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ホテル・サイドニアのようです

523 ◆tOPTGOuTpU:2012/10/26(金) 17:31:06 ID:/iOXtpyE0
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風は吹いて、きめ細かな砂を吹き飛ばしては周囲を見えなくする。
更にハーモニーから発せられる白煙も合わされば、正門の近くで
待機していても内部の具体的な様子はわからなかった。

そのときだった。マーポールの職員一同は、誰かの足音を察した。
村の奥からこちらに向かって歩いている。その男の風貌は、
時が経つにつれて鮮明に浮かび上がってきた。


革製の長靴、防弾力を持つ褪せたジーンズ。
腰には二丁の拳銃がガンベルトに支えられている。
やはり防弾の役割を果たす新型ウエスタンシャツ、
真紅のいろをしたネッカチーフは緩く首に巻かれている。
人形と形容される表情のない顔と生気のない瞳、その上には
つばの広い茶色のカウボーイハットが乗っかっている。

典型的なハンターの身なりを纏った、その背の高い男は、なにも
見据えていないかのように、ゆっくりとアーチ型の門に向かって歩いていた。


「とまれ!」
背広を来たマーポールの巡査部長は、警戒しながら言い放った。

しかしその男は、聞こえていないかのように足を動かし続けた。
ようやく立ち止まったのは、ちょうど「Welcome」の書かれた
アーチのそのちょうど下の付近、くぐる瀬戸際のところだった。

               .


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