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【河川敷】 納涼夏祭り 短編・絵投下スレ
1
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 18:37:11 ID:83wVkMkM0
.
─ 河川敷では、やぐらの上の和太鼓を提灯が照らす ─
お題に沿って作品を投下するスレ。
今日のお題は「祭り」。 (短編上限…15レス)
同じブーン系好きなら、踊らにゃ損損!
.
2
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:23:39 ID:YNf.iCgQO
ならば踊らせてもらおう
投下する
3
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:24:48 ID:YNf.iCgQO
私が高校を卒業するまで暮らしていた備布村では、年に一度、妙な祭が行われていた。
「備布祭」というもので、出店が立ち並び、神輿が担がれる――
まあ、一般的な夏祭りと大差ないものだった。
一部分を除いては。
その一部分について説明しよう。
小学生未満の子供がいる家庭は、祭に参加出来ない決まりになっている(胎児は含まれない)。
家族全員、その日の夕方以降は外に出ることも許されない。
遠くの祭り囃子を聞きながら、「エイエイさん」が家に来るのを待つ。
「エイエイさん」は、5人ほどの、神様――の格好をした地元の若者――の集団である。
子供の様子を見に来て、何の問題もなければお土産を置いて帰っていく。
子供が悪い子であれば、連れていってしまう。という、設定だ。
私が知る限りで、実際に連れていかれた子供がいたという話は聞いたことがない。
さて。
それでは、14年前――私が体験した、備布祭に関する話をしよう。
ξ゚⊿゚)ξ 「エイエイさん」のようです
.
4
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:26:00 ID:YNf.iCgQO
14年前、8月某日。備布祭が行われた夜。
当時の私は幼稚園に通う6歳の子供であった。
祭の決まりにより、両親と私、姉、そして祖父母の5人は
家の中で「エイエイさん」を待っていた。
ζ(゚ー゚*ζ「来年から、やっとお祭行けるようになるねー」
3歳上の姉が、麦茶を飲みながらそう言った。
彼女が生まれてからを含めると、この家の人間は――私を除いて――もう9年も
祭に参加出来なかったのだ。
両親が、うんうんと頷く。
( ・∀・)「長かったなあ」
川 ゚ -゚)「私は騒がしいところは好きじゃないし、来年からも行かないつもりだけどな」
祖父母は、母の言葉に苦笑した。
相変わらずだなと祖父が呟く。
/ ,' 3「来年は、デレ達も連れて、みんなで祭に行こうじゃないか」
('、`*川「そうそう。ツンも楽しみでしょ? 来年」
ξ*゚⊿゚)ξ「うん」
祖母に頭を撫でられながら頷いた私は、本当に楽しみで仕方がなかった。
楽しみと言っても、来年が、ではない。
もっと目前に迫った「チャンス」に心踊らせていた。
5
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:27:06 ID:YNf.iCgQO
――それから少し経って、午後7時半。
しゃんしゃん、と、玄関に掛けていた鈴が鳴った。
( ・∀・)「お、来た来た」
「荒巻さんや」
「ツンや、ツンや」
玄関から、私を呼ぶ声が飛んできた。
「エイエイさん」だ。
皆、腰を上げ、玄関へと向かう。
【(´・ω・`)】「――やあ」
【('A`)】「去年ぶり」
川 ゚ -゚)「ようこそいらっしゃいました。……ツン、挨拶」
ξ゚⊿゚)ξ「こんばんは」
「エイエイさん」は、お面を着けている。
お面、と表現するのも億劫な――デフォルメされた目口が描かれた紙を
顔に貼りつけただけ、といった、随分粗末なものだったが。
6
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:28:48 ID:YNf.iCgQO
【(*゚ー゚)】「ツン、何か悪いことはしたかしら?」
ζ(゚ー゚*ζ「私の算数のノートに落書きした!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ、やだ、言わないでよー!」
【(*゚∀゚)】「あひゃひゃ、それぐらいなら許してやるよ」
「エイエイさん」は男3人、女2人の5人組。
毎年、村長から指名を受けた男女が「エイエイさん」を務めることになっている。
すべて村長の一存であり、他の村人には誰が選ばれたのか知らされていない。
【(´・ω・`)】「来年からは会わなくなるけど、僕らは君をちゃんと見ているからね。
悪いことをしちゃいけないよ。
――さて、次の家に行こう」
【('A`)】「おう。……さあ、お土産だ」
('、`*川「ありがとうございます」
/ ,' 3「今年も、お疲れ様でございました」
痩せっぽちの「エイエイさん」が、ビニール袋を差し出した。
ソースの匂いが漂う。
「エイエイさん」がくれるお土産は、祭の出店で売られている食べ物だ。
たこ焼きやお好み焼き、とうもろこし、林檎飴、などなど。
祭に行けない身としては、非常にありがたい。
ζ(゚ー゚*ζ「焼きそば食べたい焼きそば!」
( ・∀・)「はいはい、ちゃんとツンと半分こな……――ん?」
姉に急かされて袋の中を物色した父は、首を傾げた。
どうかしたの、と「エイエイさん」の1人が訊ねる。
7
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:29:45 ID:YNf.iCgQO
( ・∀・)「今年は焼きそば無しみたいだ」
ζ(゚、゚*ζ「えー。毎年あったのにー」
【(*゚∀゚)】「焼きそば? ないの?」
川 ゚ -゚)「んんー……ないみたいですね」
【(*゚ー゚)】「あら……」
【(´・ω・`)】「モナーの奴、忘れたな。
まあ仕方ない。今年は諦めてもらえるかな、焼きそば」
ζ(゚、゚*ζ「はあい」
そのとき、私は違和感を覚えていた。
今にして思えば、よくもまあ、誰も直ぐに気付かなかったものだ。
「エイエイさん」が、1人足りない。
ξ゚⊿゚)ξ「エイエイさん、もう1人は?」
【(´・ω・`)】「え?」
【('A`)】「……ああ! ブーンの奴いねえぞ!」
【(*゚ー゚)】「あ、本当だ。道理で例年より静かだと思った」
【(*゚∀゚)】「ぐだぐだだなあ、今年は。……んまあ、放っといても、いずれ帰ってくんだろ」
神様が足りないというのは結構重大なミスのような気もするが、
当人達は「しょうがない奴だなあ」などとあっさり流していた。
それでいいのか恒例行事。
そうして、おやすみと手を振りながら「エイエイさん」達は我が家を離れた。
*****
8
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:30:46 ID:YNf.iCgQO
この日の私にとって、本番はこれからであった。
「エイエイさん」との対面が終わり、家族は気が緩んでいる。
特に姉と父はお土産に夢中だ。
――こっそり家を抜け出して、祭に行くチャンス。
ξ*゚⊿゚)ξ
玄関から持ち出した靴を履き、私はトイレの窓から飛び下りた。
前々から、祭の様子を見てみたいと思っていたのだ。
来年など待てるものか。
ちょっとだけ見られれば、それでいい。
祭の雰囲気を知れたら、すぐに家に帰る。
大丈夫大丈夫――
ξ;゚⊿゚)ξ「……あれー……」
――迷った。
祭り囃子のする方へ歩いていたつもりだったのだが、気付けば、音から遠ざかっていくばかり。
紛うことなく迷った。
9
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:31:40 ID:YNf.iCgQO
ξ;゚⊿゚)ξ「どうしよ……」
不安が迫り上がる。
祭会場どころか、家に帰ることすら出来ないのでは?
背筋が寒くなり、じわりと涙が浮かんだ。
やめておけば良かったと後悔しても遅い。
ξ゚⊿;)ξ「う……」
「――おーん! どこだおー!」
ξ゚⊿;)ξ「……?」
近くから響いた声に、一瞬、思考が止まった。
恐る恐る、そちらへ歩み寄る。
林の入口で、1人の男が四つん這いになっていた。
ξ゚⊿゚)ξ「……何してるの?」
( )「!」
私が声をかけると、男は顔を隠しながら振り返った。
数秒の沈黙。
不意に、ツンちゃんかお、と男が呟いた。
10
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:32:38 ID:G.TcHvU.0
なんだか嫌な予感がぷんぷんしますねぇ
11
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:32:41 ID:YNf.iCgQO
( )「荒巻さんのところの」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。……誰?」
( )「僕はブーン……って言っても分かんないか」
ブーン。聞き覚えがあった。
ξ゚⊿゚)ξ「エイエイさん」
( )「……おっ、正解だお」
件の、行方不明の「エイエイさん」だ。
こんなところで何をしているのかと問えば、返ってきた答えは「落とし物」。
( )「お面がどこかに行っちゃって……あれがないと、みんなの家に行けないお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふうん……」
私は、何気なく上を見た。
もしかして木に引っ掛かっているんじゃないか、なんて。
【( ^ω^)】
ξ゚⊿゚)ξ
あった。
「エイエイさん」――ブーンが這いつくばっている真上、木の枝に乗っかっていた。
気付けよ。
12
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:33:28 ID:YNf.iCgQO
ξ;゚⊿゚)ξ「あれじゃないの?」
( )「え? うわあ! すっごい近くにあった! 恥ずかしい!」
ξ;゚⊿゚)ξ(上ぐらい見ればいいのに)
溜め息をつき、私は小石を拾い上げる。
枝の真下から石を放り投げると、石に弾かれたお面がひらひらと舞い落ちた。
ブーンは私に背を向けて、急いでお面を顔にくっつける。
無事に作業が終わったようで、彼は勢いよく振り返った。
【( ^ω^)】「ありがとうお!」
ξ゚⊿゚)ξ「どういたしまして」
【( ^ω^)】「お礼するお。何か、欲しいものはないかお?」
ξ゚ -゚)ξ「……おうち帰りたい」
【( ^ω^)】「ああ、それは勿論、家まで送ってあげるつもりだお。
君くらいの歳の子が夜に出歩いたら危ないものが寄ってきちゃうし。
……それ以外に、何かないかお?」
急に訊かれても。
唸りながら考え込んでいた私は、はたと思いつき、両手を打った。
13
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:34:33 ID:YNf.iCgQO
ξ゚⊿゚)ξ「焼きそば。焼きそば食べたい」
【( ^ω^)】「それでいいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
ブーンが腕を後ろに回す。
そのまま10秒。
何か言おうと口を開きかけた瞬間、ブーンは私へと手を突き出した。
そこには、焼きそばが入ったパックと、ご丁寧に割り箸が一つずつ。
――どこから出したのだろう。
【( ^ω^)】「デレちゃんと分け合って食べるんだおー」
ξ;゚⊿゚)ξ「う、うん」
さらにビニール袋まで取り出すと、それに焼きそばのパックを突っ込んで私へと持たせた。
目の前の出来事に呆然とする私の手を引き、ブーンが歩き出す。
繋いだ手は、とても温かかった。
――ブーンと共に帰宅した私は、当然ながら、こっぴどく叱られた。
祖父母が尋常じゃないくらいにブーンに謝っていた光景が、妙に色濃く記憶に残っている。
「決まりを破って外出したことは『悪いこと』だけれど、
助けてくれたから特別に見逃してあげるお」。
去り際、ブーンはそう言っていた。
*****
14
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:35:40 ID:YNf.iCgQO
この話には続きがある。
翌日。
父の友人であるモナーが遊びに来たのだが、
菓子をつまみながら、彼は、こんなことを言っていた。
( ´∀`)「いやあ、実は昨日、うっかり焼きそばをお供えするの忘れちゃったんだモナ」
( ・∀・)「ああ、エイエイさんへのお供え物?
奇遇だな。昨日うちに来たエイエイさんも、焼きそば忘れてたよ」
( ´∀`)「しかも出店での売上金が一人前、足りないんだモナ……」
( ・∀・)「ははは! 本物のエイエイさんが焼きそば持ってっちまったんじゃないの?」
ξ;゚⊿゚)ξ
( ・∀・)「ん? どうした、ツン」
ξ;゚⊿゚)ξ「……なんでもない……」
*****
15
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:37:19 ID:YNf.iCgQO
まあ、「そういうこと」なのだろう。
それから私が18歳で村を出るまでの12年間、一度も「エイエイさん」を見かけなかった。
近所の幼稚園児は会ったと言っていたので、いなくなったわけではないらしい。
そして、現在も行事は続けられているそうだ。
――だから。
いつか私が備布村に戻って、結婚して、子供が生まれたら。
あのドジな「エイエイさん」に、すっかり忘れていた焼きそばの礼を言ってやるつもりである。
終わり
16
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:39:13 ID:YNf.iCgQO
おしまいでっす!
読んでいただきありがとうございましたー
17
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 21:40:41 ID:G.TcHvU.0
別に怖い話やなかったわ
よかったよかった
18
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 22:22:52 ID:LV7JA9bIO
絵投下させてもらいま。
http://g2.upup.be/d/cWdXkaf6gi?guid=ON
19
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 22:56:02 ID:2GS0vzB6O
次いきまっす!
20
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 22:57:52 ID:2GS0vzB6O
('A`) 俺は今晩の祭りでクーにゃんに告白する!
_
(;゚∀゚);><);^ω^);,,゚Д゚);゚⊿゚)ξ っっ!!
(;^ω^) ここ告白って……!待つお!ドクオ!
( ^ω^) お前、クーさんとそんな仲良かったかお!?
('A`) 今まで秘密にしていたが隣の席で落とした消ゴムを拾い合うような関係だ!
(*^ω^) まじかお!?テラ勝ち目あんじゃん!!
('A`) 応っ!
_
(;゚∀゚) 待て!喜ぶのはまだ早いだろ!
( ^ω^)'A`) ジョルジュ……?
21
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 22:58:42 ID:2GS0vzB6O
_
( ゚∀゚) ……ひとつだけ聞いていいか?お前、鏡見たことあるか?
('A`) 今朝見た!鼻毛出てたから抜いた!
_
(;゚∀゚) 処理済みならもう成功の疑いようが無いな……
_
(*゚∀゚) 当たってぶつかれ!ドクオ!
('A`) 応っ!
(;><) 待ってください!あんたら脳みそ腐ってんですか!?
そんなんで本当にうまくいくと思ってるんですか!?
_
( ゚∀゚)'A`) ビロード……?
22
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:01:23 ID:2GS0vzB6O
( ><) ドクオくんがクーさんに好かれる要素がどこにあるっいうんですか!?
('A`) 保健体育の授業で教科書見せてあげた!俯いてありがとうって言ってた!
( ><) それはただのクラスメートでしょう!
('A`) 教科書の不足分を説明したげた!性器の仕組みとか!
(*><) さりげない優しさと知識……これはイケますよ!
リア充になったらお願いだから死んでくださいね!
('A`) 応っ!
(,,゚Д゚) 待てよお前ら!それだけじゃダメだろ!クーが幸せになれないだろ!
( ><)'A`) ギコ……?
23
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:02:30 ID:2GS0vzB6O
(,,゚Д゚) ドクオ、お前は自分がクーに相応しい男だと思ってんのか!?相応しい男になるよう努力してんのか!?
('A`) ギコ……
('A`)、 俺さ……
('A`) こないだのテストで順位ひとつ上がったんだ!
(,,*゚Д゚) お前いつもビリだったのに……。そうか、俺を抜いたのは
お前だったのかよ!!うん!その調子なら大丈夫だよ!!
('A`) 応っ!
ξ#゚⊿゚)ξ 待ちなさいバカ男共!そんなん全部男目線じゃない!
(,,゚Д゚)'A`) ツン……?
24
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:03:53 ID:2GS0vzB6O
ξ゚⊿゚)ξ このドクオに女心がわかるっていうの!?どうせクーを悲しませるに決まってるわ!!
('A`) 女心か……
(-A-)
('A`) 今まで黙ったけどさ……
('A`) ずっと秘密にしてるつもりだったけどさ、言うわ!
ξ;゚⊿゚)ξ な、なによ?
('A`) 俺、最近ブラしてんだ
ξ゚⊿゚)ξ え……
('A`) 思ったより蒸れるんだな。女子って大変だよな、ハハッ
ξ ⊿ )ξ ねえ……
ξ*゚⊿゚)ξ 私じゃだめかな……?
('A`) ツン……ごめん……
ξ;^⊿^)ξ や、やだ!私ったらなに言ってんだろwwwはは、忘れてwwww
ξうー;)ξ クーのこと、よろしくね?
('A`) 応っ!!
25
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:04:42 ID:2GS0vzB6O
('A`) っと、そろそろクーと待ち合わせの時間だな
('A`)=3 じゃあ行ってくる!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ がんばれよー!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ さて……
_
(*゚∀゚)*><)*^ω^),,*゚Д゚)*゚⊿゚)ξ レッツら先回りwwww
26
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:05:36 ID:2GS0vzB6O
川 ゚ -゚) ('A`)
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ ガサゴソ
( ^ω^) よっしゃ特等席だお!
_
( ゚∀゚) 勝ちは目前だぜ!あのおっぱいを……くぅーーー!!羨ましいぜ!!
( ><) 結ばれた瞬間にロケット花火打ち込んでやるんです!
(,,゚Д゚) 男らしく決めてやれ、ドクオ!
ξ゚⊿゚)ξ クー、今回はあんたに譲ってあげるわ。幸せにしてもらいなさい!
川 ゚ -゚) ――――
('A`)、 ――――
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ いけえっ!ドクオオオオオオオ!!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ あ、殴られた
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ そのままマウントだぁーーーっ!?
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ
_
(;゚∀゚);><);^ω^),,;゚Д゚);゚⊿゚)ξ まって!命だけは……命だけはーーっ!!
27
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:06:26 ID:2GS0vzB6O
川#゚ -゚) フーッ フーッ
(###A`) すごくいたい……
(;^ω^) クーさんすっごく怒ってるお。なに言ったんだお?
(###A`) こんな俺でよければ……付き合ってくださいって……
_
( ゚∀゚) まっとうな告白だな……
(;><) それがどうしてあの殺戮に?わからないんです!女子恐いんです!
(,,゚Д゚) どうせ気分とか言うんだろ?これだから女って奴はよ……。男のなんたるかがわかってねえよ!
ξ゚⊿゚)ξ まあ待ちなさいよ。クーにも言い分があるでしょ。
(###A`) そうだ、理由を聞かせてくれよ。いくらなんでも問答無用でマウントはひでぇよ
(;^ω^) 問答無用だったのかお……
川 ゚ -゚)、 理由か……。そうだな、キチンと伝えないとな
川 ゚ -゚) ドクオを殴った理由はだな……
_
(;゚∀゚);><);^ω^),,;゚Д゚);゚⊿゚)ξ ドキドキ……
(###A`) ゴクリ
28
:
('A`)ポジティブ達が祭り集うとこうなるようです
:2011/08/29(月) 23:07:16 ID:2GS0vzB6O
川 ゚ -゚) 消しゴム拾うたびに私の手撫でるのキモいし
川 ゚ -゚) 今日は鼻毛は隠れてるけど耳毛があり得ないほどスゴくてキモいし
川 ゚ -゚) 頼んでもないのに「ほぉらほぉら実学だよう」って海綿体の仕組みを解説しだすのキモいし
川#゚ -゚) 前のテストでカンニングしてるの気づいて睨んだらウィンクするしキモいし
川#゚Д゚) だいたいそのブラ私んだろ!返せ!キモいんだよコラァ!!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ えっと……
_
(゚∀゚;(><;(^ω^;(゚Д゚;,,ξ(゚△゚;ξ ど、どっくん……?
(###A`)
(###∀`) ごめりーんこ☆
川#゚ -゚)
(###∀`) 許してまーんこ☆
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ
< グオオオオ!!!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ あ、マウント……
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ いーち!!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ にーい!!
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ さ……、あれ?
_
( ゚∀゚)><)^ω^),,゚Д゚)゚⊿゚)ξ 動か……ない……?
おわり
29
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:08:55 ID:2GS0vzB6O
おわりでーす!
これから自スレに投下にいきまーす
お祭りワショーイ!!
30
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:31:46 ID:roGXc9to0
折角なので踊りに来ました
31
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:34:50 ID:roGXc9to0
川 ゚ -゚)「ふむ、やはり人が多いな」
道行く人々浴衣の袖を遊ばせて
祭囃子に誘われふらふらふらふら
(*゚Д゚)「ギコハハハハハ!!もっと飲めドクオぉ!ジョルジュゥ!」
赤い顔に射す橙
時は盆暮れ空は夕暮れ
(*´∀`)「わたあめ!焼き鳥!!水風船!!!なっつかしいモナ!!」
鳥居をくぐれば鮮やか異世界
目を奪われ心も奪われ
( ^ω^)「……まいった、ツンとはぐれたお」
気づけば相手を奪われ五里霧中
探せど探せど祭りの空気に蕩けるようで
32
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:36:02 ID:roGXc9to0
(*'A`)「あっはっははっは!!久しぶりだから飲んじゃうよ俺!!」
羽目を外して己を失う
はてさて酒の力か祭りの力か
ξ゚⊿゚)ξ「あいつ、皆で集まるのにはぐれるなんて!」
探しているのはこちらかあちらか
浮かれた下駄音全てをうやむや
(*゚ー゚)「ギコ君ったら、飲み過ぎよ」
囁きたしなめ鼓膜に届かず
笑い声しか頭に残らず
(´・ω・`)「おまたー、ってもう出来上がってるし」
祭りにかかれば全てが後手後手
だけども祭りにかかれば後手も先手に
33
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:37:09 ID:roGXc9to0
从 ゚∀从「ういーす、モナー様から焼き鳥の差し入れだぞー」
注ぐは油代わりの酒と飯
注がれるは愚かな酔っ払い
_
(*゚∀゚)「うえっへっへっへwwwwwしぃちゃんおっぱい揉ませてぇwwwwww」
逆らうは道徳、従うは欲望
酔いの力か空気の力か
(;・∀・)「おいおいお前ら、まだ全員集まってないんだぞ!飲むな!のーむーな!」
祭りの一角、一層騒がし一団体
一人奮闘、直に匙投げ酒に溺れて
ノハ*゚⊿゚)「あひゃひゃひゃひゃ!!迷子の迷子のぶーんが来らぞぉ!!」
喧騒に誘われ迷い人
迎える喧騒笑い人
響く乾杯、轟く花火に笑いを添えて
祭囃子は加速する
祭りはまだまだ終わらない
34
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:38:19 ID:roGXc9to0
以上、それじゃ
35
:
◆FBGlBPSpOs
:2011/08/29(月) 23:43:04 ID:kSr4wXqc0
さぁて踊りますか。投下しますか。
36
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:44:03 ID:kSr4wXqc0
始まりは、些細なことだった。
手をつないでるカップルを避けずに、その間を通ったのだ。
当然、カップルは俺を睨みながらも手を離した。
その時、なんていうか・・・その・・・下品なんですが・・・フフ・・・
勃起しちゃいましてね・・・
それ以来、俺はカップル、俗にリア充と呼ばれる人間に対する妨害活動に没頭しているのだ。
人は俺のことをこう呼ぶ・・・・リア充爆弾魔、と。
37
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:44:54 ID:kSr4wXqc0
時は夏祭り。
賑やかな声、立ち並ぶ屋台、そして独特の熱気。
('A`)
俺は単身この戦場に潜入していた。別に友達がいないわけではない。いや、マジで。ホントだって。人を疑うのは良くないと思うよ?
理由は当然リア充に対する妨害である。
俺の研究によると、毎年夏祭り会場には浴衣姿のナオンをはべらせたリア充が多数沸くのである。
これはまさに俺のための舞台ではあるまいか。
そう、クリスマス、バレンタインに続きカップル発生率が高いのである。
('A`) キョロキョロ
周囲に眼を走らせる。
俺は狩人。ハンターである。今なら念能力の一つや二つ使える気がする。
*(‘‘)*「ママー、あの人ひとりでなにしてるの?」
('、`*川「しっ!そんなこと言っちゃ駄目です!!」
雑音は無視だ。
38
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:45:36 ID:kSr4wXqc0
そうしていると、早速カモを見つけた。
爪'ー`)y‐
o川*゚ー゚)o
ガイアが囁いている感じの服装をしたタバコを吸っている頭の軽そうな男と
髪を茶色、否。うんこ色に染めた頭のチャラチャラした服を着た軽そうな女、否。ビッチである。
見たところ高校生くらいの、いかにもなカップルである。おそらく両者の脳味噌を足してもカニ味噌くらいの量にしかならないだろう。
ふむ、腕はこれ見よがしに組んでやがるから横断分離作戦は無理だな・・・
爪'ー`)y-
どうしようかと見ていると男が先程からやけにタバコをチラチラさせている。
高校生の癖にタバコを吸っているぜ俺、アピールか。ウザイな
大体タバコには良い思い出がない。煙を吹きかけられたり、火を押し付けられたり、買わされたりとまさに災厄の根源。
JTには謝罪と賠償を要求したい。あのような災厄の根源を売るとはどういうつもりなのか。
そのような災厄の根源は自らの手で絶つに限るな!
('∀`)「Let's hunt!!!」
39
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:46:22 ID:kSr4wXqc0
爪'ー`)y‐「でさー、そのセンパイがマジパなくてさぁー」(※会話はイメージです)
o川*゚ー゚)o「マジー!?チョーウケルンデスケドー」(※会話はイメージです)
( A )スッ
後ろから忍び寄る。俺の手に握られているのは花火広場に置いてあった消火用のバケツである。
それを天高く持ち上げ・・・・下げる。
ザッパァァァァアアアン!!!!
爪'ー`)「うおおおっ!!!」
o川*>ー<)o「キャー!!!!1」
男が自慢げに振りかざしていたタバコの火が消えた。フハハハハ。
どうせお前未成年なのにタバコ吸ってる俺KAKEEEEEEEEEEEEEE!とでも思っていた輩であろう。
タバコは二十歳になってからである。
爪#'ー`)「てめぇ!!待てコラッ!!!!!」
ガイア男が振り向き、俺の居た場所に手を伸ばすが、俺はもう人ごみの中である。
逃走スキルだけは高いのだ。学生時代に鍛えられたのは逃走スキルだけである。
花火が俺の顔を照らしたが、問題無い。俺は狩りを始める前に手前のお面屋に寄っていた。
ヤツからしたらゴーカイブルーに水のようなものをぶっ掛けられたとしか分からないだろう。
40
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:47:05 ID:kSr4wXqc0
爪#'ー`)「アイツぜってぇーブッコロス!マジワケワカンネー!!」
o川*゚ー゚)o「・・・・・なんか臭くない?」
爪'ー`)「・・・・?そうか」
o川*゚ー゚)o「・・・・フォッ君からする。余り近づかないでくれる?」
爪;'ー`)「えっ、ちょっ!!どうしたんだよ!!おい!!待てって!!!」
当然、リア充撲滅委員会会長の俺が水なんて生易しいものを使うわけが無い。
使ったのは・・・・まぁここで語るには適さないものだ。
人体から採れるとだけ言っておこう。
('∀`) ニヤニヤ
それを影から見てほくそ笑むのが俺の生き甲斐である。
無論、俺のジョニーはウェイクアップしている。これも、俺の性か・・・
*(‘‘)*「ママー、あの人ひとりで笑ってるよ?」
('、`*川「しっ!見ちゃ駄目!!さらわれるよ!!」
外野は無視だ。
41
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:47:47 ID:kSr4wXqc0
おっと、ジョニーをウェイクアップさしてる場合では無い。新たな獲物が既に眼前に居るではないか。
(,,゚Д゚)
(*゚ー゚)
初々しい感じのカップルである。初デートかもしれない。
あああああああああああああああああこういう感じのが一番見ててくるんだよなぁ!!!!!!!
(*゚ー゚)「ギコ君・・・・手、つなぐ?」(※会話はイメージです)
(,,゚Д゚)「え!?・・・あ、ああ。い、良いのか?」(※会話はイメージです)
(*///)「ギコ君なら・・・良いよ」(※会話はイメージです)
みたいなぁああああああああああ!ねぇえええええ!
おほぉおおおおおおおおおおお!!!!!らめぇえええええええええええ!!!!!
いかんいかん、いつからか和姦モノでは抜けなくなった俺には刺激が強すぎる。
では早速狩りを始めよう。
今回はどのように料理しようか・・・
('∀`)「Let's hunt!!!」
42
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:48:38 ID:kSr4wXqc0
まず手始めに、いつもの手つなぎ横断を行うことにした。
(,,゚Д゚)人(*゚ー゚)
シツレイシマス
(,,゚Д゚)('A`)(*゚ー゚)
そしてその時にどさくさにまぎれて、男の尻ポケットにある財布を抜き取る。
(,,゚Д゚)「じゃあカキ氷でも買おうか・・・あれ!?財布が無い!!」
(*゚ー゚)「えっ!!大変!!!どうしよう!」
金目当ての犯行では無い。俺は紳士である。
('A`)「あ、もしかしてコレですか?」
(,,゚Д゚)「あっ、はい。僕のです!ありがとうございます!!」
頭を下げる男。へっ、よせよ、褒められるような事はしてないぜ。
43
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:49:45 ID:kSr4wXqc0
(*゚ー゚)「中身は大丈夫かな?」
(,,゚Д゚)「ああ、そうだな。確認しないと・・・」
財布を開いた男。
そこには溢れんばかりのある"モノ"が詰まっていた。
四角い形に中央に丸い円のある独特のデザインの"モノ"。
私の地元では愛をこめて『近藤さん』と呼ばれていたモノだ。
(*゚ー゚)「え?・・・コレって・・・・」
(,,゚Д゚)「待ってくれ!!違うんだ!!!誤解だ!!!さっきの男のイタズr」
(*゚ー゚)「初デートでそんなこと考えるなんてサイテー!!!!!」パァン
(#) Д )
('∀`)
これだからリア充狩りは止められない。
44
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:50:35 ID:kSr4wXqc0
今日は実に大量だった。
最初の二件を皮切りに、
川 ゚ -゚)「話ってなんだ?」
_
( ゚∀゚)「実は俺・・・ずっと前からお前のことg痛っ!」
川 ゚ -゚)「・・・・どうしたんだ?」
_
( ゚∀゚)「いや、ちょっと待っt痛い!!!なんかコルクが飛んでく痛っ!!」
川 ゚ -゚)「・・・・ふざけてるのか?もう帰って良いんだな?」
_
( ゚∀゚)「ちょっ、待っ!!痛い!!!!!玉はナシ!!!」
射的屋の銃でリア充の卵をスナイプしたり
ξ゚⊿゚)ξ「花火きれいね・・・・」
( ^ω^)「ツン・・・君のほうが綺麗だお」
ソーッ('A`) ξ///)ξ「バカ・・・・」
( ^ω^)「でも花火とツンがまるで一つになってるみたい・・・って!!燃えてるお!!!髪!!!」
●゚⊿゚)ξ「え!?うわっ!!!なにこれ!!!!」
リア充を花火でライトアップしてあげたり
45
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:51:51 ID:kSr4wXqc0
从'ー'从「プギャー君遅いな〜何してるんだろ〜。あ!来た!」
@@@@@
( ^Д^)「悪い悪い!!なんか変な顔色悪い男に絡まれてさ・・・」
从'ー'从「・・・・・・・・アイパー?」
@@@@@
( ^Д^)「えっ?」
頭に綿飴をつけまくったり
( ・∀・)「おーーーーー」
ζ(゚ー゚*ζ「花火綺麗ですねー」
( ・∀・)「・・・・また来年も来ようね」
ζ(^ー^*ζ「そうですね・・・あっ、すごく大きい花火がこっちに・・・・」
(; ・∀・)「飛んできてる!!!!」
ロケット花火をリア充に打ち込んだりもした。
46
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:53:15 ID:kSr4wXqc0
―そして時は流れ
三年後、夏祭り
('A`)「お、貞子。浴衣似合ってるじゃん」
川*д川「そ、そうかな」
('A`)「さ、行こうか」
手を差し出す俺。
川*д川「うん」
握り返す貞子。ああ、まさに俺は今幸せの最中。人生の頂点。人類の覇者。この俺を止めることはだれにもできない。
見ろ、人ごみが俺達を避けていく。カップルという幸福絶対領域に押し負けるのである。カップルを止めることは誰にもできないのである。
よし、今日こそはこの勢いでホテルまで行き、長年埃を被ってきたジョニーに晴れ舞台を用意してやろう。
―――――ん?
一人の少年が、俺達を避けずに、なんと俺達の手と手を繋いでいる場所を突っ切ろうとしている。
しょうがなく手を離す俺。くそう、あのふわふわした手の感触が一時でも離れるのが口惜しい。
さて、少年も去ったことだし手を繋ぐか。
47
:
('A`)がリア充を爆発させるようです
:2011/08/29(月) 23:54:49 ID:kSr4wXqc0
その時だ。
ドバァアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!
俺の頭上から大量にカキ氷が降ってきた。なんと抹茶味である。俺のシャツが見事な抹茶色に染まる。男は抹茶に染まれ。
とっさに振り返る。ゴーカイブルーのお面を被った少年が、そこに居た。
少年は脱兎のごとく逃げていく。
俺は追いかけなかった。
川д川「あ、あの。大丈夫ですか?」
('A`)「ん・・・ああ」
('A`)「お前、帰って良いよ」
川д川「えっ」
('A`)「大切な用事を思い出したんだ。お前がいると邪魔なんだよ」
川д川「・・・・・・はぁ」
ポカンとしている貞子、否。ビッチを置いてけぼりにして、俺は周囲を見渡す。
あの少年のおかげで俺は大切な事を思い出せた。
こんな風に彼女とやらを作って夏祭りに行くことよりよっぽど面白いことだ。
さて・・・・今宵はどんな狩りを行おうか。
('∀`)「Let's hunt!!!」
(終)
48
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:57:03 ID:kSr4wXqc0
あい終わりー
良い汗かきました
ラムネでも飲みたい気分ですね
49
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/29(月) 23:58:43 ID:2GS0vzB6O
夏祭り、クリスマスと言えばリア充破壊活動ですよねー!
いやー懐かしいわー!
50
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:04:05 ID:HlGjmWQI0
> ('∀`)「Let's hunt!!!」
イイ笑顔や……www
51
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:14:52 ID:Eh51fTYY0
壁|A`) ダレモイナイ...?
壁|A`) トウカスルナライマノウチ...
ヽ('A`)ノ トウカスル!
( )
ノω|
52
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:15:38 ID:Eh51fTYY0
彼の名は杉浦ロマネスク。悪の組織の博士である。兎を狩る時も全力を尽くす彼に一切の驕りは無い。
('A`) 久々の休暇が縁日と被るなんて運がいいや
('A`) ま、恋人がいるわけでも無いし一通り遊んだら帰ろう
( ФωФ) 一人で祭にくるとは寂しい男である
('A`) ……ミスター、何してるんですか
( ФωФ) 見てわからないであるか?
('A`) ある程度予想はできますが一応聞きましょう
( ФωФ) 出店の営業
('A`) なんのですか?
( ФωФ) 出店攻略グッズ
('A`) 世界侵略グッズ作れこのポンコツ
市民が憩う祭りの街道に今一頭の虎が牙を剥く。
杉浦ロマネスク、彼の野望は尽きることを知らない。
53
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:16:27 ID:Eh51fTYY0
これは
日本を舞台に繰り広げられる
正義と悪の戦いの物語である
( ФωФ)Mr.ギウラーの開発レシピ(夏)のようです
54
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:17:11 ID:Eh51fTYY0
祭り。それは夏の風物詩。
封鎖した街道を神輿と踊り子が練り歩き、沿道には様々な屋台が軒を連ねる。
無機質なアスファルトに溢れかえった人々はささやかな非日常に浮き足立ち、街はまるで生き物のように活気に溢れるのだ。
神輿の通る大通りに交わる沿道。最も屋台が多くならび最も多くの人が行きかう屋台激戦区である。
その外れ、祭りの中心地である大通りから最も遠い位置にその出店は存在した。
長机を組み白い布を被せただけの簡素な品台。
売り子の日よけに設置されたカラフルなビーチパラソル。
日の光を弾き輝く品台に並んだ用途不明の品々。
そしてパラソルの日影でアイスキャンディを三本同時に舐める売り子の男。
飢えた獣を思わせる見開いた目、愛嬌のある口元、少々丸みのあるボディ。
そう、彼こそが我らが悪の組織の幹部にして技術開発局最高責任者、杉浦ロマネスク。
人呼んで「Mr.ギウラー」である。
55
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:17:54 ID:Eh51fTYY0
('A`) もう一度聞きます
('A`) この店はなんの店ですか?
この、世の不幸を顔面に濃縮還元したような男の名は宇津田・B・ドクオ。
誉高き「超変身改造人間」シリーズのプロトタイプの一体であり、ロマネスク直属の保護者である。
( ФωФ) 出店攻略グッズ
('A`) さっぱりわかりません
( ФωФ) 簡単にいうと祭りをより楽しむためのアイテムである
('A`) さっぱりわかりません
( ФωФ) 論より証拠。試しに使ってみればいいであろう
('A`) 見た目はただの眼鏡ですよね
( ФωФ)いいから着けるである
56
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:18:36 ID:Eh51fTYY0
(∩0A0)∩ スチャッ
(-0A0) ………
……… ζ(゚ー゚*ζ
(-0A0) ………
ζ(^ー^*ζ
(*-0A0) 、
( ФωФ) 夏祭りエンジョイ恋愛シミュレーションメガネ、名付けて
( ФωФ) 「ナツプラス」である
(*-0A0) ミスター彼女は一体
( ФωФ) メガネから発せられる特殊なパルスが脳に干渉し幻覚を見せているのである
(-0A0) …幻覚?こんなにリアルなのに
ζ(゚ー゚*ζ 幻覚だなんて酷いなぁ
(-0A0)
(-◉□◉) しゃべったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!1!!
57
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:19:30 ID:Eh51fTYY0
( ФωФ) 大声をあげるでない
( ФωФ) 特殊パルスは五感全てに干渉するである
( ФωФ) 声はもちろん、感触匂い味全て感じることができるのである
ζ(^ー^*ζ そういうこと。分かった?
(*-0A0) は、はい…
ζ(゚ー゚*ζ じゃぁ行こっか
(-0A0) え?
ζ(^ー^*ζ どうせ一人なんでしょ?一緒に見てまわろ!
(*-0A0) は、はい!!
( ФωФ) …行ったか
( ФωФ) 我輩の心血を注いだ廃人育成システムの実験のためである
( ФωФ) 存分に死んでこい
( ФωФ) さて。我輩はナツプラスの説明でもするであるか
___________
58
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:20:27 ID:Eh51fTYY0
【ナツプラス廃人育成機能その① 〜精神支配〜】
ナツプラスは某ゲームを元に開発したリアルタイム、リアル感覚恋愛シミュレータである。
装着者の五感を支配し理想の恋人をさも現実のように作り上げる。
「偽物である」という認識は開始5分から徐々に封印。
30分も経てば彼女を偽物だと思うことは出来なくなっている。
なお、この機能はメガネを外せば自動的に解除されるので安心してほしい。
ζ(゚ー゚*ζ どっくんどうしたの?ボーっとして
(*-0A0) え、ああ。女の子と祭歩くなんて初めてだから
ζ(゚ー゚*ζ やだ、どっくん。去年だって一緒に歩いたじゃない
(-0A0) え?
ζ(^ー^*ζ ま、去年はまだ「友達」だったけどね
(*-0A0) そ、そうだったね!まさか付き合えるとは思ってなかったよ!
ζ(^ー^*ζ うふふ
さらにナツプラスのヒロイン達は過去を捏造する。これもパルスによって促進されそう思い込むように設定した。
ちなみに、幸せな思い出が少ない者ほど効果が大きいようだ。
故に大抵の毒男は①の機能で陥落する。
59
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:21:09 ID:Eh51fTYY0
【ナツプラス廃人育成機能その② 〜肉体的快楽〜】
先の機能により精神を陥落した後、さらに駄目押しとなるのがこの肉体的快楽機能である。
①でも述べたようにナツプラスは触角や嗅覚にも影響を及ぼす。
エロい、もとい賢い人間ならばすでに予測しているとは思うがヒロイン達の身体は触ることが出来る(触ったように感じる)。
触れるたびに脳内麻薬の分泌を促すよう設定したのでその幸福感、興奮度は現実の女以上であろう。
ζ(゚、゚*ζ どっくん、あのさ…
(-0A0) ん?どした?
ζ(゚、゚*ζ 手、繋いでもいい?
(*-0A0) え、あ……うん
ζ(゚ー゚*ζ えへへ、やった
(*-0A0) (手ぇやわらけぇぇぇぇぇ!!!)
お望みとあらば大人な快楽も味わう事ができるが、ヒロイン達から誘うことは無い。
故にユーザーが未経験である限りそこに持ち込むことは大凡不可能であろう。
もし出来たとして一人で宙空ににハァハァするという異様な空間が出来上がるのでオススメはしない。
60
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:21:52 ID:Eh51fTYY0
【ナツプラス廃人育成機能その③ 〜遊び〜】
さて①、②はどこにでもある一般的な恋愛シミュレーションの機能である。
ここでナツプラスの夏祭り特化機能を紹介したい。
今回の被験者にあてがわれたヒロインは金魚掬いのプロ。
彼女に金魚掬いのやり方を教わる、それが夏祭り特化機能である。
ζ(゚ー゚*ζ いい、どっくん
ζ(゚ー゚*ζ 金魚は影に集まるから自分の頭を使って影を作って集めるの
彼女達は後ろから覆いかぶさるように手を取り実際に手を誘ってくれる。
ポイの侵入角度や受けるお椀の位置、金魚の追跡の仕方。
耳元で細かな解説をしながら、胸を背中に押し付けながら、まさに手取り足取り教えてくれるのである。
(*-0A0) (むむむ、胸が!胸が!)
ζ(^ー^*ζ もー、どっくん焦りすぎ。もっと優しくね
(*-0A0) ひゃ、ひゃい!がんばります!
まぁ、周りからすればハァハァしながらテクニカルに金魚を掬う変人にしか見えないであるが。
61
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:22:35 ID:Eh51fTYY0
10
【ナツプラス廃人育成機能その④ 〜世話〜】
ナツプラスのヒロインは甘えるだけでは無い。甲斐甲斐しく世話もしてくれる。
良き妻がそうであるように、使用者が口にする前に気が付き行動を起こすのだ。
ζ(゚ー゚*ζ ちょっとそこのベンチで休もうか
(-0A0) そうだね
ζ(゚ー゚*ζ はい、さっき買っておいたラムネ
(*-0A0) え、あ、ありがとう
ζ(^ー^*ζ どう致しまして
(*-0A0) ぷは、うまい
ζ(^ー^*ζ うふふ。私冷やしパイン買ってくるね!
(*-0A0) うん
(*-0A0) …幸せだ
無論彼女が持ち出す飲食物もパルスが脳に干渉し見せた幻覚である。
周囲には笑顔で飲み食いのパントマイムをする変人にしか見えない。
が、実際に買って食べるよりも経済的なのでなんら問題は無いであろう。
62
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:23:24 ID:Eh51fTYY0
【ナツプラス廃人育成機能その⑤ 〜別れ〜】
出会いがあれば別れがある。一夏の恋とは駆け抜けるように過ぎ去るのだ。
そうした甘くほろ苦いチョコレートのような経験を経て少年達は大人になってゆく。
(-0A0) どうしたの?
ζ(゚ー゚*ζ ……どっくん私ね
ζ(゚ー゚*ζ 海外に引っ越すことになったの
(-0A0) !!
ζ(゚ー゚*ζ 本当は今日の朝だったんだけど、パパとママに無理言って、待ってもらったんだ
(-0A0) そんな…!
ζ( - ζ ごめんね黙ってて
(-0A0) デレちゃん…
ζ(^ー^。ζ 私のことなんかさっさと忘れてさ、いい人見つけてね!
(-0A0) ……待ってる
ζ(゚、゚*ζ え?
(-0A0) いつまでだって、君のことを待ってる
63
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:24:07 ID:Eh51fTYY0
ζ(;ー;*ζ ……ありがとう、どっくん…
『そして僕たち二人は強く抱き合い、全てを忘れるように熱く口付けを交わす。
絡みあった二人の唇が解けるころにはそこに彼女の姿は無かった。
僕は賑やかな人混みの中、そっと呟く。』
('A`) ずっと待ってるよ……
こうして使用者は別れを乗り越え一つ大人になるだろう。
正直な話、どうしても数時間でバッテリーが切れてしまうために苦し紛れにつけただけの機能なんであるが。
64
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:24:50 ID:Eh51fTYY0
__________
( ФωФ) どうだったであるか?
('A`) 素晴らしく、そして恐ろしいアイテムでした
('A`) 正直2〜30万くらいなら払える気分です
( ФωФ) このパルスは脳に負担がかかるから暫くは余韻が残ってそういう酔ったような気分になるである
( ФωФ) その隙に続きのデータチップと専用バッテリーを高額で売りつける
( ФωФ) 組織の資金繰りと一般人の精神破壊が同時に出来るである
('A`) なんか久々に恐ろしいアイテムを見た気がします
( ФωФ) であろう。さて、今日の営業時間は終わりである
('A`) あ、俺も帰ります
( ФωФ) あ、そうだドクオ
('A`) ?なんです?
( ФωФ)死ぬなよ
('A`) ?
65
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:25:39 ID:Eh51fTYY0
【ナツプラス廃人育成機能幻の⑥ 〜黒歴史〜】
ナツプラスから放たれている特殊パルスは脳にそれなりの負担をかける。
故に使用を辞め記憶が正常になったとしてもしばらくの間は地に足のつかない状態だ。
正常に見えて冷静さは無くどちらかといえばナツプラスをつけている状態に近いまま。
それ故に真実を思い出してもヒロイン達との幸せな時間をなんら問題無く反芻できる。
が。
(゚A゚) うぉぉぉおええええぁぁぁ!!!!!!!
(゚A゚) ぷゲラ!!ぷゲラ!!!
(゚A゚) おんぎゃああああ!!!
時間が経過し、全てが正常にもどれば別である。
誰も居ない空間に笑顔で話しかけ、誰も居ない空間に手を差し伸べ、存在しない胸の感触にニヤニヤとし、ありもしないラムネを飲んでゲップをし、挙げ句の果てには虚空に本気のキス。
しかも老若男女問わぬ大勢の人の前で。
('A`) …………もう、外になんか出られない
('A`) 鬱だ死のう
これこそがこのナツプラスの真骨頂と呼べるかもしれない。
66
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:27:07 ID:Eh51fTYY0
_______
彼の名は杉浦ロマネスク。
彼に人の情は無く。
彼に正義の心は無い。
彼の心にあるのは欲望一つ。
夜に響く叫びは子守唄。
天才は世界を征する夢を見る。
( ФωФ)Mr.ギウラーの開発レシピ(夏)のようです
おわり
67
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:28:37 ID:Eh51fTYY0
おわり
夏祭りなんかしばらく行ってねーよ畜生
68
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:28:59 ID:ShO9uFQk0
常用すれば⑤や⑥は避けられるということか・・・・
参考までにお値段はいくらですか?
いや、仮にあったとしても買うわけないですよ。ハハハ
69
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:31:17 ID:9ovtZovMO
乙!
いいから貸せよ……もとより羞恥心なんざ持ってねーよ……よこせよ……嫁くれよ……
70
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:34:36 ID:gY0np6FU0
投下するんよ
71
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:35:18 ID:gY0np6FU0
不敵な笑みを浮かべて歩く、浴衣姿の男。
( ^ω^)
夏祭りの露店が並ぶ歩道の中心を、男は歩く。
しかしその眼は、ただ、ある一点だけを見据え、周りの人や露店は眼中に無いかのようだ。
周囲の人々は、その男が放つ気迫に怯え、逃げるように歩道の端へと逸れてゆく、
結果、男の周りには不自然なスペースが出来あがっており、
それがまた、事の異常性を感じさせる。
_
( ゚∀゚)「なんだあいつは……? 雰囲気が只者じゃないぞ……!」
/ ,' 3 「ま、まさか……奴は!」
_
( ゚∀゚)「荒巻じいさん! 知っているのか!?」
露店を開いていた老人が、信じられないという表情で、体中を震わせている。
額に汗を浮かべ、青ざめた顔のまま、必死に声を絞り出した。
/;,' 3 「悪名高き金魚すくい荒らし……人呼んで『外来魚』!!」
72
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:36:14 ID:gY0np6FU0
_
( ゚∀゚)「が……『外来魚』……!?」
/;,' 3 「日本中の夏祭りに突如現れ、奴が去った後は一匹の金魚も残らないという……」
_
(; ゚∀゚)「なんだよそれ……! やべぇのか!?」
/;,' 3 「とうとうこの町にも現れおったか……!」
/;,' 3 「奴は金魚をすくった後、決まり文句のように必ずこう言うそうじゃ……、
『もう水しか残って無いお、カキ氷屋からシロップを貰ってジュース屋にでもなるといいお』とな、
隣町も奴の被害に悩まされているとか……」
_
(; ゚∀゚)「隣町の露店にやたらとジュース屋が多いのは奴のせいだったのか!?」
_
(; ゚∀゚)「たしかに、やけに生臭いジュースだと思ってたんだ……」
/;,' 3 「このままではこの町の金魚すくい屋が壊滅させられるぞ……!!」
_
(; ゚∀゚)「……俺、みんなに伝えてくる!」
73
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:36:55 ID:gY0np6FU0
…… …… ……
ノパ⊿゚)「あーッ!! 破れたァ!!」
ノハ;⊿;)「まだ一匹しかすくってないのにー!!」
( ФωФ)「泣くな泣くな……ほれ、一匹おまけしてやろう」
ノハ*゚⊿゚)「うおーッ!! いいのか!?」
ノハ*゚⊿゚)ノシ「おっちゃーんありがとなー!」
( ФωФ)「ハッハッハ、はしゃぎすぎて転ぶなよー」
_
(; ゚∀゚)「おーい! ロマネスクのおっちゃん!」
( ФωФ)「む、長岡のトコの坊主か、一回100円だぞ、やるか?」
_
(; ゚∀゚)「それじゃあ一回……って違う! そんなんじゃねえ!!」
_
(; ゚∀゚)「やべぇ奴が来てるんだ! 金魚を全部もってかれちまう!!」
( ФωФ)「……ほう、詳しく話してみろ」
74
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:37:38 ID:gY0np6FU0
_
(; ゚∀゚)「なんでも『外来魚』とかいう、とんでもない金魚すくい荒らしが来てるらしい!」
( ФωФ)「『外来魚』……? 聞いたことが無いな」
_
(; ゚∀゚)「俺、さっき見たんだ……すごい迫力で近づけなかった、
雰囲気で分かる! あいつは只者じゃねえ!」
_
(; ゚∀゚)「このままじゃここの金魚を綺麗さっぱり取られちまう……なにか対策を……!」
「対策ねぇ、でも残念ながら、もう遅いみたいだお?」
_
(; ゚∀゚)「あ……!」
( ФωФ)「……貴様か、『外来魚』とやらは」
( ^ω^)「ご名答」
75
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:38:18 ID:gY0np6FU0
( ФωФ)「……ふむ」
群青色の浴衣を着込んだ男、
少々小太りだが、腕の筋肉を見る限り、並の男では無いと分かった。
( ^ω^)「どっこいしょ、っと」
男はそれまで持っていたクーラーボックスを地面に置き、その上に座り込んだ、
椅子代わりにしているが、おそらくすくった金魚を入れるためのものだろう。
水槽いっぱいの金魚を全て持ちかえるとなれば、ただのボウルや袋では入り切らないからだ。
_
(; ゚∀゚)「……」
そして、その男を見定めるにあたり、なによりも一番気になるものがあった、
それは、男が背中側の帯に挿しこみ、背負っている──巨大な輝く“ポイ”だ。
ポイとは、プラスチックでできた輪に薄い紙が貼られた、金魚すくいに使う道具であるが。
男が背負っているそれは、晩ごはんに突撃する某番組のシャモジのように大きく、
さらに、全体が金でできているかのように光り輝いている。
( ФωФ)(ポイの形をした巨大なオブジェ……か?)
( ФωФ)(なんにしろ、それだけの自信や実力の現れだろうな)
76
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:39:28 ID:gY0np6FU0
( ^ω^)「さーて、この100円で、ぜーんぶ取らせてもらうとするお」
( ФωФ)「……ほう、100円で、か」
( ФωФ)「この大量の金魚を、一回だけですべてすくう気か?」
( ^ω^)「おっ、その通り、なにかおかしいかお?」
どうやら、相当の自信を持っているようだ、
もし話通りの実力の持ち主なら、本当に言った通りの事を実現してもおかしくはない。
( ФωФ)(すべての金魚を、ひとつのポイで、すくう……か)
( ФωФ)「……いいだろう、見せてみろ、その腕前」
( ^ω^)「おっおっ、話の分かる店主で良かったお」
_
(; ゚∀゚)「おっちゃん!! いいのかよ!?」
( ФωФ)「……もとより、相手が誰であろうと拒むつもりは無い」
( ФωФ)「だが……それよりも、見てみたくなったのだ、この男の自信の源……実力をな」
_
(; ゚∀゚)「……」
77
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:40:19 ID:gY0np6FU0
_
( ゚∀゚)「……分かったよ、おっちゃん」
_
( ゚∀゚)「おっちゃんが、そう言うなら、もう俺は止めはしねぇ」
( ФωФ)「ああ、それでいい」
露店の裏に置いてある、いくつもの箱、
『金魚すくい用ポイ』と書かれたその箱の中から、ポイを取り出す。
( ФωФ)「紙の厚さは……6号でいいか?」
( ^ω^)「あ、そういうのいらないお」
( ФωФ)「……なんだと?」
そう言うと、男は懐から何かを取り出した。
78
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:41:02 ID:gY0np6FU0
_
( ゚∀゚)「あ……あれは!!」
男が取り出した物、それは、
男のその余りある実力の秘訣であり、
男が編み出した金魚すくい必勝法、その、最重要アイテム――
_
( ゚∀゚)「サーティーワンアイスクリームの店員がアイスすくう時に使うでかいスプーン!!!」
( ^ω^)「このMyポイを使わせてもらうお!!」
( ФωФ)「いや、ダメに決まってんじゃん」
( ^ω^)「え!!?」
79
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:41:45 ID:gY0np6FU0
…… …… ……
(((( ´ω`) トボトボ…
_
( ゚∀゚)「い、行っちまった……」
( ФωФ)「なんだったんだ、あいつ」
かくして、脅威?は去っていった。
男は去り際に、「僕を負かしたのはアンタが初めてだお、このポイはアンタに相応しいお」
と言って、背負っていた巨大なポイを置いていったのだが。
( ФωФ)「これ、邪魔だな……捨てよ」
( ФωФ) 二三 ー⊂⊃ ポイッ
と彡
/ ,' 3 「ポイだけにポイってか! ガハハ!」 完!
80
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 00:45:28 ID:gY0np6FU0
そういやタイトル考えてなかった
81
:
29日・30日「納涼夏祭り」
:2011/08/30(火) 01:09:16 ID:ceHagqxA0
よし、こそっと投下だ
82
:
ドクオの夏祭りのようです
:2011/08/30(火) 01:10:14 ID:ceHagqxA0
―――夏、それは恋の季節。
それは前に座っている女子のブラ紐が気になる季節。
それは街の女たちが薄着になり、運がよければ海ではポロリが見られる季節。
そして、最も俺が鬱になる季節でもある。
| \
| ('A`) ドンドンピーヒャラキャッキャ
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ /
('A`)「もう祭りの日だったっけ……ウツダシノウ」
外からかすかに聞こえてくる祭囃子……。
若い男の笑いと、女達のはしゃぐ声。
それが組み合わさると、ギシアンよりなお強力な催鬱効果がある。
リア充死ねえ!とか、そんな気力も奪われるくらいだ。
83
:
ドクオの夏祭りのようです
:2011/08/30(火) 01:10:59 ID:ceHagqxA0
('A`)「あーあ、いきなり俺死なねえかな。
隕石とかがこの街に直撃したりして」
この時期に実家に帰ってくると毎回こんな気分になる。
……次回から帰省の時期をずらしてみようかな。
マジでこのまま祭りの音を聞いていると自殺してしまいそうだ。
('A`)「……ちょっと早いけど、抜いて寝るか」
PCを起動して、行きつけのアダルト動画サイトへとんだ。
……だがサイトのトップを一目見るなり、俺はブラウザを閉じることになる。
「夏祭り!人気女優特集!」という宣伝文がそこに載っかっていたのだ。
ファック。お、ちょっとうまかったかな。
('A`)「そうでもねえか」
('A`)「……どいつもこいつも浮かれ騒ぎやがって」
乱暴に電源を落とすと、俺はタオルケットを被った。
祭囃子は、無情にもその薄い生地を貫通して俺の耳に入り込んでくる。
お布団ちゃんが恋しい、ああ、俺にも彼女がいればこんな気分にはならないのに。
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