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第2回東方最萌トーナメント 五本目

574 小悪魔支援SS「小さな埃」4/4 :2005/01/28(金) 05:22:01 ID:dxlXAwMg
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気がついた時には、音は止んでいた。
侵入者は去ったらしい。
大図書館にはいつも通りの静けさが戻っていた。
パチュリー様は無事だろうか。
そう思い、慌てて起き上がろうとして気がつく。
わたしはまた、魔導書一冊分もない元の大きさの体に戻っていた。
そして周囲には、かつて私の体を形作っていた大量の埃が。

「あら、あなた……」
声がする。振り返ると、そこにはパチュリー様がいた。
服がボロボロだが、どうやら無事だったようだ。
本当に良かった。
「まだいたの?」
大して面白くもなさそうに言う。だが、わたしはパチュリー様から目を離せなかった。
魔導書わずか一冊分にすぎないわたしのことを覚えてくださっていた。
失敗した使い魔、役に立たない埃の塊のことを覚えてくださっていた。
「相変わらず小さいのね。」
表情を変えずに冷たく言う。
パチュリー様は、わたしが魔導書七冊分にまで大きくなったことを知らない。
でもあえて教えることもない。わたしはやはり失敗作なのだから。
失敗作だから、役に立たない使い魔だから。
この場で消されるのも当然だろう。
パチュリー様は指先をわたしの方に伸ばし、そして――
埃を少しなぞって、それからわたしをじっと見つめた。
「でも――まぁ、役には立つみたいね。」

自分の耳を疑った。
わたしが、役に、立つ?

「埃を集める程度の力、ね。埃で出来た使い魔ならそれくらいあっても当然か。
 ちょうど良いから、あなたがこの大図書館の掃除をなさい。良い?
 というか早くこの埃の山をどうにかして。喘息に響くの。」
それだけ言い残して、またしてもパチュリー様はわたしに背を向けた。

わたしは――
パチュリー様が埃を集めろと言ったのだから、
埃を集めようと思う。
拾って集めてくっつけて、パチュリー様のお役に立つんだ。

「そうそう。」
パチュリー様がくるっと振り向いて、低い声でぼそっと呟く。
「呼び方がわからないと不便だから、名前つけるわ。
 小さいからリトル。これで決定。」

契約者に名付けられること、それは正式な使い魔として契約するための条件。
わたしは突然のことにどうして良いかわからなくなって――
とりあえずパチュリー様のために、周辺の埃を集め始めたのだった。



(終)




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