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1
:
管理人★
:2006/05/24(水) 18:30:57 ID:X/gaNWHg
問題のありそうな作品を試験的に投下する場所です。
規制にあったときなどもこちらをご使用下さい。
2
:
呑気者の騎士 1/2
:2006/06/09(金) 00:12:50 ID:a4F58jxw
しっぽ付きの青年に助けてもらった騎士モリガンは周りの景色を眺めた。
多少の雲はあるけれども澄み切った空、心地良い風。
気分が良さそうな顔をして、騎士は茂みに座り込んだ。
そして、おもむろにザックの中から2冊の本を取り出して読み始めた。
1冊目は『アンチロウ理論』
本の序章を要約すると次のようなことが書かれていた。
王がエンゲージにロウという制約を加えて、ジャッジがロウを違反するものを取り締まった。
著者である錬金術師エゼルが琥珀を材料にロウを打ち消すカードを作った。
ロウを打ち消すことからアンチロウと呼ぶ。
2章以降にアンチロウの理論やカードの作成方法を記述する。
騎士は序章を読んだだけで本を閉じてしまった。
書いてある内容がほとんど理解できなかったらしい。
もっとも、エンゲージやらロウやらジャッジやら専門用語が羅列される学術書など
理解が難しいのは当たり前で、普通の人間なら読みやめるのも仕方が無いのだが。
2冊目は『ナナイ人生真書』
様々な人間の人生を心理学者ナナイが分析した本である。
最初に書かれていたのは、チョコボレースに全財産を賭けるギャンブラーの話。
騎士はいたくこの本を気に入ったらしい。
占いに興味を持ったのも、人に興味があったから。
最初のきっかけは人の心を占いで知りたいと思ったから。
そんな彼にとって、心理学者が書いた人生の分析は夢中になるのに十分だった。
周りでは殺し合いが行われているというのに、緊張感も無く呑気に本を読む騎士。
彼が動き始めるのは、いつになることやら。
3
:
呑気者の騎士 2/2
:2006/06/09(金) 00:13:12 ID:a4F58jxw
【D-3高台/昼】
【モリガン@FF1ナイト】
[状態]:健康
[装備]:ダイヤソード
[道具]:学術書(アンチロウ理論)、ナナイ人生真書
[第一行動方針]:しばらく本を読む
[基本行動方針]:不明
4
:
その先にあるものは1/2
:2006/06/12(月) 00:20:52 ID:AnK2GXMQ
…静かだなぁ。
まるで私以外に生きて動いている人はいないみたい。
本当にこの世界で殺し合いなんて始まってるのかなぁ?
そんな事を考えながら、クルルはとぼとぼと草原を北上していた。
「はぁ…いくら殺し合いとはいえ、誰にも会わないっていうのも寂しいなぁ…」
…でも仮に誰かに会えたとしても、それが殺人者である可能性もあるのよね。
「それも考えものかぁ…」
ふと、クルルは目の前の草原に不可思議な跡が残っているのを見つけた。
「何かしら、これ…?」
それは何か、重いものを引きずった跡のように見えた。
モンスターの移動した跡かしら?
あれだけ参加者がいたのだ。その中にモンスターがいないとも限らない。
だとすると、これを辿っていくのは非常に危険よね。
でも、もしこの先にバッツやファリスがいたら…。
そう考えると急に不安になってきた。
二人ともそうそうやられるような事はないと思うけど、私と同じようにまともな武器がなかったら…。
そんな状況で強力なモンスターに出会ったら…。
クルルの頭に嫌なビジョンが浮かぶ。
「ううん、そんな事はない!……でも…」
でも、私ならこの消えるマントがある限り余程の事がない限り先手を取れるはず。
必死に頭に浮かぶ不吉な想像を消しさり、クルルは決意した。
この移動痕を追ってこの先に何があるのかを見てみよう!
もしバッツ達がいなくて、危険そうだったら逃げればいい。
うん、大丈夫。頑張ろう、私!
5
:
その先にあるものは2/2
:2006/06/12(月) 00:21:18 ID:AnK2GXMQ
【G-2 草原 午前】
【クルル@FF5】
[状態]:透明
[装備]:消えるマント
[道具]:コマンドマテリア(種類不明)、ワープキューブ@FF1
[第一行動方針]:謎の移動痕(ハーディ・デイトナ)の跡を追う
[第二行動方針]:戦闘を避け、隠れながらバッツとファリスを探す
[最終行動方針]:ゲームには乗らない
[備考]:ジョブ:モンク アビリティ:!とんずら
6
:
名無しさん
:2006/06/12(月) 01:11:03 ID:Sn9y36Yw
乙。
問題ないと思います。
7
:
不死鳥の羽の輝き 1/5
:2006/06/13(火) 14:52:26 ID:Mno2A6Po
セリスは、村雨を地面――いざという時はすぐに抜き取れる距離――に突き立て、両手を挙げた。
「私に敵意はないわ。そちらはどう?」
なるべく穏やかな声で告げる。
女性と青年は顔を見合わせてから、両手を挙げた。
「私たちも戦うつもりはありません」
「そう。それならいいのよ」
どうやら、セリスは和解に成功したようだ。
フリオニールは、セリスの顔を眺めながら出ていくタイミングを考えていた。
すると、
『セ……リス……』
という弱々しい声が、脳裏に直接響いてきた。
驚いて振り返るが、誰もいない。
フリオニールは菊一文字を手に殺気を強める。
「誰だ!?出てこい!」
威嚇するように叫ぶが、どこからも反応がない。
数十秒の沈黙の後、フリオニールは釈然としないまま警戒を解く。
― 幻聴だったのか? ―
そこまで考えが至った瞬間、フリオニールは強烈な頭痛に襲われ身を震わせた。
「くっ……」
頭を押さえながらその場に膝をつく。
(……これは一体)
8
:
不死鳥の羽の輝き 2/5
:2006/06/13(火) 14:52:55 ID:Mno2A6Po
ズキズキと痛むフリオニールの頭の中に、白黒の映像が高速で浮かんでくる。
バンダナの男と、セリスが幸せそうに笑い合う映像。
レイチェルという女が、バンダナの男の手の中で首輪を爆破されるあの映像。
銀髪の騎士が、右手首から血を流すバンダナの男の体を揺する映像。
一瞬、映像に間が空く。
『セリスって女が、パンネロを殺したんだよ!ついさっき、この島でなあ!』
頭の中で、怒声が聞こえてくる。
― こいつは知っている。今朝、逃がした獲物。ヴァンだ。 ―
ヴァンの怒声を受け、うろたえるのは銀髪の騎士。
映像に間が空く。
三つ編みの少女が倒れている。パンネロだ。
その側に立っているのは、血に濡れた刀を手にしたセリス。
『死んで。あの人…ロックの為に!』
「……」
映像が終わると同時に頭痛が止まり、フリオニールは歯噛みしながら立ち上がる。
『頼む……セリスを……』
先ほどと同じように、脳裏に声が響いてくる。
フリオニールは、呆れたように笑った。
「頼むだって?こんなものを見せて、俺にどうしろって言うんだ?」
口ではそう言いながらも、フリオニールは理解していた。
ここまでされれば、何が言いたいのかくらいは猿でも解る。
そう、一連の仕掛け人が、死んだはずのバンダナの男であることも。
(だが…俺に頼むのは筋違いだ)
9
:
不死鳥の羽の輝き 3/5
:2006/06/13(火) 14:53:30 ID:Mno2A6Po
『…あいつがまだ戻れるうちに、頼む…』
消え入るような男の声が、妙に腹立たしい。
フリオニールは舌打ちする。
「何で、そんなことを俺に頼むんだ。ほかのお人好しを当たってくれ」
『…頼む、セリスを止めてくれ…ロックと言う名前を出せば、きっと…』
「黙れ!消えろ、死に損ない!!」
フリオニールは、苛立ちを吐き出すように、何もない空間に刀を振り下ろした。
刀は鈍い音を立てて地面に食い込み、
そのまま静寂の時間が過ぎる。
「……消えたのか?」
返事はなかった。
まだ、ロックが元の世界でトレジャーハンターをしていたころ。
ロックは、レイチェルの形見である、魔石フェニックスを肌身離さずに持ち歩いていた。
不死鳥の力を長い間受け続けていた影響で、ロックも僅かな時間だけ魂をこの場に留めることが出来た。
だが、その力はフリオニールにセリスのことを伝えた所で限界を向かえ、
ロックの魂は、完全に現世から消え去ったのだった。
10
:
不死鳥の羽の輝き 4/5
:2006/06/13(火) 14:54:12 ID:Mno2A6Po
「仲間の方、遅いですね」
ユウナの言葉に、セリスは内心で舌打ちした。
おかしい。フリオニールが一向に姿を現さない。
既に二人とは情報を交換し合い、フリオニールのことも話しておいたのに。
あの男、一体何をしているのかしら…。
まさか、逃げ出した訳じゃないだろうけれど。
「少し、遅すぎるわ。何かあったのかもしれないわね。
すぐ近くにいるはずだから、ちょっと探しに行ってみてもいいかしら」
セリスがザックを手にしたのを見て、ユウナも慌ててザックを持ちあげる。
「それなら、私も手伝います。一人では何かあったら…」
「いや。どうやら、その必要はないみたいだぞ」
手ごろな岩に腰掛けていたガフガリオンが、セリスとユウナの後方を見やりながら口を開いた。
「どうしたの?遅かったじゃない」
「……」
フリオニールは何も答えず、セリスの顔を一瞥した。
その一瞬、セリスにはフリオニールが先ほどとは少し違う目をしているように思えた。
セリスは、それに多少の違和感を持ったが、気のせいだと思い特に気にすることはなかった。
事実、その後、ユウナとガフガリオンに自己紹介をしているフリオニールを見ていたが、何もおかしい部分は無かったし、
ガフガリオンと話している今も、特に変わった様子は…。
「俺たちは塔に向かうつもりだったンだが。村のほうには特に変わった様子はなかったぞ。
ただ、さっきセリスから聞いたンだが、西の海岸には殺人者がいたらしいじゃねえか」
「それで、どうするか迷っているんです。私たち、ちゃんとした武器を持っていないので…」
「…殺人者だって?」
ああ、そうだった。
ヴァンのことを話しておかなければ…。
「ユウナ達にはさっき話したんだけれど、あなたにはまだ言ってなかったわね。
私の仲間を殺した、ヴァンと言う少年のことなのだけれど…」
― そう、全てはロックのために ―
11
:
不死鳥の羽の輝き 5/5
:2006/06/13(火) 14:54:38 ID:Mno2A6Po
【C-2/湿地帯/昼】
【セリス@FF6】
[状態]:軽度の疲労
[装備]:村雨、勲章
[道具]:無し
[第一行動方針]:フリオニールにヴァンのことを話す
[第二行動方針]:ゲームに乗っている事を悟られず仲間を集める
[第三行動方針]:ヴァンが殺人者という噂を広める
[最終行動方針]:ロックを勝者にする
【フリオニール@FF2】
[状態]:軽い腹部の痛み
[装備]:菊一文字
[道具]:与一の弓
[第一行動方針]:セリスにロックのことを話すか迷っている
[第二行動方針]:ゲームに乗っている事を悟られず仲間を集める
[最終行動方針]:ゲームに勝利する
[備考]:皇帝を見つけたら真っ先に倒す
【ガフガリオン@FFT】
[状態]:健康
[装備]:キセル@FFT財宝
[道具]:2万ギル
[第一行動方針]:セリス、フリオニールと情報交換
[第二行動方針]:行き先を決めかねている
[基本行動方針]:ティーダとラムザを探す
【ユウナ@FF10-2】
[状態]:健康
[装備]:ソウルオブサマサ、賢者の指輪@FF12、G.F.トンベリ
[道具]:3万ギル、ドーガの魔導器
[第一行動方針]:セリス、フリオニールと情報交換
[第二行動方針]:行き先を決めかねている
[基本行動方針]:ティーダとの再会を目指す
[リザルトプレート]黒き紋章
[ドレスフィア]<ダークナイト>、歌姫、きぐるみ士、?×3
[備考]ユウナはG.F.トンベリに気づいていません
12
:
<削除>
:<削除>
<削除>
13
:
名無しさん
:2006/06/13(火) 17:33:26 ID:p7I0nk.o
自分はやっぱり通すのは辛いと思うな。
魔石を長い間持ち続けたからっていうのだけじゃちょっと筋が通らない気がする。
それにロックはセシルに「伝えてくれ」って言付けて死んだのだからロックの思考が合わないと思う。
14
:
名無しさん
:2006/06/13(火) 18:54:59 ID:Mno2A6Po
>12-13
レスありがとうございます。
お二人のレスと、ロックが死ぬ話を読み返して、リレーとして繋がりが致命的に不自然なことに気づきました。
どうしても自分のしたい方向に話を進めたいフシがあったようです。
この話は取り下げにしたいと思います。
15
:
名無しさん
:2006/06/18(日) 22:32:49 ID:XJjCFIFk
サーバーが見つかりませんと言われるので、ひとまずこちらへ投下しておきます。
16
:
最初の魔道師が残した物 3/5
:2006/06/18(日) 22:33:09 ID:XJjCFIFk
ガーランドはミンウの死体を調べていると、
ミンウの身に付けていた宝玉が青く光っていることに気づいた。
この宝玉は何だ。強い魔力と意志を感じる。
…そうか、この魔道師は死ぬ間際に魔力と意志を残そうとしたのか。
ここまでの力があるとは、さぞ高位な魔道師であったのだろう。
お前が何を考えていたのかは知らぬが、この宝玉は俺がもらってやろう。
…この宝玉、この大きさ、あの不思議な魔力のする板に付いていた穴にはまりそうだ。
いや、形は少し違っているようだが……
どうせ何も起こらぬと思うが、ためしにはめてみるとするか。
すると鎧に兜という騎士の姿が、全身白装束の魔道師へと変わった。
「こ、これは何だ!?」
服が変わっただけではない、大きな魔力を感じるぞ。
それだけではない、魔法の知識が流れ込んでくる。
これは白魔法か。もしかして俺がこの魔法を使えるのか?
効果がわかりやすそうなものは、これか。
ガーランドはブリンクを唱えた。
すると、ガーランドの周りに分身が現れた。
ほほう、確かに魔法が使えるようだ。
しかし補助に使う魔法ばかりで攻撃に使える魔法は……
『アルテマ』
これだけか、聞いたことが無い魔法だけに威力を確認したいところだが…
17
:
最初の魔道師が残した物 4/5
:2006/06/18(日) 22:33:40 ID:XJjCFIFk
ガーランドは教会から外へ出て、扉へ向かってアルテマを放つことにした。
「どれだけの威力か、確かめさせてもらおう」
ガーランドがアルテマを唱えると、手元から莫大な波動が飛び出し、
扉が一瞬にして消し飛んでしまった。
何という威力だ。手加減したにもかかわらずこれだけの威力。
ともすればフレアーを超えるのではないか!?
これならば攻撃に関しても申し分ない。
本来の力を取り戻すまでの間、お前の力を使わせてもらおう魔道師よ。
『ミンウの宝玉
最初の魔道師ミンウの魂を封印したと云われている宝玉。俗にミンウの魂とも云われている。』
18
:
最初の魔道師が残した物 5/5
:2006/06/18(日) 22:34:03 ID:XJjCFIFk
【G-7 教会 昼】
【ガーランド@FF1】
[状態]:健康
[装備]:ゴクウの棒
[道具]:ワンダーワンド、バルフレアの基本支給品
[リザルトプレート]:きらめく鏡(白魔法リフレク、リフレク貫通)
[ドレスフィア]:ミンウ
[第一行動方針]:クリスタルの力を吸収する
[基本行動方針]:カオスの力でゲームに勝利する
*前話ではバルフレアの支給品はワンダーメイスとなっていますが、
Googleで引っかからなかったのでワンダーワンドとさせていただきました。
19
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:49:24 ID:/Z1LnzOg
「大した自信ですが、そんな状態でまだ私に勝てるとでも?」
「舐めない方がいいわよ。私は、瀕死になってからの方が強いんだから。」
導師は思考する。目の前の女の、確かに削ぎ取ったはずの意思はどこから湧いてくるのかを。
一つ。味方が増えた事。戦闘を始めるときにはまるで戦う意思がなかったチョコボが今は確かに私を敵と認識している。
二つ。死への覚悟、ただでは死なぬ、という意思。先ほどの科白を加えれば考えるまでもない。
なら、と導師は思考を終了する。単純に、敵が増えたなら敵を削ればいい。片方は人間だが片方はそれに明らかに劣る動物。
導師は考えをまとめ、攻撃を開始する。
「大した自信ですが、そんな状態でまだ私に勝てるとでも?」
「舐めない方がいいわよ。私は、瀕死になってからの方が強いんだから。」
キスティスは決意する。今の自分が何をすべきか。
答えはただ一つ。後から来るもののためにこの狂人を少しでも弱らせること。
もちろん相手を倒せることが一番いいのだが、自分には武器もなければG.Fもいなく、魔法その他特殊攻撃も使えない。
しかし、自分の身を捨てて戦えば相手も劣悪な状況に落とせるだろう。
残る力を全て出し切り、できる限り相手を傷つける。
キスティスは魔力を集中し、青魔法の詠唱を開始した。
20
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:49:50 ID:/Z1LnzOg
先に動いたのは導師。まっすぐにキスティスに向かい、高速の突きを繰り出そうとする。
「アクアブレス!」
「くっ!」
キスティスから大量の泡が発生し、導師を包む。泡は攻撃より目晦ましの効果を生み出した。
その隙を逃さず、泡の中、導師目掛けてココが突撃する。人間の数倍の脚力を持って導師を突きとばす。
――――!
ココに突き飛ばされ、泡の中から出てきた導師にキスティスはさらに溶解液の追い討ちをかける。
その溶解液の追撃を避け、何とか立ち上がる導師。
「やってくれるじゃないですか。あの時もったいぶらずにすぐに殺せばよかったですね」
「そうかもしれないわね。すぐに私を殺していればあなたもこんなに苦労しなかったかもしれないわね」
キスティスは喋り終わるとすぐに口から腐臭のする気体を吐き出す。モルボル族の得意とする臭い息。
「エアロ!」
すぐさま反応し、風の魔法で気体を吹き飛ばす。臭い息は効果を発揮せずあたりに腐臭をわずかに残す結果となった。
「醜い技ですね。そんな事をしてまで私を弱らせたいのですか?同じ女性として、私には理解できませんね…」
「同じ女性?ふざけないでもらいたいわ。私はもうあなたを人間とも思わないわ」
目からレーザーを発射し、攻撃を続けるキスティス。その攻撃の合間を縫うように突撃を繰り返すココ。
―――ュ!
導師は回避に専念され、反撃に移るのが難しい状況に陥る。
聞こえてはいけない声が聞こえる。
21
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:50:19 ID:/Z1LnzOg
攻撃を続けるキスティスとココ。それを避け続ける導師。場の膠着。
(一気に、攻めてみせる!)
キスティスの全身から飛び出るミサイル。それは、正確な誘導性を持つマイクロミサイル。
「プロテス!」
いち早く気づいた導師の防御魔法に構わず、放たれたミサイルは寸分違わず導師を攻め立てる。
ミサイルは次々と導師に被弾し、炸裂していった。さらにそこに向かってココが突撃に向かった。
――フュ!
導師のいた場所に立ちこめる爆煙。そこを重点的に周りを警戒する。ココが居る煙の中にうかつには攻撃できない。
数秒後―もしかしたら1秒も経っていないかも知れない―煙の中に殺気のこもった一つの影が浮かび、それは確かにキスティスに向かっていた。
それに対応し、キスティスはガトリング砲を放つ。
しかし、放たれてから着弾するまでに出てきたその姿は、人間ではなく、チョコボ。
「なっ」
驚き、あわてて攻撃を止めるも放たれた弾までは止まらず、正確に、残虐にココに被弾した。
「ココ!」
傷ついた身体を引きずりながら、自分よりさらに傷ついたチョコボに近寄る。
近づいて回復の青魔法ホワイトウインドを試みるも、ほとんど効力をなさず、自分もココも雀の涙ほどしか回復しない。
「どうして…どうしてあなたが私に…?」
自分の勘違いで仲間を傷つけた。そのことがキスティスの目頭を熱くする。
気づけばあたりには先ほどの女の気配がしない。あの攻撃を喰らい倒れたか、逃げ出したか。
しかし今の自分には、それでいい。今はココを回復しなければ。
再度、ホワイトウインドを試みる。
コンフュ!
かすかだが、聞こえてはいけない声が聞こえた。
22
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:50:49 ID:/Z1LnzOg
一瞬、キスティスの視界が揺らぐ。青魔法を使いすぎただろうか、そう考えるも、キスティスはホワイトウインドを続けようとする。
だが、自分の傍らに居たのは自分が撃ったチョコボではなく、血まみれになった、導師。
「きゃあぁっ!!」
思わず導師を突き飛ばす。
「な、何で…どうして…」
頭が混乱する。自分に向かって来たココ。それを撃ったのは自分。ココの治療を続けたのは自分。しかし、今目の前に居るのは導師。
『何で…私を撃ったの…?何で…私を殺そうとするの…?』
突き飛ばした導師がこちらを睨みつける。頭の中に声が聞こえる。
『一緒に戦ったのに…あなたを助けたのに…どうして…?』
「いやあああああっ!!」
混乱の中、導師に向かってガトリング砲を放つ。弾の一つ一つが確実に導師の身体を砕く。
何故ココが導師に?ココはどこに?導師が一緒に戦った?私が戦っていたのは誰?
何が何やら、何も分からない…
「はぁっ…はぁっ…」
ガトリング砲を撃ち終わり、もう一度相手を確認する。
無残な姿になった導師が一瞬揺らぐと、それは同じように無残な姿になったチョコボ、ココに戻った。
「あ…ああ…」
自分のやった事に愕然とする。ココが導師に見え、それを残虐に打ち砕いたのは、紛れもない、自分。
ミニマム
もう、キスティスに考える力が残っていなかった。
だから、腹部から刀が生えた事に、すぐには気づかなかった。
「あなたも、ずいぶんと酷い人ですね」
この言葉が聞こえて、やっと自分の身に何が起きていたか気づく事が出来た。
23
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:51:09 ID:/Z1LnzOg
腹部から刀が抜かれ、前のめりに倒れるキスティス。それを蹴飛ばし、仰向けにする導師。
「仲間のチョコボに向かってあんなに弾を撃つなんて。私はそんな人見たことないですよ。
共に戦った仲間を、あんなに無残な姿にする人なんか。あなたには罰が必要ですね」
そういい、少しずつ身体を切り刻む
「解せない、と言う顔をしてますね?死の手向けに教えてあげます。簡単ですよ。
コンフュの魔法は知ってますよね?あなた達を混乱させただけです。
あなたたちの殺し合いは、観ててとても美しく、面白かったですよ」
狂気に満ちた笑顔を浮かべる導師。
キスティスが全てを理解するには、あまりにも遅かった。
「それでは、最後に感謝を。ありがとうございました」
金色の髪を持つ麗しい女性の
胴と首は離れていった
24
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:51:34 ID:/Z1LnzOg
―ふふふふふ。あははははは。
キスティスの首を切り、それに満足するかのように笑いだす導師。
―気持ち良い。楽しい。面白い。
欲求は次々と沸き、止まらない。もっと、もっと、もっともっところしたい
「だけど、少し休まなくちゃ」
全身が痛い。先ほどの弾はプロテスを張っても導師の身体に大きなダメージを与えていた。
導師は座りこむと精神を集中させ、身体の回復をする事にした。
(くそっ、間に合わなかった…!!)
歯を噛み締め、仲間を助けられ無かった事を悔やむスコール。
遠くから見えた物はキスティスの腹部に刀を刺しているフードの女。
(キスティスを殺す事が出来た敵。それが今の自分に殺すことが出来るのか?
G.Fがない今の自分は訓練を積み、経験もあるが魔法も何も使えないただの人間だ。
この武器も、ナイフよりかは良いもののガンブレードと同じようには扱えない。
それに、今自分が行ったらこの女はどうする?
遠くだったがおそらく彼女も見ていたのだろう、完全に恐怖に包まれている。
俺は、どうしたら…?)
スコールは思考する。今、自分はどう動くべきか。
25
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:52:00 ID:/Z1LnzOg
「うんうん、この子がユウナって言う子か。うーんなるほど、確かに可愛い子だな」
名簿の写真を見ながら一人うなずくスリーク。そしてティーダの顔を伺い、
「お前さんぐらいなら女の子はたくさん寄って来そうなのに、彼女を選んだ理由は?100文字以内で述べよ」
「ああ、それは…って何言わせるんッスか!!」
期待通りの行動にデッシュもスリークも思わず噴出す。
「そ、そんなことよりそっちにはそんな人はいないんッスか?」
あわてて話題を逸らそうとするティーダを見て、またニヤニヤと笑う二人。
「デッシュはお前さんと似たようなもんだぜ?いろんなところで女引っ掛けてたけど結局最後は
『自分の事を一番考えているから』ってことでサリーナとくっついたんだよなー?」
「あ、ああ」
スリークのからかいに、デッシュは頭を掻いてうなずく。
「俺はー、んー、秘密。まあ、コレには参加してないからいいんだけどな」
「ちょ、俺に質問しといて自分は答えない気ッスか!?」
「いや、お前も答えてねーだろ」
平和なやりとりに、3人は頬を緩めて歩き続ける。
「そういや、当然だけど名簿に俺たちの仲間載ってんのか。
ティーダ、歩きながらで良いから情報交換しておこうぜ。外見わかってればもしはぐれた時に見つかっても分かりやすいからな」
「あー、そっすね。そのほうが良いな」
よしきた、とスリークが名簿をめくり、自分たちの仲間を指す。
「これが俺の参加してる知り合いだな。俺と、デッシュと、後3人」
「へー、この3人ッスね。あ、そっちにも可愛い子二人いるじゃないッスか。ネコ耳の子と、こっちの子」
「いや、それ男だから。イリアは男だから」
「は、男!?え、コレで男!?どー見ても女の子じゃないッスか!!」
「いやー、俺も最初は間違えたぜ。可愛い子二人〜って喜んでたら思いっきり言われたな〜」
「ま、そういうこと。俺たち4人の中で女はこいつだけ」
そういって、ネコ耳フードの少女を指差す。
26
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:52:21 ID:/Z1LnzOg
「こいつはな、困っている人とかみると放っておけない奴でさ。4人の中じゃ一番優しい奴だ。
迷ってる人、傷ついた人を助け、先を導いてく。白魔道師のさらに上の導師になれたのも分かる気がするよ。
4人の中じゃこのゲームに乗るとは到底思えない奴だな。もう今じゃわかんないけど」
最後の方は少し暗くなりながらも、彼女の説明をするスリーク。
「んで次、イリアな。コイツは…」
仲間の説明を続けるスリーク。
彼は知らない。このまま行けば彼女に会える事を。
彼等は知らない。このゲームの本当の恐怖を。
【C-7/草原/昼】
【導師@FF3】
[状態]:精神崩壊 HP1/4 MP少量消費
[装備]:影縫い
[道具]:デモンズシールド、ダンボール(たまねぎ*12)
[第一行動方針]:身体の回復
[基本行動方針]:ひとをころしたい
[備考]:重度の記憶障害(戻るかも?)、殺害に対する快楽
【セーラ@FF1】
[状態]:軽い疲労 恐慌
[装備]:無し
[道具]:?(まだ武器が出る可能性があります)
[第一行動方針]:怯える
[基本行動方針]:生き延びたい
【スコール@FF8】
[状態]:健康
[装備]:オーガニクス@FF9
[道具]:ナイフ、聖石(レオ)
[第一行動方針]:導師に戦いを挑むか考える
[基本行動方針]:仲間を探し出して、ゲームを脱出する
27
:
狂気が正気に、正気が狂気に
:2006/06/20(火) 17:53:04 ID:/Z1LnzOg
【D-7/草原/昼】
【スリーク@FF3】
[状態]:健康
[装備]:怪獣図鑑@FF4
[道具]:巨人の斧 スーパーボール(FF6) オニオンソード クイックシルバー(FF7) マガジン×5
[基本行動方針]:仲間探し、旧友も最初は疑う
【デッシュ@FF3】
[状態]:全身に疲労、歩けるまでに回復
[装備]:クリスタルの盾、ミスリルナイフ
[道具]:なし
[基本行動方針]:スリーク達について行く
【ティーダ@FF10】
[状態]:健康
[装備]:キアストレート
[道具]:なし
[基本行動方針]:とりあえず仲間を探す
[一行の行動方針]とりあえず北へ
28
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/20(火) 17:55:29 ID:/Z1LnzOg
予約したのはスコールのところまで描いたあたりで予約したんで予約と完成の間が凄い短くなりました…
29
:
名無しさん
:2006/06/20(火) 18:23:58 ID:udOkWL4.
キスティスが死んだのなら死亡したことと残り人数を書かないと
コンフュについては俺はわからん
30
:
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31
:
名無しさん
:2006/06/20(火) 20:47:18 ID:iyNvoA.g
この展開だとココも死亡ということでいいのかな。
死ぬとココグラフと嘴で宝捜しのフラグが消えるので、瀕死でも生きていて欲しいところだけど、
まぁ、死んだら死んだで仕方ないか。
32
:
名無しさん
:2006/06/20(火) 21:27:09 ID:iyNvoA.g
あ、そうそう。
スタイナーのモルボルの触手が臭い息を覚えるアイテムになっているから、
臭い息は使わない方がいいかもしれない。
色々指摘がうるさいけど、話の流れはOKだと思う。乙。
33
:
名無しさん
:2006/06/20(火) 22:17:15 ID:9I2..bMI
まあそのスタイナーも危ない状況だけどね
34
:
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35
:
名無しさん
:2006/06/20(火) 22:46:57 ID:zPmfFiNE
くさい息なんてどうでもいい末節部分だよな。
そもそもモルボルの触手初出の書き手だって何も考えずにそのアイテム
を出しただけかもしれないし。
全体を見れば問題ない作品です。
36
:
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37
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/20(火) 23:52:13 ID:/Z1LnzOg
色々ご指摘ありがとうございます。
ちょっといいわけを。
コンフュは最初はココが攻撃に来たときにココにだけかけているつもりで描いていたので
キスティスにはあまり聞こえてなくても言い、と考えてあのような表現にしました。
自分でも書いてて分かりづらいな、と思ったんですがやはり分かりづらかったみたいですね。すみません。
混乱の描写もコレも自分勝手に想像したものです。FF6のゾンビは敵味方関係なく攻撃しますが混乱は味方だけ攻撃していたので
こういうものなのかなと思って書きました。
モルボルの臭い息ですが、スタイナーが持っていたもののどう考えても青魔法習得に使うにはドラマ性がなさ過ぎる、普通に進めていれば覚えてしまって居るだろう
ということで使わせました。ダークマターでショックウェーブとかなら別だったかもしれませんね…
とにかく、作者からの解説がないとわかってもらえないようなので、皆さんの意見を汲み取りつつ修正したいと思います。お手数かけてすみませんでした。
38
:
名無しさん
:2006/06/20(火) 23:52:21 ID:iyNvoA.g
じっくり読んでみると、臭い息部分は外して欲しいかなと思った。
予備知識無いキャラがエアロで反応できるかな?
戦いの流れから見ても、ファイヤーブレス→アクアブレス→溶解液と口からの物理的な攻撃が続いているから、
次の臭い息が空気を伝わる臭いによる攻撃というのは読めないんじゃないかと。
高命中広範囲の状態異常攻撃をマーダーは打ち消せて、
低命中の状態異常攻撃が非マーダーにばっちり効くという対比を書きたかったというなら納得するけど。
修正していただけるなら、修正を希望します。
39
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/20(火) 23:55:09 ID:/Z1LnzOg
あと、キスティスに一回で効いたのは、
間違って味方を攻撃した
↓
なんで?どうして?戸惑ってます
↓
精神的に油断、その隙を突いて!
と、これまた自分勝手な成功理由です。
…もし修正すると次はどれだけ掛かるんでしょう…善処はしますが…
40
:
名無しさん
:2006/06/21(水) 00:38:15 ID:sXF6fFWM
作者さん乙!
全体の話はいい感じだと思う。
かなり個人的な意見では、
>>31
氏と同じくココ瀕死でも良いので生きていれば
いいかなと思う。
少し気になったんだけど、ミサイルやガトリング砲の様な物理的な青魔法は、
魔力で擬似的に再現してるのか、GFの精製みたいにその場で作って使用してるのか
どっちなんだろうと思った。
41
:
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42
:
名無しさん
:2006/06/21(水) 00:42:55 ID:ccr0P/yU
>>39
いやいや、俺が気になっているのは臭い息の回避だから、
コンフュが一度で効くのはOKよ。
43
:
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44
:
名無しさん
:2006/06/21(水) 01:12:13 ID:sXF6fFWM
>>43
ロワって、殆ど全てのアイテムを没収された状態だから、
【魔力で擬似的に再現してる】って感じの方が違和感無いかなって
思ったんだ。チマチマ設定の隅をつつくようなカキコしてスマンかった。
45
:
名無しさん
:2006/06/21(水) 13:07:26 ID:lmbbYgh.
最初にスタイナーにモルボルの触手持たせたの俺だけど
「キスティスいるんなら臭い息使ってもらいたいな」
と思って持たせただけだから無視して一向に構いませんよ。そんな重要なフラグでもないしね。
46
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/21(水) 17:42:44 ID:xdZ4q/Zg
ただいま帰ってきたので今日の言い訳を。
>31、>40さん
この展開だとココも死亡ですが>30さんの指摘を踏まえて混乱を書きなおすと変わるかもしれませんです。
>38、>41さん
ファイヤブレス、とアクアブレスは結構勢いよく出されてますし、アクアブレスは泡だけじゃなく水も結構出ているので回避は出来ないと思いました。
と、ここに書いたあと自分の作品見たら全くそんな描写なかったですね…orzその部分も直します。
溶解液は純粋に液体を吐き掛けている、臭い息は目で見ても完全気体のみ、ということでエアロ吹き飛ばし。むしろ回避を重視してこの表現を使いました。
>43、>44さん
確かに「魔力で再現された〜」と言う注意も入れたほうが良いかもしれませんね。
私自身実際青魔法でガトリング砲なんかあまり使わなかったですし…
ではがんばってきます。
47
:
名無しさん
:2006/06/22(木) 00:52:36 ID:srhtOy5c
一時投下ってことでせっかくなのでタイトルに疑問を投げかけてみる。
「正気が狂気」ってのはキスティスへのコンフュだとか、
スリークの語る導師の描写などから分かったんだけど
「狂気が正気に」ってのは一体なんのこと?
この話に出てくる狂気の持ち主って導師くらいしかいないのに
どう見ても正気になんかなってないよね。
48
:
名無しさん
:2006/06/22(木) 02:47:47 ID:w6U3X0Cg
キスティスが正気に戻ってボロボロになったココを見たあたりとかじゃあ?
49
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:35:48 ID:f2NRKyiI
「うんうん、この子がユウナって言う子か。うーんなるほど、確かに可愛い子だな」
名簿の写真を見ながら一人うなずくスリーク。そしてティーダの顔を伺い、
「お前さんぐらいなら女の子はたくさん寄って来そうなのに、彼女を選んだ理由は?100文字以内で述べよ」
「ああ、それは…って何言わせるんッスか!!」
期待通りの行動にデッシュもスリークも思わず噴出す。
「そ、そんなことよりそっちにはそんな人はいないんッスか?」
あわてて話題を逸らそうとするティーダを見て、またニヤニヤと笑う二人。
「デッシュはお前さんと似たようなもんだぜ?いろんなところで女引っ掛けてたけど結局最後は
『自分の事を一番考えているから』ってことでサリーナとくっついたんだよなー?」
「あ、ああ」
スリークのからかいに、デッシュは頭を掻いてうなずく。
「俺はー、んー、秘密。まあ、コレには参加してないからいいんだけどな」
「ちょ、俺に質問しといて自分は答えない気ッスか!?」
「いや、お前も答えてねーだろ」
平和なやりとりに、3人は頬を緩めて歩き続ける。
「そういや、当然だけど名簿に俺たちの仲間載ってんのか。
ティーダ、歩きながらで良いから情報交換しておこうぜ。外見わかってればもしはぐれた時に見つかっても分かりやすいからな」
「あー、そっすね。そのほうが良いな」
よしきた、とスリークが名簿をめくり、自分たちの仲間を指す。
「これが俺の参加してる知り合いだな。俺と、デッシュと、後3人」
「へー、この3人ッスね。あ、そっちにも可愛い子二人いるじゃないッスか。ネコ耳の子と、こっちの子」
「いや、それ男だから。イリアは男だから」
「は、男!?え、コレで男!?どー見ても女の子じゃないッスか!!」
「いやー、俺も最初は間違えたぜ。可愛い子二人〜って喜んでたら思いっきり言われたな〜」
「ま、そういうこと。俺たち4人の中で女はこいつだけ」
そういって、ネコ耳フードの少女を指差す。
50
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:36:10 ID:f2NRKyiI
「こいつはな、困っている人とかみると放っておけない奴でさ。4人の中じゃ一番優しい奴だ。
迷ってる人、傷ついた人を助け、先を導いてく。白魔道師のさらに上の導師になれたのも分かる気がするよ。
4人の中じゃこのゲームに乗るとは到底思えない奴だな。もう今じゃわかんないけど」
最後の方は少し暗くなりながらも、彼女の説明をするスリーク。
「んで次、イリアな。コイツは…」
仲間の説明を続けるスリーク。
三人は、いまだ平和そうに歩いている。
彼らは、まだ知らない。
この先で何が起きているか。
スコールは走り続ける。仲間を助けるため。殺させないため。
彼一人ならすぐにその戦場へ着く事が出来ただろう。しかし、
「はぁっ…はぁっ…ま、待って…」
自分のかなり後ろをのろのろと走る女性。完全に息が上がっているだろう。顔は真っ赤になり、走るスピードは下がる一方だ。
自分との体力の差を考えれば当然の事なのだが、今は彼女を待つ暇も無い。
(くそっ)
彼は来た道を戻ると、武器をザックにしまい、セーラを抱えあげて走り出す。さながら、姫を抱えて逃げる黒の王子。
「あ、ありがとうございます…」
「そんな事はどうでもいい、こっちで合ってるんだな?」
こくりとうなづく女性を見て、再び走り出すスコール。
(頼む、間に合ってくれ)
彼らは、少し早く知ってしまう。
この先で、何が起こるかを。
51
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:36:32 ID:f2NRKyiI
「大した自信ですが、そんな状態でまだ私に勝てるとでも?」
「舐めない方がいいわよ。私は、瀕死になってからの方が強いんだから。」
導師は思考する。目の前の女の、確かに削ぎ取ったはずの意思はどこから湧いてくるのかを。
一つ。味方が増えた事。戦闘を始めるときにはまるで戦う意思がなかったチョコボが今は確かに私を敵と認識している。
二つ。死への覚悟、ただでは死なぬ、という意思。先ほどの科白を加えれば考えるまでもない。
なら、と導師は思考を終了する。単純に、敵が増えたなら敵を削ればいい。片方は人間だが片方はそれに明らかに劣る動物。
導師は考えをまとめ、攻撃を開始する。
「大した自信ですが、そんな状態でまだ私に勝てるとでも?」
「舐めない方がいいわよ。私は、瀕死になってからの方が強いんだから。」
キスティスは決意する。今の自分が何をすべきか。
答えはただ一つ。後から来るもののためにこの狂人を少しでも弱らせること。
もちろん相手を倒せることが一番いいのだが、自分には武器もなければG.Fもいなく、魔法その他特殊攻撃も使えない。
しかし、自分の身を捨てて戦えば相手も劣悪な状況に落とせるだろう。
残る力を全て出し切り、できる限り相手を傷つける。
キスティスは魔力を集中し、青魔法の詠唱を開始した。
52
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:36:52 ID:f2NRKyiI
先に動いたのは導師。まっすぐにキスティスに向かい、高速の突きを繰り出そうとする。
「アクアブレス!」
「くっ!」
キスティスは大量の水と泡を噴きだし、導師を包む。水は導師の動きを鈍らせ、泡は目晦ましの役目を果たす。
その隙を逃さず、泡の中、導師目掛けてココが突撃する。人間の数倍の脚力を持って導師を突きとばす。
――――!
ココに突き飛ばされ、泡の中から出てきた導師にキスティスはさらに溶解液の追い討ちをかける。
その溶解液の追撃を避け、何とか立ち上がる導師。
「やってくれるじゃないですか。あの時もったいぶらずにすぐに殺せばよかったですね」
「そうかもしれないわね。すぐに私を殺していればあなたもこんなに苦労しなかったかもしれないわね」
キスティスは喋り終わるとすぐに口から腐臭のする気体を吐き出す。モルボル族の得意とする臭い息。
「エアロ!」
すぐさま反応し、風の魔法で気体を吹き飛ばす。臭い息は効果を発揮せずあたりに腐臭をわずかに残す結果となった。
「醜い技ですね。そんな事をしてまで私を弱らせたいのですか?同じ女性として、私には理解できませんね…」
「同じ女性?ふざけないでもらいたいわ。私はもうあなたを人間とも思わないわ」
目からレーザーを発射し、攻撃を続けるキスティス。その攻撃の合間を縫うように突撃を繰り返すココ。
――――!
導師は回避に専念され、反撃に移るのが難しい状況に陥る。
破滅を呼ぶ言葉は、まだ彼女の耳に届かない。
53
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:37:14 ID:f2NRKyiI
攻撃を続けるキスティスとココ。それを避け続ける導師。場の膠着。
(一気に、攻めてみせる!)
キスティスの全身から飛び出るミサイル。それは、キスティスの魔力によって生み出された、正確な誘導性を持つマイクロミサイル。
「プロテス!」
いち早く気づいた導師の防御魔法に構わず、放たれたミサイルは寸分違わず導師を攻め立てる。
ミサイルは次々と導師に被弾し、炸裂していった。さらにそこに向かってココが突撃に向かった。
――――!
導師のいた場所に立ちこめる爆煙。そこを重点的に周りを警戒する。ココが居る煙の中にうかつには攻撃できない。
数秒後―もしかしたら1秒も経っていないかも知れない―煙の中に殺気のこもった一つの影が浮かび、それは確かにキスティスに向かっていた。
それに対応し、キスティスはガトリング砲を放つ。
しかし、放たれてから着弾するまでに出てきたその姿は、人間ではなく、チョコボ。
「なっ」
驚き、あわてて攻撃を止めるも放たれた弾までは止まらず、正確に、残虐にココに被弾した。
「ココ!」
傷ついた身体を引きずりながら、自分よりさらに傷ついたチョコボに近寄る。
近づいて回復の青魔法ホワイトウインドを試みる。その効果は薄いが、少しづつココと自分を癒していく。
「どうして…どうしてあなたが私に…?」
自分の勘違いで仲間を傷つけた。そのことがキスティスの目頭を熱くする。
気づけばあたりには先ほどの女の気配がしない。あの攻撃を喰らい倒れたか、逃げ出したか。
しかし今の自分には、それでいい。今はココを回復しなければ。
再度、ホワイトウインドを試みる。
コンフュ!
かすかだが、確かに彼女に向かって掛けられる魔法。
54
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:37:34 ID:f2NRKyiI
「くぅっ!!」
一瞬頭に痛みが走り、視界が大きく揺れ動く。
迂闊だった。あの女は逃げても倒れてもいない、どこかに潜んでいる。そして私を狙っている。
その証拠に直接攻撃せず、私を混乱させてきた。一時的だが、確実に自分の記憶と精神を大きく乱す。
「ど、どこにいるの!?」
あたりを見回しながら大きく叫ぶ。
「出てきなさい!!」
呼びかけるものの、実際出てこられても打つ手が無い。
自分には武器が無く、青魔法を使うにも精神と魔力の集中を必要としなければならない。
しかし今の状態では集中するどころか少しの考えをまとめる事すらままならない。
「出てきなさい!!!」
あたりに何もない草原に向かい、さらに呼びかける。
とにかく、反撃する。混乱を治す方法の一つ、強いショックを導師に与えてもらう。
もちろん急所を狙われる確率は高い。しかし、今のキスティスにはそれしか考えられなかった。
ミニマム
とたんに背後から現れる人型の気配。そして強い殺気。
振り返れば、刀を振り上げ、今にも振り下ろそうとする人間。
「ここにいますよ」
導師は刀を振り下ろし、キスティスの身体を切り裂いた。
55
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:38:01 ID:f2NRKyiI
「うああぁっ!!」
肩を切り落とされ、キスティスの身体に激痛が走る。
だが、その激痛が混乱を回復させる。チャンスは今しかない。
身体に走る痛みに耐え、魔力を集中させようとする。
しかし、
(え…?)
視界が、音が、身体が、魔力が、全てが、急速に動きを止めていく。
(ストップ…?)
相手の身体を切り裂き、さらに相手の時を止める恐怖の忍者刀。影縫い。
その魔力により、キスティスの反撃の機会を完全に止める。
(もう…ダメ…誰、か、後を…)
キスティスの時が止まる。
彼女は、自分の死を感じることなく、死んでいく。
今、そこにいるあるものは恍惚とした表情を浮かべて立っている女性と、首と胴の離れた物があるだけ―――
56
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:38:25 ID:f2NRKyiI
―ふふふふふ。あははははは。
キスティスの首を切り、それに満足するかのように笑いだす導師。
―気持ち良い。楽しい。面白い。
欲求は次々と沸き、止まらない。もっと、もっと、もっともっところしたい
「だけど、少し休まなくちゃ」
全身が痛い。先ほどの弾はプロテスを張っていても導師の身体に大きなダメージを与えていた。
導師は座りこむと精神を集中させ、身体の回復を始める。
(くそっ、間に合わなかった…!!)
歯を噛み締め、仲間を助けられ無かった事を悔やむスコール。
遠くから見えた物はキスティスの首を切るフードの女。
(キスティスを殺す事が出来た敵。それが今の自分に殺すことが出来るのか?
G.Fがない今の自分は訓練を積み、経験もあるが魔法も何も使えないただの人間だ。
この武器も、ナイフよりかは良いもののガンブレードと同じようには扱えない。
それに、今自分が行ったらこの女はどうする?
遠かったがおそらく彼女も見てしまったのだろう、完全に恐怖に包まれている。
俺は、どうしたら…?)
スコールは思考する。今、自分はどう動くべきか。
57
:
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:38:48 ID:f2NRKyiI
【C-7/草原/昼】
【導師@FF3】
[状態]:精神崩壊 HP1/4 MP少量消費
[装備]:影縫い
[道具]:デモンズシールド、ダンボール(たまねぎ*12)
[第一行動方針]:身体の回復
[基本行動方針]:ひとをころしたい
[備考]:重度の記憶障害(戻るかも?)、殺害に対する快楽
【セーラ@FF1】
[状態]:軽い疲労 恐慌
[装備]:無し
[道具]:?(まだ武器が出る可能性があります)
[第一行動方針]:怯える
[基本行動方針]:生き延びたい
【スコール@FF8】
[状態]:軽い疲労
[装備]:オーガニクス@FF9
[道具]:ナイフ、聖石(レオ)
[第一行動方針]:導師に戦いを挑むか考える
[基本行動方針]:仲間を探し出して、ゲームを脱出する
【D-7/草原/昼】
【スリーク@FF3】
[状態]:健康
[装備]:怪獣図鑑@FF4
[道具]:巨人の斧 スーパーボール(FF6) オニオンソード クイックシルバー(FF7) マガジン×5
[基本行動方針]:仲間探し、旧友も最初は疑う
【デッシュ@FF3】
[状態]:全身に疲労、歩けるまでに回復
[装備]:クリスタルの盾、ミスリルナイフ
[道具]:なし
[基本行動方針]:スリーク達について行く
【ティーダ@FF10】
[状態]:健康
[装備]:キアストレート
[道具]:なし
[基本行動方針]:とりあえず仲間を探す
[一行の行動方針]とりあえず北へ
【キスティス@FF8 死亡】
【残り41人】
*ココは傷ついたまま放置されています。回復しなければ今日中には死んでしまいます。
58
:
まだタイトルは未定です
◆nhWPJZDKG.
:2006/06/22(木) 21:49:07 ID:f2NRKyiI
修正箇所
・スリーク組から始めてみて、スコール達の遅れた理由の追加
・コンフュの表現の変更
・混乱の表現変更
・それに伴い、辻褄合わせ
で書いてみました。
パートのつながりが悪い、三人組から初めて見るのもよいと言われたのでやってみましたがコレで良いんでしょうか…?
また、「また影縫いストップかよ!」と不満な意見が多ければその点も変更します。
とにかく、またおかしな点があったらお願いします。明日またココをチェックします。
59
:
名無しさん
:2006/06/22(木) 22:44:54 ID:o0LlxhqA
いいと思います。
特に気になる箇所はないです
60
:
名無しさん
:2006/06/23(金) 01:13:00 ID:/NtMq9Uc
良いと思いますが、
キスティスの支給品は放置という解釈でいいでしょうか?
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名無しさん
:2006/06/23(金) 20:01:11 ID:qQDrwvwU
>>58
乙。溶解液→臭い息→メーザーアイと女を捨てて戦うキスティス先生にしびれました。
>>68
>交渉はまだ長引きそうである。さすがに彼がじっとしているだけでは書くこともない。
>そこで彼が動き始めるまで間、それまで彼に起こったことを書こうと思う。
あんまりこういう作者視点っぽい分はあんま良くないんじゃない?
同じ理由で番号ふったりするのも変だと思う。
72
:
名無しさん
:2006/06/23(金) 20:05:41 ID:FZ/tShIc
フリオニール、これじゃ逆にヘタレ化してないか?
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名無しさん
:2006/06/23(金) 20:38:44 ID:vVESTXlA
簡単に挿話とか言うなよ。
挿話なんかしたらスレしか見てない人は混乱するし
まとめにいたっては作品番号が一つずつズレていくんだぞ?
修正にどれだけ時間かかると思ってんだ。
まとめさんはお前にとって都合のいい奴隷じゃねーんだよ。
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78
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名無しさん
:2006/06/23(金) 21:55:02 ID:MbeJNV3Q
>>69-70
感想ありがとうございます。
ココに誤射は、
殺気たっぷりな何か(混乱したココ)をこちらに向かってくる、と言う判断材料だけで判断したためです。
修正前を見てもらえばわかるとおり、ココが混乱しているのは本文中ではわかり辛くしています。
ミニマムも同様に、本文中には導師が自分に使って小さくなった、という表現は載せてません。
本文はキスティスよりで書いているのであまり導師側のネタを出すと先も読みやすくなってしまいますし何よりどっち視点で書いてるんだ、ということになってしまうので
そこのあたりは書かないようにしました。
序盤の「舐めないで」は導師とキスティスの頭の中をそれぞれ書くために二重にさせていますです。
今回の作品でよさそうなので次スレで投下します。955まで行ってますしね。
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80
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名無しさん
:2006/06/24(土) 22:14:40 ID:ktyK8JaU
>>73
>[備考]:皇帝を見つけたら真っ先に倒す なんて書きながら、
本編にその思考がまったく出てないからね
これはバトロワでは普通にあること。
キャラ特性を考えるとあえて書く必要もないと判断して。
81
:
名無しさん
:2006/06/24(土) 22:34:35 ID:F0FvjiiQ
いや、ゲームに乗ったのに皇帝を見つけたら真っ先に倒すって思考はちょっとおかしい気がする。
こいつ、別に誰かを生き残らせようとはしてないよね?
82
:
名無しさん
:2006/06/24(土) 22:37:25 ID:ktyK8JaU
>>81
そういうちょっとおかしな点もバトロワではありがち
あとの書き手がフォローする慣例。
83
:
名無しさん
:2006/06/24(土) 22:43:08 ID:WZXQZyb.
正直アンチ旧作の奴が旧作キャラに対する印象を悪くしようと工作してるようにしか見えない
84
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85
:
メモ帳
:2006/06/25(日) 00:09:05 ID:ziU8LHVA
>>84
破棄や無効になったら、ちゃんと消すのでご心配なく。
86
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/25(日) 23:30:52 ID:S/CRbgok
あんなことあったんで、覚えてる人少なそうですけど、最後のほうで予約したものです。
おかしいとこがあったら指摘お願いします。
87
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/25(日) 23:37:28 ID:S/CRbgok
最初は戸惑った。自分を襲ってきたのがあの異形の化け物ではなく、とても小柄な少女だったから。まだ少し幼さの残る彼女の雰囲気は、以前一緒に旅をした仲間に似ていた。こんな子までもゲームという名の忌々しい殺し合いに参加しているのか。
「いったいなんだってんだ…」
もしかしたら仲間がいるかもしれない…。周りを警戒しながら、彼女の攻撃が当たらないように距離をとる。できれば殺したくはない。銃口の先は彼女の手元の武器を捉えている。
「………?」
彼女は攻撃をぱたりと止めてしまった。隙をうかがっているのか?いや、そんな気配もない。そしてそのまま俯き座り込んでしまった。さっきまで戦いの音が響いていた森に静寂が戻る。状況が飲み込めない。さっきまではあんなに殺気をこめていたのに…
「おい、嬢ちゃん。どうした。オレを殺すんじゃないのか?」
――しばしの沈黙。
「……めん…ごめんな。殺すつもりやなかった。少し前、誰かに襲われたん…それで必死に森の中を逃げてたんや。こわくて………そこにあんたがおった。もしかしたらさっきのやつかと思って、気付かれる前にやってしまおうかと思ったん。でも違った。あんたみたいなイイ奴やなかった。あんた、ワザとうち撃たんかったやろ?それなのに……」
そう一気に話すと武器を投げた。攻撃する意思はないようだ。今言ったことは…本当なのか?信じていいのか?相変わらず俯き座り込んでいる姿を見ると、嘘とは思えない。ここは賭けだ。それが嘘だったら俺の負け。俺の眼が曇っているということ。
「…まあいい、そんなに謝るんじゃねえ。人違いってヤツなんだろ?それに俺は生きてるし、怪我もしてない。まぁ驚きはしたがな。」
安心したようで、俯いた顔を上げ立ち上がる。泣きそうだった顔は、徐々に太陽のような明るい笑顔になっていく。
――やっぱりどこか似てるかもな。
88
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/25(日) 23:38:47 ID:S/CRbgok
「…ほんまに?よかった!うちセルフィゆうねん。あんたは?」
「俺はバルフレア。空族さ。セルフィ、あんた俺と一緒に来ないか?まあ嫌じゃなかったらだが…あんた一人じゃ心配だし、俺も仲間が欲しかった。あんた結構やるみたいだしな。どうだ?」
「その話乗った〜!」
「じゃ、決まりだな。まずここから離れるか。いつそいつが来るかわからねぇしな」
「よろしくな〜!バルフレア!はよいこ!」
――この空族は見抜けなかった。あの瞳に住み着く猛獣に。別に空族自身の眼が曇っているわけではない。この少女の屈託のない笑顔は本物だった。しかし、殺すつもりがなかったなんて嘘。襲われたなんて嘘。何もかもが嘘―――
89
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/25(日) 23:40:19 ID:S/CRbgok
狙いは一つ、このゲームに勝つこと。ゲームの勝者は一つ願いをかなえてもなえる。そして参加者みんなを元の世界に戻してもらう。もちろんこのゲームが始まる前に。だから勝って勝って勝ち残る。人を殺すことにためらいはある。でも、もう、それもない。そうじゃなきゃ、さっきの人も、これから殺していく人にもシメシが付かないから。
必要なのは仲間と情報。そしていかに自分は無傷でいるか。この男には最初の攻撃を交わされてしまったから、その分反撃の隙を与えてしまうことになる。自分が無事でいられるとは思わない。しかも相手は銃使い、いくら距離をとっても撃たれてしまったら話にならない。一か八かの賭け。
自分だって死にたくないし、みすみす殺されるつもりもない。もちろんスコールやキスティスそれにサイファーがいなくなるのはイヤ。でも、その願いは多分叶わない。そんな気がする。でもな、この計画を邪魔するなら………。だってこれはきっとウチしかできん。
――みんな安心して。ウチが最後まで残ってみんなを元に世界に戻してもらうから。今は苦しいかも知れんけど、それまで待っとってな。バルフレア、必ずあんたも元の世界に帰れるで?……それまではとことん利用させてもらうけどな。
90
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/25(日) 23:40:53 ID:S/CRbgok
【G7 森の出口 昼】
【バルフレア@FF12】
[状態]:軽い疲労
[道具]:なし
[装備]:フォーマルハウト、オニオンバレット
[第一行動方針]:とりあえず森を避け北西へ
[第二行動方針]:ヴァン、アーシェ、バッシュを見つける
[最終行動方針]:ゲームには乗らず生き残り、元の世界に帰る
【セルフィ@FF8】
[状態]:陽気
[装備]:ゆめかまぼろしか 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス
[道具]:グレートソード ミンウの支給品(未確認アイテム0〜2)
[第一行動方針]:バルフレアと北西へ
[第二行動方針]:なるべく無傷で仲間と情報を集める、
[最終行動方針]:ゲームに乗って勝ち残り、元の世界へ帰る
91
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/25(日) 23:46:08 ID:S/CRbgok
うわっ改行失敗。
とりあえずセルフィの行動の理由をちゃんとしたかったので
こんな形になりました
矛盾があったら指摘してくれるとうれしいです。
92
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 01:26:16 ID:Zts34Uwk
乙です。
空族は間違い、空賊が正しいです。
特に矛盾点は無いと思います。
ただ、俺はバルフレアのが簡単に信用するのに少し違和感を感じました。
バルフレアは切れ者ですから、持ち物チェックした上で、
意図的に前を歩かせて自分の背を見せない、いつ襲われてもいいよう監視しておくくらいの
慎重さがあってもいいかなと思いました。
しかも、「仲間だから持っているものを把握しておきたい」とか、
「俺は銃が武器だから、近接武器を持つお前が前を歩いてくれないか」とか、
相手に気づかれないように、さりげなく警戒しそうです。
ただ、あくまで俺の感覚なので参考意見です。修正対象にはなりません。
93
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 01:30:36 ID:Zts34Uwk
>>49-57
の続きで、セーラとスコールを書きました。
前作が破棄された場合、自動的に本作も破棄となります。
それでは、投下します。
94
:
セーラの選択 1/6
:2006/06/26(月) 01:31:16 ID:Zts34Uwk
ここから離れよう。
先のことはわからないが、今するべきなのはここから離れることだ。
「逃げるぞ」
スコールは先ほどと同じようにセーラを抱え上げて北へ走った。
ぎゅっ
恐怖のためか、セーラはスコールに強く抱きついている。
……そんなに抱きつかないでくれ。
走りづらいだけじゃなくて、そう、誰かに見られたら誤解されるだろ。
ああ、そういえばサイファーがいるんだったな。
サイファーにこんな姿を見られたら……考えたくも無い。
セルフィに会ったら、「リノアがいないところで何やってるの、浮気者〜」とか言われそうだ。
…リノア、いなくて良かったな。
こんな姿を見られずにすむ…のはいいとして、この世界であいつが殺されることを考えると……。
ああ、助けられなくてすまなかった、キスティス。
SEEDとして仲間や同僚の死は覚悟しなければならなかったとはいえ、
こんな形で死へ向かい合うことになるなんてな。早くこの場所から抜け出したい。
セルフィ、お前なら協力してくれるよな。サイファー、お前もこんなときくらい協力してくれよ。
仲間のことを思いながら、スコールは走りつづけた。
後ろを振り返ると、キスティスを殺した白い服の人物はもう見えなかった。
95
:
セーラの選択 2/6
:2006/06/26(月) 01:32:08 ID:Zts34Uwk
「この辺りでいいだろう」
膝を曲げて、手を離しセーラを下ろそうとする。
しかし、セーラはスコールに抱きついたまま離れようとしない。
ちょっと待ってくれ、いつまで抱きついてるつもりだ?
あんな状況を見れば恐怖を感じるのはわかるが、離れてくれ。
「おい、いいかげんに離れて1人で歩いてくれないか」
「ご、ごめんなさい」
セーラはスコールの冷たい言葉を聞いて、仕方なく離れる。
そして、おびえた表情でスコールを見つめた。
そんな表情をしないでくれ、まるで俺が悪いことをしたみたいじゃないか。
心の方が落ち着かないと、まともに行動できやしない。
「しばらくここで休もう。だから落ち着いてくれ」
セーラは頷く、表情も少しだけ和らいだみたいだ。
「そういえば、お前の支給品はこのナイフ以外に何があったんだ?」
「え、ちょっと待ってください」
最初にスコールに会うまでザックの中を見ていなかった。渡したナイフも最初に出てきた物。
セーラは何が入っているのか確認するためにザックをあける。
「…えっと、何も入っていませんでした」
ザックの中を見ても、地図や名簿などの基本支給品以外には見つからなかったのだ。
「……残念でしたね」
一方、スコールは驚きの表情を浮かべていた。
何も入っていないことに驚いたのではない、入っていた物に驚いたのである。
96
:
セーラの選択 3/6
:2006/06/26(月) 01:32:44 ID:Zts34Uwk
「ガーディアンフォース、それも2体」
「ガーディ…?それは何でしょうか」
どうやって説明すればいいだろう。
「魔法が使えるようになる。身体能力が上がる」
ここまではいい、召喚は、どう説明する?
「そして、魔物を召喚して盾になってもらったり、攻撃してもらったりできる」
魔物と言ってしまったが、これで理解できただろうか。
「えっと、そのガーディアンフォースがどうかしたのですか?」
ああ、ガーディアンフォースが見えない支給品だったと言っていなかったか。
「お前の支給品の残りがガーディアンフォースだった。
ガーディアンフォースは頭の中に居座るからな、見えなかったというわけだ」
「私は強くなれたんですか?あまり変わらないような気がするんですけど」
魔法のジャンクションやアビリティの付け替えをしないと効果的には使えないんだが、
説明するのが面倒だ。
「それより前に、お前に聞きたい。
お前は戦う道を選ぶか?それとも守られる道を選ぶか?
ガーディアンフォースがあれば、どちらにもなれる。お前の好きなほうを選べ」
もしも戦うならば、こいつにガーディアンフォースを装備させればいい。
1体を俺がもらったとしても、十分戦えるだろう。
もしも守るならば2体とも俺がもらってこいつを守る。
本当なら、こんな弱い女を守りながら戦うのはつらいが、
ガーディアンフォースをもらったまま見捨てるわけにはいかないからな。
97
:
セーラの選択 4/6
:2006/06/26(月) 01:33:33 ID:Zts34Uwk
戦う道を選ぶか、守られる道を選ぶか?
私はどっちを選んだらいいのでしょう。
いままでの私は守られてばかり。ガーランドにさらわれても何も抵抗できなかった。
姫だったから、私はずっと父上や城の兵士達に守られていた。
ここには父上も兵士達もいないけど、この人が守ってくれるのなら私は戦わなくても…
思い出される先ほどの惨劇。
1人の女性が切り裂かれて殺されるあの光景。
いや……殺されたくない。私は生きたい。
私は本当に守られるだけでいいの?
守られるだけで生きられるの?
弱い私のままで殺されずにいられるの?
強くなりたい。
戦える力が欲しい。
自分のことは自分で守れるだけの力が欲しい。
「私、戦います。
自分のことは自分で守って、生きて帰ります」
「そうか。わかった、ガーディアンフォースの使い方を説明しよう」
98
:
セーラの選択 5/6
:2006/06/26(月) 01:34:13 ID:Zts34Uwk
2体のガーディアンフォースはケルベロスとグラシャラボラス。
能力値ジャンクションの無いグラシャラボラスをスコールが装備。
能力値ジャンクションが豊富なケルベロスをセーラが装備。
スコールは適切な魔法をセーラに渡し、魔法のジャンクションを行った。
---------------------------------------------------------
スコール【グラシャラボラス】
属性攻撃J(なし)、ST攻撃J(サイレス)、属性防御J(アルテマ)
ST防御J(ペイン、ブレイク、コンフュ、ストップ)
コマンド(まほう、ドロー、G.F.)アビリティ(オートシェル、召喚魔法+40%)
セーラ【ケルベロス】
力J(オーラ)、魔力J(メテオ)、精神J(リジェネ)
命中J(ファイガ)、早さJ(トリプル)、ST攻撃J(スリプル)
ST防御J(ホーリー、リフレク)
コマンド(まほう、ドロー、G.F.)アビリティ(オートヘイスト、けいかい、早さ+40%)
---------------------------------------------------------
99
:
セーラの選択 6/6
:2006/06/26(月) 01:34:45 ID:Zts34Uwk
「と、使い方はこんな感じだ。
ただ、いきなり実戦で戦えるとは思えない。今から戦い方の訓練をしてもらおう」
「はい、わかりました」
G.F.を手に入れた今なら、キスティスの敵を討てるかもしれない。
でも、この女に戦力になってもらうためには、G.F.と魔法に慣れてもらわなければ。
【B-7 草原 真昼】
【セーラ@FF1】
[状態]:軽い疲労、オートヘイスト
[装備]:ナイフ、G.F.ケルベロス
[道具]:なし
[第一行動方針]:戦い方の訓練
[基本行動方針]:生き延びたい、自分の事は自分で守る
[備考]:警戒、身体能力大幅上昇、多くのST異常に中耐性、睡眠攻撃
いくつかの魔法をスコールから譲渡されています
【スコール@FF8】
[状態]:軽い疲労、オートシェル
[装備]:オーガニクス@FF9、G.F.グラシャラボラス
[道具]:聖石(レオ)
[第一行動方針]:セーラに訓練をさせる
[基本行動方針]:仲間を探し出して、ゲームを脱出する
[備考]:属性攻撃無効、沈黙攻撃
毒、沈黙、暗闇、カーズ、石化、混乱、ストップ無効
100
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 01:36:31 ID:Zts34Uwk
5/6がかなりウザイと思いますが、どうでしょうか。
細かいジャンクションの記述なしで状態欄記述だけで足りますかね?
101
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 13:25:11 ID:rf0P6Fng
G.F.はいいとしても、どうして魔法があるの?
精製するアイテムもないし、ゲーム開始時に各キャラが持っているものはザックと元から装備してる
鎧のような防具だけのはず。気になったのはそこ。
ここからは個人的意見。
ジャンクションはただえさえ扱いづらいシステムだから、こういった書き方されると
続きを書く人が困るんじゃないかな。
「早さ+40%」とかも、数値化されても結局「素早さがあがる」だけで終わっちゃうと思うしね。
102
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 22:02:23 ID:Z.fFYlp2
スコールも魔法が使えるとしたらサイファーやキスティスも使えた事になるから持ってないほうがいいかな。
サイファーは一度ドローフレア使おうとしたけど修正されたしね。(ちょっと論点ずれてるかな)
103
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 22:24:41 ID:Zts34Uwk
すみません、魔法が没収されているというのは考えていませんでした。
FF3のように魔法は没収されていない設定ではいけませんか?
後の書き手さんには「素早さがあがる」程度で書いてもらえればいいと思っているので、
システム面を表に出さないように書き方を変えたほうがいいかもしれませんね。
104
:
名無しさん
:2006/06/26(月) 22:27:00 ID:Zts34Uwk
>>102
サイファーやキスティスはG.F.を持っていなかったので、
魔法が使えなかったのは問題が無いと思います。
105
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/26(月) 22:52:59 ID:nueQ1mbw
>>92
さん
指摘ありがとうございます。空族→空賊に修正します。
バルフレアはカオス騒動もあったので多少動揺してるし
仲間ができてほっとしたということもあり…。
時間的にはそんなたってないです。
小説作るのって難しい…
106
:
名無しさん
:2006/06/27(火) 00:53:55 ID:M/Zh9gAY
>>105
アーシェは違うと思われますが。
107
:
名無しさん
:2006/06/27(火) 07:10:45 ID:1cJNZOsw
>104
う、そうだったか。ごめんなさい。
108
:
◆e5H28KYlSY
:2006/06/27(火) 22:07:50 ID:vVkcL3pU
!!!orz
>>106
ありがとう
アーシェ→パンネロです
109
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:14:06 ID:kbQTSWUQ
本スレも立たないし、添削の意味も含めて一時的にこちらに投下します。
110
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:14:41 ID:kbQTSWUQ
湿地帯のそばを歩いていたユウナとガフガリオンは、人の気配を感じた。
「ガフさん、誰か…」
「分かっている。」
ガフガリオンがキセルを握り、ユウナもいつでも戦闘に入れる体勢を取る。
(二人…。いや、一人か?)
警戒しながら辺りを見回す。
やがて、前方から一人の女性が現れた。長い金髪をなびかせた美女だ。
その女性は、持っていた刀を地面に突き刺して両手をあげ、穏やかな声で言った。
「私に戦う意思は無いわ。貴方達も武器をおろして頂戴。」
それを聞いたユウナも両手をあげようとするが、ガフガリオンがそれを止めた。
「待ちな。」
「…何か?」
ガフガリオンは冷静に考える。
(一見全く敵意が無いように見えるが…。あの刀を刺した位置、いざという時にはすぐに抜ける位置だ。
…この女、なかなかの実力者だな。それに…。)
「もう一人いるな。そいつに出てきてもらうぜ。」
111
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:15:06 ID:kbQTSWUQ
(ばれてたというの…?)
セリスは表情を崩さぬよう、心の中で呟く。
(まあ、ばれてもそんなに問題じゃないんだけどね。)
フリオニールが隠れているのは、相手が敵対してきた時のため。
さっき女の方が手を挙げようとした所を見ると、相手も警戒しているだけでむやみに戦う気は無いのだろう。
「ごめんなさい。もう一人、私の仲間が近く隠れているわ。万が一貴方達がゲームに乗っている事も考慮しての事なの。気を悪くしないで。」
「何でもいい。オレ達も戦う気は無いが、そいつが出てくるまではこっちも警戒を解くわけにはいかン。」
「分かったわ。今仲間を呼びます。」
セリスはフリオニールに「出てきて」と合図を送った。
やや遅れて、フリオニールが姿を現した。
「遅かったじゃない。」
「あ、ああ。すまない。ちょっと考え事をな…。」
フリオニールが出てきた所で、ようやくユウナとガフガリオンも警戒を解いた。
四人は自己紹介を交わすと、今度はお互いの知り合い、ここまでに会った人物を教えあった。
112
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:15:27 ID:kbQTSWUQ
「そう、それからみんなに知っておいて欲しい事があるの。」
仲間を教えあった後、セリスが口を開いた。
「私、さっきこのゲームに乗っている人に出会ったの。」
一同の顔が変わる。
「え?そうだったのか?」
彼女の仲間というフリオニールも知らなかったらしい。
「ええ、貴方に出会う前だったんだけど…。」
セリスの顔がだんだん青くなっていく。
「この…ヴァンという少年だったわ。」
セリスが指した先には、明るそうな少年の写真。
その写真を見ると、一瞬フリオニールは怪訝な顔をした。
それに気付かず、セリスは話を続ける。
「私は最初、このパンネロという少女と一緒にいたんだけど…。このヴァンが、友好的なフリをして仲間に入ってきて…。
そ、それで…、突然パンネロを後ろから…!」
いつの間にかセリスの顔は青くなっており、体は震えている。
ガフガリオンは黙ったままその話を聞き、ユウナは両手で口を抑え悲しそうな顔をしていた。
113
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:16:02 ID:kbQTSWUQ
「許せないな。」
フリオニールは呟く。だが、心の中では別な事を考えていた。
(なるほど…、そういう事か。)
セリスの考えが読めた。こいつは嘘をついている。この悲しそうな様子も演技だ。
フリオニールは一度ヴァンと会っている。そしてヴァンに殺されたというパンネロともだ。
二人は元々の知り合いのようで、二人で行動していた。
セリスが言うように「初めパンネロと行動していて、そこにヴァンが加わった」というシュチュエーションは有り得ない。
しかもヴァンもパンネロもゲームに乗っている様子は無かった。
ここから導き出される結論は一つ。
この女はゲームに乗っている。そして、パンネロを殺したのはこいつだ。
恐らくはヴァンも殺すつもりだったんだろうが、それに失敗したのだろう。
だから自分がマーダーと知られる前に、ヴァンがマーダーであるという噂を先に広めてしまおうというわけか。
自分は被害者を装い、俺を仲間にして「非マーダー」という事をアピールする。
そして対主催として戦い、人数が少なくなったところで残った人間を一掃。その為に俺を利用しようと…。
(こいつも俺と同じ事を考えているな…。)
まあいいだろう。
最初にヴァンを殺しそこねている自分としては、ヴァンがマーダーという噂が流れるのは好都合だ。
しばらくは利用されているフリをしてやろう。
(…こいつら、怪しいな。)
セリスの話を聞きながら、ガフガリオンはそう感じた。
根拠は無いが、どうも嫌な予感がする。それは長年傭兵として渡り歩いてきた自分の勘なのかもしれない。
加えて、さっきヴァンって奴の名前を出した時、一瞬だがフリオニールの表情が変わった。
何か裏がありそうな気がする。もちろん思い過ごしかもしれないが…。
生き残るためには仲間が多いに越したことはない。しかしこの二人と行動を共にしていいものか。
(さて、どうしたもンかな…。)
114
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:16:22 ID:kbQTSWUQ
【C-2/湿地帯/昼】
【セリス@FF6】
[状態]:軽度の疲労
[装備]:村雨、勲章
[道具]:無し
[第一行動方針]:ガフガリオンとユウナを仲間に引き込む
[第二行動方針]:ゲームに乗っている事を悟られず仲間を集める
[第三行動方針]:ヴァンが殺人者という噂を広める
[最終行動方針]:ロックを勝者にする
【フリオニール@FF2】
[状態]:軽い腹部の痛み
[装備]:菊一文字
[道具]:与一の弓
[第一行動方針]:ガフガリオンとユウナを仲間に引き込む
[第二行動方針]:ゲームに乗っている事を悟られず仲間を集める
[最終行動方針]:ゲームに勝利する
[備考]:皇帝を見つけたら真っ先に倒す セリスに利用されているフリをする
【ガフガリオン@FFT】
[状態]:健康
[装備]:キセル@FFT財宝
[道具]:2万ギル
[第一行動方針]:セリスとフリオニールの仲間になるか考える
[第二行動方針]:塔へ向かう?
[基本行動方針]:ティーダとラムザを探す
【ユウナ@FF10-2】
[状態]:健康
[装備]:ソウルオブサマサ、賢者の指輪@FF12、G.F.トンベリ
[道具]:3万ギル、ドーガの魔導器
[第一行動方針]:セリスとフリオニールの仲間になるか考える(ガフガリオンの意見に従う)
[第二行動方針]:塔へ向かう?
[基本行動方針]:ティーダとの再会を目指す
[リザルトプレート]黒き紋章
[ドレスフィア]<ダークナイト>、歌姫、きぐるみ士、?×3
[備考]ユウナはG.F.トンベリに気づいていません
115
:
◆iJOQ7GnJ/E
:2006/06/28(水) 01:17:04 ID:kbQTSWUQ
以上です。何か目に付く箇所がありましたら指摘お願いします。
116
:
101
:2006/06/28(水) 11:38:17 ID:83gjB6uk
>>103
レスおくれてごめん。
俺はよくFF3知らないんだけど、FF1,2,5みたいに魔法は店で買うんだよね?
これらのシリーズは、魔法の指導書のようなものを店で買う→キャラ自身が魔法を習得
みたいな感じで俺は解釈してたんだ。
だから、完全に個数制のFF8とは違うんじゃないかと思って指摘したんだけど。
ただ、これは俺の意見だけで決めることじゃないから、皆はどう思ってるのかも聞きたい。
117
:
103
:2006/06/29(木) 00:28:41 ID:wDJshEC6
魔法が没収されていると、G.F.を装備するときに8キャラよりも他作品キャラの方が
効果的に扱えるという悲しい状況になるので魔法は残っていて欲しいという希望を出します。
FF3は雑談スレ23,29を参考にしていただければわかると思います。
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