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投下用SS一時置き場
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「…おい、ちょっと来い」
「あら?なんですの、ゴンさん」
ローラを呼び止める。
サマンサが意味ありげな視線でこっちを見ている。
向こうが何を考えているか分からないが、どちらとも取れた。
ヤツは、黒か…白か?
今はサッパリ分からない。
ともかく、自分は主に会うまでこのお姫様を無事に届けなければならないのだ。
溜息をつきつつ、ローラに囁いた。
(耳貸せ)
「え?」
近づくと、戦場には似つかわしくない、花のようないい香りが彼女の髪から漂う。
鼻腔をくすぐるその匂いにゴンは戸惑いながらも、あの魔法使いに対する『疑念』をはっきりとは出さないようメッセージを伝えた。
(…はっきりとは、言わないほうがいいよな)
あいつを疑っている、とでも言おうものなら、きっと「人を疑うなんて、そんなのよくありませんわ!サマンサさんがそんなことするはずありませんよね?」
と、本人であるあの魔法使いに問い詰めて、朝までループするか、魔法使いがいい加減ウンザリして戦いをおっ始めるかの選択肢しかなくなる…と踏んでいた。
ゴンは、やれやれだ、と面倒くさく思った。
(部屋の中で、何かあったら…すぐに俺の所まで来るんだ)
(はぁ…)
(わかったな?)
「ええ。わかりました、ゴンさん」
ぺこり、と一礼して彼女は階段を上っていった。
「…」
確かに、今の自分は疑心暗鬼になっているかもしれない。
ローラ姫のように、気楽に構えて(と言っていいのだろうか)行くのも必要ではないか、と思う。
だが、あの魔法使いの眼を見て言い知れぬ脅威を感じたのは事実だ。
(ただの女がするような眼じゃねぇ。あれは…腹括ってる眼だ。
人よりむしろ、俺ら魔物がするような眼…)
ゴンは見張りをすると言ったが、見張るのは彼女たちの動向であった。
彼は家の裏、木陰に座り込みながら、じっと二階を見据えていた。
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