、;;;;;;;;;;;::-‐:::::::l 「 一日目に>>1000まで埋めることも
. {:|_‐==ミ、:::::::::;a==‐:」:} できたっ‥‥‥!
. r'= 〉:;三≧゙;:::::'≦三:_:〈.rメ、
{に||:::==゚〈:a:。:〉゚== ::||う.} わしの実力を
人ヒl| r9ニ´/:a;‘'ヽ`ニヽ::lレ'人 もってすればなっ‥‥‥!
_Z,.ノ<二二ゞ;_∠二二>゙ー:ゝ_
-‐''", i lii.li.{:iヾミヨヨヨヨヨヨヲノ:}li.ili.l i:.`'''ー- しかし‥‥
:il|il|il|l| |l|||ハ \_.・ ー一 。_/ /|||||l| ||l|il|li;l
|||||||||| |||l|||:\、フ^¨二二,ヽ,ノ´:||||||| |||||||||| もう少しだけ休む‥‥‥!
|||||||||| |||||||: ://´,ー─- 、゙>、||l|||l| ||||||||||
|||||||||| ||||||レ' '/ ,二二,ヽ,〉、ヾ|||||| ||||||||||
|||||||||| |||l「 _,.,イ_厂\゙┘ヽ` .ヾ|| ||||||||||
|||||||||レ'´ /:{{{{ {:. };>、_ ヽ||l|||||||
||||シ'「| , ′:ヾミ;、 ; ジ´.:`ヽ、 ヾ!||l||
シ´.:i| | ,イ|_: : :/||li|: |: : : :_;|||ヽ. 「|\
il||| l /::|.|:`メ:-|i|l:: { |-‐''´::|||/ハ. | |i:.
- 729 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 00:52:52 ID:BdLRG2HgO
- 実力はまさか‘埋め’じゃないだろうな!
- 730 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 18:22:30 ID:GBiueLaE0
- 9時頃から再開しますよ!
また朝までやると思います!
- 731 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 21:17:58 ID:GBiueLaE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ハイン必死の説得により、彼女はデルタを広場まで引っ張る事に成功した。
美味いと評判のクレープを二つ買い、ベンチに座ってそれを食べる。
ようやく落ち着いて話が出来そうだと感じたハイン。
ハインはクレープを食べ終えると、なるべく落ち着いた声で話し始めた。
从 ゚∀从「あんた、ストリートファイター?」
从 ゚∀从「――強いの?」
( "ゞ)「……戦うか。さっきのは邪魔が入ったしな」
勝手に立ち上がろうとするデルタを、ハインは彼の手を掴んで引き止める。
从 ゚∀从「待って。もう一つ聞きたい事がある」
从 ゚∀从「名前。あんたの」
( "ゞ)「……デルタ関ヶ原」
从 ゚∀从「そう……デルタ関ヶ原ね。もう知ってるらしいけど、私はハインリッヒ高岡」
( "ゞ)「なら」
从 ゚∀从
( "ゞ)「結婚したらハインは 『ハイン関ヶ原』 だな」
从 ゚∀从
从 ゚∀从「……結……」
( "ゞ)「ああ、結婚しよう。ハイン」
.
- 732 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 21:24:33 ID:GBiueLaE0
-
その一撃は、もはや反射的な一撃だった。
从; ∀从「やっぱり……お前もぉ……っ!」
生理的不快感から、ハインは自分でも意識しない内にデルタの顔面に蹴りをブチ込んでいた。
从#゚∀从「性犯罪者の仲間かぁぁぁあああぁぁぁ!!」
( ´゚´ゞ)「――――ッッ!!」
デルタは丸っきり油断していた。
彼は絶句したまま蹴りを受け、硬いコンクリートに仰向けに倒れる。
ベンチの上に着地。少し、呼吸が荒れている。
从;゚∀从(……こいつ、絶対に立ち上がる……)
一見、もう戦闘不能にも見えるデルタ関ヶ原。
しかしそれは間違いだった。デルタは夜空を仰ぎつつ、全く別の事に脳内を染めている。
( "ゞ)(ああ、最高だ……最高だよハイン……)
( "ゞ)(最初蹴られた時から震えていた。かつて一度も味わった事の無い衝撃に……俺の魂が……)
( "ゞ)(頭じゃ追いつかない程に……自分の本能がノロマだと思える程に……身体が欲している……)
( "ゞ)(……間違いない……)
デルタは平然と立ち上がり、ふと深呼吸を始めた。
来る。ハインはベンチを降り、戦いに向けて精神を切り替えた。
.
- 733 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 21:37:30 ID:GBiueLaE0
-
(##"ゞ)「――俺はァ!!」
从;゚∀从(避けるッ!)
前蹴りで迫ってきたデルタを飛び越え、その背後に降り立つ。
しかし、降り立った瞬間、それを予知していたかのように、デルタの右足がハインを薙ぎ払った。
从; ∀从(な……っ!)
(##"ゞ)「俺はァ――ッ!!」
薙ぎ払われ、ゴロゴロと地面を転がるハイン。
そんなハインを追いかけ、デルタは更に足を振り上げた。
从;゚∀从「ぐうっ!」
ガードは間に合っていた。
それでもデルタの蹴りは強力で、ハインはサッカーボールのように軽々と吹き飛ばされる。
ハインは茂みの中に突っ込んでいき、背を樹木に強くぶつけた。
(##"ゞ)「お前にィィィィ!!」
樹に寄り添って寝ている暇は無い。
追撃しようと迫り来るデルタを見ると、ハインはすぐに茂みから飛び出した。
途端、デルタの蹴りが樹に直撃。樹は凄まじい音を立て、ざわめく。
从;゚∀从「いっ!」
ハインは驚嘆の声を漏らした。デルタの片足が、あまりの蹴りの威力から樹に減り込んでいたのだ。
もしあの蹴りが自分に当たっていたら――ハインはぞっとしてならなかった。
.
- 734 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 21:50:34 ID:GBiueLaE0
-
(##"゚"ゞ)「“ヒトメボレ”したぁぁぁああ!!」
从 ゚∀从
突然の告白。
ハインの集中力が一瞬、デルタの愛に打ち消された。
从#*゚∀从「――はっ!?」
( "ゞ)「死なないでくれ」
そした気がついた時、デルタはハインの目の前に立っていた。
(##"゚"ゞ)「この蹴りでもハインが死なないってぇ信じてるからなぁぁぁぁぁ!!」
瞬間、腹に風穴が開いたような激痛。
ハインの華奢な肉体は、途端に何十メートルも後方に弾き飛ばされた。
ハインはコンクリート上をバウンドし、埃を巻き上げて滑っていく。
.
- 735 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 21:57:19 ID:POpl3AoM0
- デルタいいなwww
ここんとこの展開おもしれーわ
- 736 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:02:31 ID:GBiueLaE0
-
( "ゞ)「……さぁ……」
幸せそうな笑みを零し、デルタは小さく呟いた。
( "ゞ)「蹴り返してくれ……ハイン……俺をまた……蹴っ飛ばしてくれ……」
だが、デルタの願いは彼女には届いていなかった。
ハインは気を失っていた。ぐったりとコンクリートに横たわっている。
起き上がる気配は、無い。
( "ゞ)「……どうした……早く起きろよ……」
从; ∀从
( "ゞ)「……」
自分でやったとはいえ、これは絶望的な光景だった。
もしかしたら人生で初めて、俺の愛に耐え切ってくれる女が現れたのかもしれない。
そんなデルタの淡い希望。それは今、コンクリートに横たわって動かない。
( "ゞ)「……お前でも……お前でもなかったのか」
絶望を超えた先の第一声は、とても冷たい声だった。
デルタはハインの近くまで歩くと、そこで立ち止まり、何も言わずに足を振り上げた。
.
- 737 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:13:13 ID:GBiueLaE0
-
( "ゞ)「……せめて俺が天に送ってやる」
( "ゞ)「飛べ」
――が、しかし。
( "ゞ)(足が動かん……?)
_
(# ∀゚)「せっかく9位にリベンジしたのによォ!!」
その時、彼の振り上げた足を掴んでいたのはジョルジュだった。
_
(# ゚∀゚)「てめぇのせいでなァ! 俺ァまたランカーになり損ねたんだぞォォォ!」
デルタの足を背負い、一気に投げ飛ばす。
さほど威力は無かったが、ハインからデルタを引き離すのには成功。
_
(# ゚∀゚)「頑丈さだけが取り得です! お母さん、ありがとう!」
_
(# ゚Д゚)「って何言わせんだこの野郎ォ! 蹴られたトコまだ痛ぇんだぞ!!」
.
- 738 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:14:56 ID:GBiueLaE0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>663-684 (後編)
5 >>691-737 ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!
変態はつよい(確信)
- 739 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:30:17 ID:GBiueLaE0
-
時間は少し巻き戻り、ハインとデルタがゲーセンを出て行った頃。
_
(; ∀ )(あークッソめっちゃ痛いぞ……)
_
(; ∀ )(せっかく必殺技二つも使って9位倒したのに、その直後一撃で倒されるって意味分からんわ!)
_
(; ∀ )(またリベンジかよ……ちっくしょう……)
('、`;川 「……」
壁に背を預けて俯くジョルジュ。
そこに、ペニサスが近づいてきた。
('、`;川 「長岡……君よね?」
_
(; ∀ )「……なんだよ、今傷心中だ」
('、`;川 「……助けて」
_
(; ∀ )「あ?」
('、`;川 「ハインが連れてかれたの! 警察呼ぼうにもどこ行ったか分かんないし……」
('、`;川 「さっきの喧嘩は見てた。お願い、ハインを助けてあげて!」
.
- 740 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:31:14 ID:GBiueLaE0
-
('、`;川 「何でもするから!」
_
(; ∀ )「ん?」
頭の中にペニサスの一言が反響する!
('、`;川 「何でもするから!」
('、`;川 「 何 で も す る か ら! 」
_
( ゚∀゚)「じゃあ揉むぞ」
('、`*川 「えっ」
ジョルジュ復活ッッ!!
オッパイ揉んでジョルジュ……復活ッッッッ!!
.
- 741 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:42:52 ID:GBiueLaE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第六話 「またお前か! ジョルジュのリベンジマッチ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_
(# ゚∀゚)「という訳で! 今の俺はスーパーモードだァァァ!!」
( "ゞ)「またお前か」
投げられたデルタは既に立ち上がり、膝蹴りをジョルジュの顔面に向けていた。
_
(# ゚∀゚)「効かんねぇんだよォ!!」
膝蹴りを見ても、彼に避ける気は一切無かった。
あの超強烈な膝蹴りを、ジョルジュは頭突きで迎え撃った。
ゴチン! という痛々しい音が響く。
(; "ゞ)「……ッ!」
_
(# ゚∀゚)「うおおおおおお!!」
デルタが明らかに怯んだ。
ジョルジュはその隙を逃さず、デルタの胸に全力のストレートをブチ当てる。
.
- 742 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 22:57:03 ID:GBiueLaE0
-
そのストレートの威力は凄まじく、デルタは倒れまいと数歩引き下がる。
瞬間、デルタの腹にジョルジュの両手の平が添えられる。
ギコをして二撃目は無いと言わしめたあの技が、デルタに放たれようとしていた。
_
(# ∀゚)「双ッ――」
(; "ゞ)
気の塊が雪崩れ込み、デルタの体内で一気に爆発する――!
_
(# ∀ )「――按ッッッ!!」
バコン! その音と共に、デルタの体内で気が爆発。
二人を中心に空気が打ち震え、微かに風が巻き起こった。
( "ゞ)「……」
_
(# ∀゚)(通った!)
手応えは十分にあった。
デルタは、目を見開いて口を半開きにしていた。
( "ゞ)
(; "ゞ)「おっ……」
突然、ぐわん、とデルタの身体が揺れた。
双按の衝撃がようやく頭に達したのだ。
デルタはそのままコンクリートに落ちていき、また仰向けになって地面に倒れた。
.
- 743 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:00:12 ID:YtZtmOs60
- サービスだ。俺のケツも揉んでいいぞ
- 744 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:07:22 ID:GBiueLaE0
-
( "ゞ)「……」
ダメージはあれど、デルタは気絶していなかった。
それはジョルジュも分かっていたので、彼はデルタに馬乗りになり、デルタの胸に両手を当てた。
_
( ゚∀゚)「ずるいとか言うなよ」
_
(# ゚∀゚)「双ッ! 按ッ! 双按! そーあん! 双按、双按ッ……双按ンンンンンンン!!」
(;´゚´ゞ)「ふぐッ! ぐおッ……がぁッッ!!」
この馬乗りという絶対的優位から超高威力の双按を連続してぶっ放す。
デルタも相当タフな身体の持ち主だったが、これには流石に耐え切れず……
(; ゝ)
_
(; ゚∀゚)「……やっと気絶したか……」
試しにデルタの頬をペチペチと叩く。
_
(; ゚∀゚)「……うし! リベンジ成こっ……!」
_
(; ∀ )「うっ……!」
だが、ジョルジュも気を使いすぎていた。
ギコ戦からのダメージもある。満身創痍に違いは無かった。
.
- 745 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:09:24 ID:GBiueLaE0
-
_
(; ∀ )(ここで倒れたらドロー……引き分けじゃリベンジにはならねぇ!)
_
(; ∀゚)(どっかに……どっかに手頃なオッパイは無いのか!?)
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「あった」
あった。
.
- 746 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:11:20 ID:CjHP4KsQO
- 揉みまくり揉まれまくり
- 747 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:17:56 ID:GBiueLaE0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_
(* ゚∀゚)「ふぅ! スッキリした!」
ハインの胸をひとしきり揉み終えたジョルジュ。
その顔は 風呂上りにビンの牛乳を飲んだように清々しい。
そして断言しておくが、彼はハインの胸を揉んだだけである。
決して「何か」を吸ったり、自分の身体から「何か」は発射していない。
揉んだだけ。なんと健全な響きであろう。
_
( ゚∀゚)「しっかし……」
( ゝ)
从 ∀从
_
( ゚∀゚)「いやー俺って強いのな! 杉浦ランキングもちょろいぜ!」
_
( ゚∀゚)「リベンジ成功だぜ」
そのセリフを最後に、急にジョルジュも地面に落ちていった。
当たり前の事なのだが、オッパイを揉んだところで傷は癒えない。
ジョルジュは気持ち復活したに過ぎなかった。身体はもうズタボロである。
.
- 748 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:30:05 ID:GBiueLaE0
-
从 ∀从
( ゝ )
_
( ∀ )
(; ФωФ)「どういう事なの……」
その後、気絶した三人を最初に見つけたのは杉浦だった。
(; ФωФ)(おい、おいおい……どうするんだこれ……)
「……全員気絶してるぞ」
(; ФωФ)「言わなくても見れば分かる」
「じゃあ、また今度だな」
(; +ω+)「……すまない。そういう事になる」
杉浦と一緒に来た男は、ハインを一瞥してから帰っていった。
実は今夜、ハインはこの男と対戦するはずだった。
それが何故かハインは連絡に気付かず、こうして対戦がお流れになってしまった。
手痛い予想外だった。まさかハインが遠征組でも特に変人のデルタ関ヶ原と対戦してるとは、杉浦も考えていなかったのだ。
(; ФωФ)(誰が誰を倒したんだか、分かりゃしないな……)
.
- 749 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:43:17 ID:GBiueLaE0
-
(; ФωФ)(なるべく早く、こちらの 『エアマスター』 にも大物をぶつけたかった……)
(; ФωФ)(いずれ始まる真っ向勝負……それに備え、彼女には奴と戦ってもらいたかった!)
(; ΦωΦ)(……俺は オリジナル を超えたい……だから、その強さを初期段階で分かってもらう筈だった……)
(; ФωФ)「……」
(ФωФ ;)「おーい!」
しばらく考え込んだ杉浦は、背を向けて帰っていく男に向けて大声を発した。
(ФωФ ;)「また来てくれ! 頼むぞ!」
男は振り向き、軽く片手を上げて応えた。
.
- 750 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:53:19 ID:GBiueLaE0
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ソ}: :ヘ... . . . ji / ム 「また今度、な……」
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- 751 :名も無きAAのようです:2012/11/04(日) 23:58:45 ID:GBiueLaE0
-
かつて、深道ランキングというものがあった。
それは今もストリートファイター達の伝説として語り継がれ、今もなお色褪せず、皆の心に残っている。
杉浦ランキングとは、この『深道ランキング』を倒すために発案されたシステムである。
それに向けて今夜、『深道ランキング』 のジョンス・リーと『杉浦ランキング』のエアマスター。
この両者をぶつける事で、きたるべき “二つのランキングの戦い” に向けてハインを強化する予定だった。
(; ФωФ)(……どうやら、戦いの火蓋が切って落とされるのは、もう少しらしいな……)
杉浦はそう考えると、大きな溜息を零した。
(; +ω+)(とりあえず、気絶した三人をどうするか……)
今はまだ、戦う時ではなかったのだ。
杉浦はそう自分に言い聞かせ、自身の闘争心を無理矢理に押さえ込んだ。
だが、この戦いは宿命と言って過言ではない。
ランキング同士の激突は、最早避けられる事ではなかった……。
.
- 752 :名も無きAAのようです:2012/11/05(月) 00:00:50 ID:2S0WuVOY0
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从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>663-684 (後編)
5 >>691-737 ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!
6 >>739-751 またお前か! ジョルジュのリベンジマッチ!
やっちまった感が凄いです
ちょっと休憩したら再開します
- 753 :名も無きAAのようです:2012/11/05(月) 00:35:35 ID:2S0WuVOY0
-
, -- 、 集中力は切れていた‥‥‥‥‥‥‥!
l ,、,ミ
ノ(!|"`く` >>1が振り返った時
,. イ/l∧ヱ:ァ-、
ハ j7^ー个く /,>、 集中力の欠片さえ既になく‥‥‥‥
,<_`X「l「 ゙̄|エ ヘ__,.イ
. _/ / 〉}|─┤ 〈│ | 結局 >>1は終える事ができなかった
. ‘らノ 〈ノ ̄韭ゝ、._〉l |_
/ / | |〈.ヘミj >>1000まで埋めるという‥‥‥‥‥
. l r'´ | |
. | l | | 死の持久戦を‥‥‥!
| | | |
_____,ゝーく___|-- L______________________________
───┴ーー┴─‐┴--┴───┬┬───────────────────┬┬────
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`「「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「「 ̄ ̄ ̄ ̄
- 754 :名も無きAAのようです:2012/11/05(月) 01:09:11 ID:KFxNNXFA0
- 深道ランキングとの対決とか熱い
- 755 :名も無きAAのようです:2012/11/05(月) 11:42:38 ID:GqmQSER20
- 深道のエアマスターはどーなってるのか…
- 756 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:09:25 ID:AgEmR0GY0
-
夜。
ファイター達が集うその広場には、いつもと違う緊張感が漂っていた。
( ФωФ)「一度限りのボーナスステージだ」
(; ФωФ)「……とは言っても、前の事にみんな呆れて、一人しか来てないんだけどな」
((( )))
( ´Д`) 「いえ、むしろ話が早くて助かります」
((( )))
( ´Д`) 「上位ランカーの程度が知れれば、今日はそれで……」
( ФωФ)(……遠征組でも実力未知数なこの男。一体どう戦うのか……)
.
- 757 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:16:15 ID:AgEmR0GY0
-
.∧_∧
(*´Д`)「1さぁぁぁぁああん!! そんな奴、ブッ倒しちまえぇぇぇぇ!!」
遠巻きから八頭身の声援が上がった。
1さんはそれに手を挙げて応える。すると、八頭身は更に声を張り上げた。
.∧_∧
(*´Д`)「うおおおお!!」
/ ゚、。 ;/ 「……なんつーか、熱血……だな」
そんな光景に相手は困惑しており、無理に笑顔を作って見せる。
彼は今夜1さんが戦う相手で、身長はそう高くないが、しっかりと鍛え上げた肉体である事が服の上からでも窺えた。
丹念に練り上げられた彼の肉体には、まさに格闘家が持つにふさわしい、ずっしりとした重厚感があった。
( ФωФ)「ランキング3位、鈴木ダイオード。前3位のボクサーを瞬殺した男だ。気をつけろよ」
((( )))
( ´Д`) 「瞬殺……」
/ ゚、。 / 「そうそう。杉浦の言うとおりだぜ」
杉浦のアドバイスに便乗し、ダイオードは続ける。
.
- 758 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:23:16 ID:AgEmR0GY0
-
/ ゚、。 / 「俺は “サブミッションハンター” だ。関節技が得意でな、そう自称してんだ。
まぁ一応 腕一本と首は残してやるが、それ以外がどうなるかは保障出来ない」
/ ゚、。 / 「こう見えて俺は律儀な性格でな。今も杉浦の呼び出しに文句無く素直に応じてる訳だが……」
/ ゚、。 / 「その理由は単純だ。もし新入りがバカ強い奴でも、俺なら瞬殺出来るから。
そして俺に身体を破壊された奴は……もう二度と、ランキングには上がってこねぇ」
/ ゚、。 / 「言っちまえばハンティングだな。サブミッションハンターだけに、さ」
((( )))
( ´Д`) 「……」
/ ゚、。 ;/ (……ノーリアクション? 寝てんのかコイツ?)
((( )))
( ´Д`) 「…………」
/ ゚、。 / 「…………」
( ФωФ)「…………」
((( )))
( ´Д`) 「お前、相当“格下”だろ」
沈黙の中、1さんの囁きが静かに染み渡った。
.
- 759 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:28:45 ID:3ud8QQ460
- 1さああああああああああああああん!!!
- 760 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:29:39 ID:AgEmR0GY0
-
――翌日。
杉浦ランキングの公式ホームページが僅かに更新されていた。
それは事の重大さを知る者にとって、あまりに衝撃的な更新だった。
10位圏内に連なる名前が “二つ” も変わっていたのだ。
徐々に頭角を見せ始めたランキング遠征組。
その登場に刺激され、ホームページのアクセス数は格段に跳ね上がったという……。
.
- 761 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:30:23 ID:AgEmR0GY0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第六話 「ティータイム! 時には色んな話を!」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ .┃
┃ ≪杉浦ランキングTOP10≫ ┃
┃ .┃
┃ .┃
┃ 1位 内藤ホライゾン 6位 ドクオ ...┃
┃ .┃
┃ 2位 三月兎 7位 素直クール ..┃
┃ .┃
┃ 3位 鈴木ダイオード⇒1さん 8位 ブームくん ..┃
┃ . ┃
┃ 4位 流石母者 9位 ギコ⇒ジョルジュ長岡⇒デルタ関ヶ原 .┃
┃ .┃
┃ 5位 なおるよ 10位 忍者(激しい) ┃
┃ .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
.
- 762 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:40:27 ID:AgEmR0GY0
-
デルタ関ヶ原との戦いを終えたハイン。
その戦いの傷も癒えぬまま、彼女はある思いを持って動き出していた。
从;゚∀从(勝てない……このままじゃ絶対に、10位にも入れない!)
そしてやってきたのがマンションの一室。
表札のところには 『ミルナ』 という名前と共に、『スナイパー空手教室』の文字があった。
ピンポーン。
ドア|゚д゚ )「新聞なら間に合ってますけど……」 ガチャ
从;゚∀从「あ、あの……」
(;゚д゚ )「……って、エアマスターじゃないか!」
从;‐∀从「あの、す、スナイパー空手を……」
从;゚∀从「――スナイパー空手を、私に教えてください!」
(゚д゚ )
( ゚д゚)
(*゚д゚*) 「すっ! スナイパー空手講座へようこそォ!」
ミルナはとても嬉しそうだった。
.
- 763 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 02:53:38 ID:AgEmR0GY0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从「おぉ……中は結構立派なのな」
( ゚д゚ )「バレエ教室だとかの名残をそのままにしてあるだけだ」
ミルナに中へと案内され、ハインは壁を鏡張りにしてある部屋に着いた。
彼の言うとおり、そこはバレエとか何かやってそうな雰囲気だった。
从 ゚∀从「で、何から教えてくれるんだ?」
( ゚д゚ )「まぁ待て。お前には……って、本名は何て言うんだ?」
从 ゚∀从「ハンリッヒ高岡」
( ゚д゚ )「よし。そりゃあ高岡。お前にはまずスナイパー空手の基礎を学んでもらう」
そう言うと、ミルナは部屋の片隅からテーブルとパソコンを引っ張り出してきた。
パソコンを起動させ、『基礎』とシンプルに名付けられた動画ファイルをクリックする。
( ゚д゚ )「これが基礎の動画だ。じっくり見てくれ」
『スナイパー空手通信講座へようこそ』
そうして画面上に映し出されたのは、細身で謎の格好をした謎の男だった。
从;゚∀从「……誰?」
( ゚д゚ )「スナイパー空手創始者の戸叶さんだ。よく覚えておくといい」
.
- 764 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:00:34 ID:XhlIC09A0
- 1さん母者よりつえーのかよ
- 765 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:04:56 ID:3ud8QQ460
- ランキングは勝った相手と入れ替わりだからなぁ
上の奴の方が強いとは必ずしもいえないというところが、想像膨らんで楽しい
- 766 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:06:37 ID:AgEmR0GY0
-
从 ゚∀从「じゃ、よろしくお願いします!」
( ゚д゚ )「ああ。一緒にスナイパー空手をエンジョイしよう」
以下、全部省略。
(; д )「これもう免許皆伝だろ……」
从;´∀从「つっかれたぁ〜……」
夕方になった頃には、ハインはスナイパー空手の初級編から応用編までを完全制覇したのであった。
(;゚д゚ )「いやしかし……ホントにもう化け物だな。こっちのエアマスターも……」
从;゚∀从「あ、やばっ!」
( ゚д゚ )「ん? 何か用事でもあるのか?」
从;゚∀从「その通り! また来るね!」
( ゚д゚ )「勿論だ。君はもう、スナイパー空手の受講者なのだから!」
そんな清々しい見送りの中、ハインは次の目的地へと走っていった。
.
- 767 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:24:19 ID:AgEmR0GY0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从;゚∀从「ルチャマスター! ルチャマスターはどこだ!」
日も沈み、既に辺りは暗くなっている。
時間としては、そろそろファイター達が出てくる頃だった。
路地裏で声を上げたハインに、絶賛ファイト中の面々が視線を向けた。
だが彼らの中に目的の人物は居なかった。ルチャマスターの居場所を予め調べておくべきだった、とハインは反省する。
从;゚∀从「あー……誰か、ルチャマスターの居場所を知らない?」
<_プー゚)フ「ルチャさんに何の用だ?」
ファイトを終えた一人の男が、ハインの前に歩いてくる。
紺色のタンクトップに半ズボン。身体はがっしりとしていて、日焼け跡が多く見られた。
从 ゚∀从「うん。ちょっと習いたい事があって」
<_フ;゚ー゚)フ「習う? あの人に何を習うんだよ」
从;-∀从「う〜ん……これ言っていいのかな……」
腕を組み、ハインは分かりやすく悩んでみせた。
<_プー゚)フ「まぁいいさ。ルチャさんの電話番号なら知ってる」
从*゚∀从「ホントか!? 呼び出してくれる?」
<_プー゚)フ「……俺に勝てたら、ってヤツでどうだ?」
男は不敵に笑い、拳を硬く握り締めた。
.
- 768 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:32:15 ID:AgEmR0GY0
- 半ズボンのところ「膝まで捲り上げた長ズボン」でオナシャス!
あと色々誤字あるけど云々
- 769 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:46:56 ID:AgEmR0GY0
-
从 ゚∀从「……来な」
<_#プー゚)フ「お言葉に甘えてェ!」
固めた拳を振り上げ、エクストはハインの顔面を狙って打ち出した。
从 ゚∀从(速い――けどアイツら程じゃない!)
脳裏に浮かぶのは流石母者や八頭身、デルタ関ヶ原の攻撃。
その者達に比べれば、男の拳を目で捉えるのは容易だった。
拳はハインの顔面に当たらず、顔の横を突き抜けた。
从 ゚∀从「……」
<_プー゚)フ「余裕、って感じだな」
<_#プー゚)フ「そんじゃあコイツはどうだァ!!」
途端、男のパンチスピードが格段に上昇した。
从;゚∀从「ッ!」
ハインも後退しつつパンチを避けるが、加速し続けるパンチが瞬く間に彼女を追い詰めていった。
やがて、ドン、という感触が背中に当たった。背後がビルの壁面に塞がれ、ハインはいよいよ退路を失った。
<_#プー゚)フ「百壱裂拳ッッッ!!」
从;゚∀从(速さはアイツらと五分くらい! 重さは無いけど、それを量でカバーしてる!)
.
- 770 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 03:56:52 ID:AgEmR0GY0
-
<_#プー゚)フ「うおらああああああァァァァァ!!」
从;゚∀从「ヤバッ!」
パンチが来る寸前、ハインは反射的に上空へと飛び上がった。
瞬間、まるで掘削機がコンクリートを砕くかのように、エクストの拳が何度も壁面を殴りつけた。
エクストのパンチを受け、壁面に亀裂が走る。
やがて壁面はその亀裂を大きくしていき、間も無く音を立てて崩壊した。
从;゚∀从(コンクリを砕くってどういう!?)
<_;プー゚)フ「飛んだ!? まさかっ……エアマスターか!!」
上空からエクストを見下ろすハイン。
彼女はそのまま足を振り上げ、かかとをエクストの脳天めがけて振り下ろした。
が、その攻撃はエクストに見切られていた。
<_;プー゚)フ「あっぶね!」
エクストは両腕を頭上で交差させ、かかと落としを寸前で防いだ。
.
- 771 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 04:08:22 ID:AgEmR0GY0
-
从;゚∀从「んなろッ!」
防御の腕を足場にし、ハインは再び空を舞った。
<_;プー゚)フ(やっぱりエアマスターか!)
再び攻撃の動きを見せたハイン。
エクストはそれに反応し、対空攻撃として拳を突き上げた。
しかし次の瞬間。
<_プー゚)フ「……」
从 ゚∀从「フェイント」
ハインはエクストの対空攻撃をすり抜け、そのまま彼の眼前に着地した。
从#゚∀从「ぜぇい!!」
渾身のショートアッパーカットが、エクストの顎を思い切りブチ抜いた。
そして余った片手で更に追撃。エクストの腹を狙い、彼女は真っ直ぐなパンチを打ち出した。
<_;フ ー )フ「こんッ……なろッ……!」
不意の大激痛に、エクストは大きく両腕を振り払う。
それをバックステップで回避すると、彼女も次の攻撃に向かっていった。
.
- 772 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 04:24:33 ID:AgEmR0GY0
-
ハインは助走から一気に飛び上がり、空中で身体に横回転をかけた。
素晴らしく真っ直ぐな体勢。新体操を彷彿とさせるその動きから、エクストは一瞬目を奪われてしまった。
空中で高速回転をかけた回し蹴りが、エクストの顔面に当たって鈍い音を立てた。
<_;フ ー )フ「なッ……」
<_#プー゚)フ「……んともねェ!」
激痛が顔面に広がる。
だが彼は自分を鼓舞し、顔面に激突したハインの足を全力で掴み上げた。
<_#プー゚)フ「本日二度目の百壱裂拳だ!!」
目の前にハインの背中を吊るし、加速するパンチを全力で有りっ丈ブチ込めるだけ叩き込む。
女だからと容赦はしない。相手がエアマスターだと分かった時点で、エクストは全力でかかる事を胸に決めていた。
5秒後、エクストはハインの足を手放した。
地面に落ちた彼女は立ち上がろうともがいたが、余りにも多く攻撃を受けすぎた。
背中への攻撃というのは内臓にダメージが届きやすく、普通に当たるより断然強く痛みが響くのだ。
<_;プー゚)フ「よっしゃ……よっしゃア!!」
<_;プー゚)フ「エアマスター倒したぞォ! 俺がァ!」
.
- 773 :名も無きAAのようです:2012/11/07(水) 04:28:01 ID:AgEmR0GY0
-
今夜の投下おわじ
明日は6話の続きからやります
- 774 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 00:45:12 ID:3wLkzJIU0
- ( ^ω^)……
- 775 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 00:53:38 ID:IOcv/6hU0
- また二時頃から始めますよ。サボりませんよ
ただし時間も投下速度も遅いので、読むなら明日がいいと思いますよ
- 776 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 00:55:47 ID:4ILGGvhA0
- わかった
今日はもう寝るけど投下頑張れ
- 777 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 01:33:08 ID:7JueRr.QO
- そうだな、寝る前に保守しておく
- 778 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:06:22 ID:IOcv/6hU0
- ,ィ´::`ー''´ハ==ニフ::::::\ ___ 人,_,人,_,人,_,人
/:::::::::::::::::::::| \::::::::::::::::::::\ / < 765プロが >
r=/:::::::::::::::::::::::::::::\/::::::::::::::::::::::::ヽ (_ /Y⌒Y⌒Y⌒Yヾ
《/::::::::::::::::::::::::::、::::::::\:::::::::::::::::::::::::::∧
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.//!::::::::::l:::::::|\::::::::::::::>-\ハ::::::::::::::::::::::::ハ / .\
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,l==、、:::::\_〉 / / , ∨::::::::::::::::::::| /\ O
/ rヘ 〉》、_〉__ // |::::::::::::::::::::└‐ァ / \
./ 〈 ハ_||Y / r┬、 ' |::::|::::::|::::::::::::_> __
/ }ヽ-'_ノ\ | .Pハ !:::|::::::l::::::::::::::::\  ̄_/
/ /__/::::::::ハヽ`ー' , l⊃ !:::|:::/\:::\ ̄ ̄ `ヽ
l / \:::::::::::\ _ノ ./|/|∧: : :l`ヾミ __ノ
! | \::::::::::>- ..,,__/ /: : :!: ::/: :\
.l | \l\::::::/: : /: ∧ /: : : |: /: : : : ハ つ
l ! ,イ: : : ::/: /- -─/: : : : |/: : : : : :∧
! | _,へ´ ̄: : :|/: :/ /: : : : :/l: : : : : : : ∧__ l⌒Y⌒l
.| ! 「: : : : : : : :/: ,ヘ/\__,//ヘ: : :/l :l: : : : :/ : : :ハ ヽ /
| |,. -'´| : : : : : :く_/: / rラト、 //: : ::\| |: :\/: : : : : :__〉 \/
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| | ∨: : :/__// // ||/く ̄`l: : : : :l_: : /\_:/ \
| ,. '"´ヾ='/: : / ` /: |: ゚´:/: : : ://: / \ \
`、__, - ''´ |: : : | / |: : `ー': : : : ::/: : 〉 \ \
人,_,人,_,人,_,人,_,人,人,人,人,人,人,人,人,人,人,人
< >>765ゲットよ! ついでにスレも埋めちゃう!>
/Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yヾ
- 779 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:26:31 ID:IOcv/6hU0
-
<_*プー゚)フ「うっしゃあ! 今夜は鍋だァ!」
从; ∀从「誰が……倒れたって……?」
その声を聞き、エクストの顔から笑みが消えた。
ハインは地面に片膝をついており、今にも立ち上がりそうだった。
<_;プー゚)フ「……タフだな。女なのによ」
从;゚∀从「もっと凄いの経験してるからね……」
数秒かけてハインが立ち上がる。
しかしその立ち姿に力強さは無く、足も僅かに震えており、風に吹かれたら倒れてしまいそうだ。
从; ∀从(気持ちわる……ゲロ出したい……)
外傷も酷いが、やはり背中から内部へのダメージは甚大らしかった。
こと頑丈さにかけては自信があったが、それでも内臓を叩かれるというのは未知の痛みだった。
从;゚∀从「……いくぞ!」
そう言い、痛みに耐えながら駆け出したハイン。
だが既にエクストに戦意は無く、彼は身構えないままハインを見据えていた。
.
- 780 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:44:20 ID:IOcv/6hU0
-
ハインは高めの延髄蹴りから入っていき、続けてローキックでエクストの足を狙った。
しかし、それらの蹴りに先程までのキレが無い。さほど速くも重くもない。蹴りとしては、普段の10分の1の威力も出ていなかった。
そんな彼女の攻撃を無視し、エクストは適当な張り手を突き出した。
適当とはいえど、疲労した彼女には十分効果的な技だ。
ハインはその張り手を顔面に食らうと、フラフラと後退し、やがて尻餅をついて絶句した。
从;゚∀从「……」
<_プ−゚)フ「もうやめとけ」
エクストは、哀れみとも思える言葉をハインにかけた。
<_プ−゚)フ「一応まだ戦えるんだろうが、戦ったら更に酷くなるぞ」
从;゚∀从「……」
<_;プー゚)フ「そもそもな、万全の奴が汗まみれで走ってくる訳ねぇんだよ。
お前さっきまで何かやってただろ? 脇汗凄いぞ」
確かに脇汗は凄かった。
.
- 781 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:47:31 ID:KmE/YdgU0
- 脇汗( ^ω^)
- 782 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:48:40 ID:jF2HfgmU0
- 脇汗か( ^ω^)
- 783 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:49:22 ID:OrNhp2NY0
- 支援
撃鉄の方も頼むぜ
- 784 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:56:06 ID:IOcv/6hU0
-
从;゚∀从「……でも、ルチャマスター……」
いじいじとした甘えた声で呟く。
<_;プー゚)フ「いいよもう。ルチャさん家まで連れてってやる」
从;゚∀从「マジか! 助かる!」
エクストはハインの傍に歩み寄って手を差し出した。
彼女もそれを素直に受け入れ、エクストの手を取り立ち上がった。
<_プー゚)フ「でもな――」
と彼が言い掛けたところで、ハインがその先を言い当てた。
从;゚∀从「ああ、ちゃんと休んだらまたやろう」
<_プー゚)フ「……へっ! 分かってんじゃねぇかオイ!」
ハインはエクストに肩をかりると、そのまま彼の案内に従って歩き出した。
時には休む事も肝心だと、彼女は胸に強く思ったのだった
.
- 785 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 02:59:54 ID:KmE/YdgU0
- ファイターって硬派なんだな
- 786 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:04:07 ID:IOcv/6hU0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日時は代わり、いつかのお昼頃。
_
|M|_
o川*゚ー゚)o「いらっしゃいませー」
どう見てもマックの帽子を被った店員が、いつも通りの挨拶を口にした。
_
|M|_
o川*゚ー゚)o「何になさいますか?」
( "ゞ)「チーズバーガー三つとポテトのL」
_
( ゚∀゚)「あ、あとコーラもMで一つ。え、お前ジュース要らないのか?」
( "ゞ)「いらん」
どういう訳か、デルタとジョルジュは行動を共にしていた。
.
- 787 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:19:36 ID:IOcv/6hU0
-
注文の品が乗ったトレーを持ち、二人は窓際の席に向き合って腰掛けた。
二人は取り合えずハンバーガーを一つずつ平らげると、ジョルジュの方から静かに語り始めた。
_
( ‐∀‐)「俺さぁ……最近なぁ〜んか良い事ないんだよなぁ……」
( "ゞ)「……」
_
( ‐∀゚)「お前なんか良い事あった? 俺ってば最近良い事なくてさぁ……」
ポテトをたまに食べながら、二人は駄弁り続ける。
( "ゞ)「あの女はどうしてる」
_
( ゚∀゚)「あの女? 誰よそれ」
( "ゞ)「エアマスターの事だ」
_
( ゚∀゚)「ああ、アイツなら元気だぜ。つーかお前アイツ倒したんだっけ?」
( "ゞ)「まぁな」
_,
( ゚∀゚)「倒した奴を気にしてどーすんだよ。今なら俺の事で胸いっぱいじゃねーの?」
( "ゞ)「あれは引き分けだ。そして次は俺の圧勝だ」
_,
( ゚∀゚)「でも先に気絶したのお前じゃん。だったら負けはお前じゃん。バカか?」
( "ゞ)「俺はエアマスターと戦っていた。そもそもお前とは戦っていない」
_
(* ゚∀゚)σ「へっへーコイツ負け惜しみ言ってやんの!」
.
- 788 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:28:58 ID:IOcv/6hU0
-
( "ゞ)「やるか」
_
( ゚∀゚)「お前が負けるだけだぞ」
(# "ゞ) ガタッ!
_
(# ゚∀゚) ガタッ!
勢いよく席を立ち上がり、二人は睨みあったまま沈黙した。
そして間も無くレジ前の広いところへ移動すると、お互いやる気満々に身構えた。
(# "ゞ)「飛べ」
_
(# ゚∀゚)「飛ばん!」
デルタの蹴りとジョルジュの拳が激突しようとした、まさにその瞬間。
( "ゞ)
_
( ゚∀゚)
_
|M|_
o川*゚ー゚)o「店内ではお静かに」
店員は二人の間に入って攻撃を受け止め、とても怖い声でそう言った。
.
- 789 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:32:29 ID:7JueRr.QO
- マッ〇のAAとかよく考えついたな
でもフルネームはダメだろ
- 790 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:34:08 ID:jF2HfgmU0
- あれ、もしかしてフォックスさんより強いんじゃ…?
- 791 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:39:07 ID:IOcv/6hU0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
更に日時は変わり、とある日のゲーセン。
ジョルジュにランキング9位の座を奪われたギコは、その座を奪い返そうと格ゲーに勤しんでいた。
(#,,゚Д゚)(セビ前ステ投げ起き攻め固め投げ誘ってバクステ昇竜セビキャン滅・波動拳ッ!!)
('、`#川 「ファック!」 バン!
『えー当店は台パンは禁止となっておりまーす』
(,,゚Д゚)(これで99連勝……なのに次の段階がまるで見えてこない……)
(,,‐Д‐)(あの長岡とかいう奴は俺が空中戦に不慣れな事を知り、そこを狙ってきた……)
(,,゚Д゚)(……エリアルコンボか。ストシリーズ一筋と決めていた俺だが、いよいよマブカプを始める時が――)
そうして彼が物思いに耽っている間にも、目の前の画面が乱入者の存在を大きく示した。
こちらの使用キャラはリュウ。対して、相手の選んだキャラは豪鬼だった。
.
- 792 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:45:02 ID:IOcv/6hU0
-
(,,゚Д゚)(さて、これに勝ったら100連勝か……)
大台の100連勝がかかったその試合。
廃人を通り越して自分自身がリュウと化しているギコが、そこらのプレイヤーに負ける筈が無い。
それは彼自身も自負していて、この一戦も余裕で勝てると見越していた。
――しかし!
(´・ω・`)(起き攻め起き攻め起き攻め起き攻め)
(;,,゚Д゚)(こっ! これは!?)
┌──────────────────────────────┐
│ ∧__∧ 「ぬぅぅぅぅん!!」 ..│
│ (´・ω・`)-、 ,-、 ,-、 ,- │
│ =:ヽ,、./.:/⌒i"⌒i "⌒i "⌒i .....│
│ (/.:://:.、/ /.: /:/ /.: /: │
│ ュ .}7.::"ヾツ ノ.: ノ.: ノ.: ノ.: ......│
│ {イクジ{:::::i!::i!`::1、::1、`::1、::1、 .....│
│ /.:::::::::::門:::::::::} ゛:::::} ゛:::::} ゛:::::} ゛ .│
│ {.::::::"ー-、;;:::::::::::|:::::::::|:::::::::|:::::::::| │
│ ヽ.::::::::::::ノ i::::::::::l:::::::::l:::::::::l:::::::::l .....│
│ \.:-、 ヾi::::::::::|::::::::|::::::::|:::::::::| │
│ i、,,l i:::::::::l::::::::l::::::::l::::::::::l │
│ "~ .i::::::::l::::::::l::::::::l:::::::::l ......│
│ / |/ | / |/ | ...│
│ ‘==' ==' ==' ==' .│
└──────────────────────────────┘
- 793 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 03:49:23 ID:IOcv/6hU0
-
┌─────────────────────────────┐
│ λ .│
│ `寸三三三三三三三三三三三三.三三ミ/ ......│
│ `ミ三三三三三三三≦三´三三三三ニ‖ ...│
│カキィィィィィン!! ``r三三三≦三´三三||} ̄ ̄`¨¨¨´ .....│
│ 》‖三/《 「滅ッ殺!」 ...│
│ {|‖三/|} ....│
│ `寸三三三三三三三三ミ∧__∧三三三三三} │
│ `マ三三三≦三´三:::( )ミ/ ̄ ̄`¨´ ....│
│ `¨ ̄ ̄}三ニハ三ヽoOOO''o_- ......│
│ /i三/ ( <:::::::天::::::::>ヽ ヽ │
│ 4三三/ / ,|:::::::::::::::::|ヽ ゝ 》》. .│
│ /三ニ三/ ,< )ヽ,━━./( / l三.\ .│
│ .+三ニ,+゚ ヽ i /::::::::::::::ヽ i .r }三三| │
│ 4三ニ三/ u!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| iu!, _ _-=≦三ミノ .│
│ 4ニ三ニ/ |::::::::∧::::::::|三三三三三三} ......│
│ _/三>゚ |::::::::| |::::::::|三三三三三ニ彡´ │
│  ̄ |::::::::|. |::::::::|`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨´ │
│ <⌒`ヽ--つ ノ;;;;;;;;r. |:::;::;:::レ ......│
│ <__つ_つ 'ーー" "ーー" .│
└─────────────────────────────┘
(;,,゚Д゚)「バカなっ……俺のリュウが負けただと……!?」
(;,,゚Д゚)「ありえんッ! 何故だッ!?」
(´・ω・`)「その答え、殺意の波動にあり」
その時、対戦相手の男がギコの傍らに立って言った。
.
- 794 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 04:00:48 ID:IOcv/6hU0
-
袖の無い黒色の道着。特徴的なマユゲと“殺意の波動”。
そして背中に背負った“天”の文字。
(;,,゚Д゚)「あんたは……まさか……ッ!」
(´・ω・`)「我、拳極めちゃったり」
(´・ω・`)「うぬも殺意の波動を受け入れ、人の域を超えてみせよ」
(;,,゚Д゚)「殺意の……波動……」
(´・ω・`)「そうだ。うぬにはその資質がある」
(;,,゚Д゚)「……」
(´・ω・`)「ついて来い。その身に眠る力、目覚めさせてくれるわ」
(;,,゚Д゚)「俺は……強くなりたい……!」
(´・ω・`)「ふはは」
その後、ギコは誰にも言わず街から出て行った。
行き先は情報通の杉浦でさえ分からず、やがて、ギコの名前は杉浦ランキングから完全に抹消された。
.
- 795 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 04:14:02 ID:IOcv/6hU0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
更に更に日時は変わり、とある日の学校帰り。
ハインは、フォックスとキュートと一緒に買い物を楽しんでいた。
从*゚∀从「なんというカバン! これは間違いなくカバン!」
爪'ー`)「そりゃそうだろ。だってカバンだもん」
ショーウィンドウにべったりと顔を押し付け、ハインは子供のようにせわしなく動いた。
それをフォックスが宥めるという光景は、傍目に見てもかなり和やかだった。
o川*゚ー゚)o「そういえばね」
爪'ー`)「おう」
o川*゚ー゚)o「こないだバイト先に長岡君が来たんだよねー」
爪'ー`)「へぇ。それで?」
o川*゚ー゚)o「なんか店内で暴れそうになったから、店長呼んで帰ってもらっちゃった」
爪'ー`)「おー大変だったな。でもジョルジュが一人で暴れたのか?」
o川*゚ー゚)o「ううん。背の高いロン毛と喧嘩しそうだったんだよ。怖かったぁ」
爪'ー`)「ははは。キュートは怖がりだなぁ」
フォックスは聞き上手だったが、女の嘘にはめっきり気付けないタチをしていた。
o川*゚ー゚)o「うふふ」
.
- 796 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 04:35:57 ID:IOcv/6hU0
-
その後もしばらくショッピングを楽しんだ三人。
最終目的地の駅構内に入っていくと、彼らは壁際に寄って人の波に目を向けた。
从 ゚∀从「……それで、ここで何が見れるんだ?」
ハインの質問もよそに、フォックスはしきりに腕時計を見て時間を確認している。
時間としては、そろそろ帰宅ラッシュに差し掛かる頃だった。
爪'ー`)「……うし、そんじゃあ見てな」
途端、フォックスは荷物を置いて道のド真ん中に歩いていった。
それとほぼ同時のタイミングで、ラッシュ時特有の人の波が怒涛の勢いで彼に迫った。
从;゚∀从「えっ? おい人にぶつかるぞ!」
o川*゚ー゚)o「いいのいいの。これが『特訓』だから」
从;゚∀从「特訓? ってあの人――」
爪'ー`)(見とけよ高岡。これが俺自慢の体さばきだ……!)
人に押されて揉みくちゃになる。ハインはそう思っていたが、フォックスの動きは丸でその逆だった。
彼は人と人との間を次々とすり抜け、あろう事かどんどん前へと進んでいく。
从;゚∀从「凄い……ホントに全部避けてるの?」
o川*゚ー゚)o「別に全部避けてる訳じゃないよ。物理的に避けられないのは掠ってるしね。
でも、あの人間の密度で本当に難しい事は 『人の足を踏まないこと』 と 『止まらないこと』 の二つなの」
从;゚∀从「た、確かに……」
.
- 797 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 04:52:35 ID:IOcv/6hU0
-
o川*゚ー゚)o「先に言っとくけど、あの動きが簡単に真似できるとは思わないでね」
从;゚∀从「そりゃ……あれは無理だって」
o川*゚ー゚)o「目を失った人の聴覚が冴えるように、あの人は一度、体の一部を壊されてるの。
だから足が動くようになった訳じゃないけど、あれだけ足が動くようになったのは運や才能の話じゃない……」
从 ゚∀从「……」
そうこうしてる間にラッシュの人混みも落ち着き、まばらになってきた。
既にフォックスはハイン達から大きく離れており、一番端っこの壁際で手を振っていた。
o川*゚ー゚)o「まぁ今はこの時間帯でやる必要は無いと思うよ。レベルで言ったら最高の10だしね」
从;゚∀从「レベル10を先に見せたのか……」
o川*゚ー゚)o「でも、どうせその内到達するレベル……そうでしょ?」
キュートに胸を内を当てられたハインは、ささやかな笑みを彼女に見せた。
从 ゚∀从「ちょっと先輩にコツ聞いてくる!」
o川*゚ー゚)o「んー頑張ってねー」
.
- 798 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 05:10:56 ID:IOcv/6hU0
-
現在、ハインは打倒上位ランカーを目標に特訓中である。
これまで戦った者達を師事し、その技術を学んでいる。
倒すべき相手は順に言って 『八頭身』 『デルタ関ヶ原』 『流石母者』 の三人だ。
もちろんこの間に入るランカーは全て倒す。杉浦ランキングに連なる強敵を前に、ハインは胸の高鳴りを抑え切れなかった。
そして更にあくる日。
杉浦ランキングの公式ホームページに、新たな宣伝文が書き添えられた。
『4位・流石母者 VS 7位・素直クール』
『14位・クックル VS 15位・ハインリッヒ高岡』
エアマスターの事もあるが、話題は当然一桁ランカー同士の対戦に集中。
その激闘は最早必至であり、ファイター達はこれを毎日噂した。
4位と7位。
一体どちらが勝利するのか、それを予想出来たのは極少数の者達だった。
.
- 799 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 05:19:11 ID:IOcv/6hU0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>663-684 (後編)
5 >>691-737 ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!
6 >>739-751 またお前か! ジョルジュのリベンジマッチ!
7 >>756-798 ティータイム! 時には色んな話を!
次回のエアマスターは少し先になります。
書かなきゃいけないものを色々投げ出してたので、今やもうサボった書き溜め分がドッサリです。
そして、今後の展開次第ではエアマスター用のスレを新たに立てようとも考えています。
とにかく当スレを>>1000まで終わらせたい気持ちで一杯です。どうしてこうなった
- 800 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 05:27:57 ID:IOcv/6hU0
- 俺が華麗に800ゲット
∧_∧
∧_∧ (´<_` )流石だな兄者
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄./|
__(__ニつ/ /| .|___
\/____/(u ⊃
- 801 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 13:06:33 ID:KmE/YdgU0
- やっぱ日常回必要だよな
あと200じゃん頑張れ
- 802 :名も無きAAのようです:2012/11/08(木) 13:24:30 ID:3wLkzJIU0
- むしろ次スレが必要な勢い
- 803 :名も無きAAのようです:2012/11/09(金) 13:43:57 ID:zGc1stiQ0
- ギコが殺意の波動に目覚めてしまう…
- 804 :名も無きAAのようです:2012/11/11(日) 16:19:46 ID:P1y5qlig0
- そういやこれって撃鉄とリンクしてるの?
- 805 :名も無きAAのようです:2012/11/11(日) 17:19:24 ID:dOBtNpuI0
- >>804
してますよ!
でも細かい説明はしません!
- 806 :名も無きAAのようです:2012/11/12(月) 03:24:25 ID:es.2CgpEO
- ω・)いや、ショボンはファイターでだせよ
- 807 :名も無きAAのようです:2012/11/12(月) 11:53:19 ID:ejGsUD9I0
- なんだコイツ
変なレスの仕方だな
- 808 :名も無きAAのようです:2012/11/18(日) 00:33:45 ID:mXUd/iik0
- 撃鉄もどっちも待っていますよ
- 809 :名も無きAAのようです:2012/11/19(月) 16:47:01 ID:Oj6RF6N60
- 今週末にエアマスター書きます。
金曜夜〜月曜早朝までのながら投下を予定してます。
このスレもいよいよ終わりですね。やったぜ。
- 810 :名も無きAAのようです:2012/11/19(月) 17:58:35 ID:QqKs03uM0
- ついにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 811 :名も無きAAのようです:2012/11/23(金) 14:51:20 ID:svzJE7sg0
- 月曜テストなんだけどどっちを優先すればいいのだ
- 812 :名も無きAAのようです:2012/11/23(金) 20:46:15 ID:jDcYA3Rw0
- カイジ2見終わった頃に始めますよ!
日付が変わる頃ですかね! 寝てたらごめんなさい!
>>811
テスト頑張ってください!
ブブブーブォォオブオーブブォーブーブーブブブーブォォオブオーブブォーブーブー
ブォ / ̄\ーブーブーブブーンブォーオ ブォ / ̄\ーブーブーブブーンブォーオ
ンー| ^o^|∩==<! プォープォーブ ブーンー| ^o^|∩==<! プォープォーブブー
ブォ \_/| | ブーブブーブォーーー ブォ \_/| | ブーブブーブォーーー
ォー _| |__| | ブォーーブ ブブー プォーォー ._| |__| | ブォーーブブブープォー
ー| _| ォーブーーーブブォーブォブー| _| ォーブーーーブブォーブ
ブォ| | | .ブォーブーブーブーンブブーブー| | | ブォーブーブーブーンブー
ブブブーブォォオブオーブブォーブーブーブブブーブォォオブオーブブォーブーブー
ブォ / ̄\ーブーブーブブーンブォーオ ブォ / ̄\ーブーブーブブーンブォーオ
ンー| ^o^|∩==<! プォープォーブ ブーンー| ^o^|∩==<! プォープォーブブー
ブォ \_/| | ブーブブーブォーーー ブォ \_/| | ブーブブーブォーーー
ォー _| |__| | ブォーーブ ブブー プォーォー ._| |__| | ブォーーブブブープォー
ー| _| ォーブーーーブブォーブォブー| _| ォーブーーーブブォーブ
ブォ| | | .ブォーブーブーブーンブブーブー| | | ブォーブーブーブーンブー
ブブブーブォォオブオーブブォーブーブーブブブーブォォオブオーブブォーブーブー
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 声援の荒らし <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^ ̄
- 813 :名も無きAAのようです:2012/11/23(金) 21:55:30 ID:QfGKROsQ0
- ワロタ
- 814 :名も無きAAのようです:2012/11/23(金) 23:39:24 ID:svzJE7sg0
- 絶望……圧倒的絶望っ…………
勉強しなければならない…………………しかしやる気がでない………………
そこである考えが思いつく……………………
バレれば退学……………禁断の技………………
ざわざわ
ざわざわ ざわざわ
- 815 :名も無きAAのようです:2012/11/23(金) 23:59:58 ID:jDcYA3Rw0
- 始めます!
前回と同じで投下はクッソ遅いです!
寝たほうが賢明だと思います!
- 816 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 00:04:20 ID:tUFIE9GY0
-
【ラウンジ広場】
(# ・∀・)「ぜぇええええい!!」
白昼堂々とストリートファイトに励む男、一人。
自称“エアマスター永遠のライバル”、モララーである。
第一話で即退場したアイツである。
(# ・∀・)「どぉぉぉぉした街のクソガキ共! さっさとかかって来いよオラァ!」
(#´・_ゝ・`)「うおおおお! うおおおおお!」
(# ・∀・)「ふんっ!!」
(´・_ゝ・`)(アカン)
歩く加齢臭こと盛岡デミタスはモララーの掌底打ちを顔面に受け、鼻血を噴き出しながらコンクリートに倒れた。
.
- 817 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 00:07:12 ID:tUFIE9GY0
-
( ・∀・)「……どうしてだ……」
(; >・∀・)>「こんなにも強いのに! 強くなったのに! なんでエアマスターに勝てないんだ!?」
彼が猛特訓の末に手にした確固たる実力。
それは街の不良10人に囲まれても一分で片がつく程の強さだが、エアマスターは更にその上を行く……。
ゆえに彼は迷走していた。
エアマスターより強くなりたい。しかしその方法が分からない。
結果、何をどうすればいいのか検討もつかないまま、モララーは本日24人目となる相手を打ち負かした。
(# ・∀・)「おいおいザコばっかじゃねぇか! この街はよォ!!」
(# ・∀・)
(; ・∀・)「まさか俺が強くなりすぎたのか……? そうなのか……?」
彼は迷走していた。
.
- 818 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 00:14:54 ID:tUFIE9GY0
-
(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ」
(; ・∀・)「……あ? なんだよ25人目」
(=゚ω゚)ノ「あんた、俺とやってみるかょぅ」
続いて現れた男は、やけにヌルヌルと移動しつつモララーに接近してきた。。
彼は不思議に思って男の足元を一瞥。男の靴は、街中では見慣れないものだった。
( ・∀・)「……それスケート靴だよな。インラインスケートとかいうヤツだよな」
(=゚ω゚)ノ「そうだょぅ」
( ・∀・)「……」
(# ・∀・)「……舐めてんのか……!」
(=゚ω゚)ノ「その通りだょぅ」
シャーシャーと音を立て、男はモララーの周囲をグルグルと回った。
(# ・∀・)「煽って……るよなぁ……?」
(*=゚ω゚)ノ「そうだょぅ」 プークスクス
.
- 819 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 00:26:40 ID:tUFIE9GY0
-
(# ・∀・)「良い度胸だ! でもな! そんな度胸が通じない相手ってのも居るんだぜ!」
(# ・∀・)「今日はそれだけ覚えて気絶しとけ!!」
モララーは身構え、男に向かって一直線に飛び掛った。
(# ・∀・)「ブッ飛ばしてやるッッッ!!」
(#=゚ω゚)ノ「蹴っ飛ばすょぅ!」
しかし不運な事に、彼らの戦いは余す所無く全カットされるのであった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第八話 「夜空に輝く星の雄叫び」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
- 820 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 00:39:41 ID:LAV4uSxI0
- モララーって残念な奴だよな…
サブタイの雰囲気が変わったし新展開か期待
- 821 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 00:42:18 ID:tUFIE9GY0
-
(; ・∀・)「はっ……はっ……!」
(; ・∀・)「インラインスケート……正直舐めてたわ……」
(=(#)ω゙゚)ヘ
激闘の末、辛くも勝利を収めたモララー。
このぃょぅという男も中々に手強い相手だったが、僅かにモララーの実力が上回っていたようだ。
(; ・∀・)「……」
(; ・∀・)「疲れた。帰ろう」
そして彼は実に呆気なくそう言い放ち、広場から去って行った。
(=(#)ω゙゚)ヘ(アイツつぇぇ……)
モララーが居なくなると、彼に入れ替わって一人の男がやってきた。
男は倒れているぃょぅの傍に歩み寄ると、ペットボトルの水をぃょぅの顔面に浴びせた。
<_;プー゚)フ「何やってんだ? お前」
(=(#)ω゙゚)ヘ「……見て分かってほしぃょぅ」
<_;プー゚)フ「いやボコられたのは分かるけどよ……。立てないほどやられたのか?」
(=(#)ω゙゚)ヘ「足は折れてないから立てるょぅ……」 スクッ
<_;プー゚)フ「うわぁ腕折れてるじゃん。痛そ」
.
- 822 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:00:09 ID:tUFIE9GY0
-
(=(#)ω゙゚)ヘ 「そんで何か用ですかょぅ。前貸した金でも返しに来てくれたんですかょぅ」
<_;プー゚)フ「あ、いや……金は無いけど話はあるぞ!」
ぃょぅは溜息混じりに俯き、エクストの話に耳を傾けた。
<_プー゚)フ「まず一つ。明日の昼、4位と7位が戦う。
場所はこの広場で、俺はその下見に来たって訳だ」
(=(#)ω゙゚)ヘ「下見って……エクストさんは俺と一緒にギャラリーだょぅ」
<_プー゚)フ「いや、4位と7位、どっちが勝とうが俺は勝った方に挑むぜ。
漁夫の利とかいうアレを狙う」
(=(#)ω゙゚)ヘ「はぁ……そうですかょぅ」
<_;プー゚)フ「……そんで、もう一つ」
エクストは急に声色を変え、話を再開した。
<_;プー゚)フ「元3位の鈴木が見境無しにランカーを狩りまくってる。
噂じゃ30位台の奴までボロ雑巾にされてるらしい」
(=(#)ω゙゚)ヘ (もうボロ雑巾だょぅ)
.
- 823 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:17:43 ID:tUFIE9GY0
-
<_;プー゚)フ「俺らは20位台だからまだ大丈夫だろうが、念のため忠告に来た」
(=(#)ω゙゚)ヘ (手遅れすぎるょぅ……腕折れてるょぅ……)
<_;プー゚)フ「とにかく気ぃつけろよ! 俺もうバイト戻っから! 適当に水飲んどけよ!」
言いたい事を言い終えたエクストは水をぃょぅに手渡すと、そのまま背を向けて広場から出て行った。
ようやく病院に行ける。
ぃょぅはやっと安心して歩き出し、自身も広場の出口へ向かった。
(=(#)ω゙゚)ヘ 「……」
/ ゚、。 / 「残り三本、貰ってくぞ」
次の瞬間、ボギンという痛烈な音が三度鳴り響き、ぃょぅの意識は闇の中へ落ちた。
.
- 824 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:21:48 ID:KdfGmtso0
- 脇役共の不憫さといったらもう
- 825 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:31:44 ID:tUFIE9GY0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
かくして学校である。
ハインとジョルジュ、そしてペニサスの三人は学食で昼食を食べており、適当に駄弁りながらグダグダしていた。
_
( ゚∀゚)「そんでさぁ、なんか空からしめじ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「失礼、相席してもいいかい?」
ジョルジュの話を遮り、現れたのは彼らの担任の流石父者だった。
('、`*川 「あ、どうぞ」
父者はペニサスの隣りに座り、トレーを置いて淡々と食事を開始した。
その光景は特に何の面白味もなく、ただオッサンが無言で飯食ってるだけだった。
从 ゚∀从「あ、そういえば昨日チン」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「実は君達に相談があるんだ」
またもや話を遮った父者。
突拍子も無い一言に、皆は一様に硬直する。
.
- 826 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:33:13 ID:MY8E72FkO
- エアマスターには揉めば勝てるだろう
- 827 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:44:33 ID:LAV4uSxI0
- どんな会話してんだよこいつら
- 828 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 01:55:14 ID:tUFIE9GY0
-
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「なんだか最近、ウチの女房がやけに大人しくてね……」
('、` ;川 「えっ? 先生結婚してたんですか? 一体どんな……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「はは。可愛いもんさ」
从;゚∀从(あの怪物を可愛いって……)
そう。実は驚くことに杉浦ランキング4位・流石母者の夫は流石父者なのである。
最近では年の差カップルの話題が目立つが、実力差カップルで言えば彼ら流石夫婦こそがその頂点に相応しい。
母者の最強っぷりに比べると、父者はカイワレ大根かヒモQに等しかった。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「通ってたジムも辞めてるし、最近は素手でビル登ったりしてないし……」
_
(; ゚∀゚)「素手!?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「何より、あのアホ息子達に対して気持ち悪いほど優しいんだ……」
('、` ;川 (普通ならイメチェンとかで片付くけど、素手でビル登る人の事なんて知らんがな……)
.
- 829 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 02:18:02 ID:tUFIE9GY0
-
|
<おい、見つかったか!
| くそ、あいつどこに行きやがった!!
|
| (^q^ ):::::: むだだ
| / ハ::::::: りせいにしばられたおまえらでは
| l .| | /:::::: わたしをしばりつけることなどできないのだ
| ヽl l/::::::
| < <l l:::::::
| \| l:::::
|______し:::____________
すいません! まだ始めて10レス程度ですが寝ます!
5時には起きて再開します! 寝てたら寝てると思います!
- 830 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 08:10:47 ID:wpK6DPiI0
- おきてください!!!!!!!!!!!!!!!!
- 831 :おはようございます!:2012/11/24(土) 09:43:47 ID:tUFIE9GY0
-
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「それでこないだ“引退する”って言ったきり、家には帰って来てないんだよ」
从 ゚∀从「引退……」
_
( ゚∀゚)(……今度の7位戦が最後って事か?)
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「あっそうだ。伊藤君には仕事があるんだった」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「次の授業で使うプリントだけど、僕の机から教室に運んどいて」
('、` ;川 「えぇ〜」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「まぁまぁ。成績、良い感じにしとくから」
渋るペニサスを教師特権で説得した父者。
ペニサスは 「ま、まぁそれなら別に……?」 と成績優遇の誘惑に負け、席を立った。
.
- 832 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 10:03:44 ID:tUFIE9GY0
-
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ほら、長岡君も」
_
(; ゚∀゚)「え!? 俺もっすか!」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「当たり前だろ。女の子に力仕事させちゃ駄目だ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「……それに、本当に用があるのは “エアマスター” だけだ」
その一言を聞いた途端、ハインは席を飛び上がり、テーブルに両手をたたきつけた。
絶対の秘密である“エアマスター”としての自分。それを、父者は当然のように知っていた。
从;゚∀从「……」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「脅す気は無いよ。むしろ頼みがある」
すると父者はジョルジュを一瞥し、端的に言った。
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「長岡、お前に用は無い。席を外してくれ」
_
(; ゚∀゚)「……」
从;゚∀从「……ジョルジュ」
_
(; ‐∀‐)「……分かったよ! 消えるさ、すぐに」
ジョルジュは納得いかない様子だったが、ハインの意図を汲み、席を立ってペニサスを追った。
それを見送ったハインは席に掛け直し、父者を見据えて問い掛けた。
.
- 833 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 10:17:15 ID:tUFIE9GY0
-
从;゚∀从「それで、一体何の用が……?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「身構えなくていいよ。簡単な話だ。ウチの女房を探してほしい」
从;゚∀从「……それだけ?」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「こんだけ」
从;´∀从(良かったー)
ここ最近まともな男に出会ってないせいか、ハインはかなり警戒して父者に向かっていた。
しかし実際は単たる人探しの頼みで、拍子抜けというか、ハインは父者が普通の男である事に安心した。
从 ゚∀从「たぶん明日には帰ってくると思いますよ。
今度のファイトが引退試合なら、きっと」
彡⌒ミ
(* ´_ゝ`)「そうなのかい? うわぁ嬉しいなぁ」
从 ゚∀从「……」
この時、ハインの頭は別の事を考えていた。
流石母者がストリートファイトを引退するなら、その前に彼女と決着をつけなくてはならない。
しかも引退試合は明日の昼。残り時間は限られている。
.
- 834 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 10:22:00 ID:tUFIE9GY0
-
从 ゚∀从「――先生、ちょっと今日早退します。流石母者を探しに行かなきゃ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「え?」
彡⌒ミ
(; ´_ゝ`)「いやいや、別に急ぎの用じゃないからそんな……」
父者の言葉も気にせず、ハインは再び席を立って駆け出した。
从 ゚∀从「先生! あっちの名前は秘密にしといてね!」
ハインは学校を飛び出し、真昼間の街中を疾走した。
.
- 835 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 10:46:42 ID:tUFIE9GY0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ・∀・)「……おい、おいおいおい、こりゃどーいう状況だよ」
モララーはコンビニ袋を片手に、路上の真ん中で立ち止まった。
彼の左側にはフェンスがあり、その向こうにはまぁまぁの川が流れている。
そしてどういう訳か、川には大量の人間が浮いて流されているのだった。
( ・∀・)「ビックリだわ。俺も20人くらいブッ飛ばしたけど、さすがに両腕両足は折らなかったぞ」
/ ゚、。 /「……片腕折れてたぞ、あいつ」
( ・∀・)「知らんなぁ」
コンビニ袋を道の端に寄せ、モララーはダイオードを前に身構えた。
( ・∀・)「あれやったのお前だよな? 俺もああするのか?」
/ ゚、。 /「好きに喋ってていいぞ。即バキバキだからな」
( ・∀・)「笑えねぇ冗談だ。来いよクソガキ、即ボコボコにしてやる」
瞬間モララーは踏み出し、ダイオードめがけて右の縦拳を打った。
そこから続けて左のローキックで相手の懐へ潜り、更に肘打ちを放った。
.
- 836 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 11:13:15 ID:tUFIE9GY0
-
ダイオードはこの連続攻撃を難なく避けてみせた。
モララーの拳は鋭く速かったが、彼の動体視力と肉体の反射速度はそれを容易に捉えていた。
(; ・∀・)(コイツ化け物か!?)
全力で攻め続けるモララーと、その攻撃を一寸のところで避け続けるダイオード。
攻勢はモララーに違いない。しかし、優位に立っているのはダイオードの方だった。
/ ゚、。 /「満足したか?」
(; ・∀・)「うおッ!?」
モララーの左ストレートがダイオードの片手に受け止められた。
モララーは咄嗟に拳を引き戻したが、ダイオードの握力がそれを許さない。
掴んだ拳からモララーの腕を取り、そのまま脇に締める。
/ ゚、。 /「まず一本」
グキン、という痛々しい音が低く鳴った。
(; ∀ )「がッ……!」
モララーの左腕があらぬ方向を向き、彼に途轍もない激痛を感じさせる。
これは立関節といい、文字通り立ったまま行う関節技である。
実を言えば、路上格闘において関節技を極められるパターンはかなり多い。
柔道やレスリングを筆頭に続く “地面を活用した戦法” だろうと、関節技の前には苦戦を強いられるだろう。
試合ならともなく、路上にギブアップは無い。
故に、関節技は相手を破壊するまで止まらないのだ。
.
- 837 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 11:29:42 ID:tUFIE9GY0
-
ダイオードは一旦下がり、モララーの様子を窺った。
モララーは痛みに狼狽してフラフラと立っており、既に前が見えていないようだった。
/ ゚、。 /「外されたのは初めてっぽいな。その痛み、あと三回続くから」
ダイオードに迷いは無かった。
彼はさっとモララーの両足を取り、一気に引き上げてモララーを地面に倒した。
瞬間、モララーの右足にダイオードが取り付いた。
(; ∀ )「離れ――ッ!」
先程より鈍い音が鳴り、彼の右足が逆方向を向いた。
だがこれだけでは終わらない。ダイオードは右足を外すと、そのまま彼の左足に手を伸ばした。
|#(●), 、(●)、| 「――ぬぅんッッ!!」
/ ゚、。 /「おっと!」
足に取り付いたダイオードを離そうと、足を蹴り出したのは覆面男のルチャマスターだった。
ルチャマスターはダイオードが後退するのを見ると、体の二箇所を破壊されたモララーに声を掛けた。
|(●), 、(●)、|「大丈夫か若者。助けに来たぞ」
(; ∀ )「……余計な世話だクソッタレが……!」
|(●), 、(●)、|「二箇所か……。少し痛むが、我慢してくれ」
するとダディは馴れた手つきで外された関節に触れた。
彼がふっと力を入れると、モララーの手足が元の方向に戻った。
.
- 838 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 11:43:41 ID:tUFIE9GY0
-
/ ゚、。 /「へぇ……あんた、関節技知ってるのか」
ルチャはモララーを端に置くと、ギラついた視線をダイオードに向けた。
その目には明らかな怒りが宿っており、彼が本気で切れている事を表していた。
|(●), 、(●)、|「俺はプロレスラーだが基礎はレスリングだ。
だからこそ、一番敵にしたくない関節技への対処を学んでいる」
/ ゚、。 /「……」
|(●), 、(●)、|「ランカー狩り……いや、元3位」
/ ゚、。 /「嫌味かよ」
|(●), 、(●)、|「お前は少々――いや、相当だ! 相当やりすぎた!
例えお前がどんなに強かろうと、やられた奴の借りは返すぞ!」
ルチャはダイオードの真ん前まで歩き、低い声で一言だけ呟いた。
|(●), 、(●)、|「とりあえず、避けろよ」
.
- 839 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 11:48:53 ID:tUFIE9GY0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>663-684 (後編)
5 >>691-737 ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!
6 >>739-751 またお前か! ジョルジュのリベンジマッチ!
7 >>756-798 ティータイム! 時には色んな話を!
8 >>816-838 夜空に輝く星の雄叫び(前編)
すこし休んだら再開します
- 840 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 13:10:19 ID:tUFIE9GY0
- 夕方から再開します(´;ω;`)
ごめんなさい(´;ω;`) 書き溜めてきます(´;ω;`)
- 841 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 13:15:38 ID:LAV4uSxI0
- 待ってるから無理すんなー
- 842 :1レス超短編:2012/11/24(土) 16:00:36 ID:tUFIE9GY0
-
【 ( ^ω^)特にツッコミどころも無いようです 】
ひょんな事から千葉ロッテマリーンズを壊滅させたブーンは
双子のボブサップと共にスーパー銭湯の残り湯でパンをこね始めた
(; ^ω^)「やったお! ついに新型エヴァンゲリオン完成だお!」
〜〜ドクオの前歯投げ大会 当日〜〜
( ^ω^)「カーチャン・・・いよいよ大会が始まるお・・・」
( ^ω^)「ウミウシ、仏壇に置いとくお」
J( 'ー`)し「いってらっしゃい」
( ^ω^)「カーチャン! テトリスの━が落ちて来なくて死んだはずじゃ!?」
J( 'ー`)し「プライドがあれば何とだって戦えるのよ。たとえ山盛りの松崎しげるでもね」
( ^ω^)「大泉洋は?」
J( 'ー`)し「いけるわ」
( ^ω^)「すげー!」
おわり
- 843 :1レス超短編:2012/11/24(土) 16:01:59 ID:tUFIE9GY0
-
【 ( ^ω^)特にツッコミどころも無いようです Z 】
シャ乱Qとの戦いを間近に控えたブーンは、厳しい残暑の末にメンズノンノの表紙を飾った。
しかし不意に飛び出してきたクロマグロと衝突した事により、ブーンは全身の骨をケンタッキーフライドチキンのものに替えざるをえない体になってしまった。
かくしてニップレス男爵からジンバブエ格闘術の極意を教わったブーン。
ドコサヘキサエン流柔術の総師範を倒すべく、今日もブーンは納豆を練っていた。
( ヘノヘ)「ぐぼぼwwwwww」
( ^ω^)「煮豆くん! 気象庁のアイドル煮豆くんじゃないか!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ハッ! ブーンそれは罠よ!」
( ^ω^)「えっ」
( ヘノヘ)「げろげろwwwwwww」
そして、彼らの夏が始まる――
おわり
- 844 :1レス超短編:2012/11/24(土) 16:04:28 ID:tUFIE9GY0
-
【 ( ^ω^)特にツッコミどころも無いようです ZZ 】
20歳になるまでクロスリバーゴリラとして育てられていたブーン。
彼は親ゴリラの死を切欠に人間社会への復帰を試みたが、クロスリバーゴリラの常識が通じないせいで苦悩を強いられていた。
そんな中、義理の姉ゴリラが料亭を開いたという知らせが入ってきた。
ブーンは喜んでドラミングしつつその料亭へ向かった。しかし、そこで見たのは姉ゴリラの涙だった・・・
人
ご`ヽ、 「ウホホーイ・・・」
ら,り⌒\
/ ノ ゙ヽ
{ /`Y´ _)
ヽ'^) >. )
( ^ω^)「そんな・・・」
話を聞けば、料亭に来る客がグルメゴリラばかりでクレームが殺到したらしい。
しかも一週間以内に納得できる味の料理を出せなければ、この料亭はゴリラ園に改築すると予告された。
( ^ω^)「決めたお! オイラが料理人になってそいつら見返すお!」
人
ご`ヽ、 「ウホホイ・・・!」
ら,り⌒\
/ ノ ゙ヽ
{ /`Y´ _)
ヽ'^) >. ) ●
今冬、劇場に感動のゴリラドラマがやってくる――
おわり
- 845 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 16:09:58 ID:tUFIE9GY0
- エアマスターがまったく書けないです。そのせいで謎の短編が生まれました
なんとか頑張って書いていますが、また別の何かが生まれるかも知れません
ごめんNE!
- 846 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 17:59:31 ID:tUFIE9GY0
- う う
で で
う う
で で
う う
で で
う( ^o^) う かけねえええええええええええええええ!!!!!!!!!!
む ね
む ね
は ら
は ら
こ .し せいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいし
こ .し せいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいし
し いんち●こち●こせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいし
り のう せいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいし
も も せいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいしせいし
も も
ひ ざ
す ね
す ね
あ .し
圧倒的にモチベが足りてないです!!
ながら投下舐めてました! 一回やれたからって二度目は無いらしいです!!
今日明日の投下やめます!! でもクリスマスには100%やれるので待っててください!
すいません許してください!
- 847 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 19:25:29 ID:wpK6DPiI0
- えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ←何か大行進に見える
- 848 :名も無きAAのようです:2012/11/24(土) 21:04:03 ID:gq2xLt0M0
- ちょっと休めよww
- 849 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 02:06:00 ID:NxfUAW120
- 今日か……
くる………よな………?
- 850 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 05:51:23 ID:QMHcc.hs0
-
〜〜伝説のスーパー作者マン〜〜
_. \ ヽ '':::...,,,,, ,,,...:::;;..,, i,-、/ / i ___...,, 、
\`ー-\_ ,.-、 /\/ ̄ヽ!A ヽ. / / ̄,' / ノ:i
_> ‐- ` 、://).ヾ' .,-、 〉!、 i> _..,,/ ,' L__/ .ノ
_ ̄¨>‐-二ニ!、 `l `i\ ; .: !/ ヾ、 ,.-── '´ ,' . _/
. `゙゙>、フ /(>イ. `´゙i<=/ / ./ _ _,,.... >´¨ ̄ ̄
. : ´  ̄`< i_i', !ゝ='/´ //___ ノ ヽ、 今日がクリスマス? 違う、今日はスレ終了の日だ。
ヽ==i ¨'._ ''' / / . : ´ `ヽ..,≦__,' ヽ..,,,_
:. !、 . ̄ベ._ / '''''''''' `丶 _, − i エアマスター、まずはお前から血祭りにあげてやる。
, -‐‐‐‐- 、 ', `丶、 _ ̄7´ -‐ :;;..,, `ヽ /
`丶、i.,,,, --‐‐‐'"// / ,,,,..... \ ___′ ) i ただし、読者が一人でも支援する意思を見せなければ
_____.〆¨ ./ / ヽ;: / i
/;;;;;;;;, `i / / ., : ,. .,,,__ ヽ. i i 俺はこのスレを自演で埋め尽くすだけだぁ!
/;;;;;;;;;;;;:' ./ .i .i ,,..... `丶、 / ノ __∠_,!
/;;;;;;;;;;;;;;:'' / ! .! : ヽ.´ /丁
,:;;;;;;;;;;;;:'' ./ ', ', `:::::..... /__,/ /、
- 851 :残り149レス:2012/12/25(火) 05:53:13 ID:QMHcc.hs0
- エアマスターは若干書き溜めがあるだけです。駄目みたいですね
よって殆どながら投下になりますが、前回の事があるのでゆっくり書きます。1レス3時間でも普通だな!
あまりに展開に詰まった時は没ネタ投下で時間を稼ぎます。最近没ネタ投下が無かったので色々と凄いです
そして既に年末休みに入っているので死ぬまで書きます。 \↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓/
終わるまで書き続けます。作者が死ぬかスレが終わるかです。 → スレ倍プッシュは無いです ←
/↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑\
ちなみに最近は撃鉄完全版とかいう神作品を書いています。
そのプロットが14話まで仮完成しており、勝ったなと言わざるをえません。勝ったな
- 852 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:29:35 ID:QMHcc.hs0
-
〜〜喫茶店 マジキチ〜〜
o川*゚ー゚)o「お待たせしましたー」
店員はトレーにコーヒーとケーキを二つずつ乗せてやって来た。
それらをテーブルに移して軽く頭を下げると、店員はすぐにテーブルから離れる。
( ФωФ)「……フォックス、近頃のお前の行動は知っている。
1さん親衛隊への奇襲を企て、そしてあの八頭身と互角に渡り合った」
爪;'ー`)「いや互角って感じでもなかったけど」
( ФωФ)「お前達の行動は 俺の計画に小さな歪みを生んだ。
八頭身もランキングにスカウトするつもりだったが、あいつは俺の誘いを断った」
( ФωФ)「そして、更にこう言われた」
┌─────────────────────┐
│.∧_∧ │
│( ´Д`) “あのボクサーが居るなら考える……” .│
│ ..│
└─────────────────────┘
.
- 853 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:30:15 ID:QMHcc.hs0
-
杉浦はコーヒーを一口啜り、更に続けた。
( ФωФ)「さて」
( ФωФ)「一度は戦意を失い、ランキングから身を引いたお前だが……」
( ФωФ)「……もう一度、俺の仕立てたリングに立つ勇気はあるか?」
爪'ー`)「あっ――」
爪#'ー`)b 「――ッたり前だ! 俺はその為に特訓しまくってたんだよ!!」
( ФωФ)「はは。それは頼もし」
その時、杉浦の言葉を遮って、彼の携帯が高らかに着メロを流した。
爪;'ー`)「なんだよ良いトコなのに……」
(; ФωФ)「……マズイな……」
届いたメールを読んだ杉浦の額に、嫌な汗が一気に噴き出した。
メールには主に三つの事が書かれていたが、そのどれもが大事故並の内容だったのである。
一つ、元3位・鈴木ダイオードのランカー狩りが加速している。
.
- 854 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:31:16 ID:QMHcc.hs0
-
二つ。
|( ), 、( )、|
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「ルチャマスター。あんた弱いんだから無茶すんじゃないよ……」
/ ゚、。 / (ルチャ……無茶……ギャグか?)
鈴木ダイオードの前に、現4位の流石母者が出てきた事。
.
- 855 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:31:56 ID:QMHcc.hs0
-
三つ。
从;゚∀从「あの、ちょっと道を訪ねたいのですが……」
川 ゚ -゚)「……14位の、エアマスターだな」
从;゚∀从「……」
从;゚∀从「そういうあんたは、確か7位の素直なんとか……」
道に迷ったエアマスターが、あろう事か現7位と遭遇した事である。
.
- 856 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:32:36 ID:QMHcc.hs0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第八話 「夜空に輝く星の雄叫び 後編」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
- 857 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:33:46 ID:QMHcc.hs0
-
フェンスの向こうに流れる川には、およそ30人ほどの雑魚が流れている。
道の脇には気絶しないまでも戦意喪失状態のモララーと、ぽっくり気絶したルチャマスターが居る。
そして、この状況で唯一無傷の者が一人。
/ ゚、。 / 「……4位か。これまたデッカイ相手が来たもんだぜ」
鈴木ダイオードは、余裕の表情で流石母者を迎えた。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「……あんたが荒れてるとは聞いてたが……」
/ ゚、。 / 「荒れてるんじゃねぇ。戦ってるだけだ」
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「……まぁ何でもいいさ」
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「そろそろ、雑魚狩りにも飽きてきただろう」
母者は軽く拳を鳴らして構えると、指先をクイッと動かしてダイオードを煽った。
/ ゚、。 / 「……俺は好きだぜ。こういう、分かりやすいの」
.
- 858 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 06:36:20 ID:QMHcc.hs0
-
ダイオードは駆け出し、真っ直ぐ母者の腕を取りにかかった。
戦いは既に始まっている。母者もダイオードの接近を見て、咄嗟に拳を振るった。
/ ゚、。 / (パンチが遅い……取れる!)
一気に姿勢を屈め、母者の拳を頭上に避ける。
だが、低姿勢になった瞬間、ダイオードの顔面に、母者の膝が直撃した。
/ ゚、 ;/(――読まれてる)
母者はダイオードが屈んで避ける事を予期し、拳とはタイミングをずらして膝を突き上げていた。
それが結果的に功を奏し、ダイオードは腕を取れなかった挙句、不意の一撃を食らってしまった。
/ ゚、。 ;/ (遅い拳は囮だった……油断したのは俺……)
ダイオードは一旦引いて鼻血を拭い、母者の様子をうかがった。
@@@
@#_、_@
( ノ`)
男ならば巨漢と呼ばれるに相応しい2メートル超えの肉体。
見るからに筋肉まみれの四肢に、もはや大木の幹と言って過言ではない首の太さ。
大量のパンチパーマがやばい。この時代に下駄とエプロン姿で歩いてる辺りやばい。
よく見直してみると、流石母者は間違いなく化け物だった。
ランカー狩りという行為こそ荒れているが、ダイオード自身は冷静な思考を保っている。
その冷静な思考が弾き出した“化け物”という結論に、彼はもう冷や汗を浮かべるしかなかった。
/ ゚、。 ;/ 「ははっ……たまらねぇなオイ……」
ダイオードは思わず呟き、もう一度構えて駆け出した。
.
- 859 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 08:23:04 ID:QMHcc.hs0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从;゚∀从「……」
川 ゚ -゚)「……」
沈黙のまま広場で対峙する二人。
7位・素直クール。いずれ倒すべき相手が目の前に居るが、今ハインが戦いたいのは流石母者の方だった。
从;゚∀从「……それじゃ」
川 ゚ -゚)「待ちなさい」
面倒事が起きる前に立ち去ろうとしたハインを彼女が呼び止める。
この瞬間、既に面倒事が起こっているのだとハインは理解した。
ハインは振り返り、素直クールをもう一度見つめた。
彼女は白のワンピースにクリーム色のコートを羽織っている。
背丈はハインと同じほど高く、髪は黒色の長髪。
一見“良い所の御嬢様”といった印象を受けるが、ハインはそれとは違う別の雰囲気を感じていた。
自分と同じ、戦いの中で生きる者の闘志。素直クールの目には、確かにその炎が垣間見える。
从;゚∀从「……どうせ一桁ランカーは全員倒す、けど」
从 ゚∀从「正直、あんたみたいなのとは最後にやりたかった」
ハインは心を決め、戦いに向け息を整えた。
.
- 860 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 08:29:24 ID:QMHcc.hs0
-
川 ゚ -゚)「……何か……」
从 ゚∀从「ん?」
川 ゚ -゚)「何か、勘違いしてるな」
从 ゚∀从「何かって?」
川 ゚ -゚)「私に戦う気なんて無い。呼び止めたのは、忠告の為」
素直クールは表情を変えぬまま言った
川 ゚ -゚)「流石母者には手を出すな。明日“アレ”と戦うのは私……私の待ち侘びた瞬間は、明日だ」
从;゚∀从(母者を“アレ”扱いか……)
从;‐∀从(普通なら馬鹿にした言い方なんだろうけど、あの人は本当に“アレ”だからな……)
彼女の言い分に半ば納得したハイン。
しかし明日のファイトで流石母者は引退する。ならば、ハインにとっては今日が最後のチャンス。
从 ゚∀从「……悪い。あんたの事情は知らないけど、こっちにも待ち侘びた瞬間がある」
从 ゚∀从「“絶対に止まらないぞ”」
ここで、エアマスターが引く筈が無かった。
.
- 861 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 08:33:10 ID:QMHcc.hs0
-
川 ゚ -゚)「……」
エアマスターの言葉を聞き、素直クールの顔が僅かにほころびる。
彼女もまた、ハインの目に闘志の閃光を見たのだった。
川 ゚ -゚)「いいだろう。アレとの前哨戦だ」
川 - )「――“殺してでも止めるぞ”」
その瞬間、エアマスターは空を飛んだ。
.
- 862 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 09:03:16 ID:QMHcc.hs0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
流石母者の特徴を挙げるとすれば、それはただ一点 “超怪力” をおいて他に無い。
しかもタチが悪い事に、彼女の超怪力には 『繊細な技術』 『不動の心』 『鋼の肉体』 が合わさっている。
大概の攻撃には動じない上に、彼女の一撃は大概の相手を吹き飛ばす。
かつての対戦者いわく、
『鉄の塊と戦ってる気分だ』
対して、鈴木ダイオードの特徴は“一撃の破壊力”である。
母者の超怪力とは似て非なるものだが、恐らく、人体に取り返しのつかない傷を与えるのは鈴木ダイオードの方だろう。
彼の攻撃は関節技による両手足の破壊が目的であり全て。
狙いとしてはシンプルだが、何より危惧すべきは彼の特異な動体視力だった。
“カウンター・サブミッション”
《カウンター・サブミッション》
鈴木ダイオードの最も恐るべき技は、相手の攻撃と同時に相手の四肢を砕く 反撃の関節技。
これこそ、彼が流石母者と拮抗する、あるいは凌駕しうる最大の特徴だった。
.
- 863 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 09:11:37 ID:QMHcc.hs0
-
鈴木ダイオード。流石母者。
二人は長らく杉浦ランキングに名を連ねていたが、その実、戦った事は一度も無かった。
戦わなかった理由は至極簡潔。
/ ゚、。 ;/
@@@
@#_、_@
( ノ`)
どちらの反撃も一撃で相手を沈める威力。
そして母者の“読み”がダイオードの動体視力を上回る以上、
“先手を取ったほうが負ける”という事が明白だからだ。
.
- 864 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 09:26:32 ID:QMHcc.hs0
-
鈴木ダイオードは考えていた。
先手を出すか、それとも後手に回るか。
カウンターを狙うなら当然後手に回るべきだ。しかし、流石母者はまだ本気を出していない。
母者の本気の一撃がどの程度速いのか、ダイオードはまるで知らなかった。
/ ゚、。 ;/(見えても避けられない、っていう事はあり得る)
/ ゚、。 ;/(それは イチ と戦って思い知らされた……不可避の攻撃は実在するってな)
一方、流石母者はダイオードの反撃をどう対処するか考えていた。
既に彼女は先手に出ると決めており、残る問題はカウンター・サブミッションへの対処だけだった。
@@@
@#_、_@
( ノ`) (……衰えたね。昔なら“カウンターを避けて殴り潰す”と一瞬で思いついた筈だ……)
@@@
@#_、_@
( ノ`) (引退は、間違ってなさそうだ……)
両者、不動。
思う事は違えど、この戦いの熾烈さはどちらも十分に理解していた。
.
- 865 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 09:43:26 ID:QMHcc.hs0
-
/ 、 / 「……なぁ、あんた知ってるか」
ふと、ダイオードが開口した。
彼はどういう訳か両腕を垂らして脱力しており、急に戦意を失ったように項垂れていた。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「……何を」
/ 、 / 「人間ってのはよ、目の色を変えられるんだ」
/ 、 / 「ただし変える時は一色だ。混ざった色じゃ意味がねぇ」
@@@
@#_、_@
(; ノ`) 「……」
/ 、 / 「次に目を開けた時、俺の目は――」
ふらりと上体を揺らしたかと思うと、ダイオードはその瞬間、流石母者の視界から消えた。
一瞬で背後に回られた。母者は振り向くと同時に裏拳を放った。
.
- 866 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 10:01:45 ID:QMHcc.hs0
-
流石母者の裏拳は、何にも当たらず空中を過ぎた。
そして、右足から全身にかけて、痛烈な衝撃が走り抜けた。
@@@
@#_、_@
(; ノ`)
/ ゙゚'、。 / 「――流石母者を殺す色になってる」
既に先程までの鈴木ダイオードは存在せず、文字通り目の色を変えた別人が立っていた。
@@@
@#_、_@
(; ノ`) (……右足が、明後日の方に捻れてる……)
母者が捉えることの出来ない速さで、鈴木ダイオードは母者の右足を破壊していた。
奥歯を噛み締め、口内に広がる酸っぱい唾液を飲み込む。
瞳孔が開き、母者の呼吸が徐々に荒れ始めた。
/ ゙゚'、。 / 「……」
/ 、 /
ダイオードは再び目を閉じ、満足気に息を吐きながら開けた。
/ ゚、。 / 「……あんたのおかげで開き直れた。俺自身終わったと思ってたが、俺にも“次の領域”があった」
.
- 867 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 10:14:27 ID:QMHcc.hs0
-
@@@
@#_、_@
(; ノ`) 「……何言ってんだい。そういうのは勝ってから言う台詞だ」
/ ゚、。 / 「流石母者、もうあんたは敵じゃない。それに、もう俺のランカー狩りも終わりだ」
未だ戦意を失わない母者とは打って変わり、ダイオードは全てを終えたような清々しさを誇っていた。
ダイオードは満面の笑みを浮かべると、ただ一言だけ残して姿を消した。
/ ゚、。 / 「7位との対戦、頑張れよ」
@@@
@#_、_@
(; ノ`) 「……」
そしてただ一人残された母者の心は、屈辱と後悔に大部分を食われていた。
@@@
@# 、_@
(; ノ )(こんな屈辱が……まだあったか……!)
鈴木ダイオードは明日の7位との戦いを知っていた。
だから右足だけを破壊して帰ったのだ。端的に言えば“母者は情けをかけられた”という事だ。
一方的な情けは何事にも比類しない屈辱。
母者はギチギチと拳を握り締めると同時に、一滴の涙を目から零した。
.
- 868 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 10:36:57 ID:QMHcc.hs0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(; ФωФ)「クソッ! 遅かった!」
爪;'ー`)「もう始まってる! 相手は7位だぞ!?」
杉浦が広場に着いた頃、既に二人のファイトは佳境に入っていた。
从;゚∀从(なんだコイツ! 蹴りがまるで届かない!)
ハインは戦い始めてからここまでずっと、あらゆる方法で攻撃を続けていた。
しかし、そのあらゆる方法が何一つとして届かないのだ。
从; ∀从(やっぱりミルナさんの言うこと聞いとけば……!)
事は先日に戻る。
ハインがミルナからスナイパー空手を習った時、ミルナが口走った“天敵”の話である。
.
- 869 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 10:54:58 ID:QMHcc.hs0
-
从 ゚∀从「いや〜習っといて言うのも変だけど、意外と使えそうじゃん」
(;゚д゚ )「意外とは何だ! スナイパー空手はどんな相手にも通じる必殺の――」
( ゚д゚ )「――いや、そういえばこの話をしていなかったな」
从 ゚∀从「?」
( ゚д゚ )「スナイパー空手の通じない相手だ。
ハイン、お前スナイパー空手の弱点は分かるか?」
从 ゚∀从「全体的に弱い」
( ゚д゚ )「破門にするぞ」
从 ゚∀从「オス」
( ‐д‐ )「……お前みたいな“対応型”の戦い方をする奴さ。
特に合気を扱う7位にだけは気をつけろ」
从;゚∀从「合気? 合気道とかいうアレか?」
( ゚д゚ )「いいか、テレビでやってるような技とは訳が違うんだ。7位の技は」
( ゚д゚ )「お前の攻撃じゃ絶対に通らない。戦う事は止めんが、なるべく後回しにしろ」
.
- 870 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 11:16:41 ID:QMHcc.hs0
-
急用が入ったのでしばらく席を離れます。
今晩か明日早朝から再開します。ごめんNE!
┏━━━━┓ ┏━━┓┏┓. ..┏┓
┃┏━━┓┃ ┣━━┫┃┃ .┏┛┃
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┃┃┃┃┃┃ ...┃┃┣━ ┃┗━┓┏┛
┏━━━┛┃┣┻┛┃┏━━━┛┃┣━ ┃ ┃┃
┗━━━━┛┗━━┛┗━━━━┛┗━━┛ ┗┛
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┃ ┛┃ ┃ ┛┃
┗┳┳┛ ┗┳┳┛
┏━┻┻━┓ ┏━┻┻━┓
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┃━┏┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃
┃ ┛┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃
┗┓┏┛ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃
┏━━┛┗━━━┻┫ ┏┻┻━┻┫ ┏┻┻┓
┃┏━┓┏━━━━┫ ┣┳━━━┫ ┣┳━┛
┗┛ ┃┗━━┓ ┃ ┃┃ ┃ ┃┃
┃┏━┓┃ ┃ ┃┃ ┃ ┃┃
┏━━┛┃ ┃┃ ┃ ┃┃ ┃ ┃┃
┗━━━┛ ┃┃ ┃ ┃┃ ┃ ┃┃
.┗┛ ┗━┻┛ ┗━┻┛
- 871 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 13:56:17 ID:GTDZDlzY0
- 七位戦への期待と緊張感がどっか行ったぞなんだこのAAワロタ
とりあえず続き待機
- 872 :名も無きAAのようです:2012/12/25(火) 18:51:57 ID:57Ytcg9g0
- まってるぞー
撃鉄もなー
- 873 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 09:25:29 ID:/mZBWWJ.0
-
素直クールは合気の技を扱い、ハインは独自の蹴り技で攻め続ける。
技の応酬に最初こそ手応えは感じていたが、今やハインの攻め手は空中を過ぎるばかりだった。
川 ゚ -゚)「……」
彼女は顔色すら変えない。
二人の間には、圧倒的な力の差があった。
从;゚∀从(私が15位で……これが“7位”!
そんでアレが4位で、しかも上にまだ3人……)
从; ∀从(どうなってんだこのランキング!! 化け物ばっかか!)
ハインの蹴りが、再び中を過ぎった。
.
- 874 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 09:44:50 ID:/mZBWWJ.0
-
( ФωФ)「……素直クールは流石母者と互角以上だ。
彼女が本気を出せば、の話だが」
爪;'ー`)「あ、そう……アレと……」
( ФωФ)「そして、今のエアマスターで素直クールは倒せない」
爪;'ー`)「ハインの弱点は二つ。 “防御の脆さ” と “攻撃の単調さ”。
確かに蹴りの軌道は読み辛いが、読み辛いだけで読めない訳じゃねぇ」
爪'ー`)「アイツの蹴りは中位ランカーには通じるだろうが、上位ランカーには読まれて対応される……」
( ФωФ)「で、お前にはエアマスターの蹴りが見えてるのか?」
爪'ー`)「……腕は死んでも目は活きてる。見くびんな」
( ФωФ)「ん、そろそろ終わるぞ」
杉浦が言うと、フォックスはハイン達の戦いに視線を戻した。
やはり、状況はハインの劣勢だった。
.
- 875 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 10:06:08 ID:/mZBWWJ.0
-
川 ゚ -゚)「……やるだけ無駄だったな」
从;゚∀从「ッッッ!!」
ハインは自棄気味に攻め続けた。
遠心力を乗せた回し蹴りで、素直クールの脇腹を狙う。
だが、その一撃で地面に倒れたのはハインの方だった。
从; ∀从(……なんで、届かない)
立ち上がり、もう一度脚を振り上げる。次の瞬間、自分は空を仰いでいる。
そんな事が何度も何度も続いた。立ち上がることが無意味だと思えるほど、ハインはそれを繰り返した。
そして絶対的な実力差を噛み締めたハインは、やがて“攻める事をやめた”。
从;゚∀从「……」
川 ゚ -゚)「……」
ハインは素直クールの眼前まで歩き、疲れ果てた顔で笑みを作った。
.
- 876 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 10:41:09 ID:/mZBWWJ.0
-
从;゚∀从「“ふざけんな”」
从;゚∀从「って言いたい気分だ……」
川 ゚ -゚)「……」
从;゚∀从「……なんか言えよ。『ザコに用は無い』って感じか?」
川 ゚ -゚)「生憎、その通りだ」
从; ∀从「……最後の一発だ。受け取れよ」
ハインは全力で拳を握り締め、高く振りかぶって構えた。
从#゚∀从「ふっざけんなァァァ!!」
素直クールの顔面に拳が迫る。
瞬間、素直クールはハインの拳を掴み、捻り上げた上で足払いをかけた。
次いで空中に浮かんだハインの喉を狙い、彼女は貫手を突き出した。
.
- 877 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 11:03:41 ID:/mZBWWJ.0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_
( ゚∀゚)「……なんだ? こりゃ」
ジョルジュ長岡は夕飯の買出しがてら、広場に寄り道して肉まんを食べようと考えていた。
すると広場には見慣れた女性が寝ていた。ハインリッヒ高岡は、コンクリートの上ですやすやと寝息を立てている。
_
( ゚∀゚)「血が出てる……戦ってたっぽいな」
諸々の事情は後で聞くとして、とりあえずジョルジュはハインの胸を揉んだ。
それから彼女を背負って歩き出し、彼は自分の家へと帰っていった。
.
- 878 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 11:06:00 ID:/mZBWWJ.0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>663-684 (後編)
5 >>691-737 ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!
6 >>739-751 またお前か! ジョルジュのリベンジマッチ!
7 >>756-798 ティータイム! 時には色んな話を!
8 >>816-838 夜空に輝く星の雄叫び(前編)
>>852-877 (後編)
次回は4位対7位です。
すこし休んだら再開します。
- 879 :名も無きAAのようです:2012/12/26(水) 14:29:06 ID:BIs.PSWwO
- _
( ゚∀゚)こいつはおっぱいに関しては抜け目ないな!
- 880 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 00:16:58 ID:DsoIZfdQ0
-
翌日の昼頃、街の広場に人が集まっていた。
人混みは大きな円を描いており、その中心では二人の女性が睨み合っている。
しばらくすると、ノートパソコンを構えた男が女性の間に割って入った。
男は周囲を見渡し、十分に人が集まったことを確認する。
( ФωФ)「――よし、それじゃあ始めるか」
皆の待ち侘びた一言を告げ、杉浦は女性二人に視線を送った。
@@@
@#_、_@
( ノ`)
川 ゚ -゚)
戦いは、今まさに始まろうとしていた。
- 881 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 00:17:42 ID:DsoIZfdQ0
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
从 ゚∀从はエアマスターのようです
第九話 「一撃だ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.
- 882 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 00:23:06 ID:DsoIZfdQ0
-
川 ゚ -゚)「……そのザマは何だ」
素直クールは身構えるより先に問い掛けた。
彼女は流石母者と万全の状態で戦えると思っていたが、母者の右足は包帯に巻かれていたのだ。
松葉杖は無いものの、母者は見るからに右足を庇っており、とても万全とは言えない有様だった。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「これかい」
そう言って自身の右足に視線を落とし、彼女は続けた。
@@@
@#_、_@
( ノ`) 「少し、猫とじゃれ合った」
川 ゚ -゚)「……狙うぞ、その右足。二度と両足で立てなくなるほど、徹底的に」
二人は身構え、呼吸を整えた。
その一挙手一投足に周囲のギャラリーは息を飲み、二人の姿を目に焼き付けていた。
<_;プー゚)フ(頼むぞ……俺の漁夫の利作戦が掛かってるんだ……!)
.
- 883 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 00:36:48 ID:DsoIZfdQ0
-
つま先をじりじりと前へ押し出し、素直クールは母者の出方を窺った。
超怪力たる母者の一撃は、彼女の合気をもってしても捌く事が難しい。
だからこそ母者の動きは全て把握し、圧倒するほど“後手の先”を打ち続けなければならない。
止まる事はありえない。
どちらかの一撃が通った時こそ、この戦いが終わる時だ。
―― 一撃だ。
素直クールの脳裏にその言葉が反響した。
.
- 884 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 00:48:34 ID:DsoIZfdQ0
-
流石母者は、必死で血の気を抑えていた。
彼女はずっと以前から本気を出さず、手を抜き足を抜き、まるで寝たまま立ってるように戦ってきた。
それが昨日、鈴木ダイオードとの戦いで“目覚めようとしていた”。
右足を破壊された激痛が、母者の内にある“別次元の怪物”にまで届いたのだ。
痛みと屈辱。それらは、怪物の目覚ましには十分過ぎた。
.
- 885 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 01:00:01 ID:DsoIZfdQ0
-
母者は――その怪物は、自身の腕に爪を立て、そのまま腕を引き裂いた。
彼女の腕から血が滴り落ちる。しかし彼女は顔色を変えず、残った片腕にも爪痕を刻んだ。
川;゚ -゚)「……」
喋る余裕は無かった。
母者の行った事が“危険”だと分かった時点で、素直クールは爪先を止めていた。
これ以上近づけば裂かれる。
戦慄にも似た直感が、彼女の全身を駆け巡った。
.
- 886 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 01:22:09 ID:DsoIZfdQ0
-
まだ何もしていないというのに、素直クールの息は荒くなり始めていた。
それは周りのギャラリーも同じだった。母者の威圧感は熱風として広場全体へ広がり、皆に凄まじい息苦しさを与えていた。
母者が一歩踏み出すと、今度は “威圧感の熱風” を掻き消すほどの風と衝撃が巻き起こった。
すぐ近くで母者を睨んでいる素直クールは、母者の足元を見て更なる悪寒を覚えた。
踏み出した母者の右足が、広場のコンクリートに亀裂を走らせていたのだ。
川;゚ -゚)(壊れた足で踏み出して、この破壊力……)
川;゚ -゚)(……万全……じゃない……。これで……)
素直クールは自覚する間もなく引き下がった。
「怖いだろう。でもすまないが、今日だけは“コレ”で戦う」
「……このザマでも、あんたは相手してくれるのかい……?」
母者は、更に前へと歩み出た。
.
- 887 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 12:51:56 ID:DsoIZfdQ0
-
川;゚ -゚)(ッ!)
瞬間、素直クールは反射的に腕を振り上げ、高速で迫る母者の拳を捌いた。
その一撃の後、彼女でなければ見逃すほど速い、母者の二撃目が放たれた。
“後手の先”
彼女は一撃目と二撃目の“間”をピンポイントで狙い、渾身の貫手を放った。
これでやっと“五分”だった。
素直クールの貫手は母者の拳と交差し、母者の頬に数センチの切り傷を与えた。
だが、母者の拳も素直クールの頬に切り傷を残していた。
母者の三撃目。
素直クールは二撃目と三撃目の間を狙い、更に攻め入る。
四撃、五撃、六撃――
(; ФωФ)(これは……)
あまりに速い攻防を前に、その凄絶さを理解できたのは極僅かの者達だった。
瞬く間に両者の体が傷だらけになっていく。
どちらも相手の攻撃を一寸真横に避け続けているが、その一撃に込められた威力は計るまでもなく絶大だ。
(; ФωФ)(二人とも相手の“必殺の一撃”を避け、反射的に“必殺の一撃”を出している……)
(; ФωФ)(よもやここまで高まっていたか、素直クール……!)
「――この勝負、一撃で終わるな」
二人の激闘に目を奪われていた杉浦は、その時後ろの気配に気付けなかった。
声を聞いて杉浦が振り返ると、後ろの木々に紛れて一人の男が立っていた。
(; ФωФ)「お前……」
(メ._⊿)「どうした杉浦。俺なんかより見るべきものがあるだろ」
ランキング“2位” 三月兎。
黒スーツと白のローファーを着た彼こそ、“アレ”よりもっと強い男の一人だった。
.
- 888 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 13:13:26 ID:DsoIZfdQ0
-
( ФωФ)「意外だな」
戦いに視線を戻し、杉浦は三月兎に言った。
( ФωФ)「1位と2位だけは絶対に来ないと思っていた」
(メ._⊿)「お前の予想もたまには外れる。そういう事だ」
流石母者は大きく飛び退いた。
あまりにも多く交差した“一撃”の果てに、接近戦では分が悪いと彼女は悟ったのだ。
ただし、既に全身に傷を負った彼女だが、その顔色に一片の曇りも見えなかった。
(右足が痛い……が、もう “どうでもいい” ……)
そんな考えがふと浮かび、流石母者は思わず笑みを零した。
川;゚ -゚)「……この戦いがそんなに楽しいか」
「…… 一生分の戦いを“ここ”に置いていく……。もっとだ、7位……!」
母者は素直クールの言葉に答えないまま、再び素直クールの懐に飛び込んでいった。
.
- 889 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 14:06:38 ID:DsoIZfdQ0
-
母者が一度退いたことで、素直クールは即席の対策を立てる事が出来た。
豪快に拳を振るう母者を前に、静かに一歩、彼女は踏み出した。
瞬間、素直クールの足が、母者の前足を全力で踏み付けた。
次いで母者の拳を外へ受け流すと、母者の脇腹は完全に無防備となった。
川; - )(届け――ッ!)
がら空きの脇腹を狙い、クールは真っ直ぐに貫手を突き出した。
貫手は脇腹に直撃した。しかしすぐ分厚い筋肉の壁に遮られ、貫手は失速してしまう。
素直クールは咄嗟に後退を考えた。
だが、母者の前足を踏んだ足が動かなかった。
自分の足を踏んだ足を、母者は更に“もう片方の足”で踏み付けていたのだ。
「――もう避けられないぞ――」
母者の体勢は滅茶苦茶だったが、事実、素直クールは避ける術を失っていた。
最初の一撃を避けても二撃目がある。二撃目を避け、退こうとしても母者が足を離す訳も無い。
それに恐らく、母者は次の瞬間には素直クールの足を掴み上げ、宙ぶらりんにして素直クールを殴り倒すだろう。
川; - )
しかし、素直クールは“絶体絶命”と考える前にこう考えた。
“今なら当てられる”
.
- 890 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 14:27:53 ID:DsoIZfdQ0
-
互いの一撃が薄皮一枚のところを交差し、相手へ向かって突き進んでいく。
刹那的な時間が流れている。
意識が空の彼方へ飛んでいきそうなほど、二人は戦いの渦に身を委ねていた。
“一撃だ”
最早どちらが言ったかも分からない一言が、戦いの渦に呑み込まれた。
そして、この戦いを終わらせるに相応しい一撃が、間もなく決まろうとしている――
.
- 891 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 14:44:06 ID:DsoIZfdQ0
-
――やがて、歓声が巻き起こった。
<_;プー゚)フ「か・・・かち、勝ちやがった……4位に……!!」
(; ФωФ)「……勝った、か」
(メ._⊿)「言ったとおり、一撃だったな」
(; ФωФ)「ああ。だが、その一撃の為に彼女達は無数の手を打った。
無数の手は無数に積み重ねられ、そして最後の一撃で爆発した。
あの一撃は、並のファイトには見られない“重さ”だった」
(メ._⊿)「“重さ”か……。良いセリフだ」
川;゚ -゚)
素直クールはそっと手を引き、地面に倒れそうになった母者の体を支えた。
母者を寝かせ、彼女は母者の体を見返した。
全身には無数の切り傷。その中には肉の抉れた箇所もあり、戦いの熾烈さを物語っている。
そして、最初で最後の一撃。その貫手による一撃は、母者の左頬の下部から眉までを切り裂いていた。
.
- 892 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 14:57:02 ID:DsoIZfdQ0
-
(; ФωФ)「これを言うのは久し振りだが、言っておくぞ」
杉浦は素直クールのもとへ歩み寄り、激闘に沸き上がったテンションを抑えてから告げた。
(; ФωФ)「……素直クール、お前が“杉浦ランキング4位”だ」
途端、ふたたびギャラリーから歓声が上がった。
一桁ランカーによる激闘は、この場の誰もを熱くさせていた。
川;゚ -゚)「……帰る」
( ФωФ)「ゆっくり休んでくれ」
(メ._,⊿)「凄かったな」
川;゚ -゚)「……2位か」
素直クールは歓声を一身に受けつつ広場を出ようとしたが、三月兎が彼女の横に並んで歩き始めた。
(メ._⊿)「まぁ……2位と4位がすぐにってのは無いか」
川;゚ -゚)「……」
(メ._⊿)「またな」
二人は広場を出ると、それぞれ違う方向へと歩いていった。
.
- 893 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 15:45:33 ID:DsoIZfdQ0
-
( ФωФ)「はい、全員注目」
――は?
杉浦は何事も無かったかのように言い、皆から同時に同じリアクションを取られた。
あの戦いの後でお前何言ってんだという逆ギレも少なくない。
とにかく視線を集める事に成功した杉浦は、そのまま大声で話し出した。
(# ФωФ)「一ヵ月後、本当の“杉浦ランキング”を始めるッッ!!」
(# ФωФ)「詳しいことは後でHPを見ろッッ!! だが、今この場で特別に言っておく!!」
(# ФωФ)「俺の考える本当の“ランキング戦”では――」
(# ФωФ)「――“勝てば賞金が出る”!!」
<_;プー゚)フ「なん・・・だと・・・?」
その瞬間、今度は金に目の眩んだファイター達が歓声を上げた。
.
- 894 :名も無きAAのようです:2012/12/27(木) 15:52:56 ID:DsoIZfdQ0
-
从 ゚∀从はエアマスターのようです 目次
0 >>543-558 始まる! エアマスター!
1 >>456-469 揉め! ジョルジュ長岡!
2 >>559-574 きたる! 杉浦ランキング遠征組!
3 >>628-642 きめぇぞ! 二人の色物ランカー
4 >>647-661 やってきた! 1さん親衛隊!(前編)
>>663-684 (後編)
5 >>691-737 ラブロマンス! デルタ関ヶ原、襲来!
6 >>739-751 またお前か! ジョルジュのリベンジマッチ!
7 >>756-798 ティータイム! 時には色んな話を!
8 >>816-838 夜空に輝く星の雄叫び(前編)
>>852-877 (後編)
9 >>880-893 “一撃だ”
以上でエアマスターの投下は終わり、終わりです。ここから先は別スレにて投下していきます。
ただし戦闘の描写のやりすぎで語彙が尽きました。しばらく休ませてください。語彙が無いんです。誰か語彙をください。
このスレも残り100レスくらいですが、なんとか没ネタで埋め尽くそうと思います。
やっとスレが終わるんやな・・・
- 895 :名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 04:16:23 ID:ItcidauUO
- 561: [] 2012/12/28(金) 00:03:49.80 発信元:175.179.78.243
タイトル忘れちゃったのがあるんだけどわかる人いたら教えて
・主人公はドクオ
・スクライドのアルター、ジョジョのスタンドのような力を使い戦う
・ブーンの力は相手の運を悪くする
これしか覚えてない
- 896 :名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 04:18:34 ID:ItcidauUO
- 566: [sage] 2012/12/28(金) 03:42:03.36 発信元:113.197.212.127
>>561
撃鉄のようです だろ
ちなみに完結した
そのうち完全版を書くらしい
- 897 :名も無きAAのようです:2012/12/28(金) 12:16:20 ID:AJI66VS.0
- >>896
名前が出るのは嬉しいなぁ
完全版の宣伝までする113.197.212.127はブーン系民の鑑
- 898 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:11:37 ID:QTMHLz/Y0
-
\\ ヽ | | // .//
\\ | .| // //
\丶. i |. / ′ //
\ \. ‖ / / ' /
丶 丶. | ' /
〔^^〕
_,(´・ω・`)⌒ i | ―― 撃鉄 ――
(⌒ ー 一 r.、! 〉
ヽ弋 。 人 。 イ(` ー' ―― 阿修羅編 ――
〔勿\ ヽ _, ,_
) r⌒丶 ) w ( ・ω・ ) ..へ ., 1
ドカ ドカ / ! |'´ (~)、 / i ) .i. `'='´ l
ドカ / /| |‖ \ ` |_/ /| /ィ●ァ ィ●ァ.i
( く ! ||‖ `ー_( __ノ | { c{ っ }
ドカ \ i | ‖|‖| 、.. ( `( 、ノ =ヽ ∴ ―. ∴≠
__> ヽヽ从/<゙゚'д゚'>、 i_ノ`i__ノ、::. . ̄|__| ̄
/ / | \
/ / ‖ \ \
/ ! |. \\ \
- 899 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:13:52 ID:QTMHLz/Y0
-
..へ ., 1
.i. `'='´ l
/ィ●ァ ィ●ァ.i
{ c{ っ }
=ヽ ∴ ―. ∴≠
. ̄|__| ̄
オレ、ドクオ。
そう、撃鉄。
なんで撃鉄って呼ばれてるかって?
そうだな、まずはオレの昔話を聞いてくれ。
- 900 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:14:35 ID:QTMHLz/Y0
-
20年前
('A`)「すまねぇ 俺はどうしても行かなきゃならないんだ」
(,,゚Д゚)「ふん 行くなら俺を倒してから行くんだな」
ドクン・・・ドクン
('A`)「なんか力が湧いてきたぞ」
(;,,゚Д゚)「そんな、これは伝説のレジェンド!」
ずばばァん!
('A`)「俺はプロサッカー選手になる」
(,,゚Д゚)「すごいレジェンドだ・・・」
こうして俺は撃鉄と呼ばれるようになった・・・
- 901 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:15:15 ID:QTMHLz/Y0
-
総合学園グラウンド
がやがや・・・
('A`)「すごい人の数だ」
<_プー゚)フ「オレはエクスト、よろしく」
('A`)「オレは撃鉄、いや、ドクオといったほうが正しいかな」
<_プー゚)フ「へぇ、お前も撃鉄って言うんだ」
('A`)「え?」
<_プー゚)フ「オレも撃鉄って呼ばれてる」
( ^ω^)「うわ〜マジかよ〜オイラもだお〜」
/ ,' 3 「ワシも撃鉄じゃ」
J( 'ー`)し「あらあら、私も撃鉄よ」
|::━◎┥「ウィーン ゲキテツ ミートゥー」
不思議な縁を感じた。
一緒にサッカー部の部室へ行った。
- 902 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:15:56 ID:QTMHLz/Y0
-
サッカー部部室
( ゚д゚ )「なるほど入部希望者か」
('A`)「はい。トイレは和式派です」
( ゚д゚ )「うちは洋式派だ。諦めるんだな」
('A`)「そんな・・・」
<_プー゚)フ「オレは洋式派です!」
( ^ω^)「オイラも!」
J( 'ー`)し「私も」
/ ,' 3 「うん」
|::━◎┥「カリカリカリカリ」
( ゚д゚ )「よし、みんなサッカー部へようこそ」
('A`)(くそ・・・オレははめられたのか・・・)
('A`)(こうなったらボンゴボンゴ倶楽部に入ってサッカー部を倒してやる・・・!)
オレは裏切りに心を痛めながらボンゴボンゴ倶楽部の部室に行った
- 903 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:16:36 ID:QTMHLz/Y0
-
ボンゴボンゴ倶楽部
川 ゚ -゚)「ボンゴボンゴ」
('A`)(すごい・・・頭ではなく魂に響くボンゴボンゴだ・・・!)
川 ゚ -゚)「ふふ、今ので何かを感じたようだね」
('A`)「はい!オレをボンゴボンゴ倶楽部に入れてください!」
川 ゚ -゚)「よし、じゃあいつもの一発やるか」
川 ゚ -゚)ノ 「ボンゴ」
('A`)ノ 「ボンゴ」
パァン!
オレと部長はハイタッチして友情を確かめあった。
- 904 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:17:17 ID:QTMHLz/Y0
-
..へ ., 1
.i. `'='´ l
/ィ●ァ ィ●ァ.i _i⌒)-、
{ c{ っ } ( _,O 、.ノ
=ヽ ∴ ―. ∴≠ 廴人__)
. ̄|__| ̄ (´・ω・`)
はは、そんなに楽しい話だったかい。
だがな、オレの昔話はまだ続くんだぜ。
そう・・・あの人とは学園のグラウンドで会ったんだ・・・
- 905 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:17:57 ID:QTMHLz/Y0
-
総合学園グラウンド
野球部 カキーン!
サッカー部 ファイオーファイオー
バスケ部 リバンリバン!
柔道部 ドスコーイwwwwドスドスwwww
テニス部 パコーンパコーン
合唱部 ブルルンブルルンwwwアーイヤwwww
弓道部 キョエェェーイwwwwww
剣道部 ェェーイwwエンッwウィッww
茶道部 ジャァァァァァァwwwwww
('A`)「はぁ・・・」
( ・∀・)「どうしたんだ少年。そんな出来損ないの顔で」
('A`)「この顔は素です」
( ・∀・)「分かっている。問題は金だ」
('A`)「整形もしないです」
( ・∀・)「八方塞じゃないか」
この人はモララー先生。
校舎に沢庵を貼り付けて回るすごい先生だ。
- 906 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:18:37 ID:QTMHLz/Y0
-
( ・∀・)「・・・たとえば、足の裏にナメクジが付いてたとするじゃん」
('A`)「はい」
( ・∀・)
('A`)
( ・∀・)「で?」
オレはモララー先生の台詞に感動し、先生を師事した。
- 907 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:19:19 ID:QTMHLz/Y0
- ..へ ., 1
.i. `'='´ l
/ィ●ァ ィ●ァ.i _i⌒)-、,
{ c{ っ } :( _,O 、.ノ;
=ヽ ∴ ―. ∴≠ ;廴人__);
. ̄|__| ̄ ;(´゙゚'ω゚'`);
・・・少し話が長くなったな。
これでオレが撃鉄と呼ばれる理由が分かっただろう。
え?どうして今はこんな姿なのかって?
ははは、じゃあアイツの話をしないとな
- 908 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:20:01 ID:QTMHLz/Y0
-
_ ≡┏(; ゚∀゚)┛「遅刻する〜!」
オレ、マユゲ
そう、マユゲ
オレとジョルジュはソウル・フレンド
yeah
でも今日はノット・フレンド
ジョルジュがオレを置いてったから
yeah
.
- 909 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:20:42 ID:QTMHLz/Y0
-
..へ ., 1 ,,,
.i. `'='´ l o"
/ィ●ァ ィ●ァ.i _i⌒)-、,
{ c{ っ } :( _,O 、.ノ;
=ヽ ∴ ―. ∴≠ ;廴人__);
. ̄|__| ̄ ;(´゙^'ω^'`);
阿修羅編 完
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- 910 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 12:24:35 ID:QTMHLz/Y0
-
撃鉄完全版に先駆け、撃鉄の阿修羅編を投下しました。
あまりの伏線の多さに困惑するかも知れませんが、きっと完全版を読むときの手助けになる筈です。
今日は適当に没ネタとかなんかもう変なのを投下します
理解したら死ぬシリーズですね いつものですね
- 911 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 13:48:33 ID:0ZJUp3rc0
- 感動した
- 912 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:17:12 ID:QTMHLz/Y0
-
学校。
( ^ω^)「おはよう――俺はそう言って教室の扉を開けた。
すると一斉に教室中の美女が俺に熱烈な視線を向けてきた。やれやれ、これだから人気者の朝は……」 ※ラノベっぽく
('A`)「二時限目が始まって半ばという時に彼は堂々と前の扉から入ってきた。
彼の名前は内藤と言い、歩く贅肉の化身として崇められる神仏の一人だった」 ※森見登美彦っぽく
(´・ω・`)「おうあくしろよ」 ※淫夢厨
( ФωФ)「そうだよ(便乗)」 ※淫夢厨
( ・∀・)「――と。少し離れた教壇の上から、そんな声」 ※西尾維新っぽく
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとみんな静かにしてよねー」 ※調整役
- 913 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:17:52 ID:QTMHLz/Y0
-
(´・ω・`)「じゃあまず遅刻の理由を教えてくれるかな?」
( ^ω^)「儚い様相をした少女を抱えて一駅分歩いてたら遅刻しました」
(´・ω・`)「え、なにそれは(ドン引き)」
( ^ω^)(……しまった。俺としては素晴らしくイケメンチックに決めたつもりなのだが……
どうにも先生の怒りを爆発寸前にまで引き上げてしまったらしい。いやはや、どうしてこうなった……)
(´・ω・`)「はいじゃあケツ出せぇ!」
※色々なものを敵に回しそうだったのでNG
- 914 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:18:32 ID:QTMHLz/Y0
-
〜〜夜。駅内の喫茶店〜〜
吉良(クリスマス……そうか。そういえば『今日』だったな)
月「……どうした?」
吉良「いや、今日という日が、彼らにとって特別な日である事を思い出しただけだ」
喫茶店で時間を潰す吉良吉影と夜神月。
彼らは別段仲が良いという訳ではなく、ただ『他よりマシ』というだけの理由で一緒に居る。
吉良がカップを持った手で駅内を指し示す。
夜神はその先に視線を向けた。
- 915 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:19:12 ID:QTMHLz/Y0
- ゜。,'゜゜。;゚゚'。,'゜ヽ。★,゜'、☆。'★゚';。,,、 | !/---lX |
;。 ▲∧ ∞ ∞. | // ノリハリ).. |
∧∧ * (゚Д゚;∩ /^ /ノメリノXヽ. | ノ,,,リ ^ヮ^)ハ . |
_,,_ (゚∀゚*) (| ,ノ | ,ルリ ‘−‘)リ ∧_∧;;)~ヽ‐/つ) |:::
(__) (l 。'ヽ゜。, | |〜 ▲ リ" (つ ∞ つ ( ^^ )RURUKA...| :
<( ゚−゚) ⊂,゚と )〜:。、。し`J (・v・)★ ( ⌒) し し ) |::
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←| |  ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ (_(_) ..........::::::;;;;;;;;;;;;;__
∪∪(*・∀・) □ □ /⌒ヽ ∧__,,∧
∧∧ ∧ ∧ ∩_∩ @ / ´_ゝ`) (´・ω・`)
( ^Д) 。,、 (,゚Д゚ ) (,,・Д・,,) ll _/ヽ_ | / (つ旦と)
/ | l___,;_゚/ ゜◎。,*゜と,゚⊂ヽノ ⊂ つ ヽ ノ と__)__) と_)_)
〜OUUつ |___| ;、 。(_(___つ (⌒)⌒) / \ ∧_∧
,,...,,、...,,...,,、...,,..,,、...,,...,,、...,,...,,、...,,..★。...,,...,,、...,,.....,,、...,,.....,,  ̄~,l l~ ̄(´Д`* ) _____ _
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∧ ∧ 。、∧ ∧ ,,; : : : : : : : <"; >、☆゚*Ol |;: : : : : : : : : : : : : : :
ミ,,゚Д゚彡 ,* (゚ー゚*) ; : : : : : :,,/ ..\ ̄; ̄ /: ;;;;;;;;;;;;;;: : : : : : : : : : :
ミ 彡 ( ▲∧ 。,。 (つ☆0。 ; : : : : ▲_▲ 、○ ̄ ̄丶: :;;;;;;;;;;;;;;;;; : : : : : : : : :
ミ,,_彡 ⊂、⌒⊃゚ヮ゚)⊃◎ *。゜')( ) '*。,;゜'。*★。: : く( ´∀`) * \ l;;;;;;;;;;;;; : : : : : : : : : : :
/ ; 。; ( つ◎ "。 ̄ヽ '/;;;;;;;;: : : : : : : : : : : : : :
人 :; ;, (_○___)_ \_ヽl,,;;;;;: : : : : : : : : : : : : : : :
∧_∧ < +ゝ ∧_∧ ;, ;゚l_____l*。" "::*: : : : : : : : : : : : : : : :
( ´∀`) く◎ ・ゞ (・∀・ ) ;; *。│ │ ((()))): : : : : : : : : : : : : : : : : :
( つ ノ 。 ゛ 'ゝ ⊂ つ ◎ l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l ( ´∀): : : : : : : : : : : : : : : : : :
| | | "゛゛l゛:l″゛" ( ( ( ★ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ( つ。,: : : : : : : : : : : : : : :
(__)_) |~ ̄~l (_(_) ゜゜ | :merry Xmas| (_○___): : : : : : : : : : : : : : : : :
 ̄゛″ ;; | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : : : : : : : : : : : : :
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こんな感じで駅内は幸せ桃色一色だった。激しく胸糞の悪くなる光景である。
- 916 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:19:52 ID:QTMHLz/Y0
-
月「みんな幸せそうで何よりだ」
吉良「フン、心にも無い事を……」
月「……そろそろ出ようか。ここじゃ落ち着いて話も出来ないよ」
吉良「支払いは私がしよう。外で待っていてくれ」
喫茶店を後にした二人は駅前の広場に出ると足を止めた。
広場の隅に出来ている人混みがどうしても気になったのだ。
吉良はそこに近づく事を拒んだが、夜神が一人で行くと言うと、彼も渋々後を追った。
月「……正拳突き、にしては素人臭がするな。何の罰ゲームだと思う?」
吉良「私の知った事では無い。それより早くどこかに入ろう。寒いぞ」
月「寒いのはスーツ着て雪の中に出て来たからじゃないか」
吉良「だから早くしろと言っているッ!」
- 917 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:20:32 ID:QTMHLz/Y0
-
月「はいはい。写メ取ったらね」
吉良「まったく……ただでさえスーツが汚れて気が立っているというのに……」
スマホを構えて人混みの中に押し入って行く夜神。
その背を見ながら、吉良は脳裏で毒を吐いた。
吉良(――貴様で無ければ『爆殺』していたぞ……キラ……)
吉良吉影は夜神月の正体を知っていた。夜神月も吉良吉影の正体を知っている。
『キラ』という名の二人の『殺人鬼』は、互いを理解し合い、同時に一番の脅威として接していた。
吉良(にしても……今日は本当に人が多いな。デート中の奴が多いみたいだが、一体何が楽しいと言うんだ?)
吉良(ま、こんな『罰ゲーム』を見て時間を潰さなきゃ間が持たないって事は、その程度の関係の奴らという事だろう)
吉良(……いや違う……さっきから続いてるこの『不快感』の正体はデート云々なんかじゃあ無い……ッ!)
意味不明な正拳突きの周りを囲う多くのカップル。
それを見た吉良吉影は、己の中に生まれた『不快感』の正体を探し始め、間もなく発見。
吉良(見つけた……『手』だッ! 美しい『手』が――男の薄汚れた『手』と繋がっている事にムカついていたんだッ!)
- 918 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:21:12 ID:QTMHLz/Y0
-
(;゚ω゚)「死ねリア充ゥゥゥゥゥ!!」 スパァン!
(;゚ω゚)「どっせい! 上段正拳!」 スパァン!!
駅前の広場にて、内藤ホライゾンは安価で動いていた。
「>>2で書かれた事やる」というスレで『駅前で正拳突き』という安価を書かれたのが事の発端であった。
彼自身、どこぞの風物詩の二番煎じである事は重々理解していた。
事実、彼のスレは>>2以降の書き込みが無く、すぐにdatの海に呑まれていた。
それでも安価内容を実行しているのは、彼自身に『意志』があるからであった。
『リア充死ね』という確固たる『意志』。それが拳に乗り移った以上、彼は行動するしかなかった。
月( 二番煎じ乙 )
- 919 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:21:52 ID:QTMHLz/Y0
-
吉良「……夜神。ちょっといいか」
月「ん? ああ、写メはもう撮ったよ」
吉良「違う。あの白饅頭の言ってる『リア充』とは何だ」
月「えっと……ああいうカップルを指すんだよ。ネットスラングの一つさ」
吉良「なるほど……」
吉良(……敵は同じという事か……!) ドドドドド!!
絶望、怒りとも取れる感情の高まりを抑えながら、吉良は続けて話した。
吉良「夜神、お前の権限を使って奴を捕まえろ。警視庁と繋がりのあるお前なら出来るだろう」
月「……あの人に何をするつもりだ?」
吉良「何……ちょっと『友達』になりたくてな……」
- 920 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:22:47 ID:QTMHLz/Y0
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(;゚ω゚)「もげろぉぉぉぉぉ!!」 ズオォ!!
月「ちょっといいかな。警察の者だけど」
(;゚ω゚)
( ^ω^)「マジ?」
月「うん。片付けたら僕と一緒に来てもらうよ」
( ^ω^)
吉良の頼みは存外早く成し遂げられた。
上半身裸の白饅頭こと内藤ホライゾンはその場を片付けると、黙って夜神に付いて行く。
( ;ω;)「あのっ……! ほんとマジメに生きてきたんですよ……マジで……!」
月「うわっ! いきなり泣かないでくれ! それに、僕だって君を捕まえる気は無いんだからさ」
( ^ω^)「そういう事は早く言えよクズ」
月「まぁ僕は警視庁幹部の息子だけどね」
( ^ω^)「靴舐めます」
- 921 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:23:27 ID:QTMHLz/Y0
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〜〜都内某所。吉良邸〜〜
内藤ホライゾンには何が起きたのか理解出来なかった。
駅前で正拳突きをしていたら警視庁幹部の息子に連行され、自分に用があると言う人間の家に連れて来られた。
何が起きているのか訳が分からなかった。ここまでの過程を端的に思い返しても、やはり整理のつく事では無い。
( ^ω^)(オイラに用があるだなんて……デブ専ホモ野郎くらいしか思いつかないお……)
(;^ω^)(……あれ? って事はヤバくね? ホイホイ付いて来ちゃいけなかったんじゃね!?)
ここに来るまでの間、彼は吉良の顔を見ていなかった。
用があるのに姿を見せないとは一体どういう事なのか、その疑問は今も晴れない。
内藤も夜神が消える前に聞いたのだが、「吉良は目立つのが嫌いだからね」と訳の分からない答えを貰った限りで、結局意味不明のままだった。
現在、内藤は吉良邸の応接間に居た。
そこの内装はシンプルで、膝ほどの高さの円卓を、二つのソファが挟んでいる。
壁にはモナリザの画が飾られており、その手前には横長の戸棚がある。中に何があるのか気になったが、内藤はぐっと堪えた。
内藤は時計を見る。午後十時を超えようとしていた。
その時、応接間の扉が開いた。
- 922 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:24:12 ID:QTMHLz/Y0
-
部屋に入ってきた吉良はソファに腰掛けると、軽快な口調で内藤に問い掛けた。
吉良「初めまして。私は吉良吉影。君は?」
(;^ω^)「あの! オイラは何で連れて来られたんだお!?
警察絡みの人が居たから何も言えなかったけど、変な用なら帰らせてもらうお!」
吉良「……貴様ァ……ッ!」
吉良「質問を質問でッ――!」
やっとの思いで沈めた怒りが再度湧き上がり、吉良はソファを飛び上がり内藤に飛び掛かった。
突然ブチ切れた吉良を見て強張った内藤は、当然逃げる事も出来ず、吉良の手に首を締められる。
(; ω )「うっ……!」
吉良「ハァッ……! ハァッ……!」
首を握ってソファの背もたれに内藤を押し当てる。
全力とまではいかずとも、吉良の手は確実に内藤を『殺し』にかかっていた。
吉良(『キラー・クイーン』ッ!!)
- 923 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:24:52 ID:QTMHLz/Y0
-
脳内で叫びを上げると同時に、吉良のスタンド『キラー・クイーン』の上半身が、吉良の背中から飛び出して来る。
吉良「キラー・クイーン! コイツを『爆殺』しろッ!」
猫とドクロを混ぜ合わせたような顔の人型スタンド、『キラー・クイーン』
そのキラー・クイーンの特殊能力とは『触れたもの』は『どんな物でも』――『爆弾』に変えられる事。
今、吉良吉影の指示の下、キラー・クイーンの人差し指が内藤の額に触れようとしていた。
(; ω )「か……は……ッ!」
(; ω )(……仕方無いッ!)
キラー・クイーンとの接触の瞬間。
吉良「このクソカスがァーーーーッ!!」 ズオアッ!!
――その時、確かに内藤の手の内には、小さな光の球体が浮かんでいた。
.
- 924 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:25:33 ID:QTMHLz/Y0
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(;^ω^)「あの! オイラは何で連れて来られたんだお!?
警察絡みの人が居たから何も言えなかったけど、変な用なら帰らせてもらうお!」
吉良「質問を質問でッ――!」
やっとの思いで沈めた怒りが再度湧き上がり、吉良はソファを飛び上がって内藤に襲い掛かった。
突然ブチ切れた吉良を見て強張った内藤は、逃げる事も出来ず吉良の手に首を締められた。
(; ω )「うっ……!」
吉良「ハァッ……! ハァッ……!」
吉良「――ッ!?」
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- 925 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:26:14 ID:QTMHLz/Y0
-
吉良「……いや……すまない。非礼を詫びさせてくれ……」
ふと我に返った吉良は、内藤の首から慌てて手を引き、ソファに腰を下ろした。
(; ω )(あ……危なかった……)
吉良「大丈夫か? 何なら医者に……」
(; ω )「……大丈夫だお。少し、驚いただけだお」
- 926 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:26:54 ID:QTMHLz/Y0
-
吉良「本当にすまなかった……。謝罪の意も込め、私から質問に答えよう」
(;^ω^)「おー……。それじゃあ、オイラに一体何の用なんだお……?」
吉良「……」
吉良「……さっき駅前でやっていた『罰ゲーム』……確か君は『リア充死ね』と言っていた。
それに関わって君に提案があってね、こうして我が家に招いた次第さ」
(;^ω^)「そうかお……オイラは内藤ホライゾンっていう名前だお。よろしくだお」
吉良「ちなみに……その語尾の『お』というのは?」
( ^ω^)「口癖だお。直そうと思えば直せるが、どうにも気持ち悪くてな」
吉良「フフ、確かにその身形でその口調は似合わない」
.
- 927 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:27:34 ID:QTMHLz/Y0
-
( ^ω^)「で、オイラに提案って何なんだお? もしかして一緒に正拳突きするのかお?」
吉良「いやぁ、私にはあんな事は出来ない。目立つのも嫌いだしな」
吉良「まぁ提案というのは……ん?」
微笑みながら話し出した吉良が不意に言葉を止め、天井を見上げた。
( ^ω^)「どうしたお?」
吉良「ほら、電球の周りに虫が飛んでるから気になったんだ」
( ^ω^)「おー」
吉良が天井を指さして言ったので、内藤もつられて天井を見上げた。
.
- 928 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:28:14 ID:QTMHLz/Y0
-
(;゚ω゚)「――うおッ!?」 ガタンッ!!
その瞬間、内藤は声を上げてソファから逃げ出した。
吉良「どうした……いや、『何』が見えた……?」
(;゚ω゚)(……まさかコイツ……オイラをッ……!)
壁際に退避してからようやく気付く。
だが、もう吉良吉影は確信していた。
上を向いた時、内藤の眼前にはキラー・クイーンの指先があった。
奴に触れられたら爆殺される。それを知っていたからこそ、内藤は『逃げ出してしまった』。
吉良「驚いた……という事は『見えた』んだな? 私の『キラー・クイーン』の姿が……!」 ゴゴゴゴゴ・・・!!
(;゚ω゚)「待つお! 確かにオイラはスタンド使い! だけど戦う意思は一切無いお!」
咄嗟に弁解を始める内藤を余所に、吉良はソファを立ち上がり、壁際の内藤を鋭く睨みつけた。
.
- 929 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:29:39 ID:QTMHLz/Y0
- ( ^ω^)と吉良とキラでリア充を爆殺していくようです
SSとしてもブーン系としてもなんか中途半端だったので没ネタ
ちなみに去年の紅白で出そうとも思っていたが間に合わず没。かなしい
- 930 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:30:26 ID:QTMHLz/Y0
-
_
( ゚∀゚)「わーい! クリスマスだー!」
【+ 】ゞ^)「はーいサンタさんですよー」
_
( ゚∀゚)「うわ厨二病が来た」
【+ 】ゞ゚)「は? しねクソガキ。帰るわ」
_
( ゚∀゚)「帰れバーカ」
.
- 931 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:31:06 ID:QTMHLz/Y0
-
<*ヽ`∀´>「クリスマスー! ニダー!」
【+ 】ゞ゚)「おうサンタだぞ」
<*ヽ`∀´>「プレゼントは何くれるニダ?」
【+ 】ゞ゚) 「ほらよ」 ベチャ
<ヽ`∀´>
<ヽ`∀´> (キムチを・・・床に捨てた・・・?)
.
- 932 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:31:46 ID:QTMHLz/Y0
-
*(‘‘)*「わーい! クリスマスだー!」
【+ 】ゞ゚)「ウッス」
*(;‘‘)*「なんだこのサンタ!?」
【+ 】ゞ゚)「プレゼント何がいい? 塩? 胡椒?」
*(;‘‘)*「塩・・・えっ?」
【+ 】ゞ゚)「なるほど、君はゴマがほしいんだね」 バラバラ
*(;‘‘)*「あ、あー! わたし3DS欲しいなー!」
【+ 】ゞ゚)「ねぇよンなもん。牛脂でも食ってろ」
*(‘‘)*
.
- 933 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:32:41 ID:QTMHLz/Y0
-
J('ー`)し「わーい! クリスマスだー!」
【+ 】ゞ゚)「ういーっす」
J('ー`)し「ドリキャスほしいなー!」
【+ 】ゞ゚)「ごめんねーカリフォルニア産まれのトドしか持ってないや」
J('ー`)し「やったー! カリフォルニア産まれのトドだー!」
【+ 】ゞ゚)「ついでに渋柿もあげよう」
J('ー`)し「やったー!」
J('ー`)し
J('ー`)し「やったー!」
.
- 934 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:33:21 ID:QTMHLz/Y0
-
('A`) 「死ね・・・リア充死ね・・・」
【+ 】ゞ゚)「うわなんだこいつ」
Σ(;'A`) 「ッ!? それはこっちの台詞だ!」
【+ 】ゞ゚)「いや俺サンタだけどさ、お前プレゼントいる?」
(;'A`) 「サンタとかマジキチ・・・不法侵入だし警察呼ぶわ・・・」
【+ 】ゞ゚)「お前のカーチャンは喜んでたぞ」
<ヤッター! トドダー!
('A`)
【+ 】ゞ゚)「キムチ置いてくからな」 ベチャ
.
- 935 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:34:01 ID:QTMHLz/Y0
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今朝には雪が降っており、軒先の道路は薄雪に埋もれていた。
シャキンは分厚い寝巻きのまま玄関先に立ち、白い息を吐きながら空を見上げた。
(`・ω・´)(ふぅ・・・なんとか降ってくれたか・・・)
(`・ω・´)(弟が起きるまでは時間がある・・・朝飯でも作るか・・・)
シャキンには弟が居る。
まだサンタクロースを信じているような、可愛らしい弟だった。
【+ 】ゞ゚)「お〜〜〜っす」
今日はその弟のため、シャキンはサンタクロースになろうと考えていた。
プレゼントも用意してある。あとはサンタとしてショボーンの前に現れるだけだ。
【+ 】ゞ゚)「え、なになに良い話なの? うわ〜」
なるべく静かに朝食を作り、サンタの格好に着替える。
シャキンはいよいよショボーンの部屋へ向かい、ドアを押し開けた。
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- 936 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:34:41 ID:QTMHLz/Y0
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【+ 】ゞ゚)「おら起きろ」
(´‐ω‐`)「ぐぅ・・・」
【+ 】ゞ゚)「・・・・・・」
【+ 】ゞ゚)「・・・・・・」 ベチャァ
(´・ω‐`)「・・・ん・・・?」
(*´・ω・`)「ハッ! そうだクリスマスだ!」
(*´・ω・`)「楽しみだなぁ! 靴下には何が入ってるのかなぁ!」
(´・ω・`)「・・・・・・」 ウネウネ
(´・ω・`)「・・・プレゼントは・・・活きのいいタコ・・・」 ウネウネウネ
(`^ω^´)「メリークリスマース!」 ガチャ!!
(´・ω・`)「死ねよクソサンタ」
(`^ω^´)「はい」
.
- 937 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:35:37 ID:QTMHLz/Y0
- クリスマス用短編のような何か
こういうのを 「どうしようも無いもの」 と言います
- 938 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:39:32 ID:QTMHLz/Y0
-
ギコは、ノックも無しに公安九課の扉を開けた事を後悔した。
彼は鑑識からの結果と、それによる確定事項を記載した書類を持っていた。
それらをいち早く報告しようと急いだせいか、ギコが部屋に入った瞬間、部屋の中の全員が一斉にギコを睨んだ。
(,,゚Д゚)「課長、鑑識の結果が出ました」
/ ,' 3 「分かった。続けてくれ」
( ФωФ)「野郎、ようやく尻尾を見せたってか」
(,,゚Д゚)「どうかな……」
両目がペットボトルのフタのような男……ロマネスクは、ほぼ全身が義体化されたサイボーグだった。
また、彼らは特殊な機関に属している為、一人一人に偽名がある。
ギコは 『トグサ』 と呼ばれ、ロマネスクは 『バトー』 と呼ばれていた。
(//‰ ゚)「この短時間で犯人の尻尾が見えるほど、鑑識課に優秀な人材は居ないわ」
バトーと一対になってソファに座る女性型サイボーグは、この中の誰よりも義体化を進めている人物だった。
彼女は脳と脊髄の一部を除く全身を義体化しており、優秀な義体使いとしての技術だけでなく、高度なハッキングスキルを有している。
彼女の偽名は 『草薙素子』 だった。
しかし、九課の人間(あるいはサイボーグ)は彼女に敬意を込め、こう呼んでいる――
.
- 939 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:40:12 ID:QTMHLz/Y0
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( ´W`)「――少佐、鑑識への愚痴はトグサの報告を聞いてからだ」
彼は 『イシカワ』 と呼ばれる人物だった。
初老の身でありながら電脳戦のプロであり、かつては軍に所属していた事もある。
少佐との付き合いは長く、九課でも古株の男だった。
(,,゚Д゚)「ダンナ、他のみんなは?」
( ФωФ)「要人警護だってさ」
/ ,' 3 「犯人の標的を無防備にする訳にもいかんだろう。
それより鑑識の結果だ。結果いかんでは、我々の介入する口実が出来るやも知れん」
先ほど課長と呼ばれた男は、この公安九課を設立した本人であり、彼らのバックアップを主として動く人物だった。
彼にもまた偽名がある。 『荒巻大輔』 という偽名だった。
.
- 940 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 16:42:28 ID:QTMHLz/Y0
-
>>898-909 撃鉄 阿修羅編
>>912-913 パロディブーン系
>>914-929 ( ^ω^)と吉良とキラでリア充を爆殺していくようです
>>930-937 クリスマス的ななにか
>>938-939 攻殻っぽい没ネタ
まだ没ネタはありますが、今日はこのくらいで終わります
残り60レスくらいですね。しかし没ネタでは埋まりそうにないので、若干投下するものに困っています
- 941 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 17:53:52 ID:lK9GCDrgO
- 結局、草薙素子はなんて呼ばれてるんだ?
- 942 :名も無きAAのようです:2012/12/29(土) 18:36:37 ID:QTMHLz/Y0
- >>941
「――」の記号続きで読むと分かりますが、草薙素子は少佐と呼ばれています
分かりにくくてごめんNE!
- 943 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:40:09 ID:CEHfoU860
-
深夜、少年は友人二人と一緒に居た。
彼らは長いカラオケタイムを終え、次のパーチーに向けてコンビニでオヤツを探している最中だった。
ガラス扉が横に開き、入店音が鳴った。
店員は客が来た事を察し、手元に視線を落としたまま言った。
「らっせー」
「……」
その男は店内に入ると、やけに重たい足取りで商品棚に近づいた。
彡 l v lミ (……なんだぁ……?)
そんな男の様子を見て “何かが変だ” と感じたのは少年達の一人。
深夜のコンビニなら変人くらい来る、とは彼も一瞬考えたが、この客は確実に“何か”が違っていた。
姿を隠すように分厚く着こんだ服装と、顔の大半を隠す大きな帽子。
この男の服装と雰囲気は、気軽にツマミを買いに来た自分達とは “目的” が違う。
少年は危険を感じ取り、すぐ友人達に耳打ちしてコンビニを出て行った。
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- 944 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:40:58 ID:CEHfoU860
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しばらくすると、男がポテチを持ってレジに向かってきた。
店員は気だるそうにバーコードリーダーを構え、男からポテチを受け取った。
「あ、これ、これください」
男が掠れた声で言う。
「……どれですか」
「これです」
「商品名を言ってください」
「……これ、です……」
店員が語気を荒げても、男は頑なに商品名を言わなかった。
やがて痺れを切らした店員は、レジに身を乗り出し、男の指差す物を確認した。
瞬間、店員の両耳に生温い感触が触れた。
「うおッ!?」
店員は咄嗟に頭を引く。
男の両手が、彼の両耳に触れようとしていた。
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- 945 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:41:40 ID:CEHfoU860
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「なッ……何だ! 警察を呼ぶぞッ!」
「ア、アア……!」
男は店員の声を無視し、レジを乗り越えて店員に迫った。
「クソッ!」
間違いない。これは“狂ってるヤツ”だ。
店員は確信し、男から離れたい一心で店の奥に駆け込んだ。
(駄目だ……)
この時、男は心の奥底から絶望していた。
頭に鳴り響く甲高い死神の声に、もう成す術が無かった。
『 清算ノ時間デス!! アト三歩デス!! 』
『 清算ノ時間デス!! アト二歩デス!! 』
『 清算ノ時間デス!! アト一歩デス!! 』
そして、死神は叫ぶ。
『清算デス!! グッバイ!! グッバイ!!』
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- 946 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:42:21 ID:CEHfoU860
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店の奥に駆け込んだ店員は、警察を呼ぼうとした瞬間、変な音を耳にした。
何かが潰れる音。鮮明に聞こえた“グチャア”という音。
店員は恐る恐るレジの方へと戻り、そして、その“死体”を発見した。
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- 947 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:43:01 ID:CEHfoU860
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鈴木&宗男奇譚のようです
第一景 『 “スピンテイル” と “アンド・ウェイト” 』
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- 948 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:44:24 ID:CEHfoU860
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鈴木宗男という同姓同名が近くに居るという事実に気付いた時、彼らは底知れぬ歯痒さにもだえた。
彡; l v lミ 「えっ……お前、鈴木宗男?」
(; l v l)「えっ? お前も?」
これが、鈴木宗男と鈴木宗男の出会いだった。
かくして友人として仲良くなった鈴木宗男は、ある日、鈴木宗男に言った。
彡 l v lミ 「分かりづらいから何とかしよう」
( l v l)「よし、じゃあオレが宗男でお前が鈴木だ」
こうして鈴木宗男は鈴木と呼ばれ、鈴木宗男は宗男と呼ばれ始めたのである。
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- 949 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:45:35 ID:CEHfoU860
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鈴木宗男と鈴木宗男は高校生だった。
彼らは多少ヤンチャするくらいで、あとは普通のアホっぽい生徒として生活している。
あくる日の学校。
廊下の掲示板を前にした彼らは、そこに掲げられた新聞記事に目を奪われた。
彡; l v lミ「おい、コレって……」
(; l v l)「ああ間違いねぇ。こないだのコンビニだ」
その新聞記事には 『突然の圧死!』 とギザギザで囲まれた一文が書かれている。
だが何より気になったのが、事件の現場が“あの時のコンビニ”だった事だ。
彡 l v lミ「アイツ……やっぱ危ない人間だったのか……」
( l v l)「オレら、ギリギリでセーフって所か?」
彡 l v lミ「そうだろ。警察からは何も無いし、ラッキーの極みだぜ」
彼らはそのまま教室へ行き、自分の席について話を再開した。
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- 950 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:47:25 ID:CEHfoU860
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( l v l)「……なァよ、あの新聞記事、どぉ〜も気にならねぇか?」
彡 l v lミ「そりゃ気になってるよ。オレらの “腕” と関係あるかも知れねぇしな」
――“腕”。
二人が行動を共にしているのは、なにも同姓同名という理由だけではない。
“腕”だ。
鈴木の左腕、宗男の右腕には、それぞれ“青の印”が刻まれている。
彼らの腕には矢印のような青の印がある。
その青の印と呼ばれるモノは、よくある青アザとは決定的な違いがあった。
青アザは内から滲み出るように現れるが、青の印は“刻まれている”。
時間が経って消える事は無いし、ましてや薬品で消す事も出来ない。
そして何より違う事は、“印は印を持つ者にしか見えない”という事だった。
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- 951 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:48:10 ID:CEHfoU860
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彡 l v lミ「ったくよ〜。この印、いったいどういう仕組みだ?」
( l v l)「知らねぇって。それ言うの何度目だ?」
彡 l v lミ「そんなん知らね〜〜数学もわかんね〜〜」
( l v l)「うわっ。オレ宿題やってねーぞ」
彡 l v lミ「安心しろって。オレもだよ」
( l v l)「いつもどおりじゃねーか」
しばらくすると、担任の ゲリ便(あだ名) が教壇に立った。
ゲリ便は件の 『突然の圧死事件』 について注意を呼びかけると、そのまま数学の授業を開始した。
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- 952 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:48:50 ID:CEHfoU860
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
放課後。
鈴木&宗男は校門前に居座り、友人が用事を済ますのを待っていた。
彡 l v lミ 「おう! オセーぞ!」
('、`*川 「あらあら、ナンパかしら?」
(; l v l)「アンタじゃねぇ! 後ろの奴に言ったんだ!」
( ・∀・)「うぃーメンゴメンゴ〜ちょい手間取ってなー」
往年の死語を恥ずかしげも無く発した彼こそ、あの夜、二人と共にコンビニに居た一人。
名をモララーと言い、彼もまた “青の印” を持つ男だった。
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- 953 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:50:50 ID:CEHfoU860
-
彡 l v lミ 「今日はどうすんだ。どっか遊び行くか?」
( ・∀・)「いやいや、今日は“コレ”の話がある」
モララーはそう言いながら、自身の右頬を指差した。
彼の印は右頬にある――バネのような形をした印だった。
彡 l v lミ「はァ? なんだよ話って」
( ・∀・)「今朝の新聞とかテレビ見なかったのか? 突然の圧死とかいう」
( l v l)「アレか? オレらも見たけど……別に……」
( ・∀・)「監視カメラに映ってたんだよ。“青の印”が」
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- 954 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:51:34 ID:CEHfoU860
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目下、彼らの目的は“青の印”を消すことだった。
印そのものに害は無いが、なんとなく見栄えが悪いし……それに、彼らは暇を持て余していた。
つまり“青の印”とは、およそアホ丸出しである彼らの暇潰しには丁度良かったのだ。
南の一丁目にある『VIP商店街』を抜けて右に曲がり、その道を進んでいくと、突き当りの左手に『シベリアンズ・マンション』という建物が見えてくる。
モララーはそこの七階、707号室に一人で住んでいた。
ちなみに彼の両親は旅行好きで、現在はスウェーデンで豪遊に明け暮れている。
その両親から定期的に送られてくるシュールストレミングは間違いなく嫌がらせだった。
( ・∀・)「うーんこの手札。とりあえずドロー2な」
彡; l v lミ「マジかよ!? やってらんねー」
(* l v l)「おっしゃオレの番だな! ウノ!」
( ・∀・)
( ・∀・)「そんじゃあ作戦会議始めっか」
彡 l v lミ「おっそうだな」
( l v l)「頼むあと一巡だけやってくれ」
その後、UNOは宗男の勝利に終わった。
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- 955 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:52:35 ID:CEHfoU860
-
ローテーブルに菓子とジュースが並び、かくして作戦会議は始まったのである。
( ・∀・)「んで これが今朝の新聞」
バァーン!
へ( ・∀・)へ「突然の圧死!」
/ /
>>
( ・∀・)「ってヤツ」
彡 l v lミ「ほぅん」
( l v l)「はぅん」
全スルーだった。
( l v l) 「ってかそれ新聞買ってきたのか? ダセー」
(; ・∀・)「学校のをコピーしてきたんだよ!」
彡 l v lミ 「あー……さっきの用事ってコレか」
( ・∀・)「そうそう。まぁオレが新聞読んでやるから聞いてろ」
するとモララーは新聞に視線を落とし、記事の頭から読み始めた。
( l v l)「おいちょっと待て」
途端、宗男が口を挟んでモララーを止めた。
( l v l)「お前新聞読めるのか?」
( ・∀・)
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- 956 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:53:27 ID:CEHfoU860
-
〜〜30分後〜〜
(; >・∀・)>「駄目だわかんねぇ! 読めねぇ!」
_, ,_
彡; l v lミ 「辞書……ジショ!? どうやって単語探すんだ!?」
(; l v l) 「もう無理だ! ここにはアホしか居ねぇ!!」
もうズタボロすぎて涙が出てきた。
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- 957 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:54:13 ID:CEHfoU860
-
彡 l v lミ「……いやいや、冷静に考えてよォ」
しばらくすると、冷静になった鈴木が話し始めた。
彡 l v lミ「事件で死んだ奴が印を持ってたとして、そいつはもう死んでるんだぜ?
死んだ奴とは話せねーんだし、お前、そこらへん考えてるのか?」
( ・∀・)「うんち」
|
↓
( ・∀・)「ちんこ」
|
↓
( ・∀・)「こんま」←┐
| .│
↓ .│
( ・∀・)「まんこ」 ┘
今ここに、史上最低の無限しりとりが成立していた。
(; l v l)「あ〜〜〜新聞読むのに頭使いすぎたな。頭が小学生に戻ってやがる」
彡# l v lミ「ほんッッッと!! コイツは“口だけのマヌケ”だな!!」
.
- 958 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:55:13 ID:CEHfoU860
-
( l v l)「まぁいいんじゃねーの? オレらも暇潰しにやってるだけだし」
彡 l v lミ「うーん……まいっか!」
彡 l v lミ「あ、そういえば知ってるか? オレの一番嫌いなセリフ」
( l v l)「……“メシがねぇ”だろ」
彡 l v lミ「うわーお前なんで知ってんの?」
そんなクソほどどうでもいい会話をしつつ、宗男はテレビのスイッチを入れた。
『ニュースの時間です』
彡 l v lミ 「うっわNHKじゃん。最後に見たの幼稚園の頃だぞ」
( l v l)「つまんねー。なんかやってねぇのかよ」
宗男はそう言い、適当にチャンネルを変えようとした。
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- 959 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:55:53 ID:CEHfoU860
-
( l v l)「……」
が、宗男はチャンネルを変えず、そのままNHKのニュース番組を見つめた。
彡 l v lミ「なんだよ、早くチャンネル変えてくれよ」
( l v l)「いや、これ見ろって……」
彡; l v lミ「……ンだよ……」
二人の視線がテレビ画面に集中する。
『――連続怪死事件です』
『昨日に引き続き、またしても死因不明の遺体が “複数” 発見されました』
『監視カメラの映像に映っている限りでは、どれも突然 何かに押し潰されたように見えます』
『検死の結果では圧死。でも何で圧死したのかは全くの不明らしい。やばい。ちょうこわいじゃん』
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- 960 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 16:57:31 ID:CEHfoU860
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番組は被害者の顔写真を引き合いに、事件の詳細を語り始める。
しかしキャスターはずっと「やばい」「こわい」を繰り返しており、この番組大丈夫なのかと言わざるを得なかった。
彡 l v lミ「……で、なんだ? 変死っつーだけだろ?」
( l v l)「まず変死に驚け。そして顔写真をよく見ろ」
_,
彡 l v lミ 「……っと……ンン〜〜?」
(; l v l)「どー見てもあるだろ! 死んだ奴らにも、俺らと同じ青の印が!」
宗男の言うことを聞き、鈴木もようやく“青の印”を確認した。
確かに、被害者の顔写真には青の印が映っている。
彡 l v lミ「おぉ、確かにあるなぁ。そんで何だ?」
(# ‐ v ‐)「モララーはマヌケだけど、テメーは随一のニブチンだな」
アホ、マヌケ、ニブチン。
もうどうしようもなかった。
( ・∀・)「――誰かが青の印を持ってる奴を殺して回ってる、って事か」
やっと自我を取り戻したモララーが、やけに落ち着いた口調で言った。
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- 961 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:02:36 ID:CEHfoU860
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彡; l v lミ「……じゃあオレらはどうなるんだ?」
( ・∀・)「もし予想が当たってんなら、間違いなくオレ達は狙われる」
( ・∀・)「 ≪それか、もう既に狙われている≫ 」
( l v l)「まーありえねぇけどな! どうせ青の印も偶然に決まって――」
その時、宗男の言葉を掻き消し、ピンポーンという呑気な音が響いた。
( l v l)「――る、だろ……」
誰かが外のインターホンを押したのだ。
(; ・∀・)「……いやいや、ねーって……」
それから続けて、チャイムが二度三度と鳴り響く。
(; l v l)「……マジか?」
チャイムの間隔はどんどん狭くなり、数秒後には絶え間なく鳴るようになった。
(; l v l)「やべぇよ! これゼッテー来ただろ!!」ピンポピンポピンポーン!!
(; ・∀・)「いやねーって! さっきのは冗談だよ!」ピンピンポーンピンポーン!!
(; l v l)「じゃあ早く見てこいよバーカ!」ピピピピピンポーン!!
彡; l v lミ「おい、ちょっと耳貸せ……!」
狼狽する二人をよそに、鈴木が小声で二人を呼び寄せた。
“最悪の予想”に慌てる二人とは違い、鈴木は次の事を考えていた。
(; l v l)「な、なんだよ」ピピンポピンポピンポーン
(; ・∀・)「チャイムうっせー……」ピンポンピーンピンピンポーン
床を這って鈴木に近づいた彼らは、黙って鈴木の言葉を待った。
- 962 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:03:16 ID:CEHfoU860
-
彡; l v lミ「まず確認する。モララー、このインターホン連打に心当たりはあるか?」
(; ・∀・)「いや全然。近所のガキでもしねぇ超連打だよ。この連打は世界狙えるな……。
……クソッタレ! オレの知り合いに、こんな事するバカは二人しかいねぇ」
(; l v l)「二人? 二人も居るのか!?」
(; ・∀・)「お前らだよバーカ!」
声を押し殺し、鈴木は続ける。
彡; l v lミ「じゃあ次だ……。これがただのマジキチっていう説は?」
(; ・∀・)「それも無い。このマンションに入るにはカードキーが必要だ。マジキチは門前払いされる」
(; l v l)「……確定か……」
――この客は、目的と手段をもってオレ達を殺しに来た。
宗男の小さな呟きは、彼らの心臓をキュウと締め付けた。
.
- 963 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:05:40 ID:CEHfoU860
-
(; ・∀・)「どうする、どうする、どうするんだよォ……!」
(; l v l)「クソッ! コンビニの時点で目ぇ付けられてたのかッッ!!」
彡; l v lミ「おい、窓から逃げられねーのか!?」
(; ・∀・)「あ! 確か、火災用の脱出ナントカがあった気が……」
(; l v l)「つーか警察だよ! 警察呼ぶのがベストだろ!
殺人犯でもタダの変質者でも何でもいい! 早く捕まえてもらおうぜ!!」
(; ・∀・)「……いや待て、チャイム止まって……るぞ……?」
彡; l v lミ「あ……?」
彼らが慌てふためく間に、チャイムはいつしか鳴り止んでいた。
一転して静かになったことが逆に不安を煽るが、とりあえず、彼らは胸を撫で下ろした。
.
- 964 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:07:04 ID:CEHfoU860
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
審議の結果、玄関先を確認する役は鈴木に決定した。
(; ・∀・)「まず覗き穴から確認するんだぞ!
そんで次にチェーン付けて、ほんの少しだけ! 玄関開けて確認するんだ!」
(; l v l)「玄関とかもう一秒で閉めていい! 分かったな!」
安全圏から呼びかける二人。
一方、鈴木は心臓バクバクで玄関に立っていた。
彡; l v lミ(ヤバかったら警察、なんも無ければパーチーだぜ)
モララーの言いつけ通り、鈴木はまず覗き穴から外を確認した。
廊下の 左右 を見回す。
人影は見当たらなかった。
.
- 965 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:07:44 ID:CEHfoU860
-
彡; l v lミ「……開けるぞ……」
チェーンを掛け、いよいよ玄関扉に手をかける。
鈴木は身構え、そっと扉を開けた。
彡; l v lミ「……」
(; l v l)「……居ないなら早く閉めろよ……」
彡 l v lミ「……大丈夫だ。誰もいねぇ」
鈴木は落ち着いた声で言い、玄関に背を向けて微笑んだ。
.
- 966 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:08:38 ID:CEHfoU860
-
誰も居ない。
それは間違っていた。
( <●><●>)
男は、廊下の“天井”に張り付いていた。
.
- 967 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:09:18 ID:CEHfoU860
-
(; ・∀・)「――――なんだッ!?」
(; l v l)「――おい! 退け!」
彡 l v lミ「ん〜?」
一瞬の事だった。
玄関の上からスルリと手が入り込み、鈴木の首を掴み上げる。
その手は鈴木を外へ引きずり出し、シュッと天井に吊り上げた。
.
- 968 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:09:58 ID:CEHfoU860
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( <●><●>)「会いたかったぜ……」
彡; v ミ
天井に張り付くその男は、なまヌルい吐息と共にそう言った。
一方、鈴木は息が出来ていなかった。
彼はそれほど強く首を掴まれており、鈴木は、生命の危機すら間近に感じていた。
( <●><●>)「悪いが、受け取ってもらうぞ……」
男は鈴木を持ち直し、天井に張り付いたまま、鈴木と向き合うように構えた。
鈴木はそこで、男の異形たる肉体を目の当たりにした。
彡; v ミ (――なんだコイツ!? “手足が何本も生えてる”!?
それに上半身と下半身が “完全に捻れきってる” のに生きてるッ! どういうバケモンだ!?)
.
- 969 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:11:51 ID:CEHfoU860
-
男の姿勢は、見れば見るほど“人間離れ”していた。
人間の腕が2本に、昆虫の腕が10本。
それを腕と呼ぶべきか分からないが……とにかく、男の胴体から虫の手が生えているのだ。
鈴木は今、その“虫の手”に抱えられている。
そして人間の足が2本と、同じく、昆虫の足が4本。
男はこれらの手足を用いて天井に張り付いている。
さらに男の上半身は180度回転しており、それが今、鈴木と向かい合っている。
およそ人体とは思えぬ構造と、その動き。
あまりに人間離れしたその様相に、鈴木は反射的に思考する。
彡; v ミ(こんなんッ……!)
. . . . . . .
彡; v ミ(人間じゃねぇよ!!)
男の“虫の手”に抱えられたまま、鈴木は身動きが取れない。
目の前にある男の顔面など、恐怖のあまり、直視する事も出来なかった。
.
- 970 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:12:31 ID:CEHfoU860
-
まもなく、男の“人間の手”が、鈴木の両耳を塞いだ。
( <●><●>)「これで引継ぎ完了だ」
途端、男は鈴木を手放した。鈴木は床に落ち、腰を強く打ち付けた。
(; ・∀・)「うぅぐあァァーーッッ!!」
それと同じタイミングで、玄関を蹴り開けてモララーが飛び出してきた。
手には金属バットを持っている。
( <●><●>)「ダチは返す……悪いがオレは退散するぜ」
(; ・∀・)「うおぉぉぉ!? なんだお前!?」
半狂乱でバットを振り回すモララー。
しかし男は見向きもせずに動き出し、カサカサと天井を這ってエレベーターの方へと逃げた。
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- 971 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:13:16 ID:CEHfoU860
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(; l v l)「おいおい大丈夫か!?」
彡; v ミ「平気だ……。それよりアイツ、人間じゃねぇぞ……!」
(; ・∀・)「バケモンなのは見れば分かっけど――どうする、追うのか!?」
彼らが迷っている間に、男の乗るエレベーターが閉じて下へ降り始めた。
宗男はエレベーターと鈴木を交互に見直すと、とにかく冷静に考えて言った。
(; l v l)「……警察だ。これはもう、オレ達の手に負える事じゃねぇ……」
(; l v l)「夢でも見てる気分だぜ……オレ達は狙われ、そして襲われた。
人じゃない、気持ち悪いムシみたいな野郎にだ……!」
“青の印”を狙った殺人事件――その主犯である“虫男”。
ただでさえスカスカな中身の脳ミソが思考を停止するには、この二つの事だけで十分だった。
(; ・∀・)「……警察、だな。それと鈴木のために救急車を呼ぼう。
そんでオレ達の事情と、“青の印”と“虫男”についても警察に相談だ……」
.
- 972 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:14:05 ID:CEHfoU860
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( l v l)「決まりだな。じゃあ――」
彡; v ミ「待ってくれ!」
宗男の言葉を遮り、鈴木の怒号が廊下に響いた。
(; ・∀・)「ど、どうしたんだよ……?」
彡; l v lミ「動けない……体が動かせない……」
(; l v l)「……立てないのか?」
彡; l v lミ「ムリだ。指一本も動かねぇ」
(; ・∀・)「ンだよ……じゃあ肩貸してやるから、オラ」
モララーはそう言って腰を下ろし、鈴木の腕を持ち上げ、肩にかけようとした。
しかし鈴木の腕は鉄塊のように重く、持ち上げるどころか、逆にモララーの腕がブッ千切れそうだった。
(; ∀ )「ふぬぉぉぉぉぉ! ふぬぅぅぅぅぅ!!」
(; ・∀・)「おッも!! お前隠れデブかよ!!」
彡; l v lミ「だから言ったろ! 動かせないって!」
(; l v l)「動けないって、お前それ体調不良的な意味じゃねーのかよ!?」
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- 973 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:15:04 ID:CEHfoU860
-
宗男とモララーは二人がかりで鈴木を動かし、どうにかして彼を壁際に座らせた。
この時点ではっきりしている事は、鈴木の体重が確実に100キロを超えている事だった。
彡; l v lミ「……“受け取ってもらう”……」
(; ・∀・)「……なんだって?」
彡; v ミ「ムシ野郎が言ってたんだよ。受け取ってもらうって……。
あいつ、きっとオレに何かしやがっ――」
瞬間、鈴木の体が崩れ落ちる。
鈴木は音を立てて床に横たわり、苦悶の表情を露にした。
(; ・∀・)「きゅッ、救急車だッ! もうオレらじゃどうしようもねぇ!!」
('、`*川 「――その必要は無いわ」
その時、颯爽と現れたのはケバイ化粧の女だった。
.
- 974 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:15:45 ID:CEHfoU860
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(; l v l)「アンタじゃねぇ! ってかアンタどうしてここに!? つーか誰だ!!」
('、`*川 「私はあの男を追っていたのよ。
その過程でアナタ達が狙われている事を知り、今こうしてここに居る」
(; l v l)「は? じゃあ校門前で会ったのは……」
('、`*川 「アナタ達を追えば虫男と遭遇できると思ってね。まぁ案の定ってヤツかしら」
('、`*川「とにかく今はあの男を追って! あの男が居なければ、この子を助けることは出来ないッッ!!」
(; ・∀・)「じゃあ、アンタはどうすんだ!?」
('、`*川 「ほんの少しだけど、私ならこの子の受けている“力”を緩和できる。
応急処置みたいなものだけど、それを済ませたらすぐに追うわ!」
(; ・∀・)「よ、よっしゃ! それじゃあオレらは虫野郎を……」
(; l v l)「……ちょっと待て」
安堵して声を上げたモララーとは違い、宗男は警戒心を解いていなかった。
宗男は鋭い目付きで女を睨みつけると、声色を落として彼女に問い掛けた。
.
- 975 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:16:44 ID:CEHfoU860
-
( l v l)「お前……本当に味方なのか……?」
(; ・∀・)「――はァ!? 何言ってんだよムネオ!」
(; l v l)「だってそうだろ!! いきなり現れた、事情を知っている……それはあの虫男も同じだ!
オレらを狙ってる奴が単独犯とも言い切れねぇ! なのに、この女を無条件で信用するってか!?」
宗男は女を指差して続けた。
(; l v l)「おいアンタ! 鈴木を助けるってんなら今すぐッ! “オレ達の目の前”でやれ!
それが出来なきゃ信用も何も無理だ! 今すぐテメーを押さえて警察を呼ぶッッ!!」
('、`*川 「……いいわ。でも時間がかかるのは本当。
私を信用できたら、すぐに後を追ってちょうだい」
彡; v ミ「……」
女は鈴木の前に膝を落とし、すっと目を閉じて息を整える。
すると、女の上着から青い光が漏れ出した。
('、`*川 「少しずつ、アナタを軽くしていく……」
(; ・∀・)「その光は……?」
('、`*川 「これが私の“力”。印は左胸にある」
.
- 976 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:17:56 ID:CEHfoU860
-
まもなく、女の胸から出る光が空中に伸び、段々と形を成し始めた。
やがて光は人型になり、そして、動き始める。
[╋](|●|)[╋]
それは、全身が銀色に染まった筋骨隆々な大男だった。
十字の紋が入った巨大なショルダーガード。顔面には大きな窪みがあり、その部分は闇に落ちていた。
('、`*川 「やりなさい」
女が命令すると、大男は鈴木に手をかざした。
大男の手から青の光が発せられ、それが鈴木の体を包んでいく。
彡; l v lミ「おぉ……ホントに軽くなってくぞ……」
鈴木は手を握ったり開いたりし、体の自由を確認した。
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- 977 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:18:36 ID:CEHfoU860
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('、`*川 「これでいいかしら?」
(; l v l)「……疑って悪かった。だが、オレ達と一緒には行けないのか?」
('、`;川 「ごめんなさい。これ結構集中しないと出来ないのよ」
(; ・∀・)「ああもう! とにかく行こうぜ! オレ達の仕事はそっちだろ!!」
(; l v l)「お、おう……」
宗男はモララーに引っ張られて歩き出した。
('、`*川 「足止めだけでいいからね! 危ない真似はしないこと!」
二人はエレベーターに乗り、この場を後にした。
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- 978 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:19:34 ID:CEHfoU860
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一階でエレベーターを降りると、ちょうど入り口のガラス扉が開いて、男がマンション外に出るところだった。
(; ・∀・)「ラッキーだ! アイツまだそこに居やがるぜ!」
(; l v l)「追うぞッ!」
二人も男を追って外へ出た。
道路に出て、辺りを見回す。
( <●><●>)「――来る、と確信してたぜ」
だが、辺りを見回すまでもなく、男は二人の前に立ちはだかった。
現状こちらの武器はモララーの持つ金属バットのみ。
単なる足止めとはいえ、心もとないのは事実だった。
一方、あの虫男は人の形に戻っていた。
黒色のロングコートで体の殆どは隠れているが、服の具合からして、今は手足が何本もあるようには見えない。
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- 979 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:20:33 ID:CEHfoU860
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(; ・∀・)「お前ッ! アイツに何かやったな!?」
( <●><●>)「ああ、やったさ……。だがオレは“仕方なく”やっただけだ。
誰が被害者かって言われたら、オレだって被害者に含まれる……」
(; l v l)「鈴木に何をした!? 毒か?」
(; l v l)「或いは、あの女が言ってた“力”とかいうヤツなのか……?」
( <●><●>)「……お前、“力”を知らないのか?」
宗男の素振りを見て、男は呆気に取られたようだった。
(; l v l)「……何の話だ」
( <●><●>)「……ははァアん。なるほど。
じゃあ、お前らはマヌケなカモだった――という事か」
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- 980 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:21:22 ID:CEHfoU860
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(# ・∀・)「ンなことァどうでもいい!!」
勇ましく金属バットを振るい、モララーが前に出る。
(# ・∀・)「あの女が来るまで、ちょっと遊んでけよ虫野郎ッッ!」
彼は既に吹っ切れていたようで、その言葉は刺々しい戦意に溢れていた。
しかし、男は歪んだ笑みを崩さない。
( <●><●>)「ああ、そういえばァ……」
( <●><●>)「このマンション、“カードキー”が無いと入れないんだったなァ……?」
( l v l)「……」
(; l v l)「――まさかッ!?」
瞬間、宗男は最悪の事態を思い浮かべた。
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- 981 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:23:07 ID:CEHfoU860
-
宗男はモララーに詰め寄り、大声で捲くし立てる。
(; l v l)「モララー! お前持ってんだろうな!?」
(; ・∀・)「あ……?」
(; l v l)「カードキーだよ! まさか忘れた訳ねーよな!?」
(; ・∀・)「…………」
最早言うまでもなく、口だけのマヌケ野郎はカードキーを持っていなかった。
宗男はこの事態を誰より早く理解し、そして怒りに震えた。
(# l v l)「……テメェら……やっぱグルだったか……!」
宗男は、男を睨みつけて呟いた。
( <●><●>)「おいおい大丈夫かよ……忘れ物でもしたか……?」
宗男の怒りを前にしても、男は笑みを絶やさない。
自分が圧倒的優位に立っていると確信しているからだった。
( <●><●>)「ここのガラスは頑丈そうだな。金属バットで割れるか見物だぜ……」
(; ・∀・)「なんだよ……どうすんだよオイ!!」
(# l v l)「黙ってろマヌケ! 今考えてんだよ!!」
( <●><●>)「ま、せいぜい頑張るんだな」
男は失笑を零すと、踵を返して二人の前から離れていく。
“オレ達は罠にはまった”
そのどうしようもない現実が、二人の前に 高く分厚い 壁を打ち立てた。
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- 982 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:24:01 ID:CEHfoU860
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
('、`*川 「私って用心深い性格でね……」
廊下から移動し、鈴木とケバイ女は、モララーの部屋に入っていた。
ただし鈴木は床に平伏し、女はそれを椅子に座って見下している。
この情況こそ、宗男の思い浮かべた“最悪の事態”だった。
('、`*川 「騙せる奴は騙すし、倒せる相手は一人ずつ、確実に消していく主義なの」
('、`*川 「それじゃあ、改めて自己紹介でもしましょうか」
('、`*川 「私の名前はペニサス。貴方と同じく、“青の印”を持つ女よ」
そう言い、女は突然上着をはだけて素肌を晒した。
女の左胸には、彼女の言うとおり“青の印”が刻まれている。印は、プラスの形だった。
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- 983 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:25:43 ID:CEHfoU860
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('、`*川 「まだ喋れる程度の“加重”よ。まぁ……150キロ、くらいかしら」
彡; v ミ「ふうっ……ふうっ……!」
鈴木は、既に限界を迎えていた。
急激な体重の変化に、肉体がついていけないのだ。
ペニサスの言う150キロと、彼の元の体重を合わせれば、その総体重は200キロを超える。
むしろ、ここまで耐えていることが奇跡的だった。
彡; v ミ「……騙したのか……オレ達を……」
('、`*川 「そうね。貴方達は騙された。でも一度は私を疑った。そして、またすぐに信じた」
ペニサスはそう言うと、鈴木の顎をクイと持ち上げて言った。
('、`*川 「良い事を教えてあげるわ……世の中、信じた奴がバカなのよ」
さて、と間を置き、ペニサスは言葉を繋いだ。
('、`*川 「じゃあ死になさい」
[╋](|●|)[╋] 『殺シマス! ヤッタゼ! ヤッタゼ!』
左胸の印が輝き、ペニサスの傍らにあの大男が姿を現した。
大男は拳を振りかざすと、鈴木の頭にむけ、全力で振り下ろした。
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- 984 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:26:23 ID:CEHfoU860
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「うっわ! 化粧まみれのクソババアが居るぞ!!」
('、`*川
('、`#川 「おい今の誰だオラァ!?」
彼女は咄嗟に外のベランダを一瞥する。
大男もつられて拳を止め、彼女と同じ方向を睨みつけた。
「加齢臭やべぇ! オレの物にクッセー臭い移るから帰れよババア!!」
('、`#川 「ババアじゃねぇよクソッタレが!!」
自分がババアだという現実を突きつけられたペニサスは、ベランダを指差して言った。
('、`#川 「窓ごとブチ抜けッ! “アンド・ウェイト”!!」
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- 985 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:27:26 ID:CEHfoU860
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[╋](|●|)[╋] 『ウィーッス! ウィーッス!』
アンド・ウェイトと呼ばれた大男は、ペニサスの命令を受けた瞬間、爆発的なスピードでベランダに突っ込んでいった。
その突進は窓ガラスを突き破り、ベランダの腰壁をも粉砕した。
そして
(; ・∀・)「死ぃ――ぬぅッ!!」
ベランダに居たモララーを、空中に弾き飛ばした。
ここは七階。落ちれば即死は免れない高さだった。
('、`#川 「あの野郎! よくも私をババアと――」
ペニサスはベランダに出て、モララーの落ちていく様を見下ろした。
('、`#川 「だァーれがババアだクソガキが! 死ねェ!」
('、`#川 「……」
('、`;川 (……いや、そもそもアイツ、どうやってここまで……?)
ふと脳裏に浮かんだ疑問は、モララーの落下を見ているうちに解決した。
落下中、モララーの右頬が青く輝いたのだ。それを見て、ペニサスは驚きの声を上げる。
('、`;川 「アイツも“青の印”を!?」
彼女は慌てて室内に戻り、鈴木の前で片膝をついた。
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- 986 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:28:34 ID:CEHfoU860
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('、`;川 「貴方に二つ聞く! 他の二人も青の印を持ってるの!?」
彡; v ミ「……」
朦朧とした意識の中に、ペニサスの声が重く響いた。
鈴木は意識を失いかけていた。
('、`;川 「早く答えろ! 時間が経てばお前に掛かる“加重”は増える一方だぞッ!
彡; v ミ「……」
('、`;川 「……仕方ない……!」
('、`;川 「アンド・ウェイト! コイツに掛けてる“加重”を解けッ!」
命令を受けると、アンド・ウェイトは鈴木の両耳を両手で塞いだ。
途端、鈴木の体にかかっていた“加重”が無くなり、彼の体はフッと軽くなった。
('、`;川 「もう一つだ! 青の印の“力”は!? お前達の能力は何だ!?」
彡; v ミ「……な、んの……話だ……?」
('、`;川 「とぼけるなッ! 青の印には“特別な力”がある!!
印を持つ者がそれを知らない訳が無いッ!」
彡; v ミ「オレは何も……」
('、`#川 「チッ!」
('、`#川 「もういいッ!! 黙ってろ!」
ペニサスは立ち上がり、鈴木の横腹を三度蹴りつけた。
それから急いで思考を巡らせ、彼女は現状を再確認していく。
.
- 987 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:33:40 ID:CEHfoU860
-
('、`;川 (さっきの奴は能力を使った……。十中八九、その能力でベランダまで飛んできたはず。
なら恐らく、奴はもう一度ここまで跳んでくるハズ! だったら思考時間は限られている……)
('、`;川 (そしてもう一人、ムネオとか呼ばれてたガキ……。
あのガキにも青の印があるなら、戦力は五分と見ていい)
('、`:川 (だが、さっきの奴は一人で飛んできた。
ムネオを一緒に来れば良かったのに、どうして!?)
('、`;川 (……ムネオが“ワカッテマス”の足止めをしているから……?)
そこまで考えて、彼女は一応の結論を導き出した。
('、`;川 (一人はワカッテマスと戦っているッ! そしてもう一人は私の所に向かってきた!
それなら状況はこちらが有利! 人質もあるッ! 勝算はまだあるッ!!)
彼女はアンド・ウェイトに鈴木を担がせると、急いで部屋を出て屋上へ向かった。
(# ・∀・)「待ちやがれ!」
それを追う様に、モララーがもう一度 七階まで跳んできた。
彼の両足には、バネの様な模様をしたブーツがはまっている。
“スプリングスティーン”
それは、自身の手足にバネとしての性質を付加させる能力。
力を吸収し、蓄積し、放出する。それがモララーの得た力、“スプリングスティーン”だった。
.
- 988 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:35:13 ID:CEHfoU860
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マンションの屋上。
ペニサスは衰弱した鈴木にナイフを向け、モララーと対峙していた。
('、`*川 「動くな」
(; ・∀・)「……いいや、オレは動く。考えるのは苦手だ」
('、`*川 「あらそう」
('、`#川 「――じゃあ死ね! あと私はまだ36歳よ!」
(; ・∀・)「もう初老寸前じゃねーか!!」
('、`#川 「黙れってんだよクソがあぁぁあ――ッッ!!」
ペニサスの横を駆け抜け、アンド・ウェイトがモララーに迫る。
モララーは既に能力を発動していた。足に力を込め、一気に上空へ跳び上がる。
('、`#川 「マヌケめ! 跳んだら逃げ場は無い!」
モララーを追い、アンド・ウェイトも高く跳び上がった。
(; ・∀・)「ヤッベ!」
そして早くも落ち始めたモララーは、体を大の字に広げて落ち始める。
[╋](|●|)[╋] 『ゲットダゼ!』
だが、落下中のモララーをアンドウェイトが捕まえた。
モララーの頭をガッシリと掴んだ彼は、モララーごと一気に腕を振りかぶった。
[╋](|●|)[╋] 『デェーストローイ……』
やけに流暢な発音だった。
瞬間、アンド・ウェイトは腕を振り下ろし、モララーを下に投げつけた。
.
- 989 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:36:04 ID:CEHfoU860
-
(; ・∀・)「――“スプリングス”」
高速で落ちる最中、モララーは小さく呟いた。
それと同時に彼の“青の印”が光を放った。
次の瞬間、モララーの傍らに人影が現れる。
人影は下に回り込むと、落ちてくるモララーを難なく受け止めた。
('、`*川 「……そう。それが、貴方の“力”……」
ペニサスは低い声で言い、アンド・ウェイトを近くに呼び戻した。
.r=====b
[]υ_σ[]
幼い少女の様相をした彼女こそ、モララーの力 “スプリングスティーン” の真の姿だった。
藍色をした華奢な肉体と、高く釣り上がったつぶらな瞳。
両手足にはバネが巻かれており、頭部にはヘッドフォンのようなものを付けている。
身長は130センチにも満たない程度で、モララーと比べれば、その小ささは一目瞭然だった。
モララーはペニサスを見ると、余裕の表情を見せながら、ペニサスに向かって歩き始めた。
( ・∀・)「戦ったらオレが勝つ」
('、`*川 「それはありえない。私には人質がある」
( ・∀・)「勝てるっていう確信があるんだよ……。おいババア! あと少しでオレの仲間が来るんだぜ!
多対一じゃ勝ち目もねーだろ! 大人しく逃げたほうが賢明じゃねーの!」
('、`#川 「テメーまだババア言うか……!」
.
- 990 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:37:52 ID:CEHfoU860
-
('、`*川 「――にしても、貴方」
( ・∀・)「あ?」
ペニサスの言葉を受け、モララーが一歩踏み出した。
('、`*川 「これまでの間に……私が “何かした” とは考えられないの?」
( ・∀・)「……ハッタリか?」
モララーが更に一歩踏み出す。
ペニサスはそれを見て、ひどく醜悪な笑みを浮かべた。
(゙゚'、'`'#川 「さっき! 跳んだお前をアンド・ウェイトが掴んだ時点でッ!!
スデにアンド・ウェイトの能力がお前を襲っているッ!」
『清算ノ時間デス! アト1歩デス!』
甲高い声を聞き、モララーはハッとして頭上を見上げる。その視線の先にはアンド・ウェイトの姿があった。
しかしアンド・ウェイトはその姿を変貌させており、“巨大な分銅”となってモララーの頭上に浮いていた。
( ・∀・)(あと一歩……?)
アンド・ウェイトの言う意味も分からぬまま、モララーは足を上げ、また一歩前に出る。
(゙゚'、'`'#川 「ただしッ! 今度のカウントは“時間”ではなく“歩数”ッッ!
だからもうテメーに残った猶予はラスト1歩なんだよ――ッッ!!」
( ・∀・)
(; ・∀・)「マジッ――でかァ!?」
もう手遅れだった。
モララーは、最後の一歩を踏みしめていた。
.
- 991 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:38:49 ID:CEHfoU860
-
『清算デス!! バイバイ!! バイバイ!!』
そう言い、分銅に変身したアンド・ウェイトが 一気に加速してモララーに迫った。
モララーは反射的に身構え、スプリングスティーンで反撃に出る。
(; ・∀・)「間に合え! “スプリングス”!!」
モララーの命令を受け、スプリングスが拳を振るう。
拳と分銅の激突。ガギィンという鈍い金属音が鳴り響き、スプリングスを通して モララーの肉体に激痛が走った。
('、`#川 「諦めなァァッ! 今のソイツは1トン越えのスーパーヘヴィだ!」
(; ・∀・)「気張れッ! 殴れるだけ叩き込むぞッ!!」
(゙゚'、'`'#川 「ブッ潰れろおおぉおおお!!」
[╋](|●|)[╋] 『ドスコーイ!』
.r======b
[]#υ_σ[] 『HAWRYYYYAAAAA!』
スプリングスの拳が、アンド・ウェイトに有りっ丈のスピードとパワーで叩き込まれた。
彼女の拳にもバネと同じく 『吸収』 の性質があり、一撃ごとにアンド・ウェイトの衝撃を吸い取っている。
絶え間なく響く金属音。吸収に次ぐ吸収。
やがて両者の力は拮抗し、アンド・ウェイトは空中に静止した。
だが、1トンの物質を殴り続け、支えるのは不可能だった。
(; ・∀・)「――ッッッ!」
拳の殴打が少しずつ押され始める。
このままじゃ押し潰される! モララーは声を張り上げ、スプリングスに渾身の一撃を打たせた。
.
- 992 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:39:52 ID:CEHfoU860
-
重々しい音を響かせ、アンド・ウェイトと拳がぶつかり合う。
('、`*川 「無駄、無駄」
――瞬間、スプリングスティーンの拳にヒビが入った。
それと同時に、モララーの拳が鮮血を吹いて砕け散る。
('、`#川 「無駄ァッ!」
(; ∀ )「ッッッ――!!」
[╋](|●|)[╋] 『グッドラックベイベー!!』
もう間に合わない。そう判断したモララーは、スプリングスを引き戻し、衝撃に備えた。
途端、アンド・ウェイトがモララーを押し潰し、屋上の床にメコォと沈みこんだ。
加速した超重量の直撃。床に深く減り込んだモララーは、一瞬にして意識を失った。
('、`*川 「すぅ――――」
大きく息を吸い、彼女は宣言する。
('、`#川 「勝ったッ! 刹那を歩くスレ完ッッ!!」
.
- 993 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:42:32 ID:CEHfoU860
-
_________|\ バァ―z_ ン
|To Be Continued... >
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/
- 994 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:43:59 ID:CEHfoU860
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♪ し' し' し' し' し' ♪ し' し' し' し' し' ♪
- 995 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:48:21 ID:CEHfoU860
-
鈴木&宗男奇譚のようです
>>943-993
これで投下は終わり! 終わりです!
あとは適当に埋めて終わり! 適当なAA張って終わりです!
- 996 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:49:26 ID:rtmtZqYs0
- 乙
- 997 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:49:37 ID:CEHfoU860
-
-― ̄ ̄ ` ―-- _
, ´ ......... . . , ~  ̄" ー _ ブッブー
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, ´ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::: : ,ヘ ::::::::::::::::::::::: : ヽ キキー
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と,-‐ ´ ̄: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`':::::::::: :::::::く
(´__ : : :;;:::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::`(::::::::: ,ヘ:::::::::::::::::::::: ヽ
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(__  ̄~" |. .おわった..| )) ̄
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- 998 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:50:17 ID:CEHfoU860
- ,,, ,γ ― 、
/キ\ ,;'⌒ヽ γ' ヽ ノヽ
| キ | 〈 〉 (,,,,__(⌒) ,ノ
ヽキ/ ヽWイ ( ノ ヽノ, 、
i l `、ヽ `´ヽ.ノ `、ヽ、
| l ヽ ヽ ヽ ヽ
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/ (・i_ / (・i_ / (・i_
l ,> l ,> l ,>
ヽ ノ ヽ ノ ヽ ノ
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- 999 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:50:57 ID:CEHfoU860
- (ω・` )
,,、 -''/ { 人 ゙ヽ、
イ /,r ''了 / 了 ノ´r‐''''ヽ、} ヽ
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イ / / __/: l/ .! : ,∧ノ ゙i
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- 1000 :名も無きAAのようです:2013/01/21(月) 17:51:37 ID:CEHfoU860
- ┌──────────────────────────────────┐
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│/ L_  ̄ / _l__( { r-、 .ト  ̄ \{ L:--:、 ) ..│
│ _,,二) / 〔― ‐} Ll | l) ) )ト‐-:、ノ ...│
│ >_,フ / }二 コ\ Li‐' ( `っ ,/ │
│__,,,i‐ノ l └―イ ヽ | /'` ./ .│
│ l i ヽl / / .│
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2013年 1月 20日 最高のスレと共に
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