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[SS] 三輪車乗りポルスの幻滅
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コメディー短編です
例によってハイドンピーの他作品と世界観は同じですがあんま気にしないで大丈夫です
よろしくお願いします!
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ポルス「幻滅したっ!!」
突如、CPUトナメ会場の選手控え室で叫びを上げたのは、一人の緑フォックス。
彼の名は三輪車乗りポルス。
CPUトナメ選手にして、モノマネ芸人だ。
常に誰かの口調や言動を模倣をし、本当の彼の姿を知る者は誰もいない。
バル「だ、大丈夫?」
心配の声をかけたのは、応援に来ていた彼の友人であり、同じくトナメ選手にしてアイドルをやっている、緑ピカチュウのバルザードたんだ。
ポルス「最悪の気分だよ…!」
バル「どうして?試合には勝ったのに…」
ポルス「試合見たでしょ!?」
バル「うん。みんな盛り上がってたし、ポルスくんらしい戦い方で笑いも取ってて、すごかったよぉ」
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ポルス「こんなはずじゃなかったんだ…!!僕が見たかったのはこんなもんじゃなかった…!!」
バル「な、何が…?」
ポルス「ナザレンコ!!」
バル「え?」
ポルス「彼は僕の憧れの芸人だったんだ…!きっと僕の繰り出すモノマネなんてものともせずに、自分のアフォックスを貫いてくれるって信じてたのに…なのに…!アフォックスもしないうちに、普通に僕に負けた!!なんでだ!!」
現在、第六回大会のLOSERS側一回戦第十三試合、戦芸人ナザレンコ対三輪車乗りポルスの試合が行われた直後である。
バル「そ、それはポルスくんが強かったからじゃない?」
ポルス「そんなことない!僕は彼が戦場にいた頃を知ってる…同じフォックス族の里で育ち、共に訓練を積み、任務に向かい…危険な宇宙生物や極悪人なんかをたくさん倒してきた。その時、いつも圧倒的な実力で僕たちを引っ張っていたのは、ナザレンコだったんだ…!!」
バル「ナザレンコさんが実はすごく強いっていうのは知ってたけど、そんなに?」
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ポルス「ああ、あの世代では別格だった。だけど15人目の天才という更にとんでもない男が本領を発揮し始めた頃にはもう、ナザレンコは任務から離れて戦芸人になってたんだ。あれだけの力を持ちながら芸人を目指す、自分の道を貫かんとする姿勢も、僕は尊敬してた」
バル「そうなんだ。でもさ、ナザレンコさんだってきっと不調な時もあるんだよぉ。だって人間だもの」
ポルス「ない!!」
バル「えぇっ!?」
ポルス「ナザレンコはプロだ!不調なんて言い訳にはならない!実際、この大会での出番はもう終わりだ。ナザレンコは何も見せられずに…敗退したんだ…!」
バル「そ…それはそうかもだけど…」
ポルス「僕はもう…ナザレンコに憧れるのはやめる。僕が追うべきは…Φデスエンペラーだっ!」
バル「ええぇっ!?な、なんで…?そりゃ今は芸人みたいな扱いだけど…あの人、世界をむちゃくちゃにした悪い人だよぉ?」
ポルス「確かにそうだ。でもデスエンは力を失ってからも、変わらず自分の面白いと思うものを追い求めてる。その根っこは変わってない。それに、第三回大会の予選で見せた実力はやっぱり本物だ」
バル「うーん…良くないよ…もっといい人がいるはずだよぉ」
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ポルス「じゃあバルたんの思う理想の芸人とは?」
バル「僕の?えっと…やっぱりナザレンコさんかなぁ」
ポルス「ダメだ」
バル「じゃ、じゃあドドンさんとか…」
ポルス「ドドンもダメだ。爆発芸は痛いし。同期のお株を奪うのも申し訳ない。それにドドン曰く、爆発芸の芸は芸術の芸だからな…僕の目指す芸人とは違うんだ」
バル「でも他に芸人っていうと…ヨシオくん?」
ポルス「…なるほど。ヨシオくんか…!いいね!」
バル「ふぇ?」
ポルス「早速訪ねてみるよ!ありがとうバルザードたん!」
バル「ちょっとぉ!?ポルスくん!?」
ポルスは控え室を飛び出し。
ピポパポ…
と、左腕に装着した端末を操作する。
そしてその左腕を高く掲げ。
ポルス「来いっ!アーウィン!」
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バル「ア、アーウィン!?ここ廊下だよぉ!」
ポルス「大丈夫!」
するとポルスは服の中から折り畳み式の三輪車を取り出し、一瞬で組み立てる。
バル「あ、そっかぁ。ポルスくんのアーウィンは三輪車だった…ってさっきの操作の意味は!?」
ポルス「…よし!じゃあまたねバルザードたん!」
バル「スルー!?」
キコキコキコキコキコキコ!!!!
ポルスはアーウィンにまたがり、全速力で廊下を駆け抜ける。
バル「待ってぇ!一つだけ聞かせて!」
追いかけながら、バルザードたんが問う。
ポルス「なんだ!?」
バル「さっきからずっと気になってたんだけど…!今、誰のモノマネしてるの!?」
ポルス「え、してないけど!!」
バル「素だったの!?レアっっ!!」
そしてポルスは会場を後にした。
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ポルス「ヨシオくん、ヨシオ族の里ってところに住んでるんだっけな」
三輪車を漕ぎながら、端末でマップを確認する。
ポルス「結構遠いな。三輪車だと三日ってところか」
ドドン「よーポルス!」
上空に浮かぶアーウィンの窓から、紫フォックスが顔を覗かせた。
ポルス「ドドン!」
ポルスの幼馴染であり、今大会でポルスと共にトナメデビューを果たした、紫煙のドドンだ。
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ドドン「さっきの試合最高だったドン!ナザレンコのヤツ悔しがってたぞドン!はっはっは!気分が良いドン!」
ポルス「ふんっ!」
ドドン「ん?ご機嫌斜めだなドン…ああ、そういやお前はアイツに憧れて芸人になったんだっけ?そりゃ複雑な気分だろなドン!」
ポルス「もうナザレンコに憧れるのはやめた!今からヨシオくんに弟子入りするんだ!」
ドドン「ヨシオくん?そうか。それじゃあ里まで送ってやるドン!ちょうど勇者さんと爆弾談義しに行くとこだったドン!」
ポルス「ホント!?ありがとドン!」
ポルスはドドンのアーウィンに乗り込み、ヨシオ族の里を目指す。
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ドドン「それにしてもポルスが勝つとはなー!」
ポルス「ホントびっくりドン」
ドドン「もし明日テンパイさんが勝ったらポルスと当たるドン。あの人めちゃくちゃ強かったから気をつけろよドン。俺も超紙一重だったからなドン」
ポルス「分かってるよ。そのために学ぶんだ」
ドドン「学ぶって、ヨシオくんから?芸術的な負け方でも学ぶ気かドン?」
ポルス「惜しいね。芸人としての矜持をさ」
ドドン「あの人別に芸人ではないだろドン…」
ポルス「でもあんなに愛されている選手だ。きっと僕たちでは想像もつかない思考があるに違いない」
ドドン「そうかドン?まあ別に俺はどうでも良いけドン」
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それから十数分後、二人はヨシオ族の里に到着。
勇者「ドドンさん、こんばんは」
里から出てきたのは、青リボンを付けたプリン、勇者ヨシオだ。
ドドン「おう勇者さん!」
勇者「あれ?ポルスさんも一緒なんですね。さっきの試合、配信で観てましたよ!すごかっ…」
ドドン「あー、それは触れないでやってくれドン。それよりコイツ、ヨシオくんに話があるらしいドン」
ポルス「勇者さん、悪いけど呼んできてくれないかドン?」
勇者「あ、はい。分かりました」
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しばらくして。
ヨシオ「やあやあ。この僕になんの用プリ?」
大物ぶった態度で現れたプリンは、最弱の選手として有名な、ヨシオくん。
ポルス「ヨシオくん!僕を弟子にしてください!」
ヨシオ「弟子プリ!?」
勇者「ヨシオくんから何を学ぼうというんでしょうか…」
ドドン「さあ……そんじゃあ俺たちは近くの店で爆弾談義してくるから、そっちはそっちで好きにやれドン」
ポルス「あ、うん。送ってくれてありがとドン」
勇者「爆弾談義!?作戦会議ですよね!?僕がこれから勝ち上がるための!」
勇者もポルスと同じくLOSERS側一回戦を勝ち上がり、次なる試合に向けて準備中である。
ドドン「あーそうだっけドン?ま、似たようなもんドン」
勇者「全然違いますからっ!」
言い合いながら、二人は里を離れて行った。
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ヨシオ「…で?弟子ってどういうことプリ?こう見えても僕は結構忙しいんだプリ」
ポルス「ごめん。でもどうしても僕には師が必要なんだ」
ヨシオ「シ?…シって何プリ?」
ポルス「師匠のことだよ…」
ヨシオ「なるほど。フフフ。師匠かプリ…」
満更でもない様子でニヤけるヨシオくん。
ポルス「僕はモノマネ芸人…だけど、僕にはそれしかないんだ。何かを模倣することだけに全てを捧げてきた」
ヨシオ「つまりどういうことプリ?」
ポルス「僕に何かを教えてほしいなんて我儘は言わない。だからヨシオくん、君をモノマネさせてほしい!」
ヨシオ「なんだ、そんなことでいいプリ?そんなのお安いご用プリ!」
ポルス「ホント!?」
ヨシオ「ま、僕のマネなんてそうカンタンにはできないだろうけどプリ!」
ポルス「ありがとう!」
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仮面「ちょっと待つプリ!!」
ポルス「えっ!?ヨシオくんが…二人!?」
そこに現れたのは、ヨシオくんの仮面を着けたプリンだった。
ヨシオ「コイツは新人のヨシオ仮面プリ」
仮面「僕は反対プリ!ヨシオ族でもないこんなヤツがヨシオくんの弟子になるなんて無理に決まってますプリ!」
ポルス「そんなことないプリ!僕はモノマネすることなら誰にも負けないプリ!」
仮面「なに寝ぼけたこと言ってるプリ!お前のどこがヨシオくんプリ!?見た目が違いすぎプリ!」
ポルス「甘いプリ!僕は一挙手一投足で誰のモノマネか分かるように完全な模倣をしてるんだプリ!そんな仮面に頼ってるようじゃまだまだプリ!」
仮面「なんだとプリ!?」
ヨシオ「まあまあ、落ち着きなさいプリ」
ポルス仮面「「ヨシオくんはちょっと黙ってろプリ!!」」
ヨシオ「えぇぇぇ〜!?」
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ポルス「こうなったらモノマネ対決するしかなさそうプリね!」
仮面「ふん!望むところプリ!」
ヨシオ「なんでそうなるプリ!?」
ポルス「僕はモノマネ芸人だからハンデをやるプリ!そっちがお題決めていいプリよ」
仮面「だったら記念すべき最初の試合のヨシオくんのモノマネで勝負だプリ!こんなこともあろうかと、赤こうらはいつも持ち歩いてるプリ!」
ポルス「よーし、やってやるプリ!」
仮面「いくぞプリ!とうっ!」
ヨシオ仮面は赤こうらを投げる。
そして二人はすぐさまガードを張った。
ポコポコポコポコっ!
こうらは二人の間を往復し、ガードを削っていく。
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ヨシオ「仮面、なにやってるプリ!危ないプリ!ヨシオ族のガードは割れるとバーストするプリよ!」
それを止めようと、割って入るヨシオくん。
ポルス仮面「「!?」」
ポコポコ…
赤こうらに襲われるヨシオくん。
ヨシオ「うわっ痛っ!僕もガードしなきゃプリ!」
たまらず、ヨシオくんもガードを張る。
パリーン!!
ヨシオ「プリぃいいいいいいいい!!」
そしてヨシオくんのガードは真っ先に割れ、空高く飛んで行った。
ポルス「……」
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仮面「……今のでお前も気付いただろプリ。あの人の真似なんか誰にもできないってことに」
ポルス「…あれは…計算じゃない…天性のセンス…!」
仮面「そうプリ。あの人は負けの神に愛されているプリ」
ポルス「そうか…僕はなんて愚かなことをしてたんだプリ…」
仮面「それに、もしヨシオくんが割って入らなかったとしても、お前にアレは無理プリよ。なぜならお前のガードが割れてもバーストしないからプリ」
ポルス「た、確かにプリ…!」
仮面「というか、さっきから気になってたプリけど…」
ポルス「なんだプリ?」
仮面「お前ヨシオくんじゃなくて僕のマネしてるプリな!?」
ポルス「…フフ、気付いてたプリか」
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仮面「当たり前プリ!この世の誰よりもヨシオくんを尊敬するこの僕が、語尾の"プリ"と"プリ"を聞き違えるわけないプリ!」
ポルス「さすがプリ。その通りプリ。僕はお前を一目見た瞬間、僕のライバルになると確信したんだプリ」
仮面「ライバルプリ?僕とお前がプリ?」
ポルス「お前はヨシオくんになろうとしてるんだろプリ?お前からは、僕の模倣ととても近いニオイがするプリよ。だからモノマネさせてもらった…いつか君とぶつかるその日のためにね」
仮面「そういうことかプリ。面白いヤツプリ。それに表情もさっきとは変わったプリね。迷いが消えたかプリ」
ポルス「ああ。感謝するよヨシオ仮面。そしてヨシオくん…お陰で気付けた」
仮面「何にプリ?」
ポルス「ずっと何かを模倣して生きてきた僕には、模倣する相手が必要だと思ってた…だから憧れる人が、師が、僕には必要だと思ってたんだ……でも、そんなものいらなかった…!」
仮面「どういうことプリ?」
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ポルス「…いや、いらないんじゃない。僕にとっては、この世の全てが師だったんだ。だって模倣する相手なんていくらでもいる!ヨシオくんも、ヨシオ仮面も、ナザレンコもドドンも天才も!この世の全てが!あらゆるものを模倣して生きる、この三輪車乗りポルスのためのステージなんだ!」
ポルスは天を指差し、まるで自分がこの世の中心かのように、声高に叫んだ。
仮面「フッ、完全に吹っ切れたようプリね」
ポルス「ああ、ありがとう!」
仮面「それじゃあとっとと帰れプリ」
ポルス「ええ!?ひど!」
仮面「そろそろ吹っ飛んだヨシオくんも落ちてくる頃プリ。僕はヨシオくんを手当てしてやらなきゃならないプリ」
ポルス「それじゃあ僕も手伝うプリよ!」
仮面「結構プリ。ていうか気安く"プリ"を使うなプリ」
ポルス「まったくケチプリねぇ」
仮面「うっさいプリ!ヨシオ族の里はヨシオ族以外立ち入り禁止プリよ!」
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殺意「プリプリうるさいぞ」
ドムッ!!
仮面「ぶへら!」
突然現れた赤プリンがヨシオ仮面の顔面をぶん殴り、着けていた仮面は粉砕され、その顔面はベッコリと凹まされた。
この赤プリンの名は、殺意のヨシオ。
最弱の種族と名高いヨシオ族において、突然変異と称される、最強のヨシオ。
ドサッ…
ヨシオ仮面はうつ伏せに倒れ、ピクピクしている。
ポルス「わぁ、彼が殺意のヨシオか…!すごい殺意を感じる…!」
殺意「なんだお前。殺すぞ」
ポルス「理不尽っ!でも、だからこそ面白い!」
殺意「は?」
ポルス「は?何睨んでんの?殺すぞ」
ポルスはすぐさま殺意を模倣する。
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殺意「あ?」
ポルス「あ?」
二人の睨み合いが始まる。
ポルス殺意「「じゃあ死ねよ」」
ダッ!!
そして二人は同時に踏み出す。
ドゴォッ!!!!
二人の繰り出した蹴りが、ちょうどその真ん中に落ちてきたヨシオくんにヒットした。
ヨシオ「プリ…」
ドサッ…
ヨシオくんは倒れた。
ポルス「ヨ、ヨシオくーん!!」
殺意「は?邪魔だ。どけ」
ポルス「もう意識飛んでるから!」
殺意「黙れ。指図するな。殺すぞ」
ポルス「めちゃくちゃだよこの人!」
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勇者「殺意さんストーップ!!」
遠くから勇者ヨシオが走ってくる。
殺意「あ?」
勇者「嫌な予感がしたから戻ってきてみたらやっぱり…!殺意さんがやったんですか!?」
殺意「知るか。いきなり落ちてきたコイツが悪い」
ポルス「うーん…まあそれは一理ある」
勇者「あるんですか!?いや、というかなんでポルスさんと戦ってるんですか?」
殺意「このキツネが僕に歯向かってきたから攻撃しただけだ」
ポルス「このヨシオが僕に歯向かってきたから攻撃しただけだ」
勇者「ポ、ポルスさんはモノマネ芸人なんですよ…!本気で戦おうなんて思ってませんから…」
ポルス「いいや、僕はモノマネした相手の思考までも完璧にトレースしてる。少なくともさっきの一撃は本気で仕留める気で打った」
勇者「それはそれでダメです!話をややこしくしないでください!」
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殺意「何なんだ…チッ…なんか冷めたな。今日はやめだ。大会でお前ら二人とも潰すことにする」
ドドン「おーい勇者さーん!!コレ見てくれドン!!」
ドドンが嬉しそうに手を振りながら、何かを抱えて走ってくる。
勇者「ん?ドドンさんそれって…」
ポルス「ドドンがあんな嬉しそうな顔で持ってくるものといえば…」
ドドン「さっき配合した爆薬がすごい反応を見せてるドン!!こりゃあすごいボム兵が誕生するぞドン!!」
バキッ…
ドドン「えっ」
殺意に粉砕され、散乱した仮面。
ドドンはその破片を勢いよく踏みつけた。
ポルス「うわっ痛そ…!」
勇者「大丈夫ですか!?」
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ドドン「いっっ…てえぇぇぇえっ!!」
ドドンは思わずのたうち回り。
コロコロ…
抱えていたボム兵が転がる。
ポルス「あっ」
勇者「えっ」
殺意「ちょ…」
ドドォォォォォォォォォォン!!!!
勇者「どわーーっ!!」
ポルス「やな感じーーっ!」
ドドン「たまやーーーー!!」
殺意「爆発オチかよクソがっ!!」
なおヨシオくんとヨシオ仮面は地面にべったりと倒れていたためか、奇跡的に爆発を受けずに済んだ。
よかったね。
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それから二十日ほど後、三輪車乗りポルス対天使の聴牌の試合が行われた。
ポルスは可能な限りのモノマネ芸を思う存分披露し、痛快にして爽快な敗北を喫したのであった。
試合後、控え室にて。
バル「あ、ポルスくん」
ポルス「ん…?あぁ…バルザードたんか…見に来てくれたのか…ありがとな…お前も昨日負けたばっかで辛いだろうに…」
ポルスはトボトボと肩を落として控え室に戻ってきた。
バル「気にしないでよ、友達だもの!試合、残念だったねぇ」
ポルス「へっ!いやいや、何も後悔はねぇぜ!俺のできることを全てぶつけたんだからな!」
バル「ええっ!?さっきは悲しそうだったのに!」
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ポルス「ウフフ、さっきのはパターソンのモノマネよ」
バル「あ、モノマネしてるんだぁ。いつものポルスくんに戻ったみたいでよかったぁ。確かに、試合すっごく盛り上がってたよぉ!」
ポルス「ワーッハッハ!!そうだろうそうだろう!我の素晴らしい試合に民衆どもも感動しておっただろう!」
バル「うんうん!」
ポルス「ナザレンコなんて知るかっ!今日の試合できっとフォロワーも一気に増えたぞ!僕がフォックス一…いや、宇宙一の芸人になってやる!!」
バル「その意気だよぉ!」
その後四年間に渡って個人戦での出番が無いとは、この時はまだ知る由もないポルスであった。
完
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読んでくださった方ありがとうございました!
ポルスがやりたい放題するお話でした
今更なんですけど6回周りの話が多すぎて6回が一番好きなのがバレそうで怖い
またいずこかで
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バルたんが可愛すぎた 乙です!
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>>27
ありがとうございます!
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今更ですが乙です!
ポルス推しなのでメインのお話が見れて嬉しいです!
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>>29
ありがとうございます!
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