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( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです

1 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:25:21 ID:UvGid7pw0
どうしようかなーと考えた結果短いけど投下します

117 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:11:02 ID:Lre2WSNQ0
 
( ´_ゝ`)「着いたぞ」
 
 侵入口に到達するや否や、
 
( ´_ゝ`)「俺が先に行こう。弟者は次だ。あと数人、一緒に来い」
 
 即座に指示を飛ばした。
 先行して様子を見てくるということだ。
  _
( ゚∀゚)「俺が行く」
 
(´・ω・`)「僕もいこう」
 
('A`)「……俺もだ」
 
川 ゚ -゚)「私もだ」
 
( ´_ゝ`)「いいだろう。いつでも戦えるようにしておけ」
 
 望むところだと言わんばかりに四人は頷き、上昇する床に乗る。
 最後に兄者が乗り、機器を操作した。
 
( ´_ゝ`)「弟者、任せたぞ」
 
(´<_` )「了解だ。気を付けろよ」
 
 そして、リフトが上昇していく。
 五名の姿が見えなくなり、底の見えない黒い穴だけになった。
 ややあって、誰かが一つ、息を吐いた。

118 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:15:53 ID:Lre2WSNQ0
 
ミセ;゚−゚)リ「モナー様……」
 
从 ゚∀从「ミセリ、モナーは大丈夫だ。ちゃんと呼吸も整ってる」
 
ミセ;゚−゚)リ「はい……」
 
从 ゚∀从「……帰ったら改めて言うが……すまなかった」
 
 視線はミセリと、ツン、そしてブーンに送られている。
 
ミセ;゚−゚)リ「……?」
 
从 ゚∀从「アタシを助けにきてくれたこと、感謝しているし申し訳なく思う」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「そんな……申し訳ないなんて……」
 
从 ゚∀从「いや、充分に予測できた事態だ。勿論、回避する手段もあったはずだ」
 
从 ゚∀从「モナーたちに任せっぱなしで、自分の身も自分で守れないのに……」
 
从 ゚∀从「すまなかった。そして、ありがとう」
 
(;^ω^)「いや、僕らも必死だったし……」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「気にしないで下さい……」
 
从 ゚∀从「……ありがとな。そうだ、君らがブーンとツンちゃんか?」
 
( ^ω^)「はいお。ブーンって呼ばれてますお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「そうです。高岡さん……でしたよね?」

119 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:18:05 ID:Lre2WSNQ0
 
从 ゚∀从「ああ、そうだ。ジョルジュから二人のことは聞いてる」
 
从 ゚∀从「顔も知らないのに、ありがとう」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「いえ、だからそんな……」
 
(´<_` )「感謝は受け取っておけ。それが礼儀ってものだ」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「あ……はい」
 
(;^ω^)「お……」
 
 そこで会話は途切れた。
 少しの沈黙の後、弟者が闇を見つめながら、
 
(´<_` )「そうだ、これからのことだが……」
 
从 ゚∀从「あぁ、アタシもそれを考えてた」
 
(´<_` )「もう、あの神社にいるのは危険だろう」
 
(´<_` )「そこでだ。俺たちの隠れ家にこないか?」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「え……」
 
(;^ω^)「……」
 
(´<_` )「まぁ、未成年のお前たちは家の都合もあるだろうが……」
 
从 ゚∀从「アタシは問題ねぇ。というか、そっちの方が助かる」

120 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:20:06 ID:Lre2WSNQ0
 
 ハインリッヒに同意を得られることは、弟者の予想済みだ。
 ブーンらが難しいことも、また同じ。
 
(´<_` )「……アンタは……それでも構わないか?」
 
ミセ;゚−゚)リ「……」
 
(´<_` )「そんな状態じゃない、か。まぁ、神主はひとまず連れていくぞ?」
 
ミセ;゚−゚)リ「……」
 
(´<_` )「アンタもこい。一人じゃ不安だろう」
 
从 ゚∀从「ミセリ、一緒に行こう。危険なのはわかるだろ?」
 
ミセ;゚−゚)リ「……はい」
 
 力なく、頷いた。
 
(´<_` )「恐らく、兄者もあいつらに同じことを話していると思う」
 
 上に何もなければな、と足して、言葉を終えた。
 隠れ家に匿うことを、弟者は兄者に話していない。
 だが、兄者も同じことを考えているであろうという推測の元、提案したのだ。
 
 見事に弟者の推測通り、兄者も同じことを考えていた。
 案に乗ったのはジョルジュとドクオの二名だけ。
 ショボンは家族の許可が必要だと言い、クーは妹のことを考え無理だと告げた。
 
 戦いが続こうとも、現実問題としてブーンらは未成年であり、家族がいるのだ。
 即答はできない、という答えに、流石兄弟は何も言わなかった。

121 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:23:42 ID:Lre2WSNQ0
 
 そして。
 
(´<_` )「どうやら、何もなかったようだな」
 
 下降し、定位置で停止したリフトを見て、言った。
 残っていた美芹、モナー以外の面々が顔を見合わせ、一つ頷いた後に、乗り込む。
 ハインリッヒが操作して、リフトは再び上昇し始めた。
 
 移動の間は、誰も口を開かなかった。
 流石兄弟の隠れ家の件で、思考することは増えたが、
 出口に近づくに連れ、疲弊が感じられるようになってきていたからだ。
 
 実際に死闘を演じたブーン、ツンなどは特に顕著だった。
 美芹はというと、じっとモナーを見つめ続けている。
 ペルソナでできることは全て終えた。だからこそ、不安なのだ。
 
 一刻も早く、どこかでモナーを横に寝かせたい。
 彼女が考えていることは、モナーの事ばかりだ。
 モナーの懸念。やはり、的を射ていたということか。
 
 
( ´_ゝ`)「よう。見ての通り、何もなかったぞ」
 
 入り口に着いた弟者らを、兄者が出迎えた。
 ショボンらは離れた場所で何やら会話している。
 ブーンとツンは彼らの元へ、弟者はモナーを背負ったまま、兄者に隠れ家の件を告げた。
 
 モナーが居るため、美芹は必然的に流石兄弟の側に残っている。
 会話も程々に、後で、と兄者が弟者に言うと、倉庫の出口に向かっていった。

122 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:27:32 ID:Lre2WSNQ0
 
( ´_ゝ`)「おい。帰るぞ。色々あるだろうが、まずは────」
 
 離れた場所にいるショボンらに言いながら歩き、扉に差し掛かった時だ。
 
( ´_ゝ`)「……お前ら、油断するな」
  _
( ゚∀゚)「敵か!?」
 
( ´_ゝ`)「そのようだ。しかも、かなりの大所帯のようだ」
 
 兄者が扉の向こうに、気配を感じた。
 不完全燃焼であるジョルジュ、ショボン、ドクオ、クーが、兄者の後方へ駆け寄る。
 いかにも、自分の出番だと言わんばかりだ。
 
(´<_` )「俺はこの通りだ。ブーンと、ツンだったな。頼むぞ」
 
( ^ω^)「わかったお」
 
ξ゚⊿゚)ξ「頑張ります!」
 
(´<_` )「高岡は俺から離れるな」
 
从 ゚∀从「……あぁ、すまねぇ」
 
 一同を一瞥した後、兄者が扉を開ける。
 開ける、などという生易しい行為ではなかった。
 ペルソナで以て、扉を豪快に吹き飛ばしていた。
 
( ´_ゝ`)(ん……?)

123 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:29:14 ID:Lre2WSNQ0
 
 不意打ち。
 待ち受ける敵たちに動揺が走る、と兄者は予測していた。
 しかし、喧騒は起こらないし、気配も動くことがない。
 
( ´_ゝ`)(…………)
 
 夜の下、佇む影たち。
 
( ■-■)
 
('A`)「あいつらは……」
 
( ´_ゝ`)「知ってるのか?」
 
(´・ω・`)「同じ姿をしていた連中と、少し戦いました」
 
( ´_ゝ`)「……人間か?」
 
(´・ω・`)「多分」
 
( ´_ゝ`)「……多分……ね」
 
 兄者が黒ずくめを一瞥する。
 
( ´_ゝ`)(ペルソナの波動は感じないが……)
 
 異様な雰囲気が、ただの人間でないことを知らせている。
 兄者は、ショボンらが動じないという点に、手こずるような相手ではないと判断した。
 だが、その数。
  _
( ゚∀゚)「……何人いるんだ?」
 
(´・ω・`)「ざっと五十人?」

124 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:31:06 ID:Lre2WSNQ0
 
( ´_ゝ`)「面倒だな……車は無事……」
 
 か、と言い終える、直前。
  _
( ゚∀゚)『オルトロス!』
 
 ジョルジュが、ペルソナを発動させる。
 猛る双頭の獣、オルトロスが現れた。
 力漲る牙を覗かせ、右の頭が大きく口を開き、
  _
( ゚∀゚)『ファイアブレス!!』
 
(; ´_ゝ`)「ッ!?」
 
 業火を、吐き出した。
 炎の波は、容赦なく黒ずくめたちを包み込んでいく。
 気でも狂ったか、と兄者がジョルジュに食いついた。
 
(´・ω・`)「心配ないですよ。殺してないです」
 
(; ´_ゝ`)「……どういうことだ?」
 
川 ゚ -゚)「どうやら彼らは、悪魔に憑依されているらしい」
 
川 ゚ -゚)「その悪魔だけを倒してやればいい、ということだ」
 
(; ´_ゝ`)「そ、そうか……」
 
 ──そんな器用な真似、いつの間にできるようになったんだ。
 その言葉は、心に留めておいた。

125 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:33:54 ID:Lre2WSNQ0
 
 躊躇わず攻撃したこともそうだったが、最も驚かされた要因は、オルトロスだ。
 
(; ´_ゝ`)(いつの間にあんな強力なペルソナを……)
 
 兄者が聞いた話によれば、彼らはペルソナ能力に目覚めてまだ数日しか経っていない。
 そのたった数日の間で、少なくともジョルジュが自身に匹敵する程の力を得ている事実。
 
 ショボンらの状況対応力もそうだ。
 とても最近まで普通の高校生だったとは、兄者には到底思うことができなかった。
 
(; ´_ゝ`)「……まぁいい、今のうちだ。急ぐぞ」
 
 ジョルジュが殿を務め、先頭を走る兄者が道を開く。
 オルトロスによって、既に黒ずくめの半数以上が戦闘不能に陥っていた。
 モナーを担ぐ弟者も、常人であるハインリッヒも問題なく車まで辿り着くことができた。
 
 兄者が懸念していた車への妨害は、
 
( ´_ゝ`)「……よし、エンジンはかかる。タイヤも無事だな」
 
 どういうわけか、何もされていなかった。
 モナーの車もそうだ。
 弟者がモナーの車に乗り込み、エンジンをかけていた。
 
从 ゚∀从「ジョルジュ! 乗れ!」
 
 兄者の車に乗り込んでいたハインリッヒが窓から身を乗り出し、叫んだ。
 黒ずくめたちはオルトロスの炎を前に、一歩踏み出すことすらも叶わない。
 頃合いだ、とジョルジュ自身も判断し、車へと駆けた。
 
( ´_ゝ`)「弟者! 例の場所だ!」
 
(´<_` )「了解だ!」

126 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:35:42 ID:Lre2WSNQ0
 
 ジョルジュの乗車を確認すると、兄者が車を発進させる。
 切り返したことを確認すると、弟者も同じ様に車を切り返し、後に続く。
 
从 ゚∀从「例の場所?」
 
( ´_ゝ`)「着けばわかる。隠れ家の前に、調べたいこともあるしな」
 
从 ゚∀从「……ふぅん」
 
( ´_ゝ`)「悪いが、家に送るのはその後だ。すまんな」
 
川 ゚ -゚)「……いや、大丈夫だ」
 
( ´_ゝ`)「弟者は……問題なさそうだな」
 
 バックミラーに、モナーの車、つまり弟者が運転している車が写っている。
 追手は、ないようだ。
 
 
 深き眠りについた街を、二台の車が走りゆく。
 夜は、未だ明けない。
 
 
 長い夜は、もう少しだけ、続くようだった。
 
 
 
                           続く。

127名も無きAAのようです:2011/11/27(日) 22:39:01 ID:ObyV/ZBk0
リアルタイム初遭遇!!乙でした!!
モナー無事…じゃないけど生きてて良かった…
次回も楽しみに待ってます

128 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/27(日) 22:40:41 ID:Lre2WSNQ0
22話終わり
次に後日談みたいなのが入って、23話へ
次の投下(後日談)は15日を目標にしてみる

読んでくれた人ありがとう

129名も無きAAのようです:2011/11/27(日) 22:47:20 ID:3RGEjOZs0

やっぱ面白いよこれ

130名も無きAAのようです:2011/11/28(月) 00:56:25 ID:r4yhOJL6O

ショボンたちの過去が気になるぜ

131名も無きAAのようです:2011/11/28(月) 19:09:27 ID:gs7UvKDkO
すっかり忘れてたけどジョルジュかなりのパワーアップしたんだよな

132 ◆iAiA/QCRIM:2011/12/14(水) 23:57:17 ID:PQ1HJ1bY0
書き溜めは10レスを超えてて普通なら15日投下なんだけど、
今回は第何話とかいう区切りじゃなく後日談なので、書き上げてから投下します
レス数も今回の半分くらいなので、多分週末には投下出来るかも

それと、次回はVIPに投下します

133 ◆iAiA/QCRIM:2011/12/19(月) 00:07:05 ID:Vsx3I9Yo0
VIPでやりました
ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324213691/

134名も無きAAのようです:2011/12/24(土) 21:51:14 ID:lvWN0wVU0
まとめがないなー、読めん

135 ◆iAiA/QCRIM:2011/12/25(日) 17:55:35 ID:hHkF/xrA0
>>134
暫定的に自サイトへUPしました

VIP投下分の23話
http://iaiapersona.web.fc2.com/persona/p23.html

136名も無きAAのようです:2011/12/25(日) 18:01:11 ID:46gVtY8g0


137名も無きAAのようです:2012/03/01(木) 16:08:51 ID:YOaY.2Rk0
続きは?

138名も無きAAのようです:2016/06/07(火) 12:50:09 ID:ZAAy5zRI0
無事打ち切られましたね

139名も無きAAのようです:2017/10/09(月) 01:53:21 ID:64/HVvlMO
舞ってる


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