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ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第5巻 ーーー
リョナSS総合スレです
仲良く進行していきましょう
保管庫はありませんので、保存は各自でお願いします
ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第1巻 ーーー
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/37271/1176397637/
ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第2巻 ーーー
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1312390724/
ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第3巻 ーーー
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1395500752/
ーーー リョナ2板 SS総合スレ 第4巻 ーーー
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1431002347/
旧板スレ
ttp://bbs.2ch2.net/test/read.cgi/ryonani/1145776314/l50
↓関連スレ
オリジナルキャラをリョナって欲しいスレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1448941945/
乙
乙
いちょつ
乙ー
今日からこっちだね
某アレのソレが声優以外ほぼ完成してチ〇チンが枯れたので投下してみます。
「ハァ……ハァ……」
――ある動画を視聴しつつ、俺は愚息をしごいていた。
『うっ――!! うぁっ……!? あぁぁーーっ!!!』
動画の中で、シスターの衣装を纏った女格闘家が屈強な男にベアハッグを喰らわされている。――何度も抜いた事のある、この動画の中でも一番の抜き所だ。
「うっ、くっ……! シュリセルちゃん――うぉっ……!!」
女格闘家――シュリセルは、男の太い腕に締め上げられ、苦悶の表情と汗を浮かべる。
『あ……あぅ……ぅ――うぅっ!!』
よく見ると服越しに、太い乳輪が浮かび、太股には汗が滴っている。
『――ふんっ!!』
――男が両腕の力を更に強める。
『――あぁぁぁぁっ!!』
たまらずシュリセルは首筋を仰け反らせ、全身で脈を打つようにビクンと跳ねる。
「うくっ……! うぅ……!!」
俺の愚息もたまらず脈を打つ――が、どうにかして全てを吐き出す事を堪える。
『あ……! あぁっ……あ……が……!!』
ベアハッグを解く為か、シュリセルは汗の滴る太股をバタつかせる――ここからが一番の抜き所だ。
シュリセルの足が、太股がジタバタと動きまわり、最後にだらしない蟹股になる。
「う……! うおっ……!!」
もうすぐだ――もうすぐ、シュリセルの一番無様な姿が、写し出される。
『ぁ……あぉぉ……あ、アヘェ……』
舌を垂らし、悶絶するシュリセル……普段の彼女の凛とした表情からは想像もつかないアヘ顔――。
『あへ……ぇ゛お゛ぉ゛っ!!?』
――潰れたカエルのような情けない悲鳴と共に、KOされるシュリセル。
「うぅぅ……っ!!」
――ドピュッ!!
俺は全ての性欲を吐き出した。
「ふぅ……」
――だが、俺の欲望はまだ発散しきれない。
「この後、どうなったんだろうな……」
――MUGEN。
何でもありの格闘大会は、スポンサーが欲にまみれた奴らに変わると、少々特殊な性癖の意味合いでも、何でもありになって行った。
――今では大会とは名ばかり、拉致した女格闘家を不利な条件でなぶり続け、敗北の様子を裏モノのAVとして見世物にしている。
そして噂では敗北した女格闘家は、より無惨な辱しめを受けているらしい。
「この不細工なアヘ顔より、無惨な辱しめ……か」
――妄想が止まらない。妄想する度に、俺の愚息は起き上がり、再び欲望を吐き出そうとする。
「――もう一度、最初からみるか……」
俺は動画をまた始めから再生させる。
――動画の最初には最後のアヘ顔など想像も出来ない程、凛々しいシュリセルの顔が写し出されている。
――そして、それだけではない。
「全く……凄いよなぁ……」
10――いや、20人。下手をすれば、ふたまわりも体格が違う男達20人が、シュリセルを取り囲んでいる。
『へへへ……』
ゲスな笑いを浮かべつつ、にじり寄る男達。
『……タダで貴方達の慰みものになるつもりはありません! 風よ!!』
――向かって来る男達を、その秘められた風の力で、しなやかな足技で、次々となぎ倒して行くシュリセル。
――だが、次第に追い詰められ……また、例のベアハッグのシーンだ。
「うーん……」
……このまま抜くのも良い。しかし、俺は、彼女のその後が気になる。
――再び、無様なアヘ顔が写し出される。
「このアヘ顔以上の……辱しめかぁ……」
――愚息をしごく手が止まった。気になってしょうがなくなり、逆に萎えてしまったのかもしれない。
「ハァ……くそ! 気になって仕方ないぜ!!」
――その時。
――ピンポーン!
俺はビクリと背筋を震わせた。――唐突にインターホンが鳴ったのだ。
『すみません……宅配です……』
――低い、男の声だ。
「ま、全く脅かすなよ……」
――ギフトを送って来るような知人なんていないし……通販なんて頼んだだろうか?
そんな事を考えつつ、俺は荷物を受け取りに玄関へ歩いて行った。――不覚にも少し湿ってしまったパンツを履き替えてから。
「……では、ハンコを」
「あ、はい」
――随分大きな荷物だ。俺の身長の半分くらいの大きさだぞ?
「……では私はこれで」
「ど、どうも」
――それにしてもネクラな奴……。
「あ! そうそう!」
「――っ!?」
「いつもありがとうございます……『それ』は『お礼』ですから」
――そう言うと、男は去って行った。
「な……なんだったんだありゃ……」
――気味が悪かった。……そして残ったのは、これまた気味の悪い贈り物。
「これ……どうしようか」
――暫く考えた後……中身を確認する事にした。気になる事は確かめないと仕方がない性分なんだ、俺は。
「ば、爆弾とかじゃ……ありませんように」
恐る恐る、息を噛むように飲みながら、俺は荷物を確認した――。
「なっ……これは……!?」
――それは、胸像だった。……それも、よく、見覚えのある『もの』――いや、『者』だった。
「……シュリセル」
――そう。……俺の目の前には、シュリセルそっくりの、剥製の胸像があった。
それも、ただ似ているだけではない。あの動画で敗北した時と全く同じ表情の剥製だ。
『敗北以上の辱しめ』――俺は、今まさに合点がいった。
MUGENで敗北した女格闘家は、こうして剥製にされ、被虐性癖を持った奴らに配達されるのだろう。
「……いやいや、まさかそんな――」
自問自答しながら、俺は剥製の胸元を見た。
――服越しに、右の乳首だけが執拗に勃起した爆乳が視界に飛び込んで来る。
――俺は、ゴクリと唾を飲みながら思った。
――中身はどうなってるんだろう?
……本物かどうかなんて、どうでも良いじゃないか。これは、俺が貰ったものだ。――俺が好きにして良いんだ!
胸元をはだけさせると、右の乳輪だけが黒ずんだ乳房が見えた。
――もし……もしも本物なら、死に際に右のおっぱいだけ、いじられまくったんだろうな……。
「そして……犯されて死んだんだろうな……」
――愚息がはち切れそうになる。
「そして――」
「そして……死んでからは、俺のパイズリオナホだ!! ヘヘ……はははっ!!」
――狂ったように俺は、いや……。
――狂った俺は、シュリセルの剥製の黒乳首と、ピンク色の乳首に、自らの愚息を交互に擦りつけた。……そして、
「――うっ!?」
――ドピュ! ドピュ! ドピュゥッ!!
――無様なアヘ顔に射精した。
「……ハァ……ハァ……」
今までで、一番の射精だった。
「ふう……」
――膝をつくと、ガサッと、紙の感触を足に感じた。……見れば、一枚の紙切れがあり、それには、こう書かれていた。
『もう半分――蟹股で果ててる下半身の方は、剥製に出来次第、およそ一週間後に』
――俺の性欲は再び蘇り、俺の所有物を白濁に染めた。
以上です。ゲ〇子をぬっ頃すSSやイラストがもっと増えますように……!
乙ー。
ただ男の○ナニーが大半だからもうちょっとゲニ子を描写して欲しかったw
どこに重点を置くかはかなり好みが分かれる
1無口系少女を絶叫させる
2プライド高い系少女を屈服させる
3清楚系少女を悪堕ちさせる
どれが好きか、どんなシチュが好きか教えてくれると嬉しいです
次作の参考にさせていただきます
>>14
その中なら1番。と言うか悪堕ちの部分以外はミックスできるよね。
1番いいっすね〜
前スレで言ってたオリジナルのビキニガンマン娘のSSが出来たので投下させてもらいます。
内容は、ちょっと足撃たれて、首吊られて、牛裂きで四肢を外されて、あそこに杭を何本も打ち込まれる特に最後がちょっとマニアックな物になってます、ご注意を。
小さな町を襲う二十人はいようかと言うならず者に立ち向かうのはたった一人、それもまだ若い女だ。
素早い身のこなしで物陰から物陰へと駆ける度に翻るややはね気味の美しい金の長髪。
首元には赤いスカーフ。頭には黒のテンガロンハット。ほっそりしながらも筋肉の付いた腕は革のロンググローブに包み込まれ。黒のビキニからこぼれそうな豊満な乳房。うっすら筋肉のついたお腹とくびれたウエストに巻かれた大きめのベルトに二丁の大型拳銃が差されたものと空のもの会わせて四丁のホルスター。
デニム生地のホットパンツに包まれたむっちりと脂がのりながらも引き締まったお尻と腰回り。
その下から伸びるカモシカの様にほっそり引き締まった美脚は革のチャップスと鉄で補強されたブーツで守られていた。
かなり露出度の高い扇情的な格好のこのガンマン娘は荒野でも五本の指に入ると言われる凄腕の賞金稼ぎだ。
しかもこの御時世には珍しく金よりも弱き人々を助ける事を心情とする正に英雄と言える存在なのだ。
彼女の名はショーティ。元々は牧童の娘だったが両親をならず者達に殺され父の形見の銃で復讐を遂げ、同じ目に遭う人を少しでも救おうと賞金稼ぎとして世の悪党と戦っているのだ。
彼女の銃声がなる度に一人、また一人とならず者達は倒れて行く。
あれだけいた男達も最早片手で数える程に減っていた。
樽の影に身を隠し、銃だけ出して発砲、また一人仕留め、すぐそこの家から狙っていた男も扉越しに撃って仕留めると、彼女の感覚がそこまで近づいたものに気づき、銃を構えながら飛び出す。
「なっ!?」
ショーティの視界に飛び込んだのは彼女よりも若い、いや幼いとすら言って良い少女だった。
やや赤みがかった茶髪を三つ編みに纏めた可愛らしい髪型と歳とまだ若い少女にしては中々の筋肉質の身体付き。
そしてやはり歳の割りにはまだ早そうだが健康的で良く似合ってるビキニに皮グローブにチャップスとブーツの衣装。
格好だけなら牧童に見えない事も無い少女の出現にショーティが銃を構えたまま静止する。
(何で子供がこんな所に!?町の人は皆逃がし...!囮!?)
一瞬動きが止まったショーティを、少し離れた別々の物影から、二人ずつならず者が狙いを付ける。
人気の無い村に4発の乾いた音が響いた。
そう、4発。遅れてドサッと男達が倒れる。
一瞬で不意打ちに辛くも対応し別々の目標を仕留めたが女ガンマンもただでは済まなかった。
がくり、と膝をつき美しい顔を苦渋に歪ませ全身からは暑さと運動のそれとは別の嫌な脂汗がにじみ出る。
「くっ...、足が...!」
頭を狙った銃弾は明後日の方向へ飛んでったが一発はショーティの太股に命中していた。
幸い主要な血管や骨に当たらず貫通したようで大事には至らないが、激しく動き回るのは無理そうだ。
ゴーストタウン化した町に残ったのは二人の美少女カウガールだけ。
赤毛の少女はどこかキョトンとした目でショーティを見つめていた。
この少女も撃ち殺してしまってもいいのだが生憎彼女はそこまで冷酷になれなかった。
(まあ、この娘丸腰みたいだし、囮に使われる位だから大丈夫でしょ)
「ねえ、貴女...」
ショーティが赤毛の少女に声をかけた瞬間だった。
少女の口がその可憐さからは想像も付かない凄惨な笑みの形に歪んだのと腰の投げ縄を素早く飛ばしたのは。
少女の腕が目にも止まらぬ早さで動き、それを認識した時にはショーティの細首に縄がかけられていた。
「かひゅっ...!?」
迂闊だった。少女はならず者の囮ではなく、ボスだったのだ。それも主流のガンマンではなく投げ縄の達人。
ただの牧童の類いでも無いのはショーティが銃を構える頃には彼女の後ろ、手近な建物の2階テラスに飛び移っていた事からも最早言うまでも無い。
「ぐひゅえっ!!!」
高所に陣取った少女が縄を思いっきり引っ張るとショーティが引き寄せられ、さらに素早く長さを調整し柱に結びつけると...美少女ガンマンの首吊りが完成した。
「...!ぐっ...!かはぁっ...!!」
首の縄に両手をかけ、必死に美脚をバタつかせる美少女ガンマン。
全身と太ももの傷から汗と血が滴る。
「くあぁ...あ、あかぁっ...ひゅぐぅ...」
やがて抵抗虚しくショーティの身体から力が抜け、手足がだらしなく垂れ下がり、目は半ば白目を向き、舌を突きだし口の端から泡を吹き、ホットパンツの股間を湿らせ失神した。
赤毛の少女はショーティが力尽き、そして息がある事を確認すると地に優しく下ろすと、『準備』を始めた。
「こんな可愛くて格好良い女の子、首吊りで終わらすのは勿体ない...」
聞くものが居れば誰にも理解できないだろう事を呟きながら。
「んっ...」
ショーティの両手、両足には縄がきつく縛られていた。
拘束されたか、と起き立てでまだ朦朧としている頭で状況を整理しかけているショーティの顔が青ざめる。
四肢を拘束する縄、その伸びた先を見れば馬に結ばれていたのだ。
ならず者達の乗ってきた馬だろうが今はそれは重要ではない。自分の手足から馬までそれぞれ縄が結ばれていると言うことは...!
ショーティの最悪の予想は当たっていた。馬がゆっくりと、だが力強く歩き始めた。それぞれ別方向に。
家畜と受刑者の手足を縄で繋ぎそれぞれの方向に引っ張り最悪千切れるまで行われる牛裂き等と呼ばれる処刑方だ。
ほっそりした腕はピンと伸ばされむっちりした脚は真横にがばりと開かされ、ぎしぎしと縄と美女の身体が軋む音が響いた。
「うあぁぁぁっ......!!や、やめろぉぉぉ!!」
地面から浮きはじめた身体が、荒野の強い日差しの汗と牛裂きの恐怖と痛みの脂汗でぐっしょりと濡れる。
今気づいたがガンマン娘を気絶させた赤毛の投げ縄少女は恍惚とした笑みをショーティに向けこの凄惨なショーを独り占めしていた。
「あぁぁっ、いた、痛いぃぃっ!や、やめてぇぇぇっ!!!」
やがて彼女の四肢が限界を迎える。
嫌な音を立て誤差はあるがほぼ同時に伸びきった両手両足の間接が鈍い音を立てて外れたのだ。
「づあっぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!!??」
今まで味わったことも無い激痛に獣の様な悲鳴を上げ、激しく失禁までしてしまうショーティ。
みしみしと身体が悲鳴を上げているが歴戦の少女ガンマンと言えど同時四肢破壊には耐えられ無かったようで再び意識を失っていた。
故に、赤毛の少女が銃で縄を切り、真っ二つにならずに済んだ事等ショーティには知る由も無かった。
だが、この後の責め苦は、そちらの方がまだ楽で慈悲深かったかもしれない。
「!!!....んあっ!!?」
三度目覚めたショーティの目に先程よりも奇妙な物が入る。
ショーティの股間、ホットパンツ越しの秘所にがあてがわれた太い杭。
その杭を小さな左手で押さえ右手に木槌を構えた投げ縄少女。
ショーティが状況を理解するよりも、彼女が目を醒ますのを待っていた少女は杭を、木槌でもって、ホットパンツ毎ショーティの膣に打ち込んだ。
「!ぎぃぃぃっっっ!!!??」
カン、カン、と小気味良い音を立てショーティの処女は無惨に散らされたばかりか杭で秘所を滅茶苦茶に蹂躙される。
どうにか杭が全部入る頃にはショーティの下腹部はぽっこりと膨らんでしまっていた。子宮まで入ってしまったのだろう、惨すぎる。
だがあろう事か少女は2本目の杭を用意しそれを既に入ってる秘所に押しあて再び打ち込んだのだ。
「げぐっ...!?ひゅがあぁぁぁぁっ!!?」
破けないのが不思議だがぼっこりと浮き上がった杭の形が彼女の放漫なバストのすぐ下まで届いてしまう。
「ぐごぁぁぁぁっ...!!!し、しんりゃうぅぅっ、や、やめっ、やめてぇぇぇ!!」
異常な拷問官でもやらない責めにショーティは目を白黒させ口から泡を吹きながら少女に必死に懇願する。
そして少女は3本目を取り出した。
「いやぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!!」
ショーティの悲痛すぎる悲鳴を心地良さそうに聴きながら赤毛のサイコパス少女は杭打ちを続行した。
名高い凄腕少女ガンマンと荒野の人々を脅かしていた『首吊り』が人々の噂から消えたのは同時期だった。
人々は悪名高い首吊りとショーティが相討ちになったのだと噂し、その内それすら忘れられた。
真相は首吊りが最高の玩具を手に入れただけだったのだが、人々は知る由も無かった。
以上です。
いいね
優しさ仇になる展開がなおよし
>>22
お読み頂きありがとうございます。
いいですよね、普通に負けるのも良いけどこういうのも悲惨さが増しますし
皆忙しいのかな?
新作期待
今夜か明日できるのですが連投になるけどいいでしょうか?
5151
オリジナルで、ファンタジー系の未亡人暗殺者がビホルダー的な悪魔に触手で手足壊されたりボコォされて生かさず殺さず酷い目に会うSSができたので投稿させてもらいます。
とある田舎町。昼下がりに女達が井戸端会議を初めていた。
「ユイラさん最近見ないわねぇ...」
「やっぱり旦那さんが亡くなったのがショックだったのかしら...」
「そりゃそうよ、あの人べったりだったじゃない」
「あんな美人さん遺して逝くなんて...って、やだユイラさん!」
話題の人の登場によりばつが悪そうに慌てるまだ若いがふくよかな婦人。
対して気にすること無く穏やかに挨拶をする若い女性、ユイラ。
「皆さま、こんにちは。」
服装こそごく普通の村女のそれだがこんな辺鄙な所にいるにしては相当の美人だ。
長い髪を後ろで纏めアメジストの様な紫のつぶらな瞳が特徴的で、顔立ちはやや童顔。
極々普通の飾り気の無い村娘の格好だがその服の上からでも分かるほど発達した身体付きが分かる。
歳の程は20代前半、下手をすれば18頃でも通用するが彼女の実年齢は今年で28を迎える。
10年前、この町にふらりと訪れた若い男女のカップル。
男は取り立てた特徴は無いが真面目な好青年で、女は美人で素直だがやや常識知らず。
数年過ごした頃には二人とも性格も良いおしどり夫婦として町ではちょっとした人気者だった。
そんな二人は6年程前に結婚し夫婦となり子宝に恵まれなかったもののとても幸せに暮らしていたのだが...。
一月程前に夫が都に出稼ぎに行き、帰りの馬車が事故で崖から転落し還らぬ人となったのだ。
葬儀を終えた後町ではここ数週間彼女の姿を見かけず噂になっていたのだ。
だが変わらず、とまでは行かないが元気そうなユイラにママさん仲間は安堵し、彼女を入れ談笑を再開する。
取り止めの無い話をしてユイラと別れた女達は気付かなかった。
別れ際、彼女の顔がこの上なく無表情になっていた事を。
深夜、ユイラの自宅。
その紫の瞳を悲しげな、しかし決意に満ちた眼差しを鏡に向ける彼女は一糸纏わぬ姿となっていた。 服の上からでも発達したボディが伺えた彼女の裸体は抜群のプロポーションを保っていた。
肌にはシミ1つ無くすべすべとした張りを保ちまるで少女の様な白い肌。
昼間と違い長い髪がほどかれ尻元まで伸ばされたその絹の様に艶やかな黒髪は美女の背中を覆い隠す。
ばんと張り出した胸は大きく丸く、型崩れしてない極上の乳房。
ほっそりとくびれた優美なS字を描くウェスト。
美しすぎる彼女の身体は見る者が見れば気が付くであろう箇所がある。
女性らしい脂に隠れているがただの村女にしては筋肉が付き良く鍛えられている、と。
そして、10年は若く見える絶世の美女の手には一着の服。
「あの人はもうやらなくて良いって言ってくれたけど、この『仕事着』を着るのも10年ぶりね...」
ユイラの成熟した女の色香と少女の様な瑞々しさを併せ持つ極上の肢体は青みがかった黒の薄手のレザーレオタードに包まれていた。
サイズが小さいのかかなりきつめにその肉体を締め付け、特に豊満な胸はこぼれ落ちんばかりで肩からかけたベルトで何とか隠している有り様。
腹部は胸の下から下腹部に掛けて生地が無く、代わりに網目状の物に覆われていた。
そのすぐ下のクロッチも激しく動けば見えてしまいそうな際どいハイレグ。
長髪に隠れる背中も大胆に露出しており、背中の中程に胸のベルトをかける帯が通ってる位でお尻の中程までざっくりむき出し。
むちむちといやらしさを持ちながらもほっそりと引き締まった手足は所々がベルトで絞られたロンググローブとロングブーツを装着。
まるで娼婦か何かの様な扇情的すぎる格好で実際に必要に迫られれば躊躇無く男や女に抱かれもしたが彼女の以前の職業はそれではない。
、結婚前のユイラの生業、その商売道具が衣装の全身至る所に仕込まれる。
最後に手の甲だけを覆う金属を両手に取り付け、その動作を確認する。
鋭い音を立て鋼鉄の爪が飛び出した。
彼女の以前の職業はある非合法ギルドに所属する暗殺者だった。
幼少児に引き取られ物心ついた時には既に善人悪人問わず金で殺す殺人人形として何人もの命を奪ってきたのだ。
あの時、対象を暗殺したものの怪我を負い追われた所を匿まい、看病までしくれたのが彼女の後の夫だった。
やがて殺人者としての才能しか無い彼女を日の当たる場所に連れ出してくれた彼と恋に落ち、ギルドから抜け出しこの町にたどり着いたのが10年前でささやかな結婚式を上げたのが6年前。
もう使う事も無いと思っていた商売道具は強力な身体強化や治癒の付与魔術が施された実用的な高級品で、念のため取っておいたのだ。
10年振りに着用した暗殺着はきつく一部は仕立て直したが処分していたら復讐には時間がかかってしまっただろう。
使うに越したことは無いが万一の備えとして鍛練はやめなかった事も無駄にはならなかった。
そう、彼女の伴侶は事故死ではなかった。
夫の訃報を聞いた時から昔取った杵柄で調査した結果、馬車の事故はかつて彼女の所属していたギルドの仕業である事、そして彼だけ死因が隠蔽性の高い毒針による事を突き止めたのだ。
「もう少し待ってて下さい旦那様。貴方の仇を取ったら私もそちらへ...」
仕度を終えたユイラは愛する人との思い出が詰まった我が家を後にする。
もう二度と帰る事はないだろうな、と思いながら。
数日後、ユイラが突き止めた暗殺ギルド本部。
「ふむ、思ったより早かったね、もう少しかかると思っていたが。」
初老の紳士然とした男性、ギルドの創設者でもある首領の執務室。
その部屋の入り口にはユイラの姿があった。
だがその扇情的なボンテージレオタード姿の両手両足は鎖でがんじがらめにされ、床から少し浮いた位置で身体を大の字に拘束されていた。
厳重な警備を掻い潜り首領の元までたどり着いたが、仕掛けられていた罠によりユイラは捕らえられてしまったのだ。
「一つ聞かせて下さい。どうして旦那様を殺したのですか?」
ユイラの問に首領は下卑た笑みを浮かべこう告げた。
「それは君をおびき寄せる為ともう一つ。」
「っ!!私を呼ぶなら手紙なりなんなりで呼び出せば良かった!旦那様を巻き込む必要は無いでしょう!?」
予想はしていた答えに歯噛みし怒りを圧し殺しながらユイラ。だが首領が続けた答えは彼女の想像を超えていた。
「このギルドは暗殺者を育て使う為に創ったのではない。美しい女性を集め育て、同族の血に染まった姿を愛で、失敗した無惨な死に姿を愛でる為、つまり観賞用だ、暗殺ギルドである必要は薄い。」
「そして君達が人なりの幸せをてに入れたらそれを取り上げ、絶望した顔を見る。確かに君の夫は君と結婚したから殺したのだが、君が暗殺ギルドを抜けたから、裏切ったからではない、君を幸せにしてからそれを奪う為さ。」
「うわあぁぁぁっ!殺してやるっ!殺してやるぅっ!!この悪魔ぁっ!!」
ガチャガチャと鎖を鳴らし半ば狂乱し怒鳴り暴れるユイラを首領は嘲笑しながら眺める。
鎖で拘束された伴侶を楽しみの為だけに殺され怒り狂う無力な美女暗殺者と言う見世物。
だがこれは憎き仇を油断させる為の演技だった。
完全に拘束していた筈の右手がするりと当たり前の様に抜けると当然の様に手にしていた投擲ナイフを首領の喉元に投げつけたのだ。
それだけでは無い。
喉にナイフが突きたった時には既に拘束は完全に外れ両手の爪を心臓目掛け突き立てられ、出血する頃には首領の身体を蹴り爪を抜き取り華麗に着地していた。
殺人を僅か数秒で終えた美貌の暗殺未亡人は一筋の涙を流し亡き夫に祈りを捧げた。
「...そんな事の為に...でも仇は取りました、旦那様、どうか安らかに...」
「いやいや、流石と言うべきか。この状況で殺しを諦めないばかりか実行に移すとは。何よりも驚嘆すべきは」
喉にナイフが突き立ったまま、胸に穴が空いたままの首領が何事も無かった様に拍手しながらユイラを称賛する。異様な光景にユイラは驚愕しながらも戦闘にそなえ姿勢を低く身構える。
未亡人暗殺者は気付くべきだった。
トラップは捕獲系のみで護衛のひとつも無い事に。
自分の腕に余程の自信が無ければそれはしない、そして喉と心臓に刃物を刺され死なない所か喋れる人間など存在しない。
不気味な笑いを浮かべた首領の姿が黒い霧に包まれ見えなくなる。
「ワガハイの正体ヲ当てタ事ダナ!!その通リ!ゴ覧の通り悪魔ダ!!」
霧が晴れるとそこにいたのは人の型すらしていなかった。
ざわざわと蠢く大小様々な触手。
その中でも一際太く先端に眼球が見受けられる触手が複数。
それらは球状の身体から生え、ナイフの様な鋭い乱杭歯がびっしりと生えた凶悪な 人一人入りそうな大口。
そして一際特徴的な巨大な1つ目。
比喩でも何でもなく、首領の正体は種族としての悪魔そのものだった。
それも邪眼の魔神、睨み付ける者、ゲイザー...悪魔の中でも様々な呼び名を持つ強大な種族だ。
最も通りの良い名はイビルアイ。
魔獣の怪力と高い知能を併せ持ち、更に見るだけであらゆる魔法を打ち消す強力な邪眼を持つ魔界でも上級に数えられる悪魔だ。
「なっ...!?」
恐らくこれが他の魔物だったら、同じ悪魔でも一般的な人型だったら、ユイラは一瞬とは言え硬直しなかったかもしれない。
「イつも通リ貴族辺りに渡して公開処刑を眺めるツモリダッタが気が変ワッタ!ワガハイガ特別に可愛がってヤロウ!」
悪魔が暗殺者を中央の巨大な邪眼で凝視し、無数の触手があるいは打ち付け、あるいは捕らえようと放たれる。
「くっ...!うあっ...」
イビルアイの邪眼は視界内のあらゆる魔法を遮断する。
それは付与された魔法具も例外ではなく強力な礼装であるユイラの戦闘レオタードも只の扇情的な衣装になりさがる。
本来は綿密に対策し複数人で対処しなければならない上位悪魔。
人と大きく異なる構造の相手。
能力増加を封じられた装備。10年ものブランク。
美貌の暗殺者を捕らえるには十分すぎた。
攻撃を回避し続けていたユイラの手足が触手に絡めとられ、拘束されるやいなや暗殺者の骨と鉄爪が砕ける音と悲鳴が響き渡った。
ごぎゅん!!ばぎぼぎべきぃぃぃっっっ!!
「うくあぁぁぁぁっっっ!!!」
手足を締め付けられ骨を粉々に砕かれ激痛に悶絶するユイラの全身に嫌な脂汗が浮かび暗殺者を艶かしく光らせる。
対拷問訓練を受けたユイラでも四肢を一度に破壊されるのはさすがに堪え、口の端から泡状の涎を吹きぽろぽろと大粒の涙をこぼしながらも冷静に二つの恐ろしい事実に気が付く。
恐ろしい魔神の膂力ならば魔法で強化されたとはいえ軽装備の人間などいとも簡単に引きちぎれる。可愛がると言った通り一思いには殺さずなぶる気なのだろう。
そしてもうひとつ、初めての四肢粉砕は凄まじい苦痛ではあったがショック死してもおかしい筈の責めにしては余裕を感じ、何より傷が癒える感覚があるのだ。
イビルアイの複数の小眼は戦闘美女を愉快そうに様々な角度から見つめているが、本体の邪眼は閉じていた。
よりユイラを長くいたぶるべく彼女の礼装の機能を復活させたのだ。
スーツにかかった魔力がユイラの耐久力と治癒力を大幅に増大させていた。
そして再びかっ、とイビルアイの瞳がユイラを捉え、それがまた消える。
「!!!ひぎゃあぁぁぁぁっっっ!!!」
やはり手足の痛みは抑えられていたのだ。粉砕された時よりも大きい痛みがユイラを襲い、たまらず情けない悲鳴を上げ、失禁までしてしまい透明に近い尿が太股と黒ブーツを伝ってこぼれ落ちた。
「クハハ、良い痴帯ダ。」
イビルアイが嘲りながらユイラの股間に複数の触手を宛がう。
太さは男の腕程。表面には親指程の尖った疣が無数に浮き上がった棍棒の様な凶悪な外見。
それらを何の前触れも無くユイラの股間にレオタード毎ぶちこんだ。
目をつぶるのと同時に。
「ぐっへぇぇぇぇーっっっ!!!」
ぼごんっ!!
ユイラの網に包まれたお腹が妊婦の様に膨らんだ。子宝に恵まれなかった彼女を虐げる様に。
大量の触手は生地の切れ端と共にユイラの体内を抉りながら一瞬にして子宮口をこじ開け、子宮の奥まで侵入したのだ。
「ぐえぇっ...えげぇぇぇぇっっ...!!」
圧迫感と激痛にびちゃびちゃと胃液を吐き、豊満なバストを汚し、垂れた汚液はユイラが仰け反り痙攣する度に大きく揺れる胸に弾かれ球となって飛び散る。
どごんどごん、とまるで地が砕けるような轟音を立てて触手がユイラに突き込まれる。
その度に艶やかな黒髪が、見事な爆乳が淫らに跳ねる。
やがて殆ど潰れた尿道からぷしゅ、ぷしゅと小水が漏れだし、堰を切ったように止まらなくなる。
「い、いやぁぁぁぁぁっっっ!!ころしてぇっ!せめてひとおもいに殺してくださいっっっ!!あの人の所にいかせてぇぇぇぇっっっ!!!」
今度こそ演技でなく狂ったように泣き叫び懇願するユイラの様子にイビルアイは邪眼を瞑り実に楽しげに小眼を細め、胴回りもある極太触手をねじ込んだ。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
既に限界をとうに超えた挿入に股関節は完全に破壊され、内蔵が滅茶苦茶な位置にずれ、骨盤から全身の骨がヒビ入り砕ける感触を味わいながら断末魔の如き悲鳴を上げるユイラ。
意識が薄れ行き死に行く彼女の耳にイビルアイの声が届く。
「マダ死ナレテはツマラン。即死デナケレバ致命傷デモ治ル最高級ポーションダ。感謝シタマエ。」
イビルアイが薬瓶を取り出し蓋を触手で器用に開け中身を白く濁った薬液をユイラにかけていく。
殆ど感覚の無くなった身体が急速に楽になっていく。
強力な魔法回復薬だ。この悪魔はそう簡単にユイラを解放する気は無いのだ。
「イチイチ瓶カラかけると面倒ダナ。」
今まで凌辱を免れていた肛門に触手とは別のホースが挿入される。
乱暴に突き込まれ肛門と直腸が抉られるも液体が流されると瞬時に傷が癒える。
そして、ユイラの口から白濁した回復液が大量に逆流した。
「ぐげごぼぼぼぼぉぉぉぉっっっ!!!!?」
醜い嘔吐を上げ激しく痙攣するユイラをイビルアイは瞬きしながら眺める。
開閉の度に更に美女はビクッ!ビクッと跳ねる。
「ハハハハ!コレハまた傑作だ!」
破壊と治癒を同時に行い繰り返す異常な姓拷問に女暗殺者は悶絶する事しか許されなかった...。
あれから数日後。暗殺ギルド本部の執務室はユイラ専用の拷問部屋となっていた。
艶やかな黒髪は床に広がり、手足は大の字に投げ出され、精液と触手、そして回復薬で臨月の妊婦を通り越した程に腹が膨らんだユイラ。
完全に白目を向いたユイラの無惨な口はごぼごぼと精液と回復薬の白い混合液を吐き出し続けていた。
後ろの穴から無数の魔道触手生物とホースから注ぎ込まれる魔法薬と精液は彼女の身体を完全に埋めつくし窒息させ、地獄の苦しみを与えるが死ぬ事を許さない。
強力なポーションの作用により息ができないのに死ぬことはおろか気絶すらできないのだ。
前の穴も同じ様にされ、僅かな隙間から溢れ出しているものの、やはり回復薬が無ければ破裂していただろう。
溢れだした白濁液は床に溢れユイラを中心にかなりの水溜まりを形成していた。
露になった両乳房は仰向けでも張りを失わず、とろとろとピンク色の乳首から母乳を流し、床に黒髪と共に広がる白濁に合流する。
逆流した白濁液に半ば身体を浸けながら病的な痙攣と嘔吐を繰り返す暗殺者。
「...ごごぼっ!!ばっ、だ、だんなざまぁっっっ...ごべっ、ごべんなざ...」
そして逆流嘔吐が途絶える度に、想い人への汚液混じりの謝罪を口にするユイラ。
自分が彼に惚れなければ、結婚しなければ。彼は殺されなかった。自責の念が最早習慣となった謝罪を辛うじて呟き続ける。暗殺者として鍛えられた強靭な精神力とこの謝罪によってユイラの正気が保たれているのだが皮肉としか言いようが無い。
拷問の責め苦が回復薬の効果を上回るか、精神が崩壊するか、イビルアイが飽きるか。ユイラが最期の時を迎え、愛する夫の元へ向かうのはまだまだかかりそうだ。
玩ばれる為に暗殺者となり、ささやかな幸せすら踏みにじられた美貌の未亡人の余りにも残酷すぎる末路だった。
以上です。
ノエルの人です
もうすぐDの新作投下できそうです
あまりクオリティに自信がないので、ひっそりと投下させていただくことになるかと思います……
wktk
すべてを投げ打ってなお返り討ちの展開いいよね・・・
ひっそりと……投下いたします。
今宵お眼にかけますのは、「楪いのり(ギルティクラウン)」です。
【image】
ttp://wallpaperboys.com/image/2014/04/1392_744_guilty-crown_2.jpg
【本編】
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org864906.txt.html
passはd4c
では、良い夢を観れますよう、お祈りしております
歌姫という素材を前に単純に悲鳴を上げさせて楽しむんじゃなく
声を出せない状態にして心をへし折ってから
より絶望の濃い悲鳴を上げさせるところにリョナの美学を感じたw
>>38
前スレでテンプレ打破を掲げられて本当にその言葉通りの
素晴らしいリョナSSを練り上げてこられたことに興奮と共に感動も覚えました!
>>38
>>38
http://i.imgur.com/izYrjU6.png
ノエルの人です
読んでいただけてとても嬉しいです!
また何か書きたいものが浮かんできたら、こっそり投下しようかなと思いますので、よろしくお願いします
戦国無双の小少将の処刑リョナを投下させていただきます
ROM専が久しぶりに書いたので、文章がお見苦しい点はご容赦ください
処刑中の経過描写とか適当な想像なので
ツッコミ所があれば後学のためにご指摘いただいたほうが嬉しいです
元亀元年8月、野田福島城に籠城した反織田連合と、織田軍の決戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
「はぁ〜い。ちゅうも〜く。」
彼女は世の男から魔性の美女と称される小少将。今は三好軍をまとめる将でもある。
「信長の首を私の前に持ってきてくれた良い子には、とぉ〜ってもいいコトしてア・ゲ・ル」
小少将の持ち前の色香を使った鼓舞により、反織田連合の士気は大いに上がった。
籠城という有利な戦闘であることもあって、織田を迎え撃つ準備は万全であった。
織田軍の苛烈を極める戦いによって、所詮は烏合の衆であった反織田連合はあっさりと潰走した。
燃え盛る城内の混乱の中、小少将も織田軍に捕えられる。
小少将は縄をうたれて、兵士に抱えられた惨めな姿で信長の前に引き出された。
「もぉ、髪も服も焦げちゃったじゃない。この落とし前どうつけてくれるのよ。」
敗軍の将の身でありながら、小少将は魔王・織田信長の前でも普段の言動を崩すことはなかった。
「下れば、許す…ぞ。」
戦のとなれば苛烈を極め、敵対する者も多い信長であったが、降将には寛容でもあった。
彼の元には柴田勝家や松永久秀などの、許された後に家臣として勲功を上げた者も多い。
しかし、信長のような非道な戦ができる男に下ることは、小少将の矜持が許さなかった。
「あんたみたいな、戦のやり方も恰好もだっさい男に使われるぐらいなら、死んだほうがマシよ。」
「ならば、その望み叶えよう…ぞ。」
牢に繋がれた小少将へと伝えられた刑罰の手段は釜茹でであった。
処刑当日、刑場への出発前に小少将には着衣が一枚与えられる。
それはいつもの華美な服装ではなく、白い布きれ一枚であった。
「こんな恰好じゃ、せっかくの私の晴れ舞台が全然映えないじゃない。」
いつもの調子で強がるものの、裸体に布一枚だけを巻かれた小少将は再び縄をうたれ
馬に乗せられて、刑場と定められた三条河原まで、織田兵に馬を引かれて京の街中を引き回されて行く。
絶世の美女の最期の姿と聞いてか、沿道には隣国からも多くの群衆が押し寄せ
その均整の取れた、女神の如き肢体のすべてをその目に焼き付けんと押し合っていた。
この状況には、普段から露出の多い衣装を纏い、色香を武器にしてきた小少将も
顔を隠すように馬上で項垂れるのみであった。
しかし、警護の織田兵はそれを許さず、小少将の顎を刺股で突き上げる。
「この上まだ辱めようっていうわけ…。やっぱり信長ってサイテーね…。」
無理やり正面を向かせられた小少将は、その先に見える終焉の地へと連行されていく。
三条河原で小少将を待っていたのは、雲霞のごとき群衆と煮えたぎる大釜であった。
小少将は馬から降ろされ、大釜の前に連れてこられると、木で組まれた階段を登らされる。
熱湯が煮えたぎる大釜を前に、小少将は未だいつもと変わらぬ不適な雰囲気を漂わせていた。
「辞世の句は…読ませてくれないってわけ?最後まで最低な男ね信長。きっとあんたにも不幸を…。」
あるいは、その言葉が辞世の句の代わりだったのであろうか。
最後まで言い終わらぬ前に、傍に立つ兵士によって布をはぎ取られ、小少将の体は大釜へと投げ込まれた。
「いい…お湯加減みたいで…この程度の不幸じゃ…私は落せないわよ…?」
釜の中で体を丸めて虚勢を張ろうとも、赤く染まった肌と、滝のような汗。
当初の余裕が見られない表情から、限界が近いだろうということが民衆からも手に取るようにわかった。
そのような我慢比べがしばらく続いた後、釜の外で大きな変化が起きた。
「うぬの髪を燃やした責任をとろう…。すべて、根絶やしに、燃やしてくれよう…フハハハハハハハ!」
突如、兵士を割って現れた魔王の指示により油壺が準備される。
「ちょっと何考えてるのよ!一気に焼き殺そうってわけ!」
これには、さすがの小少将も目前に迫りくる死の恐怖が抑えられなくなった。
朦朧とする意識の中、なんとか立ち上がろうとするも、上から刺股によって再び熱湯の中へと押し戻される。
何度か押し戻されているうちに、遠巻きに囲んだ兵士たちによって、釜の中へと油が注ぎ込まれる。
「やめて!許して!たすけっ……きゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っあ゙っ!!」
文字通り爆発したように大釜が火を吹き、その中心にいた小少将も全身が火達磨となる。
炎の海から脱出しようとしているのか頭を、腕を、腰をくねらせ動かすも、
その度に右から左から刺股に突かれて炎の中へと押し戻され、その身を焼かれ続ける。
炎を纏った舞踊と断末魔の歌声は誰にも真似できない、命がけの魂の演目のようでもあった。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!あ゙っ!あ゙っ!あ゙………ッ!…………ッ!………………!」
ついには喉が焼けてしまったのか、絶叫は次第に聞こえなくなった。
それでも未だに火の勢いは衰えず、自重を支えられなくなった体が燃え盛る釜の中へと崩れ落ちる。
やがて、鎮火した釜から小少将の死骸が引き上げられると、集まった民衆から悲鳴と入り混じった嘔吐の音が聞こえた。
小少将であろうそれは桃色の奇抜な髪型も、白く透き通るような肌も、すべてが黒一色に焼け焦げ異臭を放っていた。
目があったであろう窪みは見開かれ、その下の口と思われる大穴から
それが彼女の美貌のなれの果てであることが、かろうじて判別できるという有様であった。
その黒い汚物はその後、三条河原で釜と並べられて吊るされ、鳥や虫に食いつくされて一片残らず消え去るまで晒され続けたという。
-完-
以上です。ありがとうございました。
本当はビフォーアフタースレ用に書いていたものだったのですが
想定以上に長くなってしまい、カットするのももったいなかったので
こちらに投下させていただきました。文章を短くまとめる才能が欲しい…
今回も戦国無双モノで1レスに収めようとしたのに気づいたら長くなってしまいました。
自分が歴史モノ書くとどうやっても1レスより長くなるみたいです。
戦国無双4の早川殿と甲斐姫の拷問、死亡リョナになります。酷いことしかしてません。早川殿のデコは弄り倒したくなります。
忍城の戦いのIF的展開になってます。本当っぽく書いてあってもほとんど嘘なんで信じないでください。
天正十八年七月、忍城の合戦において北条軍は城兵と民が一丸となり
石田三成率いる豊臣軍の圧倒的な兵力と水攻めを打破し勝利した。
勝利に湧く城内には成田氏長の娘、甲斐姫と北条家の姫、早川殿の姿もあった。
「うぉぉっしゃああ!あたしたちの家族の絆の勝利よ!」
「勝てた…!大切な国、大切な人たちを守れたのね。」
勝利できたのには忍城の将兵の奮戦や民の協力もあったが、皆を家族と信じ先陣を切って戦った二人の姫の功績が誰よりも大きい。
それは城内のすべての者が認めるところであり、二人は忍城の勝利の女神だと称えられた。
思わぬ敗戦により痛手を受けた軍を再編中の豊臣軍の包囲の隙を突き、早川殿は小田原城へと帰還するため忍城を抜けて一人で駆けた。
しかし、たどり着いた小田原城は既に豊臣軍に降伏した後であり、他の北条一族の処遇までもが既に決定した後であった。
捕えれ、秀吉の前に引き出された早川殿は、秀吉から忍城開城のための使者となることを迫られる。
しかし豊臣側から提示された開城の条件は、勝ったとはいえ水攻めに疲弊する城内からの物資の持ちだしの厳しい制限。
そして親友である甲斐姫を秀吉の側室とせよというものであった。北条の家族を秀吉に売れというこの提案は早川殿には呑みこめるものではなかった。
「国を…民を…友を…北条の家族を裏切るような真似は私にはできません。」
その毅然とした態度に秀吉は早川殿を降伏の使者に立てることを諦め、人質として使い城内の士気を下げ降伏を迫る方針へと転換することにした。
「姫様お一人で大丈夫かしら。目の前のこいつらさえ居なければ、すぐにでも小田原に駆けつけられるっていうのに!」
未だ包囲の続く忍城では甲斐姫が一人小田原城へと発った早川殿を心配し、援軍に駆けつけられぬことに苛立っていた。
そんな折、忍城内からよく見える位置へと何者かが豊臣軍に連れられて来るのを甲斐姫は見つけてしまう。
「ちょっと嘘でしょ…冗談きついわよ…。」
それは忍城開城のための人質として捕えられ、捕虜としての扱いを受けて連行されてきた早川殿の姿であった。
その身には肌着一枚のみが着せられ、その上から罪人と同じように後ろ手の菱縄縛りにされてしまっていた。
口には自害を防ぐための口枷を噛ませられている。その恰好で地面に立てられた木の杭に縛りつけられ、荒地に直接正座をさせられてしまう。
きつく縛られた縄に体を締め付けられているのか、その苦悶の表情は忍城内からでも見て取れるほどであった。
無惨な姿で捕えられた早川殿の後ろから轟く、豊臣兵士たちの小田原城落城の大音声に忍城内は動揺し
開城止む無しとの意見にまとまり使者を迎え入れることとなった。
しかし、使者から提示された開城条件に忍城内は再び紛糾し、抗戦派と恭順派へと二分される事態になってしまった。
忍城内が二分され揉めている間にも、開城を迫る豊臣軍によって早川殿の拷問が開始される。
まずは二人の兵士が交互に早川殿の小柄な体を木の棒で打ち据える。
兵士たちは本気ではないものの、薄い肌襦袢はあっけなく破れ、白い雪のような肌が赤や紫に滲んで無惨に色を変えていった。
50回ほど続いたところで兵士たちによって意識があるかの確認と、早川殿自身の口からも降伏勧告を行うかの意思確認が行われる。
この責め苦にも早川殿の心は未だ折れてはおらず、項垂れていた頭を大きく首を横に振るのを確認した兵士が次の拷問の準備を始めた。
次は正座の姿勢で座らされている足の上へと、同じ形の石を積み上げていく石抱の拷問である。
本来は専用の台座が使われる刑罰であるが、水攻めによって様々なものが散乱していた地面がその役割を果たし早川殿を苦しめる。
早川殿の細くしなやかな足の上へと3枚ほど石が積み上げられたところで、再び意思確認が行われた。
しかし、その瞳は硬い決意の意思を宿したままであり、頑なに首を縦には振ろうとしなかった。
そこへさらに先程のように棒による殴打も加えられるが、早川殿の鋼の意思はそれでも変わりはしなかった。
「てめぇら姫様になにしてんだ!今手ぇ出した奴の顔はみんな覚えたからな!跡形も残さずみじん切りにしてやる!!」
この惨状を何もできずに城内から怒号を飛ばすしかない甲斐姫を無視して、城下では次の拷問の準備が進められていく。
次に運ばれてきたのは鋼の意思には鋼の責めをということなのだろうか、高温に熱された鉄の棒であった。
先端は四角い形へと加工されており、どうやらなんらかの印を残すための焼印のようである。
「そんなモン姫様に近付けんじゃないわよ!!やめろ!やめろおおおおおおおおおおお!!」
両側から兵士に押さえつけられた早川殿の愛らしい額へと目がけ、高温の鉄の塊が迫って行く。
「んーーーーーーっ!ん゙っ!ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!」
さすがの早川殿でもこれには耐えようもなく、口枷が割れんばかりに絶叫して気を失い、失禁すらしてしまい地面と白い肌着を濡らしてしまった。
気絶した状態の早川殿は髪を掴まれて頭を持ち上げられ、忍城へ向けてその額に惨たらしく残る火傷痕と
その下で白目を剥いた目から滝のように涙を流し、鼻水をも垂らして、口枷を血の混じった涎で濡らした無様な顔を晒されてしまう。
額に刻みつけられたそれが何かは、さすがに忍城からでは視認は困難であったものの
後に複数の物見からの証言によれば、どうやら豊臣の家紋を焼印として押されたようであった。
気絶したままでは降伏の意思確認ができないと、早川殿は兵士から泥水を浴びせられ再び木の棒で打ち据えられ覚醒させられる。
衰弱しきった早川殿が首をどちらに振ったのか、忍城からでは確認できなかった。
「姫様…もう意地張らなくていいですからぁ…。お願いだから降参してよぉ……。」
甲斐姫の嘆きが豊臣軍に届いたのかはわからないが、どうやら日が落ちきる前にその日の拷問はそれまでとされたようであった。
休息の時を得た早川殿であったが、木の柱に縛られ全身を泥水で濡らされた満身創痍の姿が夕陽によって照らされてしまっていた。
その周囲には篝火が焚かれ、早川殿と数人の見張りのみを残して豊臣軍は自陣へと引き上げていった。
その夜、開城の条件に自身が秀吉の側室となることが含まれていることを知った甲斐姫は
早川殿を救出した後、自らとの交換を条件に早川殿を解放することを秀吉と交渉すべく忍城を出て単騎で豊臣の陣へと向かう。
忍城から少し離れた湿地帯の森を突っ切ろうとしたところで、野武士らしい一団が甲斐姫の目の前へと現れた。
彼らは先の合戦で仕えていた大将を討たれ、戻ることもできずに落ち武者と化した元豊臣兵であった。
湿地帯では馬の機動力を使って振り切ることもできないと判断し、甲斐姫は馬から下り愛刀・波切を構えた。
「てめぇらみたいな三下に構ってる暇はねえんだよ!命が惜しかったら、とっとそこをどきな!」
数の上での不利など一切感じさせず、甲斐姫は波切を振るって落ち武者たちを圧倒していく。
熊のごとき武勇と称される普段の甲斐姫であれば、この程度の敵はあっという間に斬り伏せてしまったであろう。
しかし、急ぎ早川殿を救わなければという焦りが一瞬の致命的な隙を生んでしまう。
「あっ!こいつまだ生きてっ…。」
斬られたフリをして泥の中へと倒れて居た一人が、油断した甲斐姫の足首を掴んで引き倒す。
転んだ時に波切を泥の中に落としたものの、熊の如しと称された怪力は未だ健在である。
足首を掴んでいた敵を投げ飛ばし、飛びかかってきた敵を蹴り飛ばし、不用意に近づいてきた敵を脇に抱えて捻り潰す。
しかし、やはり間合いに優れる波切を失ったことは、先を急ぐ甲斐姫にとっては致命的失態であった。
落ち武者たちは甲斐姫を遠巻きに囲んで、弓や投石などで徐々に追い込んでいく獣を狩るような戦法を取り始める。
「うがー!熊扱いはゆるさーん!」
雄叫びをあげて落ち武者を威圧する甲斐姫であったが、それが虚勢でしかないことは今や誰の目から見ても明らかであった。
今まで波切で弾き飛ばしていた弓や飛礫を不安定な泥濘の上で避けざるを得なくなり、確実に甲斐姫の体力は奪われていく。
ついに沼地に足を取られて倒れたところへと、続けざまに全身に矢や飛礫を浴びて動くこともままならない状態となってしまった。
「あたしはこんなとこで終われないのよ…。姫様を…みんなを…助けないと…。」
沼地での戦いによって、その端正な顔も華美な着物も泥まみれになってしまい、東国随一と言われた美貌は見る影もなくなってしまっていた。
それでもなお甲斐姫は不屈の闘志によって泥の中を這って早川殿の元へ進もうとする。
しかし、生き残った男たちは甲斐姫を囲むと馬乗りになって腕をへし折り、足の腱を断ち、全身を踏みつけて散々にやられた憂さ晴らしを行った。
「やめろおおおおお!てめぇらあああ!あたしはっ!やめろっ!やめてっ…ぎゃああああああああああああああああ!」
やっとのことで泥の中から引き上げられたときには、息はかろうじてあったものの意識は既になく
全身傷だらけの上から泥に塗れた無残な姿のまま、甲斐姫は落ち武者たちのねぐらへと連れて行かれてしまった。
一方、甲斐姫が行方不明となった忍城内は前日以上に混乱し、この隙を突かれて攻められていたならば半日と持たなかっただろう。
秀吉が要求していた甲斐姫が居ないのでは、もはや降伏も許されぬと城内全てが撫で斬りとなることを覚悟した。
しかしながら豊臣方の石田三成、大谷吉継の尽力と、忍城総大将・成田長親の英断により城内すべての兵と民は助命が許されることと相成る。
だが、当初の約定以上に城内から持ち出せる物資の量は限られてしまい、土地も物も奪われた民は突如行方をくらました甲斐姫へと怒りの矛先を向けた。
「猿の嫁になるのが嫌で、城兵も民も姫様もみんな捨てて逃げ出した自分勝手な裏切り者。」
戦の後、早川殿と甲斐姫が家族と信じた民と一部の城兵たちはこのように甲斐姫を蔑んで、やり場のない怒りをぶつけながら暮らしたという。
謂れなき中傷を受けているとは知る由もない甲斐姫であったが、汚水や小便で泥を落とされた後に落ち武者たちの良い暇つぶしの玩具とされ
代わる代わる一日中犯され続け、反応がなくなれば顔を殴られ、指を折られ、首を絞められ暴虐の限りを尽くされていた。
そのうちに不衛生な環境のせいであろうか、傷口から破傷風にかかってしまったようで時折体を痙攣させるようになる。
最初のうちは男たちも締りがよくなったと考えなしに喜んでいたが、病状が進行するにつれ狐の祟りだと恐れはじめると
最後には薄暗い家畜小屋に捨てられて放置されてしまい、そこで無念のうちに死んでいった。
「おやかたさま…ひめさま…みんな…ごめんなさい……ごめんなさい……。」
東国無双の女傑・甲斐姫はどことも知れぬ場所で家畜の餌になってその生涯を閉じたのであった。
忍城の開城によって地獄の責め苦から解放された早川殿は秀吉から赦され、大坂城下に屋敷と侍女を与えられるも
拷問の影響で足を悪くしており、再び立って歩くことはできずに寝たきりの体になってしまっていた。
「あああああああああ!足が潰れる!頭が焼けるぅぅぅ!痛い痛い痛い痛いいいいいいいいいいい!」
時折、拷問の記憶が蘇るのか布団の上で髪を振り乱し、糞尿を垂れ流しながら発狂しては暴れて侍女を辟易とさせたという。
「お父様あああああ!お母様ああああああ!甲斐!甲斐いいいいい!助けてえええ!助けてよおおおおおおおおおおおお!」
ある朝、侍女が部屋を覗くと自身の排泄物にまみれて首を折られて殺されている早川殿の死体が見つかった。
手練れの忍びの仕業ではないかと考えられたが、北条の残党からも既に行方不明の甲斐姫共々疎んじられていたため
他家からの人質の姫が殺されるという大事件にもかかわらず、それ以上追求されることはなかった。
誰からも慕われた関八州の姫君は、戦国の世の悪意に負け悲惨な死を迎えたが
もはやその死を悼まれることはなく、今は亡き家族の記憶に助けを求めながら一人孤独にその生涯を終えた。
甲斐姫と早川殿。北条の勝利の女神から一転、裏切り者と厄介者と見なされた二人は
その墓はおろか、どこに埋葬されたかすらも後世には一切伝わってはいない。
-完-
以上になります。ありがとうございました。
無双は好きだから、嬉しい
お市様やくのいちが殺られちゃうのとかも読んでみたい
新作期待age
43です。また戦国無双からくのいちでリョナSSを書かせていただきました。
今回は死亡描写はありません。
原作から戦国時代とは思えない特徴的な喋り方をするキャラクターですので
キャラを知らない方はそれを念頭に置いてお読みいただければ幸いです。
地の文でも一か所、場面の説明に困って現代の感覚でカタカナ単語を使用しました。
これで完結にしてもよかったんですが、この後の展開を別方向のリョナで思いついたので
ここで一区切りにして、続きはまた後日投下したいと思います。
慶長十九年、堀が埋め立てられ防衛機能を喪失した大坂城は、
幕府によって動員された全国の大名からなる大軍に包囲されていた。
対する大坂方には豊臣恩顧の将、未だ戦いを求める浪人衆、再起を図る大名の子息や元家臣。
様々な思惑が交差する大阪城内において、それらを見事に差配する真田幸村の傍らには、
彼の股肱の臣である甲州の女忍者、くのいちの姿があった。
身寄りのなかった彼女は武田信玄によって名もなき草の者の一人として育てられ、
歳の近かった真田幸村を補佐すべくその配下となる。
己の身を顧みない戦をする幸村に手を焼きながらも、
両者は常に同じ戦場で戦い、苦楽を共にし、度重なる危機を乗り越え信頼を深めていった。
その中でいつの間にかくのいちは、幸村への主君と家臣の関係を超えた思いを抱くようになる。
しかし彼女は一介の忍びである自分と真田家の子息である幸村とでは身分が釣り合わぬと考え
長年その思いを秘めたままこの大坂の地へと至ったのであった。
「幸村様は死なない…死なせない!絶対に守り抜いて見せるから!」
悲壮なる覚悟を決め戦場へと向かう主と同じく少女もまた、主を必ず守り抜くと誓い死地へと赴く。
それがたとえ主の意思に反するとも…。
大坂方は奮戦するも、籠城の利を潰されては寄せ集めの烏合の衆に勝機はなく連戦連敗を続ける。
ついには大坂城を背にした天王寺口で乾坤一擲の勝負を挑むことになる。
圧倒的不利の中、幸村ら真田勢は松平忠直隊と対峙し、これをよく防いでいたものの、
攻めに転じる好機を見いだせず防戦一方のまま、一方的に兵を疲弊させられるばかりであった。
そんな中くのいちは手勢の忍者隊のみを引き連れ、敵の混乱を誘うべく幸村の本隊とは別行動を開始する。
「今、敵は幸村様たちを注視して後方の警戒は手薄。将軍を討てば…幸村様も死ななくて済む!」
常人ではとても飛び越えられぬであろう木々や柵を軽々と飛び越え、
敵陣を掻い潜りくのいちたちは将軍・徳川秀忠を討つためその陣へと接近していく。
葵の紋の陣幕を飛び越えると、不幸にもそこに立って居た兵士の首筋へと苦無を突き立て掻き切る。
さらにその先の陣幕を切り裂くと、兵士たちの中央に置かれている胡床には、
具足の上からでもわかるほど丸々と太った男が座っていた。
「く、曲者め!どこから湧いて出た!出会え、出会えー!」
太った男は異変に気づき慌てて助けを求めながら、胡床から立ち上がり刀を抜き放つ。
くのいちは事前に聞いていた情報から、あれこそが徳川秀忠であろうと確信した。
「にゃはん♪狸の子は子狸なのねえ。わかりやすくて助かるにゃあ」
くのいちは久しく口にしていなかった十八番の軽口を取り戻すと、一瞬のうちに護衛の兵たちを片づける。
苦無を廻して血を払うと、他の兵士たちを討った女忍者たちと共に秀忠を確実に仕留められる間合いへと囲んでいく。
「これも世のため幸村様のため、将軍秀忠…お命頂戴…!」
哀れな子狸へと殺意を向けたくのいちの合図と共に、包囲を完了した女忍者たちが四方から秀忠へと襲い掛かる。
……だが、そのとき一陣の暴風が秀忠と暗殺者たちの間へと吹きすさんだ。
一瞬の静寂の後、凄まじい衝撃がくのいちの全身へと襲い掛かる。
くのいちは素早く空中で体勢を整え、体を反転させると着地と共に苦無を構え直す。
彼女だけが横から襲い来る殺気を感じ、瞬時に後ろへと飛び退いていたのであった。
殺気の主を確認しようとするが、先程まで女忍者たちが立っていた場所はこの世に現れた血の池地獄と化していた。
座り込んだ秀忠の前には、飛びかかっていった女忍者たちが
胴から骨ごと両断された凄惨な死体となって積み重なっている。
さらにその両者の間の血煙の中には場違いなほど柔和な笑みを浮かべた、見上げるような大男が立っていた。
「困るんだよなァ。活人剣目指してるっていうのにさァ、おじさん焦って人切っちゃったよ」
手にはその巨体よりも長大な、大きく反り返った太刀を携えている。
これで女忍者たちをまとめて両断したはずだが、既にその巨大な刃は鞘へと収められている。
「む、宗矩か!助かったぞ。柳生新陰流の剣技誉めて使わす!」
この大男こそ秀忠の兵法指南役にして、柳生新陰流一派を率いる当代随一の剣豪、柳生宗矩であった。
「早くお逃げを、秀忠様。御身がここにあっては宗矩は本気を出せません故」
秀忠は宗矩に後は任せたと言い残し、現れた護衛の兵に抱えられ陣を立ち去る。
その前に立ち塞がる宗矩は鞘に収めたままの太刀を肩に担いで構えをとっていないにも関わらず、
一分の隙も見せてはいなかった。しかし、そこからは先程の恐ろしい殺気は一切感じられない。
くのいちは苦々しく思いながらも正面の宗矩を警戒して秀忠に手を出すことができず、
陣幕の後ろへ秀忠が消えていくのを見送ることしかできなかった。
「おじさんさぁ、困ってるのはこっちなんだけどにゃあ。幸村様のために、あの子狸早いとこ始末しちゃいたいわけっすよ」
「お嬢ちゃんみたいな戦場でふざけて笑ってるような人、おじさん大嫌いなんだよねえェ。薄ら寒くて虫唾が走るよォ」
「自虐はやめてほしいにゃー。そっちこそニヤニヤしながらあたしの仲間切り捨てちゃってさぁ。
活人剣なんて言いながら人斬りの趣味でもお有りなんじゃないっすか」
お互い軽口を叩き合いながらも、感覚を研ぎ澄まして間合いを測る。それはまさに達人同士の死合いの領域であった。
先に動いたのは間合いに優れた投擲武器を持つくのいちであった。
無数の手裏剣を投げつけると同時に、宗矩の視界から一瞬で姿を消して一気呵成に急所を狙いに行く。
「柳生新陰流奥義無刀取り!受け返せるのは剣のみ非ずってねェ」
しかし宗矩は投げつけられた手裏剣のうち数枚を冷静に片手で受け止めると、後方へと投げつけた。
そこには宗矩の首筋を狙わんと飛びかかろうとしていたくのいちがおり、慌てて横へ飛んで回避する。
「柳生は忍びの技にも長けてるんだよォ。知らなかったなら授業料はお嬢ちゃんの…いや幸村の首でいいか」
幸村の名前を聞いた途端くのいちの顔つきは途端に険しいものとなり、苦無を持つ手に力が入る。
「幸村様は討たせない…。あんたにも…!誰にも!」
こうしている間にも、離れた場所で激戦を続けているであろう幸村の身を案じるくのいちであったが、
その強すぎる思いは忍びにあるまじき感情の動きを見せてしまい、致命的な隙となって戦いの場に表れてしまう。
「平常心を持って一切のことをなす…。おじさんみたいな人のことさァ」
宗矩は自らの急所目がけて横から一直線に飛びかかって来たくのいちの小柄な体へと、
鞘に収めたままの太刀を両手で槍のように使い、凄まじい速さでもって突き上げた。
「ぐぶっ……あがぁっ!」
鞘の先端はくのいちの剥き出しの強調された腹部へ深々と突き刺さり、
よく鍛えられた形の良い腹を鞘の形に惨たらしくへこませている。
「お嬢ちゃんにはさっき人斬り扱いされちゃったから、こいつがこのままでも戦えるってことを証明しないとねェ!」
腹を串刺しにされたままのくのいちの体ごと、
宗矩は勢いよく愛刀・大天狗正家を地面に向かって振り下ろす。
「ぐえええええええええっ……!げぼぉっっ!」
地面を大きく抉って掘られた穴の上に、腹部を中心に激しい衝撃を受けて
仰向けで大の字に倒れたくのいちの姿が土煙の中から現れた。
「ぐえぇぇっ…がひゅっ…はひゅー…」
激しく咳き込み呼吸をするくのいちの口から吐き出されているのは唾液か、それとも胃液であろうか。
宗矩は今もなお仰向けに倒れているくのいちの腹へと片手で握った太刀の鞘の先を突き立てていて、
その張りのある肌を押しつぶして地面へと縫い付けその動きを抑えている。
「…ぉ、おじさん…。こん…な美少女を手籠めにして、巷で流行ってる春画みたいに…しようってんですかい…」
(ぐっ…!まだまだ…あたしだって諦めない!)
不覚を取ったとはいえくのいちも歴戦の忍びである。
すぐさま軽口をきけるほどに呼吸を整え、五体の機能を回復させて逆転の機をうかがう。
「残念ながらお嬢ちゃんはおじさんの好みじゃなくてねェ。そういうご期待にはそえないんだけど、
その代わりにおじさんの人を活かす剣、その極意をたっぷり味わって貰おうか…なァ!」
くのいちの軽口に答えながら宗矩は、納刀されたままの太刀を両手で持ち直して後方へ大きく振りかぶると
倒れた状態からくのいちが動き出すよりも速く、その無防備な横腹を目がけて鞘を全力で叩きつけて振り抜いた。
それは奇しくも、後の世においてゴルフと呼ばれるスポーツのフルスイングに酷似している動作であった。
「うげええええええええええええっ!あぐっ…!きゃああああああああああああああああああああああ!」
宗矩の渾身の力によって打ち上げられたくのいちは、勢いよく低空を飛んで行った後に地面を転がり続け、
それでも勢いは止まらず周囲に置かれていた陣幕や武具を激しく巻き込んでようやく静止した。
「ぐげっ……おげええええええええええええっ!うげえっ…はひっ…かひゅっ…うぺえっ……」
(幸村様ぁ…。最後まで行けなくて…ごめん…なさい…)
くのいちは壊れた陣幕や武具の瓦礫の下で全身を痙攣させていて、
体中が酷い痣や切り傷だらけになり、集中的に責められた腹部はどす黒く変色していた。
顔を見れば目は白目を剥いて、鼻からは鼻血ともに吐瀉物を垂れ流してしまっている。
その口からはもはや軽口を叩くことも叶わず、口の周りは吐き出された吐瀉物と血で汚れ
無様に舌を突きだして荒い呼吸をどうにか繰り返すのみである。
動きやすさを重視した鮮やかな色の忍び装束は所々が破れ、
外套は土埃と自身の体液によって元の色がわからないほどに汚れてしまっていた。
忍び装束の股部分の布地は漏らしてしまった自身の小水で変色し、
その下の痣だらけのふとももを濡らしてしまっている。
「うーん。平常心のつもりだったけど、これは少しやりすぎちゃったかなァ」
無様な姿を晒して倒れているくのいちの上から瓦礫を払いのけて、
息があるかを確認していた宗矩の元へ秀忠からの伝令が到着した。
その伝令からの報告を聞いた宗矩は一瞬青ざめたが、
すぐさま何かを思案すると目の前に無惨に倒れている少女を一瞥する。
「ちょうどいいねェ。お嬢ちゃんには天下泰平のために役に立って貰おうか」
気絶しているくのいちを器用に鞘の先に引っかけて肩へ担ぎあげた宗矩の笑みは、一層凄みを増していた。
以上になります。続きは同じような間隔で投下できると思いますが、気長にお待ちいただければ幸いです。
安定の濃い内容で素晴らしい
お市に敗北する濃姫なんかも読みたいです
くのいちを、リクエストした者です。
素敵な作品をありがとうございます。
キャラが原作の特徴をしっかり踏襲してるので、想像がしやすく、読みやすいです。続きも期待しています。
おお
これはいいものだ…(マ・クベ並の感想)
前スレで筑紫の話を書いていた者です
尿意に苦しみながら負ける話ができあがったので投下します
夕暮れ時、スニーカーの靴音を響かせながら、制服姿の少女が一人下校していた。栗色のサイドテールがトレードマークの小柄な少女だ。彼女の名前は高峰筑紫という。
学校での授業や部活を終えて後は家に帰るだけだというのに、筑紫は可愛らしい童顔を歪めて、難しい顔をしていた。その理由は現在進行形で筑紫はある危機に直面しているからである。
それは女子にとって最大最悪といってもいい危機であった。
(……しまったなぁ。あの時、アイス食い過ぎちゃったせいかな)
帰りの途中、友人達とお気に入りのスイーツ店でアイスを食べたことを筑紫は思い出す。それが原因なのだろうか、現在、筑紫は強烈な尿意を催していた。
筑紫は腹部を優しく擦る。今は尿意の波が多少引いてはいるが、それでも結構辛かった。今までに経験したことのない種類の尿意だった。
お腹を可能な限り刺激せず、なおかつ急ぎながら筑紫は早歩き気味で歩く。一秒でも早くトイレに行きたかった。
(……お腹痛いし、急がないとちょっとマズいかも)
自身の生理現象に苦しむ筑紫だが、運の悪いことに、家に帰るまで近くにトイレはない。いつもの道を歩いているのに、今の筑紫には険しい山道を歩いているような気分だった。
尿意の辛さに手で股間を押えそうになるが筑紫は堪える。人気のない道とはいえ、年頃の少女である筑紫にはそんなはしたない行動はできなかった。
何回も「後もう少しだから」と頭の中で念じて、筑紫は我慢を続ける。どれくらいの時間が経っただろうか――やがて、数十メートル先に見覚えのある丸型の屋根が見えた。筑紫の家だ。
(ふぅ……。何とか間に合いそうかな)
「はぁ……。長かったよぉ……」
危機を乗り越えたことを確信し、筑紫はホッと一息つく。心の底からの安堵だった。
家を目前にし一安心した時――閑静な道中で少女の劈くような悲鳴が響いて筑紫の耳に入った。
(今の声……何だろう……)
悲鳴からただならぬ雰囲気を感じた筑紫は帰路から外れ、悲鳴のした方向へ進む。彼女が進んだ先で目にしたのは、不良集団に囲まれている女子高生だった。
清楚な感じの黒髪ロングヘアーの少女は、不良達に言い寄られ、今にも泣き出しそうな表情だった。
どうやら、彼らは脅迫じみたナンパをしているようだ。
「あんまり大きな声出さないでくれよ。次、あんな声出したら殴って黙らせんぞ。俺達はお茶の誘いをしただけだぜ?」
「俺らは真摯に頼んでるんだからあんまり怒らせんなよ」
「力ずくでいってもいいんだぞ?」
「ひっ……い、いや……誰か……」
不良達が拳を見せながらじりじりと女子高生へ迫る。恐怖のあまり逃げることも抵抗も彼女はできそうにない。青ざめた表情で弱々しく震えていた。
(これは……酷いなぁ……)
自身の尿意も忘れて、筑紫は歯噛みする。虐げられそうな人間を見過ごすことなど、正義感の強い少女にはできなかった。
無我夢中で騒ぎの中心へと彼女は向かう。乱入した筑紫に不良達は訝るような視線を向ける。
「あなた達、やめなよ。その子嫌がってるじゃない」
「あ? 何だお前? 俺らはただ紳士的にお茶を誘ってるだけだぜ。邪魔すんじゃねえ」
「私にはそうは見えないんだけど。あなた達が脅してるようにしか見えないよ」
「ああっ!? 一々うるせぇクソガキだなぁ! あんまりごちゃごちゃぬかすとぶっ殺すぞ!」
不良の一人が癇癪を起こして、筑紫へ猛進すると拳を振るう。筑紫は攻撃の軌道を冷静に見極めると、拳を掻い潜ると同時に、身体を捻じり全身の力を使った突きを不良の腹部に食らわせる。
「ぐげぇっ!」
倒れた不良は腹部を押さえてのたうち回る。不良達や女子高生が呆気に取られ、筑紫の強さに驚愕する。
「は? マジかよ!? どうなってんだ!」
「嘘だろ……何だよあれ……」
狼狽する不良の一人が、不良の頭とおぼしき金髪のモヒカン男に告げ口する。
「……来栖さん、思い出しました。あの女、高坂のグループを潰した奴ですよ。噂と容姿も一致してます」
「……ちっ。どうやらそのようだな」
筑紫が高坂達のグループを潰したのは、不良達の間では有名な話だ。他にも、筑紫を倒して名を売ろうとした不良達を彼女は何度も退けているという話もあった。
いずれも尾ひれのつきまくった単なる噂話だと来栖は思っていたが、実際に筑紫の戦闘を目の当たりにして、来栖はその認識を改めざるをえなかった。
(眉唾だと思っていたが、あの話マジだったみてぇだな)
「もう大丈夫だよ。さぁ、今のうちに」
不良達が狼狽えている隙に、筑紫は少女に優しく言う。
「あ……あの君は……」
「私のことは気にしないで。早くここから逃げて」
筑紫に一礼すると、少女は不良達から逃げ出した。尻込みしている不良達に筑紫は目を向ける。
「女の癖にやってくれたじゃねえか。よくも俺達の邪魔したな。ただじゃ済まさねぇぞ。多少はできるみたいだが、男七人に勝てるとでも思ってんのか?」
来栖は口では凄んでいたが、内心では筑紫を恐れていた。その証拠に彼は自身の被害を抑えるため集団の最後尾にいた。彼が撤退を選択しないのは、不良の面子を守るためだ。女相手に逃走すれば、他のグループに舐められる。
事実、高坂達はかつて力を持った巨大グループだったが、筑紫に負けてからは彼らの権威は失墜した。ああなるのは、小者だがプライドの高い来栖には耐えられない。
(この女はとんでもなく強いようだが、ぶっ倒せば俺らの名前が他の連中に広がる。どうにかして潰さねぇとな)
来栖が指示をすると、怯んでいた不良達が落ち着きを取り戻し、戦闘モードに入る。
(やるしかないかぁ……)
温厚な筑紫は喧嘩など全く気が乗らないが、目の前の相手に説得などとても通じそうにない。このことは今までたくさんの不良を相手にしてうんざりするくらい経験してきた。
極力戦わずに退けたいが、今回はそうもいきそうにない。彼女は相手の位置を一通り確認し、深呼吸すると、臨戦態勢になる。
先頭を切って殴りかかってきた不良に対し、筑紫は後の先を取り、カウンター気味の蹴りを勢いよく腹部に当てた。
「げがぁ!!」
相当効いたのか、不良はよろめきながら後ろに倒れた。
「このガキがっ! ぶっ殺してやる!」
怒声を上げながら、不良は筑紫に迫ると、彼女の頭を狙って腕を降り下ろす。攻撃の隙を突いた一撃だったが、筑紫はいち早く反応し、バックステップで回避する。
その後、攻撃の後隙を晒している不良の横面を蹴りつけた。不良は悲鳴を上げる間もなく薙ぎ倒され失神する。
「もういいよね? これ以上やるなら私も容赦しないよ」
筑紫は声を低くして、威嚇の意を込めて不良達を睨む。筑紫が不良達を退けるいつもの手段だ。戦いを好まない筑紫だが、戦闘せざるを得ない時が何度か彼女にはあった。
そういう時、彼女は威嚇目的で力を見せつけるようにしている。大体の不良達は彼女の力を見て怖じ気つくが、今回はそうならなかった。
不良達の表情はひきつってはいるが、彼らの戦闘体勢は崩れていない。どうやら、彼らに退く気はないようだ。
「何のつもり? まだ、戦う気なの?」
筑紫の思惑に反して、不良達はまだ戦う意思があった。筑紫は再び構えを取り、不良達と向かい合う。
やけくそ気味に不良が一人突っ込んで来たが、筑紫はその動きを予測し、相手に足払いを食らわせる。
「がげぇっ!」
潰れたカエルみたいな声を上げて、不良が頭から地面に激突した。不良を一人倒したが、間髪入れず二人目が筑紫の元へ突撃する。
「……っ!?」
次の相手に向き合う筑紫だが、突然、今まで忘れていた尿意が再発した。ぶり返してきた尿意は以前よりも強烈で、眼が泳ぎ、身体中から嫌な汗が流れ始める。
尿意のせいで注意が散漫になり、筑紫の反応が遅れて、不良のパンチは彼女の横面を捉えた。
「あっぐぅっ……!」
殴り飛ばされた筑紫は、すぐさま立ち上がった。殴られた右頬は真っ赤だが、ただの力任せな攻撃なのでダメージは見た目より軽い。動きに支障をきたすほどのダメージではなかった。
それよりも問題は尿意の方で、膀胱は内側から抉るような衝撃を頻りに伝えてきて、気を抜けばすぐに決壊しかねない。尿意のせいで姿勢も前屈み気味になる。
まともな攻撃を筑紫にようやく当てた不良達は、強気な調子を取り戻していた。顔にも余裕が出ている。
「これからたっぷりと、今までの仕返しさせてもらうからな」
「くっ……」
先ほど攻撃を当てた不良が、筑紫にゆっくりと歩み寄る。不良を見上げる筑紫の額に汗が滲む。目の前の不良に注意を向ける筑紫だが、構えはいつもより崩れており及び腰だ。
「もう一発これでも食らえ!」
不良の雑なパンチを軽くかわして、筑紫は不良のこめかみに反撃の蹴りを決める。普段ならば自分より遥かに大きな男すらノックアウトさせる蹴りだが、身体に配慮した筑紫の攻撃は踏み込みが浅く、いつもの威力を全く出せていなかった。
女子の非力さを、洗練されたフォームやスピードでカバーしている筑紫にとってこれは致命的な問題だ。事実、不良に筑紫の蹴りはさほど効いていなかった。
「所詮、女の攻撃だな。思ったより効かねぇなあ。さっきまではマグレか? あぁ?」
「そんな……ぐ、あぁっ……!」
筑紫の下腹部に不良の膝がめり込む。倒れこそしなかったが、筑紫は丸い眼を見開き、苦悶の表情を見せる。苦痛もあるが、別の意味で筑紫にとって今の攻撃は致命打だった。
(ダメっ……こんなところで漏らすわけにはっ……!)
腹部を刺激されたことで、尿意は更に強まり、失禁の予感が膨らんだ。空手家である前に女子高生である筑紫には、失禁など耐え難い事実であった。
頭に浮かび上がる最悪の瞬間を、筑紫は必死に否定する。
(なんとかしないと……このままじゃ……)
このままでは失禁の前に不良達にいいようにやられてしまう。筑紫は呼吸を整えて覚悟を決めると、勢いよく地を蹴り駆け出す。
あっという間に最高速に達した筑紫は、その勢いのまま跳躍し、不良の後頭部に蹴りをお見舞いする。曲芸を思わせる身軽な動きだった。
「何だと!? あがぁっ!」
筑紫の動きに反応できなかった不良は、呆気なく彼女の一撃で昏倒する。しかし、攻撃した筑紫の方もただではすまなかった。
膀胱に爆弾を抱えた状態で激しい動きをしたため、下腹部に強い衝撃が伝わる。
「ふ、うぅっ……」
(今の感じ……かなりマズいよね……)
下腹部の衝撃に、筑紫は思わず声を漏らしてしまいそうになり、歯を食いしばった。背筋がびくんと震えて、嫌な感覚が下腹部から身体に広まる。
膀胱に尿が溜まり、内股気味になってしまい、漏らしたのではという不安に筑紫は駆られた。
(クソがふざけやがって……。女一人になんてザマだ……。)
来栖は苛立ちを表して舌打ちする。彼を含んで戦える人間は、僅か三人しか残っていない。
(何ビビってやがるんだ! このバカ共は……!)
来栖は自分を棚に上げ仲間達を心の中で罵った。来栖は筑紫にビビっている仲間二人に目配せする。「筑紫と戦え」と仲間に眼で脅迫じみた指示を来栖は出す。
(こいつらを捨て駒にして後日リベンジした方がよさそうだな……。ムカつくがあの女、俺の想像以上にやりやがる。全く勝てる気がしねぇ)
仲間に戦うように指示した来栖だが、彼の頭は既に逃げることを考えていた。その証拠に彼は周囲を見渡し逃走経路を探している。彼らしい潔さの欠片もない小者じみた思考だ。
来栖の仲間の一人が覚悟を決めたのか、ヤケクソ気味に筑紫へタックルを仕掛ける。筑紫はその攻撃を僅かな動作で避ける。
筑紫は難なく攻撃を避けたように見えるが実は違っていた。尿意に蝕まれた身体では思うように動けず、この程度の動きでも筑紫にはかなり堪えていた。
「くそったれが! 何で当たらねぇんだ!」
逆上した不良は滅茶苦茶なラッシュを放つ。喧嘩慣れした不良とは思えない子供じみた雑な攻撃だ。
左右から迫る拳や蹴りを避ける筑紫だが、相手は隙だらけにも関わらず、隙をついて反撃することが今の彼女にはできなかった。
普段ならばどうとでも対処できる攻撃だが、尿意に苦しむ筑紫には反撃に転ずる余裕がなかった。無理に動けば失禁してしまうのでは、という不安もあったのだ。
(いけない……反撃しないと……)
筑紫は反撃の方法を考えるが、尿意のせいで全く意識が集中できない。雑念が戦いにも影響を与え、筑紫の動きが段々と目に見えて悪くなっていく。
乱れた動きでいつまでも攻撃を躱せるはずもなく、とうとう筑紫の鳩尾に深々と拳がめり込む。
「う、ぐっ……はぁっ……」
筑紫は胃液混じりの涎を流しながら苦痛に喘ぐ。失禁はしなかったが、腹部を責められたことで吐き気が込み上げてきた。
筑紫は懸命に吐き気を堪えるが、不良は隙を見せた彼女に追撃の足払いを食らわせる。
「あうっ!」
バランスを崩した筑紫は尻餅をつく。着地のショックがスカート越しの臀部に伝わった瞬間、筑紫に異変が訪れた。
今まで閉じていた尿口が緩みかけ、溜まっていた尿が僅かに漏れ出たのだ。
「えっ……」
(待って……ダ、ダメぇっ……!)
突如、訪れた異変に筑紫は思わず声を出してしまう。下半身が熱くなった後、溢れた尿がショーツや赤チェックのミニスカートに小さな染みを作った。
筑紫はこれ以上尿が漏れないように股間に力を込めて、慌てて両足を閉じる。漏れ出た量が少なかったので、まだ不良達には気付かれていないのが幸いだった。
(う、うそ……私……漏らしちゃったの……)
筑紫は微量とはいえ失禁してしまった事実に大きなショックを受ける。年頃の少女には耐え難いショッキングな体験だった。
戦闘中だというのに筑紫は動揺し固まっていた。放心している筑紫の頭部を不良は思いきり蹴りつけた。
「がっ……うあぁぁぁっ……!」
蹴り飛ばされた痛みで筑紫はようやく正気を取り戻す。転んだ際に唇を切ったのか、口内は血の味がした。
筑紫は立ち上がるが、眉間に皺を寄せ涙目の表情で、戦闘前の余裕はすっかり消え失せていた。
「どうしたどうした? 急に調子が悪くなってよぉ。生理かぁ?」
「う、うるさいっ……」
不良の下品な台詞に筑紫は弱々しい声で返す。優勢になり調子づいた不良は肩をいからせて、筑紫にタックルを仕掛ける。
不良のタックルが直撃し、小柄な筑紫は呆気なく突き飛ばされた。
「がはぁっ……」
突き飛ばされた筑紫は強かに背中を打ちつけ、肺から空気を吐き出す。不良の攻撃はまだ終わらず、彼は筑紫を持ち上げるとボディスラムで乱暴に叩きつける。
「あ、ううぅぅっ……」
筑紫は咄嗟に受け身を取ったので頭を打ちつけることは防げたが、背中に強い衝撃が走る。
不良が再びボディスラムを狙おうとしたので、筑紫は横転しながら距離を取って起き上がる。
「はぁはぁ……」
苦しそうに呼吸を乱し、目に涙を滲ませながらも筑紫は不良達を睨んだ。叩きつけられた背中はズキズキと痛むし、尿意は全く引かず、時間が経つごとに強くなる。
優勢になり始めたせいか、不良達も段々と余裕を取り戻してきた。
「ほう。まだ動けるみてぇだな。おい、もっと痛めつけてやれや」
「了解したぜ。来栖さん」
不良は筑紫にゆっくりと歩み寄ると、腕を勢いよく降り下ろす。油断からか今までに比べ雑で大振りな攻撃だった。筑紫はその好機を見逃さない。
ギリギリまで攻撃を引きつけると、不良の拳よりも早く筑紫の蹴りが相手の胴体を射抜く。
「うげぇっ……!?」
予想外のカウンターを受け、不良は激痛に身悶えする。これで残りは二人になった。
「どいつもこいつも何を手こずってやがるんだ! おい、さっさとあの女をぶっ潰せや!」
来栖は憤怒を露にして言う。逆上した来栖に萎縮した不良は筑紫に迫る。不良はある程度まで近づくと、筑紫の顔めがけて拳を放つ。
筑紫はその攻撃を想定しており、先ほどと同様、引きつけてからカウンターを狙おうとする。下腹部を極力刺激しない最小の動きで、相手を戦闘不能にさせるのが筑紫の狙いだった。
敵の攻撃の角度と軌道を見極めタイミングを取ると、筑紫は攻撃のため一歩踏み込む。
「んんっ……」
その瞬間、今まで以上に尿意の波が激しくなり、尿が排泄孔から漏れかける。
失禁はしなかったが、カウンターに必要な集中力が揺らいでしまって、筑紫の渾身の蹴りは不良の頭部を僅かに掠めるだけに終わる。
渾身のカウンターは失敗し、無防備な筑紫の顔に不良がヒットする。
「がふっ! ぐ、ううぅっ……」
カウンターを狙っていた筑紫は、攻撃に意識が回っており防御への反応が平時より鈍くなっていた。そのため、ダメージを軽減させる防御や受け身ができなかった。
攻撃を受けた筑紫はダウンこそしていないが、彼女の両脚はがくがくと震えている。鼻からは白い肌に似合わない鼻血が流れていた。
誰が見ても明らかに不良の攻撃は筑紫に効いていた。
「まだまだいくぜ」
「いっ……! ひぁっ……!」
不良の下段蹴りが筑紫の右脚に突き刺さる。不良は更に反対側の左脚にも爪先蹴りを食らわせる。両脚の間接を挫かれ、筑紫の姿勢が崩れた。
「……いやあぁっ! は、放してぇっ!」
不良は怯んでいる筑紫の細い腰に腕を絡ませると、そのまま彼女の小さな身体を持ち上げる。
不良が放った技はベアハッグだ。絞り込むように両腕で胴回りを締めつけられ、胸部から腹部にかけて筑紫は圧迫感を覚えた。
地面から両足が離れ、筑紫は足をばたつかせて抵抗する。
「かっ……はぁぁっ……」
「柔らかい身体だな。いい触り心地じゃねえか。気持ちいいぜ」
筑紫は苦しげな表情で呻き声を上げた。呼吸が詰まるのも苦しいが、腹部を圧迫されたことで、尿意がよりきつくなる。
それに好きでもない男に抱きつかれるなど、嫌悪感が凄まじかった。しかし、筑紫がこの拘束を外すことは容易ではなかった。
男女の腕力差があるうえに、筑紫の方は宙吊りの不利な体勢だ。身体を揺さぶりもがいても振り解けそうにない。
「ぐぅ……えぇっ……」
「いい声で鳴くじゃねえか。もっと喚かせてやるぜ」
上体がのけ反りかけ、あまりの息苦しさに筑紫は空気を求めるように口をぱくぱくと動かす。窒息の危機に瀕している時、筑紫は別の危機を覚えていた。
暖かい尿液が尿道を伝うあの忌まわしい失禁の予感だ。ここまで尿意の段階が進むと、筑紫の意思など関係ない。抗えない恐怖に、筑紫の額からは冷や汗が流れる。
(いやぁぁっ! 漏れる! 漏れちゃうぅっ!)
筑紫は心の中で悲痛な叫びを上げるが、腹部の圧迫感に耐えかねて、二度目の失禁をしてしまう。
尿道から勢いよく漏れ出した尿が、ショーツやスカートに新しい染みを点々と作り、水滴が美脚に垂れる。
量自体は前回とほとんど変わらない少量だった。だが、少量とはいえ二度も失禁していることから分かるように、筑紫は既に限界ギリギリの状態であった。
女子は男子に比べて元々尿道が短く、筑紫の我慢は最初から無茶だったのだ。
「ああぁぅぅ……ぐぅ、ま、負けたくない……」
「ぐっ! いてぇ!」
顔に血が昇り始めたのか、筑紫の顔が段々と赤くなっていく。呼吸が弱まり締め落とされる寸前、じたばたと宙を蹴っていた筑紫の足が不良の股間を蹴りつけた。
不良は思わぬ苦痛に、筑紫から手を離してしまう。拘束を解かれた筑紫は、苦しげに咳き込みながらも立ち上がった。
不良の方は急所を蹴られた苦痛に悶絶している。他の不良達同様、彼も戦闘不能となった。
「ごほっ……けふっ……」
不良に辛勝した筑紫だが、彼女の蓄積しているダメージは軽くない。窒息寸前まで締め付けられたため体力は著しく消耗しているし、ダメージは足にまできていた。
流れている鼻血も止まらない。加えて、尿意は悪化し続けている。相手は後一人だが、厳しい状況だった。
「辛そうだなぁ。ここまでやったのは誉めてやるが、そんな有り様でこの俺に勝てると思ってんのかよ」
満を持して、来栖が筑紫の方へ猛進する。疲労困憊の筑紫になら勝てると彼は確信したのか、表情には余裕が現れていた。
顔に疲労を滲ませながらも筑紫は構える。構えを取る筑紫だが、呼吸は乱れに乱れ、ふらふらとよろめいていた。
「おら、どうしたどうした?」
来栖は筑紫の胴体を滅多打ちにする。ガードが覚束ないほど筑紫は消耗していて、されるがままだった。
「あ、がっ……い、ぐうぅっ……!」
殴られる度に、筑紫の汗や涙が飛散し痛々しい叫び声が響く。身体のあちこちに新しいダメージが追加され、筑紫はふらついて倒れそうになるが、彼女は気力を振り絞り踏み止まった。
来栖はそんな筑紫の心を折るように連打を続ける。固い拳の威力は見た目通り高く、少女の露出している肌は擦り剥け、痛々しい痣を次々に作っていく。
「うっ……あっ……」
懸命に耐えていた筑紫だが、頭部に来栖のハイキックが直撃する。その衝撃に視界が点滅し、足がもつれると筑紫は後ろに倒れてしまう。
「おい。そろそろ詫び入れた方がいいんじゃねえのか。下らねぇ正義感で戦うのはそろそろ限界だろ」
来栖はズタボロにした筑紫を見ると、下品な笑みを浮かべ歩み寄る。筑紫は痛む身体に鞭を打って上体を起こす。瞳に覇気はないが、彼女の心はまだ屈していなかった。
「……お前は結構な上玉だし、その身体を使わせてくれたら俺に歯向かったことは許してやるぜ。俺の手下からもお前を守ってやる」
来栖は筑紫の顎を持ち上げると、いやらしい手つきで栗色の髪を弄る。手入れが行き届いていて、高級な絹のような触り心地だった。
髪をある程度触ると、サイドテールを束ねているヘアゴムを外す。解けた髪が頬に触れ、今の筑紫は普段の彼女とは違う色香を放っていた。
「へー。生意気な奴だと思ったが、髪を解くと中々色気があるじゃねえか」
髪を触った後は、頬に手を伸ばして撫で擦る。不愉快な感触に筑紫の全身が粟立つ。
「お前、処女なんだろ? 俺が大人の女にしてやるよ」
「……やめてっ!」
筑紫は声を張り上げて叫ぶと、来栖の顔に平手打ちを食らわせる。来栖は一瞬面食らうが、痛みを知覚すると青筋を立てる。
「……てめぇ、やってくれるじゃねぇか。本気で頭にきたぜ。望み通り嬲り殺しにしてやるよ!」
「私は……あなたみたいな……人なんかに負けないから……!」
筑紫は気力を燃やし奮起すると、来栖と向かい合う。来栖と向かい合う筑紫の眼はまだ死んでいない。鋭い技に目が行きがちだが、この諦めない心こそが筑紫の最大の強さだ。
満身創痍の筑紫を殴り倒そうと来栖は拳を振るう。小さな身体のどこにそんな力があるのか、筑紫はその攻撃に素早く反応し、来栖の脇腹に蹴りを食らわせる。
「ぐあっ……! あがっ……こ、この野郎……!」
耐える来栖に対して、筑紫は追撃の蹴りを次々と加えていく。来栖は筑紫の攻撃を防ごうとするが、今の彼女の動きに対応しきれていなかった。
消耗のため威力は普段より落ちているが、筑紫の攻撃は来栖に効いていて、着実にダメージを与えていた。
「ぐ、ああぁっ! この小娘が調子に乗ってんじゃねえぞっ……!」
ラッシュを受けながらも、来栖は逆上しながら反撃の拳を放つ。来栖の拳は筑紫の頬を掠めるが直撃せず、逆に彼の腹部に筑紫の爪先がめり込む。
「おっぐぅ……!?」
胃液を吐きながらよろめく来栖だが、彼にも意地があるのか筑紫の蹴りをこらえていた。
(……よし! これで決める!)
勝機を見出だした筑紫は、来栖の頭部を狙うハイキックを放つ。その瞬間、股間から熱い尿液が僅かに漏れたが、筑紫は構わず攻撃を強行する。角度もタイミングも完璧な蹴りだった。
筑紫の蹴りは来栖の頭部に命中するが、同時に彼の拳が彼女の腹部に突き刺さっていた。
「ぐ、あああぁぁっ……!」
互いの攻撃が同時に当たったが、悲鳴を上げて崩れ落ちたのは筑紫の方だった。来須の攻撃は苦し紛れに出した攻撃だ。
だが、その苦し紛れの攻撃が勝負を決める決定打であった。
「……いってぇな。今のはさすがに効いたぜ。だが、お前の方が致命傷のようだなぁ」来須は側頭部を押えながら言う。
(この女が消耗してなかったら、倒れていたのは俺の方かもしれねぇな……。考えただけでゾッとするぜ)
「げ、うっ、おぇぇぇっ……」
患部を押さえてダウンした筑紫は、顔色は蒼白になり悶絶し嘔吐する。しかし、筑紫の苦しみはまだ終わらなかった。腹部を責められたショックで我慢していた尿が漏れたのだ。
水溜まりにはならなかったが、今度は今までより量が多く、スカートに大きく目立つ染みを作り、尿が汗と混じってお尻や内腿を濡らした。
(は、早く……立たないと……)
筑紫の意思とは裏腹に身体は重く、立ち上がろうとしても四肢は震え上手くいかない。
ダメージを受け過ぎたのだ。蓄積したダメージは少女の身体の限界を超えていた。
「今度こそ限界みたいだな。手こずらせやがって。こっからはてめえをいたぶってやるとするかぁ」
「い、痛いっ……!! か、髪引っ張らないでぇっ……!」
来栖はグロッキー状態の筑紫の髪を引っ張って彼女を無理矢理立ち上がらせる。その時、来栖は染みのついた筑紫のスカートに目をつけた。
よく見ると、両脚ももじもじとしている。その様子を見て、ようやく来栖は筑紫が尿意を我慢していることを察した。
(道理で動きが変な場面が何度かあったわけだ。面白くなってきたじゃねえか)
「随分我慢してたんだな。小便でスカート濡らしてよぉ」
「〜〜〜〜〜っ!」
来栖の指摘で、筑紫は顔を真っ赤にして目を伏せる。あまりの恥ずかしさに耳まで赤くなっていた。分かりやすい反応に来栖は爆笑する。
「我慢は身体に毒だぜ。無理せず全部出しちまえよ」
「ひぐぅっ……!? う、あぁっ……」
来栖は筑紫の下腹部に鉄拳を食らわせる。筑紫は血の混じった胃液を吐き出す。ただでさえ決壊寸前の膀胱には、来栖の一撃は耐えられなかった。
ショーツに尿が染み渡る感覚の後、枝分かれした尿が脚を流れて、黒のハイソックスやスニーカーを汚す。筑紫が腹部に力を込めたため、大量に漏れ出す最悪の事態は回避できた。
しかし、一時凌ぎの策でしかなく、膀胱にはまだ大きな残尿感がある。
「こいつは傑作だ! いい歳してお漏らしなんて笑えるぜ!」
「う、うぇっ……うぅっ……」
来栖に放尿を笑われた筑紫は、大粒の涙を流す。高校二年生にもなって、人前で漏らすなど悪夢としか思えなかった。夢ならばもう醒めて欲しかった。
しかし、悪夢のような現実はまだ終わらない。来栖は股間を押さえて未だ悶絶している不良を見てあることを思いつく。
「お前には仲間が何人も世話になったからな。同じ苦痛を味わわせてやるか」
「あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙ッ!! う、うぐ、んんっ……うぅっ……」
筑紫の股ぐらに来栖の爪先がめり込む。女の子の最も大事な部分、鍛えようのない急所を蹂躙された。
甲高い絶叫を上げ、瞳孔が目一杯見開くと、両膝をついてから筑紫は前のめりに倒れた。お尻を突き出し、両手で股間部を押さえる恥ずかし過ぎる姿で筑紫は苦痛に喘ぐ。
少女がしてはいけないはしたない姿だが、筑紫の受難はまだ終わらない。
「ひっ、ぐ、ぐうううぅぅっ!!」
悶える筑紫に来栖の追撃が入った。来栖はサッカーボールでも蹴るように、何度も何度も筑紫の股間を蹴り続ける。
「うあああああっ! やめ、だ、ダメぇっ! 痛いっ! 痛いぃぃっ!」
何度目かの蹴りで、筑紫の身体が不吉に大きく痙攣する。尿が勢いよく噴出した。もう耐えきれなかった。
我慢を重ねて溜まりに溜まった尿が溢れ出し、あっという間に黄金の水溜まりを作った。水溜まりを作った後も尿は断続的に漏れ、しばらくするとやっと落ち着いた。
快感に近い解放感の後、自身のしてしまった粗相を思い出し、筑紫は絶望した表情になる。
「きったねぇな」
「あ、ぁ……う、うそ……だよ……こ、こんな……」
股間を押さえ尿溜まりに踞る筑紫は、涙を流しながらうわ言のように呟く。来栖の嘲笑う声も筑紫には耳に入らない。今すぐ死にたいくらい恥ずかしかった。
来栖は携帯のカメラを筑紫の方に向けて、シャッターボタンを何度も押す。
「あぁ……い、いや、やめて……! と、撮らないでよぉっ……!」
自分の漏らしている姿を撮影されていると気づくと、両手で顔を隠しながら筑紫は幼児のように泣きじゃくる。
「おい、撮るのをやめて欲しいか?」
来栖の言葉に筑紫はこくこくと頷く。だが、来栖のような男が無条件で情けをかけるわけがない。来栖は更に筑紫を辱しめ追い詰めようとしていた。
「ただで止めるわけにはいかねぇな。お前には仲間を何人もやられたからなぁ。一つ条件がある」
「……じ、条件?」
「服脱いで土下座しろよ。そうしたら、俺に楯突いたことは許してやる。撮った写真も消してやるよ」
「えっ……」
筑紫は驚愕した。最悪の要求に開いた口がふさがらない。筑紫が答えに窮していると来栖が口を開く。
「この恥ずかしい写真を、今すぐネットでばら撒いてもいいんだぜ?」
「それだけは……や、やめてっ……!! やる! 土下座するからぁっ……!」
筑紫は取り乱しながら言う。あんな恥ずかしい瞬間を不特定多数に広められば、もう生きていけない。今の筑紫には来栖と戦う気力はもうなかった。
大量失禁は筑紫の力を奪い、心を完膚なきまでへし折っていたのだ。
「う、うぇ……う、ううっ……」
筑紫は全身の痛みに耐え、よろめきながらも立ち上がる。尿で濡れた手で服に触りたくないが、筑紫は泣きながら震える手でワイシャツのボタンをゆっくり外す。
失禁した上に、自ら脱衣する惨めさに更に涙が流れた。ワイシャツのボタンが段々と外れ、筑紫の上半身がゆっくりと露わになっていく。服に隠れていた白桃色の肌は、無残なくらい痣塗れだった。
そうこうしているうちにワイシャツを脱ぎ終わり、上半身は純白のブラジャーだけになる。しかし、そこで筑紫の手が止まった。
「お願いします……も、もう……許して……ください……」
「ガタガタうるせぇ。さっさとしねえと俺の気が変わっちまうぞ」
来栖に脅されて、筑紫は縮こまりながら脱衣を再開する。ブラジャーを脱いで上半身は丸裸になった。両腕で胸を隠すが、来栖に睨みつけられ怯えた筑紫はすぐに手を戻す。
「おい、もたもたしてんじゃねえぞ」
筑紫はスニーカーを脱ぐと、黒のハイソックスに手を伸ばす。尿で濡れた靴下は肌に張り付いていて手こずったが、筑紫は四苦八苦しながらも靴下を脱ぎ終える。
羞恥で気が狂いそうになるが、筑紫はシミのついたスカートに手を伸ばして、スカートのホックを外す。
すとんと音を立てて、尿まみれのスカートが足元に落ちた。いよいよ残るは尿で黄ばんだショーツだけになった。
恥辱に打ちひしがれながらも筑紫は覚悟を決めると、びしょ濡れのショーツを引きずり下ろす。何度も蹴られたせいで赤く腫れた秘所が晒される。
こうして、筑紫は一糸纏わぬ生まれたままの姿になった。羞恥のせいか、筑紫の白雪のような肌は病的なくらい紅潮していた。
震える四肢を使って筑紫は頭を垂れて、土下座を完成させる。ぽたぽたと地に涙が流れ落ちた。あまりにも惨め過ぎて死にたかった。
「すみませんでした……許してください……」
(何でこんな目に……私……何も悪いことしてないのに……)
筑紫は蚊の羽音のような声で言う。理不尽過ぎる仕打ちを受け、筑紫の心は深く落ち込んでいた。
ただ喧嘩に負けただけで、ここまで酷い目に遭うなんて筑紫には受け入れ難かった。
「ははははは! いいザマじゃねえか!」来栖は筑紫の頭をぐりぐりと踏みつけて、土下座姿を哄笑する。「まあ、俺も鬼じゃねえ。約束は守ってやる」
来栖は言うと携帯を操作して写真を消す。筑紫はそれを確認して安心するが、次の来栖の行動に声を荒げる。
来栖は筑紫が脱いだ制服や靴下を持ち出したのだ。
「え、な、何して……!? やめて、持ってかないでっ……!」
「小便臭い汚ねぇ制服だが、マニアなら高値で買うだろしな。ありがたく俺の金にさせてもらうぜ。じゃあなお漏らし女。もう、二度と男に逆らうんじゃねえぞ」
「待って……! や、やめ、ああぅっ……!!」
走る来栖を追おうとするが、来栖に蹴り飛ばされ筑紫は転倒する。来栖の姿がどんどんと遠くなっていく。
「ひ、ひっく……。う、う、うぇぇっ……こんなの……酷いよぉ……! う、うああああああんっ……!」
筑紫は脱力しへたり込むと号泣する。涙が溢れて止まらない。頭が現実を受け入れることを拒んでいて、何も考えたくなかった。
傷だらけにされたこと、失禁したこと、身ぐるみを剥がされ土下座させられたこと、全てが悪い夢だと思いたかった。しかし、夢と呼ぶにはあまりにも先ほどまでの出来事は生々し過ぎる。
脅威は既に去ったというのに、筑紫は泣き続けていた。羞恥や悔しさが頭の中でぐちゃぐちゃになりどうしていいか分からない。心が軋み壊れそうだった。
敗北の代償は大きく、少女の心には一生消えないトラウマが刻み込まれた。
前スレでレスにあった尿意に苦しみつつ負けるというシチュエーションを書いてみました
失禁についてクローズアップしたのは初めてですが、少しでも楽しんでもらえれば幸いです
次回についてですが、筑紫の話の他にも、版権ものも書いてみたいなあとか思っています
次が何になるかは分かりませんが、書きあがったら何か投下します
乙!
いつも思うけど筑紫ちょっと強すぎない?いや不良が弱すぎんのか…
男のリョナ描写ほどいらんものはない
毎度素晴らしいです!
強い女の子がやられるのはやっぱりいいですねぇ
ある程度強さの描写や戦闘シーンで抵抗あった方が萌えます
UNIのキャラで敗北陵辱を書こうかと思っていますが、どのキャラが良いですか?
>>75
僕はユズリハさん!
オリエちゃん
リンネちゃん!
エルトナムちゃん!
バティスタちゃん!
無口キャラがリョナられて喚き散らすとこ見たい
>>80
これかな
ユズリハの姐さんに一票
余裕綽々なお姉さんキャラが敗北してるのが見たいです
最近の新作ラッシュ、そして予告と良い作者の皆様お疲れ様です。
この流れですがオリジナルの魔法剣士の女の子が石ゴーレムに負けて腹パンされて石のあれで犯されて生コン中出しされて死んじゃうSSができたので投下させてもらいます。
一人平原を行く影が一つ。
背中に必要最低限の旅用具を背負ったその人物は、身を包む簡素な外套の為顔を伺い知れない。
やがて旅人は柱が立ち並び石畳が敷かれた場所に入り込む。
かつて優れた文明と力を誇ったと言われる古代魔法文明の遺跡だ。
かつては建物だったらしいが今は床と柱と一部の設備しか残っていない吹きさらしの状態となっている。
しかし、一部の設備、古代文明を栄えさせた魔導の兵器類は未だ生きており侵入者に牙を剥くことも少なくない。
旅人の目当ての街に行くにはこの遺跡を通り抜ければ大幅な短縮になる。
迂回ルートも決して楽な道では無くどちらでも死者や行方不明者が相次いでいると言う。
旅人は柱の遺跡と呼ばれる場所に足を踏み入れた。
遺跡に踏み行った旅人に襲いかかったのは人の形に組み立てられた岩の塊。
身長は3メートル半ば程もある岩の巨人、石造りの魔法生物、ゴーレムだ。
ゴーレムは石や土等の無機物に邪悪な魂が乗り移り動き出したものと魔法によって命を吹き込まれたものに別れるがこの個体は遺跡の防衛機構によるものと思われる。
対する旅人はこの巨人の襲撃にも慌てずに荷物と外套を脱ぎ捨て身軽になると戦闘体制に移る。
外套の下から現れたのは17、8程のまだ年若い美少女だった。
腰まで伸ばした艶やかな金髪、額と側頭部を守るヘッドギア。快活な印象を与えるつぶらな赤目。
スレンダーで良く鍛えられ引き締まりながらも女らしい所の肉はいやらしく付いた極上の肢体は白のレオタードに包まれていた。
スリットから胸の谷間が覗くレオタードの生地はかなり薄く少女の豊満な胸の頂の膨らみもうっすら割れた腹筋も、大事な割れ目もくっきりと浮かばせてしまっていた。
更に背中に目を向ければお尻の半ばまで殆ど剥き出しで豊満なお尻の割れ目に食い込んだ際どいTバックである。
両手足は白のロングブーツとグローブの上にゴツイグリーブとガントレットが装着されていた。
彼女の名はアネット。代々優れた魔法剣士を輩出してきた家の出で武者修行に明け暮れる彼女は若手冒険者の中では名の知れた存在である。
襲い来るゴーレムに臆する事無く少女剣士は両手に握ったロングソードに魔力を纏わせ魔物に立ち向かう。
「はぁぁぁぁっ!!」
魔法剣士の強化された斬撃は岩の塊をバターの様に切断し、あっと言う間にゴーレムの両腕を切り落とす。
無生物で石の塊、とりわけこの個体の様に頑丈な石を使ったゴーレムを倒すのは困難を極める。
粉々に破壊するかゴーレムを操ってる魔力の源を直接破壊するしか手は無いのだ。
魔導の心得のある者なら魔力の流れで弱点を見極められるが、前衛職で無い彼らは大体その前に力で押し潰されてしまう。
前衛職の方は保つだろうが、そもそも刃が立たない。
両方の特徴をあわせ持つアネットの相性は悪くないと言えた。
しかし。
「くっ...こいつの核はどこなのっ!?」
アネットの端正な顔に焦りから一筋の汗が流れ落ちる。
先程からゴーレムの手足を落としながら弱点となる核を探っているのだが一行に見つからず、対する敵も落とされる度に手足を取り付けすぐに元通りになってしまう。
幸い身軽で身体能力も強化されたアネットのスピードにゴーレムはついてこれず彼女に翻弄されているがお互いに決定打は無く、このままではアネットの魔力か体力が切れてジリ貧だろう。
「この辺りに生き物はいない...何度も再生するからきっとどこかに操ってる装置が...まさか!?」
アネットがこのゴーレムを操る存在に気付いたが、既に遅かった。
このゴーレムの核はこの遺跡そのもの。
そして、侵入者の力が落ちた事を感知した遺跡がアネットに絶望を与える。
地に埋まっていた石や、遺跡の隅の石、ゴーレム用の石が一斉に合体し、30体近いゴーレムが剣士を取り囲んだのだ。
「そ、そんな...!」
いくらアネットが優れた魔法剣士でも多勢に無勢。
今の一斉起動の魔力の流れで気付いたがゴーレムの核となる装置は地中深くの様で現状の撃破は到底不可能。
最早彼女に打てる手は逃げの一手しかなかった。
しかしゴーレムの数は多く今度は距離を取るのはおろか攻撃をかわすのも難しくなっていた。
しかも魔力は枯渇しかけ。
圧倒的不利に焦るアネットが、ゴーレムの腕に剣を振り落としたが、魔力の通りが十分で無くその身を半分斬り進んだ所で止まってしまう。
そしてすかさず横から殴りつけ、アネットの剣は粉々に砕けちった。
「しまっ...!!」
愛剣をへし折られ一瞬だが呆然とするアネット。その隙を見逃すほど魔物は甘くなかった。
岩そのものの拳が魔法剣士のなだらかな腹部めがけ打ち込まれ、勢いをそのままにゴーレムの豪腕は少女戦士の身体越しごと地面を砕き割りめり込ませた。
「ぐほあっ!!おげえぇぇぇっっ!!」
全身を凄まじい激痛に襲われアネットは口から大量に胃液をぶちまけた。
お腹は内蔵をかき回され口から飛び出そうだし背中は骨が折れてしまったのでないかと言うほどの苦痛を味わい、ゴーレムの腕に押さえつけられたまま華奢な身体が勝手にビクンビクンと痙攣してしまうアネット。
「うっぐぅ...!!」
だがアネットは遠のく意識を咄嗟にかけた防護魔法と強靭な精神力で繋ぎ止め、ゴーレムの腕を両手で掴み、最悪の結末から逃れようと必死に抗う。
しかし、無情にもゴーレムはその儚い抵抗をも認めず、その右腕を掴む。
石巨人の掌にすっぽりと収まる魔法剣士の籠手越しの細腕はそのまま装甲をものともせずにめきり、と握りつぶされた。
「ぐきゃぁぁぁぁぁ!!」
右腕から神経を、そして脳が焼き切れそうな痛みが走り、アネットは悲痛な悲鳴を上げる。
更に容赦なくゴーレムは腕をひっぱり肩の間接まで念入りに破壊し、その痛みにアネットが反応する前に左腕にも同じ事を実行した。
「ぐえぇぇ....!!!」
さしもの戦闘少女もこの拷問のごとき責めには耐えられなかった。
カエルか何かが瞑れるような悲鳴と共に白目を向き舌を突きだし泡を吹いて失神してしまう。
華奢なボディを掴み上げられ力なく手足を揺らし、小水を漏らしふとももから滴らせるひくんひくんと弱々しく震えるアネット。
ゴーレムは彼女に無慈悲かつ異常なトドメを刺そうと行動する。
ゴーレムの股間に太く大きい棒がまるで男性器の様にそそり勃っていたのだ。
この遺跡とゴーレムは防衛装置の類いではなく、処刑用...まともなものではなく見世物としての、それも性的かつ暴力的な物だったのだ。
つまりアネットはこれから石のぺニスで死ぬまで犯される事になるのだ。
少女剣士の股を開き、スレンダーな彼女の胴回りもある極太の石柱をあてがうと、レオタードごと一気に挿入される。
アネットの最悪の末路が始まった。
「!!?ひぎぎぎあがががががぁぁぁぁぁっっっ!!!??」
岩の剛棒は膣を引き裂き抉り、子宮口を破壊しながらこじ開けレオタードの切れ端と共に子宮の中まで一息に突き込まれ、筋肉の浮かんだスレンダーなお腹越しにはっきり浮かびあがってしまう。
極太岩性器の挿入に獣の様な悲鳴と共に覚醒したアネットだが股間を襲う未知の圧迫感と激痛に襲われ何が起きてるか把握できない。
ただただ痛くて苦しい。思考がそれ一色に染まり、くわりと見開きとめどなく涙が止まらないつぶらな瞳も何も見えてないだろう。
しかしまだ入れただけ、まだ始まったばかりなのだ。
ゴーレムがアネットの両足、引き締まりながらも肉の付いたふとももをみしみしと音を立てながらしっかりと掴むと激しく彼女の身体を上下させる。
「あぎゅうっ!!うぐわぁっ!ぐえぇっ!!ごげぇっ!!」
子宮の奥まで抉る様なピストン運動をごすんごすんと石の塊で実行され、突き込まれる度にアネットはぷるぷると豊かな双乳を震えさせ、苦痛に満ちた胃液混じりの悲鳴を上げた。
並の女なら挿入された時点で、鍛えられた戦士でも責めの半ばで命を落とす拷問に等しい異常な責め苦。
しかし元々剣士として鍛えられた身体と防護魔法によって強化された肉体は骨や間接が砕けても、欠損や出血を防ぎ、途中で死ぬこと無く耐えさせた。
魔法剣士としての才能と成果が彼女の苦しみを長引かせる皮肉でしかないが。
その為アネットはゴーレムの蹂躙ショーのフィニュッシュを生きたまま味わう事になる。
石棒を叩きつける間隔が速く、短くなっていく。
「が!!あっぎ!!げっ!ごぉ!!おげっ!!ぎゃひぃ!!」
そして、最後に一際凄まじい勢いの突き込みがアネットの股間を襲った。
ずどん!!!と地鳴りの様な轟音と共に。
「!!!!!!!!!」
その瞬間最大級の苦痛が走り抜ける。
ショック死しないのが不思議な位、呼吸も心臓も止まりそうなそんな苦痛が股間から全身を襲った。
だがこれはトドメでは無かった。
ゴーレムの股間の岩塊の先端からどろどろとした液体が大量に放たれたのだ。
一連の動作と言いまるで射精の様だが無論岩の塊であり精液の筈が無い。
ゴーレムがアネットの子宮に出し、腹を妊婦の様に膨らませている液体の正体は溶けてざらついた液状の石、生のコンクリートに近い物だ。
「...だ、だずげでぇっ...!じにっ...だぐなっ.....!!」
軽い火傷をする程の熱を帯びた半液状の岩はアネットの子宮を焼き爛れさせながら数分間注がれ、臨月の妊婦の様に膨らませた。
アネットは最早死んでないのが不思議な状態で完全に白目を向き、とめどなく口から泡を吹きこぼし、がくがくと病的な痙攣を繰り返すだけの肉堺と化していた。
しかしゴーレム達は彼女を解放すること無く既に見る者もいない見世物を続ける。
別のゴーレムが少女のぷりぷりしたお尻の慎ましやかな菊穴にも容赦なく岩の棒をぶち入れ、それが哀れな凄腕魔法剣士のトドメとなった。
「.....!!!!」
声にならぬ悲鳴と一際強い痙攣を最期にアネットは一切の動きを止めた。
それから岩ゴーレムのうろつく柱の遺跡の隅にぽつんと置かれた岩の塊が増えたが危険な上旨味も無いそこに近づく者は殆どいないし僅かに通る者も気付く者も誰もいなかった。
それがあの後犯され続け身体の中も外もコンクリートにまみれたまま固まった少女の成れの果てなど誰が気付こうか。
腕利きの魔法剣士アネットの旅は岩巨人に犯し殺され体を生のコンクリートで埋めつくされる悲惨な最期を遂げた。
以上です。ありがとうございました
筑紫の人です。ご感想ありがとうございます!
筑紫の強さについての感想がありましたが、強い戦うヒロインがやられるのが好きなので、筑紫はかなり強めに設定しています
自分の実力不足が原因ですが、強さの描写とリョナ描写のバランスの匙加減にいつも悩みます・・・
まだ予定の段階ではありますが、次筑紫の話を書くとしたら格上の敵キャラを出そうと思っています。どれくらい強さが離れているのがいいでしょうか?
①圧倒的に実力差があり最初から最後まで嬲られる
②①ほどではないが絶対に勝てないくらい実力差がある(相手は舐めプする余裕がある)
③①ほどではないが絶対に勝てないくらい実力差がある(相手は全力)
>>88
自分は③がいいですねそれと個人的な要望になるのですが敵役は女だと嬉しいです
1か2かな
別にヒロインが強くてもいいんだけど男のやられ台詞とかピンチな心理描写は気持ち悪いとしか思わない
2かな舐めプ出来るほうがリョナ描写に遊び持てそうだし
②かな
筑紫はなんとか勝てるかもって思ってるけど舐めプされてました、くらいの実力差いい…
>>87
乙です
オリキャラ考えつくような才能がほしい…
その中だと①だけど格上とかでなくそもそも戦える次元じゃない物。象とか熊とか重機とかのそもそも戦いが成立しない物が良い
ノエルの人(>>75 )です
おお、この土日に新作が二つも……
正義感の強い筑紫ちゃんや>>87 氏の安定感あるオリキャラリョナ、どちらも素晴らしかったです!
私も>>93 と同様、良いオリキャラが浮かばないので羨ましいです
>>75 ですが、ユズリハでリクを以前もらっていたことをうっかり忘れていたので、ユズリハにて書き出しました(他キャラも出す予定?)
あまり長すぎない程度に書こうと思いますので、早い内に投下できるよう頑張ります!
オリキャラは容姿・性格はもちろん、敵とかの周辺設定まで自分で作らなければならないのが面倒なんだよね
最低限必要なリョナ対象・敵・舞台設定作るだけで既存キャラを使った短めのSS一本分の労力使う感じ
その代わり一度作ってしまえば好きなように動かせるんだけど
>>93
>>95
お二人ともありがとうございます、そう言って頂けると嬉しいです。
ただ割と版権とかイラストとかの好みの子を元に書き起こしてるだけだったりするんですけどね。
性格は痛みでぶっとばしちゃうので後は悲鳴だけのテンプレではありますね。
無双キャラのリョナを書かせていただいている者です
くのいちリョナの後編は80%ほどできているのですが
いくつかお返事と感想をかかせていただきます
>>58
女子同士のリョナは自分は不得手なんです申し訳ありません。
攻め役も女子だと書いてるうちにそっちをリョナりたくなってしまうのでw
また何かネタが思いついたらチャレンジしてみようとは思います。
>>59
アイデアを頂いて自分の好き勝手に書いただけでしたので、お楽しみいただけたようで何よりです。
>>88
自分は①がいいですね。圧倒的に力の差がある人間か人外の化け物に嬲られるのが好きなので
>>87
間接破壊と状態変化は自分の大好きなシチュエーションなので楽しく読ませていただきました!
自分もキャラ描写は版権キャラを使ってかなり省略しているのでオリキャラで話を作れる方には憧れます。
セリフを書くのも下手なので原作の物を改編して使ってるぐらいですし想像力が欲しいですね……
筑紫の人です
敵キャラについてですが、皆様の意見を参考にし、責めキャラは女で舐めプありの①でいこうかと思います
>>90
強さの描写の一つとして書いていたので、男の心理描写とかやられシーンについてはさほど意識しておりませんでした・・・
言われてみれば確かに全く需要ありませんね・・・
貴重なご意見ありがとうございます。次作に活かしたいと思います
>>95
ROM専時代から密かに目標にしていたノエルの人からお褒めの言葉を頂き光栄の極みです!
これからも期待に添えるよう頑張ります!
オリキャラの話ですが、設定厨的なところがある自分は設定だけ作って放置してしまっている子が何人かいます・・・
いつか彼女達も作品として形にしてみたいものです・・・
尿意に苦しめられるシチュをリクエストしたものですがとても素晴らしいssで感激ですスレチになりますが筑紫の普通の失禁ssも読んでみたいと思いました次回作も楽しみにしています
>>55 のくのいちリョナの後編になります。
どうやったら彼女を一番苦しめられるかを考えた末に精神リョナがメインになりました。
リョナ関係ない状況説明が長い上に本人の悲鳴は少ないのでお嫌いな方はスルーでお願いします。
前回に引き続き柳生宗矩はじめ一部の武将には悪役になって貰ってます。
歴史上の実在の事件や俗説を使った史実改編も入ってますのでそのような話がお嫌いな方もスルーしていただければ幸いです。
慶長十九年、大坂天王寺口での幕府軍と豊臣軍との決戦の最中。
真田幸村は前線の隙を突いて側面から徳川家康の本陣へと突入した。
そのなりふり構わぬ突撃は家康の旗本を打ち崩し、その首を獲ろうかというところまで肉薄する。
しかし、間一髪のところで幸村の動きを察知していた彼の兄、真田信幸の救援が間に合う。
さらに藤堂高虎が加勢に入ったことで、幸村は家康の首を諦めて体勢を整えるために一旦引いた。
次の突撃が己のもののふの意地と魂をかけた最後の戦いになることを幸村は覚悟していた。
しかしその傍らには、常に彼の隣で戦い続けてきた女忍者、くのいちの姿はなかった。
幸村はくのいちが総大将・豊臣秀頼の大阪城脱出の援護に向かったものだと思っていた。
彼女が敵に討たれるなど、幸村には考えもつかないことであったのだ。
「別れは戦の前にすませた…。いざ、天下に真田が武士の魂を見せつけん!」
秀頼とくのいちたちが脱出する時間を稼ぐべく、幸村は武士の意地をかけて突撃を開始する。
自軍が圧倒的に有利な戦況とあらば、将も兵も命を惜しむものである。
幕府軍は遠巻きに真田隊を囲みながらも、先頭に立つ幸村を恐れて戦を仕掛けてこようとはしない。
一方の真田隊も連戦での疲労は隠せず、突撃を繰り返しながらも勢いは徐々に衰えていく。
それでも真田隊は幸村を先頭に再び敵中に突撃すると、そのまま敵陣を紙のように真っ二つに切り裂いていく。
触れるものすべてを薙ぎ倒し屍の山を築いていく、鬼神と化した真田幸村。
敵中を突き破った先の新たな敵陣の前に、彼は思いもよらぬ人物を発見してしまう。
それは将軍暗殺を狙ったものの、柳生宗矩に敗れ無惨な姿で捕えられた彼の腹心、くのいちの姿であった。
くのいちは後ろ手に縛られて土の上に座らされ、二人の兵士に上半身を地面と平行になるように抑え込まれていた。
その横には大男が控え、その身の丈ほどもある巨大な太刀を振り上げて彼女の首の後ろに狙いを定め今にも振り下ろさんとしている。
その体からは色鮮やかな外套や袖の広がった上着状の籠手は脱がされて、黒い胸鎧だけにされていた。
手足の鎧や腰に巻いた忍者道具など、この状況からの脱出手段を隠せそうな装備はすべて剥ぎ取られていた。
全身が傷だらけだったが意識はあるようで、口には舌を噛み切らせないための猿轡を噛まされている。
くのいちは唯一自由になる目に涙を溜めながら必至で動かして、幸村へと何かを伝えようとしているようであった。
幸村はその場へと立ち止ると、くのいちの傍らに立つ太刀を構えた大男、柳生宗矩へと視線を向ける。
宗矩と幸村、剣士と武士は互いに視線を交わすと、何かの約束事を確認するかのように頷き合う。
幸村はくのいちのほうへともう一度目線を戻すと、一瞬彼女に微笑みかけたようであった。
くのいちは幸村その表情を見て、囚われの己の身の危険も顧みず抑えつけられている体を動かして懸命に足掻いた。
再び正面の敵へと視線を戻した幸村の顔は、武士のそれへと戻っていた。
「真田幸村これにあり!もののふの魂、しかとその目に焼き付けよ!」
咆哮と共に真っ直ぐに突っ込んでくる幸村目がけて、号令と共に放たれた大量の矢や鉄砲が、吸い込まれていくようにその体を穿ち、貫いていく。
--真田幸村、討死--
最期の時まで武士の誇りと守るべき者のため、その槍を振るい続けた優しき猛将は戦場の花と散った。
猿轡を噛まされたままのくのいちの声なき慟哭が、大坂城下にこだました。
「戦国最後の武士の生き様見事。この宗矩、生涯忘れないよ…」
宗矩は陣の前から、幸村の死によって統率を失い散り散りになって大坂城へと撤退する真田兵を眺めていた。
配下に追撃無用と伝えると、地面に蹲って嗚咽し続けるくのいちへと向き直って語りかけた。
「どうだいお嬢ちゃん。一人の犠牲を持って戦を収める。これこそ活人剣の極意だよォ」
くのいちは戦いの最中でも見せなかった、射殺すような殺意を帯びた目で宗矩を睨みつける。
その目は血よりも赤く染まり、堰を切ったように涙を流し続けていた。
しかしながら散々に痛めつけられた体の上に、縛られて装備を剥ぎ取られては宗矩に飛びかかっていくこともできない。
「お宅すごい顔してるよォ。主も守れず、その仇すら討てないような無能な忍びは早く殺せってかい?」
猿轡を噛まされ喋ることができないくのいちは大きく頷いて肯定の意思を示した。
「お嬢ちゃんみたいな優秀な女忍者には泰平の世でも活かせる道はあるからねェ。徳川の世に協力してくれる気になるまではうちに居て貰うよ」
この男はこの上さらに自分を弄ぶ気なのかと、くのいちは涙と涎でぐちゃぐちゃになった顔に驚愕の表情を浮かべた。
縄と痛みで自由にならない体を必至に動かして抵抗する。だが満身創痍の少女には逃げることも、幸村の元へ向かうことすらも叶わない。
両側から宗矩の手の者に抱えられたくのいちが捕虜として柳生の陣の中へと連れて行かれる。
幸村から託された少女の小さな背を見送る宗矩の背後で、豊臣の象徴であった大坂城が炎に包まれていた。
「拙者を仇と恨んでるうちは、幸村に殉じようなんて考えないだろうしねェ…」
しかし、くのいちの忍びとしての冷静な判断力と幸村への思いは宗矩の想像以上であった。
彼女は一度の敗北から宗矩と己の実力差と自身の置かれた状況を冷徹に分析していた。
その結果、幸村の仇を取るより自分もその元へと行くことを優先してしまう。
「幸村様お一人にはさせませんから…絶対に…!」
柳生の屋敷へと連れてこられたくのいちは、まずは見張りの者と懇意となった。
数日経った後、見張りが油断して目を離した隙を狙ってくのいちは自分の舌を噛み切ってしまう。
(幸村様…ちょっと遅れちゃったけど…今からお傍に…)
しかし、政敵の暗殺・拷問・尋問を生業とする裏柳生の秘術まではくのいちの想定外であった。
すぐさまくのいちが噛み切った舌の先端と血を吐き出させてから止血を行う。
「ぐぇぇっ!おげぇぇぇぇぇぇっ!こおふぇぇぇぇぇぇ!こおひふぇよおおおおおおお!」
柳生の者たちは暴れるくのいちを薬を使って眠らせると、適切な処置を施しその命を繋いだ。
さらに、そのままでは体の他の箇所を食い千切る心配があるとして、薬の効果で眠っている間に彼女の歯を全て抜いてしまった。
そして特別の柔らかい素材でできている、見た目は普通の歯と変わらない入れ歯へと交換したのである。
くのいちは目を覚ますと、文字通りの舌足らずの言葉で周りの者に向かって自分を殺せと叫んで再び暴れた。
すぐに落ち着きを取り戻したものの、それからのくのいちは以前とは別人のようになってしまう。
昼間は放心した様子で部屋の中に座り込んでは、その目には何も映さない空虚な眼差しを浮かべて過ごすようになってしまった。
夜には度々激痛に襲われるようになり、監視役から薬を貰わねば満足に眠ることすらできなくなる。
宗矩に散々にやられた腹の痛みと痣はいつしか治っていったものの
自分で噛み切った舌と抜かれた歯の痕からの激痛が、薬が切れるたびにくのいちを苦しめることとなる。
くのいちには施術後の経過観察も含めて常に監視の侍女が張り付き、屋敷の中での行動も制限されることになった。
その口からは、他人に理解できるような明瞭な音を使っての会話は最早叶わない。
彼女はそれを恥じてか、侍女に対しても自分から声を発しての会話を一切しなくなった。
食事は柔らかく舌への刺激の少ない冷えた粥しか喉を通らなくなってしまう。
当然忍びの鍛錬も制限されたために、鍛えられた肉体は日に日に衰え彼女の体は普通の少女へと近付いていった。
そんな折、宗矩に密偵から新たな乱の火種の報せが入る。
「津和野藩主、坂崎直盛に千姫奪取の企みあり…かァ…」
宗矩と坂崎直盛はかねてより親交がある間柄である。
このままでは宗矩、ひいては柳生家にもあらぬ疑いがかけられるかもしれない。
「坂崎は執着心と警戒心の強い偏屈者だ…拙者が説得したとして素直に聞き入れるかねェ…」
身の振り方を思案する宗矩の視界に屋敷で保護している少女、くのいちの姿が映った。
彼女はほどかれた髪を侍女から梳かれながら、部屋の中で静かに座り込んでいた。
最近の彼女は以前の快活さが想像できないほどに大人しくなり、自分を殺せと暴れることもなくなっていた。
部屋の中から出ることが少ないため肌は白さを増し、顔からは生気が消え失せ体は痩せ細ってしまっている。
元々整っていた顔立ちだったこともあり、素性を知らない者ならばどこかの大名家の姫君のようにも見えるだろう。
そんな彼女を見て宗矩は一計を案じるが、下策であるとすぐ記憶の片隅へと追いやった。
しかし次第に事態は切迫し、江戸では坂崎が屋敷に武器や火薬を運びこんでいるとの噂が流れるようになる。
ついには将軍秀忠から宗矩に単身で坂崎邸へと向かい、見事解決して潔白を証明して見せよと命が下った。
宗矩は事態を収めるべく決断を迫られた。
「幸村殿…。柳生のため…泰平がために、あの娘に今再び活人剣の刃を振るうことお許しあれ…」
元和二年、十月十日の夜更け。
江戸の坂崎邸の前には丸腰の将軍家兵法指南役・柳生宗矩と一台の駕籠の影があった。
「卑劣なる将軍家の犬が何をしに参ったか宗矩!それとも我が計画に合力してくれる気になったか!」
屋敷の中から声を荒げて、顔に大きな火傷の痕のある荒武者が現れる。
武装した家臣を後ろに引き連れ、自身もまた戦時の鎧具足で身を固めて手には鑓を携えている。
彼こそが乱の首謀者、坂崎出羽守直盛であった。
「将軍家への叛意、もはや隠す気もなしかい坂崎殿ォ」
「協力する気がないとあればわしを討ちに参ったか!たとえ丸腰でも柳生宗矩を敵に回してに油断はせぬわ!」
そう言うと坂崎は屋敷の篝火に手をかけた。どうやら屋敷に火薬を集めて江戸を火の海せんとの噂は真だったようである。
「そう喧嘩腰になりなさんなよォ。拙者はあんたに会いたいっていう客人の護衛についてきただけさ」
宗矩が合図をすると、駕籠の中から豪奢な着物を着こんだ小柄な人影が現れる。
「おおおっ!?せ、千姫様!何故御身がここにおわすのか!」
それはあの日、坂崎が燃え盛る大坂城から助け出した徳川の姫君の姿に間違いなかった。
「千姫様救出の功労者であるお宅をが秀忠様が蔑ろにするわけないだろォ。柳生に影武者を用意させて千姫様をここへお連れせよと将軍直々の御達しさァ」
坂崎はもしやこちらの千姫が影武者なのではと目の前の少女に疑いの目を向ける。
しかし、見れば見るほどに彼の記憶の中の千姫と目の前の少女は瓜二つであった。
「なんと将軍様直々にとは…!されど姫様は顔色がすぐれぬご様子…千姫様はわしのこの醜い火傷の痕を未だ嫌っておいでなのか…」
坂崎の脳裏にある記憶が蘇る。命懸けで大坂城から救い出した千姫から、救出の最中に負った顔の火傷の痕が醜いと叱責を受け拒絶され彼は心にも傷を負ったのであった。
「そのことだがな坂崎殿…千姫様は大坂落城の動揺から坂崎殿を蔑ろにしたことと、そのことでお宅が将軍家を恨んでいることに心を痛められて毒をあおられたのだ…」
坂崎はあまりのことに仰天して、その場に崩れ落ちそうになりながらも悲劇の姫へと憐みの眼差しを向けた。
「我ら柳生の技でお命は取り留めたものの、毒のせいで表情に乏しくなられてしまわれ、お声も満足に出せぬそうだ」
「なんとおいたわしいことか…!わしがかような真似をせねば…かくなる上はこの腹を掻き切ってでもせめてお詫びを…!」
千姫の身に起こった悲劇を聞いた坂崎は腰の脇差に手をかける。だが宗矩は激しやすいこの男の性質をよく理解していた。
「冷静になりなよ坂崎殿。姫様はあんたを慕って、将軍家も縁組もすべて捨ててまでここに来たんだよ」
坂崎は宗矩の言葉に納得した様子で、その傍らに佇む表情の見えない姫へと向き直った。
「わしが居なくなってしまっては姫様は最早頼るものもなく、一人孤独に生きていく他にないということか…」
「千姫様のお覚悟、わかっていただけたみたいだねェ」
「あいわかった!千姫様…いや、我が妻のことは不肖この坂崎出羽守の身命を賭して守り抜かん!」
坂崎から熱い視線を送られている少女は感情の見えない無機質な顔の中で、その目だけは強い意思の光を宿していた。
時は坂崎邸のやりとりからすこし戻って、柳生邸の一室に宗矩とくのいちの姿があった。
世話役の侍女すらも部屋から締め出して人払いを済ませると、宗矩は話を切り出した。
「久しぶりだねェお嬢ちゃん。今日はいい知らせと悪い知らせを持ってきてあげたよォ」
くのいちは宗矩が忍びの技である読唇術を使えることを理解している。
舌の先端を失った口から聞き取れないほど微かな音を発しながら、唇の開きを使って言葉を返していった。
「ようやく自分を殺してくれる気になったかって?残念ながらそれはできない相談だ。これからお嬢ちゃんにやって欲しいことがあるからさァ」
感情の変化を失った顔からでも、くのいちの落胆した様子が宗矩には見て取れた。
「じゃあ、まずはいい知らせからにしようかァ。幸村殿の遺児たちが見つかった。今は片倉殿の息子の所に匿われてるそうだ」
虚空を見つめていたくのいちの目に、久しく見えなかった意思の光が宿る。
彼女は大坂城落城の折、幸村と共にその子供たちも守れなかったことをずっと悔やんでいたのであった。
「あの真田幸村の子供たちだ、当然幕府からの監視の目と追求も厳しい。今回も裏柳生の密偵からの報告でわかったことだ」
くのいちは宗矩の目から視線を逸らすことなく、すっかり細くなったその身を乗り出すようにして話に聞き入っている。
「そしてここからが本題だが…もうわかってるみたいだねェ。ここからが悪い知らせ…いや、お嬢ちゃんへの依頼だよ」
宗矩の視線の先にあったのは囚われの身の哀れな少女の顔ではなく、使命のためには死をも覚悟した忍びの表情であった。
「お嬢ちゃんにはとある人物の影武者として、ある男に輿入れして貰いたい。引き換えに柳生の総力でもって幸村殿の遺児の保護に協力しよう」
輿入れと聞いたくのいちの顔に一瞬暗い影が差す。くのいちは再び小さく口を開いて宗矩に自分の果たすべき任務を確認する。
「暗殺の必要はないよ、身代わりをやって貰いたいだけだ。何か問題を起こすようならその時は…もっとも今のその体では無理だろうがねェ…」
くのいちは骨と皮だけの痩せこけた自分の両手を見て頷いた。その表情に変化は見られないものの悲壮感が漂っている。
「まぁ必要となったら柳生が動こう。その代り…お嬢ちゃんにはもう一つ辛いことを頼まなくちゃいけない…」
柳生の屋敷の離れに、くのいちが舌を噛み切ったときに運ばれ処置を行われた特別な部屋があった。
その部屋の中央に、くのいちは再び薬によって眠らされて横にされている。
彼女の周囲には神妙な面持ちの宗矩と数名の甲賀忍者たちの姿があった。
甲賀の秘術の一つに人相を変える術があると聞いていた宗矩が協力を依頼したのである。
それは本来は相手の顔を土に押し付けて型を取り、それに自分の顔を当てて変化させる術であった。
しかし、徳川の姫が相手ではそのような無体ができるはずもなく、今回は外から顔を作り変えることになった。
既に宗矩は術の使い手と記憶力の良い者を引き連れて、江戸城で千姫との対面を済ませてある。
特殊な薬で顔面を柔らかくされると、記憶を頼りにしてくのいちの顔は千姫の顔へと順調に作り変えられていく。
忍びであるくのいちは元々簡単な人相変えの術を使えたために、術を受け入れる素養は十分にあったのである。
背格好や体格は元々近かったので体のほうには手を加える必要はなかったが
顔には術だけでは再現できない部分が存在したために顔面の肉を抉って手を加え、顎を切り開いて骨を削って輪郭を整えた。
くのいちは眠りに落ちる前に宗矩たちの会話から自分の顔に刃を入れられることを聞いており、いっそのこと眠っている間に楽になれればとも考えていた。
だが、衰えを見せたとはいえ厳しい忍びの修練によって培われていた体が、その意思に反して彼女にここで力尽きることを許さなかった。
くのいちが目を覚ましたとき、宗矩たちは出立の支度に追われていて部屋に残っていたのは彼女だけであった。
部屋の中を見渡すと、偶然にもそこに残されていた鏡で彼女は千姫となった自分の顔を見てしまう。
本来の術とは違う手順で行われた突貫作業のため、その顔は自分の感情に従って表情を変えることは最早できなかった。
(この顔じゃ…幸村様とまた会えても、あたしだってわかんないだろうなあ…)
くのいちは堪えきれずに溢れ出た涙を静かに拭うと、宗矩に呼ばれて侍女たちの手で着慣れない着物を着せられる。
そして駕籠へと乗せられると新たな人生の出発地となる坂崎の屋敷へと向かったのであった。
少女は忍びとなるときに名前を失った。戦場で主君や戦友たちを失い続けて、最後の戦場では自分のせいで最愛の主を失くしてしまった。
主を追って自分に死を与えることすら許されずに声を失った。乱世に翻弄され続けた少女は、ついには自分の本当の顔すらも失ってしまう。
少女がかつて真田幸村に仕えた、くのいちと名乗る女忍者であったという証は今はもう彼女の内側にしか存在しない。
津和野城へと連れてこられた彼女は城の誰にも素性を明かされることはなく、奥の間へと入れられた。
姫は昼間でも夫から薄暗い奥の間の簾の中から出ることを決して許されず、殆どの時間を一人そこで過ごすことになった。
夜には夫の欲するままに千姫として、自分ではない姫へと向けられる望まぬ愛を受け続けた。
夫からの贈物には表向き一切の反応を示さない姫だったが、唯一鏡だけを異常に恐れ忌み嫌った。
姫は奥の間で過ごしているときに突然何かに怯えはじめては、確かめるかのように自分の体を抱きしめた。
またある時には、聞き取れないほど微かな声で繰り返し同じ言葉を呟くといった奇行を度々見せることがあった。
坂崎が城に居ない夜には、意味をなさない叫び声が奥の間から響いてきたのを城の者が聞いていた。
奥の間に入ることを許された侍女から、姿を見せない姫の奇行の話が城内に広まり
そのような怪談話は枚挙に暇がないために、家臣たちは坂崎の居ないところであれは物の怪の類に違いないと噂しあったという。
それからの姫が暗い奥の間の中でどのように生きて、どのように死んだのかは藩の記録には残されてはいない。
愛する者を守らんと闇を駆けた忍びの少女は、その果てに己としての生も死も奪われてしまう。
彼女は愛する者の忘れ形見のため、一人暗い闇の中で懸命に正気を保ちながら影の使命を遂行し続けた。
-完-
以上になります。ありがとうございました。
キャラクターを構築する要素を一つずつ破壊していって外見を別物に変えてしまった上で
残った意識の部分も精神崩壊寸前の状態で生かさず殺さずキャラクターとしては殺す
という以前から考えていたネタを形にさせていただきました
これが果たしてリョナの範疇に入るのかは皆様のご判断にお任せします
自分の力不足から上手くいかなかったところも多いので、いつかまた別のキャラでリベンジしてみたいです
とはいえ派手に散らせたほうが見栄えもよくて書いていて楽しいので、当分はやりたくないですがw
坂崎直盛に救いを与えるまさかのルートww
歴史に存在しない・してはならないくのいちのキャラクターを生かした良SSだと思うが、
史実ネタがわからないと少々辛いので別サイト向けかも
少し練習すれば誰でもSSが書けるようになるぞ
みんな書いて投稿しようぜ!
オリジナルのくのいちのお姉さんが腹パンされて吐いて触手で犯し殺されるSSができたので投稿させてもらいます
無双の人のくのいちが良かったので私もオリジナルですが女忍者をやりたくなったのでw
人里離れた山奥の人々から忘れ去られ朽ちた祠。
獣すら訪れない静寂に支配された筈のそこに轟音が響く。
小屋程もある巨大な人型の怪物が丸太の様な腕を降り回し暴れているのだ。
人の生皮を剥いだ様な外見と顔のあるべき部位は無数の触手を蠢かす醜悪な外見。そして太い手足は見た通りの怪力。
怪物...上級妖魔は遥か昔に退魔師によって封じられていた封印が解け、再び本能の赴くまま人々を襲い始めたのだ。
そして、それを止めるべく今この妖魔と対峙するは一つの影。
「はあぁぁぁっ!!!」
怪物と戦っているのは長身の若い女。
動きやすいが露出度が高い扇情的な衣装に包まれた身体はかなり発達した肢体の持ち主。
ばんと大きく張り出した乳房は形も良く張りも抜群。
見事にくびれ、うっすら腹筋の浮かんだなだらかなお腹。
引き締まりながらも丸く大きいお尻。
むっちりと脂がのりながらも良く鍛えられたふとももとすらりと伸びたおみ足。
そしてその魅惑のボディラインを包む衣装は青みがかった黒の強靭だが極薄の生地を胸と股間を必要最低限隠す程度。二の腕から先は同様の生地でできたもので長手袋状に覆われ、肘から先は小手を装着。
同じように脚も膝上から足先まで薄布で覆い、その上に軽装の具足で脚部を保護していた。
手足以外は殆ど裸に近いが、首から下の全身は網状の物にくまなく覆われ、かえって裸よりも扇情的に見せていた。
そしてその整った顔立ち、強い意思を宿す黒い眼。
腰まで伸ばした絹の様に美しい黒髪は後ろで束ねられ、彼女が跳び跳ねる度にふわりと舞う。
怪物と比べればあまりに小さいが力任せに振り下ろされる怪物の腕をことごとくかわし、更には手に持った小刀で斬り付け、互角に渡り合う。
彼女の正体はくのいち...魔物や妖怪退治を生業とする退魔の忍者集団の一員であった。
名をシオン。退魔の里でも指折りの実力者である。
だがこの妖魔も相当の強敵。
術で強化されたシオンの小刀でいくら斬り付けようとも傷は浅く、その傷すらすぐに塞がってしまう。
力任せの攻撃は軽やかに舞う美女くのいちにはかすりもしないが逆にかすりさえすればそのまま捻りつぶされるだろう。
埒の明かない事態に切り札の強力な術の封じられた巻物を取り出したほんの一瞬の隙がシオンの運命を決めた。
怪物の巨大な剛腕の一撃はやはり寸手のところでかわされた。しかし。
地を割る程の一撃は強烈な衝撃波と礫を伴い、シオンを襲ったのだ。
今までよりも僅かながらの余裕の無い回避が裏目に出たのだ。
「うくあっ!?し、しまった!」
これ自体はシオンを傷つけるには至らないがくのいちの足を止めるには十分だった。
妖魔の太い腕が今度こそシオンに振り下ろされ...彼女ではなく人間大の丸太がぺしゃんこに押し潰された。
「グゴォッ!?」
「もらったぁ!!覚悟ぉ!!」
変わり身の術。僅かな隙が生んだ失態をシオンは逆に利用し、身代わりの丸太を潰し狼狽した妖魔の頭上に現れたのだ。
そのまま戦闘美女は小刀を脳天目掛け構え、勢いそのままに妖魔の頭部に突き立てた。
弱点らしき触手蠢く中のガラス玉の様な眼球に。
シオンは勝利を確信し...眼球が小刀を砕いた事で目を見開いた。
「なっ...!?そんなっ!!」
それは確かに妖魔の核であり最も大事な部分だった。
そして、最も狙われる部位として物理攻撃には滅法強くしていたのだ。懐に潜り込んだ退魔師を確実に葬るためにも。
代償として術の類いには弱くなっていたのだが、判断を謝ったシオンには最早知る由も無い。
そう、最早シオンの命運は尽きたのだ。
頭部の触手がシオンの手足に一瞬で巻き付き大の字に拘束する。
必死に触手拘束から逃れようとシオンはもがきその魅惑の鍛えられながらも扇情的な肢体が強調される。
「くうっ...!はなせぇっ!!」
シオンの端正な顔が苦渋に歪み冷や汗が流れる。
必死に抵抗をする彼女の美しく引き締まった手足に絡み付いた触手はぎりぎりと音を立てる。
やがて状況を打開しようとするシオンの努力虚しくそのお腹目掛け妖魔の腕が飛び込み、めり込むとそのまま吹き飛ばした。
「ぐはっがぁっ!!」
身体をくの字に曲げたまま数メートルは吹き飛び近場の太い樹に強かに打ち付けられずるずると無様にずり落ちる女忍者。
「ぐっ...!げほっごほっ!!」
痛みに涙を浮かべ咳き込むシオンはよろめきながらも立ち上がり、クナイを構え妖魔に立ち向かう事を諦めない。
髪を束ねていた帯がほどけて美しい長髪がふわりと広がった。
「はあっ、はあっ...わ、私は、負けるわけには...!!」
しかし手痛い打撃を受け気力でどうにかできる段階は超えていた。
カモシカの様な美脚はそれこそ生まれたての小鹿の様にがくつき立っているのも辛い有り様だ。
機動力を奪われたくのいちなどそこらの小娘と同義。
シオンの悲痛な決意も虚しく、妖魔の無慈悲な鉄拳が再び彼女の腹にめり込んだ。
「げぼあっ!!!」
今度は吹き飛ばなかったが、それでもシオンの身体が一瞬宙に浮き、背中が一瞬盛り上がった様な一撃は今度こそ美しきくのいちを戦闘不能に追い込んだ。
がくり、と膝から崩れ落ち、お腹を抑え、尻を突きだした無様な格好で倒れこむ。
「げえぇぇぇぇっ!!おげえぇぇぇぇぇぇ..!!!」
美女の可憐な口から醜い嘔吐音と吐瀉物が溢れだす。
網越しの全身にかいた脂汗でぬめひからせた身体をがくがくと痙攣させるシオン。
そんな哀れな敗北美女を妖魔は大量の触手を伸ばし手足に絡ませ大の字の形で宙に浮かせる。
「あっ、あぁうっ...」
吐瀉物の混じった涎を垂らしながら、殆ど意識を失いつつあるシオンが呻き声を上げる。
くのいちの本能で半ば気付いたのだ。
これから自分は一思いに殺されるよりも、ただ犯されるよりも悲惨な目に遭う事を。
そして妖魔はこの極上の女を味わうべく行動を開始する。
シオンの腕ほどもある太い触手が彼女の装束に守られた股間に3本宛がわれると、何の前触れも無く突き入れたのだ。
「ひっぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
山にシオンの悲痛な叫びが木霊する。
無理も無い。濡れても無い膣に衣服毎無理矢理捩じ込まれた触手はぼごぼごと網に包まれたお腹を盛り上がらせているのだ。
その苦痛たるや尋常ではない。
更に触手は激しくピストン運動を始めどっこんどっこんと肉を打ち付ける轟音がシオンの胎内から響き始める。
「うぎぃっ!!いぎゃあっ!わ、私のっ、おなっ、おなかぁっ!!」
激痛しか与えない性行為もどきにシオンは少女の様にぼろぼろと涙をこぼしながら泣き叫ぶ。
発達した魅惑的な爆乳がぶるんぶるんと突かれる度に暴れ、シオンが苦悶に満ちた叫びを上げた。
やがて子宮まで占拠した触手達が射精するとボムっと一瞬で腹が妊婦の様に膨らんだ。
「やべでぇぇっ!!もうゆるしてぇぇぇっっっ!!!」
仰け反りながら有らん限りの声で泣き叫び哀れなくのいち。
長い射精が終わると触手の拘束が外れ、どしゃりとグラマラスボディが力無く地に投げ出された。
「ぐ...!うぐ...!!」
びくびく痙攣しながら大きく膨れた腹を上に向けカエルの様な無様なシオンに妖魔は更に責め苦を与える。
臨月の妊婦を通り越した大きさに膨れ上がったシオンのお腹を容赦無く踏みつけたのだ。
「がぼおっ!!!」
びぐぐんっ!!とシオンの手足がバネ仕掛けの様に跳び跳ね口から大量の胃液を撒き散らし、股間からも精液が溢れ出た。
「げぼぼおぉぉぉぉっ!!!おっげえぇぇぇぇっっっ!!!」
そして、悶絶する女忍者の股間、膣はもちろん今度はアナルにもシオンのふともも程ある極太触手が宛がわれた。
ずぼんっっっ!!!ばきぃっ!!!
「!?ひがががぁぁぁぁぁっ!!!?」
悶絶する中ぶちこまれた更に太い触手は彼女の両穴を引き裂き、股関節を破壊した。
ぶしゃあっと、尿が勢い良く吹き出すのを皮切りに地獄の前後運動が開始され先程の責めが序の口だった事をシオンは身を持って味わう。
「ぐっえ!!死ぬぅ!!たすけてぇっ!!いやぁぁぁぁぁっ!!」
処刑用の杭に等しい肉凶器は突き込まれ、最早シオンの心身は限界だ。
そして、それも終わりを迎える時が来た。
前後の触手が入り口近くまで先端を残し引き抜かれる。
最大の一撃の前触れにシオンは絶望と恐怖を味わうが最早泣き叫ぶ事もできない。
そしてシオンの奥目掛け、触手は突き込まれた。
「!!ひぎっぎゃああああああああああっっっ!!!」
骨盤が粉々に砕け、背骨までもがヒビが入る異様な一撃。
断末魔の様な悲鳴と共にもう限界にしか見えないシオンのお腹が大量射精された事で更に真ん丸に膨らんで行く。
「げぼぼほぼぼぉぉっ!!がぼぼぼ、おごあがぁっ!!!」
しばらくシオンはがくがくがくと病的な痙攣をしながら腸に出され口から逆流した精液を長髪を振り乱しながら吐き出す悲惨だが滑稽な存在に成り果てた。
妖魔が飽きるまでそれは続いたが、シオンが完全に動かなくなるまではそう時間はかからなかった...。
敗北した退魔くのいちの末路は悲惨な物しか待っていない。それも引き裂かれ臓物と血を撒き散らして死ねるのはまれで使い捨ての性玩具として情けない屍を晒すのだ。
以上です。
いいね
実力差を感じるカードはいい…
戦乙女スヴィアのリョナものをいつか書きたい
筑紫の人です
>>100
かなり返事が遅れてしまいすみません・・・。気に入ってもらえてよかったです
普通の失禁ssですが、渋の垢はあるので渋に投稿してみてもいいかもしれませんね
いつになるかは分かりませんが・・・
>>114
投稿乙です
えげつない触手責め最高です。身体を内側から破壊していく描写が濃密で楽しめました
自分もいつかこういう話を書いてみたいです・・・
>>117
個人的には渋に投稿していただけると過去の作品も探しやすくて助かります
向こうでも応援します
作者です、お読み頂きありがとうございました。
>>115
実力差というか自分の場合やられるのが前提のリョナだと自然と一発アウト系にしちゃう感じですかねw
>>117
触手のボコォエリョナが好きな身としては最高の誉め言葉です。
私も見たいですねー、筑紫さんの人の腹ボコエリョナ!
普通は入らないサイズの触手とかを膣に入れてぎゃあぎゃあ叫ばせれば下手なエロより書くの楽ですよ!
エロい格好の女の子がひどい目に遭うのが見たいよぉ
>>120
なんかこのレスだけでムラムラしてきた
言葉の力って偉大
ノエルの人です。
>>120 さんの好みに合うかどうかは分かりませんが、短いやつを投下しておきます
FGOのジャック・ザ・リッパーです
目に見えないものにすら命を狙われかねない夜もある。
彼女はここまで一切の気配を感じさせることなく近づいてきた。
ここは小学校の理科実験室。昼の私の職場であるが、夜になると私はここで「研究」を行っている。その研究が何の役に立つかは私にも分からないが、少なくともこの研究は石灰石を薄い塩酸で溶かす作業よりは意義深いものだ。
そんな私の部屋に、私の空間に、彼女は忍び寄ってきた。
それが、私の命を狙う者であることはすぐに分かった。しかし意外にも、私はさほど取り乱してはいなかった。
なんといっても、この夜は目に見えないものにすら命を狙われかねないのである。
「ーーそうだよ」
私の心を読んでいたように少女は答える。
ショートカットの少女は、目の前のターゲット、即ち私を見据えながら、両手に握りしめたナイフを構えた。
色素の薄いショートヘアに、いかにもあどけない少女らしい丸顔。しかしその頬には痛々しい切り傷が残っている。
私の胸元までしか身長はない。日常的に学生をよく目にする職に就いているからか、彼女の体型を見てすぐに小学二年生か三年生を想像した。まださほど使い込まれてはいない、よく嘗めされた赤い革のランドセルが脳裏に浮かぶ。
しかし彼女は、その年端もいかぬ幼い子供が決して身につけることはないであろう、いかにも扇情的な格好をしていた。
腕はもちろん、肩までも露出するほど大きく切り込まれたノースリーブのジャケット。
そして腰周りには、うっかりすれば何も身につけていないのではと見落としてしまうほどの、細いローレグの紐パンツ。臍と腰と尻はほぼ全て露出してしまっており、しかもその紐パンツの尻側に六本ナイフのホルスターを引っ掛けてぶら下げているらしい。
はっきり言って、私の美学に反してしまうほど下品な子供だ。
私がほほえむと、少女は走ってこちらに向かってくる。血錆の紅い刃が私の喉元に向かってくる。
丸腰のターゲットを前にして余裕の御託を並べる三流の殺し屋とは訳が違う。
自身の残虐な行為に陶酔することなく、速やかにトドメを差す。
なるほど、一流の仕事だ。
それは認めよう。
しかし、私はまだ死ぬわけにはいかない。
あいにくこの世に未練があるのだ。
もう少し、現世の即物的な快楽を味わっていたくてねーーーー。
「あれ……?」
少女がそう云うときには既に、その幼き顔は文字通り「彼」の掌中に収まっていた。
「やれ、バーサーカー。ただし、私の研究の邪魔はするな」
そう言い残し、私は壁の棚から薬瓶を取り出すことにした。薬品の選定をしている私の背後で何か大きな質量が激しく暴れまわっていた。
「かふっ……!?」
少女の言葉にならない声が私の耳を掠めると、黒板とは反対側の壁へ思い切り少女は叩きつけられた。
ドシャン!
ガタガタガタガタっ!!
その衝撃で天井近くの壁にかけられていた元素周期表や人体模型が倒れてバラバラになった。
「…………ぅ…………く…………」
私は教壇に必要な薬品と器具を準備し終えると、目前で行われている蹂躙を無視し、実験を開始した。試験管に液体を注ぎ、試験管立てに差し込む。中に入れた液体が、時おり衝撃でふるふると小刻みに震える。バーサーカーが拳をふるう度、まだ壊れていない部分が砕け散っていく生々しい音がする。
「ぅ、うあぁあっ……はっ、はっ……ガ、はぐぅううっ!!」
ドグシャっ!
メキメキメキィッ!
「が、ヒュッ……!! ぅ……っ、!」
ドゴっ!
「わぁあああっ!」
ボゴッ! バキッ! グシャッ!
「ぁ………ぅ、う、ゲホッ……けほっ……」
私が実験に集中していると、ふと私の視界に何か入ってきた。
仕方なく目を向けると、バーサーカーが哀れな少女の片足を握って逆さ吊りにした状態で現れた。後ろ向きのために表情は分からないが、両手を真下にだらりと下げたバンザイの状態で脱力している。腰回りのホルスターは外れ、紐パンツも脱げたのか、少女とは思えぬほど無駄に肉付きの良い尻が完全に露出していた。全身の肌が血で赤く汚れ、少女がせき込む度にビクンビクンと四肢を反応させた。
「この空間まで忍び寄る能力は対したものだ……しかし、戦闘能力は並……ここを動けぬ我々にしてみれば、飛んで火にいる夏の虫、とはまさにこの事か」
バーサーカーは無言で私の命令を待つ。
「そこに置いておけ。後は私が適当に始末しておく」
バーサーカーが脚を持つ手を離すと、少女は頭を床に打ちつけ、上半身を捻らせた体勢で倒れた。
両腕が有り得ない角度で折れていた。
そんな少女を、私は何をするわけでもなく放置し、研究の続きを始めることにした。
〈終わり〉
>>123
乙ですー。
エロい格好の子が酷い目に!最後にお尻が出ちゃうのがたまりませんね。
>>124
感想ありがとうございます
エロい服を着た子いいですよねー
特に今回のキャラはお尻がじつにエロい子ですし、ラストは丸見えにしてしまいました
このまま尻を叩いてお仕置きコースも考えましたけど、雰囲気ぶち壊しなのでやめときましたw
(別で書くのもあり……か?)
>>125
むしろ穴にぶちこんでトドメを差すのかと思いましたがw
別のもできれば見たい所。
ビキニアーマーのお姉さんがドラゴンにワンパンでやられて人間オナホにされて死んじゃうSSができたので投稿させてもらいます
前スレ>>587 の子と同じですが話は繋がってないので見なくて問題ないです。
光を放つコケにより昼間の様に明るい洞窟内に響く騒音。
金属を打ち付ける音と肉を切り裂く音。
そして世にも恐ろしい魔物と人の断末魔。
洞窟内はここに巣くっていた魔物の一団と武装した人間達...冒険者との戦いにより修羅場と化していた。
冒険者達は最近この洞窟に魔物達が増えつつあるとの事で調査、ないし可能なら退治するよう依頼を受けやってきたのだが、魔物達の数は彼らの想像を遥かに超え多かった。
始めの頃は低級の小鬼や獣人が10数匹程度だったが奥に進むにつれ質も数も高くなり、洞窟の中頃に着く頃には50を越す中級の魔物達に囲まれていたのだ。
冒険者達も4つの中堅パーティからなり20人の集団でありそう簡単にはやられはしなかったが魔物達の攻勢の前に一人、また一人と倒れていく。
「うおおおっ!!」
そんな中勇ましい声を上げ屈強な大鬼達を斬り捨てて行く一人の女戦士。
その長身のまだ若い女の姿は控えめに言って軽装、はっきり言ってしまえば裸同然の扇情的な格好だった。
身体を守るのは金属製の胸当てと股間のみ、下着や水着同然の俗に言うビキニアーマーと言うやつだ。
防具としては実用性は薄いが、冒険者としては実力の誇示の為に露出度の高い格好は珍しく無い、と一応彼女の名誉の為に記す。
それ以外に身に付けてるのは肘から手首までの小手を追加したロンググローブとニーソックスの上から膝から下を守るグリーブだ。
そしてモンスターを凪ぎ払って行く彼女の実力はこのパーティでも上から数えた方が早い腕利きなのは明白。
かなり豊満で肉感的ながらも鍛えられた身体は女性的な線を保ったまま筋肉質を保ちその美貌と強さは伝説の戦乙女かのよう。
腰までの金の長髪を美しくたなびかせ、歴戦の戦士にしては優美な腕のロングソードを群がる魔物に斬りつけ戦場を駆ける。
女戦士が活躍する度にその見事な爆乳がぶるんぶるんと、装甲でやや強調された引き締まった肉付きの良い尻もふるふると男を誘う様に揺れるが仲間の人間の男達はそれ所では無いし、魔物達はこの危険な戦士に欲情する段階を通り越し憎悪しか向けない。
彼女の名はレティーシャ。
元奴隷剣闘士の彼女は闘技場で見世物として殺される前に運良く冒険者となり、多くの冒険者の様に駆け出しの内に散る事無く才能を発揮し瞬く間に中堅所に上り詰めた女戦士だ。
レティーシャは魔物の包囲網の一角、出口方面の道を塞ぐそこに狙いを定め、撤退する為に先陣を切る。
態勢を建て直した冒険者の一団はレティーシャを援護しつつ追随と殿の為に一塊となる。
リーダー格の全身鎧の騎士らしき男が生き残り達に指示を出す。
「みんな!レティーシャに」
続け。そう叫ぼうとした騎士が後続の冒険者もろとも突如洞窟の奥から迸った火炎に呑まれた。
「...え?」
レティーシャは突然の出来事に一瞬何が起きたか分からなかった。
振り向けば先程まで戦っていた仲間達がいない。いや、炎がくすぶった地面に転がる良くて黒焦げの、中には既に骨や灰と化しているのがそうだろう。
そしてそれを引き起こしたであろう存在がゆっくりとこちらへと歩いてくる。いつの間にかあれほどこちらを殺そうと猛っていた魔物達も大人しくなっていた。
それも種族関係無く、恭しく頭を下げるような格好で止まっていた。
オークもゴブリンもトロルも。大蠍や大蝙蝠、大蛇やリザードマン全てにいたるまで。
まるで王侯貴族が現れたかのように。
いや、その通りだった。
地を揺らし堂々と現れたのは天井の高いこの洞窟でも窮屈そうな巨大な身体。その全身を覆う赤い鱗、屈強な両腕には鋭い爪、身体を支える屈強な後ろ足と長い尻尾。
背中にはこの洞窟では広げるのが精一杯そうな大きな一対の翼。
そして鋭く頑丈な牙の覗く大口、そこから漏れる熱い火の粉混じりの吐息。
呆然と見上げるレティーシャを映す真紅の眼には邪悪な知性が見てとれた。
魔物の中の魔物。魔物の王。子供でも知っている最強の魔物。
魔物の頂点に君臨する竜種の、更に頂点に位置するレッドドラゴンがそこにいた。
更にその後ろから現れた2頭の飛竜がドラゴンの両脇を固める。
美しい白銀の鱗と甲殻のワイバーンはレティーシャも噂にしか聞いた事しかない上位種なのだろう。この場の魔物でドラゴンの次に強力な気配を漂わせていた。
王を守る騎士、と言った所か。
「ど、ドラゴンがなんでこんなところに...!?」
存在自体が災厄に匹敵すると言われる上位竜の突然の出現に思わず呆然となり本能的な恐怖に勝手に身体が震えてしまう。
(駄目だ...諦めたくないけどこいつだけでも絶対に勝てないし逃げる事すら無理だ...)
絶対強者の出現に凛々しく強かった女戦士は心を折られ死を覚悟する。
自分一人だけ生き残ったこの状況。
周囲は相変わらず無数の魔物が包囲しているし銀の飛竜一頭だけでもレティーシャが敵うかどうか分からない
そもそもこの強大なドラゴンの炎から逃げれる筈も無い...とレティーシャは違和感に気付く。
そう、それこそ最初の一撃で自分は死んでなければおかしいし、未だに魔物達は襲いかかってこない。この場で最も素早く動く事ができ、二番目に強い飛竜達でさえも。
レティーシャがドラゴンを見れば嫌らしく目を細め、こちらにゆっくりと近づいてきたのがわかる。
そして女戦士は感付く。
このドラゴンは自分をなぶり殺しにして遊ぶ気だ。
ネズミをいたぶる猫の様に。...あるいは虫の足や羽を引きちぎる人間の様に。
「...っ!」
折れた筈の女戦士の心に怒りの火が灯る。
上等だ、どうせ死ぬならせめて一矢報いてから死んでやる。
(アタシで遊ぼうって思った事、後悔させてやるよ!)
ドラゴンが目の前まで迫り、哀れな生け贄に竜にとっては軽く、豪腕が降り下ろされる。
「うおおおぉぉぉっ!!」
だがレティーシャは降り下ろされた爪撃を飛んでかわし、そのまま腕を伝って竜の身体を駆け上る。
狙いは竜の顔面、その眼球だ。
どんな生き物でも内臓、そして目だけは鍛えられない。
レティーシャの剣はドラゴンの眼球めがけ突き進み...渾身の一撃はあっさりと弾かれた。
ぶよん、と固柔らかい感触をもって鋼鉄の剣は竜の眼球に傷一つ付けられず、続いて下ろされた目蓋で粉々にへし折られた。
「あ...」
傷をつける事はおろかただの瞬きで剣を破壊され絶望を通り越し唖然とするしかないレティーシャ。
最初から女戦士には一矢すら許されていなかったのだ。
ただ絶対強者に一方的に弄ばれる路傍の石や草に過ぎなかった。
竜の口がにい、と歪む。その顔が見たかった。と物語っていた。
そして羽虫同然に手で打ち払われ今度こそ直撃する女戦士。
「ごがあっ!!」
軽く打ち払われただけだがこれだけで美しき女戦士は戦闘不能に追いやられた。
地に叩きつけられたレティーシャはがに股大の字の姿勢で悶絶する。
無様な事に今の衝撃で下乳に食い込む 形で鎧がずれ豊満な乳房の綺麗なピンクの乳首が露になり、かえって剥ぎ取られるよりも扇情的に見せていた。
目だった外傷は無いが全身を鈍い痛みが襲い、動く事すらままならない様で涙を浮かばせ歯を食い縛る事しかできない。
「あぎぃぃぃ...うっぐぅぅぅぅ...!!!」
そのスレンダーながらも女性的な部分は出て筋肉の引き締まった極上の全身に先の戦闘と襲いくる苦痛、そしてこれから訪れる死の恐怖に浮き上がった汗で妖しく光らせひくひくと痙攣させ、ドラゴンから逃げようと手足をがくつかせる。
その姿は嗜虐趣味の人間でなくとも性的興奮を覚えるには十分すぎる程の様だった。
だからか、権力者のを美女を生け贄として求める事もあるドラゴンが欲情するのは当然とも言えた。
その股ぐらにレティーシャの胴回りと大差ない剛直がいきりたつ。
女戦士の顔が青ざめる。
これから自分は無謀に竜に立ち向かい無惨に敗れ殺されるのではなく、ただの性処理具として使い捨てにされるのだ。
「やっ、やだせめて普通に殺して、おねがいやめ」
かたかたと滑稽なまでに震え泣きじゃくり懇願する美女をがしりとその手で人形の様につかむとその股間の剛棒めがけ躊躇無く降り下ろした。
「げぼあぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
金属がひしゃげ肉が裂け骨が砕ける音と断末魔じみた女の嘔吐混じりの悲鳴が洞窟に響き渡った。
竜の男根は股間の装甲をものともせずに破壊し、そのまま膣を、子宮口、子宮の最奥まで到達し、腹越しにレティーシャの乳房まで到達してしまう。
死ねなかったのが不思議なサイズと味わった事もない超激痛を股間から味わいほぼ白目を向き、泡を吹き病的な痙攣を全身に走らせるレティーシャだがその痛みに気絶もできない。
そして恐ろしい事にまだ入れただけ。ドラゴンはがしりと掴んだ手で極上のオナホールと化した戦士を上下する。
「ひっぎいいぃぃぃぃっっ!!!?」
竜の強靭な陰茎は勿論同時に侵入した金属片と下着のレザーパンツの革生地ががりがりと膣壁を抉り、苦痛を増す。
先程の挿入もそうだったが出血は見られず腹も破けない。
実は竜がレティーシャに防護と回復の魔法をかけ最低限彼女の命を保護しているのだ。
これにより竜が乱暴に扱っても骨折や脱臼ですみ、出血や部位欠損で死ぬ事は無くなる。
...無論この心地よい悲鳴を奏でる玩具に苦痛を与えないと言う選択肢は無い。
レティーシャの運命は生殺しの地獄しかないのだ。
「あがっぐ!?ぐっへぇぇぇぇっ!!」
どすん、どすんと乱暴に上下され続けるレティーシャは最早息も絶え絶え。
妊娠もした事もないがその乳房からは瀕死の本能か母乳が漏れだし、アーマーを白く染め、潰れた尿道から大量に失禁し間接が外れぶらつくふとももに滴り落ちていた。
そして、竜の限界が近いのだろう。女戦士をしごく速度が上がる。
「あぎひぃーーーーっ!!!」
ぶくんっとただでさえ盛り上がったレティーシャのお腹が臨月の妊婦の分程液体で膨らんだ。内側から割り裂かれそうな苦痛が強くなる。
しかし、竜の様子と本能で気づいてしまった。これは先走り液だ、と。
つまりこの直後に...!
「たっ、たすけ、あがががががぁぁぁぁーーーーー!!!!」
レティーシャの腹越しにも聞こえる射精音が響き断末魔じみた悲鳴と共に彼女のお腹があり得ない程に膨らんでいく。レティーシャの腹にもう一人入ってるのでは無いかと言う程、無惨を通り越して滑稽な、出来の悪い冗談の有り様と言って良い膨張具合だ。
最も当の本人はこれだけで軽く見積もって三回は死ぬ苦痛を味わったのだが。
「かっ!かはぁぁぁぁぁっ...がはぁぁぁぁぁっ...!!」
どちゃり、と地に打ち捨てられた半裸の美女戦士は口から吐瀉物まじりの悲鳴を上げ股間こら大量の精液と吹きこぼしながらがくがくと痙攣し...やがて全ての動きを止めた。
それからしばらくすると広間にはもう、竜は飽きてその場を後にし、手下達もそれに続き、冒険者の残骸と精液にまみれた妊婦腹の戦士だったものしか残っていなかった。
以上です。
筑紫の人です
息抜きに書いていたオリキャラの触手リョナの話ができたので投下します
「……結構、奥まで進んだけどまだお宝は見つからないかぁ」
薄暗い地下遺跡を少女が地図を片手に探索していた。美しい銀髪のロングヘアーが似合うやや幼さの残る顔の美少女だ。
年の頃は十七歳前後。身長は同年代の平均よりやや高く、年齢のわりに起伏のあるボディは非常にスタイルがいい。服装は薄茶色のダッフルコートとコートと同色のミニスカート。
両手には黒の手袋を身に付けていた。スカートから伸びるすらりとした長い脚は厚手の黒タイツに包まれていて、靴はムートンブーツを履いていた。
彼女の名前はアリオーシュといい、彼女はいわゆるトレジャーハンターで盗掘を生業としている。しかし、彼女はトレジャーハンターではあるが、ただの盗人ではない。
彼女がこのような裏稼業をしている理由は自身の知識欲や好奇心を満たすためである。歴史的価値の高い希少なお宝や文献を研究するためだけに、彼女はトレジャーハンターを続けているのだ。
事実、彼女は盗掘こそしているがそれで金儲けをしたことは一度もない。彼女は色々なお宝を盗んではいるが、研究を済ませたものは全て綺麗な状態にし、元の場所に返しているからだ。
研究者としては優秀な彼女だが、やっていることはれっきとした犯罪であり、帝国からはグレーゾーンの人物としてマークされている。
しかし、未だに刑務所のお世話にならないのは、彼女が盗掘に関する決定的な証拠を残していないからだ。
「うーん……。そろそろ目的地に着いてもいい頃だと思うんだけど。ルートは間違えてないと思うんだけど……」
アリオーシュは難しい顔をして大金を叩いて入手した遺跡の地図とにらめっこする。今回、彼女が狙っているお宝は、古代の巫女が作った不老不死の力を宿すといわれている曰く付きの宝玉だ。
彼女は不老不死の力には欠片も興味はないが、古代の秘宝である宝玉は研究対象としてこの上なく魅力的だった。
地図に記されたルートを進んでいる彼女だが、宝の眠っている目的地にまで中々辿り着かない。
一度引き返すことも視野に入れるべきかと彼女が考え始めた時、視界の悪い前方から何かの気配を感じ、彼女は咄嗟の反応で後ろに退く。
その後、彼女の視界が捉えたのは筋肉隆々で全長二メートル程のワーウルフだった。ワーウルフは血走った眼でアリオーシュを凝視すると、涎を垂らしながら、刃のような牙だらけの大きな口を開く。
さっきアリオーシュが退かなければ、彼女の頭は丸かじりにされていただろう。低い唸り声を上げながらワーウルフがジリジリとアリオーシュににじり寄る。
「……悪いけど、私は君の食事になるつもりはないからね」
アリオーシュはコートの裏に仕込んでいる翡翠のナイフを左手で取り出しと、逆手に持つ。ワーウルフが巨体に似合わないスピードで猛進し、鋭い爪をアリオーシュに降り下ろす。
凶悪な風切り音から分かるように普通の少女がまともに受ければ即死に直結する破壊的な一撃だ。しかし、アリオーシュは逃げずに爪をナイフで受け止める。
重厚な金属音が響くと、その後にワーウルフの悲鳴が響く。見れば、ワーウルフの鋭い爪は無惨にへし折れていた。
アリオーシュのナイフはただのナイフではなく、彼女の魔力に呼応して鋭い切れ味を発揮するマジックアイテムで、非力な彼女が扱っても鋼鉄すら切り裂く切れ味を誇っている。
「狼の爪なんかじゃあ私には勝てないよ。今なら見逃してあげるから……おっとっと、危ないなぁ」
アリオーシュの台詞を遮り、激昂したワーウルフが反対の爪で彼女を攻撃するが、彼女は余裕を持ってその攻撃を回避する。
彼女の本業は研究者であるが、彼女は荒事にも心得があった。ダンジョンに潜む無数の魔物やライバルであるトレジャーハンターを退け生き残るには戦闘技能は必須だからだ。
「隙だらけだね。これで終わりだ」
アリオーシュは好機を見逃さず、無防備なワーウルフの首を一瞬で切り落とした。噴水のように池を切り口から噴き出しながら、ワーウルフは呆気なく崩れ落ちた。
人に比べて生命力が高いのか、首を切り落とされた後も暫くピクピクと動いていたが、やがて完全に身体機能が停止した。
「ふぅ。足止めを食らったけど、さっさとお宝を回収するとするかな」
アリオーシュは用心しつつもまだ見ぬ秘宝に期待を高まらせ、早足気味に先を進む。この時点で引き返すという選択肢は彼女の頭から消えていた。
しかし、この選択が自身の人生に終止符を打つことになる選択だとは、彼女には考えもよらなかった。
遺跡に仕掛けられた罠や生息する魔物を一つ一つ攻略し、アリオーシュは遺跡の深層についに辿り着く。
今までの古ぼけた石壁とは違い、遺跡の深層はきらびやかな黄金の壁で彩られていてまるで別世界のようだった。
これまでに様々な試練が彼女を襲ったが、彼女の実力の高さを示すように彼女の身体には傷らしい傷はない。
苦戦の痕といえば、コートやスカートが僅かにほつれ汚れていることくらいである。
「わぁ綺麗! この壁を切り抜いて売れば、億万長者になれるね! ……私はそんなことする気はないけどさ」
アリオーシュは欲しい玩具がやっと手に入った幼児のように眼を輝かせながらコートのポケットから手帳と筆記用具を取り出すと、金の壁に彫られた碑文を正確に書き写す。
未知の碑文は彼女の探究心を刺激してしまったのだ。
「よし、一通り書き写した! この壁画の文は帰ってから解読しようかな。どんな内容か楽しみだ」
手帳と筆記用具をしまうと、アリオーシュは探索を再開する。更なる魔物や罠が待ち構えていることを想定していたが、拍子抜けするくらい何も起こらなかった。
そうこうしているうちに宝石の散りばめられた黄金の扉が彼女の眼前に見えた。
「……この奥に私が狙っている秘宝がありそうね。中々歯ごたえのある遺跡だったわ」
今までの経験則からアリオーシュは、この扉の奥に目当ての秘宝があることを確信する。期待に胸を高鳴らせつつも、彼女は扉や周囲に罠がないかを警戒しながらドアノブに手をかける。
重そうな黄金扉は見た目に反して簡単に開いた。扉の先はやたらと広い大部屋で、部屋の中央にある台座にはこれ見よがしに緋色の宝玉が供えられていた。
「……秘宝が目の前にあるけど、見るからに罠よね」
視線の先にある宝玉の大きさや色は、アリオーシュが入手していた事前情報とも完璧に一致している。しかし、無防備過ぎるくらい無防備に放置されている宝玉に彼女は得体の知れない悪寒を感じていた。
明らかに何かある。どう見ても罠にしか見えない。どのように秘宝を入手するか考えていると、背後で金属音が聞こえてアリオーシュは振り向く。
見ると入口が閉まっていた。彼女はドアノブに手をかけるが、いくら力を込めても全くびくともしない。
「……ダメだ。強力な魔法で鍵をかけられたのかな、全く開かないや。閉じ込められるなんて、迂闊だったよ」
アリオーシュは自身の迂闊さに溜め息を吐く。
「……!? な、何なのっ!」
突如、轟々と地鳴りがした。アリオーシュは激しい揺れにバランスを崩しそうになる。揺れが収まると、黄金の床を突き破って身体が黄金に包まれた眼の無い巨大蛇が現れた。
巨大蛇は珍しい魔物ではなく、アリオーシュが何度も対峙したことのある魔物だったが、目の前にいる巨大蛇は今まで戦ったものと比べても明らかに異質だった。
長さがこれまでのものとは比較にならないのだ。今まで見たものはせいぜい三メートル程度だが、床から飛び出している身体だけでも四メートル以上はあるが、胴体は埋まっており全長が何メートルあるのかすら判断できない。
身体のあちこちを突き破って生えている細い触手も異様だ。触手の太さは本体ほどではないが成人男性の腕ほどある。
「凄い大きさね……。こいつが秘宝を守る守護者ってわけ……。かなり強そうだけど、お宝を目の前にして負けるつもりはないわよ」
黄金蛇を見上げるアリオーシュだが、蛇の触手が彼女に迫り、思考をすぐさま戦闘モードに切り替える。
迫りくる触手を巧みな足捌きで掻い潜る彼女だが、いかんせん数が多過ぎる。全てを回避することはできず、彼女の身体をいくつかの触手が鞭打ちする。
「ぐっ……くうっ……このぉっ……!」
苦痛に喘ぎながらも、アリオーシュは触手を切り裂こうとナイフで反撃する。魔力を全開にしたナイフの刃が触手に触れる。
アリオーシュの想定ではナイフが触手を切り裂くはずだったが、ナイフは触手を切り裂けなかった。
「そんなっ……何て硬さなの……!?」
ドラゴンの鱗すら剥ぎ取れるナイフだが、目の前の大蛇の防御力は規格外だった。触手の硬さはあまりにも絶望的で自慢のナイフをもってしても掠り傷すらついていない。
自身の武器が通用しなかったショックで、戦闘慣れした彼女はらしくない狼狽をしてしまう。
「しまっ……痛っ……!」
動揺しているアリオーシュの隙を突いて、一本の触手がナイフを持っている彼女の左手首を締め上げる。
手を絞められる苦痛に屈して、彼女は武器であるナイフを手放してしまう。
「ひっ……い、いやああぁぁっ!」
落としてしまった武器を拾う暇もなく、触手の軍勢がアリオーシュの四肢や腰、首を締め付け、彼女はあっという間に空中で大の字の状態で拘束された。
彼女は懸命に触手を振り解こうとじたばたともがくが、触手の拘束は強固で彼女の抵抗などまるで意味をなさない。
「くぅっ……苦しい……身動きができないっ……!」
(このままじゃあ、あの蛇に食い殺される。嫌だ……まだ死にたくない……どうにか手を打たないと……でも、どうすれば……)
蛇に食い殺される自身をイメージしてしまいアリオーシュの愛らしい顔が恐怖に染まる。しかし、彼女の予想する最悪の未来などまだまだ甘い想像だった。
突然、彼女の右腕にとてつもない圧迫感が広がった。右腕を締め付けている触手の力が段々と増していく。
「まさか……う、うそでしょ……」
触手の行動を察した彼女は焦った表情でこれまで以上に激しく暴れる。華奢な腕に過剰な力の負荷がかかり、身体の内側から嫌な音が響く。
「ぐうぅっ……ああっ……!」
身体中から冷たい汗が流れ、恐怖のあまりに心拍数が徐々に高まっていく。
「や、やめ……それ以上は……」
アリオーシュは敵である大蛇に懇願するが、眼の無い大蛇の表情は全く読み取れない。
「うぐうぅぅぅっ……!」
アリオーシュは普段の彼女の声とは似つかない呻き声を上げる。触手の締め付けはこれまで以上にきつくなり、とうとう細腕の限界を越え、その時が訪れた。
「ぐっああああああああああああああ!!」
耳障りな音を立てて、アリオーシュの右腕が折れた。今までに味わったことのない激痛に教われて彼女は獣じみた悲鳴を上げた。
意識を吹き飛ばしかねないほど強烈な苦痛に、額からは脂汗が流れ、彼女の心は早くも折れかかっていた。彼女は戦い慣れはしているが、今までこのような大怪我は一度もしたことがない。
なまじ腕が立つばかりに、彼女は自分がこのような目に遭うなど全く考えたことがなかった。彼女の本職はあくまで研究者であり、彼女は戦う者としての覚悟が致命的に足りなかったのだ。
「私……お宝を盗む気はないんだよ……少し借りたらちゃんと返すつもりだったんだ……本当だよ……」
言葉が通じるとは思えないが、アリオーシュは大蛇に対して上擦った声で弁解する。大蛇は彼女の言葉など無視し、触手を用いてへし折れた右腕を元の方向に戻す。
「がっ、うっ、ああああっ!」
別の方向から負荷が加えられ、折れた右腕は更に歪な方向にへし折れる。新たな苦痛に襲われ、アリオーシュの動悸が早くなった。
「もうお宝はいらないから……お願いだから殺さないで……許して……」
涙を流しながらアリオーシュは大蛇に許しを乞う。心の底からの懇願だった。研究を諦めるのは惜しいが、それ以上に命の方が大事だ。
しかし、大蛇の触手は無情にも彼女の左腕を捻るようにへし折った。
「ぐっ、あがああああああああああああああああああ!!」
アリオーシュは喉が枯れそうなくらい大きな悲鳴を上げる。やがて、悲鳴が収まると彼女は荒々しい呼吸を繰り返す。
両腕からは身を焦がすような激痛が絶え間なく伝わり、両眼からは大粒の涙がぽたぽたと流れ落ちた。
大量の汗で銀色の髪は額や頬に張り付き、許容範囲を越えた苦痛に心臓が狂ったように脈打つ。意識がなくなれば楽になれるのに両腕の痛みが気を失うことすら許してくれない。
(私の両腕が……こんなのもう治らないんじゃ……)
使い物にならない両腕を見てアリオーシュは絶望する。魔法の力にすがりつこうにも、かつての大陸戦争で回復魔法を使える白魔導師は皆殺しにされ、現代ではほとんどいなかった。
かといって、そこらの医術で治せるほど両腕の状態は軽くない。しかし、両腕が折られたことなどまだ絶望の始まりに過ぎなかった。
黒のタイツに包まれた右脚を掴む触手の力が増していく。太ももを圧迫される苦痛に彼女の顔が歪む。華奢な身体は恐怖に震えていた。
「や、やだっ……! やめてえぇっ……!」
今までの苦痛を思い出し、アリオーシュはこれまで以上にじたばたと抵抗する。無駄だと頭では分かっているが、もう彼女にはどうしようもなかった。
暴れている時に、右足のムートンブーツが脱げ落ち、黒タイツに包まれた足裏が露になる。
「ぐぅっ、ああっ、うっんんん……!」
締め付けの握力は加速度的に増していき、それに比例して右脚の痛みも強くなっていく。その時だった。アリオーシュは股間部が温かくなっていく感覚を覚えた。
臨界点を越えた恐怖に彼女は失禁してしまったのだ。彼女の醜態を示すように、黒タイツの太ももに尿が伝った跡ができた。
しかし、失禁などこれから味わう拷問に比べれば些末な出来事だった。
「あっ!? ぐぎゃああああああああああああああああああああ!!」
右脚を容赦なくへし折れられた。苦痛はそれだけでは終わらず、触手はあろうことか折れた右脚を色々な方向に捻り、玩具みたいに弄んだ。
アリオーシュは断末魔じみた悲鳴の後、とうとう意識を手放し、彼女の頭が垂れ下がった。
すらりと伸びた美脚は無惨な方向に曲がっていて、かつての美しさはない。眼を背けたくなるくらい酷い有り様だった。
獲物をとことんまで苦しめたいのか、一本の触手が意識を失っているアリオーシュの頬を叩く。
「あ……ぅぅ……」
頬を叩かれたショックでアリオーシュの意識が覚醒するが、身体のあちこちが痛み意識がまだはっきりしない。
瞼は重く、このまま再び眼を閉じてしまいそうだった。触手はアリオーシュが正気に戻るのを待つ気などなく、残った左脚を一気に力を込めて前触れなく一瞬でへし折った。
「あっ……あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙!!」
尋常でない激痛が下肢から伝わり、アリオーシュの意識が強制的に現実に戻される。四肢は狂ったように激痛を訴え続け、空中で身体が揺れる些細な震動でも辛かった。
「ぜぇーー……はぁーー……も、許し……」
突然、アリオーシュの四肢を縛る触手の力が弛んだ。一瞬、自分のことを許してくれるのかと彼女は安堵したがすぐにその考えは消え失せた。
一本の触手が彼女の股下に狙いを定めてうねうねと蠢く。
「あ……あぁ……」
大蛇の触手に惨めに犯されてしまうのだとアリオーシュはすぐさま理解してしまった。
(そ、そんな……私の初めてが……こんな魔物なんかに……)
しかし、処女喪失の時はまだ訪れない。触手が次々と宙吊りにされているアリオーシュの元に集まっていく。彼女はその光景を唖然として見つめることしかできない。
「な……あ……ああ……」
十を越える触手の群れが次々と合わさり、やがて一本の極太触手に変貌した。常軌を逸した光景にアリオーシュの顔は真っ青になる。
一本でさえも少女の性器を越えている太さなのに、あんなものどうやっても入るわけがない。あの触手に体内から破壊されつくすくらいならばまだ食い殺された方がマシだ。
「や、やめ……そんなの……入るわけ……」
合体触手の先端がスカートの中に潜り込み股に触れる。タイツ越しに冷たい感触が伝わりアリオーシュの身体や歯はがちがちと震えた。
「ひぃっ……!?」
触手の先端の力が強くなり、恥骨に凄まじい圧力がかかった。触手の先端がタイツとショーツを突き破り、秘所に触れる。股間からはみしみしと嫌な音が聞こえ始めた。
「いがぁ……! あ、ああああっ……!?」
まだ触手は先端すら入っていないというのに、今でさえも死ぬほど辛かった。触手の頭が進むが、穴よりも太いため入らない。物理的に入るわけがないのだ。
(よかったぁ……あんなの入れられたら……)
触手の凌辱は不発に終わったと思い、アリオーシュは僅かに気を緩めてしまう。その直後、触手は角度を調節すると勢いをつけるだけつけて強引に彼女の秘所を貫いた。
「ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙ーー!!!」
触手の一突きで処女膜が容赦なく破れ膣が裂け、恥骨や骨盤が砕ける音が聞こえた。極太触手の侵入でコート越しからでも分かるくらいアリオーシュの腹部は妊婦のように膨らんでいた。
今まで受けた四肢を折る拷問など比較にならない激痛だった。痛みのレベルが凄まじ過ぎてどこがどう痛いのかすら彼女には把握できない。
「いぎぃああああああああああああああああー!!」
触手が波打つ度に、アリオーシュは全ての臓器を蹂躙されたように感じた。体内で大蛇が暴れているような激痛だった。
体内を滅茶苦茶に圧迫され、彼女は強烈な吐き気を催した。
「ぐ、ぎぃ……げうええぇぇぇっ!!」
美少女のものとは思えない叫び声を上げて、アリオーシュは嘔吐してしまう。触手はアリオーシュの反応を楽しむかのようにゆっくりと上下運動を始める。
彼女からすれば触手の性行は体内を破壊される苦痛しかなく一切の快感などなかった。だが、彼女の苦痛はまだまだ終わらない。
彼女からは見えない背後にある触手が、一気に彼女の尻穴を貫いた。背後の触手は正面の極太触手ほどではないが、肛門に対して十分過ぎる太さだった。
「ひぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいーー!?」
意識していなかった場所に大激痛が走った。身体が内側から爆破されたような衝撃だった。思いがけない苦痛にアリオーシュは眼を見開く。
開いていた股間からは尿がこぼれ落ちていた。
「ぐっ、あ゙、ご、ごふっ、おげえええぇぇぇ!?」
臀部を突き刺す触手が勢いよく前進する。触手が体内の骨や臓腑を破壊しながら侵入していく。身体中から嫌な音が聞こえた。
腸、食道と段々と異物感が上に進んでいくと、アリオーシュは吐血した。吐血の後、彼女の開いた口から触手の先端が姿を現す。
お尻を貫いていた触手が口まで貫通したのだ。触手が自身の口から現れるというおぞまし過ぎる光景に彼女の意識は闇に落ちていく。
「おあ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙!?」
眼が覚めると同時に嘔吐感と激痛がアリオーシュを襲う。気を失っていた時間は十秒にも満たなかった。
動きを止めていた極太触手が活動を再開したのだ。膣内の深奥である子宮口に巨大触手の先端が触れる。苦痛が限界まで膨れ上がったその時、子宮一杯を熱い液体が満たした。
触手がようやく射精したのだ。彼女のほどよく引き締まった腹部は今や破裂せんばかりに膨らんでいた。
子宮に収まりきらなかった白濁液が足のつけ根から滝のように溢れ、彼女の黒タイツを汚す。鼻や口からも精液が溢れ出し、美少女の顔をぐちゃぐちゃにしていた。
「がぼっ……げ、ふっ……」
(い、いや……しにたく……ない……)
アリオーシュが血と精液の混じった吐瀉物を吐き出す。彼女の生への渇望に反して、彼女の心臓の鼓動が弱まっていく。
身体中が急速に冷えていき、視界が真っ暗になると、あれだけ身体中を苛めていた激痛が麻痺し始める。
死が近づいていることを彼女は理解してしまい、丸い瞳からは涙が流れた。
「ぁ……ぅ……」
呼吸が止まり心臓の鼓動が消え、アリオーシュは短い痙攣をす何度か繰り返すととうとう動かなくなった。
百舌鳥の早贄のように触手に突き刺さった彼女には、研究熱心だった利発な美少女の面影はない。
汚液塗れで晒し者にされるという美少女に似つかわしくない酷すぎる末期だった。大蛇は彼女の二つの穴を刺していた触手を引き抜くと、他の触手を器用に動かし彼女の死体を自身の口元まで近づける。
大蛇は大きな口を開けると、物言わぬ屍と化した彼女を口内に放り込み丸呑みにした。大蛇が力を込めると無人の遺跡に少女の骨を砕く音が響く。
食べやすいように彼女の身体を砕いて、補食行為を一通り楽しむと大蛇は地中に潜っていった。やがて、彼女の死体は大蛇の体内で完全に消化されるだろう。
こうして、アリオーシュは秘宝を入手できず哀れにも死体すら残らずこの世から去ってしまった。
以上です
触手リョナの人の作品を読んでいて自分も書きたくなり今回のような話を投下しました
触手でボコォとする描写を初めて書けて楽しかったです
もう少し短い話にするつもりでしたが、自分は書いている内に文章が無駄に長くなってしまうようです・・・
次こそは筑紫の話を投下したいと思います
乙でしたー。
触手リョナの人です。
いや、これは良いボコォでしたよ。
長いというよりは良い意味で粘っこい描写がグロ目リョナな描写とマッチして楽しめました。
容赦のないベキベキボコォ乙でしたー
せっかくなのでで文からキャラ起こしてみました
ttp://www1.axfc.net/u/3683622.png
トレジャーハンターっぽさ無さすぎてイメージと違い過ぎたらスミマセン・・・
アリオーシュと聴いて
人喰い未亡人エルフを連想してしまいました…
が、いい作品おつでしたー
筑紫の人です
>>138
感想ありがとうございますー。
触手は初めて書きましたが奥が深いですね・・・
描写のことを褒めていただきありがとうございます。嬉しいです
>>139
素晴らしいイラストをありがとうございます!言葉で言い表せないくらい嬉しいです!
自分はssを書くときキャラの容姿をある程度イメージして書きますが、イラストは自分の妄想より百倍凛々しくて可愛いです!
アリオーシュの容姿は自分の好みの要素を考えなしに詰め込んでいたので、改めて考えてみると元々あまりトレジャーハンターぽくないですね
>>140
そういえばドラッグオンドラグーンに同名キャラがいましたね・・・
昔やったことあるゲームなのにすっかり忘れてました
アリオーシュは今回の話だけのキャラにするつもりだったんですが、愛着が湧いてしまい別の魔物(スライムとか?)と戦う話も書きたくなってきました
筑紫の話も書きたいし、もう一個別キャラの話も書きたいしで現在書きたい話が多いです・・・
無双のくのいちみたいな性格をリョナるのは興奮する!
ノエルの人です
鉄拳のリリをフルボッコにするSSが書けたので投下いたします
胸糞表現をあえて多くしたので、一応注意
『あなたは何発で壊れるのかしら?』
俺の目の前に現れたのは、金髪のロングヘアーの女だった。白いフリル付きの衣装を身にまとい、なにやら外国語を喋って俺に挑みかかってきやがった。
日本語以外喋れるはずもない俺は、もちろん女が何をほざいているのか知る由もない。だが、その外国人さながらの高い鼻に、これ見よがしとばかりに優雅な振る舞いを俺に見せつけてくる辺り、調子に乗った言葉を吐いているんだろう。
「調子に乗るんじゃねえよ金髪が。ワキゲもあそこの毛も金色なのか?」
女の方もこっちの日本語の意味が分かっちゃいないから顔色一つ変えない。俺はここぞとばかりにこの女を徹底的に侮辱してやることにした。
「パンツを脱いでちぢれ金髪ま○こ見せてみろよ。分かるか外人? ま○こだ、ま○こ」
こっちの言っていることは向こうも分かっていない。女は、俺がバカみたいな声で罵るものだから、わずかに鼻を鳴らして挑戦的な目で俺を見据えてくる。
ああ、ゾクゾクするわ……。
微塵も負けるなんて思ってないんだな、この女……。
俺に勝てると思ってやがる……。
俺はすでにこの女が戦っている様を見たことがある。そこそこキレのある動きをしているようだが、所詮は金持ちの道楽レベル。俺に叶うわけがない。
本来なら戦いなど成立するはずもない実力差だが……これほどまでに調子に乗った女なら、いたぶり甲斐があるというものだ。
さて、と。
遊んでやるか。
◇
俺は向こうのキックをガードしたり回避したりして、適当にいなしてやった。
時々、無駄に派手な動きをして来る。ボンボンのお嬢様だから戦いも美しくありたいって言うやつか。そんなもん、ボディに入らなかったら何の意味も無いんだけどな(笑)
『貴方、やる気あるのかしら?』
なんか女が俺から距離を置いて、若干ヒスった感じの声で何か喋ってきた。おお怖ぇえ(笑)
おそらく俺が何も攻撃してこないから、向こうも痺れを切らしてきたんだろう。
この女、馬鹿なんだな……。
俺が攻撃したら数秒で決着付いちゃうんですけど……?
そんなことも気づかずにコイツは俺にしょうもないキックばかりしてきやがる。
『時間の無駄ね。帰るわ』
女は首を横に振って大袈裟に呆れてみせると、なんか捨て台詞らしきものを吐いて、俺に背を向けて歩き出した。
飽きっぽいワガママなお嬢様を退屈させては失礼だな。
じゃあそろそろ、楽しませてやることにするか。
とりあえず俺は一瞬で背を向けた女の正面に瞬間移動し、まだ何が起こったのか気づいてすらいない女の顔に回し蹴りを入れた。
バゴッ!!
女は「ブォッッ!」っていう失笑ものの声を出して思い切り横に吹き飛び、頭から思い切り地面に激突して足をバタバタ言わせて仰向けに倒れた。
女は、何が起こったのか分からず驚きと戸惑いに目を開きながら上体を起こし、立ち上がろうと腰と尻を持ち上げようとしたところで、俺は腹を強く踏みつけてやった。
女の反応は「ブグゥッッ」だった(笑)
女は腹を抱えて呻き声をあげ、その場を左右に転がり悶える。
そんなこともお構いなしに、俺は女の金髪を掴んで無理やり身体を起こす。足腰がふらついている女に、俺は膝でもう一度腹を攻撃した。
「ゴッッ…………!」
女は悲鳴をあげるよりも早く口から汚ねぇ唾液を飛ばし、そのまま膝を付いた。
「ォオオォッッ……ゴホッ、ホッ、ぉ……!」
へなへなと崩れ落ちるように膝を付き、片手を思わず前に突き出してうつ伏せに倒れ込み、団子虫のように丸まった。
うわぁ、弱ぇえ(笑)
女だからマジで何もできねぇんだな(笑)
女は何とか起きあがろうと、四つん這いになってヒィヒィ言い出したので、俺はサッカーボールよろしく、女を蹴って近くの鉄条網にシュートしてやった。
「アアァアァッッ!!」
もちろん俺の脚力があれば女一人を吹き飛ばすことなど容易い。
女はまたしても腹に俺に蹴られた形となり、鉄条網に背中から衝突した。
女は両目に焦点が合っていない状態のまま口から吐瀉物をこぼし、首筋にお嬢様の昨日のディナーの残骸がだらだらと滴ってせっかくの白衣装を汚した。
女は意識を失いかけているのか、鉄条網に背中を預けたままずるずると下にずり落ちていく。尻餅を付こうにも鉄条網のトゲが女の髪や服の生地に引っかかっているらしい。
しかしやがて重力に従ってさらに下にずり落ちると、遂に服は破れて、完全に尻餅を付いた格好となった。
俺はそこまでの変化を流暢に観察し終え、そろそろ息の根を止めてやることにした。
俺は無造作に女の胸元にある赤いリボンを掴むと、そのまま床に放り投げた。
まだ意識は残っているのか、弱々しい声で何か呟いている。
『お……お父様………』
何を言ってるのか知らねえが、俺は仰向けに倒れた女の上に馬乗りになる。
両腕は俺の足で踏みつけて固定すると、ちょうど俺の拳が当たるちょうど良いところに女の顔があった。
やべぇ、勃起してきた……。
調子に乗った女を黙らすのってマジ快感。
「とりあえず死ねや、金髪ま○こ」
ドガシッ! ガシッ! バチッバチッバチッ、ドガッバキッべキッ!
ドゴッ! ゴッ! ガッ! ガンっ! ガンっ! ガツッ! グシャッ!!
◇
俺はズボンに射精した快感に酔いしれながらゆっくりと立ち上がった。
俺は立ち上がって女を見下ろしたが、ぶっちゃけ金髪以外は顔のどのパーツも面影が残っちゃいなかった。糸目のように細くなった両目に両鼻から血を垂れ流し、唇は切れてパラパラと歯がこぼれ落ちていた。戦う前の女がどんな顔だったか思い出すのも難しい。
足は内股に閉じたまま硬直し、スカートの中から黄色い液体を漏らしていやがった。
汚ねぇ女だ。
こんな女、犯してやる価値もねぇ。
俺は女の服を背中から破き、ショーツを脱がして股間を丸見えにしてやった。
だがレイプはしないでおいた。
糞弱ぇ馬鹿女なんかで発情できるか。
代わりに俺は、ちぢれ金髪ま○こwith白ガーターベルトをスマホで撮影することにした。
これを使えば、もしかしたらこの女の財産も毟りとれるかもしれない……。
俺はそのまま女を放置した。
女は破れて脱がされた服のまま微動だにしない。
ご愁傷様でした(笑)
GAME OVER
ひどい内容ですが、決してリリアンチなどではないので誤解無きよう…(むしろ好きだ!)
近況ですが、以前宣言した通り、現在はUNI娘のSSを書いております。近々ユズリハ&オリエのまあまあ長い作品が投下される(予定)ですので、気長にお待ちいただければ〜
ではノシ
ユズリハ&オリエ期待してます
誰かマルキドサドの孫娘の二次創作SS書いてくれんかのう・・・
筑紫の人です
>>146
投稿乙です
胸糞表現は気になりませんでした。むしろ、完敗描写と上手く合わさっていい味を出していて楽しめました。
UNI娘の次回作も楽しみにしています
ノエルの人こういう文章でも書けるんだ、表現の幅が広いっていいなあと思った
キャラの特徴を捉えた上で徹底的に責めて穢して貶めるのはキャラ愛がないとできませんよね
書いてる最中にふと「好きなキャラなのにどうしてこうなった」とか考えてしまう瞬間はあるけれどw
このサイトに結構良いリョナ小説載ってますよー
googleweblight.com/?lite_url=http://ankle.jimdo.com/sitemap/&lc=ja-JP&s=1&f=1&m=573&q=%E6%82%B2%E9%B3%B4+%E8%86%9D+%E5%A5%B3+%E7%A0%95+%E9%96%A2%E7%AF%80&client=ms-docomo_link-jp&gl=jp&host=www.google.co.jp&ts=1461053385&sig=APY536wuTcjWbWkS3tgaICP0WMnIrKMEQw
>>146
乙です流石はノエルの人だぜ
触手リョナの人って名乗って良いのかな?
ライダースーツのお姉さんがナメクジっぽいのに身体の中を一杯にされて死んじゃう短編ができたので投下させてもらいます。
深夜の都内某所。廃墟と化してかなり経つビルの前に一台の大型バイクが止まった。
漆黒のライダースーツを着た乗り手は体付きから女性である事が伺える。
女性にしては長身の彼女は革製の頑丈なツナギの上からでもわかる抜群のプロポーションの持ち主で張り出したかなりのバストとヒップの持ち主で腰もきゅっとくびれ、四肢もむっちりとしながらも引き締まっている事がスーツ越しから見てとれた。
ヘルメットを脱ぐとその下から肩ほどの黒のロングヘアがこぼれ、整った美貌が露になる。
切れ長の黒目が凛とした印象を与える20前後の若い美女だ。
さて、彼女はただのバイク乗りではない。
廃ビルをきっ、と見据えた彼女の右手には一振りの日本刀が、左手には呪文の書かれた札が数枚握られていた。
彼女は闇から人々を襲う妖魔と戦い祓う退魔師であり、特定の組織と流派に属さないフリーランスの我流退魔師なのだ。
特殊な術式が施された漆黒のライダースーツで幾多の魔を討ち滅ぼしてきた黒の美女の名は皐月。
「ふう、最近妖魔の数が多いわね。ささっと終わらせましょ」
軽い調子で独り付きながら武器を確認しビルへと消えて行く皐月。
彼女がこのビルから生きて出る事は無かった。
ビルに巣くっていた妖魔はおびただしい大群であった。
先見隊の妖魔をある程度倒してから気付いた皐月は自分の手に負えないと判断したが、時は既に遅く妖魔の雪崩に文字通り巻き込まれ、実力を発揮する間もなく押し潰されてしまったのだ。
決して皐月が弱かった訳では無かったのは彼女の回りに数十匹の妖魔の残骸が転がっているのが物語るが、当の彼女は無様な敗北姿を晒していた。
情けないがに股の格好で壁にもたれかかりその先刻まで凛々しかった美貌は半ば白目を向き、舌を付きだし泡を吹きこぼしながら呻きを上げ続ける姿は見る影も無かった。
ライダースーツの前ファスナーは全開に下ろされ仰向けでも張りを保った際どい爆乳もうっすら腹筋の浮いたくびれたウエストもむき出しになっていた。
失神しつつあるが無意識に逃れようともがいているのか、がくっ、がくっと痙攣する美脚は無意味に床をブーツでこするだけに終わっていた。
そして、悲惨な敗北の証としてほっそりとした両腕は見るも無惨に骨がへし折られ、たおやかな手の指も一本一本がでたらめな方向をむいてしまっていた。
「あ、あぉぉっ...あっぐぅ...」
哀れで無惨な皐月に残酷な処刑の時が訪れる。
床や壁、天井を埋めつくしながら無数のナメクジに脚の生えたような低級妖魔が彼女に向かって殺到する。
大人の握り拳程あるそれらは皐月のライダースーツの股間を引き裂くとその下の純白のショーツごと、彼女の秘所に何の前触れも無く入り込んだ。
それも三匹同時に。
「ぎゃひぃっ!?」
未経験、と言う訳では無いが濡れてもいないそこは拳大の大きさを三つも受け入れられる筈も無い。みちみちと嫌な音を立て裂けてしまったが、妖魔達は舌を付きだし悶絶する皐月を気にもせず更に奥に潜り込む。
子宮口をこじ開け、子宮の中まで妖魔は押し入り、皐月の腹を妊婦の様に膨らませた。
「あががががぁぁぁぁっ...!!!」
今まで感じたことも無い激痛と圧迫感にぼろぼろと涙を溢しながらその美貌とはかけ離れた醜い呻きを上げる美女退魔師。
「ぐうぅぅぅ...はぁっ、はぁっ...!た、耐えるのよ皐月、ここで諦めなければ助けが...」
不屈の退魔師は腹を裂いてしまいそうな苦痛に必死に耐えながら自分に言い聞かせる。
しかし、無駄な努力でしか無かった。
床の妖魔達が一斉に極上の美女に向かって殺到したのだ。
膣や口は勿論、肛門にも妖魔達は一気に侵入し、皐月のお腹がぼごんっと丸く大きく膨らんだ。
「ぶっ!!ばぁっ!!!」
体内を一瞬でナメクジ蟲に埋められ窒息した皐月は殆ど即死に近かった。
退魔師の死に様にしてはあまり苦しまなかった方で幸運な方とすら言えるが、死ねば退魔師はその時点で役立たずの妖魔の玩具兼製造器でしかない。
漆黒のライダースーツ美女退魔師の生涯は低級妖魔の苗床として終わった。
以上です。
>>154
かっこいいお姉さんがさっくり無様にやられちゃうのがたまらなかったです!
痙攣したりもがいたりしてダメージを消化出来ずに苦しむワンクッションを置いてから
死んじゃうのは悲惨さを見せ付ける緩急でとっても楽しめます
乙
ビクンビクンはやっぱりいい
バーチャのサラとパイの死闘を長文で書いてくれたら1万でも買うw
>>156
>>157
感想有り難うございます。作者です。
エロ格好良いお姉さんをガクビクさせたかったので嬉しいです。
ノエルの人だよ
返事遅れてすみません
SS書く上でキャラ愛は大事だと思いますねー
リリの悲鳴はうるさいゲーセンでもよく聞こえる声なので、聞く度にムラムラしてきますねw
なんとなくですけど、キャラをリョナっていると、そのキャラの隠れた側面みたいなのが露わになるのが面白いし、なおかつエロいと思いますね
今はユズリハやオリエを書いているわけですけど、二人が普段どんな暮らしをしているのかとか、どんな思いで戦っているのかとか、どんな下着を選んで穿いているのかとか想像するのが楽しいですねw
>>149 (筑紫の人へ)
前レスで書いてた敗北SSのifストーリーを思いついたんですが、筑紫ちゃんを借りてもよろしいですか?
>>161
作者ですが全然構いませんよ〜。使って頂けるなんて、むしろ嬉しいです!
お好きなように虐めてやってくださいませ!
ノエルの人の新作はまだか…
触手リョナの人です。
エロい格好した魔女系のお姉さんが触手に負けて、手足折られて触手貫通ボコォされて死んじゃうSSができたので投稿させてもらいます。
かつてこの地で栄えた古代の王国の遺した秘宝が眠ると言われる古代遺跡。
その秘宝、あるいは価値ある異物や宝物狙いで訪れる冒険者やトレジャーハンターが後を絶たないが金目の物はおろか生きて帰ってくるものも少ない危険なダンジョン。
その危険な遺跡に一人の女が秘宝を目当てに訪れた。
辿り着いた者は片手で数えるほど、無事に帰った者はいないと言われる遺跡最深部。
凄腕の冒険者が複数人いても命を落とす其所を悠々と歩くのは一人の妙齢の美女だった。
頭には大きな黒のつば広帽子、肩から腰までの裏地が赤い黒マント、手には尖端に大振りの宝玉を埋め込まれた霊木製のワンドから魔術師の類いであることが見てとれる。
しかしその装束はかなり扇情的だった。
片手ではつかみきれないほどの大きさの型崩れしてない爆乳はマントの襟から延びる黒布で乳首をぎりぎり隠す位の面積。
その胸の布はそのまま交差してほっそりとくびれながらも引き締まったお腹の側面だけを通りただの剥き出しよりもかえってエロティックに見せながらむっちりと大きくも肉がつきすぎてないヒップラインの股間まで一体化していた。
股間部は際どい三角を描き、後ろは当然の様にお尻に食い込んでいた。
肉感的ながらも引き締まった美脚は黒のロングニーブーツ。
ワンドを持つたおやかで細い腕は肩から薄いタイツで覆いロンググローブをその上から着けていた。
そして艶やかな赤髪のショートヘアに絶世と言って良い整った顔立ち。
さて、上述した通り最深部を一人で進む彼女はただの魔術師では無いし、ましてや痴女でもない。
彼女は魔術に明るい者なら知らぬ者らいないとまで言われる凄腕の魔女であり、黒炎の魔女の異名を持つ、世界でも有数の魔術の使い手である。
彼女の名はルフェリア。
彼女自身は秘宝にはさほど興味は無かったがとある有力者に秘宝の入手を依頼されたのと幾多もの冒険者を返り討ちにしたこの遺跡に興味を持ち単身ダンジョン攻略に乗り出したのだ。
「さて、この先に秘宝が眠ってるらしいのだけれど...」
扉に刻まれた紋様から秘宝が安置されていると思われる部屋の大きな扉の前に佇むルフェリアは呟いた後に部屋内の様子を魔法で探る。
秘宝の間には大量の防衛機構や魔物がひしめいているようだ。
それこそかなりの格の物が大小合わせて100は下らないか。
しかしルフェリアは不適な笑みを上げ扉を開け放つ。
その極上の女体に魔力を巡らせて。
何百年ぶりかの侵入者に秘宝の守護者達が撃退の為に、あるいはただ餌とみなしてルフェリアに一斉に襲いかかる。
だが。
ルフェリアがたった一人、それも魔法使いでありながらダンジョンに突入したのは彼女が自信家なだけでは無い。
「炎よ!我が声に応え眼前の敵を灰塵と変えよ!!」
薄暗い遺跡を昼間の様な閃光が包み、魔女に襲いかかった無数の魔物達は灰と化した。
「ふうっ、久しぶりに全力だしちゃったわね。...あら?」
ルフェリアは部屋の異常に気付く。大量の魔物等がいた秘宝の間はかなり広いのだが、それこそただの広間と言った風情で秘宝の姿はおろか宝箱か倉庫の様な物すら見当たらない。
ルフェリアの魔法には敵性反応を示したもののみ攻撃する効果もかかっていたので破壊してしまった、と言うのも考えにくい。
そして、一番の異常はルフェリア以外にこの部屋に存在してる者だ。
「なんで私のとっておきを受けてローパー風情が残ってるの?」
部屋の中央に鎮座するはうねうねと触手を蠢かす全長は4メートルはあろうかという肉塊状の魔法生物、ローパー。
人間の女を好んで性的になぶり殺すと言うおぞましい生態を持つが魔物としては低級に位置し、通常種よりは強いこの大きさでもルフェリアには逆立ちしても勝てない程度の雑魚モンスター、の筈だ。
「おかしいわねぇ、たまたま当たんなかったのかしら?」
不思議に思いながらも鋼鉄をも焼き溶かす熱線魔法を放ちローパーを処理するルフェリア。
しかし、熱線はローパーに届いても何の反応も示さない。効いてないというより届いていないかのように。
「!?な、何ですって!?...まさか!!」
ルフェリアはこの魔物の異常性と正体に気付いた。先程部屋を調査した時にこのローパーの存在を確認できなかったこと、そしてどんなに魔物耐性が高かろうとねじ伏せる程の魔力を持つ黒炎の魔女の魔法が効かない事に。
このローパーには魔法の影響を一切受けない効果がかかっているのだ。
恐らくはこれが秘宝の正体だろう。これほどの魔法無効能力は長年のルフェリアの知識にも存在しない。
ルフェリアの魔術師としての驚愕が、彼女の運命を閉ざした。
ローパーはその外見からは想像も付かない早さでルフェリアの目の前まで飛び込んできたのだ。
「ひっ、こ、こないでぇっ!!」
咄嗟に無数の攻撃魔法と障壁を展開する魔女。普段なら不適に笑い、その自慢の胸を張りながらするそれは今は目の端に、涙を浮かべ肩を両手で抱くか弱い小娘のそれだった。
しかしローパーは怯える獲物事など気にしないし、彼にかけられた秘術は最強の魔法をそよ風以下の存在に変え気付きすらしない。
悠々と近づき無数の触手を伸ばし抵抗するルフェリアの極上の肢体に巻き付かせ拘束する。
戦いとなれば触れる事叶わずと言われたルフェリアはあっさりと捕らえられてしまった。
「わ、わたしが、こんなローパーなんかに...!」
最強の魔女たる自分が下等生物にこれから蹂躙される屈辱に震えるルフェリアだが、手足を縛る触手がぎちぎちと音を立て締め付けると歯を食い縛り悶絶する。
「うくあぁぁぁっ!!ぐぅぅぅっ!!」
手足を締め付けられ悶えるルフェリアの豊かな双丘に触手が巻き付き、そのまま絞り潰すかのようにきつく締め付けられた。
変形し触手からはみ出る乳房の肉はかなりエロティックだが千切れそうな痛みにルフェリアは情けない悲鳴と共に
暴れ出す。
「いだいぃぃぃっ!?お、おっぱい、おっぱいちぎれちゃうぅぅっ!!」
何10年ぶりに攻撃と言う物を受けた事もあり屈指の戦闘魔女は打たれ弱さを露呈し最早この時点でただ泣き叫ぶだけの性処理具と成り果てていた。
舌を突きだし涙と涎を撒き散らす彼女にローパーは次の段階に移る。
ずるんっと、ローパーの体内から一際太く大きい触手が姿を現し、魔女の両ふとももの間にねじ込み粘液をこすりつけながら絞られ歪んだ乳房の間を通りぬけルフェリアの整った顔に押し付けた。
「うぷうっ!?な、なんなのぉっ!?」
ローパーにそんな知能があるかは不明だが見せびらかしたのだろうか。
これからルフェリアはこの極太触手で胎内から破壊されるのだと。
ぴとり、と美女の胴回りは有ろうかと言う超極太触手は彼女の股間へとあてがわれた。
「ひいっ!?そ、そんなのっ、入らない!お願いっ、やめて...!」
ローパーの思惑に気づいてしまい顔面蒼白の女魔導師の恐怖に満ちた懇願は当然聞き入られる筈など微塵も無かった。
衣装ごとみちみちと音を立て圧倒的にサイズの違うそこに無理矢理挿入しようとされるだけで相当な痛みと恐怖がルフェリアを襲う。
穴よりも圧倒的に大きいそれはまず挿入するのは無理だろう。
しかし、彼女がそれに反応する前にローパーは恐ろしい解決法をもって応えた。極太触手に勢いを付けてぶちこんだのは勿論、彼女の四肢も同時に下に向けて引っ張ったのだ。
手足からはばきんっと、お腹からはぼこんっと音が響いた。
股間節と四肢の間接が同時に破壊され魔女の脳を苦痛というレベルを超えた激感が駆け抜けた。
「がっは!?」
一瞬だけ気を失うルフェリアだが更についでとばかりに四肢に巻き付いた触手はそのまま芸術品の様な美しい手足の骨を粉々に握り潰してしまう。
「ぎゃっ!!ああおおおおおおっっっ!!!?」
覚醒するも最早何をされているのかすらぽっこりとお腹の膨らんだルフェリアには理解できない。
最強の魔女の面影や思考は吹き飛び苦痛に悶え苦しむだけの存在に成り果てていた。
勿論、ローパーにとってはこれからが本番であり、極太触手のピストン運動が始まる。
「ごげおっ!!げぼうえっ!!こばばあっ!!...!!」
体内の骨や肉が砕ける感触を味わいながら完全に白目を向いたルフェリアは嘔吐しながら激痛に身悶える。
ルフェリアがちょろちょろと潰れた尿道から黄金水を垂れ流し始めるとそれを合図にした様に、肛門にも腕ほどもある触手を三本、一気にぶちこまれた。
「ぎゃひぃっ!!!し、しんじゃうぅぅぅっ!!!お願いだからもうやべでぇぇぇぇっ!!」
最早最期の力を振り絞り泣き叫ぶルフェリアの必死の悲鳴。
それはお尻から体内をかけ昇ってきた触手によって塞がれた。
「だずげ...ぇげぇぇぇぇぇぇっ...!!!!」
ずるんっ、と美女の口から触手が飛び出した。
異常すぎる責めにルフェリアの精神は限界だが、更に膣を犯す触手は腹を突き破る勢いの突き込みを強くし続ける。
やがて、爆発音としか思えない轟音が彼女の腹から響いた。
触手が射精したのだ。
「!!!!!」
熱く粘ったその汚液は一瞬で彼女の子宮を満たし、これ以上は膨らむ筈の無いお腹を破裂しないのが不思議な位膨らませた。
膣や肛門の僅かな隙間、口や鼻から、飛び出たへそからまで精液は溢れ、ルフェリアを悪趣味で淫らな噴水オブジェへと作り替えた。
無論、自身に施した防御魔法により常人よりも長持ちしたルフェリアもここまでが限度で、びくびく痙攣しながらその命を手放した。
その名を轟かせていた黒炎の魔女は人知れずダンジョンに消え、やがて誰からも忘れ去られた。
以上です。
私も筑紫さんの人のアリオーシュさん見てたら触手貫通したくなりまして。
トレジャーハンターものではないですが遺跡とか秘宝とかもぱく、もといオマージュさせて貰いました。
乙
抜いた
ちょっと方向性で迷ってるんだけど
リョナSSって設定・心理描写・情景描写とかみっちり書き込んだほうがいいかな?
俺自身は他人の作品の細かい設定や描写とか人間関係とか読み飛ばしちゃうほうだから
今まではそういうのは少なめにしてきたんだけどさ。
そっちのが好きな人多いようなら心がけてみようと思ってる。
それこそ書く人の文章能力とセンスが読む方と噛み合うか次第だから何とも言えん
自分で書いてみたいなら一度書いてみてから考えるのも手なのでやってみようか
ある程度細かい描写がある方が好きだな
細かいSSは一回さっと読んだあと二回目読むと気づいてなかった描写とかに気づいてそれで捗ったりするから何度でも楽しめる
俺が馬鹿なだけか
>>163
(;´Д`)スマネェ…
追いつめるところまでは書けたけど、リョナれるところになって良い責め方が出てこない
作中に明確な敗北描写が少ないキャラは書くのがムズいわ……
そういう時は一括投稿せずに
前後編に分割して様子見とかでもいいんじゃないでしょうか
ぴっちりスーツの女の子が滅茶苦茶にされる話が見たいなぁ
はじめまして。
何となくSSを書きたくなったのでやって来ました。
ロリ魔法少女が虫の怪物にボロボロにされる話です。
趣味全開の上、初めてなので至らない点も多いと思いますがどうぞよろしくお願いします。
ビルが建ち並ぶ町のなかを巨大なカマキリがゆっくりと歩いている。しかし騒ぎ立てるものはいない。なぜならここはこの世と異界のはざま。人間など居らず、そもそも普通の人には見えない場所なのだ。怪物が異界から侵攻してきても、町の人々は気づくことすら出来ないのだ。
だが異界の怪物がこの世に現れたことはない。異界を感知することができる魔法少女が怪物の侵攻を食い止めているからだ。
このカマキリと対峙する少女もその中の一人だ。魔法少女ホワイトステラ。まだ幼く、戦闘経験も浅い新米だが、低級の怪物なら一人で倒すこともできる。放課後が早く訪れる小学生は魔法少女達のなかでも重要な戦力であり、場合によっては中学生、高校生よりも多く戦闘することもある。現在も都合のつく魔法少女はホワイトステラだけであった。
「やぁっ!」
ホワイトステラか星をあしらった杖を振ると、魔力の塊が巨大カマキリに向かって飛んでいく。カマキリの動きは緩慢で魔力弾は次々とカマキリに直撃する。
ホワイトステラはフリフリの衣装とふわふわした薄茶色の髪を揺らしながらカマキリの周りを飛び回り、魔力弾を放つ。戦況はホワイトステラが有利であった。
「これなら私でも勝てる。でも先輩が来る前に終わらせないと」
ホワイトステラは優位に立ってはいたが、カマキリの防御力は高く、決定的な攻撃を与えられずにいた。このまま戦い続けても勝てるだろうが、それには長い時間が必要だろう。現れる怪物が一体とは限らない。中学生の魔法少女の仕事を増やしたくないと考えたホワイトステラは大技で一気に勝負をつけようと考えた。
「星の力よ……」
ホワイトステラはカマキリの正面に回り、これまでとは比べ物にならない大きさの魔力弾を生成した。ホワイトステラの魔力の半分以上をつぎ込んだ大技だ。今まで攻撃に耐え続けてきたカマキリもこれが当たれば無事では済まない。
「はあっ!」
ホワイトステラが杖を振る。必殺の一撃は真っ直ぐにカマキリに向かって飛んでいった。しかしその魔力弾がカマキリに当たることはなかった。カマキリはもう一つの移動手段を隠し持っていたのだ。
「うそっ……飛んだ!?」
羽を広げたカマキリが魔力弾の上を飛び越える。大人しく、男子の友達もいないホワイトステラは虫の知識はほとんど持ってはいなかった。
渾身の一撃を避けられ、呆気に取られるホワイトステラだったかカマキリは立ち直る隙を与えなかった。カマキリはホワイトステラの目の前に着地し、鎌を振り上げた。
「えっ……、あっ……」
カマキリが着地してようやく我にかえったホワイトステラだったが、戦闘経験の浅いホワイトステラは咄嗟の判断ができず振り上げられた鎌になにも対処できなかった。
目にも止まらないスピードで降り下ろされた鎌はホワイトステラをアスファルトの地面に叩き落とした。
「がはっ……!」
魔法少女の高い防御力で死ぬことはなかったが、ホワイトステラは大きなダメージを受けていた。特にギザギザの刃が直撃した左肩の服は破れて裂けたような傷ができていた。
「うっ……うぅ……」
ホワイトステラは地面に叩きつけられた衝撃と肩の傷みにうずくまってしまった。カマキリはお構いなしにホワイトステラに接近する。目を閉じて痛みに耐えるホワイトステラだったが、周りが暗くなったのを感じて目を開けた。彼女の目に映ったのは今まさに鎌を降り下ろさんとするカマキリの姿だった。
「ひっ……!」
ホワイトステラは反射的に飛行の魔法を使ってその場から飛び退いた。一瞬遅れて鎌が降り下ろされ、彼女のいたアスファルトの地面は粉々にくだけ散った。
間一髪で回避に成功したホワイトステラだが、痛みで乱された精神状態では高度な飛行魔法を制御できず。さらに追い討ちをかけるように砕けたアスファルトの破片が彼女に当たり、ホワイトステラは思うように飛べなかった。
「うぅ……えいっ!」
痛みに涙目になりながらもホワイトステラは攻撃を続けた。しかし大技の直後で魔力が枯渇しており、作り出される魔力弾は最初の半分ほどになっていた。威力はそれ以上に落ちており、カマキリの足止めにもなっていなかった。
「ど、どうしよう……」
このままでは魔力がなくなってしまう。そう考えたホワイトステラは攻撃を中止した。しかし中途半端な高度をふらふらと飛ぶホワイトステラはカマキリにとって最も狩りやすい状態だった。カマキリがホワイトステラを狙うように動きを止める。攻撃を察知するホワイトステラだが、うまく飛べず、回避ができない状態では、攻撃に備えて身を縮めることしかできなかった。
「うぅっ……」
攻撃に目を瞑って耐えようとするホワイトステラ。しかしカマキリの行動は彼女の予想を上回っていた。カマキリは両手の鎌を伸ばし、ホワイトステラを鎌で捕まえたのであった。
「あっ……えっ……?」
予想とは違う展開に着いていけず、ホワイトステラは混乱して周りを見渡した。捕まっているとこに気付き、抜け出そうと抵抗するものの、腕も足も押さえられて少しも動けなかった。
「は……放して!」
ホワイトステラの無力な抵抗を意に介さず、カマキリは彼女に顔を近づけた。そして鋭い歯が並んだ口を開いた。カマキリが獲物を捕らえたならやることは一つ。虫の知識に乏しいホワイトステラでも理解できた。
「え……やだ……やめて……やあぁぁぁぁぁ!」
必死の懇願が聞き入れられる筈もなく、カマキリの歯はホワイトステラの左肩に食い込んだ。
「があぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
傷口を抉られ、ホワイトステラが悲痛な悲鳴を上げる。魔法少女の防御力によって食いちぎられることは無かったが、カマキリは何度も彼女に噛みつく。ホワイトステラはその度に悲鳴を上げた。
「はぁ……はぁ……う……あぁ……」
しかし声が枯れ果て、次第に悲鳴も掠れて聞こえなくなっていった。繰り返す噛むことによって肩の傷も深くなりカマキリは止めとばかりに大口を開けた。しかし……
「みっともない悲鳴が聞こえると思ったら、貴女だったのね。ホワイトステラ」
声が響いた瞬間、カマキリの両腕、そして頭が落ちた。ホワイトステラの体はカマキリの腕と共に地面に落下した。斬撃の主、青いレオタードの上から軽い鎧を装着した中学生ほどの少女がホワイトステラに近づいた。
「この程度の怪物相手に足止めしか出来ないとは、期待外れだわ」
少女はうつ伏せに倒れたホワイトステラを蹴り転がした。そして涙にまみれた顔を軽蔑したように見下ろす。
「ここで力を使った私は今日の討伐に参加できないわ。どうしてくれるの?」
荒い息と時々混ざる嗚咽によって不規則な呼吸を繰り返すホワイトステラに返事をする余裕はなかった。むしろ先輩からの叱責と情けなさによってさらに涙が溢れ、呼吸も乱れた。
「あんまり邪魔になるようだったら、魔法少女辞めてよね」
少女はそれだけ言ってその場を去った。先輩の為を思って行動した結果、却って先輩の足を引っ張ってしまった。その事実に傷ついたホワイトステラは傷が治るまでの間、咽び泣くことしかできなかった。
以上になります。私の許容ラインが低いため、責めが手緩かったかも知れませんが、お気に召していただければ幸いです。
>>181
乙でした。
個人的には殺る所まで言ってほしいけど先輩の容赦ない追い討ちと言い良いソフトリョナでした。
次は青い子も酷い目に遭うんですよね?w
>>182
感想ありがとうございます。死亡とかグロはあまり得意ではないのでこの形になりました。
青い子ですか?もちろんリョナりますww
ですがその前にホワイトステラちゃんが無惨に殺されるifストーリーを書こうかと思ってます。
>>183
おお…どっちも期待
ロリ魔法少女が援軍が間に合わずに無惨に殺されるifストーリーを投稿します。>>179 から分岐して続いていますので>>177 から続くSSの後にどうぞ。
ようやく授業が終わり、中学生の少女は鞄を手に急いで教室を出た。彼女は魔法少女のひとりだった。誰かが戦い初めてから既に長い時間が経っている。苦戦しているならば援護しなくてはならない。
「ねぇ、待ってよ」
しかし、少女のクラスメートが少女を制止した。
「なに?急いでるんだけど」
「今日日直でしょ?」
言われて思い出す。少女は前回も日直の事を忘れて戦闘に参加していた。魔法少女は重大な指名だが、日常生活を疎かにするようでは失格である。
「ごめんなさい。忘れていたわ」
少女は教室に戻っていく。その選択が一人の魔法少女の命を断つことになるとは知らずに。
とうとうカマキリの歯がホワイトステラの肩を貫いた。カマキリ歯を合わせたまま頭を降り、左腕を食いちぎった。
「う……あ……」
もはや抵抗する体力も無く、ホワイトステラは呻くことしかできない。そしてそんなホワイトステラの体に変化が怒った。身に纏っていた白い衣装が光の粒になって消えていった。後に現れたのは淡いピンクのワンピースと赤いランドセルを背負った少女だった。修復不能な傷の回復に残った魔力を全て使いきり、変身を維持できなくなってしまったのだ。左肩の止血には成功したが、魔法少女の防御力は失われてしまった。
少女ぐったりと体を弛緩させ、さらに失禁すらしていた。溢れた尿はワンピースを汚し、カマキリの鎌を伝って地面に落ちる。しかしカマキリは自慢の鎌を汚されたことが気にくわなかったようだ。カマキリは少女を思いきり地面に叩きつけた。
「あぐっ……!」
ランドセルはバラバラに砕けたがそれがクッションになり、少女は辛うじて死ぬことはなかった。しかし全身を強く揺さぶられた少女は逃げることはおろか、逃げることすらできないだろう。
「ひうっ……うぅっ……やだ……やめてよぅ……」
少女は掠れた声で懇願し、止めどなく涙を流す。しかしその懇願が聞き入れられることはない。カマキリは巨大な鎌を少女の腹部に向かって降り下ろした。
「がっ……!」
鎌は少女の柔らかな腹部を容易く貫通し、地面に突き刺さった。少女の口からは血が溢れ、ワンピースの胸元を赤く染めた。
「は……ひ……」
もはや言葉を発することもできなくなった少女は残った右腕で穴の空いたお腹を押さえた。その瞬間、再び鎌が降り下ろされ、少女の右腕ごと腹部を貫いた。
「ごほっ……!」
少女の右腕は砕けて腹部の肉と混ざりあい、傷口は更にぐちゃぐちゃになる。カマキリはそれから五回ほど少女の腹部を攻撃すると次に少女の右足に狙いを定めた。鎌が降り下ろされ、ワンピースに隠れた足の付けねに突き刺さった。少女のか細い足は完全に胴体と別れてしまった。カマキリは少女の左足も切断すると、少女の両足を揃えて口に入れ、バリバリと噛み砕いた。カマキリの口から漏れた少女の血が少女自身に降り注ぎ、その柔らかな髪を濡らした。
カマキリは最後に達磨になった少女の体を持ち上げ顔の上に高く掲げた。そして少女の体はゆっくりとカマキリの口に飲み込まれていく。
「い……や……」
少女の最期の呟きが誰かの耳に入ることは無かった。
カマキリが口を閉じる。少女の視界は闇に閉ざされ、その直後に意識も途絶えた。
以上です。グロと死亡は苦手なのであまり上手では無かったかもしれません。
うう…切断は苦手じゃ…でもこれは結構興奮する…
>>189
感想ありがとうございます。
私も苦手なので上手く書けたか心配でした。
もっといい表現を書けるよう精進します。
久々にシンプルな首吊りSSとかも読んでみたいな
美女が絞殺されて垂れ流し…みたいな
>>191
触手リョナの人です。
出来たよ!絞首刑SS!!
オリジナルのダークエルフのお姉さんが首吊られるSSを投稿させてもらいます。
大のスカトロありなので注意して下さい。
帝国首都の城下街。
天気の良い昼下がりの中央広場に設置されているのは剣呑な絞首刑台。
その刑台の前には何百人と言った住人が押し寄せ賑わっていた。
これから処刑される罪人、ダークエルフの美女の見物に。
帝国が今よりも力を付けるよりも前に行われた亜人狩り。
本来は反乱分子の鎮圧の為に行われたそれはいつしか手段が目的に代わっていた。
人間に近いが頑丈だったり何より美人揃いの彼らが辱しめられ殺される姿は下手な娯楽よりも国民の心を掴み、今では月に一回は亜人を見世物として処刑するのが当たり前となっていた。
つまり刑台の上の女は無実の罪所か黒エルフの美女と言うだけで衆人監視の中処刑されるのだ。
それも建前の罪すら無く、本当にそれだけで。
帝国の野蛮さは噂には聴いていたがこれ程までとは。
首都の近辺に訪れただけで捕らえられた旅のダークエルフのラウィーネは理不尽な怒りと絶望にそのすらりと背の高く、豊満な肢体を震わせていた。
ダークエルフの特徴である上質のハチミツを連想させる褐色の肌と長く尖った耳。膝程まで伸ばした銀絹の様な白銀の超ロングヘア。
そのほっそりしながらも女らしく肉も付いた手足には黒のロンググローブとニーソックス、その上に白銀のミスリル銀糸を編んだ簡素な小手とサンダル。
ばんと大きく張り出した見事な爆乳は極薄だが強靭な魔獣革の黒ビキニ。
その下の美しくくびれ、うっすら筋肉の付いたお腹までは透けたタイツ状の薄布で覆われており、むちぷりと無意識に色気を振り撒くお尻と股間は薄布の腰巻きとIバックの大胆で扇情的な衣装。
それから彼女の両手足首には金のリング、洒落たアクセサリーに見えるがその実彼女の魔法を封じる枷が嵌められていた。
ここ最近の「出し物」でも極上の亜人であり今日の処刑にはむしろ勿体無い代物であった。
ラウィーネの首に帝国兵が縄をかけると途端に歓声と野次が上がる。
はやくやれ、もう我慢できない。その女の無様を見たい...。
嗜虐趣味前回の異常な帝国民にラウィーネが嫌悪を覚えたのも束の間、早くもダークエルフの処刑は執行された。
何の前触れも、前置きも無く、ラウィーネの立っていた落とし床が開き、絶世の美女エルフの細首に縄が食い込む。
「げひゅっ!?」
空気の抜ける様な無様な悲鳴が目を白黒させるラウィーネの口から漏れた。
...ダークエルフの絞首刑が始まったが急な落下による頸椎圧迫、骨折による即死、及び気絶を防ぐ為、床が抜けた時帝国兵が彼女を支えた為この黒エルフの窒息ダンスはかなり長持ちする予定だ。
「がはあっ!ご、ごげぇっ、ぐ、ぐるじっ、こ、こっ、これがぁっ、人間のすることなのぉっ!?」
絞首刑にしては珍しく、手足は自由な為美脚をバタつかせ、首に食い込む縄を両手で掴み本能的に死から逃れようとするラウィーネ。
窒息と死の恐怖から全身にかいた脂汗が只でさえエロティックなダークエルフをより妖艶に染め上げる。
「か、かはぁぁぁっ...!!あ、あぁぁっ、ぐぅぅぅっ...!!!」
既に褐色の美しかった顔を赤黒く変色させ口の端から泡を吹き始め目は白目を向き始めるラウィーネ。
びくっ、びくっ、とそれまでの抵抗とは別の危険な痙攣が多くなっていく。
本人の意思とは不本意に乳首を尖らせ死に逝く極上の美女エルフに観客は静かに、しかし興奮を隠せない。
「だ、だずげぇ、だずえげぇっ」
辛うじて絞り出した命乞いを最後にエルフの全身から力が抜け、儚い抵抗を続けていた細腕が力無く垂れ下がった。
それにより首の縄がより強く食い込み、ラウィーネのトドメとなった。
「へぎゅぅぅぅぅぅっ...!!?」
情けない悲鳴を上げ反射的にがばぁっと脚が跳ね上がるとラウィーネの全身を凄まじい痙攣が襲い、特に胸の見事な双丘が暴れまわった。
ビクビクビグンッ!!
ぷしゃあぁぁぁぁぁっ...。
ぶぱっ!!ぶびりりりりっ!!!
何度目かの痙攣の後、彼女は失禁してしまう。
暴れてる内に腰布が右脚に絡み付いてしまい、股間部が露になりちょろちょろ垂れ流す黄金水もお尻から溢れる汚物もばっちり見せつけてしまっていた。
最悪な事にほぼ意識は失いかけもう死ぬ所まで来ているのに自分が尿は勿論脱糞までしている事を自覚してしまった。
そして、その羞恥と死の恐怖と絶望を抱きながらラウィーネの意識は永遠に閉ざされた。
「あっがっ...ひゅーっ、ひゅーっ、ひゅーっ...」
ぎしぎしと縄に揺れ、小刻みに痙攣しながら上げる苦しげな声もやがて止まる。
今月の亜人吊りは大盛況の内に終わった。
ラウィーネの死骸は保存の魔法をかけられ美しいまま来月まで放置される。
あまりにも不運なダークエルフの人生は娯楽の為だけに終わった。
以上です。
腹ボコォの衝動に駈られましたが何とか首吊りだけで済ませました。
死ぬまでやる首吊りは始めてだったのでこれで大丈夫かちょっと不安ですw
素晴らしいです!!
ありがとうございます、いいもの見させてもらいました!
首吊りって本当に無様ですね〜
フツーの女子高生みたいなキャラが首吊りになるのも興奮しますけど、エルフってのも良いですな
練習したいからなにかお題が欲しいです。
>>195
感想ありがとうございます。作者です。
無様エロくて良いですよね、首吊り。
現代系の女子高生は設定考えるの逆に難しいのとあんまエロい格好してないので、ファンタジーなのと吊られそうな、て事でエルフになった感じですね、探せば結構吊られてますし。
>>196
じゃあ触手系のボコォエリョナで
あんまりおなじネタばかりだと表現がワンパターンになってしまう気がするのですが
>>198 うーむ、ここに来て日が浅いのでどういったものかよくわかりません。詳しい説明をお願いします。
>>200
たぶんだけど
触手をちんぽ的な感じで突っ込まれて腹ボコっていうシチュ
>>201 ようするに腹が不自然に膨らむように触手捩じ込んで犯せばいいってことですね。了解しました。
>>198 あと詳しいシチュの指定とか、逆にやらないで欲しいことが有ったら教えてください。
>>203
いや、お題受けてくれるだけで嬉しいので大丈夫です。
分かり辛かったようで申し訳ないです。
斬首なんかもお願いしたい!!
触手ボコォできました。うーん、難しいですね。
森の中の小川で一人の少女が洗濯をしていた。艶やかな黒髪が真っ直ぐに伸びていて幼いながらもある種の色気の様なものを放っていた。
しかし最も目を引くのはその格好であった。彼女はこの国の神官の服装をしていたが下半身に何も身につけておらず、その毛一つ生えてないツルツルの秘部が丸見えになっていた。
彼女は駆け出しの冒険者であり、見習いの神官であった。彼女の役目は回復であり、新米の彼女は戦う術を何も持っていなかった。
勉強のためにベテランのパーティーと行動を共にしていたが、素早い敵が前衛を抜けて彼女は攻撃を受けた。攻撃を受けるのが初めてであった彼女は恐怖により失禁してしまい、今後始末を行っている所だった。
そしてそんな彼女の背後から一匹のローパーが接近していた。戦いの恐怖と失禁した恥ずかしさで精神がいっぱいだった少女にローパーに気付く余裕は無かった。
ローパーが少女の真後ろまで接近し、水面に映ったところで少女はようやくローパーに気が付いた。
「あっ......」
少女は悲鳴をあげかけたが思いとどまってしまった。今悲鳴をあげたらパーティーメンバーに自分の姿を見られてしまう。
しかしその判断が命取りだった。ローパーの触手が素早く少女の口に触手を突っ込み、少女は声をあげることができなくなってしまった。
ローパーはさらに少女に抵抗する隙を与えず両手両足を拘束すると静かにその場を離れ、巣に戻っていった。
ローパーは巣である洞窟に帰ってくると少女を中に放り投げた。
「きゃっ!」
少女は悲鳴をあげて洞窟の床を転がる。そしてゆっくり起き上がると襲撃者の姿を見た。
「なにあれ......」
まだ駆け出しの少女は魔物の種類を殆ど知らなかった。そして敵が未知の存在であることが更に少女の恐怖を強めた。
ゆっくりと迫るローパーに少女は背負っていた杖を構えた。しかし少女は恐怖から足に力が入らず、立ち上がることすらできない。
ローパーが更に近づくと少女は恐怖から目を瞑ってしまった。これでは戦いにすらならない。
「ぐすっ......ひぐっ......」
少女はとうとう泣き出した。ローパーは少女の目の前に移動すると少女を触手ではね飛ばした。
「ああっ......」
少女の唯一の武器であった杖は簡単には手から離れ、遠くに落下した。
少女は取りに行こうと地面を這ったが、触手が少女の足に絡み付いた。そしてローパーの目の前に引きずりよせる。
ローパーは触手を鞭のようにしならせ、少女の体を打った。
「うっ......あっ......いやぁ......」
少女の悲鳴があがるたびに神官の服は裂け、少女の肌に血が滲んだ。
ローパーは少女がぐったりするまで鞭打つと触手を足に巻き付け少女の体を持ち上げた。
そしてひときわ太く、大きな触手が少女の剥き出しの秘部にあてがわれた。
「え......?やだ、何をするの?」
少女に性知識は無かったが、恐ろしいことが始まることは理解できた。
ローパーは怯えた声をあげる少女に構わず、触手を少女の秘部に捩じ込んだ。
「あ......、痛い......」
少女の幼い秘部は触手を受け入れるには小さすぎる。しかしローパーはお構いなしにグリグリと触手を捩じ込んでいく。
そしてある程度入ったところで触手は動きを変えた。
「がっ......!」
ローパーは少女の足に巻き付いた触手を思い切り引っ張り、同時に太い触手を思い切りつきだした。
少女の腹部は不自然に膨れ上がった。
「あ......が......」
腹部の圧迫感に少女は自分の手を腹部へ回した。そして膨らんだお腹を感じとると戦慄した。
「いや......抜いて、抜いてぇ......」
泣きながら懇願する少女だがローパーは聞くことなく太い触手を前後に動かし始めた。
少女は激痛に襲われ、声をあげることも出来ない。洞窟内にはしばらくの間、物を叩くような鈍い音が響き渡った。
少女は白目を剥き、口からは血をだらだらと垂れ流していた。ローパーのピストン運動は少女の内蔵に甚大なダメージを与えていた。
ローパーがひときわ強く触手をつきだす。同時に鈍い音を立てて少女腹部が更に膨れた。ローパーが射精したのだ。
子宮に大量に注ぎ込まれた精液は少女の内臓を強く圧迫した。それが致命傷になり、少女は血を吐いて息を引き取った。
ローパーは少女の死体から触手を引き抜く。広がってしまった穴からは精液がドロドロと流れ出てきた。
ローパーは少女の絶命を確認すると興味を失った様に放り捨て、次の獲物を探して巣を出ていった。
以上です。だいぶ趣味が入りました。
普段エロは書かないので苦戦しました。
>>205
斬首っていうと斬首刑でしょうか?
>>209
斬首刑でも良いですし、殺人的な感じでも良いですし…
>>207
乙です。
完全に物扱いにされてる女の子に興奮しました。
>>211
感想ありがとうございます。
気が付くと戦闘力が低いor無い女の子がなすすべもなく……な展開を書いてしまいます。
斬首って一瞬で切るべきか、それとも多少時間がかかっても良いものか……。
人間の筋力だけで首を完全に断つのはかなり時間がかかると思うが考えすぎか。
>>213
何に重きを置くかじゃないかな
スパッといっちゃう時は斬る瞬間にどうこうではないからその直前までの精神的?リョナ
ゆっくり斬る時はしばらく地獄の苦しみだから物理的リョナの描写になるのかなあとか思った
単純に斬首と言っても色々ありますからねー。
一瞬でもギロチンとかで固定して落とされるなのか達人や怪力の技で首を飛ばされるのじゃ違いますし。
戦闘中か勝負が着いたトドメでもまた違いますし。
好みで良いとは思いますが。
と言うかフィクションでどうこう言い出したら切りが無いですw
>>214
なるほど。参考になりました。とりあえずスパッで書いてみます。
お嬢様キャラみたいな子の斬首も良いよな
斬首できました。
短いです。
ある村の外れに一軒の鍛冶屋があった。大きな店では無かったが、扱う刀の切れ味がいいこと、そしてなにより店の鍛冶屋が若い少女であることで人気があった。
時刻は夕方、分厚いエプロンをつけたポニーテールの少女が店を閉める準備をしていた。彼女がこの鍛冶屋の店主である。そこへ一人の男が訪ねてきた。
「店はまだ開いているか?」
「え、はい。いらっしゃいませ」
少女は閉店の準備を一旦やめて男を店に招き入れた。
男は店に入ると直ぐに少女に尋ねた。
「この店で一番切れる刀を出してくれ」
「はい!」
少女は元気よく返事をすると壁にかかった黒い刀を取り出すと男に手渡した。
「これです。素材が希少なので値段が高いんですけど……」
「構わん」
男は大量の金貨を取り出すと少女に渡した。
「これで足りるか?」
「え……、足りるっていうか、多いんですけど」
男は少女の言葉には取り合わずに刀を鞘から抜いた。そして黒く光る刀身を眺めるとニヤリと笑った。
「あの、お客さん。お店で刀を抜くのは……」
それを見た少女が困ったように声をかける。しかし少女は言葉を最後まで言うことが出来なかった。
「ひゃっ!」
男が突然刀を振る。驚いた少女は後ろに倒れ、尻餅をついてしまうが、そのために殺されずにすんだ。しかし少女の柔らかい頬は浅く切られ、血が滲んでいた。
「ひ……なんで……」
「悪いな。試し切りがしたくなった。ちょっと首を切らせてくれ」
怯える少女に男は淡々と答えた。
「いやぁっ!」
少女は悲鳴をあげて店の奥に逃げ出した。ドアを閉め、ロックをかける。しかしそれは全くの無意味だった。男が刀を振るとドアは簡単に切り裂かれた。
「いやっ、来ないで」
男が再び少女の首を狙って刀を振る。少女は直前に男に背中を向けて逃げ出した。刀はポニーテールを切り落としたものの、少女の首には触れなかった。
「動くな、切りにくい」
男は少女を追いかけると肩を掴んで強引に振り向かせる。そして少女の腹部を思いきり蹴った。
「うっ……!」
少女は苦しげに顔を歪ませるとお腹を押さえて崩れ落ちた。男はさらに刀の鞘で少女の顎を打った。少女が床に倒れる。脳を揺さぶられたため、しばらくは立てないだろう。
男は壁に少女を寄りかからせると刀を少女の首もとに当てた。
「ぐすっ……やだ……、やめて……」
少女は泣きながら懇願する。男はそれに構わず刀を振り上げる。
「いくぞ」
「いやっ!待って!何でもす……」
男が刀を降り下ろす。少女は命乞いすら最後まで言わせてもらえず、華麗な顔は体から離れて床に落ちた。首からはシャワーのように血が吹き出し、少女のエプロンを真っ赤に染めていく。
「なるほど、最高の刀だ。よかったな鍛冶屋。自分の手掛けた武器に殺される気分は最高だろう」
男はそれだけ言うと刀に着いた血を払い、鞘に戻すと静かに店を出ていった。
以上です。
テーマ自体が死に直結しているので難しいですね。
おーちょっと見ないあいだにいいの投稿されてるじゃん
引き続きお題を募集します。
細かい条件も出来る限り対応します。
是非丸呑みをお願いします
>>223
了解です。
何か希望は有りますか?
子供用アニメのキャラが首吊りとか真っ二つとか悲惨な目に合うと興奮するwなんでだろ
お題の人じゃないけどもうちょっと外見描写してほしいな。
横からで良ければぴっちりボディスーツの戦闘ヒロイン系で呑まれた後全身の骨を折られてから吐かれる感じでお願いします。
>>163
クライマックスまで来ました
今週土日には投下できそうです
>>227
おお!待ってました!!
>>226
うーん、ぴっちりスーツ自体よく知らないので幾つか例をあげて頂けると助かります。
俺もぴっちりスーツよくわかんないけどアベンジャーズのブラックウィドウはそれに該当する?
http://i.imgur.com/Ug6Gar3.jpg
この人のリョナ全然ないから>>226 じゃないけどこのヒロインをリクエストしたいなー
だいじょうぶかな
>>229
ぴっちりスーツとは、着用者の体にぴっちりと密着するスーツの事である。
(ピクシブ百科辞典より)
定義は曖昧で生地が薄目で着用者のボディラインをはっきりさせる服装が一般的。
全身タイツやレオタード、ロボットもののパイロットスーツ、ヒロインのコスチュームなどが該当します
例を上げるとメトロイドのゼロスーツサムス、ドラクエ3の僧侶、エヴァのプラグスーツなど。
>>230 も入るかな?
これはぴっちりスーツに入りますか??
http://dengekionline.com/elem/000/001/276/1276059/youkai3_022_cs1w1_400x.jpg
https://youtu.be/bJuR7EZF9k8
これとか
すいません。リクエストを募集した者ですがリクエストが縦に重なって書くのが困難なのでとりあえず>>223 以外のリクエストは今回拾わないことにします。
>>223 の人から特に指定がなければぴっちりスーツだけ使います。
クレア×リサ・トレヴァー(ちょっぴりシェリー)
長いので、分割で投下しま。
クレアとシェリーは、行く手の細道におぞましい怪物の影を見た。
ゾンビとも、リッカーとも明らかに異なる怪物である。
両手には枷、足から鎖を引き摺り歩く、肉塊。
鈍重に二足歩行をする肉塊は、おびただしい数の人間の皮のようなもので覆われており、その表情は確認できない。
肉塊は、クレアとシェリーの姿を確認すると、寂しそうな、どこか嬉しそうな、呻き声をあげ、彼女達の方向へ接近を始めた。
「シェリー、隠れて!!」
クレアは、肉塊が、危険な怪物であると判断し、シェリーに避難を指示する。
「クレア、大丈夫だよね?死なないよね?」
本能的に肉塊の異質を感じたシェリーは不安げに涙を浮かべながら、クレアに縋る。
銃を構えながら、クレアは少女に対し、笑みで応える。
「大丈夫。私が勝つわ。だから隠れて。何があっても絶対に出てきちゃだめよ。」
「でも、、、クレア、、、」
「シェリー、はやく!!!」
シェリーは2度コクコクと頷くと、踵を返し、部屋の後方、空のコンテナの中に身を隠した。
クレアはシェリーの退避を確認すると、肉塊に向かい合った。
「来なさい、バケモノ。私が相手よ。」
シェリーは、コンテナの中、目を瞑り、耳を塞ぎ、時が過ぎるのを待った。
怪物に勝利したクレアが、「もう大丈夫よ、シェリー」と肩を叩いてくれるのを待った。
いくつかの銃声が塞いだ耳にも響いた。
最後の銃声からどれだけ時間が経っただろうか。
訪れた静寂に、シェリーは恐る恐る塞いだ耳を開放し、閉じた目を開いた。
その瞬間。
「ひいいいいいいぃぃぃゃやあぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!」
女の絶叫が部屋中にこだました。
その絶叫は無論、クレアのものであるが、あまりにも恐怖に満ちた叫び声に、
シェリーにはクレアの声であると信じることができなかった。
それでも、シェリーは、すぐさまコンテナを飛び出した。
部屋の中央、肉塊との闘いに敗れたであろうクレアに、肉塊が馬乗りになっている。
何をしているのかは分からないが、クレアは、その長い脚を弱々しくバタつかせている。
「あああぁぁぁあああああぁぁぁああああ!!!!!やめ!!やめて!たすけてぇぇぇぇえええ!!!!」
クレアは、再び、巨大な絶叫を挙げた。泣き叫ぶように。請うように。
あの強く、優しく、勇敢なクレアが怪物に慈悲を請うている。
シェリーは信じたくなかった。
暗がりに目が慣れ、何が起こっているかを把握したシェリーは、
腰のたがが外れ、その場にくずおれた。
肉塊は、力任せに、無造作にクレアの顔の皮を引っ張っていた。
その両足でクレアの両肩を踏みつけ、
クレアの顎元を、しっかりと両手で掴み、ただ、ただ、力の限り、クレアの顔の皮を・・・
「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!いやあああああああ!!!!」
「おねがい、たすけて!!!!たすけてぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
クレアの絶叫も意に介さず、怪物は淡々と、その怪力でもって、顔の皮を剥がすことに集中する。クレアの顎元からは、鮮血があふれ出ている。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
過去最大の、一際凄まじい絶叫が響き渡った瞬間。
ベリ
マジックテープを剥がすような音と共に、
クレアの顔の皮は、クレアから離れ始めた。
ベリベリベリ
血が、吹き出す。
「ご!!ごぼ!ぼおおおおええええええええ!!!!」
クレアの悲鳴も、下水のような濁声に変わる。
ベリベリベリ
「んぼおおおおおおんんんびぃいぃぃぃいいいいいいいい」
もはや、鳥がさえずるような、クレアの声ではない。
クレアの体が、激しく痙攣する。
「うううぅうぅぅぅぅぅうううぅぅぅ!!!」
クレアの、顔の皮が、額付近まで剥がれた頃には、
悲鳴は呻き声に変わり、
クレアは力なく、肉塊にされるがままとなっていた。
痙攣も弱々しいものとなる。
ベリベリベリ
クレアの顔の皮は、完全に剥がされると共に、クレアの頭部は、「ゴン」と地面に打ちつけられる。
クレアの美しかった顔は、人体模型のごとく、目玉が飛び出し、筋線維はむき出しとなった。
おびただしい鮮血が流れ、血だまりを形成している。
彼女の長い脚は、微かに、ピクピクと痙攣を見せるも、もはやそれは彼女の意思ではない。
クレアは、既に絶命していた。
・
・
・
肉塊は、嬉しそうに、剥がしたばかりのクレアの顔の皮を眺めた。
顔の皮のみでも、生前の美しさが際立つ。
怪物は、剥がしたばかりの戦利品をしばらく眺めると、ため息をついた。
またか。母ではない。
しかし、肉塊は、すぐに動きを再開する。
まだ、すぐそこに女がいるじゃないか。
今度こそ、母かもしれない。
1分後、再び、凄まじいまでの少女の断末魔の絶叫が響き渡った。
完
>>237
乙です。
なかなかエグいですね。
お久しぶりでございます筑紫の人です
格上の敵キャラにやられる筑紫の話が完成したので投下します
夜、筑紫が部活を終えて家に帰ってきた。あいつは浮かない表情をしているようで、何だかいつもより元気がないような気がする。
よく見なければ分からないような些細な変化だが、付き合いの長い俺には分かった。俺好みのずっと眺めたくなる表情だが、とりあえず理由でも聞いてみるか。
「元気だけが取り柄のお前が暗い表情してどうしたんだ?」
「お兄ちゃんって私には結構酷いこと言うよね……」筑紫は溜め息を吐くと「クラスの子と喧嘩しちゃったんだ……。今日でもう十回目だよ……」
「十回って……お前はそういうタイプじゃないと思ってたが、学校だと案外キレやすいのか?」
「誤解しないでお兄ちゃん。喧嘩って言っても殴り合いとかじゃなくって、単なる口論だよ」
「口喧嘩だとしても、お前がそういうことするのは想像できないな。今まではそういうことなかったのに、問題児でも転校してきたのか?」
とりあえず俺は考えうる可能性を口にする。驚いた筑紫の反応を見るに正解のようだった。
「お兄ちゃん凄いね。あまり人のことを悪く言いたくないけど……まあ、そんなところだよ……」
「で、どんなやつなんだ?」
「お兄ちゃん、どうしたの? やけに食いついてさ」
「いやな。可愛い妹が心配になったんだよ」
「そんなことちっとも思ってないくせに……。でも、嬉しいよ。ありがとう」
筑紫が愛らしく微笑する。見るものが見れば見惚れる笑顔だろうな。結局、筑紫は肝心なことを言わないで、自分の部屋に行ってしまった。
後で転校生のことを問い詰めても「陰口を言ってるみたいで嫌だし、それに私のクラスの問題だからと」と詳しいことを教えてくれなかった。
筑紫がああなるような相手、少し気になるな。かなりの精神的苦痛を伴うが仕方がない。俺の手で調べてみるとするか。
私立白楼高校――県内有数の進学校で俺が絶望を味わった場所でもある。現在、俺はそんな忌避すべき場所にいた。
今は昼休みだ。二年も不登校だったから、周りの棘のような視線が辛い。校内の人混みや建物の雰囲気で頭が痛くて吐きそうだ。正直言って今すぐ帰りたい。
筑紫のやつは俺に学校に行くように毎日言っていたが、あいつ俺の気持ちも知らないで軽々しくぬかしやがって。畜生が。思い出すと、イライラしてきた。
檻みたいな教室を出て、邪魔くさい人混みをかわして、階段を降りて校舎の二階に行く。校舎二階は二年生のいる階、つまり筑紫のクラスのある階だ。
「高峰さん、久しぶりです」
昔、所属していた電脳部の後輩にでも聞き込みしようとした時、声をかけられた。女の声だった。
黒髪で癖毛のショートヘアー、黒縁の眼鏡が似合う純朴そうな少女――筑紫の友人の牧瀬雫だ。
筑紫とは小学生からの付き合いで、筑紫の友人繋がりで俺も彼女とはよく遊んだことがある。
「久しぶり。最後に会ったのはいつ以来かな。随分と大きくなったね」
俺は本性を隠してなるべく愛想よく接する。金稼ぎの盗撮のために尾行したことはあったが、面と向かって雫と対面したのは何年ぶりだろうか。
筑紫が正統派な美少女だから地味めな雫は影に隠れがちだが、改めて見る彼女も中々可愛らしい。
「五年ぶりくらいですね。そうそう、お兄さんが学校に登校してくれたってつーちゃん大喜びでしたよ。あんなに嬉しそうなつーちゃん久しぶりに見ました」
「そうか。でも、俺は辛くて仕方ないんだよなぁ。今すぐ逃げ出したいくらいだよ。やっぱり、学習の遅れが酷くてね。もう、嫌になる」
「大変ですね……。辛いようでしたら、つーちゃんや私ができる限り協力しますよ。私も高峰さんにはちゃんと復学して欲しいですし」
雫の協力はともかく、大嫌いな筑紫の手を借りるのだけは死んでも嫌だ。世間話もそこそこに済ませて、俺はそろそろ本題を聞くことにした。
もう少し彼女との話を楽しみたいが、あまりもたもたしていると休み時間が終わるからな。
「ところでさ、最近、筑紫のクラスに問題児が転校したって聞いたんだけど、それって本当?」
雫は神妙な面持ちで辺りを伺うと小声で、「……すみませんが、場所を変えていいですか?」
俺は頷いて彼女の提案に従った。
雫の後に続くと、中庭に着いた。この中庭は大人数で遊ぶには狭く、ろくに手入れされていないため雑草だらけで、普通の学生はもちろんのこと体育会系の連中も寄り付かない場所だ。
こんな場所だから昼休みであっても当然人気はない。雫は花のない花壇に腰かけてから口を開く。
「ごめんなさい。廊下だとあいつの仲間に聞かれて告げ口されそうだから、場所を移しました」
「構わないよ。早速だけど、話を聞かせてくれないかな?」
「高峰さんは神代財閥って知ってますか?」
神代財閥は世界屈指の巨大財閥で、様々な分野に手を出して成功しており現在も飛躍を続けている超有名財閥だ。
新進気鋭の財閥で経済界に大きな影響を与えている存在だと言っても過言ではない。
「聞いたことはあるよ。世界クラスの財閥で、確か、この学校の経営も支援してるところだよね。それが何か関係あるのかい?」
「三ヶ月ほど前、私達のクラスに神代凪っていう神代財閥社長の一人娘が転校してきたんです。その子がとんでもない『暴君』だったんですよ……」
「その子はいじめっ子とか不良なのかもしれないけど、暴君って少し大袈裟過ぎないかな?」
「いえいえ。全然大袈裟じゃないですよ。いじめなんて言葉で終わらせるには生ぬるい暴力事件を私達の学年で既に何度も起こしていますから。
病院送りになって未だに帰ってきていない子もいますし……。今でこそ被害は二年生の間だけですけど、下級生や上級生に広がってもおかしくありません」
「ちょっと待ってくれ。そんな世紀末みたいな事態を教師が許さないと思うけど?」
「教師はアテになりませんよ。あいつのバックは神代財閥ですから、その気になれば権力で教師だろうが潰されるし、どんな不祥事も揉み消されます。
それにあいつ自体も物凄く頭がいい上に格闘技の天才なんですよ。だから、誰もやりたい放題のあの女を止められないんです……」
せいぜい質の悪い不良ぐらいかと思っていたが、思った以上にとんでもないやつが筑紫のクラスに転校したんだな……。話を聞いていると、暴君という呼び名も凄くしっくりくる。
「格闘技の天才って言っていたけど、どれくらい強いんだい?」
「あいつが誰かと試合してるところを見たことないから何とも言えませんが……国内の総合格闘技大会を最年少で優勝したことがあるって聞いたことありますね」
性悪な上に腕も立つのか……。これは面白いことになってきたな。
筑紫の性格的にいずれ二人の衝突は避けられないだろうし、その時、神代凪には筑紫を完膚なきまで潰して欲しいものだ。
「あいつのせいで私達の仲良しクラスはもう終わりですよ……。自分に従う人は傘下に置いて、自分に逆らう人は全て潰す。最近はあいつだけじゃなくて、あいつの仲間も調子に乗ってやりたい放題ですよ」
「そんな状態なら、筑紫の性格のことだし放っておかないんじゃ……」
「そうですね。つーちゃんは連中の素行を注意して、何度か口論になってます。あんなに怒ったつーちゃんは見たことないですね」
「そんな状態なのに意外なことに喧嘩にはならないんだね。凪って子は良い子ちゃんな筑紫に手を出しそうなのに」
「あいつ理由は分からないけど、つーちゃんのことを認めているみたいなんです。他の子はゴミクズ扱いなのに、つーちゃんだけは何故か一目置いているんですよ。
だから、つーちゃんとは事を構えていないんです」雫は立ち上がると、「もう少しお話をしたかったんですが、高峰さん、そろそろ授業時間になりそうです」
「残念だけどそうみたいだ。今度、ゆっくり話そうか」
授業時間が近づいてきたので、俺は雫と別れる。再び話の機会を作るために、別れ際に彼女と連絡先を交換しあった。
学校は相変わらず不愉快な場所だが、彼女と久々に話せたのだけは良かった。
「やっと終わったか……」
周囲の憐れみを向けるような視線に耐えて、ようやく一日の授業が終わった。これを毎日耐えるのはやっぱり無理だ(結局、後半の授業は保健室に逃げたし)。
雫には悪いが俺は絶対復学できそうにないな。このまま帰ろうと思ったが、一つだけやり残したことがある。俺は情報を聞いただけで、まだ神代凪を直接見ていない。
とんでもない危険人物だが、一度その姿を好奇心で見ておきたかった。下校時間からはまだそんなに経っていないことだし、筑紫のクラスをもう一度見てくるとしよう。
再び校舎二階に行くと、渡り廊下で二人の少女とすれ違う。一人はどこにでもいる大したことない女だが、俺はもう片方の少女の美しさに思わず振り返ってしまう。一瞬の対面だったが、彼女の美少女っぷりは強烈に印象に残った。
その少女は金髪碧眼で長い髪を一本の三つ編みのおさげにまとめていて、彼女は強気かつ生意気そうな笑みを浮かべていた。彼女の瑞々しく柔らかそうな肌は白人を思わせるほど白い。
少女は顔つきこそあどけなさが残っているが、身体の発育はよく女子にしては長身で、大きく膨らんだ胸には男ならば嫌でも目が行くことだろう。服装はきちんと着こなしているブレザーと薄い桃色のミニのプリーツスカート。
スカートから伸びる脚は太ももまでが白と黒のボーダーのニーソックスに包まれている。金髪の少女は明らかにその辺にいる学生達とは違うオーラのようなものがあった。
俺は直感的に彼女を神代凪だと確信し、彼女の後をつけることにした。彼女の後をつけていくと、彼女は廊下端の空き教室に入った。
ドアを僅かに開けてこっそりと室内を覗くと、そこには異様な光景が広がっていた。床一面に様々な濃さの血痕が広がっていたのだ。
「わざわざ呼び出して悪いねぇ〜」
金髪の少女がフランクな笑みを浮かべながらもう一人の少女に言う。もう一人の少女の顔には恐怖の感情が貼りついていた。
「わ、私……神代さんの気に障ることを何か……」
金髪の少女――神代凪は少女の右頬を何の迷いも容赦もなくグーで殴った。美少女がするとは思えない蛮行に俺は目を疑った。
派手な音を立てて殴られた少女が転倒する。凪は少女の口に爪先を突っ込むと、ぐりぐりと踏みにじる。
ドリルのように上履きをねじ込まれて、少女の口内は血塗れで歯がいくつか抜け落ちた惨めな状態になっていた。
(おいおい……マジか……。話に聞いてた以上にイカれた女じゃないか)
「がっ……えぇっ……」
「虫けらの癖にあたしが許可してないのに勝手に喋らないでくれるかなー? 返事は?」
凪の言葉に対して、少女はくぐもった声で返答する。
「そうそうあたしがアンタを呼び出して理由だけどさ、いつも通りのクズいじめだよ。正直言えば、相手は誰でもよかったんだよね」
「がっ……! うぇっ……」
凪は爪先を少女の口から引き抜くと、倒れている少女の腹部を何度も蹴りつける。
「相手は誰でも良いって言ったけどさ、アンタみたいな無能クズ女があたしのサンドバッグになれるんだから嬉しいよね?」
凪は倒れ伏せている少女に脅迫じみた視線を向ける。
「今が生まれてきて一番幸せな時だと思って笑いなよ。あたしの玩具ならそれくらいはできるよね? ちゃんとできたら、ご褒美に後遺症が残らないくらいには加減してあげるからさ」
凪はあろうことか自身がいためつけている少女に笑顔を強制する。少女は暴力の恐怖に屈服し、泣きながら笑っていた。
凪は倒れている少女を無理矢理立ち上がらせると、少女をサンドバッグにし始めた。乾いた打撃音と少女の痛々しい悲鳴が響く。
しばらくその様子を眺めていたが、後ろから足音が聞こえてきたので、俺は慌てて近くのロッカーに隠れた。どうやら、足音の正体は筑紫のようだ。筑紫は凪のいる空き教室に入っていく。
(何か起きそうだな……)
ロッカーから出て俺は、再び空き教室を覗く。筑紫と凪が向かい合っていて、既に一触即発の雰囲気だった。
「凪ちゃん! どうしてこんな酷いことばかりするのっ! 学校は無法地帯じゃないんだよ!」
「あちゃー。委員長にまたまた見つかっちゃったかぁ。ついてないなー。もしかして、反省文でも書かされるのかな?」
言葉とは違い凪はふざけた態度でへらへらと笑っている。ずっと思っていたが、クソ生意気な女だな。
筑紫以外で殴りつけて泣かしてやりたいと思った女は凪が初めてだ。
「いい加減にして! こんな暴力……やっていいことと悪いことの区別もつかないの!」
「おお怖い怖い。そんなに怒って可愛い顔が台無しだよ委員長?」
筑紫はかなり怒ってはいるが、暴力は振るわないのは凪が一応クラスメイトだからだろうな。
「……紬ちゃんが凪ちゃんに何かしたの?」
凪に煽られて筑紫はいくらか冷静になったのか、先ほどよりかは落ち着いたトーンで凪に問う。
「べっつにー。そのボロ雑巾は何にもしてないよ。あたしがただストレス発散のために袋にしただけ」凪はにやにや笑いながら、「前から言ってるけど、無能なクズを玩具にするの楽しいから委員長もやってみなよ。病みつきになるからさ」
「……凪ちゃんはそれ本気で言ってるの?」
「本気だよー。あたしや委員長は強くて優秀で選ばれた人間なんだから、他のゴミ共を玩具にしていいに決まってるじゃん。ていうか、何の取り柄もないやつが一時でもあたしの遊び道具になれるんだから逆に感謝して欲しいくらいだね」
なるほどな。凪の暴力性は歪んだ選民思想に起因しているわけか。下手な不良よりも始末に負えないな。
「……そんなの絶対間違ってる。そんな理由でこんなことしていいわけないよ」
凪が溜息を吐くと先ほどまでのへらへら笑いが消えて、途端に彼女は怖いくらい無表情になった。
「委員長は天才のあたしほどじゃないけど、中々優秀な子だって認めていたんだけどなぁ。だから、あたしは委員長には何もしなかったし、今まで委員長のウザったい注意や口論も我慢してきた」
凪は溜め息を吐く。「……でも、ここまで鬱陶しい女だとは思わなかった。そろそろぶっ潰しちゃおうかな」
凪の雰囲気が変わったが、まさかここでやるつもりなのか? 警戒した表情を見せ、半歩ほど退く筑紫だが凪が手で制した。
「早とちりしないでよー。こんなこじんまりした場所でやるわけないじゃん。あたしにここまで逆らったんだから、委員長は最高の舞台で無惨にすり潰してやるよ」
「最高の舞台?」
「……場所や時間はまだ決めてないけど、決まったら連絡するからさ、今度試合しようよ」
試合ねぇ、今すぐ殴り合いの喧嘩でも始まるかと思っていたから何だか拍子抜けの展開だ。
「天地がひっくり返ってもあり得ないだろうけど、委員長があたしに勝てれば何でも言うこと聞いてあげるよ。でも、あたしが勝ったら二度と学校に来れないくらいいためつけてやるからね」
凪の言う試合とはルールに則ったものではなく、試合の形をした処刑のようだな。それならば、俺としてはアリだ。
「どうする委員長? あたしとやり合ってみるかい? 怖いなら逃げてもいいんだよ?」
「やるよ。クラスメイトとこんな戦いしたくないけど、これ以上、凪ちゃんのことは野放しにできないからね。言っても分からないなら、私が凪ちゃんに勝って、凪ちゃんは間違ってるって教えてあげるよ」
売り言葉に買い言葉だな。何にせよ俺好みの展開になりそうだ。あとは凪が筑紫を最悪の形で敗北させれば完璧だ。筑紫はボロボロの少女を抱き抱えると踵を返した。
「そんなゴミクズ放っておけばいいのに、委員長は優しいんだねー」
「黙ってて。次、同じこと言ったら許さないから」
筑紫を見送る凪は、にやにや笑いながらも口をつぐむ。そろそろ二人が部屋から出そうだな。見つかる前に退散するとしよう。
次の日の夜、俺のスマートフォンに電話がかかってきた。かけてきた相手は牧瀬雫か。
「もしもし」
「……高峰さん、大変なことになりました。二日後の放課後、つーちゃんと凪が試合することになったんです」
「大変? 別に問題ないと思うけど。筑紫が勝てば、クラスを騒がせている暴君の鼻先をへし折れるんだしさ」
口ではこう言ったが、無論、俺は筑紫ではなく凪の方の肩を持っている。
二日後か。まさか、もう仕掛けてくるとはな。思った以上に凪の行動は早い。面白いことになってきたな。
「それはそうですけど……。でも、何だか嫌な予感がするんです……」
「まさか、筑紫が試合で負けるとでも言うのかい? 俺には筑紫より強い女の子がいるとは思えないけど」
「つーちゃんの強さは私もよく知ってます。私もつーちゃんが負けるところは想像できません。でも、もしつーちゃんが負けたら、あいつをどうにかできる人がいなくなっちゃう……。私はいためつけられるつーちゃんなんか見たくないです……」
筑紫のことを信頼していないんじゃなくて、信頼しているからこそ雫は心配なんだろう。
俺のクソ妹は牧瀬雫という良い友達を持って幸せ者だな。どいつもこいつも筑紫なんかのどこに惹かれるのか分からない。ちっ、イライラする。
「心配し過ぎじゃないかな。筑紫なら、大丈夫だよ。あいつは強いんだし、そんなやつ倒してくれるさ」
「高峰さん……今からでも遅くないですから、つーちゃんを説得してくれませんか? 私も一生懸命説得したんですけど、ダメでした……」
「多分、もう遅いんじゃないかな。もし、筑紫の方が試合を止めようとしても、向こうはそうはいかないだろうしね」
「もう、遅いんですかね……」
「残念だけど、俺達にできることは筑紫が勝つことを祈るくらいだろうね」
何か言いたげな沈黙の後、電話はぷつんと切れた。
試合当日、試合会場は学校近くのダンスホールだ。どうやら、凪は筑紫を潰すためだけにここを貸し切りにしたみたいだ。派手好きなやつだな。
広大なダンスホールの中央で照明に照らされている筑紫と凪は向かい合っていた。二人とも空き教室の時と一緒で制服姿だ。あの時と違う点は、凪は爪先から足首までを包む黒のショートブーツを、筑紫は愛用のスニーカーを履いていることだ。
円形のダンスホールに備え付けられている席は、全て埋まっている。客は筑紫のクラスメイトを始めとした凪に怨みを持っている生徒達、凪につき従っているいわゆる凪派の生徒、ただ騒ぎたいだけの野次馬など様々な客層がいた。
おそらく、この大人数を見るに、二年生だけでなく一年生や三年生も試合を見に来ているのかもしれないな。凪派と反凪派の生徒は今にも乱闘になりそうな険悪な様子だ。
この衆人環視は凪の言っていたようにまさしく「最高の舞台」だな。大衆の眼があるこの状況ならば、ただの敗北よりも多大な精神的ダメージを与えることができる。
俺と雫は運が良いのか悪いのか、二人を真正面から見れる最前列の席にいた。俺や雫の存在に気付いた筑紫は、笑顔で手を振ってきた。この笑顔が曇る瞬間が楽しみだ。
「もうすぐ始まるね」
「そうですね……」
俺は気分の高揚を押さえきれないが、雫の方はそうではないみたいだ。これから、始まるのは安全なルールがある試合ではないから無理もないか。
この試合、筑紫は凪をギブアップさせるくらいで留めるだろうが、凪はそんな甘いことをしないだろう。あの狂った性格ならば、この試合で筑紫を殺すことだって有り得る。
「あたしにビビったクズ共と違って、逃げずにここにきたことは褒めてあげるよ」
凪は周囲のブーイングなど無視して筑紫に言う。この会場では筑紫がベビーフェイスで凪はヒールなのに全く萎縮しないとは凄いメンタルだ。
「私は凪ちゃんみたいな人なんかに絶対負けないから」
凪の表情が綻ぶと「委員長、意外にやる気だねー。優しい委員長のことだから、試合に乗り気じゃないと思ってたけど安心したよ。いい表情してるね。その決意のこもった表情、恐怖や苦痛で歪めたくなってきたなぁ」
「……やれるものならやってみなよ」
「あはははは! 言ってくれるじゃん。じゃあ、お客様方もお待ちかねだし、そろそろ始めちゃおうか」
凪が言うと同時に、一切の予備動作なしで蹴りを放ち、ルール無用のデスマッチの始まりを告げた。
筑紫は持ち前の身体能力で蹴りに反応すると、逆に凪の腹部を蹴ろうとする。しかし、凪もやり手で筑紫の攻撃をなんなく回避した。
互いの蹴りが高速で飛び交う激しい戦いになるが、どちらも決定的な一撃を当ててはいない。筑紫は長身の凪に体格では負けているが、強靭なバネを活かしたスピードで互角に立ち回っていた。
「うそでしょ……あいつ、つーちゃんと互角だなんて……」
雫がぼそりと呟く。信じられない光景だった。凪は口だけではなく、筑紫と互角に戦えるくらい強いみたいだ。会場もいきなりのハイレベルな攻防に盛り上がっていた。
だが、俺が見たいのは筑紫の処刑であってこんな下らない好試合ではない。
「会場も盛り上がって委員長には充分花を持たせてやったし、そろそろちょっとだけ本気出そうかなー」
俺は最前列にいたから聞こえたが、凪はさっき信じられないことを言った。あの女、今まで手を抜いていただと?
先ほどまでは互角だったが、凪の動きが今までより鋭くなり、試合の均衡が崩れ始めた。筑紫の攻撃が段々と減り、筑紫が防戦一方になりつつある。
筑紫が反撃に回れないくらい凪の攻撃は強烈だったのだ。凪の攻撃に押されて、筑紫はじりじりと後退していく。試合の展開が変化し、筑紫を応援していた生徒達の声に困惑が混じる。
「いあっ……あぐ……」
凪の攻撃を捌ききれず、白い脚や頬に擦過傷が増えていき筑紫は苦痛に喘ぐ。
「あっ……!?」
「これでもう逃げられないからね」
やがて、筑紫は壁にまで追いやられた。もう、これ以上後退はできない。凪は嗜虐的な笑みを浮かべて、追い詰めた獲物の鳩尾に蹴りを放つ。
筑紫は反射的にガードをするが、蹴りの威力を殺しきれず、小柄な身体を壁に打ちつけた。
「がっ……! ごほっごほっ……」
ダウンした筑紫は、咳き込みながらも声援に応えるように立ち上がる。筑紫が立ち上がるのを見て歓声が湧く。彼らにとっては、筑紫は校内の平穏を守るヒロインだから無理もない。
「勝負は始まったばかりだし、そうこなくちゃね〜」
「うぅっ……」
余裕綽々な凪に対して、筑紫は涙目で凪を睨むことしかできない。試合はまだ序盤だが、素人である俺から見ても凪と筑紫には覆せないくらい実力差があることが分かった。
このまま試合が進めば俺の望んでいる展開になりそうだ。学校を守る正義のヒロインである筑紫が、下司な女に嬲られるという最高の展開にな。凪には格闘家としても女としても筑紫を再起不能にして欲しいものだ。
「この試合もう止めた方がいいんじゃ……このままだと……」
筑紫を無責任に応援しているバカ共より、雫の方が見る目はあるみたいだ。彼女は筑紫の危機的状況をちゃんと理解している。
だが、試合が始まってしまった以上、もうどうすることもできない。
「委員長は皆に期待されて大変だね。早くあたしを倒して皆の期待に応えてやりなよ」
凪が蹴りを放つが、今までに比べて大振りで雑なフォームだ。筑紫はその好機を見逃さずに、壁を支えにしながら蹴りを繰り出した。
筑紫の方が動きに無駄がなく凪の蹴りより早く、カウンター気味にボディを抉るだろう。誰もがそう思った瞬間、凪は一瞬で蹴りの動作を止めて、筑紫の足首を素早く掴む。
凪の反射神経と身体能力は尋常ではなく、信じられないことだが筑紫の攻撃を見てからでも対応できるみたいだ。
「甘い甘い。委員長、鈍過ぎるよー。亀さんかなぁ?」
「や……放してっ……!」
凪は絶好のチャンスに関わらず、筑紫の足をあっさりと放した。筑紫は困惑の表情を浮かべながらも、凪の攻撃を避けるために距離を取りながら体勢を立て直す。
「何のつもりって言いたげな表情だねぇ、委員長。委員長が弱過ぎるから瞬殺しないようにワザと遊んでやってるんだよ」
凪の不遜な物言いに観衆からのブーイングが加速する。あいついい悪役ぶりだな。
「さてと、委員長をどうやっていたぶってやろうかなぁ?」
筑紫は弾丸を思わせる速度で駆け距離を詰めると、フェイントや突きを混ぜながら凪の腹部を狙って蹴りを食らわせようとする。
先手を取って凪にペースを握らせないつもりのようだ。凪は涼しい顔で捌いているが、筑紫の連続攻撃は凄まじく見ている俺は目で追いきれなくなっていた。
何度も筑紫の戦う姿は見てきたが、もしかして今が一番強いんじゃないか……。大切なもののために戦って強くなる。まるで、俺の嫌いな正義のヒロインのようだ。
「凄い! 高峰さん、これならいけるかもしれませんよ!」
(おい……ふざけるなよ……)
筑紫が攻勢になり雫の表情が久しぶりに明るくなる。これはマズいんじゃないか、凪のやつ筑紫を舐めすぎたんじゃ……。
筑紫の攻撃に凪の堅守がとうとう崩れて、凪は身体を無防備に晒してしまう。筑紫はその瞬間を逃さず、勢いよく身体を捻り渾身の回し蹴りを繰り出す。
筑紫の蹴りがボディに叩き込まれる瞬間、凪は尋常でない速さで身を屈め蹴りを掻い潜ると、筑紫の軸足に足払いを食らわせる。
「ぐあっ……!」
胸部を固い床に強かに打ち付け筑紫は悲鳴を上げる。無様に転倒した筑紫に対して凪はにたにたと笑うだけで追撃をせず、筑紫が立ち上がるまで待っていた。
筑紫は真剣に戦っているが、凪の方は明らかに筑紫のことを舐めていた。筑紫もそのことを察したのか、悔しげに表情を歪ませている。
「もしかして、あの程度であたしに勝てるとか思ったわけ? だとしたら、お笑いなんだけど」
筑紫の眼を見れば分かるが、あいつはまだ折れない。しかし、格上の凪を相手にどこまでもつだろうか。
先ほどと同じように凪は筑紫の攻撃を凌ぐだけ凌ぐと、足をひっかけて再度転ばせる。今度も凪は転ばせるだけで全く追撃しない。凪が筑紫を弄んでいるのは明らかだった。
「あっぐ……」
「どうしたのー? これで終わり? ねぇねぇ委員長さぁ、あたしに勝つんじゃなかったけ?」
諦めずに立ち上がる筑紫だが、その後もリプレイ映像みたいに凪は、筑紫の攻撃を防ぎながら何度も何度も筑紫を転ばせた。
見ていて笑えるくらいの実力差だ。あまりに一方的な展開で、先ほどまでは五月蝿いくらい響いていた筑紫への声援は静まり返り、空気は凍りついていた。
「はぁはぁっ……」
「そろそろあたしも攻めちゃおうかなー?」
肉体のダメージはそれほどでもないが凪に舐められていることが精神的に堪えているのか、筑紫の表情は弱々しい。両膝は何度も転ばされたせいで擦り剥け、呼吸も乱れている。
制服についた埃を払う余裕もないようだ。凪は宣言通り、今までの消極的な戦いから一転して攻撃に回り、筑紫に容赦なく攻撃を加えていく。筑紫はその強烈なラッシュをギリギリのところで防御する。
しかし、精神の揺らぎは戦いに影響し、筑紫の動きはいつもの繊細さを失っていた。反応の鈍りは連鎖し、やがて筑紫は致命的な隙を晒してしまう。がら空きの腹部に凪の爪先が迫っているが、筑紫の反応は遅い。
「がっ……あああぁぁぁ……!」
凪の蹴りが筑紫の鳩尾に直撃し乾いた音が響いた。今試合、初めての決定打だった。濁った悲鳴を上げながら、筑紫がよろめく。
ダウンこそしなかったが、筑紫は口角から涎を垂らし、可愛らしい顔を苦痛に歪めていた。
「まだこの程度じゃあ終わらせないからね〜。今から委員長もお友達みたいに、フルボッコにしちゃおうか」
「あ、ぐぅっ……が……はぁっ……!」
凪は怯んだ筑紫のサイドテールを掴んで筑紫を引き寄せると、力任せに筑紫の上半身を乱打し、重い音が何度も響き渡る。
筑紫は必死に抵抗しているが、髪を掴まれているため凪の攻めから逃れることができない。
連打が効いたのか筑紫の足許が覚束なくなり、倒れそうになったあいつの腹部に凪の膝蹴りが深々とめり込む。静まった筑紫の応援に代わるように凪様コールが響く。
「ぐぅぅ……あ、あぁっ……」
筑紫は目と口を大きく開くと、開いた口からは粘性のある透明な胃液を吐き出した。筑紫のダメージは深いが、凪の攻撃はまだ終わらない。
凪は掴んでいるサイドテールを使うと、背負い投げの要領で筑紫をぶん投げる。ぶちぶちと嫌な音を立てながら、筑紫の背中は勢いよく固い床に叩きつけられた。
投げられた拍子に、筑紫のトレードマークだった栗色のサイドテールは無惨に引きちぎれていた。
「がふぅっ……!」
「委員長、短い髪も似合うねぇ。可愛いよ」
凪は掴んでいる栗色の髪束を投げ捨てて言う。女の命である髪を容赦なくちぎられ、筑紫の目からは大粒の涙が流れていた。
身体の痛みもあるが、精神的なショックが大きいのだろう。
「つーちゃん……こんな嬲るような真似……酷過ぎる……」
隣にいる雫は悔しげに歯軋りしていた。ここまで怒っている彼女は初めて見た。だが、彼女がでしゃばったところで凪をどうこうすることはできない。
彼女の様子は少々気がかりだが、俺は筑紫のいたぶられるシーンの続きを見るとしよう。辛くも立ち上がる筑紫だが、あいつは憔悴しきった表情をしていた。
凪は疲労状態の筑紫の首を締めつけようとするが、筑紫が両手で阻止して組み合う形になる。
「そうは……させないよ……」
「へーまだ動けるんだ。よく頑張ったって言いたいところだけど、あたしはこう見えて握力には結構自信あるのよね」
「え? ぎぃっ……あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙っ……!!」
凪が力を込めると不快な音と共に筑紫の絶叫が響く。凪の握力は尋常ではなく、筑紫の細くて綺麗な十指は全てありえない方向に折れていた。
可憐な少女の指をへし折るというショッキングなシーンに観衆は阿鼻叫喚になる。だが、凪は攻撃の手を緩めずに、筑紫の腹部を力一杯掴む。
凪の仕掛けた技はストマッククローだ。涎と胃液を垂れ流しながら筑紫は苦悶の表情を浮かべる。筑紫は懸命にもがくが、凪の手を振りほどくことができない。
あの握力で腹部を掴まれるなんて、想像するだけでゾッとする。胃袋を握り潰されるような苦痛だろうな。
「このまま胃袋を握り潰しちゃおうかなぁ?」
「がっ……ああああああぁぁっ!!」
顔を左右に激しく振るいながら、普段の可愛らしい声からかけ離れた悲鳴を筑紫が上げる。
「ぐっ……おえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙っ!!」
「汚いなぁ……ブレザーの袖が汚れちゃったんだけど……」
凪の攻撃がとうとう内蔵までダメージを与えたのか、筑紫が赤黒い血と一緒に吐瀉物を吐き出し制服を汚す。凪が手を放すと、筑紫は踞って更に嘔吐する。
ひとしきり吐き終えると筑紫の顔色は真っ青になっていた。凪は踞まる筑紫の背中を容赦なく踏み潰す。
背中を踏まれ姿勢が崩れた筑紫は、うつ伏せに倒れて自身の吐瀉物に顔から突っ込んでしまう。
「いっ……んんんんんっ……!」
「あはははは! ジタバタしちゃって面白いなぁ!」
くぐもった声を上げながら、吐瀉物に溺れた筑紫は踏み潰される寸前の虫みたいに無様にもがく。
しかし、筑紫がいくら足掻いても事態は全く好転しない。筑紫のあられもない姿は、見ているだけで射精しそうだった。
「はぁっーー……はぁっーー……」
筑紫の呼吸が弱くなった頃に、凪は踏みつけを止めた。このままでは、吐瀉物で窒息死すると判断したのだろう。
口に含んでしまった吐瀉物を吐き出しながら、のろまな動作で上体を起こす筑紫だが、細い眉は八の字に折れて表情には全く覇気がない。体力も精神力も磨耗しきっていた。
「あ、がっ……! うぅ……あぁっ……!」
凪は筑紫の胸部を蹴り、身体を起こそうとした筑紫を仰向けに倒す。続けて、凪は筑紫の胸部に踵落としを決める。
固いブーツが胸元にめり込み、再び嫌な音が響いた。あの感じだと肋骨がへし折れたか、折れないにしてもヒビは入っただろうな。
「げぇ……ご……ごふっ……」
遅過ぎる動作で立ち上がろうとする筑紫だが、凪は筑紫の脇腹を蹴って阻止する。凪はうつ伏せになった筑紫の髪を掴むと、床に何度も顔面を叩きつけた。
「が、ぐぅ……あがぁっ……!」
凪が筑紫を叩き付ける度に、悲鳴と共に汗や血が床に飛び散る。回数が十を超えたくらいから、筑紫の反応も鈍くなってきた。
攻撃の途中で、凪は髪を引っ張って筑紫の顔を無理矢理上げさせる。額からはどくどくと真っ赤な血が流れていて、皮膚もところどころ裂けていた。
凪は女の命である顔を躊躇なく傷物にしたのだ。俺は血塗れの筑紫の顔を食い入るように凝視した。俺の視線に気付いたのか、筑紫は泣きながら目を逸らした。
「委員長、早くあたしに反撃しないともっと酷いことしちゃうよ? 何もしないってことは酷いことされたいのかなぁ?」
「そんなこと……」
筑紫は息も絶え絶えだが、力を振り絞って凪に肘打ちを放つ。しかし、そんな苦し紛れの攻撃など通用するわけなく、凪は髪を放して容易く回避する。
「ふーん。あたしに手も足も出ない雑魚の癖に、まだ歯向かうんだ。いいよ、さっさとかかってきなよ」
凪は余裕からか筑紫が立ち上がるまで待つ。立ち上がった筑紫だが、蹌踉とした足取りでもう構える気力すらなかった。
無傷の凪とズタズタの筑紫。既に勝負は決しているといってもいい状況だが、凪は鋭い突きを筑紫に食らわせようとする。
筑紫の反応は平時より遥かに鈍く、凪の突きが対処不能な距離まであっという間に迫る。突きが筑紫の身体を抉るかと思われたが、筑紫の腹部に触れる直前に凪の手が止まる。
「ひいっ……!」
凪の攻撃は寸止めだったが、恐怖に屈した筑紫は情けない声を上げへたり込む。筑紫の身体は小動物みたいに小刻みに震えていた。
蛇口が流れるような音がしたと思えば、筑紫は恐怖のあまり失禁してしまう。吐瀉物塗れのスカートを小水が汚しながら、床の上に黄色い水溜まりが広がっていく。
異常な光景に、何人かの観客は端末機で美少女の失禁シーンという醜態を撮影していた。
「おしっこ漏らすほど怖かったんだね〜」
「あぁ……い、いや……み、見ないでええぇぇっ……!!」
公衆の面前で失禁した筑紫はだだっ子のように泣きじゃくりながら叫ぶ。惨めで情けない姿だった。
「アンタ達の大好きな委員長をぶっ潰したら次は、あたしに逆らうアンタ達を潰しちゃおうかな〜」凪は筑紫を支持する観客達を見回して言う。「恨むなら弱っちいお漏らし委員長を恨むんだね。まあ、今からあたしに従う人は特別に見逃してあげようかなぁ?」
凪の脅しに屈して、今まで筑紫を応援していた生徒達は手の平を返し、筑紫を口々に罵倒し始めた。便乗した野次馬も加わり、会場は今までと一転して凪を支持する者だらけになる。
仲の良かった友達に聞くに耐えない罵詈雑言をぶつけられる筑紫の心境は穏やかではないだろう。にしても、凪は人の心を操るのが上手い。一瞬で立場を逆転させるとは。
「何て勝手なの……つーちゃんはあの悪魔から皆を守るために戦っているのに……!」
雫が憤慨する。この最悪の状況でも筑紫を裏切らないとは、彼女は本当の意味で筑紫の親友なんだな。
「ああぅっ……!」
観客の誰かが投げた瓶が筑紫の頭に直撃し、派手な音を立てて瓶が割れる。ただでさえ血塗れの顔に新しい血が流れ筑紫は苦痛に喘ぐ。
「……おい!」今まで飄々としていた凪が突然声を荒げた。「何あたしの獲物に横から手を出してるんだ! このクズが! 今すぐ殺してやろうかっ!」
「やめて……お願いだから……み、皆には手を出さないで……」
「あいつら委員長のこと見捨てた薄情者だよ? 庇う必要皆無だと思うけど?」
「それでも……皆……私の大切な人達だから……」
筑紫は小さな身体を震わせながら涙を流して凪に懇願する。筑紫は裏切られたというのに、皆をまだ庇おうとしていた。
「お人好し過ぎてムカつくなぁ」怒った凪が筑紫を殴ろうとするが唐突に手が止まった。「……そうだ。今から十分間、委員長があたしの攻撃に耐えられたらあいつらには手を出さないよ。やってみる?」
筑紫は弱々しいがそれでも芯のある通る声で「やるよ」と言った。無茶だ。既に満身創痍だというのに、今から凪の猛攻に十分も耐えられるわけがない。途中で死ぬ可能性だってある。
「負け犬の癖にいい度胸してるねぇ。イラッときたから、今から殺すつもりでいたぶってやるよ。もう謝っても許さないからね?」
凪は筑紫の胸ぐらを掴んで無理矢理立ち上がらせると、鳩尾から下腹部に拳を何度も叩き込む。
「ぐぇ……あがぁっ……げぇっ……あぁ……」
満身創痍の筑紫は凪のサンドバッグになっていた。口からは何度も何度も血の混じった胃液を吐き出し、吐瀉物で汚れたワイシャツやスカートを更に汚す。何度目かの殴打で重い打撃音に水っぽい音が混じり始めた。
しばらく攻撃が続くと、一際重い一撃が腹部に直撃し、筑紫は胃液の代わりに血の塊を大量に吐き出した。あの反応を見るに筑紫の内蔵はぐちゃぐちゃだろうな。どこかの内蔵が破裂していてもおかしくない。
だが、凪に良心などなく筑紫の血で手が汚れようと、凪は地獄のような腹責めを止めない。
「こんなの耐えられるわけ……つーちゃんが殺されちゃう……」
雫が席を立つ。試合を止めるつもりだろうが、悪いがそうはさせない。これからがいいところだろうが。俺は彼女の手を掴んだ。
「高峰さん、放してください」
「それはできないな。君の気持ちは分かるけど、凪に殺されにいくつもりか?」
「高峰さんはつーちゃんがあんな酷い目に遭ってるのに何とも思わないんですか?」
「俺だって腹は立ってる。でも、俺達がでしゃばって何ができるんだ? 筑紫にとっての最悪は、俺達が傷つけられることだろう」
俺はもっともらしいことを言って雫を止めようとしたが、結果は残念ながら逆効果だった。彼女の意思は俺が思っているよりも固い。
「……高峰さん、見損ないました。もういいです。私一人でなんとかしますから」
筑紫はいくらでも嬲られてもいいが、彼女が傷つけられるのはダメだ。しかし、今の彼女には何を言っても無駄だろう。
少々強引な手段になるが仕方ない。俺は彼女の腹部を思いきり殴りつけた。
「高峰さん……ううっ……どうして……」
「悪いな。言っても言うことを聞きそうにないから強硬手段に出させてもらった」
腹部を押さえ倒れ込むと雫は気を失った。俺の性欲を満たすためとはいえ、これで俺は彼女に恨まれるだろうな。少々心が痛い。
だが、これで試合の邪魔をする者は誰もいなくなった。さて、筑紫の処刑の続きを心置きなく楽しむとしようか。
「ふーん。思ったより粘るじゃん。だったら、そろそろ責め方を変えようかな」
凪の言うように筑紫はあれほどの責め苦を受けてもまだ意識を保っていた。凪は筑紫の右腕を逆間接気味に取ると、そのまま勢いをつけて自分の肩に肘を叩きつけた。
「ぐあ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙!!」
筑紫が少女のものとは思えない汚い悲鳴を上げる。凪のアームブリーカーで筑紫の右腕はあり得ない方向にへし折れていた。
凪は反対側の腕にも手を伸ばすと、再びアームブリーカーで筑紫の腕をへし折った。
「あああぁぁぁっ……!!」
甲高い悲鳴を上げ、両腕は力無く垂れ下がっているというのに、まだ筑紫の心は折れていない。
「ぐ、ううっ……ぁぁ……」
汗や涙で顔を汚しながらも、筑紫は歯を食いしばって苦痛に耐えている。筑紫は皆を守るために本気で凪の攻撃に耐えるつもりのようだ。
「ああもう、弱い癖にしつこいなぁ!」
「う、あぁ……」
凪は苛立ち混じりに筑紫のこめかみにハイキックを叩き込む。凪は力無く倒れている筑紫の両脚を持ち上げると、無理矢理開脚させる。
開脚したことにより、スカートが捲れ尿で汚れた薄ピンク色のショーツが露になる。しかし、凪の目的は筑紫を辱しめることではなかった。
「身長のわりには長くて綺麗な脚だねー。腕と同じようにへし折ってあげるよ」
「うぅっ……ああっ……い、痛いぃっ……」
凪は股を裂こうとして、既に開ききっている筑紫の両脚を更に開かせる。筑紫の身体は柔らかい方だが、明らかに股関節の限界可動域を越えようとしていた。
「さすがの委員長もそろそろ限界かな〜?」
「んんっ……あぐうぅっ……」
どれだけ傷つけられようとも筑紫は諦めの言葉を口にしない。しかし、筑紫が耐えている間も無情にも脚は真横に開いていく。
筑紫は気力でこらえるが、開いた脚は百八十度を越えようとし、いよいよその時が訪れた。
「あああああああああああああああああっ!!」
股関節を破壊されて、断末魔のような絶叫を上げると、筑紫はとうとう糸の切れた人形みたいに動かなくなる。美少女の四肢をへし折るという残虐過ぎる見世物に卒倒したり、悲鳴を上げる観客が現れた。
散々筑紫のことを叩いていたくせに、根性のない連中だな。もっとこの凌辱ショーを楽しめよ。
「委員長もかなり粘ったけど、まだ一分残ってるし勝負はあたしの勝ちだね。約束通り、委員長のお友達は全員玩具にしちゃおうかな」
凪の死刑宣告を聞いて、筑紫を支持していた者達は恐怖に震えていた。俺には関係ない話だが御愁傷様だ。
「まっ……て……」
試合を終え凪が踵を返そうとした時、筑紫の消えそうな声が聞こえた。幻聴かと思ったが違う。
瀕死だが、筑紫は確かにまだ生きていた。凪はゆっくりと筑紫に近づいていく。
「……委員長、本当に死にたいようだねぇ。時間的にもこれで最後の攻撃だし、望み通り殺してやるよ」
凪は筑紫を蹴り飛ばしうつ伏せの状態にすると、筑紫の背中に乗り首を掴んで筑紫の身体を反らしていく。凪が最後に放つ技はキャメルクラッチだった。
凪が段々と力を込めていき、筑紫の上体がえげつない角度に曲がっていく。
「ぐ、げ……がぁ……ぁ……」
筑紫は濁った声を上げて血反吐を吐く。しかし、筑紫はいくら攻撃されようと意識だけは手放さない。そうこうしている内に凪が一度攻撃の手を止めた。
「……わぁ! 驚いたよ! まさか、本当に耐えるとは思わなかった。仕方ない。約束通り、私は委員長のお友達に手を出さないであげるよ。私はね」凪はにやりと笑う。「でも、あたしの手下はどうだろうね? あいつら結構凶暴だしねー」
「う、うそ……そ……んな……」
凪は最初から約束を守るつもりなどなかったようだ。その絶望的な事実に筑紫の丸い瞳から光が失われて虚な目になる。とうとう筑紫の強い心が折れたようだ。
あいつの真っ直ぐな瞳が絶望に曇る瞬間、俺がようやく見たかったものが見れた。人生最高の至福の時間だった。
「今更後悔しても遅いんだよ。無力な委員長は誰も守ることができず、委員長もこのままあたしに壊されるんだ」
「や、め……いや……」
「ねぇ今どんな気持ち? 痛い? 悔しい? それとも怖い? こっちからだと絶望した委員長の顔が見れなくて残念だよぉ」
「ぇ……ぅ……」
凪が止めていた攻撃を再開し出すと、やがて、本日何度も聞いているあの不愉快な音がまた聞こえた。凪は四肢に続いて、背骨までへし折ったのだ。
凪は立ち上がると、筑紫を乱雑に投げ捨てた。全身を破壊され壊れた玩具のようになってしまった筑紫は何の反応も示さない。惨めな敗北者の姿だった。
弱々しい呼吸は聞こえるからまだ生きてはいるようだが、あんな姿になるくらいならば死んだ方がマシだろうな。
まさか、あの筑紫がこんなボロ雑巾みたいな情けない姿になってしまうとは……。まるで、夢を見ているかのようだ。普段の筑紫を知っているだけにその落差は最高で、俺に許容を遥かに超える激しい快感を与えた。
凪は筑紫を踏みつけて言う。「もうあたしに逆らうようなバカはいないと思うけど、今後、あたしに歯向かうやつは全員こうなるからね?」
学校の命運を賭けた一戦は、凪の残酷過ぎる完全勝利という最悪最低の形で幕を閉じた。
あの凄惨な試合から一ヶ月後。凪の抑止力になっていた筑紫がいなくなり、あっという間に白楼高校は凪の手に落ちた。
凪が頂点に立ち、彼女の手下が幅を利かせる恐怖と暴力が全てを支配する暗黒地帯になってしまった。凪は全校生徒と教師を手中に収めたのだ。
あの学校が壊れていくのは俺としてはいい気味だと思ったが、俺にも被害が及ぶのが怖いので俺は再び不登校に戻った。
筑紫の友人達を始めとした反凪派の生徒は反逆者として、凪の手下達に私刑にされたそうだ。牧瀬雫にも連中の魔の手は伸び、彼女も生死の境をさ迷う重傷を負った。
そして肝心の筑紫はというと、凪との戦闘で奇跡的に命は落とさなかったが、後遺症は深刻で一人では生きていけない身体になってしまった。
凪のおかげで最高の敗北シーンを見れたが、ある種満たされてしまい俺は生きる目標を失ってしまった。まあ、俺の悲願は達成したしもうどうでもいいか。
これからはあの時の余韻に浸りながら、再起不能になった筑紫の世話でもするとしよう。
以上になります。今回は久々にお兄ちゃんの視点で書いてみました
当初はもっとエグい話になる予定だったのですが、途中で可哀想になってしまいこんな話に落ち着きました
前回描いてもらったオリキャラに感動し、最近自分も絵の練習を始めたので、素人のアナログ絵ですが筑紫を自分で書き起こしてみました
http://i.imgur.com/NDGgz4w.jpg
絵を描くことの難しさと絵師さんの凄さを思い知らされました・・・
>>237
GJ
出来ればエイダもお願いしたい
>>250
乙です。やっぱり舐めプでいたぶるのは最高ですね。
というか絵、めっちゃ上手じゃないですか。
いや充分エグいよ(褒め言葉)
やっぱり強い子が一方的に嬲られる様は素晴らしい
妖怪ウォッチのイナホちゃんをネタに何か書いていただきたいな…何かムラムラするんですよね、あの子
アルビノのロリヒットマンが顔面破壊される話を投下します。
とある夜の一角を、白い少女が駆ける。
身長は恐らく140に届いておらず、顔立ちの幼さからしても、12歳に達しているかどうかと言ったところであろう童女だった。
アルビノ体質なのか左右の目は紅く、肌は雪のように白く澄んでいる。
この童女が名うてのヒットマンであり、今夜も仕事を遂行するためにこうして夜を馳せていると聞いたなら、一体誰が信じるだろうか。
しかし、事実彼女は凄腕だった。
中国貧民街の海外輸出用奴隷市から裏社会の抑止力にまで成り上がった色素欠乏病の奴隷、杏紅花(シン・ホンファ)といえば、札付きの悪徳領主すら顔色を変える。
童女の見た目で欺くのもさることながら、何より恐るべきはその精神だった。
彼女は罪悪感を感じない。
自分より年下の子供に哀願されようが、悪いこともしていない年老いた老人に靴すら舐めながら勘弁してくれと懇願されようが、顔色を変えずに引き金を引ける。
殺しの世界でも稀有とされる、人間性の欠如した鬼才。
そんな彼女の標的に据えられた人物は、とある良家のお嬢様……「だった」少女だ。
歳は確か、17かそこら。
顔立ちの可愛らしさで男を魅了し、縁談の話も引く手あまたの生娘。
……その表の顔に騙された人間が、これまで何人破滅させられてきたのだろう。
紅花には、想像もつかない。
少女の名前は、アリア・アルフィミィ。
アルフィミィ家の一人娘として蝶よ花よと愛でられ育ち、ついこの前両親を亡くし、家督を引き継いだ幸薄の少女……と、世間の大半はそう思っているに違いない。
だが実際は真逆だ。アルフィミィ夫妻を仕留めた殺し屋は、程なく変死を不審に思った夫妻の友人によって特定され、詰問されたのだが、その時彼はこう答えた。
奴らの娘に依頼された、と。
その後も叩けば叩くほど、彼女からは埃が出てきたようだ。
詐欺、高利貸し、殺し屋の使役、趣味としての殺人や拷問。
そしてその中には、紅花の後ろ楯であるギャンググループに唾を吐きかけるような内容も幾つか散見された。紅花が動くことになった最大の理由が、これだ。
(ボスから受けた恩を仇で返すとは……その罪、死以外で購えると思うなよ、外道めが)
紅花は怒りを静かに募らせる。
紅花は、恩義を重んずる性格だった。
些細な施しでも忘れない。それが命に関わるようなことになれば尚更だ。
古今東西、あらゆる黒社会に根付く「義」の思想。それを彼女は生まれながらに、異常とすら呼べるような深さで自身の精神に根付かせていた。
その紅花に、許せよう筈もないのだ。
奴隷として使い潰される直前だった自分を拾い、育ててくれた組織。
その面子を潰すような真似を重ねた悪女など、死罪以外にない。
懐の銃柄を強く握り締める。
そして、今日も紅花は固く誓うのだ。
怨敵の抹殺。
恩人のための殺し。
闇に溶けるような黒衣の裾をはためかせ、紅花はアルフィミィ邸へと到着する。
清潔な白い大理石の装飾が目立つ、立派な邸宅だった。
しかし此処に住まう女の本性を知っていると、餌を引き付ける囮の疑似餌にしか見えない。
警備システムがザルなのは既に把握している。自分が殺されるなんてことは考えてもいないのか、監視カメラの類すら用意されていないようだ。
音もなく紅花は敷地内に侵入し、昼間の内に細工しておいた小窓から身を滑り込ませる。
こういった小技が使えるのは、子供の暗殺者の特権というべきだろう。
紅花の知り合いには、相手の養子になって年単位で時間を重ね、完全に油断させてから標的を殺すという手段を取る少年もいる。
子供だからと侮れば、たちまち命を失うことになる。
殺し殺されの黒社会とはそういうものだ。
かくして、室内への侵入は果たした。
後は標的を見つけ、撃ち殺すだけだ。
紅花は、殺しに遊びの要素を介在させない。
つまらない拘り、享楽、そういう非効率的な事柄を殺しに含ませた者ほど早死にする。
極論、人間は頭か心臓を撃てば死ぬ。それ以上の手間をかけるのは、殺し屋として三流の輩がすることだ。少なくとも紅花はそう思っているし、そう教えられてきた。
足音を殺しながら、ゆっくりと室内の状況を分析していく。
程なくして生活音らしき物音が聞こえた。
その方向に足を進めていくと……ビンゴだ。
恐らくは居間だろう。明かりのついた室内から、呑気な鼻唄が聞こえてくる。
これから自分が殺されるとは微塵も思っていないのだ、この悪女は。
ドアの磨りガラス越しに、紅花は標的を視認。
殺しの実行プランは至ってシンプルだ。ドアを開けると同時に撃つ。時間にして二秒と掛からずに終わる、楽な仕事だった。
世の中には時折だが、怪物じみた人間がいる。そういう輩の相手をするとなれば流石に骨が折れるのだが、その分凡人を殺すというほど楽なこともない。
紅花も、この世界に入ってからもう百回以上は行ってきた単純作業だ。
いつも通りに扉を開ける。まるでこの家の住人のような自然さで、あっさりと。
そして銃口を向け、撃つ。やはり見立て通り、二秒掛かっていなかった。
……だが。
「……な」
ソファの上には、確かに脳漿を撒き散らして事切れている人間の姿があった。
されどそれは、紅花の標的……アリア・アルフィミィとは似ても似つかない別人だった。
口には猿轡を噛まされ、苦悶の表情を浮かべて、尿すら垂れ流して無様を晒している。
謀られた。紅花がそう認識したときには、彼女の側頭部を鋭い回し蹴りが鈍い音を奏でながら捉えていた。
「ほぐッ……!」
無様に床を転がる紅花。
それを見下ろしているのは、上品な笑みを浮かべる、寝間着姿の女だ。
ウェーブのかかった水色の髪にシミ一つない肌。どこから見ても淑やかな少女といった様子だが、普段の格調高いドレスを脱いでいることで明らかとなったことがある。
彼女は、やけに引き締まった肉体をしているのだ。ボディビルダーのそれを更に圧縮したようなもの。この意味するところを、浅学の紅花は理解できなかった。
「あら。これは可愛らしい殺し屋さんがやって来たものですね」
「白々しい。どこの誰から聞いたのか知らないが、貴女は私の襲撃を予見していたのでしょう。ご丁寧に身代わりまで用意して……」
「うふふ、ええ、その通りですわ。
貴女はきっとご存知のことと思いますが、わたくしは少々敵の多い人生を送っておりまして。せめてもの自衛に、この国に存在するあらゆる非合法組織の中に金で雇った間諜を潜り込ませていましたの。
それでも流石に、今日ばかりは肝を冷やしましたわよ。何せ送り込まれたのは凄腕中の凄腕、血染めの杏紅花だというのですもの」
それを聞いて、紅花は眉を潜めた。
「……解せません。そこまで分かっているならどうして、援軍を呼ぶなり逃げるなりしないのです。
この邸に貴様以外の人間は、今は居ない筈です。答えなさい、アリア・アルフィミィ。その余裕の根拠はなんです? ……まさか、私を殺し返すとでも?」
「その通りですわ」
ぱちぱちぱちー、と。
子供扱いを前面に押し出した拍手で、アリアはその問いに対して返応した。
滑稽すぎる。それでいて、不愉快だ。
心の底から込み上げてくる嫌悪感に、紅花は自然と銃を構えていた。
少々出鼻を挫かれはしたが、この程度の修羅場ならば幾つも経験している。
予定通りに殺して終わりだ。紅花は無言のまま発砲する、が。
「つれませんわね。理由くらいお聞きになってはどうかしら」
アリアは、それを軽々と避けていた。
紅花が外したのではない。
アリアが、回避したのだ。
驚きに目を見開く紅花だが、そこは流石にプロ。アリアからの反撃を受け止めるべく銃を盾として構え、防御態勢を取る。
これが、いけなかった。
「……ッ!?」
構えた銃が、文字通り砕け散る。
そのまま勢いを落とさずに突き放たれた蹴撃が、紅花の胸を強打した。
口から透明な涎を吐きながら壁に激突する紅花。口を哀れなほど大きく開きながら酸素を求め、何が起きたと自問するしかない少女の姿は惨めそのものだ。
「ミオスタチン関連筋肉肥大、という体質をご存知ですか?」
ミオスタチン関連筋肉肥大。
それこそが、アリアの魔物じみた怪力の正体であった。
簡単に言うなら、筋肉が発達を続ける特異体質。
ミオスタチンとは、動物の体内で生成されるタンパク質の一種だ。
このミオスタチンは筋肉の成長を抑制する働きを持っており、これによって筋肉は成長の速度を適度に保っている。
アリアは、このミオスタチンによる筋肉の成長の抑制が、極端に機能しない体質なのだ。
故に彼女を殺しに来た殺し屋や、不届な暴漢は、其の誰もが思い知らされる。
少女の皮を被った超人の恐ろしさを。
自分はゲスな本性という疑似餌にまんまと誘き寄せられた、哀れな小虫なのだということを。
「わたくしはそれでしてね。
これは人一倍物を食べなければ生きていけない体質でもあるので、昔はそれはもう悩んだものですわ。化け物女と虐められたことも、一度や二度じゃありませんし。
でもある時、とうとう耐えかねてわたくし、虐めっ子にやりかえしたのです。
……あれは傑作でした。手足の全部を変な方向に曲げて、いたいーいたいーって泣き叫ぶのが面白くて面白くて。その日からわたくしは、どうにかしてこの力を人に対して振るいたいと思うようになったのです」
アリアは、力に魅了された女だった。
彼女は金や名誉が欲しかったのではない。
自分に敵意を向けて凶行へ走る、殺しても罪にならない相手を望んでいたのだ。
その為に徹底的に悪を演じた。邪魔な両親を排除することで敢えて自身に疑いの目を向けさせ、こうして派遣されるヒットマンをいたぶり殺そうと思っていた。
要は紅花は、彼女の掌でまんまと踊らされていたのだ。
釈迦の掌で踊る孫悟空のように、まんまと。
「くっ……」
一方の紅花は、完全に為す術のない状態だった。
一応予備の武器にナイフは携帯していたが、体術でも力でも圧倒的に優れている相手に対して接近戦を挑むのは完全な自殺行為だ。
となると最良手は撤退……流血覚悟で窓を破って脱出するしかない。
そう考え、即座に行動へ移そうとした紅花だが、その程度の浅知恵でどうにかできるほど、アリアという女は甘くなかった。
「何処へ行かれるのですか? 折角来たのです、お茶くらい飲んで行って下さいな」
「ぎっ」
紅花の足を、その真上から踏む。
「あ……あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″ァァァァァァァァァッ!!!!」
更に力を加えて、靴ごと、中の小さなあんよを踏み潰した。
骨と肉が潰れていっしょくたになり、靴の革やら靴下の布やらがめり込んでいく。
汚い絶叫をあげる紅花の顔が面白くて、ついついアリアは更にぐちゃぐちゃの足を踏みにじってしまう。
「ぎぃいいいいいッいいいい、あががががががァァァァ」
ぐりぐり。ぐりぐり。
「ひぃぃいぃぃっあ、ぎゃ、いああ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″」
ぐりぐり。ぐりぐり。ぐりぐり。
「ごぉッ!! おぼ、は、ひゃな!! ひゃなあ!! ひゃな……」
「ほらほら遠慮なさらずに」
…………ぐりぼりめきゃごきぐちゃっ。
それから五分ほどかけて、紅花の右足はゆっくりじっくり肉団子にされた。
余談だが、色素欠乏病の患者の中には、皮膚の感覚が鋭敏になって、人よりも外的要因による痛みを感じやすい体質の人間が数は少ないが居るという。
この紅花は、それだった。
彼女は常人なら発狂するような痛みを、人の倍近い痛覚でたっぷりと堪能させられたのだ。こうなっては、氷の精神などなんの意味も成さない。
「はぁっ、はぁっ、いっ、ぎぁ……」
杏紅花は哀れに絶叫させられた。
二分を過ぎた辺りで涙が溢れ、以降は涎も鼻水も垂らして泣き叫んでいた。
顔中ぐしゃぐしゃになりながら息を整える紅花の首を固めると、アリアは彼女の顔に、彼女の鼻や目、口から出た液体を丁寧に丁寧に塗りつけていく。
「お化粧できてうれちいでちゅね、紅花ちゃん♪」
幼稚な嘲りに、幼稚にも紅花は睨み付けることで応えてしまう。
男ですら萎縮するような彼女の眼光も、鼻水でどろどろの顔では霞む。
……しかし次の瞬間、紅花は使わないと決めた筈のナイフを素早く抜き放った!
それを察知したアリアは素早く飛び退くが、その首筋には一筋の赤い線が走っている。
「ぜぇっ、ぜぇっ……思い、上がらないで、下さい……」
脚が潰された以上、逃げ切れる可能性は絶無。
となれば、覚悟を決めて此処でアリアを殺すしかない。
あれだけの苦痛を味わった後だというのにすぐそんな思考に移れるという辺りは、流石の紅花というべきだろう。
「元気がいいのですね、紅花ちゃんは……では、此処からはタイマン勝負といきましょうか?
どちらかが息絶えるまでお互いに絶対に手を緩めない、正真正銘のデスマッチ。……まあ、わたくしが好きってだけなんですけれどね」
戯言に耳は貸さない。
肉団子と化した足をなるべく地面に触れさせないように一瞬で接近を果たす。
「無言は、肯定と受け取りました」
紅花の最後の武器。
そのナイフは、アリアの片手であっさりと刃を握り潰されてゴミと化した。
アリアも手から流血していたが、よもやこれを致命傷と思う阿呆は居るまい。
希望を絶たれた紅花の顔が絶望に染まる。それは、彼女の顔が可愛らしかった最後の瞬間であった。
その直後、紅花の左の頬に、筋肥大の魔人による鉄拳が叩き込まれていたからだ。
「ひがぁ!?」
唇が片方に寄り、整った顔が不細工になる。今のだけで紅花の頬骨は砕けて、顔は無様に腫れ上がった。
「ぎゃぶッ!!」
鼻っ柱を殴り飛ばされる。
可愛らしい鼻が折れ曲がり、鼻血が滝のように流れ出した。
「いいお顔になってきましたね」
「あが……」
「え? まだ足りない、ですか?」
「ひが……も、やめふぇ……くらふぁ」
「あらあら、もっとキレイになりたいのですね。分かりました、お手伝いさせていただきますわ♪」
紅花の命乞いを無視して、また殴る。
前歯が全部折れて顔の肉が変色する。
連打、連打、連打、連打、連打。
「ぎゃっ、ぶげっ、あが、へぶっ、おご、あば、ぎゃッ!!」
紅花の人相は、もう見る影もないものに変わっていた。
頬は膨れ、顎は割れ、鼻が折れ、顔のサイズが当初の倍近くになっている。
殴られる度に変わった悲鳴をあげるのが滑稽で、殴り甲斐もあるというものだった。
それでもひとしきり殴ると飽きたのか、今度は紅花の顎に手を当てる。
「紅花ちゃんは可哀想ですよね。
こんなに小さいのに殺し屋なんてしてるのですから、子供の遊びなんて知らないのでしょう。だから、私が遊んであげますからね」
そのままアリアは、紅花の顎を限界まで開かせ……それでもまだ開かせ。
彼女の顎の骨を、はずした。
「ぁっ、あひ!? ほっ、ほほっ、ほほはっ」
割れた顎が外された紅花の顔の、何と間抜けで醜いことだろう。
醜いのは、何も外面だけではない。
さらけ出された口の中も、それはそれは惨澹たる有り様だった。
暴行で歯のほとんどが折れ、十本も残っていない。
「遊びは歯医者さんごっこにちまちょうねー。
紅花ちゃんのお口は……あ、銀歯さんがあるみたいですよ? 虫歯になっちゃったのかなあ? すんすん……あはは、道理で息もなんだか臭いです♪」
紅花の口の中には、4本ほどの虫歯の治療痕が光っていた。
アリアの指摘した通り、息の臭いも結構なものだった。
その指摘に頬を赤らめる余裕さえ、今の紅花にはない。
そもそも頬がどちらも赤黒くなってしまっているのだから、赤くなるも何もなかった。
「それじゃ、歯を抜きましょうね。えいっ♪」
アリアの手が、残り僅かになった紅花の永久歯を次々引き抜いていく。
その度に彼女のあげた悲鳴は、「ひきゅえいああ!!」だとか「あえあえおごおお!!」だとか、訳のわからないようなものになっていった。
アリアが途中でまたも飽き、紅花の口には被せもののある歯だけが残された。
だがどのみち、仮に生き延びたとしてもこれでは入れ歯だろう。
「さてさて! 遊びの時間が終わったら、またお顔きれいきれいしましょうね?」
「ゃ…あ」
「だーめ♪」
そしてまた、整形手術が始まった。
◇
ちょろちょろと、紅花は失禁すらしていた。
ふたたび五分ほど殴り続け、紅花の顔はほとんどの骨が折れ、男か女かもわからないような有り様になっている。
失禁を咎められて膀胱を殴打され、これからは尿も垂れ流しだ。
既に譫言すら口にし始めている紅花の髪の毛を鷲掴みにすると、アリアは紅花の作った世界地図……失禁の水溜まりにその顔を近付けさせる。
「お漏らし、恥ずかしいですね。
十歳にもなって赤ちゃんみたいですね。でも紅花ちゃんはおっきいんですから、ちゃあんと自分で後始末しまちょうね」
室内で溺死というのは、そう珍しい事案でもない。
だが自分の小便で溺れ死ぬというのはどうだろうか。
ぶくぶくの顔に滲みて苦しむのも一興だし、何より滑稽すぎる。
アリアは抵抗さえ乏しくなった紅花の顔を尿溜まりに付けてやる。
すると、息を吹き返したように、
「いだあああああ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″!?!? いだい!!じみる!! ァァァァァァ!!! やだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
小便の海で顔中を黄色く染めながら、絶叫してのたうち回る少女。
最高だ。
これだから、殺しはやめられない。
自慰の絶頂にも似た快楽に包まれながら、アリアは身悶えした。
「楽しい……」
やはり、自分は正しかった。
これからはもっと自分に正直になって、この楽しみを味わいつくそう。
これから自分の小便で溺死する少女を見下ろしながら、そんなことを考えて……
どくん。
アリア・アルフィミィの心臓が、停止した。
◇
杏紅花は、勝っていた。
苦し紛れに抜いたナイフがアリアの首にかすり傷を付けた時点で、アリアの死は完全に揺るがぬものとして確定していた。
仕込み毒。暗殺の王道であり、それ故に最も強力な搦め手の一つ。
紅花の愛用している毒は、元は動物の安楽死用に調合されたものだ。余りにも危険だったために国の検査を受けることもなく廃棄され、現存しているのは紅花が組織のつてで入手した一瓶しかない。
この毒は、あらゆる症状を伴わずに体へ浸透し、最期は一瞬で心臓を停止させる。
痛みも苦味も匂いもない。その代わり、解毒剤もない。そんなものが作られるよりも遥かに早く、この猛毒は廃棄されたからだ。
だから、一撃通った時点で勝っていた。
問題は毒が回るまでの間をどうやって凌ぐかだったが……これが、予想以上の地獄だった。
紅花の心ですら折れるような、激痛の嵐。
失禁して小便を漏らし、嗜虐のつもりなのか壊れた尿道を覆うように紙おむつを付けられ、今は動けもせずに小便の水面で泡をブクブク言わせている。
……家の扉が開く音がした。慌ただしく人が入ってくる。組織の人間だろう。
紅花の帰りが遅かったために、万一の事態を危惧して送り込まれたようだった。
斯くして幸運にも、幼きヒットマン、杏紅花は一命を取り留めることになる。
顔面陥没。
額骨折。
頬骨骨折。
鼻骨折。
顎部骨折。
顔の傷に小便が入ったことによる炎症。
歯二十四本欠損。
膀胱に機能支障。
これが、今回紅花の負った傷の全てだ。
この後、紅花は今度は医師の手によって
地獄のような整形手術を受けさせられる羽目になる。
それも、ある事情で麻酔なしで、だ。
幼きヒットマンの受難は、まだ続く……
以上で終わりです。
紅花の見た目はBITTER SWEET FOOLSというゲームのレーニエというキャラで想像してもらえるとそれっぽいかと思います。
顔責めに特化したSSは少ないので楽しませて頂きました!
紅花のその後の受難も見てみたいなー、なんて……
>>263
アルビノロリって時点で目を引かれたけど執拗な顔攻めで気に入りました。
でも言葉責めは……あんまり効いてない?
感想ありがとうございます。
顔責めは確かにあまり見ない趣向ですが一番好きだったりしますw
紅花の手術編は気が向いたら書こうと思っています。
すいません>>222 、>>234 の者です。勝手な話ですが、>>223 のリクエストだけ拾おうにも>>226 と>>230 が頭にちらついて上手くかけず、かといって全員のリクエストを統合出来ないので丸呑みSSをしばらく凍結させてください。頭が整理出来たらいつか書きます。
で、図々しい話ですが別のお題をお願いします。先着一名で今度は一人のリクエストしか答えません。
>>223 、>>226 、>>230 の人には本当にすいませんでした。
チャイナドレスの格闘娘がボコボコにされて、気絶した後も責め続けられる感じのをお願いします。
>>268
了解しました。この失態を取り返すべく全力で取り組みます。
>>269
>>230 だけど変に悩ませてしまったみたいで申し訳ないです
斬首の奴女の子の怯える描写がいいなと思ったので次も楽しみにしてます
チャイナドレスできました。投下します。
>>270 私の中途半端さが招いたことなので気にしないでください。
とある格闘技の道場の門の前に一人の少女が立っていた。少女は赤い、華の装飾があしらわれた短いチャイナドレスを着用し、黒い髪を二つのお団子にしてまとめていた。ボディラインのよく出る服装だが、引き締まった体つきによっていやらしさは感じられず、むき出しの手足も細いながらもしっかりと筋肉が付いていた。
この中華風の出で立ちの少女はこの道場に挑戦しに来た道場破りであった。少女はとある格闘技の達人の家に産まれ、幼いころから鍛練を積んできた。まだ子供だが、その実力は下手な道場主を遥かに上回る。そして若いながらも数々の道場に挑戦し、すべて勝利してきた実力者だった。
「頼もう!」
少女は元気よく叫ぶと門をくぐり、道場の中に入っていった。
「あ?、なんだてめぇ」
「道場破りよ。ここの道場主を出して」
道場で稽古を行っていた男たちの一人に向けて少女は言った。
「生意気な小娘だぜ、師匠!こんなやつ相手に師匠が動く必要ないっすよ。俺一人で十分っす」
男は師匠であろう大柄の男に向かって叫ぶ。
「勝手にしろ」
師匠はぶっきらぼうに答えた。
「と、言うわけだ。師匠と戦えなくて残念だったな」
「いいわ。その代わり私が勝ったら道場主と戦わせてもらうわ」
少女はそういうと拳を握り、構えた。
「まあ、勝てればの話だがな。ハンデだ、そっちから来いよ」
「言われなくても!」
少女は一瞬で男の前に飛び込むとパンチと蹴りによるラッシュをかける。
「なに!?」
男は防御するが、絶え間ない連撃に防御が崩れた。そこに少女の掌底が突き刺さる。
「はぁっ!」
少女の小さい手のひら高い音をたてて男に叩き込まれ、男は数メートルの距離を飛んで壁に叩きつけられた。
「私の勝ちよ。道場主を出して」
少女の言うとおり、男は完全に気絶して試合の続行は不可能だった。
「やれやれ、多少はやるようだな」
道場主は首を振ると立ち上がり、少女の前へ出てきた。
「こんな小娘相手に真剣勝負なんて腹が立つが、道場の名前に傷がつくのは良くねえな。かかってこい」
実力を見せつけてもなお自分を見下す相手に腹をたてた少女は今度は無言で殴りかかった。男にしたのと同様のラッシュだ。しかし道場主は攻撃を完全に防御していく。その状態が数十秒続いた。
(なんて固い防御なの……?このままじゃ……)
少女の体力は無限ではない。むしろ速攻に秀でている分、他の格闘家よりも少なかった。このまま受けきられたら少女にとって不利に働く。
(しょうがない。私の掌底なら……)
少女は自分の技に絶対の自信を持っていた。いままでの道場破りも全てこの技で買っていたのだ。不完全な状態でも相手を戦闘不能にできるだろう。少女はそう考え、道場主に掌底を放った。
「はっ!」
強い踏み込みと共に少女の腕が突き出される。しかし少女の手のひらは道場主の左手に阻まれて彼の体には届かなかった。
「え……?」
自慢の一撃を受け止められ、少女の動きが一瞬止まる。そして道場主はその一瞬を見逃さなかった。
「動きが止まっているぞ」
道場主の拳が少女の無防備な喉元を打った。
「ぐげっ!」
少女は蛙が潰れたような悲鳴をあげて喉を押さえた。
「おら、休んでる暇はないぞ」
道場主は拳による連撃を繰り出す。少女は腕で防御しようとするが、少女の細い腕は男の重い攻撃を受け止めるには不充分だった。いくらか体を鍛えても子供の体では限界がある。少女が攻撃を重視した戦法をとるのは低い防御力を補うためでもあった。そして先の一撃が少女をさらに苦しめていた。
(い、息が……)
喉への一撃によって少女は一時的に呼吸が出来なくなっていた。それにより、少女はさらに集中力を落とし、防御力を低める原因となっていた。
少女は完全に防御を崩され、よろよろと後ろに下がった。道場主はそんな少女の首を掴むとそのまま持ち上げ、締め付けた。
「あ……ぐ……」
少女は道場主の手を引き剥がそうとするが、道場主の手はびくともしなかった。道場主はさらに少女を投げ、背中から床に叩きつけた。
「がはっ……!ゲホッ……ゲホッ」
受け身も取れずに叩きつけられた少女はぐったりと床に倒れながら咳き込んだ。そしていままで呼吸できなかった反動で荒い呼吸を繰り返した。道場主は追撃するでもなく少女をにやにやと笑いながら眺めていた。
「やれやれ、口だけで対したこと無かったな」
「ま、まだ試合は終わっていないわ」
少女はよろよろと立ち上がり、構えた。しかしその姿は最初と比べて弱々しいものだった。白い腕には青い痣が浮かんでいる。息切れもしているし、乱れた髪を直す余裕も無いようだった。
「今度こそ」
少女は再びラッシュを仕掛ける。しかし消耗した少女の動きに最初ほどのキレはなく、簡単に受け止められてしまう。道場主の防御を崩すどころか、的確な防御のせいで少女の攻撃のペースが乱れてしまった。
「くっ……、はあっ!」
少女は苦し紛れに掌底を放つ。しかしやはり簡単に受け止められてしまった。
「そんな……、一ミリも動かないなんて……」
少女は震える声で呟く。
「動かす?掌底で吹き飛ばす必要がどこにある?お手本を見せてやるよ」
道場主はそう言うと構えをとり、少女に仕掛けた。少女は咄嗟に防御するが、たったの一撃で防御を崩されてしまう。
「ああっ!」
道場主の強引な攻撃に少女はよろけ、腕のガードが外れる。そしてがら空きになった少女のお腹に鈍い音をたてて道場主の掌底が突き刺さった。
「うぅっ……!」
不安定な姿勢で攻撃を受けた少女だったが、吹き飛ばされることは無かった。しかし少女は苦しげに顔を歪め、お腹を押さえるとへなへなと崩れ落ちてしまった。道場主の掌底は実際には少女のものとエネルギーの量は変わらない。しかし道場主のものはそのエネルギーを全て相手の体へ送っていた。内臓が集中する腹部に強い攻撃を受けたことで少女は大きなダメージを受けていた。
「はあっ……はあっ……う、うぅ……」
少女は目をぎゅっと瞑り、蹲って痛みに耐えていた。額には汗が浮かび乱れた髪が張り付いている。チャイナドレスははだけ、白いさらしが見えていたが少女にはそれに気づく余裕はなかった。
道場主は少女に近付くと少女を蹴り転がした。少女は仰向けの姿勢となり、ダメージを受けた腹部を無防備にさらした。チャイナドレスは完全にはだけ、肩にかかっているだけの状態になってしまった。少女の白いお腹の中心、掌底を受けた部分だけが大きな痣になっているのが見える。少女は姿勢を変えようとするがその前に道場主の足が少女のお腹を踏みつけた。
「あぅ……う、うぅ……」
少女は道場主の足を掴んで持ち上げようとするが、道場主の足はピクリとも動かなった。
「ま、参りまし……た。だから……放して……」
少女は降参するが、道場主が少女を放す気配はない。
「うちの流派に相手の降伏を受け入れなきゃいけないってルールは無いんだよ。死ぬまでやったっていい」
「え……?」
「だから俺が満足するまで試合を続けるぜ」
「そ……そんな」
実際には彼らにも人を殺していいなんてルールはなかった。しかしこの道場のルールを知らない少女は攻撃の苛烈さも相まって道場主の言葉を信じ込んでしまう。
「や、やだ……死にたくないよぅ」
少女は死の恐怖に泣き出した。大粒の涙が次々と溢れ、零れていく。しかし道場主は攻撃の手を緩めない。道場主は少女を思いきり蹴り飛ばした。
少女は壁に当り床に落ちる。少女は蹴られた脇腹を押さえながらさらに大声で泣き叫ぶ。もはや格闘家の風格はなく、泣き叫ぶ姿はただの幼子のようだった。
「ぎゃあぎゃあうるせぇよ」
道場主は少女の顎を蹴りつける。それにより少女は気を失った。泣き声は止まり、少女は荒い呼吸を繰り返すだけとなった。
道場主は気を失った少女の腹部をさらに蹴り、その後少女の身体中をめちゃくちゃに踏みつけた。少女はその度にビクリと震え、苦しげな表情を見せるが目を覚まさない。少女の白かった手足には赤や青の傷が刻まれ、涙の跡が残る頬も青黒く変色していた。
道場主は最後に少女の腹部をこれまでで一番の力で蹴りつけた。少女は転がり、うつ伏せの姿勢で止まるとそのまま失禁した。
「おい、だれかこの汚いガキを捨ててこい」
道場主は弟子に言いつけると満足げな顔で道場を出ていった。
数分後、道場の門の前にはびしょびしょに濡れたチャイナドレスの少女が傷だらけで倒れているのが発見された。それ以降、この道場に挑戦するものは一人もいなくなったという。
以上です。書ききってから調べたら今のチャイナドレスは前留めは飾りらしいですね。
修正が面倒だしこっちの方が個人的に好きだから修正しませんでした。
>>274
GJです!最近はハードやエリョナ寄りの作品も多い中での久々のソフト(?)、ごちそうさまです
少女の最初のほうの勝ち気な様子と後半の劣勢〜命乞いのあたりのか弱い女の子な様子がどちらもよく描けていてお互いを引き立てあっていると感じました!
>>275
感想ありがとうございます。
ハードというかグロとエロがあんまり好きじゃない(書けない訳ではない)ので詳しい要望が無ければこの程度になります。
筑紫の人です。返事が遅れましたがご感想ありがとうございます
>>252
書いていて気付いたことですが、舐めプのいいところは勝負をしているのに同じ土俵に立てない惨めさが出るところにあると思いました
絵を褒めて頂きありがとうございます。簡単な棒立ちぐらいしかまだ描けませんが、いずれはリョナシーンを描けるようになりたいですね
>>253
強い子が絡め手や数でやられるのも好きですが、今回のように更に強い敵キャラに嬲られるのも書いていて楽しかったです
胸糞過ぎるのでやめましたが、当初は雫が筑紫の目の前で半殺しにされたり、敗北後に筑紫が私刑されるシーンとか書こうと思ってました
やっぱ俺はグロ無しのほうが好きだな
今回のチャイナみたいなのどんどんほしい
グロ無しに需要があって良かっです。
さて、次は何を書こうか。
定番だけど潜入失敗で捕まった工作員の拷問とか見たいですね
首吊りとか見たいな〜
まだ完成するかもわからないけど、頑丈さと根性くらいしか取り柄のない女の子がボッコボコにされながらも泥臭く必死に戦うみたいなSS需要あるかな……
いいと思う
ノエルの人です
グロ無しのほうが良い! という流れを完全無視していつものやつ投下します
私的に好きな作品であるUNIのSSです
ユズリハさん
ttp://dengekionline.com/elem/000/000/847/847385/unichara_29_cs1w1_900x1000.jpg
オリエさん
ttp://180.235.251.97/wp-content/uploads/2015/08/Orie.png
〜おまけ〜
バティスタさん
ttp://esports-runner.com/wp-content/uploads/2015/09/Vatista3.png
本編:passいつもの
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org964880.txt.html
続きは……アイデアが浮かばんので今のところありません(´・ω・`)
UNIは【どの娘も好き】+【殺伐とした世界観】+【中二要素満載】という好きな要素がありすぎる作品なので
ぜひとも書いてみたいのですけどね
ではノシ
筑紫の人です
>>284
投稿乙です!
個人的に死体が弄ばれ尊厳を破壊する描写と四肢をへし折る描写が最高でした
どちらかというとグロ寄りな内容なのに表現が艶やかで非常に興奮しました。自分には書けない文章なので羨ましいです
>>280
潜入失敗書きました。超ソフトリョナですけど。
ある研究施設のダクトに一人の少女が侵入した。歳は十六ほどで、黒い髪を肩で切り揃えている。闇に紛れるような潜入用の黒いスーツを着用していた。彼女はこの施設に敵対する組織の工作員であった。この施設で作られている特殊な兵器を破壊するために送り込まれている。このような重要な任務に彼女が選ばれた理由はダクト以外には侵入経路が見つからず、小柄で柔軟な彼女が相応しいと判断されたからであった。少女は新米であったが、この重要な任務を喜んで引き受けた。いままで地味な仕事ばかりだったのでここで戦果を挙げたいと考えたのであった。
少女はダクトの中をゆっくりと慎重に進む。長居するのは勿論危険だが、急いで事を仕損じては本末転倒だ。新米の少女でもそれはしっかり理解していた。少女は長い時間をかけて、しかしほぼ無音で地図で示された部屋の側までたどり着いていた。
「時間は……丁度ね」
今回の作戦は時間が厳しく指定されていた。少女は時間通りたどり着くと通気孔の金具を外して部屋に侵入した。
「これが……新兵器……」
部屋の中央には巨大な戦闘機のような機械が鎮座していた。彼女に課せられた任務は新兵器の内部に爆弾を仕掛けること。少女は新兵器の中に入るため、兵器の乗り込み口へ手をかけた。
しかしその瞬間、甲高い警報音が部屋に響いた。
「え?なに……?どうなってるの?」
予想外の事態に少女は慌てた。しかしその間に部屋のドアが開き、武装した男が数人部屋に入ってきた。彼女が入ってきたダクトも男たちによって塞がれている。
「お、落ち着いて……。予備の脱出経路を……」
少女は自分に言い聞かせるように呟くと地図に印された予備の脱出経路を探した。しかし部屋にあるダクトは彼女が侵入したもの以外には見つからなかった。
「残念だがこの部屋も兵器もダミーだ。図面通りだと思っているなら諦めろ」
男たちの中心にいる人物が言った。
「そんな……どうしよう……」
少女に目の前の男を突破してダクトに入る実力は無い。そして例え入れたとしても施設から脱出する前に見つかってしまうだろう。
男たちが銃を構えたままゆっくりと少女に迫る。少女は男たちに合わせて後退りする。ダクトが遠ざかっていく。そして遂に少女の背中が壁に触れ、これ以上下がれなくなる。
「あっ……」
少女は慌てて逃げ場を探すが、男たちは半円状に近づいてくるため、一歩も動けない。とうとう男たちがすぐ手が届く位置まで近付いてくる。
「ゆっくりと手をあげろ」
「ひっ……」
銃を突き付けられ、少女は怯えながら手をあげた。少女が手をあげると男たちは少女のスーツに備えられた武器を次々と抜き取っていく。武器を全て取り上げられ、少女は丸腰になった。しかし男たちは万一に備え、慎重にスーツを探る。銃を突き付けられた少女は抵抗することはおろか声も出せず、顔を真っ赤にしてこらえた。
「よし、拷問室に連れていけ」
少女は後ろ手を押さえられたまま連行された。
拷問室と名付けなれた部屋は鉄の壁が剥き出しになった簡素な部屋だった。少女は手枷、足枷をつけられ部屋にある椅子に座らされた。彼女の正面にある椅子には男たちの一人が座り、残りは部屋を出ていった。
「さて、じゃあ始めるか。今のうちに全部話した方が楽だぞ。お嬢ちゃん?」
「無駄よ。私は何も喋らないわ」
少女はそう言うと男を睨み付けた。少女は敵に捕らえられるのは初めてであった。強がった台詞をいうが、内心ではかなり緊張しており、心臓は早鐘のように鳴っていた。そしてそれは男にも伝わっていた。
「みんな初めはそういうけど喋るんだ。なら始めに言った方が得だろう?」
男の言葉に少女は無視する。
「面倒だけど仕事だししょうがないか」
男はそう言って立ち上がると少女の前まで歩き、そして少女の頬を殴り付けた。
「うぐっ!」
少女が椅子ごと倒れる。男は少女の髪を掴んで起こすとさらに二度三度と殴った。
「ふう、喋りたくなったか?」
少女は両の頬を腫らし、唇を切らして血を流していたが、まだ男を睨み付けていた。少女はこの程度のことは訓練で何度も行ってきているのだ。
「ふう、ダメか。面倒だなぁ。もう無理だったってことにしちゃうか」
男は腰から拳銃を抜くと少女に突きつけた。少女はこれも訓練を受けている。情報を持つ工作員を安易に殺すはずがない。
しかし訓練と実戦は違う。訓練では例え拳銃を突き付けられても死ぬことはありえない。しかしこれは実戦だ。もし男の機嫌が悪かったら本当に撃たれてしまうかも知れない。少女は恐怖を感じ、平静な精神を取り繕うことが出来なくなっていた。少女の肩がびくりと跳ね上がるのを男は見逃さなかった。
「十秒以内に答えなかったら撃つ」
男はそう言ってカウントダウンを開始した。それにより、少女の落ち着きが一気に無くなった。
「八、七……」
視線は世話しなくさまよい、両手はぎゅっとスーツのベルトを握りしめている。怯えているのが丸わかりだが少女はそれに気づく余裕などなかった。
「五、四……」
体は微かに震えて、高すぎる椅子のせいで床に着かない足は落ち着きなく揺れていた。呼吸は次第に浅く、早くなっていった。
「二、一……」
そしてカウントダウンが終わりに近付く。少女は男を睨んでいたが、増大した恐怖に勝てず目を瞑ってしまった。そして体を固く縮こまらせた。
「ゼロ」
カウントダウンが終了する。少女はじっとその時を待ったが物音一つ立たない。男が引き金を引く音すらしなかった。やはりハッタリだ。少女はそう思って無意識的に止めていた息を吐き、目を開けた。
その瞬間、部屋に銃声が鳴り響いた。
「ひぅっ……」
少女が悲鳴をあげる。しかしそれだけで少女の体に風穴が空くことは無かった。つまり空砲であり、少女が予想していた展開だった。しかしタイミングをずらされた少女は完全に混乱してしまった。
少女の瞳から涙が流れて彼女の膝に落ちた。涙は止まることなく次々と流れてくる。少女は目をごしごしと擦るが、涙は止まるどころかさらに勢いを増した。
「う……うえぇ……」
少女は遂に嗚咽を漏らし始めた。そしてそこからは早かった。
「うえぇぇぇ……ひぐっ……えぇぇん……」
少女は子供のように泣きじゃくった。いまの少女の精神は普通の女子高生レベル、もしくはそれ以下まで戻ってしまっていた。
「じゃあ、知ってること全部話してもらおうか」
少女は首を勢いよく縦に振るとしゃくりあげながら話した。
実際、少女から有益な情報は一つも出てこなかった。組織の末端に位置する少女はほとんど情報を与えられておらず、使い捨てレベルの駒に過ぎなかった。そして状況はさらに悪化した。
「なに?破壊された?」
少女を捕獲して数分後、ダミーではない本物の新兵器が爆発したという情報が入った。
「ちっ、そういうことか!」
男が通信機を床に叩きつけた。
「お前は単なる陽動だったと言うことか。完全にしてやられたよ」
怒りに燃える男とは違い、少女はまだ状況を理解できていなかった。
「ど、どういうこと……?」
「どういうことだと!?」
男は少女の胸ぐらを掴んで持ち上げた。
「お前は使い捨ての囮だったって事だよ。良かったな、作戦が成功して」
男は少女を壁に叩きつける。少女は訳もわからず再び泣き出した。
「え……?なにそれ……そんなの知らない」
「お前の事情など知ったことか。お前はここで殺す」
「ゃ……」
男が少女に銃を突き付ける。今度は本気だ。それは少女にもわかった。必死で逃げようとするが、手足を拘束されて満足に動けない少女には不可能だった。
銃声が鳴り響き、少女の胸に風穴が空く。
「あ……あぁ……」
少女が痛みにうずくまる。男はそれを無視してさらに数発銃弾を撃ち込んだ。
「あぁ……う……」
しばらくのたうっていた少女だが、直ぐに動かなくなった。男は少女の死体を蹴り飛ばすと下される処分を想像して顔をしかめながら部屋を後にした。
以上です。拷問なんてよく知らないので適当にやったらかなりソフトになりました。物足りないですね。
いやいやなんて謙虚なんですか!
素晴らしかったです!
>>284
ふう…読んだあと30分ぐらい余韻に浸ってました(笑)
人として女性としての尊厳をこれ以上ないくらいに奪われる姐さんの反応が堪らなかったです
結局は弱肉強食の世界では弱者の側に過ぎなかったというのが悲惨さを増していますね
最後のほうに出てくる人物がその最期を冷静に分析し、よくあることのように扱ったり、ユズリハには見抜けず、その死につながった罠を易々とクリアしてしまうあたりが、結局彼女はその程度の弱者だったということを強調しているようでなんというか股間に来るというか…(ボキャ貧)
ただ、ボキャ貧の僕が口出しするのも差し出がましいのですが、若干主述の関係に違和感を感じるところが多かったかなという印象も受けました 細かい所が詰まっていればよりスムーズに話に入っていけたかなと思いました(狙ってのものだったのであればすみません…)
しかしながら久々の長編、非常に楽しむことができました!良作ありがとうございました。
ソフトな流れになってるようなので、ノエルさんの書くソフトリョナもまた読んでみたいなあとか思ったりしてます(呂菜中の天使と催眠術の話が大好物でした)
あと気になってるのがもうひとつあって、柊シノアの凌辱の話の続編の予定はもう全くないのでしょうか?期待感の持てる序章だっただけに若干のやるせなさを感じてきました…予定の有無だけでも教えていただけると嬉しいです
長文失礼しました
ノエルの人です
>>筑紫の人さん
お読みいただきましてありがとうございます!
先日投稿されたSSも読ませていただきました。絵に起こしてみると、筑紫ちゃんすごく可愛いですね(っ´ω`c)
私も私で、筑紫ちゃんとは別のクラスにいる「私立白楼高校」の生徒を作ってみたいなぁ、と考えてみたりみなかったり……
>>290
投稿乙です! 週間連載できそうなぐらい筆が早いのが羨ましいです(;´Д`)
お題を出せば書いてくれるのだろうか……ぜひともロボ娘のメカバレものをお願いします
>>292
一部分だけわざと主述をめちゃくちゃにした所があるのですが、それ以外にも単なる推敲漏れもあるかもしれない……
ほとんど勢いでスマホにぽちぽち打ちながら書いているものですから、語順がメロメロなところもあるかもしれませんね。スマンカッタ…( ノω-)
呂菜中の天使を覚えている方が居たとは……かなり前から読んで下さっているのでしょうか?
もともと催眠エロものが好きなので、催眠リョナも有りだろうと思って書いた作品でしたが、あのSSに関しては自分の中でもうまく纏められた方の作品なのかな……と思います
シノアですが、未完結…ではありますが下記にて第五話まで公開しております。
内容としてはリョナというよりもエロ要素の方が遥かに強い内容となったため、こちらでの投下は控えておりました。
次の話で簡潔する予定ですが、例によって良いアイデアが浮かんでおらず途中で止まっております(´`:)何か思いつきましたら是非っ完結させようと思っております
ttp://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=18&all=41699&n=0&count=1
>>293
いえいえ、私からしたら長編書けるほうが凄いですよ。
私はあんまり時間かけると我慢できなくなってしまうので。
メカバレ了解です。メカバレはいくら壊してもグロにならないので好きです。
>>284
ノエルの人素晴らしい作品ありがとうございます
相変わらずのクオリティで何度も読み返してしまいました…
バティスタ編もぜひ前向きに執筆していただけることを希望します
今までにない(誰もやろうとも思わない)ネタを使って執筆しようかなって思ってます
正直、みなさんほどのリョナにはならないと思いますが。
書き込んで自らの退路を断っておきます(笑)
四次元殺法コンビコピペ貼りたくなりましたが期待しております!w
ノエルの人さんの容赦ない攻め好きィ・・・
ただひどい目に遭うんじゃなくて命も尊厳も踏みにじられ、壊されていく感じ素晴らしい
ところでユズリハの他にもリストに上がってた翡翠ってもう没になったんですか?
ノエルの人でございます
>>296
お読みいただきありがとうございます!
そうですね……バティスタさんも可愛いですし堕とし甲斐のあるキャラクターだと思いますので、またどこかのタイミングで書けたらな……と思います。
どんな責め方が良いかとかありましたら、参考にさせていただくかもしれません
>>297
私はなかなか良い責め方が思いつかないので、どんなSSを投下されるのか楽しみです(っ´ω`c)
>>299
ありがとうございます、そう言っていただけると励みになります
実は次の作品を投下するとしたら翡翠かな、と考えているところです。例によっていつ完成するかは分かりませんが……
私はメルブラのみで月姫は未プレイですので、キャラの理解が十分できているかが不安なんですよね(;´Д`)
>>300
次来る可能性もあるですと・・・!楽しみにしてます。
原作では感情豊かで泣いてるCG多かったりするのでクール一辺倒じゃないってキャラではありますね
メルブラのみでもキャラを動かすには問題ないかと思います!
>>294
まさかもう既に公開されていたとは知らなかったです今度読ませていただきます
しかしエロエロな話も書けるとは本当に表現の幅が広いのですね…おみそれしました
次回は翡翠ちゃんかもしれないと聞いて期待に胸が高鳴っております(笑)
>>298
貼ってもよいのですよ、ドMですので。
>>300
ノエルの人より豊富な責めなど、私にはとてもとても……
リョナ成分は(いつも通り)大したことないと思います。
面白いかどうかも、わかりませんが。
みなさんのヒロインに重ねてよんでいただけると幸いです。
で、その次はウルトラマン系を書こうかなと思ってます。実はエリスが絶賛放置中なんですが。
ちょっ昔話をするなら。
あれを投下した時はこのスレも過疎を極めていて。
それがやるせなくて投下したけれど、今やこんなに素晴らしい作品たちが発表されるようになって、
エリスは、もう役目を終えた感がありますね……
変化球な作品でリョナも少ないし。もっとえげつない展開や描写ができるようになりたいなぁ……
筑紫の人です。ソフトリョナの流れに便乗してソフト目なお話を投下します
>>293
自分の妄想に画力が追い付いていないので、もっと可愛く描けるようになりたいですね・・・
別クラスの生徒というと・・・もしかして二次創作とか期待してもいいのでしょうか・・・?
春の早朝、綺麗な黒のロングヘアーと濃紺のスカートを靡かせながら制服姿の少女が歩いていた。この時期、新品同然のパリパリのブレザーを着ている彼女はおそらく近隣の高校の新入生だろう。ローファーの固い靴音を鳴らして歩く彼女の後ろ姿は見るものに清楚な印象を与えていた。
「おーい。お嬢さーん」
制服少女の後ろを歩いていた大学生くらいの地味目な男が彼女に声をかけた。男は右手に最新のハンディカメラを握っていた。
「……はい?」
振り向いた少女の顔を見て男は「大当たり」だと邪な笑みを浮かべ呟くと、無警戒の少女の腹部に力一杯拳を打ち込む。
「がっ……!? げぇ……うぇっ……」
突然の暴力に少女は吐き気をこらえながら目を白黒させる。十数年の人生でこのような理不尽な暴力を受けたのは初めての経験だった。そのため少女は混乱し、どうすればいいのか思考がちゃんと定まらない。身の危険を感じてはいたが、ろくに行動できなかった。
「あー柔らかくて気持ちいい感触だわ。顔はあんまし期待してなかったけど、かなり俺好みで可愛いし最高だわ」
男は少女の長い髪を掴んで無理矢理自分の元へと引き寄せる。
「髪もサラサラじゃんか」
「げほっ……ごほっ……やめてくださ……」
咳き込みながら目に涙を浮かべて少女は懇願するが、男は無慈悲にも少女の顔を殴りつける。
「うぐっ!?」
殴り倒された少女は、鼻血を流しなが怯えきった目で男を見つめる。性的興奮を覚えた男は少女を撮影しながら愉悦の表情を浮かべる。男が自分の世界に入っている隙に少女は口を開いて助けを呼ぼうとするが、少女の行動を察した男は彼女の美顔に蹴りを食らわせた
「がふぅっ!?」
「おい何してんだよ。俺の人生を終わらせるつもりか。あんまり舐めたことしてると今すぐ殺すぞ」
「ごめっ……ごめんなさい……ゆ、許してください……」
「どう考えても俺の方が悪いのに謝っちゃって可愛いなぁ。そんな可愛い子にはご褒美をあげるよ」
男は黒髪を掴んで少女を立ち上がらせると、少女の腹部に膝蹴りを放つ。それも一撃だけでなく何度もだ。か弱い少女の身体には過剰な攻撃だった。
「がっ……うっ、おええぇぇ……」
男の攻撃で尋常でない吐き気を催し少女は嘔吐してしまう。男は少女の髪を放すと、少女の嘔吐後の表情をしっかりと見逃さずに撮影する。
「真っ青で可愛いねぇ。もっともっとボコしてやりたくなってきたよ」
「も、もう……いや……やめて……」
迫り来る暴漢に少女は恐怖のあまり歯軋りする。細い身体は弱々しく震えていた。恐怖に戦く少女の姿は男の嗜虐心をくすぐった。男は少女を蹴り倒すと、倒れた少女に何度も蹴りを加えていく。
「う、がぇっ……あがぁ……」
大通りに痛々しい悲鳴と打撲音が響く。少女は身体を丸めて少しでも身体のダメージを抑えようとするが、その程度の防御など焼け石に水で、何度目かの蹴りで少女の身体は弛緩しきってしまう。
「その弱りきった姿……お前ほんと可愛いなぁ……」
男は少女を蹴り転がして仰向けにすると、無防備な下腹部に狙いをつけて勢い良く踏みつけた。
「あぅ゙ゔぅ゙ぅ゙っっ!!」
子宮を壊すような衝撃に少女は血の混じった胃液を吐きながら奇声を上げる。散々苛め抜かれた腹部に耐えられる一撃ではなかった。しかし、男は少女に休ませる間も与えず、再び彼女の柔かな女体に蹴りを食らわせていく。
「げぇっ……ぁ……うぅ……」
先ほどとは違い、少女には身体を丸める気力もなくされるがままだった。サッカーボールのように蹴り続けられる少女だが、蹴り飛ばされた際に頭を打ちつけて気を失ってしまう。気を失った後、少女の濃紺のスカートに濃い染みが広がっていくと彼女は失禁した。男は少女の醜態を嘲笑いながらあらゆる角度からカメラに収める。少女にとって救いなのは意識が無いことだった。
新品の制服や大切に手入れされた黒髪は自身の吐瀉物や尿で汚れ、少女の白い顔は青紫の痣だらけでところどころが裂けたり腫れていて、数分前まで美少女だった彼女は見る影もないくらい惨めな姿だった。
「……もっといたぶってやりたいけど、ここはいかんせん場所が悪いな。今は人気はないとはいえ大通りだし、この辺は近くに連れ込む場所もない」男は一頻り撮影を終えると不満げに愚痴る。「ちっ……ついてないな」
男は気を失っている少女をあっさりと放置してこの場から離れると、傷だらけの少女が一人取り残された。いたいけな少女に最悪のトラウマを残した暴漢は、次なる獲物を探して町の雑踏に何食わぬ顔で紛れた。
以上になります。
短編を初めて書きましたが、短編は長編とは別のスキルが必要で難しいですね・・・
かなりあっさり目の話ですが少しでも楽しんでもらえれば幸いです
乙
ソフト好きな俺にはちょうどいいかも
そしてさりげなくぶっ込まれるお前ほんと可愛いなぁで草生えた
うーん、チャイナドレスの続き書こうかと思ったけどスーパーソフトリョナになるから大人しくメカバレ書くか。
スーパーソフトでもいいのよ
一発も殴らずに女の子を精神的に追い詰めるだけだけど。
とりあえずチャイナドレス後日談。
道場主が退院したばかりの少女のハートをブレイクする。
スーパーソフトリョナ。
試合から数ヶ月後、道場破りを行っていた少女はようやく傷が癒え、退院することができた。しかし受けたダメージは大きく、後遺症が残ってしまっていた。腹部への攻撃により、彼女は排泄を自力で制御することができなくなってしまった。現在彼女はおむつを着けて過ごしていた。
少女は静かに町を離れる予定だった。しかしそんな彼女に声がかけられる。
「久しぶりだな。怪我は治ったのか」
声をかけたのはあのときの道場主だった。自分を痛め付けた相手に後ろから声をかけられ、少女はびくびくしながら振り返った。弟子を大量に連れた道場主が少女に近づく。
「町を出るのか。その前にもう一度試合をしないか?」
「え……?い、いや……」
手酷くやられた前回の試合を思いだし、少女は弱々しく断った。しかし道場主は引き下がらず、少女の肩に手を置いて言った。
「なに、一回だけだ」
「うぅ……」
自分を痛め付けた相手に近づかれ、少女はすっかり萎縮してしまった。少女は断りきれず、頷いてしまう。
「ならさっそく始めよう。道場に帰るぞ」
少女は道場主の弟子たちに囲まれて道場まで連れてこられてしまった。
「待ってるからさっさと着替えて出てこいよ」
道場主はそう言うと一足先に道場の中に消えていった。少女はとっくに洗濯し終えたチャイナドレスを広げた。前回の記憶がフラッシュバックし、少女着るのを躊躇ったがどのみちもう逃げられない。少女は諦めてチャイナドレスを着たが、手の震えで着るのにかなり時間がかかってしまった。
「遅かったな。ん?なんだそれは」
更衣室から出てきた少女の見た目は前回と少し違っていた。彼女が着用しているおむつである。短いチャイナドレスの裾では大きいおむつを隠しきることは不可能であった。少女は顔を真っ赤に染めるが、脱ぐわけにもいかずそのまま試合に臨むしかなかった。
試合が始まり、両者のにらみ合いが始まった。しかし両者の様子にはかなり違いがあった。落ち着いて構えている道場主とは違い、少女の構えはどこか不安定だった。少女の足は無意識のうちに内股になり、微かに震えていた。少女は明らかに道場主に怯えていた。
「はぁ……はぁ……」
呼吸も段々荒くなっていく。病み上がりの少女は前回と比べて極端に体力が落ちていた。単純なにらみ合いでも少女は体力を消耗し、集中力をすり減らしていた。さらに悪いことに少女は緊張から尿意を覚えていた。
(あ……だめ……今は……!)
今の少女は排泄を少しも我慢出来ないのだ。少女は必死に堪えようとしたが全く力が入らず、おむつの中に尿を垂れ流してしまう。試合中におむつに尿を漏らすという異常な事態に少女の集中力は完全に途切れてしまった。
そして道場主はその隙を見逃さない。道場主は少女の集中力が切れた瞬間、一瞬で少女の目の前に接近した。
「ひっ……」
少女は一瞬遅れてそれに気付くと逃げるように二、三歩後ずさった。そしてその途中に足をもつれさせて尻餅をついてしまった。べちゃりという濡れた感覚が少女の尻に広がった。
「冷たっ……」
少女は思わず呟いた。しかしその言葉によっておむつを濡らしたことを道場主に悟られてしまった。
「なんだ。もう漏らしたのか?」
「も、漏らして……ない」
少女は咄嗟に誤魔化すが、言葉がしりすぼみになっていて嘘であることが丸わかりだった。
「まあ、そういうことにしといてやるか。早く立て。そちらから来ないならこっちから行くがそれでもいいのか?」
少女はそれを聞いて慌てて立ち上がった。防戦に回ってしまえば少女の勝ちは万に一つも無くなってしまう。結局少女は自分から攻めるしかないのだ。
少女は覚悟を決めて道場主との距離を詰めた。ラッシュからの必殺の掌底。少女の最も得意とする戦法だ。しかし今の少女は強敵への恐れ、退院直後でうまく動かない体、そしておむつに対する恥ずかしさでコンディションは最悪だった。
「はあっ!」
少女が少し上擦った掛け声をあげて道場主に向かって飛び込んでいく。拳による殴打と蹴り、しかし彼女の攻撃は全く道場主に効いていなかった。恐らく集中力の低下と道場主への怯えが原因だろう。彼女の手の動きと足の動きがバラバラで全く噛み合っていない。体重の全く乗っていない攻撃に道場主は防御すら取らなかった。
(そんな……どうして……)
少女焦りを募らせるがそれによりさらに動きが悪くなってしまう。もはや彼女の動きは素人とほぼ変わりがなかった。
そしてそのような効率の悪い動きでは直ぐに体力を無くしてしまう。焦った少女は不完全な体勢であるにもかかわらず必殺の掌底を放った。
「えいっ!」
当然、少女の掌底には全く体重が乗らず、少女の小さな手のひらがぺちりと音を立てて道場主の体に触れるに終わった。
「そ……そんな……」
一番の得意技すら失敗し、少女はへなへなと座り込んだ。そしてそんな少女に追い討ちをかけるように道場主が言った。
「全然なってないな。まあ、おむつをつけてるような奴には早すぎる技だな」
その言葉を聞いた瞬間、少女はくしゃりと顔を歪めた。
「ふえ……」
少女の口から嗚咽が漏れる。同時に少女の目からは涙がぽろぽろとこぼれ始めた。少女はしばらくはごしごしと目を擦っていたが、そのうち直ぐに大声で泣き始めた。
「うえぇぇぇ……ひぐっ……ふえぇぇぇ!」
前回の試合で自信を失った上、今回は今までできていたことすらできなくなってしまったのだ。道場主の巧みな誘導が有ったとはいえ、少女が泣くのも無理もない話だ。
道場主は少女の泣かせると満足したように道場の奥に消えた。後に残された少女は泣きつかれて眠るまで大声で泣き続けるのであった。
以上です。書いてたときはめちゃくちゃ興奮出来たんだけど……書き上げてみるとそうでもないような……。
メカバレ書くのに戻ります。
精神リョナはこのスレだと貴重すぎるから有難い
筑紫の人です
>>307
楽しんでいただけて嬉しいです!
百済木さんは対象が男じゃなくて女だったらいいリョナラーだったと思いますw
>>314
投稿乙です!
こういう精神リョナもいいですね。トラウマ描写がたまらなかったです
自分もこういう話を書いてみたいと思いました
ノエルの人だよ
>>303
エリスのSSは、なんというか特別なこだわりがすごく感じられる内容だったよな、と思います。
そのこだわりが空回りしてしまって、受け入れてもらえない人もいたかもしれません。でも、何かにこだわりだすと、そのこだわりを受け入れられない読み手はどうしても現れてくるんですよね。そして厄介なことに、リョナであれエロであれ一般向けであれ、こういったこだわりがなければ良いSSはできないと思うのです
以前アメジストスワローの二次創作を書かせていただきましたが、そのときはエリスの人さんの作品から感じたポイントが自分の好きなポイントとうまく重なったんだと思います。
あんまり役目とか難しいこと考えずに、書きたくなったときに書いて投下するゆるゆるなスタンスでいたほうがらかえって良いSSができそうな気がしますよ
また新作お待ちしております(っ´ω`c)
お前ほんと可愛いなあって何かと思ったら遊戯王かよw
藍神くんは少女だったらよかったかもねかわいいし
>>268
了解しました。この失態を取り返すべく全力で取り組みます。
ミスった。いつの投稿だよ
エリスは分類としてはソフト系でいいのかな
エリスは基本、長編のプロットを講義やレポート、スピーチという形に圧縮するって形なんだね。シチュ萌えに近い。
直接的な描写は避けられてるから、物足りない人には物足りないね。
でも、さりげに心理描写とか内容とかゾクゾクする背徳感があって好き。
人を選ぶけど好きな人にはたまらない珍味みたいな感じ?
読んでタイトルの如く。元ネタがオロチの生け贄を集める人なら、残虐な敵女でも良いと思うんです。では、駄文ですがどうぞ。
「甘いッ!」
夜の草原に、凛とした女性の声が響いた。
――その声と、声と同時に生まれたざわめきに反応するように、それまで草花を撫でていたそよ風が、鋭い刃へと姿を変える。
「キャアァァァッ!!」
風が肉を裂く音と、さっきとは別の、少しだけ幼さの残る少女の悲鳴が響き渡る。
「……それが運命なのです」
先程までの鋭さを失った風が、声の主である女性の頬と長く美しい金の髪を、そよそよと撫でた。
「……ふっ」
風が止むと、女性はその身に纏ったシスター服と正反対の邪悪な笑みを柔らかな口元に含ませた。
「う゛っ゛……げぇ……っ」
女性の目の前に倒れていた紫色の髪を持つ、黒いセーラー服を着た少女が、端正な顔に似合わぬ、薄汚いうめき声と共に血を吐き出す。
「情けない……」
失望とも取れる呟きと同時に、シスターの女性は、自身の右足を振り上げ、倒れている少女の太ももの付け根の交わった所に狙いを定めると、
「ひっ……!? や、やめ――」
「はっ!!」
――その股間の割れ目を、力強く踏み抜いた。
「ぐっ!? ……ギャァァァァァッ!!」
まだ誰も受け入れた事のない領域を足で貫かれ、血と尿を吹き出して、少女はその呼吸を止めた。
「……サイキックアイドルとは名ばかりの雑魚だったわね」
白目を剥いた少女の遺体を鼻で笑うと、シスターの女性は少女の首を掴み、更に絞めあげた。
「あぁ……素晴らしいわ。こうして首を掴むと、死後に残った吐息が尽きて、柔らかかった肉が段々硬くなって行くのが分かる……あら? ――フフ、男の人のアソコみたいに乳首を勃起させて……随分太い乳輪ね? ファンが知ったら幻滅するわよ?」
『そろそろ良いだろうシュリセル……その女は我の血肉にしなければならぬ』
何処からか聞こえた、男とも、女とも取れる声がシスターの女性をシュリセルと呼んだ。
「――ッ!? ……申し訳ありません! こ、この少女の無様な顔を見ていたら、つい――」
女性――シュリセルはびくっと肩を震わせると、聞こえた声に少し怯え、へつらうように謝罪した。
『まぁ良い……さぁ、その女を差し出せ』
「は……はい、ご主人様!」
シュリセルがそう言うと、少女の遺体を油のようにドロドロとした闇が、じっくりねぶるように包み込む。
やがて少女が闇の中に消えると、闇は、黒いひとつ目の球体に姿を変えた。
『ククッ……確かにお前程ではないが、この女……喰いごたえがあるぞ……!』
暫くすると、球体の体内で、何か粘性のある水の音が何度も響き、もう暫くして、肉を裂くような音が聞こえ、最後に硬いものを砕くような、鈍い、ガリっという音がした。……恐らく、少女は球体の化け物の、血肉となったのだろう。
「ハァ……ハァ……」
それを見たシュリセルは、顔を紅潮させ、右手で柔らかな股を撫で回し、左手で大きく垂れそうな乳を揉みしだいている。
その姿を目にしながら、球体はひとつ目をニヤリとさせつつ、ブリッという排泄音と、悪臭を発生させた。
『フゥ……美味かったぞ』
球体の背後には、黒いセーラー服と、糞に変えられた少女だったものが産み落とされた。
「あ……あんなに可愛いかった娘が……んっ……なんと無様な……ぁぁ……」
シュリセルは、その身に潜在する加虐嗜好を刺激され、興奮に身体を震わせる。
『お前にも褒美をやろう』
球体はそう言うと、黒い粘性の物体を吐き出し、シュリセルの股間に貼り付けた。
「――んぅぅっ!! あ……あぁ……こ、これ……私の、中に……くっついて……!?」
貼り付いた物体は肉棒のように太く長く伸び、規則的な動きで、シュリセルの股間に貯蔵されていた水分を吸い出して行く。
『それはお前のクリトリスに貼り付き、何度も絶頂させ、お前の股にある水分を根こそぎ吹き出させる……まるで男根が射精するようにな』
「……あぁぁぁッ!! イクッ! ご主人様にくっ付けられた偽物チンコで、イかされ――ぉ゛っ゛!? ……おっほおぉぉぉっ!!」
下品な悲鳴と共に太ももをガバッと蟹股に開き、大きく仰け反ると、シュリセルは勢い良く尿や愛液を残らず射精した。
「ぉ゛……おふっ……ぅ……っ」
貼り付いた肉棒状の物体が、クリトリスの痙攣と連動して、小刻みに震えると、シュリセルは情けないアヘ顔を晒して、気を失った。
『フフフ……』
その姿を見て、球体が不敵に笑う。
『シュリセル……邪神たる我を崇拝し、我の妻を自称し、我の手足となり……生け贄を捧げる、無様で、哀れで、美しい女――』
『お前の望む通り、いつか我は甦り、現世を快楽と凌辱に染めてやろう』
『お前がもっと我を信仰し、もっと強くなり、我が先程ひり出した糞なんぞとは比べものにならぬ、真の生け贄になった時にな……聴こえていないか、ハハハッ!』
――その時のお前の絶望の悲鳴を喰らい尽くし、排泄するのが楽しみだ。
気を失いながらも、卑猥な痙攣と疑似射精を続けるシュリセルを見つめつつ、邪神は笑った。
異常です。その1と書いといて続くか分からないし
自分では面白いか判断できないけど、とりあえず失礼しました。
お待たせしました。メカバレ出来たんで投下します。
アンドロイドに心を持たせることは禁止されている。ロボットに人権を持たせると人間の人権が脅かされる可能性があるからだ。しかし、究極の研究であるこの課題は禁止されているにもかかわらず、多くの研究者が挑戦してきた。彼らによって作られたアンドロイド達は発見される度に政府によって回収されてきた。
複数の男に追われ、廃工場に逃げ込んだこの少女もその中の一機だった。さらさらした長い髪の毛に、柔らかい肌、両胸には大きくはないが形のよい膨らみがあり、人間の少女の体つきを完全に再現していた。外観上、人間との違いは耳についた冷却用の排熱板のみだ。
「ようやく見つけたぞアンドロイド」
廃工場の扉を突き破って、人形のロボットに搭乗した男が現れる。彼は違法なアンドロイドを回収する回収屋だった。
「また……、どうして私は認めてもらえないの?」
「人間より優れた能力をもつロボットが人権を持つと世界はそいつらに合わせた方が効率が良くなる。そうなれば人間に居場所がなくなる」
回収屋のロボットが手に持つ捕獲用のネット銃を少女に突き付ける。
「私はそんなことしません……」
「ああ、今はな」
回収屋はアンドロイドの反論を無視して捕獲ネットを射出する。少女は人間を遥かに越える跳躍力でそれを回避した。
「捕まる訳にはいかない……ごめんなさい」
アンドロイドは立て続けに放たれるネットを驚異的な速度で回避し、ロボットに肉薄する。そしてネット銃に蹴りをいれ、それを粉々に砕いた。
「少し眠っていてください」
アンドロイドはさらにロボットの腕を駆け上ると剥き出しの操縦室にいる回収屋に向けて力を押さえたキックを放った。しかし……
「え……?」
アンドロイドの蹴りは透明な壁に阻まれ、回収屋に届くことはなかった。さらに電磁バリアの電気によってアンドロイドの足に電流が流れ、部品の一部がショートしてしまった。アンドロイドは着地しようとするが、足がうまく動かず膝をついてしまう。
「脚部破損……歩行困難」
そうとう高度なプログラムが組まれているのか、アンドロイドは人間のように苦しげに顔を歪めている。少女逃げようとするが、足を破壊されてはスピードが出ず、直ぐに追い付かれてしまった。
「手こずらせやがって……。まずは動きを封じるか」
回収屋のロボットの右手が逃げるアンドロイドを掴んだ。そして左手がアンドロイドの両足をつまみ思いきり引き抜いた。
バキバキという音がして、銀色に輝くボルトとナットが床に散らばった。
「あ……あぁ……」
アンドロイドには痛みを感じる機能は無い。しかしこのアンドロイドは喪失感というものをインプットされていた。
「足……私の足……返して……」
アンドロイドは自分の体から離れた足に手を伸ばす。そしてロボットはアンドロイドの目の前で両足を握り潰した。
そして、ぐしゃりという音が響き再びロボットが手を開くとアンドロイドの両足はボロボロにひしゃげ、何かのオブジェのようになっていた。
「いや……どうしてこんな酷いことするの……」
「仕事だからだ」
回収屋はそう答えるとロボットを操作、アンドロイドを床に落下させた。アンドロイドはうつ伏せの姿勢で落下しさらにロボットの両手がアンドロイドの両腕を押さえつけた。
両腕はロボットの重さに耐えきれずにメキメキと音をたててひしゃげた。床に漏れ出たオイルが広がっていく。
「機能を停止させる」
回収屋はロボットから降りると小型の端子を手にアンドロイドに近づいた。そしてオイルに濡れたアンドロイドの髪を掻き分けると首にあるプラグに端子を差し込んだ。
「やだ……私……まだ……」
最期の言葉を言い切る前に停止プログラムが流れ、アンドロイドはその機能を停止した。回収屋はそれを担ぐとロボットの後部にある収納スペースに放り込んだ。
「さて、なかなか優秀なAIだったみたいだし、これは高く売れそうだ」
回収屋はロボットに乗るとその場を去っていった。
以上です。うーん、次はもっと上手くかけるように頑張りますね。
おふたりとも乙
上のはまだ続くのかな?ぜひとも続いて欲しい
誰か艦これの高波ちゃんのリョナ書いてくれないかな。
リクスレに投稿されたカガリ捕食はSSに出来そう!
SS職人増えた?
戦いを終えた女剣士が力尽きて悲惨な最後を迎える短編SSを投下いたします
一応、女剣士はこれをイメージして書きました
ttp://blog-imgs-64.fc2.com/r/s/c/rscolor/20140327225758dbe.png
楽しんでいただければ幸いです
反乱の夜下ーー。
その森には無数の死体があった。
「ハァ、はっ、ハァ、はあぁ……」
無数の兵士の血と肉によって築き上げられたその道は、その女の右手に握られたわずか一本の剣によって切り拓かれたものだった。
「……終わっ……たか…………」
ついに全ての敵を倒した彼女は、今にも倒れそうになるのを何とか踏みとどまって、空を見上げた。
深い闇夜が明けて、灰色の雲が濃く広がっており、その頬に一滴の冷たい雫が滴り落ちた。
雨だーー。
雨足はすぐに強まり始めて、返り血を浴びた女の全身を洗い流す。
白銀の腕装備やブーツ。
所々破れ、深傷を負った上体を覆う衣服。
露出しているために生々しい傷を負った太もも。
その全てを洗い流していく。
女は歩き始めた。
しかし、祖国に戻る前に自分の命は尽きてしまうだろう。
騎士として生き、騎士として死ぬ。
残念ながら、誇り高い死は迎えそうにない。
……これで良いのだ。
最後の最後まで、忠誠心を失うことはなかった。
王国を護る。
その使命に、一時たりとも背くことはなかった。
雨は地面に染み込み泥へと変わっていく。
味方の兵士、敵の兵士……それぞれが流した血は分け隔てなく混ざり合って紅い水溜まりを生む。
互いに敵対していた両軍も、死ねば同じ屍であった。
そして、王国に名を馳せた一人の女剣士もまた、名も無き兵士たちと同じように散っていくのだーー
「ぐ……ぅっ……」
ベチャッ……。
泥に沈むように、女剣士はうつ伏せに倒れた。長い金髪が背中の上で広がった。
僅かながら男より丸みを帯びた尻が、破れた衣服の隙間から露わになっていた。
鼻と片頬を泥で汚し、唇から通り抜ける呼吸が深くなっていく。
深傷を受けた上体から血がゆっくりと広がり、地を打つ雨で小さく飛沫が上がる。
女剣士の脳裏に、これまでの記憶が走馬灯のように駆け巡った。
女として生まれてきたことを後悔するばかりだった少女時代。
女として騎士の道を歩んでいく決意をして、誰よりも強くなろうと剣の稽古に挑んだこと。初めて戦場に赴き、武勲を上げることができたこと。
そしていつしか、少女は女となり、中隊をまとめる立場まで上り詰めたこと。
その頃になって初めて気づいた、男を愛する、という感情。
一人の女から、一人の母になる、ということ。
女としての幸せに気づきつつあったその時ーー王国の反乱軍が大挙として押し寄せた。
「……………………」
ーーこれで良かったのだ。
反乱は鎮圧された。
祖国の平和。祖国の繁栄。
民は守られ、祖国の栄光はこれからも続くことだろう。
何も思い残すことは無い。
何も、何もーー。
「…………っ…………」
なぜ、胸の奥がこんなに疼いてしまうのだろう。
雨に濡れて冷たくなっていくばかりの顔に、目許から熱いものが滲み出してくるのが分かった。
「ーーーー」
女は口を開く。たった一人の恋人の名前を呼ぶも、それは声にならなかった。
「……ゲホッ、ガホッ、ぉ」
びくん、びくんと身体を反応させて女は吐血した。深紅の粘ついた血が口許に広がる。
女なのに化粧したことのない顔に生々しい口紅が引かれていく。
「ハッ、ハッ、ひっ……はっ……!」
女は剣を手放し、腕を前に伸ばして、這うように前へと進み始めた。
祖国に、帰るのだ。
せめて最後に一目見たい。話がしたい。
たとえ血だらけになっても泥だらけになっても、まだ別れの言葉を告げていない。
まだ死ぬわけにはいかない。
死ぬわけには……。
ーーグルルルルルゥゥ……ッッ
耳のすぐ側に、喉を唸らせる鈍い声を耳にしたのは、ちょうどその時であった。
「なっーー」
獣臭い匂いがツンと鼻を突いた。
森を荒らした人間どもの肉を食い荒らす狼が、女のすぐ側まで忍び寄ってきていた。
彼女は狼の目を見た。
その目に感情らしきものは何も認められなかった。
飢え、という動物本能だけが行動原理の狼が目の前にいた。
「…………っ、ゃ……ゃめ、ろ……っ」
彼女は一瞬で理解した。
それと同時に、女は絶叫を上げていた。
「キャアアアアアアアアーーっっ!!!」
今まで上げたことのない、甲高い女の断末魔が森に響き渡る。
狼は手始めに頭を食らおうとして歯に彼女の長い金髪が絡まって、無理やり髪を引きちぎった。
ブチブチブチィッッ
狼が首を横に振ると、口から金髪がパラパラと落ちる。その髪の抜けた所から血が染み出した。
「だっ、誰かっっ、誰かぁああぁっっ!! ぉ、おねがっっ……げファあぁあっ」
誇り高き死すらも許されない……。
女は白銀の装甲で守られていない太ももに噛みつかれて、あまりの痛みにのたうち回る。噛み千切られた部分からは大量の出血とともにわずかに白い骨が見えた。
這うことができなくなった女はひたすら身を丸めることで耐えようとするが、それが一体何の抵抗になるというのだろう。
狼はまたしても装甲で守られていない女の首に牙を突き立て、ガリガリ、ボキボキと噛み砕いた。口から大量の血を吐いて噴水のように高く血が吹き出す。
「ぎゅぴぃッッ! ぴぃイイイギャアアあぁあっっ! ゥっ……ベェエェエえぇえっっ……」
びくくん、びくくん、と足が跳ね上がったと同時に噴き出した血の勢いは弱まり始める。思い切り口の中から逆流してきた鮮血の勢いで口から飛び出して不様
な悲鳴となる。
ゴリゴリゴリッ、シャコシャコシャコシャコ……
クッチャクッチャクッチャ……
ブブビュッ
骨がすり潰され、肉を咀嚼して血が絞り出される音。
女の身体はやがて人間と呼ばれる形を失い、血で汚れた布でくるまれた、肉塊と呼ぶほかないものへと変わっていく。
丸め込もうとした身体は両手足を思い切り広げるようにしながら何度も痙攣する。
狼が側から離れた頃には……壮絶な表情を浮かべたままの顔だけを残し、肉の部分が食い散らかされた女の姿があった。
瞳が落ち込んで白眼を向いた頭部が転がり、銀の装甲で守られた腕と膝下、上体を残し後は食い尽くされていた。
「ーーーーー」
雨は降り続ける。
その雨がやむ頃には、彼女の遺体は祖国に引き取られることになるだろう。
しかし、それまでの間に彼女の身体は原型を留めていられるであろうか。
夥しいほどの遺体で埋め尽くされたその森の上空に、カラスが一匹二匹と飛び交い始め、その数を増やし始めたーー。
終わり
以上になります。
現在は翡翠のSSに力を入れております。こちらはどちらかと言うと肉体よりも精神的なリョナになると思われます
それとは別で、色々なシチュで短編を書いていくスタイルになるかと思います。もしこういうシチュを書いてほしい! という要望あれば、参考にさせていただくかもしれません
ではノシ
乙
相変わらず容赦ない感じで安心
精神リョナは楽しみだ
やっぱりじっくり追い詰めていく過程を楽しむ派だからかな
以前もあったけど首吊り、絞殺系あたりのSSが見てみたいな
>>337
情け容赦ないですね。いいと思います。
女剣士の絶望がいい感じですね。
最近ソフトリョナものを書き散らしてる者です。
リクエスト募集します。ソフトに限らずハードもグロも大丈夫です。
リクエストは安価つけて頂けると自分へのリクエストだと安心して書けるので出来ればこのレスに繋げてほしいです。
>>342
変身ヒロインのリョナとかかけますか?
ダメージに耐えられず変身が解ける瞬間が好き
>>342
失禁、更には行ければ脱糞までありの首吊りSSをお願いしたいです!
靴脱げ描写などもあると嬉しいです
>>344
前スレの>>81 は君の望みを全て体現してるよ
…もしかしてあのssの作者さんだったりするのかな(笑)
>>345
そんなSSあったのか!マジか!と思い確認したところ…自分のSSでした笑
私の表現力、語彙力ではSSは無理だと諦めてから随分経ちましたが、どさくさ紛れにリクエストをしてしまいました(>_<)
でもあんな駄作を覚えていてくれる方がいて嬉しかったです(駄作だからこそ覚えているのかもしれませんが)
>>337
UNIに続いてハードなシチュだ・・・! 短めながら読み応えありました
翡翠は精神面リョナ多めとのことですが、やはり最近の作品を読むにノエルの人さんのハードシチュはすばらしいので
UNIの彼女たちのように翡翠も容赦ない最期を迎えて欲しいというか、ソフトリョナ以上ではあってほしい願望が
触手リョナの人ですよー。皆様乙です。
私の趣味丸出しのぴっちりボディスーツの駆け出し冒険者の女の子が
手足を折られて触手にボコォされて身体の中を精液で一杯にされてボロ雑巾にされて死んじゃうSSができたので投稿させてもらいます。
王国の首都からほどなく近い森。
希少な動植物や強さの割りに実入りの良い素材となる魔物の多いそこは駆け出しの冒険者が実力を付けるに相応しい初心者用のダンジョンとして知られていた。
今日も名のある勇者や一攫千金をめざす若者が成り立ての冒険者としてその森に向かう。
穏やかな昼下がり、木漏れ日が心地よい森の中を今日冒険者デビューを果たした少女が期待と不安を胸に歩いていた。
くりくりとしたつぶらな茶色の瞳と栗色のポニーテール。
まだあどけなさの残る顔付きながらも整った顔立ち。
首から下の全身をぴたりと密着する黒のボディースーツに身を包み、その上から要所を革製の防具で守る軽装の出で立ち。
まだ若い少女だが小柄な身体の割にはかなり肉付きが良く、引き締まってもいる為中々の鍛練を積んでる事が伺える。
特に胸はその幼さの残る顔付きからは想像できないほど発達し、少し小さいレザーの胸当てからゆがんでこぼれ落ちんばかり。
引き締まりながらも大きめのお尻には防具の類いは無いためスーツ越しのきわどいボディラインをあます事無く見せつける。
引き締まりながらもむっちりした脚は全面部を金属装甲で守る革の茶のロングブーツを。
少女然としながらも筋肉の付いた腕は左手のみ金属製の大きめのガントレットを装着し、右腕には大振りのナイフ。
少女の名はライナ。
小さい頃から冒険者に憧れ、密かに特訓し、両親に反対されながらも晴れてデビューを果たした軽装戦士。
彼女は駆け出しには丁度良いこの森に経験と資金を集める為に訪れたのだ。
「よーし、これからアタシの伝説が始まるんだ!」
若手の新人にありがちだがやる気に満ちた大きめの独り言を上げ、ライナは森の奥へ向かった。
この森は初心者向けと言われる程で魔物は基本的に弱く、そもそも一番強いのがあまり人を積極的に襲わないただの動物の熊。
よほど運が悪くても命を落とすのは稀と言われる森だったが...。
ずん。と突如地面と木々が揺れ、鳥達が一斉に羽ばたいた。
「な、何!?地震!?」
突然の地鳴りにライナは思わずナイフを構え少し狼狽える。
しかし、彼女がより驚愕したのはこの直後現れた者を見てからだ。
「...え?なに、これ...?」
ライナの前に木をへし倒しながら現れたのは巨大な怪物だった。
身長は4メートル程、全身が黒い金属質の甲殻に覆われ、大の男位は有りそうな太い脚が4本。
脚は丸い胴らしき部分に繋がり、丸からは虫の様な細い腕が4本、その先端には頑丈かつ鋭利な、騎士のランスと処刑人の鎌を足して2で割ったような凶悪なハサミが。
丸の胴にはいくつかのガラスの様な赤い無機質な目玉が木漏れ日を反射して煌めいていた
。
冒険者を目指していたライナは魔物にはそれなりに詳しいと自負があったがこんなのは彼女の知識には無く、勿論この森にこんなのが現れるなど聞いた事もない。
魔物の通った道は無惨に太い木々がなぎ倒されてる事からこれが弱い魔物とは到底思えない。
そしてそれは無機的な眼球がライナを捉えると放たれた威圧感と殺気により確信と変わる。
これはこんな所には間違ってもいてはいけないし自分所かその辺のベテランでも勝つのは怪しい。
「に、逃げないと...!」
脚が勝手に震え抜けそうになる腰に鞭を打ち、踵を帰してこの場から逃げようとするライナ。
彼女の身のこなしは新人にしては見事で、恐怖と緊張が逆に完璧な逃走スキルの後押しをして素早くその場から姿を消す事に成功した...かに見えた。
「はぁっ、はぁっ...!と、とにかく早く街に戻って報告しないと...!!」
息を切らしながら全速力で森の中を駆ける少女。
時おり走る勢いぁ草むらの枝が強く当たり、防具に守られた身体は何ともないが顔に軽い怪我を与えるが今はそんなこと気にする場合では無い。
「も、もう少し!この先を越えれば出口...!」
森の出口を目にした事で少し気が緩み、少しの不安にかられたライナは後ろを振り向いた。走るのに夢中で追って来てないか確認してなかったのもある。
そしてライナは後悔と絶望に包まれる。
結論から言うと怪物は追って来ていた。
ただし二本のハサミだけが。
腕から切り放され、虫の様な羽で音も無く飛び、ライナの後ろをぴたりと着いて来たのだ。
振り向いた事に気付いたのかハサミが開閉を繰り返し、ガシンガシンと重く鋭い嫌な音を立て始めた。
「う、嘘でしょ...!?」
顔面蒼白となりながらも最早立ち止まれないライナが前を向くのと、先回りし二本腕となった怪物が彼女の腹目掛けて閉じたハサミを打ち付けたのはほぼ同時だった。
「げぼあっ...!!?」
黒い怪物のハサミはぽーんとほぼ垂直にライナを二階建ての家ほどの高さ、木の上まで飛ばす。
当の彼女は腹をぐちゃぐちゃにされたような激痛に浮遊感も味わう前に口から吐瀉物を撒き散らしながら受け身も取れずに落下した。
「ぐぎあっ!?ごっ、ごべぇぇぇっ!!!」
全身を強かに打ち付けた物の、ボディスーツが衝撃が吸収し、高さの割には軽いダメージに抑えてくれたようだ。
全身を襲う強烈すぎる痛みにその歳の割に肉感的なボディをびくびくと痙攣させ、這いつくばりながらも必死に怪物から逃れようとする少女。
しかし、腕を戻し4本腕となった怪物はハサミで器用にライナの手足をつまみ、大の字の形で宙に持ち上げる。
「うああっ...た、たしゅけてぇ...」
ぼろぼろと涙をこぼし懇願するライナ。
その姿に先程までの夢と希望にみち溢れていた冒険者の姿はどこにもない。
勿論ライナの事など構うことなく怪物はハサミの隙間からするすると無数の紐の様に細い触手を伸ばすとライナの両手をきゅっと包み込む。
「なっ、何!?お願いだからひどいことしないでぇっ...!」
異様な光景とこれから何をされるのかと言う恐怖に完全に怯えきったライナ。
触手に力が入ったと思うと、それは一瞬で両手を強く強く締め付け、彼女のスーツ越しの細指を粉々にへし折ってしまった。
「ぎゃっ!?ぎゃひぃぃぃぃぃぃっっっ!!!」
視界が勝手にチカつくほどの激痛に背骨が折れそうな程のけ反り悲鳴を上げるライナ。
ガントレット越しの左手指も例外無く右手同様破壊され、粉々になった残骸が崩れ落ち、あべこべの方向に向いた手指が露になる。
金属の籠手越しの区別無く、わざわざ生身と同じダメージを与えている事からもライナをなぶり殺しにするのは明白であった。
指を破壊され悶絶するライナに更に責め苦を与えるべく、ハサミに力が込められると細いながらも色気のある肉付きの手足にめり込んでいった。
そして、骨が砕ける鈍くて嫌な音が四ヶ所から同時に響く。
「んっぐぎゃあぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
四肢の骨を同時にへし折られライナはもう白目を向き泡を吹いて断末魔の様な絶叫を上げる事しかできない。
その思考も強烈な苦痛に支配され、痛くて苦しい事と死にたくない一心しか考えられなくなる。
「あがががぁぉぉぉぉ...いだいのいやぁ、たすけてぇ...」
泡状の涎を吹き溢しながら泣きじゃくるライナを尻目に球状の胴からぬるり、と怪しい粘液を滴らせながら黒光りする大蛇の様な触手が現れ、冒険者に近づく。
スーツ越しに尿をちょろちょろと漏らし病的な痙攣で肉感的なボディを誘うようにビクつかせるライナに、巨大な触手が近づき、その股間にあてがわれた。
ふともも程も太いそれはライナの衣服毎、処女の狭い肉穴を引き裂き、抉りながら容赦無く挿入された。
「!!!??ぎゃがっ!ぐぇっへぇぇぇっっっ!!!?」
冒険者になるため必死に鍛練し、腹筋が浮いていたライナのお腹がぽこりと膨れ上がる。
既にこれだけで四肢の痛みを凌駕する苦痛を味わうライナだがまだ触手は先端を入れたばかり。
すぐに激しいピストン運動が始まるとあっさりと彼女の最奥、子宮内まで犯され、更に腹が膨らんだ。
「ぐげうっ!?ぎはぁっ!!おぐげっ!!」
のけ反り、泣き叫ぶ既に死にかけのライナの、その肛門にもお構いなしにもうひとつ巨大触手が飛び込んだ。
「ぎぎゃっひぃっ!!!あげぇっ!!し、しんじゃうーーーっっ!!だ、だずげでぇ、だれがぁっ!!」
両穴の壮絶な挿入に股関節は破壊され、最早ライナの苦痛は限界と言う言葉すら生易しいレベルに達する。
それでも何故か死ねないばかりか気絶すら出来ない哀れなライナの命乞いが森に響く。
触手の岩をも壊しそうなピストン運動は激しさを増す一方で、骨盤は無論粉々に砕かれ、背骨すらもヒビいりそうな衝撃がライナを襲う。
そして、一際強い突き込みと同時に触手から大量の白濁液が流し込まれた。
ぼこん、ぼごんっ、ぼごごぉっ!
「がっは...!!んぐぅ!?げっへぇ...!お、おげげぼぼぼぼあっ!?」
黒いスーツ越しのお腹がまず妊婦の様に膨らみ、少し間を置いて更に膨らむと少女の喉も膨らみ、口から精液が逆流し...最期にスーツが吹き飛ぶ程腹が膨らみ、のけ反りながら大量の精液が口から迸った。
彼女の体内は怪物の精液で満たされたのだ。子宮は無論、肛門からのも口から溢れる程に。
いや、それだけでは済まなかった。
大量の精液はだんだん赤みを帯びた可愛らしいピンク色になっていくが、それはつまり彼女の体内がおぞましい事になってしまった事に他ならない。
「うぶおごぶげげげげげぇぇぇぇ!!!!ごばっげ!!!」
内側からの精液の圧力だけで顎が外れるのを最期に、ライナの心臓が止まった。
その後も怪物は実力と歳の割には極上の肢体を持つ少女をクズ肉同然の状態になるまでたっぷりと楽しみ、飽きると現れた時同様唐突に消え、どこかへと帰っていった。
この魔物はこの森に訪れる人間をこうして犯し殺すがその頻度は数十年に一回。それも一人を犯せば満足する為犠牲者は一人だけ、それも原型を留めない為人が殺されたとは判断されず誰もその存在を把握できていなかった。
ライナが危惧した街、ひいては王国の危機など当然、訪れる筈も無かった。
不運極まり無かった駆け出し冒険者ライナは使い捨ての性玩具という最悪の死にかたにも関わらず初心者用のダンジョンで行方知れずとなった愚か者としてその名まで汚された。
以上です。
>>352
乙てす。
死後の尊厳まで破壊する容赦なさがグッドでした。というかモンスターがリョナラーの理想を体現してる。
>>342 の者ですです。
>>343 と>>344 両方書きます。適当なオリジナルキャラでもいいですか?
>>354
344です
ありがとうございます!
オリキャラでも構いませんし、もしご希望なら良さげな版権キャラを探します!
>>354
343です
オリキャラでも版権でもかまいません
シチュを楽しむので…
>>355
うーん、首吊りならキャラが誰だろうとあんまり変わらなそうてすし、版権に挑戦しようとおもいます。
希望があるならどうぞ。
>>356
じゃあこっちは適当にオリキャラ作ります。
生かしますか?殺しますか?
絶対にここでしか聞けないオーダーの確認
「生かしますか?殺しますか?」
名言だわ
D会に依頼するときとかも聞かれそうな感じ
>>359
なんとなく、機内食の「チキンorビーフ?」ぐらいの気軽さで再生されたw
>>358
ボロボロにはなるけど殺さないくらいが好みかな…精神的に殺すのは好き
ただ殺した方が書きやすいのであれば全くかまいませんな
お待たせしした。>>343 ができたので投下します。
真夜中、町外れの廃工場を一人の少女が訪れていた。見た目と、胸に名札がついた制服から年齢は中学生くらいだろう。小振りな胸やツインテールから年齢よりも少し幼げな印象を受ける。
なぜこんな少女が寂れた廃工場にいるのかというと、彼女はある男を追いかけてきていたからだ。少女の正体は町の平和を守る魔法少女であり、彼女が尾行していた男は悪の組織の幹部であった。
「もしかして、ここが彼らの基地?」
少女が空に手を翳すと彼女の手元にピンク色の杖が現れた。少女はそれを振るとキラキラとした光が尾を引いた。
「変身!」
少女が唱えると杖から溢れる光が少女を包んだ。そして少女のシルエットが変化する。制服姿から裸へ、そしてそこからスカートやマントが生成される。光が収まると少女の姿はこれまでとは全く違った物になっていた。翻る白いマントに、大きくお腹の空いたピンクのフリフリの衣装、地味だった黒髪は金色変わり、目は赤く色づいていた。
「よし」
少女は気合いを入れると廃工場の扉を開けて中に入った。中は薄暗く、窓から差す月明かり程度では殆んどなにも見えなかった。
少女が一歩前に踏み出す。その瞬間、少女が入ってきた扉が大きな音を立てて閉まった。少女はその音にビクッと震え、そして扉を再び開けようとする。しかし扉は蝋で固めたかのように動かなかった。
「閉じ込められた!?」
「そのとおり」
少女の言葉に答えるように声が響く。少女が振り向くと廃工場の中心にぼうっと光が灯った。そこにいたのは彼女が追いかけていた幹部の男であった。
「ようこそ、私の檻へ。やはり尾行していたのはあなただったのですね」
「気付かれていたの?それに檻って……秘密基地じゃないの?」
少女は尾行に気付かれていたことに動揺し、声が震えていた。
「はい、気付いていましたとも。そしてここは我々の秘密基地ではありません。敵対者を閉じ込める為の檻です。この建物には結界を張らせてもらいました。あなたは私を倒すまでここから出られません」
男は一息に説明した。少女不安げな表情を見せるが、それも一瞬だった。少女は男を睨むと持っていた杖を男に突きつけた。
「それなら、あなたを倒してここから出ます!」
少女か男に向かって走り出す。同時に少女の持っていた杖が変型し、刀の形状になった。少女が男の元にたどり着く直前、男を照らしていた光が消え、工場内が再び闇に包まれた。
「えいっ!」
少女が刀を振るが、既に男は移動しており空振ってしまった。少女は周りを見渡すが、窓から遠い中心部は光が全く届かず男の位置を把握できない。
「どこに……あぅっ!」
少女は男を探すが、不意に横から強い衝撃を受けて吹き飛んだ。なにか固いもので殴られたようだ。少女は立ち上がって刀を構えるが、男を見つけられず攻勢に出られない。再び、今度は後から打撃を受けてしまう。
「うっ……そこ!」
少女は攻撃を受けて直ぐに振り返ると刀を振る。しかし今度も空振りに終わり、今度は横から刃物による攻撃を受けてしまう。
「は、速い……あぁっ!」
男は少女に休む隙を与えず少女に攻撃を浴びせる。少女はあちこちから浴びせられる攻撃に全く対応できず、徐々にダメージを蓄積させていった。
「くぅ……えいっ!」
男を狙うことを諦めたのか、少女はがむしゃらに刀を振り回した。しかし少女の振る刀は空を切るばかりで男に当たることはない。むしろそれによって少女の体力はどんどん削られていった。
「はあっ……はあっ……」
少女は息切れを起こし、足元をふらつかせた。そしてそこを狙ったように少女に打撃が与えられる。少女は踏ん張ることもできずに飛ばされてしまった。
「きゃあぁっ!」
少女は壁に当たって地面に落下した。少女はふらふらと立ち上がるがもうまともに戦えそうにない。
「ふう、とんだ期待はずれですね」
男性が呟き、パチンと指を鳴らした。同時に廃工場の照明がつき、工場内の様子が明らかになった。少女の服装は度重なる攻撃によってボロボロになっていた。マントには所々切断されてできた穴が開き、フリルはボロボロに破けている。そして……。
「う、うそ……どうなってるの?」
悪の組織の幹部の男、それと全く同じ顔をした男が数十人立っていた。彼らはそれぞれハンマーやナイフなど別々の武器を持っていた。
「私の能力は分身でしてね、あなたはずっと一人でこの人数と戦っていたのですよ」
男の分身たちがじりじりと距離を詰める。しかしトリックがわかった少女には幾分か余裕ができていた。
「数が多いなら……」
少女の手の中の刀が杖に戻り、さらに弓の形に変型する。少女が弦を引くとそれに合わせて少女の右手に光の矢が現れた。
「必殺!」
少女が手を離すと無数の光の矢が放たれ、分身たちを薙ぎ払った。魔力を大量に使った彼女のもつ一番の広範囲攻撃である。
矢の連写が止まると工場内に立っているのは少女だけになった。床には分身たちが倒れていて起き上がるものは一人もいない。少女は工場の出口まで歩き、扉に手をかけた。
「え……?なんで?」
少女が扉を開けようとするが扉は先程と同じようにぴったりと閉じて一ミリも動かない。少女は慌てて工場内に視線を戻す。いつの間にか分身は消え去っていた。そして最初と同じように男が工場の中心に立っていた。
「実に素晴らしい攻撃でした。隠れていて良かった」
男が白々しく手を叩いた。
「か、隠れていた?」
「はい、危ないので。では次はこちらからいきますよ」
男がハンマーを構える。少女は身構えるがそれよりも前に男が動いた。一瞬で少女に接近するとハンマーを振り抜く。
「うっ……!」
少女は壁に叩きつけられ、呻き声をあげる。そして少女が床に落下するよりも早く男が少女に追い付くと、少女のむき出しのお腹にハンマーを叩きつけた。
「が、はぁ……!」
少女のお腹にハンマーがめり込む。少女は落下した後も立ち上がることができず、ペタリと座り込んだまま苦しげにお腹を押さえていた。変身中なので大きな損傷は内が彼女の体力は限界に達していた。
「あぁ……うぐぅ……」
「さて、では私も大技を使いますね」
動くこともできない少女にそう告げると男はハンマーを振り上げた。ハンマーにどす黒いオーラが次々と集まってくる。
「いや……ま、待って!」
少女は必死に懇願するが、聞き入れられるはずがない。男がハンマーを振ると黒いオーラが少女に向かって放たれる。避けることができない少女は体の前に手をかざすが、そんな防御はなんの役にも立たない。
「くぅ……う……」
少女は攻撃に歯を食いしばって耐えようとするが、長く続く攻撃に耐えきれなくなり悲鳴をあげた。
「あぁ……ああぁぉぁぁぁぁ!」
廃工場に少女の悲鳴が響き渡る。そして一分ほどの時間が経ち攻撃が止んだ。それと同時に少女の体が光に包まれ、その光が散った時には既に元の制服姿に戻っていた。限界を超えるダメージを受け、変身を維持できなくなったからだ。
「ふぇ……うぅ……」
そして同時に心も折れてしまった少女は涙をこぼし、泣き出した。変身が解けた状態では見た目相応の力しか出せない。もはや少女に戦う術はなかった。
男は少女に近づくと彼女が持つ杖を掴んだ。少女は放すまいと抵抗するが男蹴り飛ばされ、杖を手放してしまう。
「では、これは預かっておきます」
男がそう言うと廃工場の照明が消え、再び闇に包まれる。男の姿は闇に溶け込むように消え、あとに残されたのは子供のように泣きじゃくる中学生の少女だけだった。
以上です。うーん、いつもと変わらんのが出来ちゃいましたね。もうちょっとボコれば良かったかも知れません。
>>366
乙です
予想以上にボコられていて萌えました!
自分のリクエストなんですがキャラは妖怪ウォッチのふぶき姫かゆきおんなちゃんあたりをリクエストしたいですが、、、うーんちょっとマニアックですかね(^_^;)
もしアレなら変えるか、オリジナルキャラでも構いません!
>>367
感想ありがとうございます。
その二人の名前はこの板でたまに見かけますね。
どういった辺りがリョナ的にいいんでしょうか?
>>368
まずはビジュアルの可愛さでしょうね
大人向けアニメにも劣らない良ビジュアルかと!
あとはふぶき姫の方は最強的な位置づけのキャラなので、そこも影響してるかなと思います
強いキャラを堕としたいみたいな
>>366
乙です
魔法少女希望した者です
やっぱり最後は心が折れないとね…(ゲス顔)
ふっと思いついたアイデアを投下します
オリジナル作品で『リョシナンルーレット』です
さあ、今宵も『運命のリョシナンルーレット!』のお時間がやって参りました。
本日は『市立鷺ノ宮中学校』に通っている女子生徒から適当に6人を選びだしました!
さあ、一体誰から犠牲になってしまうのでしょうか!
今回のメンバーは下の6人だ!
清野友美ちゃん(15)
福嶋千夏ちゃん(14)
野村瑞葉ちゃん(15)
橋田菜々子ちゃん(14)
内堀実来ちゃん(13)
粟野叶ちゃん(13)
「ぅ……ん……」
「あ、れ……?」
「ここ、どこ……?」
さあ、眠らされていた六人が同時に目覚めました。
六人はこの通り、円形に並んで向かい合うように立ち、両手足を拘束されております。
皆様から見て十二時の方向から、友美ちゃん、千夏ちゃん、瑞葉ちゃん、菜々子ちゃん、実来ちゃん、叶ちゃんとなっております。
では皆様、誰が最後まで生き残るか、お手元のボタンでお答えください! スタートっ!
「な、なに……?! ここどこ……?」
さあ、六人とも誰も状況が飲み込めていないようですが気にせず参りましょうー。
ちにみにこの六人は全くのランダムで選ばせていただいております。この六人の間に友達関係があるかもしれませんし、無いかもしれません。ひょっとしたら同じ学年の子では顔見知りがあるかもしれませんが……。
「せ、清野先輩ですか……?」
「え……、あっ、実来ちゃん!?」
おっと、清野友美ちゃんと内堀実来ちゃんは知り合いのようですねぇ。
えー、手許の資料に寄りますと、二人は同じバスケットボール部に所属しているようです。たまたま出会えてよかったねー。
さて、そうこうしている間に集計終わりました!
では、一番人気から発表していきましょう! こうなりましたっ!
一番人気
橋田菜々子ちゃん
二番人気
内堀実来ちゃん
三番人気
福嶋千夏ちゃん
四番人気
野村瑞葉ちゃん
五番人気
清野友美ちゃん
六番人気
粟野叶ちゃん
さて、毎回この投票をする度に思うのですが、これって単純に可愛いもの順に並んでいるだけではないでしょうか(笑)
一番人気はやはり菜々子ちゃんですね! 私もこの子がダントツで可愛いと思います。この子は将来モデルさんになりたいと将来の夢を語っているんですねー。将来の夢を叶える為にも、何とか生き残ってくれ、菜々子ちゃん!
それにしても15歳の二人は人気がないですねー。まぁあと一年経たずに高校生ですからね。高校生はオバサンですからね。何というロリコン思考(笑)
で、その二人を差し置いてビリとなってしまったのは、最年少であるはずの叶ちゃん……いや、叶氏と呼ばせていただきましょう。
ちょっとね、この子はあまり魅力がないというか……ねぇ(汗) 何が、とは言いませんが。どうしようもないですね(笑)
「ふぇっ……」
さあ、叶氏が何かよく分からない声を漏らしたところで、早速準備を開始しましょうか。
ヘイ、カモン!
ウィーーーーーン!!
「な、なんやこれ!?」
おっと、千夏ちゃん。思わず口から関西弁が飛び出したか?
さあ、見ての通り、六人で囲んだ円の中心からせり上がって来たのはガドリングガンだっ。
「な、なんですか……!? いったい、何が……!?」
へいへい可愛い菜々子ちゃん。言われなくても今からルールを説明するさ!
とは言っても簡単なルールだ。五秒で説明するぜ!
今からこのガドリングガンがグルグル回転する。そして止まったらガドリングガンが発射されるぜ。止まったときに銃口を向けられていた可愛い娘ちゃんは……sorry! 蜂の巣になってもらうぜっ!
「えっ……!?」
それを五回繰り返して、最後まで生き残った可愛い娘ちゃんがchampion! という訳さっ!
ね、簡単でしょう?(笑)
「な、何なのよそれ!?」
「ふ、ふざけないでっ……!」
「ふ、……ふぇえ……っ」
いやいや、ふざけてなどいませんよ。
これは本気な話ですよ。本気と書いてマジですよ。
「離せ! 離せよ! 家に帰らせろやぁ……!」
おっと千夏ちゃんが逃げようとしているが、残念! その拘束は君の力では解けないよ!
帰りたかったら祈ることです!
生き残ったら帰れるから!
多分帰れるから!
多分だけど(笑)
では。スタートっっ!!
ウィーーーーーーーーンッ!!
さあ運命のガドリングガンが回転を始めたぁー!
いったい最初の脱落者は誰になってしまうのかー!
「先輩っ、先ぱいっっ……!」
「落ち着いてっ、大丈夫っ、大丈夫だからっ!」
おー、さすがは清野先輩! ご自分よりも明らかに可愛い後輩にたいし声をかけている!
素晴らしい先輩ですねー。
何を根拠に大丈夫と言っているのかは分かりませんが(笑)
ウィウウウウンンンッッ……。
さぁあ、回転スピードが遅くなってきたぞぉー!?
さぁ、止まる! 止まる! 誰に止まる! 誰に止まる!?
「ぃ、いやっ……!! いやっ! イヤあッッ……!!」
おっと、これは後輩の実来ちゃんか!?
止まるのか! 止まるのかぁ!? いや、通り過ぎるのか! どっちだ!?
ピタッ
「………ぅえっ……?」
おおっと、銃口はギリギリ実来ちゃんのところを通り過ぎて、その隣に居た叶ちゃ……叶氏の所で止まったぁー!
「ひっ……ひっ、ヒッ……!?」
おおっと、どうしたのか叶氏!? まさか今更ルールを理解したのか!?(笑)
「ゃ、やべっ……やめっっ……! ぉがぁざぁああんっっ……!」
おおっと、叶氏の表情が物凄いことになっている! ただでさえアレな顔なのに涙でぐちゃぐちゃだぁ!
しかしこれはルールですから!
ごめんなさーいっ。
Fireーっ!!
ドダドダダダダドダダァダダダッ!!
「ぁがががががががががっっっ!!」
あー、無残にもガドリングガンの嵐が叶氏を襲うーっ!
たった13年の命だったけど! 来世は美人に生まれ変われるかもしれないからっ! 前向きに考えることにしましょう!
「ぁへーっぅぅ……っ、っ…ー」
ガクンっ
さあ、一人目の脱落者は粟野叶ちゃんに決定いたしましたぁ。
いやー、それにしても一番人気なかった叶ちゃんがまさか一番最初に来るとはねー。運が悪いです。
おっと? この光景を見た他の五人が呆然としているが大丈夫か?
「ぅ、ぅっ……ぅ、うえっ、ェっ」
おっと、危機一髪だった実来ちゃん! まさかの口からリバースだぁあ!
「…………うそ、やろ……?!」
千夏ちゃん、嘘ではございません! 見ての通りでございます!
「実来ちゃん……っっ、ぅ、うっ……」
あー、清野先輩も思わず涙を流してしまう。あー仕方ないかー。
「ぁ……ぁ…………ぃ、や……っっ」
チョロロロロ……っっ
おおっと!?
将来はモデルさんになりたい菜々子ちゃん、思わず恐怖でお漏らしをしてしまったぁー! これは観客席が大盛り上がりだーーっ!
「ひっ、ひっ……ぃやぁ……っ」
口ではいやと言っても、おしっこを止めることはできないのでしょうかっ。内股にして隠そうとしてもバレバレだぞー?
さて、そんななか。
皆様お気づきでしょうか、一人だけこれまで何もしゃべっていません。
四番人気の野村瑞葉ちゃんです!
「…………」
素晴らしい精神力です。
ここまで来てもなお、口を開くこともなければ取り乱すこともない。
無表情を貫いております!
えー、手許の資料によると……?
あーなるほど、この子は家庭事情に少し問題がある娘のようですねぇー。
無口な不思議ちゃんキャラを演出しているのでしょうか? しかしそれが許されるのは絶世の美女のみ。顔の可愛さが平均レベルの何処にでもいる女の子がやったところでイタいだけです(笑)
さぁ、どんどん行きましょう!
二回目のスタートっっ!
〈ここで力尽きましたので、どなたか続き書いてください〉
モブキャラが問答無用で撃ち殺されてしまう系リョナを書こうとしましたが、ここで力尽きてしまいました
気力ある人続きお願いします
個人的には、後輩を庇おうとする先輩の姿とか書こうかなーと思いましたけど、とりあえずここまでで置いておきます
六人ともモブキャラなので設定は如何様にどうぞ
うおおおい!やめるんかい!
気力を振り絞って書いてくれ…続きを書いてくれ
何より撃たれた子以外の怖がる様子がかわいいねぇ
首吊りSSは無しかな?
キャラはなんでもいいけどシチュ的に楽しみにしてたんだけどな
>>380
リクが人間じゃなかったから話を練り直してます。
人間ならテンプレ作ってあったのですが……
そうなんですか!
急かしたようで申し訳ないです
俺はリク主じゃないけど楽しみにしてます
r ‐、
| ○ | r‐‐、
_,;ト - イ、 ∧l☆│∧ 良い子の諸君!
(⌒` ⌒ヽ /,、,,ト.-イ/,、 l
|ヽ ~~⌒γ ⌒ ) r'⌒ `!´ `⌒) よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが
│ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ ⌒~~ / 「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが
│ 〉 |│ |`ー^ー― r' | 大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ
│ /───| | |/ | l ト、 | 王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は
| irー-、 ー ,} | / i 作れないぞ!
| / `X´ ヽ / 入 |
さあて、誰に急かされたわけでもないけど書き上げたし投下しますね。
(SSの出来もそうだけどAAが成功してるか不安……)
舗装すら十分にされていない山道を、1台の白い車が登っていく。
前にも後ろにも車影はなく、麓から、緑の山道を白い影が一つ上がっていく様がよく見える。
マネージャーの運転する車の後部座席で足組みしながら、皇エミリは茶色い2号封筒の中から資料を取り出し、目を鋭くさせてその内容に視線を走らせた。
「13時30分……四菱スタジオ地下1階……」
黒髪ボブの、落ち着いた雰囲気のある美女。
淡い桃色のリップを引いた薄い唇が、端正だが、あどけなさの残る顔立ちとギャップのある艶やかな声を奏でた。
ハンドルを握るマネージャーとの意思疎通も兼ねて記載内容を声に出せば、静かな興奮で胸が高鳴る。
車は都心を離れ、ビルどころか住宅さえ見えないような山道を、車体をガタガタ揺らしながら走っていた。
事務所を出てから1時間程度だというのに、外はすっかり山道。
エミリは都会という世界の狭さを感じながら、ぼうっと窓の外を眺めた。
やっと掴んだビッグチャンス、絶対モノにしてやる。
彼女の胸には、野心と情熱の火が燃え上がっていた。
皇エミリは、売り出し中の3人組アイドルグループ「ハッピートリコロール」の一員。
少女雑誌の読者モデルからグラビアアイドルを経て、マルチタレントグループ「ハピトロ」の結成。
彼女たちは芸能活動と、大学生活を両立させながら、隙を見ては地方のドサ回りを続けて知名度を上げてきた。
そんな地道な活動が功を奏し、19歳のエミリにチャンスが訪れる。
国民的人気番組である、特撮戦隊シリーズの新作「特命戦隊アークファイブ」のヒロインに抜擢されたのだ。
戦隊シリーズと言えば、30年以上の歴史を持つ人気番組。
戦後、SF漫画の黎明期を支えた巨匠・石林章次郎の生み出したヒーロー戦隊は、勧善懲悪・明快なストーリーと
原色を基調としたキャッチーな出で立ちで各時代の子ども達に長らく愛されてきた。
ヒーローが光線銃で悪者を蹴散らし、最新鋭のロボットが巨大化した怪人を爆殺し、玩具メーカーが売り出す商品が少年少女の心を鷲掴みにする。
良い意味でのマンネリの中にも、時代に合わせた世相と技術が組み込まれ、造形美はシリーズ毎に進化してきている。
ストーリー展開はわかりやすく実直で、子どもばかりでなく大人の胸をも打ち、多くのファンの情操を培い、育んできた。
戦隊シリーズは、確かな実績と歴史に裏打ちされた「鉄板」番組なのだ。
1年を通して放送される人気シリーズのヒロインともなれば、出演する役者の知名度は確実に、飛躍的にアップする。
歌にグラビアにと順調に活動してきたエミリだったが、そろそろ、自分の新たな「タレント」を開拓したいと思っていたところだった。
女優業に乗り出すには、絶好の機会。
約束された成功が、エミリの持つ茶封筒の中に詰められているのだ。
「悪いわね、ユエ、ヒナタ。抜け駆け、させてもらうわ」
同じグループのメンバーの悔しがる顔を思い浮かべながら、満更でもなく、口元を緩める。
エミリの、野心に燃える眼下。
青々とした山の麓に、小さな集落らしきものが見えてきた。
同時に、運転席にいるマネージャーの声も弾む。
「見てください。あれが四菱スタジオですよ」
「どれ?」
「あれですよ。山の下に町が見えるでしょう」
「ええ。それで、どの建物なのよ……?」
「全部です」
マネージャーの言葉に、エミリは呆気にとられて言葉も出ない。
20代半ばの若きマネージャーは、熱を帯びた声で説明を続けた。
「あの町にある店、家、全てが、四菱スタジオになんらかの関わりを持っています。
巨大なセットであり、スタッフの宿舎であり、工房であり、レストランであるのです。
下界から隔絶し、あの町に籠もっての撮影が可能。スタッフは缶詰。陸の孤島ですよ。」
「『陸の孤島』って……」
恐いことをいうわね。殺人事件でも起きそうだわ。
エミリは苦々しく笑って、マネージャーのいやに高いテンションを流した。
ふふ。この人も男の子なのね。
仕事に誠実な年上の男性であるマネージャーの中に「少年」を見出し、含み笑いをするエミリ。
車はいつしか下り坂に差し掛かっていた。
窓の外はどんどん、山道から小さな町の情景へと変わっていく。
これから、皇エミリの「アークホワイト」としての1年が始まろうとしていた。
――四菱スタジオ事務所――
埃がかった白塗りの壁に深緑の蔦が這う3階建ての建物。
その面に、黄ばんだ看板がひっそりと立ててあった。
国民的番組を撮影しているスタジオとしては、あまりに素っ気ない門構え。
年季の入った看板に、原色を基調とした5人組ヒーローのイラストが入っていなければ、そこが事務所とは思わなかっただろう。
エミリには、そこに描かれている戦隊がどのシリーズかも判断が付かなかったが、それから続く衝撃の前では大した問題ではなかった。
「じゃあ、また週末迎えに来ますので」
マネージャーの言葉に驚いて、エミリは彼の方へと振り返った。
「……週末?どういうことよ」
「これから説明会を兼ねた合宿らしいですよ。まぁ、撮影陣との親睦会みたいなものです」
「合宿って……が、学校はどうするのよ?『ハピトロ』の活動は?」
「学校は、戦隊シリーズの撮影と言えばどうとでもなりますよ。
アイドル活動は、ボクがマネージャーとしてしっかり都合をつけますから」
エミリは酷く突き放されたような心地がした。
19歳。
親が恋しい年齢ではないにしろ、この山奥に知り合いもないという状況には焦りを感じずにはいられない。
心構えもできていないまま、急な外泊を告げられて、エミリは混乱した。
「待ってよ。お泊まりの用意だってしていないわ」
「それはスタジオで一切を賄ってくれるそうですよ」
そう言い残して、マネージャーはエミリを置いて帰ってしまった。
エミリはどんどん遠くなっていく車を怨めしげに見送っていたが、ふうと息を吐けば、凛と表情を戻して事務所の方へと向きなおった。
「仕方がないわね。最近は仕事詰めだったし、ちょっとしたバカンスを楽しみましょう」
これから降りかかる災厄など知る由もなく。
エミリは目映いばかりの営業スマイルを作れば、事務所の入り口の取っ手を引いた。
ギイッと金属の軋んだ音をたてながら扉は開く。
彼女はまだ気づいていないが、それは、特撮という名の修羅道の門を開けてしまったのと全くの同義なのであった。
エミリは独り緊張していたが、そこからは、拍子抜けなくらい円滑に話が進んだ。
主演の5人はみな若い、気鋭の俳優達。
エミリと同じように野心と情熱を覆い隠しきれない若者達で、気が合いそうな感じだった。
2階のスタジオに長机が並べられて簡易の会場となっており、彼らとの顔合わせもそこそこに、全体の決起会が開かれた。
監督を初めとしたスタッフとの顔合わせに、脚本家のスピーチ。
さらにスポンサー代表として大手玩具メーカーの取締役が挨拶。
それが済めば、長テーブルに料理を運んでの、ちょっとしたバイキング形式の立食会。
目まぐるしい人の波に流されるように、初顔合わせの時間はあっという間に過ぎ去っていった。
「もうこんな時間ですね。明日の朝8時、ここでミーティングを行いますので」
進行を務めている30代と思しき事務所の営業課長が、スタッフに向けて日程の終了を告げた。
小道具で雑多としているスタジオの壁に掛けられた古びた振り子時計を見れば、すでに19時を回っている。
事務所のスタッフに案内されて会場を出て行く出演者達。
その人の流れに乗ろうと、小さな足取りで歩き出した時、エミリは1人の若い女性スタッフに声を掛けられた。
「皇エミリさん、お待ち下さい」
振り返れば、眼鏡をかけ、栗色の髪を上に丸く束ねた若い女性が佇んでいた。
地味に纏められているが、注視に耐える端正な顔立ち。
むしろ、見れば見るほどしとやかな魅力に引き込まれる、安心感を与える柔和な空気を醸し出していた。
「はい?」
人に酔って疲労していたエミリは、やや突っ慳貪な返事をしてしまった。
しかし、スタッフは別段気にした様子もなく、みんながなだれ込んでいる出口へと続く扉とは別の扉を手で指し、
「エミリさんはこれから衣装合わせをしてもらいますので」
「え、今から?」
「申し訳ありません」
エミリは、畏まるスタッフに対して気さくに手を振って気にしないようジェスチャーをした。
「いいのよ、着替えればいいのね?」
「ありがとうございます。ご一緒させていただきます」
人の流れからはずれ、スタッフに促されるままに扉へと向かう。
木製の扉を開ければ、そこは真っ暗闇で。
摺れた臭いが鼻腔をくすぐり、むずかゆい感覚をエミリは噛み殺した。
「失礼します」
スタッフが照明をつければ、目に飛び込んできた光景にエミリの胸はトクンと高鳴る。
壁には怪人用の奇抜すぎる衣装がズラリとハンガーに掛けられ、棚には何に使うのかよくわからない兜やら羽根やらブローチやらが所狭しと並べられていた。
歴代シリーズで使用された衣装が整えられて保管されているのだ。
もちろん、ここにあるものが現存する歴史の全てではないだろうが。
近日中に再利用されるであろう衣装小道具が、再び脚光を浴びる時を待っているのだった。
「好きな人が見れば宝の山なんでしょうね…」
異様なノスタルジーを楽しみながら「更衣室」を進んでいけば、奥にズラッとロッカーが並べられたスペースがあった。
女性スタッフはロッカースペースで立ち止まれば、その1つを開け、中から綺麗に折りたたまれた衣装を取り出した。
純白に派手なライン模様の施された、競技用のスイムウェアを思わせるスーツだ。
エナメル質の素材は美しい光沢を放ち、白や黄色などの明彩で明るく模様が描かれていて、上質感がある。
これが、変身スーツ。
本当に私、正義の戦隊ヒロインになるんだわ。
説明されるまでもなく、エミリにも瞬時にそれを察することが出来た。
スタッフから手渡されてスーツを広げてみれば、純白の光沢が目に飛び込んできて、彼女の気分を高揚させる。
恍惚とした表情でスーツを眺めているエミリに、女性スタッフはまた別の衣服を手渡してくれた。
「ん……?」
それはスーツよりも幾分も小さい、地味な色合いの布だった。
肌色のブーメランパンツ、いや、Tバックよりもさらに布面積の小さく、股のラインの際どくなっているショーツと、
乳房の先っぽが浮き上がるのではと思うくらい極薄のスポーツブラ。
まさか、子ども番組でこれを着たりはしないだろう。いや、深夜枠でも無理。じゃあ、これは……
際どすぎる2枚の衣類の用途を推し量っていると、スタッフがそれらを手渡しながら、
「専用の下着です」
「専用の、下着?」
「はい。スーツは肌に密着しますので、普通の下着では表にラインが浮き上がってしまうことがあります」
「それで、これを?でも……」
その布地はあまりに心許なく。
エミリが躊躇っていれば、スタッフは説明を続けて。
「さらに、股間部には前張り、胸にはニップレスシールを張ります」
「ま、前張り?……ニップレスシール?」
「スーツに浮き上がってしまったらエミリさんもまずいでしょう?」
知らないとは言わないが、聞き慣れないワードに思わず言葉が濁る。
「ええと、ごめんなさい……やったことないわ」
「わかります。大抵の方はそうですよ。お手伝いしますから心配しないでください」
「い、いえ、大丈夫よ」
「女同士ですよ」
「だ、大丈夫、自分でやってみるから」
エミリが丁重に断ると、女性スタッフはやや口をすぼませて頷いた。
「わかりました。では、お着替えはこのスペースで行って下さい」
女性スタッフはロッカーの前へとエミリを誘うと、そこにかかっている簡易のカーテンを引いた。
本番もここで着替えるのかしら。この部屋、まさか、男の人も使うの?
恐ろしい不満を胸の内に秘めながらエミリは着替え始めた。
布の摺れる音が2人きりの部屋に大きく響いていった。
ジャララララララ……
10分後、カーテンを引く音を響かせて、エミリはスタッフにスーツを着た姿をお披露目した。
サイズはあつらえたかのようにピッタリ。
実際、エミリの体型を克明にサーチして作り上げた一点モノである。
自分の肌のようにピッタリと吸い付く感覚にエミリは不思議な高揚感を覚えた。
スーツを着るのに慣れておらず、なかなか難儀した甲斐もあり、その成果を見せてやりたい気持ちもあった。
「ふう。どうかしら?」
エミリはスーツ姿でクルリと回って見せた。
女性スタッフは、その姿を見て目を細める。
「とても似合っていますよ。どうですか、着心地は」
「すんなり着られるのにピッチリ。それに、結構熱いのね。空気が全然逃げなくて」
「我慢して下さい。怪人役の方より何倍もマシです」
「そりゃ、そうかもしれないけど……」
エミリは苦笑いしながら更衣室に置かれている怪人の着ぐるみを見る。
非常に肉感があって今にも動きだしそうだ。
精巧に作られているのが素人目にもわかるが、通気性は壊滅しているのもまた一目瞭然。
夏場などは本当に死にかねない。
多くの人の頑張りの中で撮影が行われるのだという思いに、再び気を引き締めるエミリ。
彼女がブローブなどの細部の動かし方までよく感触を確かめていると、スタッフはにこやかに微笑んで言った。
「本当によくお似合いです。では、そのお姿を映像監督にお見せ下さい」
「わかったわ」
「金田監督は第3スタジオ……初めにキャストの方々のいらした事務室の、横のスタジオで待っていると言っていました」
「あなたは一緒に来ないの?」
「申し訳ありません。私はこちらで仕事を済ませてから参ります」
「そう。スーツ、ありがとね」
エミリはスタッフと別れて、更衣室を出た。簡易のパーティ会場であったスタジオにはすでに人の姿はなく、がらんどうとなっていた。
カツンカツンとブーツの音を立てながらスタジオを進み、階段を降りて、地下にある第3スタジオへと進む。
どこにどんな部屋があるかもわからない。
すでに建物内は真っ暗で、階段の電気のスイッチを探すのにも難儀しながら進み、ようやく、第3スタジオの扉を開けて中へと入った。
「えっと、映像監督?金田、さん?」
第3スタジオもまた、照明も付けられず不気味な空虚さが辺りを支配していた。
エミリは待っているはずの映像監督の名を呼びながら、暗闇に躓かないようにスタジオの奥へと進んでいく。
ここ、よね……?
場所を間違えたのではないかと不安に思い始めた頃、奥にある照明が一つ、ポウッと明るくなっているのが目にとまった。
光源があれば部屋はもっと明るいはずだが。
どうやらそこいらにそびえる大道具に阻まれて、入り口まで光が届いてこなかったようだ。
ほうっと、安心してその光源へと向かうエミリ。
「金田さん?」
映像監督の名を呼びながらスタジオの奥に行けば、そこには、岩場のセットをバックに、
初老の男が古びたロッキングチェアに腰を降ろして台本らしき冊子をペラペラと捲っていた。
中肉中背だが身体はがっしりとしていて、頭に白いタオルを巻き、チェックの半袖にくたびれたスラックスというラフな出で立ち。
遠視用の眼鏡を掛けており、そのガラスの向こうには鋭い眼光が覗く。
椅子には杖らしきものが立てかけてあるが、彼が歩行の補助としてそれを使うようには思われない。
異様な雰囲気に息を呑むエミリ。
すでに本能が、僅かな警鐘を鳴らしていたが、エミリはそれを黙殺した。
男はエミリの姿に気がつくと、遠視の眼鏡を胸ポケットに閉まって彼女の方へと振り向いた。
その顔と杖にはうっすらと見覚えがある。
昼間、全体の挨拶会の時にその姿を数百という人波の中に見た。
総監督や音響監督と共に前方に上がって一言話して礼をしていただけだが、
確かに、彼こそ映像監督の金田に間違いない。
「この度、アークホワイト、「鷺宮くるみ」をやらせていただくことになりました、ハッピートリコロールの皇エミリです。よろしくお願いします」
エミリは愛嬌があると自負する笑みを顔にたたえて、元気よく挨拶し深々と頭を下げた。
彼はしかし、フレッシュな彼女の挨拶をつまらなそうな表情で受けると、
「ふうん……」
顎を撫で、台本を側にあった岩のセットの上にポンと置くと、もう一度マジマジとエミリの姿を眺めた。
「スーツの出来は……まぁまぁ、例年通りってところか」
「は、はい」
「よし……。おい……てめえ、決めポーズを取ってみろ」
「えっ?」
いきなり、ぶっきらぼうに言われてエミリは戸惑う。
「てめえ」と呼ばれたことなど、生まれてから一度として経験していない。
さらに、決めポーズを取れなどと……
異様な雰囲気が2人を包み込んでいた。
「すみません、どのようなポーズかもまだわからないのですが……」
「いいから、やってみろよ」
「えっ……その……」
刺すように冷たい言葉が返ってくるのみで、エミリは閉口してしまった。
数秒の逡巡の後、エミリは背筋を伸ばして金田に対して正対すると、
右手を上に、左手を下に、バレエのようなポーズを取って堂々と立って見せた。
対極図をイメージした姿勢で、幼い頃、1年だけ見ていた戦隊シリーズのヒロインが
このようなポーズを取っていたのを思い出して咄嗟に再現したのだ。
グラビアアイドルとしての経験もあり、即興とはいえ、見栄えのする立ち方にはそれなりに自信があった。
しかし、目の前にいる初老の男は彼女の精一杯の決めポーズを見て、失望したとでもいうように大きく嘆息した。
「はぁ…………それが、てめえのポーズか」
「あ……えっと、これは、私のというか、私が小さい頃に見ていた……」
「んなこたぁわかってんだよ。「てめえ」であの物覚えのわりぃ砂利ん子に指導入れたんだからよぉ」
「えっ……はい……」
「ポーズがだせぇとかオリジナリティの欠片もねえとか、そういうんじゃねえ。問題は中身よ中身」
「中身、ですか……」
異様な文言に、心を乱されるエミリ。
エミリは表情を硬くしたままポーズを解き、金田の前に対峙した。
金田は間の空いた歯をシーッと鳴らし、ギラリとした眼光をエミリに向けて言った。
「てめえにヒロインの資質があるとは思えねえな」
「ヒロインの、資質?」
エミリは表情を険しくして聞き返した。
良い印象を持たれていないことはわかっていた。
しかし、これからやる役に理不尽に「資質がない」と言われ、エミリはカチンと来た。
「どういうことですか。おっしゃる意味がわかりません」
エミリは硬い声音で反発した。
金田はそのことも折り込み済みだったようで、エミリの強固な姿勢にも動じずに続けた。
「てめえよぉ、なんのために戦隊の中に女がいるかわかってんのか?」
「なんの、ために……」
不意に投げられた問い。
その言葉にドキリとして、エミリは自問するように復唱した。
眉間に皺を寄せ、細い顎に白く美しい指を当てて考える。
金田は思い惑うエミリの表情を楽しむように眺めながら、コツコツと杖で床を叩く。
「デブもチビも最近じゃ消えたってのに……女は相変わらず安泰なのはなんでだ?」
「それは……」
言い淀むエミリ。
エミリはデブやチビが前線だった頃の戦隊シリーズを知らない。
常識と言わんばかりに未知の世界を突きつけられて、一般人でも一応は知っている戦隊シリーズという像が自分の中で一瞬ぼやけたのを感じた。
エミリは喉から息を絞り出し、
「華……画面に華が欲しいですよね」
「華……なるほど……華、ねえ。確かに、野郎ばっかじゃ華がねえよな」
金田は頬を歪に吊り上げて嫌な感じの笑い方をして頷き、肯定した。
女性キャストの需要は特撮に限らず広く言われている。
女っ気を補充するために、原作で男だった登場人物が、わざわざ実写化の際に女にされてしまったなんて、よく聞く話だ。
「あとは勿論、女の子の視聴者を確保するためです」
「ふうん。女の子」
金田は意味深に頷いたが、それ以上何も言わないので、エミリは恐怖さえ覚えながら補足を続けた。
「男の中に混じって戦うヒロインってかっこいいじゃないですか」
「ふうん……」
「女子の強さとか、元気さとか、パワーとか。そういう姿が女の子に勇気を与えると思うんです」
「パワー、強さ、ねえ」
「強くて、かっこよくて、か……かわいいヒロイン。女の強い所を見せるために、ヒロインはいるんだと思います」
最後の「かわいい」という部分は自画自賛が過ぎるかなという負い目があり、口ごもってしまったが、エミリは自分なりのヒロイン論を言い切った。
金田はしかし、それを聞いてエミリの目の前で失笑した。
「けはは……かっこいい……やっぱてめえはわかってねえ」
「……何が、わかってないんですか」
エミリは表情を硬くして聞き返した。ほとんど喧嘩腰だったが、不遜がデフォルトの金田にはむしろやりやすいくらいなようだった。
「てめえよぉ……ホントにアークホワイトがやりてえか」
「はい」
「じゃあてめえ、ガキ共のズリネタになれんのかよ」
「ズ……!?」
エミリは絶句した。
不意打ち。
聞いたことはおろか、文字ですらほとんど遭遇したことのない下劣な言葉を投げかけられ表情が色を失う。
おぞましい単語に身体を打ち抜かれたような衝撃を受けるエミリ。
尾てい骨から生じた怖気が背中を駆け上り、毛穴を伸縮させ、全身を打ち振るわせていくのがわかった。
感情を失った顔は青ざめたまま能面のように固まり、乙女に対する非礼を罵ることさえ忘れさせた。
「そんなんでズリネタになれんのかって聞いてるんだよノータリン」
「いきなり、なにを言ってるんですか……」
「わからねえか?テレビの前にいる野郎のズリネタになって、ガキ共の精通の相手になる覚悟はあるのかって聞いてるんだよ」
「そんな……そんな売り方、してません!」
エミリは怒りを込めて叫んだが、生まれてから美貌による求心力で穏和な人生を送ってきた彼女の怒声に覇気はない。
彼女のカナリアのような声音では男の嗜虐心をくすぐるのが精々だろう。
もちろん、金田の口を噤ませることなど到底できはしなかった。
「何か勘違いしてねえか」
「えっ?」
「てめえには、乳首も出さねえ股もおっぴろげねえでオス共をシコらせるエロさがあるのかって聞いてるんだよ」
「そんなの、今回の役には関係ない……」
反論しようとしたが、金田の言葉を受けたエミリは、自分の今の格好を考えずにはいられなかった。
身体にぴっちりと張り付いたスーツ。中は緊張で微かに汗ばんできている。
バスト、ウェスト、ヒップの流線がもろに出ていて、彼女のグラビアアイドルとして誇る体型を完全に浮き上がらせていた。
まさか、この格好……いえ、そんなことは……
エミリの凍てついた頬に赤みが差す。
金田の視線に曝されていることに羞恥を覚えたエミリは
身体をやや斜めにしてそれとなく局部が金田と正対することを避けた。
「スーツが嫌ならスーツアクトレスを呼ぶぜ」
「……けっこうです。恥ずかしい格好だとは思いません」
「ああ、そうかい」
エミリの中に生まれた羞恥を見透かすように、金田はジロジロと視姦するように彼女のスーツ姿を眺めている。
「わ、私に、性の対象になれと……」
「できねえのか?」
「子ども向けのヒーロー番組で、そんな……下劣です……」
「てめえなぁ。まさかテレビの前でケツを振るとか考えてんじゃねえだろうなぁ?そんな奴見たことあるか?」
「ありません。じゃあ……」
「はぁ……ほんっとに、わかってねえなぁ。お嬢様がよぉ……」
金田は悪態の限りに溜息をつく。
エミリは未だ訳がわからず彼の様子を見つめながら、その理知的な瞳で真意を捉えようとしていた。
「てめえに求められているのは「強いヒロイン」じゃねえんだよ、勘違い女」
「そんな、ヒロインが強くなくて、どうするんですか」
「どうするもこうするもねえ。「無様なやられ」っぷり……それてめえの存在価値だ」
「やられ……えっ?」
エミリは混乱し、言葉を返すこともできなかった。
ヒーローが常に勝ち続けるわけではないことはエミリにもわかっていた。
しかし、ピンチはあくまで最後に勝つ際のカタルシスを得るための準備であって、
視聴者も、ヒーローたちと共に我慢しなければならない場面であるというのがエミリの認識だった。
それが、まるで自分はやられるためにいる存在であるかのような言い方をされてしまった。
まるで、自分が敗北するために生まれた存在。
それこそ怪人と同等の扱いであるような心地がして、酷く自尊心を傷つけられた。
「てめえは、ヒロインの存在理由は、華がねえからって言ったよな?
華ってのはよぉ……、てめえの言うような、強くて可憐、無敵のヒロイン……高嶺に咲く華なんかじゃねえんだよ。
詰みやすいところに咲く、小さいが親しみやすく、きれいな華。
その華があっけなく詰まれて、汚され、握りつぶされる。
そんな様子を見てオスはカタルシスを得るのさ」
「わからないわ!」
エミリはボブを散らしながら頭を振り否定する。
自らの抱くヒロイン像がどんどん矮小になっていく感覚にエミリは泣きそうな気分だった。
「どうして……?正義のヒロインにそんなの必要ないでしょ!」
取り乱しつつあるエミリに対して、金田は屈折した言葉とは裏腹に、冷静さを崩さない。
「それがウケるんだよ。無敵のヒロインなんざ化粧臭くて犬も欲情しねえ」
「そんなバカな……」
「そうそう、てめえはメスガキに、女の強い所を見せるとかほざいたな。そんなもの、必要ない」
「必要ない?なんで……」
「見せるまでもなく、幼稚園児や小学生の世界じゃ、女の方が強いからなぁ」
「……ああ」
統計的見地でもってぐうの音も出なくなってしまうエミリ。
自分の人生の知見から言っても、それは事実と言うしかない。
「ガキ共の世界じゃフィジカルの優劣が絶対階級よ。男は劣等種の烙印を押され、虐げられ抑圧を受けている」
「それは、ひょっとしたら、そうかもしれないけど……」
「ガキ共は女に対して暴力的な鬱憤を晴らしたいという欲求を抱えているわけだ」
「決めつけないでよ」
「ガキの選択肢の狭さを舐めるな。暴力以外にガキ共が知る打開策があるか?」
「うっ……それで……私……いえ、ヒロインが……」
自らの至りつつある結論に恐ろしさを覚えながら、エミリは声を震わせて言う。
それを聞き、金田は頬をいやらしく吊り上げた。
「わかってきたじゃねえか」
「いやよ、そんなの、認めない……」
「てめえの承認なんざ屁程の価値もねえ。戦士として振る舞うピンクやホワイトは欲求の捌け口よ。
女戦士は戦力として劣っている。これは覚えておけ。
戦闘員くらいならなんとかなるかもしれないが、生意気にも単独で怪人に挑んだ女戦士は無惨にも返り討ちに遭っちまう。
当然だよな?5人がかりで30分かけてようやくなんとかする怪人相手に身の程もわきまえずかかっていくんだからよ……」
「そ、そんなの、他のメンバーだって、そういう場面はあるでしょう」
「男のそれと女のそれじゃ意味がちげえんだよ……」
金田はエミリの反論にニチャッとした笑みを浮かべた。
「男のピンチは勝利への布石よ。あるいは他の戦士に華を持たせるための敢えての退場劇だ。
だが、女のピンチは違う。ホワイトやピンクが敵と単独で遭遇した時、テレビの前のガキ共は怪人を応援している」
「違う……言わないで……」
「生意気にも正義を振りかざし怪人に向かっていったピンクやホワイトは、怪人の強大な力に翻弄され、悶え苦しむ」
「うっ……」
「暴力に曝されるてめえらメスの姿を見てガキ共は勃起する。
力への屈服……
敗北によって戦士は女であることを思い知らされ、
暴力という野生の前に曝された女に、ガキ共は苦しみ喘ぐ姿にメスの臭いを感じる」
「メ……メス……」
「無敵の戦士を気取っていた女も、野生的な力の前に屈してメスをさらけ出すしかない……」
そう言えば、金田は立ち上がり、杖を突きながら、論に飲まれるエミリにゆっくりと近づいていく。
「てめえにはそれがねえ。力への屈服を知らない小便臭いお人形のままだ…」
「力への屈服……?それは……」
「こういうことよ!」
金田はエミリをすぐ眼前に捉えれば、立ちつくすエミリの鳩尾に拳を突き立てた。
白いスーツに、初老だが逞しい金田の拳がめり込み、直立していたエミリの身体はゆっくりと前屈みになる。
「うぐっ……げ……」
「スーツを汚すんじゃねえぞ、卸したてだ」
「……んぐっ!?」
突然もたらされた痛みに自失しつつあったエミリの鳩尾に、同じ軌道を描いて拳が突き刺されば、
エミリは金田の命に咄嗟に従うかのように、今度は身体を大きく「くの字」に曲げてそれを受け止め、ガクガクと小股に下がれば、そのまま蹲り、
「ぐっ……げええぇ……」
床に盛大に嘔吐してしまった。跳ねる飛沫からスーツを守るように身体をもたげて吐き出せば、惨めに床を見つめる頭上から金田の声が聞こえる。
「なかなかいい吐きっぷりだ。マスクを付けてなくてよかったな」
「な゛……な゛に゛ずんの……」
腹部を押さえながら金田を見上げるエミリ。
身体の心から熱が沸き上がり、同時に、恐怖で筋肉が萎縮していくのを感じた。
「暴力の恐怖を知らねえで戦士の演技ができるかよ」
「な……に……げえっ……げえぇ……」
「てめえを見て一目でわかったぜ。てめえは、お高く止まった痛みを知らねえクソガキだってな」
「だ……だからって……こんなの……」
「ヒーローはよぉ、シリーズが終わるまでに軽く3桁は攻撃を受けるシーンを撮る」
「で……でも……それはこんな風じゃ……」
「その演技がクソじゃ困るんだよ!」
「あうつ!」
地面にへたり込むエミリの髪を掴み上げて、金田は彼女の目線を自分のところまで引き上げた。
「いぎっ……は、放して……」
「てめえのやられシーンはガキ共の『抜きどころ』なんだからよぉ。稽古をつけてやらあ!」
金田は罵りと共に髪から手を放せば、鬼のような形相で杖を振り上げる。
う、打たれる!
エミリは咄嗟に体中を硬直させ、両腕をかざして頭部を守る。
しかし、金田の杖は軌道を変え、がら空きになった脇腹を思い切り斬り下げた。
パァン!
大きな音と共に、エミリの身体は横によじれた。
「あうっ!?」
「もっと声を出せ!」
金田の杖は、今度は逆腹から斬り上げるように打ち付けられた。
それに操られるように、エミリの身体は逆方向に折れ曲がる。
「いやあっ!」
「そんな地味な動きでいいのかぁ?」
金田の杖はエミリの右肩を打ち付ける。
ガクリと上半身を落として、半歩下がるエミリ。
金田は、杖の殴打を雨のように浴びせる。
エミリはその圧力から逃れるようにジリジリと後退し、追いつめられていった。
「おらぁ!」
「いたっ!?」
「てめえそれでズリネタになるつもりあるのかよ!?」
「ああうっ!」
「AVじゃ、顔も乳首も嫌ってくらい見えてるかもしれねえけどよぉ!」
「や、やめて!」
「てめえが勝負できるのは身体と声だけなんだよ!」
「ああうっ!いやあああああっ!!」
「オーバーアクションじゃねえと伝わらねえぞ!」
「ああああああああああああああああああああああああああっ!!」
杖が振りかざされる度に、エミリの身体は暴力に操られ、ダンスを踊るようにクネクネと体勢を変える。
理不尽に曝されながら、皮肉にも金田の言葉の通り、エミリのリアクションはより大きく、悲鳴も、憚らず大きなものになっていった。
「いいぞ、やればできるじゃねえか。ドル売りのクソみてえな営業声から獣みてえな悲鳴に変わってきたぞ!」
「そん……な!……いやああああああああああああああああああああつ!!」
一際大きな絶叫と共に、エミリは身体を錐揉み回転させ、手を暴力から逃れるように上げて戦慄かせ、背中を向けて蹌踉めいた。
その機を逃さず、金田は背を向けるエミリの首を大きな掌で掴み、そのまま彼女を壁に叩きつけた。
「んぎぃ……!」
押しつけられた頬がヒンヤリとした壁のアスファルトに当てられ、体中に熱を持っていることを自覚させる。
身体を押さえつけられ、スーツ越しでもくらいに胸が押し潰され形が変わる。
なんとか踏ん張り、体勢を改善しようという現れなのだろう。
やや突き出された臀部がなんとも官能的に揺らめいていた。
「背中を見せて後退するのはいいぜえ。背を見せるなんざ、戦意の折れた敗退行為でゾクゾクすらぁ。
だが、最後の1回にしとけ、アークホワイトよ」
「かふっ……」
「今日の稽古は、これで『終い』よ!」
金田はトドメとばかりに、エミリの腰を杖で三度打ち付けた。
パアン!パアン!パアン!
乾いた音がスタジオに木霊して、金田の手がエミリの首を解放した。
「はぁ……!はぁ……!はぁ……!」
エミリは大きく息を乱しながら、身体の向きを金田の方へと変え、ズルズルと壁に項垂れるように座り込んでしまう。
胸を大きく弾ませ、股を緩めて座り込む彼女の様子をつぶさに見下ろせば、金田はパシンと杖を掌で踊らせた。
「なかなか良い声で鳴くな。これから1年でみっちり振る舞いを叩き込んでやる。少しはモノになるだろうよ」
「け、稽古……ですって……はぁ……はぁ……こ、こんなに身体を打ち付けておいて……」
怨めしげな目で金田を見上げるエミリ。金田は涼しげな目で彼女を見下ろして、
「なんだ、文句あるのか?いてえのか」
「痛いに決まってるじゃない!木の杖で打たれて……うたれ…………えっ……」
文句を言う内に、エミリの顔から困惑の色が滲み出てきた。
打たれた場所から、痛みが引いている。
いや、恐怖と興奮でよくわからなかったが、よくよく思い返してみれば、打たれた直後でさえ、
それほどの痛みが走っていたのだろうか……
「モノホンの杖で打たれたら、てめえは間違いなく骨折、失神しているぜ」
「まさか……でも……」
「作り物だってそれなりに痛えだろうがよぉ……」
「そんな……」
「無意識に大袈裟に身体を動かして衝撃を逃がして振る舞う。殺陣の基本よ…」
金田は杖を肩に掛けながらエミリに背を向ける。
「明日は8時だったか。遅れんなよ新人」
「あ……はぁ……」
大きな溜息が肺から緊張と空気を押し出した。
エミリは全身の筋肉が脅威から解き放たれ、緩んでいくのを感じた。
本当に打ち殺されるかと思った。
極度の緊張から解放されたエミリ。
「ちょっと……まって……」
憎き背中を呼び止めようとしたが、その瞬間……
ピチチ……チョロロロ……
腹部が緩み、股間部が、デリケートな部分に張ってある前張りを押しのけて液体が滲み出てきてしまったことに気づいた。
「あっ……」
脚を織り込んで、金田の背中に「振り向かない」よう無言の念を送る。
それが通じたわけでもあるまいが、彼の背中が闇へと消えれば、
入れ替わるように先程着替えを進めた女性スタッフが、へたり込んでいるエミリの元へとやってきた。
「お疲れ様です。お披露目は終わったみたいですね」
「はぁ……はぁ……知ってたの?あなた……」
「恒例ですから」
「……最悪」
恨み言を言う気力もなく目を伏せるエミリ。
そんな彼女を、微笑みを称えながら女性スタッフは見下ろして
「エミリさんはこの仕事の素質があると思います」
「何を言ってるのよ」
「だって今のエミリさん、とってもいやらしい顔をしてます」
「はぁ……?」
エミリは頬が燃えるように熱くなっているのを自覚した。
精も根も尽き果てた彼女は肩で息を整えていて、見上げる瞳は解放された気のゆるみから潤み官能的な光を放っている。
女性スタッフは自分の頬に朱を走らせながら、
「とても野生的といいますか、女の喜びを知ったみたいな顔をしています」
「まさか。意地悪なこと言わないで……」
「宿舎にご案内します。その前にスーツを着替えないとですね」
「あっ……」
エミリは頬を更に赤くして、女性スタッフから目を反らした。
「い、いいわ。スーツは私が洗濯して持っていく」
「どうしましたか?それは衣装です。素人さんが扱えるものではありません」
「そう……かもしれないけど……」
消え去りそうな声で口ごもるエミリ。
彼女から与えられたスーツの股下は粗相でグチャグチャに濡れ、不快な感触をエミリの肌に伝えているのだ。
女性スタッフは含み笑いをして、
「私はスタッフです。エミリさんをサポートする義務があるんです。隠し事はしないでください」
「その……」
「汚してしまったのですね」
壁に寄りかかるエミリに近づき、自分も腰を折って屈み込み、鼻をヒクヒクさせて
「すでに、少し臭います」
「うん……」
「ふふ。迫真の稽古だったのですね。お着替えとタオルを持ってきますわ」
「ごめんなさい……」
「今の表情、とってもいやらしいです。1年間、よろしくお願いしますね。鷺宮くるみ……」
耳元で優しく、しかし悪魔のようなことを囁いて、女性スタッフは闇の中に消えた。
ほどなくして戻ってきた彼女によって、エミリは大道具の陰へと誘われ、
粗相に対して子ども時代を思い起こさせるような事後処理を受けた。
濡れたスーツの具合を確認され、陰にいるとはいえ、スタジオ内で局部の露出した股をタオルで拭われ、打撲の跡がないか体中を観察された。
出会って半日の他人に身体を任せる経験などもちろんなかったエミリは、羞恥に打ち震えながら処理を受けていたが、
それが済めば、もはや彼女に対しては全てを曝さねばならないという諦めや隷従の気持ちが芽生えてしまっていたのだった。
「ありがと……」
「いえいえ。さあ、参りましょうか。宿泊環境は名だたる俳優様にも太鼓判をいただいています」
「そうなのね……」
「きっと気に入りますわ」
未だ、腰が笑い早く歩けないでいるエミリ。スタッフに手を引かれて事務所を出て、車に乗せられる。
どっと疲れが出て瞼を閉じ、女性スタッフによりエンジンが掛けられるのを聞いた。
エミリの受難と栄光のヒロイン生活は、まだ始まったばかりだ。
いやあ……自分であげるの恥ずかしいよぉ///
>>387 は>>298 を受けてのAAだということを補足しておきます。
私も何度心をえぐられたかわかりませんが……
ネットのリョナ友達からは「変化球系」と言われている私でございます。
これがリョナと言えるかはわかりませんが、書く誘惑に負けて投下してしまいました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
>>317
あれはノエルの人だったのですか!
反応SSなんて書いていていただけて、頭が沸騰するくらい嬉しかったのを
今でも覚えています。
感想はもちろん、罵倒とか批判でも悦ぶドMですので。
なにか言葉を投げてやると失禁して悦びます。
また何か書いたら投下させていただきますので、よろしくお願いしますm(._.)m
>>381
お手を煩わせてしまったようで、すみません…(>_<)
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org981589.txt.html
あまり需要がないとは思いますが、短髪ボーイッシュボクっ娘少女がボッコボコに叩きのめされながらも泥臭く必死に闘うSSが完成したので晒させて頂きます。
拙い点もありますが、目をつむって頂けると幸いです。
メインのリョナ要素は殴打系ですが、種々雑多な描写が混ざっています。
直接的なグロはありません。
いわゆる芋虫系の描写があります。
パスはもちろんアルファベット五文字のあれです。
>>396
文字化けして読めん……
>>397
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org982184.txt.html
申し訳ありません。
文字コードを変換した上で再び貼らせて頂きます。
ヒロインの活躍シーン書くのめんどくさい...
あった方が良いか、それとも登場シーンの次はもうやられシーンに移ってもいいかちょっと聞きたいです。
>>398
いいssだった
生き残ったってことは続編が書けますね(チラッ)
>>400
ありがとうございます……
続編もよろしければ書かせて頂きたいです。
また主人公がボコボコにされるだけの内容になるとは思いますが……
筑紫の人です。
>>131 で書いたアリオーシュが生命の神秘的なことをされるssが完成したのでこっそり投稿します
文明の発達した街から遥かに離れた場所に巨大な森林があった。この森林は木材や果物、水などの資源産出地として隣接する国々から重宝されているだけでなく、恵まれた自然の観光名所としても有名な場所だ。
日差しの眩しい真昼、森林の観光区域よりも遥か奥地に薄茶色のダッフルコートとコートと同色のミニスカートを着ている銀髪の美少女がいた。
彼女の名はアリオーシュといい、高名な考古学研究者でありながら、トレジャーハンターという裏の顔を持っている。森林の奥地は凶暴な魔物も生息する未開の地だが、そんな危険地帯を彼女は長い銀髪とスカートを靡かせて闊歩していた。
彼女の目的は一つ。未開の森林に眠ると噂のある謎の古代兵器だ。そのような噂を聞けば好奇心旺盛な彼女に自分を抑えられるわけがなく、危険を冒してでも古代兵器をこの目で目撃し研究したくなった。
(兵器を使う気にはならないけれど、研究対象としては凄く興味深いのよね。ああ、手に入れる時が楽しみだわ)
謎の兵器を夢想し、アリオーシュの表情が自然に綻ぶ。気分の高揚が抑えられなかった。未知の兵器に思いを馳せながら、愛用のナイフで邪魔な草木を切り払いアリオーシュは道なき道を進んでいく。
道を切り開くため彼女はそれを何度も繰り返していた。非力な彼女でも扱える魔力の宿ったナイフは羽のように軽いだけでなく、切れ味も鋭く固い木をものともしない。そのため長時間の肉体労働でも彼女は全く息切れしていなかった。
「にしても、さっきから邪魔な木だなぁ……。もし私が魔法使いなら、ここら一帯を魔法で消し飛ばしているところだよ」
物騒なことを呟きながらアリオーシュは、進路を確保するために伐採を続けていく。その時、自身以外の草木を掻き分ける音が聞こえた彼女は周囲を見渡し警戒する。
(魔物のお出ましかな? 相手の正確な位置が分からないし、まずは出方を伺おう)
何かが近づいてくる気配が段々と近くなり、時おり枝を踏む音が聞こえた。気配や音を手がかりにおおよその位置を割り出して、アリオーシュが振り向くと、視線の先には巨大なムカデ型の魔物がいた。
ムカデが彼女を捕食しようとするが、彼女は振り向き際にナイフでムカデの胴体を串刺しにする。緑色の血を流しながら崩れ落ちたムカデは、刺されてからもしばらく小刻みに動いていたが、その動きが徐々に弱くなっていく。
戦闘不能なくらい弱りきったのを確信してから、彼女は胴体からナイフを引き抜く。
「ギギィ……」
「虫は苦手じゃないけどこれはちょっと気持ち悪いなぁ……」
奇声を上げて痙攣を繰り返すムカデを見てアリオーシュは言う。目の前のビッグサイズのムカデは蛇のように長く、不気味に動く無数の足は少女に生理的嫌悪感を抱かせた。
虫嫌いでない彼女ですら気持ち悪く感じるくらいだから、虫が苦手な者ならば卒倒モノの恐怖だろう。
痙攣していたムカデの口が大きく開くと、血とは違う濁った色の液体を彼女へ吐き出した。
「え? きゃああっ……!?」
突然の行動にアリオーシュは驚愕する。咄嗟に液体をかわそうとするが、拡散した液体を避けきれず、銀髪や左腕や右太ももを汚した。
付着した液体が服から素肌に染み込む感触と液体が放つ独特な異臭に彼女は顔を顰める。あまりの悪臭にアメジスト色の瞳からは涙を流していた。
(最悪……何なのよこの臭い……このコートお気に入りなのに……)
お気に入りの衣装と女の命である髪を汚された多大な精神的ダメージを受けるアリオーシュだが、まだ彼女の災難は始まったばかりだった。
「な……何……手足が痺れて力が入らない……」
液体を浴びた右脚に上手く力が入らず、アリオーシュはバランスを崩しそうになる。右脚だけでなく、左手も同様だった。握力が麻痺して、左手に持っていたナイフを彼女は取りこぼしてしまう。
彼女はナイフを拾おうとするが、ぷるぷると震える左手では中々上手くいかない。仕方なく彼女は利き手ではないが右手でナイフを使うことにした。
「麻酔作用はあるみたいだけど、どうやら毒性はないようね……」
アリオーシュは身体の状態を確認する。身体の一部が痺れ動かしにくいが全く動けない状態ではない。身体の痺れ以外にこれといった異常はないため、彼女は引き返さずに探索を続行することにした。
魔物を退けながら既に一時間以上歩き続けていたが、優秀なトレジャーハンターである彼女は悪路に慣れており息一つ乱していない。
麻痺の影響で探索の効率は若干落ちたが、アリオーシュは着々と森林を踏破していく。
「鬱陶しいわよ。弱い癖に数だけは多いんだから」
前方の茂みから飛び出してきた巨大蛭や巨大芋虫を彼女はナイフで切り裂く。何度も何度も繰り返してきた行為だった。
死体の山を作り血の雨を降らしながら進む彼女だが、何かの物音が再び聞こえて途中で足を止めた。今度の音は木々を踏む足音ではない。
上空から聞こえてきた。彼女が上を向くと、風を切るような羽音を響かせながら、空から全長二メートルほどの巨大な蜂の魔物が降りてきた。
蜂は鎧のような赤い外殻に包まれていて、刃みたいに鋭利な足を持っていた。長い尻尾には蜂の強力な武器である鋭い針があり鈍い光を放っていた。
無機質な赤い目がアリオーシュの目と合うと、捕食者としての本能が抑えられず蜂は興奮気味に口から涎を垂らす。久々の人間の獲物――それがグラマラスな美少女ならば尚更だろう。
「言葉が通じると思わないけど、一応言わせてもらうよ。今なら見逃してあげるから、邪魔しないでくれるかな?」
アリオーシュは宝を狙うトレジャーハンターであって、無駄な戦闘は可能な限り避けたかった。そのため、彼女は蜂に対してこのような提案をする。
しかし、蜂は尻尾に力を込めると、毒針を勢いよく飛ばすという敵対行動をもって返答した。相手の強襲を間一髪でアリオーシュは後ろに退いてかわす。
「ダメもとでやってみたけど、やっぱり、話が通じるわけないか。それなら、私も容赦しないからね」
ナイフを逆手に構えて標的を見据えるとアリオーシュは一気に蜂の元へと迫ろうとするが、蜂は毒針を乱射し彼女の接近を阻止する。
彼女から外れた毒針は周囲の木の幹をあっさりと貫いていた。もし、あの毒針が人体に直撃すればただではすまないだろう。
冷静に針の軌道を見極めてナイフで弾きながら、彼女はじりじりと距離を詰めていく。しかし、蜂もやり手で羽や毒針を駆使して、彼女を簡単に間合いには入らせない。
(こいつ……中々厄介ね……)
防戦一方でアリオーシュの額に一筋の汗が流れる。一向に好機が訪れず少女の心に焦りが現れ始めた。その時、毒針が彼女の右脚を狙うが、彼女は毒針を慣れた動作で弾く。
「なっ……!?」
毒針を弾くことには成功したが、蜂は二本の毒針を同時に発射しており、一本目のすぐ後ろには二本目の針が控えていた。
普段の彼女の実力ならばこの程度の不意打ちなど対処できただろうが、一つの誤算が生じた。針を慌ててかわそうとする彼女だが、身体にまだ残っている痺れが影響し動きが一瞬遅れたのだ。
「ぐあああああっ!!」
発射された毒針がアリオーシュの右太ももを貫く。黒タイツが血で赤黒く変色し、彼女は脚を押さえて苦痛にのたうち回る。
黒い手袋に包まれた手が傷口を押さえるが、血は止まらず手袋を赤く汚す。既に尋常ではない苦痛だが、針に染み付いている即効性の猛毒は一瞬で彼女の身体に回り始めた。
全身は汗だくで心臓は壊れそうなくらい脈打ち、血液は沸騰したかのように高熱を帯びて、身体中が壊滅的な痛みを訴える。
加えて脳内で小虫の群れが暴れているような今まで味わったことのない頭痛にも襲われていた。
「げぇっ……あ、がぁ……うぇぇっっ……!」
(痛い痛い痛い痛いっ……!!)
毒の影響で内蔵に異常をきたした彼女は吐き気を催し嘔吐してしまう。
「う、うぅっ……。こんな……ところで死ねない……死にたくない……」
歯を食いしばり身体中の痛みに耐えて、アリオーシュは涙で潤む視界の中懸命にコートのポケットに手を伸ばそうとする。
コートのポケットの中には、退却用の道具である閃光弾が入っていた。だが目敏い蜂が彼女の行動を見逃すはずなどなく、蜂は彼女の脇腹に二つ目の毒針を打ち込む。
今度の針は先ほどより威力が遥かに高く分厚いコートを突き破ると、骨肉を貫き脇腹に風穴を開けた。
「がっああああああ!!」
弾痕のような穴からは、鮮血が流れ出し地面を赤く染める。勝利を確信した蜂は弱りきった獲物にゆっくりと接近した。
「ああああああっ!」
蜂は脚を器用に使うと、アリオーシュの太ももや脇腹の傷口を抉る。傷口から血が吹き出し、赤く染まった地面が更に血で染まった。
(許せない……こいつ……私を弄んで楽しんでる……)
蜂は自分を殺そうと思えば殺せるのにわざと殺さずに弄んでいた。その事実に彼女は激しい悔しさと怒りを覚える。
彼女のムートンブーツが蜂の身体を蹴って抵抗するが、毒とダメージで全く身体に力が入らない。蜂はそんな些細な抵抗など無視し彼女に上から覆い被さった。
苦痛に悶える彼女は気づいていないが、現在の両者の位置関係は人間の性行で言うところの正常位であった。蜂の脚が彼女の手足を巻き込み極上の身体を抱き締める。
この蜂の脚は鋭利な刃物状になっており、ただの締め付けであっても彼女の柔らかい身体をズタズタに切り刻み、コートやタイツは血塗れになった。
「ぎゃあああああああっ……!!」
全身で死の抱擁を受けたアリオーシュは、目を見開いて絶叫し、じたばたと暴れるが全身に食い込んだ脚は簡単には外せない。
しばらくすると彼女の動きは出血により鈍くなり、全身が弛緩しとうとう静止してしまった。
(私……もうダメかも……)
意識を失いかけた時、下腹部に妙な痛みと圧迫感があり、朧気な意識が覚醒していく。
「うっ……ああぁぁっ……」
視線を恐る恐る下に移すと、彼女の顔色は恐怖と絶望で真っ青になる。蜂の毒針が彼女の股間を刺し貫いていたのだ。
このショッキングな光景を見て、彼女は蜂の毒針は産卵管の機能も兼ねていることを思い出し、全身が総毛立った。
「ひっ……いやっ! いやあぁぁぁっ!!」
アリオーシュは金切り声を上げ取り乱す。食い込んだ鋭い脚が身体を切り裂くのも構わず、冷静さを失った彼女は狂乱し不自由な身体でもがき出す。
頭のいい彼女らしくない無様な姿だった。冷たい毒針が上下し膣肉を貫く度、股下からは血が流れ肉体と精神を壊す痛みが彼女を襲う。
彼女がいくら叫び身体を捩ろうが、蜂は容赦なくおぞましい生殖行為を続ける。そこには一切の愛などなく、少女を苗床にし、子孫を残すという目的だけしかなかった。
これが人間相手ならば許しを乞うこともできたが、知性のない昆虫相手では言葉など何の意味もなさない。
死にたくなるくらいの激痛の中、何の打開策も思いつかず、彼女の心は絶望に支配されていく。
「は、ぁぁ……ぐ、うぅっ……!」
(いやだ……こんなやつの子供なんか産みたくない……)
狂ったようにピストンを繰り返す毒針はやがて、膣を乱暴に擦りながらやがて最奥の子宮口に到達した。悲鳴すら途切れ途切れでアリオーシュは喘息のような呼吸を繰り返す。
彼女の体内で針が僅かに膨らんだ後に萎むと、下腹部に挿入された針とは別種の異物感が焼け付くような熱さと共に体内に生まれた。その瞬間、聡明な彼女は子宮に卵を産みつけられたことを理解してしまった。
「あぁっ……そ、そんな……」
全身の力が抜け落ち、蒼白な表情でアリオーシュはうわ言のように呟く。しかし、まだ蜂の行為は終わらなかった。あろうことか、蜂は再度卵を彼女に産みつけたのだ。
「ぐううぅぅっ……! や、やめ……もう許してよぉっ……!」
産みつけられた卵により腹痛に苛まれる彼女だが、蜂は母体の負担など全く考えず何度も何度も卵を彼女の子宮に送り込む。
数分もすれば、膣内に押し込まれた卵のせいで彼女のお腹はぽっこりと膨らんでいた。ようやく満足したのか蜂は彼女から針を引き抜く。針が引き抜かれた股間部からは、腐った卵のように濁った色の精液が漏れ出ていた。
「うぁ……は……はぁ……」
アリオーシュは全身を泥で汚しながら蜂から逃げるように這いずる。しかし、傷つき身籠った身体は思うように動かない。数メートルの移動で体力も尽き、彼女は荒い呼吸を繰り返していた。
「ぐ、んんんうああああああああああああっ!!」
突然、少女のものとは思えない絶叫が森林で響く。身体を内側から引き裂くような痛みが下腹部を中心に広がり、彼女は膨らんだお腹を押さえて悶絶する。とても人間が耐えられる痛みではなかった。
「ゔぅ゙ぅ゙っっ!!」
腹部で蠢く何かが体内から彼女を引っ掻く。その苦痛はじわじわと広がり、段々と強くなっていった。内側から身体を壊される恐怖に怯える彼女だがどうすることもできない。
「があ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙!!」
苦痛がピークに達すると、断末魔じみた悲鳴と共に彼女の膨らんだ腹部が爆ぜると、血の噴水と共に蜂の幼虫が大量に飛び出した。
「ぅぁ……」
アリオーシュの腹部を食い破った蜂の幼虫はまだまだ食い足りないのか、死に体の彼女を貪り食らう。
全身をゆっくりと食い尽くされるという地獄の痛みを味わいながら、彼女は緩やかに死へと向かっていく。
こんな目に遭うくらいならばまだ一息で食い殺される方がマシな死に方だろう。
(お願い……だ、だれか……たすけ……)
少女の肉つきのよい身体は苦痛で痙攣を繰り返しながら、皮膚や肉を幼虫に食い破られ徐々に無惨な姿に変わっていく。心の中で必死に助けを求める彼女だが、都合のいい救世主など現れない。
捕食の途中で少女の命は呆気なく潰えたが、貪欲な幼虫達の食事はまだ終わらなかった。餌と化した美少女が醜い肉片になるのも時間の問題だろう。
好奇心旺盛な研究少女の最期はこの上なく惨めで残酷な死だった。
以上になります。今回は短めにできたなぁと思います。
自分に足りないものである斬新な責めの発想と文章力が欲しいですねぇ(切実)
GJっす!こっそりと言いつつあげるスタンスに好感
お腹に産み付けられて破裂しちゃうの好きだわ
>>408
ご感想ありがとうございます。気に入って頂けて嬉しいです!
生命の神秘や丸呑みなどの素晴らしいシチュエーションを考えた人は天才だと思います!
個人的には筑紫ちゃんがまた、殺されちゃうのが読みたいなあ、
>>410
了解しました〜。ネタが思いついたら死亡エンドの話を投稿したいと思います
正直産み付けと射精を両立させる時点でかなり斬新だと思うのだが
筑紫ちゃん惨殺ED期待
首吊り的なSSはないのかな?
久々にキャリーのリョナ読みたい
無双のくのいちがひたすら拷問されるだけでの読みたいな!
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org989712.txt.html
ボーイッシュ系ボクっ娘少女がボッコボコにされるSSの続編が完成したので僭越ながら貼らせて頂きます。
やりたい責めを詰め込んでみたところやたらと冗長になってしまいました……
基本は殴打系リョナですが、露悪趣味の青年漫画でやってそうな拷問描写が多々あります。
ある意味では性的かもしれない責めもございますのでご注意ください。
楽しんで頂ければ幸いです。
死なねえなこの子w
挿し絵付きゲームブックみたいなのを作ろうと計画中なんだけれど、リョナssみたいに情景描写をきっちりやるのと本来のゲームブックみたいにテンポよく書くのとどっちがいいのかな。スレチだったらゴメン
マジレスするなら、
自分がそういう部分をガッチリ書ける自信があるならゲームブック風って感じで
ある程度読む側の想像にお任せしますっていう書き方をするんであればゲームブック形式でやればいい
極論どう書きたいか次第だから、自分の文章とアイディアを鑑みて適切な方選ぶしか無いと思うよ俺は
>>420
返信thx そうだね。とりあえず書きたいように書いてみるわ
完成してだめだったら次変えればいいし
新作はまだか……
しばらく豊作だったからな
たまには座して待つも良し
触手リョナの人です。
オリジナルの金髪縦ロールの魔法少女が触手にボコォされて、お尻から触手が貫通して窒息死しちゃうSSができたので投稿させてもらいます
「げぶうっ...!?」
可憐で華やかな衣装に包まれた魔法少女の腹に魔物の触手がめり込んだ。
「お、おげぇぇぇっ!!ごげぇっ!!ぎゃがぼっ!!」
魔物は容赦なく嘔吐する少女に追撃をしかけ、全身を触手に殴打され吐きながら悶絶させる。
「ぎゃひぃっ...あ、あぅぅあぁぁっ...」
やがて魔物の蹂躙が終わると全身に青あざが浮かびつぶらな蒼の瞳は半ば白目を向き、口元や豊満な胸に吐瀉物がかかりその美貌を台無しにした魔法少女が仰向けに倒れがに股に開いた脚の隙間から失禁し、びくびくと痙攣する。
高度な自動再生魔法が汚物と痣を消しさり、美しさを取り戻すがダメージは回復せず、失神したままだった。
長身のモデル体型の魔法少女は10代半ばとは思えないボディラインを描いており、引き締まりスレンダーなボディに大人顔負けのばんと大きく張り出した胸や尻が少女とは思えない性的な魅力を醸し出していた。
そしてその極上の肢体を包む衣装は胸の谷間とお腹にスリットの入った際どいハイレグの白レオタード、身体の各所、に付けられた金の装甲、前面はざっくり開いた白と黄のスカートパーツ、指先まで覆われた金縁の白ロンググローブ。白のニーソックスに金のロンググリーブと言う魔法少女にしては派手目な出で立ち。
極上の金糸の様な髪の毛を、ボリュームのあるツイン縦ロールに纏めてある所からも良いところの『お嬢様』であることが伺える。
魔法少女ルディナ。金のオーラを纏い魔物を凛々しく討伐していた魔法少女の面影はいまや見られず、そして、これからその命が散らされるのは誰の目からも明らかだった。
彼女の胴回りはあろうかと言う巨大な触手が股間にあてがわれたのだ。
やすりの様にざらざらとした表面にはもはや棘に近い疣が無数に生え、まるで岩の棍棒の様だ。
そんな極太の肉凶器でルディナは犯される。ゆっくりと、股間に押し付け少しずつ圧力をかけてゆく。
「んっ...?えっ、なにをしてっ、そ、そんなのはいるわけ」
気が付き、超極太触手をあてがわれ顔面蒼白のルディナ。
少女の目が覚めるのを待っていたのか彼女の制止の声を途中で遮る形で一気に触手はねじり込まれる。
膣はがりがりと抉られ、股間節は一発で破壊され、子宮口を一瞬でこじ開け子宮の最奥まで乱暴に突き進み、引き締まっていたルディナのお腹をぼこぉっと盛り上がらせた。
「!!!?ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
身体を股間から真っ二つにされそうな激痛に限界まで仰け反り、有らん限りの絶叫を上げるルディナ。
並の人間なら三度は死ぬ激痛を股間から味わい、愛らしい唇から泡をぶくぶくと吹きこぼし、ぼろぼろと涙をながす目は完全に白目を向いてしまう。
凄まじい痛みに意識が霞むがその痛みが気絶を許さない。
そして、まだ入れただけであり魔物の凌辱は始まってすらいないのだ。
既に蹂躙された膣壁をさらに削られずたずたにされ、恥骨を砕かんばかりに触手が叩きつけられる。
どごぉっ、どごぉっ、と女性の体内からは聞こえてはいけない轟音が魔法少女から響き渡る。
「ごぎゅうぁっ!!うげぇっ!!ぎ、ぎゃはぁっ!!!」
ルディナの可憐な巻き髪が、見事な爆乳が、ほっそりとしなごらも引き締まった腕がピストン運動の度に跳ね回る。
(こ、このままじゃ死んでしまいますわっ!な、なんとかしないと...!!)
股間から全身を襲う超激痛嵐の中、ルディナは諦めていなかった。敗北、そして死の運命に抗おうと苦痛一色に染まりそうな意識を繋ぎ止めなんとか反撃の糸口を探そうと足掻く。
しかし、手に力を籠めるのが精一杯で、それが魔法少女ルディナが最後に出来た抵抗だった。
少女の魅力的なヒップの菊穴にも太さは通常の男性器ほどだが大量の触手が前触れも無く突き込まれたのだ。
「ごぎゃあがががががががぁぁぁぁっっっ!!!」
奇妙で凄まじい断末魔じみた悲鳴と共にルディナの思考は奪い去られた。
彼女に許されたのは死ぬまで苦痛に悶絶することだけ。
「げぎゃぁぁぁっ!!!じぬっ!!だずげでぇぇぇっ!!だれがぁぁぁぁぁっ!!!」
ルディナの助けを求める悲鳴に魔物は一際強く触手を打ち込み、その衝撃で哀れな美少女の骨盤が粉々に砕け、背骨までもヒビが入る。
「あっ...がぁっ!!!!」
ぼびゅるるるる!!!
凄まじい音を立て、触手が粘った精液でルディナの胎内を埋め尽くす。
あっという間に子宮は完全に精液で一杯になり、お腹は妊婦の様に膨れ上がり魔法少女装束がぴちぴちに張り詰める。
「がぼぉっ!!!!」
尻にも出された精液は体内を遡り口から吐き出される。大量に吐き出し精液の嘔吐で自分の身体を真っ白に染め上げる。
「げひゅーぅ、ひゅ、ひゅげぇっ、むごぼぉっ」
精液逆流で窒息しかけ、本能的に呼吸を求め酸素を貪ろうとするルディナを嘲笑うように後ろの穴を犯していた触手が体内をかけ登り、口から飛び出した。
喉を完全に塞いだ触手によりルディナは呼吸困難に陥り、いよいよ逃れられない死の気配に無意識にびくびくと痙攣する。
そして、それがトドメとなり魔法少女の身体から力が抜け、極太触手を尿がつたり、したたり落ちた。
それからルディナは二度と動かなくなった。
あまりに惨たらしい死に様だが、魔法少女にとってはありふれた死に方でもあった。
以上です。
某アニメの洗脳シーンに興奮したのでどなたか椅子拘束拷問ssをください
>>428
アカメが斬る!のアカメで近日投下予定です
(っ´ω`c)
>>428 あれすごかったよな 久々にアニメで抜いたよ
>>429
アカメとかマジで嬉しい
負けるシーンが皆無なだけにどんな感じになるのか凄く楽しみです
妖怪ウォッチのイナホちゃんの首吊りSSとか読みたいな
普段テンション高い娘の命乞いほど萌えるものはない!
>>416
捕まって拷問されるのなら、無印のくのいちでやったほうが楽しいそうだな
口では「そんなの怖くもなんともないぜぃ」とか言いつつ、本心は「ひぎぃ 死ぬぅ」的な
濃姫の方がいい
>>432
いいなそれ!見てみたい!
ノエルの人です
新作を投下いたします。
アマガミの七咲逢を、プールで溺レイプさせてみました。
夏といえば水泳だろうということで、本当は夏まっ盛りの時期に投下したかったのですが……
七咲逢
https://pbs.twimg.com/media/CbqqUE0UsAAS8ni.jpg
http://www-img.dclog.jp/m/ProfImage?bid=7028333&t=1343737127&rid=1.jpg
本編
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1013818.txt.html
エロ要素多めです
現実世界に居る普通の女の子の場合、どうしてもリョナにエロ混じってしまいますね
楽しんでいただけたら幸いです
ノシ
所謂エリョナか
いいねー
>>436
新作乙です
これから本番かと思ったら最後豹変しててビビりましたw
切り替わるタイミングがうまい(笑)
ごちそうさまでしたm(__)m
時代的にスマホとかは無いと思いました
揚げ足取りすみません
作者です
お読みいただきありがとうございます
相変わらずひどい内容ですが、水着でリョナりたかったんだ……
そして>>439 さんのツッコミが地味に痛いです
またよろしくお願いします
楽しみにしてます!
次はアカメなのかな
どなたか、あんハピのヒビキちゃんかレンちゃんで首吊りSSお願いします!!
健気に戦うヒロインがボロボロに負けてゴミの様に扱われ話が見たいなぁ
筑紫ちゃんの続編と渋の再掲載を楽しみにしてます
特に前回の格上お嬢に手も足も出ないのは最高だった
今まで純粋な実力では無双してただけに……
筑紫の人です
>>444
ご感想ありがとうございます!結構仕上がっているので新作は今週中には投稿できるかと思います
渋の方はあまり進んでおらずまだかかりそうですが……
首吊りSSが読みたいと聞いて。
首吊りSSだと思った?残念、駄文だぜ!
……投下させていただきます。
曇天の中央広場には、平日にも関わらず、多くの人が集まり、犇めき、髪と頭皮の波ができあがっていた。
白石の立方体のタイルを敷き詰めた地面の中央に、インフラの充実を象徴する円形の噴水が備えられた憩いの場。
かつて「煌石の広場」と呼ばれていた公共施設に、施工当初の美しさを望むことはできない。
足元のタイルはひび割れ、隙間からは黒い地面が露出し、生命力の逞しい雑草が緑の体毛のようにそこかしこに生えて雑然としている。
噴水は困窮からとうの昔に埋め立てられ、王宮の政策を伝える簡易の掲示板と化してしまった。
誰も見向きもしない。
たまに足を止めて目を通す者がいれば、憎悪でキッと眉間に深い皺を作り、罵詈雑言の捌け口を求めて足早にその場を去る。
そのような、国の荒廃を象徴するかのような空間と成り果ててしまっていた。
しかし、王都フラクタルの中央に広がるこの空間は、今、国民を最も熱狂させる場所として空前絶後の賑わいを見せている。
「処刑広場」「正義の利剣」「血塗られた広場」
国民は多くの痛みを孕む生活の苦しみを慰めてくれるこの地に様々な二つ名を付けた。
フラクタル王国が滅びドグル帝国の領地となってから1月。
敗戦国への粛清は、戦争と貧困に喘いでいた国民たちにとって、愛国心を溶かす劇薬となった。
軍事大国ドグルに対して、フラクタルと隣国スフィーネは同盟を結び長く抗戦を続けてきた。
豊かな大地に裏付けられた農業生産能力により、戦火の波のある持久戦を続けてきたフラクタルだったが、
軍事費捻出のための重税と緊張は国民たちに毒となり、心身を蝕んでいた。
さらに飢饉と疫病が重なり、国力は疲弊し、王宮への不満は爆発寸前となる。
トドメとなったのは、同盟国スフィーネの降伏だ。
よりどころを失ったフラクタルは、ドグル帝国の巧みな内部扇動によって煽られ、王都でクーデターが勃発。
内部から瓦解したフラクタル王国はドグルの大軍に攻め込まれ抵抗らしい抵抗も許されぬまま陥落した。
ドグル帝国は王都陥落に際し、まず国王フラクタル17世を「煌石の広場」で公開処刑した。
国を忌むべき戦争へと導き国民に苦痛をもたらした重罪人として、噴水を埋め立てた円形の舞台に引っ立てて、
ドグル製の大鉈を用いて、その首を刎ね、野ざらしにしたのだ。
処刑を前にした国王に対して観客である国民は罵詈雑言を浴びせ、石や馬糞を投げつけた。
国王が首を刎ねられ、その鮮血で「煌石の広場」を汚した瞬間には、観客は歓声とも悲鳴ともつかない声を上げ広場が地鳴りのように細かく揺れた。
フラクタルの要人の粛清は、完全に、国民にとってのショーとなったのだ。
翌日には左大臣が四肢をそれぞれ違う馬に括られて八つ裂きにされ、
その3日後には右大臣が尻の穴から杭で身体を貫通され晒し者にされた。
さらにその3日後には、軍事費捻出のために重税を提案した財務大臣が、棍棒を持った国民たちに怨みの罵声を浴びせられながら殴り殺しにされた。
血痕も渇かぬその翌日には、大司祭カーネルが後ろ手に磔にされたまま火炙りにされた。
さらに人肉焦げた臭い未だぬぐえぬ翌日には、前線で闘ってきた女騎士シーラが一糸纏わぬ姿で両腕を後ろに縛られ、
飢えた野犬の群れに追われて逃げまどい、ついに食い殺される様を観衆に見届けられた。
国民の生活は一層苦しくなるばかりだったが、彼等は残虐な粛清の虜となり、働くのも忘れて連日広場に足を運んだ。
そして暗黒の雲の下、この日もまた新たな生贄が広場に連行されてくる。
処刑はいつも正午と決まっていた。
秋も終わる暦だが、広場は人集りで蒸し暑ささえ感じる異様な熱気に包まれていた。
人々は固唾を呑んで一様に中央の噴水跡に視線を送る。
そこには木で作られた、鳥居のようなものが備えられた立ち台が設けられていた。
この異様な装置を設置するために1週間を要した。
刑を処するには長い準備期間であり、国民の中には早くも焦れて刺激の禁断症状が出始めている者もいる有様だった。
カラカラカラ……
石畳を転がる車輪の音が広場に響けば、喧噪は一瞬にして静まりかえる。
観衆はドグルの刑執行人によりそこまで訓練されてしまっている。
地溜まりの魔界と化した王宮へと続く道から、被告人を乗せた馬車が1台、護衛も付けずにやってきた。
馬車は扉のない質素なものだが、代わりに暗色の布がカーテンとして降ろされ中を窺うことはできなかった。
紫のローブに山羊の頭を模した面を被った不気味な異国情緒溢れる執行人が馬から下りれば、
カーテンを微かに開けて中に手を伸ばし、細い荒縄を握れば、締めて広場の中央へと歩み出て来る。
荒縄の先にいるであろう被告人は、その力に引かれる形で、身体のバランスを崩しカーテンを肩で押しのけて処刑場にその姿を現した。
女だ。
観衆の誰かが呟くのと同時に、辺りに静かにざわめきが起こった。
縄の先に括られたのは、溜め息の出る、白く豊かな肉体だった。
純白の「シルク」と呼ばれる布でできたサテンドレスに、こぼれんばかりの白い豊乳が 包まれていて、
それが身体と共にバランスを失い揺らめく様子は老若男女の別なく視線と劣情を沸き立たせる。
胸部のふくよかなことは勿論、肩や二の腕、太股にもほどよい脂肪が乗り、この肉体の女性としての成熟ぷりを伺うことができた。
まるで名画から抜け出してきたかのような肉感バランスの優れた姿。
高貴な身分であることは間違いない。
腕を後ろに縛られ、くびれた腹部に荒縄を巻き付けられながら無遠慮に引っ張られている。
顔は無骨な麻布の袋に覆われて見ることができないが、勘の良い者ならば、その時点でこの被告人の正体に気づくことができていた。
荒々しい麻布に頭部という個性を剥奪された茹だるような高貴な肉体は、執行人に引かれながら広場の中央へと連行される。
首根っこを執行人によって掴まれて強制的に身体を「つ」の字にされれば、麻布の袋が剥がされて被告人の顔が衆目に曝された。
あっ……!
大きなざわめきが観衆を波のように伝わり、興奮が広がっていく。
「王妃だ!」
「フローラ王妃!」
口々にその名を呼ぶ声があがる。
麻布の下にあったのは、麗しき金髪碧眼の淑女の顔。
色素の薄い細やかな金髪は丁寧に編み込まれて頭の上に括られ、後ろ髪の一部が袋から解放され、馬の鬣のようにストンと落ちた。
頭に乗った金銀細工に宝石の散りばめられたティアラは、彼女がまさにこの国の王族であることを示していた。
フローラ王妃。
フラクタル王の第一王妃にして、誰もが羨望の目を向けずにはいられない美貌の持ち主。
その美麗なるは血統でもある。
彼女は同盟国スフェールの第三王女であったのだが、
スフェール家は代々見目麗しい娘に恵まれ、近隣の王族に嫁がせて力を得てきたという歴史がある。
「娼国」スフェールと揶揄されるほどだが、中でもフローラは一目でフラクタル王子を射止め、寵愛を受けた生来の傾国なのだった。
第一王女を授かり出産してから10年の月日が経ったものの、その肉体の魅力はさらに磨きがかかっていた。
彼女は王宮陥落時に捕縛されてから、処刑の様子はもちろん、何も知らされていなかったのだろう。
麻布を取り払われると、エメラルドよりも澄んだつぶらな瞳をキョロキョロと動かして、観衆の様子を見た。
「ここは、王都か?煌石の広場……」
嫁いでから何度も足を運んだ城下町の変わりように困惑の色を示すフローラ王妃。
その美貌と肉体の官能は観衆のざわめきさえも沈める。
被告人にも関わらず薄い化粧と装飾、さらに丹念に髪を結うことを許されたのには、この美貌を引き立たせるという目的があったのだ。
「くたばれ売女が!」
静寂が降りようとした刹那、どこからかそのような野次が飛んだ。
それはこの上なく効果的に観衆を扇動した。
「俺達の痛みを知れ!」「裏切り者の娘が!」
「報いを受けろ性悪女!」「歴史の汚点め!」
彼女は確かに魅力的である。
遥か東方かより仕入れた珍しい純白の布でできたドレスに身を包んだ姿は、俗世を離れた神々しさがある。
肉感豊かな女性的な体付きは息を呑むものがある。
しかし、それらが国民達の血税と苦しみによってできていると深く自覚している観衆にとっては、
触れるのもおこがましく感じる高貴さも、これから破壊されるべき憎悪の対象でしかなかった。
次々と投げ付けられる罵声を、信じられないものを見る目で呆然と受けるフローラ。
敵国ドズルを恨むどころか、怒りの矛先が自らに向けられていることを痛感し、彼女はわなわなと身体を震わせた。
「ドズルに毒されたか民たちよ!諦めてはならぬ! 」
胸を張り、凛とした声で観衆に呼び掛けるフローラ。
しかし、国民たちの反応は彼女の予想だにしないものだった。
「黙れ売国奴!」「いつまでも王族気取りか尻軽女!」
「お前の国が降伏したせいで国は負けたんだよ!」
「戦争で死んだダチにあの世でファックしてもらえ豚が!」
フラクタル王の存命ならば不敬罪で即刻首を刎ねるような暴言の嵐を受け、フローラは屈辱で頬を染めた。
「無礼者!妾はフラクタル第一王妃、フローラであるぞ!わかっておるのか!」
元王妃の叱責も、観衆の憎悪の渦に飲み込まれ消えていく。
代わりにズイと執行人が前に歩み出れば、一変、観衆はシンと静まりかえる。
広場の支配者はフローラ王妃ではなく、帝国ドズルの卑しき執行人なのだった。
「紹介の必要はないようだな。今回の被告は、善良なる民に重税を強い、自らはこのように贅の限りを尽くしていた罪深き王族。
更には亡国により多くの罪なき民を死に至らしめた大罪人、フローラだ……
大義の下、この許されざる戦犯を極刑に処す」
執行人が宣言すれば、地鳴りのような歓声が広場を揺らした。
観衆の悪意に気圧され、口を噤むフローラ。
王族としての誇りをへし折られそうになりながらも、直立でその歓声を受けた。
「民衆よ、諦めてはならぬ!冷静になるのじゃ!」
一瞬の歓声の弱まりを見計らい、声を張り上げるフローラ。
しかし、フローラの「演説」に聞く耳を持つ者などいなかった。
ピンと直立し民衆と向き合うフローラの後ろから、執行人が腕を伸ばしてドレスの胸元を掴み、剥げば、彼女の母性ある豊満な乳房がボロンと零れ、
性の象徴である突起が大衆の前に曝された。
成熟した女性であるが俗世とは完全に隔離された王族であるフローラは、羞恥に顔をサッと朱色に染めて振り返った。
「何をする下郎!このような狼藉、許さぬ!」
ギラリとした眼光で睨み付け、衆目から乳房を守るようにかがみ込んでしまうフローラ。
観衆は王妃の痴態に火を点けられた竈のように熱く燃え上がり、獣のような歓声を上げる。
「いいぞ!」「雌狐の化けの皮を剥いでやれ!」
「負け犬に身の程を教えてやれ!」
民衆の全てが自らの痴態を望んでいることを痛感して、屈辱と被虐に身をよじらせる王妃。
産まれてから受けたことのない屈辱に、身体も頭も耐え難い熱を帯びているのを彼女は感じた。
「そんな……お……おのれ…………」
身体中に発汗しながら身を沈め、執行人を見上げるフローラ。
執行人は低く冷淡な声で観衆とフローラに語りかけた。
「今から、罪人より全ての権利を剥奪する。獣以下の存在として扱い、刑を執行するものとする」
宣言と同時に、舞台の端から幾人かの執行人が現れて何やら準備を始める。
フローラを連れてきた執行人は手にした縄を引く。
縄を腰に括られたフローラは無理矢理立たされ、執行人の胸元へとその身を引き寄せられれば、
厚い革製の手袋で覆われた執行人の豪腕にシックな純白のドレスを掴まれた。
ビリビリ……!
手袋には細かい刃物のようなものが仕込まれているのかもしれない。
驚くほど呆気なく、彼女のドレスはボロ布へと姿を変えていく。
「きゃああああああああっ!!」
フローラは少女の様な悲鳴を上げながら逃げようとしたが、その度に縄を手繰り寄せられて
執行人の辱めを受けることになった。
ほどなくしてフローラのドレスは取り払われ、腹部に巻き付けられた縄に僅かにかかっているのみとなる。
下着の装着は許されていなかったようだ。
やはり、彼女はショーに出される生贄だった。
予め体毛の処理を施されていた彼女の裸体は、どんな芸術作品にも勝る官能を振りまき、
男はおろか女までも熱狂の歓声をあげさせた。
局部を曝すことを最大の恥と感じるフローラは足を織り込んでしゃがみ込んでいたが、再び縄を引かれれば立ち上がらされる。
縄で縛られている部分についたドレスの成れの果てを摘まれれば、丁寧にそれを引き抜かれ、ついに一糸まとわぬ姿にされてしまった。
「ぐぬぬ……このような辱めを……恥をしれ、下郎が……」
「……………………」
執行人はそれには答えず、懐からナイフを取り出す。
刃から放たれる鈍い光を見て、思わず身体を硬直させるフローラ。
しかし、次に行われた行為は彼女の予想に反するものだった。
ブチブチブチ……
ナイフは、フローラの身体と腕を拘束していた荒縄を手際良く切り落とした。
はらりと落ちる縄。
フローラの手首や括れの部分には、痛々しい縄の跡が赤く残っている。
解放されたのか?
フローラの頭にそんな希望が過ぎる。
しかしそれは、極限状態に曝された者が一瞬だけ抱く非現実的な妄想に過ぎなかった。
ガシガシ……!
執行人がフローラの両脇に歩み寄れば、彼女の両腕をがっしりと拘束してしまい、彼女の裸体が民衆によく見えるようにした。
一瞬で希望を捨て困惑の表情が張り付くフローラ。
キョロキョロと目配せして時分の横に屈強な男が立ち自由を奪っているのを確認する。
これから、何が起こるのか。
不安に視線を動かすが、残念なことに、その正体はすぐ彼女の眼前に用意されることになる。
「まさか、それは……」
目の前に用意されたのは、長い柄の先が円形に赤く燃える焼き鏝。
人間の拳の2倍はあるだろう。
本来なら重罪人の背中に押し付ける烙印。
それを手にした執行人は、しかし、通例とは違い彼女の前に立ち、その熱気を帯びた焼き鏝を観衆とフローラにまざまざと見せつけた。
「淫猥なる傾国の雌狐が地に堕ちる瞬間をごらんあれ!」
「いや……やめ……!!」
フローラの懇願を遮るように、焼き鏝はフローラの白い腹部へと無慈悲に押し付けられた。
ジュウウウウウウウウウウウウ……!!
肉の焼ける音が静寂を守る観衆の耳に届く。
同時に……
「あああああああぎゃああああああああああああああああああああああああっ!!」
麗しき王妃の口から赤子のような悲鳴が上げられ、広場はおろか、城下町中に木霊した。
王妃は羞恥も忘れ、大股を開いてその激痛に苦しみ、喉がかれんばかりに叫んだ。
性器の露出さえ憚らない有様であったが、不幸にも観衆には執行人の身体が邪魔となって
国王さえ虜にした性戯の妙を伺うことはほとんど叶わなかった。
じっくりと焼き印を入れた執行人がゆっくりと焼き鏝を離せば、フローラの下腹部、性器の上部に、屈辱的な罪人の証が真っ黒に刻まれていたのだった。
「あ……あが…………が……………」
フローラはあまりの苦痛に耐えかね、泡を吹いたまま白目を剥いて自失していた。
執行人は他の執行人に目配せし、水の入った樽を持ってこさせ、
バシャアッ!
頭から水をぶっかけてフローラを無理矢理覚醒させた。
「え……けへ……おおう…………」
火傷に水が染みる痛みに顔をしかめながらフローラは再び現実へと呼び戻される。
執行人は、今度は目を覚ましたフローラの細い首に黒い皮の首輪を巻き付ければ、犬を飼うようにその手綱を握って民衆にアピールした。
「見たか。王を骨抜きにした蠱惑の魔女は今、単なるモノへと堕ちた。これより、極刑を執行する」
宣言と共に観客からは雄叫びがあがるが、それはすぐに収まって静寂が訪れる。
半死半生をさまようフローラは未だ実感なくその言葉を単なる言葉として受けていたが。
「ああうっ!!」
無理矢理リールを引っ張られて犬のように地面を這わされれば嫌でもそれが現実であると思い知らされる。
執行人が広場の中央にある舞台へと上っていくのだとわかれば、思わずその先にあるものに目がいく。
それを視界に入れれば、フローラの2つのエメラルドは大きく見開かれ、顔は絶望に歪んだ。
「い……いやじゃ!放せ!放せえ!」
スクッと立ち上がれば、地面に対して低く身体を屈めて進行を拒む。
舞台の上、鳥居のような部分にはいつの間にか太い荒縄が輪を描き、ぶらんと垂らされている。
フローラを死に誘う無骨な円が、風に揺れて彼女の到着を待っているのだ。
執行人に手綱を握られながら、フローラは一歩、また一歩と死の階段を登らされていく。
「いやじゃ!いやじゃあっ!!だ、誰か妾を助けよ!シーラ!シーラはおらんか!」
助けを乞い、王妃は狼に食い殺された腹心の名前を呼ぶ。
「ジェノス!ジェノスはどこにおるのじゃ!」
八つ裂きにされた左大臣の名前を呼び助けを求める。
「カーネル様!妾は潔白でございます!妾に、妾に神の慈悲を!!」
決して信心深くない神と、火炙りにされた司祭の名を呼び懺悔する。
一歩、また一歩と階段を登るたびに、彼女の理性と気高さがどんどん剥げ落ちていく。
「ノーラン!助けよノーラン!妾の一大事がわからぬかうつけめ!!」
自らを金貨3枚でドズルに売った付き人の名前まで呼び、半狂乱で抵抗する。
頼る者は皆この世にはいない。
長くむっちりとした足が木製の階段を噛み締め、犬が構えるように重心を低くして抵抗する様は
浅ましく、そして、色気に満ちていた。
「何故じゃ!何故助けぬ!そこで見ておるだけか裏切り者め!おぬし等全員打ち首じゃ!」
どうやら恐怖のあまり亡霊を見ているようだ。
半狂乱に陥ったフローラは、美しい金髪を振りまいて叫ぶ。
「ええい誰でもよい!妾を助けよ!褒美はとらす!要職も約束するぞ!」
フローラの言葉に耳を貸す者はいない。
「なんでもだってよ」「何をくれるっていうんだ、薄汚れた売女がよ」
観衆の嘲りさえも耳に入ってこない。
フローラは大粒の涙をエメラルドの宝石から流しながら、ついに最上段へと引っ立てられていった。
「お……う…………」
最上段を2歩ほど前進すれば、膝が笑い自分の足で立つことさえ困難となる。
逃げようと抵抗することも恐怖から叶わなくなったフローラは、首輪を外されても磔にあったように動けずされるがままになっている。
「さあ、潜るのだ」
「あ……あ……」
最後まで残っていた豪奢なティアラを奪われ、縄を首に掛けられれば、最後の抵抗にと首を振ってみせる。
いよいよだ。
観客は静まりかえり、固唾を呑んでフローラの様子を見守った。執行人がフローラの背中を見据えながら階段を下りる。同時に……
ガコン……
フローラの足元の板が外れ、彼女の足は完全に地面から離れ宙づりとなった。
「うがあ……」
くぐもった声と共に、フローラの身体が縄に吊されて歪に揺れる。
彫刻のように見事な肉厚の四肢がもがき、蠢く様は、観客達に静かな興奮を与える。
ギシギシと軋む縄の音さえも淫篤な興奮材料だ。
執行人は地面に降りれば、フローラの傍に立ち、彼女の身体の下に王族のティアラを置く。
「おう……ぐう……だずげ……おどうざま……」
縄に添えられた指が、彼女の喉をかきむしって赤い線を描く。
局部を隠すことも忘れてばたつかせていた淫欲を固めたような美脚が、しだいにその勢いを失い始める。
だらんと脚が力無く堕ち、垂れ下がれば、それに少し遅れて腕も重力に逆らわず垂れ下がった。
ギシ……ギシ…………
縄の音が静かに響いて、カタルシスとなって観衆に染み込んでいく。
ジョロロロロロ…………
制御を失った腹部が緩み、フローラの局部から小水が溢れれば、彼女の身体の下に置かれた黄金のティアラを汚らしく濡らしていった。
以上です。
市中引き回しなども考えましたが、今回は吊りオンリーとなりました。
少しでも愉しんでいただけましたら幸いです。
では、スレのますますの発展を祈念して。失礼します。
>>442 のレスを見て筆が乗ったので駄文を投下させていただきます
今回は途中の区切りのいいところまでになりますが
続きの展開はここで相談させていただいた上で、これから書いて行こうと思っています
どこにあるとも知れない薄暗い地下室の中。
大勢の男たちに囲まれて、二人の制服姿の少女が身を寄せ合って立っていた。
自分たちよりも大きな男たちに囲まれてもなお目立つ、長身で銀髪ショートカットの少女の名前は江古田蓮。
すらっとしたモデル体型に整ったような顔立ちは中性的で、まるで美少年のようでもある。
しかし、年齢よりも少し発育の進んでいる体が、レンが女性であることをはっきりと主張している。
普段のレンは、寝てるのか起きてるのかわからないような、物静かで眠たげな目をした少女あった。
だが今は、はっきりと起きていることがわかる表情で、目の前の男たちに静かに敵意を向けていた。
「響たちをどうするつもりなのだ!早く解放しないか、お前たち!」
無言を通しているレンの隣で、対照的に男たちに尊大な口調で仕切りに吠えたてている小柄な少女は萩生響。
ふわふわの茶髪セミロングの髪に、気が強いことが一目でわかる自信ありげな顔立ちをしている。
小柄ではあるが幼児体型というわけではなく、出るところの出ている一部の男性に受けのよさそうな体の持ち主である。
今は全身で怒りを表しながら、レンの腕の中から周囲の男たちに向かって、自分たちを解放しろとずっと喚いていた。
身長差のために、自然とレンが響を庇うような格好になっている。
「ここに何の目的で、どうやって入り込んだのかをお嬢ちゃんたちから聞きだすまで、おじさんたちはここをどけないんだよねえ」
「だーかーらー!いつの間にか迷い込んだだけだとずっと言っているだろう!わかったら外まで案内するのだ!」
響は不幸タイプ『方向音痴』と称される程の極度の方向音痴である。
今朝もレンと二人でいつも通りに登校していたはずだったが、いつの間にかこの地下空間に迷い込んでしまったのであった。
「そろそろ私と響が来てないのが、学校で問題になってる頃。騒ぎになって困るのはそっちだと思うけど?」
2人が所属している1年7組は幸福クラスと呼ばれ、異常なまでに不幸な生徒を集めた結果、何かと問題になることが多かった。
そのため、不慮の事態が起こった際の担任の対応力もまた、一個人の範疇を超えた範囲で異常に高い。
「そいつは困るなぁ……じゃあ、お嬢ちゃんたちがここに居た事実を、丸ごとなかったことにしちまおうかな」
傍に置いてあった、ドラム缶の山を指さしながら男の一人が言った。
「ひっ、響たちは煮ても焼いてもおいしくはないぞっ……!」
ここに来てからはじめて、響が怯えた声を上げる。
レンがすかさず、響と男たちの間に割って入る形で彼女を庇った。
その表情こそ変わらないものの、レンの腕が微かに震えて居るのが、背後の響には感じ取れた。
そんな二人を前に、男たちがニヤニヤとしながら顔を見合わせと、一人の男が二人の前に立つ。
「ここは実は秘密のゲームクラブでね。あるゲームをクリアできたら、お嬢ちゃんたちを外に出してあげてもいいよ」
「響に勝負を挑むとは身の程知らずな!返り討ちにしてくれる!」
売られた喧嘩は反射的に買ってしまうのが、萩生響という少女の生まれて持った性である。
「わかった」
レンは響に同調して短く返事をして頷きながらも、頭の中では時間を引き延ばすことで、外から救助が来ることに期待していた。
「今から担任に遅刻の言い訳を考えておかねばな!響とレンが一緒ならば、負けることは絶対にないのだからな!」
こんな状況でも負けず嫌いを発揮してしまう幼馴染に呆れつつも、レンはその言動にどこか安心させらるのであった。
「な、なんなのだこれは……」
しばらくして、二人の前に運ばれてきた器具を前に、響が率直な感想を口にする。
それは、公園に置いてあるブランコを巨大にしたような器具であった。
しかし、本来は椅子を繋いでいる鎖があるべき位置には、先が輪になった紐一本垂らされていた。
その下には床より一段ほど高い、人一人分ほどが乗れる幅の円筒状の台が置かれている。
そんな特殊すぎる形状の器具の用途は、二人とも嫌でも理解してしまう。
「絞首台」
「レンに言われずともわかっている!じゃなくて!これでは、ゲームをする前に死んでしまうではないか!」
先程の男が、ゲームのルールを説明するために二人の前に現れる。
「こいつを使って、お嬢ちゃんたちにはここで命懸けで肩車をして貰う。あの砂時計の1回が30分。1時間耐えたらお嬢ちゃんたちの勝ちでいいよ」
さらに、男は何でもないことかのような顔で、恐ろしくも当たり前の事実を二人に突きつけた。
「支えきれなくなって上が死んじゃってゲームに負けても、下になった方は命だけは助けてあげるよ」
男の説明で、二人はこれがもう一人の命の掛かっているデスゲームであることを再確認させられた。
二さらに人の前には、台に乗せられた砂時計と一緒に、三脚に乗せられた大きなカメラが男の指示で運ばれて来た。
「お嬢ちゃんたちみたいな美人のプレイ風景は金になるからね。悪いけど、撮影させて貰うよ」
男からのルール説明と、そのとんでもない申し入れに対して、響は目まぐるしく顔を赤くしたり青くしたりしながら反論する。
「そっ、その映像を使って外に出た響たちを脅す気だな!リベンジ……なんとかというやつであろう!」
響の発言に対して男は肩をすくめながら返答する。
「君たちが勝ったら、おかえり頂く時にお土産として渡すさ。それを持って学校にでも警察にでも行って、犯罪の証拠にしてくれて構わないよ」
「拒否権はなさそうだね。やるしかないか……」
レンが諦めた風に響を見ると、響は悔しそうな顔をしながらも小さく頷いた。
「どっちが上になるかは、お嬢ちゃんたちに決めさせてあげよう。命がかかってるからね、じっくり相談していいよ」
レンが相談によって時間を引き延ばそうと開く前に、響が勢いよく手をあげる。
「響だ!響が上になるぞ!」
余りに早い決断に、呆気にとられるレンへと響が耳打ちする。
「やつらの目をこっちに向けさせて、外への警戒を逸らすのだ。1時間もあれば必ず助けは来る」
レンはこの幼馴染がそこまで考えていたことに驚きつつも、彼女の命を文字通り背負うことには不安を感じていた。
「大丈夫だ、レンよりも軽い響が上に行くのは当たり前であろう」
響はそう言うと、二人の間の不安を打ち消すように胸を張ってレンに言葉をかける。
「それに、レンならば大丈夫だとこの響が信頼しているのだぞ!」
「わかった」
レンがこの小さくも大きな幼馴染からの信頼に応えるべく、短く返事をしながらその頭を撫でると、響の顔が真っ赤になった。
円筒状の台の上にレンが立ち、その両肩の上に素足を乗せた響の足首を、レンが両手で持って支える格好になる。
響はレンの肩の上に靴のまま立つわけにはいかず、靴下も自分の足の裏やレンの手が滑るといけないので脱いでしまっていた。
靴と靴下だけとはいえ、見ず知らずの男たちの目の前での女子高生の生脱衣シーンである。
ギャラリーの男たちからは、もっと脱げだの靴下をこっちに投げろなどと、響に下品な言葉が矢継早に投げかけられた。
「黙れ変態ども!ここから出たらすぐ警察に突き出してやるからな!」
響は下種丸出しの男たちを罵倒しながら、その顔を真っ赤にしていた。
その隣に居たレンが、ゆっくりとした動きで自分もまた靴と靴下を脱ぎはじめる。
するとそちらに男たちの視線が集まり、響もまた驚いてレンの方を見た。
「レン……!?レンまで恥ずかしい思いをする必要はないのだぞ!?」
「これは、素足で踏ん張りを聞かせるためだから。だいじょぶ」
普段と変わらない表情で自分を気遣うレンに感謝しつつ、屈んだレンの肩に響は脚を乗せた。
その間にも飛び交う、男たちの下卑た言葉と好奇の視線を極力気にしないようにして、二人は絞首台の下で肩車をして準備を整える。
「レン、大丈夫か?重くはないか?」
「全然平気。響の方こそ、あまり動くと危ない」
レンに持ち上げられた響の目の前には、上から垂らされた縄があった。
輪の部分は、今はちょうど響の胸に当たる位置にあり、レンが下に居る限りは首が締まることはなさそうである。
それでも、今からここに自分の首を通さなければならないのかと思うと、怖気づかないわけがない。
「ちっちゃい方のお嬢ちゃんが、首に縄を通したらスタートだ。自分のタイミングで始めて構わないよ」
男の言葉が聞こえてるのかわからないほどに響は全身を緊張させ、縄の輪を握り締めて息を呑んだ。
響の不安が伝わったのか、その足首をレンが無言で強く握って、自分に任せろという意思を示す。
そんなレンの心強い行動に、響はいくらか冷静さを取り戻すと、意を決して自分の首を縄へと通した。
それと同時に砂時計がひっくり返されて、男たちからは拍手喝采が起きた。
「だいじょぶ?」
「うむ、問題ないぞ。レンこそあまり余裕だからといって、そのまま寝たりしたら怒るからな!」
お互いに不安を打ち消し合うように、こうやってしきりに声を掛け合った。
不安定な体勢にも関わらず、今の所二人とも上手くバランスは取れている。
そのまま何事もなく10分が経過した。
元々、響もレンも体力も運動神経も人並み以上にあったので、足腰への負担もまだ薄いようである。
見た目の凶悪さ程に大変なゲームではないのかもしれないと、二人とも表情に余裕が見えてきた。
ここで、司会をしていた男が大きな箱を運んで来る。
「頑張ってる二人のために、ここでゲストの登場だ」
男はそう言って箱の側面を開けると、中からは幾つもの眼が光り二人を見据えていた。
箱の側面を叩かれて、その中から出てきたそいつらの正体は……何匹もの猫であった。
「こいつらに応援して貰って、ここからも頑張ることだな」
男はニヤニヤと笑いながら、絞首台の方へと猫たちを追い立てていく。
猫たちは最初はゆっくりと絞首台の方へと歩いて行くが、ある距離で何かに射抜かれたように立ち止まって、レンの方を凝視した。
「お、おいレン。あいつらまさか……」
「まずいね……」
頭上から聞こえる響の焦る声を耳にしながら、レンは静かに息を呑んだ。
レンの生まれ持った不幸とは『女難』である。
彼女は本人の意思に関わらず、ありとあらゆる雌に分類される生物を自分の虜にしてしまう。
そして、箱の中に入っていた猫の群れは不幸にも、そのすべてが雌で占められていた。
猫たちは最初は一定の距離を取って獲物を狙っていたが、その中の一匹が我慢できずに集団から飛び出した。
それを合図に、本能に従った雌猫の群れが一斉にレンに向かって走りだす。
「この雌猫どもめ!レンに近寄るなー!」
まるで、女同士の修羅場のような響の言い様であるが、自分の命が掛かっているという意味では、紛れもなく修羅場である。
響の言葉をまるで意に介さず、猫たちは次々と円筒状の台の上に飛び乗ってくる。
人一人が立つのがやっとの台の上で、猫たちはレンの生足を舐めたり、体を擦りつけたりしてきた。
「くすぐったい……やっ、やめて……」
猫を踏みつけたり蹴飛ばしてしまえば、簡単に足元からは追い払えるだろう。
だが、生命を何よりも大事にする心優しい少女であるレンにそれはできなかった。
くすぐったさに耐えるしかないレンに代わって、響は上から手を振り、大声を上げて猫たちを追い払おうとした。
「早くレンから離れんかー!この雌猫どもー!」
「響、あんまり暴れないで……危ないっ……」
響の行動は、ずっと下で耐えているレンのことを思ってのことであった。
しかしそれは、文字通り彼女自身の首を絞めることになる。
「あっ……響!!」
動揺した猫の群れが大きく移動したことによって、レンは足を取られて大きく体勢を崩してしまう。
同時にレンの肩の上から足を滑らせた響は、首だけでその全体重を支えることになってしまった。
「しまっ……!ぐえっ……がっぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」
普段の響からは考えられない、獣のような汚い絶叫が彼女の喉から搾り出された。
響が宙吊りになったことに、ギャラリーの男たちはその悲鳴がよく聞こえるように無言で湧きたつ。
「ぐえ゙っ……ぁ゙ぁ゙あ゙っ……げほっ……!ぉ゙え゙っ……ん!だずげ……」
響は苦しさから逃れようと両手で縄を握り締め、滅茶苦茶に足を振り回す。
空中で全身をばたつかせながら縄を揺らして、苦悶の呻き声と共にレンに助けを求めた。
「響……!ぐっ……落ち着いて……痛い……」
レンは急いで体勢を整えて響の元へ向かうが、でたらめに振り回されている彼女の足に顔面を蹴り飛ばされてしまった。
何回か響に顔や手を蹴飛ばされながらも、レンはなんとか再び肩の上に彼女の足を担ぎ上げることに成功して立ち上がる。
「うげっ……げほっげほっげほっ……はぁー……はぁー……」
宙吊り状態から解放された響も、レンの肩の上で体勢を戻して、咳き込んでは荒い呼吸を繰り返した。
レンは響の様子を心配して顔を上げるが、その位置からではスカートの中の汗ばんだ足と彼女のパンツしか見ることができない。
「レ……ン……ぅえ゙っ……響の……せいで……すまない……痛くは……ないか……」
響は無意識でのこととはいえ、自分の足でレンを蹴り飛ばしてしまったことを謝罪する。
しかし、先程の首吊りの恐怖から、響は下を向いてレンの顔を見ることができなかった。
幸か不幸か響からは確認できなかったが、レンの端正な顔は生命の危機に瀕した響の渾身の蹴りを喰らって、所々痣になってしまっていた。
「響、無理して喋らなくていいから。下のことは私に任せて」
「う……む……頼んだぞ……」
なんとかゲーム開始直後と同じ体勢に戻ったものの、状況が好転したわけではない。
猫たちは再びレンの足元に集まってきて、しきりに彼女の無防備な素足を舐め回してきた。
猫のざらざらとした感触の舌に舐められる度に、レンは肩をビクッと震わせた。
「本当はこんな一気に群がるはずじゃなかったんだが。まぁいい、じっくり楽しんでくれや」
男の態度に疑念を覚えつつも、レンは雑念を振り払い響を支えることに集中する。
息を荒げながらふらつく響には、そのようなことを気にする余裕すらも最早ない。
レンに支えられていることで何とか意識を繋いで、その肩の上に立つことができている状態だった。
このまま、もう何事も起らずに早く終わって欲しいと、レンは砂時計を何度も確認していた。
しかし、このまま終わることが許されるはずもなく、下に群がる彼女たちが再びレンに牙を剥く。
「痛いっ……!?なんで……?うっ!ぐぅっっ……」
中世の拷問に、山羊に相手の足裏を長時間舐めさせるというものがある。
やすりのようになっている山羊の舌が肌の上を往復することで皮膚は破れ、肉は割け、骨すら外気に触れる凄惨な拷問であったという。
山羊ほどの鋭さではないものの、猫の舌もまたやすりのような形になっている。
その舌に長時間舐め回されたレンの白く美しい脚は、惨たらしい傷がいくつも刻み付けられ、自分自身の血で赤く染められていた。
「なにこれ……?うぐッ……!舐めちゃダメぇっ……!あうぅっ!」
二人が裸足になってからこのゲームに挑戦したのも、この展開を想定した男たちの誘導によるものである。
これは当初からの予定通りであり、放たれた雌猫たちは人の肌を念入りに舐めるように調教されていた。
そのことを知る由もないレンは、自分の足を舐める事を辞めるように猫たちに懇願する。
「お願いッ……!だから……あぐッ……!?もう舐めないで……うッ……!」
しかし、雌猫たちにとってはこの哀れな生贄の足を舐めることが、その生の全てであった。
レンに魅了されてしまっていることもあって、一心不乱にその足を舐めたてて辞める様子を見せない。
「レン……?大丈夫か……?」
「ンッ……!大丈夫だよ、響……ッ!」
響はレンに何事かが起きたことを察して気遣うが、首吊りによる恐怖から下を向くことができない。
レンは恐怖に怯える幼馴染に心配をかけまいと、下腿に絶えず襲い掛かる激痛に耐えながら響を支え続ける。
心の中では今すぐこの場を逃げ出して、足を抑えて蹲りたい衝動に何度も襲われていた。
だが、先程のように自分の目の前で響が首を吊られ、再びもがき苦しむことを思えば、そんな事が出来るはずもなかった。
しかし、気丈にふるまうレンを嘲笑うかのように、このゲームに仕掛けられた更なる罠が二人に襲いかかる。
砂時計が逆さまに回され、二人の人生の内で一番長い時間に思えた30分が経過したことが告げられる。
時折レンを気遣いながらも、首に痛々しい痕跡を刻み付けられ、脂汗を滲ませて苦しそうに呼吸を繰り返す響。
美しい顔を腫らして、両足は血に塗れて猫達に責められながらも、全身汗だくになって仁王立ちで二人分の体重を支えるレン。
レンは両足を僅かに震わせながら、後半分の時間を耐え抜こうと静かに闘志を燃やしていた。
だが突然、彼女の上から聞こえてくる響の息遣いに異変が起きる。
「ぐっ……!?レッ……んぅぅぅ!首……じま゙っ……!?あ゙がぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……」
「響ッ!なんで……?何が起きて……」
レンからは相変わらず響の足しか見えないものの、その足は真っ直ぐに伸びていて、力尽きてしまったわけではないことはわかった。
下に居るレンも猫たちに散々痛めつけられた足で、立っているのがやっとの有様であったが、姿勢は変わらずに維持している。
それでも響の両足の感触はレンの肩から離れて行っており、徐々に宙に浮いている状態になっていった。
ならば何故と考えるレンであったが、自分の足元を見てその疑問はすぐに解決した。
自分が乗っている台が沈んでいたのである。
「さっさと猫を追い払っちまえばよかったのにねえ」
男の言い様によると、どうやら台に一定時間二人分以上の体重が掛かっていると、沈み込んでいく仕掛けになっていたようである。
響の命が掛かったことで、ようやく足元から猫を排除しようとレンは血塗れの脚に力を込めるが……。
「くっ……響、やらなきゃ……響が……うわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
レンは絶叫しながら、生まれて初めて猫を蹴り飛ばした。
次々と猫を蹴り飛ばしながら、レンの目からは自分の足を傷つけられても決して見せなかった涙が流れていた。
だが、レンの覚悟にも関わらず、いくら蹴り飛ばしても次々に猫が足元に群がって来てしまうために、台の下降は止まらない。
その間にも、響の苦しむ声は喉から搾り出す悲鳴から、断続的な風切り音へと変わっていってしまう。
「っかひっ……っかひゅー……っえ゙っっっ……でぇ゙っ……!はっ……はなしっ……あ゙っ……」
「響、今助けて……ああっ!」
レンは、絶対離すまいと響の両足首を握り締めていることで、自分が逆に彼女の首を締める手助けをしていることに気付いた。
慌てて両手を真上に伸ばして、両の掌で響の足の裏を持ち上げて支える姿勢に切り替える。
それでもまだ響が苦しんでいたために、レンはさらに爪先立ちになり、かなり無理のある体勢にならざるを得なかった。
爪先立ちになりながら万歳をして、全身を真一文字に伸ばした状態で、響の体重を支えるレン。
その姿と苦悶の表情は、全身を引き伸ばして責めたてる拷問器具にかけられているかのようであった。
「ぐっ……ううっ……ひっ……びき……」
「げぼっ……げほっげほっ……レン……」
レンの奮闘により、響は会話が可能な程度には余裕のある状態にもどったようである。
だが、響は何度も窒息しかかったせいで、顔中が汗に涙に涎に鼻水にと、ありとあらゆる液体がぐちゃぐちゃになった酷い有様だった。
レンもまた、普段ならば決して流すことのない汗と涙の跡によって化粧をされて、その美貌を惨めに彩られている。
そのような自分の外見をも顧みずに、懸命に響の命の重さを支えるレンの足元に、先程の恨みを晴らすべく悪魔の影が忍び寄る。
「あうっ……!もう……もう舐めないで……うぁぁっ!」
台の上の猫たちが、今度は露わになったレンの足の裏を舐めはじめたのであった。
まだ直接傷がつけられてしまったわけではないが、足の裏を執拗に舐められていることで、レンの足先からは力が抜けていく。
それによって響の足はレンの掌の上を離れて、再び首吊り状態になるべく浮き始めた。
「ぐぶぅぅっ……!ふぅっ……うぅっ……」
「ひっ、ひびきぃ……!!」
限界を超えた状態の足の先に力を込めて、レンはなんとしてでも響を助けようと体を伸ばす。
しかし、その響の口から聞きたくなかった言葉が、レンに向けて放たれた。
「もう……よいのだ……レン……どうせ響一人では帰れんのだ……」
「何弱気になってるんだよ響!いつもの負けん気はどうしたんだよ!」
普段の彼女からは考えられない程に、レンは声を張り上げて響を叱咤する。
「レン……無理をさせて……すまない。レンさえ助かってくれれば、もう響のことはよいのだ……」
響は首吊り状態になった時に視界の端に見てしまった。
顔に痣を作り、脚を赤く染め、その信念を曲げてまで、自分を助けようとしているレンの姿を。
響にとっては、あのレンがそんな姿になってまで、またも自分のことを助けようとしてくれていることが嬉しかった。
しかしそれ以上に、レンをそんな姿にしてしまったにも関わらず、何もできずに助けられるだけの自分を情けなく思い、恥じる感情のほうが何百倍も強かった。
最早、自分がレンのために出来ることは一刻も早くお互いに楽になることだと、響は悲壮な決意を固めていたのである
「ありがとう……レン……迷惑かけっぱなしだったが、感謝していたぞ……」
響はレンの掌の上を蹴って、自分から宙に踏み出そうとする。
しかし、レンの指が響の爪先を下から握り締めていて、何が何でも放そうとはしない。
「行かせない……響をこんなところで迷子のままにはさせない……!」
二人の間では永遠にも思える全身全霊をかけた意地の張り合いだが、恐らくはそう長く続かないだろう。
遠からず萩生響という一人の少女の命の灯と共に、このゲームは幕引きになる。
二人で帰ることは叶わずとも、相手の命だけは何としてでも助けたい。
そのためなら、自分の命を捨てることすら厭わないと覚悟した二人の耳に、悪魔の囁きが聞こえた……。
「残り十分だけど、ここでチャンスをあげようか?」
とりあえず今回はここまでになります
元ネタがわからない人は「北斗の拳 首吊り」とかで検索してくれれば
どういう状況なのかがわかりやすいと思います
今後の展開ですが、この後は上下逆にしようと思ったんですが
同じこと繰り返しても芸がないかなと思い、別のリョナシチュのリクエストがあれば
出来る限りそちらに沿った形で話を進めて行こうかなと思っています
また、響がこのまま吊られて蓮が玩具にされる展開や
上下逆で責められるシチュエーションも用意してますので
ご希望があれば、もちろんそれらでも構いません
キャラ増やすのと余りに細かい指定はできればナシでお願いします
>>453
一国の王女が何もかも剥ぎ取られて、本当の意味で裸一貫にされた上で絞首刑にされる表現が素晴らしいです
自分も衆人環視の元で首つりにされているという部分をもっと強調すればよかったなあと反省
>>461
これは素晴らしすぎる…!傑作です!!
2人のキャラもしっかり表れていて最高に萌えます!この2人はあんハピの中でも好きな2人なので嬉しいです、ありがとうございます!
上下逆にするのも面白そうですが、ここまで来るとヒビキちゃんの首吊りが見てみたい気もしますね〜
大好きなレンちゃんに失禁(脱糞)をひっかけちゃうヒビキちゃん…とかなかなか萌えそうですw
どちらにしろ首吊りで逝った後の表情、死体の状況をぜひ描写していただきたいです!
結局、残った方も殺られてくれるんですかね?
今日だけで傑作が二本も!!
幸せだ
>>461
響が気丈キャラを忘れて暴れつつ死んでいく様とか見てみたいな
了解しました。じゃあちょっと時間巻き戻して慈悲などなかったことにして
さくっと響吊った後で、その様子をじっくりねっとり描写させてもらいますね
蓮の方も、処刑道具にどうにか首吊り要素を仕込めないか
試行錯誤中ですのでもうしばらくお待ちください
無表情キャラがリョナられて、余裕がなくなるのは個人的に大好きなんですが
蓮のような、原作で感嘆符を使わないようなキャラが
切羽詰まったときのセリフを考えて、文字に起こすのは難しいですね
響を下にした方が話が作りやすかったかなと、今更後悔してますw
まさかの吊りネタ被りというシンクロニシティ
おぉ!楽しみです!!
響ちゃんの末路、しっかり見届けさせていただきます!
レンちゃん、いいキャラしてますよねw
でも既にいい感じに取り乱しているので、今後も楽しみです!
こんなに素晴らしい作品が2つも…
続き期待!
筑紫の人です。死亡エンドの話が完成したので投下します
今回は惨殺オチなので苦手な人はご注意ください・・・
>>453
高貴な王妃が落ちるところまで落ちて処刑される落差がたまらなかったです!
追いつめられてからの発狂描写もとても惨めで楽しめました
>>461
ねっとりとした首吊り描写とキャラの取り乱しようがよかったです。足フェチなので猫の拷問のところが個人的に最高でした
次回どんな話になるのか楽しみです
「オラぁ! さっさと起きやがれ!」
薄暗い部屋で黒色の覆面を被った大男が足元に横たわっている栗色の髪の小柄な女子高生を乱暴に蹴りつける。
可憐な少女に対して道徳的に許される行為ではなかったが、男の行動には何の迷いもなかった。
「がぁっ!? あぅっ……!」
ワイシャツに包まれた柔らかそうな腹部に蹴りが入り被害者の少女――高峰筑紫は丸い瞳を見開き悶える。
蹴りの痛みに苛まれながら筑紫の意識が段々と現実にアジャストしていく。
(そうだ私……学校に行こうとした途中で覆面を被った怪しい人達に襲われて……気を失って……)
蹴られた腹部だけでなく頭もズキズキと痛む。気を失う寸前、鈍器か何かで頭を殴られた感触があったことを筑紫は思い出す。
「ようやく目が覚めたかぁ?」
「あぐぅっ……!」
男は再び筑紫の腹部を挨拶代わりに蹴りつける。蹴り飛ばされた筑紫は、この場から逃げようとして自分の絶望的な状況を遅れて理解する。
彼女の両手は後ろ手に縄で縛られていた。両手だけでなく両足も縄できつく縛られていて、今の彼女にできることは芋虫のように這うことだけだ。
縄の縛りはかなりきつくとても自力で解けそうになかった。全く知らない場所で拘束されて凶暴な男と一緒にいる、という状況に筑紫は尋常でない恐怖を覚えた。
(こんなのどうすれば……怖いよ……お兄ちゃん……)
心の中で大好きな兄に助けを求める筑紫だが、彼が都合よく現れることなどない。彼女の前方にある固そうな鉄製の扉が開くと、更に二人の男が現れた。
大男に比べると一回りほど身長は小さいが、彼らも大男と同じ黒の覆面を被っていた。
「近頃の女子高生は随分と強いんだな。女風情に三人もやられたのは想定外だった」
覆面の男が落ち着いた口調で言う。残りの二人が黙って彼の言葉に耳を傾けていることから、彼が覆面集団のリーダーなのだろう。
「俺も顔に蹴りかまされたしな」先程筑紫に暴力を振るっていた大男が不気味な笑みを浮かべる。「だが、こうなっちまえばただの哀れな獲物だ」
筑紫は泣き叫びたくなる恐怖を必死に押し殺して口を開くと、相手に弱味を見せないため毅然とした態度を取る。
「……こんなことをして私をどうするつもりなの?」
「どうせこれからお前は死ぬのだから、我々の目的とお前がこれからどうなるかくらいは教えてやる」
覆面の男が淡々とした口調で語り出す。不気味なくらい抑揚のない声だった。「死ぬ」という物騒過ぎる言葉に筑紫は恐怖し、背筋から嫌な汗が流れた。
「我々は世界を回りながら金儲けの為にスナッフフィルムを撮影している。馴染みの薄い言葉だろうから説明するがスナッフフィルムというのは、殺人の様子を撮影した映像のことだ」
男の淡々とした喋りが筑紫の恐怖を煽った。全てを察した筑紫は蒼白な表情で小さな身体はがたがたと震えていた。
「殺人の映像というのは、信じられないことだろうがイカれた金持ち達に需要があるんだ。女が殺される映像は西洋人東洋人問わず非常によく売れる。特にお前のような美少女ならば尚更だ」男は倒れている筑紫を指差す。「お前を狙ったのは久々に絵になる女だと思っていたからだ。恨むなら自分の運のなさと可愛らしい容姿を恨むんだな」
「そんな……そんな理由で人を殺すなんてあなた達狂ってるよ……」
「さて、下らない話は終わりだ。おい、カメラを用意しろ」
男は背後にいる今まで黙り込んでいたもう一人の男に指示をすると、男はデジカメを自身の鞄から取り出す。カメラの無機質な目が筑紫を凝視する。
「斬殺、絞殺、毒殺、薬殺、轢殺、圧殺、殴殺、焼殺、銃殺、殺し方は色々あるがこんないい被写体は簡単には殺さん。たっぷりと苦しめてから殺してやる。丁度、一人お前を恨んでいる男もいることだしな。……嬲るやり方は任せるがうっかり殺すなよ、新垣」
「へへっ。ようやく顔を蹴られた分の仕返しができるぜ。覚悟しろよクソガキが」
「あっ……いや、来ないで……」
新垣と呼ばれた筑紫を今までいたぶっていた大男が彼女へゆっくり歩み寄る。これから訪れる地獄から逃れようと筑紫は尺取り虫のように惨めに這うが、縛られた身体は思うように進まずすぐに新垣に追いつかれる。
「どこに行こうってんだぁ?」
「あがぁっ! ぐぅっ……あっ……!」
新垣の固い軍靴が筑紫の背中を勢いよく踏みつける。しかし、彼の攻撃はそれだけに終わらず筑紫の身体を何度も何度も蹴りつける。
平時ならばダメージを軽減する受け身や防御などができたが、今の身体を縛られている筑紫は無抵抗に攻撃を受けることしかできない。
「うぇっ……うぅ……」
痛みに耐えかね筑紫の両目からは涙が溢れていた。しかし、まだ彼女の受難は始まってすらいない。
「痛いか? これからお前はまだまだ痛い目に遭うんだぜ。もっと醜く泣き叫べや!」
「ごふっ……!? あがぁぁっ……!」
新垣は筑紫の下腹部に踵落としを食らわせる。女性の急所を打ち抜かれ、子宮にまで重い衝撃が響く。涎を垂らしながら悶絶する筑紫を新垣は嘲笑する。
「ぐあっ! う、がぁっ……!」
笑いながら筑紫を踏みにじる新垣だが、突然筑紫から足を放す。筑紫から離れた彼はある物を手にしてから戻ってきた。彼は左手に長い螺釘、右手にはインパクトドライバーを持っていた。
今の状況でこれらの道具がまともな用途で使われるわけなどなく、筑紫は恐怖のあまり歯をガチガチと鳴らしていた。
「いや……やめて……」
「いい表情するじゃねえか。てめぇみたいなガキ臭い女はタイプじゃねえが、その顔そそりやがるぜ」
新垣は筑紫へ見せつけるようにインパクトドライバーを弄る。筑紫の恐怖が最高潮に高まった頃、新垣はスカートから伸びる綺麗な白い脚に目をつけると彼女の右太ももに螺を無理矢理突き刺す。
突然の苦痛に筑紫はくぐもった悲鳴を上げるが、まだ彼女の地獄は始まったばかりだ。螺の頭にインパクトドライバーを差し込むと、螺は勢いよく回転し、筑紫の骨や肉を容赦なく抉り、傷口から血が壊れた蛇口みたいに勢いよく流れた。
「ぐっぎゃああああああっ!!」
流血と共に筑紫は身体を揺らして絶叫する。その間も螺の進入は止まらない。やがて、螺が根本まで太ももに埋まった。
「んぅぅ……はぁっ……はぁっ……」
玉のような汗を流しながら荒々しい呼吸を筑紫は繰り返す。今までに味わったことのない身を削るような痛みに少女の心と身体は消耗していた。理不尽な暴力に精神力の強い筑紫でも心が折れそうだった。
「おい。もうへばったのか。まだ一本目だぜ? これから滅多刺しにするのにこれじゃあ先が思いやられるぞ」
「うそ……でしょ……いやぁっ……」
非情な宣告だった。一本でも耐えきれないのに、まだまだこの地獄が続くというのだ。絶望する筑紫をよそに、新垣は鼻歌混じりに二本目の釘を反対の太ももに打ちつけていく。
「……がああああああっ!!」
新垣は少女の悲鳴を楽しみながらひたすら筑紫の脚に螺を埋め込んでいく。その悪魔じみた行為を新垣は何度も繰り返す。
膝、脛、脹ら脛ーー健康的で張りのある美脚のいたるところに螺を刺された。数分前の見る者を釘つけにする綺麗な両脚は針山のようになり、螺の刺さった箇所からは鮮血が流れていた。
苦痛と失血で死体のようにぐったりとしている筑紫の横面を新垣は乱暴に蹴りつける。
「ぐぇっ……!」
「おい。誰が休んでいいなんて言ったよ?」
休む暇もなく強制的に覚醒させられた筑紫は苦痛に顔を歪める。その表情が気に入ったのか、新垣は筑紫の身体を踏みにじる。
「うぅっ……痛いぃぃ……」
涙を流しながら嗚咽の声を漏らす筑紫だが、まだ拷問の時間は終わらない。新垣は一度足を引くと、勢いをつけて筑紫の腹部を踏みつけた。
「がっ……はぁぁっ……! ぐぅぇぇっ……!!」
今までのダメージで弛緩しきった腹部に先ほどの一撃は地獄の責め苦で、筑紫は濁った悲鳴と共に嘔吐してしまう。
「ゲロ塗れで汚ぇな。ああ、臭え臭え」
新垣は吐瀉物で汚れた筑紫を嘲笑する。新垣の嘲笑で筑紫は自身の惨めさを嫌と言うほど思い知らされ更に涙を流す。
撮影されている状況下で嘔吐することなど、年頃の少女には耐え難い精神的苦痛だった。
「自分で出したものくらいはちゃんと掃除しねぇとな。さっさと、床を綺麗にしやがれ」
新垣は筑紫の髪を掴むと、彼女の顔を吐瀉物に無理矢理突っ込ませようとする。吐瀉物から逃れようと頭や身体を激しく揺らしてもがく筑紫だが、拘束されていては抜け出すことなどできない。
「無駄な抵抗してんじゃねぇ。早く掃除しねぇともっといたぶるぞクソガキが」
新垣は足元で無様に足掻く筑紫に脅迫する。手足が使えない筑紫が床を掃除しようとするのならば使えるものは一つしかない。新垣は遠回しに筑紫に吐瀉物を飲み込めと言っているのだ。
「いや……そんなのやだよ……」
震える声で筑紫は言う。吐瀉物を自分の意思で飲むなどできるわけがない。しかし、彼の言う通りにしなければ更に恐ろしい目に遭う。
今まで受けた暴力を思い出し筑紫の小さな身体が小刻みに震えた。暴力の恐怖に屈した筑紫は、彼に従い犬のように頭を下げ床に広がる吐瀉物に舌を伸ばす。
「うぷっ……うぅぇっ……」
吐瀉物の臭いとそれを飲み込んでいることの嫌悪感で再び吐き戻してしまいそうになるが、筑紫は必死に喉を鳴らして埃の混じった吐瀉物を嚥下する。
自ら頭を下げて自分の吐瀉物を食べるなど惨め過ぎて死にたかった。
「こいつは傑作だぜ。そんなに自分のゲロが美味しいかぁ?」
「ぐすっ……げほっ……うぇぇ……」
辛そうにえづきながら筑紫は自身の吐瀉物を消化していく。彼女は目を固く瞑って可憐な美少女に似合わない醜い行為を繰り返す。その姿は飢えた餓鬼のようだった。
「う、げぇほ……ごほっ……」
永遠に続くかと思われた地獄のような時間だったが、ようやく悪夢の作業に終わりの時が訪れた。疲労困憊の筑紫は、口内に残る酸味と胃の中の不快な異物感に再び吐きそうになるが必死にこらえる。
「はぁ……はぁ……げぇ、うぇっ……」
(わ、私……なんてことを……)
激しいえづきが収まると、筑紫は虚ろな目で自失状態となっていた。身も心も削る今までの責め苦を全て悪い夢だと思い込みたかった。
現実逃避したくなるほどさっきの責めは少女の心をこの上なくズタズタにしたのだ。しかし、今の筑紫に現実逃避など許されるわけがなかった。
「可愛らしい表情だ。もっとよく見せてもらうぞ。さて、新垣も満足したようだし、ここからは選手交代といこうか」
「……えっ」
いつの間にか、新垣ではなく覆面集団のリーダーが筑紫の正面にいた。彼らが交代していたことに気づかないほど筑紫は弱りきっていた。
覆面男は筑紫の全身を舐めるように楽しみながら眺める。男の不愉快な視線を感じても緊縛され弱った筑紫にはどうすることもできない。今の筑紫はどうしようもなく無力だった。
「何もできなくて悔しいか? 言っておくがお前が絶望して苦しむのはこれからだぞ」
「うあああああっ……!!」
男は筑紫のサイドテールを手綱のように引っ張る。頭皮ごと毟り取られるような激痛がしばらく続くと、限界まで引っ張られた髪が引きちぎれた。
床に散乱する栗色の髪束を見て、筑紫は嗚咽の声を上げた。そんな傷心の筑紫をカメラマンの男が移動しながら様々な角度で撮影する。
「こんな……こんなのって……」
「髪くらいで泣き言を言っていたらこの先が思いやられるな」
男は筑紫のミニスカートを捲り上げ、純白のショーツに包まれた可愛らしい小尻を無理矢理晒した。
「えっ!? いやっ……やめてよぉっ……!」
不意の辱しめに筑紫の頬が真っ赤になる。しかし、彼の責めはまだ終らず、彼はあろうことか少女の下着をずり下ろす。下着を脱がされたことで筋のような幼い割れ目が晒され、カメラのフラッシュが何度も焚かれた。
「いやぁあああああ……!!」
性器を撮影されるという最悪の辱しめを受けて、筑紫は甲高い声で叫ぶ。だが、彼の責めはまだ始まってすらいなかった。
むしろ、ここからが本番であった。彼は透明な液体の入った瓶を懐から取り出し、瓶の蓋を外すと、その中身を筑紫の秘所へとゆっくり垂らす。
「うあ゙あ゙あ゙ あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ あ゙っーー!!」
肉を焦がすような音と同時に股間部を中心に焼けつくような激痛が広がり、身体を揺らして筑紫は悲鳴を上げる。それは美少女のものとは思えない酷く濁った悲鳴だった。
男が筑紫に垂らした液体の正体は濃硫酸だ。濃硫酸の威力を示すかのように、筑紫の性器は無惨に焼け爛れていた。
この火傷ではこれからここを生きて脱出したとしても深刻な後遺症が残ることだろう。
「むっ?」
男が筑紫の下半身に注目していると、ちょろちょろと情けない音を立てて、スカートを濡らしながら筑紫の引き締まった太ももに尿が伝っていた。
男は筑紫の無様過ぎる失禁シーンを見て嘲笑う。痛みに悶絶している筑紫には自身の粗相を笑われ撮影されていることを気にする余裕などなかった。
「あぁぁ……痛い……痛いよぉ……」
「可愛い少女が醜く顔を歪ませ無様に悶絶する最高の絵だ。更なる名シーンを撮影するため、今度はあの場所を責めてみるとするか」男は言葉を弾ませる。「女の命であるあの場所をな」
男は再び硫酸を筑紫へ振りかける。男が硫酸を振りかけた場所、それは少女の可愛らしい顔だった。
「あぁぁああぁぁぁーーっ!!」
断末魔じみた悲鳴を上げて筑紫は身悶えし、動かなくなった。許容を越えた苦痛とショックで彼女は気を失ったようだ。男は筑紫の意識を覚醒させるため、筑紫を蹴り起こす。
「う、ごほっごほっ……」
男は床に落ちていた硝子片を拾うと筑紫の方へ向ける。
「あ……ぁぁ……!」
硝子に反射して映った自身の顔を見て、筑紫の目からは大粒の涙が流れる。彼女の整った美顔の右半分は見る影もなく、炭化し焼け溶けていたのだ。
彼女の顔はまともな人間が見れば目を背けたくなるくらい酷い有り様だった。
(こ、これが私……そんなのって……)
女の命である顔を焼かれたことは筑紫に計り知れない喪失感と絶望を与えていた。こんな顔では誰も愛せないし、誰にも愛されない。
筑紫がいつか夢に見ていた素敵な恋も叶いそうにない。全て不条理な運命に奪われたのだ。
「なんで……なんで私がこんな酷い目に遭わないといけないのっ……!? 私の顔を元に戻してよぉ!!」
これまでの理不尽過ぎる暴行の数々に溜まっていた鬱憤が爆発し、顔や身体の痛みも忘れて筑紫は泣き叫ぶ。カメラはそんな少女の悲惨な姿も見逃さなかった。
「喚くな鬱陶しい。どうせもうすぐ醜い死体になるんだ。顔が多少醜くなろうと大して変わらん」
「う、がふぅっ……!」
男は筑紫の胸部を思いきり蹴り彼女を無理矢理黙らせる。
「うぅ……もう嫌だよ……誰か助けてよぉ!? お兄ちゃん……!! 雫ちゃんっ……!!」
幼児のように泣きじゃくりながら筑紫は最愛の兄や親友の名前を何度も叫ぶ。しかし、誰も彼女を助けてくれる者などいなかった。
男は筑紫の心が完全に折れる瞬間を楽しんで眺めていたが、彼のポケットから電話の着信音が響き彼は電話に出る。
「……そうか。準備ができたみたいだな」男は電話を切ると筑紫の髪を乱暴に掴んで彼女を引きずる。「拷問はそろそろ終わりだ。ここからは場所を移して惨殺の時間といこうか」
「い、いやだ……私まだ死にたくない……死にたくないよぉ……」
か細く震える声で筑紫は涙で顔を濡らして言う。今の彼女には凛々しい空手少女の姿はなかった。男はそんな筑紫の情けない反応をじっくり楽しみながら、彼女の髪を掴んで無理矢理引きずる。
傷だらけの少女は痛々しくも弱々しく庇護欲を掻き立てられるが、殺人を生業とする男達にとってはただの獲物でしかなかった。
「冥土の土産に教えてやるが、これからお前は身体の中身を全てぶちまけながら死ぬんだ」
男の猟奇的な台詞に筑紫は戦慄した。男が筑紫を引きずりながら部屋から出ようとすると、彼の後に新垣とカメラマンが続く。
廃屋の暗室から外に出ると同時に、覆面男は筑紫を空き缶でも捨てるかのように適当に放り投げる。
「がふぅっ……! うぅっ……」
顔を固い地面に強く打ちつけたせいで、筑紫の焼けた顔に新しい傷がついた。痛みに悶える筑紫の背後で重厚な低音が響く。強烈な音の振動で大地は僅かに震え筑紫は恐怖する。
「あ……ぁっ……!」
辛うじて自由な首を動かしおそるおそる背後を確認した筑紫は、その光景に蒼白な表情で絶句する。彼女の背後でエンジン音を響かせながら、ロードローラーがゆっくりと前進していたのだ。
地に伏せている筑紫があんなものに轢かれれば、どうなるかは想像に難くない。恐怖のあまりに彼女の股下からは尿が滴りスカートや脚を汚していた。
「ひっ……いや……いやぁあああああぁぁっっ……!! いやだっ! 死にたくないっっ……!!」
狂乱気味に迫るロードローラーから逃れようと身体を捩り這いずる筑紫だが、ロードローラーの方が早い。ロードローラーはスピードをほとんど出しておらず鈍足だが、それでも今の這いずることしかできない筑紫よりは早かった。
徐々に振動が近くなっていくことで、彼女はどうあがいても自分は轢き殺されるという死の運命から逃れられないことを嫌というほど思い知らされた。
ロードローラーの速度が遅いのは、這いずる少女に少しでも長く死の恐怖を味わわせるためだ。
「来ないでえぇぇっ……!! 来ないでよぉっ……!!」
筑紫は金切り声を上げながら、情けない姿で這う。しかし、それは僅かな延命でしかなく四メートル、三メートルとゆっくりとではあるが彼女を殺す死神は迫っていた。
「助けてぇっ……!! こんな死に方いやっ……誰かぁっ……!!」
取り乱して叫ぶ筑紫だが、人気のない森林には加害者である男達以外は誰もいない。筑紫の叫び声が虚しく響いただけだ。
亀のような歩みで轍を作るローラーだが、とうとうその時が訪れた。
「ああああああああああああっ!!」
彼女の足の爪先がローラーに呆気なく潰された。ゆっくりと回転するローラーは彼女の足首を飲み込み、時間をかけて骨や肉をぐしゃぐしゃに砕いていく。
下半身から広がる冗談じみた大激痛に筑紫は意識を失っては覚醒を何度も繰り返す。四度目の覚醒の頃には、筑紫の脚は膝から下まで破壊されていて血溜まりになっていた。
これではもう二度とまともな日常生活は送れないだろう。
「あぐっ……ぅぅ……」
(痛い……脚の感覚が……)
「死にたくない」と何度も喚いていた筑紫だが、骨や肉を潰される激痛にもう殺して欲しいとすら思っていた。しかし、筑紫の願いは叶わずじわじわと自分の身体を破壊される地獄の時間はまだ続く。
「ぎぃ、がっ……ぁぁ……」
(身体が……冷たく……)
ローラーが筑紫の下腹部を磨り潰す。これで好きな人の子を身体に宿すことは永遠に叶わない夢となった。次に縛られていた手や腹部が円柱に巻き込まれて潰れた。
「げっ……がほっ……」
濁声と共に筑紫は血の塊を吐き出すと、力尽きたのか血溜まりに顔を突っ込んで動かなくなった。
(お兄ちゃん……)
自分の死期が近づいているというのに筑紫は最後まで大好きな兄のことを思い浮かべていた。そんな健気な少女の意識は消滅し、二度と戻ってくることはなかった。ローラーは既に亡骸となった彼女の小さな頭をぐちゃぐちゃに轢き潰す。
筑紫の骸は無惨な姿だった。身体の原形はほとんど留めておらず、元が可愛らしい美少女だとは思えない酷い有り様だった。赤い水に濡れたぐしゃぐしゃの肉塊がかつて高峰筑紫だったものだ。
グロテスクな肉塊には、天真爛漫な少女の面影はなくあるのは吐き気を催すような血生臭い匂いだけだった。筑紫は前途有望な未来のある少女だったが、そんな少女の輝かしい未来は男達の悪意によって奪われたのだ。
少女の惨殺死体を背景に一仕事終えた男達は談笑する。それは異様な光景であった。
「リーダー今回はいいシーンがたくさん撮れましたよ」カメラマンの男が言う。「こりゃ売れますぜ」
「今回の女は最高の素材だったし、常連達も満足するだろうな。今から売り上げが楽しみだ。……だが、その前にいつも通り死体の始末をしないとな」
後日、男達が編集したスナッフフィルムは過去最高の売り上げを叩き出し、少女の尊い命は好事家の道楽と男達の金儲けの道具に利用されたのだった。
以上になります。今回はいい責めが中々思いつかず想像より時間がかかってしまいました・・・
今回はいつもと違い一から十までヒロインが嬲られる話になりましたが、少しでも楽しんでいただければ幸いです
筑紫ちゃんまた死んじゃったかー
最初から最後、そして死後までとても女の子に対する扱いとは思えない(誉め言葉)
凄惨かつ容赦のない地獄の責め苦のオンパレードが素晴らしいです!
ダウン追い打ちと重機は格ゲーっぽくって、空手少女の筑紫ちゃんのキャラとも合ってて良かったです
まだまだ筑紫ちゃんには色々な活躍と、それ以上のリョナられっぷりを見せて欲しい
ここ1年で筑紫ちゃんssが一番抜ける
普段の強さを知ってるから余計に無様な感じが出てていいねぇ…
ほんとは敵でしかないお兄ちゃん大好きなのもTNTNにくる
>>475
新作ごちそうさまです
筑紫ちゃん!あのめちゃくちゃ強い筑紫ちゃんがミンチに!?
最高です本当にありがとうございます
惨殺でこんなに反応したのは初めてかもしれません
筑紫ちゃんの反応がいちいちかわいすぎるんですよね、そのせいで惨殺が際立つ、
なんて素晴らしいのでしょうか…
筑紫の人のすぐあとに投稿するのがはばかられるようなクオリティですが、密かに脱ROMを目指して書いてみたので投下させてください
ダンガンロンパの霧切響子です
霧切響子
http://i.imgur.com/Jycqg6rh.jpg
「ん…ここは…?」
目を覚ますと、無機質な小さな部屋だった。視界の範囲内には赤と青の2つの扉が並んで配置されている以外には何も見当たらない。普通の部屋ではないことは誰の目にも明らかだ。
(…通信機器と発信器がないわ。誰かに連れ去られた…?いつの間に)
自分はどちらかの扉から運び込まれたのだろうか?気を失う前は家で事件のデータを整理していたのだが、突然強烈な眠気に襲われ、気がついたらここにいた。何かに睡眠薬を混入されていたのだろうか?いまひとつ状況が掴めないため、何か手がかりを得ようと扉に手をかけようとする響子。すると
『やっほ〜!キリギリさ〜ん、起きてる〜?』
聞き覚えのある声が辺りに響き渡る。
「…あら、久しぶりね。その声は二度と聞きたくなかったわ。もう死んだと思っていたのだけれど。おそらく中身は別人ね。さしずめ、絶望の残党の仕業といったところかしら?」
『うぷぷぷ、さすがは超高校級の探偵、鋭いね!でも残念、ボクは絶望の残党じゃないよ。ボクは言うなれば…"超高校級のリョナラー"かな?もちろん、この才能で学園からスカウトが来ることはないから、自称だけどね!今回は霧切さんのリョナが見たくなったので、霧切さん本人に付き合ってもらうことに勝手に決めました!』
(絶望の残党ではない?じゃあいったい誰が?なぜモノクマの声を使っているの?)
推測が外れ、少し動揺する響子。
(それに超高校級の…リョナ…ラー…?)
霧切響子は生まれてこのかたずっと探偵として活動してきたが、この単語は知らなかった。
「リョナという言葉は聞いたことがないわね。私のリョナとは何のことなのかしら?本人の同意もなく無理やり連れ出した上で協力してくれなんて、自己中心的なところは変わっていないようね。」
動揺は隠し、普段通りの冷静な様子で振る舞う。手がかりがほとんどない今、なるべく犯人から情報を聞き出したい。
『うぷぷぷ〜、心配しなくても、すぐにわかるよ。イヤというほどにね!あ、ちなみにこの声は、霧切さんがこれからひとりで寂しくないように、トクベツに用意しました!ボクの優しさに感謝してよね!』
(くっ…なんて悪趣味な…)
リョナの意味ははぐらかされてしまった。そして単に自分に対する嫌がらせのためにわざわざモノクマの声を用意し、口調まで似せているというところに嫌悪感がこみあげるが、それも押し殺して会話を続ける。
「リョナラーということはあなたの能力もそれに付随したものなのね?」
『うーん。そうだね、そういうことになるかな。リョナのためになるとなぜだかあり得ないくらい計画がスムーズに進むんだ。ある種の"幸運"だね!キミを連れてくることができたのも、この迷路を作り上げることができたのもこの能力のおかげというわけ!あ!喋りすぎちゃったかな、うぷぷぷ。』
「…迷路?」
思わず声が漏れる。
『あーやっぱり聞こえちゃったか〜、じゃあもったいぶっても仕方ないし、本題に移りましょうかね。霧切さんにはこれから、脱出ゲームに挑戦してもらいます!ルールは簡単!霧切さんが脱出できればクリア!賞金もゲット!ワックワクの、ドッキドキだね!だけど、もしも、あり得ないと思うけど、探偵の霧切さんが途中で気を失ったり、動けなくなっちゃったりしてボクの呼び掛けに答えられなくなったら"おしおき"を受けてもらいます。"おしおき"はいくつか用意してるから楽しみにしててね!まあ、霧切さんには関係のない話だけど。どう?参加してくれる?』
正直なところ、相手のいいなりになって"ゲーム"に参加したくはない。しかし、参加しないと言ったところで状況は変わらない。自分を拉致して今まで生かしている以上今すぐに殺されることはないだろうと思うが、何にせよ情報が少なすぎる。仕方なく響子はその状況を受け入れることにした。自分は探偵だ。迷路だろうと何だろうと解けない謎はない。そう意気込んで口を開く。
「望むところよ。その口ぶりからすると私がクリアできないと思っているわね。ナメられたものね。すぐに終わらせてあげるから。」
『そうこなくっちゃね!じゃあルールはさっき説明した通りなんだけど、実はここにさっそく選択肢があります!赤のドアと青のドア!赤のドアの先は普通の迷路、だけどめちゃめちゃ難しくて制限時間は3時間。だんだん迷路内の空気が薄くなっていくギミックつきです。それ以外は普通かな。道を知っているスタッフが試したところ、歩いて30分でゴールできたので時間内に終わらない長さではないのでご安心を。青のドアの先は迷路というよりはダンジョンの色合いが強くなっております。ボーッとしてると、おしおきを受けずともグシャ!とかスパーン!とかいう感じになっちゃうかもしれないくらい危険。青の方にすごく時間もお金もかけたから是非とも青に挑戦してほしいけど、好きな方を選んでいいよ!どちらでも結末は変わらないからねぇ。うぷぷぷ』
(青の方が凝っているということね。ここで相手の言う通りにする必要はない。赤の方は制限時間を設けて難易度を補っているようにも見えるけど、迷路なら記憶力をフルに使えば余裕で間に合うはず。ここは赤に賭ける。)
「あなたには悪いけど赤を選ばせてもらうわ。ただの迷路という選択肢を作ったことを後悔しなさい。」
『うぷぷぷ。全然構わないよ。リョナラーの才能はほぼチートでね、リョナのためなら現実ではありえないことも実現できるんだよね。君は死んだら終わりだけど、ボクはいくつものルートを行き来して、何回でも君の最期を見ることができるんだ。いろんなね。説明しても、君にはわかるはずもないけど。』
(何を言っているのかまるで理解できない…かなり頭がおかしい人のようね。しかも私の最期がどうのって、変態の次元を超えているわ…)
意味のわからない言動をする自称リョナラーの相手をする気になれず、黙って赤のドアノブに手を掛ける。
『無視しないでよ、寂しいなぁ。じゃあ、頑張って!いってらっしゃい!』
扉の先は長い通路になっていて、迷路までは距離があるようだった。通路の先にはもうひとつ扉があり、迷路はその先にあった。迷わず扉を開け、中にはいる。
迷路は3メートルを優に越える高さの黒い壁で仕切られ、床は白く淡い光を放っている。
『着いたみたいだね。じゃあ今から3時間、全力でゴールを目指してください!ではいこう!カウント…スタート!』
モノクマが叫ぶと、時計の針の進む音が放送として聞こえてきた。今から3時間が勝負。
「一つ質問していいかしら?」
『あれ?トイレに行きたくなっちゃったかな?あいにくトイレはないけどここは誰も見てないから、端の方で用を足すくらいなら全然OKだよ?ボク以外は誰も見てないからね!後でスタッフがおいしくいただくかもしれないけど。』
「違うわ。このスタート地点は迷路のどの辺りに位置しているのかどうか、差し支えなければ教えてくれないかしら?」
『おもしろくないなあ霧切さんは…で、えーと、あ、そうそう、そうだね、そこは一応迷路のど真ん中というわけではなく迷路の端っこに位置しているよ?手元のマップで言うと右端だね!まあ、右って言ってもよくわかんないけど。どうしてそんなこと聞くの?』
(まっすぐいけば30分のところを3時間、時間には余裕がある。ここが端なら、壁を伝っていけば確実にゴールできる。空気がなくなると動けなくなることを考慮しても、間に合うはずだわ)
「そう。別に深い意味はないわ。」
そう言って右手で壁に触れた瞬間、
バチバチバリバリィッ!!
「うわあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!?
あ…あぁ……そん……な…」
ガクッ、と膝を付き、そのままうつ伏せに倒れこんでしまう響子。壁を触った瞬間、体に凄まじい電流が一気に流れ、力が入らなくなってしまった。
『あー、ちょっと勝手に触らないでよ。壁にさわっちゃダメだってさっき言って…あれ、言ってなかったかな?死なない程度に調整してあるから安心していいよ。それはともかくとして、速すぎるよ霧切さん!まさかの自爆!このままじゃ、探偵の名折れだよ!?3秒以内に起きて!3〜…』
「う…うぅ……うあ…」
必死に手足に力を込めるが、痺れがとれず動かすことができない。
(マズイわ…!全然動かない…!このままじゃ私…嫌!こんなところで…!まだはじまったばっかりなのに…!)
『2〜、1〜、ゼロ!』
パンパカパンパン、パンパン♪
「待って!もう動けるわ!だからまだやれ…」
『残念!世の中そんなにあまくないのよ霧切さん。探偵なんだし、それぐらいわかるよね?それではお待ちかね、おしおき☆タ〜イム!』
黒い壁に扉が表れ、そこから鎖付きの金具が響子目掛けて飛んでくる。
ガシャン!
突然のことに反応できず、首にしっかりと首輪が嵌まってしまう。
「い…いや…!」
鎖は首輪が対象を掴んだと同時にまた急速に巻き取られ、響子も扉へと引きずられていく。
「いやああああああぁぁぁ…!!!」
((キリギリさんのおしおきをかいしします。))
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
霧切響子は今、椅子に座っている。しかし、ただ座っているのではなく、縛り付けられている。学校の教室にあるような簡素な作りの椅子に、両足はそれぞれ椅子の左右の足に括り付けられ、両手は背もたれの後ろで一纏めにして縛られ、体と背もたれを密着させるように幾重にも縄がかけられていた。さらに目には黒いアイマスクを付けられている。
両足で椅子をガタガタさせ、体を振り乱して拘束を解こうとするが、逃げることは叶わない。
『随分と元気に動くんだね、霧切さん!気分はどう?』
「くっ…あまりよく…ないわね。」
(どんなに動いてもびくともしない…こんな風に縛り付けてどうするつもりなの…!?)
口調とは裏腹に、内心ひどく焦っている響子。
『ふふーん?こんな状況になってもまだ気丈に振る舞えるんだね?その強がり、いつまで続けられるかな?せいぜい、ボクを楽しませてね』
そうこうしているうちに、響子の座っている椅子が後方へ動き始める。それと同時に、
ゴーン!ガラガラ…
ゴーン!ガラガラ…
背後で何かとても重いものが落ちたような音と滑車で持ち上げるような音が交互に聞こえてくる。
「…!そう…これがおしおきというつもりね。リョナがどうこう言っても結局はパクっているだけなのかしら?」
そう言いながらも、響子の椅子から出るガタガタという音はさっきよりも大きくなっていて、内心の焦りが隠しきれていない。
これはシンプルなおしおきで、一定の間隔で打ち付けられるプレス機に対し椅子に座らされた犯人がベルトコンベアで椅子ごと後ろ向きに運ばれていき、プレス機の真下に来たらぺしゃんこにされるというものだ。
『最初だからね。君も知っているやつがいいと思ったんだよ。ボクって優しいね!だけど、そのままだとちょっとつまらないから、ボクなりに趣向を凝らしてみたんだよ?まずね、君が取り乱す姿がよく見れるように、縄拘束にしたんだ。頑張ればもしかしたらほどけるかもしれないし諦めないでね!』
ゴオォン!ガラガラガラ…
ゴオォン!ガラガラガラ…
ガタガタガタ!ガタガタンッ!
響子の座る椅子からの音もコンベアが動くにつれ大きくなっていく。怖がっているのは確実だ。
『次にアイマスク。目が見えないと、周りがどうなってるかわからなくて、こわいよね?音とか振動に頼らざるを得ないよね?』
ゴオオォン!ガラガラガラ…
ガタガタガタガタン!ガタッガタガタッ!
(ほどけてほどけてお願い…!!)
『うるさいなあ!人が話してるんだから聞いてよ!』
「ひっ!き、聞いてるわよ…!」
ゴオオォン!!ガラガラガラ…
突然声を荒げるモノクマに思わず声が漏れる。実際のところ、話は全く耳に入ってこない。あと何回あるのか。徐々に近づいてくる衝突音を聞きながら、心穏やかにいられる人間はそうそういない。それは霧切響子も例外ではない。その証拠に、目許こそ見えないが明らかに顔色が悪く、汗が浮かび、真っ青になっている。足も拘束を解こうとする動きとは別に、先程から小刻みに震え続けている。声も冷静を装おうとしているが、その実かなり震えていた。この状況においては、否応なく背後からの音に神経の大半を向けさせられる。
『まあいいや。アイマスクにした意味を教えてあげるよ。それ!』
ドゴオオォンン!!!
ビクッ!!
「きゃああああぁぁぁ!!!!!??」
まだ遠かったはずの落下音が突然自分のすぐ後ろで聞こえ、思わず大きな悲鳴をあげてしまう。
『もう!人の話を聞かないからだよ?今まで遠くで聞こえてた音は実は本物じゃなくて…次の瞬間にもう君はぺしゃんこ…かも知れない…』
「ひっ………」
『逆にいつまでたってもボクが飽きなくて、ずっとこのまま極限状態で弄ばれ続けるのかもわからない。もしかしたら気まぐれで君をここで殺すのをやめるかもしれない。全ては、ボクの気まぐれで決まるんだよ…』
ドゴオオォン!!
ビクンッ!
「い、いやあ…ああ…赦して…お願い…」
ここまで辛うじて保ってきた気丈はついに崩落し、情けない声が漏れてしまう。探偵と言えどもまだ高校生。命の危険が伴うということは覚悟していたが、それを弄ばれることなど、生まれてこのかた想像したことすらなかった。
『いい感じの反応になってきたね!ほら、次はまだ生きてるかな?』
ガラガラガラ…ドゴーン!
「ひぃぃぃ…」
『ちょっと遠くなったね。次は?』
ガラガラガラ…ドゴオオォン!!
「あ…ああ…」
『やっぱり近づいてくるのかな?』
ガラ…ドゴオオオン!!!
「いやああああああああああああああ!!!!!」
『ずっと同じ間隔でおとしたり引き上げたりするとも限らないからね!ちょっと早かったり遅かったりするかもしれない。』
ガラガラガラ………ドゴオォン!
「いやああ!!もういやああ…!!助けて…!誰かぁ……」
ジワジワァ…
黒いアイマスクに染みができていく。
『あれ?霧切さん??』
「もう無理っ…もうやめて…これ以上は…お願いだからぁ……グスッ…グスッ…」
心が折れてしまっては、涙は一度決壊するともう止まらない。アイマスクに吸われなかった涙が左右からとめどなく流れていく。
『あらら、あんなにクールな感じだったのに…情けない感じになったねえ…。せっかくだし、もっとよく顔を見せてよ。』
モノクマがそういうと、コンベアの脇からアームが伸びてきて響子の顎を持ち上げる。
ほんのりと紅くなった顔には、アイマスクから伸びる2本の涙の線ができている。
しばらくそうしたまま眺めたあと、アームは響子の首に巻き付き、上を向かせて顔を固定した。
さらに器用にアームを操作してアイマスクを外すと、泣き腫らして紅くなっていてもなおアメジストのように澄んだ瞳があらわになる。
しかしその瞳は依然として涙をたたえ、焦点は定まっていない。
モノクマ、もとい自称超高校級のリョナラーはまたしばらくの間その姿に見惚れた。
少し前までは感情を一切表に出さず、常に冷静なクールビューティだった霧切響子。
その彼女が今、目の前で命乞いし、泣き顔まで見せてくれた。
成果としては十分だ。精神的に完全に屈服させた今、自称リョナラーは至高の愉悦に浸っていた。あとは仕上げを残すのみ。
『もう君も限界みたいなので、次で終わりにしま〜す!』
「お…わり…?」
ガラガラガラガラガラ…と、幾度となく聞いた鎖の音が長く続く。
上を向かされたままの響子の目は巨大な直方体の物体を捉えた。暫く呆けた表情のままだった響子だが、突然目に光が戻る。
「わ、私…ここで死ぬの…?」
一度ぶっ壊れたせいか、独り言がだだ漏れになってしまう響子。
『そうだよ!今日が霧切さんの命日だよ!どう?自分の命日だってよ?ワックワクの、ドッキドキだねぇ!』
「嫌!まだ死にたくない!お願い助けて!!なんでもするから!!」
『今さら何言ってるのさ。ボクも若干忘れかけてたけど、君は脱出に失敗したんだよ?今さら命乞いなんて場違いにも程があるんじゃない?うぷぷぷ!』
「そんな…!」
『じゃ、いくよ!上向いてるからよく見えるよね、3カウントで落とすから、覚悟してね!3!2!1!ゼロ!』
響子は覚悟を決め目を瞑った。
ガンッ!
衝撃音に身を震わせる響子。しかし、体はつぶれていない。おそるおそる目を開けると、
「…っ!!」
目のすぐ前でプレス機は止まっていた。
「あ、ああああ…」
その光景をみて、眠る直前まで受けていた想像を絶する精神攻撃を思い出した。
リョナラーは簡単に生かしも殺しもしてくれないということも…。
そして。
ショロショロ…
「う…嘘…でしょ…?」
自分でも気づかないうちに、股間は湿っていると言うには無理がある程に濡れてしまっていた。
探偵である前に女子高校生として、これ以上ない程の屈辱。
『来た!霧切さんのおもらしシーンゲット!これで完璧!一生の宝物にするよ!』
「…見ないで…見ないでよ!」
顔は固定され、手足も縛られているため漏らしてしまっても隠すことも顔をそらすこともできない。
自然とまた目から涙が溢れる。
『わかった。もうみない。じゃあ、もう完全に用も済んだし。次こそ本当に終わりにしてあげるよ!』
ガラガラガラ…
再び持ち上げられるおもり。
「いやああ…」
ジョロジョロジョロ…
青ざめる響子。小水がどんどん流れ、椅子の下に水溜まりができる。
最高点まで行き、おもりの上昇が止まる。
『じゃあ、ここでお別れだね!またいつか…会えないか!まあ、バイバ〜イ!』
「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
グッシャアァァァ!!!…
終わり
お読みいただきありがとうございます。
前半の迷路がどうこうとかリョナラーが云々のくだりは、最初は一つ一つの描写を短くして死に様マルチな感じにしたかった故の設定だったのですが、いざふたを開けてみるとただの原作おしおき1つだけでやたら長くなってしまったので使うのを断念しました。始めに書いておけばよかったです…すみません。
お目汚し失礼しました
その設定のおかげで霧切さんもなんだかアホの子になってしまっていて…原作ファンの方には申し訳なく思います
今後のために、何かしら批評を頂けるとうれしいです。物語のようなを文を書くこと自体初めてのような者なのでなんでも教えてください
よろしくお願いします
筑紫の人です
>>476
いつも以上に人を選ぶ内容になったので不安でしたが気に入って頂けてよかったです!
お察しの通り重機のシーンは格ゲーを意識してましたw
これからもご期待に添えるように筑紫は活躍させつつもリョナりたいですね
>>477
お読み頂きありがとうございます!拙作で抜いて頂き嬉しいです!
筑紫が盲目なのもありますが、普段のお兄ちゃんは上手く本性を隠しているので・・・
>>478
嬉しいお言葉の数々ありがとうございます!励みになります!
惨殺ssはまだまだ不慣れなのでこれからも挑戦していきたいですね
>>487
初めてでこの出来なら素質ありますよ!自分の処女作は黒歴史レベルに酷かったので・・・
クールビューティーな霧切さんがらしくないくらい取り乱す落差が楽しめました
恥ずかしい話ですがロンパのリョナssは昔書こうとして断念しているので、そのうちリベンジしてみたいですね・・・
>>465
ヒビレンの声が脳内再生されるくらい、キャラが見事に再現されていて続きが楽しみです!!
無双のくのいちをお願いします!
パンチマインドバイオレンスの時間だ!
というわけでお待たせしました。>>460 から一部展開を書きなおしたあんハピリョナSSの続きになります
後半はかなりスプラッタなリョナを含む内容になってしまいました
純粋な首吊りリョナを期待していた方には申し訳ありません
後半はキャラのセリフが呻いたり、泣き叫んだり、断末魔をあげたりしかしてませんので
早く苦しむ所が見たいという方以外は>>454 から読んでいただいた方がまだキャラ崩壊が少ないと思います
それでは、駄文ではございますがお読みいただければ幸いです
「さっさと猫なんか追い払っちまえばよかったのにねえ」
男の言い様によればどうやら台に一定時間二人分以上の体重が掛かっていると、沈み込んでいく仕掛けになっていたようである。
差し迫った響の命の危機に、ようやく足元から猫を排除しようとレンは血塗れの脚に力を込めるが……。
「くっ……響、やらなきゃ……響が……」
レンは響の命と猫たちの命を天秤にかけた。それは、普段の彼女からすれば唾棄すべき考えである。
だが、最早そのような余裕はレンにも、そして響にもない。
「ゔゔっ……ゔえっ……ぐっ、ぐる゙じっ……ぇえ゙っ……ん……」
自分の上で助けを求める響の今にも消えてしまいそうな声を聴いて、レンの中から迷いが消える。
「ううっ……ぐっ……ごめん……ごめん……」
レンは嗚咽と共に足元の命たちへの謝罪を繰り返しながら、生まれて初めて猫を蹴り飛ばした。
足元の猫を次々と蹴り飛ばしながら、レンの目からは自分の足を傷つけられても決して見せなかった涙が流れていた。
猫たちへの謝罪などレン自身への言い訳でしかなく、何の意味もないことはわかっていた。
それでも響を助けるためだと自分に言い聞かせて、レンは傷だらけの足を懸命に振り続けた。
だが、レンの悲痛な覚悟などお構いなしに、いくら蹴り飛ばしても次々に猫が足元に群がって来てしまう。
そのために台の下降は止まらず、響はさらに首を圧迫されて呼吸を妨げられていく。
そうしている内に、響の苦しむ声は喉から搾り出す悲鳴から、断続的な風切り音へと変わっていった。
「っかひっ……っかひゅー……あ゙っ……っえ゙っっっ……でぇ゙っ……!はっ……はなしっ……」
「はぁっ……うっ……待ってて響、今助けて……ああっ」
レンは絶対離すまいと響の両足首を握り締めていることで、自分が逆に彼女の首を締める手助けをしていることに気付いた。
慌てて両手を真上に伸ばして、両の掌で響の足の裏を持ち上げて支える姿勢に切り替える。
「れっ……あ゙っ……ぐっ……うっ……じっ」
それでもまだ響が苦しんでいるようだったので、レンはさらに爪先立ちになり、かなり無理のある体勢にならざるを得なかった。
爪先立ちになりながら万歳をして、全身を震えさせながら真一文字に伸ばした状態になって、響の体重を支えるレン。
その痛ましい姿と苦悶の表情は、全身を引き伸ばして責めたてる拷問器具にかけられているかのようであった。
「ぐっ……ううっ……ひっ……びき……」
「げぼっ……げほっげほっ……レ……ンッ」
レンの奮闘により、響は会話が可能な程度には余裕のある状態にもどったようである。
だが、響は何度も窒息しかかったせいで顔中が汗に涙に涎に鼻水にと、ありとあらゆる液体がぐちゃぐちゃになった酷い有様だった。
レンもまた普段ならば決して流すことのない汗と涙の跡によって化粧をされて、その端正な顔を惨めに彩られている。
そのような自分の外見をも顧みずに懸命に響の命の重さを支えるレンの足元に、先程の恨みを晴らすべく悪魔の影が忍び寄る。
「あうっ……!もう……もう舐めないで……うぁぁっ!」
台の上の猫たちが、今度は露わになったレンの足の裏を舐めはじめたのであった。
まだ直接傷つけられてしまったわけではないが、足の裏を執拗に舐められていることでレンの足先からは徐々に力が抜けていく。
「ぐぶぅぅっ……!ふぅっ……うぅっ……」
それによって響の足はレンの掌の上を離れて、再び首吊り状態になるべく浮き始めた。
「ひっ、ひびきぃ……うぅっ!」
限界を超えた状態の足の先に力を込めて、レンはなんとしてでも響を助けようと体を伸ばす。
しかし、その響の口から聞きたくなかった言葉が、レンに向けて放たれる。
「もう……よいのだ……レン……どうせ響一人では帰れぬのだから……」
「そんな弱気は……響らしくない……あぅっ!いつもの負けん気はどこに……ゔっ!」
レンは猫たちの責めに何度か言葉を遮られながらも、自暴自棄になった響を励まそうとする。
「レン……無理をさせて……すまない。レンさえ助かってくれれば、もう響のことはよいのだ……」
響は首吊り状態になった時に視界の端に見てしまった。
顔に痣を作り、脚を赤く染め、その信念を曲げてまで自分を助けようとしているレンの姿を。
響にとっては、あのレンがそんな姿になってまで、またも自分のことを助けようとしてくれていることが嬉しかった。
しかしそれ以上にレンをそんな姿にしてしまったにも関わらず、何もできずに助けられるだけの自分を情けなく思い、恥じる感情のほうが何百倍も強かった。
最早、自分がレンのために出来ることは一刻も早くお互いに楽になることだと、響は悲壮な決意を固めていたのである。
「ありがとう……レン……迷惑かけっぱなしだったが、感謝していたぞ……」
響はレンの掌の上を蹴って、自分から宙に踏み出そうとする。
しかし、レンの指が響の爪先を下から握り締めていて何が何でも放そうとはしない。
「行かせない……響をこんなところに置いてはいけない……」
二人の間では永遠にも思える時間、全身全霊をかけた意地の張り合いが続いた。
だが、下の猫たちに加えて上の響からも力を加えられたことで、限界以上に酷使していたレンの脚はついに耐えきれなくなった。
突然、足が鉛のように重くなったように感じたレンは、その場に膝から崩れ落ちた。
「あうっ!ひ、響っ……」
同時に響の爪先を握りしめていたレンの指先もまた、その間からすり抜けていってしまう。
レンにはその一瞬で、響の足先、その重さ、響の全てが自分から離れて行ってしまうかのような気がした。
響は大好きな幼馴染のためならばと、覚悟を決めて宙へ踏み出したはずだった。
だが、それでも迫りくる苦痛には耐えられないのか手は首に食い込む縄を引き離そうと握り締め、足は空中を蹴って暴れている。
「あがっ……!ゔえ゙え゙っ……!っレンッ……すま……ぅぐっ……!」
縄によって喉を圧迫されている響は嘔吐にも近い呻き声と共に、レンへの謝罪の言葉を喉の奥から搾り出す。
響は何とか、最後の時までレンの姿を視界の中に捉えようとする。
しかし、下を向くとより首が圧迫されて苦しむ形になるために、中々視線を下げることができない。
「え゙え゙ぁっ……かはぁっ!……っっぇえ゙んっ、じゅっ……あ゙っ……あ゙あ゙っ……ぎぐぅっ!」
目からはとめどなく涙を流し、口からは鼻水混じりの唾を垂らして顔中を濡らしながらも、響はそれでもレンへと声をかけ続けた。
「足が……うごいて……」
その場に四つん這いになってしまったレンは、足に力を込めて再び立ち上がろうとする。
しかし、無惨にも皮膚が破れて筋肉が見えている血塗れの下腿部は勿論、太腿と膝も力なく震えるばかりでまるでいうことを聞いてくれない。
生まれたての小鹿のように、立ち上がろうと全身を震わせるレンの背中に、無情にも猫たちが次々に飛びかかってくる。
「うっ……重っ……うぶっ!」
疲弊しきった手足では、猫の群れの重量を支えることは叶わず、レンはうつ伏せに全身を押しつぶされてしまった。
「あっ……がっ……ぇえ゙……ん……?あ゙……い゙い゙っ!」
下のレンの身に何かが起きたことは、意識が朦朧としつつあった響にも、まだ把握することができた。
やがて、レンは猫の群れに埋もれて身動きが取れなくなる。
それは本来であれば、響とレンにとって毎朝見慣れた光景だった。
しかし、今の響にはレンの上から猫をどかす手立てなどなく、ただ意味をなさない呻き声を上げながら空中で暴れることしかできない。
「はひっ……はひっ……うぐっ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙……え゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ!」
次第に響の視界は霞み、眼球がその意思に反して上を向いて裏返りはじめる。
空気を求めて口から舌を正面に突き出し、その舌先へと流れ落ちていた鼻水には赤い色が混じりだす。
「はっ……はっ……ぅえ゙ぇ゙っっ……はあっ……!ぐっ……!」
零れ落ちた唾液と鼻血は顎の先で入り混じって、さらに下へと流れ落ちていく。
響の小柄な体から溢れ出る生と死が入り混じった混合液は、身長と不釣り合いなほどに育った胸に押し上げられた制服に斑模様の染みを描いていった。
「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……ひっ……はっ……げっ……ぉ゙ぉ゙ぉ゙……ぎっ……!」
響の細くしなやかだった首回りは、縄によって蹂躙され歪な形に押しつぶされている。
縄の跡はどす黒い紫色に変わっていて、その上からは響自身がつけた無数の引っ掻き傷が今も刻まれ続けていた。
「げほっ、げほっ……ゔぇ゙ァぇ゙ぇ゙……れ……ん……れっ、ぁ゙ぁ゙げっ……!」
一度目の首吊りのときから既に朦朧としていた意識の中で、響はずっとレンのために自分には何ができるかを考えていた。
そして、己の身を顧みずに満身創痍になりながらも、自分を支えている幼馴染の姿が少女に悲壮な覚悟を決めさせた。
最後ぐらいレンに心配をかけないように、無様に足掻くことなく自分から穏やかに一瞬で逝こう。
「じっ……じぬっ……ゔぇぇぇ……!じに……たっ……ひっ、ぁ゙ぁ゙ぁ゙……」
そんな美しくも儚い少女の覚悟は、逃れようのない苦痛と目の前に迫る死の恐怖で容易くへし折られてしまう。
何よりも生きたいという生物としての本能によって、その精神は塗りつぶされてしまった。
「え゙っ……あ゙っ……い゙っ……ぅっ……え゙……んっ……だっ……ひっぎっ……」
響は数分前に自分の命をかけた決意を曲げてまで、無意識の内に何度もレンに助けを求めた。
しかし、当のレンは猫の群れに押しつぶされたうつ伏せの状態から、何とか這い出そうと必死でもがいていた。
今は二人とも、お互いの窮地を把握できるほど余裕のある状況ではない。
「ぇ゙っ……はっぁ゙ぁ゙ぁ゙……え゙っ……ふぁ゙ぉ゙っ……ひっ……い゙っ……」
弱弱しく断続的になっていく呼吸音とは逆に、響は空中で手足をさらに激しく躍らせる。
縄の上から爪を首筋に深く食い込ませ、爪先は無茶苦茶な動きで宙を蹴り続けた。
勝気な態度だった少女が今はそのような無様な姿を晒していることが、ギャラリーの男たちを喜ばせる。
「え゙っ……え゙っ、い゙っ……ぁ゙ぁ゙ぁ゙……ゔぇっ…………あ゙っ………………」
やがて、響の肉体はある一線を超えたのか、突然静かになると足先をピンと伸ばして全身を痙攣させはじめた。
しばらくその状態が続いた後に、自分の首に指を深く食い込ませていた手が重力に従って真っ赤な指先を力なく地面へと向ける。
小さな肢体を脱力させて頭を垂れたソレは、今はただ縄の動きに合わせて力なく揺れ続けていた。
真っ先に足を動かしては迷子になる快活で力強い少女の面影は、その姿からはもはや感じられない。
それはまるで萩生響という少女の存在が、肉体という入れ物から抜け落ちたかのようであった。
「うっ……うぅっ……ふっ……あぁぁっ!!」
レンはしばらく猫の絨毯の中でもがいた後、上半身の力だけを使って背中の上から猫を弾き飛ばす。
その勢いのままその場で横に回転すると、体の上から猫を追い払いやすいように仰向けに体勢を入れ替えた。
レンは大の字になって駄々を捏ねる子供のように、手足をばたつかせながら周りから猫たちを追い払っていく。
仰向けになったことにより、レンの顔と対面する形で頭を下に向けた幼馴染の顔が視界に入ってくる。
だが、その顔はレンが見たこともない、本来ならば見るはずもなかった酷い形相を浮かべていた。
その目に光はなく真っ赤に充血していて、眼球は半ば裏返ったまま何もない宙を虚ろに見つめていた。
鼻からは二本の赤い筋を唇の上まで描いていて、その下には同じ道を辿ったであろう鼻水の跡も見える。
顎の力を失った口は涎を垂らしたまま半開きにされて、空気を求めるように突き出した舌は力なく下唇に乗せられていた。
死の瞬間の苦痛を見事に切り取ったその造形物からは、かつて負けず嫌いで自信満々だった少女の表情など、もはや連想しようもない。
美しさと残酷さを兼ね備えた美術品のようなソレは、周囲にどこか幻想的な雰囲気すら纏っていた。
しかし、眼前で力なく揺れ続けるソレが一体なんなのかレンには理解できない。
「ひ……びき……?」
それは先程のまでのレンが、自分の身を犠牲にしても守りたかったモノ。
「う……あ……?あ……ああ……」
そしてレンの手を離れ、最後まで守りきれなかったモノ。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
変わり果てたその姿を拒絶するかのような、レンの激しい慟哭が木霊した。
絶叫するレンの目の前にあるモノは、今朝いつも通りにレンのことを起こしにきた幼馴染では最早なかった。
ソレはもう今朝までのように、レンの手を引っ張りながら一緒に登校することはできない。
「あっ……!違うっ……響っ……!」
レンの目の前で誰かに吠えたてることも、あちこち走り回っては迷子になってレンの手を煩わせることも、残された肉の塊にはもうできない。
「いやだ……響っ……なん……で……」
レンは起き上がってそれに手を伸ばそうとするが、未だ傷と疲労によって足はうまく動いてくれない。
それでも全身が痛みに悲鳴を上げる中で上半身だけを起こすと、レンは頭上のソレに向かって懸命に手を伸ばす。
だが、たとえ手が届いたとしても響がレンの元に戻ってくることはもうない。
「ひびき……こっち……ひびきっ……」
レンはまるで手招きするかのように、目の前で揺れ続けるそれに手を差し伸べるが、相手からも手が帰ってくることはない。
すると、そのレンの動きに反応するかのようにだらりとぶら下がっていたその脚が、自分の意思を持っているかのように痙攣する。
もしやという一縷の望みを浮かべたレンの顔に向けて、その生命の残滓とも言える液体が汗まみれのパンツ越しに放たれた。
「ううっ…ぶっ……ああっ……」
パンツを汚しながら薄布でろ過された液体が、真下に居るレンの美しい顔を汚す。
上から黄色い液体を浴びせられ、レンは自分の知っている響がもう居ないことを理解させられた。
レンはまるで自分の身を引き裂かれたかのように小水まみれの顔を歪め、流れる涙は小水と混ざってさらにその端正な顔を汚す。
だが、レンにはその現実を受け入れて、涙を流して喪失感を悲しむ猶予すらも与えられない。
残された萩生響の小さな体は続けざまに彼女のすべてを、その尊厳を踏みにじるような形で出し切ろうとする。
地下空間に反響するレンの嗚咽の声に混じって、体内から空気の漏れる音が下品に響いた。
「ひびき……やだ……それはダメっ……」
年頃の少女にとって最も恥ずべき行為をしているという自覚など、その事後処理を遂行しているだけの肉体にあろうはずもない。
空気の漏れる音に続いて、腸の中に残されていた内容物が下品な排泄音と共に肛門からパンツの中に溢れ出る。
萩生響が生きていたことを最後に示す内容物の塊は、異臭を放ちながら彼女のパンツを茶色く汚し、それを歪な形に押し上げていく。
そのうちに排泄物は汚れた薄布の中に納まりきらなくなり、そこから零れ落ちるようにして真下のレンの制服とスカートも茶色く汚した。
「ひびき……嫌……あっ、あぁぁっ……」
図らずも、少女の生命活動の痕跡を受けとめてしまったレンは、萩生響という存在の消失をその身をもって理解させられた。
レンは思わず顔を抑えて目の前の現実から逃げようとするが、先程見てしまった惨劇の後の光景が目に焼き付いて離れない。
そして、響の残したモノたちの強烈な臭気が、それが現実に起こったことであると鼻からレンの脳内へと伝えられていく。
五感を通じて突き付けられた逃れようのない事実はレンの頭の中で様々な感情を呼び起こし、その思考を掻き乱していく。
普段の江古田蓮の内面を、何事も動じず悠然と流れる大河だとするならば。
今は感情の波が右へ左へ流れて渦を巻く、さながら嵐によって荒れ狂う激流のようなぐちゃぐちゃな精神状態であった。
その激しい感情の流れは感情を表に出さないレンのクールな表情という堤に亀裂を入れ、やがてそれを決壊させて全てを押し流していく。
「あっ……あああっ……ゔっ!ゔお゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!」
それは今まで経験したことのない、激しいショックと感情の動きに因るものか。
または、体に汚物をかけられたことで肉体がその臭気に反応してしまったのか、レンは激しく嘔吐してしまう。
吐瀉物を見つめて呆然とするレンに向かって、ギャラリーの男達から嘲笑の声がかけられる。
「響ちゃんのウンコが臭すぎて、レンちゃんゲロ吐いちゃったぜ」
「ションベン臭いレンちゃんには、猫どもももう近寄りたくないってさ」
「響ちゃんは何回も助けてレーンって言ってたのに、かわいそうになぁ」
「自分のゲロと一緒に、お友達のウンコも後で片づけといてくれよ」
レンどころか響までもを冒涜する、あまりにも酷すぎる言葉の数々。
その罵声にレンは頭に一気に血が上り、今までに経験したことがないほどに顔面が熱くなるのを感じた。
レンには何よりも、こんなやつらのために響が居なくなったという事実が許せなかった。
その激しい怒りの感情が、レンに自分の人生で一度も発したことのない言葉を口にさせる。
「殺してやる……」
激昂こそしてはいたが、脳内が怒りという感情一色になったおかげでレンは逆に冷静さを取り戻していた。
レンはまず制服の袖で顔を拭った。脚がまだ完全に動かないために、そのまま這いずるように移動して響の前に陣取る。
そこで視線は前方からそらさず背中を丸めて上半身を低く構えて、近付いた者には腕の力だけでも飛びかかって行ける姿勢になった。
その体勢と鋭い眼光はまるでユキヒョウを連想させ、その周囲には美しさと気高さすら感じさせた。
激昂したレンの威圧感に猫たちはレンから距離を取り、ギャラリーには一瞬緊張が走る。
しかし、続けざまにギャラリーの輪の中から笑い声が聞こえてくる。それは司会役のあの男だった。
「友達の死体にケツ向けて、何やってんのお前。マジうけるわー」
男はそういいながら、猫たちが入っていた箱のさらに奥を叩く。
「もう猫じゃ相手にならないみたいだし、こいつで友達のとこへ送ってやるよ」
男の動作は、何かボタンのようなものを操作しているようであった。
すると箱の奥の暗闇の中から、先程の猫たちよりも巨大な目が光りレンを見据えていた。
箱の中の存在はゆっくりと歩きはじめると、これから向かう箱の外へと咆哮をあげる。
そのひと吼えで、レンの周りの猫たちは蜘蛛の子を散らすように四方に逃げ出した。
それと同時に、まだ撮影しているにもかかわらずギャラリーの男たちからは大きな歓声が沸き上がる。
箱の中から悠々と現れた大きな影の正体は、強靭な四肢と立派なタテガミを備えた百獣の王。
「さすがにこれは……予想外だな」
その正体と存在感に怒りと殺意に全身を支配されていたレンも、さすがに全身に鳥肌が走り背筋が凍る気がした。
だが同時に、ここで引くわけにはいかないこともレンにははっきりと感じ取れた。
なぜなら、目の前のライオンの視線は対面するレンと同時に、その後ろに吊られている新鮮な屍肉にも興味を示していたためである。
このライオンも先程の猫たちのように調教されているのか、男たちの方へは向かわずにまっすぐレン達の方へと距離を詰めてくる。
タテガミが男たちの手による仮装でないならば、外見上オスである目の前のライオンにレンの言葉は届きそうにはない。
前と後ろの両方に、レンにとっては受け入れ難い現実が立ち塞がる形であった。
にも関わらずレンは満身創痍の体でその場に立ち塞がり、前後から襲い来る絶望感を跳ね除けて眼前の猛獣を睨みつける。
なぜならばレンにとっての決意は、この場に迷い込むずっと前から決まっていたのだから。
「それでも、響は私が連れて帰る……」
その相手がたとえ百獣の王であっても、既に周りからは死体と呼ばれるモノであっても、レンの決意は変わることはなかった。
「なんかカッコイイこと言ってたけど、そりゃあ勝てるわけないよねー。人間とライオンだし」
男の言う通り、ライオンはレンの決意や思いなど意にも介さず簡単にその体を組み伏せると、白く細い喉元へと喰らいついていた。
「ひっ……ひびぎっ……あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!私……がっ!ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……」
『本来であれば』人間の、それも少女の細い喉首などライオンの牙によって頸椎ごと一撃で噛み砕かれる。
しかし、拷問道具の一種として作製されたこのライオンの牙は、獲物を長く苦しめるために本来の鋭さを失っていた。
「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……ひっ……はっ……がっ!……ぐっ!」
それでも顎の強さは残っているため、標的にされた哀れな獲物は首を万力に挟まれたようにして、苦しみながら窒息死することになる。
「げっ……ぎぎぎぎぎ……がっ!あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」
ライオンに圧し掛かられた後に無謀にも抵抗したレンの左腕は、その強靭な前足によって踏み潰されていた。
白く美しかったレンの腕は力任せに踏まれ、蹴られ、爪で切り裂かれて、肘関節から先は原型が分からないほど無惨に折り曲げられている。
獲物が中々大人しくならないことに痺れを切らせたライオンは、レンの柔らかなお腹に向けて爪を突き立てるようにして殴りつける。
「あ゙っ……がっ……ぐげぇっっっ!お゙っ!ゔげぇっ!あがあ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」
制服のお腹の部分は鋭い爪に引き裂かれ破られて、そこからは男女関係なく魅了するような腰のラインを覗かせた。
だが、レンのことを只の餌としてしか見ていない獣は、暗闇に白く浮かぶ腹部をその鋭い爪で無惨に蹂躙していく。
「ぐっ!ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……あ゙っ!あがっ……あ゙っあ゙っあ゙っ……あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぐっ!」
何度も爪で突かれた血塗れの臍の周囲には、それ以上に深い孔が幾つも並んで空けられていった。
ライオンはレンの横腹へと一層深く前足を突き入れると、そこから爪に引っかける形で細長い何かを引き摺り出す。
「ごっ……ぼぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙!っげぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!」
それは言うまでもなく、レンの腸であった。
「がっ……べっ……じっ、ふっ……ぁぁぁ……げっ!ぁ゙っ!ぁ゙っ!ぁ゙っ!ぁ゙っ!」
途切れ途切れのレンの懇願が、ライオンに聞き入れられるはずもない。
さらに、内臓を掴み出されたショックで、膀胱と肛門が関所としての働きを停止してしまっていた。
響とは違い、レンはまだ意識のあるうちからお漏らしをしてしまうが、それを意識する余裕など哀れな子羊には与えられない。
大小の排泄物よりも溢れ出る血と内臓のほうが遥かに目立っていたことは、レンの少女としての部分にとって幸いだったのかもしれない。
「げっ……あっ゙……がっ……あっ……」
さらにライオンは獲物を弱らせ確実に仕留めるために、レンの首に食らいついたまま顎と首の力だけでその体を持ち上げる。
獣の圧倒的な力の前で人間如きの力や意思が介在する余裕などなく、その気紛れのままに暴虐を受け入れて蹂躙されるしかない。
「あ……あっ……やっ……べっ……びぎゃっ!」
腸を脇腹から地面に垂らしたまま持ち上げられたレンは一瞬の浮遊感の後、顔から勢いよく地面に叩きつけられた。
「ぐっ……ぶっ…………もうっ……やっ!ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」
ライオンの顎の力で首を絞められたまま、レンは何度も何度も激しく顔面を打ち据えられる。
「あ゙ぐっ!……い゙っ!……あぁっ……あ゙ぎっ!……げっ……ぶぶぅ゙ぅ゙っ!」
百獣の王の前に差し出された生贄には、命乞いや助けを求める言葉を思考する時間すら許されなかった。
「あ゙……がっ……え゙っ……い゙……ぎっ!あ゙っ……………」
何度目かの床との荒々しいキスの際、周囲に聞こえるような鈍い音と共にレンはようやく苦痛から解放された。
次にライオンがレンを持ち上げたときには首はあらぬ方へと向き、その下の体は力なく地面へとしな垂れるばかりであった。
ライオンはレンの死を確認すると外気に晒されたその腸へと齧り付くが、改造された牙では満足に噛み切ることができない。
しばらく目の前の腸を咀嚼した後、ライオンは次に後ろに吊られている餌に興味を示す。
もう一つの餌の真下まで歩み寄ると、その足へと食らいついて一気に地面へと引き倒した。
そして、同じように解体を試みるも、やはり引き摺り出した内臓を噛み切ることはできなかった。
それでも何とか目の前の餌を喉を通る形にしようと腸を爪で引っ掻いたり、前足で転がしたりしていた。
しばらくライオンの自由にさせた後で、司会の男がカメラの前に現れると動物たちを手の動きだけで静止させた。
それから男は、まずライオン、それから猫たちの順で巧みに誘導して動物たちを箱の中へと戻していく。
最後に二人の死体の髪を掴んで運んでくると、見せつけるようにしてカメラの前に並べて足元から全身を映していった。
予めそのように仕込んであったのか、二人とも全身が悲惨な状態ではあったが、首から上は一切食い荒らされていなかった。
響の健康的で艶のあった顔と肌の色は、時間と共に少しくすんで土気色になりつつあった。
自身から出た汚物に塗れている膝は、獣の力で力任せに地面に叩きつけられたために本来ではあり得ない方向に折れ曲がっていた。
響の上半身はレンと比べるとまだきれいではあったが、それでも爪によって腕を引き裂かれ内臓を抉り出された凄惨な状態である。
それにも関わらず、響の形のいい顔のパーツ全てを使って首吊りの苦痛を表現された表情は、変わらずそのままであった。
変化と言えるのは、顔から垂れ流された体液が乾いていること。
それに地面を転がされたことで、乾いていなかった部分が制服に飛び散っていたことぐらいである。
そのことが逆に、それが既に只の肉の塊でしかなかったことを物語っていた。
一方レンは、猫の舌にヤスリがけされて皮膚が裂け、肉が露出している足などはまだ状態の良い方で。
無謀な抵抗を試みた左腕は何重にもに折り曲げられ、爪で抉られて踏みつぶされて、それが少女の細腕だったとは思えないほどであった。
右腕もずっと抑えつけられて獣の力で踏まれていたために、骨は砕かれて歪な形に陥没してしまっている。
制服ごと切り裂かれて露出した腹部には前足で何度も殴られ、爪で突き刺された様々な形の傷痕が並ぶ。
一層酷い傷口からは無惨にも引き摺り出され、先端が力づくで噛み千切られた腸をはみ出させていた。
仰向けに倒れているレンの頭は首の骨が砕かれた状態で、隣に寝かされている響の方へと顔を向けていた。
その頬には暴れる響によって蹴られた痣が残されていたが、その上から真っ赤な血化粧を施されていて今となっては確認し辛い。
男はレンの頭を軽く蹴り飛ばして顔を上に向けさせて、真上からその無惨な死に顔をカメラに映していく。
その苦悶の表情は響と同じように目を見開き、充血した瞳は殆ど裏返って、白目の表層には何も映してはいない。
形の良かった鼻は何度も顔面から地面に叩きつけられたせいで、無惨に折れ曲がってしまっていた。
醜く押し潰された鼻孔からは夥しい量の血が流れ、鼻の周りから頬まで飛び散って、その顔は赤く彩られている。
腹部を責められ何度も吐血したことで、唇には赤黒い口紅を上下にはみ出させながら何重にも塗られていた。
上も下も赤く染まった唇は僅かに開けられ、その間からは空気を求めた舌先が頭を覗かせている。
かつては男女関係なく魅了した涼やかだったレンの表情は、全身至る所から訪れた苦痛によって酷く歪んでいた。
それをさらに、外部からの力によって物理的に歪められた今のレンの顔からは、元の端正な顔立ちを思い出すことはできない。
二人の全身を舐めまわすようにじっくりと映した後、男の元に板のようなものが2枚運ばれてくる。
男はまず響の頭を鷲掴みにすると、その板の上へと響の顔面を押し付けた。
すると、板の底に響の顔の形を忠実に再現した凹凸が現れ、鼻、口、目と次々と形成されていく。
その板が、どのような素材でできているのかはわからないが、男は上からじっくりと力をかけて響の顔の型を取っていった。
5分ほどすると、板の底には響の死に顔をそっくりそのまま写し取った、一枚のデスマスクが完成した。
男は続いてレンにも同じような処理を施して、二枚のデスマスクは本人たちと共にカメラの前に並べられる。
4つの死に顔の口は、最期まで生を求めているのかのように開けられていた。
彼女たちはそこから声なき悲鳴を上げながら、カメラの向こう側へと助けを求めているようでもある。
響とレンは当人たちの知らない所で、その絶命の瞬間の苦痛を未来永劫残る形にされて、永遠に逃れることのできない死を与えられてしまった。
二人の無断欠席を不審に思った担任の小平先生により、響とレンの捜索はその日のうちに開始された。
だが、必死の捜索にも関わらず発見できたのは二人と思われる犠牲者の映る一本のスナッフフィルムと、それに付属していた二枚のデスマスクだけであった。
売買されていた地下ルートの情報網を元に小平先生は現場の地下室を発見するも、そこは既にもぬけの殻で二人はおろか男たちの姿もそこにはなかった。
死の瞬間の顔を複製された二人の遺体がその後、どのような運命を辿ったのかは全て闇の中である。
以上になります。長々と駄文におつきあいいただき、ありがとうございました
本来は後半に思わず出てしまった打撃や関節破壊のほうが好きなんですが
今回は書きながら首吊りリョナの良さも再確認できました。ありがとうございました
本来はもっと苦しまずに意識を喪失するそうですが、そこはリョナSSということでご容赦くださいw
描写がダラダラと長かったり、視点が忙しなく入れ替わって読みづらくなっていたら申し訳ありません
その点含めて読みづらい部分がございましたら、どんどんご指摘頂ければ幸いです
いやぁ…これはすばらしすぎます…ありがとうございます!!
ここまでキャラを忠実に再現しつつ、しっかりリョナったSSを読むことができるのはもはや奇跡に近いです!うめき声とかも脳内で再生されるくらい完璧でした!
ああ〜たまらねえぜ
>>1 見たけどここのSSスレってルールとかないんですかね
完成したものを最後まで投下していくって形でいいの?
基本的には、そう
ありがとう。
まあ、まだ完成してないんですけどね
まあ、何回かに分けても問題ないんだけどね
見切り発車で始めて終わらないとか、
反応無かったとか、逆に反応有りすぎて続き投げるみたいな事になった人って(このスレに限った話ではなく)案外いるから
いろいろと、どうもすみません。ありがとう。
見切り発車はレベル高いので自分は完成させてから投下しますわ。
>>488
コメントありがとうございます
時間経って読み返すと恥ずかしくなってきます…次何か書いてもしばらく寝かせておくことにします(笑)まだROM専脱却は無理みたいだ…
筑紫の人の書くロンパssすごく読みたいです…筑紫の人さんはどの子が好きですか?
>>507
作品を書き終わった直後はハイになっているせいか凄く面白く見えるんですが、間を置いて見返すとそうでもない時は多々ありますね・・・
ロンパで好きな子は霧切さんとか唯吹ちゃんですね〜
キャラが誰になるかはまだ未定ですが、個人的に思い入れがある作品なのでロンパssはそのうち投下したいなぁと思っています
筑紫のリョナ絵を描いてみました。文才と画才の両方が欲しい・・・
http://i.imgur.com/mBE1qsS.jpg
ノエルの人です
お久しぶりです
最近になって急に、まったく書けなくなっていましたが
私の好きな霧切さんのSSとか
元ネタは知らなかったけどとにかくすごいクオリティの首絞めSSとか
筑紫の人がついにリョナ絵まで描き出したりとか……
他の人の作品を見ていると、しだいに自分も書きたくなってきました
というわけで、今回はUNIのバティスタをBREAKDOWNさせてみました
またUNIかよ! って言われてしまいそうですし、いろいろ趣味を詰め込んだ内容ですが……
比較的コンパクトにまとめられたので直接投下します
画像
https://farm6.static.flickr.com/5762/22311522974_2f7c3ca74d_b.jpg
https://farm6.static.flickr.com/5686/22920830282_5124d5cbd5.jpg
「ーールーメンステラ」
向かってくる紫色の狼のような怪物に向かって大きな蒼の光球が飛び、直撃した。
夜を侵蝕する『虚無』の侵蝕。偽誕者の不自然な増加。
夜の平穏を乱す数々の異変を受け、夜の監視者である古代兵器は目覚めた。
自律神経回路……またの名を、オートノミックナーヴ。
バティスタ、と名付けられたその兵器は、可憐なドレスに身を包んだ幼い少女の貌(かたち)をしていた。
プログラムに基づいて夜を乱す虚無を殲滅するバティスタは、今まさに、虚無の淵源であるビルの屋上にて激しい戦闘を繰り広げていた。
無数に沸き起こる虚無に囲まれたバティスタ。
まさに孤立無援の状態である彼女だが、その表情は涼しげで、いささかの危機感を感じさせない。
兵器らしく無機質な白い肌と紅い瞳の表情は、明らかに造られしモノであることを示していた。
そして彼女は、たった一人でありながら、次々と沸き起こる虚無を見事なまでに殲滅し、処理していく。
四方から同時にバティスタの身体へ襲う虚無ーーしかしバティスタは、両腕を真っ直ぐ上に伸ばすと、
「くるくるくる〜っ」
あどけない声に彼女の背中に輝く紅の刃「七花」が回転し、虚無を切り刻んだ。
その伸ばした両腕を今度は真横に広げると、夜に一輪の黒い花を広げるように、ふんわりと広がるドレススカートを膨らませながら、踊るように回転し次々と虚無をなぎ払っていく。
バティスタがダンスのステップを止めると、切り刻まれた虚無が夜の闇に浮かんで、粉のように崩れ去りながら消えていく。
ようやく雑魚敵を殲滅し終えたバティスタは、さすがに疲れたのか……。
「ふゅ……ふぁ、ぁ……」
床に座り込んで眠たそうに目を擦ると、こっくりこっくりと頭が舟をこぎ始めた。
戦闘モードを解除したバティスタは、ドレスを脱いで、紅い線の入ったラバースーツのような姿となり、宙に浮かびながら身体を丸め込む。
そのままスリープ状態に入ろうとした、その時。
バティスタが首を横にぷるぷると振ると、再び目をパチリと開き、直立不動の態勢に戻る。
一件無防備に見えるこの態勢こそ、バティスタの戦闘態勢であった。
「更なる虚無の増加を確認。対象は私自身ーー」
バティスタは両腕を斜め下に広げると、再びその幼い身体に黒いドレスが身にまとわれる。
「自衛行動を開始。殲滅を続行します」
バティスタが上にふわりと浮かび上がった次の瞬間、バティスタの細い脚を掴もうとする触手が地面から伸びた。
しかしその行動を読んでいたバティスタは、すぐさまその虚無に向けて七花を回転させて斬る。
しかしーー。
ザシュッ!
「ゃあぁんッ!」
すぐさま飛んできた新たな触手がバティスタの胴体を強く打った。
鞭のような攻撃を受けたバティスタは思わずか弱い悲鳴を上げてしまう。
しかしバティスタは空中ですぐさま態勢を整えて、その触手を七花で刈り取る。
「帯電触手……? 対象の戦闘能力を再評価します」
先ほど倒していた虚無とは違う種類だ。
そう判断したバティスタはすぐさま、地上から伸びてくる新たな触手を察知して、ドリル攻撃で下降した。
地上に下り立ったバティスタはすぐさまターンして後ろに飛びながら、蒼い光球のルーメンステラを飛ばす。
しかし触手はその蒼い光球を、くの字に軌道を曲げて避けた。
「そんな……!」
バティスタの元に伸びるーー!
「あんっ!!」
幼い身体は触手の激しい突進を受けると、細い腰にギリギリと強く巻きついて締め付ける。
「ぁ……ぁ……ぅ…っ!」
ギリギリィ……と音を立てて腰を締め付けてくる触手。
バティスタは小さな口から、絞り足すような苦しみの声を挙げる。
なんとか拘束から抜け出そうと、七花を使って触手を切断しようとしたその瞬間に……。
バリバリバリバリバリ!
「ぃやぁあああぁああぁあんんっ!!」
バティスタは、平時の無表情からは想像しがたいほどの悲鳴を上げながら、目をぎゅっと閉じて電撃攻撃を食らった。
「あぁっ……!?」
電撃が止み、バティスタの口が大きく開かれると、バティスタは自分が天高く持ち上げられて振り回されているのが分かった。
そのまま、思い切り地面に叩きつけられる!
グシャンッッ!
「きゃハァッッ!!」
思い切り背中を打ちつけたバティスタは、甲高い悲鳴を上げて地面を跳ねながら数メートル転がった。
身体を丸めるようにしてうつ伏せに倒れたバティスタが、両腕の力を使って何とか上体を起こそうとするが、次の攻撃が間髪入れずに迫ってきた。
しかしバティスタは、その攻撃にすぐさま反撃する。
「ルベルアンゲルスーー!」
サマーソルトをするように高く飛び上がりながら後転し、七花で思い切り太い触手を切り刻み
「アタックっ」
空中で切り刻んだ触手に、更に七花で叩きつけた。
お返しの叩きつけ攻撃に、触手は耳障りな金切り声をあげた。
バティスタが地面に降り立つと、その場の空間が電気を帯びたかのようにパチパチと音を立てているのが聞こえた。
バティスタは叩きつけられて付いたドレスの汚れを手で軽く払い落とし、もう一度ルーメンステラを飛ばした。
今度は命中し、触手は大きなダメージを受けて耳障りな声を上げる。
バティスタが倒さねばならぬ虚無はまだ数多く居る。
すでにかなり長い時間戦闘し続けているバティスタも、さすがに余裕が無くなっていた。
しかし、そのことを表情に顕すような彼女ではない。
あくまで冷静な表情を崩さぬバティスタは、ここから一旦退避する策を思考する。
その時ーー。
「ぁ、う……っ!?」
神経回路に異常が発生しているーー。
バティスタはすぐさま自己解析を開始する。
腰回りに触手が巻きついたときの電撃で、自律神経回路の一部がショートを起こしていることが分かった。
今の状態では、七花が上手く使えない。
バティスタはすぐさま距離を取ると、退避しようと身体を丸め込んでワープしようと試みた。
ところがーー。
「やぁあんっ!!」
ワープもできないーー。
そう思いながらバティスタは、腹部に思い切り受けた衝撃できりもみ状態になりながら吹っ飛ばされていた。
バティスタはビル屋上の給水タンクに思いきり衝突し、ずるずると尻餅を着いた。
給水タンクが衝撃で変形し、亀裂が走って水が漏れ始める。
首と肩の間の鎖骨辺りに水が流れ落ちる。
バティスタのドレスが水に濡れて染み込み、黒いドレスが一層濃い黒に染まりながら、腕と脇と胸の辺りが濡れて染み込んでいく。
目の前にあるのは帯電した触手が、二本、三本と増えていくーー。
危険ーー。
明確な危機がすぐ目の前に迫っている。
バティスタはすぐにリカバリーをしようと立ち上がろうとするが、七花が動かせない彼女に出来ることは回避することだけーー。
バティスタはすぐに飛び上がって空中を舞いながら触手から逃げようと試みる。
しかし、そんな安易な方法でこの触手から逃れることはできないーーそのことをよく分かっているのは他ならぬバティスタ自身であった。
すぐさま襲いかかってきた触手に、バティスタは呆気なく拘束されてしまう。
「や、だぁっ……!」
バティスタは目を閉じて触手を拒むものの、そんな言葉が通用するはずもない。
再び触手に捉えられたバティスタは、しかし最後の抵抗として、両腕を前に伸ばして、指先からバルカン砲のように小さなエネルギー弾を飛ばした。
「アルマベルムッーー離れ、てっ……!」
しかし、その抵抗はむしろ触手を刺激してさらなる激しい攻撃を促しただけに過ぎなかった……。
「っ……!」
バティスタは前に伸ばした腕に助手が巻きついてしまうと、次の瞬間ーー。
ゴキッ……!
ーーーーその細腕を圧倒的な力で壊した。
ゴキゴキベキッーー!
「あっ…………!!」
ベキキッ、ボキンッッ!!
「キャアアアアアアアアアアッッ!!」
バティスタはあまりの激痛に大きな紅の目を見開きながら、首を仰け反らせて絶叫した。
黒い雲で月を隠そうとしている深い闇の空に、哀れな兵器少女の叫びが吸い込まれていく。
破壊された腕は、肘関節を有り得ない方向に曲げてねじ切り、折れて突き出た骨格でドレスの袖が持ち上がっていた。
ぴくくっ、ぴくくっ、と細く白い指先が痙攣しているのが見えた。
これで抵抗する術を無くしたバティスタは、もはや無表情を貫くことはできなかった。
いまやバティスタの顔は、数刻前まで予想だにしなかった己の末路を前に、年相応の恐怖を紅の目にありありと浮かべていた。
しかし、この深い夜は、幼き人形の肢体に更なる苦痛を刻み込み始めたーー。
二本の触手がバティスタの目の前に現れて、その触手の先端部が口を開くと、中から蛇の舌ほどにも細い触手が伸びた。
「あっ……!?」
その触手は、バティスタの耳に装着された丸いヘッドセットに忍び寄ると、その隙間をこじ開けるようにして中に侵入し始めた。
「やぁ! やだっ! やぁあっ!!」
幼い少女相応の声で激しく嫌がるバティスタだが、どうすることもできない。
もぞもぞもぞ……っ
耳の穴に触手が滑りこんで、その奥へと入り込んでくるおぞましい感覚。
そして触手は、やがてバティスタの頭部の奥でさらに触手は別れて伸び広がり、根を張るようにバティスタの内部を侵蝕し始めた。
そしてーー。
「ひゃふぁっ!?」
キチキチキチキチキチキチーー
「あっ、ぁっ、あっ、あ”っ! あ”っ! あああっ!」
バティスタは口を大きく広げたまま、目を白黒させて、ガクガクと膝を震えさせ始めた。
バティスタを駆動させる命(プログラム)をもてあそぶように、触手は微弱な電流をバティスタの頭に流していた。
内部をもてあそばれるバティスタに、もはやまともな思考能力は残されていない。
キチキチキチキチキチキチーー
「ゃっ、は、ひっ、ひんっ、ぉ、お、ぅ、うう、うあっ、ひはっ」
犯しがたく絶対的ですらあった彼女の無表情が、みるみるうちに崩れはじめていく。
両目がカタカタと今にも壊れてしまいそうなほど揺れて、口は過呼吸を起こしたように短く小さな喘ぎを執拗に繰り返す。
そんなバティスタに、触手は容赦ない攻撃を加える……。
キチキチキチキチキチッ……キュオオオオオオオオッ!!
「ひっ!! ひゃめ”ええ”ぇえええっっ!!」
虫歯を治療する精密ドリルの回転音のようなイヤな音を立てながら、バティスタの内部を破壊していく。
バティスタはもはや我を忘れたかのように舌を突き出して白眼を剥き、目元から染み出した分泌物を流しながら、犬のようにハヒハヒと喘ぎ始めた。
「ぁ、お、お”っ! お”ひっ! へひっ! ひぃいんっ!」
ビクビクっ、ビクビクンッ、クンッ
ガクッ、ガクッ、クッ……
もはや少女の声ですらない、動物のような前後不覚の濁鳴をあげて、バティスタは自らのアイデンティティである傍観者の顔を、顔から流れ落ちる分泌物でめちゃくちゃに汚していった。
そして、触手は仕上げに取りかかる。
古代からこの地を守り続けてきたという、人に造られし幼き躰を、完膚なきまでに破壊し尽くすのだ。
太い触手が一本伸びて、その粘液がバティスタの乱れた顔にポタポタと滴り落ちると、触手はバティスタの細い首にしっかりと巻きついた。
首に巻き付かれたバティスタは、喘ぎ声すら出せなくなり、その首の圧迫で舌が口から飛び出してしまう。
「ぉ、げ……!」
そして触手は、先ほどの給水タンクで濡れてしまったバティスタの身体に
最大級の電気を溜め込んでーー
少女に引導を渡した。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!
「ギャア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”アッッッッ!!」
月夜を裂くような断末魔とともに激しい電撃が空気中に走って、雷が落ちたような激しい爆発音が鳴り響き、ビルの避雷針がブンブンと音を立てて揺れた。
わずか二、三秒に過ぎないものだったが、最大級の電撃を叩き込まれたバティスタは一瞬で破壊された。
口から黒い煙を上げながら、バティスタは全身を脱力させた。
目を限界まで見開かれた状態のまま、瞳がゆっくりと下に落ちくぼんでいく。
彼女の武器である七花が地面に次々と落下し、給水タンクで濡れた床のうえに落ちた。
触手は少女をさらに高いところへと持ち上げていくと、幾本もの触手がバティスタの全身に巻きついていき、ボキボキと身全身の骨を折り曲げ、砕いていく。
静謐な闇の中、バティスタは月夜の逆光で黒く染められており、誰からの目にも映ることなく全身を砕かれていった。
触手がバティスタの全身を壊し尽くすと
目を背けたくなるほどの酷い有り様に変形した少女の蛻(ぬけがら)は
ビルの外へと放り投げられた。
白く長いツインテールが二本の長い筋となって伸びる。
そのまま少女は階下へと落ちていき、ビルの壁に取り付けられていたネオンの看板を破壊しながら、地面に叩きつけられた。
ガシャンっ! ガラガラガラッ!
ジリジリ、とネオンサインが破壊された音を立てる。
その中で、ボロボロのドレスを纏った少女は、コンクリート道路の上でうつ伏せになったまま、二度と動き出すことはなかった。
夜に吹き荒ぶ強い風が、少女の頭にある円を描いた一本の髪の毛を弄ぶばかりであったーー。
……………………
<END>
以上、お粗末さまでした
これでUNIキャラのSSは三人書いたことになりますね
あと書いていないのはリンネだけになりましたが
リンネは個人的にかなり思い入れの強いキャラなので
書くかどうかわかりませんし
仮に書きだしたとして、完成できるかどうか分からないです(´・ω・`)
ではノシ
素晴らしい
すまし顔のちっちゃい子がチキチキされるの最高ですね
個人的に逝った瞬間武器が落ちる描写がポイント高いっす
乙乙
機械っ娘特有のチキチキ責め本当好き
バティスタは無口無表情なキャラなのにやられる時は思いっきり喘ぎまくるのが最高よな
あと個人的にインナーのぴちぴち黒スーツも良い。ドット絵で見ると下半身が結構たくましくて何気にエロい体系してるキャラだなって思った
筑紫の人です
>>516
投稿乙です!
触手や電撃で小さな身体が破壊される描写がたまらなかったです
耳の中から入りこんだ触手が内部から責めていく描写が特に気に入りました!
ラブライブサンシャインのキャラの処刑SSとかどうでしょう!
ダイヤちゃんとかヨハネとか似合いそうなキャラが多い気が
ノエルの人です
遅くなりましたが、お読みいただきありがとうございます
また良いシチュやキャラを思いついたら、投下してみようかと思います(`・ω・´)
格上美少女に負ける筑紫ちゃんが最高だっただけに、あの続編を期待してしまうオレガイル
さすがにあの後じゃもう再戦は不可能だろうけど、また凪ちゃん関連を読みたいなぁ(乞食)
筑紫の人です
大分遅くなってしまいましたが渋の方でも投稿を始めました
http://www.pixiv.net/member.php?id=9298360
>>522
筑紫が再起不能なのであの後の続きを書くのはちょっと難しいですね…
もし書くとしたら筑紫じゃなくて凪の話になるかもしれませんね
おお!ついに筑紫ちゃんの人がPixivで!
あっちでも応援します!
書き手の方々はSS投稿する前に自分の書いたSS使ってるんでしょうか?
責めしーんが
途中で送ってしまったorz
責めシーンが長いssとかだと何回か盛り上がる気がするんですけど、それぞれの場面で1度満足してるのか最後まで書いてから満足するのか
あるいは自分では使わないで創作することを楽しんでいるのか…
どういうスタンスがいいかちょっとアドバイスというか実際どうしてるか教えていただけると嬉しいです
ここは内臓が出るようなSSは非推奨ですか?
そんなことはない
とりあえず投稿してみましょうか
わかりました、書けたんで投稿してみます。
内臓表現がありますので注意してください。
「たぁっ!」
少女が可愛らしくも凛々しい声を上げると飛びかかってきた蛇が持っていた剣で両断される。
すでに地面には無数の蛇の死体が転がっていた。
蛇男との遭遇からすでに15分、剣を振るい続けた少女の額にはうっすらと汗がにじんでいる。
年のころはまだまだ成人していないだろう、14歳程度と思われるあどけない顔、可愛らしい瞳。
ピンク色の唇は薄くまだ女になるにはこれからという造形だった。
しかしそのチャイナ服の胸元を盛り上げる胸は大きく主張し、重たげに揺れている。
何より特徴的なのはその長くきれいな銀髪、それは洞窟内という暗い中であってもまばゆく辺りを照らすかの如く輝いているように見えた。
ある村から化け物を退治してほしいという依頼を受け、聖騎士団から派遣されてきたれっきとしたホーリーナイトの少女、リリア。
その細腕には剣が握られ、腰まで深く入ったスリットからは惜しげもなく白くほっそりとした足がのぞいている。
リリアはこのドレスが気に入っていた、遠い地で作られたというチャイナドレスという衣服は体の動きを阻害することなく闘いを続けることができる。
やけに体のラインが主張されるという点が悩みの種ではあったが。
まだまだ思春期の少女はそういうのを気にする年頃なのだろう。
その胸元には聖騎士の証拠である聖十字のネックレスが輝いていた。
「はてさて、可愛らしい見た目に騙されてしまいましたか。こうもお仲間が切り殺されていくのを見るのはなかなか悲しいですねぇ」
タキシードを着たリザードマン風の男が長い舌をチロチロと出しながら悲しげにつぶやいた。
しかしそこに憐みの感情はなかった、手下とはいえ下位の存在にいちいち悲しんでいるような感情は持ち合わせていない。
「さて、そろそろ観念してやられてくれないかな、あたしもう疲れてきちゃった」
「いやぁ、はいそうですと言いたいところではありますが、そうもいかないんですよ」
ポリポリと蛇男が頭をかく、やられるだけやられてのこのこ引き下がっていてはほかの魔物に舐められてしまう。
喋る度に青く長い舌がちろちろと顔を出していた。
「ま、手下がこうなって怖気づいているのはわかるけとね!」
リリアは挑発する、これで乗ってくれればしめたもの。理性をなくした魔物など手玉に取るのは簡単だ。
はたして、なかなか世の中はうまくいかないようで。
「はっはっは、いやぁお強い。確かに怖気づいてしまいますね。このまま馬鹿正直に闘っていてはたまらない」
「なら逃げれば?」
「いやぁ、その必要もないようですよ?」
チクッ!
「いたっ!」
リリアの足首にするどい痛みが走った、何か針で刺されたような痛み。
見ると小さな小さな子蛇がリリアの足にかみついていた。
リリアはそれを片方の足で踏みつぶすときっと蛇男を見つめる。
「こんな子供を使って……ひどい奴」
「そんな子供を踏み潰すとは、ひどい人だ。しかしこれで私の勝ちは確定しましたよ」
「なにを……っ!?」
どっくん
リリアの心臓が大きく跳ねた、噛まれたところから急速に広がる熱の感覚。
「毒!?」
「御名答、使い古された手ですがこれがなかなか効くんですよ」
蛇男がその時動いた、音もなくリリアに肉薄するとほっそりとした腹にボディブローを打つ。
どむっ
「うっ! うぇっ!?」
思いもよらない威力にリリアは目を剥き、体を二つに折った。なんという威力だろうか、腹の中で内臓がずれる感触がする。
「ほほう、これがあなたの……なかなかいい張りのある若く新鮮な臓物をお持ちですね」
「ふざけるな!」
自分の内臓を評されたリリアが怒りで剣を振るうが、蛇男は機敏に動くとかわしてしまう。
まとわりつくようで、どこかつかみどころのない動きは油断のならない手練れだと思われた。
しかしどうしたことか、剣が重く感じる。
「かわされたのが信じられないという顔ですね、ふふ、教えてあげましょう。その毒は筋弛緩の作用を持っているんです。ボディブローも思いのほか聞いたでしょう?」
「そういうこと……」
リリアが口元の唾液を拭う、少女とはいえ鍛えている腹筋を破ったのもそのせいか。
しかし困ったことになった、腹筋だけでなく全身からだるさを感じる。
これでは剣を振るうだけで体力を消耗してしまうだろう。
さらに言葉は続いた。
「ふふ、私が何と呼ばれているか教えて差し上げましょう、女殺し、です」
「えっ、ふ、ふんっ。弱そうな女の子ばかり狙っているからでしょ、情けない奴ね!」
「そういう意味ではありませんよ」
再び蛇男が肉薄する、リリアに油断はない。
ネタさえわかればどうにでもなる、と思っていたのだが、胸と衣服がこすれた瞬間。
「んっ、やんっ!?」
およそこの場に似つかわしくない声が聞こえてきた、思わず剣をおろしてしまう甘いしびれ。
それは蛇男の接近を許してしまうことになり……。
「ほうら、どうしました? ほほ、この味は」
蛇男の長い長い舌がチャイナドレスのスリットから中に入っていた。
それはリリアのパンツの中にまで入り込み、無毛の割れ目をなぞる。
「んっ! んなあっ!」
「女の味が、しますなぁ?」
びくっ! びくくっ!
少女の背中が反りかえり艶めいた声が漏れ出てしまう。
一舐め二舐め、三舐めでとろりとした液体が少女の膣から分泌された。
「これはこれは、私なんぞ蛇に舐められて感じてしまうとは淫乱な子ですね、さすが聖騎士様だ」
「ば、ばかっ!」
真っ赤になったリリアは力任せに剣を水平に振るうがいつものキレはない、かわされて逆に胸の先端をつままれてしまう始末。
「はきゅうっ!」
情けない声を出して体を震わせるリリア。
「どうです? 特製の筋弛緩と媚薬の混合毒は、気持ちいいでしょう?」
「う、ううっ」
この男は蛇だ、獲物にまとわりついたらなかなか離れない。
膣口から処女膜を舐めまだ生娘であると確認すると怪しく目が輝く。
舌が膣内を舐めまわしていくとリリアははビクンビクンと体を震わせた。
「処女ですか、まぁ……まだ子供だとは思っていましたが、ふふ」
リリアの顔が真っ赤になる、初めては好きな男に捧げたいのだ。
しかしここで嫌な予感がする、まさか……。
「あぁ、まだ丈夫な子供の産めないお子様に興味はありませんのでご心配なく、ただ」
蛇男は子宮口にまで舌を這わせると、小さなその入り口から舌を滑り込ませた。
「いたっ!」
リリアは腹の奥で鋭い痛みを感じる、子宮口は狭い、無理やりこじ開けられた痛みだった。
リリアの女の中に入った舌はさらにその部屋の壁を舐めまわしていく。
「青い青い、まだまだ未成熟な子宮の味ですねぇ」
「ば、やめ、んっ、やぁっ!」
乳首をコリコリと刺激されながら子宮の中を舐めまわされる感触はおぞましい以外の何物でもなかった。
ぽこりとチャイナドレスの表面が動く、蛇男の舌が子宮内壁を舐めるたびに。
今や少女は体を支えることで精いっぱいだった、剣を振るうどころの騒ぎではない。
「ふふ、まだまだ母体としては不十分な子宮ですね、開発していけばあるいは。しかし、新鮮でよいというところもあるのですよ?」
にゅるっと蛇男の舌が何かを探すように動く、そのたびにガクガクと膝を震わせるリリア。
やがて子宮上部のすぐわきに小さな穴を発見した。
「ありましたありました、では失礼して」
蛇男の舌はリリアの狭い卵管を突き進んでいく、チャイナドレスの表面にはそれがはっきりと見て取れた。
「んっ、あぁっ、やだ、ぬいてっ! あっ!」
剣を杖代わりに何とか立っているリリアは腹の中を探られる感触に耐えるしかない。
やがて舌は成熟し始めたばかりの卵巣まで到達、採卵管から腹腔内に舌を出すと、卵巣に絡みつかせて。
「卵はね、新鮮であればあるほどいいんですよ」
ギュッ!
「んあぁぅっ!」
卵巣を締めあげられてリリアはビクンビクンと背中を反らせ、目を大きく見開く。
刺激された卵巣はそんな乱暴に耐えられるように作られてはいない、暴虐に数個の卵子を吐き出す。
それを器用に舌へ乗せ。
「ほら、もっと卵子を出してください」
蛇男はそういうと、柔らかくなった腹筋に拳をめり込ませた。
「うぐうっ! かはぁっ!」
「いい声だ、もっと聴かせてください」
どすっ! どぼっ! ぼこっ!
「あっ、ぐふっ、う、うっげぇっ!」
リリアは腹を打たれるたびに悶絶する、腹筋を張ろうとすると快感で緩み、そこに固い拳がめり込んでしまう。
緩んだ腹筋など何の防御にもならない、リリアの内臓が体内で揺すられ、歪まされ、動かされる。
卵巣は外と中からの刺激に次々と卵子を吐き出した。
満足する程度の卵子を採取すると蛇男は舌を抜く。
ずるるるるっ!
「いやあっ! あっ、おなか、なか、でるっ!」
まるで内臓を引きずり出されているような感じを受けリリアは涙をこぼし、ちろりと出した舌先から粘つく唾液をこぼし、気持ち悪さに胃液まで吐く。
まだ立っているのが不思議なほどの精神力だった。
「ふふふ、あなたの卵子で優秀な子が生まれることを期待しましょう。聖騎士の卵子などなかなか手に入るものではありませんからね。
蛇男は嬉しそうに舌をしまう、その腹の中にリリアの卵子を納めた。
あとはもうこの聖騎士の少女は不要、力の限りリリアの腹を殴る。
ボコォ!
「ぐはぁっ!」
強烈に腹の真ん中に拳をめり込まされ、リリアは苦悶の悲鳴を上げる。
体内を荒らされて息も整っていないところへのボディブローは効いた。
さらに蛇男は2度、3度と拳をめり込ませリリアの腹部を壊しにかかる。
柔らかくなった腹部に拳をぶち込んで。
「掻き混ぜてみましょうね」
ぐちゅううっ!
腸にねじ込まれた拳を捻られると腸管を巻き込んでぐちゅるっ! と異様な音を立てた。
「う、げぼうっ!」
リリアが胃液と唾液と腸液の混合液を吐く、血液が混じってないのが幸いだ、まだ内臓が傷ついていないという証拠なのだから。
しかし、腹への攻撃は確実にリリアの体力を奪っていく。
「くくく、苦しいですか? 柔らかなモツを拳で歪ませるこの感触、たまりませんねぇ」
「うっ、あっ、んぅ!」
ぐちゅっ、ぬちゃりとリリアの腹の中から拳で動かされる内臓の音が聞こえる。
このままでは……。
「さて殺されたこの子たちの仲間があなたに復讐したいみたいです、そろそろ……死になさい」
蛇男が離れる、支えを失ったリリアの体はがっくりと地面に膝をつき、はぁはぁと荒い息をついた。
動かさ裂つげ、ダメージを受け続けたリリアの腹は異様な音を立てていた。
(うっく、はぁ、はぁ……内臓が回復するまでまだかかる、でも相手はあたしが弱り切っていると思い込んでいるはず、そこに付け込めれば)
リリアは聖なる力をひそかに剣にためていた。
蛇男が何をするかはわからないが、これでだめならどの道、負ける。
「蛇に飲まれよ! 死になさい! 八芒星蛇縛陣!」
八芒星の形にリリアを取り囲んでいた蛇が一斉に襲い掛かる!
その時、リリアは跳ね起き力強い足取りで踊る。
「ソードダンス!」
「なにっ!」
蛇男が驚愕の声を漏らした。
うずくまった姿勢から一転、鮮やかに舞うような剣が縦横無尽に走り回り、空中で蛇たちをバラバラにした。
しかし、一匹だけ、逃してしまい……
「んぶぅっ!」
少女の小さな口から蛇が入り込む!
表面はぬらぬらしていてつかみどころがなく、2メートルもある細い蛇はあっという間に口内へ。
その体を波打たせながら食道へと進むと、その先の胃から腸へと侵入した。
「んっ!? うぇっ! うえぇっ!」
「はっは! 入った! 入りましたね! そいつは1日で30メートル以上に成長し相手を体の中から壊し、弾けさせてしまうのです! こわいでしょう!」
「ぐっ」
「ふふ、睨んだって無駄です。そいつは女の体内が大好きですからね……ほら」
「あっ、あぁっ、うえっ、うっ、ぐうううっ!」
ぼこんとみぞおちの辺りが膨らむ、ぼこぼことのたくるそれはリリアの小腸を遠慮なく突き進み、細い腸管を犯していく。
チャイナドレスの滑らかな表面が蛇のあるところだけぼくん、ぼこんとのたくってリリアは内臓を犯されているような錯覚に陥る。
リリア体内の内臓の道を進んだり、時に戻ったりするたびにリリアの体はビクビクンッ! と痙攣を繰り返す。
おぞましい感覚だった、体内を犯されるというのは。
「おえっ、うえぇぇっ!うぐ、あああああっ!」
「ふふ、苦しいでしょう? だんだん太くなっていきますよ、くくく、まだあどけない少女が内臓を犯されてもだえ苦しむ様子はたまりませんね」
蛇男は油断していた、こんな状態ではもはや自分の勝ちは揺るがない。
それが蛇男の命の火を消すこととなる。
「ふざけるな、うえ、あんたは地の底で腐るのがお似合いよ!」
ヴァンとリリアの剣が白くまばゆく輝く、それは暗い洞窟を真っ白にするほどの聖なる光。
目がくらんだ、何が起こった、どうしたことだと蛇男が光で動けなくなった後には。
首を跳ね飛ばされた蛇男がぶしゅうと血を噴出して倒れていた事実がそこにあった。
聖騎士の秘技、ホーリースラッシャー。
「油断するからよ、ばかね、うぐっ」
リリアが腹を抱えて蹲る、相変わらず腹は不気味にぼこぼこと波打ち蛇の存在を克明に知らせている。
その時、くくく、と蛇男の声が聞こえた。
「私の負けですか、せっかく卵子も手に入れられたのに。ですがあなたも死にますよ。ははは、苦しめ、丸一日死の恐怖におびえながらこんな洞窟の中で体を破裂させられて死ぬのだ、年頃の少女には耐えられないだろう! ははは!」
グシャ!
蛇男はリリアの足で踏みつぶされて完全に絶命した。
「喋りすぎる男は嫌われるわよ、ばーか、う、ぐぶっ!」
体内の蛇に胃を刺激されてリリアは胃液を吐き出した、それを合図に蛇はさらに体内深くに入り込んだことを自覚する。
もはや、自らの嘔吐でどうこうできるレベルではなくなっていた。
「破裂して死ぬ、かぁ。はぁ、そんなのやだよ、やだよ」
瞳が潤む、せっかく蛇男は倒したというのに自分も死ぬ、しかも最悪の形で。
そんなの、許せるわけがない。
「ふふ、そんな死に方してやらない、あたしたちはね、魔物に殺されるのを良しとしないんだから」
そういうや否や、リリアはチャイナドレスのボタンをはずすと一気に脱ぎ捨てた。
一糸まとわぬ全裸になるとリリアの体の美しさがよくわかる。
すらりと伸びた白いて足は細く華奢、大きな胸から腹部、そして腰へ走るラインは子供から女へ脱皮しつつある今だけの美しさ。
ほっそりとした腹部は本来美しいはずなのだが、2メートル以上の蛇が腸の形にのたくってぐにぐにと動いているのがグロテスクだった。
リリアの内臓がどう配置されているのかがよくわかる、それが動いているというということは絶えずリリアの臓物がかき回され、犯されている苦痛を味わっている証拠。
腹の中からぐちゃぐちゃと内臓をかき回す音が洞窟内に響く。
もはや死ぬしかないと思われたリリアの瞳には決意の色。
リリアは聖剣を逆手に持つと自分の腹に向けた。
「思い通りになんて、なってやらないんだから!」
ずぶっ!
「あぁっ!」
大きな声とともにリリアは自らの腹に剣を突き刺した、鋼鉄はまだ14歳の少女の腹など障害にもならないという風に簡単に体内まで入り込む。
なんとリリアは自分の腹を切り裂き、内臓を露出させて蛇が膨らむ前に除去する道を選んだのだ。
しかしここからが難関、硬直した腹直筋が剣を進めるのを阻む、細腕の筋力よりも強く、しかも痛みのせいで力の入らないリリアにとって試練だった。
しかし。
「あ、ああああああああああっ!」
ずぶぶぶぶぶぶ!
リリアはのけぞり、腹を前に差し出して、膝立になりながら無理やり剣を横に引いた。
右わき腹から左わき腹まで一直線。
白い腹が掻っ捌かれて真っ赤な鮮血がぶしゅううっと飛び散り、辺りを赤く染める。
ぶちゃあっ! と音がして内臓が飛び出した。
「ふっ、んっ! んんっ!」
腹を切り裂き終えたリリアはその傷口時から手を突っ込むと、自分の腹の中をまさぐる。
ぬちゃぬちゃとした内臓が手に絡まり、痛みと気持ち悪さで吐きそうになりながらも意思とは関係なく動いているところを見つけ、掴んだ。
「見つけ……たぁ……!」
ずるるるるっ!
リリアはそれを掴んだまま勢いよく腹の外へと内臓ごと掴みだした、ピンク色のぬらぬらとした腸がビチビチとのたくっているのを見て、そこに蛇がいることを確認する。
「はぁっ、これで終わりよ、っ!」
蛇の頭側としっぽ側の腸を神業で切断し、ぼとりと桃色の綱のようなものが地面へ落ちる。
返す刀で蛇の頭を潰し、今度こそ蛇男の野望はついえた。
これでリリアは腹を破裂させて死ぬことは免れた、だが……。
自ら腹を裂き、内臓を引きずり出したその傷は決して軽くない。
もはや力尽きたようにリリアは地面に体を横たえる。
腹の傷口からは腹圧で内臓があふれ、大量の血が流れだし……。
「死ぬ、かな……でも、魔物に殺されるわけじゃない、から。聖騎士の務めは、果たした、よね……」
ぐぷっ、と小さな可愛らしい唇から血液の塊を吐き出し呟く。
ぴくぴくと蠢く自分の内臓を見て不思議な気持ちになるとともに、死を悟ってしまった。
みんな、ごめん、帰れそうもないや……。
静かに目を閉じる、地面の冷たさが心地いい。
いつしか痛みも感じなくなっていた。
そして意識は闇の中へ……
「んっ」
リリアはなんだか眩しくて目を覚ます。
あぁ、ここが神の身許かと思って体を起こそうとしたが、腹の激痛で悲鳴を上げた。
「あんれ、起きただか、いやぁえがったえがった。もう目を覚まさねぇと思っただよ」
「あの、あなたは?」
「あぁ、村で医者をやってるゲディってもんだ、いやぁようまにあっただなぁ。血だらけではらわたぶちまけで倒れたあんたを見たときゃもうだめかとおもったんだけんども」
「血だらけで、あ、あれ? きゃっ」
リリアは身を起こして慌ててシーツで体を隠した、腹部に包帯をつけている以外は全裸だったのだ。
ぷるんと意外に豊かな胸がふるえる。
それをみてほっほとゲディは笑う。
「あんたあの洞窟に魔物退治に行ったじゃろ、いくら聖騎士様だつってもひとりじゃいくら何でもって思って、こっそり後をついてっただよ。途中で見失って焦ったけんど、見つかってえがったよぉ、ありゃあもうだめかと思ったわい」
「そうだったんですか……」
あの時を思い出しリリアは腹を擦った、確か大量の内臓が腹からあふれだし、あんなに血も流れていたのだが。
それが生きている、目の前の人物が名医という証だった。
「腹の傷口は綺麗にぬったべ、たぶんそんなに目立たねぇとは思うだ。だどもはらわたはな、引きちぎられた部分は使いもんにならねぐなってでよぉ、2メートルくらい人より短くなってるべ。んだがら体力とか落ちるかもしんねぇ、だども、いぎでっから、しょうがねぇべ」
「あ、はい、そうですね。ありがとうございます……」
リリアはぺこりと頭を下げる、確かに死を覚悟していたのだ。これからの人生それくらいのハンデを負ってしまっても生き延びたのだから良しとしよう。
まだまだ、神の身許へ行くのは早いと思われたのだろうかとふっと笑った。
「ほんじゃま、臓物がくっつくまでは水くらいしかのめんけど、がまんしてくんろ」
「はい、お世話になります」
約3週間後、動けるようになったリリアは医者に礼を言い村から離れた。
生きていることの喜びをかみしめながら。
最後は殺すかどうか迷いましたが生かすことにしました。
ハンディを背負って生きていくのを想像しても楽しいんじゃないかと思って。
少しでも楽しんでもらえれば幸いです。
書き損じが一部ありました、すいません。
動かさ裂つげ、ダメージを受け続けたリリアの腹は異様な音を立てていた。
↓
殴られ続け、ダメージを受け続けたリリアの腹は異様な音を立てていた。
です
たまには後味の良いSSもいいねとしみじみ思う素晴らしい内容でした!
諦めない気丈な娘がギリギリまで責められるのは実にいいですね!
エリョ好きなんで中盤の舌攻めシーンは最高でしたw
ちょっと参考までに伺いたいのですが
新作のSSを書くとしたらどんなキャラとシチュがよろしいでしょうか
そんなもん個人の趣味が統一されるわけないんだから好きなの書けとしか
リクエスト受けると取って良いのならプリキュアの知的な青枠が完膚なきまでに叩きのめされた挙げ句トドメをさされるssが読みたい
>>542
リクエスト的な事でならアニメ、ハンドレッドの3話をベースに戦死や重傷ものを……
叩きつけられたりやシールド破壊されてスーツだけが切り裂かれるとか色々と惜しい的なシチュがチラホラと見れた回でしてね……
>>542
リクエスト的なものならSAOのアスナがSAOの世界でレッドプレイヤー達に手も足もでずにボロボロにされた挙句、じっくりじわじわと命乞いしながらトドメを刺されるのとかみたいですね
筑紫の人です。お久しぶりです
オリキャラの魔法使いがリョナられる話が完成したのでこっそりと投下します…
大小様々な腐乱した魔物や人の死体が散乱した密室で、二人の人物が剣呑な雰囲気で対峙していた。
「ぐっ……な、何なんだ……お前はっ……! 小娘が私の崇高なる研究の邪魔をしおって!」
一人は針金のように細身の三十代後半の中背の男だ。その男は狼狽しながら顔を皺で歪ませて向かい合う人物を睨みつける。
この男の名前はドレッドという。彼はいわゆる魔導師だが、己の強大な魔力で様々な犯罪を犯していた。
魔術を私欲のため悪用する魔導師は彼以外にも沢山いるが、彼はその中でも特段に質が悪かった。彼は多くの人を拐い、人々を自身の魔法の贄にしてきたのだ。
「何が崇高なる研究よ。魔法で人と魔物を合成させたり、死体を弄ぶなんて、あなたがやってることは、神に対する冒涜じゃない」
人々の命を弄ぶ凶悪な魔導師に低い声と低いテンションで言い放つ人物は、十代半ばのあどけない顔立ちの少女だった。
ふわりとした金髪のショートヘアーと髪と同じ金色の瞳が愛らしい物静かな雰囲気の少女だ。少女はフード付きの黒いローブを羽織っていて、ローブのスリットからは黒のショートパンツ、黒ニーソックスとヒール付きのブーツが覗かせる。
右手には三日月を模した鉄製の杖を持っていた。彼女の名前はレナといい、帝都に住む黒魔導師だ。
普段は帝都の治安維持で生計を立てている彼女だが、今回は皇帝から直々に密命を受け、ドレッドの捕縛にやって来た。
「ぬうっ……」
ドレッドは周囲を伺うが、部屋にいたゾンビ達は既にレナの手によって全滅している。
「あなたの味方はもういないけど、まだやるの?」
「黙れぇっ! 私の半分も生きておらぬ小娘風情がぁっ!」
ドレッドは怨嗟の声と共に、魔力を振り絞りレナへ火の魔法を放つ。巨大な火球が少女を焼き尽くそうと迫るが、彼女は魔法を唱えると空間に亀裂が入り、彼女の眼前に黒い穴が現れる。
少女を焼き殺そうとした炎を大穴は容易く吸い込み、彼の魔法を無効化した。
「バカな……私の魔法をこうもあっさりと……」
「この程度の魔法なんて全然効かないわよ」
なまじ魔導師として優秀なドレッドは目の前の少女が、先ほどの攻防で自身とは格の違う規格外の魔導師だと理解してしまった。
目の前の少女がその気になれば、自分の命など容易く潰されるだろうと彼は想像する。
「こうなれば奴を使うしかないか……」
「何をごちゃごちゃ言ってるの。痛い目に遭わされたくなかったら大人しく投降しなよ」
ドレッドが口笛を吹くと、建物の壁を突き破り、ドラゴンが現れた。レナは目の前のドラゴンを見て、愛らしい顔を顰める。
ドラゴンの姿は異様で、ツギハギだらけの身体のあちこちに人の顔が埋め込まれていた。彼らはドレッドの合成魔法の犠牲となった人々だろう。
ここに来る道中にもレナは何匹も歪な合成魔獣やゾンビを討伐してきたが、何度見ても慣れず見る度に嫌悪感を催していた。
「ふふふふ! これが私の最高傑作だ!」
「他者の命を平気で弄ぶなんて腐ってるわね……」
「魔力を持たない無能な人間が偉大なる私の研究の役に立つんだ。これほどの栄誉はないだろうが」
「……どこまでも腐っていて最低ね。少し懲らしめてあげるわ」
ドレッドの傲慢な物言いに、レナは怒りを滲ませ杖を強く握る。
「ふん。ガキがでかい口を叩きおって!今すぐその生意気な口を聞けなくしてやる! やれ我が作品よ!」
ドレッドの指示と共にドラゴンは大口を開け、黒い稲妻を吐き出す。レナが杖を前方にかざすと、先ほどと同様に黒い穴が形成され、稲妻を飲み込む。
だが、ドラゴンは攻撃を吸収されながらも氷、火、風など様々な属性のブレスを吐く。しかし、そのどれもがレナには当たらず全て彼女の作った黒穴に無効化された。
「バカめ! 隙を晒したな!」
前方に気を取られているレナの背後に回り込むと、ドレッドは火の魔法を彼女に食らわせようとする。
迫る爆炎がレナを焼き尽くすかと思われたが、彼女は一瞬でドレッドの後ろに移動していた。
「小娘……! 一体何をした……!?」
「種明かしすると、私の魔法は空間を操れるの。長距離は無理だけど短い距離なら、さっきみたいに一瞬で移動できるのよ」
「がっ……!? ぐげっ……!」
ドレッドが振り替えるより早く、レナは鉄製の杖で彼の側頭部を殴りつける。地に伏せたドレッドの頭部をレナのブーツが力任せに踏みつけた。
無様に這いつくばるドレッドを見つめるレナは、見下すような冷たい視線を向ける。
「お前……この私を誰だと思っているんだ……! こんなことをしてただで済むと思っているのか……」
「誰って……ただの腐れ外道でしょ」
ドレッドを踏みつけながらレナは呪文を詠唱する。すると、ドラゴンの頭上に黒い穴が現れ、頭部から首回りを飲み込む。
次の瞬間、穴が閉じ、閉じた穴がドラゴンの首を両断した。血の雨を流しながら、ドラゴンは呆気なく崩れ落ちる。
(助けてあげられなくて……ごめんなさいね……)
レナは心の中でドレッドの非道な実験の犠牲になった人々を弔う。
ドレッドはドラゴンが葬られる瞬間を呆然と眺めていた。少女は自分を相手している片手間に、切り札である最強の合成魔獣を瞬殺したのだ。
「どう? まだ、無駄な抵抗を続けるの?」
研究を潰された上、年端もいかぬ小娘に敗れ地面を舐めている屈辱にドレッドは歯軋りする。しかし、いくら思考を巡らせてもこの状況を切り抜ける妙案など思いつかなった。
「ぐっ……降参だ……。投降する……」
「最初からそうしなさい」
レナは帝都から支給された手枷をドレッドにつける。これはただの手枷ではなく、装着した者の魔力を抑制させる対魔導師用の手枷だ。
傲慢な性格で並々ならぬプライドを持っている彼には現状が耐え難かった。怒りで気が変になりそうだった。ドレッドを引き連れて、彼の根城であった古塔を出ると待機していた兵士達にレナはドレッドを引き渡す。
兵士に引きずられるドレッドは、自身に敗北の苦汁を舐めさせたレナの背中を憎悪を込めて睨む。
数日後、帝都の刑務所。就寝していたドレッドは自身の牢へと近づく足音に目が覚める。迫る人影に彼は違和感を覚える。
刑の執行日はまだ先のはずだが……。それに看守が深夜にここに来ること自体がおかしい。
「お前は一体……? 俺に何のようだ……」
「出ろ」
人影はドレッドの牢の鍵を開けると、彼を縛る拘束具を外す。突然の事態に、ドレッドは驚愕したが、彼はすぐに冷静になった。
落ち着いた彼は、自分を助けた甲冑を纏った人物に訝るような視線を向ける。
「お前が何者かは知らないが何故、俺を助ける? 俺は死刑囚で大罪人だぞ」
訝しむドレッドに甲冑の人物は口を開く。
「お前の研究を潰した小娘……レナに復讐したくはないか? 僕が手を貸してやる」
あの憎っくき女魔導師に復讐したいかといえばしたい。しかし、正体の分からない人物のことなど信用できるわけがなかった。
「……いきなり現れて協力するなど信用できるか。裏があるとしか思えんわ」
「ならば、お前の信用を勝ち取るために僕の素性を明かすとしよう。僕の名前はジークフリート。皇帝をお守りする親衛隊の一人だ」
ジークフリートは鉄火面を外すと、黒髪で眉目秀麗の青年の素顔が露になる。
「親衛隊だと? 何故、そんな人間が俺のような危険人物に手を貸そうとするんだ?」
「あの女は帝都の人間ではなく、元々は辺境の田舎町の娘だ。帝都には世話になった孤児院を救うため出稼ぎに来ているそうだ。腐った土地の人間が帝都にいることなど目障りだが、それだけならばまだ許してやった」
冷静に語っていたジークフリートの声に怒りの感情が混じり始める。
「だが、あの女は並みの魔導師ではなかった。同じ魔導師のお前ならば奴の力はよく分かるだろう?」
「ああ。あの若さであれほどの魔力を備えた魔導師は見たことない。常軌を逸している。認めたくはないが、帝都どころかこの大陸でも五指に入るほどの実力だろうな」
「そう。奴はとてつもなく強い。国民達も治安維持に親衛隊などよりあの女を頼る始末だし、皇帝もあの女を信頼しきっている。……あんな糞田舎者の女のせいで、誉れある親衛隊の地位はほとんど失墜したといっていい! 他の親衛隊共は現状を受け入れているようだが、僕はこんな屈辱耐えられない!」
「なるほどな。貴様もあの女にプライドを砕かれた口か。その憎悪で淀んだ目……くくっ、いいだろう。お前のことは信用してやろう」ドレッドは皮肉げに笑う。「だが、俺とお前が組んで勝算はあるのか?」
ドレッドはレナの使う忌まわしい空間魔法を思い出す。思い出すだけで戦慄し、とても勝てる気などしない。
「正面から挑んだところで勝てないだろうな。仮に親衛隊全てとお前を合わせてもあの女には到底敵わないだろう」
「……だったらどうするというのだ? 勝ち目のない戦いを挑んでむざむざ、自殺しにいくつもりか?」
「策ならばある」
ジークフリートはドレッドに古びた魔導書を投げつける。ドレッドはその魔導書を受け止め、内容を確認にした。
「魔導師の魔力を根こそぎ吸収する秘術が記されている」
「魔導師ではない僕には使えないが、これをお前が使えばあの女を何の力もないただの小娘にすることができるはずだ」
「なるほど。こんな切り札を隠し持っていたとはな」
「だが、この秘術には重大な欠点が一つある。これは体力や精神力が万全な者には効かないんだ。抵抗力を無くすため、あの女を事前に痛めつけて弱らせる必要がある」
「おい、ちょっと待て。あんな化け物をどうやって弱らせるんだ」
「ここの犯罪者共を利用するんだよ。連中には結構な武道派もいるだろう。そいつらをお前の合成魔法で魔物と合わせて強化するんだ。いくら奴が強いと言っても魔力と体力は有限。何人かは犠牲になるだろうが、人海戦術で削れば、いずれ限界が訪れるさ」
「試してみる価値はある案だ。研究の続きができる上に、あの小娘に意趣返しができるのだからなぁ」
「僕としても帝都の汚物である罪人共を利用するついでに、掃除できるのだから有難い」ジークフリートはクツクツと笑う。「さあ、牢から脱出して戦力を整えるぞ」
ジークフリートの手引きでこの日、ドレッドを始めとした多くの犯罪者が脱獄した。後日、ジークフリートはある看守が罪人を脱獄させたと冤罪をでっち上げたため、彼が脱獄の主犯者として疑われることはなかった。
罪人達の集団脱獄から2ヶ月後。
「もう来たくはなかったけれど、まさか、またここに来ることになるとはね」
現在、レナはドレッドの住み処であった古塔のエントランスにいた。
(ジークフリートさんの情報によれば脱出した罪人達はここにいるようだけど……)
レナがここにいる理由は、この場所に潜伏している罪人達を掃討するためである。
しかし、顔見知りで情報源であるジークフリートが実は敵に与していることに彼女は最後まで気付けなかった。
(姿は見えないけど、あちこちから敵の気配を感じるわね……)
以前とは違うただならぬ雰囲気を感じ、レナは気を引き締める。周囲を警戒しつつ慎重に曲がり角を曲がろうとすると、殺気を感じたレナは一歩後ろに下がった。
「……つっ」
白銀の刃がレナの前髪を掠めた。もし、レナが一歩下がらなければ彼女の童顔は串刺しだっただろう。
「へぇ今のを避けるかよ。女の癖にやるじゃねえかよ。殺し甲斐があるぜ」
レナを襲った人物は、右手にククリナイフを持った切れ長の目をした長身の男だ。彼の下半身は人間のそれではなく、馬のものであった。
身体は変わり果てているが彼の顔を見て、かつて帝都を騒がせていた快楽殺人鬼だったとレナは思い出す。
「その身体、やっぱりあの魔導師が絡んでいるわね」
「そんなことはどうでもいいだろうが。早く切り刻ませろよぉ。その澄まし顔が苦痛に染まる瞬間が見てぇ」
「……あなたなんかに私の身体は指一本触れさせないわ」
レナが得意の空間魔法を詠唱しようとするが、罪人は四足を活かしてあっという間にレナとの距離を詰め、ククリナイフを振り回す。レナはその斬撃をギリギリのところで回避する。
「呪文さえ使わせなければお前なんぞ怖くねぇんだよ。なます切りにしてやるぜ」
「ふふっ」レナは冷笑する。「それで勝ったつもりかしら」
「はぁ? ……ぐぎゃ!」
レナは尋常でない瞬発力で駆けると、彼女の動きに反応しきれない罪人を杖で殴り飛ばす。その後、気を失った罪人の頭蓋を杖で砕く。
少女の細腕からは想像できない破壊力の一撃だった。普段は身体に負担がかかるため使わないが、彼女は空間魔法だけでなく肉体強化の魔法も使いこなせるのだ。
「危ないわね」
レナは心臓めがけて飛んできた投げ槍を杖で弾く。槍の飛んできた方向を見ると、下品な笑みを浮かべた罪人達がいた。やはり、彼らも先ほどの男と同様に人間の姿ではなかった。
「躊躇なく殺すなんて可愛い顔して容赦ねぇんだな」
罪人の一人がレナに対して言う。
「私だって殺したくなんてないわよ」
レナの言葉は本心だった。感情の起伏が乏しいため冷酷に見えるが、彼女は子供好きの心根の優しい少女だ。相手が悪人とはいえ人殺しなど気乗りしなかった。
しかし、彼らを野放しにすれば多くの罪無き人々が犠牲になるだろう。大好きな子供達や余所者である自分によくしてくれた大人達が犠牲になるかもしれない。
それは彼女の望むことではなかった。そのため、彼女は優しさを押し殺し非情に徹していた。
「よく言うぜ。死んじまったあいつを弔うために、お前らあの小娘を嬲り殺しにしてやろうぜ。……てか、無様に死んだあいつ名前何だったけか?」
「お前知らねぇのかよ。まあ、俺も知らねぇけどよ」
「そんな下らない話はどうでもいいから、さっさとあの女ヤろうぜ」
「……不愉快だわ」
死者を嘲笑う罪人達にレナは顔を顰める。興奮気味の罪人の一人が先走るが、レナは杖で凪ぎ払い無謀な愚者を瞬殺した。
間髪入れず、レナへと次々と罪人達が迫る。四方八方から迫る攻撃を強化した身体能力で掻い潜りつつ、彼女は反撃しながら着々と罪人を戦闘不能にしていく。
その姿はさながら美しい舞踏のようだった。レナは罪人の一人を踏み台にして彼らから距離を取ると、魔法で罪人もろとも周囲の空間を削る。
削った空間が閉じると、断末魔を上げる暇すらなく罪人達の胴体は無惨に切断された。
「……鬱陶しいわね」
罪人達を全滅させても、一息着く暇もなく次々と増援がやってきた。
レナは再び空間魔法で迫る罪人達を葬るが、犠牲を払いながらも、レナへと何人もの罪人が強引な特攻を仕掛けてきた。
(数が多くて倒しきれないわね……)
魔法で処理しきれなかった罪人達の攻撃をレナは杖でいなしながら、罪人の一人に回し蹴りをお見舞いする。
強化された肉体での蹴りは強力で罪人は一撃で昏倒した。レナの間隙を突いて攻撃する罪人だが、彼女は巧みに回避し決定的な一撃を入れさせない。
しかし、罪人の攻撃が止む気配はなかった。迎撃のため無理な体勢から身体を捻り、彼女は杖で罪人をまとめて殴り倒す。
戦闘が始まって既に数十分経つが、罪人達は数でレナを包囲すると休ませることなく彼女を襲い続けていた。
罪人達の攻撃は未だに一撃もレナには当たっていないが、彼女の額に汗が滲み始めた。レナは自分を取り囲む罪人達を注視する。
(魔法で一気に殲滅したいけれど、詠唱中の隙を突かれかねないわね。この状況厳しいな……)
罪人の攻撃を避け、すれ違いざまにレナは杖を振るう。既に何十人も敵を倒しているが、その数が減る気配はない。消耗からかレナの動きも鈍り始めた。
「くっ……」
「ようやく捕まえたぞ。手こずらせやがって、クソガキが」
「甘いわよ」
消耗でレナの動きが鈍くなった隙を突いて、罪人が彼女を背後から羽交い締めにする。
拘束されたレナを嬲ろうと迫る罪人達だが、レナは瞬間移動で拘束から逃れ彼らから距離を取る。
罪人達が動揺している好機に、レナは三度目の空間魔法で彼らを殲滅する。屍の山が古塔に再び増え、罪人達は一人を除いて全滅していた。
「俺以外全滅とはな……。相変わらずやるじゃねえかよ」
レナの元へと新たな罪人がゆっくりと迫る。その罪人は筋骨隆々の肉体で六本の剛腕を持っていた。更に身体のいたるところに目がついていた。
レナは戦闘経験から目の前の相手が、今までの相手とは比較にならない強敵であると直感し、杖を強く握る。
「その澄ました表情……久しぶりだな。レナぁ」
「あなた誰?」
「身体が変わってるからわからねぇみたいだな。俺だよディアマンテだ。俺のこと忘れたとは言わせねえぞ」
ディアマンテ――レナがかつて捕縛した強姦魔だ。
武道家の彼は技や力は他をよせつけないほど優れていたが、性格に難があり、自身の力でか弱い女性達を性欲を満たすため犯していた外道だ。
「へぇ。あなただったのね」
「俺は更なる力を手に入れた! 今度こそお前に復讐してやるぞ!」
「醜い姿……人間を捨てるなんて哀れね……」
「すかしやがって。今から身の程を分からせてやるよ」
巨体に似合わないスピードで猛進するディアマンテが正拳突きを放つが、レナは杖で辛くも拳を受け止める。
「くぅっ……」
腕に走る衝撃に杖を放しそうになるが、レナは歯を食いしばってこらえる。ディアマンテの剛腕は見かけ倒しではなく、強化された腕力でも辛うじて凌ぐのが精一杯だった。
拳を引くと、ディアマンテは複腕でラッシュを仕掛ける。杖で巧みにいなすレナだが一発一発が重く、その衝撃は身体の芯にまで響く。
(何て……重い攻撃なの……)
このまま防戦一方では不利になると判断し、レナは瞬間移動を発動する。彼が自分を見失った一瞬の隙に必殺の一撃を放とうとするレナだが、彼女の顔が驚愕に染まる。
瞬間移動をした先に、ピンポイントでディアマンテが待ち構えていたのだ。
「え、そんなっ……!? がっはぁ……!」
ディアマンテの固い拳がレナの腹部を深く抉り込む。少女の身体が受けるにはあまりにも重い攻撃だった。
魔法で肉体が強化されたレナでなければ、即死してもおかしくない威力の拳であった。
「ぐっ……」
端正な美顔を苦痛に歪ませながら、レナは腹部を押さえて痛みを必死にこらえる。圧倒的な強さを誇るレナには似合わない姿だった。
「どうして俺がお前の位置を正確に分かったか教えてやろうか? 俺様の目は、視界に捉えた奴の心を読むことができるのさ」ディアマンテはにやにやと笑う。「お前は簡単には殺さねぇ。簡単に復讐が終わったらつまらねぇしな」
「この……外道め……」
重い足音を響かせながら、ディアマンテが再びレナに拳を振るう。杖で拳を受け流すレナだが、一撃、二撃は凌げても三撃目を捌ききれず、武器である杖を弾き落とされてしまう。
「しまっ……! ぐっ……あぁぁっ……!!」
再びレナの腹部に大岩のような拳が叩き込まれた。あまりの苦痛にレナは口から大量の胃液を吐き出す。
レナは追撃を避けるため瞬間移動を使うが、一時凌ぎにしかならず、レナの移動位置を先読みしているディアマンテは彼女の四肢と首を六本の腕で捕らえる。
「おいおい。どこに行くんだぁ?」
「くぅ、このっ……!」
レナがいくら身体を揺すっても、ディアマンテの腕は一本も外れない。
「俺、気付いたんだがよ、お前のその魔法万能じゃねぇよな? 短い距離しか飛べず、連続じゃあ使えない。何度も使えるなら俺に場所が筒抜けでも容易く逃げられるからな」
「は、放しなさいっ……」
「うざってぇな。まだ、抵抗しやがるか。まあ、その方がぶっ殺す楽しみがあるけどな」
ディアマンテは首を掴んでいた二本の腕を引くと、レナの上半身を滅多打ちにする。
「ひっ……ぐぅ……あ、あぁ!!」
涙や汗を流しながら、少女の肉体を容赦なく抉る苦痛にレナは悶絶する。痛みに喘ぐレナには、普段のクールな美少女としての姿は欠片もなかった。
ディアマンテは憎き少女がサンドバッグになっている無様な姿に狂喜する。
「あぐぅっ……!?」
ディアマンテの拳がレナの顔に直撃し、レナは濁った声を上げる。ディアマンテはそんな反応が楽しいのか、少女の端正な顔に更に拳を叩き込む。
「まだまだ倒れるなよ! もっと苦しめ! もっといい悲鳴を聞かせろ!」
「い、がぁぁっ……! うああぁっ!!」
「ずっと前からお前をこうやっていたぶってやりたかったぜ!」
「ぐひぃっ!!」
ディアマンテの地獄突きがレナの下腹部を貫く。痛ましい悲鳴を上げてレナは崩れ落ちそうになるが、複腕が彼女の身体を捕らえているため倒れることすら許されない。
先の一撃で膀胱にまで電流のような衝撃が走り、レナは強烈な尿意を催した。
「そらぁ! 今度はこんな責め方はどうだ!」
レナの軽い身体を持ち上げ吊り上げると、ディアマンテは六本の腕で彼女の身体と首を同時に締め上げる。
その瞬間、僅かに尿が漏れ出て黒のショートパンツに小さな染みを作ってしまう。しかし、失禁を気にする余裕など今のレナにはなかった。
「あ、がっ……ぐ、ぐぅっ……」
(このままじゃあ……こ、殺される……。こうなったら……)
肉体が強化されているといっても、レナは不死身ではない。死を予感させるくらい今の彼女のダメージは深かった。
命の危険を感じたレナは、躊躇していた奥の手を使う決意をする。
「この俺が怖いかぁ? 今から死ぬまでいたぶり続けてやるよ」
「私はまだ死ねない……死ぬのは……あなたの方よ……」
「あ?」
レナを中心に周りの空間を彼女の魔法が滅茶苦茶に削る。レナにはとっておきの奥の手が一つあった。それは詠唱なしの空間魔法である。
しかし、奥の手といえるこの魔法は彼女自身にも制御不能の危険な魔法だった。
使用者の彼女さえもどうなるか読めない無差別な軌道の魔法をディアマンテが読めるはずなく、ディアマンテは呆気なく削り殺された。
「あなたの……敗因は一つ……。私をさっさと殺さず……嬲ろうとしたこと……」
レナは息も切れ切れに言う。奥の手を使った代償は大きく、ローブはボロ切れになり衣装としての機能をほとんど失い、ノースリーブのシャツとショートパンツだけという軽装になった。
損傷は服だけではなく、身体のあちこちに無数の切り傷ができていた。右脇腹や左肩の傷は特に深く、歪に削れた傷口からは赤黒い血が流れ出ていた。
「はぁ……はぁっ……」
(身体中が……痛い……)
レナの限界は近いが、彼女に撤退の選択肢はない。杖を拾うと、彼女は杖を支えにしてふらふらと歩く。
塔二階の一室、そこには新たな敵がレナを待ち構えていた。それは蟹のような甲殻を纏った巨大な蝿であった。
人間としての原型を留めていないが、彼はかつて人身売買で生計を立てていた奴隷商だった。
「ズタボロじゃないか。可愛らしい女が可哀相に」
「うっ……」
蝿を視認すると、レナの表情がみるみる曇り、泣きそうになる。身体中の痛みもあるが、彼女の様子がおかしいのはそれだけではない。
最強クラスの魔導師である彼女だが、彼女はかなりの虫嫌いであった。ただでさえ苦手な虫が常識外れのサイズで存在するなど、彼女にとっては泣きたくなる悪夢でしかない。
「いや……来ないでっ……」
「その怯えた表情マジ最高だわ〜。人間の時にはできない責め方で苛めてやりたくなってきた」
らしくない表情で狼狽えながら、レナは後退りする。蝿はそんなレナを嘲笑う。そこでようやくレナは冷静さを取り戻した。
(しっかりしないと……戦う前から相手に飲まれちゃいけない……)
弱々しい瞳に覇気が戻り、レナは立ち塞がる敵を睨む。
「お? やる気か? 大人しくしてりゃ犯してから殺してやろうかと思ったが、気が変わったぜ」
蝿は五月蝿い羽音を立てながらレナへ突進すると、白く蠢く塊を吐き出す。咄嗟に避けようとするレナだが、消耗から避けきれずその謎の塊が右足を覆う。
その時、ようやく彼女はその塊の正体に気付いた。白く蠢く塊――それは蛆虫の大群であった。
「いやっ、きゃああああああぁぁ!」
蛆虫から逃れるため、レナは発狂気味に右のブーツを脱ぐ。咄嗟の判断で蛆虫からは辛くも逃れたが、蝿の攻撃はまだ終わらない。蝿は再度蛆虫の塊を彼女に向かって吐き出す。
「ひぃっ……!」
苦手な虫の恐怖からレナは反射的に瞬間移動を使ってしまう。
「どうしたどうした? 逃げてばっかじゃないか。そんなに虫が嫌いかぁ〜。ならもっと嫌いにしてやるよ。今度はどこにも逃げられないぞ」
蝿は再び口を開くと、蛆虫、百足、蛾、尺取り虫、蟻、蜂など様々な虫の大群を吐き出した。
蠢く虫の軍勢はあっという間にこのフロアの床を覆いつくした。これでは蝿の言うようにどこにも逃げられない。
「あっ……あぁ……いやぁああああーーっ!」
(気持ち悪い! 気持ち悪い! 気持ち悪いっ!)
虫の大群がレナの足元へ群がり、彼女は泣き叫ぶ。杖を振り回し、虫を払うレナだが、全てを潰すことなどできない。倒しきれなかった虫が彼女の柔らかい太ももにまとわりつく。
嫌悪感に悶えるレナだが、虫の侵攻は止まらない。いくら身体を振るって引き剥がしてもきりがなく、また新たな虫がレナにくっつく。
中には彼女のシャツの中に入った虫もいた。虫が全身を這い回る気持ち悪さに彼女は思わずたたらを踏む。
黒のニーソックスの中にも虫が入ってきたので、足裏に虫を踏み潰した不快な感触が伝わり彼女は更に取り乱す。
「離れて! 離れてよぉぉっ! いっ!? ……ぐっ! あっ、うわああぁぁ!」
虫は精神的ダメージだけでなく、レナに物理的なダメージも与え始め、少女の柔肌に虫の牙や針が突き刺さった。
全身に鋭い痛みが広がった後、レナは激しい虚脱感に襲われ、ガクガクと脚が痙攣し今にも崩れ落ちそうになる。
手にも力が入らず武器である杖も落としてしまう。思考すらも鈍っていた。
(何……身体の力が……まさか……)
レナはこの虫達が自分の生命力を吸っているのだと推理した。しかし、分かったところでどうすることもできなかった。
脱力し足元が覚束無くなり、レナは尻餅を着いてしまう。ぐちゃりと音がした後、ショートパンツ越しのお尻に虫を踏み潰した嫌な感触が伝わった。
更に悪いことに身体の力が抜けたせいで、元々催していたこともあり、レナの緩みきった括約筋から尿が漏れ出た。下腹部に力を込めようとするが、弛緩した身体に力など入らない。
「そんな……い、いや……止まってよぉぉっ……!!」
レナの悲痛な叫びも空しく、大量に漏れ出た尿が彼女のショートパンツや内ももを濡らした。
蝿はレナの失禁を馬鹿にするが、虚脱感と失禁による多大な精神的ダメージに彼の言葉は耳に入らなかった。
(これ以上……命を吸われたら……いけないのに……)
じわじわと生命力を吸い取られ、レナはとうとう崩れ落ちた。虫のベッドに沈む少女の身体に、虫達は我先にと殺到する。
じわじわと増していく虚脱感に、レナの瞼が落ちかける。このままではいけないと思っていてもどうすることもできない。
彼女の震える手足には虫を振り払う力すらなかった。
(こんな死に方……嫌……嫌だ……)
大嫌いな虫に群がられ永眠するなど嫌だ。しかし、レナの意思に反して彼女の思考は霞みがかり何も考えられなくなる。
やがて、瞼が落ち、じたばたしていたレナの手足は動かなくなった。最強の魔導師が完全敗北した瞬間だった。
「無様な姿だな、小娘」
「あ、あなたは……」
朦朧とした意識の中、レナは見覚えのある男――大罪人のドレッドを確認した。気力を燃やし立ち上がろうとするレナだが、既に限界のため動きが鈍い。
「あのまま、虫ごときに殺させたのでは私の気が収まらない。死ぬ寸前だったが、ほんの少し私の魔法でお前を回復させてやった」
ドレッドは立ち上がろうとするレナの頭をぐりぐりと踏みつける。
「あぐっ……!」
「あの時は、よくもこの私の頭を踏みつけてくれたな。おい、今どんな気分だ?」
「ひ、ぐぅっ……あ、がはぁっ……」
足をどけるとドレッドは倒れているレナを何度も蹴りつける。ろくな抵抗もできずレナはされるがままだった。
「どうした? 得意の魔法で何とかしてみろよ?」
ドレッドは蹴りを止めて余裕をかましている。レナにはまだ一つだけ逆転の目があった。彼女の体力は枯渇しているが、まだ魔力は残っている。
今の油断している彼の隙を上手く突ければ、魔法で反撃ができるかもしれない。レナは横目で彼の様子を窺う。
彼は瀕死のレナには目もくれず、手に持っている魔導書とにらめっこしていた。
(よし……今が好機ね……)
レナがドレッドに悟られないように魔法を唱えようとした時、彼は口を開いた。
「今から黒魔導師としてのお前は命日を迎える」
「な……何なの……これ……」
ドレッドの持っている魔導書から青白い腕が現れた。魔導書から飛び出した透明な腕がレナの身体に触れると、彼女の身体をすり抜ける。
得体の知れない腕に恐怖するレナだが、身体を貫かれているにも関わらず不思議なことに痛みは全くない。しかし、何かが抜け落ちていくような奇妙な感覚があった。
しばらくして、レナはその感覚の正体に気付く。彼女の身体を流れる大量の魔力、その魔力がどんどんと薄れているのだ。
それは単なる魔力の消耗とは訳が違っていて、魔力は回復などせず二度と戻って来ないという絶望感を彼女に抱かせていた。
「あなた……まさか……私の魔力を……!」
「ようやく理解したか。そのまさかだ」
「……いや! やめてっ! それだけはやめてぇぇぇっ!!」
魔力が無くなればレナは何の力もない普通の少女になってしまう。膨大な魔力はみなしごであるレナに取っては、大切な生きる術でもあり、彼女のアイデンティティーでもあった。
やがて、腕がレナの身体から引くと、手には黒く輝く球形のものを持っていた。その時、レナは激しい喪失感に襲われた。今度は腕がドレッドの身体に入り込むと、彼は邪悪に笑う。
「小便臭い小娘には勿体無い素晴らしい魔力だな。私が有効活用してやる」
「私の魔力……返して……返してよぉ……!」
絶頂しているドレッドに対し、レナは涙を流しながらうわ言のように呟く。帝都最強の魔導師の姿は見る影もなく、そこにいたのは壊れそうなくらい弱々しい小娘だった。
「空間を削るというのは便利な魔法だな。このままお前の全身を削ぎ落としながら嬲り殺すというのも悪くない」
「ああああぁぁッ!!」
ドレッドは奪い取った魔力を使い、レナの得意とする空間魔法を放つ。レナの身体が削れ、あちこちに歪な穴が開き、おびたただしい量の血が床を赤く染める。
開いた穴からは、内蔵が溢れ出ていた。大量出血の影響で全身が急速に冷えていき、レナは死の恐怖を感じていた。
「あ、あぁ……痛い……誰か……助けてぇっ……」
「助けて欲しいか? ならば望み通り助けてやろう」
ドレッドが呪文を唱えると、淡い光がレナを優しく包み、彼女の全身の傷がみるみる内に癒えていく。彼の行動の真意が読めず、レナは困惑気味の表情でドレッドを見つめる。
「私をコケにした小娘を簡単に殺すものか。さて、体力も回復したことだしもう一度いたぶってやるか」
「そんな……。も、もう……やめ……許して……」
レナの体力は回復したが、先ほど半殺しにされたトラウマは消えたわけではない。あの時の苦痛や恐怖を思い出しレナの瞳からは涙が溢れ、股間からは尿が漏れ出ていた。
「安心しろ。殺さないように加減はしてやる」
「い、いや……」
悪辣な魔法使いの魔手が無力な少女に迫るが、魔力を失った今の彼女には何もできなかった。
ほんの数十分の間に切る、焼く、裂く、削る、殴る、蹴る、抉る、潰すといったあらゆる苦痛という苦痛をレナは味わった。
普通の人間ならば何十回も死んでいるような痛みだが、ドレッドの回復魔法が彼女をギリギリで死なせなかった。
拷問の途中で耐えかねてレナは舌を噛もうとしたが、その行動は彼に阻止された。
「ぁ……ぅ……」
「ちっ。心が壊れかけてきたのか、さすがに反応が鈍くなってきたな。そろそろ最後の仕上げといくか」
生気のない目のレナを見てドレッドは言う。彼は彼女の髪を掴むと、彼女を雑に引きずる。消耗しきった彼女は消え入りそうな呻き声を上げることしかできなかった。
ドレッドは無抵抗のレナを自分の研究室まで引きずると、部屋の隅にある死体廃棄場にレナを投げ捨てた。死肉の腐臭にレナは顔を歪める。あまりの悪臭に吐きそうだった。
「げぇ……うぷっ……」
「こいつらは私が研究を始めた頃の失敗作だが、使い道がまだ残っているんだ。例えば……」
彼の台詞と同時に、床下の醜悪な肉塊が動き出し、レナの綺麗な肢体を包む。その瞬間、虫に噛まれた時に似た刺すような痛みが身体中を襲った。
肉塊のせいで見えないが、中では触手のように細長い肉の槍がレナの身体を貫いていた。
「あぁぁぁっ……!!」
「どうだ? 体内に直接腐毒を流し込まれるのは効くだろう。このままお前の身体を壊死させた後、肉体をゾンビとして再構築させる」ドレッドは嗜虐的な笑みを浮かべる。「お前がコケにした私の偉大なる魔法、身をもって味わえ」
「うああぁぁぁっ……!?」
腐毒で内側から身体を破壊する痛みは、今までの拷問とは比較にならない激痛だった。悲鳴を上げのたうつレナに合わせて肉塊がモゴモゴと動く。
必死に肉塊から抜け出そうとするレナだが、ただの少女と化した彼女の力では抜け出せそうにない。抜け出すどころか、肉塊は足掻くレナの顔さえも覆う。
「っーーーーーーーー!」
(痛い……身体が……動かない……)
肉塊の中でレナはくぐもった悲鳴を上げる。その間も腐毒の注入は止まらない。
全身を駆け巡る未曽有の激痛。腐毒が回り始めたのか、細胞が死滅し、少女の瑞々しい身体が段々と腐食していく。
腐食が進むとついには身体を動かすことすらできなくなり始め、肉塊の中に腐臭が広まっていく。
「ぁ……ぁぁっ……皆ぁ……院長、さん……」
朦朧とした意識の中、孤児院時代の楽しかった思い出がフラッシュバックしては消えていく。
(こ、怖い……私が……私じゃなくなっていく……)
大切な思い出だけでなく、知識や自我といったレナを構成するものが加速度的に消え始める。
身体や心が壊れていき、段々と人でなくなっていく。自分を失う感覚に彼女は恐怖し、やがて恐怖の感情すら消滅した。
「ごめん……なさい……」
血反吐を吐きながら最後にレナが口にしたのは、恩師である院長に対する謝罪の言葉だった。しかし、健気な少女の言葉は誰にも届かない。
「ふむ。そろそろか」
ドレッドは醜悪な表情で脈動する肉塊を見つめる。脈動する肉塊はまるで蛹のようであった。
肉塊に小さな亀裂ができ始めた。その亀裂は徐々に広がり、やがて、肉塊が亀裂に負けて自壊する。
肉塊の中から現れたのはかつてレナだったものだ。ズタズタな服の隙間から見える肌は色を失い、身体のあちこちは無惨に腐り落ちていて、かつての新雪のように美しかった肌は最早見る影もなかった。
「喜べ。これからは私の奴隷として朽ち果てるまで使い殺してやる」
自我を失ったレナはぎこちない動作で彼の言葉に頷くと、腐った足を引きずりながら彼の後に続く。
魔法使いレナの最期は腐乱人形という哀れな末路で、普通に死ぬことすら許されなかった……。
以上になります
今回もキャラの立ち絵を描いてみました。http://i.imgur.com/pX7byJA.jpg
筑紫の話も書きたいのですが良いネタが思いつかないので、次回作は多分ロンパssになるかと思います
前半の強さの演出が後半の無様さを際立たせていいと思った
勃った
うまいなあ
なんでこんなにオリキャラが魅力的に見えるんだ
蔑んでたやつに負けるのいいよね大好きです
自分に屈辱を与えた少女を無力化してゾンビ化して意のままに操れるようになったドレッド氏が羨ましい(笑)
次はロンパですか!超楽しみです
霧切さんでてくるかな…
筑紫の人です
>>557
お読み頂きありがとうございます!気に入って頂けてよかったです!
もっと無様さを出せるように精進します
>>558
オリキャラのことを褒めて頂けるのはすごく嬉しいです!
見下していた奴に負けるシチュエーションは自分も大好きですので、これからも書いていきたいですね
ある意味で死ぬよりエグいゾンビ化は状態異常の中でもリョナとは相性がいいと思います
ロンパssですが個人的に書きたいキャラは霧切さんか流流歌ですね
ノエルの人です
>>筑紫の人
今更ながら新作投稿乙です
筑紫の人はオリキャラをちゃんと可愛く書けるのが羨ましい
D会とか書いていた自分にとって、オリキャラでSSを書くのはかなり骨折れますね……好きな要素をごちゃまぜにしたらなんとかなりそうな気もしますが
筑紫の人です
>>560
返事が遅れてしまいましたがご感想ありがとうございます!嬉しいです!
自分はノエルの人とは逆で慣れていないのもあって二次創作を書くのが苦手ですね…
触手リョナの人です。
オリジナルのレオタードの女の子が触手に四肢破壊されて死ぬまで触手ボコォされるSSができたので投下させてもらいます。
本来ならば人の立ち入る事の許されぬ聖霊の住まう鎮守の森。
その奥にて木々をなぎ倒して暴れる一体の巨大な魔物。
その外見は二本の足が生え、肉で出来た巨木と言った醜悪で異様な外見で枝の様に無数に生えた触手が対峙する存在に向けて振るわれていた。
その相手は魔物に比べれば酷く小さくか弱い存在であった。
まだ幼さすら残る年若き人間の少女なのだから。
歳の程は10代の前半。ともすれば幼女といって良い程の幼さ。
艶やかな薄緑の髪はセミロングのショートヘア。
円らな碧眼にすっと整った顔立ちは正に美少女。
幼女とは言ったものの小柄なその身体は良く鍛え上げられ、少女然としながらも引き締まった肉体はやや露出の高い薄桃がかった白のレオタードに包み込まれていた。
歳の割りにはかなり発達した形も張りも抜群な胸は生地を内側からはち切れん押し上げ、頂点の膨らみを浮かばせている。
レオタードのお腹部分は露出しうっすら筋肉の浮かんだお腹とおへそが顔を出しているのが健康的な色気を醸し出す。
すらりと伸びる脚はむっちりしながらも細く引き締まり、その白い肌と脚線美を見せつけ足は靴では無く白と赤の布のフットラップ。
ほっそりとした腕は純白のロンググローブに包まれその華奢な指には不似合いな長剣が握られていた。
彼女の名はセシア。
代々この鎮守の森を守る番人であり、彼女は幼いながらも優れた魔法剣士でもある彼女は異変を察知し森を乗っ取ろうとする魔物を討つべく駆けつけたのだ。
魔物の触手の猛攻を軽々とかわし、少女剣士はすれ違い様に触手を切り落とし、本体にも無視できぬ傷を与えていく。
「はあぁぁぁぁっ!!」
膨大な魔力の光を纏った剣は魔物の触手を複数纏めて容易く切断しそのまま本体も深く切り裂く。
致命傷とまではいかなかったが魔物は気味の悪い体液を吹き出し苦悶の声を上げ悶える。
「よしっ、このままトドメを...!」
しかし、切り抜いた勢いで少女が着地したのはいつの間にか地面に根の様に張り巡らした魔物の触手。
「しまっ...!」
一瞬の油断。しかしそれが少女の命運を分け、魔物にも一切の容赦は無かった。いや、例え幼い少女であっても魔物は人を本能レベルでなぶり殺す事に何よりも愉悦を覚えるのだから当然とすら言える。
咄嗟に攻撃魔法を放とうとした少女よりも素早く触手はセシアの両足首に絡み付くと凄まじい勢いで真横に引っ張ったのだ。
「!!ぎゃぎっひぃっ!!!!??」
ばきりぃっと鈍くて嫌な音が戦闘少女の股間から響き渡った。
真横に脚を広げたまま地に座る形になったセシアは見た目は間抜けだが一撃で戦闘不能に追いやられてしまったのだ。
「あ、あぐぅぅぅ...!!」
股関節を破壊され、つぶらな瞳からぽろぽろと涙をこぼし、整った顔を苦渋に歪めるセシア。
だがこのままでは自分は最悪の運命を辿るだろうし、そうなっては森も終わりだ。
きっと魔物を睨み残された魔力を全身に、そして愛剣に籠める。
(このままやられる位なら...!)
未だ触手に絡み付かれた脚と股関節は激痛を訴えるがそれに耐え魔物を滅ぼすべく必殺の一撃を放つ準備を整える。
...彼女に自爆魔法の心得があれば結末は違った物になっただろう。
セシアが拘束されている事には変わり無く、まず脚に巻き付いた触手はそのまま骨を砕くまで強く締め付ける。
「!!づぐあぁぁぁぁっ!!!」
次に痛みに悶絶するセシアの両腕にも絡み付き肩の間接を粉砕する。
カラン、と乾いた音を立てて、セシアの剣が地に落ちる。
「あぐぎゃあぁぁぁぁっっっ!!」
結局セシアは何も出来ず四肢を破壊された。
最早されるがままの肉達磨である。
少女剣士はそれでも戦意を失わず激痛に激しく失禁しながらも諦めなかった。
「はあっ、はあっ...!私は、この森の守護者...負けるわけには...いかないっ!」
全身に嫌な脂汗が浮かび勝手に痙攣する身体にむち打ち、健気に耐えるセシア。
だが、守護剣士に無情に最期の時が迫る。
「ぎぃっ!!?」
まだ初潮も迎えてるかも怪しい美少女の性器に大人の腕ほどもある触手がレオタード越しに二本もねじ込まれたのだ。
「あっ、あがぁあがぁぁぉぉぉっ...!!!
」
一本でも受け入れるのは無理そうなそれが二本も無理矢理捩じ込まれセシアの膣は裂け、血が滴り、子宮口まで犯されレオタードの下腹部がぽっこりと膨らんでしまっている。
壊された四肢の痛みを上書きする程の死んでもおかしくない激痛を股間から味わい、哀れな魔法剣士は白目を向き口から泡を吹き溢しながら、がくがくと激しく痙攣する事しかできない。
だが魔物にとっては序の口ですらなかった。
触手のピストン運動が始まったのだ。
激しい突き込みによってあっさりと子宮の中まで触手が侵入し、スレンダーだったお腹を歪に歪ませる。
「!!!??うぎゃぁぁぁっ!?いだいいだいいだいぃぃぃっ!!!死んじゃうぅぅぅぅっ!!!」
手足の間接を外されたセシアは泣き叫びながらのけ反る事しかできない。身悶えする度に大きめの乳をぷるぷる揺らしながら股間からぶしゃぶしゃと失禁するのがたまらなく無様で哀れである。
しかし、ここまで少女を追い込んでも魔物は満足する事は無い。
レリナの愛らしいヒップ、その慎ましやかな不浄の穴を前触れも躊躇も無く極太の触手が蹂躙したのだ。
「!!!!!!」
その瞬間に脳天から爪先まで、心臓が止まらないのがおかしい程の苦痛の嵐が少女の体を吹き抜けた。
「ご、ごげぇぇぇっっ...!!じ、じぬぅ...!!!」
体内を破壊する勢いで暴れまわる肉触手に最早げぼげぼと嘔吐までしてしまう幼女剣士。
何時死んでもおかしくないセシアに一際強い突き込みが襲い、ばきっと何処かの骨がいくつか砕ける音が響き渡る。
「ぐぎゃあぁぁぁぁぁっっぅぅ!?」
そして、魔物の触手から熱く粘った射精が始まった。
「!!!がーーーーーーーっっ!!!」
幼い少女の腹がレオタード越しにぼごん、ぼごんっと粘った汚液でどんどん膨れ上がっていく。
「.........!!!!!」
少女の悲鳴が止まる。
泣き叫んでいた口は今やまるで弾力のあるゼリーの様な濃すぎる精液で埋まっていた。いや、違う。
尻から逆流した精液はあっと言う間にレリナの内臓を遡り、口まで逆流したが、そこで詰まったのだ。
埋まったのは口どころか体内全てであった。
(こっ、こんな死にかたいやだ...!)
固形物に近い精液は触手が抜かれ、ガバガバに拡張された尻穴と膣からも殆ど溢れず少女の体内から中々出てこない。
辛うじて生きてはいるレリナがげっ、げっ、と不完全にえずきながら何とか口と喉から呼吸を確保できるだけの精液を吐き出し、空気を貪る。
「ぐがぼあっ...がっはぁー、はぁー、ひゅがぼぉぅぅっ!?」
だが見計らった様に再び彼女に触手が挿入された。今度は口にも太い触手が突き込まれ、無論下の両穴には先程やりも倍も太い触手が同じ両挿入され彼女の肉を割り裂き、骨を更に粉々に砕いていく。
「ごがぼぼぼげぼぼぼ!!!!」
再びの射精で今度こそ完全に体内を埋め尽くされ、更に大きくお腹が膨らみお臍から精液が激しく噴き出す頃には下半身から全身を襲う凄まじい激痛を味わいながら、覚めぬ闇へと意識を落とし二度と目覚める事は無かった。
聖霊を失い、鎮守の森は魔物の住まう異形の森へと変貌し、人の寄り付かぬ魔境と化した。
森を守れなかった小娘の事は死んだ途端に人々の記憶から忘れ去られた。
短かったセシアの生涯を覚えてる者も誰もいなかった。
以上です。
いつもワンパターンかなとは思いますが快楽無しのエロリョナボコォは書いてて興奮するのでやめられません。
リョナの鐘SSあったら良いなぁ
筑紫ちゃんの続編をt(ry
アリオーシュさんのも...
リレ小が勢いついてるのにこっちは閑古鳥が鳴いててかなしい
こっちも盛り上がったらいいな てことでバイトの巫女さんで悲鳴初め
…………
…軽い気持ちで巫女さんのバイトをしたおかげで、正月三が日は死ぬほど忙しかった。
とは言え色々と面白かったし、バイト代もそれなりに出たし…それに、友達も出来た。
「ま、履歴書には18って書いてますし!…後はもう、勢いで押し切れば何とかなる!て感じで!」
…と巫女服に着替えながらドヤ顔しているのは、新しい友達その1・企鵝 亜照(きが あでり)。
今聞いたところによれば、14歳の現役女子中学生らしい…
見た目はむしろ小学生くらいに見えるのに、よくバイトの面接通ったもんだ。
「お正月は神社も人手不足だものねぇ…流石にもう落ち着いてきたけど」
驚愕の事実にも全く動じないこの人は、友達その2・轍 陽子(わだち ようこ)さん。(よびすてでいいわよー)
19歳、現役女子大生。和風癒し系な美人さんで、巫女服が物凄く似合う。とても素人とは思えない逸材である。
「…にしても今日って、何するのかな?参拝客が減ってきたから、売り子はしなくていいって言われたけど…」
そして私、接骨木 圭子(にわとこ けいこ)16歳、いたって普通の高校生。(てことは書類上は一番年下なのか…)
「追加のバイト代出すから」と言われてノコノコやって来た、私達3人を待っていたものは…
…………
「では今日は、この神社で封印している異界の門を閉じる儀式を手伝ってもらいます」
「「「…は???」」」
待っていたものは…なんかよくわからない。
「門を閉じるのはオレら本職がやるんで、キミ達はコレ持ってあの辺に立ってて」
…と言われて、刀やら薙刀やら弓矢やらを渡された。見た目の割に軽いから、多分おもちゃの類だろうけど…
「まあ、儀式なんで。適当に振り回してるだけでいいよ」
…との事だ。そんないい加減でいいのだろうか。
説明を聞いてもよくわからないまま、神社の地下にある洞窟の奥で、「儀式」は始まった。
神主さん達が呪文(…祝詞っていうの?)を唱えると、隙間の開いていた岩戸が徐々に閉じ始める。
(うわー。どういう仕組みなんだろアレ)
…などと考えながら、私たちは呑気に眺めていたのだが……
「グォォォォオォォォォォォン……」
岩戸の内側から突然、真っ黒い手が現れた!
「えっ!?」「何これぇっ!?」「きゃああああっ!!」
…………
「…うわああああぁっ!!」
私は夢中で刀で振り下ろした。
正体不明の黒い手首は一刀の元に切り落とされたが、岩戸をこじ開けて何十もの手首が次々襲い掛かってくる!
「な!何なんですかこれ!!ていうかこの刀…えっ!?」
おもちゃかと思っていた刀は…いつの間にか光のオーラを帯びていた。亜照の弓や、陽子の薙刀も同様。
「その武器は祝詞で強化されてるから。俺らが門を閉じるまで、魔物の相手してて…30分くらいで終わると思う」
「ええええ!?」「何ですかそれ!」「聞いてないんですけど!!」
「大丈夫!三が日であれだけの数の参拝客を捌けたキミ達なら、できる!」
「…んな!」「わけ!」「あるかああああ!!!」
ザクッ!!ザシュッ!!ずぶり……ぶちぶちっ!!
「きゃあぁっ!!」「やうっ!!!」「いっっ…うああああっ!!!」
無数の手が私を取り囲むように伸び、四方八方から襲い掛かる。
鋭い爪が肩口や太股をえぐり、背中を深々と切り裂き、石床は鮮血で染め上げられた。
死に物狂いで刀を振るい、魔物の手を2〜3本は切り落とす…が、それもあっという間に再生してしまう。
そんなささやかな抵抗すらも、長くは続かず。刀を持つ手を黒い手に掴まれ、背後から羽交い絞めにされ…
「いやっ…放して…一体、何を……ひっ!?」
ずぶっ……
2本の手が、私の胸に爪を突き立てた。
そして戸をこじ開けるような動きで、ゆっくりと左右に開かれていく。
「…いっ……いやっ……何、するのっ…た、助けて…誰か……!!!」
…………
救いを求めて周囲を見渡す…が、陽子もまた魔物に襲われ絶体絶命の危機に陥っていた。
ぎりぎり……ぎちぎちぎち……ぶしゅっ…ぐちゅ…
「うぐっ…あぁっ…ううっ…!!」
黒いイバラのような、無数の棘の生えた鎖に全身を絡め取られ、血を滴らせながら呻き声を上げている。
きつく締め付けられ胸元は、ただでさえ豊かな胸が更に絞り出されて強調され、同性ながらも思わず目を奪われた。
「こ、のっ………!……きゃあああああっ!?」
陽子は辛うじて動かせる片手で薙刀を取り、鎖を断ち切ろうとするが……その瞬間。鎖が勢い良く引っぱられた!
ドゴッ!!ガキン!バキッ!!グシャッ!!
「やっ…!」「あぐうっ!!」「いっ……」「………!!」
陽子の身体は叫び声と共に四方八方へ振り回され、洞窟の岩壁に何度も叩き付けられる。
鎖に巻き付かれてろくに受け身も取れず、最後は顔面から地面に叩き落された…
「げほっ……っぐ……ああっ……」
…………
「いやあああぁあっ!やめてっ!!来ないで!!……いや、私…こういうのムリぃぃぃっっ!!!」
後方で飛び道具を撃ってれば安全と思ったら大間違いで、一番悲惨なのは亜照かもしれない。
人間の赤ん坊くらいのサイズの巨大な蜂の魔物に周囲を取り囲まれ、半狂乱になって矢を撃つが…
そんな状態で、ましてや素人が撃った所で、ろくに当たるはずもない。
たちまち矢は尽き、亜照の背中と腰に蜂が取りついた。
細いが強靭な脚は、鋭いカギヅメを亜照の華奢な体にがっちりと喰い込ませて…
「うっ…嘘でしょ…そんな太いの刺されたら、死んじゃう…ていうか、そこ…そこだけは…だめえええぇぇっっ!!」
巨大な蟲は拒絶も哀願も聞き入れず。子供の腕ほど太くて長い巨大針を、股間と背中にずぶりと突き入れた。
絶叫する亜照に他の蜂たちも一斉に群がり、全身至る所に針を突き刺していく……!
「いやああああああっ!!!!!」
…………
「あっ……ぎ、あああ……」「げほっ……が、ああ…」「……っ……………」
(うわー。この子、大丈夫かね?胸を真っ二つに引き裂かれて、心臓が喰われちゃってるし)
(こっちの巨乳の子は、手足が変な方向に曲がってるよ…うわー。全身の骨がコナゴナ)
(今年は小学生の子もいたのか?…卵産みつけられ過ぎて、お腹パンパンに膨らんでるな)
(問題ない。術で蘇生できるし、傷も跡形なく治療できる…でも後で文句言われると困るから、記憶は改竄しておこっと)
…………
「…なんか、よくわかんない儀式だったね。他の神社でも、ああいう事やってるのかなー?」
「何もしないで立ってただけなのに、バイト代いっぱいくれたし…でも最後、よくわかんない事言ってたなー」
「『大物を何体か逃がしちゃったから、今度回収するの手伝って』って……またバイトしてくれって事かしら?」
うーん。正月はさすがに疲れたけど、今日みたいに楽なのならまたやってもいいかな……?
「よかったらこの後打ち上げしません?」「あ!あと、連絡先教えてー」「それな」「とりま」
そんなこんなで1月2周目の連休は過ぎていった。
仲良くなったとはいえ3人とも学校も年齢もバラバラだし、新学期が始まれば、もうそれほど会う事はないだろう
………たぶん。
巫女リョナいいね
もっと長い尺でじっくり見たいわ
ノエルの人です
またしてもUNIでSSを書きました。
今回はエルトナムさんです。
またしても長い! のでうpろだで投下します。
暇なときにでも読んでいただけると嬉しいです
参考画像
http://www.fightersgeneration.com/characters5/eltnum.html
本編
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1120099.txt.html
pass:いつもの
ではでは
パスがわからない
>>574
pass:ryona
にてOKです
>>573
今回はソフトめでしたね
ノエルの人のssは読んでる途中から謎の高揚感を味わえるのが不思議です、そこが好きです
このあとどうなってしまうんだろう、みたいな
どんな無惨な殺され方をしてしまうのかに期待していた自分もいましたが…(こら
まさか涙の描写でこんなにも股間が熱くなるとは思いませんでした…
新作、ごちそうさまでした!
>>573
ノエルの人乙です
とても楽しませていただきました
知らなかったキャラですが読んでいるうちにエルトナムさんの魅力に心奪われました!
戦闘経験豊富な女の子が単純な男の力技で屈服させられるところとか特にツボです
毎回自分にはとても思いつかない表現の文章には感動させられますね
次回作も首を長くしてお待ちしております
筑紫の人です
最近スランプ気味で思うように書けなかったのですが、短編のロンパssが完成したので投下します
>>573
ノエルの人の新作待っていました!
強い女の子が品性下劣な相手にいいようにやられるの最高です!ボコボコにしながらのレイプシーンは特に興奮しました
ノエルの人の表現力の凄さが羨ましいです・・・
無音の暗い部屋を光の弱い蛍光灯が照らす。すると部屋にいる二人の人影が照らし出された。
一人は地味で冴えない雰囲気のどこにでもいるような目立たない少年。もう一人は少年と同年代の少女だが、無個性な少年とは対称的な美少女だった。
彼女は薄紫のロングヘアーで左側をリボンで三編みに結んでいた。髪と同色の紫色の瞳は彼女の意志の強さを表すように吊り気味だ。
両手には黒い手袋を身に付けていた。短めのスカートからはロングブーツに包まれた美脚がすらりと伸びている。
人並み以上の容貌のクールでミステリアスな雰囲気の美少女それが彼女の印象だった。
「やあ、お目覚めの気分はどうだい?」
「……最悪だわ」
少女は不機嫌な表情で吐き捨てるように言う。椅子に座っている彼女の両手首と足首、腹部は錠前のついた鎖できつく拘束されていて、立ち上がることすらできない状態だった。
少女は拘束を外そうと身体を動かすが、強固な拘束はいくら身体を動かしても外せない。
「こんなことをして何のつもり?」
ろくに身動きの取れない絶望的な状況にも関わらず、少女は毅然と言う。
力強い少女の発言に、彼女を拘束し生殺与奪を握っているはずの少年の方がまるで追い詰められているようだった。
「……こういう状況になったら普通の女の子なら泣き叫んでもおかしくないのに僕のことを真っ先に探ろうとするなんて凄いねぇ。さすがは超高校級の探偵ーー霧切響子だ。探偵ってのは皆こんなに図太いのかい?」
霧切はおどける少年を無言で睨む。少年は大袈裟に肩を竦める。
「その見透かすような澄んだ瞳、可愛いのに怖いなぁ。油断したらすぐに出し抜かれそうだ」
「質問に答えて欲しいのだけど、私を縛りつけてあなたは何がしたいのかしら?」
「……回りくどい駆け引きを抜きにして言うよ。余計なことをすると足を掬われそうだしね。霧切響子、君は僕のものになれ。僕は君に惚れたんだ」
「嫌よ。素性が知れない上に、人を平気で縛りつけるような人間なんか信用できないわ」
「即答か。なあ、あまり僕を怒らせない方がいいんじゃないか。僕がその気になれば今の君なんか簡単に殺せるんだぞ?」
「分かりやすいハッタリね。本当にその気ならいちいち念を押す前に行動しているわ」
「本当にやりにくいな君は。この程度じゃあ脅しにすらならないか。さすがは僕の惚れた相手だ」少年は不敵に笑う。「これからの愛を育むために少しだけ君に僕のことを教えてあげるよ。僕は君のことをよく知ってるけど、君は僕のことなんか知らないだろうからね。僕はねいわゆるストーカーなんだ。そう、超高校級のストーカーだ。……超高校級ってのは自称だけどね」
男が壁のスイッチを押すと、蛍光灯の光が強くなり、暗い部屋の様子が鮮明になる。壁や天上には複数の写真が貼り付けられていた。
被写体の年齢は様々だが、共通しているのは全て女性であることだ。おぞましい部屋に霧切の無表情が僅かに変わる。
「随分と悪趣味な部屋ね」
少年は霧切の苦言を無視し、「並の人間が相手ならば、僕のスニーキング技術ならば三日あれば個人情報はおろか、友人関係から生活スケジュールまで詳細に割り出せる。
しかし、君はそうはいかなかった。有名人なのに凄くガードが固かったんだ。長い間、準備してようやっと僅かな隙を見つけて僕は強硬手段に出たわけさ」
超高校級の探偵である霧切が今まで尾行に気付けなかった辺り、少年のスキルは本物なのだろう。
(かなり厄介な相手に目をつけられたわね……)
霧切は最悪の状況を切り抜ける方法を冷静に考える。どんな絶望に屈しない精神力それが彼女の強さだ。
「君を僕のものにするために僕は色々な方法を考えたんだ」
「……馴れ馴れしく触らないで」
霧切の頬や髪を少年は無遠慮に触った。あまりの不快さに彼女は声を上げる。少年は何の前触れなく彼女の頬に平手打ちする。
「つっ……」
叩かれた頬は痛むが彼女は弱味を見せないため、彼女は声を押し殺して痛みに耐える。
「こういう暴力による方法も考えたけど、力任せでは君の強い心を挫くのは難しそうだ。それに僕はただのストーカーであって、暴力は苦手なんだ。可愛い君を殴るのは心が痛む。だから、この方法はダメだ」
「……あなた狂っているわ」
「君の魔性が僕を狂わせたんだ。言い訳させてもらうと、普段の僕はストーカー行為が限界でこんな誘拐なんてしない。悪いのは可愛いらしい君だ」
(……残念だけど、彼とはまともな話し合いは期待できそうにないわね)
「僕は君のことを君並みに知っている。だから、君がやられたら嫌がることも知っているんだ」
少年は霧切の手袋に手を伸ばし、剥ぎ取ろうとする。
「あなた、何してっ……!」
今まで冷静沈着だった霧切が少年の行動にらしくなく取り乱す。しかし、拘束されている彼女は何もできず、呆気なく両手の手袋は剥ぎ取られた。
「女の子なのに汚くて醜い手だねぇ」
「……これで満足した?」冷静に返答する霧切だが、心なしか彼女の声は震えていた。
「とっても満足したよ。こんな君の姿を見れたのは世界でも僕くらいだろうからね」
男は部屋に置いてあるデジカメを拾うと、霧切を撮影する。シャッターがあらゆる視点から少女の傷を抉るが、固定された手を彼女は隠すことはできない。
「撮影した写真はSNSにでも拡散してやろうかな。君の醜聞に心ない連中は騒ぎ立てるだろうねぇ。有名人な君の立場的に、そうなりたくないよね?」
「あなた……そんなに人の傷を抉って楽しいの!」
霧切は感情を剥き出しにして叫ぶ。ポーカーフェイスのせいで誤解されがちだが、感情を抑える術を知っているだけで、彼女にも人並みの感情はある。
少年は少女の感情を垣間見て満足気な表情を浮かべた。
「ようやく君も心をさらけ出してくれたことだし、君の心を折るとっておきの手段をそろそろ使おうかな」
少年の物騒な台詞に霧切の表情が強ばる。警戒する彼女に少年は口を開く。
「安心しなよ。僕はもう何もしない」
「……何も?」
「そう。何もしない。ただ遠くで見守るだけさ。でも覚悟しなよ。これからやることは、今までの精神的な嫌がらせなんかより遥かに効くからね」
少年は三脚を組み立てると、先ほど使っていたカメラを上に乗せる。
「……僕はそろそろ部屋を出るけど、限界になったら僕を呼んでね。ふふ、君がこれからどこまで耐えられるか見物だよ」
少年はカメラを設置した後、部屋を出る。狭い部屋に再び静寂が訪れた。
(一体……どういうつもり……。彼は何を企んでいるの?)
霧切は少年のいなくなった間に、状況を打破するため彼の行動の意味を考える。
あれだけ自分に執着しながらもあっさりと放置した少年の不可解な行動ーー聡明な彼女はその真意を察した。その絶望的な悪意を察してしまった。
(まさか……彼は……)
彼のやろうとしていることは、何も与えず縛られた自分をひたすら放置することだ。それは下手な拷問などよりも非道で残酷な行いだった。
(こういう状況だからこそ冷静にならないと……)
焦燥を抑えて辺りを見回す彼女だが、趣味の悪い盗撮写真があるくらいで部屋には脱出に使えそうなものはない。
更に悪いことはそれだけではなかった。今までは異様な状況であまり意識していなかったが、この部屋は換気がしっかりと行き届いておらずジメジメと蒸し暑い上に埃っぽいのだ。
こんな場所にいつまでもいるのは想像することなど想像したくない。
(どうにかして脱出しないと……)
いかに心が強い彼女でも劣悪な環境でいつまでも飢えや渇きに耐えられるとは限らない。この状況が続けば、少年のいえようにいつかは限界を迎えるだろう。
表情にこそ出していないが、絶望的な未来に彼女は恐怖の感情を抱いていた。心が折れてしまう前に全て解決しなければならない――。
二日目の朝。目が覚めた霧切は部屋に立てかけられていた置き時計を確認して溜め息を吐く。結局、何もできず事態が好転しないまま一日が過ぎてしまった。
結果だけで言えば、自分の行動はただの空回りに終わったのだ。
そんな自分をどこかで見ていてあの少年がほくそ笑んでいると思うと彼女は無性に腹が立ったが、無駄な体力を消耗しないために怒りを抑える。
(こんなことで体力を使っては彼の思うつぼよ……)
霧切は諦めず拘束を外そうとしたり、脱出の糸口を探そうとしていたが、時間が無駄に経過しただけで、状況を打破するためのきっかけは作れなかった。
手詰まりといってもいい状況だった。変化のない現状に加え、飲まず食わずのせいで今までの疲れが現れてきたのか、彼女にぼんやりとした時間が増え始めた。
事態がゆっくりと悪化している自覚が彼女にはあったが、手足の使えない彼女にはどうすることもできなかった。こうして、二日目も無為に時間だけが過ぎた。
三日目の朝。目を覚ますと火傷した両手が視界に入り、トラウマを思い出し彼女は憂鬱な気分になる。
二日も絶食が続いたことで、まだ耐えられるレベルではあるが空腹感も沸いてきた。だが、そんなことなど些末なことで彼女はある別の危機を迎えていた。
今まではなんともなかったが、彼女はとうとうトイレに行きたくなったのだ。年頃の少女にとっては切迫した状況だった。
「このっ……!」
焦燥気味に彼女は暴れるが、鎖が擦れる音だけが空しく響くだけで、鎖は外れない。その間にも膀胱は不快にざわついていた。いつ我慢の限界を迎えてもおかしくない状況だ。
(そんな……このままだと……!)
最悪の瞬間を想像してしまい彼女の頬からは汗が流れる。
「ねぇ、どこかで私のことを見ているでしょ……逃げたりしないから……鎖を外して……トイレに行きたいの……」
進退窮まった霧切は涙声でどこかで見ているだろう少年に懇願する。自分をこんな目に遭わせた元凶に対して懇願するなど屈辱的だが、監視されている状況下で漏らしてしまうよりはマシだ。
少女が必死に頼み込んでいるというのに、少年からは何のアクションもない。全くの無反応だった。
「お願い……お願いだから……」
嗚咽の声を漏らす彼女の紫色の瞳からぽろぽろと涙が流れる。普段の彼女を知る者には想像できないらしくない姿だった。
「そんな……い、いやっ……!」
そして、とうとう彼女の恐れていた瞬間が訪れた。股間が温まる感覚の後、尿が美脚を伝い足元に汚い水溜まりを作った。
「ひっく……う……うぅっ……」
粗相をしてしまった精神的苦痛に、彼女は情けなく泣きじゃくる。いい年して小便を漏らすなどあまりの屈辱と恥ずかしさで今すぐ死んでしまいたかった。
少年の思惑通り彼女の心は壊れる寸前であった。
「……」
飲まず食わずの飢餓地獄から五日目――霧切の空腹と渇きは既に限界を超えていた。もはや顔を上げることすら辛いのか、彼女の頭は垂れ下がっていた。
数日ぶりにドアを開ける音が聞こえ、彼女の下がっていた頭が上がる。現れた人物は自分をこんな目に遭わせている憎きあの少年だった。
「やあ、五日ぶりだねぇ。随分と酷い姿になったじゃないか。それに凄い悪臭だ」
汗でべったりと張り付いた髪や服、尿が染み付いたスカートやブーツ。風呂に入ることができなかったため、少年の言うように今の彼女は酷い臭いだった。
女の子がなってはならない最悪の状態だが、衰弱しきった彼女にはそんなことを気にする余裕などなかった。
「どうだい? そろそろ僕の所有物になる気になったかい? そうすればこの地獄から君を解放してやるよ」
霧切は鈍い動作だが首を横に振る。彼の提案を受け入れてしまえば、自分はこれからまともな人生を送れなくなるだろう。
一時的に地獄から解放されても待っているのは更なる地獄だ。僅かに残る理性と意地が彼女を踏みとどまらせた。
「……意地を張るのにも限界があると思うけど?」
今まで飄々としていた少年が豹変して苛立ちを露にする。彼女にここまで粘られることを想定していなかったのだろう。
「この手は使いたくなかったけど仕方ない。今から死ぬ寸前まで君を痛めつけてやるよ」
「あ……ぐぅっ……」
椅子を蹴り倒されたことで身体を打ちつけて霧切は濁声を上げる。
「自分の立場を思い知ったか? 始めから君に拒否権なんかないんだよ」
「あ……ぁっ……」
少年は次に彼女の小さな鼻を容赦なく蹴りつけた。少年の一撃で少年の鼻からは鼻血が流れ、彼女の顔を赤く染める。
相手は既に衰弱しきっているというのに、少年は狂気の笑みをたたえて何かに取り憑かれたかのように彼女に何度も暴行を加えていく。
鈍い音が響くと共に、少女の涙や血が床に点々と飛び散る。
「げふっ……ごほっ……」
「痛いだろう怖いだろう。僕としては、そろそろ君からいい返事を聞きたいんだけどなぁ?」
少年は彼女を縛る拘束を外す。彼の行動の理由は、今の彼女に逃げる気力がないことを確信したのと、己の優位さを誇示するためだろう。
「いっ……がぁっ……」
少年は這いつくばる彼女の長い髪を引っ張り無理矢理顔を上げさせると、彼女の顔面を固い床に思いきり叩きつける。何度目かの攻撃で彼女の額が割れ、鮮血が彼女の顔を汚す。
「が、かはぁっ……がほっ……」
少年は霧切の細い首を力一杯絞める。彼女の口からは涎が零れ落ちて首筋を汚す。元々弱っていた身体に首絞めなど耐えられるはずがなかった。
「ぐ……あ、ぁ……」
もう限界だった。これ以上は耐えられない。死んでしまう。彼女は降参の意思を示すため力なく少年の手を叩く。少年は彼女の行動の意味を察したのか、首絞めを中断する。
「げ、げほっげほっ……。も、もう……やめて……酷いこと……しないで……」
度重なる責めに耐えかねて、霧切は涙を流しながら少年に許しを乞う。今まで必死に耐えてはきたが、事実上の敗北宣言だった。
「ようやく折れてくれたか。その言葉をずっと待っていたよ。ふふふ、これで君の身体も心も命さえも僕のものだ」
少年は霧切を屈伏させた喜びにひとしきり酔いしれると、彼女の首に鎖の付いた首輪をつける。首輪を付けられた彼女は、乱れた髪や衣服も相まってまるで奴隷のような姿であった。
少年は楽しそうに鎖を引っ張って彼女を引きずる。怯えきった目で少年を見つめる彼女にはかつての強さはなかった。
(だれか……助け……)
世間では名探偵である彼女が行方不明になったことが騒がれ始めるが、しばらくするとその話題は別の新しい話題にかき消されてしまった。
こうして少女は人々から忘れ去られてしまった……。
以上になります
精神的な責めに寄ってしまったので今回はいつもよりリョナ分が薄くなってしまいました。物足りなかったらすみません・・・
今までオリキャラのssばかり書いていたので二次創作は慣れてなく難しいですね・・・
筑紫の話も久々に書きたいのですが、ネタが中々思いつかないです・・・
ノエルの人です
>>576 >>577 と筑紫の人さん、感想ありがとうございます。
次作はまたいつになるか分かりませんが、個人的に苦手としていた非戦闘員キャラで書こうかと思います。
戦闘できない女の子をリョナるので、直接的な暴力に拠らない方法をとることになると思います……ので、今までになかった形のリョナSSが仕上がるかもしれません(仕上がらないかもしれません)
ずっとお待たせしている翡翠ちゃんのSSも早く完成させたいんですけどね……
気長にお待ちいただければと思います
またゆっくりのんびり書いていこうかと思いますー。
戦うヒロインがいて敵にやられて陵辱され..みたいなのは
イメージしやすくてよく考えるかもしれない
だけど田舎から上京してきたJDが合コンに出て、女を酔わせて
レイプすることしか考えてない連中に目を付けられ、
結託した男たちにゲームで負け続け、罰ゲームで
酒を飲まされ続けて酔いつぶれ..みたいなSSはイメージが
湧きにくい?
NEW GAMEのキャラクターとか可愛いしキャラが立ってるからリョナりやすそう
ひふみちゃんが命乞いするところとか見てみたい
霧切さんの精神リョナGJっす!
シンプルだけど敵の前で耐えきれなくなって…ていうのはなかなか心に来ますね
霧切さん視点で妄想するとすごい股間が反応しました(笑)
ノエルの人です
そうこうしているうちに短編が一つ仕上がったので投下します。
『アカメが斬る!』よりアカメです。
個人的な好みにより『零』の方の帝国軍アカメです。(黒い方の生脚も捨て難いが…)
http://akamegakill.up.n.seesaa.net/akamegakill/image/akame2_1.jpg?d=a1
お相手は、これも個人的に好きなキャラですが
カプコン『ヴァンパイア』よりビシャモンです
http://www.fightersgeneration.com/characters/bishamon-side-nice1.jpg
内容は『アカメを斬る!』です。
グロいですが、いろいろとそれっぽい(余計な)表現入れてます。
厨二感満載でなんか恥ずかしいのでこれもうpろだで投下しておきます
本編
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1128468.txt.html
pass:ryona
ではでは
筑紫の人です
久しぶりに筑紫の話が完成したのでこっそりと投稿します
「みんな、おはよう!」
教室のドアが開くと栗色のサイドテールが似合う小柄な美少女がやってきた。可愛らしい笑顔を浮かべる彼女の名前は高峰筑紫といい、空手部のエースでありこのクラスのクラス委員長でもある。
明るく無邪気な彼女は愛くるしい容姿も相まってクラスの人気者だ。筑紫は教室に入ると同時に、教室の雰囲気が暗いことに気付く。
その原因は女子の集まりの中心にいる泣いている女生徒だと筑紫は察した。
「……どうしたの?」
「あ、筑紫ちゃん。この子、女癖の悪い他校の男に引っかかっちゃって……。最近、噂になってるでしょ」
「……噂だけなら聞いたことあるけど」
その男子生徒の噂だけならば筑紫も聞いたことがあった。何股もかけたあげく自分が飽きると付き合っていた女をあっさりと捨てる女の敵と言っても過言ではない男だ。
その男の存在自体を筑紫は知っていたが、身近な人間が被害に遭うとは思ってもいなかった。
「だからさぁ、あいつだけは止めた方がいいって言ったじゃん」
「ぐす……うぅっ……だって……」
「辛いと思うけど……私に詳しい話聞かせてくれる?」
筑紫は未だに泣きじゃくる女生徒に優しく諭すように言う。心の優しい彼女にはクラスメイトが弄ばれることなど我慢できなくて許せなかった。
表情にこそ出していないが、彼女は怒りを抱いていた。筑紫に宥められて落ち着き始めた少女は、ゆっくりと男について語っていく。
男の名前は獅童明彦。高校二年生。粗野で乱暴な性格の男で若くして多くの悪事を働いていて、つるんでいる人間もいわゆる不良が多い。
今まで彼が何もされず野放しにされていたのは、手口が巧妙なことに加え、親が有権者なため大半の人間は泣き寝入りで終わるためである。
街で有名な廃工場の不良達や警察も彼には手を出さないでいて、彼はある意味でこの街の支配者であった。
クラスメイトの話を聞いて正義感の強い少女は怒りに燃えていた。
昼、白楼高校食堂――筑紫は小学生時代からの親友である牧瀬雫と昼食を食べていた。
「ねぇ、つーちゃん」
「なに?」
「今回の事件、関わるつもりでしょ?」
「うん。人の愛情を弄ぶなんて……そんなの許せないよ」
「でも、半分は自業自得だと思うよ。相手があの獅童明彦だと知っていて付き合っていたあの子にも落ち度はある」雫は淡々と言う。「……友人として忠告するけどさ、危ないことに無闇に首突っ込むのは止めなよ。つーちゃんは強いっていっても女の子なんだしさ」
雫はコーヒーと砂糖をストローで撹拌しながら言う。
「他人のために戦える優しくて強いつーちゃんを私は凄いと思っているし尊敬もしてる。実際、私も助けられたしね。でも、それとこれは話が別だ」雫は筑紫を睨む。「見ていてつーちゃんの優しさは危ういんだよ。私はもうつーちゃんがあの時みたいな危険な目に遭って欲しくない」
以前、筑紫が不良集団といざこざを起こしたことを雫は思い出す。筑紫は持ち前の強さで辛くも不良達に勝利したが、あの時の筑紫は見ていて目を背けたくなるくらい痛々しい姿だった。
なのに筑紫はまた危険な相手に自ら関わろうとしている。あの時は何とか勝てたが、今度もそうなるとは限らない。最悪の結果になる可能性だってある。
「雫ちゃんの気持ちは嬉しいけど……。私、このまま放っておくのはやだよ」
見た目に反して頑固なところが筑紫にあることを長い付き合いで雫は知っていた。こうなった時の筑紫の決心は固い。
「……はぁ。分かった。もう好きにして。この分からず屋」雫は溜め息を吐く。「その代わり、絶対、無事に帰ってくること」
「雫ちゃんって昔から優しいよね」
「なにせ、つーちゃんが弱虫で雫ちゃん、雫ちゃんって泣きついてきた頃から知っているからね」
「雫ちゃん、その話はやめようか……」
昼食を食べながら二人は昔の話にしばらく花を咲かせた。
「おい、獅童。何か外にいる女が呼んでるぞ」
「また別の女つくったのかよ?」
二人の男子生徒と談笑している中肉中背の金髪の男――獅童明彦は机に乗せていた足をどけて立ち上がる。
目つきは悪いが端整な顔つきの彼は、内面は無視して見た目だけならば男らしい所謂イケメンであった。
「知らねー。……今日、女との約束あったけか。やれやれ、めんどくせぇな」
愚痴を吐きながら獅童は溜まり場にしているクラブから出る。
「性格クズなのに家がボンボンなのと無駄にイケメンなせいで、アイツやたらモテるんだよなぁ」
「はぁ……俺も彼女欲しい……捨てるくらいなら俺らにも分けて欲しいよな」
獅童を見守る取り巻き達は、彼との格差に負け犬じみたセリフを吐く。
「獅童くんだよね。私は白楼高校二年の高峰筑紫って言うんだけど、ちょっと話があるの」
筑紫は悪漢に怯まず堂々とした様子で言う。
(ふーん。身体つきはガキくせぇが、結構、可愛いじゃんか。見た目は八十点くらいだな)
獅童は心の中で上から筑紫をランク付けする。
「……それで俺に何か用かな?」
普段の粗暴な雰囲気を隠し、彼は優しい声色で筑紫に話かける。彼の醜悪な本性を知らない女性ならば、彼の甘い雰囲気に騙されるだろうと筑紫は思った。
「単刀直入に言うけど、獅童くんには色々な女の子に手を出すことを止めて欲しいの。私のクラスメイトも被害に遭っているし……」
筑紫は穏やかな口調で彼を説得しようとするが、彼の心に少女の言葉は届かなかった。
「……はぁ? そんな下らないことを言うためにわざわざ俺を呼んだのか?」獅童は苛立ちを露にする。
「女の子を弄ぶようなことをしておいて、下らないことなんて言わないで」
「結構イケてるかと思ったけど……はぁっー……一気に白けたわ。早く家に帰れよ真面目ちゃん」
切れ長の三白眼で獅童は筑紫を睨む。目つきの悪さもあり中々の迫力だが、筑紫は引き下がらない。
女の尊厳を傷つけられたクラスメイトのことを思うと、正義感の強い彼女は諦めるつもりなどなかった。
「嫌だ。あなたには今までやったことを反省してもらうから」
「いい加減にしろよお前。そんなに俺を怒らせたいのか? もう一度言うぞ。さっさと帰れ」
獅童の怒りは爆発寸前だったが、筑紫はこの場から離れようとしない。
少し脅せば引き下がると獅童は考えていたが、彼女の意思は彼の想像以上に固かった。そんな彼女の行動に彼は嘲笑する。
「引く気がないなら仕方ないな。俺は無駄な時間が何よりも嫌いなんだ」獅童は醜悪な笑みを浮かべる。「最近はやってなかったが、久しぶりに女を力で従わせるのも悪くない。特に俺に逆らう生意気な女なら尚更だ。身の程をわきまえさせてやる」
拳を鳴らしながら獅童は筑紫に迫る。彼の様子を見て、筑紫は彼が話の通じる相手ではないと確信する。
「力で女の子を従わせようとするなんて最低だね」
筑紫は構えを取り臨戦体勢になる。獅童は筑紫に躊躇なく拳を振るうが、彼女は空手で鍛えた身体能力を活かし拳を見切り受け流す。
「今の動き……女の癖に中々やるじゃないか」
獅童は続けて拳を振るうが、再び受け流されバランスを崩す。倒れかかった獅童の頭部に死角から筑紫の回し蹴りが直撃する。濁った声を上げ、獅童は崩れ落ちる。
「これで少しは懲りた?」
「このっ……クソ女が……俺を誰だと思ってんだ……」
筑紫はダウンしている獅童の横面を蹴りつける。普段の心優しい彼女には考えられない過剰な攻撃だった。そんなことをするほど獅童に彼女は腹を立てていた。
「まだ懲りないの?」
「待った、参った! 降参だ! 降参する! だから、許してくれ!」
容赦ない筑紫の攻めに獅童は情けなく狼狽え、筑紫に何度も謝罪する。
「謝る相手は私じゃないでしょ。もう二度と女の子を弄ぶようなことをしないって約束して」
「分かった約束する……だから、もう止めてくれ」
「やっと反省したようだね。もし……また同じようなことをしたら許さないから」
獅童に釘を刺すと、筑紫は踵を返した。今まで玩具にしてきた女にいいようにされ、獅童は歯噛みする。
「あの女ぁ……このままじゃあ済まさねぇからな……」
筑紫がいなくなってから、獅童はポケットからスマートフォンを取り出す。
「おう……俺だ。久々にぶっ殺したい奴が現れやがった。ちっ、がめつい野郎だな……報酬ならいくらでもくれてやる。だから、徹底的にいためつけて半殺しにしろ」
獅童は電話相手からイエスの返事を貰うと、自分に蹴りをかました筑紫が無様に敗北する様を想像しにやにや笑う。
獅童との騒動から一週間後。彼の噂はめっきり聞かなくなり全てが丸く収まったかに思われたが、まだ事件は解決していなかった。
事件は唐突に再び訪れることとなった。そんなことなど露知らず、筑紫は空手部の練習場である校舎外れの武道館へ足早に向かう。
「な、何これ……」
「久しぶりだな。高峰筑紫」
スニーカーを脱いで館内に入ると、筑紫はあまりにも異様な光景に丸い目を見開く。中には獅童明彦と怪物じみた巨躯の色黒な大男がいた。
彼らの周囲には、ズタボロにされた空手部の部員が横たわっていた。
「おう、獅童。あんな小娘に負けたのか。お前といい廃工場の数だけの雑魚共といい、情けねぇな。不良の名が泣くぜ」
「うるせぇ。余計なこと言ってねぇでさっさとあの女を半殺しにしやがれ」
「みんな……こんな酷いこと……あなた達がやったの?」
「お前が来るの遅ぇから、この血の気が多いバカが勝手に道場破りを始めちまったんだよ」
「さっき紹介があったが俺が道場破りの武藤だぁ。筑紫ちゃんよぉ、獅童からおこぼれ貰ってる俺からするとあいつの邪魔されるのは困るんだわ」武藤は倒れている部員を蹴り飛ばしながら筑紫へ迫る。
「あなた達……許さないから……」
筑紫は低い声で言うと強く拳を握る。自分だけではなく、仲間を巻き込んだ二人に彼女は憤慨していた。
「お、やる気だな。いい表情じゃねえか」武藤は獣じみた笑みを浮かべる。「少しはこの俺を楽しませてくれよ?」
筑紫は一気に距離を詰めると、左右の突きを上下に使い分けて放つ。
常人ならば筑紫の素早い動きに反応すらできないが、相当喧嘩慣れしているのか武藤は巨体に似合わない反応で筑紫の突きを的確にガードする。
「効かねぇな。もっと本気でこいよ」
「やああっ!」
強烈な踏み込みの後、スカートを翻しながら筑紫は得意技のハイキックを放つ。武藤は辛くも反応しガードするが、立て直す暇を与えず、筑紫は蹴りと突きの連続攻撃を繰り出す。
筑紫の猛攻をさすがに防ぎきれなくなったのか、彼女の攻撃が武藤の身体に何発か直撃し始めた。攻撃に耐えきれず武藤がゆっくりと後退する。
「ちっ、このっ!」
苦し紛れに雑なパンチを放つ武藤だが、筑紫はバックステップでやり過ごす。攻撃の隙を突いて、筑紫は武藤の腹部に中段蹴りを食らわせる。
ダメージで動きが鈍った武藤に筑紫は蹴りで更に追撃するが、武藤は距離を取りギリギリで回避する。
「ここにいる雑魚共と違って少しはやるな。……ただし、女にしてはだ。さて、そろそろ、遊びは終わりにするか」
「あなた……今まで手を抜いていたの?」
「獅童の要望でな。単に痛めつけるだけじゃなく、心もへし折って欲しいって頼まれてよ」武藤は首を鳴らしながら言う。
武藤から今までとは違うただならぬ気配を感じ、筑紫は頭部を狙った一撃必殺のハイキックで一気に勝負を決めにいく。だが、筑紫の放った渾身の一撃は命中しなかった。
(なっ……えっ……)
蹴りの動作のため大きく開脚した股間――その急所に武藤の爪先が深々とめり込んでいた。恥骨を砕くような激痛の後、筑紫は遅れて相手の攻撃を認識する。
「ーーーーっ!!」
股間にカウンターの蹴りがクリーンヒットし、筑紫は崩れ落ちると声にならない声で悶絶する。
「すげぇ声で鳴いてたな。そんなに痛かったかぁ?」
「あぅ……う、うっ……」
涙と汗を流しながら、筑紫は股間を押さえて立ち上がる。攻撃が相当効いたのか、筑紫の姿勢は内股気味でぎこちない。
「強いといっても所詮は女だな。もう、へばっちまったか。俺が今からお遊びじゃない本物の蹴りを見せてやる」
「ぐ、がああぁっ!!」
武藤は体勢を整えようとする筑紫の顔面を蹴り飛ばす。彼の蹴りは筑紫の洗練されたフォームのそれとは違う身体能力にものを言わせた力任せのものだったが、それでも威力は段違いで筑紫を壁際まで蹴り飛ばした。
今まで空手で鍛えてきた筑紫からすれば、単なる力自慢にいいようにされるなどかなりの屈辱であり、今までの稽古が全て否定されたかのようなショックだった。
「早くかかってこいよ。まさか、もう終わりか?」
(痛い……何て重い攻撃なの……)
ぼやける視界の中、筑紫は何とか立ち上がり武藤を見据える。苦しげな表情の彼女の鼻や口角からは血が流れていた。
(こんな人達に……負けたくない……)
筑紫は気力を振り絞り全力で駆けると助走の勢いを乗せた飛び蹴りを放つ。しかし、その蹴りを武藤は読んでいたのかあっさり回避する。だが、筑紫はまだ諦めない。
着地と同時に筑紫は武藤に突きを打ち込む。決定打はまだ入っていないが、筑紫は手数で押そうとしていた。
「しゃらくせぇんだよ」
武藤は筑紫の攻撃を受けながらも強引に拳を振るう。
(来るっ……! 防がないと……!)
筑紫は咄嗟に両腕を交差させ、武藤の拳を防ごうとする。しかし、少女の細腕では剛拳の勢いは止まらない。
「がっはぁぁっ!?」
固い拳がガードをぶち抜いて少女の柔らかい腹部に突き刺さると、重い衝撃と同時に激痛が襲う。
武藤の拳は正確に筑紫の鳩尾を抉っており、筑紫は胃液を吐き出すがなおも吐き気を催していた。彼の暴力的なまでの一撃はとても少女の身体では耐えきれなかった。
「ぐぅええええっ……!!」
踞った筑紫は吐き気をこらえきれずに嘔吐してしまう。
「おいおい、神聖な道場をゲロで汚していいのか?」
「うぇ……はぁ、はぁっ……」
「やめっ……放し……」
武藤は怯んでいる筑紫の右腕を持ち上げると、剛力でねじ曲げ右肩の間接をあっさりと外した。体内で嫌な音が聞こえると同時に、今までとは違う種類の激痛が広がり始める。
「ああああぁぁっ……!!」
涙を流しながら筑紫が悲鳴を上げる。叫ぶ筑紫を見て獅童は少し溜飲を下げるが、まだ満足したわけではなかった。
「おい、もう片方もやれ」
「仕方ねぇな」
「い、いやっ……!」
再び間接を外されることに恐怖した筑紫は、武藤に肘打ちを食らわせると慌てて距離を取る。戦闘開始時と比べると、今の筑紫の表情はあまりにも弱々しかった。
「弱ぇ。相手にならねぇんだよ。女がいくら鍛えたところで所詮この程度だ。非力な女がどう足掻こうが男に勝てるわけねぇんだ」
女性を蔑視する武藤の発言に筑紫は何も言い返せなかった。皆のために戦おうと奮起していた筑紫だが、武藤との圧倒的な実力差にその心は既に折れかかっていたのだ。その証拠に彼女の小さな身体は恐怖で震えていた。
「来ねぇのか? おい、俺らを許さないんだろ?」
(怖い……怖いよ……)
目の前の相手は許せないが、筑紫は恐怖に足が竦んで動けなかった。鍛え上げてきた自分の技がまるで通用しない化け物じみた相手に彼女はすっかり恐れをなしていた。
攻めに行っても手痛い反撃を受ける悪いイメージしか浮かばない。
「来ねぇのなら俺からいくぞ」武藤はゆっくりと筑紫の元に迫る。
「くぅっ……」
苦し紛れに放った蹴りなど通用するわけなく、乾いた音と共に筑紫の蹴りはあっさりと武藤の右手に受け止められた。
「何だその腑抜けた蹴りは?」
ハイキックを防がれたことで筑紫の脚は上下に開脚し、彼女は薄ピンク色のショーツに包まれた股間を晒してしまう。
武藤はそんな筑紫の無防備な股間を空いている手で殴りつけた。
「ああぅぅっ!!」
「次はこういう攻めでいくぜ」
「きゃあああっ……!!」
ふらつく筑紫のサイドテールをひっつかむと、武藤はジャイアントスイングのような動きで筑紫をぶん投げる。勢いよく投げ飛ばされた筑紫は、倒れている部員を押し潰してしまう。
「ごほ……げ、げふっ……ごめん……なさい……」
自身のダメージも軽くないが、不可抗力とはいえ筑紫は下敷きにしてしまった部員の身を案じながら立ち上がる。
髪を掴んだ強引な投げのせいで筑紫のサイドテールは解けていた。
「仲間をクッションにするとは酷い女だなぁ」
「違うっ……! そんなつもりじゃ……!」
「そうかそうか。……早く俺らを倒さねぇとお仲間も大変なことになるかもなぁ。例えば、こういう風にな!」
武藤は女子生徒の一人に目をつけると荒々しく蹴り飛ばす。
「何して、や、やめなさいっ……!」
「やめて欲しいならさっさと俺を倒せばいいだけだろうが。何でかかって来ねぇんだ? ビビってんのか?」
筑紫が攻めに行かない理由は今までのダメージもあるが、自分でも情けないくらい彼女の身体は恐怖で萎縮していたからだ。
(なんで……私は……こんなに弱いの……)
筑紫は自分の無力さに歯噛みする。かつての筑紫は身体が弱かったこともあり気弱ないじめられっ子だった。
空手を始めてから自分に自信がつき、兄や雫の影に隠れることしかできない弱い自分から生まれ変わった。だが、今の自分は仲間を傷つける暴漢相手にいじめられていた時のように何もできないでいる。
彼女はそのことがたまらなく悔しくて情けなかった。
「期待外れだな。女相手じゃあ喧嘩にすらならねぇ」
「なっ……」
武藤が一瞬で筑紫の元に迫る。あまりの動きの速さに筑紫は驚愕する。
これまでの攻防で機動力ならば筑紫の方が勝るように見えたが、武藤は今まで全力で動いていなかったのだ。その現実が折れていた筑紫の心を更に抉る。
「これでもくらいやがれ」
アッパー気味の拳が動揺している筑紫の鳩尾に直撃し、足が畳から離れるくらい彼女を突き上げた。
「うっおえええ……!」
筑紫は蒼白な表情で大量の吐瀉物を畳にぶちまける。
「汚ねぇな」
顔を顰めながら武藤は筑紫を乱暴に投げ捨てる。意識はあるが彼女にもはや立ち上がる気力はなかった。既に気力も体力も限界だが、少女を襲う絶望はまだ終わらない。
「おい。休んでるんじゃねえぞ」
武藤は倒れている筑紫の左腕を持つと、無情にも彼女の肩の間接を外した。
「がああああああっ!?」
少女のものとは思えない濁りきった悲鳴を筑紫は上げる。武藤は筑紫のサイドテールを掴んで、強引に彼女を立ち上がらせる。
「まだまだいくぜ」
「がふっ!? げぇ、ごほっ……! うぅぇっ……」
武藤は疲労困憊の筑紫のお腹に拳を連打する。少女のか細い悲鳴を楽しみながら、武藤は拳を叩き込む。
拳が叩き込まれる度に筑紫の吐き出す胃液の量が増していき、何度目かの攻撃で胃液に血が混じり始めた。
「うっ……あ、はぁ……」
度重なる殴打で筑紫は呼吸を繋ぎ意識を保つのが精一杯だった。彼女の身体からは玉のような汗が流れていた。
「女の相手も飽きてきたし、そろそろ終わりにするか」
「い、いやっ……」
武藤は両腕で筑紫の華奢な身体を抱き抱えると、武藤の身体が段々と反るように後ろに倒れていく。武藤がこれから放つ技はいわゆるバックドロップだ。
今までのダメージで受け身を取ることすらできず、筑紫の脳天が畳に急降下で叩きつけられた。頭部に重い一撃が入ったことで脳震盪を起こしたのか、仰向けに倒れている彼女はまるで死んでいるみたいにピクリとも動かない。
武藤は昏倒寸前の筑紫の首を高々と締め上げて追撃する。
「かぁっ……あ、がぁ……」
意識朦朧の筑紫は抵抗すらできず、呻き声を上げることしかできない。窒息寸前なのか筑紫の身体が短い痙攣を繰り返す。
「あが……ぅぅ……」
(いやっ……もう……やめて……)
筑紫はもう戦えないが、首を締め上げられているせいで、降参の言葉を口にすることすらできない。武藤は震える筑紫の反応を楽しみながら、首締めを続行する。
「あが、あぁぁっ……」
酸欠の影響で丸い瞳が上向きになると、赤チェックの可愛らしいスカートに染みが広がり大股気味に開いた美脚に尿が伝い、黒のハイソックスに染み込む。
首締めで意識を失った筑紫を武藤はようやく放すと、彼女は力なく崩れ落ちる。首締めから解放された後も筑紫の身体は惨めに痙攣を繰り返していた。
「よう。目覚めの気分はどうだクソ女」
「…………」
(あれ……ここは……)
度重なるダメージは脳にまで影響を及ぼしていたのか、筑紫は状況があまりに把握できずにいた。倒れている筑紫を見下ろす獅童は、彼女の下腹部を思いきり踏みつける。
「……!? ぐぅぇぇっ……!」
「いつまで呆けてやがる。今すぐ殺されてぇのか?」
獅童は筑紫の下腹部を踏みにじった。
「げぇ、げほっ……」
筑紫は咳き込みながら胃液混じりの涎を吐き出し、ワイシャツの胸元を汚してしまう。
「これから俺に逆らったことを死ぬほど後悔させてやるよ」
獅童の悪意の籠った目に筑紫は怖気立つ。恐怖のあまりに身体の震えが止まらなかった。
「あ、やめ……許して……」
泣きながら「許して」と筑紫は呟く。心が折れた彼女の脳裏には親友からの忠告が浮かんでいた。
仲間や自身をズタズタにされ敗北したことで、自分の弱さを嫌になるほど思い知らされた。震える唇で謝罪の言葉を何度も口にするが、悪辣な男は許してはくれない。
「おい。あの時の威勢の良さはどこいった?」
「ひぃっ……」
(誰か……助け……)
「先に言っておくがな、外に武藤を待機させたから、先公は来ねぇぞ」
筑紫は周囲を伺うが、彼女を助けてくれる人間などいなかった。更に悪いことに武道館は校舎から離れた位置にあるため、誰かが訪れる可能性は低い。
外部からの助けが期待できない以上、筑紫は自力でこの状況を切り抜けなければならないがその方法は浮かばなかった。
「そんな……」
出尽くしたと思っていた涙が溢れ出て止まらない。今の筑紫は明るく快活な委員長でも凛々しい空手少女でもない無力で弱々しい小娘だった。
自分に屈辱を与えた女の怯えきった様子に獅童は満足気な笑みを浮かべる。
「ただヤるだけだとつまらねぇ。それに俺の気が収まらねぇ」獅童は思案する。「……そうだ。前から試したいヤり方があったぜ」
獅童はズボンを脱いでから、筑紫のスカートをショーツごとずり下ろすと彼女に馬乗りになる。彼がこれからやろうとすることを筑紫は察した。
「や、やめてっ……! お願いだから……! それだけは……!」
「……そんなに嫌がるなら止めてやるよ。ただし、ここにいるお仲間はどうなるか分からねぇけどな」
引き下がると見せかけて獅童は筑紫に最悪の二択を突きつける。自分の身か日々を共にしてきた仲間か――選べるわけなどなかった。筑紫が答えに窮していると、獅童が動き出した。
「残念。時間切れだな」
「ああぁぁっ……痛いっ! 痛いぃっ……!」
何の前触れもなく、獅童は流れ作業でもするように筑紫の処女をあっさりと奪う。
大切な処女を無理矢理奪い少女の身体と心に消えない傷を刻みつけた獅童だが、彼の性行為はここからが本番であった。彼は性交を続けながら筑紫の首を締め始めたのだ。
「初めてやってみたが、いつもと違う反応が楽しめて首締めながらってのも悪くねぇな」
「かっ、はぁぁっ……」
再びの首締めに目を見開き筑紫は身体を揺らし足をジタバタさせる。筑紫の細やかな抵抗すら楽しみながら、獅童は首締めの力を強める。
「締めつければ締めつけるほど締まりがよくなるな。そんなに俺に犯されるのが嬉しいか?」
「いっ……うぅう!」
命の危険を感じたのか筑紫の抵抗が段々激しくなる。髪を揺らす筑紫の顔は酸欠で真っ赤になっていた。筑紫は力の限り獅童に抵抗するが全く歯が立たない。
むしろ、彼女のささやかな抵抗は彼の興奮材料になっていた。
「ぎぃぃっ、う、げぇぇっ……」
濁声を上げながら、筑紫はすがりつくような目で獅童を見つめる。今の彼女には獅童の慈悲に期待することしかできなかった。しかし、彼に人並みの良心などあるわけがない。
「えげっっ……ぁぁっ……」
首締めの影響で脳に酸素が行き渡らず、筑紫の意識が混濁し始める。その瞬間、獅童は首締めを外した。呼吸を整え筑紫の意識が回復しかけると、獅童は再び首締めを始めた。
「かぁぁっ……や、やめっ……」
獅童は筑紫を締め殺さないようにわざと手加減しているが、それが彼女にとっては生き地獄であった。
彼女は先ほどから何度も意識を失いかけては僅かに回復するというループを繰り返していた。
「いぎぃ、あ、ぁぁ……」
回復よりダメージの方が大きく、筑紫の反応は最初に比べると明らかに鈍くなっていた。このまま続ければ、最悪の結果になるのは火を見るより明らかだ。
「おお。また締まりが良くなってきたぜ」
「かはぁっ……う、ぁぁ……」
絶頂寸前なのか獅童の行為の激しさが増していく。彼とは対照的に筑紫の動きは段々と弱くなっていた。
「……悪いな。中に出しちまった」
乱暴なピストンが止むと、獅童の射精が終了する。少女の膣口からは中に入りきらなかった白濁液が溢れ出していた。
一方的な行為を終えた獅童は精液塗れの肉棒を引き抜くが、彼は首締めをまだ止めない。
「うぇ……あぁぁっ……」
「笑える表情だな。まだ楽しめそうだ」
「くる……しぃ……げぇぇ、や、やめ……」
獅童は今までと違い途中で力を抜くようなことをせず、全力で筑紫の首を締める。
あまりの息苦しさにのたうつ筑紫だが、首絞めから逃れることはできない。
「ゔあぁ……ぁ……」
筑紫の円らな瞳が裏返ると、口からは泡のような涎が溢れていた。傷だらけの身体は激しく痙攣し、彼女は二度目の失禁をしてしまう。痙攣しながら尿を垂れ流す筑紫を獅童は嘲笑う。
獅童が笑う間も筑紫の無様な痙攣は止まなかった。強い美少女には似合わないこの上なく無様な姿だった。
「いいザマだな。ようやくスッキリしたぜ」
自分に逆らった少女を完全に屈服させたことで満足したのか、獅童は道場を荒らすだけ荒らすと去って行った。
後日、筑紫は一命を取り留めるが彼女の後遺症は深刻だった。犯されたことによる精神的外傷に加えて、過剰な首締めは彼女の脳にまで致命的なダメージを与えていた。
病室で寝たきりの彼女は両親や親友の呼びかけに答えることすらできなかった……。
以上になります。
次回は書こうとして途中で放置していたアリオーシュの話か新しいオリキャラの話になるかもしれないです
乙です!
気の強かった筑紫がもとの気弱な少女に戻るのがたまらない
おっつくしつSSきてんじゃん
お前ほんとかわいいなぁ…
リョナり方比喩スレ見てて思いついたけど、
格闘漫画その他に登場する技を女の子に食らわせてみるっていうのを考えてるんですが、
技のチョイスが今の所微妙な知名度になりそうなんですがそれでも需要ありますかね?
筑紫の人です
>>597
今回は筑紫の強い面だけでなく弱い面を出してみましたが、気に入って頂けてよかったです
今にして思えば、いじめられっ子時代のトラウマをもっと抉るような展開にした方がよかったかもしれないですね・・・
>>598
お読み頂きありがとうございます!次作でも気に入って頂けるように可愛らしい筑紫を書いていきたいですね
>>599
潜在需要は多分いくらでもあるからどんどん投下すればいんじゃね
コメントつかなくても密かにシコってるやつはなんだかんだで居る
昔はもっとみんな軽いノリで投稿してたはず
匿名なんだしそんなに気張らなくていいと思う
というかどんどん投稿して!楽しみにしてるから!
アカメのやつ読みました!
厨二感がいい仕事してますね
リョナってやっぱり、落差がキモですね
毎度のことではありますが、カッコいいアカメちゃんも生首なアカメちゃんもどっちもすごくよかったです
やられシーンほぼないキャラのssはマジで重宝しますホントありがとうございます
ちなみに生脚アカメちゃんの方をリョナる予定とかは……無いですよねなんでもないです(超乞食級の感想)
新作、また楽しみに待ってます!
リクスレとか見てると、SSよりも絵の方がやっぱり人気なんかなぁって思ってしまう
まあ比べること自体ナンセンスな話だが
絵はクオリティが高ければ万人ウケするけど、SSは読者の好みがあるからね
でも俺は絵でもSSでも書いてくれるだけで貴重だと思ってる
渋とかでもイラストの方が評価つきやすいのかなって気は確かにする
官能小説読む人より動画見て抜く人の方が多いのと同じようなもんじゃね
読むのめんどいって人が多いのかな
残念なことだよ…絵1枚描くより時間かかるだろうに
ノエルの人ですよ
>>602
お読みいただきありがとうございます!
黒服の生足晒した姿で斬られたら、服の内側で出血して、腰から脚にかけて血が伝い落ちるんだろうか
新作ですが、色々試してみたいSSも書いてみたりしているのですが、UNIのリンネとナナセにそろそろ手を出してみようかな……と
オリエ・ユズリハ・バティスタ・エルトナムと書いてきたので、後この二人を書いたらUNI娘は(ほぼ)コンプリート! ですね。ヒルなんとかいうおばさん居るけど(´-`)
のんびりお待ちいただければと思います
>>605
絵は上達するのに年月がかかるから……。
アカメのやつ流れちゃいました?
見たかったなあ、残念(´・ω・`)
支部は明らかに探しにくいのが問題
自分から探しに行かない限り絶対に目につかない
>>608
|ω')つ ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1156256.txt.htm
>>608
間違えた…
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1156256.txt.html
passはryona
不躾な質問ですが、筑紫ちゃんの人ってonzouさんと同一人物じゃないですよね?
そういう質問する人見る度に思うんだけど、それ聞く必要ある?って思うのよ
仮に同じなら名前を明かさないならそういう理由あるんだろうし
渋だって別垢なんだから素直に別人だって思ってれば良いわけだし
っていうか、俺には同じと思った理由もよくわからんけども
>>613
はいはい
どーもすみませんでした
>>611
ありがとうございます
>>http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1156256.txt.html
611のコピペですね
何かありましたか?
間違えて貼っちゃいました、ごめんなさい(__)
新作こないかなぁ…
続編でも……
リレ小は結構賑わってるのにな
こっちはせっかく書いてもレスポンスが少なくてあれなのかも
向こうはリレー故に一から十まで書かなくてもいいのがとっつきやすいのかもしれん
現在2本同時並行で書いてる。
でもリョナSSを書くという事は、つまりリョナ妄想しているという訳で、
そっちの方に集中してしまう事もある訳で。
ダンまちのヘスティア様が触手と少しひどい目にあう
SSを書きましたので、よろしければ
ピクシブです
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7862754
「テニスボーイ」とか「テニスの王子様」あたりのテニスによるダメージ表現にインスパイアされたテニスリョナSSみたいなの書いてるんですけど需要ありますかね…
(元)お嬢様と元気っ娘のダブルスペアがテニスでボコボコ(物理)にされる内容なんですけど
過去にテニス題材のss投稿されたことあるしだいじょぶ
需要ありますかね?って質問には
概要だけ言われても内容が分からなきゃ判断しようがないから、聞くぐらいなら投稿してから判断して
としか言えないのだ
>>625
これは期待
概要だけで興味津々なんで是非投稿してください!
ありがとうございます…とりあえず投稿してみます
おそらく一週間以内には完成すると思います
これは楽しみ
リクスレの>>628 が素晴らしかったので勝手にSSにしてみました
辺境の村を取り囲む森にて。
今まさに村を襲わんとする盗賊団の前に、ひとつの影が飛び出す。
「なんだてめぇは!!」
「村の用心棒よ!ここらを荒らしてるっていう盗賊はあなた達ね!」
盗賊の一人が声を荒げると、影は意気揚々とそう答えた。
雲が晴れ、月光が影の姿を照らし出す。
後ろで結んだ茶色の髪に茶色の瞳を持つ、その声から受ける印象に違わぬ凛とした顔立ち。
その手に握られているのは、身の丈ほどの長さを持った長刀。
そして何よりも目を引くのは、女性らしさと戦士としての強さを両立した身体を惜しげもなく晒す、裸体に薄布を纏っただけと形容するに相応しい、露出過多な旅装束。
風が吹くと共に腰布がはためき、純白の下着が見え隠れする。
薄布一枚で包まれた胸が、動くたびに揺れる。
その姿は、盗賊たちに劣情を抱かせるには充分なものであった。
下劣な感情を覆い隠しもせず、盗賊の頭が言葉を投げかける。
「用心棒ねぇ…どんなのが出てくるかと思えば思えば小娘じゃねえか」
「甘く見てると怪我するわよ!子供扱いなんてさせないわ」
盗賊頭の挑発に女――ソン・ミナは若干むっとした様子で応える。
「命が惜しけりゃ逆らわねえことだなぁ。ここで引き下がるってんなら命だけは助けてやるぜ。…命だけはな」
盗賊頭はミナの全身を舐め回すように眺めながら提案する。周りの盗賊も皆、ミナに対し卑下た笑みを浮かべる。
「…最低ね。どっちにしろ引き下がれないわ」
ミナは長刀を構え、臨戦態勢に入る。
「やっちまえ野郎共ォ!」
応えるがごとく、盗賊たちがミナに飛び掛かる。
型などとは程遠い野蛮な動作。それをミナはいとも簡単に受け流す。
「みっとも…ないっ!」
そう叫びながら地面に倒れた盗賊たちに長刀を振り下ろし、纏めて意識を奪う。
「殺しはしないわ!反省することね!」
「舐めてんじゃねえ!!」
続けざまに数人の盗賊が襲い掛かる。今度は幾つかの集団に分かれている。
(攻撃の隙を狙うつもりね。でも…)
「甘いわよっ!!」
ミナは長刀の柄を地面に突き立て、それを軸にして回ることで勢いをつけ、その勢いのまま蹴りを放つ。
着地際に柄を地面から離し、着地した勢いのままに横薙ぎに振り払い第二波を吹き飛ばす。
その様を見て勢いを削がれた盗賊達に追い打ちをかけるがごとく、ミナは盗賊達に突っ込んでいく。
「避けて…ごらんっ!!」
そしてそのままの勢いで前へ跳躍し、空中で前転しながら長刀を振るい、着地と同時に何度も横へと打ち払う。
盗賊達が悲鳴を上げながら吹き飛んでいき、そして動かなくなる。
「もう少し修行したら?」
倒れた盗賊達に向かって、ミナは挑発的に言葉を投げかける。
「全くその通りだぜ。怠けてちゃあいけねえな」
「後はあなただけよ頭領さん。ここで退いて、そのうえでもう二度と悪さしないって誓うんなら、痛い目に逢わずに済むわよ?」
ミナは勝気な笑顔で、盗賊の頭に投降を提案する。
「バカ言っちゃいけねえ。ここまでやられて引き下がれるもんかい。テメエは死ぬだけじゃ済まさねえぜ?」
「そう、やるっていうのね。…抵抗すると痛いわよ」
ミナは再度長刀を構え、凄んで見せる。
だが男は余裕そうな態度を崩そうとはしない。
あれだけの戦いぶりを見せられてもなお、男は笑っている。その姿に、ミナは大きな不安を感じていた。
(どういうこと…?まだ何かあるっていうの?)
不安が膨れ上がり、攻めることが出来ない。なにかあるかもしれないという疑念が、ミナを躊躇わせる。
「ああそうそう、テメエさっき後は俺だけだっつったよな」
「え?」
次の瞬間、ミナの頭に鈍い衝撃が走った。
「え゛ァ゛…ッ!?」
ミナの口から、濁った悲鳴が漏れだす。
(いったい…なにが…っ…!)
「まだもう一人いるんだよなぁ、伏兵ってやつがよォ!」
視界がぐらつく。耳に入る音全てが嫌に響いて聞こえる。
遅れて、頭を強く殴られたのだとミナは理解した。
体勢を大きく崩したミナを、盗賊頭がナイフで斬りつける。
胡乱な思考をなんとかかき集めつつ、ミナはふらつきながら回避行動を取る。
だが、避けられない。ナイフがミナの腕を深々と斬り付ける。
「ぁああああああああああっ!!」
ミナの絶叫が辺りに響き渡る。
先程までの余裕の反動による動揺、そして腕を斬りつけられた痛みによって、長刀が音を立てて地面に落ちる。
「しまっ…!」
その隙を見逃さず、伏兵の男がミナの脚を斬り付ける。
「きゃあああっ!!」
続けざまに男はミナの顔を殴りつけた。
「えぶぁっ!!」
痛みの余りミナは仰け反る。身体が大きく傾くとともに、布で覆われた下乳が晒される。
「いい眺めじゃねえか。…おい、顔はほどほどにしとけよ!こんな上物の表情が歪むのを見られねえのはもったいねえからな!!殴るんならよぉ…こうだぜ!!」
体勢を大きく崩したミナの腹を、盗賊頭が強く殴りつける
「ぐええっ!!!」
濁った叫びとともに、ミナが崩れ落ちる。そうして呼吸が出来ない様子で地面をのたうち回る。
「ァ…はあ…っ…ぐ…ぁ…ぁあ…っ」
痛みに喘ぐ声と、激しく仰け反り震える肢体。そして痙攣に合わせて揺れる乳房が、盗賊頭たちの嗜虐心を煽る。
「ヒヒヒ、いい様じゃねえか!!!さっきの威勢はどうしたよォ!?」
盗賊の頭が、倒れたミナの腹を何度も何度も蹴りつける。
「がッ…!!はぐぅ…っ!あああッ!?げほっ…ぐ…ぶぇええっ…!!」
ミナの口から、吐瀉物と共に血が流れ出す。鼻からは、真っ赤な鼻血ではなく血混じりの液体が漏れ出ていた。受けた衝撃のあまり、髄液が鼻血に混じり出している。
間違いなく致命傷であった。
盗賊達からですら、はっきりとそう分かるほど凄惨な状態だった。
だが、そんなことは、彼らが暴力の手を緩める理由になどなりはしない。
「オラオラおねんねかい!?まだ寝るには早いよなぁ!!」
ミナの髪を掴み、盗賊がミナの身体を無理矢理起こす。そうして、もう一度腹を殴りつける。
「お゛…っ!」
朦朧とした意識が、痛みによって引き戻される。
「兄貴よぉ、こいつもうすぐ死ぬぜ?もういいだろ」
伏兵の男の声が聞こえてくる。
(…え)
その台詞に、ミナは安堵する。助かるかもしれないと、僅かな期待を抱く。
どちらにしろもう助からないのだということに、気付くことも無いままに。
(たす、かる、の?)
「ああ、そうだな。じゃあ最後のお楽しみと行くか」
その期待は、すぐに打ち砕かれた。
男二人が興奮した様子でミナに襲い掛かる
「うそ、やめて…っ!やめてぇ!!!」
自分が何をされるのか理解したミナは逃げようともがく。
だが、立ち上がるどころか動くことすらできない。
腕は使えず、足も動かない。片足と片腕で立とうにも、頭が痛くて立ち上がれない。
男が芋虫のように這うミナの身体を無理矢理起こし、羽交い絞めにする。
「じっとしてろよな…ひひひっ」
盗賊の頭がミナの下着に手をかけ、勢いよく剥ぎ取る。
そうして頭は、興奮によって膨張し切った男性器を、ミナの性器に捻じ込むように挿入する。
「ぁ゛……ぁァ゛ア゛…ッ!?」
ミナは目を見開き、濁り切った喘ぎ声を上げた
続けざまに、尻にもう一人の男の性器が捻じ込まれる。
「ひ…ぃああああああああっ!?」
言い知れぬ不快感と痛みに、ミナは絶叫する。
「男二人に犯されんのは初めてだろ?…いや、この調子だと男とヤったことすら初めてかい…ヒヒっ」
背後の男がミナの乳房に手を回し、布の下から手を突っ込んで揉みしだく。
「ハハハ、こいつァトンデモねえ上玉だぜ!ちともったいねえなぁ…なぁ兄貴!他の奴らにゃ遊ばせなくていいのかい?」
「不甲斐ねえ連中に遊ばせる玩具はねえよ。それに見ろよオイ」
「あん?」
「もう反応がねえ。まだ始まったばっかだってのによ。…まぁ、まだ息はあるようだがなぁ」
腰を打ちつけながら、頭はミナを指さした。
眼は見開かれたまま、男たちの動きに合わせてカクカク揺れるのみのその姿は、まるで人形のようであった。
「また殴ったらどうだ?」
「名案だなぁ…おらッ!起きろ!まだ遊びは終わりじゃねえぞ」
そう叫びながら、頭はもう一度ミナの腹を殴る。
「ァ゛あッ…!!」
「まだ元気そうじゃねえか!ハハハ」
そうして盗賊達は再度ミナを犯し始める。
意識が飛ぶたびにミナを殴りつけ、そしてまた犯す。その繰り返しであった。
「あ゛―…あ゛―…」
もはや、ミナの意識は度重なる暴力によって瓦解していた。
もはや悲鳴を上げることすら出来ない。
(おとうさま…ふぁん…どこ…たすけて…)
壊れた意識の中、退行したミナは師である父に、ミナにとっての憧れであるファンに助けを求める。
もう犯したところで反応がないと踏んだか、頭がミナの首に手をかける。
「ぁ…ぁ…がぁ…」
ミナの口から細い声が漏れだす。
首にかかる力が次第に強くなり、首の骨が軋み出す。
脳に酸素が行き渡らなくなり、壊れきった意識が溶けていく。
(おとう…さま…ごめん…なさ…)
もっともらしい理由を付けて家を飛び出したことへの言葉か、それとも道半ばで果てる無念ゆえか、あるいは未熟なまま死にゆくことへの謝罪か。
もはや何を謝っているのか自分でもわからない状態で、ミナは父に詫びる。
その末期の思考すら途切れ、そうして、跡形もなく溶けきっていく。
ごきん、という音が響き渡ると共に、ミナの意識は途切れた。
凄絶な表情で固まったまま、ミナの身体が完全に脱力する。
瞳孔が開き切った、見開いた左の瞳から涙が滲む。
半開きの右目からも同様に、涙がこぼれ落ちる。
口からはだらしなく舌が垂れ下がり、涎と血が滴り落ちている。
つい先ほどまであったお転婆娘の面影など、もはやどこにもありはしなかった。
盗賊達は息絶えたミナの身体を、なおも弄ぶ。
腰を打ちつけられ、胸を揉まれ、首を絞められ、好き勝手に遊ばれ、死後もその尊厳を凌辱され続けるその姿は、まるで玩具のようであった。
~GAME OVER~
以上です
イラストのミナの無残っぷりが素晴らしかったので勢いで書いてみました
元絵がエロありだったので偏らないようにしつつエロ要素入れてみました
あんな服着て戦ったらこうなるのも当然だと思うんです
>>634
投下乙です!
あの顔つきも衣装も言動も活発そうなじゃじゃ馬娘が
戦士としても女性としても尊厳を破壊されつくして凄惨な屍になるなんて……
リクスレの方の元絵と並べてみると、より最高です!
今書いてるテニスリョナSSなんですが、肝心のリョナ部分の描写が上手くいかないので少し遅れると思います
申し訳ありません…
がんば
応援する
急がなくていいのよ
みんな待つことには慣れてるから(笑)
楽しみにしてます
ようやく件のテニスリョナSSが完成したので、ろだに上げました。
やたらと長くなってしまったので、二編に分けてしまいました。
申し訳ありませんが、試合編だけでもたぶん20000文字はあります…
導入編
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1186787.txt.html
試合編
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1186788.txt.html
内容は、基本的にはテニプリの登場人物を女の子にしてかなりリョナリョナしく味付けした感じです。微百合です。
超人テニスなので、タカさんvs石田銀くらいのノリで読んで頂けるとありがたいです…
とりあえず2人の熱意が報われたということでいいのかな…?
続編があればぜひ読みたいです
>>640
感想ありがとうございます…
そうですね、ラストは二人の熱意に感化された敵が…というよくあるパターンです
皆さんお久しぶりです。以前ソーマの緋沙子のカニバものを書いたものです。覚えてる人いますかね。
今更ながら続きを書いたので投下していきたいと思います。
緋沙子が姿を消してから一週間が経った。ある夜、忽然として失踪した彼女が何処に消えたのか。警察による捜索も行われていたがまるで足取りは掴めていなかった。そこはやはりストーカーのプロが為せる技だったのだろう。
薙切えりなはすっかり憔悴していた。子どもの頃から側にいた緋沙子は、彼女にとって単なる従者ではなく、親友であり、血を分けた姉妹のような存在でもあったのだから無理もない。
(緋様子……何処に行ってしまったの?)
自室のベッドで眠れぬ夜を過ごすえりな。胸に抱いた枕をより強く引き寄せる。すると不思議なことにクシャクシャと紙のような感触がした。
(…?一体何かしら?)
気になったえりなが枕カバーを外すと宛名のない真っ白な封筒が出てきた。いつの間に入っていたのか?開かれた形跡はない。
(もしかして緋沙子が残したメッセージかも知れないわ!)
そう思い至ったえりなは急いで封筒を開封する。中には几帳面そうな字で書かれた便箋と、地図が入っていた。
えりなにはその文字に見覚えがあった。当然だ。数え切れないほど見てきたのだから。
「緋沙子!」
えりなは食い入るように便箋を読み込む。
えりな様。
現在私は学園内の某所で修行に励んでおります。えりな様と肩を並べるにふさわしい料理人になるためです。
勝手な理由で秘書としての業務をいきなり放り出してしまい申し訳ありません。大変ご迷惑をおかけしていると思います。しかしこれは私にとってやらなくてはならないことなのです。
つきましてはえりな様に私の修行の成果をお見せしたいと思います。
20日の放課後、地図の場所に迎えの者をやりますので、是非ともお一人でご足労願います。
私の振る舞いが非常識であることは百も承知ですが、何卒ご理解下さい。
便箋を読み終えたえりなの顔には怒りや困惑ではなく安堵の色が浮かんでいた。
(20日ということは明日の放課後ね……。全く緋沙子ったら心配かけて!迎えにいかないと!)
えりなは早々に待ち合わせに出向くことを決めていた。普通に考えたら怪しさ満点なのだが、どうやら喜びと安堵の余り冷静な判断力を欠いていたらしい。
翌日の放課後、待ち合わせ場所に薙切えりなは一人で現れた。
(ククク……計画通り……)
予想通り人気の無い場所に一人で現れたえりなを拉致するのは簡単だった。薬品を染み込ませたハンカチで眠らせ、大きめのボストンバックに詰め込んだらあとは秘密基地まで運ぶだけだ。
薬の効果で深く眠っているえりなをベッドに寝かせ、パンツを剥ぎ取る。15年間一度も男の目に晒されたことのない秘所が露わになった。
(じゃ……早速頂きますか。と、その前に)
男……、美作は少し考えこむとえりなの顔側に移動した。すうすうと寝息を立てるえりなの口をこじ開けると、自らのモノをズボンから取り出す。そして神の舌へとねじ込んだ。
「へへ……えりな様、俺のチンコの味はどうだ?ファーストキスだぜ?」
答える訳もないえりなに話しかける。えりながキスもしたことがないということは調べ上げていた。女王と祭り上げられていた彼女のファーストキスの相手は美作の男性器だった。
口での奉仕によりガチガチになったことを確認すると、今度こそ本番だ。
だが、美作はすぐには挿入しなかった。先に冷蔵庫に向かう。「彼女」に見せつけるためだ。
冷蔵庫から取り出した「彼女」を結合部がよく見えるようテーブルに置く。まだえりなは夢の中だ。
美作は股を開かせ、ロクに濡れていない秘所を一気に貫いた。
えりなの内部は相当キツかった。濡らしてなかったが、破瓜の血が潤滑油の働きをしてくれるので動けないことはなかった。ピストンが開始する。
「んん……」
意識はないはずだが、苦痛は相当なのだろう。えりなは顔を顰めて呻く。
だが、しばらく突いている内に血以外のものが溢れてきた。顔色も苦痛の色が薄れて行く。
「んっ…んっ」
呻き声も変わってきた。快感を覚えているらしい。
「このビッチが……。レイプされてんのに感じるのか?」
当然返事はない。次第に射精感がこみ上げてくる。
「ん…あっ、ゆきひらくん」
どうやら夢の中で幸平創真との逢瀬を楽しんでいるようだ。目が覚めたらどんな顔をするだろうか。
背徳感と快感を覚えつつ、美作はえりなの膣内で射精した。
「ふぅ……」
えりなの処女を奪った美作は、ようやく本来の目的へと移る。浣腸だ。これから屠殺するのに調理場で漏らされては困る。
えりなを洋式便器へと運び、座らせる。ちなみに個室などない。「彼女」からもよく見えるだろう。
浣腸器を準備し、アナルにチューブを挿れる。そして薬液を流し込む。
ブボバボバ!
凡そ美少女の排泄音には相応しくない音を発しながらえりなは便をひりだした。その後も何度か浣腸を繰り返し、腸内を完全に洗浄する。
えりなを椅子に縛りつけ、調理を開始する。食材を冷蔵庫から取り出した。えりな様に約束通り「緋沙子の料理」を食べさせるためだ。
準備が出来たのでえりな様を起こすことにする。起こすような薬品をハンカチに染み込ませ、嗅がせる。
「ん、んん…」
お目覚めのようだ。
「緋沙子!」
「どうもおはようございます。えりな様」
「あなた!美作君!緋沙子をどこにやったの!それにここはどこ!さっさと解きなさい!」
「威勢の良いことですねえ、えりな様。手紙はご覧になったでしょう?今日は新戸の料理を食べて貰うためにここにお連れしたんですよ」
そう聞かせると、お嬢様は少し落ち着いたようだ。
「緋沙子を出しなさい」
「新戸はえりな様に納得して頂くまで顔を見せたくないと言ってるんでねえ。とりあえず準備が出来たんでまあ食べて見て下さいよ」
「そう……緋紗子、そこまで思い詰めていたのね……」
どうやら信じてしまったらしい。チョロい、チョロすぎる。この先心配になるぐらいだ。まあこの先は無いんだけどな。
「……ところであなた」
「なんですかい」
「緋沙子とはその……どういう関係なのかしら、こんな無茶なことに手を貸すなんて」
思わず笑い出しそうになる。どうやら俺と新戸がそういう仲だと疑っているらしい。ここは事実を伝えるとしよう。
「一心同体ですよ。えりな様」
そう、間違いなく彼女は俺の血肉になっている。
「今日は薬膳を活かした中華のコースを味わって欲しいそうです。まずは台湾ソーセージです」
皿に盛った緋沙子の腸詰がえりなの前に出された。縛りつけられてはいるものの手は自由にはれているえりなは黙って口に運ぶ。
「スパイスが効いていて良い風味ね。でもこれは何の肉なのかしら?豚?」
神の舌でも流石に人肉は味わったことがないらしい。盛んに首を傾げつつ、親友である従者を豚呼ばわりする。
「続きまして、薬膳スープです」
独特の薬膳の香りを漂わせるスープの中に浮かんでいるのは燕の巣ならぬ緋沙子の卵巣だ。といってもえりなにはそんなことは分かる訳がない。しきりに首を傾げる。
その後も緋沙子のモモ肉の中華風ステーキ、緋沙子の乳房のチリソース煮、緋沙子のアワビの煮込み(流石にこの時はバレるかと思った)、緋沙子肉のチャーハンと次々とえりなの前に出される料理。えりなは味わったことのない肉に首を傾げながらも次々と完食していく。(この間えりなはしきりに下腹部を気にしていた。どうやら異物感があるようだ)
「美作君、これは一体何の肉なのかしら?そろそろ教えてくれないかしら」
「まあその前に。えりな様、ここまでのお味はいかがでしたか?ご満足していただけましたかね」
「合格点よ。緋沙子も腕を上げたわね。さっさと帰って来なさいと伝えてちょうだい」
「分かりました。ではデザートをお持ちしますので直接お伝え下さい」
そういって美作は裏に引っ込み、再び「彼女」を連れ出した。
「えりな様、お待たせ致しました。本日のデザート、プリンでございます」
えりなの目の前には明らかにプリンとしては大きすぎる金属の覆いが皿の上に乗せられていた。
「バケツプリンでも食べさせるつもりなのかしら、緋沙子は。虫歯になっちゃうわ」
ブツブツ言いながら覆いを取ったえりなは、中かや出てきたものを見て硬直した。金属の覆いが落ちたカランという音が響く。
数拍ののち、えりなの悲鳴が響いた。
皿の上には緋沙子の生首が載っていた。眼は半開き、口も同様だ。普段の凛々しさは微塵も感じられない。
そして、頭頂部が少し欠けていた。そこからは緋沙子の掻き混ぜられた脳漿と、美作の精液から出来た本日のデザート「脳みそプリン」が覗いていた。
「いやああああ!緋沙子!緋沙子!」
取り乱しているえりな様。キンキン煩い。思い切り頰を叩く。
パンっと乾いた音が響いて静かになった。
椅子に縛りつけられたえりなの顎をクイッと持ち上げる。呆然とした顔だ。
「えりな様、新戸のフルコースはまだ終わってないぜ。ほらさっさと食えよ」
「緋沙子のフルコース……?じゃあ今までの肉は……」
気づいたようだ。顔面蒼白を通り越した顔色になっている。
「ああ、新戸の肉に決まってるだろ?お前は豚だとかいってたがな。滅私奉公してた従者を豚呼ばわりなんてなあ、可哀想に。神の舌が笑わせるぜ」
そういうとスプーンに脳みそプリンをすくい、パクパクと動くえりなの口に押し込む。
「ゔ……ゔぉえええええ、げっ!げぇえええええ!」
えりなは脳みそプリンを飲み込むどころか、今までの食事まで吐き出した。吐瀉物に原型を残した緋沙子肉が混じる。
「きったねえなあ、本当にお嬢様かよ。お前」
その姿を見てゲラゲラと笑う美作。そしてその光景を見つめる緋沙子の目にはもう何も映ってはいなかった。
ひとしきり笑ったあと、美作は屠殺に移ることにした。えりなを椅子から解放し、服を無理矢理剝ぐ。しかし彼女は「ゆきひらくん」だの「さいばさま」だのとブツブツと呟くだけで殆ど抵抗もしなかった。正直拍子抜けだ。
露わになったえりなのプロポーションは見事なものだった。同学年女子の平均を大きく上回るサイズを誇る乳房、引き締まってはいるが程よく肉がついたウエスト、見事な流線型を描くお尻。
これからこの美少女、しかも恵まれすぎた才能と家柄を持つ美少女の命を摘み取るのだと思うと、美作は勃起を抑えられなかった。
えりなの足をロープで縛り、その端を天井の金属棒に引っ掛ける。これであとはロープを引っ張るだけで逆さにぶら下がるはずだ。血を受け止めるようのバケツも準備する。血も料理に使うからだ。
未だに呆けたようなえりなの顔を引っ叩く。
「じゃあな、えりな様。向こうの新戸によろしくな、あんたの性格の悪さじゃ新戸とは違って地獄行きだろうがな」
自分を棚に上げてのたまう美作。
「えっ、私死ぬの!?」
ようやくこちらの世界に戻ってきたらしいえりな。だがその疑問には答えず美作は思い切りロープを引く。
「痛い!痛い!何するのよ!」
引き上げられる際に頭を打ったえりなが抗議するが御構い無しに引っ張り続け、地面から十分に離れた頃合いでロープを固定し、真下にバケツを置く。
そして大きな包丁を手に取り、えりなに近づく。
「ま、待って。殺さないで!そ、そうだわ。お金なら払うわ!お爺様にお願いしてうんと準備してもらう!それに十傑にだってしてあげる!」
「興味ねえなあ」
美作は金や地位に興味を示さなくなっていた。
それよりも女を屠殺して肉を食う方がよっぽど魅力的だ。
「じゃ、じゃああなたの彼女になるわ!結婚してあげてもいい!いや、結婚して下さいお願いします!処女だってあげるわ!」
「ああ、お前もう処女じゃないんだわ」
美作は冷然と告げる。
「え」
それが薙切えりながこの世に遺した最期の言葉だった。包丁が首元に向かう。血が噴き出す。しかし、御構い無しにゴリゴリと切りすすめて行く。ゴポゴポと血に溺れる声が聞こえる。暫くののち首が切り離された。
緋沙子の隣に置かれる。苦痛と無念に満ちた生首。
4つの瞳の向こうにはビクビクと四肢を痙攣させる肉塊があった。
以上です。お目汚し失礼いたしました。
誰か俺に料理の知識をくれないだろうか。
投下乙でした。
えりな様編正直諦めてたので続いて嬉しいぜ。
乙
最期の言葉が惨めで良かった
正直なところ半ば諦めつつもすごく続きを待ってた
ごちそうさまです
なんか意外とみなさん覚えてくれたみたいで嬉しいです
中々書く気が起きなくて申し訳ない
緋沙子をえりなに食わせるとか良いですね…。
ちょっと自分でも書いてみたくなりました。
リョナと微妙にジャンル違うけどいいですかね…?
>>657
是非書いてほしい
カニバグロはアレすぎるから、やるなら最低限警告出してからやってくれ
お久しぶりです。触手リョナの人です。
オリジナルでぴっちりスーツのスパイっぽいお姉さんがごっついのに殴られてボコボコにされた後腕の骨をボキボキにされて最期は腹ボコォレイプで死んじゃうお話ができたので投稿させてもらいます。
ある密林の奥深くに密かに建造された国際的犯罪組織の有する研究施設。
地下に位置する最重要区画。
無数の巨大なシリンダーの中には液体が満たされ、人とも獣とも取れぬおぞましい何かが収まっていた。
この組織が研究、開発している改造生物...元は人だった者を作り替えた冒涜的存在だ。
この恐ろしい光景の中一つの影が音もなく素早く駆け抜け、至る所に何かを設置していた。
赤みがかった黒髪はショートシャギーに短く切り揃えられ、たれ目がちながらも凛とした蒼の瞳。
すっきりと整った美しい顔立ちの若い美女。
そしてその首から下の全身はぴったりと肌に密着するボディースーツに包まれていた。
そのスーツに包まれた身体は鍛え上げられ筋肉質ながらも豊満であり、スーツ越しにしっかりとボディラインを見せつけていた。
首から下鎖骨までのライン、お尻の半ばまでの背中、手足は漆黒黒のタイツ状スーツで覆われ、むちむちと女性的な脂がのりながらも筋肉が付きすぎないぎりぎりで鍛え上げられた極上の肢体。
胸から股間までをタイツの上から覆う純白のレオタードはその片手では掴みきれない大きさの上張りも抜群の爆乳とその下のほっそりと括れながらも腹筋の浮かんだ理想的なウエストを裸よりも扇情的に見せていた。
手足には青のロングブーツとグローブを嵌め、その細指には大口径のハンドガン。
美女の名はマイカ。
彼女はこの研究所を破壊するためにある特務機関が送り込んだエージェントである。
若いながらも成功確率の低いミッションを生き抜いてきた凄腕であり、現にこの研究所の組織の人間は彼女によって暗殺されており、最後の仕上げに移っている所だ。
ある程度何かを設置し終えると軽やかかつ無駄の無い動きで侵入してきたダクトに潜りこむ。
そしてマイカが研究所のダクトから外に数歩駆け出すと悪夢の研究所が爆発した。
彼女が仕掛けていた爆弾が施設のいたる所で爆発したのだ。
「ふうっ...任務完了ね。帰ってシャワー浴びなきゃ」
燃え上がる研究所を背に呟くマイカ。
今回も難なくミッションをこなした彼女はいつも通り帰路に着く...筈だった。
ずん、と燃え盛る廃墟から巨大な影が現れ炎の中から飛び出してきたのだ。
「なっ!?生体兵器の生き残り!?あの爆発で死んでないの!?」
驚愕するマイカの前に現れた生体兵器は改造生物としても異様な姿をしていた。
三メートル程はあろうかという人型のゴリラや巨人の様な外見。
しかしその皮膚は黒い金属質で煤も傷ひとつ付いておらず更に頭部は望遠鏡の様なスコープが付いてるだけ。
片手だけでもマイカを掴めそうな巨大で筋骨隆々のおぞましい形状をした異様な怪物の機械的な単眼がマイカを映す。
「...はっ!この、化け物...!」
我に帰ったマイカが大型ハンドガンを素早く構え間髪入れずに発砲する。
拳銃ではあるがその実威力は対物ライフルに匹敵する代物だ。
人間なら当たっただけで肉が爆ぜ、手足でもショック死する程の代物だ。
元々この様に爆弾で仕留めきれなかった為に用意した保険であり、切り札だった弾丸はだがしかしカン、カンと虚しい音を立てて弾かれるだけに終わった。
「!!くっ...!」
自分の手には負えない、瞬時に判断し撤退しようとするマイカだが、怪物の方が早かった。
「しまっ...!」
マイカのうっすらと筋肉の浮かんだお腹にその剛腕がめり込み、一瞬地面から足が浮き上がった。
「がはっっ!!」
その途端美女エージェントに内臓をミキサーにかけられた様な苦痛が駆け抜ける。
だが怪物は容赦せず悶絶するマイカが倒れ込む前に更に打撃を叩き込む。
「ぐはぁっ!ぎゃぐうっ!!おっげぇぇぇっ!!!」
強化スーツ越しのお腹に、豊満な爆乳に、何発も丸太の様な腕が打ち込まれ、その度に戦闘美女の悲鳴が上がる。
彼女の身を守る強化服が無ければ最初にミンチになってはいただろうが、それはこの怪物なぶり殺しにされ、苦痛が長引くだけに他ならない。
しかしマイカは形の整った唇から汚い悲鳴と吐瀉物を吐き出し、朦朧とする意識と勝手にこぼれ落ちる涙に視界を霞ませながらも、取り落としてなかったハンドガンを両手で構える。
(このまま好き勝手されてなるもんですかっ...!)
無論、意地だけで現状は打開できない。脚も腕もふらつくマイカの腕はあっさりと怪物に掴まれ、そのまま握りつぶされる。
「あがぁぁぁぁぁぁっ!!!」
べきぼきと骨が砕ける嫌な音とマイカの悲痛な絶叫が木霊した。
「はがっ...あぁおぉっ...!」
怪物が手を離すと、骨を文字通り粉々のばらばらにされあちこちが歪んだ腕が力無く垂れ下がり、あべこべに向いた指から銃の残骸が虚しくこぼれ落ちる。
あまりの激痛に半ば白目を向き、口の端から泡を吹きスーツ越しにちょろちょろと失禁までしてしまう哀れな戦闘エージェント。
既に完全に戦意を失い、意識もほぼ失いつつある哀れな女に怪物は一切の躊躇も情けもかけず、トドメを挿す。
いつの間にかその股間には巨大で男性器がそそりたっていたのだ。
マイカの胴回りはあろうかと言う極太のそれは全く濡れてもいない彼女の秘部にスーツ毎捩じ込まれる。
「ひぎ...!!!」
圧倒的な極太挿入は彼女の膣を引き裂き、一瞬で子宮口を抉じ開け、子宮の奥までを蹂躙し、布ごとマイカのお腹がぼこりと盛り上がった。
「ぎゃぁぁぁぁっっっ!!!!」
(何!?なになになにぃぃぃっ!!わ、わたし、おかっ、おかされっ!?い、痛いいたいいたいぃぃぃっ!!!)
凄まじい激痛と圧迫感に絶叫し混乱する哀れなマイカに怪物は全く構わず、その剛直を打ち付け身体が激しく揺れ動く。
「あがっ...!!ごがっ!!ぐへぇっ!!」
一発毎にどこかの骨がヒビ入り、あるいは砕け散る突きを入れられるその度に、舌がだらしなく飛び出した唇から反吐混じりの悲鳴が飛び出し、魅力的な爆乳がたぷん、ぶるんっと跳ね回る。
そして、マイカが白目を向き、ぶくぶくと泡を吹き出し、いよいよ逃れられぬ死の気配と恐怖に失禁し股間から大量に尿をあふれでるのと、今までよりも最大の一撃が膣を抉り、子宮の奥に叩き込まれるのは同時だった。
「ぐっへぇーーーっ!!!」
骨盤がばらばらにされ、生きてるのが不思議な激痛に苛まれるマイカ。しかし、本当の苦痛はその直後に訪れる。
「!!??ぎゃひっぎいぃぃぃっっっ!!?」
怪物のペニスな脈打つと大量の精液をぶちまけたのだ。
それは一瞬で彼女の腹を妊婦の様に膨らませるが、勢いは止まらず、みちみちと嫌な音を立てどんどん大きく丸く膨れて行く。
破裂してもおかしくない大きさと苦痛に、頭のどこかで望んでいた死と言う名は救いは恐怖へとすり代わり、マイカは泣き叫びながら命乞いを叫ぶ。
「死ぬ死ぬ死んじゃうぅぅぅ!!じにだぐないっ!やべでぇっ!だれがっ、だずげっ!ぐっぎゃがぁぁぁぁぁっっっ!!!」
助けを乞う声は更なる突き混みと、射精によって遮られた。
「あがあぁぁぁーーーーーーーーっっっ!!!!」
その後、マイカはショック死すること、腹が破けて死ぬことも無く気絶も許されずにたっぷり一時間ほど犯され続けた。
「あ、あぉぉっ...!いぎぃぎぎぃっ...!
!!」
そろそろ飽きたのかがくびくと危険な痙攣を繰り返しては震え体液を垂れ流す無惨な敗北美女を怪物は乱暴に放り捨てる。
「た...!たすけ...!だれか...!!」
どちゃり、と地に打ち捨てられた美女エージェントの膨らんだお腹めがけて怪物は逞しい足を踏み下ろした。
それは凄まじい音を立て妊婦よりも膨らみきったお腹にめり込むと、がばがばになった秘所から白濁液が、口から血混じりの吐瀉物が溢れだす。
「ぶぼぼばっ!!!」
中からダメージを受けていたいくつかの内臓と背骨がこの一撃で潰され、今度こそマイカは致命傷を負う。
マイカは汚液にまみれ歪んだ肢体をしばらくのたうちまわらせていたが、再び踏みつけられぐしゃぐしゃになった手足が跳ね上がり、股間の放尿が勢いを増す。
その後も何が面白いのかマイカは何度も踏みつけられ、やがて怪物は飽きてどこかへと消えた。
辛うじてマイカが最期にできたのは舌を突きだし、折れた両手を天に掲げ気もしない助けを求めながらびくびくと断末魔の痙攣を上げる事だけだった...。
その後、報告も無かった為、マイカの後続として女性エージェントが送り込まれ、同じ様に何人かが犯し殺される羽目になるのだが、それはまた別の話である。
以上になります。
過疎
ネメシス先生の続編を期待してまふ
緋沙子とえりな書いた人は初投稿なんだろうか
ここはいつでも供給不足だから新しい書き手どんどん増えてほしいね
最後のSSに感想のひとつもよこさないから説得力が皆無だぞ
結局ここで書いても悪口どころか1つも反応がないことがザラだからなぁ
ホント新作来てもなぜか反応ないよね(笑)
読めばなんかしら感想浮かびそうなもんだけど
あと触手リョナの人はさ、最初にあらすじ全部書かない方が読者としては楽しめると思うんだよね
あらすじ読んで、なんか読んだことあるぞ、っていつもなってる…
よし、感想がつかないってことは心待ちにしている人が少ないって事だな。
ならいける。需要なんて無視したティッシュの中身大公開でもいける。
来週中くらいにうpするつもり
>>639
のテニスSSがもう読めなくなっててカナシイ……
みなさん、お久し振りです。
誰?というのもアレですので、いきなりですみませんが投下させていただきたいと思います。
拙作、よろしくお願いします。
夏休みを射程に捉えた7月某日の放課後。
私は同級生の男子である松田との1対1のバトルに臨みました。
私の通っていた小学校は2つの校舎と体育館があり、それらで覆われた広い空間は中庭と呼ばれ、
ちょっとした花壇や鉄棒なんかが備えられた憩いの場として活用されていました。
そこを決闘場に選び、それぞれ準備を整えた私達は他に誰も居ない中庭で対峙しました。
遊んでいるのは私達だけ。
西の空がオレンジに染まり始めたのが体育館の屋根に見えます。
さながら荒野の決闘です。
私は、名札をつけたままのキャラモノTシャツに、デニムの短パン。
仲間内でヒーローの徴として固まりつつあった透明ビニル袋で作ったマント。
それをマジックで水色に塗って羽織り、胸に変身した証である青いワッペンを付け、ポケットに聖なる力の源として、透明なプラスチック製の石を入れていました。
家のトイレの流しに乗っけてオシャレにしているやつを1つ拝借してきたのです。
私の持ち物1つ1つが私の力を象徴していて、それが壊れたり奪われたりすれば、私の力は弱まってしまいます。
そういう設定。決まりなのです。
まぁ、相手とのさじ加減とか流れとかによっては、絶対的ルールというわけでもないですけど、それを覆すだけの説得力を相手にぶつけるのはなかなか難しい。
そして、忘れてはいけないのが、武器。
だいたい1回に用意するのは1つと相場が決まっていて、それがないと必殺技を放つことができないので重要です。
私は丹念に丸め、折り重ねた広告製のレイピアを持参しました。
松田は闘志剥き出しの赤いシャツに長いチノパン。
手には軍手をつけ、紅白帽子を被って私と向き合っています。
「武器はないの?」
と私が尋ねれば、
「おたのしみだ」
と不敵に笑いながら返してきました。
今回の怪人役は松田です。
怪人役が手の内を晒さず、ある程度戦闘が進んでからお披露目するというのは珍しいことではありません。
武器を用意する際には若干のタイムが認められる場合がほとんどです。
恐らく彼は、私にわからないように、すぐ近くに武器を隠しているのでしょう。
「松田くんはどんな怪人なの?」
「怪人キラードライブ。水島さんは?」
「今日は、水星の剣士アクアでいくわ」
「マスクは?」
「もちろん」
私は背中に隠していた、厚紙製の赤いオペラマスクを見せました。
「昨日、新しく作ったのよ」
「大丈夫?この前はバトル中に真っ二つに割れちゃったからねえ」
「前のよりは丈夫だし、外れにくくなったと思うんだけど」
小学4年生による手製故か、やや付け心地と耐久に難のあるアイマスクに文句を言いつつ、付けたり外したりする仕草をしました。
「何か、希望のシチュはある?」
「そうねえ……」
私は難しい顔をしながら、真剣に思案した後、
「悪いけど、マスクを取られるのは嫌かな」
それは主にマスクの耐久性を鑑みた上での要望だったのですけど、マスクヒロインのマスクを奪えないというのは怪人としては残念なところもあったんじゃないかと思います。
でも、松田は「わかった」と、嫌な顔一つしないで快諾してくれました。
「ごめんね」
私は短く、お礼のニュアンスの強く含めて詫びて、
「松田くんはどう?」
「そうだね……負けても文句言うなよ?」
「もちろんよ」
このヒーローごっこ……仲間内では「バトル」と短く呼ばれている遊びでは、正義が悪に屈することもあります。
その約束を再度確認すれば、私達は向かい合ったままジリジリと下がり、間合いを切りました。
私は手にしていた赤いマスクを付けます。
松田は軍手をもう一度深く付け直しました。
自分の胸がトクトクと高鳴っていくのがわかります。
視界がマスクで微妙に不便になったのと反比例して、私の「ヒロインスイッチ」がカチリと入り、気持ちが高揚していくのを感じました。
私……水島みのりの精神は、すっかり水星の剣士アクアになっていました
同じく、目の前にいるのは平均以上の体躯を持つ体育が得意な少年、松田ではなく、悪事を働く怪人キラードライブになっていたのです。
「怪人キラードライブ!それ以上の悪事は許さないわ!水星の剣士アクアが成敗してあげる!」
私が広告製のレイピアを突きだして啖呵を切れば、松田はニヤリと不敵に笑って私を見据えてきました。
「出たなアクア!面白い、返り討ちにしてくれるわ!」
私達は互いに駆け出しました。
まず先手を打ったのは私。
右手に持ったレイピアを大きく振りかぶって、松田の紅白棒めがけて振り下ろします。
ヒュンと小気味良い音を立ててレイピアが松田の頭に迫ります。
松田はそれを左に身体をさばいて避けました。
しかし、それはこちらも計算済み。
むしろ避けられるように加減して振り下ろしたんです。
命中したら、大切なレイピアが松田の石頭でひしゃげてしまいますからね。
「この!」
掛け声と共に、松田の蹴りが私の脇腹を襲います。
私は肘を張ってそれをガードしました。
彼の靴ひもの感触と衝撃が私の露出した肘と二の腕に伝わります。
私はレイピアを左に持ち変えれば、脚を上げて体勢の整わない松田の肩に振り下ろしました。
今度は、ペシンと軽い音を奏でて彼の右肩にレイピアがヒットしました。
セロハンテープを巻いて入念に強度を上げているレイピアは、これくらいでは壊れません。
とはいえ、痛みで相手を怯ませるほどの力はないのですが、松田はそれを受けてヨロリと後退しました。
「ぬう…」
松田は効いた素振りを見せています。
彼の脳裏には、以前、手製の剣を振り下ろしたら逆に剣がベッキリぶっ壊れて、悲しげな顔をしている私の姿が浮かんでいるのでしょう。
ホント、ごめんね、松田。
「ふふ、くちほどにもないわね…!」
私はそう言えば、花壇の縁にレイピアを置いて徒手空拳となりました。
手加減というわけではないです。
レイピアは武器でもありますけど、必殺技を放つための大切なトリガーでもあるのです。
壊さないように互いに気を遣いながら戦うのも一興ですけど、今回はそんな心配は無用にしたかった。
レイピアは、実際の戦いに耐えるには強度不足のオプションだったんです。
まだ。残念ながら。
「なにを、まだまだ!」
松田は両手を掲げて組み付いてきます。
私もそれに応じて手を組んで、押し合いに応じました。
力比べは本気です。
少なくとも、私は全力を出しました。
ギリギリと、その場で膠着するヒロインと怪人の力比べは拮抗の様相を呈していました。
しかし、力比べを演じているうちに、私は松田の考えがわかってしまったんです。
(松田、負ける気はないみたいね……)
松田の体重は、私よりも5kgは重い。
跳び箱で6段の閉脚跳びを縦に跳び、連続逆上がりを体育の授業で見本としてクラスに披露し、短なわの時間跳びで5分と跳びきる、
体力自慢の松田。
もしも、私が松田と「本当に」力比べをすれば、悔しいですが、私は彼に勝てないでしょう。
この拮抗は、松田により演出されている。
優勢を譲る気なら、すでに彼の脚は後退していないとおかしい。
松田は、私をこのまま力で組み伏せるつもりなんです。
その展開を、「本来の」力で劣る私は受け入れるしかありません。
「実際と異なる」展開にする場合は、優勢側の譲歩に寄るのが原則ですから、決定権は向こうにあるのです。
でも、そうはさせない!彼が力に訴える前に、この状況を打開しなければ!
「この……!この……!」
私は手を組み合ったまま、足の裏で彼の腹を何度も蹴りました。
でも、その効果は薄かった。
足の裏が彼の赤いTシャツに当たる寸前に、彼はキュッと腰を引いてそれがクリティカルヒットするのを避けてしまうのです。
手を組み合いながら、タイミングを見計らって腰を前後させる彼と、足を上げている私は、さながらダンスでもしているかのようだったでしょう。
「おらおら、どうした……!」
彼が一層の力を込めれば、私の足はついに、一歩、また一歩と後退を始めてしまいました。
頬を真っ赤に昂揚させて、なんとか押し返そうとする私。
その反応を愉しみながら、松田は私を体育館側へと追いつめていきます。
「こ、のお……!」
私はついに力比べを諦め、彼と指を絡めたまま、彼の身体を横に投げ飛ばしました。
「おっと……」
彼は転倒には至りませんでした。
松田は手を離し、コマのように半回転すれば、私と離れて余裕を持って私の方に向き直りました。
「やるな、アクア……!」
「はぁ……はぁ……こ、これくらい……!」
どちらが優勢かと言われれば微妙なところです。
私は自らの息が整うのも惜しんで間合いを詰めました。
そのまま、今度はパンチとキックの応酬に入ります。
松田はキックを主体にしてきましたが、私はそれを巧みにガードしながら、松田の身体目掛けてパンチを繰り出してヒットさせていきます。
松田の防御も上手で、なかなか身体に当てることはできませんでしたが、2発、3発、彼の肩や胸元に命中させることができました。
しかし、松田は先ほどと違い、退く素振りを見せません。
素人拳法、体重の乗らないパンチが彼にダメージを本当に与える望みは薄いですが、彼は私の攻撃のヒットで事態を「好転」させる気はないようでした。
「くっ……!」
殴打の応酬を演じている内に、松田は私のパンチを力強く払いました。
彼の眼力に、ふと、力が宿ったことに私は気づきます。
私は彼が「展開」させようとしているのを察しました。
腕を払った彼は力強く両腕を伸ばして、私の両肩をがっしりと掴んできました。
「しまった……!」
私は慌てた声を上げてしまいます。
この瞬間、一種の同意が私達の間で成されてしまいました。
松田はニヤリと笑えば、力を強め、私の身体を地面に投げ落とします。
「きゃっ……」
雑草でふかふかの地面に私は仰向けに倒されてしまいました。
これを好機と、松田は私のお腹を踏みつけてきます。
「きゃあああっ!」
高い声を上げて、私は衝撃に耐えました。
白いキャラシャツは松田の足にスタンプされて、茶色い靴後を作ります。
「この……!この……!」
松田は私を見下ろしながら、腹部を2度、3度と踏みつけてきました。
私は、彼の足の底を掴んで受け止め、なんとか押し返そうとします。
グリグリと圧迫してくる彼の足。
私は掌に全力を込めてそれを押し返せば、再び振り下ろされる足の底を、地面を横に転がって回避し、すばやく立ち上がりました。
スタンプ自体に深刻なダメージはありませんでしたが、力を込める場面が続いて私の息は上がりつつありました。
「はぁ……はぁ……」
体育館をバックに、頬を高揚させ、お腹を押さえながら、私は松田を見据えます。
珠の汗が頬を伝っていき、自分がピンチに陥っているのを自覚させられました。
組み手では劣勢。
今、必殺技を放っても有効打は認められないでしょう。
私は次の一手を決めあぐねていました。
「武器を使うぜ」
そこに追い打ちをかけるように言い放たれた言葉に、私は眉をハの字にしてしまいます。
「ええっ、ここで?」
「ダメかい?」
「……いいわよ」
これ以上の劣勢を頭に描きながら、私は松田の宣言を承諾しました。
松田は不敵に笑えば、体育館傍の倉庫に駆け寄り、腋に立てかけておいた「武器」を手にとって、元の立ち位置に戻ってそれを見せつけてきました。
それは、体育備品の一輪車でした。
大きな車輪は迫力満点。
ひんやりとした鉄製パイプは、振り回されれば受け止めることは不可能です。
「な……」
私は、凶悪な武器を見せつけられた本物のヒロインみたいに、困惑の表情を浮かべてしまいました。
私の狼狽する様子を、松田は大いに愉しんだようでした。
「くはははは!このキラードライブがアクアをタイヤの下敷きにしてくれる!」
威勢良く宣言すれば、松田は一輪車のサドルを両手に持ち、地面の土を勢いよく巻き上げながら一輪車を転がしてきました。
「くっ……」
私はその勢いに気圧され、両手を恐る恐るつきだしてそれを受け止めようとしましたが。
「きゃああああああああっ!」
松田に持ち上げられた一輪車の車輪が、私の下腹部、デニムの短パンの丁度中央に押し付けられました。
空気のたっぷり入った、ごわごわした感触のタイヤは重量感たっぷり。
私はそれを両手で掴んだまま、為す術無く後退させられていきます。
一輪車を押し付けられる形で、私はあっという間に体育館の壁に追いつめられ、
ついに背中を無機質な鉄製の扉に背を密着させられてしまったのです。
「うぐっ……ああああああああああああ…………」
私は苦悶の声を漏らしてしまいます。
圧迫感は相当なものがありましたが、痛みは、実は、そこまでではありません。
しかし、私は、凶悪な悪魔の車輪を宛われているヒロインに身も心もなりきっていたのです。
悪魔の車輪は身体をジリジリと登り、おへそ付近を強く圧迫すれば、グリグリと詰ってきました。
「あああっ……きゃああああああああ…………」
私は顔に苦悶を充満させて、タイヤ攻撃に悶えてしまいます。
タイヤに細い指を絡ませてなんとか押し返そうとしますが、一輪車を突きだした松田との間合いはあまりに遠い。
私は松田の車輪の脅威に為す術なく、蹂躙されてしまいます。
「おらあ……おらあ……どうした、水星の剣士……」
グリグリとタイヤを押し付けながら、松田が怪人に相応しい言葉を投げ掛けてきます。
私は、それに対して、悔しげににらみ返すことしかできません。
「タイヤの味を存分に味わうがいい……」
松田は、一輪車をゆっくりと動かし、タイヤで私の身体を上下になぞり上げてきました。
タイヤの土色が、私の身体を両断するようにシャツに引かれていきます。
さらに、胸の中央に留めている変身の象徴であるワッペンにも容赦なくタイヤの蹂躙が及びます。
「うう……ああああ……」
グリグリとタイヤが上下するたびに、私は圧迫感に苦しみ、艶のある呻き声を上げてしまいました。
そして、ついにワッペンはペッコリと2つにへこんでしまいました。
「くくく……どうだ、タイヤの威力は……」
「うう……ワッペンが……ち、力が出ない……」
劣勢で、さらにそれを象徴することを認めるしかないのはとても悔しかった。
でも、ワッペンが壊れたことによって、私の力が半減してしまったことは、認めるしかないんです。
そういう、決まりなんです。
「くはは……くはは……もっと、苦しみを味わうがいい……」
松田はタイヤを放せば、私に近づいてワッペンをむしり取り、そのまま地面に寝かしつけてきました。
俯せに寝かしつけられた私に、地面の冷たさがずっしりと伝わってきます。
Tシャツとデニムパンツが、水色に塗られたビニルマントが覆い隠します。
松田は、正義の象徴であるマントの上に一輪車の輪を押し付けて、私をサディスティックに見下ろしました。
「さあ、何回耐えられるかな?」
松田は悪魔的な言葉を投げ、私の身体を、マントを、横に轢いていきました。
「うわああああああ……!」
私は身体を仰け反らせながら甲高く叫びます。
ジョリリリ……ジョリリリリ……
松田のタイヤは、何度も、私の背中を横に轢き、丹誠込めて塗ったマントを土色に汚していきます。
正義のマントまでも汚され、タイヤが走るたびに身体をエビぞりにして苦しむ私の姿は、松田の嗜虐心を大いに刺激したのでしょう。
「はぁ……はぁ……どうだ……アクア……」
荒い息遣いが背中越しに聞こえてきます。
絶体絶命に立たされた状況の中で、私は気づきました。
松田は思い一輪車を本来の使い方でない方法で動かして疲労しているのです。
小学4年生にとって、この乗物の重さを腕で支えるのはかなりの労力だったのです。
怪人キラードライブはアクアを追いつめているかもしれませんが、松田の体力はそろそろ限界に達しようとしているようです。
「本当の」体力的には、立場はすっかり逆転しているのです!
「これで終わりだ、水星の剣士!」
案の定、松田はこれで勝負を決めようと一輪車を大きく持ち上げてきました。
それを背中に押し付けて、高らかに勝利宣言をするつもりなのです。
その宣言には十分な説得力があるでしょう。
でも、逆境を跳ね返す一発逆転もまた、ヒロインの得意分野なんです!
「はあっ!」
私は突如地面を転がり、タイヤのプレスを回避しました。
「なんだと……!?」
松田の驚きの声は、私が回避することを肯定する合図となりました。
私は素早く立ち上がり、花壇の縁にあったレイピアを拾い上げます。
松田に、私を追撃してくるだけの体力はやはりないようで、一輪車を重々しく地面に置いたまま、サドルに手をかけて武器を持て余しているようでした。
「隙あり!必殺……アクアスラッシュ!」
私は松田の懐に飛び込めば、彼の胸元をX字に切り裂きました。
松田はその様子を抵抗するでもなく、見つめるばかり。
必殺が決まれば、彼は大きく仰け反り、
「があああああああああああああ……おのれえええええ……!!」
断末魔を上げて倒れ込んでしまいました。
「はぁ……はぁ……正義は、勝つ……のよ……!」
息を切らしながら勝利宣言する私。
バトルの勝敗はこうして決したのでした。
切られた松田は、それを聞けば、ムクリと上半身を上げます。
「はぁ……はぁ……理不尽だなぁ……」
ポンポンと埃を払いながら立ち上がる松田。
私はポケットに入っていたプラスチックの石を見せながらニッカリと笑って見せました。
「正義は勝つのよ!」
そう言いながら、タイヤで痛め付けられたお腹をさすります。
攻撃を受けたときの興奮と熱さが、まだそこに残っているようです。
勝利のカタルシスを得て満面の笑みを見て、松田はプウと顔を膨らませながら一輪車を元の場所に戻しました。
「じゃ、また明日な!今度は勝つ!」
松田がそう宣言して手を振りながら帰っていきます。
辺りはすでに暗くなり、校舎や体育館の陰影が強くなっていました。
「今度も倒してやるんだからね!」
私も手を振り替えして彼を見送りました。
もうすぐ夏休み。
激しいバトルの予感に胸がいっぱいです。
以上です。
ヒーローごつこが流行った小学校が舞台というニッチ極まるシチュエーション。
色々と設定面は敢えて省いてしまいました。
リョナかと言われるときわどいところがあるかもしれませんが、
愉しんで頂けたらと思い投稿にいたりました。
枯れ木もなんとやらの精神で迎えて頂けたらと思います。
続きがあるかもしれないし、ないかもしれないです……
ヒーローものと年少もの一粒で二度おいしい感じが結構好みでした、続きに期待してます!
1ヶ月かかっても終わらずなかなかまとまりもせずで力尽きました。
是非書いてとのレスも頂いてたのに途中でのアップになって申し訳なく。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1232185.txt.html
カニバグロなので閲覧は自己責任でお願いします。
けものフレンズのリョナSSとか誰か書かないかな
上の方でも書かれてるけど新作きても基本反応なしでスルーされる状況で書く人いるかね。
カニバグロとか言われたらスルーせざるをえない・・・すまない・・・
オリでも版権でもキャラが好みじゃなかったらスルーするしかないんだ……
ごめんよストライクゾーンが狭くて
要するに完璧に俺様好みのものがこないとほっとくよって事だよね
無理ゲー
自己満足で書いてるだけだし評価なんかきにしないけどねえ
>>681
GJ!
モノ扱いしてる感じがよかった
>>681
感想ありがとうございました。
自分の場合スレ違い感もあり尖ったものなので合わない人が多くてスルーされるのも分かります。
とは言え殆どの方がスルーせざるを得ないとなれば続きは書いてもこちらに投下するのも迷惑になるかなと思わされますね。
こんなの書いてみたのも初めてでしたので自分でもどうかとは思いますし、そのうち流れると思いますのでご容赦ください。
688だった。すみません。自分にレスしてしまった…。
書いてる内に非常に自己満(自分しか興奮できない)な作品になっちゃうことが多いから感想つかないのもやむなしと思ってるよ
基本反応ないって言うけど反応なかったの前回だけやん
まあ、実質的な荒らしや
放っておけ
今から投下します。
リョナどこ〜?など、辛辣なご意見もお待ちしています。
土曜日に連休がいくらか阻まれてしまったゴールデンウィークが終わって3日。
先生たちは活力の溢れた笑顔の裏に労働の憂いを隠しているのが、児童である私にもなんとなく察せられるようでしたが、若い私達はゴールデンウィークに遊び倒したにも拘わらず、すっかりパワー全開でまるで昨日生まれた生命のように有り余る力と情熱を向ける矛先を求めていました。
私、「水島みのり」は登校して、給食袋を所定の位置にかけ、リコーダーをロッカーに押し込んで机に座っています。
すると、私の机の前に、黒髪を長く伸ばした可愛らしい女の子がやってきました。
見知った顔に向かってにこやかに笑顔を見せれば、彼女はかがみ込んで、机に肘をついて私と視線を合わせてきました。
「ねえ、みのりちゃん」
黒髪の美少女は口元を緩めて私の名前を呼びました。
理知的でクールな雰囲気のある彼女ですが、長年の付き合いのある私には、猫みたいに愛らしい笑みを向けてくれます。
彼女の柔らかな表情を見られるのは、私の密かな自慢の1つなのでした。
「今日の業間休み、いっしょにバトルしない?」
そう誘ってきたこの娘は、「緑山ひとみ」ちゃん。
私の入学以来の友人であり、絵と書写の得意な、どちらかというとインドア派の少女です。
しかし、ヒーローになりきって戦う「バトル」がクラスで流行り出してからは外で遊ぶ機会も増え、交友の輪も広がってきました。
性格的にはそれほど好戦的とは思えない彼女ですが、意外なほどバトルを楽しみ、私といっしょにヒロインタッグや戦隊を組んで怪人を懲らしめています。
さらにその図工の能力を遺憾なく発揮し、ヒロイン装備の制作にも勤しんでいます。
私の専属クリエイターだったひとみちゃんは、今では少しずつ他のクラスメイトのオーダーも受けるようになり、クラスの技術者としての地位を確立しつつあるのでした。
「業間かぁ」
私は、その20分に満たない自由時間に心許なさを感じました。
ゴールデンウィーク、1日を使っての大がかりな団体戦を経験した直後の私としては、ややスケールダウンは否めないという心境なのでした。
「続きはどうするの?」
「まだわからないわ」
「そうなんだ」
私は難しい反応を示しました。
期間を区切ってのバトルは、展開が間延びして決着の遅れる傾向があって苦手なのです。
そのことを、ひとみちゃんはよく知っているので、やや神妙な顔付きで私を「口説き」にかかってきます。
「怪人から私達への挑戦状よ。逃げるわけにはいかないんじゃない?」
「ふうん、誰よその自信満々な怪人は」
「悟(さとる)くん」
「へえ、悟くんが?」
どちらかと言えば目立たないクラスメイトの名前を聞けば、横目で彼の様子をチラリと窺います。
彼はひとみちゃんに私を「口説く」のを任せて、自分の席で終わらない図工の作品作りに黙々と勤しんでいました。
悟は度の低いメガネをかけた、どちらかといえば気性の穏やかな男子。
体育はそれほど得意ではないし、勉強も平均点は超えるけど、特筆して得意な教科があるわけでもない。
話を振ったり、話題の中心にいたりすることは少ないけど、かといって誰かの悪意の標的になるといったこともない。
つまり、「目立たない男子」というのが、クラスメイトの大多数の抱いている印象でした。
そんな彼が、女子である私達に挑戦するのは、ちょっと大胆で、意外なマッチメイクなのでした。
なにか策でも講じているのかしら。面白いじゃないの。
私は少しずつ興味を抱き始めていました。
「場所は図工室。次の時間にはどのクラスも使わないから、誰も来ないよ」
「そこまで決めてあるんだ」
私は敵対する悟の様子を横目で見つつ、ひとみちゃんに尋ねます。
「どのヒロインでいくの?」
「アーク・ウィングス」
ひとみちゃんの答えを聞いて、私は頷いてみせました。
アーク・ウィングスは、私とひとみちゃんが結成した2人組ヒロインユニット。
魔宝石の力を借りて戦士へと変身する、変身アニメをイメージしたヒロインです。
スケルトンブルーのスーパーボールを魔宝石として変身する私、ウィングサファイアと、スケルトングリーンのスーパーボールを魔宝石として変身する、ひとみちゃん扮するウィングエメラルド。
私達の胸に光る同色のブローチはトレードマークであり、ひとみちゃんお手製のオリジナル装備です。
そのクオリティは高く、他の友達がうらやんで、彼女に制作の依頼をしてくるほど。
その本格志向のオリジナル装備で、クラスでちょっとした話題になっているユニット。
2人で、ということは、確かに、今回戦うのはアーク・ウィングスの他に無いだろうと思えました。
「2対1でやるわけ?」
「そう……2対1、だよ」
ひとみちゃんが艶やかな笑みを浮かべて頷きます。
そこまで話を固めてあるのなら、もう、ここで私が難色を示す理由もありませんでした。
「わかった。こてんぱんにやっつけてやりましょう」
「ありがとう!」
ひとみちゃんが私の手を取ってじゃれるように笑いました。
私はコクリと頷いて、朝の読書の時間に読む本を取り出して、目を落とし始めました。
しかし、文字なんて追えません。
気分はすでに、業間に行われるバトルへと跳んでいってしまっていたのでした。
業間が始まれば、私達は急いで特別教室棟にある図工室へと向かいました。
渡り廊下を走って2分ほどの教室です。
私は、ビニール袋で作った水色のマントを羽織り、胸元に「メイドバイひとみ」のブローチを付け、力の源であるスーパーボールをスカートのポケットに押し込み、もう一つ、秘密の弱点として設定した、おもちゃの金貨を身体に隠し持ちました。
ひとみちゃんは、緑色のマントに、デザインを類似させたブローチをやはり胸につけ、おそろいの出で立ちになります。
私達はお互いの姿を見て、微笑み合いました。
「がんばろうね!」
「うん!悪い怪人をやっつけよう!」
そうやって意気投合すれば、勇んで図工室へと飛び込みます。
教卓の位置に、悟扮する怪人が立ち、私達の到着を待ちかまえていました。
「よく来たな、ウィングサファイア、ウィングエメラルド」
黒いゴミ袋をマントにした怪人・悟は、不敵に笑って私達を見据えました。
手には薄手の白いビニール手袋。掃除で排水溝を掃除するときに嵌めるやつ。そこに、真っ黒に塗った球を握っています。
さらにマスクをやはり黒く塗り、赤で大きく笑った唇を不気味に描いています。
それで顔を覆って、かなりダークな印象。
やられるのが運命である怪人の装備らしからぬ手の込んだクオリティで、かなりよく作られています。
そういえば、悟もひとみちゃんと同じ、美術クラブでした。
彼も、そういう工作が得意で熱意を込めるタイプなのでしょう。
名前を呼ばれたからには、こちらも啖呵を切ってバトルを開始しなければなりません。
しかし、ここで私は固まってしまいます。
で、悟の怪人はなんというのかしら……やっぱり、打ち合わせしておくべきだったわね……
「あなたの野望もここまでよ、プロフェッサー・サドル!」
代わりにひとみちゃんが啖呵を切って、ずんと前に歩み出ました。
「私達アーク・ウィングスが相手になるわ!」
私も遅れじと高らかに言い放ち、前に出て構えました。
「面白い。お前達を地獄へと誘ってくれる!」
悟が低い声で応じます。
それが、バトル開始の合図。
プロフェッサー・サドルはダンと教卓の上に跳び乗り、私達2人を見下ろして、黒水晶を前に掲げました。
「暗黒重力をくらえ!」
どうやら先手を奪われてしまったようです。
プロフェッサー・サドルは、見た目通り、魔術の使い手ということなのでしょう。
私より先に、ひとみちゃんがその攻撃の効果を察しました。
「くっ……か、身体が重くなって、動けない……」
苦しげな声で自分の身に起こった状態変化を説明しながら、彼女は片膝をついてしまいました。
ひとみちゃんは、攻撃を有効と認め、それを受ける反応を示したのです。
「エメラルド!」
私もまた、攻撃を受けてしまうという選択もありましたが、今回は、その「暗黒重力」はウィングエメラルドだけに放たれたということにして、私は効果を突っぱねることにしました。
動きを封じられてしまったウィングエメラルドを解放する方が、私には先決だと考えたのです。
「エメラルドを放しなさい!サファイアァ……ウェエエエエエイブ!」
私は、プロフェッサー・サドルに向けて手を掲げて、魔法を放つモーションをしました。
何度か使ったことのある攻撃で、悟にもその効果は浸透しているでしょう。
悟は、腕とマントで顔を隠す動作をしてそれを防御しました。
「ぬうぅ……」
「大丈夫?エメラルド!」
「ええっ!ありがとう!助かったわ!」
私が手をかざしたまま声をかければ、ひとみちゃんは弾む声で答えます。
こうやって、私達は互いに助け合って、たくさんの怪人達を打ち倒してきました。
私達の互いを信じる絆の力は、こんな攻撃では全く揺らぐことはありません。
「エメラルド…サンダー!」
水の波動で怪人を食い止めている私に、ひとみちゃんの加勢が入ります。
プロフェッサー・サドルは両腕をクロスさせてそれを耐える動きをしましたが。ジリジリと後退したかと思えば、教卓から飛び降りて部屋の奥へと退いていきました。
「ぐううううううううううう……」
呻き声を上げながら、なんとか受けきったという反応をする悟。
私は彼を追って図工室の奥へと駆け、怪人である悟を教室の隅へと追いつめたのでした。
私のすぐ後ろを、ひとみちゃんが続いてくるのが足音でわかりました。
「ここまでよ、プロフェッサー・サドル!」
私は胸のブローチに手を当てて必殺技「アクア・ブリリアント」のモーションに入りました。
しかし、ここでプロフェッサー・サドルは抵抗を見せます。
「まだまだ!ダークネス・ボルト!」
手をかざして、技名を叫ぶ悟。
私はモーションを中断してダメージを受ける仕草になり、片膝を付きました。
「きゃあああああああああっ!!?」
「あああああああああっ!!?」
私の叫び声に続いて、ひとみちゃんもダメージを受け、叫び声を上げます。
明確に相談されているわけではないですが、単独の怪人が複数のヒーローを相手にするとき、怪人の能力に、一種の補正を認める場合があります。
怪人に良いところを作って、複数でなんとか勝てたという印象を生み出すために、怪人の攻撃が全員に命中してピンチに陥る、という場面を演じるのです。
私達が彼の電撃に翻弄されてしまったのは、そのような共通認識があったからなのでした。
しかし、それはそれ。ピンチを打開しなければ怪人は倒せません。
誰かが、全体攻撃を跳ね返す突破口を開くのが通例なのです。
「くっ……アクアバリア!」
私は両手を横に伸ばして仁王立ちして、バリアを張りました。
電撃はバリアに阻まれ、攻撃は通用しなくなります。
私のバリアは、怪人の攻撃を防ぎきりました。
「これでとどめよ!アクア……ブリリア……」
「くくく……今だ!」
怪人サドルが何かの策を発動します。
それが何かはわからないものの、ウィングサファイアは必殺技を止めようとしません。
ここで何をしたのかモーションによって「説得」されない限り、この技の発動を阻むことはできないでしょう。
しかし、私は、彼の目論見に嵌り、技を撃つことはできませんでした。
私が必殺技を撃とうとした瞬間、私は後ろから何者かに羽交い締めにされてしまいました。
必殺技は発動せず止まってしまい、私はバリアを張るために甘くなっていた腋に腕を入れられ、ガッチリとホールドされてしまいます。
「なに!?これは……」
「ふふふ、捕まえたわ」
「そ、そんな……」
私は、自分を拘束した相手の姿を見て驚きました。
それは、誰でもない、相棒であるウィングエメラルドだったのです。
「ちょっと、放して…どうしたのよ…」
「私の力、たっぷり味わってね、サファイア?……エメラルド・ストーム!」
ひとみちゃんが、猫を撫でるような声で技名を言います。
私は困惑して、羽交い締めにされたまま何も反応できずにいます。
ひとみちゃんは、拘束している片腕を下げて、私の腹部をキュッとつねって合図しました。
「きゃっ……きゃああああああああああああっ!!」
ようやく、エメラルド・ストームの攻撃対象が……相棒の得意技である碧の暴風に晒されたのが、自分であると察した私。
困惑混じりの叫び声を上げて、そのままガクリと膝を折ってへたり込んでしまいました。
「よくやった、ウィングエメラルド……」
プロフェッサー・サドルが余裕たっぷりの声音でウィングエメラルドを称賛します。
ひとみちゃんは呆然とする私を小突いて仰向けに転ばせると、憎き暗黒教授の前にツカツカと歩み寄って、彼の目の前で跪きました。
信じられない行動に、私は起き上がることも忘れて彼女の背中を見つめます。
ひとみちゃんは長い髪を垂らしながら、頭をもたげて悟に忠誠の姿勢を取っていました。
「ありがとうございます。サドル様」
「そんな、ひとみちゃん……いえ、エメラルド……」
鳴きそうな声音になっているのが自分でも情けなく、震える唇をキュッと噛み締めます。
「サドル……貴様、エメラルドに、なにをしたぁ……」
メガネの奥で目を細めて私を見る悟。
私の問いに答えたのは、ひとみちゃんでした。
彼女はスクッと立ち上がれば、私の方に向き直り、ポケットに手を入れてスーパーボールを取り出して見せつけてきました。
それを見た私は、言葉も継げず彼女を見つめるばかり。
宝石を模し、透明な緑色をしているはずのスーパーボールは、ペンキらしきもので真っ黒に塗りたくられていたのです。
「私はもう、サドル様の忠実なしもべなの」
「そ、そんな……」
愕然とする私に、最高の愉悦を溢れさせた笑みを浮かべて、ひとみちゃんはそう宣言します。
操られているはずなのに、嫌がる感情は全く見えません。
まるで、サドルに身も心も捧げ、悦びさえ感じているようでした。
「あなた、操られているのね!待っていて!すぐに解放してあげる!アクア……ブリリア……」
「サファイア…あなたの技は私には通用しないわよね?なにせ、いっしょに生み出したんですもの…」
「くっ……そうかもしれないけど…」
「暗黒を宿した私の新しい力を食らいなさい!ダークボルト!」
「ああ、そんな……きゃあああっ!!」
嬉々として手をかざしてくるひとみちゃんの攻撃を防ぐことが、私にはできませんでした。
得意なことも、弱点も、全てを知られている人に、追いつめられている。
その事実が、私の精神に絡みつき、蝕んできます。
絶望と、喪失感が、私の勝利を信じる心を打ち砕いてしまいました。
「良い表情だわ、サファイア…もっと絶望に打ちひしがれてちょうだい?」
ひとみちゃんは、打つ手の思い浮かばない私の傍にやってくると、自失状態の私のポケットに手を入れて、中から青いスーパーボールを、私の力の源を、抜き取ってしまいました。
容赦のない行為に、私は狼狽してしまいます。
「それはダメ!返して……」
「奪えるものなら奪ってみなよ?」
それができない、力の差から、それは認められないことを知りながら、ウィングエメラルドは私の魔力の源を奪います。
さらに、ひとみちゃんは、不意に私の上履きに手をかけます。
その行為に、私はゾワッとした怖気を感じました。
「あなたのことはなんでも知っているの。あなたの弱点もね?」
「いや!そんな……」
ひとみちゃんは、私の上履きを脱がせると、裏に隠しておいたコインを見つけ、指で掴みました。
それは、私が武器の代わりに、技を使うために必要なものとして設定していた、変身アイテム。
どこに隠そうかと考えていた時に、ひとみちゃんといっしょに、上履きの中に隠そうと決めた重要アイテムなのでした。
「これでサファイアは抵抗できない、ただのか弱い女の子。そうでしょう…?」
「ひとみちゃん……どうして……」
全く否定することができず、その場にへたりこんでいる私。
ひとみちゃんは2つのキーアイテムを持って怪人プロフェッサー・サドルに歩み寄れば、それらを両手に乗せて掲げながら、彼に再び跪きます。
悪の怪人に、正義の誇りである宝石と金貨を献上するエメラルド。
あまりにも、信じられない姿に私は抗議の言葉さえ失ってしまいました。
「お納め下さい、サドル様」
「うむ」
悟は小さく頷くと、私の変身アイテムを掴み、ポケットに入れてしまいます。
「よくやった。褒美として、お前を正式に、我がしもべとしてやろう」
「ありがたきしあわせ。よろしければ、サファイアの前で、私が堕ちる様を見せつけてくださいませ」
「ふむ」
悟は頷けば、マントの下に隠し持っていたアイテムを引き抜きました。
同時に、ひとみちゃんは両膝で立ったまま、私の方に向き直ります。
「私の姿を見て」、と、ばかりに腕をたらんと垂らして、胸を張って自分の姿を正面に見えるように跪いたのでした。
「堕ちる……何を言っているの、正気に戻って、エメラルド……」
「私は正気よ、サファイア……」
蠱惑的な笑みを浮かべながら私を見つめてくるひとみちゃん。
悟は彼女の胸元にあるエメラルドを模したブローチを裏から摘んでクイッと引き上げます。
彼の右手に握られているアイテムは、穂先に黒い絵の具をべったりと付けた絵筆でした。
ベチョ……ベチョ……
悟は粘っこい音を立てながら、美しいブローチを冒涜的に汚していきました。
さらに恐ろしいことに、自らが創作したブローチが黒く塗られるたびに、ひとみちゃんは甘い吐息を漏らしたのです。
「ああっ……あああああっ…………」
テレビに映るヒロインが、攻撃を受けたときに嫌に艶っぽい声を上げるのは見たことがあります。
私は、それに静かな興奮を覚えていたのですが、ひとみちゃんが上げている声はまさにそれでした。
色を塗られているという行為自体には、苦痛も何もないはずです。
しかし、ひとみちゃんは、暗黒エナジーがブローチに流され、宝石が黒く色を変えていくという展開で、このように、熱を帯びた声で鳴くという反応を示したのでした。
身も心も捧げ、忠誠を誓うひとみちゃん。
仲間であるウィングエメラルドが汚され、暗黒エナジーの餌食になる場面を目の当たりにして、私は何もできずに彼女の艶っぽい声を聞くことしかできませんでした。
しかし。
認めたくありませんが、後に嬌声と呼ばれていると知る、仲間の艶やかな声音を聞いて、興奮を覚えている自分がいたのです。
ブローチを侵食されて悶えるひとみちゃんの様子を、友達である私はほのかに赤面しながら傍観していたのでした。
私は、自分に生えた正義の翼をもがれているような心地でした。
片翼ではアークウィングは飛ぶことが出来ません。
彼女の陥落と共に、私の闘志もまた地に落ちてしまったのでした。
「どうだ、気分は」
ブローチの宝石を黒く塗装し終えた悟は、筆をマントに納めてひとみちゃんの後ろに一歩退きます。
ひとみちゃんは、渇きかけのブローチにつっと細い指を這わせれば、悪魔みたいな笑みを浮かべて頷きました。
「ああ、ありがとうございます。サドル様。身体から暗黒エナジーが溢れてきますわ」
「うううっ……」
黒いブリーチを正視できず、絶望に嗚咽する私。
完全にブローチを黒く塗りたくられたひとみちゃんは、上気した頬を緩ませて私の片腕と取り、無理矢理立たせてきます。
プロフェッサー・サドルもまた、もう片方の腕を取り、私を抱え起こしてきます。
2対1を嫌と言うほど痛感させられ、私は抵抗することさえできませんでした。
「さあ、トドメだ、ウィングエメラルドよ」
「はい、サドル様」
2人は私の胸元に手をかざしてきました。そして、
「ダークネスボルト!」
声を合わせての技名が教室に響きます。
同時に、私の身体を暗黒電流が貫きました。
「いやああああああああああああああああああああっ!!」
私は心から絶叫しました。
私の叫び声が、業間の終わりを告げる予鈴と重なります。
身も心もズタボロになった戦士として、私は完全敗北を喫し、その場に無様に倒れ込みました。
「こやつの躾はお任せ下さい、サドル様」
あろうことか、ひとみちゃんは私を悪の手先として私を調教するつもりのようです。
色々な「何故」が頭を駆けめぐる中、自らの取り返しのつかない敗北という事実だけが私の精神を打ちのめしました。
「よかろう。朗報を期待しているぞ。貴様は今からスレイブウィングと名乗るがいい」
「はい。ありがとうございます、プロフェッサー・サドル」
ひとみちゃんが恭しく礼をすれば、悟はマントを翻して図工室を去っていきました。
「じゃあ、昼休みに、みのりちゃんを悪の道に引きずり込んじゃうから。特別教室棟の女子トイレでね♪」
倒れ込んでいる私の耳元で、ひとみちゃんがいたずらっぽく囁きます。
私の返事を待たぬまま、彼女もまた教室を出て行き、惨めな敗北を喫した私だけがその場に取り残されてしまいました。
私が動けるようになるまで、しばらくかかりました。
私は急なトイレを口実として、10分ほど遅刻して教室に戻っていきました。
給食で何を食べたのかもよく覚えていません。
給食の片づけが終われば、昼休みとなります。
この日は週に1度のわいわいタイム。
掃除の時間まで昼休みになるスペシャルな日なのです。
たっぷり遊べるこの時間、普段ならちょっと長めのバトルに燃えている私でしたが、今日ばかりは顔に土色の表情が張り付きます。
私は昼休みの開始と同時に、鉛のような足を引きずりながら、指定された場所…特別教室のトイレへと1人やってきたのでした。
特別教室は、軽く隔絶された空間。
そのトイレとなれば、休み時間はほとんど前を通る人さえいません。
私が女子トイレのドアを開ければ、その正面に、先ほど私を絶望の底に叩き落とした友人が、薄い笑みを浮かべて待っていました。
僅かなアンモニア臭が鼻にまとわりつき、私は顔をしかめます。
当然ながら、女子トイレであるこの場に悟の姿はありませんでした。
「よく来たね。始めよう?」
「ひとみちゃん、わからないの。あなたに聞きたいこと、たくさんあるんだよ?」
泣き出しそうな声で私は彼女に言います。
ひとみちゃんは微笑んだままコクリと頷いて、一番奥の、手すり付きの洋式トイレのドアを開けました。
「話してあげるよ。さあ、入って」
「ちょっと……まさか、ホントに、こんなところで?」
私は恐ろしいモノに近づくように、ゆっくりとひとみちゃんの方へと近づいていきます。
ひとみちゃんは戸惑う私の背中を押しながら中に入るように促して。
1人用の便所の個室に2人が入れば、ひとみちゃんは後ろ手にドアを閉めてしまいました。
洋式便所の隣には、ひとみちゃんが持ち込んだと思しき紙袋が置いてあり、ここが私の調教場であることをまざまざと伝えてきました。
「サファイア……一切の抵抗は認めないからね」
ひとみちゃんは私の手首を赤い紐で縛って、それをトイレのドアに備えられた鞄駆けのフックにかけてしまいました。
万歳の状態で拘束されてしまった私。
正面から見据えるように、ひとみちゃんは洋式便器に腰掛けて、正面で立ったまま吊されている私と正対したのでした。
「私ね。一昨日の放課後、みのりちゃんに黙ってサドル様と戦って、負けちゃったの」
「……えっ?」
突然の告白に私は困惑します。
一昨日と言えば、ゴールデンウィークが終わった直後、みんなが思い出を語り合って夢現といった感じに一日を過ごした日。
あの日は、用事があるから先に帰ってとひとみちゃんに言われて、別々に下校したのでした。
「クラブの終わった後の図工室でね。サドル様の魔術と魔筆に翻弄されて、ウィングエメラルドは地に堕ちた」
「そんな……知らなかった……ごめんなさい……助けてあげられなくて……」
「どうして謝るの?サファイア……あなたは何も悪くないよ……」
同級生とは思えない妖艶な笑みを浮かべながら、ひとみちゃんは首を傾げました。
「私は、彼と1人で戦いたかったんですもの。わざとあなたを遠ざけたのよ」
「どうして……ウィングサファイアと、ウィングエメラルドは仲間でしょ?絶対、助けに行ったのに……」
「これは私が望んだことなの。1人で戦うことも、彼に敗れることも」
「ひとみちゃんが、望んだこと……?」
私の混乱はますます酷くなり、目を大きく見開いて彼女の唇からどのような言葉が飛び出すのか食い入るように見入っていました。
給食で何を食べたのかもよく覚えていません。
給食の片づけが終われば、昼休みとなります。
この日は週に1度のわいわいタイム。
掃除の時間まで昼休みになるスペシャルな日なのです。
たっぷり遊べるこの時間、普段ならちょっと長めのバトルに燃えている私でしたが、今日ばかりは顔に土色の表情が張り付きます。
私は昼休みの開始と同時に、鉛のような足を引きずりながら、指定された場所…特別教室のトイレへと1人やってきたのでした。
特別教室は、軽く隔絶された空間。
そのトイレとなれば、休み時間はほとんど前を通る人さえいません。
私が女子トイレのドアを開ければ、その正面に、先ほど私を絶望の底に叩き落とした友人が、薄い笑みを浮かべて待っていました。
僅かなアンモニア臭が鼻にまとわりつき、私は顔をしかめます。
当然ながら、女子トイレであるこの場に悟の姿はありませんでした。
「よく来たね。始めよう?」
「ひとみちゃん、わからないの。あなたに聞きたいこと、たくさんあるんだよ?」
泣き出しそうな声で私は彼女に言います。
ひとみちゃんは微笑んだままコクリと頷いて、一番奥の、手すり付きの洋式トイレのドアを開けました。
「話してあげるよ。さあ、入って」
「ちょっと……まさか、ホントに、こんなところで?」
私は恐ろしいモノに近づくように、ゆっくりとひとみちゃんの方へと近づいていきます。
ひとみちゃんは戸惑う私の背中を押しながら中に入るように促して。
1人用の便所の個室に2人が入れば、ひとみちゃんは後ろ手にドアを閉めてしまいました。
洋式便所の隣には、ひとみちゃんが持ち込んだと思しき紙袋が置いてあり、ここが私の調教場であることをまざまざと伝えてきました。
「サファイア……一切の抵抗は認めないからね」
ひとみちゃんは私の手首を赤い紐で縛って、それをトイレのドアに備えられた鞄駆けのフックにかけてしまいました。
万歳の状態で拘束されてしまった私。
正面から見据えるように、ひとみちゃんは洋式便器に腰掛けて、正面で立ったまま吊されている私と正対したのでした。
「私ね。一昨日の放課後、みのりちゃんに黙ってサドル様と戦って、負けちゃったの」
「……えっ?」
突然の告白に私は困惑します。
一昨日と言えば、ゴールデンウィークが終わった直後、みんなが思い出を語り合って夢現といった感じに一日を過ごした日。
あの日は、用事があるから先に帰ってとひとみちゃんに言われて、別々に下校したのでした。
「クラブの終わった後の図工室でね。サドル様の魔術と魔筆に翻弄されて、ウィングエメラルドは地に堕ちた」
「そんな……知らなかった……ごめんなさい……助けてあげられなくて……」
「どうして謝るの?サファイア……あなたは何も悪くないよ……」
同級生とは思えない妖艶な笑みを浮かべながら、ひとみちゃんは首を傾げました。
「私は、彼と1人で戦いたかったんですもの。わざとあなたを遠ざけたのよ」
「どうして……ウィングサファイアと、ウィングエメラルドは仲間でしょ?絶対、助けに行ったのに……」
「これは私が望んだことなの。1人で戦うことも、彼に敗れることも」
「ひとみちゃんが、望んだこと……?」
私の混乱はますます酷くなり、目を大きく見開いて彼女の唇からどのような言葉が飛び出すのか食い入るように見入っていました。
多重投下申し訳ありません。
こちらが続きとなります
「私が、どうしてみのりちゃんとアークウィングをやっていたか、わかる?」
「えっ……どうしてって……私達が、友達だから?」
「私も、そうだって、思ってた」
ひとみちゃんは小悪魔の笑みを浮かべて言いました。
「私は、みのりちゃんが大好き」
「えっ……」
突然の告白に、混乱していた思考はついに停止に陥ります。
「こんな時に、何を言っているのよ?」
「大好きだから、いっしょにアークウィングをやっていた。それは嘘じゃないわ。でもね、私は、貴女が苦しむ顔を、一番の特等席で見たかったの。いっしょに戦う仲間ほど、苦しむ表情を堪能できるポジションはないでしょう?」
「そんな、私が苦しむ顔を見たかった……?そんないじわるなこと言わないでよ。嘘、だよね……?」
「貴女がピンチになると、私はゾクゾクしていたの。怪人役のお友達を、もっと頑張ってよって応援したくなるくらいにね」
「でも、私は……」
「そうなのよ。みのりちゃんは絶対に負けないんだもん。いっしょに戦って、助け合って、勝つのも、とってもたのしいんだよ?でもね、みのりちゃんはいつも勝っちゃうから、私の中でモヤモヤが溜まっていたの。悟くんは、それを「フラストレーション」って言うんだって、教えてくれたよ」
ひとみちゃんは、自分のポケットから、黒く乱雑に塗りたくられたエメラルドのスーパーボールを取りだして、指で遊ばせました。
「みのりちゃんなら、この気持ちもわかるはず。テレビでヒロインがピンチになって、叫び声を上げたり、地面に転がされたり。身体を締め上げられたりして、苦しそうな顔をするとき。私、とってもドキドキしながらその姿を見ているの。みのりちゃんも、そういうこと、あるでしょ?」
「それは……ドキドキする……けど……」
「みのりちゃんのピンチは、その濃度を100倍濃くした感じ。みのりちゃんがピンチになって苦しそうな顔をするの、正直、たまらないのよ」
私は、ひとみちゃんの話に呑まれてしまっていました。自分に向けられる、隠されていた恐るべき欲求に驚愕して、ひとみちゃんの可愛らしい唇を食い入るように見て、どのような言葉の鞭が放たれるか胸を締め付けられる心地で待っていたんです。
「隠していたみのりちゃんへの気持ち。それを、悟くんには完全に見破られていたの。私が、みのりちゃんが屈辱にまみれた敗北を喫するのを待ち望んでいたのだと突き付けられて……」
思い起こしているひとみちゃんの表情は澄んでいて、これから敗北して悪の道に落とされることを話すようにはとても思えませんでした。
「初めは否定したけど、すぐに、それが事実だってわかった。彼は、私の中で牙を研いでいた欲望をさらけ出させてくれたんだよ」
彼女は、袋から何かを取り出します。
一つは、悟の手に堕ちたはずのサファイア。もう一つは、美術に使う絵筆。絵筆の穂先には、先ほどの悟と同様に、黒い油性塗料が付着していました。
「あっ……それは……」
「サドル様に敗れた私は、こうやって魔宝石を奪われて、暗黒エナジーでその輝きを汚染させられてしまったわ」
そう言えば、ひとみちゃんは私の目の前で、黒い塗料をボールに塗りつけて汚していきます。
今まで2人で積み上げてきたヒロインとしての思い出が瓦解していくようで、私はショックを受けました。
その呆然とした表情さえも、この可愛らしい顔立ちの友人は愉しんでいるようです。
愛おしげな目でボールを見つめながら、クルクルと回して、ボールが黒く汚されていく様子を見せつけてくるのでした。
「とっても素敵な顔をしているわ?私も、サドル様に魔宝石を奪われて、汚された時は悲しかった。でも、もう戻れないって思った時、サドル様の、悟くんの要求を呑んで、この手で、サファイアを苦しめてあげようっていう気持ちが強く湧いてきたのよ」
完全にボールを塗り終えたひとみちゃんは、自分の穢れたボールと並べて見せて、トイレの流しの口に起きました。
二つの黒い宝石が、堕ちた私達を象徴していて、それを見た私は思わず涙を流してしまいました。
「うう……」
「泣かないで?その気持ちも、すぐに快感に変わるんだから」
そう言って耳元で囁くひとみちゃん。
ひとみちゃんは、私の胸に付いているブローチにも、悪魔の筆先を当てて、躊躇うことなく色を塗り始めました。
かつて彼女自身の手で描かれた煌びやかな宝石のブローチが、ほのかに紫を含んだ黒で塗りつぶされていきます。
「あ…ううう……」
悔しさで呻く私。ひとみちゃんは官能的に私の顔を見上げながら、頬を赤らめています。
「悟くんは今回の作戦を私に提示してくれたわ。それを、「ひとみ」は拒むことだってできた。でも、私は悪魔の提案を呑んだ。私なら、他の怪人たちができなかった、あなたを敗北させることだって、簡単にできるんだって、知っていたから」
先の敗北の様子を思い起こして、私の思考は冷たくなります。
怪人プロフェッサー・サドルは、ひとみちゃんの心の隙間を突いて、私達を完全に敗北させることに成功したんです。
悪魔的な奸計。
ひとみちゃんの心を弄んだ彼に怒りを覚えると同時に、自分でも、ひとみちゃんの気持ちがわかってあげられていなかったことが、友人として、悔しかったです。
胸のブローチまでも黒く塗りたくられた私。
でも、心までは、プロフェッサー・サドルのものになるつもりはありませんでした。
洗脳の手を終えたひとみちゃんを、私は冷静な目線で見下ろしていました。
「これで、みのりちゃんも悪の手先だね」
「……いやだよ。私、悪の手先なんかになりたくない。ねえ、プロフェッサー・サドルをいっしょに倒そう?」
「みのりちゃんなら、そう言うんじゃないかって思ってたよ。全く、汚しがいがあるなあ」
私のムキになった顔を見て、ひとみちゃんは、クスクス笑います。
「私は、サドル様のモノになったって言ったでしょ?しもべが刃向かったらどうなるか、わかるよね?」
そう言えば、ひとみちゃんは不意に服の裾を持って、まくり上げて自分のお腹を見せてきました。
ひとみちゃんの白いお腹。そのおへそのところに、紫の絵の具で何か、模様が描かれているのがわかります。
「それは……」
「これが、サドル様のモノになったっていう証だよ。昨日、悟くんに、提案を呑むって言いに行って。その時、みんなには見えないようにおへそに描いてもらったんだ。今朝も、みのりちゃんに見せたいから、少し書き直してもらって。あの人に楯突けば、スレイブウィングはこの紋章の効果で罰を受けることになるんだ」
「サドル……そこまでしているだなんて……」
ひとみちゃんの服をまくり上げて、悟が女の子のお腹に紋章を描いている様子を思い描けば、怒りで身体が震えてきました。
しかし、同時に、このような紋章を肌に描かれるのを認めてしまうほど、ひとみちゃんが、彼に対して協力的になっているのだという事実も同時に突き付けられました。
ウィングエメラルドとしての精神と共に、心をもあの悪魔共感に掌握されてしまったのだと、ひとみちゃんはどれほど認識しているのでしょうか。
そう思うと、サドル…いえ、悟の催眠術師のような手腕に恐ろしささえ感じてしまいます。
「言うこと聞いてくれないなら、あなたの身体にもペナルティを与えないとね」
ひとみちゃんはそう言って、一層嗜虐的な笑みを作ったかと思えば、腕を万歳のまま拘束されて動けない私の服を掴んで、思い切り捲り上げてきました。
「きゃあっ!!?」
突然の行動に高い悲鳴を上げてしまった私。
シャツごと大胆に捲られて、最近付け始めた白いジュニアブラがひとみちゃんの眼前に露わになります。
「なにするの!?まさか……」
「安心して?お母さんにも見えないところに描いてあげるから、大丈夫だよ?」
ひとみちゃんは、完全に一戦を踏み越えた感性で、躊躇うことなく私のブラジャーを持ち上げれば、上にまくり上げさせて、私の胸部を露出させました。
最近、心なしかふくらみ始めた胸部に、ツンと乳首が乗っている様をまじまじと見られて、私は顔を真っ赤にして取り乱しました。
「やめて、いや!いや!」
「恥ずかしいの?プールの時とか、お風呂の時だって見てるじゃないの」
「そういう時も恥ずかしいと思ってるもん!」
「ホントかわいいわ。でも、ちょっと黙っててほしいな?」
ひとみちゃんはそう言えば、自分の魔宝石を手にとって、私の唇に宛いました。
「んぐっ…」
「落とさないでね?私の力の源なんだから」
自らの力を人質に私から言論を奪ったひとみちゃんは、意気揚々と私の乳首を囲うように筆先で円を描きました。
先のザラリとした感触が私の敏感な肌を刺激して、ピクリと身体が跳ねてしまいます。
「もがっ…ひゃめて……」
「んんっ……シッ……静かに……」
なおも抗議を試みる私に、ひとみちゃんは指を自分の口元に当てて合図します。
その目は、個室の壁の向こう、トイレの入り口に向けられています。
エマージェンシーを告げる態度に、私の身体も緊張します。
スッと2人の出す音がなくなれば、学校の生活音が静かに聞こえ始めました。
コツコツと、トイレに歩いて来る音。そして、
ギイイイ……
ゆっくりと女子トイレのドアが開けられ、誰かが入ってきました。
その足取りと足音の大きさから、どうやら児童のようです。
ゴクリ……
私は生唾を飲んで、彼女の足音に集中します。
彼女は恐る恐るという足音で中に入ってくれば、入室している私達の個室の前に立ちます。
鍵がかかっているのを確認したのでしょう。彼女の足音は遠退き、私達の入る部屋から一番遠い部屋で止まり、そっとドアの閉められる音が聞こえました。
……ぎゅっ
その隙を突いて、ひとみちゃんは立ち上がり、私を正面から抱きしめるようにして身体を密着させてきました。
頬が触れ合い、彼女の息遣いが耳元に聞こえてきます。
「こんな場所のトイレに入ってくるなんて、きっとうんちがしたいのね」
「……!」
リップ音だけで、ひとみちゃんは推測を告げてきます。
小学生にとって学校で大便をするというのは一大決心を要する重大ミッション。
彼女は人目を避けて、この特別教室棟にまで流れ着き、秘め事を行おうとしているのです。
「静かにしていないと、彼女に何をしているかバレちゃうよ?彼女は全神経を集中させて、外の空気を窺いながらうんちしているんだからね」
私は細く息を吐きながら緊張し、身体の放つ音を極力消そうと努めました。
しかし、ひとみちゃんは、そんな私の様子さえも愉しんでいるようです。
ベチャ……ベチャ……
私が身動き一つできないのを良いことに、私の身体を抱きしめながら、私の胸に筆を這わせていくのです。
「んんっ……ふうう……」
「だめだよ、ほら、息、もれちゃってる……」
いたずらっぽく囁くひとみちゃん。私は身体を震わせて、恥辱と、筆によってもたらされるこそばゆさに耐えています。
「ふう……んんん……」
「身体、熱くなってきてるね。恥ずかしいんだ?」
当たり前のことを指摘されてさらに恥辱が沸き立ち、顔が火照り上がるくらい紅潮しているのが自分でもわかります。
汗ばんできていることさえも、密着しているひとみちゃんにはバレてしまっているでしょう。
筆によってもたらされる、チクチクとヌメヌメが合わさった感触は、私を大いに悩ませます。
身体をモジモジさせてなんとか逃れようとするも、手を拘束され、隣に聞き耳を立てている大便少女に監視されてしまっては、全く、抵抗することなどできない状況に追い込まれてしまっていたのでした。
「いっしょに堕ちようよ、みのりちゃん?」
耳元で奸佞を囁くひとみちゃんに、私は真っ赤な顔で首を振ってイヤイヤします。
ひとみちゃんは乳首を絵の具で汚しただけでなく、乳房や脇の下にまで筆を這わせて、私の身体を自由帳にして従順の紋章を描いていきます。
体表を蹂躙される感触に熱の籠もった吐息が漏れ、スーパーボールをはまされた唇からは涎が垂れて、ひとみちゃんの手に堕ちて汚してしまいます。
それでも構わず刻印を続けるひとみちゃん。
彼女の抱擁を受けながら、身体には敗北の証がどんどん刻み込まれていくのでした。
「私ね、思ってたんだ。みのりちゃん、悪役、やらないよね」
艶やかな響きで、甘言が私の正義を溶かしにかかってきます。
確かに、私がやるのはほとんどヒロインです。
時々、一般人役はやりましたけど、今まで、負ける怪人役をやったことはありませんでした。
でも、それはひとみちゃんも同じはずです。
もっとも、彼女の言葉を信じるならば、ひとみちゃんは私が悪役をやると言えば、よろこんでそれに付き合ってくれるのでしょう。
「2人で堕ちて、スレイブウィングとしてみんなをやっつけちゃおうよ。今までみのりちゃんは、とっても強いウィングサファイアだったんだから、強力な敵のレパートリーとして受け入れられると思うなぁ?」
悪役としてのレパートリーの乏しさは、実は、私の気にしていたところではあったんです。
ひとみちゃんは、私の悩みも、心の隙も、みんな知っているんです。
私は、このまま意地を張って彼女の提案を拒むか、迷い始めてしまいました。
悪に堕ちたヒロイン、スレイブウィング……
悪役としての肯定的なイメージが、私の中で影として浮かび上がりつつあったのです。
「ふう……ふう……ふう……」
「それとも、このまま洗脳されるのを拒んで、もう一度私と戦ってくれるの?あなたの身体に描いている紋章は、抵抗するサファイアの力を奪って苦痛を与えるの。魔宝石も、私の力で闇に堕ちた。技を使うためのコインもない」
耳元で、私の置かれている絶望的な状況を一つ一つ復習されれば、もう、それを打開することは不可能に思えてきます。
さらに、だめ押しとばかりに、天使のように可憐な笑みを向けられて
「そんなピンチに陥った時に、いつもあなたを助けていたのは誰だったでしょう?」
「それはウィングエメラルドでしょ?今、その人はどこにいるのかな?」と、にこやかな笑みが語ってきます。
迷いなきひとみちゃんの筆は、私の身体という自由帳にうねうねとした服従の紋章を描ききろうとしていました。
「いいよ?私は何度でも戦ってあげるからね?この手でみのりちゃんをいたぶり尽くすことができるんだもん、断る理由なんてないんだから」
このまま、ひとみちゃんにいたぶられ続けるのも大変だと思いました。
負けることは火を見るより明らかでした。
そして、私の中の何が彼女をそこまで惹きつけているのか、自分自身でもわからず、満足させ続ける自信もなかったし、このような辱めを受けたことが露見する可能性がどんどん高くなるとも考えました。
つうっと頬を伝う涙は、私の、完全無欠のヒロインとの決別が含まれていました。
ジャジャアアアアアアアアアアアア……ガチャ……
遠くで、水が流され、トイレのドアが開けられる音が聞こえました。
私達の秘め事を、大便少女がどれくらい把握していたのか、調べるよしもありません。
しかし、彼女が身体の不純物を、息を殺しながら排出している間に、私の調教はすっかり完了してしまっていたのでした。
トイレの扉を開けて少女の足音が遠くなれば、私は乞うような目でひとみちゃんを見つめます。
その瞳の潤いは降参を告げていました。
彼女は私の唇に指を突っ込んでボールを取ると、期待に満ちた目で私の顔を見上げてきました。
意を決した私は、唇を濡らしながら、どこか、とろけた顔で彼女のことを見つめました。
「どうかな、サファイア」
「もう、許して下さい……サドル様に、忠誠を誓います」
遠くにチャイムの音が聞こえます。
この瞬間、正義の輝翼アークウィングは地に堕ちました。
そして同時に、悪の翼スレイブウィングとしての新たな活動が始まったのでした。
解放されてからの私はちょっとした受難でした。
身体に描かれた絵の具が落ちて服に付かないように、私は平静を装いながら午後の授業を受けることになったんです。
親にばれたら大変だと、チェックの厳しいブラに色が付着しないよう、ブラを外して教室に入ります。
まあ、半年前までつけていなかったものなので、クラスメイトにバレることも、気にされることもありませんでしたが、1人、下着がいつもより1枚少ないことを知る本人だけが、羞恥に悶えるピエロとなり教室に座り込んでいたのでした。
それから、家に帰ってのお風呂も大変です。
いつもは中学生の兄や、お父さんよりも早くお風呂に入るよう努めていましたが、大量の絵の具が肌に付着している状態です。
色や臭いで訝られる可能性がありました。
私はこの日、最後の湯に浸かります。
その態度を不思議がられましたが、なんとか言い含めて最後のお風呂に入り、身体を丹念に洗って絵の具を落とし、色の付いた風呂のタイルまで丹念に掃除することになりました。
なんとか紋章は消えましたが、悪に堕ちたという事実は変わりません。
他のヒロインを演じることはできても、もう、ウィングサファイアはプロフェッサー・サドルの手下に堕ちてしまったんです。
後日、私は悟の前に跪き、改めて忠誠を誓いました。
友人であるひとみちゃんを貶めて、悪の道に引きずり込んだ相手に頭を垂れるのは屈辱的でしたが、実は、耐え難い屈服行為に、熱い感情が芽生えていたのも無視できない事実です。
ひとみちゃんは、スレイブウィングとしての、漆黒と紫を基調とした衣装を用意していました。
おそろいのダーク衣装に身を包めば、私達は今までと変わらず微笑み合いました。
2週間後、悪の翼スレイブウィングが、クラス中にその名を轟かせることになりました。
しかし、それはまた別の話です。
以上です。
リョナって意味知ってる?
エロくないんすけど?
文章、読みにくいっす
など、感想お待ちしています。
SSスレがさらににぎわうことを祈っております、ではではノシ
馬鹿じゃないの?(褒め言葉)
おつー
確かにリョナというよりは悪堕ちエロって感じですかね
最初はなんだこりゃと思った学校の遊びという舞台設定ですが、何だか意外と癖になってきたような気もします
続編か
リョナどこ〜?(褒め言葉)
今まで読んだありとあらゆるリョナSSの中でもトップクラスのドキドキ感
そう……2対1、だよ のセリフが嫌な予感を募らせてそこからの闇落ち仲間による精神汚染、もう脱帽モノ
一ヶ月はオカズに困らないよ最高だろこれ……
文章、読みにくいっす(褒め言葉?)
ちょっと質問なんですが
このスレにSSを投下するにあたって、ハートマークを入れることは可能なんでしょうかね
半角#を使ったコード指定でしょうか
♡♡♡
テスト♥
いけましたね
アカメと翡翠のSS完成目指して頑張ります
前はハート表記とか///とか苦手だったけど、最近はそれも表現としてアリだなって思えるようになってきた。
期待してます
少女の日の思い出は、リョナSSではないように思う。
でも、一方で、リョナラーのためのSSではあるとも思う。
伝わるだろうか、この違い。
アカメも翡翠も楽しみに待ってます!
ラブライブの子達でパニックホラー的なSS書いたら面白いかな?
>>720
まずは書いてみるべし
面白いかとか需要あるかとか考えてたらアレとかアレとか書かれるはずないんだよなぁ
ちょっと何言ってる分からないですね
必ずしも需要とかをリサーチしたり推し測ったりしてSSを書くわけじゃないってことかなと。
題材が個性的な一次創作もけっこうこのスレに投下されてるし。
お久しぶりです。ノエルの人です。
しばらく過疎が続いているようなので、ちょっと一本投下してみます。
双葉ほたるvsルガールのSSです。
ほたる
http://www.fightersgeneration.com/characters/hotaru-gfix.jpg
SNKキャラでは舞やアテナが(リョナ的な意味でも)人気ですが
ほたるを書いた作品はあまり無いような気がしましたので……
あと誕生日の5月11日ごろから書き出したというのもある
内容
ルガール「ロリ系妹キャラを自分のコレクションに加えようとしたら、つい本気を出しすぎちゃった(てへぺろ)」
いつものようにろだに上げようと思いましたが
スレ活性化につながればと思いまして、直に投下いたします。
相変わらずの拙作ではありますが……暇つぶしに読んでいただけたら幸いです
ここはあまり綺麗な街とは言えない。道を歩いているとゴミや空き缶が風に吹かれて転がっている。道を歩く人も少し疲れているように見えた。
双葉ほたるはそんな街のなかを歩いていた。肩にペットのイトカツを乗せて、ほたるは自分の兄を探し続けていた。
ほたるの足に古新聞の切れ端が引っかかった。手に取ると、そこには今日の日付が書かれている。
「あっ……」
5月11日ーー
それはほたるの誕生日だった。
またひとつ大きくなったんだ、とほたるは思う。
大きな赤いリボンで髪を纏めた少女は、まだあどけない顔立ちをしている。
しかし、長い旅のなかで自分の拳法を磨き、消息を絶った兄を探し続けていくなかで、彼女は昔よりもずっと強くなった。
強くなった自分を見てもらいたい。
しかし、行方を眩ませた兄はいまだ見つからない。
残された足取りは煙のように頼りない。
「お兄ちゃん……どこにいるんだろう」
ほたるは両腕を背後に回して組みながら歩き出す。
このまま見つからなかったらどうなってしまうのだろうか、と不安になる。
すると、そんなほたるの気持ちを察したのか、イトカツがほたるの肩から飛び降りて、ほたるの前を素早く走り、後ろを振り返った。
今はただ、前に進むしかない。
そんなことを、告げてくれているのかもしれない。
「うん、そうだよね。きっと……会えるよね!」
ほたるが走るとイトカツもその横に付いて一緒に走った。
ほたるの目からは、まだ希望は失われていなかった。
◇
「双葉ほたるというのは君のことかな?」
薄暗くなってきた街の中を歩いていると、一人の男がほたるに声をかけた。
名を呼ばれたほたるが振り返ると、そこにはスーツ姿の長身の紳士が居た。
「はい、そうですが」
なぜ名前を知っているのかほたるには分からなかったが、その男は紳士的な微笑みを浮かべてほたるに近寄る。
「私の名はルガール・バーンシュタイン……君の兄とは旧来の友人でね」
「お兄ちゃんの、友人?」
ルガールの言葉に、ほたるは眼の色を変えた。
「お兄ちゃんのこと、ご存知なんですか? 一体、どこにいるんですか!?」
「慌てることは無い。君を連れて彼のもとに会いに行くのは容易いことだ。しかし……タダで情報提供をする訳にはいかないな」
「えっ……?」
「残念ながら私にはボランティア精神といったものは無いのだよ」
「……お金……ですか」
「ハッハッハッ! そうではない。君のような若い娘から金をせびる程、困窮しているはずが無かろう。事は単純だ。私と勝負して勝つことができたら……兄の居場所を教えてやろう」
ルガールが力を溜めて両手を軽く横に広げると、青い炎が掌から燃え上がった。
「分かりました。では、お手合わせいたします。約束、破らないで下さいね」
「勿論だ。しかし……君が負けたときの場合の約束もしてもらう必要があるな」
「……負けたら……?」
「君が負けたら……私のコレクションの一部になってもらおう」
コレクション、の意味がほたるには理解できなかった。
しかし、ルガールの視線が自分の全身を物色しているのを感じ取り、嫌な汗が背中から滲み出してくるような感覚に襲われた。
「ちょうど君のような、発達途上の若い娘が欲しくなってね。その服を見るに、どうやら拳法ができるらしいが……さぞかし、しなやかな肢体なのだろうな。ククク……!」
ルガールのおぞましい発言に、ほたるは思わずたじろいでしまう。
心優しい彼女はルガールに反発することはないが、その表情からは明らかに戸惑いを隠せていないようだった。
逃げ出したい思いにとらわれるが、しかし、やっと兄への手がかりを見つけ出したこのチャンスを逃すわけにはいかなかった。
ほたるが構えの態勢を取る。
「フッフッフ……では始めるとしようか!」
そして戦いの火蓋は切って落とされたーー。
◇
「えいっ! やあっ!」
素早い掌底に鋭い足技を駆使して、ルガールに攻めのきっかけを与えない。
ルガールは不敵な微笑みを浮かべつつもガードを固めて動かない。
そんなルガールに対して
「ややややっ!」
ほたるはルガールの上体を蹴り上げながら後ろ宙返りを決め、
「ぬぅっ……!」
さすがにこの攻撃は受け止めきれず、ルガールは尻餅をついて後ろに倒れた。
「フッ……元気の良い娘だな。ますます欲しくなってしまったよ」
ルガールが立ち上がると、ほたるはさらに攻撃の手を緩めずに立ち向かう。
「まだ行きます!」
ほたるは足を目一杯伸ばして、シンプルな黒の拳法靴を履いた足先でルガールに蹴りを入れる。
「はいっ!」
さらに、上体をひねりながら脚を高いところまで目一杯振り上げる虎尾脚を決める。
ほたるのような少女だからこそできる、柔らかな股関節を存分に生かした蹴り技だ。
ルガールは相変わらず手を出さずに、ほたるの蹴りを受けとめ続けた。
まるで少女の戦う姿を目に焼き付けているかのように……ほたるを凝視し続けた。
ルガールのガードの固さに、わずかながらほたるの息が切れてきた。
ルガールは何も攻撃してこないが、ほたるに無言の威圧感を与え続けていた。
一方的に攻撃し続けているが、焦りを募らせているのはほたるの方だった。
「はあ……はあ……」
ほたるは困ってしまう。
ガードを固めているのなら、投げ技を決めるしか手だては無い。
しかし、迂闊に近づくと手痛い反撃を受けてしまうかもしれない。
「どうした? 私にもっと見せるがいい。君の持てる技すべてをな……」
「負けない、から……!」
ほたるは両手を伸ばして回転しながらルガールに一気に近づく。
「双掌進!」
しかし、ここに来てルガールが動いた。
「ジェノサイドカッター!!」
「ああっ!?」
ほたるは一瞬で、全身が宙に蹴り上げられたのが分かった。
ほたるは空中に吹き飛ばされるが、すぐさま態勢を整えて着地に受け身を取った。しかし、ここに来て初めて攻撃するルガールに対して、ほたるは思わず怯んでしまう。
「そろそろ私も本気を出すとしよう……」
そういうとルガールは
「烈風拳!」
地を這うような衝撃波がほたるに向かう。
それを、同じくほたるは掌から飛ばした気功で弾き返す。
そのまま二人の飛び道具の撃ち合いになる。
しかし、飛び道具の強さや速さはほたるの方が早い。
そのまま撃ち合いを押し切って、ほたるの青い気功がルガールのもとへ飛んでいくがーー
ルガールがすぐさまバリアを展開すると、青い気功は跳ね返され、さらなる速度を持ってほたるのほうに飛んだ。
「えっ!?」
想定外のことに、ほたるは慌ててガードしようとするが間に合わず
「きゃあんっ!!」
自分の気功を胸に受けて吹き飛び、仰向けに倒れた。
「あっ……う……っ」
ほたるがやられるのを見て、ペットのイトカツがすぐに駆け寄ってきた。
心配そうに首を動かしてほたるを見つめるイトカツ。そんなイトカツを一瞥して、ほたるは起き上がった。
「大丈夫、だよ。イトカツ。心配しないで」
そう言って再び構えてみせたが、まだほたるは勝機を見いだせないでいた。
それでも、簡単に諦めてしまうほど彼女は弱くない。
真面目に鍛錬して身につけた強い身体と、どんな困難を前にしても立ち向かう強い精神を持つほたるは、まだ戦うことをあきらめない。
「立ち上がるか。流石だな。そうでなければ私も面白くない」
「お兄ちゃんに会うまでは………こんなところで負けるわけにはいかないよ!」
「素晴らしい心意気だ。では私が……その美しい身体も精神も、全て奪いつくして見せよう!
ほたるが一気に詰め寄り、ルガールと激しい拳の撃ち合いになる。
ほたるは時折、光る汗を散らしながら、修行してきた成果である数々の連係攻撃でルガールに攻め寄る。
しかしルガールも負けてはいない。
手数で攻めるほたるに対して、力強い一撃を的確に打ち込んでくるルガール。
ほたるはその攻撃をうまく回避したり、受け止めたりを繰り返しながら、わずかな隙を逃さず攻撃を試みた。
「フッフッフッ……どうやら君のことを少し甘く見すぎていたらしい。君は私の想像以上だ」
現にルガールも体力を消費していた。
ほたるの拳法の完成度はかなりのものであり、わずかな隙を許すこともできない連撃攻撃は、ルガールとしても一瞬の油断も見せられない。
しかし、それ以上に体力を奪われているのはほたるの方だった。
「はあ……はああ……はっ……」
先ほどよりも息を荒げてしまうほたる。
首筋に汗が滲み出して伝い落ちる。ルガールの攻撃を受け止めてきた腕や脚もズキズキと痛み、悲鳴を上げ始めている。
もう永くは持たない――。
ほたるにとって、戦うことは敵を打ちのめす手段などではなかった。
自分の弱い心。そして戦う相手の弱い心を打ち砕くためのものだ。
ルガールを倒すのではなく、自分の愚かな行為を止めさせることができればいい。
「もう諦めてください……人をコレクションするなんて、人としての道から外れてます! あなたには、決して負けません!」
「ククク……人としての道から外れている、か。確かに君の言うとおりだ。だが……君は美というものを知らないようだね」
そのとき、ルガールの姿が消えた。
ほたるは瞬時に構えるが、次の瞬間にはーーほたるの目の前にルガールの手があった。
「あっ……?!」
反応したときにはもう遅い。
ルガールはほたるの顔を手で鷲掴みにするーー。
「お嬢さんに教えてやろう」
そしてルガールはそのまま走り出す。
ふわりと浮き上がるほたるの両足。そしてルガールはほたるを掴んだまま、壁に向かって勢いよく突進ーー。
「美とはーー」
そして、ルガールは掴んだほたるの頭部を
「この瞬間のことだ!」
壁に思い切り叩きつけた!
ドゴオオオオンっ!!
壁に亀裂が走り、頭部を叩きつけられたほたるは叫び声をあげることもできない。
「っっ!!」
頭部へ受けた衝撃とともに、全身を壁に押さえつけられたほたるは、苦しそうに両脚を小刻みに痙攣させた。
ピクッ……ピクッ……
ルガールが手を離すと、苦しげに両目を強く閉ざしたほたるの表情が露わにされ、ほたるはそのまま前のめりに倒れ込んだ。
うつ伏せには倒れずに四つん這いになるが、両脚は生まれたての小鹿のようにガクガクと震えて立てない。
「っ……は、ぅ……っ」
ルガールは、そんなほたるにとどめを刺さずに、微笑しながらただ見下ろしていた。
苦しそうに息を深く吐くほたるの喘ぎ声を楽しみつつ、口を開く。
「その脚の様子では、どうやら脊髄を損傷しているようだ。もう二度と戦いに出られない身体になりたくなければ、ここで素直に敗北を認めることだ。私としては、君をこれ以上傷つけたくはない。コレクションとしての価値が下がるからな……ククク」
しかし、ほたるはまだ、諦めていなかった。
ほたるは、ガクガクと震える脚で懸命に立ち上がろうとしていた。
「……っ、お兄ちゃん……と、会うまでは……っ……」
ふるふると膝が震えていながらも、腰を持ち上げて、ゆっくりと立ち上がろうとしたその瞬間に。
「ふんっ!」
ドゴッ!
「ごぉえっ……!!」
思い切り腹を蹴り上げられると、ルガールは少女の胸倉をつかみ、再びほたるは壁に叩きつけられた。
「ご、がっ……ゲホッ! がふっ……ごふっ……」
ズルズルズルゥ……
ほたるは壁に背中を預けたまま、ズルズルと滑り落ちるように尻を着いた。
口から透明な唾液を垂らしながら、お腹を両手で抑え込んで何度も咳き込む。
そして、ルガールはもう一度ほたるの顔を掌でつかみあげるとーー。
「うぁあぁあっ……!」
思い切り地面に頭部を叩きつけた。
バゴォオンっ!!
「ガッッ!!?」
ほたるは逆さの態勢のまま一回大きく跳ねて、ビタンッ! と両脚を地面に叩きつけて、うつ伏せになって倒れた。
もはや声は出せないらしく、横に向けた顔が口をパクパクと動かしながら、泡を吹いて目を見開いている。
両腕の指が、がりがりと地面を引っ掻くが、もはや立ち上がることは叶いそうもない。
現に、両脚の痙攣はさらに大きくなって全身に広がり、筋肉も弛緩して、ほたるの股間から黄色いものがゆっくりと広がっていくのを抑えることができなかった。
真っ白な拳法着のズボンに、失禁した汚れが広がっていくーー。
「ーーーー、ーーーーーー、ーーーっ」
ビクンッ、ビクッ、と尻を痙攣させるほたるの姿に、ルガールは勝利を確信したのか、ポケットからハンカチを取り出す。
手に付着した、ほたるの口から飛び散ったものを拭き取った。
「さて……すこしやりすぎたようだが。君の身体を頂くとしようか……」
ルガールはほたるの頭に着けた、赤い大きなリボンを掴んで頭部を持ち上げて、身体を立たせた。
そこに、隙が生まれたーー。
「はぁっ!!」
「何ーーぐおおっ!!」
ほたるは持てる力を振り絞って、ルガールに持ち上げられた瞬間を狙い、胸に強烈な掌底を決めた!
強烈な気功を胸に受けたルガールは後ろに吹き飛び、壁に叩きつけられる。
「ハッ……ハッ……お兄ちゃんっ……!」
しかし、ほたるはまだうまく立つことができず、近くの壁に腕を着いて身体を支える。
頭部からは血を流し、ほたるの片目に血が入って痛む。
しかし、もう片方の目はそれでも力強い輝きを放ち、若い娘の溢れるほどの生命力を漲らせていた。
「この……小娘ぇっっ……!!」
ルガールが立ち上がると、その表情は鬼神のごとくに歪み、本性を露わにしていた。
ルガールが受けた攻撃は相当な力であったらしく、口角から血を滲ませている。
しかし、まだとどめをさせてはいない。
殺気を剥き出しにするルガールを前にしても、ほたるは決して怯まない。
ルガールが見せた本性。それこそが、ほたるが打ち砕くべき、人間の弱い心。
ほたるは持てる力のすべてを振り絞って、その鬼神に立ち向かう。
「なぶり殺しにしてくれる!!」
ルガールとほたるが前に出る。
ふたりは思い切り突進し、ほたるは己の持てる最大の技を繰り出すーー。
「双掌(そうしょう)ーー」
兄とともに修行に励み、身につけた奥義ーー
「ーー天蓮華(てんれんげ)!」
◇
ほたるが繰り出した最大の攻撃。
ルガールがその攻撃を食らい、派手に転がりながら壁に激突し、動かなくなった。
ほたるは緊張の糸が途切れて、両脚を内側に曲げて座り込む。
少し上を向きながら肩で呼吸をするほたる。
全身から汗を流し、それはほたるの肌に輝きを生み出していた。
側に隠れていたイトカツがほたるの側に駆け寄る。
ほたるはイトカツを優しく抱いた。
「勝ったよ……イトカツ……!」
全身がボロボロになったほたるであったが、イトカツはそんなことを意に介することもなく、ほたるに懐いてくる。
満面の笑みを浮かべるほどの気力は残されていなかったが、それでも優しい微笑みを浮かべながら、両手でイトカツを包み込んだ。
「お兄ちゃんの居場所は教えてもらえそうにないけど……本当に、危なかった……」
「果たして、そうかな……?」
「っ!!?」
ほたるが目を開いて、倒したルガールの方を見る。
思い切り壁に叩きつけられたルガールであったが、ゆっくりと立ち上がると……両手に紫の炎を蘇らせた。
「クククク……ハッハッハッハッハッ!!」
ルガールが高らかに笑った次の瞬間、強烈な衝撃波が一気に広がり、ほたるに襲いかかった。
吹き飛びされそうになるほたる。
イトカツは衝撃に耐えられずに、ほたるの手からすり抜けて吹き飛んでしまう。
衝撃波は周囲におよび、街の電線を大きくしなわせて引きちぎったのか、停電が起きて周囲が闇に堕ちる。
その暗くなった視界に、紫の炎が激しく燃え盛る様を、ほたるは絶望的な思いで目に焼き付けていた。
「あ……ぁ……っ、あ……っ」
その時、ほたるの強い心に、恐らくは生まれて始めて味わうーー恐怖の感情が広がっていく。
「あ……お……おにい、ちゃん……っ……!」
歯がカチカチと打ち鳴らされ、心臓の鼓動がこれまでに無いほど高まってくる。
助けを呼ぼうにも、今この場でほたるを助けてくれるような者が居るはずもない。
ぽたり、ぽたりと、ほたるの足元に水たまりが出来る。
ほたるは後ろにたじろぎ、その水たまりを、ぴちゃりと足で踏んでしまう。
「恐れよ……我は、復讐の鬼! 我が力を前に、灰燼に帰すがいい!!」
そう言うと、ルガールは目にも留まらぬ一瞬で、ほたるの背後に回り込んでいた。
「あっ!!??」
恐怖に引きつった声を上げながらほたるが振り返ったと同時に、ルガールの足が思い切りほたるの顎を刈り取っていた。
バキッッ!
ほたるの技である虎尾脚ーーそれを完璧にコピーした足技。
ルガールの脚を食らったほたるは、思い切り後ろに仰け反りながら空中高くに打ち上げられる。
ほたるは目の前の視界が闇に渦巻いているのを感じた。
宙に浮かび上がる浮遊感に、ほたるは圧倒的な恐怖を前に言葉が出ない。
ルガールは両腕を横に開いて大きく仰け反るとーー打ち上げられたほたるに向かって……。
「散れ!! カイザーウェイブ!!!」
剛速で飛んでくる巨大な波動が放たれて、闇に沈む街に少女の悲鳴が木霊した。
「きゃあアァアアァアーーっっ!!!」
錐揉み状態になりながらほたるは吹き飛ぶ。
自慢の拳法着やお気に入りのリボンが無残に引きちぎられていき、思い切り地面に叩きつけられて激しく転がった。
「アッ…………が、ぁ…………」
ほたるの視界が急速に狭まっていく。
露出の少ない衣装は、着衣の用を成さないほどに破けてしまい、ほたるの素足が露わになった。
太ももからふくらはぎに至るまで一切無駄のない、修行で磨き上げられた脚であったが、いまやそれも直視できないほど痛々しい痣と切り傷を晒していた。
リボンが千切れてツインテールがほどけ、可憐な少女にふさわしい長い髪が地面に広がっていた。
赤いリボンは、千切れた切れ端がわずかに毛先に絡まっているばかりで、ほとんど切り裂かれてしまっていた。
ほたるは眠りについたかのよう力なく目を閉じ、もはや微動だにしなかった。
ひゅう、ひゅう、と浅い呼吸を繰り返すのみで、完全に戦意を喪失していた。
そんなほたるの首を掴み、ルガールは頭上へと持ち上げる。
もう二度と立ち上がることが無いように、念入りにとどめを刺そうとしていた。
「う………………、うぅ………………っ」
ほたるの首を締め上げる。
ギリギリィ……ミシッ……
「…………、ぃ………………ぎ………………おに”っ……………ぢゃ……………っっっ」
ほんのわずかに残されていた浅い呼吸も叶わなくなり、ほたるはーーがくり、と首をうなだれて舌を出した。
ガクッ、ビクッ、ビッッ、クン……っ
全身から完全に力が抜けきり、ぶらぶらと手脚が揺れていた。
ルガールは、壊れてしまった少女をコレクションすることもなく、そのまま地面にほたるを放り投げて捨て置いた。
色気の無い白のスポーツブラとショーツを身につけていたほたるは、そのまま横向きに倒れ込んでびくりとも動かない。
身を縮こめるようにして丸まり、その太もも裏から失禁の筋が幾本も伝い落ちていた。
イトカツが駆け寄るが、ほたるは何の反応も返さなかった。
イトカツはそれでもほたるの頬に擦りよって来る。
しかし、壊れてしまった少女は、もう二度と優しい笑顔を返すことはなかった。
――――GAME OVER
以上になります。
また何か書けたら投下しに来るかと思いますが
その時はまた、なにとぞよろしくお願いいたします。
ではノシ
流石の一言
文章も読みやすいし、丁寧な描写でアニメ見てるようだった
ノエルの人きたー!
健気に闘うもゴミのように打ちのめされちゃうほたるちゃん最高です
過疎傾向が続いていますが次回作も期待して待ち続けます
やはり格ゲー女キャラリョナは最高やな!
同人だけど「腐界に眠る王女のアバドーン」の、ラスボスの即死攻撃がえげつなかった。
即死宣言攻撃した後に、主人公が庇うしないと予告どおり惨殺してくるが。
巨乳のメインヒロインの、乳房を引き千切って、跡形もなく潰してミンチ肉に変えて
「胸無しになっちゃったね♪」とか言って、ビビらせてくれる。
格ゲー女キャラリョナだと
最近はどのキャラが人気なんかな
いいシチュと噛み合えば何か書けそうな気はするんだが
人気かどうかはわからないけど、マイ・ナツメとかここ数年最高レベルに好き
特に戦闘コスチュームがエロ過ぎてチンコが辛い
BBではマイも良いけどEsも好き
ロリ巨乳で感情薄い子が痛みに悶えてたりしたら素敵やん?
あと何回も言ってて悪いがUNIのユズリハはどストライク
ノエルの人乙!
ロリコンには嬉しいキャラチョイスで、堪能しました
結んでた髪が解ける描写とか大好きです
UNIキャラはみんな悲鳴が良質なもんでかなり好き。
俺にも文才があればなぁ…
>>743
Esちゃんは身体が小さいのもあってか豪快に吹き飛ぶのが弄ばれてる感じで大好きだ
話を変えて申し訳ないんだけど、ここでSS書いてる人って何のソフト使って書いてるの?
メモ帳最強
誕生日ということもあって久しぶりにエルトナムさんのリョナSS読みに来たけど、うpろだって日にち経つと消えちゃうものだったのか
もう一度読みたかったなあ
Wordは便利だけど、手軽さはメモ帳だよな
ノエルの人です
マイとEsちゃん人気のようですね
BBCFはプレイしたと言えるほどやりこんだ訳ではないので設定関係ボロボロになりそうですが……書いてみる価値はありそうですね
ただ、Esちゃんのような無口可愛い系キャラを文字だけで表現するのは結構難しかったりするので大変です(良いシチュ求む……)
>>749
仕事終わったら再うpしときますー
>>747
携帯メールで書く→PCにメール転送→メモ帳で手直し
メールを送る時に誤送信…ダメ、ゼッタイ
>>751
楽しみにしてます!
ノエルの人さんにマイちゃん書いてもらったら昇天する自信あります
UNIの新キャラでワーグナーが追加されたけど、嬲りがいがある見た目と設定してるわ
家庭版ではやくズタボロにしてやりたい
>>749
エルトナムさん誕生日おめでとう
というわけで腹パンをいっぱいプレゼント差してし上げました
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1268129.txt.html
passはryona
※前回の投稿から、若干手直し、細部の描写を変更いたしました。
>>754
いきなりの要求にもかかわらず応じてくださって本当に感謝。若干手直しどころではない加筆ぶりにただただ感嘆するばかり。新たに書き込まれた描写が、無慈悲な暴力によって完膚無きまでに蹂躙されるエルトナムをさらに際立たせています。
序盤の腹踏みつけに始まり、肋骨粉砕、その後の無様すぎる嘔吐など腹関連が破壊力抜群でした。やはり腹は大好物すぎます。
おかげでエルトナムさんにさらに愛情が湧きました。本当にありがとうございます。
>>755
お読みいただきありがとうございます。お楽しみ頂けたようで大変嬉しく思います。
私もUNIのキャラは好きなので、オリエ・ユズリハ・バティスタ・エルトナムと何気に四作書いてきましたねー。次はリンネかと思ってます。
何となくアイデアはあるので、それをいつか形にしてみたいところです。
BBのマイやEsについても、アーケードのストーリーの動画を見ているうちにアイデアは用意できたので、後は私の努力しだいといったところですね…
ノエルの人です。
1レスだけ、宣伝させてください。
うpろだでは期間限定で消えてしまうとのことで、何度か再うp依頼をいただいたので
pixivアカウントを作りましたのでご報告いたします。
ttps://www.pixiv.net/member.php?id=25152334
当分は様子を見つつ、過去作のリメイクなどをうpしていくと思いますが
新作に関しても、こちらへ投稿していきます。
また、同時にツイッターも始めました。
ttps://twitter.com/puQJfV1FEp7seHe?lang=ja
様子を見つつ、今後はこちらで活動していこうかと考えております。
よろしくお願いいたします。
何度もすみません。ツイッターURLこちらです。
ttps://twitter.com/brutalcocoon?lang=ja
おお、ノエルの人さんのpixiv待ってました!
これで手軽に過去作が読めて嬉しい限り
おお、これはありがたい!
何作か保存逃してたからありがたい…
改良トナムちゃんリョナss本当に素晴らしかったです
トナムuni衣装ってカッコいいと同時にやっぱりエロく感じます…すごく
同じスパッツ着用でもリンネには無反応だったのにワーグナーにはムラッとする不思議
なんか設定では組織内最強とか強キャラ臭出してますが、そんなもんリョナラーにとっては調味料でしかないんですよ
ノエルの人です。
オリエ編をpixivにて投下いたしましたので、ご連絡させていただきます。
エルトナム編と同様に、前回投下から一部修正させていただいてます。
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8270360
よかったらどうぞ!
新たな書き手の到来期待
新たな書き手だと思った?
残念、俺(新章)だよ。
少女の日の思い出・ゴールデンウィーク編を投稿させていただきます。
よろしくお願いします。
先日の雨から打って変わっての快晴。
私達はブルーシートの上に荷物をまとめ、公園を一望できる芝生に横並びになって立ちました。
そして、清々しい春風を全身に受け、沸き立つ開放感に酔います。
世間はゴールデンウィーク真っ直中。
クラスメイト達はやれ伊豆だ、やれタイだ、ハワイだなどと煌びやかな計画を口にしていましたが、私達には、大それた外出の予定は全くないのでした。
羨ましさは集団的自虐行動へと発展しました。
旅行の予定のないクラスの男女が集まり、「ゴールデンウィークにどこにもいかない奴らの会」を結成。
やけっぱちでできた当会は放課後会議を開き、溜りに溜まった鬱憤を晴らすため、連休の一日を使って大がかりなヒーローごっこを開催することを満場一致で可決したのでした。
そして私達は、当日を迎えます。
連休で空洞的に人のいなくなると思われる、学区外の大きな公園を舞台に設定。
お弁当、着替え、装備を持参の上、公園に現地集合。
何人来るかと不安に思っていましたが、まさかの加盟メンバー13名全員参加。
公園も、まさかまさかの貸し切り状態。
その全能感、開放感たるや、小学四年生の私達を有頂天に導くには十分すぎる環境なのでした。
「よし、やろう!」
と勇んだのは会の発起人、間中真人。
クラスのみんなからは名字と名前の頭から「ママ♂」と呼ばれ、慕われているんだか面白がられているんだかわからない地位を確立している男子です。
メンバーたちは呼びかけに頷けば円陣を組んでかがみ込み、額を寄せ合って算段を練りました。
なにせ、1日がかり、アスレチック付きの大きな公園を貸し切り状態にしての、10名を超える人数でのヒーローごっこです。
かつてないスケールでの催しに胸を躍らせていましたが、反面、これは上手くやらないとトラブルが起きるだろうという懸念もありました。
勝手気ままな烏合の衆と化するのを避けるには、全員が、統一した「世界観」の中で役を演じることが、どうしても必要なのでした。
「やはりここは、ヒーローとヴィランの総力戦だろう」
と、提案したのは横島剛太。
クラス一の巨漢にして乱暴者代表。怪人を「ヴィラン」と呼ぶ変わり者でもあります。
「怪人だなんて古臭い。本当はヴィランっていうんだ」と、悪役をヴィランと呼ぶことを提唱した彼でしたが、この聞き慣れない横文字は残念ながらなかなかクラスに定着していないのでした。
剛太の提案に異を唱える者はいませんでした。しかし、即座に賛成を表明する者もいません。
「総力戦」…なんて胸ときめく響きでしょう。
壮大にして大胆。
この魅惑的な暴走要因をどのようにまとめ上げるのか、そのヴィジョンを即座に提示できる人もいなかったのでした。
「運営陣を置こう」
そう提案したのは、我ら予定無き運命を背負いし13名のまとめ役、真人。
彼は円陣を組んだ全員の顔をグルンと見回すと、声音を神妙に落としました。
「ヒーロー勢と、ええと、ヴィラン、だっけ?その2陣の他に、全体を取り仕切ったり手伝いや情報伝達したりする役割を作ろう」
「ええっ?ちょっと待ってよ」
彼の言葉を遮ったのは、クラスきっての元気娘、赤星レイちゃん。
両サイドに結んだゆるふわ髪を揺らしながら皆の顔を見回せば、頭を低くして真人に額が尽きそうなくらいに接近して、
「それじゃ、運営になった人がかわいそうじゃないの。その人は、遊べないんでしょう?」
「確かに戦いへの参加はできないかもしれないけど、戦いの手助けはできるよ。それに」
やや食い気味に言うレイちゃんに、抑えるよう両手でジェスチャーしながら、真人は言います。
「運営は、運営だからね。強い決定権を持とう」
「決定権?」
「運営陣の判断は絶対。反対できないことにしよう。審判の役割も担うんだよ」
「いつも自分たちで勝敗つけているじゃない。それでいいんじゃないの?」
「人数が増えて乱戦になれば、みんなの意見が食い違ってすぐに決められないこともあるだろう?それでバトルが中断したり行き違いが起こるのは面倒だろう?」
「でも私、バトルに一々口を出されたくないんですけど?」
「必要に応じた最低限のジャッジに留めるよ。そこはアンパイアの心を信じてほしいね」
「ふうん、つまり……」
レイちゃんは鳶色の目をぎらつかせながら、腕を組みました。
「ママが、その貧乏くじを引いてくれるのね?」
「うん、それでいいよ」
真人は眉を開いて頷きました。
レイちゃんは仏頂面をしながらも、ひとまず彼に同意して、他の友達を見渡しました。
このメンバーの中に、反対する者はいないようです。
レイちゃんは無言のまま彼の元を離れました。
それから、真人は運営陣を2人選びました。
西川誠也と、東山康司。
どちらも、いつも真人といっしょに遊んでいる友達です。
後から聞いた話では、彼等は前日、真人の家に集まって公園でのヒーローごっこの打ち合わせをした際、
運営者の必要性について話題になり、その役を買って出るための算段もすでに練っていたということでした。
「じゃあ、敵と味方に分かれましょう。どっちがいいか希望はある?」
私、水島みのりが議論の進展を促せば、みんなの瞳が爛と輝いたのがわかりました。
いよいよ総力戦を敢行するのだと息巻きながら友達の顔をぐるりと見渡します。
この中の誰が自分の敵となり、誰が自分の味方になるのか、近く訪れる未来に胸を躍らせたのでした。
15分ほどの話し合いの末、結局、女子ヒロインチームと男子ヴィランチームに分かれての「ヒロインごっこ」を行うということになりました。
完全に男女対抗戦という形となりましたが、実は、このような結果になるのは珍しくありませんでした。
お互い男女の気恥ずかしさも芽生えていて、好んで自分の仲間に異性を指名することはほとんどありません。
男女が自分から混合チームを作ろうと言い出すのは、まだ稀なことだったのです。
特に男子からそのような意見が出た時には、速攻で理不尽な冷やかしと「エロ星人」認定がついてきます。
ああ、なんと不憫な運命でしょう。
そのような危ない橋を渡る者は、今回も現れなかったのでした。
女子ヒロイン勢はチームを「キューティ・ファイブ」と命名し、男子ヴィラン勢を迎え撃つことになりました。
ここで、簡単な戦力紹介をしておきましょう。
まずは私達ヒロイン勢から。
「魔装部隊キューティ・ファイブ」
ジャンル :変身ヒロイン
キーアイテム:宝石装飾のペンダント
メンバー :
1. ルビー・フレイヤ(赤星レイ):快活ツインテールの炎の戦士
2. サファイア・アクア(水島みのり):セミロングの水の戦士
3. エメラルド・リーフ(緑山ひとみ):メガネのキュートな緑の戦士
4. オニキス・シャドー(黒川ミユキ):長身ミステリアスの闇の戦士
5.コーラル・ピーチ(桃井かおり):小さな身体にエナジー溢れる愛の戦士
続いてヴィラン勢。
「星の汚染者」
目的 :星を汚染し自分達の住みやすい世界にする異星の怪人集団。
メンバー :
1. 横島大樹
2. 八雲透
3. 阿久津亮二
4. 有野ツバサ
5. 千田ルイ
以上5名
ヴィラン勢の素性は全くの未知です。
さらに、こちらのキューティ・ファイブは名前こそ違うものの、よくやっている変身ヒロインのイメージ。対して、ヴィラン勢は、全くの初モノ怪人。
情報戦では、一歩相手に先行を許してしまっていると言えるでしょう。
「構わないわ。テレビのヒーローやヒロイン達だって、条件は同じようなものじゃない?」
と、静かに言うのは、オニキス・シャドーこと黒川ミユキちゃん。
発育が良く、身長の順では男子を混ぜても一番後ろ。さらに物静かで一歩引いた出で立ちは大人びていて同学年であるということを忘れさせる和風美人です。
彼女は、一見するとヴィランの纏うような黒いマントを羽織り、いそいそと準備をしていました。
「ミユキちゃんは、どんな武器を持ってきたの?」
私が彼女のリュックを覗きこもうとすれば、ミユキちゃんはそれとなくリュックを遠ざけながら、中に手を伸ばします。
「私は、これ……」
ミユキちゃんは、そう言って茶色く細長い袋を取り出しました。
中に入っていたのは、ミルク色をしたリコーダーです。
魔法の壺を思わせる凹凸具合に、短剣ほどの長さ。
さらに程よく固く、持ちやすく、馴染みのある楽器。
確かに、武器として使いたい魅惑を備えたアイテム。
学校で振り回せば死ぬほど怒られるこのアイテムを、ゴールデンウィークにぞんぶんに使ってやろうとこの寡黙な優等生は思い至ったのでした。
準備時間は15分。
ヴィラン勢は一足先に公園全体に散らばって、各々準備をしています。
ヒロイン勢は公園を探索し、彼らを見つけ出して、退治するというのが、実に大まかな、シチュエーションの流れなのです。
他の戦士達はすでに各地に散らばり怪人の姿を探しています。
私もまた、これから始まる激しいバトルに思いを馳せながら、公園の奥へと進んでいったのでした。
「どこにいるの……」
私は5月の芽吹き薫る新緑の林を一人歩いています。
広葉樹から覗く空は清々しいまでの青。地面は、昨日降った雨でほんのり湿り気を帯びています。
公園のはずれにある雑木林。
私は午前の森林浴を楽しみながらも、幹の端端に注意を配り、怪しいところがないか探索しています。
「ここには、いないかしら……」
やはり、アスレチックの方が魅力的なのかな。
私は、「怪人」の心情を推察しながら土を踏みしめます。
私の服装は、純白のTシャツに、水色のプリーツスカート。白いハイソックスは太ももまで皺なく伸ばして履いています。
そして、胸元に輝く、プラスチック製の水色のブローチ。
それにかわいらしい水色のリボンを施して神秘的な変身アイテムっぽく飾り付ければ、気分はすっかり、水を司る変身ヒロインです。
そう。
今の私は、公園を散策する小学4年生の少女ではありません。
悪の怪人を退治するために密林を探索する、正義の変身ヒロイン「サファイア・アクア」なのです。
この星を狙う怪人、「星の汚染者」の野望を阻止するため、正義のヒロインとなった私は公園、
いいえ、邪気の渦巻くジャングルをパトロールしているのでした。
「んっ?……あれは……」
私は眼前の雑木林の異変に目を留め、近づいていきました。
緑と茶色の世界に、不自然な白がヒラヒラと棚引いているのが見えたのです。
それは、図工や大掃除でよく使う白いスズランテープでした。
ただのゴミではありません。
あくまで意図的に、そのスズランテープは木々に結ばれていました。
それらは木々の枝や幹に幾重にも結ばれ、張り巡らされ、さながら結界のようになっていたのです。
囲いの範囲は10メートル四方と、いったところ。
地面から1メートルから2メートルの高さに張り巡らされており、テープをよけて通るのは容易ですが障害物としては意識しないといけないでしょう。
「ククク。来たなキューティ・ファイブ」
背後から声をかけられ、私はハッと振り返ります。
そこには、同じく白いスズランテープを幹から幹に張らせて、私の入ってきた「入り口」を「閉鎖」している同級生の姿がありました。
彼は私を自らのテリトリーに幽閉することに成功すれば、してやったりと、笑みを作って、私と白い結界の中で対峙したのです。
私は、彼をキッと睨み付けました。
「出たわね、怪人!このサファイア・アクアがあなたの汚れた力を洗い流してあげるわ!」
私は、ビシッと相手を指差して名乗りを上げます。
怪人の男子はガハハと笑ってそれを受けました。
「俺様の巣へようこそ、サファイア・アクア……このコスモ・タランチュラが貴様を地獄へと送ってやる!」
怪人コスモ・タランチェラもまた、自ら名乗り、両腕を前に出して構えました。
この名乗り合いには意味があります。
私たちは、互いの役名を知らないのです。
どうやら、彼……千田ルイは、毒蜘蛛の怪人になりきっているようです。
彼は両腕両足、そして体にも赤と青のスズランテープを巻いて、毒々しい蜘蛛の模様を現しています。
目元は、墨でクマを作って本格的なメイク。
なかなか悪そうな顔つきに仕上がっています。
「……ククク。俺の糸に少しでも触れてみろ?ねばねば攻撃で動けなくなるぞ?」
怪人コスモ・タランチェラは、辺りに張り巡らされたスズランテープをピンピン叩いて言います。
彼の提示した「設定」を、私は呑みます。
周到に用意されていた罠に飛び込んでしまったのは私の方。
彼の用意したアドバンテージを認めるのは当然の流れ。
蜘蛛の巣での戦いとは、かなり厳しいシチュエーションでの戦いに誘い込まれてしまいました。
「このウェブ結界からは逃れられないぞ。この俺様を倒さない限り……」
怪人から畳み掛けられる状況設定。
私は、千田がヒロインたちを駆るために周到に準備してきたことを知ります。
蜘蛛特有と言うべき、蜘蛛の巣の罠。
限定された空間。
私は彼のホームでの戦いを強いられることになってしまいました。
「おもしろいじゃないの……」
私は細く息を吐けば、勝気に言ってやりました。
それがヒロイン、サファイア・アクアのセリフなのか、私自身の彼への賛辞なのかはわかりません。
しかし、私の心が、彼の用意した罠の中で熱く燃えていたのは確かでした。
「かかってきなさい!コスモ・タランチェラ!」
私はスカートのポケットから白い手袋を取り出すと、キュッと嵌めて構えます。
「邪気を浄化するアクアハンドよ!」
「おもしれえ!俺様の纏うポイズンオーラをはがせるかな!」
どうやら、彼の体に巻きついているスズランテープが、彼の「弱点」を表すパロメータらしい。
そうとわかれば後は簡単。
肉弾戦であのヒラヒラを毟ってやるのみ!
「はあっ!」
私は地面を強く蹴って、怪人との距離を詰めます。
しかし…
「うっ!」
私は足を止め、彼への突進を躊躇してしまいます。
彼の立つ位置には、白いスズランテープが細かく張り巡らされています。
あっちに行くのは、危険だわ!
私はジリッと足を鳴らせば、そこでファイティングポーズを取ります。
蜘蛛怪人コスモ・タランチェラは、立ち止まった私に向かって突進してきました。
「どうした、かかってこないなら、こっちから行くぞ!」
組みかかってきた相手の腕を取れば、ラグビーみたいに押し合うヒロインと怪人。
力勝負では互角の様相。
「俺様の身体には毒を持った針みてえな体毛があるんだぜ!」
「そんな欲張り認めない!毒はアクアパワーで中和されるわ!」
私たちは組み合って、力を込めているために声を震わせながら言い合います。
どうやら怪人は体毛によってこちらに毒を流し込みたいようですが、そんなことをされてはヒロインごっこがつまらない。
その設定を私は突っぱねました。
千田は続いて腕を左右に動かしながらなんとか均衡を崩そうとしてきましたが、私はそれを許さずがっぷり組み合って、均衡を維持します。
「この……!」
そして、そのまま腕を横に薙いで、怪人の体を、比較的糸の少ない方へと放り投げました。
「おっとっと……!」
彼は体勢を崩しながらも片足で何度かステップを踏んで転倒を回避します。
そのままこちらに向き直れば、再び襲い掛かってくる様子をみせますが、私は大きく地面を蹴って彼との間合いを一気に詰めました。
面食らった怪人の表情が私を高揚させます。
「くらいなさい、アクア・シュート!」
私は大きく脚を横に振って、つま先を彼のわき腹に突き刺しました。
綺麗に命中する足の甲。
確かな手ごたえ。
私は有効打を確信しました。
「ぐうっ……」
怪人は後ろに跳んで、結界のギリギリの位置にまで後退すれば、ガクリと膝をついて、蹴られた腹を押さえます。
確かにまともに入ったけど、そんな、動けないほどのことではないはず。
私は、万が一の「やりすぎちゃった」展開が無いことを確かめれば、すぐに思考をヒロインモードに切り替えます。
このまま一気に畳み掛ける。
私は、周りにチラリと注意を払い、辺りに糸が張り巡らされていないことを確認すれば、胸のブローチに手を翳しました。
「これでトドメよ!サファイア・ライトニング……」
「させるか!」
私が必殺技を放とうとモーションに入った瞬間、怪人はスクッと立ち上がり、私めがけて何かを投げつけてきました。
どうやらポケットに忍ばせていたようです。
それは、白いスズランテープを細かく裂いた毛玉でした。
「くっ、これは……」
私は手を翳してそれをガードします。
クラゲのように細い糸を伸ばした直径15センチメートルほどの毛玉が、払い除けられることなく、私の指に絡みついてきました。
「この……とれない……」
「毒糸噴射よ……それは、そう簡単には剥がせないぜ」
怪人の言うように、静電気を帯びた毛玉の糸はなかなか剥がれず、私は腕を大きく振ってそれを振り落そうとします。
その隙を突いて、怪人は第2第3の毛玉を投擲。
私は体に細い糸を張り付かせる不格好な姿にされてしまいました。
「毒糸が体に絡みついたようだな…」
「なんの…こんな毒、アクアパワーで中和してやるわ……」
「すぐには無理だな、10秒は動けまい……」
優位に立つ彼の推測は、実際、それと同等の効果を「ヒロインごっこ」は持ってしまいます。
私は忌々しげに腕を振りながら、糸を振り払いつつ、後退して攻撃不可の10秒をやり過ごそうとします。
しかし、すぐ背後には、張り巡らされた白い罠が。
私が逡巡している間に、怪人コスモ・タランチェラは一気に間合いを詰めてきます。
そのまま、指をぴったりつけてカマキリの鎌みたいに振りかぶれば、私の太腿に突き刺してきました。
「いたっ……」
思わず苦悶の声を上げた私に向かって、怪人は不敵な笑みを浮かべます。
「タランチェラの毒を流し込んだぞ。これでアクアエネルギーは弱まってしまう」
「毒、ですって?そんな攻撃、跳ね返してみせるわ……」
「強情なのは相変わらずだな。だが、この毒糸攻撃はかわせるかな?」
「毒糸攻撃、ですって?」
私は、先ほどの毛玉攻撃を想像していたのですが、どうやらそうではないということがすぐにわかりました。
私は、千田が巣の外に何やら目配せしたのに気づき、その視線の先に注意を向けます。
そこには、赤いスズランテープを10メートルほどに伸ばし、それぞれ先端を持っている2人の男子の姿があったのでした。
「西川君に、東山君……?「運営」の2人がどうして……」
「奴らは黒子だよ。「いない存在」ってこと。彼らの動きを止めることはできない」
「そんな……どういうことよ!」
「つまり、僕の技の「エフェクト」っていうか、飛び道具役をやってくれるんだよ」
コスモ・タランチェラは一瞬だけ千田に戻って私に説明します。
私は困惑しながらも為すすべなく棒立ち状態。
2人の黒子は私を中心点として対称に陣取れば、時計回りに回って私に赤いスズランテープを巻き付けてきます。
白と青を基調とした私の衣装に、毒々しい赤い線が絡みついてきました。
「くうぅ……ああっ……」
予想外の締め付け感に、苦悶の声を漏らしてしまう私。
赤いというのは毒を持った糸という表現なのでしょう。
私は両腕を体に付けた状態で糸に巻き取られてしまえば、身動きが取れず脚をふらつかせます。
2人の黒子がスズランテープの両端を木の幹に括り付ければ、私は鎖に拘束されたみたいな格好にされてしまいます。
さらに黒子たちは同じくらいの長さの青いスズランテープを用意し、再び対角線上に位置取って、
今度は反時計回りに回って私に青いスズランテープを巻き付けてきます。
それもまた木の幹に括り付けられれば、私は四方向から2色のスズランテープで雁字搦めに拘束されている状況にされてしまいました。
「んくうう……この……」
私は必死に身じろぎしますが、スズランテープは見た目の薄さからは想像もつかないような強度を発揮し、私に振りほどく隙を与えてくれません。
「うそでしょ……ほんとに……全く動けないわ……」
私の額に冷たい汗が滲みます。
スズランテープの食い込みも痛いくらいにきつくて、動けない。
不覚にも許してしまった緊縛に、私はヒロインとして、水島みのりとして、焦りを感じてしまいます。
「これは、シャッターチャンスだ」
西川がそう言って、私が蜘蛛の糸に絡め取られて悶絶拘束を受けている姿をデジタルカメラに収めます。
「あっ!こら……やめてよ……」
「これも運営の仕事だよ」
私が羞恥に頬を染めて抗議しても、それは受け入れられません。
怪人コスモ・タランチェラは、全く身動きできなくなっている私を眼前に捉えれば、鋭い膝を私のお腹に突き立ててきました。
無防備な私は、スズランテープに拘束されたまま体をくの字に曲げて悶絶します。
「あっ……かはっ……」
「どうだ、俺様の毒針攻撃は、利くだろう?」
千田は黒子の西川に目配せすれば、私の体をサンドバックにします。
「んくううぅ……ぐっ……きゃああっ……」
殴る、蹴る、叩くのやりたい放題。
私は体を揺らしながらコスモ・タランチェラの攻撃に晒されます。
千田の視線の意味を理解した西川はデジタルカメラを私たちに向けシャッターを押します。
彼の手により、私の耐えがたい羞恥的「やられシーン」が、次々に写真に収められていきました。
「よし、もういいだろ。俺たちは他に行くぜ」
東山が西川を小突けば、西川はチラッと千田の方を見て意志を確認します。
「ああ、サンキューな」
千田は私から目を離さぬまま、その場を立ち去る2人の協力者に片手を振りました。
私を、サファイア・アクアを絶体絶命の状況に追いやった功労者が戦場を去れば、千田は私の顎をクイっと持ち上げて目を合わせてきました。
「どうだ、思い知ったか。毒糸はサファイア・アクアを蝕み、生贄にした。これでバッドエンドだ」
「ダメよ、そんなの、認めないわ……」
私は、圧倒的優位に立つ千田をにらみ返してやります。
千田は眉をピクリと動かして不快感を示すと、私の顎に当てていた指を蜘蛛の足みたいに動かしながらさらに奥へと進ませ、頬をなぜ、
耳の下をくすぐり、耳元にかかる私の髪を掻き上げると、うなじから首にかけて掴んで、鋭い爪を突きたてました。
「いづっ……」
眉を寄せながら苦悶の声をあげてしまう私。
嗜虐的な笑みを浮かべながら、千田は息がかかるくらいに顔を近づけて言います。
「そうだよな。水島さんはまだ一回も負けを認めたことがない。とんだワガママ娘だ」
「なに……よ……まいったなんて……言わないわ……」
「いいよ。それでこそへし折り甲斐がある」
千田はそう言って笑えば、手刀を作って私の鳩尾に押し込んできます。
「うえっ……」
私は呼吸の止まりそうな痛みに目を見開いて悶絶します。
「えぅ……きつ……」
「いつまでそんな抵抗ができるかな。もう勝負は決まっているってことを教えてあげるよ」
怪人の言葉とも千田の言葉とも思えない、サディスティックな声が私に投げられます。
呼吸器にダメージを与えてきた手刀が、今度は脇腹に、太股に、胸部に、次々に突き刺さります。
刺すような痛み、抉るような鈍痛。
彼の一撃一撃はサファイア・アクアどころか、水島みのりにさえ衝撃と苦痛を与えてくるのです。
「ええう……無理……こんなの……」
「じゃあ、負けを認めろよ。降参するまで、8本の腕による毒針攻撃がお前の身体を痛め付けるぜ……」
「そ、それはぁ……」
私は涙目になりながら、突きを受けるたびに身体を激しくよじらせ、苦痛によがります。
口元からは涎が垂れて、顎を伝っていくのですが、それを拭うことさえ私には許されないのです。
ギシ……ギシ……
スズランテープの拘束する音が軋んで聞こえ、私はテープの食い込む痛みと突きの衝撃で顔を真っ赤にして苦しむ姿を曝してしまいます。
怪人は私の太股に蹴りを打ち込んで渇いた音を森に響かせれば、いたぶる労力に息を風と吐いて言いました。
「お前、なんだか楽しそうじゃねえか?こんなにボコされてるのによぉ?」
「……は……はぁ?」
怪人の言葉に、私は疑問の声を投げます。
「意味わかんないんだけど……」
私はもう、辛うじて立っているくらいダメージが蓄積してしまっています。
正直、このまま勝てる見込みはないと頭ではわかっていたのです。
でも、「降参」の言葉を吐くことを、ヒロインのプライドが許さなかった。
拷問が再び開始されれば、怪人のサンドバックは激しく悶えながら身をくねらせました。
「ああう……んぐうう……ぐああああ…………」
私の悶絶に、スズランテープが耐えられませんでした。
耐久そのものに問題はありませんでしたが、幹との結び目が弱かった。
小学4年生の技量では、紐を完全に括り付けておくことができていなかったのです。
シュルン……シュルン……
幹から解かれたスズランテープ。私は身体をグルグル巻きにされたまま地面に堕ちました。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
芋虫みたいにテープにくるまれ、地面に横たえて息を荒げる私。
顔を昂揚させて、荒い息遣いは上半身を大きく上下させました。
「往生際が悪いヒロインだぜ」
怪人コスモ・タランチェラは無防備に横たわる私の頭を踏みつけてきます。
「んぎいい……ぐあああ……」
「ははは!すぐに負けを認めればこんな痛みも知らずにすんだものを!」
怪人が完全勝利を確信してそう言い放ちます。
拘束の元は剥がれているとはいえ、絡みついたテープを解くことは適わずなすがままにされている私。
その痛みが、私の芯をさらに熱くさせるのでした。
「トドメと行こうか」
怪人は私のセミロングの後ろ髪を掴んで強引に上半身を持ち上げます。
「あああっ……がはっ…………」
芋虫ヒロインの私は、上体起こしをするみたいに身体を反らして、首を上げます。
タランチェラは剥き出しになった私の首に、伸びた爪を宛います。
サファイア・アクア、絶体絶命のピンチ。
今まさに爪が横に引かれて私の喉元をかっきろうとする、その時でした。
[newpage]
4.
「させない!イノセント・ピンク・アロー!」
明るいソプラノの声が森を駆け抜け、怪人コスモ・タランチェラの横腹に飛び蹴りがクリティカルヒットしました。
「ぐげえ……!」
カエルの潰れたような声を上げて横に吹っ飛んでいくコスモ・タランチェラこと千田ルイ。
窮地のヒロインを救った蹴りの主は、ピンクのビニルマントを纏った小柄な可愛らしい少女でした。
「コーラル・ピーチ、推参!」
彼女はポーズを決めれば、私の身体に絡みついているスズランテープを剥がしながら私を抱え起こしてくれました。
彼女の胸元には、ピンクのブローチが光ります。
彼女もまた、サファイア・アクアと共に「星の汚染者」と戦う変身ヒロイン、コーラル・ピーチなのでした。
「アクア!今よ!」
「……ええ!」
一気に活力を取り戻した私は、ようやく起き上がろうとしている怪人を正面に迎えて立ち、ブローチに手をかざします。
「サファイア・ライトニング・ブラスター!」
「私も……コーラル・フレッシュ・レボリューション!」
一気に放たれる合体攻撃。
形勢逆転は必殺の威力を発揮します。
「ぐあああああああああああああっ!!」
両手を宙に掲げてわななかせれば、千田はばたりと倒れて動かなくなりました。
「か、勝った……!」
勝利を確信して、がくりと両膝を付く私。
充足感に満たされて頬が思わず緩んでしまいます。
今回は、もうダメかと思いました。
でも、思わぬ援軍に助けられ、この強敵コスモ・タランチェラを撃破することができました。
私は、小さな救世主に向かって立ち膝のままで微笑みかけました。
「ありがとう、かおりちゃん……助かったわ……」
「みのりちゃん!大変なの!ルビー・フレイヤが……ルイちゃんが負けちゃう!」
「ええっ!?」
仲間の苦戦を告げられれば、私はふらつく足を鞭打ちながら立ち上がります。
「誰に?」
「剛太のやつよ!このままじゃ、ルイちゃんがぁ!私じゃあいつに勝てないよ!みのりちゃん、力を貸して!」
可憐が服を着たような桃井かおりちゃんが、私に縋ってくるのです。
どうやら、この大戦にはまだまだ波乱がある予感。
私はヒロインの闘志を心に宿らせて、
慈愛の戦士・コーラル・ピンクと共に公園のアスレチックゾーンに向かったのでした。
ありがとうございました。
「リョナどこ?」
「なんだこれ?」
「エロくないんですがそれは……」
など、感想おまちしています。
では、スレがさらににぎわうことを祈念しております。
待ってた!乙!
毎度ながら子供の遊びをテーマにここまで盛り上げられるギミックや発想その物に感激
まさにアイデア勝負だね、みのりちゃんの一人称視点もドキドキ感を増幅させてて素敵
今回は前回に比べて淫靡さでは劣るけど、その分しっかりリョナ成分多めで読みやすかったと思うよ
アスレチック編はよ!
>>774
読んでくださりありがとうございます。
感想、とても励みになります。
では……実は……今回は2本立てだったのだ!
ということで、投下させていただきます。よろしくお願いします。
郊外にある大きな公園には、魅惑的な珍しい遊具・設備が数多くありました。
5メートルはある垂直滑り台、20メートルを滑走するターザンロープ、30メートル四方の庭園迷宮……
この15メートル四方の大きな砂場もまた、地味ながら、この公園にしかない珍しい設備です。
夏にはサンドアートの会場になったこともある砂場の真ん中に、クラスきっての元気娘、赤星レイちゃんは佇んでいたのでした。
ふわふわの髪を、赤い球のついたゴムで両サイドに束ね、白いTシャツに、デニムの短パン、白いハイソックスに赤い運動靴という恰好はとても健康的。
そして、Tシャツの胸に輝く赤い宝石を象ったプラスチック製のブローチが、彼女が小学4年生の少女「赤星レイ」ではなく、
炎の戦士「ルビー・フレイヤ」であることを物語っています。
「あんたがこんな場所にいるなんてねえ……」
ルイちゃんは眼前にいる男子に向かって言います。
大きな砂場に立つのは2人。ルイちゃんと、かなり大柄な男子、横島剛太。
クラス1の体重と、男子では1番の長身という恵まれた体躯を誇るこの乱暴者は、
リーダー色である赤を司るルイちゃんと向かい合い、無毛の砂漠に立っていたのでした。
「ああん?オレが砂場にいるのが意外かよ?」
剛太が首を横に傾けて尋ねれば、レイちゃんは屈託のない笑みを浮かべて肯定します。
「べつに?ゴリラはアスレチックのてっぺんで腕組みしてるイメージがあったから」
「誰がゴリラだ」
「あれ、傷ついた?」
ルイちゃんはクスリと笑います。
「ゴリラじゃなかったらなんなのよ」
「アリ地獄だ」
挑発にも乗らずにむっつりした顔で答える剛太に、面食らったルイちゃん。
クリクリの目をパチパチしながら彼の口元を見ています。
「アリ地獄?」
レイちゃんが問い返せば、彼は自信たっぷりに太い腕を組んでふんぞり返りました。
「怪人アントキラーだぜ」
レイちゃんは剛太の言葉を聞いて失笑します。
「あはは!アリ地獄って!」
「なんだよ、文句あるか?」
「アリ地獄って、アレでしょう?地面の中でアリが落ちてくるのを待っているやつ」
「そう、そう」
「巣の中でひたすら待っているのよね?悪いけど、そんな穴にみすみす飛び込むバカな真似はしないわ?
確かに足を踏み入れちゃえばピンチかもしれないけど、待ちの一手じゃ燃えないよ?」
「そこは、巣の外に出て戦うさ」
「え〜?外に?……あはは!剛太、敗れたり!」
「あんだと?」
剛太が怒気を孕んだ声ですごめば、レイちゃんはしたりと笑います。
「外に出るだなんて……最大にして唯一の個性を捨てて!この勝負、見えたよ」
「言わせておけば!」
「折角の砂漠なんだから、サソリとか、スフィンクスとか、もっと「強そうな」モチーフのヴィランに変更したら?」
「うるせえ!オレはアントキラーで行く!」
「ああ、そう」
意固地になる剛太に向けて肩をすくめれば、レイちゃんは足元に置いていた、普段は体操着入れになっている巾着を引っ張り上げて中身を出します。
入っていたのは、赤いフリスビーでした。
市販の円盤に、オレンジや黄色のアクリルガッシュで燃え上がる炎が描かれています。
続いて出て来たのは2つの赤いリストバンド。
それらにはマジックテープが付いていて、レイちゃんはそれを左右に嵌めれば、フリスビーを右前腕にペッタリくっつけたのでした。
「おお!それは!」
剛太が明るい声を上げて関心を示します。
レイちゃんはフリスビーをヒラヒラと見せびらかすように振って見せました。
「フレイムシールドよ。この日のために作ったんだから、楽しませてほしいわね?」
「すげえな!ははは!」
武器の造型に手を叩いて喜ぶ剛太の様子を見て、レイちゃんはフフンと鼻を鳴らします。
「でも、相手がアリ地獄の怪人じゃあねえ?」
「せいぜい今の内に余裕ぶっこいてろ!」
剛太は腰に巻いたポシェットから、黒く染めた軍手を取りだして嵌めました。
「アントキラーの鋭い顎でいたぶってやるぜ!」
「剛太らしい力任せの戦法ね。やれるものなら、やってみなよ!」
レイちゃんはビシッと剛太のことを指差せば、頭の中のスイッチをONにします。
伶ちゃんの魂に、精神に、正義のヒロイン「ルビー・フレイヤ」が憑依し、怪人アントキラーの前に降り立ちました。
「出たわね、アントキラー!魔装部隊キューティ・ファイブのリーダー、ルビー・フレイヤがあなたの野望を燃やし尽くしてやるわ!」
「ほざけ!忌々しき正義の炎よ、砂漠の陽炎となって虚空へと消え失せるがいい!」
フレイヤの名乗りに対して、アントキラーも啖呵を切って前にズンと躍り出ます。
ジリジリと靴底で砂を踏みしめながら、間合いを少しずつ詰めていく両者。
「があっ!」
先手を仕掛けたのはアントキラーでした。
左腕を勢いよく振りかぶれば、掌を開いて叩き潰すようにしてフレイヤの頭上に振り下ろします。
それを、フレイヤは右腕に付けたシールドで受け止めました。
パァン!
気味の良い渇いた音が響けば、想像以上の臨場感にレイと剛太の瞳が輝きます。
「おおっ!」
「驚くのはまだ早いわ!」
フレイヤは右腕に付いたシールドを左手で剥がせば、チャクラムみたいな感覚で横に振り、武器として使います。
「ちっ!」
アントキラーは掌を広げてそれを受け止めれば、そのままいなしながら後退。
「逃がさない!」
フレイヤはコマのようにクルクルと回りながら間合いを切らさずに追撃し、シールドでの斬撃を繰り出します。
「小賢しい!」
アントキラーは接近するフレイヤの腰に手を回します。
細いフレイヤの括れにアントキラーの鋭い顎が掛かれば、シャツはキュッとしまり腕に組み付かれたことを示しました。
「きゃっ……この……」
このまま締め上げに移行しようとするアントキラーを正面に捉えたフレイヤは、
シールドを思い切り振り上げて脳天に叩き付けようとする姿勢を取ります。
「むっ……!」
それを察したアントキラーは彼女の身体を大きく左右に振って、思い切り横へとフレイヤを投げ飛ばしました。
「おっとっと……」
シールドの振り下ろしは中断され、レイちゃんは片足で砂場に降り立ってそれを軸足として半回転。再び剛太の方へと向き直ります。
……ペタン!
武器として使ったシールドを今度は左腕に貼り付ければ、円盤の端を右手の指でキュッと握って身体をよじり、抜刀術のように上体を屈めました。
「むっ!」
次の動作を察した剛太が腰を落として構えれば、レイちゃんは口元に強い笑みを浮かべます。
「くらいなさい、フレイムスライサー!」
技名を叫んで、レイちゃんはフリスビーを剛太目掛けて放りました。
剛太は腕をクロスしてフリスビーを受け、そのままレイちゃんの方に弾き返します。
「アントキラーの外殻の堅さをなめるな!灼熱に耐える甲羅はお前の炎を通さないぞ!」
弾き飛ばされ、フラフラとした軌道で空を泳ぐフリスビーを器用にキャッチすれば、レイちゃんはニヤリと笑ってみせました。
「いいわ!じゃあ、これならどう!?」
剛太の提示した設定を認めたレイちゃんは、シールドを右腕に戻し、突進していきます。
掌を組み合って、押し合いの体勢になる2人。
レイちゃんは細身の142センチメートル。対する剛太はタヌキ体型、身長はすでに150センチメートルを優に超えています。
力勝負に出るヒロインと怪人の体躯は、端から見ているとかなりの差があります。
しかし、その押し合いを、体躯で劣るレイちゃんは楽しんでいるようでした。
「やるじゃないの……」
「へっ……オレに力で勝てると思ってんのかよ……」
「バカ言わないで。力任せしか能のないあんたにも、ちょっとは見せ場を作ってあげた、だけ……よ!」
レイちゃんはそう言って、剛太の土手っ腹に足の裏を当てて蹴り飛ばしました。
「おっと……!」
組んでいた手が離れ、剛太の巨体が後ろへと蹌踉めきます。
そのままバランスを崩し、砂場に両手をつく剛太。
チャンスと見たレイちゃんは、右腕についていたフリスビーを再び外して武器にします。
「とどめよ!フレイムクロス……」
「させるかよ!猛砂塵!」
必殺技を放とうとするレイちゃんに、剛太は手に掴んだ砂を投げ付けます。
目には入らないよう配慮され、低い軌道で放たれた砂は、レイちゃんのデニムパンツから伸びる眩しい太股を打ちつけました。
「つっ……」
フレイヤは必殺技を中断し、盾を腕に付けて上半身を守ります。
フレイヤは、砂塵の当たるこそばゆい痛みに身体をビクつかせながら攻撃を凌ぎました。
アントキラーはその隙に立ち上がれば、握っている最後の砂を、彼女が近寄って来られないように横に広く投げ付けます。
下半身への打ち付けに耐えながら、フレイヤは最後の横薙ぎ攻撃をやりすごしました。
「無駄な抵抗よ。このフレイムシールドには、そんな攻撃通用しない!」
完全に砂塵を凌いだフレイヤが、シールドの横から顔を出しました。
攻撃の嵐は止んだかと思われましたが、剛太は、ポシェットに手を入れて何かを取りだそうとしています。
「アリ地獄の唾液をくらえ!」
そう言ってポシェットから出したのはタプタプの水風船。
投げ付けられた風船を、レイちゃんは右腕に付けたフリスビーで受けました。
ビチャアァァ……
風船が割れて、中に入っていた水がレイちゃんに降り注ぎます。
しかし、フリスビーこそ派手に濡れたものの、レイちゃん自身は盾に守られて、液体の付着はほぼ免れたようでした。
「効かない!この程度の水で消される炎じゃないわ!」
フレイヤは盾を掲げてその威力を誇示します。
「その中にまだ水が入っているの?ふふ……砂漠の戦いで水攻撃だなんて驚いたけど、
あんたの考えた苦し紛れの策なんて、すぐに粉砕してあげる!」
「がはは!面白いことを言う!粉砕されるのはお前の方だ!」
レイちゃんの勇む発言に対して、剛太も豪快に笑って返します。
「我が液に触れたものはエネルギーを吸い取られ、石へと変わっていくのだ!」
「そう!やれるもんならやってみなさいよ!」
勢いよく砂地を蹴って剛太に詰め寄るレイちゃん。
迎撃するかのように、放られる水風船。
それを、レイちゃんは再びシールドで受けました。
眼前で破裂する風船。しかし、今度の中身は水ではなかったのです。
バフッ!
フリスビーに当たった風船は派手に爆ぜて粉末の煙を上げました。
「なっ……くっ……」
巻き起こる粉塵に思わず目を瞑るレイちゃん。
追撃を恐れて大きく飛び退き、うっすら目を開ければ、剛太は不敵な笑みを浮かべて腕組みしています。
「煙……?なんだったの……?」
レイちゃんが視界を回復し、盾を構え直せば、剛太は歪に口角を上げます。
「かっかっかっ……どうやら石化が始まったようだぞ?」
剛太が邪悪に笑って指摘すれば、レイちゃんはハッとして自分の腕に備えられているシールドの表を確認しました。
赤と、オレンジと、黄色を基調とした円盤の表面には、極めてキメの細かい黒い粉が付着し、
鮮やかに描かれた模様は確認できないほどに汚されてしまっていました。
「しまった……!」
レイちゃんはあまりに首尾良く汚された正義の武器を見つめて愕然とします。
投げ付けられた風船に入っていたのは校庭の砂でした。
ただし、それはただの砂ではありません。ライン用の石灰を多分に含んだ粒の細かい砂。
強風の日にはその軽さと細かさから黄土色のつむじ風となり、
授業中窓の外を眺めていた子供達の胸を踊らせる役割を果たす「竜巻の元」なのです。
「うそでしょ……?」
指で触ればザラリとした感触と共に、茶色いラインが描かれます。なかなか汚れは剥がせそうにありません。
キメの細かな砂が、水分の付着したプラスチックに付けば落とすのは困難です。
拭き取るなり、多量の水を使うなり……どれも戦闘中には、あまりに不可能なこと。
水はあくまで接着剤の役割を担う囮だったのです。
力自慢の脳筋と侮っていた男子の奸計を見破れなかったことに、レイちゃんはショックを受けてしまっていました。
「盾だけじゃないぜ……今度はお前の番だ!砂塵をくらえ!」
アントキラーは盾を汚され呆然としているフレイヤに追い打ちの砂嵐を放ちます。
足場の砂を掴み、つぶての嵐としてレイちゃんの身体を打ちつけ、手足を、コスチュームを汚してくるのです。
「きゃああああああああっ!!?」
甲高い悲鳴を上げながら、レイちゃんは砂嵐の脅威に無防備に曝されてしまいました。
「盾はもはや使い物になるまい?」
その低い声はすぐ傍から聞こえます。
嵐に翻弄されてしまっていたレイちゃんは、剛太がだんだんと間合いを詰めてきていたことに気づきませんでした。
ズンと肉感のプレッシャーをかけながら剛太が目の前に立ち、右腕に装着したシールドを無遠慮に握ります。
「あっ……」
レイちゃんは悔しそうな顔をして、自慢の武器に手をかけている剛太を見据えました。
その乞うような目線は、ピンチ状況の肯定。レイちゃんは彼の設定を呑んでしまいました。
ニヤリと剛太が笑い、自らの提案が受理されたことを確認します。
ビリリッ!
マジックテープから強引に引き剥がされる音が響いたかと思うと、シールドは無惨にもフレイヤの腕からむしり取られ、宙に投げ捨てられました。
フリスビーでできたシールドは高く舞い上がったかと思えば、再び砂場に鮮やかな弧を描きながら落ちてきます。
サクリ。
シールドは彼等から5メートルほどの砂場に縦に突き刺さり、
戦闘から脱落した無機質な傍観者となりました。
「ククク。どうだ、ルビー・フレイヤ!もう終わりか!」
挑発の言葉を投げながら、アントキラーは胸ぐらを掴みます。
「きゃあっ!?」
可愛らしい悲鳴を上げながら引っ張られたフレイヤは、荒々しく砂場へと投げ飛ばされてしまいます。
しかし、フレイヤはすぐに立ち上がり、キッとアントキラーを睨み返しました。
その瞳には、まだヒロインとしての闘志が宿っています。
「シールドを封じたくらいで勝ったつもりかしら!?まだ勝負はついていないわ!」
そう啖呵を切ってアントキラーに猛進していきます。
「はああああああああああっ!!」
力の限りに叫び、アントキラーに飛びかかるフレイヤ。
しかし、体躯の差は歴然。
クラスでも快活で目立つとはいえ、レイちゃんは本来的に、武術の心得があるグラディエイターではないのです。
圧倒的なフィジカルの差を埋めるだけの手札を、レイちゃんは持っていません。
それは一方的な蹂躙劇でした。
親方に相撲の稽古をつけてもらう少年といった風景が、公園の砂場に展開されたのです。
フレイヤのローキックは幾度となくアントキラーの太股にヒットしましたが、怪人はそれを避けることさえせず、
何度か蹴らせて効果がないことをフレイヤ自身に知らしめた後、足首を取って砂場に投げ捨てました。
パンチの乱打も、面倒くさいといった感じに適当にガードしたかと思えば、肩の根本をグイと掴んでパンチを撃てなくさせ、そのまま力任せに背後に突き飛ばしました。
相撲みたいに腰に組み付いた時など、手で押さえることさえせず、腰による重心移動だけでフレイヤの身体を押し返して圧倒。
追いつめ、だめ押しに彼女の細い腰を掴んで放り投げました。
フレイヤの両足は幾度と無く地面を離れ、両腕はなんども地につき、手の甲や肘を砂で汚しました。
「はぁ……!はぁ……!はぁ……!」
フレイヤは突き飛ばされるたびに、荒い息遣いで立ち上がってはアントキラーに向かっていきました。
頬は上気し、艶やかな色気を放っています。
コスチュームには至る所に砂が付き、力の限り向かっていっては退けられる展開に疲労した彼女は、額に大粒の汗を滲ませました。
状況の打破を、レイちゃんが狙っているようには見えません。
彼女は劣勢の中、新たな「展開」を待っていたのでした。
しかし彼女の望んだ展開は、ヒロインとしては残念ながら、「ルビー・フレイヤ」の置かれた状況が好転するためのものとは限らなかったのです。
どうしても勝てないという状況の持つ甘美な魔力に、レイちゃんはすでに呑み込まれてしまっていたのでした。
「はぁ……!はぁ……!」
体力もかなり消耗し、足を蹌踉めかせながらアントキラーに立ち向かっていくフレイヤ。
彼女のパンチは巨大怪人の腕により、無情にもはたき落とされます。
今まで応戦という形をとってきたアントキラーの目がギラリと光りました。
「ハントシザー!」
剛太が技名を叫んだかと思えば、彼の太い両腕がレイちゃんの華奢な肉体を抱え込みます。
「きゃあっ!」
短い悲鳴を上げるレイちゃん。
太い蛇が胴に巻きつくように拘束されてしまった彼女は、そのまま身体を持ち上げられ、その爪先は易々と砂場を離れました。
ギュウウウウウウウウウウウウウウウ……
アントキラーの凶悪な顎による締め付け攻撃。
つまり、剛太の腕による圧迫攻撃が可憐なヒロインを襲ったのです。
ベアハッグ、あるいは、さば折りと呼ばれる技。
異性による密着攻撃が、レイちゃんの心身を痛め付けました。
「くはは!どうだ、オレ様の顎の締め付けは?」
「んぎぃ……ああああああああああああっ……」
顔を真っ赤にして苦悶の息を漏らすフレイヤ。
足を必死にもがかせても、無為に宙を漕ぐばかり。
はね除けることなどできるはずもなく、フレイヤは怪人の顎の中で、体力をジワジワと削られていってしまったのでした。
ブン……!ブン……!
身体を揺さぶられれば、力の入らない手足の先が遠心力で靡き、内臓の揺れる感触にレイちゃんは征服されている屈辱を味わいました。
締め付け攻撃は約1分。
手足の抵抗が弱まり、レイちゃんの体力が消耗していることを見て取った剛太は、ニヤリと笑って、苦しげに表情を歪めているレイちゃんの顔を覗き込みました。
「どうだ、思い知ったか?」
「ふうぅ……ふうぅ……んあああ……」
「かかか!いい顔してるぜ!」
剛太の腕から解放されたレイちゃんは、その場でガクリと両膝を付きました。
顎を上げきって白い喉を露わにし、粗い呼吸に胸を上下させている姿は満身創痍で、蠱惑的。
吐く息には艶があり、わななく口元は吸い付きたくなる妖艶さを放っていました。
目の前で急所である白い喉元を上げて息も絶え絶えになっているレイちゃんの姿を、剛太は直立で見下ろしています。
彼はレイちゃんがもう抵抗する術を持っていないことを悟り、背後に回れば、
ポシェットから2本の白いスズランテープを取りだして、レイちゃんの足首に巻き付けました。
予想外の行為に、レイちゃんの表情に新たな不安が表れました。
「なっ……なにするのよ……」
「お前はアリ地獄に誘い込まれてしまった。いいな?」
「それは……」
シチュエーションを提案されて、言い淀むレイちゃん。
あんなに「足を踏み入れるわけないでしょ」と豪語していた巣に放り込まれてしまうという提示を呑むしかない悔しさに唇を噛みます。
レイちゃんの明確な意思表示を待たず、剛太は足首にしっかりと紐を括り付けながら続けました。
「まさか、すり鉢みたいな穴を掘るわけにもいかないからよぉ。オレがレイの足を紐で引っ張ってやるからせいぜい抗いな?」
「それって……」
「オレのいる位置まで引っ張られたらアウトだ。ルビー・フレイヤはアリ地獄の底に堕ちて無惨な敗北を遂げる」
「は……敗北……」
突き付けられた言葉にビリッとした感覚を覚えるレイちゃん。
虚ろな目で、これから最後の抵抗が開始されることをぼんやりとした思考で悟ります。
ジリジリとテープを伸ばして、レイちゃんの背後5メートルほどの砂場に立った剛太は、ピンピンと紐を引いてレイちゃんに合図を送ります。
「来るのか」と心の準備を整えようとした瞬間。彼女の足首が一気に引かれ、下半身が完全に砂地に落ちました。
「いいっ……!?」
思わぬ力に狼狽しながらも、肘から下を地面につけて踏ん張ろうとするレイちゃん。
しかし、すぐにそれでは無理と悟り、思いきり地面に身体中を張り付かせて少しでも表面積を大きくし、
摩擦を使って持ちこたえようという体勢になります。
それが地獄の綱引きの始まりでした。
轢かれたカエルみたいな体勢で、足首を結ばれて引っ張られているレイちゃん。
それは、すり鉢状の流砂の罠に嵌り、なんとか這い出ようと抗うルビー・フレイヤの姿を投影しているのでした。
「んくうぅ……んあああっ……」
引き込まれてしまったら、それは奈落への陥落を意味する。
そのことを十分に感じ取っているレイちゃんは、頬を真っ赤にして、歯を食いしばり、
まるで本物のヒロインのような必死さで、剛太の引力から逃れようともがきました。
しかし、剛太の腕力はレイの抵抗を弄ぶかのように、ジリジリと彼女の身体を奈落の底へと引き寄せていきます。
「あんんん……かはっ……こ、このままじゃぁ……」
思い切り砂を掴み、耐えようとするレイちゃん。
掴んだ砂が細い指から零れ、砂場に指の跡が深く刻まれていきました。
ルイちゃんの小さな身体は、剛太の方へとジリジリと引き寄せられていきます。
それはつまり、ルビー・フレイヤが抵抗虚しくだんだんと流砂の底へと飲み込まれていく姿なのです。
足元から引かれていくことにより、短パンが擦れ、Tシャツが裾から捲り上がって、おへそが砂のジャリジャリに曝されて冷たい痛さを伝えてきました。
しかし、それさえレイちゃんは気になりませんでした。
絶体絶命のピンチに陥ったヒロインになりきっている彼女は、なんとか罠から逃れようと必死になっているルビー・フレイヤの熱に酔っていたのです。
「はぁ……んんっ……こんなの、いやぁ……」
砂地で必死にクロールしながら指を突きたてていくレイちゃん。それでも、身体は少しずつ、着実に背後へと引きずられていく。
脱出のために紛糾するヒロインの熱情と、それにも関わらず、すぐにもたらされると直感される敗北という結末。
その無力感からくる屈辱の熱が、レイちゃんをとろけさせていったのでした。
やがて、レイちゃんの身体はデッドラインを超えます。
紐によって足首を上に持ち上げられたレイちゃんは下半身の抵抗力を失い、最後の一巻きを終えます。
脱落したフレイヤの首にアントキラーの黒い顎が突きたてられました。
「うっ……」
「お前の負けだ、ルビー・フレイヤ」
耳元でねちっこい声音でそう囁かれれば、操られたかのように身体から力が抜け落ちてしまいます。
すでに息もつかせぬ抵抗の連続でルビー・フレイヤは疲弊しきっていました。
足で転がされて仰向けにされれば、小さな胸を大きく上下させて苦しみに喘ぎながら、許しを乞うような目で怪人を見上げることしかできませんでした。
「わ……私……」
「お前はアリ地獄の底へと堕ちたのだ。このまま砂に呑まれて、力を吸い尽くされてしまうんだ」
「そ……そんな……」
顔どころか手足までゆでだこみたいに熱を帯びている身体に、剛太の手によって冷たい砂がかけられます。
足で胸元のブローチを踏みつけて固定しながら、裾が捲れ上がったおへそに、デニムのパンツに、太股に、肩に、砂が盛られて身体を砂場と同化させられてしまうのです。
「わたしの……まけ……」
熱でショートした頭で、敗者の末路を辿っているルイちゃん。
冷たい砂の感触が彼女に敗北という現実を突き付けます。
ボディの部分が砂に埋もれれば、剛太は顔をレイちゃんに近づけて言いました。
「正義の力を吸い上げられたルビー・フレイヤは、石化させられてアントキラーのコレクションとなる」
「石化……」
自分の武器が力を吸い取られて石へと変わったことを思い出すレイちゃん。
剛太がポシェットから複数の風船を取り出せば、口を開けて中身をレイちゃんの身体に落としました。
それは、先ほど投擲兵器として用いられた校庭の砂。
まるで小麦粉みたいにサラサラの砂が身体にまぶされれば、汗ばむ肌がサラサラの砂を吸い付けて白く穢れていくのがわかりました。
「そうら、だんだんと身体が石にかわっていくぜ……」
剛太がそういって、レイちゃんの二の腕や腕に指を這わせて砂を伸ばしていけば、砂化粧によって彼女の身体は白く染まっていきます。
「ああ……ち、力が……吸われていく……か、からだが……うごか……な……い…………」
か細い声でレイちゃんは石になっていく苦しみを表現します。
剛太の手により、太股に、脹ら脛に、白い砂が伸ばされれば、ビクビクと身体をよじらせて悶絶するレイちゃん。
しかし、彼女は抗わず、石化攻撃による苦しげな息を漏らして剛太の嗜虐心を満たすことしかしませんでした。
……ああ、この砂は…………
レイちゃんはぼんやりと考えます。
この砂のカラカラ具合。まさに砂漠と言うに相応しい。
昨日は雨が降っていた。この砂は、それよりずっと前に、剛太がこっそりと採取したものなのだろう。
今まさに私に対して執行されている、砂場での、石化というシチュエーションを明確に想定して。
私を、こうやって石に変えるための算段を、彼はずっと練って準備していたんだ……
欲望の砂が、今、私の身体にまとわりついて、私に敗北を突き付けてくる……
「さあ、あと残すは、顔だけだぜ……」
馬乗りになって首もとを白く染め上げていた剛太が、チラリとレイちゃんの顔を見ます。
同意を求めている視線。
拒めば、おそらく剛太は顔に砂を撫でつけようとはしないでしょう。
そこは「ごっこ」として侵してはならない領域だと感じたからこそ、その視線はレイちゃんの意思を求めていたのです。
それを察したレイちゃんはゆっくりと目を瞑りました。
「私の負け。好きにしていいよ」
レイちゃんは瞼を落とした暗闇の中で、自らの頬に剛太の手が触れていくのを感じました。
支配されていく感覚。静かな興奮を覚えながら、最後の「石化行為」をレイちゃんは受け入れます。
「くはは!ルビー・フレイヤは力を吸い尽くされ石像へと成り果てた。オレの勝ちだ!」
暗黒の視界の中で、レイちゃんは剛太の勝ち名乗りを聞いたのでした。
……パサリ。
髪を結っていた2つのゴムが除かれた感覚があって、レイちゃんは目を開きます。
2つのゴムは剛太の手の内。
目を開ければ、剛太ともう一人、レイちゃんの恰好を覗き込んでいる人物がいました。
「運営」の西川です。
西川は、砂化粧を施され身体を半分砂に埋めている状態のレイちゃんの敗北姿をデジカメに納めました。
「あっ……」
にわかに羞恥が湧き起こり、喉から空気を押し出すレイちゃん。
負けちゃったけど……私は……
これからのことを考えていると、向こうから「運営」の真人が走ってくるのが見えました。
真人は何やら剛太と話していましたが、剛太が頷けば、忙しそうな足取りでまたどこかへと消えてしまいます。
剛太は砂に突きささったフリスビーを引っこ抜けばうんち座りでレイちゃんに顔を近づけ、言ったのでした。
「これからお前をヒロイン収容所へと連行するぜ」
以上です。
今回はヒロイン役の子が敗北する結果になりました。
2本立てですが、どちらも、楽しんでいただけたら嬉しいです。
「これはひどい」
「もっとリョナれよ」
「エロさが足りない」
「読みにくいんすけど」
など、感想お待ちしています。ありがとうございました。
サファイアアクア(水島みのり)→コスモタランチュラ(千田ルイ)を撃破
ルビーフレイヤ(赤星レイ)→アントキラー(横島剛太)に敗北
コーラルピンク(桃色かおり)→サファイアアクアを援護
エメラルドリーフ(緑山ひとみ)→不明
オニキスシャドー(黒川みゆき)→不明
八雲透→不明
阿久津亮二→不明
有野ツバサ→不明
かおりちゃんが慈愛してるせいで早くもひとみちゃんとみゆきちゃんのどちらかが2vs1に陥っていそうだが果たして…
それにしてもサドル戦の前日譚とは。ひとみちゃんの裏切り路線の伏線もここらで張られたりするのだろうか
とりあえず乙乙!今までで一番リョナしててこれからも期待大!
>>639 のテニスリョナSS、もし保存されてる方がいらっしゃいましたらアゲていただけないでしょうか・・・!
>>784
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1294397.txt.html
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1294398.txt.html
639です。導入と本編の両方をろだに再うpしました。
拙作ですが読んで頂けると嬉しいです!
>>785
ありがとうございます!
コラリク板のほうでテニスリョナを頼むくらいにはこういうシチュ大好きですので本当にツボです!
ノエルの人です。
>>742 さん要望のマイ=ナツメのSSをpixivにて投下いたしましたので
こちらでもお知らせいたします。
もし良かったら、お読みいただけると嬉しいです。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8359773
また、pixivにてお題箱を設置いたしました。
もし要望がありましたら、下記からどうぞ
https://odaibako.net/u/brutalcocoon
>>787
マイのSSをお願いした者です
ありがとうございます本当に!
相変わらず素晴らしい完成度で感無量ですわ……
制服姿で日本刀を腰から下げた少女は、痩せこけ、ボロ布を纏ってよぼよぼと歩く老人とすれ違った。
私はこんな所におじいちゃんが?と少し気にかけたものの特に警戒するまでもなく横を抜けたのだが、直後に背後から凄まじい殺気。咄嗟に刀に手をかけつつ振り向いたが老人の姿は見えなかった。既に決定的に遅かった。対する老人はわざわざ私が振り返るのを待っていたように、いや、背後から気付かれずに殺したのではつまらない。とでも言いたげなようにニヤリと口角を上げながら先ほどの姿からは想像できないほど芯の据わったとても低い姿勢で居合の構えをとっていた。姿が見えなかったのはその為だ。
鋭い眼光と殺気にびくんと私の体が跳ね、硬直すると同時に、老人はその体勢のまま「あっ……」 と私が言えてたのかすらわからないほどの速さで私の喉を切断した。
「ひ……ぁ……」全身から力が抜け、刀を取り落とした。とんび座りで腰を落としつつ無意識に喉元に手をやると生暖かい私の液体が…
「あっ……えっ…」
出てなかった。
傷口もない。
「いい感じ方をするのぉ」ここで初めて老人が口を開いた。
「ーーッ…ひ……ぅ……」恐怖で震えと声にならない声を上げる私を優しい目で見つめたまま老人は続けて言った「殺気をぶつけてみたんじゃ。聞くまでもないがその様子じゃと鮮明に斬られたイメージ像が見れたじゃろ?」 そう言うとまだ腰が抜けて動けず無防備な私を尻目に、油断はいかんな。と怒気を孕んだ声で呟くとよぼよぼとそのまま暗い夜道に消えていった。
面白いスレを見つけたからみんなのssも見ずにとりあえず書きなぐってみたゾ。たまにはこういうのもいいんじゃないだろうか? 恐怖する女の子も可愛いぞーコレ
とりあえずログも読まずに反射で書いてしまったし半年romるわ。
>>789
乙
このスレにとって書き手はとても貴重やから
ROMるといわずガンガン書いて欲しい
>>789
あっそうだ(唐突)おい789ァ!
淫夢関係ないスレで語録を使うのは申し訳ないがNG、照れ隠しかな?(すっとぼけ)
それはそうとせっかくの精神攻撃と言うか恐怖系リョナなんだから、もっとねっとり「私」姉貴の心情を描写して欲しいけどな〜俺もなあ
でも迫真の抜刀描写はカッコいいから次はがっつり戦闘系で書いて、どうぞ(期待)
>>791
注意してるくせに自分から(語録を)使っていくのか…(困惑)
こういうのを やくみつる的なセンス とでもいうんやろか
鉄拳7、シャオユウをキングでリョナってた時のバックストーリーを妄想したものを文章化しました。
期待の新星女子高生ファイター、リン・シャオユウ選手、The King of Iron Fist Touranmentに威勢よく参戦するも初戦のキング選手に見事に惨敗。
得意の鳳凰の舞は通用せず、蹴りはドラゴンスクリューで返され右足を捻挫、投げコンボを抜けることができずグロッキー状態のところにマッスルバスター。開脚パンツを晒され、ゴールデンヘッドバットで小便を漏らし、戦闘続行不能と判断されTKO。その痴態を全世界に配信される。
しかしキング選手興奮が収まらないのか倒れたシャオユウ選手に執拗に攻撃を続ける。マウントからの顔面パンチで顔がボコボコに、腕ひしぎ十字固めで左腕骨折、チョークスリーパーにより失神寸前の所でレフリーがようやく入り大荒れとなった試合が終わった。
シャオユウ選手の怪我は全治1ヶ月とされたが、その後の格闘大会でリン・シャオユウの名を見ることは2度となかった。
>>794
乙
さあ早くSS化する作業に戻るんだ。
お願いします!何でもしますから!
ん?
今・・・
初めてSSを書いてみようとちまちま書いていってたけどPCがしんだ
とてもつらい
死んだのはPCだ
君の承認欲求ではない
続きを書くんだスネーク
マイナーですが、修羅の刻シリーズの葉月リョナ投稿します。
休みの日に久しぶりにまとめて読み返したら思いのほか可愛かったのでリョナるしかないと思った。
誰得?知らねえよ俺得だよ。
な代物ですが失礼します。
ある地方の山村で、老人が子供たちに昔話を聞かせている。
「なあ吾平、儂はお前ぐらいの時にな、山の神様に助けてもろうたことがあるんじゃ」
老人のその話に、吾平と呼ばれた少年は興味津々で聞き入っていた。
「ありゃあ、まだ儂がお前よりいくつか上ぐらいのときじゃったか……、
山に入って遊んでおったはええが、帰り道が分からなくなってしもうてな、陽も暮れてくるわ、さんざ歩き回って足は棒のようになるわで、一人で泣いておったんじゃ」
老人はその時の事を思いだすように静かに語りはじめた。
吾平はまだ一人で山に入ったことは無い。彼にとっては未知の世界の話だ。
「そうして途方に暮れておるとの、ほれ、茂吉どんとこのお種さん。
あれぐらいの歳だろう娘さんが、向こうから歩いてきおる。背丈は大きくないが目鼻立ちの整った娘さんでの、
背中に小さな赤ん坊を背負って、腰に巻きつけた白い帯に鉈のように刀を帯びておった」
そこで一息、いつの間にか吾平より年上の子供たちも集まって聞き入っている。彼らにとってもこの話は初めて聞くものだった。
「今でこそ娘さんと呼んどるが、その時は見知らぬ姉さんじゃもの、薄暗い山の中で出会ったとあってはてっきり山姥の類かとも思うて固まっておった。
するとその娘さんが儂を見つけてな、通りすがりに『迷子か?』とだけ聞きよった。儂が頷くと少し困ったような顔をして『近くの村か?』と聞きよるでな、そうだと答えたらそのまま手を引いて一緒に連れ歩いてくれての……」
聞いていた少年達の一人が慌てて聞き返す。
「そっ、その人は山姥だったのか!?」
「ばっかだなおめえ、だったら爺さん生きてねえよ」
他の少年がそう言ってからかい、そこで一笑い生まれる。
「儂もその時は取って喰われると思うたがの、引いてくれるその手が温かくてのう、不思議とこの人は悪い人でも、ましてや山姥なんかではねえと思ったのよ。
そいで、そのうち村が見えてきて、儂は嬉しくなって村の方に駆けて行っての、ふと振り返ってみたらもうどこにもその人はおらなかった。
ありゃあきっと山の神様が使いをやってくだすったんじゃなあ」
老人は懐かしむようにそう話を締めくくり、少年達もその話に聞き入っていた。
――もし本当の所を知れば、彼らの反応は変わったかもしれない。
「……遅くなってしまったな」
その“山の神様の使い”はそう言いながら足早に夜道を進んでいた。
白い道着に緋色の上着を羽織り、両足を絞った濃紺の袴には、腰の辺りで白い帯を巻き、その帯に鍔の無い短い刀を一振りねじ込んでいる。
歳の頃は十代の後半か二十歳そこそこだろうか。飾り気はないが整った顔立ちを少し険しく歪ませている。
先程迷子の少年を放っておけず麓の村まで送り届けた結果、遠回りをしてしまった分のロスを取り返そうという腹積もりだったが、
足元も見えなくなりつつある暗がりに流石に少し見積もりが甘かったと反省したがもう後の祭りだ。
「あれにも親はいるだろうし……な」
そう言い訳のように一人ごちる彼女の背中には小さな赤子がすうすうと寝息を立てている。
それはまごう事なき彼女の子、彼女に残されたこの世でたった一人の家族だった。
彼女――葉月には親がいない。体の弱かった母親は彼女が子供の頃に死に、それ以来父と二人暮らしだった。
そしてその父も、流行り病で死んだ。
葉月――本来なら姓がある。陸奥という姓が。
だが彼女にはそれを名乗れない。いや、名乗っても続き柄としては差し支えないのだが、彼女自身がそれをしなかった。
陸奥――数多の武芸者たちの間で半ば伝説と化した名前。無手により尋常ならざる技を用い、その圧倒的な強さで誕生以来一度の負けも知らぬと言う。
彼らの用いる陸奥圓明流と呼ばれる一子相伝の業は、親から子へ、陸奥の姓と、腰の刀、そしてそれを帯びるための白い帯と共に受け継がれていく。
陸奥を名乗るという事は圓明流を継ぐという事だ。そしてそれは常に最も強い者でなければならない。
――つまり、どうしても身体能力で限界のある女性では本来務まらないものだ。
故に彼女は陸奥を名乗れない。技を受け継ぎながら決して超える事の出来ないその一点において彼女は陸奥ではない。
「……よく寝ているな」
背中の赤子は、先程からぐっすり眠り続けている。
先程の少年を助けたのは、ある意味この子が理由でもある。
この子は葉月がある男との約束を果たすために身籠った子だった。
葉月の思いが通じたか、生まれてきたその男児はすくすくと健康に育っている。
彼女はこの子に自分の持つ技の全てを伝える。本当の陸奥として育て上げる。
この赤子は不完全な自分が完全な陸奥を生み出すという彼女の悲願を成し遂げ得るこの世で唯一の存在だ。
だが、それだけではない。
母一人子一人で生きていくには、この世は中々に世知辛い。
まだまだ不慣れな赤子の世話に手を焼きながら、生きていくために衣食住を確保し、その為の日銭を得て、更に伝えるまでに鈍らせてはいけないと日々の稽古も行う。
毎日それを繰り返し、ようやく布団に潜り込んだかと思えば夜泣きで起こされる。
女性としては規格外の体力を持つ彼女も流石に少しやつれてきたが、それでも泣き言一つこぼさずに今日までやってこられたのは、
陸奥としてではなく母としての部分が少なからずあった。
自分の腹を痛めて生んだ子供。それを守り育てる苦労を、若い身空で知っているからこそ、他人の子であっても放っておけなくなってしまった。
だがその結果として、ようやく山を抜けた時には完全に夜になってしまっていた。
山を抜けた小さな祠の前で、唐突に背中の赤子がぐずりはじめた。
「うん?どうした?」
負い紐を解いて丁寧に抱きかかえると、思い当たる節を探ってみる。
「ああ、おしめか……」
当たっていた。
葉月は祠に一度赤子の体を預け、暗がりの中で予備のおしめに替えはじめる。
「これでよし……っと」
おしめを替えおわると赤子は再び静かに寝息をたてはじめた。
だがそれを見守る母の顔は険しかった。
(気配……?狙われている?)
祠の中に赤子を一度安置する。破落戸か野盗か、どちらにせよ背負ったままでは少し具合が悪い。
集まってきたのは数人の男達。ゆらゆらと人魂のように揺れる提灯が二つ。
「何か用か?」
大切な赤子を巻き込まないよう、少しその祠から離れながら集まった男達に問う葉月。
答えは男達の一人が返した――彼女への突進で。
月明かりが、その男の手の中の匕首を照らしている。
「ッ!!」
ほんの一瞬の交錯。男がほぼ直角に右へと吹き飛ぶ。
その男の顎を確実に砕いただろう葉月の右足が地面に着くのと同時に左右から男達が飛び掛かるが、一人が二人になった所で結果は変わらなかった。
「ぐっ!?」
「あがっ!」
鳩尾を叩き潰されて崩れ落ちる右側の男。
彼の膝が地面に着くより速く突きだした得物を躱され、伸びきった肘が乾いた音と共に逆方向に折り曲げられた左側の男。
「動くな」
鋭く、透き通った葉月の声が響く。
彼女の足は右腕を押さえて蹲った男の首をしっかりと押さえていた。
「死にたくはないだろう?大人しく退け」
言い終わると同時に僅かに体を開き、後ろ蹴りを叩き込む。
妙に硬い手応えと共に呻き声が聞こえ、彼女の肩を越えて落ちてきた刀が踏みつけから解放された男の目の前に突き刺さり月明かりを受けて光っている。
今の男はなにも防具が無い訳ではなかったが、それで衝撃を全て受け止められるような蹴りではない。
「おい聞こえないのか?……次は死なせるぞ」
恐らく今の男も、辺りに転がっている連中も、立ち上がることは出来ないだろうが死んではいない。
そう、立ち上がることは出来ない。
その筈だった。
「ッ!」
或いは油断か。
或いは蓄積した疲労により鈍ったか。
或いは――女性ゆえの非力さか。
葉月が気配に気づいて振り返ると、今蹴り倒したはずの男が彼女に背を向け、祠に飛びつこうとしていた。
「や、やめろ!!」
我を忘れ、目の前に大勢の敵が残っているにも拘らずそちらに振り向く葉月。
その隙を逃すまいと一人が飛び掛かるが、それでもまだ彼女には触れることすら出来ずに、それどころか振り返る事すらさせられずに倒される。
だが、葉月にとっては背中を斬られる以上に大きな、致命的な結果を産んだ。
「あっ……」
「へ、へへ……。動くなよ?」
男の右手には、先程の男が落とした匕首が握られていた。
そして左手には――彼女の赤子。
「動いたらこのガキがどうなるか、なあ?」
男の下卑た笑みが彼女に向けられる。
「くっ……!」
正直、葉月の実力があれば男を確実に倒して赤子を奪還することは不可能ではない。
だが、彼女は恐れていた。
間違いなく先程の一撃で無力化したと思っていた相手が立ち上がっている。
自分の業の確実性が落ちている。
その思いが晴れない疑念となって彼女の決断を躊躇わせた。
(もしまた失敗したら……?)
自分一人ならそれでもいい。一撃で倒せなければ次の攻撃を叩き込む。それでも倒れなければまた次を、といった具合に相手が倒れるまで叩き込むだけだ。
その間、反撃の隙も加勢の隙も与えない。彼女の手にかかればそれは造作もない。
今集まっている男たちなど相手にならない――彼女一人だけならば。
その間に赤子が無事とは限らない。
もし何か一瞬でも間違えれば、即座にその身に危険が及ぶ。彼女にとっては何よりも大切なその子に。
「さて、どうする?ガキ死なすぞ?」
「くっ……」
自分の手の中に相手のアキレス腱があることを理解したのだろう、男は匕首を赤子の前でひらひらと弄ぶ。
その小さな刃が月明かりを反射する度に葉月の頭から冷静さは失われていく。
「わ……、分かった……分かったから……」
数秒間の葛藤。苦渋の決断。
彼女はただの葉月となることを選んだ。陸奥ではなく、母であることを選んだ。
「ぐっ!?」
抵抗をやめた彼女を男が一人後ろから押し倒し、俯せになった彼女の腕を捻りあげる。
「……手間取らせやがってこのアマ。しっかりその分楽しませてもらうぜ」
「まあ、これだけの上玉だ。十分楽しめるだろうさ。へへへ……」
「この前みたいにやわじゃなきゃあいいんだがな。すぐ壊れちまっちゃあ興醒めだからよ」
集まってきた男達に腰まである長い黒髪を乱暴に掴まれて無理矢理持ち上げられた葉月の顔を、提灯の灯りが照らし出している。
「その子には、その子だけには……むぐっ!」
男達が集まり、彼女の四肢を縛り上げる間も、彼女の目は辛うじて無事に寝息を立てている子供に向けられていた――その哀願を轡で封じられ、目隠しをされてしまうまで。
それからしばらく、葉月は男の肩に俵のように担がれていた。
目隠しをされ、大柄な男に担ぎ上げられて攫われた事、両手足を縛り上げられ、腰の刀も奪われてしまった事は何とか理解できたが、どこに向かっているのかは分からないでいた。
「安心しな、大事なガキも一緒だぜ?ひっひっ」
下卑た笑いと共にそう嘲る男の声、それと同時に尻を鷲掴みにされる。
(耐えろ……。今は耐えろ……)
屈辱に震えながら沈黙を貫く捕虜に、男の方はまた下卑た笑い声を漏らす。
状況は唐突に変わった。建てつけの悪い引き戸が音を立て、直後葉月の体は宙に浮いた。
「むぐうっ!」
「ほう、器用な娘だ」
縛り上げられ、視界を封じられながらも受け身を取った彼女の耳に、今まで聞いたことの無い声が届いた。
低く腹に響くような男の声だが、先程までの誰とも違う。
感心しているような口調だが侮蔑が、更には興奮が漏れているような声だ。
声の方に反射的に顔を向けた葉月の目隠しが、突然取り払われる。
そこで初めて彼女は、自分が荒れ寺の本堂に転がされている事、十人前後の男達に囲まれている事、目の前にいる熊のような大男が先程の声の主である事、
そして、彼ら全員の目が異様に血走っていることを知った。
「中々の上玉じゃねえか。でかしたぞ」
「こいつ、無手だが女だてらに大したもんでして。ガキ連れてやがったんでそれで黙らせましたぜ」
大男に葉月を運んできた男が答える。この大男が彼らの頭目なのだろう。
彼は敵意を露にしている葉月の顔を見ると、彼女の小ぶりな顎を掴んで引き起こし、その場に座らせる。彼の巨体は五尺、即ち約150cmに満たない小柄な葉月と比べるとまさに大人と子供だ。
即座に一人の部下が彼に何かを手渡す。
「こいつがなんだか分かるか?娘」
灯台の明かりに照らされたそれは二尺(約60cm)かそこらで、麻糸と紙縒りとを巻きつけられた棒だった。
「こいつは箒尻といってな、こいつで打たれると皮が裂け、血が噴き出る。……俺達は厄介な質でなぁ。ただ女を犯るだけじゃあ満足できんのよ」
言い終わると同時に、その箒尻を葉月の白い首筋に振り下ろした。
「むぐっ!?」
轡の中で声を上げる葉月。
殴られる痛みは慣れている。父との稽古で殴られることも蹴られることも、それこそ常人の一生分以上経験してきた。
だが、これは別だ。
「むぐっ!うっ!!ぐむぅっ!!」
棒や拳足とは異なる種類の痛み。ズシン、ズシン、という重い衝撃から本能的に逃れようと身を反らしてみても、
それはただ次に打たれる場所を見せてしまっているに過ぎない。
打たれる度に身をよじり、声を漏らし、男の言葉通りに打たれて裂けた皮膚から滲み出た血が彼女の服を内側から赤黒く染めていく。
「ぐっ!うんっ!!むぐうっ!!」
経験のない痛み。それも、避ける事も受け流す事も出来ないそれの前では、彼女もただの娘に過ぎなかった。
「ふぅん……」
斑模様になった葉月が肩で息をしているのを見下ろしながら、大男はどこか不満げにちらりと横に目をやる。
一緒に攫われてきた件の赤子を見つけると、彼はにんまりと笑って部下たちに命じる。
「おい、折角だ。轡と戒めを解け」
捕えた捕虜、それも暴れられると厄介だと分かっている相手の戒めを解かせる。普通であれば自殺行為以外の何ものでもない。
だがその愚策に、周りの男達はわっと歓声を上げた。
「やっぱりな。そう来なくちゃ!」
「ただ縛って殴るだけは味気ねえもんなぁ!」
一人の部下が慣れた手つきで轡を解き、もう一人が手足の戒めを緩めると、それと同時に大男が言葉を発する。
「分かっていると思うが、あのガキの命は俺達が握っている。変な気を起こすなよ?」
そう言って隅で赤子の喉に匕首を突きつけている部下を顎で示す。
音が鳴るほど強く奥歯を噛みしめた葉月のその頬に箒尻が飛んだ。
「あん?」
咄嗟に右腕でその打撃を受け止めた葉月。鍛え上げられたが故の、ほぼ無意識下の行動だった。
「おいおい、ガキがどうなってもいいのか?」
部下の一人が囃し立てる。
その言葉に葉月は自分のするべきことを改めて理解した。
ゆっくりと、静かに受け止めた腕をおろし、両腕をだらりと下げたまま直立する。
「分かった……。分かったから、子供は、子供だけは……」
大男はそれに満足げに頷くと、箒尻を転がっていた太い樫の棒に持ち替え、大振りで葉月の右の二の腕に叩きつけた。
「ぐうっ!?うぅ……」
激痛が走る。
折れてはいないだろうが、しばらくは力を入れるどころか、腕を振り上げることすら出来ないだろう。
咄嗟にその右腕を庇った左腕に、今度は同様に一撃が加えられる。
「あぐっ!!」
「へっへっ、分かって来たじゃねえか」
躱す事は造作もない。だがそれは出来ない。
葉月は痛む両腕を再度だらりと下げた瞬間、大男に奥襟を掴まれた事を察した――そしてその目的も理解し、動こうとする足を止めた。
「ごはっ!?」
彼女の腹に、大男の巨大な拳がめり込んだ。胃を押し潰すような一撃。
無論圓明流には防御の技術も存在する。打撃を受ければそれとは反対の方向に跳び、もしくは筋肉の収縮によって身を守る。
だが掴まれている以上跳ぶことは出来ず、筋肉の収縮も筋力に劣る女性では限界がある。
拳を腹から引き抜かれ、引き抜かれたと分かった時に二発目が叩き込まれた。
「がはっ!?」
葉月は水の入った袋を殴ったような湿った音を体内から聞いた。
見開いた目からは涙が、パクパクと動く口からはとめどなく唾液が流れ落ち、拳を中心に「く」の字に折り曲げられた体は、身長差もあってほぼつま先立ちとなっている。
「良い声じゃねえか……よっ!」
三発目。
足が地面から離れ、体が宙に浮く。
胃液が口から溢れだし、床一面に広がる。
「ぁ……っ!がっ……」
最早声にもならない音がそれと一緒に漏れ出して、腹に穴を開けられたような重い痛みが腹中に広がっていく。
そのダメージから回復できずに自身の腕を覆うようにぐったりとした彼女を、大男は前襟を掴んで持ち上げる。
小柄な葉月は軽々と浮き上がり、彼女の全体重がかかった大男の両腕はそれをものともせずに彼女の首を締め上げた。
「!?かっ、あっ」
息を止められる恐怖と共に葉月の意識の中に急速に闇が広がっていく。
痛めつけられた腕を本能的な部分で動かして振りほどこうとするが、今の状態では全快時の力の半分も出せず、ただ自身を苛む巨大な手に指を絡ませる程度の抵抗しか出来ない。
それが彼女の今の精一杯だ。
「くっ……、ううぅ……」
ジタバタともがいていた足も、徐々にその動きが緩慢になりはじめ、ささやかな抵抗を続けてきた腕も、ほぼ完全に引っかかっているだけとなりつつあった。
薄れゆく意識の中で、葉月の耳に男達の囃し立てる声がはるか遠くの声のように聞こえてきた。
「ううぅ……、あっ、うぁ……」
引っかかっていた両腕がだらりと下に落ちた。
もがいていた足は抵抗をやめ、つま先を床に向けて静止した。
苦痛に歪んでいた端整な顔は、その苦悶の表情のまま力が抜け、僅かに開いた口から白い歯が覗いていた。
「落ちたか……」
大男はそう呟くと、絞首刑のようにぶら下がっている娘を部下たちに見せつけるように左右に振り、
完全に落ちたことを確認してから隅に置かれている水がめに向かって大股で歩を進める。
「まだ、終わらねえよ」
ぐったりした葉月の後頭部に右手を移すと、そのまま頭から水がめに押し沈めた。
すぐには反応がない。
それでも沈め続ける。
数秒後にも反応はない。
まだ沈め続ける。
そして、更に数秒後。彼の手にびくりと痙攣するような手応えが返ってきた。
続いて猛烈な抵抗。
浮かび上がろう。頭を上げようとするその動きを、彼は怪力で抑え込んでいる。
「はっ、はっ!まだまだ元気だな!」
楽しそうにそう笑うと、抑えきれなくなった腕から力を緩めた。
「ぷはっ……!!ごほっ!」
強制的に覚醒させられた葉月。まだ呼吸が十分にできずに真っ赤になってむせ返っている彼女を、大男はその長い黒髪を掴んで引き付け、
すぐ近くにあった太い樫材の柱に頭から叩きつけた。
「うあっ!!」
ごちゅっ、と湿った音が漏れ、切れた額から血が流れ出る。
大男はすぐさま葉月の首に太い腕を巻きつけて力づくで振り向かせる。
ぱっくり割れた額から流れ出た血は、彼女の左目に流れ込み、閉じさせていた。
「お前気に入ったぞ。これほどの上玉な上に丈夫とはな」
歪な笑みを浮かべながらそう言って彼女を肩に担ぐと、また元の位置に戻る。
「壊し甲斐があるってもんだ」
そう言って、先程葉月が吐き出した胃液の溜まりの上に彼女を投げ落とし――と言うより叩きつけた。
「がっ……、はっ……ッ!!」
投げ落とされるのと違い掴まれたまま叩きつけられたことで、受け身も満足に取ることが出来ずに背中から落とされ、肺が潰れたような錯覚に陥る。
「ぐあ……あぁ……ごほっ!ごほっ!」
潰れた肺にもう一度空気を取り込もうとむせ返る彼女を大男の足が面白がるように蹴り転がして仰向けにする。
「ごほっ!ごほっ……ぁ――」
葉月がその意味を理解した時には既にそれは実行されていた。
巨大な足が、地を這う虫を潰すように彼女の腹を思いきり踏みつけた。
「ぁっ……――っ!!」
最早声を上げる事も出来なかった。
血と胃液の混合物が、噴水のように噴き出した。
胎児のように体を丸め、胃液と唾液と血と涙と鼻水と、およそ首より上から出る可能性のある全ての体液を吐き出しながら、自らの吐き出したそれに顔を沈めていく。
「床が汚れちまったなぁ……」
大男はそうごちると、葉月の頬を踏みつけ、ぐいぐいと床に押し付ける。
「ほら拭けよ。手前が吐いた奴だろ」
「うっ、あっ、ああぁ……」
葉月は最早抗う事も出来ず、ただされるがまま、顔中に血と胃液を押し付けられていた。
そうしてぐしゃぐしゃに汚れた顔に涙の川があったことなど、おそらく誰にも分からないだろう。
「くっ、ぐあぁっ」
弱々しく悲鳴を上げる葉月に、大男はふん、と溜息を一つ。
同時に足から力を抜き、顔から少し離す。
「うぅ……あ――がうっ!?」
責めが終わったかと少し浮かんだ葉月の顔が再び踏みつけられ床との間でバウンドした。
額から再び血が流れ出すが、それを痛がる暇もなく引きずり起こされる。
「よし、お前ら少し遊んでやれ。多少ゲロ臭えが、まあご愛嬌だ」
大男はそう言うと、その言葉に歓声を上げる部下たちの内、適当な奴に向かって葉月を突き飛ばす。
最早立っているのが精一杯なふらふらの葉月。彼女を迎えたのは右頬を捉えた拳だった。
「ぶっ!?」
殴られた勢いのまま吹き飛んだ葉月を、今度は別の男が受け止め、軽く突き飛ばしてから下腹部を蹴り上げる。
「ぎっ、あ……っ!!」
子宮が蹴り潰されたような錯覚と共に激痛が突き抜けていく。
崩れ落ちそうになった彼女を別の男が羽交い絞めにし、もう一人が正面に立つ。
「おおっ、こいつ柔らけえ。あんだけ強くても女の体だ」
羽交い絞めにした男が嬉しそうに声を上げながら、ぴったりと体を密着させる。
それに不快感を覚える暇もなく、鳩尾に叩き込まれた一撃に、ただ「かっ……」と音を漏らすしか出来ない。
そして崩れ落ちようにも、しっかりと巻き付いた男の腕がそれを許さず、鳩尾を殴りつけた男は俯いた彼女の前髪を掴んで、苦痛に歪んだ顔を自分の顔に向けさせる。
「そのくせ丈夫で有難いぜ。女武芸者なんてのは前にもいたが、腕が立つのと丈夫なのは別だったからなあ。結局村娘と大差なく壊れちまったからよ」
男は嬉々としてそう語りながら葉月の顔を天井に向け、伸びたその喉に手刀を叩き込む。
「ぐっ、がはっ!げほっ!!」
喉を潰され、呼吸が出来なくなった葉月を、二人の男はまた別の男に放り投げると、彼はぐったりとした彼女をそのまま寝かせ、無防備な腹に思い切り蹴りを入れて、また別の男に向けて蹴り飛ばした。
新たな男の足下に転がされた葉月は既に意識はなく、口から血の混じった泡を吹きだしていたが、男は足元に転がる彼女を引き起こすと、頭と言わず腹と言わず背中と言わず、およそ全身を意識が戻るまで殴り続けた。
それが何回続いたのかは分からない。
葉月は男達にたらい回しにされながら嬲られ、意識を失っては更に殴られて起こされ、また気絶するまで殴られた。
殴られる度に吐き、或いは傷口から吹き出した血が彼女の軌跡となって残り、それらはすぐに新しいそれらによって上塗りされていく。
「ぁ……。あの子……うぁっ、あの子……だけ……」
弱々しい、蚊の鳴くような声での懇願は男達の異常な歓声と彼女自身の肉体の立てる音によって掻き消される。
何度も倒れ、引き摺られてまた殴られ、或いは絞められて無理矢理起こされる。
最早そこに最強の血を引き継いだ女戦士の風貌はなく、悲鳴すら上げる事も出来ず、理不尽に嬲り者にされるだけの無力な小娘。それが今の葉月だった。
狂気の宴は男達が存分にその哀れな娘を嬲るのに満足して、ぼろ屑の様になった彼女を“正常に”嬲るように、即ち辱め始めるまで続いた。
「……ぁ」
どれぐらい時間が経ったのか、意識を取り戻したばかりの葉月には分からない。
全身に激痛が走り、最早指一本動かす力さえ残っていない。
四肢が残っていることが奇跡と思えるほどに痛めつけられたその体は、またぐらを中心に広がる血と精液の海に倒れていた。
それが、彼女に分かる全てだった。
(私……生きて……?)
額から流れ出た血で水没していた目を何とか開け、ぱっくりと切られた瞼の下で眼球を動かす。
新たに分かった事。
この部屋には今見張りが一人だけ。
その一人はこちらに背を向けて柱に身を預けたまま舟を漕いでいる。
そしてもう一つ。その男のすぐ横に赤子が寝かされている。
(ッ!?)
止まってしまったかと思っていた心臓が、その瞬間また動き出した。
もう動かないと思っていた体に、ほんの少しだけ力が戻ってきた。
視界の隅にぼんやりと、奪われた刀が転がっているのが映った。
早朝、うっすらと霧のかかった林道を若い樵が二人歩いている。
凶暴な野盗が現れるようになった山を避けて別の山に向かう彼らの目にぼんやりと獣のシルエットが映る。
「うん?山犬……か?」
彼の気配に気づいたか、その犬たちは道の向こうに一目散に駆けて行った。
「鹿の屍でも食っとたか?」
本当に、本当にその程度にしか思っていなかった。
この寂しい道に犬たちが興味を示すようなものが転がっているとしたら、精々鹿や兎ぐらいのものだろう。
「な……わっ!?」
二人の内、先に気付いた樵が上ずった悲鳴を上げた。
「えっ……」
もう一人も相方が指差したそれの正体に気付く。
それは鹿でも兎でもない、人間の娘だった。
歳の頃は十代の終わりか二十代の初めかといった、小柄な体の腰まで黒い髪が伸びているその娘は、
白い帯と刀、そしてその体同様にボロボロの衣服を纏い、というより体に引っかけており、傷だらけの全身は血と精液でまみれていて、辺りに異様な臭気が立ち込めている。
何かを抱えるようにうつぶせで倒れていた彼女は、山犬にも目の前の樵たちにも一切の反応を示さずに倒れ伏している。
「……死んでいる」
しばらく立ち竦んだ後、樵の片方がぼそりと呟いた。
「何か抱えとる」
もう一人が、サツマイモのような色になった彼女の腕の中に何かを見つけた。
数秒して、それが赤子だと気づいた時、二人は思わずこの哀れな母子に手を合わせ、そして腰を抜かした。
「い、生きとるぞ!」
赤子は生きている。
樵たちはもう一度、今度は畏敬の念を持って彼女に手を合わせ、力尽きても子を守りきったそのまだ若い母親の冥福を祈ると、
せめてその形見だけはと片方が赤子を引き取ろうとした――その瞬間、彼らは三度目の、そして最大の驚きを味わう事になった。
「ん、なんじゃ?引っかかって……ひぃっ!!」
動いている。母親が。
「私の……の子……。返し……」
絞り出されたその声に、樵たちがどうしたのかは分からない。
彼らは何を思ってか、村の老人と違い、その記憶を誰に話すこともしなかった。
終
以上スレ汚し失礼いたしました。
葉月はリョナ的にはすごい美味しい素材なのに本編には全くそういう描写がないので自分でやってしまった。
リョナ界ではマイナーな作品ですが、少しでも分かる人がいて下されば幸いです。
また何か昂ぶったら投下させて頂くかもしれません
>>810
読ませていただきました
作中の時代の雰囲気にあった感じとか、葉月の大人びた魅力とかが丁寧に描かれててとても良かったです
新作楽しみにしてます
なんかこういう妖怪として語り継がれそうだなw
ノエルの人です
MUGENのゲニ子敗北SSを投下しましたので、こちらでもリンク貼らせていただきます。
https://pixiv.net/novel/show.php?id=8426243
連投です。
テイルズのティア・グランツの腹パン陵辱です。
SSスレに活気が戻ることを祈りつつ…
https://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=8449593
NEW GAMEのキャラクターの斬首or絞殺リョナが読みたい…みんな似合いそう
今日も一日、リョナるぞい!
>>816
今日も一日リョナられるぞい
PCがクラッシュするなどのアクシデントに見舞われましたが初めてのSSが完成したので投稿させてもらいます
BBのEs(http://i.imgur.com/Fpk8pW5.png )がアズラエル(http://i.imgur.com/d5Jk9Gs.jpg )に概ねボカスカに殴られるだけの話です
初めてのSSで色々と拙いと思いますが寛容な心でもって見てくれると嬉しいです
そこは白い世界だった。
広大な空間に自然物はほとんど見受けられない。果てしなく先に見える地平線がこの世界の大きさと空虚さを示しているかのようであった。
世界から切り取られたかのような異質な空間の中に、一際異質さを感じさせる巨大な建造物があった。不思議な紋様が全体な刻まれた巨大な門だ。
そして、その異様な門の前に一人たたずむ碧眼の少女がいた。
どこか機械的で人形的な美しさを感じさせる少女は柔らかな白みかがった金髪を背中にとどくまでの三つ編みにまとめ、青を基調とした服装に身を包んでいる。
身長はかなりの小柄、子どもと言って差し支えがないほどだ。その彼女の小さな体格と不釣り合いに思えるような大きなバストが印象的な美少女であった。
少女の名は「Es」。真なる『蒼』へと到達するための門の守護者にして調停者。
蒼に到達する権利を持つ資格者が来るまで門を守護するという使命を彼女はその時が来るまで遂行し続ける。
たとえそれがいつ来るのか、本当に来るのかすら不明だとしても―――
どれほどの時間が経ったのだろう。それまで身じろぎ一つしなかった彼女がゆっくりと目を開き、それとほぼ同時に不可思議な現象が起こった。
何もなかった空間が歪んでいる。歪みは徐々に大きくなり、ひびとなり、空中に歪な裂け目ができる。
何かが途方もない巨大な力で無理やりにこちら側に来ようとしているかのようだ。事実、圧倒的な暴力をその身に纏った強大な獣がこの世界に来ようとしていた。
徐々に裂け目は広がりを見せ、ついには人が通れるまでの大きさに成長した。
そして、その裂け目の向こう側から筋骨隆々とした全身に禍々しい入れ墨をほどこした大男がゆっくりとこの世界へと足を踏み入れた。
「あなたが何故、どうやってここに来たのですか。『狂犬』アズラエル」
感情を感じさせない冷たい声。そこに突如として現れた異形の男に対する不安や怖れといったものは微塵も感じ取れない。
「知れたこと。貴様が守護するその門の先、神々の世界へと行くためだ。
そのためならば多少の屈辱も我慢できるというものだ」
「大魔道師ナインの助力ですか。いずれにしても貴方に蒼へと至る資格はありません。
それ以上近づくならば敵対行動とみなし排除します」
言葉を言い終えるのと同時に彼女の前に巨大な剣が現れた。Esは流れるような仕草で彼女の身の丈の2倍近い巨剣を手に取り、構えをとる。
華奢な腕ではとても支え切る事などできそうもない剣だが、その重さをまるで感じさせない流麗な動きだ。
「ほぅ、望むところよ。神々との戦の前菜には実に丁度いい。門番の実力を存分に味わわせてもらおうか!」
アズラエルは敵意もあらわにその分厚い掌を打ち合わせ、筋肉に覆われた首を準備運動とばかりにゴキゴキとうちならす。
Esの戦意を感じ取ったアズラエルは歓喜の表情をその顔に張り付け、襲い掛かる。
巨体に似合わない凄まじい速度を持ってその剛腕を相対する相手に叩き込む。
だが、そこにEsの姿はない。
「はぁっ!」
裂帛の声とともに大剣を真下に薙ぐように振り下ろす。前方への跳躍によってアズラエルの攻撃をかわし、その勢いのまま剣をふるったのだ。
アズラエルはその攻撃を前腕部で防ぐ。如何なる体の構造をしているのか、それ自身の重みのみで人の体を両断できそうな大剣の斬撃を肉体のみで受け止めている。
彼女もこの怪物をただの一撃で倒せるなどとは考えていない。着地と同時にさらなる連撃を仕掛ける。
刃と柄を縦横に使い分けた、速く鋭い攻撃はアズラエルに反撃の機会を与えない。
しかし、息もつかせぬ連撃などいつまでも続くものではない。
一瞬の隙をつき、アズラエルはわずかな隙間から変則的なショルダータックルをくらわせる。
距離をとる事を目的としたその攻撃を剣で受け止めたものの、弾き飛ばされたEsは空中で体勢を立て直し着地する。
仕切り直しの形となり、戦闘が始まった直後の距離で極端な体格差を持った男女は向かい合う。
「俺の身体に傷をつけるとはな。良い剣に良い腕だ。どうやらこれまでに見てきた人形どもとは違うようだな」
言葉の通り、アズラエルの腕には僅かに血が流れている。だが、彼の態度の自信と余裕はまるで変わっていない。
Esの実力が自らの期待に沿うようなものであった事に対する喜びが見えるだけだ。
「対象の脅威判定を上方修正。魔力解放、対応を変更します」
Esはその場で剣をふるう。いくら長剣といえど到底届く距離ではない。
しかし、その軌跡が紋章となり蒼い光弾となって標的へと目がけ飛んでいく。
「ふん。くだらん。この程度でこの俺を……うぉっ!」
一つの光弾は確かにそれほどの威力ではなかっただろう。
だが、続けざまに放たれた二発目の光弾が重なった時、新しい一つの弾となって彼の予想の速さと威力を超えた攻撃となったのだ。
「ちぃっ!小癪な真似を……」
Esは距離をとったまま、アズラエルを翻弄するように空中から地上から光弾を放ち続ける。
近距離戦闘を続けることよりも、遠距離から体力を削る事が得策であると判断したのだろう。
それが間違いであったことが分かる事にそれほど時間はかからなかった。
緩急入り混じった飛び道具による攻撃はアズラエルの体力を地道に削っているようであった。
彼が距離を詰めようとすると、その行動の機先を潰すように光弾が飛んでくる。
そして、幾度目かの光弾が直撃しようとしたまさにその時、
「頂くぞ」
アズラエルの周りに赤色のオーラが広がり、光弾を吸収する。
間髪を入れず、彼が腕をふるうと先ほど吸収されたエネルギーが砲弾のごとき速さでもって撃ちだされる。
「かはっ!」
攻撃直後の隙をつかれた形となり、凄まじい速度の砲弾の直撃を受けるEs。一瞬倒れこんでしまうがすぐさま受身をとり体勢を立て直す。
立ちあがり、戦闘態勢を整えるがその視界からアズラエルの姿が消えている。
「後ろだ」
「……っ!」
振り向きざま剣をふるおうとするがするが、それより早くアズラエルの拳がEsの脇腹に深くめり込む。
細い少女の腹に大男の太腕がえぐりこまれる。
「お゛ぅぇっ!」
零れ落ちた透明な唾液が幾筋もの糸となって地面に落ちる。
アズラエルの攻撃は当然ながら単発では終わらない。蹴り上げがEsの顎を打ち上げる。
「がっ!」
それまでの激しい動きでいつの間にか掻いていた汗が蹴りの衝撃で飛散し、Esの身体が海老反りにのけぞる。
ひるんだ彼女に追撃のラリアットが凄まじい勢いで叩きつけられる。
「ぐぅぅっ!」
ラリアットの勢いのままEsは水平に吹き飛び受身もままならず、地面に2、3度とバウンドした後ようやく止まる。
彼女は追撃を警戒し痛みを無視しすぐに身を起こすが、追撃は来ない。
アズラエルは追撃の絶好のチャンスに攻撃を加えた位置のまま動いていない。彼は苛立ちも露わに問いかける。
「おい門番。貴様何故本気を出さん」
その問いを無視し、Esは自身のダメージを確認する。
身体に痛みは残っているが、戦闘行動に支障が出るほどではない。
「いや、別にかまわん。ここまで来て出し惜しみをしていてもしょうがあるまい。
本気を出さんというのならそのままここで死ぬがいい」
「エンチャント・ドラグノフLv3……解除」
アズラエルの全身に刻まれていた紋章が消えていく。消えていくと共に放たれるプレッシャーが急激に強まっていく。
「……っ対象の脅威判定急速増大。セーフティ解……げふぁっ!」
アズラエルが本気を出すことに合わせ、出力を上げようとしたEsであったが突如として高まった速度に対応できず腹部に膝の一撃を貰ってしまう。
先ほどとは比べ物にならない威力の一撃。たった一発で自らの内側が軋むような感覚。自らの意思とは無関係に口内から唾液があふれ出す。
空中に浮き上がったEsにそれより高く跳びあがったアズラエルが拳をうち放そうと思い切り振りかぶる。
それに気付いたEsは咄嗟に防御を試みるが彼女の腕が動くよりも先に男の巨拳が無慈悲に端正な顔に叩き込まれる。
「あぐぅっ!」
拳の威力のまま空中で回転し、地面へと叩きつけられる。
地面へと叩きつけられたEsに対し、空中から彼女を踏みつぶそうと落下してくるアズラエル。
さらなる追撃はギリギリのところで転がってかわしたものの、衝撃の余波でさらに吹き飛ばされる。
「くっ!」
飛散してきた瓦礫を防ぎ、これ以上の追撃をさせないために剣を薙ぎ払う。
先ほどとはうってかわって追い打ちをするため追尾してきたアズラエルはそのふるわれた剣を片手で掴みとる。
「なっ!」
驚愕に開かれるEsの瞳。だがそれはすぐに痛みによる反射の瞳の収縮となる。
剣を掴まれ無防備となった少女の身体のど真ん中を打ち抜くように巨漢の足が突き出される。
「ごぶっ!」
無意識か戦闘を継続する意志の表れか蹴りの直撃を受けてもEsは剣の柄を離さない。
結果として力を逃がすことも距離をとる事もできず、彼女を更なる苦痛の渦へと引き込んでいく。
アズラエルは掴んだ剣を力づくで引き寄せ、意識が朦朧としているEsに裏拳を叩き込む。
首が捩じ切れるかと錯覚を覚えるほどの威力。血と汗が飛び散り、表情が苦悶に歪む。
しかしそれでも彼女は剣を離さない。
「はははっ!まだ闘う意志はあるようだなぁっ!だがどこまで耐えられるかな?」
空いている右腕、両脚を使ってEsの身体を滅多打ちにする。
頭部、胸部、腹部、あらゆる箇所に向けて容赦のない暴力の嵐が襲いかかる。
「がっ!ごっ!うぶぅっ!」
一撃ごとに体内の重要な何かが歪む。内臓が異常を脳に伝達し、堪えようのない反射が体を揺り動かす。
「はぐっ!お゛ぇ゛ぇ゛っ!?」
ついに内臓に傷がついたのか口から鮮血を撒き散らし、苦痛に身をよじるEs。打撃の威力のあまり赤のスカーフが外れ、体格に比べ大きな胸の谷間が露わになる。
そこに先ほどまでの感情が感じ取れない機械染みた少女の姿はない。ただ痛みに悶絶する一人の少女の姿があるだけだった。
アズラエルは剣から手を離し、とどめとなる一撃を叩き込むため大きく振りかぶる。
Esはその動きを知覚しているもののダメージの大きさのため有効な回避、防御手段をとる事が出来ない。
「おぐぇ゛ぇ゛ぇ゛っ!」
十分に力を溜めた渾身の一撃がEsの華奢な体に叩き込まれる。
赤黒い血を口から溢しながら吹き飛び、停止した位置で力なく横たわりピクリとも動かない。
「ふん、門番など所詮この程度か。前菜程度にしかならんな。
まぁいい、俺の目的はこの門の先にあるのだからな」
その言葉が聞こえた瞬間Esの指が僅かに動く。
彼女の存在意義とは蒼の門を守護するというただ一点のみ。
その使命を果たすため、彼女はぼろぼろの身体をよろめきながらも無理やりに引き起こす。
「損傷率……55%……。身体機能……21%低下……。
対象の脅威なおも増大……こふっ」
そこで一度胸の奥から血がせり上がってきたのか吐血してしまう。
「なんだ貴様まだ生きていたのか、頑丈さはたいしたものだな」
最早闘えないと判断し完全に興味を失っていたアズラエルがぞんざいに言葉をかける。
「修復プロセスを放棄……セーフティ解除、フルモードで対処します」
ここまでダメージを受けた状態で全力を出せば自身が負荷に耐えられない可能性すらあったが彼女は躊躇わなかった。
この場で全力を出さず生き延びたとしても、それは彼女の存在意義を失うことになるのだから。
そして、この状況から彼女が勝機を見出すには自身の身体を厭わず全力を出すしかない。
「はぁぁぁっ!」
距離を一瞬で詰めたEsは蒼い力を纏った剣を叩きつける。
アズラエルはその攻撃を腕で受け止めようとしたが弾き飛ばされる。
その顔が一瞬だけ驚愕に染まり、すぐさま歓喜に塗り替えられる。
「くっははははははっ!!やればできるではないかっ!!いいぞ!もっと俺を楽しませてみろぉっ!!」
姿勢を崩しながらも反撃の拳を叩き込む。
「ぐむっ」
脇腹に拳を受け、膨らんだ口から唾液の一部が漏れ出る。
しかし怯んだのは僅かな時間のことであり、そのまま剣を薙ぎ払う。
アズラエルはバックステップでその一撃をかわし、大きく距離をとり向かい合う。
息を深く吸い込み、力を溜めてまたぶつかり合う。
「くっ!うぐっ、ふっ!」
手数は大きくEsが上回るが、アズラエルは一撃の重さで相殺する。
互角のような攻防が続く。だがその均衡は徐々に崩れ始める。
「ぜぇっ……はぁっ……ぜぇっ……はっ……!」
Esの呼吸は大きく乱れ、汗が珠となってこぼれ落ちる。
汗で濡れた前髪が額に張り付き、こぼれ落ちた汗と血で胸の谷間に一時の液たまりができる。
「楽しいぞ、門番!我が身にこれほどまで傷を負ったのはいつ以来か!」
アズラエルの身体にも多数の傷が刻まれているものの彼の体力の底が見える様子は未だない。
お互いに全力を出し始めてからアズラエルの勢いはまるで変わらない。
一方Esの動きには少しずつ翳りが見え始めていた。全力を出すまでに受けたダメージが余りに大きすぎたのだ。
このまま体力を削りあえば敗北するのはEsであることは明らかだった。
その事実を認識した彼女は最後の賭けに出る。
「うぐぅっ!」
アズラエルの拳を受けるとともに、威力を殺し距離をとるため自分から後方に大きく跳ぶ。
着地した後、残りの力を全て込めた渾身の一撃を放つために構えをとる。
「門番の力存分に味わわせてもらったぞ。礼として最高の死を貴様に食らわせてやろう」
Esの気迫を感じ取ったアズラエルもこれが最後の一撃となることを悟り、自身の最大の一撃を放つべく拳を構える。
「タイプ・エクスターミネーター……アルトリウス!」
「パトリオットアポカリプスッ!!」
尋常ならざる力を纏った剣と拳がぶつかり合う。衝撃が大地を震わせ、爆発のような衝撃音が轟く。
砂埃が舞い上がり、両者の姿が見えなくなる。
砂埃が徐々に晴れていき、立ち上がっている影が一つ。
三つ編みが解け衣服も原型が分からぬほどに破けてしまっているがEsは剣を握り、確かにその足で立っていた。
「対象をロスト……損傷率90%以上……修復フェイズに移行します……」
激闘の爪痕は激しく身体を回復させるため身を休めようとするEs。
だが、その時何もいなくなったはずの世界で動く気配を感じ取る。
「戦闘中に意識を飛ばしたのは初めての経験だ……よくもやってくれたな……」
絶望とともに振り返ったEsの視線の先に傷だらけの獣がいた。
その獣は未だ闘志を漲らせ、門番の前に立ちはだかる。
Esの瞳が絶望に曇る。壊れかけた身体を奮い立たせ剣を構えようとするが、切っ先が地面から離れることはない。
もはや、剣を持ち上げる力すら残っていないのだ。
「……戦闘続行……不能……」
糸が切れた人形のようにEsが前のめりに崩れ落ちる。先の一撃で体力も気力も使い果たした彼女に戦闘を続けることは不可能だった。
「ここまでこの俺が追いつめられるとはな……
さて、こいつには門の先へと案内してもらわなければな」
蒼の門番は使命を果たすこと叶わず、狂犬に敗北した――
以上です
なんかやりたいこと適当に詰め込んでいってたら結構長くなってしまった……
ゲーム内のモーションを色々参考にしてるのでどの技振ってるか想像してもらえるとちょっと楽しくなるかもしれません
お目汚し失礼しました
Esちゃんのキャラクターをよく理解しておられる、初めて書いた出来とは思えない素晴らしいSSでした
感情表現が希薄な娘が苦痛に顔を歪ませるのはいつ見てもいいもんですね
次回作も期待してお待ちしております
乙乙
二回抜いた、格ゲーらしい動きのある描写がとても上手だ…
後半、もうちょっとEsの心理描写があっても良かったかなと思う反面
それやっちゃうとくどい気もするので、これがベストバランスなのかなあ〜
次も期待している!
おつです
知らないキャラだったけど読みやすい文章のおかげで楽しめました
>>826
感想ありがとうございます
次回作の予定は今のところ未定ですが何か思いついたら書きたいと思います
やるとしたらおそらくアークゲーの女性キャラ……かなぁ
>>827
感想ありがとうございます
心理描写は個人的にも好きでいれようとしたんですがキャラが壊れそうだなぁと思ってやめちゃったんですよね……
後半に行くほど自身の語彙力の限界を感じて雑になっちゃってる感はあります……
>>828
感想ありがとうございます
そう言ってもらえると嬉しいです
次回もあれば読みやすいよう頑張ります
電ピカ仕様の水着着たカスミをリョナるSSです。
表紙、挿絵は依頼して描いていただきました
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8464608 …
ラブライブのキャラを使ったバイオレンスホラー的なSSとかないのかな?メンバーがどんどん殺されていくみたいな
間違えてあげてしまった
申し訳ない
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
お盆明けですが時期外れのゴールデンウィークネタを投下させていただきます。
少女の日の思い出です。今回、かなり長くなってしまいまして。
よろしければ、とりとめもない少女の遊戯におつきあいくださいませ……
「はぁ……はぁ……なんてこと……」
走ってきたために紅潮している頬の熱と、氷のように凍て付いた思考。身体と心のアンバランスに酔って、私は眩暈を覚えます。
新緑薫る芝生の海。
清々しい風が私の肌をくすぐり、髪をなぜていきますが、黒い焦燥に駆られた今の私には5月の爽風も木枯らしのように冷たく感じます。
「くやしい……間に合わなかった……」
私は大きく息を切らしながら、目の前に広がる信じがたい光景に愕然と立ち尽くしていました。
私、正義の戦士サファイア・アクアはガクリと身体を崩し、公園に広がる黄緑の海に身を横たえてしまいます。そんな失意に沈む私に、背後から可愛らしいソプラノの声が投げ掛けられました。
「大丈夫!?みのりちゃん!?」
「わっ……しっ!」
憚らない少女のよく通る声を聞けば、私は後ろから駆け寄ってくる女の子に向かって人差し指を唇にあて、静かにするようジェスチャーします。
私は、疲労による脱力で倒れてしまったわけではなかったのです。緩やかな丘になっている芝生に身を伏せることで、視線の「向こう側」から自分の姿が見えないように隠れていたのです。
「しゃがんで、かおりちゃん……いえ、コーラル・ピーチ」
今度は掌を下に向けて上下に振り、屈むように促します。ハツラツ元気娘のかおりちゃんも、私のジェスチャーに気づいて口を一文字に閉じれば、身体を屈めて私に近づいてきました。
「ねえ、レイちゃん……ルビー・フレイヤは……」
私のすぐ後ろにまでやってきたかおりちゃんは、伏せている私の腰に手を添えて傍らにしゃがみ込み、恐る恐る聞いてきました。
私はかおりちゃんから、仲間であるルビー・フレイヤのピンチを告げられ、自分の相手取っていた怪人を華麗に屠り、彼女を助けるために勇んでジャングルから脱出してきたのです。
しかし、私は一歩、遅かった。
私は彼女の問いに答える代わりに、悲痛な面持ちで目線を丘の下へと移します。かおりちゃんも、視線に促されて、丘の向こうへと身を乗り出しました。
瞬間、憂い知らずの元気娘の眉が、ハの字に垂れます。
「ああっ……!レイちゃん……」
丘の向こうにある惨状を目の当たりにしたかおりちゃんは、口元を両手で覆い絶句してしまいました。
丘の向こうは、様々な木製遊具の集まるアミューズメントエリアでした。
私達の眼下にあったのは、大きな吊り輪の遊具。地面から手を伸ばせば届く位置に、計10本の鉄製の輪が鎖で吊るされています。
単純な構造ながら、吊り輪の遊び方、利用の仕方は多岐に渡ります。
この頑強な鉄製の輪を持ってぶら下がったり、2本を使って体操選手みたいな気分を味わったり、1本を持ったままクルクルと鎖をよじり、足を地面から放し、戻る力を利用して回転したりと、利用者は思い思いの方法で遊具を楽しむのです。
高い安全性と広い用途を見せる優秀な、なんの変哲もない遊具がそこにはありました。
しかし今回、この平和な遊具は男子ヴィラン勢によってあまりにもサディスティックな創造性を加えられていたのです。
「ううぅ……」
ルビー・フレイヤは、同じ高さの2つの吊り輪に手首をそれぞれ通し、鎖に体重を乗せてガックリと項垂れていました。膝が力無く曲がったまま、両手を上に伸ばして吊り輪に腕を取られている姿は、さながら囚われのヒロインです。
「なんていうことを考えるの……公開処刑だわ……」
私はキュッと唇を噛んで、自由を奪われ敗北の姿を晒されているレイちゃんの姿を食い入るように見つめました。
レイちゃんのふわふわサイドテールは髪留めを奪われ、ハラリと肩に落ちて頬に張り付き、彼女が戦士から少女に堕ちたことを強く印象づけています。
砂場で戦っていたからでしょう。まっすぐ上に伸ばされた健康的な腕や、愛らしい幼貌は白く汚されまるで石像のよう。白い汚れの合間から見える肌のベージュが生身を強調し、戦士としての悔恨を強く滲ませます。さらに、太股や服には、灰砂が付着して戦いの壮絶さを物語っています。
グッと瞼を閉じて項垂れている彼女の顔からは、敗北を受け入れるしかない屈辱と、疲労ゆえに相手を睨み付けることさえできない満身創痍が読みとることが出来ました。
捕囚の女戦士。
胸元の赤いブローチが、辛うじて、彼女に残された戦士としての僅かな矜持を象徴するかのように輝いていました。
「レイちゃん……それに、あれは……ミユキちゃんまで……」
かおりちゃんが、敗北し無惨な姿を晒されている仲間の姿を見て顔を真っ赤にしています。怒りでしょうか、悲しみでしょうか。その紅潮には複雑な感情が入り交じっているのでしょう。
ミユキちゃんまで。
そう。捕らえられた仲間はレイちゃん扮するルビー・フレイヤだけではなかったのです。
吊り輪の一番右側に、レイちゃんと同じく両腕を吊された大和撫子の姿がありました。
鉄輪は、向かって右側に行くにつれて高くなっています。最も右に吊された輪は明らかに成人用。男子を入れてもクラス一の長身を誇るミユキちゃんでも、身体を棒のようにピンと伸ばして、ようやく手首を輪にかけることができる高さでした。
身体中の力を失いダランと身体を吊されているレイちゃんに対して、ミユキちゃんの自由を奪う拘束はさらにタイトな印象を受けました。
普段はポニーに束ねている黒髪を解かれ、チリチリのボサボサにされていました。ピンと背中を伸ばすことによって胸が反らされ、白いシャツに平均以上に発育した双丘が早熟のふくらみを作っているのがわかります。
スカートに包まれた腰回りも丸みを帯びていて、豊かな肉感が十分に堪能できます。ミニスカートのフリルから伸びていく肉付きの良い太股は蠱惑的。抵抗の術を剥奪され肉体美を惜しげもなく晒しているふくよかな姿はおいしそうで、猛獣に差し出される生贄を思わせました。
彼女の起伏激しい胸元で、漆のような光沢を放つ黒いブローチ。
ミユキちゃんのイメージカラーである穏やかな漆黒は、レイちゃんの胸に輝く深紅と合わさり、自由を奪われた2つの煌めきは悪の展示会に並ぶ芸術品となっていました。
女子でも思わず触れたくなる、色情を駆り立てられる肉の縦一文字の前に、黒いニットを被った男子が佇んでその姿を眺めています。
まるで釣り上げた魚を観賞しているかのよう。
彼が、ミユキちゃん……いえ、オニキス・シャドーを倒した怪人に違いありません。
ミユキちゃんの髪を掴んで乳房の前に持ってきて垂らさせて、芸術品をより被虐的にコーディネートしている男子。
ミユキちゃんは薄目を開けて悔しげな表情を浮かべながらも、女の命である長髪を良いように弄らせています。
頬を歪ませて優越感に浸っている怪人の表情には生理的な嫌悪感を抱きます。ある意味、怪人としてこれ以上なく良い表情を浮かべていると言えなくもないでしょう。
「あれって……阿久津くん……?」
かおりちゃんが激情に頬を火照らせながら呟けば、私は小さく頷きました。
「亮二ね。ミユキちゃんが、あんな奴に負けるなんて……どんな卑怯な手を使ったのかしら……」
私が声音を落として呟けば、かおりちゃんは顔を近づけて内緒話の距離になります。
「今、亮二って呼んだけど、阿久津くんと仲良いの?」
「ううん、今は全然」
かおりちゃんの問いに対して、私は首を振って即答しました。
「ただ、低学年の頃に何度か遊んだことあったから」
「じゃあ、やっぱり、昔は仲良かったんだ」
「いや、だから、全然」
私はややムキになって首を振ります。
亮二と友達だと思われるのは、女子のコミュニティでは喜ばしくないことなのです。
「……お兄ちゃん同士が友達で、よく遊びに来たりしていたから。「兄同士が友達」って関係で、お兄ちゃんに、ついでに付いていって「おまけ同士」で何度か遊んだだけ」
正直、何して遊んだのかもよく覚えていないくらいには、今も昔も、亮二との関係は私にとって些末なものでした。
彼に特に惹かれる部分もなく、女子の間での評価も正直、かなり低い。その印象を覆すような追加情報を、私は持ち合わせていません。
「清楚可憐なミユキちゃんとは月とスッポン。釣り合わないかな」
「同感だよ!阿久津くんをやっつけて、早く2人を助け出そう!」
救出に行こうと逸るかおりちゃんの腕を、私は強く握って止めました。
「待って、これは罠よ!他の怪人の姿も見えない!明らかに誘っているわ!」
「じゃあ、どうするのよ!」
息巻くかおりちゃんを眼で制しながら、私は声を絞ります。
「ひとみちゃんと……エメラルド・リーフと、合流しましょう!」
私は声音を低く強めて提案しました。
かおりちゃんはそれを聞けば、腰を低く下ろして顔を近づけてきます。
「ひとみちゃん、どこにいるんだろう?」
「わからない。でも、考えてみて?怪人の数は、私が倒した蜘蛛男の千田くんを除いて、多くてあと4人。亮二は生存確定。横島くんもまだどこかにいるでしょう。対して、私達は、ひとみちゃんが無事でも、もう3人。これでひとみちゃんに何かあったら……今、ひとみちゃんまで失うわけにはいかない」
「そうだね。3対4と2対4じゃ、全然違うもんね」
事態を理解したかおりちゃんに小さく頷いてみせれば、私は木陰のベンチを指差しました。
「かおりちゃんは離れた位置から、あいつらの様子を窺って。私はひとみちゃんを探してくる」
「私もいっしょに行くよ!」
「奴らがレイちゃん……いえ、フレイヤとシャドーに何をするかわからない。いざとなったら、私達だけでも救出に行かないといけないわ。これは重要な任務よ」
「……わかった」
かおりちゃんは渋々ながら了承してくれました。私は、太股まで伸びた白いハイソックスに付着した埃や葉を払いながら、丘から身体を引っ込めて立ち上がりました。
「私は、あっち……大型アスレチックの方から調べてみる」
「じゃあ、私は、吊り輪の様子を窺いながら、庭園迷宮の方を探してみるね」
「ありがとう、助かるわ。どっちかがひとみちゃんを見つけたら、1人でなんとかしようとせず、まずはお互いに知らせる。いいわね?」
「うん」
私達は約束を取り交わし頷き合いました。
コーラルとサファイア。桃色と空色の閃光は、こうしてそれぞれの方角へと飛んでいきました。
かおりちゃんは心細かったと思います。私も、正直、友達と離れて単独行動に移るのは怖かった。でも、私達は正義の戦士です。囚われの身となった戦士達を解き放つべく、私達は希望の緑を求め、散っていったのでした。
時計の針を少し巻き戻して、私が蜘蛛怪人の卑劣な罠に嵌り苦戦を強いられていた頃。
戦場は、公園の花形、巨大アスレチックエリア。
丸太で作られた一際大きな建築物が、公園の一角に鎮座していました。
遊具要塞とでも呼ぶべきワクワクの塊。
その溢れる魅力をいかに伝えましょうか。
丸太でできた飛び石、レンジャー隊みたいに一気に下まで滑り降りることのできる縦に伸びた鉄棒。グルグル渦を描くタイプの滑り台と、長く大きな滑り台が併設。ローラーで転がる滑り台、ローラースライダー。網でできた空中トンネルは下からのスカート覗き見注意。グラグラ一本橋は横の綱にしっかり掴まって安全に渡りましょう。サイドにはロッククライミングに登り棒、クライミングネット。さらに上層部には屋根付きの休憩所や展望台。端からはターザンロープが伸びていて設備全体が躍動感をはなっています。
ザ・アスレチック。
人気遊具の欲張りセット。
数多の少年少女が、この「建築物」に思い思いの想像を託し、夢中になって遊んできました。
子供達1人1人の瞳に、魅惑のアスレチックは違う姿として映るのです。
秘密基地、巨大要塞、妖怪屋敷、廃墟、豪華客船、不思議ジャングル……多くの「見立て」を施され、この巨大な複合アスレチックは子供達の遊び場の花形として君臨し続けてきたのです。
そして、今回、この魔性の空間に宛われたシチュエーションは。
「なるほど。魔導工場……ねえ」
黒髪ロングを背中まで伸ばした少女が、美貌に微笑みを湛えます。
彼女はメガネをキラリと光らせながら、石膏のように美しい顎を上げてアスレチックを見上げていました。
背中にはビニール袋を緑に塗って作ったマント。無地の白いTシャツの胸元にはエメラルドに輝くブローチ。それにお手製で同色のリボンが添えられています。
さらに掌にはウグイス色に染めた手袋をはめ、コスチューム全体を緑と白でコーディネートしています。ただし一点、スカートだけはベージュで、本人曰く「大地をイメージしてみた」とのことです。その色彩への拘りは、彼女の非凡な美術センスと言うことができるでしょう。
「いいわね。大規模な悪の秘密工場。面白そうよ」
落ち着いた声音で、ひとみちゃんはアスレチックの高台から見下ろしてくる男子に微笑みかけました。男の子もまた、好意的な返事に不敵に笑ってみせます。
「決まりだな、魔導工場で行こう。このアスレチックから落ちれば、そこは邪気と廃棄物に汚染されたドロドロの排水溝よ。身も心もあっという間に汚染されたヒロインは、非業の運命を迎えることになるだろう」
「ちょっと待って、八雲くん」
芝居めいた文句で提案してくる男子の言葉をひとみちゃんは遮ります。
「かといって、上から叩き落とすとかやめてよね?下は水じゃなくて地面なんだから」
「わかってるさ」
「あと、こっちが落ちちゃいけないのはわかったけど、そっちはどうなの?」
「俺は降りても大丈夫ってことで」
「そんなの、ズルイわ」
ひとみちゃんは小悪魔の笑みを浮かべ、くすぐるように囁きます。八雲透は肩をすくめてシラっとした顔で頷きました。
「ズルくない。こっちは怪人だから」
「じゃあ、そっちが落ちた時は私の貸しということで、どこかで私に有利な状態を呑んでもらうことにしようかな」
「……おお、怖い怖い。こいつはリスクが高そうだ」
透は肩をすくめて苦笑し、柔らかいニュアンスで要望を肯定しました。
ひとみちゃんはアスレチックの左右に理知的な視線を動かして設備の全貌を観察します。横の長さは50m以上ある大きな複合型アスレチック。その用途は無限大です。
「私はエメラルド・リーフ。生命の風と雷撃の戦士よ。八雲くんは、どんな怪人なの?」
「俺はDr.スネイク。発明した兵器や薬品で戦う。そしてここは俺の研究所。地の利は俺にある」
透は足元に準備していた白衣を拾って羽織りました。その瞬間、彼に怪人の魂が宿り、邪悪な陰が幼い顔に浮かび上がりました。
「マッド・サイエンティストってやつさ。さあ、始めよう。捕らえて力の源を調べ尽くしてやるぞ、エメラルド・リーフ」
「イカレた博士の実験台なんてまっぴらよ。エメラルド・リーフがその狂った野心を葬り去ってあげる」
メガネを光らせ宣言すれば、ひとみちゃんの美しい幼貌にヒロインとしての凛々しさまでが加わり一層魅力的な顔付きとなります。彼女は透の立っている高台からやや離れた滑り台に向かって駆け出せば、すぐにその降り口の前に立ち、上にある到着地点を見定め、地面を蹴りました。
ダンダンダンダン!
滑り台のトタン板を勢いよく駆け上がる音。豪快なステップを響かせながら、ひとみちゃんは滑り台を逆走して決戦の舞台へと上がります。
エメラルド・リーフは、一気に滑り台を駆け上がり、颯爽と戦場に見参したのでした。
「Dr.スネイク!これ以上、あなたの好きにはさせない!エメラルド・リーフが相手になるわ!」
ひとみちゃんの凛々しい声がアスレチックに響きます。透はそんな彼女を悠然と見つめながら待ちかまえていました。
臨戦態勢となった2人の間には、まだいくらか距離があります。
アスレチックは大まかな見方をすれば、いくつかの塔に分かれており、それを丸太の石段や雲梯、網トンネルやターザンロープ、一本橋などのアスレチックで繋げてある作りになっています。それぞれ違う塔に立っている怪人とヒロイン。ひとみちゃんは丸太の一本橋を卓越したバランスで難なく駆け、怪人のいる塔へと侵入を果たしました。
「くはは!面白い!モルモットが自分から転がり込んできたぞ!」
眼前にヒロインが到着したのを見れば、怪人は高々と笑い、黒いグローブを白衣のポケットから取り出してつけます。
「筋力増強剤を投与した。効力をお前で試してくれる!」
「邪悪な発明品なんかに、正義の力は負けないわ!すぐにわからせてあげる!」
3メートル四方の「板」の上で対峙した2人は、互いに威勢良く宣言して、手を組んで押し合いの体勢になりました。高台のスペースは決して広くありません。派手に暴れたり殺陣を演じたりするのには実は不向きな場所です。
アスレチックという大がかりな舞台ですが、接近戦に入れば、戦い自体は静かなものとなりました。
2人が木製の足場を踏みしめれば、丸太に乗った砂利がジリリと音を立てます。
「ふふ……」
優勢なのはエメラルド・リーフ。彼女は吸い込まれそうな円らな瞳で怪人の反応を窺いながら、一歩、また一歩、怪人を押し込んでいきます。
「むうっ……やるな……」
Dr.スネイクは形勢不利と見るや、バッと手を放して一本橋を通って逃亡を図りました。
直ぐさま逃げ出す白衣の怪人の背中を、エメラルド・リーフはメガネの奥の目を丸くしてきょとんと見つめていましたが、ハタと気づけば、直ぐさま彼を追い掛け一本橋の上を飛ぶように駆けます。
「待ちなさい、Dr.スネイク!」
「ちっ、はやい……」
ひとみちゃんの追走は、透の予想を上回っていたようです。あるいは自分の白衣の空気抵抗が予想以上だったのかもしれません。ぐんぐんと、白衣の背中にエメラルド・リーフのウグイスグローブが迫っていきます。
「たあっ!」
怪人はすんでの所で下へと伸びるアスレチックの登り棒に掴まれば、リーフの手を逃れ、スタンと一気に1階へと滑り降りました。猿か蛇がごとき軽業に驚くひとみちゃんですが、彼女もまた、縦に伸びる鉄棒に掴まれば、クルクル回りながら下に降りていきました。
1階には2階よりは大きなスペースがありました。
飛び石、階段、グラグラ橋の3方向へと分かれていくターニングポイント。
Dr.スネイクは、その場で降りてきたエメラルド・リーフを迎え撃ちました。
「ツイン・コブラウィップ!」
透は両手に紐製の黒く長い鞭を持って構えました。先端にはビー玉くらいのプラスチックの重りが付いていて、振り回せば遠心力が乗って勢いが出る仕組みになっていました。
「この先端にはコブラ100匹分の毒が塗ってある」
「大地の戦士エメラルド・リーフは生命エネルギーで毒を無効化できるわ」
「限度があるだろう?どれだけ耐えられるか試してやるぞ!」
「その前にあなたを浄化しきってあげる!」
互いに互いの能力無効化の設定をぶつけ合う2人。
設定の説得力は、ヒロインごっこの戦況にダイレクトに影響する大切な要素です。
相手に自分の考えた設定を呑ませた方が、展開を有利に進められる場合が殆どなのです。
譲らぬ舌戦。譲る気は毛頭無いという意思だけが2人の間に共有されたようでした。
となれば、実力で相手を凌駕するしか好転の道はありません。
「ええい、すぐにその小生意気な口を塞いでくれる!」
「逃げてばっかりの臆病者が、大きく出たものね!やれるかどうか、試してご覧なさい!」
第2ラウンドは屋根の陰の下、アスレチック1階でその火ぶたが切って落とされました。
ヒュンヒュンと、双鞭を振るいながら間合いを詰めるスネイク。
右に左に振り回される鞭の先端を注視しながら、リーフはボクサーみたいに上半身をスウェーさせて隙を窺います。
「そら!」
振り下ろされた鞭撃を、ギリギリのところで、身体を横にさばいて回避するリーフ。彼女の長い髪を鞭の先端が掠め、チッと渇いた音を立てました。
「Dr.スネイク!これ以上、あなたの好きにはさせない!エメラルド・リーフが相手になるわ!」
ひとみちゃんの凛々しい声がアスレチックに響きます。透はそんな彼女を悠然と見つめながら待ちかまえていました。
臨戦態勢となった2人の間には、まだいくらか距離があります。
アスレチックは大まかな見方をすれば、いくつかの塔に分かれており、それを丸太の石段や雲梯、網トンネルやターザンロープ、一本橋などのアスレチックで繋げてある作りになっています。それぞれ違う塔に立っている怪人とヒロイン。ひとみちゃんは丸太の一本橋を卓越したバランスで難なく駆け、怪人のいる塔へと侵入を果たしました。
「くはは!面白い!モルモットが自分から転がり込んできたぞ!」
眼前にヒロインが到着したのを見れば、怪人は高々と笑い、黒いグローブを白衣のポケットから取り出してつけます。
「筋力増強剤を投与した。効力をお前で試してくれる!」
「邪悪な発明品なんかに、正義の力は負けないわ!すぐにわからせてあげる!」
3メートル四方の「板」の上で対峙した2人は、互いに威勢良く宣言して、手を組んで押し合いの体勢になりました。高台のスペースは決して広くありません。派手に暴れたり殺陣を演じたりするのには実は不向きな場所です。
アスレチックという大がかりな舞台ですが、接近戦に入れば、戦い自体は静かなものとなりました。
2人が木製の足場を踏みしめれば、丸太に乗った砂利がジリリと音を立てます。
「ふふ……」
優勢なのはエメラルド・リーフ。彼女は吸い込まれそうな円らな瞳で怪人の反応を窺いながら、一歩、また一歩、怪人を押し込んでいきます。
「むうっ……やるな……」
Dr.スネイクは形勢不利と見るや、バッと手を放して一本橋を通って逃亡を図りました。
直ぐさま逃げ出す白衣の怪人の背中を、エメラルド・リーフはメガネの奥の目を丸くしてきょとんと見つめていましたが、ハタと気づけば、直ぐさま彼を追い掛け一本橋の上を飛ぶように駆けます。
「待ちなさい、Dr.スネイク!」
「ちっ、はやい……」
ひとみちゃんの追走は、透の予想を上回っていたようです。あるいは自分の白衣の空気抵抗が予想以上だったのかもしれません。ぐんぐんと、白衣の背中にエメラルド・リーフのウグイスグローブが迫っていきます。
「たあっ!」
怪人はすんでの所で下へと伸びるアスレチックの登り棒に掴まれば、リーフの手を逃れ、スタンと一気に1階へと滑り降りました。猿か蛇がごとき軽業に驚くひとみちゃんですが、彼女もまた、縦に伸びる鉄棒に掴まれば、クルクル回りながら下に降りていきました。
1階には2階よりは大きなスペースがありました。
飛び石、階段、グラグラ橋の3方向へと分かれていくターニングポイント。
Dr.スネイクは、その場で降りてきたエメラルド・リーフを迎え撃ちました。
「ツイン・コブラウィップ!」
透は両手に紐製の黒く長い鞭を持って構えました。先端にはビー玉くらいのプラスチックの重りが付いていて、振り回せば遠心力が乗って勢いが出る仕組みになっていました。
「この先端にはコブラ100匹分の毒が塗ってある」
「大地の戦士エメラルド・リーフは生命エネルギーで毒を無効化できるわ」
「限度があるだろう?どれだけ耐えられるか試してやるぞ!」
「その前にあなたを浄化しきってあげる!」
互いに互いの能力無効化の設定をぶつけ合う2人。
設定の説得力は、ヒロインごっこの戦況にダイレクトに影響する大切な要素です。
相手に自分の考えた設定を呑ませた方が、展開を有利に進められる場合が殆どなのです。
譲らぬ舌戦。譲る気は毛頭無いという意思だけが2人の間に共有されたようでした。
となれば、実力で相手を凌駕するしか好転の道はありません。
「ええい、すぐにその小生意気な口を塞いでくれる!」
「逃げてばっかりの臆病者が、大きく出たものね!やれるかどうか、試してご覧なさい!」
第2ラウンドは屋根の陰の下、アスレチック1階でその火ぶたが切って落とされました。
ヒュンヒュンと、双鞭を振るいながら間合いを詰めるスネイク。
右に左に振り回される鞭の先端を注視しながら、リーフはボクサーみたいに上半身をスウェーさせて隙を窺います。
「そら!」
振り下ろされた鞭撃を、ギリギリのところで、身体を横にさばいて回避するリーフ。彼女の長い髪を鞭の先端が掠め、チッと渇いた音を立てました。
「……くっ!?」
「ククク。このまま毒牙でジワジワとなぶり殺しにしてやる……」
「せめて、一撃くらいまともに当ててから強い言葉を遣ったらどうかしら?……ここ!」
ひとみちゃんは年齢不相応に妖艶な笑みを浮かべれば、振り回されている毒鞭の軌道を見切り、その先端をムズッと掴みました。
毒牙部分を避け、ちょうど蛇の首元を噛まれないように掴んでいるかのような、絶妙な部分を掴み、ウグイスのグローブが蛇頭を絞め上げたのでした。
「なんだと!?」
「こっちも!」
続けざまに、もう一本の蛇の頭も掴んで鞭を無力化するエメラルド・リーフ。彼女の優れた動体視力と運動センスに眼を見開くDr.スネイク。ひとみちゃんがギリッと紐を引っ張れば、Dr.スネイクの身体がリーフの方へと引き寄せられます。
「うそだろ、おい……」
「私に鞭は効かなかったみたいね。隙あり!」
体勢を崩したDr.スネイクの土手っ腹に、リーフの豪快なヤクザキックが炸裂しました。
「……ぐえっ」
ひとみちゃんの靴跡がしっかりついた腹を押さえ、カエルみたいな呻き声を上げながら後退し、壁に背中から叩きつけられたDr.スネイク。リーフはスネイクの手から放れた2本の鞭を床に打ち捨てれば、内ポケットに手を入れながら、吹き飛ぶように後退し腹をさすっているDr.スネイクと距離を詰めました。
ひとみちゃんは、親友の贔屓目なしにしても、才色兼備の優等生です。
しかし、ひとみちゃんを実力者として認めている友達はあまりいません。
運動も勉強も、図工だって、なんでも他人より二回りはうまくやれるだけの能力があるのですが、それをメガネと柔和な人当たりで覆い隠しているのです。
その卓越した実力の鱗片が、ヒロインごっこにおいて、ほんの少しだけ顔を出します。
ヒーローが変身するのとは逆のパターンです。ヒロインになりきることによって、ひとみちゃんは自分の実力を、僅かばかり表に出して誇示することを自分に許すのです。
ヒロインという肩書きを借りてチラリと現れたひとみちゃんの正体を目の当たりにして、多くの男子は面食らうことになります。
美しく強い少女が頬を緩ませながら近づいてくるのを、Dr.スネイクは片目を開けて見つめていました。
「ば、ばかな……」
「さあ、さっそくだけど、トドメかしらね?」
ひとみちゃんが内ポケットから取りだしたのは、ウグイス色の扇子でした。
リーフはDr.スネイクの顎を扇子の先端でクイッと持ち上げて眼を合わせます。
「覚悟はいいかしら、博士?」
「なにを……」
苦悶の表情で睨み返したDr.スネイクを、微笑して見据えるエメラルド・リーフ。
彼女が扇子をパラリと開けば、そこには風を思わせる温かく淡い白の模様が描かれていて、縁取りは持ち主の手によってラメやシールで可愛らしくデコレーションされていました。
彼女はタンと間合いを取れば、扇を、腰の捻りを加えながら横に大きく仰ぎました。
「エメラルド・ハリケーン!」
「ぐあああああああああっ!!?」
状況により、エメラルド・リーフの必殺技が炸裂したのは説明不要の共通展開となりました。
扇のそよ風を受けた透は、それがあたかも身体を裂く突風であるかのような叫び声を上げ、錐揉み回転しながら横に飛ばされていきます。
彼はそのままアスレチックの中をグルリと回り、石段のスペースから外へ飛び出して行きました。
「あら?勢いが付き過ぎちゃった?」
目をパチクリさせながら彼がアスレチックを飛び出していくのを眺めていたひとみちゃん。
のんびりした様子で彼が飛び出ていった方に駆け寄れば、壁の縁に手をかけ、外に出た透に目をやります。
外にはピンピンした透がやや離れた位置に立って、彼女の方を見つめていました。
「八雲くん、外は禁止って言ったでしょ?どうするのよ、これ?私が排水もろとも貴方を消し飛ばしてもいいの?」
「それはダメだ、もっとアスレチックを楽しもうぜ!」
透はそう言って笑えば、彼女に背を向けて走り始めました。
ひとみちゃんが、何をするのかと眉を顰めて彼の動向を眺めていると、彼はひとみちゃんのいる場所とは別の塔にあるはしごに手をかけ、登り始めました。
「こっちまで、来られるなら来てみろ、エメラルド・リーフ!」
「あはは!」
ひとみちゃんは普段では絶対しないような明るい笑い声をあげました。
「何を偉そうに。すぐに捕まえてやっつけてあげるわ!」
状況を飲み込めたひとみちゃんは、透にそう答えれば、アスレチックの内部にある登り棒で2階へと上がっていきます。
魔導工場を舞台にした追撃戦。
透は下に降りても平気ですが、ひとみちゃんはそうはいきません。そのアドバンテージを透はどう活かすのか、ひとみちゃんはどうやってそれを覆すのか。
ただの鬼ごっこになるとは思えません。それはひとみちゃんもわかっていました。
「八雲くん、何を企んでいるのかしら」
直接対決なら分があると分析しているひとみちゃん。足でも負ける気はありません。
でも。
「ここはDr.スネイクのアジトよ。油断しないようにしないとね」
ひとみちゃんは、もう一人の自分であるエメラルド・リーフに注意を促すように呟きました。
塔を西に東に移動しながらの追いかけっこはやがて膠着しました。塔を隔てて、ひとみちゃんと透が向かい合います。ロープトラップというアスレチックが2人を結ぶ道を遮っていました。
天井・壁付きの3メートルほどの横幅のある、5メートルほど長さの道。その壁や天井、床から四方八方にロープが張られ、その様子は厳重に張り巡らされた防犯システムの赤外線をイメージさせます。
しかし、これはあくまで障害物。触れればブザーがなるわけでも、電流が走るわけでも、ましてや切断されるわけでもありません。普段であれば、その間を抜けていくのはそれほど難しくない障害物アトラクションです。そう、普段であれば。
「こいつは巨大蛇の毒牙で作られた防犯トラップだ。よく見ろ、毒液が滴っているだろう?」
罠の向こうにいる透が指摘した通り、天井付きのアトラクションであるにも関わらずロープは濡れ、ポタポタと液体が滴っているのがわかりました。どうやら、透は事前に、このアトラクションのあちこちに仕掛けを施していたようです。
「つまり、ロープに触らずに通れというわけね」
「そういうことだ。触れればお前に体に灼けるような痛みが走ることになる」
「でも、ここを通らないと貴方を倒しにいけないんでしょ。こんな罠、私には通用しないっていうのを見せてあげる」
ひとみちゃんは濡れてぬらぬら光るロープを見据えながら余裕の笑みを浮かべました。
エメラルド・リーフは、悪のトラップ満載の魔導工場に飛び込み、罠をかいくぐって狂った博士の野望を打ち砕こうとしているのです。
彼女は勢いよく初めのロープをくぐります。
勇敢にも、自ら敵の掌中へと飛び込んでいく緑の戦士。彼女の胸にはどのような罠が待ち受けているのかという好奇心と、それを打ち破るだけの自信が溢れていました。
しかし、それがエメラルド・リーフの受難に満ちた潜入戦の始まりだったのです。
「ふう……ふう……」
縄を潜りながら、ひとみちゃんは集中して細い息を吐き出します。
触れさえすればなんてことのない障害物なのですが、接触禁止という縛りを怪人によって設けられれば、アスレチックは一転、えげつない難易度の悪のバリケードへと変貌を遂げました。
身体をくねらせながら、慎重に、少しずつ縄を抜けていくひとみちゃんの様子を、透はゴール地点から逃げることなく眺めています。
「なかなか、がんばるじゃないか」
「ふん、待ってなさい……こんなの、すぐにクリアしてやるんだから……」
Dr.スネイクの視線が獣の熱を帯びていることを意識しながらも、それに気づかないふりをしながらひとみちゃんは罠を攻略していきました。
もう少しで罠を抜けられる、しかし、最も縄の密集した難所にひとみちゃんがさしかかった時、邪悪が卑劣な牙を剥きました。
ひとみちゃんは床に手をつき、リンボーダンスみたいに身体を反らせて仰向けの状態で縄を潜ろうとしていました。
彼女のすぐ眼前には、斜めに張られた縄が邪水を孕みながら行く手を遮っています。ひとみちゃんの上方右肩から、下方左太股にかけて斜めに伸びている縄。
その縄が、不意にぴくりと動きます。突然の変化にひとみちゃんは大きく胸を高鳴らせました。
「……なに?」
「ククク。なかなか健闘しているようだな、エメラルド・リーフ?」
動いた縄に沿って視線を上げ、縄と天井との付け根を見れば、そこには縄を軽く摘んだ透の姿がありました。
彼は笑みを浮かべながら、ブリッジみたいに胸を上に突き出して縄抜けリンボーの体勢のまま膠着しているひとみちゃんを見下ろしていました。その手には、なにやら淀んだ液の入ったペットボトルが握られています。
透の思惑を察したひとみちゃんの顔に焦りが浮かびました。
「その液体は……」
「毒を足してやろう、エメラルド・リーフ、その恰好では抵抗もできまい……」
Dr.スネイクは頬を歪め、ボトルの中に入っている液体をロープの上方に垂らしていきます。
液体は表面張力に従ってロープを伝っていきます。眼前に張られた縄がさらなる潤いを見せれば、リーフは四肢を強張らせて液体の行く末を見つめます。
ちょろちょろとロープを走る液体はルートを守りながら身体のすぐ上を伝っていきます。
思わず息を潜めながら、液が自分に垂れてこないことを祈るリーフ。
もちろん、その願いが天に、そして運命を握る邪悪な蛇に届くことはありませんでした。
トントン……
怪人然とした笑みを浮かべながら、透は水分の補充されたロープを軽く叩いて揺らします。ピンと張られた飽和状態のロープは、ちょっとした刺激で容易く水滴を表面に滲ませ、ポタポタと雫を垂らしてきました。
ポト……ポトト……
ロープの下でリンボー体勢を取るひとみちゃんの白いシャツに、大粒の毒液が落ちました。
液はひとみちゃんの肩から胸部、そして脇腹へと線を落ちて、暗色の斑点の橋を描きました。
落ちてくる雫を緊張の眼差しで見つめていたひとみちゃんは、自分の着ているシャツに雫がポツポツという音を立て落ちるのを聞けば、整った眉を寄せ、余裕の表情を崩しました。
「あうっ……んっ……あああっ……」
ひとみちゃんの薄い唇から、可愛らしい呻き声が漏れました。スネイクの卑劣な毒牙によって、リーフの身体はついに蝕まれたのです。
「罠に嵌ったな、エメラルド・リーフ」
「こ、これくらい……」
ひとみちゃんは上方にいる透をキッと睨み付けました。
その視線に透は征服感を煽られ、透はひとみちゃんの上に張られたじっとりロープを両手で掴み、彼女の身体へと押し当ててきました。
毒液をたっぷり吸ったロープがバッグの紐みたいに胸部を斜めに分割して押し付けられます。
じわっと、シャツの綿がロープの水を吸収し、シャツを暗色に染めていきます。
毒液が染み込めば、液体の冷たさがひとみちゃんの肌を冒します。ひとみちゃんは五感に怪人の侵略を感じ取り、ぴくっと身体を震わせました。
「くうう……あああああっ…………」
ひとみちゃんは艶やかな声で呻きながら、指をわななかせロープを掴みます。しかし、それによってエビ反り状態だったひとみちゃんの身体は支えを失い、体勢が崩れてしまいました。
……ひんやり。
冷たい感触がマント越しに、背中にロープが当たってしまったことを伝えます。
胸部と背中のダブル攻撃に、ひとみちゃんの膝は砕け、完全に支えを失った身体は張り巡らされたロープに預けられることになってしまいました。
四肢をピンと四方に投げ出してロープに全身を乗せる形になってしまったひとみちゃんは、まるで蜘蛛の糸に囚われた蝶でした。
眼前に横たわるリーフの姿に勢いづいたDr.スネイクは、彼女の腹部を先ほどの蹴りのお返しとばかりに踏みにじりました。
「うんっ……ぐうう……つぅぁあああああ…………」
「そら、さっきまでの余裕はどうした、エメラルド・リーフ」
グリグリと踏みつけられれば、白いシャツがよじれてDr.スネイクの爪先を中心に渦を描きます。
「ああううっ……んあああっ……」
ひとみちゃんは可愛らしい唇から苦悶の声を漏らしながら、脚を自転車みたいに漕いで苦痛に耐えていました。
踏みつけの圧力自体はそこまで深刻なものではありませんでした。八雲透の体重は4年生相応といったところ。さらに脚を上に上げて椅子くらいの高さに横たわるひとみちゃんのお腹に全体重をかけて踏みつけられるほど、彼の体幹は鍛えられていません。爪先をクリクリ動かして怪人の踏みつけを気取るのが精一杯というのが実情なのでした。
この劣勢は、ひとみちゃんのエスコートするところが大きいと言えます。ひとみちゃんは自身の高いポテンシャルに拘わらず、こうして相手の設定を「呑んで」しまうところがあるのです。
お人好しというか、押しが弱いというか。その柔和な態度は怪人を演じる友達からかなり好意的に捉えられているのですが、ピンチを受容するからといって、勝利まで明け渡すわけではありません。
苦渋に満ちた表情から、開かれた眼にスッと力が宿ったのを透は察知しました。
同時に、彼女のウグイスグローブは自分の腹部を踏みにじっている靴をがっしりと掴みました。
「こんな、攻撃……!」
「うおっ…!?」
ひとみちゃんは透の足を強引にはね除けて立ち上がりました。尻餅をつく透。ひとみちゃんの前進が、ロープエリア脱出と同義となり、彼女は荒い息を吐きながら重い足を動かして透へと近づいていきます。
シャツには斬られた跡みたいに斜めに水跡が走り、その痕跡を撫でながらひとみちゃんは息を整えました。
「さ、さあ……覚悟はいいかしら……?」
「ふん、これで抜けられたと思うな?まだまだ手は残っているぞ!」
尻餅をついた透はへっぴり腰のまま駆け出せば、再び逃走を開始します。
「あっ!待ちなさい!」
出遅れたひとみちゃんは、すぐに彼の背中を追おうとしました。しかし、そこで身体から不意に力が抜けた心地がして、思わずアスレチックの壁に手をおいてしまいます。
自身の異変に戸惑うひとみちゃん。
「これは……ダメージ?疲労……?」
ひとみちゃんは、ドクドクと心臓の音が鼓膜を打ち、指の先端まで熱が巡っているのを感じました。
身体に運動による疲労が残っていないことを確認しながら、ひとみちゃんは身体中に燃える熱を追い出すように細く息を吐き出し、気持ちを集中させます。
「大丈夫、まだまだ戦えるよ」
自身の筋力の支配権が戻ってきた感覚を確かめながら、ひとみちゃんは眼前に走る白衣の背中を見据えます。
「卑怯な罠なんか全部破ってやるんだから!」
エメラルド・リーフは、アトラクションの奥へと消えていくDr.スネイクの背中を追いました。彼はもうすでに塔を駆け下り、別の塔へと移動しています。
アスレチックの外は排水溝エリア。そのまま彼の通ったルートを追い掛けることはできません。ひとみちゃんは彼を追いつめるべく、アスレチックを移動しながら透を追跡していきました。
一本橋、グラグラ橋、壁の道。アスレチックを縦横無尽に駆け抜けながら、ひとみちゃんはDr.スネイクを追います。時折コスチュームに付いた水の跡を気にしている素振りを見せていましたが、その染みもだんだんと蒸発し目立たなくなり、エメラルド・リーフの復調を表しているようでした。
この勝負、持久力やアスレチック上での身のこなしでは、明らかにエメラルド・リーフが勝ります。疑心暗鬼にかかって様子を見ていた序盤ならばともかく、ひとみちゃんが絶えず全力追走でプレッシャーをかけるフィジカル戦略に持ち込んでからは、2人の距離はぐんぐん縮まっていきました。
そしてついに、エメラルド・リーフは息もつかせぬ猛追により、アスレチック2階でロープホールを隔ててDr.スネイクを追いつめたのでした。
「ふう……捉えたわ……今の内に断末魔の台詞を考えておくことね!」
「はぁ……はぁ……ま、まだまだぁ……」
ロープホールの入口と出口は高さが異なっていて、Dr.スネイクが1メートルほど上方でエメラルド・リーフのことを見下ろしている位置取りになっています。
しかし、状況はその高さ通りとはいかないようです。
激しく肩を上下させて消耗しているDr.スネイクに対して、追撃者であるエメラルド・リーフには幾分も余裕がありました。
「筋肉増強だけじゃ、走り慣れていない技術面を補いきれなかったみたいね、Dr.スネイク?」
「ふ、ふん……その余裕も今のうちだ……その綺麗な顔を歪めてやるぞ……」
脇腹に片手を当てて体力の限界を露わにしている透。
透は、教室でも目立たないメガネ少女のひとみちゃんにフィジカルで圧倒されていることに、男としてフラストレーションが溜まっていました。対するひとみちゃんは、彼が悪役として吐き捨てた「綺麗な顔」という単語に反応して静かに昂揚していたりなんかして、のんきなものでした。
「逃げ場はないわ!観念しなさい、Dr.スネイク!」
凛々しく、勇ましい声を上げて網の洞穴を潜るひとみちゃん。
網の筒状トンネルは、アスレチック塔の2階を結ぶ5メートルほどの架け橋です。
身体を屈めながら輪の中を進んでいくひとみちゃん。決してスピードの出る体勢ではありませんが、向こう岸にいる透が背を向けて逃げても、悠々と追い付けるだけの間合いにすでに彼を捉えていました。
(でも、ただで終えるわけがないわ……)
ひとみちゃんはロープのトンネルを潜りながら、透がこの場所に罠を施していると予見していました。正々堂々が信条のヒロインにとって罠は脅威であり、攻略の楽しみでもあり。リスキーと知りながら、ひとみちゃんは敢えて正面突破を敢行したのでした。
先ほどのロープトラップのように、ロープに毒液が染み込んでいないか手の感触と目でよく確認しながら進んでいきます。アスレチックに怪しいものが仕掛けられていないか視線を巡らせては、異常を認めないという事実に安心と、小さな落胆を募らせていきました。
(このままDr.スネイクを捕らえてチェックメイト)
トンネルの進攻に従い、そんな展開がひとみちゃんの中で現実味を帯びてきます。
しかし、真剣な眉間に不満の皺が刻まれた瞬間、不意にひとみちゃんの手が止まりました。
「……ひゃっ!?」
可愛らしい悲鳴と共に、ひとみちゃんは手の甲で自分の頬を拭います。弾力のあるきめ細やかなひとみちゃんの頬に、いつの間にか、紫色をした液体が付着し、彼女のもち肌を汚していたのです。
「……なに?」
驚いて透の方を見れば、彼は拳銃型の水鉄砲を持ち、頬を釣り上げながら銃口をひとみちゃんに向けていました。
黒い銃口からタラリと垂れた雫が仄かに紫に色づいているのを見れば、この逃げ場のない状態で怪人から銃撃を受けたのは明らかでした。
「くはは!まんまと罠におびき寄せられたな、エメラルド・リーフ!」
「……なんですって!?」
「この狭いトンネルじゃ逃げ場もあるまい……貴様は袋の鼠だ!このまま毒液まみれになって果てるがいい!」
ピュピュピュ……!
透が無慈悲にトリガーを引けば、毒々しく着色された水がひとみちゃん目掛けて放たれました。
拳銃サイズのポンプ式の水鉄砲。水の勢い自体は決して速いものではありません。
それを避けようとしたひとみちゃんでしたが、網にかかった状態のひとみちゃんは殆ど動くことができず、シャツの肩の部分やスカートの端を紫色に染めました。
「きゃあっ!?」
ひとみちゃんは悲鳴を上げながら攻撃から免れようとしますが、彼女の周りに銃を回避するようなスペースはありません。
このままでは恰好の標的となり、なぶり殺しにされてしまいます。
絶体絶命のピンチに陥ったひとみちゃん。
しかし、彼女の瞳に宿る希望の光は潰えていません。
メガネの奥に光る理知は、この絶望的な状況の打開策を見出します。
彼女は右肩を突き出すようにして構え、バッとウグイス色のマントを翻して盾にしました。
「エナジー・シールド!」
ひとみちゃんは手脚を胸部に畳み込んで、前方に大きく広げたマントの陰に身を隠して毒攻撃を防御します。ビニール袋を鮮やかな緑で丁寧に塗られたマントに、勢いのない透の水撃が命中しました。
ビチ……ビチチ……
安物のビニール傘を水滴が叩くみたいな音を立てて、毒攻撃はマントに阻まれてしまいます。咄嗟の防御術にDr.スネイクの顔に焦りが滲みました。
「エナジー・シールドだと!?」
「ふふふ……確かに、私はまだ、この場所から動くことができないけど。その攻撃はあまり乱発できないわよね?」
「……はたして、そうかな?」
「見え透いたハッタリよ。銃の大きさを見れば、すぐに弾切れを起こす事なんて簡単に想像できるわ。このまま弾切れを待っていればチャンスはある。どうかしら?」
ひとみちゃんの指摘した通り、透の手にしている銃は駄菓子屋や100円ショップで売っているタイプの安価で容積の小さいものです。加えて、ビニール製のマントはおもちゃ鉄砲の水圧を完全にシャットアウトすることができています。このままやり過ごせば、彼の毒薬による蜂の巣銃撃を退けて反撃に転じることは十分に可能でしょう。
「今はバリアで堪え凌いで、銃の水が空になったタイミングで攻勢に転じる」と、ひとみちゃんは大胆にも宣言してみせたのです。それは設定の摺り合わせです。透がなんの対策も講じなかった場合に、彼が迎えることになる運命の予言でした。
透はひとみちゃんの適切な打開策を突き付けられれば、ギリッと歯軋りして水鉄砲を前に出して威嚇しました。
「いいだろう、耐えきれるものなら耐えてみろ!」
透は勢いよく引き金を引いて、ひとみちゃんに毒液を浴びせかけました。ひとみちゃんに指摘されたキャパシティの低さをはね除けるように、豪快に躊躇なく毒液を吹きかけていきます。
ポト……ポトト……ポタタタ……
ビニール製のマントが水を弾く音を聞きながら、ひとみちゃんは毒液攻撃を防ぎます。
思い切りの良い乱射。ひとみちゃんはまん丸の瞳で戦況を観察します。激しい攻撃自体は予想外でしたが、戦況や、水量、透の表情などに、自分の想像を超える要素は認められませんでした。
ポト……ポト……プシュウ……
透の銃口が、渇いた音と共に霧を噴出したのをひとみちゃんは確認しました。
弾切れ。
得物の異変に痛恨の念を隠さず、ピクリと眉を動かす透。眼光を鋭くさせるひとみちゃん。この瞬間、明らかに戦況の流れが変わりました。
「今よ!」
ひとみちゃんは宣言通り、マントを翻して一転攻勢に出ます。
透は迎え撃つべく、白衣を風に靡かせながら出口で悠然と彼女のことを見下ろしています。
彼にまだどんな隠し球があるかわかりませんが、接近戦に持ち込めば、エメラルド・リーフの実力を以てすれば透の付け焼き刃などたちどころにへし折られることになるでしょう。
もはやDr.スネイクの力ではエメラルド・リーフを止めることはできません。正義の鉄槌が、毒を操るマッド・サイエンティストの頭上に下されようとしていました。
しかし。
「あひゃあああああああああああああああああっ!!」
次の瞬間、魔導工場に悲鳴を轟かせたのはエメラルド・リーフの方でした。
完全な不意打ちに、ひとみちゃんは肺の中にある空気を全部吐き出して叫び声を上げてしまったのです。
彼女は冷たく、強く押し当てるような刺激を、スカートに守られているはずの太股の裏に感じました。
同時に彼女のデリケートゾーンにもたらされた、ぐっしょりとした不快感。まるでおもらしをしてしまったかのように、ショーツがたっぷりの水分を含んで濡れてしまっていたのが感触でわかりました。
ダラリ……
攻撃を受けた証として、網の上でハイハイの体勢になっているひとみちゃんの股から、紫の液体がツゥーっと垂れてきます。
「んああぁぁ……つ、冷たい……なに……?」
網に指を絡ませ、頬を網に付けて前傾姿勢になり、お尻を宙に突き出す形になりながら、ひとみちゃんは思わず中がぐっしょりと濡れてしまったスカートの前を恥ずかしげに押さえました。何をされたのかわからず、ひとみちゃんは珍しく狼狽の色を隠せずにいます。
「がははははははは……!どうだ、エメラルド・リーフ!」
死角から聞こえてきた高笑い。
網トンネルの真下をロープ越しに見れば、紫のシャツを着た男子が邪悪に笑いながら彼女のあられもない姿を見上げていたのでした。
「あ、あなたは……」
「俺様はDr.スネイク様の忠実なる下僕(しもべ)、ヘドロキングよ!ヘドロ鉄砲の味はどうだ、エメラルド・リーフ?」
誰何に対して、してやったりと満面の笑みを浮かべる男子。彼は有野ツバサ。怪人勢メンバーの1人です。
排水溝エリアである地面からの一撃。ヘドロ怪人ならば毒液まみれの排水でも平気なのも道理。むしろ彼のホームグラウンドはヘドロ沼と化した下水溝と言われても十分な説得力がありました。
「Dr.スネイクの……下僕……まさか……」
「その通りだ。貴様はここに誘い込まれたのだよ。ヘドロキングが貴様を一方的に狙えるこの場所までなぁ?」
「そ、そんな……」
まんまと罠にはまってしまっていたと知ったひとみちゃんは頬を紅に染めながら唇を噛みました。
ツバサがひとみちゃんの股間部を1階から撃ち抜いた水鉄砲は、透の持っていた拳銃型のものとは格が違いました。
ポンプによる圧縮ジェット、ボトル付き・両手で扱うタイプのライフルを模した本格派で、彼の足元に置かれたバッグからは替えのボトルが何本も顔を出しています。
「……Dr.スネイクの……下僕……」
もう一度、ひとみちゃんは悔しげに復唱しました。Dr.スネイクはひとみちゃんを陥れるために、自らはチャチな銃を持って囮となり、下僕であるヘドロキングには強力な必殺の得物を与え、罠を張った場所に潜伏させていたのです。
自分が格上ならば、武器も自分の方が良い物を使いたがるのが小学生の道理だと、ひとみちゃんは思いました。しかし、透はそれをグッと抑え、練った作戦に従って下僕に適切な武器を持たせて機会を待っていました。
そこにはヒロインを貶める悪意がありました。
稚拙な欲望を凌駕する、計画的な悪意に曝されたという感覚に、ひとみちゃんは痺れるような感覚を味わいました。
身体と頭を駆けめぐる痺れはひとみちゃんに抵抗するための決断を鈍らせます。
思いもよらなかった奇襲の衝撃は、戦きと、悔しさと、甘美な快感を含んでいたのでした。
「は、はやく安全な場所に……」
「おっと、逃がさねえぞエメラルド・リーフ?そこが貴様の棺桶だ」
「なにを……いやぁ……」
「まだまだ猛毒ヘドロはたっぷりあるからなぁ?」
ヘドロキングは銃に付いているボトルを素早く付け替えれば、網の中で無防備になっているエメラルド・リーフに銃口を向け、狙いを定めてトリガーを引きました。
ジュオオオオオオオオオオオッ!!
ボトル内の水は圧縮され、豪快な音を立てて銃口からレーザーのように噴射され、網をすり抜けた紫の線があやまたずひとみちゃんの脇腹に命中し、白いシャツを汚しました。
「きゃああああああああああああっ!!?」
無防備なエメラルド・リーフの絶叫が公園に響き渡ります。
普段の控え目な様子からは想像もできない少女の叫声が、戦況が一気に傾いたことを強く象徴しました。
ひとみちゃんの媚声は、苦渋を舐めさせられてきたDr.スネイクの鬱憤を注ぐヒロインの叫びでした。また、予想外の展開から窮地に立たされたひとみちゃんも、その驚きと困惑に酔い、ピンチに焦るエメラルド・リーフと気持ちとシンクロし気持ちが被虐に昂ぶってしまっていました。
ジョオオオオオッ!ジュボボボボボボ!
怪人から放たれる水流はさらに激しさを増し、ひとみちゃんの身体を汚していきます。抗おうとした腕をすり抜けるように照射された紫のレーザーは、ひとみちゃんのシャツを汚らしく染め上げていきます。水を多く含んだシャツは肌へと張り付き、下に着ているキャミソールの紐の輪郭をシャツに浮かび上がらせます。キャミの模様の水玉までもがうっすらと浮かび上がって、湿気を含んだ布地の暗色の中で点々に見えているのがなんとも扇情的でした。
「あぐうううっ……んああああああああああっっ!!こ、このままじゃぁ……え、エナジー……シールド……」
「おっと、そうはさせないぞ」
マントを使って下からの攻撃を防ごうとしたエメラルド・リーフの腕を、先ほどまで彼女の苦しむ姿を愉悦の笑みで眺めていたDr.スネイクが掴みました。
彼は網の中に半分身を乗り出してくれば、ひとみちゃんの両手首を掴んでピンと腕を伸ばさせて、毒液攻撃を防げない体勢にさせてしまいました。
「あ、あなたは……」
「俺様はDr.スネイク様の忠実なる下僕(しもべ)、ヘドロキングよ!ヘドロ鉄砲の味はどうだ、エメラルド・リーフ?」
誰何に対して、してやったりと満面の笑みを浮かべる男子。彼は有野ツバサ。怪人勢メンバーの1人です。
排水溝エリアである地面からの一撃。ヘドロ怪人ならば毒液まみれの排水でも平気なのも道理。むしろ彼のホームグラウンドはヘドロ沼と化した下水溝と言われても十分な説得力がありました。
「Dr.スネイクの……下僕……まさか……」
「その通りだ。貴様はここに誘い込まれたのだよ。ヘドロキングが貴様を一方的に狙えるこの場所までなぁ?」
「そ、そんな……」
まんまと罠にはまってしまっていたと知ったひとみちゃんは頬を紅に染めながら唇を噛みました。
ツバサがひとみちゃんの股間部を1階から撃ち抜いた水鉄砲は、透の持っていた拳銃型のものとは格が違いました。
ポンプによる圧縮ジェット、ボトル付き・両手で扱うタイプのライフルを模した本格派で、彼の足元に置かれたバッグからは替えのボトルが何本も顔を出しています。
「……Dr.スネイクの……下僕……」
もう一度、ひとみちゃんは悔しげに復唱しました。Dr.スネイクはひとみちゃんを陥れるために、自らはチャチな銃を持って囮となり、下僕であるヘドロキングには強力な必殺の得物を与え、罠を張った場所に潜伏させていたのです。
自分が格上ならば、武器も自分の方が良い物を使いたがるのが小学生の道理だと、ひとみちゃんは思いました。しかし、透はそれをグッと抑え、練った作戦に従って下僕に適切な武器を持たせて機会を待っていました。
そこにはヒロインを貶める悪意がありました。
稚拙な欲望を凌駕する、計画的な悪意に曝されたという感覚に、ひとみちゃんは痺れるような感覚を味わいました。
身体と頭を駆けめぐる痺れはひとみちゃんに抵抗するための決断を鈍らせます。
思いもよらなかった奇襲の衝撃は、戦きと、悔しさと、甘美な快感を含んでいたのでした。
「は、はやく安全な場所に……」
「おっと、逃がさねえぞエメラルド・リーフ?そこが貴様の棺桶だ」
「なにを……いやぁ……」
「まだまだ猛毒ヘドロはたっぷりあるからなぁ?」
ヘドロキングは銃に付いているボトルを素早く付け替えれば、網の中で無防備になっているエメラルド・リーフに銃口を向け、狙いを定めてトリガーを引きました。
ジュオオオオオオオオオオオッ!!
ボトル内の水は圧縮され、豪快な音を立てて銃口からレーザーのように噴射され、網をすり抜けた紫の線があやまたずひとみちゃんの脇腹に命中し、白いシャツを汚しました。
「きゃああああああああああああっ!!?」
無防備なエメラルド・リーフの絶叫が公園に響き渡ります。
普段の控え目な様子からは想像もできない少女の叫声が、戦況が一気に傾いたことを強く象徴しました。
ひとみちゃんの媚声は、苦渋を舐めさせられてきたDr.スネイクの鬱憤を注ぐヒロインの叫びでした。また、予想外の展開から窮地に立たされたひとみちゃんも、その驚きと困惑に酔い、ピンチに焦るエメラルド・リーフと気持ちとシンクロし気持ちが被虐に昂ぶってしまっていました。
ジョオオオオオッ!ジュボボボボボボ!
怪人から放たれる水流はさらに激しさを増し、ひとみちゃんの身体を汚していきます。抗おうとした腕をすり抜けるように照射された紫のレーザーは、ひとみちゃんのシャツを汚らしく染め上げていきます。水を多く含んだシャツは肌へと張り付き、下に着ているキャミソールの紐の輪郭をシャツに浮かび上がらせます。キャミの模様の水玉までもがうっすらと浮かび上がって、湿気を含んだ布地の暗色の中で点々に見えているのがなんとも扇情的でした。
「あぐうううっ……んああああああああああっっ!!こ、このままじゃぁ……え、エナジー……シールド……」
「おっと、そうはさせないぞ」
マントを使って下からの攻撃を防ごうとしたエメラルド・リーフの腕を、先ほどまで彼女の苦しむ姿を愉悦の笑みで眺めていたDr.スネイクが掴みました。
彼は網の中に半分身を乗り出してくれば、ひとみちゃんの両手首を掴んでピンと腕を伸ばさせて、毒液攻撃を防げない体勢にさせてしまいました。
うわあ……二重投稿申し訳ありません……
隙だらけになったひとみちゃんの胸部に、下から、再び毒液が照射されます。
ジョボオオオオオオオオオッ!!
「くあっああああああああああああっ!!いやああああああああああっ!!」
ひとみちゃんは為す術なく胸部に毒液を受け悶絶します。透は苦しみ身悶えているひとみちゃんのマントに手をかけ、強引に引っ張りました。肩がグンと引かれて背中を仰け反らせるひとみちゃん。正義の象徴であるマントを奪われまいと、首もとにある結び目に手をかけていましたが。
ビチチチ!
音を立てて、ウグイスのマントは狂学者によって引きちぎられてしまいました。瞬間、エメラルド・リーフの顔が、絶望に染まります。
「ああっ……ま、マントが……」
「無様な恰好だな、エメラルド・リーフ?さっきまでの威勢が滑稽に思えるぞ?」
Dr.スネイクに煽られれば、エメラルド・リーフは耳まで真っ赤にして屈辱に悶えました。怪人によってたっぷりと猛毒ヘドロを噴き付けられたエメラルド・リーフの衣装はこれでもかというくらいに穢れ、彼女の満身創痍をまざまざと見せつけます。息も絶え絶えに喘ぎながら、ひとみちゃんは潤んだ瞳で透を見つめました。
「ひ……卑怯者……こんな手を使うだなんて……」
「卑怯?ひひ……最高の褒め言葉だなぁ?」
透は非難に対して悪びれることもなく、見せつけるようにいやらしく笑いました。事実、透は頭を振り絞って、悪役らしいヒロインの「嵌め方」を練っていたのです。どうやって、悪者になるか。それを探求した成果が、今、彼の前で力無い眼光という被虐心煽る存在として現れているのです。華麗な美少女の無力な姿を前にして、透は征服感と達成感に酔っていました。
「その卑怯者を、エメラルド・リーフはどうするつもりだ?」
「……んぐうっ」
言葉も返せず、ひとみちゃんはキュッと唇を一文字にします。
透はひとみちゃんのポケットから武器であるウグイスの扇子を抜き取って、自分の優位をより確固たるものにします。透は扇でひとみちゃんの顎を支えてクイッと持ち上げれば、視線を合わせながら扇の腹で彼女の頬をペチペチと嬲りました。
「こいつは預かっておくぞ」
「……くっ」
悔しさを呑んだ息遣いが、透の悪意にたまらなく響きました。腕を拘束されているわけではありませんでしたが、エメラルド・リーフは、奪われた武器を突き付けられても取り返せないほどヘドロ攻撃をその細い身体に受けて消耗してしまっていたのでした。
「クハハ……降参するのが早いか、くたばるのが早いか……やれ!」
「おう!」
Dr.スネイクが命じれば、排水溝にいるヘドロキングは容赦なく汚水を柔肌に撃ち込んできました。
ジュボオオオオオオオオオオッ!!
水撃は時にロープに当たれば飛沫となり、霧散してエメラルド・リーフに噴き付けられ、彼女の喉の奥を灼き、時に肌に当たれば彼女の四肢の媚肉を悩ましく揺らします。
「んぁあああああああああああっ!はあああああああああああああああっ!!」
白かったシャツはきれいなところを見つける方が困難なくらい紫色に染められてしまっています。エメラルド・リーフに反撃する力は残されておらず、彼女は小さな唇を大きく開いて、淫靡な悲鳴を上げて悶えることしかできません。
今にも、エメラルド・リーフの正義はDr.スネイクの邪悪により砕かれようとしていました。
もはや、一刻の猶予もありません。
そう。他に、選択肢などなかったのです。
「サファイア・スクリュー・ストラァイク!!」
エメラルド・リーフを痛め付けている不浄王の横腹に、私のドロップキックが炸裂しました。
完全に虚を突かれたヘドロキングは、「ぐえっ」っとカエルみたいな声を上げて地面に倒れました。不意打ちを食らって目を白黒させるヘドロキング。
私はそんな彼に向かってビシッと指差し、名乗りを上げます。
「私は水の戦士サファイア・アクア!エメラルド・リーフ……助けに来たわ!」
悲鳴を聞きつけアスレチックに急行した私は、親友の絶体絶命の姿を目の当たりにして、いてもたってもいられなくなり、助太刀に参上したのでした。
「み、みのりちゃん……」
「もう大丈夫よ!こいつをやっつけたら、すぐ助けに行くから!」
地面に打ちつけた腰をさすりながら立ち上がるヘドロキングと、私は対峙します。
有野ツバサの演じるヘドロキングは、毒液たっぷりの銃を私に構えて目を細めました。
「おいおい、わかってるのか?地面はヘドロたっぷりの底なし沼でヒロインは入れないんだぜ?」
「私は水の戦士よ。汚染された水も浄化しながら進むことができるわ」
道中、運営班のメンバーと擦れちがって話を聞いていた私は、ひとみちゃんは透と戦っていると思っていました。しかし、戦場であるアスレチックが見えてきたかと思えば、ひとみちゃんの絶叫が聞こえてきて、私の脚を急かしました。
そこではひとみちゃんがツバサの卑劣な水攻めに喘いでいて、それを目の当たりにした私の思考は怒りで瞬時に燃え上がり、気づいたときには悪虐非道のツバサの脇腹にジャンプ蹴りを突き刺していたのでした。
「2人がかりなんて卑怯よ!このサファイア・アクアが相手になってあげる!」
「片腹痛いわ!俺様、ヘドロキングが2人まとめてヘドロ沼に沈めてくれるわ!」
ツバサは、名乗りを上げるが早いか、私に銃口を向けて高出力の毒鉄砲を放射してきました。
「あぶない!」
私は一直線に飛んできた攻撃を横に跳んで躱します。しかし、そこはまだヘドロ怪人の射程範囲内。視界から消えるほどの躍動を見せることはできず、ツバサは私の着地点に改めて照準を微修正します。
「がはは!逃げても無駄だ!」
毒ヘドロレーザーは、まるで剣が草むらを薙ぐように横に軌道を修正し私を追尾してきました。私は走り続けてそれに当たらないよう旋回します。
やがてアスレチックの太い柱に身を隠せば、ビチャァッ!と派手な音を立ててレーザーが砕けて辺りに飛沫をまき散らしました。
「まだまだ!こっちよ!」
私はその場に留まらず、アスレチックの陰を跳び移りながらヘドロキングの射程内で動き回りました。ヘドロキングは圧倒的有利を確信し、豪快に水をぶっ放ってきます。
アスレチックの柱やロープに阻まれ、バチバチと音を立てて散っていく紫の水飛沫。飛沫は私のコスチュームに斑点みたいに色を付けていますが、私は巧みに障害物を駆使して直撃を回避しました。
ヘドロキングには、私の姿が逃げ惑うことしかできないヒロインに映っていたかもしれません。それで構いませんでした。驕りがあれば、それだけ対策を練られる心配が少なくなるからです。私は、攻撃を回避しながら反撃に転じるチャンスを待っていたのです。その機会は、すぐに訪れました。
ツバサの乱射していた水鉄砲が、ついにプスンと音を立てて先端から霧を吐き出しました。ガス欠です。
「おっと、だが、水はまだまだあるぜ。ボトルを取り換えればいいんだ」
「そんな隙を見逃すわけがないでしょ!」
私は物陰から跳びだせば、足元に置いてあるバッグに手を伸ばそうとしたツバサに向かって猛チャージを敢行しました。
私の思い切った動きに、ツバサは面食らったようです。
「……げっ!?」
ライフル型の水鉄砲のタンクを外す余裕もなく、ツバサはバッグの紐を持って後退を始めました。しかし、バッグには2キロ以上の水が入っています。そのような重りを持って走り、ボトルを付け替えながら私の猛追を振り切ることなど、私は許しません。
「捕まえたわ!」
すぐに追いついた私はツバサからバッグと取り上げれば、地面に放り投げました。
そのまま腰にタックルをして芝生に寝かせれば、掴みかかってゴロゴロと二人で芝生を転がる取っ組み合いになりました。
「ヘ、ヘドロ怪人にこんなに接近しちまっていいのかよ!?ドロドロのベトベトになっちまうぜ!?」
「そんなあんたに有利すぎる設定認めるわけがないでしょ!水のエネルギーを集めてできたこのグローブとソックスがあんたのヘドロを片っ端から浄化しているのよ!」
組み合いながら、ケンカ腰に設定に設定をぶつけて跳ね除ける私。ひとみちゃんを卑怯な罠に嵌めて甚振っていたツバサに対して、私は怒っていました。
ひとみちゃんと私は入学以来の親友です。クラスの友達は、彼女のことを絵の好きなインドア派くらいにしか思っていないかもしれませんが、長い時間を共に過ごしてきた私には、彼女が勉強でも運動でも、それ以外のあらゆる分野でも高い能力を有しているタレントだとわかっていました。
だから、ヘドロキングなんかに、彼女の扮するエメラルド・リーフが遅れを取るわけがないと確信していました。卑怯な手を使われて、ひとみちゃんは陥らなくてもよい危機に直面し、苦しめられていたのです。
可憐で強いひとみちゃんが、こんなやつに!
私は悔しさが募り、体を熱情が巡っていくのを感じました。
芝生の上での揉み合いの末、私はヘドロキングの腹に乗っかり、マウントポジションを取ることに成功しました。私は銃を奪ってポイと捨てれば、ギロリと眼下のツバサを睨みつけ、白いグローブを思い切り握りしめました。
「さあ、覚悟しなさい!エメラルド・リーフを鳴かせた数だけ、あんたに鉄槌を叩き込んでやるわ!」
「なんつうセリフだ!ヒロインとは思えねえ!」
「うるさい外道!ひとみちゃんの苦しみに比べたら安いものだわ!」
「おっと、そこまでだ、サファイア・アクア……」
拳を振り下ろそうとした私の横から、私を制する声が聞こえました。
私は腰の下にヘドロキングを捕えたまま、敵意丸出しの視線をそちらに向けます。瞬間、激高した私の頭から、血の気がサッと引いていきました。
「ひとっ……エメラルド・リーフ!?」
私は動揺で声を上ずらせながら、仲間の名前を呼びます。
エメラルド・リーフは、アスレチックの2階の舞台で、Dr.スネイクによって後ろ手に羽交い絞めにされていました。
「サファイア・アクア……ごめんなさい……」
エメラルド・リーフの澄んだ目から放たれる申し訳なさそうな視線が私の心を貫きます。
「さあ、サファイア・アクア……どうすればいいか、わかるよな?仲間を見捨ててもいいのか?」
Dr.スネイクが優越感に頬を吊り上げながら、銃口をエメラルド・リーフのテンプルに付きつけます。
「見捨てられるわけがないよなぁ?なんせ、お前とエメラルド・リーフは長い戦友だ……」
暗に現実世界で私とひとみちゃんの絆の強固なことに触れながら、それを鎖として私の自由を奪うDr.スネイク。
その効果は抜群で、私は抵抗の術をあっけなく奪われてしまいました。
「ひとみちゃんから……エメラルド・リーフから、その汚い手を放しなさい」
「どっちが命令できる立場かわかっていないのかな?教えてやろうか?」
「……っ!?」
グイッと、銃口がひとみちゃんの頬に押し付けられれば、ひとみちゃんは目をつぶって、直立のまま恐怖に曝されています。
冷たい口調での反問に、私は見えない鎖が絡みつく束縛を感じました。
「手を頭の上に組んで、ヘドロキングから降りろ。ゆっくりと、5歩、俺のいる方に近づいてこい。いいか……5歩だ」
「……わかったわ」
私はDr.スネイクに言われるまま、頭の上で手を組んで立ち上がり、彼の方へ、きっかり5歩、ゆっくりと歩み寄りました。
その様子を、高い位置から、悠々と眺めているDr.スネイク。私は言われた通りの位置で止まれば、彼は目を細めて口角をカマキリみたいに上げました。
「いいだろう。さあ、サファイア・アクア。君の武器はなにかな?教えてくれ」
「……私の武器は、水の加護を受けた白いグローブと、ハイソックスよ」
「それ以外は?」
「……持ってないわ。少なくとも、私は、想定していない」
「良い答えだね」
拒否権のない尋問に偽りなく答えれば、Dr.スネイクは愉悦の笑みを浮かべます。
「いいだろう。では、グローブとソックスを脱げ」
「……えっ?」
私は困惑の表情を浮かべます。Dr.スネイクは、エメラルド・リーフを人質として、私の武装解除を図ろうというのです。
グローブとハイソックスを脱いでしまえば、私の大幅なパワーダウンは確実となってしまいます。そうなれば、私はDr.スネイクはおろか、ヘドロキングにさえ抵抗する力を失ってしまうことになるでしょう。
「ダメよ!サファイア・アクア!!」
囚われの身であるエメラルド・リーフが決死の言葉を投げます。
「私に構わず戦って!悪の言いなりになってはいけない!」
そのヒロイン然とした言葉は清水のように澄んでいて、よく響き、あまりにも愛おしくて、胸が締め付けられるようでした。
「私なら大丈夫よ!サファイ……もがっ」
鈴のような声音は、途中で凶行によって塞がれてしまいます。Dr.スネイクは、私を激励するエメラルド・リーフの口に、凶悪な銃口をねじ込んで彼女を無理矢理に黙らせたのです。
「サファイア・アクアと話をしているのは俺だよ、エメラルド・リーフ。一人で脱げないのなら、ヘドロキングに手伝わせようか?」
「……いい」
背後から私を組伏そうとにじり寄っていたヘドロキングを目で牽制すれば、私はもう一歩歩み出て、純白の手袋のふちに手を掛けました。手首の辺りを緩めれば、中指の先端を引っ張って隙間を空け、その先を前歯で軽く噛み、スルリと掌を引き抜きます。初めに右手、次に左手。
白い手袋を外せば、微かな涼しさが指の間をすり抜けました。どうやら、長い時間嵌めていたために少々蒸れていたようです。
「次はソックスだ」
「……わかってるわよ」
私は太腿を覆って緩い食い込みを作る白いソックスに手を掛ければ、右の太腿とソックスのゴムの間に指を入り込ませてジリジリと下に降ろし始めます。まずは膝まで下せば、今度は左のソックスも同様にずり降ろして、均等な高さにしました。
さらに靴を脱げば、しっかり踵をそろえて前に置き、ソックスが脱げる状態になりました。Dr.スネイクの目の前で地面にお尻をつけることは、プライドが許しません。怪人たちの監視の前で、お尻をやや突き出しながら、前かがみになって片方ずつ、ゆっくりおろし、武器であるハイソックスを脱ぎました。
「……脱いだわ」
屈辱に押しつぶされそうになりながら、私はDr.スネイクに報告します。しかし、それに対してDr.スネイクはわざとらしく眉に皺を寄せました。
「……脱いだ……わ?もう一度言ってみろ」
「うっ……ぬ、脱ぎました」
「いいだろう」
自分の立場をわからせるように、Dr.スネイクは対等な口調で話すことさえ許しませんでした。
私の一挙一動は、彼の気を損ねないことを目的の一つとして行わねばならなくなってしまったのです。
装備を解除されたことに対する屈辱感は想像以上のものがありました。スカートは、ハイソックスを履くことを想定していたのでかなり短め。太腿までしっかり見える脚は、太腿の付け根から足の指先まで覆うものはなく、つんつるてん。まるでコンパスみたいです。腕も、腋や二の腕が見えるタイプのシャツで、四肢が完全に露出している格好は、本当に最小限の衣類しか装備していない弱々しさがありました。
「グローブとハイソックスをヘドロキングに渡せ」
「……はい」
私は俯きがちに返事をすれば、自分の武器である純白の装備をツバサに手渡しました。
ツバサはその感触をよく確かめています。
「ずいぶんとあったけえな?」
「うるさい、変態」
私はぶっきらぼうに言ってやりました。その抵抗を悦と見たのか、特に二人から私に対するペナルティはありませんでした。代わりに、私は再び天からの尋問を受けます。
「これで、お前の武器はもうない。間違いないな?」
「……はい。これでもう、必殺技も撃てません」
「嘘はついていないな?」
「はい」
「よろしい」
Dr.スネイクは満足げに頷きます。同時に、彼に捕らわれていたエメラルド・リーフの目がカッと見開きました。
「……うっ……んげええっ!!ごほっ!ごほ……」
濁点交じりの呻きを上げて、エメラルド・リーフは体をくの字に折れ曲げました。
「うげえ……!がっ……げへっ……げほっ…………」
背中を上下に揺らしながらむせ返るひとみちゃん。どんな楽器にも勝る美声を奏でる薄い唇から、だらだらと、涎と紫の液体が垂れていきます。
「……そんな…………なんで!?」
ひとみちゃんの苦しみ悶える姿を見て、私は彼女の受けた仕打ちを察しました。Dr.スネイクは、私が命令通り武装解除したにも関わらず、彼女の喉奥に押し込んでいた銃のトリガーを引いたのです。銃口から飛び出た毒液は、汚れを知らないエメラルド・リーフの咥内を奥まで冒したのです。
「約束が違うわ!」
私は取り乱してDr.スネイクを非難しました。しかし、目の前の卑劣漢は澄ました顔で、ひとみちゃんの涎の付着した銃口を白衣の裾で拭っていたのでした。
「……約束?」
「私は言うとおりにしたのに!」
「言うとおりにしたら、引き金を引かないなんて言ったかな?」
私はあまりに一方的な理論に絶句してしまいました。
しかし、それを否定するだけの力も、チャンスも、私にはなかったのです。私と、エメラルド・リーフの運命は、この卑劣な狂学者の一存に委ねられてしまっていたのでした。
「何か、不満でもあるのかな?」
「いえ……」
私に反論する権利はありませんでした。
「ならば良い。先ほどのように手を頭の上で組め」
「わかりました」
私は言われるままに、手を頭の上で組んで無抵抗の姿勢になりました。Dr.スネイクはそんな私の様子を、ひとみちゃんの顎を掴んで無理矢理彼女に見せつけました。
私の眼前には、ライフル型水鉄砲のチャージを終えたツバサが立ち、生理的に嫌悪感を覚えるにやにやを浮かべながら銃口を向けていました。
「やれ」
「イエッサー!」
Dr.スネイクの命令が下れば、ヘドロキングは躊躇なく汚れたヘドロレーザーを私の無防備な体に照射しました。
ビチャチャチャチャチャチャチャチャ!
汚らしい水音を立てながら、私は直立姿勢のままヘドロ攻撃を受けます。瞬く間に私の衣装は穢され、私は、よけることも許されず棒立ちのままその水流の直撃を受けました。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
私は絶叫しながら攻撃を受け続けます。私が少しでも抵抗の素振りを見せれば、その報いは親友であるエメラルド・リーフが受けさせられることになります。
私が無防備に攻撃を受け、敗北して、それで、事態は好転するのか。
冷静に考えれば、私の選択は間違っていたと言えるかもしれません。でも、ひとみちゃんを前にして、私は彼女を裏切ることはできなかったのです。
水がなくなり、ライフル水鉄砲が弾切れのなさけない音を立てて照射が収まれば、私はガクリと両膝を折りました。
「ああっ……んぐうぅ……ああぁ……」
私は金魚みたいに口をパクパクさせながら、苦しみ喘ぎます。ヘドロキングはそんな私に近づいて来て、唇にライフルの先端を強引に押し込んできました。
「おんっ……ぐっ」
口を塞がれて苦悶の声を漏らすことさえできず、ライフルの先端の湿った感触を味わわされる私。
「ああっ……サファイア・アクア……ごめんなさい……私のせいで……」
エメラルド・リーフの力ない懺悔を聞きながら、私は、銃口から、喉の奥に霧状の水が噴射されたのを感じました。喉から、鼻腔にまで逆流してくる水滴に粘膜は酷く冒されました。
「んげえっ……げほ……げほ…………」
銃口を吐き出し、唇と繋がったアーチを顔で振り切ってえずいている私。
両手両膝を付いて苦しむ私の背中が、2人のヒロインの敗北を強く象徴しました。
「いぐっ……あああああああっ!!」
ひとみちゃんのくぐもった悲鳴を耳にすれば、私は項垂れていた首を起こしてアスレチックの2階を見上げました。先ほど暗黙の了解を土足で踏みにじったDr.スネイクが、今度はひとみちゃんの白い首に黒い紐を巻き付けています。
「ちょっとあんた……なにしてるのよ!?」
私が地面を這いつくばりながらエメラルド・リーフの方に手を伸ばせば、その傍らで彼女を拘束している白衣の狂学者はピンと黒い紐を弾いて笑います。
「毒蛇が首に巻きついているんだよ。すでにこいつは首もとを噛まれた。エメラルド・リーフの命は保って15分だ」
「なっ……なんですって!?」
「うぅ……」
透の発言を肯定するように、ひとみちゃんは彼にもたれかかって力無く項垂れます。すでにエメラルド・リーフは戦闘力を失い、狂学者の手中に堕ちてしまっているのです。私は己の無力さを呪いながらも、キッと、毅然として彼を睨み付けました。
「エメラルド・リーフを解放しなさい!さもないと、許さないわよ!」
「ふはは!何を許さないとは、どうするというのかな?」
私の安い強がりを一笑に付せば、Dr.スネイクは顎に手を当ててニヤリと笑い。
「だが、お前の態度によっては考えてやらないでもないぞ?」
「私の、態度……?」
「ここに血清がある」
Dr.スネイクは胸ポケットから小瓶を取り出して私に見せました。中には、薄いピンク色をした液体が入っています。
「この女を救うには、時間内に血清を飲ませるしかない。まぁ、本来の血清の処方は注射らしいが、それはそれ。ちなみに本当はいちごシロップだ」
「……本物、なんでしょうね?」
「毒を扱うのに解毒もできないんじゃフェアじゃないだろ?それに……」
Dr.スネイクは一層邪悪に頬を釣り上げました。
「こうして脅しにも使えるというわけだ。こいつが欲しければ、上がってくるがいい」
「言われるまでもないわ。そのニヤニヤ顔に一発くれてやるから覚悟することね」
「そいつは楽しみだね。上がってくるには、それを使え」
透が顎で指し示したのは滑り台でした。ただし、普通のもの、螺旋スライダー状のもの、ローラー形式のものと、3種備えられたアスレチック滑り台のうち、彼が指し示したのはローラータイプのものでした。
通称「ローラースライダー」。滑る部分がローラー状になっていて、上に乗ればコロコロと身体を下へと運んでくれる感触が楽しい遊具。一般に、ローラースライダーの滑り心地は整備状況によって大きく左右されますが、この公園のローラーにはよく油が注されていてツルツルのクルクルです。3種の中では最も「逆走」の難しい滑り台ですが、これを駆け上がってこいという意図はなんなのでしょうか。
「サイドの壁には防衛用の高圧電流が流れているから触れないぞ」
「……そう」
私は現在、靴下どころか靴さえ履いておらず、ミニスカートから伸びた太股から先は何も纏う物のない野生児ファッションです。
透の設定を右耳から左耳に流して生返事すれば、私は脳内軍議の結果、一気にローラーの上を駆け上がるという野生味溢れる強行策を採択しました。私は、ヒロインとして少しでも無様な姿を見せたくなかった。罠の張られたこのコロコロアスレチックを勢いよく駆け上がり、そのままの勢いでエメラルド・リーフとDr.スネイクの間に割って入り電光石火の救出劇を演じる。それが私の頭に描いたベストでした。
「待ってなさい……」
私は細く息を整えて集中します。透も、ツバサも、私が密かに気合いを入れていることに気づいていないでしょう。滑り台を登るという児戯に対して、私はハードル走を走りきるような真剣な意気込みで臨むのです。2人の怪人の顔には薄い笑みが貼り付いていました。(すぐにその余裕顔をビックリに変えてやるわ)
私は心中で宣戦布告し、10本ある足の指でキュッと芝生をはんで神経が末端まで行き届いているのを確認し臨戦態勢となります。
「行くわよ!」
私の宣言には明らかに、怪人たちの意表を突く熱意が込められていました。透の目が僅かに開かれたのを私は確認します。裸足で地面を蹴りローラーに足を乗せる私。勢いを殺さず足をローラースライダーに乗せて踏み出した私でしたが、次の瞬間、私の上半身は思い切りつんのめってバランスを崩してしまっていました。
「わっ……!?つっ……!」
ローラーに足を取られて大きく前のめりになってしまう私。思わず、斜面になっているローラー部分に手を付いてしまいます。このローラーの回転の滑らかさは私の想像を遥かに上回っていました。とても、脚力に任せて登り切れるような代物ではなかったのです。しかし、すでに賽は振られています。ここで引き返すわけにはいきません。
「このぉ……!」
私は必死にローラーの斜面にかじりつこうとします。しかし、ローラーは円滑に周り、私の身体を容赦なく下へと運搬していきます。なんとか、平坦になるラインから1メートルほどのところにヤモリみたいに這い蹲って静止し、身体中を緊張させてその場所をキープしました。
自分の目論見があまりに甘かったことと、透への怨み節でどす黒い気持ちになっている私に、追い打ちが入ります。
「おいおい、なに気張っちゃってるんだぁ?」
ローラースライダーのすぐ横で忌々しい声が聞こえました。
目だけでその方を確認すれば、私がしがみついてまま動けない体勢になっているのを、滑り台の横で、ツバサがニヤニヤ顔で見下ろしていました。
「もっとのんびり行こうぜぇ?」
ツバサはローラーの上で伸びている私の踝を掴み、私を下へとズリ降ろしました。
「あっ……!この……!」
私は噛みつかんばかりの目で彼を睨み付けますが、その様子が滑稽に映るようにシャーっとローラーの回る音を立てながら私は傾斜のスタート地点へと戻されてしまいました。
「どうした、早くしないと時間がないぞ?」
ローラースライダーのてっぺんで、透がニタニタ笑いで私を見下ろしています。
ローラーの回転を甘く見ていた私の心情を嘲っているようで、私は良いようにやられた悔しさに唇をキュッと噛みました。
「い、言われなくてもわかっているわ!エメラルド・リーフに手を出したら許さないんだからね。そこで大人しく待っていなさい!」
「うぅ……サファイア・アクア……」
囚われのエメラルド・リーフが、私のお世辞にも格好良くない姿を食い入るように見ていて、それが実は、かなりの恥辱だったりしたのですが、同時に、彼女からパワーを貰い、私は再びローラースライダーを登り始めました。
今度は初めから両手をついて、手足の指でローラーをしっかりと噛み、滑らないように、濡れたシャツをべったりとローラーに付けてナメクジが這うようにして、少しずつ上昇していきます。
「ふうぅ……ふうぅ……」
私は頬に熱を持たせながら、荒い息を整え進んでいます。
指先に繊細な力加減が求められ、それゆえ、身体全体を緊張させながら神経を集中させてローラーの摩擦と回転具合を感じ取る必要がありました。
さらに、そんな私の姿を、6の瞳がじっと視姦しているのです。
息遣いが聞こえそうなほど近くにツバサが立ち、いつ邪魔してやろうかと機会を窺っています。何もアクションを起こしていない時でさえ、私は彼にかなりの注意を払い、緊張を続けなくてはならなかったのです。その疲労はかなりのものがありました。
さらに、私にとっては厄介なことに、6つだった目はミッションクリア前に8つに増えることとなってしまったのです。
「ああ、ここにいたんだ」
聞き馴染んだクラスメイトの声に、私は向かい風が強くなったのを瞬時に感じました。
「おう、ルイ。お前も加勢しろよ?」
やってきた男子に向かって、ツバサが声をかけます。
千田ルイ……森で蜘蛛怪人コスモタランチュラに扮し、私とかおりちゃんによって倒された怪人勢のメンバーが、この戦場に姿を現したのです。
私は、視線を移す余裕もなく、必死にローラーの上で身体を蠢かせながら聞き耳を立てていました。
「僕は無理かなぁ、脱落しちゃったから」
別段残念がる様子もなく、明るい調子でルイが答えたのが背中から聞こえました。
「脱落?なんだ、やられちまったのかよ」
ツバサはやれやれって感じに溜め息をつきます。
「今までどこにいたんだ?」
「雑木林で蜘蛛の糸を張っていたんだけど、後始末に時間がかかっちゃって」
「誰にやられたんだ?」
「水島さんと、桃井さん。もうちょっとだったんだけどなぁ」
「ああん、水島?」
私は、彼等の視線が一斉に自分の背中に向けられたのを感じました。
私は顔を上げません。上げたくもありませんでした。
「水島ならここにいるぜ?なんだ、もうドンパチやって疲れてたんだな」
ツバサの言葉に、私は何も返しません。ツバサは、反応を示さない私の態度を面白くないといった感じに肩をすくめ、いたずらっぽい目で私の背中を流し見ました。
「ルイ、怨みがたまってるんだろう?復活しちゃっていいんじゃないか?」
「いいわけないでしょバカ!」
私は顔を伏せたまま、大きな声で会話に割り込みました。私の焦りと怒りの合わさった反応。まさに、ツバサはそれを期待していたのでしょう。フフッと鼻で笑う声が聞こえてきて、私はローラーを持つ指が震えるのを抑えられませんでした。こんな恰好でなければツバサにそのまま襲いかかっていたことでしょう。
「水島さんも、そう言っているしね」
ルイは私の怒号に同意して、肩をすくめて苦笑しました。
「やられちゃって暇だから、僕は運営の手伝いでカメラを担当することにしたよ。ヒロインは大変だね。死亡するわけにもいかないから、負けた女の子は吊り輪に吊るされている」
「へえ。なぁ、知ってたか?もうすぐお前もその仲間入りだなぁ、サファイア・アクア?」
意地の悪い声音。もちろん知っていましたが、ツバサの安い挑発を私は黙殺します。
私の反抗も意に介さず、ツバサは滑り台の縁に寄り掛かり、ルイと向き合って話を続けました。
「で、桃井はどうしたんだ?」
ルイの何気ない問いに、端で聞いていた私は身体をビクリと震わせて緊張しました。
桃井かおりちゃん。私は仲間である彼女との約束を守れませんでした。
ひとみちゃんを見つけたら、必ずお互いに知らせると言ったのに。自分から言い出したことなのに、ひとみちゃんの悲痛な叫び声を聞いたら、私は飛び出さずにはいられなかった。
私達キューティファイブの中で、動ける可能性のあるのはもう、かおりちゃんだけ。でも、彼女の助けは来ない。私からの報告があると信じて、彼女は今、自分の分担である庭園迷宮や吊り輪の見張りをしているはずなのだから。彼女と取り交わした約束が、今となっては呪わしく感じます。
「さあ、わからない。見なかったよ」
ルイの言葉に、ひとまず安堵する私。ツバサはジロリと私の方を流し見て口を窄めます。
「で、サファイア・アクア?桃井はどこだ?この近くでチャンスを狙っているんじゃねえのか?」
「さあね……言うわけないでしょ?せいぜいドキドキしているがいいわ……」
私はハッタリをかまします。来るわけがない。来ちゃ、ダメ。
心の中で念じながら、私は冷や汗を背中に垂らしていました。
「だとよ。どうしやすかい、ご主人様?」
ツバサは首を上げて、アスレチックの上にいる透に指示を仰ぎました。
透は目を窄めてアスレチックの上から辺りを一望すればツバサの方を向いて、
「この位置なら、誰が来てもすぐにわかる。桃井さん……ええと……」
「コーラル・ピーチだってさ」
「ありがとうルイ。コーラル・ピーチ1人に何ができる。放っておけばいいさ」
「だな。来たらこいつで返り討ちにしてやればいいんだ」
ツバサは高出力のライフル型水鉄砲を掲げて透に同意します。
悔しいですが、確かに、今、彼女が助けに来たところで、事態を打開することは難しいでしょう。
実力者であるひとみちゃんを罠に陥れ、私を痛め付けているこの2人を相手に逆転劇を演じることができるほどのポテンシャルを、かおりちゃんが秘めているとは、残念ながら思えません。比較的小柄な身体に溢れんばかりのエネルギーを宿している、太陽のような性格の彼女ですが、恐るべき暴力の前にその光を散らす未来しか私には描けません。
でも。この劣勢が長引けば。もし、私やひとみちゃんの悲鳴がかおりちゃんの耳にまで届いて、彼女がここにやって来て、私達の姿を目の当たりにしてしまったら。かおりちゃんは、さっきの私みたいに飛び出さずにはいられなくなってしまうのではないでしょうか……
……なんとかしないと。
私の焦りは、募りました。
……グググ。
私はローラーを持つ握力を強めながら、憎き狂学者と愛しき仲間のいる2階に急ぎました。
私が微妙にペースアップした気づいたことに気づいた透が、ひとみちゃんの襟元を掴みながら跪かせ、自分は普通にしゃがみ込みながら私の顔を覗き見ます。
彼は拳銃を私の方に向ければ、意地悪く笑い、引き金を引きました。
「…………やっ」
飛び出て来た水は私の頬を濡らします。私は片目を瞑りながらそれを受けました。
顔を拭うこともできません。水の当たった片目を開けられないまま、もう片方の目で彼を毅然と睨み付け、進攻を続けました。
不屈の姿勢に興を感じた透は、下にいるツバサに目配せしました。
「おい」
「へい」
ツバサも心得たとばかりに返事をして私の後ろに陣取ります。
こいつら、いつの間にこんな阿吽の呼吸を身に付けたのでしょう。クラスで見た限り不仲とは言わないまでも、別段仲良しというイメージはなかったのですが。
残念ながら、私には、クラスメイトの意外な仲睦まじさを祝福する余裕はありません。これから自分の身にもたらされる蛮虐を容易に想像できてしまった私は、心と身体のショック態勢を整えました。
ビチチチチチチチチチチチチチチチ!!
背後の死角から、ヘドロキングによるヘドロレーザーが私の身体に襲いかかります。汚らしい水音を立てて、ヘドロレーザーは私の左脹ら脛を撃ち抜きました。
「んくうううううううううううう……」
私はそのこそばゆい水圧と冷たさに曝されながら、足を踏み外すまいと必死に耐えています。
スラリと棒状に伸ばされている私の脚を、レーザー照射は舐めるようにして這い上がってきます。
「いぎいいいいいいいいいああああああああああああああっ!!」
普段は何者の接触も許さない太股の内側を撃たれれば、脹ら脛とは比べ物にならないほどの繊細な感触に、私は顎を曝して悶絶の声を上げてしまいます。
水を噴射された太股の肉がフルフル振動している感触が、身体全体に伝わって不快な快感となって浸透していきました。ヘドロの蹂躙は、しかし、なおも北上を続けます。
「ああっ……ダメ!やめてえええええええええええええ!!」
私は、決して口にすまいと決めていた懇願の言葉を、あらんかぎりの大声量で発してしまいました。水圧レーザーは私の履いている丈の短いスカートのフリルを弾きます。ヘドロキングは私の身体を下から串刺しにするように、銃口をローラースライダーと平行になるように向きを変えました。
ヘドロによる汚辱は、そうして、私のスカートの内部へと及んだのです。
「いやあああああああああああああっ!!ダメ!やめて!ダメダメ!!」
私のショーツはスカートの中でグチョグチョになってしまいました。エロガキヘドロ王の視界に私のショーツが入ったかはわかりませんが、真っ直ぐに伸びたレーザーは私のスカートの中で砕け、スカートの内側や太股の付け根、そして、ショーツを汚したのでした。
「シャッターチャンスだぜ、ルイ」
ツバサに促されれば、ルイは私が細いスライダーの中で無抵抗に攻撃に濡らされている様子や、2階で私の姿を覗き込むような姿勢で跪かされているひとみちゃんの姿を激写しました。下着を今まさに濡らされている姿を撮られていると思えば、顔から火のように羞恥が燃え上がります。
「ダメエエエエエエ!撮らないで!見ないで!やめて!やだあああっ!!!」
私の叫びには嗚咽さえ混じっていました。見られている。撮られている。悪虐の怪人たちに、私の恥ずかしい姿を見られて、撮られて、笑われている。そして何より、ひとみちゃんに、自分の格好悪いところを見られちゃっている。
そう思うと、私は、そして、サファイア・アクアは、こんなみっともなくて恥ずかしい叫び声を上げてしまったのです。
「ひゃあああああああああっ!!ダメ!ゆるし……けはっ!」
さらに惨めな哀願が口から飛び出そうになったところで、私は顔面に水撃を受けました。苦しみの声を上げている私の顔面に向けて、Dr.スネイクが援護射撃を放ったのです。
「うげっ……がはっ……」
咳き込みながら、なんとかずり落ちるのを踏みとどまる私。ヘドロキングによる下からの攻撃は、さらに上へと登って私の背中を打ちつけていました。
ビチビチビチと、汚い飛沫と音を立てながら、水撃はビニールのマントを叩き付けてきます。
羞恥に燃えながら、私は身体を怒りと屈辱に奮わせ、ローラースライダーを登り切りました。
「ふうう……はぁ……はぁ……」
両腕を付きながら、激しく肩で息をする私。その様子を、立ち上がったDr.スネイクとエメラルド・リーフがすぐ真下に見つめていました。
「こ……のお…………!!」
長く緊張と羞恥に曝されていた私の身体はグロッキー状態でしたが、その脚を鞭打ってなんとか重い身体を跳ね上げて、Dr.スネイクの白衣の胸ぐらを掴みました。
「……おっと、まだそんな元気があるとはね」
Dr.スネイクは冷笑を浮かべたまま、これみよがしに血清の小瓶を見せつけてきます。
私の身体が、拳を振り被ったまま、金縛りにあったかのように静止しました。
「驚いたよ、何度かずり落ちるかと思っていたけど」
「そのビンを渡しなさい」
「ああ、これ?」
透はしれっとした口調で言えば、小瓶をアスレチックの舞台からひょいを投げ捨ててしまいます。
「……あっ!」
絶望の視線が、投げ出された放物線を追います。掴んだ胸ぐらを荒々しく手放せば、私はアスレチックの木製の手すりから身を乗り出して小瓶の行方を目で追いました。
小瓶は、下にいたツバサに見事キャッチされていました。
「けほっ……俺に何かあれば、それはお前が飲んでしまえ」
「へい」
喉を押さえ、もう片方の手でエメラルド・リーフを拘束したまま、Dr.スネイクは下水溝にいるヘドロキングに命じます。
互いの姿を見ないまま、声だけで意思疎通が成立しています。まるで長年連れ添った主従であるかのような振る舞いに私は畏怖さえ感じました。邪悪な目的は彼らをここまで強固に団結させていたのです。
「さて、どうしたものかね?」
「卑怯者、血清を渡しなさい」
「それはお前の態度次第と言ったじゃないか」
「よく言うわ!」
私は毒づきますが、結局、彼の言うことを聞くしかないことはわかっていました。
透は、私とエメラルド・リーフを辱め尽くすことを考えていたようです。
「ここまで来た褒美だ。お前達2人、手を繋いで連行されることを許可してやる」
「連行?どこへ」
「決まっているじゃないか。お前達の収容所……ほどなくして処刑所へと姿を変えることになるだろうが……」
エメラルド・リーフにはなんのことかイメージがついていなかったかもしれませんが、私には、吊り輪にルビー・フレイヤとオニキス・シャドーが拘束されている悪夢のような姿がまざまざと脳裏に浮かび上がってしまいした。
「そんなこと、させるわけないじゃない!」
「ならば、2人纏めてここで始末してくれようか?」
「それは……」
私は、苦悶に満ちた表情でエメラルド・リーフを見ました。
エメラルド・リーフに触れてあげたい。いえ。触れたい。
そんな思いが、たまらず心の奥から溢れてきました。
私はエメラルド・リーフと伏し目がちに見つめ合えば、首に蛇の黒いリールを付けられているエメラルド・リーフの左手に、自分の右手の指を組ませました。
ウグイス色の手袋をしたひとみちゃんの指と、力を使い果たして震えている私の指が絡み合い、互いの熱を感じます。
そうして、収容所への連行が始まりました。Dr.スネイクを先頭として、そのリールに引かれる形でエメラルド・リーフが続き、彼女の手に引かれる形で、私、サファイア・アクアが最後尾を務めます。一本橋を渡り、グラグラ道を行き、螺旋階段を下りて1階に到着しました。さらに、木陰となっている木製の床を歩いていけば、アスレチックを出るエリアが見えてきます。
そこは丸太で作られた飛び石アスレチックでした。
ピタリと透の足が止まれば、それに従う形で私達も停止します。
「ここから先は下水溝だ」
透がそう言ってクイッと紐を引けば、ひとみちゃんの身体が彼の横へと引っ張られます。
「俺の靴が汚れてしまうぞ。向こうまで行きたいのだが」
そう言って顎を動かせば、なわとび用のジャンプ板が20メートルほど先にあるのが見えました。
「どうすればいいかな?なぁ、お前達?」
透は思わせぶりに言います。私は透の考えを察してしまいました。
なんという侮辱的な行為を思い付くのでしょう。彼は、私達2人を徹底的に辱め抜くつもりのようです。
「わかりました……」
私はエメラルド・リーフと繋いだ指を放せば、アスレチックから降り、彼の足元にハイハイをするように跪いて、すでにヘドロレーザーの汚辱を受けた背中を彼の眼下に捧げました。
「ああっ……サファイア・アクア……」
感極まる声を出して、エメラルド・リーフが口元を覆います。
靴も脱がないまま、透は私の背中を踏みつけ、両足を乗せて私の背中の上に立ちました。
「ぐらつくぞ、しっかりと支えろ」
彼は私の背中の上で移動し、比較的安定感のある尾てい骨付近に片足を据えて立ちます。
その痛みと屈辱に、私はキュッと唇を噛んで耐えます
「うぐっ……んぁ……」
「これから、どうするのだ?お前がハイハイで俺をこのまま運んでくれるのか?」
「……くっ」
そんなことはバランス的にも体力的にも無理だということを知りながら、透は私を舌で嬲ります。
「私の背中をお使いください……」
代わりに答えたのはひとみちゃんです。ひとみちゃんは私のすぐ隣に、同じように馬を作って背中を捧げました。
「ごめんなさい、私のせいで……」
ひとみちゃんが、小声で私に言います。
「大丈夫、こんな責め、耐えてみせるから……」
私は気丈に答えました。その瞬間、背中に置かれた足の重心が移動したのを感じます。
「つうぅ……ああっ…………」
私の隣で、ひとみちゃんが苦痛に呻いたのを聞きました。私は彼女のことを見ることができず、ただ、地面に置かれた無力な手の甲を見つめていました。
やがて、私の背中から完全に重さが取り除かれたのを感じれば、ひとみちゃんの背中に移った透が私の背中に声を降ろします。
「さあ、この次は?」
「はい……」
私は地面を見つめたままスクッと立ち上がると、ひとみちゃんの前に移動して、ふたたび馬を作ります。
私達ヒロインは透のためのイカダとなり、交互に足場を作って対岸にお連れしたのでした。
その様子を写真に納めるルイ。ツバサは主人がヒロインの橋を渡っていく様子を、排水溝の中から見守っていました。
敗北ヒロインによる屈辱のイカダリレーです。
「うぅ……」
馬になる私の手の甲に、涙が落ちます。
私は自分の非力を悔やみました。ひとみちゃんを、エメラルド・リーフを、私は助けることが出来ない。その無力感が涙となって表れてしまったのです。
「サファイア・アクア……泣いているの?」
ひとみちゃんの鈴のような声が聞こえます。その同情が、弱った私の心に悔しいくらいに浸透してきて、私は嗚咽を噛み締めました。
「悔しい……ごめん…………私、助けられなかった……」
「サファイア・アクア……勝ちたいんだね……」
ひとみちゃんの声は溶けるような優しさがあって、なんだか、ヒロインとして、友達として、精神が灼けるような熱い心地がしました。
「うん……」
その返事には、悔恨以外の何物も含まれていません。
傷を舐め合う私達の会話を、透は背中の上で敢えて制止せずに聞いていました。敗者の慰め合いもまた、怪人にとっては甘美な蜜だったのでしょう。
「ごくろう」
短いねぎらいの言葉を吐いて、透は縄跳び用の板に上陸を果たしました。両手をついたまま、顔を上げることができずにいる私。玉の汗が落ちて板に円形の水跡を作っていきます。息をする肩が震えているのは、疲労からか、屈辱からか。汚辱にまみれた身体は半分渇きつつありましたが、スカートの中だけはスカートに覆われているために渇きが遅く未だに不快な感触を肌に伝えてきています。
「ああっ!もう許して下さい!」
突然の声に驚いたのは私だけではありませんでした。透が、ツバサが、ルイが、一様にその声の主に視線を釘付けにされたのです。音を上げたのはひとみちゃんでした。ひとみちゃんは透の足元に深々と土下座すれば、潤んだ瞳で彼のことを見上げました。
「Dr.スネイク様!どうか、お許し下さい……もう、抵抗はいたしません……このような扱い、もう、耐えられない……」
ひとみちゃんはそう言って、自分の嵌めていた手袋をはずし、投げ捨てて降伏を示せば、細く白い指を3つ付いて跪きました。
「この通り、私はもう抵抗する気はありません……どうか、血清をくださいませ……もう、時間が……」
「ふうん……」
透にとっても予想外の降伏宣言だったのでしょう。彼は生返事をしながらツバサと目配せして互いの意見を確認します。ツバサも明確な判断をすることができずに、ひとまずこの島へと近づいてきます。
逡巡する2人に、ひとみちゃんの命乞いはさらに畳みかけられます。
「こんな犬以下の扱い、もう、耐えられません……せめて、せめて、最期は仲間のヒロインといっしょに処刑場で果てたい……こんな場所で、1人先に逝くだなんて、そんなの、あまりに惨め過ぎます……Dr.スネイク様、どうかご慈悲を」
ひとみちゃんはそう言って、透の脚にすがりつきます。
透は予想外の展開に、彼の元に到着したツバサと顔を見合わせれば、怪人らしからぬ困惑の表情を浮かべました。
「どう思う?」
「ご主人はDr.スネイク様でさぁ。判断は任せますって」
「確かに、戦士は揃って磔にして処刑するってのが全体方針だ。ここでエメラルド・リーフが先にくたばるってのはマズイか?」
「た、助けてくれるの!?」
ひとみちゃんは林檎みたいに顔を真っ赤にしてすがりつきました。
命乞いをするエメラルドの美貌は魅力が爆発し、人の心を惑わします。
涙に濡れ、ダイヤのように輝く瞳は一撃必殺の魔性を秘めています。
身を投げ出して贄となる少女の姿は、怪人達の倫理キャパシティを超えて情に訴える破壊力がありました。
「今まで散々に痛め付けた上に、こいつは丸腰だ。何もできるはずがありませんぜ」
「それもそうだな。全体の方針もある。おい」
「へい」
ヘドロキングは懐から紅い液の入った小瓶を撮りだしてエメラルド・リーフに差し出しました。エメラルド・リーフは丁重にそれを受け取りました。
「ああっ!ありがとうざいます……Dr.スネイク様、ヘドロキング様……」
「解毒は成功しても、リードは付けたままにする」
「はい……仰せのままに連行して下さいませ……」
ひとみちゃんは小瓶の蓋を開ければ、中に入っているシロップをコクコクと飲みます。
透もツバサも、ヒロインの蠱惑に取り憑かれて、白い喉が動いてシロップを飲み干していく様を食い入るように見つめています。ルイはジャーナリストの魂でも宿ったのか、その壊れかけの芸術の美を保存するべくシャッターを回していました。
「ふう……ありがとうございます」
ひとみちゃんは小瓶の中身を飲み干せば、艶やかに微笑み従順な様子を見せ、自ら首に付いたリードの先を持って、手綱を透に掲げながら跪きました。
「さあ……参りましょう」
「う、うん」
そのリードを受け取りに、透は彼女の元へと近づいていきます。
しかし、透が手綱へと手を伸ばした瞬間、ひろみちゃんはスクッと立ち上がり、彼の胴元へとしっかりとしがみつきました。
「なんだ、なんのつもりだ!」
「やっと捕まえましたよ」
ひとみちゃんは力一杯に透の腰へと腕を回しています。魔性が効いていて、女子による接近拘束は透にとって色香を含んだ拘束力がありました。
「おう、やっぱり何か企んでいやがったな!無駄な抵抗だぜ!」
ヘドロキングが彼女を引き剥がしに入れば、ひとみちゃんはむしろ彼の身体をも掴んで、2人いっぺんに抱きつくという豪快な技に出ました。
「なんだ、このシチュエーションは?」
「自爆か?」
2人の、正直ひとみちゃんみたいな美少女にくっつかれて悪い気はしないような狼狽に対して、ひとみちゃんは妖艶に笑ってみせます。
「残念、はずれ……だれがいっしょに死んでなんてあげるもんですか。サファイア・アクア……!」
「ありがとう、エメラルド・リーフ!」
私は、なけなしの元気を振り絞って、立ち上がり、2人に向かってビッと指を差しました。
その手には、奪われたはずの手袋があります。いえ、これは、私の装備していた白い手袋ではありません。
この鮮やかな鶯の色彩。これはまさに、戦友エメラルド・リーフに託された切り札に他なりませんでした。
「げえっ、それは……」
私の手袋を見て嫌な予感を表に出す怪人達。
私が手袋を装着する間、完全に怪人達の目を釘付けにしていたひとみちゃんの大胆な囮作戦は見事としか言いようがありません。
正直、その態度は怪しさ満点だとは思いましたが、それを補って余りあるだけの被虐の魅力をひとみちゃんは放っていました。
彼女が身を挺して作ってくれたチャンスです。無駄にするわけにはいきません。
「親友の力を宿したこのグローブ、私が扱えないわけがないわ!」
私は一応の大義名分的設定を口にすれば、グッと拳を握りながら腕を引き、彼等に向かって走り始めます。
「合体必殺!エメラルド・アクア・ブラスター!」
ドーン!
私は怪人達をなわとび板の上から勢い良く突き落とします。
エメラルドの生命力を宿した私の必殺技が、不浄の怪人2人に炸裂しました!
「ぐえええええええええええっ!!?」
「ぎゃあああああああああああああああああっ!!」
2人の非道の怪人は断末魔を上げ、芝生の上に大の字になって倒れました。
「勝った!私の……私たちの、勝ちよ!」
私は勝ち鬨を上げれば、ビシッとポーズを決めて勝負の終結を宣言します。
同時に、ひとみちゃんがガクリと膝から崩れました。
私は怪人達そっちのけで彼女に駆け寄って彼女の上体を支えました。
「ありがとう、ひとみちゃん、おかげで助かったわ!」
「みのりちゃんなら、やってくれると思ってたよ」
「あんな恥ずかしい言葉であいつらの気を引くなんて。私までドキドキしちゃったよ」
「恥ずかしかったけど、だって……」
ひとみちゃんはちょっと頬を染めて、声を小さくします。
「みのりちゃんが、勝ちたいって言うから」
「ひとみちゃん……」
私は甲斐甲斐しい友情を感じ、自然と涙が頬を伝っていました。
キュッとひとみちゃんの身体を抱きしめながら立ち上がれば、彼女がカタカタと震えているのが伝わってきて、彼女の大胆な余裕は薄皮で作られた虚像であったことがわかりました。
「怖かったよね。ごめんね」
私が謝ると、ひとみちゃんは首を大きく振って微笑みました。
「全然、怖くなかったよ。みのりちゃんが、絶対になんとかしてくれるって信じてたから」
そんな全幅の信頼を寄せられると、こっちが気恥ずかしくなって赤面してしまいます。
2人だけの世界に浸りたい欲望に呑まれそうになりましたが、私たちはそれを振り払いながら立ち上がりました。
「でも、やっぱり自分の属性じゃないから。こういう技が使えるのは1話に1回くらいだよね」
「そうだね。隠し技だよ」
私は鶯色の手袋を外しながら同意します。
「武器を、回収しよう。オニキス・シャドーとルビー・フレイヤを助けなくちゃ」
「ええ。どこかしら。アスレチックにある?」
「そうねえ。ちょっと……」
私が大の字に寝転がるツバサに声をかけようとしたところで、事態は急転します。
バサリと芝生に物を置く音が聞こえ、私たちはそちらに振り返り、そのまま固まってしまいました。
「お探しのものはこれかな?」
ソックスと手袋のはみ出した買い物袋を芝生に置き、男子が私たち満身創痍のヒロインに下卑た視線を向けていました。
「亮二……あなた、いつの間に……」
声を震わせながら私は男子に尋ねます。黒いニットを被った亮二はキヒヒと笑います。その胸元には先ほどまで私たちを存分に痛めつけていたヘドロキングのライフル型水鉄砲が存在感を放っていました。
「俺は怪人エビルサモナー。さっきまで捕まって力のすべてを失っているエメラルド・リーフに、3連戦で疲労し、属性別の技まで使い果たして満身創痍のサファイア・アクア……」
ギシシといやらしく頬を吊り上げながら、私たちにあまりに不利な状況を言葉で説明し、確認させてくる亮二。
困惑の表情で彼の挙動に注視している私の腕を、ひとみちゃんがギュッと力強く抱き、自分の胸に抱き寄せ密着してきました。その、覚悟さえ決めた怯えの表情に、私はどうしようもない現実を突きつけられました。
ああ、私たちは負けるんだ。
非情の怪人エビルサモナーは、銃口を的と化している私たちに向けます。
「『迎え』に来てやったら、なんつう役得だよ。ひゃはははははは!!」
チンピラみたいな笑い声をあげながら、亮二は引き金を引きました。2人、身体を寄せ合うヒロインたちに、暴虐の毒液が容赦なく浴びせかけられます。
「きゃああああああああああああああああああっ!!」
「ああああああああああああああああああああああっ!!」
私たちのダブルソプラノは絡まりあって公園中に響き渡り、2つの希望が潰えたことを知らせました。
処刑場には4色の正義の残光が吊るされています。
左から、緑、青、赤、少し空いて、黒。
万歳の体勢のまま、敗北した時の姿そのままに吊るされた姿はすさまじいまでの悲壮感があります。
私、蒼き正義の残骸サファイア・アクアもまた、地球に飛来した悪の具現「星の汚染者」の手に堕ち、見せしめの処刑台に吊るされていました。
スカートの中では、未だ戦いで受けた毒牙の傷跡がじっとりとその影響を主張しています。私たちの周りを男子たちが囲っています。
運営の3名に、生き残りの剛太、亮二。さらに撃破され幽霊状態となっている透、ルイ、ツバサの3名も私たち敗北の戦士を取り囲み、磔にされているヒロインの末路を堪能しているのでした。
「あと、1人か」
顎に手を当ててにやつくアントキラー。
そこには勝利を目前とした驕りがありありと見て取れました。しかし、私たちには、もう何もできることありません。
腕を拘束された状態で、事の顛末を受け入れることしかできないのです。
「どこにいるんだ、桃井は……」
幽霊状態となっているツバサがその辺をクルクル回りながら視線を走らせ、5人目の戦士コーラル・ピーチの姿を探します。
「まぁ、いい。炙り出してやればいい」
アントキラーは邪悪に笑えば、ゆっくりとした足取りで、一番左に吊るされているエメラルド・リーフの前にやってきて、下から舐めるようにその痴態を眺めました。
「エメラルド・リーフ」
低くヒロインの名前を呼んで顔を上げさせれば、彼は太い腕を彼女の胸元に伸ばし、ヒロインとして最後の輝きを放っているブローチに手をかけました。
「貴様の風と生命のエネルギーをいただくぞ」
そう宣言して、彼はエメラルド・リーフからブローチを奪いました。
「んあぁ……」
エメラルド・リーフは小さな呻き声を上げ、ガクリと頭を降ろして、人形みたいに動かなくなってしまいました。まるで、本当に精気が抜けてしまったようです。
アントキラーは口角を片方だけ上げて悪人面に笑えば、今度は隣にいる私の前へとやってきました。
「サファイア・アクア」
私は名前を呼ばれれば、顎を少し上げて、精気のない表情で彼を見つめます。
彼は、エメラルド・リーフにやったように、私の胸に光るサファイアのブローチに手を無遠慮に握ります。
「貴様の水のエネルギーをいただくぞ」
……ブチ。
鈍い音を立てて、私の胸から力の源であるブローチが奪われてしまいました。
「ああっ……」
私もまた、深い悔恨を呑み込んだ呻きを上げて、カクリと首を降ろしました。
続いて、アントキラーは自らが倒したルビー・フレイヤの前にやってきて、胸の赤いブローチに手を掛けました。
「ルビー・フレイヤ」
名を呼ばれれば、普段の快活さからは想像もできないような、能面みたいな表情で、彼女は怪人の顔を見上げます。
「貴様の炎のエネルギーをいただくぞ」
そう宣告して、アントキラーはルビーのブローチを彼女の胸から奪い去りました。
「……んぁ」
ルビー・フレイヤは、艶のある息を吐きながら顎をくっと上げて痙攣みたいなしぐさをしたかと思えば、ゆっくりと首を横に直しながら目を閉じました。
つかつかと空席の吊り輪の前を通過すれば、アントキラーは体を棒のように伸ばして拘束されているオニキス・シャドーの前にやってきます。
「オニキス・シャドー」
名前を呼ばれれば、大和撫子は閉じていた瞼を半分だけ開け意思の消失した瞳を彼に向けます。
「貴様の闇のエネルギーをいただく」
そう言って、彼女の胸のブローチもまた、彼女から剥奪してしまいます。
「はぅ……」
力ない息を吐いて、再び目を閉じるオニキス・シャドー。
アントキラーは処刑場の中央にやってくれば、奪った4つの宝石を天に掲げました。
「くはははは!キューティ・ファイブも俺たちの手に堕ちたわ!」
「待ちなさい!」
アントキラーの勝利宣言を、よく通るソプラノの声がかき消しました。
全員の眼が、その声の主に向けられます。力を奪われたヒロインたちも、その声に反応して薄い眼を開けました。芝生の丘の頂上で、ピンクの衣装に身を包んだ戦士が仁王立ちして、処刑場を一望しながら闘志に燃える眼光で見下ろしていたのでした。
「よくも私の仲間たちを……!悪を撃つ閃光……コーラル・ピーチ・参上!」
以上です。度重なる二重投稿申し訳ありませんでした……
リョナ成分が薄いくせに、こんなにスレを消費してしまって……
残暑を凌ぐおつまみになれたら幸いです。
なんだこれ、リョナじゃないじゃん
長いんだよ
文体読みにくいよ
もっと脱がせろ
等、感想いただけると絶頂モノに悦びます。
スレがさらににぎわうことを祈念しております。
では、失礼いたしました。
うん、長いのは良いんだけど、長いのがギッチリ詰まった文体で投稿されると純粋に読む気力が湧いてこない
もう少し段落なり句読点での改行とか会話文を改行で切り離すとか、読ませる工夫をしてくれると読む側として嬉しい
内容以前にさ、場所を借りて人に読ませるんだって、意識持とう?
結果的に自分が1番不幸になるよ?
ネチケットというか、情報リテラシーというか。
そういう気遣いって当然やらないといけないよね。
リテラシーとか話逸れてるだろなに言い出してるんだ?
単純に国語力の問題だろ
こんなとこまで荒らしに来なくていいよ
リテラシーっていうか、広義の国語力?
掲示板は端末によって表示のされ方が違うから、
読者の読みやすいように適宜改行するとか、1文を短くするとか、
そういう配慮がいるんだよね。
まあ、ここでもだいたいの作品はそれが当たり前にできてるし、SSの基本の基ってやつ。
発表の場所によって文を加工したりするのもリテラシーであり、国語力。
改行多い方が読みにくい派だから全然気にならんかった
>>867
リテラシーって単語に拘りあるみたいだけど、使い所おかしく感じさせてるんだよな
エチケットではなく表現センスの次元になるレベル問題だから、これ
そこは長くても読みやすいって人はいるし配慮云々の問題じゃないんだわ
技術とかセンスの問題って認識した方がいいと俺は思うぞ
環境云々の話になれば、それこそ千差万別過ぎてリテラシーって表現の範疇に収めようがない
ぶっちゃけ、読みやすいって感覚すら千差万別だからね
ちょっと認識改めた方が全体認識に合致すると思う
よかった。文章ぎっしりで読みづらかったのは俺だけじゃなかったか
よかった。改行だらけが読みづらいのは俺だけじゃなかったか
ここまで中身についての話題なし
>>872
なら、お前が書いてやれ以上の話にはならない
誰かまともな感想を書いてやろうという奴はいないのか
>>874
言い出しっぺの法則
なんだか荒れてるなあ。
毎度楽しみにしてるシリーズだし続けて欲しいものだけど
此処はどうにも読者様が多いみたいだし、もし此処に書くの嫌だったら
渋とかに上げたほうが懸命かもね。
とりあえず今回も面白かったしヒロピン好きとしては大満足だから続き期待です
良く見れば録な感想は書いておらず余所へ行けと遠回しに書いてある辺りお察しである
褒めあったりそれっぽい感想ほしいならそれこそ渋やツイで仲間つくってやってればって感じだしなぁ
既に現時点でもどんどん作家さんが渋に移ってるという事実
ノエルの人さんも筑紫ちゃんの人さんも、このスレにはいなかったけどonzouさんとかも
参加者が多くていろんな人の目に止まる訳でもない
かと言って書き手が多い訳でもない
感想もまばらで活動自体そもそも活発じゃない
全然作家同士が切磋琢磨し合う環境とかじゃ無いにも関わらず上がったSSに文句たらたら
そら人も減るわ
×そら人も減るわ○おら!ここから出ていけ!
なんで高々改行してくれって話からここまでこじれてるんだ…
いや、改行はオブラートで読むに値しないって話だよ?
いや良かったと思うんだけどなぁ
荒らし一人でめっちゃ書き込むから不評かのように見えるけどそんなことないよ
何で悪意的に曲解してるかな?
読む読まない以前に読みにくいから読んでないって書いてあるんだから、結局内容以前の話だろ
内容が凡でも読みやすけりゃ総合評価が良になるんだ
内容が良なら体裁整えるだけで絶賛されるやろ
書くことと比較すればナンボでも簡単にやりようがあると思うけどな?
改行多くないと読めない自分の感覚がさもスレの総意みたいに言い出しリテラシーとか不幸になるとか語りだしたのが痛々しいってことだろ
読んでもいないSSに文句垂れるくせに自分への批判は敏感なんだな
>>886
別に?
改行無い方が読みやすいってんなら、お前ほそうなんだろうなくらいの話でしかないし
ましてや、そんな煽り方してスレ荒らしたいとか程度低いですねくらいにしか感じないよ
何でもいいから感想くれ、読みにくいでも良いって手合いに対して、読みにくいからこうしたらどうだ?って言ってるだけだからね
どうこう言われる筋合いもないし
SSスレにおける荒らしの初期段階の手口
・投稿された作品に対し感想の形を借りての説教を行う。
・内容自体より前書きや後書き、文法、文章のレイアウト等についてが多い
・個人の主観を押し付け、自身の価値観のみで他の意見を受け入れずに平行線の議論を行おうとする
・これらの点を指摘された際には「ただ感想を言っているだけ」「より良くしようとしている」等の回答に終始する
・「読む気が湧かない」「発表に値しないレベル」等波風を立てる書き込みを行う
・よりエスカレートすると無関係なコピペの連投、作品の改ざん、自身に好意的な第三者を装っての書き込みなどを行う
気をつけましょうね
ならそういう感想を是とした作者にも問題があることになるな
それこそどっかの誰かさんが言うように表現方法の問題じゃね?
たとえ言ってることが凡の極みでも体裁整えりゃなんとやら
要するに改行少ないSSと同じく誰かさんの語り口は誰かにとっておかしく思えたわけだわ
本人が良いって言ってるわけだし、改行のアドバイス自体は問題なかったはず
まさかここまでこじれることになるとは思ってなかっただろうけど。
【リクエスト】
【キャラクター】
不知火舞(KOF)
【シチュエーション】
ルガールに敗北して犯されて銅像にされる舞のSSをお願いいたします
いいねいいね、想像しただけで滾るわ
これは期待
書いてるから気長に待って栗
来月の頭位にあげられたらいいな
SSはだいたいのストーリーを思いついても導入をどうするかで悩む
>>896
わかる
こういう展開いいなって思いついてめっちゃ妄想とか膨らませてたのに、いざ書くとなると出だしで詰まって挫折するんだよね……
深く考えすぎない方がいいんだと思うけどそれも難しい
シチュエーション系のスレが伸びるのはそう言う事なんだろうなぁ
自分も途中で諦めてそっちに書き込んだネタもあれば
これだけは自力で仕上げたいというネタが多々あるのに手をつけられないまま腐らせそう…w
鉄は熱いうちに打つのが一番なんだけど、どうしても出だしから色々拘っちゃうのがなぁw
そして、こういう雑談乱文はスラスラ出てくるというねw
そしていざ導入に力を入れれば「長い。さっさとしろ」「飛ばしました」
逆にやられる所から始めたら始めたで「いきなりやられててつまらない」
どうしろと
きなりリョナシーンから始められても感情移入できない気がするよね
>>899
これ言ってる人はおそらく別人だからな
誰もが納得する文章はかけないから、自分が好きなように書けばいい
かといって我が道進み過ぎると総スカン食らう可能性もあるしな。
必要な情報さえキチンと提示できる程度にダイジェストするのが一番じゃないかな、こういう場でのやつって
斬首シーンのあるSSこないかなあ?
コーラルピーチちゃんの活躍(意味深)はまだかのう……
>>904
鈍器でぶっ飛ばすのは斬首になるかな?
>>906
>>904 ではないけど、なると思う…!
いや、言葉の意味的にはならんやろ・・・?
904だけどそれでもええよ
今期のアニメだとラブライブとブレンドSのキャラが可愛いので、斬首とか絞殺みたいなシンプルなリョナシチュで見てみたいな
【リクエスト】
【キャラクター】
春麗
【シチュエーション】
バルログに圧倒的な力の差で敗北した後、犯され続けて壊される春麗のSSをお願い致します
かすみのSS書いてみました。ニンジャガのかすみなので高校生設定です
【かすみ 路地裏に散る】
「かすみチャーン、俺らと一緒に遊ばね?」
廊下を歩くかすみに、髪を金髪に染めた不良の集団が声をかける。
かすみにとってはよくある光景だ。
淑やかで清楚な性格、美しい顔立ち、制服のスカートから見える太もも、艶やかな栗色の髪、そして何より制服の上からでもはっきりとわかるほどに大きな胸。
17歳の少女とは思えぬ抜群のプロポーションは、何処を取っても男の目を引くものであった。
思春期真っ只中、性欲旺盛な男子高校生から見れば尚更の事であろう。
こうしてガラの悪そうな学生に絡まれることは日常茶飯事、酷い時は襲い掛かってくる者すらいた。
(追っ手から逃れるためにはこうやって人に紛れて学校に通わないといけないけれど……こういうのは少し困るわよね……)
「ごめんね、私予定が入ってるから…」
内心うんざりしつつも、かすみは慣れた調子で返答し、そのまま踵を返そうとする。
「へへ、おい待てよ。悪いようにはしねえからさ」
不良の一人がかすみの肩に手を回す。
「気持ちイイことしようぜェ?清楚気取っちゃいるがほんとは好きなんだろそーいうのさァ」
肩を組んだ状態のまま、男はかすみの身体をべたべた触る。
「こーんなでっかいオッパイしちゃって…誘ってんでしょ?」
言いながら、男はかすみの胸に手を伸ばす
瞬間、男の身体が宙を舞った。
一瞬周囲の空気が硬直し、男が地に落ちる音で再度動き出す。
「本当にごめんなさい、じゃあね!」
あきらかにうんざりした調子を声に滲ませながら、かすみは早足で逃げて行った。
周囲の視線が、騒動の中心であった不良の集団に向く。男達に向けられた感情は、困惑や嘲笑であった。
不機嫌そうに男が起き上がり、かすみが消えて行った。
「あのアマぁ……俺らの誘いを断るどころか恥をかかせやがった……絶対に許さねえぞ……」
放課後になっても、男はなおも苛立っていた。
(畜生がッ!あの女、ひん剥いてブチ犯して、そんでブッ殺してやる!)
そんなドス黒い感情を表出させながら、男は壁を殴りつけた。
『その望みを叶えてやろう』
背後から、人のモノとは思えぬ歪な声が聞こえた。
男は振り向き、そして驚愕する。
そこに立っていたのは、異形の怪物であった。
「なななな、なんだァてめえは!!」
声を裏返しながら男が叫ぶ
『我は魔神。貴様に力を与える者。あの女を犯し、殺したいのだろう?その望みをかなえてやると言っているのだ。我らにとってもあの女は邪魔でな』
「あの女を俺のモンに出来るってのか」
『ああ、かすみだけではない。その力を以ってすればどんなものでも奪い取れる』
「乗った!乗ったよそれ!最高だ!」
『では貴様に力を与えよう。その力を以ってかすみを、あの女を殺せ』
人のいない夜道をたった一人で歩くかすみに、一つの影が迫る。
「なっ…!?」
忍びであるはずのかすみの反応速度を超える速さで、影はかすみに組み付き、そのまま路地裏の小道へとかすみ諸共転がり込む。
「げほっ……」
急な衝撃に呼吸を乱しながらかすみはよろよろと起き上がる
「あなた……さっきの」
視線の先にいたのは先程の不良青年であった。だが様子がおかしい。
身体からは邪気が立ち昇り、異常な程荒い呼吸音を奏でる口からは煙が漏れ出している。
目は紅く光り、肌には血管が浮かび上がっている。
明らかに異様な光景であった。
『Grahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhッ!!!!』
男の口から獣の如き咆哮が響き渡る。
かすみは男から感じる気配に覚えがあった。
「この気配……魔神…?」
「Ugrhhhhhhhhhhhhhhッ!」
叫びながら男が跳躍する。
(本能任せの動き…これなら簡単に躱せる)
かすみは肉食獣の様に飛び掛かる男の下を前転で潜り抜け、路地の出口を目指し、そして愕然とする。
「結界っ…!?」
いかなる手段によるものか、見えない壁で出口が塞がれている。
恐らくは、音すらも外に聞こえない状態か、あるいは何らかの人避けが為されているのだろうとかすみは思い至る。
これほどの咆哮が響き渡っているというのに、他に人の気配すらしない。
「闘うしかない…」
かすみは決意を固め、ファイティングポーズを取る。
とはいっても、どうしたものか。相手は暴漢ではあるが一般人だ。
加減を誤れば、簡単に死んでしまう。
地蜘蛛との戦いを通して、人を殺す事には慣れている。だが一般人を殺したくはない。
その迷いが、かすみの動きを遅らせた。
「っ!?」
一瞬の思考の隙を突いて放たれた拳が肌を掠める。
(さっきよりも早くなってる…)
だが、まだ遅い。力の方に身体がついて行っていない。
「たぁあっ!」
拳を振り抜いたその隙を狙い、かすみは男の腹に闘気を叩き込んだ。
男の身体が吹き飛ばされ、路地の奥へと転がっていく。
(ごめんなさい……こうするしかなかったの)
心の中で男に詫びると、かすみは吹っ飛んだ男の方へと歩き始めた。
(ひとまず意識を奪ったうえで拘束しないと。……っ!?)
驚愕と共に、かすみは立ち止まる。
「うそ……」
ビキビキと音を立てながら、男がゆっくりと立ち上がる。
男の姿が、グロテスクな姿に変じてゆく。
人のものだったシルエットが、音を立てながら変化していく。
全身の筋肉が膨れ上がり、肌が黒く変色したその姿は、まるで鬼のようであった。
鋭い爪、赤々と輝く瞳、口元から覗く牙、背中から伸びる触手。異形そのものの姿と化した男は、かすみを見て殺意と下品な欲望を込めた笑みを浮かべた。
服が破れ、肥大化した男性器が露わになる。
青年の膨れ上がった衝動を具現化したような悍ましい姿に、かすみは寒気を覚え、硬直した。
瞬間、男の姿が消え、かすみの眼前に再度出現する。
「速っ…!?」
言うより早く、かすみの腹に拳がめり込む。
「がっ……ぁあああっ!!」
数メートル以上吹き飛ばされたかすみは結界に叩き付けられ、激しく咳き込んだ。
「ぉ゛えっ……げえ…ぇ…っ」
耐えきれず、かすみは嘔吐する。吐瀉物には多量の血が混じっていた。
(まずい……次が来る……)
分かっていても、すぐには立ち上がれない。
「あっ…!」
触手が体に巻き付き、そのままかすみを持ち上げ、そうして強く締め上げた。
「がぁあああああああああっ…あああああああああああああああああああっ!!!!」
傷付いた内臓が圧迫され、耐えがたい苦痛が身体を走る。
「ごふっ……ごほっ!」
血が逆流し口から溢れ出る。
解放され地に落ちたかすみは、死に掛けの虫の様にもだえ苦しんだ。
ボロボロになった制服が破れ、スカートが捲れ上がり、純白のブラジャーとパンツが露わになる。
「か…ぁはっ……!ぉ゛ぅ……っ」
肉付きのいい肢体を仰け反らせるその姿が、怪物の嗜虐心を更に刺激する。
かすみに歩み寄った怪物は両手でかすみを掴み上げ、そうして勢いよく地面に叩き付けた。
「ぐえええっ!!!!」
身体を強打し碌に動けなくなったかすみの四肢に触手が絡み付く。
「な…にを…?」
虚ろな頭でかすみは呟く。
その疑問への返答は、直後に行動で示された。
ごきり、めきめきという異音と共に、かすみの右腕が、骨が砕ける音がはっきりと聞こえるほどに強く締め上げられる。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああっっ!?!?!?」
次いで左足が
「ぁああああああああああああああああっ!」
左腕が
「ぁぁ゛ァ゛っ…!」
右足が砕かれる。
だが、責め苦はまだ終わらない。
「ぉ゛っ……ああぁっ…」
手足を砕かれ、力を失ったかすみの上に怪物が馬乗りになる。
「お願い…やめ…」
次に起こることを理解したかすみは、涙声で懇願した。
怪物はにやりと笑いながら、ゆっくりとペニスをかすみの性器にねじ込んでゆく。
「いやぁあああっ!!」
芋虫の様に身をよじるかすみの首に怪物は手をかける。
ゆっくりと首が締まっていく。それとともに、乱暴に突かれることで発される喘ぎ声が小さくなり、苦しげな呻き声へと変わっていく。
首が締まるにつれて、打ち付けられる腰の動きも激しさを増す。
そうして怪物の興奮が最高潮に達した瞬間。
ごきり、という音が響き渡り、かすみの身体が一瞬仰け反り、そうして脱力した。
「………」
物言わぬ肉人形と化したかすみを、怪物はなおも弄ぶ。
糸の切れたマリオネットの様に、手足がだらりと垂れ下がる。
瞳孔の広がった目を見開き、舌がだらりと垂れただらしない死に顔を浮かべたままに止まった顔が、腰を打ち付けられるリズムに合わせてカクカクと揺れる。
ブラをはぎ取られ露わになった乳房が、激しく揺れ動く。
怪物は次の獲物に思いを馳せながら、玩具で遊ぶ幼子の如く、かすみの身体を犯し続けた。
以上です。
無惨な暴行レイプ、乙でした。
次があれば忍び装束やあやねも見たいです。
以前にEsのSSを書いた人です
久しぶりに某PS2のゲームのリョナ動画見てたらムラムラしたんで新しく書いてみました
あんまりキャラ設定を知らなかったのでガワだけ被ったオリキャラということにして性格は自分好みにしてます
お楽しみいただけたら幸いです
本来であれば静寂が支配している真夜中の時間帯。倉庫街の一端である空倉庫から激しい騒音が聞こえてくる。
肉体を撃つ音、人の蛮声と呻き声、吹き飛んだ人体が棚や壁へとぶつかる衝突音。間違いなく集団による喧嘩、抗争の類いによるものだろう。
流れてくる数々の音に耳を澄ませてみると大勢の男の声の中に混じって女性の声があることに気がつける。「ふっ!せっ!」といった短く凛々しい掛け声の後に蹴り飛ばされたのであろう男の呻き声が続く。
しかし、男達もやられているばかりではないらしい。頻度は少ないが女性の「うっ……!ごぅっ……!」と苦痛を押し殺したくぐもった声も聞こえてくる。
倉庫内には床に倒れ伏した幾人かの男。一人を囲んでいる10名程度の男達。そして大勢の屈強な男達に囲まれたこの場には似つかわしくない美しい女が一人。
ここでいったい何が行われているのか。この大立ち回りが始まるまでに時間は十数分ほど遡る――
治安が悪化の一途を辿る街。ストリートギャングが勢力を伸ばし、無法を謳歌する。そんなとある夜の倉庫でストリートギャングの会合が行われていた。
会合などと言ってもそれほど大それたものではない。今後の取引予定の確認や異常の有無の報告などの簡単なものだ。事実組織の上層部といった人間はこの場にはいなかった。
提示報告のような雰囲気のこの場を取りまとめるリーダーといった役割の大柄な男が口を開く。
「で、今回の報告はこれで終わりか?」
「はい、何事も異常なく。つまらなくていけねぇ、腕がなまっちまう」
「面倒がないのは良いことさ。では今日はこれでかい……」
リーダーが解散という言葉を口に出す前に異常が起こる。入り口にあたるドアが開いていくのだ。
男達の反応は素早かった。遮蔽物となるような棚に身をかくし入り口の様子を伺う。ギャング同士の抗争や警察との衝突といった修羅場をくぐり抜けた者達だ。
異常事態に対する反応は素早い。そんな百戦錬磨の男達が入り口から堂々と姿を現した人物に困惑していた。
入ってきたのはエキゾチックな魅力を振り撒く金髪碧眼の美女だった。長く美しい金髪を後ろでアップにまとめ豊満な胸元と艶かしい背中が大胆に露出した裾の短い黒のカクテルドレスに身を包んでいる。
スポーツか格闘技を嗜んでいるのか無駄な贅肉がなく程よく筋肉質な肢体が肉感的な胸を支えており、引き締まった脚部をこれまた黒のガーターストッキングと動きを阻害しない低めのハイヒールが魅力的に演出していた。
およそこの場には似合わないモデルのような美女が夜の倉庫に突然現れたら誰だって混乱するだろう。
「この場に女を呼びつけた馬鹿はどこのどいつだ!?」
リーダーが怒りを込めて周囲に問いかけるが部下の男達は皆揃って困惑もあらわに首を振る。彼らの表情に偽りは見られず、それゆえリーダーもまた怒りが薄まり疑問に包まれる。
そんな暴力の臭いを漂わせる男達に躊躇わずコツコツとヒールの音を響かせ近付きながら女が口を開いた。
「私はあなた達の誰からも招待されていないわ。だからそんな怒らないであげて?」
柔らかく余裕を持った笑顔と共に見た目を裏切らない女性としては少し低めな綺麗なアルトボイスの声が紡がれる。
「ご親切に教えてくれてありがとう、お嬢さん。じゃああんたはいったいどこのだれなのかな?」
何者なのかは皆目見当がついていないが少なくとも話はできるということと武器の類いを持っていることはないというから遮蔽物で身を隠すことを止め問いかける。
凶器を隠すには余りにも不向きの装いだからだ。
「あなた達からではないのだけど少し頼まれ事を引き受けてここに来たの」
「頼まれ事?」
リーダーが代表して会話を続けながら他の男達が女の逃げ道をなくすように広がり始める。
何が目的かは知らないがこのような極上の獲物をみすみす逃す手はないということを皆が分かっているのだ。これほどの上玉をあてがえば上の者にも気に入られるだろう。
その前に自分達も愉しめるだろうという獣欲の方が大きいのかもしれないが。
男達に徐々に囲まれつつあるという危機的状況下の中それを意に介せず余裕の表情のまま片手を腰に当て女は喋り始める。
「最近は色々なところから苦情が来ているのよ。それでまぁ手近な所から始めようと思ってね」
「ごちゃごちゃとワケ分からねぇこと言ってるんじゃねぇよ。いいから大人しくしとけば命だけは助けてやるからよ」
気の短い男が女を捕らえようと無警戒に近付いていき、女と向かい合う。
その女は白人女性の平均身長より少し高いくらいでありハイヒールで嵩まししているが、男と女の体格差は正面から向き合った時顕著だった。
頭半分以上低い女を見下ろすとその豊かな胸の谷間が視界に入り、下心を多分に含む歪んだ笑みをもらす。
「こんな格好して誘ってやがるんだ。少しくらい楽しんでもいいだろ?」
女というより回りにいる男達に確認するための発言をしつつ、美女の胸に手をのばす。
「そうね。私も楽しませてもらおうと思っていたところなのよ」
意味深な発言に男が訝しげな表情を浮かべたがすぐにその顔が苦痛に歪む。無造作に伸ばされた腕を掴みとり流れるような動作で捻り上げたのだ。
突然の腕から流れる痛みに動揺した男は抵抗するチャンスすら見つけることはできなかった。腕を解放すると同時に僅かに体を下げ、空いたスペースで体を回転させる。
遠心力を利用した上段回し蹴りは美しい弧を描きながら男の顎に吸い込まれる。脳を揺らされた男はその場に崩れ落ちた。
少し離れた所からですら目で追うのがやっとという早業に周囲の男達の顔つきが変わる。自分達が圧倒的に優位な狩る側だと思っていたが決してそんなことはないと察したのだ。
この美しい獣を狩ることは容易ではないと。
「いきなり手を出してくるものだから吃驚して反撃してしまったわ。正当防衛ということでいいかしら?」
男達の包囲は進み完全に逃げ場はなくなっている。そんな状況だが女はおどけた調子で軽口を叩く。この余裕はブラフなのか故あってのものなのか。
確かに腕はたつようだがこちらは喧嘩慣れした男が10人以上いるのだ。女一人に勝ち目などない……はずだ。ということは
「……過剰防衛って言葉は知っているかな、お嬢さん?それと女性が夜に一人でこんな所に来るとは思えないんだが誰かと待ち合わせでもしているのかな?」
女は囮で他に伏兵がいると考えるのが自然だろう。もしかしするとさっさと場所を変えた方がいいのかもしれない……そんなことを考え始めたリーダーの耳に予想外の発言が飛び込んでくる。
「あのまま放っておいたらどうなっていたか考えると過剰でもないと思うのだけど……ああ、それと仲間の存在を疑ってそうだけどそんなのいないわよ」
「は?」
この女は今なにを言ったのだ。それとも頭がおかしいだけなのか。発言を飲み込めていない男達の前で女が事情を説明する。
「だって女一人に末端とはいえ構成員を叩きのめされたギャングなんて誰も恐れなくなるでしょう?」
まぁ趣味もあるけど、と小さな声で呟いていたがその呟きを男達が拾うことはなかった。
「てめぇ俺達を舐めるのもいい加減にしろよ!」
青筋を立てた男が3人包囲の輪から進み出る。臆病な者ならそれだけで戦意を喪失しそうな怒気を浴びせられながらも女はやはり余裕の微笑を浮かべながら男達が近付くのを待ち受けている。
「リーダーあの女どうするんですか?」
冷静さを欠いていない部下が一人いつの間にやら近付いており指示を仰ぎにきた。
「むぅ……」
リーダーも正直どう動くべきか決めあぐねていた。挑発的な言動は男達をこの場に留めておくためのものであり実際には仲間がいる可能性は大いにある。
だが、全くの勘にしかすぎないが彼は本当にあの女は一人で乗り込んできたような気がしていた。それにやはりあそこまでの上玉をみすみす逃がすというのも憚られた。
「しばらくあいつら以外動くな。様子を見る。応援を呼ぶ用意だけはしておけ」
リーダーが選んだ選択はまずは様子を見るということ。今の男達3人をぶつけることによって女の戦力を改めて測り、それから動いても遅くはないだろう。
「少しはできるみてぇだが本当にこの人数差で勝てると思ってんのか?」
「丸腰の女一人相手に複数人じゃないと手出しできない腰抜けだったらどうにかできると思ってるわよ?」
方針を固めている間に前に出た3人と女が手を伸ばせば届くほどの距離で相対しており、女は尚も挑発の言葉を投げ掛ける。
「このクソアマァっ!!」
頭に血を上らせた男がついに怒りのままに殴りかかった。感情に任せた大振りな一撃を女は軽くかわすと振り切った腕を掴み勢いをそのままに引いてやる。
バランスを崩しかけたところで素早く足を払い、手を放してやる。男はあっけなく床へとダイブし、地面に転がされる。
残った二人の男が隙を狙って同時に左右から拳を突きだすがその拳も空を切ると同時に女が視界から消える。素早くしゃがみこみ右足を軸に回転し足払いをかける。
二人の男がほぼ同時に転倒したところに蹴りの勢いを利用し立ち上がった女が追撃の蹴りを打ち込む。
が、女が追い討ちをしかける間に転がされた一人目の男が起き上がり、腰を目掛けてタックルする。
「くぅっ!」
攻撃中に仕掛けられた回避しづらい行動に初めて女が焦りの色を見せる。男は押し倒して有利な状況を作るべく力を込めるが華奢な見掛けによらない力強さのため膠着する。
が、数の差があるのだ。膠着とはそれすなわち女の不利に繋がる。それを理解しているため状況を打破すべく腰にしがみつく男に肘を降り下ろす。
一発、二発、三発目で耐えきれなくなった男は再び地面に叩きつけられる。
「うっ!」
一人に対処している間に次に転ばされた二人の男は立ち上がっており、攻撃直後の隙をついて剥き出しの背中目掛けて突き出すように蹴りを入れる。
「……っ!」
たまらず少しふらついたところにもう一人が脇腹目掛けて蹴りかける。腕を挟みガードしていたようだが勢いを止めきれず無理矢理動きの軌道を変えられる。
女がたたらを踏んで体勢を立て直した時には一人が地面に叩きつけられた男を助け起こした後だった。これが多人数を相手にした際の不利だ。
実力では上回っていようと技の直後の隙は必ずある。また、一人に相対している間に他者に行動や回復の余裕を与えてしまう。
「この女……もう容赦しねぇぞ」
体勢を整えた3人が呼吸を戻しながら気勢を吐く。
「元々容赦なんてしていなかったでしょう?強がりは止めたらどう?」
「こっちの台詞だ、ボケェッ!」
今度は3人同時に走りだし、襲いかかる。顔や腹を狙って次々と繰り出される拳や蹴りをかわし、防ぎ、捌いていく。
先程の攻防から大振りな攻撃は手痛いカウンターに繋がる可能性があることを理解した男達は小振りな攻撃を繰り返し反撃の糸口を与えない。
しかし、受けに専念しているということもあるが驚くべきことに正面からでは3人がかりでも女にクリーンヒットを与えることができていなかった。
攻防を続ける男女の位置は包囲の輪から徐々にずれ壁際へと女は追い詰められていく。
「ふっ……ふぅっ……」
攻撃を受けていないとはいえ休む間もない連撃をさばき続けているのだ。女の顔からは余裕が消え、うっすらと汗が滲みでている。
下がりながら攻撃を捌き続けていたがついに壁際へとたどり着いてしまった。下がることができなくなった相手に狙いを定めるための一瞬の硬直。
次の瞬間、3人が渾身の蹴りを打ち込む。
「ぐはぁっ!」
しかし、苦痛の声を上げたのは男の内の一人だった。壁を踏み台に三角跳びを行い蹴りをかわし様蹴りを放って中央の男を吹き飛ばしたのだ。
軽業師のような曲芸に男達は何が起きたか分からず反応が遅れる。
「がっ!ぐほっ!」
その隙を見逃さず鋭い蹴りをうち下ろすように二発残った男に打ち込む。もんどりうちながら男が意識を手放す。
圧倒的に不利な状況から瞬く間に二人の男を打ち倒したが、まだ敵は残っている。
「おぅ゙っ!」
その美貌に似合わない濁った声が女の口から漏れでる。運良く女の反撃対象とならなかった男が一瞬で仲間が倒された衝撃と危機感から咄嗟に繰り出した拳が女の脇腹へと吸い込まれたのだ。
柔らかさの奥のよく鍛えられたしなやかな筋肉が衝撃を吸収するがダメージを無くすことは敵わない。怯んだ女に対し絶好のチャンスとばかりに顔目掛け右ストレートを放つがすぐさま構え直した腕に逸らされる。
おそらく一発は貰うことを覚悟で相手を戦闘不能にするべく力を込めた攻撃を行っていたのであろう。覚悟の分だけ持ち直すのも早い。
一対一となれば後は早かった。幾つかの追撃を捌いたのちカウンターの一撃をもらい前に出た3人の最後の一人が崩れ落ちる。
(強いな……だが……)
一人でこの人数に勝てるほどとは思えない。一対一の勝負ならこの中の誰もが勝算は皆無だろう。しかし、こちらにはまだ10名以上の戦力が残っているのだ。
負けるとはとうてい思えない。あとの問題は女の仲間の存在だが――
「さて次の相手は誰がしてくれるのかしら?」
余裕の表情で喋ってはいるが、僅かに上下する肩とクリーンヒットを受けた腹部から消耗が見てとれる。
リーダーは自分の中で欲望が大きく膨らんでいくのを感じていた。この自信と余裕に満ちた女を痛めつけ、屈服させたいという欲望だ。
それとともに女に仲間がおり、自分達が危機的状況にあるかもしれないという可能性を無視してでも構わないのではないかと思いが強くなっていく。
ここまで争いが続いても何者も現れないのだ。仮にいるとしてもやってくるまでに蹂躙してしまえばいいのだ。
「良い表情になってきたじゃない。我慢しないでかかってきていいのよ?」
リーダーの雰囲気の変化を察知したのは女だけではない。周りの部下達も再び女を囲むように広がり始める。
部下の者達もじっとりと汗ばんだ妖艶な美女に対して欲望を抑えることが難しくなってきているようだ。
先程より獣欲が増した、より危険となった男達に囲まれているが女の余裕は動かない。
「どこからでもどうぞ?」
「やっちまえぇぇ!!」
男達が一斉に襲いかかり、乱闘が幕を上げた。
前後左右全方位から男達が襲いかかる。先頭に立ち走ってきた男に女が飛びかかった。肩を掴み胸元で足を揃えて男の体を踏み台に跳び上がる。
男達の包囲を越え空中で体を一回転させ足から着地する。観客がいれば拍手が巻き起こりそうなアクロバティックな動きだが興奮した男達は気にも止めない。
包囲を脱したものの、男達はすぐに距離を詰め拳を振り上げる。顔を狙っての攻撃を防ぎ、反撃のミドルキックを打ち込む。次の瞬間には、
右からのフックが迫っていたがヘッドスリップでかわし様裏拳を見舞う。
死角である背後を取られないよう巧妙に立ち回り、先程より数の増した男達の攻撃を巧みに捌いていく。
興奮した男達は連携をとることなど全く考えておらず、直情的な行動になっていたためギリギリのところで回避していく。
「……っ!……うっ!」
とはいえ女が容易く凌げているという訳ではない。数が増えたことに加え、感情に任せた重い攻撃は体重差もあり防ぐだけでも消耗していく。
現在は女が優勢と思えるがその均衡はいつ傾いてもおかしくはない。
息つく間すらない攻防が続いていく。不用意に殴りかかった男の腕を掴み攻撃体勢に入った二人に投げつける。
すぐさま別の男が迫り来るが機先を制して早さを重視したパンチを撃つ。反応できず諸にくらった男の頭がのけぞり、後退する。
今度は別方向から飛んできたミドルキックを見もしないでガードする。そのまま再度囲まれつつある状況をバク転を数度繰り返し逃れていく。
「ぜぇっ……!ぜぇっ……!」
このような調子で可能な限り攻撃を受けないよう激しい動きを休む間もなく繰り返しているのだ。
余裕を取り繕うこともできず、珠のような汗が白く滑らかな肌を次々と流れ落ちていき衣服に吸収される。これまでは奇跡的に直接的なダメージを回避してきたがそれももう難しいだろう。
男達は新たに3人が気絶させられており、残るは8人。手傷は多少負っているが残ったものはまだまだ戦意旺盛である。女は戦法の変更を覚悟した。
「ふっ!……ぐぅっ!」
力を込めた蹴りを放ち、男の一人を怯ませるが別の男の拳を顔に受ける。意思とは別に頭がはね、汗が飛び散る。
しかし、怯んだのは一瞬のことですぐに反撃の蹴りを返す。攻撃を受けたダメージを感じさせない相手を倒すための蹴りだ。堪えきれず勢いよく吹き飛ぶ男。
「お゙ぶっ……!っせ!」
大振りな蹴りの硬直に腹に蹴りを受け細かな唾液の飛沫が飛び散り、女の体がくの字に曲がりかける。だが途中から無理矢理体を引き起こしそのまま拳を返す。
攻撃をかわしきることを諦め攻めへの比重を増やすことを選択したのだ。当然被弾は増えるが、かわすことが困難となってきた以上遅かれ早かれこのような展開にならざるを得なかっただろう。
ならば自分から覚悟して仕掛けた方が良い、ということなのだろう。
しかし、女が攻撃を受けることは増えたものの与える打撃は女の方が圧倒的に多い。技術の差、数の差もあるが攻撃を受けてから反撃するまでの時間が短いためだ。
男達も数々の修羅場を通ってきた者達だがそれを上回るほど乱闘慣れしているということだろう。だが、疲労とダメージは確実に女の中に蓄積されている。
「がっ!ごぶっ!」
徐々に回避動作が鈍くなってきたところに大柄な男のアッパーで顎をかち上げられ、ふらついたところに真正面からの蹴りが胸の中央部にヒットする。
強烈な2発の攻撃に女が初めてダメージによって大きく後ろに下がった。
「ふぅっ!」
だが追撃を女は許さない。迫ってきた男は渾身の回転回し蹴りで向かい打たれる。お返しとばかりに胸部に直撃を受け昏倒する。倒れた男は集団のリーダーだった。
「おぶぁっ!」
走り込んできた男のパンチが女の顔にいきなりヒットした。汗が霧状に飛散し、のけ反りながら2歩3歩と後退する。これまでこのような単純な攻撃がもろに入るようなことはなかった。
「……っこの!」
それでも体勢を立て直した女は威嚇のように回し蹴りを放つ。追撃を避けるための牽制は空振りに終わる。
(最後の2発が思ったより効いている……さすがにきついわね……)
これまでの死闘で体に刻まれたダメージが動きを阻害してきており、疲労が反応を鈍らせる。
そのような状態だが手も足も相手を叩き伏せるにはまだ充分に動く。女はまだ諦めてなどいなかった。
「はぁっ!」
重くなった体に鞭うち女は前に出る。この状態で女の方から前に出るなど考えていなかった男達は面食らう。
跳び蹴りをくらった男が吹き飛び、蹴りの反動を利用して空中で方向転換しさらなる蹴りを別の男に見舞う。
「ごっ……!あぐっ!……ああぁぅっ!」
着地した瞬間を狙われ背後からの蹴りが2発ヒットした。踏ん張りが効き辛くなっているのか簡単にふらついてしまう。
そこに別の男からの頭部を狙ったハイキックが吸い込まれていき、女が派手に吹き飛ばされる。この夜始まって以来初めての光景だった。
吹き飛び地面を転がっていく。汗を吸った衣服や肌にホコリがまとわりつき、汚されていく。意識を刈り取られていたとしてもおかしくない一撃だった。
「決まったか……?」
倒れた女はうつ伏せで動かない。男達は警戒しながら近付いていく。そして、一人の男が足下まで近付いた時、
「ぐはぁっ!」
その男が倒れこんだ。女が近づかれた瞬間動きだし、跳ね起きの勢いのまま両足を揃えて蹴り倒したのだ。女は蹴りが避けられないとみて自分から大きく飛んだのだった。
ダメージはあるが男達が期待したほどのものではない。
「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……」
立ち上がった女からはもはや初めに見られた余裕は感じられない。息を荒げ、服を汚れさせ満身創痍の状態だった。残る男はあと4人。
「うぐっ!お゙ぶっ!」
動きが鈍くなっている女に対し容赦ない拳が突き刺さる。男達も必死だった。本当に女一人にやられてしまってはメンツが丸潰れなのは明らかだ。
舐められてしまっては彼らの商売に支障が出るし最悪上から始末される可能性すらある。そしてもう一押しで倒せそうな女の状態が彼らから退くという選択肢を無くしていた。
「はぁっ!……ぅぶっ!」
女は回避を諦めガードからのカウンター、相打ちを繰り返す。体力を消耗しているため攻撃を回避できず、手数が減っているため相手の攻撃回数が増えている。
幾度となく拳と蹴りを受け止めた腹筋は機能を失い衝撃を直に内蔵に伝えてくる。しかし、そのような状態になっていても反撃を止めることはない。
「ぜっ!……あっ、しまっ!」
一人をようやく打ち倒した瞬間に後ろから近付いた男が女を羽交い締めにする。脇の下からがっちりと両腕を押さえられ容易には抜け出せそうにない。
「がっ……!ごぶっ……お゙ぶぅ゙っ!」
動きを封じられた女に対し殴打の嵐が襲いかかる。顔が振り子のように揺れ、血と汗が舞う。膝蹴りを腹部に複数回叩き込まれ内臓が軋む。
「あ゙ぅっ!……お゙ぉ゙っ!……むぐっ!お゙え゙ぇ゙ぇ゙え゙っ!!」
これまでにやられた仲間達の分を返すかのように一心不乱に打撃を捩じ込む。くぐもった呻き声を出すだけだった女の口が一瞬ふくらみついに嘔吐する。
「はっ……!はぁっ……!はっ……!」
びちゃびちゃと黄色の液体が口から滴り落ち、嘔吐の反動からか浅い呼吸を繰り返す。意識が朦朧としてきている女にさらなる追撃が打ち込まれる。
「ぼぅっ……!がはっ……!…………」
ついに拳を打ち込まれても女が反応を示さなくなった。顔は力なくうなだれ、目は髪で覆い被さり表情を窺うことはできない。
「はぁ……はぁ……ようやくくたばったか……?」
絶え間ない攻撃によって男達の息もあがっていた。これまで続いていた緊張がわずかに弛む。その瞬間、
「だぁっ!」
女が足を高く上げ踵を掴んでる男の爪先に降り下ろす。突然の激痛に拘束が弛む。
「ふぅっ!」
その隙にその場で飛び上がり、男の下腹部を蹴りつけその勢いで拘束から逃れ跳躍する。そのまま向かいにいた男の脳天に空中で一回転し威力が増大された踵落としが決まる。
同時に二人の男が崩れ落ちた。
「……あとは……あなた一人ね」
仲間はみな倒れ伏し最後の一人となった男は震えながら後ずさる。距離を詰めるために女が一歩を踏み出した時、
「うわあああぁぁ!」
男が恐怖に耐えかね背を向けて逃げ出した。そのため男は気づけなかった。女の足が僅かに震えていることに。そして、男の姿が消えたのを確認した直後女が膝から崩れ落ちる。
「はぁっ……はぁっ……はっ……」
重いダメージを負った腹部に手をあてながら荒い呼吸を整えようとしている。
「ぎりぎり……だったわ……」
女のダメージは根深く最後の一人が諦めず向かってきていたならばそのまま敗北していたかもしれない。足がいまだ震えているがふらつきながらもなんとか立ち上がる。
「……この程度の数でやられかけるようではまだまだね……」
女がここに来た理由は依頼を受けたことの他にもう1つあった。それは自身の鍛練を行うことである。実戦こそ最良の修業法と考えているが故、無茶を承知で一人で出向いてきたのだった。
また、女は好きだったのだ。圧倒的に不利な状況を自らの力で覆し逆転することが。
「ふふ、しばらく忙しくなりそうね……」
面子を完全に潰されたギャング達の力は弱まるだろう。だがそれゆえ、元凶たる女に何としてでも落とし前をつけようとするはずだ。
今後しばらく退屈することはないだろう。女は不敵な笑みを浮かべながら動く者がいなくなった倉庫から立ち去ったのだった。
以上です。
お目汚し失礼しました。
力作お疲れさまでした!
次はやられる所を見たいところですね
乙ですどのゲームのリョナ動画を見ていたのか気になります
乙
嘔吐のとことか興奮した
ただ、やっぱやられて欲しかったな
いつやられるのかなーと思いながら見てた
>>927
デスバイディグリーズって鉄拳のスピンオフゲーですね↓の動画見てちょっと書きたくなりました
https://www.youtube.com/watch?v=OBtHrTXypB0
>>926 ,928
やっぱ敗北エンドの方が好きな人多そうですね
続き書く気が出ればそんな感じにしようと思います
そして今更見返してみて抜けてる部分があることに気づきました……
あんま問題なく繋がってるんであんまり気にしないでいいかも
>>922 と923の間です 以下本文
「げほっ……今日で一番効いたわ……やるじゃない」
「こ、この女……!」
これでいよいよ残る男は3人となり、みな手傷を負っている。数の優位が薄くなり、10人以上を打ち倒した女の強さに恐怖を抱く。
とはいえ女もただでは済んでいない。何発もの打撃を受けた顔や腹部、胸部、ガードに用いた腕や脚など全身の様々な箇所が赤紫色に変色している。
体中がかいた汗で濡れたようになっており何本も髪が顔に張りついている。汗を大量に吸った服は女の見事なスタイルをより強調し、奇妙な艶かしさを見せていた。
「はぁ……はぁ……どうしたの……?休憩の時間かしら……?」
数では男達の方が優位のはずだが、精神的には既に女が優位となっていた。じりじりと距離を詰める女に対し下がっていく男達。
「全く……こんなボロボロの女相手に何を怯えているの?今なら……勝てるかもしれないわよ?」
女の挑発に言葉を返さない、返す余裕もないのだった。すると女は突然構えを解く。
「もういいわ。やる気がないのだったら見逃してあげるからさっさと……」
ガタンッと扉が開け放たれた。
台詞の途中だったが思わず女がそちらを振り向く。男達もだ。
「急に来いって言われたから急いできてみたが……どういうことだこりゃ」
ガラの悪い男達が新たに4人倉庫に入り込んできた。どう見ても一般人には見えない。間違いなくギャングの仲間達だろう。
「お前らなんでここに……」
「突然応援がいるとか連絡がきてちょうど近くにいたもんだからよ」
全員での乱戦が始まる前に応援を呼ぶよう指示された男はどうやらやられる前に連絡をいれていたらしい。
心配性な男の保険は残った男達にとっての福音となり、女にとっては重い現実となる。
「で、このエロい女は何者だよ」
「こいつに仲間がみんなやられたんだ。油断するな」
状況は1対7へとなった。さきほどと異なることは女が初めにこの状況と直面した時と比べダメージを大幅に負っていることだ。
「……人気者は辛いわね」
女は再び構えをとった。絶望的窮地のはずだが、闘志が衰えている様子は見えない。
「こいつ……まだやるつもりか」
「もう一度同じことをすればいいだけでしょ。あなた達こそ逃げなくていいの?」
「……この状況でその口をきける根性は認めてやるよ」
新たに現れた男達の目からしても肩を大きく上下させる女の消耗は明らかであり、女に勝ち目があるとは思えない。
「ご託はいいからかかってきたらどう?」
「だったらお望み通りぶっ飛ばしてやるよぉ!」
夜の倉庫で壮絶な第2ラウンドが幕を上げた。
GJっす!勝つか負けるかの際どい戦いはハラハラ感が股間にきますね
自分も敗北展開見てみたいです
瞳の奥の漁火〜女をいたぶる狂気の女〜
↑
これで検索したら良いリョナ小説が出てきたよ
最近はこれ読んでるわ
瞳の奥の漁火〜女をいたぶる狂気の女〜
↑
これで検索したら良いリョナ小説が出てきたよ
最近はこれ読んでるわ
ゲニ子の剥製の話が個人的にストライクだった。
是非、続きの下半身が配達される話が読みたい。
新年あけましておめでとうございます。
ノエルの人です。
2018年元日にぎりぎり間に合いましたので投下します。
ストライク・ザ・ブラッドより
姫柊雪菜と煌坂紗矢華の敗北陵辱SSです。
passはryona
ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1428473.txt.html
お楽しみいただけたら幸いです。
ではでは
あけましておめでとうございます。
ノエルの人さんにお願いがあるのですが
だいぶ前に上げていたシャナとアスナのssを見てみたいので
また上げてもらうことは可能でしょうか?
ありゃもう消されてたか
>>936
pixivの方にあがってるよ
探してみ
銀魂の神楽のssを書いてみました。
ss自体初めてなので、おかしなところがあるかもしれないし、リョナも微妙かもしれません。
神楽は、見覚えのない部屋で、椅子に座らせていた。手足は鉄の枷で拘束されている。周りには不思議な機会がたくさんあり、見覚えのない人たちが、こちらを見ていた。
「ようやく目覚めたか。夜兎のお嬢さん。」
「ここはどこアルカ?突然眠らせて、こんなところまで連れてきて一体何の用アルか?」
「坂田銀時と志村新八は、ここから離れたところで俺たちの仲間に捕らえられている。お前が少しでも抵抗するなら、あいつらを殺す。お前がこれから受ける拷問を全て耐えきったのなら、あいつらを解放しよう。」
「はぁ? なんで銀ちゃんと新八が?弱っちい新八はともかく銀ちゃんがお前らのような奴に簡単に捕まるわけないアル!」
「睡眠薬入りの酒を飲ませて酔っ払わせて眠らせれば簡単なことだ。それでは始めようか。」
ある冬の日の朝、銀時は電話である依頼を受けた。それはターミナル前のビルでその日一日中行われる立食パーティーに出席する事。そこに招かれているとある会社のお偉いさんの護衛として男性2名がパーティーに出席するだけで、かなりの額のお金がもらえる大変割りのいいものだった。
立食パーティーということで神楽も行きたがったが、見た目だけは美少女である神楽を連れて行くことはできないため、帰ったら焼肉に行くことを約束して渋々納得させたのだった。2人が出かけてから、神楽が酢昆布を買いに駄菓子屋に行こうとしたところで、後ろから1人の男に薬を嗅がされ気を失い、
目覚めたら見覚えのない場所で拘束されていたのだった。
神楽への拷問が始まった。
神楽の椅子の前に、金属の太い棒が吊るされた装置がセットされる。男たちがボタンを押すと、金属の太い棒が神楽の腹部に直撃した。
「うっ…かはっ」
たったの一撃で夜兎の頑丈な体でも、わずかに胃液を吐き出すほどの強い攻撃力。それが何発も、神楽の腹部を攻撃した。
「がふっ!うぐぅ!ごはっ!あぐっ!うゔっ!」
次第に吐き出す胃液の量が多くなり、やがて内臓が傷ついたのか僅かに胃液に胃が混ざる。30発を超え、腹部への攻撃が終わった頃には、チャイナ服の腹部の部分は破れ、そこから見える皮膚は痣で紫色になっていた。
「…はぁっ…はぁっ…うっ…次は…なにアルカ?……」
休む間も無く腹部を攻撃され続けて、息もできなかったため、息は上がっていて、内臓のダメージのせいか時々、苦しげにうめく。しかし彼女への拷問はまだ終わっていなかった。
とりあえずここまでです。
いかがでしたでしょうか?
皆様からの反応がよろしければ、続きを書くので、評価、感想おねがいします。
あやねもやってほしいという感想があったので >>912 の続きであやね編も書いてみました
煌びやかな夜の繁華街を、紫色の影が通り過ぎてゆく。
影の正体は、齢二十にも満たぬ忍びの少女であった。
名をあやねという。
背中の赤いリボンが目を引く、胸元が強調された忍び装束。
装束から伸びる長い脚。
年齢相応の若々しさと妖艶さを内包した顔立ち。
そして何より、歩く度に微かに揺れる、年齢不相応に大きな胸。
紫色の忍び装束もまた、彼女の白い肌と相まって、その抜群のプロポーションを強調する。
丈の短いスカートが歩く度に揺れ、細かなレースで彩られた下着が見え隠れする。
男の劣情を煽る要素をこれでもかというほどに詰め込んだその衣装は、当然の如く悪い虫を引き寄せる誘蛾灯となる。
「ねえねえお嬢ちゃん、俺と一緒に飲まないかい?」
「邪魔よ」
だが、どんな男が寄ってこようとも、あやねは意に介さず冷たい言葉を投げかける。
今宵の彼女の目的は、人間の男ではない。
そうしてあやねは、歩いているうちに目的地にたどり着く。
「……ここね」
彼女の目的は、繁華街の外れの路地裏、その最奥に存在していた。
あやねはコンクリート製の壁の前に立ち、小声で何かを呟いた。
一瞬の後、壁の前の空間が裂け、異空間への入り口が生成される。
「行くわよ」
あやねがその空間に躊躇いなく飛び込むと、裂け目は塞がり、路地裏には元の静寂が訪れた。
異空間の中の空気は、酷く生暖かく、そして湿っていた。
床も壁も天井も、何もかもが肉で出来たその悍ましい空間は、ただ歩くだけでも不快感を与えてくる。
数分歩くと、床や天井に人影が見えてくる。
「気味が悪いわね……」
正確には、人だったものの影といった方が正しいだろう。
無残に犯された女の死体が、あらゆるところに散在している。
そのほとんどが美しい顔立ちの若い女、それも体つきから見るにスポーツ経験者、あるいは武道経験者であろうことが予想できた。くノ一やハンターらしき死体もある。
あやねの得た失踪情報通りだ。
「強い女を選り好みしてるって訳かしら」
あるものは吊るされ、あるものは乱雑に打ち捨てられ、またあるものは壁に張り付けられている。
選り好みといいシチュエーションと言い、まるでシリアルキラーの部屋だ、などとあやねは考えながら、さらに足を進める。
いずれも腐っている様子はない。部位を欠損した身体が勝手に再生しているところを目撃することもあった。
(永遠に楽しむための仕組みって訳ね……胸糞悪いわ)
歩いているうちに、あやねは魔神の気配を感じ取り抜刀する。
そうしてあやねは、ターゲットを視界に収め立ち止まった。
「……それは返してもらうわよ」
ターゲットの怪物が一心不乱に腰を打ち付ける”それ”――肉人形に変わり果てたかすみの姿に目を背けそうになりつつも、あやねは怪物に刃を向ける。
あれほど憎んでいた女であっても、こんな姿を見てしまえば同情の一つも沸いてくるものだと、姉の無惨な姿を見てあやねは思う。
あやねの殺気に反応した怪物がかすみを乱雑に投げ捨て、欲望を秘めた表情であやねに向き直る。
それを合図に、あやねは怪物の方へと駆けだした。
――かつて殺したいほどに憎んでいた姉を弔うべく。
「やああッ!」
覇気を込めた叫び声。
(まずは四肢を切断する)
その判断のもとに、あやねは速度を乗せて跳躍し、怪物へと迫る。
元人間だろうと、手加減はしない。
カウンター狙いのパンチが飛んでくるも、あやねは空中で身を翻し、易々とそれを躱す。
後隙のフォローとして飛んでくる触手を斬り捨て、妖術を以て焼き払う。
そうしてあやねは一撃、二撃、三撃と刀を振るい、体勢が崩れた怪物の腕を根元から切断する。
怪物の腕が轟音を立てて地面に落ち、怪物の咆哮が辺りに響き渡った。
僅か一秒にも満たない攻防であった。
だが、あやねに余裕はない。
かすみの実力は知っている。油断や動揺もあっただろうが、そのかすみが何もできないまま敗北したのだ。
実際、今の攻防であやねも傷を負った。落とし損ねた触手が、脇腹を掠めたのである。
「ぁ゛……ッ」
痛みには慣れているあやねですら声を漏らすほどの激痛が、傷口に走る。
どうやらあの触手には、傷口の痛覚を増幅する作用があるらしい。
(こんなの情報に無かった……まさか進化してるの……?)
長期戦は不利になると判断し、あやねは怪物の首を落としにかかる。
手数が多い一方で攻撃力のないあやねでは、全ての四肢を落とすには時間がかかる。
だが首にさえ攻撃が通れば、一撃でこの怪物を倒せる。
この怪物は抜け目ないが、動きそのものは自分よりはるかに遅い。
触手が迫る前に首を落とす。そう判断し再度疾駆する。
触手が機能しにくいクロスレンジに潜り込み、あやねは妖力を込めて刀を振るった。
だが――
「きゃああああッ!?」
甲高い悲鳴と共に、あやねの身体が宙を舞い、次いで肉の壁に激突した。
一瞬意識が飛んだあとで、あやねは何が起こったかを察した。
(反応された……?さっきよりも早く動いたのに)
反射による反応か、あるいは予測か。この怪物は目で捉えられぬ速度を以て目前に迫ったはずのあやねを、的確に捉えて打ち払ったのである。
「それならっ!」
再度作戦を変更し、邪魔な手を斬り落としにかかる。
二本の刀による剣舞。あやねの才能とたゆまぬ努力によって、不可視の域にまで高められた連撃を見舞う。
「はあああああああああああっ!!」
紫の剣閃が迸り、斬撃音が空間に響き渡る。
「……うそ、でしょ」
一瞬の静寂の跡で、絶望を滲ませた声であやねが呟く。
「ぜんぶ……対応……された……?」
途切れることのない連続攻撃の中、類まれなる動体視力を以て、あやねは剣舞の全てを防がれたのを目撃した。
動揺によって生まれた隙を、怪物は見逃さなかった。
触手があやねの身体に巻き付き、その豊満な肢体を締め上げる。
「ぎゃぁああッ……ぁああああああああああああああああああああーーーーーーーーーッ!!?!」
痛覚増幅作用が全身に行き渡り、あやねの絶叫が響き渡る。
息を全て吐き出し、悲鳴が止まると共に触手はあやねを開放する。
解放と共に地面に叩き付けられた衝撃で、あやねは呻きながら仰け反った。
胸を包む装束がずれ、抑えを無くした胸が仰け反りとともに激しく揺れる。
スカートが捲れ上がり、レースの下着が露わになる。
怪物を誘惑するそれらの要素が、責め苦をさらに加速させる。
怪物は触手を硬質化させ、あやねの腹や胸を殴打する。
怪物からしてみれば、軽く触るのと同等の力を込めているに過ぎない。
実際、これらの攻撃で骨は折れていないし、せいぜいが少し出血する程度である。
忍びのあやねにしてみれば、この程度の衝撃は日常茶飯事の筈だ。
しかし、痛覚が増幅されれば話は別だ。
事実、何でもない筈の攻撃で、あやねは泣き叫んでいる。
「あああああああああああああああああああああああぁあああ〜〜〜〜ッ!!!」
怪物は進化の過程で、嬲り殺すという行為を覚えたのである。
(このままじゃ……)
焦りつつも、痛みには抗えない。
忍びであれば、痛みには慣れているものだ。
あやねとて、痛みに耐える訓練は何度も行った。死の危機に瀕したこともある。
だが今彼女に襲い掛かっている痛みは、今まで体験したことのないほどのものであった。
「ひぐ…ぅ…っ……ぁあああああああっ!!」
触手に殴打されるたびにあやねは身を捩らせ、だらしなく舌を出しながら泣き叫ぶ。
「はぁ……はぁ……ッ……ぁああッ……」
喘ぎ声を漏らしながら、あやねはなおも悶え続ける。
だが、どれだけ無残な姿を晒そうとも、あやねの瞳には闘志が残っていた。
「ぅ……ぁあああああああああああああッ!!」
痛みのあまりショック死しそうになりながら、あやねは悲鳴混じりの叫びを上げる。
そうしてあやねは、力を振り絞って怪物の目に短刀を投げつけた。
「Ghaaaaaaaaaaaaッ!!!」
眼球を貫かれた怪物が絶叫し悶え、触手の動きが止まる。あやねはその隙を見逃さなかった。
「終わりよ……ッ!!」
そうしてあやねは、眼球から短刀を引き抜き、続けざまに怪物の首を切断する。
胴体と首とが泣き別れになった怪物が、血を吹き出しながら地面に倒れ込む。
その様を見て、あやねは安堵の息を吐いた。
「終わった……」
あやねは痛む身体を引きずって、先程投げ捨てられたかすみの身体に近付く。
次の瞬間、あやねの身体に衝撃と鋭い痛みが走った。
「え」
一瞬、何が起こったか分からないと言った様子であやねは自分の胸元に視線を向ける。
「うそ」
唇から消え入りそうな呟きが漏れ、次いで鮮血が溢れ出す。そうしてあやねは現状を理解し、そうして絶望した。
死んだはずの怪物の触手が、自分の心臓を貫いている。
痛みと絶望、そうして致命傷を受けたことによる身体機能の低下が、あやねの身体を震わせる。
「ぁ……ぁあ……」
死ぬのだ。自分はもう助からないのだ。ただ死ぬのではない。自分はあの怪物に犯し尽され、最後の最後まで嬲られ、そうして死んで、死んだ後も犯され続けるのだ。あやねは理解した。
その確信が、あやねの精神を完全に壊した。
「いやぁ!!」
突き刺さった触手はそのままに、無数の触手があやねの身体に巻き付いていく。
後ろを見れば、先程死んだはずの怪物が、首を再生させながら蘇生していた。
人の体躯を保っていた先程までとは異なり、肉塊を思わせる姿へと変貌した異形の怪物が、そこにはいた
先程とは比較にならないほどの数の触手をこちらに伸ばしている。
痛覚は未だに増幅されている。触手の全てが、あやねをじっくりと甚振らんと待ち構えている。これから起こることを予想したあやねは、巻き付いた触手に引き込まれながら絶叫する。
「うわああああああああああああああああああっ!やだ……痛いのやだぁ!助けてぇ……っ!死にたくない!助けっ……だれかぁ……っ はやてさまぁあああっ」
退行を起こしながら愛する者の名を呼び、助けを求める。
されどその声には誰も応えない。
「はやてさま たすけ――」
そうしてあやねは、無数の触手に飲み込まれる。
触手の塊からはみ出した足がびくんと痙攣し、数刻の後に脱力する。
触手の隙間から漏れ出す喘ぎ声も次第に弱まり、最後には聞こえなくなった。
やがて触手があやねの身体から離れ、その亡骸が地面に落下する。
乳を下品に揺らしながら肢体をびくびくと痙攣させるあやねの下に、血だまりが出来ていく。
怪物は触手を以てその亡骸を再度犯し始め、かすみの身体を引き寄せ同様に別の触手で犯し始める
姉妹揃って無惨な死体と化した二人を死姦しながら、怪物は満足げな唸り声を上げる。
触手が運動するたびに揺れる肢体は、まるで乱雑に扱われる玩具のようであった。
以上です。
乙です
うぷ乙!!
KOFのユリちゃんが蒙古雷撃弾(キン肉バスター)股裂きで敗北するSSを書いてみました
某所に投稿したものを一部追記・修正したものです
サウスタウンで発生した暴動事件から1年。
極限流道場・龍神館へ1人の男性が訪ねてきた。男の名はテムジン。故郷の子供達を養うべく、日本まで出稼ぎにきたモンゴル相撲の使い手である。
彼の目的は莫大な賞金のかかった格闘技大会・キングオブファイターズの対戦相手であるリョウ・サカザキへの挑戦であった。
しかし、リョウが修行中で不在のため残っていたのは妹のユリ・サカザキとその門下生数名のみであった。
門下生は成す術もなく倒されてしまい、勝ち誇ったテムジンは語る。
「リョウ・サカザキは逃げたんダスな。あのMrBIGに勝ったにしてはとんだ期待外れダス、極限流とやらも大したことはなかったダスねえー」
「待ちなさい、極限流と私の兄を侮辱することは許せません!私が相手です」
立ち去ろうとするテムジンの前に立ちはだかったのはユリ。胴着の下にチューブトップの青い下着と対になるようにレオタードショーツとタイツを穿いていた。
「お嬢ちゃんにワシの相手は無理ダス。見逃してやるからとっととリョウの奴を連れてくるんダスな」
「私はリョウの妹にしてこの道場の師範代代理、ユリ・サカザキ。極限流が戦いを挑まれて逃げたと思われるなど心外です。かかってきなさい!」
「こんな女子供まで戦いに駆り出されるなんて世も末ダスね。邪魔するつもりなら、容赦はしないダス!」
ユリとテムジンの戦いが始まった。1年前の事件以来極限流を学び、修行に明け暮れていたユリは果敢に挑み、一進一退の攻防を繰り広げたように思えたが、いかんせん女性ゆえの力不足。
鍛え上げられたテムジンの鋼の肉体には決定的なダメージを与えることができなかった。
「驚いたダス!ただのお嬢ちゃんではないみたいダスな。けんど、投げ技のほうはどうがね!?モンゴリアン・スルー!」
打撃戦ではやや劣勢に立たされたテムジンはユリの腰帯を捕まえると、後方に向かって放り投げた
素早い身のこなしで辛くも受け身をとるユリだが、体勢を立て直す間もなく次の攻撃が襲い掛かる
「蒙古斧振肘」 「きゃあっ!」
テムジンの肘打ちをまともに喰らってしまい、大きくよろめくユリ
「よくここまで頑張ったでが、そろそろ勝たせてもらうダス。死なねぐれに決めてやるべしゃ!」
そういうとテムジンはユリの首根っこを左腕で捕獲し、右腕を腰に回していく。そのまま大きく持ち上げると、腰に当てていた腕で彼女の右太腿を押さえつけ、左腕で反対の腿も押さえつけた。
テムジンの必殺技・蒙古雷撃弾の体勢である。
高々と掲げられたユリの肉体は、首や背骨、股間などをしっかりと極められている。胴着の裾は捲れ上がり、両足を大きく広げられたためレオタードショーツとタイツの食い込んだ太腿、股間、お尻が丸見えになってしまう・・
「きゃあっ、何て破廉恥な技を! 離せ!離しなさい!」
「そうはいかないダス このまま勝負を決めるダス!」
ギリギリギリギリ・・・
「ぐがあぁぁ・・・! ぐううぅぅぅ・・!」
テムジンが両腕に力を籠め、ユリの股を引き裂きにかかる・・・
「早く降参しないとお前さんの股は裂けてしまうダスよ」
「こ、これぐらい何ともありません・・」
ユリの身体は股割りやY字開脚ができるほど柔軟でそう簡単にはやられなかったが、両脚の可動域を超えて広げられようとしていた・・
ギリギリギリギリ・・
「ぐっ・・うぐううぅぅ・・」
歯を食いしばって股裂きに耐えるユリ
「流石によく鍛えているみたいダスね しかし雷撃弾の恐ろしさはこんなもんではないダスよ」
そう言うが否や、ユリを担ぎ上げたまま勢いよくジャンプ!
ドスン!!!
テムジンが床に勢いよく両脚をついた瞬間、その衝撃が駆け巡りユリの首と背骨と股関節に甚大なダメージを与える。
ブチ!ブチ!ブチ!ブチ!
「きゃあああああああぁぁぁぁ!!」
ユリの身体がいくら柔軟とはいえ、2人分の体重で両脚を勢いよく引っ張られる力には耐え切れず、太腿の筋肉が数本千切れる音がした・・
「もう一度忠告しとくダス 早く降参してしまうダス」
「い、嫌です 極限流の誇りにかけても 負けるわけには・・いかない・・!」
テムジンが2回目のジャンプ! ズダァァーン! グキグキ! ブチブチブチブチ!
「あぎゃああああああぁぁぁ! い、いだいいいいぃぃぃ 股が・・股がぁぁぁぁぁ!!」
技に耐えていたユリもついに音を上げて、道場中に響き渡る悲鳴を上げる
「ああぁぁぁ! い、いやぁぁぁ さ、さげちゃうぅぅぅぅ 股が裂けちゃうぅぅぅぅぅ」
痛みと恐怖が極限に達したユリはもはや降参することも忘れて言葉にならない喚き声をあげることしかできなかった・・
降参の言葉を聞けそうにないと判断したテムジンは今まで以上の高さに舞い上がり、両脚ではなく尻餅を着いて着地した
両脚で緩和されない落下の衝撃は既に満身創痍のユリの全身へ伝達されて・・・
グギィッ!ベキベキベキ! ブチブチィ! ボグンッ!ボグンッ!
「あっがあああああああああぁぁっぁぁっぁぁっ!!!!!!!」
今までの比でない激痛に襲われ、絶叫するユリ
立て続けの雷撃弾でヒビと裂傷だらけの頸椎と腰椎が粉砕され、両の股関節が脱臼する音が響く・・
ユリの股は完全に引き裂かれ、限界以上に開かれた股間からは小便が漏れていた・・
「あ・・あ・・・」 ドサアッ
全身の骨を砕かれたユリの身体をテムジンが投げ捨てる。
全身をぴくぴくと痙攣させ、口からは涎を垂らし、首は90度以上に折れ曲がり、太腿はおびただしい内出血でパンパンに腫れ上がっていた
タイツもろとも引き裂かれた股からはじょろじょろと黄金水が流れ、床を濡らしていく・・
テムジンが去り、リョウがようやく戻ってきたときには残されていたのは変わり果てた妹の姿であった・・・
すぐに病院へ救急搬送され、緊急手術が行われて辛くも一命を取り留めたが、
頸椎腰椎損傷に加えて両の股関節脱臼、大腿四頭筋裂傷、その他多数の内臓損傷と生きているのがやっとの状態で、格闘家としてはもはや再起不能であることは誰の目にも明らかであった。
「ユリ・・ユリ・・・!」
自分たちの不在のために家族が一生消えない身体と心の傷を負ってしまったことを激しく後悔するリョウであったが、昏睡状態のユリにはもはや兄の声も届いてはいなかった
このキングオブファイターズの大会中、彼女が再び目覚めることはなかったという・・
GAME OVER
乙です
GJ
初めてSS書いてみたけど導入部で既に力尽きた…。 皆すごいな。
題材はDOAです。
「おぶっ! げっ…げぶおぁあ!」
四方を金網に囲まれたリングに、
苦悶に満ちた悲鳴と水音が響く。
後に続く掠れた息は下卑な歓声に呑み込まれて漏らした当人の耳にも届かなかった。
腹を押さえ、口の端から唾液の糸を引き蹲るのは、黒い革素材で作られた、チャイナドレスを彷彿とさせる扇情的なデザインのドレスを着た女だ。
年はまだ若く、どこかコケティッシュな印象を与える整った顔立ちで、男を魅力するには十分な美貌だ。
もっとも、今は涙と吐瀉物にまみれて見る影もないが。
「おいおい、天才拳士って触れ込みだったのにこの程度かよ。」
蹲る女を見下ろすのは、見る者が見れば実戦によって鍛え上げられた事が伺える筋骨隆々な肉体を持つ、濃厚な暴力の気配を漂わせた男である。
「あぐ…、待っ…。こ、降参…! ひぎゅぅ!!」
男は女の首に腕を廻し、締め上げる。
「地下闘技場に降参は無えんだよ。 お前も御大層な名前の大会によく出てるじゃねえか。
まあ、お前みたいなのが生きてるってことは本当に生死問わずってわけじゃないみたいだがな。 」
止めの瞬間への期待に観客の興奮が一気に高まる。
若い女が相手だからか、殺せ、よりも犯せといった野次が多く飛び交う。
「今日はメインディッシュがまだだからな。 こいつはお前らにくれてやる。 死体で良ければな。」
男は野次にそう答えると締め上げた腕に徐々に力を込める。
「や…だ…ぁ……。 助け…て」
「死ね。」
「え゛っ…!!」
ボグッ、とくぐもった音と同時に女の首から力が抜け、口からだらりと舌を垂らす。
2、3度痙攣すると女の股関から小水が漏れた。
「はっ、雑魚が。」
男は完全に動かなくなった女の体を無造作に蹴りつけ、観客の方へと向いた。
「これはお前らにやるよ。 次の試合までの暇潰しに使ってくれ。 俺はしばらく休憩だ。」
男は金網の扉を開け、女の死体を観客席へと放り投げると、リングから降りる。
その視線の先に小柄な人影が現れる。
十代後半の、いまだ多分に幼さを残した容姿の女だ。
少女と言ってもいいだろう。
胸元と脚部が露出した、着物のような青い衣装を着ている。
女の色香と少女のあどけなさが絶妙な均衡で調和している。
「よう、霞。 次はお前がああなる番だぜ。」
観客達に群がられ、陵辱されようとしている死体を眺めながら男は言った。
霞と呼ばれた少女は僅かに眉をひそめると、男に対し冷然と言い放つ。
「あなたに私は倒せない。」
それを聞いた男は嬉しくて堪らないといった表情だ。
「ははっ! 期待してるぜ!」
突如、桜の花弁が舞い散り、霞の体を覆い隠す。
花弁が吹き散ると、既にそこに霞の姿はなかった。
男はそれに特に驚いた様子を見せず、退場していくのだった。
カスミフルボッコ期待
イイネ
>>948 続き
霞がこの地下格闘大会に参加したのは、行方不明になっている兄、ハヤテの手掛かりを探してのことだった。
大会運営に関与している男が、兄らしき人物の身柄を押さえているとの情報を掴んだ。
罠の可能性は濃厚だ。
しかし、霞は迷わずにその虎口へと飛び込んだのだった。
「切り抜ける!」
一瞬の精神統一を終え、少女の顔は闘いを生業とする者のそれへと切り替わった。
男と霞は金網に囲まれたリングの中央で向かい合う。
開始の合図と同時に仕掛けたのは霞だ。
「やああああっ!!」
目にも止まらぬ速度で、手刀、掌底、回し蹴りと打撃の嵐が男を襲う。
霞は先ほどの男とレイファンとの試合を観察していた。
男の重量のある打撃は一撃でもまともにくらえば致命打になりうる。
あるいは組技にしても、一度捕らえられてしまえば、遥かに体格で劣る霞は脱出は不可能であろう。
ならば霞の採る最善手は一気呵成に攻め続け、反撃を許さず倒しきることであった。
一発、二発と男の防御を掻い潜り、霞の打撃は数を重ねていく。
霞の速度は確実に男を捉えている。
だがしかし、
(手応えがない!)
いくら体格差があろうと、速度の乗った打撃を受けて全くのノーダメージというのはありえない。
(打点をずらされている…?)
そのことに思い至った霞は戦慄した。
尋常の技量ではない。
この男の実力は、或いは彼の超忍にも比肩しうるかもしれない。
しかし、だからこそ攻め手を緩めれば敗北は必至。
霞は上段回し蹴りからの勢いを利用し、男の間合いの中へ流れるように体を低く潜りこませる。
そして起き上がりと同時に、視界外から顎を狙った直上への蹴りを放つ。
だが、ほぼ必殺のタイミングで放たれたそれを、男は事も無げに最小限の首の動きだけで避けてみせた。
(読まれてた!?)
霞が不覚を悟り体勢を戻すよりも早く、男は足首を掴み、そのままのし掛かるようにテイクダウンを狙う。
霞は不利な体勢のまま50kg以上の体重差があるだろう大男をはねのけることは出来ず、前後に開脚した状態のまま押し倒される。
忍者としての鍛練によって得られた柔軟性のお陰で股関節や脚の健への深刻なダメージは無いが、もはやまともに身動きは出来ない。
男は口元に嗜虐的な笑みを浮かべると、空いた方の腕でおもむろに霞の腹部へと拳を打ち下ろした。
「おぐっ!」
薄い腹筋はかろうじて男の拳を止めたが、その衝撃に霞は小さな悲鳴をあげる。
>>951
「いきなりとどめじゃあ面白くないからな。 いい声で鳴いてくれよ?」
男は打ち下ろした拳を再び上げ、霞の腹部へと突き刺す。
一発。
「……っ!」
二発。
「うっ!」
三発。
「ふぅっ…!」
四発。
「はっ、あっ…!」
徐々に大きくなっていく打撃音に比例して、霞の悲鳴も大きくなっていく。
五発。
「あばぁ!!」
遂に霞の腹筋は耐えきれず、防御の役割をなさなくなる。
六発目。
それまでの打撃と違い、男は体重を乗せて打ち込んだ。
男の拳は霞の柔らかな腹部に深々と沈み込む。
「げぼぉお!!」
霞の口から吐瀉物が噴出する。
男は突き刺さしたままの拳から痙攣する霞の腹部の感触と体温を楽しんだ。
一頻り少女の内部を堪能した男は、あっさりと掴んでいた手を放し、立ち上がった。
「ほら、おしまいか? チャンピオン。」
「あ…。 あ、ぶえっ…。くっ! はぁ、はぁ…!」
男の嘲笑混じりの問いかけに、霞は気力を振り絞って立ち上がり、吐瀉物に汚れた口元を拭う。
無理矢理にでも呼吸を整え、震える膝に活力を送る。
(負ける訳にはいかない…!)
霞の瞳に未だ折れない闘志を見た男は、満足気に息を吐いた。
「頑張って立ち上がったところ悪いんだが、お前じゃ俺には絶対に勝てねぇんだ。 」
霞は男の言葉には取り合わず、猛烈な連撃をかける。
その速度は並の格闘家では捉えることすら難しいだろう。
しかし、男はその全てを住なし、捌き、避けていく。
霞は勝負に出た。
中段への四連続手刀突き。
男の防御に僅かに綻びが見えた。
霞は男の顔面目掛け、体ごと宙返りしつつの蹴り上げを仕掛けた。
霞の代表的な技であり、決まれば屈強な男すらダウンさせられる大技である。
だが、その華麗な蹴り技は、何も捉えることがなかった。
先ほどのが誘いの隙であると理解し、空中にて己の失敗を悟る霞。
目まぐるしい攻防の中に生じた一瞬の空白にて、着地後のリカバリーを頭の中で瞬時に組み立てる。
しかし、予期していた着地の衝撃は足裏に訪れなかった。
霞は自分の豊満な胸の谷間に、男の膝が挟まっている光景を見た。
自らの状況への理解が及ぶよりも先に、男の足の甲の感触を下腹部に感じ、霞の口から胃液が吐き出された。
「ーーーーっ!? ーーーーっ!!」
うめき声すら出せずにえずく霞を脚に乗せたまま、男は語りかける。
「実は俺にはパトロンが居てな。 DOATECに伝手のあるおっさんなんだが…。」
>>952
男の脚から霞の体がずり落ち、
崩れ落ちる霞の側頭部に回し蹴りが叩き込まれる。
霞は受け身もとれず吹き飛ばされ、5、6度リングの上を回転し、金網に激突して止まる。
「お前と同じ顔の女を何十人も用意してくれたよ。
いい練習相手になったのは3人目くらいまでだな。
お前の手の内は全部割れてるんだよ。」
霞は深刻なダメージを負いつつも、まだ意識を手放してはいなかった。
(ここで負けたら、兄さんの手がかりが…!)
立ち上がろうとして、その度に失敗し這いつくばる。
「 パトロン様はオリジナルのお前が欲しいんだと。
殺しはしないから安心しな。」
いつの間にか近づいていた男は、
霞の首を掴んで持ち上げた。
「うっ……。」
「ただ、少しくらいは観客にサービスしないとな。」
そう言うと男は霞の装束の胸元を暴いた。
羞恥と酸欠で赤く染まる霞の頬を満足気に眺めながら、その発育の良い胸を鷲掴みにし、乱暴に揉みしだく。
柔らかな感触を十分に楽しんだ男は、首の締め付けを強めつつ、今度は薄布の隙間から秘部へと指を這わせる。
霞は朦朧とした意識の中で逃れるように身を捩るが、それは抵抗と呼ぶにはささやか過ぎるものだった。
男の指使いは的確に霞の弱い部分を責め立て、霞の体は徐々に闘いの高揚以外の熱を帯びる。
「こっちの弱点もよおく知ってるぜ。
お前よりもお前の体に詳しいかもな?」
「い…ゃ…あ!」
霞は己の体が望まぬ快楽に苛まれるのを、ただ耐えることしか出来なかった。
だがそれも長くは続かず、ついに責めに屈し絶頂を迎えた。
「ふあああっ!! かはっ…あっ…!!」
ビクビクと痙攣する手足に、男の顔は愉悦に染まる。
「さて、物足りないがこれでおしまいだ。
俺の雇い主の所に案内してやる。」
霞の虚ろな瞳には男の姿が映ってはいたが、その声は届いていなかった。
まだ導入だったというオチ
この後はガチ猟奇展開にしたいけど表現力的に無理かも知れない
クローンスレを見て、こんな話書きたいな〜と思ったけど文章にするの難しいです
何か改善点とかあればよろしくです
ワイtecガチ猟奇は苦手
僕は猟奇も好きだからばんばんやってくれい
【リクエスト】
KOF
ルガールに敗北した舞をテクノブレイクで果てさせた後に剥製にされるSSをお願いいたします
どうもいつぞやEsのリョナSS書いた人です
宣伝で申し訳ないんですがPixivの方に投稿してみましたのでよければどうぞ
加筆修正とかはほぼしてないんですけど挿絵つけました
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9380180
ノエルの人です
新作を投下しましたのでこ報告いたします。
アルカナハートよりペトラの電撃処刑ものです。
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9404848
お楽しみいただけたら幸いです。
>>956 のようなリクエストも下記にて受け付けておりますので、お気軽にどうぞ
ttps://odaibako.net/u/brutalcocoon
男児向けアニメの女の子キャラって可愛いよねっていう心を表現してみました
V Fight 1
プロ格闘家同士のプレイ動画から爆発的な人気を博する事になったVR対戦格闘ゲーム「V Fight」
中学生未満の電脳化規制のお陰で最寄りのゲームセンターに導入されてから僕がプレイする事が出来るようになるまで丸1年かかってしまった
初プレイから半年、格闘技教本を参考にしたイメージトレーニングを重ね、今では店内ランキング30位にまでなった
ちなみに全国ランキングでは32044位だ
今日もらった今月のお小遣いの8割を早速銀色の硬貨へと替える
と、そこへ背後から悪戯っぽい笑みを含んだ声をかけられた
「やっほー、トシアキ君。 今日もお姉ちゃんにボコボコにされに来たのかな?」
振り向くと、アイドルのような可愛らしい顔だちに、からかうような表情をうかべた女の子がいた
1つ年上の幼なじみ、ミサキ姉だ
彼女は僕より1年早く「V Fight」を始めており、経験の差はいかんともしがたい
だがしかし、いつまでも勝てないままでは男の子のコケンに関わるのだ
「今日こそ勝つし。 ミサキ姉こそボコボコにされて泣かないでよね。」
結果から言うと惨敗だった
10戦10敗だ
ミサキ姉は店内ランキング1位、付近の中学校では「V Fight女王」といわれている
「いやー今日も楽しかったなー。 悪いねー、お姉ちゃんめちゃくちゃ強くて!」
ミサキ姉は実に嬉しそうな表情だ
未だ白星をあげられない僕は悔しさを堪えて努力に勤しむ
「今日はもう終わり! 練習するからミサキ姉は帰って!」
「何よう。 邪険にすることないじゃない。 練習なら付き合ってあげるよ?」
ミサキ姉はこう言うが、どうにかお断りしたい
ミサキ姉のアバターの衣装は制服をモチーフにしているが、露出が激しく、動く度に短いスカートがヒラヒラとしてパンツが見えるは胸は揺れるはで、こちらとしては落ち着かないことこの上ない
「V Fight」のアバターはプレイヤーの実際の身体を反映しており、ミサキ姉の中学生にしては発育のいい身体は、健全な男子中学生にとって毒以外の何物でもないのだ
ミサキ姉の申し出を無視して一人でプレイを開始する
そして、ステージ6をクリアしたところで、目の前に
ーNEW CHALLENGER!!ー
の文字が
乱入されたみたいだ
一人で練習したかったが、上達には対人戦も大事だ
ステージが変わり現れた対戦相手は高校生くらいだろうか
うっ、少し不良っぽくて怖い
だがVRではアバターこそ現実の容姿と同じものの、実際の身体能力は反映されず、選んだタイプによって若干の差異があるだけで皆ほぼ一律のキャラクター性能になる
高校生が相手だって勝てないことはない
V Fight 2
結果から言うと惨敗だった
しかも対戦相手は格下相手になぶるような立ち回りをする少しマナーの悪いプレイヤーだった
たっぷり死体蹴りもされた
これだから不良は嫌いなんだ
初めて見る顔だし、普段はもっと遅い時間帯にこのゲーセンに来ているのだろう
不良だし
それか遠征というやつだ
関わってもろくなことはない、今日はケチもついたしもう帰ろう、と思ったところで、ミサキ姉が怒りの声をあげた
「何よ、あれ! 気分悪い!
トシアキ君の仇はあたしがとってあげる! ボッコボコにしてあげるんだから!!」
どうやら女王様としてはマナーの悪いプレイヤーがお気に召さなかったらしい
僕としても悔しいことは悔しいので、この辺りで一番強いミサキ姉の活躍にちょっと期待してしまった
高ランクプレイヤー同士の対戦と聞きつけ、辺りに他のプレイヤー達も集まってきた
対戦が始まる
開始早々ミサキ姉は流れるようなコンボを仕掛けるが、相手もそれを最小限のダメージでやり過ごす
中々上手い立ち回りだが、やはり相手が悪かった
ミサキ姉から主導権を奪えず、相手はストレート負けし、僕は少しだけ溜飲を下げる
「へっへー! どんなもんよ!
トシアキ君、お姉ちゃんのこと見直した?」
V Fight 3
はしゃぐミサキ姉の向こう側、対戦相手がヘッドセットと電脳コネクターを外して立ち上がり、回りの仲間達から
「女の子に負けてやんの!」
等とからかわれているのが見える
面白くなさそうな顔をしつつも、カバンから何か取り出し、筐体につないでいるのが見える
レギュレーション変更やステージ追加等の拡張プログラムを適用する為の機器だろうか
そういうのもあると聞いたことがあるが見るのは初めてだ
準備が整ったのか、向こうから声をかけられた
本来連続してのプレイは好まれないが、不良っぽい見た目の連中に注意する勇気のある人間はこの場にいなかった
「おい、もう一回だ!」
「ふん、何度やっても同じよ。」
ミサキ姉は呆れたように言い捨てながらも律儀に受けて立つようだ
二回戦目が始まる
再びミサキ姉のコンボから対戦がスタートしたが、初見ではないためか、相手は余裕をもって対処していた
そしてコンボ後の硬直に合わせて小さくパンチを打ち込む
「きゃっ!!」
観戦用のスクリーンに映し出されたゲーム内のアバターからだけでなく、リクライニングソファのような椅子に座ってプレイしていたミサキ姉の方からも小さな悲鳴が漏れた
スクリーンの中のミサキ姉は殴られたところをさすり、驚きの表情を浮かべている
「さっきインストールしたのは軍の訓練プログラムを元に作られたやつだ。
痛覚のフィードバックと体力ゲージの撤廃が出来る。
お嬢ちゃんは実際に殴り合いの喧嘩をしたことはあるか?」
俄に嗜虐的な雰囲気を漂わせ、対戦相手は得意気に言った
「な、舐めないでよ! 食らわなければ痛みなんて関係無いわ!」
ミサキ姉は対戦を再開するが、動きにやや精彩を欠いている
先程殴られたのが思いのほか精神的に効いているようだ
もちろんバーチャルなので実際の身体に影響は無いが、殴られれば痛いとわかってしまうと身構えてしまうのだろう
逆に対戦相手は痛みなど怖くないのか、むしろ今までよりも動きが良くなっている
ミサキ姉は宣言通り有効打は一発ももらっていないが、ガードの上からでもダメージがあるのか、攻撃を食らう度に小さくうめき声をあげる
ミサキ姉は主導権を握れず、一回戦目とは完全に立場が逆転してしまっている
このままではジリ貧と思ったのか、ミサキ姉が勝負に出た
ゲージ全てを使ったスペシャルムーブだ
派手なエフェクトを纏い高速で連続攻撃を仕掛けるミサキ姉
しかし、対戦相手もほぼ同時にゲージを消費してのスペシャルムーブを行った
V Fight 4
後から発動した方には攻撃判定は無く、相手の攻撃を相殺するだけの行動で、プレイヤーの間では産廃システム扱いされている
しかし、一つだけ利点がある
スペシャルムーブ後の硬直が無いのだ
つまり、
「ごっ!? ごぶぅぇぇえっ!!」
確定カウンターがとれる
スクリーンの中には腹に突き刺さった腕を驚愕の表情で見つめるミサキ姉
現実のミサキ姉は椅子に横たわり、腰を跳ね上げて暴れていた
数秒の間身体を椅子に叩きつけるように暴れて、筋肉が緊張したままなのか、ビクビクと痙攣を続けている
ミサキ姉のアバターは蹲り、動かない
対戦相手はそんなミサキ姉の横腹を蹴りつけて転がす
「あがっ! あ、あ、ぁぁ…。」
もはや立ち上がる気力すらないのか、ミサキ姉は涙を流し浅い呼吸を繰り返すだけだ
対戦相手はミサキ姉に馬乗りになり何度も拳を叩きつける
「ぎゃっ! いぎっ! や、やべ、やべで! 痛い! いやあぁあ!」
現実の椅子の上ではヘッドセットの間から涙を流し、涎を垂らしながら身を捩るミサキ姉が叫び続けている
普通ならばとっくにKOになっているはずだが、ゲームは終わる様子をみせない
開始前にインストールされたプログラムで体力ゲージが無くなっている為だ
「ひゅー………ひゅー……も、もうごうざん、降参……するがら………もうやめでぇ……。」
「ごめんなお嬢ちゃん。 降参とかないんだわ。」
先程軍の訓練プログラムを元に作られたと言っていた
バーチャルリアリティーでの最大の利点は実際の肉体には全く傷がつかないことだ
軍に利用されているということは、ゲームの終了はつまり、
「じゃあな。 最高に楽しかったぜ。」
死亡判定である。
ベギャッ!という音をたて、スクリーンに映ったミサキ姉の頭部が柘榴のように踏み潰される
椅子に横たわった現実のミサキ姉は身体を弓なりに跳ね上げ、一、二度小さく痙攣すると、糸が切れたように脱力した
見ると失禁して気を失っているようだ
ゲームが終了し、対戦相手達はやかましく帰り支度をしていた
「やー、女の子思いっきりなぐるの最高だわ!」
「うわー、サイテーだよお前!」
「マジ鬼畜!」
「おい見ろよ、あの娘ションベン漏らしちゃってるよ!」
「ギャハハハ、マジ!? ゴメンねー、弟君あとヨロシクー!」
周りの人達は何も言えないまま気を失ったミサキ姉を見つめている
気を取り戻した僕はミサキ姉をゲーム筐体から移動させたり、涙と鼻水と涎で汚れた顔を拭いたり、コンビニで替えの下着を買ってきたりした
流石に僕が着替えさせはしなかったが、意識を取り戻したミサキ姉が独りにしないでと泣いてしまったので、女子トイレにまでついて行ったのは中々気まずいものがあった
これ以来ミサキ姉は「V Fight」を引退してしまい、僕以外の男性を若干恐がるようになってしまった
ミサキ姉にとってはトラウマになる事件だった
しかし、僕は自分の中にある性的嗜好を自覚してしまった
為す術なく蹂躙されるミサキ姉を見て、はっきりと興奮を覚えてしまっていたのだ
僕に対してだけは以前とあまり変わらない態度で接しているミサキ姉を見ながら、絶対にバレないようにしないとな、と思うのであった
>>959
ベリーナイスなSS!
子供向けアニメのお姉さんキャラって健康的なエロスがあって素晴らしいよね
そういう明るいお姉さんがトラウマの影を負っちゃう末路、可哀想でたまらない!
脚が自慢のレースクィーンの太ももを残酷に拷問したい。特に商売道具だから激しく抵抗するだろうがレースクィーンの衣装のまま十字架に固定して柔らかい内腿に針金を突き刺す事から。まずは左脚から。1本づつゆっくりと。
このレースクィーンは最近DVDも発売した紗弥である。紗弥は抵抗しようとするが有針鉄線で手首と太もも、膝、足首を固定されているので肉に食い込み少しも動くことができない
太ももから流れる鮮血は脚をつたり白いロングブーツまでも赤く染めた
紗弥の前に大きな姿鏡が置かれた。レースクィーンの脚が無惨に切り裂かれていくのを紗弥自身に見せるためだ。
透き通るように白く、バレーボールで鍛えられはりのある右太ももに対し、拷問されている左太ももの傷が対照的である。右太ももの太さが測られた。45センチ。どうやら左太ももの肉を削いで何センチになるか測るようだ。
紗弥の目からは大粒の涙がながれる。それはとてつもない左太ももの痛みと十字架に縛られている自分の姿とかわりはてた左太ももを見てである。男達からこの拷問がまだまだ始まったばかりで本当の苦痛は今からが本番であることが告げられた
紗弥は拷問されてる自分をみて昔の事を思い出していた。紗弥は拷問されるのは初めての経験ではなかった。高校時代に何度かバレーボールのユニフォーム姿で今回と同じような拷問を繰り返しされてきた。他校の男女生徒に狙われていた。当時、高校生ながら紗弥の地元ではアイドル的な存在だった。春高バレー時でもある成人雑誌の話題のまとで、その美脚はしばしば投稿されていた。
紗弥は思った。今、自分を拷問してるのは顔は隠しているが、まちがいなく高校時代に紗弥の太ももをいたぶった人達だと。あの時の苦痛は今受けている事とは比にならないくらい苦しかった。今の苦痛がはじまったばかりなのが理解できた紗弥の予感は的中してしまった。拷問部屋に今まで紗弥に苦痛をあたえていた男達よりもふたまわりは大きな男が入ってきた。かきらかに以前、紗弥の太ももを噛みちぎった男だ。
体の大きさもさることながら、手に持っている有針鉄線の巻かれた鞭は忘れる事のできない苦痛があった。男はイスにすわって他の男達に拷問をうながした。
拷問の本番が始まった。しかし紗弥の左太ももはすでにボロ雑巾のようだ。綺麗ままだった右太ももに電極につながれた有針鉄線が巻かれた。
強烈な電流が紗弥の太ももに流れた。痛みに悶える紗弥の太ももに有針鉄線が電流を流しながら食い込んでいく。流がれる血が電流で焼ける。白い太ももが焼ける。
容赦なく紗弥の右太ももに鞭がはいる。電流の痛みと有針鉄線と鞭の痛み。
>>959 いつの間にか良作が投下されてたな、GJ!
金的ファイターを助けろと何度言ったら分かるんだ?
DOAが題材ですが>>948 とは関係ないです
行方不明となった兄・ハヤテの足跡を追い、僅かな手掛かりからDOATECが運営母体と噂される地下格闘大会へと行き着くかすみ。
DOA第一回大会優勝者として大会運営から迎え入れられたかすみは、大会に参加しつつも情報収集を続けていた。
今夜はDOATECの重要人物も観戦に来るらしい…。
逸る気持ちを落ち着ける為、試合前の瞑想に耽る。
そこへ控え室のドアをノックする音が響く。
「邪魔するぜえ〜、かすみちゃぁん。」
返事を待たずに開けられたドアから入ってきたのは、今夜の対戦相手であるはずの大男であった。
「あなたは…。 一体何の用ですか?
試合前に…。」
「ひひ、いやな、あれだけ大勢の前だと勃つかどうか不安でな。 俺は小心者だからな。
試合前にゆっくり"味見"しようと思ってな、うひひ。」
「…っ!」
かすみが参加している地下格闘大会は非合法の大会である。
ルールは一つ、武器の使用は認めない。
裏を反せば、それ以外は黙認されるということだ。
例えば、今画面に映っているリングでは、男装の麗人だった美しい女がかれこれ1時間程凌辱され続け、とうとう悲鳴すらあげられずにうずくまったまま動かなくなった。
確か彼女は弟を人質に取られ、優勝すれば解放するという条件で参加していた。
かすみから見てもかなりの使い手だったはずだが、相手の方が上手だったらしい。
たった今頭を踏み潰されて絶命した。
この大会ではレフェリーが存在しない。
女として尊厳を踏みにじられようと、既に闘える体ではなかろうと止める者はいない。
リングに上がればギブアップか、殺すか殺されるしかないのだ。
どうやら大男は、かすみの若く極上の肢体をゆっくりと堪能したいらしい。
大男は無遠慮に劣情をぶつけるが、かすみは僅かに眉をあげるだけだった。
「はぁ…。」
そうした欲望にさらされることには決して慣れている訳ではないが、ある程度は想像していた通りである。
小さく溜息を吐くと、かすみはファイティングポーズをとった。
彼には不戦敗となってもらおう。
そう見切りをつけるや否や、かすみは忍術を発動し、一瞬にしてかき消え、大男の背後へと現れた。
必殺の意志を乗せた手刀が大男の首筋に到達する寸前で、その手刀は力を失った。
何が起こったのか理解できないかすみだったが、胃から登ってくる喉を焼くような痛みを知覚した。
「げぶぉぉぉおっ、おごっ、おっ!!?」
盛大に胃の内容物を撒き散らし、かすみは混乱する頭で何が起こったのか必死に把握しようとする。
「消えたら後ろに現れる。
ニンジャはワンパターンで助かるぜえ!」
大男の後ろ蹴りがかすみの腹に深々と突き刺さっていた。
「ーーーーーーーっ!!
ーーーーーーーっ!!」
かすみはえづき続け、一撃で継戦能力を奪われたことを悟った。
相手の力量を侮った訳ではない。
しかし、捉えられなければ完封できると思っていた。
一流の闘士達を退け続けた実績が、僅かな、慢心とも呼べぬ程の小さな油断を生んでしまったのだ。
己の未熟を悔いた一瞬後、頭を蹴り飛ばされ、パイプ椅子と長机に勢いよく突っ込む。
頭を切り、流れた血が目に入ったのか片方の視界が赤く染まる。
(こんな…ところで…。)
悔しさと無念に苛まれたかすみは、自身をいきり勃たせた大男が歩み寄るのを虚ろな目に映すのだった。
>>967 続き
「あっ! あんっ、あっ、うわあぁぁぁ!!」
大歓声が轟く地下闘技場からやや離れた控え室に少女の矯声が響く。
己の3倍の体重はあろうかという大男に容赦なく責めたてられ、瑞々しい肢体を蹂躙され続けるその少女は、既に抵抗する力を失っていた。
身動きができない程きつく抱き締められ、自らの秘部に抽送される男根にしか思考を割けない少女には、かつて世界的な格闘大会を制した凛々しい面影は無い。
生まれてから16年と数ヶ月が経つ今の今まで、かすみは霧幻天神流当主の血筋として、箱入り娘として育てられた。
当然男性経験などあるはずも無い。
そんな生娘には、大男のサイズはいささか大き過ぎるのだろう。
行方不明の兄を救うという意志も既に砕かれかけていた。
「ぶひっいひ、ぎ、気持ちい゛い゛よ、かすみちゃあん!」
大男は一際速く腰を叩きつけ始めたかと思うと、既に10回目となる膣内射精をした。
「ふぐぅっ!? う、うう…。」
かすみは子宮が焼けるような熱さに体を震わせる。
「お、お、お、うおおぉう。 まだこんなに出るとは、お前のは本当に最高の肉壺だぜ。」
大男は無理矢理かすみの秘部に男根を捩じ込んでから、初めてそれを引き抜いた。
子宮のある辺りが僅かに膨れる程中出しされ、かすみの秘部からは精液が逆流し溢れ出そうになる。
「おっとっと、こぼすんじゃねえぞ。」
大男は溢れる前にかすみの膣穴をシールのようなもので塞ぐ。
「そろそろリングの清掃も終わるか…。 よし、次はその可愛いお口でしてもらうぜえ。」
「あぼっ…。 むぐ…。 ごえ…。ごぼっ…。」
未だ満足していなかったのか、大男はかすみの頭を両手で掴み、男根をかすみの口に捩じ込み、前後に動かす。
「おっ、で、出る…!」
大男は自らをかすみの喉奥まで突っ込み、直接胃に流し込むように射精する。
「ーーーーっごぼっ、おごえぇ…。」
かすみはそのまま一体何度目になるかもわからない射精を受け止め、吐きそうになりながらも、先程の戦闘での嘔吐で空になった胃を大男の精液で満たしていく。
「う………。 うぅ…。」
「吐くんじゃねえぞ、かすみぃ。 これから出番だぜ?」
そう言うと大男はかすみの三つ編みを無造作に掴み、引きずりながら控え室を出て、地下闘技場アリーナへと入っていく。
>>968 続き
闘技場の大画面には先程までのかすみの凌辱劇が再生されていた。
大男は会場の熱気に片腕を挙げて答えると、かすみをリングへと投げ入れ、自らもファイティングポーズをとり、試合開始を促した。
ゴングがなり、かすみは震える膝を押さえて立ち上がると大男を見据えた。
「おっ、まだそんな顔ができるのか。
いいぜ、かかってこい。」
かすみは返事をする気力すらもったいないとばかりに無言で一気に距離を詰め、今自らが放てる限界の手刀突きを繰り出した。
「何だこりゃ。 スロー過ぎて欠伸がでるぜ。」
大男は苦も無くかすみの手首を掴むと、そのまま卵でも潰すかのように握り潰した。
「ぎゃあぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」
かすみの喉を絞るような絶叫はすぐに中断された。
「おぶろっ、ぶぼっ、げぼげぼげぼげぼっ!!!!」
大男の正拳がかすみの胃に叩きこまれたのだ。
精液しか入っていなかった胃は大男の拳によって潰され、逆流した精液がかすみの口から大量に吐き出された。
よろよろとコーナーポストへと寄りかかったかすみは、既に敵が目の前へと迫っていることには気づいていない。
大男は踏み潰すようなケンカキックをかすみの下腹部へと突き込む。
ぶびゅう!
ぼびゅっ!
ぶぶぼっ!
ぶぷっ、びゅう、びゅ、びゅう!
ぶぽぽ、ぶぴゅ。
ぼぷっ、ぼぷっ、ぼぷ。
大男の蹴りとコーナーポストに挟まれたかすみの下腹部は潰され、膣口から大量の精液が噴き出す。
「あーあ、こんなに出しちゃって。 もう一回注ぎ込んであげるからね。」
大男はそういうと、背面座位の体勢でかすみを犯し始めた。
「っ……。っ………。 ………。」
焦点の合わない視線を虚空に投げ掛け、かすみは為すがままにされ続ける。
大男はかすみの首にチョークスリーパーのように腕を廻すと、ピストン運動を激しくする。
「一緒にイこうねぇ、かすみちゃん。」
大男は絶頂する寸前腕に力を込め、かすみの首を鈍い音を立ててへし折った。
「うお、締まるぅ…。 ぶふぅ、最高だったよ、かすみぃ。」
今日何度目かわからない射精を、痙攣しながら男根をきつく締め付けるかすみの中に放つと、満足そうに呟くのだった。
上にも下にも注ぎこんでからゲロとお漏らしさせたかっただけの話です。
興奮した
素敵
あー、昔のことはイジらないでよ。
ちょっと、んー…若気の至りと言うか、世界が思ってたより広いって知らなかったのよ。
地元じゃ私に勝てるような男もいなかったし。
え? 初めて負けた相手? んー…誰だったかしら…。
あ、多分リュウよ。
あいつったら容赦ないのよ。
お腹思いっきり殴られて胃の中のもの全部吐き出したわ。
吐き気でフラフラしてたら今度は波動拳直撃させるし。
あれで吐き癖がついちゃって、しばらく戦う度にゲロ吐いてたわね。
昔はそれほどビデオカメラが普及してなかったのが救いね。
あと平気で顔殴るし。
ボッコボコにされたわ。
1週間くらい食べ物はまともに食べられないわ、血尿が出るわで大変だったんだから。
でもそのお陰で自分はまだまだだって気がつけたわ。
それからホンダ!
あいつにも酷い目にあわされたわ。
何よ百烈張り手って。
あたしのパクり?
ほら、脚より手の方が速いじゃない?
それで滅多打ちにされて、鯖折りで両腕折られて、それでもまだ絞めるの止めなかったのよ?
それでまたお腹絞めつけられて…。
あー、本当、未だにあたしのゲロがー、って言う人いるのよね。
もう早く忘れて欲しいわ。
ノエルの人です
エアガイツのティファでリョナいの書きましたので投下しておきます。
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9570282
挑発に乗ってカウンターパンチ打ち込まれてたところをみて、
やっぱり女の子が一瞬でめちゃくちゃにされる様は最高だな。
>>973
抜きました
闘神伝 ソフィア(S、3Pカラー)vsソフィア(2、2Pカラー)
「あん! あんっ! ああんっ!!」
白一色の無機質な空間、その中央のリング上で、ソフィアは途切れることのない攻撃を浴び続けていた。
鞭打たれ、足蹴にされるたびに、ソフィアは艶のある喘ぎ声をあげる。
上段から鞭を叩きつけられ、ソフィアの体がぐらつく。
つま先が腹部に突き刺さり、体を折ったところで、今度は胸部を蹴り上げられて大きくのけ反る。
その横っ面を後ろ回し蹴り(ウィンドミル・キック)で撃ち抜かれ、ソフィアはリングの床になぎ倒された。
闘いというにはあまりにも一方的な蹂躙の様子は、リングを取り囲むように設置された多数のカメラに記録されていた。
白いバトル・コスチュームをまとったソフィアは、【被験体3号】というコードが与えられた個体であった。
そして、被験体3号を一方的に痛めつけているのは、彼女とよく似た容姿の女だった。
【被験体4号】のコードが与えられた個体は、ライトブラウンの髪をポニーテールにまとめ、朱色と橙色を基調にしたコスチュームをまとったソフィアだった。
鞭やキックが被験体3号にヒットするたび、その衝撃で、豊満な乳房や長いポニーテールが不規則に揺れる。
被験体3号の白いコスチュームは、オリジナル・ソフィアと同じ従来型の設計であったが、被験体4号のコスチュームは、新型のものが採用されていた。
上半身のデザインは、材質が一部変更されたものの基本的には従来型のものを踏襲していたが、
下半身には前後に垂が追加され、足元もニーハイブーツからシンプルなデザインのハイヒールに変更されていた。
従来型ソフィアのコスチュームは、SMの女王様を強くイメージさせるようなボンデージスーツ風のデザインであり、挑発的な色香を放つものであったが、
新型ソフィアのコスチュームは、フォーマルなドレスのような要素も取り入れられており、エレガントな色気を感じさせるものに変更されていた。
被験体3号の鞭や足技はことごとく防がれ、避けられる一方で、被験体4号の攻撃は面白いように決まり、次々と被験体3号を打ちのめす。
その様子は、ジェラード財団の会議室にライブ中継されており、その会議室には、ジェラード財団の主要幹部が召集されていた。
「この性能差。確かに、パワーもスピードも、更に強化されているようですね」
スクリーンの正面に座る女の言葉に、何人かが頷いた。
出席者のほとんどが黒服を着用しているのに対し、この女だけが白銀の甲冑を装備していたが、
それが許されているのは、この女が、財団で最も高い地位にいるからに他ならなかった。
スクリーンには、足元を蹴り飛ばされ、リングの床にうつ伏せで倒れる被験体3号の様子が映し出されていた。
カメラが操作され、白いニーハイブーツがズームアップされる。
焦茶色のストッキング、大胆なハイレグ状のボディスーツ、緑色の長いポニーテールへと、被験体3号のボディを舐め回すようにカメラが移動する。
苦悶の表情が浮かぶ横顔が大写しになったところで、被験体3号は薄目を開けた。
片膝を立て、何とか立ち上がろうとしたところで、再び鞭打のシャワーを浴びる。
振り下ろされた鞭に首元を撃たれ、被験体3号は力なく崩れ落ちた。
リングの床に仰向けになった被験体3号を、被験体4号が前かがみの姿勢で覗きこむ。
サイド、カメラが切り替わり、被験体4号を正面からアップで映し出す。
図らずとも胸の谷間が強調されるような構図となり、会議室の視線が、被験体4号の胸部に集中する。
被験体4号のバストサイズは、被験体3号のそれよりも、より大きな闘気に対応するため、幾分か増量されているようだった。
「オーバードライブ・システムを適用したのですね」
甲冑の女が、白衣の研究者風の男に訊ねた。
「は。ご明察のとおりです」
満身創痍の被験体3号は、片膝を突き、なんとか立ち上がった。その足元はふらついており、鞭を構えるのがやっとの状態であった。
「改修による性能向上は、確かに目を見張るものがある。より強力な技も必要なのではないか?」
別の幹部の男が、白衣の男に意見を述べた。白衣の男は、その幹部の言葉に頷きつつも、端末機器にコマンドを打ち込んだ。
「まもなく、被験体4号のオーバードライブ・モードが発動します」
オーバードライブ・モードが発動し、被験体4号が、キラキラと輝く闘気を身にまとった。
被験体3号に向けて手招する被験体4号は、光の尾を引きながら加速し、次の瞬間――――。
「あん! あんあんっ! あんっ!!」
重い打撃音とともに、被験体3号の悲鳴が何度も響く。
「ああああんっ!!」
衝撃で体を折り、突き飛ばされて何度も床を転がり、リングの端でようやく停止した。
うつ伏せに倒れる被験体3号の無防備な背中を、被験体4号がヒールで何度も踏みにじったが、被験体3号の反応はない。
戦闘の継続が不可能なのは、誰が見ても明らかだった。
「オーッホッホッホッホ!」
白一色の無機質な実験場に、被験体4号の高笑いが木霊する。
被験体4号に実装されたオーバードライブ・モードの威力は、会議室に小さな波紋を生んでいだ。
その余波が残っているなか、別の白衣の男が、状況を淡々と伝えた。
「被験体3号、闘気残量5パーセントを切りました。生命反応低下」
「よいでしょう。ソフィア強化改修型の研究開発計画は、この実証試験をもって完了とします」
甲冑の女が、その美貌に似つかわしい優雅な口調で、満足の意を示した。最高幹部の言葉に、会議室の空気も幾分か緩む。
「ロールアウト待ちの改修型は、これを含めて何体ありますか?」
「ソフィア2型――強化改修型ソフィアは、この4号と5号が性能試験中、6号と7号もほぼ完成しております」
「わかりました。では、7号までの供用を認可します。被験体3号も、順次強化型に改修すること」
「承知しました」
「それと、廃棄待ちの被験体2号は、改修の素材に用いて構いません」
甲冑の女は、追加の指示を与えると、数人の腹心を伴って会議室を退出した。
その美貌が、野心と欲望で醜く歪んでいることに気付いた者は誰もいない。
「人間兵器開発プロジェクト…、思わぬ拾い物でした。せいぜい、組織の――ひいては私の糧になるのです」
甲冑の女――コードネーム【ウラヌス】は、かつてはジェラード財団の【四天王】と称されていた。
前回の闘神大武会で、クピードらがオリジナル・ソフィアに敗れ去ったことにより、組織の最高権力者となったウラヌス、その野望は、どこへ向かっているのだろうか。
(終)
どなたか鉄拳の風間飛鳥のリョナ小説書いてくれませんか?
ノエルの人です
こちら向きかどうか悩みましたが、まあまあリョナ要素も入れられたような気もするので……
BBTAGおよびRWBYよりルビーとワイスのSSです
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9693660
【リクエスト】
春麗敗北リョナ
【シチュエーション】
バルログに圧倒的な力の差で敗北
その後、薔薇の花弁が敷き詰められた部屋で春麗が壊れるまで犯し続ける
>>981
某所に投稿したものです
風間飛鳥-地元大阪では「おせっかいな喧嘩仲裁屋」と名の知れた格闘少女
その彼女は今、世界格闘大会 「The king of iron fist tournament」に参加していた。
対戦相手はメキシコ代表の覆面レスラー キング。
男数名を返り討ちにする実力をもつ飛鳥でも、世界に響く達人では分が悪かった。
「はあっ、はあっ・・」
息を切らし、汗を流し、試合で負った無数の打撲傷と関節痛に耐えながらも対峙する飛鳥。
対するキングは容赦なく次の攻撃に移っていた。
「ガシッ、ガッ!」左腕で彼女の首を、右腕を左太ももに回す。体力の限界の近い飛鳥にはヘッドロックのみで失神しかねない威力だったが、キングの狙いは別のところにあった。
そのまま彼女の身体を高く差し上げ、両手で両内腿をつかむとそのまま左右にこじ開けた。
「こ、この技は漫画で見たことある。48の殺人技、五所蹂躙絡みや!」
彼女の愛読するプロレス漫画の憧れすら抱いた技であったが、まさか彼女がかけられるとは予想もしなかっただろう。
大観衆の前で限界まで股を広げられて、ホットパンツで下半身をガードしているとはいえ、17歳の彼女には耐えがたい屈辱である。
心無い観客の興奮した歓声が響き、シャッター音まで聞こえてきた。だが彼女は恥じらう以上に危機感を覚えていた
「こ、この技は確か首と背骨と股がやられる技。早く脱出せんとあかん!」
そう思った彼女はまず首を外しての脱出を試みるが・・
「ふんっ、ふんっ! だめや、びくともせえへん・・」
首のフックが甘いと言われる技だが、それはあくまで人智を超えた超人同士の戦いで言えることであって、人間の女性の力では到底不可能であった。
次に彼女は両足首の反動でひっくり返そうとした
「えいっ、えいっ!」
100㎏近いキングの巨体をひっくり返せるはずもなく、爪先が空しく空を切る・・
「このっこのっ ええい離せえ!」
今度は固定されていない両腕でキングの背中にパンチやエルボーを加えるが、不自然な体勢で力が入らず覆面の怪物は微動もしない。
「フンッ!」 「ぎゃあああ!」
キングが両腕に力をこめると飛鳥の股関節に激痛が走り、思わず両手で股間を押さえてしまう。
180度の股割りができるぐらい柔軟な飛鳥の肉体でも、限界以上に絞り上げる技の威力には耐えきれるものではなかった。
「ハアッ!ハアッ!」 「あぁっ! うあぁっ!」
両足をつかんだまま、上下に揺さぶると反動で首と腰に電流の走るような激痛が飛鳥を襲う!
この大会はギブアップやリングアウトの認められずどちらかが力尽きるまで続くデスマッチであるため降参することすら許されなかった。
飛鳥の意識が遠のき始めると同時に、キングは飛鳥を抱え上げたまま空高く舞い上がった。
「嫌や、嫌や、やめてええええ!」
少女の悲鳴が響き渡ると同時に・・ キングが尻もちをつく形で、豪快に着地する。
ドォォォォオオオオオオオン!!!!!!!!!
着地の反動で飛鳥の首と腰が完全に押しつぶされ、限界以上に両脚を広げられて・・
ボギ・・ボキ・・ブチ・・ボックン
首、背骨、腰骨、鎖骨、両の股関節で 飛鳥の骨が――、飛鳥の関節が――
へし折れ、或いはヒビ割れ、或いは砕け散り、或いは千切れる音がリングにこだまする・・
「あ・・ぁ・・」
常識を超えた激痛に声すら出せず、全身を砕かれた飛鳥は白目を向き、舌が伸びて、涎を垂らしながらの意識は途絶える
彼女が病院で意識を取り戻したとき、KOされた彼女を映したテレビや新聞を見てしまった彼女は院内中に聞こえるような叫び声をあげたと言う・・
キング○ 風間飛鳥●
試合時間 3分24秒 決まり手 マッスルバスター
春麗の性格
「全てのオトコ(オンナ)たちは私の前にひざまずくのよ!!」
「フッ、対したことのないオトコ(オンナ)だわ。もっと強いオトコ(オンナ)はいないのかしら?」
「オンナだからって甘く見たわね。 残念だけど私は世界一の格闘家なのよ!!」
「アナタは所詮、私の敵ではないわ。」
絵スレと勘違いしてる?
以前こちらでEsのリョナSSを書いたものですが新しいのを書いてみました
オリジナルで長いのでPixivに投稿してます
楽しんでもらえればうれしいです
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9830894
このイタチの月読のシーンのカカシを女の子に代えてSSを書いてもらう事は出来ますでしょうか
http://m.nicovideo.jp/watch/sm22346181?uid=NULLGWDOCOMO&guid=ON&DCMPAKEHO=ON&cp_webto=pc_jump
お久しぶりですノエルの人です
久しぶりに首吊り失禁脱糞ネタを書きましたので、よろしければどうぞ
ダンまちの男装リューリオンです
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10009313
>>989
過去作を拝見させていただきました
素晴らしい
特にrwbyのは題材も合わせて私の好みでした
陵辱描写そのものよりも、その過程で敗北するキャラクターの描写に興奮します
ブレイクとヤンのリョナSSも観たいですね
オリキャラのssを書いてみました。眠いのでとりあえず途中まで。
2xxx年、世界は大きく二つの勢力に分かれて争っている。一つは発展した科学技術を使ってモンスターをつくりだし、それを使って地球を滅ぼそうとする人達、そしてもう一つはそれを阻止するためにモンスターを倒し、地球を救おうとする勢力だ。情報化、効率化が進み人の暖かさが感じられない世界に絶望、失望した人たちで作られた地球破壊軍団、そして比較的幸福な人々が多い地球を救う軍団、どちらの勢力も力が均衡していた。
地球を救う側の戦闘員で最年少にして最強と呼ばれる少女、桐生静香は暗い夜道を音を立てずに素早く走っていた。彼女は突然変異で生まれつき戦闘能力が普通の人間と比べ物にならないほど高い。特に優れているのは素早さで、目にも留まらぬほどの速さで攻撃しあっという間に敵を倒す。外見は長く艶やかな黒髪を持ち、手足はさらりと長く胸もそこまで大きくはないものの整った形をしていて、目は切れ長、鼻筋の通った和風美人であった。
名前の通り物静かというか無口で無表情な彼女の顔が、今日は珍しく険しか歪んでいる。というのも、敵のモンスターを作る巨大研究施設にたった1人で乗り込もうとしているのだ。どこにどんな罠があるのか、どれほど強いモンスターが控えているのか、全く分からなかった。
風のように進む静香の前にさっそく4体のモンスターが現れた。触手を持つモンスターが2体、毒針を飛ばすモンスターが2体。4対1というのは厄介だが、おそらくまだそこまで強くはない。
「はぁっ!やぁ!」
触手と毒針を全てかわし、回転しながら4体を一気に蹴り、高く飛び上がると上からくないを投げつけ、弱点に正確に刺していく。地面に降り、一体のモンスターの触手で手を拘束されるがそれを利用して振り回し、盾にして飛んだ方毒針を突き刺し投げ飛ばす。これで一体は戦闘不能だ。もう一度飛び上がり、残りの三体にくないを投げつけ、また回し蹴り、飛び蹴り。確実に敵の弱点を突き弱らせていくが、突然後ろから触手で体を拘束される。先を焦るあまり状況の把握ができていなかったのだ。
「うぅっ…く……かはっ…ぐぁ……」
そのまま全身を締め上げられ、苦悶の声を漏らす。なんとか触手から抜け出したが、だいぶ息が上がってしまっていた。そこに毒針が何本も飛んでくる。
「あっ!くっ!…っ」
全てを避けることはできず、数本刺さってしまう。
毒針の毒は、筋肉を麻痺させる神経毒、そして血液を正常に働かなくさせる毒の混合毒。普通の人間ならすでにかなりの重体になっているところだが、静香は僅かに呼吸をしにくくなり、体に力を入れにくくなるくらいで、それ以上攻撃を食らうこともなく無事四体のモンスターを倒した。しかし、この時に食らった毒がのちに彼女の命取りになるのだ…。
期待
若ギースにデッドリーレイプで蹂躙される不知火舞のSSをご検討願います
そういうスレじゃねぇからこれ!(こくじん風に)
次スレいつ立てる?
明日っていつの明日よ?
次スレ
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/37271/1541099498/
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