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第2回東方最萌トーナメント 16本目

360 つな :2005/02/03(木) 01:33:39 ID:hSaeDzP2
「蓬莱の太公望」1/3

 往診の帰りのことだった。
 何となくというか気まぐれというかそういう類の気分で、八意永琳は人里を歩いていた。
 あまり変わり映えのしない毎日を過ごしていると、時折ふとこのような衝動に駆られる。
いつもより少し回り道をすることで、何か面白いことに出会わないものかと。
 そんな時、たいがいは空振りで「つまらない」と思いつつもまあいいやと流してしまう
のだが、その日は少しばかり何かがあった。
 いや、だいぶ。


 - 蓬莱の太公望 -


 川べりを歩く永琳の脇を、子供達が駆け抜けていく。
 彼女の物珍しい装いに何人かは目を留めるものの、仲間に遅れまいと歓声を上げて走り去っていった。
 なんとものどかな風景に、永琳も自然と口元がほころぶ。
 夏の頃の突き刺すような日差しはすっかり優しさを帯び、うららかな陽気が世界を照らしている。
 今は人間の時間。子供たちが安心して野を駆けめぐることを許された時間。光りあふれる幻想郷の中で
人はつかの間の自由を謳歌する。
 それは私たちにも言えることだと永琳は心の中で呟く。
 空に輝く月に見下ろされると、そこに住む者たちに見張られているような気がした。
 だが、太陽が照っている間は、その月も姿を隠す。
 今はもうその心配も無くなったと言っても、やはり長年の生活で染みついた感覚はそうは消えないのだ。
(だから……こんないい天気の時は、本当に落ち着くわね)
 ふふふと笑って永琳は空を仰ぐ。
 空は青く透き通っていて、見る者の気持ちも澄み渡らせてくれる。
(姫様もたまには外に出ればいいのにね。すっかり出不精になっちゃって)
 今まで閉じこめていたのが自分だということは青空の彼方に捨て去って、永琳はそんなことを考える。
地に視線を戻せば、小川に糸を垂れながら午睡にふける少女の姿が目に入った。
 そうだ、今度釣りにでも誘ってみるか。風が吹くたびにさざなみを立てる水面を見つめながら魚がかかる
のをのんびりと待つ。永遠の時間をもてあます私たちにはぴったりの娯楽ではないか。いやあの姫のこと
だからすぐに「つまんなーい」と竿を放り出すかも……とか考えていたところで、永琳はそれに気付いた。
 川辺に寝ころぶ少女、草の翠を覆い隠して広がる白く長い髪、それをまばらに飾る赤と白の布。
「お前……」
 思わず立ち止まると、その気配に気付いたのだろう、少女も手で覆っていた赤い瞳を永琳に向ける。
「あら。珍しいところで会うわね」
 藤原妹紅はきょとんとした顔で、それはそれは心底意外そうに言った。




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