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( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
1
:
名も無きAAのようです
:2011/10/10(月) 21:30:37 ID:6njKUImk0
まとめサイト様(現在停止中?)
http://vipteam.blog74.fc2.com/
覚えてくれている人がいたら、お久しぶりです。今まですみません。
覚えていない人、知らない人はよろしくお願いします。
182
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:06:04 ID:alq1PSD60
――ばちんっ
(;^ω^)『おっ…』
(´・ω・`)『不用意にボールを止めない。スティールしてくれと言わんばかりの無防備さだよ』
( ^ω^)『……もう一本!ですお!』
――ダムッ!
――キュキュっ!
――どかっ!
(;^ω^)『ゲェーッ!?いつの間に前に!?』
(´・ω・`)『オフェンスファウル、だね』
(´・ω・`)『今度はボールに意識が行きすぎてるよ。ボールの扱いに意識が向いているようじゃまだまだだ』
183
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:07:27 ID:alq1PSD60
('A`;)『レベルが…違いすぎる』
(;=゚ω゚)ノ『ショボン先生…何者なんだヨウ…』
_
(;゚∀゚)『まるで初心者VS経験者じゃねーか…』
( ^ω^)(抜けないなら…!)
(´・ω・`)『抜けないならシュート、だろう?』
――ばちぃっ!
(;^ω^)『!!』
(´・ω・`)『我ながらナイスブロック、だね』
( ^ω^)『これじゃ力の差がありすぎて…逆に練習にならないんじゃ…』
(´・ω・`)『やれやれ、もう弱音を吐くのかい?』
184
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:09:30 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)『これはある意味、荒療治ともいえる』
(´・ω・`)『内藤くん、一年生のときと比べれば君は確かに上手くなった。順調に成長しているさ。
だけど今北やラウンジに勝つためにはそれじゃ足りないんだ。もっと爆発的な何かが必要なんだよ。
…君には、ここいらで一つの壁を超えてほしい』
(´・ω・`)『シンプルな話だけど、もっと速く。もっと強く。そして…もっと上手く。ね』
( ^ω^)(確かにショボン先生は僕なんかより何倍も上手いお…)
( ^ω^)(だけど…だからこそ!ショボン先生から少しでも技術を盗むんだお!)
( ^ω^)(スピードだけなら…負けてないはず、だお。だったら…!)
――ダムッ!
(#^ω^)『スピードで勝負っ!だおーーーー!』
(´・ω・`)『はい、またボールがお留守』
――ばしっ
( ;ω;)『おーーーーーーーん!!』
185
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:11:05 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)『うーん…よし、じゃあこうしよう』
(´・ω・`)『しいさん、ちょっといいかな』
(*゚ー゚)『はい、なんですか?』
(´・ω・`)『ちょっと体育倉庫についてきてくれるかな、探したいものがあるんだ』
(*゚ー゚)『あっ、はい!わかりました』
.
186
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:13:59 ID:alq1PSD60
『あ、あったあった』
『探し物ってこれですか?一体何に使うんですか?』
『簡単だよ。しいさん、いいかい?僕の言う通りに…ゴソゴソ』
『はい!えっと…こうですか?ゴソゴソ』
『そうそう、そんな感じで。あ、もう少しきつめに頼むよ。ゴソゴソ』
『す、すみません!…こんな感じですか?ゴソゴソ』
『おうっ!そう!そうだ!そんな感じだ!ハァハァ…』
『先生!大丈夫ですか?んっ…苦しそうですけど…ゴソゴソ』
『んっ…はぁ、大…丈夫…だよ。ハァハァ』
.
187
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:16:57 ID:alq1PSD60
( ^ω^)『一体何をしてるんだお?』
('A`)『男と女が体育倉庫で……ハッ、マサカ!』
(=゚ω゚)ノ『ショボン先生に限ってそれはないんじゃないかヨウ…?』
_
( ゚∀゚)『……確かにwww』
(´゚ω゚`)『ふー、お待たせ』
VIP一同(なんか亀甲縛りのおっさん出てきたーーーーー!)
(*^ー^)『上手だ、って褒められちゃった!』
ξ#゚⊿゚)ξ『教え子に何やらせとんじゃーーーーいっ!』
(´゚ω(#`)『ゴエエエエエエエエエエエエエッ!』
(´・ω(#`)『ツンさんすまない。とりあえずもちついてくれ。痛いから。ほんとに痛いから。
得点板で殴るのだけはやめてくれ。重いでしょ、下ろしなさ…下ろしてください』
188
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:19:33 ID:alq1PSD60
(´・ω(#`)『とりあえずハンデだ、内藤くん。第一関門ともいう』
(´・ω(#`)『ご覧の通り僕は両腕が使えない。いろんな所がこすれて満足に動けない。
この状態でディフェンスをしよう』
<_プー゚)フ『両腕を縛られた状態でディフェンス…!?』
( ´∀`)『タマタマにも刺激がくるモナ!』
(-_-)『さすがにそれは…』
(´・ω(#`)『大丈夫さ。この状態で、たぶんようやくいい勝負だ。それに…』
(´・ω(#`)『これでも、その辺の高校生より上手い自信はあるよ』
( ^ω^)(すごい自信だお…でも全然キマってないお)
189
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:20:30 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(まあそれはおいといて)
( ^ω^)(ショボン先生に限ってナメている、ってことはなさそうだお…だから悔しいけど、
これが現実なんだお)
( ^ω^)(…となったら僕のやることは一つ!まずはハンデなしで相手をしてもらえるようにする!
それだけだお!)
.
190
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:22:09 ID:alq1PSD60
( ^ω^)『ところで』
(´・ω・`)『ん?』
( ^ω^)『わざわざ亀甲縛りにする意味はあるんですかお?』
(´^ω^`)『ないよ。ただの趣味さ』
( ;ω;)『変態だーーーーーーーーーっ!!!』
―――――――――――
191
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:23:13 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(今日で特訓は3日目…)
(;^ω^)(だけどまだショボン先生の亀甲縛りを解くまでには至ってないお。それどころかまだ一本も決められていないお…)
――キュキュッ!
(´・ω・`)
( ^ω^)(ドライブを仕掛けても全部前に回り込まれちゃうお…)
( ^ω^)(しかも全部、胴体の正面で受け止められてるお…。つまり、まだまだ余裕を持って守られてるってことだお)
( ^ω^)(ドライブから急ストップでジャンプシュートをしようとしても…!)
(´・ω・`)「…っ!」
――きゅっ!
(;^ω^)(すぐに距離を詰められてベッタリ張り付かれるお…これじゃあ膝を曲げられないからシュートができない…!)
192
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:24:05 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「だから正直すぎるんだってば、内藤くんのプレーは。とりあえず、フェイクがフェイクでしかない」
(;^ω^)「???」
(´・ω・`)「形だけのフェイクになってしまっている、ってことさ。中途半端なんだよ」
( ^ω^)「????」
(´・ω・`)「うーん、言葉で伝えるのはやっぱり難しいかな。それじゃあ例えば、だ。ボールを持ってみてくれ」
( ^ω^)「はいですお」
(´・ω・`)「その状態から、左にワンフェイク入れてから右に抜いてみてくれ」
( ^ω^))「はいですお」クイッ
(´・ω・`)「ストップ、そこだ」
193
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:24:49 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「例えばだよ、内藤くん。実際に試合中、君がドライブを仕掛けるとしよう」
(´・ω・`)「そして今のように左にワンフェイクを入れるとしよう」
(´・ω・`)「だがもし、そのとき相手の左側に隙があったとしたら?隙があるなら抜くべきだよね?」
(´・ω・`)「しかし小さいフェイク…それも、今のように『攻める意志のないフェイク』ではそういった隙も突けない」
(´・ω・`)「シュートフェイクだってそうさ。形だけのシュートフェイクじゃあ意味がない。
シュートフェイクを入れて、そのとき相手に隙があれば迷わずシュートを打てばいい」
(´・ω・`)「実際に『シュートを打たれるかもしれない』、『ドライブで抜かれるかもしれない』、そうやって相手に
プレーの残像を刷り込ませることでフェイクは活きてくるんだ」
(´・ω・`)「常に攻め気を忘れないようにしよう。君はフォワードなんだからね」
( ^ω^)「はいですお!」
194
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:27:39 ID:alq1PSD60
――ガラガラ…
('A`)「はよーーっす」
( ´∀`)「おはようモナー」
( ^ω^)「おっ!ドクオ、モナー!おはようだお!」
('A`)「おう、しっかし早いな…まだ7時だぞ?」
( ´∀`)「すごい汗モナ…一体何時からやってるモナ?」
( ^ω^)「最近は4時起きだお!ランニングして、VIP公園でハンドリング練習とドライブ練習、シュート練習してから
ショボン先生に挑んでるんだお!」
(´・ω・`)(どおりで…)
195
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:28:27 ID:alq1PSD60
――ガラガラ…
(=゚ω゚)ノ「うーーす」
_
( ゚∀゚)「おうブーン!今日もショボン先生を縛ったのか!?ww」
( ^ω^)「ちょwwwww」
( ^ω^)(他に縛る人がいないから仕方ないんだお…さすがのショボン先生も自分で自分を縛るのは無理だし…)
(´゚ω゚`)「だいぶ短時間で縛れるようになってきたよね」ムクムク…
( ^ω^)「やめてください」
('A`)「っし、俺らは俺らで練習すっぞー」
(=゚ω゚)ノ「おう!」
・
・
・
・
・
196
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:29:29 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「早いところ亀甲縛りを解けるような状況にしてほしいところだね。これじゃあずっと内藤くんのオフェンスだから
いつまで経ってもディフェンスの練習ができないよ?」
( ^ω^)「はいですお!」
( ^ω^)(冷静に考えるんだお…!)
現状、ショボンは両腕を使うことができない。
よって、ブーンを止めるには真正面に回りこみ、胴体を使って止めるほかに手段はない。
――ダムッ、ダムッ!
(´・ω・`)(……おっ、テンポを変えてきたな)
( ^ω^)(クロスオーバーの左右への振り幅を速く、大きく…)
( ^ω^)(かつ、ドリブルは強く、低く…)
( ^ω^)(隙が左右のどちらに生まれてもすぐに反応できるように集中!)
( ^ω^)(目線も一箇所に集中させないお。隙あらばシュートにいけるように…)
197
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:31:37 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(そして…!)
( ^ω^)「勝負っ!だおっ!」
――ダムッ!
(´・ω・`)「右!だから甘いってb…」
――ぎゅっ
( ^ω^)「かーらーのぉっ!」
――しゅっ
(´・ω・`)「…フェイドアウェイ…!」
198
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:33:38 ID:alq1PSD60
――がつんっ
(;^ω^)「あう…入らんお…」
(´・ω・`)「内藤くん」
(;^ω^)「おっ…すみません、入りませんでしたお…」
(´・ω・`)「これ。ほどいてくれるかい?」
( ^ω^)「……え?」
(´・ω・`)「今のでいいんだよ。ワンオンワンで大切なのは、相手を抜き去ることじゃあない」
(´・ω・`)「一発で置き去りにできるならそれが一番さ。ノーマークでゴール下まで行くことができれば
シュートも簡単だ」
(´・ω・`)「だけど試合ではそうは行かない。簡単に相手を置き去りにするなんてよほどの実力差がなければ出来ない。
そして抜いたとしてもヘルプが来るのが自然だ」
(´・ω・`)「大切なことは、少しでも高い確率で決められるような状況でシュートを打つことだよ」
(´・ω・`)「それに気づくのに3日かかるとは…」
(;^ω^)「あう…すみませんお」
199
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:35:11 ID:alq1PSD60
<_プー゚)フ(…つーか、なんで誰もアドバイスしてしてあげなかったんすか?)ヒソヒソ
(=゚ω゚)ノ(ばっか、俺らが教えてもなんも意味がねーだろーがヨウ)ヒソヒソ
('A`)(あいつが、自分自身で感覚を掴むしかないんだよ)ヒソヒソ
<_プー゚)フ(ア、ナルほど)ヒソヒソ
200
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:36:07 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「おっし、こっからが…」
(´・ω・`)「続きは放課後、だね」
( ^ω^)「え?」
(´・ω・`)「時間、時間」
――ちーんぽーんかーんとーん…
(;^ω^)「ハッ!これは間違いなく予鈴!」
( ^ω^)「てか、え?みんなは?」
(;^ω^)「えっ!いねえし!」
201
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:38:32 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「もうみんな切り上げて教室に向かったよ?」
( ^ω^)「あんの薄情者どもがあああああっ!」
(´・ω・`)「ちゃんと声かけてくれてたよ、君は気づいていないようだったけど」
( ^ω^)「気づいてたなら教えてくださいおwwwwww」
(´・ω・`)「ほらほらしゃべってる暇があったら急ぐ」
(´゚ω゚`)「遅刻するようなことがあったらおしおk…(;^ω^)「お疲れさまでしたおおおおおおおおおお!」
(´・ω・`)「やれやれ、まったく」
202
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:39:48 ID:alq1PSD60
教師「…つまりここでバルキスの定理が使えるわけだな」
('A`)「ふああ…・・・」
('A`)(最近は朝練もハードにやってるから眠いな…ちょっとだけ寝ちまおうかなあ…)
('A`)(ブーンのやつは…あれ、そういや最近あいつ居眠りしてないな)
(◎^ω^)「…………ブツブツ」
('A`)(イヤホンに…携帯か。音楽でも聴いてんのか?授業聞けよなまったく…)
(◎^ω^)(右、左、右、右…わかりやすいのだけでこんなにフェイクを…あっ、なるほど、斜め後ろに
ステップバックするのもありだおね…)
(◎^ω^)(文明の進歩はすばらしいものだおね、こうやって携帯で動画サイトも観られて…)
ブーンが見ていたのは動画共有サイト。
ワンオンワンのイメージトレーニングのために、いろいろな選手のプレーを何度も何度も見返していたのだった。
203
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:41:34 ID:alq1PSD60
教師「内藤くん」
(◎^ω^)(おおっ!このドライブインは使えそうだお!)
教師「……内藤くん?」
(◎^ω^)(しかしずっと動画再生してるから電池がすぐなくなるお…)
教師「ナイトオオオオオオオオオッ!!!」
(◎;^ω^)「はあああああああああああああいっ!?」
教師「…携帯、没収ね。放課後、職員室に取りに来なさい」
( ^ω^)「ごめんなさいですお……」
('A`)(あーあ、あのばかww)
教師「鬱田ぁ!お前もよそ見してるんじゃあないっ!」
('A`)「フヒヒwwwwサーセンwwwwwコポォwwwww」
教師「きめぇ…」
204
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:43:17 ID:alq1PSD60
――放課後。
('A`)「っし、いったん締めるぞ!個人練習に入ってくれ!」
・
・
・
・
・
( ^ω^)「ふっ!」
――しゅっ…
( ^ω^)(これはいい感じだお!)
――がしゅっ
( ^ω^)(おっし!)
205
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:45:16 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!
ξ゚⊿゚)ξ「アーチが低い!リングの奥側に当たってるじゃないの!あれじゃあちょっとズレただけで
リングに嫌われるわよ!スリーポイントはあんたが思ってる以上に繊細なんだからね!」
( ^ω^)「おっ…すまんお…もう一本!」
( ^ω^)「ほっ!(アーチを高く!)」
――しゅっ
(;^ω^)(あっ…)
――がつっ
206
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:47:15 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!
ξ゚⊿゚)ξ「今度はジャンプが低い!それに体が流れてる!そんなんで入ると思ってんの!?」
( ^ω^)「うっ…すまんお」
現在ブーンの行っているシューティングは少々特殊なものだ。
きたるべき今北戦に備えた作戦は、「最初の一本を速攻に持ち込み、ブーンが左コーナーからスリーポイントを放つ」というもの。
よって、そのための練習を考えた結果、このような形式で行うことにした。
( ^ω^)「もう一本だお!」
ハーフライン付近でスタンバイ。
ξ゚⊿゚)ξ ピッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「ゴーーーーッ!」
ホイッスルを合図に、スタート。
試合開始直後の速攻をイメージしたものだ。
207
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:47:39 ID:ApkIiL0YO
まじかよ本物?
wktk
208
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:48:15 ID:alq1PSD60
一年「内藤さん!」
そして速攻のタイミングでパスを出し…
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
左コーナーでキャッチ。そのままシュートを放つ。
可能な限り試合と同じ状況を作ろうという試みだ。
そして……。
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!
ξ゚⊿゚)ξ「あんたバカ!?今のが速攻のダッシュ!?ちんたら走ってんじゃないわよ!」
(;^ω^)「おっ…」
ξ゚⊿゚)ξ「それから!速攻なんだからちゃんとサイドラインまで広がって走りなさい!疲れてるのはわかってる!
だけどここで手を抜いてたらなんにも身につかないわよ!」
( ^ω^)「了解だおっ!」
シュートのフォーム、ボールの軌道。
そして走る際のスピードやライン取りにまで厳しくチェックが入る。
209
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:49:02 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ「さあ!もう一本!」
ξ゚⊿゚)ξ ピッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」
一年「内藤さん!」
――びっ…
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
( ^ω^)(スピードがついているせいで体が流れていきそうになっている…そのベクトルを!…膝を使って全て下へ!)
ξ゚⊿゚)ξ(よっし!いい感じ!膝もよく曲がって…)
( ^ω^)(溜めた力を…伸び上がる力も利用して一気に上へ!そしてその勢いをそのままボールに伝えて…!)
210
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:49:54 ID:alq1PSD60
(=゚ω゚)ノ「でいっふぇーんす、だヨウ」ピョン
(;^ω^)「んおおおおっ!?」
――がつっ…
.
211
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:50:58 ID:alq1PSD60
(;^ω^)「イイイイイイイイヨウ!?いきなりなんなんだお!?邪魔しないでくれおー!!」
(=゚ω゚)ノ「本番じゃあ相手がチェックに入ってくることだって十分にあり得るヨウ?そういうこともイメージしてやんなきゃヨウ」
( ^ω^)「おっ…(そうだったお…)」
・
・
・
・
・
・
・
・
(;^ω^)ゼーッゼーッ
――PM9:12
.
212
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:51:52 ID:alq1PSD60
(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」
ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」
( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」
一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」
( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」
( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」
( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」
ξ゚⊿゚)ξ「付き合うわよ」
( ^ω^)「ありがとだお」
213
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:53:03 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「しっかしなかなかハードなシューティングだお…」
ξ゚⊿゚)ξ「そうねえ…でも『一発目を作戦通りに決める』ことに関しては最適な練習だと思うわよ」
( ^ω^)「もう試合まで数日しかないのに…課題は山積みだお」
ξ-⊿-)ξ「大変ねえ…ヘタクソなのも」
( ^ω^)「…だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「いっ!今のは違うのよ!?ブーンがヘタクソって言いたいんじゃなくて!このチームの中では
ヘタクソって意味よ!?ドクオはほんとにすごい選手だしイヨウのスリーはすごいしモナーの
ポストプレーは安定感があるしジョルジュの身体能力だってすごいしヒッキーやトラオは
燻し銀的な選手だしエクストに至ってはルーキーだなんて思えないし!
チームのメンバーの中ではイマイチだけど県ベスト4のチームのメンバーなんだから!
中の上的な実力は持っていると思うわよ!?」
( ^ω^)「結局ヘタクソって言ってるじゃないかおwww」
ξ;゚⊿゚)ξ「いっいやっだからそういう意味じゃなくて!えっとえっと…!」
( ^ω^)「…いいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…え?」
214
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:54:44 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「今回の作戦は…何度考えてもやっぱり僕が一番適任なんだお」
( ^ω^)「今北がイヨウのスリーを警戒してくるのは考えなくてもわかるお。
ドクオもあまりスリーを打つタイプじゃないけど、ギコにマッチアップされたら簡単には狙えないお」
ξ゚⊿゚)ξ「…だから、ブーンが打つことになったんでしょ?」
( ^ω^)「『イヨウ以外の選手がスリーを打つ』…という条件だけでなら、エクストでもよかったはずだお。
むしろ…エクストの方が僕よりスリーが入るんだからピシャリなはずだお」
( ^ω^)「だけど、エクストが全国大会を経験している選手だってことは今北も調べてあるだろうし…
今までの試合のビデオなんかを観ても、エクストが只者じゃないってことは一目瞭然だお」
( ^ω^)「エクストを今までスタートで起用した試合はないお。そんな中、いきなりエクストがスターティングで
出てきたら…『何かやってくるのかもしれない』って警戒されちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「……『かもしれない』の可能性すらも消すために、ってことね」
( ^ω^)「だお」
215
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:56:41 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「今回の作戦では…スターティング5人の中で一番へたっぴな僕が、初めてみんなの力になれる試合に
なるかもしれないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに、今北のディフェンスにブーンを意識させることができれば、だいぶ攻めやすくなるでしょうね」
( ^ω^)「だお!僕はいつもいつもみんなに助けられてばかりだったお!これで最後の夏だお…最後くらい!」
( ;ω;)「最後くらい…一回くらい…僕は…みんなの力に……エグッ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっといきなり泣かないでよ…!」
ξ゚-゚)ξ「……ふぅ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、聞いて」
( ;ω;)「お?」
216
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:57:54 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ「あんたは、自分を役立たずだと思ってるようだけど、それは違うわよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あんまりダラダラ長ったらしく言うのも嫌いだから、率直に言うわね」
ξ゚⊿゚)ξ「このバスケ部がこうしてインターハイをかけて戦っているこの状況。そう、私たちに今があるのは
全部。ぜーんぶ。あんたのおかげなんだからね」
ξ゚⊿゚)ξ「何度も何度もバラバラになりかけて。ケンカして。揉めに揉めて。それでもみんながバラバラにならなかったのは、
あんたがいたからよ」
ξ゚ー゚)ξ「これだけは胸を張って言えるわ。ブーンがいなかったら…今のVIP高バスケ部はなかった、って」
( ;ω;)「ツン……」
( ^ω^)「技術的な点については一切触れられていない件について」
ξ;゚ー゚)ξ ギクリ
( ^ω^)「核心を突かれたからであろうか、あからさまな動揺を見せている件について」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんのことかしら…そ、そういえばショボン先生遅いわね…」
( ^ω^)「論点のすり替えが行われようとしている件について」
ξ゚。゚)ξ
217
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:59:20 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「…ツンを言葉責めにできたのって、何年ぶりかおねwwwww」
ξ*゚⊿゚)ξ「なっ…うるさいわねっ!」
( ^ω^)「…ツン」
ξ*゚⊿゚)ξ「…な、なによ!」
( ^ω^)「僕は…今北戦までに。絶対に、絶対に。うまくなってみせるお」
( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」
.
218
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:02:00 ID:alq1PSD60
ξ-⊿-)ξ=3「…はあ。お約束ね……」
(´・ω・`)「…ん?なんか邪魔しちゃったかな…?」
ξ*゚⊿゚)ξ「そっそんなことナイデスヨ!お先に失礼シマッス!!!!オツカレサマデシタ!!!!」
( ^ω^)「おっ…!ツーン!おつかれだおー!気をつけて帰るんだおー!」
(´・ω・`)「なんか…すまないねw」
( ^ω^)「?何がですかお?」
(;´・ω・`)「いや、なんでもないよ…」
(´・ω・`)「さて、シューティングは終わっているかい?」
( ^ω^)「なんとか終わりましたお」
219
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:05:09 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「そうかい。じゃあ早速だが…」
(´・ω・`)「左コーナーっ!」
突然ボールを拾い、左コーナーへ山なりのパスを出すショボン。
( ^ω^)「っ!……おっ!」
すぐさまショボンの意図を察し、ボールを追うブーン。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおおおっ!」
――ばしっ
( ^ω^)(練習どおりのフォームで…!ディフェンスのチェックも想定して…!)
220
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:06:12 ID:alq1PSD60
――しゅっ
(´・ω・`)「………!」
( ^ω^)「いい感じ…だおっ!」
――ぱしゅっ!
(´・ω・`)(……驚いたね)
(´・ω・`)「ナイスシュート。練習の成果も見せてもらったことだし、早速ワンオンワンだ」
( ^ω^)「はいですお!」
(´・ω・`)「今日からは亀甲縛りも解除だ。オフェンス・ディフェンスは交互にやろう。…僕からでいいかい?」
221
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:07:30 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「はいですお!よろしくお願いしますお!」
(´゚ω゚`)
(;^ω^)「!?」
(´・ω・`)「…どうしたの?内藤くん」
(;^ω^)「(気のせいかお…?)な、なんでもないですお!」
(´・ω・`)「じゃあ…行くよ?」
――ダムッ!
(´゚ω゚`)「シャアッ!!!!」
( ^ω^)「ちょっ…(はやすぎ…)」
(´゚ω゚`)「遅いわぁぁっ!!!!!」
(;^ω^)「んな…(どっから跳んd…!?)」
(´゚ω゚`)「カァッ!!!!!!!」
――ガコォッ!
(;^ω^)「ボースハンドダンク…!?」
222
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:08:47 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「ディフェンスの一歩目が遅いよ。最初の一歩目が出るか出ないかは非常に重要だ」
(´・ω・`)(……内藤くん。)
――( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」
(´゚ω゚`)(あんなタイミングよくたまたま出てくるとでも思ったかい!?)
(´゚ω゚`)(あの状況はね……こういうことだったのさ!)
.
223
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:09:50 ID:alq1PSD60
――回想(´゚ω゚`)――
【壁】
――(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」
――ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」
【壁】`)
――( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」
―― 一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」
( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」
【壁】゚`)
――ξ゚⊿゚)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」
――( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」
.
224
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:10:36 ID:alq1PSD60
【壁】ω゚`)
――ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」
――( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」
【壁】´゚ω゚`)
――ξ゚⊿゚)ξ「付き合うわよ」
――( ^ω^)「ありがとだお」
――(´゚ω゚`)回想終了――
225
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:11:31 ID:alq1PSD60
(´゚ω゚`)(ぜーーーんぶ丸聞こえだったってことさァァァァァァーーーーッ!!!!)
(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)
(´゚ω゚`)(ShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShit)
(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)
(´゚ω゚`)(内藤くん…今夜は…容赦しないッッ!!!!!)
( ;ω;)「なんかよくわからないけどショボン先生が怖いおーーーーーーーんっ!!!!!!」
.
226
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:12:39 ID:alq1PSD60
第8章 完
.
227
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:13:36 ID:alq1PSD60
今回の投下は以上です。ありがとうございました。
228
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:27:48 ID:j4LRkDQg0
乙!!
ショボン先生相変わらず良いキャラしてるwww
ブーンには凡人の壁を是非とも越えて貰いたいぜ!
229
:
名も無きAAのようです
:2011/11/05(土) 00:02:33 ID:5xDZq1zI0
おつー
230
:
名も無きAAのようです
:2011/11/05(土) 02:31:03 ID:3J1rvD..O
ショボンとドクオの対戦もみたいなぁ
乙!
231
:
名も無きAAのようです
:2011/11/08(火) 00:41:40 ID:0A8relnMO
文章も会話も昔と比べてどんどん洗練されてってるな
続き楽しみにしてるぜ
作者乙
まとめさん乙
232
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 21:53:16 ID:tsRfWuCA0
もうすぐかwktk
233
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:00:27 ID:Ih/htjWo0
第9章
改めまして、VIP高校のスモールフォワードを務めさせていただいております内藤と申します。
申し訳ありません、ただいま名刺をきらしておりまして。
.
234
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:01:32 ID:Ih/htjWo0
――AM8:43 VIP高校体育館
<_プー゚)フ「………………」
呼吸はずいぶん落ち着いた。
汗はまだ流れるが、先ほどと比べれば幾分かましだ。
<_プー゚)フ「……………」
仰向けに寝そべりながら無言で体育館の天井を眺める。
やはり体育館の照明は直視するには眩しい。
<_プー゚)フ「はーぁ…っと」
己を引き戻すかのように敢えて大きくため息をつき、寝そべった状態から跳ね起きで立ち上がる。
近くに転がっていたボールを拾い上げ、ミドルレンジからひょい、とシュートを放った。
――がつっ
<_プー゚)フ「………ちぇ」
<_プー゚)フ「俺もそろそろ…行くか」
235
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:02:32 ID:Ih/htjWo0
――――――――――――――
時は少々戻って、朝7時。
――ダムッ…ダダムッ
( ^ω^)「ほっ」
――ざしゅっ
( ^ω^)「ふんっ」
――ぱしゅっ
( ^ω^)「ふぅ」
236
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:07:00 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(いよいよ今日の午後は今北戦だお…)
( ^ω^)(万が一、ケガでもしたらいけないからってことで、ショボン先生とのワンオンワンは今日はなし)
( ^ω^)(できる限り体を休めてあげるように、とも言われたけど…)
(;^ω^)(体を動かさずにはいられないお…)
( ^ω^)(緊張…は、してるお、もちろん。だけどそれよりも…)
( ^ω^)(疼きが、抑えられないお)
――ガラガラ…
( ^ω^)「おっ…(ドクオかお?)」
しかし。
<_プー゚)フ「…おはよございまっす」
内藤の視線の先にいたのは、意外な人物だった。
237
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:09:27 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「……おはようだお」
<_プー゚)フ「…絶対にいると思いましたよ」
<_プー゚)フ「ショボン先生からもおとなしくしとけ、って言われてたのにw」
( ^ω^)「おっおwどうにも落ち着かんくていかんおww」
<_プー゚)フ「今日はとうとう今北戦っすもんねww」
( ^ω^)「エクスト」
<_プー゚)フ「はい?」
( ^ω^)「…僕に、何か言いたいことがあって来たんじゃないかお?」
<_プー゚)フ「…………」
238
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:10:36 ID:Ih/htjWo0
――<_プー゚)フ『苦肉の策、っすか?』
――<_プー゚)フ「各選手一人ひとりの強さから見て、おそらく今北の方が格上――だから、
『今北に勝つために』こうやって戦略を練っている…ってことっすか?」
( ^ω^)「さすがに気づかないわけがないお。君がショボン先生に噛み付くなんて。
まだ出会って数ヶ月だけど、普段のエクストならそんなことしないお」
( ^ω^)「…不満なんだお?今北戦での作戦に、僕が選ばれたことが」
<_;プー゚)フ「……!」
( ^ω^)「エクストの気持ちはわかるお。僕より君の方がずっと上手いお。
技術だけじゃない、経験的な面でも、きっと君は僕より遥かに優れてるお」
( ^ω^)「だけどだからこそ、なんだお」
( ^ω^)「君がスターティングで出ていくようなことがあれば、今北は必ず警戒してくるお。
だから、僕なんだと思うんだお」
239
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:13:29 ID:Ih/htjWo0
<_プー゚)フ「…本当は…作戦うんぬんじゃないっす」
( ^ω^)「お?」
<_プー゚)フ「嫌われるの承知で正直に言います。このチームで俺がスタメンの座を奪うのなら、
それは内藤さん。あんたのとこだと思ってます」
( ^ω^)「…その通りだお」
<_プー゚)フ「俺は、自分のスキルに自信がある!それに多少なりとも、『勝てるバスケット』で
戦い続けてきた経験だってある!」
<_プー゚)フ「そのチームで俺はエースだった!全中では二回戦で負けちまったけど…声をかけてくれた
高校はいくつもあった!」
<_プー゚)フ「それでも俺はこのチームを選んだ!このチームで戦いたかったから!」
<_プー゚)フ「それなのに、出られない!いや、出られてはいるけどあんな出場の仕方、俺の思ってたのと違う!」
<_プー゚)フ「今回の作戦のことだってそうだ!俺だったらわざわざあんな苦肉の策で戦わなくても、渡り合える!」
<_プー゚)フ「俺だけに限った話じゃないです、それに野球でもサッカーでもなんでも!誰だってスタメンで出たい!
自信があるならなおさらだ!それなのに…!」
<_プー゚)フ「自分の方が上手いんじゃないか、って思うような先輩がスタメンで出てるなんて…納得できなっすよ!
俺にだってプライドはある!!」
240
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:15:08 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「言いたいことは、わかったお。っていうか…わかってたお」
( ^ω^)「だけど、一個だけ言わせてほしいお」
( ^ω^)「君はいま…『自分なら今北相手でも渡り合える』、そう言ったおね?」
( ^ω^)「高校バスケをなめちゃいけないお」
<_プー゚)フ「なっ!?あんたそのレベルでよくそんなこと…!!」
( ^ω^)「選手としてのレベルは関係ないお。僕は君よりも長く高校バスケの世界にいるお。
だから、わかるんだお。そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお」
<_フー )フ「!!!!」
<_フー )フ「…内藤さん。」
<_プー゚)フ「俺と、ワンオンワンしてくださいよ」
<_プー゚)フ「現実、教えてあげますから」
( ^ω^)「……わかったお」
241
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:16:26 ID:Ih/htjWo0
――ダムッ…
<_プー゚)フ「内藤さんの先攻でいいっす」
( ^ω^)「おk」
――きゅ…
( ^ω^)(…とは言っても試合前にケガなんてしようものなら……)
――キュキュキュキュ!
(;^ω^)(んおっ!こいつ…!)
<_#プー゚)フギリ…
( ^ω^)(本気の本気…ってことかお!)
242
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:18:27 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(余計なことなんか(大事なことだけど)…考えてる場合じゃないお!)
( ^ω^)「エクスト!僕も…君と同じ考えだお!だけど……僕にだってプライドはあるお!」
<_プー゚)フ「じゃあプライドとプライドのぶつかり合いってことっすね!俺は本気でいきますから!」
(#^ω^)「……僕も…本気だおっ!」
――ダムッ!
243
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:19:50 ID:Ih/htjWo0
・
・
・
・
・
<_;プー゚)フ「ハァッ、ハァッ」
(;^ω^)ぶん「ゼッ……ハァッ…」
<_;プー゚)フ「……俺の…負けっすね…」
<_プー゚)フ「この一週間で……そんなに上手くなってたなんてズルいっすよ…」
244
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:22:07 ID:Ih/htjWo0
<_;プー゚)フ「ハァッ、ハァッ」
(;^ω^)ぶん「ゼッ……ハァッ…」
<_;プー゚)フ「……俺の…負けっすね…」
<_プー゚)フ「この一週間で……そんなに上手くなってたなんてズルいっすよ…」
<_フー )フ「………すんません、会場、先に行っててください。ボールはどうせ教頭が運ぶんですし」
( ^ω^)「エクスト…」
<_プー゚)フ「内藤さん、敗者にかける言葉はないんすよ」
<_フー )フ「ちょっとだけ、考え事したいんです…すんません」
( ^ω^)「…わかったお。居眠りして遅刻するなおw」
<_プー゚)フ「大丈夫っすw」
245
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:23:25 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「エクスト」
( ^ω^)「僕は、君の気持ちも背負って試合に臨むお。今日は絶対にハードな試合になる。だから君の力が絶対必要になるお。
そのときは、手を貸してほしいお」
<_プー゚)フ「…それは、勝者としての言葉っすか?」
( ^ω^)b「頼りない先輩として、そして、チームメイトとして、だお」
<_プー゚)フ「…っす」
( ^ω^)「じゃあ、先に会場に向かってるお」
<_プー゚)フ「はい。あっ……内藤さん!」
( ^ω^)「お?」
<_;プー゚)フ「生意気なこと言って…失礼なこともたくさん言って!ほんとにすみませんでした!」
d( ^ω^)b「大丈夫、気にしてないお」
( ^ω^)「んじゃ、あとで、だお」
246
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:25:17 ID:Ih/htjWo0
――ガラガラ……ガタンッ
エクストはふぅ、と溜息をつき、コートに寝転がった。
<_プー;)フ「ちっくしょーーーーーー!」
<_プー;)フ「ちくしょう…」
<_プー゚)フ「ちくしょう…かなわねえや、くそっ」
――――――――――
247
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:26:45 ID:Ih/htjWo0
――ニュー速市立スポーツセンター
「「「ざわ…ざわ…」」」
試合開始まではまだしばらく時間がある。
にもかかわらず、観客席は多くの者で埋まりかけていた。
( ><)「すごい人なんです!」
从'ー'从「全国大会でもないのに…でも確かにニュー速県はバスケがアツいですもんねえ。
他県と比べても、心なしかメディアの扱いが大きいような気がします」
( ・∀・)「まったくだ。こんなふうに、どこの県もバスケットにもっと目をやってほしいものだね。
そしてもっとバスケットにふれあえる環境が整えばよいのだけれど…」
( ><)「あっ、出てきたんです!」
( ・∀・)「共に一勝を挙げたもの同士…勝った方がインターハイ出場をほぼ確実にする」
从'ー'从「胸熱」
( ><)「ジュンジュワー(笑)」
( ・∀・)「死ね」从'ー'从
248
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:26:51 ID:JTAWbEjIO
部活ならではだな、支援
249
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:27:41 ID:Ih/htjWo0
('A`)「ランシュー!」
(,,゚Д゚)「タップ!いくぞゴルァ!」
(;^ω^)(もう呑まれそうだお…このふいんき(ryに…)
(=゚ω゚)ノ(絶対…勝つ。クーにも、負けねえヨウ)
( ゚∀゚)(あのノッポ…要注意だ。大丈夫、大丈夫だ…)
( ´∀`)(ニダー君…僕に止められるかなモナ…)
(-_-)(いつ出番があるかわからない…気を引き締めて…ああでも緊張がやばい…!)
(・▽・)(最近の僕のモブキャラ具合ったらないよね)
<_プー゚)フ(…………)
250
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:29:55 ID:Ih/htjWo0
('A`)(お、5分前か)
('A`)「っし、シューティングだ!」
('A`)「ブーン、わかってるとは思うが…」ボソボソ
( ^ω^)「大丈夫、ミドル中心でシューティングしとくお」ボソボソ
( ^ω^)(ここでスリーの練習してたら作戦を隠してた意味がなくなっちゃうお)
.
251
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:31:46 ID:Ih/htjWo0
('A`)(3分前……)
('A`)「っしゃ、集合!!」
VIP一同「おおっ!」
――だだだだだ…きゅきゅっ
('A`)「お願いします!」
VIP一同「お願いします!!」
(´・ω・`)「うん、ではファーストアタックについて注意点をひとつだけ」
('A`)「激しく喜んだり、オーバーなリアクションを取らないように、でしょ?先生」
(´゚ω゚`)「……」
('A`;)(やべ、またセリフ取っちまった)
252
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:32:28 ID:Ih/htjWo0
(´・ω・`)「まあ、その通り。あまり喜びすぎても相手に『マグレなんじゃね?』と思われてしまっては
作戦の意味がないからね。スタメンだけじゃなくて…」
('A`)「ベンチのメンバーにもちゃんと伝えてありますよ、淡々と褒めておいてくれ、って」
(´゚ω゚`)「……そうかい、仕事が早くて助かるよ」
('A`;)(しまった、セリフだけじゃなくて仕事まで取っちまった…)
(´・ω・`)「まあとにかく。」
(´・ω・`)「気楽に行こう。そうすれば結果は自ずとついてくる。さあ、いっておいで」
253
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:34:05 ID:Ih/htjWo0
(■_■)「やることはいつもと変わらん。だが、最初の一本だけは気をつけろよ」
(■_■)「正直、ダイオードでもジャンプボールに勝てるかわからん。無論、向こうも8番が
ジャンプに勝つことを前提として速攻を仕掛けてくるはずだ」
(,,゚Д゚)「6番の外角は頼むぞ、クー」
川 ゚ -゚)「任せておけ。簡単にはパスは通させない」
川 ゚ -゚)「それよりもギコ、おまえの方が重要だ。楽に4番にボールを持たせるなよ。速攻の起点は間違いなくあいつだ」
(,,゚Д゚)「任せとけ」
254
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:35:00 ID:Ih/htjWo0
('A`)「っしゃみんな、円陣組もう」
('A`)「行くぞインターハイ!VIP高ぉーーーーーーっファイッ!」
VIP一同「おおおおおぉぉぉぉおおおっ!!」
――ダンッ!ダンッ!ダンッ!
全員がリズムよく床を踏み鳴らす。
その一体感は、とっくに強豪校のそれであった。
.
255
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:36:27 ID:Ih/htjWo0
(;^ω^)(どんどん緊張が…)
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「お?」
('A`)「『何があっても最終的には俺がパスを出す』。だから、安心して打てよな、スリー」
( ^ω^)「わかったお(どういうことだお…?)」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンバカアホハゲ童貞短小クソカス」
( ^ω^)「はい」
ξ*-⊿゚)ξ「…がんばんなさいよっ!」
(*^ω^)「おっおっwww」
256
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:40:17 ID:Ih/htjWo0
(,,゚Д゚)「いいか絶対に油断すんな。確実に掴むぞ」
(#,,゚Д゚)「いくぞ今北ぁぁーーーーっファイッ!」
今北一同「おおおおおおおおおおおっ!!」
審判「両チーム、コート中央へ!」
審判「これより、今北産業大学附属今北高校 対、VIP高校の試合を行います!」
(,,゚Д゚)(あ、今日は噛まずに言えてる)
審判「試合中のコールは今北(ryを白、VIP高校を緑とします!互いに礼!」
川 ゚ -゚)(む、正式名称を言うのが面倒だから略してくれたな)
審判(勘弁してよ言いづらいんだってばこの学校名…)
257
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:42:36 ID:Ih/htjWo0
VIP高校
④ドクオ 170cm55kg PG
⑤内藤ホライゾン 175cm58kg SF
⑥イヨウ 166cm54kg SG
⑦モナー 193cm94kg C
⑧ジョルジュ長岡 181cm82kg PF
今北産業大学附属今北高校
④ギコ 175cm63kg PG
⑤ニダー 187cm78kg C
⑦クー 159cm52kg SG
⑧名無し SF
⑭鈴木ダイオード 194cm85kg C
(;^ω^) 平常心!
258
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:44:12 ID:Ih/htjWo0
(=゚ω゚)ノ「イヨウ、久しぶりだな」
川 ゚ -゚)「ずいぶんと雰囲気が変わったじゃないか」
(=゚ω゚)ノ「おめーは相変わらずハルヒコスが似合ってるヨウ」
川 ゚ -゚)「以前より強くなったか?楽しませてくれよ」
(=゚ω゚)ノ「またずいぶん上から来るじゃねーかヨウ。見てな!」
<ヽ`∀´>「今回のウリのマッチアップはお前ニダ。あの筋肉達磨はダイオードに任せるニダ。あー今回は楽できそうニダwwww」
( ´∀`)「口臭ぇモナ」
<#ヽ゚∀゚>「ファビョーン!?」
259
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:45:46 ID:Ih/htjWo0
( ゚∀゚)ノ「よっ」
/ ゚、。 /「…どうも」ペコリ
_
( ゚∀゚)「ラウンジ戦、観てたぜ。すげーなおまえ」
/ ゚、。 /「…それがわかっていて、ぜそんなに楽しそうなんです?」
_
( ゚∀゚)「決まってんだろ」
審判がセンターサークルへ入る。ボールを右手に持ち、腰を沈める。
ボールが、トスされた。
_
( ゚∀゚)「ワクワクしてんだよ!純粋にな!」
両選手が跳び上がる。
/ ゚、。;/(!?)
_
(#゚∀゚)「おらあああああっ!」
260
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:47:39 ID:Ih/htjWo0
( ・∀・)(VIP⑧ジョルジュ長岡、181cm…今北⑭鈴木ダイオード、194cm…この身長差でジャンプボールを制する…!?)
从'ー'从(なんて馬鹿げた身体能力…!)
(,,゚Д゚)(問題ねえ!監督の読み通りっちゃ読み通りだから特に慌てることもない)
(,,゚Д゚)(いつも通りドクオに渡して攻めんだろーがっ)
(,,゚Д゚)(ジャンプで負けようが、タップされたボールを獲得した方が有利なんだ)
(,,゚Д゚)(そしてボールがタップされる方向はほとんどわかってる、悪いがいただくぜ!)
261
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:49:51 ID:Ih/htjWo0
_
( ゚∀゚)(ばーか)
_
( ゚∀゚)「モナーーーーーッ!」
――びしっ
(,,゚Д゚)(!?)
(,,゚Д゚)「ちっ、ニダーそっちだ取れぇっ!」
(´∀` )ゞ∀´> 「むぐ…」
(,,゚Д゚)(センターサークル付近でポストアップのスタンス…いや、スクリーンアウトか!?
完全にポジションを取られてる…あれじゃニダーは一歩も動けねえ!)
――ばしっ
( ´∀`)「キャッチだ。とうっ」
262
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:50:31 ID:Ih/htjWo0
川 ゚ -゚)(なるほど、考えたな。4番にボールをタップすることを我々が読んでいる、と考えた上での7番か)
川 ゚ -゚)(だがこの7番はどう考えてもボール運びや速攻を演出できるような選手ではない。
結局7番にワンクッションさせてから4番に…)
――ダムッ!
<;ヽ`∀´>「うぐぉ!?」
( ・∀・)「パワーステップでニダー君をかわした…!?」
从'ー'从「センターサークル付近でポストプレー…うまい!」
(=゚ω゚)ノ「よっしゃ!」
モナーがパワーステップでニダーをかわした瞬間にイヨウが右サイドライン沿いに駆け上がる。
(,,゚Д゚)「クー!6番走ったぞ!」
川 ゚ -゚)「わかっている!」
263
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:52:02 ID:Ih/htjWo0
クーはモナー→イヨウのパスコースを消すためにイヨウを追う。
そしてギコはボールの出所となるであろうモナーを潰すべくモナーへとプレッシャーをかけに向かう。
しかしモナーはパワードリブルが終了する前に――つまり、着地する前にボールを手放す。
(,,゚Д゚)「えっ」
ギコの視線の先には。
('A`)
モナーによる手渡しパスとなったボールをキャッチするドクオの姿があった。
――ダムッ!
そのままモナーをスクリーンに使い、ドクオがドリブル突破。
幾重にも考え抜かれたこのプレーに、今北のメンバーはクーでさえも理解が遅れていた。
しかしそれもすぐに理解する。
('A`)「いけえっ!」
――びゅっ
ドクオの出したパスによって。
264
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:53:05 ID:Ih/htjWo0
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」
__
,, -──- 、._ 〈_〉〕
-"´ \ ./ `ヽ
/ ヽ 〈 /| |
/ ヽ `´ .L/
| /\ /\ | へ.
l | \.\
` 、 (_人_) /. \.ゝ
,―――`ー 、_ /ー 、 〈´ヽ
l´ `'' ‐''´ `l /ヽ | . |
` ̄ ̄ ̄ヽ / ̄ ̄ ̄´ 〈 / ノ /
| | ` <´ ノ
i `/ ̄`l / `~
\ / ./
\__//
/ /
` ̄
(,,゚Д゚)(くそ、5番か…!ってちょっと待て!)
(,,゚Д゚)「あのやろうどこに向かって走ってやがる!?そっちはスリーポイントライン…!」
265
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:53:57 ID:Ih/htjWo0
――ばしっ
川 ゚ -゚)(5番はミドルレンジから仕掛ける選手であったはずだが)
<ヽ`∀´>(話が違うニダ!!!)
/ ゚、。 /(…………)
( ^ω^)(練習どおりに!やわらかく!ふわりと!)
――しゅっ
.
266
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:55:50 ID:Ih/htjWo0
ξ゚⊿゚)ξ(よし!完璧よ!あとはシュートさえ入れば…お願い入って!)
('A`)(来い…)
(=゚ω゚)ノ(入れ入れ入れ)
_
( ゚∀゚)(頼むっ…)
( ´∀`)(ブーン君…!)
( ^ω^)(入れおぉぉっ!)
――ぱしゅっ
「「「「「!!!!????」」」」」
267
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:57:11 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(よーーーーーーっsh…)
――(´・ω・`)『あまり喜びすぎても相手に「マグレなんじゃね?」と思われてしまっては作戦の意味がないからね』
( ^ω^)(…っと、危ない危ない)
('A`)「っし、ナイシュ」
(=゚ω゚)ノ「デイフェンス、いくヨウ」
_
( ゚∀゚)「しまっていこーぜ」
( ´∀`)「さ、ディフェンス一本」
( ^ω^)(みんなも落ち着いてるお。こりゃ平気な顔して嘘つくタイプだおね)
(=゚ω゚)ノ「もしかして悪口言った?」
( ^ω^)「ううん、なんも」
268
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:00:25 ID:Ih/htjWo0
( ・∀・)「…うまいプレーだった」
从'ー'从「4番のドクオくんに最初にボールを持たせると思いきや」
( ・∀・)「ところがどっこい、ボールは7番のモナー君へ」
从'ー'从「モナー君を経由して4番のドクオ君にパスを出すのかと思いきや」
( ・∀・)「ところがどっこい、ここでモナー君が攻め込もうとする。合わせて6番のイヨウ君も走り出す」
从'ー'从「するとモナー君→イヨウ君ラインでの速攻かと思わされる」
( ・∀・)「ところがどっこい、モナー君のパワーステップは囮。モナー君にデイフェンスをひきつけたところで
やはりドクオ君がボールを持つ」
从'ー'从「そしていつもどおりのドクオ君→イヨウ君ラインでの速攻かと思いきや」
( ・∀・)「とk( ><)「ところがどっこい!シューターのイヨウ君は囮で点を取ったのは5番の内藤くん!
しかも一切データにないスリーポイント!!!!すごすぎるんです!」
( ・∀・)「あのさ、殺すよほんとに」
(::::::)←わかんないです(肉塊)
269
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:01:08 ID:Ih/htjWo0
( ・∀・)「しかし…イヨウ君を囮に使うのはともかく、内藤君がスリーとは…今北も相当面食らってるはずだ」
从'ー'从「しかし着目すべきは内藤くんのスリーよりも…」
( ・∀・)「ああ、他の4人の動きが素晴らしすぎる。まるで申し合わせたかのような…」
( ・∀・)(…まさか最初からこのパターンで攻めるつもりだった…?)
( ・∀・)(いや、まさかね。リスクが高すぎる)
.
270
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:02:49 ID:Ih/htjWo0
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生…!?いつの間にあんなオフェンスまで教えてたんですか!?みんな完璧じゃないですか!!」
(;´・ω・`)「…僕は何も教えていない」
ξ゚⊿゚)ξ「……え?」
(´・ω・`)「ドクオ君が、イヨウ君が、モナー君が、ジョルジュ君が。彼らみんなが、自分で考え出したんだ」
('A`)(ブーンにばっかり重荷を背負わせるわわけには、いかねーもんな)
(=゚ω゚)ノ(ブーンがショボン先生にしごかれてる間、俺たちだってぼーっとしてたわけじゃないヨウ!)
_
( ゚∀゚)(VIP公園で毎晩あーでもないこーでもないと試行錯誤の日々!)
( ´∀`)(しかもこの試合一回こっきりじゃない、ファーストアタックで相手がどう対処しても柔軟に対応できる、
一種のセットオフェンスだモナ!)
271
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:04:06 ID:Ih/htjWo0
('A`)(このオフェンスは・・・誰か一人でもうまく機能できなかったら意味を成さない)
('A`)(ブーンが『必ずスリーポイントを決めなくてはいけない』なんて馬鹿でかいプレッシャーと戦ってるんだ)
('A`)(だから俺たちも、『誰か一人でも失敗したらオフェンスが失敗してしまう』というプレッシャーを背負ってこのワンプレーに
臨んだ)
('A`)(自己満足なのかもしれない、だけど…俺たちは仲間なんだ!!)
.
272
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:05:58 ID:Ih/htjWo0
<_;プー゚)フ(なんっつーオフェンスやりやがんだよ!もし誰か一人でも動きをミスってたら…1週間丸々練習してきた
作戦が全部パーになるとこだったじゃねーか!)
<_プー゚)フ(いや…違うな)
<_プー゚)フ(これが、VIP高校というチームなんだ。俺が憧れてるチームなんだ)
<_プー゚)フ(仲間のためなら全力で体を張ったプレーをする、そういうチームなんだ)
<_プー゚)フ(内藤さんも、生半可な覚悟でやってたわけがねえ!一週間、わけわかんねーくらい重いプレッシャーに
押し潰されそうになりながら……!)
<_プー゚)フ(なのに俺は内藤さんにあんなこと……)
<_プー゚)フ(マジでバカだ、俺……!)
273
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:08:56 ID:Ih/htjWo0
――ダムッ…
(,,゚Д゚)「…一本だ」
川 ゚ -゚)「動揺しているのか?」
(,,゚Д゚)「…お前はどうなんだ」
川 ゚ -゚)「少なからず驚いている。データに一切ないどころか、データから予測することすら
出来ないプレーだったからな」
川 ゚ -゚)「だが関係ない」
川 ゚ -゚)「常識的に考えろ。今までスリーを打たなかった…いや、打てなかった選手がこんな短期間で
スリーをマスターできるわけがない」
川 ゚ -゚)「可能性としては、まったくのラッキーパンチ。もしくは…左コーナーからのシュートだけ習得してきた。
そんなところではないか?」
(,,゚Д゚)「さすがだな。だが……」
274
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:09:54 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)ドヤァ
(ll,, Д )(すんげぇドヤ顔なんですけどーーー!)
川; ゚ -゚)(あれは自信の表れなのか…?むぅ…)
.
275
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:10:43 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(平常心、平常心)
( ^ω^)(だけど…)
(^ω^ )チラリ
今北産大附今北 0-3 VIP高校
( ^ω^)( 大 成 功 !!!!)
( ^ω^)(先制点をスリーで決めることがこんなにも気持ちいいなんて知らなかったお。しかもノータッチ)
( ^ω^)(平常心!喜びを相手に気取られないように…)
( ^ω^)(だけど思わず顔が緩んじゃうんだお…)
( ^ω^)ドヤァ
.
276
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:12:46 ID:Ih/htjWo0
(■_■)(マグレなのか狙ったのか…さっぱりわからない!何がどうなっているんだ…)
(■_■)チラッ
(´^ω^`)
(■_■;)(むむむむむ…わからんっ!)
.
277
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:17:19 ID:Ih/htjWo0
「いけぇーVIP高!」
「いいぞー!やっちまえ!」
VIP高の鮮やかな先制点に会場は沸き立つ。
インターハイ出場がかかっていることもあり、VIP高校の生徒や教師も多く訪れており、
今北の応援団に劣らぬ人数がVIP高校を盛り上げる。
しかし…
川 ゚ -゚)「五月蝿(うるさ)い」
――ぱしゅっ
(;=゚ω゚)ノ「………!!!」
(;=゚ω゚)ノ(『五月蝿(うるさ)い』だなんて…そんなわざわざ厨二っぽくしなくても…)
「今北7番の超ロングシュート―――!」
「どんだけ遠くから打ってやがんだ!?」
「てかなんであれがリングまで届くんだ!?あんな馬鹿みたいに高い軌道なのに!」
「スリーをスリーでやり返すなんて…まだ始まったばっかなのにどんだけ強気なんだよ!?」
278
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:20:02 ID:Ih/htjWo0
今北産大附今北 3-3 VIP高校
川 ゚ -゚)「同点だ」
(=゚ω゚)ノ「野郎……!」
('A`)「関係ねえ!一本行くぞ!」
.
279
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:21:16 ID:Ih/htjWo0
――ダムッ…ダムッ…
(,,゚Д゚)「だから簡単に行かすかっての」
('A`)「俺も今は勝負する気はないぜ、っと」
――びゅっ…ばしっ
( ^ω^)「ナイスパスだお!」
(,,゚Д゚)(また5番が左コーナーに!?)
――きゅきゅっ
今北⑧「ボールおk!!」
今北⑧(さっきのスリーは確かにマグレかもしれない。だけど一本決められてしまっている以上、警戒はしておくべきだな)
280
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:22:23 ID:Ih/htjWo0
(^ω^ ))クイッ
今北⑧(みg…?)
( ^ω^)「おっ!」
――ダムッ!
今北⑧(左!はや…!)
左コーナーでパスを受けたブーン。
そのまま左サイドへ…つまり、エンドライン側へ鋭いドライブを決める。
そのままクローズアップシュート(レイアップのステップで打つジャンプシュートのようなもの)のステップを踏む。
角度がない状態でのドライブなので、ボードとの角度を得るために軽く右前方に跳びながらシュートを放とうとするが…
281
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:25:37 ID:Ih/htjWo0
/ ゚、。 /「やらせませんよ!」
/ ゚、。 /(ぎりぎり8番のマッチョにパスコースが残るようにヘルプに出てきた。8番へのパスを狙う!)
( ^ω^)「でかすぎだお!しかしミスマッチもなんのその!」
/ ゚、。;/「なっ…(そのまま来た!?味方が見えていないのか!?)」
――がしっ
(;^ω^)「んおっ!」
/ ゚、。 /「ちっ…!」
――ピィッ!
審判「ファウル!白14番!ツースロー!!」
(´・ω・`)「よしっ!」
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