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第2回東方最萌トーナメント 30本目

1七色名無し </b><font color=#FF0000>(TOHONptI)</font><b>:2005/02/14(月) 18:45:26 ID:RCbRXy0Y
◇インフォメーション(ルール詳細、トーナメント表、アップローダ等)
http://f39.aaa.livedoor.jp/~nullpopo/toho2/

◇コード発行所(投票は【コード必須】です。詳しくは>>3をご覧ください)
http://giants.s34.xrea.com/code06/code.cgi

○お絵描き板  http://az.ralt.jp/thbbs2/
○アップローダ http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/upload.html
○お絵描き板  http://th-alt.mine.nu/ (エログロ禁止)
○アップローダ http://www110.sakura.ne.jp/~saimoe/upload/ (年齢制限あり)

基本ルール
・投票受付時間は0:00:00〜23:00:59。
・有効票は>>950まで。それ以降の投票は次スレにて。
・1人1票。2重投票すると、美鈴と共に雑技団へ。
・[[コード]](半角大カッコ2つずつ)+<<キャラクター名>>(半角不等号2つずつ)の形式で有効票。
 ただし、1レス内に規定より多い票があると無効に。

・中間票発表、結果速報は禁止。
・○○が劣勢なので…のような票数を題材にした支援、投票は荒れの元なので控えましょう。
・CATVやLAN等IDが重複する可能性がある場合は同一レス内で宣言を。後付け宣言は無効です。
・不意の二重書き込みはなるべく運営スレッドに報告を。

他スレッドへのリンク、追加ルールは>>2

99あなたと生きること 7/9:2005/02/14(月) 23:40:08 ID:DLXoAs.E
「そろそろ終わりかしら・・・もう陽も落ちるわね」
「まだよ。もう一箇所行っておかないと」
「どこに?」
問うても、紫は答えない。表情も、さっきまでの怪しい笑みは消え、至極真面目な顔をしていた。深く追求する気にもなれず、黙って着いて行く。
・・・魔法の森に近付いたあたりで、私も何処へ向かっているか察した。

「ここよね・・・霧雨魔理沙の元邸宅は」
私の住む家からやや離れた場所に、魔理沙が住んでいた家がある。もう人が住んでいる気配はしないが、見た目はあの頃のままだった。
外見に華やかさの欠片もなく、まして中に入れば倉庫と見間違うほど蒐集物が積んである、そんなところが魔理沙らしい家。ここには、魔理沙を看取って以来来ていない。
「ドアは・・・鍵かしら、これは」
「魔法よ」
紫に代わりドアノブに手をかけ、キーワードを呟く。がちゃりと音がして鍵が外れる。後ろで紫がまあ、と感嘆していたが、私も少し驚いている。結構覚えにくい内容だったのに、ずっと忘れず覚えていたらしい。教えてもらったのは魔理沙の最期、一回だけだったのに。
「・・・変わってないのね、あの頃から」
家の中は、魔法のせいか古びることもなく記憶にあるとおりのだった。
「結局魔理沙が集めたものも全部置いたままなのよね」
「貰っていこうとか思わなかったのかしら?」
紫が冗談めかして言うが、私は首を振る。あの時は、とてもそんなことを考える心境ではなかった。
魔理沙は私よりも外出の機会が多かった分、その蒐集物も幅広い。魔法のアイテムをはじめとして、本人がどういったものか理解していないようなものまで集めているらしかった。
あちこち部屋を見て回っているうちに、いつか私が渡したグリモワールも見つけた。一際丁寧に保存されており、大事にしてくれていたことが分かる。他のものと一緒に適当に扱われているのではないかと思っていた私は、内心ほっとした。
「住んでいた頃のままみたいね」
「そうね・・・どこかから魔理沙が」
出てきそう、と言おうとした瞬間。
魔理沙の、あの帽子が目に入る。椅子に持たれかかっているように・・・
「魔理沙!」
躓きそうな勢いで駆け寄り・・・帽子が椅子に掛けられているだけだということに気付く。
いや、違う。この家を最後に訪れたとき、私が自分の手でかけたのだ。魔理沙は、家にいるときいつもそうしていたから。
「魔理沙・・・」
馬鹿だ。ありえないことなんだ。魔理沙がここにいるはずがない。
分かっているのに・・・私は何をしているんだろう・・・。

100あなたと生きること 8/9:2005/02/14(月) 23:40:28 ID:DLXoAs.E
「・・・アリス」
紫が躊躇いがちに声をかける。そんな紫の声は初めて聞いた。
「魔理沙に会いたいのよね」
「会いたい・・・会いたいわ、友達だもの!」
帽子を抱きしめ、絞り出すように言う。馬鹿な夢を見た私への罵倒と後悔と、そしてそれでも断ち切れない願いを込めて。
「ここにいないのは分かってるのに!もう会えないことだってずっと前から理解してるのに!それでも・・・やっぱり会いたいのよ・・・!」
妖怪も人間も関係ないと思っていた。あのままの関係が続くと思っていた。私が、一番幸せだった頃。
楽しかったことを思い出にして、私は魔理沙のことを忘れようとしていた。自分の気持ちを誤魔化して。
「アリス・・・私ね、今のみんなを見てもらうことであなたにも今のあなたを見つけてもらおうと思ったの」
私を気遣ってか、紫は穏やかに語る。私は黙って聞くことしかできない。
「でも、違うのね。あなたは・・・私たち妖怪じゃなくて、人間にずっと近いんだわ。身体ではなく、その心が。魔理沙の影響かしらね」
魔理沙。魔理沙が教えてくれたこと。その全てを理解したかった。だから私は・・・人間に、近付きたいと願ったのだろうか。
「あなたは他の妖怪のように誰かの死を割り切ることができない。失ったものを嘆く心は、妖怪のものではないから。私だって・・・心の隙間を埋める術は知らない」
「どうすればいいの・・・こんなに苦しいのに、魔理沙はもういない!私はどうにもできないじゃない!」
あまりにも酷い皮肉だ。魔理沙が最後に残していったのが、解決できない悲しみだなんて。
「あなたの苦しみは、あなたにしか解らない・・・私にできるのはここまで」
紫が私の肩を抱き、そして魔理沙が愛用した机に向けさせる。
「魔理沙が最後に残したものがそこにあるわ。あとは・・・あなた次第」
そうして背中を押し、隙間へと消える。一瞬の静寂の後、私はよろよろと机に歩み寄り、それを見つけた。
机に、文字が彫られていたのだ。

『これを読んでるってことは・・・死んでるよな、私は
 本当は色々書き留めておきたいけど、きりがない
 だから本題だけだ
 私のものは全部お前にやる
 魔導書だろうが、欲しいなら私の服だろうが好きに持っていけ
 どれも私の分身みたいなものだ、持ってればお前は独りじゃない
 捨てたりするなよ、私だってお前と永遠に離れ離れはちょっと寂しいんだ
 だから、さようならはなしだぜ?
 私もお前が死ぬまで一緒に付き合ってやる
 それじゃ、お前がこれを読んで、私の欠片を持っていってくれることを願って

 霧雨魔理沙の友人、アリス・マーガトロイドへ』

短い文章。それが魔理沙の残してくれたもの。
いや、これだけじゃない。この家の全てが魔理沙のくれたものだ。魔理沙が、私にくれたもの。二人の思い出が詰まった数々の品。
まだ、私たちはさようならじゃない。
「ただいま、魔理沙・・・遅くなったわね」
涙で視界が滲む。私は、もう一度魔理沙の帽子を抱きしめた。

101あなたと生きること 9/9:2005/02/14(月) 23:40:43 ID:DLXoAs.E
レミリアに言われた通り、私は次の日紅魔館のパチュリーを訪ねた。玄関の扉を開けた現メイド長は、ぎょっとした顔で私を見ていた。
「パチュリー、お久しぶり。レミリアに頼まれて話し相手になりに来たわよ」
本を貪るように読んでいたパチュリーが顔を上げ・・・目を見開く。
「魔理沙・・・?」
「いいえ、アリスよ。この箒と帽子は魔理沙に貰ったものだけどね」
今、私は魔理沙の箒と帽子を譲り受けて使っている。黒い帽子がいつもの服に似合わないので、ついでに一大決心で黒基調の服に新調してみたりもした。
「・・・そっくりだわ。その挑戦的な瞳とか。格好だけじゃなくて性格も魔理沙に似たみたいね」
「ふふ・・・そうかもしれないわね。いっそアリス・霧雨=マーガトロイドとでも名乗ろうかしら」
「好きになさいよ」
そうしてパチュリーとの話に興じる。途中美鈴が出してくれた紅茶は、以前飲んだ十六夜咲夜の淹れた紅茶とそっくりの味だった。

あれから、私はそれなりに外に出るようになっていた。もちろん今までのように研究に耽ることもあるのだが、時折魔理沙が呼んでくれるような気がして森の外へと飛び出していく。
そのたび、懐かしい再開と新しい出会いが私を待っていた。
「さあ魔理沙、今日はどこへ行こうかしらね」
帽子を押さえ、箒に跨り空を飛ぶ。今日は新しい博麗の巫女にでも会いにいってみようか。あなたと一緒に。
ねえ、魔理沙?



End

102lunarkami:2005/02/14(月) 23:42:28 ID:DLXoAs.E
lunarkamiです。あなたと生きること、先行支援で投下しました。

「今度は短めにしよう」とか思ってて15KB近いとは何事orz

とりあえずアリス支援です、気合は入れてます。相手は霊夢・・・頑張れアリスー。

全文こちらです
http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/src/thm2569.txt




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