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【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所

1名無しさん:2022/02/01(火) 01:01:41 HOST:bai9536ffe9.bai.ne.jp
2021年度のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所

その年に発売のエロゲーで一番のクソゲーを決めましょう
ルール
男性向け18禁PCゲームでその年の1/1〜12/31に発売されたゲームが対象
投票で決定するスレではありません。
※作品自体ではなく信者を叩くのは該当スレで行ってください
※作品の良し悪しについて語るのは程ほどに。本格的なのは各ソフト本スレへ

まとめwiki
http://w.atwiki.jp/kotye/

Q&A

Q.○○はクソゲー
A.どうクソなのか詳細なレビューよろ

Q.○○が今年の大賞で決まりだな
A.そのソフトを中心とした一年の総評よろ

Q.レビュー・選評・総評書いたのに無視された
A.そのソフト、または内容に魅力がないんじゃネ?

Q.○○に一票
A.投票では決まらん。まずレビューからだ

Q.クソゲークリエイター・クソゲーメーカー・部門別の賞も決めよう
A.決めん。ここはゲームについて決めるスレ

Q.○○はクソゲーじゃねえ
A.選評書かれたからクソゲーということではない。総評書け

Q.○○が大賞なんて認めない
A.総評書いて見返せ。できないなら黙れ

Q.信者と社員必死w
A.そうですか、おかえりください

Q.クソゲーオブザイヤーっぽくない
A.エロゲの性質上コンシューマとは評価基準や論点、住人の年齢層が異なるようだ

Q.選評と総評の違いって?
A.選評は作品単体のレビューのまとめ。総評は全選評のまとめ

Q.その年の選評の締め切りと総評の締め切りは?
A.選評は1/31まで、総評の受付期間は2月の初めから2週間程度

注意点

■本スレへの突撃禁止
どれほどのクソゲーだろうと、買ってプレイもしていないくせに本スレに行って
煽ったり馬鹿にしたりする行為は人としてあるまじき行為です。

■クソゲーについて
自分がクソゲーだと思ったらクソゲーです。しかし他の人もそう思うかは別です。
自分はクソゲーだと思わないけど、他の人は、と言うこともあります。
書き手側はできるだけ共感できるような選評を書きましょう。読み手側も共感できなくても生暖かい目でスルーしましょう。

■シリーズ・続編・移植ゲーム 話題作・大作 大手メーカー作品について
基本的には選考要素に含まれません。
ですがファンディスクのような、本編が前提となる作品も大量に存在するため、場合によります。

■パッチについて
パッチによってまともになった作品に対してどう評価するかは未決定です。
バグ関係のクソゲーは年末に発売された作品ほど有利になるため、発売直後で判断すべきと言う声もありますが、
パッチを当てることによってより酷くなるクソゲーもあるのでケースバイケースかも知れません。

■年またぎの作品について
年度をまたいでパッケージ版やDL版が出た作品については基本的に先に出た作品の日程が優先されます。

ただし、後から出た作品について最初に出たものと差異がある場合は別年度のものと
認められる可能性がありますのでこの点は議論の余地があります。

■選評および総評投下時のトリップ付与
総評執筆者は、円滑に総評審議を進行するために必ずトリップをつけるようにしてください。
選評執筆者についても、その後の取り下げの可能性などの理由から付与を推奨します。

有効な酉であれば取り下げを受理し、wikiには取り下げたことを明記して当該選評・総評は残すこととなります。

■総評および大賞・次点の決定について
大賞・次点は一年間に出たゲームの中で、相対的に総評によって選ばれます。
また大賞はスレ住民による議論の結果によって決まるため、
複数の作品を大賞とする総評および大賞なしの総評は原則として認めません。
総評執筆者は必ず「大賞1作品、次点数作品(任意)」の形式で総評案を書いてください。

但し大賞決定の審議が長期間難航した際に事態の打開を図るための折衷案として
複数の作品が大賞となる修正総評案が議論の過程で作成されることはあります。

2総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:19:39 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
文才無いのは承知の上ですが、停滞よりはいいと思うので今年も挑戦してみました
駄文なのはお許し下さい
何かのネタにでもなれば幸いです

3総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:20:49 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
修羅の国で開催されし闇の祭典KOTYeも13周年を迎えた2020年は、場外ホームランこそ出なかったものの毎月葬者を出し22本ものヒットが飛び出す乱打戦となった。

見付からなければセーフと言わんばかりにルール無用の手抜きが横行し、挙句の果てには歴史に残る場外乱闘まで飛び出した2020年度KOTYeは、胸糞主人公と地雷ヒロインが織り成す絶妙なハーモニーに渾身の自己満ルビを乗せたフルスイングでバットごとボールをバックスクリーンに叩き込んだ『LOVE・デスティネーション』が満場一致でMVPに選出されて幕を閉じた。
また、場外乱闘についても厳格な矜持を示し、『クソゲーとは何か』について改めて考えさせられた一年であったとも言えるだろう。

4総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:22:03 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
2021年度は昨年に引き続き、開幕から話題はあれども害を及ぼすような獲物は現れず、ハンター達は束の間の休息を堪能していた。
だが歴戦のハンター達が油断して武器の手入れを怠る事は無い。
雪解けの季節である3月、初の獲物は冥界から届けられた。
使者の名はウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』
「可愛いヒロインたちとの幸せを追い求める、青春譚」
「恋焦がれるほど求めてしまう、恋愛譚」
「虚構が織りなす、切なくて恋しい、幻想奇譚」
と謳った本作であるが、その内正しいのは一番下のものだけである。舞台は現実世界で起こった悲劇から逃避する為に作られた幻想世界であり、主要な登場人物の多くは故人であって只の舞台装置の役割である。
安易な救済等は無く、キャラクターを攻略する都度不幸な真実が少しずつ判明してプレイヤーに鬱を刻み込んでいく仕様は青春や恋愛を求めた人には苦痛となった。
とは言え、このメーカーはこういう作風と理解する者も多く、鬱要素を除けば全体的に高品質とも言え評価は決して低いものでは無かった。
『クソゲーとは何か』
今年もこの命題との闘いの幕開けでもあった。

5総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:23:23 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
続いて4月にはCalciteの『女勇者と幻想カジノ』が巡回中のハンターにイカサマを見抜かれて御用となった。。
転生ファンタジーとギャンブルゲームとエロを融合させようとした本作であるが、その全てが中途半端だった為、悲惨な合体事故が発生。
まず宝くじに当たった事でショック死して転生という流れが意味不明でストーリーにあまり生かされていない。ギャンブルゲームとしてミニゲームも用意されているが、これもショボくてつまらない。さらにエロは本番が少ない上にCGの使いまわしまで指摘される始末で手に負えない。まるで良い所が無く、これでフルプライスではインチキであると言わざるを得まい。

GWにはevollが『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』で昨年に引き続いて参戦を果たす。
借金苦でバスジャックした主人公が少女の口車に乗せられて、最終的には変態お嬢様3人から凌辱してくれないと警察に通報すると脅されるというシナリオが展開される。
とっても明るいどころか非現実過ぎてどう見ても狂気の沙汰だが、挙句の果てにはヒロインによるHの採点とか、どうやったらこんなシナリオが作れるのか問い正したいレベルである。
勿論絵・塗り・BGM・システムと、どれをとっても安定の低品質でまるで隙が無く、発売から4日間でKOTYeにダンクシュートを叩き込まれたのも納得である。

6総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:24:20 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
続けて6月にもSUKARADOGが『家出ギャルを拾ったので育ててみた』でまたもや参戦。
昨年はエロは安定ながら最初からビッチだったというコンセプト詐欺であったが、今年はシステムで攻勢を仕掛ける。音声やインストールの不具合もさながら、『マウスの左クリック以外の操作が出来ない』という新型兵器を投入して来た。低価格帯の抜きゲーで抜きたくてむ物理的に抜けないこの仕様はあまりにも斬新で、右手を負傷した選評者により発売から約一週間で被害届が提出されてしまった。

順調に獲物を狩るハンター達であったが、壮大な延期フラグや過去作の惨状から危険視されていた大型魔獣達との約束の刻が遂にやって来る。お待ちかねの祭の始まりである。
まずはPanacheの『ぱられるAKIBA学園』との対決である。
これも典型的な転生モノで、異世界に飛ばされた際にチート能力を与えられた主人公が、魔王と戦っていた4人の勇者パーティ(ヒロイン)の所に現れ、一撃で魔王を倒す所から始まる。ここまでの演出はムービー等中々の力作であったが、褒められる点はここまでである。
その後は褒美として擦り付けられた荒廃した土地の発展の為にオタク文化を広めようという話になるのだが、国創りとか経済とか設定が粗削りというよりいい加減で強引に話が進んでいく。ヒロインも設定や個性がブレまくり、性格が変わったり膜復活とか支離滅裂。3Pが売りでエロに救いを求めても巨乳なのにパイズリが無いとかエロ方面で悲鳴を挙げる者まで現れた。
一応ヒロイン選択型なのだが、事実上最後の一回以外共通部分と呼んで差し支えなく、個別ルートは最終話のみ。他の内容はエロ以外は消化試合でヲタの女子会程度のもの。残念を箱一杯になるまで詰めてみたような一品であった。

7総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:25:14 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
次いで今度は別の勇者一行がハンター達の前に立ちはだかった。だがその正体は勇者という名前が付けられた魔物であった。
魔物の名はキャラメルBOX いちご味の『下戸勇者 〜酒は飲まねど酒池肉林!』。
酒が飲めない下戸だった主人公勇者がボッチでチートになるまで旅を続けていたら他の勇者に魔王が倒されていたので、やる事が無くなった主人公は女だけのパーティ-を作って好きな事やろうというのが本作のストーリー。
この勇者は様々なチートスキルを以てハンター達に猛攻を仕掛けてきた。
まずはアリエヘン等ドラクエを捩ったと思われるパロネタのオンパレードでハンター達に吹雪を浴びせて来る。数打てばどれかは当たるだろうと思ったのかも知れないが、余りに多過ぎると意味の理解に時間を割かれる上、知らないものだと意味不明になる。その数が余りにも多すぎて寒いというより凍えるレベルでもはや極大冷凍呪文である。
これに不自由なシステムが無慈悲な追い打ちをかける。古臭くて使いにくい上に音声バグやフリーズまで完備し、老舗たるキャラメルBOX製だという事すら疑われる始末。
エロはそれなりにあるとは言え、テキストに加えエロシーンまでギャグ方面に走ってしまった事もあり実用性が低く、カカシまで混じる始末。
どこかの大魔王さながら勇者による天地魔闘の構えから繰り出される、テキスト・システム・エロの攻防一体の超技。討伐に当たったハンターからは犠牲者の墓標に二本の線香が捧げられた。

8総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:26:07 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
続いて魔王スワンの落胤にて2019年、2020年と連続して次点作を排出したKOTYeのプリンス、ももいろPocketから『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』が今度こそ王座を奪取すべく約束の地に降り立った。
もとより大将首との期待値も高く、一番槍の手柄を目指してハンター達は我こそは突撃。発売から二週間足らずで陥落させ、選評者による首見分が行われた。
本作の大まかなあらすじは妖怪によるエッチで変な呪いが陰陽師である主人公の精液で解ける事が分かり、問題解決に当たりながらヒロインと仲良くなるというもの。やや強引さはあるが、そもそもココにシナリオを期待する方が間違いである。
最大の問題点となったのは『手抜き』。普通のCGの一部を使いまわすだけでも酷いが、立ち絵を切り抜いて使うという荒業まで駆使してコストの削減に努めている。見た目のCG数は60あるが、実質的には約半分が使いまわしのハリボテで伝説の銃騎士級と称された。
他に選択肢がノーヒントでCG回収に余計な手間を掛けさせる、服装が何故か現代風、背景が荒いといった地味な嫌がらせ要素に加えてフルプライスであった事もあり、一線級の大将首と認定された。
なお本作は8月末発売の新作でありながら、年間には諭吉10本セットに出されるという怪挙も成し遂げたが、それでも損した気分との声まで挙がった。

9総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:26:49 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
大物を狩り安堵していたハンター達であったが、今度は本陣に奇襲の報が入り、慌てて駆け付ける事になった。
奇襲をかけてきたのは歴史原作物で定評のあるインレの『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』である。
本作は主として治承・寿永の乱、いわゆる源平合戦を題材とした作品で主人公とヒロイン二人が現代からタイムスリップし、それぞれ源義経、静御前、朧の方としてその時代で役割を演じていく。
過去作同様複数章から成り、タイムリープを繰り返して進行していく。本作は三部構成。第一章は概ね史実通り、第二章は義経生存説の伝承を元に進む。ここまではうんちくの多さとエロの薄さに不満の声はあっても概ね良作とも言えた。
問題点は最終章。ここから呪いや妖怪等が登場し、全く別の作品に変貌を遂げる。前章までにも複数の伏線はあったが、丁寧に積み上げてきた史実は台無し。最終的には超サイヤ人みたいなチートキャラまで登場し、大ボス倒して現代に帰りハッピーエンドである。
元から最後の超展開がお家芸のメーカーではあったが、受け入れられるかは別の問題。これも全体的には高評価の声も多い作品ではあったが、クソ認定されても仕方無いものでもあった。

10総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:27:39 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
その後、あまりの見た目の酷さから「見えてる地雷」と注目されていた作品がKOTYeの門を叩く。
新ブランドVanille Macaronの『Cuteness is justice』である。
エルフの王国を題材としたファンタジー世界で、一時期流行したプリンセスメーカーの様な育成(調教)PRGであるが、真っ先にCGのレベルの低さが目を引く。事前公開されていたCGからしてどう見ても商業作品とは思えないレベルで、エロCGから敵モンスターに至るまで同人作品級、下手したら同人の方が上とまで称された。
更にこのゲームには公式HPどころかパッケ、取説のどこにも攻略情報が存在しない。プレイヤーは手探りでゲームを進める他は無く、育成した数値が足りないと簡単にゲームオーバーになる。過去に攻略本が別売りの説明書と称された一般ゲームはあったが、勿論本作にはそんなものすら無く、唯一の情報はBugBugの商品紹介記事で必読とまで言われた。
この理不尽仕様でありながら、数値及び実績によってエンドが分岐し、当然その情報もない。
熱意は伝わって来た、つまらなかった訳じゃない、同人なら許せると擁護する声も散見された本作であるが、最大の問題点はこの品質でフルプライスだという事であり、これについては擁護の声が出る事は無かった。
同じく「見えてる地雷」と称されたママⅡはミドルプライスであったが、こちらはフルプライス。時間を取らないクソと時間を取るクソ。どちらの方が罪深いのだろうか。価格と品質のバランスというものが商品の大事な一要素である事を考えさせられる作品であった。かんばれと生温かい目で見守るファンもいるようであり、第二部ではせめて価格は見直して欲しいものである。

11総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:28:21 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
大物討伐の報に湧いて宴を開いていたハンター達であったが、同日に発売されていた別のエルフも獲物として狩られて来た。
獲物はNorth Boxの『エルフのお嫁さん 〜ハーレム婚推奨〜』
1人でキャンプしていたら何故かエルフの国に迷い込み、エルフの女から魔力(精力)をくれと言われてハーレム状態になるという話である。
異世界ものなのだが、主人公は若返って青年になったおっさんで兎に角ウザく、基本話は食べ物とエロで進む。
異世界に学園とか要らないし、お嫁さんとあるが結婚もドレスも孕みも無い。
エロは悪いとまでは行かないがプレイ内容が似偏っており、誰を選んでもシナリオに変化が無い等で個性が薄く、選評者をして「あらゆる層からのヒットを避ける魔球」と絶惨された。

12総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:29:02 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
選評ラッシュはまだ続く。
QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』が有毒植物である事が報じられた。
1月に発売され、つまらないシナリオと使いにくいシステム、挙動の重さ等で話題になっていた作品であったが決め手を欠き、ギリギリセーフとして見逃されていた作品であったが、挙動の重さの原因を突き止めたハンターによって有毒成分が判明。誤食されないようにと駆除される事となった。
本作は寂れていく温泉街に住む主人公の元に神様が現れ、悪魔を更生させて欲しいと依頼されて一緒に生活していくというお話。
CGやエロは良いが、まずはシナリオが凡過ぎて酷くつまらない。
更生といっても悪魔二人は全然悪魔らしくなく寧ろいい子で、ただいちゃついているだけ。天使も只のポンコツ。地元商店街の連中は主体性の無いクズで、主人公の適当な案で簡単に客が増えていく。要はヒロインの色気でお客さん集めて活性化しようっていう凡なお話。
前作までとライターが変更になっており、その内の一人がママⅡのライターだった点も影響しているのかも知れない。
システムもセーブ・ロードの際にいちいちポインターで動かなければならず、地味なストレスを与えて来る。
最後の挙動の重さについてが最大の問題で、フレームレートが無制限となっており、PCに強烈な負荷をかけるものだと判明したのである。現状では不具合の報告は上がっていないものの、PCクラッシャーとなる可能性を否定出来ない以上、危険物として駆除されても仕方あるまい。

13総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:29:50 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
祭の締めは魔王の落胤の片割れCalciteの『ニート娘を更生させよ!〜性技があれば生きていける〜』が勤める事となった。
ニートを更生させるニート更生員となった主人公が、ニートの娘三人をエッチなご褒美で更生させようというのが大まかなストーリーである。
本作はミドルプライスなのだが、その総容量は脅威の302MB、プレイ時間にして5時間前後である。この時点で伝説の魔物共を彷彿させるが、その中身も期待を裏切らないものであった。
シナリオは選択肢は最低限で、分岐の基本は恋人エンド1〜2と風俗堕ちエンドである。だが、容量削減の為にヒロインとの交流等日常シーンの省略が目立ち、感情移入を困難にしている。
エロシーンはCG40と見た目はギリギリセーフに見えるが、テキストとボイスが極端に少ない。抜きゲーにとって重要なポイントで、抜く暇もなくシーンが終わってしまっては元も子も無い。我々は聖上では無いのだ。
この酷さでクイックロードとシーン回想に不具合まで搭載し、説明書記載の操作方法にすら誤記がある始末。過去の手抜きゲーと比較しても屈指の一作であろう。

14総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:30:28 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
長き祭も漸く終わり、ハンター達は鋭気を養うべく後夜祭の準備に入る。
年末間近にまずはシルキーズの『ふゆから、くるる。』が口火を切った。
本作は四季シリーズとして別メーカーから発売されていた作品であったが、諸事情により最終作はシルキーズからの発売となった。
ライターである渡辺僚一氏は過去作でもそうであったが基本何かを仕込む作風であり、緻密なシナリオと予想を裏切る展開は賛否両論はあれど高評価を受けていた。
今作も一定の評価を受けてはいるのだが、今回は仕込んだモノが悪かった。
学園SFミステリーADVとの看板には偽りは無い。ミステリーと称する以上事前に公開出来る情報は限られている事も理解は出来る。百合については事前情報から推測可能ではあった。
だが、「ふたなり」は流石にどうかと思われる。事前情報との乖離は立派なクソ要素。百合を求めた人、普通のエロを求めた人の双方にとっては地雷認定されても文句は言えまい。

年が明けて残敵掃討期間である1月の中旬にはCIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony 〜ダ・カーポ4〜 プラスハーモニー』が打線を繋ぐ。
本作は一般作品として発売されていたダ・カーポ4にエロを追加した作品である。原作は高評価であり、過去にも一般作品にエロを追加して発売した事はあったが、今作はそのエロの追加の仕方に問題を抱えていた。
一般部分をそのままにして最後にオマケ程度のエロを追加しただけなのに加え、そのエロもCGの使いまわしだったのである。CV全替えとか努力した部分は認めるが、肝心のエロで手抜きを行っては移植の意味が無い。原作プレイ済みの人からしたら許されない仕打ちであっただろう。

15総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:31:06 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
最終日前日、ハンター達は狩り残しが無いか再確認を行う。その結果、最終日にはもはや恒例となりつつある駆け込み選評が二本、追加選評一本が届けられた。

駆け込み選評の一本目はPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!〜四姉妹は全員あなたの許嫁〜』
エロについては高品質な本作であったが、そのエロを繋ぐシナリオ部分が凡過ぎる上に無駄に長く、空気を超えてゴミと苦痛のレベルに達している事が問題とされた。これを万超えのオーバープライスで掴まされたら腹が立つ者がいても不思議は無い。

続いて下戸勇者の追加選評が投下され、駆け込み選評二本目にして2021年度の締めくくりを勤めたのはDESSRT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』であった。
シリーズ物である以上、前作との比較は当然される訳であるが、本作は前作の問題点であった冗長な展開を短くして改善したのは良かったが、同時に長所であったヒロイン描写までもが削減されてしまった。その分ハーレム描写が強化されているのなら辻褄が合うがそうではなく、結果的に前作から見て劣化ゲーの印象となってしまった。

16総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:31:46 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
以上、2021年度のエントリー作16本の紹介を終えた所で、次点及び大賞の結果発表を行いたい。

次点は
『ぱられるAKIBA学園』 (ぱら学)
『下戸勇者 〜酒は飲まねど酒池肉林!』 (下戸勇者)
『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』 (陰陽師)

そして栄光の大賞は
『Cuteness is justice』 (cuteness)
に捧げたい。

「クソゲーとは何か」
2021年度は選評者からも「クソ」かどうかについて悩む声が多い年度であった。この命題については未だ明確な解答は得られていないが、納得出来ない「何か」があるからこそ人は不満の感情を抱く。
人それぞれに好みがあり、料理に例えるなら同じ料理でも「美味しい」と思う人がいれば、「不味い」と思う人もいる。美味しいと評判の店に行ってみて「こんなもんか」と思った経験は誰しもがあるだろう。結局はそう思う人が多いか少ないかの相対的評価の問題なのだ。
ではこれをクソゲーに置き換えた時、「クソ」と思う判断基準は何なのであろうか。
当然解答は一つでは無いが、ゲームはユーザーが楽しみたいという動機を以て金銭と時間という対価を支払って購入するものである以上、ゲームの製作者がユーザーに対して行った「約束」、与えた「期待」、そして求めた「対価」を裏切ったモノに「クソ」の烙印を押されるのは当然の摂理であろう。

17総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:32:30 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
2021年度のエントリー作はこの裏切りがあった作品が多かった。これは「クソ」では無いと思う作品も多かっただろうが、何かに対する裏切りがあった事は事実である。ならばそれは「クソゲー」と呼ばれる資格を有しているのだ。
それを踏まえてエントリー作を検証した際、次点以上の作品はその裏切り方のレベルが一段上のものであった。

約束の期日を守らなかった挙句、掲げたコンセプトを放り投げて適当なエロを購入者にぶつけた「ぱら学」
ユーザーの事を一切考えず、不自由なシステムと終始一人よがりの寒いギャグを購入者に浴びせた「下戸勇者」
過去作からの反省など一切せず、CGの使いまわしによる手抜きに全力を傾けて購入者に一切の満足を与えなかった「陰陽師」
は次点となるにふさわしい作品だったと思われる。

そして、訴えるコンセプトなど存在せず、ユーザーの事など一切考えず本来必要な情報すら与えず、手抜きと呼ぶレベルにも至らぬ品質の作品をフルプライスでぶつけてきた「cuteness」に栄えある大賞を進呈したい。

最後にデビュー作で至高の冠を戴いた「cuteness」のセリフ、を借り、2021年度KOTYeの締めくくりとしたい。

KOTYe、待っててね
 このクソゲーを終わらせないと
  わたし、選評のためなら何でもするわ

18総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/04(金) 22:33:35 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
以上で投下終わります
他の方の総評を楽しみにしております

19名無しさん:2022/02/05(土) 19:46:47 HOST:bai9536ffe9.bai.ne.jp
総評1乙です&一番槍ありがとうございます!
他にも書いてくれている人がいるようなので、それにも期待ですね!

20総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:12:59 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
テスト
駄文で申し訳ない

21総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:14:27 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
2020年、エロゲ業界のみならずあらゆる界隈を巻き込んだ不況と混乱の中で催されたクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は前代未聞の毒に襲われた。
不快な主人公、地雷ヒロインにご都合主義展開とクソのストロングスタイルを備えながら、文章すべてにルビ乱用という細菌を混ぜ、
未知のパンデミックを引き起こした『LOVE・デスティネーション』がKOTYe2020を制したのである。
発足してから13年という月日が流れたKOTYeにおいて、未だに新しいクソ要素が発見される事態に歴戦の勇者も驚嘆する事となった。
こうして2020年の幕は閉じたが、2021年を戦う勇者たちの胸には期待があった。
「今年はどんな魔物が現れるか、はたまた現れないのか」
楽しかったあの頃を振り返るのは良い、しかし歴代の魔王たちに囚われてばかりはいられない。
KOTYe2021の冒険者達が乗り込むキャラベル船は、新たなる香辛料を求めて航海を続けるのである。

3月下旬、2021年のKOTYeはまさかの来訪者に慌ただしく動き始めた。
桜の開花がパンデミックで傷ついたこの国に春の到来を告げる頃、春告鳥としてウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』がKOTYe開幕の知らせを伝えてきたのである。
上質なシナリオで固定ファンを掴んでいる同ブランドだが、届いた選評は実態とあまりに乖離した宣伝文句に踊らされた、哀れな白鳥の魂の叫びであった。
青春譚、恋愛譚、幻想奇譚の3つをコンセプトとした本作であるが、前2つは形骸化され、実際は虚構世界で展開される陰々滅々としたエピソードが続く。
各登場人物の長くて重苦しいモノローグも拍車をかけ、選評者をして「一個も明るい話が無い!」と言わしめた。
これを「ブランドの作風」と言えば聞こえはいいが、単に「ご新規さんお断り」とも取れる為、擁護派からも一定の支持を受けてしまう事となった。
かくしてKOTYeに飛来した『冥契』であったが、このような予想外の良作ブランドが到来する例は本年の特徴である。
仮に『世間』で評価されていたとしても、『事実』として発生している購入者に対する裏切りまでは正当化出来ず、本年のバトルロワイヤルは振り子の原理を伴って少しずつ拡大していく事になった。

22総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:15:21 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
ウグイスカグラからのまさかの選評という衝撃的な幕開けに続く事になったのは、同月に発売されたCalciteの『女勇者と幻想カジノ〜求む亜人巨乳美女ギャンブラー〜』である。
何を隠そう、Calciteはかつて大賞作『SEX戦争』等を輩出した名門のスワンアイの流れを汲むブランドである。
定番ジャンルとして異世界物の抜きゲーを続けてきた同ブランドだが、ついに4作目でダウトとなった。
投げっぱなしのシナリオやご都合主義展開とクソゲーのお約束を抑えた本作あるが、最大の問題点は流用によるCG数の水増しである。
全60枚のCGの内、立ち絵や他のCGを加工して作られたと思わしきものの枚数は26〜7枚と半数近くを占める。
この流用は同じ姿勢のCGに対して触手や背景、照明の入れ替えや左右反転が主だった手口である。
異世界ギャンブルものとしての掘り下げも不十分で、登場するイカサマも「カードに傷を付ける」等の初歩的なものしかない。
挙句の果てにはゲーム内ミニゲームのブラックジャックでブラックジャック(役)が存在しないというチョンボまで発見される。
ミニゲーム自体はスキップ可能だが、製作陣が如何に付け焼刃のギャンブル知識で本作を手掛けたかの証左と言えよう。
その他、立ち絵増殖バグやらエロシーンで突然シーン回想の挙動になる等、システム面の問題も合わさり、クソの役満となった。
安パイのはずの異世界物を掴んだと思ったら、ババ抜きのババだったといった事態にスレ住人に失笑が溢れることになった。

23総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:16:31 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
久しぶりに落ち着いたGWとなった日本を尻目に、「失笑なら任せろ」と言わんばかりに登場したのが、4月末に発売したばかりのevollの『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』である。
前年に、風が吹けばストッキングが消えるでお馴染み『絶品バーガー』を送り込んだ新鋭が新たな方向性を携えて馳せ参じたのであった。
本作の問題点はコンセプトの崩壊による安定感の無さである。
タイトルに「とっても明るい!」とつけている本作であるが、シナリオは「バスジャックで誘拐したら、被レイプ願望のあるお嬢様に逆脅迫され仕方なく凌辱」というトンチキなものである。
馬鹿ゲーを狙ったつもりなのかもしれないが、このコンセプトに対して食い合わせの悪い3要素がプレイヤーを襲う。
まずは主人公が凌辱に向いておらず、行為に入る前に挿入される鼻血や童貞モノローグ等の演出がプレイヤーをいらだたせる。
それに続くのは、シーンの終了後にヒロイン3人でHのダメ出しを含む品評会制度であり、「主人公に感情移入出来ないのにただ責められる」という新手の言葉攻めをしてくる。
最後にエロシーンの幕間を補うギャグが滑っており、「メイドが牛乳ととろろを入れ替えた」「言葉のダメージで9999のダメージが飛び出るのが見えた」等、馬鹿ゲーを馬鹿にするかのようなネタが襲い掛かる。
全体的に何をしたかったのかが伝わらず、珍走団の如きライターの迷走っぷりには甚だ迷惑である。
前作『絶品バーガー』を下回る料理を出された選評者をして「エロゲから離れた方がライターの為」と言わせしめ、スレ住人は大いに舌鼓を打つのであった。

6月に入ると前年にエントリー作を出したSAKURADOGから『家出ギャルを拾ったので育ててみた』が梅雨の湿気さながらの陰湿システムで突き出される事となった。
ゲームを一回閉じると起動しなくなり、再インストールを要求と初っ端からイラつかせる本作であるが、まだ掴みに過ぎない。
最大の問題は「マウス左クリック」以外の操作が出来ない事であり、息子をイカせる前に人差し指がイカれるという事態を引き起こす。
シナリオも設定を活かしきれない微妙さだが、CGはヒロインのキャラ変を差分とせず、41枚の内半分が被りという手抜きには、「お前は抜くんかい」と購入者が激怒しても仕方がない。
かくして「抜く為の利便性が低すぎて、エロゲに数えたくない」と選評者に断罪された本作は同ブランド2年連続のエントリーを飾ったのであった。

24総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:18:12 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
梅雨の湿気を吹き飛ばすべく、自らのアイデンティティーさえ吹き飛ばした勇者一行が続けてKOTYeを訪れた。
5月に発売されたpanacheの『ぱられるAKIBA学園』がタイトル回収とばかりに参上したのである。
度重なる延期を重ね、当初の予定より丸一年遅れで発売されたその姿は、もともと予定していたものではない事が容易にうかがい知れる内容であった。
本作はオタクの主人公が異世界転生し、勇者ヒロイン達一行とともに魔王を倒し、オタク文化を広めながら世界を復興するという意外と骨太なものである。
復興ものの都合上、安定した世界設定が求められるが、本作は世界観を安定させる前にヒロインのキャラが安定していない。
共通ルートから個別ルートで4人中3人が別人のように変貌し、そこまで楽しんでいたプレイヤーを落胆させてしまう。
委員長属性の勇者はネガティブモブに、吟遊詩人エルフは騒音お姉さんに、頭脳派魔導士は破壊行為中毒にとパラレルワールドの有様だが、変貌しない聖女も元からイカれている為、結果として全員属性地雷と化してしまう。
世界観については、そもそも教育・文化そのものが無い為、オタク文化の布教以前にやる事が満載であり、本筋を想定して作られたとは思えない代物である。
貴族たちの腐敗した実情等、気分を害する設定は凝っていたりするが、最終的に世界の復興もコスプレHの為の舞台装置と化す残念仕様である。
ここまで異世界転生ものとしては期待できないレベルの拙さであるが、エロはどうかというとこちらもおぼつかない。
個別ルートなのに大半が3Pとアブノーマルなシチュが多い癖、巨乳ヒロインでもパイズリはゼロと「何をもってこの配分にしたのか」と小一時間問い詰めたい。
総じて異世界エロゲの悪手の見本市であるが、本年は『ぱら学』をはじめ「異世界」や「ファンタジー」という文言が多数見受けられる作品が多い。
「人気のジャンルのはずなのに鬼門」という流行の先駆けとして、『女勇者』ともどもクソのコレクションに収められることとなった。

25総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:20:08 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
9月、夏の終わりも近づいてきたのだが、「俺たちの百物語はこれからだ」と妖怪が襲い掛かってきた。
8月発売、ももいろPocketの『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』の慟哭である。
同ブランドは純然たるスワンアイの継承者として2019年の『カスタムcute』、2020年の『俺は姫武将を孕ませたい!』に続き3年連続のエントリーとなった。
本作は陰陽師の主人公が巷に蔓延るHな呪いを精液で解除するという和風ファンタジー抜きゲーであるが、素材を活かすどころか、そもそも素材が間違っている。
妖怪が跋扈する古風な世界観に似つかわしくない現代風衣装のヒロインや同ブランドの前作「姫武将」から流用した粗い背景等、のっけから躓いて立ち上がる事は無い。
肝心のエロCGについても親戚のCalcite『女勇者』と同じ戦法である「CGを流用して枚数を水増し」が使われており、フルプライスにもかかわらず実質1jksを下回る快挙を成し遂げる。
文章もモノローグの水増しにより実用性を極限までそぎ落とされ、なけなしのCGも衣装やぶっかけの場所がシナリオと違う等の整合性を欠き、隙の無い陣容である。
一方で、本筋は主人公の妖怪呪い考察が大半を占め、ヒロインとイチャイチャも端折ったまま、ボスとの戦闘といった盛り上がりも立ち絵流用戦闘CGの前に無味乾燥の極致である。
ここまでの時点で壮絶な出来であるが、そこはやはりスワン系、システム周りにも救済は無い。
かつての同門ブランドの大賞作、みるきーぽこの『孕らぽこ』で見られたほどではないが、ノーヒントの三択を間違えるとルートが消えたり、途中で終わるという不親切仕様を搭載している。
これを攻略する為にセーブ&ロードで対応しようとすると、前作『姫武将』同様の5〜6秒の暗転が首を絞めてくる有様である。
総じて妖怪変化の有様であるが、8月末発売の本作のDL版が10月末に某所の10本1万円セールに登場した。
わずか2か月で税込9,680円の本作が実質1,000円と9割近い値下げとなり、発売日に購入したユーザーには哀悼の意を表せざるを得ない。
一方で、あまりの不出来にある勇者から「もともと1,000円で売る事を想定して作ったのでは?」と邪推されてしまう。
かくして、CG流用、やる気のないエロ描写、無味乾燥なシナリオ、不親切なルート周りに価格暴落と悪逆非道な陰険五行説を提唱したももいろPocketは
同ブランド3度目の正直にして同系ブランド3代目の大賞というクソ大河の完成に向け名乗りを上げたのである。

26総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:21:37 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
妖怪の跳梁跋扈にどんよりした雰囲気の中、10月になると大河ドラマの主役の座を取り返すべく、まさかの真打が登場した。
歴史もので評価の高いインレから『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』が一ノ谷の戦いさながらの崖下りで奇襲を仕掛けて来たのである。
本作は現代の主人公が過去にタイムリープして、源義経として源平争乱の時代を戦い抜くというストーリーである。
プレイ時間30時間超、2回のループを挟んで実質一本道の本作は、歴史ものを期待した層を裏切る怒涛の最終盤が問題である。
度重なるタイムリープで過去の歴史改変の影響が現代に現れる設定を展開する一方、最終盤ではそんな設定かなぐり捨ててパラレルワールドと決めつけ、ボスの悪霊との少年漫画さながらの超人バトルに挑む。
歴史ものとは何だったのかと首をひねる展開であるが、そこに至るまでも無駄にテンポを損なう義妹ヒロインの歴史うんちく談議がちりばめられ、もはやライターのオナニーにしかなっていない。
せめてエロに救いを求めても、インレの売りの一つである魅力的な女体化武将達にエロシーンは存在せず、現代から一緒に来ているヒロイン二人で計5回と無常観的な哀愁を感じさせる。
骨太な歴史絵巻たる中盤までさえ懐疑的にみられてしまう顛末に「神は細部に宿る」という言葉の重さを嚙み締めるのであった。

27総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:22:37 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
『GIKEI』の非業の最後を見届けたスレ住人が対峙したのは、かねてより夏の怪物……むしろラスボスとして危険視されていた大作であった。
8月発売Vanille Macaronの『Cuteness is justice』がタイトルに合わぬ禍々しい姿でこの混乱に畳みかけてきたのである。
同ブランドの処女作にして、ファンタジー世界を舞台にしたやりこみ育成SLGと銘打ち発売された本作であるが、『ママ2』同様に「見えている地雷」と評されたその実態を紐解こう。
本作のストーリーは亡国の皇女リンを調教師の主人公が拾い、Hを含めた調教育成を施して、亡国の再興を目指すというシリアスなものであるはずなのだが、
「エルフエンパイア帝国」「ドワーフ王国」等、ひねりの無い設定上の名称を前に、安っぽさを感じざるを得ない。
続いてSLGパート、本作は『下級生』等を参考とし調教ものに転向させた、昔ながらのコマンド式育成シミュレーションであるが、能力の増減に関するヒントが見当たらない。
ちょっとした能力の不足で即BADENDに直行する難易度に対し、説明書等にヒントは出ておらず、情報サイトのBugBug記事で語られるのみとなっている。
このような理不尽さに加えて、やりこみを困難にする古臭いシステムが足枷になってプレイヤーを苦しめる。
周回前提にも拘らず、セーブデータが10個しか作れず、コマンドや演出の度に切れるスキップや読み込みロードの嵐とストレステストの如き賦役が待ち受けている。
こうしたストレス仕様を補うエロはというと、そもそもCGのクオリティが商業水準に到達していない。
同人レベルともされた塗りのレベルが「見えている地雷」とされた所以であるが、射精断面の白濁液に黄色い粒が混じるグロ画像が発見されるとスレを恐怖のどん底に陥れた。
一方のテキストは3クリックで射精するシーンや、調教ものには向いてない弱気な主人公がHシーンで急にハイテンションになる等、失笑をかっさらう出来である。
実用性の面で期待は出来ない惨状であるが、例によって調教コマンドのエロシーンは省略が出来ず苦役の一部と化す。
絶え間ない苦労の果てに登場するラスボスは一枚絵のモブトカゲであり、三部作の一作目とはいえ、苦役の代価の盛り上がりの無さに辟易するだけであった。
システム、CG、エロシーンと、総じて税込8,580円の体裁をなしておらず、ラスボス然たる圧倒的な総合力はスレを論争に巻き込んだ。
「2,000円の同人としてなら許せる」「いや、むしろ同人に失礼」
程度の問題ではあるが、否否両論入り乱れた本作は本年のKOTYeのセンターとして、最後まで引き合いに出され続ける地位に君臨したのである。

28総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:23:56 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
ラスボス襲来に沸き立つスレであったが、そこに流行りの異世界エルフが魔弓ならぬ魔球を投じてきた。
North Boxの『エルフのお嫁さん 〜ハーレム婚推奨〜』がスクランブル登板してきたのである。
異世界転生ものに学園ものを合わせヒロインはエルフと、抜きゲーとしては置きに行った作品に見えるが、絵以外の褒め所が無い。
シナリオは食事とセックスに終始し、舞台装置として用意した学園のせいで異世界設定が死ぬという共食いが発生している。
一方でエロシーンはお祭り風のBGMが自家発電の妨害をし、タイトルの「ハーレム」要素も4回の3Pと4人フェラ一回ではただの見せ球に過ぎない。
終いには終盤の展開が各ルートで重複し、プレイ内容も代り映えしない為、HPにある魅力的なヒロインの個性が消え、購入者に寂寞感を募らせる。
こうしてエルフ、異世界、ハーレム等大半の属性が死に絶え、多様な購入者のストライクゾーンを避ける魔球と化した本作に対し、スレ住人は見送り四球を選ぶのであった。

エルフによる魔球を見送り、塁に出た先に待ち受けていたのは天使と悪魔の凸凹バッテリーだった。
QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』の降臨である。
1月の発売直後もプレイ中に挟まる読み込みロードの多さから話題となった本作であるが、秋深まる11月に未知の問題が発覚しKOTYeに召される事となった。
大筋としては更生の為に天使に連れてこられた悪魔2人が過疎化にあえぐ離島の旅館を手伝う事で盛り返していく町おこしものである。
これに加えて人間界との異文化交流要素もPRされているが、そんなものは悪魔の戯言に過ぎない。
ダイジェスト進行であれよあれよという間に島は盛り上がり、ヒロインとの交流要素も省略気味である。
エロの導入もやっつけで、主人公は自身のケガや大事な確認事項を忘れて脈絡もなく行為にいそしむ。
そんな極小の描写力に対して、膨大なのはフレームレートである。
本作はまるでベンチマークテストをするかの如く、システムが許容する最大負荷をかけてフレームレートを暴走させる。
高スペックGPUではゲームの軽さで負荷が上がりきらないものの、多様なスペックを想定しなければならないPCゲームにおいては許されない所業である。
致命的な故障報告こそ上がらなかったが、密かに無駄な電力を消費するこの仕様は昨今叫ばれるSDGsの対局を行くものであり、
選評者をして新タイトル「こっそりグラボにオシオキべんち」としてクソの禁書目録に収められることとなった。

29総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:25:00 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
悪魔によるPCの強制労働を目の当たりにした衝撃も冷めやらぬ中、12月に入って現れたのは怠惰なバカ女だった。
11月末に発売されたばかりのCalciteの「ニート娘を更生させよ!性技があれば生きていける」が同ブランド2連勤を果たすこととなったのである。
本作のコンセプトはニート更生員の主人公が社会不適合者のヒロイン達を更生させて就職を目指すというものだが、
税込7480円というミドルプライスでありながら、ゲーム容量が302MBしかない。
『ママ2』の悪夢を思い出すような数値だが、そのダイエット法はとにかくセリフをケチる事である。
売りとされたヒロインを更生する展開は1周+各ヒロイン個別1回で終了し、途中の交流描写をカット。
CG40枚、シーン数36と体裁だけはまともであるが、モノローグが水増しされたエロシーンではなかなか声が聞こえない。
『しゃべれよ!ちゃんと喘げよ!イクの早すぎるよ!』の三連打にはプレイヤーも抜く気がうせるだろう。
おまけにBugBug記事以外で告知していない風俗堕展開も強引展開の末のやっつけ仕事である。
システムとしても前作以上に完成度が低く、説明書通りに右クリックが動作しないバグやシーン回想の範囲設定ミス等も見受けられる。
挙句の果てには風俗堕ちの末、ヒロインが出演したAVの男優名前欄がなぜか「Man」等、厚顔無恥な出来に「ニートに働かせる前に、お前が働け」と製作陣に物申したいところである。
一方で前作がスワン系の新戦法「CGを流用して水増し」を咎められた為、反省したのだろうか。
それに続く本作は、そのような卑怯な真似に頼らない正統派のクソゲーとしてKOTYe2021の社員名簿に名を連ねる事となった。

12月も末に差し掛かり除夜の鐘の足音が聞こえる頃、まさかのメーカーから年内最後の選評が投下された。
シルキーズプラスの「ふゆから、くるる。」が同系ブランドで初めてKOTYeの門を叩いたのである。
本作は同ブランドがすみっこソフトより引き継いだSFミステリ、四季シリーズの最終作であるが、最終盤の解決パートを除き問題が山積している。
推理モノなのに全体の1/3を占める冗長な導入パートではヒロインが話を聞かず、明後日の方向に脱線しまくる。
推理パートでは冗長な会話の脱線に加えて、読者が推理する為に必要な情報が開示されないという「ノックスの十戒」を無視するような描写が追撃をかける。
止めとばかりにエロシーンでは、主に百合モノとしてPRされた本作にふたなりを混入させる等、属性を持たない選評者を阿鼻叫喚たらしめた。
独特な作風でファンからは好評を得た本作だったが、本編の常識にとらわれない世界観をエロにまで持ち込む姿勢にスレ住人も感嘆するのであった。

30総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:25:46 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
2022年を迎え、例年通り1月の予備期間に突入した。めぼしい有力作をあらかた平らげたスレ住人たちは大賞談議に華を咲かせていたが、そこに早馬が届き、事態は風雲急を告げる事となる。
CIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony 〜ダ・カーポ4〜 プラスハーモニー』の腐臭を嗅ぎ付けたハンターが予備期間を主戦場にすべく、タレコミに馳せ参じたのである。
曲芸商法と言われる悪辣な作品展開を続けてきた同ブランドだが、その末端がついにKOTYeの捜査縄にかかったのであった。
本作は全年齢版『D.C.4』の18禁移植作であるが、問題となったのはひとえに「手抜き移植」であった事である。
18禁化の都合上、CVの変更を余儀なくされた本作であるが、本編シナリオの一言一句を一切変えずに解き放たれ、ファン層に刺さる毒矢と化した。
加えて、賛否両論のCV変更をしてまでこしらえた、本編終了後の追加要素であるエロにも埋伏の毒が仕込まれている。
メイン・サブ合わせて8人、各2回のエロシーンであるが、ヒロイン当たり各4枚のCGの内、大半を流用して2回使うという誰得仕様を搭載したのである。
こうした死の商人たるCIRCUSの売り方に辟易する者もいたが、同時に「曲芸にしては良くやっている」という謎の擁護まで飛び出し、スレはヒートアップする事となった。

そして最終日の1月31日。選評締め切りまであとわずかのところで、立て続けに3本の選評が襲来し、KOTYe史上まれにみる電撃戦が展開された。
その先方を務めるのはPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!〜四姉妹は全員あなたの許嫁〜』である。
外国のお姫様四姉妹とのイチャラブをお題目に据えた本作であったが、萌えゲーを期待させておいて、その実態は虚無シナリオの抜きゲーである事からKOTYeの舞踏会に連れ出された。
ヒロインは一人を除いて自ら股を開くお手軽仕様に加え、それに発情するだけの竿と化した主人公には「空気」以外の印象を持つことは無い。
イチャイチャ要素であるはずの日常シーンもひたすら虚無で、「記憶喪失がフライパンで治る」等の寒いネタが目立つ。
美麗CGにより抜きゲーとしては佳作に成り得るものの、シナリオが虚無すぎて未読スキップを推奨する本作は、文字通り最終日の動乱の姫始めとして役割を果たす事になった。

31総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:27:38 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
そんなビッチ姫の窮地を救うべく、怪しい勇者が颯爽と戦場に現れた。
6月発売のキャラメルBOXいちご味『下戸勇者〜下戸は飲まねど酒池肉林!〜』の推参である。
実は8月の時点で選評が届いていた本作であったが、「語る気が失せる」という選評者の言を持って、さらなる潜在力の高さが期待、もとい危惧されていた。
そこに通りすがりのハンターが決死行を仕掛け、最終日2本目の追加選評として、勇者よりも魔王というべき恐ろしい全貌を解き明かしたのである。
本作はドラゴンクエスト3を元ネタとする凌辱メインの異世界ハーレム抜きゲーであるが、本来パロディゲーは元ネタを知っているかどうかで評価が分かれるのが常である。
それに対し本作には、DQ3「アリアハン」の町をもじった「アリエヘン」を始めとする輝く息の如き寒いネタが本編、エロシーン問わず至る所にちりばめられている。
震災のトラウマ「ぽぽぽぽ〜ん」をもじった呪文等、もはや元ネタのジャンルすら統一感が無く、DQを既知かどうか等些末な問題でしかない。
DQヒロインを馬鹿にしたやり取り等、むしろ元ネタがわかる事でプレイヤーに激しい炎の如き怒りを沸き立たせる無神経な茶番も見受けられる。
ネタ以外にもRPG風世界観の描写はやたらと凝っているが、抜きゲーにしてはクリアまで15時間弱と長すぎる為、ただただ読むのが辛い苦行と化してしまう。
いくら終盤でそれらの伏線を回収したところでコレジャナイ感を漂わせるだけである。
抜きゲーの本懐であるエロについては、CG70枚、シーン数33とフルプライスとしてまずまずだが、凌辱以外の半数がハリボテである。
各エピソード冒頭のチラ見せH、需要不明な主人公の女体化、和姦用とはいえオホ声を台無しにする農村BGM等、実用性を損なうシーンが入り乱れる。
凌辱で悪役然たる主人公も和姦シーン中にDQあるある、もとい過去の冒険譚を語りだし、抜き所をバシルーラしてしまう。
この時点でラスボス級の攻撃力だが、本編を支えるシステム周りは鉄壁である。
既読・未読を切り替えられない上に声が重なりまくってひどいことなるスキップや、ボイスの音量設定がキャラ毎のみ等、使うに堪えない化石システムがしっかり守りを固める。
止めとばかりにシステム画面の確認ダイアログから背景をブラックアウト出来る立ち絵鑑賞用バグも確認され、ようやく解剖が完了となった。
寒いシナリオとおざなりなエロという二刀流で、地獄の帝王の如き本作はDQシリーズの魔王にならい、最後に進化の秘法によって真の姿を現したのである。

32総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:31:19 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
魔王の踏み荒らした大地を砂漠に変えるべく、最終日のトリを務めたのはDESSERT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』である。
2019年エントリーのシリーズ前作が甘酸っぱいヒロインとのイチャイチャ同棲からの急転直下のハーレム性奴隷bot化で顰蹙を買ったのに対し、
本作は評価されていた日常イチャイチャ描写を大幅削減し、改悪したハーレムエロを増量した罪で再び御用となった。
イチャイチャが薄い分、性奴隷化してもショックは少ないとも取れるが、前作比およそ半減のプレイ時間で、売りの一つだったネタ要素すら削減されてしまっては擁護のしようもない。
特に本作で登場する「露骨にハーレム結成に向けて立ち回る妹」は前作の「策士妹」と悪い意味で対照的な存在であり、同ブランドを三年連続のKOTYeハーレムに導く原動力となった事を付け加えておく。

以上、数奇な運命によりKOTYeに導かれし全エントリー作品16本が出そろったところで、本年の大賞および次点を発表する。

次点は、
『ぶっかけ陰陽師絵巻〜Hなお祓いいたします〜』
『Cuteness is justice』
そして大賞は、
『下戸勇者〜酒は飲まねど酒池肉林!〜』
とする。

本年のクソゲーを俯瞰してみると前年の傾向の先鋭化が顕著であると見て取れる。
すなわち作品を手抜きに基づく「価格不相応」の品質と事前情報と実態の乖離による「裏切り」の二大要素であり、多くの作品を貶める事になった。
前者については、パンデミック不況によって業界全体として製作サイドが予算不足に陥っていた事は想像に難くない。
一方で後者については非常に解釈が難しく、「自分が理想を抱きすぎたのかもしれない」と選評を書く事をためらうハンターが続出する事となった。
『冥契』、『GIKEI』、『ふゆくる』、『DC4PH』等、世間からある程度評価されている作品も数多く選評が寄せられたが、
選評者達は口々に悩みを吐露し、その度にスレ住人がたしなめたのである。
「KOTYeはネタスレであり、選評はあくまで『個人の意見』である」と。
本年程KOTYeの原理原則が確認される事はかつて無かったかもしれない。
炎上騒動やクソゲーへの注目等、SNSを含んだ一人一人の行動が作品に影響を与えやすい世の中となり、ある意味で選評のハードルが上がってしまったが故の事態と言えよう。
例によって次点以上には、こういった経緯によって選評が届いた作品たちとは一線を画す魔物が据えられる事となった。

33総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:32:45 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
ヒントの無い理不尽難度、不便UIに低質なCGと価格不相応の極致たる『Cuteness』。
スワン系の後継者として、飽くなき手抜きで無価値に近づこうとする『ぶっかけ陰陽師』。
TPOをわきまえない寒いネタとDQあるあるに化石システムを添えて投げつけた『下戸勇者』
価格不相応、ユーザーへの裏切りとクソの二大要素を携えるいずれ劣らぬ強者揃いであるが、僅差で『下戸勇者』が大賞たりえたのは一重に「全力投球」の結果、クソであるという点である。
化石システム・バグという技術的な問題は多く抱えるが、過剰に彩られた世界観、エロシーンを侵食する冒険談議等、シナリオからは一切の手抜きを感じないのにクソというストロングスタイルを誇る。
本来、元ネタを知っている事で笑いが生まれるはずのパロディも、寒いどころか怒りを催す類のものも混ざりスベリゲーとしての甘えすら許さない。
確かに『下戸勇者』には凌辱エロやファンタジー冒険譚としての美点も存在するが、実態としてプレイヤーの多くがそれを正しく味わう前に投げてしまい、
最終的な感想として「語る気が失せる」と指摘される悲劇を生んでしまう。
ファスト映画が持て囃されるように、どんなに素晴らしいエンディングが待っていたとしても、最後まで興味をもって見られなければ評価されない現実を痛感させる。
これに対して本命と言われた『Cuteness』の本質は「価格不相応」であり、BugBug記事の宣伝文句のように「昔ながらの高難度やりこみSLG」として、少ないものの評価を得ている。
「定価ではダメでもセールでなら売れるのでは」という意見もあり、ブランド処女作かつ三部作の一作目である事を鑑みて、世の嘲笑を浴びかねない大賞を背負わせるのは時期尚早とした。
また『ぶっかけ陰陽師』は実質1,000円だとしても損した気分とされ、この点では『Cuteness』すら下回っているが、腐ってもスワン系であり、同系列としては小粒感が否めない。
価格暴落により確かにユーザーを裏切っているだろうが、かつてのスワン系大賞作『SEX戦争』『孕らぽこ』に比較して、内容面では歴戦の猛者達の邪な期待に応えたとは言えないだろう。
両作品に共通している事としてはクソの二大要素の内「価格不相応」が先に来ることであり、「抜きゲー」「異世界もの」「DQパロ」多様な属性期待への「裏切り」の分、『下戸勇者』が一歩だけ先に出ている。
クソの要素もバラエティに富む為、「ネタスレ」というKOTYeの趣旨にも合致しており、「語る気が失せる」ものだったとしても、「語ってみれば笑いにもなる」一つの好例として語り継いでいきたい。
以上の理由を持って、14代目の「クソ」の紋章を受け継ぐ英雄として『下戸勇者〜酒は飲まねど酒池肉林!〜』の栄誉を褒め称えたい。

34総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/13(日) 16:34:52 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
かくして、KOTYeの新たな覇者が誕生した。
だがしかし、我々の冒険は終わらない。
KOTYeがいつまで続くかはわからないが、正義の勇者がいれば、悪の魔王がいるように、エロゲという光がある限り、クソエロゲという闇も存在し続けるはず。
それを追い求めて、いや追い求めていなくとも、遭遇したクソを語り、悲しみを分かち合い、笑い飛ばす。
クソゲーへの侮蔑は本質ではなく、斜陽と言われるエロゲ業界において、もしよき友として再び巡り合えたなら、過去の事は水に流して笑いあおう。
悠久の時を超えても、KOTYeはそんな場であり続けるという意思を次代へ受け継いでいきたい。
「来年はどんな魔物が現れるか、はたまた現れないのか」
好色家たちの冒険は続く。未だ見ぬ香辛料もとい「クソ」という人生のスパイスを追い求めて。

最後に冒険者の先輩たる我々から、サブブランドで滑り散らかした挙句、大賞受賞となったキャラメルBOXに対し、
『下戸勇者』ストーリー紹介文にある勇者の決意への反論を贈る事でKOTYe2021の冒険譚を終えよう。
「メインブランドで『今までできなかったことをやってやろう』というのは結構ですが、
 プレイヤーのやるきを奪わないでください」

35名無しさん:2022/02/13(日) 17:34:17 HOST:p10269061-ipngn22001marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp
選評乙です
確かに今年は単純にクソな作品と、
比較的評価されてるけどクソ要素あり
で二分してる感あるな

36総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/13(日) 23:50:12 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
総評2さん、投稿乙です
対象候補こそ違いますが、次点候補以上は似てますね。
下戸勇者も陰陽師もやりたくない作品です。

ところで当面の〆切が迫っていますが、まだお二方程総評執筆のご意向のようですね。
出来るだけ良い総評にしたいので坂者は一人でも多い方がいいです。
そこでご提案なのですが、提出期日を21日までに延長してはどうでしょうか。
21日までにまでに新たな執筆希望者が登場、あるいは執筆中の方より延長依頼があれば28日を最終期限として定める、
これでどうでしょうか?

37名無しさん:2022/02/14(月) 02:00:25 HOST:M106073034065.v4.enabler.ne.jp
延びて2月一杯なら期日延長でいいかと。総評執筆者方々の希望通りですし。
現在総評を出されてるお二方も手直しされるでしょうし、総評への質問置いときますね。

お二方への質問
・「冥契」「GIKEI」「ふゆくる」「DC4PH」の扱い
例年なら2〜3行サッと触れて流す程度のnot for me枠だと思うのですが、
「冥契」が2021の初選評ということもあって、全体のバランスとの間で苦慮しているように見受けられます。

・「どすけべ生活」「家出ギャル」の扱い
価格帯を抜きに考えれば、どちらも2021年の中では次点を争うレベルだと認識しています。
もちろん「価格帯を考慮して次点から外した」というのもそれはそれでOKです。

総評1氏への質問
・大賞の選定理由
「裏切り」を次点以上の評価軸としていますが、「Cuteness」を大賞とするには別に理由が必要と感じました。
分不相応な強気価格が最大の問題で、ゲーム性は嘘をついておらず、「ママ2」とは違ってパケ絵詐欺でもないですし。
事前期待値が絶望的に低かったのもありますが。

総評2氏への質問
・大賞の選定理由
「全力投球」がピンと来ませんでした。「Cuteness」もあれはあれで全力だったかもしれないですし。
「下戸勇者」が他の次点作と差別化できる要素は、寒いギャグやパロディとそれに対する怒りだと感じています。

・「女勇者と幻想カジノ」の略称
「女勇者」だと「下戸勇者」と被るので「幻想カジノ」の方が区別しやすいかと。

38総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/14(月) 22:02:44 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
本スレにも書きましたが、期限は2月末までで問題ないかと思います。
>>37
・「冥契」「GIKEI」「ふゆくる」「DC4PH」
←まとめに選評者のためらいを出す事を決めた時点で
 フォローしつつそこそこ拾う方針だったので、
 作品紹介部分が長くなる構成になっています。
 GIKEIだけは陰陽師からのつなぎもあり、さらに長めにしましたが
 再考時には多少の簡略化の可能性はあります。
・「どすけべ生活」「家出ギャル」の扱い
←価格帯より抜きゲーなのにエロがダメのような
 致命的な問題があるかどうか微妙だったので外しました。
 個人的には「ぱら学」の方が次点に次ぐ存在で
 もっと理解できていれば次点入りは有り得たかと思います。
 ゲームを楽しもうとすればするほど馬鹿を見る要素があり、
 下戸勇者と方向性は近いですが、下戸勇者の方がわかりやすいクソですね
・大賞の選定理由
←総括部分を見直す予定ですので、ここでは大雑把に言いますが
 下戸勇者の問題は期待される要素に余計なものを混ぜた足し算のクソ、
 Cutenessの問題は必要なものが足りないという引き算のクソであるという印象です。
 Cutenessに余計な要素がもっと多く、実が無いのに余計な事をするクソゲーなら
 文句なしの大賞となり得たと思いますが、
 単純な無価値さなら陰陽師が勝り、苦行感なら下戸勇者にもあります。
 逆にCutenessが他の二つと差別化出来ず、陰陽師との検討の中で下戸勇者にしました。
 Cutenessは宣伝文句だけは裏切っていなかったのも大きかったですね。

もっとも単に自分の情報収集力、理解力不足の可能性はありますので、
異論は尊重しますし、改稿時に大賞が変わる可能性もあります。

39総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/14(月) 22:34:28 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
>>37
ご指摘ありがとうございます。
・「冥契」「GIKEI」「ふゆくる」「DC4PH」の扱い
選評者様すら触れられた部分でもあり、悩んだ部分です。ですので、評価されている声の表記を加えた上で、問題点(クソ要素)を記載するに留めたつもりです。
ただ、冥契はトップバッターだった事もあり、表記がいささか冗長になったとは思っています。また私の場合は他の作品への踏み込みが甘いので、余計長く見えたかも知れません。修正時には総括の部分で触れてみようと思います。

・「どすけべ生活」「家出ギャル」の扱い
上記二作品、あと加えるならエルフ嫁、ニート娘も中々破壊力があるクソゲーであると認識しています。それでもなお次点に加えなかったのは、どすけべ生活はエロだけは使える、家出ギャルは価格と加えて絵は相応だった、エルフ嫁は巨乳好きには刺さるかと思ったからです。ニート娘は価格と内容の不均衡が強烈で正直ぱら学とどちらを次点に加えようかと悩みましたが、まともに向き合った際の苦痛の長さでぱら学を選んだ次第です。
ただ、「踏んでいなかった」からクソさの理解が不足していた可能性はあります。

40総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/14(月) 22:35:12 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
・大賞の選定理由
ご指摘の通りですね。cutenessは見えてる地雷を見せ掛けかもって踏んだら本物でしたってだけで価格以外は『裏切り』とは呼べないかもです。ゲームの導入部分も薄く、感情移入も出来ない作業ゲーなのですが、攻略情報が皆無である事によって受ける苦痛をより具体的に表記する必要があったかも知れません。(全クリア目指すなら仏蘭西少女みたいな苦痛を味わうとか)
ここは再考して見たく思います。

正直、エントリー作は10本しか踏んでいませんでしたので、踏んでいない作品の表記と理解が弱い点は自覚していました。他の方の総評が揃うまでに残り6本も煮詰めて修正したく思います。

41総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/14(月) 22:56:48 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
>>39 >>40
乙です。
10本踏んだのはすごいですね。当方はわずか5本です。
僭越ながら、ニート娘を踏んだ人間として一言申し上げると
ニート娘は陰陽師と方向性が同じなので
陰陽師よりクソかどうかで次点入りかが決まります。
不快要素が多少あるが、価格含め全体のダメージはやや少ないニート娘だと
自分としてはスワン系の闇の深さの象徴として弱い気がしてしまいました。
まだ実質1,000円になっていませんしね。

42総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/14(月) 23:10:11 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
>>41
コメントありがとうございます。
cuteness以外はガチで踏みました。
陰陽師は良心の欠片も感じない水増しに腹が立ち次点にしましたが、ニート娘も確かに方向性が同じと言えば同じですね。
ガチで踏んでだら次点に加えていた可能性あります。
ぱら学はまともに読めば読むほど空しくなりますよ。
下戸勇者はくど過ぎるギャグにもほんのちょびっと刺さる所もありますが、ぱら学には一切ありません。

43総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/15(火) 00:12:03 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
>>42
なるほど、ぱら学も業が深そうですね
一応、自分なりの考察では
キャラが変貌→それまでの文章より自分の理解不足を疑うストレス要素
グダグダ復興→オタク文化の布教どころじゃなく、コンセプト詐欺
エロシーン配分→関係性に3Pの必然性が無いならただの地雷要素
このあたりをまとめれば次点もありうる
むしろ、大賞争いも可能か
プレイしていないんでわからないですけどね

下戸勇者は悪くないところもありますよね。
ダメなところが目につきすぎるだけで。
あれだけすべり続けるギャグも問題ですが、
それよりも抜きゲーの癖にエロの描き方に真摯でない事が腹立たしいです。
後長すぎる。エロとエロの間が疲れる。

44総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:30:14 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
素材用にしかならないと思いますが修正稿を投下させて頂きます
基本的に不足の指摘を戴いた部分を加筆修正しました

45総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:31:22 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
修羅の国で開催されし闇の祭典KOTYeも13周年を迎えた2020年は、場外ホームランこそ出なかったものの毎月葬者を出し22本ものヒットが飛び出す乱打戦となった。

見付からなければセーフと言わんばかりにルール無用の手抜きが横行し、挙句の果てには一般観客まで巻き込んだ歴史に残る場外乱闘まで飛び出した2020年度KOTYeは、胸糞主人公と地雷ヒロインによる最凶バッテリーが投じた魔球を渾身の自己満ルビを乗せたフルスイングで打ち返してバットごとボールをバックスクリーンに叩を込んだ『LOVE・デスティネーション』が満場一致でMVPに選出されて幕を閉じた。
また、場外乱闘についてもルールに基づいて判定するとした厳格な矜持を示し、『クソゲーとは何か』について改めて考えさせられた一年であったとも言えるだろう。

2021年度は昨年に引き続き、開幕から話題はあれどもめぼしい獲物は現れず、ハンター達は束の間の休息を堪能していた。
だが歴戦のハンター達が油断して武器の手入れを怠る事は無い。
雪解けの季節である3月、初の獲物は冥界から届けられた。
使者の名はウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』(冥契)
「可愛いヒロインたちとの幸せを追い求める、青春譚」
「恋焦がれるほど求めてしまう、恋愛譚」
「虚構が織りなす、切なくて恋しい、幻想奇譚」
と謳った本作であるが、その内正しいのは一番下のものだけである。舞台は現実世界で起こった悲劇から逃避する為に作られた幻想世界であり、主要な登場人物の多くは故人であって只の舞台装置の役割である。
安易な救済等は無く、キャラクターを攻略する都度不幸な真実が少しずつ判明してプレイヤーに鬱を刻み込んでいく仕様は青春や恋愛を求めた人には苦痛となった。
とは言え、このメーカーはこういう作風と理解する者も多く、鬱要素を除けば全体的に高品質とも言え評価は決して低いものでは無かった。
『クソゲーとは何か』
今年もこの命題との闘いの幕開けでもあった。

46総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:32:21 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
続いて4月には魔王スワンの落胤Calciteの『女勇者と幻想カジノ』(幻想カジノ)が巡回中のハンターにイカサマを見抜かれて御用となった。
転生ファンタジーとギャンブルゲームとエロを融合させようとした本作であるが、その全てが中途半端だった為、悲惨な合体事故が発生。
まず宝くじに当たった事でショック死して転生という流れが意味不明でストーリーにあまり生かされていない。ギャンブル依存症だった前世の記憶が蘇ったはずなのにギャンブルの知識が初歩レベルだったり、イカサマもカードにキズを付ける程度で底が浅い。
ギャンブルゲームとしてミニゲームも用意されているが、これもショボくてつまらない上に勝利数で変わるCG回収の為の手間を掛けさせる。
さらにエロは本番が少ない上にCGの使いまわしまで指摘される始末で手に負えない。意欲は伝わってくるが中途半端であった事から結果としてまるで良い所が無く、これでフルプライスでは価格がインチキであると言わざるを得まい。

GWにはevollが『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』(どすけべ生活)で昨年に引き続いて参戦を果たす。
昨年は絶品バーガーでクソのポテンシャルを見せつけたevollであるが、その腕は錆びるどころか研ぎ澄まされていた。
この作品最大の問題点はシナリオ。借金苦でバスジャックした主人公。
ところが強姦した筈のお嬢様たちは全員ビッチで、少女の口車に乗せられて、最終的には変態お嬢様3人から凌辱してくれないと警察に通報すると脅されて子行為に及び、挙句の果てにはエッチの採点をされるといった電波なシナリオが展開される。
「とっても明るい」「夢の」どころか非現実過ぎてどう見ても狂気の沙汰。
どうしてこうなったとあるが、それはこちらのセリフで、どうやったらこんなシナリオが作れるのか問い正したいレベルである。
勿論寒いギャクも健在で絵・塗り・BGM・システムと、前作の悪かった部分はきちんと踏襲しつつクソゲーとして更なる進化を遂げていた。ミドルプライス故に内容が薄かったのがせめてもの救いか。発売から4日間でKOTYeにダンクシュートを叩き込まれたのも納得である。

47総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:33:10 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
続けて6月にもSUKARADOGが『家出ギャルを拾ったので育ててみた』(家出ギャル)でまたもや参戦。
前作はエロは安定ながら最初からビッチだったというコンセプト詐欺であった。
本作は昔弱みに握られて馬鹿にされていた家出中の元教え子の女生徒を暴漢から助け、家に泊めて性交渉を強要し、何だかんだで同棲するから始まる。では育てるのだろうか?
答えは育てない。主人公は根暗のオタでヒロインはビッチ。気付けば仲良くなってて和姦と不快寄りではあるが絵は比較的安定で凡な抜きゲーだった、これで終われば・・・
だが本作最大の問題点はシステム部分にあった。音声やインストールの不具合もさながら、『マウスの左クリック以外の操作が出来ない』という新型兵器を投入して来た。マウスホイールどころかキーボードのエンターキーすら使わせない鬼畜仕様。低価格帯の抜きゲーで抜きたくても物理的に抜かせないこの仕様はあまりにも斬新で、右手を負傷した選評者により発売から約一週間で被害届が提出されてしまった。

順調に獲物を狩るハンター達であったが、大型魔獣達との約束の刻が遂にやって来る。お待ちかねの収穫祭の始まりである。
まずは壮大な延期でフラグを立てていたPanacheの『ぱられるAKIBA学園』(ぱら学)との対決である。
これも典型的な転生モノで、異世界に飛ばされた際にチート能力を与えられた主人公が、魔王と戦っていた4人の勇者パーティ(ヒロイン)の所に現れ、一撃で魔王を倒す所から始まる。ここまでの演出はムービー等中々の力作であったが、褒められる点はここまでである。
その後は転送されてきた主人公の部屋にあったオタクグッズを使い、褒美として擦り付けられた荒廃した土地の発展の為にオタク文化を広めようという話になるのだが、ここからいろんなものがグダグダになる。
まずストーリー。国創りとか経済とか設定が粗削りというよりいい加減で主人公の適当な案で難の問題も無く問題が解決して強引に話が進んでいく。チート能力とか勇者とか関係無し。
キャラクターもヒロインも設定や個性がブレまくり、性格が変わったり膜復活とか支離滅裂。世界最強の戦力というよりは只のヲタで、話が進めば進むほどに重症化していき魅力が削がれていく。
元メーカーが3Pを売りだったでエロに救いを求めても巨乳なのにパイズリが無いとかエロ方面ですら悲鳴を挙げる者まで現れた。
一応ヒロイン選択型なのだが、事実上最後の一回以外共通部分と呼んで差し支えなく、個別ルートは最終話のみ。他の内容はエロ以外は消化試合でヲタの女子会程度のもの。なろう系のなりそこないの見本のような仕上がりで、残念を箱一杯になるまで詰めてみたような一品であった。

48総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:34:02 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
次いで今度は別の勇者一行がハンター達の前に立ちはだかった。だがその正体は変幻魔法で勇者一行に化けた魔物だった。
魔物の名はキャラメルBOX いちご味の『下戸勇者 〜酒は飲まねど酒池肉林!』(下戸勇者)。
酒が飲めない下戸だった主人公勇者がボッチでチートになるまで旅を続けていたら他の勇者に魔王が倒されていたので、やる事が無くなった主人公は女だけのパーティ-を作って好きな事やろうというのが本作のストーリー。
この勇者は様々なチートスキルを以てハンター達に猛攻を仕掛けてきた。
まずはアリエヘン等ドラクエを捩ったと思われるパロネタのオンパレードでハンター達に吹雪を浴びせて来る。数打てばどれかは当たるだろうと思ったのかも知れないが、その全てがくど過ぎて台無しになっている。余りに多過ぎると意味の理解に時間を割かれる上、知らないものだと意味不明になる。ちび魔女の呪文に至ってはゆっくり聞き取りしないと元ネタすら分からずテンポが割かれる上、結局つまらぬ代物。こうしたネタが余りにも多すぎて寒いというより凍えるレベルでもはや極大冷凍呪文である。
これに不自由なシステムが無慈悲な追い打ちをかける。古臭くて使いにくい上に未読判定機能の無いスキップ、終了確認無しでいきなり終わる×ボタンに加え音声バグやフリーズまで完備し、老舗たるキャラメルBOX製だという事すら疑われる始末。
エロはそれなりにあるとは言え、アヘ系のエロである上に特殊プレイが多く、エロシーンまでギャグ方面に走ってしまった事もあり実用性が低く、カカシまで混じる始末。
どこかの大魔王さながら勇者による天地魔闘の構えから繰り出される、テキスト・システム・エロの攻防一体の超技。討伐に当たったハンターからは犠牲者の墓標に二本の選評が捧げられた。

49総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:35:02 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
続いてこちらも魔王スワンの落胤にて2019年、2020年と連続して次点作を排出したKOTYe界のプリンス、ももいろPocketから『新作ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』(陰陽師)が今度こそ王座を奪取すべく約束の地に降り立った。
もとより大将首との期待値も高く、一番槍の手柄を目指してハンター達は我こそはと突撃。発売から二週間足らずで陥落させ、選評者による首見分が行われた。
本作の大まかなあらすじは妖怪によるエッチで変な呪いが陰陽師である主人公の精液で解ける事が分かり、問題解決に当たりながらヒロインと仲良くなるというもの。やや強引さはあるが、そもそもココにシナリオを期待する方が間違いである。
最大の問題点となったのは『手抜き』。普通のCGの一部を使いまわすだけでも酷いが、立ち絵を切り抜いて使うという荒業まで駆使してコストの削減に努めている。見た目のCG数は60あるが、実質的には約半分が使いまわしのハリボテで伝説の銃騎士級と称された。
他に選択肢がノーヒントでCG回収に余計な手間を掛けさせる、服装が何故か現代風、背景が荒いといった地味な嫌がらせ要素に加えてフルプライスであった事もあり、一線級の大将首と認定された。
なお本作は8月末発売の新作でありながら、年末には諭吉10本セットに出され,実質1,000円という怪挙も成し遂げたが、それでも損した気分との声まで挙がった。

大物を狩り安堵していたハンター達であったが、今度は本陣に奇襲の報が入り、慌てて駆け付ける事になった。
奇襲をかけてきたのは歴史原作物で定評のあるインレの『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』(GIKEI)である。
本作は源平合戦を題材とした作品で主人公とヒロイン二人が現代からタイムスリップし、それぞれ源義経、静御前、朧の方としてその時代で役割を演じていく。
過去作同様複数章から成り、タイムリープを繰り返して進行していく。本作は三部構成。第一章は概ね史実通り、第二章は義経生存説の伝承を元に進む。ここまでは蘊蓄の多さとエロの薄さに不満の声はあっても概ね良作とも言えた。
問題点は最終章。ここから呪いや妖怪等が登場し、全く別の作品に変貌を遂げる。最終的には超サイヤ人みたいなチートキャラまで登場し、大ボス倒して現代に帰りハッピーエンドである。
元から最後の超展開がお家芸のメーカーではあったが、受け入れられるかは別の問題。これも全体的には高評価の声も多い作品ではあったが、クソ認定されても仕方無いものでもあった。

50総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:35:59 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
その後、あまりの見た目の酷さから「見えてる地雷」と注目されていた作品がSAN値直葬でKOTYeに届けられた。
新ブランドVanille Macaronの『Cuteness is justice』(cuteness)である。
エルフの王国を題材としたファンタジー世界で、一時期流行したプリンセスメーカーの様な育成(調教)PRGであるが、本作はその売りとなるべきゲーム性を取り巻くありとあらゆる要素に問題を抱えてしまっていた。
まずは真っ先にCGのレベルの低さが目を引く。事前公開されていたCGからしてどう見ても商業作品とは思えないレベルで、エロCGから敵モンスターに至るまで同人作品級、下手したら同人の方が上とまで称された。
更にこのゲームには公式HPどころかパッケ、取説のどこにも攻略情報が存在しない。プレイヤーは手探りでゲームを進める他は無く、育成した数値が足りないと簡単にゲームオーバーになる。唯一の情報はBugBugの商品紹介記事で必読とまで言われた。数値及び実績によってエンドが分岐するが、当然その情報もない。
加えて使いにくいシステムが追い打ちをかける。先述の要素もあってこのゲームにはトライアル&エラーが必要であり、エンド数に相応する程度はセーブスロットがあってしかるべきだが、その数は10と圧倒的に足りない上、特定の場所でのみしかセーブ出来ない。ゲームの挙動も遅く、これが本作の苦痛度を劇的に跳ね上げる事に成功している。
テキストも舞台説明が乏しかったり語彙も無い上、句点の位置とか日本語としておかしかったりして読む行為にすらストレスを与えて来る。
そして最大の問題は、この品質にしてフルプライスであった事である。熱意は伝わって来た、つまらなかった訳じゃない、同人なら許せると擁護する声も散見された本作であるが、これについては最後まで擁護の声が出る事は無かった。
なお、恐ろしい事に本作は三部構成であり、これが第一作目である。パッケージ版には二作目で使えるシリアルキーが封入されている。これを踏んた人の為にも続編はライターと原画家とグラフィッカーとスクリプト技術者と価格を見直して頂きたいものである。

大物討伐の報に湧いて宴を開いていたハンター達であったが、同日に発売されていた別のエルフも獲物として狩られて来た。
獲物はNorth Boxの『エルフのお嫁さん 〜ハーレム婚推奨〜』(エルフ嫁)
1人でキャンプしていたら何故かエルフの国に迷い込み、エルフの女から魔力(精力)をくれと言われてハーレム状態になるという話である。
異世界ものなのだが、主人公は若返って青年になったおっさんで兎に角ウザく、基本話は食べ物とエロで進む。
異世界に学園とか要らないし、お嫁さんとあるが結婚もドレスも孕みも無い。
エロは巨乳一点突破型でCGも良質でそれなりに数も豊富、一部はアニメーションまで使っているので刺さる人には刺さりそうなのだが、大変残念な事にプレイ内容が似偏っており、誰を選んでもシナリオに変化が無くて個性を消し飛ばし、長所である筈の部分を台無しにしている。さらに主人公の精液が目的なので話の整合性に問題は無いが、舐めるだけで射精とか男の下半身を理解しているのか疑う描写もある。
この残念さで選評者をして「あらゆる層からのヒットを避ける魔球」と絶惨された。

51総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:36:39 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
選評ラッシュはまだ続く。
QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』(誤報死)が有毒植物である事が報じられた。
1月に発売され、つまらないシナリオと使いにくいシステム、挙動の重さ等で話題になっていた作品であったが決め手を欠き、ギリギリセーフとして見逃されていた作品であったが、挙動の重さの原因を突き止めたハンターによって有毒成分が判明。誤食されないようにと駆除される事となった。
本作は寂れていく温泉街に住む主人公の元に神様が現れ、悪魔を更生させて欲しいと依頼されて一緒に生活していくというお話。
CGやエロは良いが、まずはシナリオが凡過ぎて酷くつまらない。
更生といっても悪魔二人は全然悪魔らしくなく寧ろいい子で、ただいちゃついているだけ。天使も只のポンコツ。地元商店街の連中は主体性の無いクズで、主人公の適当な案で簡単に客が増えていく。要はヒロインの色気でお客さん集めて活性化しようっていう凡なお話。
前作までとライターが変更になっており、その内の一人がママⅡのライターだった点も影響しているのかも知れない。
システムもセーブ・ロードの際にいちいちポインターで動かなければならず、地味なストレスを与えて来る。
最後の挙動の重さについてが最大の問題で、フレームレートが無制限となっており、PCに強烈な負荷をかけるものだと判明したのである。現状では不具合の報告は上がっていないものの、PCクラッシャーとなる可能性を否定出来ない以上、危険物として駆除されても仕方あるまい。

祭の締めはCalciteの『ニート娘を更生させよ!〜性技があれば生きていける〜』(ニート娘)が本年度二発目の不義理を以て勤める事となった。
ニートを更生させるニート更生員となった主人公が、ニートの娘三人をエッチなご褒美で更生させようというのが大まかなストーリーである。
本作はミドルプライスなのだが、その総容量は脅威の302MB、プレイ時間にして5時間前後である。この時点で伝説の魔物共を彷彿させるが、その中身も期待を裏切らないものであった。
シナリオは選択肢は最低限で、分岐の基本は恋人エンド1〜2と風俗堕ちエンドである。だが、容量削減の為にヒロインとの交流等日常シーンの省略が目立ち、感情移入を困難にしている。
エロシーンはCG40と見た目はギリギリセーフに見えるが、テキストとボイスが極端に少ない。抜きゲーにとって重要なポイントで、抜く暇もなくシーンが終わってしまっては元も子も無い。我々は聖上では無いのだ。
この酷さでクイックロードとシーン回想に不具合まで搭載し、説明書記載の操作方法にすら誤記がある始末。過去の手抜きの抜きゲーと比較しても屈指の一作で、魔王の落胤の実力をまざまざと見せつけた。

52総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:37:23 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
長き祭も漸く終わり、ハンター達は鋭気を養うべく後夜祭の準備に入る。
年末間近にまずはシルキーズの『ふゆから、くるる。』(ふゆくる)が口火を切った。
本作は四季シリーズとして別メーカーから発売されていた作品であったが、諸事情により最終作はシルキーズからの発売となった。
ライターである渡辺僚一氏は過去作でもそうであったが基本何かを仕込む作風であり、緻密なシナリオと予想を裏切る展開は賛否両論はあれど高評価を受けており、本作も同様で
はあるるのだが、今回は仕込んだモノが悪かった。
学園SFミステリーADVとの看板には偽りは無い。ミステリーと称する以上事前に公開出来る情報は限られている事も理解は出来る。百合については事前情報から推測可能ではあった。
だが、「ふたなり」は流石にどうかと思われる。事前情報との乖離は立派なクソ要素。百合を求めた人、普通のエロを求めた人の双方にとっては地雷認定されても文句は言えまい。

年が明けて残敵掃討期間である1月の中旬にはCIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony 〜ダ・カーポ4〜 プラスハーモニー』(DC4PH)が打線を繋ぐ。
本作は一般作品として発売されていたダ・カーポ4にエロを追加した作品である。原作は割と高評価であったが、今作はそのエロの追加の仕方に問題を抱えていた。
一般部分をそのままにして最後にオマケ程度のエロを追加しただけなのに加え、そのエロもCGの使いまわしだったのである。売りであった筈の肝心のエロで手抜きを行っては移植の意味が無い。原作プレイ済みの人からしたら許されない仕打ちであっただろう。

53総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:38:03 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
最終日前日、ハンター達は狩り残しが無いか再確認を行う。その結果、最終日にはもはや恒例となりつつある駆け込み選評が二本、追加選評一本が届けられた。

駆け込み選評の一本目はPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!〜四姉妹は全員あなたの許嫁〜』(プリシス)。
エロについては高品質な本作であったが、そのエロを繋ぐシナリオ部分が凡過ぎる上に無駄に長く、空気を超えてゴミと苦痛のレベルに達している事が問題とされた。これを万超えのオーバープライスで掴まされたら腹が立つ者がいても不思議は無い。

続いて下戸勇者の追加選評が投下され、駆け込み選評二本目にして2021年度の締めくくりを勤めたのはDESSRT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』(トメフレ2)であった。
シリーズ物である以上、前作との比較は当然される訳であるが、本作は前作の問題点であった冗長な展開を短くして改善したのは良かったが、同時に長所であったヒロイン描写までもが削減されてしまった。その分ハーレム描写が強化されているのなら辻褄が合うがそうではなく、結果的に前作から見て劣化ゲーの印象となってしまった。

以上、2021年度のエントリー作16本の紹介を終えた所で、次点及び大賞の結果発表を行いたい。

次点は
『ぱられるAKIBA学園』 (ぱら学)
『下戸勇者 〜酒は飲まねど酒池肉林!』 (下戸勇者)
『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』 (陰陽師)

そして栄光の大賞は
『Cuteness is justice』 (cuteness)
に捧げたい。

54総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:38:48 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
「クソゲーとは何か」
2021年度は選評者からも「クソ」かどうかについて悩む声が多い年度であった。この命題については未だ明確な解答は得られていないが、納得出来ない「何か」があるからこそ人は不満の感情を抱く。
人それぞれに好みがあり、料理に例えるなら同じ料理でも「美味しい」と思う人がいれば、「不味い」と思う人もいる。美味しいと評判の店に行ってみて「こんなもんか」と思った経験は誰しもがあるだろうし、逆に誰もが不味いと言うものを旨い旨いと言う人もいただろう。結局はそう思う人が多いか少ないかの相対的評価の問題なのだ。
ではこれをクソゲーに置き換えた時、「クソ」と思う判断基準は何なのであろうか。
当然解答は一つでは無いが、ゲームはユーザーが楽しみたいという動機を以て金銭と時間という対価を支払って購入するものである以上、ゲームの製作者がユーザーに対して行った「約束」、与えた「期待」、そして求めた「対価」を裏切ったモノに「クソ」の烙印を押されるのは当然の摂理であろう。

それを踏まえてエントリー作を検証した際、次点以上の作品はその裏切りのレベルが一段上のものであった。

約束の期日を守らなかった挙句、掲げたコンセプトを放り投げて適当なシナリオとエロを購入者にぶつけた「ぱら学」
ユーザーの事を一切考えず、不自由なシステムと終始一人よがりの寒いギャグを購入者に浴びせ続けた「下戸勇者」
過去作からの反省など一切せず、CGの使いまわしによる手抜きに全力を傾けて購入者に一切の満足を与えなかった「陰陽師」
は一歩抜き出た作品として次点とした。

そして、訴えるコンセプトを表現する為の力量も無いまま、ユーザーに必要な情報と環境すらも与えず、手抜きと呼ぶレベルにも至らぬ品質の作品をフルプライスでぶつけてきた「cuteness」に栄えある大賞を進呈したい。

55総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:39:38 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
さて結果発表後ではあるが、今年の傾向として触れておきたいテーマがあり、追記させて頂きたい。
 
まずは「価格」とクソの相関関係の考え方についての疑問である。
大賞の選定理由の1つになった要素でもあるが、発売される新作はロープラが多くを占める今、この判断基準が分かりにくくなっている。実際つまらないと思われた作品でもこの値段だからと多くがスルーされたりしているだろうが、その中にいたクソを見落としていたりはしないだろうか。
また、近年ロープラでも純粋なクソさでエントリーされたり次点になった作品は存在するが、例えばcutenessが2,000円であったら評価はどうなっていたのかと考えると悩んでしまう。価格に関わらず「作品そのものから受ける苦痛は同じ」なのである。販売価格も普通は時間の経過と共に下がる訳で、安くなってから買った人はクソと感じなくなるのもいささか不自然でもある。『クソ』なものは『クソ』、これが真理ではなかろうか。
KOTYe界にはJksの様な分かり易い単位も存在はするが、これはCG数しか比較できない。
諭吉10本セットとかも多くなった昨今、購入価格に左右されずにクソゲーを見極める視点というものの必要性を感じる次第である。

56総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:40:26 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
そして選外にこそなったが「冥契」、「GIKEI」、「ふゆくる」、「DP4PH」のように市場の評価が高い作品のエントリ―についても触れさせて頂きたい。
昨年の話題作「まいてつLR」もそうであったが、正直「全体としては面白かったが、ここはクソ」という作品について、クソゲー扱いして良いのかについては疑問の余地がある。相対的評価を是として見るならこれらは良作でクソゲーではないからだ。
初めて触れた場合と過去作と比較した場合で作品の評価が変わる事は仕方が無い部分である。しかし、期待や約束に対する「裏切り」は立派なクソ要素である。ならばそれを見極めなければならい。
作品はシナリオ、CG、音楽、エロ、システム等様々な要素の集合体であるが、何らかの訴えているコンセプトというものが必ず存在する。鍵はそれを裏切ったかどうかである。
冥契は青春と友情、GIKEIは史実伝承、ふゆくるは百合、DC4PHはエロと確かに掲げたものの一部に対する裏切りが存在していた。ならばそれはクソ要素であり「クソゲー」と呼ばれる資格は有している。
とは言え、少し前まではこうした作品がエントリーされる事は無かった。これは当時は酷い作品が多かったからだが、KOTYeの選定基準は年ごとに異なる訳であり、こうした作品がエントリーされるようになったという事は作品全体のレベルが上がった証左なのかも知れない。だとするならばこれは喜ばしい事だとも思う。

最後にデビュー作で至高の冠を戴いた「cuteness」のセリフを借りてハンターの決意を示し、2021年度KOTYeの締めくくりとしたい。

KOTYe、待っててね
 このクソゲーを終わらせないと
  わたし、選評のためなら何でもするわ

57総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/17(木) 00:41:21 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
以上で修正稿の投下終わります

58総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:29:33 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
総評2、修正稿を投下します。
大賞が変更されていますが、
以前大賞とした下戸勇者も依然として
有力と考えており、大賞議論においては
相談させてもらいたいと思います。
よろしくお願いいたします。

59総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:32:26 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
2020年、エロゲ業界のみならずあらゆる界隈を巻き込んだ不況と混乱の中で催されたクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は前代未聞の毒に襲われた。
不快な主人公、地雷ヒロインにご都合主義展開とクソのストロングスタイルを備えながら、文章すべてにルビ乱用という細菌を混ぜ、
未知のパンデミックを引き起こした『LOVE・デスティネーション』がKOTYe2020を制したのである。
発足してから13年という月日が流れたKOTYeにおいて、未だに新しいクソ要素が発見される事態に歴戦の勇者も驚嘆する事となった。
こうして2020年の幕は閉じたが、2021年も旅を続けるスレ住人の胸には期待があった。
「今年はどんな魔物が現れるか、はたまた現れないのか」
KOTYe2021の冒険者達が乗り込むキャラベル船は、新たなる香辛料を求めて航海を続けるのである。

3月下旬、2021年のKOTYeはまさかの来訪者に慌ただしく動き始めた。
桜の開花がパンデミックで傷ついたこの国に春の到来を告げる頃、春告鳥としてウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』がKOTYe開幕の知らせを伝えてきたのである。
上質なシナリオで固定ファンを掴んでいる同ブランドだが、届いた選評は実態とあまりに乖離した宣伝文句に踊らされた、哀れな子羊の叫びであった。
青春譚、恋愛譚、幻想奇譚の3つをコンセプトとした本作であるが、前2つは形骸化され、実際は虚構世界で展開される陰々滅々としたエピソードが続く。
各登場人物の長くて重苦しいモノローグも拍車をかけ、選評者をして「一個も明るい話が無い!」と言わしめた。
これを「ブランドの作風」と言えば聞こえはいいが、単に「ご新規さんお断り」とも取れる為、擁護派からも一定の支持を受けてしまう。
かくしてKOTYeに飛来した『冥契』であったが、このような予想外の良作ブランドが到来する例は本年の特徴である。
仮に『世間』で評価されていたとしても、『事実』として発生している購入者に対する裏切りまでは正当化出来ず、本年のバトルロワイヤルは振り子の原理を伴って少しずつ拡大していく事になった。

60総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:34:10 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
ウグイスカグラからのまさかの選評という衝撃的な幕開けに続く事になったのは、同月に発売されたCalciteの『女勇者と幻想カジノ〜求む亜人巨乳美女ギャンブラー〜』である。
何を隠そう、Calciteはかつて大賞作『SEX戦争』等を輩出した名門のスワンアイの流れを汲むブランドである。
定番ジャンルとして異世界物の抜きゲーを続けてきた同ブランドだが、ついに4作目でダウトとなった。
投げっぱなしのシナリオやご都合主義展開とクソゲーのお約束を抑えた本作あるが、最大の問題点は流用によるCG数の水増しである。
全60枚のCGの内、立ち絵や他のCGを加工して作られたと思わしきものの枚数は26〜7枚と半数近くを占める。
この流用は同じ姿勢のCGに対して触手や背景の入れ替えや左右反転が主だった手口である。
異世界ギャンブルものとしての掘り下げも不十分で、登場するイカサマも「カードに傷を付ける」等の初歩的なものしかない。
挙句の果てにはゲーム内ミニゲームのブラックジャックでブラックジャック(役)が存在しないというチョンボまで発見される。
製作陣が如何に付け焼刃のギャンブル知識で本作を手掛けたかの証左と言えよう。
その他、立ち絵増殖バグやらエロシーンで突然シーン回想の挙動になる等、システム面の問題も合わさり、クソの役満となった。
安パイのはずの異世界物を掴んだと思ったら、ババ抜きのババだったといった事態にスレ住人には失笑が溢れることとなった。

久しぶりに落ち着いたGWとなった日本を尻目に、「失笑なら任せろ」と言わんばかりに登場したのが、4月末に発売したばかりのevollの『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』である。
前年に、「風が吹けばストッキングが消える」でお馴染み『絶品バーガー』を送り込んだ新鋭が新たな方向性を携えて馳せ参じたのであった。
本作の問題点はコンセプトの崩壊による安定感の無さである。
タイトルに「とっても明るい!」とつけている本作であるが、シナリオは「バスジャックで誘拐したら、被レイプ願望のあるお嬢様に逆脅迫され仕方なく凌辱」という複雑怪奇なものである。
馬鹿ゲーを狙ったつもりなのかもしれないが、このコンセプトに対して食い合わせの悪い3要素がプレイヤーを襲う。
まずは主人公が凌辱に向いておらず、行為に入る前に挿入される鼻血や童貞モノローグ等の演出がプレイヤーをいらだたせる。
それに続くのは、シーンの終了後にヒロイン3人でHのダメ出しを含む品評会制度であり、「主人公に感情移入出来ないのにただ責められる」という新手の言葉攻めをしてくる。
最後にエロシーンの幕間を補うギャグが滑っており、「メイドが牛乳ととろろを入れ替えた」「言葉のダメージで9999のダメージが飛び出るのが見えた」等、バカゲーを馬鹿にするかのようなネタが襲い来る。
全体的に何をしたかったのかが伝わらず、珍走団の如きライターの迷走っぷりには甚だ迷惑である。
前作『絶品バーガー』を下回る料理を出された選評者をして「エロゲから離れた方がライターの為」と言わせしめ、スレ住人は大いに舌鼓を打つのであった。

61総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:37:23 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
6月に入ると前年にエントリー作を出したSAKURADOGから『家出ギャルを拾ったので育ててみた』が梅雨の湿気さながらの陰湿システムで突き出される事となった。
ゲームを一回閉じると起動しなくなり、再インストールを要求と初っ端からイラつかせる本作であるが、まだ掴みに過ぎない。
最大の問題は「マウス左クリック」以外の操作が出来ない事であり、息子をイカせる前に人差し指がイカれるという事態を引き起こす。
シナリオも設定を活かしきれない微妙さだが、CGはヒロインのキャラ変を差分とせず、41枚の内半分が被りという手抜きには、「お前は抜くんかい」と購入者が激怒しても仕方がない。
かくして「抜く為の利便性が低すぎて、エロゲに数えたくない」と選評者に断罪された本作は同ブランド2年連続のエントリーを飾ったのであった。

梅雨の湿気を吹き飛ばすべく、自らのアイデンティティーさえ吹き飛ばした勇者一行が続けてKOTYeを訪れた。
5月に発売されたpanacheの『ぱられるAKIBA学園』がタイトル回収とばかりに参上したのである。
度重なる延期を重ね、当初の予定より丸一年遅れで発売されたその姿は、もともと予定していたものではない事が容易にうかがい知れる内容であった。
本作はオタクの主人公が異世界転生し、勇者ヒロイン達一行とともに魔王を倒し、オタク文化を広めながら世界を復興するという意外と骨太なものである。
復興ものの都合上、安定した世界設定が求められるが、本作は世界観を安定させる前にヒロインのキャラが安定しない。
個別ルートまでに4人中3人が別人のように変貌し、そこまで楽しんでいたプレイヤーを落胆させてしまう。
委員長属性の勇者はネガティブモブに、吟遊詩人エルフは騒音お姉さんに、頭脳派魔導士は破壊行為中毒にともはやパラレルワールドの有様だが、変貌しない聖女も元からイカれている為、結果として全員属性地雷と化してしまう。
世界観についてもそもそも教育・文化そのものが無い為、オタク文化の布教以前にやる事が満載であり、本筋を想定して作られたとは思えない代物である。
貴族たちの腐敗した実情等、気分を害する設定は凝っていたりするが、最終的に復興活動もコスプレHの為の舞台装置と化す残念仕様である。
ここまで異世界転生ものとしては期待できないレベルの拙さであるが、エロについてもおぼつかない。
個別ルートなのに大半が3Pとアブノーマルなシチュが多い癖、巨乳ヒロインでもパイズリはゼロと「何をもってこの配分にしたのか」と小一時間問い詰めたい。
総じて異世界エロゲの悪手の見本市であるが、本年は『ぱら学』をはじめ「異世界」や「ファンタジー」という文言が多数見受けられる作品が多い。
「人気のジャンルのはずなのに鬼門」という流行の先駆けとして、『幻想カジノ』ともどもクソのコレクションに収められることとなった。

62総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:40:11 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
夏の終わりが近づく9月、「俺たちの百物語はこれからだ」と妖怪が襲い掛かってきた。
8月発売、ももいろPocketの『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』の慟哭である。
同ブランドはスワンアイの正統後継者として2019年の『カスタムcute』、2020年の『俺は姫武将を孕ませたい!』に続き3年連続のエントリーとなった。
本作は陰陽師の主人公が巷に蔓延るHな呪いを精液で解除するという和風ファンタジー抜きゲーであるが、素材を活かすどころか、そもそも素材が間違っている。
妖怪が跋扈する古風な世界観に似つかわしくない現代風衣装のヒロインや同ブランドの前作「姫武将」から流用した粗い背景等、のっけから躓いて立ち上がる事は無い。
肝心のCGについても、親戚のCalcite『幻想カジノ』から「CGを流用して枚数を水増し」を伝授されており、フルプライスにもかかわらず実質1jksを下回るが、これで終わらないのが正統たる所以である。
環境依存のバグによりCGモードで流用を確認しにくいように白い靄を発生させる隠ぺい工作まで搭載している。
テキストもモノローグの水増しにより実用性を極限までそぎ落とされ、衣装やぶっかけの場所がCGと違う等の整合性を欠き、隙の無い陣容である。
一方で、本筋は主人公の妖怪呪い考察が大半を占め、ヒロインとイチャイチャも端折ったまま、ボスとの戦闘といった盛り上がりも立ち絵流用戦闘CGの前に無味乾燥の極致である。
ここまでの時点で壮絶な出来であるが、そこはやはりスワン系、システム周りにも救済は無い。
かつての同門ブランドの大賞作、みるきーぽこの『孕らぽこ』で見られたほどではないが、ノーヒントの三択を間違えるとルートが消えたり、途中で終わるという不親切仕様を搭載している。
これを攻略する為にセーブ&ロードで対応しようとすると、前作『姫武将』同様の5〜6秒の暗転が首を絞めてくる有様である。
総じて妖怪変化の有様であるが、8月末発売の本作のDL版が10月末に某所の10本1万円セールに登場した。
わずか2か月で税込9,680円の本作が実質1,000円と9割近い値下げとなり、発売日に購入したユーザーには哀悼の意を表せざるを得ない。
一方で、あまりの不出来にあるハンターから「もともと1,000円で売る事を想定して作ったのでは?」と邪推されてしまう。
かくして、CG流用、やる気のないエロ描写、無味乾燥なシナリオ、不親切なルート周りに価格暴落と悪の陰険五行説を提唱したももいろPocketは
同ブランド3度目の正直にして同系ブランド3代目の大賞というクソ大河の完成に向け名乗りを上げたのである。

63総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:42:12 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
妖怪の跳梁跋扈にどんよりした雰囲気の中、10月になると大河ドラマの主役の座を取り返すべく、まさかの真打が登場した。
歴史もので評価の高いインレから『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』が一ノ谷の戦いさながらの崖下りで奇襲を仕掛けて来たのである。
本作は現代の主人公が過去にタイムリープして、源義経として源平争乱の時代を戦い抜くというストーリーである。
プレイ時間30時間超、2回のループを挟んで実質一本道の本作は、歴史ものを期待した層を裏切る怒涛の最終盤が問題である。
度重なるタイムリープで過去の歴史改変の影響が現代に現れる設定を展開する一方、最終盤ではそんな設定かなぐり捨ててパラレルワールドと決めつけ、ボスの悪霊との少年漫画さながらのドッカンバトルに挑む。
そこに至るまでも無駄にテンポを損なう義妹ヒロインの歴史うんちく談議がちりばめられ、もはやライターの知識自慢にしかなっていない。
せめてエロに救いを求めても、魅力的な女体化武将達にエロシーンは存在せず、現代から一緒に来たヒロイン二人で計5回と無常観的な哀愁を感じさせる。
骨太な歴史絵巻たる中盤までさえ懐疑的にみられてしまう顛末に「神は細部に宿る」という言葉の重さを嚙み締めるのであった。

64総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:44:38 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
『GIKEI』の非業の最後を見届けたスレ住人が対峙したのは、かねてより夏の怪物……むしろラスボスとして危険視されていた大作であった。
8月発売Vanille Macaronの『Cuteness is justice』がタイトルに合わぬ禍々しい姿でこの混乱に畳みかけてきたのである。
同ブランドの処女作にして、ファンタジー世界を舞台にしたやりこみ育成SLGと銘打ち発売された本作であるが、『ママ2』同様に「見えている地雷」と評されたその実態を紐解こう。
本作のストーリーは亡国の皇女リンを調教師の主人公が拾い、Hを含めた調教育成を施して、亡国の再興を目指すという壮大なものであるはずだが、
「エンパイアエルフ王国」「ドワーフ王国」等、ひねりの無い設定上の名称を前に安っぽさを感じざるを得ない。
続いてSLGパート、本作は『下級生』等を参考とし調教ものに転向させた、昔ながらのコマンド式育成シミュレーションであるが、能力の増減に関するヒントが見当たらない。
ちょっとした能力の不足で即BADENDに直行する難易度に対し、マニュアル等にヒントは出ておらず、情報サイトのBugBug記事で語られるのみとなっている。
このような理不尽さに加えて、やりこみを困難にする古臭いシステムが足枷になってプレイヤーを苦しめる。
周回前提にもかかわらず、セーブデータが10個しか作れず、コマンドや演出の度に切れるスキップや読み込みロードの嵐とストレステストの如き賦役が待ち受けている。
こうしたストレス仕様を補うエロはというと、そもそもCGのクオリティが商業水準に到達していない。
同人レベルともされた塗りのレベルが「見えている地雷」とされた所以であるが、射精断面の白濁液に黄色い粒が混じるグロ画像が発見されるとスレを恐怖のどん底に陥れた。
一方のテキストは総じて「、」(読点)の位置がぐちゃぐちゃで読みづらく、形容詞の対象や主語が行方不明になる稚拙なものである。
何とか理解したとしても3クリックで射精するシーンや、弱気な主人公がシーンでは急にハイテンションになる等、失笑をかっさらう出来である。
実用性の面で期待は出来ない惨状であるが、例によって調教コマンドのエロシーンは省略が出来ず苦役の一部と化す。
絶え間ない地獄の果てに登場するラスボスは一枚絵のモブトカゲであり、三部作の一作目とはいえ、苦役の代価の盛り上がりの無さに辟易するだけである。
ノーヒントかつ不親切なシステム、商業向けとは思えないCG、我流点整を欠くテキストと、総じて税込8,580円の体裁をなしておらず、ラスボス然たる圧倒的な総合力はスレを論争に巻き込んだ。
「2,000円の同人としてなら許せる」「いや、むしろ同人に失礼」
程度の問題ではあるが、否否両論入り乱れた本作は本年のKOTYeのセンターとして、最後まで引き合いに出され続ける地位に君臨したのである。

65総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:45:25 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
ラスボス襲来に沸き立つスレであったが、そこに流行りの異世界エルフが魔弓ならぬ魔球を投じてきた。
North Boxの『エルフのお嫁さん 〜ハーレム婚推奨〜』がスクランブル登板してきたのである。
異世界転生ものに学園ものを合わせヒロインはエルフと、抜きゲーとしては置きに行った作品に見えるが、絵以外の褒め所が無い。
シナリオは食事とセックスを往復し、舞台装置である学園のせいで異世界設定が死ぬという共食いが発生している。
一方でエロシーンはお祭り風のBGMが自家発電を牽制し、タイトルの「ハーレム」要素も4回の3Pと4人フェラ一回ではただの見せ球に過ぎない。
終いには終盤の展開が各ルートで重複し、プレイ内容も代り映えしない為、購入者にデジャブを感じさせる始末。
こうして宣伝文句にある大半属性が死に絶え、多様な購入者のストライクゾーンを避ける魔球と化した本作に対し、スレ住人は見送り四球を選ぶのであった。

エルフによる魔球を見送り、塁に出た先に待ち受けていたのは天使と悪魔の凸凹バッテリーだった。
QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』の降臨である。
1月の発売直後もプレイ中に挟まる読み込みロードの多さから話題となった本作であるが、秋深まる11月に未知の問題が発覚しKOTYeに召される事となった。
大筋としては更生の為に天使に連れてこられた悪魔2人が過疎化にあえぐ離島の旅館を手伝う事で盛り返していく町おこしものであるが、そんな宣伝文句も悪魔の戯言に過ぎない。
ダイジェスト進行であれよあれよという間に島は盛り上がり、ヒロインとの交流要素も省略気味である。
エロの導入もやっつけで、主人公は自身のケガや大事な確認事項を忘れて脈絡もなく行為にいそしむ。
そんな極小の描写力に対して、膨大なのはフレームレートである。
本作はまるでベンチマークテストをするかの如く、システムが許容する最大負荷をかけてフレームレートを暴走させる。
高スペックGPUではゲームの軽さで負荷が上がりきらず、致命的な故障報告こそ上がらなかったものの、密かに無駄な電力を消費するこの仕様は昨今叫ばれるSDGsの対局を行くものであり、
選評者をして新タイトル「こっそりグラボにオシオキべんち」としてクソの禁書目録に収められることとなった。

66総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:46:32 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
悪魔によるPCの強制労働を目の当たりにした衝撃も冷めやらぬ中、12月に入って現れたのは怠惰なバカ女だった。
11月末に発売されたばかりのCalciteの「ニート娘を更生させよ!性技があれば生きていける」が同ブランド2連勤を果たすこととなったのである。
本作のシナリオはニート更生員の主人公が社会不適合者のヒロイン達を更生させて就職を目指すというものだが、
税込7480円というミドルプライスでありながら、ゲーム容量が302MBしかない。
『ママ2』の悪夢を思い出すような数値だが、そのダイエット法はとにかくセリフをケチる事である。
売りとされたヒロインを更生する展開は1周+各ヒロイン個別1回で終了し、途中の交流描写をカット。
CG40枚、シーン数36と体裁だけはまともであるが、モノローグが水増しされたエロシーンではなかなか声が聞こえない。
『しゃべれよ!ちゃんと喘げよ!イクの早すぎるよ!』の三連打にはプレイヤーも抜く気がうせるだろう。
おまけにBugBug記事以外で告知していない風俗堕展開も強引展開の末のやっつけ仕事である。
システムとしても前作以上に完成度が低く、説明書通りに右クリックが動作しないバグやシーン回想の範囲設定ミス等も見受けられる。
挙句の果てには風俗堕ちの末、ヒロインが出演したAVの男優名がなぜか「Man」等、厚顔無恥な出来に「ニートに働かせる前に、お前が働け」と製作陣に物申したいところである。
一方で前作がスワン系の新奥義「CGを流用して水増し」を咎められた為、反省したのだろうか。
それに続く本作は、そのような卑怯な真似に頼らない正統派のクソゲーとしてKOTYe2021の社員名簿に名を連ねる事となった。

12月も末に差し掛かり除夜の鐘の足音が聞こえる頃、まさかのメーカーから年内最後の選評が投下された。
シルキーズプラスの「ふゆから、くるる。」が同系ブランドで初めてKOTYeの門を叩いたのである。
本作は同ブランドがすみっこソフトより引き継いだSFミステリ、四季シリーズの最終作であるが、最終盤の解決パートを除き問題が山積している。
推理モノなのに全体の1/3を占める冗長な導入パートではヒロインが話を聞かず、明後日の方向に脱線しまくる。
推理パートでは読者が推理する為に必要な情報が開示されないという「ノックスの十戒」を無視するような描写が追撃をかける。
止めとばかりにエロシーンでは、百合をPRしたにもかかわらずふたなりを混入させ、属性を持たない選評者を阿鼻叫喚たらしめた。
独特な作風でファンからは好評を得た本作だったが、本編の常識にとらわれない世界観をエロにまで持ち込む姿勢にスレ住人も感嘆するのであった。

67総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:47:59 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
2022年を迎え、例年通り1月の予備期間に突入した。めぼしい有力作をあらかた平らげたスレ住人たちは大賞談議に華を咲かせていたが、そこに早馬が届き、事態は風雲急を告げる事となる。
CIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony 〜ダ・カーポ4〜 プラスハーモニー』の非道な行いが告発されたのである。
曲芸商法と言われる悪辣な作品展開を続けてきた同ブランドだが、その末端がついにKOTYeの捜査縄にかかったのであった。
本作は全年齢版『D.C.4』の18禁移植作であるが、問題となったのはひとえに「手抜き移植」であった事である。
18禁化の都合上、CVの変更を余儀なくされた本作であるが、本編シナリオの一言一句を一切変えずに解き放たれ、ファン層に刺さる毒矢と化した。
加えて、本編終了後の追加要素であるエロにも埋伏の毒が仕込まれている。
メイン・サブ合わせて8人のヒロインに各4枚のCGであるが、その大半を流用して2回使うという誰得仕様を搭載したのである。
こうした死の商人たるCIRCUSの売り方に辟易する者もいたが、同時に「曲芸にしては良くやっている」という謎の擁護まで飛び出し、スレはヒートアップする事となった。

そして最終日の1月31日。選評締め切りまであとわずかのところで、立て続けに3本の選評が襲来し、KOTYe史上まれにみる電撃戦が展開された。
その先鋒を務めるのはPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!〜四姉妹は全員あなたの許嫁〜』である。
外国のお姫様四姉妹とのイチャラブをお題目に据えた本作であったが、萌えゲーを期待させておいて、その実態は虚無シナリオの抜きゲーである事からKOTYeの舞踏会に連れ出された。
ヒロインは一人を除いて自ら股を開くお手軽仕様に加え、それに発情するだけの竿と化した主人公には「空気」以外の印象を持つことは無い。
イチャイチャ要素であるはずの日常シーンもひたすら虚無で、「記憶喪失がフライパンで治る」等の寒いネタが目立つ。
美麗CGにより抜きゲーとしては佳作に成り得るものの、シナリオが虚無すぎて未読スキップを推奨する本作は、文字通り最終日の動乱の姫始めとして役割を果たす事になった。

68総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:49:18 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
そんなビッチ姫の窮地を救うべく、怪しい勇者が颯爽と戦場に現れた。
6月発売のキャラメルBOXいちご味『下戸勇者〜下戸は飲まねど酒池肉林!〜』の推参である。
実は8月の時点で選評が届いていた本作であったが、「語る気が失せる」という選評者の言を持って、さらなる潜在力の高さが期待、もとい危惧されていた。
そこに通りすがりのハンターが決死行を仕掛け、最終日2本目の追加選評として、勇者よりも魔王というべき恐ろしい全貌を解き明かしたのである。
本作はドラゴンクエスト3を元ネタとする凌辱メインの異世界ハーレム抜きゲーであるが、本来パロディゲーは元ネタを知っているかどうかで評価が分かれるのが常である。
それに対し本作には、DQ3「アリアハン」の町をもじった「アリエヘン」を始めとする輝く息の如き寒いネタが本編、エロシーン問わず至る所にちりばめられている。
震災のトラウマ「ぽぽぽぽ〜ん」をもじった呪文等、もはや元ネタのジャンルすら統一感が無く、DQを既知かどうか等些末な問題でしかない。
DQヒロインを馬鹿にしたやり取り等、むしろ元ネタがわかる事でプレイヤーに激しい炎の如き怒りを沸き立たせる無神経な茶番も見受けられる。
ネタ以外にもRPG風世界観の描写はやたらと凝っているが、抜きゲーにしてはクリアまで15時間弱と長すぎる為、ただただ読むのが辛い苦行と化してしまう。
主人公の気色悪い言動も拍車をかけ、いくら終盤でそれらの伏線を回収したところでコレジャナイ感を漂わせるだけである。
抜きゲーの本懐であるエロについては、CG70枚、シーン数33とフルプライスとしてまずまずだが、その多くがハリボテである。
各エピソード冒頭のチラ見せH、需要不明な主人公の女体化逆レイプ、和姦用とはいえオホ声を台無しにするゆったりBGM等、実用性を損なうシーンが入り乱れる。
凌辱で悪役然たる主人公も和姦シーン中にDQあるある、もとい過去の冒険譚を語りだし、抜き所をバシルーラしてしまう。
エロ描写が安定せず、凌辱と和姦を行ったり来たりするシーンもあり、CGが良くても使えないというお預けを食らわせてくる。
この時点で圧巻の攻撃力だが、本編を支えるシステム周りは鉄壁である。
既読・未読を切り替えられない上に声が重なりまくってひどいことなるスキップや、ボイスの音量設定がキャラ毎のみ等、使うに堪えない化石システムがしっかり守りを固める。
止めとばかりにシステム画面の確認ダイアログから背景をブラックアウト出来る立ち絵鑑賞用バグも確認され、ようやく解剖が完了となった。
寒いシナリオとおざなりなエロという二刀流で、地獄の帝王の如き本作はDQシリーズの魔王にならい、最後に進化の秘法によって真の姿を現したのである。

69総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:51:32 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
魔王の踏み荒らした大地を砂漠に変えるべく、最終日のトリを務めたのはDESSERT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』である。
2019年エントリーのシリーズ前作が甘酸っぱいヒロインとのイチャイチャ同棲からの急転直下のハーレム性奴隷bot化で顰蹙を買ったのに対し、
本作は評価されていた日常イチャイチャ描写を大幅削減し、改悪したハーレムエロを増量した罪で再び御用となった。
イチャイチャが薄い分、性奴隷化してもショックは少ないとも取れるが、前作比およそ半減のプレイ時間で、売りの一つだったネタ要素すら削減されてしまっては擁護のしようもない。
特に本作で登場する「露骨にハーレム結成に向けて立ち回る妹」は前作の「策士妹」と悪い意味で対照的な存在であり、同ブランドを三年連続のKOTYeハーレムに導く原動力となった事を付け加えておく。

以上、数奇な運命によりKOTYeに導かれし全エントリー作品16本が出そろったところで、本年の大賞および次点を発表する。

次点は、
『ぶっかけ陰陽師絵巻〜Hなお祓いいたします〜』
『下戸勇者〜酒は飲まねど酒池肉林!〜』
そして大賞は、
『Cuteness is justice』
とする。

本年のクソゲーを俯瞰してみると前年の傾向の先鋭化が顕著であると見て取れる。
すなわち作品を手抜きに基づく「価格不相応」の品質と事前情報と実態の乖離による「裏切り」の二大要素であり、多くの作品を貶める事になった。
前者については、パンデミック不況によって業界全体として製作サイドが予算不足に陥っていた事は想像に難くない。
一方で後者については非常に解釈が難しく、「自分が理想を抱きすぎたのかもしれない」と選評を書く事をためらう者が続出する事となった。
『冥契』、『GIKEI』、『ふゆくる』、『DC4PH』等、世間からある程度評価されている作品も数多く選評が寄せられたが、
選評者達は口々に悩みを吐露し、その度にスレ住人がたしなめたのである。
「KOTYeはネタスレであり、選評はあくまで『個人の意見』である」と。
本年程KOTYeの原理原則が確認される事はかつて無かったかもしれない。
炎上騒動やクソゲーへの注目等、SNSを含んだ一人一人の行動が作品に影響を与えやすい世の中となり、ある意味で選評のハードルが上がってしまったが故の事態と言えよう。
しかしながら、これらいずれの作品もクソの誹りを免れない「裏切り」を抱えており、全体としては凡作以上とはいえ選評を書くに値した作品だったと言える。
例によって次点以上には、このようなためらいを伴って選評が届いた作品たちとは一線を画す魔物が据えられる事となった。

70総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:53:20 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
スワン系の後継者として、飽くなき手抜きで無価値に近づこうとする『ぶっかけ陰陽師』。
ヒントの無い理不尽難度、不便UIに低質なCGと価格不相応の極致たる『Cuteness』。
TPOをわきまえない寒いネタとDQあるあるに化石システムを添えて投げつけた『下戸勇者』
価格不相応、ユーザーへの裏切りとクソの二大要素を携えるいずれ劣らぬ強者揃いであるが、僅差で『Cuteness』が大賞たりえたのは
今の時代における「フルプライスの新作エロゲーを購入する意味」を否定したからである。
業界の勃興から四半世紀以上が経過し、旧作のDL版が積極的にセールで値下される近年において、無数に存在する名作達よりも新作を購入する意味とは何か。
多くはメーカーやクリエーターへの愛着だろうが、それ以外を挙げるならば「今迄に体験した事のない」新提案への期待である。
エロ・シナリオ・世界観・CG・ゲーム性等、新しいエロゲとしての楽しさを体験したいからこそ、あえて1万円近い資金を投じて新作を購入するのではないだろうか。
ましてや新ブランドともなれば過去の実績は全く勘案されず、唯一価値を見出せるはずの新提案を否定する事に『Cuteness』のクソさは際立っている。
BugBug記事にて「やりこみSLGの楽しさを伝えたい」と喧伝されているが、プレイして伝わるのはジャンル特有の難易度と作業感であり、
塗りが足らないCG、稚拙なシナリオも相まってむしろ同ジャンルに嫌悪感を抱くという悲劇を生みだしている。
評価されるべきは、同人ではなくあえて商業で発売した意気込みと「無理ゲー」としての歯ごたえだけであり、それ以外すべてを占める苦しみは多くのプレイヤーを脱落させる事になった。
復古的とはいえ珍しいコンセプトを売り出して、まざまざと購入者を裏切る顛末は、「見えている地雷」としてハードルを下げていたとはいえ許されるものではない。
レトロを模したものだったとしても、ユーザビリティまで古臭いままでは単に時代錯誤であり、熱意があっても実が伴わなければままならないプロとしての宿命を痛感させる。
次点となった『下戸勇者』はコンセプトの異世界抜きゲーとしては安定しない部分は多いが、気合の入った複数人描写等、一部シーンの実用性は担保されている。
需要に応えているかはともかく、不快なシナリオも我慢して読み続ければ、終盤には冒険ファンタジーとしての楽しみも見いだせる為、大賞にする程救いが無いとは言えない。
「新作を購入する意味」を価格暴落によって否定した『ぶっかけ陰陽師』であるが、前2作でも大罪を犯しており、もはや多くの購入者の期待は「怖いもの見たさ」と思われる。
加えて、かつてのスワン系大賞作『SEX戦争』『孕らぽこ』に比較すると小粒であり、手抜き中心のクソ要素では歴戦の猛者達の邪な期待に応えたとは言えないだろう。
『Cuteness』は単純なクオリティの低さも問題であるが、「やりこみSLG」というジャンルを自らの不出来によって否定するという救いの無さを併せ持つ。
エロゲ業界の裾野を広げるはずの新提案を、実態が完膚なきまでに破壊している悲劇性を鑑みて本作こそ大賞にふさわしい。
熱意だけではプロ失格という当たり前の厳しさを教えてくれた『Cuteness』に対し、クソを評する好事家の端くれとしてKOTYe2021の栄誉を贈りたい。

71総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:54:27 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
かくして、KOTYeの新たな覇者が誕生した。
未だ、「クソゲーとは何か」という深淵の底にたどり着いたとは言えないが、我々の冒険は終わらない。
KOTYeがいつまで続くかはわからないが、エロゲという光がある限り、クソエロゲという闇も存在し続けるはず。
それを追い求めて、いや追い求めていなくとも、遭遇したクソを語り、悲しみを分かち合い、笑い飛ばす。
クソゲーへの侮蔑は本質ではなく、斜陽と言われるエロゲ業界において、もしよき友として再び巡り合えたなら、過去の事は水に流して笑いあおう。
悠久の時を超えても、KOTYeはそんな場であり続けるという意思を次代へ受け継いでいきたい。
「来年はどんな魔物が現れるか、はたまた現れないのか」
好色家たちの冒険は続く。未だ見ぬ香辛料もとい「クソ」という人生のスパイスを追い求めて。

最後に、2021年にご逝去された、DQシリーズを始めとするゲーム音楽の大家、すぎやまこういち先生のありがたいお言葉を拝借し、
大賞作を手掛けたVanille Macaronに対し、次回作へのアドバイスを贈る事で、KOTYe2021の冒険譚を締めくくろう。
「エロゲのプロを目指すのならば、まずCGにしっかりと塗りをつけて欲しいと思います。アマチュアとプロとの間の厳然とした差はそこにあります。」
「ゲームにしても、エロゲにしても、PCソフトにしても、マニュアルを読んでも使えないものは、商品としてはダメなんだと、僕は思う。」

72総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/02/20(日) 16:55:55 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
改稿点
・大賞をCutenessに変更、まとめ後半部分を大幅に改定
・作品紹介、一部作品の文章を簡素化
・Cuteness、ぶっかけ陰陽師、下戸勇者の作品紹介を補強
・その他、誤字の修正、表現の見直し等
未完成部
・締めの一言。昨年逝去されたすぎやまこういちさんの名言を調べて、
下戸勇者大賞時に使おうと思ったらCutenessの方がふさわしい名言が2つ出てきてしまいました
素材としても使えると思うので、あえて2つとも載せさせてもらいました
長い駄文にお付き合いいただきましてありがとうございました。

73総評3:2022/02/27(日) 23:36:00 ID:???0
避難所3本目316にて総評案の執筆宣言をした者です
現時点で概ね書き上がっており、最後に見直しをして明日28日中に投稿します

申請の都合上ハンドルを「総評3」で取得しましたので、
先に投稿される方がおられましたらすいませんが総評4〜でお願いします

74総評3:2022/02/28(月) 22:49:32 ID:???0
だいぶ駆け込みになってしまいましたが、これから総評案3を投下します

75総評3:2022/02/28(月) 22:50:12 ID:???0
そこは、数多の夢と浪漫が永眠し、悪鬼羅刹がのさばる煉獄。
修羅の国とも呼ばれる、現し世の常識が通じぬ魔界。
その片隅に存在する、物好きな冒険者たちの集う砦こそが、クソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)である。
2020年には、総勢22体の怪異が全ての月を支配する中、親の777光と属性地雷群を自己満ルビで粉飾し尽くした『LOVE・デスティネーション』が、図抜けた威容を示して戴冠した。
張り裂け散らばった無念を湛え深さを増す暗天の下、時の流れは冒険者たちを次なる戦禍へと誘う。
これより伝えるのは、コンパスにして鍵たる一人一つの性癖を胸に、己の真実を求めてさすらう者たちが史に刻んだ悲喜劇である。

2021年の始まりは、怪異どもが活性化する3の月。
コンセプト詐欺感を訴える者が砦の酒場を訪れた。
恋愛譚・青春譚・幻想奇譚との触れ込みに惹かれて物語を買い求めたが、個別分岐が実質BADで明るい話がひとつもないという。
しかし、この傾向はブランドの作風として確立されたものであり、体験版をプレイしていれば回避できていたことから、どこまで納得できるかで意見は割れた。
同時に、近年のKOTYeにおいて中心議題となっているフィーリングのミスマッチ、すなわちコンセプト詐欺・宣伝詐欺・タイトル詐欺について改めて問い直す契機ともなったのである。
事前情報はどこまで集めるべきか?
売り手の説明不足と買い手の判断力不足を分ける境界とは?
意見のすり合わせが行われたが、万能の尺度を創造するのは不可能に近く、結局はケースバイケースで判断するほかないとされた。
いずれにせよ、エントリー方式を採るKOTYeにおいて、虚偽ないしはそれに準ずる難癖でもない限り参戦は拒まれない。
そしてこの一見は、修羅の国の在り方そのものを問うような動乱の、ほんの発端にすぎなかったのである。

76総評3:2022/02/28(月) 22:50:34 ID:???0
続く4の月には、名ばかりIRによるぼったくり被害が発生した。
元締めは、悪名高きスワン連合の一味Calcite、開業されたのは『女勇者と幻想カジノ 〜求む亜人巨乳美女ギャンブラー〜』である。
異世界に転生してギャンブルとイカサマの知識で無双する話とされているものの、各種設定はことごとく形だけ。
カジノといっても、敗者への罰ゲームを名目にHシーンを並べているにすぎない。
この過程でミニゲームとしてブラックジャックを実際にプレイできるが、製作者がルールを把握していないらしく、役のあるなしに関わらず同点なら引き分けになってしまう。
この一点だけでも、取り扱う題材に対する下調べ不足は明らかである
イカサマを使えば、プレイ自体をスキップして勝てるのが救いか。
開催するショーもは「2人で利尿剤を飲んでどちらが先に漏らすか」などのバカバカしいものばかりで、何をしてどうなったか淡々と説明されるだけなので面白みもない。
また、キャラクターの設定は外見にしか反映されておらず、中身は偽物の疑似餌ならぬ「疑似絵」として被害を拡大した。
そして結末はいずれも大なり小なり打ち切りであり、酷いものでは“結果が出てしまう前までがギャンブルだ”との開き直りとも取れる言葉で結ぶ。
CGの使い回しも度を越しており、60枚のうち約半数は反転などの加工による水増しである。
フルプライスでありながらOPすら存在しない安っぽさ、頻発する暗転読み込みといったお家芸も標準搭載で、もはや本作そのものがイカサマであった。

近年流行の疑似絵系トラップが早くも発動し、便乗の機運が高まりかけたその時。
そんなものはお遊戯用の能力とでも言わんばかりに、領域展開による割り込みが発生した。
前年に続いて参戦したevollの『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』である。
開始早々、「人目につかず使われていないが勝手に侵入できる立派な屋敷」を具現化し、登場人物もろともプレイヤーを閉鎖空間に引きずり込む。
あとはやりたい放題である。
根幹をなすのは、加虐嗜好のない主人公がヒロインから陵辱プレイを強要されるという変則的な設定。
とにかく、ガチ陵辱にあらずと予防線を張り巡らせながらのプレイが繰り返される。
導入からして、主人公の借金をヒロインが肩代わりする条件として竿役を強要する展開であり、あくまでもヒロインの望みであることが強調されている。
行為の真っ最中にも、主人公が躊躇するモノローグが入ったり、つい素で悦んでしまったヒロインが嫌がる演技に入り直したりと、幾度となくガチではないと念を押す。
行為後には立場が逆転して、ヒロインによるプレイの採点とダメ出しが始まる始末である。
あまりに言い訳が執拗すぎて、陵辱プレイとしては微妙であり、かといって純愛路線としても成立していない。
陵辱要素を採用しておいて規制には及び腰すぎる中途半端な姿勢は、作品そのものを迷走させている。
また、チ○コを腕よりも太く長くして画面外から挿入する必中効果、広すぎて読みにくい文字間隔や巨大な顔アイコンといった環境要因によるストレス上昇効果も発現。
全要素がしっかりと粗悪さを堅持した領域であった。

77総評3:2022/02/28(月) 22:50:54 ID:???0
涙雨が降りしきる6の月には、増水した三途の川でルアーに釣られた者が犠牲となった。
前回『つくりかた』と称して完成済み詐欺をやらかしたSUKARADOGが、新たな罠『家出ギャルを拾ったので育ててみた』を発動させたのである。
今回もやはりタイトル詐欺に堕しており、ギャルっぽいのは見た目だけで育てているとも言い難い。
ヒロインには主体的な個性に乏しく、家出中に成り行きで教師の家に転がり込んだ後は、懐いてなんとなく股を開くか、レ○プで股を開かされるかの肉オ○ホでしかない。
展開次第で黒髪清楚や黒ギャルにスタイルチェンジするものの、前者はただの変装で、後者は主人公による強制。
内面の変化の現れではなく、CG差分を利用したシーン数水増しに体よく利用されているだけである。
また、UIは「左クリック一本で勝負」という要らぬ漢気に溢れており、ホイールによる読み進めをはじめ、右クリックやキーボードによる操作を受け付けない。
単なる釣り道具には留まらず、ストレスを強いつつ腱鞘炎へと導く脅威としても恐れられたのであった。

後にわかることであるが、これが本年のエントリーで唯一のロープライス作品となる。
この先で冒険者たちを待ち受けるのは、重量級怪異との連闘であった。

口火を切ったのは、panacheの『ぱられるAKIBA学園』である。
“更なるクォリティアップのため”として一年に及ぶ延期の末に竣工したのは、注力するポイントを間違えた上に統一感も無い廃校であった。
冒頭では、主人公が異世界召喚の勢いを利用したカミカゼアタックで魔王を開幕ワンパン。
帰還不能の代償としてオタクグッズ満載の自室を召喚してもらい、オタク文化に染まった勇者パーティーのヒロインたちと布教活動を開始する。
ここまでは良しとしよう。
しかし、続いて始まるのは学園生活ではなく、不毛の大地の開拓である。
魔王のせいで荒廃しきった異世界にAKIBA文化を根付かせるため、まずは人々の生活基盤を確立し、教育により識字率を上げるところからスタートする。
本作は、そんな気の長い鉄腕開拓記なのである。
活動内容の大半を街づくりが占め、学園要素はなんとなく着ている制服込みでもせいぜい1割。
その街づくりにしても、政治・経済にまで生々しく話を広げては半端な力技で解決したことにするため、腑に落ちないモヤモヤが積み重なっていく。
しまいには、漫画や遊○王カードを普通に読むモブの登場によって話の前提が崩壊。
真面目に向き合う意義の薄い、単なるコスプレHへの動線にすぎないことを思い知らされるのである。
一方、ヒロインたちとのエピソードでは整合性が崩壊している。
共通が終わると性格どころか人格が変わり、吟遊詩人エルフは生ける騒音に、頭脳派魔道士は切れる若者へとタイプチェンジ。
個別はヒロイン全員の小話を一巡するごとに進行していくが、順番が任意のため、呼び方が親密と他人行儀を行き来するわ処女膜が再生するわで時系列が乱れ狂う。
ほかにも、海水浴で水着を着ているはずが立ち絵は全裸など、そこかしこに突貫工事の痕跡が透けて見える。
異世界転生のテンプレに便乗も逆張りもしきれなかった本作は、改めて現実の厳しさを冒険者たちに知らしめたのであった。

78総評3:2022/02/28(月) 22:53:14 ID:???0
炎暑が続く8の月には、人を選ぶ筆致で知られるベテラン魔族が、ド○クエパロとバグチート無双の邪配合によって狂える勇者を生み出した。
キャラメルBOXいちご味の『下戸勇者 〜酒は飲まねど酒池肉林!〜』である。
問題点は、俺様パロディ・ドヤ解釈・クセポルノと三拍子揃ったシナリオ。
アクの強さがあまりに深刻であり、下戸とは言うがシラフで書かれたとは到底思えない。
旅立ちの街の名前が「アリエヘン」なのはマシな部類で、以降ズレた方向へと加速度を上げていく。
日本語を英語風にもじった呪文詠唱は痛々しい上に種類も多く、「――Callarine.Hanacolor Nuu-Guu!――(チャラリー 鼻から乳牛)」あたりは短いだけまだ救いがある。
さらに、ヒロインの名前が「ああああ」、「いいえ」で無限ループや無意味な8択といった古い選択肢ネタに加え、「メッセージウィンドウに長すぎる名前を表示」という8年前に我々が通過した遊びまで網羅。
ここまでなら古く痛く寒いで終わるが、DQヒロインの名前に引っ掛けた選択肢を出して「バ行で始まってカで終わる」と貶すネタは、原作への敬意を欠くと批判された。
一方で、何かにつけ世界観の設定を細かく丹念に語り始めては脱線し、徒労感をも上積みする。
通貨がゴールドである理由の俺解釈を滔々と語られても、それがどうした以上のリアクションは取りづらい。
挙句の果てに、こうしたクセと無駄はエロをも汚染している。
ピストンしながら「会心の一撃!」と連呼する、行為の真っ最中にはぐれ狩りの豆知識と自慢話を語る、空間魔法で4人のア○ルを重複させて同時に挿入する等々、実用性云々以前に意味がわからないシーンも多い。
最後には突然の主人公女体化エンドまで仕込む徹底ぶりである。
一部をかい摘んで聞く限りでは、いわゆる「くさや系」として楽しめるのではないかという意見もあるかもしれない。
しかし実態は、凍気と虚空の波状臭撃がフルプライス相応の大ボリュームで絶え間なく押し寄せる「わんこくさや1万円分」であり、その圧力を楽しみきれる者となると稀有であろう。
未読スキップすら無い化石UIでレトロ感を演出する無用な配慮も行き届いており、それがトッピングとして苦渋をも添えている。
かくして、はぐれ勇者はキンキンに冷やした大地にクレバスを刻み、大穴の底へと消えていった。

79総評3:2022/02/28(月) 22:53:36 ID:???0
9の月には、低レベルな粗製乱造スキルを駆使する常連が参戦する。
スワンの眷属ももいろPocketが『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』で3年連続のエントリーを果たした瞬間であった。
内容は、陰陽師である主人公の精液には解呪効果があるという設定を導入にして、ただぶっかけまくる話である。
次々と発生する呪いに対し、患者のどこにぶっかければ解呪できるかを選択していくシステムであるが、例によってヒントはほぼない。
例えば下着が脱げなくなる呪いの場合は、下着・脇・手の三択となり、正解は「手」、根拠は“下着はただの布だから、何か起きてるとしたら手の方か”である。
呪物や付喪神は存在しないらしい。
しかも間違えたまま進めると、個別ルートのフラグが折れたり 最後のHシーンが出なかったりと、後になってから悪影響が生じる陰湿な仕組みである。
作画コストの徹底削減も、もちろん健在。
左右反転・回転・拡大縮小に加え、時間帯変更や立ち絵の一枚絵化まで、多彩な増殖系の禁術を乱用してCGを使い回し、1枚から最大で5回のシーンを生み出してのけた。
「ぶっかけ」に対するこだわりなどあるはずもなく、「お腹にかける」であってもフェラCGを使い回す杜撰さである。
さらに、前作でもさんざん流用した時代劇風の背景をそのまま転用している上に、私服は現代風なので統一感もない。
背景と文章しか表示されない場面も多く、味わいのないドット絵のようなチープさがいっそう引き立っている。
その極地がラスボス戦である。
世界を滅ぼせるらしいラスボスにも集結した陰陽師の軍勢にもCGは皆無で、専用CGはヒロインの立ち絵をアップにしてでっち上げたカットインもどき1枚のみ。
そして最終決戦の舞台はただの民家である。
この選択を陰陽師B氏が「当たり前のことを言うな」とたしなめるが、おそらく「背景を使い回せる場所で戦うのが当たり前」という意味であろう。
挙句“本当の本当に総力戦だった”の一言で8割方の説明を片付けており、漫画でいえば下書きどころメモ書きをそのまま掲載するが如しである。
厚顔無恥に己が覇道を突き進むスワン帝国はどこへ向かうのか。
冒険者たちは、呆れながらもその野望の行き着く先に想いを馳せるのであった。

80総評3:2022/02/28(月) 22:53:52 ID:???0
季節が秋へと移り変わる頃。
某所で開催された「秋のクリ拾いセール」が「クソ拾い」と空目されたことが引き金となり、戦火の火種が世界各地へと飛び火した。
スタンピードへと繋がる大きなうねりは目前に迫っていたが、冒険者たちがそれを知るのは少し先のこと。
このときはまだ、酒場での論戦に興じる余裕があった。
話の種は、タイムスリップとループを取り入れた歴史物語である。
源平合戦をなぞっているが、源義経に成り代わった現代人を主人公に据えているため、赤の他人でしかない頼朝と「肉親であるがゆえの愛憎劇」を演じる違和感が拭いきれない。
さらに、最終章では話が大きく脱輪して妖怪大戦争が勃発し、ぽっと出の最強キャラがだいたいなんとかする超展開が待ち受けている。
ほかにも、源平合戦と関係ないドヤ薀蓄が多すぎる点や、現代人のヒロイン2人にしかHシーンがなく数も合計5つと少ないことが指摘された。
一方で、オチと薀蓄はともかく大筋は十分面白い、あえてエロを最小限にしたのは英断、といった意見もあった。
トータルの出来栄えは決して悪くはなく、むしろ良いとさえ言える。
それでも不満の声は上がり、反論はあれど共感も集まった。
この事態が意味するものとは――
新たな知見が垣間見えたそのとき、突如鳴り響いた警鐘によって議論は途絶してしまう。
鐘の音は、かねてより監視対象となっていた魔王級モンスターの来襲を、ひいてはスタンピードの始まりを告げていた。

81総評3:2022/02/28(月) 22:54:15 ID:???0
時は遡って5の月。
とある公式サイトの情報が開示され、漂ってきた妖気が冒険者魂を震わせていた。
絶妙にヘタウマグレーゾーンなメインビジュアル、初代戦極姫を思い出させる絵柄のばらつき、潰れた饅頭のように愛嬌のあるSDキャラ。
さらには、ブランドデビュー作にして三部作というクソデカ自信。
こうした事前情報の時点で「約束された臭気の便」と看破し、冒険者たちは厳戒態勢に入っていたのである。
そして迎えた10の月、決戦の日。
新星Vanille Macaronが排出した怪物、『Cuteness is justice』との戦いに挑む。
プロローグで滅ぶヒロインの祖国の名称“エンパイアエルフ王国”からしてツッコミが殺到。
帝政と王政が両方備わる最強感とおバカさは、ある意味で住民たちの心を掴んでしまった。
内容以前に文章作法が怪しく、不親切な語順や要領を得ない形容が無駄な読解作業を要求してくる。
そしてストーリーは、3部構成の序章であることを加味してもスケールが小さく、添え物程度。
名ばかりヘタレ調教師の主人公と亡国のエルフ姫が、なんとなく交流と戦闘訓練を重ね、モブ素材臭が漂う全裸のリザードマンを倒したところで終わる。
メインとなる育成シミュレーション要素は、プリンセスメーカーの系譜に連なるオーソドックスなもの。
古代の習わしを踏襲して情報のほとんどが伏せられており、ステータスの意味や各種コマンドの効果に始まりエンディングの分岐条件まで、ひとつひとつ手探りで明らかにしていかねばならない。
情報収集さえ終われば、至極単純な全体像と攻略ルートが明白になるため、娯楽たりうるとすればそこに至る過程それ自体であろう。
いわば方眼紙マッピングのようなレトロで地道な作業であり、現代では高難易度ではなく理不尽とされかねない。
このシステムを持ち味として許容できたとしても、真の脅威はその先にある。
それは、テンポの悪さである。
盤面切り替え時の暗転、ヒロインの立ち絵表示時の拡大縮小カメラワーク、各種行動の成否判定、マップ画面での移動演出……。
何かするたびに操作できない待ち時間が小刻みに発生し続け、速やかにストレスを積み重ねていく。
トライ&エラーと周回プレイを前提としながら、3歩進んで2秒スタンするかの如き挙動は致命的というほかない。
おまけに、セーブとロードは行動選択画面でしか実行できず、クイックセーブ及びロードが存在しない仕様も、手探りのペースを落とす障害となっている。
2周目以降ともなれば、スキップ待ち含めて体感9割が待ち時間となり、精神に支障をきたす冒険者が続出した。
エロに関しては、CGの塗りが最低限求められるラインを下回っているのみならず、尺の中途半端さも相まって実用性が著しく低い。
ほとんどのHシーンは調教コマンドを実行するたびに発生するため、「抜きに短し演出に長し」なのである。
ヒロインが1人のみであることも含め、フルプライス相当の価値があるとはお世辞にも言えまい。
やりたいことはわかるし、SLGとして破綻しているわけでもないが、全てにおいて安っぽく、洗練されていない。
「低価格同人なら凡作」との評が、本作の有り様を端的に示していた。

82総評3:2022/02/28(月) 22:55:27 ID:???0
11の月には、North Boxの使徒にしてエルフの皮を被った性獣『エルフのお嫁さん 〜ハーレム婚推奨〜』が現れ、ほぼ完璧なタイトル詐欺を成し遂げた。
結婚要素は無いに等しく、「性行為を通して魔力供給する契約が、人間でいうと結婚にあたる」と説明されるのみ。
花嫁姿はパケ絵にしか存在せず、結婚式もなければ孕みもない。
ハーレムも名ばかりで、ただ4人と同時に契約しているにすぎず、シーンの大半は1対1である。
エロゲーでハーレムを名乗るなら、尻を3つ以上並べてからではなかろうか。
シナリオは食事とまぐわいを交互に繰り返すだけであり、エルフのイメージと噛み合っていない。
止めに公式サイトのキャラ設定が本編にほとんど反映されていないことも判明し、選評者をして“あらゆる層からのヒットを避ける魔球”と評せしめた。

疑似エルフの嬌声が遠ざかったのも束の間、今度はグラボの唸り声が怪しく響き渡った。
元凶はQUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』である。
天界から来た天使や悪魔と共に過疎の島を盛り上げていくシナリオは、テンプレ通りにつまらない。
旅館に見習いで入れば2週間でリピート客が増加し、PVを作ればすぐに大バズりして観光客が殺到するなど、あまりに都合の良い展開が続発。
個別に入ると、業務中であっても所構わず発情してヤリまくるようになり、浴場掃除からなだれ込むパターンは大欲情と揶揄された。
天使悪魔の設定は例によってルアーであり、天使に至っては羽ありHが無いためコスAVですらない。
そして最も注目を集めたのが盤外戦術、無制限のフレームレートである。
本作の起動中はGPU使用率が跳ね上がり、100%に張り付くことも珍しくないため、ステルスベンチマークとして恐れられた。
プレイ時間に比例してグラボの寿命を要求する挙動は、なるほどアクマ的ではあるが、そのまま天に召されぬようにと冒険者たちは祈るのであった。

83総評3:2022/02/28(月) 22:56:06 ID:???0
そんな祈りをあざ笑うかのように、今度は骸骨系のリビングシットが冥府から魔界へとまろび出た。
その正体こそ、スワン帝国領Calciteが放った本年2体目の刺客『ニート娘を更生させよ!〜性技があれば生きていける〜』である。
何があったかはわからないが、前作『幻想カジノ』で採用されていたCG増殖の禁術を封印。
その結果、肉はおろか皮も削られた骨だけの姿で顕現している。
総容量302MB、総プレイ時間5時間未満。
総CG数はミドルプライス下限ボーダーの40枚にして、価格だけは上限一杯の税込価格7480円。
その上で、モノローグの比率を上げてボイス代をケチる外法が新たに付与されている。
ゆえにHシーンは長いモノローグと少ない喘ぎの低密度仕様と化し、5回も喋ればいわゆる「もう出そう」に至る。
一方で、奇襲系スキルとしては一般的な「突然のNTR」をも習得済みであり、風俗勤務を志願する分岐がヒロイン全員に存在する。
中でも、闘病資金を速やかに稼ぐ必要に迫られての風俗堕ちは、抜きゲーにあるまじき重さ。
サブタイトルの“性技があれば生きていける”が、ここにきて甚だ悪趣味さを帯びてくるのである。
さらには、右クリックを左クリックと同じ挙動にして混乱を招く、竿役の名前を「Man」にするといった怪しい小技も披露。
「クレジットにデバック表記がないのは、デバックしていないからか」、「ニートを更生させる前にお前が働け」といった鋭いツッコミが入るも、貫通耐性で受け流してしぶとく暴れ回ったのであった。

どうにかスタンピードの猛威を凌ぎ切った頃には、年の瀬も押し迫っていた。
いつものように駆け込み申請が届き始めたが、その理由は例年とは趣が異なる。
自分が遭遇した事態を怪異として届け出て良いのか、長らく迷い悩んだ末の報告が目立ったのである。
いつもの酒場で始まった座談会で、割り切れぬ感情を抱えた冒険者たちは何を語るのであろうか。

84総評3:2022/02/28(月) 22:56:35 ID:???0
まずは、異端の棒術使いが引き起こした惨劇の話であった。
諸事情により秋で終わっていたSF四季シリーズの冬編にして完結編であり、主人公も含め少女たちしか居ない世界を舞台とした学園SFミステリーを称している。
しかし、推理ものとしてはお粗末を通り越して失格に近い。
導入からして冗長であり、殺人事件発生前に全編の1/3が無駄話で消費され、回想の6/9が埋まる。
探偵パートでは、推理の前提となる情報を開示するタイミングが出鱈目すぎて、プレイヤーが主人公に同期して共に推理を進めることはできない。
最初のうちはプレイヤーにだけ伏せられた情報のせいで推理のしようがなく、逆に露骨な伏線で真相がバレバレになった後も主人公は迷走を続けるといった有様である。
挙げ句には「理由があってあえてお粗末な犯行にした」ことが作中で明かされるが、ならばミステリーを標榜しないでいただきたい。
そしてもう一つの問題が、不意打ちふたなりである。
事前にライターが述べていた“百合的側面はあるけど百合作品ではないです”という言葉の真意は「生えるから」であった。
メインテーマに直結した仕掛けにして、あえての挑戦であることは理解できる。
それでも人を選びすぎる要素には違いなく、地雷と化して多数の重軽傷者を出したのも必然といえよう。
これなら未完結で良かったとまで嘆かれる、苦い幕引きであった。

次いで、名の知れた“曲芸”師の杜撰な仕事ぶりが語られる。
全年齢版からR18版へ移植する、いわゆる逆輸入であるが、今回は手抜きにも程があるという指摘であった。
移植元のシナリオには全く手が入っておらず、追加要素はエンディング後に一括挿入している。
さらに、HCGの使い回しがあまりに露骨。
1人につき2シーンで4枚しかないCGを、1シーン目で3枚使い、2シーン目はそれらをそのまま再利用した上で1枚追加して完成である。
差分すらほぼなく、短い追加エピソード内で連続発生させて既視感を強める演出も心憎い。
サブヒロインに至っては1枚減って3枚で同じ手口を使うため、何をか言わんやである。
かつては、要所要所に追加エピソードやR18シーンを滑らかに挿入し、全年齢版と両方買ってこそ味わえる満足感すら生み出したこともあっただけに、支持者たちの落胆もひとしおであった。

85総評3:2022/02/28(月) 22:56:56 ID:???0
座談会はなおも続き、申請期限の最終日にようやく折返しを迎えた。
新たに届いた報告に曰く、「絵師のファンなら良作、抜き重視なら凡作で済むが、キャラやシナリオを求めるなら地雷」
姫ヒロイン専門ブランドの最新作を総括しての言葉である。
まず、CGとシーンは質・量ともにオーバープライス相応を確保できている。
しかし、内面に姫らしさが感じられるヒロインは4人中1人のみで、ネタ切れによるルアー堕ちを疑われた。
シナリオは冗長を極めており、「記憶喪失をフライパンで治す」など、逆に新しくもない虚無展開が値段分の長尺で続くばかりである。
必ずしも「絵が良くてエロければ良し」とはならない、近年のトレンドを強く反映した報告であった。

そして日付も変わろうかという締め切り間際には、ハーレム一本道のお泊りラブコメ第二弾が滑り込んだ。
指摘されたのは、前作からのソウジャナイ修正である。
そこでまず前作を振り返ってみると、ハーレムに至る過程に関しては、少々癖があれど面白いと素直に評価されている。
問題は、日常描写がHシーンを挟まずに延々と続くせいで生じる冗漫感と、いざハーレムが完成するとヒロイン全員が統一規格の性奴隷BOT化してHシーンのみになる極端な構成であった。
これを受けての本作は、なぜか最大の美点でもあったハーレムまでの展開を豪快に放棄。
エピソードの積み重ねによるキャラクターを掘り下げを減らし、独白でダイレクトに心情を説明することで大幅な時短を実現している。
それでいて、ハーレム入りしたヒロインが人格を喪失する点に変化はない。
結果、冗長さは解消されたが長所も減殺されており、トータルでは劣化と見なされた。
メーカーは、これでデビュー作から3作連続のエントリーである。
しかし不満の多くは、例えるなら「樽いっぱいのワインにひとかけらのウ○コ」の如き痛烈なもったいなさに由来する。
十分な美点も備えているだけに、今後は良メーカーとしての活躍を切に願う。

86総評3:2022/02/28(月) 22:57:31 ID:???0
以上で2021年度の概要を振り返り終えたところで、次点及び大賞を発表する。

次点は、
『下戸勇者 〜酒は飲まねど酒池肉林!〜』
『ぶっかけ陰陽師絵巻 〜Hなお祓いいたします〜』

そして大賞は、
『Cuteness is justice』
とする。

2021年の特筆事項は、参戦ボーダーラインの低下であろう。
原因のひとつとして、ポルノの多様化とアクセスの易化が考えられる。
高速通信を介し、それこそ世界中の多種多様なポルノから、高品質かつ性癖に刺さるものを手軽に、安価に、秘密裏に選べる時代になって久しい。
商業エロゲーが内包する「ポルノであるというだけで担保される価値」は、かつてと比べて大きく損なわれた。
にもかかわらず、決して安くはない価格を据え置くのならば、相応の付加価値なくして顧客を納得させることは難しいのである。
では、現代における商業エロゲーならではの価値とは?
翻って、その対極に位置するであろう「一番のクソゲー」とは?
この命題に対し、性質の異なる仮説をそれぞれ携えた三者が大賞決定巴戦へと負け残った。
需要とのズレの彼方へと我が道を滑り去った、真性の異質王『下戸勇者』
悪辣な手口で内容実質ゼロの境地を目指した、惰性の悪質王『ぶっかけ陰陽師絵巻』
全方位に力なき正義の無力を見せつけた、天性の低質王『Cuteness is justice』
困難を極めた判定の果てに、いずれ優れぬ三者の勝敗を紙一重で分けたのは「失敗作としての価値」であった。
昨今の流れを踏まえ、本年の「一番のクソゲー」を「いま最も意義のある失敗作」と解釈したのである。
『下戸勇者』は、並外れた個性を十全に発揮したものの需要がなかった。
『ぶっかけ陰陽師絵巻』は、高かろう悪かろうを前提とした売り逃げ常習者の小道具にすぎない。
いずれも、延長線上に光の見えない行き詰まり、デッドエンドを感じさせる。
しかし『Cuteness is justice』からは、高く遠く掲げて届かなかった理想の姿を垣間見ることはできた。
すなわち、CG・シナリオ・エロに加えて音声・音楽・システム、そしてゲーム性まで、全ての構成要素がプロ品質を実現し、それらの混交と調和によって創造される総合エンターテインメント。
そこに至るために必要な「要素」は一応揃え、目指す「方向」も間違っておらず、前向きな「意志」も感じられる。
その上で、ただただ力不足により「品質」が払底している有様は、商業エロゲーの理想と現実を浮き彫りにする「最強の反面教師」と呼ぶに相応しい。
これをもって、『Cuteness is justice』にエンペラークソゲー王の称号を奉ずるとともに、KOTYe2021の大賞を贈る。

87総評3:2022/02/28(月) 22:58:49 ID:???0
本年は、エロゲーを取り巻く環境の移り変わりを改めて意識せざるを得ない年となった。
クソゲーとはなんぞやという永遠の命題に関しても、答えに近づくどころか遠ざかっているとさえ感じられる。
しかし、答えの出ない状況で考え続けることは無駄ではない。
それを示すのが、「即断即決」と対をなす概念、「ネガティブ・ケイパビリティ」である。
「消極的受容力」とも訳され、「目先の安直な結論に飛びつかず、答えの出ないままの不安に耐え続ける能力」を指す。
人は未知を恐れ、ときには仮初の断定に縋ってでも心の安寧を得ようとする。
されど冒険者たちは、そうした不明瞭や不確実をとにかく払拭したい本能に抗おうとする。
遅効性地雷にじりじりと脳を焼かれ、夢破れた痛みを反芻しながら、検証を重ねつつ熟慮し、間違えては反省し、根源的な問いに様々な価値観から多角的なアプローチを試みる。
それはあえて地獄の釜に飛び込む行為とさえいえよう。
けれども、そこに身を浸し続けるうちに、迷いを経た知性は磨かれ、苦しみに耐えた精神は鍛えられ、倫理と共感性が自立する。
それらは、より深く発展的な答えに近づく力となるのである。
そう信じればこそ、冒険者たちは戦い続けるのであろう。
たとえ到達したと感じても、その地点をゴールではなく新たなスタートラインと見なして。
シロとクロの間で輝く、色鮮やかな可能性を求めて。

ともあれ、悲喜劇を語るのはここでひとまず区切りとしよう。
このイカれた世界に向け、KOTYe2021の終止符にして次なる始まりの号砲として放つのは、精一杯の皮肉と、最低限の敬意と、そして喜怒哀楽のスペクトラムを詰め込んだ次の一言である。

「kusoge is justice!」

88総評3:2022/02/28(月) 23:00:10 ID:???0
以上です
時間内で尽くせる限りの人事は尽くしました
実験的な試みも盛り込んでますが、その是非も含めてこれから議論できればと考えてます

89総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/02/28(月) 23:59:17 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
総評3さん、乙です
クソ疑惑作のタイトルをあえて表記せす語る手法、面白いですね
読み応えもあってとても楽しかったです
編集人さんがギブアップ宣言されてました
一応ここで締切としてベース案の選定という流れでよろしいでしょうか

90総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/03/01(火) 00:12:16 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
>>88
総評乙です。
語彙力や構成力があり斬新と思います。

>>89
それでよろしいかと思います。

皆様、ひとまずお疲れさまでした。
明日からの議論、よろしくお願いいたします。

91総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/03/01(火) 21:36:10 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
ベース案選定について提案です
三案とも大賞が同じで次点もほぼ同一ですので、昨年と同様にまず総評執筆者以外から推薦するベース案及びその理由を募る
ここの書き込みは過疎気味ですので、募集期日はとりあえず約二週間(3月13日)
推薦数及びその理由を総合的に勘案して決定
意見が少ない場合は総評執筆者同士で擦り合わせて決定
これで如何でしょうか?

92総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/03/01(火) 21:57:12 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
>>91
意見募集の日程について、おおむね意義はありませんが、
大賞と次点については意見を伺いたいところです。
①Cuteness大賞で問題は無いか
②ぱら学は次点にするか否か

大賞は当方が改稿前後で2つの作品を挙げておりますので、
ご配慮頂けますと助かります。
推薦する総評案の大賞・次点に変更・追加希望があれば
添えてコメント頂ければと思います。
無ければ普通に意見を頂ければ問題ないかと。

93総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/03/01(火) 22:05:11 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
>>92
ご意見に異義はございません
頂いた意見や状況に応じて期日変更も有りだと思います
ベース案決定後に修正もあります

94総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/03/01(火) 22:17:05 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
>>93
ありがとうございます。
募集が始まりますとこちらからは何も申せなくなりますし、
ベース案が決まり議論が始まってしまいますと
次点ならまだしも大賞変更は難しくなるかと思います。
ひとまずは総評の推薦を前提とし、色々な意見を頂きたいと思います。

皆様宜しくお願いいたします。

95名無しさん:2022/03/04(金) 18:46:49 HOST:bai9536ffe9.bai.ne.jp
3本の総評拝読しました。いずれ劣らぬ力作でした。

そのうえで、私はベース案を総評2氏にお願いしたいと思いました。
読みやすさと大賞選出理由の納得感という点で、他のお二方より頭一つ出ていたと感じたからです。

そのうえで、上に出ていた質問にも回答したいと思います。
①Cuteness大賞については問題ないと思います。プレイした実感として「これはクソ」との感触を抱いていました。
実は選評も出したいと思っていたのですが、時間的制約でかないませんでした。
②ぱら学については、他の2作(下戸勇者、陰陽師)と並べても遜色はないと思います。
最終的には総評作成者にお任せしますが、次点に入っていても自分は違和感はありません。

96名無しさん:2022/03/04(金) 23:34:21 HOST:M106073034065.v4.enabler.ne.jp
お三方の総評読ませて頂きました。
大賞及び次点候補作については、私は以下のように考えています。

Cuteness:大賞相当ではあるが、ユーザーを裏切る要素が極端に少なく、理由付けに工夫を要する。
次点作と比べて特徴的な部分を例示し、それを褒める方向性が望ましい。

下戸勇者:次点。但しCutenessを次点とするならこちらが大賞。
その場合は安直で愛の感じられないパロディに対する怒りが、大賞とした理由となりそう。

ぶっかけ陰陽師:次点。動かし難い。大賞でも選外でも議論をふっかけると思う。

ぱら学:総評作成者の裁量枠。各種クソ要素の評価及び、次点作のラインをどこに引くかで変わる。
ここで名前の出ていない次点候補作も含めた話だが、理由さえ示せれば次点に選んでもよい。

Cutenessの大賞理由は褒める方がいいと考えているので、ベース案は総評3を推したいと思います。
見えている地雷を予想通りクソゲーだったと批判するのは好きになれないです。
作品の名前を出さない書き方も、いわゆる「裏切った良作」を区別する方法としてはアリだと考えています。

97名無しさん:2022/03/05(土) 19:03:15 HOST:dhcp119189.orihime.ne.jp
選評案を提供くださったお三方に、感謝と敬意を

大賞はCutenessで良いかと
個人的に一番許せないのは陰陽師ですが単なる手抜きですから、怒りは湧けど笑いには昇華しにくい
勘違い、分不相応、拙さがどこか苦笑を誘うCutenessの方が、このスレ的には大賞にふさわしいでしょう
クソメーカーを選ぶスレなら、陰陽師ですが

ぱら学について、私も当落線上と思っていますので、最終稿の書き手におまかせします

面白かったのは総評3ですが、わかりやすさ、まとまりの良さで総評2を推します
後年になって読み返す事もありますから、わかりやすさは重要なポイントだと考えます

98sage:2022/03/06(日) 17:26:29 HOST:p4820004-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
選評案お三方に感謝を。
読みやすかったのは選評1、面白かったのは選評3、選評2はその中間。
ベース案は選評2を推します。
2021年度は、ロープライスではクソでもCG集として使えると見逃されてきた作品が結構あったと思います。価格不相応がテーマだったのかなと。
Cutenessの大賞、下戸勇者とぶっかけ陰陽師の次点は異論ありません。ぱら学は判断しかねる。ちょっと弱いかな。

99名無しさん:2022/03/06(日) 17:29:17 HOST:p4820004-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
やらかした・・・

100総評2 ◆vq7OBokoT2:2022/03/15(火) 07:51:02 HOST:M106073135224.v4.enabler.ne.jp
当初の意見募集の期限(3/13)が過ぎました。
総評執筆者の皆様含めて、
今後の進行について意見を頂きたいと思います。

頂いた意見の総数は4票で
3票が総評2、1票が総評3となりました。
これをもって総評2をベースとするのか
合体案などの提案があるのか
推薦募集期限を延長するのか等、
ご意見を頂きたいと思います。

101総評1 ◆kpIy6y/jcA:2022/03/15(火) 20:21:16 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
ベース案について貴重なご意見を頂き、ありがとうございました
ここは書き込まれる方が非常に少ない為、期日延長はあまり意味がないかと思います
私も理由についても成程と思いますので、一番支持をされました総評2をベース案とする事に同意させて頂きたく存じます

合成案の作成、及びぱら学の扱いについては執筆者のご判断に委ねたく思います

ここから先はベース案の総評執筆者の方のご負担が大きいですので、リアル事情も踏まえて期日等の設定はお任せしたいと思っています
ただ、個々の過疎状況からして反応が無い事もある為、意見を頂く期間は決めた方が良いかと思います


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