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【ADV】妄想・創作スレ

1平気。不死身の名無しだから。:2010/07/22(木) 19:14:04 ID:7/mxrIKo0
801エロは禁止

2平気。不死身の名無しだから。:2010/07/29(木) 15:40:36 ID:0MqX9vM20
コウ一途ルート脳内補完してたんですが、溢れてしまいました。
久しぶりに文章を書いたのでグダグダですが、勝手ながらupさせていただきます。
すいません。

コウ×バンビ 3年目11月の設定。
呼び方は「コウ君」「美奈子」です。

3コウ×バンビ 1/6:2010/07/29(木) 15:42:04 ID:0MqX9vM20
はばたき山の紅葉は今年も見事だ。
11月も半ばになると枯れ木が目立つが、その分遊歩道は見事に彩られている。
ツレはカサカサと小気味良い音を立てる錦の上を満面の笑みで飛んでいる。
「うわぁ・・・きれいだね!コウ君」
今度はひらひらと舞う紅葉に駆け出し少し前を歩く美奈子は、後ろに手を組んで体を少しかしげるようにして微笑みかけた。・・・ガキかてめぇは。
「あぁ。バイト休んで来た甲斐があった、っておい、あんまはしゃいでんじゃねぇぞ」
屈託なく笑う顔は、・・・まぁ悪かねぇけどよ。
「!」
言わんこっちゃねぇ。落ち葉に足を滑らせて彼女は体のバランスを崩した。
琥一は半歩で差を詰めて美奈子を抱きとめる。
まったく、世話が焼ける。
「あ、ありがとう・・・」
彼女は頬を赤くしながらも居心地悪そうに俯きつぶやく。
(・・・まぁしょうがねぇか)
琥一はそんな美奈子に知られない様、小さなため息をついた。

先週、海浜公園へ出かけた帰りだった。
「前にも警告したはずだぜ?いつまで抑えきれるかわからねぇって。・・・今がその時だ。」
その時の美奈子の顔は忘れられない。
少し怯えたような・・・度が過ぎた悪戯を咎められた子供みてぇな顔。
本当はわかってんだろ?・・・今更そんな顔されたってこっちはもう限界なんだ。
「嘘なもんか・・・ほら、こっち来いよ」
お構いなしに、うろたえる美奈子の手を引き寄せた。
屈めば唇が触れ合う程の距離。濃くなった秋の匂いと一緒に美奈子の香りが飛び込んできた。
いっそのこと振り払われて頬の一つでもひっぱたかれりゃぁ良いと思っていた。
でも美奈子は振り払うどころかじっと俺の目を見つめてゆっくりと言った。
「・・・コウくんのこと、信じてるから」
美奈子が見ているのは俺の目じゃない、心だ。
・・・コイツはいつだってそうだ。
わかってんだかわかってないんだかよくわからねぇくせに肝心なところでは絶対に目をそらさず逃げたりしない。・・・俺とは正反対だ。
胸に痛みを感じた。おかげで少し熱が冷めたようだ。自嘲的な笑いが漏れる。
「そうか・・・帰るわ。早いとこ頭冷やさねぇとな。・・・じゃぁよ」

4コウ×バンビ 2/6:2010/07/29(木) 15:42:53 ID:0MqX9vM20
一瞬流れた妙な雰囲気は、ひらひら舞う落ち葉がどこかへ連れて行ったみたいだ。
先週の事が少しは効いているのか、美奈子はいつもより遠慮がちに触れてくる。
他愛のないおしゃべり。自分が女相手にこうも饒舌になる日がこようとは思わなかった。
気づけば二人の影は長くなり、夕日で染まる山の向こうに黒い雲が見えた。
「妙な雲があるな。おい、そろそろ帰るぞ」
「はーい」
そう答えるとガキの頃この時期になると歌わされた童謡を口ずさみながら手をつないできた。
「・・・あったけぇな。」
「そう?」
ごく自然に手をつなぎ見上げるようにして微笑みかけてくる。
柄にもなく頬が緩む。ったく何なんだ。気味が悪りぃ。
中坊の頃からは想像もつかない今の自分に殺意とも罪悪感とも取れる眩暈を感じながら、美奈子の手から伝わってくる暖かさがとても心地よかった。
いつの間にか握り返している自分の手に少し驚きながらも足早にバス停へ向かった。


バスから降りると黒い雲は一段と大きくなったように見えた。
(早いとこ家まで送ってやらねぇと。)
最初の頃、美奈子との帰路はいつもあっという間だった。不思議なもんで、こいつに触れられていると悪い気はしない。それどころか家へ帰ってもまだ声が聞こえるような気がした。
それが今じゃちょっとした拷問だ。いや根性試しというべきか。
それでも悪い気はしねぇから始末が悪い。

5コウ×バンビ 3/6:2010/07/29(木) 15:44:26 ID:0MqX9vM20
急に冷え込んできた秋の町を手をつないで歩く。
いくらかマシとは言え今日もちょこまかと人をつついたりなでたりとこっちの気も知らないで無邪気そのものだ。ったく・・・。
「おい、そろそろ冗談が冗談じゃなくなる」
ぴたっと足を止め美奈子は「コウくん怖いよ・・・」とつぶやいた。
しまった。きつく言い過ぎたか。
「わりぃ。怖くねぇから。な?怖くねぇぞ?」
そういって少し顔を覗き込むようにすると首筋に冷たいものが降ってきた。
見上げると暗雲が立ち込め遠くの方からゴロゴロと聞こえてくる。
「あーあ、きやがったな。おい、走るぞ」
「う、うん!」
着ていた上っ張りを美奈子にかぶせ、手を引いて走り出した。
あっという間にバケツをひっくり返したようなどしゃ降りになる。
体の熱を奪っていくひどく冷たい雨だ。
「おい、大丈夫か?」
雨音に消されないよう大声で聞くと
「大丈夫!・・・コウくん、ごめんね」
と申し訳なさそうな返事が聞こえてきた。
「バーカ。何謝ることがあんだよ」
そう言って笑ってやると強張った顔を少し緩めて「やさしいね」と言ってきた。
「ウルセ。スピード上げるぞ」
顔だけ妙に熱くなった。


小波の表札が見えた。
「おい、すぐ風呂にでも入って暖かくすんだぞ。じゃぁよ」
玄関ポーチの前で美奈子の手を離してそれだけ言うとそのまま足をwestbeachに向けて加速した。
「あ!ま、待って、コウ君!」


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