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【兄上】 若生 鳳仙スレ 【大好き】

1万年名無しさん:2003/02/08(土) 20:44
                              / 7i
           ト`ヽ  __             /  ./ |
           | ヽ.\ `~ヽ、          /  _/  ! ,.. -┐
       rー- .,_|,. ---.,\   \   ___  / / >'"´_,./l
         ! ` ー ., ``ー ,ミヽ> '"`ヽ´   ``'' くi/_,. - '"    .|
       !     ̄` ーァ     i}       \         |
       iヽ     /        ̄``ヽ、  `ヽヽ      .|
       | 〉    / /          、   ヾ ヽ、___,j
       |    _/ /  ,   i l  ヽ ヽ ヽ   ヽ ヽ \
       L_,.ィ i /  , / i  il !   i l  il ヽ   ヽ',  ヽ
           l/  { l / / i _」Lil   l l,.-十iト li   l i   ヽ
.        /   il i l /´l l_i_l ト、 l i リ,.- .,i_l i l li |    ヽ
        /    | il i liくTi;;;;iヽヽヽノレ'イ:;;:;i::l l ! i il リ   /、
        >- 、  | l il il i:;t;;;j::|     |::ー';:l !l il i !l  /ヽ ',
       // L`ヽl i i ヽl ー '"  、    ̄  ,'' | il lリV_,/,  ',
       ,','  ,' ,' /ヽi l | ゝ,    o    /  !i l/  ', ', ',  ',  兄上

       ,','  // /  i lN   `ヽ.,    ,.ィ'   !l/    ', ', ',  ',  ばか?
.     /'  // /   ヽlト、   _,| ` ー ´ | 、  '     ', ', ',  ',
     //  // /        /´lf|     /7 ヽ       ', ', ',  ',
.    //  // /       /  .|{    / '   ヽ,      ', ', ',  ',
   //  // /    ,. - '" |   ||  //     / ヽ      ゙、 ゙、 ゙、 ゙、 
  , '  , ' , '   /´     !   |l//    ./    ヽ.    ヽ ヽヽ ヽ

4331/4:2003/04/22(火) 21:58


「今日も一日お疲れ様、兄上」


山の方角へ向かって私は軽く手を合わせ、目を瞑る。

たまに、あの山のあの場所へ行きたい衝動にかられるが、
あそこには龍神様がいる。
私は、もう龍神様とは会わないと決めたんだ。
だから、こうして兄上と菊花様が眠るあの場所へ向かって
一日の報告をする。



………

………


今日の仕事も終わった。

あとはもう床に就くだけだ。

静かな部屋。
暫く前までは、この夕餉を終わらせた時間……賑やかだったものだ。
菊花様がいて、龍神様がいて。

そして兄上がいて。


話をする相手もいなくなった今、この空白の時間は繰り上げられ
私はより早く休むようになっていた。
一人には、この時間は辛い。


…明日には、また明日の仕事があるんだ。
村人は、まだ社の者である私の力を必要としてくれている。
忙しさを利用して、私は思い出に浸らないよう
兄上を思い出さないよう私は自分を誤魔化す。


横になるとすぐに睡魔は襲ってきた。

4342/4:2003/04/22(火) 21:58



「………」
「………」


……まただ。
もう、止めて……。


届かぬ声。
人の姿をした、ただの影。

これは、夢ではない。
私の…私が持つ先見の明。
起きているときであろうとなかろうと容赦なく目に映るもの。


私の先見の力はしっかりしたものではない。
見えるのもぼんやりとしたもの、はっきりみえたりしたとしても
それは一瞬。


だから、伝わってくるのは楽しげな雰囲気だけ。
いつも、そう。
この先兄上の生まれ変わりと
その近くに居る人は幸せな生活を送ることが出来る。
それは、私が願っていることだ。

だが、そんなイメージだけを送られて
私はいつまで耐えなければならない…?

この定期的に起きる先見は、まるで私に、自分の義務を忘れるなと
語りかけてくるようで。

こんな僅かなものを見せられるだけなら、いらない……!
私は絶対に兄上を裏切らない……!
必ず、兄上の生まれ変わりが現れるまで待つと約束する。

だからこれ以上、私を苦しめないでくれ……

4353/4:2003/04/22(火) 21:59













暖かい……。

額からそっと温もりが伝わる。

なんだろう、これは……。

すごく優しく、気持ちいい……。




その、暖かいぬくもりが、目の前の闇を消し去っていってくれる。


うっすらと動くだけの影、その白黒の光景に次々と色がつき
そして、私には決して届くことのない声は
やがて私の耳にも、はっきりと話し声となって
聞き取れるようになった。


次第に見えてきたその光景の中に、いつの間にか
私は溶け込んでいた。


兄上……に似てはいるが違う人。
そう、私が前に先見でぼんやりと思い浮かんだ人だ。
彼と私が楽しく話をしている。

それに後から現れた人たち。

「彼方ちゃーん、暇ーーーー?」
「お邪魔致します、彼方さん」
「彼方ーーー、遊びに来たのだーーー」
「わらわとシャモンもいるぞーー」
「ニャ、ニャーン」

龍神様……?それに菊花様!?


………
いや、違う。似ているがやっぱり別人みたいだ。

あと、他にいる小さな子供たち。
この子達には見覚えはない。…でも、何かすごく私に近い感じがする。

見たこともない人たちばかりなのに、私はすぐにその中に溶け込んで
これでもかという程、我を忘れて遊んだ―――














ん……



「……楽しい夢だった。久しぶりにすっきりとした目覚めだ……」

先見を使えるようになってから、私は夢を見れなくなった。
久方ぶりに見た夢は、まるで実際に目の前で起きていたことのようで
単なる夢でしかないとは言っても
私にとっては、本当に大変楽しいひと時だった。



「ん。さて、今日も頑張るか」

4364/4:2003/04/22(火) 22:00



………


………




「あ、目が覚めたか?芽依子」


彼方……さん?
ど…う…して…ここに?

まだ、頭がぼんやりとしていた。
軽いぬくもりを感じて……

ん?


何か違和感があった。
ふと、手を頭のほうにもっていくと
私の手は、彼方さんの手に触れた。


「……何を?」


「…芽依子の頭を撫でていた。お前でも、寝顔は子供っぽくて可愛かったから
 つい……な」


…頭を撫でていた?
遥か昔、あの夢の中で感じた温もり……。

………
まさか…な。


「………」







…っと、それはともかく。
彼方さん何か聞き捨てならないことを言ったような。


「……子供っぽい?」


「あ゛」

彼方さんが受け身をとる。

…だが、私の心は満たされた気持ちで一杯になっていた。
いつものようにふざけて拳をふるう気にはとてもなれない。


「……ふ」


「あ……れ?」

彼方さんは、狐につままれたような顔をしていた。
それは、とても滑稽な表情で何かに撮り収めておきたいぐらい。


「殴ってこないのか……?今日は何か変だな」


気が変わってきた。
やっぱりいつものようにヤってしまおうかな……?







………


…ま。

いいか。

けれど、明日からは容赦なくいくぞ?彼方さん。




………


「彼方ちゃーん、暇ーーーー?」
「お邪魔致します、彼方さん」
「彼方ーーー、遊びに来たのだーーー」
「わらわとシャモンもいるぞーー」
「ニャ、ニャーン」



「お、一気に騒がしいやつらが来たな。芽依子、迎えに行くか」


………


「何してんだ?芽依子?」



「ああ、今行く」


「………」


面と向かっていえるほど私は素直な人間じゃないから。

そっと、春の風に消し去られるほどの声で。






「兄上といっしょに…彼方さん、あなたも私を支えてくれてたんだね…」


「ありがとう」


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