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[SS] [自称]妹の戦慄
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今回はホラー(のつもり)です
短いのでサクッと読めると思います
例によってハイドンピーの他作品と世界観は同じですがあんま気にしないで大丈夫です
よろしくお願いします
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「ワアアアアアアア!!!!」
ここは第八回大会真っ只中のCPUトナメ会場。
妹「お兄ちゃんたちー!応援ありがとーっ!」
そのステージ上で歓声を浴びるのは、たった今最果てのスケベ心との試合を終え、四勝一敗という好成績で予選を突破した期待のルーキー、[自称]妹だ。
スケベ心「Oh…ボクのcomplete defeatだよ!You're very strongだね!」
妹「スケベお兄ちゃんもカッコよかったよ!いい試合だったね!」
二人は握手を交わし、ステージを降りた。
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潜む母「おめでとう妹ちゃん」
選手控え室に戻ると、妹と同じ赤ヨッシーである学校に潜む母の姿があった。
妹「母お姉ちゃん!見にきてくれてたの!?ありがとう!」
潜む母「フフ、母お姉ちゃんって、どっちかにしなさいよ。お母さんでもいいのよ?」
妹「うーん、でもあたし、お兄ちゃんお姉ちゃんたちはみんな平等に大好きだから、特別扱いはしないって決めてるの!だから母お姉ちゃんもお姉ちゃんだよ!ウフフフ♡」
潜む母「そ、そーなのね(ややこしい…)」
妹「エロお姉ちゃんと弟お兄ちゃんたちは?」
潜む母「ウチの子たちもテレビで観てたハズよ。あの子たちも相当CPUトナメ好きだから(弟お兄ちゃんって何…?)」
妹「えーっ!どうして会場まで来てくれないのー?」
潜む母「もう、ワガママ言わないの。ウチ結構遠いし、あの子たちも学校の宿題あるんだから」
妹「あ、そっか。魔法学校に通ってるんだっけ、昼間お兄ちゃんの」
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潜む母「ええ。エロい姉はすっごく優秀でね、なんともう卒業後に魔法学校の教師として働くことが決まったのよ!あ、勿論しばらくは研修生だけどね!それに幼き弟も、ついに魔法を一つできるようになったのよ!いつもソーセージに頼りっきりだったあの子が…!」ホロホロ…
妹「へぇー、すごいねー!」
嬉しそうに家族のことを話す母に、笑顔で相槌を打つ妹。
だが、その瞳の奥は笑っていなかった。
なぜなら彼女は十年ほど前に家族と離れ離れになっているからだ。
以来、ずっと兄を探し続けてきたが、未だその手がかりすら掴めてはいない。
そして母はすぐにそれに気付いた。
潜む母「…妹ちゃん、この後ウチに泊まって行かない?ご飯も用意するわよ」
妹「えっ!いいの!?」
潜む母「フフ、勿論よ。だって私があなたのお姉ちゃんなら、妹ちゃんだって家族の一員でしょう?」
妹「母お姉ちゃん…!ありがとう!じゃあ行く!!」
潜む母「決まりね!それじゃ急いで帰りましょう!」
母の気遣いで妹は母の家へと招かれた。
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妹「お邪魔しまーす」
幼き弟「あ!妹さん!予選突破おめでとー!」
エロ姉「ウフフ♡すごかったわ♡」
妹「ありがとー!」
ソーセージ「今大会、ウチは一家揃って出れなかったからな。[自称]とは言え、"ファミリーズ"が活躍してるのが見れて嬉しいぞ」
妹「何?そのファミリーズって」
ソーセージ「家族の名前が入ってる選手のことさ。母、姉、弟、妹、兄…今のところこの五人だ。煙草マスターの子は"子"の部分が家族に当たるかどうか、現在審議中だな」
妹「審議中って誰が?」
幼き弟とソーセージ「僕たち」
妹「お兄ちゃんたちだけっ!?ファンの間の通称とかそういうのじゃないんだ…」
エロ姉「あれ?でも兄なんていたかしら…」
妹「たくさんいるよ!」
エロ姉「いや、そうじゃなくて…選手名に兄がつく人っていた?」
幼き弟「え?あれ、たしかに…なんで兄なんて入れたの?ソーセージ」
ソーセージ「おっかしいなぁ…うっかりしてた。母、姉、弟、妹の現在四人だな!」
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それからファミリーズはしばらく談笑し。
潜む母「さっ、ご飯できたわよ!妹ちゃんも遠慮せずたくさん食べていいからね!」
母がテーブルに料理を並べる。
妹「わあっ!美味しそう!いただきます!」
弟姉ソ「いただきまーす!」
妹「うわこれ美味しい!母お姉ちゃん、すごい料理上手なんだね!」
潜む母「えっへん!これでもかれこれ二十年以上お母さんやってますから!(まあ全部レトルトだけど)」
妹「すごいなあ、憧れちゃう!」
エロ姉「ちょっと待ってお母さん、私まだ未成年よ?二十年以上なわけないじゃない」
潜む母「あら?確かにそうね。なんでこんなこと言ったのかしら、私ったら…」
幼き弟「あはは、ソーセージのうっかりはお母さんに似たのかな」
ハハハハハハハハ…
話は弾み、夜は更けていく。
妹は久しぶりに賑やかな家庭の温もりを感じていた。
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潜む母「じゃあ電気消すわよ」
妹「はーい」
妹は母の部屋で並んで寝ることに。
潜む母「おやすみなさい、妹ちゃん」
妹「おやすみー」
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ぱち…
妹は真夜中に目を覚ました。
妹「トイレトイレ…」
隣の母を起こさないよう静かに立ち上がり、真っ暗な廊下を手探りで進んでいく。
妹「えーっと…たしかこの辺だったはず…」
ガタンッ!!
妹「ウワッ!?」ビクゥ!!
突然の物音に、妹は思わず声を上げる。
コロコロ…
と、先端に星のついた杖が足元に転がってきた。
妹「ふぅ…なんだ、スターロッドか…」
幼き弟は戦う力を持たないため、今後いつエロマスや魔の一族のような者たちが暴れ出しても身を守れるよう、スターロッドを装備することにしたのだ。
妹「まったくもう…大事なものなんだからこんなとこに立て掛けてないでちゃんとしまっといてよね……あーびっくりした…」
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妹は一息つくと、壁に手をついて辿りながら、再びトイレを目指す。
ヌル…
妹「ひっ!?」ビクゥ!!
壁の一部がヌルヌルしていた。
妹「な、何これ…?」
その粘液の正体を探るべく、手についたそれを嗅いでみる。
妹「くさっ!ソーセージ汁じゃん!もう!こんなとこにぶっかけたまま放置しないでよ!」
それはソーセージが興奮した際に撒き散らす謎の白い汁だった。
妹「はあ…まったくもう…こんなことなら泊まらなきゃよかった……あ、トイレ…やっと着いた…」
それから妹は用を足し、母の部屋へと戻る。
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が、そこには。
妹「…あれ…?」
母の部屋のドアが無かった。
妹「え…?こっちじゃなかったっけ……?」
もう少し奥へと進んでみると、壁に突き当たる。
妹「あれ…?いやいや…廊下は一本道のはず…通り過ぎちゃった?」
妹は廊下を引き返す。
が、やはりドアは無い。
妹「そ…そんな…エロお姉ちゃん!弟お兄ちゃん!!」
すぐに二人の部屋へと走る。
が、その二人の部屋のドアも、どこにも無かった。
妹「は!?え!?ど、どうなってんの!?」
妹は暗い廊下の中に、一人取り残された。
妹「ちょ、ちょっとみんな!何なの!?ドッキリ!?」
静かな闇の中で、だんだんと恐怖が募っていく。
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妹「い…いいもん!こんな趣味の悪いイタズラするなら帰っちゃうから!」
ダダダダダダダッ!!
妹はそのままダッシュで玄関まで駆け抜ける。
が。
ダダダダダダダ…
妹「…はぁ…はぁ…」
ダダダダダダダ…
妹「…あれ…?廊下…長すぎない…?」
どれだけ走っても、同じ景色が続いていた。
妹「何なの…!?何なのよー!!」
アハハハハ…
妹「!?」
突然どこからか聞こえてきた笑い声に、妹はびくりと体を硬直させる。
妹「だ…誰…!?」
フフフフフフ…
妹「な、何笑ってんの!!趣味悪すぎ!!こんなイタズラしてさ!!」
恐怖を隠すように、妹は声を張り上げる。
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ギシッ…
妹「!!」
廊下の先から床の軋む音が聞こえ、振り返る。
ギッ……ギッ……
少しずつその音は妹の方へ近づいてくる。
暗闇の中で、その正体は見えないが、確かに何かがそこにいる。
妹「な…何…」
妹は震えながら後退りする。
が…
妹「え…?」
今まで走ってきた筈の廊下は消え、背後は壁になっていた。
妹「な、何で…」
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ギッ…ギッ…
逃げ場を失い狼狽える妹をよそに、軋む音は更に近づいてくる。
妹「や……やめて…!来ないで!いやああっ!」
妹はもはや吠えることしかできない。
そしていよいよほんの数メートル先にまで近づいてきたところで、闇の中に潜んでいた者の姿が露わになる。
妹「…え…?」
そこで妹が見たものは。
妹「…お……お兄ちゃん……?」
妹と同じ赤ヨッシー。
幼い頃に共に暮らし、そして離れ離れになった、大好きだった兄の姿だった。
兄「…妹…会いたかった……大きくなったな…」
妹「お兄ちゃん…!」
妹は先ほどまでの恐怖など全て忘れて、涙を流していた。
ギュウゥゥッ!!
そして兄に抱きついた。
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兄「…怖い思いをさせてしまったな……お前に会うためには…俺はこうするしかなかった……」
兄も妹を強く抱き締める。
妹「ウフフッ…温かい…この感じ、懐かしい…本当にお兄ちゃんなんだね…」
兄「ああ…」
妹「…でも、今まで一体どこにいたの…?」
兄「…全てを話そう……」
兄は真剣な表情になり、話し始める。
兄「十年前のあの日…"奴"が現れて、俺たち家族が離れ離れになった後…しばらくして俺は正気を取り戻し…お前だけは護りたいと、ずっと探していた……」
妹「あ、あたしもだよ…!でも全然会えなくて…」
兄「ああ……俺は……捕まっていたんだ…」
妹「え…!?」
兄「犯罪を犯したわけじゃない……捕まったのは、家畜としてだ…」
悲痛な顔で、兄は打ち明けた。
妹「か、家畜…!?」
兄「俺たちヨッシー族は、未だに"人"と同列に扱われない差別が続いている……ピカチュウ、プリン、ドンキーなどもそうだ…人語を獲得したのが他の種族よりも遅かった…ただそれだけで…俺たちをまだ動物扱いする奴はたくさんいる。特に、裏社会の連中は…」
妹「そんな……で、でも今ここにいるってことは、逃げ出してこれたってことだよね…?もう、そんなクズのところにいなくていいんだよね…?」
兄「まあな…ある男が俺をそこから出してくれた…」
妹「ある男?」
兄「…そいつは、家畜として囚われていた俺の前に、突然現れたんだ…どこから来たのか、何者なのかも分からない……だが俺と似ている気がした……そしてそれはそいつも同じだったんだ…」
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妹「どういうこと…?」
兄「そいつはこう言った……"お前も兄ならば、妹を護りたいだろう"と。何が起きているのか…そいつが何者なのか…極限状態になった俺の生み出した幻想なんじゃないかとすら思った……それでも俺は…その問いに、頷いた。お前だけは、護りたかった……」
妹「お兄ちゃん…」
兄「そして、次の瞬間…俺は消えていた…」
妹「…え…?」
兄「俺という存在は消滅し……その男と融合した」
妹「ゆ、融合!?は、話がよく分からないよお兄ちゃん…」
兄「無理もない…だが全て事実だ……その男は、"兄"という概念そのものだったんだ……」
妹「が、がいねん…」
兄「遥か古より…そいつは存在していた……そして、この世に生きる"兄"と同化し続けることで、その存在を保っている…」
妹「話が壮大になってきたような…」
兄「"幻想"の中に、そいつは住んでいる…」
妹「幻想…?」
兄「通常では観測できない謎の空間だ……そして、この世の平穏を脅かすような存在が現れると、幻想へ引き摺り込む……言わばこの世のバランサー…そして幻想の番人…ある種、神のような存在だ…」
妹「えっと…それじゃあその人と融合したってことは、今はお兄ちゃんも神様みたいな存在…ってこと…?」
兄「そうなるかな……お前に会えなかったのも、その男の中で、俺の意識がずっと眠っていたからだ……融合した時に自我が失われたんだ……それでも、俺はお前と会いたいという強い思いで、自我を呼び覚ました…」
妹「それじゃあ、私に会うためにこうするしかなかったっていうのは…」
兄「意識はあっても、俺に自由はない……だから、お前を幻想へと迷い込ませることでしか、会う方法が無かったんだ…本当にすまない…」
妹「じゃあ…ここは幻想の世界なんだ…」
兄「…ああ…本当に…すまない…」
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妹「ううん、いいの!ちょっと怖いのガマンするだけでお兄ちゃんに会えるんなら、あたし、いくらでもガマンするよ!」
兄「本当に……すまない……」
妹「謝らないで。あたしだってお兄ちゃんにずっと会いたかったんだもん。だから、またいつでもあたしを幻想に連れてきてよ!」
兄「……すまない……」
妹「…お兄ちゃん?」
兄「すまない……お前はもう…幻想からは出られない」
妹「…え…?」
兄「どうしてもお前に会いたかった…」
兄「お前を生け贄に……幻想から出るために」
妹「…は?」
兄は血走った目を見開いて、妹の肩を強く掴んだ。
妹「い、痛っ…!!お、お兄ちゃん!?どうしたの!?」
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兄「嬉しいよ妹……やっと…やっとここから出られる…!幻想から抜け出すためには、一番大事なものを差し出さなければならない!」
妹「な、何言ってるの…!?」
兄「何よりもお前のことを思っていたからこそ、お前という生け贄が必要なんだ!なぁ!分かるだろ!?」
妹「わ、分かんないよ!」
兄「何年も何年も何年も…!この狂った空間に閉じ込められ、身動き一つ取れない!!その恐ろしさが分からないのか!?」
妹「分かんないってば!」
兄「ははははははは!!!分からないか!!そうか!!どうだっていい!!幻想に引き摺り込んでしまえばもう…!」
妹「!!」
兄「…………!?」
気付くと、兄の胴体に大きな風穴が開いていた。
妹「お、お兄ちゃん!?」
兄「…なん……だ……?……これは……」
兄はその穴を確かめるように、自分の体をぺたぺたと触る。
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???「お前は選択を間違えた」
どこからともなく、声が聞こえる。
妹「だ、誰…!?」
兄「…き…さま……!」
その瞬間、真っ暗だった空間は全てがピンク色に染まった。
妹「なに…?何が起きてるの…」
???「お前が幻想の外へ出たがっているのは、融合している俺にも勿論、伝わっていた」
妹「も、もしかして…お兄ちゃんが言ってた、幻想の番人…?」
兄「…あ…ぁ…!」
???「お前は自分の力で妹を幻想へ引き摺り込んだと思い込んでいるようだが…違う。俺がそんな勝手を許す筈がないだろう」
兄「なん……だと……?」
???「お前の思いに応え、力を貸してやったまでだ。"一番大事なものを差し出す"という、幻想から出る条件…誰に聞いたわけでもなく、お前は理解していただろう。それは俺と融合した瞬間、全ての兄に刻まれているものだからだ」
兄「そ…それが…なんだ…」
???「そしてその条件を、お前は破った」
兄「なん…だと…?ふ…ふざけ…るな…!おれは……ほんとうに………っ!!」
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???「お前は、妹より自分を取ったんだ。お前の一番大事なものは、お前自身だ」
兄「…な……うぁ……!」
気付けば兄の体に開いた穴はどんどん広がっていた。
妹「お兄ちゃん!お兄ちゃんっ!!お願いやめて!お兄ちゃんを消さないでっ!!」
妹は兄に縋りつき、泣き叫ぶ。
兄「い…妹……」
???「お前に兄を名乗る資格は無い」
ボッ…
兄は消滅した。
妹「…なんで……!なんで…こんなこと……」
妹は膝をつく。
???「お前の兄は、あと数秒の命だった」
妹「……?」
???「俺と融合していなければ、あの家畜小屋の中で死んでいた。その時、お前の兄は消えゆく意識の中で、お前のことだけを思っていたよ。だからこそ、俺は融合することを決めたんだ」
妹「なに…それ…」
???「お前の兄は、本当にお前を愛していた。今日、お前の兄がもし、お前の顔を一目見て"さよなら"を言ったなら…解放するつもりだった。だが……本当に残念だ」
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妹「だ…だからって…!消すことないじゃん…!!」
???「お前の兄は、お前を身代わりにしようとしたんだぞ?」
妹「別にいいよ!すごい無理やりだったから思わず拒否っちゃったけど…!あたし、ちゃんと頼まれたら身代わりでもなんでもなってあげたのに…!!」
???「…兄想いの良い妹だ。案ずるな。完全に消滅したわけじゃない」
妹「えっ!」
???「今消えたのは自我だけだ。残滓はまだ、俺の中にある」
妹「ざ…残滓って…!自我を消したなら…死んだも同然でしょ…!?」
???「仕方のないことだ。"兄"は弟や妹を護るために存在する。それを自分の身代わりに使うことは、絶対にあってはならない。それがルールだ」
妹「意味わかんないよ!納得できない…!!」
???「幻想とはそういうものだ。心配するな。お前もじきに忘れるさ。むしろこれまで、よくぞ兄を追い続けたものだ。俺と融合した時点で、完全に記憶から消えていてもおかしくないのだから」
妹「あたしは…忘れないよ。ゼッタイ、忘れないから…!!」
???「フッ…」
そして次の瞬間、幻想の空間を光が包み込んだ。
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潜む母「おはよう、妹ちゃん」
妹「ん……おはよう母お姉ちゃん」
妹は母の部屋で目を覚ました。
潜む母「ってどうしたの!?そのアザ!」
妹「アザ…?」
肩を見ると、掴まれた跡が残っていた。
潜む母「昨日の試合中についたのかしら…昨日までは無かったけど、後から出てくることもあるし……あれ?でもたしかステージの上は仮想空間っていうのになってるのよね?一体いつ…ってそれより治療しないとね!ちょっと待ってて、救急箱持ってくるわ!」
妹「ウフフ、大袈裟だなぁ。これくらい大したことないって……ううん、むしろ…このアザは、残しておきたいくらい」
潜む母「なーに言ってるの!まさか自傷癖でもあるんじゃないでしょうね!ダメよ、体は大切にしなくちゃ!」
妹「はぁい。ウフフ」
母は妹のアザに薬を塗り、包帯を巻く。
潜む母「さて、それじゃ朝ごはんにしましょ!」
妹「うん!」
それから食卓を囲んで朝ごはんを食べ。
学校へ行くエロい姉と幼き弟たちを見送り。
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潜む母「もう行っちゃうのね。もうちょっといてもいいのよ?ふふ」
妹「ありがと、母お姉ちゃん!ご飯すっごいおいしかった!また来るね!」
潜む母「ええ、いつでもいらっしゃい」
妹「それじゃあ、またね!」
そして妹は母の家を出た。
しばらくして、妹は立ち止まった。
妹「…何か忘れてる気がする。何か…大切なことを…」
立ち止まったまま考え込む。
そして。
妹「まいっか!今日もお兄ちゃん探しがんばるぞっ!待っててね、お兄ちゃんっ!」
妹はまた走り出す。
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???「お前は家族に会わなくて良かったのか?」
幻想空間の中で、声が響く。
???「あの家には、お前の妹と弟もいた筈だ」
???「いいさ。会えば俺はきっと、ここから出たいと願ってしまう。また家族と共に暮らしたいと思ってしまう」
???「それが当たり前だろう」
???「だが、俺は"幻想の兄"として生きていくことを決めたんだ。幻想から出れば俺は力を失い、ただの人間に成り下がる。それでは、妹や弟を護れない」
???「そうか…」
???「そう言えば、お前には家族はいるのか?」
???「いいや、とうの昔に死んでいる」
???「そうか、そうだよな。お前は大昔から存在しているんだ……なら、何故ここにいるんだ?護るべきものはないんだろう?」
???「あるさ」
???「何だ?」
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???「お前たちだ。俺と融合し、俺の中で生きているお前たちは…"兄"であると同時に、俺にとっては"弟"のような存在でもあるんだ」
???「なるほど…」
バゴォォォン!!
???「おっと、幻想が揺らいでいる…またあの男か…」
???「キング・オブ・妖魔…やはり危険な男だ。幻想に連れてきて正解だった」
???「だがこのままでは幻想までも破壊されてしまいそうだぞ」
???「ああ。果てしなく続く幻想の中で、あれ程に暴れる力を持っていたのはあいつくらいのものだ。鎮めに行くぞ」
???「ああ」
すると、幻想空間に漂う霧のようなものが一箇所に集まり。
それはやがて、桃ファルコンの姿になった。
???「行こう… 」
完
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というわけで の謎に迫る感じのお話でした
読んでいただいた方ありがとうございました!
ホラー要素少なすぎてこれでホラーを謳うの無理がありゃせんか、と投稿しながら思いましたがホラーということにしといてください
映像は頭に浮かんでも文章にして雰囲気まで出すのは難しいなぁと思いながら書いてましたがそれ以前にトナメキャラでホラーというのがもう難易度爆上げしてるかもしれない
他のSSも読んでくださると喜びます!
ではまたどこかで
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お疲れ様でした!
妖魔いつの間にか幻想に来てたんだ……
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面白かったです!
が解釈一致で良き
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>>26
ありがとうございます!
勇者ヨシオの冒険のラストで蘇った妖魔が地上で暴れようとしたところを に見つかり幻想につれていかれました
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>>27
ありがとうございます!
は別格の存在ですが完全無欠ではないし意外と人間味があって、兄として強い責任感と覚悟を持ち、しかしなによりも幻想のルールは絶対である…みたいなイメージです
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