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[SS]迅雷ワンダの陶酔
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はじめましての方ははじめまして
そうでない方もはじめまして
さくさく書いた日常系の短編です
よろしくお願いします
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迅雷ワンダ。
第三回から登場した黄色のマリオ族。
彼の繰り出す素早く激しい攻撃はまさしく疾風迅雷。
彼は強い。
だが一つだけ問題があった。
それは彼が、ナルシストだということだ。
今日はそんな彼の一日を追ってみよう。
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ワンダ「おはよう、アヌビス、ホルス」
飼い猫アヌビスと飼い犬ホルスに優雅な挨拶を交わし、ワンダはリビングへと向かう。
ワンダ「いただきます」
ワンダの一日は、一杯のカップラーメンから始まる。
ワンダのスポンサーを務めた会社のカップラーメンで、そのパッケージにはデカデカとワンダの写真が載っている。
これが俗に言う、"迅雷モーニング"だ。
ワンダ「ごちそうさま」
迅速に食べ終わると、すぐ洗面台で歯を磨き、そしてヘアスタイルとヒゲスタイルを整える。
特に稲妻のごときヒゲへのこだわりはとても強く、ミリ単位の調整を欠かさない。
巷で流行りの"迅雷スタイル"の産みの親として、手を抜くわけにはいかないのだ。
ワンダ「よし!完璧だ!美しい!」
スタイルが決まると、今度はジャージに着替え、外へ飛び出した。
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ワンダ「さて、行くか」
日課のランニングである。
と言ってもそこらのマラソンと同じにしてはいけない。
ファイターとしての強靭な肉体を生かし、およそ百キロメートルを一時間で走る。
そう、"迅雷ランニング"というわけだ。
ダダダダダダダ…!!!
エルバン「☆おはよう!今日も精が出るねワンダさん」
ワンダ「おはようエルバン」
そこへ合流してきたのは、赤ネスの☆爆走戦士エルバン。
エルバンとはランニング仲間なのだ。
エルバン「☆今日はどこまでにする?」
ワンダ「今日は野球の日なんだ。球場まで行こうか」
エルバン「☆了解。それじゃ、よーーい…ドンッ!」
二人はいつもこうして競争している。
ワンダ曰く、"迅ライバル関係"だ。
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それから一時間後。
エルバン「☆とうちゃーく!!フフ、僕の勝ちだね」
ワンダ「ふぅ…さすがは爆走戦士。走力では敵わないか」
エルバン「☆でも今日はギリギリだったよ。そのうち抜かれちゃうかも。やっぱり凄いやワンダさん」
ワンダ「フッ…そうだろうそうだろう!何せオレは疾風迅雷の脚を持つ男!」
百キロ走ったとは思えない程、二人とも涼しい顔をしている。
特にワンダは"迅雷スタイル"が一切崩れていない。
スタイルが崩れぬように気を遣いながら走っていたのだ。
これだけでも途轍もないポテンシャルを秘めていることが分かる。
エルバン「☆それじゃ、野球頑張ってね!」
ワンダ「ああ、ありがとう!」
エルバンは先ほどまでと全く変わらぬスピードで走り去っていく。
きっとまた誰かと競争しに向かったのだろう。
彼もまた無尽蔵の体力を持つファイターなのだ。
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そしてワンダは球場の中へと向かった。
キャアアアアアア!!!!
入場と同時に、すさまじい歓声が響く。
ワンダ「フッ、朝から随分と客席が賑やかだな」
選手「そりゃそうですよ!ワンダさんが来るんすから!」
ワンダは数週間に一度、野球チームに助っ人として参加しているのだ。
ファンからは"迅雷ベースボール"と呼ばれる。
観客「ワンダさまー!こっち向いてー!」
ワンダ「フッ」
観客「きゃーーーーっ!!」
ワンダは客席に向かって流し目で微笑を向ける。
ズズズッ!
更にマリオ族特有の巨大化アピールを見せつけた。
観客「ステキーーーーっ!!」
ワンダは誰よりも自分の魅力を理解している。
そしてその魅力を多くの人たちに知ってもらいたい。
だからこそファンサービスを惜しまないのだ。
言うなればこれは、"迅雷ファンサービス"である。
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それからストレッチや練習を挟み、いよいよ試合が始まる。
三人の打席が終わり、四番のワンダに打順が回ってくる。
ワンダ「さあ、オレの出番だ。オレを見ろ。オレが主役だ!」
ワンダはいつも通り、自信満々に打席へ向かう。
が。
ワンダ「…なんだ?ピッチャー交代…?まだ一回だぞ?」
ワアアアアアアアアッ!!!!
ワンダ「何だこの歓声は!?オレ以上のヤツがいるというのか!?」
ザッ…
マウンドに立ったのは、髪をポニーテールにした筋肉質な褐色美女。
ワンダ「女…?」
卍「迅雷ワンダ。お前と初めて戦うのが野球だとは思わなかったぞ」
ワンダ「その声…ムッコロズか…!?」
それは黒サムスの卍黒きムッコロズであった。
卍「投擲力を鍛えるために始めたんだ。だが野球というのはなかなかどうして難しい。まだ一度も勝ててないんだ」
ワンダ「お前ほどのヤツがか…?」
卍「ああ。理由は簡単だ…」
ムッコロズはボールを振り被り。
ゴォッ!!
投げた瞬間、ボールは一瞬でミットのど真ん中に突き刺さり、キャッチャーごと吹き飛ばしていた。
ワンダ「…!?」
卍「誰も受け止められないんだ。これでは野球にならない…」
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ワンダ「…フッ、なるほどな。面白い!」
卍「何?」
ワンダ「今回はキャッチャーを気にする必要はない。なぜならこのオレが弾き返すからだ!」
卍「…!随分自信があるようだな…ならば受けてみろ!!」
再びボールを振り被り。
ワンダ「迅雷…」
ゴォッ!!
ワンダ「ワンダホームランッッ!!」
カキィィィン!!
ボールは見事打ち返され、まさしく迅雷の如きスピードでバックスクリーンに突き刺さった。
…ワアアアアアアアアッ!!!
あまりのスピードに理解が遅れていた観客席が、少し間を置いて、一際大きな歓声を上げる。
卍「なっ…」
ワンダ「フッ、見たか。これが"迅雷ワンダホームラン"だ」
卍「……流石だな、迅雷ワンダ」
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その後審判や互いのチームの監督たちと相談し、ワンダの時だけムッコロズが投げるという特別ルールが適用された。
そして六時間に及ぶ激闘の末、三十三対四でワンダのチームが勝利を収めた。
ムッコロズが投手ではなく打席に立っていれば、結果はどうなっていたか分からなかっただろう。
卍「ありがとう。全力で投げられる相手に会ったのは初めてだ」
ワンダ「フッ、こちらのセリフだ。久し振りに打ち甲斐のあるナイスボールだったよ」
卍「次はそう簡単には打たせない。変化球も覚えてきてやる」
ワンダ「それは楽しみだ」
二人は熱い握手を交わし、解散した。
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軽く昼食をとった後、次にワンダが向かったのはサッカー場だった。
ワンダは月に一度ほど、サッカーチームに助っ人として参加している。
そう、"迅雷サッカー"だ。
ワンダ「ふむ…少し早く着きすぎたな。予定では夕方からだからな。流石にまだ誰も来て…ん?」
ふとボールを蹴る音が聞こえ、コートへと駆け寄る。
ゲン「ん?おお!ワンダじゃあないか!」
ワンダ「お前は…ゲン!」
それは紫ファルコンの[世界第1位]ゲンだった。
ワンダ「なぜお前がここに…」
ゲン「はっはっは!助っ人に来たのさ!そう言えばお前も色んなスポーツの助っ人をやっているんだったな!」
ワンダ「ああ。しかしなんでまたサッカーを?お前にはF-ZEROがあるだろう」
F-ZEROとは、F-ZEROマシンと呼ばれる機体に乗り、時に音速を超えるスピードで展開するレース競技だ。
ゲンはその大会で千連覇するほどの実力を持つ、自他共に認める[世界第1位]のドライバーなのだ。
ゲン「キックの練習のために最近始めたのさ。[世界第1位]として、デスエンや吐き気に負けていられないからな!」
ワンダ「なるほどな…お前が強くなったのはそういうカラクリか」
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ゲン「とは言え慣れてしまえば普通のプレイヤーでは相手にならなくなってしまって、つまらないと思っていたところだ!お前が相手なら退屈しなさそうだな!はっはっは!」
ワンダ「フッ、望むところだ」
選手「あ!ゲンさんワンダさん!もういらしてたんですね!控え室はこちらになります!」
二人は同じ控え室に案内された。
ワンダ「…同じチームだったのか」
ゲン「はっはっは!まあそういうこともある!」
ワンダ「そうだな。同じチームならば、どちらが多く点を取るか勝負といこうじゃないか」
ゲン「いいな!そうしよう!」
バンッ!!
???「それはどうかなっ!」
ドアを勢いよく開けて入ってきた女性。
ワンダ「…誰だ?」
ゲン「さあ?」
ウシ「モォォォォォォォ!!」
ワンダ「うお!ウシ!?」
女性の隣には、青ドンキーの動物園のウシの姿があった。
???「私はウシくんの飼育員です!」
ワンダ「なぜウシがここに…?」
飼育員「ふふふ…なんと今回ウシくんがゴールキーパーを務めるのです!そう簡単に点は入れさせませんよ!」
ウシ「モォォォォォォォ!!」
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ゲン「はっはっは!なるほどな!これは手ごわい相手だ!点取り競争などと言ってられないかもしれないな、ワンダ!」
ワンダ「フッ、相手にとって不足はない。しかし本当にゴールキーパーなどできるのか?」
飼育員「もちろんですよ!ウシくんこれでも結構頭いいんですから!第十回、十二回と活躍したお陰で、イベント、スポーツにとヒッパリダコ!笑いが止まりませんなぁ!あはははは!」
ウシ「モォォォォォォォ!!」
選手「あ!ウシさんも御到着ですね!どうぞどうぞ、中へ!」
飼育員「え?」
ウシと飼育員も背中を押され、控え室へ詰め込まれる。
ワンダ「…お前も同じチームか…」
ウシ「モォ…」
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それからしばらくして試合が始まった。
やはりと言うべきか、ゲンとワンダが圧倒的すぎて相手はボールに触れることすらほとんどできず、一方的な試合展開となった。
そして後半、残り一分。
ワンダ「五十対五十…ここまで拮抗するとはな」
ゲン「はっはっは!時間的に次の一点を決めた方が勝ちだな!」
ワンダ「ああ」
ピーーーッ!!
ホイッスルが鳴る。
相手チームがボールを蹴り出す。
ワンダ「はっ!」
ワンダは一瞬でそのボールを奪い去ると、一直線にゴールへ走る。
相手チームには誰一人追いつける者などいない。
しかし味方にはいた。
ゲン「甘いぞワンダ!」
ワンダ「!!」
ズドォッ!!
ゴール前まで行ったところで、ゲンは横からワンダのボールを蹴り上げた。
ボールは遥か上空へ。
ゲン「あのボールを取った方の勝ちのようだな!とうっ!!」
ワンダ「はあああっ!!」
ボールが落ちてくるのに合わせて二人は跳び上がり。
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バゴォォッ!!
シュートを決めたのは、ゲンだった。
見事なオーバーヘッドキックが炸裂し、ゴールの網を貫いた。
ワンダ「い、今のはまさしく浦安…!」
ゲン「はっはっは!どうだ!これが[世界第1位]の力だ!」
ピーーーッ!!
そこで試合終了のホイッスルが鳴った。
ワンダ「フッ…完敗だ」
選手「いやド圧勝ですけどね」
ワンダたちのチームは百一対ゼロで勝利を収めた。
選手たちはドン引きであった。
飼育員「……ウシくんの出番は!?」
ウシ「モォォォォォォォ!!」
相手がシュートを打つ機会など一度たりとも無かったため、ウシはただゴールの前に立っているだけのウシであった。
ゲン「はっはっは!ウシにはすまないことをしてしまったな!今度はF-ZEROに挑戦してみないか!?」
ワンダ「さすがに無茶だろう…」
ゲン「はっはっはっはっは!」
ウシ「モォォォォォォォ!!」
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それからワンダはとある店へ向かった。
テレビ番組などでも取り上げられる、大盛りで有名な飲食店である。
ワンダ「超盛りセットを頂こうか」
ワンダはこの店で最もヤバいと言われるメニューを頼んだ。
ワンダは大食い界隈で知らぬ者はいない大食漢で、"迅雷イーター"の異名を持つ。
強力な胃袋、"迅ら胃"がどんな食べ物もすぐに消化してしまうのだ。
パタ「俺もこの人と同じのを頼む」
ワンダ「ん?パターソンじゃないか」
パタ「ども…」
ワンダの隣の席に座ったのは、紫フォックスの悲しみのパターソン。
ワンダ「お前も大食いに興味があるのか?」
パタ「いや、やけ食いだ。ドドンは言わずもがな、ギル姐も勝てはしなくても良い動きをして順調にファンを集めてる…なのに俺ときたら、何の結果も残せてない…悲しみ…」
ワンダ「なるほどな。気持ちは分かるぞ。だがあまり自分を責めるな。お前がこれまで積み上げてきたものをお前自身が否定しては駄目だ」
パタ「んなこと言ったってやっちまったもんは戻ってこないんだよ…次の出番は何年先になるか…」
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ワンダ「確かにそうだ。お前たち紫フォックスは拮抗しているしな。だが出番が無いからと言って何もできないわけじゃない」
パタ「はぁ?何ができるってんだよ…」
ワンダ「特訓さ。自分を磨いて磨いて磨き抜く。完璧な人間などいない。だからこそオレたちは無限に自己研鑽を続けられるんだ。そしてひたむきな努力は、いつか必ず報われる」
パタ「そんなの綺麗事だろ…」
ワンダ「いいや、そんな事はない。なぜならオレは自分を愛している」
パタ「意味わかんねぇ…」
ワンダ「フッ、信じられないだろうが、オレもかつてお前のように…いやお前よりも遥かに小さな男だった。あ、身長の話じゃないぞ。自分の力を信じられず、自分の粗探しばかりして、部屋の隅で縮こまっていた」
パタ「え?」
ワンダ「まあ、いわゆる引きこもりのニートというヤツだ」
パタ「…意外だな…」
ワンダ「だが、一人の男がオレを変えてくれた。トナメが始まるより前、魔族が街に襲来した時の事だ。家を壊して侵入してきた魔物に、引きこもりだったオレはなすすべもなく喰われかけた。それを助けてくれたのが、絶望のリア・リエだったんだ」
パタ「…!」
ワンダ「アイツはオレを見て言った。"戦わなくていい。だが抗え"とな。現状から目を逸らし、後ろしか見ていなかったオレに呆れたんだろう。あの時、アイツはアイツで絶望という壁にぶつかっていたが、それでも前に進もうと必死に足掻いていた。その姿を見て、オレは立ち上がった…立ち上がらなければならないと思い知った…!」
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パタ「でもそんな簡単にいく訳ないだろ…それともアンタもまた天才だったってか?」
ワンダ「フッ、まあな。だがそれはお前も同じだろう?パターソン」
パタ「は…?」
ワンダ「オレたちファイターの血筋は皆そうだ。あのヨシオくんですら、一般人に比べれば遥かに強い。これを天才と言わず何と言う」
パタ「…まあそりゃ身体能力はそうかもしれないが…精神面は別だろ…?」
ワンダ「そうだな。オレもすぐ立ち直れた訳じゃない。ただオレはそれまで探してた自分の粗を、一つ一つ、虱潰しに克服していっただけだ。そして段々と自分を信じられるようになった」
パタ「そういうモンかね…」
ワンダ「そうだ。自信をつけるためにはまず行動しなければならない。自信がつけば自ずと行動できるようになる。最初の一歩は難しいかもしれないが、お前なら出来るはずだ」
パタ「何なんだよその謎の俺への信頼は…」
ワンダ「何故ならパターソン、お前はオレが引きこもっていた時には既に宇宙で活躍していた。文句を言いつつもちゃんと自分の出来ることをこなしていた。お前は確実にオレより一歩先を行っているんだ」
パタ「そんな事ねえよ…トナメ参戦も俺の方が後だし、決勝トナメにも行けてねえ…悲しみ…」
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ワンダ「フン。まあ考え方は人それぞれだ。オレからのアドバイスなど聞かなくてもいい。だが、一つだけ言える!お前は凄い!」
パタ「何が凄いんだ…?」
ワンダ「このオレがお前を認めている!その事実が凄いんだ!」
パタ「…はあ?」
ワンダ「フッ、この凄さが分からないうちはまだまだだな」
パタ「どっちなんだよ…」
ワンダ「どっちでもある。お前は凄いし、まだまだだ。まだまだという事は伸び代があるって事だ。お前はもっと前へ進めるし、上へ上がれる筈だ。それだけの力は持っている」
パタ「……まあ…そうかもな…不貞腐れてたって何も始まらねえ…アンタの言う事も一理あると思うよ」
ワンダ「そうだろうそうだろう。自信が付けばそれがまた自己研鑽への活力に繋がる。オレはそうしてここまで成長してきたんだからな」
パタ「意識高えな…とてもアンタの真似はできねえわ」
ワンダ「他人の真似などする必要はない。自分のペースで進むんだ」
パタ「ああ。そうさせてもらうよ」
パターソンはやはり暗い表情のままだが、少しだけ笑みを浮かべた。
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ドンッ!!
店主「へいおまち」
山盛りの料理が二人の前に出された。
ワンダ「お、きたきた。いただきます」
パタ「え…?何これ…?」
その総重量は百キロを軽く超える。
ワンダ「ん?何って、超盛りセットだろう?自分で頼んだじゃないか」
パタ「…いやこんなヤベエとは思ってなかった…悲しみ…」
ワンダ「フッ、オレたちファイターならこれくらい食えるはずだ。さあ、どっちが早く食えるか勝負といこう!」
パタ「マジか…」
それから二人は超盛りを食べ始めた。
ワンダは三十分で完食。
パターソンは一時間で十分の一を食ったのち、ダウンした。
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ワンダ「ふうっ!今日もいい一日だった!」
膨れた腹を凹ますため、ワンダは夜のランニングを欠かさない。
これが"迅雷ナイトランニング"。
ワンダ「エルバンに負け、ムッコロズに勝ち、ゲンに負け、パターソンに勝った。勝率は五十パーセントか。フッ、まだまだ俺には伸び代があるな!どこまでも強くなれる!嬉しいことこの上ない!」
ワンダはとても晴れやかな表情で自宅まで走り切った。
ワンダ「ただいま、アヌビス、ホルス」
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こうしてワンダの一日は終わった。
一般人の尺度で見れば、劇的な一日だろう。
だがファイターとしての尺度で見れば、ごく平凡な一日だ。
ただ走り、スポーツに汗を流し、食らい、また走る。
自身のあらゆる行動に対し"迅雷"などと名付けているが、やっている事はごく普通のスポーツマン。
CPUトナメには色々なヤツがいて、そのほとんどが我々の想像を絶する人生を歩んでいる。
過酷な環境で修行を積む者。
ヒーローとして民の平和を守る者。
宇宙の平和を守る者。
裏社会で戦う者。
魔法の研究に励む者。
コンボの研究に励む者。
そんな中では、迅雷ワンダの毎日はあまりに平凡だ。
平凡なワンダがどうしてそんな超人奇人たちに立ち向かうことができるのか。
どうして戦い続けるのか。
簡単な理由がある。
それは彼が、ナルシストだということだ。
終
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最後まで読んでくださった方ありがとうございました!
ワンダは勇シオの冒険で出せなかったのでどこかで出したいなとずっと思っていました
やっと出せてスッキリしました
世界観は例によって全作共有しているのでもし気になったら読んでいただけると嬉しいです
次回はこれまでのSSに残しまくってた伏線みたいなのを回収していきたいです
それではまたどこかで
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乙です!
面白かったです
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迅ら胃とかのネーミングに笑ったww
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