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第2回東方最萌トーナメント 39本目
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「藍様藍様♪」
幻想郷をあるきながら、橙は隣の藍に終始話し掛ける。
「藍様、海はどうして青いのかなー?」
「空を映しているからだよ」
「じゃあ、じゃあ。空はどうして青いんだろうー?」
「海の色が反射しているんだ」
「へー……藍様物知りー♪」
橙は感心した声を上げる。ぎゅっと手を繋いで、尊敬の眼差しで藍を見上げる。
「分からないことはー人にー聞くー♪」
くるくると回りながら、橙が歌う。そんな橙を、藍は目を細めて微笑みながら眺める。
「はは……こらこら。あんまりはしゃぐと……」
「きゃわっ!?」
「おっと……」
足を滑らせて倒れかける橙の腰を、とっさに藍の腕が支える。
「こうなるから、ね?」
「えへへ……ごめんなさぁい。でも、藍様とお出かけするのが嬉しくって……♪」
「まったくもう……」
苦笑しながらも、藍も嬉しそうだ。腕の中の橙をなでなでする。
「にゃぁー……♪」
橙は、気持ちよさそうに目を細めた。
丘の上は、空に近い。緑の草が、風にさわさわと揺れる。
その草原の中にぽつんと見える、赤と青。
「あはははは! 藍様はやくぅ〜っ♪」
ぱたぱたと走り、くるっと振り返りながら橙が言う。
「まったく、橙は元気だなぁ」
それにおいていかれないように少し小走りになりながら、藍が微笑む。
ぱたぱたぱた……
橙は一度引き返して、藍の下まで走りより。
「はやくはやく行こ♪」
藍を急かしては、またぱたぱたと走り去る。
やがて見えてくる、開けた風景。その真中で、橙はぴょんぴょん飛び跳ねる。
「藍様っ、すっごいよぉー♪」
「ほう……これは」
小高い山の中腹。眼下に、幻想郷を一望できる。
「すっごいねー♪」
「ああ。すごいな……」
しばし、二人並んでその光景に見入る。
初夏の幻想郷は緑に溢れ、どこも生命力に満ちていた。近くを流れる小川の水が、きらき
らと光る。
「あっ、藍様魚!」
言うが早いか、橙は小川に向かって猛ダッシュ。
「流されないように気をつけるんだぞー?」
微笑みながら、藍は橙に呼びかける。それに手を振って答えながら、橙は川にざぶざぶと
入っていった。
日差しはうららか。藍は木陰に腰掛けて、走り回る橙を眺めていた。
時折藍を振り返り、橙は手を振る。そんな満面の笑みの橙に手を振り返す。
ステキな、休日。
涼しげな風の音を聞きながら、藍は少しだけ目を閉じた。
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