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第15次ダンゲロス・ハルマゲドン 2戦目 応援スレ

1ふぁく@GK:2023/08/18(金) 21:00:59
応援イラストやSSの貼り付けをどうぞ。

2霧切:2023/08/20(日) 00:04:04
ttps://twitter.com/kirisaki94/status/1692914986946011525
自キャラのイラストを描きました

3狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:29:01
狭霧あぜちの元ネタになった私の脳内SSを載せさせていただきます。
なお、出だししか考えてないので中途半端に終わりますし、SSないで狭霧あぜちは一言しかしゃべらないので、キャラクターの理解は何も深まらないと思います。
ただこういう世界観を持ってるキャラだというのはなんとなくわかるかと思います。
初めての本戦で、正直ルールとか何もわかってなくて、「皆さん思考の速度が速くてすごいなあ」とおもってます。かなり真面目にすごいと思ってます。
私には効果的なキャラクターを考えて運用を考えるのはかなり難しいと思います。
どの方も応援してます。頑張ってください。

※ ※ ※ ※ ※ ※

4狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:29:28
狭霧あぜちの元ネタになった私の脳内SSを載せさせていただきます。
なお、出だししか考えてないので中途半端に終わりますし、SSないで狭霧あぜちは一言しかしゃべらないので、キャラクターの理解は何も深まらないと思います。
ただこういう世界観を持ってるキャラだというのはなんとなくわかるかと思います。
初めての本戦で、正直ルールとか何もわかってなくて、「皆さん思考の速度が速くてすごいなあ」とおもってます。かなり真面目にすごいと思ってます。
私には効果的なキャラクターを考えて運用を考えるのはかなり難しいと思います。
どの方も応援してます。頑張ってください。

※ ※ ※ ※ ※ ※

5狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:33:40
忍法真田丸

一.幻霧江戸城
 空一面に雲霞がかかり、僅かに漏れる月明かりも疎らに地上を照らすばかりの夜である。
 天下普請により修築を繰り返す江戸城の威容は暗闇に隠れる影の中。豊臣秀吉の死後、急速に力をつけ天下人としての地位を確実に固めた徳川家康、ひいては徳川家の権威そのものともいえるはずの城も、今宵は姿形が曖昧であると言えよう。城下の町も今は帷に覆われて判然としない。

 空模様のためばかりではない。事実、江戸城の普請は停滞していた。
 一月前に起きた大坂の陣は徳川勢と豊臣勢双方が和議を結ぶ形で終結したものの、天下の趨勢は未だ泰平へは程遠かった。水面下に目を通せば、徳川家も、豊臣家も、余人の目にも、これが次なる戦のための戦間期に過ぎぬことは明らかである。
 即ち、どの大名も疲弊しきっていた。来たるべき大戦に向けた準備のための費用、人員、期間。全てが枯渇していた。そのうえで江戸城の完成にまで更に手を回す余裕など誰にも無かったのである。

 そもそも当事者たる家康はといえば、はるか以前に将軍職を息子の秀忠に譲っており、現在は駿河城にて隠居をしている。そして二代目将軍である秀忠は大坂の陣から未だ江戸に戻らず、伏見にいた。
 つまりこの時期の江戸城は完成してもおらず、江戸の町もまだまだ未成熟であり、関東を統べる武家政権の首都でありながら事実上の最高権威者が別の国におり、なおかつ西国には宿敵たる豊臣家が依然として権勢を振るうという、なんとも曖昧模糊とした黒雲の中にあったのである。のちの時代からはそれを発展途上の段階だと断言できるだろうが、当事者たるこの時代の人間たちはその不安を形容できる言葉を持ち合わせてはいなかった。

 そんな人目にもつかぬ夜闇の一角で、工事中の石壁に寄りかかっているのは一人の男だ。男は忍者装束を纏っていた。精悍な顔つきは髭に覆われ、逞しいその身からは高貴な武人とも妖しい下郎ともつかない、なにか凄絶な雰囲気を帯びている。
 彼こそは服部半蔵。三代目にして祖父と父よりその名を受け継いだ服部半蔵正就である。
 が、この服部正就は10年も前、関ヶ原の戦の後に配下である伊賀同心の計略により逐電され、現在は伏見城にて松平の者に仕えるはずの身ではなかったか。
 そのような男が、なぜ今夜、隠れるように江戸城の片隅に立っているのか。

 否、正就一人ではなかった。ざわめく草木の中、周囲には他にも五人の男たちがいた。

「お前たちおるか」

「は、ここに」

 服部正就が呼びかけると、途端に五人の男たちが彼の眼前に現れた。
 五人は一様に忍者装束を纏っていた。彼らこそは10年前に服部正就を逐電したはずの伊賀同心の忍者たち、すなわち伊賀忍者である。

「これは上様よりの命である」

「は」

 服部半蔵の名を継承する者は伊賀忍者を従える。これは歴史を知る者には当たり前の事実のように思えるが、彼らとて一枚岩ではない。伊賀同心はあくまで徳川家康に仕える意識のもと成り立つ組織であった。対して服部半蔵は単にその家康から伊賀忍者を指揮命令する立場を指名されたに過ぎず、伊賀忍者たちにとって服部半蔵は名目上こそ上司ではあるが、事実上は決して彼らの棟梁そのものではなかった。
 だが、今回の召集が上様、つまり主君たる徳川家康直々の命令ともなれば話は別だ。
 忍者にとって主君からの命令は絶対である。命令のためならどのような残忍なことだろうと実行する。たとえそれが10年前に逐電された服部家の元頭首を通じての命令だろうとも。

(続く)

6狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:35:01
「まずはお前たち名を名乗れ」

 服部正就が厳かに言うと、五人の伊賀忍者たちは次々に名乗りを上げた。

「結城幻之進」

 それは幽霊のように色白の顔に半笑いを浮かべた不気味な少年剣士だった。
 年の頃は十六といったところだろうか。だが、その風体からはおよそ生命の若々しさなるものを感じさせない。

「蜃監物」

 それは禿頭に長身細身の僧のような男だった。
 その両手には一尺三寸の長尺八を構えているが、引き延ばされた写真フィルムのようで余計に不気味である。

「狭霧按察使」

 それは鎖鎌を装備した肥満体の男だった。
 どこか茫洋とした顔つきで不健康そうであり、海に浮かぶクラゲを思わせる。

「夢枕囚獄」

 それは角ばった顔つきの、真っ青な皮膚をした大男だった。
 何事にも興味のなさそうな、気だるそうな雰囲気を醸し出している。やはりこの男からも人間らしい生命力といったものが発せられていないかのようである。

「隠神弾正」

 それは顔面に狸の面を被った男だった。
 何とも印象に残らない、中肉中背ともいえない不思議な体格をしている。ただ、こちらをからかうような表情の狸面だけが不気味である。

「まずはお前たちよう集まってくれた」

「して、上様よりの命とは如何なものか伺いましょう」

 口を開いたのは五人の中で最も幼い見た目の結城幻之進だ。まだ変声期も終わりきっていない甲高い声色が、なんとも聞く者を嘲るかのような調子である。
 この不気味な少年とて、伊賀忍者の一員だ。つまり忍術を体得しているのである。
 服部正就は目の前にいる五人とも全く面識がない。それゆえに如何なる忍法を駆使するのかを知らなかった。
 それでも正就は知っている。忍者たちが駆使する忍法が、幻妖奇怪なる魔術の極致であり、なおかつこの世のものともつかない驚天動地の離れ業であることを。そして五人が放つ凄絶な妖気が、正就の心胆を密かに震え上がらせた。

 正就は五人の伊賀忍者の異様さに気押されている自分自身に気が付いた。だが、今回の出来事に関しては、この五人でさえも頼らなければ成しえない難事である。まさに藁をもつかむほどの思いで伊賀忍者たちを頼ったのだ。

「うむ、それについてだがな。あまり大きな声では言えぬ。それゆえ一度しか言わぬから、心して聞いてくれ」

「あまり勿体ぶる必要もないでしょう」

 幻之進の言葉も尤もだが、正就にも次の発言を躊躇する理由があった。
 伊賀忍者たちはまだ知らぬ。これは正就どころか、徳川家と徳川家が支配する全てが掛かった一大事だ。どのような手を使っても達成せねばならぬ。
 はたして、それほどの秘事とは一体いかなるものか。
 この時、伊賀五忍たちもようやく服部半蔵の尋常ならざる様子に気が付いたが、正就もついに心を決めたようで、重い口を開いた。

(続く)

7狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:36:02
「では言おう。上様がお討ち死に遊ばされた」

 正就の言葉は、できうる限り抑揚を押さえた調子で、ともすればこともなげな会話を装った風だった。だが、それに反比例して内容のあまりの凶報ぶりたるや。このときの正就の発言の裏に隠れた心中の焦燥、また彼の発言を聞いた伊賀五忍の脳髄に走った衝撃を思えばいかほどであったろう。
 予想だにしなかった言葉に完全に意表を突かれた五忍はしばらく呆けていたが、やがて事の重大性に気が付くと、巣に帰った親をせかす燕の雛鳥たちのように口々にわめき散らし始めた。

「ほ、なんと」

「上様とな?」

「上様とは家康公のことにござるか?」

「家康公が身罷られたと申すか?」

「天下の一大事にござろうが」

 なんとも間の抜けた質問、反応である。これが諜報において百戦錬磨であるはずの戦闘集団たちから飛び出たものだから始末に負えない。
 しかし、正就がもたらした「徳川家康討ち死に」という報せは、そんな歴戦の伊賀同心たちですらも取り乱してしまうほどの、圧倒的な衝撃性を有していた。まさしくこれは天下の一大事なのである。
 今この時ばかりは、徳川家康という男が死ぬには早すぎた。

「騒ぐな貴様ら、静かにせぬか」

 服部半蔵正就が一括すると、伊賀忍者たちは一斉に押し黙った。
 忍者たちとは対照的に、正就は本来の冷静さを取り戻していた。自ら家康討ち死にの事実を口にしたことで、いよいよ腹を括った様子である。それまでの焦燥し切った態度も新たに、泰然自若とした口調で淡々と話し始めた。

「実を言えば俺もこんな場所でこのような重大事を口にしたくはない。誰に聞かれるやも分からぬからな。だが、真田の手の者たちがすぐそこに迫っておるらしい。ゆるりとしているわけにもいかぬ」

「真田の者でござりますか」

「うむ。真田信繁子飼いの忍者衆のことよ。どうやら彼奴めら嗅ぎまわっておるらしい」

 真田信繁とは、後の世にいう真田幸村のことである。
 豊臣秀吉が健在の時代には馬廻衆を務め、関ヶ原の合戦ではその知略を駆使して徳川秀忠を見事に遅参させた、知将にして猛将である。
 この真田信繁は秀吉の死後もあくまで豊臣家に味方しており、徳川家とは先の大坂の陣でも熾烈な戦いを繰り広げたばかりであった。

「真田といえば、先の戦にて大阪城に真田丸なる出城を築き、敵ながら見事な働きぶりで奮戦したと聞いておりまするが」

 幻之進の発言に正就は目を丸くした。
 大坂の陣はつい先日終結したばかりである。戦の詳細な情報というものは現代でこそ瞬時に人と人の間を駆け巡るが、当時の時代においてはここまで正確な情報を伝手もなく、そして迅速に把握しているというのはいかに忍びの者といえども困難を極めたからだ。
 ましてやここは大坂から遠く離れた江戸である。通常、情報は人から人へ伝播するに従い尾ひれがつき、正確性を失うものだが、今しがた幻之介が言ったのは、大坂の陣にひそかに参戦していた信繫が現地で蒐集した内容とピタリ符合する。
 さすがは伊賀忍者というべきか。

「うむ、その真田よ。どうやらあの真田信繫という男、忍の者を飼っておるそうな。大坂の陣の和議が結ばれたその晩、奴は真田丸に真田忍者を呼び寄せた。その数十人。そして同地より駿河へ引き返す上様に向け、この十人の刺客を放った」

「待たれよ、正就殿。話が合いませぬぞ。いかなることか。お討ち死になされた家康公に向け、十人の資格を放つとは」

 幻之介は心中では半分ほど服部正就の正気を疑っていた。
 彼の疑いにもれっきとした理由がある。この服部信繁という男は10年も前に逐電された男。つまり徳川家から半ば見捨てられた立場にある。となれば、自分たち伊賀忍者が上様の命で集められたという話も疑わしい。
 だが一方で、正就の全身から放たれる妖気じみるほどの焦燥は、彼の体験した出来事、彼の口から放たれる言葉が一切嘘のない真実であることを物語っていた。

 この時すでに、奇異妖絶なる忍法合戦は幕を開けていたのである。

「ははあ、正就殿。拙者には分かり申したぞ」

 ふいに口をはさんだのは長身の僧形忍者、蜃監物である。

「監物、分かったとはいかなることか。申してみよ」

「おそらく家康公は影武者を使われておるのでござろう。すなわちいま駿府に引き返されたのは、上様のご健在を世に偽るための大芝居にござる。真田忍者どもは上様の影武者を見破り、御徳川家康公お討ち死にを喧伝するために動いておるのでしょうな」

 監物の推測が、再び伊賀衆の脳髄に電撃的な衝撃を走らせた。

 徳川家康公、討ち死に!
 そして影武者が暴かれ世にこの事実が知られたとあっては、大坂の陣をいかに優勢に終わらせた徳川家といえども空中分解してしまうことは目に見えている。
 さながら、豊臣秀吉亡き後の豊臣家の現状のような災禍が徳川家にまでもたらされるであろう。

(続く)

8狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:37:09
「うむ。監物のいう通りじゃ。いま駿河に居るのは、かねてより服部家が用意しておった影武者よ。姿や言葉のみならず、思考すらも上様とまったく同じ。そういう風に仕込んでおいた。しばらくはもつじゃろうな」

「なんと、思考すらも」

「じゃが、人の考えとは変わるものじゃ。特に権力を手中にした人間はそれに付き従い行動せねばならぬ。持ってあと1,2年といったところか。しかる後に影武者殿には消えていただく必要が出てくるじゃろう。おぬしたち伊賀忍者はそれまでの間、真田忍者から上様を守って貰いたい」

 この異常な事態に、さしもの伊賀忍者たちも肝を冷やした。
 伊賀忍者は徳川家康に仕える集団である。だが、当の家康公はひそかにこの世を去り、伊賀忍者が守るのは服部家が用意した影武者だ。
 しかしこれは間違いなく徳川家康の命によるものである。そんな不思議な確信が、伊賀忍者たちにはあった。
 そして敵は同じく忍者である。
 影が、影から影を守るための戦いが始まったのだ。

「正就殿、お聞きしたいことが3つ」

「何だ、申せ」

 幻之進は正就に向かって甲高い声で質問をした。

「まずは上様の影武者とやら、服部家の御意向なきことを確認したい」

「つまり、儂が影武者を裏で操り、今後の徳川の御代を意のままに操ろうとしておると申しておるか」

「いかにもそうでござる」

 伊賀忍者も食った連中である。これが徳川家康が死ぬ前に残した最期の密命であることを確信しながら、服部正就に二心のないことをあえて確認するとは。
 だが、この下に見た態度に正就は激高するでもなく、ただ穏やかに口を開いたのみだった。

「それは儂を信用してもらうほかない。儂は上様ご存命の頃より、密かにこういった事態があったときのための備えを申し付けられていた。これは儂の人生を賭けた大戦でもある。としか言えぬな」

 この言葉に何を感じたか、伊賀忍者たちはニヤリと笑うのみだった。

「さて次の質問にござる。正就殿は影武者を追う十人の刺客の名をご存じか」

「おお、儂は信繫が連中の前で密命を下すのを確かに見聞きした。これがその名じゃ」

 そういうと、正就は巻物を広げた。
 伊賀忍者たちは巻物に記された名を食い入るように見つめた。

 八方虎之介
 不破四郎
 孔雀蔵人
 玉虫式部
 相国寺右近
 日和木阿弥
 鷺勘解由
 宿借左衛門
 煙玉勘九郎
 霧隠才蔵

「ふむ、では最期の質問にござる。正就殿、先ほどからそこの塀の上に伏せておる刺客は如何にします」

「殺せ」

 服部正就が冷たくそういうと、幻之進はいきなり着ていた忍者装束を脱いで全裸になり始めた。
 不健康な肌色の少年といえども、その顔立ちは整っており、鍛え上げられた肉体は傷一つなく、若年ながら逸品である。その肩はなまめかしく、見る者を蠱惑させるかのようであった。
 正就は、幻之介の奇行が彼の忍法に由来するものと確信した。

(続く)

9狭霧按察使:2023/08/20(日) 17:38:59
「とくとご覧ぜられよ。伊賀忍法の極致」

 幻之介は未成年男児特有の両肩もあらわに、その場で腰をくねらせて踊り始めた。
 すると、どうであろうか。周囲はたちどころに幻惑な雰囲気に包まれたのである。
 正就は目の前の不健康な肌色の少年に発情している自分自身に気が付いた。

「忍法朧菩薩」

 忍法朧菩薩。幻之介が用いるこの忍法こそ、見る者を困惑させ、全身から放たれる体臭で周辺にいる全生物を自在に引き寄せる、まさに幻想の忍法である。
 生物というものはフェロモンを用いるものがおり、生物はフェロモンにより特有の行動を強いられる。そして、生物の中には異性に対する求愛行動としてフェロモンを放つものが少なくない。
 幻之介は両腋にそれぞれ男女に効能のあるフェロモンを放つ汗腺を備えていた。
 右腋には男子を引き寄せるフェロモンを、そして、左腋には女子を引き寄せるフェロモンを。
 さらに幻之介は見事な舞を舞うことでフェロモンに指向性を持たせ、特定の人物の身をおびき寄せることが出来るのであった。

「あっ」

 驚きの声をあげたのは、先ほどまで塀の上に隠れていた刺客である。この者は伊賀忍者と服部正就のやり取りを見ていたのである。
 それが忍法朧菩薩にまんまと引き寄せられ、幻惑のうちに塀の上から転落してしまったのだ。

「お見事」

「いえ、まだ生きております」

 幻之介は舞を舞いながら転落した刺客に歩み寄る。
 建物2階ほどの高さもある塀の上から転落した刺客は息こそあれど、すでに気絶しているようであった。

「やっ?こやつは……」

 間近まで寄り、刺客の顔を見た伊賀忍者と服部正就は素っ頓狂な声をあげた。

「こ、こやつ黒田。黒田長政にござる!」

「これは……おそらくは夜に城から抜け出したところ我らに出くわしたとみる」

 家康がおらず、秀忠も不在のこの時の江戸城。その城に居留守となっていたのは、誰であろう、関ヶ原で東軍に着き豊臣家を裏切った外様大名、黒田長政であった!
 今夜幾たび目かに受けたこの衝撃のため、伊賀忍者たちは更に向うの茂みに隠れていた別の刺客に気付くのが一瞬遅れてしまった。

「あそこの茂みに誰かおるぞっ」

 服部正就がそう叫ぶと、幻之介は再び全裸になって舞を舞い始めた。
 忍法朧菩薩。

 だが、いかなることか。茂みに隠れていた別なる刺客は幻之介に引き寄せられるどころか、逆方向へと走り去ってしまったのである。

「逃がすかっ追え!」

 正就は瞬時に棒手裏剣を刺客に向けて投げ飛ばした。その早業は目視不可というほかなく、飛ぶ鳥すらも易々と撃ち落とすほどの腕前だったが、刺客の剣さばきに全て弾かれてしまった。
 そして、正就は確かにその刺客の正体をみた。

「あっ……こっ子供」

 それは年の頃10にも満たない、まだ小さな子供だった。
 7,8歳程ではなかろうかというほど幼い子供である。
 幻之介は、何故自らの忍法朧菩薩が通用しなかったかを得心した。

「朧菩薩は未成熟な生物に通じる術ではござらん」

 狼狽する伊賀衆をよそに、見事な剣裁きを振るった子供は夜闇の中へと消えてしまったのだった。

(終わり)

※ ※ ※ ※ ※ ※
SSは以上で終わりです。
連投失礼しました。皆さん応援してます。頑張ってください。それでは

10小東スモールボディ:2023/08/20(日) 19:02:34
うわああああ!!??
山田風太郎忍法帖!山田風太郎忍法帖シリーズそのものだ!!
忍法真田丸、検索しても検索しても出てこないなあと思ってたらやっぱりオリジナルだったんだ……!!
続き読みてえ、他の忍者のことも知りたいぃぃ……!!

11小佐越羽衣:2023/08/20(日) 22:13:25
小佐越羽衣のイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693056359334633563

板井はこべのイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693248616104927294

堀取琉須譜、十六夜、お闇、火影いざやのカスタムキャスト化です。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693047937239220631

12ルフトライテル:2023/08/20(日) 22:43:19
自キャラ書きました
tps://twitter.com/luftleiter/status/1693255991763296463

13小佐越羽衣:2023/08/20(日) 23:00:48
庇護山羊のイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693260749928640588

14小佐越羽衣:2023/08/21(月) 20:55:00
(62)1号のイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693591206733963423

15小佐越羽衣:2023/08/21(月) 22:41:11
霹靂のイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693618362348081539

16小佐越羽衣:2023/08/22(火) 21:03:14
獣の魔王、成駒隣のカスタムキャスト化です。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1693956179154849807

17小佐越羽衣:2023/08/24(木) 22:02:27
仙巌園泥星のイラストです。(ふたなり注意)
ttps://privatter.net/i/7269518

鉄腕こぶしと薬師峠藤花清丸のイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1694696172374680050

18小佐越羽衣:2023/08/25(金) 23:10:14
狭霧あぜちのイラストです。
ttps://twitter.com/dreamphoto_33/status/1695060581437366367

壊落天獣のイラストです。(R-15相当)
ttps://privatter.net/i/7272419


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