したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

すぱろぐ大戦BBS・SS投下スレ

138Your Body:2008/01/28(月) 14:02:05 ID:8d0pWAYw
――カランカラン
 来客を告げるドアベルが鳴る。先生とランクス夫妻は揃って視線をドアに向けた。
「あら」
「な、に?」
 先生はその来客に顔を歪める。それもその筈だ。現れたの昼間に会ったばかりのフーさんだったからだ。
「此処に来れば必ず逢えると……そう信じていましたわ、少佐」
 今回のフー=ルーは私服だった。ブーツにデニムスカート。渋めの配色のタートルネックにジャケットと言ったシンプルなコーディネートだ。
「御機嫌よう、アル=ヴァン殿、それにカルヴィナ。お二人も少佐と一緒だったのね」
「ああ。偶々、な」「そうそう。って、何か機嫌が良さそうね」
 カウンター席に近付いたフー=ルーは職場の同僚に軽く会釈した。先日、この場所で先生が言った言葉が真実だった事が確認された瞬間だった。
「あら、解かります?……申し訳ないけど、アル=ヴァン殿?少佐の隣の席、譲って下さるかしら」
「そ、それは……ああ。構わない。私はカルヴィナの隣に居れれば良いのだからな」
 フー=ルーが機嫌が良いのは先生がこの店に居たと言う事に起因する。彼女は微笑を湛えながらも笑っていない視線でアル=ヴァンを射抜き、柔らかく言った。
 邪魔だから退け。……直訳すればこうだろう。アル=ヴァンはその言葉に逆らう気が全く起きなかった。そして、彼はフー=ルーに先生を売った。
「な!?アル、お前!」
 申し訳無い。アル=ヴァンは咆哮する先生に両手を合わせて謝る。今、フー=ルーに逆らうのは得策ではないと考えた我が身可愛さ故だった。
「うわっちゃあ……ねえ、あれで良いの?アル」
「良いんだ。火中の栗は拾わない。……拾いたくない」
 アル=ヴァンは若干責める様な女房の台詞にも靡かない。実に格好悪かった。

「また、お会い出来ましたわね少佐」
「・・・」
 絡み付く視線が危険に見えた。だから先生は若干ビクビクしながら視線を合わそうとしなかった。
「私も、今回は気合を入れてきましたのよ?どうも少佐は、こう言うのがお好きな様ですから」
「な、何?」
 気になる台詞をフー=ルーは呟く。それに振り返った先生は彼女の顔を見る。紅潮し、何故か恥ずかしそうなフー=ルー。
 そうして、視線を下に落とすと、其処には限界まで捲り上げられた彼女のスカートがあった。
「お気に召しまして?」
 桜色した彼女の太腿の間からから覗くのは昨日、TIME DIVERで見たものだった。使い込まれていない綺麗な割『以下、検閲削除』
「…………ふゆうぅぅ、っ、げほっげほ!」
 気を平静に保つ為に、と無理に煙草の煙を吸い込んだ先生は盛大に噎せた。
 一体誰が彼女にこんな歪んだ知識を仕込んだろう。クォヴレーか?その内にある我が魂の一抹か?
 ……だとしたら、もうそれは別の存在だ。起源を同じくするだけの別の存在。御祓いを頼んだ方が良いのかも知れない状況だ。
『……ヒソヒソ』
 アル=ヴァンとカルヴィナは恐らく陰口の類を叩いているのだろうが、先生には全く興味が無い。
「これは……俺が出張る必要があるのかも知れないな」
 残念ながら、先生はフー=ルーに何かする気は毛頭無かった。血生臭くとも純な心を持つ女を弄びたくないのだ。
 そんな彼女をこうも変えてしまった原因はTIME DIVERにある。先生はあの変態の巣窟の内部改革を真剣に検討し始めたのだった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板