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('A`)ロンドンより愛を込めて、のようです
20
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:19:54 ID:U7Le5hno0
('A`)「ふぅやれやれ・・・・・」
('A`)「ありゃ?」
見ると婦人警官が車のそばに立っている。
どうやら駐車違反を挙げられてしまった・・・・。
('A`::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
つくづくついていない。
ζ(゚ー゚*ζ「No Parking here, sir. Would you show me your driver's lisence?」
('A`)「あ、あ、あ」
ζ(゚ー゚*ζ「huh?」
ドクオは財布から国際免許証を取り出そうとした。
21
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:21:21 ID:U7Le5hno0
ところがどっこい、それはモララーがくれた例のカードであった。
つ【FUCK】 ζ(゚、゜*ζ 「・・・・・・・・・・・・」
パーン _, ,_
_, ,_ ζ(゚、゜*ζ
('A`(☆ミ⊃
ドクオは地面にくずおれた。
バラバラっと財布の中身が散乱した。
その内の一つ、名刺を婦人警官は取り上げた。
婦人警官は驚いた顔をした。
そしてなんとロシア語で話しかけてきた。
ζ(゚o ゜*ζ「あなた・・・・・、シベリアの人なの?」
('A`)「え・・・・・?あんたロシア語わかるの?」
22
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:22:02 ID:U7Le5hno0
ζ(゚o ゜*ζ「私のママ、ヴィップグラードの出身よ!」
('A`)「そ、そうなの・・・・か・・・」
(;A;)「ウッ・・・・・」
母国語を聞いて、いままで塞いでいた感情の弁が吹き飛んだ。
ドクオは声を上げて泣いた。
泣きに泣いて、しまいには婦人警官の足元にすがりついた。
物見高い通行人がジロジロと見つめる。
ζ(゚、゜;ζ「ちょ、ちょっと、あなた・・・・」
ドクオは構わず泣き続けた。
23
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:42:20 ID:fsOFsLPw0
きてーたしえーん
24
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:47:39 ID:EcmIQol.0
こっちにきたのか 支援
25
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:52:41 ID:U7Le5hno0
婦警の名前は リタ・デレノフスカヤと言った。
ニックネームでデレーニャと呼ばれていた。
ソーホー地区にあるしゃれたフラットの5階に彼女の部屋はあった。
夕方、ドクオは彼女の部屋に招かれた。
話を聞いたデレーニャが、同情したのである。彼女は駐禁も見逃してくれた。
ζ(゚ー゚*ζ「入って」
大きな紙袋をもちながらドアを開ける。
ドクオも両手に紙袋を持ちながら入る。
('A`)「お邪魔します」
紙袋をテーブルの上に置くと、部屋の全貌が明らかになった。
26
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:54:57 ID:U7Le5hno0
('A`)「うわ、洒落た部屋だなあ」
黒のバックの上にガーベラの花柄がパターン化された壁紙。
モノクロームの唐草模様の天井。
カラフルな本がいっぱい詰まった赤い小さな書棚。
紺のラップトップが鎮座している小机。
50年代を思わせるレトロなブラウン管TV。
寝心地が良さそうなベッド。
そして窓辺に溢れんばかりに飾られたドライフラワーの薔薇。
そしてたくさんのミュージシャンと思しき人物のサイン付き写真が、
あちこちに飾られていた。
キッチンが一体型のワンルームだが、こざっぱりしていて手狭な印象は無かった。
なによりいい匂いがした。
俺や先生の部屋とは大違いだ、とドクオは思った。
27
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:55:43 ID:U7Le5hno0
ζ(゚ー゚*ζ「何が食べたい?」
('A`)「えーと、アザラシ丼」
ζ(゚ー゚*ζ「そんな田舎料理作れないわよ
ボルシチでいい?」
('A`)「そう、それでいいや。
今日とんでもないシロモノを食わされた」
ζ(゚ー゚*ζ「あそこで食べるなんて正気の沙汰じゃないわ
あのね、世界中どこいっても、まあまあはずれなしなのは中華料理。
なぜかって?中国人はどこにでもいるからよ」
('A`)「中華料理は・・・しばらくいいや」
ドクオはあの華僑の高圧的な相手方を思い出した。
28
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:57:33 ID:U7Le5hno0
ζ(゚ー゚*ζ「ところでさ、」
デレーニャは笑いをかみ殺しながら尋ねた、
ζ(゚ー゚*ζ「なんであんなカード見せたの?」
ドクオの中で忘れていた怒りが吹き出した。
('A`#)「ハメられたんだよ、アンニャロメ!ちくしょう・・・・
言葉に困ったらこれを見せろって渡されたんだ!」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・今後の付き合い方考えたほうがよさそうね
相手が悪かったら殺されてたわ」
('A`#)「絶対お返ししてやる・・・!首洗って待ってろ!」
29
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:58:40 ID:U7Le5hno0
ドクオは真顔に戻って逆に聞いた、
('A`)「FUCKってどういう意味なの?」
ζ(゚、゜;ζ「ん、えーと、それは・・・・・・・
使っていくうちにわかるわよ、あ、いや、あまり使わないほうがいいわね
喧嘩を売るような言葉だから」
('A`)「でもさっきのあんちゃん別に挑発するでもなく、Bob marley is fuckin' greatとか言ってたぜ
ねえ、どういう意味なの?」
ζ(゚、゜;ζ「ん・・・とにかく悪い言葉よ
そ、そんなことより!」
30
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 23:59:45 ID:U7Le5hno0
ζ(゚ー゚*ζ「ヲッカ飲む?ちょっとだけならあるけど・・・・」
ヲッカと聞いて、ドクオのロシア人の血が騒ぎたった。
(゜∀゜)「飲む!飲む!」
歓喜の雄叫びを上げた、
(゜∀゜)「ヒヤホーイ!ウラ−−−−−−−−ッ!!
レーニン万歳!スターリン万歳!フルシチョフ万歳!
ブルジネフ万歳!ゴルバチョフ万歳!エリツィン万歳!プーチン万歳!
ジントニックなんかクソ食らえだ!
俺はロシア人なんだ!!!!」
ζ(゚ー゚*ζ「そういう時に使うのよ
fuck off all gin'n' tonics!って!」
(゜∀゜)「Yeaaaaaaah! fuck off ! fuck off!」
31
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:00:43 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「はい、どうぞ」
(;゜∀゜)つ□「・・・・・・・・・・・・・」
(;゜□⊂グビッ
喉から胃へとヲッカが滴り、独特の匂いが鼻に抜ける。
(;゜∀゜)「うーーーーーっ!堪んねえ!」
ヲッカは五臓に染み渡り、ドクオの内部で凝り固まっていた疲れを一瞬で溶かした。
あまりの歓び方を見て、デレーニャは言った。
ζ(゚ー゚*ζ「ヲッカなんてどこでも売ってるんだから、買えばよかったのに」
('A`)「いや、ひとりで酒は飲みたくなくてよ・・・・・
寂しくなるばっかりだもん。
忙しくて、そんな気にもなれなかった・・・・・」
('∀`)「でも、君のおかげで生き返ったよ、ありがとう」
ドクオはシベリアタイガー先生と飲んだ日以来、ヲッカを口にしていなかった。
緊張で張り詰めていた筋肉は和らぎ、心臓から快く血が流れていく感覚。
ドクオは生きている歓びを久しぶりに味わった。
32
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:01:31 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「どういたしまして」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ、これから作るからちょっと待ってて」
そういって冷蔵庫に向かい、材料を取り出して支度をし始めた。
野菜を切るデレーニャの後ろ姿を、ドクオはぼうっと見た。
灰色のフリース
細身の黒のジーンズ
後ろに束ねた白金色の髪、
('A`)「・・・・・・・・・」
制服姿とは違う素朴で柔らかな彼女の姿を。
ζ(゚ー゚*ζ「ねえ」
急に呼びかけられて、ドクオはびっくりした。
('A`;)「えっ」
33
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:02:15 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「なんか音楽が無いと寂しくない?」
そう言ってデレーニャはステレオのリモコンで音楽を再生した。
軽快なギターのイントロがなり、カラフルで怪しい音楽が鳴り始めた。
http://www.youtube.com/watch?v=Se5JLYKQfDU
♪Lovely Rita Metermaid
♪Lovely Rita Metermaid
('A`)「誰の曲?」
ζ(゚ー゚*ζ「Beatlesよ。Lovely Rita って曲。
あのね、歌詞が面白いの」
('A`)「へーえ」
ζ(゚ー゚*ζ「可愛いリタ
駐禁取締の婦警さんって歌」
('A`)「へ?すると君をモデルにしたような曲じゃないか」
34
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:03:31 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「そ。面白いでしょ。
もちろん私が生まれるよりずうっと前の歌だけど・・・・
私の母親がね、小さい頃よくかけてたの。
聞いて・・・・」
♪Rita!
ζ(゚ー゚*ζ 「ほら、Rita!って叫ぶでしょ、これ自分のこと言われてるみたいでね、
わたし、子どもの時手を叩いて喜んだんだって。
で、私もMetermaid=婦警になるって、そのころから言ってたみたい、
ママが言ってた」
そう言ってデレーニャはテーブルの上の写真立てに目を向けた。
そこには、まだ小さいときのデレーニャと母親が立っていた。
母親は、娘そっくりの美人だった。
35
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:06:53 ID:Fc6JwVKU0
('A`)「母さんは?」
ζ(゚ー゚*ζ「郊外の墓地で眠ってるわ」
('A`)「そうか・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「ほんとはね、ヴィップグラードで眠りたかったらしいの・・・
でもそういうわけにも行かなくてね」
ζ(゚ー゚*ζ「いつか、ヴィップグラードに行って、形見のブローチをね、埋めてあげるの。
生家の庭にモミの木があるはず、そこの根元にね」
('A`)「ヴィップグラードは、再開発が盛んだったからな・・・今はあるかなあ」
ζ(゚ー゚*ζ「だいじょぶ。Google Earthで確認した。まだあった」
('A`)「そうか、なら・・・」
ζ(゚ー゚*ζ?
('A`)「お、俺が・・・・・・」
36
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:07:42 ID:Fc6JwVKU0
ドクオは何かお返しがしたかった。
ヴィップグラードなら帰途に寄る。住所を聞けば、代わりにやってあげられる。
しかし。
出会って半日も経ってない人間の生活にそこまで立ち入っていいものか。
ζ(゚ー゚*ζ「?」
('A`)「・・・いや、なんでもない」
デレーニャはガスレンジの火を止めた。
ζ(゚ー゚*ζ「さ、できたわ、食べよう」
鍋の蓋を開けると、いい匂いが部屋いっぱいに漂った。
.
.
.
.
.
37
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:08:47 ID:Fc6JwVKU0
ボルシチは優しい家庭の味がした。
本来長く煮こむ料理だが、時間がなかった。それが逆に若くて爽やかな味わいだった。
ドクオは何回もおかわりをし、ヲッカを飲んだ。
デレーニャはちびちびとグラスに口をつけていたが、ドクオは勢い良く飲んでいった。
酔いが回ると、ドクオはあること無いこと勢いでいろいろと話し始めた。
('A`*)「・・・でさ、近くの村にプーチンが来ることになったんだよ。
でも最近偽物が来ることがあるから注意しろ、って噂が流れたんだ。
別の村でもサギ被害があったらしいんだ
んで、プーチンがやってきた。でも予定より2日も早くやってきたんだ。
しかもお連れも何もなしにだよ。
で、このハゲめって言ってぶちのめして追い返したんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「それで、本物は来たの?」
('A`*)「その村がまるごとなくなってた」
('A`*)「それでわかったんだよ、あれが本物だったんだなって」
38
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:09:35 ID:Fc6JwVKU0
やがて時計が12時の鐘を鳴らした。
('A`*)「あ、もうこんな時間かあ
おいとましなきゃ、楽しかったよ、ありがとう」
ζ(゚ー゚*ζ「ばかねえ、もう相当飲んじゃったじゃん
車でしょ?それこそ捕まるわよ」
('A`)
ζ(゚ー゚*ζ「泊まっていけばいいわ」
ドクオはヲッカの瓶でも飲み込んだかのような顔になった。
息がつまり、全身から一気に汗が吹き出た。
('A`;)「おおお、おおおおおおおおおお、俺、・・・俺」
ケイレンした鶏のような声をだした。
39
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:11:08 ID:Fc6JwVKU0
ドクオは視線をぐるぐる移動させた。でも、どうしてもベッドに目が行ってしまう。
酔ったおかげでまるで回らない頭で必死に考え、
('A`;)「おおお、俺、俺、じゃあ風呂場で寝るわ」
ζ(゚ー゚*ζ「あら、今度はNorwegian Wood みたいね」
('A`;)「へ?」
ζ(゚ー゚*ζ「ま、別にどこで寝たっていいけど、その前にお風呂入らせて」
デレーニャは脱衣所に言った。パタンとドアが閉まる音がして、水の音がぴちゃぴちゃ聞こえた。
ドクオはテーブルに顔を寄せて、酔いにまかせてブツブツとなにか唸っていた。
彼女がバスローブ姿で部屋に戻ってきた。
ドクオは入れ替わるように、ゴキブリのように風呂場に這っていった。
大きな音がして、しばらくすると、風呂場からいびきが聞こえ始めた。
ζ(゚ー゚*ζ「風邪引くわ・・・・」
♪I told her I didn't and crawled off to sleep in the bath
http://www.youtube.com/watch?v=PxxGVjLNpek
そうくちずさみながら、ドクオのもとに毛布を携えて行ってあげた。
40
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:12:08 ID:Fc6JwVKU0
朝になった。
ドクオはかなり早くに目が覚めた。
そーっと風呂場のドアを開けて耳を澄ませた。
まだデレーニャは寝ているようだった。
化粧前の女の顔を見てはいけない、そういうデリカシー(もしくは恐怖)が働いたので、
ドクオはまんじりともせず毛布にくるまって彼女が起きるのをまった。
しばらくすると、あくびと、タンスを開ける音がした。
やがて、レンジに火をかける音がした。
もういいだろう。
('A`)「おはようございます」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、おはよう、あんなとこで眠れた?」
('A`)「ああ、ばっちりさ」
ボリボリと頭をかきながらテーブルについた。
41
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:14:55 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「昨日の残りで悪いんだけど」
そういってパンと昨日のボルシチの残りを目の前に置いた。
('A`)「いただきます」
そう言って食べ始めた。彼女も自分の分をよそってテーブルについたが、
まず彼女は目を閉じて祈りはじめたので、ドクオはなんだか気まずくなった。
食べながら彼女は言う、
ζ(゚ー゚*ζ「ねえ
今日あたし非番なの。あんたも休みでしょ」
('A`)「うん」
ζ(゚ー゚*ζ「ロンドン観光しようか。ガイドしたげる」
('A`)「え・・・・そんな、どこか見たい場所なんて特に・・・・
それに悪いし」
42
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:16:28 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「いいの。どうせ暇なんだから・・・
それに仕事上、必要なことでしょ?市場調査ってやつ。
じゃあ、決まり。
昼間観光して、でその後・・・・」
デレーニャは携帯で何か検索し始めた。今日市内で行われる催しを見ているらしかった。
その情報の一つに眼を留めた。
ζ(゚o ゜*ζ「あ」
そしてニヤッと笑って、言った。
ζ(゚ー^*ζ「面白い人に会えそうよ」
43
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:17:42 ID:Fc6JwVKU0
2人は外に出た。
ロンドンらしくまだらの空模様であった。
レンタカーを返して、地下鉄と徒歩でロンドンを散策することになった。
(ドクオは人混みが嫌いなので車で行きたがったが、デレーニャの勧めに従った)。
ζ(゚ー゚*ζ「さ、いこ」
額にサングラスを乗せたデレーニャは颯爽と地下鉄の駅へと降りていった。
('A`)(活発な娘だなあ)
テムズ川沿いを中心に、ビッグベン、タワーブリッジなどをデレーニャは熟練の
ガイドよろしく要領よく案内して回った。
そして、地元の人間しか知らないようなトリビアを織りまぜるのであった。
44
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:20:22 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・で、この出っ張っている石の部分が、地元の人からチャーチルズ・ポイントと
言われてるの。1980年の道路拡張の時に撤去の話があったんだけど、そのまま
保存することになったの」
('A`)「なんでチャーチルの名前がついてんの?」
ζ(゚ー゚*ζ「ドイツが降伏したとき、チャーチルが歓びのあまりここで立ちションしたって話
・・・まあここの家の人の話だから、嘘かホントかわからないけど。
あとね、グリニッジ天文台とビッグベンを結んだ直線の、
ちょうど真ん中がこのポイントらしいよ」
('A`)「なんと」
('A`)「んじゃ小生もチャーチルにあやかりまして・・・・」
45
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:21:09 ID:Fc6JwVKU0
_, ,_
ζ(゚、゜*ζ「ちょっと、やめなさいよ」
デレーニャが目を上げると、道路の向こうにパブが見えた。
ζ(゚ー゚*ζ「あ、あそこで何か食べよう、それまで我慢して」
2人は車を避けながら道路を横断して、パブ(居酒屋兼軽食屋みたいなもの)の扉を開けた。
「Queen's Banquet」は名前のわりに庶民的な店であり、往来の喧騒を避けるように
薄暗い店内に人々がくつろいでいた。
ドクオが用を足すと、デレーニャがカウンターでメニューを見ていた。
ζ(゚ー゚*ζ「何食べる?」
('A`)「えーと、この、スモークドチキンのサンドイッチで」
46
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:21:53 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「そんなんどこでも食べられるよ、
鰻のゼリー寄せと臓物パイ、これ地元の料理よ」
('A`)「なんかゲテモノっぽいな」
ζ(゚ー゚*ζ「名物なんてそんなもんよ、これとこれ2つ、マッシュつけて、後ギネス・・・・」
ゼリーの中に鰻のブツ切りが入ったもの、
茶色い中身がどろりと出ている切り分けられたパイ、
そしてマッシュポテトがてんこ盛りの皿が出てきた。
ドクオは奇異の目でそれを見ていた。
その間に、デレーニャは会計を済ませていた。
('A`)「ちょ」
('A`)「ここは、俺が払うよ、世話になってばかりで申し訳ないもの・・・・」
47
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:22:41 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー゚*ζ「いいわこのくらい。また今度おごって」
('A`)(また・・・今度?)
('A`)(俺に・・・また会うつもりなのか?)
('A`)(何のメリットがあって?)
皮肉でなくドクオはそう思った。
ζ(゚ー゚*ζ「ここ、座ろう」
デレーニャは通りに面したテーブルに席をとった。
ドクオも席についた。
料理はまずくは無いが、変わった味がした。
不思議な料理を、不思議な女の子と食べている。
ドクオはそんなシュチュエーションになんとも言えぬ不思議さを感じるのであった。
そもそもこのロンドンに駐在していること自体、現実感が無かった。
(事の経緯を考えれば、それも当然である)。
48
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:24:29 ID:Z96KFTH20
ジェリードイールは食べる気がしねえぜ
49
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:26:02 ID:Fc6JwVKU0
そこへ来て、昨日知り合ったばかりの女の子とロンドンをぶらついている。
('A`)(・・・・・・・・・)
ドクオは壁際にある鏡に写ったデレーニャを見ていた。
デレーニャは窓越しに通りを見ていたが、ふと視線を移動した。
鏡の中でドクオと目が合った。
('A`;)「あ」
ζ(゚ー゚*ζ「ん?どうかした?」
デレーニャは正面から見据えた。
('A`)「なんとなく・・・不思議だなあ・・・と思って」
ζ(゚ー゚*ζ「ああ、これ面白い食べ物でしょ」
('A`)「いや、そうじゃなくて・・・・」
('A`)「なんで、こんなに親切にしてくれるのかな、 って」
俺みたいな冴えない男に、とは言わなかった。
ζ(゚ー゚*ζ「久々にロシア語が聞けて、嬉しかった、ママと出身地も近かったし」
それだけでは無いような気がした。実際、彼女は続けて言った。
50
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:26:49 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚ー^*ζ「あーこれ、言っちゃおうかな、どうしよ」
('A`)
ζ(゚ー゚*ζ「やっぱ、今はやめとく。うん、いつか言う」
('A`)
ドクオは当然釈然としなかった。
でも、彼女が善意の人であることを信じようとも思った。
二人は店を出て、夕刻になるまで雑貨屋などを物色した。
51
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:30:26 ID:Fc6JwVKU0
地下鉄でイーストエンドに戻り、息せききって二人は走った。
着いたのは、ライブハウス「イーストエンド・ソーシャル・クラブ」。
200人収容の小規模なハコである。
入場料とドリンク代を支払い、ドアを開ける。
もう観客は一杯で、熱気とひといきれでムンムンとしていた。
壁にもたれかかって二人は安堵の息をついた。
ζ(゚ー゚;*ζ「間に合って良かった」
('A`)「こういうとこ初めてだ」
あまりの騒々しさに若干ドクオは引いていた。
見渡すと、自分よりもちょっと若いくらいの白人のハイティーンが多かった。
彼らは酒を飲み、奇声を上げたり肩を組んだりどつきあったりしていた。
すでに異様なテンションだった。
その間にポツポツと、レゲエファッションの黒人がいた。
彼らはホワイトハイティーンへの苛立ちを呑み込むように立ち尽くしていた。
52
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:31:20 ID:Fc6JwVKU0
('A`)「面白い人に会えるって、バンドの事?」
ζ(゚ー゚*ζ「そう。でも今日は対バンで、出てくるのは後ね
最初は、別のグループ。ここにいる子たちは、ほとんどそれ目当て」
そういってるうちに、照明が落とされ、緊張は一気に高まった。
ライトが明滅し、爆音で演奏が始まった。
たちまち、場内は熱気の渦に巻き込まれた。
53
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:32:43 ID:Fc6JwVKU0
ステージから発せられる音は、ドクオの脳髄を揺さぶった。
('A゜;)))))))))(な・・・・・)
疾走するビート、リズムを無視して跳ね回るシンセベース、
('A゜;)))))))))))))))))))))))(なんだなんだ、この音は?)
時折雷鳴のように轟くギター、悪夢の海鳴りのようなボーカル。
('A゜;)))))))))))))))))))))))))))))))))))))(頭がおかしくなりそうだ!!!)
バンドは曲の間を置かずに一気に5曲くらい演奏し、
そこでぴたっと静寂に身を委ねた。
会場は怒号に近い歓声に包まれた。
ドクオはそこで我に帰った。
音そのものは不快だったが、脳の普段働いていない部位が覚醒するような感覚。
('A゜;)(これが・・・fuckin' great ってやつか・・・?)
54
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:33:42 ID:Fc6JwVKU0
一方のデレーニャは、平然そのものでステージを見つめていた。
ζ(゚- ゜*ζ
ステージを見ると、観客と変わらないくらいの年齢の、あどけない若者4人がいた。
彼らは、聴衆に向かって威勢よく呼びかけた。
「Good Evening East End Social Club!!We're Sonicnerd」
(イーストエンド・ソーシャル・クラブの皆、こんばんわ!ソニックナードです!)
「Let's get down to the third summer of love!」
(第三のSummer of love に突入だ!)
「We're Gonna make groove tonight , the next number is "Make Happyend"!!!!」
(グルーブすっぞ、次の曲はMake Happyend!)
その、"Make Happyend"という言葉を聞くや否や、会場は狂わんばかりになった。
55
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:35:05 ID:Fc6JwVKU0
そして、観客の青年たちは次々に口に手をあてて何かを放り込むしぐさをした。
床に放り出された黄色い粒をドクオは見た。
('A`)(・・・・ド・・・・ドラッグ?)
先ほどを上回る爆音で再び演奏が始まり、観客の狂乱は燃え盛る炎のごとくになった。
♪Wannna Make Happyend , Wanna Make Happyend・・・・・・
リフレインが執拗なまでに繰り返される。
ドラッグらしきものを見て、ドクオは醒めてしまった。
もはや音楽に幻惑されるよりも、キチガイじみた観客をあっけに取られて見ていた。
('A`)(・・・・・・・・・・・)
56
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:35:45 ID:Fc6JwVKU0
ζ(゚- ゜*ζ「長い」
('A`)「え?」
あまりにも騒々しいので聞こえなかった。
それでデレーニャはドクオに耳打ちした。
ζ(゚o ゜*ζ「もうかれこれおんなじ曲を3回も演奏してるわ・・・・完全に食ってるわ、次のバンドを」
それでも演奏はやまなかった。
観客は狂乱から次第に退廃へと朽ちていくようだった。
男も女も構わず互いに抱き合い、キスしあう。
ドクオは再びあっけに取られていた。
('A`)(・・・・・・・・・)
突如、後ろのドアが勢い良く開いた。
57
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:37:36 ID:Fc6JwVKU0
ガタイのいいレゲエファッションの黒人男性7人ほどが、楽器を抱えていた。
そして、極めていまいましげにステージに向かって中指を突き立て、
ありとあらゆる呪詛の言葉を吐いていた。
バンドの名前はMarleyGrooveというレゲエ/スカバンドだった。
どうやら次出演するつもりだったが、時間の圧迫と観客の層に腹を立て、
このままフケてしまおう、というのだろう。
その中にあの男もいた。
(’e’#)「Hello」
ζ(゚o ゜*ζ「Hello、St.Jones」
ドクオにあの殺人ボルシチを食わせたジャマイカ兄貴こと、
セントジョーンズが首からサックスをぶら下げて立っている。
('A`)「あっ、あの時の」
デレーニャの言ってた、「面白い人」とはこの男だったのか。
(’e’#)「Hello, Friend」
怒りで息を荒げるのをなだめながら、ドクオに挨拶した。
(’e’#)「Who sets today program? Fucking ass He musta be」
58
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:38:20 ID:Fc6JwVKU0
('A`)「バンドが本職か・・・・そりゃコックとしてはいまいちだもんな」
(’e’#)「See the kids going crazy、You took fucking new drug too?」
(狂ったガキどもめ・・・・君もこいつらみたいに新しいドラッグをやったのか?)
('A`)「え?」
代わりにデレーニャが答えた、
ζ(゚o ゜*ζ「Absolutely,No」
(’e’#)「Ok.You better take Herb. Herb sets you free , It's a gift from heaven・・・・」
(よし、やるならハーブをやれ。自由になれる、あれは天の恵み・・・)
セントジョーンズはハーブについて熱心に語り始めた。
('A`)「ハーブって何?」
ζ(゚- ゜*ζ「大麻」
59
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:39:15 ID:Fc6JwVKU0
('A`)「それもドラッグじゃん」
(’e’#)「No!No!No! Herb is not a drug!・・・・・」
ジャマイカ兄貴ことセントジョーンズはいかにハーブ(大麻)が安全で、
自分たちのようなレゲエミュージシャンにとって神聖なものであるかを滔々と語り始めた。
ドクオは話の内容はよく分からなかったが、デレーニャに聞いた。
('A`)「どうなの?こういうの。両方ともダメな気がするんだが」
ζ(゚- ゜*ζ「んー、捕まるとしたらこっちの方ね。大麻は取締対象だけど、
彼らのニュー・ドラッグ、いわゆるHappy Endは
まだ法律で規制されてないからね」
('A`)「それで"Make Happy End"って言ってたのか」
ζ(゚- ゜*ζ「そ。スラングでね、Make Happy End で、Happy Endをキメるってこと
いずれにしても私麻薬取締官じゃないし、それに今日非番だし」
60
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:40:14 ID:Fc6JwVKU0
(’e’#)「The New drug is synthesized from Chatanoya , a kind of grass, But・・・・」
('A`)(チャタノイア?)
ドクオになんとなく心あたりのある言葉であった。
ζ(゚- ゜*ζ「チャタノイアっていう草から取れるんだって、その薬の成分。
だけどハーブとは違うって強調してるみたい」
それからデレーニャはセントジョーンズに、もう演奏しないのと訊いた。
セントジョーンズは首を横に振った。
(’e’#)「Sorry Ann, Come a week later」
('A`)(アン・・・・・?)
彼女、デレーニャ、リタ・デレノフスカヤにはもう一つの呼び名があるのか。
いろいろな謎がドクオの胸中を去来した。
61
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:40:37 ID:Z96KFTH20
いつも思うけど合法ドラッグって脱法ドラッグのが名前的に合ってる
62
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:41:43 ID:Fc6JwVKU0
Sonicnerdの演奏はまだだらだらと続いていた。
しばらくすると2番目のバンド、MarleyGrooveを
目当てに来ていた黒人客が白人客に掴みかかった。
それが発端となって、場内はたちまち大変な押し合いとなった。
罵倒と、悲鳴が飛び交った。
MarleyGrooveのメンバーは黒人客に加担しようといきり立った。
(’e’#)「Release me Ann、Let me go to them」
デレーニャは彼らを静止した。
ζ(゚- ゜*ζ「こうなったらダメね」
そういって携帯を取り出し、どこかへ電話をかけた。
そして鼻をつまんで言った、
ζ(゚- ゜*ζ「A crowd of men fighting at East End Social Club ・・・・」
そう言って乱闘の方へ携帯をかざして、おもむろに切った。
ζ(゚ー゚*ζ「逃げよ。署の人に見つかるとヤバイもの
セントジョーンズ、あんたたちもね」
匿名で警察に通報したのだった。
63
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:43:16 ID:Fc6JwVKU0
外に出た。
夜の冷気に火照った身を晒しながら歩く。
ζ(゚ー゚*ζ「ごめんね。変なことに巻き込んで」
('A`)「ああ、べつに・・・」
ドクオにはそれより気がかりなことがあった。ひっかかる言葉、すなわち「チャタノイア」の事、
そして彼女の別の呼び名、アン、の事。
デレーニャは歩きながら、今ロンドンで起こり初めた薬物渦について話し始めた。
ζ(゚ー゚*ζ「Third Summer of Love って言ってたでしょ。
一度目がヒッピー・ムーブメントの時、LSDの時代ね。
二度目がMDMAが大流行した時、80年代後半くらいから。
そして三度目が今、通称Happy-Endの大流行の兆しってわけ。
まあ、今は冬だけど、来年の夏頃には一般的になるんじゃないかな
音楽シーンもそれにシンクロしてるってわけ」
('A`)「ふー・・・・ん・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「もちろんあんなバンド見に行ったわけじゃないの。
あのセントジョーンズがいるMarleyGroove、なかなかいいプレイするのよ」
64
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:44:12 ID:Fc6JwVKU0
('A`)「そのセントジョーンズは君の事アンって呼んでたね、君のもうひとつのあだ名?」
ζ(゚ー゚*ζ「あだ名というか・・・・・何というか・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「また、いつか会ったら話すわ」
('A`)「いや、別にそんなこと・・・どうでも・・・」
デレーニャは何か言いたげだったが、足を止めてドクオを見た。
ζ(゚ー゚*ζ「うん、今日はどっちかというと、私があんたを無理やりつきあわせちゃったみたい
ごめんね」
そう言うとデレーニャはポケットからレシートを取り出し、その裏側に自分のメールアドレスを書いた。
そしてドクオに渡した。
ζ(゚ー゚*ζ「暇なときがあったらこれに連絡して」
65
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:44:58 ID:Fc6JwVKU0
ドクオはそれをしばらく見ていたが、ポケットにしまい込んで言った、
('A`)「いや、俺の方こそ昨日から世話になりっぱなしでさ」
('∀`)「ありがとう、楽しかったよ
今度は、俺がおごるよ」
デレーニャは手を差し出した。二人は握手した。
ζ(゚ー゚*ζ「じゃね」
そう言って彼女は地下鉄の駅に下っていった。
('A`)(・・・・・・・・)
ドクオはその手のぬくもりをしばらく感じながら立っていた。
それが消えぬようにポケットに手を突っ込み、自分のフラットに向かって歩き出した。
謎めいた女の子、デレーニャ。
交通取り締まりの婦人警官、だけども少し見えたもうひとりの彼女。
彼女の心の中を覗いてみたいけれど、それもなんだか怖い。
これが都会の孤独というものか。
ドクオはそんなこと考えていた。
66
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:45:58 ID:Fc6JwVKU0
急に何かが路上に現れた。ドクオの思考を遮った。
( ФωФ)ギラッ
('A`;)「うわっ」
('A`)「・・・・・・なんだ・・ネコか」
それは虎柄のネコであった。
ドクオを至近距離で凝視したのち、また闇の中に去っていった。
ドクオはまた再び歩き出した。
('A`)「虎柄・・・・」
('A`)「そういや、シベリアタイガー先生・・・・大丈夫かな・・・・」
(゜A゜)「あっ」
ドクオはシベリアタイガー先生の部屋にあった本の一節を思い出した。
67
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:46:40 ID:Fc6JwVKU0
”チャタノイアは悪魔の草、そを制するのはウムリンカのみ。
ウムリンカはロイルイ村の守り神なり”
チャタノイア!
チャタノイアはあのHappyEndという薬物成分の原料になる。
すなわち悪魔の草ー。
ここまでは符合する。
だが、そこから先の意味は全く分からない。
それでも恩師が面倒なことに巻き込まれつつある、と感じざるを得ない情報だった。
('A`;)(先生、もしかして・・・・)
ドクオはダッシュで部屋に戻り、恩師にすぐにmailを出した。
('A`;)(先生・・・・・・・)
ドクオは祈るような気持ちで夜通し返事を待ち続けた。
返信はなかった。
68
:
◆Ai.p5y3NWQ
:2012/01/29(日) 00:47:54 ID:Fc6JwVKU0
とりあえず今日の分はここまでです
また明日、新しい分量を投下したいと思います。
シベリアWikiなどにまとめをしてくださった方、本当にありがとう。
では、良い夜を。
69
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 00:48:36 ID:Z96KFTH20
乙です! 続きを読めてうれしい!
70
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 10:58:09 ID:gN5oMshQ0
乙。雰囲気あって面白い
71
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 12:57:16 ID:pdfJbJXY0
面白い
72
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 18:53:55 ID:toWtIQew0
期待
73
:
名も無きAAのようです
:2012/01/29(日) 23:27:45 ID:8L6cG/f6O
乙!待ってるぜ!
74
:
名も無きAAのようです
:2012/02/27(月) 19:49:06 ID:5u5k1/GY0
まだかな
75
:
名も無きAAのようです
:2012/03/08(木) 13:39:04 ID:HNC1KrMo0
まだかなまだかな
76
:
名も無きAAのようです
:2012/07/24(火) 01:39:03 ID:F/yxVHaM0
これ続きってここで待ってればいいのかな…
77
:
名も無きAAのようです
:2012/07/24(火) 01:55:11 ID:0t/kSlU2O
>>76
そのはずだけど、投下予告から既に約半年だ
78
:
名も無きAAのようです
:2012/07/27(金) 01:17:06 ID:2m2NrbYI0
だよなぁ…この人の作品全部好きだし期待してじっと待つよ
79
:
名も無きAAのようです
:2012/10/08(月) 12:51:35 ID:6n8mRZ2A0
まってますZO!
80
:
◆Ai.p5y3NWQ
:2012/12/21(金) 22:51:55 ID:kisSzpRM0
ありがとう。サムデイアイウィルカムバックツーユー
81
:
名も無きAAのようです
:2012/12/21(金) 23:14:59 ID:V.wcWbqE0
ッシャアアアアアアア!!!!待ってます!!!
82
:
名も無きAAのようです
:2012/12/22(土) 05:29:49 ID:yxIyU1P20
うおおおおお!
待ってた!
そして待ってる!
83
:
名も無きAAのようです
:2012/12/22(土) 09:43:07 ID:FPNIdITA0
U2祭に一つ出しました。
84
:
名も無きAAのようです
:2012/12/22(土) 12:25:57 ID:yrhwEsPUO
最高のクリスマスプレゼントだぜ・・・
85
:
名も無きAAのようです
:2012/12/22(土) 15:10:42 ID:Lfog.eZs0
これ待ってた
86
:
削除師三ヽ( 'A`)ノ★
:<^ω^;削除>
<^ω^;削除>
87
:
削除師三ヽ( 'A`)ノ★
:<^ω^;削除>
<^ω^;削除>
88
:
名も無きAAのようです
:2012/12/22(土) 19:00:40 ID:ObTta/QcO
まってたぜえええええ!うっひょおおおおお!
89
:
名も無きAAのようです
:2012/12/22(土) 20:30:44 ID:zVc4aSI20
おおまじか!
90
:
名も無きAAのようです
:2012/12/24(月) 11:16:13 ID:.DJCd4mQO
シベリアに眠れ、って未完みたいだけど続き読みたい
もしかして自分が投下あったの知らないだけかな?
91
:
名も無きAAのようです
:2012/12/24(月) 19:16:15 ID:7CW9V73M0
完結してません・・・
92
:
名も無きAAのようです
:2012/12/24(月) 21:49:08 ID:.DJCd4mQO
そういえば、あの頃からしばらくシベリアは壊滅状態だったな
>>91
、今からでも残り書いてもいいと思うよ、ください
可能ならばこの話の最後はシベリア図書館で読みたいな
93
:
名も無きAAのようです
:2012/12/24(月) 23:56:44 ID:XN52nhVA0
俺も図書館で読んでみたいゾ
94
:
◆Ai.p5y3NWQ
:2013/01/04(金) 22:42:19 ID:YBhiwN7g0
.
ドクオは夢を見ていた。
自分が何か小さい虫のようになって、空のバスタブの底にいる。
バスタブはつるつるして、登ることができない。ドクオは焦る。
足音が聞こえ、やがて扉が開かれ、蛇口がひねられる。
(((('A゜;;)))))「やめてくれええ」
容赦なく凍りつくような水が自分の上に注ぎ出される・・・
といったところで目が覚めた。
('A゜)ハッ
上半身を起き上がらせると、窓から早朝の灰と青のイースト・エンドの町並みが見える。
町はざわめきの中で目覚め始めていた。
ドクオはコンビニで買ったサンドイッチなどを冷蔵庫から取り出すと、それを口に押し込み、
水道から汲み出した水で胃に流し込んだ。
そして水流のように群集に混ざり、排水口へ吸い込まれるように地下鉄の駅に吸い込まれていく。
('A`)「鬱だ・・・」
このロンドンで、ドクオは、またもや疎外感に悩まされていた。
大都会の底で、身も心も冷え冷えとしていた。
.
95
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:44:23 ID:0rci0E3g0
来た!
96
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:48:15 ID:YBhiwN7g0
.
.
('A`)
ドクオの仕事は滞在2週間目にして、行き詰っていた。
相手の半ば高圧的な態度に押されて、幾つかの書面にサインをしてしまった。
( `ハ´)「80% for us , 20% for you. Please signature」
その内容を把握もせずにだ。
自分の無能が原因で、シベリアに大変な損失をもたらすかもしれない、と彼は気を揉んでいた。
加えて、恩師シベリアタイガー先生の行方不明も不安を増し加えた。
__
∧,■!!
(=゚Д゚)
./.,= =l
::: :::: ::: : :: : : : ::: :: :
勤め先の研究所や学校に問い合わせても、さっぱり行方が知れないと言う。
デレーニャとの時間は、この概して憂鬱なロンドン滞在で唯一楽しい時間だった。
ζ(゚ー^*ζ
このロンドンで、唯一母国語を話せる相手、手料理を食べさせてくれる相手、
とても優しくしてくれる相手、なぜだか知れないけど・・・
.
97
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:50:46 ID:YBhiwN7g0
.
この”なぜだか知れないけど”が引っかかって、ドクオは連絡するのを躊躇していた。
ζ(゚ー゚*ζ「暇なときがあったらこれに連絡して」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃね」
そういって渡されたメールアドレスも、自分から連絡する勇気がなかった。
かといって向こうは自分の連絡先を知らないので、メールしなければずっとこのままだ。
******
その日も無気力なプレゼンを行い、「市場調査」と宣ってそそくさと相手先をあとにした。
そして早々にドクオはパブに入り、ビールを頼んだ。
もうどうにでもなるが良い・・・
そんなただれた思いで、タブレットで操り漫然とネットをしていた。
2杯目を頼むため、ぬるまったビールをぐいっとやったところ、突如メールの着信が通知された。
('A`)「シベリアタイガー先生!?」
('A`)「違う・・・、知らんアドレスだ・・・。誰だろ、スパムかな・・・」
.
98
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:52:43 ID:YBhiwN7g0
.
不審そうにメールを開くとこうあった。
”この前はありがと。
また都合つく日があったらメールして。
っていうか、今晩食事でもどう?
Rita”
('A゜;)))ブッ
あまりの驚きに飲みかけのビールをタブレットに吹きかけてしまった。
落ち着きを取り戻したのは、無我夢中で”もちろん”と返信した後だった。
.
99
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:54:15 ID:YBhiwN7g0
******
約束の店はRingo's Diner。
ビュッフェ形式で、客が好きなモノをとって食べられるようになっている。
ユニークな点はコックが一切の味付けをしてないということだった。
茹でただけ、焼いただけの素材が並ぶ。
ζ(゚ー゚*ζ「面白いでしょ」
と、ハーブソルトの瓶をふりながらデレーニャ。
ζ(゚ー゚*ζ「もともとイギリス料理ってあまり味付けしないで、自分で塩コショウ振って食べるものだって。
だから、いっそのこと、全く味付けしないで提供しようって」
('A`)「へぇ」
ζ(゚ー゚*ζ「だから、ほら。いろんな客のニーズに答えられるように
なってるの」
('A`)「・・・ふぅん」
.
100
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:56:11 ID:YBhiwN7g0
.
店内にはインド系、中東系の客もかなりいた。宗教的に口にできる食材が限られる彼らにとって、ここは
安心して食事できる場所であるようだ。
ζ(゚ー゚*ζ「なんせ、今やロンドンの人口の半分は移民だからね・・・。ま、私もだけど
ってか、ちょっとかけすぎじゃないの?」
('A`;)「あっ・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「大丈夫?なんかぼんやりしてない?ってかしょっぱくない?」
('∀`;)「へへへ、ダイジョブダイジョブ。心配なくなくない。
おいらシベリアンさ、だからちょっと塩辛いくらいがちょうどいいんだよ」
('A`)「ところで、なんでRingo's Dinerって名前なの?」
ζ(゚ー゚*ζ「Ringo Starr、ビートルズのドラマーからの命名」
('A`)「彼が経営してるのか」
ζ(゚ー゚*ζ「いや、Ringoでも食べられるってこと。彼はスパイスや濃い味付けは食べられなくて、
ほとんど素材そのものみたいな料理を好んだんだって・・・」
.
101
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:57:22 ID:YBhiwN7g0
.
('A`)「へえ。あ・・・それと・・・」
('A`)「なんで俺のアドレス分かったの?」
ζ(゚ー゚*ζ「シベリアの村役場にメールしたの。ちょっと、急な用件だったから・・・」
急な用件、とはなんだろう。
いくら同胞とは言え、自分のような行きずりの男に何か用があるのか。
それと同時に、気恥ずかしくもなった。
シベリア村役場はどう思うだろうか。仕事も上の空で、遊び呆けているなどとは思われないか。
なんだかムズムズしてきた。
などと逡巡していると、デレーニャがもう一本目のエールを開けてドクオのグラスに注いでいた。
.
102
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 22:59:28 ID:YBhiwN7g0
******
腹ごなしもひとしきり済んだところで、デレーニャは一冊の雑誌を取り出した。
ζ(゚ー゚*ζ「じゃん」
”Musical Throghfare”
ロンドン、イーストエンド周辺の音楽シーンのミニコミ誌のようだ。彼女はやや性急にページをめくると、
一つの見開きの記事をドクオに見せた。題名にはこうあった。
”Sonicnerd:Too young to die , Was It HappyEnd?"
ページ上段にはSonicnerdの禍々しいジャケット写真がでかでかとレイアウトされていた。
('A`)「あっ、こいつらは」
ζ(゚ー゚*ζ「この前、ライブで見たバンド、ソニックナード」
('A`)「でもToo young to dieって・・・まさか死んだの?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、ギターが一週間前死んだの。あのギグから少したったあとよ」
('A`)「なんで・・・あっ、もしかして」
ζ(゚ー゚*ζ「薬のやりすぎ?という説もある。そう、あのニュー・ドラッグ、HappyEndね
実に幸福そうな死に顔だったらしいわよ。それもスラングの由来、と言われてる」
103
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 23:01:42 ID:YBhiwN7g0
.
('A`)「恐ろしいな。幸福そうったって、死んでたんだろ?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうねえ・・・
ま、とにかく、シーンの中核を担うバンドがいなくなって、ちょっとしたニュースだったの」
ζ(゚ー゚*ζ「それで、聞きたい事があって。
この、ドラッグ、チャタノイヤっていう植物から取れるらしいんだけど、
シベリア原産なのね。もしかしたら何か知ってるのかな・・・、と思って、今日」
('A`)「へ?なんで君がそんなこと」
デレーニャは何も言わずに横を向いて笑った。
ふと記事の冒頭を見てみると、
”Text:Ann Liza"
ドクオはふと、セントジョーンズがデレーニャのことをアン、と呼んでいたことを思い出した。
('A`)「アン・・・って言うと、もしかして君?君がライター?」
「ふふふ」と、デレーニャははにかみながら上目遣いで笑った。
ζ(゚ー゚*ζ
(続く)
104
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 23:04:16 ID:YBhiwN7g0
ありがとうございました。また近いうち
105
:
名も無きAAのようです
:2013/01/04(金) 23:12:39 ID:YWyncLZ.0
おつおつ
106
:
名も無きAAのようです
:2013/01/05(土) 01:03:39 ID:4JmGHUVk0
おつっー
107
:
名も無きAAのようです
:2013/01/05(土) 01:09:30 ID:HQP6hmUk0
続き読めたのすげえ嬉しい
最初から読み直そう
乙
108
:
名も無きAAのようです
:2013/01/05(土) 06:06:57 ID:lJDxPCEg0
おつ!!
109
:
名も無きAAのようです
:2013/01/05(土) 12:42:08 ID:T..4NNscO
乙!!
110
:
◆Ai.p5y3NWQ
:2013/01/07(月) 19:56:21 ID:OWWRtYiQ0
【資料集】
自虐ロシアジョーク
●アダムはどこの国の人だったか?
ロシア人「衣服はいちじくの葉一枚、食べられるものはりんご一個だけ、
それでも自分は天国にいると考えられるのはロシア人だけだ」
●ロシア式ビジネスとは?
「まずヲッカを一箱盗む。それを売る。そして、儲かった金はすべて飲むのに使ってしまうこと」
●ロシア人のアイデンティーとは?
「女性や年寄りを大事にし、アル中を撲滅し、盗みをやめて世界に誇れる大国にしよう」
「そんなことをしたら、ロシア人のアイデンティーが失われるよ」
●泥棒
「アメリカ人は、ロシアは泥棒天国だと非難するけど、アメリカに泥棒が居ないとでもいうのか?
アメリカにだってロシア人が住んでるじゃないか!」
●ロシア式民主主義
「一人の民主主義者によってすべてのことが決められてしまうこと」
松沢一直著 爆笑ロシア・ジョーク集
111
:
◆Ai.p5y3NWQ
:2013/01/07(月) 19:58:06 ID:OWWRtYiQ0
英警官の1割に副業、なかには驚きの職種も
【1月1日 AFP】英大衆紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)は30日、
副業収入を持つ同国の警察官の数はここ1年で20%近く増え、全体の約1割に
当たる2万3000人余りに上ると伝えた。
英内務省の警察検査局(Her Majesty's Inspectorate of Constabulary)のデータを基にした
同紙の調査によると、2012年5月時点で、国内の全警官20万1575人のうち、2万3043人が副業を持っていた。
副業の職種は幅広く、英国国教会の牧師、ポールダンスの講師、葬儀の棺担ぎ人、スキーのインストラクター、
アイスクリーム販売員、さらには霊媒師として働く警官もいるという。
英国では上司の許可を条件に、警官の副業が認められている。だが、国内に44ある警察組織のうち23では、
警察が対価を支払って利用する民間サービスの提供元が、所属警官が経営する会社であるかどうかチェックを
していないという。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/economy/2918496/10041228
112
:
◆Ai.p5y3NWQ
:2013/03/04(月) 00:07:18 ID:GdrYit120
('A`)「そうか・・・君の副業はライターか」
('A`)「うちの国でもさ、警官の副業認めりゃいいんだ。
不正がはびこってんだから」
('A`)「でもすげえなあ、俺なんか一つの仕事でもまともに務まらないんだから」
ドクオはちょっと卑屈になった。
デレーニャは急に打ち明けるような口調になった、
ζ(゚ー゚*ζ「実はね」
ζ(゚ー゚*ζ「今、小説を書いてるの。それが書き上がったら、警察やめようと思ってるの」
('A`)「へっ、やめちゃうの・・・?夢だったんだろ、警察官」
ζ(゚ー゚*ζ「そりゃあ、子供の頃から親近感のある職業だったから目指してたけど、
Metermaidなんて人のいやーな顔も見なきゃいけないでしょ。
あんま生産的じゃないわ」
('A`)「そうかなあ、俺は・・・」
「君みたいな警察官がいて良かった」、と言おうとしたが言葉が消えてしまった。
113
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 00:15:58 ID:GdrYit120
('A`)「でも、うまくいくといいな」
ζ(゚ー゚*ζ「うん。最近、うまくいきそうかなって思えるようになった。
・・・あなたに会ってから」
('A`)
どういうことだろう。俺は彼女の創作意欲を高めることができた、とでも言うのか?
なぜだ。
なぜだ。
('A`)(ひょっとして・・・俺に恋してる・・・とか)
彼の喪男としての本能がその考えを瞬殺した。
('A゜)(いやいやいや!)
114
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 00:18:09 ID:.9stmaw20
待ってた!!
115
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 00:22:14 ID:dx0i7MVEO
久しぶりでいいのかな、お帰りは逃亡未遂の時だからいいのか
久しぶりだな、支援
116
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 00:32:06 ID:GdrYit120
んなわきゃない。んなわきゃない。
こんな娘が俺なんかに。
では。
なぜ今日彼女は俺に会おうとしたのだ?
寂しいから?
男なんてよりどりみどりだろう。
('A`)
ふと彼女の顔を見てみる。
ζ(゚ー゚*ζ
ふんわりとした髪の毛の中に、優しい丸みを帯びた顔がある。
可愛らしいエクボは幸福そうで、行きずりの相手を求めるような、病的な、寂しい影など見当たらない。
('A`)(だけど・・・なぜ俺なんかと?)
彼はこうしたことをじっくり考えたことがなかった。
考えると、本気で好きになってしまいそうで、そして自分がとても惨めさになりそうで、無意識のうちに避けていた。
だけどこの心拍の増加が怖さのためなのか、それとも別の理由からなのか、答えを出せずにいた。
('A`)
.
117
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 00:43:59 ID:GdrYit120
そもそも俺を好きになる理由など無いではないか。
自分の魅力の無さなど自分がよく知っているし、何か恩を売った覚えもない。むしろ世話にばかりなっている。
('A`)(とするとあれか・・・?)
('A`)(母性本能ってやつか?)
ζ(゚ー゚*ζ
たしかに世話好きな感じはする。
でも俺もいい歳した男だ。
('A`)(となると・・・)
('A`)(何かの・・・勧誘とか・・・)
ドクオは働き始めた時、可愛い娘に騙されて高額な絵を売りつけられた事があった。
あんな惨めな思いをしたことは無かった。それ以来、異性に対する自分の気持ちを注意深く制してきたのだ。
('A`)(だ、騙されないぞ・・・騙されないぞ・・・)
.
118
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 00:49:52 ID:GdrYit120
ではなんだ。
小説を書いているとか、そういうのも、全部小芝居の一部か?
('A`)
そう考えると腹さえ立って来た。
が、彼のそんな逡巡は次の甘い一言でせき止められてしまった。
ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ」
ζ(゚ー゚*ζ「落ち着いて飲めるとこいかない?」
もちろん2つ返事で答えた、
('A`)「行く」
と。
.
119
:
名も無きAAのようです
:2013/03/04(月) 01:04:22 ID:GdrYit120
******
そこから先、ドクオの意識は消失した。
気付いた時には朝で、自分のフラットの床の上だった。
('A`)ハッ 「あ・・・朝か・・・」
ぼんやりした頭で昨日の顛末を思い起こす。
そうだ。
バーについたところまではいいが、そこで、自分の中ににわかに芽生えた照れと疑念を打ち消すため、
次々と杯を重ねてしまったのだ。
('A`)(酔っ払っても記憶なんて普段無くさないのに・・・)
ヲッカで鍛えた彼は、酒に対して多少無防備な所があった。
('A`)(にしても、こんなことになるなんて)
よほど気持ちが昂ってたのだろう。
.
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