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動作テストスレッド

32 タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2009/03/23(月) 13:43:22
● 魔王の最後

誰かに揺られ、はっと目を覚ます。
痛みはだいぶ無くなり、身体の感覚もさっきよりはだいぶ回復している。
だが目が、まるではっきり見えなかった。

「大丈夫かい。ベホマをかけたのだけれど、ここまでしか回復させてあげられなかった」
「だ、だれだ。目が、見えない」
「目が見えないのは僕達が開放される瞬間の激しい痛みの後遺症だと思う。
 それは時間がたてば治るから、君はここにいて」

誰だかわからないが、たくさんの人間の気配を感じる。
剣のぶつかる音や魔法が発生する音に肉を切り裂く音、そういった衝撃音と誰かの会話だけが今得られる情報だった。

「よし! このまま一気に!」
「待つんだ、まだ足りない!」
「ガアアア! 貴様ら、邪魔をするな!!」

視力がようやくはっきりとしてくる。
最初に見えたのは魔王だ。
だが、最後に見た魔王とはまるで違う、すっかり老いてしまいボロボロになっている姿だ。
その周りを囲う、傷付きながらも果敢に攻める八人──
見たことも無い戦い方と剣技を使い、強力であろう魔法を使い、完璧であろう補助と回復魔法を駆使し、確実に魔王を追い詰めている。
これが真の力の正体だったというのか。

「ゾーマ! お前の栄華もここまでだ!」

鎧の男が、オリハルコンの剣を構え怒鳴っていた。
どうやらあの男は魔王を知っているように見える。
ルビスは、三つ目の世界で魔王が思念になったと言っていた。
そうなると鎧の男は三つ目の世界の人間だという事がわかる。
他の人間はどうなのだろうか。
考えているうちに強力な剣技と巨大な雷が魔王を直撃し、ついに魔王が両膝をつき呻く。

「ぐう…… 私は、力を取り込む毎に世界の成り立ちを知った。
 ついに世界の記憶を知ったとき、わが運命も決まったかに思えた。
 闇は光に倒さなければならず、お互いはそれだけの理由で存在する。
 無意味にも思える関係の循環。それをまず、破壊するべきだと考えた。
 絶大な命の力を持つ源を断ち切れば、もしやと……
 だが、叶わなかったようだ」

魔王が鎧の男へ静かに語る。
俺は他の人間同様、ただ聞いているだけしかなかった。

「お前がなぜそういった考えを持つのか、神々からこの使命を与えられた時から疑問に思っていた。
 だが、彼から見えたお前を見るうち、おぼろげながらわかった気がした」
「貴様に同情されるようでは私も堕ちたものだ。
 もう何も言うまい。これから貴様らをどうしても倒すなど、出来はしないのだからな。
 早々に形をつけるがいい。だが忘れるな。私は秩序などといったものに関係せず、また力を蓄え戻ってくるだろう」
「そのときはまた、我々が全力を持ってお前を倒してみせる」
「好きにするがいい。この世界では我々邪悪な存在であろうと決して、存在を消されなどしないのだからな……」

ざっと、オリハルコンによって刎ねられる魔王の首。
あっけなく、求めてきた瞬間が知らない人間の手によって終わってしまう。

「終わったな。みんな済まない。俺の世界がこんなにも全てをダメにしてしまった」
「気にしないでよ。僕も皆も気にしてないんだよ」
「神々も言っていただろう。とにかく我々の仕事も終わった」
「手ごわかったが…… 魔王の知らない技もあったからどうにかなったようだな」
「魔王にしてみたら抵抗も出来ずこっちが逆に、恐ろしく感じたろうなぁ」


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