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投下用SS一時置き場

426名無しさん:2006/06/14(水) 02:36:20 ID:GQ9YlyWI
だが、私は泣くことはできない。
泣く前に、考えろ、考えろ。
このゲームに勝つ為にはどうすればいいのかを。
まず、目の前の一人と一匹を殺す方法を。

手に握り締めた石があたたかくなり、効果を発揮して、サマンサの体を癒す。

「まあ、だいぶ顔色も良くなりましたわ。」「ええ。おかげさまで。」
ひとりは簡単だろう。
この少女に人を殺す能力があるとは思えない。
もう一方に、目をやると、ドラゴンがこちらを注意深く睨んでいる。
 駄目だ。この体では、多少回復しただけでは勝てない。
ゲームに乗っているのを、一人と一匹に知られてしまっている。これ以上、増えるのは流石にまずい。
 ここは引くか。
「ありがとうございます。ここで休んでいれば大丈夫ですから。」にっこり笑う。
「でも・・・」
「俺らは俺らで、やることがあるだろう?先を急ぐぜ。」
可憐な少女は考えた後、思いついたらしく、手を叩く。
「そうですわ!一緒に参りません?」
「はぁ?」「えっ」
「ゴンさんーああ、自己紹介が未だでしたわね。わたくしローラです。こちらはゴンさん。あなたのお名前は?」
「は、はぁ。ご丁寧にどうもアリガトウゴザイマス。サマンサです。」
「あ、それでですね、ゴンさんも私も人をそれぞれ探しているんです。
 サマンサさんも、治療できる人か傷が回復するまで、ご一緒しませんか?」
「あの、」「ね?」「ええっと」「ね?」
首をかしげている少女、大変風情のあるかわいらしい姿なのだが。
隣にいたドラゴンが溜息を1つ。
「諦めろ。
馬鹿女は言い出したら、止まらねぇ」
ドラゴンの背中にどこか哀愁があるような・・・魔物だろう、お前。
「はぁ」
「他に何かご一緒できない、わけでもありますの?」




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