したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

蜃気楼の街…………

1名無しさん:2015/03/25(水) 01:31:06 ID:???
ある真夜中のある森の中にひっそりと現れる、小さくのどかな町。
外からその姿を確認することが出来ず、何かに追いかけられたりして迷い込む形で偶然的に入るしかないらしい。
地図にも載っておらず、どこかの森の中としか情報がない不思議な町。
一説には、何もなかった場所に蜃気楼の様に突然現れる…とも言われている。
尤も、ここの住人はその入り方を知っている様だが…。

最近、ここの敷地が元の森に戻り始めるにつれて、建物が消え始めてきた。
…何でも、この地に関する記憶が薄れているから。だとか。
一度始まった崩壊は、周りを侵食するように広がっている……。
ばらけたジグソーパズルのような記憶の断片は、無造作に辺りに散らばっている…。


ここはそもそも、千年前に起きた大災害によって滅びた街。
その時の住人の想い出が時を超え、今に形を成したもの。
…今もどんどん風化しつつあるが、それは物語の終わりが近いことの証。

2メモリア ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 12:50:33 ID:???
あなたを、
……待っていた。

3メモリア ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 12:51:45 ID:???
ここに、わたし達のいるところにきた、ということは、
もう、いいの?
(…そこは、ロキや彼の知己達が暮らした家、その部屋の一角
 いつからそこにいたのか、まるでこの時を待っていた…と、ドアを開けてやってきた彼に問う)

覚悟、出来てる?

4ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2015/11/22(日) 12:52:20 ID:???
いいんだし。
ていうか、僕のことを心配できる場合なわけ?

…もう、始めないといけないんだったら…気にしてなんていちゃいけないし。
(そう応えるしかない
 彼は迷ったが、頭に浮かんだ答えはそれだった)

5メモリア ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 12:53:27 ID:???
……そう。
分かった、じゃあ…始めるよ。リオノアール。
(彼女が杖を掲げる、すると
 魔法陣が彼の足もとに現れ…)

6ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2015/11/22(日) 12:55:16 ID:???
………。
(足元に広がった魔法陣、それが少しずつ彼の体を霧散させていく
 彼の頭によぎるのは、ここにやってきてから今までに起こった様々な出来事
 走馬灯の如く思い起こされるのは、彼にとっての大切な思い出の数々
 まるで身体が機械的に、これから迎えようとする自身の終末から回避したがっているかのように、その方法を経験から導こうとしているかのように
 そして……)

……きみに逢えて、よかった。
僕は、ここで、きみに逢えて変われたと思う…
(頭の中に巡ってきた、彼女との大切な大切な記憶
 その胸に秘めた思いを吐露するように、ぽつりと呟き始め…)


今までありがとう、セフィラ……
もっと、一緒にいたかったし……

7メモリア ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 12:55:46 ID:???
……。
(魔法陣の上に佇んでいた彼の姿が、全て塵と化して消えた
 次いで魔法陣も消え…そこに残っていたのは、彼の魂の象徴とも言うべき、見る物全てを圧巻させる美しい黄色の宝石)

…これが、わたし達に行くべき過去への座標を示してくれる。
(ゆっくりとそれを拾い上げる
 見ていて溜息を吐きたくなるその美しさも、彼女の眼にはどこかくすんで見える
 何か未練でもあったのだろうか…でも、今はそんなことを気にしている場合ではない、そっと杖に語りかける)

父さん、…わたしと一緒に、戦ってくれる…?
(…少し間を置いて ああ、もちろんだ と声が頭に響いた)

8メモリア ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 12:58:19 ID:???
……
(深呼吸を一つ、覚悟を決める
 一人分の気配しかなくなった、その部屋の中
 杖の先を片手に持った宝石に軽く当てるようにして)

はじめるよ。リオノアール、管制能力一時全開放。
(そう彼女が呟くと、持っていた杖と宝石が手から離れ、)

座標確認、到達時刻測定、干渉開始…
(一つ一つ確認するように、ルーチンを読み上げる
 その言葉に従って段階が移っているのか、彼女の足元に広がった魔法陣もまた、大きく複雑な模様に展開していく)

9メモリア ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 13:05:18 ID:???
………わたしが、まもるから。
お母さん、お父さん、みんなの未来……わたしがまもるから。

演算過程省略、干渉終了、時空間展開、……遷移開始―――
(そう呟くと、魔法陣が一際強い光を放つ
 それに飲み込まれるように、彼女の身体はまるでそこに元からいなかったかのように、一瞬で消え去ってしまう
 …その余韻に、捻じ曲げられた時間の流れが小さな粒子となって、魔法陣のあった場所に現れ、消えた)

10 ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 13:16:49 ID:???
(誰もいなくなった、部屋の中
 …彼女が旅立って、少し経ったころだろうか
 まるで、テレビのノイズのように世界が歪むと、別の少女がまるでそこにずっといたかのように、部屋のベッドに腰をおろして頬杖をついていた
 シンプルな黒いワンピース、年齢帯は13歳程だろうか、スポーティショートな髪型の少女)

……また、この結論に辿り着いたか。何度目だろうな。
(闇を体現したかのような深く黒い髪をざわざわと揺蕩わせ、底の見えない暗く黒い瞳をその時の粒子に向ける
 無機質で、どこかノイズの入った声。所々二重に聞こえたり、音が飛んだりして聞こえにくかったりすらする)

11 ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 13:19:35 ID:???
筋書きが変わった…と、確か言っていたが。確かに…此度の結末は今までわたしが繰り返したものとは違うな。
存在が固着できず、不確定でノイズ交じりではあるが…こうして姿が現れる結末ははじめてだ。

今までは、彼女が旅立つと同時に…時間が【わたし】によって捻じ曲げられ、ループが完成した。
つまり、彼女が根源に勝てなかったことを意味する。
その未来にわたしは存在しない、だからわたしはその未来にはいられない、この結末に至る度何度も近い別の並行世界の過去へと飛び立って…
別の結末に至ることを期待した。
だが、今回も含め結果はいつもあの有様だ。今まで何度同じことを繰り返したか。いい加減自分の諦めの悪さに辟易するぞ。

12 ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 13:22:17 ID:???
…そういう意味で、これは今まで見てきた結末とは異なるな。
私が存在できる未来を、ここなら見られる…ということか?

今のところ結末は変わらない、だが…未来は確定していない、そういうことか?
あの結末に至った時点で、そこから先が過去に挿げ替えられ…それが長く引き延ばされてる感じだ。
奇妙なことになっているが………、まあ、それもいいだろう。

13 ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/22(日) 13:23:28 ID:???
…ああ、見れば…
今まで翻弄され存在をうやむやにされた者たちすら…私と同じ、不確定な存在としてだが再び行動できるようになったようだな。
……座標になったあの子も、未来をまもろうとしたあの子も、まるで何事もなかったかのように…
まあ、わたし自身こうしてはっきりと不確かだと言わんばかりの演出込みで現れることになるとは思わなかったが。
…わたしくらい、なのだろうな。他の子は問題ないようだ……

わたしもこうして独り言でも喋っておかないと、いざ意思疎通に問題が出たら困るからな。
さて、ちゃんと他の子と会話できるだろうか……感をつけておかないと。


彼らの起こした行動に干渉する力を、わたしは持つ。
これまでの結末では使えなかったその力を、今は行使できる…利用しろ、という思し召しなのか。
さて…折角だ、本懐を遂げるその時まで…今までと異なる不確かな未来を…少しの合間、楽しむこととしよう。

14九十九 ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/25(水) 02:11:04 ID:???
はー……
(ノイズのような乱れと共に現れる、最早彼女にとってはそれが日常と化していた
 何もないところにではなく、ベッドに腰を下ろした)

いきものとの交流は楽しいものだな…。
やはり、ただ見ているだけでは比べものにならない。
ああ……もっと、彼らに近づきたいものだ…ふふ……。
(ベッドに自らの身体を横たわらせる、ぎしとスプリングのきしむ音がした)

15九十九 ◆6hJ.d.Fmcw:2015/11/25(水) 02:12:34 ID:???
思い返せば…わたしもあの子がいたからこそ、こうしていられるわけだからな。
あの時あの子に出会い、そして【わたし】は確実にあの子を叩き潰した。そして……
【わたし】の内に取り込んだ先でのあの子の強い願いが、闇の中で埋もれそうになったわたしに語りかけてくれたからね。
皮肉にも皆の願望を叶えるものとして生まれるはずだったんだ…
歪んでしまいそうなところに最初で最後、あの子はわたしにその役目をさせたな。

その願いを叶えるため、わたしは【わたし】の中であの子の身体を模倣して、新たな身体を作った。
心も移し、そして…その身体が為す役割も与えた。
千年もの時を超え、そして【わたし】を倒すための切り札となることを期待して、な。ふふふ。

16九十九 ◆CNssssssss:2015/11/25(水) 02:13:15 ID:???
なあ、ケイオスより前に生まれしわたしの愛しの眷属よ。
『…私はずーっと、キミの事を見てるからね。ロキ君。』
……ふふふ。
(ノイズのかかったその姿、一瞬だけ別の誰かの姿が移りこんだような錯覚さえ覚える程
 …次の瞬間には、その場にはいなくなってしまっていた)

17名無しさん:2016/04/13(水) 01:07:49 ID:???
それは、何もない白昼の出来事だった。

まるで地の底から震えるような、産声と呼ぶには禍々しすぎるそれは
異能により栄え続けるはずだったこの街を、破滅の沼へ押し込んだ。

彼――ロキ・テスラがその咆哮に気付いたのは時を同じくして。
何も知らない者たちも含め、街にいた誰もがその災害の現れに、本能から恐怖を覚えたのと等しかった。
兄たちと共に住まう家で惰眠を貪っていた彼もまた、その怨嗟にベッドの上から叩き起こされたのだ。

何事かと彼が居間へ降りると、既にもぬけの殻であった。
寸前まで誰かいた気配もない…慌てて窓越しに屋外を覗き込んでみる。


それは紛れもなく 非日常そのものだった


慌てふためき、悲鳴を上げ、逃げ惑う住民たち。
例え転んで地に伏した者がいても、その身を踏みつけてまで何かから距離を取ろうとしている。
ただの獣が捕食者から逃げるのと何ら変わりない光景に、少年は異質なものを覚えた。

『ここで自分も逃げなければ、後からやってくる更にマズい何かに出くわすのではないか。』
本能がそう警鐘を鳴らす。
だが、迂闊に外に出てしまっては、体力に自信のない自分が襤褸雑巾になるまで踏みしめられると分かるくらい、冷静でもあった。

そうやって逡巡し続けた彼は、嫌に外の音が聞こえなくなったことに気づいた。

逃げ惑う人の声も、足音も聞こえない。
人気がなくなったことで流れる沈黙に耐えられなくなった彼は家から出て、住民たちが逃げてきた方向を思わず見て しまっ た。


それは、なんと禍々しい姿なのだろう。
それは、なんと醜悪な臭いなのだろう。
それは、なんと悍ましい気配なのだろう。

どろどろに蕩けたどす黒い球状のものが、申し訳程度に描いた目や口のような模様をぎょろぎょろと動かしながら、こちらに迫っていた。
歪な大腕を引きずるように、それ自体は浮いたまま、まっすぐこの大通りをこちらの方角に向かってやってきている。

まず、それを視た途端に全てがどうでもよくなってしまった気がした。
不思議なことに、ここで自ら命を絶っていいとも思えてしまった。
そうやって自ら命を投げ捨てるその寸前に、彼は自我を取り戻す。

短時間のうちに、膨大な量の脂汗がにじむ。
距離があるにも関わらず、アレを見た途端に本能が生命の危機を感じて警鐘を鳴らすことすら放棄した。
アレは何か、どうしてこんなところにいるのか、他の人はどうしたのか、
様々なことが頭を巡ろうとする。しかし、今余計なことを考えるのは命に関わる。
アレを視てはマズい。アレに近づかれるのはもっとマズい。
その事だけを何度も復唱する。そうやって混乱する頭に無理矢理捻じ込まないと、今度こそ命はない。

…そこまで結論を導き出したところで、彼は気づいてしまった。
身体が動かない。

思考は働くが、身体が蛇に睨まれた蛙の如く働いてくれない。


―――そして、近づいたからこそ分かる、この重圧。
今すぐ自分の舌を噛み切ってしまいたくなるような、拷問にも等しいこの空間。
アレが傍で見下ろしてくるのが分かる。万物に等しく向けられる怨嗟のようなものを振り撒きながら。
自分を今から殺すんだと、言わんばかりに。

18名無しさん:2016/04/13(水) 01:22:55 ID:???
……大きな腕が、ゆっくりと振りかぶられる。
あれが一度振り下ろされれば、ひとたまりもない。

緩慢とした振り上げ、離れてしまえば簡単に避けられそうな予備動作だった。
自らが動かぬ的と化してなければ。
それだけに、まるで死の宣告がゆっくりと読み上げられているのだとすら思える。

言い残したことも多いのに。
お別れだって言えてないのに。
まだまだもっと、生きて色々したかったのに。
恋だってしたかったし、誰かと家庭だって作ってみたかった。
子供たちに囲まれて、それで、それで……
しあわせに暮らしてみたかったのに。

これから死ぬことを身体が理解すると、どうにも流れる時間が遅く感じてしまう。
考えれば考える程、色んな後悔や無念が頭を巡る。


「…セフィラねーちゃん」


それは、自分の良く知る相手の名前。
高く上がった腕が振り下ろされるその寸前、何故かそんな言葉が不意に口をついて出た。
同時にその言葉に反応するかのように、それが腕を振り下ろすのを躊躇ったのを、彼は見逃さなかった。

「……ねーちゃん…?」

震える声で、そう繰り返してみた。
嫌な汗が流れる。自分の命の危機とはまた別の、受け入れたくない事実を突き付けられたようで。

それは答えることをしなかった。
代わりに振りかぶったところで止まった腕が、彼にとっての確信を与える何よりの証拠となってしまったが。

「…ねーちゃん……なんで、どうして…?」

どうして、そんな異形のものに成り代わってしまったのだろう。
経緯も何もあったものじゃない、何が何だか分からない。
あまりにも置いてけぼりな現状に、固まっていた身体がすとんと腰を下ろした。


彼はいよいよ絶望したのだ。
あまつさえ自分の初恋の相手が、このような異形に姿を変えて、住民たちを恐怖へ陥れたかと思ったら
今度は自分の命を奪おうとしていたのだから。
救いも何もないこの状況に、生きたいとも思えなくなった。

「………」

その腕は、まだ振り上げたところで止まっている。
まるで、許しが出るのを待っているかのように。

「……もう、いいし……」

それはまだ反応しない。
それ程小さな声で、確かに彼はそう呟いた。

「……くふっ、…くふふふ…」

不思議と、笑い声が出てくる。
おかしくないはずなのに、どの感情よりも先んじて、笑いが止まらない。

「くふふあははは…っ、あはははははははは」

乾いた笑いが、辺りの静寂に響き渡る。
感情のない声は、虚しく木霊するだけだったが。

「…殺せし」

小さく掠れた声で、確かにそれに言葉を掛けた。

「僕を…っ! 殺せよ!その手で殺せ―――」

煩わしい声を遮るように、大きな腕が振り下ろされた。
その小さな体を呑み込むようにして。


それが通った跡には、何も残らなかった。
命を持たないそれが、出会った者を取り込んで、命を模倣するため。
彼もまた、その有象無象たちと同様に…

それから先、何があったのか…歴史書のページは、未だ破られたままである。


彼を模倣したまがい物の命が、遠い未来の時を過ごすのは、また別の話。

19ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/04/14(木) 02:19:10 ID:???
……よし、まだのこってたし…

(更に崩壊が進んだ街並み、まるで今の彼と連動しているようにすら思える

 自分の家の前を通り過ぎ、更にその奥へと歩みを進めると
 そこは一面、白い花が咲き乱れる花畑で…)

20セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/04/14(木) 02:21:18 ID:???
……これ、は…
(前に来た時よりも、だいぶ状態が悪化しているように見えて
いつも立ち寄っていたところより、もっと奥へ足を運べば)


…わ、ぁ
(息を飲む
それは本でしか見たことのないような、一面の花畑)

21ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/04/14(木) 02:29:20 ID:???
……ここが残ってて、気づいたんだし。
この街は……ここの住民たちの思い出なんかじゃない…

僕の思い出が、形になった街なんだって。
(自分の脚よりも高い花、それを上から踏みしめないようにさくさくと中に進んでいく
 …少し身を屈めば、姿をすっぽりと隠せそうだ)

22セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/04/15(金) 21:32:20 ID:???
……ロキの、思い出…

(今は、声と草花の揺れ方から彼を見失わないようにするのが精いっぱい
ゆっくりと、でも確かに彼の後ろをついて行って)

23ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/04/15(金) 22:25:48 ID:???
……そうだし、僕の思い出…

(ざあ、と風が吹いた時だろうか
 それが花を撫ぜる音が聞こえたと等しく、がさっ…と身を屈めてしまったり)

24セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/04/17(日) 09:19:04 ID:???
…あ、あれ
ロキ……?
(見失うまい、としていたのに
風が一面の花を揺らすと同じく、彼の姿が完全にそれに紛れてしまい)

25ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/04/17(日) 11:48:47 ID:???
……隙ありだしーっ!
(屈んだその体勢で、そちらにゆっくり近づいてから
 がばーっと飛び掛かっちゃいました)

26セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/04/17(日) 12:18:53 ID:???
Σな、なにしてんのロキぃぃいっ!?w;
(しっかり飛びかかってくるのは見えてたけど払いのけるわけにもいかず
そのまま二人して草花の中へ倒れ込むように…)

27ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/04/17(日) 12:30:08 ID:???
ふっふんっ…w
隙だらけだし…っw
(二人して草花の中に倒れ込んで
 こっちはこっちで上から勝ち誇った顔で見下ろしてきたりなんかして…)

28セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/04/25(月) 00:23:33 ID:???
…あ、の…っ、こんなこと、してる場合じゃ…w;
(気が焦っているような、そんな感じが伝わってきます
嫌そうではありませんが、不安そうにじーっと見上げてきて…)

29ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/04/25(月) 02:07:56 ID:???
……じゃあ、どういうこと…してる場合だし…?
(こっちは最早、諦めがついてるといった様相で上から見下ろしてきます
 …それとも、こういう時だからこそ少しでも楽しい時間を過ごしていたい、とも思える態度で)

30セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/05/01(日) 22:40:30 ID:???
……、そ、れは…、…ん、ぅ…

……わかっ、た…っ
(ぎゅぅ、と 体の上から見下ろしてくるそちらを抱き寄せながら…)

31ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/05/01(日) 22:49:07 ID:???
Σんっ……!//
い、今ので納得できた…わけっ…!?//(
(…抱き締められるのまでは予想外だったからか
 一気にムードぶち壊しな様相に

 …ただ、毛並みがまた一部一部と、煤のように彼の体から離れて消えて…)

32セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/05/09(月) 00:25:00 ID:???
…納得はいかないけどっ…!
………手遅れには、したく、ない、から…っ…
(それを手で押さえようとするかのように手で押さえて
それが何の意味をなさないとしても そうせずにはいられなくて)

33ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/05/09(月) 00:26:46 ID:???
………
(手で押さえようとした、離れゆく自分の一部
 それはまるで雪を掴むように、手から崩れて…)

今なら……口で説明するよりも、もっと簡単に教えられそうだし…

34セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/05/16(月) 00:53:35 ID:???
……っ……

(今はおとなしく
悔しさをかみしめながら、彼の言葉を聞いていて)

35ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/05/16(月) 01:01:57 ID:???
……ん
(自分の額を、彼女の額へとゆっくりと押し当てると

 …そのまま、自分の記憶の走馬灯…過去にて起こったその始終を
 まるで彼女の視界を乗っ取ったかのように、共有してみせて……)


…このとおりだし。

36セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/05/20(金) 00:08:30 ID:???
……?

…Σぁ………っ!?
(実際に自分が体験したかのように、それはリアルな体験だった
ぞくり、と体を震わせたのは 振り降ろされる腕、そこで映像が終わったからか)

…こ、の…通り…って……
(にわかには信じがたいと、そう思って「いたい」、そんな顔
これが口頭なら、たとえ彼の言葉とて彼女が全てを信じたかわからない、でも
今の映像は、彼女の肩をまだ震わせているくらいには、効果があったようだ)

37ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/05/23(月) 02:42:44 ID:???
……だから、その…

僕は、本当はずっと昔に死んでて……
(……?
 何か、強烈な違和感を覚える言葉だが…)

何があったかちゃんと説明…できなくて、ごめんだし
僕…もう、いかなきゃ……
(まるで今までそうなるのを我慢していたかのように、身体の力をふっと抜くと
 今までの比でないくらい、身体の末梢からどんどん霧のように…)

38セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/05/29(日) 06:08:22 ID:???
……ずっと……昔……
(先ほど見たものとあわせてすっかりその話を信じ込んでいるようにも…)

Σぁ……、あぁっ……!;
待って、ボク、まだっ…!;
(痛いくらいにロキをぎゅう、と抱きしめる
それに何の意味もないことはわかっているのに
だんだんと霧散していくの彼を抱きしめるのを、それでも止められない)

39ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/05/29(日) 11:37:12 ID:???
ん……っ…
(まだ、彼の重さもぬくもりも彼女の腕の中にあって
 残酷なことにそれがどんどん軽くなっていくのも、きっと感じられるはず)

………まだ…、なんだし…?

40セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/05/31(火) 03:28:03 ID:???
…まだ…やりたい事いっぱいあるよ…
もっとたくさん思い出だって作りたいし、
この街の事も…もっと…

(腕の中で徐々に軽くなっていくその体
最後の時を引き延ばそうとすればするほど
悪戯に時間だけが過ぎていく
きっと この言葉が、最後)

41ルクシオ ◆Loki/YfmrM:2016/05/31(火) 22:20:15 ID:???
………セフィ…
ありがと、僕…たのs……、……―――
(最期に、彼から彼女にキスをした
 僅かに触れただけかも、風のように通り抜けたかもしれないくらいの淡い感触を)


(あっという間に、彼の体は跡形もなく塵と化して散っていった
 …彼女の腕の中に、大きく美しい黄色の宝石を残して)

42セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/01(水) 08:18:36 ID:???
ロ、kっ……
(…それは、彼女にとって深い心残りを最後に残した
塵になっていく彼の姿にばかり気が行って、
直後である今でさえ その感触を覚えていない)

……ロキ……ッ……
(宝石としてはかなり大きく、光を放つ石
噛みしめるように泣き続けている彼女の目にもはっきりと映ったそれを
…腕の中に残った彼のそのぬくもりを、強く 強く抱きしめた

花畑の中で独りきり
風に揺れる草花の音が煩わしくさえ思えた)

43名無しさん:2016/06/02(木) 01:29:29 ID:???
(…さぁ、と花畑に風が吹く
 散りゆく花たちに紛れて、まるでずっとそこにいたかのような、そんな気配がした)


ほう。
アレはそんなものを残していったのか。

44セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/02(木) 09:01:34 ID:???
Σっ…!;
(誰もいないと思っていたところに、そんな声が聞こえて
背中をびくっと跳ねさせ、まだ涙の止まらない視線をそちらに向けて)

45九十九 ◆CNssssssss:2016/06/02(木) 20:47:20 ID:???
(歩いてきたわけでも、ましてや空から落ちてきたわけでもない
 今までずっと、背後で見ていたかのように
 それはただそこに佇んでいた、…空気椅子に深々と腰をかけて)

もうもたないとは思っていたが、案外あっさりとしたものだ。
アレのもう一つ運命…座標としてでなく、自らの軌跡を形にして果てることを選んだとは。

くく。
まさしく魂の輝きというやつか、心なしかまばゆいばかりだな。
(…とても、彼女にとって大切な存在を弔う態度ではない
 その扱いはまるで自らにとってはただの道具…駒でしか過ぎない、といったそれに近い)

46セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/08(水) 20:52:06 ID:???
………、な、に…? 何、なの…?
(すぅ、と血の気が引いていくのを感じたのは
正体不明な相手に対する恐れよりは
その言葉の一つ一つに感じた、怒りに近かっただろうか)

……あなたは。 ロキの、何ですか。
(まだ潤んだ瞳を片手でぬぐいながら ぶん、と軽く頭を振って
焔を取り戻した瞳は睨むようにそちらへ向き直った)

47九十九 ◆CNssssssss:2016/06/08(水) 21:09:44 ID:???
知れている。

わたしはアレを造ったものだ。
わたしがアレを生み出し、この時に送り込まなければ…
お前との邂逅も、ましてや過ごすこともなかった。
アレの存在はすべては私に帰着する、それが道理だろう?
(それは、あまりにも横暴が過ぎる論理
 彼をものとしか見ていない、そんな言葉を悪びれずに使っている)


…さて、わたしがここに来た訳だが…
その宝石を、渡して貰おうか?
(未だ深く腰を掛けた体勢のまま、軽く手を差し出すような仕草をしてみせて)

48セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/08(水) 21:31:28 ID:???
…………。
(よりに、よって
彼女に、その言葉を使ってしまった
彼女に、その論理を語ってしまった
もうその時点で、セフィラは相手の言葉を理解しようとすることすらやめた)

―……もんか。 ロキを… お前なんかに。
造った…? …生み出した…… …そんなの。

…そんなのもう! うんざりだ!
理由も都合も聞くつもり、ない!
お前なんかには! 絶対にロキを渡さない!

(轟、と吼えた …その音圧で辺りを覆う草花さえ揺れた気がした

…今の彼女の姿を見れば誰にでもわかる
彼女は一切の特別な能力も持たないし、戦ったことだってまるでないだろう
弱者の遠吠え 身の程知らずの大虚勢 だけど、それでも
今の彼女にとっては、それが相手にどう映ろうと…)

49九十九 ◆CNssssssss:2016/06/08(水) 21:45:55 ID:???
……ほう。
思ったより激情に駆られるタイプだな?
(ゆっくりと、その重い腰を上げる
 琴線に触れたかのように荒ぶる彼女と対照的に、余裕とも取れる動作でゆっくり立ち上がった
 …その咆哮に大気すら震えそうなこの場においても、まるで繭一つ動かさない)

くく、そうだな……そう言うのなら、わたしはそれを力づくで返してもらうことにしよう。
そして喜べ、ハンデもつけてやろう。
(これから起ころうとすること、まるでそれを楽しみでならないかのように
 …半ば別の方向に一人で盛り上がっている)


本気は出さないでやろう。
そして一発でもわたしを殴れたら……、"ロキ"を返してやる。

50セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/21(火) 21:20:00 ID:???
ーっ…、ー…っ

(フー、フーッ… まるで喧嘩している猫のような息遣い
耳元に心臓があるかのように自分の心音が聞こえているだろう、
おそらくそちらの言葉など耳に入っていない)

…っ…!
(…宝石を上着のポケットにしまい込むと
愚直にも正面からそちらに突っ込んでいく)

51九十九 ◆CNssssssss:2016/06/21(火) 22:51:53 ID:???
…くく、もう届いていないか。
いいぞ、獣と相対する感じは悪くない。
(この期に及んで、まだそんな余裕を口にする
 彼女に言い聞かせるよりは、自らの口から溢れた言葉の様だ)

……さあ、来い!
(こちらに向かってくる彼女に、両腕を広げたそれはまるで受け止める体勢
 …ただ、その姿にうっすらとノイズがかかるように)

52セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/21(火) 23:32:20 ID:???
………ぁぁあああああああっ!

(誘いこむようなそちらの振る舞いに、こちらはさらに怒りを加速させていく
姿勢を低くして、勢いよく飛びかかる…!)

53九十九 ◆CNssssssss:2016/06/21(火) 23:38:29 ID:???
………―――
(飛び掛かられて尚、余裕の態度
 このままであれば、直撃は免れない
 …ノイズのかかる、不気味な姿であることには関わらず)

―――どこを見ている?
(不意に、耳元…それも背後から、声が聞こえた
 飛び掛かっている最中の出来事だった)

54セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/21(火) 23:47:22 ID:???
……っ

(その声にぞわり、としたものの
「当たらない」事だけは予測済と言ったところ
随分勢いの乗った飛びかかりであったものの姿勢を崩さず地面を踏みしめ、そちらへ向き直る)

55九十九 ◆CNssssssss:2016/06/21(火) 23:51:03 ID:???
いやはや、また大きく飛び込んだものだ。
目の前以外のことも見えていないと、色々と苦労するぞ?
(…まるで最初から、そこに立っていたかのような余裕のある振る舞い
 彼女が自分の居るところとは別の場所に飛んで行った、そんなことを口にして)

…いや。当たらないことは承知の上。
寧ろわたしがどうやっていなすのか、それを試されていたのか?くく。

56セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/21(火) 23:55:42 ID:???
………ズルいよね。
今の、どういうからくりな、わけ?

(…その顔つきは、さっきまで激昂していたとは思えない、落ち着いたもの
息は荒く、今の一瞬で体中赤みがかっていることからも本気に近い状態であったのは間違いないが
今見えているそちらの姿に対して斜めに体を向けて 視線も若干流すような視線)

57九十九 ◆CNssssssss:2016/06/22(水) 00:04:59 ID:???
教えて欲しいのか?そんな態度には思えんが。
……まあ、知ったところで当てられるものではないが。
(激昂と程遠い、冷静な表情で言葉を向ける彼女に苦笑いを含めて言葉を返す
 …鼻を鳴らし、少し逡巡するように)

わたしは、過去を書き換えることができる。
為すことの度合いにもよるが……、このように自分が攻撃を受けるのを避けることくらい、造作もない。
(…丁度その時だろうか
 九十九は気づいているのかいないのか、自分の身体から、ひらりと透明な蝶のようなものが飛んでいったのは
 それも一瞬のこと、錯覚かとすら思えるそれだが、相対する彼女の眼を以てすれば…)

58セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/22(水) 00:12:51 ID:???
……過去を…書き換える…とかね。
はぁ…… 本当に、さっきから嫌な奴を思い出すなぁ…もう!
(イライラした様子で片手で頭を掻きむしるようにしながら
科学よりの人間でありながら、そんな突飛な話でも否定から入らない)


………蝶……?
(それは、そんなすぐ後の事
瞬きでもしていれば見逃していたかもしれない だが
一瞬でも視ていたのなら見逃さないし忘れることは無い
必要ならばその模様の一つまで、はっきりと思い出せるほど)

59九十九 ◆CNssssssss:2016/06/22(水) 00:16:25 ID:???
くく。そこまでお前の心をいらだたせる奴を思い出すか?
一緒にされても困るが、そいつの行動には興味はあるな?

……ふむ?
(どうやら、九十九はそれについて知らないらしい
 何を言い出すのかとばかり首を傾げて、心当たりもなさそうな反応を見せた
 ……彼女の視た蝶は、今は見えない)

60セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/22(水) 00:23:52 ID:???
うっさい。
実際にやってのけるだけ、そっちのが厄介だよ…。
(目を細めて、そちらを見据える…というよりは
自分の鼻先を見つめるような、ぼうっとした不思議な視線)

……。
(不思議な視線のまま思考を巡らせている
如何にして、過去を書き換えると言う相手に一泡吹かせられるか…?)

61九十九 ◆CNssssssss:2016/06/22(水) 00:28:03 ID:???
確かにそうだ。
理論だの御託を並べてことを為そうとする者より、理屈は分からんがやれてしまう者の方が余程タチが悪い。
故に…能力と言うより、権能に近いな?
(彼女の言葉に応えているつもりなのかどうか
 …言葉としての会話は成り立つが、果たしてお互いにどう意識しているか、定かでなく)

どうした?来ないのか?
先ほどまでの勢いはブラフだったか?
(今度は熟考する様に佇んだ彼女に、少し不満げな声を漏らす
 まるで相手にして貰えない子供が催促するようで)

62セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/27(月) 22:30:33 ID:???
権能…。
まるで神様みたいな事を言うんだね?
(…一度目を閉じ、今度ははっきりとそちらに視線を向けた
呼吸はまだ整っていない物のかなり落ち着いた様子でそちらを見据え)

………。
もう、一度…っ!
(過去を書き換える能力を持ちながら、なぜ「今」そうしない?
そもそも自分がここに居ること、それを書き換えないのはなぜだ?
ロキを作り出し、時を越えさせて それを権能でやってのけたと仮定するならば
それこそ敵にとって「造作もないこと」のはずでは?
ただの酔狂なのか、使えない理由があるのか。
…そこまで考えてやめたから、そちらに視線を向けた

…そもそもそんな能力相手では、どう動いたって手詰まりなのだ。
何をされるかわからない以上 今は、どんづまりにぶつかるまで進むしかない
先ほどより低い姿勢 勢いより速度を重視して走り出した)

63九十九 ◆CNssssssss:2016/06/27(月) 22:57:55 ID:???
現象だの、原理だの、そんな御託はどうでもいい。
結果が得られる権利があるから、そうする。
そういうものだろう?
(まるで、それが当然だという振る舞い
 …その言葉だけは割と、本音なのかもしれないが)

くく。
いいぞ?その未知に対する勇敢さ。
…いや、無謀というのか?

まあ、いずれにせよ。だ。
こうするだけで十分だろう?
(彼女がそうやって、頭の中で幾重も考えを巡らせているとも知らず
 そうやって走り出してきた時に、力を巡らせる

 …その時だろうか、彼女の眼に再び蝶が映り込む
 一瞬、また一瞬、あの場所で、今度はそこで、目の前で、…
 まるで暗闇の中で無造作に灯っては消える電球のように、彼女の眼にしっかりと瞬間的に映り込む

 ……その中で、一つだけ
 その一つの蝶の傍、それを指し示すように佇むは忘れ得ぬ彼の…幻影…?)

64セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/27(月) 23:17:13 ID:???
……ボクだって
…そうしたかもしれないね。
(疾走しながらの返答、あまり余計な思考に頭を巡らせていないからか返事に中身がない
だが、その言葉は彼女の仮定を一目盛り程確かなものにした)

…っ、またっ………

…………。
(それは唐突に訪れた、まるで時が止まっていくかのような錯覚

蝶 次 向こう いや近い? ああ、また…

現れたとおもえば次が、その次が 初めは短い思考しかできなかったが、
後になるとゆっくり考え事ができるほど

視界がゆっくりにすら感じられるそれを ああ、先生と同じみたいだ、と思った)

……ロキ……っ
(自分さえも止まっていくかのような世界で、
彼の面影に誘われるように草花から飛び出した影は
見えている九十九の身体と違う方向へと向かっている
最高速で飛び出した身体はもう自分では止められない)

65九十九 ◆CNssssssss:2016/06/27(月) 23:29:31 ID:???
………っ…
何を、見ている……?
(すると、こちらに向かっていた彼女が不意に異なる方向に走り始める
 …それを怪しむ暇もなく、能力を発動する、が)

―――…、っ…何…!?
ロキ、貴様…ッ……!!
(ひた走る彼女の目の前に、ぱっ、と現れたその身体
 何があったのか、先の余裕が見当たらない表情
 このままでは避けきれない、初めて見せた焦燥のそれ)

66セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/27(月) 23:47:30 ID:???
―――ぁあああああああああっ!
(ゆっくりだった視界が、遅れた分を取り返すように加速したのは
めがけて跳んだ蝶の位置に、それが表れたからだろう
討ち果たすべきもの ロキの運命を弄んだ仇とも呼ぶべき敵を)

( 捉えた )

吟風ぅうっ… 弄月ぅううううっ!
(身体を宙に舞わせ 飛び込む勢いは風を 体は空に浮く月を表すと先生は言った
たった たったそれだけの技であるが 今の彼女が持つたった一つの武器
飛び切り勢いの乗った掌が 地の方へと押し付けるように斜め上から捻じり込まれる)

67九十九 ◆CNssssssss:2016/06/27(月) 23:54:31 ID:???
ぅ、ぅあああああああぁぁあっっ!!
(避けきれない、という運命
 それを捻じ曲げることは、今の彼女には出来ない
 今更身体を捩って逃げることも、数歩後ずさることも許されない
 …その時初めて、彼女の意思とは無縁の声が口から溢れ出た)

(その刹那、拳に打たれるまま、地に頭から沈められる
 いつもの力が出ない…正確には、出せないまま、渾身の力を受けざるを得なかった
 …後はもう、彼女の拳の振るうままに…)

68セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:01:05 ID:???
(全力で地に叩き伏せたその体の少し上空を、勢いそのままに飛んでいく
全体重、全脚力をかけた突進に、どれだけの勢いがあっただろう)

――うぐっ、ぁ……!
(草花がクッションになったとはいえ、地面にたたきつけられ、何度か地を転がり
ようやく止まった黒い影は、そちらにとどめを刺すという風でもない)

69九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:05:30 ID:???
………
(仰向けになるように、転がっているその姿
 それを仕掛けた彼女と違い、暫くの間はぴくりとも動かなかった、が)

…くく、これが、これが痛みか。
そうか、この鋭く突き刺さる感覚、今すぐ忌避したいこの感覚こそ、痛み…!
(ゆらり、とまるで吊り上げられた糸で持ち上げられるように、不自然に身体が起きあがる
 …ざわ、と髪が戦慄いた)

70セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:11:48 ID:???
はっ…、っ…! げほっ…、ぐ…っ…
(しまったなぁ、やりすぎるなって、言われて、たのに
頬の内側を噛んでしまって、鉄の味がしてひどい
仰向けになってぜぇ、ぜぇと その渇いた喉に血が絡んで噎せた)

っ………、……。
(聞いてない、ってば。 一撃って、言ったじゃんか………
痛みに歪んだ顔で、顔だけを起こしていたが やがて体を起こす力も尽きて、また空を仰いだ
意識はしっかりとある ただ そちらを見ていられないだけ)

71九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:16:45 ID:???
く、くくく。
くく。
(ざわざわざわ、と蠢くそれは、大きく伸びてある形を取る
 …それはロキの回想で垣間見た、忘れようもない姿のそれと、重ねて見えるもの

 …と、少し興奮冷めやらぬ様子だった彼女だったが、まるで風船が一気にしぼむように戦意が喪失していった)

いや、もうやめだ。
…無理を通す道理は存在しない、契った約束は守らねばならん。
(そんな異形めいた自分の姿もロクに繕わないまま、そちらへと向き直る
 …顔は修復したようだが、その傷は完全に癒えていないのも窺える)

お前の勝ちだ。ロキは返す。

72セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:21:39 ID:???
………はっ
(…ああ、此奴が
やっぱり全力でぶん殴っておいて正解だったな、と思うのと同時に
余力を残しておいて徹底的にのめしておけばよかった、とも思った
でも今の彼女には
恐怖より何よりロキをこんなにも傍に感じていられる、それだけで十分だった)

……いいの?
ボクをやっつけて奪い返すの…、今なら簡単だよ…
(守り切った石を胸の上で抱きながら
視線だけそちらに向けてそう言った)

73九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:25:04 ID:???
……奪い返す?
馬鹿を言え、わたしはまだロキを渡した覚えはない。
(話の的を射てないな、とばかりの口ぶり
 …どうやら、言葉の食い違いがあるようだ)

………ああ。
そうか、お前は気づいていないのか?

74セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:28:05 ID:???
…っ
………?
(痛む体を何とか起こし
そちらの言葉に耳を傾けている
気付いていない、とはなんだろう)

75九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:30:03 ID:???
お前の知るロキ……それは言わば、レプリカだな。
その元となった、オリジナルのロキ。

奴は死んではいない。
今も、わたしの腹の中だ。

76セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:32:10 ID:???
……レプリ、カ
…じゃあ、この石、は…

いや、それより…
オリジナルの…ロキ………
ロキが見せてくれたあれが…オリジナルの記憶…?

77九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:36:46 ID:???
元々はロキの身体を分析して、わたしが作った模倣体だ。
だが、その石まではわたしの作ったものでもなければ…意図したものでもない。
(全てが全て、彼女の創造通りというわけでもないらしい
 …それは確かに、セフィラと過ごしたロキの証)

そうだな。
…ならば、お前も見たあの場面で、オリジナルは圧死したと思っただろう。
が、結末は違うのだ。

78セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:41:54 ID:???
………。
(無意識に、それをぎゅう、と強く抱きしめた
彼がボクに残してくれた、確かな証)

……あなた… …ええと、名前…わからないと不便かな…。 まぁいいけど…
(あなた、という言葉に言い慣れてない感じがあります
ばつが悪そうに人差し指で頭を掻きながら)

…あなたの中で…というのは?

79九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:47:23 ID:???
九十九でいい。
わたしは、あの忌々しい【わたし】から分かれた1の、その残りだ。
(…何やら、自分のことを指していそうで、自分のことではないみたいだ
 違和感を覚えそうなそれだが、何やら事情がありそうで)

……。
わたしの腹の中は、それこそ一つの世界といえる。
時間の概念も、法則も、理も、全てがわたしの意のままの世界だ。
あの時お前が視たロキの結末は、あの腕に取り込まれ…その世界に放り込まれた、それが全てだ。

80セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 00:52:04 ID:???
…………九十九。
(不思議な話し方をするな、とは思いはしたが
今はただ、そちらの話を聞くばかりだ
きっと彼女なりに、信じがたい話を咀嚼しながら整理している)

なんで…、なんでロキを?
(疑問は尽きない
ロキを返すとは?という明らかな本題を前にしても、なお)

81九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 00:55:34 ID:???
難しい質問だな。
わたしは、お前の見た【わたし】ではないが……そうだな。

命を持たないものが、命を知るために、することは何か?
思い返すと良い。
魅力的なものがあり、その構造が知りたいと思ったとき、再現したいと思ったとき、お前ならどうするか?
(彼女は、自分でいう【わたし】ではないと前置いておきながら
 分かりにくくも必死に、言葉として伝えようとはしているようで)

82セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 01:08:42 ID:???
……分かれた1の、その残り…
(…なんとなくだが見えてきた気がする
あの怪物を理解したわけでなく 「彼女」であって「彼女でない」こと
目の前のそれは、それからわかれた一部分に過ぎない)

…、それって…
(彼の主観を見ただけでは敵意しか感じなかったからそう思い込んでいただけで
その本質は好奇心に近いもので
それは、憧れに近い無垢で純粋なものだったのだろうか、なんてことを口にした)

83九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 01:19:37 ID:???
…わたしの姿は、元のそれと大きく違うからな。
怪物の姿をした人だ、尤も…心は持たなかったが。
(傍目に見れば、人の姿をしているがその実…という言い方
 それを特に気にする様子もなく言ってしまう辺りも、その通りなのかもしれないが)

…少し、違うな。否定はしないが、その感情はごく僅かだ。
【わたし】が目指したのは、命を得ること。命を無くして生まれた矛盾の塊が求めたのは、命そのものの創造だ。
性質が悪かったのは、【わたし】は生まれついての悪だったことだな。
(憧れ、好奇心、そういう言葉で済ませられればどれだけ穏やかだったろうか、と言いたげな言葉
 彼視点のそれしか見えなかった過去、…だが、その舞台となった街はこの有様である辺り…)

84セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 01:25:09 ID:???
………。
(それを静かに聞いていることしかできなかった
それは違う、と言えるほど まだ相手の事を知っていない)

命の…創造………
……。
(もう少し希望がある、と思いたかったのかもしれない
だがここまでの話を聞いて
この街を思い出せば 結果など明らかで…)

85九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 01:31:54 ID:???
…残った1は、人の心を持つに至ったようだがな。
(それだけ呟くと、どこか穏やかな顔をした気がした)

……結果は分かるな?
【わたし】は暴れに暴れ回ったが、自らの命の創造には未だ至っていない。
…それ故に、非常に面倒なことになっているのだが……まあ、それはいい。

さて、そんなわけで、お前にロキを迎えに行って貰おうと思う。(←

86セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 01:36:11 ID:???
…………?
(きょとん、と ここまでで 一番人間らしい顔を見た気がした)

…当然だよ。
ボクでさえ、

…ボクでさえ………
(命の創造、と先ほど呟いていた
九十九に激昂したときもそうだが、やけにそれに関する言葉に耳聡い が)


………。

…は?(

87九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 01:40:38 ID:???
うん?何か戸惑うことがあるか?
(涼しい顔をして、まるで自分の発言に疑問を持っていない感じ
 …とか言ってる合間に、髪の毛のそれがざわざわと大きくなってって、それだけであの異形の姿を為すように)

わたしの腹の中まで行くに決まっているだろう?(じり(←

88セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 01:43:05 ID:???
………い、いやいや。 えっと。
ボク、その、今ボロボロだし心の準備が…………(…起こしたままの身体をあとずらせようとするも ……逃げられるわけなど(

89九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 01:46:42 ID:???
気にするな。
その程度の理、わたしの世界では通用しない。(←
(すた、すたと割と容赦なく距離を詰めてくる
 …髪の毛から生えたそれの威圧感も相俟って、迫力は満点のようです(

安心しろ、終わったらここに吐き出してやる。(
……それに、わたしでは今のロキを腹から引き出せん。
だから、模倣体とはいえ…わたしを殴り飛ばすくらいにロキとそこまで強く結びついたお前なら…と思ったまでだ。
お前にしか、できんことだ。

90セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 01:49:33 ID:???
……〜〜〜っ!w;
(ぞぞぞーっ、と耳尻尾を逆立てて
こうやって間近で見ると、思っていたよりコワい……!!!(←

……………。
分かった、よ………。
…なるべく、優しくね………(

91九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 01:57:57 ID:???
……くく。
まあ、一瞬だ。気づけばそこについている。

その宝石、離すなよ?
(そう言い残すなり、異形のそれのぐぱっと開いた大きな口が、一思いにせふぃをばくっと食べちゃった(
 …そのまま、彼女は九十九の「内的宇宙」へ…)

92セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2016/06/28(火) 02:00:20 ID:???
………ごめんやっぱりちょっと待――
(という間もなく、ぱくっと頂かれてしまいました…
そのままおいしく消化され…ることもなく、ふかい、ふかいところへ…)

93九十九 ◆CNssssssss:2016/06/28(火) 02:02:54 ID:???
……けふ。
(彼女を食べ終えると、軽く自分の腹を撫でまわす
 …髪の毛を納めない辺り、まだやることがあるようで)


さて、奴が働いている合間に…わたしも動くか。
(…いよいよ崩壊を始めた、その街の風景を眺め…

 そして、セフィは彼女のお腹の中へ…カナ(

94名無しさん:2017/02/25(土) 12:22:23 ID:???
(気が付くと、そこはベッドの上だった
 よく見た天井……ロキの部屋)

95セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2017/02/25(土) 12:24:35 ID:???
………あれ
(飲み込まれる間に何か言う暇もなく
…なんだか、長いこと眠っていたような気さえする
ぼんやりと見上げた天井は良く知っているそれで、ゆっくりと体を起こして周りを見回す)

96九十九 ◆CNssssssss:2017/02/25(土) 12:28:53 ID:???
やっと目が覚めたか。
このまま瞼を開けなければどうしようかと思っていたところだ。

(…傍の椅子にもたれかかるようにして、ずっとそちらを見ていたようだ
 ロキもちょうど、セフィラの傍で寄り添うようにして眠りについている)

97セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2017/02/25(土) 12:32:41 ID:???
…おっかしいな、そんなに?
どのくらい眠ってた…?
(片目を擦りながら九十九の方に声を掛け
すぐそばに彼がいることに気づいて
…起こさないようにぽふりとその体に片手を置きながら)

98九十九 ◆CNssssssss:2017/02/25(土) 12:35:08 ID:???
私がお前を腹の中に招待してから丁度30分経ったころだ。(


…さて、そいつももうじき目覚めるだろう。
やつに言伝を願いたいのだが、頼めるか?

99セフィラ ◆Loah.qK.Uk:2017/02/25(土) 12:37:43 ID:???
………全然経ってないじゃん………(

……言伝? いいけど…
(ちょっぴり意外そうな顔で…)

100九十九 ◆CNssssssss:2017/02/25(土) 12:43:18 ID:???
お前は意識しなかっただろうが…永遠にも等しいかもしれない時間を一瞬で経験したのだ。
強烈な時差に身体がついていかない、なんてことがあっては困るのでな?
現に、そこの子猫はまぎれもなく千年前から連れてきた代物だぞ?

ひとつは、この家だけは私が修復しておいたことだな。
お前が今まで入ったことのあった家は、元々はまがい物だったからな。
それが今回のことで本来は消えるはずだったが……、誕生祝に私の腹の中から引っ張り出してきた。(
なかなかボリュームのあるものだったからな、決して気分のいいものではなかったぞ?


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板