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( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです

1 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:25:21 ID:UvGid7pw0
どうしようかなーと考えた結果短いけど投下します

2名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 21:26:22 ID:re327nns0
これは懐かしい

3 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:28:15 ID:UvGid7pw0
まとめさま
7xさん
http://nanabatu.web.fc2.com/boon/boon_persona.html

自分とこ
http://iaiapersona.web.fc2.com/persona/persona_main.html

4名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 21:28:28 ID:q9jEEhmYO
ずっと待ってました!!!!!!

投下の邪魔ごめんなさい

支援

5名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 21:35:42 ID:UvGid7pw0
 
 それを形容する言葉は数多く在るであろう。
 黒、漆黒、影。十人十色が示す答えは、果たして一色だけであった。
 それ程に、それは闇そのものであるという印象を与えていたのだ。
 
ξ; ⊿゚)ξ「……?」
 
 身を抉るような自責と共に、ツンは強く願った。
 今まさにブーンたちへ迫らんとするエクストを倒したい、と。
 
 その直後だ。
 
 最初にショボンらを呑み込んだ闇が、己を創りだしたはずのエクストを呑み込んだのだ。
 体は勿論、影すらも。字の如く彼の全てを呑み込み、今は闇の球体だけがそこに在る。
 
(;^ω^)「……どうして……」
 
 絞り出したブーンの第一声が、それだった。
 何が、と問う者────いや、“問うことができる者”はいない。
 彼と全く同じ言葉が、心に浮かんでしまっているからだ。
 
 
 『どうして、エクストは闇に呑まれてしまったのだろうか』
 
 ブーンは次の言葉を発することができなかった。
 隣にいたミセリが、動いたからだった。

6 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:38:01 ID:UvGid7pw0
 
ミセ*゚−゚)リ「ブーンさん、ツンさんを」
 
 緊張を保ったままそう言った彼女の声に、ブーンは、はっと顔を上げ、
 
(;^ω^)「ツ、ツン!」
 
 金縛りから解けたように、横たわるツンの元へと駆け出した。
 ブーンの背を見、次にミセリは動かぬ闇の球体へと視線を戻す。
 
ミセ*゚−゚)リ(エクストが創り出した闇……どうして……)
 
 少年の呟きと同じ言葉を、胸懐で重ね、
 
ミセ*゚−゚)リ(……いえ、まずはジョルジュさんたちを)
 
ミセ*゚−゚)リ(皆さんが受けた攻撃は、恐らく私がされたことと同じ、精神攻撃)
 
ミセ*゚−゚)リ(怪我などは負っていないはず……)
 
 体には、と、一つの陰りを呟いた。
 それを振り払うかのように、ミセリも足早にジョルジュらに近づいていく。
 ──自分は打ち破ったが、彼らはどうか──
 
 四人が闇の中に居た時間は、ミセリたちよりも長い。
 その間、ずっと彼らは見続けてしまっているはずだ。
 ──私と同じ、忌々しい、忘れ去りたい過去を──
 
 ミセリはそれを思い、ぎ、と奥歯を噛み締める。
 しかし、すぐに違うと思い直していた。

7 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:40:01 ID:UvGid7pw0
 
ミセ*゚−゚)リ(……違う。私の場合は、忘れてはいけない過去)
 
 見せられた、という一点だけが、未だ彼女に怒りを覚えさせていた。
 その所為で、忘れ去りたいなどという言葉を付加してしまったのだ。
 
 闇を打ち破ったあの時、彼女は言った筈だった。
 過去を、乗り越えなければいけない、と。
 つまりは必然的に、それは忘れてならない過去だ。
 
 但し、ミセリが思った通り、それは自分のケースに限ったことだ。
 ジョルジュらが闇の中で見たものは、まさしく忘れ去りたい過去であった。
 彼女がそれを知るすべは、ただ一つ。
 
ミセ*゚−゚)リ「ジョルジュさん、ジョルジュさん!」
 
 横たわるジョルジュの真横に膝をつき、呼びかける。
 知ろうと思えば、彼らを起こし、何を見たかと問えば解るのだ。
 もっとも、そんなことをするミセリではないのだが。
  _
(  ∀ )「…………」
 
 問いかけに、眉毛すらぴくりとも動かない。
 ミセリは彼の鼻の下へ指先を運び、呼吸を確認した。
 一定のリズムで、生暖かい空気が指先をくすぐることを確認すると、
 
ミセ*゚−゚)リ(呼吸は安定してる……これなら大丈夫)
 
 安堵の直後、彼女はジョルジュの上体を起こし、そのまま彼の背後へと移り、
 
ミセ*゚−゚)リ「喝!」

8 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:41:43 ID:UvGid7pw0
  _
  ll
(  ∀ )「ひゃるんっ」
 
 突如発せられたミセリの大声に驚いたのか、妙な声と共に一瞬だけ全身を大きく震わせた。
 彼女がしたことは声を出しただけではないのだが、効果は抜群だ。
 ジョルジュは鳩に似た首の動きで、周囲をきょろきょろと見渡している。
 
ミセ*゚ー゚)リ「おはようございます、ジョルジュさん」
  _
(;゚∀゚)「えっ、あっ、はい。おはようございます」
 
ミセ*゚−゚)リ「……具合はどうですか?」
  _
( ゚∀゚)「バッチリです! 今すぐにでも戦えま……」
 _
(;゚∀゚)「そ、そうだ、あの野郎は……」
 
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫です。今は楽にしていて下さい」
 
 え、と戸惑いを見せたジョルジュから離れ、次に彼女はショボンに近づいていく。
 残りのショボン、ドクオ、クーを、ジョルジュと同じ様に起こすためだ。
 
 ミセリにそう言われた彼であったが、彼の記憶は戦闘開始寸前で途切れたまま。
 意識が覚醒していくにつれ、ぷつりと切れる直前の出来事が鮮明に思い出されていく。
 エクストの姿、自身を覆った闇、そして、
  _
( ゚∀゚)「…………」
 
 闇の中で、見た、もの。

9 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:44:04 ID:UvGid7pw0
 
 「おはようございます」、というミセリの言葉が、それが夢であったという感覚を強めさせた。
 しかし、夢にしてはリアリティがありすぎた、とすぐに思い直す。
 更に闇に覆われたという記憶が、何かしらの攻撃を受けたと彼に結論付ける。
 
 ならば、あの敵はどうなったのか。
 ミセリに問いたいことが次々と浮かび、最も知りたい事が、エクストの事だった。
 
(*'A`)「とぅっん」
 
 悩むジョルジュを尻目に、ドクオが妙な声を上げて目を覚ます。
 言わずもがな、ミセリが彼を起こしたようだ。
 今は皆が起きるのを待つしかない、と、ジョルジュは一つ息を吐く。
  _
( ゚∀゚)「……」
 
 その後、彼の視線の先にはやはり、黒の球体が在った。
 一体何が起きたのか。
 ジョルジュがそれを知るのは、また少し後のことになりそうだ。
 
 一方、
 
(;^ω^)「ツン! 大丈夫かお!?」
 
 ジョルジュらの空白の時間を知るブーンは、
 横たわるツンの傍まで駆け寄り、慌てふためいていた。
 
ξ;゚ー゚)ξ「ん……ちょっといろんなとこ、痛いかも」
 
(;^ω^)「ど、どこだお!? 立てるかお?」

10 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:46:30 ID:UvGid7pw0
 
ξ;゚ー゚)ξ「すぐには無理みたい……でも、怪我はペルソナで治るから……」
 
(;^ω^)「そうだお! すぐに治すんだお!」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「……まだちょっと使えないみたい。……んっと、大丈夫だから、落ち着いて?」
 
(;^ω^)「……ほんとに大丈夫なのかお?」
 
ξ;゚ー゚)ξ「うん……ありがとう」
 
 おろおろとするブーンの手は、ツンに触れることをためらうように震えている。
 中腰で、ピアノを弾くような体勢でだ。
 きっと、すぐにでも抱き抱えたいのであろう。
 
ξ;*゚⊿゚)ξ(……いいのに……)
 
(;^ω^)「お?」
 
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんでもないから! なんでもないんだからっ!」
 
 ツンは心で呟いたと思っていたが、残念ながらしっかりと声に出ていた。
 力いっぱい否定した後、未だ挙動不審なブーンを見て、苦笑する。
 それが、今の彼女にできる精一杯だった。
 
 肉体的ダメージに加え、精神の消耗も激しい。ツンは疲弊しきっていた。
 エクストが一体どうなったのかなど、考える余裕すらない。
 今はブーンの顔を、瞳だけで見上げることしかできないのだ。
 
 そして、暫くの後、ツンにも多少余裕が見え始め、
 視界を広げればショボンたちが目を覚ましていることに気がついた。

11 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:49:18 ID:UvGid7pw0
 
 闇に呑まれた面々は、どうやら無事のようだ。
 疲労は、実際に戦ったブーンたちの方が大きいだろう。
 ツンの元へ、というミセリの言葉に頷き、漸く全員が揃った。
 
ミセ*゚−゚)リ「ツンさん、すみません。お待たせ致しました」
 
 そう言ってツンに近寄ろうとしたミセリだった、が、
 
ミセ;゚−゚)リ「……ぅ」
 
 踏み出した一歩目で、動きを止めてしまった。
 止まってしまった、が正しい。
 _
(;゚∀゚)「ミセリさん! 大丈夫ですか?」
 
ミセ;゚−゚)リ「……だいじょうぶ、です」
 
 だが、その言葉はこの場にいる全員が強がりだと解るものだった。
 
川 ゚ -゚)「ミセリさん、私に任せてくれ」
 
 治癒はクーのペルソナ、タレイアでも行うことができる。
 すみません、と言ったミセリに頷いて、クーがツンに近づき、屈んだ。
 
川 ゚ -゚)『ディア』
 
 女神、タレイアから発せられた柔らかな光が、横たわるツンを包み込む。
 ミセリほどの即効性はないが、次第に、確実にツンの表情が和らいでいく。
 
川 ゚ -゚)「ツン、大丈夫か?」

12 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:51:16 ID:UvGid7pw0
 
ξ゚ー゚)ξ「ありがとう……クー」
 
川 ゚ -゚)「いや。これくらいしかできなくてすまない」
 
 クーたちはまだ、自分らが攻撃された後なにが起きたのかを説明されていない。
 だが、ミセリの疲弊具合とツンの状態を見るに、激しい戦いがあったことは充分に分かる。
 すまないと謝罪したクー以外の者たちも、参戦できなかったことを申し訳ないと思っていた。
 
(´・ω・`)「ブーン、一体何があったの?」
 
(;^ω^)「お……僕もなんて言ったらいいか……」
 
 何があったか、と問われたブーンの頭に、エクストが突如闇に呑まれたことが浮かんだ。
 彼も混乱している。咄嗟に出た言葉は、ショボンの意図とは離れた答えだった。
 ショボンはそれを冷静に処理する。
 
(´・ω・`)「質問が悪かったみたいだね。僕たちが攻撃を受けた後、どうなった?」
 
( ^ω^)「モミアゲ男と戦って……その最中にいきなり、あの、ショボンたちを襲った黒いのが……」
 
 ミセリとクー以外の視線が、闇の球体に集う。
 謎の闇は未だそこに在り続け、沈黙していた。
 それを見つめたまま、ショボンが続ける。
 
(´・ω・`)「モミアゲ……確か、エクスト、と言っていたね」
 
( ^ω^)「そうだったおね。ハンパなく強かったけど、あれのお陰でなんとかなったお」
 
(´・ω・`)「あれのお陰って、どういうこと?」

13 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:54:54 ID:UvGid7pw0
  _
( ゚∀゚)「てか、あの野郎はどうなったんだ? 倒したってことか?」
 
(;^ω^)「いや、あの黒いのがいきなり動いて……」
 
 ジョルジュ、とショボンが制し、
 
(´・ω・`)「ブーンも混乱してるみたいだ。一つずつ訊こう」
  _
( ゚∀゚)「あー……わりぃ」
 
(;^ω^)「ごめんお……」
 
 と言ったものの、彼は順に尋ねられたとしても、説明できる自信が全くなかった。
 あの時ブーンは、皆を閉じ込め、更にツンを傷つけたエクストに対し激昂していた。
 ただでさえ周囲を見る余裕がなかったのだ。仕方が無いと言える。
 
 そして、淡く求めた助け舟が、意外なほど早く現れた。
 
ミセ*゚ー゚)リ「私が説明します」
 
(´・ω・`)「ミセリさん……大丈夫なんですか?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「はい。少し落ち着きました」
  _
( ゚∀゚)「無理しちゃいけないぜ?」
 
ミセ*゚ー゚)リ「大丈夫です。ジョルジュさん、ありがとうございます」
 _
(*゚∀゚)「い、いいって」

14 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:57:12 ID:UvGid7pw0
 
 ミセリは優しく微笑んだ後、皆から少し距離を置き、静かに説明を始めた。
 その時には、ツンも体を起こせるまでに回復していた。
 
ミセ*゚−゚)リ「……強かったです。恐ろしく」
 
 エクストの事を言っている。
 ブーンとツンは戦いのさなかを思い出し、少しだけ顔を歪ませた。
 二人の胸に浮く想いは、悔しさであった。
 
 ツンは負傷し、戦線離脱を余儀無くされた。
 ブーンは、あのまま戦えば恐らく負けていたと、認めてしまっていた。
 冷静になった今だからこそ、より強く理解してしまっている。
 
 悔しさは、当然と言えよう。
 
 説明を続けるミセリは、二人の心境に気がついていた。
 しかし、彼女はそれについて何も語らない。
 
 ────戦いは、まだ終わっていないのだから。
 
 
 
 
 ( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです
 
      第二十二話 『黒きトラペゾヘドロン──後編──』

15 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 21:59:15 ID:UvGid7pw0
 

 
 もう一つの戦いは、未だ終わっていない。
 期せずして、はたまた宿命だったのか。
 かつての親友同士の戦いは、まだ、続いている。
 
( ´∀`)「…………」
 
 決意を胸に、障壁となった友を倒すために。
 その、友の姿は、漆黒のペルソナが立ち塞がりモナーからは視認できない。
 
<::::::::::>「…………」
 
 アサピーの支配を以て顕現せし、魔王アザゼル。
 
 ペルソナ使いが自らのペルソナに乗っ取られることは、決して少ないことではない。
 モナーはそんな人間を、今までに多く見てきた。
 そのどれもが、ペルソナを扱うに心が未熟であることが原因であった。
 
 彼は神主という職業の裏で、その“手”の問題を解決することがある。
 俗に除霊と言われているが、職業柄そのような問題を抱えた者、
 或いは身内といった第三者から相談されることが多いのだ。
 
 その“一般的な除霊”の中に、ペルソナ関係の件が紛れていたりする。
 一つ、二つと問題を解決していくことで、“裏”の仕事が増えていったのだ。
 ともあれ、モナーにとって専門分野であると言っても過言ではない。
 
 ペルソナの暴走を止めるには、ペルソナを屈服させる以外に解決策はない。
 文字通り、実力行使ということだ。

16 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 22:01:21 ID:UvGid7pw0
 
( ´_ゝ`)「……しかし、珍しいな」
 
(´<_` )「なにがだ?」
 
 対峙しているモナーとアザゼルを、モナーの少し後方で見つめるのは流石兄弟だ。
 アザゼルの隙を窺いながら、声のトーンを落とし兄者が言う。
 
( ´_ゝ`)「どうやらあの眼鏡は、ペルソナが暴走しているようだが……」
 
 眼鏡とはアサピーのことだ。
 二人の戦いに入り込む余地なしと判断した彼らは、冷静に状況を把握することに努めていた。
 兄者の言葉に、やや間を置いて、
 
(´<_` )「覚醒したばかり、とも思えないな……神主もあのペルソナを知っていたようだ」
 
( ´_ゝ`)「流石だな、弟者」
 
 兄者が言わんとしていることはこうだ。
 ペルソナに目覚めたばかりの状態で、心が未熟、つまり自身の許容を超えた場合。
 術者の意識を乗っ取り、暴走してしまう。
 
 その、暴走に至るまでの時間は、ほぼゼロと言っても良いのだ。
 
( ´_ゝ`)「突如ペルソナがランクアップしたというセンも、外れだ」
 
(´<_` )「それならば、神主が“アレ”を知っているわけがない」
 
(´<_` )「……兄者の時は、ランクアップしてすぐに暴走したからな……」
 
( ´_ゝ`)「てへっ☆」

17名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:03:22 ID:0UV743Rg0
三国志でラジオばっかりしてて結局逃亡したペルソナさんじゃないですか!

18 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 22:03:52 ID:UvGid7pw0
 
 気を取りなおして、
 
( ´_ゝ`)「まぁ、俺たちの知らない例外があるのかもしれんが……」
 
(´<_` )「あれほど強力なペルソナだ。そう考えるのが妥当だろう」
 
( ´_ゝ`)「うむ……完全に術者から独立しているようだしな……」
 
(´<_` )「狡猾な魔王だ。術者を乗っ取る機を窺っていたのか……」
 
 それとも、
 
( ´_ゝ`)「それとも……何か、“切っ掛け”があった、か」
 
 二人の推測はそこで終わる。
 原因が分かったとしても状況を打破できるわけではないのだが、
 単純にペルソナ使いとしての興味本位が、それを考えさせていた。
 
 アザゼル顕現の“切っ掛け”を与えたのはモララーであったが、流石にそこまでは辿りつけない。
 魔王に問うても、自尊心の高いアザゼルはそれを認めないであろう。
 
 流石兄弟にとっても、専門としてきたモナーにとっても非常に稀なケースであり、
 モナーにとり────同時に、最悪のケースと言える。
 
 強力なアザゼルを屈服させることができるかどうか。
 それに関して、モナーは特に問題にしていなかった。
 
 できるかどうかではない。
 
 しなくてはならぬのだ。

19 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 22:05:40 ID:UvGid7pw0
 
 睨み合う、モナーとアザゼル。
 高まる緊張と集中力が、モナーに時の歩みすらも遅く感じさせている。
 
( ´_ゝ`)「最後の衝突から、そろそろ五分か……」
 
 
 呟きの、直後────
 
 
 ────それは、突如として起きていた。
 
 
(´<_`;)「ッ!」
 
 咄嗟に身構えたのは、弟者だけではなかった。
 兄者も驚きを浮かべた表情で、弟者と同調したように体勢を変えている。
 注視は怠っていない。だからこそ、戸惑いを見せていた。
 
(;´_ゝ`)「翼が……増えた……」
 
 二対四枚の翼が、アザゼルの背にあった。
 しかし、いつの間にか更に二枚、翼が増えている。
 ただ、それだけだ。
 
 その程度のことなのに、兄者は確認するように呟いてしまっていた。
 
(´<_`;)「……」

20 ◆iAiA/QCRIM:2011/10/31(月) 22:10:24 ID:UvGid7pw0
 
 弟者が僅かに動いたことを、兄者は視界の端に捉えた。
 その動きで、兄者は自分自身も一歩後退っていたことに気がつく。
 
 気圧された理由は、決して外見の変化にではなく。
 確かに、翼が増えたことで黒のシルエットは肥大化しているのだが、
 
(;´_ゝ`)(一瞬、巨大化したと錯覚するほどの……)
 
(´<_`;)(……冗談じゃないぞ……ついさっきまでよりも、更に……)
 
 質量以外のものが、確実に増している。
 
 足下から這い上がり、粘り、絡みつくのは威圧感。
 その場に居るだけで、力が増したと認識できる程に。
 
 しかし。
 
(;´_ゝ`)「ッ!」
 
 威圧を、切り裂く、
 
(# ´∀`)『ビシャモンテン!』
 
 翠緑の武神。
 モナーの覇気に呼応し、ビシャモンテンが駆ける。

21名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:14:20 ID:77a1ax6c0
ペルソナァ!

22名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:19:30 ID:UvGid7pw0
ここまでです
この板はスレが残るっていうことを利用して、一定の周期で投下しようかなと
一ヶ月以上かけてこれしか書けなくなってる自分に驚いたけど、またぼちぼちやっていきます

次の投下は15日、但し9レス以下なら今月中
勿論、一話書ききることができれば余裕のある日に投下します

23名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:19:35 ID:gesZVKlUO
おおおっ!!ペルソナの人復活か!
待ってたよー

24名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:23:59 ID:q9jEEhmYO
>>22

乙です!!
ずっと待ってるんだからね!!!

25名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:27:58 ID:eyyqelCsO
ペルソナ!?ペルソナじゃないか!
おかえり!!

26名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:29:00 ID:re327nns0
おつおつ
楽しみが1つ増えた

27名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 09:53:24 ID:vljoxgIg0
ラジオに出てる時間を執筆に回したら一話くらいすぐ書けたよね?

28名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 18:19:39 ID:EeVkQ2uMO
合作で投下ないのはアルファだけになったな

29名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 20:34:14 ID:6G1QSG3Q0
だからなんだよ

30名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 21:22:18 ID:JWof1kpg0
>>29
待ってるんだよ
言わせんな恥ずかしい

31名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 22:29:07 ID:959WcawA0
え?
退魔きたの?

32名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 23:04:41 ID:KavdwqA20
エスカルゴに最新話あるよ

33名も無きAAのようです:2011/11/02(水) 13:15:40 ID:I2T68.5s0
復活したのか


34 ◆iAiA/QCRIM:2011/11/07(月) 00:14:22 ID:LY9oL2Io0
温かい言葉、煽り、ありがとうございます
投下したんだなぁと実感がわきました

10レス以上達成したので15日の投下が確定しました
まだ一週間と少しありますけど、一話書き切るのは厳しそうなので、
次も中途半端になりそうですがよろしくお願いします

次回分は今回分よりも多いです


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