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第2回東方最萌トーナメント 30本目

75アリス入場:2005/02/14(月) 23:32:02 ID:hjctDYbc
「何があったのよ」
「そうね……」
 人形達がパチュリーとアリスを交互に見上げる中、アリスは静かに目を閉じて、
「色々あったわ、ほんの数日の間に」
 と言った。
「ほんの短い間だったけど、神綺さまに久しぶりに会った。あと一歩で咲夜には届かなかった
けど、上海は本当に頑張った」
「…………」
「霊夢は強いわ。でも……それはどうでもいいのよ」
「え?」
 その時、扉の外から声がした。
『時間です、ステージへお願いします』
「すぐ行きます」
 簡潔に答えてアリスは目を開き、椅子から立ち上がる。
 そしてパチュリーの方を向くと静かに、しかしきっぱりと言った。

「私はアリス・マーガトロイド。魔界の神・神綺の娘にして、ここにいる人形達の母」
「!」
「私はただ、母と娘に対して胸を張れる生き方をしたいだけ。成し得る事を全て成せば、
結果は後から付いてくるわ」
 その青い瞳には、迷いも淀みもない。
 そして、自信とも自負とも自尊とも微妙に違う何かに満ちていた。
 威圧感は無く、風格も迫力も無い。だが、何をやっても揺るぎそうにない何か。
「…………なるほど、よく分かったわ」
「それじゃみんな、行ってくるからね」
「イッテラッシャーイ」「ガンバレー」
 アリスがいつもの通り固く封印された魔法書を手にして、部屋を出て行く。
 人形達もわらわらと扉を出て、ある者はそのままアリスについて行き、ある者は観客席に
走り、控え室の中にはパチュリーだけが残った。
「……絆、か」
 ぼそっとつぶやく。
「道理で変わるわけだわ」
 その口調は、どこかうらやましそうにも思えた。


 アリス・マーガトロイド、入場。




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