したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

第2回東方最萌トーナメント 30本目

1 七色名無し </b><font color=#FF0000>(TOHONptI)</font><b> :2005/02/14(月) 18:45:26 ID:RCbRXy0Y
◇インフォメーション(ルール詳細、トーナメント表、アップローダ等)
http://f39.aaa.livedoor.jp/~nullpopo/toho2/

◇コード発行所(投票は【コード必須】です。詳しくは>>3をご覧ください)
http://giants.s34.xrea.com/code06/code.cgi

○お絵描き板  http://az.ralt.jp/thbbs2/
○アップローダ http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/upload.html
○お絵描き板  http://th-alt.mine.nu/ (エログロ禁止)
○アップローダ http://www110.sakura.ne.jp/~saimoe/upload/ (年齢制限あり)

基本ルール
・投票受付時間は0:00:00〜23:00:59。
・有効票は>>950まで。それ以降の投票は次スレにて。
・1人1票。2重投票すると、美鈴と共に雑技団へ。
・[[コード]](半角大カッコ2つずつ)+<<キャラクター名>>(半角不等号2つずつ)の形式で有効票。
 ただし、1レス内に規定より多い票があると無効に。

・中間票発表、結果速報は禁止。
・○○が劣勢なので…のような票数を題材にした支援、投票は荒れの元なので控えましょう。
・CATVやLAN等IDが重複する可能性がある場合は同一レス内で宣言を。後付け宣言は無効です。
・不意の二重書き込みはなるべく運営スレッドに報告を。

他スレッドへのリンク、追加ルールは>>2

92 あなたと生きること 1/9 :2005/02/14(月) 23:37:44 ID:DLXoAs.E
妖怪は多くの場合人間よりも永く生きる。
中には事実上永遠に生き続ける者もいる。

妖怪と人間が交わりを持つことは少ない。
お互いがお互いの生き様と寿命の差を知っているから。

同じ幻想郷に生きる人間と妖怪は、全く異なる存在である。
異なる存在が同一の世界に生きられるのは人間と妖怪の間に暗黙の了解があるからだ。

妖怪は人間を喰らう。
人間は妖怪を退治する。

この幻想郷の掟が生き続ける限り幻想郷そのものに終わりはない。

だが。



中には、掟を越えた付き合いがある人間と妖怪も存在するのだ。

93 あなたと生きること 2/9 :2005/02/14(月) 23:37:59 ID:DLXoAs.E
あれから、どれほどの年月が過ぎただろう。
最後に人形以外の誰かに会ったのは・・・考えたくもない。もしかしたら私の存在を知る者は誰もいなくなっているんじゃないかという錯覚に陥るほど、私は静かに自分の邸宅で過ごしていた。
できるだけ具体的に思い出す。私が魔理沙や霊夢たちと大騒ぎしていた頃から・・・百年あまりか。もちろん、彼女たちはもう生きてはいない。
霊夢は自分の死期を悟ると姿を消し、誰にも知られることなく息を引き取ったようだ。霊夢らしいと言えば霊夢らしい。
魔理沙の最期は私が看取った。あれほど強気で喧しかった魔理沙なのに、彼女自身の頼みで私が付き添いになったのだ。それでも、私の顔を見るなり憎まれ口を叩いたのに少し安心した覚えがある。結局思い出話が尽きることはなく、彼女の最期の言葉は「まだ話し足りないな」だった。

私はあの頃と変わらぬ姿のまま生きている。妖怪なのだから、恐らくいつか訪れる死の瞬間までそうなのだろう。
段々と成長し、老いていく魔理沙が私を見て「羨ましい」と言ったことがあった。
もちろん冗談だろう。魔理沙がそんなことに執着する人間でないことはよく知っている。だが、私にとっては痛烈な一言だった。
お互い口にしたことは一度もなかったが、私と魔理沙はやはり仲の良い友人だったろう。すれ違いも争いも幾度もあったが、心の底では強い信頼を感じていた。
だが、長い付き合いの中で私は自分と魔理沙の違いを自覚せずにはいられなかったのだ。人間と妖怪が違うということを、私は魔理沙と自分を比べることで理解してしまった。
魔理沙が死んだ後、私は泣いた。もう共に生きられぬことに。そして、運命を同じくできないことに。

94 あなたと生きること 3/9 :2005/02/14(月) 23:38:14 ID:DLXoAs.E
「あら、お久しぶりね」
何十年ぶりの他人の声に驚く。振り向くと、昔見た顔がそこにあった。
「紫・・・そっちから訪ねてきてそれはないんじゃないかしら」
八雲紫、遠い昔に付き合いがあった妖怪である。
「まあそれはいいのよ。ふと思い出して寄ってみました」
相変わらず自らが作り出した隙間に腰掛け、高い位置から私を見下ろしている。少し気に入らない。
「今更思い出したの?私はこのままあなたのことも忘れそうだったわ」
「私の生きた時間に比べればたかが数十年、大したことないもの。このくらいで物事を忘れるようでは妖怪やってられないわよ?」
最後に会ったときと変わらず、何を考えているのか読めない顔つきで笑う。胡散臭さがたまらなかったが、私と同じように外見も変わらない相手に、少し懐かしさも感じていた。
「まあ本当は暇してるだろうと思って。ちょっと散歩にでも誘いに来たのよ」
「散歩?」
以前の私なら即答で断っただろう。あの頃は魔法の研究と人形作りに没頭していたし、そもそも外出そのものが好きではなかった。だが・・・これだけ長い間引きこもっていて旧い知人が訪ねてきたとなると、少しは誘いに乗ってみようという気にもなる。
「・・・いいわよ。その隙間に放り込まれて運ばれるとかはごめんだけど」
「少しは自分で運動なさいな」
そう言って、紫はまた笑った。

95 あなたと生きること 4/9 :2005/02/14(月) 23:38:35 ID:DLXoAs.E
初めに向かったのは紅魔館だった。かつて見た紅の屋敷は今も変わらないようだった。
「ごめんくださいな、妖怪二人が遊びに来ましたよ」
「はいはい・・・迷惑じゃない妖怪だったらお通ししますよ」
そう言って玄関を開けたのは、門番を務めていた娘だった。
「あ、隙間の紫さんと・・・そちらは誰でしたっけ?」
私と彼女に直接の面識はほとんどない。忘れているのも仕方ないのだろう。
「アリス・マーガトロイドよ。あなたをよく吹き飛ばしてた魔理沙の知り合い」
「・・・嫌なこと思い出させないでくださいよ」
マスタースパークのことでも思い出したのだろう、顔が歪む。確か魔理沙はいつも門番を倒した後紅魔館に入っていると言っていた。
「多分あなたたちなら通ってもいいです。お嬢様のところでしたら案内しますよ」
「あなた門番は辞めたのね」
「ええ、今は・・・咲夜さんに代わってメイド長です。柄じゃないんですけどね」
寂しそうに苦笑する。彼女もまた、人間と関わって生きた妖怪だから。きっと私と同じ気持ちなのだろう。
「お嬢様。お客様が参られました」
「ご苦労様、美鈴。下がっていいわよ」
「はい」
そんなやり取りをした後、美鈴は私たちだけを通して扉を閉めた。かつてのメイド長のように主人の傍に佇むことはない。
「久しぶりね、ええっと・・・八雲紫にアリス・マーガトロイドだったっけ?」
「あなたも記憶力は充分みたいね」
いきなりの失礼な発言も軽く受け流して椅子を勧めるあたりは流石大物妖怪といったところか。単に神経が太いだけかもしれないが。
「また何の用事?もうここ百年くらい何も怪しいことはしてないはずだけど」
「散歩ですって。こっちの隙間が」
どうも、と紫が微笑む。レミリアはふんと鼻を鳴らしただけだった。
また懐かしい話題に華が咲く。どうにもこういった顔ぶれが集まると大事が起こってばかりいたように思えてしまう。実際そうなのだろうけど。
「前のメイド長は・・・やっぱり?」
「咲夜のこと?咲夜は・・・どうなったのかしらね、館の者には死んだってことにしてあるけど、実際は随分前にいなくなったから」
意外な話だった。悪魔の犬なんて呼ばれるほどレミリアに尽くしていた彼女のことだから、死ぬまでレミリアの傍で働いていたものだとばかり思っていたからだ。
「あの子はあの子なりにやることがあったんでしょう。私はそれに口出しするつもりもなかったし」
結局霊夢のように行方不明のままらしい。レミリア自身も、時を止める咲夜だから案外まだ生きてるかもねとしか言わなかった。
「それから、魔理沙が来なくなってからパチェがえらく暇してるわ。人形使い、どうせなら代わりに相手してやらない?」
「良かったわねアリス、お友達に推薦よ」
紫が囃し立てる。それにはげんなりしたが、もしかしたら魔女同士気が合うかもしれないとは思った。
「考えておくわ。館はフリーパスでお願いね」
「大丈夫よ、今この館はかなりオープンだから。押し入ろうとか考えない限りは門戸は開いてるわよ」
吸血鬼でも、やっぱり性格の角が取れることはあるらしい。

96 あなたと生きること 5/9 :2005/02/14(月) 23:38:54 ID:DLXoAs.E
次に向かったのは白玉楼。本来は結界に閉ざされた場所だが、紫の力の前にはないも同然のようだった。
「陰気な場所ね。魔法の森のほうがまだ明るいわ」
「それはそうよ。ここは死者しかいない場所だもの」
「本来は、よ。残念だけどあなたたちは生きてるもの」
亡霊の姫のお出迎えだった。紫が事前に連絡でもしていたのだろうか、長い長い階段の下まで直々にやってきていた。
「白玉楼へようこそ。今は満開の桜も何もないけれど、良ければお茶でも飲んでいきなさい」
「元よりそのつもりですわ」
「紫はね」
そういえば、彼女らはずっと昔から友人だと聞いた覚えがある。確かに、あの考えの読めなさ具合は似ていると思った。

「幽々子様・・・お客ですか?珍しいですね」
「妖夢、紫と人形使いが来たわ。お茶をお出しして」
「はい、お待ちください」
随分歳は取ったようだが、半分だけ人の庭師はまだ白玉楼で働いていた。やはり老化も普通の人間に比べれば半分らしい。
「幽々子、まだ妖夢を使い倒してるの?あの子もそろそろ身体を動かすのは辛い歳じゃないかしら」
「妖夢自身がまだ働けるって言って聞かないのよ。流石に庭師は引退したけど、今度は私の身の回りの世話だけでもするって」
「放っておいたら幽々子様何もなさらないじゃないですか。しっかり自立できるようになるまでは心配で死ねません」
盆を持った妖夢がやってくる。立ち振る舞いに若々しさはなくなっていたが、未だしゃんとしてきびきびした様子が伺えた。真面目な性格は変わらないようである。
「そういえば前紅白と黒白がこっちにやってきたわね。最初会ったときはもしかしたら死なないんじゃないかと思っていたけど」
「あなた霊夢や魔理沙を何だと思ってたのよ・・・」
やっぱり幽々子の考えることはよく分からない。気まぐれで人や妖怪を死に誘ったり、妖夢が放っておけないと言う気持ちがよく分かった。

97 あなたと生きること 6/9 :2005/02/14(月) 23:39:13 ID:DLXoAs.E
そして永遠亭。あの竹林に近付くなり、因幡の大集団に迎えられた。
「何なのよ・・・そんなに客が珍しい?」
「違うわ。元々騒ぎが好きなのよ」
私は戸惑ったが、紫は歯牙にもかけない。どうやらここにも度々ちょっかいを出しに来ているようだ。
「いらっしゃい隙間妖怪に人形使い。暇を持て余してる姫様はお客も大歓迎よ」
今度の出迎えは八意永琳。どうしてか、考えの読めない相手が続く。
「鈴仙、姫様の所へお通しして。てゐは他の因幡たちを静かにさせなさい。流石にうるさいわ」
「はい」「あい」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ兎たちを後に、私たちは廊下を進んだ。

「あら、あら。今日は千客万来ね」
「どう見たって千もいないでしょ」
月の姫、輝夜がいたのは当たり前なのだが・・・そこに蓬莱人、藤原妹紅までいたのは意外だった。
「あの事件の後仲直りしたんですって」
「許しただけで仲直りなんてしてない。そもそも直す仲もない」
「それに妹紅が一方的に恨んでただけだしねえ」
紫の呟きに妹紅はむすっとして言い返し、輝夜は平気に笑い飛ばす。何だか、昔の私と魔理沙を見ているようだった。
「私たちが隠れず暮らすようになってもう百年?随分経つのね」
「それを短く感じるというのも・・・すっかり私も人間辞めてるわね」
百年という歳月を、二人は大した感慨もなく言ってのける。今日は私がまだまだ大して生きていない妖怪なんだということを思い知らされてばかりだ。
「巫女と、魔法使いは死んだのか」
語らいのうちに、やはりその話題になる。特に妹紅は自分も人間であるためか、考えるところがあるようだった。
「死ぬっていうことの意味、私も輝夜もすっかり忘れてたけど・・・やっぱり、なんか寂しいところはあるわね」
「妹紅、誰しも死ぬときにこそ生きていたということを他人に強く思い出させるのよ。私たちが死ぬことはなくても、そうやって生を実感することはあるでしょう?」
「・・・そうね」
胸がちくりと痛む。私は彼女らのように不死の存在ではないけれど、感じるものは一緒なんだと分かった。二人とも、私と同じような経験を持つのだろう。
二人の不死人が言った、一言が忘れられない。
「自分が死なないことが辛いんじゃない。きっと辛いのは、いつも死を見届ける側になってしまうこと」




■ したらば のおすすめアイテム ■

飼育少女(1) (モーニング KC) - 仲川 麻子

KENZEN! マジ、KENZEN!

この欄のアイテムは掲示板管理メニューから自由に変更可能です。


掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板