したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

SSDMSet2幕間スレッド

5はかいしん:2016/03/29(火) 21:03:30

一週間前。富山県と北海道の境目、四方を暗黒領域で囲まれ、入るには門番である溶岩魔神と氷の女王、その奥にいる四天王、更にその四天王を束ねる魔王を倒さねばならないはかいしんの城に、ゆうしゃは訪れていました。
全ての門番をタイムアタックよろしく平均5秒で倒した勇者は、クソデカイ扉を開けて、はかいしんの間に入っていきます。じっとしているだけで近くの物が破壊されるので、はかいしんの間はめちゃくちゃ大きく、殆ど物がありません。
その中央、玉座に座っていたはかいしんは、勇者を認めると、立ち上がってこう言いました。
「……来たか、ゆうしゃよ。だが私はもう二度と外には出んぞ。貴様に誘われてやった草野球は散々だった……。独りでにねじ曲がるバット!当てても破裂して飛んでいかないボール!滑りこんだホームベースは叩き割れ、挙げ句の果てに私のエラーでチームは負けた……!皆私を嫌ったに違いない……もう沢山だ!絶対に街には出んからな!」
「なんや、そんなこと気にしてたん?誰もはかいしんのこと嫌いになったりしてへんて〜!物ぶち壊すのも面白がってたし、エラーで負けるなんてよ〜あることや!むしろ初めてまともに野球できとったの凄い言うてたで?気にしすぎや!元気出しや!」
「ええい黙れ!貴様の言うことなど信用できるか!どうせ私を慰めようと適当なことを言っているに違いない……私は騙されんからな!」

ゆうしゃは悲しむはかいしんを元気づけようと言葉を紡ぎますが、はかいしんはそれに聞く耳を持ちません。
「はぁ〜全く面倒やっちゃな〜。ま、ええわ。今日は草野球の話しに来たんやないからな。ほら、これ何かわかるか?」
そう言って、ゆうしゃはふところから1枚の紙切れを取り出しました。その表面には、「ほにゃらら遊園地ラブラブペア招待券」と印刷されています。
はかいしんが目を細めながら言いました。
「文字は読めるが……見間違えのような気がするな〜……なんかラブラブとか書いてあるように見えるが気のせいかな〜!」
「テレレテッテレー!大正解!これ、商店街の福引でちょうどあたってなあ。今日はこれに二人で行かへんかって誘いに来たんや!な?ええやろええやろ?二人でいこ〜や!」
「よ〜し、行っちゃうか〜!遊園地楽しみ〜!……とでも言うと思ったか!このバカゆうしゃ!」

ウキウキした様子ではなす勇者に、はかいしんは怒った様子で続けます。
「仮にもお前と私はゆうしゃとはかいしん!世界の命運をかけて戦い合う定め……それがラブラブペアだと!?もはやはかいしん概念に対する冒涜だぞ!冒涜!」
「っか〜!定めとか古!そんなん気にしてるの石器時代の人間くらいやで!頭カチコチやな〜。あ、でもはかいしんくんはそれくらいから居るんやっけ?古い考え持っとるのもしゃーないか。」
「転生してからはまだ20年ほどだ!古さは関係ない、貴様が軟弱すぎるのだゆうしゃよ!大体今までの仲良しこよし、友情ごっこをしていたのもおかしな話……。決めたぞ!今日という今日は貴様を打倒し、世界を破壊してくれるわ!」

ブワーッ!はかいしんの声とともに、破壊のエネルギーが空間を走り抜けます。ゆうしゃは腰に下げてあった剣を抜き、それを受け止めました。
この剣こそはゆうしゃのつるぎ。
絶対に壊れないすごい剣であり、ゆうしゃ一家に伝わる遺伝型特殊能力、はかいしんのちからを受け止めることが出来る唯一の力です。
マジで絶対に壊れず、一節によると宇宙の崩壊にも耐えると言われているヤバイ剣なのです。
しかし、それ以外は別。受け止めきれなかったエネルギーによって、服の端々がはかいされ、黒い塵となって宙に舞いました。ゆうしゃは言いました。
「おーおー随分恥ずかしがるなあ。相変わらずかわいいやっちゃで。よーし、相手したる!ただし私が勝ったら遊園地付き合ってもらうで。ええな!」
「望むところだ、今日こそ貴様をはかいしてやる!ハーッ!」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板