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ホテル・サイドニアのようです

573 ◆tOPTGOuTpU:2012/11/04(日) 23:03:36 ID:/Wswjaq.0

(;´_ゝ`)「………」

動かそうと試みるだけでも、激痛が右手全体を貫いた。
何もせずとも、焦げた嫌な臭いが嗅覚を刺激する。
熱湯に手を浸しているような感覚が続いた。

間違いなく右手は壊死しただろう。革手袋を剥がしたその中身は
見るに耐えないものとなっているはずだ。兄者は左手で首のスカーフを
ほどくと、それを右肘の辺りに強く縛った。


(;´_ゝ`)「くっ……」

左手を駆使して衣服の煤や汚れを払った。
風に切られた頬の血をぬぐい、それからよろよろと歩き出して
周囲の確認をする。阿部の用意していたバリケード類は、すべて
爆心地から放射線状になぎ倒されている。阿部は何処だと目を光らせると、
自分とは真反対の壁のすぐ下で、ぐったりと倒れていた。


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生きているのか、死んでいるのかは定かではない。
ただし、動こうとする気配は感じられないし、何より
先刻までのドス黒い殺意というものが、雲散しきっていた。

もはや生死の確認をするまでもなく、兄者の勝利で決着がついたのだった。


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