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川 ゚ 々゚)くるうは美味しくいただくようです
1
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:35:42 ID:WCCmjj5s0
閲覧注意
2
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:37:15 ID:WCCmjj5s0
( ^ω^)「分かりましたお、では火曜からお願いしますおね」
川 ゚ 々゚)「はい、こちらこそよろしくお願いします」
( ^ω^)「じゃあ、お疲れ様でしたおー」
川 ゚ 々゚)「はい、失礼します」
カラカラ、トン
ξ*゚ー゚)ξ「良い子だったわね〜」
( ^ω^)「いやー本当に助かったおね!
人が足りない所にちょうど入ってきてくれて」
ξ゚⊿゚)ξ「本当にもう、あなたがもう少しシフト管理をしっかりしてくれれば、
こんなに切羽詰まってから、採用だなんだって焦らなくても良かったのに」
(;^ω^)「おん、すまんお」
(*^ω^)「でもしかし、美府大医学部の子が来てくれるとは!
しかも美人さんだし、売上アップ間違いなしだお!」
ξ゚ー゚)ξ「だったら嬉しいんだけどね、しっかりした子だし……。
教育の方も手を抜かないでしっかりお願いね」
( ^ω^)「了解だお!」
3
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:38:10 ID:WCCmjj5s0
川 ゚ 々゚)「……」
ドアの向こうの会話をそこまで聞いてから、私はそのコンビニを出た。
学費と色々な経費を稼ぐために、ここの面接を受けて即採用。
本当にありがたい事だ。
川*゚ 々゚)「さあてと」
私は、ぺこぺこのお腹を抱えて家へと戻った。
……これからここで、もっとたくさんの人と出会い、
たくさんの楽しみを見つけることになるだろう。
まったく、楽しみで仕方がない。
私は内心でぺろりと舌なめずりをした。
バイトと「食事」に彩られた青春を謳歌しようではないか。
4
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:39:02 ID:WCCmjj5s0
第一話 「絶妙な歯ごたえ」
5
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:40:03 ID:WCCmjj5s0
川 ゚ 々゚)「いらさいませぇ」
( ^ω^)「うーん、もう少しはっきり『いらっしゃいませ!』と、
歯切れよく頼むお」
川;゚ 々゚)「んあ、ごめんなさい」
( ^ω^)「大丈夫だお!君ならすぐ慣れるお。
まずレジ周りのことを完璧にして……あとはニコニコしてればいいお」
(*^ω^)ニコヤカ
( ^ω^)「こんな感じで」
川;゚ 々゚)「う〜?あ、ううん」
( ^ω^)
川 (。) 々(゚))「むうう……」
(;^ω^)「?」
6
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:40:48 ID:WCCmjj5s0
(;^ω^)))))
(( 川 々 )))プルプル
(;^ω^)「あの……」
(((川;゙゚'々゚'))))カタカタ「うぐぐぐ……」
川*^ 々^)パッ
( ^ω^)「おっ」
川*゚ 々゚)「あっ!今のでどうですか!?」
(;^ω^)「良い感じだお!最初の顔がちょっと怖かったけど……。
そんな感じに可愛い子が笑うと、うちの売上も伸びるお。
頑張ってくれおね」
川*゚ 々゚)「はい!頑張ります!」
なかなか難しかったが、何とかなった。
彼の笑顔をなるべく再現しようとしたのだが、
即興ではなかなかうまく行かないものだ。
7
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:41:51 ID:WCCmjj5s0
( ^ω^)「トレーニング期間でだいたい仕事は覚えちゃったみたいだし、
僕が教えることももうあまりないお。
あとは、実地で経験を積んで慣れてくれれば完璧だお」
川*゚ 々゚)「はい!」
( ^ω^)「えっと、じゃあ今日一緒のシフトの人は……しいさんか。
彼女はベテランだから、分からないことがあったら僕か彼女に聞いてくれお。
じゃあ、初仕事頑張ってね」
川*゚ 々゚)「はぁい!」
店長はそう言うと事務所の方に下がった。
さあ、今日が初めてのバイトになる。
気合を入れて頑張ろう。
私は自分に発破をかけると、意気揚々とレジに向かった。
店内は、結構な混みようだ。
多分、これから忙しくなるのだろう。
ふと、横から私の肩が叩かれた。
みるとそこには、小柄な女性が立っている。
ふわりとした甘い笑みを浮かべた彼女は、私に言った
8
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:42:48 ID:WCCmjj5s0
(*゚ー゚)「はじめまして!椎名しいです。
あれ?もしかして今日が初めてですか?」
川;゚ 々゚)「あ、はい」
(*゚ー゚)「そっか、じゃあ、分からないことがあったらいつでも私に聞いてね!」
川 ゚ 々゚)「はい、ありがとうございます。
私、素直くるうっていいます。
よろしくお願いします」
(*^ー^)「はあい、よろしくね」
彼女はにっこりと私にそう言ってから、受け持ちのレジに立った。
よかった。良い人そうだ。
でも、良い人だと少し残念かもしれない。
いや、まあ、それも悪くはないかな。
9
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:44:10 ID:WCCmjj5s0
そう思って、自分のレジに向き直った時だった。
目の前に、男が立っている。
私の人生で初めてのお客様だ。
川*゚ 々゚)「あ、いらっしゃいませ!」
( ^Д^)「112番」
川;゚ 々゚)「え?」
(# ^Д^)「え、じゃねえよ。
煙草だよタ・バ・コ!」
川;゚ 々゚)「あ、すみません」
私はカウンターの裏に置いてある112番のタバコ(マルボロライトメンソール)
を手に取ると、スキャンして客に手渡した。440円。
彼は、私からひったくるようにしてそれを受け取った。
……。
……違う。
……これは、違うじゃないか。
10
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:44:51 ID:WCCmjj5s0
川 ^ 々^)「……ありがとうございました」
(;^Д^)「……」
ニコッとした私の顔を見た男の顔が、少し引き攣る。
ああ、少し顔に出てしまったか。
男は、そのまま無言で店を出ていく。
ありがとうの言葉はない。
おかしい。教育用のDVDではこんなシーンはではなかった。
あのDVDでは、客はニコニコと笑ってありがとう、と言ってから出ていった。
何もかもが違う。違ってはいけないのだ。
なぜ?私はちゃんと微笑んでみせたはずだ。
にも関わらず、あの客は怒ったのだ。
入力は正しかったのに、予想外の出力が返ってくる。
それが私にはひどく許しがたい。許せない。許さない。
ひどく、頭が痛んだ。
だから、横から声をかけてくれた椎名さんに気が付かなかった。
11
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:45:44 ID:WCCmjj5s0
(*゚ー゚)「あー、素直さん、気にしないほうがいいよ。
ああいう人は多いんだよ。この辺のパチンコ屋で負けた人が……」
川 ゚ 々゚)
(*;゚−゚)「……素直さん?」
川 ゚ 々゚)「あ、すみませんでした。
なんですか?」
(*;゚ー゚)「あのね、ああいうお客さんは多いから、あまり気にしないでって」
川 ゚ 々゚)「多いんですか」
(*゚ー゚)「うん、この辺は特に多いの。
だからさ、気にしてたら仕事にならないよ?
厳しいことを言うようなんだけど」
川 ゚ 々゚)「分かりました、気にしません」
川 ゚ 々゚)「……これからは」
私は、レシートを捨てる小箱に入っていたレシートを、
ぐいと握りつぶしてからゴミ箱に捨てる。
汚れた白いゴミ団子、一丁上がり。
ははは、不愉快だ。
12
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:46:33 ID:WCCmjj5s0
(*;゚ー゚)「……」
川 ゚ 々゚)「んふふ」
(*;゚ー゚)「あ、素直さん!
私、バックルームに中華まん取りに行くから、
レジの方お願いね!」
彼女は、それだけ言い残すとバックルームに向かって走り去っていった。
なぜだか、顔色がすごく悪かった。
どうかしたのだろうか?
窓の外を見ようとして、顔をそちらに向ける。
外は、夜であったこともあり真っ暗で何も見えない。
光の加減なのか、青ざめたような色の私の顔が代わりに見えた。
その無表情な鏡像に向かって、私はにやりと笑いかける。
13
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:47:13 ID:WCCmjj5s0
川*゚ ∀゚)
ああ、私は……こんな顔で笑っているのか。
次の瞬間に、胸の底からうずうずと笑いが込み上げてくる。
必死にこらえたが、こらえればこらえるほど全身に毒のように笑いが回っていく。
私の中で、笑いは膨れあがっていく。
私を食い破って、外へ出ていこうとしているかのようだった。
お前が悪いんだぞ、そう、あいつのせいだ。
……そのようにして、私はさっきの客を殺すことに決めた。
まずは、一人目。
14
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:49:24 ID:WCCmjj5s0
*――――――――――*
( ^Д^)「……」
川 ^ 々^)「ありがとうございました」
(*゚ー゚)「ありがとうございました、またお越しくださいませー」
その日も、男はこの店でタバコを買って帰っていった。
いつもどおり、一週間前に出会ったときと同じように。
そして、これから彼は平均して23:30頃まで飲んだ後で、
美府市 大茂名 コーポ大耳205まで、バイクに乗って帰宅するはずだった。
飲酒運転する奴に、人権など無いって思わない?
私は心のなかで、男の背中に向かってそう声をかけた。
そして、そのシフトのあがり際、私はしいさんに声をかけられた。
(*゚ー゚)「どお?仕事慣れたかな?」
川 ゚ 々゚)「はい、もう完璧です」
(*;゚ー゚)「え……すごい自信ね」
15
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:50:05 ID:WCCmjj5s0
川 ゚ 々゚)「いい先輩と店長の指導があったからですよ」
(*゚ー゚)「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない……あ、そうだ」
(*゚ー゚)「今日あたりどう?飲みにでも行かない?
可愛い後輩のためにおごってあげても良くてよ」
川 ゚ 々゚)(……しいさん)
あまりこういうことに誘われたことのない私は、すこし嬉しかった。
だけど、今日ばかりはその誘いに応じることはできない。
川 ゚ 々゚)「そんな、悪いですよ……。
それに今日は先約があって……」
(*゚ー゚)「あら、そう。……もしかして」
(*^ー^)「カレシ?」
いたずらっぽい声で彼女が聞く。
……でも、教えてあげることはできない。
いくらなんでもこれは教えられない。
16
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:50:57 ID:WCCmjj5s0
川*゚ 々゚)「そんなんじゃないですよ……ふふ」
(*゚3゚)「あー!なによ!あたしをそうやって煙にまいて!
後で怖いわよ!」
川*゚ 々゚)「埋め合わせはいつか必ずします。
じゃあ、そろそろあがりますね」
(*゚ー゚)「しょうがないわね、じゃ、また次のシフトでね」
川*゚ 々゚)ノシ「はーい!お疲れ様でした!」
(*゚ー゚)「お疲れー!」
しいさんの声を背に、私はその場を去った。
そして車で十分ほどの距離にある林まで向かった。
その林に沿うようにして走っている道路の脇に、私は停車する。
ここは営業途中のサラリーマンなどが、車を止めて居眠りをしている事が多い。
だからここに車を置いておいてあっても、それは特別なことではない。
路傍の糞のようにありふれ、車に轢かれたイヌのように関心を惹かないものだ。
……午後九時くらいから始めれば間に合うだろうか。
17
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:51:48 ID:WCCmjj5s0
川* 々 )「んふふ……」
私は、しばらく待たなければならなかった。
だが、それも苦ではない。
料理と同じだ。
時間が味に深みを与えることもある。
パン種のように、冷燻したハムのように。
時間がかかればかかるほど私の興奮は高まり、そして。
18
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:52:33 ID:WCCmjj5s0
*――――――――*
(*^Д^)「……ふいー」
ヘルメットの中に吐いた呼気は、
本来なら耐え難いほどの酒臭さだった。
だが、それも今の本人にとっては甘美な香りであった。
男はいつも通りにバイクを走らせ、とある林道に差し掛かった。
男の家まではそう遠くない。
警察の目を避けて通るのに、この道は最適だった。
くねくねと曲がりくねり、脇道も多いここは地元民でさえあまり近寄らない。
男は今日打って稼いだ額を、酔った頭で勘定しながら悦に入っていた。
今日に限って、ありえないくらいの大勝ちをしていたのだ。
男は、全人生の運を使い果たしたのではないかと内心疑っていた。
その男の視界に、赤く光るものが飛び込んでくる。
(;^Д^)(しまった、ネズミ捕りか!?)
19
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:53:23 ID:WCCmjj5s0
パトランプの赤色灯のようなものが100m先に見えた。
だが、近寄ってから男は安心する。
工事現場でよく見かける、あの赤く光る棒を振る板人形だ。
(;^Д^)(ちっ、おどかしやがって!)
男は、その手前で減速する。
よく見ると黄色と黒の縞模様の障害物で、道は封鎖されている。
これでは、横道に入って迂回するほかない。
( ^Д^)「年末でもねえのに……」
男はそうつぶやくと、板人形に向かって舌打ちをする。
それから不本意ながらも、舗装もろくにされていない脇道に入った。
周囲は暗く、バイクのライトだけが頼りだ。
(;^Д^)「う、お、よっと」
その道は非常な悪路だった。
なにかの思いつきのように、ボコボコと大きな石が土の下から顔を出し、
泥濘がタイヤを捕まえそうになる。
20
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:54:13 ID:WCCmjj5s0
バイクの上で中腰になってなんとかバランスを取ろうとするが、
酒に浸った三半規管には、それも難しかった。
さらには道の両側に隙間なく立ち並ぶ木々が、男に圧迫感を与えていた。
だから、男は気がつけなかったのだ。
( ^Д^)「?」
道の真中に、なにか大きなゴミのようなものが転がっていた。
何かのおもちゃのように見えたが、近くに寄った男はそれがなにかすぐに分かった。
昔、暴走族にいた男が、実際に何回か引っかかったトラップだ。
(;^Д^)「なあぁ!?」
ストップスタック。
暴走車などをスパイクでパンクさせて動きを止める罠だ。
でも、なんでこんなものがここに?
その一瞬の逡巡が、男の明暗を分けた。
(; Д )「うおっ!ああああぁああ!!」
前輪がストップスタックをもろに踏みつけた。
ハンドルが、90度近くカクンと右に曲がった。
そして慌ててブレーキをかけてしまった男は、空中に投げ出される。
21
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:56:02 ID:WCCmjj5s0
ガツン、と男の背中に大きな衝撃が走った。
それから少し遅れて、背中に激痛が走る。
背骨が折れているのではないか、と男は思う。
とっさに前に出した右腕は、肘から先が妙な方向に曲がっている。
それを、男は信じられない思いで見ていた。
(; Д )「ぐっ……かはっ……」
痛みのあまりに、声も出なかった。
代わりに、声にならない叫びが腹の底からこみ上げてきていた。
しかしその絶叫は、ささやかな息としてしか外に出すことはできない。
視界が、涙に滲む。暗い色をした樹皮が無慈悲に男を見下ろしていた。
男の後方で倒れたバイクのライトが、それを照らしている。
そのライトの先に、何かが現れたのを男は見た気がした。
川 々 )「……」
22
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:57:16 ID:WCCmjj5s0
*――――――――*
セッティングを終えた私は、男を叩き起こすことにした。
その辺りに落ちていた木の枝が唸りをあげて男の頬を叩く。
三回までは回数を数えていたが、止めた。
私はこういう種類のゲスのために、精神的労力を使うのが非常に嫌いなのだ。
何十回目かで、男は腫れ上がった目を薄く開けた。
朦朧とした意識の中で木に縛りつけられていることだけは分かったらしい。
男は逃げ出そうとその場で激しく身悶えした。
だが、無駄な努力というものだ。
持ってきた道具で、主な骨はあらかたへし折ってある。
万が一逃げられたとしても、始末は手負いの猫を追って殺すより容易い。
(;^三^)「むぐっ!」
川 ゚ 々゚)「おっ、おはよう」
(# ^三^)「むぐがっ!むがが!」
私の顔を見て、男は目を剥いた。
そして、口を塞がれたままで私に何か抗議しているようだったが、
あいにく何を言っているのか全く私には分からない。
理解してやる気もない。
だけど、自分の置かれている状況を知らないのはあまりにも哀れだ。
とりあえず、私は少し教えてやることにする。
23
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:58:13 ID:WCCmjj5s0
川*゚ 々゚)「私よりも、自分のことを気にかけたほうがいいよぉ?
ほらっ!首のところ」
(;^三^)「!?」
男は、そこでようやく自分の首に巻き付いているワイヤーに気がついた。
イヌに使うチョークチェーンと同じ巻き方をした、処刑用のワイヤーだ。
だが、それでも状況がよく分かっていないようだったので補足してやった。
川*゚ 々゚)「いーい?よく見て。
向こうにあなたのバイクがあるよね?横倒しの」
川*゚ 々゚)「あの車輪の軸にそのワイヤーの端が巻きつけてあるの!
でね、でね、アクセルをかけるとどうなるかな!?」
(;^三^)「ぬぅ!うぐあ!」
(;^Д^)「ぶはっ!」
川 ゚ 々゚)「あ、取っちゃった」
(# ^Д^)「テメーこのくそアマぁ!!」
男が猿轡を外してしまう。
あーあ、汚いの我慢してせっかく付けたのに。
24
:
名も無きAAのようです
:2012/01/04(水) 23:59:07 ID:WCCmjj5s0
川 ゚ 々゚)「ねぇねえ、バイクって、このハンドルをひねればアクセルなんだよね?」
(# ^Д^)「ぶっ殺してやる!ぜっってーぶっ殺してやるよ!!
散々ヤッたあと豚の餌にしてな!!!!」
_,
川 ゚ 々゚)「んー?何言ってるかくるうちゃんわかんない」
川*゚ 々゚)「でも!適当にやればなんとかなるよね!」
川*゚ 々゚)「みてみてみて!地面にワイヤーがとぐろ巻いてるよね!?
あれが、いわゆる、ひとつの、猶予なんだよ!」
(# ^Д^)「わけわかんねぇよ!何なんだよお前は!」
川 々 )「……なんだかんだと聞かれれば」
川 ^ 々^)「答えてやるのが世の情け!」
私は、バイクのところまでスキップで向かった。
そして、少し細工したバイクのエンジンをスタートさせた。
ぶるん、と地面の上に横倒しになったバイクが震えた。
車輪が、少しづつワイヤーを巻き取り始める。
それを見た男は、初めて自分の状況を理解したようだった。
25
:
名も無きAAのようです
:2012/01/05(木) 00:00:01 ID:wopkdb420
(;^Д^)「おい!おいおいおいおい!マジかよ!なんだよこれ!」
川*゚ 々゚)「すごいでしょ−!毎日見てたあなたのバイクを見て思いついたんだよ!
ねえ!すごくない?この発想!」
(;^Д^)「ざけんな!おい!これ以上やったら……」
川 ゚ 々゚)「やめないよ」
(;^Д^)「……っ!」
川 ^ 々^)「ドルンドルン!ぶううぅううん!」
バイクの音を口真似しながら、私はアクセルを全開にした。
たちまち、男に残された「猶予」が巻き取られていく。
男の首に巻きつけたワイヤーは、ホームセンターにあった物の中でも強度のあるものだ。
たぶん期待通りの、いや、それ以上の成果を出してくれるに違いない。
(; Д )「ぐっ……ごぁ」
運命の車輪は、猶予を巻き取り切った。がくんと男の首がバイクに向かって引かれた。
ぴいんと張ったワイヤーは、後輪と男の首を結ぶ直線となる。
後輪が、強い負荷のせいで動かなくなった。
だが、男の首は絞まり続けていた。
男の顔が切羽詰っているのがその証拠だ。
しかし面白い顔をしてるな、こいつ。
26
:
名も無きAAのようです
:2012/01/05(木) 00:01:24 ID:wopkdb420
(; Д )「――――――――!」
川 ゚ 々゚)
ワイヤーが、男の喉を完全に押しつぶす。
ワイヤーの巻き付いているところから血が吹き出し、噴水のように周囲に飛び散る。
そしてごきっと、男の喉の骨が砕ける音を聞いた気がした。
その時、男の目が大きく見開かれる。
哀れなほどに充血したその目は、もうほとんど何も見えていまい。
しかし、それでも周りに視線を走らせているのは滑稽だった。
この状況を脱するための、解決手段がその辺にあるとでも言うのだろうか。
そんなものがあるのは、くだらない冒険小説の中だけだ。
ましてやお前になど、そんなものを与えてたまるものか。
今日は、あらゆる手を尽くして人払いをしてある。
せいぜい、自分の創りだしたまやかしにしがみついたまま死ぬがいいよ。
(;゚Д゚)「―――――――!――――――――っ!」
目玉が、眼窩から零れそうなほどに飛び出ている。
口の端から、紅い泡がつぶつぶと漏れてきていた。
それが、ライトに反射して綺麗だった。
興奮した私は、アクセルを握る手に更に力を入れた。
でも、それがいけなかった。
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