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ショート

1 ◆hentaii32.:2008/04/03(木) 23:54:31
とある国の科学者がとんでもない薬を開発した。世紀の大発明だ。
「ついに完成したのかね?」
いかにもお偉いさんであろう格好をした男が科学者に言う。この男はこの薬の完成を待ちわびていたようだ。
「えぇ、完成したにはしたのですが、ちょっと問題がありまして……」
科学者は含みのある言い方をして言葉を濁らし目を伏せた。
「なんだね、言ってみなさい。私は君に十分な投資をしたはずだ。この設備を与え、三食飯も食わせた。外を見れば厳重な警備だって居る。もうそろそろ私にその薬を渡してくれてもいいんじゃないかね?」
男の言うとおり男は科学者に多大な費用をかけている。
科学者の望む大抵のものは用意し、時間もたっぷり与えた。
「私も早くあなたに差し上げたいのは山々なのです。しかし、問題が……」
科学者はなかなかそれを言おうとしなかった。
「そこにあるのが私の頼んでいた『透明になれる薬』か?」
男は堪らず研究所に入ってからずっと気にしていた液体を指した。科学者も男がこの液体を気にしていたことには気付いていた。
「はい、これを飲めば完全に「透明」になれるはずです。しかし、問題があるのです。」
「えぇい!もういい!!私に貸してみろ!」
男は耐えかねて必死に制止する科学者を振り切り液体を手に取った。そして少し躊躇してその液体を飲み干した。
たちまちに男はその場から消えた。
「あぁ……なんてことを…………。」
科学者はその場に崩れた。
透明になるということは平たく言えば光が全く反射されなくなるということである。
光が反射されないということは当然、目も見えなくなり声も出せない。まして生きていくことなど不可能である。
普段私たちの体が光の反射をしているなど考えないがそれはとても重要なことなのである。
科学者の薬の欠点は完璧なところだった。科学者は自信のプライドのため透明になる薬を作れたとは言ったが失敗作とは言えなかった。また、その欠点が自信の力ではどうにもできないことも。
結果男は見事透明になれたがそれが本望かは知る由はない。

2名無しさん:2008/04/04(金) 01:34:10
星新一か?

3 ◆hentaii32.:2008/04/04(金) 01:49:40
はい、星新一さんをちょっと意識してSS書いてみました。
この後もこんな感じのショートSSを書いていくつもりです。

4名無しさん:2008/04/04(金) 01:54:16
俺はやっぱロングヘアーの女性の方が好きかな

5 ◆hentaii32.:2008/04/04(金) 03:22:36
世界は歪曲し続けていた。
「ニホン」は独裁者の下制縛され現在とはかけ離れた国となっている。民は貧窮のどん底まで突き落とされ食うや食わずの生活を余儀なくされた。
そんな中、その独裁者は変わった勅命を出した。
「『女』であるものは子供、大人関係なく髪を長髪に止めること。また、長髪の定義は最短の部分が30cmと制限す。」
この突飛な取り決めにも女たちは無条件に従わなければならなかった。
それ以来、二年に一度国の行事として女たちの斬髪式が加わり斬られた女の髪が独裁者の下へと献上された。
しかし独裁者の直属の部下の男は疑問に思っていた。
何故女性の髪を集めているのだろうか。それはたとえ直属の部下であろうと知らされていない秘密事項だった。
ある日耐えかねた部下は独裁者に言った「陛下は何故に女人の髪を集めておられるのですか。」
独裁者は「付いてこい」と言って部下を私室へ通した。
そこには数え切れないほどの長い髪の毛が散在していた。
「私はな女人の髪を食べることが唯一の至福の時なのだ。」




一部解説
髪は古くから女性の命と言われていました。
その髪を食べるということは命を食べると同義、ひいては人肉を食べているという解釈もできるでしょう。
この比喩で腐敗したニホンとさらに醜悪になった男尊女卑の世界を表したつもりです。

6名無しさん:2008/04/04(金) 13:42:25
          ∧_∧
         < `ш´> ……。
       _φ___⊂)_
      /旦/三/ /|
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
    | 誰彼百円 |/

7名無しさん:2008/04/04(金) 20:22:46
>>1
ショートショートの広場の「できすぎ」を思い出した。

8名無しさん:2008/04/05(土) 02:55:58
>>7
ショートショート と聞くと ケーキ と言いたくなる俺は(ry

>>1 なかなかそれらしく面白いよ!

9 ◆hentaii32.:2008/04/06(日) 01:29:11
>>7
自分で読んでみても似すぎですね
反省してます
パクった訳ではないですよ、インスパイアされただけですよ。
>>8
ありがとうございます。
今後も読んでください。


……以上がA国の内部機密及び内部実態である。
「ふぅ……」
男は深いため息を付いてかけていたイスに体を任せた。
長く続いていた執筆作業もようやく終盤。
男は予想以上の進行状況に自分を誉めながら煙草を吹かす。
この仕事に失敗すれば自分は路頭に迷うことになる。男にとってそれは一世一代の大仕事だった。
再び執筆作業を続けるべく男は机に向かった。
ピンポーン
突然チャイムの甲高い音が無音の室内に鳴り響いた。時計の針は二を指している。「こんな遅い時間に来客とは」、男は訝かしみながらも玄関へ向かった。
「こんな遅い時間に何の用ですか。」
玄関の扉を開けると全身黒ずくめの恰幅の良い男が立っていた。
「悪いが死んでもらうぞ。」
男はそう言うなり黒のロングコートのポケットに手を突っ込み銃を取り出した。
「ちょ、ちょっと待ってください。私にはさっぱり意味が……」
「とぼけるな!もう調べは付いている。お前はA国の内部機密調査書とA国の内部実態をまとめた本を出版しようとしているはずだ。A国は今や世界の中枢を担う国家だがその実内部は違法な商取引や民衆の格差の拡大など問題は多々ある。それを世界に公表されては困るのだよ。」
黒い男はそう言って男に銃を向け引き金に手をかけた。
「待ってくれ。最期に一つ聞かせてくれ。お前はA国に雇われたのか?」
「そうだ。」
そう言って黒い暗殺者が引き金を引こうとした刹那、男の部屋の奥から鋭い銃声が鳴り響いた。
途端黒い暗殺者はその場に伏せた。
「ちょっとぉ焦っちゃいましたよ。もう少し早く撃ってくださいよ。」
部屋の奥から警官らしき格好をした男がでてきた。
「しかし、やはりA国の奴らは暗殺者を雇ってきたな。先ほどの会話も録音した。A国を立件できるな。この囮捜査は成功だ。」
二人の男は仕事をやり終えた満足げな笑みを残し部屋の奥へ消えていった。


「ふぅ……」
俺は深くため息を付いた。
この仕事もようやく終盤に差し掛かった。
一見ただの小説だが実はこれに書かれているA国内部機密などは全て事実である。小説に見せかけA国の秘密を世界に露呈すべくこの本を書いている。
そしてこの本が出版された暁には俺は大金持ちに。
ピンポーン
時計の針は二時を指していた

10名無しさん:2008/04/06(日) 21:50:36
A国ってなにwww

11名無しさん:2008/04/07(月) 00:12:25
そういう名称は適当に流しとくとこかと。

12 ◆hentaii32.:2008/04/07(月) 00:29:10
>>10
Aは伏せ字です
適当に流しちゃってください
>>11
そのとーり☆


なんかネタないかな

13名無しさん:2009/05/30(土) 10:56:37
ロング

14名無しさん:2009/06/05(金) 13:45:41



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