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ブーン系小説感想&絵スレ

895名も無きAAのようです:2013/11/04(月) 04:20:02 ID:lxjDAdms0

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(´・ω・`)きみへ送る手紙じゃないようです
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作中の随所において、読者はショボンの境遇やその心情に既視感、あるいは共感を覚えるかも知れない。

まず、家族愛に飢えたこの作品の主人公は、自分で選びとるということや意思を主張する事をしない。
どんなに理不尽な扱いを受け、個人としての威厳を軽んじられても、周囲への同調、調和を優先する。
そんな歯がゆさばかりを延々と見せ続けられていく作品だが、それになんだかむず痒いものを感じるのは、
決してこのショボンの生い立ちや境遇というものが、実生活の上であり得ない事ではないからだろうか。

ショボン自身は一見友人と上手く付き合えているようでありながら、その関係性が希薄なものにも感じる。
それは恐らく、作中において主人公以外の人物の内面が隠されて、会話文が淡白に仕上がっているせいだ。
それゆえ登場人物たちが親切心でものを言っているのか、嘘偽りを述べているのか、という判断が難しい。

公の場で自分の意見を出すのをためらってしまう人、他人へ不快感を及ぼす事を過敏に恐れる人。
そんな誰にでもあり得る繊細さを持った読者なら、だからこそ感情移入をしながら読んでしまうかも知れない。

地の文がない作風であるにも関わらず、そんな風に読者たちのトラウマを掘り返す事ができるのは、
期待や不安に心を締め上げられ、押しつぶされては、しだいに逃げこめる先を失っていく。
そんなショボンの心情だけは、これでもかというほどあまったるく、そして緻密に書き込まれ、
それによって個人としての弱さが、しっかりと表現されているからだろうか。

作者自身も「自己投影をした女子高生が釣れるかと思った」というレスを残している事から、
この作品のショボンのような人たちに警鐘をうち鳴らしたいのでは、という意図を散りばめた、
薄っすらと作者自身の過去を投影している作品であるようにも感じた。




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