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('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2011/12/18(日) 00:08:51 ID:88pYr5WMO
小説板から引っ越してきました。蕎麦は後程ご馳走します。
前スレ
http://jbbs.m.livedoor.jp/b/i.cgi/sports/37256/1300286882/1-
201
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:00:49 ID:3OkAeC82O
―――【対飛竜用 閃光玉】
ギコも余りの光量に呻くが、大剣で視界を隠していたため直ぐに持ち直す事が出来た。
突然の光にのたうち回るジンオウガを尻目に、ギコは後へと下がる。
(,,゚Д゚)「助かったぞゴルァ」
('A`)「気にするな」
閃光玉を投げたのはドクオだった。
閃光玉というのは、皆に分かるように言うならばフラッシュグレネードだ。
人間より遥かに視力の良い獣に、その光量は天敵と言っていい。
現に神の名を持つジンオウガですら、それにのたうち回っているのだ。
202
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:01:40 ID:3OkAeC82O
('A`)「アイツが従来の飛竜種の様に視覚を頼りにしているのは分かっていたからな」
ドクオは事もなげに言うが、初見の相手にそこまで見抜く事が出来る狩人が居ようか。今となっては狩人大全に殆んどの習性が載っているが、それも何十人もの狩人の犠牲の上に調べられた物だ。
(,,゚Д゚)「……お前は、本当に恐ろしい男だぞ」
ギコの感じた恐怖は無理からぬ事だ、だがギコ以上にドクオの異常性を感じている存在。しぃだった。
(;*゚ -゚)「あの人、本当におかしいのにゃ。なんであんなに普通にしてられるのにゃ」
その呟きを横で聞いていたツーも、内心同意する。
思えばツーにとっても、ドクオは不思議な事ばかりだった。
203
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:02:37 ID:3OkAeC82O
最初はただの馬鹿な旅人だと思った。ほっそりとした体格に、なんの装備も身に付けていなかったのだから。
それなのにドクオは、ジャギノスとの戦いに割って入った。たった一匹のアイルーを助けるためにだ。
その後のアオアシラとの戦いは圧倒的だった。全く情報のない状態で、防具も着けづに傷一つ負う事なく撃退したのだ。
ドクオはそれを誇るでもなく、ただ「名前を聞き忘れたから戻っただけ」だと言った。
出会ったばかりのアイルーのために、そんな無茶をする人間だからこそ、ツーは“あの時”から誰にも主従しないというスタンスを崩し、彼に付いていった。
(*゚∀゚)「そういえば……」
【青熊獣】アオアシラも【毒怪竜】ギギネブラも、【彩鳥】クルペッコも、ドクオは初見で相手をしていた。
204
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:03:12 ID:3OkAeC82O
余りの手際の良さに、ツーは意識していなかったが。それにリオレウスも、ユクモとドンドルマでは動き方も全く異なると聞く。
(;*゚∀゚)「ニャー……」
落ち着いて考えると、ドクオは今まで何という無茶をして来たのか。
更に驚愕するのは、ドクオはデレやツーに危害が向いた時、必ず完璧にフォローしているのだ。加えて言えば【空の王】リオレウスの討伐時も囮という役割を単独で果たしている。
危険な役割は全てドクオ自身で行ってきたのだ。
ベテランとされる狩人ほど、自分にリスクを負わされる事を拒む。長年の経験から、如何にそれが危険なのかを理解しているからだ。
誰よりも危険性を理解しているはずのドクオ。狩人は『仲間を切り捨てられる』様になってこそ一流だとはよく言うが。
それでもドクオは切り捨てた事がなかった。
205
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:03:52 ID:3OkAeC82O
(,,゚Д゚)「どうする、ドクオ。奴にはもう後脚の死角は通用しねぇぞ」
ギコの先程の行動からも、それは明らか。
('A`)「なら、一度待つ。向こうから仕掛けて来て貰った方が、やりやすい。それに手札を知らない相手に、自ら手を晒すのは悪手だ」
油断なく距離を保ちながら、ドクオは双剣を構える。それに習いギコも大剣を構えたまま後へ徐々に下がって行った。
ドクオには予感があった。ジンオウガの様に自分の力を溜めたりするようなモンスターは、一気にその力を解放し、爆発的に動きだす。
('A`)「ギコッ!!」
(,,゚Д゚)「ああっ!」
206
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:04:34 ID:3OkAeC82O
恐ろしい事に、ここでもドクオの予感は的中した。ジンオウガは、一切助走を付けないまま飛び掛かってきたのだ。狙いはギコ。身体全体を使い、その動きは驚くほど速い。
(,,゚Д゚)「来ると分かっていればっ!」
ギコは横っ飛びで、それを避けた。一度大剣を背に収め、突っ込んできたジンオウガを見据える。
だが
(;,,゚Д゚)「居ないッ!?」
しかしギコの視線の先にジンオウガは居ない。
(,,゚Д゚)「くっ!?」
目の前に現れたジンオウガ、咄嗟に引き抜いた大剣で押さえ付けるように防ぐ。ギコの武器が太刀やハンマーならば、この時点で終わっていただろう。
(;,,゚Д゚)「クソッ、こいつ急にスピードが……それに重い!」
207
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:05:38 ID:3OkAeC82O
ジンオウガの行動を防いだギコだが、ジンオウガにどこで攻撃されたのか分からなかった。確かにジンオウガの動きは速い、だがそれ以上に回転しながら突っ込んできたジンオウガ。その勢いと遠心力は、ジンオウガの体当たりを、一撃必殺の域にまで押し上げる。
('A`)「………」
ドクオは思考する。現時点でジンオウガに与えた攻撃は、自分とツーの後脚への攻撃。それにギコとしぃの与えた頭部への打撃と斬撃。特にギコの与えた攻撃は、その一撃で大抵のモンスターなら絶命するレベルだ。という事は、ジンオウガの耐久力は飛竜種並と考えるべきだ。
次にジンオウガの攻撃オプションについて。まず目に付くのは、やはり発達した前脚。加えて先程ギコに放った飛び掛かり。そして尻尾による攻撃。この四つが実際に見た攻撃。
('A`)「やはり前脚の硬さも確かめておくべきか」
駈け出す。ギコに気を取られているジンオウガに後から近付く。ギコもドクオが来たのを確認して、攻撃に転じる。
荒ぶるジンオウガの尻尾を両断する様に、真一文字の斬撃。
(,,゚Д゚)「……なんて奴だ」
ギコの驚愕。ジンオウガは尻尾を丸める様にしてギコの大剣を受け止めた。
紙をナイフで切るとき、弛んだ状態で切るのは難しいが左右に張った状態ならば切りやすいのと同じだ。
208
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:06:53 ID:3OkAeC82O
('A`)「ちょいと失礼する」
ドクオは、最速で斬り込む。確認する様に一撃、一撃を放つ。
('A`)「硬くはない、だがしなやかな強さがあるな」
ジンオウガには飛竜種の様な硬い鱗や甲殻はない。だが強靭な筋肉を纏う前脚は、いくら斬り付けても血が出てこないのだ。
(,,゚Д゚)「これならどうだぁ!!」
今度はギコが前脚を狙う。爪を磨り潰す様に、大剣を平にして叩きつけた。
ジンオウガは、たまらず後に下がる。
やはり戦いは数だ。如何なジンオウガといえどGの狩人二人を完全に抑える事は出来ない。
しかし比較的有利に運んでいるギコとドクオにも、一つ頭を悩ます事があった。
(,,゚Д゚)「ドクオ」
('A`)「……あぁ。決定打に欠ける」
ジンオウガの素早い攻撃も一人が陽動し、もう一人が攻撃するというやり方を行えば、然程恐くはないだろう。
しかし、そうなると体力に不安が出てくる。
209
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:07:33 ID:3OkAeC82O
この硬直した局面を打開するには
(*゚∀゚)「ドクオ!」
(*゚ー゚)「ご主人様!」
オトモだった。
ここまで陰に潜んでいた二匹だが、彼らも二人の戦いを黙って見ていた訳ではない。
アオアシラ戦でも使ったジビレ罠。大型モンスターを拘束する為に開発されたそれは、長年狩人に愛用されてきた信頼のある物だ。
('A`)「ギコ!」
(,,゚Д゚)「あぁ!」
ジビレ罠の拘束時間は、モンスターの体力に左右されるが20秒〜30秒は堅い。
地面に置かれたそれは、ツーとしぃによって入念に落ち葉で隠されていた。
210
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:09:01 ID:3OkAeC82O
('A`)「ギコ、俺の武器では奴にダメージを与えずらい。お前の武器が鍵だ」
(,,゚Д゚)「おう」
二人が作り出した時間を無駄にする事なく、設置したジビレ罠。それを最も有効に活用するには、ギコの大剣が一番だ。
ジンオウガが動きを止めた瞬間に、最大の一撃を食らわせる、ギコの柄を握る手が堅くなる。
('A`)「来い、ジンオウガ」
左右へと身体を振りながら、見事にジンオウガをコントロールする。
(,,-Д-)「……」
肩幅少し広めに足を広げ、腰を捻りながら大剣を振り上げる。
目を閉じ、精神を集中する。
211
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:09:57 ID:3OkAeC82O
(*゚∀゚)「オレっち達も出来る限りの一撃を与えるのニャー」
(*゚ -゚)「ツーに言われなくても分かってるのにゃ」
ドクオの距離の取り方は完璧だ。ジンオウガが追いたくなる絶妙な距離を保ちながら下がっていく。
そして、ドクオが一気に跳んだ。
『Guohoooooo!!!!!!』
次いで起こったジンオウガの唸り声。成功だ、直ぐ様ツーとしぃが攻撃を繰り出す。
(#*゚―゚)「にゃああぁぁぁあああ!!!!!」
(*゚∀゚)「くたばるニャアァァアア!!!!」
しぃの鎚はジンオウガの頭を揺さ振り、ツーの剣斧が前脚に突き刺さった。
212
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:10:53 ID:3OkAeC82O
ジンオウガが解放される様子はない。ジビレ罠に仕込まれた数百匹の雷光虫が、光を発しジンオウガを包んでいる。このままドクオが出来る限りのダメージを与え、ギコがトドメを刺す。
ドクオには、はっきりとそのビジョンが浮かんでいた。
―――しかし
('A`)(……気持ち悪いな、この違和感)
ドクオもツーと同じように前脚に潜り込み、無数の斬撃を放つ。予定調和のはずだ。だが、そんな中でドクオは何とも言えぬ違和感を感じていた。
だが、ジンオウガの動きが止まる好機。それを見逃すわけにはいかない。
213
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:12:12 ID:3OkAeC82O
('A`)「……なんだ?」
ジビレ罠に掛かりながらも、必死に動こうとするジンオウガ。
('A`)「!?」
その顔には笑みが浮かんでいた。
反射的にドクオは下がった。
(;'A`)「ギコ!!逃げろッ!!コイツ、ジビレ罠を―――」
吸収してやがる。
続きは言葉に出来なかった。
214
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:12:54 ID:3OkAeC82O
ジンオウガの目の前で力を溜めていたギコ。
(,, Д )「グッハッ……!!」
避けられる筈が無かった。吹き飛ばされるギコ。その距離8m。耳を塞ぎたくなる様な音が響き渡った。
('A`)「ギコッ!!」
直ぐにでも駆け付けたかった。だが、ここでジンオウガに背を向ける事は出来ない。
グッと堪えてジンオウガと向かい合う。
(#*゚∀゚)「……」
ツーは、ギコの穴を埋めるべく前に出た。
(;*゚ -゚)「ご主人様!」
しぃは、己の主人へと駆け寄る。
215
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:14:06 ID:3OkAeC82O
(,, Д )「……畜生、なんで……」
ジンオウガにシビレ罠は効かなかった。冷静に考えれば可能性として浮かんだはずだ。ドンドルマにもシビレ罠が効かないモンスターは何種類もいる。
だが普通そういうモンスターは、シビレ罠を通り抜けるのだ。
しかしジンオウガは、確かに拘束されていた。
その違いが、ドクオの読みに誤りを呼んだ。
('A`)(……なにが今までの知識を捨てて柔軟に対応、だ)
強く唇を噛む。ツーっと血が垂れる。今は少しでも痛みを感じていたかった。
216
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:14:52 ID:3OkAeC82O
(*;―;)「ご主人様……足が……」
ギコの足が普通では有り得ない方向に曲がっていた。医療知識のないアイルーにも、明らかに折れていると分かった。ジンオウガの強靭な前脚は、ギコの下半身を捉えていた。
ギコの実力を以てすれば、充分避ける事が出来た一撃だった。だが、目を瞑っていたのが悪かった。
狩人から信頼され、長年愛用されてきたジビレ罠だったからこそ、その安心感がこの状況を招いてしまった。
(,, Д )「ちくしょ……油断しちまった……」
ジンオウガによって折られた左足。骨が肉からはみ出している。傷口は、真っ白な脂肪が見られるほど深く、直ぐに赤く染まっていく。夥しい量の出血。
(*; -;)「ご主人様ッ!!!!」
響き渡る、しぃの悲鳴。彼女は未だ、この光景を受け入れられずいた。
彼女は震えながら、己の主人の名を呼ぶばかり。
その悲鳴は、ツーの心を強く締め付けた。
217
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:15:43 ID:3OkAeC82O
蘇る記憶、脇腹に大きな風穴を作ったロマネスクの姿が浮かんできた。
今のしぃが、あの時の自分に重なる。
―――そして
('A`)「ツー、下がれ。しぃと一緒にユクモへと帰るんだ」
ピクリ、とツーの猫耳が揺れた。聞きたくなかった、その言葉。
218
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:16:41 ID:3OkAeC82O
(;*゚∀゚)「なっ!?なんでニャ!?」
('A`)「しぃだけじゃ、ギコをユクモまで連れ帰れないだろう。それにギコの出血、時間が勝負だ」
ドクオの言葉は至極当然。寧ろ、アイルーが怪我人を搬送するのは当たり前の事だ。それを分からないツーではなかった。
―――だが、これでは
まるであの時の焼き増しではないか。
ツーの胸に様々な感情が入り混じる。
219
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:17:54 ID:3OkAeC82O
('A`)「しぃ!担架に乗せてギコをユクモまで連れていけ」
(*;ー;)「……わっ、わかったのにゃ」
(* ∀ )
沈黙するツーを尻目に、ドクオとしぃは準備を始める。ドクオは、ジンオウガを引き付ける為に、今までの待ちを止め、かなり攻撃に割合を割いた戦い方をしている。
しぃも出来るだけ慎重にギコの傷口を包帯で圧迫し、極力動かさないよう担架に乗せる。
(*゚ -゚)「ツー!早く手伝って欲しいのにゃ!」
如何な、ドンドルマより優れたオトモと言えど大人一人を運ぶのは簡単ではない。ツーの協力は必要不可欠だった。
220
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:18:55 ID:3OkAeC82O
しかし、ツーは未だ動けないでいた。
_
221
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:19:59 ID:3OkAeC82O
(* ∀ )「またツーは置いていかれるのかニャー……そんなのは、ツーは……」
そんな呟きが零れた。
(*;∀;)「ツーは嫌なのニャッ!!!!最後まで“ご主人様”と戦いたいのニャッ!!!!」
あの時、最後まで言わせて貰えなかった言葉。ツーは、変えたかった。過去を。だからこそ、今までドクオに対して一度も使わなかった“ご主人様”という言葉を使った。
―――だが、それを
('A`)
―――ドクオは
『俺はお前の主人になった覚えはない』
(* ∀ )「!!」
222
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:20:50 ID:3OkAeC82O
最も残酷な言葉で否定した。
確かに主従の誓いはしていない。ツーがドクオに一方的に懐いていただけで、ドクオからツーに『狩りに付いてこい』と言った事も無かった。
ツーが付いてくる事に、何も言わなかっただけだった。
('A`)「ギルドに仕えるアイルーなら、その本懐を果たせ」
223
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:21:38 ID:3OkAeC82O
ツーは、弾ける様に駆け出した。しぃも慌てて準備を終える。何も口にせずとも、二匹の息は完璧にあっていた。ギコを乗せた担架が、一切揺れる事なく持ち上がった。
(* ∀ )「………」
(;*゚ -゚)「ツー……」
しぃも、先程の一連のやり取りを見ていただけあり、ツーを心配そうに見つめていた。
先程のドクオの一言。どれほどツーを傷付けただろう。想像だに出来ない。
ツーからドクオの話を辟易する程聞かされていた彼女には、なんと声を掛ければ良いのか、全く分からなかった。
しかし、今ツーの心配をする余裕は彼女に無い。
(,, Д )「………」
彼女にも守らねばならないモノがあるのだから。
(*゚ -゚)(必ず助けます、ご主人様……)
224
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:22:39 ID:3OkAeC82O
―――
――
―
(-A-)「ふぅ、行ったか」
溜め息を吐くドクオ。目の前にはジンオウガ。膠着状態は、まだ続いていた。
ツーが抜けた穴も、ドクオは完全に埋めていた。
【雷狼竜】ジンオウガ、神と謳われるモンスター相手にたった一人で、だ。
225
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:23:30 ID:3OkAeC82O
('A`)「ふんっ」
今まで、ギコ達の方にジンオウガが向かわない様に、かなりのインファイトを挑んでいたドクオだったが、ここで再び距離を取った。
先程から執拗に狙い続けた前脚、ジンオウガも望むところとばかりにドクオを睨み付ける。
ジンオウガは飛竜種を含めた全固体の中でも、脅威の寿命を誇る。生まれた年も分からない伝説にまで残っているのだから。
そして、その寿命はジンオウガに知能を与えた。
極めて人間と同レベルの、高い知能だ。
この何百年間、ジンオウガは様々な物を見てきた。飛竜達の生存競争、人間の共生。
それは、人間の言葉をある程度理解出来るようになるには、充分過ぎる程の時間だった。
226
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:24:31 ID:3OkAeC82O
('A`)「なぁ、ジンオウガ」
ジンオウガは驚く。自分を見て雄叫びや悲鳴を放つヒトと出会った事はあったが、こんなに淡々と、語り掛けてくる者は初めてだ。
('A`)「ジンオウガ、俺はな―――」
227
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:25:49 ID:3OkAeC82O
―――絶望的なまでに“モテない”のさ
空気が凍った。
228
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:26:22 ID:3OkAeC82O
何を言っているのか理解出来ないジンオウガは、ただ唸るだけで応えた。
ドクオの独白は尚も続く。
('A`)「ドンドルマに居た頃にはさ、もう目も当てられない位、モテなかった。顔を見て泣き出すような子も居たよ。笑えるだろ?」
目の前の男から、戦意が失せていくのを感じた。もうこのまま消えてなくなりそうな気配だった。
229
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:27:24 ID:3OkAeC82O
('A`)「そんな俺だから、友と呼べるような人間は少なかった。二十年以上ドンドルマに住んで、両手で足りる程の友人しか出来なかったよ。
それでも良かった。俺みたいな暗い奴と友達になってくれる酔狂な奴。そいつらを誰よりも大切にしようと決めてた」
230
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:28:00 ID:3OkAeC82O
('A`)「ジンオウガ、お前のいるユクモは本当に良い所だよ。お前が何百年も居座りたくなる理由が分かる。ここは何よりも暖かいな。
人も。
気候も。
温泉だってさ」
231
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:28:58 ID:3OkAeC82O
('A`)「こんな俺に、たった数ヶ月で片手に収まらない程の友人が出来たんだぜ」
232
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:30:26 ID:3OkAeC82O
『―――ジンオウガ、お前は俺の何よりも貴重で、何にも代え難い仲間を傷付けた』
(#'A`)「俺はッ!俺の大切な仲間をッ!!傷付けた奴を許さないッ!!!一度足りとも許した事が無いッ!!!!」
【雷狼竜】ジンオウガが、震えた。緩和したと思われた空気が一気に張り詰めた。
233
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:31:20 ID:3OkAeC82O
―――来いよ、ユクモ神
('A`)「教えてやるよ、格の違いって奴をさ」
234
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:33:15 ID:3OkAeC82O
今日の投下は、これにて終了です。
きっと!恐らく!次で終われるはずッ!!
235
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:35:16 ID:sYkkHA.20
乙
びっくりした。
ここからが楽しみです
236
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/20(火) 00:41:55 ID:3OkAeC82O
ではでは、感想・質問・指摘は随時募集中です。
特に感想は、次話への活力になるので気軽に書いて頂ける嬉しいです。
次の投下は明日、と言いたいのですが、明日は私用の為、来れない可能性が高いです。
そうなれば、明後日に参ります。
では、お疲れ様でした。
237
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 00:43:19 ID:J67l5.XE0
乙でした
ドクオの語りにちょっと吹いたwww
238
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 01:13:15 ID:JMY79y5AO
ω・`)俺の今まで読んだブーン系の中でこのドクオが1番かっこいいよ。
239
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 01:15:15 ID:dpjT5Rjk0
もてないドクオの覚醒のかっこよさは異常乙
240
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 01:54:02 ID:sBH5uP960
乙
与えずらいじゃなくて与えづらいだよ
241
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 02:52:50 ID:AkT7gRvc0
上位にラファール持ち込むドクオ△
242
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 05:44:42 ID:TPD.tN2UO
>>238
に先に言われてしまった(´・ω・`)
243
:
>>240
:2011/12/20(火) 06:21:14 ID:Gu9tga3I0
ご指摘ありがとうございます。自分の方でも、何箇所も誤字脱字を確認しています。修正する予定なのでお待ちください。
244
:
>>240
:2011/12/20(火) 06:43:03 ID:Gu9tga3I0
ご指摘ありがとうございます。自分の方でも、何箇所も誤字脱字を確認しています。修正する予定なのでお待ちください。
245
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 06:44:34 ID:Gu9tga3I0
にゃあああ!また二十重書き込みに!!
246
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 07:18:04 ID:l3teD6xc0
モンハンしたくなってくるな!
247
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/20(火) 08:27:49 ID:Gu9tga3I0
今日の夕方頃に、短い幕間を投下しにきます。本当に短いので、気楽に見てくださいね。
出来れば今日投下したいのですが先にも申した様に、明日になる可能性が高いです。
因みに
>>244
等は自分です。
248
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 10:52:14 ID:EnVgdk36O
待ってた。待ってたよー!!
('A`)△
249
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 14:50:46 ID:n2oBRB9A0
ζ(゚ー゚*ζが曲射連打で( ・∀・)を殺が…もといお仕置きするシーンはまだですか
雪国でパンツ脱いでまってます
250
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 20:13:43 ID:7u/py5xM0
いや、やっぱり厳しいですね。なんとか今日中に幕間だけでも投下したい。
251
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 21:22:02 ID:82Hd2GfsO
こんなとこで追い付くとは!!
いっそ明日まで気付きたくなかった!!
252
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 22:15:17 ID:iTj6KoA6O
ブーンがHR2でデッドリボルバーって(笑)
253
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/20(火) 23:24:56 ID:3OkAeC82O
やっと時間出来た。【幕間】だけ投下。
254
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:26:01 ID:sYkkHA.20
待ってたよ
255
:
幕間
:2011/12/20(火) 23:26:10 ID:3OkAeC82O
デレ、ツン、ブーンが無許可で山に登った。その報は、すぐにギルドマスターであるアラマキの元へ届いていた。
言うまでもなく、ドクオ達を手伝いに行ったのだろう。
ギルドに届け出をせずに、狩場に入るなど、本来ならば絶対に許される事ではない。すぐにでも連れ帰らねばならない。
だが、アラマキは今回の事をどう処理しようか迷っていた。
規律を乱す訳にはいかない。分かってはいるのだが、それを決断出来ずにいるのは
ミセ*^ー^)リ「………」
アラマキの目の前で真っ黒なプレッシャーを放つ、ミセリの存在があるからだ。
256
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:26:52 ID:3OkAeC82O
/;,' 3「……じゃから、勝手にあの三人は行ってしまったんじゃろ?」
ミセ*^ー^)リ「い い え。私が不注意で許可を出してしまいました」
三人が山に入ったと聞いたミセリは、疲れていた身体に鞭を打ち、全力で偽装工作を行った。
一昨日は騎士達の独断専行、昨日はツンの【迅竜】ナルガクルガの討伐。今日のユクモ初となるG級の認定。
異例、特例となる処理を、ミセリは一人でこなし続けた。
この三日間、一睡もしていない。彼女の本来であればパッチリと可愛い目の下にも、真っ黒い隈が出来ている。
ミセ*^ー^)リ「……」
/ ,' 3(どうしよ、儂。マジ怖ぇよ……)
257
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:27:55 ID:3OkAeC82O
勿論一部始終を見ていた狩人達には、ミセリが三人を庇っている事など百も承知だ。
だが、このギルドに伝わる不文律。
―――受付嬢は絶対に怒らせるな
その杭が、彼らを動かせずにいた。
258
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:28:34 ID:3OkAeC82O
それもそのはず、以前ミセリに年齢を尋ねた者が居た。二十歳そこそこの中堅狩人だった。
自分の想い人が、ミセリに見惚れているのを見て、少し意地悪を言いたくなったらしい。
ミセ*^ー^)リ「なーいっしょ♪」
次の日、その狩人は狩りに出た。ハチミツ採集という、小銭を稼ぐのには丁度良いクエストだった。
採集用に装甲の薄い、動きやすい格好で孤島に渡った彼女が見たものは、森を食らうほど大きな【尾鎚竜】ドボルベルクの姿だった。
これは堪らない、と全力で逃げ帰ってきた狩人は、文句の一つでも言ってやろうと、クエストを手配したミセリの元へ詰め寄った。
ミセ*^ー^)リ「あれれぇー、私ったら言い忘れちゃってたわぁ!ごめーんねっ★」
狩人全員が引いた。
259
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:29:23 ID:3OkAeC82O
しかも質が悪いのは、ミセリはドボルベルクの討伐も既に手回ししていたのだ。万が一、ハチミツを採りに入った狩人がドボルベルクと遭遇しない様に。
確かにギルドマスターは絶対的存在だ。しかし狩人にとっては、自分達の命を指先だけで左右するミセリの方が恐かった。
ミセ*^ー^)リ「みんなー!皆も“ちゃんと”見てたわよね?」
全力で首を縦に振る狩人。
もうこれはお手上げ、と溜め息を吐くアラマキ。
/ ,' 3「ふぅ。では今回だけは罰則を与えないでおくぞぃ。ただ、危険なのは確かじゃ。すぐに連れ戻すよう何人か送る。それでええか?」
ミセ*゚ー゚)リ「えぇ。私が間違えて了承の判を押しちゃったのが悪いんです」
/ ,' 3「よく言うわ」
ミセ*^ー^)リ「こんな簡単なミスをしてしまうくらい、私を酷使したギルドが悪いんです」
/;,' 3「ほんとうに、よく言うのぉ……」
260
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:30:17 ID:3OkAeC82O
しかしこれにて一件落着。すぐに追っ手を差し向ければ、三人が山を登る前に捕まえられるだろう。
しかし事態は、そう上手く転ばない。
ここで更なる混乱を生み出す人物が表れたのだ。
乱暴に開かれたギルドの扉。明らかに明確な敵愾心が籠もっていた。
( ^Д^)「………」
人を馬鹿にした様な目、騎士の証であるマントを身につけた男。
プギャーであった。
261
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:30:54 ID:3OkAeC82O
ユクモの狩人達の反応は早かった。己の得物を抜き、構え、プギャーを取り囲む様にして立ち塞がる。
( ^Д^)「……はぁ。相変わらず狩人って奴は野蛮ですね。丸腰で入ってきた男一人に、そんな殺気立たないで下さいよ」
そんな狩人達など、目に入らないという様に、プギャーは真っ直ぐアラマキへと近づいていく。
( ^Д^)「そちらも、勝手に突っ走った馬鹿が出たそうじゃないですか」
/ ,' 3「ふぉふぉ、なんの事かのぉ」
周りの狩人達は、プギャーが現れた理由を理解出来ないでいた。何故このタイミングで騎士である奴がギルドにまで、わざわざやって来たのか。
( ^Д^)「先程、フォックス様とキュート様からの命を受けました。我々騎士が、山に入った三人の捜索を行います」
262
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:31:36 ID:3OkAeC82O
ギルドが揺れた。あの頭の堅い騎士派が、狩人の捜索を行うというのだ。こんな事、今まで一度も無かった。
( ^Д^)「狩人の方々は結構。私達が全力を以て三人を救いだします。それを皆様に伝えに来たのです」
静まり返ったギルド。そこから拍手が波紋の様に広がっていく。
( ^Д^)「……よろしいでしょうね、ギルドマスター」
/ ,' 3「……勝手にせい」
その言葉に、プギャーの口が厭らしく釣り上がった。
( ><)「プギャーさん!三人をお願いします!!」
差し出された手を、悟られない様に無視し
( ^Д^)「……えぇ、任せて下さい」
プギャーは小さく言った。
『汚ねぇ手で触れんじゃねぇよ、獣臭ェ……』
263
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:32:18 ID:3OkAeC82O
―――
――
―
( ^Д^)「……」
「プギャーさん、見事な演技でしたね」
264
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:33:08 ID:3OkAeC82O
ギルドの外に出るなり、駆け寄ってきた若い騎士。
( Д )「ククッ……ヒハッハハハハハ!!!!!!!」
突如、プギャーは笑だす。腹を抱え、顔を歪めて、彼は心の底から笑った。
m9( ^Д^ )「見たかよwwwwアイツらの顔をwwww何が『三人をお願いします』だwwwwwwww助ける気なんて最初からねーよwwwwプギャーwwwwwwww」
「しかし、これからどうするんですか?我々も山に……入りますか?」
プギャーは、不安そうな騎士を、うざったそうに見た。
( ^Д^)「当たり前だろ。俺達も入るぞ。馬鹿三人は、見つけたら殺せ。少しでも、狩人派の戦力を割けとの命令だからな」
「でもっ!我々だけでは……うっ!?」
反論しようとした男の胸ぐらを掴み、ドスを利かせた声で言う。
265
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:33:53 ID:3OkAeC82O
(#^Д^)「殺すんだよ、それがあの御方の命令だ。それに、先に入った二人もだ。
特にギコはなっ!絶対俺の前に連れてこいっ!!直々にぶっ殺してやるからよぉ!!!」
後を付いていた三人は、余りの剣幕に言葉を失うが、すぐに『はいッ!!』と答えた。
( ^Д^)「……ここで一気に狩人派の戦力を削る。ギコさえ居なくなれば、後は雑魚しかいねぇからな。
ハハハッwwwwwwwwwwww」
狩人達を出し抜いた。そして敬愛する“あの御方”の望みを遂に果たす事が出来る。
プギャーは浮かれていた。
266
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:34:21 ID:3OkAeC82O
―――だから
( ・∀・)「ふむ、これは困ったねぇ」
茂みの向こうで影が動いた事に、彼らは気が付かなかった。
267
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:37:49 ID:3OkAeC82O
本当に短いですが、今日はここまでです。
続きは、明日投下しに参ります。
次回はジンオウガとドクオの戦い、最初からクライマックスになるよう、頑張ります。
ではでは。
後、ミセリ誕生日おめー。
268
:
名も無きAAのようです
:2011/12/20(火) 23:41:33 ID:sYkkHA.20
乙
続きが気になるね
269
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 00:30:48 ID:8nLh0tZA0
乙
ミセリ怖えぇw
270
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 00:38:53 ID:5esQe6nc0
乙
プギャーは誰にやられるのだろうか
271
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 00:48:59 ID:296SXht60
ミセリこわい…明日も楽しみに待ってます
272
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 18:11:43 ID:z8vjZyw2O
足が痺れてきた
273
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 18:30:38 ID:5slZBVb.O
俺の初ジンオウガ討伐はマフモフ一式にクロスボウガン改という情けない装備だったなぁ
何でドクオは氷弱点だって思えるんだ
なんとなく火だと思った俺はバカなのか………
274
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/21(水) 20:30:59 ID:qXxYSYY60
今日の投下は相当遅くなる予定です。明日読んだ方が良いかもです。
>>252
贅沢ですよねー、ブーンは親父から武器を貰ってますから。あの野郎、楽しやがって。
>>273
立派ですよ、自分はジャギィ装備でしたね。
今回のジンオウガはGとして勝手に強くしているので、多分ジャギィなんかで行ったら即乙なんだろうな。
ジンオウガの弱点予測についてですが『ドクオが戦った事のある雷属性』と考えるとフルフル・キリン・ベルキュロスと思われるんですが
キリンは糞肉質の為例外として
フルフルは炎が弱点なんですよね。でもそれは雷属性云々ではなく寒い場所が好きなモンスターという事で炎が弱点になったんじゃないかと考えました。
という訳から、住んでいる環境に関係なく雷属性の弱点と仮定出来るのは氷だとドクオは決断した訳です。
途中で書き込み押したけど、書き込めてない事をいのる。
275
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/21(水) 20:32:51 ID:qXxYSYY60
あ。ベルキュロスの弱点の氷だと仮定した訳です。言葉足りずになってました。
276
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 22:09:12 ID:PnCPSuW.0
ラージャンも氷だぜ
277
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 22:11:50 ID:eYTKoIxc0
楽しみにしてる
278
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 22:20:40 ID:z8vjZyw2O
風邪ひく
はよぅ
はよぅ
279
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 23:07:05 ID:5slZBVb.O
>>274
わざわざ説明してくれてありがとうございます
納得しました
しかしまだ3GがPSPでも出ると信じてるんだが無理なのか
280
:
名も無きAAのようです
:2011/12/21(水) 23:39:55 ID:fQ7gTy9UO
ドクオとジンオウガのガチンコが楽しみで仕方ない
ブーンの成長もすごく期待してる
2や2Gの続きが出ないかとまだ待ってる
281
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 00:01:55 ID:JKRt588.0
来ないのかな
282
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/22(木) 00:20:20 ID:C6Ims8Vo0
居るのですが投下する時間がなかなか取れないのです。もう暫くお待ちください、と言うよりも深夜になる可能性が高いので明日見て頂いた方が良いかと思います。
283
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 00:38:56 ID:NxgcPffkO
それでも裸で待機!!
284
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 00:54:39 ID:6PEIo4lo0
まったりと待たせて頂きます
285
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 00:58:27 ID:rH5ppmJgO
明日じっくり読むよ!
ワクワクして眠るー!オヤスミ^し^
286
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 02:34:47 ID:iRXrxbqE0
俺は全裸待機継続中
287
:
◆.WtyGIaY4.
:2011/12/22(木) 03:37:13 ID:tS9kwa0AO
遅くなりましたが、六話の投下をしに参りました。
288
:
6―7
:2011/12/22(木) 03:41:00 ID:tS9kwa0AO
お前のその優しさが、いつかお前を殺すよ
―――砦のマスター 竜人でぃ―――
.
289
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:42:12 ID:tS9kwa0AO
雷雲漂うユクモ山。南側は緩やかな傾斜となっており、身体を鍛えていない一般人でも登りやすい様になっている。
普段ならば、薬草やキノコを摘む人の姿があるのだが、今は影すらない。
一方北側は、急斜面。崖と言っても良いくらいの傾斜がある。崖下には非常に流れの速い川が流れており、もし落ちてしまえば、為す術なく自然に呑み込まれてしまう。
290
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:42:51 ID:tS9kwa0AO
何故ユクモ山の形が、こんなに歪な物になってしまったのか。
これには諸説あるが、一番主流な物は、崖下に流れる川が山肌を削り取ったという説である。
だが中には気圧を司る【古龍】によって作られたという学者もいる。
その存在ですら定かではない架空の龍。
古龍が竜巻を巻き起こし、ユクモ山の北側を削ったのだと言う。
そして、その龍が通った後、急激な気圧の変化により局地的な大雨が降り、川となったのだと。
川の名前は“龍川”龍の川と書いて“りゅうせん”と読む。
291
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:43:34 ID:tS9kwa0AO
―――
――
―
('A`)「………」
『………』
ユクモ山、その山頂の程近くの開けた場所。そこに佇むは、一人の人間と一匹の神。
彼等を隔てる距離は5m。静かだった。先程までの戦いが嘘の様に押し黙ったまま、ただ睨み合っていた。
292
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:44:21 ID:tS9kwa0AO
ここにきてジンオウガは、驚きを隠せない。今まで何百、何千の人間を殺してきた。充分に武装した者もいれば、鍬や棒しか持っていない、なんとも貧相な人間もいた。
だがそれぞれ共通して言える事は、彼らの目だった。
恐れ、怒り、憎しみ、必ず彼らの視線からは、この三つの感情が見られた。
('A`)「………」
だが、目の前に居る人間は違う。一瞬だけ自身の感情を爆発的に表に出すと、それからは至って平淡。自然だ。
今まで自分が見たことないタイプの生き物だと思った。
面白い。
293
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:45:20 ID:tS9kwa0AO
『Waohoooooooo!!!!!!』
ならば自分が見定めよう。神と呼ばれる自分が、この男の本質を。
響き渡る咆哮、余りの声量にユクモの木々達が騒めいた。
ジンオウガは、先手を取ろうと姿勢を低くした。咆哮からの追撃、古典的ではあるが、全ての大型種が持つ最も信頼のおける組合せだ。
―――だが
('A`)「いい加減、お前の声は飽きた」
目の前に現れた顔。前転からの跳躍。小さな身体で、ドクオは5mもの距離を一瞬で埋めた。
294
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:45:53 ID:tS9kwa0AO
『……!?』
ドクオの手に握られた双剣は、真っ直ぐジンオウガの首下へと伸びる。
慌てて、前脚で弾くようにそれを防いだ。
('A`)「チッ」
ドクオは軽く舌打ちすると、 そのまま両手を全力で振り回す。
ジンオウガの前脚を撫でる様に【鋼龍双】ラファール=ダオラが振るわれる。
先程から執拗に狙われる前脚に、ジンオウガは苦悶の表情を浮かべた。確かにドクオの双剣では、効果的なダメージは与えづらい。一撃でジンオウガの動きを止めたり、尻尾を両断するなんて事は出来ない。
だが双剣の強みは、その圧倒的な手数。狩人の使う全武器種の中で最も刀身の短い双剣。加えてそれは、最も軽いという事を意味する。
その斬撃は瞬きすら許さない。
295
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:46:55 ID:tS9kwa0AO
一撃一撃が、着実にジンオウガの前脚を傷付けていく。
その存在が強大である程、痛みに疎いモンスターだが、流石に堪えた。
('A`)「ふん、前脚が思うように動かなくなったか」
ジンオウガを目の前にして、ニヤリと笑う男。
『………』
やってくれる。ここまで自分を傷付けたのは、目の前の男が初めてだ。
ジンオウガは喜びに震える。
('A`)「……」
間違いなく、今まで戦った存在の中で圧倒的力を、この男は持っている。
しかも、コイツは本気で自分を倒すつもりらしい。
ならば、とジンオウガは身体を捻った。得意の跳躍からの体当たりに回転を加える。ギコが苦しめられた動きだ。
296
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:47:25 ID:tS9kwa0AO
('A`)「なるほど、それか」
ドクオも、その意図を察して下がる。
ジンオウガは跳んだ。間違いなく全力の跳躍。
―――ここで殺る
叩きつけた右前腕。
だが捕えた感触は無かった。
すぐに反転し、敵を探す。狩人はすぐに見つかった。自分の前方に居たのだ。
('A`)「ふん、そんな予備動作丸出しの攻撃で俺を捕えられると思うなよ」
どうやって、あの狩人は自分の攻撃を躱したのか。
その答えが判った時、ジンオウガの背に冷たい物が走った。
297
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:47:51 ID:tS9kwa0AO
―――向っていく自分の下を潜ったというのか
.
298
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:48:26 ID:tS9kwa0AO
恐怖を感じた。怖くないのか、一歩間違えれば、巻き込まれて即死だろう。
理性と知性を持ったジンオウガだからこそ、恐怖した。
今まで決死の覚悟というのは見た事があるが、自分の命を擲つ様な戦い方をする人間なんていなかった。
気圧されている。神と崇め恐れられていた自分が、たった一人の人間に。
『Waohoooooooo!!!!!!』
ジンオウガは、背を向け駆け出した。
このままではいけない、と悟ったのだ。
('A`)「………」
流石のドクオも、ジンオウガの全速力に追い付けるはずがない。
木々を薙ぎ倒す様にして、真っ直ぐユクモ山の頂へとジンオウガは駆ける。
('A`)「……ふん。頂上で待っていろ」
ドクオ達が狩りに出て十時間。戦いは、遂に佳境へと入った。
夕闇が照らすユクモ山の頂上。そこが最後の決戦場となる。
299
:
幕間
:2011/12/22(木) 03:49:23 ID:tS9kwa0AO
場面は、ドクオとジンオウガのタイマン勝負から数時間遡る。
デレ、ツン、ブーンはユクモ山を登っていた。
ζ(゚、゚*ζ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
三人の顔からは緊張が見て取れた。ユクモ山に入ってからというもの、一歩登る度に重い重圧がのしかかってくる。
もう向こうでは、戦いが始まっているんだな、と三人は口にしないが感じていた。
ζ(゚、゚*ζ(ドクオさん、ギコさん、無事でいて下さい)
300
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 03:49:54 ID:tS9kwa0AO
やっと一合目が見えてきた。
(;^ω^)「おっ?」
だが、そこには先客が居た。ここからでは、まだ遠くて見えないが、背に武器を背負っている事から狩人か騎士だろう。
( )「……」
(;^ω^)「……」
ブーンの鼓動が早くなる。
何故立ち入り禁止を命じられているユクモ山に、自分達とドクオ達以外の人がいるのか。
段々と大きくなっていく影。ヒラリ、とマントがはためいた。
(;^ω^)「二人ともッ!止まるおッ!!」
あれは狩人ではない、騎士だ。恐らく自分達を拘束しに来たのだろう。それ以外考えられない。
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