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( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
1
:
名も無きAAのようです
:2011/10/10(月) 21:30:37 ID:6njKUImk0
まとめサイト様(現在停止中?)
http://vipteam.blog74.fc2.com/
覚えてくれている人がいたら、お久しぶりです。今まですみません。
覚えていない人、知らない人はよろしくお願いします。
46
:
名も無きAAのようです
:2011/10/14(金) 19:11:50 ID:EJHK90XkO
あら、お帰りなさいまし。
つい最初から読み直してしまって寝不足だぜ。
47
:
名も無きAAのようです
:2011/10/16(日) 06:22:52 ID:ZdWJK6l60
嬉し過ぎる!
48
:
名も無きAAのようです
:2011/10/16(日) 13:59:41 ID:lCwCDMocO
抜けてる部分まとめてるとこ無いか!?
49
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 18:48:31 ID:oJG0X3EY0
予告スレには書きましたが、明日の22時頃から続きを投下したいと思います。
んでんでんで。
前回投下分に「第五話」と書いてしまいましたが、
正確には「第3部 第五章」ですね、失礼をば。
予告スレにも間違えて「第6話」と書いてしまいましたが、
これも「第3部 第6章」とここで勝手に訂正させていただくのであります
50
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:32:06 ID:oJG0X3EY0
第6章 ラウンジVS今北(後編)
.
51
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:33:31 ID:oJG0X3EY0
――ダムッ…
( ´_ゝ`)「7番がボール運びだと…?」
(´<_` )「確かに4番はだいぶ崩れてはいたが…」
(・(エ)・)「これは…『引きずり出した』ってことになるんでしょうか?
今まで7番がポイントガードに入っていたデータはないはずですクマー…」
武藤「それとも替わりがいなくて仕方なく…なのか?いずれにせよ様子を見るしかない…か」
52
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:34:11 ID:oJG0X3EY0
( ・∀・)「ふーむ、久しぶりのセリフ」
( ><)「僕もなんです!」
从'ー'从「私もです〜」
( ・∀・)「さて…挨拶はさておき、だ」
( ><)「7番のクール君がポイントガードで出場したときのデータが見つからないんです!」
从'ー'从「どうやら初めての機会のようですね…『日本では』。」
( ・∀・)「渡辺、彼について何か知っているのかい?」
从'ー'从「噂程度ですぅ〜」
( ・∀・)「彼はアメリカでのプレー経験があるようだが?」
从'ー'从「はい〜、アメリカではそれなりにブイブイ言わしてたようですよ〜」
( ><)「ブイブイだなんて…ナウすぎるんです!」
( ・∀・)「黙ってろ産廃」
( ><)「…………」
53
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:34:51 ID:oJG0X3EY0
バスケットボールの国、アメリカ。
高いスキルに加えて、天賦の才と言っても過言ではないほどの生まれついての身体能力を備える選手が多く育つ国だ。
そもそもアメリカにおいてバスケットボールというスポーツは子供達が気軽に楽しめるスポーツである。
街中のリングでは若者たちがバスケットボールを持って楽しそうに駆け回る。日本ではなかなかお目にかかれない光景が日常だ。
好きこそものの上手なれ、とでも言うべきか。
そもそもの環境が違うため、日本のそれと比べるのはいささかナンセンスであるが、プレイ人口、そしてボールと触れ合う時間が多いということは、
才能あるプレイヤーの現れる確率も高い。
それだけでなく、ひたすらに努力を重ねたことで(当然、才能ある者も人並みならぬ努力を重ねているのだが )、めきめきと
頭角を現してくる選手も少なくない。
そんな中で、クーは戦っていた。
54
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:36:08 ID:oJG0X3EY0
彼の身長は低い。
日本にいても小さく見られることの多い彼がアメリカ人たちに混じってコートに立っている姿には、やはり違和感があるのかもしれない。
元々の身体能力の時点で、アメリカ人のそれには大きく劣っていた。
鍛えたところで、その伸びしろも彼らには到底及ばない。
しかしそれでもクーは己の体を限界まで鍛え抜いた。
当然、敵わなかった。
ルーズボールを奪い合う際に軽く接触しただけで何度も何度も吹き飛ばされた。
何度もコートにはいつくばった。
何度も、何度も、何度も、何度も。
その様から「雑巾がけ」と罵られようとも、彼は決して諦めなかった。
そして、考えた。
自分にしかできない――そんなプレイヤー像はないか。
ただひたすらに、考えた。
55
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:37:54 ID:oJG0X3EY0
川 ゚ -゚)(負けるわけにはいかない)
川 ゚ -゚)(チームの勝利も必要だ。だが――)
川 ゚ -゚)(私自身の存在価値の証明のためにも、だ)
――ダムッ…
川 ゚ -゚)「ギコ、回すぞ。好きに攻めろ」
(,,゚Д゚)「おうっ!頼むぜ!」
(・(エ)・)「っし、ハンズアpp…」
――しゅっ
(・(エ)・)「…えっ?」
( ・∀・)「パス回しも何もなしでいきなりスリー…!?」
――ぱしゅんっ!
56
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:38:34 ID:oJG0X3EY0
川 ゚ -゚)「ノーマークだったのでな、つい打ってしまった」
(;・(エ)・)(ノーマークって…!リングまで何mあると思ってるんだ…!?)
ξ;゚⊿゚)ξ「遠っ…」
(*゚ー゚)「しかもあの高い軌道なのにノータッチで…」
('A`)「イヨウ…お前があの距離でシュートしたとしたら…?」
(=゚ω゚)ノ「…3本中、1本入ればいい方だと思うヨウ…」
( ^ω^)(僕からしたらそれでも十分すごいお…)
57
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:39:38 ID:oJG0X3EY0
( ・∀・)「…NBAではスリーポイントラインは日本よりも遠い」
( ><)「クール君の決めた位置はスリーポイントラインよりも2mくらい離れてたんです!」
从'ー'从「それが彼の見つけた、彼なりの戦い方なんでしょうかねぇ〜?」
( ´_ゝ`)(なんつーめちゃくちゃな…。しかしこれはやけくそのポジションチェンジなのか…それとも勝算があって…?)
(´<_` )(タイムアウトもとらずに…か。時計が止まらなかったのはこちらとしてもありがたい。
流れを切らずに済んだんだからな)
( ´_ゝ`)(うむ。だが……嫌な予感がする)
(´<_` )(同感だ。逆にこちらがタイムアウトを取る必要があるのではないか?兄者よ)
( ´_ゝ`)(…様子を見るしかないだろう…)
(´<_` )(…だな)
58
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:40:45 ID:oJG0X3EY0
( ・∀・)「ラウンジ学園の1-3-1ゾーンは、選手各々の間隔が広いね」
( ><)「見たらわかるんです」
从'ー'从「黙ってろ殺すぞ」
( ><)「…」
( ・∀・)「おそらくだが、アウトサイドへの対応をより柔軟に行うためだ。無論、選手間の間隔を広げるということは
一人一人の守るべきエリアも広くなる。そしてヘルプディフェンスに駆け付けるための距離も大きくなる」
从'ー'从「しかしラウンジ学園の選手たちのディフェンス力・判断力ならば間隔を広げて守ることができる…と?」
( ・∀・)「理解が早くて助かるね。そういうことだろう。あ、ビロードくん!」
( *><)「はっ……はいなんです!」
( ・∀・)「コーヒー買ってきておいてくれない?僕と渡辺のぶん」
( ><)「……(ここまで扱いひどかったっけ…)」
59
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:42:12 ID:oJG0X3EY0
かわって、ラウンジ学園の攻撃。
ポイントガードへと移ったクーであるが、クマーとクーでは約30cmものミスマッチがあるため、クマーのディフェンスにはギコがつく。
川 ゚ -゚)(あれくらいのサイズのガードなら向こうにはごまんといたから問題ないんだがなあ…まあ、いい)
――ダムッ…
(・(エ)・)(僕たちの1-3-1はアウトサイドからの攻撃も封じ込めるためのディフェンスだったはず…
スリーにも対応できるように、通常のものよりだいぶ広く間隔をとってある…)
(・(エ)・)(それでも対応しきれない距離から放たれるシュート…一体どうすれば?)
――キュキュキュッ!
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
( ´∀`)「さっきよりディフェンスが激しくなってきてるモナ!」
_
( ゚∀゚)「あの野郎、エンジンかかってきやがったか!?」
(・(エ)・)「くそっ…!」
60
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:43:21 ID:oJG0X3EY0
――ばちっ
川 ゚ -゚)「どこを見ている、こっちだ」
(;・(エ)・)(7番…いつの間に!?)
(,,゚Д゚)「ナイスだ、クー!速攻だ、走れぇっ!!」
ギコとクーの二人による速攻。
クマーは必死にくらいつく。
川 ゚ -゚)「ギコ!」
――びっ…ばしっ
クーからギコへのショートパス。
(・(エ)・)「ちっ…」
クマーがギコへ対応するために体を反転させようとしたその瞬間に、
(,,゚Д゚)「クー!」
――びっ…ばしっ
ギコからクーへのリターンショートパス。
そしてクーはスリーポイントライン上で急ストップ。
61
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:44:26 ID:oJG0X3EY0
(・(エ)・)(速攻でスリー…!?)
(・(エ)・)(いや!こいつならやりかねないクマー!…それともそう思わせておいて4番をゴール下に走らせてくるのか!?)
( ´_ゝ`)「クマーっ!上だーーっ!」
(・(エ)・)「えっ…(4番と逆サイド…?)」
――びっ
上空へ放られるボール。
その方向は、ギコとは逆サイド。
その視線の先には――
川 ゚ -゚)「珍しくいい仕事をしたじゃないか――
――ばしっ
川 ゚ ー゚) ――エラ張りっ!」
<ヽ`∀´>「その呼び方は人権侵害ニダッ!!!」
――ガコンッ!
62
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:45:44 ID:oJG0X3EY0
<_プー゚)フ「うほーっ!アリウープ…」
_
(;゚∀゚)「ちょっと待てよ、あのキムチ野郎!いつの間にダンクできるように…」
(;^ω^)「しかも踏み切り位置がかなり遠かったお…」
(=゚ω゚)ノ「兄者があんな易々とやられるなんて…」
(´・ω・`)「あの二人の脚力に匹敵するダッシュ…かなりのものだね。それに加えてミドルポスト付近から踏み切ってのダンク…
どうやら随分と体を改造してきたようだね…じゅるり」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ」
(*゚ー゚)「えっ」
(´・ω・`)「えっ」
63
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:47:23 ID:oJG0X3EY0
――ダムッ…
(・(エ)・)「すみませんクマー!一本!クマー!」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
――キュキュキュキュ!
再度、ギコの激しいディフェンスがクマーを襲う。
(・(エ)・)「何度もーー!」
合わせて、左腕でのキープドリブルでボールを守るクマー。
同時に、右側の腕の手の平をギコの背中へと伸ばす。
そして、自分の体を巻き込ませながら右足をギコの背面に入れ、そのまま右腕で背中も抑えて動きを封じる。
(#・(エ)・)「やられてられっか!クマー!」
――ダムッ!
64
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:47:54 ID:7ChLMjecO
ちょwwwリアルタイムktkr!!!!
ショボンwwwww
65
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:48:25 ID:oJG0X3EY0
(,,゚Д゚)「うおっ…!?カバーーーッ!」
/ ゚、。 /(うまい…!!)
(,,゚Д゚)(…!くそ、なんて兄弟だ…今の一瞬でもうスクリーンをかけ合ってフリーになってやがる…!)
<ヽ`∀´>「そう何度も何度もやられないニダ!!」
ニダーがすぐさまスイッチ…というよりは、流石兄弟のピックアンドロールに対応できるような位置にディフェンスポジションをとる。
咄嗟に出たプレーだったが…
(・(エ)・)(くそっ…あの韓国人のせいで流石先輩たちに捌けないクマー…あの位置じゃどっちに出しても取られる…。
絶妙なポジショニング!この韓国人、かなりのプレイヤーだクマー…!)
――今北ベンチ――
「うおおぉっ!ナイスディフェンスだぜニダー!」
(■_■)(あれは多分マグレだ…)
66
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:49:17 ID:oJG0X3EY0
(・(エ)・)(くそっ…自分で行くしかないクマー!)
――きゅきゅっ
ハイポスト付近でステップを踏む。
(・(エ)・)(幸いそんなに距離があるわけでもないクマー。
フェイドアウェイ気味のシュートで、あわよくば後ろから僕を追って来る4番のファウルを誘う!)
――ずだっ
(,,゚Д゚)(フェイドアウェイか…!くそっ、この位置じゃ無理矢理チェック行ったらファウルになっちまう!)
( ´_ゝ`)(´<_` )「いけっ!」
――しゅっ…
(・(エ)・)(いけっ…)
その瞬間、クマーの視界にぬっ、と何かが現れる。
67
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:50:01 ID:oJG0X3EY0
/ ゚、。 /「甘いっ!!」
――ばちぃっ!
<_;プー゚)フ「鈴木ダイオードっ…!」
(;><)「フェイドアウェイをブロック…!?」
从'ー'从「ブロックを避けるために後ろに跳んで放つシュートなのに…」
( ・∀・)「後ろへのジャンプが少しだけ甘かったかもしれない。それにしてもあれに届くなんて…」
ダイオードにブロックされ、力無く空中に舞い上がるボール。それに食らいつくために、ダイオードは再度跳ぶ。
(#´_ゝ`)「渡すかっ!ちゅーーーーー!のーーーーーーっ!!!」
――がしぃっ!
ゴール下から上がってきた兄者も全力でジャンプしてルーズボールにくらいつき、ダイオードと空中でぶつかり合う。
そして――
68
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:51:05 ID:oJG0X3EY0
/;゚、。 /「むぅっ…おっ…」
(#´_ゝ`)「おらあああああぁぁぁっ!」
競り勝ったのは兄者だ。
しかし、強引にランニングジャンプを試みたことと、空中での競り合いに意識が向きすぎたこともあり、
兄者はバランスを崩し、そのままコートへ倒れ込む。その瞬間、倒れこみながらもクマーへのパスを送る。
(・(エ)・)「ナイスパスっ…」
(,,゚Д゚)「打たすかっ…!」
(・(エ)・)「かーらーのーナイスパスっ!」
――びゅっ
パスの先にはゴール下でちゃっかりノーマークになっていた弟者。
――ばしっ
(´<_` )「っしゃ、ナイsーー」
69
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:55:05 ID:oJG0X3EY0
<ヽ`∀´>「打たせんニダっ!!!」
――バゴッ!
(´<_`;)「なん…だと…」
「い…今北のディフェンスがやべえーーーっ!」
「連続でブロックショットだ!」
「ルーズボールになるぞ!」
――バムッ…
ニダーのブロックしたボールはペイントエリアに落ち、クマーの近くでワンバウンド。
(・(エ)・)(このルーズをとってもう一本…オフェンスを組み立て直すクマー…)
(#,,゚Д゚)「おおおおおおっ!」
70
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:56:05 ID:oJG0X3EY0
審判「ファウル!白4番、プッシング!」
(,,゚Д゚)「今のがファウル…!?」
(・(エ)・)(今の笛はラッキーだったクマー…)
(´・ω・`)「今北はずいぶんしっかりディフェンスをするようになってきたね。それだけじゃない…」
('A`)「ルーズボール争いみたいな細かいプレーにも全力だ……ですよね?先生」
(´・ω・`)「その通りだ。本当に強いチームというのは、いつ、いかなる場合であっても気を抜かない。
そしてーーチームの不調もコート内で立て直すことができる」
_
( ゚∀゚)「ギコとクーのポジションチェンジも、特に指示があったわけでもなさそうでしたしね」
ξ゚⊿゚)ξ「そういう意味では、今北はまた一つ壁を越えたってことになるわね…」
(=゚ω゚)ノ「ちょっと前までとは比べものになんねえヨウ…」
(*゚ー゚)「この試合を観て…なんとか突破口を見つけなきゃね…!」
71
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:56:48 ID:oJG0X3EY0
――バスッ
( ´_ゝ`)「っし!」
――ウオオオォォォォォォ!いいぞいいぞ兄者!いいぞいいぞア・ニ・ジャ!
(´<_` )「流石だぜ兄者!gjだ!」
( ´_ゝ`)「おうっ!いいかお前ら!ここいらでばしっと止めるぞ!まだまだ全然ゾーンが機能してない!気合い入れていけよ!!」
ラウンジ一同「おおっ!」
――ダムッ…
川 ゚ -゚)(さて、状況を整理しよう)
72
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:57:50 ID:oJG0X3EY0
川 ゚ -゚)(ゾーンの外から打てている今はいい。だが、攻めが単調になる前にいくつかのパターンで得点しておきたいところだ)
川 ゚ -゚)(守られたから新しい攻めに転じる――なんてのは結局、後手に回っているにすぎない。
相手が今の攻め方の対策を練ってくる前に、奴らを撹乱する必要がある)
川 ゚ -゚)(そうすれば、ゾーンは自ずと崩壊する)
/ ゚、。 /「クーさん!ハイポです!」
川 ゚ -゚)「ああ!ダイオードっ!」
――びゅっ…ばしっ
ハイポストにフラッシュしてきたダイオードへパスを通す。
ボールがインサイドに入ったからといって、一気に囲みにくる様子はない。
全員がボールサイドに軽く寄る程度だ。
73
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:58:40 ID:oJG0X3EY0
ダイオードの視野に、パスランを仕掛けるクーの姿が映る。
/ ゚、。 /「クーさん!」
ダイオードからクーへ、手渡しのパスが渡る。
そして、一気にゴール下へ侵入する。
( ´_ゝ`)「ちっ…ヘルプ!!」
川 ゚ -゚)( 計 画 通 り ! )
川 ゚ -゚)「ギコ!」
――びゅっ!
(,,゚Д゚)(たいしたセンスだぜゴルァ…)
74
:
名も無きAAのようです
:2011/10/23(日) 23:59:34 ID:oJG0X3EY0
(,,゚Д゚)(そもそもこいつらがこの1-3-1ゾーンでやりたいことは、コーナーでボールを封じることだ)
(,,゚Д゚)(オフェンスのボール回しにおいて重要な場所であるコーナーに守りの重点を置くことで、オフェンス側が使えるコートの面積を一気に狭くする…
そしてコーナーを使えないというだけでオフェンス側は攻めの選択肢を削らざるを得ない…)
/ ゚、。 /(そしてコーナーを潰しにかかるのはゾーン中段の両ウイングの選手と、ゾーン下段の選手の二人…)
/ ゚、。 /(そしてその一人、4番の兄者は今、クーさんを止めるためにヘルプに出ている)
――ばしっ
(,,゚Д゚)「しゃあっ!」
<ヽ`∀´>(コーナーの守りは一人だけ。手薄ニダ!事実上のワンオンワン、ギコの突破力ならなんら問題ないニダよ!)
75
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:03:38 ID:EYE2P56o0
(´<_` )「簡単に行かせると思うか!?」
(,,゚Д゚)「行ってやるよ!止めてみろやあっ!」
――ダムッ!
エンドライン沿いに、鋭いドライブ。
(,,゚Д゚)(どうだっ…!)
――キュキュキュキュ!
素早いスライドステップでギコの前に入り込む弟。
(´<_` )「よう、また会ったな」
(;,,゚Д゚)「んなっ!?」
76
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:06:40 ID:EYE2P56o0
そして、一瞬だけギコの突破が止まる。
一瞬さえあれば大丈夫だ。そう――彼らにとっては。
――キュキュキュ!
( ´_ゝ`)「お待たせ、弟者」
(´<_` )「なんだ、兄者か」
( ´_ゝ`)「なんだとはなんだ、まったく」
――キュキュキュキュキュ!キュキュキュ!
(;,,゚Д゚)「ぐっ…(なんつーカバーの速さだよ…!)」
('A`)「カバーはっえ…」
(;^ω^)「流石兄弟のダブルチーム……おえ…」
77
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:10:02 ID:EYE2P56o0
/ ゚、。 /(まずい…!)
/ ゚、。 /「ギコさん!一旦外に出してください!」
自分の持ち場を一旦離れ、オフェンスを組み立て直すためにダイオードが外に開く。
(,,゚Д゚)「くそっ…頼むダイオードっ!」
――びゅっ
川 ゚ -゚)「ばっ…待てっ!」
――ばちっ
(・(エ)・)「取りました!速攻!」
/;゚、。 /(トップの13番がここまでフォローに…!?)
<;ヽ`∀´>「速攻出させるなニダ!戻r…」
ギコからダイオードへのパスをクマーがインターセプト。
その瞬間にラウンジの1-3-1は一気にその形を変えた。
78
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:11:01 ID:EYE2P56o0
ゾーンの中央を守るラウンジ⑥がボールサイドの逆サイドの前線へ駆け上がる。
そしてラウンジ⑥が前線へ走ったことにより空いた中央のスペースに逆サイドから武藤が入り込む。
一瞬で三線速攻の形が完成した。
そのあとは至極スムーズだ。
クマーから中央へ入ってきた武藤へ。
そして、武藤から先頭を独走するラウンジ⑥へ。
「なんっつー速攻だよ…!速すぎんだろ!」
「あの速攻こそまさしく速攻だよ!なんかうまく言えないけど、とにかくすげえ!」
79
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:12:53 ID:EYE2P56o0
( ゚∀゚)「…なあ、こいつら敵なんだよな」
('A`)「どうしたんだ、ジョルジュ?」
_
( ゚∀゚)「こいつらと同じ舞台に立って戦わなきゃいけないんだよな、俺たち」
(=゚ω゚)ノ「急になんだヨウwwまさかびびってんのかヨウ?」
_
( ゚∀゚)「ちげえよ、こんなこと認めんの癪だけどよ…俺、見とれちまった…」
( ^ω^)「…僕もだお、こんなに綺麗でしなやかな速攻、初めて見たかもしれないお…」
(´・ω・`)(やはりそうか…)
<_プー゚)フ「ショボンせんせ、どーしたんすか?難しい顔して」
(´・ω・`)「うん、どうやらこの1-3-1ゾーンはね…」
80
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:13:57 ID:EYE2P56o0
(■_■)「…元々この速攻が狙いだったのか…」
今北ベンチ一同「どういうことですか?監督…?」
(■_■)「コーナーでボールマンをダブルチームで潰すのが、このディフェンスの狙いだと思っていた…。
ギコやクー達もおそらくそう思っていたのだろう」
今北ベンチ一同「今の速攻がその答えだ、と…?」
(■_■)「そうだ。いかに速く速攻のラインをうまくつなぐのか――その結果生まれたのがあのゾーンなのだろう」
( ・∀・)「――とまあ、いかに守りきるか・ボールを奪うか、ではなく、いかに早く攻めるか、に重きを置いたディフェンスなんじゃないかな、
的な」
( ><)「むずかしくてよくわかんないです!」
( ・∀・)「コーヒーまだ?いつになったら買ってくんの?」
( ><)「……」
ε=ε=(;><) 【自販機】
81
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:14:45 ID:EYE2P56o0
从'ー'从「ディフェンスにおいてもオフェンスにおいても、コーナーでの攻防が鍵になりそうですねえ〜」
( ・∀・)「そうだね、コーナーがディフェンスの終点、そしてコーナーが全てのオフェンスの
起点になっていると考えていいだろう」
从'ー'从「ゾーンディフェンスの利点は速攻を出しやすいことですが…その理由としては、プレイヤーの場所が
ほぼ固定されていることが挙げられますもんね。そのおかげで速攻につなげやすいから」
( ・∀・)「ああ、そして当然だろうが、どの場所でボールを奪ってもあの流れるような速攻を出せるように、
彼ら全員の頭にいくつものパターンがインプットされているんだろう。」
从'ー'从「『ここでボールをとったらこの動き』、『あそこでボールをとったらあの動き』…って具合に、ですか」
(;><)「コーヒー買ってきたんです!」ゼーゼー
( ・∀・)「これカフェオレじゃないか、僕は微糖派だよ。もう一回行ってきて」
( ><)「……………」
ε=ε=(;><) 【自販機】
82
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:16:04 ID:EYE2P56o0
川 ゚ -゚)(ちっ、元から速攻狙いのディフェンスだったのか…)
(,,゚Д゚)(ディフェンスをすることよりもその先のオフェンスに意識を置いたディフェンス…さしずめ、超攻撃的ゾーンってところか…)
/ ゚、。 /(それなのにこのディフェンス力……なんてチームなんだ、ラウンジ学園…)
(,,゚Д゚)(もともとディフェンス重視のチームなんだ、組織としてのディフェンス力は相当なもんだ…。
それなのに、一瞬ワンオンワンになったあの状況で、個人対個人のあの状況で!なんぜ抜ききれなかった…!?)
(´<_` )「ラウンジのディフェンスをあまりなめるなよ」
(,,゚Д゚)「なに……?」
(´<_` )「俺達がどれだけディフェンスの練習を積んできたと思ってる」
( ´_ゝ`)「嫌になるくらい多かったディフェンスの練習も、ずいぶんと増やした」
(´<_` )「朝も、昼も、夜も。ひたすらディフェンスさ。夢の中でフットワークをしていたことだって一度や二度じゃない」
(#´_ゝ`)「オナニー中にふとディフェンスの練習をしている自分の姿を思い描いてしまい、
その瞬間に果ててしまったときのなんともいえないがっかり感がお前にわかるか!?」
(;,,゚Д゚)「お…おう?」
(;・(エ)・)「先輩、早くゾーン組んでくださいクマー!」
83
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:17:50 ID:EYE2P56o0
川 ゚ -゚)「オナニーのくだりはさておき、だ」
川 ゚ -゚)「奴らが前回よりも格段にディフェンスを強化してきたというのはあながち嘘でもないようだな」
(,,゚Д゚)「ああ…抜いたのに追いつかれるとは思わなかったぜゴルァ」
(,,゚Д゚)「だが」
(,,゚Д゚)「本当に恐れるべきはディフェンスじゃねえ、そこから生み出されるあの速攻だ」
川 ゚ -゚)「うむ。あそこまで無駄なくスピーディーに繋がれてしまっては私も追いつきようがない」
川 ゚ -゚)「基本的にはコーナーはフィニッシュポイントとして使うのがベターだと思うのだが」
(,,゚Д゚)「同感だ。お前ならともかく、俺らじゃすぐに囲まれてみすみす速攻をやっちまうようなもんだ、悔しいがな」
川 ゚ -゚)「自分の弱さを受け入れるのも一つの強さだ。冷静になってきたじゃないか」
(,,゚Д゚)「なんとかしてあいつらを顔面ホワイトプランにしてやりてえだけだよ。
リズムを崩してやることさえできればコーナーにも綻びが生まれてくるはずだ」
川 ゚ -゚)「オーケイだ、期待してるぞ。さあ一本だ」
84
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:19:04 ID:EYE2P56o0
――ダムッ…
( ´_ゝ`)(今の速攻はまさしく狙い通りだった。いくら今北の選手が俊足でもボールのスピードの方が上なんだからな)
(´<_` )(コーナーで動きを封じることさえできれば、どこに出たパスでも反応して様々なパターンから速攻を出せるように
練習は馬鹿みたいに積んできた!)
( ´_ゝ`)(このゾーンでは速攻で走る選手を固定しているわけじゃない…ボールをとった位置によってはセンターの俺だって
先頭を走るときもある)
(・(エ)・)(まさしく超攻撃的ゾーン…!でもそれが活きるのはディフェンスからなんだ、絶対にサボらないクマー!)
――キュッ…
川 ゚ -゚)(ずいぶん前に出てきたな…長いスリーを警戒しているのか)
川 ゚ -゚)(だが、その時点で既に振り回されているのだということに気付けないということさ)
85
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:19:53 ID:EYE2P56o0
川 ゚ -゚)「前に出過ぎだ一年生!それではゾーンの意味がないではないか!」
(・(エ)・)「よく言いますね!出てこなければ打つくせに!」
川 ゚ -゚)「ははっ!その通りだ!」
――ダムッ!
(・(エ)・)「ちっくしょ…!」
( ・∀・)「ドリブル一発で…!」
( ><)「一瞬でトップスピードに…!」
从'ー'从「お、珍しくまともなことを」
川 ゚ -゚)(まんまと挑発に乗ってくれるとはな。若い若い)
クマーをワンドリブルで抜き去ったクーはスリーポイント上で、ノーマークでシュートを放つ。
86
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:20:39 ID:EYE2P56o0
(#・(エ)・)「うあああああっ!」
――びしっ…
川 ゚ -゚)「むっ……!?」
(・(エ)・)(指先はかすったはずだクマー!落ちろっ……!)
( ´∀`)「クール君のシュートを止めた…!?」
('A`)「リーチの差が出たか!」
(=゚ω゚)ノ(あの時俺が一本も止められなかったクーのシュートを…!)
(,,゚Д゚)「リバウンドだーっ!」
<ヽ`∀´>(この軌道は……!)
/ ゚、。 /(これは……いくらなんでも無理だっ!)
――ダンッ…
ボールはリングとは大きく外れたコート外に着弾。ほぼ真上からコートに叩きつけられ、高く跳ねる。
87
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:20:58 ID:KIKH9V2EO
兄者w
88
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:21:57 ID:EYE2P56o0
――ピィッ!
審判「アウトオブバウンズ!白ボール!」
( ^ω^)「エアボール…?」
(´・ω・`)「あの7番…素直クールのシュートの特徴の一つは、尋常でなく高いアーチだ。それが裏目に出たね」
_
( ゚∀゚)「ほとんど垂直に近い角度でボールが落ちてきますもんね」
ξ゚⊿゚)ξ「あの軌道じゃあ、ほんのわずかな誤差でも、落下点には大きなズレが生まれることになるわね」
(*゚ー゚)「逆に言えばあの高すぎるアーチであの成功率を誇っていることがそもそもすごすぎるんだよね…」
89
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:23:03 ID:EYE2P56o0
(・(エ)・)「中学上がりたてだからって油断してるんですかクマー?」
川 ゚ -゚)「…はっ、言うじゃないか。いっちょ前にこの私を挑発するとは」
(・(エ)・)「挑発なんてものは対等に近い、もしくは格下が格上に使うものですよ?クマー」
川 ゚ -゚)「…ふん。だが、貴様の技術は認めざるを得ないようだ」
(・(エ)・)「それは光栄ですクマー」
エンドライン外からの今北のオフェンスで試合は再開される。ボールを出すのはクーだ。
ここはインサイドのニダーとダイオードの二人によるスクリーンプレーでニダーが確実にゴール下から得点する。
――うぉぉぉぉぉっ!いいぞいいぞニ・ダ・ー!いいぞいいぞニ・ダ・ー!正直迷惑!祖国愛!
<#ヽ`∀´>イラッ
90
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:24:25 ID:EYE2P56o0
<ヽ`∀´>「ところでゴール下が随分手薄になってるけど大丈夫ニダか?」
( ´_ゝ`)「くっそ…」
( ´_ゝ`)(こいつの体の強さは一体なんなんだ…?こんな力強かったかこいつ!?)
<ヽ`∀´>(田守監督の地獄の筋トレのおかげニダ…)
<ヽ`∀´>(不思議なもんニダ。最初はあんなに嫌だった筋トレも、鏡で自分の体を見て体つきの違いが実感できたり…
練習で体が強くなってきたのを実感できたりすると、どんどん楽しくなっていたニダ)
<ヽ;∀;>(田守監督には感謝してもしきれないニダ…)
(■_■)(あいつはすぐサボるし寮の規則も破りがちだったからな。あいつの大嫌いな筋トレを罰として与えていたのに、
いつの間にか自分から進んで筋トレするようになってた、生粋のドM…まあ結果オーライか)
今北ベンチ一同(心の声が聞こえたぞ……!この人やっぱかなり適当なんじゃないか…?)
(■_■)「ん、どうかしたか?」
今北ベンチ一同「いっ、いえ!」
91
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:26:42 ID:EYE2P56o0
( ´∀`)「今北のインサイド…強いモナね」
_
( ゚∀゚)「ああ…」
<_プー゚)フ「力だけじゃない、ってのが厄介極まりなさそうっすね」
(-_-)「エクストを投入してインサイドの充実を図るべきか…?」
(・▽・)「そしたらアウトサイドのギコさんやクーさんはどうするんだよ!」
(-_-;)「そ、それは…うーん…」
92
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:28:08 ID:EYE2P56o0
(・(エ)・)(インサイドのこの強さは予想外だったクマー…いくら有利な場所でボールを持ったからとはいえ
兄者さんから普通に点を取ってくるなんて…)
(・(エ)・)(だけど、それなら簡単な話クマー。事前の情報を消去するだけ。
『インサイドは弱いかも』なんて希望的観測は勝利の妨げでしかないクマー)
(・(エ)・)(そして心配するべきはそんなことじゃない…)
(,,゚Д゚)
(・(エ)・)(この4番クマー…いつまでそうやっておとなしくしているつもりクマー?)
(・(エ)・)(クマー…気をつけろよ。そして、頼むぞ…)
(´<_` )(あの4番は…ギコは!必ずその本性を現してくる!)
(・(エ)・)(わかってます、流石先輩。だからこそ今のうちにできるだけ点差をつけておきたい!だけど…突き放せない!)
(´・ω・`)(チーム力が本当に高くなっているね…やれやれ本当に厄介な相手だ)
93
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:29:07 ID:EYE2P56o0
´<_` )「クマー!こいっ!」
(・(エ)・)「はい!弟者さん!」
――ビッ…ばしっ
(´<_` )「っしゃ!」
クマーから左45°の弟者へパスが通る。
弟者はボールを持った瞬間に素早く左右にフェイクを入れる。
マッチアップの今北⑧はワンオンワンからのドライブを警戒し、体勢をぐっと低く構える。
今北⑧がドライブのフェイクにかからないと見るや、すぐさまシュートフェイクに。今北⑧はシュートを打たせないために、シュートチェック。
つられてジャンプをするような愚行は決して犯さない。
しかしシュートチェックのために腕を伸ばしたことによって生まれた僅かな隙間に、弟者は強引に体を割り込ませる。
今北⑧「くそっ…ファウルだろ!?」
(,,゚Д゚)(ギリギリだ…うめえなあの野郎!)
94
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:29:53 ID:EYE2P56o0
( ^ω^)「ファウルすれすれのプレーがちょいちょい目立つおね」
('A`)「それだけどっちもギリギリのところで戦ってるってことだろうな」
――パシュッ
――うぉぉぉぉぉっ!いいぞいいぞオ・ト・ジャ!いいぞいいぞオ・ト・ジャ!
「ラウンジもやり返したー!」
「すげえ!マジでどっちも一歩も引かねえ!」
「オフェンスでもディフェンスでも一進一退だ!」
その後、ラウンジ学園は固い守りの1ー3ー1ゾーンからの速攻、セットオフェンスからのコンビプレーにワンオンワンと
多彩なパターンから得点を重ねる。
しかし今北も全く引けをとらない。
クーのアウトサイドシュートにギコのワンオンワン、ニダー・ダイオードの連携プレーとこれまた多彩なパターンで得点を重ねる。
95
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:30:42 ID:EYE2P56o0
ここで特筆すべきはやはり今北のディフェンス力の高さだろう。
守りを重視するラウンジとは対照的に、今北はどちらかと言えば攻めを重視しているチームであった。
その今北も、新チーム・新体制を迎えるにあたってディフェンスをしっかりと鍛え込んできていたというのは
ラウンジにとって唯一の誤算であった。
試合は、ラウンジの堅い守りと今北の不器用ながらも強い守りが。
そしてラウンジの鮮やかな攻めと今北の力強く華麗な攻めが拮抗したままハーフタイムを終えた。
そしてその均衡は第3クォーターに入ってからも崩れなかった。
第3クォーター残り2分。
――ぱしゅっ
川 ゚ -゚)「うむ」
(;・(エ)・)(また……!)
今北産大附今北 69 - 66 ラウンジ学園
96
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:34:07 ID:EYE2P56o0
クーのスリーポイントで今北は同点の状況から脱出する。
ラウンジがディフェンスを変更してからはロースコアなシーソーゲームとなる。これは今北にとって完全な計算外。
試合運びとしてはラウンジが若干優勢だ。
ラウンジは弟ドライブから兄者へ絶妙なパスを捌き、そのまま兄者のポストプレーで加点。
さらに1-3-1ゾーンでのインターセプトに成功、瞬く間に速攻を決めてみせ連続得点。
すぐに再逆転に成功する。
その後の残り時間は双方のディフェンスが光り、無得点のまま第3クォーターは終了した。
――ビーーーーーッ!
審判「第3クォーター終了!2分間のクォーターブレイクに入ります!」
今北産大附今北 69-70 ラウンジ学園
97
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:35:15 ID:EYE2P56o0
从'ー'从「もうずいぶん長い時間競ってますねえ〜」
( ・∀・)「精神的な疲労もお互い相当なものだろうね。当然だがどちらも相手を引き離したい、しかしお互いに引き離せない」
――ラウンジベンチ――
(´<_` )「よおっし!」
( ´_ゝ`)「気持ち切らすなよ!このまま突っ走れ!!」
(;・(エ)・)ハァッハアッ
武藤「クマー…とにかく2分間休んでくれ。全力でだ」
(;・(エ)・)「ハアッ…は、はい……」
98
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:35:57 ID:EYE2P56o0
――今北ベンチ――
(,,゚Д゚)(なぜノリきれない…?これだけ緊迫してるゲームだってのに…!)
(,,゚Д゚)(不甲斐ねえ…マジでイライラするぜ、自分によお!!)
<ヽ`∀´>「おいギコ、いつまで余裕を…!」
川 ゚ -゚)「黙ってろエラ張り」
<#ヽ`∀´>「っ……!」
川 ゚ -゚)「貴様の言いたいことはわかる。だが、それを一番わかっているのはギコだ」
<ヽ`∀´>「…それは確かにそうニダ…けど!」
川 ゚ -゚)「田守氏も私と同じ考えのはずだ。だから彼もギコに何も言わないんだ」
<ヽ`∀´>「……わかったニダよ…」
(■_■)(腹減ったなあ…)
99
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:40:03 ID:EYE2P56o0
川 ゚ -゚)「試合の前の認識は改めるべきだろうな。彼らは、強い」
(,,゚Д゚)「……マネージャー」
今北マネージャー(男)「あ、ああ!どうしたギコ?」
(,,゚Д゚)「俺、いま何点?」
今北マネージャー(男)「ああ、えーっと…18点だな」
(,,゚Д゚)「くそ…少なすぎんだろちくしょ…」
川 ゚ -゚)「悔しいだの不甲斐ないだの思ってる暇があったら点を獲れ」
川 ゚ -゚)「それがお前の今の仕事だろう。ポジションを下げたのに得点力が落ちていては話にならん」
(,,゚Д゚)「そりゃそうだけどよ、わかってんだけどよ……」
川 ゚ -゚)「わかっていないだろう。デイフェンスではあの一年にいいようにやられて試合を壊した。
点を取るためにポジションを変えたのに特に点を獲っているわけでもない」
<;ヽ`∀´>(いやいや……)
/; ゚、。 /(クーさん…きっついこと言うなあ…)
100
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:41:11 ID:EYE2P56o0
( ^ω^)「えらい接戦だお」
(=゚ω゚)ノ「どう転ぶ…?」
('A`)「正直、ラウンジがここまで食らいついてるのは少し意外だな。いくらギコが大人しいとはいえ」
(´・ω・`)「同感だ。タレントは今北のほうが充実しているからね。ラウンジの組織力の賜物だ」
<_プー゚)フ「えーっと…?」
_
( ゚∀゚)「巨人VS中日、的な?」
( ´∀`)「あ、なんかちょっとわかりやすいモナ」
101
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:42:45 ID:EYE2P56o0
第6章 完
.
102
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:44:45 ID:EYE2P56o0
今回の投下は以上です。ありがとうございました。
それではまたノシ
103
:
名も無きAAのようです
:2011/10/24(月) 00:48:40 ID:KIKH9V2EO
乙乙乙
熱いな
104
:
名も無きAAのようです
:2011/10/26(水) 01:50:06 ID:6rwBOj16O
>>1
36章からはブーン系小説グループさんもまとめてるよ
ここの投下の分も、もう既にまとめてある
105
:
名も無きAAのようです
:2011/10/28(金) 17:47:06 ID:3c7RMdTg0
もう続きは見れないもんだと思ってた。
乙、続き楽しみにしてる。
106
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:02:25 ID:Bz1tY9M.0
>>104
情報ありがとうございます。
107
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:03:35 ID:Bz1tY9M.0
まとめサイト様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/140?mode=tree
第7章の投下を始めます。
108
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:04:37 ID:Bz1tY9M.0
第7章 決着、そして
.
109
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:05:23 ID:Bz1tY9M.0
最終クォーターが始まる。
両軍の選手がそれぞれ緊迫した表情でコートに入ってくる。
点差は、1点。
どちらに転んでもおかしくはない。
(,,゚Д゚)(そう、どっちに転んでもおかしくない)
(,,゚Д゚)(それはなぜだ?)
(,,゚Д゚)(簡単だ。俺が何の役にも立っていないからだ)
今北の得点は現在70点。
その内訳は、
クーが24得点。
ニダー・ダイオードがともに12得点ずつ。
今北⑧が4得点。
そしてギコ、18得点。
110
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:06:29 ID:Bz1tY9M.0
第3クォーター終了時で18得点という数字は決して少ないものではない。
そもそもガードというポジションが彼の仕事場だ。
しかし、彼は試合中しばしばゾーンに入る。
幾度となく爆発的な得点力を見せつけてきたギコであったが、それが一切ないこの試合で、彼は気づいていた。
ゾーンに入っている、あの感覚こそが彼にとっての最大の快感であったということに。
快感を味わえない試合。
その苛つきはことのほか大きく、それに加えてラウンジ学園の一年生選手、クマーの活躍ももはや妬ましい。
――ダムッ!
クーがドライブでゾーン内に進入、そしてすぐにアウトサイドのギコへとパスを捌く。
/ ゚、。 /「……!?ギコさんっ!」
(;,,゚Д゚)「えっ?…あっ!」
――ダンッ…
クーのパスは誰の手にも触れることなくコート外へ。
111
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:07:17 ID:Bz1tY9M.0
<#ヽ`∀´>「ギコ!何ボーっとしてるニカ!?」
川 ゚ -゚)「よせ、試合中だ」
――ダムッ…
(・(エ)・)(何があったのかわからないけど、とにかくこの4番は今ボロボロだクマー…)
(・(エ)・)(……この機、逃すべからずーっ!クマー)
――ダムッ!
クマーの鋭いドライブ。
一瞬でギコの横に並ぶ。
112
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:08:01 ID:Bz1tY9M.0
(,,゚Д゚)(くっそ、これ以上俺のところから行かせるわけには…!)
だが気持ちとは裏腹に、体はうまく動いてくれない。
ただでさえクマーが有利な体勢なのだ。
そんな状態で無理なディフェンスをするということは…
――ピィッ!
審判「ファウル!白4番!」
(#,,゚Д゚)「くっ…!」
113
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:09:22 ID:Bz1tY9M.0
('A`)「3つめ…か」
( ^ω^)「ラウンジも明らかにギコのところから崩しにかかろうとしてるお」
(=゚ω゚)ノ「最終クォーターでファウル3つならこのまま出しておくだろうなヨウ」
_
( ゚∀゚)「しっかしなんで交代させないんだろうな?正直、今日のギコのコンディションは悪いぞ」
( ´∀`)「彼の代わりを務められる選手がいないってことモナか…?」
(´・ω・`)「それもあるだろうね。だけどそれ以上に…みんな、ギコを信じているんだろう」
(´・ω・`)「チームメイトも、ベンチの選手も。そして…監督も。この逆境を、彼自身の力で乗り越えるんだ、と」
114
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:10:11 ID:Bz1tY9M.0
ファウルからラウンジボールで試合は再開。
しかし、ラウンジ学園のシュートは外れ、攻撃失敗。今北ボールとなる。
だが。
「今北…攻めきれない!」
「ラウンジの執念がやべえーー!」
「ショットクロックも残り10秒きってるぞ!」
( ´_ゝ`)(ミスの後の失点だけは絶対に避けなくてはならん!)
(´<_` )(こういうクロスゲームだとミスの後の失点が致命傷になり得る!気合だ…根性だ…!)
(・(エ)・)(ここは絶対に譲らないクマー!)
ラウンジメンバー全員が同じ意識を持ち、堅いデイフェンスを展開する。
今北は、ボールを回すことで手一杯といった様子だ。
115
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:12:33 ID:Bz1tY9M.0
そしてショットクロックの残りが3秒を示したところで――
川 ゚ -゚)「ダイオード、時間がない。勝負だ!」
右45度付近のクーから右ローポストのダイオードへとパスが通る。
( ´_ゝ`)(だーからっ!)
(#´_ゝ`)「そうはいかんざき!っつーの!!!」
――ビシッ
ダイオードがパスをキャッチした瞬間に兄者はダイオードの横に回りこみ、ボールをはたき落とす。
そしてそのボールはダイオードの大腿部に当たり、サイドライン方向へ。
ショットクロック、残り2秒。
/ ゚、。;/(しまった……!)
116
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:14:32 ID:Bz1tY9M.0
(,,゚Д゚)(くっそ、攻めきれなかったか…)
ボールは既にコート外の空中にある。
このまま落ちれば、アウトオブバウンズとなる。
ボールはダイオードの体に触れているので、アウトオブバウンズになればラウンジボールとなってしまう。
川 ゚ -゚)「ちいっ!」
クーがボールに跳びつく。
川 ゚ -゚)(届くか…?)
伸ばした右腕がボールに届く。
ショットクロック、残り1秒。
117
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:15:40 ID:Bz1tY9M.0
川 ゚ -゚)(ここから誰かにパスを出す時間はない…このままではヴァイオレーション…ならば、やることは一つしかない)
体は、空中。
クーの体を支えるものは何もない。
そんな状態で……
――びゅっ
('A`)「強引に…打った!?」
(=゚ω゚)ノ「いや、むしろ投げてるヨウ!」
(-_-;)「あれじゃあほとんどワンハンドパスのフォームじゃないか…!」
<_プー゚)フ「だけど…あの軌道は…!」
( ^ω^)「相変わらずの高いアーチ…狙いにいってるお…!」
( ´∀`)「まさかこれが…」
_
( ゚∀゚)「入っちまう、なんてことは…ねーよな…?」
118
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:16:54 ID:Bz1tY9M.0
――ビーーーッ!
ショットクロックのブザーが鳴り、24秒の経過を知らせる。
しかしシュートは放たれた。
長い滞空時間。
クーはコート外に転げ落ちる。
そのままごろりと体が回転するが、すぐに体勢を立て直し、ボールを見上げる。
川 ゚ -゚)(どうだ…?)
自らの放ったシュートの軌道を眺め、落下地点を予測する。
川 ゚ ー゚)「………ふっ」
自然と、笑みがこぼれた。
――パシュンッ!
119
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:18:21 ID:Bz1tY9M.0
――ウオオオオォォォォォオオッ!!
会場が、沸く。
今北産大附今北 72-70 ラウンジ学園
(;´_ゝ`)「……………っ!」
(´<_`;)「〜〜〜〜〜っ!」
(・(エ)・;)「まじ……クマー…?」
<ヽ`∀´>(なんて奴ニダ……)
/ ゚、。 /(すごい…。ホントにすごいぞこの人は…!)
120
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:20:01 ID:Bz1tY9M.0
(;^ω^)「入っ…た…」
('A`)「冗談だろ!?」
(=゚ω゚)ノ「あんな投げ打ちで入るわけが…!」
<_;プー゚)フ「マ、マグレに決まってるっすよあんなの!」
(´・ω・`)「確かに今のシュートはマグレかもしれない…が」
(´・ω・`)「あの崩れた体勢の中でも、彼は点を取ろうとしてあのシュートを打った。決めようと思い、打ったんだ。
たいしたものさ、あの状態でそんな意識を持てるなんて、ね」
121
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:21:06 ID:Bz1tY9M.0
川 ゚ -゚)(あれが入るとはな…随分とツイている)
川 ゚ -゚)(マグレであっても結果オーライ…いや、むしろマグレであるということの方が大きいな)
川 ゚ -゚)(「ツキはこちらにある」という印象を植え付けることができる。ラウンジにはもちろん…我々にも、だ)
(,, Д )(――――……)
(,, Д )(俺は何をしている?)
(,, Д )(クーがあそこまで体を張って…がむしゃらに得点しているのに…)
(,, Д )(何をしている…俺は…誰だ…?)
(,, Д )(俺は…)
122
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:22:24 ID:Bz1tY9M.0
川 ゚ -゚)「気合い入れて行けよ、エース。このディフェンスが肝心だ」
ぽん、とギコの肩を軽く叩く。
(■_■)(絶妙なノせ方だな…まったく。心でも読めているのか?)
――ダムッ…
(・(エ)・)「今のは忘れましょう!確実に一本!」
(・(エ)・)(この4番の所から仕掛けてみるか…?だけど僕の体力もちょっとそろそろきついクマー…どうする…)
123
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:23:48 ID:Bz1tY9M.0
(,, Д )(エース…か)
(,, Д )(ありがとよ、クー)
(,, Д )(ラウンジ学園…)
(,,゚Д゚)(俺らの…邪魔すんじゃねえっ!!!!)
――キュキュッ
(・(エ)・)(…抜きづらいクマー…ディフェンスが少し良くなってきたクマー。油断せずに…)
124
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:24:46 ID:Bz1tY9M.0
――ばしっ…
(,,゚Д゚)「どうした考え事かっ!?」
(・(エ)・)(んなっ…スティール!いつの間にっ!?)
(,,゚Д゚)「おおっ!!」
――ダムッ!
「ターンオーバーだ!」
「今北の速攻ーーっ!」
125
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:25:47 ID:Bz1tY9M.0
――ダダムッ!
(・(エ)・)(突っ込んできた…!)
(,,゚Д゚)「お前に俺を止められるかっ!?」
(・(エ)・)(ブロックできなくても…楽には打たせんクマー!)
――びゅっ…
(・(エ)・)「えっ…(パス…?)」
視線の先には。
川 ゚ -゚)
(・(エ)・)(7番……!)
126
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:27:28 ID:Bz1tY9M.0
(,,゚Д゚)「突き放すならここだ、そしてお前なら決める。…そうだろ?」
――ばしっ
川 ゚ -゚)「ああ」
――しゅっ…
「速攻からスリー…!」
「まさか連続で…!?」
「有り得るって!あの7番がノーマークで外すわけねえ!」
――ぱしゅんっ!
今北産大附今北 75-70 ラウンジ学園
127
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:28:17 ID:Bz1tY9M.0
――ビーーーッ!
審判「タイムアウト、紫!」
(・▽・)「第4クォーターが始まって1分も経ってないのにタイムアウトか……」
(-_-)「仕方ないだろうね、ラウンジは1点リードしていた状況を1分足らずで5点ビハインドにされたんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「それもあると思うわ、だけど…」
(*゚ー゚)「それだけじゃない、よね。たぶん…」
<_プー゚)フ「あの4番…っすか」
('A`)「だな。急にキレが戻ったように見えた」
(=゚ω゚)ノ「上から見てる俺たちでもわかったんだ…コートの上ではもっとはっきりわかっただろうヨウ…」
128
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:31:13 ID:Bz1tY9M.0
――ラウンジ学園ベンチ――
(・(エ)・;)「すみませんクマーっ!」
( ´_ゝ`)「なに、気にするな」
(´<_` )「このまま何事もなく終わってくれるかと思ったが…さすがにムシがよすぎたか」
武藤「エマージェンシー、ってやつだな」
ラウンジ監督(危ない流れを切るためにタイムアウトを取ったが…あの4番が‘あの‘爆発的な得点力を発揮してきたとしたら…
一体どう指示を出せばいい!?くそ…これだけ監督をやってきておいて、何も的確なことを言ってやれないなんて…!)
129
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:33:44 ID:Bz1tY9M.0
( ´_ゝ`)「ディフェンスだ」
( ´_ゝ`)「相手が何をしてこようが、ギコがばしばしシュートを打ってこようが、俺たちのやることは決まっている」
(´<_` )「俺たちはラウンジ学園のプレーヤーだ。誇りを持ってディフェンスしよう。そして、誰であろうと止めてやろう」
(・(エ)・;)(残り9分間…あの4番を相手に脚が動いてくれるのか…!?)
( ´_ゝ`)「いいか!?やることは一つだ!集中していくぞ!」
( ´_ゝ`)「円陣組むぞ!ラウンジーーーーーーーーーーーッ!!」
ラウンジ一同「ディーーーーーフェンッ!!」
130
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:36:37 ID:Bz1tY9M.0
――今北ベンチ――
(,,゚Д゚)「ふうー……」
川 ゚ -゚)「ずいぶん遅かったな」
(,,゚Д゚)「ああ、待たせたな」
――ぱんっ
静かに、ハイタッチを交わす。
(■_■)「ギコ、いい知らせと悪い知らせがあるぞ」
(;,,゚Д゚)「……悪い知らせからお願いしますw」
(■_■)「ここまで競る試合となった原因になったのはお前だ。要するに、皆がしんどいもヒヤヒヤさせられたおかげで
私の血圧が上がってるような気がするのもぜんぶお前のせいだ」
(,,゚Д゚)「…はい(監督なのにこんなこと言っていいのか…?)」
(■_■)「さて、そしていい知らせのほうだが…」
(■_■)「お前はプレイヤーとして一つの壁を越えた。あえてお前を交代させなかったのもそのためだ。
本来ならこんなことは今言うべきではないが…よく乗り切った」
131
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:37:21 ID:Bz1tY9M.0
川 ゚ -゚)「皆に言っておくことがある」
川 ゚ -゚)「さっきの私のシュートだが、あれはマグレだ」
(;,,゚Д゚)(そうだったの!?)
川 ゚ -゚)「だが、運というのも案外馬鹿にできないものさ。流れはこちらにある、ということなのだからな」
川 ゚ ー゚)「この試合、このままもらうぞ」
(■_■)「よし、何も言うことはない。今のお前たちに敵うやつなどいない。全力で蹴散らしてこい!」
今北一同「はいっ!!!!!」
――ビーーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト終了です!」
132
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:38:44 ID:Bz1tY9M.0
(,,゚Д゚)「よう」
(・(エ)・)「……なんですか」
(,,゚Д゚)「敵に言うのもなんだが…ありがとよゴルァ」
(・(エ)・)「…はい?」
(,,゚Д゚)「おかげさまですげぇいい気分だ。そしてすまねえな」
(,,゚Д゚)「長い前座になっちまったが、ここからは俺の時間だ」
(,,゚Д゚)「どうか残りの2戦、全力で戦ってくれ」
(・(エ)・)「…うちは負けませんよクマー」
133
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:39:32 ID:Bz1tY9M.0
――びっ…
クマーからハイポストへのパスが出る。
パスを受けたのは兄者。
ダイオードに体を上手く当てられ、ポストプレーに持ち込むのは難しい。
そう判断するや否や、外角の弟者へボールを捌く。
そして自身はパスランを試みようとするクマーをフリーにすべく、ギコへとスクリーンをかける。
(,,゚Д゚)「ファイトオーバーだゴルァ!」
クマーと兄者の狭い間を強引に通過し、弟者からのパスは通させない。
( ´_ゝ`)(それだけだと、思ったか?)
すぐさまスクリーンの構えを解き、ハイポストでポストアップ。
弟者はハイポストへ高めのパスを出し、すぐにパスランをする。
134
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:40:41 ID:Bz1tY9M.0
しかし――
/ ゚、。 /「読まれていないとでも、思いましたか?」
ローポストから飛び出してきたダイオードがこれをインターセプト。
(;´_ゝ`)「なんだとっ!?」
「流石兄弟が……!!」
「止められた!?」
「なんだあの14番は!一年生?冗談だろ!」
/ ゚、。 ;/(正直、ヤマカンで飛び出したんだけどね…)
/ ゚、。 /(だけどさっきクーさんが言っていた通り…確かにツキがある!このまま一気に流れに乗らせてもらう!)
135
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:42:43 ID:Bz1tY9M.0
/ ゚、。 /「速攻!」
川 ゚ -゚)「ダイオード、出せ!」
/ ゚、。 /「はい!」
――ビッ…ばしっ
ダイオードがパスをインターセプトするや否や、ギコが一気に速攻の先頭を駆け上がる。
そしてクーはカタカナの「ノ」を逆からなぞるコースで中央へとボールサイドカット。
ダイオードからパスを受け、速攻を繋ぐ。
川 ゚ -゚)「ギコ!」
(,,゚Д゚)「おおっ!」
――びゅっ…ばしっ
そしてクーからフロントコートのギコへスピードのあるパスが通る。
136
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:43:27 ID:Bz1tY9M.0
――キュキュキュ!
(・(エ)・;)「行か…せるかっ!」セ゛ェセ゛ェ
(,,゚Д゚)「(これに追いついてくるか…)やるじゃねえか!だがヘバってきたんじゃねえか!?」
――ダムッ!
パスミートにより勢いのある状態からの鋭いドライブ。
(・(エ)・)(右…!動けよ僕の脚っ!!)
――がくん
(・(エ)・;)「!?」
(,,゚Д゚)「もらったぁっ!」
――どすんっ
(・(エ)・;)「痛っ…」
クマーを抜き去り、レイアップの体勢に入るギコ。
そして踏ん張れず、派手に転倒するクマー。
――ザシュッ
137
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:45:23 ID:Bz1tY9M.0
(・(エ)・)「く……っそ」
(,,゚Д゚)「無理はやめろ。膝、笑ってんぞ」
(・(エ)・)「…まだまだ、いけますよ」
(,,゚Д゚)「…手加減しねえからなゴルァ」
――ダムッ!
「また今北の速攻だ!」
「ラウンジにゾーンを組む時間を与えねえ!」
「あの4番、ドライブが鋭いだけじゃない、…強いっ!」
138
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:46:46 ID:Bz1tY9M.0
――きゅきゅっ
(・(エ)・)(ミドルシュート…!)
――ずだっ
(・(エ)・)「チェーーック!」
――がくんっ
(・(エ)・;)(跳べない…?)
(・(エ)・)(くそっ…腕だけでも!とにかくシュートコースを塞ぐんだ…)
自身のリーチの長さを活かし、跳べないまでも必死に腕を伸ばしてシュートチェックを試みる。
(,,゚Д゚)「甘ぇっ!」
――しゅっ…
(・(エ)・)(フォームがめちゃくちゃだ!リバウンドを…)
――バスッ
(・(エ)・;)「……………!?」
139
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:47:42 ID:Bz1tY9M.0
<_;プー゚)フ「あれが決まんのかよ…」
_
( ゚∀゚)「左手で13番のチェックを押しのけながら右腕だけでシュート…」
( ´∀`)「僕たちインサイド陣がよくやるやつモナね…」
(=゚ω゚)ノ「そのプレーをミドルレンジで…」
('A`)「ていうか指がまともにボールにかかってなかったぞ…よくあれでまともなシュートにできたな…」
( ^ω^)「信じられんお」
140
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:49:15 ID:Bz1tY9M.0
(・(エ)・)「くそ…(脚が…軽い…?フワフワするぞ…)」
( ´_ゝ`)「クマー、もういい。よくがんばってくれた」
(・(エ)・)「兄者さん…!?何言ってるんです、僕はまだいけますって!」
(´<_` )「悔しいが、あいつの…ギコの言う通りだ。あと2戦ある。お前に壊れてもらうわけにはいかない」
(・(エ)・)「弟者さん…でもっ!」
( ´_ゝ`)「そんでもって、お前を下げるからといって試合を投げるわけじゃあない。
そして俺達の目的は今北を倒すことじゃない、インターハイに行くことだ。安心して休んでくれ」
(・(エ)・)「流石先輩……」
――ビーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ!紫!」
(。(エ) )「あとは…頼みます。クマー」
141
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:50:31 ID:Bz1tY9M.0
限界を迎えたクマーに代わり、ラウンジ学園は二番手のポイントガードを投入する。
技術も体力もある選手であったが、それでも今のギコを抑えることは難しかった。
そして……
――ビーーーーーッ!
審判「試合終了!スコア通り、白!」
終わってみれば、103-84と圧倒的な点差で今北が勝利を収めた。
圧巻だったのは、やはりギコだ。
第4クォーターだけで19得点・4アシストという、怪物じみた成績を残したのが印象的だった。
142
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:51:59 ID:Bz1tY9M.0
――今北ベンチ――
(*,,゚Д゚)「おっしゃあ!」
<*ヽ`∀´>「初戦圧勝ニダ!」
/* ゚、。 /「このまま突っ走りましょう!」
川 ゚ -゚)「まったく…まあよしとしようか」
――ラウンジ学園ベンチ――
(・(エ);)「先輩方!監督!…すみませんでしたっ!」
( ´_ゝ`)「頭を上げてくれ、クマー。お前は悪くない」
(´<_` )「不甲斐ない3年生で本当にすまん…残りの2試合、もう少しだけ…俺達についてきてくれ!」
( ´_ゝ`)「阿凡高校にVIP高校…もう一試合も落とせない。絶対に…勝つ!」
(・(エ)・)「…はいっ!」
143
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:52:53 ID:Bz1tY9M.0
('A`)「強いな…今北」
( ^ω^)「あれが一週間後の僕らの対戦相手…」
_
( ゚∀゚)「もう何遍も負けてるんだ、全国への切符はいい加減俺たちがもらうぜ」
(=゚ω゚)ノ「…帰って練習するヨウ!」
( ´∀`)「そうモナね、体が疼いて仕方ないモナ」
(´・ω・`)「そういうと思ったよ。体育館はとってある。さあみんな、学校に帰ろうか」
.
144
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:54:04 ID:Bz1tY9M.0
――VIP高校体育館――
('A`)「ふぅ。よし、そろそろ上がるか」
('A`)「ショボン先生、お願いします!」
VIP一同「お願いします!!」
(´・ω・`)「うん、お疲れさま」
(´・ω・`)「さて、決勝リーグの残り2戦は来週の土日を使って行われるわけだが」
('A`)「土曜日に今北戦、日曜日にラウンジ戦…か」
(´・ω・`)「セリフとらないでよ…」
('A`;)「スンマセン…」
( ^ω^)「やるしかない、お!」
(´・ω・`)「いい心構えだ、内藤くん」
145
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:55:09 ID:Bz1tY9M.0
(´・ω・`)「早速だが作戦を発表しよう」
(=゚ω゚)ノ「作戦…?」
(´・ω・`)「確実に勝つための作戦だ。まずはラウンジ対策から」
(´・ω・`)「1-3-1ゾーンの厄介さは今日見た通りだ。コーナーに不用意にボールを回すことのないようなパス回しを
意識しよう。そしてセットオフェンスではインサイドから崩したい」
_
( ゚∀゚)「俺らか…」
( ´∀`)「シューターの皆がやりやすいように、僕らで点を取ってゾーンを縮めさせる必要があるモナね」
<_プー゚)フ(中でひきつけて外に捌く…俺にぴったりじゃねーか!)
(´・ω・`)「そして、今日の今北が終盤でやってのけたことをうちもやりたいところだ」
ξ゚⊿゚)ξ「ターンオーバーからの速攻を狙いにいく、ということですか?」
(*゚ー゚)「確かにいくら強いゾーンでも組むことができなければ意味がないですもんね」
(´・ω・`)「その通り。いくらラウンジのゾーンが厄介であるとはいえ、やることは基本的にはいつも通りさ」
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