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【SS】〇〇しないと出られない部屋……?
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・>>1がよく二次創作で見かけるあれをやりたかった
・ちなみに詳しくは見たことないです
・できれば第20回が終わるまでに完結させたい気持ちはある
・口調などの設定はなり垢の方々を参考にしている場合もあります
-
―熱望ブラザーズの場合―
目が覚めると、見知らぬ天井。
レイア「ッ! ここは!?」
レイア「……なんだこの部屋。なーんにもねぇ」
レイア(オレ、昨日はいつもみたいに山で修行してて――)
レイア(気絶するように眠っちまったら、いつの間にかこうだ)
レイア「わけがわかんねェな。夢でも見てんのか、オレは」
「言っておくが夢じゃないぞ」
レイア「! 誰だ――って、お前は」
「目覚めて早々大きな声は出さないでくれ。お前の声で耳が痛い」
レイア「リアリエも来てたのか……何でパジャマなんだよ」
リアリエ「俺をおかしい側にするな。普通の人間は寝間着を着てる時間帯だったはずだろ」
-
レイア「でもまぁリアリエが居てくれると心強ぇな!」
レイア「どうすっか。この辺の壁、二人でぶっ壊してみるか?」
リアリエ「……お前がテレビでドッキリを仕掛けられない理由が分かった気がするよ」
リアリエ「この状況はよく分からんが、恐らく危害を加えるために連れ込まれたわけではないだろう」
レイア「なんでだ?」
リアリエ「俺のポケットに携帯があった。圏外だから連絡は取れんが、普通なら奪われてるはずだ」
レイア「あー……オレ、修行中はその辺に置いてるからなぁ」
リアリエ「知ってる。それで一回失くしたことも」
-
リアリエ「……ん、おいレイア。お前の後ろの壁に書いてる“それ”は」
レイア「あん? ってなんだ――“〇〇しないと出れない部屋”……?」
リアリエ「知ってるか?」
レイア「知らん!」
リアリエ「だろうな」
-
【三十分後】
リアリエ「――とりあえず状況をまとめると、俺たちはそう簡単に出れなそうだ」
レイア「もう結構ぶっ叩いて蹴りまくったけど壊れねえ……ドッスンより固ぇぞ」
リアリエ「連絡もつかない、場所も分からない、当然食料も水分さえもない」
リアリエ「つまり俺たちはここに書かれてる通り、何らかの行動を起こさないと出れないらしい」
レイア「ヒントが無さすぎるぜ。一体何なんだよ……
〇〇しないと出れない部屋って!」
リアリエ「少し静かにしてくれ。……なあ、この丸が二つということは、二文字の単語が入ると思うか?」
レイア「…………」
リアリエ「レイア?」
レイア「いや、静かにしてくれって言ったから」
リアリエ「二人だからって何でも突っ込んでやると思うなよ」
-
リアリエ「よし、とりあえずこの場でなにかやってくれ」
レイア「いきなりだな! ならまずは腕立て300回行くぜ」
リアリエ「筋トレしろとは言ってないが?」
レイア「うおおお! 一度始めたら終われねえぞっ!」フン! フン!
リアリエ(駄目だコイツは……気絶前に修行してたから頭の中が筋肉で埋まってやがる)
リアリエ「何故よりにもよってレイアと二人なんだ。同期にしても他の――」
リアリエ「いや駄目だな。最低でもアルザークじゃないと俺が疲れる」
-
レイア「ふう……どうやら筋トレをしないと出られない部屋じゃないらしいな!」
リアリエ「もう終わったのか? 相変わらずどこからその体力を生み出してるんだか」
レイア「でも流石に疲れちまった。汗拭きてえしタオルがあったら貸してくれよ」
リアリエ「寝間着の髭男がそんなモノもってるわけないだろ」
カタッ
二人「!」
-
リアリエ「今の音……って、これはタオルじゃないか」
レイア「もしかしてオレが欲しいと思ったからもらえたって事か?」
リアリエ「ますます分からんな。予め用意されてるなら準備が良すぎる」
レイア「ま、貰えるもんは有難く頂くぜ」
リアリエ「警戒心の無い奴だ……」
レイア「だってよ、リアリエが居るなら何があっても大丈夫だろ」
-
レイア「昔っからそうだったもんな。オレたち二人が山奥まで行って――」
レイア「でけえ猛獣に襲われた時とか、間違えて毒キノコ食った時とか助けてくれてさ」
リアリエ「それはお前が無鉄砲なだけだろう」
レイア「それはそうかも知れねえけど、近くに居るのがリアリエだから出来ることだ」
レイア「だからオレは今でも二人っきりになると、好き勝手やっちまうんだろうなー」
リアリエ「……それだけ、俺を信頼してると」
レイア「おう!」
リアリエ「フッ…………本当に、お前って奴は」
リアリエ「腹筋をしながら言ってなかったら心に響いてたんだがなぁ!」
レイア「うおおっ!! 身体を動かせば疲れなんて取れる!!」
-
リアリエ「はぁ。……おい、出来るのなら俺の普段着を出してくれ」
レイア「ん、なんだ。着替えるのか?」
リアリエ「オーバーオールじゃないと落ち着かん。――おお、本当にもらえたぞ」
レイア「上に穴が開いてそっから落ちて来てるみたいだな」
レイア「協力すりゃ届きそうだが、光も見えないしどうすっかね」
リアリエ「少なくとも“何らかの行動”を起こせば出れるなら、無理に脱出する方が危険かもな」
-
レイア「でもよ、俺たちが居るってことは二人じゃないと出来ない事ってわけだよな」
リアリエ「もしくは二人でも、だ。加えてこの部屋でも可能な行動には絞られる」
レイア「じゃあ折角だし戦おうぜ!」
リアリエ「あながち違うとは言い切れんのが悔しいが……疲れるから今すぐはパスだ」
リアリエ(というかこの元気は一体どこから来るんだこいつめ)
レイア「おー。……ま、確かにそうだな。それじゃオレはもうひと眠りするか」ゴロッ
リアリエ「は? お前、何を考えてるんだよ」
-
レイア「頭を使って考えんのは苦手だ。試合とか戦いってなると別だけどよ」
レイア「こういうのはリアリエの方が得意って……オレは昔から知ってるし」
レイア「だから頼りにしてるぜ。何かあったら飛び起きるから安心してくれ」
リアリエ(…………こいつ)
リアリエ「……いつだったか、その言葉は随分前にも聞いた気がする」
リアリエ「知り合って何年かはこの際どうでもいい。お前は……」
リアリエ「何故いつも、俺を頼ってくれるんだ?」
-
リアリエ「今でこそ試合に全てを捧げる熱い男も、初めて出会った時は小生意気だったよな」
リアリエ「俺も荒れてたが、お前は特に問題児だった。幼い頃、老師の酒を――」
レイア「……Zzz」グー グー
リアリエ「…………はあ、調子が狂う。そこだけは昔と変わってないよ、お前は」
リアリエ「おい。聞こえているのなら掛け布団を二枚くれ」
リアリエ「この場所がどこかは知らんが、野生の勘が良いこいつが寝るなら危険でも無いんだろう」
-
リアリエ「俺も脳を使って少々疲れた。数十分――いや、数分だが仮眠をとってやる」
リアリエ「ここから出る方法を考えるのはその後でいい。今は、昔を懐かしんで目を閉じよう」
リアリエ「横にレイアがいるのなら、不思議と安心して眠れそうだし……な」ゴロッ
-
レイア「……Zzz」グー
リアリエ「……Zzz」スー スー
ガチャリ
ー熱望ブラザーズの場合ー
「熟睡しないと出られない部屋」
***
???「……えっ。なんでパジャマから着替えて寝てんの?」
???「こいつらの考えてることは俺にも分からん」
???「一応写真撮っとこ。あとで使って強請れそうだし」
???「悪魔め……」
-
ー多冠症の場合ー
目が覚めると、見知らぬ天井。
ポイゾネ「…………死んじゃった?」
エルバン「☆いや生きてるよ。キミがそう簡単に死ぬとも思えないけど」
ポイゾネ「あ、良かったエルバンが居た」
-
ポイゾネ「いつの間にか意識を失ったんだけど、エルバンは少し早く起きたんだね」
エルバン「★理由は多分、PSIのお陰かなぁ? 着いた瞬間起きちゃった」
エルバン「☆それで起こすのも悪いし、鞄の中を整理してたら目が覚めたみたい」
ポイゾネ「わ、ほんとだ。すごい綺麗に整頓されてる」
ポイゾネ「それで、この部屋はどこなんだろう?」
エルバン「☆あんまり危険な感じはしないんだよね〜」
ポイゾネ「外に出て知らない場所だったら、帰るの大変だなぁ」
エルバン「☆地図を反対に見てたくらいには方向音痴だったっけ、キミ」
-
ポイゾネ「あ、でもアレは? テレポート」
エルバン「★ここで使ったら焦げちゃうからやだ。それに、ボク一人だけ出るのはダメだよ」
ポイゾネ「そっかぁ……でも確かに。独りぼっちになったら、俺なにするんだろう」
ポイゾネ「趣味も元々あんまり無いから暇も生まれないし、身体動かして寝ればいっか」
ポイゾネ「ただ“彼女”が心配だよ。数か月くらい会って無かったら向こうも心配すると思うし、後はご飯の人参も……」
エルバン「★キミここで生活する気かい?」
-
ポイゾネ「でもそれを言うなら俺はエルバンも心配。親御さんは大丈夫?」
エルバン「☆いやそれは大丈夫」Prrrr
エルバン「☆掛かってくるんだよね。圏外でもどこでも」
ポイゾネ「最近の電話ってすごいんだなぁ」
エルバン「☆とりあえず友達の家に泊まってるって言っておいたよ」
ポイゾネ「友達の家! こんな真っ白な所に住む人いるのかな」ハハハ
エルバン「★さっきのキミだと思うけど……」
-
ポイゾネ「……あ、待ってエルバン。よく見たらあっちの壁に何か書いてある」
エルバン「☆え、本当? さっきまでは無かったと思うんだけど」
ポイゾネ「あれかな。二人揃って起きてないとだめってことなのかな」
エルバン「★ということはカメラがあって見られてるかも」
ポイゾネ「うわっ確かに。俺よだれとか垂らしてないかな……心配」
エルバン「☆気持ちよさそうに寝てたのはボクも知ってるかな〜……って」
二人「「☆文字見るの忘れてた」」
-
エルバン「☆○○しないと、出られない部屋……」
ポイゾネ「見ても分かんないなぁ。何かをやるってこと?」
***
ポイゾネ「色んな事やってみたけど、何にも起きない……」
エルバン「☆ただ遊んで楽しかっただけだね〜」
ポイゾネ「あとは何がある? じゃんけんとか?」
エルバン「★それをさせるために連れて来られたのなら驚くよ、ボク」
ポイゾネ「確かに」
-
エルバン「☆………………! そういえば、少し思ったんだけど」
ポイゾネ「それ、俺が今やったバク転と関係ある?」
エルバン「★ないかも……ごめんね」
ポイゾネ「だよねー」
エルバン「☆さっきキャッチボールをした時にさ」
ポイゾネ「うん」
エルバン「☆間違えて凄い勢いで投げちゃって」
ポイゾネ「俺がね。よく避けたよエルバン」
エルバン「★だけど壁に当たっても傷一つ付かなかったよね」
-
エルバン「☆それに、その後やった野球ごっこの時も」
ポイゾネ「うん」
エルバン「☆手から離れたバットが思いっきり壁にぶつかった」
ポイゾネ「それも俺だね。エルバンだから避けれたと思う」
エルバン「★当たった所を見て! ……傷がどこにもないんだよ」
ポイゾネ「…………」ポクポク
ポイゾネ「……あぁ分かった!」チーン
エルバン「☆脱出には、関係ないと思うんだけどね」
-
ポイゾネ「最近二人でやってなかったもんねー」
エルバン「★最後に揃ったのは、第十四回の前くらい?」
ポイゾネ「ちょっと目立ちすぎてバレちゃったのは反省」
エルバン「★あれはどっちも暴れすぎたね……けれど、ここなら」
ポイゾネ「うん。周りを気にせず全力で戦える!」
ポイゾネ「ルールはいつも通り、時間無制限で疲れるまでね」
エルバン「☆その場にある物は何でも使っていいルールだけど……」
ポイゾネ「自前の武器しかないのが少し残念。試合で使うアイテムとかあればなぁ」
ガタッ
-
(アイテム一式が落ちてくる)
ポイゾネ「わあ」
エルバン「☆用意がいいね〜」
エルバン「★あ、でも流石に爆発物とかは無さそうかな」
エルバン「☆各種武器とコウラとフラワーくらいかー」
ポイゾネ「じゃあ俺ハリセン使うね」
エルバン「☆一番手それ?!」
-
【それから……】
「デヤアァッ!」
ポイゾネの横振りをジャンプで躱したエルバンは、隙を晒したところに蹴りを叩き込む。
しかしそれを空いている片手で掴むや否や思い切り投げ飛ばした。
「★手が大きいと得だなぁ……!」
壁にぶつかる寸前に空中で体制を整えたエルバンは、着地するとPKファイヤーを繰り出した。
相手が避けると考えての行動。だがポイゾネはそれを盾で防ぐと、そのまま正面に突っ込んでくる。
「超能力を使えるエルバンに言われたくないよっ!」
再びの横振りを頭突きで受けきり、ようやくその足でポイゾネに一撃を叩き込む。
少し怯んだ様子だが、顔を見ればまだまだ涼しい表情でこちらに視線を向けていた。
「今度は当てるからね……っ!」
そう言い放ったポイゾネは至近距離でブーメランを投げた。当然避けられるがそれでいい。
エルバンの意識を背後から回り込んでくる攻撃に向けさせたことが大事だった。
「!」
「!」
その視線が一瞬だけ後ろを向いた瞬間、両の手で握られた高火力の縦振りがエルバンに降りかかる。
だが仕掛けていたのはポイゾネだけではない。隠し持っていたヨーヨーがバットを手繰り寄せた。
バットと剣が交差する。ぶつかり合った衝撃に、凄まじい轟音と共に二人は吹っ飛んだ。
「☆やっぱり楽しいなぁ! ……フフフッ」
「当然まだまだいけるよねエルバン――って、あれ?」
「★どうしたの?」
「いや、あそこ見て」
-
ガチャリ
ポイゾネ「……」
エルバン「……」
ポイゾネ「……」
エルバン「……」
二人「☆まだいいや」
彼らが部屋を出るのは、もう少し先の話。
ー多冠症の場合ー
「本気の戦いをしないと出られない部屋」
-
―15人目の神様の場合―
目が覚めると、見知らぬ天井。
天才「…………さて」
天才「……………」ムクリ
天才「神様」
神様「!」
-
神様「て、天才さん! 起きたんですか……」
天才「いや十分くらい前から目は覚めてたんだが」
天才「俺に背を向けながら落ち込んでるお前がおかしくてな」
神様「ええっ! 見てたんですね、お恥ずかしい」
天才「訳を聞こうか?」
神様「……いえ、そんなものは後回しで大丈夫です!」
神様「そんなことより、私たちはここに閉じ込められたようでして」
天才「らしいな」
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天才「だが“そっちの方”は気にしなくても良いぞ。すぐに出られる」
神様「す、すごい自信ですね」
天才「むしろ俺は嬉しいよ。運ばれる前は何のやる気も起きなかったし」
天才「日課のリフレクター磨きも終わってさぁ、適当に野原で寝っ転がってて」
神様「…………やっぱり、天才さんは流石ですな」
天才「なにがだ?」
-
神様「いつも自由奔放で、それでいて強くて、ファンも多くて……」
神様「羨ましいとは少し違います。憧れ、という方が強いでしょうか」
天才「あー……まあ、最近忙しいもんなぁ神様」
天才「昔タッグ組んだ時なんか、特訓以外でもつるんでたし」
神様「はい。勿論私は医者としても全力で取り組んでおりますので」
天才「二足の草鞋に苦しんでは無い、と」
神様「しかし……だからと言って負け続きではよくないのも理解しております」
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天才「いやー気にしなくていいんじゃないか? 勝ち負けなんて二の次だぞ俺は」
神様「――そこです。そこなんですよ」
天才「ん?」
神様「天才さんがカッコいいのは、その誰にも染まらない“自分”があるからです」
神様「仕事との両立を続ける私なんかでは……到底叶わない「それは違うぜ」……」
天才「俺はお前みたいな奴が一番カッコいい男だと思う」
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天才「あ、バナナ食べるか?」
神様「えっ……? ああ、有難くいただきます」(何故持ってるんでしょう)
天才「まあ何が言いたいのかと言えばな、何かに全力で取り組むやつはカッコいいってことだ」
天才「選手として戦う姿、医者として患者を救う姿――素晴らしいじゃないか」
神様「天才さん……」
天才「知ってると思うが、俺って幼い頃から天才なんだ」
神様「知ってますけど言い方が酷いですぞ」
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天才「何でも平均以上にこなせたし、いわゆる努力なんてほぼしなかった」
天才「選手として活動を続けている今もそれは変わってないが……見え方は変わったよ」
神様「見え方?」
天才「結局は染められてるのさ俺も。お前とタッグを組んだあの日から、な」
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天才「努力する奴はいずれ大きな成果を得る。俺に勝って証明しただろ?」
神様「それはそうですが、でも、今となってはそんな金星を挙げることも……」
天才「大丈夫だって! お前はきっと再び選手として輝けるときがくる!」
天才「保証するよ……相棒としてな」
神様「天才さん……」ジーン
神様「はい! 私、次の第二十回も自身を持って挑みますぞ!!」
天才「それでこそ神様だな!」
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天才「よし、んじゃそろそろ出るか」
神様「えっ?」
天才「んー……まあ昼寝するよりは良い暇つぶしにはなったかな」ガチャ
神様「ええっ!? その扉、開くのですか?!」
天才「元は開かなかったよ。まあ、お前が起きる前に開けといた」
神様「?? 私、頭がこんがらがっております……」
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天才「えっとだな、まずここに運ばれて最初に起きたのは俺だ」
天才「そして色々やったら開いたんで、後は神様が起きるのを待ってた」
神様「私、てっきり開かないと思い込んでドアノブに触れてませんでしたぞ……」
天才「思い込みってのは怖いねぇ」
神様「――ってちょっと待ってください! ならば十分くらい前に起きてたと言うのも」
天才「ああ、嘘」
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天才「まあ激務のお前が気持ちよさそうに寝てたんで起こすのも気が引けたしな」
天才「それに、最近暗い顔してた相棒の悩みを晴らしてやりたかったからさ」
天才「言葉だけで申し訳ないが……とりあえず先に進もうぜ」
天才「おー、長い廊下が続いてるなぁ」
神様「…………」
神様(……相変わらず、飄々とした人だ。――私は気づいていますぞ)
神様(眠っていた私にマッサージをしてくれたこと)
神様(扉が開き、それでも尚続けてくれていたこと)
神様(私も、彼の隣に立つ者としてまだまだ精進せねばなりませんな)
神様「感謝をしても否定しそうですがな」
天才「何か言ったか?」
神様「いえ何も」ワッハッハ
ー15人目の神様の場合ー
「マッサージしないと出られない部屋」
-
―殺意の悪魔の場合―
目が覚めると、見知らぬ天井。
「……きろ」
「起…………きろ!」
下目「…………おはよう」
殺意「ようやく起きたか」
-
下目「こんなにも嫌な目覚め、結構久しぶりかも」
殺意「それは場所のせいか? ぼくが起こしたからか?」
下目「前者が8で後者が2かな。見下ろされるの嫌いなんだよね」
殺意「……まあ、それくらいなら許してやる」
下目「僕は家で寝てたはずなんだけどなぁ」
殺意「ぼくも同じだ。鍵は掛けてなかったのか?」
下目「掛けてたに決まってんじゃん。そっちはどうなのさ」
殺意「…………と、当然だ」
下目「流石にだよねー」(忘れてたって顔してるな)
-
下目「で? ここがどこか教えてよ」
殺意「分かっていたらわざわざ起こさず去っていた」
下目「ってことは分からないのか。僕より先に起きてたのに」
殺意「バカで悪かったな……頭より身体を動かす方が好きでね」
下目「それは昔から知ってる。ところで“あれ”は何?」
殺意「ん」
下目「“〇〇しないと出られない部屋”――ああなんだ、出られるのか」
殺意「というと?」
下目「このまま餓死するまで監禁される可能性を考えてた」
殺意「随分と嫌な想像をするな……しかし確かに食料も無ければ水もない」
-
殺意「お前なんて良く食べるから、一日くらいでダメになるんじゃないか?」フッ
下目「そうかもね。まあいざとなったら非常食で生き永らえるよ」
殺意「は? そんなものあったのか」
下目「え、きみのことだけど?」
殺意「…………」
下目「いや冗談だから。ちょっとずつ距離を離されたら悪魔と呼ばれる僕でも傷つくから」
-
殺意「恐ろしい冗談はやめろ……」
下目「殺意の名が聞いて呆れるなぁ」
下目「それで、何かしらやれば出られる部屋らしいけど」
殺意「心当たりは?」
下目「ないね」
下目「とりあえずなんか一発芸やってみてよ」
殺意「死んでもやらん」
-
下目「ノリ悪っ」
殺意「それで実際にする奴はどっかの芸人くらいだろう」
殺意「ならお前こそ何かやってみろ。そしたらぼくもやってやる」
下目「は、嫌に決まってるじゃん」
殺意「お前……」
下目「僕は相手がやってるのを見て笑いたい立場なんだよね」
殺意「まったく良い性格してるな」
-
下目「でもさぁ、なんで“ここ”が選ばれたんだろうね?」
殺意「ぼくたち揃って何かをしないと出られない部屋……まあ確かにな」
下目「いやそうじゃなくて」
殺意「?」
下目「僕たちって、別に仲良くはないじゃん」
殺意「………………」
-
下目「第四回で組んだ時も、他は親睦を深めたりしてたけど僕らはやってないし」
下目「まあお互いの性格上遊んだりしないからさ、複数はあっても二人っきりの経験はないでしょ」
下目「正直、僕らが揃っても言い合ってるだけで何も生まれないしねー」
殺意「! …………まあ、それも、そうだな」
下目「あれ、もしかして傷ついちゃった?」
殺意「そうではない――むしろ逆だ」
-
下目「逆?」
殺意「いやなんだ、今の言葉……とても腑に落ちた」
殺意「ぼくとお前は昔から似ているようで似ていない」
殺意「噛み合わないことに少しのもどかしさを感じてたが……」
殺意「確かにぼくたちは仲良くないのだから当然だ」
下目「変な開き直りだなぁ」
-
下目「それじゃあ何? こっから仲良くおままごとでもするの?」
殺意「やりたいならやってやるが」
下目「うわ何それ。僕を小学生と同じ目で見てるじゃん」
殺意「ぼくたちなら浮かんでいけば天井には届きそうだな」
下目「最後の最後に眠っちゃって落下しそう」
殺意「そ、そんなに間抜けではない……!」
下目「……ははっ」
殺意「……ふっ」
下目(――ああそうか、ようやく分かった)
下目(僕たちは別に仲良しこよしってわけじゃないけど……)
下目(だからこそ、こんな感じでいがみ合える仲ってのは良いもんだね)
-
下目「それにしたって口下手だけどねー」
殺意「う……」
殺意「ぼくはお前を信頼してだな……」
下目「分かってるって。だから僕も一つだけ本当のこと言ってあげる」
殺意「本当の事……?」
下目「実は僕も掛けてなかったんだよね、鍵」
-
殺意「何を言ってる? じゃあ何故さっきは掛けてると」
下目「そんなのバカにされるからに決まってるじゃん」
下目「そもそも僕の家に鍵なんて初めから付いてないし」
殺意「お、お前…………はぁ」
下目「実は僕らも似てるところはあったみたいだねー」ハハハ
ガチャ
二人「!」
ー殺意の悪魔の場合ー
「カミングアウトしないと出られない部屋」
-
殺意「……開いてるな」
下目「……開いちゃってるね」
下目「多分、僕のお陰だ」
殺意「は? 確実にぼくが何らかの助けを出したからだろう」
下目「まあ後輩に花を持たせてあげるよ」
殺意「たった一大会だけで先輩面するな」
下目「それにしても、やけにあっさりだったなぁ」
殺意「さっきの部屋と同じように廊下も真っ白だな」
下目「あ、奥の方をよく見て。扉がある」
下目「よし先に入って良いよ」
殺意「言われなくてもそうするつもりだ!」ガチャリ
下目「言う前に開ける奴初めて見た」
-
レイア「……Zzz」グー
リアリエ「……Zzz」スー スー
下目「……えっ。なんでパジャマから着替えて寝てんの?」
殺意「こいつらの考えてることは俺にも分からん」
下目「一応写真撮っとこ。あとで使って強請れそうだし」
殺意「悪魔め……」
-
下目「この二人がここにいるのは……」
殺意「恐らくぼくたちと同じ理由だろうな。何故寝てるかは知らんが」
下目「レイアが傷だらけで寝てるのは……」
殺意「いつものことだ。大方ここに連れて来られる前は特訓でもしてたんだろう」
下目「さっき、きみが“俺”って言ったのは……」
殺意「こいつらと居るときは変わるんだ悪いか! ぼくだけ二人と違うのは癪に障るだけで――」
と、その時。
どこか遠くで何かがぶつかり合う音が彼の耳に入った。
レイア「ッ!」ガバッ
-
レイア「あれはやべぇぞ。獰猛な獣が二匹、本気で相手の命取ろうと戦ってやがるっ」ウズウズ
下目「この辺りではない遠くの部屋で、野蛮な二人が居そうだね〜」
殺意「……ところで、何故お前たちは寝てたんだ? もう扉は開いてるようだが」
レイア「あん? ――いやほんとじゃねえか! オレ、リアリエに任せっきりだったから……」
レイア「おーい、起きろリアリエ。お前がなんかやってくれたのか」ペシペシ
リアリエ「………………鼻を叩くな。寝起きの俺は機嫌が悪いんだぞ」
-
リアリエ「ん、殺意に下目。――なるほど、お前らも同じ状況か」
リアリエ「しかし俺たちよりも部屋から出れて、ここまで来れたと」
下目「レイアと違って状況把握が早くて助かるね」
下目「それに見て。僕たちが来た側の扉は、内側から見るとただの壁になってる」
下目「僕たちは部屋から出て廊下を渡り、この部屋まで辿り着いた」
リアリエ「ならば外からは入れて中からは出ることの出来ない隠し扉もあった……と」
レイア「オレたち、もしかして蚊帳の外って奴か?」
殺意「自然と俺を仲間に引き込むな」
-
すいません、>>53と>>54の間にこの部分を入れるのを忘れてました
***
下目「うわっ! ビックリした〜」
殺意「随分しっかり居眠りしていたようだが?」
レイア「今の気配は……って、殺意に下目じゃねぇか! なんでこんなところにいるんだよ」
下目「それはこっちの台詞だけど」
殺意「訳が分からない場所に連れて来られたんだ。ぼ……俺たちも」
レイア「そうだったのか。……それより、さっきの気配は感じなかったか?」
殺意「何のことだか分からん。お前の野生の勘に対抗できるか」
下目「あー、うっすらと何かが聞こえたね。固い物がぶつかる音みたいな」
殺意「何故お前も聞こえている!?」
下目「地獄耳だからね」
-
ー松崎しげるメンバーの場合ー
目が覚めると、見知らぬ天井。
「Zzz…………」ゴロン
「ン…………ピ……カ」パチッピリ
「お…………重イッッ!!」ビリビリッ
「!? 痛っ……てぇッ!」
-
***
卍「最悪な目覚めだぞ全く……」イテテ
BJ「それは僕の台詞だヨ。随分と寝相が悪いみたいだネ」
卍「枕が変わると寝つけが悪いんでな」
BJ「サイボーグもそういうのあるんだネ……」
BJ「……アレ? でも僕の電撃を食らって痛いなら生身の身体が?」
卍「まあなんだ、その辺は企業秘密にしてくれると助かる」
BJ「きみも色々あるんだナ」
-
卍「ところでここはどこだ? 周りになにも無いが……」
BJ「唯一あるのは扉ダケ。なんか謎解きみたいで面白そうだヨ!」
卍「楽しそうだなブラックジョーカー……そんなに走り出して」
BJ「逆にきみはテンション低いネ。僕が高いのは認めるケド」
卍「低血圧だから寝起きはこんなもんだぞ俺は。……まあ普段から似たようなもんだが」
BJ「ますますサイボーグが何か分からなくなってるヨ僕……」
BJ「あ、上の方に文字が書かれてるナ」
卍「えー何々……〇〇しないと出られない部屋、と書かれてるぞ」
BJ「ホントにそれ以外は何もナイ? ちょっと僕も見せてもらうヨ」
卍「お前俺をバカだと思って――おい登ってくるなうっとおしい!」
-
卍「〜っ! お前も中々に重たいぞっ!」ブンッ
BJ「わっ、とと」
BJ「アハハ、ゴメンゴメン。確かにその文しか書かれてないネ」
卍「最初からそう言ってる……!」
卍「………………」
BJ「………………」
卍「………………で?」
BJ「えっ?」
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卍「この部屋から出る方法は思いついたんだろ?」
BJ「さ、流石にまだだケド……」
卍「なんだ、謎解きが好きじゃなかったのか」
BJ「逆によく今ので解けると思ったナ!?」
BJ「……じゃあとりあえず、ここに来る前に何してたか教え合おうヨ」
卍「寝てた」
BJ「雑」
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卍「ま、正確に言うなら訓練の休憩中で仮眠をしていた」
卍「朝から初めて…身体を休ませたのは深夜零時くらいか」
BJ「随分と張り切ってるネェ。身体壊しちゃだめだヨ?」
卍「放っておけ」
BJ「ハイハイ。つまりきみはそれから運ばれたと…」
卍「お前は連れて来られる前、何をやってたんだ?」
BJ「ちょっと用事があって人が家に泊まりに来てたナ」
卍「第十四回の王者様が深夜に密会とか、大丈夫かよ」
BJ「僕にどういうイメージ抱いてるんだきみは」
BJ「…まあ、きみも良く知ってる人だから安心しなヨ」フフ
卍「?」
-
BJ「で、“その人”もどこかに居ると思うんだよネ」
BJ「それも―過去にチームを組んだ誰かと、サ」
卍「ああ、そうか。俺たちと同じように?」
BJ「ソユコト。明らかにこれを仕組んだ奴は僕らを知っている」
BJ「じゃないと、“彼”が同じ場所に居ない説明を付けられないからネ」
卍「そもそも前提が違う可能性もあるだろ。俺とお前だけかもしれないぞ」
BJ「それは絶対に無いヨ。もしそうなら、僕らは既に救助されているはずサ」
卍「………なるほど。その泊まりに来てた奴が通報するはずってことだな」
BJ「正解。花丸上げるヨ」
卍「筋は通るな。よくその一瞬で考えたじゃないか」
BJ「褒めても何も出ないヨ? それとも頭を撫でる権利を上げようか?」
卍「別にいらん。花丸だけで良い」
-
BJ「なんだ、勿体ない。相当レアな権利なんだけどネー」
卍「サイボーグに癒しなど必要ない」
BJ「素直じゃないヨ全く。ま、いいや」
BJ「とりあえず口を動かすだけじゃ進展はしなさそうだし…」
卍「ああ、この言葉に入るのが何かを試すんだろ」
BJ(“〇〇しないと出られない”…難しいネ)
BJ(閉じ込めてこんな謎を出すくらいだ。どこかで見てるんだろ?)
BJ(一体どんな悪趣味な奴だろうナ…早いとこ顔を拝みたいヨ)
***モニタールーム***
???『………………ククク』
???『計画は順調か?』
???『生憎、未だに脱落は0だ』
???『殺意の悪魔は…惜しかったがな』
???『まあ良いじゃないか』
???『仮に全チームが一つ目を突破しても…』
???『ああ』
???『最後の部屋で奴らは崩壊する…ッ!』
???『『フフフ……フーッハッハッハ!!!』』
-
―一時間後―
BJ「――残念ながら、これも違うようだネ」
卍「……チッ。結構自信はあったんだがな」
卍「!! ぐゥッ!…静まれ俺の右目ッ!」
BJ「…………」
BJ「いや、あのさ…その恰好はなんだヨ」
卍「何って…見て分からないか? 邪眼を宿せし者だ」
BJ「パワースーツの上からコスプレしてる人初めて見たんだけど」
卍「これが俺の本体なのだから仕方がないだろ」
卍「そういうお前はなんだ、そのコスプレは」
BJ「エ…分からない? この帽子と眼鏡に服で…」
BJ「謎解き博士デショ」
卍「初めて聞いたんだがその存在を」
-
卍「コスプレで聞いた事ないのを出すなよ」
BJ「僕といえばこの恰好かなって…SNSでもこの恰好したことあるしネ」
BJ(…目覚めてから一時間以上経過して、未だ僕たちは出られていない)
BJ(欲しい物を言えば実際に降ってくることに気づいて色々試してるけど…)
BJ(これは食料や水を補給するためであり、実際はかく乱で物は必要ない気がするナ)
卍「あーくそっ。なんでこんな状況にならないといけないんだ…!」
BJ「…………」チラッ
卍「いっその事MAXチャージでも……ん、何故こっちを見るんだ」
BJ「きみさぁ、――そろそろスーツ脱いだら?」
-
卍「は?」
BJ「いや、そろそろ良いかなって。バレバレだったし」
卍「はぇ?」
BJ「それに素顔を出した方が考察の幅も…」
卍「ななななにを言ってるんだお前は俺はサイボーグだぞお前」
卍「素顔とか無いし食べ物とか必要無いんだが?」グー
卍「あっ」
卍「……………」モグモグ
BJ「……………」
卍「…………よし、作戦はどうする?」
BJ「切り替え早くない!?」
-
卍(パワードスーツ無しVer)「仕方ないだろ恥ずかしいから触れるなよ!」
卍「ただでさえ久しぶりに人前で顔を出したんだぞ俺は!」
卍「お前これで出るための謎に関わってなかったら許さないからな!!」
BJ「お、オウ…」
BJ(思いっきり感情を爆発させてるネ…初めて見たこんなとこ)
BJ「とりあえずきみの勇気のお陰で、出来るネタの数も増えたからネ」
BJ「地道に、一つずつ初めて――――ん?」
卍「! 待て、向こうの壁からだ」
卍「“何かが来るぞ”…!」
卍(恐ろしい威圧感だ…。まるで手負いの獣…それも、二匹!)
卍(隣のこいつも警戒して毛を逆立ててやがる……!)
卍(まさかとは思うが、俺たちをここに閉じ込めた黒幕か!?)
ガチャリ
エルバン「☆お邪魔しまーす」
ポイゾネ「土足だけど良いのかなぁ」
BJ「」
卍「」
-
エルバン「☆…あれ、あー! ジョーカーだ!」
ポイゾネ「ほんとだ。隣に居るのは…ムッコロズちゃんかな」
卍「な、なんで…お前らがここに…!?」
BJ「…僕の予想が当たっていたようだネ」
エルバン「☆ボクとポイゾネもここに閉じ込められてたんだ!」
エルバン「★その前にジョーカーの家に泊まりに行ってたから、もしかして…と思ったけど」
エルバン「☆やっぱりキミも居たんだね!」
BJ「その二人で閉じ込めれてたら、鬼に金棒だナ」
卍「彼…って、爆走戦士エルバンかよ。確かに俺も良くしってるけどよ…」
-
ポイゾネ「あれ、エルバンって本当に友達の家に泊まりに行ってたんだ」
エルバン「☆そうだよ。でもそれを予め知ってたのはママだけだからね」
エルバン「★ここで電話したのはパパだから…なんて言うかは少し迷ったよ」
ポイゾネ「確かに。ここは友達の家じゃないもんね、あはは」
BJ「きみたちが何でボロボロなのかは一旦置いとくけど…」
BJ「僕らと合流したのなら、開けたんだろ? あの扉をサ」
ポイゾネ「うん。…あ、なんで開いたかは分からないや」ハハ
-
ポイゾネ「ちなみにムッコロズちゃんが素顔な――「聞くな」…そっか、ごめんよ」
卍「とりあえず、二人と会えたのは心強いのは確かだ」
卍「けど開け方が分からないんじゃ先には進めないぞ」
BJ「ナニカ、扉を開ける直前にやらなかったの?」
エルバン「★絶対に倒すって気持ちで相手を攻撃しようとした」
ポイゾネ「右に同じく」
卍「おいダメだこいつら野蛮だ考えが」
BJ「殺人マシーンがそれを言うかネ」
-
BJ「…でも、それがもし当たってるなら僕らもやるべきだよネ」
卍「俺とお前でか? 別に構わないが…………ちょっと待て」
BJ「ン?」
卍「それだと俺がスーツを脱いだ意味が無くなるだろうが!」
BJ「ア、確かに」
卍「せめて何か一つは、脱いだからこそ出来る行動をさせろ」
BJ「良いヨ。じゃあ僕が可能性として高いと考えてる―「撫でさせろ」…え?」
卍「……頭を、撫でさせろ」プルプル
ポイゾネ「ムッコロズちゃんの顔、俺の服くらい赤くなってる」
エルバン「★睨まれてるよポイゾネ…」
-
卍(俺はサイボーグとして生きてるし、それはこれからも変わらない)
卍(サイボーグに癒しなんて必要ない……のだけれど)
***
BJ『褒めても何も出ないヨ? それとも頭を撫でる権利を上げようか?』
卍『別にいらん。花丸だけで良い』
BJ『なんだ、勿体ない。相当レアな権利なんだけどネー』
卍『サイボーグに癒しなど必要ない』
***
卍(さすがにあれは勿体ないことをしたと後になって思い始めてる!!)
卍「……あの権利、実は俺はこっそり受け取っていたのでな」
卍「特に感情が動いてるわけじゃないが、折角だし使うとしようか」
BJ「アハハ…やっぱり素直じゃないネ、きみ」
BJ「でも良いヨ。ちょっと電気が走ったらゴメンナ?」
卍「電気なんて、サイボーグには聞かねーよ」
-
エルバン「☆めずらしいね、ジョーカーが誰かに撫でてもらうところ」コソッ
ポイゾネ「しかも後輩を相手だよ。俺も数回くらいしか見たことないかも…」コソッ
ポイゾネ「……あ、扉が」
ガチャリ
BJ「! ああ、開いたヨ! これが正解だったんだネ!」バッ
卍「あ……」(…………も、もう少しだけ)
BJ「ただ撫でるだけ…いや、素肌で触れたことが合ってたのかナ…?」
エルバン「☆でも、これで先に進むことが出来るね」
卍「……あ、ああ。そうだな。俺はパワードスーツを着るから、先に行っておけ」
BJ「いや、なんでだヨ。ここまで一緒に頑張ったんだから、待つに決まってるサ」
卍「…………そうか。分かった、ありがとう」
ポイゾネ「エルバン、俺たちは先に行っておこう」コソッ
エルバン「★え? ………ああ、分かったよ。そうしよっか」コソッ
-
卍(あの二人、気を利かせて先行ったな…)
卍「なあ、おい」
BJ「?」
卍「……俺たちって過去にチーム組んだけどさ」
卍「結局一回戦負けで終わってそれきりだし…」
卍「特に交流も無いし…いつまでも名前で呼び合わないし…」
卍「サイボーグである俺がこんな感情を持つのはおかしいけど」
BJ「…………」
卍「良ければ、これから仲良くしてくれると……嬉しい」
BJ「アハハ……勿論だヨ。だって僕たち――」
BJ「友達だもんネ! ムッコロズ!」
ー松崎しげるメンバーの場合ー
「撫で撫でしないと出られない部屋」
卍「ちなみにもう一回撫でるっていうのは…」
BJ「それは僕が特に機嫌の良いとき限定だヨ」
-
???『…結局、全てのチームが突破したか』
???『構わん。それも織り込み済みだからな』
???『ではやるのだな。最後の試練を』
???『クク…ああ、地獄を見せてやるわッ!』
-
BJ(…さっきまで居た部屋から出た僕たちは、扉の先を進んだ)
BJ(白く長い廊下を進んで、その突き当りにあった扉を開けると…)
下目「やっぱ僕たちを知る奴が犯人かぁ」
天才「だって運ばれる途中で目覚めた奴、誰も居ないんだぜ?」
神様「私たちに丁寧な対応だからこそ、怪我人も居なかったという事ですね」テキパキ
リアリエ「この二人以外はな…」
ポイゾネ「わざわざ包帯ありがとね、神様」
エルバン「☆よく考えれば医療セットも出せるんだね〜」
レイア「流石だぜ! ……って、おお! 来たかお前ら!」
BJ「…思ってたより多いナ、同期」
卍「疎外感が結構あるんだが」
殺意「俺も同じだから安心しろ」
-
レイア「何言ってんだよ居てくれて嬉しいぜお前らも!」グイグイ
殺意「引っ張るなバカ!」
卍「こ、こいつ力が強ぇ…」
天才「はい、ちゅうもーく。15人目の天才さまが今の状況を整理するぜー」
みんな「!」
天才「まず、俺たちは全員二人一組で部屋に閉じ込められただろ」
天才「話を聞く限り、ここの見取り図はこんな感じになっている」
[殺悪の部屋]→[熱望の部屋]→[俺らの部屋]→[今ここ]←[黒黒の部屋]←[多冠の部屋]
-
天才「例えば殺意のヨシオと下目のペアは最初の部屋を出て…」
レイア「オレたちと合流した。んで、その後は4人で天才と神様に会ったぜ」
天才「多冠症のお二人にも聞いたが、似たような話だった」
天才「つまり…………ちょっと説明面倒臭くなってきたから神様変わってくれ」
下目「自由過ぎ」
BJ「きみも大概」
エルバン「☆その見取り図を書いた紙とペンも部屋から出てきたの?」
天才「いや、これは普段から隠し持ってる俺の私物っす」
-
神様「ごほん、天才殿の続きを話させていただきますと…」
神様「つまりここは六つの部屋が横並びになっている、ということですな」
BJ「端のペアは先に進めば進むほど合流する人数が増えるネ」
天才「俺らはこの部屋のすぐ隣だから、途中で誰とも会わなかったがねー」
卍「これを見たら俺と…BJは扉を開けるまで長かったんだな」
天才「待つ時間が暇すぎて死にそうだったぜ」
エルバン「☆それで、ここでボクたちが全員集まった…のかな?」
リアリエ「個人的には、まだだと考えている」
リアリエ「合流した面子を見てもらえれば理由は分かるか?」
ポイゾネ「ん? えーっと……」
レイア「分かったぜ。足りない、って事だろ!」
ポイゾネ「……あ、ほんとだ。ファルコン勢とヨッシー勢が居ないや」
ポイゾネ「よくそんなに早く分かったねレイア」
レイア「へへ、まぁな」
殺意「どうせ野生の勘だろ」
レイア「う……ち、違ぇよ!」フイッ
下目「人は嘘をつくと目線が動くんだよねぇ〜」
-
BJ「左右対称にするならここを起点に三つの部屋があるかもしれないよネ」
BJ「よく見れば僕たちと多冠症の右…怪しいヨ」
リアリエ「そういうことだ。そこに残りの二人が居るんじゃないか?」
卍「既に全員気づいてるとは思うが、俺たちは過去のタッグを元に組まされているよな」
エルバン「☆じゃあ……ファルコン勢とヨッシー勢のタッグ……」
下目「吐き気とYOODAで“吐くようだ”とかあったよね。めっちゃ地味だったけど」
BJ「パンツくんとベンベくんで“未確認パンツ”…も、あんまり印象にはないカナ」
レイア「十字軍と鳩もどきの“十字軍もどき”とは実際に戦ったけど、強かったぜ!」
みんな「……………」
みんな(そ、そこまでパッとしない…)
-
天才「んー」
天才「俺は全員そろったと思うぜー。ま、だから状況を整理したんだけどさ」
殺意「なにが根拠だ?」
天才「……これを見てる奴との接点、かな。多分だけど」
卍「見てる奴って、それはつまり―」
エルバン「★今もボクたちをカメラ越しに見てる人のこと…だよね」
レイア「それは分かるが、なんでそこから接点に繋がるんだよ?」
レイア「なんつーかその言い方だと…まるでオレたちを閉じ込めた黒幕が…」
天才「そう。CPUトナメの選手だと俺は考えてますよ」
ポイゾネ「あ、ちなみにケくんとファングくんの“謎”もあったよね」
天才「あのタッグは論外っすね。前提として誰も二人を捕らえられないんで」
神様「確かに大会時以外で会った事ないですな…」
-
リアリエ「なるほどな…天才の推理を聞けば俺も納得だ」
レイア「そ、そうか? オレは未だに信じれてねぇ…」
リアリエ「考えてもみろ。俺やお前、いや他の皆もそうだが―」
リアリエ「何故、睡眠中に接近された時に気づかなかったんだ?」
レイア「! それ、は…っ」
レイア(確かにオレなら察知して起きれたはず…!)
エルバン「★それほどまでに気配を消せる人物…」
エルバン「☆つまり、とんでもない実力者ってことだよね」
-
下目「僕たち全員と接点があって…」
ポイゾネ「こんな場所を利用できる…」
レイア「とんでもない実力者…!」
天才(噂だけしか聞いたことの無い“幻の選手”かとも一瞬思ったが…)
天才(俺の予想だと全員と接点があるという部分が大事なはずだ)
天才(つまり、こんな遊びを考えてくれたのは…“あの選手”しかいない)
『………………ヨクアツマリマシタネ』
みんな「!」
-
リアリエ「天井の方から声がしたぞ!」
下目「加工し過ぎて変な声だなぁ」
神様「それほど正体を知られたくないんでしょうか?」
『ワタシノナマエハ ゲームマスター・D』
『コレカラ サイゴノゲームヲハジメマス』
レイア「さ、最後のゲームだって……!?」
リアリエ「嫌な冗談だな…っ」
-
『アナタタチガ ココカラデルニハ…』
『イママデノヨウニ ジョウケンヲ タッセイスルヒツヨウガアリマス』
ポイゾネ「あのよく分からないの、またやるんだね…!」
エルバン「☆例えどんな内容でもボクたちは負けないよ!」
『シカモ サイゴハ デルタメノジョウケンヲ アラカジメオシエマス』
殺意「なんだ…? 随分優しいじゃないか」
『フフフ… ソウオモッテイラレルノモ イマダケデスヨ』
卍「チッ――さっさと言えよ。勿体ぶりやがって」
『サイゴノゲーム… ソレハ……』
神様「ご、ごくりっ」
『アイカタノ ワルグチヲ イワナイト デラレナイヘヤ!』
-
〜モニタールーム〜
???「ククク…決まったな」
???「これで奴らは地獄を見る…」
???「言えば出れるが亀裂が生じ、
言わねば一生ここから出られない…」
???(まあ本当は最大でも12時間しか借りれなかったけど)
???「…我が“同胞”よ」
???「む? どうした」
???「……お主は本当にこれが見たかったのか?」
???「絆で結ばれたタッグが崩壊する光景なんて…」
???「あ、当たり前であろう!」
???「俺の恨みはこれで初めて晴らされるのだ!!」
???「…そうか」
???「さて。脱出する条件を聞いた奴らはどんな反応を…………!?」
???「い、いない!? バカな、あの大人数がどこへ消えたのだ!!?」
「ここだぞー」
???「声は聞こえる…が、どこのモニターにも映っていないだと…!」
「ここだって」
???「どこだっ! 声は明らかにすぐ近くで……………ハッ!?」クルッ
レイア「やーっと気づいたかよ――デスエン」
-
デスエン「な……何故お前たちがここに居るっ!」
天才「リアリエサンの考えと俺の予想の複合、的な?」
リアリエ「…横並びになった六つの部屋だが、真ん中に集合させるなら対称的じゃない」
エルバン「☆一部屋ごとにペアがいるなら、右端にもう一つの部屋がある」
下目「中央の部屋が脱出用と考えるならさー、お前が隠れて監視できる場所なんて一個しかないよね」
BJ「でもまさか…二人いるとは思わなかったけどネ」
天才「前組んだ時に面白い奴だとは思ったけど、ここまでぶっ飛んでるとはな! …十字軍!」
十字軍「…誉め言葉として受け取っておくぞ、同士よ」
-
デスエン「ま、待て。そもそもどうやって扉を開けた…!」
十字軍「私だよ。私がこっそりと隙間を作っておいたんだ、先ほどね」
デスエン「何故?!」
十字軍「お主の暴走を止めるため、という他ない」
デスエン「……っ。いつから俺が黒幕だと気づいた…?」
神様「少なくともデスエンさんが自らをDと名乗った時点で全員察してました」
デスエン「なんだと!?」
リアリエ「油断させるためにその後も騙される演技をした上でここに来た」(よくあれでバレないと思ったなこいつ)
レイア「…なあ、聞かせてくれよデスエン」
レイア「なんでオレたちを閉じ込めて…よく分かんねえ事やらしてたんだ?」
デスエン「! それ、は……」
下目「正直に言わないと全身くすぐりの刑だからね〜」
-
デスエン「……………」
デスエン「…………から」
ポイゾネ「えっ?」
デスエン「うら………から」
神様「耳が遠くなりましたかね…?」
デスエン「羨ましかったからです!!!!!!」
みんな「!?」
-
デスエン「だって…お前らはタッグ組んだ経験があるじゃないか!」
デスエン「二人で作戦会議したりそれ用の特訓をしたり……」
デスエン「羨ましすぎる!俺もそういうのやってみたい!!」
デスエン「しかし今までのダブルスでは一度も呼ばれることは無かった!」
デスエン「だからこうするしか無かったのだあああああっっ」
BJ「いやなんでだヨ」
卍「ツッコまず聞いといてやれ、一応」
デスエン「まず俺は、タッグを組んだことのあるお前らに復讐しようと…」
デスエン「偶然知り合ったこの空色十字軍に手を貸してもらうことにした」
天才「なんで引き受けたんだ?」
空色「終わったら焼肉驕ってくれると聞いて」
-
デスエン「十字軍が用意したこの施設を利用し…俺はゲームを企てたのだ!」
デスエン「二人で指定の条件を達成しないと出られないという…な」
神様「概要はともかく内容に復讐要素が皆無だった気もしますが…」
デスエン「だってお前ら全然喧嘩しないもん!見てて何も面白くなかったわ!」
デスエン「殺意の悪魔が雰囲気悪そうだなって一瞬思ったけどすぐ解決したし!」
殺意「俺と下目使いなんてここじゃなくてもあんな感じだよ」
下目「むしろここのお陰で話す回数も増えた気がするんだけど」
デスエン「普通ああいうのは全然当たらなくて険悪になるものだろう!」
デスエン「なんで一時間くらい経っても溝が生まれないのだ!!」
卍「俺らに言っても知らん」
BJ「あの一時間、楽しかったよネ。ムッコロズ」
卍「フン、まあな」
-
デスエン「言っておくがお前らを運ぶまでも大変だったんだからな!」
下目「僕らが悪者路線は無理ゲー過ぎない?」
デスエン「まず未成年のエルバンは流石に母親へ前もって連絡をしたし!」
エルバン「☆事前準備万全!?」
デスエン「ポイゾネとレイアは寝ぼけながら殴って来るし!」
レイア「起きなかったけど無意識で抵抗はしてたんだな、オレ」
ポイゾネ「あ、そういえばボクシングする夢みてたの思い出した」
デスエン「あとシンプルに神様が重すぎる!ふざけるな!」
神様「なんかすいません」
-
レイア「と、とりあえず落ち着けって…な?」サスサス
デスエン「うぅ…総合的に見て自分で自分が情けないぞぉ……」
エルバン「★そこの自覚があるだけマシだね…」
殺意「…まあ、お前の気持ちも多少は分かるよ」
殺意「出たいと願っても出れないのは悔しいからね」
デスエン「慰めるな…っ! 先輩だぞ…っ!」
リアリエ「後輩に手を貸してもらった奴が言う台詞かそれ…?」
天才「でも今こうやって本心を吐露してるって事は――」
天才「あんたには多かれ少なかれ罪悪感があった、てことだろ」
-
デスエン「…………初めは小さな嫉妬心だったさ」
デスエン「でも、いつしか俺は自分でも蓋をするようになった」
デスエン「俺がチームに入れば戦犯になってしまう…とな」
レイア「オレぁ世代対抗で戦犯だと思ったことないぜ? むしろ笑ったくらいだ」
卍「カラー対抗と第9回でも一緒になったが、俺も思っちゃいない」
エルバン「☆敵としてだけど…第5回で戦った時も頑張ってはいたよ」
BJ「エルバンそれは逆に心折れるからやめたげて」
デスエン「もう良いんだお前たち…俺は、タッグ大会に出るべきじゃないんだ」
デスエン「俺と仲間になってくれるような選手はどこにもいないんだ…」
レイア「! …………おい、デスエン」
デスエン「…今、脱出用の扉を開けたから。もう外へ出てくれて大丈夫だ」
デスエン「ああそれか、脱出の前に俺を煮るなり焼くなりしても――
ぐほォッ!!」
ポイゾネ「あ、殴った」
リアリエ「ああいう時のレイアはいつになく真剣だな、昔から」
-
デスエン「な、なにを…」
レイア「なんか仲間が居ないとか、どうとか言ってたけどよぉ…
居るだろ、オレたちが。」
デスエン「!」
レイア「少なくともここに集められた11人はお前と組むのを嫌がってないぜ。だろ?」
デスエン「……!!」(みんな…俺としっかり目を合わせて頷いてくれるなんて…)
レイア「タッグを誰と組むか、そもそも出場できるのかは確かに分からねえ」
レイア「でもだからって卑下なんかせずに、いつでもオレたちを頼ってくれ」
レイア「何よりも太い、戦友っつう線でオレたちは結ばれてるんだからよ!」
-
デスエン「お、おお……」グスッ
デスエン「みんなあ…すまないっ。俺が間違っていた…ッ」
デスエン(そうだ…何を出れないからと諦めていたのだ俺は!)
デスエン(不屈の皇帝デスエンペラーの心は決して折れることは無い!)
デスエン(また一から、ダブルスに向けての特訓をコツコツやっていこう!)
エルバン「☆…笑顔が戻ったみたいだね」
BJ「暗いデスエンとかあんまり見たくないから良かったヨ」
デスエン「ふ、ふふ…クククッ! ああ、心配かけて悪かったな!」
デスエン「死の皇帝Φデスエンペラー、ここに復活だ!!!」
レイア「いやー良かった良かった」
みんな「――じゃあ、行こうか」
デスエン「…………えっ?」
-
エルバン「★ボクたちを勝手に攫っておいて、さようならで終わると思った?」
天才「あ〜! なんかすごくお腹が空いたなぁ〜!!」
レイア「そういやオレ、昨日から山で修行してて何も食って無かったぜ〜!」
ポイゾネ「ほら、レイアも天才君も減ってるみたいだから…ご飯を食べに行こうか」
卍「いま十字軍から教えてもらったけど…良い焼肉屋さんだなぁおい」
デスエン「あ、ああ、あああああ」
リアリエ「あいつには元々驕る予定だったんだから、少し人数が増えても…なぁ?」
BJ「もしもし。はい。予約してた者ですが、追加で10人分の席お願いシマス」
殺意「悪いが俺の口は一番高い肉しか受け付けないんだけど…仕方ないよね」
神様「ワッハッハ! 仕事の前に栄養補給! 沢山食べますぞ〜!」
下目「安心してよデスエン…………貯金残高の桁が一つ減るくらいで済むから」ニコッ
デスエン「ああああああああぁぁぁぁあああぁぁあああああああ!!!!!!」
――その後、外に出た彼らはお腹いっぱいになるまで焼肉を食べたとさ。
END
-
空色「…………Φデスエンペラー、か」
空色「良くも悪くも話題になり続ける男……」
空色「我が“同士”となり得る素質は充分にある」
空色「もしも願いが叶うのならば――
次のタッグ大会で組んでみたい所だな。」
空色「我と共に、大会で嵐を巻き起こそうぞ!」
空色「ふふふ……はーっはっはっは」グー
空色「! ……そろそろ我も向かうか、焼肉屋に」
-
これにて完結です。半年以上かけてすみません。
当初の予定ではデスエン単独犯でしたが、まさかの第22回出場!
内容が内容だけに十字軍も出したかったのと試合前に終わらせたくて…
好きなチームいっぱい書けて楽しかったです。ありがとうございました〜
-
お疲れ様でした!
このデスエン可愛いなw
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