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リョナな長文リレー小説 第2話-2

399名無しさん:2019/01/13(日) 02:14:30 ID:jNdl4yvg
「岩砕鉄断波アアアァ!!!」

「「キャーーーーーーーーー!!!」

洞窟内に響き渡る地割れでも起きたかのような凄まじい轟音と、2人の少女の高い悲鳴。
アイナとエミリアは自分たちが覚醒させてしまった竜殺しから、息を切らして逃げ回っていた。

「やばいですわやばいですわやばいねすわーっ!アレの持続時間は約10分!その間はなんとしても逃げ続けないと……!」

「ふぅっ、はぁっ、はぁっ……あ、あんなのを私に食べさせようとするなんて、酷いよアイナちゃん……!」

「あ!ていうかこんな馬鹿正直に頑張って逃げなくてもいいんですわ!アイナは消えればいいのですからぁ〜。それっ!」

「えーっ!?1人だけずるいよアイナちゃああん!!!」

強化ステルスを起動させ、ダンの記憶からも消えるアイナ。エミリアは例の装置でアイナを忘れることはないが、1人でこの状況をなんとかできる妙案があるわけでもない。

「安心してほしいですわエミリアちゃん!少しあいつの気を引いてくだされば、今度こそカルピス味のねるねるねるねをドンの奴にぶちまけてやりますわ!」

「えぇ……!もう、頼んだよ!なんとか魔法で引きつけてみる!」



竜殺し相手に1人で相対するのはもちろん怖いが、アイナのためにやむなく陽動を引き受けるエミリア。
すぐ後ろの轟音に振り返ると、どこから調達したのか、片手に岩の塊を棒状にした武器を持つダンが立っていた。

(も、もう正面には逃げ場がない……!やるしかない!)

「バーンストライク!!!」

とっさに中級魔法を発動させるエミリア。ダンの元に燃え盛る高熱の炎が雨となって降り注ぐ。

「……ヴ、ガア゛っ!」

「え!?打ち返し、て……?きゃああああああああ!!!」

自身にに放たれた炎弾を、バッターのごとく魔力を帯びた岩の棒でかっとばすダン。
辛くもエミリアは走って回避するが、そんな彼女に息もつかせず二度、三度目が襲いかかる!

ドカン!ドカン!ドカーン!
「うわわわわわ!待って待っていやぁっ!う、ウォーターシールドッ!!」

バシュン!ブクブクブクブク……

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

なんとか水の壁で最後の炎を防ぐことができたエミリア。だが彼女に休む間は与えられない。

「ガアアアアアァ!!!天地破壊拳ンンンン!!!」

「うわあああああぁっ!!!ぷぷ、プロテクトシールドオオオオォっ!!!」

つい相手の勢いに任せて自分も語気が強くなってしまうエミリア。
とはいえ防御魔法は発動し、嵐をも防ぐ魔力の壁が岩をも砕く右ストレートを受け止める。

(つ、強い……!でも、これくらいならなんとか耐えられるっ……!)

「グ、グ……ヴオオオオ!!!」

そう彼女が思ったのもつかの間、ダンがより一層勢いをつけると、拳に宿る魔力が巨大な猛獣になっていく!

(う、嘘……!今でさえかなりキツイのに、こんなの打ち込まれたら……!



「グ……ガアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!」

ピシィ!パリパリパリパリ……!
ダンのフルパワーパンチにエミリアのバリアが嫌な音を立て始める。

「うぐっ……!あ、アイナちゃん……早くぅ……!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

狂戦士となってしまった以上、ダンに手加減という理性的なことはできない。
魔力の壁を突破できないのなら、自分の体を省みず出力を上げて砕くのみ。
たとえその中にいるのが、16歳の美少女であったとしても。

バキッ!バキバキッ!!ピキピキイィ!!!

「あ、だ……だめっ……!も、もうだめぇーーーーーッ!!!アイナちゃん!!わたしもう限界いぃ!!!早く助けてえええええええーーー!!!」

あと数秒で砕け散る魔法壁の中で、涙声で助けを乞うエミリア。
ダンの動きを止めるのなら、こちらに集中している今しかない。このタイミングであの白いネバネバで拘束してくれればと、エミリアは思っていたが……



「うぅん……洞窟が崩れて進めなくなってしまいましたわ。エミリアちゃん、無事だといいのだけれど……」



いつのまにか状況は、勝手に絶望的になっていた。


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