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「みんなーーっ! 乗ってるかーーっ! \(≧∀≦*)ノ」
知る人ぞ知る美少女アイドル、メリーちゃんこと叶野梨沙(かのうりさ)16歳
この冬に単独ライブを敢行し、彼女の吐息が白く煙るような寒空の下、笑顔と元気を爆発させ、ファンを熱狂させた。
しかし、彼女のきらびやかな笑顔の裏には……
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「お願い、します…どうか、私の………初めてを…もらって、いただけませんか……?」
責任感の強い彼女は、今まで支えてくれた両親や事務所の人たちに恩返しをするために、テレビに露出することを目標としている。
だが、テレビは弱肉強食の世界、彼女はそこに食い込んでいける武器もコネクションもない。ならば、手段は一つしかない。
某局プロデューサーの前で、彼女は慣れない敬語を使いながら、お気に入りのスカートを捲り上げてみせる。その手は、恐怖で震えていた。
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「コーチ、ご指導よろしくお願いします。もっと、もっと強くなりたいんです!」
名門女子バレーボール部の新しい部長に選ばれた彼女は、自分の苦手としているレシーブを強化するために、コーチから個人指導してもらうように頼んだ。
自分がチームを引っ張っていくのだという気概と、誰よりも上手くなりたいという情熱が伝わってくる。
チームとしての練習が終わってから、彼女は大声を出しながらコーチと一体一の特訓を始めた。
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「はぁ…はぁ……もう、限界、です……はぁ……」
レシーブ練習は何時間にも及び、次第に体力を奪われていく。
彼女はそれでも、遠くに放り投げられたボールをダイビングレシーブを繰り返していく。
しかし、コートの上に撒き散らした自分の汗に足をとらわれて、ついに彼女は倒れてしまう。
体操服が汗でびしょびしょになり、脱水症状を起こしかけているが、それでも止めないと彼女は言い張る。
なんとかして立ち上がるが、次に飛んできた豪速のレシーブを受け止めきれず、ついにダウン。救急車に運ばれた。
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「お兄ちゃん!早く行こうよ!」
大好きな兄と手を繋ぎながら、初詣に向かう妹。何をお願いしたのか兄が尋ねると
「えへへ……秘密」と舌を出しながらお茶目に答える。
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「お、兄、ちゃ……」
その翌日、大切な兄が不運の交通事故で死亡する。病院のベッドで静かに眠る兄を目にした妹は、もはや声をあげることもなく、しゃくりあげながら涙を流す。妹が神様にお願いしたのは、今年もお兄ちゃんの側にずっと居られますように、というもの。
「わたしが、悪い子だから……ばちが当たったんだ……」
その日から妹は、誰とも話さず、笑うこともなくなり、とても大人しく素直な、暗い少女になった。
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「うふふ……どこまで耐えられるかしらぁ?」
幾人もの勇者が挑むも、その全てが敗北を喫したと言われている、最強のクイーンサキュバス。どれだけ勇猛果敢な男であっても、二度と立ち直れなくなるまで弄び、恥辱的な目に逢わせる。
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「ば、バカ、な……!がはっ!?」
そのサキュバスを倒したのは、まだ色事も知らず、ペニスの皮も剥けていない幼い少年たち。「あはは、びくびくしてるおばさん面白ーい!」と、まるで道端の虫をいたぶるような残酷さで床に転がるクイーンサキュバスを蹴っていく。股間がもっとも反応することに気づいた少年たちは執拗に股間を蹴りあげ、サキュバスはもはや女として不能になってしまう。反応しなくなったサキュバスに飽きた少年たちは、そのまま放置して去っていく。サキュバスは気絶したまま、カラスの餌となった。
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「ごほっ、こほっ……まだ、私が……倒れるっ、わけには……げほっ、けほっ」
隣国で猛威を奮った流行り病が小さな村に襲いかかり、子供たちが次々と倒れていく。医者の数も限られていくなか、シスターは身を削るように看病を続けるが、ついに彼女の疲労した体にウイルスが感染。吐血していることも隠して子供たちを安心させようとするが、ついに彼女にも限界が訪れる。
「神よ……力及ばぬ私を、お許しください……」
十字架を握りしめたたま大量に血を吐き、倒れて、やがて動かなくなる。清純な修道服は自らの血と血便で汚れ、子供たちにも知られることなく、その命は消え果てた。
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「拷問?ふんっ、何されたって絶対に言わないよ!」
そう言い張るまだ二十歳に満たない女スパイにベテランの拷問官がしたことはあまりに意外であった。
「くひっ!……はぁ?くすぐりぃ?そんな幼稚くさい事で私が口を割るわけないでしょ?
こっちはスパイになるために散々辛い訓練受けさせられてきたのよ!」
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女子格闘技の女王を決める無差別級トーナメント。第一試合から早くも登場するお姉さん美女ファイターは経験豊富で美貌と実力を兼ね備えた歴戦の猛者でもある。177センチの長身から繰り出されるパワフルな打撃に加え、テクニックやサブミッションのスキルも併せ持つオールラウンダー。女王と呼ばれ、今回のトーナメントでも、当然、優勝候補の一角に挙げられていた。
初戦の相手は、先日デビューしたばかりの10代の新人ファイター。レスリング出身だ。身長156センチと、女王に比べ20センチ以上も小柄だ。ルックスはまあまあ可愛い方だが、圧倒的な体格差と経験差から、下馬評では女王にとっての噛ませ犬だと目されていた。
いよいよ両者がケージに囲まれたマットに入る。女王に慢心はなかった。しかし女王は新人相手の一回戦だからこそ、体格差と経験差が大きいからこその、負けられないプレッシャーを感じていた。セパレートのコスチュームに身を包んだ長身の女王と、スパッツと競技用シャツに身を包んだ小柄な新人。レフェリーの元に呼ばれてチェックを受ける二人は、あらゆる意味で対照的だった。
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煌びやかな鎧を纏った美しい姫将軍、戦地でも入浴は欠かさず髪は丁寧に編み込まれメイクもばっちり。
将としてはまるで無能だが、そこは箔付けのために入念にお膳立てされた戦。
敵との戦力差は圧倒的で億に一つも負ける要素など無い。
「つまらない戦いね、さっさと終わらせましょう……全軍前進、蹴散らしてしまいなさい!」
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「…そんなっ!この私が、なんでっ、こんなっ…」
負けるはずも無い戦は、敵軍の少女指揮官の巧みな用兵と驚異の奇策であっさりひっくり反ってしまった。
総崩れになった自軍は冗談のように各個撃破され瞬く間に壊滅。
まさかの大敗北で事態は一変、敵地に取り残され絶望的な逃避行を強いられる姫将軍。
敵の追跡部隊や落ち武者狩りの度重なる襲撃で僅かに残った手勢も失いたった一人逃げ惑うも、
ついに生け捕りにされてしまう。