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第2回東方最萌トーナメント 16本目

1 七色名無し </b><font color=#FF0000>(TOHONptI)</font><b> :2005/02/02(水) 22:10:59 ID:9nOkswq6
◇インフォメーション(ルール詳細、トーナメント表、アップローダ等)
http://f39.aaa.livedoor.jp/~nullpopo/toho2/

◇コード発行所(投票は【コード必須】です。詳しくは>>3をご覧ください)
http://giants.s34.xrea.com/code06/code.cgi

○お絵描き板  http://az.ralt.jp/thbbs2/
○アップローダ http://tohomoe.sakuraweb.com/2nd/upload/upload.html
○お絵描き板  http://th-alt.mine.nu/ (エログロ禁止)
○アップローダ http://www110.sakura.ne.jp/~saimoe/upload/ (年齢制限あり)

基本ルール
・投票受付時間は0:00:00〜23:00:59。
・有効票は>>950まで。それ以降の投票は次スレにて。
・1人1票。2重投票すると、白玉楼階段で浦田行進曲。
・[[コード]]+<<キャラクター名>>の形式で有効票。ただし、1レス内に規定より多い票があると無効に。

・中間票発表、結果速報は禁止。
・○○が劣勢なので…のような票数を題材にした支援、投票は荒れの元なので控えましょう。
・CATVやLAN等IDが重複する可能性がある場合は 同一レス内で 宣言を。
・不意の二重書き込みはなるべく運営スレッドに報告を。

他スレッドへのリンク、追加ルールは>>2

363 つな :2005/02/03(木) 01:34:15 ID:hSaeDzP2
「蓬莱の太公望」 2/3

「よっ」
 妹紅が竿を上げる。針の先には何も付いてない。寝てる間に食われたのだろうと永琳は思った。
ついでに彼女のすぐ側に転がっている魚籠をちらりと覗く。やはり空。たぶん真面目にやってなかったんだろう。
「今日はどうしたの。輝夜のお守りは?」
「患者の往診の帰りよ。ついでに道草」
「ああ、そーなんだ……そんな構えなくてもいいよ。やる気無いし」
「そう? それはありがたいわね」
 永琳が構えを解く。妹紅はしばらく目の前で釣り糸をゆらゆらと揺らしていたが、やがて永琳を振り返って、
「アンタもやる?」
 日頃から弾幕を交える相手からの思いもよらぬ誘い。
 せっかくだから永琳は乗ることにした。毒喰らわば皿までと言うし。
(どうせ私には毒は効かないしねぇ)
 妹紅の隣に腰を下ろすと、永琳は竿を受け取った。その妹紅は側に放ってあったもう一本の竿を手に取る。
「どうして二本あるの?」
「たまに慧音が来るし、まれに思いもよらぬ顔が来る」
 なるほど、と永琳はうなずいた。確かに思いもよらぬ顔だろう。
 妹紅は竹で編んだ小さな籠を開けて、中からうねうねと動く虫を二匹つかみ取る。
「ほれ」
 放られた一匹を、永琳は真顔で受け取った。そのまま平然と釣り針に虫を突き刺す。
「つまんないなあ。可愛い悲鳴とか上げてくれればいいのに」
「もっとグロテスクなものをそのまますり潰すこととかもあるし」
「ああ、そういえばアンタ薬師だったっけ。そりゃ慣れてるわね」
「お前のことを言ったんだけど」
 自分も仕掛けをする妹紅を見ながら、永琳はやはり輝夜を釣りに誘うという計画を破棄した。
きっとこんな虫に触るどころか近づきもしないだろう。「イナバ、後は任せたわ」とか言って
その辺でごろごろ寝てしまうんじゃないか。
 妹紅の作業が終わるのを律儀に待って、それから二人で水面に糸を垂れた。


「釣りはいいわ。魚が針にかかるのをまったり待ちながら、吹く風に飛ぶ鳥に移ろう季節に心を馳せる。
ねえ永琳。永遠の時間をもてあます私たちにはぴったりの娯楽だと思わない?」
 ええそう思います。私は思うんですけどねえ、あの人が。
 と頭の中で答えながら、永琳は別の問いを口に出す。
「右腕、まだ治ってないのね」
「あ? ああ。まだうまく動かなくてね」
 先ほど虫を針に仕掛けるとき、妹紅は少々やり辛そうにしていたのを、永琳は目ざとく見つけていた。
 その右腕は数日前の弾幕勝負で粉々に吹き飛ばしている。永遠の命を与える秘薬を服した身体だが、
受けた傷はそう容易く癒えるわけではない。
「輝夜の方はどう?」
「まだ少し火傷の跡があるわね。まあ、明日には消えているでしょうけど」
 それを聞いた妹紅はハッと笑って、それから小さく、化け物め、と呟いた。影が崩れるほどに
焼かれてからたった数日でそこまで回復しているのだから、なるほど彼女の言う通り化け物だ。

 そして恐らく、その言葉は自分自身にも、そして私にも向けられた言葉なのだろうと永琳は思う。
 禁断の薬を服した者。
 死と老いという定めから逃れた者。
 蓬莱の薬の力は凄まじく、身体を粉々に砕かれようとも、時を経ずに完全に元通りにしてしまう。
 故に、輝夜と妹紅は殺し合いを続けている。昔からずっと。今もずっと。
 それは死と老いという定めから逃れた代わりに受け取った定めなのだろうか。
 それは禁断の薬を口にした罰なのだろうか。
 そして私に課せられた罰は

364 つな :2005/02/03(木) 01:34:53 ID:hSaeDzP2
「蓬莱の太公望」 3/4 ←増えました

「引いてるよ」

 妹紅の呼びかけにハッとなる。考えに没頭していて気付かなかったが、確かに竿を引っ張られる感触があった。
強すぎず弱すぎず、竿を引き上げる。やや動きが遅れたが、魚はまだ糸の先に食いついていた。
 釣り上げた魚を妹紅の差し出す魚籠に放り込み、餌を付け直して再び投じる。
「何考えてたの」
「道草の言い訳」
 ふうん、という気のない返事。

 再び糸を垂らして静寂を受け容れる。永琳は思考に没頭しないように気を付けていると、今度は
妹紅の素振りに意識が向いた。立て膝に腕を重ねた上にあごを落とし、横目でずっと永琳の方を
伺っていた彼女は、
「ねえ。アンタはどうして蓬莱の薬を飲んだの?」
 唐突に切り出してきた。
「……気になる?」
「それはまあ、というか……アンタは輝夜みたいな阿呆じゃないし、私のような馬鹿でもない。
 むしろ全然利口なヤツだと思うわ。単に頭がいい、って意味じゃあなくね。
 そのアンタがどうして永遠の命を手に入れたのか……その後にどのような人生が待っているのかも
当然分かっているだろうアンタがどうして蓬莱の薬を飲んだのか、そりゃ気になるわ」
 妹紅の赤い瞳が永琳を見つめている。
「引いてるわよ」
 妹紅の右腕が跳ね上がる。釣れた魚ごと空中で回転し、それは二人の後方、土手の上に墜落した。
「……そこまで真剣になる理由でもないけどね」
 永琳は苦笑して、それから自分の選択を顧みる。

 自分に課した罰は、見守ること。
 自分に課した定めは、見つめ続けること。
 自分の犯した罪を、未来永劫に見据え続けること。

 眠れない夜があった。
 月からの追っ手に怯え、幸せそうに眠る友の顔を見ながら一睡もせず夜を明かしたこともあった。
 眠れない夜があった。
 血塗れになった友が、これでも死ねぬ、永遠を捨てられぬとすがりついてくる夢を見て、飛び起きたこともあった。
 眠れない夜があった。
 いつか訪れるかもしれない日、輝夜が己の定めを呪う日の為に、禁薬を打ち消す為の薬の開発に寝る間も惜しんだこともあった。
 眠れない夜があった。
 いくつもあった。

 その苦難も、苦痛も、悔恨も、怨嗟も、悲嘆も、憐憫も、己の中に全て受け容れること。
 その苦難も、苦痛も、悔恨も、怨嗟も、悲嘆も、憐憫も、己の中に全て受け容れていくこと。
 それが私に課せられた罰。
 それが私の選んだ罰。

「結局、私もただの莫迦だってことよ」
「答えになってない」
 妹紅は不満そうに鼻を鳴らすと、勢いよく立ち上がる。
 先ほど土手の上まで吹っ飛ばした竿を取りに行くために。




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