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【河川敷】  納涼夏祭り  短編・絵投下スレ

6329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:24:07 ID:Eh51fTYY0

ζ(;ー;*ζ ……ありがとう、どっくん…


  『そして僕たち二人は強く抱き合い、全てを忘れるように熱く口付けを交わす。
  絡みあった二人の唇が解けるころにはそこに彼女の姿は無かった。
  僕は賑やかな人混みの中、そっと呟く。』


('A`) ずっと待ってるよ……


こうして使用者は別れを乗り越え一つ大人になるだろう。

正直な話、どうしても数時間でバッテリーが切れてしまうために苦し紛れにつけただけの機能なんであるが。

6429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:24:50 ID:Eh51fTYY0
__________

( ФωФ) どうだったであるか?

('A`) 素晴らしく、そして恐ろしいアイテムでした

('A`) 正直2〜30万くらいなら払える気分です

( ФωФ) このパルスは脳に負担がかかるから暫くは余韻が残ってそういう酔ったような気分になるである

( ФωФ) その隙に続きのデータチップと専用バッテリーを高額で売りつける

( ФωФ) 組織の資金繰りと一般人の精神破壊が同時に出来るである

('A`) なんか久々に恐ろしいアイテムを見た気がします

( ФωФ) であろう。さて、今日の営業時間は終わりである

('A`) あ、俺も帰ります

( ФωФ) あ、そうだドクオ

('A`) ?なんです?

( ФωФ)死ぬなよ

('A`) ?

6529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:25:39 ID:Eh51fTYY0

【ナツプラス廃人育成機能幻の⑥ 〜黒歴史〜】

ナツプラスから放たれている特殊パルスは脳にそれなりの負担をかける。
故に使用を辞め記憶が正常になったとしてもしばらくの間は地に足のつかない状態だ。
正常に見えて冷静さは無くどちらかといえばナツプラスをつけている状態に近いまま。
それ故に真実を思い出してもヒロイン達との幸せな時間をなんら問題無く反芻できる。

が。


(゚A゚) うぉぉぉおええええぁぁぁ!!!!!!!

(゚A゚) ぷゲラ!!ぷゲラ!!!

(゚A゚) おんぎゃああああ!!!


時間が経過し、全てが正常にもどれば別である。
誰も居ない空間に笑顔で話しかけ、誰も居ない空間に手を差し伸べ、存在しない胸の感触にニヤニヤとし、ありもしないラムネを飲んでゲップをし、挙げ句の果てには虚空に本気のキス。
しかも老若男女問わぬ大勢の人の前で。


('A`) …………もう、外になんか出られない

('A`) 鬱だ死のう


これこそがこのナツプラスの真骨頂と呼べるかもしれない。

6629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:27:07 ID:Eh51fTYY0
_______


彼の名は杉浦ロマネスク。


彼に人の情は無く。


彼に正義の心は無い。


彼の心にあるのは欲望一つ。


夜に響く叫びは子守唄。


天才は世界を征する夢を見る。



( ФωФ)Mr.ギウラーの開発レシピ(夏)のようです

おわり

6729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:28:37 ID:Eh51fTYY0
おわり

夏祭りなんかしばらく行ってねーよ畜生

6829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:28:59 ID:ShO9uFQk0
常用すれば⑤や⑥は避けられるということか・・・・
参考までにお値段はいくらですか?

いや、仮にあったとしても買うわけないですよ。ハハハ

6929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:31:17 ID:9ovtZovMO
乙!

いいから貸せよ……もとより羞恥心なんざ持ってねーよ……よこせよ……嫁くれよ……

7029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:34:36 ID:gY0np6FU0
投下するんよ

7129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:35:18 ID:gY0np6FU0

 不敵な笑みを浮かべて歩く、浴衣姿の男。


( ^ω^)


 夏祭りの露店が並ぶ歩道の中心を、男は歩く。
 しかしその眼は、ただ、ある一点だけを見据え、周りの人や露店は眼中に無いかのようだ。

 周囲の人々は、その男が放つ気迫に怯え、逃げるように歩道の端へと逸れてゆく、
 結果、男の周りには不自然なスペースが出来あがっており、
 それがまた、事の異常性を感じさせる。

  _
( ゚∀゚)「なんだあいつは……? 雰囲気が只者じゃないぞ……!」

/ ,' 3 「ま、まさか……奴は!」
  _
( ゚∀゚)「荒巻じいさん! 知っているのか!?」


 露店を開いていた老人が、信じられないという表情で、体中を震わせている。
 額に汗を浮かべ、青ざめた顔のまま、必死に声を絞り出した。



/;,' 3 「悪名高き金魚すくい荒らし……人呼んで『外来魚』!!」

7229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:36:14 ID:gY0np6FU0
  _
( ゚∀゚)「が……『外来魚』……!?」

/;,' 3 「日本中の夏祭りに突如現れ、奴が去った後は一匹の金魚も残らないという……」
  _
(; ゚∀゚)「なんだよそれ……! やべぇのか!?」

/;,' 3 「とうとうこの町にも現れおったか……!」



/;,' 3 「奴は金魚をすくった後、決まり文句のように必ずこう言うそうじゃ……、

      『もう水しか残って無いお、カキ氷屋からシロップを貰ってジュース屋にでもなるといいお』とな、

      隣町も奴の被害に悩まされているとか……」

  _
(; ゚∀゚)「隣町の露店にやたらとジュース屋が多いのは奴のせいだったのか!?」
  _
(; ゚∀゚)「たしかに、やけに生臭いジュースだと思ってたんだ……」



/;,' 3 「このままではこの町の金魚すくい屋が壊滅させられるぞ……!!」
  _
(; ゚∀゚)「……俺、みんなに伝えてくる!」

7329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:36:55 ID:gY0np6FU0
…… …… ……




ノパ⊿゚)「あーッ!! 破れたァ!!」



ノハ;⊿;)「まだ一匹しかすくってないのにー!!」

( ФωФ)「泣くな泣くな……ほれ、一匹おまけしてやろう」

ノハ*゚⊿゚)「うおーッ!! いいのか!?」

ノハ*゚⊿゚)ノシ「おっちゃーんありがとなー!」

( ФωФ)「ハッハッハ、はしゃぎすぎて転ぶなよー」


  _
(; ゚∀゚)「おーい! ロマネスクのおっちゃん!」

( ФωФ)「む、長岡のトコの坊主か、一回100円だぞ、やるか?」
  _
(; ゚∀゚)「それじゃあ一回……って違う! そんなんじゃねえ!!」
  _
(; ゚∀゚)「やべぇ奴が来てるんだ! 金魚を全部もってかれちまう!!」

( ФωФ)「……ほう、詳しく話してみろ」

7429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:37:38 ID:gY0np6FU0
  _
(; ゚∀゚)「なんでも『外来魚』とかいう、とんでもない金魚すくい荒らしが来てるらしい!」

( ФωФ)「『外来魚』……? 聞いたことが無いな」
  _
(; ゚∀゚)「俺、さっき見たんだ……すごい迫力で近づけなかった、
       雰囲気で分かる! あいつは只者じゃねえ!」
  _
(; ゚∀゚)「このままじゃここの金魚を綺麗さっぱり取られちまう……なにか対策を……!」



     「対策ねぇ、でも残念ながら、もう遅いみたいだお?」


  _
(; ゚∀゚)「あ……!」

( ФωФ)「……貴様か、『外来魚』とやらは」


( ^ω^)「ご名答」

7529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:38:18 ID:gY0np6FU0

( ФωФ)「……ふむ」


 群青色の浴衣を着込んだ男、
 少々小太りだが、腕の筋肉を見る限り、並の男では無いと分かった。


( ^ω^)「どっこいしょ、っと」


 男はそれまで持っていたクーラーボックスを地面に置き、その上に座り込んだ、
 椅子代わりにしているが、おそらくすくった金魚を入れるためのものだろう。
 水槽いっぱいの金魚を全て持ちかえるとなれば、ただのボウルや袋では入り切らないからだ。

  _
(; ゚∀゚)「……」


 そして、その男を見定めるにあたり、なによりも一番気になるものがあった、
 それは、男が背中側の帯に挿しこみ、背負っている──巨大な輝く“ポイ”だ。

 ポイとは、プラスチックでできた輪に薄い紙が貼られた、金魚すくいに使う道具であるが。
 男が背負っているそれは、晩ごはんに突撃する某番組のシャモジのように大きく、
 さらに、全体が金でできているかのように光り輝いている。


( ФωФ)(ポイの形をした巨大なオブジェ……か?)

( ФωФ)(なんにしろ、それだけの自信や実力の現れだろうな)

7629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:39:28 ID:gY0np6FU0

( ^ω^)「さーて、この100円で、ぜーんぶ取らせてもらうとするお」

( ФωФ)「……ほう、100円で、か」

( ФωФ)「この大量の金魚を、一回だけですべてすくう気か?」

( ^ω^)「おっ、その通り、なにかおかしいかお?」


 どうやら、相当の自信を持っているようだ、
 もし話通りの実力の持ち主なら、本当に言った通りの事を実現してもおかしくはない。


( ФωФ)(すべての金魚を、ひとつのポイで、すくう……か)




( ФωФ)「……いいだろう、見せてみろ、その腕前」

( ^ω^)「おっおっ、話の分かる店主で良かったお」
  _
(; ゚∀゚)「おっちゃん!! いいのかよ!?」

( ФωФ)「……もとより、相手が誰であろうと拒むつもりは無い」

( ФωФ)「だが……それよりも、見てみたくなったのだ、この男の自信の源……実力をな」
  _
(; ゚∀゚)「……」

7729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:40:19 ID:gY0np6FU0
  _
( ゚∀゚)「……分かったよ、おっちゃん」
  _
( ゚∀゚)「おっちゃんが、そう言うなら、もう俺は止めはしねぇ」

( ФωФ)「ああ、それでいい」


 露店の裏に置いてある、いくつもの箱、
 『金魚すくい用ポイ』と書かれたその箱の中から、ポイを取り出す。


( ФωФ)「紙の厚さは……6号でいいか?」

( ^ω^)「あ、そういうのいらないお」

( ФωФ)「……なんだと?」


 そう言うと、男は懐から何かを取り出した。

7829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:41:02 ID:gY0np6FU0
  _
( ゚∀゚)「あ……あれは!!」


 男が取り出した物、それは、

 男のその余りある実力の秘訣であり、

 男が編み出した金魚すくい必勝法、その、最重要アイテム――





  _
( ゚∀゚)「サーティーワンアイスクリームの店員がアイスすくう時に使うでかいスプーン!!!」


( ^ω^)「このMyポイを使わせてもらうお!!」








( ФωФ)「いや、ダメに決まってんじゃん」

( ^ω^)「え!!?」

7929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:41:45 ID:gY0np6FU0
…… …… ……




  (((( ´ω`) トボトボ…


  _
( ゚∀゚)「い、行っちまった……」

( ФωФ)「なんだったんだ、あいつ」


 かくして、脅威?は去っていった。

 男は去り際に、「僕を負かしたのはアンタが初めてだお、このポイはアンタに相応しいお」
 と言って、背負っていた巨大なポイを置いていったのだが。


( ФωФ)「これ、邪魔だな……捨てよ」



 ( ФωФ)  二三 ー⊂⊃ ポイッ
      と彡



/ ,' 3 「ポイだけにポイってか! ガハハ!」   完!

8029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:45:28 ID:gY0np6FU0
そういやタイトル考えてなかった

8129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 01:09:16 ID:ceHagqxA0
よし、こそっと投下だ

82ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:10:14 ID:ceHagqxA0
―――夏、それは恋の季節。
それは前に座っている女子のブラ紐が気になる季節。
それは街の女たちが薄着になり、運がよければ海ではポロリが見られる季節。

そして、最も俺が鬱になる季節でもある。


    |                       \
    |  ('A`)       ドンドンピーヒャラキャッキャ
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄               /




('A`)「もう祭りの日だったっけ……ウツダシノウ」

外からかすかに聞こえてくる祭囃子……。
若い男の笑いと、女達のはしゃぐ声。
それが組み合わさると、ギシアンよりなお強力な催鬱効果がある。

リア充死ねえ!とか、そんな気力も奪われるくらいだ。

83ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:10:59 ID:ceHagqxA0
('A`)「あーあ、いきなり俺死なねえかな。
    隕石とかがこの街に直撃したりして」

この時期に実家に帰ってくると毎回こんな気分になる。
……次回から帰省の時期をずらしてみようかな。
マジでこのまま祭りの音を聞いていると自殺してしまいそうだ。

('A`)「……ちょっと早いけど、抜いて寝るか」

PCを起動して、行きつけのアダルト動画サイトへとんだ。
……だがサイトのトップを一目見るなり、俺はブラウザを閉じることになる。
「夏祭り!人気女優特集!」という宣伝文がそこに載っかっていたのだ。

ファック。お、ちょっとうまかったかな。

('A`)「そうでもねえか」

('A`)「……どいつもこいつも浮かれ騒ぎやがって」

乱暴に電源を落とすと、俺はタオルケットを被った。
祭囃子は、無情にもその薄い生地を貫通して俺の耳に入り込んでくる。
お布団ちゃんが恋しい、ああ、俺にも彼女がいればこんな気分にはならないのに。

84ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:12:11 ID:ceHagqxA0

('A`)「はぁ」

コンコン

「ドクオ、起きてる?」

ため息をついた時、カーチャンがドアをノックした。
どうぞ、という返事の前にカーチャンは部屋へと入ってきた。

J( 'ー`)し「あら、ドクオもう寝るの?」

('A`)「……おう」

J( 'ー`)し「健康的でいいけど……ねえお祭り、行かない?」

(;'A`)「はぁ?」

あまりにも唐突な提案だった。
っていうか、一緒に行くのか?

(;'A`)「え、何?マジで言ってるの?
     もう俺23だしさ、親といく歳でもねえだろ」

J( 'ー`)し「トーチャンがね、久しぶりにドクオとって聞かないのよ」

(;'A`)「トーチャンが?」

85ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:13:08 ID:ceHagqxA0

父がそんな風に祭りに誘うなんて何年振りのことだろうか。
それこそ、十年振りくらいだろう。

J( 'ー`)し「とにかく服着替えておいで、もうトーチャン玄関で待ってるから」

(;'A`)「え、あ、うん」

優柔不断な俺が、厳しい父に逆らえるはずもない。
俺は部屋着を脱ぐと、さっと着替えて玄関へと出た。

. _、_
( ー` )「来たか」

('A`)「うん」

J( 'ー`)し「あーいいわよねえ、このお囃子!
     いくつになっても心踊るっていうか」


('A`)「……ああ」

父は着流しを着て、玄関の外で一人煙草を吸って待っていた。
煙草の香り、父の着流し、夜の香り。俺の脳裏に幼い頃の祭りの思い出が蘇ってくる。
……なんだか、妙な気分だ。

86ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:14:12 ID:ceHagqxA0

. _、_
( ー` )「じゃあ、行くか」

('A`)「そういえばさ、神輿ってトーチャンもう担がないのか?
    毎年楽しみにしてたよな、この時期になると」

俺がふと思いついてそう言うと、カーチャンの表情が曇った。

J( '-`)し「……去年で最後だったのよ。
     年齢制限みたいのがあってね」
. _、_
( ー` )「……俺ももう爺さんって言うわけだ。
    少なくとも町内会の決まりじゃな」

('A`)「……そうか」
. _、_
( ー` )「でもさ、祭りの笛と太鼓聞いてるとたまんなくなっちゃってよぉ。
    どうせドクオも行きたくないだろうが、ちょっと付き合ってくれ」

('A`)「そういやなんで俺もなんだ?
    二人で行ってくればいいじゃん」
. _、_
( ー` )「いいじゃないか、たまの休みなんだから」

('A`)「……まあ、そうだな」

なんというか、今度は寂しそうな父の顔を見ると断れなかった。
それに、ちょっとだけ祭りにも興味が出てきた。
行きたい、と半分ぐらい思い始めていた。

87ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:16:33 ID:ceHagqxA0

祭りをやっている通りに着いてから、もっぱら家族三人で出店を回った。
……やはり祭りというものは一種独特の雰囲気を漂わせている。
色んなのぼりと、喧騒と様々な食い物の混じった匂いはいつの間にか俺を引きつけていた。

J( 'ー`)し「本当に久しぶりだねぇ、三人でってのも」
. _、_
( ー` )「最後はあれか?中学生の頃か」

('A`)「……」
. _、_
( ー` )「……ドクオ?」

(;'A`)「ん?ああ、そうだったと思う」
. _、_
( ー` )「……懐かしいな」

父は、懐かしげというより寂しげにそう言った。
……父の背中は、記憶の中の物より頼りなさ気に、そして小さく見える。
それでも俺の貧弱な体躯に比べれば相当に頑健だったが。

88ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:17:47 ID:ceHagqxA0

そのうち俺の住んでいる地区の神輿が、俺たちの前から現れる。
目の前を歩く父が、ぱたっと足を止めた。
. _、_
( ー` )

('A`)

J( 'ー`)し

神輿を担いだ男たちに、祭りの客達が何やら声をかけたりしていたが、
俺たち家族は黙ってそれが通り過ぎていくのを見送った。
父は、腕組みをして。

……ほかと比べて小さな神輿が人混みの中に遠ざかって見えなくなると同時に、
父がボソリと「なってねえな」とつぶやく。
それからふっ、と鼻から短く息を吐くとそのまま前へと再び歩き出した。

父がそれに関してなにか言ったのは、この時はこれだけだった。

('A`)「ん、そういえばいまどこへ向かってるんだ?」

J( 'ー`)し「ふふふ、楽しみにしてな」

このまままっすぐに進むと山がある。
あ、もしかすると……。
. _、_
( ー` )「まあ、行けば分かる」

89ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:18:29 ID:ceHagqxA0

祭りのただ中を抜けて、俺達が着いたのは神社の階段の前だった。
町内会の本部テントの中では、じいさんが椅子に座って居眠りをしていた。

. _、_
( ー` )「登るぞ」

J(;'ー`)し「ごめん、あたし疲れちゃった」
. _、_
( ー` )「うん?そうか、じゃあちょっと待ってるか?」

J( 'ー`)し「そうね、少し休んだら行くから先にドクオと行ってて」

(;'A`)「うわあ、ここ登るのかよ」
. _、_
( ー` )「……たまには体を動かせ」

(;'A`)「たしかに運動にはなりそうだけどさあ」

しぶしぶ、父の後ろについて階段を登った。
……案外登るのは苦ではなかった。
中学の頃は野球部の練習でここを登ったり下ったりしたっけなあ。

その時の貯金で、俺はなんとかやっていけてる。
そういえば野球部入部を勧めたのは父だったな。
病弱な俺を心配して、当時の担任で部活の顧問の先生に「どうか鍛えてやってください」。
と、家庭訪問の時に言っていたのを思い出した。

90ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:19:13 ID:ceHagqxA0
. _、_
( ー` )「なあ、ここ来たの覚えてるか?一回だけ二人だけで」

('A`)「え?二人で?どうだったかな」
. _、_
( ー` )「……ここの神社の前でキャッチボールしただろ」

('A`)「ああ」
. _、_
( ー` )「あん時は俺が取りそこねたボールが神社の方に跳ねてって、
    ガラス割っちゃったんだ。それで二人して神主に叱られた」

(;'A`)「そんな事あったっけ?」
. _、_
( ー` )「なんだ、忘れてるのか?
    あの時はなんというか情けなかったよ、我ながら」

('A`)「……それはたしかに情けないな」
. _、_
( ー` )「おいおい、フォローしてくれよ」

父の表情がほころぶ、それが提灯の薄明かりに照らされるのが見えた。
……長い長い階段と、提灯の灯、父の笑み。
なんだか夢のなかのような光景だった。

91ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:19:55 ID:ceHagqxA0

階段を登り切った先の神社の境内は静かなものだった。
こんな日は物陰でギシアンする連中がいる事が多かったのだが、珍しく誰もそこにはいなかった。
. _、_
( ー`;)「ふう、ひさびさだとこたえるな。
    寄る年波ってやつか」

(;'A`)ゼエゼエ「安心しろトーチャン、俺も、しんどい、から」
. _、_
( ー`;)「あらら……しょうがねえな」

息も切れ切れに俺がそう言うと、父は首に掛けていたタオルを放ってよこした。
黙ってそれを受け取ると、俺はざっと顔を拭った。
そうして今度はそのタオルを俺が首に掛ける。

それから小さなベンチのところへよろよろと歩き、そこにどさっと腰をおろした。
父はまたその隣りのベンチに腰掛ける。

. _、_
( ー` )「だらしねえぞ、大の男がこのくらいで」

(;'A`)「悪かったな」
. _、_
( ー` )「……お前が小さい頃はカーチャンが心配したもんだ。
    お前が元気に育つかとか、病気しないかとか」

('A`)「それはあなたもでしょ!……ってカーチャンがよく言ってるよな。
    そういう話になると」
. _、_
( ー`;)「まあ、確かにそうなんだがな」

父は小さな声でそういうと頭をバリバリと掻いた。

92ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:20:39 ID:ceHagqxA0
. _、_
( ー` )「……お前があんまり何度も寝こむからここで願かけたりした。
    酒を絶って、煙草やめて……最近は油断して煙草は吸ってるが」

('A`)「酒も飲んでいいよ、俺はもうたぶん大丈夫だから」
. _、_
( ー` )「いや、飲めんな。酒をもう体が受け付けねえんだよ。
    まいったよな、好きだったのに」

('A`)「知らなかった。ありがとな」
. _、_
( ー` )「ん?いやいいんだ。酒豪ってわけじゃなかったから……」

('A`)「じゃなくて、願掛けの話だよ」
. _、_
( ー` )「お……話してなかったか?」

('A`)「うん」
. _、_
( ー` )「そうか」

思えば、あまり会話のない父子だった。
小さな頃は厳しい父に近寄りたくなかったし、
思春期になるといちいちうるさいのでそもそも家にあまり帰らなかった。

だから、こうしてじっくり話すのは本当に久しぶりのことだった。

93ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:21:20 ID:ceHagqxA0
それから父と、母が来るまでとりとめのない話をして過ごした。
ふたりとも口下手だったが会話が途中で止まることはなかった。

父は俺の小さな頃とかのことを本当にくだらないことまで覚えていて、
ずうっとそのことを喋り、俺はそれに相槌を打った。
時折、父は微笑み俺もそれにつられて笑った。

しばらくして母がのんびりと階段から姿を現した。
そして俺が父のタオルを首から掛けているのを見て、笑った。

J( 'ー`)し「はあ、遅くなっちゃった」
. _、_
( ー` )「大丈夫か」

J( 'ー`)し「平気、ところでまだ始まってない?」
. _、_
( ー` )「ああ」

('A`)「何の話?」
. _、_
( ー` )「三年に一度……覚えてないか?」

('A`)「……三年?」

('A`)「あ!」

94ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:22:23 ID:ceHagqxA0

その時だった。
やかんが湧いた時のような音が微かにして、ぱっと周りが明るくなる。
俺がはっとして上を見上げると頭上には大輪の花が咲いていた。

赤、緑と色を変えながら、一瞬の光輝は夜闇の中に姿を消す。
そして遅れて、腹に響くようなどおおんという音が響いた。

('∀`)「花火か……!」
. _、_
( ー` )「これを見せたかったんだ。
    三年前はもうあっちに帰ってたからな」

J( 'ー`)し「きれいねぇ」

町が少なくない金を出して上げる、三年に一度のの花火だった。
かなりきちんとした花火師を呼んできて上げるので、市外からも人が来るほどだ。
子供の頃は毎回これを家族でここに見に来ていたものだ。

なんでいままで忘れていたんだろうか。

95ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:23:25 ID:ceHagqxA0

下の方からは花火が打ち上がるごとに歓声が聞こえてくる。
家で聞いたカップルの声と大差ないものだったが、いらつくことはなかった。
全く自分でも不思議なものだった。

. _、_
( ー` ) J( 'ー`)し

父と母の方を見てみると、二人は一心に空を見上げていた。
久しぶりに家族三人で見る花火だ。また格別のものがあるのだろう。
それは俺にとっても同じだった。

('A`)「……たまには悪くないな」
. _、_
( ー` )「ああ」

J( 'ー`)し「そうねぇ」

家族で祭りというのも悪くない。全く悪くない。
まあ、彼女とのほうがきっと恐らく楽しいんだろうが……。
ひとまず今はこれで満足しておこうか。それが俺相応ってもんだろう。

そうやって俺は一人で頷いた。
それを見ていたらしい父も、何故か頷いていたのがたまらなくおかしかった。

96ドクオの夏祭りのようです:2011/08/30(火) 01:26:53 ID:ceHagqxA0
以上です
厳密にはもう30日だけど……堪忍してつかあさい
そしてここまでの主人公ドクオ率高いな

9729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 01:37:14 ID:kazgmsqoO


>両スレとも、投下は18:00〜明け方頃までで

となってるから、時間はセーフだよ

9829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 02:44:38 ID:9ovtZovMO
書けたんで投下する。
リア充爆発しろ。冷房きかせた部屋で一人で食うアイス最高。でもリア充爆発しろ。

9929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 02:45:36 ID:9ovtZovMO

川 ゚ -゚)「……よし」


姿見の前で一回転すると、薄桃色の浴衣の袖がふわりと靡く。
帯のズレなども見当たらないし、どうやら満足に着こなせているようだ。
足の先まで確認し、前髪の些細なハネをしつこく気にしていると、チャイムの音が鳴り響いた。


川;゚ -゚)「ぬぅう! もう来たのか! まだ約束の時間ではなかろう!」

しかし時計を仰ぎ見るときっかり七時を指しており、
もうそんなに経っていたのかと、金魚の影絵の施された巾着をひっ掴み慌てて玄関に向かった。



('A`)「や、やぁ」

川 ゚ -゚)「わざわざ迎えに来させてすまんな」

('A`)「いや、人ごみで待ち合わせるよりいいよ」


そうか、と返事をして巾着を持っていない方の手を差し出す。

('A`)「じゃ、じゃあ、行こっか」

彼が私の手を取り、私たちはぎこちなく歩き始めた。

10029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 02:48:06 ID:9ovtZovMO

二人で来る初めての夏祭り。
そんなに大きなお祭りではないが、それでも小さな神社の境内は近所の子供たちで埋め尽くされていた。


('A`)「は、はぐれない、よう、手を握ったままでも、いいかな?」

断るわけがない。
言葉にする代わりに、私は彼の骨ばった手を握る力を強くした。
彼が、照れ臭そうに笑った。


色んな出店を見て回った。
彼も私もそんなに背が高い方ではないから、見えるのは人の背中ばかりだったけど、それでも楽しかった。

金魚すくいは二人とも惨敗で、来年に向けて特訓することにした。
私がベビーカステラを食べたがったら、綿あめを物欲しそうに見ていた彼は嫌な顔ひとつせずに一緒にベビーカステラを食べてくれた。
それから焼きそばも頬張る彼の横顔を見ながら、細っこくてもやっぱり男の子なんだなぁとしみじみ思った。

101『青いハンカチのようです』:2011/08/30(火) 02:50:43 ID:9ovtZovMO

楽しい時間は早く過ぎるものだ。
話したいことや見たいものが、尽きるどころか増えていく一方だというのに、
だんだんと人がまばらになっていく。お開きの時間は近いようだ。

('A`)「……もういいかな」

彼が、私から手を離す。

もう、お別れなのかな。
……最後まで、浴衣のこと何も言ってくれなかったなぁ。

少し沈んだ気持ちでてこてこと歩いていると、ふいに足元でブツッという音が聞こえて、

川;゚ -゚)「えっ……」

とたんに私はバランスが取れなくなり、そのまま転んでしまった。



(;'A`)「す、素直さん!? 大丈夫!?」

川;x -゚)「つつ……あ、ああ、平気、だ。
     ……あ……浴衣が……」


綺麗な桃色は、砂ぼこりにまみれて見る影も無くなってしまった。

川 ゚ -゚)「……」


鼻緒が、切れてしまったらしい。
……こんなことになるなら思いきって浴衣の感想聞いておけばよかったなぁ。

102『青いハンカチのようです』:2011/08/30(火) 02:51:22 ID:9ovtZovMO

(;'A`)「す、素直さん、ちょっとごめんね」

彼が青いハンカチで必死に汚れを擦り落とそうとしている。
しかし汚れは薄くなり広がるばかりだ。

川;゚ -゚)「もういい、帰って着替えるよ」

これ以上汚れた私を見せたくない。
別れも嫌だが、砂まみれのまま一緒にいるのも嫌だ。

だが彼は私の言葉を無視して、何度もハンカチを裏返し、砂を払い、畳み直し、汚れと戦い続けた。

川;゚ -゚)「もういいってば! 汚いから!」

(;'A`)「汚くない! 素直さんは綺麗! 輝いてる!」

川*゚ -゚)「なっ……」


(;'A`)「ただでさえ綺麗なのに、浴衣なんて着るから……俺なんかが隣に居て良いのかってくらい、今日の君は輝いてる」

(;'A`)「手を繋ぎっぱなしに……しとかなきゃ……
    ほっといたら、他の男に連れてかれちゃいそうだった。不安だった」

突然何を言い出すのだろうこの男は。
急激なショックで心臓がはち切れんばかりに鳴っている。
いい意味で、死にそうだ。

103『青いハンカチのようです』:2011/08/30(火) 02:52:07 ID:9ovtZovMO

('A`)「ごめんね……肝心なときに、手を離してて。
    なにやってるんだろうね……情けないね。彼氏失格だ……」

川*゚ -゚)「……そう思うなら、名誉挽回のチャンスを与えるから、彼氏らしさをみせてくれ。」

(;'A`)「な、なに?」


川ノ*゚ -゚)ノ「だっこ」

(;*'A`)「え、ええぇえぇえ!?」

川*゚ -゚)「鼻緒が切れてて歩けんのだ。仕方なかろう。根性見せろ彼氏」

(*'A`)「が、がんばります」


そして、彼が私の背中と腿を抱えて持ち上げた。
女の子なら誰しもが憧れる、お姫さまだっこという奴だな。もう死んでも後悔はない。
……いや、キスくらいはしときたいな。まだ死ねん。

川*゚ -゚)「大丈夫か?」ギュッ

(;'A`)「お、おぉ、うん。平気、だ、よ」フラフラ

明らかによろめいている彼がなんだか可愛くて、顔がにやけるのが止められない。
どこまでもつのか見ものだ。
一秒でも長く、続けてくれるといい。

彼はゆっくりと、石段に向かって歩き出した。

104『青いハンカチのようです』:2011/08/30(火) 02:52:54 ID:9ovtZovMO

川*゚ -゚)「浴衣、気合い入れて着てみたんだぞ」

(;'A`)「う、うん。かわい、いよ」プルプル

川*゚ -゚)「そう思ってるならもっと早くに言え! 会ってすぐさま言え!」

(;'A`)「ごめ、ん」フラフラ

川*゚ -゚)「なんとも思ってないのかと不安で仕方なかったわ!」

(;'A゚)「ごめ、ごめん。言うの……照れ臭……くて」ヒューヒュー

川*゚ -゚)「転ばなきゃ最後まで言ってくれなかったのか? これから何かと転んでやろうか?」

(;゚A゚)「そっ……そんな、やめて……あぶない……あぶない……から」プルプル

川*゚ -゚)「そう思うならもう少し口下手を直したまえ!」

川*゚ -゚)「でも、私は、言葉に出さずとも誰よりも私を想ってくれている、ありのままの君が大好きだよ」

川*゚ -゚)「……私は幸せものだ」ギュッ


もう心臓は限界値まで跳ね上がっている。これ以上ないくらいドキドキしている。
だから、少しくらい照れ臭いことを言っても、既に限界まで高なっている鼓動が更にヒートアップすることはない。
今なら、どんな恥ずかしいことも素直に伝えられる。

105『青いハンカチのようです』:2011/08/30(火) 02:53:36 ID:9ovtZovMO

川*゚ -゚)「このまま教会まで運んでくれるか。浴衣で結婚式というのも悪くない」

(; A )「…………」ヒューヒュー

川*゚ -゚)「なぁ、それとも、地平線の彼方にでも連れ去ってくれるか?」

(; A )「…………すな、お、ざん」ヒューヒュー

明らかに異常な呼吸音に紛れて彼が私の名前を呼んでくれた。
ちらりと彼の顔を見る。


(;;゚;A'゚;;)


あ、さっきの青いハンカチのような色だ。
私は自然にそう思った。


(;;゚;A'゚;;)「ご……べん……げんか、い………」


それが私の聞いた彼の最後の言葉だった。

106『青いハンカチのようです』:2011/08/30(火) 02:54:53 ID:9ovtZovMO

石段の途中で力尽きた彼と縺れあうように転がり落ちた私は、全身泥まみれでそのまま救急車で搬送され、頭を五針縫う手術を受けた。

彼の方は骨を折ったらしく、お互いにベッドから動けず、
顔をあわせられないまま……彼は私のもとを去った。

看護師さんづてに受け取った手紙には、


('A`)『筋トレの旅に出ます。怪我させて本当にごめんなさい』


とだけ記されていた。
……来年の夏には、また迎えに来てくれるだろうか。
今度は見違えるようなマッチョになって。


川 ; -;)「それまでに……私もダイエットしておくな……」

そう一人ごちて口に入れたポテチは、コンソメなのに塩の味しかしなかった。

107 ◆9KrP3RFuVo:2011/08/30(火) 03:00:35 ID:9ovtZovMO
おしまい。


恋愛ものを書こうとすると全身に蕁麻疹が浮かび上がり、
奇声を上げながらのたうち回る羽目になる体質の俺でも楽しく参加できてる
少女小説http://jbbs.livedoor.jp/b/i.cgi/internet/13029/1314432856/を夜露死苦、と浅ましく宣伝しておく。

リア充をお話の中で爆発させんの超楽しいね

10829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 03:05:21 ID:TnTl7f/MO
途中までニヤニヤしてたのに、後半でワロタw
乙!

10929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 03:33:25 ID:LKhVhGEM0
誰もいない内に投下する
「祭り」

110l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:34:49 ID:LKhVhGEM0

l从・∀・ノ!リ人「おまつりなのじゃー!妹者おまつり初めてなのじゃー!」

( ´_ゝ`)「いいか妹者、ちょっとだぞ。
       ちょっと出店を見たらすぐ母者のとこ行くからな」

l从・д・ノ!リ人「えー・・・」

( ´_ゝ`)「父者達は一足先に病院に行ってるんだから、俺らもすぐ向かうぞ」

l从・д・ノ!リ人「・・・むう」

( ´_ゝ`)(本当は祭りに寄ってる時間などないんだが・・・
       可愛い妹の頼みなら仕方あるまい)

( ´_ゝ`)(それにしても人が多い)

( ´_ゝ`)つ「ほら妹者、迷子になるからしっかりと俺の手を握ってるんだぞ。
        兄との約束だ」

⊂l从・∀・ノ!リ人「やくそくなのじゃ!」

( ´_ゝ`)つ⊂l从・∀・ノ!リ人 ギュ

l从・∀・ノ!リ人「・・・のじゃ?」

ξ゚⊿゚)ξ
从 ゚∀从
(*゚∀゚)

111l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:35:31 ID:LKhVhGEM0

l从・∀・ノ!リ人「・・・」

( ´_ゝ`)「どうした?何故兄の後ろに隠れる」

l从・∀・ノ!リ人「ツンちゃんたちがいるのじゃ」

( ´_ゝ`)「ツンちゃん?
       あー妹者のクラスメイトで抱き着いたら俺の息子に蹴り入れたツンデレ属性の縦ロールちゃんか」

( ´_ゝ`)「ケンカでもしたのか?」

l从・∀・ノ!リ人「・・・のじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者が悪いと思ってるなら仲直りしておいで」

l从・∀・ノ!リ人「ヤなのじゃ。妹者わるくないのじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者が仲直りしたいと思ってるなら、」

l从・∀・ノ!リ人「そんなことより兄者ー!お店がいっぱいなのじゃー!
       金魚すくいするのじゃー!」タタタッ

(;´_ゝ`)「あっこら、勝手に出歩くな!」

l从・∀・ノ!リ人「みてみて!金魚さんをおたすけしたのじゃ!」

(*´_ゝ`)「おお、二匹も掬えたのか。よくやった、流石だぞ妹者」

l从・∀・ノ!リ人「わたあめも買ったのじゃ!」

(*´_ゝ`)「さっきの短時間でそこまでやってのけるとは、流石すぎるぞ妹者」

l从*・∀・ノ!リ人「えへへー!」

112l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:36:11 ID:LKhVhGEM0

( ´_ゝ`)「っと、もうこんな時間か。そろそろ病院に行くぞ妹者」

l从・∀・ノ!リ人「ヤなのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「あいたくないのじゃ!妹者はいかないのじゃ!」

( ´_ゝ`)「それ、母者が聞いたら悲しむぞ」

l从・∀・ノ!リ人「だって・・・だってぇ・・・」

l从 ∀ ノ!リ人「・・・」

l从 ∀ ノ!リ人「・・・みんなダイッキライなのじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者?」

(;´_ゝ`)「おーい妹者ー!どこ行ったー!?」

l从・∀・ノ!リ人

l从・∀・ノ!リ人「・・・兄者?」

l从・∀・ノ!リ人「兄者がいないのじゃ。妹者が手はなしたから、はぐれちゃったのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「父者たちだって、わるい子な妹者のことなんてどうでもいいのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「ひとりぼっちになっちゃったのじゃ・・・」

「ひとりなんかじゃないよ」

l从・∀・ノ!リ人「?」

(´<_` )

113l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:36:51 ID:LKhVhGEM0

l从・∀・ノ!リ人y「・・・兄者?」

(´<_` )「・・・だ・・・・・・」

l从・∀・ノ!リ人「のじゃ?とおくてなに言ってるか聞こえないのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「いまそっちいくのじゃ!兄者ー!」タタタッ

(´<_` )

―――ぐにゃり・・・

l从・∀・ノ!リ人「!?」

l从・∀・ノ!リ人(・・・え?)

l从・∀・ノ!リ人(どうなってるのじゃ?ここ、どこなのじゃ?)

l从・∀・ノ!リ人(さっきの神社?でも、まっくらなのじゃ)

(´<_` )

l从・∀・ノ!リ人「あ、兄者!いきなりまわりがまっくらになっちゃったのじゃ!
       お店もちょうちんも、まっくらなのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「それに妹者たちしかいないのじゃ!みんなどこいっちゃったのじゃ?」

(´<_` )「・・・」

l从・∀・ノ!リ人「兄者?」

(´<_` )「俺はお前の兄者じゃないよ」

114l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:37:48 ID:LKhVhGEM0

l从・∀・ノ!リ人「のじゃ?そういえば兄者よりちっちゃいのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者?」

(´<_` )「妹者、神社だ」

(´<_` )「あそこの神社に行こう」

l从・∀・ノ!リ人「?」

⊂(´<_` )「手」

⊂(´<_` )「はぐれないように」

l从・∀・ノ!リ人「!」

l从・∀・ノ!リ人つ「やくそくじゃね!」

l从・∀・ノ!リ人つ⊂(´<_` ) ギュ

115l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:38:37 ID:LKhVhGEM0

(´<_` ) テクテク

l从・∀・ノ!リ人 テクテク

(´<_` )「・・・それ」

l从・∀・ノ!リ人「?」

(´<_` )「その手に持ってる物、何?」

l从・∀・ノ!リ人「これ?金魚さんさんと、わたあめと、リンゴアメなのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「そうだ。ちっちゃい兄者にわたあめあげるのじゃ」

(´<_` )「何それ?」

l从・∀・ノ!リ人「食べものなのじゃ!ふわふわで甘くっておいしいのじゃよ」

(´<_` )「食べ物?」

(´<_` ) モグモグ

(´<_` )「・・・美味しい」

l从・∀・ノ!リ人「妹者もわたあめだいすきなのじゃ!」

116l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:39:18 ID:LKhVhGEM0

(´<_` )「それは?」

l从・∀・ノ!リ人「金魚さんなのじゃ!」

(´<_` )「それも美味しいのか?」

l从;・∀・ノ!リ人「食べちゃダメなのじゃ!!食べものじゃないのじゃ!」

(´<_` )「食べ物じゃないのか」

l从・∀・ノ!リ人「ねーねー、おまつりおわっちゃったのじゃ?まっくらなのじゃ」

(´<_` )「おまつり?」

l从・∀・ノ!リ人「きょうは神社で夏まつりなのじゃ!
       お店がいーっぱい出て、はなびも上がるのじゃ!」

(´<_` )「夏まつり。楽しそうだ、俺も行きたい」

l从・∀・ノ!リ人「うん!ちっちゃい兄者も、次はいっしょに夏まつり行くのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者といっしょにわたあめ食べるのじゃ!やくそくなのじゃ!」

(´<_` )「・・・残念だがそれは約束出来ない」

l从・∀・ノ!リ人「どうしてなのじゃ?」

(´<_` )

( <_  )「神社についた」

117l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:40:04 ID:LKhVhGEM0

―――バタン!!

l从・∀・ノ!リ人「!!」

l从;・∀・ノ!リ人(神社のとびらがひらいて中に・・・すいこまれちゃうのじゃ!!)

l从;∀;ノ!リ人「こわいのじゃー!ちっちゃい兄者ー!たすけてなのじゃー!」

( <_  )「・・・」

l从;д;ノ!リ人「うわーん!!」

「妹者ちゃん!!」

l从;∀;ノ!リ人「のじゃ?」グイッ

ζ(゚ー゚*ζ「妹者ちゃん!間に合ってよかった!」

l从・∀・ノ!リ人「ツンちゃん?」

从'ー'从「あぶないところだったねぇ」

(#゚;;-゚)「いっしょにあそぼ?」

l从・∀・ノ!リ人「ハインちゃんにつーちゃんも!」

l从・∀・ノ!リ人(でもやっぱりみんな妹者の知ってるみんなと、ちょっとちがうのじゃ)

118l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:40:46 ID:LKhVhGEM0

ζ(゚ー゚*ζ「妹者ちゃん、ごめんね」

从'ー'从「これからずぅーっといっしょだよぉ」

(#゚;;-゚)「ずっといっしょ。ずっといっしょ」

l从*・∀・ノ!リ人「うん!」

(´<_` )「妹者、帰らなくていいのか?」

l从・∀・ノ!リ人「・・・ぁ」

ζ(゚ー゚*ζ「かえるの?どうして?」

l从・∀・ノ!リ人「えっとね、みんなが病院で妹者のことまってるのじゃ」

从'ー'从「ほんとはみんないっしょにおまつり来るはずだったんだよねぇ?
     でもみんなは妹者ちゃんとの約束、やぶったんでしょ?」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ。父者たちもいっしょにおまつりに来るはずだったけど、母者が・・・
       でもヤだったから、病院にいきたくなかったから、兄者にわがまま言ったのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「ほんとはね、夏まつり、来ちゃダメだったのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者はわるい子なのじゃ」

119l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:41:41 ID:LKhVhGEM0

(#゚;;-゚)「妹者、わるい子」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。わるい子だね」

从'ー'从「妹者ちゃんわるい子だから、みんな妹者ちゃんのこと、どうでもよくなっちゃうんじゃない?」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ。みんな妹者のこと、どうでもいいのじゃ」

ζ(゚ー゚*ζ「みんなひどい人ね」

(#゚;;-゚)「妹者、かわいそう」

(´<_` )「だったら、ずっとここにいる?」

l从・∀・ノ!リ人「えっ・・・」

(´<_` )「妹者は望んでここに来た、俺の来ちゃダメだって声に耳を塞いで。
       現実から逃げたくて、このあべこべの世界に来た」

(´<_` )「ずっとここにいる?
       理想の友達がいる、この偽物の世界に」

l从;・∀・ノ!リ人「そ、そんなのイヤなのじゃ!!ほんと家族に会いたいのじゃ!
       もしみんなが今までみたいに妹者のこと見てくれなくっても、それでもいいのじゃ!」

l从;・∀・ノ!リ人「ほんとのツンちゃんたちにだって、ごめんなさいしたいのじゃ!!」

120l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:42:36 ID:LKhVhGEM0

(´<_` )「ほら。やっぱり妹者は良い子だ」

l从・∀・ノ!リ人「いい子・・・?」

(´<_` )「うん。妹者は優しい子だよ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者、いい子じゃない・・・でも、いい子になるのじゃ!
       みんな大好きなのじゃ!だから、だからっ・・・」

l从 ∀ ノ!リ人「みんなにも、妹者のこと好きになってほしいのじゃ・・・」

(´<_` )「俺は妹者が大好きだよ」

(´<_` )「覚えてるかな。ずっと前、妹者が俺の事撫でてくれたんだ。
       すごく嬉しかった。妹者はもう覚えてないかも知れないが」

(´<_` )「父者達だって、ツンちゃん達だって、お前の事が大好きなんだよ。
       なのにどうでもいいなんて、そんな悲しい事言わないでくれ」

l从・∀・ノ!リ人「・・・ごめんなさいなのじゃ」

⊂(´<_` )「さあ、行こう。もう帰らないと」

l从・∀・ノ!リ人つ「うん!」ギュ

121l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:43:25 ID:LKhVhGEM0

(´<_` )「この神社の扉の向こうに行けば、元の世界に戻れる」

l从・∀・ノ!リ人(とびらにすいこまれるのじゃ・・・)

(´<_` )「手を、離すよ」

l从;・∀・ノ!リ人「ダメなのじゃ!!ちっちゃい兄者もいっしょに来るのじゃ!
       こんなまっくらでなんにもないとこにいちゃダメなのじゃ!」

(´<_` )「きっとまた会える。八月・・・いつかの夏祭りで、また俺にわたあめ食べさせてよ」

l从;・∀・ノ!リ人「ヤなのじゃ!はなさないってやくそくしたのじゃ!
       妹者はちっちゃい兄者ともいっしょにいたいのじゃ!!」

(´<_` )「・・・」

(´<_` )「・・・俺は、お前の兄者じゃないよ」

l从;・д・ノ!リ人「そんなことないのじゃ!!ちっちゃい兄者だって、妹者の・・・っ」

l从; д ノ!リ人(ああっ・・・とびらがとじちゃう・・・)

―――パタン・・・

l从 ∀ ノ!リ人

l从 ∀。ノ!リ人「・・・妹者の、お兄ちゃんなのじゃあ・・・」

「妹者!!やっと見つけた!」

l从・∀・ノ!リ人「兄者・・・ほんとの兄者なのじゃ・・・」

(;´_ゝ`)「早く病院に行くぞ!母者が・・・母者が・・・!!」

l从;・∀・ノ!リ人「!!」

122l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:44:08 ID:LKhVhGEM0

バタン!!

l从;・∀・ノ!リ人「母者ー!!」

(;´_ゝ`)「すまない遅くなった」

∬ _ゝ )「あんた達・・・遅かったわね・・・」

l从・∀・ノ!リ人「!!」

( ´_ゝ`)「・・・どうやら、間に合わなかったようだな」

 彡⌒ミ
(  _ゝ )「ああ・・・」




 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「もう産まれてしまったよ」

(;<_; ) ピギャー!ピギャー!

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「おや、妹者も来てくれたのかい。あんなに弟が生まれるの嫌がってたのに、嬉しいよ」

123l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:44:53 ID:LKhVhGEM0

(;<_; ) ピギャー!ピギャー!

(*´_ゝ`)「おお、俺に似てイケメンだな。将来が楽しみだ」

∬´_ゝ`)「ほんと兄者の生まれた頃そっくり。心の底から同情するわ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「さっきからなんでか泣き止まないねぇ」

 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「きっと名前が欲しくて泣いてるんだよ。四兄弟の末っ子だから末者にしよう」

(*´_ゝ`)「ほーら末者ー、お兄ちゃんだぞー」

(;<_; ) ギャアアアアアアアアアアン!!

∬´_ゝ`)「兄者のドアップがそんなに衝撃的だったのかしら」

(iii´_ゝ`) ガーン

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「名前が嫌なんじゃないかい?」

124l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:45:42 ID:LKhVhGEM0

l从・∀・ノ!リ人

l从-∀-ノ!リ人

               『俺は、お前の兄者じゃないよ』

l从・∀・ノ!リ人
           
l从・∀・ノ!リ人「・・・この子は妹者の弟なのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人

l从・∀・ノ!リ人「この子は弟者。流石弟者なのじゃ!」

(;<_; )「ぎゃ・・・」ピタッ

(・<_・。)

(・<_・*) キャッキャッ





「あ、笑った・・・」



l从・∀・ノ!リ人「八月、いつかの夏祭りで」のようです 終

12529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 03:45:57 ID:9ovtZovMO
ピギャーwww

126l从・∀・ノ!リ人はちがつ、いつかのなつまつりでのようです:2011/08/30(火) 03:47:00 ID:LKhVhGEM0
以上です
流石兄弟の設定をまるっと無視したあばばばば

12729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 04:04:30 ID:TnTl7f/MO
乙!

まだ明け方じゃないよな…。投下しま。

12829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 04:06:51 ID:TnTl7f/MO
ほ、ほ、ほーたるこい。


こっちの水はあーまいぞ

ぞいがーには水のちっあ

ほ、ほ、ほーたるこい。


川д川「ほ、ほ、ほーたるこい。」

(-_-)「…何小学生と一緒になって歌ってんの、いい歳して。」

川;д川「いい歳って…私は永遠の高校生だよ?!」

(-_-)「どっちにしろ童謡歌うような年齢ではないでしょ…。」

川;д川「別にいいじゃない…、夏祭りぐらい。」

129(-_-)ホタルのようです川д川:2011/08/30(火) 04:10:14 ID:TnTl7f/MO


(-_-)ホタルのようです川д川



川*д川「それにしても、今年もホタル一杯いるね、ヒッキー君。」

(-_-)「そりゃそうでしょ、ホタルがメインの祭りなんだから。」

川;д川「…もうちょっとロマンとか無いの?ホタル綺麗だね、とか。」

(-_-)「ホタル嫌いなんだよ。」

川д川「なんで?こんなにきれいなのに。」

(-_-)「…ホタルってのは、じゃんけんで負けた奴がなるんだよ。」

川;д川「え?どういうこと?」

130(-_-)ホタルのようです川д川:2011/08/30(火) 04:11:43 ID:TnTl7f/MO

(-_-)「『じゃんけんで
負けて蛍に生まれたの』って言う俳句があるんだよ…。」

川д川「へぇ〜…。でも、じゃんけんで負けてこんなに綺麗に生まれて来れるなんていいなぁ。勝ち組だよね」

(-_-)「何処がだよ。あの光は別に綺麗だから光らせてる訳じゃないんだぞ、生殖活動のためだ。」

川;д川「もー!ロマンチックな事言えないならこの林檎飴でも食べてお口チャックしてて!」

(-_-)「本当のこといっただけだぞ…モグモグ」

131(-_-)ホタルのようです川д川:2011/08/30(火) 04:12:54 ID:TnTl7f/MO

川д川「全くもう…、そんなんだからお祭りに一緒に来てくれる女の子がいないんだよ…。」

(-_-)「…モグモグ」

川д川「…ヒッキー君って、お祭り何のために来てるの?」

(-_-)「食べ物食べに。綿飴とかチョコバナナとかうますぎる。」

川д川「だと思ったよ…。」

132(-_-)ホタルのようです川д川:2011/08/30(火) 04:17:02 ID:TnTl7f/MO
ほ、ほ、ほーたるこい。


こっちの水はあーまいぞ

ぞいがーには水のちっあ

ほ、ほ、ほーたるこい。


川д川「…私、生まれ変わるならホタルがいいなぁ。」

(-_-)「…止めとけよ。」

川д川「なんと言われても綺麗だもん、ホタル。」

(-_-)「…ホタルになんて生まれ変わったら夏が終わったら会えなくなるだろうが。」

川д川「今だって、変わらなくない?夏祭りの日にしか会えないし。」

(-_-)「…お前がいない夏祭りなんか意味ないだろ。」

川д川「食べ物があるじゃない」

(-_-)「お前と食うからうまいだけだ。」

川д川「…私は食べれないけどね?」

(-_-)「まぁ、うん。」

133(-_-)ホタルのようです川д川:2011/08/30(火) 04:19:08 ID:TnTl7f/MO

川д川「あーぁ、こんな話してたらもうこんな時間かぁ。今年も夏祭り終わっちゃうね。」

(-_-)「…そうだな。」

川д川「ねぇねぇ、ヒッキー君がホタル嫌いなのって、私ににてるから?」

(-_-)「あー…そうかもな。どっちも俺を置いて死んじゃうからな。」

川д川「ごめんね、まだ怒ってる?私が死んだこと」

(-_-)「当たり前だろばか。」

川д川「ひどいなぁ、毎年夏祭りにちゃんと会いに来てるのに。すごくロマンチックでしょ?」

(-_-)「…ロマンチックなんていらないから、毎日一緒にいたかった。」

川д川「…あぁ、だからロマンチックなの嫌いなのかな?」

(-_-)「うるさい。」

134(-_-)ホタルのようです川д川:2011/08/30(火) 04:27:24 ID:TnTl7f/MO




川д川「…ヒッキー君、私、生まれ変わったらやっぱりホタルがいいや。じゃんけんで勝っても負けてもホタルに生まれたい。」

(-_-)「…俺が寿命で死んだら、一緒に生まれ変わればいいだろ。それまでは待ってろ。」

川д川「結構待つよね、それ。でも、ヒッキー君のお嫁さんとか子供も見れるってことかぁ」

(-_-)「…俺はホタルと違って生殖活動をする気はないけどな。」

川;д川「生々しい言い方しないでよ!」

(-_-)「……君が生きていたら、俺も頑張って光ってたかもね。」

川д川「…なんか、それってどうなんだろ、微妙だよね。」

(-_-)「…来年は少しぐらいロマンチックなセリフ言えるようしとく。」

川ー川「期待しないで待ってるよ。、じゃあ、ヒッキー君。また、来年の夏祭りに。」

(-_-)「ん、また来年。」


彼女が座っていた場所に、一匹のホタルが死んでいた。

やっぱりホタルってのは、じゃんけんで負けて生まれてくるんだろうと、俺は思った。

13529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 04:29:30 ID:TnTl7f/MO
終わりです!投下してから8月の終わりにホタルって…とか言われたらどうしようかとおもったけど、【夏祭り】だからいいよね、うん。

13629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:12:16 ID:ACguQOvE0
言おうとしたことは告知スレに誤爆した
投下します

13729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:13:17 ID:ACguQOvE0

 数年前からVIP市に夏季限定で出没し始めたローカル怪人「カチョウフウゲツ」は
 今日みたいに湿気でジメっとした夜に街を徘徊して周辺住民のドひんしゅくを買っていく。
 
 しかし案ずることはない。
 
 こいつが出来るのはせいぜいキモがられることぐらいなのだ。

 「おれはカチョウフウゲツだぞぉ」と「火のよぉ〜じん。カチカチ」のノリで叫んで練り歩く。
 どう見てもキモイし精神異常者だし何よりも近所迷惑。

 騒音→通報→逮捕。

 このコースをカチョウフウゲツは何度も経験しているのだがやつは留置所から出てきては行為を繰り返す。
 「おれはカチョウフウゲツだぞぉ」

 警察が頼りにならんことを知ると、今度はカチョウフウゲツを個人的にリンチにかける連中が現れた。
 
 金属バット、出刃庖丁、竹刀、ゴルフクラブ。
 
 各自、相手がビビって奇行を自粛するだろう武器を構えてカチョウフウゲツを囲んだ。

138( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:14:12 ID:ACguQOvE0

(#,,゚Д゚)「うるせぇんだゴルァ! しばきたおすぞゴルァ!」

 いの一番にカチョウフウゲツを脅しつけたのがギコだった。
 やたら短気だけど仲間内でだけはイイやつで通っているヤンキーの模範みたいなやつ。

( ∵)「おれはカチョウフウゲツだぞぉ!」

 スクリームマスクを被ったカチョウフウゲツはギコをシカト。

 仲間の前で恥をかかされてはヤンキー的にオイシクない。

 ギコは自分の肩の上まで金属バットを持ち上げてカチョウフウゲツの右肩に振り下ろした。

( ∵)「ウゴ……」

 ギコのバットが合図となり、集団はカチョウフウゲツをボコり始める。

( ∵)「ウゴ……ウゴ……」

 金属バットが、竹刀が、ゴルフクラブが、カチョウフウゲツの身体へ喰いこんでいく。
 ドクオの出刃庖丁はカチョウフウゲツの手足の先っちょをひっかくだけだったが。

139( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:14:54 ID:ACguQOvE0

( ^ω^)「……」

 ぼくは金剛杖でカチョウフウゲツの脇腹を何度も突いていた。
 
 ちなみにこの金剛杖は「冥途の土産」にと両親に強要されて祖父と共に無理矢理登らされた富士山で買ったものだがそんなことはどうでもいい。
 
 ぼくが金剛杖を持参したのは目立ちたかったからである。

 バットや竹刀なんて武器の王道すぎる。
 ふだんヤンキー集団の腰ぎんちゃく扱いを受けている身としては選択した武器のセンスだけでも主役になりたかった。

 その点はドクオも同じ気持ちだったのだろう。
 出刃庖丁を抜き身で持ち歩き、「有事にはキレる自分」をアピール。
 もっともカチョウフウゲツの腹をぶっ刺す勇気なんてドクオには無くて、結局はヘタレであるということをぼくらに再認識させただけだった。

140( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:15:34 ID:ACguQOvE0

(#,,゚Д゚)「ゴルァッ! ゴルァッ!」
  _
( ゚∀゚)「ひゃはは。死ね死ね」

( ∵)「ウゴ……」

 集団のリーダー格であるギコとその親友であるジョルジュの攻撃は容赦なかった。
 
 もし殺してしまったら……。そんな考えは彼らにはとても見受けられなかった。
 
 一方的なギャクサツはしばらく続き、やがて亀みたいに地面に丸くなっているカチョウフウゲツはうめき声すらあげなくなった。

 ここまでやれば仲間に対する体面は保てたということなのだろう。
 
 カチョウフウゲツに対する暴力は止み、「これからは舐めた真似すんじゃねぇぞ」
 と、ギコがカチョウフウゲツの脇腹に蹴りを入れた。それでその晩の"ヤキ"はおしまい。
 
 ぴくりとも動かないカチョウフウゲツをぼくらは後にし、帰りにマックで夜食を食べてから各自家に帰った。

141( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:16:15 ID:ACguQOvE0

 ぼくらがカチョウフウゲツに"ヤキ"をいれてから、夏の風物詩のひとつに"ヤキ"が加わった。
 なにせカチョウフウゲツは懲りない。
 いくら暴行を加えたところで自分の名前を叫びまくるという奇行を止めない。

 市内の中高生はこぞってカチョウフウゲツをちょうどいいサンドバッグ代わりに殴った。
 色々ある年頃だ。みんないらいらしている。

 食事、睡眠、セックス、暴力。
 人間の四大欲求。
 暴力は社会に抑えつけられている。
 いつだって爆発する時を待っている。 

 ぼくもギコ達に誘われて何度かカチョウフウゲツ狩りをやったが、中三の夏から参加するのをやめた。

 どうせギコ達とは中学までの縁だ。
 来年からはヤンキーに媚を売らなくても青春を謳歌できるのだ。

 そしてぼくは地元のそこそこの公立高校に合格した。
 毎年夏になるとカチョウフウゲツが騒ぎだすが、ぼくは決して関与しないようにと思った。
 せっかくヤンキーと縁を切ったのに、その思い出をいまさらむし返すことはないだろう。

142( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:17:36 ID:ACguQOvE0



('A`)「よっ。ブーンだろ。久しぶり」

( ^ω^)「誰だお?」

 二十歳になったぼくは成人式に参加するために地元へ里帰りをしていた。
 大学は京都の私大。

 成人式の終わった後での同窓会でぼくは見知らぬ男に声をかけられた。
 
 中学を卒業してからもう数年経っている。
 昔の同級生もみんな変わった。しかし面影は残る。それでおおよそ誰が誰か判断できる。
 
 この男は誰だ? 左右の眼の高さの違うという顔の特徴をもった同級生はぼくの記憶にない。


('A`)「おれだよ。ドクオだよ」

 ああ、ドクオか。パシリの。
 ぼくは胸の中でぽんと手を叩く。

14329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:18:25 ID:ACguQOvE0

('A`)つ□「つもる話は色々あるけど。乾杯」

( ^ω^)つ□「お」

 ドクオはぼくの隣の席に陣取ると、ビールと焼き肉をぐちゃぐちゃ喰い始めた。
 
 別に隣が女じゃないと嫌というわけではない。下品な化粧と髪型の田舎女なんて心底どうでもいい。
 
 しかしせっかくの同窓会だというのに隣がドクオではあまりに冴えない。
 
 ぼくは周囲を見渡し、暇そうにしているやつがいないかと探す。
 
 ジョルジュの周りに女が群がっている。やはり田舎ではヤンキーが強い。

( ^ω^)「あれ、ギコがいないお」

('A`)「ああギコね。ギコ。都落ちしたよ」

( ^ω^)「都落ち?」

('A`)「ギコの先輩のナントカって族のナントカさんの女をやっちゃったんだって。
   土下座と三十万で済んだらしいけどそっから仲間からハブられてんの」

144( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:19:06 ID:ACguQOvE0

( ^ω^)「ふーん」

('A`)「アイツも今頃カチョウフウゲツだろうな」

(;^ω^)「は?」

 こいつはいきなりなにを言いだすのだ。

('∀`)つ□「ちなみにおれも昔カチョウフウゲツだった。はいカンパ〜イ」

(;^ω^)つ□「???」

145( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:19:59 ID:ACguQOvE0

 それからドクオは聞いてもいないのにべらべら喋り始めた。
 
 カチョウフウゲツは人生の脇役が主役になる手段だと。
 
 叫び回っていれば街の人間はカチョウフウゲツを嫌でも注目せざるをえないと。
 
 血まなこになって追いかけてくるガキほど注目を欲しており、そういうガキほどカチョウフウゲツになりやすいのだと。
 
 そして、カチョウフウゲツになった人間はほとんどの場合、マスカキを覚えたサルのように、殺されるまで行為を止めはしないのだと。

146( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:20:40 ID:ACguQOvE0

('∀`)つ□「つまりカチョウフウゲツを消滅させられるのはお前だけなんだよブーン。カンパ〜イ」

( ^ω^)つ□「わけがわからないお」

('A`)「だからぁ。嫌いって感情は好きに転じるものだろ。カチョウフウゲツを嫌っているやつほどなってしまう可能性が高いんだ。
   無関心なお前ならカチョウフウゲツを完全消滅させることがでるかも、ってな」

('∀`)つ□「俺は駄目だ! 一回なっちゃったし! 眼をぶん殴られて正気に戻れたけどな! はいカンパ〜イ」

( ^ω^)つ□「注目の快感より死の恐怖が上回ったということかお。ヘタレらしいというか……」

147( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:21:33 ID:ACguQOvE0

( ^ω^)「そういえば何でギコがカチョウフウゲツになったと思うんだお?」

('A`)「あいつは人気者だったからな」

 一度注目の快感に味をしめたら中毒になるってことか。

( ^ω^)「まぁいいお。暇だし、出来たら頑張ってみるお」

( ^ω^)「ドクオ?」

(-A-)zzz

( ^ω^)「潰れたかお」

14829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:22:14 ID:ACguQOvE0



 二次会はパスすることにした。
 ぼくは実家のベッドに寝ころんで考える。
 カチョウフウゲツを消す方法。
 
 そしてひとつの考えに至った。
 ぼくの思いついたアイデア。それは。

149( ^ω^)の街の怪人は夏季限定なようです:2011/08/30(火) 11:23:13 ID:ACguQOvE0

( ∵)「これでオッケーだお」

 京都の下宿に戻ったぼくはドンキホーテで買ったスクリームマスクを洗面台の前でかぶる。
 ぼくはこれから京都の街をひんしゅくのドン底に突き落とそうと考える。
 カチョウフウゲツの個性を根こそぎ削り取るつもりだ。

 色んな土地で叫ぶつもりだし、季節は夏だけなんてケチなことは言わない。
 カチョウフウゲツをありふれたものにする。
 やっていても大して注目を浴びないような、日本中にカチョウフウゲツのブームを起こす。

( ∵)「おれはカチョウフウゲツだぞぉ!」

 京都の市街を叫び歩く中でぼくは思いだした。
 何でヤンキーの取り巻きなんてやっていたんだっけ?
 
 ああそうだ。
 
 人気者になれると思ったからだ。

15029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:24:47 ID:ACguQOvE0
以上

盆踊りの興奮がさめやらぬままビール片手にやる真昼の河川敷でのキチガイ踊りでした

15129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:31:17 ID:Eh51fTYY0
バット男って脚本思い出した


15229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 11:52:55 ID:UVeOAjwAO
創作板に対する毒まみれだね。
こういう作品を投下すると規制されても文句言えないよ。

153( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 17:13:03 ID:ovRmn15k0
ここから見える夏祭り。そこは賑やかで楽しそうで妬ましかった。

なぜ、奴等はそんなに楽しそうなのか。
なぜ、奴等だけ楽しんでいるのか。
なぜ、私だけ苦しまなければならないのか。


私には理解できない。


だから私は此処から奴等を見る。



自分だけ楽しんでいる醜い奴等を、奴等の醜い本性を。

154( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 17:36:19 ID:ovRmn15k0
―从 ゚∀从―

从 ゚∀从「次どこ行くー?」

川д川「え・・・じゃあ、金魚すくい、とかかな・・・」

从 ゚∀从「よし、じゃぁ行こう!!」
私たちは小学校からの仲良しで、いつも一緒にいる。
皆は美人と根暗が一緒にいるなんて不思議、っていうけど。
私には彼女が必要。




だって私の可愛さを引き立ててくれるんだもん。



皆はちょっとだけ可愛い女と普通な女がいたらどっちを選ぶ?

もちろん可愛いほうだよね?

それってもう一人がブスじゃなくても元が可愛い人がもっと可愛く見えるらしいよ。

だからいつも一緒にいる。私を可愛く見せるために。

この夏祭りは男と出会うため。毎年来ているが声をかけてくるのは私目当てだ。もちろんサダコには誰も見向きもしない。

私はそんなサダコにいつも優しくしているように見せかける。

私だけが可愛く見えるように。利用する。
_
( ゚∀゚)「ねぇ君!そこの髪長い子!!」
え・・・・?私じゃない・・・・・・?

川д川「え・・・私、ですか?」
 _
( ゚∀゚)「そうそう!君可愛いね!!アドレス交換しようよ!!」

川*д川「はっ、はい!!!喜んで!」

何で?何で何で何で?

从 ゚∀从「わ、私にも教えて教えてほしいなぁ〜?」
 _
( ゚∀゚)「え?あー・・・・興味ないわ、それじゃぁ!!後でメールするね!」

川*д川「はい!!楽しみにしています!!」

15529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 17:42:30 ID:9e5gHbmMO
ニンゲンハカオジャネーヨ

156( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 17:48:50 ID:ovRmn15k0
从 ∀从「何で・・・・何で・・・・?普通私を選ぶでしょ?こんな根暗そうでブスなやつより・・・」

川д川「え?」

从#゚∀从「何であんたが声掛けられたんだよ!!おかしいだろ!私のほうが可愛いのに!!」

川д川「・・・・ハイン」

从#゚∀从「あぁ?何だよ!このブス!!」




川д川「それでも私を利用してたつもり?」




从 ゚∀从「・・・・え?」

川д川「あなた私を利用してたんでしょ?あなたの友達から聞いた。自分を可愛く見せたいとか・・・・」

从 ゚∀从「いつから気づいて・・・・?」

川д川「ずっと前から。あなたのその姿が滑稽でずっと黙ってた。でももう飽きちゃった。さっきのはネタバラシのための芝居。」

そんな・・・利用してたつもりだったが・・・気づいていたんだ。
だけどこいつがいなくなったところで何も変わりは無い。

私には友達が沢山いるがこいつにはほとんどいない。

今までと何ら変わりはない。

川д川「気づいて無いようだからいってあげるけど・・・・」




川゚д川「あんたもう友達いないんだよ」

157( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 17:56:59 ID:ovRmn15k0
ほらね?こんなに醜い。

友情、なんて言葉は奴等には無い。友達、なんて物は利用するためだけの物だ。

あの利用していたつもりだった女の子は翌日から学校に居場所が無くなりいじめにも遭うだろう。

人間の友情なんてそんなものだ。

グループの中心みたいな奴が誰かを嫌えばその周りは皆嫌う。

その中心の奴がいじめていれば周りもいじめる。

そのクズみたいな奴が、この世界には沢山いる。


また醜い奴等を発見した。


今度はどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。

158( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 18:02:50 ID:ovRmn15k0
―('A`)―


('A`)「ショボンー。違うとこ行こうぜー」

(´・ω・`)「うん。わかった」

('A`)「あ!わたあめ食いたいなー」

(´・ω・`)「あ・・・はい、五百円で足りるよね?」

('A`)「あぁ。じゃぁ買ってくるわー」

(´・ω・`)「うん」

('A`)「ショボンもいるか?」

(´・ω・`)「あ・・・い、いる!」

('A`)「おし、分かった。じゃぁ買ってくるわ」

159( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 18:08:01 ID:ovRmn15k0
('A`)「わたあめ美味かったな〜。悪いな、ショボン」

(´・ω・`)「いいよいいよ。だってドクオは僕を救ってくれた人だもん」

('A`)「そんな気にしなくていいのによ。もっと友達らしく!!」

(´・ω・`)「わ、わかった。じゃぁ・・・次どこ行く?」

('A`)「あ・・・その前に腹減ったし・・・焼きそばでもくわねぇか?」

(´・ω・`)「うん。千円あれば足りるよね?二人分」

('A`)「あぁ。(こいつは馬鹿だよな・・・良い金づるだ)」

160( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 18:32:35 ID:ovRmn15k0
(´・ω・`)「ドクオ」

('A`)「ん?どした?」

(´・ω・`)「僕、ドクオには感謝してる。いじめから救ってくれたし、毎日遊んでもらってるし・・・やさしいし」

('A`)「そんなの気にすること無いって!」

(´・ω・`)「いや、感謝してもしきれないくらいだよ。本当にありがとう」

('A`)「そんなこと言われたら照れるぞ・・・・」

(´・ω・`)「僕からのお願いなんだけど・・・これからも、いつまでも一緒にいてくれるかな・・・?」

('A`)「あぁもちろんだ・・・・だって」












('∀`)「友達、だもんな!!」

161( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 18:40:18 ID:ovRmn15k0
本当に醜い・・・祭りは色々な人の本性が手に取る様に見える。

私はこんな人間にはならない。だが今は、夢も希望も無い。

だってこんなにも醜い人間だらけの世界なのだから。

ならばどうするか・・・・

それは

(・∀ ・)「なら死ねば?」

( ・∀・)「・・・そうだな、この祭りの中に飛びこんで自殺してやるのもいい気分だ」

(・∀ ・)「そうだよ。だって希望が無いこの世界に生きてる価値なんて無いもん」

( ・∀・)「じゃぁ、行って来るよ。『私』」

(・∀ ・)「じゃぁね。『僕』。君は僕にとって本物の友達だったよ。」

( ・∀・)「そうか。なら君もあの人間達と同じってことだ。」

(・∀ ・)「そうだね。キミも同じじゃないかな?」

( ・∀・)「そうか・・・じゃぁこれ以上自分を汚したくないから、行って来るよ」

(・∀ ・)「またね」

( ・∀・)「さよならだ」

終わり

162( ・∀・)の見る夏祭りのようです:2011/08/30(火) 18:41:56 ID:ovRmn15k0
あとがき

あれ・・・祭り関係ないような・・・

こんな低クオリティの作品あげてすいません。樹海逝ってきます。

こんな作品を呼んでくれた方に感謝します。

それでは!

16329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:09:36 ID:TnTl7f/MO
あれ、今日「はなび」でいいんだよね…?!
http://g2.upup.be/d/JEV8sk3JSb?guid=ON

16429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:45:18 ID:gwweDKes0
そのはずだよ……!!

16529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:46:04 ID:gwweDKes0
人生は線香花火みたいなもんだと思う。

('A`)「え」

燃え始めはみんなに注目されて、線香花火もやる気を出す。
調子に乗ってハジケた音まで出しちゃう。

( ・∀・)「聞こえなかったかな」

次第に飽きられ、呆れられ。
いつの間にか早く終わらねーかなーなんて思われる。

('A`)「クビ……ですか」

そんでもってポトっと落ちればそれで終わり。
誰かに覚えられるのなんてどれだけの間か。

16629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:46:47 ID:gwweDKes0
( ・∀・)「そ、最近うちも不景気でね、本当に申し訳ないんだけど」

ちやほやされるのも最初のうち。
誰かの記憶に残るのはいつまでか。

('A`)「はぁ……わかりました」

でも夏になると飽きられもせずに線香花火は燃やされる。
線香花火としての単体は覚えられていなくとも、
「線香花火」というモノは覚えられている。

ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさまです」

それなら俺は線香花火以下か。
俺の人生は線香花火にも劣るってわけか。

16729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:47:50 ID:gwweDKes0
川 ゚ -゚)「お疲れ」

('A`)「……お疲れ、クビだってよ」

川 ゚ -゚)「ふむ、そう気を落とすな」

('A`)「とは言ってもなぁ」

川 ゚ -゚)「なぁに、お前のその気持ち悪いほどの粘りなら再就職も簡単だよ」

('A`)「……褒めてんの?」

川 ゚ -゚)「称賛以外に聞こえたか?」

('A`)「気持ち悪いって修飾語は褒めるのには使わない」

16829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:48:58 ID:gwweDKes0
川 ゚ -゚)「まああれだ、たまに飲みに行こう」

川 ゚ -゚)「愚痴くらいは聞いてやるよ」

人生は線香花火みたいなもんだと思う。
でも、そんな人生でもアリだと思う。

('A`)「うるせーやい、ちくしょーめ」

誰かの線香花火として生きられるなら、
俺もまだまだ頑張れる気がするから。

('A`)「いつかお前に奢ってやるから覚悟しとけよ」

川 ゚ー゚)「ふふ、覚悟しておくよ」

俺に火をつける誰かがいるのなら、線香花火でもいいって気がする。

16929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:49:42 ID:gwweDKes0
以上
ありがとうございました

17029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 21:58:18 ID:TnTl7f/MO
タイプだわ。
最後の台詞すきだ


17129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 22:33:25 ID:anNEQH3U0
絵投下ー
デレ
http://imefix.info/20110830/211091/

17229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 22:55:46 ID:cPZsd9WsO
>>171
デレかわいー!!

投下しますね

17329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 22:57:24 ID:cPZsd9WsO
 
もしも願いが叶うなら、あなたは何を願いますか?


一瞬の輝きを見せ、はかなく消えゆく流れ星のような

夜空を彩る打ち上げ花火に。





( ><)は打ち上げ花火に願うようです

17429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 22:59:09 ID:cPZsd9WsO
 
(* ><)「明日のお祭りのメインイベントといったら花火なんです!」

( ・∀・)「いやいや、女性の浴衣姿以外ありえないよ」

( ^ω^)「モララーは小学生なのにマセてるお」

( ・∀・)「なんだよ。どうせブーンは屋台がメインとか言うんだろ」

(;^ω^)「なぜバレたし」

( ><)「www」


僕はビロード。
VIP小学校に通う2年生なんです。
おマセさんなモララーくんと、食いしん坊のブーンくんと明日の計画を立てているんです。

何の計画かというと、明日あるお祭りについてなんです。
夏休み最後の日にお祭りとは、企画者も粋な計らいをするんです。

wktkが収まらない僕たちは、朝から公園に集まって明日の打ち合わせを進めていました。


(* ><)「楽しみなんです!」

17529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:01:03 ID:cPZsd9WsO
 
(* ^ω^)「ぶひひ、明日の祭り用にカーチャンからお小遣もらったおw」

( ・∀・)「あ、僕ももらった! ビロードは?」

( ><)「僕はお父さんからもらいました!」

( ・∀・)「なるほど、みんな準備万端ということだな」

( ^ω^)「だおだおwww」

( ><)「あ、そういえば」


僕は盛り上がっている二人に、大事なことを確認しました。


( ><)「二人は打ち上げ花火に何をお願いするんですか?」

( ^ω^)「……」

( ・∀・)「……」


なぜか場の空気が固まったんです。

17629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:03:10 ID:cPZsd9WsO
 
( ^ω^)「ぶっひゃひゃひゃひゃwww」

( ・∀・)「え、何ビロード、花火と流れ星を間違えてるの?」


一瞬の静寂を打ち破る二人の笑い声。
僕は何か変なことを言ったのでしょうか?


(;><)「お、お父さんが言っていたんです!」

( ><)「『打ち上げ花火が消える前にお願い事をすると叶う』って!」

( ^ω^)「ビロード、お前騙されてるおww」

( ・∀・)「嘘乙」

(;><)「嘘じゃないんです!」

(;><)「ぼ、僕は明日……」

((( 。><)))「打ち上げ花火に、お母さんが帰ってくるようにお願いするんです!」

 三( 。><)「うわぁぁあぁぁぁん!!」

(;・∀・)そ「あ、ビロード!

(;^ω^)「どこ行くんだお!」

17729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:04:46 ID:cPZsd9WsO
 
僕は涙を堪えながらダッシュで家に帰ったんです。
意地悪なモララーくんとブーンくんなんて大嫌いなんです!


( ><)「……」

( ><)「お父さんは、嘘吐かないんです」

( ><)「だってお父さんはとっても物知りなんです!」


< ただいま帰りましたよー


( ><)「! お父さんが帰ってきたんです!」

( ><)「お帰りなさい、お父さん!」

( <●><●>)「ただいまです、ビロード。おばあちゃんは?」

( ><)「夕飯の買い物に行ったんです!」

( <●><●>)「そうですか。今夜の夕飯は何でしょうね?」

( ><)「鯖の味噌煮って言ってたんです!」

( <●><●>)「ふふ、おばあちゃんの煮物が美味しいことはわかってます」

17829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:06:16 ID:cPZsd9WsO
 
僕のお母さんは、3年前に重い病気にかかって死んでしまいました。
だから、僕の家でご飯をつくるのはおばあちゃんなんです。

おばあちゃんのご飯はとっても美味しいんです。
でも僕は、どの料理よりもお母さんが作ってくれた唐揚げの方が好きなんです。


( ><)「ねぇ、お父さん」


僕はおばあちゃんが作ってくれた鯖の味噌煮をつつきながら、お父さんに尋ねます。


( ><)「打ち上げ花火が消える前に三回願い事を言えば、お願いが叶うんですよね?」

( <●><●>)「えぇ、そうですよ」

( <●><●>)「流れ星よりも消えるまでの時間が長いので、のんびり屋なビロードでも
       きっと願い事を三回言い切れるでしょう」

( ><)「はいなんです!」


お父さんが僕の頭を優しく撫でました。
僕はお父さんが大好きです。

17929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:07:17 ID:cPZsd9WsO
 
('、`*川「ビロード、私からも明日のお小遣をあげますね」

(* ><)「わーい! なんです!」

( <●><●>)「母さんったら、ビロードに甘いんですから」

('、`*川「ワカッテマスほどではないですよ」

('、`*川「さぁ、ビロード。ご飯を食べたらもう寝て明日に備えなさい」

( ><)「はいなんです! お小遣ありがとうなんです!」

('ー`*川「ふふ。ビロードはいい子だから、明日は打ち上げ花火がお願いを叶えてくれますよ」


僕は急いでご飯を食べると、お風呂に入って寝ることにしました。

明日の花火には、お母さんの唐揚げがまた食べたいとお願いするんです。
そしたら、きっとお母さんは僕に唐揚げを食べさせる為に帰ってくるんです。

18029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:08:49 ID:cPZsd9WsO
 
次の日。


( 。><)「うわぁぁぁん!! なんでお祭りやらないんですか!!」

('、`;川「泣かないでビロード、まだ花火大会もやらないと決まったわけじゃ……」

( 。><)「天気予報では今日一日雨なんです! 今年の花火大会は中止なんです!!」


外では朝から大粒の雨が降っているんです。
天気予報士のお姉さんが「今日の雨は明日まで続くでしょう」と言っていました。

僕の瞳からも大粒の雨がぽたぽたと落ちるんです。


( 。><)「うぅっ、打ち上げ花火にお願いできないんです」

( 。><)「もう、お母さん帰ってこないんです」

('、`*川「!」


おばあちゃんが僕の体をギュッと抱きしめます。

18129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:10:45 ID:cPZsd9WsO
 
本当はわかっているんです。

打ち上げ花火は、僕の願い事を叶えてくれないんです。


『打ち上げ花火が消える前に三回願い事をすると、願いが叶う』

これは、流れ星に願いを言い切れなかった僕に、お父さんがとっさに吐いた優しい嘘。


そして、例え流れ星に三回お願いを言えたとしても、お母さんは二度と戻ってこないんです。


( ><)「……」

( 。><)ぶわっ


でも僕は信じていたかったんです。

夏の夜空を埋め尽くす大きな花火たちが、天国のお母さんに願いを届けてくれると。


( 。――)zzZ


そうして僕は、泣き疲れていつの間にか眠ってしまいました。

18229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:12:38 ID:cPZsd9WsO
 
( ・∀・)「ビロード起きろ」

( ^ω^)「もう夜だお」

( 。><)「ふぇっ!」


寝ていた僕を起こしたのは、心の中で大嫌い宣告をしたモララーくんとブーンくんなんです。

外では相変わらず雨が降っています。
きっとまた、二人は僕を馬鹿にしに来たんです。


( ・∀・)「ほら、打ち上げ花火にお願い事するんでしょ」

( ^ω^)「はやく行くお」

(;><)「え、でも外は雨……」

( ・∀・)つ且「ほら」

( ><)「え」

( ^ω^)「これが本日の目玉、市販の打ち上げ花火ですお!」


二人が僕の手を引いて外に向かいます。

18329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:14:04 ID:cPZsd9WsO
 
外は昼間ほどではないですが、まだ雨が降っています。
その雨の中、モララーくんとブーンくんは傘を差しながら打ち上げ花火をセッティングしているんです。

僕はそれを黙って見ています。


( ・∀・)「ビロード」

(;><)そ「はいなんです!」

( ・∀・)「雨が降ってるから花火が上がるかわからないし、
      花火が上がってもすぐ消えちゃうかも知れないから急いで願い事しろよ」

( ><)「……」

( ^ω^)「失敗しても泣くんじゃないお」


ブーンくんが花火に傘を差し、モララーくんが導火線に火をつけます。
とっても危ないんです。

火は順調に導火線から花火の筒へ移動していきます。
そして筒へ到達した瞬間


(;^ω^)「!」


ブーンくんが花火から傘を遠ざけました。

18429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:14:59 ID:cPZsd9WsO
 
ばひゅっと筒から音が鳴ると、光の球が漆黒の空を目指して昇っていきました。


( ・∀・)「いけ、いけ!」


白い煙を出しながら、光の球は上へ上へとどんどん昇っていきます。


( ^ω^)「おっおっw」


一定の高さまで昇ったそれは、雨の中でぱんっと弾けました。


( ><)


赤い光が四方へ広がり、綺麗な火の花を咲かせます。
僕はそれを眺めながら、また涙を零しました。

18529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:16:50 ID:cPZsd9WsO
 
( ・∀・)「……」

( ^ω^)「ビロード、願いは言えたかお?」

( 。><)「……」

( 。><)「もう、お願い事はいいんです」

(;・∀・)そ「!」Σ(^ω^;)

( う<)ゴシゴシ

( ><)「……」

( ><)「二人とも、ありがとうなんです!」

( ・∀・)「……いいのか?」

(* ><)「いいんです! 僕は、二人が僕の為に花火を上げてくれたのが嬉しいんです!」

(* ><)「二人とも、大好きなんです!」

(* ^ω^)「ぶひ……」

(* ・∀・)「……」

18629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:18:50 ID:cPZsd9WsO
 
('、`*川「あらあら、みんな濡れちゃって」

('ー`*川「今日は私がお祭りの御馳走を用意したから、みんな中にお入りなさいな」

( ^ω^)「ぶひ! 御馳走!!」

(;・∀・)「こら、ブーン!」

('、`*川「ふふ。お祭りの屋台と言ったら、タコ焼きにお好み焼きに焼きそば、
     唐揚げですよね」

('ー`*川「りんご飴とかき氷も用意しましたよ」

(* ^ω^)「わーいだお!」

(;・∀・)「全部おばあさんの手づくりなんですか? ……すごいなぁ」

('ー`*川「さぁ、みんな体を拭いてご飯にしましょう」

( ><)「はいなんです!」

18729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:20:27 ID:cPZsd9WsO
 
(* ^ω^)「ハムッ、ハフハフッ! 美味いお!」

( ・∀・)「りんご飴って家でもつくれるのか」

('、`*川「いっぱいあるからゆっくりお食べ」

(* ><)「♪」


みんなで食べるご飯はとっても美味しいんです。


( ><)「……」

(* ><)(実は、こっそり打ち上げ花火にお願いしたんです)


( ><)(“来年も皆で一緒に花火を見られますように”って)



おばあちゃんの唐揚げは、お母さんの唐揚げと同じ味がしました。





( ><)は打ち上げ花火に願うようです   おわり

18829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:21:36 ID:cPZsd9WsO

以上です

長々と失礼しました

18929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:29:30 ID:9xFZ6xRYO
投下乙

そろそろ祭りもラストスパートかな
投下します

190( ^ω^)稲川ブーン二のようです:2011/08/30(火) 23:31:35 ID:9xFZ6xRYO
( ^ω^)「夏も終わりですねえ。こんばんは、稲川ブーン二です」

( ^ω^)「最初に断っておきますとね、ええ、こういう話をしてると……寄ってくる、っていうじゃないですか」

( ^ω^)「世間に広まるのにはそれだけの理由があるもんで、これってあながちデマじゃあないんですよ」

( ^ω^)「だから聞いてる最中に、背後からじとーっとした視線を感じたり、背中にぞぞぞぞぞっと寒気が走ったら、ああ、出たんだなあって思ってください」


( ^ω^)「今回のお題は花火というわけですが、皆さんは花火を見るとき、どんな気持ちで見てます?」

( ^ω^)「楽しかったり、綺麗だなあ、なんつって思ったり。ええ、私もね、普段はもちろんそんな気持ちで見てますよ」

( ^ω^)「それがあの時だけは違ったんだなあ。安堵、という感情を味わったのは、後にも先にもこれっきりでした」

( ^ω^)「今回お話しするのは、そんな話です」


.

19129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:33:02 ID:9xFZ6xRYO
あれは私がまだ学生の頃なんですけどね、気心の知れた男友達で集まって、夜の街をぶーらぶーら遊び歩いてたんだ。
街っていっても昔の田舎でしたからね、遊ぶところなんてなーんにもない。
ええ、散歩みたいなもんですよ。それでも楽しいんだから、きっと若さってやつなんでしょうねえ。

('A`)「そういえば、今日花火大会だっけ」

なんてことを友達の、仮にドクオにしておきましょうかね。彼がいうんですよ。

(´・ω・`)「せっかくだからいってみる?」

もう一人の友達、こちらは仮にショボンにしましょう。
彼も乗り気だってんだから、私だけ反対するのもなんだってことで行くことになったんですよ。

だけどね、数少ない田舎の娯楽っていうのにはみんな敏感でねえ、もんの凄い数の人でごった返してるんですよ。

( ^ω^)「これじゃあ、ろくに近くで見れないお」

('A`)「俺、前に先輩から聞いたんだけど、すげえ穴場があるらしいぜ」

(´・ω・`)「僕も聞いたことある。あの山の神社のところだよね」

19229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:34:19 ID:9xFZ6xRYO
花火を打ち上げる川の、すぐ近くが山になってましてね。
その山ん中にある、管理人なんていやしないうらぶれた神社。
昼間でもそこは薄暗く、どーんよりとしてて気味が悪いってなことで有名で、地元の人は誰も近寄らないんですよ。ええ。

( ^ω^)「あそこはやめといた方がいいんじゃないかお」

('A`)「なんだブーン二、びびってんのか」

本当は行きたくなんかなかったんですけど、そうも言われちゃ売り言葉に買い言葉で、行ってやろうってなことになったんですよ。

ろくに整備もされてない道を登って神社に着いたわけですが、案の定というかなんというか。
あからさまにここだけふーっと空気が冷たいんですよ。

( ^ω^)「なあ、やっぱり――」

と口を開いた瞬間どおおおおおおんっと激しい音が聞こえる。
なんだと思って振り返ると、花火が始まったんですよ。

(´・ω・`)「立ちっぱなしも疲れるし」

結局、帰ろうなんていえる雰囲気じゃあなくなってしまいましてね。
ショボンの提案でお社の階段に座ることにしたんだ。

19329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:35:47 ID:9xFZ6xRYO
早く帰りてえなあ、腹へったなあ、いつまで続くんだろうなあ。
あーでもねえ、こーでもねえなんて考え事してたら

……ゴトッ

って後ろから何かが落ちたような音がしたんだ。

('A`)「なあ、今のって中からだよな?」

花火の音も大きかったんですけど、そらまあ近くでそんな音がしたら誰だって気付きますよ。

('A`)「おっ、鍵かかってないじゃん。入って見ようぜ」

社殿の中なんてそうそう入れる場所じゃありませんからね、好奇心を刺激されたんでしょう。
よせやーいっていう私の制止を振り切って、ドクオは社殿の中へ入ってった。

(´・ω・`)「あれ? 向こうも扉になってる」

仕方ないんで私達も続くんですがね、どうにもおかしい、なーんかおかしい、この神社変なんだ。
普通社殿っていったら御神体が飾ってあるでしょう。
それがね、何もないどころか、向こうも出口になってんだ。

19429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:36:47 ID:9xFZ6xRYO
('A`)「俺達、ここから入ったんだよな」

その出口から出ると神社の正面、入口から出たのと同じ景色が見える。
おかしなあ、嫌だなあ、怖いなあ、なんて話になりましてね。
丁度終わったのか花火も聞こえなくなってましたから、帰ることにしたんですよ。

ええ、入った方からではなく、向かいの出口の方から出てね。

そのことに私は、川沿いの道まで戻ってから気付いたんだ。

('A`)「関係ねえって。どっちでも一緒だろ」

なんてドクオは軽く言いますけどね、私にはどーも嫌な予感がする。

( ^ω^)「なあ、さっきまで凄い人込みだったのに、人っ子一人いないのはおかしくないかお」

そう、神社を出て以来誰とも出くわさないんだ。
初めは笑ってたドクオも住宅街に近付くに連れて、徐々におかしいって気付き始めた。

19529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:37:47 ID:9xFZ6xRYO
(´・ω・`)「ね、ねえ、向こうから誰か来るよ」

ショボンが指差す方向からペタッペタッと誰かが近付いてくる。
はああ、なんだ私の思い過ごしかあ。
なんてほっとしたのも束の間、私はあることに気付いた、気付いてしまったんだ。
駄目なんですよ、こんな住宅街でペタッペタッなんて、裸足で歩くような音がしちゃあいけない。
それに気付いたときには、その誰かはもう見えるところまで来ている。

川д川

ぼさーっと顔までかかるのような、長い髪の不気味な女。
その彼女がこっちを見て、

川д川「ジヒ、ジュヒヒヒヒヒ!」

耳障りな笑い声を上げながら走ってきた。

(;'A`)「うわあああああああああああああ!」

もう一目散で走って逃げる。
なりふり構わず走って走って。

19629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:38:51 ID:9xFZ6xRYO
そして、どこをどう行ったのか、気が付いたら例の神社の近くまで来てたんですよ。

(;´・ω・`)「はあ、はあ、ねえ、ドクオは!」

(;^ω^)「はあ、うくっ、はあはあ、わからない、無我夢中だったから」

さすがに探しに行かないと、と思ったら、

ジュヒヒヒヒヒ

もうそんな余裕はどこにもない。

( ^ω^)「神社に行こう!」

助けてくれ、助けてくれ、って祈るようにしながら全速力で走る走る。
でもそんな長時間走れるわけもなくてね、足が重くなってくるんだ。

川д川「ジュヒヒヒヒヒ!」

不気味な女の、異様にひやーっとした手が私の肩をかする。
うわああああああ、もう最後の力を振り絞って、なんとか神社の社殿へと転がり込んだ。

19729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:40:19 ID:9xFZ6xRYO
川д川

するとね、その女は社殿の中へは入ってこないんですよ。
しばらくじーっとこっち伺った後、女はすーっとどこかへ去っていったんです。

呆然としながら私とショボンは、元の入り口だった方から外へ出るとね、

どおおおおおおん

って花火がまだ続いてるんですよ。

(;´・ω・`)「た、た、助かった……」

安堵で二人してわんわんわんわん泣いてね、抱き合いながら崩れ落ちました。
だけどもドクオを放っておいていいわけがない。
私達は意を決してもう一度社殿へいくと、それが不思議なことにね。


……もう一つの出口なんてものは、どーこにもないんですよ。


.

19829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:41:32 ID:9xFZ6xRYO
( ^ω^)「その日以来、ドクオは行方不明になりましてねえ。今も彼は見つかっていないんですよ」

( ^ω^)「例の神社はそれから数年後に取り壊されました」

( ^ω^)「あれからも何度かショボンと訪れたのですがね、ええ、二度ともう一つの出口が現れることはありませんでした」

( ^ω^)「私が体験した不思議な世界、あれってなんなんでしょうねえ」

( ^ω^)「いやあ、それにしてもこういうことって、あるんもんなんですねえ」

19929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:43:26 ID:9xFZ6xRYO
これで投下は終わりなんですけどね、ええ、私は元々別の話を書いてたんですよ
レズエロ全開の馬鹿話ってな作品で、調子よく書けてたんですが、それがどう考えても15レスをこえる
困ったなあ、どうしようかなあ、なんてあーでもねえ、こーでもねえと考えてたら
そうだ、これを総合で稲川風のネタにしてやろう。なんて思い付いたんだ
総合でネタにしたらすーっとインスピレーションが沸きましてね、目が覚めるとこんな作品が生まれてました
それでこれを書いたのが昨夜の話で、

今朝になって起きると祖母が亡くなってたんですよ

通夜も終わって明日は葬式なんですがね
今になって考えると、この話は祖母が授けてくれたのかなあなんてね

いやあ、こういうことってあるんですねえ

20029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:49:53 ID:Eh51fTYY0
おばぁちゃんェ…

20129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:50:41 ID:TnTl7f/MO
>>199
なんてレスポンスすればいいかわからんけど、いいはなしだった

20229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:52:50 ID:cPZsd9WsO
>>199
ドクオがどうなったのか気になるな

面白かった
リアルもこっちも乙

20329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 23:56:46 ID:9xFZ6xRYO
祖母は保って数日って言われてたから完全に偶然なんですけどね
強いて言えば今日は葬儀場に泊まることになったから
こーんな日は、何かあるかもしれませんねえ

20429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:15:28 ID:rR84dn8A0
日も変わってしまったし投下するお

20529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:16:13 ID:rR84dn8A0
い草の匂いがする。

線香の匂いがする。

少し遠くから母達の笑い声がして。

僕は暇を持て余して縁側で絵本を開く。

蝉の声。

誰かの足音。

日焼けした手と水色のアイスキャンディ。

その女の子は僕より少しだけ大人で。

僕はその笑顔を一つで全ての退屈を忘れていた。


胸を満たしたその感情の名前を僕は未だ知らない。



(,,゚Д゚)アイスキャンディを食べるようです

20629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:17:08 ID:rR84dn8A0

ラジオの天気予報。今夜は晴れ、風は弱いが放射冷却で比較的涼しい夜なるそうだ。
花火大会には適した天気。神様も年に一度の夜空の花を楽しみにしているらしい。


('、`*川 よかったねーフサ、つーちゃん。今日雨降らないって

(*゚∀゚) てるてる坊主いっぱい作ったもんね!

ミ,,゚Д゚彡 いっぱい作った!


妻の言葉に息子と従姪が興奮した顔を見せる。彼らは今朝会ったばかりだがすっかり意気投合したらしい。
二人で遊びまわった印に二人の服は薄っすら汚れている。大方大人達の話に飽きて裏山を駆け回って来たのだろう。

20729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:17:49 ID:rR84dn8A0

(*゚ー゚) あらあらすっかり仲良くなっちゃって

('、`*川 本当に。流石は親戚パワーだわ

(*^ー^) つーは近場に年の近い子ざ少ないから、フサくんに来てもらえてうれしいみたい


妻のペニサスと従姉のしぃが子供達を見ながら言葉を交わす。
彼女達もすっかり仲が良くなった。
初顔合わせは7年前だったがフサが産まれてからは今年が始めて。
元々面識が薄い上に五年ぶりのはずなのだがまるで旧知の仲のように息が合っている。
どちらも人当たりがいいので別段驚くことではないのかもしれないが。

やはり、彼女達は似ているのだろうか。
喉の奥で何かが動いた気がした。
僕は気付かないふりをして時計に目を遣る。


(,,゚Д゚) 時間的にそろそろかな


僕が呟くと同時に細く小さな花火が空を昇る。
花火大会の始まりの合図だった。

20829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:18:32 ID:rR84dn8A0

花火が上がり始めてからの子供達は一転静かになった。
しいの用意した夕飯にも手を付けず縁側に座り口を開けて空を見ている。

大人達はそんな子供を時々注意しながらささやかな晩酌を楽しんだ。

蚊取り線香の臭いに花火の香りがそっと混ざり始める頃、僕は夜空に遠い昔の事を思い浮かべていた。

____________

20929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:19:17 ID:rR84dn8A0

僕が初めてこの家を訪れたのは今のフサと同じ年、五歳の時だった。

そこで僕に笑顔でアイスキャンディが差し出して来たのがしいだ。

しいとは急速的に仲良くなった。
カブトムシやオニヤンマを捕まえるため野山を駆け回り泥だらけになってよく親にに怒られ。
夜には近隣の花火大会を縁側で見て、それが終わると手持ちの花火で遊ぶ。
風呂も一緒だった。今思い出すと少々恥ずかしい。

それから毎年、夏の花火大会に合わせてこの家を尋ねるようになった。
親が仕事の時に一人で電車とバスを乗り継いで来たこともある。
年に一度、しいと一緒に花火を見るのが楽しみで仕方なかった。

今思えば、初恋と呼ぶべきものだったのかもしれない。
ただ、僕は心のどこかでそれが恋ではないと思っていた。
しいに会うのは年に一度。それ以上の頻度で会ったことは一度も無い。
僕は多分、年に一度のしいの笑顔に愛や恋とは違う日常に収まらない何かを求めていたのかもしれない。

そして、多分、今も。

____________

21029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:19:59 ID:rR84dn8A0

ぼんやりとしている内に花火大会の終わりの合図が空に昇った。
手に持った缶ビールはすっかり温くなっている。


('、`*川 はいはい花火も終わったしお片付け手伝ってね

(*゚ー゚) 手伝ってくれたいい子にはこの花火セットをあげるよ

ミ*,゚Д゚彡 はいはい!!手伝う!!

(*゚∀゚) つーも!つーも手伝う!!


脳みそが浮いて居るようだった。
冷静に思い返せば長距離を運転したり墓参りに回ったり身体は疲れて居るのかもしれない。


('、`*川 洗い物私やりますよ

(*゚ー゚) あら。じゃあお願いしようかしら


ペニサスが台所に向かい水の音が聞こえ始める。
子供達は与えられた花火を持って庭先に出て行った。

すぐそこの庭に子供達がいるが座敷に残ったのはしいと僕の二人。
僕の喉の奥でまた何かが蠢いた。

21129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:20:40 ID:rR84dn8A0

(*゚ー゚) 久しぶりだね。こうしてギコくんと二人でいるの

(,,゚Д゚) もう子供じゃないからね

(*゚ー゚) ふふ、寂しいこと言うなぁ


しいが新しい缶ビールを開けて口を付けた。

顔を盗み見る。

子供達を見守る横顔は優しさが滲み出る母親の顔で。

アルコールで少し紅潮した肌はどうしようもなく女を匂わせていた。

ああ。脳みそが身体を離れていく。

21229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:21:26 ID:rR84dn8A0

(,,゚Д゚) しい姉

(*゚ー゚) うん?

(,,゚Д゚) しあわせ?

(*゚ー゚) …ギコくんは?

(,,゚Д゚) ………俺はしい姉のことが


空気を切り裂くような音が僕の言葉に重なり、それに続いて破裂音。
庭でワイワイと喜ぶ子供達が見えた。

僕の言葉はロケットに乗って空に消えた。


(,,゚Д゚) …俺は幸せだよ

(*゚ー゚) ……私も

(*゚ー゚) 旦那はたまにしか帰ってこないけど、それでもちゃんと私達を大事にしてくれるし

(*゚ー゚) つーもどんどん女の子らしくなって……

(*^ー^) ふふ、フサくんとつー、まるであの頃の私たちみたい

(,,゚Д゚) …そうだね

21329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:22:08 ID:rR84dn8A0

僕としいの間に沈黙が流れた。
しいの顔はいつも通りの笑顔に見えて、なんだか少しだけ違うような気がした。


(*゚ー゚) ……ギコくん

(,,゚Д゚) ん?

(*゚ー゚) ペニサスさんとフサくんと幸せになってね

(*゚ー゚) 私も旦那とつーと精一杯幸せになるから

(,,゚Д゚) …


しいと目と目が合う。
少し潤んだ大きな目。吸い込まれそうな綺麗な瞳。
あの日初めて見た少女のままだ。
僕は彼女から目をそらすことが出来なかった。


(*゚ー゚) 私もギコくんのこと好きだから


しいの顔が近づく。
しいの目が閉じる。

喉の奥に居た何かが背骨を駆け上り脳を突き抜けていく。

しいの唇は、夢見た以上に柔らかかった。

21429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:22:49 ID:rR84dn8A0

どれほどの時間そうしていただろうか。
子供達は花火に夢中だ。ちゃんと見ていないと危ない。
ペニサスは洗い物が早い。すぐにでも戻ってくるかもしれない。

ゆっくりとしいの顔が遠ざかる。


(*゚ー゚) だから、君も私も、私たちの大切な人も、みんな幸せになるように頑張ろう


力強い言葉だった。
昔から変わらない。
僕の気持ちなんか関係ない。
僕はこの人に逆らうことは出来ないのだ。


(,,゚Д゚) …うん


僕の返事の情けなさをロケット花火がまた切り裂く。
しいを見ると困ったように苦笑いを浮かべ一言だけ呟いた。

「ロケット花火がもう少し煩かったら、こんなに困らずに済んだのになぁ」

____________

21529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:23:33 ID:rR84dn8A0

しいの家から帰って二日。夏休暇最後の日。

フサはペニサスの携帯電話を使いつーと電話ばかりしている。
僕は時々フサをからかいながら横になり本を抱えてその様子をみていた。
ペニサスは先程済ませた昼食の片付けをしている。

いつも通りなんの変哲もない毎日だ。

しいとのキスだけが、僕の中にこびり付くように残っている。
迷いとも言える複雑な感情の塊として。

21629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:24:19 ID:rR84dn8A0

いや、僕がすべきことは家族を幸せにすること。
そして毎年あの家であの花火大会をみんなでみること。
それだけだ。

クーラーの当たる位置に座り直し本を開く。
蝉の声が窓を閉めていても聞こえてくる。
フサの笑い声。いつか彼も、つ僕と同じような感情を持つのだろうか。
ペニサスの足音。聞き慣れた、少し慌ただしい歩みで近づいてくる。

目の前に突然水色の物体が現れた。
クーラーよりもひんやりとした空気を放つそれを反射的に手に取る。

('、`*川 アイスキャンディ、食べるでしょ?

(,,゚Д゚) ……ペニサス

('、`*川 ん?

(,,゚Д゚) 愛してるぞ

('、`*川 え?


僕はアイスキャンディの袋をやぶった。
少しだけ赤くなったペニサスが戸惑いの視線を向けて来るのを横目にアイスキャンディに齧りつく。

冷たく甘い懐かしい感覚は静かに溶けて喉の奥へ消えていった。


(,,゚Д゚)アイスキャンディを食べるようです
おわり

21729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:26:31 ID:rR84dn8A0

愛してるよって言ってみたっていいよね
嫁どころか彼女すらいないけど

以上でしたー

21829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:39:18 ID:Zl5yHUVQO
>>217

おれらの嫁なら画面の向こうにいるじゃないか…!

21929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:42:26 ID:Hwf1JG/o0
>>218
ξ ФωФ)ξ 呼んだかしら?

22029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:51:19 ID:EFW5roIA0
乙ー

んじゃ、自分も投下しますわ。

22129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:52:08 ID:EFW5roIA0

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「……」○○○○○○○○○○○

ξ゚⊿゚)ξ「……」○○○○○○○○○○○○○○○○

川 ゚ -゚)「……」○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

( ^ω^)「まあ、確かに? 持ってくる花火は各自の自由と言ったお」

( ^ω^)「それでみんなで集まって花火しようZE! って集まってもらいました」

( ^ω^)「そしたら何、この状況?」

(#^ω^)「何で全員、よりにもよって煙玉しかもって来てないんだお!」


○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○( ^ω^)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○(´・ω・`)○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○ξ゚⊿゚)ξ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○ブーンたちの花火祭りのようです○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○川 ゚ -゚)○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○'A`○

22229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:53:06 ID:EFW5roIA0

ξ゚⊿゚)ξ「何でって言われても……」

(´・ω・`)「かぶっちゃったものはかぶっちゃったとしか言いようがないよね」

川 ゚ -゚)「うむ」

( ^ω^)「そんな冷静に仕方ないと言うれればそれまでだけども」

( ^ω^)「でもでもNE! どうやったらそんなもんがかぶるんだお?」

( ^ω^)「何故、全員煙玉一択なの?」

( ^ω^)「花火って、他にも色々あるよね?」

( ^ω^)「普通の花火に始まり、線香花火やロケット花火、打ち上げ花火にねずみ花火と多種多彩だお」

( ^ω^)「それが何?」

( ^ω^)「全員示し合わせたのかのように煙玉オンリー!」

22329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:53:51 ID:EFW5roIA0

( ^ω^)「何なのこの惨状?」

( ^ω^)「煙玉だけの花火大会って、どういうことだお?」

( ^ω^)「他の花火ならまだかぶっても楽しみようがあったかもしれない」

( ^ω^)「だが現実に、かぶったのは煙玉」

( ^ω^)「こんだけ大量の煙玉をどうせいっちゅーねん!」

( ^ω^)「煙幕だー! とか言って隠れればいいのかお?」

( ^ω^)「こんな夜中に、わざわざ煙焚いて」

( ^ω^)「逆に目立つわ!」

( ^ω^)「黄色とかピンクとかの煙出ても、夜だからわかり辛いお!」

22429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:54:39 ID:EFW5roIA0

( ^ω^)「大体、何で煙玉だったんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「それは……あ──何となく?」

(´・ω・`)「ウケるかなと思って」

川 ゚ -゚)「妹が大量に作ってくれたので」

( ^ω^)「そして、この煙玉大集合にそんな深い理由もないという」

( ^ω^)「つーか、クー、花火は勝手に作っちゃ駄目だお」

川 ゚ -゚)「うむ、だから証拠隠滅も兼ねて持って来た」

(´・ω・`)「それよりさ、二つほど気になってる事があるんだけど、いいかな?」

( ^ω^)「何だお?」

(´・ω・`)「みんなに集合かけたんだよね? ドクオがいないみたいだけど?」

(#^ω^)「あいつ、マンドクセって約束ぶっちしやがったお」

22529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:55:33 ID:EFW5roIA0

(´・ω・`)「まあ、ドクオだしね」

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオならしょうがないわね」

川 ゚ -゚)「しょうがないな、ドクオだもの」

(#^ω^)「全く、協調性のないやつだお」

( ^ω^)「逆にこいつらは無駄な協調性見せてやがって煙玉祭りだけども」

( ^ω^)「もう、腹いせにドクオん家に煙玉全部投げ込んで来ようかお」

(´・ω・`)「まあまあ、落ち着いて」

(´・ω・`)「それよりもう一つの聞きたい事なんだけどさ」

( ^ω^)「何だお?」

22629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:56:24 ID:EFW5roIA0

(´・ω・`)「ブーンは何の花火持って来たんだい?」

( ^ω^)「……」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「……あれだお、……何か火点けたら煙り出るやつ」

(´・ω・`)

ξ゚⊿゚)ξ

川 ゚ -゚)

( ^ω^)「……うん、煙玉だお」

(´・ω・`)○「……じゃあ、取り敢えず」○ シューッ

ξ゚⊿゚)ξ○「……点火と」○○○○○○ シューッ

川 ゚ -゚)○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ シューッ

(;^ω^)「ちょ、待つお! 僕の言い分も聞いて──」

22729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 00:57:12 ID:EFW5roIA0


                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /       \( ^ω^ )/      \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´


                            お し ま い

22829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:01:06 ID:EFW5roIA0
日付変わってから書き始めた割にはすっきりとまとまった深い話になったのではないでしょうか
いえ、なってません(反語表現)

何はともあれ、投下した皆様、お疲れ様でした

22929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:10:04 ID:rR84dn8A0

なんか煙いな

23029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 02:33:13 ID:jMOdFgSQO

なんというテロ

23129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:20:32 ID:urJy2tTI0
投下する

23229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:21:16 ID:urJy2tTI0

「…遠くで花火の音がする」

妹の話をしようか。
俺とよく似た双子の妹の話だ。

その子はずば抜けて頭が良いわけでも息を飲むほど美しいわけでもなかった。
町を歩けば人の波に溶け込んでしまうような、どこにでもいそうな普通の16歳の人間。
ただひたすらに、優しい女の子だった。

从'ー'从
妹の名前を…仮に「渡辺」としよう。

渡辺は夏を好んだ。花火の音が好きだったからだ。
夜空に咲いた七色の火花ではなく、爆発音のようなあの音が。
銃声のようなあの音に堪らなく惹かれるのだと。

思い起こせばそれは俺のせいかもしれない。
遠い昔の事、夜中に目を覚ました俺は妹と共同のベッドを抜け出して、寝ぼけ眼でトイレへと向かった。

帰りがけ両親の寝室から声がする事に気付いた。
あれ、と俺は首を傾げた。パパは仕事で明後日まで戻らないはずだ。
なのに何故、まっくらな部屋からは男と女の声がする。
何故、いつもは鳴る事のないベッドの軋む音が聞こえる。

全てを理解した脳から眠気が一気に吹き飛んだ。
新しいイタズラを思い付いた子供のような軽い足取りで、
パパの書斎の引き出しに隠してあった銃を持ち出して、
ママになりすましてる怪物と、怪物に覆い被さって腰を振ってる名も知らぬ男に向けて6発。

何も感じなかった。

23329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:22:20 ID:urJy2tTI0

『………』

从  从『―――ちゃん?』

暗闇を照らす扉から漏れる四角い光を人の形をした影が遮る。
それが誰なのかは振り向かなくても分かる。

『…渡辺』

从  从『いま、花火の音がきこえたみたい』

『………』

从  从『………』

『………』

从  从『まっかな花火、きれいだねぇ』

『………』

抑揚のない声からでは渡辺の表情が見えない。
一体妹はどんな顔をしてその言葉を言ったのだろう。
いつものように柔らかい笑みを浮かべてるのだろうか。

ごとり。
手から滑り落ちた銃の音がやけに遠く感じた。

23429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:23:17 ID:urJy2tTI0

その日の朝に二人で食べたブルーベリージャムを塗ったパンの味は今でも忘れられない。
まるで砂を食べてるようだった。
三枚を平らげると大切な物だけを持って、家から飛び出した。

从  从『―――ちゃん。ひっぱったらいたいよぉ、どこにいくのぉ?』

『』

なんて答えたかは覚えてない。
でもこの時確かに俺は笑ってた。

渡辺が花火を好きだと言い出したのはそれからだ。
何を意図してそこに行き着いたのかは分からないが、
ショックのあまり記憶が改ざんされたという仮説が一番有力だと思う。

23529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:23:58 ID:urJy2tTI0

…どこかで一度は耳にしたようなありがちな悲劇だろう?
あれから数年が経った。

渡辺は夏を好んだ。花火の音が好きだったからだ。
夜空に咲いた七色の火花ではなく、爆発音のようなあの音が。
銃声のようなあの音に堪らなく惹かれるのだと。

妹が真に聞き惚れてるのは花火ではなく、銃声そのもの。
俺がママを撃った時の、あの。

从  从『―――ちゃん』

『ん?』

从  从『夏が終わっちゃうよぉ』

『そうだな』

从  从『また花火の音が聞けなくなっちゃうんだねぇ』

从  从『寂しい…寂しい…』

『………』

視線は渡辺から外さない。
俺は妹とつないでない方の手で、路地裏で寝てた浮浪者を撃った。
あの時と同じ6発の銃声と、咲いた一輪の赤い花。

从  从

从^ー^从「まっかな花火、きれいだねぇ。ハインちゃん」

从 ゚∀从

从 ゚∀从(…ああ)

从 ー从(やっぱり、笑ってた)

久し振りに俺も、笑えた気がした。

23629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:24:49 ID:urJy2tTI0

俺が適当な場所で適当に人を撃ち殺す。
後ろで見てた妹がお決まりの台詞で微笑む。

从 ゚∀从「あとはもう、ただそれだけ」

从 ゚∀从

从 ゚∀从「あーついでに生活に困ってる時は金目のもんを奪う」

爪'ー`)y-「そっちがついでかよ」

从 ゚∀从「姉妹二人で生活していけるだけの金があればいい」

爪'ー`)y-「ははぁ」

爪'ー`)y-「だからこんな殺人現場にこの子を連れて来てるってわけか」

从'ー'从

爪'ー`)y-「人形みたいな綺麗な顔してやがる」

从 ゚∀从「妹に手を出すな」

爪'ー`)y-「今のは誉め言葉じゃねーぞ」

爪'ー`)y-「興味ねーよ。実の娘になんざ」

23729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:25:42 ID:urJy2tTI0

从 ゚∀从「娘?」

爪'ー`)y-「ああ。アヤカは俺の子供だ」

爪'ー`)y-「数年前に誘拐された俺の一人娘だ」

从 ゚∀从

爪'ー`)y-「お前誰だ?」

从 ゚∀从「お前こそ、誰だ」

爪'ー`)y-

从 ゚∀从

爪'ー`)y= スチャ!

从 ゚∀从y= スチャ!

―ドォン!!

23829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:26:29 ID:urJy2tTI0

从 ー 从

その夜響いた銃声はひとつだけだった。
いつもより5つ足りない。
おかあさんが死んだ時より、足りない。

从 ∀从

爪'ー`)y-

从 ー 从「…遠くで花火の音がする」

爪'ー`)y-

从^ー^从「まっかなハインちゃん、きれいだねぇ」

爪'ー`)y-

爪'ー`)y-「…壊れてやがる」

23929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:27:12 ID:urJy2tTI0

爪'ー`)y-「………」

爪 ー )y-

爪'ー`)y-「…ほら、口を開けな」

从'ー'从

黙ったままの私に痺れを切らしたおとうさんが口に太い指を突っ込み、半ば乱暴に唇と歯をこじ開けた。
硬い何かが放り込まれる。

私のおとうさんがくれた初めてのキャンディー。
それはヴェルタースオリジナルで、私は16才でした。

それは甘くてクリーミーでこんな素晴らしいキャンディーをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がおかあさん。

子供にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、彼もまた、特別な存在だからです。

24029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 03:29:07 ID:urJy2tTI0
おしまい

今回まだヴェルタースオリジナルとTさんネタがなくて寂しかったからやった
二番煎じ反省してる
決して続きが思い浮かばなかったとかそんなんじゃない
そんなんじゃない

24129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:26:33 ID:HKhO5Sk20
滑り込みアウトっぽいけど堪忍

24229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:28:18 ID:HKhO5Sk20
( ^ω^)「なんでも、遠い昔には『ハナビ』っていう」

( ^ω^)「空に打ちあげる夏の風物詩があったらしいお」

('A`)「鼻毛みたいな名前できみわりーな」

( ^ω^)「そうそれ、なんでも鼻の穴から生える鼻毛みたいに」

( ^ω^)「こう、光がぶあーっと広がるらしいお」

('A`)「きめぇ」

24329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:29:51 ID:HKhO5Sk20
(´・ω・`)「そんでもって光が広がる前にはめちゃくちゃでかい音が鳴るらしい」

('A`)「へぇー、騒音公害にも程があるな」

('A`)「今やったら隣国から砲撃と勘違いされちまう」

( ^ω^)「昔は今よりもーっと平和だったらしいお」

(´・ω・`)「47の国が一つの国だったらしいからね」

('A`)「心にもゆとりがあったんだろうな」

24429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:30:48 ID:HKhO5Sk20
( ^ω^)「で、『ハナビ』は夜にやるもので」

( ^ω^)「いろんな色の光がより一層綺麗に見えるらしいお」

('A`)「それはちょっと見てみたいな」

('A`)「でも鼻毛」

(´・ω・)( ^ω^)「うえー」

24529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:31:38 ID:HKhO5Sk20
(´・ω・`)「でも昔の人はそれを見て夏を感じていたらしいよ?」

('A`)「夏をねぇ」

('A`)「まあ今や季節なんてなくなっちまったからな」

( ^ω^)「今は昔で言う8月、つまり夏だお」

(´・ω・`)「成程、だからその『ハナビ』とやらを復活させるのか」

( ^ω^)「お。王女の自由奔放にも困ったものだお」

24629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:32:47 ID:HKhO5Sk20
('A`)「国民全員広場に集めて『私の"夢"を見ろおおおおおおおお!!』なんてなぁ」

(´・ω・`)「あの人の粗暴っぷりからして、夏を感じさせたいわけじゃなさそうだね」

( ^ω^)「ただ単に目立ちたいだけだお」

('A`)「おっと、ただの職員がこんな愚痴言ってるってばれたら」

('A`)「『ハナビ』の代わりに首が空を舞っちまう」

( ^ω^)「お、そろそろ『ハナビ』お披露目らしいお」

(´・ω・`)「さぁて、映像記録からも消え去った過去の遺物」

('A`)「どんなものかねぇ」

24729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:33:30 ID:HKhO5Sk20








( ゚A゚)( ゚ω゚)(´゚ω゚)

24829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:34:26 ID:HKhO5Sk20

('A`)「……夏だ」

( ^ω^)「夏だお」

(´・ω・`)「夏だね」

('A`)「『花火』、な」

( ^ω^)「まさに文字通りの光景だったお」

(´・ω・`)「"夢"と名付けるに相応しい」

24929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:35:44 ID:HKhO5Sk20
('A`)「王女もたまには良いことをなさる」

( ^ω^)「こんなことされると王女が常々言ってる"平和"に協力したくなるお」

(´・ω・`)「全くだね」

('A`)「さあ、明日から頑張りますか」

(´・ω・`)「王女のために?夢のために?それとも」

( ^ω^)「花火のために」

( 'A`)(´・ω・)「だな」

25029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:37:04 ID:HKhO5Sk20
はい終わりです

25129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 07:38:29 ID:Zl5yHUVQO

よかった!

252佐藤★:2011/08/31(水) 08:57:36 ID:???0
皆様お祭りお疲れさまでした
穏やかな雰囲気ですが、思った以上にたくさんの投下があったようで喜ばしいことです
昨日はお題の変更を告知できずすみませんでした

昼夜問わず投下が続いていることを考え、祭りの期間を本日(31日)まで延長することにしました



  31日追加お題: 「夏の終わり」

  昨日までのお題 「祭り」「花火」も使ってもらって結構です



まだ投下していない方がいらっしゃったらどうぞこの機会に。

25329日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:46:02 ID:HKhO5Sk20
空気は読まない

25429日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:47:08 ID:HKhO5Sk20
ξ゚ -゚)ξ ねえ、ブーン

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ もうすぐ夏が終わるの

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ 今年は皆と色んなところに行ったし、色んなことをしたわ

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ 皆でお祭り行ったり、海で花火やったり

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ すごく、すごく楽しかった

25529日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:48:28 ID:HKhO5Sk20
ξ゚ -゚)ξ でもね

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ でも

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ どこにもブーンがいないの

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ 今年の夏の思い出にはブーンがいないの

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ ブーンはずっとここで眠っているだけ

25629日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:49:37 ID:HKhO5Sk20
ξ゚ -゚)ξ ねえ

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ 去年の夏は、いつ終わるの?

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ ブーンが去年の夏からずっと眠っているから、まだ終わってないの

( -ω-)

ξ゚ -゚)ξ 過ぎた夏を終わらせて、

ξ゚⊿゚)ξ これから先の季節を、あなたを含めた皆で始めたいの

25729日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:50:21 ID:HKhO5Sk20
ξ゚⊿゚)ξ あなたがいなくても今年の夏は始まったわ

( -ω-)

ξ゚⊿゚)ξ そしてもう終わろうとしてる

( -ω-)

ξ;⊿゚)ξ でも、でも私は!

ξ;⊿;)ξ 止まった時を、止まった夏を動かしたい!

( -ω-)

ξ;⊿;)ξ ねえブーン!起きてよ!

( -ω-)

ξ ⊿ )ξ ねえ……!ブーン…………

25829日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:51:16 ID:HKhO5Sk20

('A`) ブーン、どうだった

ξ゚ -゚)ξ ……いつも通り

(´・ω・`) まだ眠っていた、か

('A`) あれから一年だぜ

('A`) そろそろあいつの笑いがないと落ちつかないってレベルじゃない

川 ゚ -゚) そうか、もう一年になるか

川 ゚ -゚) ブーンを置いて時だけが過ぎていく

ξ゚⊿゚)ξ ……まだ去年の夏が終わってない

(´・ω・`) ……ああ、そうだね、あいつが起きないと、去年の夏が終わらない

25929日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:52:14 ID:HKhO5Sk20
ξ゚⊿゚)ξ でも

川 ゚ -゚) ?

ξ゚⊿゚)ξ でも、もうそろそろ夏が終わりそう

ξ゚ー゚)ξ そんな気がするの








( ^ω^)

26029日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:53:02 ID:HKhO5Sk20
おーわりっ

26129日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 22:55:38 ID:Zl5yHUVQO
>>260

こーいうの好きだわ

26229日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 23:41:06 ID:95JgSrIU0

夏が終わったんだな

263青空ホライゾン ◆x/rxoIq2T6:2011/09/18(日) 20:36:04 ID:C.l4dS3gO
まとめさせてもらいました。
ご意見、ご要望がありましたらお気軽にお申し付け下さい。
http://mo-neru.net/portable/boon/20110831/index.html

264名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 20:54:06 ID:dvqSvwmI0
>>263
うわお
乙です


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